しかしながら、上記の遊技機では、変動する装飾図柄が停止してリーチ状態となった後は、最後に変動表示されている装飾図柄の確定(停止)に関心が移るため、その装飾図柄が停止するまでの間、変動している装飾図柄の変動速度を種々に変化させたり、表示されているキャラクタに種々の動作をさせたりするなどして趣向を凝らしているものの、それらの表示は、抽選結果によって予め決められたものであるので、遊技者は、その表示が停止して、抽選結果の確定画面が表示されるまでの間は、単に見ているだけであった。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、遊技媒体による遊技とは別の、遊技者が参加可能な新たな遊技を表示可能とすると共に、主基板の負荷が増大するのを抑制することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:「遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、特別図柄を表示するための特別図柄表示器と、前記遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段、前記特別図柄表示器において前記特別図柄を変動させると共に、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記特別図柄の変動を停止させる特別図柄変動制御手段、前記抽選手段の抽選結果が所定結果である場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段、及び前記抽選手段の抽選結果に基づいて生成された制御情報コマンドを送信するコマンド送信手段を有する主基板と、遊技者が操作可能な操作手段と、複数の装飾図柄からなる図柄列、キャラクタ、及び背景を表示するための表示手段と、前記主基板から送信される制御情報コマンドを受信するコマンド受信手段、該コマンド受信手段により受信された前記制御情報コマンドに基づいて、前記操作手段の操作状況に応じて表示内容を制御可能とされた特別演出シーンを表示する演出表示制御手段、該演出表示制御手段における前記特別演出シーンでの前記操作手段による制御が有効とされてから無効とされるまでの現在の計測時間を計測する時間計測手段、該時間計測手段により時間が計測されると記憶手段から過去の計測時間を抽出する計測時間抽出手段、該計測時間抽出手段により抽出された過去の計測時間と前記時間計測手段により計測された現在の計測時間とを比較すると共に時間の少ない順に並び替えて前記記憶手段に登録・書換をする計測時間登録・書換手段を有する周辺基板とを具備し、前記演出表示制御手段は、前記特別演出シーンにおいて、前記操作手段による制御が無効とされた後に、前記時間計測手段により計測された現在の計測時間と、前記計測時間登録・書換手段により書換えられた過去の計測時間とを前記表示手段に表示する」ものであることを特徴とする。
ここで、「図柄」とは、数字や記号、あるいはそれらと絵柄との組合わせ等からなる演出用の図柄である。また、「キャラクタ」とは、図柄列及び背景以外の画像を意味しており、小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、植物、又は小道具類、もしくはこの遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、植物、又は小道具類等を例示することができ、これらキャラクタを、その重要度の高い主キャラクタ、主キャラクタに次ぐ重要度の副キャラクタ、副キャラクタよりも重要度の低い脇キャラクタ、等に分類しても良い。
また、「遊技状態検出手段」とは、遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出するものであり、例えば遊技媒体として遊技球を用いた遊技機においては、入賞口や始動口への入球状態を検出するスイッチ、入賞口に入球する遊技球の数をカウントするカウント手段、及び入賞に基づく抽選結果を認識する認識手段を例示することができる。さらに、「表示手段」としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、またはCRT等を例示することができる。
また、「特別図柄表示手段」としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、CRT、ドットマトリックス表示装置、7セグメントRED表示装置等を例示することができる。そして、特別図柄表示手段にて表示される「特別図柄」としては、数字、文字、記号、キャラクタ、物品等の単体の絵文字等や、これらの単体の絵文字等を組合わせた集合体等を例示できるが、これに限らず、特別図柄によって、抽選結果を遊技者に正確に認識させることができる表示であればよい。また、特別図柄表示手段は、絵文字等を可変表示できるものに限らず、ランプやLED等の点灯装置を用いたものであり、単体の点灯装置の点灯又は消灯によって、或いは、複数の点灯装置の点灯又は消灯の組合せによって、特別図柄を構成するものであってもよい。さらに、可動する部材を用いたものであり、部材の表面に描かれた図柄や、部材の位置等によって、特別図柄を構成するものであってもよい。
更に、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味ものであり、以下のように種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される入賞口を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させて、遊技球が多量に入賞口に入賞し易くした状態(所謂「大当り状態」)。
(2)パチンコ等の遊技機において、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技球の入賞や通過により大当り状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の入球装置を、通常よりも遊技球が入球し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
(4)スロットマシーン等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う絵柄にてドラムが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(5)スロットマシーン等の遊技機において、ボーナスゲーム状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
ところで、遊技機に、遊技者が操作可能な操作手段を設けて、抽選手段の抽選結果に基づいて、所定の演出表示をさせると共に、その演出表示中に、操作手段を操作することで、表示内容を制御可能として、遊技媒体による遊技とは別の、所定条件をクリアさせるようなゲーム性のある遊技を提供可能とすることが考えられるが、この場合、そのゲームを所定条件がクリアされるまで行うものとした場合、そのゲームをしている間は、遊技媒体による遊技が行われないため、遊技機を設置するホール側としては、あまり好ましくないものとなる恐れがある。また、遊技者にとっても、そのゲームが長引けば、肝心の遊技媒体による遊技が楽しめなくなる恐れがある。
また、操作手段の操作によってゲーム性のある遊技機を提供する場合、そのゲームをより面白味のあるものとすればするほど、そのゲームを制御する制御手段の負荷が高くなる傾向があり、そのため、遊技媒体による遊技の実態において特に重要な部分である抽選手段や有利遊技状態発生手段などを制御する制御手段の負荷が高くなってしまい、本来の遊技媒体による遊技に関する制御速度が遅くなり、実際の遊技状態に対してタイムラグが発生するなど、遊技のテンポが悪くなることで、興趣を低下させてしまう恐れがある。
手段1によれば、抽選手段の抽選結果に基づいて表示される特別演出シーンにおいて、操作手段の操作によるゲームを提供可能とすると共に、操作手段の操作が有効な時間を計測して、過去の計測時間と比較して表示するものである。つまり、そのゲームがクリアされるまでのクリアタイムを表示すると共に、これまでのクリアタイムのランキングを表示することで、クリアタイムを競うようなゲームとするものである。これにより、遊技者が参加することのできる従来ではなかった全く新しいタイプの遊技機を提供することができる。また、クリアタイムを競うので、遊技者は早くゲームを終わらせようとし、ゲームが長引くことを抑制することができる。
また、遊技機における制御が、コンピュータを用いてなる主基板とコンピュータを用いてなる周辺基板とで分担される。そして、主基板にて、夫々、遊技の実態において特に重要な部分である抽選手段、有利遊技状態発生手段、及び、特別図柄表示手段の制御を行う。一方、この主基板からの制御情報コマンドに基づいて、周辺基板にて、遊技の演出に重要な役割を果たす表示手段の制御が行われる。よって、主基板の負担を大きくすることなく、表示手段にて、遊技者の要望に対応した多彩な演出を容易に実現させることができると共に、遊技者が参加可能なゲーム性のある演出を容易に実現させることが可能になる。
また、抽選手段による抽選結果と、操作手段によるゲームとを関連付けることができ、例えば、ゲームに勝つと抽選結果が表示されるようにしても良く、これにより、抽選結果を見るにはゲームに勝つ必要があり、ゲームへの参加を促すことができる。或いは、ゲームに勝つと、有利遊技状態が発生するようにしても良く、これにより、更にゲームへの参加を促すことが可能となると共に、ゲームに集中させて、興趣を高めることができる。
なお、ゲームとしては、例えば、「相撲、ボクシング、空手、プロレス等の所謂、格闘もの」、「銃等の火器を使って対象物を攻撃する、所謂、シューティングもの」、その他に、「綱引き」、「ロールプレイングゲーム(RPG)」、などが挙げられる。望ましくは、操作手段の操作が容易で、且つ、ゲームの内容が理解しやすいものが良い。
手段2:手段1の構成において、「前記周辺基板は、前記コマンド受信手段を制御し、該コマンド受信手段により受信された前記制御情報コマンドに基づいて、前記特別演出シーンでの表示内容の前記操作手段による制御を有効とするスタートコマンド及び制御を無効とするエンドコマンドを生成するサブ統合基板と、前記演出表示制御手段、前記時間計測手段、前記計測時間抽出手段、前記計測時間登録・書換手段、及び前記記憶手段を制御する電飾制御基板とを備える」ものであることを特徴とする。
手段2によれば、周辺基板において、主基板からの制御情報コマンドに基づいて、スタートコマンドやエンドコマンドなどの更に具体的なコマンドを生成するコンピュータを用いてなるサブ統合基板と、サブ統合基板からのコマンドに基づいて表示手段に各種演出表示をするコンピュータを用いてなる電飾制御基板とで、その役割を分担させるもので、これにより、夫々の負荷を増大させることなく多くの情報処理を行うことができ、より多彩な演出ができるようになる。
また、電飾制御基板では、サブ統合基板からのスタートコマンドが入力されると、操作手段による制御を有効として、時間計測手段による時間(ゲームのクリアタイム)の計測を開始させ、サブ統合基板からエンドコマンドが入力されると、操作手段による制御を無効として、時間計測手段による時間の計測を停止させるようにすることができる。サブ統合基板によるエンドコマンドの出力は、例えば、主基板からの制御情報コマンドの内、演出表示の表示時間を指示する変動表示パターンコマンドに基づく変動タイマの時間と、図柄の変動表示を開始してからスタートコマンドを出力するまでの時間とに基づいて設定された所定時間を用いて、スタートコマンドの出力から先に設定された所定時間経過後にエンドコマンドを出力するようにしても良い。これにより、所定時間が経過するとゲームがその勝敗に関係なく終了するので、ゲーム時間が必要以上に長くなるのを防止して、本来の遊技媒体による遊技の時間が少なくなるのを抑制することができる。或いは、上述のようにゲームができる時間を所定時間として設定した上で、電飾制御基板において所定時間内にゲームの勝敗が決着すると、操作手段による操作を無効とした上で、クリアタイムのランキング表示をするようにしても良い。なお、上述のようにゲームができる時間を所定時間として設定した上で、電飾制御基板において所定時間内にゲームの勝敗が決着すると、そのゲームの決着を示唆するコマンドをサブ統合基板に出力し、サブ統合基板では、そのコマンドの入力によってもエンドコマンドを電飾制御基板に出力するようにしても良い。これにより、ゲームが所定時間よりも短い時間で決着した場合、クリアタイムのランキング表示される時間が、ゲームが決着してから所定時間が経過するまでの間、表示されることとなる。つまり、ゲームが早く決着するとランキング表示が長い時間表示される。これにより、ゲームが早く決着すると言うことは、そのクリアタイムがランキング表示において上位に表示される可能性が高く、上位に表示されていれば、それにより遊技者は優越感を得ることができ、その表示時間が長くても苦にならず、興趣が低下するのを抑制しながら、変動タイマによる時間を消化させることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、「前記記憶手段は、過去の計測時間が記憶されていない場合、予め設定された計測時間を過去の計測時間として記憶する」ものであることを特徴とする。
ところで、記憶させたり読み出したりするのに用いられる記憶手段としては、RAMを用いることが一般に行われているが、電源を切断するとRAMの記憶が揮発して失われてしまうので、ホールの開店時など、電源投入時には、RAM内に何も記憶されていないので、その状態では、過去の計測時間がなく、ランキング表示することができない問題が有る。一方、電源を切断しても揮発しないRAMを用いることも考えられるが、この場合、前者のRAMと比較して高価なものとなるため、遊技機のコストが増大する問題がある。
手段3によれば、何らかの理由により、記憶手段に過去の計測時間が記憶されていない時は、デフォルトとして予め用意された計測時間を過去の計測時間として記憶するもので、これにより、電源投入時においても、デフォルトを用いてランキング表示することができるので、ランキング表示されないことにより、クリアタイムの程度が不明確となって、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、記憶手段として、安価なRAMを用いることができるので、コストが増加するのを抑制することができる。なお、デフォルトは、ROMなどに記憶させて、電源投入時に自動でRAMに読み込ませても良いし、RAMに記憶がない時は、計測時間抽出手段がROMからデフォルトを抽出し、そのデフォルトを計測時間登録・書換手段によって、RAMに書き込むようにしても良い。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、「前記有利遊技状態発生手段は、入賞口への遊技媒体の入賞をし易くすることで遊技者が有利な状態を発生させ、前記入賞口への入賞をし易くしてから、所定期間の経過、又は所定期間内における所定数の遊技媒体が入賞すると前記入賞口への入賞を不能とし、該入賞口への入賞がし易くなってから入賞が不能となるまでを1ラウンドとして、前記抽選結果に基づいて設定された所定ラウンド数に達するまで、繰返し有利遊技状態を発生されるものであって、前記主基板は、前記ラウンド数を前記制御情報コマンドとして前記周辺基板に発信し、該周辺基板の前記演出表示制御手段は、受信した前記制御情報コマンドにおける前記ラウンド数が、所定のラウンド数であると、前記計測時間抽出手段によって前記記憶手段から過去の計測時間を抽出させ、前記計測時間抽出手段により抽出された過去の計測時間を前記表示手段に表示する」ものであることを特徴する。
ここで、「遊技媒体の入賞をし易くする」とは、1ラウンドにおいて、入賞口の例えばアタッカ装置や羽根物などを開放したままの状態とするものや、開放・閉鎖を繰返すものなどが挙げられる。
手段4によれば、有利遊技状態が発生し、その繰返しが所定ラウンドに達すると、表示手段に再度特別演出シーンにおけるクリアタイムのランキングが表示されるものである。これにより、遊技者が特別演出シーンにおけるクリアタイムのランキング結果を再度確認することができ、そのクリアタイムの結果が、良ければ改めて優越感が得られ、悪ければ次回への闘志を高揚させる効果が期待できるようになっている。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、「前記周辺基板は、前記時間計測手段によって計測された現在の計測時間が、前記計測時間抽出手段により記憶手段から抽出された過去の計測時間よりも短い時間の場合、遊技機外部に現在の計測時間を含む情報をデータとして出力する出力手段を更に備える」ものであることを特徴とする。
ここで、「出力手段」としては、「超音波送受信装置により超音波として出力するもの」、「所定周波数の搬送波にアナログデータ又はデジタルデータとして電源ケーブルに出力するもの」などが挙げられる。
手段5によれば、遊技者がクリアタイムの最高タイムを出すと、その情報がデータとして、遊技機から外部へ出力される。そして、例えば、遊技機が設置されたホール側に、遊技機から出力されたデータを受信する受信手段を設けておき、その受信手段において、最高タイムのデータが受信されると、遊技者に所定の特典を付与することが可能となる。これにより、遊技者は、最高タイムを出そうと競うようになると共に、より興趣を高めることができる。
なお、出力手段を、例えば、クリアタイムの最高値、その記録を出した日時、その記録を出した遊技機の固有番号(例えばシリアル番号)、遊技機ホール又は遊技機メーカーへのアクセス情報、などの情報を有した所定のバーコードをバーコード生成手段により生成し、その生成されたバーコードを表示手に表示させるものとして、表示手段にバーコードが表示されると、遊技者が、撮影機能付携帯電話(携帯端末)で、そのバーコードを撮影した上で、遊技機メーカー側などの端末にアクセスして、バーコードの情報を送信することで、遊技機メーカー側がその情報の真偽を確認した上で、バーコードを送信した遊技者に特典を付与するようにしても良い。これによっても、上記と同様の効果を奏することができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、「前記演出表示制御手段は、前記抽選手段の前記抽選結果に基づいて、複数の演出シーンから所定の演出シーンを前記表示手段に表示させる演出シーン制御手段を有し、複数の演出シーンより予め設定された所定数及び所定順序で演出シーンを表示することで構成される複数の演出表示態様から所定の演出表示態様を前記表示手段に表示させるものであって、前記周辺基板は、前記抽選手段の前記抽選結果に基づいて、前記演出表示制御手段により表示される演出表示態様における所定の演出シーンの表示途中から、演出表示態様には含まれない特別演出シーンに変更して表示させる演出シーン変更手段を更に有する」ものであることを特徴とする。
ここで、「演出シーン」とは、図柄列、キャラクタ、及び背景を適宜用いて所定の演出動作をさせた複数のカットからなるもので、例えば、「複数の図柄列を変動表示すると共に順次停止表示する第一演出シーン」、「第一演出シーンに続いて表示するものであり、一つの図柄列を変動表示すると共にキャラクタに所定の動作表示をさせ、所定の装飾図柄で停止表示する第二演出シーン」、「第二演出シーンに続いて表示するものであり、装飾図柄とキャラクタとを所定の関係で動的に表示し、所定の装飾図柄で停止表示する第三演出シーン」、「主キャラクタを用いた特別演出シーン」、等を例示することができる。なお、特別演出シーンとしては、有利遊技状態の発生する可能性が(最も)高い演出シーンとすることが望ましい。
また、「演出表示態様」とは、所定数の演出シーンを一連の表示となるように所定順序で表示したものであり、nを自然数とすると、第一演出シーンから第n演出シーンまでの一連で表示される表示態様のことを言う。なお、第一番目に表示される第一演出シーンよりも後に表示される第二演出シーン、第三演出シーン等を、「発展形態」とも称す。
手段6の構成によれば、遊技状態が遊技状態検出手段によって検出されて、抽選手段により所定の抽選結果が抽選されると、表示手段に所定の演出表示態様が表示されると共に、その表示される演出表示態様において所定の演出シーンの表示途中で、演出シーン変更手段により、演出表示態様には含まれない特別演出シーンに変更するもので、これにより、例えば、期待度の低い演出シーンが始まっても、その演出シーンのどこからでもより期待度の高い特別演出シーンに変更される可能性があるので、如何なる演出シーンが表示開始されても、期待感を持たすことができ、遊技に対する興趣を高めることができる。
また、予め設定された演出シーンの表示途中で特別演出シーンに変更するので、例えば、第一演出シーンから発展して、第二演出シーンへ、更に発展して第三演出シーンへと変化する演出表示態様とは、全く異なる表示態様とすることができ、演出シーンのバリエーションが多くなり、見飽き難いものとすることができる。
更に、演出シーンの途中で特別演出シーンに変更するので、遊技者は、表示手段により注目するようになり、従来では見過されていたような演出等も認識可能させて、表示による演出効果をより高めることができる。
手段7:手段6の構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記装飾図柄を前記表示手段に動的に表示させる図柄制御手段、前記装飾図柄の表示中に前記キャラクタを動的に表示させるキャラクタ制御手段、及び前記キャラクタの表示中に前記背景を動的に表示させる背景制御手段、演出シーンの中でも特別な位置付けに設定された特別演出シーンを制御する特別演出シーン制御手段を有し、前記演出シーン変更手段は、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段7によれば、演出シーン制御手段に、図柄制御手段、キャラクタ制御手段、背景制御手段の他に、特別演出シーンを制御する特別演出シーン制御手段を備えたもので、これにより、装飾図柄、キャラクタや背景を用いて特別演出シーンを含む様々な演出シーンを表示することができ、興趣を高められる演出表示をすることができる。
