JP2006141434A - ミシンの針振り装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】押圧部材により揺動軸を過剰に押圧した場合でも、揺動軸を交換する必要がなく、所望する針振りを正確に行うことが出来るミシンの針振り装置を提供する。
【解決手段】針棒(2)を上下動可能に支持する針棒支持台(3)と、一端が針棒支持台(3)に固定されるとともに他端が所定方向に往復運動を出力する駆動手段(4)に接続され、少なくとも摺動面にコーティング層(53)が形成された揺動軸(5)と、揺動軸(5)に摺動抵抗を付与する押圧部材(23)とを備えるミシンの針振り装置(100)において、押圧部材(23)は、コーティング層(53)よりも耐摩耗性が低い材料から形成した。
【選択図】図2
【解決手段】針棒(2)を上下動可能に支持する針棒支持台(3)と、一端が針棒支持台(3)に固定されるとともに他端が所定方向に往復運動を出力する駆動手段(4)に接続され、少なくとも摺動面にコーティング層(53)が形成された揺動軸(5)と、揺動軸(5)に摺動抵抗を付与する押圧部材(23)とを備えるミシンの針振り装置(100)において、押圧部材(23)は、コーティング層(53)よりも耐摩耗性が低い材料から形成した。
【選択図】図2
Description
本発明は、ミシンの針振り装置に関する。
従来、ミシンの針振り装置には、ステッピングモータに揺動軸の一端が接続され、この揺動軸の他端には、針棒を上下動可能に支持する針棒支持台が取り付けられている。そして、ステッピングモータを所定の位相だけ振らせることにより、揺動軸が揺動し、針棒支持台を布送り方向と直交する方向に振らせて縫い目を形成することができる。
ところで、針振り装置を高速で運転する際には、毎分数千の針数で縫製を行うので、ステッピングモータも毎分数千回の回転制御を行うことになる。このように高速回転による制御であることに加えて、ステッピングモータで動かす揺動軸や針棒揺動台の重量が大きいので、脱調により、針を所要の針振り位置に停止させることが困難なことがある。すなわち、ステッピングモータの回転出力の変動や部材の慣性力に起因するオーバーランを生じて、所要の針位置を越えて停止することがある。あるいは、部材の振動に伴う負荷変動により、オーバーランを生じて所要の針位置を越えて停止することがある。
このように針を所要の位置に停止させることができないと、所要の縫い目が形成されない。オーバーランが大きいと、針に大きな負荷がかかって針が折れるおそれもある。そこで、ステッピングモータの脱調による針振り装置のオーバーランを防ぐため、揺動軸を囲む押圧部材を設け、この押圧部材をばねにより揺動軸側に付勢する技術が開示されている。これにより、揺動軸の摺動抵抗を増加させ、針を所要の針振り位置で停止しやすくし、オーバーランを防止することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−314673号公報
しかし、従来の針振り装置においては、摺動抵抗の増加を求めるあまり、押圧部材を過剰に押圧してしまうことがあった。このため、過剰な押圧力による揺動軸の摩耗や、揺動軸に面接触する押圧部材の仕上げ精度に起因する揺動軸の摩耗を引き起こすことがあった。このように、揺動軸が摩耗すると、揺動軸の滑りが変化し、針棒支持台に作用するトルクが変化してステッピングモータの脱調を引き起こすため、揺動軸を交換しなければならず、揺動軸にはステッピングモータや針棒支持台が取り付けられていることから、その交換作業は非常に手間がかかるという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、押圧部材により揺動軸を過剰に押圧した場合でも、揺動軸を交換する必要がなく、所望する針振りを正確に行うことができるミシンの針振り装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、針棒を上下動可能に支持する針棒支持台と、一端が前記針棒支持台に固定されるとともに他端が所定方向に往復運動を出力する駆動手段に接続され、少なくとも他の部材との摺動面にコーティング層が形成された揺動軸と、前記揺動軸に摺動抵抗を付与する押圧部材とを備えるミシンの針振り装置において、前記押圧部材は、前記コーティング層よりも耐摩耗性が低い材料からなることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、押圧部材は、コーティング層よりも耐摩耗性が低い材料からなるため、押圧部材で揺動軸を押圧すると、押圧部材がほぼ一方的に摩耗する。