JP2018130430A - ミシン - Google Patents

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哲司 塩谷
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Abstract

【課題】連桿から受ける回転軸の振動を低減できるミシンを提供する。【解決手段】ミシンの上軸31はミシンモータ21の駆動で回転する。クランク部51は上軸31と一体して回転する。クランク部51に設けた偏心軸52は上軸31の軸心Aから偏心する。連桿45は、上環部46と下環部48を両端部に備える。上環部46は、偏心軸52に回転可能に連結する。下環部48は、揺動部材76に回転可能に連結して往復動作を伝達する。上軸31は、軸方向において偏心軸52の両側に、一対のバランサ55、56を備える。バランサ55、56は、上軸31に対して偏心軸52が偏心する側とは反対側に重心を有し、上軸31と一体して回転する。故に一対のバランサ55、56は、偏心軸52において連桿45から受ける力の方向とは逆方向に力をかけるので、上軸31に生じる振動を効果的に低減できる。【選択図】図2

Description

本発明はミシンに関する。
特許文献1に記載のミシンのクランク機構は、クランク部と連桿を備える。クランク部はミシンの主軸に設ける。クランク部は偏心軸を有し、偏心軸は主軸の軸心から偏心する。主軸はミシンモータに連結し、ミシンモータの駆動により回転する。主軸の回転に伴い、偏心軸は主軸の軸心を中心として主軸の軸心の周囲を周回する。連桿は、第一の環部と第二の環部を両端部に個別に設ける。第一の環部はクランク部の偏心軸に回転可能に連結する。連桿は、偏心軸の回転に伴い往復動作する。第二の環部は他の部材に往復動作を伝達する。
特開2009−213695号公報
特許文献1に記載のミシンのクランク機構は、主軸の回転から偏心軸を介して連桿の往復運動に動きを伝達する。故にミシンの主軸は、ミシン運転時において連桿から往復運動に起因する振動を受け易いという問題点があった。
本発明の目的は、連桿から受ける回転軸の振動を低減できるミシンを提供することである。
本発明の請求項1に係るミシンは、モータの駆動で回転する回転軸と、前記回転軸に設けられ、前記回転軸と一体して回転し、前記回転軸の軸心から偏心する偏心部と、前記偏心部に回転可能に連結する連結部と、他の部材に回転可能に連結して往復動作を伝達する伝達部とを両端部に備え、前記回転軸の軸線に対して直交する方向に延びる連桿とを備えたミシンにおいて、前記回転軸は、軸方向において前記偏心部の両側に、前記回転軸に対して前記偏心部が偏心する側とは反対側に重心を有し、前記回転軸と一体して回転する一対のバランサを備えたことを特徴とする。一般的に、回転軸に偏心部を備えたミシンは、回転軸の回転を連桿の揺動運動に動きを変換して伝達するので、モータ稼働時に偏心部で振動を生じ易い。本発明は、偏心部の両側に一対のバランサを備えており、夫々のバランサは、回転軸に対して偏心部が偏心する側とは反対側に重心を有する。故に一対のバランサは、偏心部において連桿から受ける力の方向とは逆方向に力をかけるので、軸方向において偏心部の両側で回転軸に生じる振動を効果的に低減できる。
請求項2に係る発明のミシンの前記回転軸は、前記軸方向において前記偏心部の両側に、前記回転軸を回転可能に支持する一対の軸受を備えるとよい。回転軸は軸方向において偏心部の両側に一対の軸受を備えているので、本発明のミシンは振動を生じ易い偏心部を安定して支持できる。軸受で回転軸を支持する一般的なミシンの場合、夫々の軸受には、回転軸の回転時に連桿から受ける力の方向とは反対方向に反力が生じる。該反力が大きいと回転軸に振動を生じて回転は不安定になる。本発明のミシンは軸方向において偏心部の両側に一対のバランサを備えているので、軸受に生じる反力を低減できる。故に本発明のミシンは回転軸を安定して回転できる。
請求項3に係る発明のミシンの前記一対のバランサのうち少なくとも一方は、前記回転軸と前記軸受の間で前記回転軸に固定するブッシュと一体化して設けるとよい。本発明のミシンは、回転軸に固定するブッシュにバランサを一体化して設けたので、部品点数を削減でき、且つ省スペースで配置できる。
