JP4467530B2 - 磁器粉粒体を含む発泡ガラス材の製造方法 - Google Patents

磁器粉粒体を含む発泡ガラス材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、廃板ガラスや廃ガラスびんなどの各種ガラス廃材および磁器粉粒体を原料とする磁器粉粒体を含む発泡ガラス材の製造方法に関する。
多数の空隙を内蔵した多孔質構造を備えた発泡ガラスは、従来、土木資材あるいは建築用骨材などとして利用されている。このような発泡ガラス材を、廃ガラスびんを主原料としたガラスカレットから製造する技術として、例えば特許文献1に記載の発泡ガラス製造方法が知られている。
特許文献1に記載の発泡ガラス製造方法は、ガラスカレットを微粉砕し、発泡剤として、炭酸カルシウム、炭化珪素、ホウ砂などを0.1〜5.0%添加し、これらの混合微粉末をベルトコンベアを内蔵するローラハースキルン内のベルト上に5〜50mm厚に連続的に敷き詰め、当該ローラハースキルン内にて700〜1,000℃に加熱して溶融、発泡、焼成せしめ、キルン内滞留時間を5〜60分として生成された板状発泡ガラスを、常温あるいは冷却された空気に曝しめ、または水掛けによって急冷し、このときに生じた歪により自然崩壊せしめることにより不定形塊状の発泡ガラスを得るものである。
なお、発泡ガラスを得るために使用する発泡剤としては、上記の他、例えば特許文献2,3に記載のように、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸バリウム、微粉カーボン、石灰石、ドロマイト、タルクなどが挙げられる。
また、本出願人は、特許文献4に記載のように、粒径5μm〜100μmのガラス粉粒体と、粒径0.5mm〜5.0mmの磁器粉粒体と、炭酸カルシウム、ドロマイト、炭化珪素、ホウ砂の少なくとも一つを混合して得られた混合物を600℃〜1000℃に加熱してガラス成分を溶融、発泡、焼成する焼成工程と、焼成工程で形成された400℃〜800℃の焼成物に常温以下の冷却液体を霧状にして噴射または常温以下の冷却気体を噴射する急冷工程とを含む発泡ガラスの製造方法を開発している。この製造方法によれば、粒径5.0〜30.0mm程度であって嵩比重1.2〜1.8程度の粒状発泡ガラスを効率的に製造することが可能である。
ところで、排水処理技術の一つとして、非特許文献1,2に記載のような排水中のリン酸イオンを結晶として除去回収するMAP(リン酸マグネシウムアンモニウム)法が知られている。MAP法では、排水にマグネシウムを添加し、MAP顆粒状にしてリンを系外に取り出すことにより排水処理を行う。
特開平10−203838号公報 特開2004−34596号公報(段落0006) 特開2000−317316号公報(段落0012) 特開2004−67400号公報 "高度処理について",第8−11行、MAP法,[online],福岡市下水道局,[平成17年9月30日検索],インターネット<URL:http://gesui.city.fukuoka.jp/sewage/koudosyori.htm> "研究室紹介",第15頁右欄第5−29行目、MAP晶析法を用いた排水処理技術,早稲田応用化学会,[平成17年9月30日検索],インターネット<URL:http://www.waseda-oukakai.gr.jp/bulletin/bulletin-68/68_06.pdf>
従来のMAP法では、排水にマグネシウムそのものを添加するものであるが、排水中のリンはこの添加されたマグネシウムの表面にしか吸着されないので、排水中のリン酸イオンを充分に除去するためには多くのマグネシウムが必要となる。そのため、排水処理に掛かる費用が嵩み、実際には利用しにくい排水処理技術である。
