JP2006137881A - 可溶性ポリイミド及び光学補償部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複屈折が高いにも関わらず、製造ロット間で生じる複屈折の変動を低減でき、安定して複屈折特性を発現できる可溶性のポリイミド樹脂を提供することを目的とする。
【解決手段】 有機溶媒に固形成分5%以上可溶であり、該有機溶媒に溶解させた溶液をキャスト後、乾燥して得られる固形薄膜層の複屈折Yが、それぞれ0.04以上、0.15以下であり、かつ重量平均分子量(Mw)の常用対数Xに対する複屈折Yを、Y=aX+b(a,b:実数)で表した時のaが0.040以下である可溶性ポリイミドを提供した。
【選択図】 なし
【解決手段】 有機溶媒に固形成分5%以上可溶であり、該有機溶媒に溶解させた溶液をキャスト後、乾燥して得られる固形薄膜層の複屈折Yが、それぞれ0.04以上、0.15以下であり、かつ重量平均分子量(Mw)の常用対数Xに対する複屈折Yを、Y=aX+b(a,b:実数)で表した時のaが0.040以下である可溶性ポリイミドを提供した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、有機溶媒に可溶で、形成したポリイミドフィルム又は層の複屈折が高いポリイミド、又はこれを用いて形成した光学補償部材に関する。
液晶表示装置には、光学補償を目的とした位相差板が使用されるのが一般的である。この位相差板は、高分子フィルムを用いて形成されることが多い。
この高分子フィルムの面内最大屈折率をnx、厚み方向屈折率をnz、更にフィルム厚をdとした時に、位相差値Rthは、
Rth=(nx−nz)×d
で表される。この式から理解できる様に、nxとnzの差(即ち複屈折)を大きくすることにより、フィルム厚dを小さくしても同じ位相差値を発現することが可能となる。即ち、この高分子フィルムを薄型化できることとなる(例えば、特許文献1参照)。
Rth=(nx−nz)×d
で表される。この式から理解できる様に、nxとnzの差(即ち複屈折)を大きくすることにより、フィルム厚dを小さくしても同じ位相差値を発現することが可能となる。即ち、この高分子フィルムを薄型化できることとなる(例えば、特許文献1参照)。
例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等の支持体フィルム上にメチルエチルケトン(MEK)に適当に溶解するポリイミド樹脂をコーティングすることが知られているが(例えば、特許文献2参照)、この時の複屈折は0.04未満であり、満足できるものではなかった。
また、0.001〜0.2の複屈折を有するポリイミド樹脂も知られているが(例えば、特許文献3参照)、0.04以上の複屈折を有するポリイミド樹脂は着色があるか、若しくは溶解する有機溶媒がPMMA等の支持体フィルムをも溶解する有機溶媒であり、前記支持体フィルムにコーティング可能な可溶性ポリイミドとして適さない。
また、0.04以上の高い複屈折を有するポリイミド樹脂は、位相差発現能が高いため、少しの厚みムラや支持体フィルムの凹凸が、位相差の均一性に大きな問題を生じる。また同様の理由で、ポリイミド樹脂の製造ロットにより、位相差発現能が大きく変化し、安定的にポリイミド層を形成することができないという問題があった。
特開2003−344856号公報
特表2000−511296号公報
特表平8−511812号公報
本発明は、従来技術が有する上記課題を鑑みてなされたものであり、複屈折が高いにも関わらず、製造ロット間で生じる複屈折の変動を低減でき、安定して複屈折特性を発現できる可溶性のポリイミド樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、
1)有機溶媒に固形成分5%以上可溶であり、該有機溶媒に溶解させた溶液をキャスト後、乾燥して得られる固形薄膜層の複屈折Yが、それぞれ0.04以上、0.15以下であり、かつ重量平均分子量(Mw)の常用対数Xに対する複屈折Yを、Y=aX+b(a,b:実数)で表した時のaが0.040以下である可溶性ポリイミドを提供した。(複屈折Yは、Y=(nx+ny)/2−nzで与えられる値である。ここで、nxは面内の最大の屈折率、nyはnxに対して垂直方向の屈折率、nzは厚さ方向の屈折率である。)
1)有機溶媒に固形成分5%以上可溶であり、該有機溶媒に溶解させた溶液をキャスト後、乾燥して得られる固形薄膜層の複屈折Yが、それぞれ0.04以上、0.15以下であり、かつ重量平均分子量(Mw)の常用対数Xに対する複屈折Yを、Y=aX+b(a,b:実数)で表した時のaが0.040以下である可溶性ポリイミドを提供した。(複屈折Yは、Y=(nx+ny)/2−nzで与えられる値である。ここで、nxは面内の最大の屈折率、nyはnxに対して垂直方向の屈折率、nzは厚さ方向の屈折率である。)
2)下記一般式(1)及び一般式(2)の構造を含有する前記可溶性ポリイミドを提供した。
(R1=
、R2=−H、−Cl、−F、−CH3、−C(CH3)3、−CH(CH3)2、n=1〜4、Arは芳香族含有基であり、x1:y1=95:5〜60:40である。)さらに、
3)下記一般式(3)及び一般式(4)の構造を含有する前記可溶性ポリイミドを提供した。
(R1=
、R2=−H、−Cl、−F、−CH3、−C(CH3)3、−CH(CH3)2、n=1〜4、x2:y2=95:5〜60:40である。)
4)前記可溶性ポリイミドを有機溶媒に溶解させて得られた可溶性ポリイミド溶液を支持体フィルムにキャスト後、乾燥させ、支持体フィルム上に厚さ1〜40μmのポリイミド層を形成させた光学補償部材を提供した。
これらの可溶性ポリイミド樹脂によれば、複屈折が高いにも関わらず、製造ロット毎の位相差発現性のバラツキを低減することが可能である。
