JP2006140799A - フィルタ素子 - Google Patents

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Fukuharu Cho
福春 張
Koichi Yanagisawa
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Abstract

【課題】 広い周波数範囲にわたって大きなノイズ減衰特性を有するフィルタ素子を得る。
【解決手段】 基板110の少なくとも一方の面に、ともに帯状をなす一対の第1導体(信号導体パターン)121と第2導体(接地導体パターン)122とを所定の間隔をもって隣接して螺旋状に形成してなる平面コイル素子120によりフィルタ素子を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電源ラインや信号伝送系などのノイズ除去(減衰)用として好適なフィルタ素子に関し、さらに詳しく言えば、基板上で第1導体と第2導体とを螺旋状に巻回してなる平面コイル素子を有するフィルタ素子に関するものである。
ノイズ低減用のフィルタ素子については多くの提案がなされているが、そのうちの特許文献1に記載の分布定数型フィルタ素子においては、図9に示すように、内部誘電体層13内に平行導体ライン11,12を上下一対として配線するとともに、内部誘電体層13の上下両面に磁性体と誘電層の複合体14,15を介して接地導体18,19を積層するようにしている。
このフィルタ素子によれば、磁性体を備えているため、分布インダクタンスが大きくなるとともに、2本の平行導体ライン11,12の結合係数が大きくなるので、特にコモンモード信号に対する特性インピーダンスを大きく設定することができる。また、コモンモード動作時は、平衡モード動作時と比較して磁性体の磁束密度が遙かに高くことになることにより磁束損失が大幅に増大し、さらには平行導体ライン11,12を鎖交する高周波磁束も増大するため導体のうず電流損失も増大する。
このため、コモンモード信号を広い周波数範囲にわたって抑制することが可能になる。したがって、平衡モード信号を効率よく通過させつつ不平衡で生ずるコモンモード信号を大幅に除去することができる。また、このフィルタ素子は、400MHz以上のきわめて高い周波数のノイズ除去に適した特性を有している。
しかしながら、上記特許文献1のフィルタ素子にあっては、平行導体ライン11,12と接地導体18,19との間に磁性体と誘電層の複合体14,15が配置される構成であるため、平行導体ライン11,12と接地導体18,19との間に形成される分布容量は複合体14,15の誘電率に左右される。
したがって、分布定数型回路として機能するフィルタ素子の分布インダクタンスの値と分布容量の値とを独立して設定することができないため、所望とする特性インピーダンスを有するフィルタ素子の実現が困難である。
そこで、本出願人は、フィルタ設計を容易にしつつ所望とする特性インピーダンスが容易得られるようにした分布定数型フィルタ素子を特許文献2として提案しており、その構成を図10に示す。
このフィルタ素子1は、入力端子5,出力端子6および接地側端子7を有するフィルタ素子であって、一端側が入力端子5に接続されるとともに他端側が出力端子6に接続される平面状のスパイラルコイル2と、切り込み4bにより外縁側と連通する中心孔4aを有し、非磁性材からなる誘電体3を介してスパイラルコイル2の上下両面に配置されて接地側端子7に接続される一対の接地側電極4,4と、スパイラルコイル2の周囲に形成される磁路の少なくとも一部分に配設される磁性体8とを備えている。
特開2002−84157号公報 特開2004−173157号公報
上記特許文献2のフィルタ素子によれば、各接地側電極4,4とスパイラルコイル2との間に磁性体を介在させることなく誘電体3のみを介在させているため、その誘電体3の材質や厚みを変えることにより、分布インダクタンスとは別個に独立して分布容量を設定することができる。
しかしながら、接地側電極4,4がスパイラルコイル2に含まれる信号導体に対して共通に配置されており、しかも接地側電極4,4を擬似的コイルとして見た場合わずか1ターン分しかないため、スパイラルコイル2に含まれる信号導体に対する電位分布がほぼ一様であり偏りがあまりない。したがって、ノイズを減衰し得るにしても、その周波数範囲が限られてしまう。
