JP2009048846A - 燃料電池およびその製造方法ならびに酵素固定化電極およびその製造方法ならびに電子機器 - Google Patents

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隆平 松本
Masaya Tsunoda
正也 角田
Hideki Sakai
秀樹 酒井
Hiroki Sugiyama
太喜 杉山
Takaaki Nakagawa
貴晶 中川
Yuichi Tokita
裕一 戸木田
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Abstract

【課題】正極および負極の少なくとも一方に少なくとも酵素および電子メディエーターがポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより固定化される場合に、電流密度およびその維持率の向上を図ることができる燃料電池を提供する。
【解決手段】正極2と負極1とが電解質層3を介して対向した構造を有し、正極2および/または負極1が、ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより少なくとも酵素および電子メディエーターが電極上に固定化されたものからなる燃料電池において、ポリイオンコンプレックスにおけるポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとの質量比を1:0.01〜1.0とする。ポリ−L−リシンの質量は、例えば7.1×10-3mg/mm2 以上3.6×10-2mg/mm2 以下とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、燃料電池およびその製造方法ならびに酵素固定化電極およびその製造方法ならびに電子機器に関し、特に、正極および負極の少なくとも一方に少なくとも酵素および電子メディエーターが固定化されている燃料電池およびその製造方法ならびにこの燃料電池に用いて好適な酵素固定化電極およびその製造方法ならびにこの燃料電池を用いる電子機器に関する。
燃料電池は、正極(酸化剤極)と負極(燃料極)とが電解質(プロトン伝導体)を介して対向した構造を有する。従来の燃料電池では、負極に供給された燃料(水素)が酸化されて電子とプロトン(H+ )とに分離し、電子は負極に渡され、H+ は電解質を通って正極まで移動する。正極では、このH+ が、外部から供給された酸素および負極から外部回路を通って送られた電子と反応してH2 Oを生成する。
このように、燃料電池は燃料の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する高効率な発電装置であり、天然ガス、石油、石炭などの化石エネルギーが持つ化学エネルギーを使用場所や使用時によらずに、しかも高い変換効率で電気エネルギーとして取り出すことができる。このため、従来から大規模発電用途などとしての燃料電池の開発研究が活発に行われている。例えば、スペースシャトルに燃料電池が搭載され、電力と同時に乗組員用の水を補給できることや、クリーンな発電装置であることを証明した実績がある。
さらに、近年、固体高分子型燃料電池など、室温から90℃程度の比較的低温の作動温度域を示す燃料電池が開発され、注目を集めている。このため、大規模発電用途のみならず、自動車の駆動用電源、パーソナルコンピュータやモバイル機器などのポータブル電源などの小型システムへの応用が模索されつつある。
このように、燃料電池は大規模発電から小規模発電まで幅広い用途が考えられ、高効率な発電装置として多くの注目を集めている。しかしながら、燃料電池では、燃料として通常、天然ガス、石油、石炭などを改質器により水素ガスに変換して用いており、限りある資源を消費するとともに、高温に加熱する必要があったり、白金(Pt)などの高価な貴金属の触媒を必要としたりするなど、種々の問題点がある。また、水素ガスやメタノールを直接燃料として用いる場合でも、その取り扱いには注意を要する。
そこで、生物内で行われている生体代謝が高効率なエネルギー変換機構であることに着目し、これを燃料電池に適用する提案がなされている。ここでいう生体代謝には、微生物体細胞内で行われる呼吸、光合成などが含まれる。生体代謝は、発電効率が極めて高く、また、室温程度の穏やかな条件で反応が進行するという特長を兼ね備えている。
例えば、呼吸は、糖類、脂肪、タンパク質などの栄養素を微生物または細胞内に取り込み、これらの化学エネルギーを、数々の酵素反応ステップを有する解糖系およびクエン酸(TCA)回路を介して二酸化炭素(CO2 )を生成する過程でニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+ )を還元して還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)とすることで酸化還元エネルギー、すなわち電気エネルギーに変換し、さらに電子伝達系においてこれらのNADHの電気エネルギーをプロトン勾配の電気化学エネルギーに直接変換するとともに酸素を還元し、水を生成する機構である。ここで得られた電気化学エネルギーは、アデノシン三リン酸(ATP)合成酵素を介して、アデノシン二リン酸(ADP)からATPを生成し、このATPは微生物や細胞が生育するために必要な反応に利用される。このようなエネルギー変換は、細胞質ゾルおよびミトコンドリアで行われている。
また、光合成は、光エネルギーを取り込み、電子伝達系を介してニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+ )を還元して還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)とすることで電気エネルギーに変換する過程で、水を酸化し酸素を生成する機構である。この電気エネルギーは、CO2 を取り込み炭素固定化反応に利用され、炭水化物の合成に利用される。
上述のような生体代謝を燃料電池に利用する技術としては、微生物中で発生した電気エネルギーを電子メディエーターを介して微生物外に取り出し、この電子を電極に渡すことで電流を得る微生物電池が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、微生物および細胞には化学エネルギーから電気エネルギーへの変換といった目的の反応以外にも不要な反応が多く存在するため、上述の方法では望まない反応に化学エネルギーが消費されて十分なエネルギー変換効率が発揮されない。
そこで、酵素を用いて所望の反応のみを行う燃料電池(バイオ燃料電池)が提案されている(例えば、特許文献2〜13参照。)。このバイオ燃料電池は、燃料を酵素により分解してプロトンと電子とに分離するもので、燃料としてメタノールやエタノールのようなアルコール類あるいはグルコースのような単糖類あるいはデンプンのような多糖類を用いたものが開発されている。
このバイオ燃料電池においては、電極に対する酵素や電子メディエーターの固定化が非常に重要であり、出力特性、寿命、効率などに非常に大きな影響を与えることが知られている。酵素や電子メディエーターを電極に固定化する際に用いる固定化材として、ポリ−L−リシン(PLL)とポリアクリル酸ナトリウム(PAAcNa)とからなるポリイオンコンプレックスが知られている(例えば、特許文献9〜13参照。)。
特開2000−133297号公報 特開2003−282124号公報 特開2004−71559号公報 特開2005−13210号公報 特開2005−310613号公報 特開2006−24555号公報 特開2006−49215号公報 特開2006−93090号公報 特開2006−127957号公報 特開2006−156354号公報 特開2007−12281号公報 特開2007−35437号公報 特開2007−87627号公報
これまで、上記のポリイオンコンプレックスにおけるポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとの混合比や固定化量に関しては詳細な検討はほとんどなされていなかったが、本発明者らの研究によれば、これらがバイオ燃料電池の電流密度およびその維持率に大きな影響を与えることが分かった。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、正極および負極の少なくとも一方に少なくとも酵素および電子メディエーターがポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより固定化される場合に、電流密度およびその維持率の向上を図ることができる燃料電池およびその製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、正極および負極の少なくとも一方に少なくとも酵素および電子メディエーターがポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより固定化される燃料電池などに適用して好適な酵素固定化電極およびその製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとするさらに他の課題は、上記のような優れた燃料電池を用いた電子機器を提供することである。
