JP2018524791A - Criii/crviレドックス対に基づく高出力レドックスフロー電池及びその媒介された再生 - Google Patents

Criii/crviレドックス対に基づく高出力レドックスフロー電池及びその媒介された再生 Download PDF

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Abstract

本発明は、可逆的に電気を化学エネルギーとして貯蔵するレドックスフロー電池(RFB、可逆燃料電池としても知られている)中の様々な燃料(アノード液)とともに使用するための二クロム酸(Cr 2−としてのCrVI)に基づく高出力、高エネルギー酸化剤(カソード液)化学について記載する。Cr 2−のCr3+への還元(放電)は、Cr 2−の使用をグレネセルなどの一次(非充電式)セルに歴史的に制限してきた調査された全ての固体電極触媒において本質的に不可逆的である。記載された発明は、カソード電極触媒に不均一に電子を供与してCr3+から電子を均一に受け入れてCr 2−を再生するために、可逆的レドックス対、以下電子メディエーターを用いることによってこの制限を克服する。このエネルギー及び電力密度の高い化学物質を使用するRFBは、再生可能な電気のグリッドレベルの貯蔵から家庭用電化製品にわたる低コストのエネルギー貯蔵用途に適する。

Description

本発明は、電気貯蔵用に使用される電気化学セルである新規なレドックスフロー電池システムを記載する。
レドックスフロー電池(RFB)は、二次(充電式)燃料電池及び電池−燃料電池ハイブリッドである(図1)。従来の電池とは異なり、RFBはシステムのエネルギーと電力とを切り離し、故に燃料電池と同様に、電気活性材料貯蔵タンクのサイズに対応する全システムエネルギーと、電気化学リアクタのサイズに対応するシステム電力とを有する。この特徴により、それらは低コストで大量の電気を貯蔵するのに理想的となるが、それは付加的な電気活性材料が通常、より大きなリアクタよりもはるかに安価であるからである。この理由から、RFBは現在使用されており、大規模なグリッドレベルの蓄電デバイスとしてさらに開発されている(非特許文献1)。これは、現在の配電網への出力を安定させるために所定の資源(風力、太陽光)が一時的に利用できなくなった場合にバックアップ電力源を必要とする断続的な再生可能エネルギー源に対して特に価値がある。
多くのRFB化学物質が開発されているが、それらは普遍的に1又は2e還元(n=1又は2)を受け、かつ/あるいは低から中程度の溶解度(Cmax)を有する酸化剤を使用し、(1)それらの体積エネルギー密度及び(2)それらの電力密度を大きく制限する。これは、全バナジウム、Zn/Ce4+、Cr2+/Fe3+、H/Br、及びH/ORFB中の酸化剤であるVO 、Ce4+、Fe3+(1e)、Br(2e)及びO(4e)のそれぞれに適用される。O及びBrは高いnを有するが、それらのCmax値は他種の値よりもはるかに小さい(0.001及び0.2M対>1M)。RFBに関連する低いエネルギー密度及び電力密度は結果として、鉛酸及びLiイオン電池などの競合技術と比較して、非常に大きい電池サイズをもたらす。このような電池のとてつもない大きさは、望ましくない設備、操作性、及び材料コスト、ならびに電池の配置に関する制限に寄与する。
従って、著しく高いエネルギー及び出力密度の酸化剤の必要性が存在する。過マンガン酸塩(MnO 、n=5、Cmax=7.3M)などの複数の他の酸化剤は高いn及びCmaxを有する一方、まさにそれらの性質による多重e反応は不可逆的である傾向があり、従ってRFBには適さない。このような反応の多くは複雑なメカニズムに従っており、カソードでの析出又は被毒をもたらし、経時的に電流及び出力を素早く減少させる。高いn及びCmaxならびに非汚染反応を伴う可逆的な酸化剤系は、この分野では知られていない。
酸化剤Cr 2−は、そのエネルギー密度パラメータ(n=6、Cmax=7.1)がMnO のパラメータと類似しているため、RFBにおける使用に魅力的である。さらに、Cr 2−の拡散係数は、VO 又はCe4+の拡散係数よりも著しく高く(0.96対0.25及び0.36×10−5cm/秒)、その結果、より速いCr 2−輸送及びこれに対応するより高い電力密度が得られる。これらの高エネルギー密度及び電力密度という素晴らしい特徴により、研究者らは1841年から1859年までに一次(非充電式)Zn/Cr 2−電池を開発し、その後電信の標準電源となった。
Cr 2−のCr3+への還元に基づくRFBは、例えば特許文献1において提案されているが、実際には、このようなシステムは実用にはあまりにも非効率的である。これらのRFBは、複数の固体電極触媒でCr3+を酸化することによりCr 2−を再生し、その全てがO共進化(coevolution)をもたらすような高い過電位でCr3+を酸化する。このような触媒には、Pt族金属、卑金属酸化物(例えばPbO)、及び伝導性炭素材料が含まれる。Cr3+酸化のための高い過電位は、熱に対する著しい電圧損失と、Cr 2−再生の代わりのO進化への著しい電流損失と、の両方を引き起こし、その結果、低から負の再充電効率を有するシステムをもたらす。この理由から、Cr3+を酸化するためのこれらの固体触媒の使用は、使用済クロムめっき溶液中のCr 2−を再生するためのエネルギー消費型(エネルギー蓄積型ではない)工業的使用に専ら限定されている。確かに、以前に提案されたCr 2−を使用するRFBは無効であるため、それらはRFBの最近のレビューにおいて議論されていないか、又はそれらの不十分な機能性という点でのみ議論されている。過去67年間にわたる著しい努力にも関わらず、Zn/Cr 2−一次電池が最初に発明されて以来175年間で、Cr 2−を再生するエネルギー効率の良い方法は考案されていない。2Cr3+のCr 2−へのエネルギー効率の良い6e酸化が不可能であることは現在かなり広く受け入れられているため、現代のフロー電池研究者らは、連続した1e酸化を受ける低溶解性Cr錯体を考案し、その結果、Cr 2−から入手可能なエネルギー密度及び電圧の両方の有意な妥協点をもたらしている。
仏国特許発明第7917793号明細書(FR7917793)
ジャーナルオブパワーソース(J.Power Sources)、2006、160、716−732
本発明は、既知の高エネルギー、高電力、不可逆的に還元(放電)された酸化剤であるCr 2−を取り込み、RFBにおけるその可逆的使用を可能にする。Cr 2−の還元生成物であるCr3+は、既知の電極触媒では不均一に容易に酸化(すなわち再充電)することができない。従って、Cr 2−を使用する以前の電池は、一次(非充電式)電池としてのみ機能した。本発明では、Cr 2−の不可逆反応は、(再充電中)カソードによって不均一に酸化され、そしてCr3+を均一に酸化してCr 2−に戻す電気化学的に可逆的な電子メディエーターを使用することによって克服され、ECcat機構を用いて再充電サイクルを完了する。
電子メディエーターは、従来技術、例えば国際公開第2013/131838号(WO2013/131838)に記載されており、それは1eメディエーターCe4+を使用して触媒床の間でeを前後に往復させる(要約及び段落[0008][0009]を参照)。しかしながら、国際公開第2013/131838号に提示されている解決策は具体的に、HOの4e酸化又は他の化合物の酸化を行うために、Ce4+に加えて触媒を特に必要とする。
さらに、Cr 2−は任意の望ましくない副反応を伴わずに長期間にわたって着実に還元(放電)され得ることが、本明細書において実証される。対照的に、同様のエネルギー及び電力密度を有する酸化剤であるMnO の還元は、MnOの急速な析出をもたらし、その結果、とりわけ電極汚れをもたらす。
第1の態様では、本発明は、正の半電池における少なくとも1つの正極及び負の半電池における負極と、2つの酸性アノード液及びカソード液のために設計されるか、又は酸性カソード液及びアルカリ性アノード液のために設計される、2つの半電池の間のイオン伝導膜と、カソード液及びアノード液のための少なくとも2つの貯蔵タンクと、貯蔵されたカソード液及びアノード液をそれぞれカソード及びアノード半電池を通して循環させる1つ以上のポンプと、少なくとも1つのアノード液及び少なくとも1つのカソード液と、を含む電気化学セルを含む充電式レドックスフロー電池(RFB)であって、
アノード液は、可逆的酸化が可能な少なくとも1つの燃料と、伝導性のための少なくとも1つの電解質と、少なくとも1つの溶媒とを含み、
カソード液は、CrIII/CrVIレドックス対と、伝導性のための少なくとも1つの電解質と、少なくとも1つの溶媒と、少なくとも1つの電気化学的に可逆的な電子メディエーターとを含み、さらに
