JP2006142668A - ポリオレフィン系積層フィルム及び粘着フィルム - Google Patents
ポリオレフィン系積層フィルム及び粘着フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006142668A JP2006142668A JP2004336444A JP2004336444A JP2006142668A JP 2006142668 A JP2006142668 A JP 2006142668A JP 2004336444 A JP2004336444 A JP 2004336444A JP 2004336444 A JP2004336444 A JP 2004336444A JP 2006142668 A JP2006142668 A JP 2006142668A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- polyolefin
- resin
- weight
- acrylic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
【構成】ポリオレフィン系樹脂フィルムの片面側に、以下の(A)〜(C)を含有する組成物の硬化物からなる塗膜層が形成されてなるポリオレフィン系積層フィルム。
(A)有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、鎖延長剤を反応させて得られるウレタン系樹脂(a)20〜60重量%とラジカル重合性不飽和単量体及び/またはその重合体からなるアクリル成分(b)80〜40重量%とを重合して得られるアクリル変性ウレタン系樹脂、
(B)水酸基価が50〜300KOHmg/gのアクリルポリオール
(C)イソシアネート化合物
【選択図】 なし
Description
ポリオレフィン系樹脂を基材に用いたマーキングフィルム等の粘着フィルムは公知であり、適度な柔軟性のあるフィルムの要求に対し、基材にエラストマー成分をブレンドし、更に基材にアクリル変性ウレタン塗膜を積層することにより、耐傷付き性及び耐久性を向上させた粘着フィルムは公知である(特許文献1)。
しかしながら、該粘着フィルムは表面の耐傷付き性が充分でなく、三次元曲面に粘着フィルムを貼り付けフィルム表面をスキージー等で擦った場合に傷が付き易く、三次元曲面における耐傷付き性に劣り、特に高光沢のフィルムとしては満足できるものではなかった。
ポリオレフィン系基材の表面に電子線硬化型樹脂からなる保護層を設けた粘着シートも提案されているが(特許文献2)、該粘着シートは、粘着シート貼り付けの際に、該シートを少し伸ばすと塗膜層の割れや剥離、艶引けが起こるという問題があった。
(1)ポリオレフィン系樹脂フィルムの片面側に、以下の(A)〜(C)を含有する組成物の硬化物からなる塗膜層が形成されてなるポリオレフィン系積層フィルム、
(A)有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、鎖延長剤を反応させて得られるウレタン系樹脂(a)20〜60重量%とラジカル重合性不飽和単量体及び/またはその重合体からなるアクリル成分(b)80〜40重量%とを重合して得られるアクリル変性ウレタン系樹脂、
(B)水酸基価が50〜300KOHmg/gのアクリルポリオール
(C)イソシアネート化合物
(2)高分子量ポリオールが重量平均分子量1000〜3000のポリカーボネートポリオールである上記(1)に記載のポリオレフィン系積層フィルム、
(3)アクリル変性ウレタン系樹脂が水酸基を有し、かつ該アクリル変性ウレタン系樹脂の水酸基価が5〜30KOHmg/gである上記(1)または(2)に記載のポリオレフィン系積層フィルム、
(4)ポリオレフィン系樹脂フィルムが、多段重合法により製造されたポリプロピレン系熱可塑性エラストマーを含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリオレフィン系積層フィルム、
(5)ポリオレフィン系樹脂フィルムの引張弾性率が100〜1000MPaである上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリオレフィン系積層フィルム、
(6)積層フィルムの引張り弾性率が100〜900MPaである上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリオレフィン系積層フィルム、
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のポリオレフィン系積層フィルムのポリオレフィン系樹脂フィルム側の面に粘着剤層が形成されてなる粘着テープ
に存する。
本発明のポリオレフィン系積層フィルム(以下、「積層フィルム」という)は、ポリオレフィン系樹脂フィルム(以下、「基材フィルム」という)の片面側に、(A)有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、鎖延長剤を反応させて得られるウレタン系樹脂(a)20〜60重量%とラジカル重合性不飽和単量体及び/またはその重合体からなるアクリル成分(b)80〜40重量%とを重合して得られるアクリル変性ウレタン系樹脂、(B)水酸基価が50〜300KOHmg/gのアクリルポリオール及び(C)イソシアネート化合物を含有する組成物の硬化物からなる塗膜層が形成されてなるポリオレフィン系積層フィルムである。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
