JP2004307532A - ポリプロピレン樹脂マーキングフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車のドアサッシ等に用いられるポリプロピレン樹脂マーキングフィルムであって、柔軟性に優れ、ネッキング現象を起こさずかつ耐ガソリンの高い軟質ポリプロピレン樹脂マーキングフィルムを提供すること。
【解決手段】架橋ポリウレタン系樹脂からなる表面層、ヘキサン溶出成分3〜7重量部の内部可塑型ポリプロピレン樹脂とヘキサン溶出成分7〜15重量部の内部可塑型ポリプロピレン樹脂の樹脂混合物、エチレン−アクリル酸エステル系オリゴマー及び無機添加物からなる基材層 及びアクリル系樹脂からなる接着剤層の3層構造により前記課題を解決した。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリプロピレン樹脂を基材とする接着剤付マーキングフィルムに関し、特に自動車側面やオートバイタンク等のガソリン存在環境での曲面貼り付け用に用いられる、耐ガソリン性・曲面追随性に優れ、かつ焼却廃棄処理が容易な、マーキングフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から基材表面に着色してその表面の装飾性(意匠性)を高める方法として、金属表面に所望の色を有する塗料を塗布する方法が知られている。基材表面に塗料を塗布することは、基材表面を保護すると共に、その装飾性を高めたものであったが、基材の表面に塗布された塗料は、経時的に劣化して基材表面から剥離したり、基材が樹脂である場合には塗装の際、塗料中に含まれる溶剤等の影響で基材表面を損傷したりするおそれもあった。
【0003】そこで、基材表面に着色マーキングフィルムを被着して基材表面を保護し、塗料の有する弱点を補う方法が広く行なわれている。マーキングフィルムは、基材表面を均一にムラなく容易に被覆することが可能であり、貼り付け作業に際しては、塗料の場合に問題となるような溶剤の揮散もないため、広範囲の分野において塗料と同様に使用されている。
【0004】近年、看板や標識ばかりでなく、自動車やオートバイ等の塗装においてもマーキングフィルムが広く使用されている。既存の塗装の上に別な表示を追加する必要がある場合等でも、着色フィルムを上貼りし、既存の表示を損なうことなく被着された基体の表面に文字やマーク等を加えることも容易にできるためである。多様な表示が求められる分野において、効果的で経済的な装飾方法として、マーキングフィルムは広く利用されているのである。
【0005】自動車のドアや窓の周辺の狭い部分、機械類の一部などの細かい部分の外装で他の部分と違う色を用いて意匠性にアクセントをつける場合には、塗装によるよりも、クリアーできちんとした外観に仕上げることができるマーキングフィルムが利用されることが多い。自動車のドアサッシ部分にボディと異なる黒色系のテープ状のマーキングフィルムを貼リつけることは自動車の塗装において広く行なわれているところである。
【0006】マーキングフィルムとしては、一般に軟質フィルムと接着剤とを積層した構造のフィルムが用いられる。該軟質フィルム用の樹脂として、従来は塩化ビニル系樹脂が広く用いられ、塩化ビニル系のマーキングフィルムがマーキングフィルムの大部分を占めていた。
【0007】しかしながら、自動車やオートバイ等は所定期間を過ぎると廃棄されるため、廃棄物としてのマーキングフィルムの処理が大きな問題となってきた。特に基材に塩化ビニル系樹脂を用いたマーキングフィルムは、使用後に廃棄する際、焼却すると塩素系ガスが発生するのでそのままでは焼却することができず、焼却炉の塩素ガス除去用の装置を設ける必要があり、また、処理に際して、有害塩素含有有機化合物が副生することも社会的な問題となっている。
【0008】そこで廃棄時に燃焼処理しても有害ガスを発生しない樹脂の一つとしてポリプロピレン系樹脂が使用され、マーキングフィルムとしても提案されている(特許文献1、特許文献2)。しかしながら、従来のポリプロピレン性マーキングフィルムでは、曲面に伸ばしながら貼り付けた場合に均一に伸びず一部分だけが伸びてしまう現象(ネッキング現象)が観察され、特に狭い部位に細いテープ状にフィルムを貼りつける場合にネッキング現象が発生し易く、前述のドアサッシ等の用途に用いると不良率が高かった。
【0009】また自動車等の側面に使用され、曲面貼りされた状態で異物とぶつかったり、こすられたりする部位に使用されると従来のPPマーキングフィルムでは剥がれてしまったり、磨耗して外観が不良となり易いなどの不都合が発生した。
【0010】
【特許文献1】特開平8−20750号公報
