JP2006127957A - 燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体代謝を利用しながら、大きな電流密度を実現可能な燃料電池を作製する。
【解決手段】正極11と負極12よりなる対の電極が、プロトン伝導体13を介して対向しており、負極12は、燃料分解酵素群、NAD(P)(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)とその還元体、NADHデヒドロゲナーゼ、及び電子メディエータが、ポリアニオン及び/又はポリカチオンにより、静電的に固定化されているものとした燃料電池10を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体代謝反応を利用し、触媒として酵素を用い、燃料としてグルコース等の高エネルギー物質を適用した、いわゆるバイオ燃料電池に関するものである。
燃料電池は、基本的な構成として燃料極と空気極とがプロトン伝導体(電解質)を介して対向したものであり、動作原理は、水の電気分解の逆動作に基づくものである。
すなわち燃料電池においては、水素及び酸素が送り込まれることによって、水(H2O)を生成するとともに電気が取り出され、発電を行うものである。
具体的には、燃料極に供給された燃料(水素)が酸化されて電子とプロトン(H+)とに分離し、このプロトン(H+)が電解質を介して空気極まで移動し、空気極に供給された酸素と反応することによってH2Oが生成されるのである。
上記燃料電池は、燃料の持つエネルギーを直接電気エネルギーに変換する、高効率な発電装置として機能し、天然ガス、石油、石炭等の化石エネルギーがもつエネルギーを使用場所や使用時によらずに、しかも高い変換効率にて電気エネルギーとして取り出すことができるという利点を有している。
従来より、大規模発電用途として、燃料電池の開発研究が行われてきている。
例えば、スペースシャトルには燃料電池が搭載されており、電力と同時に乗組員の水を供給できることや、クリーンな発電装置であることが証明されている。
ところで近年においては、高分子固体電解質燃料電池等、室温から90℃程度の比較的低温な作動温度域を示す燃料電池が開発され、注目を集めている。
このため、大規模発電用途のみならず、自動車の駆動用電源、パーソナルコンピュータやモバイル機器等のポータブル電源等の小型システムへの応用が模索されつつある。
しかしながら、固体高分子型燃料電池は先に述べたように比較的低温な作動温度域を示すという利点があるものの、解決すべき多くの課題を有している。
例えば、具体的に、燃料としてメタノールを用い、かつ室温付近で動作させた場合、CO等による触媒被毒があること、Pt等の高価な貴金属を用いた触媒が必要であること、その他、クロスオーバーによるエネルギーロスの発生、燃料に水素やメタノールを用いる場合の取り扱いが困難であること等である。
上記のような従来の課題に対し、種々の研究がなされた結果、生体内で行われている生体代謝が高効率なエネルギー変換機構であることが着目され、これを燃料電池に適用するという技術の提案がなされた。
なお、ここでいう生体代謝には、微生物や細胞内で行われる呼吸、光合成等が含まれるものとする。
生体代謝は、発電効率が極めて高く、また、室温程度の穏やかな条件で反応が進行するという特長を兼ね備えている。
このような生体代謝を模倣し、触媒に酵素や微生物を用い、燃料としてグルコース等の高エネルギー物質を用いた燃料電池は、バイオ燃料電池と呼ばれている。
例えば呼吸は、糖類、脂肪、タンパク質等の栄養素を、微生物、又は細胞内に取り込み、これらの化学エネルギーを、数々の酵素反応ステップを有する解糖系及びトリカルボン酸(tricarboxylic acid(TCA))回路を介して二酸化炭素(CO2)を生成する過程でニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(nicotinamide adenine dinucleotide:NAD+と称する。)を還元して還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)のような酸化還元エネルギー、すなわち電気エネルギーに変換し、さらに電子伝達系においてこれらのNADHの電気エネルギーをプロトン勾配の電気エネルギーに直接変換するとともに酸素を還元し、水を生成する機構である。
ここで得られた電気エネルギーは、ATP合成酵素を介して、ADPからATPを生成し、このATPは微生物や細胞が生育するために必要な反応に利用される。このようなエネルギー変換は、細胞質ゾル及びミトコンドリアで行われている。
また、光合成は、光エネルギーを取り込み、電子伝達系を介してニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(nicotinamide adenine dinucleotide phosphate:NADP+と称する。)を還元して還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)のような電気エネルギーに変換する過程で、水を酸化し酸素を生成する機構である。
この電気エネルギーは、CO2を取り込み炭素固定化反応に利用され、炭水化物の合成に利用される。
上述したような生体代謝の反応には、酵素群が触媒として機能している。
酵素は、一般的に分子量1万〜20万程度のタンパク質であり、様々な基質から生成物への変換を高選択的に触媒する重要な役割を果たしている。
酵素の、このような反応選択性は、酵素がタンパク質分子であるために、活性点が特有の3次元構造を有することに起因するものである。
そのために、生体内に取り込まれた燃料に対して数十種類の酵素が順序良く反応し、最終的にはCO2になるまで酸化が進行することになる。
上述したNADHの生成反応は、下記式(1)により表される。
Figure 2006127957
このような生体代謝を利用し、グルコース等を燃料とする燃料電池については、下記に示す文献(特許文献1、非特許文献1〜8)に提案されている。
特開2003−282124号公報 Katzら、E. Katz, I. Willner, A. B.Kotlyar, J. Electroanal. Chem., 479 (1999) 64 Hellerら、N. Mano, F. Mao, A. Heller, J. Am. Chem. Soc., 124, 12962(2002)、WO 03/106966 A2 Powerzyme、WO 02/086999 A1 G. T. R. Palmoreら、G. T. R. Palmore, H. Bertschy, S. H. Bergens, G. M. Whitesides, J. Electroanal. Chem., 443(1998)155 S. Minteerら、WO 2004/051774 A2 京都大学、T. Ikedaら、加納健司、池田篤治、バイオ燃料電池、「電子材料」2003年2月号 T. Ikeda, K. Kano, J. Biosci. Bioeng., 92 (1), 9-18 (2001). Tsujimura, S., Kano, K., and Ikeda, T. Electrochemistry, 70 (12), 940-942 (2002).