本発明の可溶性ポリイミドは、複屈折が高いにも関わらず、製造ロット間で生じる複屈折の変動を低減でき、安定して複屈折特性を発現できる。この為、本発明の可溶性ポリイミドを使用して形成したフィルムや層は、最近の光学用途、例えば液晶ディスプレイに使用される各種フィルムや層に要求される複屈折特性の安定性を満たすことができる。また、複屈折が高いことから、位相差フィルム等に使用した時には、フィルムを薄型化することが可能である。
本発明に係るポリイミド樹脂の要旨とするところは、有機溶媒に固形成分5%以上可溶であり、該有機溶媒に溶解させた溶液をキャスト後、乾燥して得られる固形薄膜層の複屈折Yが、それぞれ0.04以上、0.15以下であり、かつ重量平均分子量(Mw)の常用対数Xに対する複屈折Yを、Y=aX+b(a,b:実数)で表した時のaが0.040以下である可溶性ポリイミドである(複屈折Yは、Y=(nx+ny)/2−nzで与えられる値である。ここで、nxは面内の最大の屈折率、nyはnxに対して垂直方向の屈折率、nzは厚さ方向の屈折率である。)。
本発明の可溶性ポリイミドは、各種用途に用いることができるが、例えば複屈折特性を使用する用途、特に光学補償部材として用いることもできる。例えば、支持体フィルムとしてTAC(トリアセチルセルロース)等に可溶性ポリイミドをコーティングして光学補償部材として用いることができる。
本発明で言う有機溶媒は、本発明の可溶性ポリイミドを溶解することのできる溶媒であれば特に限定するものではないが、例えば高分子から成る支持体フィルム上に可溶性ポリイミドの有機溶媒溶液をキャストし、乾燥させてポリイミドフィルム又は層を形成する際に、高分子から成る支持体フィルムへの影響(例えば、工程の進行の妨げる程度の溶解や膨潤)が少ないものとすることが好ましい。例えば、NMP(N−メチルピロリドン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)等のアミド系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を用いることができる。またポリイミドを溶解する範囲であれば、ポリイミドを溶解しない非溶媒又は溶解しにくい貧溶媒を混合溶媒として適時使用しても良い。ポリイミドを溶解する有機溶媒はクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒が、ポリイミド層形成工程において、高分子から成る支持体フィルムへの影響がより少ない点でより好ましく、更にその程度がより優れるジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒がより好ましく、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒がさらに好ましい。一方、高分子からなる支持体フィルムとしては、光学用途で使用される有機高分子からなるフィルムであれば特に限定されないが、例えばPMMA、TAC、PET(ポリエチレンテレフタレート)等が挙げられる。
尚、本発明の可溶性ポリイミドは、有機溶媒に固形成分で5%以上可溶であることが好ましい。更には、15%以上可溶であることが好ましい。5%未満の可溶性であると、有機溶媒に溶解しキャストする際に生産性が非常に悪いことがある。
尚、ここでポリイミドフィルム又は層は、有機溶媒に溶解させたポリイミド溶液をキャスト後、乾燥して得られた残溶媒量が、1%未満のポリイミド成形体であることが好ましい。
本発明の可溶性ポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルム又は層の複屈折Yが(複屈折Yは、Y=(nx+ny)/2−nzで与えられる値である。ここで、nxは面内の最大の屈折率、nyはnxに対して垂直方向の屈折率、nzは厚さ方向の屈折率である。)、0.04以上、0.15以下であることが好ましく、0.05以上、0.15以下がさらに好ましい。ポリイミド層の複屈折Yが0.04未満であれば、位相差フィルム用途で用いる場合、複屈折が小さいためポリイミド層の厚みを厚くする必要があり、使用用途によっては可溶性ポリイミドの着色度が悪影響を及ぼすことがある。複屈折Yが0.15を超える場合には、均一に複屈折特性の発現が求められる用途でポリイミド層の厚み制御が難しいことがある。
また、本願発明の可溶性ポリイミドは、ポリイミドの重量平均分子量(Mw)の常用対数Xに対する、ポリイミド層の複屈折Yの変化率が0.040以下であることが好ましく、0.030以下がより好ましい。ポリイミドの重量分子量(Mw)が、20,000〜200,000の範囲において、ポリイミドの重量平均分子量(Mw)の常用対数Xに対する、ポリイミド層の複屈折Yの変化率は、重量平均平均分子量(Mw)と複屈折Yの関係をプロットし算出した線形の近似式(Y=aX+b :aとbは係数)の傾き(前記近似式の係数a)である。前記変化率が0.040より大きいとポリイミドの重量平均分子量(Mw)にポリイミド層の複屈折が大きく依存するため、ポリイミド層の複屈折が重要となる使用用途において、製造するポリイミドの重量平均分子量(Mw)の幅をかなり狭く制御する必要が生じ、安定的に製造することが難しくなる。