本発明者らは、上記のポリイオンコンプレックスにおけるポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとの混合比や固定化量に関し鋭意研究を行った結果、この発明を案出するに至った。詳細は後述するが、その概要について説明すると次の通りである。
直径3mmの円柱状カーボン電極の周囲に絶縁体のプラスチックが厚さ1.5mm形成された直径6mmの円柱の末端の円形の面(中心部に直径3mmのカーボン電極、その周囲に厚さ1.5mmのプラスチックがある直径6mmの円形の面)上に、酵素、補酵素および電子メディエーターを塗布した後、その上にポリ−L−リシンを含む水溶液とポリアクリル酸ナトリウムを含む水溶液とを塗布してポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより酵素、補酵素および電子メディエーターを固定化した。この固定化をポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとの質量比や固定化量を変えて行った。そして、これらの電極を用いてクロノアンペロメトリーを行った。その結果、高い電流密度およびその維持率を得るためには、このポリイオンコンプレックスの質量に対するポリ−L−リシンの質量の割合が50%以上であることが重要であることが分かった。より詳細には、ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0(例えば、0.015)が優れている。また、ポリ−L−リシンの単位面積当たりの固定化量がある範囲内にあることが好ましい。一例として、ポリ−L−リシンを0.2mg含む水溶液とポリアクリル酸ナトリウムを0.003mg含む水溶液とを塗布してポリイオンコンプレックスを形成したときのポリイオンコンプレックスの固定化量(ポリ−L−リシンの質量は0.2mg、ポリアクリル酸ナトリウムの質量は0.003mgで質量比は1:0.015)を基準にし、この基準量に対してポリイオンコンプレックスの固定化量を変えた電極を形成し、クロノアンペロメトリーを行った結果、上記の基準量からその5倍の量の間の範囲で高い電流密度およびその維持率が得られることを見出した。上記の基準量のポリイオンコンプレックスにおけるポリ−L−リシンの単位面積当たりの質量は0.2/(π×32 )=7.1×10-3mg/mm2 、同じく上記の基準量のポリイオンコンプレックスにおけるポリアクリル酸ナトリウムの単位面積当たりの質量は0.003/(π×32 )=1.1×10-4mg/mm2 となるから、結局、ポリ−L−リシンの単位面積当たりの質量が7.1×10-3mg/mm2 から5×7.1×10-3mg/mm2 =3.6×10-2mg/mm2 の場合に高い電流密度およびその維持率が得られ、好ましいことが分かる。
すなわち、上記課題を解決するために、
第1の発明は、
正極と負極とがプロトン伝導体を介して対向した構造を有し、上記正極および/または上記負極が、ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより少なくとも酵素および電子メディエーターが電極上に固定化されたものからなる燃料電池であって、
上記ポリイオンコンプレックスにおける上記ポリ−L−リシンと上記ポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0である
ことを特徴とするものである。
第2の発明は、
正極と負極とがプロトン伝導体を介して対向した構造を有し、上記正極および/または上記負極が、ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより少なくとも酵素および電子メディエーターが電極上に固定化されたものからなる燃料電池の製造方法であって、
上記ポリ−L−リシンと上記ポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0である上記ポリイオンコンプレックスにより上記少なくとも酵素および電子メディエーターを上記電極上に固定化するようにした
ことを特徴とするものである。
この第2の発明においては、典型的には、ポリ−L−リシンを含む水溶液およびポリアクリル酸ナトリウムを含む水溶液を電極上に塗布することにより上記の組成のポリイオンコンプレックスを形成するが、これらの水溶液を塗布する順番は特に問わない。
第1および第2の発明において、ポリ−L−リシンの質量は、例えば7.1×10-3mg/mm2 以上3.6×10-2mg/mm2 以下であるが、これに限定されるものではない。
正極および/または負極に固定化される酵素は種々のものであってよく、必要に応じて選ばれる。また、正極および/または負極には、必要に応じて、酵素および電子メディエーターに加えて補酵素も固定化される。
具体的には、負極に固定化される酵素は、例えば、燃料としてグルコースのような単糖類を用いる場合には、単糖類の酸化を促進し分解する酸化酵素を含み、通常はこれに加えて酸化酵素によって還元される補酵素を酸化体に戻す補酵素酸化酵素を含む。この補酵素酸化酵素の作用により、補酵素が酸化体に戻るときに電子が生成され、補酵素酸化酵素から電子メディエーターを介して電極に電子が渡される。酸化酵素としては例えばNAD+ 依存型グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、補酵素としては例えばニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+ )が、補酵素酸化酵素としては例えばジアホラーゼ(DI)が用いられる。
燃料として多糖類(広義の多糖類であり、加水分解によって2分子以上の単糖を生じる全ての炭水化物を指し、二糖、三糖、四糖などのオリゴ糖を含む)を用いる場合には、好適には、上記の酸化酵素、補酵素酸化酵素、補酵素および電子メディエーターに加えて、多糖類の加水分解などの分解を促進し、グルコースなどの単糖類を生成する分解酵素も固定化される。多糖類としては、具体的には、例えば、デンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロース、マルトース、スクロース、ラクトースなどが挙げられる。これらは単糖類が二つ以上結合したものであり、いずれの多糖類においても結合単位の単糖類としてグルコースが含まれている。なお、アミロースとアミロペクチンとはデンプンに含まれる成分であり、デンプンはアミロースとアミロペクチンとの混合物である。多糖類の分解酵素としてグルコアミラーゼを用い、単糖類を分解する酸化酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼを用いた場合には、グルコアミラーゼによりグルコースにまで分解することができる多糖類、例えばデンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、マルトースのいずれかを含むものであれば、これを燃料として発電することが可能となる。なお、グルコアミラーゼはデンプンなどのα−グルカンを加水分解しグルコースを生成する分解酵素であり、グルコースデヒドロゲナーゼはβ−D−グルコースをD−グルコノ−δ−ラクトンに酸化する酸化酵素である。好適には、多糖類を分解する分解酵素も負極上に固定化される構成とし、最終的に燃料となる多糖類も負極上に固定化される構成とする。
また、デンプンを燃料とする場合には、デンプンを糊化してゲル状の固形化燃料としたものを用いることもできる。この場合、好適には、糊化したデンプンを酵素などが固定化された負極に接触させ、あるいは負極上に酵素などとともに固定化する方法をとることができる。このような電極を用いると、負極表面のデンプン濃度を、溶液中に溶解したデンプンを用いた場合よりも高い状態に保持することができ、酵素による分解反応がより速くなり、出力が向上するとともに、燃料の取り扱いが溶液の場合よりも容易で、燃料供給システムを簡素化することができ、しかも燃料電池を天地無用とする必要がなくなるため、例えばモバイル機器に用いたときに非常に有利である。
電子メディエーターとしては基本的にはどのようなものを用いてもよいが、好適には、キノン骨格を有する化合物、取り分け、ナフトキノン骨格を有する化合物が用いられる。このナフトキノン骨格を有する化合物としては各種のナフトキノン誘導体を用いることが可能であるが、具体的には、例えば、2−アミノ−1,4−ナフトキノン(ANQ)、2−アミノ−3−メチル−1,4−ナフトキノン(AMNQ)、2−メチル−1,4−ナフトキノン(VK3)、2−アミノ−3−カルボキシ−1,4−ナフトキノン(ACNQ)などが用いられる。キノン骨格を有する化合物としては、ナフトキノン骨格を有する化合物以外に、例えば、アントラキノンやその誘導体を用いることもできる。電子メディエーターには、必要に応じて、キノン骨格を有する化合物以外に、電子メディエーターとして働く一種または二種以上の他の化合物を含ませてもよい。キノン骨格を有する化合物、特にナフトキノン骨格を有する化合物を負極に固定化する際に用いる溶媒としては、好適にはアセトンが用いられる。このように溶媒としてアセトンを用いることにより、キノン骨格を有する化合物の溶解性を高めることができ、キノン骨格を有する化合物を負極に効率的に固定化することができる。溶媒には、必要に応じて、アセトン以外の一種または二種以上の他の溶媒を含ませてもよい。
