JPH01252285A - 酵素包括ゲル粒子およびその製造方法 - Google Patents

酵素包括ゲル粒子およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、酵素を固定した微細ゲル粒子とその製造遣方
法、さらに詳しくいえば光架橋性樹脂を用いて、ゲル状
態て酵素を包括させることにより、優れた酵素活性をも
つ微細酵素包括ゲル粒子とそれを製造する方法に関する
ものである。
〈従来の技術〉 これまで、酵素を固定したゲル粒子を製造する方法とし
ては、ポリビニルアルコールあるいはその誘導体の水溶
液に酵素を溶解させ、放射線を照射してポリビニルアル
コールあるいはその誘導体を架橋させると同時に酵素を
固定する方法が知られている(特公昭56−33号公報
、特公昭59−13189号公報)。
しかしながら、この方法は、放射線を用いなければなら
ないため、特殊な設備を必要とする上に、酵素を変質す
るおそれがあり、実用化に際して種々の問題かある。
他方、感光性樹脂を用いて酵素を固定化する方法もいく
つか知られている(特開昭53−142594号公報、
特開昭55−15703号公報など)。
しかしなから、これらの方法によれば、フィルム状、粒
子状、繊維状の樹脂中に酵素か固定されるため、反応に
関与する酵素はこれらの表面に露出しているもののみに
限られ、固定された酵素の量に比較して利用される酵素
の量か著しく少なくなるのを免れない。
そこで、本発明者らは、先に、水溶性感光性樹脂の1種
であるスチリルピリジニウム基をもつポリビニルアルコ
ールを用い、これと酵素とさせる旨を提案している(特
開昭61−128888号公報)。
この提案によれは、平均粒径20〜100μmの酵素包
括ゲル粒子が得られ、酵素を、その作用をそこなうこと
なく、しかも効率よく機能を発揮できる状態で固定化で
きる。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、この提案によフて得られる酵素包括ゲル粒子は
、20〜100μmと平均粒径が比較的大きく、酵素活
性の発現の点で未た不十分である。
また、攪拌状態を維持しながら光架橋させるので、基本
的に回分操作となり、量産性の点で不十分である。 ま
た、分散状態で光照射するので、光照射量が減少し、同
時に湿潤状態でもあるので、光感度も低下する。
さらに、架橋して得られる粒子は、湿潤状態て得られる
ので、非水系酵素反応に適用する場合は乾燥が必要とな
り、乾燥を行うと粒子同士の凝集による塊状化を招き好
ましくない。 また、得られた粒子は懸濁物質で漏れて
おり、溶媒等による洗浄を行う必要がある。
木発明の目的は、平均粒径が小さく、活性の高い酵素包
括ゲル粒子とその製造方法を提供することにある。 本
発明の他の目的は、連続製造プロセスが可能で、後処理
が不要で、量産性にすぐれた酵素包括ゲル粒子とその製
造方法を提供することにある。
〈課題を解決するための手段〉 このような目的は下記の木発明によって達成される。
すなわち、本発明はスチリルピリジニウム基またはスチ
リルキノリニウム基を有するポリビニルアルコールを光
架橋した平均粒径0,1〜10μmのゲル粒子中に酵素
を包括固定した酵素包括ゲル粒子である。
本発明で用いるスチリルピリジニウム基またはスチリル
キノリニウム基をもつポリビニルアルコールは、公知で
あり、例えばポリビニルアルコールまたは部分けん化ポ
リ酢酸ビニルと、下記一般式で表わされるスチリルピリ
ジニウム塩、またはスチリルキノリニウム塩を反応させ
ることによって得ることができる(特公昭56−576
1号公報等参照)。
一般式 上記一般式において、Rは水素原子、置換または非置換
のアルキル基、アリール基またはアラルキル基、例えば
低級ヒドロキシアルキル基等を表わす。
X−は強酸の陰イオンを表わす。
また、上記式において、ピリジン環またはベンゼン環は
置換基を有していてもよく、ピリジン環は縮合ヘンセン
環を有しキノリン環を形成していてもよい。
この際のポリビニルアルコールあるいは部分けん化ポリ
酢酸ビニルとしては、重合度500〜3000の範囲の
ものが適当てあり、また部分Gづん化ポリ酢酸ビニルを
用いる場合には、けん化率70〜88%のものを用いる
のか望ましい。
重合度か500よりも少ないと光架橋されても好適なゲ
ルを生成しないし、また重合度か3000よりも犬ぎく
なったり、ポリ酢酸ビニルのけん化度か70%よりも少
ないと不溶化樹脂となりゲルが得られない。
同様にスチリルピリジニウム基および/またはスチリル
キノリニウム基は、ビニルアルコール単位当り、0.5
〜8モル%の範囲で導入されたものか9了ましい。
次に、本発明における固定化には、放用線照れる酵素は
特に制限されない。
