JP2006129787A - 容器入り窒素源含有炭酸飲料およびその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】果汁本来の新鮮な香味を有し、かつより爽やかな刺激感(爽快感)を備えたハイガスボリュームの容器入り果汁含有炭酸飲料と、果汁含有炭酸飲料が充填された容器を加熱殺菌処理しても、容器の変形が生じることないハイガスボリュームの容器入り果汁含有炭酸飲料を製造する製造法を提供する。
【解決手段】果汁や乳成分などの窒素源を含む容器入り炭酸飲料であって、前記窒素源が混合された調合液にガスボリューム3.0から3.6の炭酸ガスを封入してPETボトル等の容器に充填され、該容器の外側から間接的に加熱し、前記容器に充填された果汁や乳成分などの窒素源を含有する炭酸飲料液を59℃から63℃、好ましくは59℃から62℃の温度で10〜15分間程度殺菌処理して製造される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、原料果実・植物や乳性分の香味が良好で、これら原料本来の新鮮な香味を有し、より爽やかな刺激感(爽快感)を備え、また、酵母等の微生物汚染のない保存安定性の高められたハイガスボリュームの容器入り窒素源含有炭酸飲料とその製造法に関する。
従来より、果実、果汁、糖類、酸味料、水等を加えたさまざまな窒素源含有炭酸飲料が市場に出回っているが、この窒素源含有炭酸飲料は、各種原料を調合した後、低温で炭酸ガスを圧入して、果汁を混合した調合液に炭酸ガスを溶解した後、プラスチック製のPETボトル(ポリエチレンテレフタレート樹脂製容器)に充填し、密封する。次いで、このPETボトル内に充填された窒素源含有炭酸飲料は、PETボトルの外側から加熱殺菌処理されて、窒素源含有炭酸飲料とPETボトルとを同時に殺菌する方法がとられている。この窒素源含有炭酸飲料はガスボリューム1.0〜2.8の炭酸ガスが圧入されており、内容物の飲料液中に残存する酵母をはじめとする微生物の増殖を抑制することを目的として、通常、内容物の飲料液を液温63℃〜65℃で、10分間程度という条件で加熱殺菌処理が行われている。
一方、消費者の嗜好の多様化で、より爽やかな刺激感(爽快感)を備える目的からガスボリュームが3.0〜3.6の範囲で炭酸ガスがより多く圧入された、いわゆるハイガスボリュームの窒素源含有炭酸飲料も開発されている。このハイガスボリュームの窒素源含有炭酸飲料としては、例えば、特許文献1や特許文献2のように、アルコール入り窒素源含有炭酸飲料、無菌状態で調合液を充填したもの、調合液を安息香酸で静菌して充填したもの等が開発されている。
特開2003−230374号公報 特開平8−91491号公報
しかしながら、これはいずれも容器に調合液を充填した後で殺菌処理したものではない。これは、従来のように、窒素源含有炭酸飲料が充填された容器を内容物の飲料液の液温が63℃〜65℃、10分間程度の条件で加熱殺菌処理を行うと、炭酸ガスのガスボリュームが高いため、殺菌時の温度でガスが膨張してPETボトルの内圧が上昇する。その結果、ボトルが膨張して変形してしまい、PETボトルが自立できなくなるという事態が生ずる。また、ボトルやキャップの変形によって、キャップが開け難くなったり、内容物の漏れが生ずる等の不都合があった。
これに対しては、PETボトルの肉厚を厚くする、熱処理をしてボトルの結晶化度を高める等で対応することができる。具体的には、PETボトルの底を厚くする、或いは、ダブルブロー成型(一度ブローしたボトルを成型歪を除去するため、オーブン等で加熱し、収縮したボトルを僅かだけ再ブローすることにより形状を得る成型法)したPETボトルを使用する等でボトルの膨張による変形は解消することができる。しかし、この手法を採用した場合には、PETボトルのコストが高くなり、経済性に劣るといった不都合があった。
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、果汁本来の新鮮な香味を有し、かつより爽やかな刺激感(爽快感)を備えたハイガスボリュームの容器入り窒素源含有炭酸飲料と、窒素源含有炭酸飲料が充填された容器を加熱殺菌処理しても容器の変形が生じることのないハイガスボリュームの容器入り窒素源含有炭酸飲料を製造することができる製造法を提供することにある。