一つの例では、負極に電子メディエーターとしての2−メチル−1,4−ナフトキノン(VK3)、補酵素としての還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、酸化酵素としてのグルコースデヒドロゲナーゼおよび補酵素酸化酵素としてのジアホラーゼを固定化し、好適には、これらを1.0(mol):0.33〜1.0(mol):(1.8〜3.6)×106 (U):(0.85〜1.7)×107 (U)の比で固定化する。ただし、U(ユニット)とは、酵素活性を示す一つの指標であり、ある温度およびpHにおいて1分間当たり1μmolの基質が反応する度合いを示す。
一方、正極に酵素を固定化する場合、この酵素は、典型的には酸素還元酵素を含む。この酸素還元酵素としては、例えば、ビリルビンオキシダーゼ、ラッカーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼなどを用いることができる。この場合、正極に固定化する電子メディエーターとしては、例えば、ヘキサシアノ鉄酸カリウム、フェリシアン化カリウム、オクタシアノタングステン酸カリウムなどを用いる。電子メディエーターは、好適には、十分に高濃度、例えば、平均値で0.64×10-6mol/mm2 以上固定化する。
正極または負極の電極の材料としては各種のものを用いることができるが、例えば、多孔質カーボン、カーボンペレット、カーボンフェルト、カーボンペーパーなどのカーボン系材料が用いられる。
プロトン伝導体としては種々のものを用いることができ、必要に応じて選択されるが、具体的には、例えば、セロハン、パーフルオロカーボンスルホン酸(PFS)系の樹脂膜、トリフルオロスチレン誘導体の共重合膜、リン酸を含浸させたポリベンズイミダゾール膜、芳香族ポリエーテルケトンスルホン酸膜、PSSA−PVA(ポリスチレンスルホン酸ポリビニルアルコール共重合体)や、PSSA−EVOH(ポリスチレンスルホン酸エチレンビニルアルコール共重合体)、含フッ素カーボンスルホン酸基を有するイオン交換樹脂(ナフィオン(商品名、米国デュポン社)など)などからなるものが挙げられる。
プロトン伝導体として緩衝物質(緩衝液)を含む電解質を用いる場合には、高出力動作時において、プロトンを介する酵素反応により、プロトンの増減が電極内部または酵素の固定化膜内で起きても、十分な緩衝作用を得ることができ、至適pHからのpHのずれを十分に小さく抑えることができ、酵素が本来持っている能力を十分に発揮することができるようにするために、電解質に含まれる緩衝物質の濃度を0.2M以上2.5M以下にすることが有効であり、好適には0.2M以上2M以下、より好適には0.4M以上2M以下、さらに好適には0.8M以上1.2M以下とする。緩衝物質は、一般的には、pKa が5以上9以下のものであれば、どのようなものを用いてもよいが、具体例を挙げると、リン酸二水素イオン(H2 PO4 - )、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール(略称トリス)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、カコジル酸、炭酸(H2 CO3 )、クエン酸水素イオン、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−3−プロパンスルホン酸(HEPPS)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(略称トリシン)、グリシルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(略称ビシン)などである。リン酸二水素イオン(H2 PO4 - )を生成する物質は、例えば、リン酸二水素ナトリウム(NaH2 PO4 )やリン酸二水素カリウム(KH2 PO4 )などである。緩衝物質としては、イミダゾール環を含む化合物も好ましい。このイミダゾール環を含む化合物は、具体的には、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、イミダゾール誘導体(ヒスチジン、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、イミダゾール−2−カルボン酸エチル、イミダゾール−2−カルボキシアルデヒド、イミダゾール−4−カルボン酸、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸、イミダゾール−1−イル−酢酸、2−アセチルベンズイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、N−アセチルイミダゾール、2−アミノベンズイミダゾール、N−(3−アミノプロピル) イミダゾール、5−アミノ−2−(トリフルオロメチル) ベンズイミダゾール、4−アザベンズイミダゾール、4−アザ−2−メルカプトベンズイミダゾール、ベンズイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール)などである。緩衝物質としては、2−アミノエタノール、トリエタノールアミン、TES(N-Tris(hydroxymethyl)methyl-2-aminoethanesulfonic acid)、BES(N,N-Bis(2-hydroxyethyl)-2-aminoethanesulfonic
acid)などを用いてもよい。緩衝物質を含む電解質のpHは、好適には7付近であるが、一般的には1〜14のいずれであってもよい。
一方、本発明者らは、負極に酵素および電子メディエーターに加えてジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)などのリン脂質を固定化することにより、燃料電池の出力の大幅な向上を図ることができるという現象を見出した。すなわち、リン脂質は高出力化剤として機能することを見出した。このようにリン脂質の固定化により高出力化が可能な理由について種々検討を行ったところ、従来の燃料電池において十分に大きな出力が得られない理由の一つが、負極に固定化する酵素と電子メディエーターとが均一に混合せず、両者が互いに分離して凝集状態にあることにあるが、リン脂質の固定化により酵素と電子メディエーターとが互いに分離して凝集してしまうのを防止することができ、酵素と電子メディエーターとを均一に混合することができるためであるという結論に至った。さらに、リン脂質の添加により酵素と電子メディエーターとを均一に混合することができるようになる原因を究明したところ、電子メディエーター還元体の拡散係数がリン脂質の添加により大幅に上昇するという極めて稀有な現象を発見した。すなわち、リン脂質は電子メディエーター拡散促進剤として機能することを見出した。このリン脂質の固定化の効果は特に、電子メディエーターがキノン骨格を有する化合物である場合に著しい。リン脂質の代わりに、リン脂質の誘導体や、リン脂質またはその誘導体の重合体を用いても同様な効果を得ることができる。なお、高出力化剤とは、最も一般的に言うと、酵素および電子メディエーターが固定化された電極における反応速度を向上させ、高出力化を図ることができるものである。また、電子メディエーター拡散促進剤とは、最も一般的に言うと、酵素および電子メディエーターが固定化された電極の内部での電子メディエーターの拡散係数を増加させ、あるいは、電極近傍での電子メディエーターの濃度を維持するか上昇させるものである。