上記のように、従来においてグルコース等を燃料としたバイオ燃料電池技術は、公知となっているが、このような従来技術に係る燃料電池は、いずれも静止系において出力が極めて小さく、実用面からは未だ解決すべき多くの問題を抱えている。
また、出力の向上を図るためには、電極を浸す燃料含有溶液の攪拌操作や酸素の溶液中へのバブリング、酸素溶存溶液の攪拌等を行うことも考案されているが、装置が大規模化、複雑化し、コスト高を招来してしまい、また出力の向上効果も充分でないという問題があった。
すなわち、静止系での反応が充分に行われることが要求されることや、溶存酸素の拡散律速の観点から、酸素供給量には必然的な限界があり、大きな酸素還元電流を得ることが困難であるという問題があった。
また、負極において、補酵素NAD(P)(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)とその還元体を用いることで反応効率を高めることができることは予想されていたが、これを効率良く固定化する方法が無いという課題があった。
そこで本発明においては、上述したような、従来における燃料電池の問題の解決を図り、静止系においても、従来技術において実現不可能であった大きな出力が得られるバイオ燃料電池を提供することとした。
本発明においては、正極と負極よりなる対の電極がプロトン伝導体を介して対向している構成を有し、負極は、燃料分解酵素群、NAD(P)(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)とその還元体、NADHデヒドロゲナーゼ、及び電子メディエータが、ポリアニオン、及び/又はポリカチオンにより、静電的に固定化されているものとした燃料電池を提供する。
また、本発明においては、燃料分解酵素群、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)とその還元体(NADH)、NADHデヒドロゲナーゼ、電子メディエータ、ポリアニオン、及び又はポリカチオンのうちから一種以上を選定し溶解させ各溶液とし、この各溶液あるいは各溶液を一種以上混合した溶液を、電極材料上に適宜添加し、当該電極上で適宜混合し、その後乾燥、さらにこれらの添加混合乾燥を一回以上繰り返すことにより、燃料電池を構成する電極を作製することにより燃料電池を製造する。
本発明によれば、静止系においても、各電極において燃料や酸素の分解を効率良く行うことができ、従来技術においては実現困難とされていた、携帯機器を動作させることが可能な大きな出力が得られるバイオ燃料電池が得られた。
以下、本発明の燃料電池の具体的な実施の形態について、図を参照しながら説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではなく、従来公知の構成を付加したり、材料を変更したりする等、本発明の要旨を変更しない範囲での種々の応用が可能である。
図1に本発明に係る燃料電池10の一例の概略構成図を示す。
燃料電池10は、カソード電極(正極)11と、アノード電極(負極)12よりなる一対の電極がプロトン伝導体13を介して対向した構成を有している。
正極11と負極12は、それぞれ、例えばポーラスカーボンやカーボンフェルト、活性炭等の多孔質材料よりなる電極材によって構成されていることが好ましい。これにより、後述する固定化材料をより多く担持させることができるようになり、さらに反応表面積が大きくなり、分解効率を向上させる効果が得られるためである。
なお、電極材は、カーボンに限定されるものではなく、チタン、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、クロム、金、白金等も同様に適用できる。
また、正極11及び負極12は、それぞれ例えばチタン等の金属よりなる集電体15に接続されているものとする。
集電体15は、チタンの他、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、クロム、金、白金等よりなるものであってもよい。
集電体15の構造は、良好な集電を得るためにエクスパンドメタルが好ましい。また、上記金属に導電塗料を塗布することにより集電効果の向上を図ることもできる。
プロトン伝導体13は、反応の効率や溶液抵抗を考慮して、絶縁性の半透薄膜を適用することが好ましい。
なお、バイオ燃料電池において、正極、負極ともに酵素を固定化させた場合、それぞれの酵素の基質選択性により選定した電解質溶液としてもよい。
負極12には、燃料分解酵素群、NAD(P)(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)とその還元体、NADHデヒドロゲナーゼ、及び電子メディエータが、固定化されているものとする。負極12においては、固定化された酵素群により、後述する燃料17が分解され、電子が取り出されるとともにプロトン(H+)が発生するようになされる。
負極側に供給する燃料17は、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール、でんぷん、グルコース等の糖類、脂肪類、タンパク質、糖代謝の中間生成物等の有機酸(グルコース−6−リン酸、フルクトース−6−リン酸、フルクトース−1,6−ビスリン酸、トリオースリン酸イソメラーゼ、1,3−ビスホスホグリセリン酸、3−ホスホグリセリン酸、2−ホスホグリセリン酸、ホスホエノールピルビン酸、ピルビン酸、アセチル−CoA、クエン酸、cis−アコニット酸、イソクエン酸、オキサロコハク酸、2−オキソグルタル酸、スクシニル−CoA、コハク酸、フマル酸、L−リンゴ酸、オキサロ酢酸等)や、これらの混合物が適用できる。