手段8:手段6又は手段7の構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記演出シーン制御手段により、演出シーンの表示途中で、前記装飾図柄、前記キャラクタ、及び前記背景の少なくとも一つが所定の条件を満たすように表示制御されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段8によれば、装飾図柄、キャラクタ、及び背景の少なくとも一つが所定の条件を満たすように表示されると、特別演出シーンに変更するものである。具体的には、例えば、装飾図柄やキャラクタ等が、拡大表示されたり、当該演出シーンの一連の流れとは異なる動きをしたりすると特別演出シーンに変更させるようにでき、これにより、遊技者に対して、特別演出シーンへの変更の契機を認識させることが可能となり、演出シーンの途中で変更の契機が表示されるのを期待するようになって、興趣を高めることができる。
手段9:手段7又は手段8の構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記演出シーン制御手段により、演出シーンの表示途中で、前記キャラクタが、当該演出シーンにおける一連の動きとは異なる動きに表示制御されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段9によれば、演出シーンの表示途中で、キャラクタのみが(背景や装飾図柄を動かしたり変更したりしない状態で)、演出シーンの一連の流れとは異なる動きをすると、特別演出シーンに変更するものである。具体的には、例えば、通常の演出シーンでは、動かないキャラクタが動いたり、動くキャラクタが止まったり、特定のキャラクタがクローズアップされたり、特定のキャラクタをカメラが追いかけるように表示したりすると、特別演出シーンに変更することができる。つまり、キャラクタの動き等を変更の契機としたもので、これにより、特に、キャラクタは遊技者の目に付き易く、少しの変化でも違いを認識し易いので、変更の契機を容易に認識させることができると共に、その際のキャラクタの動きを趣向を凝らしたものとすることで、面白味を与えることができ、興趣を高められるものとすることができる。なお、キャラクタとして、重要度の高い主キャラクタを用いることで、上記の効果を更に高めることができる。
手段10:手段1から手段9の構成において、「前記特別演出シーンは、キャラクタの中でも最も重要度が高く設定された主キャラクタを用いた演出シーンである」ことを特徴とする。ここで、「重要度が高く設定された主キャラクタ」とは、例えば、「ハズレを示唆する演出シーンでは表示される可能性の低い或いは表示されないキャラクタ」、「当りを示唆する演出シーンに表示される可能性の高いキャラクタ」、「一つの演出表示態様において最も長い時間表示されるキャラクタ」、などである。
手段10によれば、特別演出シーンを、主キャラクタによって構成したものとすることで、これにより、他の演出シーンとは明らかに異なる演出シーンとすることが可能となり、遊技者に対して、特別演出シーンに変更されたことを確実に認識させることができるとともに、期待感を高めることが可能なものとすることができる。
手段11:手段6から手段10までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン制御手段は、複数の前記図柄列を変動表示すると共に順次停止表示する第一演出シーンを制御する第一演出シーン制御手段を有し、前記演出シーン変更手段は、前記第一演出シーンの表示途中で、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段11の構成によれば、図柄列を変動表示させる第一演出シーンの表示途中で、特別演出シーンに変更するもので、この第一演出シーンは、遊技者が有利な有利遊技状態となるための条件とされており、遊技者は、第一演出シーンが表示開始されることを強く望み、その第一演出シーンの表示が開始されることで、期待感が高まったところで、その途中で特別演出シーンに変更されるので、更に期待感を高めることが可能となり、興趣に富んだものとすることができる。
手段12:手段11の構成において、「前記第一演出シーン制御手段は、前記第一演出シーンで変動表示されている前記図柄列を消去させる図柄列消去手段を有し、前記演出シーン変更手段は、前記図柄列消去手段により、前記第一演出シーンで少なくとも一つの前記図柄列が消去されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
ところで、この第一演出シーンに相当する従来の演出シーンでは、変動している図柄列の変動速度を変化(徐々に停止)させているだけであった。そのため、変動が停止する前後においては期待感が高められるものの、変動中は高めることができず、単調で面白みに欠ける内容の演出シーンとなっていた。しかしながら、この第一演出シーンでは、変動している図柄列の少なくとも一つを消去するので、図柄列が消えることで、遊技者に対してこれから何かが始まると言うことを示唆することができ、表示手段に注目させることが可能となる。また、消去した図柄列のところにキャラクタ等を表示させることで、これまでとは異なる演出をすることができるようになる。例えば、表示させるキャラクタに所定の動作をさせて、楽しめる演出を行うようにしたり、予め期待度に応じてキャラクタを割り振っておき、表示されるキャラクタによって期待度が判るようにすることで、どんなキャラクタが表示されるかと言う期待感を高めるような演出を行ったりすることが可能となる。なお、図柄列消去手段により消去する図柄列は、例えば、一つの図柄列のみでも良いし、全ての図柄列でも良く、全ての図柄列を消去した場合、キャラクタ等を表示させる領域が広くなるので、より大きな動作をさせることが可能となり、演出効果の高い表示を行うことができる。
手段12の構成によれば、第一演出シーンで変動表示されている図柄列が、図柄列消去手段により消去されると、特別演出シーンに変更するもので、これにより、少なくとも一つの図柄列を消去することで、遊技者に注目させた上で、図柄列の消去後に特別演出シーンに変更されるか否かと言う期待感を膨らませることができ、興趣を高めることができる。
手段13:手段12の構成において、「前記第一演出シーン制御手段は、前記キャラクタ制御手段により、前記第一演出シーンで前記図柄列消去手段により消去された前記図柄列の位置に、所定の方向から表示領域内へ前記主キャラクタを含む少なくとも一つの前記キャラクタを移動表示させ、前記演出シーン変更手段は、前記キャラクタの移動表示中に前記主キャラクタのみが移動停止されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段13の構成によれば、キャラクタ制御手段により、消去された図柄列の位置に、所定方向から表示領域内にキャラクタを移動表示させた上で、移動表示中のキャラクタの内で主キャラクタのみが移動停止されると、特別演出シーンに変更するもので、通常の第一演出シーンにおいて、図柄列が消去された位置に、例えば、複数のキャラクタを歩いたり走ったり等する動作をさせながら、表示領域内を移動表示させることで、キャラクタの登場により面白味を持たせた上で、そのキャラクタの中で、主キャラクタのみが移動を停止するか否かと言う関心が高められ、より興趣に富んだ演出をすることができる。
手段14:手段12又は手段13の構成において、「前記第一演出シーン制御手段は、前記図柄列消去手段により消去された図柄列を再度変動表示させた上で停止表示させる図柄列再表示手段を有し、前記演出シーン変更手段は、前記特別演出シーンへの変更に先立って、前記図柄列再表示手段に、一つの前記図柄列を除く全ての前記図柄列を変動表示させると共に、特定の装飾図柄の組合せを充足する状態(所謂「リーチ状態」)で停止表示させる」ものであることを特徴とする。
手段14の構成によれば、変動している図柄列が消去されて、特別演出シーンに変更する前に、図柄列再表示手段により、消去された図柄列を再度表示させると共に、リーチ状態で停止表示させるもので、これにより、図柄列がリーチ状態以外の状態で特別演出シーンに変更される場合と比較して、特別演出シーンにおいて有利遊技状態となる可能性が更に高いような演出効果を得ることができ、より期待感を持たせることが可能となる。或いは、特別演出シーンにおいて有利遊技状態となる可能性が高い場合に、上記の演出表示を行わせても良く、その表示により遊技者に可能性が高いことを認識させ、期待感を高めることができる。
手段15:手段11から手段14までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記第一演出シーン制御手段により、少なくとも二つの前記図柄列が特定の装飾図柄の組合せを充足する状態で停止表示されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。ここで、特定の組み合わせとしては、特に限定するものではないが、リーチ状態、所定の単語として読めるように停止した状態、特定のハズレリーチ又はハズレ、等を例示することができる。
手段15の構成によれば、第一演出シーンにおいて変動する図柄列が特定の組合わせを充足する状態となると、特別演出シーンに変更するもので、これにより、例えば、リーチ状態となったことで、有利遊技状態となる可能性が高くなり期待感が高められたところで、特別演出シーンに変更させることで、遊技者によっては、その期待感が確信に変化し、より興趣を高める演出表示とすることができる。
手段16:手段11から手段15までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記第一演出シーン制御手段により、少なくとも二つの変動表示されている前記図柄列が特定の装飾図柄の組合せを充足する状態で停止表示されると、変動表示又は消去表示されている前記図柄列の位置に、所定の方向から表示領域内へ前記主キャラクタを含む少なくとも一つの前記キャラクタを移動表示させ、該キャラクタの移動表示中に前記主キャラクタのみが移動停止されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段16の構成によれば、変動している図柄列がリーチ状態となった時に、未だ確定していない図柄列の位置に、所定の方向から表示領域内へキャラクタを移動表示させた上で、主キャラクタのみが移動停止すると、特別演出シーンに変更するもので、これより、リーチ状態となることで期待感が高められたところに、キャラクタを表示させることで、有利遊技状態となる可能性が高いように認識させて、更に期待感を高めさせると同時に、表示されたキャラクタの中で主キャラクタの動作に注目させて、興趣に富んだものとすることができる。
手段17:手段6から手段16までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン制御手段は、複数の前記図柄列を変動表示すると共に順次停止表示する第一演出シーンを制御する第一演出シーン制御手段と、該第一演出シーン制御手段により、前記第一演出シーンが所定の条件を満たすように一区切りすると、該第一演出シーンに続いて表示し、該第一演出シーンとは異なる前記背景を用いると共に、一つの前記図柄列を変動表示すると共に前記キャラクタに所定の動的表示をさせ、所定の装飾図柄で停止表示する第二演出シーンを制御する第二演出シーン制御手段を有し、前記演出シーン変更手段は、前記第二演出シーンの表示途中で、新たに前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
ここで、「第二演出シーン」としては、「図柄列を上下方向に変動表示させると共に、その変動速度を適宜変化させながら表示させ、キャラクタを図柄列とは異なる速度で且つ、その速度を適宜変化させながら上下方向に移動表示させ、表示領域の略中央で、図柄列とキャラクタとが移動停止して、装飾図柄とキャラクタとを所定の状態で停止表示させる演出シーン」、「キャラクタと装飾図柄とをその移動速度を種々に変化させながら斜め上側又は、斜め下側に向かって移動表示させると共に、その途中でキャラクタと装飾図柄とを装飾図柄が表示領域外となるように斜め下側又は、斜め上側に移動表示し、その動きを繰り返す毎に装飾図柄の図柄を変更させ、キャラクタと装飾図柄とを所定の状態で停止表示させる演出シーン」、「装飾図柄の表示位置がキャラクタの表示位置に対して右側及び左側へと交互に入れ替わるように、装飾図柄を相対的に左右方向に繰り返し変位させると共に、所定の条件毎に装飾図柄の図柄を変更し、装飾図柄とキャラクタとを所定の状態で停止表示させる演出シーン」、「上下方向に複数の装飾図柄を互いに接触するように配置し、且つ、装飾図柄の後側に視認可能にキャラクタを配置した状態で、キャラクタの所定部位の上下方向への振動表示に伴って装飾図柄が振動表示し、所定の条件を満たすと装飾図柄が下側へ一つシフトし、そのシフトを繰り返しながら、装飾図柄とキャラクタとを所定の状態で停止表示させる演出シーン」、「図柄列を左右方向に配置し、左右の何れかの方向から移動表示されたキャラクタが装飾図柄を順次通過して、所定の装飾図柄でキャラクタを停止表示させる演出シーン」、などである。なお、第二演出シーンは、上記したものに限定するものではなく、その他の演出シーンとすることもできる。
ところで、本発明の第一演出シーンに相当する従来の演出シーンでは、単に変動表示された図柄列が停止表示するだけなので、リーチ状態となった後は、最後に変動表示されている図柄列が停止するまでの間は、所望の装飾図柄で停止するか否かに関心が持たれるだけで、表示そのものへの関心が薄くなる傾向があった。そのため、その図柄列の変動速度を種々に変化させたり、その図柄列のみを拡大表示させたりすることで、表示に注目させると共に、期待感を高めるようにすることが考えられるが、第一演出シーンの中だけでは表現できる演出に限りがあり、興趣を高めることが困難であった。そこで、本発明では、第一演出シーンが例えばリーチ状態となった時に、場面を変えて単に図柄列の変動が停止するだけのような演出とは異なる演出の第二演出シーン(所謂、「発展」)を表示させることで、興趣を高める表示を可能とすると共に、第二演出シーンを有利遊技状態となる可能性と関係させることで、第二演出シーンの表示開始による、大当たり等の確定に対する期待感を高めることができる。
手段17の構成によれば、第一演出シーンが所定の状態を満たすように一区切りすると、その第一演出シーン続いて、第二演出シーンを表示させた上で、その第二演出シーンの途中で特別演出シーンに変更するものである。これにより、第二演出シーンの表示が開始されることで、期待感が高められた上で、特別演出シーンに変更することで、その期待感を確信に変化させることが可能となり、大幅に演出効果の高いものとすることができる。
手段18:手段6から手段17までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン変更手段は、表示されている演出シーンの冒頭部で前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
ここで、「冒頭部」とは、その演出シーンにおける初めの部分のことを言い、例えば、第二演出シーンを例にすると、第二演出シーンは、第一演出シーンに続いて表示されるものであるが、第一演出シーンと第二演出シーンとの繋がりが唐突であると、遊技者に対して違和感を与えてしまい、興趣を低下させてしまう恐れがあり、第二演出シーンが違和感無く繋がるように、第二演出シーンの初めに設けられた繋ぎの部分のことを言う。
手段18によると、表示が開始された演出シーンの冒頭部分で特別演出シーンに変更されるので、これにより、喩え、表示が開始された演出シーンが、期待度の低いものであると認識されて興趣が低下しても、特別演出シーンに変更される可能性があるので、興趣を高めることができ、抑揚に富んだ演出表示とすることができる。
手段19:手段18の構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記演出シーン制御手段によって、演出シーンの冒頭部において、表示する演出シーンにおける主キャラクタとは別に、少なくとも一つの異なるキャラクタを表示させた後に、該少なくとも一つの異なるキャラクタを所定の条件を満たすように表示させると、異なる演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段19によれば、演出シーンの冒頭部において、その演出シーンのメインキャラクタとなる主キャラクタとは別に、他のキャラクタも表示するものである。これにより、例えば、初めに表示されるメインの主キャラクタが期待度の低いキャラクタであっても、期待度の高いその他のキャラクタも表示されるので、より期待度の高い演出シーンに変更されるかも知れないと言う期待感を持たせることが可能となり、興趣が低下するのを抑制することができる。また、異なるキャラクタが所定の条件を満たすように表示されると、異なる演出シーンに変更するので、例えば、異なるキャラクタの動きに注目させて、興趣を高めることができる。また、異なるキャラクタとして重要度の高い主キャラクタなどとしても良く、よりキャラクタに注目させることができる。なお、変更される異なる演出シーンを、特別演出シーンとした場合、遊技者が演出シーンの変更をより強く望むようになり、より興趣を高めることができる。
手段20:手段17から手段19までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記第二演出シーン制御手段により、前記第二演出シーンの冒頭部で前記主キャラクタが、表示領域内において上側から下側へ移動表示され、下側で停止すると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段20の構成によれば、第二演出シーンの冒頭部で、主キャラクタが表示領域の上側へ消えるように移動表示された後に、表示領域の上側から下側へ主キャラクタが移動表示されると、特別演出シーンに変更するものである。具体的には、例えば、初めに主キャラクタと複数の装飾図柄とをシーソーの一方の端に位置するように表示し、他方の端に他のキャラクタを落下させることで、一方の端の主キャラクタと装飾図柄を上側に飛ばし、その後、主キャラクタが一方の端に落下すると、特別演出シーンに変更する。なお、主キャラクタに代えて、装飾図柄の一つが一方の端に落下することで、他方の端の他のキャラクタが上側に飛び、続いて、下から見上げるような場面に変更したところで、主キャラクタが下側から上昇端まで上がった後に落下してくると、特別演出シーンに変更するようにしても良い。これにより、主キャラクタ及び他のキャラクタが消えた後で、何れのキャラクタが表示されるかと言う期待感が高められ、興趣に富んだものとすることができる。また、他のキャラクタが表示されても、未だ第二演出シーンの冒頭部なので、大当たりとなる可能性が残されているので、興趣が低下するのを抑制することができる。
手段21:手段17から手段19までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記第二演出シーン制御手段により、前記第二演出シーンの冒頭部で予め表示されている前記キャラクタに、前記主キャラクタが衝突して前記キャラクタが表示領域外へ移動表示されると共に、前記主キャラクタが表示領域内に継続して表示されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段21の構成によれば、第二演出シーンの冒頭部で、予め表示されているキャラクタに主キャラクタが衝突して、主キャラクタが残って、他のキャラクタが表示領域外へ移動表示すると、特別演出シーンに変更するもので、これにより、初めに表示されているキャラクタに主キャラクタが衝突した際に、何れのキャラクタが残るのかと言う期待感が高められ、興趣に富んだものとすることができる。
手段22:手段17から手段19までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記第二演出シーン制御手段により、前記第二演出シーンの冒頭部で前記主キャラクタのみが表示領域内に入るように表示領域が相対移動されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段22の構成よれば、第二演出シーンの冒頭部で、表示されている所定のキャラクタに、他のキャラクタが当接して所定のキャラクタが排除されると、主キャラクタが表示されると共に、その後側に装飾図柄と他のキャラクタが表示され、その後、主キャラクタのみが表示領域内に表示されると、特別演出シーンに変更するものである。具体的には、例えば、所定のキャラクタとしてのバケツの後側(バケツの中)に主キャラクタが隠れるように配置された状態で、所定の方向から装飾図柄がバケツに当接し、バケツが飛ばされると同時に主キャラクタが現れる。その一方で、主キャラクタの後側には、バケツに当たった装飾図柄と他のキャラクタとが表示されており、その後表示領域(カメラのフレームに相当)が、前側の主キャラクタに移動(パン)すると、特別演出シーンに変更するものである。なお、変更しない場合は、表示領域が後側の装飾図柄と他のキャラクタに移動(パン)して、主キャラクタが表示領域外へと相対移動する。
