JP2010516017A - バイオアノード及びバイオカソードのスタックアセンブリ - Google Patents

バイオアノード及びバイオカソードのスタックアセンブリ Download PDF

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Abstract

電流を発生させるためのバイオ燃料電池デバイスであって、当該バイオ燃料電池デバイスは、燃料マニホールドを有し、該燃料マニホールドは、ある面と、当該面にあり燃料容器を規定する少なくとも一つのキャビティと、燃料流体をマニホールドへ供給し上記容器を充填するための、上記容器と流体的に接続された入口と、上記マニホールドから燃料流体を放出するための、上記容器と流体的に接続された出口と、を有する。上記デバイスは、アノードアセンブリを有し、該アノードアセンブリは、上記燃料容器において燃料流体と接触するよう配置された少なくとも一つのバイオアノードを備える。上記カソードアセンブリは、燃料流体をバイオアノードを介してカソードへ流れるように配置された少なくとも一つのカソードを備える。当該デバイスは、バイオ燃料電池デバイスからの電流の出力を制御するため、アノードアセンブリ及びカソードアセンブリに操作可能に接続されたコントローラーを含む。

Description

本発明は、概して、生体酵素ベースの燃料電池(バイオ燃料電池として知られている)及びそれらの製造方法及び使用に関する。より詳細には、本発明は、バイオアノード、バイオアノードスタック、バイオカソード及びそれらの製造方法並びに使用に関する。
バイオ燃料電池は、生きた細胞及び/又は酵素の触媒活性により、化学反応から取り出されたエネルギーを電気エネルギーに変換する電気化学的装置である。バイオ燃料電池は、概して、アノードにおいて複雑な分子を用いることにより、酸素を還元し水とするのに必要とされる水素イオンを発生させ、他方、電気製品において使用される自由電子を発生させる。バイオアノードは、バイオ燃料電池の電極のうち、燃料の酸化の際電子を放出する電極である。また、バイオカソードは、上記アノードからの電子及びプロトンが触媒により消費され過酸化物若しくは酸素を還元し水が生成される電極である。
バイオ燃料電池は、電気化学的反応を触媒するために使用される材料である点で従来の燃料電池と異なる。バイオ燃料電池は、触媒として貴金属を用いるのではなく、電気化学的反応を達成するため、酵素等の生物学的分子に依拠する。
本発明には、電流を発生させるためのバイオ燃料電池デバイスであって、燃料マニホールド、アノードアセンブリ、カソードアセンブリ、ハウジング、及びコントローラーを含んでなるバイオ燃料電池デバイスが含まれる。当該燃料マニホールドは、ある面と、当該面に存し燃料容器を規定する少なくとも一つのキャビティと、上記容器を充填するため上記燃料流体を上記マニホールドに供給するための入口と、燃料流体をマニホールドから放出するための出口と、を備える。上記アノードアセンブリは、上記燃料容器において燃料流体と接触するよう配置された少なくとも一つのバイオアノードを備える。上記カソードアセンブリは、燃料流体をバイオアノードを介してカソードへ流れるように配置された少なくとも一つのカソードを備える。上記ハウジングは、上記マニホールド、アノードアセンブリ、及びカソードアセンブリを囲む。上記コントローラーは、バイオ燃料電池デバイスからの電流のアウトプットを制御する。
別の発明は、負荷(load)に電力を供給するためのバイオ燃料電池であって、規定されたオペレーティングモードにしたがって燃料電池のアウトプットを制御するためのコントローラーと、上記燃料電池と上記負荷との間に配置されたスイッチ回路と、を備え、上記スイッチ回路は、オペレーティングモードにしたがって、上記燃料電池の、上記負荷への接続、及び上記燃料電池の上記負荷から切断を交互に行うため、上記コントローラーと応答可能である。
さらに別の発明は、電力を負荷に供給するためのバイオ燃料電池であって、少なくとも一つの燃料電池と、規定されたオペレーティングモードにしたがって、上記燃料電池のアウトプットを制御するためのコントローラーと、上記コントローラーに対して応答可能な補助電源回路と、を備え、当該補助電源回路は、上記燃料電池のアウトプットと上記補助電源回路とを選択的に接続し、それにより上記バイオ燃料電池デバイスにより上記負荷に供給される電力を補完する。
さらにまた別の発明は、電力を負荷に供給するためのバイオ燃料電池デバイスであって、電気的に連続して接続された複数の燃料電池と、規定された複数のオペレーティングモードの少なくとも一つにしたがって、各燃料電池のアウトプットを制御するためのコントローラーと、上記複数の燃料電池と上記負荷との間に配置されたスイッチ回路と、を備え、上記スイッチ回路は、上記オペレーティングモードにしたがって、上記1以上の燃料電池に上記負荷を選択的に接続するため上記コントローラーに応答可能であることを特徴とする。
さらに別の発明は、バイオ燃料電池デバイスの1以上の燃料電池のアウトプットを電気的に調整する方法であって、上記バイオ燃料電池デバイスは、電力を負荷に供給するために適用され、当該方法は、上記燃料電池と上記負荷との間のスイッチ回路を電気的に接続する工程と、規定された複数のオペレーティングモードの少なくとも1つにしたがって、1以上の燃料電池を上記負荷に選択的に接続するため上記スイッチ回路をオペレートする工程と、を備える方法である。
さらに別の発明は、空気に対して透過性を有し、燃料流体に対して透過性を有しない、電気伝導性材料の第1領域と、上記燃料流体及び上記空気に対して透過性を有する、電気伝導性材料の第2領域と、上記燃料流体及び上記空気の両方に接触することが可能な卑金属触媒と、を備える電極である。電極を含む吸気性半電池は、室温、電極ポテンシャル0.4V、及び10mg/cmの触媒積載でオペレートした場合、少なくとも、約16、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80mA/cm若しくはそれ以上の電流密度を発生させる。
さらに別の発明は、電気導電体と、選択的に酸素を還元して水を生成することができる少なくとも1つの卑金属触媒と、を備える熱処理電極である。電極を含む吸気性半電池は、室温、電極ポテンシャル0.4V、及び10mg/cmの触媒積載でオペレートした場合、少なくとも、約16、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80mA/cm若しくはそれ以上の電流密度を発生させる。
さらに別の発明は、電気導電体と、酸化剤と反応して水を生成する少なくとも1つのカソード酵素と、上記酵素を固定化及び安定化することができ、上記酸化剤に対して透過性を有する酵素固定化材料と、を備えるバイオカソードである。さらに、上記電気導電体には、機能化マルチウォールカーボンナノチューブ、活性化されたカーボンベース材料、若しくはこれらを組み合わせたものが含まれる。
さらに別の発明は、コバルト(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25-ヘキサデカフルオロ-29H,31H-フタロシアニン(CoPcF)と、ポリピロールと、を有する触媒である。上記CoPcF及びポリピロールは、熱処理され、コバルト金属元素とポリピロールの窒素元素との相互作用を増加させる。
さらに別の発明は、固定化された酵素により被覆されたコアを含む粒子であって、当該酵素は、固定化材料に固定化され、固定化及びコーティング前の最初の活性に比して、少なくとも約0.65,0.7,0.75,0.8,0.85,0.9,0.95以上の活性を有する。
さらに別の発明は、固定化された酵素により被覆されたコアを含む粒子であって、当該酵素は、固定化材料に固定化され、そして化学変化を連続的に触媒する際少なくとも7日間の最初の触媒活性の少なくとも約75%を保持する。様々な好ましい実施の形態において、当該酵素は、化学変化を連続的に触媒する際少なくとも30日間最初の触媒活性の少なくとも約75%を保持する。
さらに別の発明は、固定化されたオルガネラでコーティングされたコアを含む粒子である。当該オルガネラは、固定化材料に固定されている。
さらに別の発明は、固定化された酵素若しくはオルガネラでコーティングされた粒子を調製するためのプロセスであって、酵素若しくはオルガネラを含有する溶液を、少なくとも一つのコア粒子、固定化材料、液体溶媒を含む懸濁液と、を混合し、混合物を作製する工程を含むプロセスである。その後、当該混合物をスプレイドライする。
さらに別の発明は、酵素固定化材料に固定化された酵素であって、それぞれの酵素は、スターチ消費アミラーゼであり、上記酵素固定化材料はt-アミルアルコールに懸濁されたブチルキトサンであり、また酵素はマルトース消費アミラーゼ、そして酵素固定化材料は中重量のデシル修飾キトサンである。
さらに別の発明は、電子を移動させるための高表面領域を有する第1電気伝導性材料と、電子伝導体を支持する第2電気伝導性材料と、バインダーと、を含んでなるモノレイヤーを含む自立型電子伝導体である。電子伝導体が自立性を有するように、電子伝導体に対して十分な強度を与えるため、上記電子伝導体における、上記第2電気伝導性材料の、上記第1電気伝導性材料に対する質量比を少なくとも0.5:1とする。様々な好ましい実施の形態において、上記電子伝導体における、第2電気伝導性材料の、第1電気伝導性材料に対する質量比は、1:1である。
図1は、本発明の燃料電池デバイスの概略図である。 図2は、本発明の燃料電池デバイスの斜視図である。 図3は、図2のデバイスの分解斜視図である。 図4は、図2のデバイスの燃料マニホールドの部分斜視図である。 図5は、上記マニホールドの正面図である。 図6は、図5の6−6ラインに沿った燃料マニホールドの断面図である。 図7は、図2のデバイスのアノードアセンブリの正面図である。 図8は、図7のアノードアセンブリの分解斜視図である。 図9は、図7の9−9ラインに沿ったアノードアセンブリの断面図である。 図10は、図2のデバイスのカソードアセンブリの正面図である。 図11は、図10のカソードアセンブリの分解斜視図である。 図12は、図10の12−12ラインに沿ったカソードアセンブリの断面図である。 図13は、本発明の燃料電池デバイスのハウジング部の斜視図である。 図14は、燃料電池デバイスの概略図である。 図15は、燃料電池デバイスのコントローラーの概略図である。 図16は、ユーザーインプットを入手するための典型的なユーザーインターフェースを示しており、これは、8つの燃料電池デバイスについてモードをデザイン及びシミュレートする。 図17は、ユーザーインプットを入手するための典型的なユーザーインターフェースを示しており、これは、8つの燃料電池デバイスについてモードをデザイン及びシミュレートする。 図18は、燃料電池デバイスのエレクトロニクスアセンブリの斜視図である。 図19は、本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池の分解斜視図である。 図20は、図19のデバイスの燃料マニホールドの斜視図である。 図21は、図19のアノードアセンブリの分解斜視図である。 図22は、空気については透過性を有し燃料流体については透過性を有さない、電気伝導性材料の第1領域と、上記燃料流体及び上記空気に対して透過性を有する、電気伝導性材料の第2領域と、上記燃料流体及び上記空気の両方に接触することが可能な触媒と、を備える電極の概略図である。当該電極は、吸気性半電池の作用電極(WE)であり、当該作用電極(WE)は、第1領域、第2領域、及び触媒のラベルが付された領域を含む。当該半電池は、上記作用電極近くに配置された参照電極(RE)と、好ましくは貴金属メッシュ若しくはカーボンシートの対極(CE)と、を含む。 図23は、非対称細孔分布を有する電子伝導体である。 図24は、NAD依存型GDHバイオ燃料電池スタックに関する経過を示した分極及び電力曲線である。 図25は、NAD依存型ADHアノードの性能に対する影響につき、2つのカーボンガス拡散層材料(ここで記載したように調製された片面のエラートとガス拡散層(GDL))と、2つの集電材料(AuプレートSSとニッケル)とを比較した曲線である。 図26は、様々な材料のカーボンサポート(ガス拡散層)材料の特性と、NAD依存型ADHアノードの性能に対する影響とを比較するための曲線である。 図27は、6つのタイプのADH酵素及び商業的に入手可能なADH(NAD依存型)を比較した曲線である。 図28は、電力密度15mW/cmを示す単一の半電池アノード(1cm)の電力曲線である。 図29Aは、PQQ依存型ADHバイオ燃料電池スタック性能に関する経過を示した分極及び電力曲線である。 図29Bは、PQQ依存型ADHバイオ燃料電池スタック性能に関する経過を示した分極及び電力曲線である。 図30Aは、PQQ依存型ADHバイオ燃料電池スタック性能に関する経過を示した分極及び電力曲線である。 図30Bは、PQQ依存型ADHバイオ燃料電池スタック性能に関する経過を示した分極及び電力曲線である。 図31は、1M硫酸溶液における吸気性カソードの分極を示している。プラチナブラック(ジョンソンマーシー)を、触媒層において、10%ナフィオンで5mg/cmの載積量でテフロン処理カーボンクロス(E−Tek)上にコートした。CoPcFCPPyを、触媒層において、30%ナフィオンで10mg/cmの載積量で、1:10(PTA:CoPcFCPPy)の比率で、テフロン処理されたカーボンクロス(E−Tek)上にコートした(リンタングステン酸(PTA)を含んでいてもよいし若しくは含まなくてもよい)。スキャンレートは2mV/sであった。 図32は、15若しくは30%エタノールを含む1M硫酸溶液における、カソード電極の分極曲線である。上述のように調製されたCoPcFCPPyを、触媒層において、30%ナフィオンで10mg/cmの積載量でトレイカーボンペーパー上にコートした。スキャンレートは、2mV/sであった。 図33は、15%エタノールを含む1M硫酸溶液における吸気性カソードの分極曲線である。実施例7のように調製したCoPcFCPPyは、触媒層において、30%ナフィオンで10mg/cmの積載量で、テフロン処理されたカーボンクロス(E−Tek)上にコートした。 図34は、5%エタノールを含む1M硫酸溶液における、0.4Vでの時間依存型酸素還元電流である。実施例7のように調製したCoPcFCPPyは、触媒層において、30%ナフィオンで10mg/cmの載積量で、リンタングステン酸(PTA)を含んでもよいし若しくは含まなくてもよいが、1:10(PTA:CoPcFCPPy)の比率で、テフロン処理されたカーボンクロス(E−Tek)上にコートした。プラチナブラック(ジョンソンマーシー)は、触媒層において、10%ナフィオンで5mg/cmの載積量でテフロン処理カーボンクロス(E−Tek)上にコートした。比較のため、プラチナカソードが、1M硫酸溶液においてテストした。スキャンレートは2mV/sであった。 図35は、15%エタノールを含む1M硫酸溶液における吸気性カソードの分極曲線である。プラチナブラック(ジョンソンマーシー)は、触媒層において、10%ナフィオンで5mg/cmの載積量でテフロン処理カーボンクロス(E−Tek)上にコートした。CoPcFCPPyは、触媒層において、30%ナフィオンで10mg/cmの積載量で、テフロン処理されたカーボンクロス(E−Tek)上にコートした。スキャンレートは2mV/sであった。 図36は、1M硫酸溶液における吸気性カソードの分極曲線である。CoPcFPPy触媒は、触媒層において、30%ナフィオンで10mg/cmの積載量で、テフロン処理されたカーボンクロス(E−Tek)上にコートした。スキャンレートは2mV/sであった。吸気性カソードを製造する前、CoPcFCPPy触媒は、1M硫酸において、0、1、20若しくは120時間浸出した。 図37は、1M硫酸溶液における吸気性カソードの分極曲線である。熱分解された若しくは熱分解されていないCoPcFCPPy触媒は、触媒層において、30%ナフィオンで10mg/cmの積載量で、テフロン処理されたカーボンクロス(E−Tek)上にコートした。スキャンレートは2mV/sであった。 図38は、15%エタノールが存在してもよいし若しくは存在しなくてもよい1M硫酸溶液における吸気性カソードの分極曲線である。熱分解されたCoPcF/C触媒は、触媒層において、30%ナフィオンで10mg/cmの積載量で、テフロン処理されたカーボンクロス(E−Tek)上にコートした。スキャンレートは2mV/sであった。 図39は、1M硫酸溶液における吸気性カソードの分極曲線である。CoPcFPPy及びCoPcCPPy触媒は、触媒層において、30%ナフィオンで10mg/cmの積載量で、テフロン処理されたカーボンクロス(E−Tek)上にコートした。スキャンレートは2mV/sであった。 図40は、緩衝酢酸溶液(pH5)におけるトレイカーボンペーパー上に固定化されたビリルビン酸化酵素(ミロセシウムヴェルカリア)−マルチウォールカーボンナノチューブのサイクリックボルタメトリーである。スキャンレートは、100mV/sであった。 図41は、緩衝酢酸溶液(pH5)におけるトレイカーボンペーパー上に固定化されたラッカーゼ(アガリクスビスポラス)−マルチウォールカーボンナノチューブのサイクリックボルタメトリーである。スキャンレートは、50mV/sであった。 図42は、緩衝酢酸溶液(pH5)における吸気性バイオカソードの分極曲線である。ラッカーゼ(トラメツスペック)/カルボキシル機能化マルチウォールカーボンナノチューブは、防水性カーボンクロスに固定化した。スキャンレートは、2mV/sであった。 図43は、緩衝酢酸溶液(pH5)における吸気性バイオカソードの分極曲線である。ビリルビン酸化酵素(ミロセシウムヴェルカリア)/カーボンナノチューブは、防水性カーボンクロスに固定化した。スキャンレートは、2mV/sであった。 図44は、緩衝酢酸溶液(pH5)における吸気性バイオカソードの分極曲線である。ビリルビン酸化酵素(ミロセシウムヴェルカリア)/カーボンブラック若しくはカーボンナノチューブは、防水性カーボンクロスに固定化した。スキャンレートは、2mV/sであった。 図45は、緩衝酢酸溶液(pH5)における吸気性バイオカソードの分極曲線である。ビリルビン酸化酵素(ミロセシウムヴェルカリア)/ハイドロキシ機能化マルチウォールカーボンナノチューブは、防水性カーボンクロス(E−Tekからの両面コート−DS;ハウジングにおけるカーボンクロスD/XE2)に固定化した。スキャンレートは、2mV/sであった。 図46は、酸素によって飽和された緩衝酢酸溶液(pH5)におけるバイオカソードの分極曲線である。ビリルビン酸化酵素(ミロセシウムヴェルカリア)が、無地のカーボンクロス(三角形)若しくは活性化されたクロス(円形)上に吸着させた。スキャンレートは、2mV/sであった。 図47は、電子メディエーター、酵素(2つのサブユニットを有する)、及び酵素固定化材料によりコートされた粒子を概略的に示したものである。 図48は、混合物をポリカーボネートシールド上にスプレイドライするエアーブラシの概略図である。 図49は、実施例17において説明する、カーボン組成電極とされるカプセル化アルコールヒドロゲナーゼの活性の保持力を示したリニアースイープボルタメトリーである。 図50は、様々な酵素固定化材料に固定化されたスターチ消費アミラーゼの相対的酵素活性のグラフである。 図51は、様々な酵素固定化材料に固定化されたマルトース消費アミラーゼの相対的酵素活性のグラフである。 図52は、吸気性バイオカソード電極の概略図である。当該電極は導電性単一層527を有する。 図53は、バイオアノード電極の概略図である。当該電極は導電性単一層537を有する。 図54は、バイオカソード電極ベース燃料電池について、GDL(エラート)に対する、本発明のGDLの分極及び電力曲線を比較したものである。両電池のアノードは、燃料としての水素を含有するエラートのプラチナブラック触媒であった。両電池のカソード触媒は、酸化剤としての酸素を有する固定化されたラッカーゼ酵素であった。 図55は、商業的なアノードGDL(エラート)ディレクトメタノール燃料電池に対する、本明細書のようにして調製されたアノードGDLの分極及び電力曲線の比較である。両電池のアノードは、燃料としての5.0%メタノールを有する各GDL材料上のプラチナルテニウムブラック触媒であった。両電池のカソード触媒は、酸化剤としての酸素を有するエラートGDLのプラチナブラック触媒であった。 図56は、酵素/ナノワイヤー及びカーボン粒子の相互作用の概略図である。 図57は、ナノワイヤーの互いの相互作用により形成された、予め規定された電子パスウェイ(神経ネットワーク様構造)の概略図である。 図58は、1Mリン酸緩衝溶液における、非媒介性バイオカーボンペースト電極の半電池テストである。 図59は、pH7.2、1Mリン酸緩衝溶液における、媒介性アノード半電池である。 図60は、カーボンフィラーを有する場合と有しない場合の、PtブラックアノードH/O燃料電池に対する室温でのラッカーゼカソード比較である。 図61は、H/OPEM燃料電池における室温での性能であってカーボン含有量が変化した場合の性能を示している。 図62は、H/OPEM燃料電池において室温での異なる様々な炭素種の性能を示している。 図63は、ラッカーゼ/PtブラックHPEM燃料電池において室温での様々な酵素/TBABの性能を示している。 図64は、ラッカーゼ/PtブラックH/OPEM燃料電池において室温での様々な電極サポートの性能を示している。 図65は、キトサン固定化ラッカーゼ/PtブラックH/OバイオカソードPEM燃料電池の室温での性能を示している。 図66は、TBAB変性ナフィオンベース電極プレスパッケージの概略図である。 図67Aは、キトサン固定化酵素電極プレスパッケージの工程1を示している。対応する参照文字は、図面を通して、対応する部材を示している。 図67Bは、キトサン固定化酵素電極プレスパッケージの工程2を示している。対応する参照文字は、図面を通して、対応する部材を示している。
以下図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る燃料電池のある態様を示している。これは全体を通して参照番号1により示している。デバイス1は電流を発生させることができ、電流は5により示した負荷の電力消費要求を満たすように消費される。一例として、燃料電池1は、低消費電力携帯型エレクトロニクスに使用される。デバイス1をオペレートするための燃料は、適切なソース7から供給され、使用の間消費され、使用後適切な廃棄先(具体的にはレセプタクル)9へ放出される。
図2は、図1の燃料電池デバイス1を例示しており、図3はデバイス1の様々なコンポーネントを示した分解図である。一般的に、当該デバイスは、フロントサイド21、バックサイド23、燃料流体を燃料ソース7からマニホールドへ供給するための入口29、及び燃料流体をマニホールドから廃棄先9へ放出するための出口33を備える。マニホールド15は、1以上の燃料容器を備える。これらはそれぞれ41により示す。当該燃料電池デバイスは、燃料容器41において燃料との反応させるため、マニホールド15の対置されたフロントサイド21及びバックサイド23上に、フロントアノードアセンブリ及びバックアノードアセンブリ(全体を通して45及び47で示されている)を有し、フロントアノードアセンブリ及びバックアノードアセンブリ45、47に近接してフロントカソードアセンブリ及びバックカソードアセンブリ(全体を通して51及び53で示されている)を有する。電気コントローラー(全体を通して71で示される)(図14)は、後述するように、当該デバイスのオペレーションを制御するため設けられる。補助電気回路(全体を通して81により示される)(図15)は、必要に応じて、燃料電池からの通常のアウトプットを補助するため電力を供給することが意図されている。上述のコンポーネントは、当該燃料電池が比較的小さいコンパクトなユニットとして内蔵されるように、燃料電池デバイスが比較的小さいハウジング(全体を通して91により示される)に包含される。上述のコンポーネントのそれぞれを以下に詳細に説明する。
燃料マニホールド
より詳細に図4〜6に示すように、例示した実施の形態の燃料マニホールド15は、適切な誘電材料(具体的にはアクリル)のボディ若しくはブロック101を有し、これは上部105、下部107、両端面109、前面111及び後面115を有する。当該ブロック101は、適切な任意の形状(具体的には矩形若しくは他の形状)を有するように、具体的には鋳造、機械加工等により作製する。単一のワンピース部材から構成されることが好ましい。別の態様では、別体の複数の部材から構成され、互いに固定して単一の構造が形成されてもよい。燃料溶液41は、上記ブロックの前面111及び後面115におけるキャビティにより規定される。当該例示された実施の形態では、8つの燃料容器を形成する全部で8つのキャビティのため、上記前面に4つのキャビティ41が設けられ、上記後面には4つのキャビティが設けられている。他の態様では、当該マニホールド15は、当該アセンブリにおいて必要とされるバイオ燃料電池の数及びデザインに依存して、1から40まで、又はそれ以上のキャビティを含んでいても良い。燃料は各燃料容器41に入り当該容器の上面において入口ポート121を介して注入され、当該容器の上面において出口ポート125を介して同容器から放出される。図5によく示されているように、各燃料容器41の上部にはステップが形成され、入口ポート121は、入口ポート表面127にあり、出口ポート125は、上記表面127から離れた出口ポート表面129にある。各容器の出口ポート125の位置は、各容器の入口ポート121の位置より高い。これらの2つの表面127、129間の水平スペースは、燃料電池チャンバにおいて捕捉されるあらゆるエアーバブルを保持するのに適切な高さ(具体的には0.10インチ)を有するチャンバ若しくはスペース131を形成する。当該配置により、後述するようにトラップされたバブルがアノードアセンブリ45、47及びカソードアセンブリ51、53に接触する危険性なく、燃料容器41の完全な充填を可能とすることができる。
マニホールド15の燃料容器41は、流路若しくは導管135により接続されている。当該流路若しくは導管135は、例えば、マニホールドの穴にフィットされた、1/8”×1/8”ポリプロピレンの角張ったエルボーを備える。ある望ましい配置において、上記燃料流体は、一連の燃料容器41のあるものから当該一連の燃料容器41の次のものへ連続して(順番に)流れる。例えば、図4及び5に示すように、燃料流体は、マニホールド15の入口29から、当該マニホールドの一方の端部109に近接する、マニホールドの前方サイド21における第1燃料容器41へ燃料流体は流れ、その後連続して、フロントサイドの第2、第3、第4容器41へ流れ(図4及び5でみた場合左から右へ)、その後、出口33を通過してマニホールド15から排出される前に、当該マニホールドのサイド23側の第4容器41へ連続して流れる。様々な燃料容器41間の他の燃料フローパスが可能である。ある容器41の出口125と、連続する次の容器41の入口121との間にバルブ(具体的にはチェックバルブ141)が設けられ、燃料がマニホールド15の入口29から、連続する様々な流体容器41を通ってマニホールドの出口33へ流れる間に、燃料がある容器41から次の容器へ逆流するのを防止する。チェックバルブ(具体的にはパワーエアバルブ)を使用することは、セル間において全てのイオニックコミュニケーションを破断させ、それにより短絡が抑制される。チェックバルブ141は連続して配置され、容器41の全てを充填するため、一つの燃料インプット及びアウトプットが存在する。
例示された実施の形態において、マニホールド15における燃料溶液41は、マニホールドのバックサイド23の燃料溶液は、マニホールドのフロントサイド21の容器と正反対にくるように配置される。しかしながら、他の構成であってもよい。また、マニホールドは、1以上の入口29及び1以上の出口33を有していても良い。例えば、別のデザインでは、1つの入口と1つの出口とが設けられ、マニホールドのフロントサイド21に位置する燃料容器41に供給される。また、分離した入口及び出口が設けられ、マニホールドのバックサイド23に位置する燃料容器41に供給される。
アノードアセンブリ
図7〜9を参照して説明する。フロントアノードアセンブリ45は、フレーム151を備える。ある実施の形態では、当該フレーム151は、フロントフレームメンバー151A及びバックフレームメンバー151Bの交互対を備える。各フレームメンバー151A、151Bは、複数の開口部155を有する。当該開口部155は、マニホールド15の前面111において燃料容器41の構成及び配置が適合するように構成され配置されている。当該フレームメンバーは、約0.018インチの膜厚を有するビニルシート材料から構成されていても良い。他の材料を使用することもできる。また、当該フレーム151は、図示したものと異なる構成を有していても良い。
フロントアノードアセンブリ45は、また、複数のアノードを有していても良い。各アノードは全体を通して157により示され、当該開口部155のフレーム151により、一つのフレーム開口部につき1つのアノードとなるように保持されている。
いくつかの実施の形態において、各アノード157は、それぞれのフレーム開口部155に固定された集電体161を備える。ある実施の形態では、当該集電体161は、約0.018インチの膜厚を有するニッケルのワイヤーメッシュパネルを有する。適切な電極リード169(具体的には28ゲージの導電体)は、集電体161に固定されている。各アノード157は、集電体とバックフレーム部材151Bとの間において、集電体161の後面にガス拡散層165を備える。例えば、当該ガス拡散層165は、以下のガス拡散層のセクションにおいて記載したカーボンペースト構造であっても良い。その後、触媒層(不図示)は、緩衝溶液中の酵素及びテトラブチルアンモニウム修飾ナフィオン(登録商標)イオノマーの流延混合物を塗布することによりガス拡散層165に加える。当該触媒層は、それをアノードアセンブリに加える前に乾燥させる。好ましい実施の形態では、触媒層において使用される酵素は、ピロロキノリンキノン依存型アルコールデヒドロゲナーゼ(PQQ-ADH)である。
各アノード157は、当該アノードのサイドエッジマージンをフレームメンバー151A、151Bの一部と重ね合わせるためフレーム開口部のそれぞれのサイドを超えて存在するように対応するフレーム開口部155より僅かに大きく形成される。複数のアノード157は、アノード157のフロントフレーム部材151Aと集電体161との間に配置された接着剤のフロント層175、そして、アノード157のバックフレーム部材151B及び拡散層165との間の接着材のバック層181により複数のフレーム部材に固定されている。フロント及びバック接着層175、181は、例えば約0.005インチの膜厚を有するウレタンホットメルト接着材フィルムを含む。フロント及びバック接着層175、181は、フロント及びバックフレーム部材151A、151Bのサイズ、及び形状にそれぞれ対応するサイズ及び形状を有するように構成される。熱が当該アセンブリに(ホットプレス法により)加えられると、当該接着材は溶解し2つのフレーム部材151A、151B、集電体161及び拡散層165を、互いに対して一定のポジションに固定し、単一のフロントアノード構造体を形成する。
図53に示すように自立型バイオアノード触媒支持体を有する別の態様では、各アノード157は、アノードに埋設された集電体535を備える。ある実施の形態では、当該集電体は、基部エンドと末端エンドとを有し、長手方向軸に沿って延在する。集電体535に接触している導電性単一層537は、集電体の基部エンドから末端エンドへ同軸上に延在している。適切な電気リード169が集電体535に固定されている。別の実施の形態では、自立型バイオアノード触媒支持体は、埋設された集電体535を有していない。導電性単一層537は、第1電気伝導性材料、第2電気伝導性材料、及びバインダーから成る混合物であり、以下の自立型バイオアノード触媒支持体の製造のセクションにおいて記載されるように製造する。その後、触媒層(不図示)は、以下の導電性ポリマーベースナノワイヤーのセクションにおいて述べた方法により単一層537の表面に塗布される。別の態様では、酵素(以下のカプセル化酵素のカーボンペースト及びバイオ触媒インク剤への注入のセクションにおいて記載)含有触媒粒子を、単一層537を形成する際に使用される混合物に加えてもよく、当該触媒支持体の表面に塗布されたペースト若しくはインクに含まれていてもよいし、若しくは触媒支持体の表面にその後塗布されたペースト若しくはインクに含ませても良い。
各アノード157は、当該アノードのサイドエッジマージンがフレームメンバー151A、151Bの一部を重ね合わせるためフレーム開口部のそれぞれのサイドを超えて存在するように、対応するフレーム開口部155より僅かに大きく形成される。複数のアノード157は、アノード157のフロントフレーム部材151Aと単一層537との間に配置された接着剤のフロント層175、そして、アノード157のバックフレーム部材151B及び単一層537との間の接着材のバック層181により複数のフレーム部材に固定されている。フロント及びバック接着層175、181は、例えば約0.005インチの膜厚を有するウレタンホットメルト接着材フィルムを含む。フロント及びバック接着層175、181は、フロント及びバックフレーム部材151A、151Bのサイズ、及び形状にそれぞれ対応するサイズ及び形状を有するように構成される。熱が当該アセンブリに(ホットプレス法により)加えられると、当該接着材は溶解し2つのフレーム部材151A、151B、単一層537を、互いに対して一定のポジションに固定し、単一のフロントアノード構造体を形成する。
フロントアノードアセンブリ45は、フレーム開口部155及びアノード157が、概して各フロント燃料容器41に関して整列するようにマニホールド15の前面111に固定される。当該配置は、各燃料容器41の燃料流体が適合され、フロントアノードアセンブリ45の各アノード157に接続する。望ましくは、実質的にアノード157の全表面が燃料容器からの燃料流体にさらされるように、各フレーム開口部155のアウトラインのサイズ及び形状から、対応する燃料容器45のサイズ及び形状を概算する。アノードアセンブリ45は、フレーム151のバックフェースと、マニホールド15の前面111との間において、接着層(具体的には、128℃で溶解された0.005インチの膜厚のホットメルトウレタン接着材の層)によりマニホールド15に密閉するように固定する。これにより、密閉することができ、各フロント燃料容器41及び各アノード157のそれぞれを、近接するフロント燃料容器及び各アノード157のそれぞれから、隔離することができる。当該シーリングは、1以上のガスケットを使用する等他の方法でも形成することができる。
バックアノードアセンブリ47は、フロントアノードアセンブリ45に実質的に同様な方法で製造することが好ましく、対応する部品は対応する参照番号により特定している。バックアノードアセンブリ47は、フレーム開口部155及びアノード157を有する、マニホールド15のバックフェース115に対向して、当該マニホールドのバックサイド23の燃料容器41と整合させて配置される。バックアノードアセンブリ47は、マニホールド15に対して適切な位置に固定され、フロントアノードアセンブリ45に関して上述した同じ方法で、マニホールドのバックフェース115と密閉するように嵌合させる。上述のアノードアセンブリは、概して、ニッケル集電体、カーボンベースガス拡散層、PQQ依存型アルコールデハイドロゲナーゼ酵素及びPQQを電子メディエーターとして含む。しかしながら、当該技術分野における当業者であれば、これらの構成要素を以下に述べる以下の様々な代替物に置換することができることは理解されよう。
バイオアノード若しくはバイオカソードでの直接電子移動(DET)
本発明の別の発明では、直接電子移動を用いたシステムが開示されている。直接電子移動ベースのシステムにおいて、電子移動は、プロダクトに対する基板の触媒変換に関連し、この触媒変換の間発生する。酵素は、電極触媒として機能し、第1導電性材料(例えばカーボン粒子)にグラフト重合された(適切な表面官能基により調整された)ナノワイヤーは、酵素、電子伝導体(電極)、及びサブストレート分子間の電子の移動を容易にする。いつくかの実施の形態では、このプロセスは、電子メディエーターを含んでいない。ナノワイヤーが導電性を増加させ、電子の逆輸送が起らない場合、直接電子輸送が観測される。DETシステムは通常、より効率的な電子輸送レートを与える。これは、酵素の酸化還元ポテンシャルにより近いポテンシャル範囲においてオペレーションされ、当該酵素が妨害反応に殆ど曝されないからである。一般的に、生体分子と電極表面との間の一体化/輸送がより改善されると、電子輸送率はより大きくなり、与えられる電力の出力はより大きくなる。
直接電子輸送に基づく高出力バイオ燃料電池システムの性能は、酵素の固定化に依存する。例えば、電子伝導体/支持体(具体的には、表面官能基の化学的特性、ナノワイヤーの大きさ、ナノワイヤーの電気伝導特性及びイオン伝導特性)の特性及び生体分子(具体的には、酵素を安定化させるために使用される固定技術)の特質及び安定性は、バイオ燃料電池の性能を決定する。
他の実施の形態では、第1導電性材料の表面にグラフト重合された(適切な表面官能基により調整された)ナノワイヤーには、第1導電性材料の表面にグラフト重合された電子メディエーターが含まれる。これらの電子メディエーターは、アノード若しくはカソードにおいて電子の逆輸送が発生する。様々な実施の形態において、ナノワイヤーでグラフトされた粒子は、以下に述べる固定化された酵素によりコートされた粒子のコアとして使用しても良い。
バイオ燃料電池に使用される特別のバイオアノード及びバイオカソード電子集電体(電極)の製造方法を以下に記載する。
自立型バイオアノード触媒支持体
ここで記載するバイオアノード触媒支持体は、バイオカソードの酵素がコートされたサイドと同様である。当該サイドにおいて、高い表面領域のマイクロポーラス構造体が、酵素の固定化及び電荷質/基板の組み込みのために使用される。バイオアノード触媒支持体の概略を図53に示す。バイオカソード電極と同様の方法で、第1電気導電性材料(具体的にはカーボンブラック)を電子メディエーター若しくはドーパントで(具体的にはドープされた導電性ポリマーをその表面にグラフトすることにより)修飾し、電子輸送及び電子伝導性及びイオン伝導性を助力する。
自立型バイオアノード触媒支持体の製造方法
アノード電極に使用される触媒支持層は、カーボン材料、バインダー、ポア形成剤、溶媒及び任意の触媒(酵素等)からなる混合物からなる。これらの成分の比率を変更することにより、支持構造体の特性を変更し、特定の用途のため望ましい性能を与えることができる。例えば、変更することができる特性には、(1)電気的導電性、(2)疎水性/親水性、(3)表面領域、及び(4)表面構造が含まれる。支持構造体を形成するための混合物は、最初ペーストとして調製され、その後フレーム(具体的にはMDS充填ナイロン6/6フレーム(膜厚0.020”))に押しつける。当該フレームは、両サイドに圧着フィルム(具体的には膜厚0.002”)を有するポリテトラフルオロエチレン(PEFE)コートファイバーグラスの仮支持体であって電極用の支持体に接着されている。これは、埋設され拡張された金属集電体を有さない。
埋設された集電体支持体を有する電極では、圧着フィルムを有する2つのフレーム(具体的にはMDS充填ナイロン6/6フレーム(膜厚0.010”))が、拡張された一片の金属(具体的には膜厚0.005”)の両面に固定され、PTFEコートされたファイバーグラスの仮の支持体は必要ではない。当該ペーストは未だ湿った状態であり、2つのスチールプレート(6”×6”×0.065”)、2つのPTFEコートファイバーグラスシート(4”×4”×0.005”)、フィットするように折り曲げられた2つのペーパータオルからなるプレスパッケージにおいて、電極構造を、2000ポンドで15秒間押圧する。当該電極は、当該パッケージから取り除かれ、当該フレーム上の過剰なペースト材料をペインターナイフ及びペーパータオルで取り除く。その後、アセンブリ全体を200℃に至るまで20分間焼結する。これらの条件は、所望の構造及び構成に依存する。
焼結後、当該電極を当該フレーム、仮の支持体から取り除き、バイオ燃料電池において使用する前に、2つのアルミナブロック(12”×12”×1”)間において凝固するまで(通常僅か数分)冷却する。分離された1cmの2つのポイントを有するミリオームメーターを用いて伝導性の測定を行った。当該測定は、同じ方法で測定された市販のガス拡散層(GDL)材料と比較してリポートされる。つまり、当該測定は、テスト及び装置の条件が知られていない定まった文献値ではない。当該値は、各電極タイプについて、限られたマニュアル製造運転における変動のため概算値として与えられる。
触媒が、導電性単一層が作製されるときにこれに組み込まれない場合、当該触媒層を、以下のカプセル化酵素のカーボンペーストへの混合のセクションにおいて説明した触媒支持体に塗布しても良い。別の形態では、酵素(以下のカプセル化酵素のカーボンペースト及びバイオ触媒インク剤への混合のセクションにおいて説明した)を含む触媒粒子は、単一層537を形成する際に使用される混合物に加えても良いし、触媒支持体の表面に塗布されたペースト若しくはインクに含ませても良い。
電極及び触媒層の製造方法のための材料及びコンポーネント
ここで記載した電極及び触媒層を構成するため様々な許容可能なコンポーネントを使用することができる。次の表は、様々なカーボンブラック、ポア形成剤、バインダー材料、及び導電性カーボンファイバー及びそれらのサプライヤーを詳述している。これらの材料は、ここで記載する電子伝導体(電極)を製造するために使用することができる。
Figure 2010516017
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カーボンブラック材料は、電気伝導性及び電子移動度とともに電子伝導体の表面領域に影響を与えるように選択する。ポア形成剤を用い、構造体にポアを形成し、それにより表面領域を増加させもし存在する場合はサブストレートが酵素に対して拡散する能力を増大させることにより電子伝導体(電極)の表面領域を増加させても良い。物質輸送を増大させ、構造体の構造的強度に影響を与えるため、バインダー材料を使用し、電子伝導体(電極)の疎水性/親水性特性を有利に変更しても良い。電子伝導体(電極)の構造的強度に影響を与えると共に、導電性に影響を与えるため、導電性カーボンファイバーを選択しても良い。
別のバイオアノード材料
本発明のいくつかの実施の形態に係るバイオアノードは、集電体(具体的には集電体161)、ガス拡散層(若しくは電子伝導体)(具体的にはガス拡散層165)、任意の電子メディエーター、任意の電子メディエーター用電解触媒、酵素固定化材料において固定化された酵素を備える。ある実施の形態では、これらのコンポーネントは、互いに近接している。これは、それらが適切な手段により物理的若しくは化学的に接続されていることを意味する。
1.集電体
集電体(具体的には161)は、電子を伝導する物質であり、ガス拡散層と触媒層にラティスサポートを与える。そのため、これらの機能を与える材料は、集電体として使用することができる。様々なバイオアノードの形態について、ニッケル若しくはニッケル含有材料(すなわちインコネル)は好ましい。PQQ-依存型アルコールデハイドロゲナーゼ酵素が、バイオアノード酵素として使用する場合、集電体の溶解が遅いことにより発生するニッケルイオンが、酵素反応の促進剤として作用する。
2.ガス拡散層(GDL若しくは電子伝導体)
ガス拡散層(若しくは電子伝導体)(具体的には165)は、電子を伝導させる物質である。ガス拡散層は、これが当該材料を電子が通過させることができる限り、有機材料であっても若しくは無機材料であってもよい。当該ガス拡散層は、カーボンベース材料、ステンレススチール、ステンレススチールメッシュ、金属性導電体、半導体、金属酸化物、修飾された導電体、若しくはそれらの組み合わせであってもよい。好ましい実施の形態では、ガス拡散層は、カーボンベース材料である。
特に適切なガス拡散層は、カーボンベース材料である。具体的なカーボンベース材料は、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンスクリーン印刷電極、カーボンペーパー(トレイ)、カーボンペーパー(エラート)、カーボンブラック(ヴァルキャンXC-72、E-tek)、カーボンブラック、カーボンパウダー、カーボンファイバー、シングルウォールカーボンナノチューブ、ダブルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブ、カーボンナノチューブアレイ、ダイアモンドコート導電体、ガラス状炭素、メソポーラスカーボン、及びそれらを組み合わせたものである。さらに、他の具体的なカーボンベース材料は、グラファイト、非圧縮グラファイトウォーム、剥離された精製フレークグラファイト(スーペリアー(登録商標)グラファイト)、高性能グラファイト及びカーボンパウダー(フォーミュラBT(登録商標)、スーペリアー(登録商標)グラファイト)、高秩序熱分解グラファイト、熱分解グラファイト、ポリ結晶性グラファイト、及びそれらを組み合わせたものである。好ましいガス拡散層は、カーボンクロスのシートである。
さらに別の実施の形態では、ガス拡散層は、金属性導電体から構成されていてもよい。適切な電子伝導体は、金、プラチナ、鉄、ニッケル、銅、銀、ステンレス鋼、水銀、タングステン、若しくは電極作製に適した他の金属、及びこれらを組み合わせたものから調製しても良い。さらに、金属性導電体であるガス拡散層は、コバルト、カーボン、及び適切な他の金属からなるナノ粒子から構成されていても良い。他の金属性電子伝導体は、銀ベースのニッケルスクリーン印刷電極であってもよい。
さらに、ガス拡散層は半導体であっても良い。適切な半導体材料には、シリコン、及びゲルマニウムが含まれる。これは、他の元素によりドープすることができる。当該半導体は、リン、ホウ素、ガリウム、砒素、インジウム、若しくはアンチモン、及びこれらを組み合わせたものによりドープされていてもよい。
さらに、ガス拡散層は、金属酸化物、金属硫化物、メイングループ化合物(即ち遷移金属化合物)、電子伝導体により修飾された材料、及びこれらを組み合わせたものであっても良い。このタイプの具体的なガス拡散層は、ナノポーラスチタン酸化物、錫酸化物コートガラス、セリウム酸化物粒子、モリブデン硫化物、ボロン窒化物ナノチューブ、カーボン等の導電体材料で修飾されたエアロゲル、カーボン等の導電体材料で修飾されたゾルゲル、ルテニウムカーボンエアロゲル、カーボン等の導電体材料で修飾されたメソポーラスシリカ、及びこれらを組み合わせたものである。いくつかの好ましい実施形態では、当該ガス拡散層は、カーボンブラック、メソポーラスカーボン、エポキシ、及びポリテトラフルオロエチレンを含む。
様々な好ましい実施の形態では、当該ガス拡散層は、モナーチ1400カーボンブラック(カボット)、ケムソーブ1505G5ポーラス、浸透スチーム活性カーボン(Cケム)のドライコンポーネント、及び、アセトンに溶解されたクイックセット2パートエポキシ(オリジナルスーパーグルーコーポレーション)、及び水(シグマ)に分散された60%ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のウェットコンポーネントを含む。当該ドライコンポーネントは、フードグラインダーにおいて攪拌され、ウェットコンポーネントは、超音波ホモジェナイザーにより混合され、その後ドライコンポーネントとウェットコンポーネントは混ぜ合わされ、当該混合物が歯磨き粉と同じくらいの硬さになるまでペティナイフで混合される。
3.電子メディエーター
バイオアノード電子メディエーターは、アクセプター若しくは供与電子として機能する。これは、容易に酸化状態から還元状態に変化する。当該電子メディエーターは、酵素固定化材料に拡散した、及び/又は固定化材料に組み込まれた化合物である。当該電子メディエーターの拡散係数は、最大に設定されることが好ましい。
具体的な電子メディエーターは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸塩(NADP)、ピロロキノリンキノン(PQQ)、これらそれぞれと等価のもの、及びこれらを組み合わせたものである。他の具体的な電子メディエーターは、フェナジンメソ硫酸塩、ジクロロフェノールインドフェノール、短鎖ユビキノン、フェリシアン化カリウム、プロテイン、金属性タンパク質、ステラシアニン、及びこれらを組み合わせたものである。
電子メディエーターがそれ自身により電子伝導体において酸化還元反応を受けない場合、バイオアノードは、電子伝導体において電子を放出することを容易にする電子メディエーター用電解触媒を含む。別の形態では、0.0V±0.5Vの標準還元ポテンシャルを有する可逆酸化還元対が、電子メディエーターとして用いられる。換言すれば、電気導電体表面において可逆的化学反応を起こす電子メディエーターを用いても良い。当該電子メディエーターは、当該電子メディエーターに依存するオルガネラに含まれる自然発生酵素と結合される。
4.電子メディエーターのための電解触媒
一般的に、電解触媒は、電気導電体において電子の放出を容易にする物質である。換言すれば、当該電解触媒は、電子メディエーター還元若しくは酸化が、より低い標準還元ポテンシャルで起るように、電気導電体の還元若しくは酸化の反応速度を改善する。電解触媒は、電子を生成し、それにより電気を発生させるため、バイオアノードにおいて可逆的に酸化される。電解触媒が電気導電体に近接する場合、電解触媒及び電気導電体は、互いに電気的に接続されるが、互いに物理的に接続することは必要ではない。ある実施の形態では、電子伝導体は、電子メディエーターのための電解触媒の一部として、これと協同し、これに近接して配置される。
概して、電解触媒は、アジン、導電性ポリマー若しくは電気活性ポリマーであっても良い。具体的な電解触媒は、メチレングリーン、メチレンブルー、ルミノン、ニトロフルオレノン誘導体、アジン、オスミウムフェナンソロリンヂオン、カテコールペンダントテルピリジン、トルエンブルー、クレシルブルー、ナイルブルー、ニュートラルレッド、フェナジン誘導体、チオニン、アズールA、アズールB、トルイジンブルーO、アセトフェノン、メタロフタロシアニン、ナイルブルーA、修飾遷移金属リガンド、1,10−フェナンソロリン-5,6-ヂオン、1,10−フェナンソロリン-5,6-ヂオール、[Re(フェンジオン)(CO)Cl]、[Re(フェンジオン)(CO)](PF、ポリ(メタロフタロシアニン)、ポリ(チオニン)、キノン、ジイミン、ジアミンベンゼン、ジアミノピリジン、フェノチアジン、フェノクサジン、トルイジンブルー、ブリリアントクレシルブルー、3,4-ジヒドロキシルベンザルデハイド、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アズールI)、ポリ(ナイルブルーA)、ポリ(メチレングリーン)、ポリ(メチレンブルー)、ポリアニリン、ポリピリジン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(チエノ[3,4-b]チオフェン)、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)、ポリ(3,4-エチレンジオキピロール)、ポリ(イソチアナフテン)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(ジフルオロアセチレン)、ポリ(4-ジシアノメチレン-4H-シクロペンタ[2,1-b;3,4-b’]ジチオフェン)、ポリ(3-(4-フルオロフェニル)チオフェン)、ポリ(ニュートラルレッド)、プロテイン、メタロプロテイン、ステラシアニン、及びこれらを組み合わせたものである。ある好ましい実施の形態では、電子メディエーターのための電解触媒はポリ(メチレングリーン)である。
5.酵素
酵素は、バイオアノードにおいて、燃料流体の酸化を触媒する。一般的に、自然発生酵素、人的に生成された酵素、人工的酵素、修飾された自然発生酵素を用いても良い。さらに、自然に若しくは指向進化により工業的に作製された工業的酵素を用いても良い。換言すれば、酵素の特性を最小化する有機的若しくは無機的分子を本発明の実施の形態に使用しても良い。
特に、バイオアノードに使用される具体的な酵素は、オキシドレダクターゼである。ある実施の形態では、当該オキシドレダクターゼは、燃料(アルコール、アンモニア化合物、カルボキシレート、アルデヒド、ケトン、炭化水素、脂肪酸等)のCH-OH基、若しくはCH-NH基に作用する。
ある実施の形態では、当該酵素はデハイドロゲナーゼである。具体的な酵素には、アルコールデハドロゲナーゼ、アルデヒドデハイドロゲナーゼ、蟻酸デハイドロゲナーゼ、ホルムアルデヒドデハイドロゲナーゼ、グルコースデハイドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸デハイドロゲナーゼ、ラクトースデハイドロゲナーゼ、ピルビン酸塩デハイドロゲナーゼ、若しくはリポキシゲナーゼが含まれる。好ましくは、当該酵素は、アルコールデハイドロゲナーゼ(ADH)である。
バイオ燃料電池において使用されるとき燃料流体から得られるエネルギー密度を最大化するため、燃料を完全に酸化することが望ましい。これは当該分子においてできるだけ多くの化学結合を切断することを意味する。バイオアノードにおいて使用するために選択される酵素は、特定の燃料流体のエネルギー密度を最大化するために適切である。例えば、水素燃料は、一つの酵素を必要とし、メタノールは3つの酵素を必要とする。エタノールを燃料として使用するとき、クレーブス回路を使用してもよい。例えば、アコニターゼ、フマラーゼ、リンゴ酸塩デハイドロゲナーゼ、コハク酸塩デハイドロゲナーゼ、スクシニルCoAシンセターゼ、イソクエン酸デハイドロゲナーゼ、ケトグルタル酸デハイドロゲナーゼ、クエン酸シンセターゼ、及びこれらを組み合わせたものをバイオアノードにおいて使用しても良い。
好ましい実施の形態では、当該酵素は、PQQ依存型アルコールデハイドロゲナーゼである。PQQは、PQQ依存型ADHのコエンザイムであり、PQQ依存型ADHに静電的に取り付けられたままであり、そのため、当該酵素は酵素固定化材料に残ったままであり、バイオ燃料電池のライフタイムや活性が増加する。PQQ依存型アルコールデハイドロゲナーゼは、グルコノバクターから抽出される。PQQ依存型ADHを抽出する際、2つの形態、すなわち(1)PQQがPQQ依存型ADHに静電的に結合されるか、若しくは(2)PQQがPQQ依存型ADHに静電的に結合していない形態にある。PQQがPQQ依存型ADHに静電的に結合されていない第2の態様では、PQQはバイオアノードの組立の際ADHに加えられる。好ましい実施の形態では、PQQ依存型ADHは、PQQ静電的結合されたグルコバクターから抽出される。
6.酵素固定化材料
酵素若しくはオルガネラを固定するため酵素若しくはオルガネラ固定化材料を使用しても良い。固定化材料の議論は、オルガネラ固定化材料並びに酵素固定化材料にも当てはまる。様々な実施の形態において、酵素固定化材料は、所望の反応が固定化された酵素により触媒されるように、当該酵素より小さい化合物に対して透過性を有する。
一般的に、酵素は、様々な反応を触媒するために使用され、そしてこの酵素は、酵素を固定化かつ安定化する酵素固定化材料において固定化される。酵素の安定化に関して、酵素安定化材料は、酵素の変性を防止し若しくは抑制するため化学的及び機械的バリアーを提供する。このために、酵素固定化材料は、物理的に酵素を閉じ込め、これにより酵素が変性するのを防止する。変性された3次元構造体から酵素を変性させるプロセスは、酵素変性の一つのメカニズムである。典型的には、溶液中のフリーな酵素は数時間から数日で触媒活性を失い、一方、本発明の特に固定化され安定化された酵素は、少なくとも7日〜約730日以上触媒活性を維持することができる。触媒活性の保持力は、化学変化を連続的に触媒する間に、最初の活性の少なくとも75%を触媒が維持することができた日数により定義する。酵素活性は、ケミカルルミネセンス、電気化学、UV視覚放射化学測定若しくは蛍光測定により測定される。ここでは、特性の強度が初期段階において測定される。典型的に、酵素活性を測定するために蛍光測定が用いられている。換言すれば、本発明の安定化された酵素は、少なくとも7日から約730日の間化学変化を連続的に触媒する間、最初の活性の少なくとも75%を保持する。ある実施の形態では、固定化されそして安定化された酵素は、少なくとも30,45,60,75,90,105,120,150,180,210,240,270,300,330,365,400,450,500,550,600,650,700,730日以上、最初の触媒活性の約75%を維持する。好ましくは、少なくとも5,10,15,20,25,30,45,60,75,90,105,120,150,180,210,240,270,300,330,365,400,450,500,550,600,650,700,730日以上、最初の触媒活性の約80,85,90,95%若しくはそれ以上を維持する。本発明の目的のため、化学変化をアクティブに触媒する際、それが、最初の触媒活性の少なくとも約75%を少なくとも30日〜約730日若しくはそれ以上保持する場合、酵素は、(比較的長い期間触媒活性が必要とされるバイオ燃料電池若しくはその他の使用のバイオアノード若しくはバイオカソードにおいて使用するため)安定化される。
また、様々な実施の形態では、酵素固定化材料に酵素を固定化した後、酵素は、固定化前の酵素活性に比較してその活性の少なくとも0.65,0.7,0.75,0.8,0.85,0.9,0.95若しくはそれ以上を保持する。
固定化された酵素は、触媒活性を維持しつつ酵素固定化材料の特定の領域において物理的に制限される触媒である。キャリアーバインディング、クロスリンク、及びエントラッピングを含む酵素固定化のための様々な方法が存在する。キャリアーバインディングとは、酵素を非水溶性キャリアーに対して結合させることをいう。クロスリンクは、二価性試薬若しくは多価性試薬により酵素を分子間クロスリンスさせることをいう。エントラッピングは、半透過性材料のラティスに酵素を組み込むことをいう。酵素固定化の特定の方法は、酵素固定材料が、(1)上記酵素を固定化し、そして(2)酵素を安定化させる限り、非常に重要というわけではない。様々な実施の形態において、酵素工程材料は、酵素より小さい化合物に対して透過性を有する。
固定化されたオルガネラは、触媒の活性を維持したまま、固定化材料のある領域に物理的に制限されるオルガネラである。
酵素若しくはオルガネラより小さい様々な化合物に対する固定化材料の透過性に関し、固定化材料により、サブストレート、燃料流体、若しくは酸化化合物が当該固定化材料を通過して移動することができ、これにより当該化合物は酵素若しくはオルガネラに接触することができる。当該固定化材料は、それが、内部ポア、チャンネル、開口部、もしくはそれらを組み合わせたものを含むような方法で調製することができる。これにより、固定化材料を通って当該化合物が移動することを可能とする。しかし、これは、固定化材料内の実質的に同じスペースに酵素若しくはオルガネラを含む。そのような制約により、酵素若しくはオルガネラはその触媒活性を維持することができる。様々な好ましい実施の形態において、酵素若しくはオルガネラは、当該酵素若しくはオルガネラと実質的に同じサイズ及び形状を有するスペースに制限される。ここでは、酵素若しくはオルガネラは、実質的にその触媒活性の実質的に全部を維持する。ポア、チャンネル、若しくは開口部は、上述の条件を満足し、かつ固定化される特定の酵素若しくはオルガネラのサイズ及び形状に依存する物理的大きさを有する。
いくつかの実施の形態では、酵素若しくはオルガネラは、固定化材料の開口部に捕捉され、カーボンブラック粒子等の第1導電性材料にグラフトされたナノワイヤーに接触する。場合によっては、当該ナノワイヤーはポリマー材料、酸化物、有機金属材料、金属性材料を含む。そのような材料は、DETセクションで既に説明し、以下の導電性ポリマーベースナノワイヤーセクションにおいても説明している。
ある実施の形態では、当該酵素若しくはオルガネラは、固定化材料のポアに配置されることが好ましく、当該化合物は輸送チャンネルを介して固定化材料を内及び外に移動する。当該ポア及び輸送チャンネルの相対的な大きさは、ポアが酵素若しくはオルガネラを固定化するに十分な程大きいが、輸送チャンネルは酵素若しくはオルガネラがそれらを移動するには小さすぎるように設定される。さらに、輸送チャンネルは、少なくとも10nmの直径を有することが好ましい。さらに別の実施の形態では、輸送チャンネルの直径に対するポアの直径の比は、少なくとも約2:1,2.5:1,3:1,3.5:1,4:1,4.5:1,5:1,5.5:1,6:1,6.5:1,7:1,7.5:1,8:1,8.5:1,9:1,9.5:1,10:1若しくはそれ以上である。さらに別の実施の形態では、輸送チャンネルは、少なくとも2nmの直径を有し、輸送チャンネルの直径に対するポアの直径の比は、少なくとも約2:1,2.5:1,3:1,3.5:1,4:1,4.5:1,5:1,5.5:1,6:1,6.5:1,7:1,7.5:1,8:1,8.5:1,9:1,9.5:1,10:1若しくはそれ以上である。
いくつかの実施の形態において、当該固定化材料は、ミセル構造若しくは逆ミセル構造を有する。一般的に、当該ミセルを構成する分子は、両親媒性である。これは、それらが極性を有する親水性と非極性を有する疎水性を有することを意味する。当該分子は、凝集し、ミセルを形成することができる。ここでは、極性の官能基が、凝集体の表面に有り、そして疎水性の非極性官能基が当該凝集体の内側で隔離されている。逆ミセルは、極性官能基と非極性官能基とが反対の配向を有する。凝集体を構成する両親媒性の分子は、極性官能基が、互いに近接して位置し、非極性官能基が互いに近接して位置するように様々な方法で配置されていても良い。また、当該分子は、互いに向かう非極性官能基と、互いから離れる極性官能基とにより二重層を形成することができる。別の形態では、非極性官能基は、互いから離れる方向に向きながら、当該二重層において極性官能基が互いに向かう二重層を形成することもできる。
ある実施の形態では、当該ミセル固定材料は、修飾されたペルフルオロスルホン酸-PTFEコポリマー(若しくは修飾されたペルフルオロイオン交換ポリマー)(修飾されたナフィオン(登録商標)若しくは修飾されたフレミオン(登録商標))膜である。当該ペルフルオロイオン交換ポリマー膜は、アンモニウムイオン(NH )より大きい疎水性カチオンにより修飾されている。当該疎水性カチオンは、(1)膜のポアサイズを決定し、そして(2)ポアのpHレベルを維持することを助力する化学的緩衝溶液として作用するという複数の機能を果たす。これらの両方が酵素を安定化させる。
疎水性カチオンの第1の機能に関しては、修飾されたペルフルオロスルホン酸-PTFEコポリマー(若しくは修飾されたペルフルオロイオン交換ポリマー)(修飾されたナフィオン(登録商標)若しくは修飾されたフレミオン(登録商標))膜を作製するため、疎水性カチオンで、ペルフルオロスルホン酸-PTFEコポリマー(若しくはペルフルオロイオン交換ポリマー)を疎水性カチオンで混合流延(mixture-casting)することによって、ポアサイズが疎水性カチオンのサイズに依存する固定化材料を得る。従って、疎水性カチオンが大きいほど、ポアのサイズは大きい。疎水性カチオンのこの機能により、疎水性カチオンのサイズを変化させることによって、ポアのサイズを大きくしたり小さくしたりすることが可能となり特定の酵素若しくはオルガネラをフィットさせることができる。
疎水性カチオンの第2の機能に関しては、パーフルオロスルホン酸−PTFEコポリマー(またはパーフルオロイオン交換ポリマー)膜の特性は、パーフルオロスルホン酸−PTFEコポリマー(またはパーフルオロイオン交換ポリマー)膜上の-SO 官能基(若しくはパーフルオロイオン交換ポリマー上のアニオン)に対する対イオンとしてのプロトンと疎水性カチオンとを交換することによって、変化させる。対イオンにおけるこの変化は、疎水性カチオンがプロトンよりかなり高い-SO 部位への親和性を有するため、pHにおける緩衝作用を与える。この膜の緩衝作用は、溶液のpHが変化しても、ポアのpHを実質的に変化させずに維持する。換言すれば、ポアのpHは、溶液のpHの変化に対して抵抗する。さらに、膜は、固定化された酵素若しくはオルガネラを保護する機械的バリアを与える。
変性パーフルオロスルホン酸−PTFEコポリマー(またはパーフルオロイオン交換ポリマー)膜を調製するために、第一段階において、パーフルオロスルホン酸−PTFEコポリマー(またはパーフルオロイオン交換ポリマー)、特にナフィオン(登録商標)の懸濁液と、疎水性カチオンの溶液とを流延して、膜を形成する。過剰の疎水性カチオンおよびそれらの塩を膜から抽出した後、膜を再流延する。再流延した際に、膜はパーフルオロスルホン酸−PTFEコポリマー(またはパーフルオロイオン交換ポリマー)膜の-SO 部位に関連する疎水性カチオンを含有している。当該膜から疎水性カチオンの塩を除去することにより、膜をより安定にすることができ再生可能とすることができる。つまり、もしそれらが取り除かれなかった場合、過剰の塩がポアにトラップされ、膜にボイドを発生させる。
ある実施の形態では、変性ナフィオン(登録商標)は、第4級アンモニウム臭化物塩等の疎水性カチオンの塩の溶液で、ナフィオン(登録商標)の懸濁液を流延することにより調製する。この塩抽出膜を形成するために再流延される前に、過剰の第四級アンモニウム臭化物塩は当該膜から取り除かれる。膜の塩抽出は、スルホン酸交換部位における第四級アンモニウムカチオンの存在を維持するが、ポアに捕捉され、若しくは等価膜にボイドを発生させる過剰の塩による問題(complications)を排除する。塩抽出膜の化学的および物理的特性は、酵素固定化の前に、ボルタンメトリー、イオン交換キャパシティ測定および蛍光顕微鏡検査法によって特性決定されている。具体的な疎水性カチオンは、アンモニウムベースカチオン、第4級アンモニウムカチオン、アルキルトリメチルアンモニウムカチオン、アルキルトリエチルアンモニウムカチオン、有機性カチオン、ホスホニウムカチオン、トリフェニルホスホニウム、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ヘキサデシルピリジニウム、エチジウム、ビオロゲン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウム、金属錯体、ビピリジル金属錯体、フェナントロリンベース金属錯体、[Ru(ビピリジン)2+および[Fe(フェナントロリン)3+である。
ある好ましい態様において、疎水性カチオンはアンモニウムベースカチオンである。特に、疎水性カチオンは第4級アンモニウムカチオンである。他の態様において、第4級アンモニウムカチオンは下記化1で示される:
Figure 2010516017