そこで、本発明においては、嵩比重が1.2〜1.8程度の排水処理に利用可能なマグネシウム系発泡ガラス材を提供することを目的とする。
本発明の発泡ガラス材の製造方法は、粒径5μm〜100μmのガラス粉粒体と、マグネシウム成分を含む粉粒体と、粒径0.5mm〜5.0mmの磁器粉粒体と、発泡剤とを混合して得られた混合物を600℃〜1000℃に加熱して溶融、発泡、焼成する焼成工程と、焼成工程で形成された焼成物を急冷する急冷工程とを含む。
このような工程を経ることにより、焼成物として、マグネシウム成分が内蔵され、かつ空隙を有した板状発泡ガラス材が得られる。そして、この焼成物は急冷されることにより、この急冷時に生じた歪みによって自然破砕され、平均粒径5.0〜40.0mm程度(最大粒径50mm程度)であって嵩比重1.2〜1.8程度の粒状発泡ガラス材が得られる。こうして得られた発泡ガラス材は、表面および空隙内壁面にマグネシウム成分を含む粉粒体が露出している。そのため、この発泡ガラス材を被処理水へ添加すれば、被処理水に含まれるリンを発泡ガラス材に吸着させて水処理することができる。また、発泡ガラス材を被処理水域の底泥中または底泥上に散布し、底泥から溶出するリンを発泡ガラス材に吸着させることにより底質改善を行うことができる。また、このリンを吸着した発泡ガラス材は肥料等の土壌改善材として使用することができる。
また、特に、本発明の発泡ガラス材の製造方法では、粒径0.5mm〜5.0mmの磁器粉粒体を混合することで、これらの磁器粉粒体の外周が発泡ガラスで被覆された構造の粒状発泡ガラス材が形成され、嵩比重が増大して水没性を有するものとなるので、河川や海の浄化手段として好適に使用できる発泡ガラス材が得られる。なお、磁器粉粒体の粒径が0.5mmより小さい場合は加熱しても発泡が生じなくなり、5.0mmより大きい場合は発泡ガラス中の空隙が著しく少なくなるので、前記範囲が適正範囲である。なお、磁器粉粒体としては磁器廃材を粉砕して得られる廃磁器粉粒体が好適であり、これによって磁器廃材の有効活用も図ることできるが、これに限定するものではなく、磁器を原料とする粉粒体であれば様々な粉粒体を使用することができる。
なお、急冷工程については、常温の送風空気に曝したり、常温の水を掛けたりすることにより行うこともできるが、常温以下の冷却液体を霧状にして噴射または常温以下の冷却気体を噴射することにより行うことも可能である。なお、冷却液体の温度は5℃〜10℃程度、冷却気体の温度も5℃〜10℃程度が望ましい。また、冷却液体としては水が好適であり、冷却気体としては空気が好適である。なお、ガラス粉粒体としては、使用済みガラスびんなどの各種廃ガラス材を破砕したものを用いることができる。特に、常温以下の冷却液体を霧状にして噴射または常温以下の冷却気体を噴射すれば、単に空気に曝したり水をかけたりする場合よりも細かい粒径5.0mm〜35.0mm程度のものが得られる。
ここで、混合物中のマグネシウム成分を含む粉粒体の含有率は、1〜20質量%、より好ましくは10〜20質量%とすることが望ましい。1〜20質量%であれば、発泡ガラス材の焼成状態が最も良く、マグネシウム成分を含む粉粒体が発泡ガラス材と一体化され、分離しにくくなる。また、マグネシウム成分によるリンの吸着効果を充分に発揮させるためには、10質量%以上とするのが望ましい。一方、20質量%を超えると、発泡ガラス材の焼成状態が悪くなり、マグネシウム成分を含む粉粒体が分離しやすくなる。
