JP2004314509A - ポリオレフィン系樹脂製積層フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂製積層フィルム Download PDF

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JP2004314509A
JP2004314509A JP2003113356A JP2003113356A JP2004314509A JP 2004314509 A JP2004314509 A JP 2004314509A JP 2003113356 A JP2003113356 A JP 2003113356A JP 2003113356 A JP2003113356 A JP 2003113356A JP 2004314509 A JP2004314509 A JP 2004314509A
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polyolefin
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polyolefin resin
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Shinya Nakamura
信也 中村
Kazuya Hori
和也 堀
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Mitsubishi Chemical MKV Co
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Mitsubishi Chemical MKV Co
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Abstract

【課題】密着性に優れ、カール、ソリがなく、曲面追従性、耐ガソリン性、耐候性等の諸性能に優れる、マーキングフィルム等の装飾用粘着フィルム用途に適したポリオレフィン樹脂製積層フィルムの提供。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂製基材フィルムの少なくとも片面側に、ポリカーボネートポリウレタン樹脂を主成分とするポリウレタン樹脂を含有する塗膜層が積層されてなるポリオレフィン系樹脂製積層フィルムであって、該ポリオレフィン系樹脂製基材フィルムが、下記(a)の条件を満たすポリオレフィン系樹脂製層を有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂製積層フィルム。
(a)ポリオレフィン系樹脂製層中の樹脂成分が多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用や工業用の粘着フィルム(テープ)、看板や各種部品等への貼り付けを目的とするステッカーやマーキングフィルム等の装飾用粘着フィルム(テープ)向けのポリオレフィン系樹脂製積層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、マーキングフィルム等の粘着フィルムの基材フィルムとしては、着色性、加工性、耐傷付き性、耐候性等が優れるポリ塩化ビニル樹脂製フィルムが多用されてきた。しかし、近年廃棄物処理に関わる処理コストの低減等環境負荷の小さい材料への代替が要望されている。
【0003】
ポリオレフィン系樹脂を用いて製造されたマーキングフィルムは公知であり、例えば、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し酸化チタン5〜30重量部、更に紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物及び有機リン酸部分エステル金属塩の少なくとも1種を含有する組成物から製膜された基材フィルムに、アクリル系インキを含む印刷層が積層されたマーキングフィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、マーキングフィルム用ポリオレフィン系シートと印刷層又は粘着剤層との密着性を向上させるため、ポリオレフィン系シートの少なくとも片面側にポリカーボネートポリウレタン樹脂を含有するプライマー層を積層したポリオレフィン系樹脂製積層フィルムが提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−157780号公報
【特許文献2】
特開2001−334615号公報
【特許文献3】
特開2002−316394号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、非カール性、耐ブロッキング性、耐候性、インキ密着性等が良好な、特にステッカーやマーキングフィルム等の装飾用粘着フィルム用途に適したオレフィン系樹脂製積層フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、(1)ポリオレフィン系樹脂製基材フィルムの少なくとも片面側に、ポリカーボネートポリウレタン樹脂を主成分とするポリウレタン樹脂を含有する塗膜層が積層されてなるポリオレフィン系樹脂製積層フィルムであって、該ポリオレフィン系樹脂製基材フィルムが、下記(a)の条件を満たすポリオレフィン系樹脂製層を有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂製積層フィルム、
(a)ポリオレフィン系樹脂製層中の樹脂成分が多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂である。
(2)多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂が、メルトフローレートが0.1〜30、23℃におけるキシレン可溶分の割合が30〜75重量%、かつ曲げ弾性率が50〜500MPaである上記(1)に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム、(3)ポリオレフィン系樹脂製基材フィルムが、内層、中間層及び外層の少なくとも3つの層を有する上記(1)または(2)に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム、(4)内層及び/又は外層が、多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂を含有する上記(3)に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム、(5)ポリオレフィン系樹脂製基材フィルムにおいて、内層の引張弾性率(E1)と内層を除いた層の引張弾性率(E2)とが、E1≧E2の関係を満たす上記(3)または(4)に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム、(6)ポリオレフィン系樹脂製基材フィルムが平均粒子径0.1〜10μmの無機系粉末を含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム、(7)中間層のみが平均粒子径0.1〜10μmの無機系粉末を含有する上記(3)〜(5)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム、(8)ポリカーボネートポリウレタン樹脂が、ポリカーボネートジオールと脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートとの重合物であって分子末端に水酸基を有する重量平均分子量が15,000〜150,000のポリカーボネートポリウレタンを主成分とする、上記(1)〜(7)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム、(9) 塗膜層が、ポリカーボネートポリウレタン樹脂と、