以上のような目的を達成するために本発明者らが鋭意研究を行った結果、ガスボリュームが高いと酵母等の微生物の耐熱性が低下することの知見を得て、温度を下げて加熱殺菌処理しても、酵母等の微生物汚染なく保存安定性が高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明においては、従来の加熱殺菌処理よりも低い温度で加熱殺菌処理することで、微生物が殺菌され、また、容器の膨張等の問題も回避されたハイガスボリュームの容器入り窒素源含有炭酸飲料を提供するものである。
より具体的には、本発明は、以下のような容器入り窒素源含有炭酸飲料およびその製造法を提供する。
(1) 果汁や乳成分などの窒素源を含む容器入り炭酸飲料であって、前記窒素源が混合された調合液にガスボリューム3.0から3.6の炭酸ガスを封入して容器に充填され、前記容器に充填された前記窒素源含有炭酸飲料液が、59℃から63℃の温度で10分から15分間加熱殺菌処理されてなる、容器入り窒素源含有炭酸飲料。
(2) 果汁や乳成分などの窒素源を含む容器入り炭酸飲料であって、前記窒素源が混合された調合液にガスボリューム3.0から3.6の炭酸ガスを封入して容器に充填され、前記容器に充填された前記窒素源含有炭酸飲料液が、59℃から62℃の温度で10分から15分間加熱殺菌処理されてなる、容器入り窒素源含有炭酸飲料。
(3) 前記加熱殺菌処理は、前記窒素源含有炭酸飲料液が充填された容器を温水シャワーまたは/および温水浸漬して行うものである(1)または(2)に記載の容器入り窒素源含有炭酸飲料。
(4) 前記加熱殺菌処理は、温度45℃から65℃の予備加熱工程と、温度61℃から65℃の加熱・殺菌工程と、温度20℃から39℃の冷却工程とからなる(3)に記載の容器入り窒素源含有炭酸飲料。
(5) 前記容器は、プラスチック製のPETボトルである(1)から(4)いずれか記載の容器入り窒素源含有炭酸飲料。
(6) 果汁や乳成分などの窒素源を含む容器入り炭酸飲料の製造法であって、前記窒素源を混合した調合液にガスボリューム3.0から3.6の炭酸ガスを封入して容器に充填する工程と、前記容器に充填された前記窒素源含有炭酸飲料液を59℃から63℃の温度で10分から15分間加熱殺菌処理する工程とを包含する、容器入り窒素源含有炭酸飲料の製造法。
(7) 果汁や乳成分などの窒素源を含む容器入り炭酸飲料の製造法であって、前記窒素源を混合した調合液にガスボリューム3.0から3.6の炭酸ガスを封入して容器に充填する工程と、前記容器に充填された前記窒素源含有炭酸飲料液を59℃から62℃の温度で10分から15分間加熱殺菌処理する工程とを包含する、容器入り窒素源含有炭酸飲料の製造法。
(8) 前記加熱殺菌処理は、前記窒素源含有炭酸飲料液が充填された容器を温水シャワーまたは/および温水浸漬して行うものであって、45℃から65℃の温度で処理する予備加熱工程と、61℃から65℃の温度で処理する加熱工程と、20℃から39℃の温度で処理する冷却工程とからなる(6)または(7)に記載の容器入り窒素源含有炭酸飲料の製造法。
本発明によれば、ガスボリューム3.0から3.6の炭酸ガスが圧入されたハイガスボリュームの容器入り果汁や乳成分などの窒素源含有炭酸飲料に対して、内容物の窒素源含有炭酸飲料液を容器に充填した後で59〜63℃で10分程度の加熱殺菌処理を行っているので、原料果実・植物や乳性分の香味が良好で、これら原料本来の新鮮な香味と、より爽やかな刺激感(爽快感)とを備え、また、酵母等の微生物汚染のない保存安定性に優れたものを提供することができる。更に、加熱殺菌処理の温度が63℃以下と従来の加熱殺菌処理よりも低いので、炭酸ガスがハイボリュームであっても、殺菌時に容器の内圧の上昇が抑制されるため、容器としてプラスチック製のPETボトルを用いてもボトルが膨張して変形することがない。このため、加熱殺菌処理してもボトルが自立できないとか、ボトルのキャップが開け難いとか等の不都合が生じることなく、また、ボトルのコストアップになることもなく経済的である。