グルコース、エタノール、糖代謝の中間生成物等は、分解酵素を単独又は適当な複数種類用いて組合せるとともに、特にTCA回路に関与する複数の酵素を用い、環境条件を最適化することで、CO2まで酸化される系を実現できる。
上記において挙げた材料の中でも、特にグルコースやでんぷんは、取り扱いが容易であり、かつエネルギー密度が高いため好ましい。
負極12に固定化する燃料分解酵素群は、燃料の材料に応じて選定する。
例えば、メタノールデヒドロゲナーゼ、ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ、蟻酸デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、電子伝達系の一連の酵素、糖代謝に関与する酵素(例えばヘキソキナーゼ、グルコースリン酸イソメラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、フルクトース二リン酸アルドラーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ、ホスホグリセロムターゼ、ホスホピルビン酸ヒドラターゼ、ピルビン酸キナーゼ、L−乳酸デヒドロゲナーゼ、D−乳酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、クエン酸シンターゼ、アコニターゼ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ、スクシニル−CoAシンテターゼ、コハク酸デヒドロゲナーゼ、フマラーゼ、マロン酸デヒドロゲナーゼ等)等の公知の酵素を挙げることができる。
燃料分解酵素群に、NAD+依存型デヒドロゲナーゼが一種類以上含まれていれば、燃料を酸化すると同時にNAD+を還元し、NADHを生成することができる。NAD+依存型デヒドロゲナーゼとは、NAD+を補酵素とするデヒドロゲナーゼであり、NAD+の存在下において反応が進行する。
NADHデヒドロゲナーゼとしては、ジアホラーゼ(Diaphorase)が好適である。
NADHデヒドロゲナーゼは、NADHを脱水素(酸化)し、NAD+とする過程において、下記に説明する電子メディエータに電子を受け渡し、メディエータを還元することができる。
電子メディエータとしては、
例えば、ナフトキノン骨格を有する、VK3(2-methyl-1,4-naphthoquinone,VitaminK3)、ACNQ(2-Amino-3-carboxy-1,4-naphthoquinone)等や、Os、Ru錯体等を用いることができる。
負極に固定化する電子メディエータとしては、その酸化還元電位がよりネガティブであり、かつ、NADHデヒドロゲナーゼとの反応速度がある程度大きいものが好ましく、また電極反応速度もより大きいものが好ましい。
電子メディエータは、下記に示す文献に主に記載されているものを、適用することができる。
『F. Xu, W. Shin, S. H. Brown, J. A. Wahleithner, U. M. Sundaram, E. I. Solomon , Biochem. Biophys. Acta, 1292, 303 (1996).』、『I. Taniguchi, S. Miyamoto, S. Tomimura, F. M. Hawkridge, J. Electroanal. Chem., 240, 333 (1988).』、『K. M. Faulkner, C. Bonaventura, A. L. Crumbliss , J. Biol. Chem., 270, 13604 (1995).』。
次に、本発明の燃料電池の特徴点である、電極への酵素等の固定化について説明する。
すなわち、本発明においては、上述した燃料分解酵素群、NAD+とその還元体、NADHデヒドロゲナーゼ、及び電子メディエータが、ポリアニオン及び/又はポリカチオンによって静電的に形成されるポリイオンコンプレックス内に固定化されているものとする。
ここで、従来において一般的に行われていた電極への固定化方法について説明する。
第1の方法として、『担体結合法』が挙げられる。
これは、水不溶性の担体に酵素を結合させる方法(共有結合法、イオン結合法、物理吸着法)である。
共有結合法は、架橋試薬により酵素のアミノ基、カルボキシル基等を結合に用い、担体に結合する方法である。これは、比較的容易な方法で、安定に固定化される利点を有する反面、架橋試薬が酵素の活性中心付近を修飾したり、架橋される条件が酵素にとって厳しいものだったりする場合があるという欠点があり、酵素が失活することが少なくない。
また、イオン結合法、及び物理吸着法は、担体への酵素のイオン吸着、あるいは物理吸着を利用するものである。これらは固定化の方法が容易な反面、使用条件により吸着状態が影響を受けやすく、酵素の吸着と脱離が不安定になりやすく、一般的な固定化法とは言い難いという欠点を有している。
第2の方法として、『架橋法』が挙げられる。
これは、酵素を2個、もしくはそれ以上の官能基を有する試薬と反応させる方法である。
架橋法は、原理的には、上述した担体結合法の共有結合法と同じであるが、この場合は、水不溶性担体を使用しない点が異なっている。上記共有結合法と同じく、安定に固定化されるが、酵素が失活してしまうおそれがあるという欠点がある。
第3の方法として、『包括法』が挙げられる。
これは、酵素をゲルの微細な格子の中に包み込むか、半透膜性のポリマーの皮膜によって被覆する方法(格子型、マイクロカプセル型)である。
包括法は、酵素自身とは結合反応を起こすことなく、水不溶性の半透膜性の高分子物質によって酵素を包み込む方法であり、そのメリットは比較的温和な条件にて固定化されるため、酵素活性を損なう心配が低い点が挙げられる。