本願発明の可溶性ポリイミドに好適に用いることのできる酸二無水物は、ジアミンの構造にも一部依存することがあるが、合成したポリイミドに有機溶媒への溶解性を付与でき、またポリイミド層に複屈折性と透明性を付与できるものであれば特に限定されない。但し、1種類の酸二無水物を用いて、前記の溶解性、複屈折性、透明性を全て付与することは難しいので、本願発明の可溶性ポリイミドとしては、有機溶媒への溶解性付与部位を有する酸二無水物と、ポリイミド層への複屈折付与部位を有する酸二無水物の両方を使用することが好ましい(但し、一分子中に上記各部位を導入し、一種類の酸二無水物で溶解性、複屈折性、透明性を付与する構造とすることも可能である。)。ただし、溶解性付与部位と複屈折付与部位は可溶性ポリイミドの溶解性と複屈性を発現するにあたり、大きく寄与している部位のことであり、相反する特性ではない。溶解性付与部位がポリイミドの複屈折に全く寄与していないのではなく、ポリイミドの溶解性寄与が大きいため、溶解性付与部位と考えているものである。複屈折付与部位に関しても同様であり、ポリイミドの溶解性よりも複屈折寄与が大きいため、複屈折付与部位と考えている。
ポリイミドに溶解性を付与する酸二無水物としては、例えば、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物等が挙げられる。これらの酸二無水物は2種類以上用いることができる。特に、有機溶媒への溶解性を付与する面から考えて、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物を選ぶことが好ましい。
また、ポリイミドに複屈折性を付与する酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、2,5−ジフルオロピロメリット酸二無水物、2−フルオロピロメリット酸二無水物、2,5−ビストリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、2−トリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、パラ−ターフェニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ヒドロキノンジベンゾエ−ト−3.3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2´−ビストリフルオロメチル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2´−ジフルオロ−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2´−ジブロモ−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2´−ジフェニル−3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3′−メタ−ターフェニル−3,3″,4,4″−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(4−トリメリット酸モノエステル酸フェニル)プロパン酸二無水物、2,2−ビス(4−トリメリット酸モノエステル酸フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、p−ビフェニルビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−メチルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−クロロフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−フルオロフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−イソプロピルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(t−ブチル)フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,5−ジクロロフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,5−ジフルオロフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,5−ジメチルフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,3,5−トリクロロフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,3,5−トリフルオロフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,3−ジメチルフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、4,4´−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、1,4−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,6−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)等が挙げられる。また、ポリイミド層に複屈折を付与する面から考えてピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−ビフェニルビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)を選ぶことが好ましい。