例えは、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミ
セルラーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ、リゾチーム、ナ
リンジナーゼ、ヘスベリジナーセ、アン[・シアナーゼ
、アミノアシラーゼ、ウレアーセ、インベルターゼ、メ
リピアーゼ、デキストラナーゼ、ペブヂダーゼ、リボヌ
クレアーゼ、ラクターゼのような加水分解酵素、グルコ
ースオキシダーゼ、ウリカーゼ、カタラーゼ、リボキシ
ケナーゼ、チトクロムC、ヘルオキシダーゼのような酸
化還元酵素、グルコースイソメラーセのような異性化酵
素、シクロデキストリングルコ−ジルトランスフェラー
ゼ、トランスフェラーゼのような転移酵素、アスパルタ
ーぜ、ヒアロウロンダーゼ、コンi〜ロイチナーゼ、ベ
クチンエリミナーゼのような脱離酵素などを固定化する
ことかできる。
本発明方法を好適に実施するには、スチリルピリジニウ
ム基またはスチリルキノリニウム基をもつポリビニルア
ルコールを01〜5%、特に02〜3%の濃度で水に溶
かし、さらに所定の酵素を加え、十分に混合する。
酵素量はポリビニルアルコールの5〜50wt%程度と
すれはよい。
次いて、この水溶液を噴霧乾燥する。
噴霧乾燥に際しては、スプレードライヤーを用いれはよ
い。 スプレーノズルとしては、2流体ノズル方式のも
のを用いることが細かい噴霧液滴かえられる点て好まし
いが、その他、大型のスプレードライヤーの場合にはエ
アレススプレーや、回転ディスクタイプのものも使用可
能である。
そして、噴霧する液滴は、50μm以下、特に20μm
以下に制御することが好ましい。
また、乾燥気流の初期温度は30〜80℃程度とするこ
とか好ましい。 この乾燥気流温度においても液滴温度
は湿球温度に保たれるのか、その気流量と噴霧量は、上
記液滴径が得られるように容易に実験的に求めることか
できる。
噴霧乾燥後、例えばサイクロン等で捕集された粒子は、
活線光線を照射されて光架橋される。
この際の活性光照射は、通常の感光材料の光硬化に使用
されている光源、例えは高圧水銀灯、キセノンランプ、
メタルハライドランプ、アーク灯、けい光灯、タングス
テンランプ、アルゴンイオンレーザ、ヘリウムカドミウ
ムレーザなどを用いて行うことかてぎる。 この活性光
の照射により、スチリルピリジニウムないしスチリルキ
ノリニウム基をもつポリビニルアルコールは光架橋し、
ゲル粒子を形成する。 この光架橋反応は、使用する樹
脂の種類、架橋化条件により若干異なるか、通常数分間
ないし数十分間で完了する。
このようにして、平均粒径0,1〜10μm、特に0.
1〜5μm、酵素担持量5〜50wt%のゲル粒子が得
られる。
このようにして得られる酵素包括ゲル粒子は、従来の固
定化酵素と同様に、カラムに充てんし基質含有溶液を流
下させる方法、基質含有溶液に加えかきまぜる方法など
によって種々の酵素反応に供することができる。
あるいは、さらにゲル粒子を必要に応じバインダーを用
い、例えば流動層造粒装置等により2次的に造粒して用
いることもできる。
この2次造粒におけるバインダーとしては、本発明のゲ
ル粒子の原料ポリマーを用いることもできるし、あるい
は酵素、ポリマーおよび酵素反応に悪影響を与えない他
のバインダーを用いることもできる。
さらに、ポリマー/酵素混合液の乾燥粉末が未露光、す
なわち未架橋の段階においては、バインダーに代えて水
を用いても2次造粒が可能である。
的に造粒してもよい。
このとき、ポーラスな2次粒子が得られるので、反応基
質と接触する表面積が増大し、きわめて活性が高く、圧
力損失の少ない大径の酵素包括ゲル粒子が得られる。
この場合の粒径としては、数mm程度まで可能である。
 また、2次粒子の気孔率は例えば20〜60%程度に
て制御可能である。
〈実施例〉 実施例1 重合度1700.鹸化度88%のポリビニルアルコール
に、スチリルピリジニウム基13mo1%を導入したポ
リマーの、重量濃度11.1%の水溶液22.5gを2
68gの水に希釈し、これに117U/mgの活性をも
つ生化学工業■のインベルターゼ1gを溶解し、酵素と
感光性樹脂の混合溶液を調整した。 溶液中の酵素と樹
脂の重量比は2.5である。
つぎにこれを小型噴霧乾燥器ヤマト科学■製パルビスミ
ニスプレーGA−21に、1.7mβ/ m i nの
流量て供給して噴霧乾燥した。
乾燥気体は温度25℃、相対湿度75%の空気を、51
℃に加熱して、風量0.5Nrn”/minで乾燥チャ
ンバーに供給した。
乾燥粉末は、GA−21の捕集用サイクロンからガラス
びんに回収し、これをケミカルランプ(20Wx5本)
で10cmの距離から30分露光してポリマーを光架橋
させて製品を得た。
得られた製品は、走査型電子顕微鏡による観察の結果、