(x)脂肪族、脂環族及び芳香族ジイソシアネートのアダクト体並びに
(b)イソシアヌレート重合体
からなる群から選ばれる少なくとも1種とを反応させてなり、かつ該塗膜層の引張弾性率が300MPa以下である上記(1)〜(8)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム、(10)塗膜層が、メチルエチルケトン可溶の紫外線吸収剤及び/またはヒンダードアミン系光安定剤を、塗膜層中の樹脂成分100重量部当たり1〜70重量部含有する上記(1)〜(9)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム及び(11)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルムの片面側に粘着剤層が積層されてなるポリオレフィン系樹脂製粘着フィルム、に存する。
【0008】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム(以下、「積層フィルム」という)に用いられるポリオレフィン系樹脂製基材フィルム(以下、「基材フィルム」という)は、樹脂成分が特定の重合法、即ち、多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂製層を有している。
【0010】
本発明において、前記多段重合法とは、重合が1回で終了するのではなく、2段階以上の多段重合を行うことにより、複数の種類のポリマーを連続して製造することができる重合法を意味し、機械的な手法を用いて異種類のポリマーからなる混合樹脂を得るところの、所謂、通常のポリマーブレンド法とは全く異なる手法である。当該方法により、分子レベルでのブレンドタイプの共重合樹脂を生成することが可能である。このような重合法を採用すれば、例えばポリプロピレンに対して、第2成分を約80〜95重量%まで含有させることが可能となり、可塑化ポリ塩化ビニル樹脂と同等の物性を持たせることが初めて可能となる。通常の押出機等を用いたブレンド法では、分子量の高いゴム成分を用いると、溶融粘度が高いため、本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂のような微分散モルホロジーを有する樹脂は作成し得ないのである。
【0011】
本発明において用いられる、多段重合法によって得られるポリオレフィン系樹脂は、反応器中で(i)ハードセグメントと、(ii)ソフトセグメントとが2段階以上で多段重合されてなる共重合体である。 (i)ハードセグメントとしては、プロピレン単独重合体ブロック、あるいはプロピレンとα−オレフィンとの共重合体ブロック、例えば、プロピレン/エチレン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/エチレン/1−ブテン等の2元又は3元共重合体ブロックが挙げられる。 また、(ii)ソフトセグメントとしては、エチレン単独重合体ブロック、あるいはエチレンとα−オレフィンとの共重合体ブロック、例えば、エチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/プロピレン/1−ブテン等の2元又は3元共重合体ブロックが挙げられる。
【0012】
このような特定の重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂は、例えば特開平4−224809号公報に開示されているが、実際の市販品として、トクヤマ製(商品名=PER)、サンアロマー社製(商品名=キャタロイ)、三菱化学(株)製(商品名=ゼラス)等が挙げられる。
【0013】
本発明においては、この多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂のうち、特に次のものを使用するのが好ましい。即ち、メルトフローレート(MFR)が0.1〜30であり、かつ23℃におけるキシレン可溶分の割合が30〜75重量%、好ましくは40〜60重量%であるポリプロピレン系樹脂である。ここで、MFRは、JIS K 7210に従って測定した値である。また、キシレン可溶分の割合は以下のようにして求める。サンプル1gを油浴槽中のキシレン300ミリリットルに入れ、140℃で攪拌下に溶解させる。サンプルの添加から1時間後より、サンプルとキシレンとの混合物を、攪拌を続けながら1時間以内に100℃まで降温させる。その後、サンプルとキシレンとの混合物を急冷用油浴槽に移し、攪拌を続けながら23℃±2℃まで急冷し、その温度に20分間以上保持する。得られた析出物を濾紙で自然乾燥して除去する。濾液をエバポレーターを用いて蒸発乾固させ、得られた固形分を120℃で2時間減圧乾燥させ、その後常温まで放冷する。固形分の重量を測定し室温キシレン可溶分を算出する。
【0014】
また、本発明に用いるポリプロピレン系樹脂としては、曲げ弾性率が50〜500MPa、特に100〜400MPaのものが好ましい。
【0015】
本発明の基材フィルムは、樹脂成分が多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂製層を有するフィルムであり、単層フィルムでもよいが、2以上の層から構成されることが好ましい。特に、基材フィルムは、内層、中間層及び外層の3以上の層から構成されることが好ましく、更に中間層が、層中の樹脂成分が多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂層であるのが好ましい。ここで内層とは、基材フィルムが粘着フィルム用に後加工された場合に、粘着剤層が積層される側の層を意味し、その反対側の層を外層という。また、内層と中間層の間及び外層と中間層の間に、少なくとも1つの別の層を有していてもよい。この場合、該別の層は、ポリオレフィン系樹脂を含有していてもよいが、それ以外の樹脂、例えば、内層(及び/又は外層)と中間層との接着性を高めるような樹脂、を含有していてもよい。
【0016】
また、前記内層及び/又は外層に、多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂以外の他のポリオレフィン系樹脂が含有されていてもよい。即ち、前記内層及び/又は外層には、多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂に代えて他のポリオレフィン系樹脂が含まれていてもよく、また、多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂に加えて他のポリオレフィン系樹脂が含まれていてもよい。