前記プロピレンの共重合体としてはプロピレンとエチレンまたは他のα−オレフィンとのランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)、またはブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)、ゴム成分を含むブロック共重合体あるいはグラフト共重合体等が挙げられる。前記プロピレンと共重合可能な他のα−オレフィンとしては、炭素原子数が4〜12のものが好ましく、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その1種または2種以上の混合物が用いられる。通常、α−オレフィンの混合割合はプロピレンに対して1〜10重量%程度である。
これらエラストマー成分等他の合成樹脂は、ポリエチレン系樹脂及び/またはポリプロピレン系樹脂100〜40重量部に対し0〜60重量部配合することができる。
また、基材フィルムが少なくとも内層、中間層及び外層を有する多層である場合、中間層の厚さが該基材フィルム全体の厚さの50%以上であるものが好ましい。
基材フィルムは、内層と中間層の間及び外層と中間層の間に、少なくとも1つの別の層を有していてもよい。この場合、該別の層は、ポリオレフィン系樹脂を含有していてもよいが、それ以外の樹脂、例えば、内層(及び/又は外層)と中間層との接着性を高めるような樹脂、を含有していてもよい。
紫外線吸収剤としては、例えばサリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系及びトリアジン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。その中でも特に、トリアジン系紫外線吸収剤、分子量が400以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
具体的には、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤としては、サリチル酸フェニル、4−t−ブチル−フェニル−サリシレート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノール、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(オクチロキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(オクチロキシ)フェノール、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシロシキ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((メチル)オキシ)フェノールが挙げられる。
配合量は、特に制限されるものではなく基材フィルムから吹き出さない範疇であれば良く、基材フィルム中の樹脂成分100重量部に対して0.01〜10重量部程度、好ましくは0.05〜5重量部である。
酸化防止剤としては、フェノール系、サルファイド系、リン系、イソシアヌレート系酸化防止剤等が挙げられる。中でも、フェノール系酸化防止剤が酸化防止効果に優れるので好ましく、更にフェノール系とリン系酸化防止剤を併用すると熱安定性が良好となるので特に好ましい。
リン系酸化防止剤としては、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフォナイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフェスフェピン6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,810−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフェスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン等が挙げられる。
酸化防止剤の添加量は通常基材フィルム中の樹脂成分100重量部当たり0.01〜5重量部である。
着色剤としては、一般的な有機及び無機顔料が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂の通常の成形温度である300℃前後の温度で耐熱性を有するものであればその目的に応じて適宜選択可能であり、例えば、(ポリ)アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系、キナクリドン系、ジオキサジン系などの各種有機顔料、酸化チタンなどの酸化物系、クロム酸モリブデン酸系、硫化物・セレン化物系、フェロシアン化物系、炭酸カルシウム、カーボンブラックなどの各種無機顔料が挙げられる。配合量は基材フィルム中の樹脂成分100重量部に対して通常1〜30重量部程度である。