反面、固定化した際に酵素は溶出せず、一方で、酵素の反応基質は透過しやすい空孔を有する必要があり、酵素-基質が替わるごとに適当な包括剤の選択が求められる。
上述したように、従来適用されていた第1〜第3のいずれの固定化方法ともに、利点と欠点とが存在しており、用途に応じて最適な固定化方法が選定されてきた。
さらに、電極系に固定化する場合には、酵素以外にも電子メディエータ等の固定化も必要であり、様々な検討が行われてきた。
本発明においては、電極材に、燃料分解酵素群、NAD+とその還元体、NADHデヒドロゲナーゼ、及び電子メディエータが、ポリアニオン及び/又はポリカチオンによって静電的に固定化されている点に特徴を有している。
先ず、ポリアニオン、ポリカチオンを用いた、従来において公知の固定化方法としては、表面にリシン残基を有する燃料分解酵素と、アミノ基を有する電子メディエータと、ポリ−L−リシン(PLL)とを、グルタルアルデヒド(GA)で架橋することで、燃料分解酵素、電子メディエータ等を電極上に固定化する方法がある。
このような固定化方法は、燃料分解酵素及び電子メディエータと、固定化担体とが、共有結合により固定化されているために、環境の変化に対して、非常に安定であるという利点を有している。
しかし、バイオ燃料電池において、重要な物質である補酵素NAD+とその還元体(NADH)は、上述したような、グルタルアルデヒド架橋による固定化方法により固定化することができない。
また、架橋固定化すると、燃料分解酵素の活性部位の構造変化が起きやすくなり、酵素の種類によっては、失活してしまうことがあった。
すなわち、様々な種類の燃料代謝酵素群を固定化することを考慮すると、上述したような架橋固定化方法をバイオ燃料電池に適用することは不適切であると言える。
そこで、本発明においては、補酵素NAD+とその還元体(NADH)を確実に固定化しつつ、かつ酵素を活性部位の構造変化や失活を効果的に回避可能な方法で固定化することとした。
本発明の燃料電池の電極固定化方法について説明する。
この方法は、上述した、従来において適用されていた第1〜第3の酵素固定化方法における担体イオン結合法と包括法の特徴を合わせた方法であると言え、特に、ポリイオンコンプレックス法と呼ばれるものである。
先ず、ポリイオンコンプレックスについて、説明する。
分子鎖上に電荷を有する高分子を高分子電解質と呼び、多くは水に可溶である。
このような高分子電解質は、水溶液中で解離してポリイオンと対イオンになる。電荷には正と負の2種あるため、高分子電解質は次の3種類に大別できる。すなわち、(1)ポリカチオン:主鎖に正電荷を持つもの、(2)ポリアニオン:主鎖に負電荷を持つもの、(3)ポリアンフォライト:鎖上に正負両方の電荷を持つもの、である。
上記(1)と(2)のように、同一電荷のみを高分子鎖上に持つものは、鎖内静電反発のため伸びきった形態を取り易いものである。
このような互いに反対符号の電荷を持った高分子電解質の水溶液を混合すると、ただちに沈殿が生成する。この沈殿形成等の相分離現象は、高分子電解質が非平衡的に集合し、溶解性を失った結果である。このような高分子電解質の集合体をポリイオンコンプレックス(高分子電解質集合体:Polyelectrolyte Complex, Polyion Complex, Polysalt)と言う。
このようなポリイオンコンプレックスについては、ポリカチオンとポリアニオンの混合組成比を変えて溶液粘度が測定される。水溶液中で分子内電荷反発によって充分伸びた形態の高分子電解質は、反対電荷を持った高分子電解質を少量ずつ添加すると、非平衡的に静電的な引力で両者が集合するとともに、荷電反発がなくなるため収縮し始める。そして電荷モル比が等しい点で両者は著しく収縮し、溶液比粘度は最小値となる。このことは、ポリイオンコンプレックス形成において化学量論性が成立していることを明確に示している。ただし、統計的なもので、すべての電荷単位が集合に関与しているわけではない。
次に、上述したポリイオンコンプレックスを利用した電極への燃料分解酵素等の固定化方法について説明する。
ポリイオンコンプレックスを形成するポリアニオンとポリカチオンとに、所定の燃料分解酵素を添加することによって燃料分解酵素を、イオン結合によりポリイオンコンプレックス内に固定化できる。
なお、ポリカチオンとしては、ポリ−L−リシン、ポリアリルアミン、ポリビニルイミダゾール、ポリエチレンイミン等が適用できる。
また、ポリアニオンとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリフルオロスルホン酸、ポリアルギン酸、ポリスチレンスルホン酸等が適用できる。
なお、ポリカチオン、及びポリアニオンの種類に関しては、組成を固定化する燃料分解酵素群、NAD+とその還元体、NADHデヒドロゲナーゼ、電子メディエータ、種類、組成により、最適化する。
燃料分解酵素は、カルボキシル基とアミノ基を有するアミノ酸が重合してできたタンパク質であり、電離後の酵素全体の電荷平均が0となる等電点がある。すなわち、酵素は、溶液のpHにより、酵素全体の電荷が正か負となり、ポリイオンコンプレックス内の電荷バランスを保つように取り込まれるのである。
このようなポリイオンコンプレックス法による酵素固定化法、及びこの方法を用いて作製される酵素固定化電極については、下記文献で報告されている。
このポリイオンコンプレックスの形成は、非常にマイルドな条件で進行し、またイオン結合によりポリアニオンとポリカチオンとにより、酵素を包括するように固定化するため、酵素の失活を効果的に抑制でき、優れた酵素分解反応を実現することができるようになる。
『Yabuki S, Mizutani F, Sato Y, et al.