【特許文献2】特開2000−303038号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が有していた前述の課題を解決しようとするものであり、使用後の焼却によって有害物質を発生することのないポリプロピレン樹脂マーキングフィルムであって、細いテープ状で試用されても、柔軟性・耐磨耗性に優れ、ネッキング現象を起こさずかつ耐ガソリンの高い軟質ポリプロピレン樹脂マーキングフィルムを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を解決すべくなされたものであり、
(1)架橋ポリウレタン系樹脂からなる厚さ2μm〜15μmの表面層、
(2)ヘキサン溶出成分3〜7重量部である内部可塑型ポリプロピレン樹脂50〜90重量部とヘキサン溶出成分7〜15重量部である内部可塑型ポリプロピレン樹脂10〜50重量部の樹脂混合物 50〜90重量部、
エチレン−アクリル酸エステル系オリゴマー 5〜20重量部
及び無機添加物 5〜30重量部
からなる厚さ50μm〜200μmの基材層、(3)アクリル系樹脂からなる厚さ20μm〜100μmの接着剤層
からなる軟質ポロプロピレン樹脂マーキングフィルムを提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明のポリプロピレン樹脂マーキングフィルムについて詳細に説明する。
【0014】本発明のマーキングフィルムは、架橋ポリウレタン系樹脂からなる表面層、ポリプロピレン樹脂とエチレン−アクリル系オリゴマーからなる基材層及びアクリル系樹脂からなる接着剤層の3層から形成され、これら3層の組み合わせによって、前記課題を解決することができる。
【0015】本発明の基材層は、本マーキングフィルムの特性を決定する層であって、マーキングフィルムとしての貼り付け性、耐ガソリン性に寄与する層であり、特定の構造を持つ2水準のポリプロピレン樹脂及びエチレン−アクリル系オリゴマーを配合した樹脂からなる。
【0016】前記ポリプロピレン樹脂は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)と総称される樹脂の一種であって、TPOの中でも他の共重合成分を含まないプロピレンの単独重合体ポリマーである。該ポリプロピレン樹脂として高分子量でありかつアタクチックポリプロピレン成分とアイソタクチックポリプロピレン成分とを所定の割合で含有するポリプロピレン樹脂を使用することによって、ポリプロピレン単一の樹脂でありながら、高い柔軟性や耐白化性を有することができるのである。
【0017】該ポリプロピレン系樹脂のアタクチックポリプロピレン成分とアイソタクチックポリプロピレン成分との割合の目安として樹脂のヘキサン溶出成分量が用いられる。本発明のポリプロピレン樹脂は、単一のヘキサン抽出量のポリプロピレン樹脂ではなく、2種類の樹脂を特定の割合で配合して用いることが特徴である。混合により単独の樹脂では得られないバランスの良い物性値が得られるのである。
【0018】具体的には、ヘキサン溶出成分が3〜7重量部である内部可塑型ポリプロピレン樹脂50〜90重量部とヘキサン溶出成分が7〜15重量部である内部可塑型ポリプロピレン樹脂10〜50重量部の樹脂混合物を使用することが良い。
好ましくは、ヘキサン溶出成分が3〜7重量部である内部可塑型ポリプロピレン樹脂60〜80重量部とヘキサン溶出成分が7〜15重量部である内部可塑型ポリプロピレン樹脂20〜40重量部の樹脂混合物を使用するのがよく、 特に好ましくは、ヘキサン溶出成分5重量部である内部可塑型ポリプロピレン樹脂60〜80重量部とヘキサン溶出成分10重量部である内部可塑型ポリプロピレン樹脂20〜40重量部の樹脂混合物がよい。
【0019】ポリプロピレン樹脂の配合物としての?分子量は、重量平均分子量で10万〜30万、好ましくは15万〜25万、特に好ましくは15万〜20万である。分子量が10万以上であれば、低分子量成分の浸出によるべたつき等は観察されず、分子量30万未満であれば柔軟性を保持することができる。
【0020】該ポリプロピレン系樹脂のアタクティック比[全樹脂中にアタクティック成分が占める比率(モル比)]は10〜30%、好ましくは 15〜25%、特に好ましくは15〜20%である。 アタクティック比が10%以上であれば、曲面部への追随性や耐ネッキング性が十分であり、アタクティック比30%未満であれば、基材フィルムの押し出し製膜性が良好である。
【0021】本発明の基材層はエチレン−アクリル酸エステル系オリゴマーを含有する。該エチレン−アクリル酸エステル系オリゴマーは、曲面等に貼り付けられた基材層の耐磨耗性や耐候性を向上させることに寄与する成分である。
【0022】本発明で使用できるエチレン−アクリル酸エステル系オリゴマーは基材層に所定の特性を付与できるものであれば特に制限されないが、相溶性や流動性を考慮すると、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸オリゴマーが特に好ましい。