したがって、本発明の課題は、広い周波数範囲にわたって大きなノイズ減衰特性を有するフィルタ素子を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、基板の少なくとも一方の面に、ともに帯状をなす一対の第1導体と第2導体とを所定の間隔をもって隣接して螺旋状に形成してなる平面コイル素子を備えていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、上記請求項1において、上記基板の一方の面側に設けられている上記平面コイル素子を第1平面コイル素子として、上記基板の他方の面側にも上記第1平面コイル素子とパターン形状が実質的に同一である第2平面コイル素子が設けられていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、上記請求項2において、上記各平面コイル素子に含まれている第1導体同士および第2導体同士がそれぞれ対向的に配置されていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、上記請求項2において、上記第1平面コイル素子に含まれている第1導体と上記第2平面コイル素子に含まれている第2導体とが対向的に配置され、上記第1平面コイル素子に含まれている第2導体と上記第2平面コイル素子に含まれている第1導体とが対向的に配置されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、上記請求項2において、上記第1平面コイル素子と上記第2平面コイル素子とが、一方の上記平面コイル素子に含まれている上記第1導体が他方の上記平面コイル素子に含まれている第1導体と第2導体の間に位置するように相対的にずらされていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、上記請求項1ないし5のいずれか1項において、上記第1導体を信号導体とし、上記第2導体を接地導体として、上記信号導体が上記接地導体の内側に配置される場合、上記信号導体の外終端が信号入力端子,内周端が信号出力端子として選択され、かつ、上記接地導体が上記信号導体の外終端側信号入力端子の位置から内周端側に向ってほぼ1/2ターンずれた位置で接地に接続されることを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、上記請求項1ないし5のいずれか1項において、上記第1導体を信号導体とし、上記第2導体を接地導体として、上記信号導体が上記接地導体の外側に配置される場合、上記信号導体の内終端が信号入力端子,外周端が信号出力端子として選択され、かつ、上記接地導体が上記信号導体の内終端側信号入力端子の位置から外周端側に向かってほぼ1/2ターンずれた位置で接地に接続されることを特徴としている。
請求項8に記載の発明は、上記請求項1ないし7のいずれか1項において、上記基板が上記平面コイル素子のコイル中心部分を貫通するセンターコアを備えている磁性体からなるハウジング内に収納されていることを特徴としている。
請求項9に記載の発明は、上記請求項8において、上記ハウジングが高抵抗の磁性体からなり、上記基板が上記ハウジングの一部分を形成していることを特徴としている。
請求項10に記載の発明は、上記請求項8または9において、上記ハウジング内には上記第1導体と上記第2導体との間を含めて絶縁材が充填されていることを特徴としている。
請求項11に記載の発明は、上記請求項10において、上記絶縁材に高抵抗率の磁性フェライトが用いられることを特徴としている。
上記請求項1に記載の発明よれば、一対の第1導体と第2導体とが平面コイル素子として所定の間隔をもって隣接して螺旋状に形成されていることにより、第1導体と第2導体との結合容量が大きく、しかも第2導体を接地側とした場合、その電位は一様ではなく部分的に異なる電位をもつため、広い周波数範囲にわたって大きなノイズ減衰特性を発揮するフィルタ素子が得られる。また、平面コイル素子であるため、デバイスの低背化が図れる。
基板の両面にパターン形状が実質的に同一である第1平面コイル素子と第2平面コイル素子を設ける請求項2に記載の発明によれば、広い周波数範囲にわたって大きなノイズ減衰特性を発揮するコモンモードノイズフィルタが得られる。
各平面コイル素子に含まれている第1導体同士および第2導体同士を対向的に配置する請求項3に記載の発明によれば、第1導体と第2導体間で生ずる結合容量をより大きなものとすることができる。
また、第1平面コイル素子に含まれている第1導体と第2平面コイル素子に含まれている第2導体とを対向的に配置し、第1平面コイル素子に含まれている第2導体と第2平面コイル素子に含まれている第1導体とを対向的に配置する請求項4に記載の発明によっても、第1導体と第2導体間で生ずる結合容量をより大きなものとすることができる。
