[第1の実施形態]
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る遊技機(パチンコ遊技機)1について説明する。
[遊技機1の構成例]
まず、図1,2を参照しつつ、遊技機1の構成例について説明する。ここで、図1は遊技機1の正面図であり、図2は遊技盤2の正面図である。図1,2に示されるように、遊技機1は、遊技機枠30と、遊技機枠30内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠30は、装飾面を有する前面枠31と、遊技盤2等を取り付けるための本体枠と、遊技機1をホールの島設備に固定するための外枠とを有して構成されている。前面枠31は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置されたガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域3が形成されている。
また、図1に示されるように、前面枠31には、遊技球を発射させるための発射ハンドル32と、発射装置(不図示)へ供給される遊技球を貯留する上皿33と、上皿33に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿34とが設けられている。遊技者が発射ハンドル32を握って時計回りに回転させると、上皿33に貯留されていた遊技球が発射装置へと案内され、この遊技球は、発射装置によって、発射ハンドル32の回転角度に応じた発射強度で発射される。発射された遊技球は、遊技領域3の左側に位置するレール部材4に沿って移動した後に遊技領域3の上部位置へと案内され、遊技領域3に設けられた遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って遊技領域3を流下する。
なお、レール部材4の終端には球戻り防止片6が設けられており、この球戻り防止片6によって、一旦遊技領域3に進入した遊技球が発射装置側に戻ることが防止される。また、発射ハンドル32と近接する位置に停止ボタンが設けられており、遊技者は、この停止ボタンを操作することによって、発射ハンドル32を初期姿勢に戻さなくても遊技球の発射を一時的に停止させることが可能である。
遊技者が発射ハンドル32を小さい回転角度だけ回転させる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い発射強度で発射され、この遊技球は、左遊技領域3Lを流下する。一方、遊技者が発射ハンドル32を大きい回転角度だけ回転させる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い発射強度で発射され、この遊技球は、センター装飾体10の右上方に位置するレール部材4に沿って移動した後に右遊技領域3Rを流下する。
左遊技領域3Lにおける遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、開閉部材23、及び3つの一般入賞口24が設けられている(図2参照)。また、右遊技領域3Rにおける遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口22、上記開閉部材23、1つの一般入賞口24、ゲート25、第1大入賞口26、開閉部材27、第2大入賞口28、及び開閉部材29が設けられている(図2参照)。
発射装置から発射された遊技球は、遊技盤2に沿って遊技領域3を流下する過程で、第1始動口21、第2始動口22、一般入賞口24、第1大入賞口26、及び第2大入賞口28のいずれかに入賞する場合がある。この場合、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿33または下皿34に払い出される。例えば、第1始動口21に1個の遊技球が入賞する毎に3個の賞球が払い出され、第2始動口22に1個の遊技球が入賞する毎に3個の賞球が払い出され、一般入賞口24に1個の遊技球が入賞する毎に5個の賞球が払い出される。また、第1大入賞口26に1個の遊技球が入賞する毎に10個の賞球が払い出され、第2大入賞口28に1個の遊技球が入賞する毎に10個の賞球が払い出される。なお、いずれにも入賞しなかった遊技球は、遊技盤2の下端部に形成された排出口を介して遊技領域3から排出される。
なお、遊技盤2の中央に形成された開口部には、センター装飾体10が設けられている。このセンター装飾体10は、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11と、ワープ入口およびワープ出口を両端とするワープ部12とを有して構成されている。左遊技領域3Lを流下する遊技球は、ワープ入口からワープ部12に進入する場合があり、この遊技球は、ワープ出口から排出されてステージ部11へと案内される。このステージ部11の左右中央の位置には、ステージ部11上を転動する遊技球を第1始動口21に向けて落下させる案内溝が形成されている。このため、ワープ部12を介してステージ部11へと案内された遊技球は、ワープ部12を通過することなく左遊技領域3Lを流下する遊技球に比べて、第1始動口21に入賞し易い。
第1始動口21(始動領域、第1入賞領域の一例)は、常時開放されていて遊技球が容易に通過し得る始動領域である。第2始動口22は、普通電動役物としての開閉部材23が作動していないときには閉塞されており、開閉部材23が作動することによって開放される始動領域である。遊技機1では、遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞した場合、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行するか否かが判定される。そして、後述する第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において、図柄が変動表示され、上記判定の結果を示す図柄(大当たり図柄またはハズレ図柄)が停止表示される。ここで、大当たり図柄が停止表示された場合、第1大入賞口26または第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が実行され、ハズレ図柄が停止表示された場合は、大当たり遊技は実行されない。
なお、以下の説明では、第1始動口21に対する遊技球の入賞に応じて実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口22に対する遊技球の入賞に応じて実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらを総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
第1大入賞口26は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第1大入賞口26の開口部には、第1大入賞口26を開閉するプレートである開閉部材27が設けられている。第1大入賞口26は、通常はこの開閉部材27によって閉塞されている。これに対して、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に所定の大当たり図柄が停止表示された場合、開閉部材27を作動させて第1大入賞口26を開放する大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、開閉部材27が第1大入賞口26を開放する開姿勢(図2参照)を維持してから第1大入賞口26を閉塞する閉姿勢に戻る長開放ラウンド遊技が複数回行われる。なお、第1大入賞口26を開放する各長開放ラウンド遊技は、本実施形態では、第1大入賞口26に10個の遊技球が入賞するか、或いは、第1大入賞口26が開放されてから25秒が経過するまで継続する。
第2大入賞口28は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第2大入賞口28の開口部には、第2大入賞口28を開閉する羽根部材である開閉部材29が設けられている。第2大入賞口28は、通常はこの開閉部材29によって閉塞されている。これに対して、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に所定の大当たり図柄が停止表示された場合、開閉部材29を作動させて第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、開閉部材29が第2大入賞口28を開放する開姿勢(図2参照)を維持してから第2大入賞口28を閉塞する閉姿勢に戻る長開放ラウンド遊技が複数回行われる。なお、第2大入賞口28を開放する各長開放ラウンド遊技は、本実施形態では、第2大入賞口28に10個の遊技球が入賞するか、或いは、第2大入賞口28が開放されてから25秒が経過するまで継続する。
このように、大当たり遊技中は第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)を長開放する複数回の長開放ラウンド遊技が行われるため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
なお、説明の便宜上、図2には、画像表示装置7の表示画面70において演出図柄が変動表示されているときに、開閉部材27,29が大入賞口26,28を開放する開姿勢となっている状態が図示されているが、実際には、演出図柄の変動表示中に開閉部材27,29が開姿勢となることはない。また、長開放ラウンド遊技では、第1大入賞口26および第2大入賞口28のいずれか一方が用いられるため、実際には、図2に示されるようにこれらの大入賞口が同時に開放されることはない。また、第1大入賞口26と第2大入賞口28のどちらの大入賞口を用いて大当たり遊技を行うかは、大当たりの種類に応じて予め設定されている(図5(B)及び(C)参照)。
第2始動口22には開閉部材23(図2参照)が近接配置されている。この開閉部材23は、開閉部材23が第2始動口22を閉塞する閉姿勢と、第2始動口22を開放する開姿勢(図2参照)とに姿勢変化可能である。
第2始動口22は、通常は開閉部材23によって閉塞されている。これに対して、遊技者が右打ちした遊技球がゲート25を通過すると、賞球は払い出されないものの、第2始動口22を開放するか否かの判定が行われる。ここで、第2始動口22を開放すると判定された場合、開閉部材23が所定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口22は、開閉部材23が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、開閉部材23が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。
なお、以下の説明では、ゲート25に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
一般入賞口24(第2入賞領域の一例)は、第1始動口21と同様に常時開放されており、遊技球の入賞(通過)によって所定個数(例えば5個)の賞球が払い出される入賞口である。ただし、第1始動口21や第2始動口22、ゲート25とは異なり、一般入賞口24に遊技球が入賞しても特別図柄判定や普通図柄判定といった判定が行われることはない。
[主表示器40の構成例]
図3は、図2における主表示器40の拡大図である。図3に例示されるように、主表示器40は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、普通図柄表示器43、第1特図保留表示器44、第2特図保留表示器45、普図保留表示器46、ラウンド表示器47、遊技状態表示器48、発射方向表示器49等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、「i~p」で示す8個のLEDを有して構成されており、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記8個のLEDを順に点灯させることで図柄の変動表示を行い、第1特別図柄判定の判定結果に応じた組み合わせで各LEDを所定の確定時間(例えば0.5秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。
第2特別図柄表示器42は、「a~h」で示す8個のLEDを有して構成されており、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記8個のLEDを順に点灯させることで図柄の変動表示を行い、第2特別図柄判定の判定結果に応じた組み合わせで各LEDを所定の確定時間(例えば0.5秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。
第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)には、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す図柄として、大当たりであることを報知する「大当たり図柄」、又はハズレであることを報知する「ハズレ図柄」が停止表示される。なお、遊技機1では、大当たりの種類によって互いに異なる複数の大当たり図柄が用意されており、大当たり図柄が停止表示された場合、その大当たり図柄の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口26または第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が行われる。
普通図柄表示器43は、「s~t」で示す2個のLEDを有して構成されており、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記2個のLEDを交互に点灯させることで図柄の変動表示を行い、普通図柄判定の判定結果に応じた点灯態様で各LEDを所定時間(例えば0.5秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。ここで、当たり図柄が停止表示された場合、現在の遊技状態に応じた開放パターンで開閉部材23を動作させることによって第2始動口22を開放する補助遊技が行われる。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41や第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器43に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。また、第1特別図柄表示器41に表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼び、第2特別図柄表示器42に表示される特別図柄を「第2特別図柄」と呼んで両者を区別する場合がある。
第1特図保留表示器44は、「u~v」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特図保留表示器45は、「w~x」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって第2特別図柄判定の保留数を表示する。なお、本実施形態では、これらの保留数の上限がいずれも「4」に設定されている。普図保留表示器46は、「q~r」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって普通図柄判定の保留数を表示する。
ラウンド表示器47は、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、その大当たり図柄に対応する大当たりに応じて実行される大当たり遊技における長開放ラウンド遊技のラウンド数を表示する。このラウンド表示器47は、4R用LEDと、6R用LEDと、8R用LEDと、10R用LEDとを有して構成されており、これらのLEDのいずれかが点灯することによって、長開放ラウンド遊技のラウンド数が報知される。
遊技状態表示器48は、「a1~a3」で示す3個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって遊技機1の遊技状態を表示する。発射方向表示器49は、「y~z」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって遊技球の発射方向を表示する。すなわち、左打ちを行うべき状態であるか、或いは右打ちを行うべき状態であるかを表示する。
[遊技機1が備える演出手段の構成例]
図1,2に例示されるように、遊技盤2や前面枠31には、各種の演出を行うものとして、装飾部材13、可動装飾部材14、枠ランプ37、スピーカ38、演出表示器125、演出第1特図保留表示器126、演出第2特図保留表示器127等が設けられている。また、遊技盤2の後方には、画像表示装置7が設けられている。
装飾部材13は、複数のLEDを有して構成される盤面ランプ5(図4参照)を内蔵しており、各LEDの点灯や点滅のパターンを変更したり、各LEDの発光色を変更したりすることによって、光による各種の演出を行う。
可動装飾部材14は、画像表示装置7の前方であって且つ装飾部材13の後方に配置されている。この可動装飾部材14には複数のLEDが内蔵されており、可動装飾部材14は、可動装飾部材14自体の動きと光の両方或いは一方によって所定の演出を行う。本実施形態では、遊技盤2と画像表示装置7の表示画面70との間に、可動装飾部材14が動作可能な所定の空間が設けられており、可動装飾部材14は、表示画面70に沿って上下動可能に構成されている。可動装飾部材14は、通常は、その大部分が装飾部材13の後ろに隠れて可動装飾部材14の下端部だけが視認可能な初期位置(図2参照)に配置されている。これに対して、可動装飾部材14は、画像表示装置7やスピーカ38を用いて大当たり信頼度が相対的に高い予告演出が実行される際に、所定の発光パターンで発光すると共に表示画面70の大部分を覆う動作位置へと落下する。
枠ランプ37は、前面枠31の各所に内蔵された複数のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯や点滅のパターンを変更したり、各LEDの発光色を変更したりすることによって、光による各種の演出を行う。
画像表示装置7は、その表示画面70に演出画像を表示する液晶表示装置であり、遊技者は、遊技盤2の中央部に形成された開口部を通して表示画面70を視認可能である。この表示画面70には、特別図柄判定の判定結果を報知する演出図柄、キャラクタやアイテム、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の保留数と同じ数だけ表示される保留画像(保留アイコン)、特別図柄の変動表示中であることを示唆する変動示唆画像(当該アイコン)等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置7は、演出画像を表示可能なものであれば液晶表示装置に限らず、EL表示装置等の他の画像表示装置であってもよい。
スピーカ38は、表示画面70上で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音といった演出音を出力して音による演出を行う。
演出表示器125は、2個のLEDを有して構成されており、特別図柄および演出図柄の変動表示に伴って図柄を変動表示し、特別図柄および演出図柄の停止表示に伴って特別図柄判定の判定結果を報知する図柄を停止表示する。この演出表示器125は、各LEDの点灯・消灯の組み合わせや点灯色によって、特別図柄判定の判定結果を報知する。
演出第1特図保留表示器126は、2個のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯・消灯の組み合わせによって、第1特図保留表示器44に表示されるのと同じ第1特別図柄判定の保留数を表示する。演出第2特図保留表示器127は、2個のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯・消灯の組み合わせによって、第2特図保留表示器45に表示されるのと同じ第2特別図柄判定の保留数を表示する。
[遊技機1が備える入力手段の構成例]
図1に例示されるように、前面枠31には、遊技者による入力が可能な入力手段として、第1演出ボタン35および第2演出ボタン36が設けられている。第1演出ボタン35は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。第2演出ボタン36は、遊技者が第2演出ボタン36の把持部を把持して第2演出ボタン36を押し込むことによって操作情報を入力するための押ボタンである。遊技機1では、第1演出ボタン35や第2演出ボタン36の操作に応じた演出が行われることがある。
なお、入力手段の構成は本実施形態で例示するものに限らず、他のものであってもよい。すなわち、例えば、本実施形態では、遊技機1が2つの入力手段を備える場合について説明するが、入力手段は1つ或いは3つ以上であってもよい。また、入力手段は押ボタンに限らず、遊技者のタッチ操作を検知可能なタッチパネル、例えば表示画面70に対してかざされた遊技者の手を検知可能な光センサ、前後左右に動かして位置や方向を指定するジョイスティック、遊技者が把持して姿勢変化させることが可能な操作手段といった他の入力手段であってもよい。
[遊技機1が備える制御装置の構成]
図4は、遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図である。
遊技盤2の裏側には、遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図4に例示されるように、遊技機1の制御装置は、遊技球を用いる遊技の進行を制御するメイン制御基板80、メイン制御基板80からの情報に基づいて演出を統括的に制御するサブ制御基板90、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板100、各種のランプや可動部材による演出を制御するランプ制御基板120等から構成されている。本実施形態では、メイン制御基板80が遊技の進行を制御する遊技制御部として機能し、サブ制御基板90、画像音響制御基板100、及びランプ制御基板120が演出を制御する演出制御部として機能する。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えばサブ制御基板90、画像音響制御基板100、及びランプ制御基板120が1つの基板で構成されていてもよい。
<メイン制御基板80の構成例>
メイン制御基板80は、メインCPU81、メインROM82、及びメインRAM83を備えている。メインCPU81は、メインROM82に記憶されているプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM83は、メインCPU81が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。
メイン制御基板80には、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、ゲートセンサ251、第1大入賞口センサ261、第2大入賞口センサ281、一般入賞口センサ241、第2始動口ソレノイド222、第1大入賞口ソレノイド262、第2大入賞口ソレノイド282が接続されている。なお、本実施形態の遊技機1は、4つの一般入賞口24に対応する4つの一般入賞口センサ241を備えているが、図4では、説明の便宜上、一般入賞口センサ241が1つだけ表記されている。
第1始動口センサ211は、第1始動口21に遊技球が入賞したこと(第1始動口21に対する遊技球の通過)を検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第2始動口センサ221は、第2始動口22に遊技球が入賞したこと(第2始動口22に対する遊技球の通過)を検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。ゲートセンサ251は、ゲート25に対する遊技球の通過を検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第1大入賞口センサ261は、第1大入賞口26に遊技球が入賞したこと(第1大入賞口26に対する遊技球の通過)を検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第2大入賞口センサ281は、第2大入賞口28に遊技球が入賞したこと(第2大入賞口28に対する遊技球の通過)を検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。一般入賞口センサ241は、一般入賞口24に遊技球が入賞したこと(一般入賞口24に対する遊技球の通過)を検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。
第2始動口ソレノイド222は、開閉部材23に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材23を動作させて、第2始動口22を開閉する。第1大入賞口ソレノイド262は、開閉部材27に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材27を動作させて、第1大入賞口26を開閉する。第2大入賞口ソレノイド282は、開閉部材29に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材29を動作させて、第2大入賞口28を開閉する。
図には示されていないが、遊技機1は、遊技盤2の裏面側に設けられた球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御して上皿33又は下皿34に遊技球を供給する払出制御基板を備えている。メインCPU81は、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、第1大入賞口センサ261、第2大入賞口センサ281、又は一般入賞口センサ241からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した箇所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板に指示し、また、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
また、メインCPU81は、第1始動口センサ211からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、メインCPU81は、第2始動口センサ221からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。ここで、各種乱数とは、具体的には、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数である。
大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類(大当たり遊技のラウンド数や大当たり遊技終了後の遊技状態など)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有り演出を行うか或いはリーチ無し演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の特別図柄の変動パターンを決定するための乱数である。
メインCPU81は、第1始動口21(又は第2始動口22)に遊技球が入賞したタイミングでこれらの乱数を取得し、先ず、取得した大当たり乱数が、メインROM82に記憶されている所定の乱数値(当選値)と一致するか否かに基づいて、大当たり遊技を実行するか否かを判定する。ここで、大当たり乱数が当選値と一致したことに基づいて大当たり遊技を実行すると判定した場合、上記大当たり乱数と一緒に取得した図柄乱数が、メインROM82に記憶されている(図柄乱数と比較される)所定の乱数値のどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。
ここで、大当たりの種類としては、図5(B)及び(C)に例示されるように、4回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「4R確変大当たり」、6回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「6R確変大当たり」、8回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「8R確変大当たり」、10回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「10R確変大当たり」が例として挙げられる。
一方、メインCPU81は、取得した大当たり乱数が当選値と一致しなかったことに基づいて大当たり遊技を実行しないと判定した場合、その大当たり乱数と一緒に取得したリーチ乱数が、メインROM82に記憶されている(リーチ乱数と比較される)所定の乱数値(リーチ有りに対応する乱数値:図5(D)参照)と一致するか否かに基づいて、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかを決定する。また、メインCPU81は、大当たり乱数に基づく判定の結果に関わらず、大当たり乱数と一緒に取得した変動パターン乱数に基づいて、特別図柄を変動表示する際の特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、特別図柄の変動時間が決定されることになる。
メインCPU81は、大当たり遊技を実行すると判定して、大当たりの種類を決定した場合、第1大入賞口ソレノイド262(又は第2大入賞口ソレノイド282)を介して第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)の開閉を制御することによって、大当たりの種類に応じた大当たり遊技を実行する。
また、メインCPU81は、ゲートセンサ251からの検知信号が入力されたタイミングで乱数(普通図柄乱数)を取得し、取得した普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、この普通図柄判定の結果として第2始動口22を開放すると判定した場合、第2始動口ソレノイド222を介して第2始動口22の開閉を制御することによって、第2始動口22を開放する補助遊技を実行する。
また、メイン制御基板80には、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、普通図柄表示器43、第1特図保留表示器44、第2特図保留表示器45、普図保留表示器46、ラウンド表示器47、遊技状態表示器48、発射方向表示器49が接続されている。
メインCPU81は、主表示器40を構成するこれらの表示器41~49を制御して、図3に基づいて上述した表示処理を実行させる。
<サブ制御基板90の構成例>
サブ制御基板90は、サブCPU91、サブROM92、サブRAM93、及びRTC(リアルタイムクロック)94を備えている。サブCPU91は、サブROM92に記憶されているプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM93は、サブCPU91が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。RTC94は、現時点の日時(日付や時刻)を計測する。
サブ制御基板90には、第1演出ボタン検知センサ96および第2演出ボタン検知センサ97が接続されている。第1演出ボタン検知センサ96は、第1演出ボタン35(図1参照)が操作された場合に、その旨を示す操作情報(操作信号)をサブ制御基板90に出力する。第2演出ボタン検知センサ97は、第2演出ボタン36(図1参照)が操作された場合に、その旨を示す操作情報(操作信号)をサブ制御基板90に出力する。
サブCPU91は、メイン制御基板80から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、第1演出ボタン35や第2演出ボタン36からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU91は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信する。
<画像音響制御基板100の構成例>
画像音響制御基板100は、画像表示装置7による画像表示の制御と、スピーカ38による演出音の出力の制御とを行うものである。この画像音響制御基板100は、本実施形態では、画像音響制御CPU101、制御ROM102、制御RAM103、VDP(Video Display Processor)104、CGROM105、VRAM106、音響DSP(Digital Signal Processor)107、音響ROM108、SDRAM109、及びアンプ110を備えている。
制御ROM102は、マスクROMで構成されており、画像音響制御CPU101の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、ディスプレイリストを作成する処理に使用されるディスプレイリスト作成テーブル等の各種テーブルが記憶されている。ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。制御RAM103は、画像音響制御CPU101が上記制御プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。
画像音響制御CPU101は、上記制御プログラムやディスプレイリスト作成テーブル等の各種テーブル、サブ制御基板90から受信したコマンド等に基づいて、VDP104に対して、CGROM105に記憶されている画像データを画像表示装置7に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。また、画像音響制御CPU101は、音響DSP107に対して、音響ROM108に記憶されている音響データをスピーカ38から出力させる指示を行う。
CGROM105は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出等を実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROM105は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM105は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM105に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAM106は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、図には示されていないが、ディスプレイリスト記憶領域、展開記憶領域、フレームバッファ等を有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域は、画像音響制御CPU101から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域は、CGROM105から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファは、表示画面70に表示される画像データの描画および表示に兼用されるフレームバッファである。
VDP104は、CGROM105に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域に格納する。また、VDP104は、ディスプレイリスト記憶領域に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域に格納した画像データを用いて、フレームバッファに対する描画処理を行う。また、VDP104は、フレームバッファに記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成して、生成したRGB信号を画像表示装置7に出力する。
音響DSP107には、音響ROM108、SDRAM109、及びアンプ110が接続されている。音響ROM108は、楽曲や音声、効果音、警告音等に関する各種音響データを記憶している。SDRAM109は、音響DSP107によるデータ処理等の作業領域として使用されるものである。音響DSP107は、画像音響制御CPU101からの指示に対応する音響データを音響ROM108からSDRAM109に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データを(アンプ110を介して)スピーカ38に出力する。アンプ110は、画像音響制御CPU101から音響DSP107を介して得られる音量に関する指示に従って音量を調整して音響データをスピーカ38に出力させる。
なお、本実施形態では、VDPが描画管理を担うと共に音響DSPがサウンド管理を担う場合について説明するが、他の実施形態では、VDPが描画管理とサウンド管理との両方を担うような構成を採用してもよい。この場合、音響DSPを別途設ける必要はない。
<ランプ制御基板120の構成例>
ランプ制御基板120は、ランプCPU121、ランプROM122、及びランプRAM123を備え、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14、演出表示器125、演出第1特図保留表示器126、及び演出第2特図保留表示器127が接続されている。ランプROM122は、ランプCPU121によって実行されるプログラム、発光パターンデータ、動作パターンデータ等を記憶している。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14に内蔵されたLED等のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動装飾部材14等の動作パターンを示すデータである。
ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されているプログラムに基づいて、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14、演出表示器125、演出第1特図保留表示器126、演出第2特図保留表示器127等の動作を制御する際の演算処理を行う。
ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている発光パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM123に読み出して、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14に内蔵されたLEDの発光を制御する。また、ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている動作パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM123に読み出して、可動装飾部材14を動作させるモータの駆動を制御する。
また、ランプCPU121は、サブ制御基板90からのコマンドに基づいて、演出表示器125における図柄の変動表示および停止表示を制御する。また、ランプCPU121は、サブ制御基板90からのコマンドに基づいて、演出第1特図保留表示器126による第1特別図柄判定に係る保留数の表示、演出第2特図保留表示器127による第2特別図柄判定に係る保留数の表示を制御する。
[遊技状態について]