また、基材フィルムが少なくとも内層、中間層及び外層を有する多層構造からなる場合は、着色剤を中間層に配合するのが、フィルム(基材層)の成形加工時に着色剤がプレートアウトし難くフィルムの外観が損なわれることがなく、またフィルムの色相が安定するので好ましい。
無機系充填材の含有量は通常基材フィルム中の樹脂成分100重量部当たり1〜100重量部である。
滑剤の添加量は通常基材フィルム中の樹脂成分100重量部当たり0.01〜10重量部である。
アンチブロッキング剤の添加量は通常基材フィルム中の樹脂成分100重量部当たり0.01〜10重量部である。
基材フィルムの厚さは、樹脂組成、隠蔽性及び曲面の追随性を考慮して適宜選択されるが、通常30〜500μm、好ましくは50〜300μmである。
易接着処理としては、公知のコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理等の方法が挙げられるが、処理条件は基材フィルム(A)の組成及びヌレ指数(JIS K 6768)の減衰率を考慮し適宜選択することが必要で、塗膜層や粘着剤層形成時の基材フィルムの易接着処理面のヌレ指数を最低でも37mN/mに確保する様調整すれば良い。また、基材フィルムの片面または両面にプライマー層を形成することにより、塗膜層や粘着層との密着性を向上させることもできる。
これらの中でも、塗膜層の機械強度を重視する場合には、MDI等の芳香族ジイソシアネート、耐候性を重視する場合にはIPDI等の脂環族ジイソシアネート、水添MDI等が好ましい。
高分子量ポリオールは上記したものを2種類以上混合して用いても良い。
鎖延長剤としては、ポリエステルポリオールの原料として用いられる通常分子量500未満の低分子ジオール化合物、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、ビスフェノール−A等の芳香族系ジオール、N−メチルジエタノールアミン等のジアルカノールアミン等が挙げられる。更に、2,4−もしくは2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4'−ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、イソホロンジアミン等の脂肪族ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDA)、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジアミン(水添MDA)、イソプロピリデンシクロヘキシル−4,4'−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリシクロデカンジアミン等の脂環式ジアミン等の低分子ジアミン化合物が挙げられる。これら鎖延長剤は2種類以上の混合物として用いることも可能である。また、トリメチロールプロパン、グリセリン等のポリオール類も一部併用することができる。
(A)アクリル変性ウレタン系樹脂の重量平均分子量は、通常15000〜200000、更に好ましくは20000〜100000である。
更に(A)アクリル変性ウレタン系樹脂としては、水酸基を有しかつ、水酸基価が5〜30KOHmg/gであるのが好ましい。水酸基価が5KOHmg/g未満では架橋密度が上がらず塗膜層の耐傷付き性が不十分となる恐れがある。一方、30KOHmg/gを超えても架橋密度が比例的に向上せず、逆に架橋塗膜物性の経日変化が著しくなり長期耐候性等を悪化させる恐れがある。
アクリルポリオールの重量平均分子量としては、一般に、500〜100000、好ましくは1000〜50000、更に好ましくは1000〜20000の範囲で選択するのが良い。
そのようなブロック化イソシアネート化合物の製造に用いられるブロック剤としては、例えば、フェノール類、オキシム類、ラクタム類、アルコール類、メルカプタン類、マロン酸ジエチル等の活性メチレン含有化合物が挙げられる。
以上の非ブロック化イソシアネート化合物及びブロック化イソシアネート化合物はそれぞれ単独で使用することができるが、両成分を併用してもよい。
(C)イソシアネート化合物の量が、5重量%未満であると、塗膜層の耐傷付き性、耐薬品性が低下する恐れがあり、70重量%を超えると塗膜層を形成する(塗料)組成物の安定性が低下する恐れがある。
紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系としては中でも、メチルエチルケトン可溶のもの、特に常温で液状の紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤が塗膜層形成用の塗工液への分散性、樹脂との相容性が良い点で好ましい。
紫外線吸収剤またはヒンダードアミン系光安定剤の配合量は、各々単独または併用した場合でも、塗膜層中の樹脂成分100重量部に対し1〜70重量部添加することができ、塗膜層中1〜30重量%であるのが好ましい。紫外線吸収剤と光安定剤を併用した場合、その添加割合は特に限定するものではないが、通常、紫外線吸収剤/ヒンダードアミン系光安定剤=1/3〜3/1(重量比)程度である。
紫外線吸収剤及び/またはヒンダードアミン系光安定剤の配合量が少ないと、耐候性が劣る恐れがあり好ましくない。一方、配合量が多すぎると耐溶剤性、耐傷付き性能が低下するので好ましくない。