加えて、複屈折の重量平均分子量依存性を小さくするには、p−ビフェニルビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−メチルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−クロロフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−フルオロフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−イソプロピルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(t−ブチル)フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,5−ジクロロフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,5−ジフルオロフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,5−ジメチルフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,3,5−トリクロロフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,3,5−トリフルオロフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,3−ジメチルフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、4,4´−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、1,4−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,6−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)等が挙げられる。中でも、p−ビフェニルビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)を選ぶことが好ましい。
本発明に用いることのできるジアミン類としては、使用する酸二無水物との兼ね合いがあり、特に限定するものではないが、合成したポリイミドにより溶解性を付与できるもの、またはポリイミド層に複屈折、または透明性を付与できるものであることが好ましい。例えば、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリクロロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリブロモメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジフルオロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジブロモ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル等が挙げられる。これらのジアミンは合成したポリイミドから成形したポリイミド層に複屈折を付与する面から考えて好ましい。特に、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニルを選ぶことが合成したポリイミドに溶解性を付与する面で好ましい。
一般式(1)と一般式(2)の構成比はx1:y1=95:5〜60:40であることが好ましい。x1:y1=90:10〜65:35がさらに好ましく、x1:y1=80:20〜65:35が特に好ましい。構成比がx1:y1=95:5よりもx1が大きくy1が小さい場合、複屈折が小さくなり、構成比がx1:y1=60:40よりもx1が小さくy1が大きい場合、ポリイミドの有機溶媒への溶解性またはフィルム状に成形した場合の透明性が乏しくなる。
一般式(3)と一般式(4)の構成比はx2:y2=95:5〜60:40であることが好ましい。x2:y2=90:10〜65:35がさらに好ましく、x2:y2=80:20〜65:35が特に好ましい。構成比がx2:y2=95:5よりもx2が大きくy2が小さい場合、複屈折が小さくなり、構成比がx2:y2=60:40よりもx2が小さくy2が大きい場合、ポリイミドの有機溶媒への溶解性またはフィルム状に成形した場合の透明性が乏しくなる。
また、可溶性ポリイミドの重量平均分子量(Mw)は、GPCのPEG(ポリエチレングリコール)換算で測定した値が30,000以上、200,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が30,000未満であれば、耐久性に問題が生じることがある。また、重量平均分子量が200,000以上であれば有機溶媒への溶解性が低下するため、可溶性ポリイミドを有機溶媒へ溶解させて使用する用途では用いることが難しいことがある。
さらに、可溶性ポリイミドのイミド化率は80%以上であることが好ましい。80%未満であれば、透明性と位相差発現能の面で好ましくない。好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは99%以上である。
有機溶媒に溶解させた可溶性ポリイミド溶液を支持体フィルムにキャスト後、乾燥させ、支持体フィルム上にフィルム又は層を形成する場合には、1〜40μmの厚さでポリイミド層を形成することが、光学補償部材等に使用する際に好ましい。支持体フィルムとしては高分子からなる支持体フィルムであり、光学用途で使用される有機高分子からなるフィルムであれば特に限定されないが、例えばPMMA、TAC、PET等が挙げられる。ポリイミド層の厚さとしては1〜40μmが好ましく、光学補償部材の厚さを薄くできる点で、1〜20μmがさらに好ましい。
次にポリイミドの製造方法について説明する。ポリイミドの製造方法は、一般的には(1)ポリアミド酸の重合、(2)ポリアミド酸のイミド化、(3)ポリイミド樹脂の析出の三工程を含む。以下に一例を記して説明する(但しこれに限定するものではない。)。