前記電子メディエーターは、溶液中でECcat機構を用いてCrIIIをCrVIに均一に酸化することができる、充電式レドックスフロー電池(RFB)を提供する。
別の態様では、本発明はまた、グリッドレベルのエネルギー貯蔵、住宅所有者のエネルギー貯蔵、遠隔地、好ましくは風力及び太陽光発電場所である断続的な再生可能電気の発電場所の定着又は負荷平準化、マイクロ水力発電力、地熱エネルギー、潮力、エネルギーアービトラージ(arbitrage)、ポータブル及び/又はパーソナル電子機器、船、潜水艦、飛行機、無人潜水艇(UUV)又は無人航空宇宙船(UAV)などの電気車両、軍事用電子機器の部品、衛星、及びその他の有人又は無人の宇宙船、又は充電式RFBを有益に使用できる他の用途のために電気エネルギーを貯蔵するための、本明細書に記載のレドックスフロー電池の使用に関する。
本発明のさらなる態様は、電気エネルギーを貯蔵する方法であって、
a)本明細書に記載のレドックスフロー電池の正の半電池を通して電解質を循環させるステップと、
b)前記レドックスフロー電池の正極に電流電源を供給するステップと、
c)カソードにより不均一に酸化された電気化学的に可逆的な電子メディエーターを使用して、同時に水を酸化することなくCrIIIをCrVIIに均一に酸化するステップと、
を含む。
(1)アノード液貯蔵タンク;(2)カソード液貯蔵タンク;(3)アノード液槽;(4)カソード液槽;(5)アノード;(6)カソード;(7)選択的透過性イオン伝導膜;(8)アノード液用ポンプ;及び(9)カソード液用ポンプを含む、レドックスフロー電池の概略図である。 1000rpm、50mV/秒における0.5MのHSO中のAuでの、100mMのVO (一点鎖線)、Ce4+(破線)、及びCr 2−(実線)のRDEボルタンメトリーを示す図面である。 Cr 2−(7.1M)、Ce4+(2.5M)及びVO (3M)の飽和溶液の容積容量を示す図面である。 3000rpm、50mV/秒における0.5MのHSO中の5mMのCr 2−のRDEボルタンメトリーから得られた、様々なCr 2−触媒の半波電位(E1/2)の表である。 ともに50mV/秒における0.5MのHSO中のAuでの、(1)5mMのCr 2−及び5mMのCe4+の混合溶液(実線)、及び(2)5mMのCe4+の単一種溶液(一点鎖線)のサイクリックボルタンメトリー(CV)を示す図面である。 全て50mV/秒における0.5MのHSO中のAuでの、(1)5mMのCr 2−及び5mMのCe4+の混合溶液(実線);(2)5mMのCe4+(一点鎖線);(3)5mMのCr 2−(点線);(4)電解質のみ(二点短鎖線);及び(5)Auのバックグラウンド補正を考慮した場合の5mMのCr 2−及び5mMのCe4+の混合溶液からの予期電流(破線);のサイクリックボルタンメトリー(CV)を示す図面である。 全て250rpm、50mV/秒における0.5MのHSO中のAuでの、(1)初期電流(三角付き実線);(2)2.5C放電後の電流(破線);及び(3)2.5C再充電後の電流(丸付き実線)を示す、2.5mMのCr 2−及び2.5mMのCe4+の混合溶液のRDEボルタンメトリーを示す図面である。 ともに4000rpmにおける0.5MのHSO中のAuでの、(1)2.5mMのCe4+(破線)、及び(2)2.5mMのCr 2−及び2.5mMのCe4+(実線)の放電中のクロノクーロメトリーを示す図面である。 4000rpmにおける0.5MのHSO中のAuでの、2.5mMのCr 2−及び2.5mMのCe4+の充電中のクロノクーロメトリーを示す図面である。差し込み図は、ともに4000rpmにおける0.5MのHSO中のAuでの、(1)2.5mMのCe4+(破線)及び(2)2.5mMのCr 2−及び2.5mMのCe4+(実線)の充電中の比較クロノクーロメトリーを示す図面である。 1000rpm、50mV/秒における0.5MのHSO中のAuにおける、アノード走査(実線)及びカソード走査(破線)を示す、5mMのCr 2−のRDEボルタンメトリーを示す図面である。
「ECcat機構」(バード(Bard)及びフォークナー(Faulkner)の「電気化学的方法:基礎と応用(Electrochemical Methods: Fundamentals and Applications)」、第2版、2001年においてECとも表される)は、以下の一般的な方法で記述される:それは、所与の種Aが種Bに変換される電気化学的ステップ(以下E)からなる。次に、Bと種Cとの間の後続化学触媒ステップ(以下Ccat)が続き、種AをBから再生し、Cから副生成物Dを生成する。Aの再生は、電極表面近くのAの濃度の見掛けの増加をもたらし、AのBへの還元に対して予期される電気化学電流よりも高い電流を生じさせる触媒プロセスを表す:
E: A+1e→B
cat: B+C→A+D
再生されたAは電極表面に必ず留まって検出されるため、(1)Aの消費と再生の間のより短い時間間隔、及び(2)電極を横切る減少した溶液の流量、で高電流が検出されるが、それは電極表面を離れるAの輸送時間及び輸送速度を減少させる。
単純な可逆的還元(例えば、Ce4++1e⇔Ce3+)に関与する所与の可溶性レドックス種(例えばCe4+)の観測された「電気化学電位」又は単に「電位」Eは、以下の数1のネルンスト方程式によって定義される。
ここで、Cox及びCredは、所与のレドックス種の酸化形態及び還元形態(例えば、Ce4+及びCe3+)のそれぞれの濃度であり、nは所与のレドックス種の酸化形態から還元形態への変換に関与するeの数であり、Rは普遍的な気体定数であり、Tは温度であり、Fはファラデー定数である。項Eはレドックス種の標準電位であり、Cox=Credの場合の観測電位(E)である。本発明の文脈において、ネルンスト方程式は、溶液中に存在する還元形態に対する酸化形態の比率に依存して、所与の可逆的レドックス種の電位がそのEから変化することを暗示する。従って、99対1であるCe4+対Ce3+の比率はCe4+のEを0.120Vだけ正にシフトさせ、99.96対0.04の比率はEを0.200Vだけ正にシフトさせる。
RDEボルタンメトリーでは、電極表面を横切る層流を実現するために、「回転ディスク電極」RDEが使用される。平面RDEが使用される場合、ここで示される結果にあるように、RDEボルタンメトリーは、RFBで使用するための所定の燃料又は酸化剤の多数の基本パラメータの直接評価を可能にする。RDEボルタンメトリーは、所定の燃料電池又はRFBの性能ではなく基本パラメータを評価するため、RDEボルタンメトリーの結果は、全ての可能なシステムにわたって普遍的に比較可能である。
RDEボルタンメトリーにおける電気化学反応の「質量輸送制限電流」iは、所与のRDE回転速度で得ることができる最大電流である。iはRDEを横切る層流に由来する定常状態輸送の関数であるため、iは電位とは無関係であり、RDEボルタモグラムでは水平線として現れる。
RDEボルタンメトリーにおける所与の電気化学反応の半波電位E1/2は、iの1/2が達成される電位である。かなり低い電流密度でE1/2を適度に正確に測定する必要がある;分析用ガラス製品の高電流密度では、溶液抵抗はE1/2を著しくシフトさせる対角線でRDEボルタモグラムを歪ませる。Cr 2−のような高n酸化剤に対して低電流密度を達成するために、低濃度(1から10mM)及び低から中回転速度(50から3000rpm)を使用しなければならない。本発明の文脈において、E1/2は所与の電極の動作電位、従ってRFBの動作電圧の一次評価として有用である。
用語「NHE」及び「Ag/AgCl」は、電極のEを測定するために使用される2つの標準タイプの参照電極を指し、ここでNHEは標準水素電極であり、Ag/AgClは銀/塩化銀電極であり、所定のEAg/AgCl=ENHE−0.197Vである。特に明記しない限り、このセクションにおける全ての言及されていない電位は、V対Ag/AgClとして示され、V対NHEではない。
貯蔵タンクとの用語は、1つ以上の液体及び/又は気体を貯蔵することができる容器を指す。液体及び/又は気体は、バッフル又は他の適切な隔壁によって互いに分離され得る。