これにより、第二演出シーンの冒頭部で、主キャラクタと、その後ろに装飾図柄と他のキャラクタが表示されると、何れのキャラクタの方にカメラワークされるのかと言う期待感が高められ、興趣に富んだものとすることができる。
手段23:手段17から手段19までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記第二演出シーン制御により、第二演出シーンの冒頭部で前記主キャラクタが前記所定領域に位置して、表示領域外へ移動表示されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段23の構成によれば、第二演出シーンの冒頭部で、表示されている複数のキャラクタの中で、主キャラクタのみが所定領域に位置すると、特別演出シーンに変更するものである。具体的には、所定領域として、例えば、表示されている大砲の砲身内に相当する領域とし、複数のキャラクタが略同時に砲身内に入る動作をして、主キャラクタのみが砲身内に入ると、主キャラクタが大砲で打ち出されて、特別演出シーンに変更される。これにより、何れのキャラクタが砲身内に入るかと言う期待感が高められ、興趣に富んだものとすることができる。
手段24:手段1から手段18までの何れか一つの構成において、「前記周辺基板は、前記操作手段の操作を検出する操作検出手段を更に有し、前記特別演出シーンは、前記演出表示制御手段における前記演出シーン制御手段により、前記操作検出手段によって検出された操作に応じてその表示内容が制御可能である」ものであることを特徴とする。
ところで、種々の表示が可能な表示手段を備えた遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段を設けて、その操作手段を操作することで、一種のゲーム性を帯びた表示を可能となし、これにより、遊技媒体による遊技とは異なる遊技を提供可能として、より面白味の有る遊技機とすることが考えられるが、この場合、例えば、あたかも操作手段の操作によって表示動作が行われているような表示内容とすることで、構成を簡単なものとすることができるが、操作手段の操作と無関係な表示であることが判別し易く、すぐに遊技者に飽きられてしまう恐れがある。
手段24の構成によれば、演出シーン変更手段によって、演出表示態様における演出シーンの表示途中で変更される特別演出シーンの表示中に、遊技者が操作手段を操作することで、その操作に応じて所定の演出シーンの表示内容が適宜制御されて表示されるものである。これにより、遊技者は操作手段を操作することで、所定の演出シーンの表示内容を制御することが可能となる。つまり、表示中の演出シーンの内容に参加することができるので、遊技媒体による遊技とは異なる遊技をすることができ、これまでとは違った楽しさを提供することの可能なものとすることができる。
また、操作手段を操作することで遊技者が参加することができるので、例えば、表示手段に表示される背景等を刻々と変化させると共に、操作手段によってキャラクタ等の動きを操作して、ゲーム性の高い演出シーンを構成することが可能となり、より興趣を高められる演出表示とすることができる。
更に、抽選結果に応じて所定の演出シーンを表示するので、これにより、抽選結果と、所定の演出シーンとを互いに関連付けることが可能となり、従来では抽選結果を基に単に演出シーンを表示していただけなのに対して、遊技者が演出シーンの内容に参加することで抽選結果を認識させるような演出シーンとすることができる。つまり、例えば、抽選結果が当りの場合、遊技者自身が操作手段を操作して当りを勝ち取ったような演出表示が可能となり、興趣を高めることができる。或いは、抽選結果がハズレの場合、遊技者自身にあと少しで当りだったかも知れないと思わせる演出表示をすることで興趣を低下させるのを抑制することができる。また、遊技者自身が操作手段を操作することで、抽選結果を知ることが可能なものとすることができる。
なお、操作手段による特別演出シーンの制御としては、特別演出シーンに用いられる複数のカットを予め用意しておき、操作手段の操作(操作状況)に基づいて、特別演出シーンにおける表示内容の種々の段階で、その段階や操作状況に応じて、所定の手段を用いて複数のカットから所望のカットを選択し、特別演出シーンに表示させることで、その表示内容を変化させるようにしても良い。
ところで、操作手段を設けて遊技者が参加することのできるものとしても、遊技者が操作手段を操作しなければ、単に演出シーンを表示しているのと変わらなくなる問題が考えられる。そこで、本発明では、以下の構成を加えても良い。例えば、特別演出シーンの表示において操作手段による操作が有効とされている時に、操作手段が操作されていない場合は、例えば案内手段等により遊技者に対して操作手段の操作を促すように視覚的な案内をさせたり、音声や音楽などの音による聴覚的な案内をさせたりするようにしても良く、これにより、操作手段の操作を促すことができる。或いは、特別演出シーンの表示において操作手段による操作が有効とされている時に、操作手段が操作されない場合は、例えば抽選結果が当りの時はハズレに変更したり、有利遊技状態が発生する確率を低くしたりしても良く、これにより、操作手段を操作しないと遊技者にとって不利となるので、操作手段を操作させることができ、操作することで特別演出シーンの面白味を認識してもらうことができる。
手段25:手段24の構成において、「前記周辺基板は、前記操作検出手段の検出結果に基づいて、前記操作手段の操作状況を判断する操作状況判断手段を更に有し、前記演出シーン制御手段は、前記操作状況判断手段の判断結果に基づいて、前記特別演出シーンの内容を制御して表示する」ものであることを特徴とする。
ここで、「操作状況判断手段」としては、特に限定するものではないが、「所定単位時間当りの操作手段の操作回数により操作状況を判断するもの」、「操作手段の操作方向により操作状況を判断するもの」、「操作手段にかる加速度により操作状況を判断するもの」、等を例示することができる。
手段25によれば、操作状況判断手段によって操作手段の操作状況が判断されると、その判断に基づいて特別演出シーンの内容が制御されるものである。具体的には、例えば、操作手段が操作されていないと判断した場合は、特別演出シーンにおける表示内容を変更せずに表示し、操作手段が操作されていると判断した場合は、その操作の度合いに応じて、例えば、特別演出シーンにおいて表示されているキャラクタ等を所定の方向に移動させる等の表示内容の変更を行う。これにより、操作手段を操作することで、特別演出シーンの表示が変化するので、遊技者がその演出内容を操ることができ、表示される特別演出シーンに対して一体感を与えることができ、興趣を高めることができる。
手段26:手段24又は手段25の構成において、「前記周辺基板は、前記操作検出手段の検出結果に基づいて、前記特別演出シーンにおける演出内容を選択する演出内容選択手段を更に有し、前記演出シーン制御手段は、前記演出内容選択手段による選択結果に基づいて、表示中の前記特別演出シーンの内容を制御して表示する」ものであることを特徴とする。
ここで、「演出内容選択手段」とは、予め複数種類の演出内容を定めておき、操作検出手段の検出結果に基づいて、所定の演出内容が選択されるようなものである。例えば、「操作手段を操作する側が優勢となるような演出内容」、「操作手段を操作する側が劣勢となるような演出内容」、「表示内容がこう着状態となるような演出内容」、等とすることができる。
手段26によれば、操作手段の操作が検出され、その検出結果に基づいて、所定の演出内容が選択されて、その選択された演出内容が特別演出シーンに反映されるものである。具体的には、例えば、操作手段の操作に応じて、前進するような演出内容が選択されたり、後退するような演出内容が選択されたりすることで、特別演出シーンの表示内容が変化するものである。或いは、特別演出シーンにおいて選択項目を表示させ、操作手段の操作に応じて、選択項目を選択させることで演出内容を選択して特別演出シーンの表示内容を変化させるものである。これにより、操作手段を操作することで、特別演出シーンの表示内容が変化し、その内容の変化を遊技者が意図するものや、意図しないもの等に変化させることができ、抑揚に富んだ面白味のある演出表示をすることができる。なお、上記の操作状況判断手段の判断に基づいても、選択させるようにすることで、操作手段の色々な操作によって表示内容を種々に変更させることが可能となり、より興趣を高められるものとすることができる。なお、予め「優勢」、「劣勢」、「こう着状態」、などを示すカットを予め複数用意しておき、操作手段の操作状況に応じて所望のカットを表示するようにしても良い。
手段27:手段26の構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記演出内容選択手段による選択結果に基づいて、前記特別演出シーンの内容を、前記操作手段を操作する側が、優勢となるような演出表示、状況が変化しないような演出表示、及び劣勢となるような演出表示、の何れかの演出表示をする」ものであることを特徴とする。
手段27によれば、演出内容選択手段の選択結果、つまり、操作手段の操作に応じて、特別演出シーンの内容が、優勢となったり、変化しなかったり、劣勢となったりするように変化する。これにより、遊技者の操作に応じて優勢となったり、劣勢となったりする演出表示がされるので、その表示内容へ感情移入し易くなり、一体感溢れる演出表示をすることができると共に、操作手段を操作したくなるようにすることができる。
手段28:手段26又は手段27の構成において、「前記演出内容選択手段による演出内容の選択を繰返し実行させる繰返し手段を更に具備し、前記演出シーン制御手段は、前記繰返し手段によって繰返される前記演出内容選択手段の選択結果に基づいて、前記特別演出シーンの内容を制御して表示する」ものであることを特徴とする。
手段28によれば、操作手段の操作に応じ、繰返し手段によって特別演出シーンの演出内容が繰返し変更されるので、変化に富んだ演出シーンを表示することができ、面白味の有る表示とすることができる。また、繰返して特別演出シーンの内容を変化させることができるので、遊技者は希望とする演出内容となるように繰返し操作手段を操作するようになり、より一体感の有る演出表示とすることができる。
また、繰返し演出内容を変化させることができるので、特別演出シーンとして、例えば、「綱引き」を行う演出表示とした場合、演出内容選択手段によって、優勢な演出内容として遊技者側が勝つ方向へ、劣勢な演出内容として遊技者側が負ける方向へ綱が移動するように表示させ、操作手段の操作に応じて選択される演出内容を変えることで、綱が前進したり後退したりする表示が可能となる。これにより、「綱引き」の綱が一進一退するような内容のものとすることができ、より面白味のある演出表示とすることができる。
手段29:手段26から手段28までの何れか一つの構成において、「前記演出内容選択手段は、前記演出シーン制御手段による前記特別演出シーンの表示状況に応じて、選択する演出内容の選択基準を変化させる」ものであることを特徴とする。
手段29によれば、特別演出シーンの表示状況に応じて、演出内容の選択基準を変化させるものである。具体的には、例えば、特別演出シーンにおいて、操作手段を操作する遊技者側が劣勢な表示内容であれば、選択基準を変化させて優勢な演出内容が選択され易くなるようしたり、或いは、遊技者側が優勢な表示内容であれば、更に優勢な表示内容とならないように、選択基準を変化させて優勢な演出内容が選択され難くなるようにしたりすることができる。これにより、当初は容易に進むことができるものの、優勢になればなるほど容易に進めなくなるような演出をすることが可能となり、抑揚に富んだ面白味の有るものとすることができると共に、よりゲーム性に富んだものとすることができる。
手段30:手段1から手段29までの何れか一つの構成において、「前記周辺基板は、前記演出表示制御手段による前記特別演出シーンの表示に基づいて、前記操作手段の操作を案内する案内手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「案内手段」としては、特に限定するものではないが、表示手段に所定の案内表示をすることで視覚的に案内するもの、スピーカー等から音声や音楽など所定の案内音を流すことで聴覚的に案内するもの、などを例示することができる。なお、案内手段による案内は、操作手段の操作開始を案内したり、特別演出シーンの表示途中で操作手段の操作を促すように案内したりするものである。
手段30によれば、特別演出シーンが表示されると、案内手段によって操作手段の操作が案内されるので、操作手段の操作を開始するタイミングを認識させたり、操作手段の操作方法を認識させたりすることが可能となり、遊技者に操作手段の操作を促すことができる。また、操作手段の操作が案内されることで、遊技者に対して操作開始までの待機状態における期待感を高めて、よりテンションを高められる効果が期待できる。
手段31:手段24から手段30までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記特別演出シーンの表示中に、前記操作手段による操作を有効とした上で、所定時間の経過又は該特別演出シーンの表示内容が所定条件を満たすと、前記操作手段による操作を無効とする」ものであることを特徴とする。
手段31によれば、特別演出シーンにおいて、操作手段の操作を有効として、操作手段の操作に応じて特別演出シーンを変化させると共に、所定時間経過後又は特別演出シーンの表示内容が所定条件を満たすと、操作手段の操作を無効にして、操作手段の操作によって特別演出シーンが変化しないようにするものである。これにより、所定の期間のみ操作手段の操作が有効とされるので、その期間以外は本来の遊技媒体による遊技に専念することができ、その遊技に集中させることができる。
また、所定の期間のみ操作手段による操作が可能となるので、例えば、その期間内において、操作手段によってキャラクタ等を操作して所定の目的を達成させるような演出表示を行い、所定時間内にそれが達成できるか否かのゲーム性の有るものとすることができる。なお、「特別演出シーンの表示内容が所定の条件を満たす」とは、例えば、ゲーム性の有る表示内容であれば、そのゲームが達成されると所定の条件を満たしたこととなる。
手段32:手段31の構成において、「前記演出表示制御手段は、前記案内手段によって前記操作手段の操作を開始する案内がされると、前記操作手段による操作を有効とする」ものであることを特徴とする。
手段32によれば、案内手段によって操作手段の操作開始が案内されると、操作手段の操作に応じて、特別演出シーンの表示内容を変化させることができるものである。これにより、遊技者に対して操作手段の操作開始時期を明確に認識させることができ、操作手段を遅滞無く操作させることができる。
手段33:手段31又は手段32の構成において、「前記演出表示制御手段によって前記操作手段による操作が無効となると、該特別演出シーンの表示状況、及び前記抽選手段による抽選結果に基づいて、所定の終局カットを表示する終局カット表示手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「終局カット」とは、特別演出シーンにおいて内容的に最後の部分となるカットのことで、必ずしも特別演出シーンの最後のカットとは限らないものである。この終局カットとしては、特に限定するものではないが、「操作手段を操作する遊技者側が勝利したことを示す内容のカット」、「操作手段を操作する遊技者側が敗退したことを示す内容のカット」、「操作手段を操作する遊技者側が逆転勝利したことを示す内容のカット」、「操作手段を操作する遊技者側が逆転敗退したことを示す内容のカット」、「操作手段を操作する遊技者側が敗退した後に、当り(大当り)となったことを示すカット」、などを例示することができる。
手段33によれば、操作手段による操作が無効となる、つまり、操作手段の操作による演出表示が最終局面となると、そのときの特別演出シーンの表示状況と抽選手段の抽選結果とを基に、所定の終局カットを表示するものである。具体的には、例えば、特別演出シーンにおいて、遊技者側が勝利するような状態で最終局面を迎えた場合、抽選結果が当りであれば勝利したことを示す終局カットを、抽選手段がハズレであれば逆転負けしたことを示す終局カットを表示するものである。これにより、操作手段による操作結果を明確に認識することができ、例えば、勝利であれば達成感を得ることができ、興趣を高めることができる。また、喩え負けたとしても、操作手段による操作が至らなかったように思わせることができ、次回の操作機会を期待させるようにすることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、例えば、特別演出シーンにおいて、遊技者側が負けそうな状態で最終局面を迎えた場合、抽選結果が当りであれば逆転勝利したことを示す終局カットを、抽選結果がハズレであれば負けたことを示す終局カットを表示しても良く、上記と同様の効果を奏する他に、逆転勝利した場合、特に喜びが大きくなり特に興趣を高めることができる。なお、抽選結果が当りでも、終局カットとして一端負けたことを示す表示をした上で当りを示す表示をするようなカットとしても良く、これにより、一端負けたと思わせて当りを示すことで、抑揚に富んだものとすることができる。
手段34:手段31から手段33までの何れか一つの構成において、「前記時間計測手段は、前記演出シーン制御手段により前記操作手段による操作を有効としてから、前記特別演出シーンの表示内容が所定条件を満たすまでの時間を計測する」ものであることを特徴とする。
手段34によれば、操作手段の操作が開始されてから、特別演出シーンの表示内容が所定条件を満たすまでの時間を計測するものである。つまり、操作手段を操作して所定の内容を達成するまでに要した時間(達成時間又はクリアタイム)を計測するもので、これにより、この計測時間を、例えば、表示手段等に示すことで、遊技者は、達成時間を認識することが可能となり、達成時間を競うような演出内容に好適に用いることができる。
手段35:手段34の構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記特別演出シーンの表示内容が所定条件を満たした上で、前記終局カット表示手段により終局カットが表示された後に、前記計測時間抽出手段によって前記記憶手段から抽出した所定の計測時間と、前記時間計測手段によって計測された計測時間とを表示させる」ものであることを特徴とする。
手段35によれば、特別演出シーンおける終局カットの表示後に、たった今計測された計測時間と、過去に計測された計測時間とを表示するものである。これにより、今回の計測時間(達成時間)と過去の達成時間とを対比させることができ、その時間差を認識させることで、一喜一憂させるような効果が期待できる表示が可能となる。なお、記憶手段から抽出する計測時間を、例えば、上位いくつかの計測時間を抽出して表示するようにしても良く、これにより、今回の計測時間の位置付けが明確になると共に、達成時間を競わせるような演出表示とすることが可能となり、よりゲーム性に富んだものとすることができる。
手段36:手段1から手段35までの何れか一つの構成において、「前記演出表示制御手段は、前記抽選手段の前記抽選結果に基づいて、複数の図柄列を変動表示させた上で順次停止表示させて前記抽選結果を示唆する複数の前記装飾図柄からなる確定画面を前記表示手段に表示可能とされると共に、前記特別演出シーンを表示させる演出シーン制御手段を有し、該演出シーン制御手段は、前記特別演出シーンにおいて、前記操作手段の操作状況に基づいて、前記装飾図柄、前記キャラクタ及び前記背景を動的に表示し、且つ、前記確定画面が表示されるまでの間、該確定画面で表示される複数の前記装飾図柄の図柄を、前記操作手段の操作状況に応じて異なる図柄に変化させて表示する」ものであることを特徴とする。
更に、「確定画面」とは、変動表示された全ての図柄列が停止して、抽選結果の当否が遊技者に認識できるような画面表示のことである。なお、抽選結果が当りの場合、その当りの種類(例えば、非確変大当り、確変大当り、など)も合わせて表示しても良い。
また、「複数の図柄列の変動表示が所定条件を満たす」とは、「最後に変動している図柄列が停止する前段階で停止している装飾図柄が所定の組合せとなった時(例えば、リーチ、ダブルリーチ、など)」、「変動している全ての図柄列が非表示(消去表示)とされた時」、「リーチ又はダブルリーチの状態となった後に表示シーン(演出シーン)が異なる表示シーンに変わり(所謂、「発展」)、その発展した表示シーンにおいて、所定条件を満たすような表示がなされた時」、等がある。換言すると、所定条件とは、特別演出シーンの表示が開始されるための条件が満たされることである。なお、所定条件として、特定のキャラクタ(例えば、主キャラクタ)の出現や動きによるものとしても良い。
ところで、従来の遊技機では、例えば、変動している図柄列が停止してリーチ状態となると、遊技者は、最後まで変動表示されている図柄列に注目するようになるので、その図柄列に対して、興趣を高められるような種々の演出が行われていた、そのため、既に停止表示されている装飾図柄に対しては、殆ど注目されず、停止表示されている装飾図柄を表示する意味合いが低いものとなっていた。
手段36によれば、特別演出シーンの表示が開始されると、遊技者による操作手段の操作状況に応じて、キャラクタや背景の動きが制御される。つまり、遊技者が特別演出シーンの表示内容に参加することができるので、ゲーム性を持たせた表示内容とすることで、遊技媒体による遊技とは別の、新たな遊技を提供することが可能となり、これまでとは違った楽しさを提供することができる。
また、特別演出シーンでは、確定画面で表示される複数の装飾図柄の図柄を操作手段の操作状況に応じて異なる図柄に変化させるものである。つまり、例えば、リーチ状態となった後に、特別演出シーンが表示されると、その演出シーンでは、停止した装飾図柄の図柄が異なる図柄に変化して、リーチ状態であったのか否かが判らなくなる。これは、これまでの遊技機では見られない演出表示であり、遊技者に対して驚きを与えることが可能となる。それと共に、操作手段の操作状況に応じて図柄が変化するので、その図柄の変化と上記のゲーム性とを関連付けることがで、ゲーム内容の臨場感を高めたり、面白味を増させたりすることができる。