次に、遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1は、本実施形態では、「通常遊技状態」および「確変遊技状態」の2つの遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、第2始動口22に対する遊技球の入賞をサポートするサポート機能(いわゆる「電サポ」等と呼ばれる機能)が付与されない遊技状態である。通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/200)に設定される(図5(A)参照)。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば20秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、上記サポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/80)に設定される(図5(A)参照)。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば11/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば1.5秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.5秒×3回)に設定される。
特別図柄の変動時間に関してこれらの遊技状態を比較すると、「通常遊技状態」における特別図柄の変動時間に比べて、「確変遊技状態」における特別図柄の変動時間の方が相対的に短い時間に設定され易い。なお、各遊技状態の説明で示した、特別遊技を実行すると判定される確率(大当たり確率)、第2始動口22を開放すると判定される確率(普通図柄判定の当選確率)、普通図柄の変動時間、第2始動口22の開放時間は単なる一例であって、他の確率や時間であってもよいことは言うまでもない。また、本実施形態では、大当たり遊技終了後に「確変遊技状態」で遊技が制御される場合を例に説明するが、大当たり遊技終了後に、「確変遊技状態」、又は、低確率状態で特別図柄判定が行われると共に上記サポート機能が付与される「時短遊技状態」で遊技が制御されてもよい。
なお、以下の説明では、上記サポート機能が付与されていることによって第2始動口22への遊技球の入賞が容易な状態を「高ベース状態」と呼び、サポート機能が付与されていないことによって第2始動口22への遊技球の入賞が困難な状態を「低ベース状態」と呼ぶものとする。
[遊技の流れ]
遊技者が右打ちした遊技球は、第1始動口21には入賞せず、第2始動口22に入賞し得る。しかしながら、低ベース状態のときには、第2始動口22が開放され難く、開放されたとしてもその開放時間は短い。このため、低ベース状態(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第1始動口21を狙った左打ちにより遊技を行うことになる。
通常遊技状態のときに左打ちされた遊技球が第1始動口21に入賞すると、第1特別図柄判定が実行され、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す第1特別図柄として、大当たり図柄またはハズレ図柄が停止表示される。
ここで、ハズレ図柄が停止表示された場合は、大当たり遊技が行われることはなく、遊技状態も変化しない。一方、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示された場合、その大当たり図柄に応じた所定回数の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後は、確変遊技状態で遊技が制御されることになる。なお、本実施形態の遊技機1は、いわゆるST機と呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機として構成されており、大当たり遊技終了後は、80回の特別図柄判定が行われるまで確変遊技状態が継続し得る。
なお、大当たり遊技終了を契機として遊技状態が確変遊技状態に移行した場合、すなわち、低ベース状態から高ベース状態に移行した場合、第2始動口22への遊技球の入賞を容易にする上記のサポート機能によって、第1始動口21よりも第2始動口22の方が、遊技球が入賞し易くなる。このため、高ベース状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第2始動口22を狙った右打ちにより遊技を行うことになる。このため、確変遊技状態で遊技が制御されているときには、基本的には、第2特別図柄判定が行われる。
確変遊技状態において第2特別図柄として大当たり図柄が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後に再び確変遊技状態で遊技が制御される。一方、80回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)の判定結果がいずれもハズレであった場合には、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる。
なお、他の実施形態では、例えば、大当たり遊技終了後に時短遊技状態(低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、サポート機能が付与される遊技状態)で遊技が制御されることになる大当たりを新たに設けて、大当たり遊技終了後に確変遊技状態または時短遊技状態で遊技を制御可能な構成を採用してもよい。
[乱数を用いる特別図柄判定について]
次に、図5を参照しつつ、大当たり乱数、図柄乱数、及びリーチ乱数を用いる判定処理について説明する。ここで、図5は、大当たり乱数、図柄乱数、及びリーチ乱数について説明するための説明図である。なお、図5以降に例示されている各乱数に関する説明図では、説明を容易に行うために、乱数の取り得る範囲が実際よりも少ない範囲に設定されている。
<大当たり乱数に基づく処理>
図5(A)に例示される大当たり乱数は、大当たり遊技を実行するか否かの大当たり判定処理(図21のステップS308)に使用される乱数であり、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態と、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態のそれぞれについて、個別に設定されている。
本実施形態では、低確率状態に関して2個の当選値がメインROM82に記憶されており、メインCPU81は、低確率状態(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)で遊技が制御されているときに、取得した大当たり乱数がこれら2つの当選値のいずれかと一致した場合に、大当たり遊技を実行すると判定する。また、高確率状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)に関して、5個の当選値がメインROM82に記憶されており、高確率状態で遊技が制御されているときに、取得した大当たり乱数がこれら5個の当選値のいずれかと一致した場合に、大当たり遊技を実行すると判定する。
なお、大当たり乱数の取り得る範囲は、低確率状態と高確率状態とのいずれの場合も本実施形態では「0」~「399」である。このため、低確率状態での大当たり確率は1/200(=2/400)であり、高確率状態での大当たり確率は1/80(=5/400)である。
<図柄乱数に基づく処理>
メインCPU81は、大当たり遊技を実行すると判定した場合、その判定に用いた大当たり乱数と一緒に取得した図柄乱数が、大当たりの種類毎に予め設定された乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。言い換えれば、大当たり図柄として第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示する第1特別図柄(第2特別図柄)を選択する。
(第1特別図柄判定に係る大当たりの種類)
図5(B)に例示されるように、本実施形態では、第1始動口入賞による大当たりの種類として、「4R確変大当たり」、「6R確変大当たり」、「8R確変大当たり」、及び「10R確変大当たり」の4種類の大当たりが用意されている。ここで、「4R確変大当たり」(4R確変)は、第1大入賞口26を開放する4回の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行された後に、確変遊技状態で遊技が制御される大当たりであり、「6R確変大当たり」(6R確変)は、第1大入賞口26を開放する6回の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行された後に、確変遊技状態で遊技が制御される大当たりである。また、「8R確変大当たり」(8R確変)は、第1大入賞口26を開放する8回の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行された後に、確変遊技状態で遊技が制御される大当たりであり、「10R確変大当たり」(10R確変)は、第2大入賞口28を開放する10回の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行された後に、確変遊技状態で遊技が制御される大当たりである。
図5(B)に例示されるように、本実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合に、その大当たりの種類を決定するための乱数値がメインROM82に記憶されている。具体的には、4R確変に対して20個の乱数値が記憶され、6R確変に対して50個の乱数値が記憶され、8R確変に対して20個の乱数値が記憶され、10R確変に対して10個の乱数値が記憶されている。
本実施形態では、図柄乱数の取り得る範囲が「0」~「99」に設定されており、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて取得された大当たり乱数に基づいて大当たりと判定された場合、第1特別図柄判定に係る大当たりの種類として、4R確変が20%(=20/100×100)の割合で選択され、6R確変が50%(=50/100×100)の割合で選択され、8R確変が20%(=20/100×100)の割合で選択され、10R確変が10%(=10/100×100)の割合で選択される(図5(B)参照)。
このため、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合、第1特別図柄表示器41に停止表示される大当たり図柄として、4R確変を示す大当たり図柄X1が20%の割合で選択され、6R確変を示す大当たり図柄X2が50%の割合で選択され、8R確変を示す大当たり図柄X3が20%の割合で選択され、10R確変を示す大当たり図柄X4が10%の割合で選択される。
(第2特別図柄判定に係る大当たりの種類)
図5(C)に例示されるように、本実施形態では、第2特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合に、その大当たりの種類を決定するための乱数値がメインROM82に記憶されている。具体的には、4R確変に対して10個の乱数値が記憶され、6R確変に対して15個の乱数値が記憶され、8R確変に対して25個の乱数値が記憶され、10R確変に対して50個の乱数値が記憶されている。
本実施形態では、第2特別図柄判定に係る図柄乱数の取り得る範囲は、第1特別図柄判定に係る図柄乱数の取り得る範囲と同じであり、第2始動口22に遊技球が入賞したことに応じて取得された大当たり乱数に基づいて大当たりと判定された場合、第2特別図柄判定に係る大当たりの種類として、4R確変が10%(=10/100×100)の割合で選択され、6R確変が15%(=15/100×100)の割合で選択され、8R確変が25%(=25/100×100)の割合で選択され、10R確変が50%(=50/100×100)の割合で選択される。
このため、第2特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合、第2特別図柄表示器42に停止表示される大当たり図柄として、4R確変を示す大当たり図柄Y1が10%の割合で選択され、6R確変を示す大当たり図柄Y2が15%の割合で選択され、8R確変を示す大当たり図柄Y3が25%の割合で選択され、10R確変を示す大当たり図柄Y4が50%の割合で選択される。
<リーチ乱数に基づく処理>
メインCPU81は、大当たり遊技を実行しないと判定した場合、その判定に用いた大当たり乱数と一緒に取得したリーチ乱数が、リーチ有り演出に対応する乱数値と、リーチ無し演出に対応する乱数値のどちらの乱数値と一致するかに基づいて、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかを決定する。
本実施形態では、メインROM82において、図5(D)に例示されるように、リーチ有り演出に対して10個の乱数値が記憶されており、メインCPU81は、取得したリーチ乱数がこれら10個の乱数値のいずれかと一致した場合には、リーチ有り演出を行うと決定する。また、リーチ無し演出に対しては90個の乱数値が記憶されており、メインCPU81は、取得したリーチ乱数がこれら90個の乱数値のいずれかと一致した場合には、リーチ無し演出を行うと決定する。本実施形態では、リーチ乱数の取り得る範囲が「0」~「99」に設定されており、大当たり遊技を実行しないと判定された場合に、リーチ演出が行われる割合は10%(=10/100×100)であり、リーチ演出が行われない割合(リーチ無し演出が行われる割合)は90%(=90/100×100)である。
メインCPU81は、リーチ有り演出を行うと決定した場合は、特別図柄の変動パターンとして、リーチ演出を伴う演出図柄の変動演出パターンがサブ制御基板90で選択されることになる変動パターンを選択する。逆に、リーチ無し演出を行うと決定した場合は、特別図柄の変動パターンとして、リーチ演出を伴わない演出図柄の変動演出パターンがサブ制御基板90で選択されることになる変動パターンを選択する。
[変動演出について]
本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄(又は第2特別図柄)が変動表示されてから停止表示されるのに伴って、表示画面70において各種の演出が行われるが、ここでは、第1特別図柄の変動表示に伴って表示画面70で行われる変動演出について説明する。
遊技機1では、第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄表示器41において、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す第1特別図柄が停止表示される。表示画面70には、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を報知する演出図柄が表示される演出図柄表示領域73(図2参照)が設けられており、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示に伴って、演出図柄の変動表示を含む変動演出が行われる(図2参照)。そして、第1特別図柄判定が実行された際に選択された変動パターンに応じた変動時間だけ第1特別図柄が変動表示されると、この第1特別図柄が停止表示されるのに伴って、第1特別図柄判定の判定結果を示す態様で演出図柄が停止表示される。
このような演出図柄の変動表示中には、いわゆるリーチ演出が行われる場合がある。具体的には、表示画面70の演出図柄表示領域73には、例えば、1~9の数字が下から上へ縦方向に連続して記された演出図柄の図柄列の一部が横方向に3列表示されており、第1特別図柄の変動表示が開始されると、これらの図柄列が上から下へスクロールするように変動表示(スクロール表示)される。これに対して、リーチ演出が行われる場合には、全ての演出図柄が停止表示されるのに先立って、まず、例えば左列の演出図柄(左図柄)と右列の演出図柄(右図柄)が順番に、或いは同時に、完全には停止しないように擬似停止する。図2には、左図柄として3図柄が擬似停止すると共に右図柄として同じく3図柄が擬似停止し、中列の図柄列がスクロール表示を継続している状態が例示されている。なお、擬似停止とは、演出図柄をほとんど移動させずにその場で揺動させる演出であり、以下の説明では、演出図柄を完全に静止させる本停止(単に「停止表示」と呼ぶ場合もある)と区別する場合には、擬似停止と呼ぶ場合がある。
左図柄および右図柄として同じ演出図柄が有効ライン上に擬似停止するとリーチ成立となり、同一の演出図柄が3つ揃うことを遊技者に期待させるリーチ演出が行われる。このリーチ演出は、リーチ図柄(左図柄および右図柄)を擬似停止させた状態で中列の図柄列を構成する演出図柄(中図柄)を遊技者が識別可能に低速でスクロールさせ、最終的に、リーチ図柄と共通する中図柄、又はリーチ図柄とは異なる中図柄を有効ライン上に停止させて当落を報知する演出である。
なお、詳細な説明は省略するが、このようなリーチ演出には、演出図柄の他に、キャラクタやアイテムといった他の表示オブジェクトが用いられる。また、以下の説明では、リーチ演出が行われる変動演出において、リーチが成立するまでに行われる演出を「リーチ前演出」と呼ぶ場合がある。
リーチ演出の種類については後に詳述するが、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、ハズレを報知すべくリーチハズレ目(例えば「323」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。一方、リーチ演出が行われない場合には、ハズレを報知すべくバラケ目(例えば「629」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。このように、大当たり遊技を実行しないと判定された場合、ハズレを示すリーチハズレ目またはバラケ目で3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させてハズレ(大当たり遊技が実行されないこと)を報知するハズレ報知演出が実行される。
このハズレ報知演出が実行された場合は大当たり遊技が実行されず、第1特別図柄判定の権利が保留されていれば、所定の確定時間(例えば0.5秒間)だけ第1特別図柄および演出図柄が停止表示された後にその第1特別図柄判定が行われて、第1特別図柄の次の変動表示が開始される。
一方、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、第1特別図柄の変動表示中に大抵はリーチ演出が実行され、大当たりを報知すべくゾロ目(例えば「333」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。このように、大当たり遊技を実行すると判定された場合、大当たりを示す態様で3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させて大当たり(大当たり遊技が実行されること)を報知する当たり報知演出が実行される。この当たり報知演出が実行された場合、大当たり遊技が実行される。
[表示画面70の画面構成]
図2には、通常遊技状態における表示画面70の画面構成が例示されている。通常遊技状態で遊技が制御されているときには、図2に例示されるように、保留アイコン表示領域71、当該アイコン表示領域72、及び演出図柄表示領域73が表示画面70上に形成される。演出図柄表示領域73は、上述したように、左列の図柄列を構成する左図柄と、中列の図柄列を構成する中図柄と、右列の図柄列を構成する右図柄とが表示される表示領域である。
<保留アイコン表示領域71>
保留アイコン表示領域71は、第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留アイコンが表示される表示領域である。遊技機1では、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中といった、特別図柄判定および特別図柄の変動表示を直ちに開始できない状況で第1始動口21に遊技球が入賞した場合には、第1特別図柄判定の権利が所定数(本実施形態では4つ)を上限として保留される。
このように、第1特別図柄判定の権利が保留された場合、保留アイコン表示領域71には、第1特図保留表示器44が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。図2には、第1特別図柄判定の保留数が「2」であることを示唆するために、保留アイコン表示領域71に2個の保留アイコンが表示された状態が例示されている。
なお、後述するSPSPリーチといった高信頼度のリーチ演出が行われているときに保留アイコン表示領域71に保留アイコンを表示していると、リーチ演出に用いる表示領域が制限されるだけでなく、保留アイコンの表示がリーチ演出の興趣性を低下させる可能性がある。このため、本実施形態の遊技機1では、ノーマルリーチやSPリーチ中は保留アイコン表示領域71を構成する表示オブジェクト(本実施形態では、保留アイコンの台座)や保留アイコンを表示する一方、ノーマルリーチやSPリーチからSPSPリーチへとリーチ演出が発展するのに伴い、保留アイコン表示領域71を構成する表示オブジェクトや保留アイコンを表示画面70から消去し、SPSPリーチが終了した後に、保留アイコン表示領域71を構成する表示オブジェクトや保留アイコンを再度表示する構成が採用されている。
また、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、基本的に第2始動口22に遊技球が入賞することがない。このため、通常遊技状態では、基本的には、第2特別図柄判定の権利が保留されることもなく、表示画面70に第2特別図柄判定に係る保留アイコンが表示されたり、この保留アイコンを表示するための表示領域が形成されたりすることはない。
<当該アイコン表示領域72>
当該アイコン表示領域72は、第1特別図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像としての当該アイコンを表示する表示領域である。当該アイコンは、第1特別図柄の変動表示の開始に伴って当該アイコン表示領域72に表示され、例えば、第1特別図柄が停止表示されるタイミングで当該アイコン表示領域72から消去される。ただし、当該アイコンの消去タイミングはこれに限定されるものではなく、第1特別図柄の変動表示中に当該アイコンを消去してもよく、例えば、後述するSPSPリーチ発展時やSPSPリーチの途中で当該アイコンを消去するようにしてよい。
ところで、特別図柄の変動表示が行われておらず、且つ特別図柄判定の権利が保留されていない状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、第1特別図柄の変動表示の開始に伴い、当該アイコン表示領域72に当該アイコンが表示される。一方、保留アイコン表示領域71に保留アイコンが表示されている状態で、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する図柄の変動表示が終了すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(当該アイコン表示領域72に最も近い位置に表示されている保留アイコン)に対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定の実行に応じて第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、最先の保留アイコンが保留アイコン表示領域71から当該アイコン表示領域72へシフトして、新たな当該アイコンとして表示されることになる。このように、当該アイコン表示領域72にシフトした保留アイコン(ここでは、当該アイコン)は、保留アイコン表示領域71に表示されていたときに比べて大きく表示される(図2参照)。このため、遊技者に対して、保留アイコン表示領域71に表示されている保留アイコンよりも、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに注目させることが可能である。
なお、上記最先の保留アイコンとは異なる他の保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示されている場合、当該アイコン表示領域72への最先の保留アイコンのシフトに伴い、保留アイコン表示領域71において、他の保留アイコンが当該アイコン表示領域72へ近づく方向へシフトする。ここまでの説明から明らかなように、遊技機1では、保留アイコン表示領域71に表示されていた保留アイコンに対応する当該アイコンが当該アイコン表示領域72に表示される場合があるため、以下の説明では、保留アイコンと当該アイコンとを区別しない場合には、これらを総称して単に「アイコン」と呼ぶ場合がある。
(アイコン変化演出について)
ところで、保留アイコンは、通常は白色の保留アイコン(デフォルトの保留アイコン)として表示される。これに対して、保留アイコン表示領域71に保留アイコンが表示されているときにその保留アイコンの色が変化するアイコン変化演出が行われる場合がある。このアイコン変化演出が行われた場合、白色の保留アイコンが、青色、緑色、赤色といった大当たり信頼度を示唆する色の保留アイコンに変化する。ここで例示した大当たり信頼度を示唆する色は、大当たり信頼度が低いものから高いものの順に並んでいる。赤色は、その赤色の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となる場合や、「ハズレ」となるものの特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定される場合に選択され易い。緑色は、「大当たり」となる場合や「ハズレ」となるものの特別図柄の変動時間が中程度の時間に設定される場合に選択され易い。青色は、「ハズレ」となる場合や「ハズレ」であって且つ特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定される場合に選択され易い。本実施形態では、白色の保留アイコンの大当たり信頼度が約1%に設定され、青色の保留アイコンの大当たり信頼度が約3%に設定され、緑色の保留アイコンの大当たり信頼度が約15%に設定され、赤色の保留アイコンの大当たり信頼度が約45%に設定されている。
なお、ここでは、保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示されているときにその表示色が1回だけ変化するアイコン変化演出が行われる場合を例に説明したが、本実施形態の遊技機1では、他のアイコン変化演出が行われる場合もある。すなわち、例えば、白色の保留アイコンが、保留アイコン表示領域71に表示されているときに、青色の保留アイコンに変化し、更に緑色の保留アイコンに変化するというように、1つの保留アイコンを対象としてその保留アイコンの表示色が複数回変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。また、保留アイコン表示領域71から当該アイコン表示領域72にシフトした白色の保留アイコンが当該アイコンとして表示されているときに、その表示色が変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。
また、保留アイコン表示領域71に表示されている保留アイコンの表示色が変化し、その後、その保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトして当該アイコンとして表示されているときにその表示色が変化するというように、保留アイコン表示領域71と当該アイコン表示領域72の両方でアイコンの表示色が変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。また、保留アイコンが最初から白色以外の表示色(例えば青色)で表示されるアイコン変化演出や、その初期色が白色以外である保留アイコンの表示色を変化させるアイコン変化演出が行われる場合もある。
このように、本実施形態の遊技機1は、特別図柄判定の権利が保留されていることを示す保留情報を表示画面70に表示し、その保留情報の表示態様を変化させることが可能である。なお、以下の説明では、表示色が白色である保留アイコンや当該アイコンを「通常アイコン」と呼ぶ一方、表示色が白色以外の色である保留アイコンや当該アイコンを「特別アイコン」と呼んで、両者を区別する場合がある。
[保留情報の表示制御に関する変形例]
なお、保留情報の表示制御は、本実施形態で例示するものに限らず、以下のようなものであってもよい。すなわち、本実施形態では、説明の便宜上、アイコン(保留アイコンと当該アイコン)の表示色が白色、青色、緑色、及び赤色の4色である場合を例に説明するが、他の実施形態では、赤色よりも更に大当たり信頼度が高いことを示唆する金色や、「大当たり」となる場合にしか選択されない虹色といった他の色が用意されていてもよい。
また、本実施形態では、アイコン(保留アイコンや当該アイコン)の表示色を変化させるアイコン変化演出を行う場合を例に説明するが、アイコン変化演出は、アイコンの表示態様を変化させる演出であれば本実施形態で例示される演出に限らず、アイコンの形状や大きさを変化させるアイコン変化演出、アイコンの形状や大きさに加えて表示色を変化させるアイコン変化演出等であってもよい。
また、本実施形態では、保留アイコン表示領域71に表示された保留アイコンを対象とするアイコン変化演出に加えて、当該アイコン表示領域72に表示された当該アイコンを対象とするアイコン変化演出を実行可能な場合について説明するが、他の実施形態では、当該アイコン表示領域72を設けることなく(当該アイコンを表示することなく)、前者のアイコン変化演出のみを実行可能な構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、保留情報としての保留アイコンを表示画面70に表示して、その保留アイコンの表示色を変化させる場合を例に説明する。これに対して、他の実施形態では、例えば、発光色を変更可能な4つのカラーLEDを設けて第1特別図柄判定の保留数と同数のLEDを点灯させ、いずれかのLEDの発光色を変化させることによって、保留情報の表示態様を変化させるようにしてもよい。
[第1特別図柄の変動表示に伴う演出の流れ]
図6は、リーチ演出の流れを例示する説明図である。第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す態様で第1特別図柄が停止表示される。これに対して、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、演出図柄表示領域73における3つの図柄列のスクロール表示が開始される(図6(A)参照)。
ここで、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、例えば、有効ライン上に左図柄および右図柄として異なる演出図柄が擬似停止し、この非リーチの態様で中列の図柄列のみをスクロール表示させるリーチ無し演出(図6(B)参照)が行われることがある。このリーチ無し演出が行われた場合、第1特別図柄の変動表示の終盤でバラケ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させ、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴ってこれら3つの演出図柄を本停止させるハズレ報知演出(図6(C)参照)が行われることになる。
一方、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合や、「ハズレ」であるもののリーチ有り演出を行うことが決定されている場合、第1特別図柄の変動表示中に、例えば、演出図柄表示領域73の有効ライン上に所定の左図柄を擬似停止させ、続いて左図柄と同じ演出図柄である右図柄を有効ライン上へと移行させるリーチ前演出(図6(D)参照)が行われる。そして、有効ライン上に同一の左図柄および右図柄が擬似停止するとリーチが成立する(図6(E)参照)。そして、このようにしてリーチが成立すると、リーチ図柄(左図柄および右図柄)と同じ演出図柄である中図柄が有効ライン上に停止して図柄揃いとなることを遊技者に期待させる所定のリーチ演出が行われる。
本実施形態では、第1特別図柄の変動表示に伴って実行され得るリーチ演出として、ノーマルリーチ、SPリーチ、及びSPSPリーチの3種類のリーチ演出が用意されている(図6参照)。
ノーマルリーチ(図6(F)参照)は、大当たり信頼度が相対的に低いリーチ演出(例えば、大当たり信頼度:約2%)である。リーチが成立すると先ずはノーマルリーチが行われ、ノーマルリーチ中は、2つのリーチ図柄(左図柄および右図柄)の間を高速でスクロール表示されていた中列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していく。
ここで、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、例えば、第1特別図柄の変動表示の開始時に変動時間が30秒である変動パターンE(図7(B)参照)が選択されている場合、リーチ図柄とは異なる中図柄を有効ライン上に擬似停止させることでリーチハズレ目(例えば「434」)の演出図柄を表示し、これらの演出図柄を本停止させるハズレ報知演出(図6(G)参照)が行われる。
一方、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であり、例えば、第1特別図柄の変動表示の開始時に変動時間が30秒である変動パターンA(図7(A)参照)が選択されている場合、リーチ図柄と同じ中図柄を有効ライン上に擬似停止させることでゾロ目(例えば「444」)の演出図柄を表示し、これらの演出図柄を本停止させる当たり報知演出(図6(G)参照)が行われる。
また、第1特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンが選択されている場合、ノーマルリーチにおいて当たり報知演出またはハズレ報知演出が行われることなく、リーチ図柄と同じ演出図柄である中図柄が有効ライン上を通過し、その後、中列の図柄列のスクロール速度が上昇して、SPリーチ(図6(H)参照)またはSPSPリーチ(図6(I)参照)に発展する。ここで、SPリーチは、ノーマルリーチよりも大当たり信頼度が高いリーチ演出(例えば、大当たり信頼度:10%)であり、SPSPリーチは、SPリーチよりも大当たり信頼度が高いリーチ演出(例えば、大当たり信頼度:30%)である。
なお、SPリーチやSPSPリーチといった高信頼度リーチ演出に発展する場合、擬似停止していた左図柄が縮小しながら表示画面70における左上方の位置へと移動すると共に、擬似停止していた右図柄が縮小しながら表示画面70における右上方の位置へと移動し、これらの左図柄および右図柄は、移動後の位置で擬似停止し、中列の図柄列は、高信頼度リーチ演出の終盤まで非表示となる(例えば、図9(A)~(H)参照)。そして、保留アイコン表示領域71を形成する表示オブジェクトや保留アイコンも非表示となる。その結果、演出図柄表示領域73よりも広い表示領域で高信頼度リーチ演出を行うことが可能になり、高信頼度リーチ演出の興趣性を向上させることが可能である。
SPリーチとSPSPリーチは、例えば、自キャラが敵キャラと闘うバトル演出として構成されており、SPリーチがバトルの前半、SPSPリーチがバトルの後半という位置付けになっており、バトル前半とバトル後半とでは、闘う敵キャラが共通している。すなわち、例えば、バトル前半のSPリーチで敵キャラAと闘うバトル演出が行われ、その後にバトル後半のSPSPリーチへと発展する場合、SPSPリーチでも敵キャラAと闘うバトル演出が行われることになる。
これらのSPリーチとSPSPリーチとを比較した場合、SPSPリーチの方がSPリーチよりも大当たり信頼度が高く、SPリーチまでしか発展しない場合に比べて、SPSPリーチまで発展する場合の方が、当たり報知演出が実行され易いという特徴がある。
遊技機1では、ノーマルリーチ(図6(F)参照)からバトル前半のSPリーチ(図6(H)参照)へと発展して、このSPリーチにて図6(G)の当たり報知演出またはハズレ報知演出が行われる場合がある。また、ノーマルリーチからSPリーチを経由してSPSPリーチ(図6(I)参照)へと発展する場合と、ノーマルリーチからSPリーチを経由せずにSPSPリーチへと直接発展する場合とがあり、これらの場合、このSPSPリーチにて図6(G)の当たり報知演出またはハズレ報知演出が行われることになる。
なお、図6に例示されるリーチ演出の種類やリーチ演出の発展の仕方は単なる一例であって、リーチ演出の種類や発展の仕方は、他のものであってもよい。
[通常遊技状態で使用する変動パターン選択テーブル]
次に、図7を参照しつつ、通常遊技状態において特別図柄の変動パターンを選択する処理について説明する。ここで、図7は、通常遊技状態において特別図柄の変動パターンを選択する処理に使用される変動パターン選択テーブルについて説明するための説明図である。
メインROM82には、通常遊技状態のときに特別図柄(ここでは第1特別図柄)の変動パターンを選択する際に参照する変動パターン選択テーブルとして、大当たり用変動パターン選択テーブル(図7(A)参照)と、リーチハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(B)参照)と、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(C)参照)とが記憶されている。大当たり用変動パターン選択テーブルは、通常遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となった場合に、第1特別図柄の変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。リーチハズレ用変動パターン選択テーブルは、通常遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となり、且つ(リーチ乱数に基づいて)リーチ有り演出を行うと決定された場合に、第1特別図柄の変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルは、通常遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となり、且つ(リーチ乱数に基づいて)リーチ無し演出を行うと決定された場合に、第1特別図柄の変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。
(大当たり用変動パターン選択テーブル)
大当たり用変動パターン選択テーブル(図7(A)参照)では、第1特別図柄の変動パターンと、変動パターン乱数と比較される乱数値とが対応付けられている。なお、図7では、説明の便宜上、変動パターンおよび各変動パターンに対応付けられている乱数値の個数の他に、第1特別図柄の変動時間、各変動パターンに対してサブCPU91によって選択される変動演出パターンの種類、変動演出パターンの具体的な演出内容、変動パターン乱数の取り得る範囲、各変動パターンが選択される割合が併せて表記されている。
メインCPU81は、通常遊技状態において、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて取得した大当たり乱数に基づいて、大当たり遊技を実行すると判定した場合、その大当たり乱数と一緒に取得した変動パターン乱数と同じ乱数値が対応付けられている変動パターンを大当たり用変動パターン選択テーブル(図7(A)参照)から読み出すことによって、第1特別図柄の変動パターンを選択する。
図7(A)及び(B)に例示されるように、第1特別図柄の変動パターンを選択するための変動パターン乱数の取り得る範囲は、本実施形態では、「0」~「99」に設定されている。大当たり用変動パターン選択テーブルでは、図7(A)に例示されるように、変動パターンAに対して2個の乱数値が対応付けられ、変動パターンBに対して18個の乱数値が対応付けられ、変動パターンCに対して35個の乱数値が対応付けられ、変動パターンDに対して45個の乱数値が対応付けられている。
このため、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、2%(=2/100×100)の割合で変動パターンAが選択され、18%(=18/100×100)の割合で変動パターンBが選択され、35%(=35/100×100)の割合で変動パターンCが選択され、45%(=45/100×100)の割合で変動パターンDが選択される。そして、例えば変動パターンAが選択された場合には、サブCPU91によって変動演出パターンAが選択されて、ノーマルリーチにて当たり報知演出を行う変動演出が行われることになる。また、例えば変動パターンDが選択された場合には、サブCPU91によって変動演出パターンDが選択されて、ノーマルリーチからSPリーチを介して発展したSPSPリーチにて当たり報知演出を行う変動演出が行われることになる。
(リーチハズレ用変動パターン選択テーブル)