これにより、揺動軸はほとんど摩耗することがないので、揺動軸の滑りが変化し、針棒支持台に作用するトルクが変化して駆動手段の脱調を引き起こすことがなく、揺動軸を交換する必要がなくなる。また、交換が必要な部材は押圧部材であるため、揺動軸のように交換に際して針棒支持台や駆動手段を取り外す必要がなく、メンテナンスが容易となる。
よって、押圧部材により揺動軸を過剰に押圧した場合でも、揺動軸を交換する必要がなく、揺動軸よりも交換が容易な押圧部材を交換するだけで、所望する針振りを正確に行うことができる。
よって、押圧部材により揺動軸を過剰に押圧した場合でも、揺動軸を交換する必要がなく、揺動軸よりも交換が容易な押圧部材を交換するだけで、所望する針振りを正確に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、針棒を上下動可能に支持する針棒支持台と、一端が前記針棒支持台に固定されるとともに他端が所定方向に往復運動を出力する駆動手段に接続され、基材がアルミニウム又はマグネシウムからなるとともに、少なくとも他の部材との摺動面にリン青銅よりも硬い材料からなるコーティング層が形成された揺動軸と、前記揺動軸に摺動抵抗を付与する押圧部材とを備えるミシンの針振り装置において、前記押圧部材は、前記アルミニウム又はマグネシウムよりも硬く、前記リン青銅よりも軟らかい材料からなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、コーティング層はリン青銅よりも硬い材料からなるため、押圧部材で揺動軸を押圧すると、押圧部材がほぼ一方的に摩耗する。これにより、揺動軸はほとんど摩耗することがないので、揺動軸の滑りが変化し、針棒支持台に作用するトルクが変化して駆動手段の脱調を引き起こすことがなく、揺動軸を交換する必要がなくなる。また、交換が必要な部材は押圧部材であるため、揺動軸のように交換に際して針棒支持台や駆動手段を取り外す必要がなく、メンテナンスが容易となる。また、押圧部材はアルミニウム又はマグネシウムよりも硬く、リン青銅よりも軟らかい材料からなるため、揺動軸に対して適度な押圧力を付与する硬さを有するとともに、押圧部材自身も適度な速さで摩耗する。
よって、押圧部材により揺動軸を過剰に押圧した場合でも、揺動軸を交換する必要がなく、揺動軸よりも交換が容易な押圧部材を交換するだけで、所望する針振りを正確に行うことができる。また、押圧部材の交換サイクルを長くすることができ、メンテナンスにかかるコストを低減できる。
よって、押圧部材により揺動軸を過剰に押圧した場合でも、揺動軸を交換する必要がなく、揺動軸よりも交換が容易な押圧部材を交換するだけで、所望する針振りを正確に行うことができる。また、押圧部材の交換サイクルを長くすることができ、メンテナンスにかかるコストを低減できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のミシンの針振り装置において、前記コーティング層は、前記押圧部材よりも硬いセラミック皮膜であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、コーティング層は、押圧部材よりも硬いセラミック皮膜であるため、押圧部材で揺動軸を押圧すると、押圧部材がほぼ一方的に摩耗する。これにより、揺動軸はほとんど摩耗することがないので、揺動軸の滑りが変化し、針棒支持台に作用するトルクが変化して駆動手段の脱調を引き起こすことがなく、揺動軸を交換する必要がなくなる。
よって、押圧部材により揺動軸を過剰に押圧した場合でも、揺動軸を交換する必要がなく、揺動軸よりも交換が容易な押圧部材を交換するだけで、所望する針振りを正確に行うことができる。