同様に、第1平面コイル素子と第2平面コイル素子とを一方の上記平面コイル素子に含まれている第1導体が他方の平面コイル素子に含まれている第1導体と第2導体の間に位置するように相対的にずらす請求項5に記載の発明によれば、第1導体と第2導体間で生ずる結合容量をより大きなものとすることができる。
第1導体(信号導体)が第2導体(接地導体)の内側に配置される場合、信号導体の外終端を信号入力端子,内周端を信号出力端子として選択し、かつ、接地導体を信号導体の外終端側信号入力端子の位置から内周端側に向ってほぼ1/2ターンずれた位置で接地に接続する請求項6に記載の発明によれば、広い周波数範囲にわたってより効果的にノイズを減衰することができる。
また、第1導体(信号導体)が第2導体(接地導体)の外側に配置される場合、信号導体の内終端を信号入力端子,外周端を信号出力端子として選択し、かつ、接地導体を信号導体の内終端側信号入力端子の位置から外周端側に向かってほぼ1/2ターンずれた位置で接地に接続する請求項7に記載の発明によっても、広い周波数範囲にわたってより効果的にノイズを減衰することができる。
基板を平面コイル素子のコイル中心部分を貫通するセンターコアを備えている磁性体からなるハウジング内に収納する請求項8に記載の発明によれば、コイルのインダクタスをより大きくすることができる。
平面コイル素子を収納するハウジングが高抵抗の磁性体からなり、平面コイル素子形成用の基板をハウジングの一部分とする請求項9に記載の発明によれば、特に基板を用意する必要がないため、部品点数の削減とより一層の低背化を図ることができる。
ハウジング内に第1導体と第2導体との間を含めて絶縁材を充填する請求項10に記載の発明によれば、第1導体と第2導体間の分布容量をより大きくすることができる。
上記絶縁材に高抵抗率の磁性フェライトを用いる請求項11に記載の発明によれば、磁性フェライトがもつ磁性体特性と誘電体特性とにより、分布容量と分布インダクタンスとを増強することができる。
次に、図1ないし図6により、本発明のいくつかの実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態に係るフィルタ素子について説明する。図1はフィルタ素子の内部構造を模式的に示す断面図で、図2(a)(b)は平面コイル素子に含まれている導体パターンの2例を示す模式的な平面図である。
この第1実施形態に係るフィルタ素子100はノーマルモードノイズフィルタで、片面に平面コイル素子120が形成された基板110と、基板110を収納する外装体としての磁性体(例えばフェライト材)からなるハウジング130とを備えている。なお、ハウジング130がない場合でもフィルタとして機能するため、本発明においてハウジング130は採用されることが好ましい存在の構成要件である(後述する別の実施形態においても同様)。
平面コイル素子120には、信号導体パターン121と接地導体パターン122とが含まれ、これら導体パターン121,122は、基板110の片面側において所定の間隔を保ちながら隣接して配置され、ともに帯状のパターンとして螺旋状に形成されている。なお、この実施形態の説明において、信号導体パターン121が請求項における第1導体に相当し、接地導体パターン122が請求項における第2導体に相当する。
ハウジング130には、上下に分割して形成された底部側ハウジングメンバー131と蓋側ハウジングメンバー133とが含まれ、平面コイル素子120のコイル中心と対応する各中央部分にセンタコア135を構成するボス132,134が形成される。このようなハウジング130を備えることにより、コイルのインダクタンスをより大きくすることができる。
基板110には一般的なプリント配線基板を用いることができ、その場合には信号導体パターン121と接地導体パターン122は、エッチングもしくはフォトリソなどにて銅箔により形成されるが、これとは別に銀やアルミニウムから形成されてもよい。
なお、ハウジング130が高抵抗の磁性体からなる場合には、基板110を用いることなく、例えば底部側ハウジングメンバー131に信号導体パターン121と接地導体パターン122を直接的に形成することもできる。また、信号導体パターン121と接地導体パターン122は同幅であってもよいが、配線抵抗を少なくする場合には、信号導体パターン121の幅を接地導体パターン122よりも広くすればよい。