メインCPU81は、第1特別図柄判定において、大当たり遊技を実行しないと判定した場合、大当たり乱数、図柄乱数、及び変動パターン乱数と一緒に取得したリーチ乱数に基づいて、リーチ有り演出を行うか否かを決定する。具体的には、リーチ演出が行われる変動パターン群(図7(B)参照)の中からいずれかの変動パターンを選択するのか、或いはリーチ演出が行われない(リーチ無し演出が行われる)変動パターン群(図7(C)参照)の中からいずれかの変動パターンを選択するかを決定する。ここで、リーチ有り演出を行うと決定した場合、リーチハズレ用変動パターン選択テーブルを参照して第1特別図柄の変動パターンを選択する。
リーチハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(B)参照)では、第1特別図柄の変動パターンと、変動パターン乱数と比較される乱数値とが対応付けられている。メインCPU81は、通常遊技状態において、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて取得した大当たり乱数に基づいて大当たり遊技を実行しないと判定し、その大当たり乱数と一緒に取得したリーチ乱数に基づいてリーチ有り演出を行うと決定した場合、これらの乱数と一緒に取得した変動パターン乱数と同じ乱数値が対応付けられている変動パターンをリーチハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(B)参照)から読み出すことによって、第1特別図柄の変動パターンを選択する。
リーチハズレ用変動パターン選択テーブルでは、図7(B)に例示されるように、変動パターンEに対して40個の乱数値が対応付けられ、変動パターンFに対して30個の乱数値が対応付けられ、変動パターンGに対して20個の乱数値が対応付けられ、変動パターンHに対して10個の乱数値が対応付けられている。
このため、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であってリーチ有り演出を行うと決定された場合、40%(=40/100×100)の割合で変動パターンEが選択され、30%(=30/100×100)の割合で変動パターンFが選択され、20%(=20/100×100)の割合で変動パターンGが選択され、10%(=10/100×100)の割合で変動パターンHが選択される。そして、例えば変動パターンFが選択された場合には、サブCPU91によって変動演出パターンFが選択されて、ノーマルリーチから発展したSPリーチにてハズレ報知演出を行う変動演出が行われることになる。また、例えば変動パターンHが選択された場合には、サブCPU91によって変動演出パターンHが選択されて、ノーマルリーチからSPリーチを介して発展したSPSPリーチにてハズレ報知演出を行う変動演出が行われることになる。
(リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブル)
メインCPU81は、大当たり乱数に基づいて大当たり遊技を実行しないと判定し、その大当たり乱数と一緒に取得したリーチ乱数に基づいてリーチ無し演出を行うと決定した場合、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルを参照して第1特別図柄の変動パターンを選択する。
リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(C)参照)では、特別図柄の変動パターンと、今回の第1特別図柄の変動表示が開始される際の第1特別図柄判定の保留数とが対応付けられている。
メインCPU81は、今回の第1特別図柄の変動表示の開始に伴って第1特別図柄判定の保留数が「0」または「1」となる場合には第1特別図柄の変動時間が13秒である変動パターンJを選択し、第1特別図柄判定の保留数が「2」となる場合には第1特別図柄の変動時間が8秒である変動パターンKを選択する。また、メインCPU81は、第1特別図柄の変動表示中に第1特別図柄判定の保留数が上限の「4」となり、今回の第1特別図柄の変動表示の開始に伴って第1特別図柄判定の保留数が「3」となる場合には、第1特別図柄の変動時間が4秒である変動パターンLを選択する。
このように、本実施形態の遊技機1では、大当たり遊技を実行しないと判定され、且つ、リーチ無し演出を行うと決定された場合、保留されている第1特別図柄判定の権利の個数である保留個数が相対的に多ければ、第1始動口21に対する遊技球の新規入賞に応じて第1特別図柄判定の保留を新たに溜められるように、変動時間が相対的に短い第1特別図柄の変動パターンが選択される。一方、保留個数が相対的に少なければ、第1特別図柄および演出図柄が変動しなくなって遊技の進行が停止するのを抑制するために、変動時間が相対的に長い第1特別図柄の変動パターンが選択される。
図7(A)及び(B)に例示されている2つの変動パターン選択テーブルに関する説明から、以下のことが言える。すなわち、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、変動時間が長い変動パターンが選択され易く、逆に変動時間が短い変動パターンが選択され難いという傾向がある(図7(A)参照)。また、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であってリーチ演出が行われる場合には、変動時間が長い変動パターンが選択され難く、逆に変動時間が短い変動パターンが選択され易いという傾向がある(図7(B)参照)。
これらのことから、第1特別図柄の変動時間が長いほど当たり報知演出が実行され易く、逆に、第1特別図柄の変動時間が短いほどハズレ報知演出が実行され易いということが言える。言い換えれば、ノーマルリーチからSPリーチを経由してSPSPリーチに発展するといった、相対的に長い時間を掛けてリーチ演出が行われる場合には当たり報知演出が実行され易く、ノーマルリーチしか行われないようなリーチ演出に要する時間が相対的に短い場合には、ハズレ報知演出が実行され易いと言える。すなわち、ノーマルリーチ演出にて当落が報知されるのではなく、ノーマルリーチからSPリーチやSPSPリーチへと発展したり、或いは、ノーマルリーチからSPリーチを経由して(又はSPリーチを経由せず直接)SPSPリーチへと発展したりする方が、大当たり信頼度が高いと言える。
[事前判定処理について]
本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄判定の権利が保留された場合に、その権利に対して第1特別図柄判定が行われるのに先立って、大当たり遊技を実行するか否かを判定する事前判定処理が行われる場合がある。具体的には、メインCPU81は、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて大当たり乱数を取得し、取得した大当たり乱数に基づいて、第1特別図柄の変動表示開始時に行われる第1特別図柄判定における大当たり判定処理(図21のステップS308参照)に先立って同様の大当たり判定処理を行い、第1特別図柄判定が実行された場合に「大当たり」と判定されることになるか否かを事前に判定する。また、大当たり乱数と一緒に取得した変動パターン乱数に基づいて、図7(A)及び(B)に基づいて上述した変動パターン選択処理(図21のステップS309参照)と同様の処理を行い、第1特別図柄判定が実行された場合にどの変動パターンが選択されることになるかを事前に判定する。
このように、メインCPU81は、第1特別図柄判定の権利が保留されたことに応じて事前判定処理を行った場合、その事前判定結果を示す事前判定情報を含む保留コマンドをサブ制御基板90に送信する。これに対して、サブCPU91は、保留コマンドに含まれている事前判定情報に基づいて、上述したアイコン変化演出を実行するか否かを決定する。そして、アイコン変化演出を実行すると決定した場合、どのような変化パターンでアイコン(保留アイコンや当該アイコン)の表示態様(本実施形態では、アイコンの色)を変化させるかを決定し、その決定結果に基づくアイコン変化演出を画像音響制御基板100に実行させる。
[通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う演出の具体例]
次に、図8,9を参照しつつ、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う演出の具体例について説明する。図8,9は、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う演出を例示する画面図であり、ここでは、通常遊技状態における第1特別図柄の変動パターンとして、ノーマルリーチから発展したSPSPリーチにおいて当たり報知演出が行われることになる変動パターンC(図7(A)参照)が選択された場合に実行される演出について説明する。
図8(A)には、表示画面70において、保留アイコン表示領域71に1つの保留アイコン(例えば赤色の保留アイコン)が表示された状態で、当該アイコン表示領域72に表示されていた当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、「526」のバラケ目を示す演出図柄が停止表示されている状態が例示されている。このように、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(本実施形態では、0.5秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(ここでは、赤色の保留アイコン)に対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であり、第1特別図柄の変動パターンとして変動パターンCが選択されると、以下のような演出が行われる。
すなわち、最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行されたことに応じて第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトすると共に、3つの図柄列のスクロール表示が開始される(図8(A)及び(B)参照)。この3つの図柄列のスクロール表示が開始されてから所定時間が経過すると、上述した第1予告(図12(A)参照)が実行される場合がある(図8(C)参照)。例えば、第1予告として、表示画面70の中央領域に表示されたステップアップ予告に係る演出画像(第1予告演出画像)の表示態様を段階的に変化させると共に、ステップアップ予告に係る演出音をスピーカ38から出力するステップアップ予告が実行される。
上記の第1予告に続いて、擬似連演出が実行される場合がある。ここで、擬似連演出とは、1回の特別図柄(ここでは、第1特別図柄)の変動表示中に、演出図柄表示領域73に表示されている演出図柄が複数回変動表示されたように見せ掛ける演出である。この擬似連演出に関しては、以下のような演出表示が行われる。
すなわち、左列の図柄列のスクロール速度が低下して左図柄(例えば6図柄)が擬似停止し、続いて、右列の図柄列のスクロール速度が低下して(先に擬似停止した左図柄とは異なる)右図柄(例えば4図柄)が擬似停止し、その後、中列の図柄列のスクロール速度が低下して、擬似連演出の実行を報知する中図柄として7図柄が擬似停止する(図8(D)参照)。
このように、左図柄および右図柄として互いに異なる演出図柄が擬似停止した後に、中列に7図柄が擬似停止すると、擬似1連目の変動演出に続く擬似2連目の変動演出が開始される。具体的には、擬似2連目の変動演出の開始を示唆する「×2」の文字が表示画面70の中央領域に大きく表示された後に、この「×2」の文字が表示画面70の左上方の領域に小さく表示され、これに伴い、演出図柄表示領域73において3つの図柄列のスクロール表示が再開される(図8(D)及び(E)参照)。
この擬似2連目の変動演出が行われているときには、図12(A)等に基づいて上述した第2予告として、例えば、セリフ予告が実行される。具体的には、図8(F)に例示されるように、所定のキャラクタがセリフを発する様子を表す演出画像(第2予告演出画像)が表示画面70の中央領域に表示されると共に、セリフ予告に係る演出音(例えばキャラクタの音声)がスピーカ38から出力される。
上記のように、擬似2連目の変動演出中に第2予告としてセリフ予告が実行されると、今回の第1特別図柄の変動表示中における2回目の擬似連演出が実行される(図8(G)参照)。具体的には、図8(G)に例示されるように、左列の図柄列のスクロール速度が低下して左図柄(例えば2図柄)が擬似停止し、続いて、右列の図柄列のスクロール速度が低下して右図柄(例えば5図柄)が擬似停止し、その後、中列の図柄列のスクロール速度が低下して中図柄として7図柄が擬似停止する。
この第1特別図柄の変動表示中における2回目の擬似連演出が実行されると、擬似2連目の変動演出に続く擬似3連目の変動演出が開始される。具体的には、擬似3連目の変動演出の開始を示唆する「×3」の文字が表示画面70の中央領域に大きく表示された後に、この「×3」の文字が表示画面70の左上方の領域に小さく表示され、これに伴い、演出図柄表示領域73において3つの図柄列のスクロール表示が再開される(図8(G)及び(H)参照)。
そして、このようにして擬似3連目の変動演出が開始されてから所定時間が経過すると、左列の図柄列のスクロール速度が低下して左図柄(例えば3図柄)が擬似停止し、続いて、右列の図柄列のスクロール速度が低下して(左図柄と同じ)右図柄(ここでは3図柄)が擬似停止してリーチが成立する(図8(I)参照)。
なお、ここでは、リーチ成立前に各図柄列のスクロール表示を再開させる「リーチ前擬似連」が実行される場合を例に説明したが、リーチ成立後に各図柄列のスクロール表示を再開させる「リーチ後擬似連」が実行される場合もある。
上記のように、左図柄および右図柄として同一の演出図柄が擬似停止してリーチが成立すると、ノーマルリーチが実行される(図9(A)参照)。具体的には、リーチ成立後に中列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していき、リーチ図柄(ここでは左3図柄および右3図柄)と同じ中図柄(ここでは中3図柄)がリーチ図柄によって規定される有効ラインに近付いていく様子を表す演出表示が行われる。
ここで、ノーマルリーチからSPSPリーチへと発展する場合、以下のような演出表示が行われる。すなわち、中列の図柄列のスクロール表示が行われているときに、リーチ図柄と同じ中図柄(ここでは3図柄)が有効ライン上を通過し、これに伴い、中列の図柄列のスクロール速度が上昇して中図柄の識別が困難な状態となり、SPSPリーチに発展することを示唆する発展演出が行われる(図9(B)参照)。具体的には、図9(B)に例示されるように、左3図柄が縮小されながら表示画面70の左上方への領域へと移動する過程でスクロール方向を軸方向として時計回りに1回転してから左上方の領域へと移動し、同時に、右3図柄が縮小されながら表示画面70の右上方の領域へと移動する過程でスクロール方向を軸方向として時計回りに1回転してから右上方の領域へと移動する。その後、今回の第1特別図柄の変動表示の終盤まで、左3図柄は左上方の領域において擬似停止表示され、右3図柄は右上方の領域において擬似停止表示される(図9(C)~(H)参照)。
次に、上記のようにSPSPリーチへの発展を示唆する発展演出(図9(B)参照)が行われると、上述した第3予告(図12(A)参照)が発生することを遊技者に期待させる暗転演出が行われる(図9(C)参照)。具体的には、発展演出が行われてから所定時間(例えば3秒間)が経過するまでの間、図9(C)に例示されるように、黒一色の背景画像に対してリーチ図柄(ここでは左3図柄および右図柄)と当該アイコンのみを重畳表示させて、他の演出図柄を非表示にする演出表示が行われる。
この暗転演出に続いて、第3予告として、例えば群予告が行われる場合がある(図9(D)参照)。具体的には、図9(D)に例示されるように、多数のキャラクタが表示画面70上を右から左へと移動していく様子を表す演出表示が行われる。
なお、このような第3予告は、暗転演出が行われれば必ず実行される訳ではなく、暗転演出に続いて第3予告が実行されてからSPSPリーチが開始される場合と、暗転演出に続く第3予告が実行されずにSPSPリーチが開始される場合とがある。
このように、SPSPリーチが開始されると、SPSPリーチに係る演出画像であるSPSPリーチ演出画像が表示画面70に表示される(図9(E)参照)。これにより、例えば、自キャラと敵キャラとが攻防を繰り広げる様子を表す演出表示が行われる。そして、SPSPリーチの終盤に差し掛かると、第1演出ボタン35の操作を遊技者に促す第1演出ボタン操作促進演出が行われる(図9(F)参照)。具体的には、第1演出ボタン35を模した第1演出ボタン画像と、第1演出ボタン35の操作が有効な有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージとが表示される。
この第1演出ボタン操作促進演出では、その有効期間中に第1演出ボタン35が操作されたタイミング、又は、第1演出ボタン35が操作されることなく有効期間が終了したタイミングで、第4予告として、例えば、表示画面70に表示されている(リーチ図柄以外の)演出画像に所定のカットイン画像を重畳表示させるカットインが行われる(図9(G)参照)。このカットインは、大当たり信頼度がどの程度であるかを示唆する演出であって、緑色のカットイン画像を重畳表示させる緑カットインが行われる場合と、赤色のカットイン画像を重畳表示させる赤カットインが行われる場合と、金色のカットイン画像を重畳表示させる金カットインが行われる場合とがあり、これらのカットインを大当たり信頼度が低いものから高いものの順に並べると、緑カットイン、赤カットイン、金カットインの順となる。
このようにカットインが発生してSPSPリーチの終盤になると、第2演出ボタン36の操作を遊技者に促す第2演出ボタン操作促進演出が行われる(図9(H)参照)。具体的には、図9(H)に例示されるように、第2演出ボタン操作促進演出の有効期間中には、第2演出ボタン36を模した第2演出ボタン画像と、「押せ!」という第2演出ボタン36の操作内容を示す文字と、有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージとが表示される。
この第2演出ボタン操作促進演出の有効期間中に第2演出ボタン36が操作されると、その操作に応じた操作対応演出として、ゾロ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させる当たり報知演出が行われる(図9(I)参照)。
なお、ここでは、今回の第1特別図柄の変動表示開始時に変動パターンC(図7(A)参照)が選択されているために、操作対応演出として当たり報知演出が行われるが、例えば、今回の第1特別図柄の変動パターンとして図7(B)に例示される変動パターンGや変動パターンHが選択されている場合には、操作対応演出として、リーチハズレ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させるハズレ報知演出が行われる。
[複合演出について]
次に、図10~図13を参照しつつ、本実施形態の遊技機1で実行され得る複合演出について説明する。ここで、図10は、複合演出の流れについて説明するための説明図である。図11は、各複合演出の演出態様と大当たり信頼度について説明するための説明図である。図12は、複合演出の流れを例示するタイムチャートである。図13は、複合演出の具体例を示す画面図である。
本実施形態の遊技機1では、例えば、通常遊技状態において第1特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中に第1始動口21に遊技球が入賞した場合に、この入賞を契機として、実行中の変動演出と複合する形で行われる複合演出が実行される場合がある。この複合演出は、第1始動口21に遊技球が入賞した際に行われている第1特別図柄の変動表示の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果に基づいて実行される演出である点で、実行中の変動演出と共通している。その一方で、変動演出は、その開始タイミングが第1特別図柄の変動表示が開始されるタイミングとほぼ同時のタイミングに固定されているのに対して、複合演出は、変動演出の実行中において、第1始動口21に遊技球が新たに入賞したタイミングで開始される演出であるため、その開始タイミングは可変であるという点で、両者は相違している。
本実施形態の遊技機1では、このような複合演出の演出パターンが複数用意されており、複合演出が開始された際に実行されている変動演出において最終的に当たり報知演出が実行される可能性があることを示唆する複合演出が実行される場合がある。そして、このような複合演出の実行タイミングが可変であることから、変動演出と複合演出とによって、演出のバリエーションを飛躍的に向上させることが可能である。
なお、この複合演出は、変動演出の実行中に第1始動口21に遊技球が入賞すれば必ず実行される訳ではなく、複合演出の実行条件が満たされており、且つ、複合演出を実行するか否かを決定するための演出抽選に当選した場合に実行されるため、変動演出の実行中に第1始動口21に遊技球が入賞した場合に、複合演出が実行される場合と実行されない場合とがある。また、第1特別図柄判定の保留数が上限の「4」に達している状態(すなわち、第1特別図柄判定の権利を更に保留することができない状態)で第1始動口21に遊技球が入賞した場合は、第1始動口21への遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しは行われるものの、たとえ複合演出を実行可能な場合であったとしても、この入賞を契機として複合演出が実行されることはない。
このような複合演出の流れは概ね以下の通りである。まず、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、演出図柄の変動表示を含む変動演出が開始される(図10(A)参照)。そして、このように変動演出の実行中であって、第1特別図柄判定の保留数が「3」以下であるという状況下で第1始動口21に遊技球が入賞した場合(図10(B)参照)、払出制御基板によって、メインCPU81からの指示に基づいて上皿33(又は下皿34)に3個の賞球が払い出される(図10(C)参照)。
また、変動演出の実行中に第1特別図柄判定の保留数が「3」以下の状況で第1始動口21に遊技球が入賞した場合は、第1特別図柄判定の権利が保留されるため、保留アイコン表示領域71に(第1特別図柄判定に係る)保留アイコンが表示されるが、保留された権利に対する事前判定の結果に基づいて、保留アイコンとして通常アイコン(白色の保留アイコン)が表示される場合(図10(D)参照)と、保留アイコンとして特別アイコン(白色以外の表示色の保留アイコン)が表示される場合(図10(E)参照)とがある。
ところで、変動演出の実行中に第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて、複合演出と、保留アイコンとしての特別アイコンの表示とを同時に行うと、遊技者が、複合演出が付随することになる現在行われている変動演出に着目すればよいのか、或いは、保留された特別アイコンに対応する変動演出に着目すればよいのかが分からず混乱してしまい、複合演出を実行することで、却って演出効果を低下させる可能性がある。
このため、本実施形態では、変動演出の実行中に第1特別図柄判定の保留数が「3」以下の状況で第1始動口21に遊技球が入賞した際には、その入賞に応じて保留アイコンとして通常アイコンが表示される場合の一部に関して複合演出を実行する一方、その入賞に応じて保留アイコンとして特別アイコンが表示される場合には、複合演出を実行しない(すなわち、複合演出の実行を制限する)こととしている(図10(D)~(F)参照)。
保留アイコンとしての通常アイコンが表示されるのに伴って複合演出を実行する場合、複合演出を構成する演出として、先ずは玉出現演出が実行される(図10(F)参照)。上記の通り、複合演出は、変動演出の実行中に第1始動口21に遊技球が入賞したことを契機として実行される演出である。複合演出を発生させるには、変動演出の実行中も遊技者に左打ちを継続させる必要があることから、複合演出が第1特別図柄判定に係る変動演出の実行中における第1始動口21に対する遊技球の入賞(第1始動口21に対する遊技球の追加入賞)を契機として実行される演出であることを遊技者に対して分かり易く報知することが好ましい。このため、第1始動口21を遊技球が通過したことを契機として複合演出が開始されたことを示唆すべく、第1始動口21に対する遊技球の追加入賞が発生したことを示唆する追加入賞示唆演出として、玉出現演出を実行することとしている。
この球出現演出は、本実施形態では、図13(C)に例示されるように、保留アイコン表示領域71に表示された通常アイコンから遊技球を模した玉が発生し、この玉が保留アイコン表示領域71から表示画面70の中央へと上方に移動する演出表示として構成されており、この演出表示に伴い、「追加入賞 発生!」といった文字が表示画面70に併せて表示される。このように、玉出現演出では、変動演出の実行中に第1始動口21に遊技球が入賞したことを契機として表示された保留アイコンを用いた演出表示が行われるため、遊技者は、自身が行った左打ちによって第1始動口21に遊技球が入賞したことに基づいて複合演出が発生したことを容易に認識することが可能である。
なお、第1始動口21を遊技球が通過したことを契機として複合演出が開始されたことを示唆できるものであれば、複合演出は他の演出であってもよく、玉出現演出は、例えば、「ヘソに玉が入ったよ!」といった音声をスピーカ38から出力する演出や、表示画面70における一部の表示領域において第1始動口21に遊技球が入賞する様子を表すアニメーションを再生する演出等であってもよい。
図10の説明に戻り、玉出現演出(図10(F))に続いて、ガセ演出としての不発演出(図10(G)参照)が実行される場合がある。
ところで、複合演出が複合する変動演出の結果として当たり報知演出が実行される可能性が高い場合、すなわち、変動演出の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合や、「ハズレ」であっても第1特別図柄の変動パターンとして変動時間が相対的に長い変動パターンが選択されている場合は、大当たりの可能性があることを示唆するいわゆるチャンスアップの演出として複合演出を実行することで、大当たりに対する遊技者の期待感を効果的に向上させることが可能である。
しかしながら、上記のように変動演出の結果として当たり報知演出が実行される可能性が高い場合に限って複合演出を実行するといった構成を安易に適用すると、複合演出の出現率が低くなるために、左打ちを継続しても複合演出は発生しないと考えた遊技者が左打ちを止めてしまうことで、複合演出の出現率が著しく低下することが懸念される。
そこで、本実施形態の遊技機1では、このような問題が生じるのを抑制するために、変動演出の結果として当たり報知演出が実行される可能性が低い場合、すなわち、変動演出の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって、第1特別図柄の変動パターンとして変動時間が相対的に短い変動パターンが選択されている場合に、玉出現演出に続いて不発演出(ガセ演出)が行われる複合演出を実行することとしている。
この不発演出は、本来であれば、遊技球を模した玉が破裂する様子を表す破裂演出表示(後述する単発破裂演出または連続破裂演出)に続いて大当たりを期待させる演出が行われるところを、遊技球を模した玉が破裂せずに萎んで消える様子を表す演出表示として構成されている。
このような不発演出を含む複合演出を実行し得る構成とすることで、複合演出の出現率が著しく低下するのを抑制できる。また、遊技者は、不発演出に先立つ玉出現演出に基づいて、変動演出中も左打ちを継続すれば複合演出が発生する可能性があることを容易に認識できることから、変動演出中に左打ちを継続することを遊技者に対して効果的に促すことが可能である。
ここまで、玉出現演出に続いて不発演出が行われる複合演出について説明したが、玉出現演出に続いて単発破裂演出が行われる複合演出が実行される場合もある(図10(F)及び(H)参照)。この単発破裂演出は、図には示されていないが、遊技球を模した玉が1回だけ破裂する様子を表す演出表示として構成されている。
このように、玉出現演出(図10(F)参照)に続いて単発破裂演出(図10(H)参照)が行われた場合は、その後に文字表示演出(図10(I)参照)またはSU演出(図10(J)参照)が実行される。
ここで、文字表示演出(図10(I)参照)は、遊技球を模した玉が単発破裂演出によって弾けて表示画面70から消えた後に、遊技者に大当たりを期待させる文字を表示画面70に表示する演出表示によって構成されており、図11に例示されるように、白色の文字が表示される場合(第1演出パターン)と、赤色の文字が表示される場合(第2演出パターン)と、赤色の文字が大きく表示される場合(第3演出パターン)とがあり、第1演出パターンの大当たり信頼度は約2%に設定され、第2演出パターンの大当たり信頼度は約9%に設定され、第3演出パターンの大当たり信頼度は約18%に設定されている。
一方のSU演出(図10(J)参照)は、遊技球を模した玉が単発破裂演出によって弾けて表示画面70から消えた後に、第2段階(ステップ2)を上限として段階的に変化し得る段階演出として構成されている。本実施形態の遊技機1では、このSU演出の演出パターンとして、図11に例示されるように、第1演出パターン~第4演出パターンの4種類の演出パターンが用意されている。ここで、第1演出パターンは、1羽の鳥が飛び立つ様子を表すステップ1(第1段階)の演出表示が行われてステップ1で演出が終了する演出パターンである。第2演出パターンは、3羽の鳥が飛び立つ様子を表すステップ1の演出表示が行われてステップ1で演出が終了する演出パターンである。第3演出パターンは、5羽の鳥が飛び立つ様子を表すステップ1の演出表示が行われてステップ1で演出が終了する演出パターンである。第4演出パターンは、1~5羽のいずれかの数(1羽or3羽or5羽)の鳥が飛び立つ様子を表すステップ1の演出表示に続いて、鳥の大群が飛び立つ様子を表すステップ2の演出表示が行われて、このステップ2で演出が終了する演出パターンである。
本実施形態では、図11に例示されるように、第1演出パターンのSU演出の大当たり信頼度は約1%に設定され、第2演出パターンのSU演出の大当たり信頼度は約3%に設定され、第3演出パターンのSU演出の大当たり信頼度は約5%に設定され、第4演出パターンのSU演出の大当たり信頼度は約45%に設定されている。
ここまで説明した文字表示演出とSU演出とを比較すると、第4演出パターンのSU演出の大当たり信頼度が約45%に設定されていることから、単発破裂演出からSU演出へと演出が進行した場合に、SU演出がステップ2に発展する可能性(第4演出パターンのSU演出が実行される可能性)は低い。そして、ステップ1で終了する第1演出パターン~第3演出パターンのSU演出は、いずれも、第3演出パターン(又は第2演出パターン)の文字表示演出よりも大当たり信頼度が低い。このため、遊技者は、玉出現演出(図10(F)参照)から単発破裂演出(図10(H)参照)へと演出が進行した場合は、その後に、SU演出(図10(J)参照)ではなく文字表示演出(図10(I)参照)へと演出が進行することを期待しながら遊技を楽しむことができる。
ただし、SU演出へと演出が進行した場合であっても、ステップ2まで演出が発展すれば、逆に、第3演出パターンの文字表示演出(赤文字・大)よりも大当たり信頼度が高くなるため、遊技者は、SU演出へと演出が進行したとしても、大当たりに対する期待感を低下させることなく、SU演出を楽しむことができる。
なお、このような文字表示演出やSU演出の演出パターンは単なる一例であって、演出パターンの内容や数は、本実施形態で例示するものとは異なるものであってもよいことは言うまでもない。
ここまで、玉出現演出(図10(F)参照)から単発破裂演出(図10(H)参照)を介して文字表示演出(図10(I)参照)またはSU演出(図10(J)参照)へと演出が進行する複合演出について説明したが、玉出現演出(図10(F)参照)に続いて連続破裂演出(図10(K)参照)へと演出が進行し、その後に大キャラ登場演出(図10(L)参照)へと演出が進行する複合演出が実行される場合もある。
連続破裂演出(図10(K)参照)は、遊技球を模した玉が複数回連続して破裂する様子を表す演出表示として構成されている(図13(D)参照)。単発破裂演出(図10(H)参照)では、遊技球を模した玉が1回だけ破裂する様子を表す演出表示が行われるのに対して、連続破裂演出では、遊技球を模した玉が破裂する回数が単発破裂演出よりも多く、単発破裂演出よりも長い時間を掛けて実行される点で、単発破裂演出とは異なっている。そして、図10の表記から明らかなように、単発破裂演出が発生した場合は、その後に文字表示演出またはSU演出へと演出が進行し、連続破裂演出が発生した場合は、その後に大キャラ登場演出へと演出が進行する。このため、遊技者は、文字表示演出(又はSU演出)へと演出が進行するのか、或いは大キャラ登場演出へと演出が進行するのかを、破裂演出における遊技球を模した玉の破裂回数に基づいて、容易に認識(判別)することが可能である。
連続破裂演出に続く大キャラ登場演出(図10(L)参照)は、本実施形態では、大きなキャラクタが落雷を受けてエネルギーを溜める様子を表す演出画像を表示画面70に全画面表示する演出として構成されている(図13(E)参照)。この大キャラ登場演出には、図11に例示される第1演出パターン~第4演出パターンの4つの演出パターンが用意されている。ここで、第1演出パターンは、大キャラの背景として白色を用いて表現された背景画像が表示される演出パターンであり、第2演出パターンは、大キャラの背景として緑色を用いて表現された背景画像が表示される演出パターンである。また、第3演出パターンは、大キャラの背景として赤色を用いて表現された背景画像が表示される演出パターンであり、第4演出パターンは、大キャラの背景として虹色を用いて表現された背景画像が表示される演出パターンである。
そして、本実施形態では、図11に例示されるように、第1演出パターンの大キャラ登場演出の大当たり信頼度が約10%に設定され、第2演出パターンの大キャラ登場演出の大当たり信頼度が約20%に設定され、第3演出パターンの大キャラ登場演出の大当たり信頼度が約35%に設定され、第4演出パターンの大キャラ登場演出の大当たり信頼度が100%(出現した時点で大当たり濃厚)に設定されている。
ここで、連続破裂演出に進行した後の演出(大キャラ登場演出)と、単発破裂演出に進行した後の演出(文字表示演出またはSU演出)とを比較した場合、概ね、前者の演出の方が、後者の演出よりも、大当たり信頼度が高くなり易い。このため、遊技者は、遊技球を模した玉の破裂演出が発生した場合に、その破裂が複数回行われること、すなわち、単発破裂演出ではなく連続破裂演出が実行されることを期待しながら、複合演出を楽しむことができる。
<複合演出の発生の有無について>
図12(A)には、変動演出の実行中に複合演出が発生しない場合において、共通演出が実行される場合が例示されている。共通演出は、複合演出と少なくとも演出内容の一部が共通する演出であり、上述した大キャラ登場演出と演出内容が共通する演出が一例として挙げられる。ところで、本実施形態の遊技機1では、図29に基づいて後述するが、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示の開始時に、ステップS163の変動演出パターン設定処理によって、演出図柄の変動表示を含む変動演出の変動演出パターンがサブCPU91によって設定され、ステップS164の予告演出パターン設定処理によって、変動演出中に実行される予告演出の演出パターンがサブCPU91によって設定される。そして、ステップS165の処理に応じて、これらの演出パターンに基づいて変動演出および予告演出が実行されるが、上記ステップS164の予告演出パターン設定処理において、予告演出の1つである共通演出の実行を指示する予告演出パターンが設定されて、図12(A)に例示されるように、変動演出の実行中に共通演出が実行される場合がある。
上述したように、本実施形態の遊技機1では、変動演出の実行中における第1始動口21への遊技球の入賞(追加入賞)を契機として、玉出現演出と、連続破裂演出と、大キャラ登場演出とから構成される複合演出が変動演出と複合する形で実行される場合があるが、共通演出は、上記のように、変動演出の開始時に設定された予告演出パターンに基づく演出であり、変動演出の実行中に第1始動口21に遊技球が入賞したことを契機とする演出ではないため、共通演出としては、玉出現演出および連続破裂演出を含んでいない、大キャラ登場演出と共通する演出が実行される。
この大キャラ登場演出と共通する共通演出には、複数の演出実行タイミングが予め用意されており、これら複数の演出実行タイミングのうちのいずれかの演出実行タイミングで共通演出が実行される。このため、共通演出の実行タイミングは固定ではないものの、予め用意されているタイミングに限られているため、演出実行タイミングに関して制約が多い演出であると言える。
これに対して、大キャラ登場演出は、変動演出の実行中における第1始動口21への遊技球の入賞を契機として(玉出現演出および連続破裂演出の後に)実行される演出であるため、演出実行タイミングが極めて多く、共通演出に比べると演出実行タイミングに関して制約が少ない演出であると言える。
このように、本実施形態の遊技機1では、変動演出の開始時に設定された予告演出パターンに基づいて実行される共通演出に関連して、その共通演出と演出内容が共通する大キャラ登場演出が、変動演出の実行中における第1始動口21への遊技球の入賞を契機として実行される。このため、結果として、共通演出の実行タイミングを大幅に増大させるのとほぼ同等の効果を得ることが可能である。本実施形態では、共通演出を、複合演出としての大キャラ登場演出と共通する演出としているが、共通演出として、複合演出と少なくとも演出内容の一部が共通する演出を更に用意しておけば、上記の効果をより大きなものとすることが可能である。
次に、図12(B)を参照しつつ、(大キャラ登場演出と共通する)共通演出の実行を指示する予告演出パターンが変動演出の開始時に設定された状態で、この変動演出の実行中において、共通演出の実行前に、第1始動口21への遊技球の入賞を契機とする大キャラ登場演出が実行される場合について説明する。
図10,11等に基づいて上述したように、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中に第1始動口21に遊技球が入賞し、この入賞を契機として、玉出現演出(図10(F)参照)、連続破裂演出(図10(K)参照)、及び大キャラ登場演出(図10(L)参照)が実行される場合がある。そして、共通演出に関しては、図11に例示される大キャラ登場演出と同じく第1演出パターン~第4演出パターンの4つの演出パターンが用意されており、共通演出と大キャラ登場演出は、演出パターンが同じであれば、大当たり信頼度もほぼ同じとなっている。
上記のように、変動演出の実行中において、複合演出を構成する大キャラ登場演出が実行された場合、同一変動内において、変動演出の開始時に設定された予告演出パターンに基づく共通演出を大キャラ登場演出の後に実行してしまうと、同一変動内で意味合いが同じ2つの演出が実行されることになり、興趣性を向上させる積もりが、共通演出を実行することで却って興趣性を低下させることが考えられる。また、大キャラ登場演出の実行中に共通演出が開始されることによって、これらの演出が互いに視認性を低下させることも懸念される。
そこで、本実施形態の遊技機1では、このような問題が生じるのを抑制するために、変動演出の実行中に複合演出(大キャラ登場演出)が実行されていない場合には、変動演出の実行中に共通演出が実行されることを許可する一方(図12(A)参照)、変動演出の実行中に複合演出(大キャラ登場演出)が先に実行される場合、すなわち、大キャラ登場演出の開始タイミングが共通演出の開始タイミングよりも前になる場合は、この変動演出の実行中に共通演出が実行されることを制限することとしている(図12(B)参照)。図12(B)には、玉出現演出、連続破裂演出、及び大キャラ登場演出から構成される複合演出の後に共通演出が実行されないことが、共通演出の文字を含む破線の四角に2つのバツ印を付して表現されている。