請求項4に係る発明のミシンは、前記モータの出力軸と、前記回転軸の一端部とを一体回転可能に連結する継手を備え、前記一対のバランサのうち、前記偏心部に対して前記モータ側に位置する前記バランサは、前記継手と一体化して設けるとよい。本発明のミシンは、継手にバランサを一体化して設けたので、部品点数を削減でき、且つ省スペースで配置できる。
請求項5に係る発明のミシンの前記継手には、前記回転軸の回転を安定化する為のフライホイールを一体化して設けるとよい。本発明のミシンは、継手にフライホイールをさらに一体化して設けたので、連桿の揺動運動によって生じる回転軸の速度変動を小さくし、回転軸にかかる振動を更に低減できる。フライホイールは継手と一体化しているので、部品点数を削減でき、且つ省スペースで配置できる。
上述した請求項1から5の発明は、任意に組み合わせることができる。例えば請求項1の全部または一部を備えずに他の請求項2から5の少なくとも何れか1つの構成を備えたものとしても良い。但し特に、請求項1の構成を備えて、請求項2から5の少なくとも何れか1つの構成と組み合わせを備えると良い。また、請求項1から5の任意の構成要素を抽出し、組み合わせても良い。本願出願人は、これらのような構成についても特許権を取得する意思を有する。
ミシン1の斜視図。 駆動機構30の斜視図。 伝達機構40の平面図。 上側伝達部50周囲の右側面図。 図3に示すI−I線矢視方向断面図。 変形例である駆動機構130の斜視図。
図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1、図2を参照し、ミシン1の全体構造を説明する。ミシン1は布に閂止縫目を形成する閂止ミシンである。ミシン1は、ベッド部2、脚柱部3、アーム部4を備える。ベッド部2は前後方向に延び、内部に半回転釜8、送り台(図示略)、布送り機構(図示略)等を備える。ベッド部2は、針板9を備える。針板9は、前端部上面に針穴(図示略)を有する。送り板11は針板9上に位置し、送り台に固定する。
脚柱部3はベッド部2後側から上方に延び、背壁上部にミシンモータ21を備える。アーム部4は、脚柱部3上端からベッド部2と略平行に前方に延び、内部にミシンモータ21で駆動する上軸31を備える。アーム部4の前端部5は、アーム部4の他部位よりも下方へ突出する。前端部5は、内部に針棒6を上下動可能に支持する。針棒6は前端部5下端から下方へ延びる。縫針7は針棒6下端に着脱可能であり、針棒6と共に上軸31の駆動で上下方向に駆動する。
ミシン1はベッド部2上部に布押え装置10を備える。布押え装置10は押え足12を備える。押え足12は針板9上方に位置する。布押え装置10は押え足12を昇降し、縫製対象物である布を上方から押える。布押え装置10は布押え用モータ(図示略)で駆動する。布押え用モータは脚柱部3内部に設ける。
布送り機構は、X送り用モータ(図示略)とY送り用モータ(図示略)を備える。布送り機構はX送り用モータとY送り用モータを駆動することで、布押え装置10、送り板11、送り台をX方向(左右方向)とY方向(前後方向)に移動する。ミシン1は縫針7の上下動に合わせて布をX方向とY方向に送り、布に閂止縫目を形成する。
図2〜図5を参照し、ミシン1の駆動機構30を説明する。図2に示す如く、駆動機構30は、ミシンモータ21、上軸31、下軸36、伝達機構40、天秤駆動機構80、針棒駆動機構85、釜駆動機構90を備える。
上軸31は、アーム部4内を前後方向に延びる。上軸31の後端部311(図5参照)は、継手32を介してミシンモータ21の出力軸211(図3〜図5参照)に接続する。ミシンモータ21は上軸31を回転する。
ミシン1は天秤駆動機構80と針棒駆動機構85を前端部5内に設ける。上軸31の前端は、天秤駆動機構80と針棒駆動機構85に接続する。ミシンモータ21は上軸31を回転し、天秤駆動機構80と針棒駆動機構85に駆動力を伝達する。天秤駆動機構80は天秤14を備える。天秤駆動機構80は上軸31の回転に伴い、天秤14を上下動する。天秤駆動機構80の構成は周知なので、説明を省略する。針棒駆動機構85は、針棒6を備える。針棒駆動機構85は上軸31の回転に伴い、針棒6と縫針7を上下に往復移動する。針棒6下降時、縫針7下端は、針穴を通過して半回転釜8の上部に到達する。ボビンケース(図示略)は下糸を巻いたボビン(図示略)を収容し、半回転釜8に装着する。縫針7は上糸を保持する。半回転釜8は縫針7と協働し、上糸と下糸を絡める。天秤14は、下糸に絡んだ上糸を針板9上に引き上げ、布に縫目を形成する。
