JP2007044589A - 排水の処理方法及び硫黄含有脱窒材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 BODを多量に含む硝酸性窒素類含有排水において、脱窒材の取り出しや追加投入を著しく低減させることが可能な排水の脱窒処理方法及び処理するための脱窒材を提供することにある。
【解決手段】 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素から選ばれる少なくとも1種の硝酸性窒素類を含む排水を処理するにあたり、硝酸性窒素類の窒素に対して0.5〜100倍(重量)のBODとなる成分と、硫黄酸化細菌及び有機物分解菌を存在させた状態で、排水を硫黄含有脱窒材と接触させて硝酸性窒素を除去する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硫黄酸化細菌による生物処理によって水中の硝酸性窒素類を除去する排水の処理方法及びそれに使用する硝酸性窒素処理材に関するものである。
河川、湖沼、閉鎖水域,閉鎖海域などの富栄養化の原因となる生活排水、産業排水、畜産排水、農業排水、水産養殖排水中の硝酸性窒素分を除去する技術として、独立栄養系硫黄酸化脱窒細菌(以下、硫黄酸化細菌という)や、従属栄養系脱窒細菌を用いたシステムが提案されている。従属栄養系脱窒細菌を用いたシステムは、廃液中に含まれるBODを利用して、またBODを含まない場合には、液体状のメタノール等水素供給源の添加が必要になる。これらのシステムでは、処理中にpH変化が起こるため、それらを常時管理しながら運転する必要があり、また多量の汚泥処理等も必要となる。それに対して独立栄養系硫黄酸化脱窒細菌を用いた処理システムは、炭酸を用いて菌体を生成するため、余剰汚泥発生量は少なく、従属栄養系脱窒細菌を用いたシステムに比べ維持コストが少なく、最近では各方面で注目されている。
特開2001-47086公報 特開2001-104993号公報 特開2004-167471公報 特開2004-174328公報
硫黄酸化細菌を用いた硝酸性窒素除去システム(以下、脱窒システムという)については、例えば特公昭62-56798号公報、特公昭63-45274号公報、特公昭60-3876 号公報、特公平1-31958号公報、特公平4-9199号公報、特開平4-74598号公報、特開平4-151000号公報、特開平4-197498号公報、特開平6-182393号公報など種々提案されている。
特開2001-47086公報(特許文献1)、特開2001-104993号公報(特許文献2)には、硫黄と石灰石の溶融混合物に硫黄酸化細菌を含有させた脱窒システムが提案されており、石灰石を共存させていることから、発生する硫酸イオンを自然に中和することが可能で、pHの調整は不要であり、メンテナンスの容易さと脱窒処理にかかるコストの面で優れた効果を示している。
しかし、独立栄養系硫黄酸化脱窒細菌を用いた処理システムでは、処理能力が従来の従属栄養栄養系脱窒細菌を用いたシステムにくらべかなり低いため、処理時間が長くかかり、工業や畜産等から発生する廃液の大量処理や高濃度処理に対しては改良が求められている。
それに対して、本発明者らは、特開2004-167471公報(特許文献3)、特開2004-174328公報(特許文献4)にあるように、硫黄粉と石灰粉を水不溶性又は水難溶性の有機バインダーで一体化させることにより著しく脱窒速度を高めることができ、より大量の硝酸性窒素廃液を処理することを実現させることができる方法を提案した。
しかしながら、上記組成の脱窒材(処理材ともいう)においては、処理材中に硫黄酸化細菌が放出する硫酸イオンを中和させるために多量のアルカリ土類金属炭酸塩を含有させる必要があり、処理材中に含有させる硫黄量が制限されることになる。この処理材の寿命は、アルカリ土類金属炭酸塩が残存している限りは硫黄の残量により左右されるが、アルカリ土類金属炭酸塩が消滅した場合には、発生する硫酸を中和することができず、そのためpHは低下して反応が停止してしまう。したがって、処理材中には硫酸イオンを中和できる十分なアルカリ土類金属炭酸塩を含有させておく必要があり、硫黄含有量を極端に上げることができず、硫黄が消費することによりその都度脱窒材を取り出し又は追加投入しなければないメンテナンスの煩わしさがあった。