なお、本実施形態の遊技機1では、(変動演出の開始時に指示していた)共通演出を実行しないように指示する情報を含む複合演出開始コマンドをサブCPU91が画像音響制御基板100に対して送信することによって、同一変動内で大キャラ登場演出および共通演出の両方が実行されることを制限する(実行されないようにする)こととしているが、他の実施形態では、同一変動内で大キャラ登場演出および共通演出の両方が実行されることとなる場合に、共通演出を実行するか否かの演出抽選を実行し、この演出抽選の結果に基づいて、同一変動内で大キャラ登場演出および共通演出の両方が実行されることとなる場合の一部に関して、共通演出を実行しないようにするといった構成を採用してもよい。また、複合演出が複合する変動演出の結果としてハズレ報知演出が実行される場合には、同一変動内で大キャラ登場演出および共通演出の両方が実行されることを禁止する一方、複合演出が複合する変動演出の結果として当たり報知演出が実行される場合の一部に関して、同一変動内で大キャラ登場演出および共通演出の両方が実行されることを許可するといった構成を採用してもよい。このような構成を採用すれば、同一変動内で大キャラ登場演出および共通演出が複合する演出を、大当たりを確定的に報知する確定報知演出として機能させることが可能である。
<複合演出の具体例>
次に、図13を参照しつつ、玉出現演出(図10(F)参照)、連続破裂演出(図10(K)参照)、及び大キャラ登場演出(図10(L)参照)から構成される複合演出の具体例について説明する。図13(A)には、表示画面70において、保留アイコン表示領域71に1つの保留アイコン(ここでは通常アイコン)が表示された状態で、当該アイコン表示領域72に表示されていた当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、「634」のバラケ目を示す演出図柄が停止表示されている状態が例示されている。
このように、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(本実施形態では、0.5秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(ここでは通常アイコン)に対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この最先の保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトして当該アイコンとして表示されると共に、3つの図柄列のスクロール表示が開始される(図13(A)及び(B)参照)。
このように、表示画面70上で変動演出が実行されているときに第1始動口21に遊技球が入賞した場合、保留アイコン表示領域71に新たな保留アイコン(ここでは通常アイコン)が表示されると共に、図10(F)等に基づいて上述した玉出現演出が実行される(図13(C)参照)。具体的には、保留アイコン表示領域71に新たに表示された通常アイコンから、遊技球を模した玉が飛び出すように発生して、この玉が保留アイコン表示領域71から表示画面70の中央へと上方に移動する様子を表す演出表示が行われる。その際、実行中の変動演出の契機となった第1始動口21への遊技球の入賞に加えて、第1始動口21への遊技球の新たな入賞が発生したことをより効果的に示唆すべく、「追加入賞 発生!」の文字が表示画面70に表示される(図13(C)参照)。
このような玉出現演出に続いて、図10(K)等に基づいて上述した連続破裂演出が実行される場合がある(図13(D)参照)。この連続破裂演出は、上述したように、遊技球を模した玉が複数回連続して破裂する様子を表す演出表示として構成されている。なお、この連続破裂演出が実行された場合、連続破裂演出に続いて、文字表示演出やSU演出が実行されることはなく、大キャラ登場演出が実行されるため、遊技者は、この連続破裂演出に基づいて、大キャラ登場演出が実行されることを事前に認識することが可能である。
連続破裂演出の開始から所定時間が経過すると、連続破裂演出が終了して大キャラ登場演出が実行される(図13(E)参照)。この大キャラ登場演出は、上述したように、大きなキャラクタが落雷を受けてエネルギーを溜める様子を表す演出画像を表示画面70に全画面表示する演出として構成されており、図11等に基づいて上述したように、大キャラの背景の表示色によって大当たり信頼度が変化する。例えば、大キャラの背景として赤色を用いて表現された背景画像が表示される第3演出パターンの大キャラ登場演出が実行された場合、その大当たり信頼度は約35%であることから(図11参照)、その後に必ずリーチが成立して、何らかのリーチ演出が実行されることになる。図13(F)には、大キャラ登場演出が終了した後に7図柄でリーチが成立した様子が例示されている。
なお、大キャラ登場演出は、大当たり信頼度が最も低い第1演出パターンであっても、大当たり信頼度が約10%あり、第1演出パターン~第4演出パターンのどの演出パターンの大キャラ登場演出が実行されたとしても、何らかのリーチ演出が必ず実行され、リーチ無し演出(図6(B)参照)が実行されてそのままハズレ報知演出(図6(C)参照)が実行されることはない。また、図11に例示される、第2演出パターン~第3演出パターンの文字表示演出や、第3演出パターン~第4演出パターンのSU演出に関しても、リーチ演出の有無に関して大キャラ登場演出と同様の特徴がある一方で、第1演出パターンの文字表示演出(大当たり信頼度:約2%)や、第1演出パターン~第2演出パターンのSU演出(大当たり信頼度:約1%、約3%)については、大当たり信頼度が極めて低く、リーチ有り演出が実行される場合と、リーチ無し演出が実行される場合とがある。
ここまで、図13に基づいて、大キャラ登場演出を含む複合演出の具体例について説明したが、大キャラ登場演出は、キャラクタの全体を表示画面70に大きく表示するものに限らず、キャラクタの上半身だけを表示画面70に大きく表示するものや、キャラクタの顔と右手だけを表示画面70に大きく表示するものであってもよい。
(複合演出による作用効果)
本実施形態の遊技機1によれば、変動演出の実行中に第1始動口21を遊技球が通過したことを契機として、実行中の変動演出に対応する第1特別図柄判定の判定結果に基づく複合演出が変動演出と一緒に実行される場合がある。この複合演出は、第1始動口21を遊技球が通過するタイミングによって、演出実行タイミングが変化する演出であることから、変動演出と複合演出との相乗効果によって興趣性を向上させつつ、複合演出の実行タイミングが固定であることが原因で演出が単調になり、結果として演出効果が低下していくといった問題が生じるのを容易且つ効果的に抑制することが可能である。
また、本実施形態の遊技機1では、第1始動口21を遊技球が通過したことを契機として複合演出が開始されたことが複合演出(玉出現演出:図10(F)参照)によって示唆される。このため、遊技者は、第1始動口21に遊技球を通過させれば複合演出が実行される可能性があることを容易に認識することができ、複合演出を発生させたい遊技者に対して、変動演出が開始された後も遊技領域3に遊技球を発射するためのハンドル操作を継続することに関して動機付けを与えることができ、複合演出が実行される可能性を向上させることができる。
また、本実施形態の遊技機1では、変動演出の実行中に複合演出が実行されていない場合は、変動演出の実行中に共通演出が実行されることが許可され(図12(A)参照)、逆に、変動演出の実行中に複合演出が先に実行される場合は、変動演出の実行中に共通演出が実行されることが制限される(図12(B)参照)。このため、互いに少なくとも演出内容の一部が共通する複合演出および共通演出が同一変動内で両方とも実行されることによって却って演出効果が低下するといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
また、本実施形態の遊技機1では、複合演出が、文字表示演出、SU演出、又は大キャラ登場演出を含んでいることによって、当たり報知演出が変動演出において実行される可能性があることを示唆する演出となっている。このため、当たり報知演出が実行されることを期待する遊技者に対して、複合演出が実行されることに対する期待感を効果的に向上させることができ、変動演出の実行中に遊技球の打ち出し(左打ち)を継続することを効果的に促し、また、複合演出が実行された場合には高い演出効果を得ることが可能である。
(複合演出に関する変形例)
なお、複合演出に関して、以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、本実施形態では、変動演出の実行中において、第1特別図柄判定の保留数が上限の「4」に達している状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合には複合演出を実行しない場合を例に説明するが、他の実施形態では、変動演出の実行中において、第1特別図柄判定の保留数が上限の「4」に達している状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合にも複合演出を実行し得るといった構成を採用してもよい。このような構成を採用することで、複合演出の出現率を向上させることができる。
また、本実施形態では、変動演出の実行中に第1特別図柄判定の保留数が「3」以下の状況で第1始動口21に遊技球が入賞した際に、その入賞に応じて保留アイコンとして特別アイコンが表示される場合には複合演出を実行しない場合を例に説明するが、他の実施形態では、変動演出の実行中における第1始動口21への遊技球の入賞に応じて特別アイコンが表示される場合に関して、相対的に低い確率(例えば、5%)で複合演出を実行するようにしてもよい。
また、他の実施形態では、変動演出の実行中に第1特別図柄判定の保留数が「3」以下の状況で第1始動口21に遊技球が入賞した際に、その入賞に応じて保留アイコンとして特別アイコンが表示されるか否かに関わらず(表示される保留アイコンが通常アイコンと特別アイコンのどちらであっても)、複合演出の実行条件を満たしており、且つ、複合演出の実行抽選に当選すれば複合演出を実行するといった構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、共通演出が、複合演出を構成する大キャラ登場演出と演出内容が共通することによって、複合演出と少なくとも演出内容の一部が共通する演出である場合を例に説明するが、他の実施形態では、共通演出は、複合演出と全ての演出内容が同じ演出であってもよい。例えば、共通演出として、玉出現演出、連続破裂演出、大キャラ登場演出を実行するようにしてもよい。このような構成を採用した場合、複合演出とほぼ同じ演出が共通演出として実行されることになるため、一般入賞口24に遊技球がなかなか入賞しない場合であっても、一般入賞口24に遊技球が入賞したような印象を遊技者に与えることができ、変動演出の実行中における遊技球の打ち出し促進に寄与することができる。
また、他の実施形態では、複合演出を、変動演出の開始時に設定された予告演出パターンに基づく予告演出としては複合演出と演出内容が同じ(又は類似する)演出が実行されない、複合演出に固有の演出としてもよい。すなわち、本実施形態のように大キャラ登場演出と共通する共通演出が出現しない構成を採用してもよい。このような構成を採用すれば、遊技者は、変動演出の実行中に左打ちを継続させて遊技球を第1始動口21に入賞させなければ、複合演出(例えば、大キャラ登場演出)を発生させることができないため、変動演出の実行中に左打ちを継続することに関して、複合演出を発生させたい遊技者に対して強い動機付けを与えることができる。
[一般入賞演出]
以下、図14~図16を参照しつつ、本実施形態の遊技機1で実行される一般入賞演出について説明する。ここで、図14は、一般入賞演出の流れについて説明するための説明図であり、図15,16は、複合演出の具体例を示す画面図である。
本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に第1始動口21に遊技球が入賞した場合、この入賞に応じて行われる第1特別図柄判定の権利が保留され、上述したように、この権利に対して第1特別図柄判定が行われる前に、大当たり遊技を実行するか否かを判定する事前判定処理が行われる。そして、この事前判定の結果に基づいて、大当たり遊技が実行されること(当たり報知演出が実行されること)を遊技者に期待させる期待演出が実行される場合がある。
この期待演出としては、保留アイコン表示領域71に表示される保留アイコンを最初から特別アイコンとして表示するアイコン変化演出や、変動演出の開始に伴って保留アイコンの表示色を変化させるアイコン変化演出、保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトして当該アイコンとして表示されるのに伴ってその表示色を変化させるアイコン変化演出、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンの表示色を変化させるアイコン変化演出等が例として挙げられる。
その一方で、本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態で遊技が制御されているときに、保留された第1特別図柄判定の権利に係る事前判定結果に基づく期待演出として、「一般入賞演出」と呼ばれる期待演出が実行される場合がある。図2に基づいて上述したように、遊技球が流下する左側遊技領域3Lには3つの一般入賞口24が設けられており、「一般入賞演出」は、通常遊技状態で遊技が制御されているときに遊技者が左打ちした遊技球がこれら3つの一般入賞口24のいずれかに入賞したことを契機として実行される。
なお、この一般入賞演出は、通常遊技状態において第1特別図柄判定の権利が保留されている状況で上記3つの一般入賞口24のいずれかに遊技球が入賞すれば必ず実行される訳ではなく、一般入賞演出が実行される場合と実行されない場合とがある。この一般入賞演出の流れは概ね以下の通りである。
まず、通常遊技状態において遊技者が左打ちを行うことで、3つの一般入賞口24のいずれかに遊技球が入賞すると(図14(A)参照)、上皿33(又は下皿34)に5個の賞球が払い出される(図14(B)参照)。ここで、一般入賞演出が実行される場合は、まず、ワープ部発光演出が実行される(図14(C)参照)。本実施形態の遊技機1では、ワープ部12(図2参照)が半透明な樹脂部材によって形成されており、盤面ランプ5(図4参照)を構成する多数のLEDのうちの、ワープ部12の後方に設けられているLEDが所定の発光パターンで発光することによって、ワープ部12を発光させるワープ部発光演出が実現される。
このワープ部発光演出は、一般入賞演出が実行される場合において、左側遊技領域3Lに設けられている3つの一般入賞口24のうちのいずれかの一般入賞口24に遊技球が入賞するのとほぼ同時に開始され、一般入賞演出が終了するまで継続される。
次に、事前判定処理の結果に基づく一般入賞演出に関して、この事前判定処理が行われた権利に対応する第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示を「先読み対象変動」と見なした場合に、この「先読み対象変動」よりも前に行われる第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示である「対象前変動」が実行される場合は、この「対象前変動」において、以下のような演出が行われる。すなわち、ワープ部発光演出が開始されたタイミングで行われていた第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示が終了して、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す第1特別図柄が所定の確定時間(本実施形態では、0.5秒)だけ停止表示されると、対象前変動としての第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示が開始される(図14(D)参照)。この対象前変動が開始されるのに伴い、扉開放煽り演出が実行される(図14(E)参照)。
この扉開放煽り演出では、表示画面70における当該アイコン表示領域72の左側の表示領域に扉を表す演出画像である扉画像が表示され、この扉画像が表す扉が開くことを遊技者に期待させるべく、扉画像を用いて、扉がガタガタと揺れる様子を表す演出表示が行われる(例えば、図15(D)参照)。図15(D)には、扉画像が示す扉がガタガタと揺れる様子を表すアニメーションが再生されると共に、「ガタガタ」という文字が表示されている様子が例示されている。なお、扉画像は、扉開放煽り演出の開始に伴って表示が開始されてもよいし、ワープ部発光演出の開始に伴って表示が開始されてもよい。また、図には示されていないが、扉開放煽り演出では、このような演出表示が行われているときに、実際の扉がガタガタと揺れるときに発生する音が扉開放煽り演出に係る演出音としてスピーカ38から出力される。このように、対象前変動の開始時に扉開放煽り演出が行われ、この対象前変動が終了して(ハズレを報知する)第1特別図柄が所定の確定時間だけ停止表示されるのに伴い、ガタガタと揺れていた扉が静止した様子を表す扉静止演出が行われる(図14(F)、図15(E)参照)。
なお、先読み対象変動の前に対象前変動が複数回行われる場合には、上述した扉開放煽り演出(及び扉静止演出)が対象前変動毎に実行される。また、リーチ有り演出が行われる第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示を利用して扉開放煽り演出を実行することは、リーチ演出の妨げになる可能性があるため好ましくない。したがって、扉開放煽り演出は、リーチ有り演出が行われない、リーチ無し演出が行われる第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示を利用して実行される。このため、対象前変動が、リーチ有り演出が実行される第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示となる場合には、対象前変動での演出、及び先読み対象変動での演出から構成される一般入賞演出が実行されることはない。
ところで、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に(左側遊技領域3Lに設けられている3つの一般入賞口24のうちの)いずれかの一般入賞口24に遊技球が入賞した場合に、この第1特別図柄の変動表示中に、ワープ部発光演出および扉開放煽り演出を実行するといった構成を採用することが考えられる。しかしながら、第1特別図柄判定の権利が保留されていてその保留数が相対的に多い場合、第1特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターン(例えば、図7(C)に例示される変動パターンK~L)が選択され、また、例えば第1特別図柄の変動表示の終盤で一般入賞口24に遊技球が入賞することがあるため、上記の構成を安易に採用すると、一般入賞口24に遊技球が入賞したタイミングで実行されている第1特別図柄の変動表示が終了するまでに扉開放煽り演出が完了せず、また、これに起因して扉静止演出の開始タイミングが遅延する(第1特別図柄の停止表示が開始されたタイミングで扉静止演出を開始できない)といった問題が生じる可能性がある。
そこで、本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に、いずれかの一般入賞口24に遊技球が入賞した場合、この第1特別図柄の変動表示中にワープ部発光演出を開始するものの扉開放煽り演出は実行せず、この第1特別図柄の変動表示の次の変動表示の開始に伴って扉開放煽り演出を開始することとしている。このため、第1特別図柄が所定の確定時間だけ停止表示されているときに扉開放煽り演出が実行されるといった問題や、次の第1特別図柄の変動表示が開始された後も扉静止演出が完了していないといった問題が生じるのを容易に抑制することが可能である。
ここまで、先読み対象変動が開始される前に実行されるワープ部発光演出、扉開放煽り演出、扉静止演出について説明したが、対象前変動の回数と同数の扉開放煽り演出および扉静止演出が行われた後、先読み対象変動では以下のような演出が行われる。すなわち、先読み対象変動としての第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示が開始されると(図14(G)参照)、扉開放演出が行われる(図14(H)参照)。この扉開放演出は、対象前変動でも表示されていた扉画像を用いて、扉画像が示す扉が開く様子を表す演出表示である(例えば、図15(G)~(H)参照)。
この扉開放演出が行われると、続いて、扉の向こう側からキャラクタA(キャラA)が登場する様子を表すキャラA登場演出(図14(I)参照)、扉の向こう側からキャラクタB(キャラB)が登場する様子を表すキャラB登場演出(図14(K)参照)、扉の向こう側からキャラクタC(キャラC)が登場する様子を表すキャラC登場演出(図14(M)参照)、及び、扉の向こう側から白鳥が登場する様子を表す白鳥登場演出(図14(O)参照)のいずれかの登場演出が実行される。
<ゲーム説明演出>
扉開放演出(図14(H)参照)に続いてキャラA登場演出(図14(I)参照)が実行された場合は、キャラAによるゲーム説明演出が行われる(図14(J)参照)。このゲーム説明演出は、扉の奥から登場したキャラAが遊技機1で行われる演出に関するゲーム説明を行う演出であり、「7図柄テンパイは大チャンスです!」といったセリフをキャラAが発する様子を表す演出表示がゲーム説明演出の一例として挙げられる。本実施形態におけるゲーム説明演出は、先読み対象変動において当たり報知演出が実行される可能性があることを示唆する演出ではないが、先読み対象変動において最終的に当たり報知演出が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する演出パターンのゲーム説明演出や、先読み対象変動において最終的に当たり報知演出が実行されることを確定的に報知する演出パターンのゲーム説明演出を実行するようにしてもよい。
<つぶやき演出>
扉開放演出(図14(H)参照)に続いてキャラB登場演出(図14(K)参照)が実行された場合は、キャラBによるつぶやき演出が行われる(図14(L)参照)。このつぶやき演出は、扉の奥から登場したキャラBが独り言をつぶやく様子を表す演出表示であり、キャラBが「遊びに行きたいなぁ」という独り言をつぶやく様子を表す演出表示が一例として挙げられる。
なお、図には示されていないが、本実施形態の遊技機1は、大当たり確率に関する設定値がメインRAM83の所定領域に記憶されており、ホール店員が所定操作を行うことによって、この設定値を変更することが可能である。低確率状態における大当たり確率を例に説明すると、設定値が「1」(最低設定)である場合には大当たり確率が1/200に設定され(図5(A)参照)、設定値が「2」である場合には大当たり確率が1/190に設定され、設定値が「3」である場合には大当たり確率が1/180に設定され、設定値が「4」である場合には大当たり確率が1/170に設定され、設定値が「5」である場合には大当たり確率が1/160に設定され、設定値が「6」(最高設定)である場合には大当たり確率が1/150に設定される。
本実施形態の遊技機1で実行されるつぶやき演出には、多数の演出パターンが用意されており、その大半が大当たり確率の設定値とは無関係なものとなっている。その一方で、つぶやき演出の一部の演出パターンが、大当たり確率の設定値を暗示するものとなっている。例えば、大当たり確率の設定値が「4」、「5」、「6」のいずれかに設定されている場合は、「今日は一味違うぞ!」といった独り言をキャラBがつぶやく様子を表すつぶやき演出が実行されることがある。このような大当たり確率の設定値を暗示するつぶやき演出は、先読み対象変動において最終的に当たり報知演出が実行される可能性があることを直接示唆するものではないが、大当たり確率の設定が高設定である可能性があることを暗示することによって、大当たり遊技が実行されることに対する遊技者の期待感を効果的に向上させることが可能である。
なお、大当たり確率の設定値に関する暗示を行うつぶやき演出は、以下のような処理によって実現可能である。すなわち、具体的には、サブ制御基板90のサブCPU91は、遊技機1の電源が投入されたタイミングで、メイン制御基板80におけるメインRAM83の所定領域に記憶されている大当たり確率の設定値を取得し、取得した設定値を示す情報をサブRAM93の所定領域に保持しておく。そして、サブCPU91は、キャラB登場演出およびつぶやき演出を含む一般入賞演出を実行することを決定し、更に、演出抽選に基づいて、大当たり確率の設定値に関する暗示を行うことを決定した場合は、サブRAM93に保持されている情報に基づいて大当たり確率の設定値を特定し、つぶやき演出の演出パターンを選択するための(サブROM92に記憶されている)テーブルから、現在の大当たり確率の設定値に対応する1の演出パターンを読み出すことによって、大当たり確率の設定値に関する暗示を行うためのつぶやき演出の演出パターンを設定する。そして、設定した演出パターンでのつぶやき演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板100に送信することによって、大当たり確率の設定値に関する暗示を行うつぶやき演出を実現する。
<設定暗示・確定報知演出>
扉開放演出(図14(H)参照)に続いてキャラC登場演出(図14(M)参照)が実行された場合は、キャラCによる設定暗示・確定報知演出が行われる(図14(N)参照)。この設定暗示・確定報知演出は、現在の大当たり確率の設定値を暗示し、且つ、先読み対象変動において最終的に当たり報知演出が実行されることを確定的に報知する演出である。このため、設定暗示・確定報知演出は、先読み対象変動に対応する事前判定の結果が、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となることを示すものである場合に限って実行される演出であると言える。なお、大当たり確率の設定値が「2」以上であり、且つ、先読み対象変動において最終的に当たり報知演出が実行される場合の一部に関して、例えば、開いた扉の奥から登場したキャラCが銀色のプレミアキャラの絵を描く様子を表す設定暗示・確定報知演出が実行される。また、大当たり確率の設定値が「4」~「6」のいずれかであり、且つ、先読み対象変動において最終的に当たり報知演出が実行される場合の一部に関して、例えば、開いた扉の奥から登場したキャラCが金色のプレミアキャラの絵を描く様子を表す設定暗示・確定報知演出が実行される。そして、大当たり確率の設定値が「6」であり、且つ、先読み対象変動において最終的に当たり報知演出が実行される場合の一部に関しては、例えば、開いた扉の奥から登場したキャラCが虹色のプレミアキャラの絵を描く様子を表す設定暗示・確定報知演出が実行される。
<当該アイコン変化演出>
扉開放演出(図14(H)参照)に続いて白鳥登場演出(図14(O)参照)が実行された場合は、開いた扉の奥から飛び出してきた白鳥が当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに攻撃を加えてその当該アイコンの表示色を変化させ、その後に飛び立っていく様子を表す当該アイコン変化演出が行われる(図14(P)参照)。
このように、本実施形態の遊技機1で実行される一般入賞演出では、扉開放演出に続く登場演出によって登場するキャラクタの種類に応じて、異なる演出が実行される。
(一般入賞演出の具体例)
次に、図15,16を参照しつつ、キャラB登場演出に続いてつぶやき演出が実行される場合を例に、一般入賞演出の具体例について説明する。図15(A)には、保留アイコン表示領域71に4つの保留アイコンが表示された状態で、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する第1特別図柄の変動表示に伴い、演出図柄の変動表示が行われている様子が例示されている。なお、ここでは、先読み対象変動に対応する3つ目の保留アイコンとして特別アイコン(例えば、緑色の保留アイコン)が表示されているものとする。
図15(A)には、左6図柄が擬似停止した状態が例示されているが、左6図柄が擬似停止してから所定時間が経過すると、右1図柄が擬似停止する場合がある(図15(B)参照)。図15(B)には、左6図柄に続いて右1図柄が擬似停止したタイミングで(左側遊技領域3Lに設けられている3つの一般入賞口24のうちのいずれかの)一般入賞口24に遊技球が入賞したことを契機として、上述したワープ部発光演出(図14(C)参照)が実行されている様子が例示されている。なお、ワープ部発光演出は、一般入賞演出が終了するまで継続するのに対して、図15,16においては、図面が必要以上に複雑になるのを避けるために、図15(B)においてのみワープ部12が図示され、その他の各画面図に対してはワープ部12の図示が省略されている。
図15(B)には、ワープ部発光演出の開始に伴って、表示画面70における当該アイコン表示領域72の左側の表示領域における扉画像の表示が開始された直後の様子が例示されている。この図15(B)の表記や図2の表記から明らかなように、ワープ部12は、左側遊技領域3Lにおける3つの一般入賞口24に近く、また、扉画像の表示領域にも近い位置に設けられている。このため、一般入賞口24に遊技球が入賞したタイミングでワープ部12を発光させることで、一般入賞口24に遊技球が入賞する様子を見ていた遊技者の視線をワープ部12に誘導することができ、結果として、扉画像の表示が開始されたこと、すなわち、一般入賞演出が開始されたことを遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本実施形態では、扉画像の表示開始とほぼ同じタイミングでワープ部12の発光を開始させることとしているが、扉画像の表示開始を分かり易く報知することができれば、ワープ部発光演出とは異なる演出を実行してもよく、例えば、盤面ランプ5を構成する多数のLEDのうちの、3つの一般入賞口24に近接する1または複数のLEDを発光させる発光演出を行うようにしてもよい。また、発光演出は、盤面ランプ5を利用するものに限らず、例えば、表示画面70に表示された扉画像が発光する様子を表すアニメーションを再生する表示演出とすることで、表示画面70を利用した発光演出とすることも考えられる。また、一般入賞演出が開始されたことを報知する演出音をスピーカ38から出力したり、或いは、この演出音の出力を、盤面ランプ5を利用する発光演出(又は表示画面70を利用する発光演出)と組み合わせたりしてもよい。
図15(C)には、当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、「ハズレ」を報知する第1特別図柄の停止表示に伴い、「651」のバラケ目を示す3つの演出図柄が本停止すると共に、当該アイコン表示領域72に表示されていた当該アイコンが消去される様子が例示されている。このように、「ハズレ」を報知する第1特別図柄の停止表示が開始されてから所定の確定時間(本実施形態では、0.5秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(図15(C)参照)に対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って、保留アイコン表示領域71に表示されている各保留アイコンに対するシフト処理が実行され、且つ、3つの図柄列のスクロール表示が開始される(図15(C)~(D)参照)。
このように、ワープ部発光演出が開始された後に開始される第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示が上述した対象前変動であり(図14(D)参照)、この対象前変動の開始に伴って、図14(E)等に基づいて上述した扉開放煽り演出が実行される(図15(D)参照)。この扉開放煽り演出については、上述した通りである。なお、図15(C)及び(D)には、3つ目の保留アイコンとして表示されていた先読み対象変動に対応する保留アイコンのシフト処理が行われて、この保留アイコンが2つ目の保留アイコンとして表示される様子が例示されている。
このように、扉開放煽り演出の実行を伴う形で開始された対象前変動が終了すると、「ハズレ」を報知する第1特別図柄の停止表示(及び演出図柄の本停止)に伴い、図14(F)等に基づいて上述した扉静止演出が実行される(図15(E)参照)。この図15(E)には、当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、「ハズレ」を報知する第1特別図柄の停止表示に伴い、「382」のバラケ目を示す3つの演出図柄が本停止すると共に、当該アイコン表示領域72に表示されていた当該アイコンが消去される様子が例示されている。このように、「ハズレ」を報知する第1特別図柄の停止表示が開始されてから所定の確定時間(本実施形態では、0.5秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(図15(E)参照)に対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って、保留アイコン表示領域71に表示されている各保留アイコンに対するシフト処理が実行され、且つ、3つの図柄列のスクロール表示が開始される(図15(E)~(F)参照)。すなわち、2回目の対象前変動が開始される。
図15(F)には、2回目の対象前変動の開始に伴って扉開放煽り演出が実行される様子が例示されている。この2回目の対象前変動の開始時に実行される扉開放煽り演出は、1回目の対象前変動の開始時に実行される扉開放煽り演出(図15(D)参照)と共通する演出である。なお、図15(E)及び(F)には、2つ目の保留アイコンとして表示されていた先読み対象変動に対応する保留アイコンのシフト処理が行われて、この保留アイコンが最先の保留アイコンとして表示される様子が例示されている。
このように、扉開放煽り演出の実行を伴う形で開始された2回目の対象前変動が終了すると、「ハズレ」を報知する第1特別図柄の停止表示(及び演出図柄の本停止)に伴い、扉静止演出が実行される(図15(G)参照)。この図15(G)には、当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、「ハズレ」を報知する第1特別図柄の停止表示に伴い、「463」のバラケ目を示す3つの演出図柄が本停止すると共に、当該アイコン表示領域72に表示されていた当該アイコンが消去される様子が例示されている。このように、「ハズレ」を報知する第1特別図柄の停止表示が開始されてから所定の確定時間(本実施形態では、0.5秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(図15(G)参照)、すなわち、先読み対象変動に対応する保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って、保留アイコン表示領域71に表示されている各保留アイコンに対するシフト処理が実行され、且つ、3つの図柄列のスクロール表示が開始される(図15(G)~(H)参照)。すなわち、先読み対象変動が開始される。
先読み対象変動が開始されると、図14(H)等に基づいて上述したように、扉開放演出が実行される(図15(H)参照)。そして、ここでは、扉開放演出に続いてキャラB登場演出が実行されるが、キャラB登場演出および(キャラB登場演出に続く)つぶやき演出は、表示画面70における中央の表示領域を用いて実行されるため、キャラB登場演出の開始に伴い、演出図柄の変動表示を表示画面70における右上方の表示領域にて行う演出図柄の小図柄変動表示が開始される(図15(H)~(I)参照)。このことは、キャラA登場演出やキャラC登場演出といった他の登場演出が行われる場合も同様である。
図16(A)には、扉の奥から登場したキャラBが、大当たりを確定的に報知する「V」の文字が表記されたアイテムが先端に刺さった剣を上方に突き上げながら、「良いものを拾った!」という独り言をつぶやく様子を表すつぶやき演出が実行されている様子が例示されている。なお、図14(L)に基づく上記の説明では、大当たり確率の設定値とは無関係な演出内容のつぶやき演出や、大当たり確率の設定値を暗示する演出内容のつぶやき演出を例に説明を行ったが、図16(A)に例示されるように、先読み対象変動において最終的に当たり報知演出が実行されることを確定的に報知する演出内容のつぶやき演出が実行される場合もある。
このように、先読み対象変動の開始時に、確定報知演出として機能するつぶやき演出が実行された場合、その後は、例えば以下のような演出表示が実行される。すなわち、つぶやき演出が終了すると、上述したワープ部発光演出も終了し、これに伴い、演出図柄の小図柄変動表示が終了して、演出図柄表示領域73における演出図柄の変動表示が再開される(図16(A)~(B)参照)。そして、先読み対象変動の開始から所定時間が経過すると、左図柄が擬似停止した後に(左図柄と同じ)右図柄が擬似停止してリーチが成立する(図16(A)~(C)参照)。なお、図16(C)には、7図柄でリーチが成立する様子が例示されているが、他の演出図柄(例えば、2図柄)でリーチが成立する場合もある。なお、本実施形態の遊技機1では、リーチ図柄として表示される演出図柄の種類によって大当たり信頼度が異なっており、7図柄でリーチが成立した場合の大当たり信頼度が最も高く(例えば、大当たり信頼度:70%)、3図柄でリーチが成立した場合も大当たり信頼度が次に高く(例えば、大当たり信頼度:25%)、他の演出図柄でリーチが成立した場合の大当たり信頼度が低めの値に設定されている。
図16(C)に示される例では、7図柄でリーチが成立しているために大当たり信頼度が極めて高く、リーチ成立後に開始されたノーマルリーチにおいて当たり報知演出が実行される場合がある(図16(D)~(F)参照)。なお、ここでは、ノーマルリーチ(図6(F)参照)で当たり報知演出が実行される場合を例に説明したが、ノーマルリーチから発展したSPリーチ(図6(H)参照)で当たり報知演出が実行される場合や、ノーマルリーチから直接発展(又はSPリーチを経由して発展)したSPSPリーチ(図6(I)参照)で当たり報知演出が実行される場合もある。
また、ここでは、先読み対象変動の開始時に確定報知演出として機能するつぶやき演出が実行されているために、いずれかのリーチ演出で当たり報知演出が必ず実行されるが、確定報知演出としては機能しないつぶやき演出が実行された場合には、いずれかのリーチ演出で当たり報知演出(又はハズレ報知演出)が実行されるときと、リーチ演出が実行されずに(図6(B)及び(C)に基づいて上述した)リーチ無し演出およびハズレ報知演出が実行されるときとがある。
ここまで、図15,16を参照しつつ、キャラB登場演出およびつぶやき演出を含む一般入賞演出の具体例について説明したが、扉開放演出よりも後に行われる演出が異なる点を除き、キャラA登場演出およびゲーム説明演出が実行される場合や、キャラC登場演出および設定暗示・確定報知演出が実行される場合、白鳥登場演出および当該アイコン変化演出が実行される場合も、概ね同様の流れで一般入賞演出が実行される。
図15,16を参照しつつ、2回の対象前変動が実行される場合を例に説明したが、対象前変動の回数が1回の場合や、対象前変動の回数が3回の場合もある。一方、先読み対象変動に対応する保留アイコンが最先の保留アイコンとして表示されている状態でワープ部発光演出が実行された場合は、ワープ部発光演出の開始後において最初に実行される図柄変動が先読み対象変動となる。このような場合には、図14(D)に例示される対象前変動と、図14(E)~(F)に例示される扉開放煽り演出および扉静止演出が実行されることなく、先読み対象変動の開始に伴って、図14(H)の扉開放演出以降の演出が実行されることになる。
(一般入賞演出による作用効果)
本実施形態の遊技機1によれば、メインCPU81による事前判定処理の結果に基づいて、大当たり遊技が実行されることを遊技者に期待させる期待演出を実行可能であり、この期待演出が、一般入賞演出として、左側遊技領域3Lに設けられているいずれかの一般入賞口24(正確には、一般入賞口センサ241)を遊技球が通過したことを契機として実行されるときがある。このため、遊技者に意外性を感じさせることができ、高い演出効果を得ることができる。
また、本実施形態の遊技機1では、一般入賞口24に遊技球が入賞すると(一般入賞口24を遊技球が通過すると)、賞球の払い出しが行われる一方で、特別図柄判定や普通図柄判定といった判定は行われないものの、一般入賞演出が実行される場合がある。このため、一般入賞口24に遊技球の払い出し以外の意味合いを持たせることができ、一般入賞口24を活用した興趣性が高い演出を実行可能である。
また、一般入賞演出として最初に実行されるワープ部発光演出は、一般入賞口24に遊技球が入賞するタイミングによってその開始タイミングが変化するため、例えば、開始タイミングが変動開始時に固定されている期待演出を実行する場合に比べて、演出開始タイミングが豊富になり、より高い演出効果を得ることが可能である。
(一般入賞演出に関する変形例)
