JP4947247B2 - 硝酸性窒素等除去用組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、養液栽培排水や暗渠排水等の農業排水、畜産排水処理水、浄化槽処理水、下水処理水、養殖漁業排水、食品加工廃水処理水、イオン交換樹脂再生処理水、金属加工廃水等から、主として硫黄酸化細菌による硝酸性窒素の除去、即ち、脱窒素と、カルシウムとリン酸の反応を主とするリン酸含有量の低減、さらに、粒子形状に基づく浮遊懸濁物のろ過機能による水質浄化に用いられる硝酸性窒素等除去用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機炭素源を電子供与体として脱窒させる従属栄養性脱窒は、専用設備の導入・維持や運転に伴う多量の菌体汚泥処理等で管理が煩雑である。また、管理が比較的容易であるとされる生分解性プラスチックや脂肪酸等の固型基質による従属栄養性脱窒でも、処理水中の全有機炭素増加や、脱窒反応に与かる微生物が必ずしも動植物に対する非病原性菌に限られることがないため、完全管理型の施設以外で用いることは環境保全上問題がある。
【0003】
これに対し、BOD/N比の低い条件において比較的高い脱窒効率を示し、環境安全性が高く、さらには管理が容易である点から、独立栄養性菌、即ち、非病原性菌である硫黄酸化細菌を用いた脱窒技術の実用化が近年各方面で研究されている。例えば、第35回日本水環境学会年会講演集p.196(2001年3月)には、鋼材硝酸洗浄排水の硫黄酸化細菌による脱窒処理に関する研究報告が掲載されている。
【0004】
また、広義の脱窒においては地球温暖化ガスである亜酸化窒素の放出も懸念されているが、例えば、亜酸化窒素発生の指摘されている水田土壌や畑地土壌で硫黄脱窒とpH調整を行うことで、有機物を唯一の電子供与体とする場合より、亜酸化窒素の発生が抑制される可能性が示されたとする報告が第33回日本水環境学会年会講演集p.368(1999年3月)に掲載されている。
【0005】
さらに、硫黄酸化細菌を用いる脱窒では、脱窒基質として適用する物質が固体であるのは基本的には硫黄のみである。これは、現在では石油精製時に大量に得られる副産物で、従属栄養性脱窒に用いられるメタノールや固型脂肪酸、生分解性プラスチックのように敢えてエネルギーを消費し化学合成する必要がない。
【0006】
但し、硫黄酸化細菌を用いた脱窒においては、菌が硝酸から酸素を奪って硫黄を酸化するため、硫酸が生成されるので、処理水の中和が必須であり、また、脱窒もpH7近辺で好適に行われるため脱窒槽内のpHもほぼ中性に保つ必要がある。なお、硫酸は完全に中和すれば、例えば2000mg/Lの濃度であっても火山国たる日本国の環境基準には抵触しない。
【0007】
このため、中和には様々なアルカリ性物質が適用されるが、硫黄酸化細菌の増殖には無機の炭酸イオンが必須であるため、炭酸カルシウムの適用が最も安価で実用的である。ところが、可能な限り維持管理を省力化しようとすると生成する窒素ガスの泡抜けの促進や、様々な物質による目詰まりを抑制する点から脱窒基質即ち脱窒資材は粗粒の方が好ましい。然し、脱窒反応効率の点からは脱窒資材は可能な限り細粒の方が好ましいという矛盾が生じる。
【0008】
この矛盾を解消するため、本発明者らは硫黄マトリクス中に炭酸カルシウム微粉を必要量均質分散させる微生物活性能付与組成物及びその製造方法を開発した(特開平11−285377号)。これは、1つの資材で効率の良い脱窒と中和が容易に実現できるところから画期的なものである。
【0009】
また、本発明者らは硫黄酸化細菌をより効果的に担持させるため硝酸性窒素脱窒基質を開発した(特開2000−93997号)。これは、硫黄マトリクス中に炭酸カルシウム微粉を均質分散させ、それに加えて、局部的に珪藻土などの微細孔隙を有する物質を共存させたものであり、微細孔隙を有する物質の微粒が硫黄マトリクス中に散在する形態となっている。
【0010】
更に、本発明者らは、例えばバーミキュライト精石を難燃化材料として共存させることで延焼抑制、自己消火型の硫黄系脱窒材を開発した(特開2000−343097号)。
【0011】
その他に、屋外水路等で渇水時にも少ない排水を合理的に脱窒処理するため、本発明者らは硝酸性窒素脱窒基質と鉱物繊維との混合物から成る硝酸性窒素脱窒用活性化材を開発した(特願平11−226206号)。
【0012】