【0017】
内層に、多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂以外の他のポリオレフィン系樹脂が含有される場合には、内層の引張弾性率(E1)と、内層を除いた層の引張弾性率(E2)とが、E1≧E2の関係を有することが好ましい。これは、3以上の層からなる基材フィルムから内層のみを取り出すことを観念した場合、内層のみから構成されるフィルム1の引張弾性率(E1)と、内層を除いた層から構成されるフィルム2の引張弾性率(E2)とが、E1≧E2の関係にあることを意味する。
ここで、多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂以外の他のポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0018】
ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体、エチレンを主成分とするエチレンと共重合可能な他の単量体との共重合体(低密度ポリエチレン(LDPE)、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン系触媒を用いて重合して得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(メタロセン系ポリエチレン)等)及びこれらの混合物等が例示できる。
【0019】
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)、共重合体及びこれらの混合物等が例示できる。該共重合体としてはプロピレンとエチレンまたは他のα−オレフィンとのランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)、またはブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)、ゴム成分を含むブロック共重合体あるいはグラフト共重合体等が挙げられる。上記プロピレンと共重合可能な他のα−オレフィンとしては、炭素原子数が4〜12のものが好ましく、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その1種または2種以上の混合物が用いられる。通常、α−オレフィンの混合割合はプロピレンに対して1〜10重量%程度である。
【0020】
また、前記他のポリオレフィン系樹脂には、前記のポリエチレン系樹脂及び/またはポリプロピレン系樹脂に他の合成樹脂を混合することもできる。混合する他の樹脂として、例えばイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム及びアクリロニトリル−イソプレンゴム等のジエン系ゴム(エラストマー)、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合ゴム、結晶融解熱(ΔH)が100g/J以下である低結晶性プロピレン単独重合体(出光石油化学(株)製 出光TPO、宇部興産(株)製 CAP、宇部レキセン社製 UT2115等)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)やスチレン−ブタジエンブロック共重合体等のスチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマー及びスチレン−イソプレン共重合ゴム等のスチレン系熱可塑性エラストマー(これらの水素添加物を含む)が挙げられる。
【0021】
本発明の基材フィルムには、無機系充填材が含有されていることが好ましい。無機系充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー、マイカ、硫酸バリウム、ウィスカー、水酸化マグネシウム等が一般に用いられるが、中でもタルクを用いることが好ましい。無機系充填材の平均粒子径は、特に制限がないが、0.1〜10μmが好ましい。また、基材フィルムが多層構造からなる場合は、無機系充填材は中間層のみに含有されていてもよい。
【0022】
無機系充填材の含有量は通常基材フィルム中の樹脂成分100重量部当たり1〜100重量部である。
【0023】
更に基材フィルムには、必要に応じて上記以外の他の合成樹脂や、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、スリップ剤(滑剤)、アンチブロッキング剤、顔料、着色剤、充填剤、核剤、帯電防止剤、難燃剤等、通常ポリオレフィン系樹脂製フィルムに添加される添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0024】
酸化防止剤としては、フェノール系、サルファイド系、リン系、イソシアヌレート系酸化防止剤等が挙げられる。中でも、フェノール系酸化防止剤が酸化防止効果に優れるので好ましく、更にフェノール系とリン系酸化防止剤を併用すると熱安定性が良好となるので特に好ましい。
【0025】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−イソプロピル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシル−4−n−オクチルフェノール、2−イソブチル−4−エチル−5−t−ヘキシルフェノール、2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−イソプロピルフェノール、スチレン化混合クレゾール、dl−α−トコフェロール、t−ブチルヒドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2’−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)ニッケル、ビス[3,3−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチリックアシド]グリコールエステル、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、2,2′−オキザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2−ビス〔4−[2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)]エトキシフェニル〕プロパン及びステアリル−β−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネートなどのβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステルなどが挙げられる。
【0026】
サルファイド系酸化防止剤としては、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、3,3’−チオビスプロピオン酸ジオクデシルエステル等が挙げられる。