なお、一般入賞演出に関して、以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、本実施形態では、対象前変動では、遊技者の期待感を向上させるべく扉開放煽り演出を行い、先読み対象変動の開始に伴って扉開放演出以降の演出(図14(H)~(P)参照)を実行する場合を例に説明した。これに対して、他の実施形態では、例えば、1回目の対象前変動において扉開放演出(図14(H)参照)を行い、2回目の対象前変動において図14に例示される4種類の登場演出のうちのいずれかの登場演出を行い、登場演出の後の演出のみ先読み対象変動において行うというように、先読み対象変動で行われる演出の一部を先読み対象変動の開始前に行うようにしてもよい。また、本実施形態において先読み対象変動で行うこととしている全ての演出を、先読み対象変動の開始前に行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、左側遊技領域3Lに設けられている3つの一般入賞口24のいずれかに遊技球が入賞した場合には、一般入賞演出が実行される可能性があるのに対して、右側遊技領域3Rに設けられている一般入賞口24に遊技球が入賞した場合には、一般入賞演出が実行されない場合を例に説明した。これに対して、他の実施形態では、4つの一般入賞口24のうちのいずれの一般入賞口24に遊技球が入賞したとしても一般入賞演出が実行され得るといった構成を採用してもよい。ただし、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、遊技者に左打ちを行われる必要があることから、このような他の実施形態の構成を採用するのは好ましくない。このため、本実施形態で例示した構成を採用するのが好適である。
また、本実施形態では、事前判定結果に基づく期待演出として、扉画像およびキャラクタを用いた一般入賞演出を実行する場合を例に説明したが、一般入賞演出は、大当たり遊技が実行されることを遊技者に期待させることができるものであれば、本実施形態で例示した一般入賞演出に限定されるものではなく、他の実施形態では、図14に例示される一般入賞演出とは演出内容の一部または全部が異なる一般入賞演出を期待演出として実行するようにしてもよい。
以下、図16までの図面に基づいて説明した演出を実現するための各制御基板のRAM構成、各制御基板で行われる処理について説明する。
[メインRAM83の構成例]
図17は、メインRAM83の記憶領域と各記憶領域に記憶される情報について説明するための説明図である。図17(A)に例示されるように、メインRAM83には、第1始動口21に遊技球が入賞した際に取得された取得情報等を記憶する記憶領域として、判定用記憶領域830、特図1・第1保留記憶領域831、特図1・第2保留記憶領域832、特図1・第3保留記憶領域833、及び特図1・第4保留記憶領域834が設けられている。また、メインRAM83には、第2始動口22に遊技球が入賞した際に取得された取得情報等を記憶する記憶領域として、上記判定用記憶領域830、特図2・第1保留記憶領域835、特図2・第2保留記憶領域836、特図2・第3保留記憶領域837、及び特図2・第4保留記憶領域838が設けられている。
判定用記憶領域830は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域であり、特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。そして、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、第2特別図柄判定の方が第1特別図柄判定よりも優先消化される。このため、判定用記憶領域830には、保留されている特別図柄判定の実行に際して、第2特別図柄判定が保留されている場合には特図2・第1保留記憶領域835に記憶されている各種情報がシフトされ、第1特別図柄判定のみが保留されている場合には特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている各種情報がシフトされる。
図17(B)に例示されるように、保留記憶領域831~838は、特別図柄判定の権利を保留するための情報を記憶する領域であって、それぞれ、メインCPU81によって取得された、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、事前判定結果を示す情報である事前判定情報を記憶する領域等を含んでいる。
ここで、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数については、図5,7に基づいて上述した通りである。事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図20参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。ここで、入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口21に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。これらの情報を含む事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
遊技機1では、第1始動口21に遊技球が入賞する毎に、図17(B)に基づいて説明した5つの情報が、特図1・第1保留記憶領域831から順に、特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834のいずれかに格納される。また、第2始動口22に遊技球が入賞する毎に、上記5つの情報が、特図2・第1保留記憶領域835から順に、特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838のいずれかに格納される。
例えば、判定用記憶領域830に情報が記憶されると共に特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834のいずれにも情報が記憶されていない状態で、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて新たに取得された第1特別図柄判定に係る5つの情報が特図1・第1保留記憶領域831に格納される。また、例えば、判定用記憶領域830、特図1・第1保留記憶領域831、及び特図1・第2保留記憶領域832のそれぞれに5つの情報が記憶された状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて新たに取得された第1特別図柄判定に係る5つの情報が特図1・第3保留記憶領域833に格納される。
また、第1特別図柄判定の実行に際して特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報が判定用記憶領域830にシフトされると、特図1・第2保留記憶領域832以降の第1特別図柄判定に係る保留記憶領域に記憶されている情報が特図1・第1保留記憶領域831側にシフトされる。例えば、特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第3保留記憶領域833のそれぞれに情報が記憶された状態で特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報が判定用記憶領域830にシフトされると、特図1・第2保留記憶領域832に記憶されている情報が特図1・第1保留記憶領域831にシフトされ、特図1・第3保留記憶領域833に記憶されている情報が特図1・第2保留記憶領域832にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838においても同様に行われる。なお、本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄判定および第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち特図1・第1保留記憶領域831と特図2・第1保留記憶領域835の両方に情報が記憶されている場合、特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834を対象とするシフト処理に先立って、特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838を対象とするシフト処理が優先して行われる。
ところで、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中に第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。このため、メインCPU81は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を、特別図柄判定の権利を保留する情報として保留記憶領域831~838のいずれかの領域に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU81は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域830に直接格納する。
[メイン制御基板80による割込み処理]
次に、図18を参照しつつ、メイン制御基板80において実行される割込み処理について説明する。ここで、図18は、メイン制御基板80において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。メイン制御基板80は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図18に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図18以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御基板80の処理は、メインROM82に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU81が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU81は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻されて更新される。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU81は、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、ゲートセンサ251の各センサからの検知信号が入力されたことに応じて各種の乱数を取得する処理を含むセンサ検知処理を実行する(ステップS2)。このセンサ検知処理については、図19に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU81は、特別図柄判定を実行して、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図21に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU81は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器43に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU81は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口22を開放すると判定した場合に、開閉部材23を動作させる第2始動口ソレノイド222を制御して第2始動口22を開閉する第2始動口開閉制御処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS3の特別図柄処理において実行される大当たり判定処理で「大当たり」であると判定した場合に、第1大入賞口ソレノイド262(又は第2大入賞口ソレノイド282)を制御して第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)を開閉する大入賞口開閉制御処理を実行する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU81は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM83にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報をサブ制御基板90に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[メイン制御基板80によるセンサ検知処理]
図19は、図18のステップS2におけるセンサ検知処理の詳細フローチャートである。図19に例示されるように、メインCPU81は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、ゲートセンサ251からの検知信号の入力の有無に基づいて、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知したか否かを判定する(ステップS201)。ここで、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知したと判定した場合(ステップS201:YES)、メインRAM83に記憶されている普通図柄判定の保留数Fが、予め設定されている普通図柄判定の最大保留数Fmax(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
メインCPU81は、保留数Fが「4」未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数Fを「1」加算した値に更新し(ステップS203)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される普通図柄乱数に関して、ゲート25に対する遊技球の通過を検知したタイミングの値を取得して、メインRAM83の所定領域に格納する(ステップS204)。
一方、メインCPU81は、ステップS204の処理を実行した場合、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知していないと判定した場合(ステップS201:NO)、保留数Fが「4」未満ではないと判定した場合(ステップS202:NO)、第2始動口センサ221からの検知信号の入力の有無に基づいて、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したか否かを判定する(ステップS206)。ここで、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したと判定した場合(ステップS206:YES)、メインRAM83に記憶されている第2特別図柄判定の保留数T2が、予め設定されている第2特別図柄判定の最大保留数T2max(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS207)。
メインCPU81は、保留数T2が「4」未満であると判定した場合(ステップS207:YES)、保留数T2を「1」加算した値に更新し(ステップS208)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に関して、第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したタイミングの値をそれぞれ取得する(ステップS209)。
このように、保留数T2が最大保留数T2max未満の状態で第2始動口22に対する遊技球の入賞が検知されるという取得条件の成立に応じて、第2特別図柄判定に係る各種の乱数が取得される。なお、第2特別図柄判定および第2特別図柄の変動表示を直ちに実行可能な状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は判定用記憶領域830に直接格納され、直ちに実行できない状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838のいずれかの領域に格納される。
メインCPU81は、ステップS209の処理を実行した場合、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS210)。メインRAM83には、時短遊技フラグが記憶されている。この時短遊技フラグは、第2始動口22に遊技球が入賞し難い低ベース状態となるように開閉部材23の動作を制御する場合に「OFF」に設定され、第2始動口22に遊技球が入賞し易い高ベース状態となるように開閉部材23の動作を制御する場合に「ON」に設定されるフラグである。メインCPU81は、ステップS210において、この時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する。
メインCPU81は、現在の状態が高ベース状態であると判断した場合(ステップS210:YES)、すなわち時短遊技フラグが「ON」に設定されている場合、第2特別図柄判定の保留に係る事前判定処理を実行する(ステップS211)。具体的には、第2始動口22に遊技球が入賞したことに応じて取得した各種乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理(図22参照)や変動パターン選択処理(図23参照)が実行されるのに先立って、ステップS209の処理で取得された各種乱数に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第2特別図柄判定が実行された際に第2特別図柄の変動パターンとしてどの変動パターンが選択されるかを事前判定する事前判定処理を実行する。この事前判定処理の結果である事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数等が記憶されているのと同じ保留記憶領域に格納される。
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第2特別図柄判定の保留数T2が「0」の状態で第2始動口22に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域830に直接格納されて、これらの乱数に基づく第2特別図柄判定が直ちに実行される。この場合、第2特別図柄判定は保留されないため、第2特別図柄判定に係る事前判定処理は行われない。このような事前判定処理については、図20に基づいて後に詳述する。
メインCPU81は、ステップS211の処理を実行した場合、又は高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS210:NO)、第2特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS212)。この保留コマンドは、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。なお、ステップS211の事前判定処理が行われることなくステップS212の処理が行われた場合には、事前判定情報を含まない保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。一方、ステップS211の事前判定処理が行われた後にステップS212の処理が行われた場合には、事前判定情報を含む保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。
一方、メインCPU81は、ステップS212の処理を実行した場合、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知していないと判定した場合(ステップS206:NO)、第2特別図柄判定の保留数T2が「4」未満ではないと判定した場合(ステップS207:NO)、第1始動口センサ211からの検知信号の入力の有無に基づいて、第1始動口センサ211が第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したか否かを判定する(ステップS214)。ここで、第1始動口センサ211が第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したと判定した場合(ステップS214:YES)、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1が、予め設定されている第1特別図柄判定の最大保留数T1max(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS215)。
メインCPU81は、保留数T1が「4」未満であると判定した場合(ステップS215:YES)、保留数T1を「1」加算した値に更新し(ステップS216)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に関して、第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したタイミングの値をそれぞれ取得する(ステップS217)。
このように、保留数T1が最大保留数T1max未満の状態で第1始動口21に対する遊技球の入賞が検知されるという取得条件の成立に応じて、第1特別図柄判定に係る各種の乱数が取得される。なお、第1特別図柄判定および第1特別図柄の変動表示を直ちに実行可能な状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は判定用記憶領域830に直接格納され、直ちに実行できない状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834のいずれかの領域に格納される。
メインCPU81は、ステップS217の処理を実行した場合、ステップS210の処理と同様に、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS218)。ここで、現在の状態が高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS218:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」に設定されている場合、第1特別図柄判定の保留に係る事前判定処理を実行する(ステップS219)。具体的には、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて取得した各種乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理(図22参照)や変動パターン選択処理(図23参照)が実行されるのに先立って、ステップS217の処理で取得された各種乱数に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行された際に第1特別図柄の変動パターンとしてどの変動パターンが選択されるかを事前判定する事前判定処理を実行する。この事前判定処理の結果である事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数等が記憶されているのと同じ保留記憶領域に格納される。
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第1特別図柄判定の保留数T1が「0」の状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域830に直接格納されて、これらの乱数に基づく第1特別図柄判定が直ちに実行される。この場合、第1特別図柄判定は保留されないため、第1特別図柄判定に係る事前判定処理は行われない。このような事前判定処理については、図20に基づいて後に詳述する。
メインCPU81は、ステップS219の処理を実行した場合、又は高ベース状態であると判断した場合(ステップS218:YES)、第1特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS220)。この保留コマンドは、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。なお、ステップS219の事前判定処理が行われることなくステップS220の処理が行われた場合には、事前判定情報を含まない保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。一方、ステップS219の事前判定処理が行われた後にステップS220の処理が行われた場合には、事前判定情報を含む保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。
また、メインCPU81は、ステップS220の処理を実行した場合、第1始動口センサ211が第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知していないと判定した場合(ステップS214:NO)、又は、保留数T1が「4」未満ではないと判定した場合(ステップS215:NO)、一般入賞口センサ241からの検知信号の入力の有無に基づいて、一般入賞口センサ241が一般入賞口24に対する遊技球の入賞(通過)を検知したか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU81は、一般入賞口センサ241が一般入賞口24に対する遊技球の入賞を検知したと判定した場合(ステップS221:YES)、一般入賞コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS222)。この一般入賞コマンドは、一般入賞24に遊技球が入賞したことを通知するコマンドであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信され、この一般入賞コマンドに基づいて、上述した一般入賞演出の実行が制御される。
なお、右側遊技領域3Rに設けられた一般入賞口24に遊技球が入賞した場合は、図14~図16に基づいて上述した一般入賞演出が、この入賞を契機として実行されることがないように演出制御を行う必要がある。このため、メインCPU81は、4つの一般入賞口24のそれぞれに対して個別に設けられている一般入賞口センサ241のうちのどの一般入賞口センサ241から検知信号が入力されたかに基づいて、左側遊技領域3Lに設けられた一般入賞口24に遊技球が入賞したのか、或いは、右側遊技領域3Rに設けられた一般入賞口24に遊技球が入賞したのかを識別し、その識別結果を示す識別情報を含む一般入賞コマンドをメインRAM83にセットする。
[メイン制御基板80による事前判定処理]
以下、図20を参照しつつ、メイン制御基板80によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図20は、図19のステップS211,219における事前判定処理の詳細フローチャートである。なお、ここでは、第1特別図柄判定の権利が保留された場合に行われる事前判定処理を例に説明を行うが、使用される乱数やテーブルが異なる点を除き、第2特別図柄判定の権利が保留された場合にも同様の事前判定処理が行われる。
メインCPU81は、図19のステップS210の処理で高ベース状態であると判断した場合(ステップS210:YES)、又は図19のステップS218の処理で高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS218:NO)、大当たり判定処理を実行する(ステップS2191)。具体的には、低確率状(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)である場合には、低確率時用大当たり乱数テーブル(図5(A)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする。一方、高確率状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)である場合には、高確率時用大当たり乱数テーブル(図5(A)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする。そして、図19のステップS209の処理(又は図19のステップS217の処理)で取得した大当たり乱数が、メインRAM83にセットした大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを判定する。
次に、メインCPU81は、ステップS2191の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりであると判定されるか否かを判断する(ステップS2192)。ここで、当該変動開始時に大当たりであると判定されると判断した場合(ステップS2192:YES)、大当たり用変動パターン選択テーブル(図7(A)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS2193)。
一方、メインCPU81は、当該変動開始時に大当たりではないと判定されると判断した場合(ステップS2192:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2194)。具体的には、ステップS2191の大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、メインROM82に記憶されているリーチ乱数の当選値(図5(D)のリーチ有り演出に対応する乱数値)と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU81は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2194:YES)、リーチハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(B)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS2195)。
ところで、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ当該変動中にリーチ演出が行われない場合、当該変動開始時における第1特別図柄判定の保留数に基づいて第1特別図柄の変動パターンが決定される。このことは、図7(C)に基づいて上述した通りである。そして、保留されている第1特別図柄判定が消化される前と後では第1特別図柄判定の保留数が相異なる場合がある。このため、第1特別図柄判定が消化される前に取得した特別図柄の変動パターンが、その第1特別図柄判定が実際に消化される際に選択される特別図柄の変動パターンとは異なる場合がある。すなわち、当該変動中にリーチ演出が行われない第1特別図柄判定の権利に対しては、その第1特別図柄判定に先立って正確な第1特別図柄の変動パターンを取得できない場合がある。
このため、リーチ演出が行われないとメインCPU81によって判定された場合には(ステップS2194:NO)、後述するステップS2196の変動パターン乱数判定処理や、ステップS2197の事前判定情報を格納する処理が行われることなく、図19のステップS212(又はステップS220)に処理が進められる。よって、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となって、リーチ無し演出が行われることになる場合には、事前判定情報を含まない保留コマンドがセットされることになる。
メインCPU81は、大当たり用変動パターン選択テーブル又はリーチハズレ用変動パターン選択テーブルをセットすると、変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS2196)。具体的には、ステップS2191の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得された変動パターン乱数が、メインRAM83にセットされている変動パターン選択テーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる特別図柄判定で選択されることになる特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU81は、ステップS2196の処理を実行した場合、事前判定情報を生成してメインRAM83に格納する(ステップS2197)。この事前判定情報が格納される領域については、図17に基づいて上述した通りである。
このように、メインCPU81は、遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報に基づいて、この取得情報に基づく大当たり判定処理や変動パターン選択処理が行われるのに先立って、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動パターン(すなわち変動時間)を取得する。
[メイン制御基板80による特別図柄処理]
次に、図21を参照しつつ、メイン制御基板80によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図21は、図18のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
図21に例示されるように、メインCPU81は、メインRAM83に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU81は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM83に記憶されている第2特別図柄判定の保留数T2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数T2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数T2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU81は、保留数T2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数T1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、保留数T1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
メインCPU81は、ステップS304の処理またはステップS306の処理を実行した場合、メインRAM83の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS307)。具体的には、ステップS304の処理に続いてステップS307の処理を実行する場合、特図2・第1保留記憶領域835に記憶されている情報を判定用記憶領域830にシフトさせるシフト処理を実行する。その際、特図2・第2保留記憶領域836以降の保留記憶領域にも情報が記憶されている場合には、これらの情報を特図2・第1保留記憶領域835側にシフトさせるシフト処理も併せて実行する。一方、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合、特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報を判定用記憶領域830にシフトさせるシフト処理を実行する。その際、特図1・第2保留記憶領域832以降の保留記憶領域にも情報が記憶されている場合には、これらの情報を特図1・第1保留記憶領域831側にシフトさせるシフト処理も併せて実行する。
メインCPU81は、ステップS307のシフト処理によって大当たり乱数や図柄乱数等の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)に必要な情報を判定用記憶領域830に格納すると、これらの情報に基づいて、ステップS308の大当たり判定処理とステップS309の変動パターン選択処理を実行する。
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第1特別図柄判定の保留数T1と第2特別図柄判定の保留数T2が両方とも「0」の状態で遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞した場合、その入賞に応じて取得された大当たり乱数や図柄乱数等の情報が判定用記憶領域830に直接格納される。このような場合は、ステップS307のシフト処理が実行されることなく、大当たり判定処理および変動パターン選択処理が実行されることになる。
メインCPU81は、判定用記憶領域830に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS308)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類(大当たり図柄)が決定されることになる。そして、これらの処理の結果を示す特別図柄の設定情報がメインRAM83にセットされる。この大当たり判定処理については、図22に基づいて後に詳述する。
ステップS308の大当たり判定処理に続いて、メインCPU81は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS309)。この変動パターン選択処理については、図23に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS308の処理で設定した特別図柄の設定情報、この特別図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS309の処理で選択した変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS310)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。これにより、表示画面70における演出図柄の変動表示を含む変動演出が開始されることになる。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS310の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS311)。その際、判定用記憶領域830に第1特別図柄判定に係る情報が記憶された状態でステップS308~ステップS310の処理が行われた場合には、第1特別図柄表示器41における第1特別図柄の変動表示を開始する。一方、判定用記憶領域830に第2特別図柄判定に係る情報が記憶された状態でステップS308~ステップS310の処理が行われた場合には、第2特別図柄表示器42における第2特別図柄の変動表示を開始する。
次に、メインCPU81は、ステップS311における特別図柄の変動表示を開始してからの経過時間の計測を開始する(ステップS312)。メインCPU81は、ステップS312の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS312の処理で計測を開始した経過時間が、ステップS309の変動パターン選択処理で選択された変動パターンの変動時間に到達したか否かを判定する(ステップS313)。ここで、経過時間が変動時間に到達していないと判定された場合(ステップS313:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU81は、経過時間が変動時間に到達したと判定した場合(ステップS313:YES)、特別図柄の変動表示が終了することを通知する変動終了コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS314)。この変動終了コマンドは、ステップS8における送信処理によってサブ制御基板90に送信される。これにより、表示画面70に変動表示されていた演出図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS314の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS311の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS315)。具体的には、ステップS308の処理で設定した特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この特別図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば0.5秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU81は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS315の処理に続いて、メインCPU81は、上記ステップS312の処理で計測を開始した経過時間をリセットし(ステップS316)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む特図停止時処理を実行する(ステップS317)。この特図停止時処理については、図24に基づいて後に詳述する。