「アルキル」は、1から10個の炭素原子を有する不飽和を含まない炭素原子及び水素原子のみからなる直鎖又は分枝炭化水素鎖基(例えば、(C1−10)アルキル又はC1−10アルキル)を指す。本明細書に現れるときはいつでも、「1から10」などの数値範囲は、所定の範囲内の各整数を意味する−例えば「1から10個の炭素原子」は、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、10個以下の炭素原子からなり得ることを意味するが、この定義はまた、数値範囲が特に指定されていない用語「アルキル」の出現を包含すると意図される。典型的なアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルイソブチル、ターシャリーブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、セプチル、オクチル、ノニル、及びデシルを含むが、これらに限定されない。アルキル部分は、例えばメチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル(Pr)、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、及び3−メチルヘキシルなどの単結合によって分子の残りに結合し得る。本明細書で特に明記しない限り、アルキル基は、独立してアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R)2、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)N(R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、−N(R)S(O)(tは1又は2)、−S(O)OR(tは1又は2)、−S(O)N(R(tは1又は2)、又はPO(R(各Rは独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである)である1つ以上の置換基によって任意に置換される。
用語「アルコキシ」は、酸素を介して親構造に結合された、直鎖、分枝鎖、環状、及びその組み合わせの1から8個の炭素原子の(例えばアルキルについて上で概説したもの)を含む−O−アルキル基を指す。例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、及びシクロヘキシルオキシが含まれるが、これらに限定されない。「低級アルコキシ」は、1から6個の炭素を含むアルコキシ基を指す。
用語「置換アルコキシ」は、アルキル構成要素が置換されているアルコキシ(すなわち、−O−(置換アルキル))を指す。本明細書で特に明記しない限り、アルコキシ基のアルキル部分は、独立してアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R)2、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)N(R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、−N(R)S(O)(tは1又は2)、−S(O)OR(tは1又は2)、−S(O)N(R(tは1又は2)、又はPO(R(各Rは独立して、水素、フルオロ、アルキル、フルオロアルキル、アリール又はヘテロアリールである)である1つ以上の置換基によって任意に置換される。
用語「アルコキシカルボニル」は、アルコキシ基が示された炭素原子数を有するカルボニル炭素を介して結合された式(アルコキシ)(C=O)−基を指す。従って、(C1−6)アルコキシカルボニル基は、その酸素を介してカルボニルリンカーに結合された1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基である。「低級アルコキシカルボニル」は、アルコキシ基が低級アルコキシ基であるアルコキシカルボニル基を指す。
用語「カルボキシ」は、−(C=O)OH基を指す。
用語「芳香族」又は「アリール」又は「Ar」は、炭素環式(例えば、フェニル、フルオレニル、及びナフチル)である共役π電子系を有する少なくとも1つの環を有する6から10個の環原子を伴う芳香族基(例えばC6−C10芳香族又はC6−C10アリール)である。置換ベンゼン誘導体から形成され、かつ環原子に遊離価電子を有する二価基は、置換フェニレン基と命名される。遊離価電子を有する炭素原子から1個の水素原子を除去することにより名称が「−イル」で終わる一価多環式炭化水素基から誘導される二価基は、対応する一価基の名称に「−イデン」を付加することにより命名され、例えば、2つの結合点を有するナフチル基はナフチリデンと命名される。本明細書に現れるときはいつでも、「6から10」などの数値範囲は、所定の範囲内の各整数を指し、例えば「6から10個の環原子」は、アリール基が6個の環原子、7個の環原子など、10個以下の環原子からなり得ることを意味する。この用語は、単環式又は縮合環多環式(すなわち、隣接する環原子対を共有する環)基を含む。本明細書で特に明記しない限り、アリール部分は、独立してフルオロ、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R)2、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)N(R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、−N(R)S(O)(tは1又は2)、−S(O)OR(tは1又は2)、−S(O)N(R(tは1又は2)、又はPO(R(各Rは独立して、フルオロ、水素、アルキル、フルオロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである)である1つ以上の置換基によって任意に置換される。
用語「フルオロアルキル」は、上で定義したように、1つ以上のフルオロ基で置換されたアルキル基、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロメチル−2−フルオロエチルなどを指す。フルオロアルキル基のアルキル部分は、アルキル基について上で定義したように任意に置換され得る。
用語「フルオロアルコキシ」は、上で定義したように、1つ以上のフルオロ基で置換されたアルコシキ基、例えば、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1−フルオロメチル−2−フルオロエトキシなどを指す。フルオロアルコキシ基のアルキル部分は、アルキル基について上で定義したように任意に置換され得る。
用語「フルオロアリール」は、上で定義したように、1つ以上のフルオロ基で置換されたアリール又はヘテロアリール基、例えば、ペンタフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロ−1,10−フェナントロリン、ペンタフルオロ−2,2’−ビピリジンなどを指す。
用語「ヘテロアルキル」は、任意に置換されたアルキル基を含み、炭素以外の原子、例えば酸素、窒素、硫黄、リン又はそれらの組み合わせから選択される1つ以上の骨格鎖原子を有する。数値範囲が与えられ得る−それは全ての鎖の長さを指し、例えばC1−C4ヘテロアルキルでは4原子長さである。ヘテロアルキル基は、独立してアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R)2、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)N(R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、−N(R)S(O)(tは1又は2)、−S(O)OR(tは1又は2)、−S(O)N(R(tは1又は2)、又はPO(R(各Rは独立して、フルオロ、水素、アルキル、フルオロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである)である1つ以上の置換基によって任意に置換される。
「ヘテロアリール」又は「ヘテロ芳香族」又は「HetAr」は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1つ以上の環ヘテロ原子を含み、単環式、二環式、三環式又は四環式の環系であり得る、5から18員の芳香族基(例えばC5−C13ヘテロアリール)を指す。本明細書に現れるときはいつでも、「5から18」などの数値範囲は、所定の範囲内の各整数を指す−例えば、「5から18環原子」は、ヘテロアリール基が5個の環原子、6個の環原子など、18個以下の環原子からなり得ることを意味する。遊離価電子を有する原子から1個の水素原子を除去することにより名称が「−イル」で終わる一価ヘテロアリール基から誘導される二価基は、対応する一価基の名称に「−イデン」を付加することにより命名され、例えば、2つの結合点を有するピリジル基はピリジリデンである。N含有「ヘテロ芳香族」又は「ヘテロアリール」部分は、環の骨格原子の少なくとも1つが窒素原子である芳香族基を指す。多環式ヘテロアリール基は、縮合していてもよいし、縮合していなくてもよい。ヘテロアリール基中のヘテロ原子は、必要に応じて酸化される。1つ以上の窒素原子が存在する場合には、必要に応じて四級化される。ヘテロアリールは、環の任意の原子を介して分子の残りに結合され得る。本明細書で特に明記しない限り、ヘテロアリール部分は、独立してアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R)2、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)N(R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、−N(R)S(O)(tは1又は2)、−S(O)OR(tは1又は2)、−S(O)N(R(tは1又は2)、又はPO(R(各Rは独立してフルオロ、水素、アルキル、フルオロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである)である1つ以上の置換基によって任意に置換される。