式中、R、R、RおよびRは、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは複素環であり、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、水素以外のものである。さらに別の態様において、好ましくは、R、R、RおよびRは、独立に、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、若しくはテトラデシルであり、R、R、RおよびRの少なくとも1つは水素以外のものである。さらに他の態様において、R、R、RおよびRは、同じであり、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルである。さらに他の態様において、好ましくは、R、R、RおよびRはブチルである。好ましくは、第4級アンモニウムカチオンは、テトラプロピルアンモニウム(T3A)、テトラペンチルアンモニウム(T5A)、テトラヘキシルアンモニウム(T6A)、テトラヘプチルアンモニウム(T7A)、トリメチルイコシルアンモニウム(TMICA)、トリメチルオクチルデシルアンモニウム(TMODA)、トリメチルヘキシルデシルアンモニウム(TMHDA)、トリメチルテトラデシルアンモニウム(TMTDA)、トリメチルオクチルアンモニウム(TMOA)、トリメチルドデシルアンモニウム(TMDDA)、トリメチルデシルアンモニウム(TMDA)、トリメチルヘキシルアンモニウム(TMHA)、テトラブチルアンモニウム(TBA)、トリエチルヘキシルアンモニウム(TEHA)、及びこれらを組み合わせたものである。
他の様々な実施の形態において、具体的なミセル若しくは逆ミセル固定化材料は、疎水変性ポリサッカライドである。これらのポリサッカライドは、キトサン、セルロース、キチン、スターチ、アミロース、アルギン酸塩、グリコーゲン、及びこれらを組み合わせたものから選択される。様々な実施の形態において、ミセル若しくは逆ミセル固定化材料は、ポリカチオン性ポリマー、特に疎水変性キトサンである。キトサンは、ポリ[β-(1-4)-2-アミノ-2-デオキシ-D-グルコピラノース]である。キトサンは、一般的には、キチン(ポリ[β-(1-4)-2-アセトアミド-2-デオキシ-D-グルコピラノース])の脱アセチル化により調製する。当該典型的な市販のキトサンはおよそ85%の脱アセチル化されている。これらの脱アセチル化若しくは自由アミン基は、ヒドロカルビル、特にアルキル基によりさらに機能化しても良い。それにより、様々な実施の形態において、ミセル疎水変性キトサンは、化2の構造に相当する。
Figure 2010516017

nは、整数であり、R10は、独立して、水素、ヒドロカルビン、置換ヒドロカルビン、若しくは疎水性酸化還元媒体である。本発明のある実施の形態において、nは、約21,000から約500,000まで、好ましくは約90,000から約500,000まで、より好ましくは約150,000から約350,000まで、さらに好ましくは約225,000から約275,000までの分子量を当該ポリマーに与える整数である。多くの実施の形態において、R10は独立して水素若しくはアルキルであり、R11は独立して水素若しくはアルキルである。さらに、R10は独立して水素若しくはヘキシルであり、R11は独立して水素若しくはヘキシルである。別の実施の形態では、R10は独立して水素若しくはオクチルであり、R11は独立して水素若しくはオクチルである。
他の様々な実施の形態では、ミセル疎水変性キトサンは、化2Aに対応するミセル疎水性酸化還元媒体変性キトサンである。
Figure 2010516017

ここで、nは整数であり、R10aは独立して水素若しくは疎水性酸化還元媒体であり、R11aは、独立して水素若しくは疎水性酸化還元媒体である。
さらに、様々な実施の形態において、ミセル疎水変性キトサンは、化2Bに対応する変性キトサン若しくは酸化還元媒体変性キトサンである。
Figure 2010516017

ここで、R11、R12及びnは、化2と関連して規定される。いくつかの実施の形態では、R11及びR12は、独立して水素、又は直鎖型若しくは分鎖型アルキル、好ましくは水素、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、若しくはドデシルである。様々な実施の形態において、R11及びR12は、独立して水素、ブチル、若しくはヘキシルである。
ミセル疎水変性キトサンは、疎水性官能基により様々な程度で変性されうる。疎水変性の度合は、変性されていないキトサンにおける自由アミン基の数と比較して、疎水性官能基により変性された自由アミンの官能基の割合により決定される。疎水変性の度合は、酸塩基滴定及び/又は核磁気共鳴法(NMR)特にH NMRデータから概算することができる。疎水変性の度合は、幅広く変更することができ、少なくとも約1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、32、24、26、28、40、42、44、46、48%以上である。好ましくは、疎水変性の度合は、約10%〜約45%、約10%〜約35%、約20%〜約35%、若しくは約30%〜約35%である。
他の様々な実施の形態では、化2Aの疎水性酸化還元媒体は、1,10−フェナンソロリン(phen)、2,2’-ビピリジン(bpy)、2,2’,2”-テルピリジン(terpy)、メチレングリーン、メチレンブルー、ポリ(メチレングリーン)、ポリ(メチレンブルー)、ルミノン、ニトロ-フルオレノン誘導体、アジン、オスミニウムフェナントロリンジオン、カテコール−ペンダントテルピリジン、トルエンブルー、クレシルブルー、ナイルブルー、ニュートラルレッド、フェナジン誘導体、チオニン、アズールA、アズールB、トルイジンブルーO、アセトフェノン、メタロフタロシアニン、ナイルブルーA、変性遷移金属リガンド、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオール、[Re(フェン−ジオン)(CO)Cl]、[Re(フェン−ジオン)](PF、ポリ(メタロフタロシアニン)、ポリ(チオニン)、キノン、ジイミン、ジアミノベンゼン、ジアミノピリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、トルイジンブルー、ブリリアントクレシルブルー、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アズールI)、ボリ(ナイルブルーA)、ポリアニリン、ポリピリジン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(チエノ[3,4−b]チオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)、ポリ(イソチアナフテン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(ジフルオロアセチレン)、ポリ(4−ジシアノメチレン−4H−シクロペンタ[2,1-b;3,4-b’]ジチオフェン)、ポリ(3-(4-フルオロフェニル)チオフェン)およびポリ(ニュートラルレッド)及びこれらを組み合わせたものを含む、オスミウム、ルテニウム、鉄、ニッケル、ロジウム、レニウム、若しくはコバルトの遷移金属錯体である。
好ましくは、疎水性酸化還元メディエーターは、Ru(phen) +2、Fe(phen) +2、Os(phen) +2、Co(phen) +2、Cr(phen) +2、Ru(bpy) +2、Os(bpy) +2、Fe(bpy) +2、Co(bpy) +2、Cr(bpy) +2、Os(terpy) +2、Ru(bpy)(4-メチル-4’-(6-ヘキシル)-2,2’-ビピリジン)+2、Co(bpy)(4-メチル-4’-(6-ヘキシル)-2,2’-ビピリジン)+2、Cr(bpy)(4-メチル-4’-(6-ヘキシル)-2,2’-ビピリジン)+2、Fe(bpy)(4-メチル-4’-(6-ヘキシル)-2,2’-ビピリジン)+2、Os(bpy)(4-メチル-4’-(6-ヘキシル)-2,2’-ビピリジン)+2、若しくはこれらを組み合わせたものである。より好ましくは、当該疎水性酸化還元メディエーターは、Ru(bpy)(4-メチル-4’-(6-ヘキシル)-2,2’-ビピリジン)+2、Co(bpy)(4-メチル-4’-(6-ヘキシル)-2,2’-ビピリジン)+2、Cr(bpy)(4-メチル-4’-(6-ヘキシル)-2,2’-ビピリジン)+2、Fe(bpy)(4-メチル-4’-(6-ヘキシル)-2,2’-ビピリジン)+2、Os(bpy)(4-メチル-4’-(6-ヘキシル)-2,2’-ビピリジン)+2、若しくはこれらを組み合わせたものである。様々な好ましい実施の形態において、当該疎水性酸化還元メディエーターは、Ru(bpy)(4-メチル-4’-(6-ヘキシル)-2,2’-ビピリジン)+2である。
修飾因子として疎水性酸化還元メディエーターを有する固定材料につき、当該疎水性酸化還元メディエーターは概してキトサン若しくはポリサッカライドバックボーンに共有結合している。概して、キトサンの場合、当該疎水性酸化還元メディエーターは-N-C-結合を介して、キトサンのアミン官能基の1つと共有結合している。金属錯体酸化還元メディエーターの場合、当該金属錯体は、金属錯体の1以上のリガンドに取り付けられたアルキル基からキトサンアミン基への-N-C-結合を介してキトサンに取り付けられている。化2Cに対応する構造式は、キトサンに取り付けられた金属錯体の具体例である。
Figure 2010516017
Figure 2010516017
ここで、nは整数であり、R10cは、独立して水素若しくは化2Dに対応する構造であり、R11cは独立して水素若しくは化1Dに対応する構造であり、mは0〜10の整数であり、MはRu、Os、Fe、Cr、Coであり、複素環は、ビピリジル、置換ビピリジル、フェナンソロリン、アセチルアセトン、及びこれらを組み合わせたものである。
キトサンを修飾するために使用される疎水性官能基は、(1)固定化材料のポアサイズを決定し、(2)許容できるポア環境を維持するためキトサンの電子環境を修正することの2つの機能を果たす。これらの両方の機能は、酵素若しくはオルガネラを安定化させる。疎水性官能基の第1の機能に関しては、キトサンを疎水的に修飾することにより、ポアサイズが疎水性官能基のサイズに依存する固定材料を生産する。したがって、サイズ、形状、キトサンの疎水性官能基による修飾度は、ポアのサイズ及び形状に影響を与える。疎水性官能基の当該機能により、疎水性官能基のサイズ及び枝分かれを変更することにより特定の酵素若しくはオルガネラをフィットさせるためポアのサイズを大きくしたり若しくは小さくしたりすることができる。
疎水性キトサンの第2の機能に関しては、疎水的に修飾されたキトサンの膜は、キトサンを疎水性官能基で修飾することにより交換することができる。キトサンの当該疎水変性により、プロトンに対する利用可能な交換サイトの数を増加させることによりポア環境に影響を与える。当該材料のpHに影響を与えることに加えて、当該キトサンの疎水変性は機械的バリアとなる膜を与える。これは、さらに固定化された酵素を保護する。
表5は、疎水性修飾キトサン膜についての、プロトンに対する利用可能な交換サイトの数を示している。
Figure 2010516017
さらに、そのようなポリカチオン性ポリマーは、酵素若しくはオルガネルを固定化することができ、緩衝溶液内の同じ酵素若しくはオルガネラの活性と比較してそこに固定化された酵素の活性を増加させることができる。様々な実施の形態において、ポリカチオン性ポリマーは、疎水変性されたポリサッカライドであり、特に疎水変性されたキトサンである。例えば、上述の疎水変性について、グルコースオキシダーゼの酵素活性を測定することができた。最も高い酵素活性は、tアミルアルコールにおいて懸濁されたヘキシル修飾キトサンにおけるグルコースオキシダーゼについて観測された。これらの固定化膜は、緩衝液における酵素に比して、グルコースオキシダーゼ酵素活性において2.53倍の増加を示した。表6は、様々な疎水変性キトサンについてのグルコースオキシダーゼ活性を詳細に説明している。
Figure 2010516017
本発明に係る、修飾因子としてアルキル基を有する、疎水変性キトサンを調製するため、キトサンのジェルは、酢酸に懸濁され、その後アルコール溶媒が加えられる。このキトサンジェルに対して、アルデヒド(具体的には、ブタナール、ヘキサナール、オクタナール、デカナール)を加え、続いてシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加える。結果として得られる生成物は、真空濾過により分離され、アルコール溶媒により洗浄された。修飾されたキトサンは、その後真空オーブン内で40℃で乾燥させ、フレーク状の白い固体となった。
修飾因子として酸化還元メディエーターを有する、本願に係る疎水変性キトサンを調製するため、酸化還元メディエーターリガンドは、4、4’-ジメチル-2,2’-ビピリジンとリチウムジイソプロピルアミンとを接触させ、これに続いてジハロアルケインを加えて4-メチル-4’-(6-ハロアルキル)-2,2’-ビピリジンを生成することにより誘導体化した。その後当該リガンドは、無機塩基の存在下Ru(ビピリジン)Clハイドレートにより接触させ、Ru(ビピリジン)Clが枯渇するまで水アルコール混合物において還流させた。その後、当該生成物を、アンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、若しくは任意のナトリウム若しくはカリウムペルクロレート塩により凝集させ、再結晶化させる。誘導体化された酸化還元メディエーター(Ru(ビピリジン)(4-メチル-4’-(6-ブロモヘキシル)-2,2’-ビピリジン)+2)を脱アセチル化したキトサンと接触させ、加熱した。その後、酸化還元メディエーター変性キトサンを凝集させ再結晶化させた。
疎水変性キトサン膜は、エタノール不溶性という有利な点を有する。例えば、上述のキトサン酵素固定化材料は、概して、約99wt%若しくは99wt%エタノールを含む溶液において酵素を固定し安定化させるために機能する。様々な実施の形態において、キトサン固定化材料は、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90wt%若しくはそれ以上のエタノールを有する溶液において機能する。
他の実施の形態では、ミセル若しくは逆ミセル固定化材料は、疎水変性ポリサッカライド、特に疎水変性アルギン酸塩等のポリアニオン性ポリマーである。アルギン酸塩は、β-(1-4)-リンクD-マンヌロン酸及び残余はβ-(1-4)-リンクL-グルロン酸を含む枝分かれしていない直線的なポリマーであった。脱プロトン化状態において、β-(1-4)-リンクD-マンヌロン酸は化3Aの構造に対応する。
Figure 2010516017

