JP2006142149A - 硝酸性窒素処理用造粒品の製造方法 - Google Patents

硝酸性窒素処理用造粒品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 溶融固化した硫黄をバインダーとし、硫黄粉末と炭酸塩粉末を一体化させた高い脱窒能力を有し、量産性に優れ、所望の空隙と強度を有する脱窒処理用造粒品を製造する。
【解決手段】 硫黄酸化細菌による生物的処理によって硝酸性窒素を脱窒処理するために使用されるアルカリ土類金属炭酸塩及び硫黄を主成分とする硝酸性窒素処理材を製造するに当り、アルカリ土類金属炭酸塩粉末40〜90重量部及び硫黄粉末10〜60重量部の割合で配合し、造粒して造粒品を得て、次いで造粒品を加熱処理して硫黄粉末の少なくとも一部を溶融させ、前記造粒品と同一又は類似形状を有した状態で、溶融させた硫黄で炭酸塩粉末を接着架橋させて、空隙率が10〜40%の粒状の処理材を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硫黄酸化細菌による生物的処理によって水中の硝酸性窒素を脱窒処理するために使用される硫黄-アルカリ土類炭酸塩系の硝酸性窒素処理材に関する。
河川、湖沼、閉鎖水域,閉鎖海域などの富栄養化の原因となる生活排水、産業排水、畜産排水、農業排水、水産養殖排水中の硝酸性窒素(硝酸イオン、亜硝酸イオン又はこれらのイオンを放出する塩をいう)を除去する技術として、独立栄養系硫黄酸化脱窒細菌(以下、硫黄酸化細菌という)や、従属栄養系脱窒細菌を用いたシステムが提案されている。従属栄養系脱窒細菌を用いたシステムは、廃液中に含まれるBODを利用して、またBODを含まない場合には、液体状のメタノール等の水素供給源の添加が必要になる。これらのシステムでは、処理中にpH変化が起こるため、それらを常時管理しながら運転する必要があり、また多量の汚泥処理等も必要となる。それに対して独立栄養系硫黄酸化脱窒細菌を用いた処理システムは、炭酸を用いて菌体を生成するため、余剰汚泥発生量は少なく、従属栄養系脱窒細菌を用いたシステムに比べ維持コストが少ないため、最近では各方面で注目されている。
特公昭62-56798号公報 特公昭63-45274号公報 特公昭60-3876号公報 特公平1-31958号公報 特公平4-9199号公報 特開平4-74598号公報 特開平4-151000号公報 特開平4-197498号公報 特開平6-182393号公報 特開11-285377公報 特開2000-93997号公報 特開2004-167471公報 特開2004-174328号公報
硫黄酸化細菌を用いた硝酸性窒素除去システム(以下、脱窒システムという)については、例えば特許文献1〜9など種々提案されている。
特許文献10には、硫黄と石灰石を混合して、硫黄を加熱溶融して石灰石を分散させた後、冷却、粉砕、分級を行ったものに硫黄酸化細菌を付着させた脱窒システムが提案されており、石灰石を共存させているため、発生する硫酸イオンは自然に中和されることからpHの調整は不要であり、メンテナンスの容易さと脱窒処理にかかるコストの面で優れた効果を示している。しかし処理材としては、石灰石粉は最終的には溶融固化した硫黄中に分散することになり、したがって材料中で微生物が活動できる面積はかなり小さく限定されることになる。