このようにして得られた本発明の積層フィルムは、引張り弾性率が100〜900MPa、特に100〜700Mpaであるのが好ましい。引張り弾性率が小さすぎると被着面から剥離する際に、伸びてしまって剥離が困難になる等、積層フィルムの取扱性が悪いものとなってしまう恐れがあり、大きすぎると被着面への追随性に劣る恐れがある。
また、積層フィルムの厚さは60〜200μmであるのが好ましい。
粘着剤としてはアクリル系、ゴム系の粘着剤いずれでもよいが、積層フィルムを屋外での使用する場合は耐候性の高いアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステル単量体の重合体等アクリル系重合体からなるものが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、炭素数2〜12のアルキル基を有する、好ましくは炭素数4〜12のアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることができる。これらは、単独、または2種以上を組み合わせて用いることができる。粘着性と凝集性のバランス等から、通常ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が−50℃以下である(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、(メタ)アクリル酸エチル等の低級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルを併用するのが好ましい。
また、上記アクリル系粘着剤のアクリル系重合体としては、上記のビニル単量体以外にこれらと共重合可能な単量体が共重合されても構わない。このような共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸等のカルボキシル基含有単量体またはその無水物や、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレートまたはカプロラクトン変性(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体等が挙げられる。
粘着剤層の厚さは、粘着剤の組成により異なり、特に限定されるものではないが、通常20〜50μmである。
プライマ−層に用いられるアクリル変性ウレタン系樹脂としては、上述のウレタン系樹脂と、ラジカル重合性不飽和単量体及び/またはその重合体からなるアクリル成分とを共重合して得られる樹脂が挙げられ、該アクリル変性ウレタン系樹脂が水酸基を有している場合には、更にイソシアネート化合物で架橋させることもできる。
プライマー層の形成は、上述の塗膜層や粘着剤層の形成に準じて行えばよい。
(1)基材フィルムの製造
(A)プロピレンランダム共重合体(グランドポリマー(株)製、グランドポリプロF327)100重量部及びヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.1重量部よりなる混合物を用いて、三菱重工業(株)製押出成型機により、厚さ0.1mmのポリオレフィン系樹脂フィルムを作成した。得られたフィルムの引張り弾性率は、600MPaであった。次にフィルムの両面に、ヌレ指数が45mN/mになるようにコロナ処理を施し、基材フィルムとした。
(B)プロピレン単独重合体(日本ポリプロ(株)製、ノバテックPP−FY6HA)100重量部及びヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.1重量部よりなる混合物を用いて、三菱重工業(株)製押出成型機により、厚さ0.1mmのポリオレフィン系樹脂フィルムを作成した。得られたフィルムの引張り弾性率は、1000MPaであった。次にフィルムの両面に、ヌレ指数が45mN/mになるようにコロナ処理を施し、基材フィルムとした。
(C)プロピレンランダム共重合体(グランドポリマー(株)製、グランドポリプロF327)50重量部、多段重合法により製造された熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー(サンアロマー(株)製、キャタロイC200F)50重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、キマソーブ944)0.1重量部よりなる混合物を用いて、三菱重工業(株)製押出成型機により、厚さ0.1mmのポリオレフィン系樹脂フィルムを作成した。得られたフィルムの引張り弾性率は、350MPaであった。次にフィルムの両面に、ヌレ指数が45mN/mになるようにコロナ処理を施し、基材フィルムとした。
(2)塗膜層の形成
(2)−1 アクリル変性ウレタン系樹脂(a)〜(d)の製造