したがって、本発明の目的は、BODを多量に含む硝酸性窒素類含有排水において、脱窒材の取り出しや追加投入を著しく低減させることが可能なBOD含有排水中の脱窒処理方法及び処理材を提供することにある。
本発明者は、かかる課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、BODを多量に含む硝酸性窒素類含有排水においては、有機物分解菌の作用により硫黄酸化細菌の増殖源となる炭酸ガスや硫黄酸化細菌の作用により発生する硫酸イオンを中和できる水酸イオンが存在することから、脱窒材中に中和効果と微生物増殖の炭酸源の供給を兼ね備えたアルカリ土類炭酸塩を多量には含ませる必要がないことから硫黄酸化細菌による生物的処理によって硝酸性窒素を脱窒処理するために使用される脱窒材中の硫黄含有量を多くすることができ、脱窒材の寿命を長くすることができることを見出し、本発明を完成した。更に、そのような排水の中でも、し尿系排水中には、もともと硫黄酸化細菌や有機物分解菌が存在していることから、あえてそれらの菌の投入や培養処理を施す必要がないことから、それらの硝酸性窒素処理には好適であることを見出し本発明を完成した。
本発明は、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素から選ばれる少なくとも1種の硝酸性窒素類を含む排水を処理するにあたり、硝酸性窒素類の窒素に対して0.5〜100倍(重量)のBODとなる成分と、硫黄酸化細菌及び有機物分解菌を存在させた状態で、排水を硫黄含有脱窒材と接触させて硝酸性窒素を除去することを特徴とする排水の処理方法である。
本発明の請求項2以下に係る発明は次のとおりである。
a) 排水と硫黄含有脱窒材との接触を、硫黄含有脱窒材を排水中に浸漬又は硫黄含有脱窒材中に排水を通水させるだけで行う上記の排水の処理方法。
b) 処理される排水がし尿系排水である上記の排水の処理方法。
c) 上記の排水の処理方法で使用される硫黄含有脱窒材が、硫黄以外の成分として、その成分を水に分散させたときにpHが5〜11である粉体1〜30%含有したものであることを特徴とする硫黄含有脱窒材。
本発明の排水の方法で処理される排水は、硝酸性窒素類(硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素をいう)と、硝酸性窒素類の全窒素に対して0.5〜100倍(重量)であるBOD成分を含む。更に、硫黄酸化細菌及び有機物分解菌を含む。
硫黄酸化細菌は硝酸性窒素を脱窒するために当然必要であるが、排水中にBOD成分を含み、そこに同時に有機物分解菌が存在している場合には、有機物分解菌が水中のBOD成分を分解して炭酸ガスと水酸イオンを発生することで、硫黄酸化細菌はその炭酸ガス増殖に用いることができる。更に、水酸イオンは発生する硫酸イオンの中和に用いられる。しかし、有機物分解菌やBOD成分が存在しない場合又は極端に少ない場合には、硫黄酸化細菌は、増殖に必要な炭酸ガスを豊富に得ることができなくなるばかりか、発生する硫酸でかなり短期間のうちにpHの低下が起こり弱体化して脱窒能力が消滅してしまう。
したがって、硫黄含有脱窒材により長期的に安定して排水中の硝酸性窒素を脱窒するためには、硫黄酸化細菌のほかに有機物分解菌の存在が必要となる。また、BOD成分に由来するBOD値(酸素重量)はその排水中に含まれる硝酸性窒素類の窒素重量の合計に対して0.5〜100倍である。0.5倍未満の場合には、炭酸ガスが不十分となり、pHも低下することから好ましくない。また、100倍を超える場合には、炭酸ガスは豊富にあり硫黄酸化細菌による脱窒には特には影響を及ぼすことはないが、有機物分解菌による脱窒が硫黄酸化細菌による脱窒よりも早く起こることになり、硫黄含有脱窒材を用いるメリットが希薄になる。