特許文献11では、微生物の活動面積を拡大して脱窒能力をさらに高めるために、石灰石だけでなく、微細孔隙を有する物質を共存させることを提案している。しかし、特許文献10〜11はともにその処理材の製造において、硫黄を完全に加熱溶融してマトリックスを形成させ、その中に石灰石粉が分散させた状態にした後に冷却、粉砕、分級する方法であることから、石灰石や微細孔隙を有する物質の表面の多くが溶融、固化した硫黄に覆われるものとなる。脱窒には、脱窒の進行にともなって発生する硫酸イオンを中和するための石灰石の作用や微生物の活動面積を拡大するための微細孔隙が必要であるが、硫黄に覆われるものとなることにより、例え微細孔隙を有する物質の添加効果したとしても、脱窒性能を充分には発揮しえないものとなってしまう。このような理由から、その処理材の硝酸性窒素の処理能力は、従来の従属栄養系脱窒細菌を用いたシステムにくらべ、まだかなり低いため、処理時間が長くかかり、工業や畜産等から発生する廃液の大量処理や高濃度処理に対しては改良が求められている。更に、このような製造方法においては、急冷、粉砕、分級といった工程が必要となり量産性にも改良が望まれるものである。
そこで、本発明者らは、特許文献12〜13において、硫黄と石灰石を水不溶性または水難溶性の有機バインダーを用いて押し出し機等で造粒した後、乾燥することで一体化を実現し、硫黄と石灰石を粉の状態で分散させて、微生物の活動面積を大きくすることで、微細孔隙を有する物質を共存させる必要もなく、脱窒速度を高めることができ、従来の硫黄の加熱溶融法に比べ処理材の量産性を高め、より高い処理能力を有し硝酸性窒素処理材を提供できることを報告した。
しかしながら、上記組成の処理材においても、直接的には微生物反応に不要な有機バインダーが存在していることから、やはり硫黄粉や石灰石粉の表面や粒子間にかなりの部分に有機バインダーが存在することになり、その点では脱窒効率にとってはマイナスとなっていると考えられる。また、有機バインダーは硫黄酸化細菌だけによる分解はかなり困難であると思われることから硫黄と炭酸塩が消耗した後も汚泥として残存することがある。そこで、残存する有機バインダーがなく又は可及的に少なく、また直接的には微生物の代謝には必要ではない微細孔隙を有する物質をあえて添加しなくとも高い脱窒能力を有した量産性に優れた脱窒処理用造粒品の製造方法が求められている。
したがって、本発明の目的は、溶融固化した硫黄をバインダーとし、しかも一定以上の空隙を有する硫黄粉末と炭酸塩粉末を一体化させた高い脱窒能力を有する量産性に優れた脱窒処理用造粒品の製造方法を提供することにある。
本発明者は、かかる課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、硫黄−炭酸塩の系において、第一ステップで、必要に応じて水を添加して造粒物を作成した後に、第2ステップでその造粒物を加熱処理することにより、溶融した硫黄で炭酸塩粉末が空隙を持って接着架橋することで硫黄−炭酸塩を充分な強度でかつ空隙率を高めた状態で一体化することが可能となり、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、硫黄酸化細菌による生物的処理によって硝酸性窒素を脱窒処理するために使用されるアルカリ土類金属炭酸塩及び硫黄を主成分とする硝酸性窒素処理材を製造するに当り、アルカリ土類金属炭酸塩粉末40〜90重量部及び硫黄粉末10〜60重量部の割合で配合し、造粒して造粒品を得て、次いで造粒品を加熱処理して硫黄粉末の少なくとも一部を溶融させ、前記造粒品と同一又は類似形状を有した状態で、溶融させた硫黄で炭酸塩粉末を接着架橋させることを特徴とする下記式(1)で表される空隙率(V)が10〜40%であり、木屋式硬度計により測定される強度が10ON以上である粒状の硝酸性窒素処理材の製造方法である。
V%=(A-B)×100/B (1)
(但し、Aは理論最大比重であり、Bは見かけ比重である)
ここで、造粒して造粒品を得るに当り、アルカリ土類金属塩粉末と硫黄粉末の合計100重量部に対して、水を2〜25重量部添加して造粒することにより、有機バインダー等の使用をしなくとも加熱処理に耐えうる造粒品を有利に得ることができる。また、造粒品を加熱処理するに当り、110〜170℃で、1分間〜10時間加熱することにより、溶融した硫黄での炭酸塩粉末の接着架橋の際、所望の空隙を持ってすることを有利に行うことができる。