よって、押圧部材により揺動軸を過剰に押圧した場合でも、揺動軸を交換する必要がなく、揺動軸よりも交換が容易な押圧部材を交換するだけで、所望する針振りを正確に行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のミシンの針振り装置において、前記押圧部材は、銅系焼結合金、銅系含油焼結合金、銅系鋳物、ポリアセタル系、ポリアミド系、ポリイミド系のいずれかからなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、上記の材料を用いることにより、メンテナンスにかかるコストを低減することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載のミシンの針振り装置において、前記基材の表面と前記コーティング層との間に、前記押圧部材よりも硬く、前記コーティング層よりも軟らかい材料からなる中間層を形成したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、中間層は、押圧部材よりも硬く、コーティング層よりも軟らかい材料からなるため、コーティング層に押圧力が作用した場合には、コーティング層への押圧力を緩和する緩衝材としての機能を果たし、大きな押圧力によりコーティング層が剥がれた場合には、中間層がコーティング層としての機能を果たす。
よって、揺動軸がコーティング層を有するだけの場合に比べて、揺動軸をより確実に保護することができる。
よって、揺動軸がコーティング層を有するだけの場合に比べて、揺動軸をより確実に保護することができる。
請求項1に記載の発明によれば、押圧部材により揺動軸を過剰に押圧した場合でも、揺動軸を交換する必要がなく、揺動軸よりも交換が容易な押圧部材を交換するだけで、所望する針振りを正確に行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、押圧部材により揺動軸を過剰に押圧した場合でも、揺動軸を交換する必要がなく、揺動軸よりも交換が容易な押圧部材を交換するだけで、所望する針振りを正確に行うことができる。また、押圧部材の交換サイクルを長くすることができ、メンテナンスにかかるコストを低減できる。
請求項3に記載の発明によれば、押圧部材により揺動軸を過剰に押圧した場合でも、揺動軸を交換する必要がなく、揺動軸よりも交換が容易な押圧部材を交換するだけで、所望する針振りを正確に行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、メンテナンスにかかるコストを低減することができる。
請求項5に記載の発明によれば、揺動軸がコーティング層を有するだけの場合に比べて、揺動軸をより確実に保護することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係るミシンの針振り装置の最良の形態について詳細に説明する。
<ミシンの針振り装置の構成>
最初に、ミシンの針振り装置の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、針振り装置100は、針1を保持する針棒2を上下動可能に支持する針棒支持台3と、一端が針棒支持台3に固定されるとともに他端が針棒2の上下方向に直交する方向に往復運動を出力する駆動手段としてのステッピングモータ4にリンクを介して接続された揺動軸5とを備えている。
針棒2は、上軸(ミシン主軸)7に連動して上下動する。針棒支持台3はこの針棒2を、上下動可能なように支持する。ステッピングモータ4は、その出力軸4aを正逆いずれの方向にも間欠回動可能である。
<ミシンの針振り装置の構成>
最初に、ミシンの針振り装置の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、針振り装置100は、針1を保持する針棒2を上下動可能に支持する針棒支持台3と、一端が針棒支持台3に固定されるとともに他端が針棒2の上下方向に直交する方向に往復運動を出力する駆動手段としてのステッピングモータ4にリンクを介して接続された揺動軸5とを備えている。