更に、装飾図柄の図柄が変化する、つまり、抽選手段の抽選結果に関する表示とは異なる表示とすることができるので、例えば、特別演出シーンを操作手段の操作によるゲームが展開する表示とした場合、一時的に抽選結果の表示に関する関心を忘れさせて、ゲームに没頭させるような効果が期待でき、これまでにない、興趣に富んだものとすることができる。
なお、変化させる図柄としては、装飾図柄として用いられる文字、数字、記号などの図柄に変化させても良いし、キャラクタ等の図柄に変化させても良い。特にキャラクタの顔に変化させると、面白味の有る演出表示がし易くなる。また、表示手段に装飾図柄とは異なる図柄やキャラクタ等を用いて、変動表示された図柄列が所定条件を満たすように表示された表示内容を示唆可能とするようにしても良く、図柄が変化しても、それを継続して認識させることができる。
手段37:手段36の構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記確定画面が表示されるまでの間、該確定画面で表示される複数の前記装飾図柄の一つを非表示とし、残りの複数の前記装飾図柄の図柄を、前記操作手段の操作状況に応じて異なる図柄に変化させて表示する」ものであることを特徴とする。
手段37によれば、複数の装飾図柄の内、一つの装飾図柄が非表示とされているので、表示手段の表示領域において、装飾図柄以外のキャラクタ等を表示するための領域が広く使えるようになり、これにより、より迫力の有る演出シーンの表示が可能となり、興趣に富んだ演出内容を表示させることができる。
手段38:手段36又は手段37の構成において、「前記装飾図柄は、外周を形成する枠図柄と、該枠図柄内に配置される図柄とからなり、前記演出シーン制御手段は、前記装飾図柄の図柄を、前記操作手段の操作状況に応じて異なる図柄に変化させて表示する」ものであることを特徴とする。
手段38によれば、枠図柄は変化させないので、図柄が変化しても、装飾図柄であることを遊技者に認識させることができる。
手段39:手段36から手段38までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記特別演出シーンにおいて、前記操作手段の操作頻度に応じて、複数の前記装飾図柄の図柄を異なる図柄に随時変化させて表示する」ものであることを特徴とする。
手段39によれば、操作手段の操作頻度に応じて装飾図柄の図柄が随時変化するので、その図柄の変化を見ることで、遊技者に操作状況を認識させることができる。具体的には、例えば、変更する図柄をキャラクタの顔図柄とした場合、操作頻度が少ない場合は、平常な表情の顔図柄とし、操作頻度が多くなるほど、辛くなるような表情や、食い縛るような表情の顔図柄に変化させることで、操作手段を操作している遊技者の感覚に近い表情を表示することができ、遊技者と一体感のある表示とすることができる。
手段40:手段36から手段39までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記特別演出シーンにおいて、複数の前記装飾図柄の図柄を、該装飾図柄に隣接して表示されている前記キャラクタの顔と同じ顔の図柄に変化させて表示する」ものであることを特徴とする。
手段40によれば、変化させる装飾図柄の図柄を、その装飾図柄に隣接して表示されるキャラクタの顔と同じ顔の図柄に変化させるものである。つまり、特別演出シーンにおいて表示されているキャラクタの顔と同じ顔を、装飾図柄の図柄とするもので、これにより、画面上には、同じ顔が複数表示されることとなる。そして、例えば、特別演出シーンを操作手段の操作によるゲームが展開する表示とした場合、そのゲーム中のキャラクタの顔が多く表示されるので、遊技者に対して強いインパクトが与えられ、興趣を高められる演出表示とすることができる。また、ゲームの展開に応じてキャラクタの表情が変化すると共に、装飾図柄の顔も変化するので、より臨場感を高めることができ、キャラクタの表情によって一喜一憂させることができ、興趣に富んだ演出表示とすることができる。
手段41:手段36から手段40までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記特別演出シーンにおいて、前記操作手段の操作状況とは別に、表示中の前記特別演出シーンの進行状況に応じて、複数の前記装飾図柄の図柄を異なる図柄に変化させて表示する」ものであることを特徴とする。
手段41によれば、特別演出シーンの進行状況に応じて、装飾図柄の図柄を変化させるので、特別演出シーンの進行状況と装飾図柄の図柄とを関連させることができ、一体感のある表示を可能とすることができる。具体的には、例えば、特別演出シーンを操作手段の操作によるゲームが展開する表示とした場合、そのゲームの進行状況に応じて装飾図柄の図柄を変化させることで、装飾図柄の図柄を見ることでゲームの進行状況を把握させることができる。つまり、例えば、装飾図柄の図柄をゲームに登場するキャラクタの顔図柄として、ゲームが終盤に近づくにつれて顔図柄の表情を焦った表情や、苦しい表情などにすることで、後少しでゲームに勝てるような感じを表現して、終わりが近いことを認識させて、より一層の操作手段の操作を促して興趣を高めることができる。
手段42:手段36から手段41までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン制御手段は、所定条件を満たすように停止表示された図柄列の前記装飾図柄に含まれる前記有利遊技状態発生手段による特定の有利遊技状態の付与価値が、前記特別演出シーンにおける前記装飾図柄に認識可能に表示する」ものであることを特徴とする。
ここで、「特定の有利遊技状態」とは、パチンコ機やスロットマシーン等の遊技機における、「確率変動状態」、「時間短縮状態」などである。
手段42によれば、特別演出シーンにおいても、装飾図柄を見ることで、装飾図柄の図柄が変化しても、特定の有利遊技状態の付与価値を認識することができるので、例えば、特定の有利遊技状態として、当りの中でも特に遊技者に有利な、「確変大当り」となる可能性が高いことを示唆する付与価値が認識できるようになされている場合、その付与価値がゲーム中でも表示されるので、遊技者は、操作手段の操作によるゲームで勝って「確変大当り」を得たいと思い、よりゲームに集中させて興趣を高めることができる。
手段43:手段42の構成において、「特定の有利遊技状態の付与価値は、停止表示された時の前記装飾図柄の色彩によって認識可能に表示する」ものであることを特徴とする。
手段43によれば、色彩によって判別表示することで、遊技者に容易に認識させることができる。また、演出シーン制御手段においては、同じ色のパレットを用いれば良いので、制御が容易になり、制御にかかる負荷を抑制することができる。
手段44:手段1から手段43までの何れか一つの構成において、「前記周辺基板は、音声、音楽、及び効果音を発振するための音響制御手段を更に具備し、該音響制御手段は、前記演出表示制御手段による表示内容に応じて、所定の音響を発する」ものであることを特徴とする。
手段44によれば、表示手段に表示される表示内容に対応した音がスピーカ等から発せられるので、より臨場感のある演出を行うことができ、エモーショナルな演出とすることができる。
手段45:手段44の構成において、「前記周辺基板は、前記演出表示手段、及び前記演出シーン制御手段を制御する電飾制御基板と、前記音響制御手段を制御する波形制御基板と、前記主基板から送信される制御情報コマンドに基づいて、前記電飾制御基板、及び前記波形制御基板を制御するサブ統合基板とを備える」ものであることを特徴とする。
手段45によれば、周辺基板における制御が、視覚的な表示制御をする電飾制御基板と、聴覚的な音響制御をする波形制御基板とで、夫々の分野に特化した制御基板を備えた上で、それら電飾制御基板と波形制御基板とをサブ統合基板により総括的に制御するようにしている。これにより、電飾や音響が夫々独立した基板で制御されるので、主基板の負担を大きくすることなく、さらに多彩な演出を実現させることができる。また、夫々の基板の役割が特化されているので、夫々の基板においても負荷を増大させることなく多くの情報処理を行うことができる。
手段46:手段1から手段45までの何れか一つの構成において、「前記演出表示制御手段は、前記抽選手段の前記抽選結果に基づいて、前記表示手段に、複数の図柄列を変動表示させた上で順次停止表示させるものであって、前記周辺基板は、前記演出表示制御手段による複数の図柄列の変動表示中に、前記表示手段に前記変動表示とは異なる態様の付加演出を複数のタイミングで現出可能とした付加演出現出手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
また、「図柄列の変動」とは、順次並べられた単体の絵文字等をスクロールさせたり、キャラクタ等を登場させて絵文字等を差換えたり、キャラクタ自体を野球や格闘技等の競技で活躍させたりすることで、表示手段にて、図柄の描写が他の図柄の描写に変更される状態を示すものである。そして、「図柄の確定」とは、動作中の絵文字等を停止させたり、絵文字等自体に動きはあるものの、その絵文字等が他の絵文字等には変わらないように表示したり、キャラクターによる競技の勝敗を決定させたりした描写を行う等して、変動後の最終的な図柄を表示手段に表示することを示す。換言すれば、例えば、抽選結果が当選又は落選であることを示す情報や、抽選結果が当選である可能性が高い又は低いことを示す情報等、抽選結果に関する情報を、遊技者が認識して決定付けできるように、表示手段にて図柄を表示することを示すものである。
手段46によれば、変動表示(変動演出)を伴う図柄列の変動中において、変動演出とは異なる態様の付加演出が現出する可能性があり、しかも、この付加演出は、図柄列の変動中に複数のタイミングで現出する可能性がある。よって、遊技者は、何時、付加演出が現出するか予測することができず、図柄列の変動中に表示手段から目を離せず表示手段を注視して、表示手段での演出を楽しむことができる。そして、このような演出は、従来の遊技機にはない新たな演出である。従って、上記手段によれば、表示手段にて趣向の凝らした演出を現出させることができる。
手段47:手段46の構成において、「前記表示手段は、前記抽選手段の抽選結果が前記有利遊技状態を発生させる条件を充足している場合に当選図柄を表示する一方で、条件を充足していない場合に落選図柄を表示することで、抽選結果の当落を遊技者に明示するものであり、前記付加演出現出手段は、前記抽選手段の抽選結果に応じた異なる選出割合にて複数種類の中から付加演出を選出する抽選結果対応付加演出選出手段を有する」ものであることを特徴とする。
手段47によれば、抽選結果が当選であれば表示手段に当選図柄が表示されるため、遊技者は、遊技中において、当然、当選図柄が表示されることを期待する。一方で、図柄の変動中に現出される付加演出が、抽選結果に無関係ではなく、抽選結果に応じた異なる選出割合にて選出されることから、現出した付加演出によっては、表示手段に当選図柄が表示されるに至る期待感が異なることになる。ここで、抽選結果が当選であれば選出され易く、落選であれば選出され難い付加演出であれば、期待値の高い付加演出となり、逆に、抽選結果が当選であれば選出され難く、落選であれば選出され易い付加演出であれば、期待値の低い付加演出となる。なお、期待値とは、数値的に示すことができるものであり、例えば、特定の付加演出が現出する場合に、その特定の付加演出が、当選時には9/10の選出割合にて選出され、落選時には1/10の選出割合で選出されるものであれば、その特定の付加演出は、現出することで当選の可能性が90%である付加演出、換言すれば、当選の期待値が90%の付加演出となる。
このような付加演出が現出する遊技機では、遊技者は、当選図柄が表示されることばかりでなく、図柄の変動中において現出される付加演出に対しても興味を抱く。そして、付加演出は、図柄の変動中に複数のタイミングで現出する可能性があるため、遊技者は、期待値の高い付加演出が何時現出するか予測できず、図柄の変動中であっても、表示手段から目を離せず、「何時、付加演出が出るのか」、「どのような付加演出が出るのか」、「期待値の高い付加演出が出て欲しい」、「期待値の高い付加演出は未だ出ないのか」等といった気持ちで、ワクワク、ドキドキしながら、表示手段を注視して遊技を楽しむことができ、また、現出した付加演出によって一喜一憂することができる。
手段48:手段47の構成において、「前記抽選結果対応付加演出選出手段は、付加演出を現出させるタイミングに応じてグループ分けされた複数の付加演出グループの中から、現出させるタイミングに応じた付加演出を選出する」ものであることを特徴とする。
ここで、複数種類の付加演出を、個々の付加演出が重複しないように複数のグループにグループ分けしてもよく、少なくとも二つのグループ或いは全てのグループ等、複数のグループに、共通する付加演出が含まれるようにグループ分けしてもよく、少なくとも二つのグループ或いは全てのグループ等、複数のグループに属する付加演出が全て同一で、グループ毎に、選出する付加演出の選出割合を異ならせるようにしてもよい。
手段48によれば、抽選結果対応付加演出選出手段の構成を好適な態様に特定したものであり、タイミングに応じた付加演出を現出させることができ、上記手段の遊技機を、好適に実現することができる。
手段49:手段47又は手段48の構成において、「前記表示手段は、複数の前記装飾図柄の組合わせを図柄列とし、前記装飾図柄が特定の組合わせとなったものを当選図柄として、前記装飾図柄が特定の組合せ以外となったものを落選図柄として、夫々表示するものであり、前記演出表示制御手段は、前記変動表示として、前記複数の図柄列を変動させた後に順次確定させる変動演出を表示させるものであり、該変動演出は、最後の図柄列を確定させる前の段階にて既に確定させた前記装飾図柄が前記特定の組合せを充足する状態で行われるリーチ演出を含み、前記付加演出現出手段は、前記リーチ演出が現出する前の段階にて付加演出を現出させる」ものであることを特徴とする。
パチンコ機等の遊技機としては、当選図柄として、例えば、3つの図柄列が「7、7、7」といったように、全ての装飾図柄が揃った図柄を採用し、複数の図柄列を夫々変動させた後に順次確定して表示するものが、一般的に知られている。そして、このような遊技機では、順次確定して表示された二つの装飾列が揃っている等、既に確定させた装飾図柄が当選図柄を充足する状態(以下、「リーチ状態」という)にて、種々のキャラクターを登場させて活躍させる等のリーチ演出が、通常、行われており、このリーチ演出を経た後に、抽選結果が当選であれば、当選図柄である「大当り図柄」を表示したり、或いは、抽選結果が落選であれば、落選図柄である「外れ図柄」を表示している。なお、変動中の図柄がリーチ状態とならず、リーチ演出といった特別な演出を伴わずに落選図柄を表示する態様は、単純に落選図柄を表示する態様であり、単に「外れ」と称され、変動中の装飾図柄がリーチ状態となり、リーチ演出を伴うものの最終的に落選図柄を表示する態様は、「外れリーチ」や「特殊外れ」と称される。
このような遊技機では、リーチ演出が遊技内容全体の重要な役割を果たしており、遊技者は、リーチ演出が開始されると、当選図柄が表示されるに至る期待感が高まり、リーチ演出の開始以降の展開に興味を抱いて表示手段での表示を注視する。しかしながら、表示手段にてリーチ状態の装飾図柄が表示される前の段階では、遊技者は、リーチ状態になるか否かに関心を示す程度であり、表示手段での表示に興味をさほど抱くことができず、遊技を楽しむことができない。
これに対して、手段49によれば、リーチ演出が開始される前の段階にて、付加演出を現出させることから、リーチ演出が開始される前の段階においても、遊技者に、表示手段での表示に興味を抱かせることができ、遊技を楽しませることができる。
手段50:手段47から手段49までの何れか一つの構成において、「前記付加演出現出手段は、前記変動演出にて最初の前記装飾図柄が確定される前の段階にて付加演出を現出させる」ものであることを特徴とする。
最初の装飾図柄が確定される前の状態、換言すれば、全ての図柄列が変動中の状態は、装飾図柄が更新されることを単に示すだけの状態であり、この状態において表示手段での表示内容に大きな意義を与えることができず、表示手段での表示が、無味乾燥な表示となり勝ちである。
これに対して、手段50によれば、無味乾燥とした表示になりがちな全ての図柄列の変動中に、付加演出といった遊技者に興味を抱かせる演出を現出させることができ、この演出により遊技者に遊技を楽しませることができる。
手段51:手段47から手段50までの何れか一つの構成において、「前記演出表示制御手段により表示させる変動演出の変動パターンとして、前記抽選手段の抽選結果に基づいて複数種類の中から変動パターンを選出する変動パターン選出手段を具備し、前記付加演出現出手段は、複数種類の中から、選出された変動パターンに応じた付加演出を選出する変動パターン対応付加演出選出手段を有する」ものであることを特徴とする。
手段51によれば、付加演出現出手段の構成を好適な態様に特定したものであり、変動演出の変動パターンに応じた付加演出を現出させることができ、上記手段の遊技機を、好適に実現することができる。
手段52:手段47から手段50までの何れか一つの構成において、「前記付加演出現出手段は、付加演出として現出体を前記表示手段に現出させるものであり、複数種類の中から前記現出体の現出パターンを選出する現出パターン選出手段と、複数種類の中から、選出された現出パターンに応じた前記現出体を選出する現出体選出手段とを有する」ものであることを特徴とする。
ここで、現出体とは、漫画やアニメに登場する人物や動植物等のキャラクタ、置物や食物や雑貨類等の物品、グラフや数値等の指数表現物等、表示手段にて表示される表示対象物を示すものである。
手段52によれば、付加演出現出手段の構成を好適な態様に特定したものであり、付加演出にて表示される表示対象物である現出体を、その現出パターンに応じて現出させることができ、上記手段の遊技機を、好適に実現することができる。
手段53:手段52の構成において、「前記現出パターンは、演出自体の進行中に複数のタイミングでハプニング事象を突発させるハプニング演出のハプニングパターンであり、前記現出体は、前記ハプニング事象として現出される」ものであることを特徴とする。
ここで、ハプニング演出とは、変動演出中に行われる表示手段での演出の一つであり、例えばキャラクタが登場して様々な行為を行う様子を描写する等といった演出の最中に、それまでの演出の展開とは無関係に、或いは、何らかの関係の下に、例えば、物品が突如落下してきたり、キャラクタが他のキャラクタや物品と突如衝突したりする描写を行う等して、唐突的に事象を発生させるようにした演出を示すものである。そして、ハプニング事象とは、上述の唐突的に発生する事象を示すものである。
例えば、キャラクタによって行われる競技を描写する態様では、遊技者は、競技の進行に伴い、キャラクタが、競技に勝つ、負ける、或いは、引き分ける、といったように、その後の展開内容を予測できることから、このような描写を付加演出とすると、付加演出自体が単調となり、付加演出の面白みが低下する虞がある。
これに対して、手段53によれば、ハプニング演出中に、ハプニング事象として、ハプニングパターンに応じた現出体が現出するため、現出体の現出によって、遊技者を驚愕させることができ、遊技の面白みを向上させることができる。
手段54:手段1〜手段53のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする。パチンコ遊技機とは、操作ハンドルの操作に対応して発射装置から遊技球を発射し、多数の障害釘、センター役物、始動口、大入賞口、及び表示手段等が組み込まれた遊技領域に遊技球を導くとともに、始動口や大入賞口への入賞に伴い所定数の遊技球を賞球として払い出すものである。また、始動口への入賞を契機として特別図柄表示手段において特別図柄を変動させるとともに、内部的に行われる抽選結果に応じて図柄の変動を停止させるものである。また、特別図柄の変動中、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出表示手段が設けられる場合もある。
手段54によると、パチンコ遊技機において、手段1〜手段53までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段55:手段1〜手段53のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、停止操作機能付きスロットマシーンであることを特徴とする。停止操作機能付きスロットマシーンとは、遊技媒体としてメダルを使用し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、遊技者に有利な特別有利状態としてメダルを払い出すものである。
手段55によると、停止操作機能付きスロットマシーンにおいて、手段1〜手段53までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段56:手段1〜手段53のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機であることを特徴とする。ここで、「パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位として投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、遊技者に有利な特別有利状態として遊技球を払い出すものである。