また、本発明者らは硝酸性窒素脱窒用活性化材の改良に係る硝酸性窒素脱窒用組成物として硝酸性窒素脱窒基質と鉱物繊維を一体化した組成物を開発した(特開2001−104993号)。これにより、脱窒基質そのものが保水性を有し脱窒微生物活性を高めることができるだけでなく、製造破砕時には、利用しにくい粉末の発生を抑制することができる。
【0013】
さらに、本発明者らは、これまで必須であった製造時の加熱混合、急冷及び破砕・分級処理の不要な硫黄系脱窒材の製造方法を開発した(特願2000−264564号)。これは溶融硫黄を使用できず原料が限定され、且つ、高価な製造装置を多く必要とするが、脱窒菌を一部生存した状態で脱窒基質中に予め共存させることができる。
【0014】
然しながら、その硫黄系脱窒材は、加熱・冷却・破砕分級による製造方法により得られたものと異なり、物理的強度が弱く脆いうえ、製造物が比重の重いタブレット型やペレット型に統一されるため、脱窒槽内に密充填され、被処理水に接触する部分が少なくなり脱窒効率が低下してしまう。
【0015】
なお、硝酸性窒素濃度が200mg/Lを越えるような高濃度の被処理水から硝酸性窒素を効率良く除去するには、硝酸性窒素脱窒基質等を可能な範囲で細粒化する必要があるが、これまで提案されていた技術では、硝酸性窒素脱窒基質の粒径が2.5mm以下の場合、下向流において短時日に閉塞してしまうため、それの利用には攪拌動力と設備並びに強力なろ過が必要になる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、製造が容易で、高効率の脱窒を容易に実現でき、且つ、通水阻害が発生しにくく、リン酸の低減効果もあり、適度なろ過機能も有する硝酸性窒素等除去用組成物並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る硝酸性窒素等除去用組成物においては、アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする粒径:0.1mm以下の物質と硫黄が粒径:0.1〜5mmの軽比重多孔質粒状物を核に被覆付着及びまたは含浸し、
前記アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする物質:90〜130重量部に対し前記硫黄:90〜150重量部前記軽比重多孔質粒状物:35〜55重量部の組成物として構成されている。
【0018】
本願の請求項2に係る硝酸性窒素等除去用組成物においては、アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする粒径:0.1mm以下の物質と硫黄に粒径:1mm以下の陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質、難燃化物質の1種または2種以上を加え、
前記アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする物質:90〜130重量部に対し前記硫黄:90〜150重量部前記陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質難燃化物質の1種または2種以上:10重量部以下前記軽比重多孔質粒状物:35〜55重量部の組成物として構成されている。
【0019】
本願の請求項3に係る硝酸性窒素等除去用組成物においては、軽比重多孔質粒状物がパーライトである組成物として構成されている。
【0020】
本願の請求項4に係る硝酸性窒素等除去用組成物の製造方法においては、アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする粒径:0.1mm以下の物質を硫黄と混合し、硫黄を溶融し、混合物全体がスラリー化した中に、粒径:0.1〜5mmの軽比重多孔質粒状物を加えて攪拌または加熱攪拌しながら、前記粒状物を核として前記スラリーを前記粒状物の表面に被覆付着及びまたは前記粒状物中に含浸させて冷却し、前記アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする物質:90〜130重量部に対し前記硫黄:90〜150重量部前記軽比重多孔質粒状物:35〜55重量部の組成物とするようにされている。
【0021】
本願の請求項5に係る硝酸性窒素等除去用組成物の製造方法においては、アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする粒径:0.1mm以下の物質と硫黄に粒径:1mm以下の陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質、難燃化物質の1種または2種以上を加え、