そして、脱プロトン化した状態において、α-(1-4)-リンクL-グルロン酸は、化3Bの構造に対応する。
Figure 2010516017
アルギン酸塩は、マヌロン酸残基のポリマーブロックと、グルロン酸残基のポリマーブロックとから成る不均一ポリマーである。
アルギン酸ポリマーは、様々な方法で修飾されていてもよい。あるタイプは、アンモニウム(NH )イオンより大きい疎水性カチオンにより修飾されたアルギン酸塩である。当該疎水性カチオンは、(1)膜のポアサイズを決定し、そして(2)ポアのpHレベルを維持することを助力する化学的緩衝溶液として作用するという複数の機能を果たす。これらの両方が酵素及びオルガネラを安定化させる。疎水性カチオンの第1の機能に関しては、修飾されたカチオンでアルギン酸塩を修飾することにより、ポアのサイズが疎水性カチオンのサイズに依存する固定化材料を作製することができる。したがって、サイズ、形状、疎水性カチオンによるアルギン酸塩の修飾度は、ポアのサイズ及び形状に影響を与える。疎水性カチオンの当該機能により、疎水性カチオンのサイズ及び枝分かれを変更することにより特定の酵素若しくはオルガネラをフィットさせるためポアのサイズを大きくしたり若しくは小さくしたりすることができる。
疎水性カチオンの第2の機能に関しては、アルギン酸ポリマーの特性は、アルギン酸塩の-CO 官能基に対する対イオンとしてのプロトンと疎水性カチオンとを交換することによって、変化させる。対イオンにおけるこの変化は、疎水性カチオンがプロトンよりかなり高い-CO 部位への親和性を有するため、pHにおける緩衝作用を与える。このアルギン酸塩膜の緩衝作用は、溶液のpHが変化しても、ポアのpHを実質的に変化させずに維持する。換言すれば、ポアのpHは、溶液のpHの変化に対して抵抗する。さらに、アルギン酸塩膜は、固定化された酵素若しくはオルガネラを保護する機械的バリアを与える。
変性アルギン酸塩膜を調製するために、第一段階において、アルギン酸塩ポリマーの懸濁液と、疎水性カチオンの溶液とを流延して、膜を形成する。過剰の疎水性カチオンおよびそれらの塩を膜から抽出した後、膜を再流延する。再流延した際に、膜はアルギン酸塩膜の-CO 部位に関連する疎水性カチオンを含有している。当該膜から疎水性カチオンの塩を除去することにより、膜をより安定にすることができ再生可能とすることができる。つまり、もしそれらが取り除かれなかった場合、過剰の塩がポアにトラップされたままとなり、膜にボイドを発生させる。
ある実施の形態では、変性アルギン酸塩膜は、第4級アンモニウム臭化物塩等の疎水性カチオンの塩の溶液で、アルギン酸塩の懸濁液を流延することにより調製する。この塩抽出膜を形成するために再流延される前に、過剰の第4級アンモニウム臭化物塩若しくは臭化水素は当該膜から取り除かれる。膜の塩抽出は、カルボン酸交換部位における第四級アンモニウムカチオンの存在を維持するが、ポアに捕捉され、若しくは等価膜にボイドを発生させる過剰の塩による問題(complications)を排除する。具体的な疎水性カチオンは、アンモニウムベースカチオン、第4級アンモニウムカチオン、アルキルトリメチルアンモニウムカチオン、アルキルトリエチルアンモニウムカチオン、有機性カチオン、ホスホニウムカチオン、トリフェニルホスホニウム、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ヘキサデシルピリジニウム、エチジウム、ビオロゲン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウム、金属錯体、ビピリジル金属錯体、フェナントロリンベース金属錯体、[Ru(ビピリジン)2+および[Fe(フェナントロリン)3+である。
ある好ましい態様において、疎水性カチオンはアンモニウムベースカチオンである。特に、疎水性カチオンは第4級アンモニウムカチオンである。他の態様において、第4級アンモニウムカチオンは下記化4で示される:
Figure 2010516017