【0027】
リン系酸化防止剤としては、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフォナイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフェスフェピン6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,810−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフェスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン等が挙げられる。
【0028】
イソシアヌレート系酸化防止剤としては、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート等が挙げられる。
【0029】
酸化防止剤の添加量は通常基材フィルム中の樹脂成分100重量部当たり0.01〜5重量部である。
【0030】
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。その中でも特に、トリアジン系紫外線吸収剤、分子量が400以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
【0031】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等の2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホンベンゾフェノン等の2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等が挙げられる。
【0032】
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(オクチロキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(オクチロキシ)フェノール、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシロシキ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((メチル)オキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノール等が挙げられる。
【0033】
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、2−エチル−ヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0034】
紫外線吸収剤の添加量は通常基材フィルム中の樹脂成分100重量部当たり0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。
【0035】
光安定剤としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−n−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)ホスファイト、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[ {6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}] 、2,2,6,6−テトラメチルピペリジル4−ベンゾエート、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−2,4−ジオキソ−スピロ[4,5]デカン、トリ−(4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)−アミン、1,2,3,4−テトラ(4−カルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)ブタン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)−4−スピロ−2′−(6′,6′−ジメチルピペリジン)−4′−スピロ−5”ヒダントイン、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−3−n−オクチル−スピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等のヒンダードアミン系光安定剤(HALS)を挙げることができる。中でも、高分子量型の光安定剤が好ましく、特に分子量が1000以上のものが、好適に使用される。このようなものとしては、 例えば、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N‘―ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、N,N’,N’‘N‘’’−テトラメキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、またはポリエチレン系樹脂にヒンダードアミン系光安定剤を共重合させたもの等があり、これらは単独または2種以上を混合させて用いても良い。
【0036】
光安定剤の添加量は通常基材フィルム中の樹脂成分100重量部当たり0.01〜10重量部である。
【0037】
滑剤としては、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミドが挙げられる。中でもエルカ酸アミドが好ましい。
【0038】
滑剤の添加量は通常基材フィルム中の樹脂成分100重量部当たり0.01〜10重量部である。
【0039】
アンチブロッキング剤としては、ポリウレタン樹脂ビーズ、ポリアクリル樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ等の有機系粉末や、カーボンブラック等の顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、シリカアルミナ、クレー、タルク、酸化チタン等の無機系粉末が挙げられる。
【0040】
アンチブロッキング剤の添加量は通常基材フィルム中の樹脂成分100重量部当たり0.01〜10重量部である。
【0041】
基材フィルムは、Tダイ押出し成形法、インフレーション成形法及びカレンダー成形法等の一般的なポリオレフィン系樹脂製フィルムの成形方法を用いて製造すればよい。多層の基材フィルムの製造方法としては、成形した個々のフィルムをラミネーターを用いて貼り合わせる方法やフィルム成形と同時に圧着ラミネートする方法を用いることが出来るが、多層Tダイ押出法によって成形と同時に積層フィルムを作成するのが工程数も減らすことができて特に好ましい。
【0042】
基材フィルムの厚みは用途により異なるが、通常30〜500μm、好ましくは50〜300μmである。
【0043】