平面コイル素子120のコイルの巻き方には、図2(a)に示すように、接地導体パターン122を外側とし、信号導体パターン121をその内側として螺旋状に巻回する第1の方法と、これとは反対に、図2(b)に示すように、信号導体パターン121を外側とし、接地導体パターン122をその内側として螺旋状に巻回する第2の方法とがあるが、本発明において、上記第1の方法と第2の方法とでは、信号の入出力端子の位置および接地導体パターンの接地箇所が異なる。
すなわち、図2(a)の第1の方法による場合には、信号導体パターン121の外周端を信号入力端子INとし、内周端を信号出力端子OUTにするとともに、接地導体パターン122の接地箇所を信号導体パターン121の外終端側の信号入力端子INの位置から内周端側に向ってほぼ1/2ターンずれた位置Aとする。
これに対して、図2(b)の第2の方法による場合には、信号導体パターン121の内周端を信号入力端子INとし、外周端を信号出力端子OUTにするとともに、接地導体パターン122の接地箇所を信号導体パターン121の内終端側の信号入力端子INの位置から外周端側に向ってほぼ1/2ターンずれた位置Bとする。
このようにして、本発明によれば、フィルタ素子の性能および特性を損なうことなく接地導体パターン122の接地箇所を一義的に特定することができる。また、信号導体パターン121と接地導体パターン122とが、そのパターン全長にわたって隣接して配置されているためインダクタンスとキャパシタンスとが同時に存在し、しかも接地導体パターン122の電位は一様ではなく部分的に異なる電位をもつため、広い周波数範囲にわたって大きなノイズ減衰特性を発揮する分布定数型フィルタ素子が得られる。
次に、図3を参照して、信号導体パターンを2つ備えるコモンモードノイズフィルタとした本発明の第2実施形態に係るフィルタ素子200について説明する。このフィルタ素子200は、コモンモードノイズフィルタであることから、基板110の両面に平面コイル素子を備えている。
この第2実施形態における各平面コイル素子は、上記第1実施形態で説明した平面コイル素子120と同じ構成であってよいため、基板110の上面側の第1平面コイル素子に参照符号120aを付し、それに含まれる信号導体パターンおよび接地導体パターンの参照符号を121a,122aとする。また、基板110の下面側の第2平面コイル素子に参照符号120bを付し、それに含まれる信号導体パターンおよび接地導体パターンの参照符号を121b,122bとする。なお、ハウジング130は上記第1実施形態のものをそのまま使用できる。
このフィルタ素子200において、第1平面コイル素子120aと第2平面コイル素子120bは、信号導体パターン121a,121b同士、接地導体パターン122a,122b同士がそれぞれ基板110を挟んで位置的に重なるように配置される。
そのため、第1平面コイル素子120aが図2(a)の第1の方法による巻き方であれば、第2平面コイル素子120bも同じく図2(a)の第1の方法による巻き方が選択され、第1平面コイル素子120aが図2(b)の第2の方法による巻き方であれば、第2平面コイル素子120bも同じく図2(b)の第2の方法による巻き方が選択される。
これによれば、各平面コイル素子120a,120b内においては、上記第1実施形態で説明したのと同じく、信号導体パターン121a,接地導体パターン122a間、信号導体パターン121b,接地導体パターン122b間でそれぞれ分布容量が生じることに加えて、各平面コイル素子120a,120b間では、信号導体パターン121a,121b間においても分布容量が発生することになる。
なお、例えば一方の平面コイル素子120aが図2(a)の第1の方法による巻き方で、他方の平面コイル素子120bが図2(b)の第2の方法による巻き方である場合には、同相信号同士が打ち消されることになるため、これは本発明にとって禁止事項である。
第2実施形態の変形例として、図4に示すように、第1平面コイル素子120aと第2平面コイル素子120bの位置を相対的ずらしてもよい。すなわち、第1平面コイル素子120a側の信号導体パターン121a,接地導体パターン122aがともに、第2平面コイル素子120b側の信号導体パターン121bと接地導体パターン122bとの中間に位置し、好ましくはそれらパターン121b,122b間に跨るような線幅とする。
これによると、第1平面コイル素子120a側の信号導体パターン121aを例にして言えば、信号導体パターン121aと信号導体パターン121bとの間,信号導体パターン121aと接地導体パターン122bとの間の各々においても分布容量成分が生ずるため、より広い周波数範囲にわたって大きなノイズ減衰率をもつフィルタ素子の設計が可能となる。