式中、R、R、RおよびRは、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは複素環であり、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、水素以外のものである。さらに別の態様において、好ましくは、R、R、RおよびRは、独立に、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、若しくはテトラデシルであり、R、R、RおよびRの少なくとも1つは水素以外のものである。さらに他の態様において、R、R、RおよびRは、同じであり、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルである。さらに他の態様において、好ましくは、R、R、RおよびRはブチルである。好ましくは、第4級アンモニウムカチオンは、テトラプロピルアンモニウム(T3A)、テトラペンチルアンモニウム(T5A)、テトラヘキシルアンモニウム(T6A)、テトラヘプチルアンモニウム(T7A)、トリメチルイコシルアンモニウム(TMICA)、トリメチルオクチルデシルアンモニウム(TMODA)、トリメチルヘキシルデシルアンモニウム(TMHDA)、トリメチルテトラデシルアンモニウム(TMTDA)、トリメチルオクチルアンモニウム(TMOA)、トリメチルドデシルアンモニウム(TMDDA)、トリメチルデシルアンモニウム(TMDA)、トリメチルヘキシルアンモニウム(TMHA)、テトラブチルアンモニウム(TBA)、トリエチルヘキシルアンモニウム(TEHA)、及びこれらを組み合わせたものである。
ポア特性は研究され、当該膜のポア構造は酵素固定化と同様である。これは当該ポアは疎水性のミセル構造であり、外部pHの変化に対して緩衝作用を有し、高いポア相互接続性を有するからである。
他の実施の形態において、超低分子量アルギン酸塩及びドデシルアミンは、25%のエタノール内に配置され、還流され、それによりカルボン酸基のアミド化によりドデシル修飾アルギン酸塩を生成する。様々なアルキルアミンをドデシルアミンで置換し、反応性カルボン酸基の数を変更したアルギン酸構造に取り付けられたC4-C16アルキル基を有するアルキル修飾アルギン酸塩を生成することができる。様々な実施の形態において、カルボキシル基の少なくとも約1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48%以上がアルキルアミンと反応する。
疎水変性アルギン酸塩膜は、エタノール不溶性という有利な点を有する。例えば、上述のアルギン酸塩酵素固定化材料は、概して、約25wt%若しくは25体積%エタノールを含む溶液において酵素を固定し安定化させるために機能する。様々な実施の形態において、アルギン酸塩固定化材料は、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90wt%若しくはそれ以上のエタノールを有する溶液において機能する。
特定の酵素若しくはオルガネラにとって最も効果的な固定化材料を評価するために、選択された酵素若しくはオルガネラを、電気導電体上に析出され、緩衝溶液において電子メディエーター(具体的にはNAD)及び/又は特定の酵素のためのサブストレートを含む溶液により処理された様々な固定化材料に固定化することができる。蛍光顕微鏡写真が得られ、これは、特定の固定化材料に固定された酵素若しくはオルガネラが未だに固定化後触媒に活性な酵素である場合の蛍光を示している。特定の固定化材料が、酵素若しくはオルガネラの触媒活性を維持する間酵素若しくはオルガネラを固定し安定化させるか否かを決定する1つの方法である。例えば、スターチ消費アミラーゼについては、最も大きい相対活性を備える酵素固定化材料が、tアミルアルコールに懸濁されたブチルキトサンにおいて酵素を固定化することにより与えられる。マルトース消費アミラーゼについては、最も大きい相対活性は、中程度の分子量のデシル修飾キトサンにおいて酵素を固定化することにより与えることができる。
カソードアセンブリ
図10〜12に示すように、マニホールド15のフロントサイド21のフロントカソードアセンブリ51は、フロントアノードアセンブリ45と同様の方法で作製される。すなわち、アセンブリ51は、全体を通して201により示された同様のフレームを含む。当該フレーム201は、開口部205を有する一対の交互のフレームメンバー201A、201Bと、複数のカソードとを含む。当該カソードは、それぞれ全体を通して207で示され、1つのフレーム開口部につき1つのカソードとなるように、フレーム開口部205においてフレーム201により保持されている。
ある実施の形態では、各カソード207は、集電体211を備える。ある実施の形態では、当該集電体211は、約0.018インチの膜厚を有する金メッキステンレス鋼のワイヤーメッシュパネルを有する。適切な電極リード213(具体的には28ゲージの導電体)は、集電体211に固定されている。カソード207は、集電体211のバックフェースに、積層された触媒構造を備える。これは全体を通して225で示されている。当該積層された触媒構造は、例えば、ガス拡散層、触媒層、及びポリ電解質膜(ナフィオン(登録商標))を備える。いくつかの具体例において、カソードガス拡散層は、モナーチ1400カーボンブラック(カボット)、ケムソーブ1505G5ポーラス、浸透スチーム活性カーボン(Cケム)のドライコンポーネント、及び、アセトンに溶解されたクイックセット2パートエポキシ(オリジナルスーパーグルーコーポレーション)、及び水(シグマ)に分散された60%ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のウェットコンポーネントを含む。当該ドライコンポーネントは、フードグラインダーにおいて攪拌され、ウェットコンポーネントは、超音波ホモジェナイザーにより混合され、その後ドライコンポーネントとウェットコンポーネントは合わされ、当該混合物が歯磨き粉と同じくらいの硬さになるまでペティナイフで混合される。様々な実施の形態のいくつかにおいては、ガス拡散層及び触媒層は、別々の層でなくともよいし、組み合わされていても良い。当該積層された触媒構造は、集電体211のバックフェースに固定されている。特定の実施の形態では、触媒積層構造は、ガス拡散層の一方の面にプラチナブラック触媒及びナフィオン(登録商標)イオノマーを含むインクを塗布することにより調製することができる(具体的には、E-Tekすなわち両面にマイクロポーラス層を有するLT2500W低温エラート)。触媒を含むインクが一旦乾燥すると、触媒積層構造は、上面にプラチナブラック触媒を有する集電体の上面にガス拡散層を配置することにより組み立てられ、その後ガス拡散層及び触媒層の上面において電解質膜(具体的にはナフィオン(登録商標))を配置する。当該組立体は、水に浸され、その後、ホットプレスにより一体的に固定され、その結果単体のカソード複合材となる。ポリ電解質膜(具体的にはナフィオン(登録商標)イオノマー)は、燃料流体に対して不透過性であるが、電子及びプロトンを伝導することができる。
各カソード201は、当該カソードのサイドエッジマージンがフレームメンバー201A、201Bの一部を重ね合わせるためフレーム開口部のそれぞれのサイドを超えて存在するように、対応するフレーム開口部205より僅かに大きく形成される。カソード201は、カソード201のフロントフレーム部材201Aと集電体211との間に配置された接着剤のフロント層275、そして、カソード201のバックフレーム部材201Bと積層された触媒構造225との間の接着材のバック層277により、複数のフレーム部材に固定されている。フロント及びバック接着層275、277は、例えば約0.0005インチの膜厚を有するウレタンホットメルト接着材フィルムを含む。フロント及びバック接着層275、277は、フロント及びバックフレーム部材201A、201Bのサイズ、及び形状にそれぞれ対応するサイズ及び形状を有するように構成される。熱が当該アセンブリに(ホットプレス法により)加えられると、当該接着材は溶解し2つのフレーム部材201A、201B、集電体211を、互いに対して固定されたポジションにおいて固定し、単一のフロントカソード構造体を形成する。
図52に示すように自立型バイオカソード触媒支持体を有する他の態様では、各カソード207は、カソードに埋設された集電体525を備える。ある実施の形態では、当該集電体は、基部エンドと末端エンドとを有し、長手方向軸に沿って延在する。集電体525に接触している導電性単一層527は、当該集電体の基部エンドから末端エンドへ同軸上に延在している。適切な電気リード213が集電体525に固定されている。別の実施の形態では、自立型バイオカソード触媒支持体は、埋設された集電体525を有していない。導電性単一層527は、第1電気伝導性材料、第2電気伝導性材料、及びバインダーから成る混合物であり、以下の自立型バイオアノード触媒支持体の製造のセクションにおいて記載されるように製造することができる。導電性単一層527の一方のサイドは、バイオカソードの疎水性吸気部分として機能する。その後、酵素を含む触媒層(不図示)は、以下の導電性ポリマーベースナノワイヤーのセクションにおいて述べた方法により単一層527の反対表面に塗布される。結果として得られるバイオカソードは、集電体525の一方の面に疎水性吸気サイドと、集電体525のバックフェースに酵素含有サイドと、を含む。別の態様では、酵素(以下のカプセル化酵素のカーボンペーストへの組み込みのセクションにおいて記載)含有触媒粒子を、単一層527を形成する際に使用される混合物に加えてもよく、導電性単一層に酵素を与える。
各カソード201は、当該カソードのサイドエッジマージンがフレームメンバー201A、201Bの一部を重ね合わせるためフレーム開口部のそれぞれのサイドを超えて存在するように、対応するフレーム開口部205より僅かに大きく形成される。複数のカソード201は、カソード201のフロントフレーム部材201Aと単一層527との間に配置された接着剤のフロント層275、そして、カソード201のバックフレーム部材201B及び単一層527の反対サイドとの間の接着材のバック層277により、複数のフレーム部材に固定されている。フロント及びバック接着層275、277は、例えば約0.0005インチの膜厚を有するウレタンホットメルト接着材フィルムを含む。フロント及びバック接着層275、277は、フロント及びバックフレーム部材201A、201Bのサイズ、及び形状にそれぞれ対応するサイズ及び形状を有するように構成される。熱が当該アセンブリに(ホットプレス法により)加えられると、当該接着材は溶解し2つのフレーム部材201A、201B、集電体525、単一層527を、互いに対して固定されたポジションにおいて固定し、単一のフロントカソード構造体を形成する。
フロントカソードアセンブリ51は、アノード157とカソード207とが、概して互いに整列し、マニホールドのフロントサイド21の各フロント燃料容器41に関して整列するようにフロントアノードアセンブリ45とマニホールド15に関してフィックスした状態で固定される。ある実施の形態では、フロントカソードフレーム201は、接着材若しくは他の適切な機械的手段によりフロントアノードフレーム151に固定される。フロントカソードフレーム201とフロントアノードフレーム151との間で密閉することができ(不図示)、各アノード/カソードセットを、近接する各アノード/カソードセットから、隔離することができる。当該シーリングは、様々な方法で、すなわち、カソードフレーム201の後面とアノードフレーム151の前面との間の接着材の適切な層を用いること等により、若しくは1以上のシーリング部材(具体的にはガスケット)により、若しくは他の方法により形成することができる。
マニホールド15のバックサイド23のバックカソードアセンブリ53は、フロントカソードアセンブリ51に実質的に同様な方法で製造され、対応する部品は同じ参照番号により特定している。バックカソードアセンブリ53のフレーム201は、バックカソード201及びバックアノード157を有するバックアノードアセンブリ47に対向して、当該マニホールド15のバックサイド23の各燃料容器41と整合させて配置される。バックカソードアセンブリ53は、マニホールド15に対してフィックスされた位置に固定され、バックアノードアセンブリ47は上述と同様な方法でフロントカソードアセンブリ51に関して固定される。
マニホールド15、フロント及びバックアノードアセンブリ45、47及びフロント及びバックカソードアセンブリ51、53の周囲のサイズ及び形状は、これらのコンポーネントが、スタックされ若しくは積層され、ハウジング91に配置されるための図6に示すようなコンパクトな単一の構造体が形成されるように実質的に同じである。当該構造体のサイズは、互いにスタックされた燃料電池の数に依存して変動しうる。(各燃料電池は燃料容器41、アノード157、及びカソード201を含む。)具体例により、図1〜6に示されるように、8つのセルのスタックを有する燃料電池デバイス1は、次のようなディメンジョンを有する:3.5×2.0×1.0インチ(およそ8.9cm×5.1cm×2.54cm)。本発明の設計において、コンパクトなユニットを形成するため、燃料電池をいくつでも容易に互いにスタックすることができる。
上述の様々なコンポーネントが組み立てられたとき、それぞれのフレーム開口部155、205内に露出されたアノード157及びカソード201は、これらのスペースにトラップされたエアーバブルがアノード及びカソードのそれぞれに接触しないように、各燃料容器41の上面のチャンバ若しくはスペース131の下に配置される。この構成は、図5に最良に示されている。ここでは、整列されたアノード及びカソードフレーム開口部155、201の上端の隆起部は、ライン291により示されている。この隆起部291は、燃料容器41内のエアーバブルが、各電極構造と接触しない位置へ上昇するように、チャンバ131の下、少なくともチャンバ131の上面の下にある。
カソード
本発明のカソード及びバイオカソードは、概して、触媒と、電子伝導体(ガス拡散層)と、任意の集電体と、を備える。本発明のカソード若しくはバイオカソードは、空気中において酸素を還元するために選択された触媒であって、カソード電子伝導体に直接電子輸送をすることができ、もし可能な場合は燃料電池において使用された場合にアルコール燃料流体の最小酸化を可能とする触媒を含む。当該触媒として酵素を用いた場合、当該カソードはさらに酵素固定化材料を備える。当該カソードはまた空気及び燃料流体に対して透過性を有する電子伝導体(ガス拡散層)を含み、触媒への直接電子輸送を容易にし、カソードの氾濫を最小化し防止するため、酸素還元反応において生成される水を管理する電気導電体(ガス拡散層)を含む。様々な好ましい実施の形態において、当該触媒は上記電気導電体から直接電子を獲得し、酸化剤(すなわち酸素)に対してそれらを放出することができる。他の実施の形態では、カソード若しくはバイオカソードは、さらに電子伝導体から触媒へ電子輸送を媒体する電子メディエーターを含んでいても良い。様々な他の実施の形態において、カソード若しくはバイオカソードは、電子メディエーターと、該電子メディエーターのための電解触媒とを有する。電子メディエーター及び電解触媒は、電子伝導体から触媒、さらには酸化剤、酸素への電子の輸送を容易にする。
吸気性カソード
本発明の様々な発明の中に、図22に例示された電極が含まれる。当該電極は、空気を透過可能であって燃料流体については透過不可能な、電気伝導性材料の第1領域と、上記燃料流体及び上記空気に対して透過可能な、電気伝導性材料の第2領域と、上記燃料流体及び上記空気の両方に接触することが可能な触媒と、を備える。当該電極は、図22において吸気性半電池の作用電極(WE)として図示されている。当該作用電極(WE)は、第1領域、第2領域、及び触媒のラベルが付された領域若しくは層を含む。当該半電池は、上記作用電極近くに配置された参照電極(RE)と、好ましくは貴金属メッシュ若しくはカーボンシートの対極(CE)と、を含む。当該作用電極(WE)を含む吸気性半電池は、室温、電極ポテンシャル0.4V、及び10mg/cmの触媒積載でオペレートした場合、少なくとも、約16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80mA/cm若しくはそれ以上の電流密度を発生させる。本発明の吸気性カソードが、燃料電池に組み込まれた場合、室温、電極ポテンシャル0.4V、及び10mg/cmの触媒積載でオペレートした場合の電流密度が、代わりに既知の吸気性ノンプラチナカソードを含む同じ燃料電池と比較して、より大きい電流密度を与えることが分かった。
本発明の様々な発明の他のものは、電子伝導体と、少なくとも1つの卑金属触媒と、任意の炭素支持ポリアミドとを備える電極である。多くの好ましい実施の形態では、当該電極は、ポリアミド及び卑金属触媒との金属元素相互作用を増加させ酸素から水へ選択的に還元するため、熱処理を受ける。さらに、電極を含む吸気性半電池は、室温、電極ポテンシャル0.4V、及び10mg/cmの触媒積載でオペレートした場合、少なくとも、約16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80mA/cm若しくはそれ以上の電流密度を発生させる。
他の実施の形態では、当該電極は、電子伝導体と、水を生成するため酸化剤を用いて反応させる酵素と、酵素固定化材料と、任意の電子メディエーター及び/又は該電子メディエーター用電解触媒と、を備える。当該酵素固定化材料は、酵素を固定化し安定化させる。電子伝導体は、機能化されていない若しくは活性化されていない同じ電子伝導体を有する電極と比較して電流密度を増加させるため、機能化されたマルチウォールカーボンナノチューブ若しくは活性されたカーボンベースの材料を含む。
以下により詳細に記載するように、電子伝導体を有する酵素触媒バイオカソード、若しくは電子伝導体、及び電解触媒の実施の形態は、本発明の技術的範囲内に含まれるが、電子伝導体から触媒への直接電子輸送がされるカソード及びバイオカソードの実施の形態が望ましい。
上述のように、吸気性半電池においてテストしたように、本発明のカソード及びバイオカソードの様々な実施例は、室温、電極ポテンシャル0.4V、及び10mg/cmの触媒積載でオペレートした場合、少なくとも、約16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80mA/cm若しくはそれ以上の電流密度を発生させる。
カソード触媒
カソード触媒は、概して、酵素若しくは卑金属触媒であっても良い。好ましくは、当該触媒は酸化剤、酸素の還元により選択される。このようなカソード触媒は、燃料流体を酸化させるために反応せず、燃料の高い利用性及び高いカソードポテンシャルを維持するため、この選択性は好ましい。また、アノード及びカソードは、ポリマー電解質膜により分離される必要がないので、燃料電池のコスト及び効率を改善することができる。
酵素が触媒として使用される場合、バイオカソードにおいて、酸素を還元することができるはずである。一般的に、自然発生酵素、人的に生成された酵素、人工的酵素、修飾された自然発生酵素を用いても良い。さらに、自然に若しくは指向進化により工業的に作製された工業的酵素を用いても良い。換言すれば、酵素の特性を最小化する有機的若しくは無機的分子を本発明の実施の形態に使用しても良い。様々な好ましい実施の形態において、酵素は、ビリルビンオキシダーゼ、ラッカーゼ、スーパーオキサイドディスムターゼ、ペルオキサイド若しくはこれらを組み合わせたものである。好ましくは当該酵素はビリルビンオキシダーゼを含む。
他の実施の形態では、カソード触媒は卑金属触媒である。好ましくは、当該卑金属触媒は、燃料流体と反応することなく、選択的に酸素を還元する。燃料流体の存在に対して実質的に寛容であることが、卑金属触媒の他の好ましい特性である。触媒が燃料流体に対する実質的な寛容性を有する場合、触媒の活性は、当該触媒に接触する燃料流体の濃度が増加する際、実質的に減少する。換言すれば、アルコールを含む電解溶液を使用する場合の、触媒を含む半電池により発生する電流密度は、実質的に、5%アルコールを含む電解質溶液を用いる場合の、同じ半電池により発生する最大電流密度以上(すなわち、最大電流密度の少なくとも約75%)である。例えば、燃料流体がアルコールである場合、半電池において30質量%アルコールを含む電解質溶液を用いたときの電流密度は5質量%アルコールを含む電解質溶液を用いたときの最大電流密度の少なくとも約75%である。特に、当該触媒は、メタノール及びエタノールの存在に対して寛容である。
卑金属触媒を含むカソードの電流密度を増加させるため、触媒を約500〜900℃で熱処理しても良い。卑金属触媒は、遷移金属、遷移金属複素環若しくはそれらを組み合わせたものであってもよい。当該触媒が、遷移金属複素環である場合、これは、遷移金属フタロシアニン、遷移金属ポルフィリン、若しくはその誘導体若しくは類似体であってもよい。具体的な遷移金属複素環は、鉄フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、鉄ポルフィリン、コバルトポルフィリン、その誘導体若しくは類似体、若しくはそれらを組み合わせたものである。好ましい遷移金属複素環は、コバルト(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25-ヘキサデカフルオロ-29H,31H-フタロシアニン若しくはその誘導体若しくは類似体を含む。
卑金属触媒は、ポリアミンと相互作用し若しくはこれと関連することが好ましい。特に好ましい実施の形態では、ポリアミンは、カーボン支持アミンである。ポリアミンは、ポリアニリン、ポリピロール、その誘導体若しくは類似体、若しくはこれらを組み合わせたものである。様々な好ましい実施の形態において、ポリアミンはポリピロール若しくはその誘導体若しくは類似体が含まれる。
卑金属触媒とポリアミンとの相互作用及び関連性を増加させるため、熱処理工程を実行し卑金属触媒とポリアミンとの相互作用を停止させ、卑金属触媒とポリアミンとを相互作用(結合)させる。当該熱処理工程は不活性雰囲気下で実行することが好ましい。当該熱処理工程の間、卑金属触媒、特に金属複素環触媒は、ポリアミン若しくは炭素支持ポリアミンと接触しながら、約500℃〜約900℃、好ましくは約550℃〜約650℃、より好ましくは590℃〜約610℃まで加熱される。当該加熱工程の期間は、典型的には約0.5時間〜約6時間、好ましくは約0.5時間〜約3時間、より好ましくは約1時間である。
以下に詳細に説明するように、これらの電極の電子伝導体の疎水性は、酸素の還元の間生成される水を管理するように制御しても良い。そのため、リンタングステン酸等の親水性試薬、ポリ(4-スチレンスルホン酸)若しくはそれらを組み合わせたものを加え、電子伝導体の疎水性を低減することができる。
以下の表7は、卑金属触媒及びポリアミンを含む電極を作製するために使用される様々な許容可能な材料及びプロセス条件、及び電極が上述の半電池に組み込まれたときに観測される性能を示している。各材料、プロセス条件、若しくは性能特性は、リストされた後述の電子伝導体材料、全ての他の各材料、プロセス条件、若しくは性能特性と組み合わせることが意図されている。
Figure 2010516017
電子伝導体(ガス拡散層)
一般的に電子伝導体は、電子を伝導する物質である。電子伝導体は、当該材料を通して電子を伝導させることができる限り、実際有機系であっても無機系であってもよい。様々な実施の形態において、電子伝導体は、カーボンベース材料である。具体的なカーボンベース材料は、カーボンクロス(E-Tek)、カーボンペーパー、カーボンスクリーン印刷電極、カーボンペーパー(トレイ)、カーボンペーパー(ELAT)、カーボンブラックヴァルキャンXC-72、E-tek)、カーボンブラック、カーボンパウダー、カーボンファイバー、シングルウォールカーボンナノチューブ、ダブルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブ、カーボンナノチューブアレイ、ダイアモンドコート導電体、ガラス状炭素、メソポーラスカーボン、及びそれらを組み合わせたものである。さらに、他の具体的なカーボンベース材料は、グラファイト、非圧縮グラファイトウォーム、剥離された精製フレークグラファイト(スーペリアー(登録商標)グラファイト)、高性能グラファイト及びカーボンパウダー(フォーミュラBT(登録商標)、スーペリアー(登録商標)グラファイト)、高秩序熱分解グラファイト、熱分解グラファイト、ポリ結晶性グラファイト、及びそれらを組み合わせたものである。
特定の使用のため、様々なタイプのカーボンベース電子伝導体は最適な性能を提供する。例えば、多孔性が電子伝導体の中のポジションに依存して変わる多孔質カーボン構造を有する電子伝導体は、液体の電解質若しくは燃料流体を利用する燃料電池にとって有益である。加えて、バイオカソードについて、機能化されたマルチウォールカーボンナノチューブ及び活性化されたカーボン伝導体は、バイオカソード内において電子伝導体から酵素への直接電子輸送を容易にする。
様々な実施の形態のいつくかにおいて、電子伝導体のある領域において、電子伝導体の他の領域におけるより大きなポアを有する電子伝導体(ガス拡散層)が使用される。例えば、非対称のポア分散を有する電子伝導体が図23に示されている。当該ポアサイズは、電子伝導体の第1の領域が空気に対して透過可能で燃料流体に対して透過不可能であるが、電子伝導体の第2の領域(図23に示された黒色部分)は空気及び燃料流体に対して透過可能となるように制御される。ある燃料電池及びバイオ燃料電池の実施の形態において、電子伝導体は、ある材料(具体的には空気若しくは燃料流体)の実質的な量(すなわち、少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85質量%若しくはそれ以上)がある特定の時間間隔で当該材料を透過可能であるとき、当該電子伝導体は実質的に当該材料を透過可能である。例えば、電子伝導体は、少なくとも燃料流体の50%が約3時間で当該電子伝導体を透過するとき、燃料流体に対して実質的に透過可能である。
このタイプの電子伝導体は特に固体電解質を用いるものより液体電解質を用いる燃料電池にとって有益である。概して、このような電子伝導体は、カーボンブラックを含む。しかしながら、許容可能な代替物は、高い比表面積を有し、空気に対して透過可能であり空気及び燃料流体に対して透過可能であるという観点で許容可能な多孔性を有し、適当な疎水性を有する電子伝導性カーボン材料である。当該疎水性は酸素の還元から生成される水を管理するように制御される。疎水性は電子伝導体へ加えるポリテトラフルオロエチレンの量を増加させることにより増加させることができる。このため、電子伝導体に加えられるポリテトラフルオロエチレンがより多くなれば、電子伝導体の疎水性はより大きくなる。さらに、疎水性は加えるポリテトラフルオロエチレンの量を減少させること若しくはリンタングステン酸若しくはポリ(4-スチレンスルホン酸)等の疎水性薬剤を加えることにより減少させることができる。
多孔性の勾配を有する電子伝導体は、ポア形成剤を加えることにより調製することができる。許容可能なポア形成剤は電子伝導体(具体的にはカーボン層)に拡散し、その後電子伝導体から容易に取り除かれる。具体的なポア形成剤はアンモニウムカルボン酸塩である。
様々な他の実施の形態において、電子伝導体は機能化されたマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)を含む。これらの機能化されたMWCNTはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、若しくはチアノ基若しくはこれらを組み合わせたものにより当該カーボンナノチューブの表面上に修飾されている。様々な好ましい実施の形態において、機能化されたMWCNTはヒドロキシル基若しくはカルボキシル基若しくはこれらを組み合わせたものにより修飾される。機能化されたMWCNTは約15nmの平均直径を有する。好ましくは、当該機能化されたMWCNTは約8nmの平均直径を有する。これらの機能化されたMWCNTは触媒として酵素を含み、電子伝導体と酵素との間の直接電子輸送が望まれるバイオカソードにおいて特に好ましい。
他の電子伝導体は活性化されたカーボンを含む。様々なカーボン材料は後述のように活性化することができる。好ましくは、活性化されたカーボンブラックは、より高密度に構成され過剰な導電性ブラック(30nmの平均粒子サイズを有し約910m/gのBET表面領域を有する)を含み、プリンテックスXE-2の名称で販売されているカーボンブラックである。これは商業的にはデグサから入手可能である。カーボン材料は、600〜900℃まで加熱し、続いて冷水の中に浸すことにより活性化することができる。特定の理論に結び付けることなく、加熱及びその後の急速冷却により、カーボンシートが破かれ、高い比表面積を有しナノチューブと同様の構造体を形成することができると信じられている。
特別な理論に結び付けることなく、酵素触媒バイオカソードにおいて使用されるとき機能化されたMWCNT及び活性化カーボンの機能は、(1)水素結合により酵素のアミノ側基と相互作用すること、(2)酵素に対してバイオカソードの活性サイドを維持するように酵素を配向すること、(3)バイオカソードにおいて酵素の電子トンネルの効果的な配向を提供することにある。
吸気性カソードのための材料の調製
上述の様々な電子伝導体、触媒、及びカソードを以下の一般的な手法を用いて調製することができる。
勾配を有するポアサイズを有する電子伝導体
所望の多孔性勾配を有する電子伝導体を用意するため、所望の比表面積、多孔性及び疎水性を有する電子伝導体を準備する。一般的に、電子伝導体は、一片のカーボンベース支持材料を、所望の電子伝導体材料(具体的にはカーボンブラック)、非イオン性表面活性剤、及び疎水性薬剤(具体的にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE))を含有する電気泳動析出バスに浸漬することにより作製することができる。電子泳動析出は、当該技術の分野において知られている標準的な条件の下、対極を用いて実行される。電子泳動析出に続いて、電子伝導体を水でリンスし乾燥させる。所望の電子伝導体材料(具体的にはカーボンブラック)、疎水性薬剤(具体的にはPTFE)のコーティング生地が調製され、電子泳動析出により調製された電子伝導体の両側にコートされる。当該コーティング生地における溶媒は、コーティングフィルムを形成するため蒸発される。コーティングフィルムはホットプレスされその後焼結される。ポア分配は、電子伝導体の一方の側にポア形成剤をブラッシングすることにより制御することができ、電子伝導体に当該薬剤を拡散させることができ、その後ポアを形成するため当該ポア形成剤を熱分解する。
特に、図2に示す電子伝導体は0.60gのカーボンブラック(XE2、デグサ)の溶液20mL、トリトンX-100 0.60mL、60%ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散剤(アルドリッチ)0.67g、及びミリQ水100mLを含む電気泳動析出バスにおいて一片のカーボンクロス(18cm、E-Tek、B1A)を浸漬することにより作製することができる。当該電子泳動析出は、カーボンクロスとカーボンペーパーとの距離が3mmであり、対極としてカーボンペーパーを使用して、20分間40Vで実行した。一旦析出が完了すると、当該カーボンクロスは水でリンスされ、トリトンX-100を取り除き、1時間100℃で真空オーブン内で乾燥させる。カーボンブラック(デグサ、XE-2)0.40g、60%PTFE分散剤(アルドリッチ)0.33g、及びエタノール8mLの生地を作成した。その後、当該生地を上述の電気泳動析出により作成されたカーボンクロスの両サイドにコートした。当該コートされたフィルムにおける溶媒は30分間室温で蒸発させた。その後、当該フィルムは、約30分間380℃で焼結する前に、95℃で500ポンドの圧力でプレスした。当該コートされたフィルムにおけるPTFE含有量は約33質量%であった。さらに、当該コートされたフィルムにおけるポア配分は、ポア形成剤(イソプロパノール溶液のアンモニウムカルボン酸塩1.0質量%)2mLをブラッシングすることにより制御することができる。当該薬剤はコートされたフィルムを移動する。その後当該薬剤は90℃で析出され、120℃において28インチHg真空中で洗浄された。
熱処理された及び熱処理されていない卑金属触媒
コバルト複素環(具体的にはコバルトフタロシアニン(CoPc))、コバルト(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25-ヘキサデカフルオロ-29H,31H-フタロシアニン(CoPcF)等、卑金属触媒を当該卑金属触媒(具体的にはCoPc、CoPcF)を溶媒に分散し超音波バスにおいて当該分散剤を配置することにより調製する。その後溶媒を蒸発させ、乾燥した粉末を坩堝に配置し500〜900℃の温度で不活性ガス雰囲気下で熱処理する。結果として得られた触媒は、ナフィオン溶液と混合され、超音波バスを用いて溶媒中に分散させる。当該混合物は電子伝導体(ガス拡散層)の活性サイドに緩やかにコートし乾燥させる。いくつかのケースでは、卑金属触媒及びナフィオン溶液を有する混合物に疎水性薬剤(具体的にはリンタングステン酸)を加え、電子伝導体にコーティングする前に超音波バスにおいて分散させる。卑金属触媒を熱処理せずに使用する場合、当該卑金属触媒(具体的にはCoPc若しくはCoPcF)及びナフィオン溶液は、溶媒に分散され、当該溶液は電子伝導体の活性サイドに緩やかにコーティングされ乾燥される。
ポリアミンを有する卑金属触媒(熱処理有り及び無し)
コバルト複素環(具体的にはコバルトフタロシアニン(CoPc))、コバルト(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25-ヘキサデカフルオロ-29H,31H-フタロシアニン(CoPcF)等、卑金属触媒を当該卑金属触媒(具体的にはCoPc、CoPcF)及びポリアミン(具体的にはポリピロール)を溶媒に分散し超音波バスにおいて当該分散剤を配置することにより調製する。その後溶媒を蒸発させ、乾燥した粉末を坩堝に配置し500〜900℃の温度で不活性ガス雰囲気下で熱処理する。結果として得られた触媒は、ナフィオン溶液と混合され、超音波バスを用いて溶媒中に分散させる。当該混合物は電子伝導体(ガス拡散層)の活性サイドに緩やかにコートし乾燥させる。いくつかのケースでは、CoPc、若しくはCoPcFとナフィオン溶液とを有する混合物に疎水性薬剤(具体的にはリンタングステン酸)を加え、電子伝導体にコーティングする前に超音波バスにおいて分散させる。ポリアミンを有する卑金属触媒を熱処理せずに使用する場合、当該卑金属触媒(具体的にはCoPc若しくはCoPcF)、ポリアミン及びナフィオン溶液は、溶媒に分散され、当該溶液は電子伝導体の活性サイドに緩やかにコーティングされ乾燥される。
熱処理された、カーボン上の卑金属触媒
コバルト複素環(具体的にはコバルトフタロシアニン(CoPc))、コバルト(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25-ヘキサデカフルオロ-29H,31H-フタロシアニン(CoPcF)等、卑金属触媒を当該卑金属触媒(具体的にはCoPc、CoPcF)及びカーボン材料(具体的にはカーボンブラック)を超音波バスにおいて分散させその後溶媒を蒸発させることにより調製する。乾燥した粉末を坩堝に配置し500〜900℃の温度で不活性ガス雰囲気下で熱処理する。その後粉末はナフィオン溶液と混合され、超音波バスにおいて溶媒中に分散させ、電子伝導体(ガス拡散層)の活性サイドに緩やかにコートし乾燥させる。
酵素層の調製
カーボン分散液を作成するため、超音波バスにおいてカーボン材料を溶媒に分散させる。緩衝溶液における酵素(例えばBOD若しくはラッカーゼ)溶液は分散及びその後の攪拌により分散液に加えられる。当該混合物は、電子伝導体(ガス拡散層)の活性サイドに対して緩やかにコートしその後乾燥させる。
自立型バイオカソード触媒支持体
バイオカソード支持体のデザインは、構造デザイン、材料選択、及び酵素等のバイオカソード触媒を支持するための適当な親水性/疎水性特性を有するマルチレイヤー構造を形成する能力についての柔軟性を提供する。バイオカソード触媒支持体の概略を図52に示す。上述のように、当該バイオカソード触媒支持体は電流を集めるため及びバイオカソード触媒支持体の強度を向上させるための埋設された拡張金属材料525と、当該集電体525を囲む電子伝導体単一層527とを含む。当該集電体525はバイオカソード触媒支持体の任意のコンポーネントである。つまり、それが含まれない場合、電流は電気的接続によりバイオカソード触媒支持体の電気伝導性単一層527から集められる。
埋設された拡張金属材料がバイオカソード触媒支持体に存在するか否かにかかわらず、最適なバイオカソード電極により、電極の吸気性サイド若しくは酸化反応サイドにおいて水管理(すなわち、過剰の水が存在する場合水を拒絶する)が、過剰に発生した水が当該電極までの酸素輸送を妨害することを防止することができる。これは、概して、伝導性モノレイヤーの表面若しくは全体構造を疎水性とすることにより達成される。電極の吸気性サイド若しくは酸化反応サイドと反対の電極表面において、僅かに疎水性で、高比表面積マイクロポーラス層が、酵素電極の相互作用を高めるための導電性モノレイヤーの外部表面に近接している。これにより、ここで実施例27において記載した電極構造を有するバイオ燃料電池について完成することができる。この具体例において、図52に示すように、酵素のためのマイクロポーラスレイヤー(不図示)は、水管理、及び反応物移動を扱う導電性モノレイヤー527の表面に形成されている。ある実施の形態では、電子電導度及びイオン電導度を増加させ、DETを改善することにより、第1電気伝導性材料は、電子メディエーター、例えばドープされた導電性ポリマーで修飾されたカーボンブラックで修飾する。
様々な好ましい実施の形態において、導電性モノレイヤーを形成するため、1以上のカーボンブラックの第1電子伝導体層を、1以上のカーボンファイバーの第2電子伝導体層及び1以上のバインダーに混合する。当該カーボンブラックは当該混合物において約30質量%〜約45質量%の濃度で存在し、カーボンファイバーは、当該混合物において約20質量%〜約40質量%の濃度で存在し、バインダーは当該混合物において約25質量%〜約40質量%の濃度で存在する。様々な好ましい実施の形態において、カーボンブラックは、当該混合物において約33質量%の濃度で存在し、カーボンファイバーは、当該混合物において約33質量%の濃度で存在し、バインダーは当該混合物において約33質量%の濃度で存在する。
自立型バイオカソード触媒支持体の製造方法
カソード電極に使用される触媒支持層は、バイオアノードと同様、カーボン材料、バインダー、ポア形成剤、溶媒及び任意の触媒(酵素等)からなる混合物からなる。これらの成分の比率を変更することにより、全構造体の特性を変更し、特定の用途のため望ましい性能を与えることができるし、若しくは、これらの組み合わせを使用して水管理及び酵素相互作用のための2以上の異なる領域を有する電極を作製することができる。例えば、そのような特性には、(1)サブストレート透過性、(2)電気的導電性、疎水性/親水性、(3)表面積、及び(4)表面構造が含まれる。
バイオカソード触媒支持体材料の製造方法は、フレーム材料、及び焼成サイクル及び温度を除いてバイオアノードにおいて述べたものと同様である。例えば、バイオアノードにおいて使用されるMDSナイロン6/6フレーム材料は、同様の、薄膜PTFEコートファイバーガラスシートにより置き換えることができる。バイオカソードの焼成サイクルは、バインダーとして、ポリ(ビニリデンフルオライド)バインダーに代えて、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いるため、変更することができる。PTFEベースGDLについては、最初、所望の構造及び製剤に依存して、200℃以下の温度で20分間以下の時間焼成する。焼結後、当該電極を当該フレーム、仮の支持体から取り除き、300℃での10分以下の第2焼成前に、2つのアルミナブロック(12”×12”×1”)間において凝固するまで(通常僅か数分)冷却する。埋設された拡張金属材料がバイオカソード触媒支持体に存在するか否かにかかわらず、これらの製造工程は同じである。
触媒が、導電性単一層が作製されるときにこれに組み込まれない場合、当該触媒層を、以下のカプセル化酵素のカーボンペーストへの混合のセクションにおいて説明した触媒支持体に塗布しても良い。別の形態では、酵素(以下のカプセル化酵素のカーボンペースト及びバイオ触媒インク剤への混合のセクションにおいて説明した)を含む触媒粒子は、単一層527を形成する際に使用される混合物に加えても良いし、触媒支持体の表面に塗布されたペースト若しくはインクに含ませても良い。