【0023】本発明の基材層は上記樹脂類の他に炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機添加物を含有する。この無機添加物は、基材層の着色、フィルム強度調整、相溶性のために添加される成分であって、相溶性の点から炭酸カルシウム、水酸化マグネシム、カボーンブラックが好ましく、意匠性、フィルム表面性を考慮すれば炭酸カルシウム、カーボンブラックが特に好ましい。
【0024】基材層は上記成分を配合した樹脂組成物をフィルム化することにより得られるが、配合割合は前記内部可塑型ポリプロピレン樹脂混合物50〜90重量部、エチレン−アクリル酸エステル系オリゴマー5〜20重量部、及び無機添加物5〜30重量部の割合で配合するのがよく、内部可塑型ポリプロピレン樹脂混合物60〜80重量部、エチレン−アクリル酸エステル系オリゴマー5〜15重量部、及び無機添加物10〜25重量部の割合で配合するのが好ましく、
内部可塑型ポリプロピレン樹脂混合物65〜75重量部、エチレン−アクリル酸エステル系オリゴマー7〜12重量部、及び無機添加物15〜20重量部の割合で配合するのが特に好ましい。
配合割合が上記の範囲を外れると、本用途におけるバランスの良い特性が得られなくなる。
【0025】基材配合物は基材フィルムの押し出し性、フィルム強度、フィルム外観の点から全体とメルトフローインデックス(MI)が3〜7 好ましくは3〜6、特に好ましくは4〜5であるのがよい。MIが小さすぎると基材フィルムの押し出し性が悪くなり、大きすぎるとフィルム強度が小さくなる。
【0026】本発明の基材層の厚さは貼付性(フィルム強度)の点から 50〜200μm、好ましくは60μm〜150μm 特に好ましくは70μm〜120μm であるのが良い。基材層が厚すぎるとフィルム強度が大きくて貼付性が悪くなり、薄すぎるとフィルム強度が小さくてフィルムが伸びて貼付性が悪くなる。
【0027】本発明のマーキングフィルムは前記基材層の表面に架橋されたポリウレタン系樹脂からなる表面層を有する。ここでいうポリウレタン樹脂とは、架橋剤の官能基と反応可能な官能基を有するポリオールとイソシアネートの重合体であって、ポリオール成分とイソシアネート成分が反応したポリウレタン骨格を有する樹脂である。
【0028】本発明において使用しうるポリウレタン樹脂のにおいて使用しうるイソシアネート成分としては、ポリウレタンの製造において一般に使用されている、脂肪族系、脂環式系、芳香族系又はこれらの混合系のポリイシシアンネート化合物を同様に使用することができ、具体的には、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタリン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の所謂芳香族多価イソシアネート;ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルブタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添メチレンジフェニルジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキシサメチレンジイソシアネート等がある。
【0029】また、以上のイソシアネートの二量体(ウレチジオン)、三量体(イソシアヌレート)、カルボジイイミド変性体、アロファネート変性体、ビウレット変性体、ウレア変性体、ウレタン変性体等の変性体またはそのブロックイソシアネートが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用ることができ又は2種以上併用することもできる。特に耐黄変性等に優れたペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添メチレンジフェニルジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好適に使用される。
【0030】一方、ポリオール成分もまたポリウレタンの製造に際して従来から一般に使用されているモノマー状又はポリマー状のポリオールが同様に使用可能であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビスフェノール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水添ビスフェノールA等のモノマージオール;ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ブタジエンポリオール、フェノーリックポリオール、エポキシポリオール等のポリマーポリオール等が挙げられ、該ポリマーポリオールの具体例としては、例えば開始剤として水、プロピレングリコール、エチレングリコール、水酸化カリウム、またはアルキレンオキサイドを用いて製造されるポリエーテルジオール、1,6−ヘキサンジオール、ホスゲン、エチレンカ−ボネ−ト、を用いて製造されるポリカーボネートジオール、アジピン酸とエチレングリコールを脱水縮合して製造されるポリエチレンアジペートを挙げることができる。