また、加熱殺菌処理は、炭酸ガスが圧入された果汁や乳成分などの窒素源含有炭酸飲料液を充填した容器を、先ず、温度45〜65℃での温水で予備加熱し、次いで、温度61〜65℃の温水で加熱して内容物の窒素源含有炭酸飲料液を所定温度(59〜63℃、好ましくは59〜62℃)までに到達させて殺菌し、その後、温度20〜39℃の水で冷却するといったように段階的に加熱、冷却するので、容器のPETボトルが急激に高い温度に曝されることがなく、ボトルのサーマルショックによる変形も抑制されることになる。また、内容物の植物または動物の組織成分含有炭酸飲料液の温度の加温、冷却を段階的に効果的に行うことができるので、省エネルギーに資する。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の容器入り窒素源含有炭酸飲料は、果実、果汁、糖類、酸味料、水等の原料を所定量調合した調合液にガスボリューム3.0〜3.6の炭酸ガスを溶解した果汁や乳成分などの窒素源含有炭酸飲料液(以下、飲料液と称する)をPETボトル等の容器に充填・密封し、次いで、この容器の外側から間接的に温水シャワーまたは温水浸漬等で加熱して殺菌処理して製造されるものである。
先ず、本発明でいう飲料液とは、飲用適の水に炭酸ガスを圧入し、果汁や乳成分などの窒素源を含む植物または/および動物の組織成分を含有する飲料であって、更には、必要に応じて糖類、酸味料、香料等の食品添加物、その他の原料を混合して製造されるものである。これら原料は用途などを考慮して種類や量などを適宜選択して用いればよい。
本発明で使用する果汁などの窒素源(植物の組織成分)としては、果実等の植物体に含まれる食用部位(果実、種実、葉、樹皮、根茎、花弁等)を原料として任意の処理によって得られる成分を広く意味するものであり、例えば上記所望の植物の食用部位から得られる滲出液(樹液など)、または食用部位の搾汁、破砕物(ピューレ、ペースト、細断物)、抽出物(抽出液)などを挙げることができる。
搾汁としては具体的には、オレンジ、ブラッドオレンジ、温州ミカン、レモン、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、ユズ、タンジェリン、テンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー等の柑橘類、リンゴ、ブドウ、モモ、パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、ライチ、メロン、西洋ナシ、スモモ類等の各種果物の搾汁(果汁)、豆乳を挙げることができる。これらは1種類の果物の搾汁であってもよいが、2種類以上の果物の搾汁の混合液であってもよい。好ましくは果汁の搾汁である。尚、これらの果物の搾汁は、果実の破砕物(果肉等)や砂のう等の組織や繊維素等の不溶性の固形分を含んでいてもよい。
また、破砕物としては、上記の各種果物や野菜を破砕して得られる果肉の細断物、またはその細断物を裏ごしして濃縮したピューレやペーストを挙げることができる。
更に、抽出物としては、コーラ、ガラナ、コーヒーなどの植物の種実の抽出液;または生姜(ジンジャー)、サッサフラス、サーサパリラなどの植物の根茎の抽出液;茶、ハーブやスパイス等の抽出物を挙げることができる。
また、乳成分等の窒素源(動物の組織成分)としては、例えば、牛乳、脱脂粉乳、全粉乳、クリーム、練乳、低脂肪乳、濃縮乳、チーズ、醗酵乳、殺菌乳酸菌飲料等の乳成分、動物由来のたんぱく質、脂質、その他動物由来抽出物を挙げることができる。これらは1種類の乳成分や抽出物であってもよいが、2種類以上の混合物であってもよい。更には、植物成分と動物成分との混合物であってもよい。
また、飲料液を充填する容器としては、飽和ポリエステル系樹脂を素材とする二軸延伸ブロー成型容器であって、この内、ポリエチレンテレフタレート樹脂製のPETボトルが好ましい。このPETボトルは、優れたガスバリア性、高い透明性、落下によっても割れない強靱性を有し、しかも食品の匂いを転移させない非吸着性や、樹脂自体の匂いが発生しない低臭性をも有するなどの種々の利点を持っているので好ましい。尚、このPETボトルは、通常のガスボリューム1.0〜2.8の容器入り炭酸飲料に使用されているものであるが、ボトルの肉厚を厚くしたり、底部の肉厚を厚くしたり、また、ダブルブロー成型したりして、耐圧性、耐熱性を強化させたものであってもよい。経済性等から通常の容器入り炭酸飲料に使用されているPETボトルが好ましい。
本発明の容器入り窒素源含有炭酸飲料の製造は、従来の炭酸飲料製造法を用いればよく、例えば、飲用適の水と甘味料を混合して甘味料溶液を作り、これに植物または/および動物の組織成分や酸味料を加えて、果汁や乳成分などの窒素源含有調合液(以下、調合液と称する)とし、この一定量をPETボトル等の容器に注入し、次いで炭酸水を充填するポストミックス方式と、調合甘味料と果汁と水を定量混合機で一定の比率で連続的に混合したものを冷却しながら炭酸ガスを圧入する。次いで、この炭酸ガスを圧入した調合液をPETボトル等の容器に充填するプレミックス方法が挙げられる。このようにして容器に充填された後、59〜63℃、好ましくは59〜62℃の温度で10〜15分間程度加熱殺菌処理されて、内容物の飲料液中の酵母等の微生物が殺菌処理される。