Immobilization of polyglutamate-glucose oxidase onto a cysteamine-modified gold erectrode
SENSORS AND ACTUATORS B-CHEMICAL 91 (1-3): 187-190 JUN 1 2003』
『Mizutani F
Application of enzyme-modified electrodes to biosensors
BUNSEKI KAGAKU 48 (9): 809-821 SEP 1999』
本発明の燃料電池においては、上述したようなポリイオンコンプレックス法を用いて、ポリアニオン、ポリカチオンの組成、種類等を適宜選定して、燃料分解酵素群、NAD+、とその還元体、NADHデヒドロゲナーゼ、及び電子メディエータを静電的に固定化した。
なお、燃料分解酵素群、NADHデヒドロゲナーゼ以外にも、電子メディエータやNAD+とその還元体も、それ自身が持つ電荷により、ポリイオンコンプレックスによって静電的に固定化される。
これにより、従来においては困難であった、NAD+とその還元体(NADH)の確実な固定化が実現でき、かつ酵素のマイルドな固定化が達成される。
また、このポリイオンコンプレックス法により、燃料分解酵素群に必要な、ATP(アデノシン3リン酸)/ADP((アデノシン2リン酸)、マグネシウムイオン、GTP(guanosine triphosphate、グアノシン3リン酸)/GDP(guanosine diphosphate、グアノシン2リン酸)等も同様に固定化することができる。
上記ポリイオンコンプレックス法によって酵素の固定化を行った酵素固定化電極は、酵素反応速度が非常に大きく、燃料の拡散律速となり、非常に大きな電流値を得ることができることが確かめられた。
またこのポリイオンコンプレックスによって酵素の固定化を行った酵素固定化電極では、NAD+とその還元体、NADHデヒドロゲナーゼが固定化されており、燃料分解酵素群を適宜選定することにより、種々の材料を燃料として電力を取り出せることが可能であることが確かめられた。
上述したように、燃料以外の構成成分を高密度に電極上にポリイオンコンプレックスを利用して固定化することにより、各成分の拡散距離が非常に小さくなり、酵素反応速度を極めて大きくすることができる。
そして上記のようにして作製した酵素固定化電極においては、例えば負極側の燃料含有溶液、あるいは正極側の酸素含有溶液を攪拌しなくても、静止系において、実用上充分に高い、従来に比較して極めて高い電流密度が得られた。
次に、本発明の燃料電池10を構成する正極11について説明する。
正極11においては、上述した負極12からプロトン伝導体13を介して移動してきたH+が空気中の酸素(O2)と反応することによって水(H2O)を生成する。
正極11には、酸素還元酵素を固定化させた電極の代わりに、従来公知のPt/カーボン電極を適用しても電極として機能する。
しかしこの場合、負極12からの燃料のクロスオーバーにより、そのPt/カーボンの基質選択性の低さのために、正極11において燃料が反応し、正極電位の上昇、つまり、セル電圧の減少が起き、燃料のロスが生じるという問題がある。
かかる点に鑑みて、正極11には、酸素還元酵素を固定化した電極を適用することが好ましい。
酸素還元酵素としては、BOD(ビリルビンオキシダーゼ)、ラッカーゼ等を用いることができる。
またこれらの酸素還元酵素は、上述したPt/カーボン触媒と比較して、還元効率が高く、酸素を効率的に4電子還元反応することできるとされている。
また、従来公知のPt/カーボン電極に、酸素還元酵素を固定化させた構成としても電極としての機能を発揮する。
また、酸素還元酵素と電極との間の電子の受け渡しを効率的に行うためには、負極12の場合と同様に、電子メディエータを適用することが好ましい。電子メディエータとしては、酸素の酸化還元電位よりも低く、可逆的に酸化還元するものを用いるものとする。
例えば、ABTS〔2,2'-azinobis(3-ethylbenzothiazoline-6-sulfonate)〕)、Co、Fe、Os、Ru、W、Mo等の金属錯体等が適用できる。
これらの酸素還元酵素、及び電子メディエータを、多孔質材料よりなる電極材に、例えばポリ−L−リシン(PLL)を用いて静電的に固定化することにより、正極11を作製することができる。
なお、電極材及びその構造については、上述した負極12と同様のものを適用することができる。
このような酸素還元酵素が固定化された電極は、従来においては、酸素が溶存した溶液に浸し、溶液中の酸素を還元するような構成となされていた。しかし、溶液中の酸素は、拡散の程度が低く、電流値を大きくするためには、酸素バブリングにより溶存酸素濃度を上昇させたり、溶液を攪拌したりして、より多くの酸素を電極に供給する必要があった。
一方、酸素の気相中(空気中)における拡散は、溶液中よりも大きく、電流値を大きくするためには、酸素の電極付近への供給は、空気中で行うことが好ましい。
かかる点に鑑みて、正極11を電解質溶液に浸すことなく、空気中の酸素を利用する構成とすると、高い電流値が得られることを確認した。
すなわち、気相中から酸素を取り込むようにしたことにより、静止系において、極めて大きな電流値を得ることができるのである。
正極11(酸素還元酵素を固定化させた電極)を、電解質溶液に浸すことなく、気相中において還元反応を行えるようにするためには、正極11と負極12とを、所定の半透膜によって隔離させた構成とすることが必要である。
このとき、半透膜としては、絶縁性であり、プロトン伝導性を有するものを適用し、正極11側に負極側からの電解質溶液が染み出さないような構成とする。
半透膜としては、具体的に、セロハン、ポリプロピレン多孔質膜、ポリエチレン多孔質膜、イオン交換樹脂膜を挙げることができる。特にセロハンは非常に安価で、酵素を用いたバイオ燃料電池に用いた場合、セル性能が良くなる傾向がある。
なお、上記においては、正極11に固定化する触媒として、酸素還元酵素を適用する場合について説明したが、本発明の燃料電池はこのような構成に限定されず、従来の燃料電池と同様に、Pt/Cを適用することもできる。