【0031】また、かかる2官能性アルコールに加えて、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセリン等の多官能性アルコールを使用することもできる。さらに、エチレン性不飽和結合を有するポリオール、例えば、エチレン性不飽和結合を有するポリカルボン酸、例えばマレイン酸、イタコン酸等をカルボン酸成分の一部として用いて合成されたポリエステルジオールを用いて、エチレン性不飽和結合を含有するポリウレタン樹脂をつくるようにしてもよい。
【0032】しかして、本発明において好適に使用しうるポリオール成分としえは、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられるが、磨耗性、耐候性などの皮膜性能、基材フィルムへの追随性が良好であるポリカーボネートポリオールが特に好適に使用される。
【0033】以上述べたイソシアネート成分とポリオール成分からのポリウレタン樹脂の製造はそれ自体既知の方法で行うことができ、例えば、重合槽中でジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン等の混合溶剤中で混合攪拌しながら加熱することにより重合させる方法を一般的に用いることができ、その温度、時間等の管理により目的とする該樹脂を得ることができる。
【0034】さらに本発明においては、上記イソシアネート成分とポリオール成分とから予めイソシアネート末端プレポリマーを調製し、次いで該プレポリマーを連鎖延長剤と反応させることによってポリウレタン樹脂を製造することも可能である。ここで使用しうる連鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ヒドロキノンジエチロールエーテル等多価アルコール;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、イソホロンジアミン、シクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジクロロ4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ジフェニルメタンジアミン、m−フェニレンジアミン等ジアミン;トリレンジイソシアネートの二量体、イソシアネートのウレア変性体等イソシアネートの変性体;等を挙げることができる。ここで三官能性以上の多官能性化合物は架橋剤としての役割も果たす。
【0035】本発明において使用されるポリウレタン樹脂は、一般に重量平均分子量が300〜200,000、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは5,000〜100,000の範囲内にあるものが好適である。かくして、ポリウレタン樹脂の製造に関しては、必要に応じて、メタノール、エタノール、プロパノール等のモノアルコール;ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等のモノアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノプロパノ−ルアミン、ジプロパノ−ルアミン等のアルカノールアミンを鎖伸張停止剤として用いて分子量の調節を行うことも可能である。
【0036】さらに、上記ウレタン樹脂層は少なくとも1種のビニルモノマーをグラフト重合させることにより変性されていてもよい。グラフト重合させうるビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、及び(メタ)アクリル酸ノニル等の(メタ)アクリル酸のC1〜C12アルキルエステル;メチロールアクリルアミド、ブチロールアクリルアミド等のN−C1〜C6アルキル(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸のC2〜C6ヒドロキシアクリルエステルまたはそのカプロラクトン変性物[例えばダイセル化学工業(株)製「プラクセルFMシリーズ」];トリエチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、プロピレングリコールアクリレート、ヒドロキシポリアルキレンエーテルグリコール(モノ)メタアクリレート等の重合度が2〜50の範囲内のポリアルキレンエーテルグリコール(モノ)メタアクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;エチレンオキサイドリン酸(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドリン酸(メタ)アクリレート等のリン酸オキシアルキル(メタ)アクリレート;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、アクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、等を挙げることができ、これらビニルモノマーはそれぞれ単独で使用することができ、或いは2種以上併せることもできる。
【0037】表面層の磨耗性、耐候性などの皮膜性能、基材フィルムへの追随性より、前記ポリウレタン樹脂の中でもポリカーボネートウレタン樹脂が特に好ましく、架橋剤による架橋のためポリカーボネートウレタン樹脂の酸価は、10〜25であることが好ましく12〜18であるのが特に好ましい。
架橋剤との組み合わせにもよるが、酸価が高すぎると基材フィルムへの追随性が悪くなり、低すぎると磨耗性、耐候性などの皮膜性能が低下する。
【0038】本発明の表面層は前記ウレタン樹脂を架橋剤により架橋した架橋ポリウレタン系樹脂である。表面層の架橋剤としては、通常の架橋剤が使用可能であるが磨耗性、耐候性などの皮膜性能の点から、水溶性イソシアネート系架橋剤、(水分散型)カルボジイミド系架橋剤が好ましい。
【0039】イソシアネート系架橋材としては ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、などがあげられ、 耐候性(耐黄変性)の点からヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく使用される。
【0040】カルボジイミド系架橋剤とは分子内に(ポリ)カルボジイミド構造を有する化合物であって、樹脂中のカルボキシル基と反応し樹脂を架橋するが、磨耗性、耐候性などの皮膜性能及び基材フィルムとの密着性の点から好ましく使用される。
【0041】中でも親水性セグメントを分子内に有する水溶性タイプ、エマルジョンタイプ等の水性カルボジイミド系架橋剤(スタールジャパン社 商品名:XR−5580,日清紡社 商品名:カルボジライト等)は水性ウレタン系樹脂との組み合わせにおいて特に好ましく使用できる。
【0042】表面層には、必要に応じて、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを添加することができる。
【0043】表面層の厚さは2μm 〜15μm 好ましくは5μm〜10μmであれば良く、厚すぎると基材フィルムへの追随性が悪くなり、薄すぎても摩耗性、耐候性などの皮膜性能が低下する。
【0044】本発明のマーキングフィルムは表面層と反対側の基材層表面に接着剤層を有する。
上記接着剤層は、その膜厚が20〜100μm、好 ましくは30〜70μm、より好ましくは30〜45μmである。上記膜厚が20μ未満になると被着体からフィルムが剥がれて被着体の屈曲等の加工適性が悪くなって好ましくなく、また、膜厚が100μを超えると接着強度が高くなり過ぎて貼着適性に劣り、しかもコストが高くなる虞がある。
【0045】また、上記接着剤層の接着強度は、被着体に25.4mm幅の該複合フィルムで貼り合わせて24時間放置した後、テンシロン引張試験機での剥離試験で180゜折り返して剥離させる時の測定値が1.0kg/25.4mm以上であるものが好ましい。上記接着強度が1.0kg/25.4mm未満になると本複合マ−キングフィルムが貼着された被着体を屈曲成形すると被着体からフィルムが剥がれる虞がある。
【0046】上記接着剤層を形成する材料としては、耐候性、透明性及び耐黄変性等の点からアクリル系樹脂が好ましい。
【0047】上記アクリル系樹脂における単量体の主成分は、アルキル基の炭素数が4〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。炭素数が4〜14の範囲を逸脱すると樹脂層が硬くなって柔軟性に劣る虞がある。また、上記アクリル系共重合体における単量体の主成分は、50モル%以上含有されていることが好ましい。その割合が50モル%未満になると上記アクリル系樹脂が硬くなって柔軟性に劣る虞がある。
【0048】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、イソブチル(メタ)アクリレ−ト、2−メチルペンチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト等があげることができる。
【0049】また、上記アクリル系樹脂と共重合する他成分の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン等を挙げることができる。
【0050】また、これらの樹脂に導入できる単量体の官能基としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基、ヒドロキシ(メタ)アクリレ−ト、n−メチロ−ルアクリルアミド等の水酸基、グリシジル(メタ)アクリレ−ト等のエポキシ基等を挙げることができるが、本発明では、一般的なポリイソシアネ−ト架橋剤を組み合せたウレタン架橋方式を採用することが好ましく、この場合には、カルボキシル基、水酸基が好ましい。