[メイン制御基板80による大当たり判定処理]
図22は、図21のステップS308における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、まず、判定用記憶領域830に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3081)。具体的には、判定用記憶領域830に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値(図5(A)参照)と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。ここでの当選値は、高確率時用大当たり乱数テーブル又は低確率時用大当たり乱数テーブルに規定されている大当たりの当選値である。高確率状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)のときに大当たり判定が実行される場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。一方、低確率状態(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)のときに大当たり判定が実行される場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。
このように、メインCPU81は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域830に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3081の処理に続いて、メインCPU81は、大当たり判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判断する(ステップS3082)。ここで、大当たり判定の判定結果が「大当たり」ではないと判断した場合(ステップS3082:NO)、すなわち大当たり判定の判定結果が「ハズレ」である場合、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3083)。これにより、上記ステップS315の処理の際に、ここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示されることになる。この場合、大当たり遊技は行われない。
一方、メインCPU81は、大当たり判定の判定結果が「大当たり」であると判断した場合(ステップS3082:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示される大当たり図柄を選択する大当たり図柄選択処理を実行する(ステップS3084)。具体的には、ステップS3081の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域830に記憶されている図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第1始動口入賞用の図柄決定テーブル(図5(B)参照)に規定されているどの大当たり図柄の乱数値と一致するかに基づいて、いずれかの大当たり図柄を選択する。また、図柄乱数が第2特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第2始動口入賞用の図柄決定テーブル(図5(C)参照)に規定されているどの大当たり図柄の乱数値と一致するかに基づいて、いずれかの大当たり図柄を選択する。
そして、メインCPU81は、選択した大当たり図柄の設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3085)。これにより、上記ステップS315の処理の際に、ここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示され、その後、その大当たり図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
[メイン制御基板80による変動パターン選択処理]
図23は、図21のステップS309における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、図21のステップS308における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3081の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3091)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3091:YES)、大当たり用変動パターン選択テーブル(図7(A)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3092)。
一方、メインCPU81は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3091:NO)、判定用記憶領域830に記憶されているリーチ乱数がメインROM82に記憶されているリーチ乱数の当選値(リーチ有り演出に対応する乱数値)と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3093)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3093:YES)、リーチハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(B)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3094)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3093:NO)、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(C)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3095)。
メインCPU81は、ステップS3092の処理、ステップS3094の処理、又はステップS3095の処理によってメインRAM83にセットされた変動パターン選択テーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3096)。具体的には、大当たり用変動パターン選択テーブル又はリーチハズレ用変動パターン選択テーブルがメインRAM83にセットされた場合、判定用記憶領域830に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の変動パターンを選択する。また、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルがメインRAM83にセットされた場合、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1(又は第2特別図柄判定の保留数T2)に基づいて保留数を特定し、特定した保留数に対応する変動パターンをリーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の変動パターンを選択する。このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU81は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3097)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS308の大当たり判定処理によってメインRAM83にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれてサブ制御基板90に送信される。
[メイン制御基板80による特図停止時処理]
図24は、図21のステップS317における特図停止時処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、上記ステップS316の処理によって経過時間をリセットした後、図24に例示されるように、ステップS3082(図22参照)の処理と同様に、大当たりであるか否かを判断する(ステップS3171)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3171:YES)、メインRAM83に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3172)。
次に、メインCPU81は、メインRAM83に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定し(ステップS3173)、同じくメインRAM83に記憶されている時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3174)。ここで、確変遊技フラグは、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態であるか否かを示すフラグである。
本実施形態の遊技機1では、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの設定により遊技状態が制御される。すなわち、遊技状態を「確変遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「ON」に設定される。また、遊技状態を「通常遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。なお、他の実施形態では、確変遊技フラグを「OFF」に設定すると共に時短遊技フラグを「ON」に設定して、「時短遊技状態」で遊技が制御されるようにしてもよい。
ステップS3174の処理に続いて、メインCPU81は、大当たり遊技が開始されることを通知するためのオープニングコマンドをメインRAM83にセットする(ステップS3175)。このオープニングコマンドは、大当たりの種類、大当たり遊技中の第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)の開放パターン等の情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。
一方、メインCPU81は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3171:NO)、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3176)。ここで、確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3176:YES)、すなわち特別図柄判定が高確率状態で行われている場合、メインRAM83に記憶されている高確率遊技残回数Kを「1」減算した値に更新する(ステップS3177)。この高確率遊技残回数Kは、高確率状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3177の処理に続いて、メインCPU81は、高確率遊技残回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS3178)。ここで、高確率遊技残回数Kが「0」であると判定した場合(ステップS3178:YES)、確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3179)。これにより、特別図柄判定が低確率状態で行われるようになる。
メインCPU81は、ステップS3179の処理を実行した場合、確変遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS3176:NO)、又は高確率遊技残回数Kが「0」ではないと判定した場合(ステップS3178:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3180)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3180:YES)、メインRAM83に記憶されている時短遊技残回数Jを「1」減算した値に更新する(ステップS3181)。この時短遊技残回数Jは、時短状態(高ベース状態)で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3181の処理に続いて、メインCPU81は、時短遊技残回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3182)。ここで、時短遊技残回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3182:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3183)。これにより、第2始動口22への遊技球の入賞を容易にするサポート機能が付与されなくなる。
[メイン制御基板80による遊技状態設定処理]
図25は、メイン制御基板80において大当たり遊技終了時に実行される遊技状態設定処理を例示するフローチャートである。遊技機1では、ステップS6の大入賞口開閉制御処理によって大当たり遊技が実行されるが、この大当たり遊技におけるエンディング期間が終了すると、大当たり遊技終了後の遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理が実行される。
メインCPU81は、大当たり遊技中において、大当たり遊技におけるエンディング期間が終了したか否かを判定する(ステップS631)。ここで、エンディング期間が終了したと判定した場合(ステップS631:YES)、確変遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS632)、高確率遊技残回数Kを例えば「80」に設定する(ステップS633)。これらのステップS632の処理およびステップS633の処理が行われることにより、80回の特別図柄判定が実行されるまで高確率状態が継続することになる。
次に、メインCPU81は、時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS634)、時短遊技残回数Jを例えば「80」に設定する(ステップS635)。これらのステップS634の処理およびステップS635の処理が行われることにより、80回の特別図柄判定が実行されるまで高ベース状態が継続することになる。そして、ステップS632~ステップS635の一連の処理が行われることによって、大当たり遊技が終了してから80回の特別図柄判定が実行されるまで確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
[サブ制御基板90による割込み処理]
遊技機1の電源が投入されると、サブ制御基板90のサブCPU91は、後述する割込み処理を行う周期である割込み周期を設定する。そして、サブCPU91は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理を割込み周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU91は、遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、割込み周期で割込み処理を繰り返す。
以下、図26を参照しつつ、サブ制御基板90において実行される割込み処理について説明する。ここで、図26は、サブ制御基板90において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。サブCPU91は、メイン制御基板80で行われる割込み処理(図18参照)と同様に、図26に例示される一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図26以降のフローチャートに基づいて説明するサブ制御基板90で行われる処理は、サブROM92に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU91が発行する命令に従って行われる。
サブCPU91は、まず、メイン制御基板80からコマンドを受信した場合にそのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図27に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU91は、図4に示される第1演出ボタンセンサ96または第2演出ボタン検知センサ97からの操作情報の入力の有無に基づいて、図1に示される第1演出ボタン35または第2演出ボタン36が操作されたか否かを判定する(ステップS30)。ここで、第1演出ボタン35または第2演出ボタン36が操作されたと判定した場合(ステップS30:YES)、その旨を通知するための操作コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS31)。この操作コマンドが画像音響制御基板100およびランプ制御基板120へ送信されることによって、第1演出ボタン35または第2演出ボタン36の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
サブCPU91は、ステップS31の処理を実行した場合、又は、第1演出ボタン35および第2演出ボタン36がいずれも操作されていないと判定した場合(ステップS30:NO)、コマンド送信処理を実行する(ステップS32)。具体的には、ステップS10のコマンド受信処理やステップS31の処理によってサブRAM93にセットされたコマンドを画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信する。このコマンド送信処理が実行されることによって、画像表示や演出音の出力等による演出の実行が画像音響制御基板100に対して指示され、各種ランプの点灯や可動役物等による演出の実行がランプ制御基板120に対して指示される。
ステップS32の処理に続いて、サブCPU91は、データ転送処理を実行する(ステップS33)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板100から送信されるので、そのデータをランプ制御基板120に転送する。これにより、画像表示装置7およびスピーカ38で行われる演出と同期するように、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14等の演出手段による演出がランプ制御基板120によって制御される。
[サブ制御基板90によるコマンド受信処理]
図27は、図26のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図27に例示されるように、サブCPU91は、まず、メイン制御基板80からのコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS11)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS11:NO)、上述したステップS30に処理が進められる。
サブCPU91は、メイン制御基板80からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS11:YES)、そのコマンドが図19のステップS212の処理またはステップS220の処理に応じてメイン制御基板80から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、保留コマンドではないと判定された場合(ステップS12:NO)、後述するステップS15に処理が進められる。
サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、保留コマンド受信処理を実行する(ステップS13)。この保留コマンド受信処理については、図28に基づいて後に詳述する。
サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS12:NO)、そのコマンドが図21のステップS310の処理に応じてメイン制御基板80から送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定された場合(ステップS15:NO)、後述するステップS17に処理が進められる。
サブCPU91は、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、変動開始コマンド受信処理を実行する(ステップS16)。この変動開始コマンド受信処理については、図29に基づいて後に詳述する。
サブCPU91は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS15:NO)、そのコマンドが図21のステップS314の処理に応じてメイン制御基板80から送信された変動終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS17)。サブCPU91は、変動終了コマンドであると判定した場合(ステップS17:YES)、演出図柄の変動表示を終了して図柄変動開始時に実行された特別図柄判定の判定結果を示す態様で演出図柄を停止表示する処理の実行を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS18)。
この変動演出終了コマンドがステップS32の処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信されることによって、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す特別図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されるのに伴い、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す演出図柄が表示画面70に停止表示されることになる。
サブCPU91は、受信したコマンドが変動終了コマンドではないと判定した場合(ステップS17:NO)、そのコマンドが図24のステップS3175の処理に応じてメイン制御基板80から送信されたオープニングコマンドであるか否かを判定する(ステップS19)。ここで、受信したコマンドがオープニングコマンドであると判定した場合(ステップS19:YES)、大当たり遊技のオープニング期間において大当たりの種類を報知したり遊技者に右打ちを促したりするオープニング演出の開始を画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に指示するためのオープニング演出開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS20)。
サブCPU91は、受信したコマンドがオープニングコマンドではないと判定した場合(ステップS19:NO)、そのコマンドが図19のステップS222の処理に応じてメイン制御基板80から送信された一般入賞コマンドであるか否かを判定する(ステップS21)。ここで、受信したコマンドが一般入賞コマンドであると判定した場合(ステップS21:YES)、一般入賞コマンド受信処理を実行する(ステップS24)。この一般入賞コマンド受信処理については、図31に基づいて後に詳述する。なお、受信したコマンドが一般入賞コマンドではないと判定した場合(ステップS21:NO)、その他の処理を実行する(ステップS22)。
[サブ制御基板90による保留コマンド受信処理]
図28は、図27のステップS13における保留コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、図28に例示されるように、サブRAM93に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS131)。具体的には、第1特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新し、第2特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する。
ステップS131の処理に続いて、サブCPU91は、図10~図13に基づいて上述した複合演出の実行を制御すべく、以下のような処理を行う。すなわち、サブCPU91は、例えば、通常遊技状態で遊技が制御されているときに、第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドをメイン制御基板80から受信した後に、この変動開始コマンドに対応する変動終了コマンドを受信する前の状態であるか否かに基づいて、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS132)。ここで、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中ではないと判定された場合(ステップS132:NO)、後述するステップS139に処理が進められる。
一方、サブCPU91は、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であると判定した場合(ステップS132:YES)、残りの変動時間が所定時間以上であるか否かを判定する(ステップS133)。具体的には、第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドを受信した場合、この変動開始コマンドに基づいて、第1特別図柄の変動時間を特定する。そして、この変動開始コマンドを受信してからの経過時間を計測し、特定した第1特別図柄の変動時間から経過時間を減算することによって、残りの変動時間を算出する。サブROM92には、このようにして算出された残りの変動時間と比較される所定時間が記憶されており、サブCPU91は、算出した残りの変動時間と、予め記憶されている所定時間との大小関係を比較することによって、上記ステップS133の処理を実行する。
ところで、本実施形態の遊技機1で実行され得る複合演出は、例えば図12(B)の表記から明らかなように、玉出現演出、連続破裂演出、及び大キャラ登場演出というように、連続する複数の演出から構成されている。そして、このような複合演出は、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴って実行されている変動演出において最終的に当たり報知演出が実行される可能性がどの程度あるかを示唆する示唆演出としての機能を有している。このため、変動演出に複合する形で複合演出を実行する場合は、実行中の変動演出が終了する前に、複合演出を完了させる必要がある。このことは、変動演出の終了に応じて第1特別図柄の停止表示(及び演出図柄の本停止)が行われているにも関わらず複合演出が未だ終了していないといった状況を生じさせないためにも重要である。
このため、サブCPU91は、残りの変動時間が所定時間以上であると判定した場合(ステップS133:YES)は、複合演出を実行するためのステップS134~S138の処理を実行する一方で、残りの変動時間が所定時間以上ではないと判定した場合(ステップS133:NO)は、複合演出の実行を制限すべく、ステップS134~S138の処理を実行することなく、ステップS139以降の処理を実行することとしている。
次に、サブCPU91は、残りの変動時間が所定時間以上であると判定した場合(ステップS133:YES)、メイン制御基板80から受信した第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドに基づいて、実行中の変動演出に対応する第1特別図柄の変動パターンが、変動時間が特定時間以上である特定の変動パターンであるか否かを判定する(ステップS134)。
本実施形態の遊技機1で実行される複合演出は、図11の表記からも明らかなように、複合演出の開始時に行われている変動演出に関する大当たり信頼度を示唆する演出として構成されている。また、複合演出は、例えば図12(B)に例示されるように、玉出現演出、連続破裂演出、及び大キャラ登場演出といった複数の演出から構成されているため、一連のこれら複数の演出から構成される複合演出を実行するためには、第1特別図柄の変動パターンが、少なくとも、複合演出に要する時間よりも長い変動時間の変動パターンである必要がある。
そこで、サブCPU91は、実行中の変動演出に対応する第1特別図柄の変動パターンが、変動時間が特定時間以上である特定の変動パターンであると判定した場合は(ステップS134:YES)、複合演出を実行するために必要なステップS135~ステップS138の処理を実行する一方、変動時間が特定時間以上である特定の変動パターンではないと判定した場合は(ステップS134:NO)、複合演出を実行するために必要なステップS135~ステップS138の処理を実行することなく、ステップS139以降の処理を実行することとしている。
なお、特定の変動パターンを規定する特定時間は、上記の必要条件を満たしていれば特に限定されるものではないが、例えば30秒とすることができる。このように、特定時間を30秒に予め設定しておけば、図7の表記から明らかなように、第1特別図柄の変動パターンが、大当たり用変動パターンまたはリーチハズレ用変動パターンである場合(変動時間が30秒以上ある場合)に限って複合演出を発生させることができ、また、大当たり信頼度が極めて低いために、複合演出を複合させるべきではないリーチ無しハズレ用変動パターンで第1特別図柄が変動表示される場合には、複合演出が発生しない構成とすることができる。
図28の説明に戻り、サブCPU91は、実行中の変動演出に対応する第1特別図柄の変動パターンが、変動時間が特定時間以上である特定の変動パターンであると判定した場合(ステップS134:YES)、複合演出を実行するか否かを決定するための複合演出抽選を実行する(ステップS135)。具体的には、サブCPU91は、例えば、サブ制御基板90における乱数更新処理が行われる毎に適宜更新される複合演出乱数に関して、メイン制御基板80から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM93に格納する。そして、ステップS135の処理において、このようにして取得した複合演出乱数が、サブROM92に記憶されている複合演出乱数と比較される乱数値(当選値)のうちのいずれかと一致するか否かを判定する。
サブCPU91は、このステップS135の抽選結果に基づいて、複合演出を実行するか否かを判定する(ステップS136)。ここで、複合演出を実行しないと判定された場合(ステップS136:NO)、すなわち、取得された複合演出乱数がいずれの当選値とも一致しない場合は、ステップS137,S138の処理を実行することなく、ステップS139に処理が進められる。
一方、サブCPU91は、複合演出を実行すると判定した場合(ステップS136:YES)、すなわち、取得された複合演出乱数がいずれかの当選値と一致する場合は、複合演出の演出パターンを選択するための複合演出パターン選択処理を実行する(ステップS138)。具体的には、実行中の変動演出に対応する第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドに基づいて、この第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。ここで、「大当たり」であると判定した場合は、大当たり用複合演出パターン選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットし、「大当たり」ではないと判定した場合は、リーチハズレ用複合演出パターン選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする。
そして、サブCPU91は、サブRAM93にセットした複合演出パターン選択テーブルを参照して、複合演出の演出パターンを選択する。図には示されていないが、サブROM92に記憶されている複合演出パターン選択テーブルでは、第1特別図柄判定の判定結果と、第1特別図柄の変動パターンと、複合演出の演出パターン種別(図11参照)と、複合演出乱数と比較される乱数値とが対応付けられている。サブCPU91は、ステップS137の処理において、実行中に変動演出に対応する第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドに基づいて特定される第1特別図柄判定の判定結果と、同じく変動開始コマンドに基づいて特定される第1特別図柄の変動パターンと、複合演出を実行するか否かを決定する際に使用した上記の複合演出乱数とに対応する複合演出パターン種別をサブRAM93にセットされている複合演出パターン選択テーブルから読み出すことによって、複合演出の1の演出パターンを選択する。
なお、大当たり用複合演出パターン選択テーブルとリーチハズレ用複合演出パターン選択テーブルとを比較した場合、前者のテーブルを参照した方が、後者のテーブルを参照する場合に比べて、大当たり信頼度がより高い複合演出の演出パターンが選択され易いという特徴がある。
ここでは、複合演出の演出パターンを選択する際に、ステップS135の複合演出抽選に使用したのと同じ複合演出乱数を使用して複合演出パターンを選択する場合を例に説明したが、複合演出乱数とは別の演出乱数を使用して複合演出の演出パターンを選択するようにしてもよい。
また、ここでは、複合演出抽選と複合演出パターン選択処理とを別々の処理として実行する場合を例に説明したが、例えば、大当たり用複合演出パターン選択テーブルとリーチハズレ用複合演出パターン選択テーブルの両方に関して、それぞれ、複合演出の演出パターン種別として「複合演出無し」を含ませておくことによって、複合演出を実行するか否かを決定する処理と、複合演出の1の演出パターンを選択する処理とを1回の処理で実現することも可能である。
サブCPU91は、ステップ137の処理で複合演出の1の演出パターンを選択すると、この演出パターンを示す複合演出の設定情報を含む複合演出開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS138)。この複合演出開始コマンドは、図26のステップS32におけるコマンド送信処理によって、画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信され、画像音響制御CPU101(及びランプCPU121)がこの複合演出開始コマンドに基づく処理を実行することによって、変動演出の実行中に複合演出が複合することとなる。
なお、本実施形態の遊技機1では、図12(B)に基づいて上述したように、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始時に、予告演出としての共通演出を実行するよう設定されている場合において、共通演出が実行されるよりも先に複合演出が実行される場合には、共通演出を実行しないこととしている。このため、サブCPU91は、このような演出制御を実現するために、図29におけるステップS164の予告演出パターン設定処理で設定された予告演出パターンを示す情報をサブRAM93に保持しておき、この情報に基づいて、変動演出の実行中に共通演出が実行されるか否かを特定する。そして、変動演出の実行中に共通演出が実行されることを特定した場合は、予告演出パターンを示す情報と、ステップS137の複合演出パターン選択処理によって選択された複合演出の演出パターンとに基づいて、複合演出と共通演出のどちらが先に開始されることになるかと特定する。ここで、複合演出が先に開始されることを特定した場合は、実行中の変動演出の開始時に指示した共通演出を実行しないよう指示する情報を含む複合演出開始コマンドをサブRAM93にセットする。
このような一連の処理を実行することによって、変動演出の実行中に複合演出が発生した場合に、この複合演出(本実施形態では、大キャラ登場演出)と演出内容が共通する共通演出が同日変動内で実行されることを防止することとしている。
(複合演出の制限について)
図28には表れていないが、複合演出の実行に関しては、以下のような制限がある。すなわち、本実施形態の遊技機1では、図6に例示されるように、ノーマルリーチからSPリーチに発展する際や、ノーマルリーチからSPSPリーチに発展する際、SPリーチからSPSPリーチへと発展する際に、それぞれ、類似ハズレ演出および発展演出(図9(B)参照)が実行される場合がある。ここで、類似ハズレ演出は、ハズレ報知演出が実行されているように見せ掛けるために、例えば「767」といったリーチハズレ目を示す3つの演出図柄を所定時間掛けて擬似停止表示する演出である。また、発展演出は、この類似ハズレ演出によって擬似停止表示されている3つの演出図柄のうちの、中図柄を含む中列の図柄列のスクロール表示を再開させて、より上位のリーチ演出へとリーチ演出が発展する様子を表す演出表示である。
リーチ演出の中でも、これらの類似ハズレ演出および発展演出は、大当たりを期待する遊技者にとって重要な演出であるため、これらの類似ハズレ演出および発展演出の少なくともいずれか一方と重なる形で複合演出が実行されることは好ましくない。
このため、本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中に第1始動口21に遊技球が入賞し、この入賞を契機として複合演出を開始すると複合演出が類似ハズレ演出および発展演出の両方またはいずれか一方と時間的に重なる形で実行されることになる場合は、複合演出を実行しないこととしている。
また、変動演出の終盤になると、例えば、リーチハズレ目またはゾロ目を示す3つの演出図柄が所定時間擬似停止表示され、その後に本停止されるが、このように、変動演出の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果を示す態様で3つの演出図柄を擬似停止表示してから本停止表示する当落報知演出も、大当たりを期待する遊技者にとって極めて重要な演出の1つである。このため、本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中に第1始動口21に遊技球が入賞し、この入賞を契機として複合演出を開始すると当落報知演出(3つの演出図柄の擬似停止表示)が開始されるまでに複合演出が終了しない場合も、複合演出を実行しないこととしている。
また、複合演出は、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行されているときに、この変動演出の大当たり信頼度を示唆する演出として、変動演出と並行する形で実行される演出である。このことから、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示が行われておらず、また、特別図柄判定の権利が保留されていない所謂客待ち状態においては、たとえ第1始動口21に遊技球が入賞したとしても、この入賞を契機として複合演出が実行されることがないといった構成が採用されている。この入賞を契機として実行されるのは、複合演出ではなく変動演出である。
(アイコン変化演出に関する処理について)
次に、図28の説明に戻り、アイコン変化演出を実現するための処理について説明する。