針棒2は、上軸(ミシン主軸)7に連動して上下動する。針棒支持台3はこの針棒2を、上下動可能なように支持する。ステッピングモータ4は、その出力軸4aを正逆いずれの方向にも間欠回動可能である。
ステッピングモータ4の出力軸4aには針振り駆動腕8が固定され、針振り駆動腕8には針振りリンクピン9を介して針振りリンク10の一端が回動可能に連結されている。針振りリンク10の他端には針棒支持台軸抱き11を介して針振りリンクピン12により揺動軸5の他端が連結されており、ステッピングモータ4の駆動力は、針振り駆動腕8、針振りリンク10を介して揺動軸5に伝達される。
揺動軸5は、ミシンフレーム13のアーム部の下部に取付けられている第1の針棒支持台軸受14及び第2の針棒支持台軸受15に軸方向の摺動が可能なように支持されている。
揺動軸5は、ミシンフレーム13のアーム部の下部に取付けられている第1の針棒支持台軸受14及び第2の針棒支持台軸受15に軸方向の摺動が可能なように支持されている。
図3に示すように、揺動軸5は、軸本体を形成する基材51と、基材51の表面に形成された中間層52と、中間層52の表面に形成されたコーティング層53と、を備えている。
基材51は、アルミニウムやマグネシウムのような軽金属からなり、円柱状に形成されている。
中間層52は、後述する押圧部材としてのカラー23よりも硬く、コーティング層53よりも軟らかい材料から形成されている。具体的には、ビッカース硬さが600〜900程度の材料であり、無電解ニッケルリン(NiP)、無電解ニッケルホウ素(NiB)、無電解ニッケルホウ素タングステン(NiBW)のメッキ処理により形成されている。なお、中間層52の厚さは、1〜50μmであることが好ましい。
コーティング層53は、ロックウェル硬さがBスケールで280(ビッカース硬さで300程度)程度のリン青銅よりも硬い材料から形成されている。具体的には、ビッカース硬さが1000〜3500程度の材料であり、DLC(Diamond Like Carbon)、窒化クロム(CrN)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、窒化アルミナチタン(TiAlN)のような硬質セラミック皮膜のコーティング処理により形成されている。なお、コーティング層53の厚さは、0.5〜20μmであることが好ましい。また、コーティング層53は、カラー23よりも硬い材料から形成されている。
なお、中間層52及びコーティング層53の形成は、摺動箇所のみに形成してもよいし、基材51の全域にわたって形成してもよい。
基材51は、アルミニウムやマグネシウムのような軽金属からなり、円柱状に形成されている。
中間層52は、後述する押圧部材としてのカラー23よりも硬く、コーティング層53よりも軟らかい材料から形成されている。具体的には、ビッカース硬さが600〜900程度の材料であり、無電解ニッケルリン(NiP)、無電解ニッケルホウ素(NiB)、無電解ニッケルホウ素タングステン(NiBW)のメッキ処理により形成されている。なお、中間層52の厚さは、1〜50μmであることが好ましい。
コーティング層53は、ロックウェル硬さがBスケールで280(ビッカース硬さで300程度)程度のリン青銅よりも硬い材料から形成されている。具体的には、ビッカース硬さが1000〜3500程度の材料であり、DLC(Diamond Like Carbon)、窒化クロム(CrN)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、窒化アルミナチタン(TiAlN)のような硬質セラミック皮膜のコーティング処理により形成されている。なお、コーティング層53の厚さは、0.5〜20μmであることが好ましい。また、コーティング層53は、カラー23よりも硬い材料から形成されている。
なお、中間層52及びコーティング層53の形成は、摺動箇所のみに形成してもよいし、基材51の全域にわたって形成してもよい。
第1の針棒支持台軸受14及び第2の針棒支持台軸受15のうち前方(針棒2側)に配置された第1の針棒支持台軸受14は軸受メタルで、ミシンフレーム13に固定されている。第2の針棒支持台軸受15は、図4に示すように、2個の軸受メタル20,21と、これら2つの軸受メタルの間に配置され、揺動軸5に摺動抵抗を付与する押圧部材としての1個のカラー23とを備えている。2つの軸受メタル20,21は同じ形状であり、その外径D1はミシンフレーム13に形成された貫通孔13aの内径よりも若干大きくされている。従って、軸受メタル20,21は貫通孔13aへ圧入されてミシンフレーム13に固定される。