また、マグネシウム成分を含む粉粒体としてはマグネサイトを使用することが望ましい。マグネシウム純度の高い高純度マグネサイトは、金属元素の含有量が少なく、塩基性炭酸マグネシウムに比べてMgO含有率が少ない。また、比表面積が小さく、重質で粉体の流動性に優れる。さらに、粒子径が揃った立方体の結晶で、シャープな粒度分布を持ち、結晶水を持たないため、粒径100μm以下のガラス粉粒体と混合した場合に噛み合わせが良く、結合力が強くなるという利点がある。
また、発泡剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸バリウム、炭化珪素、ホウ砂、微粉カーボン、石灰石、ドロマイト、タルクなど従来公知のものを単体でまたは組み合わせて使用することができるが、この発泡剤の含有率としては0.1〜5.0質量%とするのが望ましい。炭酸カルシウムなどの合計含有率が0.1重量%未満であると発泡不足となり、気泡も小さくなって比重が大となり、5.0重量%を超えると気泡が大きくなって、いわゆる巣が増加するので素材としての価値が無くなるため、前記範囲が適正範囲である。なお、発泡ガラス材の比重はこの発泡剤の含有率を調整することにより、1.2〜1.8の範囲のものを自在に得ることができる。
なお、炭酸カルシウムなどの合計含有率が0.1重量%〜2.0重量%であれば全般的に独立間隙構造が形成される傾向が生じ、0.1重量%〜5.0重量%とすれば連続間隙構造が形成される傾向が生じる。また、加熱温度が600℃〜900℃で、焼成時間が10分〜20分であれば独立間隙構造が形成され、非吸水性の素材が焼成されるという傾向が生じ、加熱温度が800℃〜1000℃で、焼成時間が15分〜30分であれば連続間隙構造が形成され、吸水性の素材が焼成されるという傾向が生じる。なお、加熱温度が600℃より低いと素材内部に独立間隙構造が形成されにくくなり、発泡されない状態になり、1000℃より高いと素材内部に連続間隙構造が形成されにくくなり、気泡も非常に弱い状態となる。
また、ガラス粉粒体と磁器粉粒体との混合比率は、9:1〜6:4とすることが望ましい。ガラス粉粒体の混合比率が増大すると嵩比重が小さくなるという傾向が生じ、磁器粉粒体の混合比率が増大すると嵩比重が大きくなるという傾向が生じるので、使用目的や用途に応じて混合比率を設定することが望ましい。
本発明により、以下に示す効果を奏する。
(1)粒径5μm〜100μmのガラス粉粒体と、マグネシウム成分を含む粉粒体と、粒径0.5〜5.0mmの磁器粉粒体と、発泡剤とを混合して得られた混合物を600℃〜1000℃に加熱して溶融、発泡、焼成する焼成工程と、焼成工程で形成された焼成物を急冷する急冷工程とを含むことにより、平均粒径5.0〜40.0mm程度(最大粒径50mm程度)であって、嵩比重が1.2〜1.8程度の表面および空隙内壁面にマグネシウム成分を含む粉粒体が露出した発泡ガラス材を効率良く製造することができる。
(2)400℃〜800℃の焼成物に常温以下の冷却液体を霧状にして噴射または常温以下の冷却気体を噴射する急冷工程とを備えたことにより、粒径5.0mm〜30.0mm程度の比較的粒径の細かい粒状発泡ガラスを効率的に製造することができる。
(3)混合物中のマグネシウム成分を含む粉粒体の含有率を1〜20質量%とすることにより、ガラス粉粒体を良く混合でき、焼成時においても分離することなく、発泡ガラス材を効率良く製造することができる。
(4)マグネシウム成分を含む粉粒体としてマグネサイトを使用することにより、結合力が強く、品質の良い発泡ガラス材を製造することができる。
(5)ガラス粉粒体と磁器粉粒体との混合比率を9:1〜6:4とすることにより、水没性を具備しつつ、使用目的や用途に適した嵩比重の粒状発泡ガラスを得ることができる。