本発明の基材フィルムは、塗膜層や粘着剤層との密着性を高める為に、フィルムの表面に易接着処理を施すのが好ましい。
【0044】
易接着処理としては、公知のコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理等の方法が挙げられるが、処理条件はポリオレフィン系樹脂製フィルムの組成及びヌレ指数(JIS K 6768)の減衰率を考慮し適宜選択することが必要で、プライマー処理時のポリオレフィン系樹脂製フィルムの易接着処理面のヌレ指数を最低でも370mN/mに確保する様調整すれば良い。
【0045】
本発明におけるポリオレフィン系樹脂製積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面側にポリカーボネートポリウレタン樹脂を主成分とするポリウレタン樹脂を含有する、好ましくは50〜100重量%、更に好ましくは60〜100重量%含有する塗膜層が形成されている。また、ポリカーボネートポリウレタン樹脂の割合はポリウレタン樹脂中55〜100重量%であるのが好ましく、特に70〜100重量%であるのが好ましい。
【0046】
ポリカーボネートポリウレタン樹脂としては、ポリカーボネートジオールと脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートとの重合物であって分子末端に水酸基を有する重量平均分子量が15,000〜150,000のポリカーボネートポリウレタン(例えばラッカータイプのもの)を主成分とするものが好ましい。該ポリカーボネートポリウレタンはポリカーボネートポリウレタン樹脂中50〜100重量%であるのが好ましく、特に70〜100重量%であるのが好ましい。
【0047】
ポリカーボネートポリウレタンの重量平均分子量が15,000未満だと、乾燥性を良くする為に過剰量の架橋剤が必要となる結果、ポリカーボネートポリウレタンの架橋度が高くなり過ぎて柔軟な硬化膜が得られ難くなり、状態での塗膜層のブロッキング性、UVインキ密着性及び曲面追随性が劣る傾向となる。
【0048】
一方、ポリカーボネートポリウレタンの重量平均分子量が150,000を超えると塗膜塗工時の溶液粘度が高くなり、作業性、乾燥性が悪くなる他、溶剤の過剰残存、気泡の発生頻度が高くなり、基材となるフィルムとの密着性を低下する原因となるので好ましくない。
【0049】
塗膜層は引張弾性率が300MPa以下であるのが好ましい。なお、本発明における塗膜層の引張弾性率の値は、基材フィルムに塗膜層を形成して本発明のポリオレフィン系樹脂製積層フィルムを作成した後、該フィルムを23℃、相対湿度50%の条件下で1ヶ月間保管した後に実施例に記載の方法で測定して得られた値である。
【0050】
ポリカーボネートジオールは、下記一般式(p)で示されるものである。
【0051】
【化1】
HO−[−R−O−COO−]−R−OH ・・・・(p)
(Rは脂肪族系、または脂環族系置換基)
ポリカーボネートジオールは、例えばアルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート、ジアルキルカーボネートからなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物とジオール類及び/またはポリエーテルポリオール類を反応させて得られる。
【0052】
アルキレンカーボネートの例としては、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等があげられる。
【0053】
ジアリールカーボネートの例としては、ジフェニルカーボネート、フェニル−ナフチルカーボネート、ジナフチルカーボネート、4−メチルジフェニルカーボネート、4−エチルジフェニルカーボネート、4−プロピルジフェニルカーボネート、4,4’−ジメチル−ジフェニルカーボネート、4,4’−ジエチル−ジフェニルカーボネート、4,4’−ジプロピル−ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
【0054】
ジアルキルカーボネートの例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、ジ−n−アミルカーボネート、ジイソアミルカーボネート等が挙げられる。
【0055】
これらカーボネート類に対する共反応物質として、まずジオール類の例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−ペンタンジオール、3−メチル−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、2,3,5−トリメチルペンタンジオール等が挙げられる。
【0056】
また、ポリエーテルポリオール類の例としては、例えばテトラヒドロフランの開環重合により得られるポリテトラメチレングリコール、ジオール類のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。ここで用いるジオール類の例として、たとえばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、異性体ペンタンジオール類、異性体ヘキサンジオール類またはオクタンジオール類例えば2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサノン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサノン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサノン、トリメチロールプロパン、グリセリン等をあげることができ、アルキレンオキサイドの例として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等が挙げられ、これらは2種以上混合して使用することも可能である。
【0057】
上述のジオール類及びポリエーテルポリオール類は1種単独でも、あるいはこれらを2種以上混合して使用しても差し支えない。これらはいずれも公知の方法で前述のアルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート、ジアルキルカーボネートからなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物と反応してポリカーボネートジオールを形成することができる。
【0058】
ポリカーボネートジオールの重量平均分子量は500〜4000、好ましくは1000〜3000であり、500より小さいと耐チッピング性が低下し、4000を越えると塗膜の外観上ちぢみ、うねり等の現象を起こし好ましくない。
【0059】
次に、ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート及びキシレンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
【0060】