攪拌器、環流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた4ッ口フラスコ中にイソホロンジイソシアネート31.4重量部を仕込み、90℃に加熱し、攪拌しながら溶融したポリカーボネートグリコール(プラクセルCD220、水酸基価56.1KOHmg/g、重量平均分子量2000 ダイセル化学工業(株)製)128.4重量部、グリセリンモノメタクリレート(ブレンマーGLM、日本油脂(株)製)2.2重量部、メチルハイドロキノン0.02重量部を約1時間で滴下した。内温を90℃に保ち4時間反応させた後、メチルエチルケトン208.9重量部を添加し60℃で1時間攪拌して希釈した。次に攪拌下イソホロンジアミン8.7重量部、イソプロパノール52.2重量部の溶液を1時間で滴下し、更にジ−n−ブチルアミン3.3重量部を添加して末端を封鎖した。続いてメチルメタアクリレート157.9重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16.1重量部、メチルエチルケトン385.4重量部を仕込み窒素気流下で70℃に加熱してアゾビスイソブチロニトリル5.2重量部を3分割して1時間間隔で添加し、更に10時間反応した。得られたアクリル変性ウレタン系樹脂(a)溶液(主剤溶液)は樹脂固形分濃度35重量%、該樹脂溶液の粘度500mPa・s、アクリル変性ウレタン系樹脂(a)樹脂の重量平均分子量47000であった。
撹拌機、温度制御装置及びコンデンサー付脱水装置を備えたフラスコに、ソルベントナフサ(溶媒)を100重量部仕込み、撹拌しながら加熱し、溶媒温度を100℃まで上げた。続いて表−2に記載の共重合成分をそれぞれ2時間かけて滴下し、その後4時間かけて重合させてアクリルポリオール(a‘)〜(c’)を製造した。
(2)−1で得られアクリル変性ウレタン系樹脂、(2)−2で得られたアクリルポリオール及びイソシネート化合物を表−3の組成で混合し塗膜層形成用塗料を調製した。
次に(1)で得られた基材フィルムの片面に、前記の塗料をリバースロールコーターで塗工後、80℃の熱風乾燥機内で1分間加熱乾燥させた後、40℃オーブンにて3日間エージングさせて塗膜層を形成し、積層フィルムを得た。なお、乾燥後の塗膜層の厚さは、10μmであった。
(3)粘着剤層の形成
アクリル系粘着剤(綜研化学(株)製SKダイン1502C)をセパレータ上にコンマコート法にて、乾燥後の粘着剤層の厚みが25μmになるように塗工し、80℃の熱風乾燥機にて5分間乾燥させた後、(2)で得られた積層フィルムの基材フィルム側の面とラミネートして粘着剤層を形成し、粘着テープを得た。
(4)粘着テープの評価
(3)で得られた粘着テープについて以下の評価を実施し、結果を表−3に記載した。
a)基材フィルム、積層フィルムの引張り弾性率
JIS K 7127に従い、1号ダンベル型、引張り速度50mm/minにて測定した。
b)スチールウール傷付き試験
粘着テープの塗膜層表面をスチールウール#0000番で100g荷重にて50往復研磨を行い、塗膜層表面の傷付き状態を目視で評価した。
○ : 極微小な傷付きが見られる
△ : 傷付きが見られる
× : 著しい傷付きが見られる
c)洗車ブラシ傷付き試験
(3)で得られた粘着テープのセパレータを剥離し、軽自動車の車体表面の三次元曲面に貼り付け、一般のガソリンスタンドの洗車機にて洗車を実施した後、塗膜層表面の傷付き状態を目視で評価した。
○ : 極微小な傷付きが見られる
△ : 傷付きが見られる
× : 著しい傷付きが見られる
d)塗膜層の基材フィルムへの追従性
(3)で得られた粘着テープのセパレータをはがし、図1に示した金属製の三次元曲面の表面に貼り付け、5分経過後、剥離作業を実施し、その際の塗膜層の状態を目視観察した。
△ : 塗膜層に微小クラックが発生、もしくは光沢が若干低下する
× : 塗膜層が完全に割れ、光沢が著しく低下する
e)塗膜層と基材フィルムとの密着性
d)に記載の作業を実施した後、塗膜層表面と市販の粘着テープの粘着面とをローラーを用いて密着させ、180°剥離したときの塗膜層の剥離状態を目視評価した。なお、剥離は手動で行い、瞬時の高速度で実施した。
◎ : 全く剥離しない
○ : 僅かに塗膜層の剥離が見られる
△ : 部分的に塗膜層の剥離が見られる
× : 塗膜層が完全に粘着テープ側に転写する
Claims (7)
- ポリオレフィン系樹脂フィルムの片面側に、以下の(A)〜(C)を含有する組成物の硬化物からなる塗膜層が形成されてなるポリオレフィン系積層フィルム。
(A)有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、鎖延長剤を反応させて得られるウレタン系樹脂(a)20〜60重量%とラジカル重合性不飽和単量体及び/またはその重合体からなるアクリル成分(b)80〜40重量%とを重合して得られるアクリル変性ウレタン系樹脂、
(B)水酸基価が50〜300KOHmg/gのアクリルポリオール
(C)イソシアネート化合物 - 高分子量ポリオールが重量平均分子量1000〜3000のポリカーボネートポリオールである請求項1に記載のポリオレフィン系積層フィルム。
- アクリル変性ウレタン系樹脂が水酸基を有し、かつ該アクリル変性ウレタン系樹脂の水酸基価が5〜30KOHmg/gである請求項1または2に記載のポリオレフィン系積層フィルム。
- ポリオレフィン系樹脂フィルムが、多段重合法により製造されたポリプロピレン系熱可塑性エラストマーを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系積層フィルム。
- ポリオレフィン系樹脂フィルムの引張弾性率が100〜1000MPaである請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン系積層フィルム。