次に、本発明の燃料電池の製造方法について説明する。
負極12については、燃料分解酵素群、NAD+と還元体(NADH)、NADHデヒドロゲナーゼ、電子メディエータのうちの、任意のものを単独で、あるいは組合せて、ポリアニオン及び/又はポリカチオンを用いて混合して溶液を調製し、これを例えばグラッシーカーボン等の電極材上に適宜添加、混合し、乾燥処理を行うことにより作製する。
電極材上への添加、及び混合工程は、繰り返して行ってもよい。
なお、乾燥処理については、室温程度、あるいは燃料分解酵素が失活しない程度の温度、例えば40℃程度で行うことが好ましい。
また、電極に固定化する各材料を混合し調製するためには、水や従来公知の有機溶媒を適宜用いてもよい。
正極11については、酸素還元酵素、及び電子メディエータを、電極材料に、例えばポリ−L−リシン(PLL)等を用いて固定化することにより作製することができる。
正極11と負極12には、それぞれ例えばチタンエクスパンドメタル等を接続させ、容易に集電を行えるようにする。
これら正極11と負極12とを、プロトン伝導体を介して対向配置し、かつこれらの間をセパレータにより隔離させた構成とする。
次に、本発明の燃料電池の動作について、図2の模式的概略図と、図3のポリイオンコンプレックスにより酵素が固定化された電極の模式的概略図を参照しながら説明する。
本発明の燃料電池は、生体代謝を利用したものであり、図2に示すように、正極(空気極)21と、負極(燃料極)22と、これらの電極間を隔離するプロトン伝導体23とから構成されている。
負極(燃料極)22には、図3に示すように、燃料分解酵素群、NAD+とその還元体、NADHデヒドロゲナーゼ、及び電子メディエータが、ポリアニオンとポリカチオンとのポリイオンコンプレックスによって電極上に固定化されている。
正極(空気極)21には、酸素4電子還元酵素であるBOD、及び電子メディエータが、固定化されている。
燃料電池においては、負極(燃料極)において、電極上に固定化された燃料分解酵素群により、例えばグルコース、メタノール、エタノールよりなる燃料や、その中間生成物が酸化され((図2中(1))、NAD+が還元され、NADHが生成される(図2中(2))。
生成したNADHは、ジアホラーゼ(DI)により、電子メディエータを介して負極(燃料極)へ電子を受け渡す(図2中(3)、(4)、図3中の一点鎖線)。
そして、外部回路を通って正極(空気極)に電子が到達することで、電力が発生する。
また、上述したような過程で発生するH+は、プロトン伝導体23を介して空気極まで移動する。
そして、正極(空気極)21においては、到達したH+と、外部回路から電子メディエータを介して供給された電子と、大気中から供給される酸素とから、酸素還元酵素(BOD)により水が生成される(図2中(5)、(6))。
本発明の燃料電池に関し、これを構成する負極(燃料極)の具体的なサンプルを作製し、単極の評価を行った。
図4に電極測定装置の概略図を、図5(a)〜(c)に測定対象の作用極(燃料電池において負極となる電極)の作製工程図を示す。
図4に示すように、作用極31、対極32、及び参照極33をそれぞれ緩衝溶液35中に浸漬し、電気化学測定装置34に接続し、さらには緩衝溶液中の脱酸素を行うバブリング手段36を配置した。
作用極31には、グラッシーカーボンdisk電極(3φ、0.071cm2)、対極32にはPt線、参照極33には、Ag|AgClを適用した。
測定溶液として、緩衝溶液(0.1M、NaH2PO4−NaOH−NaCl,I.S(イオン強度)=0.3,pH7)を用いた。
測定環境は、大気圧、温度は25℃とした。
緩衝溶液の量は1mlとし、測定前にバブリング手段36により、Arバブリングを充分に行い、脱酸素を行った。
また、後述する酵素の溶解溶液にも緩衝溶液を適用した。
以下においては、比較例1、実施例1〜3における作用電極を構成する酵素固定化電極の作製方法について説明する。
これらは、グラッシーカーボンdisk電極上に酵素固定化膜を形成して、酵素固定化電極を形成した。
〔比較例1〕
(溶液調製)
ジアホラーゼ(DI)(EC 1.6.99.-、ユニチカ製、B1D111)を、2〜5mg秤量し、緩衝溶液1mlに溶解させ、DI酵素緩衝溶液(1)とした。
グルコース・デヒドロゲナーゼ(GDH)(NAD-dependent、EC 1.1.1.47、東洋紡製、GLD-311)を、5〜10mg秤量し、緩衝溶液1mlに溶解させ、GDH酵素緩衝溶液(2)とした。
酵素を溶解させる緩衝溶液は、溶解直前まで冷蔵しておき、酵素緩衝溶液も冷蔵保存しておいた。
NADH(シグマアルドリッチ製、N-8129)を、15.0〜30.0mg秤量し、緩衝溶液0.1mlに溶解させ、NADH緩衝溶液(3)とした。
Poly-L-lysine Hydrobromide(PLL)(Wako製、164-16961)を適量秤量し、0.1〜2wt%となるようにイオン交換水に溶解させ、PLL水溶液(4)とした。
2-Amino-3-carboxy-1,4-naphthoquinone(ACNQ)を、従来公知の方法により合成した。ACNQを1〜8mg秤量し、アセトン溶液1mlに溶解させ、ACNQアセトン溶液(5)とした。
市販のグルタルアルデヒド水溶液から、グルタルアルデヒド0.125%水溶液を調製し、GA水溶液(6)とした。
(カーボン電極上への固定化膜の形成、酵素固定化電極の作製)
上記のようにして作製した溶液を、図5(a)〜(c)に示すように、下記に示す量を所定の順序で、それぞれマイクロシリンジを用いて、グラッシーカーボンdisk電極上に塗布し、混合し、室温乾燥を行い、酵素固定化電極(比較例1のサンプル電極)を得た。
DI酵素緩衝溶液(1):3μl
GDH酵素緩衝溶液(2):6μl
NADH緩衝溶液(3):2μl
PLL水溶液(4):3μl
ACNQアセトン溶液(5):2μl
GA水溶液(6):3μl
〔実施例1〕
(溶液調製)
ジアホラーゼ(DI)(EC 1.6.99.-、ユニチカ製、B1D111)を、5〜10mg秤量し、緩衝溶液1mlに溶解させ、DI酵素緩衝溶液(1)とした。