ポリカーボネートポリウレタンは、ポリカーボネートジオールにジイソシアネート化合物をモル比でポリカーボネートジオール:ジイソシアネート化合物=1:0.7〜1:5程度の割合で反応させることにより、公知の方法で製造することができる。このような方法としては、予めプレポリマー化した後、架橋剤または鎖延長剤を用いて高分子量ポリウレタンを製造する方法、または全成分を一段で反応させて高分子量ポリウレタンを製造する方法等の公知の方法が挙げられる。
【0061】
何れの方法で製造するにしても、ゴム弾性を有する塗膜層を形成する目的からポリカーボネートポリウレタンの分子構造は、直鎖状構造を主体とする構造であることが好ましい。
【0062】
本発明に用いるポリカーボネートポリウレタン樹脂を含有するプライマーは、架橋剤を添加せずに一液型塗工剤として使用することが可能であるが、必要に応じてポリカーボネートポリウレタン樹脂成分を主剤として、更に少量の架橋剤(硬化剤)を混合使用することもできる。
【0063】
混合する架橋剤としては、脂肪族、脂環族あるいは芳香族ジイソシアネートのいずれか1種類以上とエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパントリメタクリレート等とを付加重合して得られる、脂肪族、脂環族あるいは芳香族ジイソシアネートのアダクト体や、脂肪族、脂環族あるいは芳香族ジイソシアネート等を重合して得られるイソシアヌレート重合体が挙げられる。
【0064】
主剤/架橋剤の混合割合は、通常主剤のポリカーボネートポリウレタン樹脂100重量部に対し架橋剤を5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部配合する。
【0065】
通常、これらの主剤または、主剤及び架橋剤は溶剤に溶解させて用い、更に希釈溶剤等を用いて適当な濃度に調製し、ロールまたはグラビアロール等にて前記の基材フィルムまたは基材フィルムの易接着処理面上に塗工し乾燥させ塗膜層を形成する。得られた塗膜層の乾燥膜厚は、通常0.3〜3μm程度である。
【0066】
更に、本発明の積層フィルムにおいては、巻物状態及び印刷工程でのブロッキング防止、インキの転移性を向上する目的で、塗膜層に有機系または無機系粉末を添加してもよい。
【0067】
有機系粉末としては、ポリウレタン樹脂ビーズ、ポリアクリル樹脂ビーズ及びポリカーボネート樹脂ビーズ等が挙げられ、無機系粉末としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、シリカアルミナ、クレー、タルク、酸化チタン及びカーボンブラック等の顔料が挙げられる。
【0068】
中でも、平均粒子径0.1〜5μmのシリカ粉末を使用することが特に好ましい。
【0069】
有機系及び/または無機系粉末の添加量は、塗膜層中の樹脂成分100重量部に対し通常1〜100重量部の使用が好ましく、所望する透明性、表面光沢、非ブロッキング性を考慮して適量使用すればよい。
【0070】
例えば、シリカ粉末の場合には、塗膜層中の樹脂成分100重量部に対し添加量が20重量部を超えると耐候試験後にチョーキングや塗膜層の微細クラックを起こし易くなり、印刷インキとの密着不良原因となるので好ましくない。また本発明のポリオレフィン系樹脂製積層フィルムを、透明用途に適用する場合は、塗膜層中のシリカ粉末の添加量を透明性に悪影響を与えない程度に抑えて使用すれば良い。通常、シリカ粉末の添加量は塗膜層中の樹脂成分100重量部に対し1〜20重量部であるのがより好ましい。
【0071】
その他、本発明は屋外での長期耐候性を付与する目的で塗膜層に公知の粉末状及び/または液状の紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤を添加混合するのが好ましい。これらは液状であるのが好ましい。
【0072】
紫外線吸収剤及び光安定剤としては、前述の基材フィルムの説明において挙げられたものを使用することができる。紫外線吸収剤と光安定剤の添加割合は1/3〜3/1(重量比)程度で、塗膜層中の樹脂成分100重量部に対し1〜70重量部添加することができる。
【0073】
また、必要に応じて4級アンモニウム塩基を有する帯電防止剤等を塗膜層中の樹脂成分100重量部に対し0.5〜5.0重量部添加することができる。添加量が0.5重量部未満であると、帯電防止効果が低く印刷前の搬送工程でのブロッキングトラブル、印刷工程での異物付着等を起こす恐れがある。一方、添加量が5.0重量部を超えると、インキの非転移性を悪化させる他、インキ密着性を阻害する原因になるので好ましくない。4級アンモニウム塩基を有する帯電防止剤としては、炭素原子数1〜20の、アルキルジメチルアミンやアルキルジエチルアミン等のジメチルまたはジエチル硫酸塩が挙げられ、特にアルキル基中の水素の代わりに水酸基を有するものが好ましい。
【0074】
本発明の積層フィルムは、巻物状態及び印刷工程でのブロッキング防止や基材フィルムと接着剤層の接着性を向上させる目的で、基材フィルムの塗膜層を設けた側と反対側にも塗膜層を設けても良い。両塗膜層を構成する樹脂成分は同じでも異なっていてもよい。
【0075】
積層フィルムのポリカーボネートポリウレタン樹脂を主成分とするポリウレタン樹脂を含有する塗膜層側表面に印刷を施し、更に該表面と反対側の表面に必要に応じてコロナ放電処理やアンカーコートを施した後、粘着剤層を設けることにより、ラベルやステッカー等の粘着フィルムが得られる。粘着剤の種類は特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、ウレタン系、ビニルエーテル系、シリコーン系、アミド系、スチレン系粘着剤、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エチレン系不飽和カルボン酸やその無水物でグラフト変性された酸変成オレフィン樹脂等の各種粘着剤が好適に用いられ、また、その形態は、溶液型、エマルジョン型、ホットメルト型等いずれであってもよい。前記粘着剤層には、粘着特性の制御等を目的に必要に応じて、例えばα−ピネンやβ−ピネン重合体、ジテルペン重合体、α−ピネン・フェノール共重合体等のテルペン系樹脂、脂肪族系や芳香族系、脂肪族・芳香族共重合体系等の炭化水素系樹脂、その他ロジン系樹脂やクマロンインデン系樹脂、(アルキル)フェノール樹脂やキシレン系樹脂など適当な粘着付与剤を添加できる。更に、液状ポリマーやパラフィン系オイルなどの軟化剤、充填剤、顔料、着色剤、老化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤など、用途等に応じて必要な種々の添加剤を添加できる。
【0076】
【実施例】
以下に、本発明の実施形態を実施例を用いて詳述するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0077】
<評価方法>
(1) 塗膜層の架橋率
実施例または比較例で作成したポリオレフィン系樹脂製フィルム(未コロナ処理)を基材フィルムとして用い、その上に厚さ10μmの塗膜層を形成し、更に直径28mmの円形に打ち抜いて試験片を作成した。次に、希釈溶剤(トルエン/酢酸エチル=45/55)中に室温25℃下3日間浸漬して、元の成形品重量(浸漬前の塗膜層の重量)に対する不溶解分の乾燥ゲル重量を測定し、百分率で表した。
(2) 引張弾性率
JIS K 7127に従って、基材フィルムの引張弾性率を測定した。
【0078】
測定サンプルとしてはフィルム成形後、コロナ処理後にサンプリングし、40℃の保温室で3日間保管(エージング処理)したものを採取し試験片とした。
【0079】
但し、ダンベルは1号、引張速度は50mm/分で実施した。
(3)内層、中間層/外層の引張弾性率
基材フィルムの内層と同一組成の0.1mm厚さの単層フィルムを作成し、該単層フィルムの引張弾性率(E1)を、コロナ処理をしない以外は上記(2)に記載の方法と同様にして求めた。また、基材フィルムの中間層と同一組成の層及び外層と同一組成の層からなる0.1mm厚さの2層フィルムを作成し、該2層フィルムの引張弾性率(E2)を、前記と同様にして求めた。
(4) カール、ソリの有無
厚さ200μmのライナー上にアクリル粘着剤を塗工処理し乾燥後、試験片の塗膜層と反対側の面(コロナ処理済み)と、ライナーの粘着剤面とを貼り合わせてなる積層体を40cm角の大きさにカットし、平面上に1週間放置後カール、ソリ状態を目視判定した。
【0080】
○:実用上問題ない。
【0081】
△:5mm程度のカール、ソリはある。
【0082】
×:実用上問題となる程カール、ソリがある。
(5) 対基材フィルム初期密着性
試験片の塗膜層の表面とセロテープの粘着面とをローラーを用いて密着後、90°剥離と180°剥離した時の塗膜層と基材フィルムとの密着状態を目視判定した。
【0083】
なお、剥離は手動で行い、瞬時の高速度で実施した。
【0084】
○:何れも剥離なし。
【0085】
△:塗膜層の剥離が僅かだが有り。
【0086】
×:半分以上塗膜層の剥離あり。
(6)対UVインキ初期密着性
試験片の外層側の塗膜層上(比較例1においては基材フィルム表面上)に市販のUVインキ(東洋インキ(株)製 FD−O)を用いてオフセット印刷(ドライ塗工量2g/m )し、次いでUV照射装置(アイグラフィック(株)製 1.5KW高圧水銀ランプ)にてUV照射して硬化させ、印刷膜を形成した。得られた印刷膜について、セロテープに対する密着性を(5)に記載の方法で評価し、塗膜層とUV印刷膜との密着性を評価した。
【0087】
○:何れも剥離なし。
【0088】
△:印刷膜の剥離が僅かだが有り。
【0089】
×:半分以上印刷膜の剥離あり。
(7) 耐候性
5cm×11cmの大きさの試験片(基材フィルム/塗膜層)の塗膜層側に光を照射するように試験片をセットし、スガ試験機(株)製サンシャインウェザロメーター(条件:ブラックパネル温度63℃、降雨12分/60分)にて2000時間暴露した後、試験片の外観変化(変色やクラックの発生)を目視評価した。
【0090】
外観変化
○:外観良好。
【0091】
△:一部変化有り。
【0092】
×:著しい外観変化有り。
【0093】
実施例1
<基材フィルムの作成と易接着処理>
融点140℃、曲げ弾性率200MPa、MFR5.0、23℃におけるキシレン可溶分が55重量%である、多段重合法により共重合されたエチレン−プロピレン共重合体(以下、「TPO−A」という)100重量部にヒンダードアミン系光安定剤ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕0.5重量部を混合した組成物を用い、三菱重工(株)製多層押出成形機により、厚さ0.1mmの基材フィルム1(層比:内層/中間層/外層=1/8/1)を作成した。基材フィルム1の引張弾性率は200MPaであった。
次に、基材フィルム1の両面をコロナ処理した。コロナ処理後の基材フィルム両面のヌレ指数は450mN/mであった。
<基材フィルムのプライマー処理>
ポリヘキサメチレンポリカーボネートジオールとイソホロンジイソシアネートとをウレタン化重合して得られた重量平均分子量50,000のポリカーボネートポリウレタン(A)及び20,000のポリカーボネートポリウレタン(B)を用い、下記の配合の塗膜塗工液(以下、「PU−A」という)を調製した。
【表1】
Figure 2004314509
次に、基材フィルム1の片面(外層側)のコロナ処理面に塗膜塗工液を、175メッシュグラビアロールを使用して塗工後、連続して80℃の熱風乾燥機内に10秒間滞留加熱処理し、ライン中で自然冷却後、得られたポリオレフィン系樹脂製積層フィルム(基材フィルム1/PU−A)を巻き取り張力 10kg/全幅の条件で、1000m分状態で巻き取った。なお、乾燥後の塗膜層の厚さは0.7μmであった。
【0094】
実施例2
<基材フィルムの作成と易接着処理>
実施例1において用いたTPO−A100重量部にポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕0.5重量部を混合したポリオレフィン系樹脂組成物及び更に該組成物に酸化チタン60%濃度のマスターバッチを30重量部混合したポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様な方法で基材フィルム2を作成した。なお、酸化チタンを含有するポリオレフィン系樹脂組成物が中間層になるようにした。基材フィルム2の引張弾性率は210MPaであった。この基材フィルムの両面をコロナ処理した。次に、実施例1と同様な方法でPU−Aを基材フィルム2の片面に塗工して巻き取った後、反対側の面にもPU−Aを同様に塗工してポリオレフィン系樹脂製積層フィルム(PU−A/基材フィルム2/PU−A)を得た。塗膜乾燥後の両面の塗膜層の厚さは何れの面とも0.7μmであった。
【0095】
実施例3
融点140℃、曲げ弾性率700MPaのポリプロピレン単独重合体(以下、「PP−A」という)と実施例1のポリオレフィン系樹脂組成物を用い、三菱重工(株)製多層押出成形機により、PP−Aからなる層が内層となるように厚さ0.1mmの基材フィルム3(層比:内層/中間層/外層=1/8/1)を作成した。基材フィルム3の引張弾性率は250MPaであった。この基材フィルムの両面をコロナ処理した。
【0096】
コロナ処理した基材フィルム3の片面(内層側)に、実施例1と同様な方法によりPU−Aを塗工して巻き取った後、反対側(外層側)の面に、実施例3と同様な方法によりPU−Aを塗工して巻き取りポリオレフィン系樹脂製積層フィルム(PU−A/基材フィルム3/PU−A)を得た。乾燥後の各塗膜層の厚みは実施例2と同様であった。
【0097】
実施例4
TPO−A100重量部にタルクを18重量部添加した組成物を調製した。該組成物とTPO−Aのみを用いて、該組成物からなる層が中間層となるように厚さ0.1mmの基材フィルム4(層比:内層/中間層/外層=1/8/1)を作成した。基材フィルム4の引張弾性率は300MPaであった。
【0098】
基材フィルム4の片面(内層側)に、実施例1と同様な方法によりPU−Aを塗工して巻き取った後、反対側(外層側)の面に、実施例3と同様な方法によりPU−Aを塗工して巻き取り、ポリオレフィン系樹脂製積層フィルム(PU−A/基材フィルム4/PU−A)を得た。乾燥後の各塗膜層の厚みは実施例2と同様であった。
【0099】
比較例1
PP−Aを用い、三菱重工(株)製多層押出成形機により、厚さ0.1mmの基材フィルム5(層比:内層/中間層/外層=1/8/1)を作成した。基材フィルム5の引張弾性率は700MPaであった。この基材フィルムの両面をコロナ処理した。