手段56によると、パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機において、手段1〜手段53までのいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明の遊技機では、遊技媒体による遊技とは別の、遊技者が参加可能な新たな遊技を表示可能とすると共に、主基板の負荷が増大するのを抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン60が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(参照符号なし)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91が配設されており、このセンター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
センター役物91は全体として額縁状の装飾体から構成されており、その上縁部にはキャラクタの頭部をデザインした、キャラクタ体92が一体的に取り付けられている。なお、このキャラクタ体92は、旋回可能な可動役物として機能している。さらに、キャラクタ体92の左右には別のキャラクタをデザインした装飾体93が配設されている。
また、センター役物91の上縁部または左右側縁部には、図示しないワープ入口とともにワープ通路が形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球がワープ入口に入り込むと、ワープ通路を通じてセンター役物91の内側に取り込まれるようになっている。
センター役物91の内側には、その下縁部に球受け棚94(ステージとも称する)が形成されており、この球受け棚94は前後方向に一定の奥行きを有している。ワープ通路を通って取り込まれた遊技球はセンター役物91の内側へ放出され、球受け棚94に誘導される。球受け棚94はその上面にて遊技球を転動させ、その動きにいろいろな変化を与えて遊技に面白みを付加する。
また、センター役物91の下縁部には、その中央位置に球誘導路95が形成されており、この球誘導路95への入口(図示しない)は球受け棚94の上面に形成されている。球受け棚94から球誘導路95の入口に落下した遊技球は、そのまま球誘導路95を通って下方に案内される。
一方、球誘導路95の出口は正面に向けて開口しており、この出口から放出された遊技球は、ほぼ真下に向かって落下する。遊技領域37には、球誘導路95の直ぐ下方位置に入球装置96が配置されており、この入球装置96に遊技球が入球すると始動入賞となる。したがって、球誘導路95から放出された遊技球は、相当高い確率で始動入賞することができるものとなっている。入球装置96は左右一対の可動片97を有しており、これら可動片97を左右に拡開させて入球確率を高くすることが可能となっている。
また遊技領域37には、上記の入球装置96のさらに下方位置にアタッカ装置98が配設されており、このアタッカ装置98は開閉部材99を前後方向に開閉動作させることにより大入賞口を開閉させる。
また、センター役物91の下縁部には、特別図柄表示器(詳細は後述する)として機能する四つのLED110と、抽選の保留状態を示す四つのLED(保留球ランプ)111とが設けられている。四つの保留球ランプ111は、「大当り」の抽選において、保留回数分(最大4回)だけ点灯するようになっている。また、これらの下方には、始動ゲート口113への遊技球7の通過による抽選結果を表示する普通図柄表示器112a、及び抽選状態を表示する状態表示器112b等が設けられている。
その他、遊技領域37には始動ゲート口113や一般入賞口114等が配設されている。また、センター役物91の内側には演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、例えば動画や映像等の画像、或いは可動部材の動作等による演出表示が行われる。なお、演出表示装置115としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、及びCRT等の表示装置を例示することができる。演出表示装置115の表示面はセンター役物91の後側においてその開口窓に臨んで装着されており、センター役物91は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれ、センター役物91の後部及び演出表示装置115の表示装置制御基板116(図10参照)を有する表示装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。ここで、演出表示装置115が本発明の表示手段に相当する。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図11参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図11参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図7に基づき説明する。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[特別図柄表示器の構成について] 図3に基づき説明する。
本実施形態では、センター役物91の下縁部のうち、左側に4つのLED110が配列されており、これらLED110の配列が特別図柄表示器として機能している。また、その右側にある4つのLED111の配列は、保留球ランプとなっている。
本実施形態において、特別図柄表示器の機能はLED110の点灯・消灯によって実現することができる。例えば、始動入賞を契機として4つのLED110をいろいろなパターンで点滅させることにより、特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、4つのLED110の点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止状態を表示する。これにより、抽選が行われると、その結果情報がLED110の点灯・消灯によって報知される。なおLED110の点灯・消灯による特別図柄の変動表示および停止表示の制御は、主制御基板131により行われる。
具体的には、個々のLED110は1色(例えば赤色)の発光タイプであり、各LED110は「消灯」、及び「点灯」の2通りに表示パターンを切り替えることができる。したがって、4つのLED110を配列した場合の点灯・消灯表示パターンは、全部で16通り(24=16)のものを用意することができる。なお、ここでは説明の便宜のために1色だけとしているが、LED110の点灯色は2色以上であってもよい。また、LED110の配置は1箇所にまとまっている必要はなく、ばらばらに配置されていてもよいし、特に盤面上に配置されている必要もない。あるいは、特別図柄を5つ以上のLEDによって表示してもよいし、7セグメントLEDを用いて表示してもよい。
一方で、本実施形態のパチンコ機1では、遊技者に利益が付与される態様として2つの大当り態様が用意されており、これらは(1)「通常(非確変)大当り」、(2)「確変大当り」に区別される。
(1)「通常(非確変)大当り」は、例えば最大30秒間にわたってアタッカ装置98を一定パターンで開閉させるラウンド動作を15ラウンドまで繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当り遊技」と称されている。遊技者は、大当り遊技の間に遊技球を大入賞口に入賞させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、各ラウンド動作は30秒間が経過するか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。また大当り遊技は、ラウンド動作が15回終わると終了となる。
(2)「確変大当り」は、上記(1)と同様の大当り遊技を可能とするものであるが、大当り遊技の終了後、次回大当りの抽選確率を通常時よりも高く設定(例えば、通常の大当り確率が320分の1のところ、5倍の64分の1に変更)する特典が付加される。このため遊技者が確変大当りを引き当てると、次の大当り確率が高くなって大当りを連続的に引き当てる(いわゆる連荘)ことが可能となる。
なお、以上の(1)及び(2)でいう具体的な数値は、本発明の実施において最良のものである。その上で、これら数値については各種の変更が可能であり、最良の数値によって限定されることはない。
また、上記(2)の「確変大当り」によって確率変動状態(高確率状態)になると、毎回の始動入賞を契機として確率変動状態の維持抽選(転落抽選)が行われるものとしてもよい。維持抽選は一定確率で行われ、この維持抽選で落選すると、内部的に高確率状態から低確率状態(通常確率)へ引き戻される処理が行われる。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図12に基づき説明する。
図12は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131には、ゲートセンサ317、始動口センサ318、カウントセンサ319、V入賞センサ330等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板131は、ソレノイド331、特別図柄表示器332、普通図柄表示器112a等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板337には主に保留球ランプ111と、サイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して保留球ランプ111や装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が各ランプ111,353を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。また、図示していないが、これ以外にも、例えばキャラクタ体62等の可動体を駆動させるためのモータまたはソレノイド等の駆動部材が電飾制御基板337,338等に接続されている。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備えている。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明する。
[始動入賞処理について] 図13に基づき説明する。
図13は始動入賞処理のルーチンを示している。
この始動入賞処理では、遊技中に始動入賞が有るか否かが判断される(ステップS101)。具体的には、上記の入球装置96に対応する始動口センサ318から検出信号が入力されると、始動入賞有りと判断され、一方検出信号の入力がなければ、始動入賞は無いものと判断される。
始動入賞が有りと判断された場合(ステップS101においてYES)、次に始動保留数が最大の4より少ないか否かが判断される(ステップS102)。このとき既に始動保留数が4に達していれば(NO)、そのまま始動入賞処理のルーチンがリターンされる。一方、始動保留数が4より少なければ(YES)、次に保留格納処理が行われる(ステップS103)。この保留格納処理では、例えばRAM316内に確保されている保留数カウンタに「1」が加算され、合わせて保留球ランプ(LED)111の点灯個数が1つ増加される。
また、保留格納処理では、合わせて乱数値の取得が行われる。このとき取得される乱数値には、例えば大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数(可変変動カウンタ)、及び演出表示パターン乱数等が含まれている。このうち大当り判定用乱数は、大当りであるか否かを決定するための乱数である。次の大当り図柄用乱数は、大当り判定用乱数によって大当りと判別された場合に使用されるものであり、具体的には、特別図柄表示器332によって停止表示される表示パターン(四つのLED110における点灯状態の組合わせパターン)を特定するための乱数である。そして可変変動用乱数(可変変動カウンタ)は、特別図柄表示器332による図柄の変動時間を可変させるための乱数である。また、演出表示パターン乱数は、演出表示装置115に表示される演出表示の変動表示パターンを特定するための乱数である。以上の各乱数値が取得され、これらが例えばRAM316に格納されると、保留格納処理を終えて本ルーチンがリターンされる。
[遊技作動処理について] 図14に基づき説明する。
図14は始動入賞に伴う遊技作動処理のルーチンを示している。
この遊技作動処理では、最初に始動保留が有るか否かが判断される(ステップS201)。具体的には、保留数カウンタの数値が0でない場合、始動保留が有ると判断され(YES)、次に特別図柄表示器332における特別図柄(点灯状態)が未変動状態か否かが判断される(ステップS202)。このとき特別図柄表示器332にて未だ変動表示が開始されていなければ(YES)、次に保留シフト処理が実行される(ステップS203)。
保留シフト処理では、保留数カウンタの値が「1」だけ減算されるとともに、RAM316の保留格納領域に記憶されている各乱数値の内容をシフトする処理が行われる。そして、これに続いて特図変動設定処理が実行され(ステップS204)、ここでは特別図柄の変動時間の設定や、変動停止時の表示パターンが設定される。なお、特図変動設定処理の内容については、さらに別のフローチャート(図15,図16)を用いて詳しく後述する。
特図変動設定処理(ステップS204)が終了すると、次に情報出力処理(ステップS205)が実行され、ここでは主制御基板131からサブ統合基板336に対して制御情報コマンドの生成・送信が行われる。サブ統合基板336は、受信した制御情報コマンドに基づいて主制御基板131の制御情報(始動入賞・保留の有無、特別図柄の変動・停止表示態様、当り判定結果、確率変動の有無、及び演出画像の変動パターン等)を解釈し、所定の演出動作を制御する。
図14の遊技作動処理では、最後に当り判定処理(ステップS206)が実行される。なお、遊技作動処理の開始時に保留数カウンタの値が0であったり(ステップS201においてNO)、保留数カウンタの値が0でなくとも特別図柄表示器332が変動中であったり(ステップS202においてNO)した場合は、いずれも保留シフト処理(ステップS203)、及び特図変動設定処理(ステップS204)を迂回して情報出力処理(ステップS205)及び当り判定処理(ステップS206)が実行される。
当り判定処理(ステップS206)では、特別図柄の変動開始時にセットされた当りフラグを参照し、当りフラグがセットされていればさらに別の処理(図17)を実行する。
[特図変動設定処理(ステップS204)の詳細について] 図15及び図16に基づき説明する。
図15は、上記の特図変動設定処理に含まれる特図変動設定処理Aの内容を示し、図16は特図変動設定処理Bの内容を示している。
この特図変動設定処理Aでは主に、抽選結果によって特別図柄表示器332による変動時間の設定や停止時の表示パターンの選択が行われる。具体的には、既に取得されている大当り判定用乱数に基づいて抽選の結果が判断され(ステップS301)、当選(大当り)であった場合(YES)は当り時変動設定処理(ステップS302)が実行される。なお、ここでいう「当選」は、上記(1)通常大当り、または(2)確変大当りのいずれかに該当していることを意味する。
これに対し、抽選の結果が外れ、つまり、(1)及び(2)のいずれの当りにも該当してないと判断された場合(NO)、既に取得されている可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値が所定値(例えば1024)と比較される(ステップS303)。可変変動用乱数は例えば0〜65535の範囲内で取得されており、この乱数値が1023未満であれば(YES)、可変変動設定処理(ステップS304)が実行される。逆に、可変変動用乱数の値が1024以上であれば(NO)、ステップS305またはステップS306の各判断を経て変動タイマがセットされる。変動タイマは、特別図柄表示器332による変動時間を設定するためのタイマであり、具体的には、現在の始動保留数が「0」〜「2」であれば(ステップS305においてYES)、所定の変動タイマが比較的長めの10秒にセットされる(ステップS307)。同様に、始動保留数が「3」であれば(ステップS306においてYES)、変動タイマが比較的中程度の8秒にセットされ(ステップS308)、そして始動保留数が「4」であれば(ステップS306においてNO)、変動タイマが比較的短めの6秒にセットされる(ステップS309)(いわゆる保留時短)。いずれにしても、変動タイマがセットされると、続いて特別図柄の停止パターンが選択される(ステップS310〜S312)。停止パターンは、四つのLED110における点灯状態の組合わせを、いずれの当り態様にも該当しないパターンの中から適宜選択する。
以上の特図変動設定処理Aをまとめると、抽選結果がいずれかの当りに該当している場合は、別の当り時変動設定処理(ステップS302)が実行された後に特別図柄の変動表示が開始される(ステップS313)。一方、抽選結果がいずれの当りにも該当しない(外れ)場合は、取得済みの可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値によって64分の1の振り分け率で別の可変変動設定処理(ステップS304)が実行されるが、それ以外(64分の63)の場合は始動保留数に応じて変動タイマの時間が3段階に設定された後に特別図柄の変動表示(ステップS313)が開始されることとなる。
ここで、ステップS304の可変変動設定処理は、「外れリーチ変動」の考え方に基づくものである。すなわち、基本的に抽選で外れた場合は特別図柄の変動時間が始動保留数に応じて次第に短縮されるが(ステップS307〜S309)、外れの場合であっても、ときには始動保留数に関係なく変動時間を長短に変更したり、特別図柄の停止パターンを変更したりすることで、あからさまに外れ変動であることを遊技者に気付かせにくくするものである。なお、この「外れ」を通常の「外れ」と区別するため、「特殊外れ」と称している。この可変変動設定処理では、例えば以下の表1で表されるテーブルによって変動時間が6通りに振り分けられている。
一方、ステップS302の当り時変動設定処理は、0〜65535までの可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値を用いて、例えば以下の表2で表されるテーブルによって変動時間が6通りに振り分けられる。この当り特変動設定処理が実行されると、内部的な当りフラグに「1」がセットされて、本ルーチンがリターンされる。
図16は上記の特図変動設定処理(図14中のステップS204)に含まれる特図変動実行処理Bの内容を示している。先の特図変動設定処理Aによって特別図柄の変動が開始されると、ここでは変動期間中であるか否かが判断される(ステップS401)。具体的には、変動期間中であるか否かは上記の変動タイマを参照することで判断可能であり、変動タイマが作動していると、それによって変動期間中である(YES)と判断され、逆に変動タイマが停止していれば、変動期間中でない(NO)と判断される。
ステップS401で特別図柄の変動期間中であると判断されると、次に変動表示制御処理(ステップS402)が実行される。ここでは、特別図柄表示器332を構成する4つのLED110について、例えば0〜15のカウンタ値を取得しながらこれらを8ビットの値に割り当て、この値を用いて合計4つのスイッチ(LED4個分)のON/OFFを40ms毎に切り替える処理が行われる。これにより、4つのLED110が点滅しながら特別図柄表示器332による高速変動が実現される。なお、ここではカウンタ値を参照してLED110の点灯・消灯を制御しているが、例えば所定の変動パターンテーブルを用いてLED110の点灯・消灯パターンを切り替えることもできる。
この後、変動タイマがカウントアップして変動期間が終了すると、特別図柄の変動期間中ではない(NO)と判断されて、次に停止パターン表示制御(ステップS403)が実行される。この停止パターン表示制御では、先の特図変動設定処理A(図15)等で既に選択されている停止パターンの点灯・消灯表示パターンデータが特別図柄表示器332に送信される。なお、パターンデータの送信は毎回の割込周期(例えば4ms)で行う必要はなく、適宜サンプリングすることでLED110の発光輝度を調整することが好ましい。
[大当り処理について] 図17に基づき説明する。
図17は大当り処理の内容を示している。
内部的に条件装置が作動して大当り処理が実行されると、先ず所定のラウンドカウンタが初期化される(ステップS501)。このラウンドカウンタは例えばRAM内に確保されており、この初期化に伴ってラウンドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了となる。
上記のラウンドカウンタが初期化された後、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ(ステップS502)、続いて大入賞口(アタッカ装置98)が開放される(ステップS503)。そして、次のステップS504では大入賞口の開放期間が設定最大期間(例えば30秒)内であるか否かが判断される。開放期間が設定最大期間内であれば(YES)、次に入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが判断される(ステップS505)。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ(YES)、大入賞口に対応するカウントセンサの検出信号がONになったか否かが判断される(ステップS506)。大入賞口への入賞によりカウントセンサがONになると(YES)、次のステップS507で入賞球数カウンタに「1」が加算され、再度ステップS504の判断が行われる。あるいは、ステップS506で大入賞口への入賞がなく、カウントセンサがONになっていなければ(NO)、入賞球数カウンタが加算されることなくステップS504の判断が行われる。