- 積層フィルムの引張り弾性率が100〜900MPaである請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオレフィン系積層フィルム。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリオレフィン系積層フィルムのポリオレフィン系樹脂フィルム側の面に粘着剤層が形成されてなる粘着テープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004336444A JP4573630B2 (ja) | 2004-11-19 | 2004-11-19 | ポリオレフィン系積層フィルム及び粘着フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004336444A JP4573630B2 (ja) | 2004-11-19 | 2004-11-19 | ポリオレフィン系積層フィルム及び粘着フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006142668A true JP2006142668A (ja) | 2006-06-08 |
JP4573630B2 JP4573630B2 (ja) | 2010-11-04 |
Family
ID=36622897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004336444A Active JP4573630B2 (ja) | 2004-11-19 | 2004-11-19 | ポリオレフィン系積層フィルム及び粘着フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4573630B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008023854A (ja) * | 2006-07-21 | 2008-02-07 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | シート状積層体 |
JP2008105205A (ja) * | 2006-10-24 | 2008-05-08 | Bando Chem Ind Ltd | 外装用フィルム及びその製造方法 |
JP2013049852A (ja) * | 2011-08-30 | 2013-03-14 | Nitto Denko Corp | 防湿材 |
JP2015007226A (ja) * | 2013-05-29 | 2015-01-15 | 荒川化学工業株式会社 | 再剥離型ウレタン粘着剤組成物並びにこれを用いて得られる再剥離可能な粘着フィルム及び光学部品の表面保護用フィルム |
JP2018009060A (ja) * | 2016-07-11 | 2018-01-18 | ダイヤプラスフィルム株式会社 | 粘着シート用基材フィルムおよび自動車マーキング用粘着テープ |
CN108504024A (zh) * | 2018-04-03 | 2018-09-07 | 佛山市南方包装有限公司 | 一种用于低温热封薄膜的互穿网络聚合物及一种低温热封pe膜 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002347179A (ja) * | 2001-05-29 | 2002-12-04 | Dainippon Ink & Chem Inc | 一体成形可能な積層シート |
JP2003176373A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-06-24 | Mitsubishi Chem Mkv Co | ポリオレフィン樹脂製積層フィルム |
JP2004002825A (ja) * | 2002-04-19 | 2004-01-08 | Mitsubishi Chem Mkv Co | ポリオレフィン系樹脂製積層フィルム |
-
2004
- 2004-11-19 JP JP2004336444A patent/JP4573630B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002347179A (ja) * | 2001-05-29 | 2002-12-04 | Dainippon Ink & Chem Inc | 一体成形可能な積層シート |
JP2003176373A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-06-24 | Mitsubishi Chem Mkv Co | ポリオレフィン樹脂製積層フィルム |
JP2004002825A (ja) * | 2002-04-19 | 2004-01-08 | Mitsubishi Chem Mkv Co | ポリオレフィン系樹脂製積層フィルム |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008023854A (ja) * | 2006-07-21 | 2008-02-07 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | シート状積層体 |