以下、更に本発明の硝酸性窒素処理材の製造方法について説明する。
本発明の硝酸性窒素処理材の製造方法で得られる硝酸性窒素処理材は、溶融した硫黄で炭酸塩粉末が空隙を持って接着架橋することで硫黄−炭酸塩が一体化した空隙率の高い造粒品である。
アルカリ(土類)金属炭酸塩(以下、炭酸塩ともいう)は、硫黄酸化細菌の炭素源となる炭酸を有した化合物であり、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の炭酸塩あるいは重炭酸塩又はそれらの混合物などが挙げられる。しかし、本発明では、水処理に用いるために水不溶性である必要があり、アルカリ土類金属の炭酸塩が適する。アルカリ土類金属炭酸塩としては、カルシウムを多量に含む石灰石(炭酸カルシウム)やマグネシウムとカルシウムを含有する苦石灰(ドロマイト)又はマグネシウムを多量に含む菱苦土石(マグネサイト)の粉末が天然品として存在することから有用である。これらは、適度に混ざったものでもよく、また、合成品であっても差し支えない。
次に、硫黄としては、例えば石油脱硫や石炭脱硫プラントの回収硫黄や天然硫黄などが上げられるが特に制限されるものではない。
硫黄及び炭酸塩は粉末として使用されるが、その粒径としては特に限定されないが、0.1μm〜200μm程度が好ましい。本来、微生物が硫黄を消費することを考えると、その接触面積を大きくするため粒子を小さくした方が好ましいが、あまりに小さすぎると一体化させるときの温度制御が難しくなり、また大きすぎると融着させるための時間が長くなることから上記範囲が適当となる。
硫黄と炭酸塩の混合の割合は、硫黄酸化細菌の増殖の促進及びそれに伴い発生する硫酸イオンを中和することが必要であることから、硫黄含有量は10〜60重量部、炭酸塩含有量は40〜90重量部が好ましい。この範囲外では、短期間的には脱窒は進行するもの、硫黄含有量が10重量部未満で、炭酸塩が90重量部を超える場合には、微生物が硫黄を消費して、硫黄が消滅すると同時に脱窒反応はストップして大過剰の炭酸塩のみが残存することになる。また逆に、硫黄含有量が60重量部を超え、炭酸塩が40重量部未満の場合には、脱窒と同時に発生する硫酸イオンを中和するアルカリ土類金属イオンがかなり不足して酸性化が起こり、微生物の活性が極端に低下する。
本発明の製造方法においては、硫黄粉末と炭酸塩粉末を上記の割合で配合して造粒する。造粒方法としては、まず両者をよく混合してペレット状や顆粒状等に造粒する。造粒に際しては、有機や無機のバインダー類は使用してもよいが、使用しないか、少量にとどめ、空気中の水分や液体の水を使用することが望ましい。
水を使用する場合、必要となる水分は造粒方法によっても異なるが、アルカリ土類金属塩粉末と硫黄粉末の合計100重量部に対して、水を2〜25重量部添加することで造粒が容易となる。水が2重量部未満では、造粒品としては脆くなりすぎ形状が保てない。逆に25重量部を越えては、水分が多すぎて粒子同士が付着するなどやはり形状が保てない。また、水分を除去するために乾燥時間が長くなりすぎ、生産性を低下させる原因となる。
ここで造粒の方法は、既存の方法でよく、たとえば、攪拌混合造粒、転動造粒、押し出し造粒、破砕造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒、圧縮造粒などがあるが特には限定されない。造粒品の大きさも、脱窒処理のシステムや処理条件により特に限定はされないが、0.5mm〜50mm程度は容易に製造することができる。