この燃料電池の全体構成は必要に応じて選ばれるが、例えば、コイン型またはボタン型の構成とする場合には、好適には、酸化剤が透過可能な構造を有する正極集電体と燃料が透過可能な構造を有する負極集電体との間に形成された空間の内部に、正極、電解質および負極が収納された構造とする。この場合、典型的には、正極集電体および負極集電体の一方の縁が絶縁性の密封部材を介して正極集電体および負極集電体の他方に対してかしめられることで、正極、電解質および負極を収納する空間が形成されるが、これに限定されるものではなく、必要に応じて他の加工方法によりこの空間を形成してもよい。正極集電体と負極集電体とは絶縁性の密封部材により互いに電気的に絶縁される。この絶縁性の密封部材としては、典型的には、シリコーンゴムなどの各種の弾性体からなるガスケットが用いられるが、これに限定されるものではない。これらの正極集電体および負極集電体の平面形状は必要に応じて選ぶことができるが、例えば、円形、楕円形、四角形、六角形などである。典型的には、正極集電体は一つまたは複数の酸化剤供給口を有し、負極集電体は一つまたは複数の燃料供給口を有するが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、正極集電体の材料として酸化剤が透過可能なものを用いたりすることにより酸化剤供給口を形成しないでもよく、負極集電体の材料として燃料が透過可能なものを用いたりすることにより燃料供給口を形成しないでもよい。負極集電体は、典型的には、燃料保持部を有する。この燃料保持部は負極集電体と一体に設けてもよいし、負極集電体に対して着脱自在に設けてもよい。燃料保持部は、典型的には、密閉用の蓋を有する。この場合、この蓋を外して燃料保持部に燃料を注入することができる。密閉用の蓋を用いないで、燃料保持部の側面などから燃料を注入するようにしてもよい。燃料保持部を負極集電体に対して着脱自在に設ける場合には、例えば、燃料保持部として、あらかじめ燃料が充填された燃料タンクや燃料カートリッジなどを取り付けてもよい。これらの燃料タンクや燃料カートリッジは、使い捨て形であってもよいが、資源の有効利用を図る観点より、燃料を充填することができるものが好ましい。また、使用済みの燃料タンクや燃料カートリッジを燃料が充填された燃料タンクや燃料カートリッジと交換してもよい。さらに、例えば、燃料保持部を燃料の供給口および排出口を有する密閉容器状に形成し、この供給口を介して外部から燃料を密閉容器内に連続的に供給することで燃料電池の連続使用が可能である。あるいは、燃料電池に燃料保持部を設けず、開放系の燃料タンクに入れられた燃料の上に燃料電池を負極側が下に、正極側が上になるようにして浮かべた状態で使用してもよい。
この燃料電池は、所定の中心軸の周りに、負極、電解質、正極および酸化剤が透過可能な構造を有する正極集電体が順次設けられており、燃料が透過可能な構造を有する負極集電体が負極と電気的に接続されて設けられている構造としてもよい。この燃料電池において、負極は、断面形状が円、楕円、多角形などの筒状であってもよいし、断面形状が円、楕円、多角形などの柱状であってもよい。負極が筒状である場合、負極集電体は、例えば、負極の内周面側に設けてもよいし、負極と電解質との間に設けてもよいし、負極の少なくとも一端面に設けてもよいし、さらにはこれらの二箇所以上に設けてもよい。また、負極を燃料を保持することができるように構成し、例えば、負極を多孔質材料により形成し、この負極に燃料保持部を兼用させるようにしてもよい。あるいは、所定の中心軸上に柱状の燃料保持部を設けてもよい。この燃料保持部は、例えば、負極集電体が負極の内周面側に設けられる場合、この負極集電体により囲まれる空間そのものであってもよいし、この空間内に負極集電体とは別に設けられる燃料タンクや燃料カートリッジなどの容器であってもよく、この容器は着脱自在でも固定されたものでもよい。燃料保持部は、例えば、円柱状、楕円柱状、四角形、六角形などの多角柱状などであるが、これに限定されるものではない。電解質は、負極および負極集電体の全体を包み込むように袋状の容器に形成するようにしてもよい。こうすることで、燃料保持部に燃料を一杯に入れた場合、この燃料を負極の全体と接触させることができる。この容器のうちの少なくとも正極と負極との間に挟まれた部分を電解質により形成し、その他の部分はこの電解質と異なる材料により形成するようにしてもよい。この容器を燃料の供給口および排出口を有する密閉容器とし、この供給口を介して外部から燃料を容器内に連続的に供給することにより燃料電池の連続使用が可能である。負極としては、好適には、内部に燃料を十分に蓄えることができるようにするために、空隙率が大きいものが好ましく、例えば空隙率が60%以上のものが好ましい。
正極および負極としてペレット電極を用いることもできる。このペレット電極は、カーボン系材料(特に、高導電性・高表面積を有する微細粉末カーボン材料が好ましい)、具体的には、例えば、KB(ケッチェンブラック)などの高導電性を付与したものや、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの機能性カーボン材料などと、必要に応じてバインダー、例えばポリフッ化ビニリデンと、上述の酵素の粉末(あるいは酵素溶液)、補酵素の粉末(あるいは補酵素溶液)、電子メディエーターの粉末(あるいは電子メディエーター溶液)、固定化用のポリマーの粉末(あるいはポリマー溶液)などとを、めのう乳鉢などで混合し、適宜乾燥させたものを所定の形状にプレス加工することなどにより形成することができる。このペレット電極の厚さ(電極厚)も必要に応じて決められるが、一例を挙げると50μm程度である。例えば、コイン型の燃料電池を製造する場合には、上記のペレット電極形成用の材料を錠剤製造機により円形の形状(直径の一例を挙げると15mmであるが、直径はこれに限定されるものではなく、必要に応じて決められる)にプレス加工することによりペレット電極を形成することができる。このペレット電極を形成する場合、所要の電極厚とするためには、例えば、ペレット電極形成用の材料に占めるカーボン量やプレス圧などを制御する。コイン型の電池缶に正極または負極を挿入する場合、例えば、これらの正極または負極と電池缶との間に金属メッシュスペーサーを挿入することでそれらの電気的接触を取るのが好ましい。
ペレット電極の製造方法としては、上記の方法以外に、例えば、カーボン系材料と、必要に応じてバインダーと、酵素固定化成分(酵素、補酵素、電子メディエーター、ポリマーなど)の混合溶液(水系あるいは有機溶媒混合溶液)とを集電体などに適宜塗布し、乾燥させ、全体をプレス加工した後、所望の電極サイズに切り分けるようにしてもよい。
この燃料電池は、およそ電力が必要なもの全てに用いることができ、大きさも問わないが、例えば、電子機器、移動体(自動車、二輪車、航空機、ロケット、宇宙船など)、動力装置、建設機械、工作機械、発電システム、コージェネレーションシステムなどに用いることができ、用途などによって出力、大きさ、形状、燃料の種類などが決められる。
第3の発明は、
ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより少なくとも酵素および電子メディエーターが電極上に固定化された酵素固定化電極であって、
上記ポリイオンコンプレックスにおける上記ポリ−L−リシンと上記ポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0である
ことを特徴とするものである。
第4の発明は、
ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより少なくとも酵素および電子メディエーターが電極上に固定化された酵素固定化電極の製造方法であって、
上記ポリ−L−リシンと上記ポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0である上記ポリイオンコンプレックスにより上記少なくとも酵素および電子メディエーターを上記電極上に固定化するようにした
ことを特徴とするものである。
第3および第4の発明においては、上記以外のことについては、第1および第2の発明に関連して説明したことが成立する。
第5の発明は、
一つまたは複数の燃料電池を用いる電子機器において、
少なくとも一つの上記燃料電池が、
正極と負極とがプロトン伝導体を介して対向した構造を有し、上記正極および/または上記負極が、ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより少なくとも酵素および電子メディエーターが電極上に固定化されたものからなる燃料電池であって、
上記ポリイオンコンプレックスにおける上記ポリ−L−リシンと上記ポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0であるものである
ことを特徴とするものである。
電子機器は、基本的にはどのようなものであってもよく、携帯型のものと据え置き型のものとの双方を含むが、具体例を挙げると、携帯電話、モバイル機器(携帯情報端末機(PDA)など)、ロボット、パーソナルコンピュータ(デスクトップ型、ノート型の双方を含む)、ゲーム機器、カメラ一体型VTR(ビデオテープレコーダ)、車載機器、家庭電気製品、工業製品などである。
第5の発明においては、上記以外のことについては、第1および第2の発明に関連して説明したことが成立する。
上述のように構成されたこの発明においては、ポリイオンコンプレックスにおけるポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0であることにより、酵素および電子メディエーターの溶出、取り分け溶出しやすい電子メディエーターの溶出を防止することができ、酵素および電子メディエーターに加えて補酵素も固定化される場合にはこれらの酵素、補酵素および電子メディエーター、取り分け溶出しやすい補酵素および電子メディエーターの溶出を防止することができる。