アノード及びカソードの組立技術
アノード及びカソードのアセンブリを作製するために使用される特定の手法を以下実施例において詳細に説明する。
導電性ポリマーベースナノワイヤー
バイオ燃料電池アプリケーションの生物的システムにおいて直接電子輸送を改良するためナノワイヤーが調整される主要な特性は、(1)電子伝導性及びイオン伝導性、(2)酵素活性センターに貫通させるための高いアスペクト比、(3)前駆材料の熱的安定性、及び(4)燃料電池オペレーション条件下での前駆体の電気化学的安定性である。ナノワイヤーの主要な機能は、酵素内の酸化還元サイトと電極表面とを結び付ける予め決定された電子輸送パスをナノ構造体に提供することである(図56及び図57)。図56は、酵素とカーボン粒子とを相互接続するナノワイヤーレイの概略を示す。図57は、カーボン粒子間の神経構造様電子輸送ネットワークを創造する、ナノワイヤーの相互接続を示しており、これは主にベース電極を作製する際に使用される主要なコンポーネントである。
伝導性ポリマー(ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等)は、酸化重合ルートを介してナノワイヤーを作製する具体的なポリマー材料である。(ポリマーの伝導性を改良するための)適切なドーパントとナノワイヤー成長のための核形成サイトとしての第1導電性材料、例えばカーボンブラック粒子により、所望の大きさ及び熱的及び電子化学的安定性を有する、導電性ナノワイヤー(具体的には電子伝導性ナノワイヤー及びイオン伝導性ナノワイヤー)は、成長しグラフトされる。ドーパントのいくらかは1以上の機能を有し、内部ポア構造若しくは内径修正因子として作用することにより合成の間ナノワイヤーの大きさをコンパクトにする。
ナノワイヤーはポリマー材料から成長するだけでなく、適当な合成手法の下酸化物、有機金属、金属材料からも成長することができる。直接電子輸送プロセスにおいて、ポリマー前駆体若しくは酸化物/有機金属前駆体は、電子を効率的に輸送することができる伝導性ナノワイヤーを構成することが好ましい。
酵素酸素還元反応のためのバイオカソードナノワイヤー
このセクションでは、バイオ燃料電池において酵素酸素還元反応のための導電性ポリマーベースナノワイヤーの具体例を挙げるが、本発明は、導電性ポリマーに限定されるものではない。導電性酸化物前駆体、導電性ウィスカー前駆体、及び金属ナノワイヤーは、様々なベース支持体材料(すなわちカーボン粒子)上に成長しグラフトされ、神経ネットワーク様構造を創造する以外に酵素を固定化するために使用される。当該神経ネットワーク様構造は、バイオ燃料電池の生物的システムにおいて直接電子プロセスにおいて高効率を有する。
ナノワイヤーを作製する際の導電性ポリマーとして、様々なポリマー、例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ロイコエメラルディン塩基、エメラルディン塩基、パーニグラニリン塩基形態のアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p-フェニレン)、ポリ(p-フェニレンビニル)、及びこれらを2つ、3つ、4つ組み合わせたものを導電性ナノワイヤーを成長させるための前駆体として用いてもよい。所望のナノワイヤーを得るため、化学的及び電気化学的ポリマー重合を使用してベースモノマーを重合しても良い。必要な大きさを得るため、1つ若しくは複数のドーパントを使用することが好ましい。様々な有機系スルホン酸を使用して、導電性ポリマーナノワイヤーを作製しても良い。例えば、ナフタレンスルホン酸(カルファースルホン酸、ナフトキノンスルホン酸等)、トルエンスルホン酸(ピリジニウム p-トルエンスルホン酸、ヒドロキシピリジニウム p-トルエンスルホン酸、テトラブチルアンモニウム p-トルエンスルホン酸等)、マルチチャージ共役両性イオン錯体(同じ分子に正電荷と負電荷の官能基を有する)(例えば、1-(3-スルホプロピル)ピリジウムヒドロキサイド内塩、3-(1-ピリジニオ)-1-プロパンスルホン酸塩)をドーパントとして使用しても良い。
バイオ燃料電池アプリケーションのナノワイヤーとして使用される導電性酸化物前駆体について、酸化物は酸若しくは塩基性条件において安定である。例えば、チタン、ルテニウム、オスニウム、イリジウム、プラチナ、金、プラチナ、レニウム、アルミニウムの酸化物、インジウム錫酸化物、若しくはこれらを2つ、3つ、4つ組み合わせたものにより、ここで述べた目的物のために有用な導電性ナノワイヤーを作製することができる。これらの酸化物は、従来の合成手法(化学気相成長法、イオンプラズマベース析出等)若しくは水熱合成法のいずれかにより、この目的にかなうよう修飾することができる。
導電性ウィスカーの前駆体の具体例は、金属錯体の大環状フタロシアニン若しくはポルフィン錯体、及び金属錯体化されていない様々なフタロシアニン/ポルフィン種(銅フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、鉄フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、銅ポルフィン、コバルトポルフィン、ルテニウムポルフィン、パラジウムポルフィン、ヴァナジウムポルフィン、亜鉛ポルフィン等、及びこれらを組み合わせたもの)である。導電性ウィスカーは、樹雷の低真空及び高真空ベース析出技術(具体的には、蒸着技術、グロー放電技術、気相化学プロセス技術、液相化学形成技術)を用いて成長させることができる。
酸若しくは塩基に対して安定な金属ナノワイヤー前駆体には、チタン、ルテニウム、オスニウム、イリジウム、プラチナ、金、パラジウム、レニウム、及びこれらを2つ、3つ、若しくは4つ組み合わせたものが含まれ、生物的システムとベース電極構造との間の直接電子輸送パスのための導電性ナノワイヤーを作製する。金属性ナノワイヤー/ナノウィスカーは、従来の低真空及び高真空ベース析出技術(具体的には、蒸着技術、グロー放電技術、気相化学プロセス技術、液相化学形成技術)を用いて成長させることができる。
カプセル化酵素のカーボンペーストへの混合
多くの実施の形態において、電極支持体の作製は、酵素の析出の前に行われる。すなわち、このプロセスにより2つの異なる層となる。ここで記載されたスプレイドライ手法により、酵素固定化カーボン粒子を、溶媒から通常の酵素活性を損失することなくまた温度により誘発される変性もなく、カーボンペーストに組み込むことができ、それにより組み付けられた酵素/カーボン電極構造が得られる。他のGDLの形成において上述したように、カプセル化酵素/炭素拡散電極支持体は、従来の調整された方法で作製することができ、アノード若しくはカソードのそれぞれについて所望の特性を得ることができる。当該アノードは、後述の疎水性成分を使用するより疎水的なペーストを含有することが好ましい。さらに、カソード支持体はより大きなテフロン含有量を有し部分的な親水性を維持しつつより高い疎水性を提供してもよい。
電極についての特定の要件に依存して、様々な成分が一定範囲のパラメータを提供することができ、当該パラメータは、所望の特性を有する電極を作製するために変更される。各比率と共に、特に、特定のカーボン材料(強度のためのグラファイトファイバーを含む)、バインダー剤、ポア形成剤の選択を変更して、電極に、ある一定の範囲の特性を与えることができる。最初のテストは、半電池構造において活性の保持及び良好な機械的安定性を示している。
後述の触媒インク配合に関しては、ペースト配合に高表面積高伝導性カーボンブラックを加えることにより、酵素から電極(アノード)への、または電極から酵素(カソード)への直接電子輸送をより大きくする。
カプセル化酵素製造手順
いくつかの実施の形態において、酵素は、上記の表に示したような高伝導性高表面積のカーボンブラックに固定化されている。一旦酵素が固定化されると、カーボンは乾燥させ、その後グラファイトファイバ、カーボンブラック、及びアルコール溶媒、ポリ(ビニリデンフルオライド)(PVDF)及び/又はPTFEバインダー及び任意の疎水性薬剤(すなわち、アンモニウムカルボン酸塩、ポリ(エチレン)グリコール、ポリビニルアルコール、若しくはシリカゲル)に混合される。
カーボンペーストを混合する際、最初全ドライ成分のうち所望の量を検量してコンテナに投入することが好ましい。その後、ドライ成分は、均一に分散されることになるまで、乳鉢と乳棒で混合する。その後スラリーを攪拌して均一ペーストとするにしたがってアルコールを少量ずつ加える。あまりに少ない溶媒はペーストが乾燥し機能しなくなる。一方あまりに多い溶媒は、ペーストが泡状になり不均一になる。
その後ペーストは拡張された金属、概してニッケル若しくはステンレス鋼(如何なる拡張金属を使用しも良い)上に、そのまわりに形状適合フレームを押圧して押し広げ、所望の電極サイズとする。ペーストを調製しそれを押し広げるために如何なるツール(具体的にはへら、スプーン、こて等)を使用しても良い。攪拌後、ペーパータオルを電極の周りに配置し、そして、それらを機械的に5,000Ibsでプレスし、それらを圧縮し過剰な溶媒を取り除く。
機械的プレス工程が終了した後、形状適合フレームを取り除く。キムワイプを電極の各面に配置し、それらを125℃で20秒間5,000Ibsでホットプレスする。
バイオ触媒インク配合
ここで記載するように、カーボン、ポリマー、金属酸化物等の様々な粒子上に固定化された酵素をスプレイコートする方法を改良した。この固定化方法により、従来の触媒インクの調製及びレギュラーPEM燃料電池システムに従来のプロトコルを用いてNEA製造を可能とする。従来のPEM燃料電池においては、触媒インクは電極支持体材料上に塗布され、乾燥され、ナフィオン(登録商標)等のイオン交換膜上で乾燥されホットプレスされる。酵素が固定化されていない場合、この製造方法は、酵素を変性させるであろう。これは、溶媒環境との相互作用のため、及びホットプレスの間熱に曝されるためである。
固定化材料における酵素の安定性がより大きくなることにより、インク配合を改良することができる。燃料電池アプリケーションにおいて使用される、ここで記載された商業的電極支持体若しくは電極支持体上に直接塗布することができる。インク配合物は、酵素カプセル化カーボン、カーボンブラックフィラー、及びナフィオン(登録商標)溶液からなる。酵素カプセル化カーボンは、固定化ポリマーに捕捉された酵素により囲まれた炭素粒子からなる。
バイオカソード触媒インクの配合物
本発明の様々な発明は、固定化された酵素によりコートされたコアを有する粒子に関する。当該コアは、当該コアにコートされた固定化された酵素層に対してサポートを与える物質であっても良い。当該固定化酵素層は、酵素、酵素固定化材料、及び任意の電子メディエーターを含む。当該固定化された酵素は、固定化及びコーティング前の初期活性に対して、少なくとも約0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95若しくはそれ以上の活性を有する、及び/又は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7日間、化学変化を連続的に触媒するよう、最初の触媒活性の少なくとも約75%を保持する。様々な他の実施の形態では、酵素は、少なくとも5,10,15,20,25,30,45,60,75,90,105,120,150,180,210,240,270,300,330,365,400,450,500,550,600,650,700,730日以上、最初の触媒活性の約75%を維持する。これらの粒子の成分は、以下に、より詳細に説明する。
本発明の様々な発明の他のものは、固定化された酵素によりコーティングされた粒子を調製するプロセスである。当該プロセスは、酵素を含む溶液に、少なくとも1つのサポート粒子、固定化材料、及び液体媒体を含む懸濁液を混合し、混合物を作製する工程を含む。その後、当該混合物をコートされた粒子を作製するためスプレイドライする。
製造された粒子は、図47に示すように、コア、任意の電子メディエーター、酵素、及び酵素固定材料(具体的にはポリマーマトリクス)を含んでいてもよい。酵素を安定化させそれを支持体に固定するよう機能するポリマーマトリクスは、後述の様々な酵素固定化材料であっても良い。さらに、酵素機能を助力する、マトリクスにおける酵素に加えて、様々な成分を加えても良い。例えば、電子メディエーター、補因子、及びコエンザイムを固定化し、接触若しくは繰り返し洗浄時に濾過し液体とする。
様々な好ましい実施の形態において、酵素は、コアと共有結合していないし吸着されてもいない。さらに、酵素は、酵素固定材料から濾過され液体媒体とされない。これは、固定化された酵素層と接触する。概して、固定化された酵素粒子は、コアの約0.1質量%から約25質量%、コーティング約0.1質量%から約70質量%を含み、当該コーティングは、酵素の約0.1質量%〜約29質量%、酵素固定化材料の約0.1質量%〜約43質量%、電子メディエーターの約29質量%までを含む。概して、酵素及び電子メディエーターの全質量パーセントは、コーティングの57質量%までである。
コア成分
コアは、固定化材料層にサポートを与えスプレイドライ可能であれば如何なる粒子であっても良い。コア粒子は、例えば、ポリマー材料、カーボン粒子、ゼオライト粒子、金属粒子、金属酸化物粒子、若しくはこれらを組み合わせたものであってもよい。いくつかの実施の形態において、コア粒子は、不活性なコア粒子である。様々な実施の形態において、コア粒子はポリマー粒子ではない。好ましいコア粒子は、酵素の安定性若しくは酵素を含む化学変化に悪影響を与えない。ある実施の形態では、コア粒子は、固定化された酵素によりコートされた際の粒子の意図された使用に依存して、約200nm〜約100μmの平均直径を有する。
コートされた粒子の調製方法
コートされた粒子は、酵素若しくはオルガネラを含む溶液に、少なくとも1つのコア粒子、固定化材料、及び液体媒体を含む懸濁液を混合し、結果として得られる混合物をスプレイドライすることにより調製される。溶液、懸濁液及びスプレイドライ工程は、以下に、より詳細に説明する。
酵素及び溶媒を含む酵素溶液は、コーティング手順において使用される。別の形態では、オルガネラ及び溶媒を含むオルガネラ溶液を使用する。酵素は、溶媒に混合し、溶液が形成されるまで混合する。許容可能な酵素及びオルガネラを以下に、より詳細に説明する。当該溶液は、水溶性の溶液、特に酢酸緩衝溶液、リン酸緩衝溶液等の緩衝溶液であっても良い。pH緩衝溶液は、特定の酵素若しくはオルガネラが固定化されるように許容可能なpHを与えるように設定される。また、様々な実施の形態において、酵素溶液は、上述の電子メディエーターを含んでいても良い。
懸濁液は、コア粒子、所望の固定化材料及び液体媒体を混合することにより調製することができる。具体的なコア粒子及び固定化材料は上記している。液体媒体は、溶媒、若しくは酢酸緩衝溶液若しくはリン酸緩衝溶液等の緩衝溶液であってもよい。液体媒体として緩衝溶液を使用するとき、pH緩衝溶液は、特定の酵素若しくはオルガネラが固定化されコートされる許容可能なpHを提供するよう選択される。
一旦酵素若しくはオルガネラ溶液及び懸濁液が調製されると、それらはよく混ぜ合わされ、混合される。その後、結果として得られた混合物は乾燥される。好ましい乾燥方法は、スプレイドライである。これは、乾燥により固定化酵素層でコア粒子が覆われるからである。従来のスプレイドライ技術は本発明の方法において使用しても良い。スプレイドライの代替法としては、流動層造粒、スプレイドライ造粒、ロート造粒、流動層/スプレイドライ造粒、押出成形、球形化等の従来の他のコート粒子作製プロセスが含まれる。
様々な実施の形態のいくつかにおいて、溶液は、酵素の約0.1質量%から約15質量%、溶媒の約85質量%から約99.1質量%を含み、そして懸濁液は、コア粒子の約0.1質量%〜約50質量%、酵素固定化材料の約4質量%〜約10質量%、電子メディエーターの約50質量%〜約75質量%を含む。流延溶液を調製する他の方法には、粒子と、酵素若しくはオルガネラを緩衝溶液中において一緒に混合し、懸濁液を作成する工程、及びその後混合物を完全なものとするため、又は全ての材料を一度に混合することにより懸濁液を作成するため、可溶化された固定化材料を加える工程を有する。
様々な好ましい実施の形態において、酵素、酵素固定化材料、及び任意の電子メディエーターの混合物を、スプレイコーティング/スプレイドライ技術を用いてサポート粒子にコートしても良い。例えば、エアーブラシ(具体的にはパアシェVLシリーズ)を使用して混合物の成分のエアロゾルを発生させターゲットに向かってそれらを推進させる。図48参照。エアロゾルは、圧縮された窒素ガスであって、約25psiで調整された窒素ガスを用いて、発生される。混合物は、エアーブラシの上部からシールドへ約40cmの距離からポリカーボネートのシールド等の表面に吹き付けられる。エアーブラシは、流延溶液を塗布するジグザグパターンでポリカーボネートターゲットの下に垂直に移動しつつラスターパターンで移動しても良い。乾燥させつつシールドへのコーティング膜厚を最小にし、粒子-粒子相互作用を最小にするために、当該手順を用いる。当該流延溶液は、大きなへら/スクレーパーにより収集される前に、約20分間シールド上で乾燥されることが可能となる。
バイオアノードインク調合
アノードインクを調合する際、上述の若しくは上記示されたのと同じように考慮される必要がある。酵素に対して電子を往復させる代わりに、それらを酵素から離れるように左右に動かすことが必要である。電子メディエーターの選択は、このため、異なるが、カーボンブラックの選択については同様である。直接電子輸送を観測するため、カーボンブラックフィラーを用いることが好ましい。
電子メディエーターをバイオアノード用インク配合物に組み込むことにより、実施例34及び35に示すように、カーボンブラックフィラーのための使用の必要性を軽減することを助力する。ヘキサアミンルテニウム(III)を具体例として使用したが、所望の電子輸送ポテンシャルを有する如何なる電子メディエーターを使用しても良い。ニッケルシアン、フェロシアン、コバルトビピリジン、及びヘキサシアノ鉄酸塩等の電子メディエーターを使用している。
TBABポリマーベースGDE
MEAは、プラチナアノード触媒及びラッカーゼ固定化カソードを固体のプロトン伝導性電解質膜にホットプレスすることにより作製した。使用される膜は0.005インチの厚さのナフィオン(登録商標)膜N115(E.I.デュポントデネマース)であった。その後、高温における耐久性のため、また、MEAが、スチールペーストに接着されることを防止するため、MEAの上及び下に被覆する。5cmのカプトン被覆MEAは、アノード電極とカソード電極の両方を同時にナフィオン(登録商標)膜との間で125℃3000lbsの圧力で2つのスチールプレートを用いてホットプレスすることにより形成することができた。当該MEAのためのプレスパッケージの概略を図66に示す。
キトサンポリマーベースGDE
MEAは、プラチナアノード触媒を最初プレスしその後ラッカーゼ固定化カソードを固体のプロトン伝導性電解質膜のそれぞれの面にプレスする2つのステッププロセスにより作製した。使用される膜は5ミリの厚さのナフィオン(登録商標)膜N115(E.I.デュポントデネマース)であった。その後、高温における耐久性のため、また、MEAが、スチールペーストに接着されることを防止するため、MEAの上及び下に被覆した。第1のステップでは、プラチナアノード電極は、ナフィオン(登録商標)膜に対して125℃3000lbsの圧力でホットプレスした。第1ステップのプレスパッケージの概略を図67Aに示す。第2ステップでは、キトサン固定化ラッカーゼカチオン電極を85℃3000lbsの圧力でホットプレスした。第1ステップのプレスパッケージの概略を図67Bに示す。当該2つのステッププロセスはキトサンを85℃以上の温度で熱分解するために必要である。
電気的コントローラー及び補助電力回路
当該図面に示した実施の形態において、8つの燃料電池からなるスタックを含む。それぞれの燃料電池は、燃料容器41と、関連するアノードとカソードとのアセンブリと、を含む。しかしながら、当該燃料電池の数は、1から、1より大きい任意の数字へ変更することができることは理解されよう。
図14は、ブロックダイアグラム形式のデバイス1の実施の形態を例示している。示しているように、1以上の燃料電池321は、ライン323を介して電気的コントローラー71に電気的に接続されている。燃料電池321は上述のようにスタックしても良い。例えば、ライン323は、8つの燃料電池スタックのためのコントローラー71に対して16個の電極を提供するフラットリボンケーブルコネクターを含む。電気的コントローラー71は、所望のモードのオペレーションにしたがって各燃料電池321のアウトプットを制御する。第1の規定されたオペレーティングモードにおいて、燃料電池321が一連に電気的に接続され、コントローラー71は予め決定された負荷サイクルで25%、1000Hzでそれらをスイッチオン及びスイッチオフさせる。好ましくは、予め決定された負荷サイクルにしたがって燃料電池321をオペレーションすることにより、燃料電池の性能を改善する。特に、燃料電池321のオンとオフを周期させることにより、設定された電圧における電流減衰により測定される、長い期間の使用における安定性を改善する。さらに、燃料電池321が負荷状態からオープンサーキット状態へ移行する時間を考慮することにより、燃料電池321をこのように周期させることが、デバイス1のパワーアウトプットを改善する。オープンサーキット状態において、燃料電池321は、酸化されることなく、触媒層に利用可能なより大きいリアクタンスを有する。これにより、その後負荷状態となったときにパワーアウトプットがより大きくなる。
第2の規定されたオペレーティングモードにおいて、コントローラー71は、1つの燃料電池が負荷5から切断され残りの燃料電池が負荷5に接続される(例えば8つの燃料電池スタックについては1つの燃料電池をオフ西、7つの燃料電池をオンにする。)ように、燃料電池321のアウトプットを制御する。当該実施の形態において、残りの燃料電池が負荷状態にあり各燃料電池321がオープンサーキット状態にあることを可能とすることにより、安定性、パワーアウトプットを改善することができ、そのため燃料電池の性能を改善する。
上述のように、補助電力回路81は、必要に応じて、デバイス1のノーマルアウトプットを補助するために電力を供給する。これは、開始時、若しくは電気デバイスの電源を入れた際に負荷5がより多くの量の電流を引き込む条件の間特に有効である。例示した実施の形態において、補助電力回路81は、コントローラー71の一部として組み込んでも良い。コントローラー71は、燃料電池321の電圧アウトプットをモニターし、当該電圧アウトプットと、最小のアウトプットリファレンス電圧、例えば1.5Vとを比較するコンパレータを実行する。もし、モニターされた電圧アウトプットが、閾値より下にある場合は、コントローラー71は、バッテリーアシスト、若しくはハイブリッド、アウトプットパワーを補助する回路のスイッチをオンにする。当該実施の形態において、例えばバッテリー325(具体的には再充電可能なリチウムイオンバッテリー)等の補助電源は、ライン327を介してコントローラー71に電力を供給し、燃料電池321のアウトプットを補助する。コントローラー71の一部が例示されているけれども、補助電力回路81が、バッテリー325及びコントローラー71に接続された別々の回路であってもよいことは理解されよう。
第3の規定されたオペレーティングモードにおいて、コントローラー71は、負荷5から燃料電池321の全部を切断する。第3のモードは、燃料電池321のアウトプット電圧をバッテリー325に再充電するために用いても良い。
図14は、ライン329を介して設けられた燃料電池321のアウトプット(若しくはハイブリッドの場合においては燃料電池321及びバッテリー325)を調整するブースト回路331を示している。このように調整されると、燃料電池デバイス1は、そのアウトプット(全体を通して333により示している)(参照図2及び3)において比較的コンスタントな電圧を供給する。これは、様々な負荷仕様について使用される。アウトプット333は負荷5に配線接続され、プラグ等により燃料電池デバイス1に接続され、逆についても同様であることは理解されよう。例示された実施の形態において、燃料電池デバイス1は、キャパシタ335を具備する。これは、システムが休止状態にあるとき充電される。好ましくは、当該キャパシタ335は、バッテリー325に加えて、若しくはこれに代えて補助電力を提供する。具体例として、ブースト回路331は、負荷5に対してそのアウトプットに調整された5Vを供給するセットアップDC-DCコンバーター回路を含む。
以下図15を参照する。ブロックダイアグラムは、コントローラー71のいろんな側面をより詳細に説明している。図示したように、第1マイクロプロセッサ337等のプロセッサは、燃料電池321のアウトプットを受ける第1スイッチ回路339を制御する。マイクロプロセッサ337は、所望のオペレーティングモードにしたがって燃料電池321をオペレーションするためのコンピュータ実行可能な装置を実行させる。モードにしたがって、スイッチ回路339は各燃料電池321のアウトプットをオンオフさせるマイクロプロセッサ337に対して応答可能である。ある実施の形態では、スイッチ回路339は、複数のシングルポールダブルスロースイッチを含み、それぞれは負荷5に対してそのアウトプットを選択的に接続する(又は負荷5からそのアウトプットを切断する)ため、燃料電池321の1つに接続されている。補助電力回路81は、第2のマイクロプロセッサ341及び全体を通して343により示される第2スイッチ回路を備える。第2マイクロプセッサ341は、(スイッチ回路339からのライン329にある)燃料電池321の電圧アウトプットをモニターし、最小アウトプットリファレンス電圧と電圧アウトプットとを比較する。モニターされた電圧アウトプットは最小閾値にある場合、マイクロプロセッサ341により、スイッチ回路343に、バッテリー325を電気的に負荷5に接続させ、それにより燃料電池321のアウトプットを補助する。例えば、サイプレスセミコンダクターコーポレーションから入手可能なチップ搭載シグナルアレイコントローラーデバイスに対するプログラム可能なシステムのCY8C29XXXファミリーの1つを含むいくつかのマイクロプロセッサが、マイクロプロセッサ337としての使用に適している。サイプレスセミコンダクターコーポレーションから入手可能なチップ搭載シグナルアレイコントローラーデバイスに対するプログラム可能なシステムのCY8C21XXXファミリーの1つが、マイクロプロセッサ341としての使用に適している。さらに、アウトプット電圧をモニターし比較すること、スイッチ回路339を制御すること、スイッチ回路343を制御すること等の制御機能は、単一のプロセッサ、例えばマイクロプロセッサ337若しくはマイクロプロセッサ341のそれぞれにより実行されることは理解されよう。
ある実施の形態では、コンピュータ(不図示)は、マイクロプロセッサ337をプログラミングする際に使用されるソフトウェアを実行して、バイオ燃料電池デバイスのオペレーティングモードにしたがってスイッチ回路339を制御する。図16及び17は、具体的なユーザーインターフェースを例示している。これは、8つのバイオ燃料電池デバイスのモードを設定若しくはシミュレートするためにユーザーインプットを受け取るためコンピュータに映し出される。図16において、アウトプット1〜8は、燃料電池デバイスの各セル(具体的にはデバイス1の燃料電池セル321)の状態を示している。インプット1は、様々なオペレーティングモードの中で変更するための外部プッシュボタン式スイッチ(不図示)を表している。VAR2は、インプット1に応答可能であって、デバイスのオペレーティングモードを表示する。例えば、VAR2の値が1まで増加するまでインプット1をプッシュすることにより第1モードに初期化する。このモードにおいて、アウトプット1は予め決定された負荷サイクル(具体的には25%、1000Hz)に設定した。燃料電池セル321は、電気的に連続して接続されるので、燃料電池セル321の全てを、予め決定された負荷サイクルにおいて一緒にオンオフ切り換えることができる。マイクロプロセッサ337は、VAR2が0の値を有するとき、第2モードにおいて、スイッチ回路339を制御する。VAR2の値が0まで増加するとき、若しくはオフとするとき、アウトプット1は、他の予め決定された負荷サイクル(具体的には10%、1000Hz)に設定される。これに加えて、VAR1は、オンにされ、フェーズシフトを初期化する。当該フェーズシフトは、例示された実施の形態における8つの燃料電池セル321のうち7つがオンで8つの燃料電池セル321のうち1つがオフであるように、10%の負荷サイクルにおいてオペレートするとき十分なディレイを与える。オフとなっている特定のセル321は、各セルがおよそ等価な量の時間においてオフとされるように、全部のセルにおいてローテーションさせる。図17において示されたユーザーインターフェースは、VAR2がオフでVAR1がオンとなっている第2オペレーティングモードのシミュレーションに対応する。第3オペレーティングモードにおいて、VAR2値は2の値まで増加する。これは、アウトプット1〜8の全てをオフにした状態である。第3のモードは、バッテリー325に燃料電池セル321のアウトプット電圧を再充填するために使用しても良い。
負荷サイクルを含む、上述のオペレーティングモードは、具体例であって、当該技術分野における当業者であれば、本発明の技術範囲を離れることなく、負荷5及び燃料電池デバイス1の物理的構造(具体的にはセルの数)の条件に依存して、決定しても良い。
以下図18を参照する。全体を通して345により示される電気アセンブリは、第1プロント基板回路ボード347を含む。補助電極回路81を含む電気的コントローラー71が当該第1プロトン基板回路ボード上に載置される。加えて、電気アセンブリ345は、バッテリー325に電気的接続を与える第2プリント印刷回路を含む。第2プリント回路ボート349に載置された金属のレシーバー353は、ポケット若しくはレセプタクルを形成する。ここでは、インストールされたときバッテリー325が載置される。例示された実施の形態において、レシーバー353は、1以上のスプリング部材355を有する。これは、バッテリー325に対してバイアスをかけ、当該レシーバーにおいて当該バッテリを適切な場所に保持し、バッテリーの端末の一方と電気的な接続を形成する。プリント回路ボード349上の導電性パッド(不図示)は、バッテリー端末のもう一方に対して電気的な接続を提供する。ワイヤー(不図示)若しくは他の導電性手段は、第1及び第2印刷回路ボード347、349を電気的に接続しバッテリー325をコントローラー71に接続する。さらに、全体を通して357と表示する複数のワイヤー若しくは他の導電性手段は、コントローラー71を燃料電池321に対して電気的に接続する。
ハウジング
ハウジング91は、マルチパーツから成る構成であることが好ましく、燃料電池デバイス1の組立及び分解を容易にする。ある実施の形態では(図2及び3)、当該ハウジングは第1及び第2のパーツ91A、91Bを有する。これらは、組み付けられたとき、燃料電池デバイス1のスタックされたコンポーネントをぴったりと受容するような体積を有する囲いを形成する。当該2つのパーツ91A、91Bは、1以上のファスナー(具体的には六角頭ボルト275)若しくは他の機械的手段によりリリース可能な方式で一緒に固定されている。ガスケット若しくは他のシールデバイス(不図示)は、それらが一緒に固定されたとき、2つのパーツ91A、91B間の接触部を密閉する。ハウジング91は、燃料流体を燃料源7からマニホールドの入口29まで輸送することを可能とするための、また、燃料流体をマニホールドの出口33から廃棄先9まで輸送することを可能とするための少なくとも1つの開口部277を有する。ハウジング91の壁は、当該ハウジング内のコンポーネントを空冷及び冷却するため、ハウジングの内部へ若しくは当該内部からの空気フローを可能にするためのホール281を有する。当該ハウジングは、モールドされ、機械加工され、若しくはアクリル頭の適切な材料から製造される。
図3及び13に例示するように、ハウジングパーツ91A、91Bの内表面の突出部285は、燃料電池デバイスの電極表面の電極構造、すなわち燃料マニホールド15、カソードアセンブリ51、53、アノードアセンブリ45、47に対してサポートを与え、当該ハウジングの内部のこれらのコンポーネントの適切なサポートを与え位置決めを可能とする。これらの突出部285のいくつかは、電気的コントローラー71及びパワー回路81を受容する位置、具体的にはコンパートメント289、291を規定することができる。これとは別に、若しくはこれと組み合わせて、これらのコンパートメントを受容するためハウジングの内表面に凹部を形成しても良い。
デバイスのオペレーション
オペレーションにおいて、燃料は、燃料容器41が充填され、燃料流体が各アノード157に接触するまで、適切な手段(具体的にはシリンジ若しくはポンプ)によりソース9から燃料電池デバイス1まで輸送される。標準的な電気化学的セルにおけるように、アノードは、電子及びプロトンを同時に放出することにより燃料流体を酸化反応に供するサイトである。電子は、電気的コネクタを介してアノードからいくつかの電力消費デバイスへ向けられる。プロトンは、燃料電池及びポリ電解質膜を介してカソードへ移動する。電子は、当該デバイスを介して他の電気的コネクタまで移動する。当該コネクタは、電子をバイオ燃料電池のカソードへ輸送する。当該カソードでは、電子がプロトンとともに使用され酸化剤(この場合空気からの酸素)が還元されて水が生成される。このように、本願に係るバイオ燃料電池は、外部の電気的負荷に対するエネルギー原(電気)として機能する。燃料流体の酸化還元反応を容易にするため、電極は、集電体、ガス拡散層(電子伝導体)、任意の電子メディエーター、電子メディエーターのための任意の電解触媒、酵素、及び酵素固定化材料を含む。
電子メディエーターは、電子を受容すること若しくは電子を提供することが可能な化合物である。現在の好ましいバイオ燃料電池において、酸化された形態の電子メディエーターは、燃料流体及び酵素と反応し、バイオアノードにおいて、酸化された形態の燃料流体及び還元された形態の電子メディエーターを生成する。その後、若しくは同時に、還元された形態の電子メディエーターは、酸化された形態の電解触媒と反応し、酸化された形態の電子メディエーター及び還元された形態の電解触媒を生成する。その後、還元された電解触媒は、バイオアノードで酸化され、電子を発生させ電気を生み出す。バイオアノードにおける酸化還元反応は、燃料流体の酸化以外は、可逆的である。したがって、酵素、電子メディエーター、及び電解触媒は消費されない。任意ではあるが、電子メディエーター及び/又は電解触媒が加えられ付加的な反応物質を提供する場合は、これらの酸化還元反応は不可逆的であってもよい。
別の形態では、バイオアノードと接触する電子メディエーターが、未修飾の電極において、酸化された形態と還元された形態との間で電子を輸送することができる、電子メディエーター及び酵素を使用することができる。電子メディエーターが未修飾電極において酸化された形態と還元された形態との間で電子を輸送する場合、電解触媒と電子メディエーターとのその後の反応は必要ではなく、電子メディエーター自体は、バイオアノードにおいて酸化され、電子が生成され、それにより電気が発生する。
カソードにおいて、バイオアノード起源の電子は、カソード集電体及びガス拡散層に流れる。そこでは、電子は、ガス拡散層から電子を獲得することができ、酸化物と反応して酸化された形態の触媒及び水を生成することができる触媒に接触する。
別の形態の燃料電池の具体例
本発明の第2実施の形態の燃料電池デバイスは、図19において全体を通してリファレンスナンバー501により示される。燃料電池デバイス501は、概して、いくつかの特徴を除いて、上述の実施の形態と同様である。以下、これら特徴についてより詳細に説明する。第1の実施の形態のデバイス1の特徴と同様の、第2の実施の形態のデバイス501の部分は、第1の実施の形態と同様の参照番号に500を増加させたものを用いて言及している。
図19の燃料電池デバイス501は、デバイス501の様々なコンポーネントを例示するため分離されている。当該デバイス501は、概して、フロントサイド521、バックサイド523、燃料を燃料源(不図示)から受け取るための入口529、マニホールドから廃棄先(不図示)へ燃料を排出するための出口533(図20)を有する燃料マニホールド515を備える。マニホールド515は、4つの燃料容器を有する。それぞれ541と示す。燃料電池デバイス501は、燃料容器541において燃料と反応するアノードアセンブリ(全体を通して545で示す)と、蓋若しくはカバー561に近接するカソードアセンブリ(全体を通して551で示す)とを有する。電気的コントローラー(不図示)は、デバイス501のオペレーションを制御するために設けられている。また、補助電力回路(不図示)は、必要に応じて、燃料電池のノーマルアウトプットを補助するため電力を供給するために含められている。透過可能膜593及び保護スクリーン595は、デバイス501のバックサイド523に設けられている。上述のコンポーネントは、内蔵型コンパクトユニットを示す燃料電池501を提供する。
図20に例示するように、燃料マニホールド515は、燃料流体が燃料源(不図示)からマニホールドに入ることを可能とする入口529と、燃料流体が上記マニホールドから廃棄先(不図示)に排出されることを可能とする出口533とを有する。入口529及び出口533は、図4に示される第1の実施の形態のマニホールド15のものと同様のチューブニップルを含んでいてもよい。さらに図20に示すように、マニホールド515は、4つの燃料容器541を有する。マニホールド515は、適切な誘電体材料のボディ若しくはブロック601を含み、これは上部605、下部607、反対エンド609、前面611及び後面615を有しても良い。当該ブロック601は、使用される燃料に化学的に挿入されるポリマーベース若しくは非ポリマーベース材料から構成されていても良い。ある実施の形態では、ブロック601アクリルからなる。ブロック601は、矩形の形状を有するように、具体的には鋳造、機械加工等により形成され、好ましくは単一のワンピース部材から構成される。燃料溶液541は、上記ブロックの前面611においてキャビティ(541により示される)により規定される。別の実施の形態(不図示)では、燃料容器を形成するキャビティは、ブロック601の前面611及び後面615に形成しても良い。当該キャビティ541は、本発明の技術的範囲から離れない限り他の体積を有していても良いけれども、ある実施の形態では、それぞれのキャビティは約1.74立方センチメートルの体積を有する。燃料はそれぞれ各燃料容器541に入り入口ポート621を介して注入され、出口ポート625を介して同じ容器から放出される。各入口ポート621及び対応する出口ポート625は、全体を通して627で示される通路の反対エンドに配置され、これは、キャビティ541を分離する内壁637を介して延在する。図20に示すように、各出口ポート625の隆起が、各入口ポート621の隆起より高い。これらの配置は、後述のアノードアセンブリ及びカソードアセンブリにエアーバブルが接触しないように、燃料容器541の完全な充填が可能となる。1つの容器541の出口ポート625と、次の容器の入口ポート621との間の各通路627にチェックバルブ(不図示)が設けられ、1つの容器から他の容器への燃料の逆流が防止される。他のチェックバルブは、本発明の技術的範囲を離れない限り如何なるものを使用しても良いけれども、ある実施の形態では、各チェックバルブは2.5mmの直径の通路への0psiクラックプレッシャープレスフィットされたステンレス鋼チェックバルブである。
マニホールドは電気的コントローラー及び電力回路を受けるコンパートメント645を含む。当該技術の分野における当業者により明らかとなるが、蓋647は、蓋561を係合するため、ブロック601の前面611の周りに形成されている。開口部649は、反応の間発生した二酸化炭素を排出するため、各キャビティ541の後面近傍に設けられる。マニホールド515にエアーホールが設けられ、空気が燃料電池に入るのを可能とする。第2の実施の形態の燃料マニホールド515の他の特徴は、第1実施の形態のものを同様であるため、さらに詳細には説明しない。