バインダーを使用することなく又は十分量のバインダーを使用することなく得られた造粒品は、そのままでは結合力が弱く、水中に置いたときに崩壊してしまい、汚泥となるだけで処理材としては使用できない。そこで造粒品内の結合力及び水中での形状維持性を高める必要があるが、その方法としては、加熱処理して硫黄を溶融させ、溶融硫黄の固化したときの結合力を利用することが簡便である。このようにして得られた粒状の硝酸性窒素処理材(単に、処理材ともいう)に、高い脱窒性能を付与させるためには、処理材の空隙率を保持させる必要がある。そこで、従来のように硫黄がマトリックスを作って、その中に炭酸塩が分散するような形とはならないようにすることが重要である。
ここで、高い脱窒性能と処理材の強度の両方を維持するためには、処理材の空隙率が10〜40%であることがよい。ここで処理材の空隙率(V)は、硫黄が完全に溶融して空隙が全くないと仮定して計算される理論最大比重(A)と処理材の見かけの比重(B)から上記計算式(1)で与えられる値と定義する。
計算式(1)において、理論最大比重(A)は、硫黄粉が完全に溶融して、且つ、低粘度となって、均一に混ざって、空隙率が0となった状態の比重を言う。これは、低粘度溶融硫黄が浸入し得ないような細孔又は閉鎖空間を内部に有する原料を使用しない場合は、使用する原料の真比重から計算される。すなわち、硫黄及び炭酸塩及び必要により少量加えられる添加剤の各真比重にそれぞれの配合重量を乗じて得られる値を、全重量で除することにより得られる。低粘度溶融硫黄が浸入し得ないような細孔又は閉鎖空間を内部に有する原料を使用する場合は、この原料の見掛け比重を真比重として材料の理論最大比重を求める。
見かけの比重(B)は、例えば、処理材10gをメスシリンダー中の水10mlに加えたときの、容積増加量(水面の上昇量)から計算できる。全体で14mlになった場合、容積増加量4mlなので、その見かけの比重は10g/4ml=2.5と計算される。
例えば、真比重2.07の硫黄、真比重2.71の炭酸カルシウムを、45:55の重量比で使用した場合には、理論最大比重(A)は、2.07×0.45+2.71×0.55=2.42と計算される。
ここで、空隙率が10%未満の場合は、微生物の活動面積は限定されることになり高い脱窒性能を発現できない。また、40%を越える空隙率を有する造粒物の製造は技術的に非常に難しく、製造できたとしても、その造粒品は充分な強度を保持させることが困難になり最終的には汚泥となりやすい。
上記のような空隙率を与え、実用的な強度を与えるために、造粒品を加熱処理して硫黄の少なくとも一部を溶融して、これが固化したときの接着力を利用する。加熱処理の方法としては、造粒物を連続的またはバッチ的に1min〜10時間、110〜170℃の雰囲気にさらすことがよい。この場合、造粒品の形状が崩れないように加熱して、加熱処理後の形状を造粒品と同一又は類似の形状に保持する。なお、類似の形状とは多少加熱収縮しただけの類似形状、角部が多少滑らかとなっただけの類似形状等をいう。そうすることにより造粒物内に分散して存在する硫黄粒子は溶融し、共存する炭酸塩は溶融した硫黄を介して接着架橋して充分な空隙率を保持させることができ、かつ水中でも容易には崩壊しないほどの強度を有する一体化物が製造できる。予め造粒品としておき、形状が維持された状態で硫黄の溶融を生じさせることにより、硫黄を介して接着架橋した粒状の処理材を得ることができる。なお、加熱処理条件を高温、長時間とし過ぎると、硫黄が完全に溶融し、しかも低粘度となってしまい、形状がくずれ、且つ、空隙率が減少する。
加熱処理方法としては、最も簡単には高温乾燥機、連続的な乾燥炉を用いればよい。また、雰囲気は空気中でもよいが硫黄は危険物であることから火気には十分注意する必要がある。その場合、安全性を考慮して窒素などの不活性ガス中や水蒸気中又は真空雰囲気で行なうことがよい。