この発明によれば、電極に固定化される酵素および電子メディエーターの溶出、取り分け溶出しやすい電子メディエーターの溶出を防止することができ、酵素および電子メディエーターに加えて補酵素も固定化される場合にはこれらの酵素、補酵素および電子メディエーター、取り分け溶出しやすい補酵素および電子メディエーターの溶出を防止することができることにより、電流密度およびその維持率の向上を図ることができ、優れた性能を有する燃料電池を得ることができる。そして、このように優れた燃料電池を用いることにより、高性能の電子機器を実現することができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の第1の実施形態によるバイオ燃料電池を模式的に示す。このバイオ燃料電池では、燃料としてグルコースを用いるものとする。図2は、このバイオ燃料電池の負極の構成の詳細ならびにこの負極に固定化された酵素群の一例およびこの酵素群による電子の受け渡し反応を模式的に示す。
図1に示すように、このバイオ燃料電池は、負極1と正極2とがプロトンのみ伝導する電解質層3を介して対向した構造を有する。負極1は、燃料として供給されたグルコースを酵素により分解し電子を取り出すとともにプロトン(H+ )を発生する。正極2は、負極1から電解質層3を通って輸送されたプロトンと負極1から外部回路を通って送られた電子と例えば空気中の酸素とにより水を生成する。
負極1は、例えば多孔質カーボンなどからなる電極11(図2参照)上に、グルコースの分解に関与する酵素と、グルコースの分解プロセスにおける酸化反応に伴って還元体が生成される補酵素(例えば、NAD+ 、NADP+ など)と、補酵素の還元体(例えば、NADH、NADPHなど)を酸化する補酵素酸化酵素(例えば、ジアホラーゼ)と、補酵素酸化酵素から補酵素の酸化に伴って生じる電子を受け取って電極11に渡す電子メディエーターとが、ポリ−L−リシン(PLL)とポリアクリル酸ナトリウム(PAAcNa)とからなるポリイオンコンプレックスにより固定化されている。ここで、このポリイオンコンプレックスにおけるポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとの質量比は1:0.01〜1.0に選ばれ、ポリ−L−リシンの質量は例えば7.1×10-3mg/mm2 以上3.6×10-2mg/mm2 以下に選ばれる。
グルコースの分解に関与する酵素としては、例えば、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を用いることができる。この酸化酵素を存在させることにより、例えば、β−D−グルコースをD−グルコノ−δ−ラクトンに酸化することができる。
さらに、このD−グルコノ−δ−ラクトンは、グルコノキナーゼとフォスフォグルコネートデヒドロゲナーゼ(PhGDH)との二つの酵素を存在させることにより、2−ケト−6−フォスフォ−D−グルコネートに分解することができる。すなわち、D−グルコノ−δ−ラクトンは、加水分解によりD−グルコネートになり、D−グルコネートは、グルコノキナーゼの存在下、アデノシン三リン酸(ATP)をアデノシン二リン酸(ADP)とリン酸とに加水分解することでリン酸化されて、6−フォスフォ−D−グルコネートになる。この6−フォスフォ−D−グルコネートは、酸化酵素PhGDHの作用により、2−ケト−6−フォスフォ−D−グルコネートに酸化される。
また、グルコースは上記分解プロセスのほかに、糖代謝を利用してCO2 まで分解することもできる。この糖代謝を利用した分解プロセスは、解糖系によるグルコースの分解およびピルビン酸の生成ならびにTCA回路に大別されるが、これらは広く知られた反応系である。
単糖類の分解プロセスにおける酸化反応は、補酵素の還元反応を伴って行われる。この補酵素は作用する酵素によってほぼ定まっており、GDHの場合、補酵素にはNAD+ が用いられる。すなわち、GDHの作用によりβ−D−グルコースがD−グルコノ−δ−ラクトンに酸化されると、NAD+ がNADHに還元され、H+ を発生する。
生成されたNADHは、ジアホラーゼ(DI)の存在下で直ちにNAD+ に酸化され、二つの電子とH+ とを発生する。したがって、グルコース1分子につき1段階の酸化反応で二つの電子と二つのH+ とが生成されることになる。2段階の酸化反応では、合計四つの電子と四つのH+ とが生成される。
上記プロセスで生成された電子はジアホラーゼから電子メディエーターを介して電極11に渡され、H+ は電解質層3を通って正極2へ輸送される。
電子メディエーターは電極11との電子の受け渡しを行うもので、燃料電池の出力電圧は、電子メディエーターの酸化還元電位に依存する。つまり、より高い出力電圧を得るには、負極1側ではよりネガティブな電位の電子メディエーターを選ぶとよいが、電子メディエーターの酵素に対する反応親和性、電極11との電子交換速度、阻害因子(光、酸素など)に対する構造安定性なども考慮しなければならない。このような観点から、負極1に作用する電子メディエーターとしては、2−アミノ−3−カルボキシ−1,4−ナフトキノン(ACNQ)やビタミンK3などが好適である。そのほかに、例えばキノン骨格を有する化合物、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、コバルト(Co)などの金属錯体、ベンジルビオローゲンなどのビオローゲン化合物、ニコチンアミド構造を有する化合物、リボフラビン構造を有する化合物、ヌクレオチド−リン酸構造を有する化合物なども電子メディエーターとして用いることができる。
電解質層3は負極1において発生したH+ を正極2に輸送するプロトン伝導体であり、電子伝導性を持たず、H+ を輸送することが可能な材料により構成されている。この電解質層3は、例えばすでに挙げたものの中から適宜選ばれたものを用いることができる。この場合、この電解質層3には、緩衝液としてイミダゾール環を有する化合物を緩衝物質として含むものが含まれている。このイミダゾール環を有する化合物は、例えばイミダゾールなどの、すでに挙げたものの中から適宜選ぶことができる。この緩衝物質としての、イミダゾール環を有する化合物の濃度は必要に応じて選ばれるが、好適には0.2M以上3M以下の濃度含ませる。こうすることで高い緩衝能を得ることができ、燃料電池の高出力動作時においても、酵素本来の能力を十分に発揮することができる。さらに、イオン強度(I.S.)は、あまり大きすぎても小さすぎても酵素活性に悪影響を与えるが、電気化学応答性も考慮すると、適度なイオン強度、例えば0.3程度であることが好ましい。ただし、pHおよびイオン強度は、用いる酵素それぞれに最適値が存在し、上述した値に限定されない。
図2には、一例として、グルコースの分解に関与する酵素がグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、グルコースの分解プロセスにおける酸化反応に伴って還元体が生成される補酵素がNAD+ 、補酵素の還元体であるNADHを酸化する補酵素酸化酵素がジアホラーゼ(DI)、補酵素酸化酵素から補酵素の酸化に伴って生じる電子を受け取って電極11に渡す電子メディエータがACNQである場合が図示されている。
正極2は、例えば多孔質カーボンなどからなる電極上に酸素還元酵素および電極との間で電子の受け渡しを行う電子メディエーターが固定化されたものである。酸素還元酵素としては、例えば、ビリルビンオキシダーゼ(BOD)、ラッカーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼなどを用いることができる。電子メディエーターとしては、例えばヘキサシアノ鉄酸カリウムの電離により生成されるヘキサシアノ鉄酸イオンを用いることができる。この電子メディエーターは、好適には、十分に高濃度、例えば、平均値で0.64×10-6mol/mm2 以上固定化する。
この正極2においては、酸素還元酵素の存在下で、電解質層3からのH+ と負極1からの電子とにより空気中の酸素を還元し水を生成する。
以上のように構成された燃料電池において、負極1側にグルコースが供給されると、このグルコースが酸化酵素を含む分解酵素により分解される。この単糖類の分解プロセスで酸化酵素が関与することで、負極1側で電子とH+ とを生成することができ、負極1と正極2との間で電流を発生させることができる。
次に、負極1として用いる酵素/補酵素/電子メディエーター固定化電極の単極での電気化学測定を行った結果について説明する。
この酵素/補酵素/電子メディエーター固定化電極は次のようにして作製した。
まず、以下のようにして各種の溶液を調製した。溶液調製用の緩衝溶液としては、100mMリン酸二水素ナトリウム(NaH2 PO4 )緩衝溶液(I.S.=0.3、pH=7.0)を用いた。
・GDH/DI酵素緩衝溶液((1))