図21にアノードアセンブリ545を示す。これは、燃料容器541内の燃料及びアノードアセンブリに近接するカソードアセンブリ551と反応する。アノードアセンブリ545は、印刷回路ボードフレーム651を備える。当該フレーム651は、マニホールド615の前面611における燃料容器541の構成及び配置が適合するように構成され配置された複数の開口部655を有する。アノードアセンブリ545は、フレーム開口部655のフレーム651により保持された複数のアノード(全体を通してそれぞれ657で示す)を含む。当該開口部655のフレーム651により、一つのフレーム開口部につき1つのアノードとなるように保持されている。各アノード657は、各フレーム開口部655に固定された集電体を含む。ある実施の形態では、集電体661は、互いにスポット溶接された2つの金メッキステンレス鋼メッシュパネルを含む。一方のパネルは、フレーム開口部655に正確にフィットされるような大きさとされ、他のパネルは開口部をオーバーラップするような大きさとされる。集電体661は、開口部655の反対マージンに印刷されたパッド663にスポット溶接されている。集電体661が、パッド663にスポット溶接されるとき、溶接パラメータが溶接装置がアーク状とならないように設定することが重要である。CD250DP サンスポット-bデュアルパルススポットウェルダーを使用する場合、次のパラメータでは、許容可能な結果が得られることが分かった:エネルギーレベル-14;パルス1-12、パルス2-45;ウェルダーエネルギー-14。これらのパラメータは、集電体661にダメージを与えることなく、機械的安定な溶接を行うことができる。
各アノード657は、集電体661の後面にガス拡散層665を備える。ガス拡散層665は、モナーチ1400カーボンブラック(カボット)、ケムソーブ1505G5ポーラス、浸透スチーム活性カーボン(Cケム)のドライコンポーネント、及び、アセトンに溶解されたクイックセット2パートエポキシ(オリジナルスーパーグルーコーポレーション)、及び水(シグマ)に分散された60%ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のウェットコンポーネントを含むカーボンペースト構造であってもよい。当該ドライコンポーネントは、フードグラインダーにおいて攪拌され、ウェットコンポーネントは、超音波ホモジェナイザーにより混合され、その後ドライコンポーネントとウェットコンポーネントは混ぜ合わされ、当該混合物が歯磨き粉と同じくらいの硬さになるまでペティナイフで混合される。その後、触媒層(不図示)は、緩衝溶液中の酵素及びテトラブチルアンモニウム修飾ナフィオン(登録商標)イオノマーの流延混合物を塗布することによりガス拡散層665に加える。当該触媒層は、それをアノードアセンブリに加える前に乾燥させることができる。好ましい実施の形態では、触媒層において使用される酵素は、ピロロキノリンキノン依存型アルコールデヒドロゲナーゼ(PQQ-ADH)である。ホットメルト675及びビニルフレーム677の層は、示されたアノードに塗布される。
各カソードアセンブリ551は、アノードアセンブリ545に関して記載されたものを同様の方法を用いて作製することができる。カソードアセンブリ511は、集電体211のバックフェースに、積層された触媒構造を有する。当該積層された触媒構造は、ガス拡散層、触媒層、ポリ電解質膜(ナフィオン(登録商標))を有する。組立時、当該積層された触媒構造は、集電体の後面に固定される。特定の実施の形態では、触媒積層構造は、ガス拡散層の一方の面にプラチナブラック触媒及びナフィオン(登録商標)イオノマーを含むインクを塗布することにより調製することができる(具体的には、E-Tekすなわち両面にマイクロポーラス層を有するLT2500W低温エラート)。触媒を含むインクが一旦乾燥すると、触媒積層構造は、上面にプラチナブラック触媒を有する集電体の上面にガス拡散層を配置することにより組み立てられ、その後ガス拡散層及び触媒層の上面において電解質膜(具体的にはナフィオン(登録商標))を配置する。当該組立体は、水に浸され、その後、ホットプレスにより一体的に固定され、その結果単体のカソード複合材となる(具体的には125℃、3000ポンド、35秒)。ポリ電解質膜(具体的にはナフィオン(登録商標)イオノマー)は、燃料流体に対して不透過性であるが、電子及びプロトンを伝導することができる。
アノードアセンブリ545及びカソードアセンブリ551が、上述のように作製されると、それらは、プリント印刷ボードフレーム651のそれぞれにはんだペースト若しくは通常のようにスプールされたはんだを用いて、コネクタパッド731をコートすることにより、一緒に組み付けられる。その後、8つのコネクタリボンケーブル735が、約0.020インチの被覆無しの導電体を有する1つのボードに仮縫いされる。当該導電体は上記ボードのエッジの後に位置する。その後、第2ボードを第1ボード及びケーブルに一致させ、強い圧力で適切な場所に保持される。各導電体は、その後、はんだ付け用鉄と接触させ、上部及び下部ボード上にはんだ付け用ペースト/はんだをリフロー/溶解する。これにより、当該ボードとケーブルとの電気的接続を良好なものとすることができる。その後、フラットフレックスケーブルの末端と、フレーム上の拡張された金属の各マウンティングパッドのそれぞれとの連続性をチェックする。導電体間の短絡もチェックする。必要に応じて、適切なオペレーションが達成されるまで、アセンブリ/導電体をリフローする。コネクタパッド731は、一方のボードのパッドは他方のボードのパッドと一致しないけれども、それらの全部がケーブル735の1つの導電体と一致するように中心からずれている。
はんだマスクは、リークフリースタックを確実なものとするため、組み付け前に取り除く。はんだマスクの除去は、全はんだマスクがルーズにそして容易に除去可能となるまで、ジクロロメタン溶液においてプリント印刷ボードを浸漬することにより達成することができる。はんだマスクが一旦除去されると、回路ボードはジクロロメタン溶液から取り出され、ジクロロメタンにより徹底的にリンスされる。その後、必要な他のコンポーネントは準備する間、ボードを乾燥させる。
アノード及びカソードアセンブリ545、551をそれぞれ組み立て互いに溶接した後、それらをプレスする(具体的には125℃、1000ポンド、約10〜20秒)。完成されたスタックを必要に応じてトリミングし、接着剤で当該ケースを密閉する(ホットメルトし、冷却されるまで2000ポンドで圧縮する)。一旦冷却されると、アノード反応物質は燃料容器に加えられる。
二酸化炭素透過膜593は、容器541の後面において開口部649をカバーする。膜593は、未反応の燃料が容器から出ないようにしつつ、ガスを容器から取り除くため、二酸化炭素の通過を選択的に可能とし容器541において発生したガスを除去する。選択的に二酸化炭素を透過させるポリマー膜の具体例は、シリコーン、スチレン熱可塑性エラストマー、ポリアミドベース熱可塑性エラストマー、ポリブタジエンベース熱可塑性エラストマー、EPDMラバーベース熱可塑性エラストマーである。非常に高い二酸化炭素選択的透過性のため、燃料電池のオペレーションの間、発生した二酸化炭素ガスは、アルコール燃料のバリアとして作用しながら、ポーラス構造を通過する。
コートされた粒子の応用及び使用
固定化された酵素によりコートされた粒子は、様々な化学変化のための触媒として用いることができる。酵素は、酵素固定化材料に固定化され、ここで述べたプロセスを用いて粒子上にコートされ、様々なサブストレートに析出される。これらの固定化酵素粒子はその後、反応混合物と接触し、所望の化学変化を触媒する。本発明の粒子は、以下に記載する実施の形態における酵素と置き換えることができる。
特に、反応を触媒するために固定化酵素粒子を使用しても良い。これは、酵素固定化材料が酵素を固定化及び安定化し、そして酵素より小さい化合物に対して透過性を有し、ミセル疎水変性ポリサッカライドである。様々な好ましい実施の形態において、ミセル疎水変性ポリサッカライドは、疎水変性キトサン若しくは疎水変性アルギン酸である。
さらに、固定化された酵素粒子は、被分析物の検出のために使用することができる。酵素固定化材料は、酵素を固定化し安定化し、酵素より小さい化合物に対して透過性を有し、ミセル疎水変性ポリサッカライドである。様々な好ましい実施の形態において、ミセル疎水変性ポリサッカライドは、疎水変性キトサン若しくは疎水変性アルギン酸である。
例えば合成洗剤等において、酵素を使って、洗濯物の汚れにおけるステインを分解させ、又は服からのタンパク質を分解し除去する。一般的に、洗剤において使用されている酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、リパーゼである。これらの酵素は、ここで述べた酵素固定化材料において固定化され安定化され、洗剤若しくは水溶性のキャリアーに分散させ洗濯汚れの処理を行う。酵素固定化材料は、洗剤の他の成分に対して酵素を安定化させることができ、保存安定性を改善する。酵素を含む様々な洗剤製品が、米国特許第7,179,780、6,894,013及び6,827,795に記載されている。これらの特許は本願において引用して援用する。
酵素を汚水処理において使用し、ストリーム中の廃棄物を分解する。例えば、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、及びプロテアーゼをバクテリアに加え、様々な廃棄物を除去する。そのような廃棄物ストリームを分解するために使用される、特定の廃棄物ストリームにおけるコンポーネント及び適当な酵素は、当該分野における当業者に既知である。例えば、汚水処理において使用される様々な酵素が、米国特許第7,053,130、6,802,956及び5,531,898に記載されている。これらの特許は本願において引用して援用する。これらの酵素は、酵素安定性を改善するため、当該酵素を含む本発明に係る粒子と置き換えることができる。
酵素の工業的使用の他の具体例は、コーン若しくは他の穀物を高フラクトースコーンシロップへ変換することである。高フラクトースコーンシロッププロセスの3つの工程において酵素が用いられる:これらの工程は、コーン若しくは穀物の液状化工程と、スターチを砂糖に変換するためコーン若しくは他の穀物を糖化する工程と、グルコースのフラクトースへの異性化工程である。特に、グルコースイソマラーゼを使用してグルコースをフラクトースに変換する。使用される酵素は、ここで述べた酵素固定化材料において固定化さされることが好ましい。酵素の固定化は、酵素が変性に対して安定化され、酵素が容易に除去されその結果プロセスをより制御されたものとすることができるため、好ましい。また、固定化された酵素粒子は、容易に高フラクトースコーンシロップ製品から分離することができる。これらのプロセスステップは、米国特許第5,593,868及び4,567,142により詳細に記載されている。これらの特許は本願において引用して援用する。
加えて、酵素をフードプロセスにおいて使用する。これらのプロセスはタンパク質の様々な反応を触媒する酵素を必要とするからである。例えば、ベーキング工程において、様々な目的のため、菌性アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペントサナーゼ、キシラナーゼ、プロテーゼ、プルラナーゼ、及び酸プロテナーゼが用いられる。あるプロセスにおいて、菌性アミラーゼを用いて、ベーキングのため小麦粉を変性し、より均一な生地及び製品を製造する。また、マルトース生成アミラーゼを使用して、様々なタイプのパンの保存期間を延ばすことができ、プルラナーゼをベーク商品内の老化防止剤として用いる。醸造において、アミラーゼ、プロテーゼ、β-グルカナーゼ、及びアセト乳酸デカルボキシラーゼを様々な工程において使用される。ビールについて、これらの酵素のいくつかを大麦麦芽に加え、スターチの発酵性糖への変換を助力し、寒冷混濁を除去し、濾過を改善する。チーズやホエー製品については、プロテーゼ(具体的にはペプシン)やリパーゼを凝乳及びチーズ熟成工程において使用され、ラクターゼは、ホエーシロップの生産において用いられる。さらに、β-グルコシダーゼは、豆乳においてイソフラボン植物エストロゲンを変換する。これらの酵素のそれぞれは、ここで述べたプロセスにより食用の固定化材料に固定化することができ、これらの反応物質についての触媒として好適に使用される。これらのプロセスは、米国特許第7,014,878、6,936,289、4,358,462及び6,372,268により詳細に記載されている。これらの特許は本願において引用して援用する。
様々な化学合成プロセスは、エステル化、キラル合成、エステル交換、及びオイルの脱ガム化のため触媒を用いる。例えば、ペンダントカルボン酸を有するポリマーを含む様々なカルボン酸化合物は、様々な酵素を用いてアルコールでエステル化される。エステル化反応を触媒するために使用される酵素としては、概して、加水分解酵素、特にリパーゼ、プロテーゼ、及びエスタラーゼである。具体的な酵素は、カンジダアンタークチカリパーゼB(ノボジームにより製造)、ムコールミーヘイリパーゼIM、シュードモナスセパシアリパーゼPS−30、シュードモナスエルギノーサリパーゼPA、シュードモナスフルオレッセンスリパーゼPF、アスペルギルスニガーリパーゼ及びカンジダシリンドラシアリパーゼ、豚膵臓由来リパーゼが含まれる。これらの反応物は、米国特許第7,183,086、6,924,129により詳細に記載されている。これらの特許は、本願において引用して援用する。これらの酵素は、酵素の安定性を改善するため当該酵素を含む本発明の粒子と置き換えることができる。
化学合成について、様々な酵素は、様々な化学変化を触媒することができる。例えば、グルタミナーゼを用いて、グルタミンをグルタミン酸塩に変換することができる。ペニシリンアキラーゼを化学合成において使用することができる。クロロペルオキダーゼをステロイド合成において使用することができる。アスパラギン酸β-デカルボキシラーゼを用いてL-アスパラギン酸からL-アラミンを生成することができる。そしてシクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼを用いてスターチからシクロデキストリンを生成する。また、様々なキラル化合物の合成は酵素を用いる。スブチリシンを化学化合物若しくは薬剤のキラル分割のために使用する。アミノアシラーゼは選択的にアミノ酸に分割することができ、アルコールデヒドロゲナーゼを化学物質のキラル合成において使用することができ、アミノ酸オキシダーゼをラセミアミノ酸混合物の分解のため使用しても良い。これらの反応物は、米国特許第6,036,983、5,358,860、6,979,561、5,981,267、6,905,861、及び5,916,786により詳細に記載されている。これらの特許は、本願において引用して援用する。これらの酵素は、化学合成の間、酵素の安定性を改善するため当該酵素を含む本発明の粒子と置き換えることができる。
オイルは、様々な酵素を用いて相互エステル化され、若しくは脱ガム化される。例えば、酵素的な相互エステル化反応は、食用油及び脂肪の融解特性を制御する効率的な方法である。これは、変換/反応の度合を制御することにより行われる。化学物質は当該プロセスにおいて使用されず、トランス脂肪は、他の製造方法により作製されない。固定化されたリパーゼを使用して、マーガリン及びショートニングの生成において使用されるオイル及び脂肪の脂肪酸をエステル化することができる。さらに、酵素的なプロセスを使用して、植物オイルにおける粘性物質を除去することができる。つまり、当該プロセスは典型的に脱ガム化と称される。リン酸リパーゼ酵素を使用する酵素的脱ガム化により、水和可能なレシチン(粘性物質)を水溶性のリゾレシチンに変換する。これは遠心分離器により分離される。これらのプロセスの多くは、米国特許第6,162,623、6,608,223、7,189,544、及び6,001,640により詳細に記載されている。これらの特許は、本願において引用して援用する。これらの酵素は、相互エステル化反応若しくは脱ガム化反応の間、酵素の安定性を改善するため当該酵素を含む本発明の粒子と置き換えることができる。
さらに、固定化された酵素粒子をバイオセンサーにおいて使用することもできる。一般的に、これらのバイオセンサーは、複合混合物、例えば体液及び工業的混合物において様々な被分析物を知覚するため、診断方法において使用される。例えば、様々なセンサーが、様々な体液における尿素、尿酸、及びコレステロールを検出するために使用することができる。様々なセンサーが米国特許第5,714,340に記載されている。これらの特許は、本願において引用して援用する。
様々な分析方法において、固定化された酵素粒子を使用し、体液(具体的には唾液、血液、尿)における様々な化合物若しくは組織の存在及び/又は濃度を決定することができる。これらの分析方法は、様々な酵素を使用し、被分析物を酵素抑制剤と相互作用させる。つまり、これらの相互作用により無数の分子が形成され、1若しくは数個以上の被分析物質若しくは組織を輸送することができる。また、酵素活性は、被分析物濃度に比例し、被分析物の低い濃度を検出することができる。被分析物は、小分子の農薬や他の毒素から微生物まで変更することができる。キャプチャーについて高い特異性を有する様々な分析プローブ及び特定の被分析物の検出を用いることができる。酵素増幅を用いた分析方法が、米国特許第6,171,802、6,383,763、及び4,067,774において記載されている。これらの特許は本願において引用して援用する。
また、固定化された酵素粒子は、物質の浄化及び混合物流の成分の分離のために使用することができる。例えば、酵素を使用して、キラル分子及びイソノマーをラセミ混合物から分離することができ、オイル、ガス、及び他の工業的材料から硫黄を除去することができ、植物からリグノセルロース成分を破壊し分離することができ、汚水を処理及び浄化することができ、フードプロセシングのため不所望の化合物を除去することができる。
オイル、ガス、及び他の工業的材料の脱硫は、様々な酵素を用いる。これらの酵素は、一般的に脱硫酵素として知られている。ある重要な脱硫酵素はデサルファナーゼである。これらの脱硫酵素は、様々な石油製品におけるチオフェンを分解し、燃焼前に当該石油フィードストックから硫黄元素を取り除く。これらのプロセスは、米国特許第6,461,859及び7,045,314において記載されている。これらの特許は本願において引用して援用する。これらの酵素は、脱硫反応の間、酵素の安定性を改善するため、そのような酵素を含む本願の粒子と置き換えることができる。
様々な植物からのリグニンは、リグニンペルオキシダーゼにより分解することができる。リグニンペルオキシダーゼは、様々な酸化を触媒し、その結果様々な分解産物及び他の酸化生成物となる。これらの酸化反応物には、リグニンのプロピル側鎖の炭素-炭素結合の開裂、ベンジルメチレン基の水酸化、ベンジルアルコールの、対応するアルデヒド若しくはケトンへの酸化、及びフェノール酸化を含む。これらのプロセスは、米国特許第7,049,485においてより詳細に記載されている。これらの特許は本願において引用して援用する。当該リグニンペルオキシダーゼは、本発明にしたがって固定化され、酵素安定を改善する。
フルーツジュースは、フルーツ組織の様々な構造を分解し、ジュース抽出プロセスを高めるペクチナーゼ、アミラーゼ、及びセルラーゼを用いて処理される。ジュースプロセスの間細胞から放出されるポリサッカライドは、ジュースに対して不溶性であり、ジュースを白濁させる。ジュースを透明化するため、ペクチナーゼ及びアミラーゼを用い、これらの不溶性のサッカライドを分解し可溶性の糖を生成する。当該プロセスにより、結果的に、加えられた可溶性の糖により甘くなった透明のジュースとなる。これらのプロセスは、米国特許第5,585,128、5,419,251及び4,971,811により詳細に記載されている。これらの特許は本願において引用して援用する。これらの酵素は、そのようなプロセスの間、酵素の安定性を改善するため、そのような酵素を含む本願の粒子と置き換えることができる。
活性表面フィルムは、不所望のコンタミネーションと反応し、自浄化させるか若しくは当該表面から様々な毒素を取り除く反応性物質及び/又は酵素を含むコーティングである。例えば、活性表面フィルムは、毒素を分解し若しくはバクテリアを殺傷するためにフードラップ、ファイバー、表面層、包帯若しくはフィルターにおいて含まれている。例えば、様々な毒素を分解する酵素は、生物兵器において使用される毒素を破壊するためファイバーに含まれている。また、これら同様のファイバーが、着用者がバクテリア感染を抑制するためバクテリアを殺傷若しくは分解する酵素によりコートされる。これらの酵素は、当該活性表面フィルムにおいての酵素活性を改善するため、このような酵素を含む本発明の粒子で置き換えることができる。これらの酵素は、活性表面フィルムにおいて、酵素の安定性を改善するため、そのような酵素を含む本願の粒子と置き換えることができる。
また、1以上の酵素を固定化して、1以上の反応を触媒することができる多機能型材料を提供することができる。例えば、上述の酵素のコンビネーションが、1以上の酵素固定化材料に固定化され、1以上の反応を触媒する製品を作成する。
ここで述べた固定化酵素を使用して、従来の燃料電池インクと同様の電解質インクを調整することができる。第1に、酵素はここで述べたスプレイドライ技術を用い、固定化材料によりカプセル化する。その後、カーボンで被覆された安定化酵素が、カーボンフィラー、5%ナフィオン(登録商標)溶液に混合し、その後電極サポート上にペイントされる。乾燥された電極はその後交換膜に対して対応するアノードをプレスする。当該アノードは、H/O燃料電池として作動する。
カーボンブラックを酵素ベース触媒インクにおけるフィラーとした場合、伝導性、表面積、及びポリマードーピングによりグラフトされているか否かは、電極の全性能に影響を及ぼす。いくつかのカーボンブラックは、セルの性能を改良するため、フィラーとしてテストされてきた。マナーチ1400は、最良の性能を有するとともに最も簡単な実行可能なインクである。しかしながら、集電体との酵素相互作用を改善するため、マナーチ1400の代わりとして如何なるカーボンブラックを組み込んでも良い。カプセル化された酵素で混合された全てのカーボンブラックは酵素だけの場合より良好に機能するが、それぞれは、考慮すべき異なる最適パラメータを有する。
本発明の様々な発明の中に、酵素固定化材料において酵素が固定化された反応を触媒するため固定化された触媒を使用することが含まれる。酵素固定化材料は、酵素を固定化し安定化し、酵素より小さい化合物に対して透過性を有し、ミセル状の疎水変性されたポリサッカライドである。
他の発明は、酵素が酵素固定化材料に固定化された被分析物を検出するため固定化された酵素を使用することである。当該酵素固定化材料は、酵素を固定化し、安定化し、酵素より小さい化合物に対して透過性を有し、ミセル状の疎水変性されたポリサッカライドである。
さらに別の発明は、酵素が酵素固定化材料に固定化された反応を触媒するため固定化された触媒を使用することである。当該触媒固定化材料は、酵素を固定化し、安定化し、酵素より小さい化合物に対して透過性を有する。触媒された反応は、(a)アルコールによるカルボン酸のエステル化、(b)コーン若しくは他の穀物の液状化、(c)スターチを糖に変換するためのコーン若しくは他の穀物の糖化、(d)グルコースからフルクトースへの異性体化、(e)キラル化合物の合成、(f)オイルの相互エステル化、(g)オイルの脱ガム化、(h)汚水処理(反応)、(i)フルーツジュースの浄化、(j)スターチプロセスによるグルコースの生成、(k)ラクトースからのグルコース及びガラクトースの生成、(l)ペプチド結合を有する化合物の合成、(m)ペニシリンGから6-アミノペニシリン酸の生成、(n)糖からアルコールへの変換、(o)石油留分から硫黄の除去、(p)アルリロニトリルからアクリルアミドへの変換、(q)3-シアノピリジンからニコチンアミドへの変換、及び(r)洗濯物汚れにおけるステインの分解から選択される。
別の発明は、アルコールによるカルボン酸のエステル化、コーン若しくは他の穀物の液状化、スターチを糖に変換するためのコーン若しくは他の穀物の糖化、グルコースからフルクトースへの異性体化、キラル化合物の合成、オイルの相互エステル化、オイルの脱ガム化、汚水処理(反応)、フルーツジュースの浄化、スターチプロセスによるグルコースの生成、ラクトースからのグルコース及びガラクトースの生成、ペプチド結合を有する化合物の合成、ペニシリンGから6-アミノペニシリン酸の生成、糖からアルコールへの変換、石油留分から硫黄の除去、アルリロニトリルからアクリルアミドへの変換、3-シアノピリジンからニコチンアミドへの変換、及び、洗濯物汚れにおけるステインの分解から選択される酵素触媒反応における改良である。酵素を固定化し安定化し酵素より小さい化合物に対して透過性を有する酵素固定化材料において酵素を固定化する工程を含む。
他の発明は、酵素が酵素固定化材料に固定化された被分析物を検出するため固定化された酵素を使用することである。当該酵素固定化材料は、酵素を固定化し、安定化し、酵素より小さい化合物に対して透過性を有する。検出される被分析物は、尿素、尿酸、コレステロール、農薬、毒素若しくは微生物を含む。
さらに別の発明は、酵素が酵素固定化材料に固定化された混合物から物質を分離若しくは除去するため固定化酵素を用いることである。酵素固定化材料は、酵素を固定化し安定化し、当該酵素より小さい化合物に対して透過性を有する。
さらに別の発明は、酵素が酵素固定化材料に固定化されたフィルム表面に接触する少なくとも1つの物質と反応する化学的活性フィルム表面において固定化酵素を用いることである。酵素固定化材料は酵素を固定化し安定化し、酵素より小さい化合物に対して透過性を有する。
実施例1:バイオアノード性能及び製造方法
1.ニッケル及びカーボン電極構造
バイオアノードの作製のために使用される金属及び材料の選択は、アノード性能において重要な役割を果たす。これは図24に示されており、3つの電極が、メディエーターとしてメチレングリーンを有する市販のNAD依存型ADH酵素を使用して作製及び評価された。電極は、8つの金メッキステンレス鋼若しくはニッケルの集電体と、市販のGDLと、Eテックの両面E-ラット、若しくは触媒支持層としての社内製エポキシ及びカーボンGDLからなる。ニッケル集電体と自社製GDLとの組み合わせにおいて最も良好な性能が見られた。
このタイプの電極配置を、グルコース活性バイオ燃料電池のため、グルコースデヒドロゲナーゼ酵素とともに使用する。このセルの性能が、図25に示されている。図25に関しては、ダイアで示したプロットが、バイオアノードと吸気性プラチナバイオカソードとを有する4つのセル(1つのセル当たり4.5cmの面積)のバイオ燃料電池スタックの性能である。三角形により示されたプロットは、市販のGDLを用いた従来の最善のセルの性能である。
2.自社製ガス拡散層(GDL)
バイオアノード性能に影響を与える主要な要因の1つは、以前のセクションにおいて示したように、酵素触媒支持層である。乾燥したカーボンペースト支持層を有するアノードから最良の性能が得られた。このタイプのセルの写真を図7に示す。当該構造は、触媒支持体、反応物質拡散層、及び集電体と触媒層との間の電極層として機能する。この層は、カーボンブラック、メソポーラスカーボン、PTFE、2部のエポキシから成る混合物であり、ペーストとして集電体に塗布され、水及びアセトンからなるペーストとしてフレームに塗布される。このペーストは、触媒及び変性ナフィオン層が塗布される前に乾燥することができる。このタイプの材料は、特性を細かく調整するという観点において、触媒支持体として多くの利点を有する。このGDLは、PTFEとメソポーラスカーボンの比率を調整することにより、より疎水性にしたり若しくはより親水性にしたりすることができる。この具体例が図26に示されている。図26に関して、GDL材料は、カーボンふるい(ダイアとして表す)を組み込むことにより親水性とされており、これにより、加硫処理されたカーボンのみの場合と比べて性能が改善された(三角で表す)。カソードのためAuメッキされたステンレス鋼拡張金属集電体と、膜としてのN112と、4mg/cmPtブラックのカソードと、燃料としての1%エタノール燃料とからなる。
3.バイオアノードのための酵素
ADH酵素の浄化、時効効果、濃度はバイオアノードの性能において、他の役割を果たす。6つの自社製浄化PQQ依存型ADH酵素及び1つの市販のNAD依存型ADH酵素を図27に示す。最も悪い性能の酵素(6週間4℃)は、TB1である。これは、テストされたロットの最も古い酵素であった。最もよいものは、ML10であった。これは、テストされたとき、全ての酵素の酵素純度及び酵素濃度が高く、全ての酵素が最も新しいからである。市販のNAD依存型ADHを参照のポイントとしてこのダイアグラムに示した。市販の酵素の濃度は、自社製の4つの酵素と比較することができる。各ポテンシャルと0V(対NHE)との間の相違は、各電極のアノード過電圧を表し、与えられた電流密度におけるポテンシャルが低いことが好ましい。最も性能が良かったのはサンプルML10であり、これは400mV(対NHE)でのポテンシャルにおいて、75mA/cmのオペレーションを示している。このレベルの性能は、使用される酵素の質及びタイプ、固定化された酵素に近接して存在する金属イオンアクチベイター(具体的にはニッケル)のタイプに依存する。屋内での酸性オペレーション条件の下浄化された酵素について最良の性能が見られた。
4.バイオアノード半電池の性能
半電池構成において、バイオアノードの性能、電力密度の具体例を図28において示されている。この図面におけるアノードは、1cmの面積を有し、5%エタノールを有する1M H2SO4溶液で処理した。当該セルにより達成された最大電力密度は、15mW/cmであった。このレベルの性能は、使用される酵素の質及びタイプ、オペレーション条件(酸性)、固定化された酵素(ニッケル)に近接して配置された金属イオンアクチベーターのタイプに依存した。
実施例2:4及び8セルスタック性能
図28に記載されたバイオアノードがプラチナベースカソードと対を形成し、4.5cmまでサイズにおいてスケールアップされ、一連に接続されたとき(4つのセル)、全体の性能は、図28におけるものの33%まで減少する。4つのセルスタックを一連に接続した場合の代表的な電流と電圧との曲線を図29A及び29Bに示す。左側のグラフは、4つのセル(1つのセル当たり4.5cmの面積)のバイオ燃料電池スタック(バイオアノードと吸気性プラチナカソードとを有する)の性能を示している。右側のグラフは、当該スタックの各セルの平均セル電圧及びパワー密度を表している。これらのセルに使用されるアノード酵素は、屋内で準備され精製される。
これらの4つのセルスタックの2つが一連に接続されるとき、性能はさらに半分まで減少する。8つのセルスタックを一連に接続した場合の代表的な電流と電圧の曲線及び電力曲線を図30A及び30Bに示した。当該スタックは、4つのセルスタックを2つ一連に接続して組み合わせたものであった(以前のスライドにおいて示したものと同様のもの)。左側のグラフは、8つのセル(1つのセル当たり4.5cmの面積)のバイオ燃料電池スタック(バイオアノードと吸気性プラチナカソードとを有する)の性能を示している。右側のグラフは、当該スタックの各セルの平均セル電圧及びパワー密度を表している。スタック内のセルの数が増加するにしたがって、各セルの性能は低下していることに気付くであろう。
実施例3:アノード作製
触媒支持体−ガス拡散層(GDL)
アノード電極に使用される触媒支持層は、カーボン材料、テフロン、2部エポキシ、及び溶媒の混合物から構成される。これらの成分の比率を変更することにより、当該構造体の特性を微調整することができる。例えば、そのような特性には、(1)電気的導電性、(2)疎水性/親水性、(3)表面領域、及び(4)乾燥時間が含まれる。当該混合物は、ペーストとして調製され、その後、圧縮してカプトンマスクされたフレーム/集電体構造とする。過剰にドクターブレードされている。当該フレームは、両面においてカットアウトでマスクされ、一方の面で、露出された集電体を露出する。当該ペーストの乾燥およびセッティングを完了する前に、カプトンテープマスクを取り除き、全構造をハロゲン加熱ランプの下乾燥させる。
GDLペーストの配合は、モナーチ1400カーボンブラック(カボット)3.57g、ケムソーブ1505G5ポーラス1.43g、浸透スチーム活性カーボン(Cケム)のドライコンポーネントから調製する。これらのドライコンポーネントは、60秒間フードグラインダーにおいて攪拌される。ウェットコンポーネントは別に調製され、4.00gのアセトンに溶解されたクイックセット2パートエポキシ(オリジナルスーパーグルーコーポレーション)5.00g、及び水(シグマ)に分散された60%ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)2.00mLであった。PTFE分散剤を加える前に、エポキシをアセトンに溶解させる。ウェットコンポーネントは、超音波ホモジェナイザーにより15秒間混合した。その後ドライコンポーネントとウェットコンポーネントとを混ぜ合わせ、当該混合物が歯磨き粉と同じくらいの硬さになるまでペティナイフで混合した。
触媒層
酵素触媒層を、緩衝溶液中の酵素及びTBAB修飾ナフィオン固定化材料の流延混合物として乾燥したGDL構造に塗布した。当該溶液は、対応するカソード電極構造を組み付ける前に乾燥させ硬化することができる。
酵素触媒層の配合
大量の流延混合物を作製し、8つのセル(4.5cm)につき十分与えることができ、この流延混合物から0.45mLのアリコートを各電極に流延する。流延溶液は、PBS緩衝溶液における2.1mLのPQQ依存ADH(〜10mg/mL)及び5体積%のテトラブチルアンモニウムブロミド修飾ナフィオン固定化材料2.1mLであった。
フレーム及び集電体の製造
アノード集電体及びフレームアセンブリのコンポーネントを図8に示す。作製は、まず各ビニルフレームカットアウトの一方の面においてウレタンホットメルトピース2つを溶解することにより開始する。当該溶解は、上部にホットメルトピースを有するフレームを30秒間128℃にさらすことにより行った。当該ピースはその後取り除かれ、接着剤が接触できるように粘性を得るまで冷却される。編み込まれプレス(8メートルトン)されたワイヤーを有する、拡張された金属集電体は、図8に示す構成におけるフレーム構造の1つに配置される。ワイヤーリードは、ホットメルト接着剤においてフレームのサイドに沿って固定されている。他方のフレームは、拡張された金属集電体に向うグルーサイドを有する、集電体/フレーム/接着剤構造の上部にセットされる。その後、当該ホールアセンブリを最小の圧力で128℃で30秒プレスし構造体をシールする。
実施例4:カソード作製
触媒支持体−GDL及び集電体
アノード電極に使用される触媒支持層は、商業的に入手可能なカーボンクロスGDL材料である。当該材料は、E-Tekにより、両面にマイクロポーラス層を有するLT2500W低温エラートと示されている。このカソードに使用される集電体は、0.007”膜厚の拡張ステンレス鋼材料であった。これは、28ゲージの絶縁性ワイヤーが編み込まれ、一方の端面に沿ってプレスされるようなサイズにカットされ、旗状構造が作製される。このカソードフラッグの露出された導電部は、カソード電極の組立前に、酸エッチングされ(5M HCl)、オルソサームHT RTUラックゴールドバス(テクニックインク)を用いて金メッキされる。
触媒層
カソード触媒層は、プラチナブラック触媒及びナフィオンイオノマーからなる。積載量はそれぞれ、4mg/cm、8.5質量%である。当該触媒はインクとして調製し、エラートの一片に塗布した。これは、8つの電極(36cm)にとっては十分大きいものであり、乾燥させることができるものであった。触媒層を乾燥させたとき、シートを切断し各シートとした。これは、4.5cm(3×1.5cm)の面積を有し、最終組立まで保管しておく。
カソード触媒層の配合
8つのセル(4.5cm)を準備することが十分な大量の流延混合物を調製する。この流延混合物は、脂肪族アルコール/水の混合物(シグマアルドリッチ)における158.4mgのHiSPEC(登録商標)1000プラチナブラック(アルファエアゾル)、380.2μLDI水、100.0μL 2-プロパノール、5質量%ナフィオンイオン交換樹脂336.7μLからなる。流延溶液は、超音波ホモジェナイザーを使用して、ペイント前に15秒間混合した。
カソードの作製
カソードを、集電体、GDL/触媒層、及びナフィオン固定化材料から成る1つの部材として作製した。当該ナフィオン固定化材料、ナフィオン212(シグマアルドリッチ)をGDL層より僅かに大きい小片にカットし、その後DI水で濡らした。触媒/GDL層を拡張した金属性集電体上に配置し、その後5質量%ナフィオン溶液の薄膜コートにより塗布し、DI水で濡らした。このアセンブリの上面に、濡れたナフィオン膜を配置し、全構造を、カプトンの、0.010”の厚さの2つのシート(3×3”)(マックマスタ-カール)間に配置した。全パッケージを3メートルトンの圧力で128℃において90秒間プレスし、そのご、2つの1”の厚さのアルミニウムプレート間で冷却した。化婦トンフィルムを取り除き、フレームに配置する前に、カソードを3.75×1.7cmの大きさになるようにトリミングする。
フレーム作製及びカソード組立
カソード集電体及びフレームのアセンブリのためのコンポーネントを図8に示す。最初、ウレタンホットメルト部材を各ビニルフレームカットアウトの一方の面に溶融接着する。溶融接着は、ホットメルトピースを上面に有するフレームを128℃の温度に30秒間曝すことにより行うことができた。当該ピースは、その後取り除かれ、接着剤が接触できるような粘性を得るまで冷却した。ワイヤーリードが、ホットメルト接着剤において、フレームの両サイドに沿って固定された図8に示す構成において、4つの予め作製されたカソードが、1つのフレーム構造の上に配置された。他方のフレームは、拡張された金属集電体に向うグルーサイドを有する、集電体/フレーム/接着剤構造の上部にセットした。その後、全アセンブリを最小の圧力で128℃で30秒プレスし構造体をシールした。
実施例5:マニホールド及び燃料タンク
このデバイスのために設計された燃料配送マニホールドは、電解質燃料溶液を有するこのタイプの燃料電池に対して利点を与える。これは、従来の液状燃料電池におけるセルを短くすることができる(すなわち、直接メタノール燃料電池とすることができる)。燃料は、各セル間の一連の一方向チェックバルブを介して各セル容器に配送される。チェックバルブ(パワーエアー)の使用により、セル間においてイオン伝達を中断し、それにより短絡を防止する。一連に配置されたチェックバルブにより、1つの燃料インプット及びアウトプットが存在し、セルの全てを充填することができる。バルブは、大きさを調整するようにトリミングされた、1/8”×1/8”ポリプロピレンの角張ったエルボー(スモールパーツ)を使用することによりセルに接続した。この配置の図を図4及び5に示す。燃料は、シリンジ及び1/16”IDタイゴンチューブさらには付加的な電力を必要とする方法を使用して配送され、取り除かれた。
このデバイスの燃料容器システムは、各セルについての各燃料容器を用いることによりセル間の燃料/電解質接触を除去することができるように設計されている。このタンクの特有の特徴は、図4及び5に示された容器の段差付き上部である。これにより、スタックの完全な充填を可能とし、タラップされたエアーバブルがアノードに接触することを排除する。燃料は、タンクの下部のステップに運ばれ、トラップされたエアーが電極コンタクトからプッシュされる上部ステップから排出される。4つの燃料電池のセットは、128℃で最小の圧力で融解された0.005”の厚さのホットメルトウレタン接着剤を使用して、燃料に向かうアノードサイトを有する容器に取り付けられる。
実施例6:ハウジング
8つのセルのバイオ燃料電池スタックのハウジングを図2及び13に示す。最終的なハウジングデザインは、0.600”の厚さのアクリルから加工し、ハウジングハーフのセンターにおける電極構造のサポート台、当該ハウジングのサイドにおける燃料マニホールドシステムカットアウト、エレクトロニクス及びIOインターフェースのための各エンドにおけるカットアウトを特徴とする。当該スタックは、2つのハウジングハーフ間に挿入され、当該ハウジングは、当該スタックの4つのセンターのそれぞれにおいて1”ミリ8/32六角頭ボルトで一体とされている。2つのハーブを0.020”の厚さのPTFEガスケットを用いて密閉される。当該ガスケットは周囲を囲む。
実施例7:複合触媒
カーボンサポートポリピロール(典型的には5〜60質量%)に析出されたCoPcFは、一旦高温で適切に熱分解されると、酸素還元のための例外的な活性を示すことを発見した。CoPcF-カーボンサポートポリピロール混合物と、適切な熱分解とを組み合わせることにより、複合触媒CoPcFPPyを非常に特有のものとする。これらの触媒を、1.0M硫酸溶液(リンタングステン酸(PTA)促進剤を有していても良いし有していなくても良い)を有する吸気性半電池において、約25℃の室温で評価した。当該触媒は、以下に記載する手順に従って調製した。触媒の一般的な調製条件については、以下の表に示した。
Figure 2010516017
Figure 2010516017

コバルト(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25-ヘキサデカフルオロ-29H,31H-フタロシアニン(CoPcF)の構造
Figure 2010516017

ポリピロール構造の表示
CoPcF:CPPyの比率が1:2、熱分解温度が600℃、そして熱分解時間が1時間である条件における当該混合物の調製を以下に示す。10%ナフィオンとともに5mg/cmの積載量でプラチナブラック(ジョンソンマッセイ)を触媒層においてテフロン処理カーボンクロス(E-Tek)上に被覆した。CoPcFCPPyは、触媒層において、30%ナフィオンとともに10mg/cmの載積量で、リンタングステン酸(PTA)を含んでいても良いし若しくは含まなくてもよく、1:10(PTA:CoPcFCPPy)の比率で、テフロン処理されたカーボンクロス(E−Tek)上にコートした。スキャンレートは2mV/sであった。結果として得られた触媒は、図31の描写した分極曲線により示されるように、酸素還元にとって例外的な活性を示した(最大パワー密度は約25mW/cmである)。リンタングステン酸(PTA)が、CoPcFCPPy複合触媒に入れられるとき(PTA:CoPcFCPPy=1:50〜1:2、代表的な質量比は1:10である)、性能における大きな飛躍が観測された(最大パワー密度は36mW/cmであった)。この性能は、プラチナ(Pt)の触媒の性能に匹敵する。
PTAを用いて若しくはPTAを用いずCoPcFCPPyを調製する手順
コバルト(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25-ヘキサデカフルオロ-29H,31H-フタロシアニン(CoPcF)(100mg、シグマ)及び200mgのカーボンサポートポリピロール(PPy/C)(シグマ)を10分間超音波バスにおいて4mLテトラヒドロフラン(シグマ)において分散させ、その後1時間室温において真空オーブンにおいて溶媒を蒸発させた。その後、乾燥粉末を坩堝に配置し、600℃の温度で1時間窒素ガス雰囲気下で熱処理した。結果として得られた触媒をCoPcFCPPyと表示する。CoPcFCPPy(10mg)と60mgのナフィオン溶液(5%、シグマ)を、超音波バスを用いて10分間200μLのイソプロパノール中に分散させ、当該混合物を1cmのガス拡散層(ELAT、A7NCV2.1)の活性サイドに緩やかにコートし、室温で30分間真空オーブンに配置した。リンタングステン酸(PTA)を加えた場合は、1mgのPTAを溶解し、10mgのCoPcFCPPyと60mgのナフィオン溶液(5%、シグマ)を、超音波バスを用いて10分間200μLのイソプロパノール中に分散させ、当該混合物を1cmのガス拡散層(ELAT、A7NCV2.1)の活性サイドに緩やかにコートし、室温で30分間真空オーブンに配置した。
Ptカソードのための調製手順
プラチナブラック(5mg、ジョンソンマッセイハイスペック1000)及び2mgのカーボンブラック(マナーチ1000)を5分間超音波バスにおいて200μLイソプロパノールにおいて分散させ、その後33mgのナフィオン溶液(5%)を加え、続いてさらに5分間混合物を超音波分解した。当該混合物を1cmのガス拡散層(ELAT、A7NCV2.1)の活性サイドに緩やかにコートし、室温で30分間真空オーブンに乾燥させた。
実施例8:CoPcFCPPy複合カソード触媒のエタノール耐性
実施例1において記載したように調製されたCoPcFCPPyは、電解質溶液が酸素により飽和された15若しくは30%エタノールを含むとき、活性のロスを示さなかった(図32)。これは、触媒が、良好なアルコール耐性を有することを示している。酸素は、当該溶液においてより高い安定性を有するため、30%エタノール溶液において最良の性能が観測された。
実施例9:CoPcFCPPy吸気性カソードについての熱硬化の効果
燃料電池アセンブリは、約100℃で燃料電池コンポーネントをプレスし、約80℃で、リキャストナフィオン(登録商標)電解質ポリマーを硬化する工程を含むため、触媒活性は100℃でカソードを硬化させた後評価した。図33の結果は、性能は電極硬化温度に依存しないことを示していた。
実施例10:CoPcFCPPy吸気性カソードの安定性
プラチナカソードを、1M硫酸溶液に5%エタノールを含む溶液おいてテストした場合、図34に示すように、0.4Vの電子ポテンシャルでの酸素還元の電流密度は、30mA/cm未満であり、1時間で19mA/cmまで降下する。プラチナは、酸素還元に対して安定な触媒であるが、これはまたアルコール(エタノール)の酸化も触媒してしまう。図35に示すように、Ptカソードにおけるミックスされたポテンシャルはより低かった。これはおそらくプラチナにおけるエタノール酸化の介在が、プラチナ触媒を被毒し、その活性をより早く低下させるからである。同じく0.4Vのポテンシャルにおいて、CoPcFCPPyカソードは、酸素還元についてより大きな電流密度を有する(図34)。つまり、最初約65mA/cmであり、1時間で58mA/cmまで減少する。PTA触媒を含むCoPcFCPPyは、結果として、PTAを含まないCoPcFCPPyよりかなり高い電流密度を有するカソードとなる。電流密度は1時間で82から73mA/cmへ減少する。PTAを含む若しくは含まないCoPcFCPPyは、図B.3.及びB.7.に示すように、エタノール酸化を触媒しなかったが、酸素還元反応については高い選択性を有していた。比較のため、プラチナカソードを1M硫酸溶液においてエタノールの存在しない条件下でテストした。プラチナカソードにおける酸素還元の電流密度は約77mA/cmであった。そして、1時間で71mA/cmまで減少した。これは、これらの触媒の崩壊が、おそらく触媒被毒若しくは分解によるものではないことを示している。CoPcFCPPy触媒は、5%エタノールを含む硫酸溶液において非常に安定である。
実施例11:CoPcFCPPy触媒の安定性
1時間の寿命試験(図34)において観測された崩壊の1つの可能性として考えられる説明は、カソードフラッディングである。図36は、カソードフラッディングの程度が1時間の酸浸出後、若しくは12時間の酸浸出が、活性に影響を与えないことを確かめている。120時間の酸浸出後では、未だ触媒は酸素還元に対して非常に良好な活性を示していた。
酸浸出
CoPcFCPPy(20mg)を1mgの1M H2SO4溶液に分散させ、セットルさせることができた。触媒粉末を濾過し、蒸留水でリンスした。当該触媒粉末を室温で2時間真空オーブンに配置した。触媒粉末(10mg)と60mgのナフィオン溶液(5%、シグマ)を、超音波バスを用いて10分間200μLのイソプロパノール中に分散させ、当該混合物を1cmのガス拡散層(ELAT、A7NCV2.1)の活性サイドに緩やかにコートし、室温で30分間真空オーブンに配置した。
実施例12:熱分解されていないCoPcFCPPy触媒
図37に示すように、触媒活性の増加がCoPcFCPPy触媒の高温熱処理後に観測された。カーボンサポートPPyは、電解触媒活性を高めるため、高い電子伝導性を有しCoPcFを固定化するため高い表面積を有するキャリアーを提供する。特に、PPyは、CoPcFにおいてコバルト元素と共同するため窒素原子を提供する。ポルフィリンは4つのピロールからなるため、CoPcFにおけるCo元素の、PPyにおけるピロールユニットの窒素元素との共同は、Coポルフィリンの触媒機能を最小化する。その結果、CoPcFCPPy触媒複合体は、CoPcFの機能とCoポリフィリンの機能とを統合することができる。高温での熱処理は、部分的にCoPcF構造とPPyチェーンとを分裂させ、ピロールユニットにおける窒素元素と共同するより多くの機会をCo元素に与える。
熱分解されたCoPcFCPPyの調製は上述の実施例B.1.に記載している。
熱分解されていないCoPcFCPPyの調製
CoPcF(3.3mg、シグマ)、6.7mg PPy/C(シグマ)及び60mgのナフィオン溶液(5%、シグマ)を10分間超音波バスにおいて200μLイソプロパノールにおいて分散させ、その後当該混合物を1cmのガス拡散層(ELAT、A7NCV2.1)の活性サイドに緩やかにコートし、室温で30分間真空オーブンに配置した。
実施例13:600℃で熱分解されたカーボンブラックサポートCoPcF
PPyを含むCoPcF触媒は、カーボンブラックにのみサポートされたCoPcF触媒(モナーチ1000)と比較して、酸素還元活性の増加が示された。酸素還元反応の活性は、当該触媒が600℃で熱分解されたとしても(図38)、CoPcFCPPyより低い(図31)。また、PPyを有しない触媒は、良好なエタノール耐性を有していない。
CoPcF/Cの調製
CoPcF(100mg、シグマ)及び200mgのカーボンブラック(モナーチ1000)を10分間超音波バスにおいて4mLテトラヒドロフラン(シグマ)において分散させ、その後1時間室温において真空オーブンにおいて溶媒を蒸発させた。その後、乾燥粉末を坩堝に配置し、600℃の温度で1時間窒素ガス雰囲気の炉で熱処理した。結果として得られた触媒をCoPcF/Cと表示する。CoPcF/C(10mg)と60mgのナフィオン溶液(5%、シグマ)を、超音波バスを用いて10分間200μLのイソプロパノール中に分散させ、当該混合物を1cmのガス拡散層(ELAT、A7NCV2.1)の活性サイドに緩やかにコートし、室温で30分間真空オーブンに配置した。
実施例14:600℃で処理されたCoPc‐PPy‐C
CoPcFに加えて、我々はカーボンブラックにサポートされたPPyにおいてコバルトフタロシアニン(CoPc)を作製した。酸素還元についての活性は、CoPcFCPPyよりかなり低かった(図39)。
CoPcFCPPyの調製
CoPcF(100mg、シグマ)及び200mgのカーボンブラック(モナーチ1000)を10分間超音波バスにおいて4mLテトラヒドロフラン(シグマ)において分散させ、その後1時間室温において真空オーブンにおいて溶媒を蒸発させた。乾燥粉末を坩堝に配置し、600℃の温度で1時間窒素ガス雰囲気の炉で熱処理した。結果として得られた触媒をCoPcF/Cと表示する。CoPcF/C(10mg)と60mgのナフィオン溶液(5%、シグマ)を、超音波バスを用いて10分間200μLのイソプロパノール中に分散させ、当該混合物を1cmのガス拡散層(ELAT、A7NCV2.1)の活性サイドに緩やかにコートし、室温で30分間真空オーブンに配置した。
実施例15:酵素を含むバイオカソード
バイオカソードの作製
カーボンブラック(若しくはカーボンナノチューブ)(0.30mg)を2分間超音波バスにおいて100μLイソプロパノール(シグマ)において分散させカーボン粉末懸濁液を調製した。1mg/ml pH5の酢酸緩衝溶液に10μlの酵素(BOD若しくはラッカーゼ)溶液を上記懸濁液に加え、続いて1分間撹拌させた。当該混合物を1cmのガス拡散層(GDL)(ELAT、A7NCV2.1)の活性サイドに緩やかにコートし、室温で30分間真空オーブンに配置した。pH5の酢酸緩衝溶液は、12.0g酢酸と28.7g酢酸ナトリウムを1リットルのDI水に溶解することにより調製することができた。
ビリブリンオキシダーゼ(BOD)及びMWCNT/トレイカーボンペーパーの間の直接電子輸送が、図40に示すように、窒素飽和酢酸緩衝溶液において観測された。BODの酸化還元ポテンシャルは、約0.4Vである。緩衝溶液が酸素により飽和されている場合、酸素還元反応の触媒電流が、約0.8Vで現れ始め、そしてBODの酸化還元ポテンシャルに近いポテンシャルで急激に増加する。
マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)/トレイカーボンペーパー電極におけるラッカーゼの明らかな直接電子輸送が、図41に示すように、観測された。興味深いことに、サイクリックボルタメトリーにおいて、3対の酸化還元ピークは明白に分離されていた。これらは、ラッカーゼにおけるT1、T2及びT3タイプの活性銅サイトからの直接電子輸送に対応する。
T1サイトの酸化還元ポテンシャル及びそれらの本来の構造、つまり、低酸化還元ポテンシャル酵素、中酸化還元ポテンシャル酵素、高酸化還元ポテンシャル酵素によりクラス分けされる3つのラッカーゼが存在する。T1サイトの酸化還元ポテンシャルの値は、430〜730mV(対NHE)の範囲で変化する。酵素の直接電子輸送現象がうまく観測されたので、適当なラッカーゼが、燃料電池の電圧にとって良好なより高いポテンシャルにおいて酸化還元反応を触媒する可能性があると予測する者もいる。ラッカーゼ(トラメータスペック)を用いる場合、ラッカーゼ触媒ORRは、図42に示すように、ヒドロキシ機能化MWCNT電極(吸気性)において0.9Vからスタートし、0.5Vにおいて、0.4mV/cmの電流密度を得ることができた。
酵素の良好な直接電子輸送を得るため、カーボンナノチューブ(CNTs)をある酵素のために調整しなければならない。ビリルビンオキシダーゼ(BOD)に関しては、MWCNTが、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)より良好に機能する。図43に示すように、MWCNTの中で、ヒドロキシル機能化MWCNTが、オリジナルのMWCNTより優れており、吸気性カソードにおけるBOD触媒酸素還元反応(ORR)のためのカルボキシル機能化MWCNTより優れている。
カーボンブラック(具体的にはデグサXE2XE2B、XPB F138等)は、酵素の直接電子輸送を容易にする。例えば、XE2ベースガス拡散電極(GDE)におけるBOD触媒ORRは、低電流領域においては、図44に示すように、MWCNTベースGDEにおけるものに匹敵し、XE2B及びXPB F138ベースGDEにおけるものより良好である。
吸気性バイオカソードにおいて、E-Tekカーボンクロス(両サイド防水DS)は、良好に機能する商業的に入手可能なGDE材料であり、防水材料が両サイドにコートされている。当該GDE(E-Tek、DS)は、防水処理されているだけであるが、これは、カソードがフラッディングすることを防止するためポリマー電解質膜(PEM)燃料電池において使用される。しかしながら、バイオカソードにおいて、カソード酵素活性は、直接電子輸送が容易となるように維持されなければならず、GDEはGDEにおいてイオン伝導性が存在するように電解質溶液と直接接触され、十分な大気がGDEを介して自然に拡散(吸気)されることが可能となる。
そのため、特別のGDEをバイオカソードのために設計しなければならない。異なるGDEに固定化されるハイドロキシ機能化MWCNT/BOD混合物を用いて、図45に示すように、バイオカソードのORRに対する性能は、これらのGDEにより大きな影響を受ける。デグサXE2カーボンブラック及びMWCNTが、BODの直接電子輸送を効果的に容易にすることが示されている。これらのカーボン材料及び防水材料(具体的にはポリテトラフロオロエチレン(PTFE))を、自社製GDEの作製において用いた。カーボン材料及びPTFEの生地は、カーボンブラック若しくはMWCNTをPTFE懸濁液と混合することにより生成した。その後、当該生地をカーボンクロス、カーボンペーパー、若しくはポーラスカーボンプレートにコートした。コートされたフィルムにおける溶媒は、50〜120℃、50〜10000ポンドの圧力で当該フィルムをホットプレスすることにより蒸発させた。コートされたフィルムにおけるPTFE含有量は、0質量%〜80質量%まで変化させた。当該フィルムにポア形成剤(具体的には0.1〜20質量%アンモニウムカルボン酸塩溶液)を加え、その後40〜90℃で当該形成剤を熱分解させることにより、当該コートされたフィルムにおけるポア分散を制御することが最も重要な工程である。最終的に、所望のGDEを得た。評価結果により、カーボンブラックXE2ベースGDEに30%PTFEを含む場合、BOD触媒ORRについて最適な性能を示し、高いポテンシャルにおいてかなり高い電流密度、具体的には0.8Vにおいて1mA/cm、これはE-TekGDEよりかなり高いことを示している(図45)。
同様に、機能化されたMWCNT上に固定化されたラッカーゼにより、ラッカーゼ触媒ORRが得られた。固定化されたラッカーゼは、GDEにコートされている。カーボンナノチューブにおける機能化官能基には、ヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基、アミノ基が含まれる。
さらに、MWCNTが含まれない場合、未処理のカーボンクロスに吸着されたBODは、効果的な直接電子輸送が示されず、その上当該フロス電極におけるBOD触媒ORR電流は、0.2Vにおいて、0.1mA/cm未満である。しかしながら、当該クロスは、500〜900℃の温度において1〜20分間当該クロスを加熱することにより活性化することができる。その後、高温のクロスを冷水(0℃)に浸し、当該クロスを冷却し、40〜100℃で真空オーブンにおいて完全に乾燥させる。その後、BODを活性化されたクロスに固定化する。BOD活性化クロス電極は、0.2Vにおいてかなり高いORR電流を示した(1.7mA/cm)(図46)。活性化技術は、酵素の直接電子輸送を容易にするための有益な手段を与えた。
実施例16:CuPCTSA-TBABコートポリ(スチレン-コ-ジビニルベンゼン)
この実施例において、ポリ(スチレン-コ-ジビニルベンゼン)粒子を、テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)修飾ナフィオン(登録商標)固定化材料及び水溶性色素の混合物でコートした。当該水溶性色素は、酸素の酵素的還元して水を生成する電子メディエーターとして機能する。これらの粒子を調製するため、エタノールにおける4.00mL TBAB修飾ナフィオン(登録商標)(5質量%)に0.080gの銅(II)フタロシアニンテトラスルホン酸(CuPCTSA)を含む色素溶液を、4.00mL 0.5Mリン酸緩衝溶液pH7.2における2.00gポリ(スチレン-コ-ジビニルベンゼン)粒子の粒子懸濁液と混合した。色素溶液を当該粒子の懸濁液に加え、実質的に均一な混合物が得られるまで数秒ボルテックス混合した。その後、全混合物をポリカーボネートシールド上で吹き付けた。当該混合物を、収集し保存する前に20分間シールド上で乾燥させ、シンチレーションバイアルで乾燥させる。
結果として得られた、コートされた粒子の色は青であり、色素の保持力は、コートされた粒子をコラムにパッケージしそれらを数百mLの水を通過させることにより確かめた。コラムから溶出するモバイルフェーズにおいて、検出可能な色素は見られなかった。コーティング層の厚さは、0.07μmの厚さに設計され、コートされる前の粒子の平均直径は8μmに設計される。(最被覆された)粒子の表面積は、0.75m/g2であると計算された。結果として得られた電子メディエーターの積載量は4質量%であった。
実施例17:アルコールデハイドロゲナーゼ-TBATFBコートされたドープポリプロール/カーボンブラック複合体
ドープされたポリピロール/カーボンブラック複合体(シグマ、カタログナンバー530573)粒子は、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロカルボン酸塩(TBATFB)修飾ナフィオン(登録商標)固定化材料とアルコールデハイドロゲナーゼ酵素との混合物で被覆した。フリーズドライアルコールデハイドロゲナーゼ(ML57)0.080g及び0.5Mリン酸緩衝溶液(pH7.2)2.00mLの溶液を調製した。エタノールにおいてTBATFB修飾ナフィオン(5質量%)4.00mL、ドープされたポリプロール/カーボンブラック複合体、及び0.5Mリン酸緩衝溶液(pH7.2)4.00mLの懸濁液を調製した。酵素溶液及び懸濁液を実質的に均一な混合物が得られるまで数秒ボルテックス混合した。その後、実施例16と同様のプロセスで、全混合物をポリカーボネートシールド上で吹き付けた。結果として得られた混合物を、4℃でシンチレーションバイアル内で乾燥した状態で保存した。
結果として得られた、コートされた粒子の色は黒であり、色素の保持力は、標準的な分光学的定量法及び電気化学的評価を用いることにより確かめた。標準的な水素参照電極を(NHE)に対して、当該評価を行った。図49参照。結果として得られた、酵素の積載量は、6.25質量%であった。
実施例18:アルコールデハイドロゲナーゼ-Ru(II)(NH)-TBATFBコートされたドープポリプロール/カーボンブラック複合体
ドープされたポリピロール/カーボンブラック複合体(シグマ、カタログナンバー530573)粒子は、TBATFB修飾ナフィオン(登録商標)、アルコールデハイドロゲナーゼ酵素、及びRu(II)(NH)の混合物で被覆した。Ru(II)(NH)は、エタノールの酵素的酸化のための電子メディエーターである。フリーズドライアルコールデハイドロゲナーゼ(ML59)0.080g、Ru(II)(NH)0.100g、及び0.5Mリン酸緩衝溶液(pH7.2)4.00mLの溶液を調製した。0.5Mリン酸緩衝溶液(pH7.2)6.00mL、エタノールにおいてTBATFB修飾ナフィオン(5質量%)2.00mL、ドープされたポリプロール/カーボンブラック複合体2.00gを含む懸濁液を調製した。当該溶液及び懸濁液を実質的に均一な混合物が得られるまで数秒ボルテックス混合した。その後、実施例16と同様のプロセスで、全混合物をポリカーボネートシールド上で吹き付けた。結果として得られた混合物を、4℃でシンチレーションバイアル内で乾燥した状態で保存した。
結果として得られた、コートされた粒子の色は黒であり、色素の保持力は、標準的な分光学的定量法を用いることにより確かめた。コーティング厚さは、当該粒子の表面積が分らないため計算しなかった。結果として得られた、酵素及び電子メディエーターの積載量は、それぞれ10.3及び12.8質量%であった。
実施例19:スターチ消費アミラーゼ酵素の活性
アミログルコシダーゼ(EC3.2.1.3)のために使用される酵素評価は、シグマにより公表され、http://sigmaaldrich.com/img/assets/18200/Amyloglucosidase1.pdfから入手可能であり、ベルグマイヤー,H.U.,ガウェンK.,及び グラスル,M. (1974) 酵素分析方法(ベルグマイヤー,H.U. 編集) 第2版,I巻, 434−435)に記載されている文献手法に基づく。当該手法は、アミログルコシダーゼを当該溶液に加えるのではなく、アミログルコシダーゼをキュベットの底部において所望の酵素固定化材料に固定化することにより、わずかに変更された。テストされた酵素固定化材料は、テトラプロピルアンモニウムブロミド(TPAB)、テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)、トリエチルヘキシルアンモニウムブロミド(TEHA)、トリメチルヘキシルアンモニウム(TMHA)、トリメチルオクチルアンモニウム(TMOA)、トリメチルデシルアンモニウム(TMDA)、トリメチルドデシルアンモニウム(TMDDA)、トリメチルテトラデシルアンモニウム(TMTDA)、トリメチルヘキシルデシルアンモニウム(TMHDA)、トリメチルオクチルデシルアンモニウム(TMODA)で修飾されたナフィオン(登録商標)、酢酸緩衝溶液に分散されたブチル修飾キトサン(キトサンAB)、t-アミルアルコールに分散されたブチル修飾キトサンであった。スターチ消費アミラーゼのため最も大きな相対的活性を与える酵素固定化材料は、t-アミルアルコールに分散されたブチル修飾キトサンであった。図50参照。
実施例20:マルトース消費アミラーゼ酵素の活性
実施例19に記載された手順を用いて、様々な酵素固定化材料に固定化されたマルトース消費アミラーゼの活性を決定した。公表された手順を実施例19において述べたように修正し、さらにスターチをマルトースに変更することにより修正した。テストされた酵素固定化材料は、テトラプロピルアンモニウムブロミド(T3A)、テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)、テトラペンチルアンモニウムブロミド(T5A)、トリエチルヘキシルアンモニウムブロミド(TEHA)、トリメチルヘキシルアンモニウム(TMHA)、トリメチルオクチルアンモニウム(TMOA)、トリメチルテトラデシルアンモニウム(TMTDA)で修飾されたナフィオン(登録商標)、中分子量デシル修飾キトサン(デシルM)、低分子量ブチル修飾キトサン(ブチルL)、低分子量オクチル修飾キトサン(オクチルL)及び中分子量ブチル修飾キトサン(ブチルM)であった。マルトース消費アミラーゼのため最も大きな相対的活性を与える酵素固定化材料は、中分子量デシル修飾キトサン(デシルM)であった。図51参照。
実施例21:バイオアノード触媒サポート1
拡張された金属支持体及び集電体及びポリマー性ポア形成剤を含有するバイオアノード触媒サポート電極を作製した。この製剤を調製するために拡張された金属サポートを使用した。すなわち、伝導性カーボンブラックに対するグラファイトファイバの比率(1:4)及びカーボン固形物に対するポリマー性バインダーの比率(0.8:2.5)により、高い伝導性を有するが自立型ではない構造体となった。拡張された金属がない場合、カーボン電極は操作の間に破損し、そのためMEA作製を考慮することはありえなかった。当該電極に使用される材料は、好ましい材料であるが、他の代替物はカーボンブラック及びバインダー材料からなる(表1及び3)。
GDLペーストのドライコンポーネントは、モナーチ1400カーボンブラック(カボット)4.00g、ミルドXN-100グラファイトファイバ1.00g、150マイクロロング(ニッポングラファイトファイバ)、ポリマー性バインダーであるポリ(ビニリデンフルオライド)粉末(シグマ)1.60g、ポリマー性ポア形成剤であるポリ(エチレングリコール)8000分子量(シグマ)2.00gである。当該ドライコンポーネントは、フードグラインダーにおいて1分間攪拌した。GDLペーストの溶媒は、4.00mLエタノールであり、所望の硬さになるまで徐々に増加させて加えた。
ドライコンポーネントを、当該混合物が歯磨き粉の硬さに達するまで、小さなビーカーにおいてへらで混合した。その後、当該ペーストを、上述したように、拡張された金属及びフレーム構造に塗りつけ、180℃で20分間焼成した。フレームを取り除き、電極を蒸留(DI)水に30分間浸漬した。水は周期的に交換した。当該ステップは、ポア形成剤、ポリ(エチレングリコール)を電極構造に含めることを排除することが必要である。その後、電極を再び200℃で10分間焼成した。当該電極を室温まで冷却し、バイオアノード触媒サポート及び電極として使用するため準備した。結果として得られた電極は硬く、はさみで切ることができ、水及び電解質を容易に吸収した。面内の伝導性は、市販のGDL材料と比較して〜125%であった。
実施例22:バイオアノード触媒サポート2
拡張された金属支持体及び集電体及びポリマー性ポア形成剤を含有するバイオアノード触媒サポート電極を作製した。この製剤を調製するために拡張された金属サポートが必要であった。これは、伝導性カーボンブラックに対するグラファイトファイバの比率が等しく、そしてカーボン固形物に対するポリマー性バインダーの比率(1:2)のためである。この製剤により、実施例21のバイオアノード触媒サポートよりわずかに伝導性が小さいが、これと異なって自己をサポートすることができる自立型の構造体となった。電極材料は濡れていてもよいが、上述の実施例と同様電解質を吸収しない。これは、当該製剤においてポア形成剤を有しないためである。このタイプの電極は市販のGDLと同様の方法で取り扱うことができるが、MEA作製を考慮される。当該電極に使用される材料は、好ましい材料であるが、他の代替物は表1及び3において詳述したカーボンブラック及びバインダー材料からなる。
GDLペーストのドライコンポーネントは、モナーチ1400カーボンブラック(カボット)3.00g、DKDXグラファイトファイバ3.00g、150マイクロロング(サイテックカーボンファイバ)、ポリ(ビニリデンフルオライド)粉末(シグマ)3.00gである。当該ドライコンポーネントは、フードプロセッサーにおいて1分間攪拌した。GDLペーストの溶媒は、3.00mLn-プロパノールであり、所望の硬さになるまで徐々に増加させて加えた。
ドライコンポーネントを、当該混合物が歯磨き粉の硬さに達するまで、小さなビーカーにおいてへらで混合した。その後、当該ペーストを、上述したように、フレーム構造体及びPTFEコートファイバグラスシート構造体に塗りつけ、200℃で20分間焼成した。結果として得られた電極は硬く、はさみで切ることができ、水はGDL表面を十分濡らすことができた。面内の伝導性は、市販のGDL材料と比較して〜75%であった。
実施例23:バイオアノード触媒サポート3
メソポーラスカーボンを組み込みポア形成剤を含有するバイオアノード触媒サポート電極を調製し、電解質/電極の相互作用をより大きく促進し、酵素触媒積載のための利用可能な電極表面積を増加させた。当該製剤は、伝導性カーボンブラック、メソポーラスカーボンに対するグラファイトファイバの比率(2:1:1)及びカーボン固形物に対するポリマー性バインダーの比率(1:3)を用いた。結果として得られた構造体は、電気伝導性においてバイオアノード触媒サポート2と匹敵した。当該電極材料は、浸水されうるが、他の実施例及び挙げられた市販のGDL材料より、電解質及び酵素流延インクを吸収した。これは、当該製剤におけるポア形成剤及びメソポーラスカーボンのためである。このタイプの電極は市販のGDLと同様に取り扱われ、MEA作製に使用されうる。当該電極に使用される材料は、好ましい材料であるが、他の代替物はカーボンブラック及びバインダーからなる(表1及び3)。
GDLペーストのドライコンポーネントは、モナーチ1400カーボンブラック(カボット)3.00g、DKDXグラファイトファイバ3.00g、150マイクロロング(サイテックカーボンファイバ)、ケムソーブ1505G5ポーラス1.50g、浸透スチーム活性カーボン(Cケム)、ポリ(ビニリデンフルオライド)粉末(シグマ)2.00g、ポリ(エチレングリコール)8000分子量(シグマ)1.50gであった。活性化されたカーボンを混合前にセラミック乳鉢及び乳棒を用いて手で短時間に攪拌し、ドライコンポーネントをフードプロセッサーにおいて1分間混合した。溶媒は、〜3.00mL n-プロパノールであり、所望の硬さに達するまで徐々に増加させながら加えていった。
ドライコンポーネントを、当該混合物が歯磨き粉の硬さに達するまで、小さなビーカーにおいてへらで混合した。その後、当該ペーストを、フレーム構造及びPTFEコートファイバーグラスシート構造に拡げ、200℃で20分間焼成した。フレームを取り除き、ポリ(エチレングリコール)を取り除くため、電極をDI水に30分間浸漬した。水は周期的に交換した。その後、電極を再び200℃で10分間焼成した。当該電極を室温まで冷却し、バイオアノード触媒サポート及び電極として使用するため準備した。結果として得られた電極は硬く、はさみで切ることができ、水及び電解質を許容可能な程度吸収した。面内の伝導性は、市販のGDL材料と比較して〜50%であった。
実施例24:バイオアノード触媒サポート4
当該バイオアノード触媒サポート電極は、物理的特性においてバイオアノード触媒サポート2と同様であるが、カーボンブラック導電性成分を使用する点及びポア形成剤を用いる点で異なる。当該バイオアノード触媒サポートは、カーボンブラックに化学的にグラフとされたドープ導電性ポリマーと、焼成の間熱的に分解するポア形成剤を含む。新たなポア形製剤を使用することにより作製に必要なプロセス時間を減少させ、水の吸収工程を排除し、さらには焼成工程を排除する。当該電極材料は、浸水されうるが、上述の実施例と同様、電解質を吸収し、酵素と電極との間の電子輸送反応に加担することができる。このタイプの電極は市販のGDLと同様に取り扱われ、MEA作製に使用されうる。当該電極に使用される材料は、好ましい材料であるが、他の代替物はカーボンブラック及びバインダーからなる(表1及び3)。
GDLペーストのドライコンポーネントは、8-ヒドロキシレントリスルホン酸ドープポリピロールでグラフトされたモナーチ1400カーボンブラック3.00g、DKDXグラファイトファイバ3.00g、150マイクロロング(サイテックカーボンファイバ)、ポリ(ビニリデンフルオライド)粉末(シグマ)3.00g、アンモニウムカルボン酸塩(シグマ)2.00gであった。ドライコンポーネントをフードプロセッサーにおいて1分間混合した。GDLペーストにおける溶媒は、〜4.00mL エタノールであり、所望の硬さに達するまで徐々に増加させながら加えていった。
ドライコンポーネントを、当該混合物が歯磨き粉の硬さに達するまで、小さなビーカーにおいてへらで混合した。その後、当該ペーストを、フレーム構造及びPTFEコートファイバーグラスシート構造に塗りつけ、180℃で20分間焼成した。当該電極を室温まで冷却し、バイオアノード触媒サポート及び電極として使用するため準備した。結果として得られた電極は硬く、はさみで切ることができ、表面は水により濡れていた。面内の伝導性は、市販のGDL材料と比較して〜75%であった。
実施例25:バイオカソード触媒サポート1
ポリマー性ポア形成剤を用い、酵素相互作用のための電極の表面領域を増加させ、カソード反応の生成物及び反応物の大量輸送を改善したバイオカソード触媒サポート電極を作製した。拡張された金属サポートを用いることはこの製剤においては必要ではなかった。これは、導電性カーボンブラックに対するグラファイトファイバの比率、及びカーボン固形物に対するポリマー性バインダーの比率(〜1:2)により、自立型の構造体となるからである。当該伝導率は市販のカーボンクロスGDL材料と同様の導電性を示す。当該電極は、非常に親水性であったが、酵素分解の間、酵素及びイソノマーのアルコール混合物により湿潤化される。当該電極におけるマイクロポア形成剤を使用して、良好な酵素電極相互作用のための表面積を改善する。バインダーとしてPTFEにより製造されたカソード電極は非常に疎水性であるが、取り扱いの間容易に破損してしまうことが分った。この問題は、PVDFを有する製剤におけるPTFEバインダー質量の小さいパーセンテージ置き換えることにより改善された。このタイプの電極は市販のGDLと同様の方法で取り扱うことができ、MEA作製において使用される。当該電極に使用される材料は、好ましい材料であるが、他の代替物はカーボンブラック及びバインダー材料からなる(表1及び3)。
GDLペーストのドライコンポーネントは、モナーチ1400カーボンブラック(カボット)4.00g、DKDXグラファイトファイバ4.00g、150マイクロロング(サイテックカーボンファイバ)、ポリ(ビニリデンフルオライド)粉末(シグマ)1.50g、ポリテトラフルオロエチレン粉末3.00g、アンモニウムビカルボン酸塩(シグマ)2.00gである。当該ドライコンポーネントは、フードプロセッサーにおいて1分間攪拌した。GDLペーストの溶媒は、〜3.00mL n-プロパノールであり、所望の硬さになるまで徐々に増加させて加えた。
ドライコンポーネントを、当該混合物が歯磨き粉の硬さに達するまで、小さなビーカーにおいてへらで混合した。その後、当該ペーストを、上述したように、フレーム構造体及びPTFEコートファイバグラスシート構造体に塗りつけ、200℃で20分間焼成した。当該電極を室温まで冷却し、バイオカソード触媒サポート及び電極として使用する準備をした。結果として得られた電極は硬く、はさみで切ることができ、表面は非常に疎水性であった。面内の伝導性は、市販のGDL材料と比較して〜50%であった。
実施例26:バイオカソード触媒サポート2
当該バイオカソード触媒サポート電極は、物理的特性においてはバイオカソード触媒サポート1と同様であるが、カーボンブラック導電性成分を使用する点、PTFEに対するPVDFの比率の点で異なる。当該サポート材料は、カーボンブラック材料に化学的にグラフトされたドープされた導電性ポリマーを含んでいる。当該ドープされた導電性ポリマーは、直接電子輸送速度を非常に改善するため、電子輸送が起こる、酵素の中心金属と相互作用する際に有用なナノウィスカー構造が得られるように十分グラフトした。当該修飾カーボンを使用したとき、実施例25における300℃の焼成温度ステップを排除し、ポリマー性ナノ構造体を軟化させ溶融させることを防止し、バインダーの比率を変更してPVDFを増加させ、PTFEを減少させる。これは、PTFEはより高い焼成温度を必要とするからである。当該電極材料は、部分的に親水性を有する疎水性であり、高い表面積を有志、酵素と電極との間の直接電子輸送反応を容易にする。このタイプの電極は、市販のGDLと同様に取り扱われ、MEA製造において使用した。当該電極に使用される材料は、好ましい材料であるが、他の代替物はカーボンブラック、ポア形成剤及びバインダー材料からなる(表1及び3)。
GDLペーストのドライコンポーネントは、1-(3-スルホプロピル)ピリジウムヒドロキサイド内塩ドープポリ(ピロール)ナノウィスカーでグラフトされたモナーチ1400カーボンブラック4.00g、DKDXグラファイトファイバ4.00g、150マイクロロング(サイテックカーボンファイバ)、ポリ(ビニリデンフルオライド)粉末(シグマ)3.00g、ポリテトラフルオロエチレン粉末1.00g、アンモニウムビカルボン酸塩(シグマ)2.00gである。当該ドライコンポーネントは、フードプロセッサーにおいて1分間攪拌した。GDLペーストの溶媒は、〜4.00mLエタノールであり、所望の硬さになるまで徐々に増加させて加えた。
ドライコンポーネントを、当該混合物が歯磨き粉の硬さに達するまで、小さなビーカーにおいてへらで混合した。その後、当該ペーストを、上述したように、フレーム構造体及びPTFEコートファイバグラスシート構造体に塗りつけ、200℃で20分間焼成した。当該電極を室温まで冷却し、バイオカソード触媒サポート及び電極として使用する準備をした。結果として得られた電極は幾分硬く、はさみで切ることができ、表面は非常に疎水性であった。面内の伝導性は、市販のGDL材料と比較して〜50%であった。
実施例27:バイオカソード触媒サポート3
吸気性サイドと酵素サイドとを有し、集電体として拡張された金属サポートを有するバイレイヤーバイオカソード触媒サポート電極を作製した。拡張された金属サポートは、当該製剤においては必要である。これは、電極層を組み合わせているためであり、電極の酵素サイドにおいてカーボン固形物に対するポリマー性バインダーの比率が低い(具体的には1:10)ためである。好ましい構成は、電極の酵素サイドにおいてマイクロポーラスであって僅かに疎水的な構造を有し、これにより、酵素と電解質との間の相互作用を増加させるが、セルにおいて水を管理し電解質を維持するためエアーサイドにおいて濃厚で空気透過性を有し疎水性の構造を与える。これは、バイレイヤー構造の電極を用いることにより達成することができる。当該バイレイヤー電極は、マルチステップ製造プロセスを必要としまた焼成工程を必要とする。当該電極に使用される材料は、好ましい材料であるが、他の代替物はカーボンブラック、及びバインダー材料からなる(表1及び3)。
電極の吸気性サイドについてのGDLペーストのドライコンポーネントは、モナーチ1400カーボンブラック(カボット)4.00g、ミルドXN-100グラファイトファイバ1.00g、150マイクロロング(サイテックカーボンファイバ)、ポリテトラフルオロエチレン粉末(シグマ)2.50gである。当該ドライコンポーネントは、フードプロセッサーにおいて1分間攪拌した。GDLペーストに使用される溶媒は、〜4.00mL l-プロパノールであり、所望の硬さになるまで徐々に増加させて加えた。
電極の酵素サイドについてのGDLペーストのドライコンポーネントは、導電性ポリマー修飾モナーチ1400カーボンブラック(カボット)0.50g、ミルドXN-100グラファイトファイバ0.50g、150マイクロロング(サイテックカーボンファイバ)、ポリテトラフルオロエチレン粉末(シグマ)0.25g及びアルミニウムカルボン酸塩(シグマ)1.00gである。当該ドライコンポーネントは、フードプロセッサーにおいて1分間攪拌した。GDLペーストに使用される溶媒は、〜4.00mL l-プロパノールであり、所望の硬さになるまで徐々に増加させて加えた。
吸気性サイドのペーストのドライコンポーネントを、当該混合物が歯磨き粉の硬さに達するまで、小さなビーカーにおいてへらで混合した。その後、当該ペーストを、バイオアノードセクションにおいて上述したように、拡張された金属及びフレーム構造体に塗りつけ、300℃で20分間焼成した。当該電極を冷却し、酵素サイドペーストのドライコンポーネントを、当該混合物が歯磨き粉の硬さに達するまで、小さなビーカーにおいてへらで混合した。その後、当該ペーストを、拡張された金属及びフレーム構造体の反対サイドに塗りつけ、200℃で20分間2回焼成した。結果として得られた電極は、一方のサイドにおいて疎水性であり、酵素層が塗られた他方のサイドにおいて親水性であった。
実施例28:市販のGDL材料との比較
酸化剤として酸素を用いたラッカーゼベースバイオカソード、及び水素が供給されるエラートアノード上のプラチナブラックについて、バイオカソード触媒サポート1と市販のカソードGDLすなわち両サイドエラート(BASF)との比較を図54において行う。ナフィオン115をホットプレスされたMEAにおいてポリマー性電解質膜として用いた。バイオカソードの活性は、DETに基づき、そして触媒層には電極輸送メディエーターが存在しなかった。2つのシステムを分極範囲に亘って同様に比較した。バイオカソードサポート層は、均一なバイオカソードサポート層であり、生成物若しくは反応物の質量輸送について最適化しなかった。さらに、ポア形成剤を使用しなかった。そのため表面積は減少した。
燃料として5.0%メタノールを用いたプラチナルテニウムブラックアノード、及び酸化剤として酸素を用いるエラートアノード上のプラチナブラックについて、バイオカソード触媒サポート3と市販のカソードGDLすなわち両サイドエラートとの比較を図55において行う。ナフィオン115をMEAにおいてポリマー性電解質膜として用いた。作製したGDLは、オープン回路電圧領域を除いて、分極曲線に亘って市販の材料より優れていた。これは、作製されたGDLの親水性マイクロポーラス構造のため、膜に対する燃料溶液の接触が増加しそれにより燃料のクロスオーバーが大きくなることによりカソードの非分極性が増加することとなる。バイオカソードの活性は、DETに基づき、そして触媒層には電極輸送メディエーターが存在しなかった。2つのシステムを分極範囲に亘って同様に比較した。バイオカソードサポート層は、均一なバイオカソードサポート層であり、生成物若しくは反応物の質量輸送について最適化しなかった。さらに、ポア形成剤を使用しなかった。そのため表面積は減少した。
実施例29:カーボンブラック粒子にグラフトされた1-(3-スルホプロピル)ピリジウムヒドロキサイドドープポリアニリンナノワイヤー
修飾されたカーボンブラック粒子を調製するため、300mLの脱イオン化水を1リットルビーカーに移し、当該ビーカーをアイスバスに配置した。氷酢酸(10mL、99%、シグマ)を当該ビーカーに加え、当該ビーカーにおいて液体の温度を、好ましくは5℃近くまで低下させ、20分間連続して攪拌した。酸溶媒の温度が5℃に達した後、モナーチ1400(カボット)カーボンブラック40グラムを酸溶媒に加えた。当該カーボンスラリーを連続して10分間攪拌した。その後、50mL脱イオン化水に溶解された8グラムの1-(3-スルホプロピル)ピリジウムヒドロキサイド内塩(シグマ)の混合物を加えた。当該混合物を20分間攪拌した。アニリンモノマー(10mL、シグマ)を上述の混合物に滴下し、全混合物をさらに20分間攪拌した。アニリンの重合を開始するため、60mLの脱イオン化水に溶解した18グラムの過硫酸アンモニウム(シグマ)の混合物を2時間に亘って滴下した。この段階で、反応溶媒の温度は、5℃以上に上昇しないことが好ましく、そうでなければナノワイヤーではなく肉眼で見えるようなファイバーとなる。一旦、過硫酸アンモニウム溶液が加えられると、スラリーは、アイスバスにおいて24時間連続して攪拌した。最初の24時間の攪拌後、50mL脱イオン化水に溶解された8グラムの1-(3-スルホプロピル)ピリジウムヒドロキサイド内塩(シグマ)の混合物を加えた。当該混合物を20分間攪拌した。10mLのアニリンモノマーを上記混合物に滴下し、全混合物をさらに20分間攪拌した。アニリンの重合を開始するため、60mLの脱イオン化水に溶解した18グラムの過硫酸アンモニウム(シグマ)の混合物を2時間に亘って滴下した。この段階で、反応溶媒の温度は、5℃以上に上昇しないことが好ましく、そうでなければナノワイヤーではなく肉眼で見えるようなファイバーとなる。一旦、過硫酸アンモニウム溶液が加えられると、スラリーは、アイスバスにおいて24時間連続して攪拌させた。アイスバスにおける2度目の24時間攪拌の最後に、カーボンスラリーを真空濾過し、酸を除去するため大量の水で洗浄した。その後、修飾したカーボンを10時間100℃真空下で乾燥させた。
実施例30:カーボンブラック粒子にグラフトされた1,5-ナフタレンジスルホン酸ドープポリアニリンナノワイヤー
脱イオン化水(300mL)を1リットルサイズのビーカーに移し、当該ビーカーをアイスバスに配置した。氷酢酸(10mL、99%)を当該ビーカーに加え、当該ビーカーにおいて液体の温度を、好ましくは5℃近くまで低下させるため、20分間連続して攪拌した。酸溶媒の温度が5℃に達した後、モナーチ1400(カボット)カーボンブラック40グラムを酸溶媒に加えた。当該カーボンスラリーを連続して10分間攪拌した。その後、50mL脱イオン化水に溶解された8グラムの1,5-ナフタレンジスルホン酸テトラハイドレート(97%、シグマ)の混合物を加えた。当該混合物を20分間攪拌した。アニリンモノマー(10mL)を上述の混合物に滴下し、全混合物をさらに20分間攪拌した。アニリンの重合を開始するため、60mLの脱イオン化水に溶解した18グラムの過硫酸アンモニウムの混合物を2時間に亘って滴下した。この段階で、反応溶媒の温度は、5℃以上に上昇しないことが好ましく、そうでなければナノワイヤーではなく肉眼で見えるようなファイバーとなる。一旦、過硫酸アンモニウム溶液全部が加えられると、スラリーは、アイスバスにおいて2時間連続して攪拌した。カーボンスラリーを真空濾過し、酸を除去するため大量の水で洗浄した。その後、修飾したカーボンを10時間100℃真空下で乾燥させた。
実施例31:カーボンブラック粒子にグラフトされた2-ナフタレンジスルホン酸ドープポリアニリンナノワイヤー
脱イオン化水(300mL)を1リットルサイズのビーカーに移し、当該ビーカーをアイスバスに配置した。氷酢酸(10mL、99%)を当該ビーカーに加え、当該ビーカーにおいて液体の温度を、好ましくは5℃近くまで低下させるため、20分間連続して攪拌した。酸溶媒の温度が5℃に達した後、モナーチ1400(カボット)カーボンブラック40グラムを酸溶媒に加えた。当該カーボンスラリーを連続して10分間攪拌した。その後、50mL脱イオン化水に溶解された8グラムの2-ナフタレンスルホン酸(70%、シグマ)の混合物を加えた。当該混合物を20分間攪拌した。アニリンモノマー(10mL)を上述の混合物に滴下し、全混合物をさらに20分間攪拌した。アニリンの重合を開始するため、60mLの脱イオン化水に溶解した18グラムの過硫酸アンモニウムの混合物を2時間に亘って滴下した。この段階で、反応溶媒の温度は、5℃以上に上昇しないことが好ましく、そうでなければナノワイヤーではなく肉眼で見えるようなファイバーとなる。一旦、過硫酸アンモニウム溶液全部が加えられると、スラリーは、アイスバスにおいて2時間連続して攪拌した。カーボンスラリーを真空濾過し、酸を除去するため大量の水で洗浄した。その後、修飾したカーボンを10時間100℃真空下で乾燥させた。
実施例32:カーボンブラック粒子にグラフトされた1-(3-スルホプロピル)ピリジウムヒドロキサイドドープポリアニリンナノワイヤー
脱イオン化水(300mL)を1リットルサイズのビーカーに移し、当該ビーカーを攪拌プレートに配置した。氷酢酸(10mL、99%)を当該ビーカーに加え、20分間室温(およそ24℃)で連続的に攪拌した。ブラックパール2000カーボンブラック(20グラム、カボット)を酸溶媒に加えた。当該カーボンスラリーを連続して30分間攪拌した。その後、50mL脱イオン化水に溶解された8グラムの1-(3-スルホプロピル)ピリジウムヒドロキサイド内塩(シグマ)の混合物を加えた。当該混合物を20分間攪拌し、10mLのアニリンモノマーを上述の混合物に滴下し、全混合物をさらに20分間攪拌した。アニリンの重合を開始するため、60mLの脱イオン化水に溶解した10グラムの塩化鉄(III)の混合物を2時間に亘って滴下した。一旦、塩化鉄溶液全部が加えられると、スラリーを室温において2時間連続して攪拌した。カーボンスラリーを真空濾過し、酸を除去するため大量の水で洗浄した。その後、修飾したカーボンを10時間100℃真空下で乾燥させた。
実施例33:高出力バイオカソードのための、カーボンブラック粒子にグラフトされたスルホン化された1-(3-スルホプロピル)ピリジウムヒドロキサイドドープポリアニリンナノワイヤー
脱イオン化水(300mL)を1リットルサイズのビーカーに移し、当該ビーカーをアイスバスに配置した。氷酢酸(10mL、99%、シグマ)を当該ビーカーに加え、当該ビーカーにおいて液体の温度を、好ましくは5℃近くまで低下させるため、20分間連続して攪拌した。酸溶媒の温度が5℃に達した後、モナーチ1400(カボット)カーボンブラック40グラムを酸溶媒に加えた。当該カーボンスラリーを連続して10分間攪拌した。その後、50mL脱イオン化水に溶解された8グラムの1-(3-スルホプロピル)ピリジウムヒドロキサイド内塩(シグマ)の混合物を加えた。当該混合物を20分間攪拌し、10mLのアニリンモノマー(シグマ)を上述の混合物に滴下し、全混合物をさらに20分間攪拌した。アニリンの重合を開始するため、60mLの脱イオン化水に溶解した18グラムの過硫酸アンモニウム(シグマ)の混合物を2時間に亘って滴下した。この段階で、反応溶媒の温度は、5℃以上に上昇しないことが好ましく、そうでなければナノワイヤーではなく肉眼で見えるようなファイバーとなる。一旦、過硫酸アンモニウム溶液が加えられると、スラリーは、アイスバスにおいて24時間連続して攪拌した。最初の24時間の攪拌後、ビーカーをアイスバスに置いたまま、6mLの濃縮硫酸(97%)及び12mLの氷酢酸(97%)の混合物を滴下した。スラリーを1時間攪拌し、その後真空濾過し、大量の水で洗浄した。その後、修飾したカーボンを10時間100℃真空下で乾燥させた。
実施例34:カプセル化酵素/カーボン拡散電極1:ADH固定化アノード半電池
アルコールデハイドロゲナーゼをカーボンブラック粉末においてカプセル化し、乾燥させ、上述の手続を介して電極に塗布する。PVDFをバインダーとして用い、電極に強度を与えるためDKDXグラファイトファイバを使用し、フィラーとしてプリンテックスXE2を用い、疎水剤としてポリ(エチレン)グリコールを用いた。当該ペースト製剤は、ADHカプセル化カーボン0.5g、プリンテックスXE2 0.45g、DKDX0.25g、PVDF0.25g、ポリ(エチレン)グリコール0.5gであった。メタノールを当該ペーストに充分な量加えこれを固塗りとする。電極は実施例21において述べた手続きに従って作製した。その後、半電池を、メタノールに対する酵素反応について実験を行い酵素の活性を証明した。これは、ポジティブな反応を示した。その結果を図58に示す。
半電池テストをpH7.2の1Mリン酸緩衝溶液においてメタノールがある場合と無い場合について実行した。図58に示すように、直接電子輸送を介して、およそ5mAのレスポンスが観測された。
実施例35:カプセル化酵素/カーボン拡散電極2:介在ADH固定化アノード半電池
アルコールデハイドロゲナーゼをカーボンブラック粉末においてカプセル化し、乾燥させ、上述の手続を介して電極に塗布する。成分は、実施例34におけるカプセル化酵素/カーボン拡散電極1において記載したものを同様であった。当該ペースト製剤は、ADHカプセル化カーボン1.09g、DKDX0.5g、PVDF0.5g、ポリ(エチレン)グリコール0.5gであった。メタノールを当該ペーストに充分な量加えこれを固塗りとする。電極は上述の手続きに従って作製した。当該製剤においてプリンテックスXE2カーボンフィラーが含まれない場合、酵素レスポンスを観測するため電子メディエーターを用いることが必要である。例えば、溶液においてヘキサアミンルテニウム(III)クロライド(シグマ)を使用した。溶解性の電子メディエーターを酵素でカプセル化しレスポンスを観測することが可能である。その結果を図59に示す。
図59に示すように、電極は0.65V(対NHE)当たりの電子メディエーターピークにおいて触媒レスポンスを示すことができた。
実施例36:バイオカソードインク製剤1:エラートGDLサポート上の固定化酵素
酵素カプセル化カーボンを用いることにより、エラートサポート構造体に電極を塗布した。あるイオン製剤において、インクにおいてフィラー材料として未処理のカーボンブラック粒子を用いた。他の製剤では、単に酵素カプセル化カーボン及びナフィオン溶液のみを有する。カーボンフィラーベースインク製剤は、160mgのラッカーゼカプセル化カーボン、320mgのモナーチ1400、及び2.0mLの5%ナフィオン溶液を含んでいた。カーボンフィラーを含まないインク製剤は、160mgのラッカーゼカプセル化カーボン及び0.667mLの5%ナフィオン溶液を含んでいた。
インク生成プロセスにおいて、最初酵素カプセル化溶液をプラスティックバイアルに加えた。続いて、カーボンフィラーを加え、およそ30秒間ボルテックスした。ナフィオン溶液を加え、全ての粒子が濡れるまでへらでスラリーを攪拌した。電極サポート上に塗布する前に、均一な硬さとなるに必要な時間だけインクをフィッシャーサイエンティフィックソニケーティングディスメンブレーターを用いて混合した。インクは両サイドエラートに塗布され、その後、125℃で35秒間プラチナブラック電極の反対側のナフィオン115膜にプレスされた。
図60のデータは、0.500mg/cmの積載量で積載された24ユニット/mgラッカーゼを使用して集めた。カーボンフィラーを全く含まない電極は、直接電子輸送(DET)を示し、電子メディエーターは電力を得ることが必要ではなかった。しかしながら、インク製剤において、高伝導性の高表面積カーボンを使用することにより、セルにより与えられる全パワー密度及び電流密度を高めることができる。好ましいカーボンフィラーは、例えば、モナーチ1400、ブラックパール1300、プリンテックスXE2、及びヴァルキャンXC-72である。他の許容されるカーボンブラックを図60に示す。触媒インクにおいてカーボンブラックをフィラーとして用いることにより、85mA/cm以上の電流密度が得られた。カソード電極の性能に影響を与えるキーパラメータは、カーボンブラックの量、オペレーション温度、固定化ラッカーゼ酵素の特定の活性、カプセル化固定化材料のポリマー層の厚さ、5ナフィオン溶液の量であった。
実施例37:バイオカソードインク製剤2:インク製剤のカーボンフィラーの量を変更
カーボンブラックの量を増加させることにより、その性能が、反応物及びプロトンの輸送制限により分解され始める臨界的な酵素ベース触媒層厚さまで、図61に示すような電極の性能を改善した。320mg、240mg、400mgのモナーチ1400カーボンを使用して酵素への直接電子輸送をサポートすることを助力するように選択される。320mgカーボンフィラーインク製剤は、ラッカーゼカプセル化カーボン160mg、モナーチ1400 320mg、及び5%ナフィオン溶液2.0mLから調製した。240mgカーボンフィラーインク製剤は、ラッカーゼカプセル化カーボン160mg、モナーチ1400 240mg、及び5%ナフィオン溶液2.0mLから調製した。400mgカーボンフィラーインク製剤は、ラッカーゼカプセル化カーボン160mg、モナーチ1400 400mg、及び5%ナフィオン溶液2.0mLから調製した。
インク製剤を実施例36に記載したように調製した。乾燥カーボンはナフィオン溶液に加える前に酵素カプセル化カーボンとボルテックスされた。インクは、その後、超音波分解され、エラート上に塗布された。これらは、125℃で35秒間プラチナブラック電極の反対側のナフィオン115にプレスした。
モナーチ1400カーボンブラックを使用するとき、臨界的な厚さが、480mgの全カーボン重量において観測された。臨界的膜厚に達するに必要な全カーボン量は、酵素固定化のためフィラーとして用いられるカーボンに依存する。例えば、より濃厚なカーボンが使用される場合、許容可能な全カーボン重量は、性能がインク厚さにより低下する前に、より高くなる。図61に示すように、カーボンブラックの含有量が240mgから400mgまで80mg刻みで増加させた場合、積載ピークは320mgにおいて現れた(〜13mg/cm)。これらの実行のため、0.500mg/cmの酵素積載量で積載された24ユニット/mgラッカーゼを使用した。
実施例38:バイオカソードインク製剤3:フィラーとして使用されるカーボンブラックのタイプを変更する
カーボンタイプがセルの全性能に与える変動を例示するため3つのカーボンブラックを選択した。モナーチ1400、ピュアブラック115、及びポリピロールでドープされたカーボンブラックを図62において比較した。インク製剤を以下に示す。
モナーチ1400カーボンフィラーインク製剤を、ラッカーゼカプセル化カーボン80mg、モナーチ1400 80mg、及び5%ナフィオン溶液1.0mLから調製した。ピロールドープカーボンブラックカーボンフィラーインク製剤は、ラッカーゼカプセル化カーボン80mg、ピロールドープカーボンバラック 80mg、及び5%ナフィオン溶液1.0mLから調製した。ピュアブラック115インク製剤は、ラッカーゼカプセル化カーボン80mg、ピュアブラック115 80mg、及び5%ナフィオン溶液1.0mLから調製した。
上述のように、乾燥カーボンはナフィオン溶液に加える前に酵素カプセル化カーボンとボルテックスされた。インクは、その後、超音波分解され、エラート上に塗布された。これらは、125℃で35秒間プラチナブラック電極の反対側のナフィオン115にプレスした。
酵素ベース触媒インクにおいてフィラーとしてカーボンブラックを検討すると、導電性、表面積、及びポリマードーピングドラフトの存在により、電極の全性能に影響を与える。セルの性能を改善するため、いくつかのカーボンブラックをフィラーとして試験した。モナーチ1400が好ましかった。しかしながら、図62に示すように集電体との酵素相互作用を改善するため、モナーチ1400に置き換えて、如何なるカーボンブラックを組み込んでも良い。全てのカーボンブラックは、酵素だけよりもより良好に機能するが、しかしながら、それぞれは考慮すべき様々な最適パラメータを有する。試験された様々な炭素種の3種を、フィラーとして使用されたカーボンの種類を除いて相当するパラメータとともに図62に示した。図D.11における、電力曲線についての酵素積載量は、0.250mg/cmであった。テストされた他のカーボンを表1に示す。
実施例39:バイオカソードインク製剤4:固定化層膜厚の評価
固定化層の厚さの直接電子輸送率(これは直接セル性能に関連しうる)に対する影響をテストするため、次のプロトコルを実行した。当該プロトコルにおいて、全炭素フィラー含有量を480mgで一定に維持し、当該インクに入れられる固定化された酵素/炭素量を増加させ、酵素積載量を一定に保った。当該実験のために変更した重要なパラメータは、カプセル化工程において、カーボン上にコートされた修飾ナフィオン酵素溶液の量であった。最初に、酵素溶液を次のレシピによりカーボンに固定化した。17%固定化酵素処方は、ナノワイヤーグラフトカーボン1g、0.5Mリン酸緩衝溶液(pH7.2)における200mgのラッカーゼ、5%テトラブチルアンモニウムブロミド修飾ナフィオン4mLから調製される。8.5%固定化酵素処方は、ナノワイヤーグラフトカーボン1g、0.5Mリン酸緩衝溶液(pH7.2)における100mgのラッカーゼ、5%テトラブチルアンモニウムブロミド修飾ナフィオン2mLから調製される。4.2%固定化酵素処方は、ナノワイヤーグラフトカーボン1g、0.5Mリン酸緩衝溶液(pH7.2)における50mgのラッカーゼ、5%テトラブチルアンモニウムブロミド修飾ナフィオン1mLから調製される。
ラッカーゼ酵素をリン酸緩衝溶液(pH7.2、0.5M)に溶解させ、その後ナノワイヤーグラフトカーボンサンプル(例えば、実施例29、カーボンブラック粒子にグラフトされた1-(3-スルホプロピル)ピリジウムヒドロキサイドドープポリアニリン)1gに混合した。当該酵素/カーボンスラリーを5分間ボルテックスした。その後、テトラブチルアンモニウムブロミド修飾ナフィオン溶液(エタノールにおいて5質量%)を1mL刻みで加え、1mL加える毎に1分間ボルテックスした。当該混合物は、(大気に対して開放して)室温でスプレイドライした。これにより、ナノワイヤーグラフトカーボンに支持された固定化酵素を発生された。分離されたインク製剤は、各固定化酵素レシピについて作製され、以下続けた。17%酵素カプセル化カーボンインク製剤は、17%固定化酵素処方剤20mg、モナーチ1400 460mg、5%ナフィオン溶液1.6mLから調製される。8.5%酵素カプセル化カーボンインク製剤は、8.5%固定化酵素処方剤40mg、モナーチ1400 440mg、5%ナフィオン溶液1.6mLから調製される。4.2%酵素カプセル化カーボンインク製剤は、17%固定化酵素処方剤80mg、モナーチ1400 400mg、5%ナフィオン溶液1.6mLから調製される。
上述の実施例において述べたように、インク製剤は、ナフィオン溶液に加える前にボルテックスすることにより混合された固定化酵素炭素及び炭素フィラーを含有する。ナフィオン溶液に加える際、スラリーをへらで混合し、その後エラートサポート材料に塗布する前に超音波分解ディスメンブレーターにより超音波分解を行った。一旦電極を乾燥させると、それは、115ナフィオン膜及び対応するプラチナブラックアノードに125℃で35秒間プレスした。その結果を図63に示す。
より修飾の少ないナフィオンを使用して酵素/炭素を固定化する際、絶縁層を通過する電子の拡散率は、層の膜厚が減少するためより速かった。図63は、0.136mg/cmにおいて一定の酵素積載を保持するため、カーボンフィラーの量が減少することに関連するトレードオフを示している。カプセル化手順において使用される酵素は、120U/mgの活性を有する。
実施例40:バイオカソードインク製剤5:市販のGCL(エラート)及び自社製GDLの性能の比較
バイオカソード触媒サポート1を市販のもの(この場合では、両サイドエラート)と比較するため、H/OPEMバイオカソード燃料電池と同様の条件下でテストした同様のインク製剤を使用して次のプロトコルを実行した。このプロトコルにおいて使用されるインク製剤は、酵素カプセル化カーボン40mg、モナーチ1400 440mg、及び5%ナフィオン溶液1.6mLから調製された。エラートGDLインク製剤は、酵素カプセル化カーボン40mg、モナーチ1400 440mg、及び5%ナフィオン溶液1.6mLから調製された。
インク製剤に関し、ナフィオン溶液を加える前にボルテックスすることにより、酵素固定化炭素、及び炭素フィラーを混合した。ナフィオン溶液に加える際、スラリーをへらで混合し、その後エラートサポート材料に塗布する前に超音波分解ディスメンブレーターにより超音波分解を行った。一旦電極を乾燥させると、それは、115ナフィオン膜及び対応するプラチナブラックアノードに125℃で35秒間プレスした。インクは、酵素固定化カーボンの同じバッチを用いて塗布した。その結果として得られたデータを図64に示す。
電極インクは、120ユニット/mgの活性を有する酵素を用いて作製した。自社開発のGDLはエラートGDLと比較して、同等の条件についてより高い性能を示した。
実施例41:インク製剤6:エラートに塗布したキトサン固定化ラッカーゼ
様々な固定化材料をテストした。テトラブチルアンモニウムブロミド修飾ナフィオンに代えて、疎水変性キトサンを用いた。固定化材料は、活性の十分な保持力及び溶媒環境における十分な安定性を示す限り、如何なる固定化材料をインク製剤において用いても良い。修飾キトサンをスプレイドライ工程に組み込んだ。酵素カプセル化カーボンが乾燥すると、これを次のインク製剤に注ぎ込む。キトサン固定化酵素インク製剤は、キトサン固定化酵素カプセルカーボン80mg、モナーチ1400 400mg、及び5%ナフィオン溶液1.6mLから調製された。インク塗布工程は、上述の実施例において述べたのと同様であるが、しかしながら、プレス工程を変更した。キトサンは、より低い融点を有し、分解温度を有する。そのため、85℃以上の温度では不安定である。したがって、キトサン電極は、85℃で35秒間プレスした。
疎水変性キトサンは、テトラブチルアンモニウムブロミド修飾ナフィオンカプセルラッカーゼ(図65参照)と比較して僅かに低い性能を示した。
本発明は、様々な修正及び代替することができるが、その特定の実施の形態は、実施例により示され、ここでより詳細に記載されている。しかしながら、本発明を、開示された特定の形式に限定することを意図したものではなく、反対に本発明は、添付のクレームに規定された発明の思想及び技術的範囲内において全ての修正物、等価物、代替物をカバーする。
上記に鑑み、本発明のいくつかの目的が達せられ他の好ましい結果を得ることができることは理解されよう。本発明の技術的範囲を離れない範囲で、上記方法において様々な変更を行うことができるので、上記記載に含まれそして添付の図面に示された全ての事項は、例示であると解釈すべきであり、限定するものではないことが意図されている。
本発明若しくはその好ましい実施の形態の構成を導入する際、”a”、”an”、”the”、”said”の冠詞は、当該構成が1以上存在することを意味することを意図している。”含む”、”具備する”、”有する”との用語は、包含的であることを意図し、挙げられた構成と異なる付加的な構成が存在することを意味する。