釜駆動機構90は、ベッド部2内の前端部に設ける。下軸36は、ベッド部2内を前後方向に延びる。下軸36の前端は、釜駆動機構90に接続する。釜駆動機構90は、半回転釜8を備える。半回転釜8は、下軸36の往復回動に伴い駆動し、針棒6の上下動と同期して往復回動する。下軸36は、後端部にはす歯歯車37を備える。はす歯歯車37は、伝達機構40の揺動ギア71に噛合する。
伝達機構40は、上軸31の回転によって生ずる駆動力を下軸36に伝達する。伝達機構40は、連桿45、上側伝達部50、下側伝達部70を備える。連桿45は棒状で、且つ脚柱部3内を上下方向に延びる。上側伝達部50は、連桿45の上端部を上軸31に連結する。下側伝達部70は、連桿45の下端部を下軸36に連結する。
図2〜図4に示す如く、上側伝達部50は、上軸31の回転動作を連桿45の上下動に変換するリンク機構である。上側伝達部50は、クランク部51、軸受53、54、円板58、59、針軸受60を有する。
クランク部51は上軸31に設け、上軸31と一体に回転する。クランク部51は、偏心軸52を有する。偏心軸52の軸心Bは上軸31の軸心Aに対して偏心し、且つ平行に設ける。即ちクランク部51は、上軸31の一部を略U字状に屈曲し、上軸31と平行に延びる部分を偏心軸52として形成することで、上軸31に設ける。上軸31が軸心Aを中心に回転すると、偏心軸52の軸心Bは、軸心Aの周囲を周回する(図2、図4参照)。
軸受53、54は、例えば外輪と内輪の間に複数の玉状ころを保持した環状の軸受である。軸受53は、上軸31におけるクランク部51の前側に設ける。軸受54は、上軸31におけるクランク部51の後側に設ける。軸受53、54の外輪は、ミシン1の機枠に固定する。軸受53の内輪は、後述するバランサ55と一体化して設けたブッシュ553(図5参照)を内側に嵌め込む。ブッシュ553は、バランサ55と共に上軸31に固定する。一方、軸受54の内輪は、継手32の前端側に一体化して設けたブッシュ321(図5参照)を内側に嵌め込む。ブッシュ321は、継手32と共に上軸31に固定する。故に軸受53、54は、ブッシュ553、321を介して上軸31を回転可能に支持する。円板58は、上軸31における軸受53の後側に近接した位置にてミシン1の機枠に嵌る。円板59は、上軸31における軸受54の前側に近接した位置にてミシン1の機枠に嵌る。
針軸受60(図2参照)は、内面に複数の針状ころを保持した筒状の軸受であり、上下にて半分に分割する。針軸受60は偏心軸52を上下から挟み、筒内で偏心軸52を回転可能に支持する。連桿45は、上端部に環状の上環部46を有する。上環部46の上側部分は、下側部分から分離できる。上環部46の下側部分は、連桿45の本体に接続する。上環部46は、内部に針軸受60を保持した状態で、上側部分を螺子で下側部分に固定する。故に上環部46は、針軸受60を介し、偏心軸52を回転可能に支持する。上環部46の上側部分は、上面に給油穴47を開口する。上環部46は給油穴47から潤滑油を取り込み、針軸受60と偏心軸52を潤滑する。
図2、図3に示す如く、下側伝達部70は、連桿45の上下動を下軸36の往復回転動作に変換するリンク機構である。下側伝達部70は、揺動ギア71、軸受72、73、カラー74、75、揺動部材76、取付軸77(図3参照)、座金78を備える。
揺動部材76は、連桿45の上下動を揺動ギア71に伝達する。揺動部材76は、ギア軸76A、連結軸76B、レバー76C(図3参照)を備える。レバー76Cは左右方向に延びる。連結軸76Bはレバー76Cの右端に設け、前方に突出する。連桿45は、下端部に環状の下環部48を有する。下環部48は前後方向に貫通する。連結軸76Bは、下環部48の内側に対して後方から挿通する。連結軸76Bは、下環部48を回転可能に支持する。座金78は円盤状で、連桿45の下環部48より僅かに外径が大きい。座金78は、下環部48を挿通した連結軸76Bの前端部に固定し、連結軸76Bからの下環部48の抜けを防止する。