サブCPU91は、ステップS138の処理を実行した場合、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS132:NO)、残りの変動時間が所定時間以上ではないと判定した場合(ステップS133:NO)、特定の変動パターンではないと判定した場合(ステップS134:NO)、又は、複合演出を実行しないと判定した場合(ステップS136:NO)、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれているか否かを判定する(ステップS139)。ここで、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれていないと判定した場合(ステップS139:NO)、保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS140)。この保留アイコン表示コマンドは、アイコン変化演出の設定情報(後述するアイコン変化演出パターン情報)を含まない、保留アイコンの表示を指示するコマンドであって、ステップS32のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信される。
画像音響制御基板100の画像音響制御CPU101は、例えば、アイコン変化演出の設定情報を含まない第1特別図柄判定に係る保留アイコン表示コマンドを受信した場合、VDP104による描画処理を制御して、保留アイコン表示領域71に白色の保留アイコンを表示させる。この白色の保留アイコンに関しては、アイコン変化演出に関する設定がなされていないため、上述したアイコン変化演出は行われない。
一方、サブCPU91は、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれていると判定した場合(ステップS139:YES)、その事前判定情報をサブRAM93に格納する(ステップS141)。次に、サブCPU91は、アイコン変化演出抽選を実行する(ステップS142)。具体的には、まず、アイコン変化演出乱数を取得してサブRAM93に格納する。このアイコン変化演出乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU91は、保留コマンドを受信した時点のカウント値をアイコン変化演出乱数として取得し、その変化演出乱数が予めサブROM92に記憶されているアイコン変化演出乱数に関する乱数値のいずれかと一致するか否か否かに基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する。
なお、図には示されていないが、サブROM92には、第1特別図柄判定に係る事前判定結果と、第1特別図柄の変動パターンと、アイコン変化演出乱数に関する乱数値とが対応付けられたテーブルが記憶されている。サブCPU91は、このテーブルを参照して、取得したアイコン変化演出乱数が、ステップS141の処理でサブRAM93に格納した事前判定情報から特定される第1特別図柄判定の判定結果および第1特別図柄の変動パターンに対応付けられている乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する。なお、このテーブルでは、第1特別図柄判定に係る事前判定結果に関して、「ハズレ」よりも「大当たり」に対してより多くの乱数値が対応付けられている。また、第1特別図柄の変動時間が長い変動パターンほど、より多くの乱数値が対応付けられている。このため、本実施形態における遊技機1では、大当たり信頼度が高いほどアイコン変化演出が実行され易く、逆に、大当たり信頼度が低いほどアイコン変化演出が実行され難くなっている。
サブCPU91は、ステップS142の抽選結果に基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを判定し(ステップS143)、アイコン変化演出を実行すると判定した場合(ステップS143:YES)、例えば乱数を用いた演出抽選を行って、複数あるアイコン変化演出の演出パターンの中からいずれか1つの演出パターンを選択し、選択したアイコン変化演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする(ステップS144)。
なお、ここでは、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する抽選と、アイコン変化演出の演出パターンを選択する抽選とが別抽選である場合を例に説明したが、アイコン変化演出を実行するか否かと、実行する場合にはアイコン変化演出をどのような演出パターンで実行するかを、1回の抽選で決定するようにしてもよい。
サブCPU91は、ステップS144の処理を実行した場合、又は、アイコン変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS143:NO)、保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS145)。具体的には、ステップS144の処理に続いてステップS145の処理を実行する場合には、ステップS144の処理でセットしたアイコン変化演出パターン情報を含む保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする。一方、ステップS144の処理を実行することなくステップS145の処理を実行する場合には、ステップS140の処理と同様に、アイコン変化演出パターン情報を含まない保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする。
なお、セットされた保留アイコン表示コマンドが、アイコン変化演出の設定情報としてのアイコン変化演出パターン情報を含む保留アイコン表示コマンドである場合、この保留アイコン表示コマンドがステップS32のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信されることにより、ステップS144の処理で選択された変化パターンでアイコン(保留アイコンまたはその保留アイコンに対応する当該アイコン)の表示色が変化するアイコン変化演出が行われることになる。
[サブ制御基板90による変動開始コマンド受信処理]
図29は、図27のステップS16における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、メイン制御基板80から受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、図29に例示される一連の変動開始コマンド受信処理を実行する。
すなわち、サブCPU91は、サブ制御基板90における乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、メイン制御基板80から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM93に格納する(ステップS161)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS162)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
サブCPU91は、変動開始コマンドを解析すると、その解析結果に基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS163)。この変動演出パターン設定処理が実行されることによって、演出図柄の変動態様、リーチ演出の有無、擬似連演出の有無、リーチ図柄を構成する演出図柄の種類、リーチ演出の種類や内容、擬似連演出の内容、停止表示される演出図柄の種類等が決定される。この変動演出パターン設定処理については、図30に基づいて後に詳述する。
ステップS163の処理に続いて、サブCPU91は、ステップS163の処理で設定した変動演出パターンで演出図柄が変動表示されているときに実行する各種予告演出(例えば、ステップアップ演出やセリフ予告、群予告やカットイン等)に関する設定を行う予告演出パターン設定処理を実行する(ステップS164)。
次に、サブCPU91は、ステップS163の処理で設定した変動演出パターンでの変動演出の開始、及びステップS164の処理で設定した予告演出パターンでの予告演出の実行を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS165)。
この変動演出開始コマンドは、ステップS163の処理によって設定された変動演出パターンを示す情報と、ステップS164の処理によって設定された予告演出パターンを示す情報とを含むものであり、ステップS32のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信される。これにより、サブ制御基板90において演出パターンが決定された変動演出および予告演出が、画像音響制御基板100およびランプ制御基板120によって実現されることになる。
ステップS165の処理に続いて、サブCPU91は、サブRAM93に記憶されている保留数を「1」減算した値に更新する(ステップS166)。具体的には、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドが第1特別図柄の変動表示の開始を通知するものである場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。一方、受信した変動開始コマンドが第2特別図柄の変動表示の開始を通知するものである場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
[サブ制御基板90による変動演出パターン設定処理]
図30は、図29のステップS163における変動演出パターン設定処理の詳細フローチャートであり、ここでは、通常遊技状態における第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドを受信した場合に実行される変動演出パターン設定処理について説明する。サブCPU91は、ステップS162の処理に続いて、第1特別図柄の停止表示に伴って表示画面70に最終的に確定表示(本停止)させる演出図柄を設定する(ステップS1631)。具体的には、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに含まれている図柄の設定情報に基づいて、図柄変動の終了時に大当たりを示す特別図柄(大当たり図柄)が停止表示されるのか、或いはハズレを示す特別図柄(ハズレ図柄)が停止表示されるのかを特定する。そして、大当たり図柄が停止表示されることを特定した場合には、本停止させる演出図柄として大当たりを報知するための演出図柄(例えばゾロ目を示す演出図柄)を設定し、ハズレ図柄が停止表示されることを特定した場合には、ハズレを報知するための演出図柄を設定する。なお、ハズレを報知するための演出図柄を設定する際に、リーチ演出を行ってからハズレを報知する場合には、ハズレを報知するための演出図柄としてリーチハズレ目を設定し、リーチ演出を行うことなくハズレを報知する場合には、ハズレを報知するための演出図柄としてバラケ目を設定する。
次に、サブCPU91は、受信した変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンの設定情報に基づいて、今回の特別図柄の変動表示に伴ってリーチ有り演出を行う必要があるか否かを判断する(ステップS1632)。ここで、リーチ有り演出を行う必要が無いと判断した場合(ステップS1632:NO)、リーチ無し演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1633)。例えば、特別図柄の変動パターン毎に複数種類のリーチ無し演出の変動演出パターンが対応付けられたリーチ無し用変動演出パターン選択テーブルから、ステップS161の処理で取得した演出乱数に対応するいずれか1つの変動演出パターンを読み出して、その変動演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする。
一方、サブCPU91は、リーチ有り演出を行う必要があると判断した場合(ステップS1632:YES)、リーチ有り演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1634)。例えば、特別図柄判定の判定結果と特別図柄の変動パターンとの組み合わせのそれぞれに対して複数種類のリーチ有り演出の変動演出パターンが対応付けられたリーチ有り用変動演出パターン選択テーブルから、ステップS161の処理で取得した演出乱数に対応するいずれか1つの変動演出パターンを読み出して、その変動演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする。
このステップS1633の処理またはステップS1634の処理が行われることによって、演出図柄をどのような変動パターンで変動表示するか、リーチ演出を行う場合にどのリーチ演出を行うか、リーチ演出を発展させる場合にはどのような流れでリーチ演出を発展させるか等が決定されることになる。
本実施形態の遊技機1では、ステップS1633の処理(又はステップS1634の処理)で設定された変動演出パターンの開始を指示する変動演出開始コマンドがサブ制御基板90から画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)へ送信されることによって、演出図柄の変動表示を含む変動演出が実現される。
[サブ制御基板90による一般入賞コマンド受信処理]
図31は、図27のステップS24における一般入賞コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、メイン制御基板80から受信したコマンドが一般入賞コマンドであると判定した場合(ステップS21:YES)、図14~図16に基づいて上述した一般入賞演出の実行を制御すべく、図31に例示される一連の一般入賞コマンド受信処理を実行する。
サブCPU91は、まず、例えば、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドの解析結果に基づいて、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップS2401)。ここで、現在の遊技状態が通常遊技状態ではないと判定された場合(ステップS2401:NO)、図26のステップS30に処理が進められる。
一方、サブCPU91は、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定した場合(ステップS2401:YES)、サブRAM93に保持されている第1特別図柄判定の保留数を示す情報に基づいて、第1特別図柄判定の保留数が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS2402)。本実施形態の遊技機1で実行される一般入賞演出は、図14等に基づいて上述したように、保留されている第1特別図柄判定の権利に対する事前判定処理の結果に基づいて実行される演出であり、大当たり遊技が実行されることを遊技者に期待させる一般入賞演出を、第1特別図柄判定の権利が保留されていない状況で実行するのは好ましくない。
このため、本実施形態では、サブCPU91は、第1特別図柄判定の保留数が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS2402:NO)、すなわち第1特別図柄判定の権利が保留されていない場合、一般入賞口24に対する遊技球の入賞を契機とする一般入賞演出の実行を制限するために、ステップS2403以降の処理を実行せずに、一般入賞コマンド受信処理を終了する。
すなわち、本実施形態の遊技機1では、特定期間外(ここでは、通常遊技状態における第1特別図柄判定の保留数が「1」以上である期間)に一般入賞口24を遊技球が通過した場合は、ステップS2403以降の処理を実行して、一般入賞演出を実行可能とする一方、特定期間内に一般入賞口24を遊技球が通過した場合は、ステップS2403以降の処理を実行しないようにして、一般入賞演出の実行を制限することとしている。なお、ここでの特定期間内としては、通常遊技状態において第1特別図柄判定の保留数が「0」の状態で第1特別図柄が変動表示されている期間中や、通常遊技状態において第1特別図柄判定の保留数が「0」の状態で第1特別図柄が所定の確定時間(本実施形態では、0.5秒)だけ停止表示されている期間中、第1特別図柄判定(及び第2特別図柄判定)の保留数がどちらも「0」の状態で特別図柄が停止表示されており、且つ、大当たり遊技中でもない、いわゆる客待ち状態などが例として挙げられる。
図31の説明に戻り、サブCPU91は、第1特別図柄判定の保留数が「1」以上であると判定した場合(ステップS2402:YES)、一般入賞演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS2403)。このステップS2403の処理は、一般入賞演出の実行中に別の一般入賞演出が開始されてしまうのを防止するための処理であり、一般入賞演出の実行中であると判定した場合(ステップS2403:YES)、ステップS2404以降の処理を実行せずに、一般入賞コマンド受信処理を終了する。なお、一般入賞演出が実行される場合は、後述するステップS2411の処理によって、一般入賞演出の設定情報がサブRAM93にセットされ、この設定情報は、一般入賞演出が終了するまでサブRAM93に保持される。言い換えれば、一般入賞演出の設定情報は、一般入賞演出の終了に伴ってサブRAM93から破棄される。このため、サブCPU91は、一般入賞演出の設定情報サブRAM93に保持されているか否かに基づいて、一般入賞演出の実行中であるか否かを判定することが可能である。
このように、サブCPU91は、特定期間外(ここでは、一般入賞演出が実行されていないとき)に一般入賞口24を遊技球が通過した場合は、ステップS2404以降の処理を実行して、一般入賞演出を実行可能とする一方、特定期間内(ここでは、一般入賞演出の実行中)に一般入賞口24を遊技球が通過した場合は、更なる一般入賞演出の実行を制限することとしている。
次に、サブCPU91は、一般入賞演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS2403:NO)、一般入賞演出を実行可能であるか否かを判定する(ステップS2404)。図には示されていないが、本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に保留された第1特別図柄判定の権利に対して事前判定処理が実行され、この事前判定処理の結果に基づいて、カプセルを模した保留アイコン(カプセルアイコン)を表示し、このカプセルアイコンが先読み対象変動の開始に伴って当該アイコン表示領域72にシフトした際に、カプセルが割れて中からキャラクタが出現する様子を表すアイコン変化演出が実行される場合がある。本実施形態における一般入賞演出は、図14に基づいて上述したように、いずれかのキャラ(白鳥の場合もある)の登場演出を含んでおり、カプセルアイコンに係るアイコン変化演出と演出内容が類似した演出となっている。
このため、サブCPU91は、カプセルアイコンに係る一連のアイコン変化演出に複合する形で一般入賞演出が実行されてしまうのを制限するために、保留アイコンとしてのカプセルアイコンが表示されていない状態で一般入賞口24を遊技球が通過した場合は、ステップS2405以降の処理を実行して、一般入賞演出の実行を可能とする一方、保留アイコンとしてのカプセルアイコンが表示されている状態で一般入賞口24を遊技球が通過した場合は、一般入賞演出を実行可能ではないと判定し(ステップS2404:NO)、ステップS2405以降の処理を実行せずに一連の一般入賞コマンド受信処理を終了する。なお、本実施形態における遊技機1では、カプセルアイコンに係るアイコン変化演出が実行される場合に限らず、アイコン変化演出が実行される場合には、図28のステップS144の処理によってサブRAM93にセットされたアイコン変化演出パターン情報が、対応するアイコン変化演出が終了するまでサブRAM93に保持される。このため、サブCPU91は、ステップS2404の処理において、カプセルアイコンに係るアイコン変化演出のアイコン変化演出パターン情報がサブRAM93に保持されているか否かに基づいて、一般入賞演出を実行可能であるか否かを判定することが可能である。
このように、サブCPU91は、特定期間外(ここでは、カプセルアイコンが表示されていないとき)に一般入賞口24を遊技球が通過した場合は、ステップS2405以降の処理を実行して、一般入賞演出を実行可能とする一方、特定期間内(ここでは、カプセルアイコンが表示されているとき)に一般入賞口24を遊技球が通過した場合は、ステップS2405以降の処理を実行しないことによって、一般入賞演出の実行を制限することとしている。
なお、本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態において保留されている第1特別図柄判定の権利に対して事前判定処理が実行され、この事前判定処理の結果に基づく保留アイコンとして、先読み対象変動で所定のリーチ演出(例えば、SPSPリーチ)が実行されることを示唆する第1特殊アイコンや、先読み対象変動で所定の予告演出(例えば、群予告)が実行されることを示唆する第2特殊アイコン、先読み対象変動において大当たり信頼度が相対的に高い所定の演出モード(例えば、ゾーンと呼ばれる高信頼度の演出モード)での演出が実行されることを示唆する第3特殊アイコンといった特殊アイコンが表示される場合がある。これらの特殊アイコンは、いずれも、先読み対象変動において実行される演出を示唆するものであり、先読み対象変動において、対応する演出が開始されるまでは、その表示が継続される。このため、当該アイコン表示領域72にシフトした特殊アイコンを対象として、図14(P)に基づいて上述した当該アイコン変化演出を実行すると、特殊アイコンの機能を損なう可能性がある。
そこで、本実施形態の遊技機1では、特定期間外(特殊アイコンが表示されていないとき)に一般入賞口24を遊技球が通過した場合は、一般入賞演出を実行可能とする一方、特定期間内(特殊アイコンが表示されているとき)に一般入賞口24を遊技球が通過した場合は、一般入賞演出の実行を制限することとしている。
図31の説明に戻り、サブCPU91は、一般入賞演出を実行可能であると判定した場合(ステップS2404:YES)、サブ制御基板90における乱数更新処理が行われる毎に適宜更新される一般入賞演出乱数に関して、メイン制御基板80から一般入賞コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM93に格納する(ステップS2405)。そして、このようにして取得した一般入賞演出乱数が、サブROM92に記憶されている一般入賞演出乱数と比較される乱数値(当選値)のうちのいずれかと一致するか否かに基づいて、一般入賞演出を実行するか否かを決定するための一般入賞演出抽選を実行する(ステップS2406)。
なお、図には示されていないが、サブROM92には、第1特別図柄判定に係る事前判定結果(「大当たり」か否か)と、第1特別図柄の変動パターンと、上記の一般入賞演出乱数と比較される乱数値(当選値)とが対応付けられたテーブルが記憶されている。サブCPU91は、このテーブルを参照して、取得した一般入賞演出乱数が、サブRAM93に保持されている事前判定情報と、この事前判定情報から特定される第1特別図柄の変動パターンとに対応付けられている乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、一般入賞演出を実行するか否かを決定する。なお、このテーブルでは、第1特別図柄判定に係る事前判定結果に関して、「ハズレ」よりも「大当たり」に対してより多くの乱数値が対応付けられている。また、第1特別図柄の変動時間が長い変動パターンほど、より多くの乱数値が対応付けられている。このため、本実施形態の遊技機1では、大当たり信頼度が高いほど一般入賞演出が実行され易く、逆に、大当たり信頼度が低いほど一般入賞演出が実行され難くなっている。
続いて、サブCPU91は、ステップS2406の抽選結果に基づいて、一般入賞演出を実行するか否かを判定する(ステップS2407)。ここで、一般入賞演出を実行しないとサブCPU91によって判定された場合(ステップS2407:NO)、ステップS2408以降の処理が実行されずに、一連の一般入賞コマンド受信処理が終了する。
一方、サブCPU91は、一般入賞演出を実行すると判定した場合(ステップS2407:YES)、サブRAM93に格納されている先読み対象変動に関する事前判定情報が示す第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する(ステップS2408)。ここで、「大当たり」であると判定した場合(ステップS2408:YES)、大当たり用一般入賞演出パターン選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットし(ステップS2409)、「大当たり」ではないと判定した場合(ステップS2408:NO)、ハズレ用一般入賞演出パターン選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする(ステップS2410)。
そして、サブCPU91は、ステップS2409の処理またはステップS2410の処理によってサブRAM93にセットした一般入賞演出パターン選択テーブルを参照して、一般入賞演出の演出パターンを選択し、選択した一般入賞演出の演出パターンを示す情報を、一般入賞演出の設定情報としてサブRAM93にセットする(ステップS2411)。
図には示されていないが、サブROM92に記憶されている一般入賞演出パターン選択テーブルでは、第1特別図柄判定の判定結果と、第1特別図柄の変動パターンと、一般入賞演出を開始する際の第1特別図柄判定の保留数と、一般入賞演出の演出パターンと、乱数値とが対応付けられている。サブCPU91は、ステップS2411の処理において、サブRAM93に格納されている先読み対象変動に係る事前判定情報により特定される第1特別図柄判定の判定結果および第1特別図柄の変動パターンと、サブRAM93に記憶されている第1特別図柄判定の保留数と、ステップS2405の処理で取得した一般入賞演出乱数とに対応する演出パターンを、サブRAM93にセットされている一般入賞演出パターン選択テーブルから読み出すことによって、一般入賞演出の1の演出パターンを選択する。
なお、大当たり用一般入賞演出パターン選択テーブルが参照される場合の方が、ハズレ用一般入賞演出パターン選択テーブルが参照される場合に比べて、より大当たり信頼度が高い一般入賞演出が実行され易いという特徴がある。また、前者のテーブルが参照される場合の方が、後者のテーブルが参照される場合に比べて、大当たり確率の設定値を暗示する演出パターンの一般入賞演出が実行され易いという特徴がある。また、設定暗示・確定報知演出(図14(C)参照)は、大当たり確率に関する設定値を暗示すると共に、先読み対象変動において当たり報知演出が実行されることを確定的に報知する演出であることから、前者のテーブルが参照された場合には、この設定暗示・確定報知演出を含む一般入賞演出の演出パターンが選択される場合がある一方、後者のテーブルが参照された場合には、この設定暗示・確定報知演出を含む一般入賞演出の演出パターンが選択されることがないよう、これらのテーブルが構成されている。
ここでは、一般入賞演出の演出パターンを選択する際に、ステップS2406の一般入賞演出抽選に使用したのと同じ一般入賞演出乱数を使用する場合を例に説明したが、一般入賞演出乱数とは別の乱数を使用して一般入賞演出の演出パターンを選択するようにしてもよい。
また、ここでは、一般入賞演出を実行するか否かを決定する抽選と、一般入賞演出の演出パターンを選択する抽選とが別抽選である場合を例に説明したが、一般入賞演出を実行するか否かと、一般入賞演出を実行する場合にどのような演出パターンで実行するかを、1回の抽選で決定するようにしてもよい。
図31の説明に戻り、サブCPU91は、ステップS2411の処理でサブRAM93にセットした一般入賞演出の設定情報を含む一般入賞演出開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS2412)。この一般入賞演出開始コマンドは、図26におけるステップS32の処理によって、左側遊技領域3Lに設けられたいずれかの一般入賞口24に遊技球が入賞するのとほぼ同時に、画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信される。これに対して、画像音響制御CPU101(及びランプCPU121)が、サブ制御基板90からの一般入賞演出開始コマンドに基づく演出制御を実行することによって、図14~図16に基づいて上述した一般入賞演出が実現されることになる。
なお、本実施形態では、上記の各特定期間内に一般入賞口24を遊技球が通過した場合は、ステップS2406の一般入賞演出抽選を行わないことによって、一般入賞演出を実行しない場合を例に説明した。これに対して、上記の各特定期間内に一般入賞口24を遊技球が通過した場合の一般入賞演出の実行制限はこれに限定されるものではなく、例えば、一般入賞演出抽選自体は実行するものの、その当選確率を低くすることで、一般入賞演出の実行確率を低下させ、これにより、一般入賞演出の実行を制限する(一般入賞演出が実行され難くする)ようにしてもよい。すなわち、特定期間内に一般入賞口24を遊技球が通過した場合には、一般入賞演出を完全に禁止するのではなく、大抵は一般入賞演出が実行されないものの、一般入賞演出が実行されることもあるといった構成を採用してもよい。
[画像音響制御基板100による割込み処理]
次に、図32を参照しつつ、画像音響制御基板100において実行される割込み処理について説明する。ここで、図32は、画像音響制御基板100において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。画像音響制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図32に例示される一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
まず、画像音響制御CPU101は、サブ制御基板90から受信したコマンドに基づいて表示画面70における画像表示を制御する画像表示制御処理を実行する(ステップS71)。この画像表示制御処理については、図33に基づいて後に詳述する。
ステップS71の処理に続いて、画像音響制御CPU101は、表示画面70で行われる画面表示と同期するように或いは非同期に、スピーカ38から各種の演出音を出力させるための演出音出力制御処理を実行する(ステップS72)。
ステップS72の処理に続いて、画像音響制御CPU101は、データ送信制御処理を実行する(ステップS73)。具体的には、画像音響制御基板100において行われる画像音響制御に関するデータをサブ制御基板90に送信する。これに対して、サブ制御基板90は、画像音響制御基板100から受信したデータをランプ制御基板120に転送する。これにより、表示画面70およびスピーカ38によって実行される演出と同期するように、枠ランプ37や盤面ランプ5、可動装飾部材14等が制御される。
[画像音響制御基板100による画像表示制御処理]
図33は、図32のステップS71における画像表示制御処理の詳細フローチャートである。画像音響制御CPU101は、まず、サブ制御基板90から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS711)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS711:NO)、ステップS72に処理が進められる。
一方、画像音響制御CPU101は、サブ制御基板90からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS711:YES)、そのコマンドに含まれている設定情報を制御RAM103にセットする(ステップS712)。そして、制御RAM103にセットした設定情報に基づいて、表示画面70に演出画像をどのように表示すべきかを判断し、VDP104の描画処理を制御するためのディスプレイリストを作成して制御RAM103の所定領域に格納し(ステップS713)、そのディスプレイリストをVRAM106のディスプレイリスト記憶領域にセットする(ステップS714)。このディスプレイリスト記憶領域にセットされたディスプレイリストに基づいてVDP104が描画処理を実行することによって、サブ制御基板90から指示された演出表示が実現されることになる。
[第2の実施形態]
以下、図34~図36を参照しつつ、本発明の第2の実施形態に係る遊技機1について説明する。ここで、図34は、周辺ランプ39について説明するための遊技機1の部分正面図である。図35は、ランプ・スピーカ演出に関する演出の流れについて説明するための説明図である。図36は、ランプ・スピーカ演出の特徴について説明するための説明図である。なお、第2の実施形態に係る遊技機1は、後述する周辺ランプ39を用いるランプ・スピーカ演出を更に実行可能である点を除いて、第1の実施形態に係る遊技機1と構成や処理が共通している。このため、以下の説明では、第1の実施形態に係る遊技機1と共通する構成や処理については説明を省略し、第1の実施形態に係る遊技機1とは異なる構成や処理を中心に説明を行う。
図34に例示されるように、第2の実施形態に係る遊技機1は、2つの周辺ランプ39を備えている。この周辺ランプ39は、それぞれ、遊技機1の左右両側に設けられたスピーカ38を囲むように配置された複数のカラーLEDを有して構成されている。これらのカラーLEDは、所定の装飾が施された半透明な樹脂部材で覆われており、遊技者は、この樹脂部材を通して、周辺ランプ39を構成する各カラーLEDが発光する様子を視認可能である。周辺ランプ39は、各カラーLEDの発光パターンや発光色を変更することによって、光による各種の演出を行う。
ランプROM122には、枠ランプ37や盤面ランプ5、可動装飾部材14に内蔵されたLEDの発光パターンデータに加えて、周辺ランプ39の発光パターンを示す発光パターンデータが記憶されている。ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている周辺ランプ39の発光パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM123に読み出して、周辺ランプ39を構成する各LEDの発光を制御する。
第2の実施形態の遊技機1では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に第1始動口21に遊技球が入賞した場合、この入賞に応じて行われる第1特別図柄判定の権利が保留され、この権利に対して第1特別図柄判定が行われる前に、大当たり遊技を実行するか否かを判定する事前判定処理が行われる。そして、この事前判定の結果に基づいて、大当たり遊技が実行されること(当たり報知演出が実行されること)を遊技者に期待させる期待演出が実行される場合がある。
この期待演出としては、第1の実施形態で説明したアイコン変化演出や一般入賞演出(図14~図16参照)が挙げられるが、第2の実施形態の遊技機1は、これらの期待演出に加えて、「ランプ・スピーカ演出」と呼ばれる期待演出を実行可能に構成されている。
[ランプ・スピーカ演出]
ランプ・スピーカ演出は、通常遊技状態における第1始動口21への遊技球の入賞に応じて行われる事前判定処理の結果に基づいて実行される演出であるという点で、一般入賞演出と共通している一方で、以下の点で一般入賞演出と異なっている。
すなわち、一般入賞演出は、上述したように、通常遊技状態において第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄判定の権利が保留されている状況で、左側遊技領域3Lに設けられた3つの一般入賞口24のいずれかの一般入賞口24に遊技球が入賞したタイミングで実行され得る期待演出である。これに対して、ランプ・スピーカ演出は、通常遊技状態において第1始動口21(所定の入賞領域の一例)に遊技球が入賞したタイミング(入賞タイミング)で実行されるときと、この入賞タイミングの後に第1始動口21に別の遊技球が入賞したタイミング(追加入賞タイミング)で実行されるときとがあり、一般入賞演出とは、実行契機や実行タイミングが異なる演出となっている。
第2の実施形態の遊技機1では、通常遊技状態において第1始動口21を一の遊技球が通過したことに応じて事前判定処理が行われた場合に、この事前判定処理の結果に基づくランプ・スピーカ演出が、一の遊技球が第1始動口21を通過したことを契機として実行されるときと、一の遊技球が第1始動口21を通過した後に第1始動口21を他の遊技球が通過したことを契機として実行されるときと、がある。このようなランプ・スピーカ演出が実行される場合の演出の流れは、概ね以下の通りである。
すなわち、通常遊技状態において遊技者が左打ちを行うことで、第1始動口21に一の遊技球が入賞すると(図35(A)参照)、上皿33(又は下皿34)に3個の賞球が払い出される(図35(B)参照)。その際、図35には表れていないが、第1特別図柄判定の保留数T1が最大保留数T1max(本実施形態では「4」)に達していない状態で一の遊技球が入賞した場合、第1特別図柄判定の権利が保留され、一の遊技球が入賞した際に取得された取得情報(大当たり乱数等)に基づいて、上述した事前判定処理が行われる。これについては、図19等に基づいて上述した通りである。
次に、第1特別図柄判定の権利が保留されると、その旨を示す保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示される(図35(C)参照)。なお、この保留アイコンとしては、図10(D)及び(E)に基づいて上述したのと同様に、事前判定処理の結果に基づいて、通常アイコンが表示される場合と、特別アイコンが表示される場合とがある。
そして、このように、保留アイコンとして通常アイコン(又は特別アイコン)が表示されるのとほぼ同時に、ランプ・スピーカ演出が実行される場合がある(図35(D)参照)。すなわち、第1始動口21を遊技球が通過するのとほぼ同時に、保留アイコンが表示されると共にランプ・スピーカ演出が実行される場合がある。
このランプ・スピーカ演出は、周辺ランプ39を所定の発光パターンで発光させると共に、所定の演出音をスピーカ38から所定時間(例えば、3秒間)出力する演出である。ランプ・スピーカ演出における、周辺ランプ39の発光パターンや、スピーカ38から出力される演出音の出力パターンについては、図36に基づいて後に詳述する。
なお、ランプ・スピーカ演出による周辺ランプ39の発光は、事前判定処理の対象となった第1特別図柄判定に対応する第1特別図柄の変動表示(すなわち、先読み対象変動)が開始された後、この先読み対象変動におけるリーチ成立時まで継続される。このため、遊技者は、ランプ・スピーカ演出が発生した時点で、先読み対象変動でリーチ演出が実行されることを認識することが可能である。また、ランプ・スピーカ演出による周辺ランプ39の発光が先読み対象変動の途中まで継続するため、遊技者は、ランプ・スピーカ演出と先読み対象変動との対応関係を容易に認識することが可能である。
ただし、ランプ・スピーカ演出の終了タイミング(ランプ・スピーカ演出による周辺ランプ39の発光終了タイミング)は、先読み対象変動におけるリーチ成立時に限定されるものではなく、例えば、先読み対象変動の開始タイミングや、先読み対象変動の1つ前の対象前変動の終了タイミング等であってもよい。
ここまで、第1始動口21を遊技球が通過した入賞タイミングで、保留アイコンの表示とランプ・スピーカ演出が開始される場合を例に説明したが、保留アイコンが表示されるだけで、ランプ・スピーカ演出が実行されない場合もある(図35参照)。また、入賞タイミングでランプ・スピーカ演出が開始されなかった場合の一部において、以下のような演出が行われることがある。
すなわち、入賞タイミングで保留アイコンが表示された場合、所定時間(例えば、3秒)が経過した後に、所定のキャラクタが表示画面70に登場して所定位置まで歩いて行く様子を表すキャラ登場演出が実行されることがある(図35(E)参照)。なお、ここでは、所定時間が3秒に設定されている場合を例に説明するが、所定時間は、3秒未満の時間や3秒よりも長い時間など、他の時間であってもよい。また、入賞タイミングから所定時間が経過したタイミングでキャラ登場演出を開始する場合を例に説明するが、例えば、入賞タイミングの後に最初に行われる対象前変動の開始に伴ってキャラ登場演出を開始するようにしてもよい。
キャラ登場演出(図35(E)参照)が行われて所定のキャラクタが所定位置まで移動すると、ヘソ入賞促進演出が行われる(図35(F)参照)。このヘソ入賞促進演出は、第1始動口21を狙った左打ちを遊技者に促す演出であり、本実施形態では、所定位置まで移動したキャラクタが第1始動口21を指差して、「ヘソに玉を入れてね!」というセリフを発する様子を表す演出表示を行うと共に、このセリフと同内容の音声をスピーカ38から出力する演出として構成されている。