JP2008105205A (ja) * | 2006-10-24 | 2008-05-08 | Bando Chem Ind Ltd | 外装用フィルム及びその製造方法 |
JP2013049852A (ja) * | 2011-08-30 | 2013-03-14 | Nitto Denko Corp | 防湿材 |
US9546303B2 (en) | 2011-08-30 | 2017-01-17 | Nitto Denko Corporation | Moisture-proof material |
JP2015007226A (ja) * | 2013-05-29 | 2015-01-15 | 荒川化学工業株式会社 | 再剥離型ウレタン粘着剤組成物並びにこれを用いて得られる再剥離可能な粘着フィルム及び光学部品の表面保護用フィルム |
JP2018009060A (ja) * | 2016-07-11 | 2018-01-18 | ダイヤプラスフィルム株式会社 | 粘着シート用基材フィルムおよび自動車マーキング用粘着テープ |
CN108504024A (zh) * | 2018-04-03 | 2018-09-07 | 佛山市南方包装有限公司 | 一种用于低温热封薄膜的互穿网络聚合物及一种低温热封pe膜 |
CN108504024B (zh) * | 2018-04-03 | 2020-05-15 | 佛山市南方包装有限公司 | 一种用于低温热封薄膜的互穿网络聚合物及一种低温热封pe膜 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4573630B2 (ja) | 2010-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102351753B1 (ko) | 점착 시트 | |
JP5374227B2 (ja) | 塗膜保護用粘着シート | |
JP3794344B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂製積層フィルム | |
KR20170038005A (ko) | 열가소성 폴리우레탄 조성물, 그의 물품 및 방법 | |
JP2005225127A (ja) | 積層フィルム | |
JP4653611B2 (ja) | ポリオレフィン系積層フィルム及び粘着フィルム | |
EP2325239B1 (en) | Multilayer sheet | |
JP2009299034A (ja) | 複合フィルム | |
JP2004002825A (ja) | ポリオレフィン系樹脂製積層フィルム | |
JP2014145034A (ja) | 多層粘着シート | |
WO2014054542A1 (ja) | コート層組成物 | |
JP5302616B2 (ja) | 保護用粘着シート | |
WO2014119426A1 (ja) | 多層粘着シート | |
JP6302676B2 (ja) | 多層粘着シート | |
JP4573630B2 (ja) | ポリオレフィン系積層フィルム及び粘着フィルム | |
JP3794364B2 (ja) | ポリオレフィン樹脂製積層フィルム | |
JP2012172094A (ja) | 成形用樹脂組成物、シート、粘着シート、シートの製造方法及び成型体 | |
JP2006142667A (ja) | ポリオレフィン系積層フィルム及び粘着フィルム | |
JP4354726B2 (ja) | ポリプロピレン樹脂マーキングフィルム | |
JP7405496B2 (ja) | 乗物加飾粘着シート用離型フィルム、乗物加飾粘着シート用積層フィルム及び乗物加飾粘着シート | |
JP2004314509A (ja) | ポリオレフィン系樹脂製積層フィルム | |
JP2015007192A (ja) | コート層組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071026 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20080423 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080528 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100126 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100128 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100325 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100817 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100817 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4573630 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |