以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係る遊技機(パチンコ遊技機)1について説明する。
[遊技機1の構成例]
まず、図1,2を参照しつつ、遊技機1の構成例について説明する。ここで、図1は遊技機1の正面図であり、図2は遊技盤2の正面図である。図1,2に示されるように、遊技機1は、遊技機枠30と、遊技機枠30内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠30は、装飾面を有する前面枠31と、遊技盤2等を取り付けるための本体枠と、遊技機1をホールの島設備に固定するための外枠とを有して構成されている。前面枠31は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置されたガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域3が形成されている。
また、図1に示されるように、前面枠31には、遊技球を発射させるための発射ハンドル32と、発射装置(不図示)へ供給される遊技球を貯留する上皿33と、上皿33に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿34とが設けられている。遊技者が発射ハンドル32を握って時計回りに回転させると、上皿33に貯留されていた遊技球が発射装置へと案内され、発射ハンドル32の回転角度に応じた発射強度で発射される。発射された遊技球は、遊技領域3の左側に位置するレール部材4に沿って移動した後に遊技領域3の上部位置へと案内され、遊技領域3に設けられた遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って遊技領域3を流下する。
なお、レール部材4の終端には球戻り防止片6が設けられており、この球戻り防止片6によって、一旦遊技領域3に進入した遊技球が発射装置側に戻ることが防止される。また、発射ハンドル32と近接する位置に停止ボタンが設けられており、遊技者は、この停止ボタンを操作することによって、発射ハンドル32を初期姿勢に戻さなくても遊技球の発射を一時的に停止させることが可能である。
遊技者が発射ハンドル32を小さい回転角度だけ回転させる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い発射強度で発射され、この遊技球は、左遊技領域3Lを流下する。一方、遊技者が発射ハンドル32を大きい回転角度だけ回転させる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い発射強度で発射され、この遊技球は、センター装飾体10の右上方に位置するレール部材4に沿って移動した後に右遊技領域3Rを流下する。
左遊技領域3Lにおける遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、開閉部材23、及び3つの一般入賞口24が設けられている(図2参照)。また、右遊技領域3Rにおける遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口22、上記開閉部材23、1つの一般入賞口24、ゲート25、第1大入賞口26、開閉部材27、第2大入賞口28、及び開閉部材29が設けられている(図2参照)。
発射装置から発射された遊技球は、遊技盤2に沿って遊技領域3を流下する過程で、第1始動口21、第2始動口22、一般入賞口24、第1大入賞口26、及び第2大入賞口28のいずれかに入賞する場合がある。この場合、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿33または下皿34に払い出される。なお、いずれにも入賞しなかった遊技球は、遊技盤2の下端部に形成された排出口を介して遊技領域3から排出される。
なお、遊技盤2の中央に形成された開口部には、センター装飾体10が設けられている。このセンター装飾体10は、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11と、ワープ入口およびワープ出口を両端とするワープ部12とを有して構成されている。左遊技領域3Lを流下する遊技球は、ワープ入口からワープ部12に進入する場合があり、この遊技球は、ワープ出口から排出されてステージ部11へと案内される。このステージ部11の左右中央の位置には、ステージ部11上を転動する遊技球を第1始動口21に向けて落下させる案内溝が形成されている。このため、ワープ部12を介してステージ部11へと案内された遊技球は、ワープ部12を通過することなく左遊技領域3Lを流下する遊技球に比べて、第1始動口21に入賞し易い。
第1始動口21は、常時開放されている始動領域である。第2始動口22は、普通電動役物としての開閉部材23が作動していないときには閉塞されており、開閉部材23が作動することによって開放される始動領域である。遊技機1では、遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞した場合、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行するか否かが判定される。そして、後述する第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において、図柄が変動表示され、上記判定の結果を示す図柄(大当たり図柄またはハズレ図柄)が停止表示される。ここで、大当たり図柄が停止表示された場合、第1大入賞口26または第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が実行される。
なお、以下の説明では、第1始動口21に対する遊技球の入賞に応じて実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口22に対する遊技球の入賞に応じて実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらを総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
第1大入賞口26は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第1大入賞口26の開口部には、第1大入賞口26を開閉するプレートである開閉部材27が設けられている。第1大入賞口26は、通常はこの開閉部材27によって閉塞されている。これに対して、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に所定の大当たり図柄が停止表示された場合、開閉部材27を作動させて第1大入賞口26を開放する大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、開閉部材27が第1大入賞口26を開放する開姿勢(図2参照)を維持してから第1大入賞口26を閉塞する閉姿勢に戻る長開放ラウンド遊技が複数回行われる。なお、第1大入賞口26を開放する各長開放ラウンド遊技は、本実施形態では、第1大入賞口26に10個の遊技球が入賞するか、或いは、第1大入賞口26が開放されてから25秒が経過するまで継続する。
第2大入賞口28は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第2大入賞口28の開口部には、第2大入賞口28を開閉する羽根部材である開閉部材29が設けられている。第2大入賞口28は、通常はこの開閉部材29によって閉塞されている。これに対して、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に所定の大当たり図柄が停止表示された場合、開閉部材29を作動させて第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、開閉部材29が第2大入賞口28を開放する開姿勢(図2参照)を維持してから第2大入賞口28を閉塞する閉姿勢に戻る長開放ラウンド遊技が複数回行われる。なお、第2大入賞口28を開放する各長開放ラウンド遊技は、本実施形態では、第2大入賞口28に10個の遊技球が入賞するか、或いは、第2大入賞口28が開放されてから25秒が経過するまで継続する。