Cr 2−の優れたエネルギー密度パラメータは、それを高エネルギー高出力RFBにおいて使用するのに理想的な酸化剤にする。Cr 2−の電流密度は等モル溶液の場合、それぞれVO 又はCe4+の電流密度よりも14倍及び10倍大きく(図2参照)、一方で飽和溶液を比較した場合、Cr 2−はVO 又はCe4+よりも14倍及び17倍大きい容積容量(volumetric capacity)を有する(図3参照)。Cr 2−のナトリウム塩、NaCrは、これらの2つの酸化剤のどちらよりも高い溶解度を有する(それぞれ7.1対3.0及び2.5M)が、容積容量の改善の大部分はCr 2−の6e還元によるものであり、それは、本発明者によって研究されたカソード触媒(ガラス状炭素、Au、Ag、Pt、Pd、Ni、図4)、及び独国特許発明第914264号明細書(DE914264)又は仏国特許発明第7917793号明細書(FR7917793)などの従来技術において研究されたカソード触媒(Pt族金属(また、アハメド(Ahmed)ら,「燃料電池電極補助を伴う電気化学的クロム酸再生プロセス、パートI:汚染物質の除去(Electrochemical chromic acid regeneration process with fuel−cell electrode assistance. PartI:Removal of contaminants)」,ジャーナルオブアプライドエレクトロケミストリー(J.Appl.Electrochem),2001年,31(12),1381−1387も参照のこと)、卑金属酸化物、及び他の炭素材料)を含む全てのカソード触媒で不可逆的である:
Cr 2−+6e+14H→2Cr3++7H
水溶液中では、Cr 2−はクロメートCrO 2−と平衡して存在するが、CrO 2−は3e還元を受けてより低い溶解度(5.4M)のナトリウム塩NaCrOを形成することができる。CrO 2−はCr 2−よりも低いエネルギー及び出力密度を有するが、強酸性溶液及びより高い全[Cr]は、Cr 2−種生成を大きく助長する。従って、RFBに理想的な高い酸化剤及び電解質濃度の条件はまた、Cr 2−支配を助長する:
CrO 2−+3e+8H→Cr3++4H
2CrO 2−+2H⇔Cr 2−+H
Cr 2−は、エネルギー及び出力密度の桁違いの改善を伴うRFBへの進路を表すが、その成果をあげる実施の鍵は、RFB再充電中にCr3+からCr 2−を再生する方法を考案することである。本発明は、カソードにおいて不均一反応を介して電気化学的に可逆的な酸化を受ける電子メディエーター(EM)を介して、これを均一に達成することを提案する。結果として生じる一連の反応はECcat機構に従うが、ここでEMはその酸化中にCr3+がCr 2−に完全に再充電されるまで連続的に再生される:
E: EM→EM+1e
cat: 2Cr3++6EM+7HO→Cr 2−+6EM+14H
6e放電及び1e再充電を使用すると、Cr 2−の非対称充電特性が生じるはずである。しかしながら、ECcat機構はより低いカソード液流速で電極表面にEMを急速に補充するであろうため、予期される再充電電流はそれにも関わらず1eEMよりも著しく高いであろう。
従って、本発明の一態様は、正の半電池における少なくとも1つの正極及び負の半電池における負極と、2つの酸性アノード液及びカソード液のために設計されるか、又は酸性カソード液及びアルカリ性アノード液のために設計される、2つの半電池の間のイオン伝導膜と、カソード液及びアノード液のための1つ以上の貯蔵タンクと、貯蔵されたカソード液及びアノード液をそれぞれカソード及びアノード半電池を通して循環させる1つ以上のポンプと、少なくとも1つのアノード液及び少なくとも1つのカソード液と、を含む電気化学セルを含む充電式レドックスフロー電池である。アノード液は、可逆的酸化が可能な少なくとも1つの燃料と、伝導性のための少なくとも1つの電解質と、少なくとも1つの溶媒とを含む。カソード液は、CrIII/CrVIレドックス対と、伝導性のための少なくとも1つの電解質と、少なくとも1つの溶媒と、少なくとも1つの電気化学的に可逆的な電子メディエーターとを含む。前記電子メディエーターは、溶液中でECcat機構を用いてCrIIIをCrVIに均一に酸化することができる。
一実施形態では、本明細書に記載のレドックスフロー電池の電子メディエーターは、+0.980から+1.800Vの標準電極電位(E)を有する。好ましくは、電子メディエーターの標準電極電位(E)は、+1.100から+1.400V、又は+1.200から1.350Vである。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のレドックスフロー電池の電子メディエーターは、以下:
Ce4+/Ce3+
Ru(bipy) 3+/Ru(bipy) 2+(ここでbipyは2,2’−ジピリジン及び/又は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ、−OC(=O)R、−SO 2−、−SOX、又はC(=O)−Xからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換された2,2’−ジピリジンであり、Xは水素、C−Cアルキル、−OR、フルオロアルキル、又はNRであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ペルフルオロアルキル、フェニル、置換フェニルであり、前記フェニル置換基はC−Cアルキル又はC−Cアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコシキ、又はシアノであり、任意に置換された2,2’−ジピリジンはE=+1.24V対NHEより正の還元電位を有し、好ましくは2,2’−ジピリジンは、1つ以上のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ置換基で置換され、より好ましくは2,2’−ジピリジンは、1つ以上のフルオロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、及び/又はフルオロアリール置換基で置換され、最も好ましくは2,2’−ジピリジンは8個のフルオロ置換基で置換される);
Ru(phen) 3+/Ru(phen) 2+(ここでphenは1,10−フェナントロリン及び/又は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ、−OC(=O)R、−SO 2−、−SOX、又はC(=O)−Xからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換された1,10−フェナントロリンであり、Xは水素、C−Cアルキル、−OR、フルオロアルキル、又はNRであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ペルフルオロアルキル、フェニル、置換フェニルであり、前記フェニル置換基はC−Cアルキル又はC−Cアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコシキ、又はシアノであり、任意に置換された1,10−フェナントロリンはE=+1.20V対NHEより正の還元電位を有し、好ましくは1,10−フェナントロリンは、1つ以上のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ置換基で置換され、より好ましくは1,10−フェナントロリンは、1つ以上のフルオロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、及び/又はフルオロアリール置換基で置換され、最も好ましくは1,10−フェナントロリンは8個のフルオロ置換基で置換される);