(6)磁器粉粒体を含み、ガラス粉粒体を発泡させて空隙を形成した発泡ガラス材であって、表面および空隙内壁面にマグネシウム成分を含む粉粒体が露出した発泡ガラス材により、同量のマグネシウムと比較してリン酸の強い吸着作用を示す発泡ガラス材が得られるので、少ないマグネシウム量で多くのリンを吸着することができる。
(7)上記発泡ガラス材を被処理水へ添加し、被処理水に含まれるリンを発泡ガラス材に吸着させる水処理方法により、ダム等の閉鎖性水域の直接浄化、閉鎖性水域への流入河川や水路等の直接浄化、下水処理水や畜産排水等の高度処理が可能となる。
(8)上記発泡ガラス材を被処理水域の底泥中または底泥上に散布し、底泥から溶出するリンを発泡ガラス材に吸着させる底質改善方法により、干潟域、深水域、沿岸域や海域等の底質改善、ダムや湖畔等の底質改善が可能となる。
(9)上記発泡ガラス材にリンを吸着させることにより、肥料等の土壌改善材として再利用することが可能となるため、最終的にも廃棄物とならない。したがって、社会のニーズにマッチした発泡ガラス材となり、循環型社会にも貢献できる。
図1は本発明の第一実施形態である発泡ガラス製造方法を示す工程図である。
図1に示すように、回収された使用済み廃ガラスびんや廃板ガラスなどの廃ガラス1は、分離装置4において金属成分やラベルが分離、除去され、粗粉砕装置5で粗粉砕されカレット状にされた後、微粉砕装置6でさらに細かく微粉砕されて粒径5μm〜100μmのガラス粉粒体にされた後、混合装置8に投入される。また、混合装置8には別ルートを経て供給される、炭酸カルシウム、ドロマイト、炭化珪素、ホウ砂等の発泡剤およびマグネサイトの粉粒体を含有する添加剤2が投入されるとともに、磁器廃材3を粉砕装置7で粉砕して形成された粒径0.5mm〜5.0mmの磁器粉粒体が投入され、混合装置8内において前記ガラス粉粒体と十分に混合され、混合物9が形成される。この場合、混合物9における、発泡剤の含有率を0.1〜5.0質量%、マグネサイトの粉粒体の含有率を1〜20質量%とする。
なお、マグネサイトの粉粒体は、粒径10μm〜30μm程度のものを使用するが、これより大きい場合には粉砕装置により粉砕して使用する。また、ガラス粉粒体は、特に平均粒径40μm〜60μmのものを80%含有するものであることが望ましい。平均粒径40μm〜60μmのガラス粉粒体を80%含有していた場合、発泡剤と最も良く混合できる。そのため、発泡状態が良くなり、連続間隙構造に近い内部構造を持ち、吸水率が40〜60%の発泡ガラス材が得られる。
混合装置8内においてガラス粉粒体と添加剤2とを混合して形成された混合物9は、長さ30m程度のベルトコンベア10の始端部上に一定厚さの層状に敷き詰められ、ベルトコンベア10の回転によって焼成炉11内に装入され、その中を移動していきながら600℃〜1000℃に加熱される。これによって混合物9中のガラス成分は焼成炉11内において溶融、発泡、焼成され、焼成炉11の終端部から出た時点で、温度が400℃〜800℃程度の塊状の焼成物12が形成される。
焼成炉11内を通過して形成された焼成物12はベルトコンベア10の回転により焼成炉11の終端部から出た後もそのまま水平移動していくが、焼成炉11の後段のベルトコンベア10の上方に配置されたジェット噴水装置13から5℃〜10℃程度の冷却のジェット水14が焼成物12に向かって霧状にして噴射され、焼成物12は急冷される。なお、図1における符番16はジェット噴水装置13へ高圧水を供給する送水ポンプである。