直径2〜5μm、数平均粒径25μmの微粉末であり、
カールフイ・ンシャー法による測定結果では、36%で
あった。
つぎに、この固定化インベルターゼ35mg1すなわち
インベルターゼ換算で10mgを、pH4,5に調整し
た、濃度05モル/でマグネチックスターラーにより攪
拌すると、本固定化酵素ゲルは極めて短時間で液中に分
散する。 光学顕微鏡による観察では、本固定化酵素ゲ
ルは水中で10〜20μm程度まで膨潤する。
経時的に反応液を1mA採取し、これを、95℃の水浴
中に保持した試験管中の3mJ2の熱湯に投入してイン
ベルターゼを熱失活させ、さらにゲルを濾別してイオン
交換クロマトグラフィーで分析した。その結果、加水分
解反応は蔗糖濃度に関して1次で進行し、反応速度定数
は 0.0585min−’であることが確認された。
一方、同量のインベルターゼを水溶液として、未固定の
まま反応させた結果は、上記同様反応は蔗糖濃度に関し
て1次で進行し、反応速度定数は 0.0790m1n
−’であった。 これら両者の比から、本発明による固
定化では、74%という、極めて高い活性発現率が得ら
れることが確認された。
本固定化酵素ゲル表面に付着している未固定の酵素量を
求めるため、ゲルを水洗してその洗液の活性を調へた。
 水洗は、上記反応と同量の固定化酵素ゲルをBmfl
の水中で3分間攪拌して遠心沈降させ、上澄みを洗液と
して採取する操作を3回繰返すことで行った。 そ の
結果、洗液はゲルの036%の活性しか示さず、ゲル表
面に未固定の酵素はほとんどないことが判明した。
次いて、本固定化酵素ゲルからの酵素の脱落量を求める
ため、上記と同条件で洗浄したゲルで反応を開始し、3
0分後に採取した液からゲ゛ルを除去してその濾液中の
酵素の活性を求めた。 その結果、濾液中の酵素の活性
はゲルの012%の活性しか示さず、酵素の脱落は実質
的に無視てきることが判明した。
比較例 特開昭61−128888号公報の懸濁架橋法に従い、
20〜100μmの直径の酵素包括ころ、活性発現率は
30%であった。
実施例2 実施例1のインベルターゼにかえ、実施例1と同様にし
てリゾバスリパーセのゲル粒子を得た。 基質としてオ
リーブ油を用いて活性を測定したところ、良好な結果を
得た。
実施例3 実施例1のゲル粒子を小型流動層造粒装置ベルビスミン
ベッドGA−31にて、バインダーとして実施例1のポ
リマーの0.02wt%水溶液をQ、5mu/minで
供給し、風量を0.02〜0.1 Nm3/m i n
まで徐々に増加させながら、50℃で造粒して、粒径0
2〜0.5mm、平均気孔率55%の2次粒子を得た。
 実施例1と同様に反応速度定数を測定したところ、活
性発現率は42%であった。
〈発明の効果〉 本発明によれば、平均粒径05〜10μと微細な酵素包
括ゲル粒子が得られるので、その活性はきわめて高いも
のとなる。
また、本発明の製造方法は連続プロセスか可能であるの
で、生産性か高い。
また、粒子は乾燥状態て得られるので、光架橋の効率か
高い。 また、乾燥物として得られるので、懸濁媒体等
の除去を必要とせず、生産性か高い。
また、このような粒子を2次造粒すれは、大径で、しか
も活性が高く、圧力損毛の少ないゲル粒子がえられる。
本発明の2次造粒粒子は、本発明と同一のポリマーを用
いた特開昭55−23941号公報に述へられているキ
ャスト−風乾−露光法に比較して、乾燥時間か圧倒的に
短い(1/104)ため風乾時に時としておこる酵素と
ポリマーの相分離がおこらず、その結果均一なゲルのメ
ツシュワークか形成され、さらに酵素も素のリークも実
質的に無視できるという理想的な包括固定状態が実現で
きる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)スチリルピリジニウム基またはスチリルキノリニ
    ウム基を有するポリビニルアルコールを光架橋した平均
    粒径0.1〜10μmのゲル粒子中に酵素を包括固定し
    た酵素包括ゲル粒子。
  2. (2)請求項1に記載のゲル粒子を2次的に造粒した酵
    素包括ゲル粒子。
  3. (3)スチリルピリジニウム基またはスチリルキノリニ
    ウム基を有するポリビニルアルコールの水溶液中に酵素
    を溶解し、次いでこの水溶液を噴霧乾燥し、活性光を照
    射し光架橋させる酵素包括ゲル粒子の製造方法。
  4. (4)平均粒径0.1〜10μmの酵素包括ゲル粒子を
    得る請求項3に記載の酵素包括ゲル粒子の製造方法。
  5. (5)請求項3または4に記載の製造方法で得たゲル粒
    子を2次的に造粒する酵素包括ゲル粒子の製造方法。
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