Fe(phen) 3+/Fe(phen) 2+(ここでphenは1,10−フェナントロリン及び/又は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ、−OC(=O)R、−SO 2−、−SOX、又はC(=O)−Xからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換された1,10−フェナントロリンであり、Xは水素、C−Cアルキル、−OR、フルオロアルキル、又はNRであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ペルフルオロアルキル、フェニル、置換フェニルであり、前記フェニル置換基はC−Cアルキル又はC−Cアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコシキ、又はシアノであり、任意に置換された1,10−フェナントロリンはE=+1.15V対NHEより正の還元電位を有し、好ましくは1,10−フェナントロリンは、1つ以上のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ置換基で置換され、より好ましくは1,10−フェナントロリンは、1つ以上のフルオロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、及び/又はフルオロアリール置換基で置換され、最も好ましくは1,10−フェナントロリンは8個のフルオロ置換基で置換される);
Fe(bipy) 3+/Fe(bipy) 2+(ここでbipyは2,2’−ジピリジン及び/又は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ、−OC(=O)R、−SO 2−、−SOX、又はC(=O)−Xからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換された2,2’−ジピリジンであり、Xは水素、C−Cアルキル、−OR、フルオロアルキル、又はNRであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ペルフルオロアルキル、フェニル、置換フェニルであり、前記フェニル置換基はC−Cアルキル又はC−Cアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコシキ、又はシアノであり、任意に置換された2,2’−ジピリジンはE=+1.03V対NHEより正の還元電位を有し、好ましくは2,2’−ジピリジンは、1つ以上のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ置換基で置換され、より好ましくは2,2’−ジピリジンは、1つ以上のフルオロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、及び/又はフルオロアリール置換基で置換され、最も好ましくは2,2’−ジピリジンは8個のフルオロ置換基で置換される);
Fe(PR 3+/Fe(PR 2+(ここでRは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ、−OC(=O)R、−SO 2−、−SOX、又はC(=O)−Xからなる群から選択され、Xは水素、C−Cアルキル、−OR、フルオロアルキル、又はNRであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フルオロアルキル、フェニル、置換フェニルであり、前記フェニル置換基はC−Cアルキル又はC−Cアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコシキ、シアノであり、好ましくは、Rはペンタフルオロベンゼンである);
Fe(CO)(PR)5−x 3+/Fe(CO)(PR)5−x 2+(ここでxは1から4であり、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ、−OC(=O)R、−SO 2−、−SOX、又はC(=O)−Xからなる群から選択され、Xは水素、C−Cアルキル、−OR、フルオロアルキル、又はNRであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フルオロアルキル、フェニル、置換フェニルであり、前記フェニル置換基はC−Cアルキル又はC−Cアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコシキ、シアノであり、好ましくは、Rはペンタフルオロベンゼンである);
Fe(CO) 3+/Fe(CO) 2+(ここでxは1から4である);
Cr(η−C6−x(ここでRはスルホネート(−SO )であり、xは0から6である);
Cr(CO)(P(OC5−x(ここでRはスルホネート(−SO )であり、xは0から5である);
Cr(CO)(P(OCHR)(ここでRはスルホネート(−SO )又はヒドロキシル(−OH)である);
及びそれらの混合物からなる群から選択される。
ある実施形態では、本明細書に記載のレドックスフロー電池のカソード液は、少なくとも1つの電気化学的に可逆的な電子メディエーターと、pKaが2以下の強酸、好ましくはHNO、HSO、HClO、HPO又はそれらの混合物を含む伝導性及びpH制御のための電解質、又は、好ましくはMClO、MNO、MSO、MF、MCl、MBr又はMI(M=Li、Na又はK)、テトラ−n−ブチルアンモニウムX(X=F、Cl、Br、I)、又はヘキサフルオロホスフェートである単に伝導性のための電解質と、水又はアセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、エーテル、ジグライム、テトラヒドロフラン、グリセロール及びそれらの混合物などの非水性溶媒からなる群から選択される溶媒と、を含む液体である。
一実施形態では、本明細書に記載のレドックスフロー電池のアノード液は、可逆的酸化が可能な燃料の溶液と、pKaが2以下の強酸、好ましくはHNO、HSO、HClO、HPO又はそれらの混合物を含む伝導性及びpH制御のための電解質、又は、好ましくはMClO、MNO、MSO、MF、MCl、MBr又はMI(M=Li、Na又はK)、テトラ−n−ブチルアンモニウムX(X=F、Cl、Br、I)、又はヘキサフルオロホスフェートである単に伝導性のための電解質と、水又はアセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、エーテル、ジグライム、テトラヒドロフラン、グリセロール及びそれらの混合物などの非水性溶媒からなる群から選択される溶媒と、を含む液体である。
別の実施形態では、本明細書に記載のレドックスフロー電池の可逆燃料は、(1)ZnII/Zn;(2)FeIII/FeII/Fe;(3)CuII/Cu/Cu;(4)H/H;(5)VIII/VII;(6)CrIII/CrII/Cr;(7)CrIII/CrII;(8)AlIII/Al;(9)ZrIV/Zr;(10)CoII/Co;(11)NiII/Ni;(12)CdII/Cd;(13)InIII/InII/In/In;(14)GaIII/Ga/Ga;(15)SnII/Sn;(16)SnIV/SnII;(17)SbIII/Sb;(18)PbII/Pb;(19)Li/Li;(20)Na/Na;及び/又は(21)アントラキノン2,6−ジスルホネートの酸化及び還元共役、及びそれらの混合物からなる群から選択されるレドックス対を含む液体である。好ましくは、可逆燃料は、ZnII/Zn、CrIII/CrII、FeII/Fe、VIII/VII、及びNiII/Niからなる群から選択され、最も好ましくはZnII/Znである。
一実施形態では、本明細書に記載のレドックスフロー電池の正極は、少なくとも1つのカソード触媒を含む。カソード触媒は、ガラス状炭素、グラファイト、カーボンブラック、木炭、これらの炭素多形の(プラズマ、電気化学、又は酸エッチングによって)酸化処理された変形物、Au、Pd、Ag、Pt、Ni、Ir、Ru、Rh、少なくともAu、Pd、Ag、Pt、Ni、Ir、Ru、Rhを50%含むAu、Pd、Ag、Pt、Ni、Ir、Ru、Rhの合金、及びそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、カソード触媒は、ガラス状炭素、グラファイト、カーボンブラック、木炭、これらの炭素多形の酸化処理された変形物、又はAuからなる群から選択される。最も好ましくは、カソード触媒はAuである。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のレドックスフロー電池は、少なくとも2つの分離したカソード触媒を含む。好ましくは、触媒は電気的に分離されている。第1のカソード触媒はCr 2−還元(放電)に適切であり得、第2の触媒はメディエーターの高電位酸化(再充電)に適切であり得る。還元(放電)触媒は、カソード液から物理的に挿入及び除去され得、好ましくは、還元(放電)触媒は自動化されたアクチュエーターによって挿入及び除去される。高電位酸化(再充電)触媒は、同様に、その代わりに、又はそれに加えて、カソード液から物理的に挿入及び除去され得、好ましくは、高電位酸化(再充電)触媒は自動アクチュエーターによって挿入及び除去される。