また、第2実施形態の別の変形例として、図5に示すように、第1平面コイル素子120aの信号導体パターン121aと第2平面コイル素子120bの接地導体パターン122bとが基板110を挟んで位置的に重なるとともに、第1平面コイル素子120aの接地導体パターン122aと第2平面コイル素子120bの信号導体パターン121bとが基板110を挟んで位置的に重なるように、第1平面コイル素子120aと第2平面コイル素子120bの位置を相対的ずらすこともできる。
ただし、この場合には、第1平面コイル素子120aと第2平面コイル素子120bはともに、上記したように図2(a)もしくは図2(b)のいずれか一方の巻き方であることが条件とされるため若干の工夫が必要となる。これを図6により説明する。
図6(a)は第1平面コイル素子120aを示しており、この例で第1平面コイル素子120aは図2(a)の第1の方法によるコイル巻き方とされている。したがって、第2平面コイル素子120bも図2(a)の第1の方法によるコイル巻き方とする必要があるが、この例では第2平面コイル素子120bを図6(b)に示すように、図6(a)の第1平面コイル素子120aに対して左右方向に180゜反転したパターンとする。
そして、例えば第1平面コイル素子120aの接地位置Aが第2平面コイル素子120bの位置C上に位置するように、第1平面コイル素子120aを平行移動させて第2平面コイル素子120bに重ねて、図6(c)に示すように、第2平面コイル素子120bに対して第1平面コイル素子120aが左下45゜方向に向けて1パターン分ずれた状態とする。
これにより、図5に示すように、第1平面コイル素子120aの接地導体パターン122aと第2平面コイル素子120bの信号導体パターン121bとが対向するとともに、第1平面コイル素子120aの信号導体パターン121aと第2平面コイル素子120bの接地導体パターン122bとが対向することになり、信号導体パターンと接地導体パターンとの間で大きな分布容量を得ることができる。
上記第1および上記第2実施形態によるフィルタ素子100,200において、信号導体パターンと接地導体パターンとの間の分布容量をより大きくするうえで、ハウジング130内に誘電率の高い絶縁材140を充填することが好ましい。
絶縁材140は合成樹脂でもよいが、抵抗率の高い磁性フェライト(例えば、Ni−Znフェライト粉を樹脂で固めたもの)を用いることが好ましい。この種の磁性フェライトは磁性体特性と誘電体特性とを合わせ持つことから、分布インダクタンスと分布容量の増大に寄与する。
〔実施例1〕
本発明の実施例1として、図3に示す第2実施形態にしたがってフィルタ素子を作製した。第1および第2の各平面コイル素子に含まれる信号導体パターンおよび接地導体パターンはともに7ターンで、その巻き方は図2(a)の第1の方法により、接地導体パターンを外側,信号導体パターンを内側とし、それらの線間容量が30pFとなるようにパターン間ピッチを設計した。各平面コイル素子の内半径は5mm,外半径は10mm。接地導体パターンの接地箇所はコイル外周端とした。ハウジングには、TDK社製のPC40磁性体の切削加工ポットコアを使用した。ADVANTEST社製のネットワークアナライザR3767CGにて、この実施例1に係るフィルタ素子のS21パラメータを測定した。そのグラフを図7(a)に示す。
〔実施例2〕
本発明の実施例2として、接地導体パターンの接地箇所を信号導体パターンの外終端側の信号入力端子の位置から内周端側に向ってほぼ1/2ターンずれた位置にしたほかは、上記第1実施例と同じとした。上記実施例1と同じ測定器にて、この実施例2に係るフィルタ素子のS21パラメータを測定したグラフを図7(b)に示す。
〔比較例1〕
本発明の比較例1として、図10に示す態様のフィルタ素子を作製した。上記実施例1と条件が同じとなるように、スパイラルコイル(上記信号導体パターンに相当)は7ターンとし、そのスパイラルコイルと接地側電極間の容量が30pFとなるように設計した。スパイラルコイルの内半径は5mm,外半径は10mm。ハウジングには、TDK社製のPC40磁性体の切削加工ポットコアを使用した。上記実施例1と同じ測定器にて、この比較例1に係るフィルタ素子のS21パラメータを測定したグラフを図8に示す。
まず、実施例1,2による図7(a)(b)のグラフと、比較例1による図8のグラフを対比して明らかなように、本発明のフィルタ素子は比較例1のフィルタ素子に比べて、広い周波数範囲(特には、10〜400MH帯)にわたって大きな減衰率を示すことが分かる。