一方、中央のカラー23の外径D2は貫通孔13aの内径よりも若干小さくされている。また、カラー23と2個の軸受メタル20,21の間には軸方向に若干の隙間が形成されるように配置されている。従って、カラー23には貫通孔13aに対して径方向に遊びが与えられているとともに両側の軸受メタル20,21に対しても軸方向に遊びが与えられている。
ここで、カラー23は、コーティング層53よりも耐摩耗性が低い材料、具体的には、基材51を形成するアルミニウムやマグネシウムよりも硬く、リン青銅よりも軟らかい材料から形成されている。材料としては、例えば、ロックウェル硬さがBスケールで100〜200(ビッカース硬さで110〜210程度)程度の銅系焼結合金、銅系含油焼結合金、銅系鋳物、ポリアセタル系、ポリアミド系、ポリイミド系のいずれかで形成することが好ましい。
図5に示すように、ミシンフレーム13には、カラー23に対応する位置へねじ穴24が形成されている。このねじ穴24には、ばね25が挿入され、カラー23へ径方向内側への付勢力を与えている。この付勢力により、カラー23は揺動軸5に押圧されるので、揺動軸5とカラー23との間に摺動抵抗が生じる。また、ばね25を用いているので、上記の摺動抵抗は長期間に渡ってほぼ一定の値を保つ。この摺動抵抗の大きさはねじ26,27により調整可能である。なお、2個のねじ26,27を用いるのは、緩み防止のためであるが1個のねじだけとしてもよい。
カラー23には、内径部に溝23bが形成され、2個の軸受メタル20,21には、内径部に溝20b,21bが形成されている。また、カラー23には、外径部から溝23bと連絡する小孔23cが形成されている。ミシンフレーム13のねじ穴24からグリース等の潤滑油を注入することにより、小孔23cを通じてカラー23と揺動軸5との摺動面及び軸受メタル20,21と揺動軸5との摺動面に給油することができる。第2の針棒支持台軸受15においては通常の軸受としての摺動に加えて、ばね25によりカラー23へ付勢力が加えられるので、このように給油可能な構成とすることが好ましい。
<実施形態の作用効果>
以上のように、実施形態におけるミシンの針振り装置100によれば、ステッピングモータ4を駆動させると、その出力軸4aが回転し、出力軸4aの回転は針振り駆動腕8及び針振りリンク10によって前後方向(図1の左右方向)の駆動に変換され、揺動軸5が往復運動をする。この揺動軸5の往復運動による針棒2の左右方向(図1の矢印方向)の往復運動と、それに直交する布送りの組み合せにより、ジグザグ縫いがなされる。
このとき、揺動軸5はミシンの前後方向に揺動するため、揺動軸5を押圧するカラー23との間には摩擦による摺動抵抗が生じる。
以上のように、実施形態におけるミシンの針振り装置100によれば、ステッピングモータ4を駆動させると、その出力軸4aが回転し、出力軸4aの回転は針振り駆動腕8及び針振りリンク10によって前後方向(図1の左右方向)の駆動に変換され、揺動軸5が往復運動をする。この揺動軸5の往復運動による針棒2の左右方向(図1の矢印方向)の往復運動と、それに直交する布送りの組み合せにより、ジグザグ縫いがなされる。
このとき、揺動軸5はミシンの前後方向に揺動するため、揺動軸5を押圧するカラー23との間には摩擦による摺動抵抗が生じる。
ここで、コーティング層53は、カラー23よりも硬いセラミック皮膜であるため、カラー23で揺動軸5を押圧すると、カラー23がほぼ一方的に摩耗する。これにより、揺動軸5はほとんど摩耗することがないので、揺動軸5の滑りが変化し、針棒支持台3に作用するトルクが変化してステッピングモータ4の脱調を引き起こすことがなく、揺動軸5を交換する必要がなくなる。また、交換が必要な部材はカラー23であるため、揺動軸5のように交換に際して針棒支持台3やステッピングモータ4を取り外す必要がなく、メンテナンスが容易となる。また、カラー23はアルミニウム又はマグネシウムよりも硬く、リン青銅よりも軟らかい材料からなるため、揺動軸5に対して適度な押圧力を付与する硬さを有するとともに、カラー23自身も適度な速さで摩耗する。