(1)ポリアミド酸の重合
ポリアミド酸の製造方法は下記方法に特定されるものではなく、種々の方法を用いることが可能である。その一例を以下に示す。
ポリアミド酸の製造方法は下記方法に特定されるものではなく、種々の方法を用いることが可能である。その一例を以下に示す。
ジアミンを溶解した有機溶媒中に、酸二無水物を分散し、攪拌することで完全に溶解させ重合させる方法、酸二無水物を有機溶媒中に溶解及び/または分散させた後、ジアミンを用いて重合させる方法、酸二無水物とジアミンの混合物を有機溶媒中で反応させて重合する方法などがあるが、公知の重合方法を用いればよい。
反応時間は、約1時間から5時間までで反応させることが好ましい。一方、ポリアミド酸溶液の粘度が、5Pa・s以上になるまで反応を行うことが好ましく、さらに好ましくは10Pa・s以上、最も好ましくは20Pa・s以上まで反応を行うころとが好ましい。ポリアミド酸溶液の粘度が低すぎると、取扱い性が低下することがある。上記粘度は、液温20℃において、E型粘度計で測定した値である。
反応装置には、反応温度を制御するための温度調製装置を備えていることが好ましく、反応溶液温度として60℃以下が好ましく、さらに、40℃以下であることが反応を制御する点で好ましい。
ポリアミド酸の重合に使用する反応溶媒は、使用する酸二無水物、ジアミン類を溶解することが可能なものが好ましく、更に生成されるポリアミド酸を溶解することが可能なものが好ましい。例えばテトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドあるいはスルホン類、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類、またはホスホリルアミド類の非プロトン性溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類を挙げることができ、通常これらの溶媒を単独で用いるが、必要に応じて2種以上を適宜組合わせて用いても良い。これらのうちDMF、DMAc、NMPなどのアミド類が好ましく使用される。また、最終的に得られるポリイミドも十分溶解し得る有機溶媒が好ましい。
ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸の重量%は、反応溶媒中にポリアミド酸が5〜50wt%、好ましくは10〜40wt%溶解されているのが取り扱い面から好ましい。
ポリアミド酸溶液の重合反応に用いられる酸二無水物類とジアミン類の使用モル比率は、次式で算出した場合に、0.9以上、1.5以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.95以上、1.3以下であることが好ましく、特に好ましくは、0.98以上、1.2以下であることがポリアミック酸溶液から得られるポリイミド樹脂中の未反応の酸二無水物やジアミンを減少させる上で好ましい。
(2)ポリアミド酸のイミド化
ポリアミド酸をイミド化する方法について記載する。ポリアミド酸をイミド化する方法として、公知の各種方法を使用することができる。例えば、熱的に脱水閉環する熱的イミド化法や、脱水剤を用いる化学的イミド化法が使用できる。
ポリアミド酸をイミド化する方法について記載する。ポリアミド酸をイミド化する方法として、公知の各種方法を使用することができる。例えば、熱的に脱水閉環する熱的イミド化法や、脱水剤を用いる化学的イミド化法が使用できる。
熱的イミド化法は、イミド化反応時に生成する水と共沸するトルエン等の共沸溶媒をポリアミド酸溶液に添加後、加熱して行うことが一般的である。熱的イミド化法ではイミド化促進剤を併用することができる。
一般的に化学的イミド化法は、熱的イミド化法よりもイミド化反応が進行しやすく、加熱時のポリアミド酸の分解を抑制し、イミド化できる点で好ましい。
化学的イミド化法ではイミド化促進剤を用いることが、反応を短時間で終了させる点で好ましい。
イミド化促進剤としては、各種3級アミンが使用可能であるが、特にピリジン、キノリン、イソキノリンなどの複素環式第3級アミン類などが高いイミド化率を有するポリイミドが得られる点で好ましい。
イミド化促進剤としては、各種3級アミンが使用可能であるが、特にピリジン、キノリン、イソキノリンなどの複素環式第3級アミン類などが高いイミド化率を有するポリイミドが得られる点で好ましい。
また、イミド化する際の温度は40℃〜イミド化で使用する有機溶媒の沸点以下、更に好ましくは50℃〜イミド化で使用する有機溶媒の沸点以下で、加熱時間は0.5〜20時間であることが好ましい。温度が40℃を下回るとイミド化率が低くなることがあるので好ましくない。一方、150℃以下で加熱することが、ポリイミドの着色を防ぐためには好ましい。
化学的イミド化法で用いる脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物などが挙げられる。無水酢酸を用いることがポリイミド樹脂の析出工程に適しているという点から好ましい。
ポリアミド酸に対するイミド化促進剤の添加量は、イミド化促進剤/ポリアミック酸中アミド基のモル比で0.5〜5、より好ましくは、1〜5、さらに好ましくは2〜4であるように用いることが好ましい。イミド化促進剤/ポリアミック酸中アミド基のモル比が小さすぎるとイミド化が十分に進行しない場合がある。逆に大きすぎると、ポリイミド樹脂粉体の析出で用いる貧溶媒にもよるが、イミド化率を低下させる傾向にある。 ポリアミド酸に対する脱水剤の添加量は、脱水剤/ポリアミック酸中のアミド基のモル比で1.2〜4.0となるよう用いることが好ましい。脱水剤の量が脱水剤/ポリアミック酸中のアミド基のモル比で1.2未満だとイミド化が十分に進行しない場合があり、逆に脱水剤/ポリアミック酸中のアミド基のモル比で4より大きいと分子量の低下や着色を引き起こすことがある。