また、図7(a)と図7(b)とを対比して明らかなように、接地導体パターンの接地箇所を信号導体パターンの外終端側の信号入力端子の位置から内周端側に向ってほぼ1/2ターンずれた位置に設定することにより、より大きな減衰率を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係るフィルタ素子を模式的に示す断面図。 本発明において採用される平面コイル素子の2例を示す模式的な平面図。 本発明の第2実施形態に係るフィルタ素子を模式的に示す断面図。 上記第2実施形態の変形例の要部を示す模式図。 上記第2実施形態の別の変形例を模式的に示す断面図。 上記第2実施形態の別の変形例において第1,第2平面コイル素子の組み合わせを示す説明図。 (a)本発明の実施例1のS21パラメータを測定したグラフ,(b)本発明の実施例2のS21パラメータを測定したグラフ。 比較例1のS21パラメータを測定したグラフ。 第1従来例(特許文献1)の構成例を示す斜視図。 第2従来例(特許文献2)の構成例を示す分解斜視図。
符号の説明
100,200 フィルタ素子
110 基板
120 平面コイル素子
120a 第1平面コイル素子
120b 第2平面コイル素子
121,121a,121b 信号導体パターン
122,122a,122b 接地導体パターン
130 ハウジング
135 センターコア
140 絶縁材
A,B 接地位置
IN 信号入力端子
OUT 信号出力端子

Claims (11)

  1. 基板の少なくとも一方の面に、ともに帯状をなす一対の第1導体と第2導体とを所定の間隔をもって隣接して螺旋状に形成してなる平面コイル素子を備えていることを特徴とするフィルタ素子。
  2. 上記基板の一方の面側に設けられている上記平面コイル素子を第1平面コイル素子として、上記基板の他方の面側にも上記第1平面コイル素子とパターン形状が実質的に同一である第2平面コイル素子が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ素子。
  3. 上記各平面コイル素子に含まれている第1導体同士および第2導体同士がそれぞれ対向的に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のフィルタ素子。
  4. 上記第1平面コイル素子に含まれている第1導体と上記第2平面コイル素子に含まれている第2導体とが対向的に配置され、上記第1平面コイル素子に含まれている第2導体と上記第2平面コイル素子に含まれている第1導体とが対向的に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のフィルタ素子。
  5. 上記第1平面コイル素子と上記第2平面コイル素子とが、一方の上記平面コイル素子に含まれている上記第1導体が他方の上記平面コイル素子に含まれている第1導体と第2導体の間に位置するように相対的にずらされていることを特徴とする請求項2に記載のフィルタ素子。
  6. 上記第1導体を信号導体とし、上記第2導体を接地導体として、上記信号導体が上記接地導体の内側に配置される場合、上記信号導体の外終端が信号入力端子,内周端が信号出力端子として選択され、かつ、上記接地導体が上記信号導体の外終端側信号入力端子の位置から内周端側に向ってほぼ1/2ターンずれた位置で接地に接続されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のフィルタ素子。
  7. 上記第1導体を信号導体とし、上記第2導体を接地導体として、上記信号導体が上記接地導体の外側に配置される場合、上記信号導体の内終端が信号入力端子,外周端が信号出力端子として選択され、かつ、上記接地導体が上記信号導体の内終端側信号入力端子の位置から外周端側に向かってほぼ1/2ターンずれた位置で接地に接続されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のフィルタ素子。
  8. 上記基板が上記平面コイル素子のコイル中心部分を貫通するセンターコアを備えている磁性体からなるハウジング内に収納されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のフィルタ素子。
  9. 上記ハウジングが高抵抗の磁性体からなり、上記基板が上記ハウジングの一部分を形成していることを特徴とする請求項8に記載のフィルタ素子。
  10. 上記ハウジング内には上記第1導体と上記第2導体との間を含めて絶縁材が充填されていることを特徴とする請求項8または9に記載のフィルタ素子。
  11. 上記絶縁材に高抵抗率の磁性フェライトが用いられることを特徴とする請求項10に記載のフィルタ素子。
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