ベルトコンベア10とともに水平移動しながら冷たい霧状のジェット水14を浴びた焼成物12は、400℃〜800℃程度の高温から室温まで一挙に急冷されるため、冷却時に生じる歪みによって焼成物12は細かく砕けていき、ベルトコンベア10の終端部では粒径5.0mm〜30.0mm程度の粒状発泡ガラス材15を得ることができる。本実施形態の場合、焼成物12に対してジェット水14を霧状にして吹き付けて冷却するので、粒状発泡ガラス材15は濡れるが、急冷時の破砕で発生するガラス微粉体などが空気中に飛散したり、浮遊したりするのを防止することができる。また、ジェット水14を霧状にして噴射することにより粒状発泡ガラス材15は水で洗浄されることとなるため、焼成されただけの粒状発泡ガラスがpH8〜9程度のアルカリ性を示すのに対し、粒状発泡ガラス材15はpH7程度の中性となる。
このように、図1で示した工程を経ることにより、使用済みガラスびん1を原料とするガラス粉粒体から粒径が5.0mm〜30.0mm程度の粒径の細かい粒状発泡ガラス材15を効率的に製造することができる。なお、常温の送風空気に曝したり、常温水を掛けたりしただけでも焼成物は急冷され、この冷却時に生じる歪みによって焼成物12は細かく砕けていくので、平均粒径5.0〜40.0mm程度(最大粒径50mm程度)の粒状発泡ガラス材15が得られる。したがって、このような発泡ガラス材の製造方法では、焼成物を再クラッシャして細粒化する工程も不要となるため、製造工程が簡略化され、コスト削減を図ることができる。
また、本実施形態の場合、粒径0.5mm〜5.0mmの磁器粉粒体を混合することで、これらの磁器粉粒体の外周が発泡ガラスで被覆された構造の粒状発泡ガラス材15が形成され、嵩比重が増大して水没性を有するものとなるので、この粒状発泡ガラス材15は、水没性を必要とする、河川や海の浄化手段などとしても好適に使用できる。なお、本実施形態では、磁器廃材3を粉砕した磁器粉粒体を使用しているが、これに限定するものではないので、磁器廃材以外の各種磁器を原材料として使用することもできる。
なお、ガラス粉粒体と磁器粉粒体との混合比率は9:1〜6:4とすることができるが、ガラス粉粒体の混合比率が増大すると嵩比重が小さくなり、磁器粉粒体の混合比率が増大すると嵩比重が大きくなるという傾向があるので、使用目的や用途に応じて混合比率を設定することが望ましい。
また、上記本実施形態における発泡ガラス材の製造方法により得られた発泡ガラス材は、表面および空隙内壁面にマグネシウム成分を含む粉粒体が露出している。そのため、この発泡ガラス材は、同量のマグネシウムと比較して多くのマグネシウム成分が露出しているので、リン酸の強い吸着作用を示し、被処理水へ添加すれば、被処理水に含まれるリンを発泡ガラス材に吸着させて水処理することができる。この発泡ガラス材の適用範囲としては、例えば、ダム等の閉鎖性水域の直接浄化、閉鎖性水域への流入河川や水路等の直接浄化、下水処理水や畜産排水等の高度処理が挙げられる。
また、この発泡ガラス材は、被処理水域の底泥中または底泥上に散布し、底泥から溶出するリンを発泡ガラス材に吸着させることにより底質改善を行うことができる。また、これにより、底泥を高pHにすることができるので、硫酸還元菌の活性を下げ、硫化水素の発生を防ぐことができる。例えば、干潟域、沿岸域や海域等の底質改善、ダムや湖畔等の底質改善が可能である。
また、このリンを吸着した発泡ガラス材は肥料等の土壌改善材として使用することもできる。
なお、粒状発泡ガラス材15の嵩比重は、添加剤2の添加量、ガラス粉粒体の粒径、ベルトコンベア10上に敷き詰められる混合物9の厚さ、加熱温度あるいは加熱時間などによって調整することができる。また、ガラス粉粒体の原料は使用済みガラスびん1に限定するものではなく、様々な種類の廃ガラス材を使用することができる。
次に図2を参照して本発明の第二実施形態である発泡ガラス製造方法について説明する。なお、図2において、図1で示した発泡ガラス製造方法の場合と同様の機能、効果を発揮する部分は図1と同じ符号を付して説明を省略する。