ギア軸76Aはレバー76Cの左端に設け、後方に突出する。ギア軸76Aの軸心と、連結軸76Bの軸心は、互いに偏心する。連桿45が上下動すると、連結軸76Bの軸心は、ギア軸76Aの軸心の周囲を往復回動する。故に揺動部材76は、ギア軸76Aの軸心を中心に揺動する。
揺動ギア71はギア軸76Aに固定する。揺動ギア71はギア軸76Aに止め螺子で固定する。揺動ギア71の歯部(図示略)ははす歯状に形成し、下軸36のはす歯歯車37に噛合する。故に揺動部材76が揺動すると、揺動ギア71は往復回動し、下軸36を往復回転する。
軸受72、73は揺動ギア71の前側と後側に夫々設ける。軸受72、73は、外輪と内輪の間に複数の玉状ころを保持した環状の軸受である。軸受72、73の外輪は、筒状のカラー74、75の内側に嵌め込む。カラー74、75は夫々、止め螺子でミシン1の機枠に固定する。軸受72、73の内輪はギア軸76Aに嵌め込み、ギア軸76Aと揺動ギア71を回動可能に支持する。
取付軸77は、ギア軸76Aの後端に取り付ける。取付軸77は、後端に抜け止めの鍔部を有する。該鍔部は軸受73に対して後方から当接することで、軸受73がカラー75から抜けるのを防止する、取付軸77は、ギア軸76Aよりも長く延びる。ギア軸76Aは、前後方向に貫通する貫通穴を有する。取付軸77は、ギア軸76Aの貫通穴を挿通し、止め螺子でギア軸76Aに固定する。
図2〜図5を参照し、上軸31の振動低減構造を説明する。上側伝達部50は、上軸31の振動を低減する為に、フライホイール33、バランサ55、56等を備える。フライホイール33は円盤状に形成し、継手32の外周面の後端側に一体に設ける。フライホイール33は、上軸31と一体して回転するときの慣性力を利用し、連桿45の上下動によって生じる上軸31の速度変動を小さくする。故に上軸31の振動は低減し、上軸31の回転は安定化する。
バランサ55、56は夫々、軸受53の前側と軸受54の後側に設け、クランク部51を前後方向の両側から挟むようにして、上軸31に固定する。バランサ55は金属製であり、軸固定部551、錘部552、ブッシュ553等を備える。軸固定部551は筒状に形成し、内側に上軸31を挿入し、複数の螺子25で上軸31に固定する。錘部552は、軸固定部551の外周面から径方向外側に突出し、且つ上軸31の軸方向から見て略扇状に形成する。錘部552は、上軸31に対して偏心軸52が偏心する側とは反対側に配置する。故にバランサ55の重心は、上軸31に対して偏心軸52が偏心する側とは反対側に位置する。ブッシュ553は、軸固定部551の後端部から後方に向けて軸固定部551と同軸且つ略筒状に突出する。ブッシュ553は、軸受53の内輪の内側に嵌め込む。上軸31は、ブッシュ553の内側に挿入する。ブッシュ553は、軸受53の内輪と上軸31との間の隙間を埋める。
バランサ56も金属製であり、継手32の外周面における前端側の位置から径方向外側に突出し、且つ上軸31の軸方向から見て略扇状に形成する。バランサ56も、バランサ55と同様に、上軸31に対して偏心軸52が偏心する側とは反対側に配置する。故にバランサ56の重心は、上軸31に対して偏心軸52が偏心する側とは反対側に位置する。継手32は、ブッシュ321(図5参照)を備える。ブッシュ321は、継手32の前端部から前方に向けて継手32と同軸且つ略筒状に突出する。ブッシュ321は、軸受54の内輪の内側に嵌め込む。上軸31の後端部311は、ブッシュ321の内側に挿入する。ブッシュ321は、軸受54の内輪と上軸31との間の隙間を埋める。継手32は、ブッシュ321の内側に挿入した上軸31の後端部311に複数の螺子26で固定する。
バランサ55,56による上軸31の振動抑制効果を説明する。図2に示す如く、ミシンモータ21が駆動すると、出力軸211は回転する。継手32は出力軸211と一体して回転する。上軸31は継手32と一体して回転する。上軸31が回転すると、クランク部51の偏心軸52は、上軸31の軸心Aを中心にその周囲を周回する。連桿45の上環部46は、偏心軸52に対して回転可能に連結する。故に偏心軸52の周回に伴い、連桿45は上下動する。連桿45が上下動する度に、偏心軸52は上環部46を介して連桿45が移動する方向に力を受ける。