DI(EC 1.6.99.天野エンザイム製)を10〜100mg秤量し、上記の緩衝溶液0.2mLに溶解させた(溶液(1)´)。酵素を溶解させる緩衝溶液は直前まで8℃以下に冷蔵されていたものが好ましく、酵素緩衝溶液もできるだけ8℃以下で冷蔵保存しておくことが好ましい。GDH(NAD依存型、EC 1.1.1.47 天野エンザイム製)を5〜30mg秤量し、上記の緩衝溶液0.3mLに溶解させた。この溶液に溶液(1)´を20μL加え、よく混合してGDH/DI酵素緩衝溶液((1))とした。
・NADH緩衝溶液((2))
NADH(シグマアルドリッチ製、N−8129)を50〜100mg秤量し、緩衝溶液0.1mLに溶解させ、NADH緩衝溶液((2))とした。
・ANQアセトン溶液((3))
2−アミノ−1,4−ナフトキノン(ANQ)(合成品)を50〜100mg秤量し、アセトン溶液1mLに溶解させ、ANQアセトン溶液((3))とした。
・PLL水溶液((4))
ポリ−L−リシン臭化水素酸塩(PLL)(Wako製、164−16961)を適量秤量し、2wt%となるようにイオン交換水に溶解させ、PLL水溶液((4))とした。
・PAAcNa水溶液((5))
ポリアクリル酸ナトリウム(PAAcNa)(アルドリッチ製、041−00595)を適量秤量し、0.022wt%となるようにイオン交換水に溶解させ、PAAcNa水溶液((5))とした。
上記のようにして作製した溶液(1)〜(3)を下記の量ずつ採取して混合し、この混合液をマイクロシリンジを用いてグラッシーカーボン電極(BAS社製、直径3mmの電極部の周囲に厚さ1.5mmのプラスチックが形成された直径6mmのもの)上に塗布した後、適宜乾燥を行い、酵素/補酵素/電子メディエーター塗布電極を作製した。
GDH/DI酵素緩衝溶液(1):8μL
NADH緩衝溶液(2):2μL
ANQアセトン溶液(3):20μL
上記の酵素/補酵素/電子メディエーター塗布電極上にPLL水溶液(4)およびPAAcNa水溶液(5)を下記の量塗布した後、適宜乾燥を行い、酵素/補酵素/電子メディエーター固定化電極を作製した。
PLL水溶液(4):10μL(PLLの総質量は0.2mgで単位面積当たりの質量は7.1×10-3mg/mm2
PAAcNa水溶液(5):12μL(PAAcNaの総質量は0.003mgで単位面積当たりの質量は1.1×10-4mg/mm2
さらに、PLLおよびPAAcNaの質量を上記の基準量の2倍、3倍、4倍、5倍に変えて酵素/補酵素/電子メディエーター固定化電極を作製した。
こうして作製した酵素/補酵素/電子メディエーター固定化電極を、測定溶液を用い、参照電極Ag|AgClに対して、0.1Vと電子メディエーターの酸化還元電位より十分高い電位に設定し、クロノアンペロメトリーを行った。測定溶液としては、2Mのイミダゾール緩衝液(pH7.0)に燃料のグルコースを濃度が0.4Mとなるように溶解させたものを用いた。クロノアンペロメトリーを3600秒間行った後の電流の測定結果を図3に示す。
図3から分かるように、ポリイオンコンプレックスにより酵素、補酵素および電子メディエーターを固定化していない電極を用いた場合には、3600秒後の電流は約26μAに過ぎないが、ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.015であるポリイオンコンプレックスにより酵素、補酵素および電子メディエーターを固定化し、このポリイオンコンプレックスの固定化量を基準量からその5倍の範囲とした場合には、3600秒後でも約40μA以上の電流密度が得られており、高い電流密度およびその維持率が得られていることが分かる。取り分け、ポリイオンコンプレックスの固定化量を基準量の約2.5〜4倍とすることにより特に高い電流密度およびその維持率が得られる。
次に、バイオ燃料電池の具体的な構造例について説明する。
図4AおよびBに示すように、このバイオ燃料電池は、0.25cm2 のカーボンフェルトに酵素、補酵素および電子メディエータをポリイオンコンプレックスで固定化した酵素/補酵素/電子メディエーター固定化カーボン電極からなる負極1と、0.25cm2 のカーボンフェルト上に酵素および電子メディエーターを固定化材で固定化した酵素/電子メディエーター固定化カーボン電極からなる正極2とが、緩衝物質を含む電解質層3を介して対向した構成を有している。この場合、正極2の下および負極1の上にそれぞれTi集電体41、42が置かれ、集電を容易に行うことができるようになっている。符号43、44は固定板を示す。これらの固定板43、44はねじ45により相互に締結され、それらの間に、正極2、負極1、電解質層3およびTi集電体43、44の全体が挟み込まれている。固定板43の一方の面(外側の面)には空気取り込み用の円形の凹部43aが設けられ、この凹部43aの底面に他方の面まで貫通した多数の穴43bが設けられている。これらの穴43bは正極2への空気の供給路となる。一方、固定板44の一方の面(外側の面)には燃料装填用の円形の凹部44aが設けられ、この凹部44aの底面に他方の面まで貫通した多数の穴44bが設けられている。これらの穴44bは負極1への燃料の供給路となる。この固定板44の他方の面の周辺部にはスペーサー46が設けられており、固定板43、44をねじ45により相互に締結したときにそれらの間隔が所定の間隔になるようになっている。
図4Bに示すように、Ti集電体41、42の間に負荷47を接続し、固定板44の凹部44aに燃料として例えばリン酸緩衝液にグルコースを溶かしたグルコース溶液を入れて発電を行う。
この第1の実施形態によれば、ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0、ポリ−L−リシンの質量が例えば7.1×10-3mg/mm2 以上3.6×10-2mg/mm2 以下のポリイオンコンプレックスにより電極11上に酵素、補酵素および電子メディエーターを固定化したものを負極1として用いていることにより、電流密度およびその維持率が高い高性能のバイオ燃料電池を実現することができる。このバイオ燃料電池は、各種の電子機器、移動体、発電システムなどの電源に適用して好適なものである。
次に、この発明の第2の実施形態によるバイオ燃料電池について説明する。
図5A、BおよびCならびに図6はこのバイオ燃料電池を示し、図5A、BおよびCはこのバイオ燃料電池の上面図、断面図および裏面図、図6はこのバイオ燃料電池の各構成要素を分解して示す分解斜視図である。
図5A、BおよびCならびに図6に示すように、このバイオ燃料電池においては、正極集電体51と負極集電体52との間に形成された空間の内部に、正極2、電解質層3および負極1が、その上下を正極集電体51と負極集電体52とにより挟まれて収納されている。これらの正極集電体51、負極集電体52、正極2、電解質層3および負極1の隣同士のものは互いに密着している。この場合、これらの正極集電体51、負極集電体52、正極2、電解質層3および負極1は円形の平面形状を有し、このバイオ燃料電池の全体も円形の平面形状を有する。
正極集電体51は、正極2で発生した電流を集めるためのものであり、この正極集電体51から外部に電流が取り出される。また、負極集電体52は、負極1で発生した電流を集めるためのものである。これらの正極集電体51および負極集電体52は、一般的には、金属や合金などにより形成されるが、これに限定されるものではない。正極集電体51は偏平でほぼ円筒状の形状を有する。負極集電体52も偏平でほぼ円筒状の形状を有する。そして、正極集電体51の外周部51aの縁が、例えばシリコーンゴムなどの絶縁性の材料からなるリング状のガスケット56aおよび例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのリング状の疎水性樹脂56bを介して負極集電体52の外周部52aに対してかしめられることにより、正極2、電解質層3および負極1を収納する空間が形成されている。疎水性樹脂56bは正極2、正極集電体51およびガスケット56aにより囲まれた空間に、これらの正極2、正極集電体51およびガスケット56aに密着した状態で設けられている。この疎水性樹脂56bにより、燃料の正極2側への過剰な染み込みを効果的に抑制することができる。電解質層3の端部は正極2および負極1の外側に延在しており、ガスケット56aと疎水性樹脂56bとの間に挟まれている。正極集電体51は、その底面の全面に複数の酸化剤供給口51bを有し、これらの酸化剤供給口51bの内部に正極2が露出している。図5Cおよび図6には13個の円形の酸化剤供給口51bが図示されているが、これは一例に過ぎず、酸化剤供給口51bの個数、形状、大きさおよび配置とも適宜選ぶことができる。負極集電体52も、その上面の全面に複数の燃料供給口52bを有し、これらの燃料供給口52bの内部に負極1が露出している。図6には7個の円形の燃料供給口52bが図示されているが、これは一例に過ぎず、燃料供給口52bの個数、形状、大きさおよび配置とも適宜選ぶことができる。