グルコース・デヒドロゲナーゼ(GDH)(NAD-dependent、EC 1.1.1.47、東洋紡製、GLD-311)を、10〜15mg秤量し、緩衝溶液1mlに溶解させ、GDH酵素緩衝溶液(2)とした。
酵素を溶解させる緩衝溶液は、溶解直前まで冷蔵しておき、酵素緩衝溶液も冷蔵保存した。
NADH(シグマアルドリッチ製、N-8129)を、30.0〜60.0mg秤量し、緩衝溶液0.1mlに溶解させ、NADH緩衝溶液(3)とした。
Poly-L-lysine Hydrobromide(PLL)(Wako製、164-16961)を適量秤量し、1〜2wt%となるようにイオン交換水に溶解させ、PLL水溶液(4)とした。
2-methyl-1,4-naphthoquinone(Vitamin K3)(VK3)(ナカライテスク、36405-84)を10〜50mg秤量し、アセトン溶液1mlに溶解させ、VK3アセトン溶液(5)とした。
Sodium Polyacrylate(PAAcNa)(アルドリッチ、041-00595)を適量秤量し、0.01〜0.1wt%となるようにイオン交換水に溶解させ、PAAc水溶液(6)とした。
(カーボン電極上への固定化膜の形成、酵素固定化電極の作製)
上記のようにして作製した溶液を、図5(a)〜(c)に示すように、下記に示す量を所定の順序で、それぞれマイクロシリンジを用いて、グラッシーカーボンdisk電極上に塗布し、混合し、室温乾燥を行い、酵素固定化電極(実施例1のサンプル電極)を得た。
DI酵素緩衝溶液(1):3μl
GDH酵素緩衝溶液(2):3μl
NADH緩衝溶液(3):3μl
PLL水溶液(4):3μl
VK3アセトン溶液(5):2μl
PAAcNa水溶液(6):2μl
〔実施例2〕
上記実施例1におけるPLL水溶液(4)に替えて、Poly- Allylamine(PAA)(日東紡製、PAA-10C)を適量秤量し、1〜2wt%となるようにイオン交換水に溶解させ、PAA水溶液(4)とした。その他の条件は実施例1と同様として、酵素固定化電極(実施例2のサンプル電極)を得た。
〔実施例3〕
多孔質カーボン(東海カーボン、4φ、0.126cm2、厚さ1mm)上に、下記に示す条件で酵素固定化膜を形成した。
酵素を固定化した多孔質カーボンを、グラッシーカーボンdisk電極上に載置し、ナイロンメッシュを用いて物理的に固定化させて、酵素固定化電極(実施例3のサンプル電極)を得た。その他の条件は実施例1と同様とした。
DI酵素緩衝溶液(1):5μl
GDH酵素緩衝溶液(2):5μl
NADH緩衝溶液(3):5μl
PLL水溶液(4):5μl
VK3アセトン溶液(5):3.5μl
PAAcNa水溶液(6):2μl
上述のようにして作製した比較例1、及び実施例1〜3の酵素固定化電極を、0.2Mのグルコース緩衝溶液中で、参照電極Ag|AgClに対して、0.1Vと電子メディエータの酸化還元電位より充分高い電位に設定し、クロノアンペロメトリーを行った。
下記表1に、クロノアンペロメトリー測定開始後5分後の電流密度を示した・
Figure 2006127957
表1に示すように、比較例1においては、燃料分解酵素、電子メディエータ、及びPLLをグルタルアルデヒド(GA)で架橋固定化したものであるが、実施例1〜3に比較して電流密度が低かった。
これは、GA架橋では、NADHを充分に固定化することが困難であり、測定時間の経過とともにNADHが徐々に溶液中に溶出し、酵素固定化膜の反応速度がそれに伴い減少してしまったためであり、また、架橋により酵素が失活しやすいためでもある。
一方において、実施例1〜3においては、ポリイオンコンプレックスを利用したため、NADHを電極上に極めて安定に固定化することができ、かつ酵素活性も維持されるため、高い電流値が得られた。
また、実施例1と実施例2とは、固定化に用いるポリカチオンを異なるものとした例であるが、これらを比較すると、PLLを適用した実施例1の方が高い電流値が得られていることが分かる。すなわち、PLLは酵素固定化に適用するポリカチオンとして極めて好適なものであることが確かめられた。
また、実施例3においては、固定化する電極材として、多孔質のカーボンを適用したものであるが、実施例1に比較して、投影面積あたりの電流密度が約6倍増大した。
これは、多孔質カーボンを用いたことにより、反応に寄与する表面積を大きくすることでできたためであり、さらに固定化する酵素量を効果的に増加させることも可能である。
次に、酵素固定化電極を用いて燃料電池を作製し、電気化学測定を行った。
図6に、電気化学測定系の概略図を示す。
図に示すように、負極52と正極51とをセパレータ53を介して対向配置し、集電体55と接続させ、上下で圧着してセルを構成した。
負極52に燃料57としてグルコース緩衝溶液を供給することとし、正極51には大気圧として酸素を供給するようにした。
負極52に作用極を、正極51に参照極と対極を接続し、2極式で電気化学測定装置54により、出力密度の測定を行った。
下記に、測定に用いたセルの構成条件を示す。
〔実施例4〕
上記実施例3において、固定化用の電極の多孔質カーボン(東海カーボン製、0.5×0.5cm2、0.25cm2、厚さ1mm)を適用し、下記に示す条件に従い、ポリイオンコンプレックスにより酵素を固定化した電極を作製した。
DI酵素緩衝溶液(1):10μl
GDH酵素緩衝溶液(2):10μl
NADH緩衝溶液(3):10μl
PLL水溶液(4):10μl
VK3アセトン溶液(5):7μl
PAAcNa水溶液(6):4μl
上記の条件により作製した酵素固定化多孔質カーボン電極を負極(燃料極)とし、セパレータにNafion117(デュポン社製商品名)を適用し、正極(空気極)に、Pt/カーボン/Nafion固定化カーボンペーパー(0.5×0.5cm2)を適用してセルを構成した。
このセル設計においては、空気極の能力が高く、電流値はアノード律速となっている。
〔実施例5〕
上記実施例4において、空気極を酵素固定化用電極とし、電極材としてカーボンフェルト電極(東レ製、商品名トレカマット、0.5×0.5cm2、0.25cm2、厚さ0.2mm)を適用した。