(3)ポリイミド樹脂の析出
イミド樹脂の析出方法について記載する。上記(1)(2)のようにして得られたポリイミド樹脂を含む溶液から、ポリイミド樹脂を析出する方法としては、公知の各種方法が選択できるが、例えば、ポリイミド樹脂、脱水剤、イミド化促進剤などを含有するポリイミド樹脂の溶液をポリイミド樹脂の貧溶媒中に投入すること、もしくはポリイミド樹脂の溶液に貧溶媒を投入することでポリイミド樹脂を固形状態で得ることができる。ポリイミド樹脂の溶液に貧溶媒を投入する方法としては、液滴で投入する方法や糸状に投入する方法などがあるが、貧溶媒中にポリイミド樹脂が析出するのであれば、特に制限するものではない。糸状、粉末状、フレーク状等、種々の形態で析出させることができる。また、これらを必要により粉砕して使用することができる。ポリイミド樹脂の溶液に貧溶媒を投入する方法としては、ポリイミド樹脂が析出する量の貧溶媒を液滴投入する方法やポリイミド樹脂が析出する量の貧溶媒を一括で投入する方法などがあるが、貧溶媒中にポリイミド樹脂が析出するのであれば、特に制限するものではない。また、これらを必要により粉砕して使用することができる。
イミド樹脂の析出方法について記載する。上記(1)(2)のようにして得られたポリイミド樹脂を含む溶液から、ポリイミド樹脂を析出する方法としては、公知の各種方法が選択できるが、例えば、ポリイミド樹脂、脱水剤、イミド化促進剤などを含有するポリイミド樹脂の溶液をポリイミド樹脂の貧溶媒中に投入すること、もしくはポリイミド樹脂の溶液に貧溶媒を投入することでポリイミド樹脂を固形状態で得ることができる。ポリイミド樹脂の溶液に貧溶媒を投入する方法としては、液滴で投入する方法や糸状に投入する方法などがあるが、貧溶媒中にポリイミド樹脂が析出するのであれば、特に制限するものではない。糸状、粉末状、フレーク状等、種々の形態で析出させることができる。また、これらを必要により粉砕して使用することができる。ポリイミド樹脂の溶液に貧溶媒を投入する方法としては、ポリイミド樹脂が析出する量の貧溶媒を液滴投入する方法やポリイミド樹脂が析出する量の貧溶媒を一括で投入する方法などがあるが、貧溶媒中にポリイミド樹脂が析出するのであれば、特に制限するものではない。また、これらを必要により粉砕して使用することができる。
本発明で用いられるポリイミド樹脂の貧溶媒は、ポリイミド樹脂を析出させることのできる溶媒であれば、特に限定されるものではなく、2種類以上の混合溶媒を用いることができる。貧溶媒はポリイミド樹脂を溶解する溶媒として使用した反応溶媒と混和するものが好ましく、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、2−ブチルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ヘキシルアルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、フェノール、t−ブチルアルコールなどが挙げられる。上記アルコールの中でもイソプロピルアルコール、2−ブチルアルコール、2−ペンチルアルコール、フェノール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、t−ブチルアルコール等の2級又は3級アルコールが、得られるポリイミド樹脂のイミド化率を高位に安定化させるという観点から好ましく、2−プロピルアルコールがさらに好ましい。貧溶媒量はポリイミド樹脂の溶液の2倍以上、さらに好ましくは3倍以上の量で抽出することが好ましい。
ポリイミド樹脂の溶液からポリイミド樹脂を析出させ分離するだけでは、乾燥後に所望の形状のポリイミド樹脂を得ることが難しいことがある。これはポリイミド樹脂に溶媒が多く含有されていることによるものであり、ポリイミド樹脂を前記貧溶媒で洗浄することで有機溶媒をほんど含有しない所望のポリイミド樹脂を得ることができる。
本発明で析出させた樹脂固形物の乾燥方法は、真空乾燥によってもよいし熱風乾燥によってもよい。ただし、光学用途に用いる場合、乾燥時の着色が問題となる場合があるので、150℃以下で行うことが望ましい。
尚、本発明の可溶性ポリイミドを用いて形成したフィルムや層は、使用される目的に応じて、そのまま用いても良いし、一軸延伸、二軸延伸等の処理を行って所望の特性を更に発現させて使用しても良い。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、反応容器としてガラス製セパラブルフラスコを備え、該セパラブルフラスコ内の攪拌装置として2枚のパドル翼を備え、冷却装置として20.9kJ/minの冷却能力を持つ装置を備えた反応装置を用いてポリアミック酸を製造した。重合反応中は、水分の混入を防ぐ為に、シリカゲル中を通過させて脱水を行った窒素ガスを0.05L/minで流して重合反応を行った。
本実施例では、反応容器としてガラス製セパラブルフラスコを備え、該セパラブルフラスコ内の攪拌装置として2枚のパドル翼を備え、冷却装置として20.9kJ/minの冷却能力を持つ装置を備えた反応装置を用いてポリアミック酸を製造した。重合反応中は、水分の混入を防ぐ為に、シリカゲル中を通過させて脱水を行った窒素ガスを0.05L/minで流して重合反応を行った。