負極集電体52は負極1と反対側の面に円筒形状の燃料タンク57を有する。この燃料タンク57は負極集電体52と一体に形成されている。この燃料タンク57の中に、使用する燃料(図示せず)、例えば、グルコース溶液やこれにさらに電解質を加えたものなどが入れられる。この燃料タンク57には円筒形状の蓋58が取り外し可能に取り付けられている。この蓋58は、例えば、燃料タンク57に嵌め込まれ、あるいは、ねじ止めされるようになっている。この蓋58の中央部には円形の燃料供給口58aが形成されている。この燃料供給口58aは、例えば、図示省略した密封シールを貼り付けたりすることなどにより密封される。
このバイオ燃料電池の上記以外の構成は、その性質に反しない限り、第1の実施形態と同様である。
次に、このバイオ燃料電池の製造方法の一例について説明する。この製造方法を図7A〜Dに示す。
図7Aに示すように、まず、一端が開放した円筒形状の正極集電体51を用意する。この正極集電体51の底面の全面には複数の酸化剤供給口51bが形成されている。この正極集電体51の内部の底面の外周部の上にリング状の疎水性樹脂56bを載せ、この底面の中央部の上に、正極2、電解質層3および負極1を順次重ねる。
一方、図7Bに示すように、一端が開放した円筒形状の負極集電体52上に円筒形状の燃料タンク57を一体に形成したものを用意する。この負極集電体52には全面に複数の燃料供給口52bが形成されている。この負極集電体52の外周面の縁にU字状の断面形状のガスケット56aを取り付ける。そして、この負極集電体52をその開放部側を下にして負極1の上にかぶせ、正極集電体51とこの負極集電体52との間に、正極2、電解質層3および負極1を挟む。
次に、図7Cに示すように、こうして正極集電体51と負極集電体52との間に正極2、電解質層3および負極1を挟んだものを、かしめ機の台61の上に載せ、押圧部材62により負極集電体52を押圧して正極集電体51、正極2、電解質層3、負極1および負極集電体52の隣同士を互いに密着させ、この状態でかしめ具63を下降させて正極集電体51の外周部51bの縁をガスケット56aおよび疎水性樹脂56bを介して負極集電体52の外周部52bに対してかしめる。このかしめを行う際には、ガスケット56aが徐々に潰れて正極集電体51とガスケット56aとの間および負極集電体52とガスケット56aとの間に隙間ができないようにする。また、この際、疎水性樹脂56bも徐々に圧縮されて正極2、正極集電体51およびガスケット56aと密着するようにする。こうすることで、正極集電体51と負極集電体52とがガスケット56aにより互いに電気的に絶縁された状態でそれらの内部に、正極2、電解質層3および負極1を収納する空間が形成される。この後、かしめ具63を上昇させる。
こうして、図7Dに示すように、正極集電体51と負極集電体52との間に形成された空間の内部に正極2、電解質層3および負極1が収納されたバイオ燃料電池が製造される。
次に、燃料タンク57に蓋58を取り付け、この蓋58の燃料供給口58aより燃料および電解質を注入した後、この燃料供給口58aを密封シールを貼り付けたりすることにより閉じる。ただし、燃料および電解質は、図7Bに示す工程で燃料タンク57に注入してもよい。
このバイオ燃料電池においては、燃料タンク57に入れる燃料として例えばグルコース溶液を用いる場合、負極1は、供給されたグルコースを酵素により分解して電子を取り出すとともに、H+ を発生する。正極2は、負極1からそれぞれ電解質層3を通って輸送されたH+ と負極1から外部回路を通って送られた電子と例えば空気中の酸素とにより水を生成する。そして、正極集電体51と負極集電体52との間に出力電圧が得られる。
図8に示すように、このバイオ燃料電池の正極集電体51および負極集電体52にそれぞれメッシュ電極71、72を形成してもよい。この場合、メッシュ電極71の穴を通して外部の空気が正極集電体51の酸化剤供給口51bに入り、メッシュ電極72の穴を通って燃料が蓋58の燃料供給口58aから燃料タンク57に入る。
図9は2個のバイオ燃料電池を直列接続した場合を示す。この場合、一方のバイオ燃料電池(図中、上のバイオ燃料電池)の正極集電体51と他方のバイオ燃料電池(図中、下のバイオ燃料電池)の蓋58との間にメッシュ電極73を挟む。この場合、メッシュ電極73の穴を通って外部の空気が正極集電体51の酸化剤供給口51bに入るようになっている。燃料の供給は燃料供給システムを用いて行うことも可能である。
図10は2個のバイオ燃料電池を並列接続した場合を示す。この場合、一方のバイオ燃料電池(図中、上のバイオ燃料電池)の燃料タンク57と他方のバイオ燃料電池(図中、下のバイオ燃料電池)の燃料タンク57とをそれらの蓋58の燃料供給口58a同士が一致するように互いに接触させ、これらの燃料タンク57の側面から電極74を引き出す。また、上記一方のバイオ燃料電池の正極集電体51と上記他方のバイオ燃料電池の正極集電体51とにそれぞれメッシュ電極75、76を形成する。これらのメッシュ電極75、76は互いに接続する。メッシュ電極75、76の穴を通って外部の空気が正極集電体51の酸化剤供給口51bに入る。
この第2の実施形態によれば、燃料タンク57を除くとコイン型またはボタン型のバイオ燃料電池において、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。また、このバイオ燃料電池においては、正極集電体51と負極集電体52との間に正極2、電解質層3および負極1を挟み、正極集電体51の外周部51aの縁をガスケット56を介して負極集電体52の外周部52aに対してかしめることにより、このバイオ燃料電池では、各構成要素同士を均一に密着させることができるので、出力のばらつきを防止することができるとともに、各構成要素間の界面から燃料や電解質などの電池溶液が漏液するのを防止することができる。また、このバイオ燃料電池は製造工程が簡単である。また、このバイオ燃料電池は小型化が容易である。さらに、このバイオ燃料電池は、燃料としてグルコース溶液やデンプンを用い、使用する電解質のpHを7付近(中性)に選ぶことにより、万が一、燃料や電解質が外部に漏れても、安全である。
また、現在実用化されている空気電池では燃料および電解質を製造時に添加する必要があり、製造後に添加することは困難であるのに対し、このバイオ燃料電池では、製造後に燃料および電解質を添加することが可能であるので、バイオ燃料電池は現在実用化されている空気電池に比べて製造が容易である。
次に、この発明の第3の実施形態によるバイオ燃料電池について説明する。
図11に示すように、この第3の実施形態においては、第2の実施形態によるバイオ燃料電池から、負極集電体52に一体に設けられた燃料タンク57を取り除き、さらに正極集電体51および負極集電体52にそれぞれメッシュ電極71、72を形成したものを用い、開放系の燃料タンク57に入れられた燃料57aの上にこのバイオ燃料電池を負極1側が下に、正極2側が上になるようにして浮かべた状態で使用する。
この第3の実施形態の上記以外のことは、その性質に反しない限り、第1および第2の実施形態と同様である。
この第3の実施形態によれば、第1および第2の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第4の実施形態によるバイオ燃料電池について説明する。第2の実施形態によるバイオ燃料電池がコイン型またはボタン型であるのに対し、このバイオ燃料電池は円筒型である。
図12AおよびBならびに図13はこのバイオ燃料電池を示し、図12Aはこのバイオ燃料電池の正面図、図12Bはこのバイオ燃料電池の縦断面図、図13はこのバイオ燃料電池の各構成要素を分解して示す分解斜視図である。
図12AおよびBならびに図13に示すように、このバイオ燃料電池においては、円柱状の燃料保持部77の外周に、それぞれ円筒状の負極集電体52、負極1、電解質層3、正極2および正極集電体51が順次設けられている。この場合、燃料保持部77は、円筒状の負極集電体52により囲まれた空間からなる。この燃料保持部77の一端は外部に突き出ており、この一端には蓋78が取り付けられている。図示は省略するが、燃料保持部77の外周の負極集電体52にはその面の全体に複数の燃料供給口52bが形成されている。また、電解質層3は負極1および負極集電体52を包む袋状になっている。電解質層3と燃料保持部77の一端の負極集電体52との間の部分は例えばシール部材(図示せず)などによりシールされており、この部分から燃料が外部に漏れないようになっている。
このバイオ燃料電池においては、燃料保持部77に燃料および電解質を入れる。これらの燃料および電解質は負極集電体52の燃料供給口52bを通って負極1に到達し、この負極1の空隙部に浸透することにより、この負極1の内部に蓄えられるようになっている。負極1の内部に蓄えることができる燃料の量を多くするためには、負極1の空隙率は例えば60%以上とすることが望ましいが、これに限定されるものではない。
このバイオ燃料電池においては、耐久性向上のために、正極集電体51の外周面に気液分離層を設けてもよい。この気液分離層の材料としては、例えば、防水性透湿性素材(ポリテトラフルオロエチレンを延伸加工したフィルムとポリウレタンポリマーとを複合化した素材)(例えば、WLゴア&アソシエイツ社製のゴアテックス(商品名))を用いる。このバイオ燃料電池の各構成要素同士を均一に密着させるために、好適には、この気液分離層の外側または内側に、外部から空気が透過可能な網目構造を有する伸縮性ゴム(バンド状でもシート状でも可)を巻き付けてこのバイオ燃料電池の構成要素の全体を締め付ける。