ここで材料の組成比、強度、熱処理温度、熱処理時間、空隙率、硬度、脱窒処理能力は、相互にかかわっている。110℃より低温では、10時間熱処理を行っても、硫黄が充分に溶融せず実用的な強度は得られない。また、10時間をこえる処理時間にさらすことは、生産性が悪くなる。逆に、熱処理時間を1分未満にするために170℃をこえる温度では、亜硫酸ガスの発生や硫黄の昇華が激しくなり、更に火災など安全上の問題が生じる。
ところで、本発明の処理材には、炭酸塩と硫黄の他に、必要に応じてその他の添加剤を配合することができる。例えば、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの難燃剤や酸化鉄、活性炭等の硫化水素発生防止剤、処理中のpH変化を抑えるための少量の水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウムフライアッシュ、ベントナイト、製鉄スラグ又はコンクリート粉砕物などの中和剤、更には、ゼオライトやロックール等の微生物保持材、ベントナイトやタルク等の成形改良材等を添加してもよい。また、ガラスバルーン、シラス、シラスバルーン、火山礫など中空粒子や発砲粒子を添加して比重調整を行うこともできる。これらは、造粒前に炭酸塩と硫黄粉末に配合され、混合されることがよい。
好ましい添加剤としては、微細孔隙を有する物質やロックウールやワラストナイト等をはじめとする鉱物繊維類がある。これらは、強度を保ったり、空隙率を高めたりするために有効である。微細孔隙を有する物質や鉱物繊維類を配合する場合は、アルカリ土類金属塩粉末と硫黄粉末の合計100重量部に対して、10重量部以下がよい。10重量部を超える場合には、直接的に微生物の脱窒に寄与する物質、つまり硫黄と炭酸塩の含有量が低くなるためにランニングコストとして不利になるばかりか、汚泥の発生量が増加することになる。
本発明の処理材が実用的な強度を有するためには、造粒品を加熱処理して得た処理材を24時間空冷したのち、木屋式硬度計により測定される処理材粒子当りの強度が10ON以上である必要がある。具体的には、実施例に記載の方法で測定される。また、水中での強度としては、処理材の使用方法によっても異なってくると思われるが、処理材を24時間水に浸漬した直後の強度が5N以上を保っておくことが望ましいと考えられる。これは、造粒品の造粒条件や加熱処理条件や処理材中の硫黄含有量あるいは無機繊維の配合の有無等で調整可能である。
本発明の製造方法は、造粒物だけではなくセラミック・プラスチック・金属・有機又は無機繊維などの担体に、炭酸塩粉末及び硫黄粉末の混合物をコーティングする方法にも利用できる。担体への被着については、硫黄と炭酸塩の粉末とバインダー混合物を公知の方法、たとえば浸漬・噴霧・塗布などにより行なうことができる。
硫黄粉末と炭酸塩粉末を強固に一体化させたものであって、適当な空隙率と高い脱窒能力を有する量産性に優れた粒状の脱窒処理材を得ることができる。
硝酸性窒素処理材の作成には、硫黄は200メッシュの粉末(軽井沢精錬社製)を、炭酸塩は200メッシュのドロマイトタンカル粉末(MgCO3含有量38%、CaCO3含有量62%駒形石灰工業社製)を用いた。また硫化水素防止及び微生物の活性化剤として比表面積30m2/g(リモナイト工業社製)の酸化鉄主体の黄土粉体を用いた。バインダーとしては、大日本インキ化学工業(株)製水分散型ウレタン樹脂(製品名:1980NS)を使用した。
実施例1〜5
表1に示す配合で、硫黄、ドロマイトタンカル、水及びその他の添加剤を配合し、まずダルトン社製の万能混合機で粉末及び水を混合混練後、ダルトン社製のディスクペレッター(半乾式押し出し機)により5mmφ、長さ5〜10mmに造粒して造粒品を得た。この造粒品を表1に示す条件で、熱風高温乾燥炉で熱処理して処理材を作成した。得られた処理材について、目視で観察したところ、形状はいずれも造粒品とほぼ同じであり、表面は多孔質で、ざらざら感を与えたが、溶融固化した硫黄があることが認められた。