「通常大当り」または「確変大当り」の場合、通常は設定最大期間である30秒が経過するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ステップS504またはステップS505の判断が否定(NO)されるので、ラウンド終了のために大入賞口が閉止(ステップS508)される。そして、次のステップS509でラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(例えば15ラウンド)に達したか否かが判断される。
ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達していなければ(ステップS509においてNO)、次にラウンドカウンタの値に「1」が加算(ステップS510)されて入賞球数カウンタが「0」にリセットされる(ステップS502)。
上記の処理は「通常大当り」または「確変大当り」中における1ラウンド目の処理に相当する内容である。この後、ラウンド動作が繰り返されてラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達したと判断されると(ステップS509においてYES)、そこで大当り処理は終了となる。
[演出表示装置における演出表示の詳細について] 図18〜図33に基づき説明する。
図18は、サブ統合基板336における制御処理の内容を示しており、図19は、電飾制御基板338における制御処理の内容を示している。また、図20は演出表示制御における機能的な構成を示している。また、図21乃至図32は具体的な演出例を示している。更に、図33は特別演出シーンの処理内容を示している。
ところで、これまで説明してきた処理は、純粋に主制御基板131による遊技動作の制御に関するものであるが、サブ統合基板336は主制御基板131から制御情報コマンドを受け取ると、これに基づいて各種の演出処理を実行することができるようになっている。
詳細に説明すると、前述したように主制御基板131では、保留格納処理(S103)において、大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数、及び演出表示パターン乱数等が取得され、これらの乱数を基に、大当りの有無に関する情報(当否コマンド)、大当たりの場合に「通常大当り」または「確変大当り」のいずれであるかを示す情報(確変・非確変コマンド)、及び演出表示パターンの種類に関する情報、すなわち特別図柄の変動時間に関する情報(変動表示パターンコマンド)が、変動開始コマンドとして設定され、主制御基板131からサブ統合基板336に送信される(S205)。
そして、サブ統合基板336では、図18に示すように、主制御基板131から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS601においてYES)、受け取ったこれらの変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定する(ステップS602)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、当否コマンド及び確変・非確変コマンドに基づいて装飾図柄列における最終停止図柄を決定する。例えば、「確変大当り」の場合には、確変大当りに相当する複数の装飾図柄の中から一つの図柄を最終停止図柄として決定する。また、サブ統合基板336は、乱数発生手段(図示しない)を有しており、乱数を取得するとともに、取得された乱数に応じて大当たり予告の演出態様(例えば出現時期や出現順序が不規則な所定のハプニング演出パターン)を付加する。さらに、サブ統合基板336では、決定されたこれらの変動態様を、電飾制御基板337、338及び波形制御基板339に対する変動開始コマンドとして設定する(ステップS603)。具体的には、変動表示パターンコマンド、最終停止図柄コマンド、及びハプニング演出パターンコマンド等を設定する。そして、設定されたこれらの変動開始コマンドを、各制御基板337,338,339に送信する(ステップS604)。これにより、これらの制御基板337,338,339では、抽選結果に応じた演出表示を行ったり、その演出表示に合せて音声等を発生させることが可能になる。
特に、電飾制御基板338では、図19に示すように、サブ統合基板336から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS701においてYES)、その変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定(ステップS702)し、その後、演出表示装置115を制御する(ステップS703)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、最終停止図柄コマンドに基づいて、装飾図柄列の最終停止図柄を設定する。また、ハプニング演出パターンコマンドに対応したハプニング演出を決定するとともに、より具体的な演出態様を付加する。つまり、電飾制御基板338は、乱数発生手段(図示しない)を有しており、演出表示装置115における夫々の変動パターンに対して、より具体的な演出態様を付加することを可能にしている。詳細には、電飾制御基板338におけるROM371には、変動パターンの種類と、それぞれの変動パターンに対して選択可能(出現可能)な出現体(物体やキャラクタ)とが関連付けて記憶されており、例えば、「○○リーチ系」という変動パターンが主制御基板131において決定された場合には、「○○リーチ系」に対応する複数種類の出現体の中から一つまたは複数の出現体を選択し、一連の変動パターンの演出表示中に、選択した出現体を出現させることを可能にしている。このように、本例では、出現体を含む変動パターンの選択処理が、主制御基板131、サブ統合基板111、及び電飾制御基板338において分担されており、これにより、主制御基板131及びサブ統合基板111における処理の負担を軽減するとともに、変動パターンの複雑化、ひいては演出の興趣を向上させている。
なお、図18及び図19に示すフローチャートでは、サブ統合基板336及び電飾制御基板338におけるコマンド受信処理のうち、特に演出の制御に関する変動開始コマンドの受信処理のみを説明している。すなわち、ここでは、電源投入時のコマンドや異常時のコマンドは省略している。
ところで、本例の演出表示装置115に表示される演出画像には、周期性をもって変動表示される装飾図柄と、装飾図柄の変動中、所定のタイミングで出現可能な複数の出現体(キャラクタ等)とが含まれている。以下、装飾図柄及び出現体について詳細に説明する。
(装飾図柄について)
本例では、装飾図柄として、例えば、上・中・下の3つの装飾図柄列が設定されており、装飾図柄列毎に左装飾図柄、中装飾図柄、及び右装飾図柄が変動表示されるようになっている。一連の装飾図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄と、絵図柄からなる副装飾図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄が表示されると共に各主装飾図柄の間に副装飾図柄が配されて一連の装飾図柄列が構成されている。そして、主装飾図柄と副装飾図柄とが周期性を持って右から左へと変動表示されるようになっており、上装飾図柄列→下装飾図柄列→中装飾図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に何れかの有効ライン上で主装飾図柄が大当り装飾図柄の組合せ(例えば「7」,「7」,「7」)で揃えば大当りとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
なお、本例では、演出表示装置115における装飾図柄列の変動開始時期を、特別図柄の変動開始後とし、装飾図柄列の変動停止を特別図柄の変動停止前としている。これにより、特別図柄の変動表示の開始時と停止時には、演出表示装置115での演出表示を行わないことで、特別図柄の変動表示に対して演出表示装置115での紛らわしい表示を行うことを防止するとともに、演出表示装置115の演出中に当りか否かを認識させること、すなわち演出の効果を損なうことを防止している。
(出現体について)
キャラクタ等からなる出現体は、抽選結果に対する予告として表示されるものであり、夫々、大当りの信頼度に対応付けられている。この出現体を装飾図柄の変動中に登場(出現)させることにより遊技者の期待感にメリハリをつけることが可能となる。本例では複数のキャラクタが用意されており、夫々のキャラクタにおける大当たりの信頼度と、遊技中に夫々のキャラクタが出現する頻度との関係が予めテーブルで設定されている。
なお、大当りの信頼度とは、外れ時の演出として選択される確率が異なっている複数の演出がある場合、その選択率の異なりによって発生するものである。例えば、選択率が低い演出ほど大当りに対する信頼度が高くなり、期待値が高くなる。
次に、装飾図柄及び出現体の演出表示制御における機能的な構成、すなわち演出プログラムとして実現される機能的な構成と、それらの構成が用いられた具体的な演出例とについて説明する。図20に示すように、主基板310には、始動口センサ318(本発明の遊技状態検出手段に相当)によって入球装置96への入賞が検出されたとき、抽選手段として乱数を発生する乱数発生手段434と、特別図柄表示器332における特別図柄を変動させるとともに、乱数発生手段434によって発生した乱数、すなわち抽選結果に基づいて特別図柄の変動を停止させる特別図柄変動制御手段435と、乱数発生手段434によって発生した乱数が所定値である場合、大当りとして遊技者に有利な有利遊技状態(図17の大当り処理)を発生させる有利遊技状態発生手段436と、乱数発生手段434によって発生した乱数、すなわち抽選結果を制御情報コマンドとしてサブ統合基板336へ送信するコマンド送信手段437とが備えられている。
一方、周辺基板311には、主基板310から送信された制御情報コマンドが、サブ統合基板336のコマンド受信手段411によって受信されると、これを基に演出表示装置115を制御する演出表示制御手段413と、スピーカ18,58を制御する音響制御手段412とが設けられている。
また、周辺基板311には、前面枠4に設けられた操作手段としてのボタン60(図2参照)の操作を検出する操作検出手段441と、操作検出手段411の検出結果に基づいてボタン60の操作状況を判断する操作状況判断手段442とを備えている。本例では、上述の、コマンド受信手段411、操作検出手段441、及び操作状況判断手段442がサブ統合基板336に、また、演出表示制御手段417が電飾制御基板338に、更に、音響制御手段412が波形制御基板339に、夫々備えられている。なお、これらコマンド受信手段411、演出表示制御手段413、操作検出手段441、操作状況判断手段442、などを電飾制御基板338に備えても良い。
演出表示制御手段413は、演出表示装置115において複数の装飾図柄列を変動させるとともに、装飾図柄列の変動中、演出表示装置115に出現体であるキャラクタ及び背景を所定のタイミングで出現させるものである。なお、上記の変動表示パターンや、ハプニング演出パターン等は、夫々複数のパターンを有しており、これら各パターンは夫々複数のカットから構成されている。このカットは、比較的短時間での装飾図柄、キャラクタ、及び背景を用いて所定の演出動作をさせたもので、このカットを表示するためのカットコマンドが、予め記憶手段としてのROM371に複数記憶されている。そして、本例の演出シーンは、変動表示パターンや、ハプニング演出パターン等の組合せにより構成されたものである。
演出表示制御手段413は、コマンド受信手段411により受信された制御コマンドにより、ROM371から所定の順序でカットコマンドを読み出して一連の演出シーンとして表示させる演出シーン制御手段417と、表示中の演出シーンの途中から異なる演出シーンに変更させる演出シーン変更手段418とを具備しており、この演出シーン制御手段417には、装飾図柄を動的に表示させる図柄制御手段414と、キャラクタを動的に表示させるキャラクタ制御手段415と、背景を動的に表示させる背景制御手段416とが備えられている。なお、本例では、遊技機全体に所定のストーリー性が設定されており、そのストーリーに対応してキャラクタには重要度に応じた分類がなされ、重要度の最も高い主キャラクタ、主キャラクタに次ぐ重要度の副キャラクタ、副キャラクタよりも重要度の低い脇キャラクタ、等に分けられている。本例では、重要度として有利遊技状態が発生する期待値の高さとしている。
また、演出表示制御手段413には、操作状況判断手段442の判断に基づいて特別演出シーンにおける演出内容を選択する演出内容選択手段443と、演出内容選択手段443による演出内容の選択を繰返し実行させる繰返し手段444と、特別演出シーンの表示に基づいてボタン60の操作を案内する案内手段445と、ボタン60の操作が有効とされてから特別演出シーンの表示内容が所定条件を満たすまでの時間、或いは、変動表示パターンコマンドに基づいて設定された所定時間を計測する時間計測手段446と、時間計測手段446により計測された現在の計測時間と過去の計測時間とを記憶する記憶手段してのRAM374と、RAM374から過去の計測時間を抽出する計測時間抽出手段447と、計測時間抽出手段447によって抽出された過去の計測時間と現在の計測時間とを比較すると共に並び替えてRAM374への登録及び書換をする計測時間登録・書換手段449とを備えている。
演出シーン制御手段417には、図柄制御手段414、キャラクタ制御手段415及び背景制御手段416を制御して、遊技状態に応じた内容の演出シーンを表示するための第一演出シーン制御手段419が備えられている。この第一演出シーン制御手段419により表示される第一演出シーンは、複数の装飾図柄からなる図柄列を上下方向に三列表示させた上で、夫々の図柄列を変動表示すると共に順次停止表示するような演出をおこなうものである。また、第一演出シーン制御手段には、変動表示中の図柄列を消去する図柄列消去手段420と、消去された図柄列を再度表示させる図柄列再表示手段421とが備えられている。
また、演出シーン制御手段417には、第一演出シーン制御手段419により、第一演出シーンが所定の条件を満たすように一区切りすると(本例では、リーチの状態)、第一演出シーンに続いて表示される第二演出シーン(所謂、「発展形態」)を制御する第二演出シーン制御手段422を備えている。この第二演出シーン制御手段422により表示される第二演出シーンは、第一演出シーンとは異なる背景が用いせれると共に、一つの図柄列を変動表示すると共にキャラクタに所定の動的表示をさせ、所定の装飾図柄で停止表示する演出内容のものである。ところで、第一演出シーンと第二演出シーンとの繋がりが唐突であると、遊技者に対して違和感を与えてしまい、興趣を低下させてしまう恐れがあり、第二演出シーンが違和感無く繋がるように、第二演出シーンの初めに種々の冒頭部を表示するようにしており、それらの表示を制御するために、この第二演出シーン制御手段422には、その冒頭部を表示制御する冒頭部制御手段423が備えられている。
また、演出シーン制御手段417には、第二演出シーンに引き続き表示される第三演出シーンを表示制御するための第三演出シーン制御手段424と、主キャラクタを用いて大当たりとなる期待度が極めて高いことを示唆すると共に、ボタン60の操作に応じて表示内容が制御される特別演出シーンを表示制御するための特別演出シーン制御手段425とを備えている。この特別演出シーン制御手段425には、特別演出シーンの終局部分を表示するための終局カット表示手段448を備えている。
本例の演出シーン制御手段417は、コマンド受信手段411によって受信されたコマンドの内容に応じて演出表示制御手段413により表示が指示された所定の演出表示態様に含まれる演出シーンを表示可能とされたものである。この演出シーンは、予め複数用意されており、大別すると、複数の図柄列を変動表示すると共に順次停止表示する第一演出シーン、第一演出シーンに続いて表示され一つの図柄列を変動表示すると共にキャラクタに所定の動作表示をさせ所定の装飾図柄で停止表示する第二演出シーン、第二演出シーンに更に続いて表示される第三演出シーン、第三演出シーンに続いて更に表示される第四演出シーン、ボタン60の操作に応じて表示内容が制御可能とされた特別演出シーン、に夫々分類することができる。なお、第二演出シーン以降の演出シーンを「発展形態」とも称称し、次の演出シーンに移行することを「発展」とも称す。そして、少なくとも一つの演出シーンから構成された複数の演出表示態様が全体として表示されるようになっており、この演出表示態様は、所定数の演出シーンを一連の表示となるように所定順序で表示したものであり、nを自然数とすると、第一演出シーンから第n演出シーンまでの一連で表示される表示態様のことを言う。この演出表示態様もまた予め複数の態様がROM371に記憶されている。
この演出表示態様は、その選択される表示パターンが、当否コマンドに基づいた変動タイマの時間に応じて設定されるようになっており、具体的には、例えば以下の表3及び表4で表されるテーブルによって振り分けられ、それらの表に示すように、当否コマンドが「ハズレ」時と「当り(大当り)」時とでは、異なるテーブルが用いられる。そして、演出表示態様における特別演出シーンの表示を指示するコマンドとしては、例えば、主基板310からの変動表示パターンコマンドにおいて、変動タイマが33000ms以上となるコマンドが送信された場合に、特別演出シーンを指示するコマンドが選択される確率が高くなるように設定されている。なお、表4中、変動タイマが60000ms(備考欄にプレミアリーチと表記された行)のものが選択された場合は、上記の演出表示形態とは異なる表示形態のプレミア演出(特別演出シーンを含む)を表示するものである。なお、表3及び表4中に「●」で示しているのは、何れかの演出シーンの表示途中で特別演出シーンに変更されることを示している。
音響制御手段412は、サブ統合基板336において、主基板310からの制御情報コマンドに基づいて生成された所定の音響出力コマンドを受信すると、そのコマンドに応じてROM372から所定の音楽や効果音を抽出して、スピーカ18,58を駆動して音を発するものである。なお、この音響制御手段412は、サブ統合基板336を介して演出表示制御手段413から送られてくる音響出力コマンドによっても、所定の音楽や効果音を鳴らすことができるものである。
続いて、本例における演出表示制御手段413により表示制御される種々の演出シーンの演出を具体的な例を基に説明する。まず、コマンド受信手段411により所定のコマンドが受信されると、初めに、演出表示制御手段413の第一演出シーン制御手段419により、演出表示装置115に第一演出シーンの表示が開始される。
(第一演出シーンについて)
第一演出シーンは、様々なパターンの演出シーンを有しており、この第一演出シーンにおける演出の一例を具体的に図21乃至図24を基に説明する。まず、図21に示すように、円板状の部材の中に数字(1〜9の数字)が嵌め込まれ更にそれらが八角形の枠体の中に組み込まれたようなデザインの装飾図柄Sが表示され、昇順又は降順で一列に並ぶ複数の装飾図柄Sの間には、それらの各装飾図柄Sを押すように複数の種類のキャラクタ(主キャラクタC1(学生服を着た少年)、副キャラクタC2(スーツを着た出っ歯の男性)など)が表示される。なお、図21は、上列の図柄列及び下列の図柄列が停止し、中列の図柄列が変動中である表示状態を示している。なお、この場合、既に停止している図柄列の組合せが、特別の組合わせ(「7」,「7」の組合せ)を充足していることから、この後、演出表示装置115には、「リーチ」と大きく表示され、リーチ状態であることが報知される。そして、最後まで変動している中列の図柄列が停止して、所定の組合せ(例えば、「7」,「7」,「7」)を満たすと「当り」を意味し、満たさなければ「ハズレ」を意味することとなる。つまり、抽選結果の当否を示唆する確定画面が表示される。
なお、本例では、演出表示装置115とは別途に、特別図柄表示器332(特別図柄表示手段)を具備しており、演出表示装置115及び特別図柄表示器332の双方にて、「当り」に関する抽選の結果を明示するのであるが、演出表示装置115における各図柄列の変動開始時期を、特別図柄表示器332における特別図柄の変動開始後とし、各図柄列の変動停止を特別図柄の変動停止前としている。これにより、特別図柄の変動表示の開始時と停止時には、演出表示装置115での演出表示が行われず、特別図柄の変動表示に対して演出表示装置115での紛らわしい表示を行うことを防止するとともに、演出表示装置115の演出中に「当り」であるか否かを認識させること、すなわち演出の効果を損なうことを防止している。
第一演出シーンは、図柄列の消去、キャラクタの登場、図柄列の再表示、二つの図柄列が特別の組合わせを充足して停止(リーチ状態)、等のタイミングがパターンによって異なっており、種々の演出表示が可能とされている。
ところで、この第一演出シーンには、各図柄列が変動を開始してから所定時間後に、図柄列消去手段420により、少なくとも一つの図柄列が消去されるパターンがある。この図柄列の消去により遊技者に対して、これから何かが始まることを示唆することができ、演出シーンに注目させることが可能となる。そして、図柄列が消去された所に、ハプニング演出パターンコマンドにより、指示されたキャラクタ等が出現可能となっている。
(ハプニング演出について)