図2に示す本実施形態の発泡ガラス製造方法では、図1の場合と同じ工程を経て400℃〜800℃程度の焼成物12を形成した後、ベルトコンベア10とともに水平移動していく焼成物12に対し、送風ファン20から強制的に送風されエア噴射装置21から噴出する5℃〜10℃程度の高圧エア22を吹き付ける。このような冷たい高圧エア22を浴びた焼成物12は400℃〜800℃程度の高温から室温まで一挙に急冷されるため、冷却時に生じる歪みによって焼成物12は細かく砕け、ベルトコンベア10の終端部では粒径5.0mm〜30.0mm程度の粒状発泡ガラス材24が得られる。
本実施形態の場合、高圧エア22を用いて焼成物12を冷却する、いわゆる空冷方式であるため、冷却水供給用の配管や排水設備などが不要であり、粒状発泡ガラス材24が水濡れすることもないので、乾燥状態の粒状発泡ガラス材24を得ることができる。その他の部分の機能、効果などについては、図1で示した発泡ガラス製造方法と同様である。
上記実施形態において得られた磁器粉粒体入りのMg系発泡ガラス材のリンの吸着性を確認するために実験を行った。実験は、リン酸二水素カリウムを用いて生成した人工リン溶液3Lと上記実施形態における磁器粉粒体入りのMg系発泡ガラス材200gをビーカに入れて行った。そして、スターラにて攪拌・混合し、一定時間ごとに採水し、オルトリン酸態リン(PO4−P)濃度を測定した。
実験に用いた磁器粉粒体入りのMg系発泡ガラス材(吸着材)の物性値は表1の通りである。また、回文実験結果は表2および図3の通りである。表2および図3に示すように、両吸着材ともに実験4時間まで、急速にPO4−Pの除去が進み、8時間前後でほぼ平衡に達している。実験初期において、吸着材の違いにより除去速度が若干異なるが、24時間でのPO4−P濃度はほぼ同じである。24時間後のPO4−Pの除去率は95%程度である。
Figure 0004467530
Figure 0004467530
本発明の磁器粉粒体を含む発泡ガラス材は、水処理、底質改善および土壌改善材に有用である。
本発明の第一実施形態である発泡ガラス製造方法を示す工程図である。 本発明の第二実施形態である発泡ガラス製造方法を示す工程図である。 被処理水のPO4−P濃度と経過時間との関係を示す図である。
符号の説明
1 廃ガラス
2 添加剤
3 磁器廃材
4 分離装置
5 粗粉砕装置
6 微粉砕装置
7 粉砕装置
8 混合装置
9 混合物
10 ベルトコンベア
11 焼成炉
12 焼成物
13 ジェット噴水装置
14 ジェット水
15,24 粒状発泡ガラス材
16 送水ポンプ
20 送風ファン
21 エア噴射装置
22 高圧エア

Claims (3)

  1. 粒径5μm〜100μmのガラス粉粒体と、マグネサイトの粉粒体と、粒径0.5mm〜5.0mmの磁器粉粒体と、発泡剤とを混合して得られた混合物であり、前記マグネサイトの粉粒体の含有率が10〜20質量%である混合物を600℃〜1000℃に加熱して溶融、発泡、焼成する工程と、
    前記焼成工程で形成された焼成物を急冷する急冷工程とを含む
    磁器粉粒体を含む発泡ガラス材の製造方法。
  2. 前記急冷工程は、前記焼成工程で形成された400℃〜800℃の焼成物に常温以下の冷却液体を霧状にして噴射または常温以下の冷却気体を噴射することにより急冷するものである請求項1記載の磁器粉粒体を含む発泡ガラス材の製造方法。
  3. 前記ガラス粉粒体と前記磁器粉粒体との混合比率が、9:1〜6:4である請求項1または2に記載の磁器粉粒体を含む発泡ガラス材の製造方法。
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