【0100】
次に、実施例2と同様にして、コロナ処理した基材フィルムの両面にPU−Aを塗工して巻き取り、ポリオレフィン系樹脂製積層フィルム(PU−A/基材フィルム5/PU−A)を得た。乾燥後の各塗膜層の厚みは実施例2と同様であった。
比較例2
<ポリウレタン樹脂プライマーの調製>
攪拌器、環流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた4つ口フラスコ中にシクロヘキシルイソシアネート100重量部を仕込み、90℃に加熱し、攪拌しながら溶融したポリカプロラクトンジオール378.6重量部、グリセリンモノメタクリレート14.8重量部メチルハイドロキノン0.02重量部を約1時間で滴下した。内温を90℃に保ち、4時間反応させた後、メチルエチルケトン599.6重量部を添加し、60℃で1時間攪拌して希釈した。次に、攪拌下イソホロンジアミン11.8重量部、イソプロパノール340重量部の溶液を1時間滴下した。さらに、モノエタノールアミン3.5重量部を添加して末端を封鎖した。得られたポリウレタン樹脂の固形分濃度34重量%、該ポリウレタン樹脂溶液の粘度450mps、樹脂の重量平均分子量4,000であった。
【0101】
<基材フィルムのプライマー処理>
上記で製造した樹脂溶液に、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート重合体の75重量%溶液を7重量部、溶剤成分としてメチルエチルケトンを80重量部、更に紫外線吸収剤としてメチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンソトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコールの縮合物を2.5重量部、ヒンダードアミン系光安定剤としてビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートを2.5重量部混合し、固形分濃度約21重量%の塗膜塗工液(以下、「PU−C」という)を調製した。
実施例1で作成した基材フィルム1の片面のコロナ処理面にPU−Cを、リバースロールコーターを使用して塗工後、連続して100℃の熱風乾燥機内で60秒間加熱処理し、ライン中で自然冷却後、得られた積層フィルム(基材フィルム1/PU−C)を巻き取り張力 10kg/全幅の条件で、1000m分巻物状態で巻き取った。同様に、積層フィルムの反対側の面にPU−Cを塗工して、ポリオレフィン系積層フィルム(PU−C/基材フィルム1/PU−C)を巻き取った。なお、乾燥後のPU−Cの両面の塗膜層の厚さは何れの面とも2μmであった。
【0102】
比較例3
実施例1で作成した基材フィルム1の両面をコロナ処理し、両方の面ともプライマー処理をせずに評価に供した。
【0103】
上記で得られた積層フィルム等を用い、各種評価を行った。結果を表−1に示す。
【0104】
【表2】
Figure 2004314509
【0105】
*酸化チタン含有
*タルク含有
【0106】
【発明の効果】
本発明のポリオレフィン系樹脂製積層フィルムは、ポリ塩化ビニル系樹脂製フィルムと同様の加工及び取り扱いができ、ソリ、カールが小さく、曲面追随性、長期耐候性等の諸性能に優れるため、ステッカー及びラベル等の粘着フィルムの基材フィルムとして好適に使用される。

Claims (11)

  1. ポリオレフィン系樹脂製基材フィルムの少なくとも片面側に、ポリカーボネートポリウレタン樹脂を主成分とするポリウレタン樹脂を含有する塗膜層が積層されてなるポリオレフィン系樹脂製積層フィルムであって、該ポリオレフィン系樹脂製基材フィルムが、下記(a)の条件を満たすポリオレフィン系樹脂製層を有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂製積層フィルム。
    (a)ポリオレフィン系樹脂製層中の樹脂成分が多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂である。
  2. 多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂が、メルトフローレートが0.1〜30、23℃におけるキシレン可溶分の割合が30〜75重量%、かつ曲げ弾性率が50〜500MPaである、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム。
  3. ポリオレフィン系樹脂製基材フィルムが、内層、中間層及び外層の少なくとも3つの層を有する、請求項1または2に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム。
  4. 内層及び/又は外層が、多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂を含有する、請求項3に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム。
  5. ポリオレフィン系樹脂製基材フィルムにおいて、内層の引張弾性率(E1)と内層を除いた層の引張弾性率(E2)とが、E1≧E2の関係を満たす、請求項3または4に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム。
  6. ポリオレフィン系樹脂製基材フィルムが平均粒子径0.1〜10μmの無機系粉末を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム。
  7. 中間層のみが平均粒子径0.1〜10μmの無機系粉末を含有する、請求項3〜5のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム。
  8. ポリカーボネートポリウレタン樹脂が、ポリカーボネートジオールと脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートとの重合物であって分子末端に水酸基を有する重量平均分子量が15,000〜150,000のポリカーボネートポリウレタンを主成分とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム。
  9. 塗膜層が、ポリカーボネートポリウレタン樹脂と、
    (x)脂肪族、脂環族及び芳香族ジイソシアネートのアダクト体並びに
    (y)イソシアヌレート重合体
    からなる群から選ばれる少なくとも1種とを反応させてなり、かつ該塗膜層の引張弾性率が300MPa以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム。
  10. 塗膜層が、メチルエチルケトン可溶の紫外線吸収剤及び/またはヒンダードアミン系光安定剤を、塗膜層中の樹脂成分100重量部当たり1〜70重量部含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂製積層フィルムの片面側に粘着剤層が積層されてなるポリオレフィン系樹脂製粘着フィルム。
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