ここで、し尿系排水の場合には、硫黄酸化細菌や有機物分解菌が高濃度で存在していることが多く、その場合には、予めの脱窒材に硫黄酸化細菌を担持させておく必要がなく、脱窒材を投入した排水処理装置内に排水を通過させるだけで自然に硫黄酸化細菌を初め有機物分解菌が本脱窒材に定着することになる。また、そのような排水中には、微生物の活性に必要なミネラルやリンも含まれており、長期にわたり安定した脱窒処理を行なうことが可能である。更に、アンモニアも含まれることが多く、それらはpHの中和機能だけでなく緩衝作用も有していることからより安定処理が可能となる。またもし、なにかの原因で微生物が死滅したとしても、自然に再定着することになり、微生物の脱窒材への担持培養処理等が省略できることになり非常に便利である。したがって、このような排水においては、あえてpH調整の薬剤や硫黄酸化細菌の増殖源となる無機炭酸を投入する必要がない。
本発明の処理方法で使用する脱窒材は、硫黄100%でも脱窒は進行するものの、pHの安定性や脱窒材表面への微生物の付着性や微生物の活性については、硫黄成分以外の成分で、それを水に分散させたときにそのpHが5〜11である粉体を1〜30%含有させることが好ましい。
ここで使用される硫黄としては、例えば石油脱硫や石炭脱硫プラントの回収硫黄や天然硫黄などが上げられるが特に制限されるものではない。
硫黄成分以外の共存成分として、それを水に分散させたときにそのpHが5〜11である粉体としては、水処理に用いるために水不溶性又は難溶性である必要があり、有機物であっても無機物であっても、またそれらの混合物であってもよい。しかし、硫黄酸化細菌を硫黄含有脱窒材に付着させる場合や継続して活性を保たせるためには、硫黄酸化細菌が脱窒と同時に排出する硫酸イオンを中和できるアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物が存在していることが好ましい。ただし、それらの周辺に微生物が棲息できるように、それらを水に分散させたときのpHは5〜11であることが必要である。脱窒処理を行なうためには、脱窒材の表面には微生物を棲息させる必要があるが、これらの共存物質のpHが5未満の場合には、脱窒処理とともに発生する硫酸イオンを中和ができず周辺のpHが極端に低下することから硫黄酸化細菌が脱窒材の表面で増殖が困難となり担持ができない。一方、pHが11を超える場合は、アルカリが強すぎて微生物が弱体化して、やはり硫黄酸化細菌が脱窒材の表面で増殖が困難となり担持ができない。
このような粉体としては、それらの中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有するものが都合よく、それらの化合物の形態としては、酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩などがあげられるが、それらの混合物でもよい。また、有機物を含有してもよい。
このような化合物としては、アルカリ土類金属炭酸塩としては、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム又はそれらの混合物が好都合である。天然には、石灰石、苦土石、菱苦土石等などが豊富に存在して容易に使用できる。アルカリ土類金属珪酸塩は、シリカ分を主成分とするものがあるが、天然には、タルク、雲母、ベントナイト、ゼオライト等が豊富に存在して容易に使用できる。人工的には、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウムやフライアッシュ、スラグ、ロックウール等があり、同様に使用できる。また、アルカリ土類金属珪酸塩を含有する物質として、鉄分の多い黄土や有機物の多い堆肥なども利用できる。黄土や堆肥には、鉄分や有機物以外に微生物の活性化に寄与するミネラル分やリンも多いことから特に良い。
硫黄と硫黄以外の成分の混合割合は、最低限初期に硫黄酸化細菌を脱窒材の表面にスムーズに担持できればよいことから、そのときに発生する硫酸イオンを中和できる量であればよい。つまり、一度脱窒材に担持されることにより、その後、硫黄酸化細菌は、排水中のBOD成分が有機物分解菌の作用により発生する炭酸ガスを栄養源として吸収して増殖することが可能であり、また硫黄酸化細菌の活動により発生する硫酸イオンは、やはり有機物分解菌から発生する水酸イオンにより自然に中和されることになる。したがって、硫黄脱窒材中の硫黄以外の成分は1〜30重量部でよい。硫黄以外の成分が30重量部を超えても、なんら脱窒処理能力には影響は及ぼさないものの脱窒材中の硫黄含有量が少なくなるために、脱窒材の寿命延長という面では効果が少なくなる。逆に1重量部未満となると、硫黄酸化細菌の周辺のpHが低くなり脱窒材表面への硫黄酸化細菌の担持が難しくなる。ただし、硫黄100%でも、一度硫黄表面に硫黄酸化細菌が付着すれば、周囲の有機物分解菌の作用により硫酸イオンは中和されることから、BOD含有排水が供給され続ける場合には、やや脱窒率は低いものの脱窒は継続されることになる。