前記アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする物質:90〜130重量部に対し前記硫黄:90〜150重量部前記陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質難燃化物質の1種または2種以上:10重量部以下前記軽比重多孔質粒状物:35〜55重量部の組成物とするようにされている。
【0022】
本願の請求項6に係る硝酸性窒素等除去用組成物の製造方法においては、軽比重多孔質粒状物をパーライトとするようにされている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照して説明すると、本発明に係る硝酸性窒素等除去用組成物は、図1で示すようにアルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする物質と硫黄が、必要に応じて添加する陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質、難燃化物質と共に、軽比重多孔質粒状物1を核に、被膜層2として被覆付着し、及びまたは、含浸層3を形成した組成物を基本形態とする。
【0024】
その組成物中で、アルカリ性物質としては、炭酸カルシウム、各種セメント、スラグ粉末、貝化石粉末、軽量気泡コンクリート粉末、水酸化マグネシウム粉末、岩石粉末などの1種または2種以上を用いられる。アルカリ性炭酸塩としては、炭酸カルシウム、ドロマイト粉末、炭酸マグネシウムカルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸鉄などの1種または2種以上を用いられる。炭酸カルシウムを主成分とする物質としては、結晶質石灰岩粉末、石灰岩粉末、卵殻粉末、貝殻粉末、サンゴ粉末などの1種または2種以上を用いられる。
【0025】
硫黄としては、例えば石油脱硫や石炭脱硫プラントの回収硫黄や天然硫黄などを用いることができ、その形態は粉末・粒状等の固体硫黄でもよいし、溶融硫黄のような液体であってもよい。
【0026】
必要に応じて添加する、陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質としてはゼオライト粉末、火山灰土壌、粘土粉末などの1種または2種以上を用いられる。難燃化物質としては、水酸化アルミニウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、バーミキュライト精鉱(精石)などの1種または2種以上を用いられる。
【0027】
軽比重多孔質粒状物としては、真珠岩パーライト、松脂岩パーライト、黒耀岩パーライト、シラスバルーン、坑火石、セピオライト、軽石などの1種または2種以上を用いることができる。好ましくは、工業的に安定生産され価格も安価なパーライトである。特に、真珠岩パーライトの連続空隙は本発明に適した性能を発揮する。
【0028】
この組成物は、アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする物質と硫黄を混合し、必要に応じて陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質、難燃化物質のうち1種または2種以上を加えて、硫黄を溶融し、混合物全体がスラリー化した中に軽比重多孔質粒状物を加えて攪拌または加熱攪拌しながら、粒状物を核としてスラリーを粒状物の表面に被覆付着及びまたは粒状物中に含浸させて冷却することにより得られる。
【0029】
その組成物の製造工程では、基本的に、破砕・分級が不要で、冷却も空冷でよい。硫黄の溶融温度は112〜190℃の範囲でよく、硫黄は粉末かまたは液体を用いれば原料価格は低減できる。攪拌混合機としては、例えば加熱仕様の万能混合攪拌機などを用いればよい。
【0030】
ここで用いるアルカリ性物質、アルカリ性炭酸塩、炭酸カルシウムを主成分とする物質の粒径が0.1mm以下であることが望ましい。また、陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質、難燃化物質については粒径が1mm以下であることが望ましい。更に、軽比重多孔質粒状物としては粒径0.1〜5mmの真珠岩パーライトであることが望ましく、この条件のパーライトを用いれば、本発明の組成物として好ましい嵩比重0.3〜0.8g/cm程度の粒状物を容易に得られる。
【0031】