この第4の実施形態の上記以外のことは、その性質に反しない限り、第1および第2の実施形態と同様である。
この第4の実施形態によれば、第1および第2の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第5の実施形態によるバイオ燃料電池について説明する。
このバイオ燃料電池においては、燃料として、多糖類であるデンプンを用いる。また、デンプンを燃料に用いることに伴い、負極1にデンプンをグルコースに分解する分解酵素であるグルコアミラーゼも固定化する。
このバイオ燃料電池においては、負極1側に燃料としてデンプンが供給されると、このデンプンがグルコアミラーゼによりグルコースに加水分解され、さらにこのグルコースがグルコースデヒドロゲナーゼにより分解され、この分解プロセスにおける酸化反応に伴ってNAD+ が還元されてNADHが生成され、このNADHがジアホラーゼにより酸化されて2個の電子とNAD+ とH+ とに分離する。したがって、グルコース1分子につき1段階の酸化反応で2個の電子と2個のH+ とが生成される。2段階の酸化反応では合計4個の電子と4個のH+ とが生成される。こうして発生する電子は負極1の電極11に渡され、H+ は電解質層3を通って正極2まで移動する。正極2では、このH+ が、外部から供給された酸素および負極1から外部回路を通って送られた電子と反応してH2 Oを生成する。
上記以外のことは第1の実施形態によるバイオ燃料電池と同様である。
この第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができるほか、デンプンを燃料に用いていることにより、グルコースを燃料に用いる場合に比べて発電量を増加させることができるという利点を得ることができる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値、構造、構成、形状、材料などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、構成、形状、材料などを用いてもよい。
この発明の第1の実施形態によるバイオ燃料電池を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態によるバイオ燃料電池の負極の構成の詳細ならびにこの負極に固定化された酵素群の一例およびこの酵素群による電子の受け渡し反応を模式的に示す略線図である。 この発明の第1の実施形態によるバイオ燃料電池の評価のために行ったクロノアンペロメトリーの結果を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態によるバイオ燃料電池の具体的な構成例を示す略線図である。 この発明の第2の実施形態によるバイオ燃料電池を示す上面図、断面図および裏面図である。 この発明の第2の実施形態によるバイオ燃料電池を示す分解斜視図である。 この発明の第2の実施形態によるバイオ燃料電池の製造方法を説明するための略線図である。 この発明の第2の実施形態によるバイオ燃料電池の使用方法の第1の例を説明するための略線図である。 この発明の第2の実施形態によるバイオ燃料電池の使用方法の第2の例を説明するための略線図である。 この発明の第2の実施形態によるバイオ燃料電池の使用方法の第3の例を説明するための略線図である。 この発明の第3の実施形態によるバイオ燃料電池およびその使用方法を示す略線図である。 この発明の第4の実施形態によるバイオ燃料電池を示す正面図および縦断面図である。 この発明の第4の実施形態によるバイオ燃料電池を示す分解斜視図である。
符号の説明
1…負極、2…正極、3…電解質層、11…電極、41、42…Ti集電体、43、44…固定板、47…負荷、51…正極集電体、51b…酸化剤供給口、52…負極集電体、52b…燃料供給口、56a…ガスケット、56b…疎水性樹脂、57…燃料タンク、58…蓋、71、72、73…メッシュ電極、77…燃料保持部、78…蓋

Claims (13)

  1. 正極と負極とがプロトン伝導体を介して対向した構造を有し、上記正極および/または上記負極が、ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより少なくとも酵素および電子メディエーターが電極上に固定化されたものからなる燃料電池であって、
    上記ポリイオンコンプレックスにおける上記ポリ−L−リシンと上記ポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0である
    ことを特徴とする燃料電池。
  2. 上記ポリ−L−リシンの質量が7.1×10-3mg/mm2 以上3.6×10-2mg/mm2 以下であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 上記プロトン伝導体が緩衝物質としてイミダゾール化合物を含む電解質からなることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  4. 上記負極が、上記ポリイオンコンプレックスにより酵素、補酵素および電子メディエーターが電極上に固定化されたものからなることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  5. 上記酵素が、単糖類の酸化を促進し分解する酸化酵素を含むことを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  6. 上記酵素が、上記単糖類の酸化に伴って還元された補酵素を酸化体に戻すとともに電子メディエーターを介して電子を上記負極に渡す補酵素酸化酵素を含むことを特徴とする請求項5記載の燃料電池。
  7. 上記補酵素の酸化体がNAD+ であり、上記補酵素酸化酵素がジアホラーゼであることを特徴とする請求項6記載の燃料電池。
  8. 上記酸化酵素がNAD+ 依存型グルコースデヒドロゲナーゼであることを特徴とする請求項5記載の燃料電池。
  9. 正極と負極とがプロトン伝導体を介して対向した構造を有し、上記正極および/または上記負極が、ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより少なくとも酵素および電子メディエーターが電極上に固定化されたものからなる燃料電池の製造方法であって、
    上記ポリ−L−リシンと上記ポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0である上記ポリイオンコンプレックスにより上記少なくとも酵素および電子メディエーターを上記電極上に固定化するようにした
    ことを特徴とする燃料電池の製造方法。
  10. 上記ポリ−L−リシンを含む水溶液および上記ポリアクリル酸ナトリウムを含む水溶液を上記電極上に塗布することにより上記ポリイオンコンプレックスを形成するようにしたことを特徴とする請求項9記載の燃料電池の製造方法。
  11. ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより少なくとも酵素および電子メディエーターが電極上に固定化された酵素固定化電極であって、
    上記ポリイオンコンプレックスにおける上記ポリ−L−リシンと上記ポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0である
    ことを特徴とする酵素固定化電極。
  12. ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより少なくとも酵素および電子メディエーターが電極上に固定化された酵素固定化電極の製造方法であって、
    上記ポリ−L−リシンと上記ポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0である上記ポリイオンコンプレックスにより上記少なくとも酵素および電子メディエーターを上記電極上に固定化するようにした
    ことを特徴とする酵素固定化電極の製造方法。
  13. 一つまたは複数の燃料電池を用いる電子機器において、
    少なくとも一つの上記燃料電池が、
    正極と負極とがプロトン伝導体を介して対向した構造を有し、上記正極および/または上記負極が、ポリ−L−リシンとポリアクリル酸ナトリウムとからなるポリイオンコンプレックスにより少なくとも酵素および電子メディエーターが電極上に固定化されたものからなる燃料電池であって、
    上記ポリイオンコンプレックスにおける上記ポリ−L−リシンと上記ポリアクリル酸ナトリウムとの質量比が1:0.01〜1.0であるものである
    ことを特徴とする電子機器。
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