硫黄と硫黄以外の成分を一体化する方法としては、溶融硫黄中に硫黄以外の成分を分散させて冷却、固化して破砕・分級したものでもよく、硫黄粉末と硫黄以外の成分を有機高分子又は無機高分子をバインダーとして混合・造粒・乾燥させたものでもよい。更には、水のみ又は有機高分子又は無機高分子等のバインダーを添加せずに造粒したのちに110〜150℃で硫黄を局部的に溶融させて冷却・固化したものでもよい。
このときに使用される硫黄粉末及び硫黄以外の成分の粒径としては、特に限定されないが、数μm〜数100μm程度が好ましい。本来、微生物が硫黄を消費することを考えると、その接触面積を大きくするため粒子を小さくした方が好ましいが、あまりに小さすぎると扱いにくい傾向となる。また、接着に使用するバインダー量も多く必要となるので、上記範囲が適当となる。
バインダーを使用する場合には、取り扱い上又は性能上で有機高分子をバインダーとすることがよい。その場合、有機バインダーとしては硫黄化合物と炭酸塩を接着でき、かつ水中の硝酸性窒素を処理するためには必然的に水に不溶又は難溶なものでなければならない。例えば、水に分散されたディスパージョン及び有機溶剤に分散又は溶解されたものがよいが、取り扱いや安全性から水系のエマルジョンが好都合である。それらの有機系高分子として水に分散されるものとしては、例えばスチレン系、アクリル系、酢酸ビニル系やエポキシ系、ウレタン系、塩化ビニル系エマルジョンや天然ゴムラテックス及びクロロプレンゴムやスチレンブタジエンゴム等の合成ゴムラテックス又はアスファルトやパラフィン等の瀝青質のエマルジョン等があげられる。また、ケン化度の高い水難溶性のポリビニルアルコールも有用である。
有機系バインダーの含有量としては、上記硫黄粉末と硫黄以外の成分の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部がよい。0.1重量部未満では硫黄と硫黄以外の成分の粉体を強固に接着させることができず、脱窒処理中に粉体が剥離して流出することがある。一方、30重量部を超えると粉体を強固に接着はできるが、脱窒に必要な硫黄と硫黄以外の成分が有機高分子に覆われて有効に活用できず、また粒内の空隙も少なくなり、微生物の活性を高めることができないことがある。
本発明の処理材には、必要に応じて水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの難燃剤や酸化鉄や活性炭等の硫化水素発生防止剤等を添加してもよい。
本発明の処理方法によれば、排水中の硝酸性窒素類の除去を、硫黄含有脱窒材を使用し、微生物処理により長期間安定的に行うことができる。
評価に用いた硝酸性窒素類含有排水の性状を表1に示す。
排水A及びBは養豚場から排出された有機物分解菌及び硫黄酸化細菌を含むし尿系排水である。排水Cは、排水Aを純水で希釈し、これに試薬のKNO3を添加して調製した排水である。排水Dは、純水と試薬のKNO3とゼラチンで調整したもので硫黄酸化細菌及び有機物分解菌は含まれていない模擬排水である。表において、硝酸性窒素濃度は硝酸性窒素類から計算される窒素濃度である。
Figure 2007044589
脱窒材の作成には、硫黄として、200メッシュの粉体(軽井沢精錬製)を、アルカリ金属炭酸塩として、ドロマイトタンカル200メッシュの粉体(MgCO3含有量38%、CaCO3含有量62%、水分散時のpH8.4;駒形石灰工業製)、アルカリ土類金属珪酸塩として、フライアッシュ(JIS II種灰 SiO2:55.4%,CaO:4.1%,MgO:0.4%、ブレーン比表面積:4300cm2/g、水分散時のpH9.2)及び黄土粉末(SiO2:6.5%,CaO:6.9%,MgO:0.2%,Fe2O3:57.0%,炭水化物:10.3%、水分散時のpH5.6:テツゲン製品名アソデス)及び堆肥(CaO:16.0%、K:2.7%、N:3.4%、PO4:3.8%、水分:53%、水分散時のpH8.2)及び石灰(CaO:100%、水分散時のpH12.7)を用いた。