なお、このセル設計においては、空気極の能力が高く、電流値はアノード律速となっている。
下記に、酵素固定化電極の作製条件を示す。
(溶液調製)
Poly-L-lysine Hydrobromide(PLL)(シグマ製、P1524)を適量秤量し、1〜5wt%となるようにイオン交換水に溶解させ、PLL水溶液(1)とした。
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(K3[Fe(CN)6])(Wako製、167-03722)を適量秤量し、1〜20mMとなるようにイオン交換水に溶解させ、K3[Fe(CN)6]水溶液(2)とした。
Bilirubin Oxidase(BOD)(EC 1.3.3.5、天野エンザイム製、BO-3 ”Amano”3)を、5〜10mg秤量し、緩衝溶液0.1mlに溶解させ、BOD酵素緩衝溶液(3)とした。
なお、酵素を溶解させる緩衝溶液は、溶解直前まで冷蔵しておくことが好ましく、酵素緩衝溶液も冷蔵保存することが望ましい。
(固定化膜作製)
上述のようにして調整した各種溶液を、下記に示す量に従って秤量し、順次、マイクロシリンジを用いてカーボンフェルト電極上に塗布、混合し、室温乾燥処理を施し、酵素固定化膜を作製した。
PLL水溶液(1):35μl
3[Fe(CN)6]水溶液(2):7μl
BOD酵素緩衝溶液(3):14μl
〔実施例6〕
上記実施例5において、セパレータとして適用したNafion(デュポン社製商品名)に代えて、セロハンを適用した。
このセル設計においては、空気極の能力が高く、電流値はアノード律速となっている。
上記実施例4〜6のセルにおいて、負極52を、0.2Mグルコース緩衝溶液に浸した状態とし、正極51を大気中、すなわち気相中にある状態とし、セル電圧を、正極に対して、−0.4Vとし、クロノアンペロメトリー測定し、測定開始から5min後の電流から出力密度を計算した。
実施例4〜6のセルのそれぞれの出力密度を下記表2に示す。
Figure 2006127957
上記表2に示すように、負極(燃料極)に、酵素固定化電極を用いて作製した実施例4〜6のセルにおいては、いずれも、従来の燃料電池において静止系において実現不可能であった大きな出力が得られた。
特に、実施例6のセルが、他の実施例よりも大きな出力が実現できた。
これは、両極を隔てるセパレータとして、実施例4、5においては、Nafion117(デュポン社製商品名)を用いたが、実施例6においてはセロハンを用いたことに起因する。すなわち、Nafion117(デュポン社製商品名)は、強酸性であるため、測定中に負極(燃料極)を浸した溶液のpHが低下し、酵素活性が低下してしまい、高い出力が得られなくなってしまうためである。
一方において、実施例6においては、セパレータとしてセロハンを用いたことにより、負極(燃料極)を浸した溶液の、酵素活性の低下が抑制され、これによって高く出力密度が得られ、かつ、安定した出力が得られた。
燃料電池の概略構成図を示す。 燃料電池における変換反応の模式的概略図を示す。 ポリイオンコンプレックスにより酵素が固定化された電極の模式的概略図を示す。 本発明の燃料電池を構成する酵素固定化電極を作用極とした電流密度の測定図を示す。 (a)〜(c)作用極の作製工程図を示す。 実施例サンプルのセルの出力密度の測定図を示す。
符号の説明
10……燃料電池、11……正極、12……負極、13……プロトン伝導体、15……集電体、17……燃料、21……正極(空気極)、22……負極(燃料極)、23……プロトン伝導体、25……集電体、31……作用極、32……対極、33……参照極、34……電気化学測定装置、35……緩衝溶液、36……バブリング手段、51……正極、52……負極、53……セパレータ、54……電気化学測定装置、55……集電体、57……燃料


Claims (5)

  1. 正極と負極よりなる対の電極が、プロトン伝導体を介して対向している構成の燃料電池であって、
    前記負極に、燃料分解酵素群、NAD(P)(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)とその還元体、NADHデヒドロゲナーゼ、及び電子メディエータが、ポリアニオン、及び/又はポリカチオンにより、静電的に固定化されていることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記燃料分解酵素群に、少なくとも、NAD依存型デヒドロゲナーゼが含有されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記対の電極を構成する正極と負極のうちの、少なくともいずれか一方が、多孔質カーボンよりなる電極材により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記プロトン伝導体が半透膜よりなり、
    前記正極は、前記半透膜により、気相中に存在する状態となされており、
    前記正極には、酸素還元酵素が固定化されており、気相中における酸素を燃料として、酸素還元反応が行われるようになされていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  5. 正極と、負極よりなる対の電極が、プロトン伝導体を介して対向している構成の燃料電池の製造方法であって、燃料分解酵素群、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)とその還元体(NADH)、NADHデヒドロゲナーゼ、電子メディエータ、ポリアニオン、及び又はポリカチオンのうちから一種以上を選定し溶解させ各溶液とし、
    前記各溶液あるいは各溶液を一種以上混合した溶液を、電極材料上に適宜添加し、当該電極上で適宜混合し、その後乾燥、さらにこれらの添加混合乾燥を一回以上繰り返すことで、燃料電池を構成する電極を作製することを特徴とする燃料電池の製造方法。

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