よって、カラー23により揺動軸5を過剰に押圧した場合でも、揺動軸5を交換する必要がなく、揺動軸5よりも交換が容易なカラー23を交換するだけで、所望する針振りを正確に行うことができる。また、カラー23の交換サイクルを長くすることができ、メンテナンスにかかるコストを低減できる。
また、基材51とコーティング層53との間に中間層52を形成し、この中間層52は、カラー23よりも硬く、コーティング層53よりも軟らかい材料からなるため、コーティング層53に押圧力が作用した場合には、コーティング層53への押圧力を緩和する緩衝材としての機能を果たし、仮に大きな押圧力によりコーティング層53が剥がれた場合には、中間層52がコーティング層53としての機能を果たす。
よって、揺動軸5がコーティング層53を有するだけの場合に比べて、揺動軸5をより長期間確実に保護することができる。
よって、揺動軸5がコーティング層53を有するだけの場合に比べて、揺動軸5をより長期間確実に保護することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、カラー23を、アルミニウム又はマグネシウムよりも硬く、リン青銅よりも軟らかい材料のうち、弾性を有する材料で形成するとなお好ましい。これにより、ばね25やねじ26,27が不要となって部品点数を減らすことができるとともに、これらを挿入するねじ穴24が不要となるので加工工数を減らすことができ、コストの低減を図ることができる。また、カラー23は、環状である必要はなく、半円形状のカラー片を二つ組み合わせて環状となるような構造であってもよい。これにより、揺動軸5への着脱をさらに容易にすることができる。
2 針棒
3 針棒支持台
4 ステッピングモータ(駆動手段)
5 揺動軸
23 カラー(押圧部材)
51 基材
52 中間層
53 コーティング層
100 針振り装置
3 針棒支持台
4 ステッピングモータ(駆動手段)
5 揺動軸
23 カラー(押圧部材)
51 基材
52 中間層
53 コーティング層
100 針振り装置
Claims (5)
- 針棒を上下動可能に支持する針棒支持台と、一端が前記針棒支持台に固定されるとともに他端が所定方向に往復運動を出力する駆動手段に接続され、少なくとも他の部材との摺動面にコーティング層が形成された揺動軸と、前記揺動軸に摺動抵抗を付与する押圧部材とを備えるミシンの針振り装置において、
前記押圧部材は、前記コーティング層よりも耐摩耗性が低い材料からなることを特徴とするミシンの針振り装置。 - 針棒を上下動可能に支持する針棒支持台と、一端が前記針棒支持台に固定されるとともに他端が所定方向に往復運動を出力する駆動手段に接続され、基材がアルミニウム又はマグネシウムからなるとともに、少なくとも他の部材との摺動面にリン青銅よりも硬い材料からなるコーティング層が形成された揺動軸と、前記揺動軸に摺動抵抗を付与する押圧部材とを備えるミシンの針振り装置において、
前記押圧部材は、前記アルミニウム又はマグネシウムよりも硬く、前記リン青銅よりも軟らかい材料からなることを特徴とするミシンの針振り装置。 - 前記コーティング層は、前記押圧部材よりも硬いセラミック皮膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシンの針振り装置。
- 前記押圧部材は、銅系焼結合金、銅系含油焼結合金、銅系鋳物、ポリアセタル系、ポリアミド系、ポリイミド系のいずれかからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のミシンの針振り装置。
- 前記基材の表面と前記コーティング層との間に、前記押圧部材よりも硬く、前記コーティング層よりも軟らかい材料からなる中間層を形成したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のミシンの針振り装置。
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