特定の実施形態では、本明細書に記載のレドックスフロー電池のカソードは、還元(放電)中に、カソードに蓄積された沈殿物又は不純物を除去するために定期的に低電位にパルスされる。
さらなる態様では、電気エネルギーを貯蔵する方法であって、
a)本明細書に記載のレドックスフロー電池の正の半電池の流路を通して電解質を循環させるステップと、
b)前記レドックスフロー電池の正極に電流電源を供給するステップと、
c)カソードにより不均一に酸化された電気化学的に可逆的な電子メディエーターを使用して、同時に水を酸化することなくCr3+をCr 2−に均一に酸化するステップと、
を含む方法が提供される。
この態様の好ましい実施形態では、電解質及び電子メディエーターは、本明細書の上部でより詳細に記載されたものから選択される。
別の態様において、本発明は、グリッドレベルのエネルギー貯蔵、住宅所有者のエネルギー貯蔵、遠隔地、好ましくは風力及び太陽光発電場所である断続的な再生可能電気の発電場所の定着又は負荷平準化、マイクロ水力発電力、地熱エネルギー、潮力、エネルギーアービトラージ、ポータブル及び/又はパーソナル電子機器、船、潜水艦、飛行機、無人潜水艇(UUV)又は無人航空宇宙船(UAV)などの電気車両、軍事用電子機器の部品、衛星、及びその他の有人又は無人の宇宙船、又は充電式RFBを有益に使用できる他の用途のために電気エネルギーを貯蔵するための、本明細書に記載のレドックスフロー電池の使用に関する。
当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形を採用できることを理解するであろう。本発明を、以下の非限定的な実施例を参照してさらに説明する。
Cr 2−の媒介された再生の概念実証を論証するために、Ce4+/Ce3+レドックス対がEMに使用され、本発明の成功した作用の証拠を提供するために3回のデモンストレーションを行った。
[実施例1]
Ce3+を作るためのCe3+とCe4+との反応を伴うECcat機構は、Ag/AgCl対+0.2Vから+1.5Vの潜在的ウィンドウにおいて、サイクリックボルタンメトリー(CV)を介して実証された。
図5は、ともに平坦/滑らかなAu電極での0.5MのHSO水溶液中の、2つのケース:(1)5mMのCe4+及び5mMのCr 2−溶液、及び(2)5mMのCe4+溶液を示す。図5において、溶液(1)及び(2)は、アノード(正方向)走査では酸化電流が+1.35Vを超えて開始し、+1.44VでCe3+の酸化のピークを示し、カソード(負方向)走査では純還元電流が+1.40Vで開始し、+1.35VでCe4+の還元ピークを示す。CVでは、バルク溶液にCe3+は存在せず、検出された全Ce3+はCe4+還元に由来する。一般的に、生成されたCe3+はバルク溶液中に拡散するが、そのプロセスは遅く、アノード走査で検出される電極表面付近の空乏領域にいくらかのCe3+が残る。Ce3+は、カソード走査でCVが+1.40Vより下を走査し、アノード走査でCVが+1.35Vより下を走査する間に生成される。
Ce3+がCe4+から生成される電位範囲において、溶液(1)及び(2)が同じ時間量を消費するので、Cr3+とCe4+との間の相互作用の欠如に関する帰無仮説は、溶液(1)及び(2)はアノード掃引で検出するために同量のCe3+を生成したはずである、とするだろう。しかしながら、溶液(1)は+1.44VでのCe3+酸化のピーク電流のほぼ2倍を有する。これは、Cr3+によるCe4+の還元に起因するが、Cr3+は、アノード及びカソード掃引の両方で+0.9Vより下のCr 2−還元から生じる。
上記の結果におけるアーチファクトの可能性を排除するために、Ce3+酸化付近(>+1.35V)のCr種からの電流の寄与が、一連の制御データを用いて評価された。図6において、CVのアノード走査は、全て0.5MのHSO中の、(1)5mMのCe4+及び5mMのCr 2−;(2)5mMのCe4+;(3)5mMのCr 2−;及び(4)Ce4+又はCr 2−不存在のAuに対して示される。Au(4)のアノード走査は、電位>+1.2Vでほぼ直線の電流領域を示す。全てのアノード走査が同じAuバックグラウンド電流を有するので、Auの直線電流領域は近似ベースラインとして使用された。アノード走査(5)は、アノード走査(2)及び(3)の合計を表し、(4)からの1つのベースラインを引いたものである。従って、結果として得られる走査(5)は、(1)とのより良い比較のために、(2)及び(3)からの2つのベースラインの合計ではなく、1つのベースラインのみを有する。(5)のアノード走査は、(1)対(2)で見られるCe3+酸化ピークの増加の半分のみを占める。(1)の付加的な電流は、明らかにECcatプロセスに起因する。
[実施例2]
Cr 2−及びCe4+溶液の放電/再充電サイクルは、元のCr 2−還元電流を完全に回復させることが実証された。図7は、250rpmにおける0.5MのHSO中の2.5mMのCr 2−及び2.5mMのCe4+溶液のRDEボルタンメトリーを示し、<+0.9Vの電位で起こるCr 2−還元を伴う。RDEボルタモグラムは3つのケース:(1)放電前;(2)4000rpmにおけるCr 2−の(非トータル)2.5C放電後;及び(3)4000rpmにおけるCr3+の2.5C再充電後、に対して示される。(1)及び(3)の質量輸送制限電流が一致し、元のCr 2−濃度の完全な回復を示す。
[実施例3]
デモンストレーション3においてCr3+の再充電は、予期される非対称ECcatプロセスを介して起こることが観測された。図8Aは、2.5C放電(負の電流及び電荷)が急速に、11分しかかからず発生したことを示し、一方で図8Bの再充電は12時間30分を要した。Ce4+によるCr3+のECcat再充電は、ECcat反応に対して予期されるように、Ce3+からのCe4+の単純な再充電よりも依然として素早く起きた。これは、4000rpmにおける0.5MのHSO中の2.5mMのCe4+溶液の11分での放電(図8A)及びデモンストレーション3で使用されたのと同一の電位及びrpmでのCe3+のCe4+への再充電(図8B差し込み図)によって実証された。Cr3+が溶液中にも存在する場合、Ce3+酸化の電流は2.5倍大きい。
これらの3つのデモンストレーションは、Cr 2−の媒介された再生の機能性を明らかに支持する。本発明の追加の態様は、Cr 2−RFBの最適な動作及び特徴をさらに規定することに関する。
上記のデモンストレーションでは、EMのCe4+がCr 2−再充電のECcat法を実証するのに使用される。本発明の様々な実施形態は、Cr3+/Cr 2−レドックス対と同様の標準電気化学電位(E)を有する多数のEMを使用することができ、具体的にEは、Cr3+/Cr 2−(E=+1.23V対NHE、+1.03V対Ag/AgCl)よりも0.250Vまで負であり、かつ所定の電極触媒材料での多量のHO酸化開始前のCr3+/Cr 2−よりいくらか正の電位である。Au及び炭素系電極の場合、これは、具体的にはEが+0.98から+1.80V対NHEであり+0.78から+1.60V対Ag/AgClであるEMを含む。典型的には、メディエーターは、Cr3+をCr 2−に効果的に酸化するために、Cr3+/Cr 2−に対するEよりも正のEを有するものが選択されるべきである。しかしながら、ネルンスト方程式に記載されているように、酸化メディエーターと還元メディエーターとの比率が高い場合に所定のメディエーターのEがEより正にシフトするため、Cr3+/Cr 2−より負のEを有する電極メディエーターも使用され得る。Cr 2−RFBの再充電中、EMの99から99.995%が酸化形態で存在し、EMのEが0.120から0.250Vだけ正にシフトすることが予期される。従って、Cr3+/Cr 2−のEよりも0.250Vまで低いEを有するEMは依然として、Cr3+をCr 2−に効果的に酸化することができる。
EMはまた水溶液の酸化を避けるためにO/HOレドックス対のE(E=+1.23V対NHE)よりも低いEを有すべきであると思われるが、大多数のEMはO/HOのEにおいてHOを酸化することができない。固体電極材料についても同様である。これは、OへのHOの酸化が、特定の触媒が効率的に進行することを必要とする複雑な反応であるためである。この理由から、Auも大部分の炭素系電極材料も、+1.800V対NHE以上の電位までHOの顕著な酸化を行うことができず、多くの可能なEMがCr3+をCr 2−に酸化し得る広い電位範囲を可能にする。