脱窒材の製法は、硫黄粉体と硫黄以外の成分とを有機バインダーを用いて造粒−乾燥する方法(製法1:粉体造粒法)と溶融硫黄中に硫黄以外の成分を分散させ、急冷−破砕−分級する方法(製法2:加熱溶融法)の2種類を用いた。
製法1で用いた有機系バインダーは、中央理化製:エマルジョンES-45で、表2に示す配合により混練後、押し出し機により5φ長さ5〜10mmに造粒し、100℃の熱風乾燥機で乾燥して水分を0.3%以下まで除去して処理材を作成した。
製法2では、硫黄を160℃で溶融した反応釜中に硫黄以外の成分を投入し、再度加熱攪拌して均一に分散した後に、水で急冷した。それを破砕して5〜20mmの大きさのペレットを分級して硫黄系脱窒材を製造した。
実施例1〜6
表2に示す組成と製法で得られた硫黄系脱窒材100gと表1に示す硝酸性窒素含有排水200gを250mlのポリビンに入れ、1週間放置した後に硝酸性窒素濃度をイオンクロマトグラフィーで測定した。その後、その水を全量廃棄したのち、再度同様のし尿系排水を同量投入して、1日後に硝酸性窒素濃度を測定する。これを200回繰り返して、脱窒性能の長期安定性評価を行った。
比較例1〜3
表2に示す組成と製法で得られた硫黄系脱窒材100gと表1に示す硝酸性窒素含有排水200gを250mlのポリビンに入れ、1週間放置した後に硝酸性窒素濃度をイオンクロマトグラフィーで測定した実施例と同じような操作を行い、脱窒性能の長期安定性評価を行った。
表2において、組成を示す数字は重量部である。
Figure 2007044589
上記表2から明らかなように、BOD/硝酸性窒素が0.5〜100倍で、その排水中に硫黄酸化細菌及び有機物分解菌が存在する排水を硫黄含有脱窒材と接触させる実施例は、比較例に比べて、脱窒しやすく長期安定した脱窒処理が可能である。
比較例1は、被処理水のBOD/硝酸性窒素が0.17で0.5より小さく、硫黄酸化細菌や有機物分解菌が存在しても、硝酸性窒素を処理する脱窒能力が小さい。
比較例2は、被処理水のBOD/硝酸性窒素が3.67であっても、硫黄酸化細菌や有機物分解菌が存在しないために脱窒能力がない。
実施例5は、被処理水のBOD/硝酸性窒素が3.67で、硫黄酸化細菌や有機物分解菌が存在していることから初期の脱窒能力は高いが硫黄系脱窒処理材中の硫黄含有量が37%であり、70%より小さいことから200回目の脱窒処理能力の低下がある。
比較例3は、被処理水のBOD/硝酸性窒素が3.67で、硫黄酸化細菌や有機物分解菌が存在しているが硫黄系脱窒処理材中の硫黄以外の成分の粉末の水分散時のpHが12.7と高いために、脱窒材に硫黄酸化細菌が付着しにくく初期から脱窒処理が認められない。
実施例6は、被処理水のBOD/硝酸性窒素が3.67で、硫黄酸化細菌や有機物分解菌が存在しているが硫黄系脱窒処理材が硫黄100%であるために、脱窒材に硫黄酸化細菌が付着しにくく脱窒処理能力がやや低いが、そのまま継続して脱窒は進行する。

Claims (4)

  1. 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素から選ばれる少なくとも1種の硝酸性窒素類を含む排水を処理するにあたり、硝酸性窒素類の窒素に対して0.5〜100倍(重量)のBODとなる成分と、硫黄酸化細菌及び有機物分解菌を存在させた状態で、排水を硫黄含有脱窒材と接触させて硝酸性窒素を除去することを特徴とする排水の処理方法。
  2. 排水と硫黄含有脱窒材との接触を、硫黄含有脱窒材を排水中に浸漬又は排水を通水させるだけでおこなう請求項1記載の排水の処理方法。
  3. 処理される排水が、し尿系排水である請求項1又は2記載の排水の処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の排水の処理方法で使用される硫黄含有脱窒材が、硫黄以外の成分として、その成分を水に分散させたときにpHが5〜11である粉体1〜30%含有したものであることを特徴とする硫黄含有脱窒材。
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