このハプニング演出は、出現するキャラクタ等の種類や動きに応じて、「当り」となる期待度だけでなく、「リーチ状態」となる期待度や、リーチ状態となった後に第二演出シーン、更には第三演出シーンへ「発展」する期待度、発展後の演出シーン(リーチ演出)の内容、つまり、「○○系リーチ」の種類などを、遊技者に事前に案内(予告)させるものである。
具体的には、このハプニング演出は、図示は省略するが、図柄列の変動が開始されると、キャラクタを、例えば右側から出現させることで始まるもので、その後の表示内容によって種々の予告内容を有したものとなっている。その予告内容が含まれた表示としては、「最初に出現するキャラクタの種類や数」、「キャラクタが出現する際の動き(例えば、走って出現、転動しながら出現、など)」、「出現したキャラクタの出現後の動き」、「出現したキャラクタが画面上に留まるか否か」、「出現したキャラクタが画面上に留まった後に、他のキャラクタや物品や指標などの出現」、「出現した指標に示された数値や文字」、「出現したキャラクタなどの色彩」、「キャラクタなどが出現する際などに発せられる効果音や音声」、などがある。このように多彩なハプニング演出があり、これにより、如何なるキャラクタ等が出現するかと言う期待感を与え、ハラハラ、ドキドキさせることができると共に、期待度の高いキャラクタが登場することで更に期待感を高めることができるものである。
上述のハプニング演出の選択は、周辺基板311において、互いに関連された予め複数のテーブルが用意されており、主基板310からの当否コマンド及び確変・非確変コマンドなどの制御情報コマンドに基づいて、選択される。具体的には、主基板310からの制御情報コマンドを受信すると、図示しない第一のテーブルを用いて、制御情報コマンドに基づいた所定の変動パターンが選択される。続いて、図示しない第二のテーブルを用いて、選択された変動パターンに基づいた所定のハプニングパターンが選択される。さらに、図示しない第三のテーブルを用いて、選択されたハプニングパターンに基づいたキャラクタ等の所定の出現体が選択される。このように、複数の選択肢を経てハプニング演出の表示内容が決定される。なお、これらの選択は、サブ統合基板336に設けられた乱数発生手段(図示せず)により取得した乱数に基づいて選択される。また、ハプニング演出の開始するタイミングについても、適宜乱数などにより設定するようにしており、ハプニング演出の開始が区々となり、ハプニング演出の開始を常に期待させることができる。
ところで、演出表示制御手段413には、演出シーン変更手段418が備えられており、受信したコマンドの内容により、第一演出シーンの途中で後述の特別演出シーンに変更することを可能としている。以下、第一演出シーンにおいて、変更の契機となる演出場面の例を具体的に説明する。図22(a)に示すように、図柄列消去手段414により変動中の全ての図柄列を消去し、続いて、キャラクタ制御手段415により複数の主キャラクタC1が表示領域の右側から走ってくるように移動表示して(同図(b)参照)、全部の主キャラクタC1が停止すると、演出シーン変更手段418により特別演出シーンに変更するものである。つまり、上記のような動作表示を指示するカットコマンドが実行されると、特別演出シーンに変更するものである。これにより、図柄列を消去して注目させたところで、主キャラクタC1のみを登場させることで、期待感を一気に高めることが可能となる。
また、図23(a)に示すように、図柄列消去手段414により、中列の図柄列を消去した後、キャラクタ制御手段415により複数の主キャラクタC1が表示領域の右側から走ってくるように移動表示し(同図(b)参照)、全部の主キャラクタC1が停止すると同時に、上列の図柄列が停止し、続いて下列の図柄列がリーチ状態となるように停止すると、演出シーン変更手段418により特別演出シーンに変更するものである。これにより、まず、複数のキャラクタが移動表示されている時に、主キャラクタC1のみが移動停止するか否かの期待感が高められ、主キャラクタC1が移動停止することで、更に期待感を高めることが可能となる上に、図柄列がリーチ状態で停止することで、大当たりの期待感を確信に変化させることが可能となり、興趣に富んだものとすることができる。なお、図柄列の消去の際に、キャラクタ制御手段415と図柄列消去手段414とを協働させて主キャラクタC1を含む複数のキャラクタにより、図柄列を消去するようにしても良い。
また、図24(a)に示すように、上列と下列の図柄列がリーチ状態で停止し、変動している中列の図柄列をキャラクタ制御手段415と図柄列消去手段414とが協働して主キャラクタC1を含む複数のキャラクタの移動表示により消去し、移動しているキャラクタのうち主キャラクタC1のみが移動停止すると(同図(d)参照)、演出シーン変更手段418により特別演出シーンに変更するものである。これにより、まず、リーチ状態となることで、期待感を高めることができ、そして、複数のキャラクタが移動表示されている時に、主キャラクタC1のみが移動停止するか否かの興趣が高められ、主キャラクタC1が移動停止することで、大当たりの期待感を確信に変化させることが可能となる。
更に、図示は省略するが、停止した全ての図柄列の組合わせが、所定条件を満たす特定の組合わせ(例えば、「お」,「そ」,「松」の組合わせ)を充足するように停止すると、演出シーン変更手段418により特別演出シーンに変更するようにしても良い。この場面では、例えば、先に上列と下列で、「お」と「松」が停止しても、リーチ状態とは異なるため「リーチ」とは報知されず、リーチ状態とは異なる期待感を付与することができ、その状態で特別演出シーンに変更するので、興趣を高めた演出表示とすることができる。
(第二演出シーンについて)
本例のパチンコ機1では、演出表示制御手段413に第二演出シーン制御手段422を備えており、第一演出シーンが、所定の組合わせ(例えばリーチ状態)となった時に、発展することで場面を変えて単に図柄列の変動が停止するだけのような演出とは異なる演出の第二演出シーンが表示可能とされており、この第二演出シーンも第一演出シーンと同様に様々なパターンが予め用意されている。図25は、この第二演出シーンの一例を示すもので、第一演出シーンでリーチ状態となった後に、背景が遠近感のある路地となり、その略中央に所定のキャラクタとして脇キャラクタ(バケツ)C3と、その左側後ろに副キャラクタC4(縦縞模様のパンツを履いた男性)が表示され(図25(a)参照)、その右側から装飾図柄SがバケツC3に当たると、バケツの中から主キャラクタC1が手前側に倒れこんだ状態で表示されると共に、主キャラクタC1の後ろ側には、装飾図柄Sと枠体を持った副キャラクタC2(スーツを着た出っ歯の男性)とが表示される(図25(b)参照)。その後、装飾図柄Sと副キャラクタC6が左側へ移動しようとする動作をすると共に、装飾図柄Sと副キャラクタC2が表示領域内に入るように、背景と主キャラクタC1が右側の表示領域外へ移動する(図25(c)参照)。
その後、前方(遊技者側)に向かって逃げ回る装飾図柄Sとその後方から装飾図柄Sを追いかける副キャラクタC2とが表示される。つまり、副キャラクタC2の前側に装飾図柄Sを表示させた状態で、背景を漸次変化させることにより、装飾図柄Sと副キャラクタC2とが前方に向かって動作しているように見せる演出である。なお、背景としては、住宅や壁等の構造物、木や山等の風景、及び工事現場の用具やバケツ等が表示される。なお、演出表示装置115における左右の上端隅部には、既に停止している上図柄列及び下図柄列の停止装飾図柄TSが表示される。
その後、装飾図柄Sが副キャラクタC2によって捕捉され、装飾図柄Sと副キャラクタC2との相対位置が変更された演出表示、すなわち副キャラクタC2が装飾図柄Sの前側に位置する演出表示がなされる。続いて、装飾図柄Sが枠体から逃げ出す演出が行われ、さらに、装飾図柄Sの数字が変更される演出が行われる。そして、再び、前方に向かって逃げ回る装飾図柄Sと、その後方から装飾図柄Sを追いかける副キャラクタC2との演出が行われ、さらに装飾図柄Sが捕捉される演出が行われる。つまり、装飾図柄Sの数字が変更されると、副キャラクタC2が追いかけて補足する演出が、繰り返し行われる。
そして、制御情報コマンドによって、所定回数繰返された後に、最終停止図柄を副キャラクタC2が捕捉し、その装飾図柄Sの前側に位置する演出表示が行われる。この状態で、例えば、数字の「7」を捕捉していれば、最終停止図柄が数字の「7」であることを意味しており、ここでは最終停止図柄が、リーチ図柄と同じ絵柄であることから、抽選結果が大当りとなったこと、すなわち有利遊技状態が発生することが示唆される。
この第二演出シーンでも、演出シーン変更手段418により、受信した制御情報コマンドの内容に応じて特別演出シーンへ変更可能とされており、第二演出シーンでは、特に、冒頭部制御手段により演出表示される第二演出シーンの冒頭部において変更可能とされている。この第二演出シーンの冒頭部は、第一演出シーンと違和感無く繋がるように、キャラクタ等を演出表示するもので、以下、第二演出シーンの冒頭部において、変更の契機となる演出場面の例を具体的に説明する。
上記図25(a)〜(c)に示した第二演出シーンの冒頭部において、同図(b)の状態から、背景と主キャラクタC1が右側の表示領域外へ移動する代わりに、同図(d)に示すように、装飾図柄Sと副キャラクタC6が左側の表示領域外へ移動して主キャラクタC1のみが表示領域内に残ると、特別演出シーンに変更される。なお、本例では、特別演出シーンへの変更に先立って、主キャラクタC1が立ち上がる動作表示が行われる。これにより、第二演出シーンの冒頭部で、主キャラクタと、その後ろに装飾図柄と他のキャラクタが表示されると、何れのキャラクタの方にカメラワークされるのかと言う期待感が高められ、興趣に富んだものとすることが可能となる。
図26は、図25に示したものとは異なる第二演出シーンの冒頭部を示すもので、同図(a)に示すように、停止装飾図柄TSが表示領域の四隅に表示されており、ダブルリーチの状態となっていることを示唆している。この冒頭部では、図示するように、初めに主キャラクタC1と複数の装飾図柄Sとを脇キャラクタ(シーソー)C5の一方の端(手前の端)に位置するように表示すると共に、表示領域の隅(ここでは、右側)に副キャラクタC2,C6(頭の禿た子供)が表示される。その後、シーソーC5の他方の端(奥の端)に副キャラクタC2,C6を落下させることで、手前の端の主キャラクタC1と装飾図柄Sを上側に飛ばし、その後、同図(b)に示すように、複数の主キャラクタC1がシーソーC5の手前の端に落下することで、奥の端の副キャラクタC2,C6が上側に飛ぶと、特別演出シーンに変更する。ところで、この冒頭部において、主キャラクタC1に代えて、装飾図柄Sの一つがシーソーC5の手前の端に落下することで、奥の端の副キャラクタC2,C6が上側に飛ぶと、引き続き第二演出シーンが表示される。これにより、シーソーC5の手前の端の主キャラクタC1が消えた後で、主キャラクタC1又は装飾図柄Sの何れが表示されるかと言う期待感が高められ、主キャラクタC1が表示されることで、更に期待感を高めることが可能である。
また、図27に示す例は、上記の例とは異なる第二演出シーンの冒頭部を示すものである。この冒頭部は、第一演出シーンでハズレリーチの状態となった後に、その画面が、地震が起きたように振動して場面が切り替わり、同図(a)に示すように、表示領域においてその左側が高く右側が低くなっている滑り台の頂上にキャラクタとして副キャラクタC4が表示される。続いて、その副キャラクタC4に向かって複数の装飾図柄Sが右側から移動して順次、副キャラクタC4に衝突すると共に、複数の装飾図柄Sに混じって主キャラクタC1が副キャラクタC4に衝突して(同図(b)参照)、副キャラクタC4が表示領域外へ跳ね飛ばされて消え、代わりに主キャラクタC1が滑り台の頂上に残ると、特別演出シーンに変更される。ところで、この冒頭部において、主キャラクタC1と副キャラクタC4が衝突した際に、主キャラクタC1が表示領域外へ跳ね飛ばされると、引き続き第二演出シーンが表示される。これにより、上記とは異なる演出ながら、何れのキャラクタが残るのかと言う期待感が高められ、興趣に富んだものとすることができる。
また、図28に示す例は、上記の例とは更に異なる第二演出シーンの冒頭部を示すもので、同図(a)に示すように、まず、表示領域の略中央に配置された脇キャラクタとしての大砲C7と、主キャラクタC1と副キャラクタC6とが表示され、各キャラクタC1,C6が大砲C7の周りを回るように移動表示する。そして、それらキャラクタC1,C6が、略同時に大砲C7の砲身内(所定領域内)に入ろうとし、主キャラクタC1が砲身内に入ると、特別演出シーンに変更される。なお、この例では、特別演出シーンへの変更に先立って、大砲C7の砲身内に入れなかった副キャラクタC6が大砲C7に火を着けて、主キャラクタC1を大砲C7から打ち出す表示が行われる。ところで、この冒頭部において、主キャラクタC1の代わりに、大砲C7の砲身内に副キャラクタが入ると、主キャラクタC1が火を着けて、副キャラクタC7が大砲から打ち出されて、引き続き第二演出シーンが表示される。これにより、何れのキャラクタが砲身内に入るかと言う期待感を高めることが可能となる。
(第三演出シーンについて)
このパチンコ機1では、演出表示制御手段413に第三演出シーン制御手段424を更に備えており、受信した制御情報コマンドの内容により、第二演出シーンから更に発展する第三演出シーンを表示可能としており、この第三演出シーンも、様々なパターンが予め用意されており、最終停止図柄が確定するまで、種々の演出表示を行って、興趣を高められるようになっている。
(特別演出シーンについて)
特別演出シーンは、大当りすなわち、有利遊技状態が発生する期待度が最も高いことを示唆するものであり、特別演出シーン制御手段425により演出表示されるものである。この特別演出シーンは、本例では、第一特別演出シーンと、第一特別演出シーンに続いて表示される第二特別演出シーンとを有している。
図29は第一特別演出シーンの一部分を示すもので、図示するように、演出表示装置115の表示領域における左右の上端隅部に、同じ図柄の停止装飾図柄TSを表示して、リーチの状態であることを示唆した状態で、複数の主キャラクタC1が表示されると共に、センター役物91に備えられたキャラクタ体92(図3参照)が回転を開始する。このキャラクタ体92は、主キャラクタC1の「顔」が表示された面と、漢字の「寿」が表示された面とを有しており、何れかの面でキャラクタ体92の回転が停止すると、そのキャラクタ体92の表示された図柄が演出表示装置115に表示される。例えば、キャラクタ体92が「寿」で停止すると、図29(a)に示すように、演出表示装置115には、「寿」の図柄S1が表示される。その後、同じ図柄(ここでは、数字の「7」)の装飾図柄Sが三つ並んで表示されることで、大当たりであることが示唆される。
一方、キャラクタ体92が、主キャラクタC1の「顔」で停止すると、図29(b)に示すように、演出表示装置115には、主キャラクタC1の「顔」の図柄S2が表示される。その後、第二特別演出シーンの表示が開始される。この第二特別演出シーンは、図24に示すように、複数の主キャラクタC1側と複数の副キャラクタ側とが、綱引きを行うような演出表示を行うものである。この第二特別演出シーンの表示が開始されると、前面枠4に設けられたボタン60の操作を促す内容の表示(同図(c)参照)がなされ、「綱引き」ゲームが開始される。そして、所定時間内(本例では、約24sec)において、ボタン60の操作に応じて、綱引きの状況が一進一退するような演出表示(同図(d)〜(f)参照)がなされる。そして、主キャラクタC1側が勝つと「勝利!!」(同図(g)参照)と報知して、確定画面として、当りを示唆する組合わせの装飾図柄Sを表示すると共に、勝利に至るまでのクリアタイムと、これまでの上位三つのクリアタイムのランキングとを表示する(同図(h)参照)。その後、有利遊技状態発生手段436によって有利遊技状態が発生するようになっている。
この第二特別演出シーン(以下、単に特別演出シーンとも称す)を表示するための具体的な処理内容を図30〜図33に基づいて詳細に説明する。周辺基板311のサブ統合基板336では、主基板310からのコマンドに基づいて、特別演出シーンの表示を指示するコマンド(スタートコマンド)を生成し、そのコマンドを演出表示制御手段413に送る。そして、演出表示制御手段413では、特別演出シーンの表示を指示するスタートコマンドに基づいて、演出シーン制御手段417(特別演出シーン制御手段425)によりROM371から特別演出シーンを構成するカットを呼出し、演出表示装置115に第二特別演出シーンの開始を案内する表示をさせた上で、特別演出シーン(第二特別演出シーン)の表示を開始させる。
演出シーン制御手段417は、この第二特別演出シーンの冒頭で、先の第一特別演出シーンで表示されていた左右二つの停止装飾図柄TSにおいて、その数字の図柄を、主キャラクタC1の顔図柄KSに変化させる。これにより、装飾図柄Sによる当否の表示できなくしてその後の「綱引き」ゲームに、遊技者の意識を集中させることができる。ところで、装飾図柄Sにおける枠と、顔図柄KSとの間の色彩は、第一演出シーンにおいてリーチ状態(ダブルリーチを含む)となった装飾図柄Sにおける枠の内側の色彩と同じ色彩とされており、第一演出シーンにおける装飾図柄Sの停止状況が特別演出シーンにおいても、判別できるようになっている。つまり、判別表示されている。因みに、本例では、変動開始コマンドに含まれる確変・非確変コマンドによって、第一演出シーンにおいてリーチ状態となる装飾図柄Sの色彩が設定されており、その色彩によって、抽選結果が当りの場合に、確率変動状態となるか否かが判るようになっている。その判別表示の色彩としては、例えば、判別表示が青色であれば非確変となり、赤色であれば確変となることを示唆している。
そして、特別演出シーンの表示が開始されると、複数の副キャラクタと主キャラクタC1とが綱引きを開始するような演出表示がなされる。このとき、当初、演出表示装置115の表示領域の左右上側の隅に表示され、リーチ状態であることを示していた停止装飾図柄TSの図柄が主キャラクタC1の顔図柄KSに変更されると共に、やや拡大して表示される。また、表示領域の左上には、計測時間を表示するための時間表示領域ATが設けられている。なお、綱引きの開始前は、「00.00」が表示されている。
ところで、サブ統合基板336では、演出表示制御手段413(電飾制御基板338)へ特別演出シーンの開始を指示するスタートコマンドを送信すると共に、音響制御手段412(波形制御基板339)へも特別演出シーンの開始を指示するコマンドを送信し、音響制御手段412では、予め設定された特別演出シーン用の音楽をROM372から読み出して、スピーカ18,58から音楽(BGM)を鳴動させて、興趣を高められるようにしている。なお、音響制御手段412は、特別演出シーンに限らず、他の演出シーンにおいても、入力されたコマンドに応じて所定の音楽などを鳴動させるようになっており、表示される演出シーンに応じて異なる音楽などを鳴動させることで、どんな演出シーンかが認識できるようになっている。
続いて、図33に示すように、ステップS801において、案内表示処理として、案内手段445によって演出表示装置115に、遊技者に対してボタン60の操作を促す案内を表示させる(図30(a)参照)。その後、演出表示装置115では、キャラクタの動作により「綱引き」ゲームが開始されると共に、ステップS802において、時間計測手段446により時間の計測が開始される。この際に、表示領域では、主キャラクタC1側がメインとなるように、左右の顔図柄KSの間に表示されると共に、主キャラクタC1がより右側へ移動すると優勢となるような表示とされている。
なお、スタートコマンドが送られて、特別演出シーンの表示が開始されてから、「綱引き」ゲームが開始されるまでの時間を一定の時間とされている場合は、時間計測手段446での計測開始をスタートコマンドを受けた時とし、表示手段への表示は、その一定時間を差し引いた値とするようにしても良い。これにより、時間計測手段446の作動を直接スタートコマンドで制御可能となり、制御の負荷を軽減することができる。
ところで、本例の特別演出シーンでは、「綱引き」の勝敗の表示を制御するものとして、所定のパラメータPHが設定されており、このパラメータPHの値によって、「綱引き」の進行状況が表示されるようになっている。具体的には、例えば以下の表5で表されるテーブルによって8通りの表示状況が表示される。なお、「綱引き」の開始当初は、パラメータPHが「6」に設定されており、表示領域上では、綱の最後尾のキャラクタ(風船)CFと、その前(画面上左側から)の五番目の主キャラクタC1との間の位置から始まるようになっている。
そして、時間計測の開始と略同時に、続くステップS803では、ボタン60の操作状況を判断する操作状況判断処理が行われる。つまり、操作検出手段441によるボタン60の操作の検出結果に基づいて、操作状況判断手段442が操作状況を判断する。具体的には、例えば以下の表6で表されるテーブルによって、ボタン60の単位時間当たりの操作回数Aに基づいて、操作状況がパラメータPSとして3通りに判断される。つまり、単位時間当りでの操作回数が0の時は操作していないと判断しパラメータPSの値を「0」に、単位時間当りでの操作回数が1回以上の時は操作していると判断し、その操作回数が1であればパラメータPSの値を「1」に、操作回数が2回以上であればパラメータPSの値を「0」としている。なお、本例では、単位時間としては、320ms当りのボタン60の操作回数Aとしている。