得られた処理材について、理論最大比重(A)と見かけの比重(B)から空隙率(V)を算出した。更に、処理材の実用時の強度の指標として、加熱処理して24時間放置後の処理材及びその処理材を24時間水に浸漬した後の強度を木屋式硬度計で測定した。測定は、無作為に10粒取り出し、最も高いものと低いものを除いた8粒の平均値とした。
この処理材を使用して水中の硝酸性窒素の除去試験を行った。処理材への硫黄酸化細菌の担持は、ポリビンに処理材1kgと硝酸カリウム溶液(硝酸性窒素濃度で200mg−N/kg)500g及び硫黄酸化細菌培養汚泥を50g添加し、硝酸性窒素濃度が10mg−N/kg以下になった時点で硝酸カリウムを硝酸性窒素濃度で200mg−N/kgになるように添加して、3週間担持培養を行った。評価に際しては、かるく水洗浄して、試験用の菌付処理材とした。
脱窒性能は、上記のようにして得られた菌付処理材200gと硝酸性窒素濃度で400mg−N/kgに調整した硝酸カリウム溶液100gを250mlのポリビンに入れ、3時間後に硝酸性窒素濃度をイオンクロマトグラフィーで測定して、初期の硝酸性窒素からの減少で評価した。
比較例1〜4
表2に示す配合で、硫黄、ドロマイトタンカル、水及びその他の添加剤を配合し、実施例と同様にして造粒品を得た。この造粒品を表2に示す条件で、熱風高温乾燥炉で熱処理して処理材を作成した。なお、比較例2及び4においては、硫黄の十分な溶融が認められなかった。
比較例5〜6
比較例1において、水の量を1.0重量部又は40.0重量部とした他は、同じ配合とし、実施例と同様にして造粒を行った。水の量を1.0重量部とした例では、ダイスが詰まり造粒不能となった。水の量を40.0重量部とした例では、流動性が高く造粒不能となった。
比較例7
表2に示す配合となるように、硫黄をまず160℃で溶融した後、ドロマイトタンカルと黄土を添加して、よく混合して、水で急冷却し、5〜20mmに粉砕分級した処理材を作成した。
比較例1〜4及び7で得られた処理材について、実施例と同様に空隙率、水浸漬24時間後の強度の測定及び硝酸性窒素除去試験(脱窒性能)を行った結果を表2示す。
表において、配合量を示す数字は重量部である。表1及び表2から明らかなように、実施例で得られた硝酸性窒素処理材は、高い処理能力を有する。
Figure 2006142149
Figure 2006142149

Claims (3)

  1. 硫黄酸化細菌による生物的処理によって硝酸性窒素を脱窒処理するために使用されるアルカリ土類金属炭酸塩及び硫黄を主成分とする硝酸性窒素処理材を製造するに当り、アルカリ土類金属炭酸塩粉末40〜90重量部及び硫黄粉末10〜60重量部の割合で配合し、造粒して造粒品を得て、次いで造粒品を加熱処理して硫黄粉末の少なくとも一部を溶融させ、前記造粒品と同一又は類似形状を有した状態で、溶融させた硫黄で炭酸塩粉末を接着架橋させることを特徴とする下記式(1)で表される空隙率(V)が10〜40%であり、木屋式硬度計により測定される強度が100N以上である粒状の硝酸性窒素処理材の製造方法。
    V%=(A-B)×100/B (1)
    (但し、Aは理論最大比重であり、Bは見かけ比重である)
  2. 造粒して造粒品を得るに当り、アルカリ土類金属塩粉末と硫黄粉末の合計100重量部に対して、水を2〜25重量部添加して造粒することを特徴とする請求項1記載の硝酸性窒素処理材の製造方法。
  3. 造粒品を加熱処理するに当り、110〜170℃で、1分間〜10時間加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の硝酸性窒素処理材の製造方法。
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