なお、ヘソ入賞促進演出は、第1始動口21を狙った遊技球の打ち出し(発射ハンドル32の操作)を遊技者に促すことができれば、本実施形態で例示する演出に限定されるものではなく、例えば、表示画面70のみを用いた演出や、スピーカ38のみを用いた演出、第1始動口21に近接する盤面ランプ5を発光させる演出など、他の演出であってもよいことは言うまでもない。
図35の説明に戻り、上記のヘソ入賞促進演出に応じて遊技者が左打ちした遊技球が第1始動口21に入賞すると、その入賞タイミング(上記の追加入賞タイミング)で、上述したランプ・スピーカ演出が実行される場合がある(図35(F)及び(D)参照)。なお、ヘソ入賞促進演出に応じた第1始動口21への遊技球の追加入賞を契機とするランプ・スピーカ演出は、第1始動口21に一の遊技球が入賞した入賞タイミングで行われるランプ・スピーカ演出と共通する演出である。
このように、第2の実施形態の遊技機1は、第1始動口21に一の遊技球が入賞した入賞タイミングのみならず、その後に第1始動口21に別の遊技球が入賞した追加入賞タイミングでもランプ・スピーカ演出が実行されることがある。このため、入賞タイミングでランプ・スピーカ演出が実行されなかった場合でも、ランプ・スピーカ演出が実行されることを遊技者に期待させることができ、入賞タイミングでランプ・スピーカ演出が実行されなかったことに起因して、大当たりに対する遊技者の期待感が低下するのを容易に抑制することが可能である。
なお、ヘソ入賞促進演出の後に実行されるランプ・スピーカ演出は、第1始動口21への遊技球の追加入賞を条件として実行される演出である。このため、仮に、ランプ・スピーカ演出の実行条件が成立していたとしても、第1始動口21への遊技球の追加入賞が発生しなければ、ヘソ入賞促進演出の後にランプ・スピーカ演出が実行されることはない(図35参照)。
ところで、第1始動口21に一の遊技球が入賞した入賞タイミングではランプ・スピーカ演出を実行せず、その後にキャラ登場演出およびヘソ入賞促進演出を実行した場合、すなわち、図35(C)、(E)、(F)の順で演出が進行した場合に、第1始動口21に別の遊技球が入賞すれば必ずランプ・スピーカ演出を実行するといった構成を採用することが考えられる。
しかしながら、このような構成を安易に採用すると、第1始動口21への遊技球の追加入賞に応じてランプ・スピーカ演出が実行されることを、キャラ登場演出が開始された時点で遊技者が認識できてしまい、結果として、ランプ・スピーカ演出が実行されることに対する遊技者の期待感が消失してしまうことが考えられる。
そこで、本実施形態では、ヘソ入賞促進演出の後に第1始動口21を遊技球が通過した場合に、ランプ・スピーカ演出が実行されるときと、ランプ・スピーカ演出が実行されないときと、があるといった構成が採用されている(図35参照)。このような構成を採用すると、第1始動口21に遊技球が追加入賞するまでは、ランプ・スピーカ演出が実行されるか否かが分からないため、ランプ・スピーカ演出が実行されることに対する遊技者の期待感を長期に亘って持続させることができ、また、ランプ・スピーカ演出の実行有無を知りたい遊技者に対して、第1始動口21を狙った遊技球の打ち出しを行うことに関して、遊技者に適度な動機付けを与えることが可能である。
なお、ランプ・スピーカ演出は、先読み対象変動における大当たり期待度を示唆する、事前判定結果に基づく先読み演出であり、先読み対象変動が開始された後にランプ・スピーカ演出を開始させると、先読み対象変動において行われる変動演出や予告演出の妨げになることが考えられる。そこで、本実施形態の遊技機1では、キャラ登場演出およびヘソ入賞促進演出を実行した後、先読み対象変動が開始されるまでに第1始動口21に遊技球が入賞(追加入賞)しなかった場合には、たとえランプ・スピーカ演出の実行条件が成立していたとしても(追加入賞に応じてランプ・スピーカ演出を実行することが予め設定されていたとしても)、ランプ・スピーカ演出を実行しないこととしている。
(ランプ・スピーカ演出の具体例と大当たり信頼度)
次に、図36を参照しつつ、ランプ・スピーカ演出の具体例と大当たり信頼度について説明する。ランプ・スピーカ演出は、周辺ランプ39の最終的な発光パターンによって、先読み対象変動における大当たり信頼度を示唆する期待演出であり、図36に例示されるように、本実施形態では、ランプ・スピーカ演出の演出パターンとして、第1演出パターン~第6演出パターンの6つの演出パターンが用意されている。
第1演出パターンのランプ・スピーカ演出は、周辺ランプ39が青色発光パターンで発光し、ランプ・スピーカ演出の開始に伴い、青色対応演出音がスピーカ38から出力されるランプ・スピーカ演出である。ここでの青色発光パターンは、周辺ランプ39を構成する各LEDが、ランプ・スピーカ演出の開始から終了まで、青色発光と白色発光とを所定の周期で交互に繰り返す発光パターンとなっている。
第2演出パターンのランプ・スピーカ演出は、周辺ランプ39が黄色発光パターンで発光し、ランプ・スピーカ演出の開始に伴い、(青色対応演出音とは異なる)黄色対応演出音がスピーカ38から出力されるランプ・スピーカ演出である。ここでの黄色発光パターンは、周辺ランプ39を構成する各LEDが、ランプ・スピーカ演出の開始から終了まで、黄色発光と白色発光とを所定の周期で交互に繰り返す発光パターンとなっている。
第3演出パターンのランプ・スピーカ演出は、周辺ランプ39が第1昇格発光パターンで発光し、ランプ・スピーカ演出の開始に伴い、青色対応演出音がスピーカ38から出力されるランプ・スピーカ演出である。ここでの第1昇格発光パターンは、周辺ランプ39を構成する各LEDが、ランプ・スピーカ演出の開始から所定時間が経過するまでは、青色発光と白色発光とを所定の周期で交互に繰り返し、その後は、ランプ・スピーカ演出が終了するまで、黄色発光と白色発光とを所定の周期で交互に繰り返す発光パターンとなっている。このように、第3演出パターンのランプ・スピーカ演出は、周辺ランプ39の発光パターンが、途中で青色発光パターンから黄色発光パターンへと変化(昇格)するランプ・スピーカ演出となっている。
なお、第3演出パターンのランプ・スピーカ演出が実行される場合は、周辺ランプ39の発光パターンが青色発光パターンから黄色発光パターンへと変化(昇格)する際に、所定の黄色昇格音がスピーカ38から出力される。このため、遊技者は、周辺ランプ39を注視していなかったとしても、周辺ランプ39の発光パターンが青色発光パターンから黄色発光パターンへと昇格したことを容易に認識することが可能である。
第4演出パターンのランプ・スピーカ演出は、周辺ランプ39が赤色発光パターンで発光し、ランプ・スピーカ演出の開始に伴い、(青色対応演出音や黄色対応演出音とは異なる)赤色対応演出音がスピーカ38から出力されるランプ・スピーカ演出である。ここでの赤色発光パターンは、周辺ランプ39を構成する各LEDが、ランプ・スピーカ演出の開始から終了まで、赤色発光と白色発光とを所定の周期で交互に繰り返す発光パターンとなっている。
第5演出パターンのランプ・スピーカ演出は、周辺ランプ39が第2昇格発光パターンで発光し、ランプ・スピーカ演出の開始に伴い、黄色対応演出音がスピーカ38から出力されるランプ・スピーカ演出である。ここでの第2昇格発光パターンは、周辺ランプ39を構成する各LEDが、ランプ・スピーカ演出の開始から所定時間が経過するまでは、黄色発光と白色発光とを所定の周期で交互に繰り返し、その後は、ランプ・スピーカ演出が終了するまで、赤色発光と白色発光とを所定の周期で交互に繰り返す発光パターンとなっている。このように、第5演出パターンのランプ・スピーカ演出は、周辺ランプ39の発光パターンが、途中で黄色発光パターンから赤色発光パターンへと変化(昇格)するランプ・スピーカ演出となっている。
なお、第5演出パターンのランプ・スピーカ演出が実行される場合は、周辺ランプ39の発光パターンが黄色発光パターンから赤色発光パターンへと変化(昇格)する際に、所定の赤色昇格音がスピーカ38から出力される。このため、遊技者は、周辺ランプ39を注視していなかったとしても、周辺ランプ39の発光パターンが黄色発光パターンから赤色発光パターンへと昇格したことを容易に認識することが可能である。
第6演出パターンのランプ・スピーカ演出は、周辺ランプ39が第3昇格発光パターンで発光し、ランプ・スピーカ演出の開始に伴い、青色対応演出音がスピーカ38から出力されるランプ・スピーカ演出である。ここでの第3昇格発光パターンは、周辺ランプ39を構成する各LEDが、ランプ・スピーカ演出の開始から第1時間が経過するまでは、青色発光と白色発光とを所定の周期で交互に繰り返し、ランプ・スピーカ演出の開始から(第1時間よりも長い)第2時間が経過するまでは、黄色発光と白色発光とを所定の周期で交互に繰り返し、その後は、ランプ・スピーカ演出が終了するまで、赤色発光と白色発光とを所定の周期で交互に繰り返す発光パターンとなっている。このように、第6演出パターンのランプ・スピーカ演出は、周辺ランプ39の発光パターンが、青色発光パターン、黄色発光パターン、赤色発光パターンの順に、2段階で変化(昇格)するランプ・スピーカ演出となっている。
なお、第6演出パターンのランプ・スピーカ演出が実行される場合は、周辺ランプ39の発光パターンが青色発光パターンから黄色発光パターンへと変化(昇格)する際に、黄色昇格音がスピーカ38から出力される。また、周辺ランプ39の発光パターンが黄色発光パターンから赤色発光パターンへと変化(昇格)する際に、赤色昇格音がスピーカ38から出力される。このため、遊技者は、周辺ランプ39を注視していなかったとしても、周辺ランプ39の発光パターンが青色発光パターンから黄色発光パターンへと昇格したことを黄色昇格音に基づいて容易に認識し、周辺ランプ39の発光パターンが黄色発光パターンから赤色発光パターンへと昇格したことを赤色昇格音に基づいて容易に認識することが可能である。
また、図36に例示されるように、周辺ランプ39の最終的な発光色が青色である第1演出パターンのランプ・スピーカ演出は、先読み対象変動における大当たり信頼度が約5%に設定されている。また、周辺ランプ39の最終的な発光色が黄色である第2演出パターンおよび第3演出パターンのランプ・スピーカ演出は、先読み対象変動における大当たり信頼度が約23%に設定されている。また、周辺ランプ39の最終的な発光色が赤色である第4演出パターンから第6演出パターンのランプ・スピーカ演出は、先読み対象変動における大当たり信頼度が約66%に設定されている。
このように、本実施形態では、ランプ・スピーカ演出の実行中に周辺ランプ39の発光パターンが昇格する演出パターンが用意されているため、先読み対象変動で当たり報知演出が実行される可能性が相対的に低いと考えていた遊技者の大当りに対する期待感を効果的に向上させることができ、高い演出効果を得ることが可能である。
(ランプ・スピーカ演出を実現するための処理について)
次に、ランプ・スピーカ演出を実現するためにサブCPU91が実行する処理について説明する。例えば、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に第1始動口21に遊技球が入賞すると、第1特別図柄判定の権利が保留されて、その権利に対する事前判定処理がメインCPU81によって実行される。事前判定処理が実行されると、その事前判定結果を示す事前判定情報を含む保留コマンドがメイン制御基板80からサブ制御基板90に送信される。
これに対して、サブCPU91は、メイン制御基板80から受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報と、サブROM92に記憶されているランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルとに基づいて、ランプ・スピーカ演出の演出パターンを選択する。
ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルでは、第1特別図柄判定の判定結果と、第1特別図柄の変動パターンと、ランプ・スピーカ演出の演出パターン(第1演出パターン~第6演出パターン、ガセ演出パターン、ランプ・スピーカ演出なし)と、(ランプ・スピーカ演出乱数と比較される)乱数値とが対応付けられている。
サブCPU91は、サブ制御基板90における乱数更新処理が行われる毎に適宜更新されるランプ・スピーカ演出乱数に関して、第1特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM93の所定領域に格納する。そして、サブCPU91は、保留コマンドに含まれている事前判定情報に基づいて、先読み対象変動に係る第1特別図柄判定の判定結果および第1特別図柄の変動パターンを特定し、第1特別図柄判定の判定結果と、第1特別図柄の変動パターンと、取得・格納したランプ・スピーカ演出乱数とに対応する演出パターンをランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルから読み出すことによって、ランプ・スピーカ演出の一の演出パターンを選択する。
ランプ・スピーカ演出の演出パターンとしては、第1演出パターン~第6演出パターン、ガセ演出パターン、ランプ・スピーカ演出なしが用意されている。ここで、第1演出パターン~第6演出パターンについては、図36に基づいて上述した通りである。また、ランプ・スピーカ演出なしは、図35(C)に例示されるように保留アイコンが表示された後に、図35(D)のランプ・スピーカ演出が実行されず、また、図35(E)のキャラ登場演出も実行されないことを意味するものである。また、ガセ演出パターンは、図35(C)に例示されるように保留アイコンが表示された後に、図35(E)及び(F)のキャラ登場演出およびヘソ入賞促進演出が実行されるものの、第1始動口21に遊技球が追加入賞したとしてもランプ・スピーカ演出が実行されない、いわゆるガセ演出の演出パターンである。
なお、図には示されていないが、サブROM92には、大当たり用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルと、リーチハズレ用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルとが記憶されている。ここで、大当たり用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルは、先読み対象変動の開始時に行われる第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となることを示す事前判定情報を含む保留コマンドを受信した場合に、サブCPU91によって参照されるテーブルである。一方のリーチハズレ用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルは、先読み対象変動の開始時に行われる第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となり、且つ、第1特別図柄の変動パターンとしてリーチハズレ用変動パターン(図7(B)参照)が選択されることを示す事前判定情報を含む保留コマンドを受信した場合に、サブCPU91によって参照されるテーブルである。
これらの大当たり用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルと、リーチハズレ用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルには、以下のような特徴がある。すなわち、大当たり用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルが参照された場合の方が、リーチハズレ用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルが参照される場合に比べて、ランプ・スピーカ演出が実行され易い(ランプ・スピーカ演出なしが選択され難い)という特徴がある。また、リーチハズレ用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルが参照された場合には、ガセ演出パターンが選択される場合がある一方、大当たり用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルが参照された場合には、ガセ演出パターンが選択されることがない(ガセ演出パターンに対して、乱数値が対応付けられていない)という特徴がある。
また、大当たり用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルが参照された場合、図36の第4演出パターン~第6演出パターンが最も選択され易く、次に選択され易いのは第2演出パターンと第3演出パターンであり、第1演出パターンは選択され難くなっている。一方、リーチハズレ用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルが参照された場合、逆に、図36の第1演出パターンが最も選択され易く、次に選択され易いのは第2演出パターンと第3演出パターンであり、第4演出パターン~第6演出パターンは選択され難くなっている。
なお、リーチ無しハズレ用ランプ・スピーカ演出パターン選択テーブルは用意されておらず、先読み対象変動に係る第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、第1特別図柄の変動パターンとしてリーチ無しハズレ用変動パターン(図7(C)参照)が選択されることを示す事前判定情報を含む保留コマンドを受信した場合には、ランプ・スピーカ演出パターン選択処理自体が行われないようになっている。
(ランプ・スピーカ演出による作用効果)
第2の実施形態の遊技機1によれば、通常遊技状態において保留された第1特別図柄判定に係る事前判定処理の結果に基づいて、大当たり遊技が実行されることを遊技者に期待させる期待演出として、ランプ・スピーカ演出を実行可能である。そして、このランプ・スピーカ演出が、事前判定処理の契機となった一の遊技球が第1始動口21を通過したのとほぼ同じタイミング(入賞タイミング)のみならず、別の遊技球が第1始動口21を通過した追加入賞タイミングで実行されるときがある。このため、遊技者に第1特別図柄判定の機会を提供することができ、入賞タイミングでランプ・スピーカ演出が発生しなかったためにランプ・スピーカ演出が実行されないと考えていた遊技者に対して意外性を感じさせることができる。
また、ランプ・スピーカ演出の実行タイミングには、入賞タイミングと追加入賞タイミングとがあり、また、これらの入賞タイミングがどちらも可変であることから、ランプ・スピーカ演出の実行タイミングに係るバリエーションが豊富になり、結果として、高い演出効果を得ることが可能である。
(ランプ・スピーカ演出に関する変形例)
なお、ランプ・スピーカ演出に関して、以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、第2の実施形態では、保留アイコンの表示に伴ってランプ・スピーカ演出を開始させない場合に、図35(E)及び(F)に例示されるキャラ登場演出およびヘソ入賞促進演出を実行する場合を例に説明したが、他の実施形態では、ランプ・スピーカ演出が実行される可能性があることを暗示すべく、キャラ登場演出およびヘソ入賞促進演出のうちのキャラ登場演出のみを実行したり、或いは、キャラ登場演出およびヘソ入賞促進演出を両方とも実行しない構成を採用したりしてもよい。
また、第2の実施形態では、ランプ・スピーカ演出が、スピーカ38と周辺ランプ39を使用する演出である場合を例に説明したが、ランプ・スピーカ演出を、スピーカ38と周辺ランプ39に加えて他の演出手段(例えば、表示画面70)を更に使用する演出としたり、スピーカ38および周辺ランプ39のいずれか一方を使用する演出としたりしてもよい。すなわち、期待演出(ここでは、ランプ・スピーカ演出)に使用する演出手段の種類や数は特に限定されるものではなく、第2の実施形態で例示したものと異なるものであってもよい。また、第1始動口21に対する遊技球の追加入賞を契機とする期待演出の演出内容は、ランプ・スピーカ演出の演出内容と一部または全部が異なるものであってもよい。
また、第2の実施形態では、ランプ・スピーカ演出が、入賞タイミングで実行されるときと、追加入賞タイミングで実行されるときとがある場合を例に説明したが、他の実施形態では、ランプ・スピーカ演出を入賞タイミングでは実行せず、追加入賞タイミングにおいてのみ実行可能な演出としてもよい。
また、第2の実施形態では、第1始動口21に対する遊技球の追加入賞に応じて実行され得る期待演出がランプ・スピーカ演出である場合を例に説明したが、先読み対象変動において当たり報知演出が実行されることを遊技者に期待させることができれば、期待演出はランプ・スピーカ演出に限定されるものではなく、他の演出であってもよい。例えば、先読み対象変動の開始時に行われる予告演出パターン設定処理(図29参照)で演出パターンが設定される予告演出と共通する演出を、第1始動口21に対する遊技球の追加入賞に応じて実行することが一例として挙げられる。
<特殊演出モード演出について>
第2の実施形態に係る遊技機1では、例えば、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示の開始に伴って、特殊演出モードで演出が制御される場合がある。この特殊演出モードの演出は、具体的には、(通常演出モードの背景画像に代えて)特殊演出モード専用の背景画像を表示画面70に表示すると共に、特殊演出モード専用演出音をスピーカ38から出力し、擬似連演出が実行される毎に当該アイコンの表示色を変化(昇格)させる演出となっている。
特殊演出モードに突入した場合、例えば、1回目の擬似連演出が実行されるのに伴って当該アイコンの表示色が青色から緑色に変化し、2回目の擬似連演出が実行されるのに伴って当該アイコンの表示色が緑色から赤色に変化するため、大当たりに対する遊技者の期待感を効果的に向上させることが可能である。
なお、特殊演出モードでの演出を実行するか否か、特殊演出モードでの演出を実行する場合にはどのような演出パターン(擬似連演出の実行回数と、当該アイコンの変化パターン)で実行するかは、例えば、第1特別図柄の変動表示の開始時にサブCPU91によって決定されるが、特殊演出モードでの演出は、メインCPU81によって特定の変動パターンが選択された場合に実行され、他の変動パターンが選択された場合には実行されないようになっている。このため、サブCPU91は、第1特別図柄判定に係る事前判定情報を含む保留コマンドを受信した場合に、この事前判定情報が示す第1特別図柄の変動パターンに基づいて、先読み対象変動において、特殊演出モードでの演出が実行されるか否かを事前に特定することが可能である。
第2の実施形態における遊技機1では、先読み対象変動で特殊演出モードに突入する場合、以下のような流れで演出が実行される場合がある。すなわち、例えば、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に第1始動口21に遊技球が入賞した場合(図37(A)参照)、この入賞に応じて行われる第1特別図柄判定の権利が保留され、この権利に対して第1特別図柄判定が行われる前に、大当たり遊技を実行するか否かを判定すると共に第1特別図柄の変動パターンを特定する事前判定処理が行われる。その際、サブCPU91は、この事前判定処理の結果に基づいて、特殊演出モードでの演出が実行される変動パターンが先読み対象変動の開始時にメインCPU81によって選択されることを特定する場合がある。この場合、図35(B)及び(C)に基づいて上述したのと同様に、賞球の払い出しが行われると共に第1特別図柄判定の権利に対する保留アイコンが表示される(図37(B)及び(C)参照)。そして、先読み対象変動が開始されるのに伴い、特殊演出モードに突入する(図37(D)及び(E)参照)。
このように、先読み対象変動の開始に伴って特殊演出モードに突入する場合に、先読み対象変動が開始される前に、以下のような演出が行われる場合がある。すなわち、例えば、第1特別図柄判定の権利に対応する保留アイコンが表示されてから所定時間(例えば、1.5秒)が経過すると、ヘソ入賞促進演出が行われる(図37(C)及び(F)参照)。このヘソ入賞促進演出は、第1始動口21を狙った遊技球の打ち出しを遊技者に促す演出であって、ヘソ入賞を促す演出であるという点で、図35(F)に基づいて上述したヘソ入賞促進演出と類似する演出であるが、ここでのヘソ入賞促進演出としては、第1始動口21周辺を表す所定の演出画像と共に「特殊演出モードを発生させろ!!」といったメッセージを表示する演出が一例として挙げられる。
このようなヘソ入賞促進演出に対して遊技者が左打ちを行って第1始動口21に遊技球を入賞させると、突入予告演出が実行される(図37(F)及び(G)参照)。この突入予告演出は、特殊演出モードに突入することを先読み対象変動の開始に先立って予告する演出である。突入予告演出としては、「特殊演出モード 突入!」といった文字を表示画面70の中央に大きく表示すると共に、所定の効果音をスピーカ38から所定時間(例えば、3秒間)出力し、この文字表示を先読み対象変動における特殊演出モード突入時まで継続させる演出が一例として挙げられる。
なお、ランプ・スピーカ演出(図35参照)については、第1始動口21に遊技球を追加入賞させたとしてもランプ・スピーカ演出が発生しないことがある場合を例に説明したが、突入予告演出に関しては、第1始動口21に遊技球を追加入賞させれば、突入予告演出が必ず発生するといった構成が採用されている。このため、突入予告演出を、特殊演出モードに突入することを確定的に予告する確定予告演出として機能させることができ、第1始動口21への追加入賞に関して、遊技者に対して強い動機付けを与えることが可能である。
また、ここでは、特殊演出モードでの演出が実行されることが確定しているため、第1始動口21に遊技球が追加入賞した場合と追加入賞しなかった場合の両方で、先読み対象変動の開始に伴って特殊演出モードに突入することになる(図37(F)、(G)、(D)参照)。
(突入予告演出による作用効果)
第2の実施形態の遊技機1によれば、通常遊技状態において第1始動口21を一の遊技球が通過したことに応じて事前判定処理が行われた場合に、その事前判定処理の結果に基づく突入予告演出(期待演出の一例)を、一の遊技球が第1始動口21を通過した後に第1始動口21を他の遊技球が通過したことを契機として実行するときがある。このため、大当たりを期待する遊技者の期待感を効果的に向上させることができ、高い演出効果を得ることが可能である。
(突入予告演出に関する変形例)
なお、突入予告演出に関して、以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、第2の実施形態では、ヘソ入賞促進演出(図37(F)参照)に応じて第1始動口21に遊技球を入賞(追加入賞)させれば、突入予告演出(図37(G)参照)が必ず実行される場合を例に説明したが、他の実施形態では、ヘソ入賞促進演出に応じて第1始動口21に遊技球を入賞させた場合に、突入予告演出が実行されるときと実行されないときとがある、といった構成を採用してもよい。加えて、突入予告演出が実行されないときには、特殊演出モードにも突入しないといった構成や、突入予告演出が実行されなくても特殊演出モードに突入するときがあるといった構成を併せて採用してもよい。
また、第2の実施形態では、第1始動口21への遊技球の追加入賞を契機として実行される期待演出として、特殊演出モードに突入することを予告する突入予告演出を実行する場合を例に説明したが、期待演出はこれに限らず、例えば、先読み対象変動で高信頼度のリーチ演出(例えば、SPSPリーチ)が実行されることを予告するリーチ・予告演出や、先読み対象変動で群予告が発生することを予告する群・予告演出、先読み対象変動で擬似連演出が実行されることを予告する擬似連・予告演出、先読み対象変動で当該アイコンを対象とするアイコン変化演出が実行されることを予告するアイコン変化・予告演出など、突入予告演出とは異なる予告演出を期待演出として実行するようにしてもよい。
また、第2の実施形態では、第1始動口21への遊技球の追加入賞に応じて突入予告演出(期待演出の一例)を実行する場合を例に説明するが、他の実施形態では、一般入賞演出(図14参照)と同様に、一般入賞口24への遊技球の入賞を契機として期待演出を実行するようにしてもよい。ここでの期待演出としては、突入予告演出の他、リーチ・予告演出、群・予告演出、擬似連・予告演出、アイコン変化・予告演出などが例として挙げられる。
[他の変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記第1の実施形態では、通常遊技状態で遊技が制御されているときに、左側遊技領域3Lに設けられている一般入賞口24に遊技球が入賞したことを契機として期待演出としての一般入賞演出を実行する場合を例に説明した。これに対して、他の実施形態では、例えば、ゲート25と同様の機能を有するゲートを左側遊技領域3Lに新たに設け、このゲートを遊技球が通過したことを契機として、一般入賞演出と同様の期待演出を実行するようにしてもよい。
また、第1の実施形態では、図10(D)及び(E)のように保留アイコンを表示した後に、第1始動口21を狙った遊技球の打ち出しを遊技者に促す演出を実行しない場合を例に説明したが、他の実施形態では、保留アイコンを表示した後(図10(D)又は(E)の演出を実行した後)に、図35(F)に基づいて上述したのと同様のヘソ入賞促進演出を実行するようにしてもよい。
また、第1の実施形態では、図14に基づいて上述した一般入賞演出に先立って、左側遊技領域3Lに設けられている一般入賞口24を狙った遊技球の打ち出しを遊技者に促す一般入賞促進演出を実行しない場合を例に説明したが、他の実施形態では、例えば、一般入賞演出が実行される場合と、一般入賞演出が実行されない場合の一部に関して、一般入賞促進演出を実行するといった構成を採用してもよい。
また、上記実施形態では、本発明をいわゆるST機と呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明を、いわゆる確変ループタイプと呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機や、いわゆる1種2種混合タイプと呼ばれるパチンコ遊技機等の他の遊技機に適用してもよい。
また、上記実施形態において説明した遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、乱数値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した図面等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。
[参考発明]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(参考発明1)
参考発明1-1の遊技機は、
遊技媒体が流下する遊技領域を形成する遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、遊技媒体が通過可能な始動領域と、
前記始動領域を遊技媒体が通過すると取得情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された取得情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定を行う判定手段と、
前記判定が行われると、所定の図柄表示手段に図柄を変動表示させてから前記判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
前記判定手段によって前記特別遊技を実行すると判定されたことを示す図柄が前記図柄表示手段に停止表示された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記判定が行われたことに応じて前記図柄の変動表示が行われるのに伴って、当該判定の結果に基づく所定の変動演出を実行し、
前記変動演出の実行中に前記始動領域を遊技媒体が通過したことを契機として、実行中の変動演出に対応する前記判定の結果に基づく複合演出を実行可能であることを特徴とするものである。
この構成によれば、変動演出の実行中に始動領域を遊技媒体が通過したことを契機として、実行中の変動演出に対応する判定の結果に基づく複合演出が変動演出と一緒に実行される場合がある。この複合演出は、始動領域を遊技媒体が通過するタイミングによって、演出実行タイミングが変化する演出であることから、変動演出と複合演出との相乗効果によって興趣性を向上させつつ、複合演出の実行タイミングが固定であることが原因で演出が単調になり、結果として演出効果が低下していくといった問題が生じるのを容易且つ効果的に抑制することが可能である。
また、参考発明1-2の遊技機は、参考発明1-1の遊技機において、
遊技者による操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体を発射する発射手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記始動領域を遊技媒体が通過したことを契機として前記複合演出が開始されたことを示唆する態様で当該複合演出を実行することを特徴とするものである。
この構成によれば、始動領域を遊技媒体が通過したことを契機として複合演出が開始されたことが複合演出によって示唆される。このため、遊技者は、始動領域に遊技媒体を通過させれば複合演出が実行される可能性があることを容易に認識することができ、複合演出を発生させたい遊技者に対して、変動演出が開始された後も(遊技領域に遊技媒体を発射するための)操作を継続することに関して動機付けを与えることができ、複合演出が実行される可能性を向上させることができる。
また、参考発明1-3の遊技機は、参考発明1-1または参考発明1-2の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記複合演出と少なくとも演出内容の一部が共通する共通演出を実行可能であり、
前記変動演出の実行中に前記複合演出が実行されていない場合には、当該変動演出の実行中に前記共通演出が実行されることを許可する一方、前記変動演出の実行中に前記複合演出が先に実行される場合は、当該変動演出の実行中に前記共通演出が実行されることを制限することを特徴とするものである。
この構成によれば、変動演出の実行中に複合演出が実行されていない場合は、変動演出の実行中に共通演出が実行されることが許可され、逆に、変動演出の実行中に複合演出が先に実行される場合は、変動演出の実行中に共通演出が実行されることが制限される。このため、互いに少なくとも演出内容の一部が共通する複合演出および共通演出が同一変動内で両方とも実行されることによって却って演出効果が低下するといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
また、参考発明1-4の遊技機は、参考発明1-1から参考発明1-3のいずれかの遊技機において、
前記複合演出は、前記特別遊技が実行されることを報知する当たり報知演出が前記変動演出において実行される可能性があることを示唆する演出であることを特徴とするものである。
この構成によれば、複合演出が、当たり報知演出が変動演出において実行される可能性があることを示唆する演出であるため、当たり報知演出が実行されることを期待する遊技者に対して、複合演出が実行されることに対する期待感を効果的に向上させることができ、また、複合演出が実行された場合には高い演出効果を得ることが可能である。
(参考発明2)
参考発明2-1の遊技機は、
遊技媒体が流下する遊技領域を形成する遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、遊技媒体が通過可能な第1入賞領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技媒体が通過可能であり且つ前記第1入賞領域とは異なる第2入賞領域と、
前記第1入賞領域を遊技媒体が通過すると取得情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された取得情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定を行う判定手段と、
前記判定手段によって前記特別遊技を実行すると判定された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記判定の権利を所定数まで保留可能な保留手段と、
前記保留手段が保留した前記権利に対して前記判定が行われる前に、前記特別遊技を実行するか否かの事前判定を行う事前判定手段と、
演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記事前判定の結果に基づいて、前記特別遊技が実行されることを遊技者に期待させる期待演出を実行可能であり、
前記第2入賞領域を遊技媒体が通過したことを契機として前記期待演出を実行するときがあることを特徴とするものである。
この構成によれば、事前判定の結果に基づいて、特別遊技が実行されることを遊技者に期待させる期待演出を実行可能であり、この期待演出が、第1入賞領域とは異なる第2入賞領域を遊技媒体が通過したことを契機として実行されるときがある。このため、遊技者に意外性を感じさせることができ、高い演出効果を得ることができる。
また、参考発明2-2の遊技機は、参考発明2-1の遊技機において、
前記演出制御手段は、
特定期間外に前記第2入賞領域を遊技媒体が通過した場合は、前記期待演出を実行可能とする一方、前記特定期間内に前記第2入賞領域を遊技媒体が通過した場合は、前記期待演出の実行を制限することを特徴とするものである。
この構成によれば、特定期間を適切な期間に設定しておくことによって、期待演出が実行されることによって他の演出の興趣性が低下したり、或いは、期待演出を実行するべきではないタイミングで期待演出が実行されたりするといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
また、参考発明2-3の遊技機は、参考発明2-1または参考発明2-2の遊技機において、
前記第1入賞領域を遊技媒体が通過すると、遊技媒体が払い出されると共に前記判定が行われる一方、前記第2入賞領域を遊技媒体が通過すると、遊技媒体が払い出されるものの判定が行われることがないことを特徴とするものである。
この構成によれば、第2入賞領域を遊技媒体が通過すると、遊技媒体の払い出しが行われる一方で、判定は行われないものの、期待演出が実行される場合がある。このため、第2入賞領域に遊技媒体の払い出し以外の意味合いを持たせることができ、第2入賞領域を活用した興趣性が高い演出を実行可能である。
参考発明2-4の遊技機は、
遊技媒体が流下する遊技領域を形成する遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、遊技媒体が通過可能な所定の入賞領域と、
前記入賞領域を遊技媒体が通過すると取得情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された取得情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定を行う判定手段と、
前記判定手段によって前記特別遊技を実行すると判定された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記判定の権利を所定数まで保留可能な保留手段と、
前記保留手段が保留した前記権利に対して前記判定が行われる前に、前記特別遊技を実行するか否かの事前判定を行う事前判定手段と、
演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記事前判定の結果に基づいて、前記特別遊技が実行されることを遊技者に期待させる期待演出を実行可能であり、
前記入賞領域を一の遊技媒体が通過したことに応じて前記事前判定が行われた場合に、当該事前判定の結果に基づく前記期待演出を、前記一の遊技媒体が前記入賞領域を通過した後に当該入賞領域を他の遊技媒体が通過したことを契機として実行するときがあることを特徴とするものである。
この構成によれば、事前判定の結果に基づいて、特別遊技が実行されることを遊技者に期待させる期待演出を実行可能であり、この期待演出が、事前判定の契機となった一の遊技媒体の通過ではなく、他の遊技媒体の通過を契機として実行されるときがある。このため、遊技者に判定の機会を提供しつつ意外性を感じさせることができ、また、期待演出の実行タイミングに係るバリエーションが豊富になり、結果として、高い演出効果を得ることが可能である。
なお、上記参考発明1~2の発明を組み合せてもよい。