上記セパラブルフラスコに、重合用溶媒としてN,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)223.5gを仕込み、これに、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル(略称:TFMB)40.0g(0.125モル)を溶解する。この溶液に、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)(略称:TMHQ)17.2(0.038モル)gを添加後、1時間攪拌した。その後2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン酸二無水物(略称:6FDA)38.6(0.087モル)gを添加・攪拌して完全に溶解させた。完全に溶解した後、攪拌して重合粘度を約30Pa・sまで上昇させた。尚、ここでポリアミック酸溶液の粘度は、液温20℃において、E型粘度計で測定した値である。なお、この反応溶液における芳香族ジアミン化合物及び芳香族テトラカルボン酸二無水物の仕込み濃度は、全反応液に対して30重量%となっていた。
上記溶液にイミド化触媒としてピリジンを30g(イミド化促進剤/ポリアミック酸中アミド基のモル比=3)添加した後、無水酢酸を1分間に1gの速度で15.3g(脱水剤/ポリアミック酸中アミド基のモル比=1.2)を添加し、さらにDMFを添加し、芳香族ジアミン化合物及び芳香族テトラカルボン酸二無水物の仕込み濃度が、全溶液に対して17.5%になるように希釈後、30分間攪拌した。攪拌後に、内部温度を100℃に上昇させて5時間加熱攪拌を行った。
前記加熱攪拌後、ポリイミド溶液を室温まで冷却した後、200回転以上に撹拌翼で撹拌したポリイミド溶液に3Lの2−プロピルアルコールを滴下し、約12時間撹拌を継続した。
その後、ポリイミドスラリーを取り出し、更に、5Lの2−プロピルアルコールを添加して完全に固形分を抽出した。そして固形分を真空乾燥装置で100℃に加熱乾燥して、ポリイミド樹脂として取り出した。
(評価方法)
(溶解性)
得られたポリイミド樹脂を、DMF及びMIBKに対し、固形分が15%となるように投入し、溶液中に分散させた後、24時間23℃に保たれた恒温室内に置き、溶解の程度を確認した。完全に溶解したものには○、完全には溶解しなかったものには×とし、表1に結果を記載した。尚、本発明の可溶性ポリイミドの可溶性は、前記特定の溶媒に対する可溶性に限定するものではない。但し、ポリイミドを溶解する溶媒としては、本発明の可溶性ポリイミドを溶解すると同時に、更に支持体フィルム上へのポリイミド層形成工程において、高分子から成る支持体フィルムへの影響(例えば、工程の進行の妨げる程度の溶解や膨潤)が少ないものを使用することが好ましい。
(溶解性)
得られたポリイミド樹脂を、DMF及びMIBKに対し、固形分が15%となるように投入し、溶液中に分散させた後、24時間23℃に保たれた恒温室内に置き、溶解の程度を確認した。完全に溶解したものには○、完全には溶解しなかったものには×とし、表1に結果を記載した。尚、本発明の可溶性ポリイミドの可溶性は、前記特定の溶媒に対する可溶性に限定するものではない。但し、ポリイミドを溶解する溶媒としては、本発明の可溶性ポリイミドを溶解すると同時に、更に支持体フィルム上へのポリイミド層形成工程において、高分子から成る支持体フィルムへの影響(例えば、工程の進行の妨げる程度の溶解や膨潤)が少ないものを使用することが好ましい。
(重量平均分子量)
ポリイミドの重量平均分子量の測定方法は表2にまとめた。測定結果を表1に記載した。
ポリイミドの重量平均分子量の測定方法は表2にまとめた。測定結果を表1に記載した。
(ポリイミドの重量平均分子量(Mw)の常用対数に対する、ポリイミド層の複屈折Yの変化率(以下、変化率))
変化率は、ポリイミドの重量平均分子量(Mw)の常用対数に対する、ポリイミド層の複屈折Yを3点以上プロットし、最小二乗法により算出した線形の近似式Y=aX+b(aとb:定数)の傾きaである。結果を表1に記載した。
変化率は、ポリイミドの重量平均分子量(Mw)の常用対数に対する、ポリイミド層の複屈折Yを3点以上プロットし、最小二乗法により算出した線形の近似式Y=aX+b(aとb:定数)の傾きaである。結果を表1に記載した。
(複屈折)
ポリイミド樹脂をMIBKまたはDMFに溶解してポリイミドが10重量%含有されているポリイミド溶液を作製した。キャストに用いるポリイミド溶液はMIBKに溶解したポリイミドはMIBK溶液を用い、DMFにしか溶解しなかったポリイミドはDMF溶液を用いた。ポリイミド樹脂をバーコーターでガラス板上に均一な膜厚を持ったポリイミド樹脂溶液膜として塗布した後、50℃に加熱した熱風オーブン中で10分間乾燥させた後、200℃に加熱した熱風オーブン中で60分間乾燥させた。その後、ガラスからフィルムを剥がし厚さ20μmのポリイミドフィルムを得た。該フィルムを用い、複屈折測定を実施した。以下に複屈折測定の方法を示す。
ポリイミド樹脂をMIBKまたはDMFに溶解してポリイミドが10重量%含有されているポリイミド溶液を作製した。キャストに用いるポリイミド溶液はMIBKに溶解したポリイミドはMIBK溶液を用い、DMFにしか溶解しなかったポリイミドはDMF溶液を用いた。ポリイミド樹脂をバーコーターでガラス板上に均一な膜厚を持ったポリイミド樹脂溶液膜として塗布した後、50℃に加熱した熱風オーブン中で10分間乾燥させた後、200℃に加熱した熱風オーブン中で60分間乾燥させた。その後、ガラスからフィルムを剥がし厚さ20μmのポリイミドフィルムを得た。該フィルムを用い、複屈折測定を実施した。以下に複屈折測定の方法を示す。
フィルムにおいて、キャスト方向をX方向、キャスト方向に対して垂直方向をY方向、厚み方向をZ方向とする。X、Y方向に対して平行に高さ(d)が約200〜300μmの台形片を切り出し、複屈折測定用サンプルとした。サンプルの切り出し方法を、図1に示した。