グレネ(Grenet)セルのような従来技術は、Cr 2−に対して炭素系カソードを使用していたが、Auカソードでははるかに高いE1/2(高電圧)でCr 2−の還元が起こることが実証され(図4)、それ故にCr 2−RFBに対してはAuカソードが提案されている。実際、Auはまた、Ag、Pt、Pd、及びNiよりも優れている。
Cr 2−還元を損なうブロッキング種(表面酸化物、「毒」又は沈殿物)は、Auカソードにおいてより高い電位で発生すると思われる。これは、図9のRDEボルタモグラムにおけるアノード走査とカソード走査との間の高いヒステリシスによって証明され、アノード走査で観測されたCr 2−還元に対するより高いE1/2(高電圧)を伴う。つまり、Auカソードがカソード走査の開始時に生じるCr 2−還元の開始より高い電位を一時的に経験する場合、カソードがCr 2−還元の開始より低い電位を一時的に経験する場合よりもCr 2−還元のE1/2は低い。これは、Cr 2−還元の開始より低い電位がブロッキング種を除去し、より高いE1/2(高電圧)を可能にすることを暗示する。より高い電圧でのより効率的な放電を確実にするために、ブロッキング種を除去するために電極電位を単純に低電位(具体的には0≦E≦+0.6V対Ag/AgCl)に下げることが提案される。このような電位ステップベースの洗浄技術は、BH に対しては著者によって以前に開発され(フィンケルシュタイン(Finkelstein)ら,「Pt及びAuにおけるBH 酸化中の自己毒性、及びBH 燃料電池のためのin situでの毒除去手順(Self−poisoning during BH oxidation at Pt and Au, and in situ poison removal procedures for BH fuel cells)」,ジャーナルオブフィジカルケミストリー(J.Phys.Chem.),C2013,117,1571−1581)、またNHに対しても開発されている。これらのパルスベースの技術は、上述したアノード走査とカソード走査との間のヒステリシスを引き起こすRDEボルタンメトリー中に生じる電極電位の変化をシミュレートすることによって動作する。
Auは、Cr3+酸化に必要な高電位でエッチングされる/溶解する傾向がある。従って、本発明はまた、2つのカソード材料:Cr 2−還元のためのAu、及びCr3+酸化のための高電位で安定な第2の材料(Pt、Pd、Ni、炭素など)の任意の使用を提案する。本発明の幾つかの実施形態では、潜在的に有害な高電位に晒されることを避けるために、Auカソード材料がCr3+酸化中にカソード液から物理的に除去される。
本発明の様々な開示は、記載されたCr 2−カソード化学を補完するために、多くの可逆的アノード半電池化学を使用することができる。すなわち、本発明は、完全な電気化学セルを形成するために多くの異なるアノード化学と対にされ得るカソード半電池化学を記載する。Zn2+/ZnアノードはCr 2−と適合性があることがすでに確立されている。他の証明及び実験されたアノード化学もまたCr 2−と良好に動作する傾向があり、それは、Fe3+/Fe2+、Fe2+/Fe、Cu2+/Cu、Cu/Cu、H/H、V3+/V2+、Cr2+/Cr、Al3+/Al、Zr4+/Zr、Co2+/Co、Ni2+/Ni、Cd2+/Cd、In3+/In2+、In2+/In、In/In、In3+/In、In2+/In、Ga3+/Ga、Ga/Ga、Ga3+/Ga、Sn2+/Sn、Sn4+/Sn2+、Sb3+/Sb、Pb2+/Pb、Li/Li、Na/Na、及びアントラキノン2,6−ジスルホネート/ジヒドロキシアントラキノン2,6−ジスルホネートレドックス対を含む。
1 アノード液貯蔵タンク
2 カソード液貯蔵タンク
3 アノード液槽
4 カソード液槽
5 アノード
6 カソード
7 選択的透過性イオン伝導膜
8 アノード液用ポンプ
9 カソード液用ポンプ

Claims (14)

  1. 正の半電池における少なくとも1つの正極及び負の半電池における負極と、
    2つの酸性アノード液及びカソード液のために設計されるか、又は酸性アノード液及びアルカリ性カソード液のために設計される、2つの半電池の間のイオン伝導膜と、
    カソード液及びアノード液のための少なくとも2つの貯蔵タンクと、
    貯蔵されたカソード液及びアノード液をそれぞれカソード及びアノード半電池を通して循環させる1つ以上のポンプと、
    少なくとも1つのアノード液及び少なくとも1つのカソード液と、
    を含む電気化学セルを含む充電式レドックスフロー電池であって、
    前記アノード液は、可逆的酸化が可能な少なくとも1つの燃料と、伝導性のための少なくとも1つの電解質と、少なくとも1つの溶媒とを含み、
    前記カソード液は、CrIII/CrVIレドックス対と、伝導性のための少なくとも1つの電解質と、少なくとも1つの溶媒と、少なくとも1つの電気化学的に可逆的な電子メディエーターとを含み、さらに
    前記電子メディエーターは、溶液中でECcat機構を用いてCrIIIをCrVIに均一に酸化することができる、レドックスフロー電池。
  2. 前記電子メディエーターは、+0.980から+1.800Vの標準電極電位(E)を有する、請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記電子メディエーターは、以下:
    Ce4+/Ce3+
    Ru(bipy) 3+/Ru(bipy) 2+(ここでbipyは2,2’−ジピリジン及び/又は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ、−OC(=O)R、−SO 2−、−SOX、又はC(=O)−Xからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換された2,2’−ジピリジンであり、Xは水素、C−Cアルキル、−OR、フルオロアルキル、又はNRであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フルオロアルキル、フェニル、置換フェニルであり、前記フェニル置換基はC−Cアルキル又はC−Cアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコシキ、又はシアノであり、任意に置換された2,2’−ジピリジンはE=+1.24V対NHEより正の還元電位を有する);
    Ru(phen) 3+/Ru(phen) 2+(ここでphenは1,10−フェナントロリン及び/又は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ、−OC(=O)R、−SO 2−、−SOX、又はC(=O)−Xからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換された1,10−フェナントロリンであり、Xは水素、C−Cアルキル、−OR、フルオロアルキル、又はNRであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フルオロアルキル、フェニル、置換フェニルであり、前記フェニル置換基はC−Cアルキル又はC−Cアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、ペルフルオロアルキル、フルオロアルコシキ、シアノであり、任意に置換された1,10−フェナントロリンはE=+1.20V対NHEより正の還元電位を有する);
    Fe(phen) 3+/Fe(phen) 2+(ここでphenは1,10−フェナントロリン及び/又は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ、−OC(=O)R、−SO 2−、−SOX、又はC(=O)−Xからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換された1,10−フェナントロリンであり、Xは水素、C−Cアルキル、−OR、ペルフルオロアルキル、又はNRであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フルオロアルキル、フェニル、置換フェニルであり、前記フェニル置換基はC−Cアルキル又はC−Cアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコシキ、シアノであり、任意に置換された1,10−フェナントロリンはE=+1.15V対NHEより正の還元電位を有する);