組成物中の好ましい混合割合は、アルカリ性物質、アルカリ性炭酸塩、炭酸カルシウムを主成分とする物質:90〜130重量部に対し、硫黄:90〜150重量部、軽比重多孔質粒状物は真珠岩パーライトとして35〜55重量部程度が基本となる。
【0032】
陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質、難燃化物質については、添加する場合、10重量部以下に設定することが望ましい。この混合割合を越えると、軽比重多孔質粒状物を核とした独立粒で良好な組成物が得られず、粒子同士が付着し、破砕が必要となる上に嵩比重の重い状態となったり、反対に表面付着ムラが甚だしくなり、軽比重多孔質粒状物を用いる意義が失われてしまう。
【0033】
このようにして得られる硝酸性窒素等除去用組成物は、効率の良い硝酸性窒素の除去のみならず、リン酸の低減にも寄与し、また、通水阻害が発生しにくく多少の浮遊懸濁物であればろ過機能も有することから、硝酸性窒素の除去を中心とした水質浄化に適する。
【0034】
脱窒基質である硫黄と中和物質であるアルカリ性物質、アルカリ性炭酸塩、炭酸カルシウムを主成分とする物質が消費された後は軽比重多孔質粒状物のみが残るため、交換時期を容易に知ることができる上、その回収も簡単に行える。この回収後は再利用を図れ、パーライトの場合、土壌改良材として土壌に混和することもできる。
【0035】
その組成物の有効性を確認するべく、本発明品としては、炭酸カルシウム(NSK−100、ニッチツ製、以下同じ):100重量部、粉末硫黄(200メッシュ、軽井澤製錬所製、以下同じ):100重量部を混合した後に180℃で加熱することにより硫黄を溶融し、この混合物のスラリー中にパーライト(P−1、アサノパーライト製):45重量部を添加攪拌することにより混合機から排出し、粒径0.5〜3mm程度の組成物(本発明品)を得た。
【0036】
比較例としては、炭酸カルシウム:100重量部と硫黄:100重量部とを180℃にて加熱混合し、急冷した後に破砕・分級し、粒径0.6〜1.0mm(比較例1)、1.0〜2.5mm(比較例2)、2.5〜5mm(比較例3)、5〜20mm(比較例4)を作製した。
【0037】
本発明品及び比較例の各試料につき、埼玉県深谷市人見のネギ圃場より採取した黒ボク土をチオ硫酸培地で馴養して得た硫黄酸化細菌を用い、大塚ハウス肥料1号(大塚化学製、以下同じ)及び2号で調整した人工廃水で、水温25〜30℃の硝酸性窒素濃度200mg/L、リン酸濃度135mg/Lとして供試することにより、脱窒カラム試験、リン酸吸着カラム試験、下向流カラム通水試験を行った。
【0038】
その脱窒カラム試験としては、図2並びに表1で示す結果が得られた。リン酸吸着カラム試験としては、図3並びに表2で示す結果が得られた。下向流カラム通水試験としては、図4並びに表3で示す結果が得られた。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
この結果から明らかなように、本発明品は細粒であっても、通水阻害を起こしにくく、これまで得ることの困難であった粒径に比例した脱窒効果を維持できることを確認できた。また、リン酸の低減効果も発揮できることが認められた。なお、処理水pHは全て6.8〜7.3の範囲であった。
【0043】
また、本発明品及び比較例の各試料につき、合併浄化槽処理水を同一条件で1週間通水し、通水後の清澄度を観察した。目視では、表4で示す如く明らかに本発明品のろ過機能が認められた。
【0044】
【表4】
【0045】
下向流カラム通水試験においては、カラム内の脱窒資材粒子間に大きな違いが認められた。本発明品では、資材粒子の嵩密度が0.3〜0.8g/cm程度のため、図5で示すように脱窒に伴う窒素ガスが抜けやすく、また、下向流のため深部のガスは抜けにくいが、抜けないガスの分、資材層が容易に体積を増加するため、透水空間の確保ができ、結果として通水阻害を起こしにくい。
【0046】
これに対し、比較例では、図6で示すように下向流において短時日に閉塞してしまうため、その利用には攪拌動力と設備並びに強力なろ過が必要になる。
【0047】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係る硝酸性窒素等除去用組成物に依れば、養液栽培排水や畜産排水処理水のような硝酸性窒素濃度の高い被処理水はもとより、浄化槽処理水のような時折浮遊懸濁物質が含まれるような被処理水からの硝酸性窒素除去にも優れるだけでなく、リン酸濃度の低減にも大きく寄与する。更に、製造が容易で無駄がなく、資材の交換と再利用も容易に図れる。