【0051】また、これらの単量体を共重合する際に用いられる溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、酢酸エチル、メタノ−ル等の従来公知の溶剤が単独または二種以上混合して用いることができ、また、重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、ジ−t−ブチルパ−オキサイド等の過酸化物系開始剤等を用いるこ とができる。
【0052】上記アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20万〜100 万、より好ましくは40万〜80万である。斯る分子量は、重合開始剤の量によって、または連鎖移動剤を添加することによって調整することができる。
【0053】尚、上記アクリル系樹脂には、必要に応じて粘着付与剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の添加剤を添加することができる。このようにして得られたアクリル系樹脂に架橋剤として、ポリイソシアネ−トを官能基に対して0.1〜1グラム当量、好ましくは0.3〜0.7グラム当量添加することにより、被着体への接着力を強固にすることができる。また、この架橋反応に際して必要に応じて反応促進剤を添加することができる。
【0054】本発明のマーキングフィルムを製造する方法は特に制限されるものではなく、各層をTダイ押し出し成形、インフレーション成形、溶液キャスト成形等の公知のフィルム製造方法でそれぞれ成形し、加熱あるいは常温圧着で重ね合わせれば良い。
【0055】生産性の観点からは、接着剤層を樹脂溶液もしくは樹脂分散液より形成する場合には、まず基材層をTダイ押出し法、またはインフレーション法によって成形した基体フィルムに表面層をコーティングした後、接着剤層を直接コーティングするか、もしくは一旦、剥離処理したフィルムにコーティングした接着剤層をラミネートロールを用いて積層することによって製造する方法が好ましい。
【0056】本発明のマーキングフィルムは、幅の狭い曲面部分に張力を与えながら接着させる用途で好適に使用され、屋外での温度変化や機械的な刺激に対して耐候性が高く、特にガソリンが存在する環境で使用される基材に対して好適に用いられる。このような用途として代表的なのは、自動車のドアや窓の周囲の幅狭の部位に貼りつける自動車用ドアサッシ用マーキングフィルムである。
【0057】本発明のマーキングフイルムからなるドアサッシ用テープは、廃棄の際に有害な塩素化合物を発生することがなく、耐ガソリン性、耐候性にすぐれ、また貼り付け時にネッキングを起こしにくいことから、従来のマーキングフィルムからなるドアサッシテープと比較して極めて有効に使用できる。
【0058】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚実施例における測定方法は下記の通りである。
【0059】実施例1
基材層樹脂の調製
ヘキサン溶出分4.8重量%であるインプラント型TPO樹脂、IDEMITSU TPO F−3900H(出光石油化学製)800g、ヘキサン溶出分10.2重量%であるIDEMITSU TPO E−2700(出光石油化学製)200g、エチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元共重合樹脂エルバロイ HP−551(三井デュポンポリケミカル製)100g、オレイン酸亜鉛マグネシウム複合体EZ−203M(勝田化工製)5g、炭酸カルシウム SST−40(林化成製)150g、カーボンブラック40wt%入り黒顔料 PEONY BLACK FF−30940MM(大日本インキ化学工業製)100g、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤チヌビン329FL(チバスペシャリティーケミカル製)15g、ヒンダードアミン系光安定剤キマソーブ119FL(チバスペシャリティーケミカル製)15g、αトコフェロール系酸化防止剤ユービナール2000AO(BASF製)6gを2軸押出機PCM−30(池貝鉄工製)にて混練しペレット化した。
【0060】樹脂層フィルム(PET付)の調製
ペレットを単層Tダイ押出機により、38μPETフィルム(東レ製、グレード:X−42)の上に、厚さ100μmのフィルムを押出して作製した。
100μmのフィルム層側に濡れ指数が約54となる様にコロナ放電処理を施した。
【0061】表面層の調製