複屈折測定はナトリウムランプのD線(λ:589nm)を用いて行った。複屈折測定用サンプルの台形片を立て(下辺の長さ>上辺の長さ)、該サンプルの下方より単色偏光をX方向とZ方向又はY方向とZ方向に対して垂直に照射する。単色偏光を測定用サンプルの辺に対して45°に入射させ、クロスニコル下にて測定用サンプル斜面を観察した。当該斜面に現れる干渉縞の数(n)を数えることで、測定用サンプルの高さ(d)を光路長とした場合の位相差を算出することができる。ただし、該斜面に現れる干渉縞が厚み方向に対してほとんど平行に観察されない場合は、該サンプルの断面が斜めになっていることが大きな要因である。干渉縞が厚み方向に対してほとんど平行に観察されない場合は再度該サンプルを作成する必要がある。複屈折の測定方法を、図2に示した。
複屈折は以下の式により算出した。
複屈折=n×λ/d
X方向と厚み方向の複屈折とY方向と厚み方向の複屈折の平均値を複屈折Yの値として表1に記載した。
複屈折=n×λ/d
X方向と厚み方向の複屈折とY方向と厚み方向の複屈折の平均値を複屈折Yの値として表1に記載した。
(実施例2)
ポリアミド酸の重合粘度を約60Pa・sまで上昇させること以外は実施例1と同様にして製造した。 実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂の評価を行った。評価結果を表1に記載した。
ポリアミド酸の重合粘度を約60Pa・sまで上昇させること以外は実施例1と同様にして製造した。 実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂の評価を行った。評価結果を表1に記載した。
(実施例3)
ポリアミド酸の重合粘度を約90Pa・sまで上昇させること以外は実施例1と同様にして製造した。 実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂の評価を行った。評価結果を表1に記載した。
ポリアミド酸の重合粘度を約90Pa・sまで上昇させること以外は実施例1と同様にして製造した。 実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂の評価を行った。評価結果を表1に記載した。
(比較例1)
酸二無水物として6FDA38.6(0.087モル)g、ピロメリット酸二無水物(略称:PMDA)8.2(0.038モル)gを用い、重合粘度を約20Pa・sまで上昇させること以外は実施例1と同様にして製造した。 実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂の評価を行った。評価結果を表1に記載した。
酸二無水物として6FDA38.6(0.087モル)g、ピロメリット酸二無水物(略称:PMDA)8.2(0.038モル)gを用い、重合粘度を約20Pa・sまで上昇させること以外は実施例1と同様にして製造した。 実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂の評価を行った。評価結果を表1に記載した。
(比較例2)
ポリアミド酸の重合粘度を約60Pa・sまで上昇させること以外は比較例1と同様にして製造した。 実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂の評価を行った。評価結果を表1に記載した。
ポリアミド酸の重合粘度を約60Pa・sまで上昇させること以外は比較例1と同様にして製造した。 実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂の評価を行った。評価結果を表1に記載した。
(比較例3)
ポリアミド酸の重合粘度を約100Pa・sまで上昇させること以外は比較例1と同様にして製造した。 実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂の評価を行った。評価結果を表1に記載した。
ポリアミド酸の重合粘度を約100Pa・sまで上昇させること以外は比較例1と同様にして製造した。 実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂の評価を行った。評価結果を表1に記載した。
(比較例4)
酸二無水物として6FDA55.5(0.125モル)gを用い、重合粘度を約80Pa・sまで上昇させること以外は実施例1と同様にして製造した。 実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂の評価を行った。評価結果を表1に記載した。
酸二無水物として6FDA55.5(0.125モル)gを用い、重合粘度を約80Pa・sまで上昇させること以外は実施例1と同様にして製造した。 実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂の評価を行った。評価結果を表1に記載した。
Claims (4)
- 有機溶媒に固形成分5%以上可溶であり、該有機溶媒に溶解させた溶液をキャスト後、乾燥して得られる固形薄膜層の複屈折Yが、それぞれ0.04以上、0.15以下であり、かつ重量平均分子量(Mw)の常用対数Xに対する複屈折Yを、Y=aX+b(a,b:実数)で表した時のaが0.040以下である可溶性ポリイミド。
(複屈折Yは、Y=(nx+ny)/2−nzで与えられる値である。ここで、nxは面内の最大の屈折率、nyはnxに対して垂直方向の屈折率、nzは厚さ方向の屈折率である。) - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の可溶性ポリイミドを有機溶媒に溶解させて得られた可溶性ポリイミド溶液を支持体フィルムにキャスト後、乾燥させ、支持体フィルム上に厚さ1〜40μmのポリイミド層を形成させた光学補償部材。
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