【0048】
本発明に係る硝酸性窒素等除去用組成物の製造方法に依れば、水冷や破砕・分級がほぼ不要となるため、製造時間や設備を縮減でき、また、製品の歩留りが大幅に向上し、コストダウンを図れると共に、通水阻害を受けにくい脱窒材料であるため、細粒品の利用が可能で、高い硝酸性窒素除去効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る硝酸性窒素等除去用組成物の断面構造を模式的に示す説明図である。
【図2】 本発明品と比較例との脱窒カラム試験結果を示すグラフである。
【図3】 本発明品と比較例とのリン酸吸着カラム試験結果を示すグラフである。
【図4】 本発明品と比較例との下向流カラム通水試験結果を示すグラフである。
【図5】 本発明に係る硝酸性窒素等除去用組成物による下向流を模式的に示す説明図である。
【図6】 比較例に係る硝酸性窒素等除去用組成物による下向流を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 軽比重多孔質粒状物
2 被膜層
3 含浸層

Claims (6)

  1. アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする粒径:0.1mm以下の物質と硫黄が粒径:0.1〜5mmの軽比重多孔質粒状物を核に被覆付着及びまたは含浸し、
    前記アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする物質:90〜130重量部に対し前記硫黄:90〜150重量部前記軽比重多孔質粒状物:35〜55重量部の組成物でなることを特徴とする硝酸性窒素等除去用組成物。
  2. アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする粒径:0.1mm以下の物質と硫黄に粒径:1mm以下の陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質、難燃化物質の1種または2種以上を加え、
    前記アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする物質:90〜130重量部に対し前記硫黄:90〜150重量部前記陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質難燃化物質の1種または2種以上:10重量部以下前記軽比重多孔質粒状物:35〜55重量部の組成物でなることを特徴とする請求項1に記載の硝酸性窒素等除去用組成物。
  3. 軽比重多孔質粒状物がパーライトである請求項1または2に記載の硝酸性窒素等除去用組成物。
  4. アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする粒径:0.1mm以下の物質を硫黄と混合し、硫黄を溶融し、混合物全体がスラリー化した中に、粒径:0.1〜5mmの軽比重多孔質粒状物を加えて攪拌または加熱攪拌しながら、前記粒状物を核として前記スラリーを前記粒状物の表面に被覆付着及びまたは前記粒状物中に含浸させて冷却し、前記アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする物質:90〜130重量部に対し前記硫黄:90〜150重量部前記軽比重多孔質粒状物:35〜55重量部の組成物としたことを特徴とする硝酸性窒素等除去用組成物の製造方法。
  5. アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする粒径:0.1mm以下の物質と硫黄に粒径:1mm以下の陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質、難燃化物質の1種または2種以上を加え、
    前記アルカリ性物質またはアルカリ性炭酸塩もしくは炭酸カルシウムを主成分とする物質:90〜130重量部に対し前記硫黄:90〜150重量部前記陽イオン及びまたは陰イオン交換能保持物質難燃化物質の1種または2種以上:10重量部以下前記軽比重多孔質粒状物:35〜55重量部の組成物としたことを特徴とする請求項4に記載の硝酸性窒素等除去用組成物の製造方法。
  6. 軽比重多孔質粒状物をパーライトとしたことを特徴とする請求項4または5に記載の硝酸性窒素等除去用組成物の製造方法
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