フィルム(PET付)に酸価が15である水系ウレタンエマルジョンWF−41−035(スタールジャパン製)1000gに、水で50%に希釈したカルボジアミド結合を持つ架橋剤XR−5580(スタールジャパン製)100gを混合撹拌したものをグラビアコーターでコーティングした後、熱風乾燥(80℃、1分間)して厚みが5〜6μm表面層を作製した。
【0062】接着剤層の調製
シリコーン処理したポリエチレンコート剥離紙、SLK−110WT(カイト化学製)にアクリル系粘着剤PE−121L(日本カーバイド工業製)1250gと架橋剤CK−101(日本カーバイド工業製)25g、希釈剤として酢酸エチル150gを混合撹拌したものをダイレクトコンマコーターにて流延塗工、熱風乾燥(95℃、1分間)し25μmの接着剤層を作製した。
先にコーティングしたフィルム(PET付)のPETを剥離し、PET剥離されたフィルム面を粘着剤層に貼り合わせた。なおPET剥離されたフィルム面には、張り合わせ前に濡れ指数が約54となる様コロナ放電処理を施した。
【0063】上記手順により製造したポリプロピレンマーキングフィルムの物性値・特性値等を測定した結果を表3、表4に示す。該フィルムは特に自動車側面やオートバイタンク等のガソリン存在環境での曲面貼り付け用に用いられる、耐ガソリン性・曲面追随性に優れ、かつ焼却廃棄処理が容易なマーキングフィルムとしてバランスの良い性能を示す。
【0064】実施例2
表1に示すように、ヘキサン溶出分4.8重量%のインプラント型TPO樹脂、ヘキサン溶出分10.2重量%のIDEMITSU TPO F−3900H(出光石油化学製)600g、ヘキサン溶出分10.2重量%のIDEMITSU TPO E−2700(出光石油化学製)400gを使用し、表面層の架橋剤としてカルボジアミド結合を持つ架橋剤XR−5580(スタールジャパン製)を125g使用した以外は実施例1と同様にしてポリプロピレンマーキングフィルムを製造した。該マーキングフィルムの物性値・特性値等を測定した結果を表3、表4に示す。
【0065】実施例3
表1に示すように、表面層の架橋剤としてHDIアダクトイソシアネート系架橋剤PermutexWU−5336(スタールジャパン製)50gを使用した以外は実施例2と同様にしてポリプロピレンマーキングフィルムを製造した。該マーキングフィルムの物性値・特性値等を測定した結果を表3、表4に示す。
【0066】実施例4
表1に示すように、ヘキサン溶出分4.8重量%のインプラント型TPO樹脂、ヘキサン溶出分10.2重量%のIDEMITSU TPO F−3900H(出光石油化学製)600g、ヘキサン溶出分10.2重量%のIDEMITSU TPO E−2700(出光石油化学製)400gを使用し、帯電防止剤としてエレクトロストリッパーTS−2B(花王製)3gを加え、表面層樹脂として酸価30のアクリル酸エステル系樹脂UV−6010 100g、架橋剤として、HDIアダクト系架橋剤 デュラネートE−405−80T(旭化成社製)20gを使用した以外は実施例2と同様にしてポリプロピレンマーキングフィルムを製造した。該マーキングフィルムの物性値・特性値等を測定した結果を表3、表4に示す。
【0067】比較例1
表2に示すように、表面層を設けない以外は実施例1と同様にしてポリプロピレンマーキングフィルムを製造した。該マーキングフィルムの物性値・特性値等を測定した結果を表3、表4に示す。
【0068】比較例2
表2に示すように、基材層にエチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元共重合樹脂エルバロイ HP−551(三井デュポンポリケミカル製)を使用しない以外は実施例1と同様にしてポリプロピレンマーキングフィルムを製造した。該マーキングフィルムの物性値・特性値等を測定した結果を表3、表4に示す。
【0069】比較例3
表2に示すように、基材層樹脂として、ヘキサン溶出分4.8重量%であるインプラント型TPO樹脂、IDEMITSU TPO F−3900H(出光石油化学製)1000gを使用する以外は実施例1と同様にしてポリプロピレンマーキングフィルムを製造した。該マーキングフィルムの物性値・特性値等を測定した結果を表3、表4に示す。
【0070】比較例4
表2に示すように、基材層樹脂として ヘキサン溶出分10.2重量%であるIDEMITSU TPO E−2700(出光石油化学製)1000gを使用する以外は実施例1と同様にしてポリプロピレンマーキングフィルムを製造した。該マーキングフィルムの物性値・特性値等を測定した結果を表3、表4に示す。
【0071】比較例5
表2に示すように、基材層樹脂としてヘキサン溶出分1.7%のホモPPとEPMからなるインプラント型TPO樹脂、ゼラスZT701(三菱化学製)1000gを使用する以外は実施例1と同様にしてポリプロピレンマーキングフィルムを製造した。該マーキングフィルムの物性値・特性値等を測定した結果を表3、表4に示す。
【0072】比較例6