Claims (114)

  1. 電流を発生させるバイオ燃料電池デバイスであって、
    面と、当該面にあり燃料容器を規定する少なくとも一つのキャビティと、上記燃料容器を充填するためマニホールドへ燃料流体を注入するための入口であって上記燃料容器に流体的に接続された入口と、燃料流体を当該マニホールドから放出するための出口であって上記燃料容器に流体的に接続された出口と、を備える燃料マニホールドと、
    上記燃料容器において燃料流体と接触するように配置された少なくとも1つのバイオアノードを有するアノードアセンブリと、
    燃料流体が上記バイオアノードを通ってカソードに流れるように配置された少なくとも1つのカソードを有するカソードアセンブリと、
    当該バイオ燃料電池デバイスからの電流のアウトプットを制御するため、上記アノードアセンブリ及び上記カソードアセンブリに操作可能に接続されたコントローラーと、を備えるバイオ燃料電池。
  2. 上記マニホールドにおける少なくとも1つのキャビティが、入口ポート表面及び出口ポート表面を有し、上記出口ポート表面が上記入口ポート表面より高い位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載のバイオ燃料電池デバイス。
  3. 上記面は、マニホールドの前面を含み、当該前面は、第1シリーズのキャビティを有し、第1シリーズのキャビティのそれぞれは、燃料容器を規定し、その前面は第1シリーズの一の容器から第1シリーズの次の容器に燃料流体を流すため上記キャビティをつなぐ通路を有することを特徴とする請求項1記載のバイオ燃料電池デバイス。
  4. 上記マニホールドは、さらに、燃料容器を規定する少なくとも1つのキャビティを有する後面を備える請求項3記載のバイオ燃料電池デバイス。
  5. 上記マニホールドの後面は、第2シリーズのキャビティを有し、第2シリーズのキャビティのそれぞれは、燃料容器を規定し、その後面は第2シリーズの一の容器から第2シリーズの次の容器に燃料流体を流すため第2シリーズの上記キャビティをつなぐ通路を有することを特徴とする請求項4記載のバイオ燃料電池デバイス。
  6. 上記第1シリーズの容器から第2シリーズの容器に燃料流体を流すための通路をさらに備えることを特徴とする請求項5記載のバイオ燃料電池デバイス。
  7. 上記マニホールドは、中に複数のキャビティを有し、当該複数のキャビティのそれぞれは燃料容器を規定し、
    上記アノードアセンブリは、複数のバイオアノードを有し、上記バイオアノードのそれぞれは、各燃料溶液内の燃料流体と接触するように配置され、
    上記カソードアセンブリは、複数のカソードを有し、上記カソードのそれぞれは、各カソードにバイオアノードを介して燃料を流すために配置され、
    さらに上記カソードアセンブリは、各燃料容器から次の燃料容器へ燃料流体を流すための少なくとも1つの通路を備えることを特徴とする請求項1記載のバイオ燃料電池デバイス。
  8. さらに、チェックバルブを備え、当該チェックバルブは、導管を介して一方向のみに流通を可能とする各通路に操作可能に接続されていることを特徴とする請求項7記載のバイオ燃料電池デバイス。
  9. 各アノードアセンブリは、上記少なくとも1つのバイオアノードを保持するためのアノードフレームを備え、
    各カソードアセンブリは、上記少なくとも1つのバイオアノードを保持するためのカソードフレームを備え、
    上記カソードフレーム及び上記アノードフレームは、マニホールドに対して一定のポジションにおいて、それぞれ少なくとも1つのバイオアノード若しくは少なくとも1つのカソードに、互いに重ね合わされて固定され、かつ上記マニホールド内の上記少なくとも1つのキャビティに固定されることを特徴とする請求項1記載のバイオ燃料電池デバイス。
  10. さらに、ハウジングを有し、当該ハウジングは、上記マニホールド、アノードアセンブリ及びカソードアセンブリを、上記ハウジングに対して一定のポジションに保持するための突起部を有する内表面を有することを特徴とする請求項1記載のバイオ燃料デバイス。
  11. 上記マニホールドは、複数のキャビティにより形成された一体型のボディを備え、各キャビティは燃料容器を規定し、
    上記アノードアセンブリは、複数のバイオアノードを備え、該バイオアノードのそれぞれは、各燃料容器において燃料流体と接触するように配置され、
    上記カソードアセンブリは、複数のカソードを備え、該カソードのそれぞれは、各バイオアノードからの燃料流体のフローを受けるために配置されたことを特徴とする請求項1記載のバイオ燃料電池デバイス。
  12. 上記キャビティの少なくとも2つが上記ボディの対向する面に形成されていることを特徴とする請求項11記載のバイオ燃料電池デバイス。
  13. 上記キャビティの少なくとも2つが上記ボディの同じ面に形成されていることを特徴とする請求項11記載のバイオ燃料電池デバイス。
  14. 上記アノードアセンブリが、嵌め合わされるフレームパーツを有するアノードフレームを備え、
    上記バイオアノードが、上記フレームパーツの間に固定されることを特徴とする請求項1記載のバイオ燃料電池デバイス。
  15. 上記少なくとも1つのバイオアノードが、
    集電体と、
    ガス拡散層と、
    酵素及び酵素固定化材料を含有する触媒層と、を備えることを特徴とする請求項1記載のバイオ燃料電池デバイス。
  16. 上記カソードアセンブリが、嵌め合わされるフレームパーツを有するカソードフレームを備え、
    上記カソードが、上記フレームパーツの間に固定されることを特徴とする請求項1記載のバイオ燃料電池デバイス。
  17. 上記カソードが、
    集電体と、
    ガス拡散層と、
    触媒と、を有することを特徴とする請求項1記載のバイオ燃料電池デバイス。
  18. 上記コントローラーが、
    規定されたオペレーティングモードに従って燃料電池のアウトプットを制御するコントローラーと、
    上記燃料電池と上記負荷との間で操作可能に接続されたスイッチ回路と、を有し、
    上記スイッチ回路は、オペレーティングモードにしたがって上記燃料電池の上記負荷への接続と上記燃料電池の上記負荷からの切断とを交互に行うコントローラーに対して応答可能であることを特徴とする請求項1記載のバイオ燃料電池デバイス。
  19. 負荷に対して電力を供給するためのバイオ燃料電池デバイスであって、
    燃料電池と、
    規定されたオペレーティングモードにしたがって上記燃料電池のアウトプットを制御する、上記燃料電池に操作可能に接続されたコントローラーと、
    上記燃料電池と上記負荷との間に配置されたスイッチ回路と、を備え、
    上記スイッチ回路は、オペレーティングモードにしたがって上記燃料電池の上記負荷への接続と上記燃料電池の上記負荷からの切断とを交互に行うコントローラーに対して応答可能であることを特徴とするバイオ燃料電池デバイス。
  20. 上記燃料電池は、一連に電気的に接続された複数の燃料電池を備えることを特徴とする請求項19記載のバイオ燃料電池デバイス。
  21. 上記オペレーティングモードが、所定の負荷サイクルにおいて、少なくとも1つの燃料電池の上記負荷への接続と少なくとも1つの他の燃料電池の上記負荷からの切断とを交互に行うことを含む請求項20記載のバイオ燃料電池デバイス。
  22. 上記オペレーティングモードが、所定の負荷サイクルにおいて、すべての燃料電池の上記負荷からの同時切断と、すべての燃料電池の上記負荷への同時接続と、が交互に行われることを含む請求項20記載のバイオ燃料電池デバイス。
  23. 上記オペレーティングモードが、複数の燃料電池の1つを上記負荷から切断し他の燃料電池を上記負荷に接続することを交互に行うことを特徴とする請求項20記載のバイオ燃料電池デバイス。
  24. さらに、補助電源回路を備え、該補助電源回路は、補助電源と燃料電池のアウトプットとを選択的に接続するためのコントローラーに応答可能であり、それにより、バイオ燃料電池デバイスにより上記負荷へ供給される電力を補完することを特徴とする請求項19記載のバイオ燃料電池デバイス。
  25. 上記コントローラーは、上記燃料電池のアウトプットと閾値とを比較するためのコンパレーターを備え、上記補助電源回路は、上記燃料電池のアウトプットが上記閾値より低いとき、燃料電池のアウトプットに補助電源を接続するための比較に対して応答可能であることを特徴とする請求項24記載のバイオ燃料電池デバイス。
  26. 上記補助電源が、再充電可能なバッテリーであることを特徴とする請求項24記載のバイオ燃料電池デバイス。
  27. 上記バッテリーを再充電するため上記燃料電池のアウトプットが上記負荷から切断され上記バッテリーに接続されるような、他の所定のオペレーティングモードに従って、上記コントローラーが、上記燃料電池のアウトプットを制御するように構成されていることを特徴とする請求項26記載のバイオ燃料電池デバイス。
  28. 負荷に対して電力を供給するバイオ燃料電池デバイスであって、
    燃料電池と、
    規定されたオペレーティングモードにしたがって上記燃料電池のアウトプットを制御する、上記燃料電池に操作可能に接続されたコントローラーと、
    上記燃料電池と上記負荷との間に配置されたスイッチ回路と、
    補助電源と燃料電池のアウトプットとを選択的に接続するためのコントローラーに応答可能であり、それにより、バイオ燃料電池デバイスにより上記負荷へ供給される電力を補完する補助電源回路と、を備えることを特徴とするバイオ燃料電池デバイス。
  29. 負荷に対して電力を供給するバイオ燃料電池デバイスであって、
    一連に電気的に接続された複数の燃料電池と、
    規定された複数のオペレーティングモードの少なくとも1つにしたがって各燃料電池のアウトプットを制御する、上記各燃料電池に操作可能に接続されたコントローラーと、
    上記燃料電池と上記負荷とを操作可能に接続するスイッチ回路と、を備え、
    上記スイッチ回路は、オペレーティングモードにしたがって上記複数の燃料電池の少なくとも1つの上記負荷への選択的な接続を行うコントローラーに対して応答可能であることを特徴とするバイオ燃料電池デバイス。
  30. バイオ燃料電池デバイスの1以上の燃料電池セルのアウトプットを電気的に調整する方法であって、
    当該バイオ燃料電池デバイスは、負荷に対して電力を供給するために適用され、
    当該方法は、
    上記燃料電池セルと上記負荷との間でスイッチ回路を電気的に接続する工程と、
    所定の複数のオペレーティングモードの少なくとも1つに従って、上記複数の燃料電池の少なくとも1つを上記負荷に選択的に接続するため上記スイッチ回路をスイッチングする工程と、を備える方法。
  31. 上記バイオ燃料電池デバイスは、バイオアノードと、カソードと、を備え、
    上記バイオアノードは、
    ガス拡散層と、
    燃料流体と反応して当該燃料流体の酸化された形態のものを生成することができる少なくとも1つのアノード酵素であって、上記ガス拡散層に対して電子を放出可能なアノード酵素と、
    上記酵素を固定化及び安定化することができる固定化材料であって上記燃料流体に対して透過性の固定化材料と、
    を含むことを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載のバイオ燃料電池デバイス若しくは方法。
  32. 上記バイオ燃料電池デバイスは、バイオアノードと、カソードと、を備え、
    上記バイオアノードは、
    ガス拡散層と、
    電子メディエーターの酸化されたもの及び燃料流体と反応してそれぞれ上記燃料流体の酸化された形態のもの及び電子メディエーターの還元されたものを生成することができるアノード酵素と、を含み、
    上記電子メディエーターの還元されたものは、ガス拡散層に対して電子を放出することができ、
    酵素固定化材料が、上記燃料流体及び上記電子メディエーターに対して透過性を有することを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載のバイオ燃料電池デバイス若しくは方法。
  33. 上記バイオ燃料電池デバイスは、バイオアノードと、カソードと、を備え、
    上記バイオアノードは、
    ガス拡散層と、
    電子メディエーターの酸化された形態のもの及び燃料流体と反応してそれぞれ上記燃料流体の酸化された形態のもの及び電子メディエーターの還元された形態のものを生成することができるアノード酵素と、
    上記燃料流体及び上記電子メディエーターに対して透過性を有する酵素固定化材料と、
    上記電子伝導体に近接する電解触媒と、を含み、
    上記電解触媒の酸化された形態のものが、上記電子メディエーターの還元された形態のものと反応して、上記電子メディエーターの酸化された形態のもの及び上記電解触媒の還元された形態のものを生成することができ、
    上記電解触媒の還元された形態のものは、上記ガス拡散層に対して電子を放出することができることを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載のバイオ燃料電池デバイス若しくは方法。
  34. バイオ燃料電池デバイスは、アノードと、バイオカソードと、を備え、
    上記バイオカソードは、
    ガス拡散層と、
    酸化剤と反応して水を生成することができる少なくとも1つのカソード酵素であって上記ガス拡散層から電子を獲得可能なカソード酵素と、
    上記酵素を固定化し安定化することができる酵素固定化材料であって、上記酸化剤に対して透過性を有する酵素固定化材料と、
    を含むことを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載のバイオ燃料電池デバイス若しくは方法。
  35. バイオ燃料電池デバイスは、アノードと、バイオカソードと、を備え、
    上記バイオカソードは、
    ガス拡散層と、
    電子メディエーターの還元された形態のもの及び酸化剤と反応して、それぞれ電子メディエーターの酸化された形態のものと水とを生成することができる少なくとも1つのカソード酵素と、
    上記ガス拡散層から電子を獲得することができるカソード酵素と、上記酵素を固定化し安定化することができる酵素固定化材料であって、上記酸化剤に対して透過性を有する酵素固定化材料と、を含み、
    上記電子メディエーターの酸化された形態のものは、上記ガス拡散層から電子を獲得して上記電子メディエーターの還元された形態のものが生成されることを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載のバイオ燃料電池デバイス若しくは方法。
  36. バイオ燃料電池デバイスは、アノードと、バイオカソードと、を備え、
    上記バイオカソードは、
    ガス拡散層と、
    電子メディエーターの還元された形態のもの及び酸化剤と反応して、それぞれ電子メディエーターの酸化された形態のものと水とを生成することができる少なくとも1つのカソード酵素と、
    ガス拡散層から電子を獲得して、電解触媒の還元された形態のものを生成する電解触媒の酸化された形態のものと、
    上記酵素を固定化し安定化することができる酵素固定化材料であって、上記酸化剤に対して透過性を有する酵素固定化材料と、を含み、
    上記電解触媒の還元された形態のものは電子メディエーターの酸化された形態のものと反応して上記電子メディエーターの還元された形態のもの及び上記電解触媒の酸化された形態のものが生成され、上記電解触媒の酸化された形態のものは上記ガス拡散層から電子を獲得して上記電解触媒の還元された形態のものが生成される請求項1〜30のいずれかに記載のバイオ燃料電池デバイス若しくは方法。
  37. 上記バイオアノード若しくはバイオカソードは、さらに集電体を有することを特徴とする請求項31〜36のいずれかに記載のバイオ燃料電池デバイス。
  38. 上記酵素固定化材料は、電子メディエーター、電解触媒、若しくは、電子メディエーター及び電解触媒を含むことを特徴とする請求項32、33、及び35〜37のいずれかに記載のバイオ燃料電池デバイス。
  39. 上記集電体は、電子を伝導し、かつガス拡散層及び触媒層にラティスサポートを与える物質を含むことを特徴とする請求項37若しくは38に記載のバイオ燃料電池。
  40. 上記ガス拡散層は、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンスクリーン印刷電極、カーボンブラック、カーボン粉末、カーボンファイバー、シングルウォールカーボンナノチューブ、ダブルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブ、カーボンナノチューブアレイ、ダイアモンドコート導電体、ガラス状カーボン、メソポーラスカーボン、グラファイト、未圧縮グラファイトウォーム、剥離された高純度鱗片状黒鉛、高性能グラファイト、カーボン粉末、ピロリティックグラファイト、多結晶グラファイト、エポキシ、ポリテトラフルオロエチレン、もしくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項31〜39のいずれかに記載のバイオ燃料電池。
  41. 上記ガス拡散層は、電子を伝達する高表面積を有する第1の電気伝導性材料と、上記電子伝導体を支持する第2の電気伝導性材料と、バインダーと、を含んでなり、
    自立型となるよう上記電子伝導体に対して十分な強度を与えるため、上記第1電気伝導性材料に対する上記第2電気伝導性材料の質量比が、少なくとも0.5:1であることを特徴とする請求項31〜39のいずれかに記載のバイオ燃料電池デバイス。
  42. 上記アノード酵素は、アルコールデハイドロゲナーゼ、アルデヒドデハイドロゲナーゼ、蟻酸デハイドロゲナーゼ、ホルムアルデヒドデハイドロゲナーゼ、グルコースデハイドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸デハイドロゲナーゼ、ラクトースデハイドロゲナーゼ、ピルビン酸塩デハイドロゲナーゼ、リポキシゲナーゼ、PQQ依存型アルコールデヒドロゲナーゼもしくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項31〜41のいずれかに記載のバイオ燃料電池デバイス。
  43. 上記アノード酵素は、酵素に関連するPQQを有するPQQ依存型アルコールデヒドロゲナーゼであることを特徴とする請求項42記載のバイオ燃料電池デバイス。
  44. 上記燃料流体は、アンモニア、メタノール、エタノール、プロパノール、イソブタノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、アリールアルコール、グリセロール、プロパンジオール、マンニトール、グルクロン酸塩、アルデヒド、カルボハイドレート、グルコース、グルコース-l、D-グルコース、L-グルコース、グルコース-6-リン酸塩、乳酸塩、乳酸-6-リン酸塩、D-乳酸塩、L-乳酸塩、フルクトース、ガラクトース-l、ガラクトース、アルドース、ソルボース、マンノース、グリセリン酸塩、コエンザイムA、アセチルCo-A、リンゴ酸塩、イソクエン酸塩、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、酢酸塩、クエン酸塩、L-グルコン酸塩、ベータ-ヒドロキシステロイド、アルファ-ヒドロキシステロイド、ラクトアルデヒド、テストステロン、グルコン酸塩、脂肪酸、脂質、ホスホグリセリン酸塩、レチナール、エストラジオール、シクロペンタノール、ヘキサデカノール、長鎖アルコール、コニフェリルアルコール、シンナミルアルコール、ギ酸塩、長鎖アルデヒド、ピルビン酸塩、ブタナール、アシル-CoA、ステロイド、アミノ酸、フラビン、NADH、NADH、NADPH、NADPH、水素、若しくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項42又は43に記載のバイオ燃料電池デバイス。
  45. 上記燃料流体は、メタノール若しくはエタノールであることを特徴とする請求項44記載のバイオ燃料電池デバイス。
  46. バイオアノードにおいて燃料流体を酸化し、カソード若しくはバイオカソードにおいて酸化剤を還元することを含む、請求項1〜29、若しくは31〜45のいずれかに記載のバイオ燃料電池デバイスを用いる電気発生方法。
  47. 空気に対して透過性を有し、燃料流体に対して透過性を有さない、電気伝導性材料の第1領域と、
    燃料流体及び空気に対して透過性を有する、電気伝導性材料の第2領域と、
    上記燃料流体及び空気の両方に接触することができる卑金属触媒と、を備え、
    電極を含む吸気性半電池が、室温、電極ポテンシャル0.4V、及び10mg/cmの触媒積載でオペレートした場合、少なくとも、約16、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80mA/cm若しくはそれ以上の電流密度を発生させることを特徴とする電極。
  48. 上記第1領域及び第2領域の透過性が、各領域の多孔性を制御することにより制御されることを特徴とする請求項47記載の電極。
  49. 上記触媒が、上記第2領域に近接することを特徴とする請求項47又は48記載の電極。
  50. 上記触媒が、遷移金属、遷移金属大員環若しくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項47〜49のいずれかに記載の電極。
  51. 上記遷移金属大員環が、遷移金属フタロシアニン、遷移金属ポルフィリン、その誘導体若しくは類似体若しくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項50記載の電極。
  52. 上記遷移金属大員環が、鉄フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、鉄ポルフィリン、コバルトポルフィリン、その誘導体若しくは類似体、若しくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項51記載の電極。
  53. 上記遷移金属大員環が、コバルト(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25-ヘキサデカフルオロ-29H,31H-フタロシアニン若しくはその誘導体若しくは類似体であることを特徴とする請求項51記載の電極。
  54. 電子伝導体と、
    選択的に酸素を還元し水に変換することができる少なくとも1つの卑金属触媒と、を有し、
    電極を含む吸気性半電池が、室温、電極ポテンシャル0.4V、及び10mg/cmの触媒積載でオペレートした場合、少なくとも、約16、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80mA/cm若しくはそれ以上の電流密度を発生させることを特徴とする加熱処理電極。
  55. 上記電極が、さらに、カーボンに支持されたポリアミンを含み、該電極が熱処理されて、金属元素の、ポリアミンとの相互作用を増加させたことを特徴とする請求項54記載の電極。
  56. 上記電流密度が、少なくとも約50mA/cmであることを特徴とする請求項54若しくは55記載の電極。
  57. 上記電流密度が、少なくとも約80mA/cmであることを特徴とする請求項54若しくは55記載の電極。
  58. 上記電子伝導体が、少なくとも1つのカーボンベース材料を含み、該カーボンベース材料が、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンスクリーン印刷電極、カーボンブラック、カーボン粉末、カーボンファイバー、シングルウォールカーボンナノチューブ、ダブルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブ、カーボンナノチューブアレイ、ダイアモンドコート導電体、ガラス状カーボン、メソポーラスカーボン、グラファイト、未圧縮グラファイトウォーム、剥離された高純度鱗片状黒鉛、高性能グラファイト、高秩序ピロリティックグラファイト、ピロリティックグラファイト、多結晶グラファイト、もしくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項54〜57のいずれかに記載の電極。
  59. 上記卑金属触媒が、燃料流体耐性、特にアルコール耐性を有することを特徴とする請求項54〜58のいずれかに記載の電極。
  60. 上記卑金属触媒が、酸耐性を有することを特徴とする請求項59記載の電極。
  61. 上記卑金属触媒が、コバルト(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25-ヘキサデカフルオロ-29H,31H-フタロシアニン若しくはその誘導体若しくは類似体であることを特徴とする請求項54〜60のいずれかに記載の電極。
  62. コバルト(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25-ヘキサデカフルオロ-29H,31H-フタロシアニン(CoPcF)と、
    ポリピロールと、を有し、
    上記CoPcFと上記ポリピロールが、熱処理されて、コバルト金属元素とピロールの窒素元素との相互作用を増加させたことを特徴とする触媒。
  63. 上記ポリピロールが、カーボンに支持されていることを特徴とする請求項62記載の触媒。
  64. 空気に対して透過性を有し、燃料流体に対して透過性を有さない、電気伝導性材料の第1領域と、
    燃料流体及び空気に対して透過性を有する、電気伝導性材料の第2領域と、
    上記燃料流体及び空気の両方に接触することができる卑金属触媒と、を備えることを特徴とする電極。
  65. (a)電子伝導体と、
    (b)酸化剤と反応して水を生成することができる少なくとも1つのカソード酵素と、
    (c)上記酵素を固定化し安定化することができ、酸化剤を透過することができる酵素固定化材料と、を備え、
    上記電子伝導体が、機能化されたマルチウォールカーボンナノチューブ、活性化されたカーボンベース材料、若しくはこれらを組み合わせたものを含むことを特徴とするバイオカソード。
  66. 上記活性化されたカーボンベース材料が、カーボンブラックであり、該カーボンブラックは、約600℃〜約900℃に加熱されその後水に浸漬されたことを特徴とされる請求項65記載のバイオカソード。
  67. 上記機能化されたマルチウォールカーボンナノチューブが少なくとも1つのヒドロキシル基、カルボキシル基若しくはこれらを組み合わせたもので機能化されたことを特徴とする請求項65記載のバイオカソード。
  68. 上記酵素が、ビリルビンオキシダーゼ、スーパーオキサイドディスムターゼ、ペロキサシダーゼ、若しくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項65〜67のいずれかに記載のバイオカソード。
  69. 固定化された酵素によりコートされたコアを有する粒子であって、
    上記酵素は、固定化材料に固定化され、
    上記酵素は、それぞれ、(i)固定化及びコーティング前の最初の活性に比して、少なくとも約0.65,0.7,0.75,0.8,0.85,0.9,0.95以上の活性を有し、(ii)化学反応を連続的に触媒する際少なくとも1、2、3、4、5、6若しくは7日間、最初の触媒活性の少なくとも約75%を保持することを特徴とする粒子。
  70. 上記酵素は、少なくとも5,10,15,20,25,30,45,60,75,90,105,120,150,180,210,240,270,300,330,365,400,450,500,550,600,650,700,730日以上最初の触媒活性の少なくとも約75%を保持することを特徴とする請求項69記載の粒子。
  71. 酵素は、当該酵素と共有結合しない酵素固定化材料に固定化されることを特徴とする請求項69若しくは70記載の粒子。
  72. 上記コアが、不活性コアであることを特徴とする請求項69〜71のいずれかに記載の粒子。
  73. 上記コアが、ポリマーでないことを特徴とする請求項69〜72のいずれかに記載の粒子。
  74. 上記固定化された酵素が、上記コア上に層を形成することを特徴とする請求項69〜73のいずれかに記載の粒子。
  75. 上記層が連続的であることを特徴とする請求項74記載の粒子。
  76. 化学変化を連続的に触媒する際、上記酵素が、少なくとも30日間最初の触媒活性の少なくとも約75%を保持することを特徴とする請求項69〜75のいずれかに記載の粒子。
  77. 上記酵素は、固定化及びコーティング前の最初の活性に比して、少なくとも約0.7,0.75,0.8,0.85,0.9,0.95以上の活性を有することを特徴とする請求項69〜76のいずれかに記載の粒子。
  78. 固定化されたオルガネラによりコートされたコアを含む粒子であって、上記オルガネラは固定化材料に固定化されることを特徴とする粒子。
  79. 上記オルガネラは、グリオキゾーム、ペルオキゾーム、ミトコンドリア、マイトプラスト、チラコイド、葉緑体、ヒドロゲノソーム、若しくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項78に記載の粒子。
  80. 固定化された酵素若しくはオルガネラによりコートされた粒子を調製するプロセスであって、
    酵素若しくはオルガネラを含む溶液を、少なくとも1つのコア粒子、固定化材料、及び液体溶媒を含む懸濁液と混合して、混合物を生成する工程と、
    当該混合物をスプレイドライする工程と、を含むことを特徴とするプロセス。
  81. スプレイドライ工程が、エアーブラシを用いて実行され、当該混合物が表面上にスプレイドライされることを特徴とする請求項80記載のプロセス。
  82. 上記液体媒体が、溶媒、緩衝溶液、イオン液体、若しくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項80若しくは81に記載のプロセス。
  83. 上記コア粒子が、ポリマー粒子、カーボン粒子、ゼオライト粒子、金属粒子、セラミック粒子、金属酸化物粒子、反応媒体不溶性有機金属粒子、若しくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項69〜82のいずれかに記載の粒子若しくはプロセス。
  84. 上記酵素が、リパーゼ、グルコースイソメラーゼ、ニトリラーゼ、グルコースオキシダーゼ、プロテアーゼ、ペプシン、アミラーゼ、菌性アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、セルラーゼ、ラクターゼ、エステラーゼ、カルボヒドラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペントサナーゼ、キシラナーゼ、プルラナーゼ、αβ-グルカナーゼ、アセトラクターゼデカルボキシラーゼ、αβ-グルコシダーゼ、グルタミナーゼ、ペニシリンアシラーゼ、クロロペルオキシダーゼ、アスパラギン酸β-デカルボキシラーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、スブチリシン、アミノアシラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アミノ酸オキシダーゼ、ウレアーゼ、コレステラーゼ、デスルフィナーゼ、リグニンペルオキシダーゼ、ペクチナーゼ、オキシドレダクターゼ、デキストラナーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルターゼ、スクラーゼ、インベルターゼ、ナリンギナーゼ、ブロメライン、フィシン、パパイン、ペプシン、ペプチダーゼ、キモシン、サーモリシン、トリプシン、トリグリセリダーゼ、プレガストリックエステラーゼ、ホスファターゼ、フィターゼ、アミダーゼ、グルタミナーゼ、リゾチーム、カタラーゼ、デハイドロゲナーゼ、ペルオキシダーゼ、リアーゼ、フマラーゼ、ヒスタラーゼ、アミノトランスフェラーゼ、リガーゼ、シクラーゼ、ラセマーゼ、ムターゼ、オキシダーゼ、レダクターゼ、リグニナーゼ、若しくはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項69〜77及び80〜83のいずれかに記載の粒子又はプロセス。
  85. 上記粒子が、約25質量%〜約90質量%のコア及び約10質量%〜約75質量%のコーティングを含むことを特徴とする請求項69〜84のいずれかに記載の粒子又はプロセス。
  86. 上記コーティングが、約0.1質量%〜約29質量%の酵素、約0.1質量%〜約43質量%の酵素固定化材料、約29質量%以下の電子メディエーターを含むことを特徴とする請求項85記載の粒子若しくはプロセス。
  87. 上記溶液は、約0.1質量%〜約15質量%の酵素、約85質量%〜約99.9質量%の溶媒を含み、上記懸濁液は、約0.1質量%〜約28.7質量%のコア粒子、約4質量%〜約10質量%の酵素固定化材料、及び約50質量%〜約75質量%の液体溶媒を含むことを特徴とする請求項80〜84のいずれかに記載の粒子若しくはプロセス。
  88. 電子を伝達する高表面積の第1電気伝導性材料と、上記電子伝導体を支持する第2電気伝導性材料と、バインダーと、を含むモノレイヤーを有し、
    自立型となるよう上記電子伝導体に対して十分な強度を与えるため、上記第1電気伝導性材料に対する上記第2電気伝導性材料の質量比が、少なくとも0.5:1であることを特徴とする自立型電子伝導体。
  89. 上記の第1電気伝導性材料に対する第2電気伝導性材料の質量比は、少なくとも0.6、0.7、0.8、0.9若しくは1:1であることを特徴とする請求項88記載の電子伝導体。
  90. 上記電子メディエーターが、上記第1電気伝導性材料の少なくとも一部にグラフトされていることを特徴とする請求項88又は89記載の電子伝導体。
  91. さらに、上記モノレイヤーに接触して集電体を有し、上記電子伝導体が、上記集電体及び第2電気伝導性材料により与えられるもの以外に構造上のサポートが含まれないことを特徴とする請求項88〜90のいずれかに記載の電子伝導体。
  92. 上記集電体が、基部エンドと先端エンドとを有し、該基部エンドと該先端エンドとは長手方向軸に沿って、その間においてある長さを規定し、上記モノレイヤーが上記集電体に接触しており、上記集電体の基部エンドから上記先端エンドへ同軸上に延びていることを特徴とする請求項91記載の電子伝導体。
  93. 上記第2電気伝導性材料に対する上記バインダーの質量比は、少なくとも0.8、0.9若しくは1:1であることを特徴とする請求項88〜92のいずれかに記載の電子伝導体。
  94. 上記第1電気伝導性材料は、カーボンブラック、上記第2電気伝導性材料は、カーボンファイバー、上記バインダーはポリビニリデンジフルオライド若しくはポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項88〜93のいずれかに記載の電子伝導体。
  95. 上記モノレイヤーが、さらに請求項69〜77、83、85〜87のいずれかに記載の粒子を含むことを特徴とする請求項88〜93のいずれかに記載の電子伝導体。
  96. 上記モノレイヤーの表面に酵素層が接触し、上記酵素層が酵素固定化材料に固定化され、カーボンブラック粒子にグラフトされたナノワイヤーを含んでなるナノ構造体に接触する酵素を含むことを特徴とする請求項88〜94のいずれかに記載の電子伝導体。
  97. 上記酵素固定化材料は、ミセル構造若しくは逆ミセル構造を含むことを特徴とする請求項15、31〜47、65〜87若しくは96のいずれかに記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  98. 上記酵素固定化材料が、修飾ペルフルオロ硫酸塩-PTFEコポリマー若しくは修飾アルギン酸塩であることを特徴とする請求項97記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  99. 上記酵素固定化材料が、NH より大きい疎水性カチオンにより修飾されていることを特徴とする請求項98に記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  100. 上記疎水性カチオンが、アンモニウムベースカチオン、第4級アンモニウムカチオン、アルキルトリエチルアンモニウムカチオン、有機性カチオン、ホスホニウムカチオン、トリフェニルホスホニウム、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ヘキサデシルピリジニウム、エチジウム、ビオロゲン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウム、金属錯体、ビピリジル金属錯体、フェナントロリンベース金属錯体、[Ru(ビピリジン)2+および[Fe(フェナントロリン)3+を含むことを特徴とする請求項99記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  101. 上記疎水性カチオンが、テトラプロピルアンモニウム(T3A)、テトラペンチルアンモニウム(T5A)、テトラヘキシルアンモニウム(T6A)、テトラヘプチルアンモニウム(T7A)、トリメチルイコシルアンモニウム(TMICA)、トリメチルオクチルデシルアンモニウム(TMODA)、トリメチルヘキシルデシルアンモニウム(TMHDA)、トリメチルテトラデシルアンモニウム(TMTDA)、トリメチルオクチルアンモニウム(TMOA)、トリメチルドデシルアンモニウム(TMDDA)、トリメチルデシルアンモニウム(TMDA)、トリメチルヘキシルアンモニウム(TMHA)、テトラブチルアンモニウム(TBA)、トリエチルヘキシルアンモニウム(TEHA)、及びこれらを組み合わせたものであることを特徴とする請求項99記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  102. 上記疎水性カチオンに、化4により表される第4級アンモニウムが含まれることを特徴とする請求項99記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
    Figure 2010516017

    ここで、式中、R、R、RおよびRは、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは複素環であり、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、水素以外のものである。
  103. 上記R、R、RおよびRは、独立に、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルであり、上記R、R、RおよびRの少なくとも1つは水素以外のものであることを特徴とする請求項102記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  104. 上記R、R、RおよびRは、同じであり、かつメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルであることを特徴とする請求項102記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  105. 上記R、R、RおよびRのうち1つは、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、若しくはテトラデシルであり、他のものは独立してメチル、エチル、若しくはプロピルであることを特徴とする請求項102記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  106. 上記R、R、RおよびRはブチルであることを特徴とする請求項102記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  107. 上記固定化材料が、ミセル状疎水変性ポリサッカライドであることを特徴とする請求項15、31〜47、65〜87若しくは96に記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  108. 上記ポリサッカライドは、キトサンを含むことを特徴とする請求項107記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  109. 上記ミセル状疎水変性ポリサッカライドは、化2に対応することを特徴とする請求項107又は108記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
    Figure 2010516017

    nは、整数であり、R10は、独立して、水素、ヒドロカルビン、置換ヒドロカルビン、若しくは疎水性酸化還元メディエーターであり、R11は独立して水素、ヒドロカルビン、置換ヒドロカルビン、若しくは疎水性酸化還元メディエーターである。
  110. 上記R10は独立して水素若しくはアルキルであり、上記R11は独立して水素若しくはアルキルであるであることを特徴とする請求項109記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  111. 上記R10は独立して水素若しくはヘキシルであり、上記R11は独立して水素若しくはヘキシルであることを特徴とする請求項109記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  112. 上記R10は独立して水素若しくはオクチルであり、上記R11は独立して水素若しくはオクチルであることを特徴とする109記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  113. 上記R10は独立して水素若しくはブチルであり、上記R11は独立して水素若しくはブチルであることを特徴とする109記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
  114. 上記R10は独立して水素若しくは疎水性酸化還元メディエーターであり、上記R11は独立して水素若しくは疎水性酸化還元メディエーターであることを特徴とする109記載のバイオ燃料電池デバイス、方法、バイオカソード、粒子、電子伝導体、若しくはプロセス。
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