例えば、図4に示す如く、偏心軸52が下方に移動したとき、連桿45は下方に移動する。連桿45は、上環部46を介して偏心軸52を下方に引っ張り、上軸31を下方に引き込む。クランク部51の前後両側に位置する軸受53、54は、上軸31を回転可能に支持するので、軸受53、54の内部には上向きの反力が生じる。これとは逆に、偏心軸52が上方に移動したとき、連桿45は上方に移動する。連桿45は、上環部46を介して偏心軸52を上方に引っ張り、上軸31を上方に引き上げる。軸受53、54の内部には下向きの反力が生じる。上軸31に対して上向きと下向きの反力が繰り返し生じると、上軸31の回転速度が変動し、上軸31が振動する可能性がある。
上記の通り、本実施形態は、クランク部51の前後両側にバランサ55、56を備える。バランサ55、56の夫々の重心は、上軸31に対して偏心軸52が偏心する側とは反対側に位置する。故に上軸31と一体してバランサ55、56が回転すると、偏心軸52は、上環部46から受ける力の方向とは逆向きの力をバランサ55,56から受ける。軸受53、54の内部に生じる反力は低減する。故に上軸31の速度変動は低減するので、上軸31に生じる振動を低減できる。
バランサ55、56は、クランク部51の前後両側に配置するので、偏心軸52に対して、上環部46から受ける力の方向とは逆向きの力をクランク部51の前側と後側夫々でバランス良く掛けることができる。故にミシン1は上軸31の振動を効果的に低減できる。
バランサ55は軸受53の前側に近接配置し、バランサ56は軸受54の後側に近接配置する。即ちバランサ55は、軸受53に近い位置で、上環部46から受ける力の向きとは逆向きの力を上軸31に掛けることができる。故にバランサ55は、軸受53の内部に生じる反力を効果的に低減できる。バランサ56もバランサ55と同様に、軸受54の内部に生じる反力を効果的に低減できる。
バランサ55は、ブッシュ553を一体して備えるので、分割した場合に比べて部品点数が減ると共に、構成をコンパクトにできる。故にミシン1は、ブッシュ553を一体化したバランサ55を、省スペースでアーム部4内部に配置できる。継手32も、フライホイール33とバランサ56を一体化して備えるので、分割した場合に比べて部品点数が減ると共に、構成をコンパクトにできる。故にミシン1は、フライホイール33とバランサ56を一体化した継手32を、省スペースでミシン1のアーム部4内部に配置できる。
以上説明にて、図2に示す上軸31は本発明の回転軸の一例である。偏心軸52は本発明の偏心部の一例である。上環部46は本発明の連結部の一例である。下環部48は本発明の伝達部の一例である。ブッシュ321、553は本発明のブッシュの一例である。
以上説明の如く、本実施形態のミシン1は、上軸31、クランク部51、連桿45等を備える。上軸31はミシンモータ21の駆動で回転する。クランク部51は、上軸31に設けられ、該上軸31と一体して回転する。クランク部51は偏心軸52を備える。偏心軸52は上軸31の軸心から偏心する。連桿45は、上環部46と下環部48を両端部に備え、上軸31の軸線に対して直交する方向に延びる。上環部46は、偏心軸52に回転可能に連結する。下環部48は、揺動部材76に回転可能に連結して往復動作を伝達する。上軸31は、軸方向において偏心軸52の両側に、一対のバランサ55、56を備える。バランサ55、56は、上軸31に対して偏心軸52が偏心する側とは反対側に重心を有し、上軸31と一体して回転する。故に一対のバランサ55、56は、偏心軸52において連桿45から受ける力の方向とは逆方向に力をかけるので、軸方向において偏心軸52の両側で上軸31に生じる振動を効果的に低減できる。
本実施形態の上軸31は、軸方向において偏心軸52の両側に、上軸31を回転可能に支持する一対の軸受53、54を備える。故にミシン1は振動を生じ易い偏心軸52を安定して支持できる。上記の通り、ミシン1は、軸方向において偏心軸52の両側に一対のバランサ55、56を備えているので、軸受53、54に生じる反力を低減できる。故にミシン1は上軸31を安定して回転できる。