    Fe(bipy) 3+/Fe(bipy) 2+(ここでbipyは2,2’−ジピリジン及び/又は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ、−OC(=O)R、−SO 2−、−SOX、又はC(=O)−Xからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換された2,2’−ジピリジンであり、Xは水素、C−Cアルキル、−OR、フルオロアルキル、又はNRであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フルオロアルキル、フェニル、置換フェニルであり、前記フェニル置換基はC−Cアルキル又はC−Cアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコシキ、シアノであり、任意に置換された2,2’−ジピリジンはE=+1.03V対NHEより正の還元電位を有する);
    Fe(PR 3+/Fe(PR 2+(ここでRは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ、−OC(=O)R、−SO 2−、−SOX、又はC(=O)−Xからなる群から選択され、Xは水素、C−Cアルキル、−OR、フルオロアルキル、又はNRであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フルオロアルキル、フェニル、置換フェニルであり、前記フェニル置換基はC−Cアルキル又はC−Cアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコシキ、シアノであり、好ましくは、Rはペンタフルオロベンゼンである);
    Fe(CO)(PR)5−x 3+/Fe(CO)(PR)5−x 2+(ここでRは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロアリール、シアノ、アルコキシ、カルボキシ、−OC(=O)R、−SO 2−、−SOX、又はC(=O)−Xからなる群から選択され、Xは水素、C−Cアルキル、−OR、フルオロアルキル、又はNRであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フルオロアルキル、フェニル、置換フェニルであり、前記フェニル置換基はC−Cアルキル又はC−Cアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、ニトロ、フルオロアルキル、フルオロアルコシキ、シアノであり、好ましくは、Rはペンタフルオロベンゼンであり、xは1から4である);
    Fe(CO) 3+/Fe(CO) 2+(ここでxは1から4である);
    Cr(η−C6−x(ここでRはスルホネート(−SO )であり、xは0から6である);
    Cr(CO)(P(OC5−x(ここでRはスルホネート(−SO )であり、xは0から5である);
    Cr(CO)(P(OCHR)(ここでRはスルホネート(−SO )又はヒドロキシル(−OH)である);
    及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1又は2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記カソード液は、少なくとも1つの電気化学的に可逆的な電子メディエーターと、pKaが2以下の強酸、好ましくはHNO、HSO、HClO、HPO又はそれらの混合物を含む伝導性及びpH制御のための電解質、又は、好ましくはMClO、MNO、MSO、MF、MCl、MBr又はMI(M=Li、Na又はK)、テトラ−n−ブチルアンモニウムX(X=F、Cl、Br、I)、又はヘキサフルオロホスフェートである単に伝導性のための電解質と、好ましくは水、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、エーテル、ジグライム、テトラヒドロフラン、グリセロール、及びそれらの混合物からなる群から選択される溶媒と、を含む液体である、請求項1から3の何れか1項に記載のレドックスフロー電池。
  5. 前記アノード液は、可逆的酸化が可能な燃料の溶液と、pKaが2以下の強酸、好ましくはHNO、HSO、HClO、HPO又はそれらの混合物を含む伝導性及びpH制御のための電解質、又は、好ましくはMClO、MNO、MSO、MF、MCl、MBr又はMI(M=Li、Na又はK)、テトラ−n−ブチルアンモニウムX(X=F、Cl、Br、I)、又はヘキサフルオロホスフェートである単に伝導性のための電解質と、水、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、エーテル、ジグライム、テトラヒドロフラン、グリセロール、及びそれらの混合物からなる群から選択される溶媒と、を含む液体である、請求項1から4の何れか1項に記載のレドックスフロー電池。
  6. 前記可逆燃料は、(1)ZnII/Zn;(2)H/H;(3)VIII/VII;(4)CrII/Cr;(5)CrIII/CrII;(6)AlIII/Al;(7)ZrIV/Zr;(8)CoII/Co;(9)NiII/Ni;(10)CdII/Cd;(11)InIII/InII/In/In;(12)GaIII/Ga/Ga;(13)SnII/Sn;(14)SnIV/SnII;(15)SbIII/Sb;(16)PbII/Pb;(17)Li/Li;(18)Na/Na;及び/又は(19)アントラキノン2,6−ジスルホネートの酸化及び還元共役、及びそれらの混合物からなる群から選択されるレドックス対を含む液体である、請求項1から5の何れか1項に記載のレドックスフロー電池。
  7. 前記正極は、少なくとも1つのカソード触媒を含み、
    前記カソード触媒は、ガラス状炭素、グラファイト、カーボンブラック、木炭、Au、Pd、Ag、Pt、Ni、Ir、Ru、Rh、少なくともAu、Pd、Ag、Pt、Ni、Ir、Ru、Rhを50%含むAu、Pd、Ag、Pt、Ni、Ir、Ru、Rhの合金、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、前記カソード触媒はAuである、請求項1から6の何れか1項に記載のレドックスフロー電池。
  8. 少なくとも2つの分離したカソード触媒を含み、好ましくは、前記触媒は電気的に分離されている、請求項7に記載のレドックスフロー電池。
  9. 第1のカソード触媒はCr 2−還元(放電)に適切であり、第2の触媒はメディエーターの高電位酸化(再充電)に適切である、請求項8に記載のレドックスフロー電池。
  10. 還元(放電)触媒は、前記カソード液から物理的に挿入及び除去され、好ましくは、前記還元(放電)触媒は自動化されたアクチュエーターによって挿入及び除去される、請求項8又は9に記載のレドックスフロー電池。
  11. 高電位酸化(再充電)触媒は、前記カソード液から物理的に挿入及び除去され、好ましくは、前記高電位酸化(再充電)触媒は自動アクチュエーターによって挿入及び除去される、請求項8から10の何れか1項に記載のレドックスフロー電池。
  12. 前記カソードは、還元(放電)中に、カソードに蓄積された沈殿物又は不純物を除去するために定期的に低電位にパルスされる、請求項1から11の何れか1項に記載のレドックスフロー電池。
  13. グリッドレベルのエネルギー貯蔵、住宅所有者のエネルギー貯蔵、遠隔地、好ましくは風力及び太陽光発電場所である断続的な再生可能電気の発電場所の定着又は負荷平準化、マイクロ水力発電力、地熱エネルギー、潮力、エネルギーアービトラージ、ポータブル及び/又はパーソナル電子機器、船、潜水艦、飛行機、無人潜水艇(UUV)又は無人航空宇宙船(UAV)などの電気車両、軍事用電子機器の部品、衛星、及びその他の有人又は無人の宇宙船、又は充電式RFBを有益に使用できる他の用途のために電気エネルギーを貯蔵するための、請求項1から12の何れか1項に記載のレドックスフロー電池の使用。
  14. 電気エネルギーを貯蔵する方法であって、
    a)請求項1から12の何れか1項に記載のレドックスフロー電池の正の半電池を通して電解質を循環させるステップと、
    b)前記レドックスフロー電池の正極に電流電源を供給するステップと、
    c)カソードにより不均一に酸化された電気化学的に可逆的な電子メディエーターを使用して、同時に水を酸化することなくCr3+をCr 2−に均一に酸化するステップと、
    を含む、方法。
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