内容物の飲料液中に圧入される炭酸ガスは、香味の観点からそのガスボリュームが、3.0〜3.6の範囲で用いるのが好ましい。これによって、飲用した際により爽快感が得られることになる。ガスボリュームが3.6超であると、炭酸ガスの影響が強すぎて果汁本来の新鮮な香味が打ち消されることになる。尚、本発明でいうガスボリュームとは、1気圧15.6℃において、飲料中に溶解している炭酸ガスの体積を飲料の体積で割ったものをいい、例えば、ガスボリューム3.0とは、飲料の体積の3倍の炭酸ガスが溶けていることをいう。炭酸ガスを調合液に圧入する操作をカーボネーション(炭酸ガス圧入)というが、このカーボネーションは、通常カーボネーターと呼ぶ装置の中で、調合液に炭酸ガスを接触させることによって圧入を行う。液体への炭酸ガスの吸収は、温度が低いほど大きいので、カーボネーションを効率よく行うために、一般的には、液体を10℃以下に冷却して圧入するのが好ましい。また、一定の温度では、カーボネーター内の炭酸ガス圧力が高いほど、その吸収はよく行われるので、一般的には、カーボネーションは1〜4kg/cmの圧力下で行われるが、本発明の窒素源含有炭酸飲料においては、ガスボリュームを3.0〜3.6と一定にするために、カーボネーター内の炭酸ガス圧力は3.0〜4.5kg/cmの範囲で行うのが好ましい。
PETボトル等の容器に充填された飲料液は、充填された容器の外側から間接的に加熱されて殺菌処理される。この加熱殺菌処理の条件としては、内容物の飲料液中に生残する酵母等の微生物の菌数の限界(生残する微生物の菌数が初期菌数の少なくとも10−4以下、すなわちD値=4以下)、およびPETボトルの変形度合いの限界(PETボトルの変形度合いは、PETボトルの底深さが0mm以上であれば、ボトルは正立するので問題ないが、その後の保管中の温度条件を考慮すると、底深さが1mm以上であるのが好ましい。)や、圧入されているガスボリュームの量等から適宜設定されるが、本発明のガスボリューム3.0〜3.6である窒素源含有炭酸飲料においては、内容物の飲料液が59〜63℃、好ましくは59〜62℃の液温で10〜15分間程度加熱殺菌処理されるのが好ましい。加熱温度とPETボトルの変形度合いおよび飲料液中に生残する菌数との関係については、図1のグラフに示すように、温度が高くなるにつれてPETボトルの底深さが減少し、生残する微生物の菌数は減少している(D値が大きくなっている)。そして、飲料液中に生残する菌数、および殺菌処理時のPETボトルの変形度合いから、加熱殺菌処理の温度としては、液温が59〜63℃、好ましくは59〜62℃の温度範囲であるのがよい。尚、図1は、飲料液を充填した容器を温度別に10分間保持した場合の温度によるPETボトルの変形と酵母殺菌値(D値)とをグラフ化したものである。ここで、D値とは、酵母殺菌値であって、微生物が殺菌処理で減少された殺菌強度を示すもので、例えば、D値=4の場合は、生残している微生物の菌数が初期菌数に対して10−4に減少されていることを意味する。また、PETボトルの底深さとは、PETボトルの底面中央部と床面の距離をいい、この数値が大きい程、変形度合いが小さいことを意味する。
このように、本発明では、内容物の飲料液を59〜63℃の温度で10〜15分程度加熱して殺菌処理することが特徴である。この温度で加熱殺菌することで、ガスボリューム3.0〜3.6とハイガスボリュームの炭酸飲料であっても、炭酸ガスの膨張が抑制されるので、ボトルの内圧の上昇が抑制される。このため、特に耐圧性や耐熱性に優れたPETボトルでなくても、ボトルが変形することなく使用できるのである。尚、この温度で殺菌しても、従来の温度条件(液温63〜65℃)での加熱殺菌処理と同様の殺菌効果が得られるのは、炭酸ガスのガスボリュームを高くすることで、酵母等の微生物の耐熱性が低下するためと考えられる。
この加熱殺菌処理は、飲料液をPETボトル等の容器に充填した後に、この充填された容器に温水シャワー、または温水浸漬等によって容器の外側から間接的に加熱されて殺菌処理される。この殺菌処理はボトルパストライザーと呼ぶ装置で一般的に行われる。このボトルパストライザーは、数段階の加熱ゾーンや冷却ゾーンの槽に区切られていて、これらの槽をボトルが連続的に通過することで、加熱、殺菌、冷却が行われる。