本実施形態のバランサ55、56は、上軸31と軸受53、54の間で上軸31に固定するブッシュ553、321と一体化して設ける。故にミシン1は部品点数を削減でき、且つ省スペースで上側伝達部50を配置できる。
本実施形態のミシン1は継手32を備える。継手32は、ミシンモータ21の出力軸211と上軸31の後端部311に複数の螺子26で固定する。継手32は、ミシンモータ21の出力軸211と、上軸31の後端部311とを一体回転可能に連結する。偏心軸52に対してミシンモータ21側に位置するバランサ56は、継手32と一体化して設ける。故にミシン1は部品点数を削減でき、且つ省スペースで上側伝達部50を配置できる。
本実施形態の継手32はフライホイール33を一体化して設ける。フライホイール33は上軸31の回転を安定化する為の機械要素である。フライホイール33は、連桿45の揺動運動によって生じる上軸31の速度変動を小さくし、上軸31にかかる振動を更に低減できる。フライホイール33は継手32と一体化しているので、部品点数を削減でき、且つ省スペースでフライホイール33を配置できる。
本発明は上記実施形態の他に種々の変更が可能である。本実施形態のミシン1は、偏心軸タイプの上側伝達部50を備える。偏心軸タイプは、クランク部51に偏心軸52を設け、該偏心軸52に対して連桿45の上環部46を回転可能に連結する。本発明は偏心軸タイプの他に、例えば偏心輪タイプの上側伝達部を備えるミシンにも適用可能である。
図6に示す変形例であるミシンの駆動機構130は、伝達機構140を備える。伝達機構140は、連桿45、上側伝達部150、下側伝達部70を備える。連桿45、下側伝達部70は上記実施形態と同一構成なので、説明を省略する。上側伝達部150は、上記実施形態の上側伝達部50と同様に、上軸131の回転動作を連桿45の上下動に変換するリンク機構である。上側伝達部150は、偏心輪152、軸受153、154、針軸受160を有する。偏心輪152は円板状に形成し、その中心部から径方向外側にずれた位置に筒部152Aを有する。偏心輪152は、筒部152Aの内側に上軸131を挿入し螺子で固定する。偏心輪152は上軸131と一体で回転する。偏心輪152の中心部は、上軸131に対して偏心している。上軸131は、クランク部51を設けない点で上記実施形態の上軸31と異なる。
軸受153、154は、上軸131における偏心輪152の前側と後側に設ける。軸受153、154は、上軸131を回転可能に支持する。軸受153、154は、ミシンの機枠に固定する。連桿45は、上端部に環状の上環部146を有する。筒状の針軸受160は、上環部146の内側に設ける。針軸受160は偏心輪152を内側に挟み、回転可能に支持する。上軸131が回転すると、偏心輪152は、上軸131の軸心Aを中心に回転する。偏心輪152の中心部は、上軸131に対して偏心しているので、偏心輪152は軸心Aの周囲を周回する。これに伴い、上環部146は上下動するので、連桿45は上下動する。
上記構造を備える上側伝達部150は、上軸131の振動を低減する為に、バランサ155、156等を備える。バランサ155は軸受153の前側、バランサ156は軸受154の後側に設け、偏心輪152を前後方向の両側から挟むようにして、上軸131に固定する。バランサ155は、軸方向から見て略扇状に形成し、上軸131に対して螺子で固定する。バランサ156は、継手132の外周面における前端側の位置から径方向外側に突出し、且つ軸方向から見て略扇状に形成する。継手132は、上軸131の後端部と、ミシンモータ21の出力軸を接続する。バランサ155、156の夫々の重心は、上軸131に対して偏心輪152が偏心する側とは反対側に配置する。故に本変形例においても、一対のバランサ155、156は、偏心輪152において連桿45から受ける力の方向とは逆方向に力をかけるので、上記実施形態と同様に、上軸131に生じる振動を効果的に低減できる。