表2に示すように、表面層樹脂として酸価7の水ウレタン系エマルジョン樹脂WF−4664(スタールジャパン社製)100gを用いる以外は実施例1と同様にしてポリプロピレンマーキングフィルムを製造した。該マーキングフィルムの物性値・特性値等を測定した結果を表3、表4に示す。
【0073】比較例7
表2に示すように、基材層樹脂として ヘキサン溶出分2.8重量%であるIDEMITSU TPO F−3900(出光石油化学製)1000gを使用した以外は実施例1と同様にしてポリプロピレンマーキングフィルムを製造した。
該マーキングフィルムの物性値・特性値等を測定した結果を表3、表4に示す。
【0074】なお、物性評価は以下に述べる方法で行った。
伸び、降伏力、破断力、ネッキング
基材層・表面層・粘着剤層を積層した試料を一号ダンベル(10mm巾)で10mm幅のテープ状にカットし、引張試験機を用い、つかみ間隔50mm、引張速度200mm/minで引っ張り試験を行い、伸び、降伏力、破断力及びネッキング状態を各温度(23℃、15℃)で測定した。なお、降伏力、破断力の単位はinch巾の換算値です。
ネッキング状態
○:引張試験時、ツカミ部分のフィルム全体が均一に伸びる状態。
×:引張試験時、ツカミ部分のフィルムの局部だけが伸びる状態。
【0075】収縮性
IPA洗浄し、乾燥されたアルキッドメラミン塗装板(日本テストパネル社製)に試験片として10cm角の試料を貼り付け、80℃の乾燥機で72時間放置後の収縮性を測定する。10cm角の調製された樹脂層フィルム(PET剥離品)試料を80℃の乾燥機で2時間放置後の収縮性を測定する。
○:0.5%以下
×:0.5%以上
【0076】貯蔵安定性
カルを80℃×168時間放置後、上記試験を行う。
○:物性結果に変化が見られない。
△:一部の物性に変化が見られる。
×:物性結果に変化が見られる。
【0077】耐摩耗性
学振型試験機を用い、コーティング層との接触面に綿布カナキン3号を使用し、荷重500g、1000往復する。
○:コーティング表面に傷が付かない
△:コーティング表面に多少傷は付くが、綿布カナキン3号に樹脂層フィルム色(黒)の移行がない。
×:樹脂層フィルム色に傷が付き、綿布カナキン3号に樹脂層フィルム色(黒)の色の移行がある。
【0078】耐ガソリン性
IPA洗浄し、乾燥されたアルキッドメラミン塗装板(日本テストパネル社製)に試験片として2.5cm角の試料を貼り付け、室温で一日放置後、JIS一号ガソリンで室温にて30分に浸せきさせる。
○:試料に外観変化が見られない。
△:試料にわずかに外観変化が見られる。
×:試料に明らかな外観異常が発生する。
【0079】耐候性
サンシャインウェザオメーター(ブラックパネル温度63℃、降雨18分/180分)に入れ、2,000時間曝露後の外観、剥がれ等を目視で評価した。
○:原片と比較して変化が見られない。
△:外観の一部に変化が見られる。
×:外観異常が発生する。
【0080】
【表1】
Figure 2004307532
【0081】
【表2】
Figure 2004307532
【0082】
【表3】
Figure 2004307532
【0083】
【表4】
Figure 2004307532

Claims (6)

  1. 下記表面層、基材層、接着剤層からなる軟質ポロプロピレン樹脂マーキングフィルム。
    (1)架橋ポリウレタン系樹脂からなる厚さ2μm〜15μmの表面層、
    (2)ヘキサン溶出成分3〜7重量部である内部可塑型ポリプロピレン樹脂50〜90重量部とヘキサン溶出成分7〜15重量部である内部可塑型ポリプロピレン樹脂10〜50重量部の樹脂混合物 50〜90重量部、
    エチレン−アクリル酸エステル系オリゴマー 5〜20重量部
    及び無機添加物 5〜30重量部
    からなる厚さ50μm〜200μmの基材層、
    (3)アクリル系樹脂からなる厚さ20μm〜100μmの接着剤層、
  2. 表面層の架橋ポリウレタン系樹脂がポリウレタン樹脂を水溶性イソシアネート化合物またはカルボジイミド化合物によって架橋した樹脂である請求項1記載の軟質ポロプロピレン樹脂マーキングフィルム。
  3. 表面層の架橋ポリウレタン系樹脂を構成するポリウレタン樹脂が酸価10〜40のポリカーボネートウレタン樹脂である請求項1〜請求項2いずれか記載の軟質ポロプロピレン樹脂マーキングフィルム。
  4. 表面層の架橋ポリウレタン系樹脂がポリカーボネートウレタン樹脂をカルボジイミド化合物で架橋した架橋ポリウレタン系樹脂である請求項1〜請求項3いずれかに記載の軟質ポロプロピレン樹脂マーキングフィルム。
  5. 基材層樹脂のメルトフローインデックス(MI)が3〜10である請求項1〜請求項4いずれかに記載の軟質ポロプロピレン樹脂マーキングフィルム。
  6. 請求項1〜請求項5いずれかに記載の自動車ドアサッシ用マーキングフィルム。
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