この温度制御プラグラムとしては、内容物の飲料液が充填されたPETボトルを45〜65℃、より好ましくは45〜55℃の温水で加熱する予備加熱工程と、61〜65℃、より好ましくは61〜63℃の温水で内容物の飲料液の温度を59〜63℃に加熱し殺菌処理する加熱殺菌工程と、20〜39℃、より好ましくは20〜30℃の水で冷却する冷却工程とからなる。すなわち、PETボトルに充填された内容物の飲料は、この予備加熱工程において、59〜63℃、好ましくは59〜62℃の液温までに昇温され、加熱殺菌工程において、この温度に保持されて、飲料液中の酵母等の微生物が殺菌され、その後、冷却工程において、常温程度までに冷却される。これによって、内容物の飲料液が殺菌される。また、同時に容器も殺菌される。
この温度制御プログラムによって、液温が10℃程度の内容物の飲料液が充填されたPETボトルが加熱殺菌処理工程に供給されても、容器のPETボトルが急激に高い温度に曝されることがなく、PETボトルのサーマルショックによる変形が抑制されることになる。また、内容物の飲料液の温度の上昇、冷却を効果的に行うことができるので、省エネルギー化ができる。尚、この温度制御プログラムは、これに限定されるものではなく、PETボトルの材質、容量等に応じて適宜変更してもよい。
殺菌温度と酵母殺菌値およびPETボトルの底深さとの関係を示す図である。

Claims (8)

  1. 果汁や乳成分などの窒素源を含む容器入り炭酸飲料であって、前記窒素源が混合された調合液にガスボリューム3.0から3.6の炭酸ガスを封入して容器に充填され、前記容器に充填された前記窒素源含有炭酸飲料液が59℃から63℃の温度で10分から15分間加熱殺菌処理されてなる、容器入り窒素源含有炭酸飲料。
  2. 果汁や乳成分などの窒素源を含む容器入り炭酸飲料であって、前記窒素源が混合された調合液にガスボリューム3.0から3.6の炭酸ガスを封入して容器に充填され、前記容器に充填された前記窒素源含有炭酸飲料液が59℃から62℃の温度で10分から15分間加熱殺菌処理されてなる、容器入り窒素源含有炭酸飲料。
  3. 前記加熱殺菌処理は、前記窒素源含有炭酸飲料液が充填された容器を温水シャワーまたは/および温水浸漬して行うものである請求項1または2に記載の容器入り窒素源含有炭酸飲料。
  4. 前記加熱殺菌処理は、温度45℃から65℃の予備加熱工程と、温度61℃から65℃の加熱・殺菌工程と、温度20℃から39℃の冷却工程とからなる請求項3に記載の容器入り窒素源含有炭酸飲料。
  5. 前記容器は、プラスチック製のPETボトルである請求項1から4いずれか記載の容器入り窒素源含有炭酸飲料。
  6. 果汁や乳成分などの窒素源を含む容器入り炭酸飲料の製造法であって、前記窒素源を混合した調合液にガスボリューム3.0から3.6の炭酸ガスを封入して容器に充填する工程と、前記容器に充填された前記窒素源含有炭酸飲料液を59℃から63℃の温度で10分から15分間加熱殺菌処理する工程とを包含する、容器入り窒素源含有炭酸飲料の製造法。
  7. 果汁や乳成分などの窒素源を含む容器入り炭酸飲料の製造法であって、前記窒素源を混合した調合液にガスボリューム3.0から3.6の炭酸ガスを封入して容器に充填する工程と、前記容器に充填された前記窒素源含有炭酸飲料液を59℃から62℃の温度で10分から15分間加熱殺菌処理する工程とを包含する、容器入り窒素源含有炭酸飲料の製造法。
  8. 前記加熱殺菌処理は、前記窒素源含有炭酸飲料液が充填された容器を温水シャワーまたは/および温水浸漬して行うものであって、
    45℃から65℃の温度で処理する予備加熱工程と、61℃から65℃の温度で処理する加熱工程と、20℃から39℃の温度で処理する冷却工程とからなる請求項6または7に記載の容器入り窒素源含有炭酸飲料の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013252059A (ja) * 2012-06-05 2013-12-19 Sapporo Breweries Ltd 容器入り発泡性飲料
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