バランサ155は、軸受153のブッシュと一体化して設けてもよい。バランサ156は、継手132に一体化して設けるが、分割して構成してもよい。バランサ156と、軸受154のブッシュ(図示略)を一体化して設けてもよい。継手132と、軸受154のブッシュを一体化して設けてもよい。上側伝達部150は、上記実施形態と同様に、フライホイール33を継手132に一体化して設けてもよく、継手132とは別体で上軸131に固定してもよい。バランサ155、156は、少なくとも偏心輪152を前後方向の両側から挟むようにして、上軸131に直接又は間接的に固定すればよい。
以上説明にて、図6に示す偏心輪152は本発明の偏心部の一例である。上環部146は本発明の連結部の一例である。
上記変形例の他にも、本発明は種々の変更が可能である。上記実施形態のミシン1は、例えば閂止めミシンであるが、上軸に回転軸の軸心から偏心する偏心部を設け、その偏心部に対して連桿を回転可能に連結するものであれば、本発明は、その他の種類のミシン、例えば、本縫いミシン、千鳥縫いミシン、穴かがりミシン、ボタン付けミシン等においても適用可能である。
本実施形態のバランサ55は軸受53のブッシュ553と一体化しているが、分割して構成してもよい。バランサ56は継手32と一体化しているが、分割して構成してもよい。フライホイール33は継手32と一体化しているが、分割して構成し、上軸31に直接固定してもよい。バランサ55、56は、少なくとも偏心軸52の前後両側に設ければよく、軸受53、54との位置関係は自由に変更可能であるが、軸受53、54に夫々近接する位置に設けるのがよい。軸受53、54の構造は上記実施形態に限らない。
バランサ55、56の形状は、上記実施形態の形状に限定せず、バランサ55、56の重心が上軸31に対して偏心軸52が偏心する側とは反対側に位置する形状であればよい。バランサ55、56の夫々の大きさは互いに同一でも異なっていてもよい。フライホイール33は省略してもよい。
下側伝達部70の構造は、連桿45の上下動を下軸36の往復回転に変換できるものであれば、上記実施形態の構造に限定しない。
1 ミシン
21 ミシンモータ
31、131 上軸
32 継手
33 フライホイール
45 連桿
46 上環部
48 下環部
52 偏心軸
53、54 軸受
55、56 バランサ
146 上環部
152 偏心輪
152A 筒部
153、154 軸受
155、156 バランサ
211 出力軸
311 後端部
321、553 ブッシュ
A 軸心

Claims (5)

  1. モータの駆動で回転する回転軸と、
    前記回転軸に設けられ、前記回転軸と一体して回転し、前記回転軸の軸心から偏心する偏心部と、
    前記偏心部に回転可能に連結する連結部と、他の部材に回転可能に連結して往復動作を伝達する伝達部とを両端部に備え、前記回転軸の軸線に対して直交する方向に延びる連桿と
    を備えたミシンにおいて、
    前記回転軸は、
    軸方向において前記偏心部の両側に、前記回転軸に対して前記偏心部が偏心する側とは反対側に重心を有し、前記回転軸と一体して回転する一対のバランサを備えたこと
    を特徴とするミシン。
  2. 前記回転軸は、
    前記軸方向において前記偏心部の両側に、前記回転軸を回転可能に支持する一対の軸受を備えたこと
    を特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記一対のバランサのうち少なくとも一方は、
    前記回転軸と前記軸受の間で前記回転軸に固定するブッシュと一体化して設けたこと
    を特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 前記モータの出力軸と、前記回転軸の一端部とを一体回転可能に連結する継手を備え、
    前記一対のバランサのうち、前記偏心部に対して前記モータ側に位置する前記バランサは、前記継手と一体化して設けたこと
    を特徴とする請求項1から3の何れかに記載のミシン。
  5. 前記継手には、前記回転軸の回転を安定化する為のフライホイールを一体化して設けたこと
    を特徴とする請求項4に記載のミシン。
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