続いて、ステップS804では、ステップS803での判断結果を基に演出内容選択表示処理が行われる。つまり、操作状況判断手段442の判断結果に基づいて、演出内容選択手段443により特別演出シーンに反映させる演出内容を選択して表示する。具体的には、遊技者側が優勢となるように主キャラクタC1を一つ右側に移動させる表示内容、遊技者側が劣勢となるように主キャラクタC1を一つ右側に移動させる表示内容、或いは、主キャラクタC1を移動させずにこう着状態を示すような表示内容、の何れかの表示内容を選択する。この時、優勢となる表示内容が選択されるとパラメータPHに「−1」が付与され、劣勢となる表示内容が選択されるとパラメータPHに「+1」が付与され、こう着状態となる表示内容が選択されるとパラメータPHに「0」が夫々付与される。これにより、主キャラクタC1が前進したり後退したりする演出表示が行われる。
この例では、主キャラクタC1が勝ち抜ける確率は、主キャラクタの表示位置と、ボタン60の操作状況によって種々な確率が設定されている。詳述すると、主キャラクタC1の表示位置と関係するパラメータPHの値と、ボタン60の操作状況と関係するパラメータPSの値とに基づいてその確率が設定されている。具体的には、例えば表7で表されるテーブルに示すような設定とされてる。なお、ボタン60が操作されていないと判断した場合、つまり、パラメータPSの値が「0」の時は、勝ち進むことはない。
この演出内容選択表示処理は、例えば以下の表8で表されるテーブルによって、パラメータPHに付与される値を選択している。詳述すると、この例では、パラメータPHに付与する値は、ステップS803における判断結果すなわちパラメータPSと、主基板310からの当否コマンドと、付与前のパラメータPHとに基づいて、付与される値の確率が異なる(変化する)ようになっている。これにより表示されている「綱引き」の状況に応じた演出内容が選択されるようになっている。
そして、ステップS804では、選択された「付与される値」をパラメータPHに付与すると共に、付与されたパラメータPHの値を基に、特別演出シーンの表示状況を変化させる。具体的には、例えば、付与前のパラメータPHが「6」で、選択された付与される値が「0」の場合、付与後のパラメータPHは「6」と変らず、図30(b)に示すような表示状況のままで表示される。なお、表示領域の右上にはパラメータ表示領域APが設けられており、このパラメータ表示領域APには、上記の表6に示した「表示されるパラメータPHの値」が表示され、ここでは、「5」(あと5)が表示される。一方、選択された付与される値が「−1」の場合、付与後のパラメータPHが「5」となり、図示は省略するが、前から五番目の主キャラクタC1が略中央に表示されるように変更されると共に、パラメータ表示領域APでは、「あと4」と表示される。なお、表示領域の左下には、案内手段445によって、ボタン60の操作を促す内容の表示がなされており、これにより、ボタン60の操作を続けさせるように案内している。
続いて、ステップS805では、特別演出シーンにおける表示内容が所定の条件を満たしているか否かが判定される。具体的には、パラメータPHの値が「0」又は「7」であるか否かを判断し、パラメータPHの値がそれ以外、すなわち、「綱引き」の表示において、勝敗の決着が付いていない場合は、所定条件を満たしていないと判定して、ステップS806へと進む。このステップS806では、計測開始からの時間が所定時間経過したか否かを判定し、所定時間経過していなければ、ステップS803へと進み再び操作状況判断処理を行い、続くステップS804で演出内容選択表示処理を行い、所定時間経過するか、ステップS805において、所定の条件を満たすまで、ステップS803〜ステップS806を繰返すようになっている。なお、ステップS806で、所定時間経過した場合は、ステップS809へと進む。
この所定時間は、主基板310からの制御情報コマンドに基づいて、サブ統合基板336においてエンドコマンドとして生成されるもので、具体的には、例えば主基板310からの変動表示パターンコマンドによる変動タイマの時間と、第一演出シーンの表示開始(変動開始)から特別演出シーンの表示が開始されるまでの時間とを基に、所定時間が所定範囲の中から決定されるものである。本例では、特別演出シーンの終了つまり終局カットにおける確定画面の表示が、変動タイマの終了時間に近づくような所定時間が決定される確率が高くなっている。そして、演出表示制御手段413(電飾制御基板338)は、サブ統合基板336からエンドコマンドを受けることで、所定時間が経過したことが判断される。
上記のように、ステップS803〜ステップS806を繰り返すことで、例えば、演出内容選択手段443でその都度「−1」と選択されると、演出表示装置115では、その都度主キャラクタC1が一人ずつ右側に移動すると共に、パラメータ表示領域APに表示される値が一つずつ減って行くこととなる。ところで、本例では、表8に示すように、付与前のパラメータPHが2〜6の範囲では、優勢な演出内容が選択される確率が高く、付与前のパラメータPHが1では、その確率が低くなるように設定されているので、開始当初は、「綱引き」が勝利する方向へ順調に進むが、あと少しで勝利する段階になると、なかなか進まなくなり、主キャラクタC1が一進一退を繰返し、より多くのボタン60の操作を促すと共に、緊迫した感じの演出とさせ、より興趣を高める演出を表示することが可能となっている。そして、所定時間内にパラメータPHが「0」又は「7」となると、「綱引き」の勝敗が決着したと判断して、ステップS805からステップS807へと進む。なお、表8に示すように、当否コマンドが「ハズレ」コマンドの時は、パラメータPHの値が「0」とはならないようになっており、ボタン60の操作をいくら操作しても、パラメータPHの値が「1」より、つまり、前から一番目と二番目の主キャラクタC1の間よりは前へは勝ち進めず、一進一退を繰返すようになっている。
なお、上記の表示内容は、予め複数のカットが用意されており、ボタン60の操作状況に応じて所定のカットが選択されて一身一退の表示がなされる。詳述すると、優勢となるような後退するカット、状況が変化しないカット、劣勢となるような前進するカット、等が用意されており、ボタン60操作に応じてカットが選択される。また、ボタン60の操作状況に応じて、主キャラクタC1の顔の表情が変化するようになっており、例えば、ボタン60の操作回数が多いほど(パラメータPHの値が大きいほど)、図30(c)に示すような歯を食い縛るような表情が表示されるようになっており、そのような内容のカットが選択されて表示される。
また、本例では、図示するように、主キャラクタC1に隣接して表示されている装飾図柄としての顔図柄KSの顔の表情が、主キャラクタC1の顔の表情と同じ表情となるように随時変化するようになっている。これにより、遊技者に対して強いインパクトを与えると共に、「綱引き」ゲームがより一体感のあるものとなる。
ところで、演出表示制御手段413では、「綱引き」のゲーム展開に応じて所定のコマンドを、サブ統合基板336を介して音響制御手段412に送信しており、音響制御手段412では、そのコマンドに応じて所定の音声や効果音などをROM372から読み出して鳴動させている。つまり、表示されているゲームの状況や、主キャラクタC1の表情に応じた音声や効果音などが鳴動さる。具体的には、例えば、主キャラクタC1の顔の表情において、口の開いたカットが表示されると所定の音声を出力(鳴動)させ、口の閉じたカットが表示されると音声の出力を停止させるような、制御を行う。これにより、キャラクタCの口の動きと、出力される音声とが略一致して、見た目にも、キャラクタCが音声を発しているように見せることができ、より臨場感に溢れた演出が可能となっている。
そして、所定時間内において、パラメータPHの値が「0」又は「7」になる(決着が着く)と、ステップS805からステップS807へと進む。或いは、演出表示制御手段413がサブ統合基板336からエンドコマンドを受ける、つまり、所定時間が経過する(決着時間の到来)と、ステップS806からステップS807へと進む。なお、演出表示制御手段413は、パラメータPHの値が「0」又は「7」になると、その旨を示す決着コマンドをサブ統合基板336に送り、サブ統合基板336では、その決着コマンドに基づいても、エンドコマンドを生成して、演出表示制御手段413に送るようにしても良い。
続いて、ステップS807では、時間計測手段446による時間の計測を停止させ、続いてステップS808において、計測時間抽出手段447によって過去に計測されて記憶手段としてのRAM374に記憶されている計測時間の中から、三つの計測時間を抽出する。具体的には、時間計測手段446により時間が計測されると、計測時間登録・書換手段449によって、計測された現在の計測時間を記憶手段(RAM374)に現在の計測時間として記憶させる。次に、計測時間抽出手段447によって、RAM374に記憶されている三つの過去の計測時間を抽出する。なお、本例では、パチンコ遊技機1の電源が切断されると、RAM374内の記憶が揮発して無くなるので、電源投入時等には、予めROM371にデフォルトとして記憶されている三つの過去の計測時間がRAM374に登録されるようになっている。そして、計測時間登録・書換手段449では、計測時間抽出手段447によってRAM374から抽出された三つの過去の計測時間と、現在の計測時間とを比較すると共に並べ替えて、その上位三つの計測時間を過去の計測時間として、RAM374の記録を書換える。なお、RAM374は、電源が切断されても、その記憶が揮発しないようなものとしても良い。
続くステップS809では、終局カット表示処理が行われる。詳述すると、当否コマンドが「当り」のコマンドで、所定時間内にパラメータPHの値が「0」となった場合、つまり、ボタン60の操作により勝ち進んで勝った場合は、勝利を示唆する終局カットが表示される。具体的には、終局カット表示手段448によって、図30(d)に示すように、演出表示装置115に、左右の顔図柄KSと並んだ主キャラクタC1の前側に遊技者側が勝ったことを示唆する表示(例えば、「勝利!!」)を行った後、図30(e)に示すように、確定画面として、左右の顔図柄KSと主キャラクタC1とが、当りを示唆する三つの同じ装飾図柄S(ここでは、「7」,「7」,「7」)に変更して表示され、その前側に、時間計測手段446で計測された現在の計測時間(CLEAR TIME)を大きく表示すると共に、計測時間抽出手段447で抽出された上位三つの過去の計測時間をランキング表示ASとして表示する終局カットを表示して、特別演出シーンの表示処理が終了する。
また、このステップS809では、当否コマンドが「当り」のコマンドで、所定時間内にパラメータPHの値が「7」となった場合、つまり、ボタン60を操作したにも関わらず、風船CFまで表示されて負ける寸前まで行った場合、最後尾の風船CFから一気に一番目の主キャラクタC1を表示させて「逆転勝ち」したような表示をした後に、上述と同様に勝ったことを示唆する表示(図24(d)参照)をし、続いて、同図(e)に示すような、当りを示唆する三つの装飾図柄Sと、ランキング表示ASとして計測時間及びランキングとを示すような終局カットの表示もする。これにより、負けそうな雰囲気を出しながら、最後に逆転勝利したような表示内容とされるので、遊技者に対してハラハラした感じを与えることが期待でき、抑揚に富んだものとすることができる。
更に、ステップS809では、当否コマンドが「当り」のコマンドで、所定時間内に決着が付かなかった場合、当否の確定画面として、図示は省略するが、左右の顔図柄KSと主キャラクタC1とが、当りを示唆する三つの同じ装飾図柄Sに変更して表示する終局カットが表示される。なお、ここでは、クリアタイムのランキング表示ASはなされないが、ランキング表示を行うようにしても良い。
また、ステップS809では、当否コマンドが「ハズレ」のコマンドである場合、表8に示すように、ボタン60を操作しても所定時間内で負けてしまったり(パラメータPSの値が「7」)、所定時間が経過してしまったりすると、図31(a)に示すように、左右の顔図柄KSの間に綱の最後尾に位置する風船CFが表示され、遊技者側が負けたことを示唆する表示(例えば、「残念」)をした後に、図31(b)に示すように、確定画面として、左右の顔図柄KSがリーチ状態を示す装飾図柄S(ここでは、「3」)に変更されると共に、風船CFの前に左右の装飾図柄Sとは異なる数字の装飾図柄S(ここでは、「4」)が表示されハズレ(ハズレリーチ)を示唆する終局カットを表示して特別演出シーンの表示処理が終了する。なお、この場合、表8から判るように、ボタン60を操作し続ける限りは、主キャラクタC1側が優勢な状態で表示され易くなっているので、負けてしまっても、遊技者に対して後少しで勝利したかも知れないと思わせることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、本例では、所定時間内において、ボタン60が操作されなかったり、操作を中止したり、或いは、操作されていないと判断された時、つまり、パラメータPSの値が「0」となった時は、表8に示すように、所定時間内であれば、パラメータPHの値が「6」に変更され、負けそうな表示となる。そして、所定時間が経過した場合は、ステップS809において、確定画面として、負けを示唆する終局カットが表示される。なお、当否コマンドが「当り」の場合は、負けを示唆する表示がなされた後で、風船CFが爆発して当りを示唆する装飾図柄Sを表示するような終局カットが表示されるようになっている。
ところで、表8の下欄に示すように、当否コマンドとして、「プレミア当り」のコマンドである場合、所定時間内では、ステップS803〜ステップS806によって、ボタン60の操作に応じて「綱引き」が一進一退するような表示がなされ、負けることはあっても勝つことはない表示がなされ、所定時間内で負けてしまうと、ステップS809では、図31(a)に示すような、左右の顔図柄KSの間に綱の最後尾に位置する風船を位置させると共に、遊技者側が負けたことを示唆する表示(例えば、「残念」)をした後に、図32(a)に示すように、左右の顔図柄KSを下方へ移動させると共に、風船CFを上方へ移動させる。そして、図32(b)に示すように、風船CFが爆発して、風船CFの中から三つの同じ顔図柄KSが左右方向に並んで表示される(図32(c)参照)。その後、確定画面として、図30(e)に示すような、三つの顔図柄KSが、当りを示唆する三つの同じ装飾図柄Sに変更されて表示され、その前側に、時間計測手段446で計測された計測時間(CLEAR TIME)を大きく表示すると共に、計測時間抽出手段447で抽出された上位三つの過去の計測時間をランキング表示ASとして表示する終局カットを表示して、特別演出シーンの表示処理が終了する。これにより、一旦負けたと思わせた後に、当りを示唆するようにしているので、落胆した後に喜びを与えることが可能となり、抑揚に富んだものとすることができる。
なお、上述の通り、本例では、変動表示パターンコマンドによる変動タイマに基づいて、ボタン60による制御が有効とされる所定時間、つまり、特別演出シーンの表示時間が設定されており、ボタン60の操作状況に基づいて、「綱引き」ゲームの勝敗が所定時間よりも早く決着すると、特別演出シーンの表示時間が終了するまで、ランキング表示AS或いは、確定画面が表示されるようになっているが、表8から判るように、ボタン60の操作による「綱引き」ゲームでは、遊技者側が負け難いようになっているので、早い段階でゲームに負けて確定画面が長い時間表示される可能性はかなり低くなっている。一方、早い段階でゲームに勝ってランキング表示ASが長い時間表示される場合、この場合では、ゲームが早く決着すると言うことは、そのクリアタイムがランキング表示において上位に表示される可能性が高く、上位に表示されていれば、それにより遊技者は優越感を得ることができ、その表示時間が長くても苦にならず、興趣が低下するのを抑制しながら、変動タイマによる時間を消化させることができる。
因みに、本例では、特別演出シーンとして、「綱引き」をするものを示したが、「相撲、ボクシング、空手、プロレス等の所謂、格闘もの」、「銃等の火器を使って対象物を攻撃する、所謂、シューティングもの」、等としても良く、これらによっても、ゲーム性の高い演出表示をすることが可能であり、面白味のある演出をすることができる。
(大当り処理における演出について)
次に、大当り処理における演出表示について詳細に説明する。図34は、大当り中の所定ラウンドにおける表示画面の一例を示すものである。主基板310は、乱数発生手段434(抽選手段)による抽選の結果、「大当り」が当選し、選択された変動タイマの時間(表2参照)が経過すると、図17に示す「大当り処理」を開始すると共に、制御情報コマンドとして、大当り開始コマンドと、ラウンドカウンタによるラウンド数を示すラウンドコマンドとを周辺基板311のサブ統合基板336へと送信する。そして、サブ統合基板336では、受信した大当り開始コマンドに基づいて、演出表示制御手段413及び音響制御手段412に夫々、大当り処理の開始を示唆する表示コマンド及び音響出力コマンドを送る。
演出表示制御手段412では、大当り処理の開始を示唆する表示コマンドを受けると、演出表示手段115に、先ず初めに、大当りであることを案内する表示を行った後に、図34に示すように、ラウンドコマンドに基づいて、ラウンド数Rを画面左上に表示させる。また、画面右上には、主基板310から送信される入賞球コマンドに基づいて、入賞球の数NTが表示されるようになっている。なお、画面中央には、例えば、ラウンド数と対応した図柄が表示される装飾図柄Sが表示されている。また、図示は省略するが、上述のラウンド数などの表示の他に、ラウンド数に応じて、種々のキャラクタCによる演出表示が合わせて行われるようになっている。これにより、その演出表示によって楽しませることが可能となっている。
その後、主基板310では入賞球の数が所定の数に達すると(例えば、「10」)、次のラウンドコマンドを送信し、演出表示制御手段412では、次のラウンド表示を開始し、上記と同じような表示を繰返す。そして、主基板310では決められたラウンド数に達すると、大当り処理の終了コマンドを送信し、演出表示制御手段412では、終了コマンドに基づいて、大当りの演出表示を終了させる。
ところで、本例では、大当りの演出表示において、演出表示手段412では、所定ラウンドの表示を指示するラウンドコマンドが入力されると、図34に示すように、その画面下側に、ランキング表示ASが表示され、特別演出シーンにおけるランキング結果が表示されるようになっている。具体的には、所定ラウンド(例えば、12ラウンド)の表示を指示するラウンドコマンドを受信すると、演出表示制御手段412では、そのラウンド数Rを表示させると共に、計測時間抽出手段447によりRAM374から三つの計測時間を抽出し、演出表示手段115にランキング表示ASを表示させるようになっている。これにより、遊技者が特別演出シーンにおける「綱引き」ゲームでのクリアタイムのランキング結果を再度確認することができ、「綱引き」でのクリアタイムの結果が、良ければ改めて優越感が得られ、悪ければ次回への闘志を高揚させる効果が期待できるようになっている。なお、クリアタイムが一位の時、その画面表示或いはRAM374の記憶を、パチンコホールやメーカー側などに出力して、パチンコ遊技機1とは別途の特典を付与するようにしても良い。具体的には、例えば、ランキングの表示画面を遊技者自身がデジタルカメラ等で撮影し、その画像と共に遊技者を特定できる情報を携帯電話などの通信端末を用いてパチンコホールやメーカー側に送信して、遊技者に特典を付与する。これにより、遊技者は、その特典を得るために、優先して本発明のパチンコ遊技機1で遊技したくなるようにさせることができる。なお、特別演出シーンにおいて表示されるランキング表示ASの画像を、パチンコホール側などの送信しても良い。
一方、音響制御手段412では、大当り処理を開始する音響出力コマンドを受けると、ROM372から、そのコマンドに対応した音楽や効果音などを抽出して、スピーカー18,58から出力させる。なお、ラウンドによって異なる音楽などを出力するようにしても良い。
このように、本実施形態のパチンコ機1では、特別演出シーンにおいて、ボタン60の操作によるゲームを提供可能とすると共に、ボタン60の操作が有効な時間を計測して、過去の計測時間と比較して表示するものである。つまり、そのゲームがクリアされるまでのクリアタイムを表示すると共に、これまでのクリアタイムのランキングを表示することで、クリアタイムを競うようなゲームとするものである。これにより、遊技者が参加することのできる従来ではなかった全く新しいタイプの遊技機を提供することができる。また、クリアタイムを競うので、遊技者は早くゲームを終わらせようとし、ゲームが長引くことを抑制することができる。
また、本例のパチンコ機1では、主基板310にて、夫々、遊技の実態において特に重要な部分である乱数発生手段434(抽選手段)、有利遊技状態発生手段436、及び、特別図柄表示手段435の制御を行い、一方、この主基板310からの制御情報コマンドに基づいて、周辺基板311にて、遊技の演出に重要な役割を果たす演出表示装置115などの制御が行われるので、主基板310の負担を大きくすることなく、演出表示装置115にて、遊技者の要望に対応した多彩な演出を容易に実現させることができると共に、遊技者が参加可能なゲーム性のある演出を容易に実現させることができる。
更に、本例のパチンコ機1では、特別演出シーンにおいて、ボタン60によるゲームに勝つと、有利遊技状態が発生するので、これにより、より一層ゲームへの参加を促すことが可能となると共に、ゲームに集中させて、興趣を高めることができる。
また、本例のパチンコ機1では、有利遊技状態が発生し、その繰返しが所定ラウンドに達すると、演出表示装置115に再度特別演出シーンにおけるクリアタイムのランキング表示ASが表示されるので、これにより、遊技者が特別演出シーンにおけるクリアタイムのランキング結果を再度確認することができ、そのクリアタイムの結果が、良ければ改めて優越感が得られ、悪ければ次回への闘志を高揚させる効果が期待できるようになっている。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。