このように、大当たり遊技中は第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)を長開放する複数回の長開放ラウンド遊技が行われるため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
なお、説明の便宜上、図2には、画像表示装置7の表示画面70において演出図柄が変動表示されているときに、開閉部材27,29が大入賞口26,28を開放する開姿勢となっている状態が図示されているが、実際には、演出図柄の変動表示中に開閉部材27,29が開姿勢となることはない。また、長開放ラウンド遊技では、第1大入賞口26および第2大入賞口28のいずれか一方が用いられるため、実際には、図2に示されるようにこれらの大入賞口が同時に開放されることはない。また、第1大入賞口26と第2大入賞口28のどちらの大入賞口を用いて大当たり遊技を行うかは、大当たりの種類に応じて予め設定されている。
第2始動口22には開閉部材23(図2参照)が近接配置されている。この開閉部材23は、開閉部材23が第2始動口22を閉塞する閉姿勢と、第2始動口22を開放する開姿勢(図2参照)とに姿勢変化可能である。
第2始動口22は、通常は開閉部材23によって閉塞されている。これに対して、遊技者が右打ちした遊技球がゲート25を通過すると、賞球は払い出されないものの、第2始動口22を開放するか否かの判定が行われる。ここで、第2始動口22を開放すると判定された場合、開閉部材23が所定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口22は、開閉部材23が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、開閉部材23が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。
なお、以下の説明では、ゲート25に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
一般入賞口24は、第1始動口21と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。ただし、第1始動口21等とは異なり、一般入賞口24に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[主表示器40の構成例]
図3は、図2における主表示器40の拡大図である。図3に例示されるように、主表示器40は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、普通図柄表示器43、第1特図保留表示器44、第2特図保留表示器45、普図保留表示器46、ラウンド表示器47、遊技状態表示器48、発射方向表示器49等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、「i〜p」で示す8個のLEDを有して構成されており、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記8個のLEDを順に点灯させることで図柄の変動表示を行い、第1特別図柄判定の判定結果に応じた組み合わせで各LEDを所定の確定時間(例えば0.6秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。
第2特別図柄表示器42は、「a〜h」で示す8個のLEDを有して構成されており、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記8個のLEDを順に点灯させることで図柄の変動表示を行い、第2特別図柄判定の判定結果に応じた組み合わせで各LEDを所定の確定時間(例えば0.6秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。
第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)には、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す図柄として、大当たりであることを報知する「大当たり図柄」、又はハズレであることを報知する「ハズレ図柄」が停止表示される。なお、遊技機1では、大当たりの種類によって互いに異なる複数の大当たり図柄が用意されており、大当たり図柄が停止表示された場合、その大当たり図柄の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口26または第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が行われる。
普通図柄表示器43は、「s〜t」で示す2個のLEDを有して構成されており、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記2個のLEDを交互に点灯させることで図柄の変動表示を行い、普通図柄判定の判定結果に応じた点灯態様で各LEDを所定時間(例えば0.5秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。ここで、当たり図柄が停止表示された場合、現在の遊技状態に応じた開放パターンで開閉部材23を動作させることによって第2始動口22を開放する補助遊技が行われる。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41や第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器43に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。また、第1特別図柄表示器41に表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼び、第2特別図柄表示器42に表示される特別図柄を「第2特別図柄」と呼んで両者を区別する場合がある。
第1特図保留表示器44は、「u〜v」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特図保留表示器45は、「w〜x」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって第2特別図柄判定の保留数を表示する。なお、本実施形態では、これらの保留数の上限がいずれも「4」に設定されている。普図保留表示器46は、「q〜r」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって普通図柄判定の保留数を表示する。
ラウンド表示器47は、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、その大当たり図柄に対応する大当たりに応じて実行される大当たり遊技における長開放ラウンド遊技のラウンド数を表示する。このラウンド表示器47は、4R用LEDと、6R用LEDと、8R用LEDと、10R用LEDとを有して構成されており、これらのLEDのいずれかが点灯することによって、長開放ラウンド遊技のラウンド数が報知される。
遊技状態表示器48は、「a1〜a3」で示す3個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって遊技機1の遊技状態を表示する。発射方向表示器49は、「y〜z」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって遊技球の発射方向を表示する。すなわち、左打ちを行うべき状態であるか、或いは右打ちを行うべき状態であるかを表示する。
[遊技機1が備える演出手段の構成例]
図1,2に例示されるように、遊技盤2や前面枠31には、各種の演出を行うものとして、装飾部材13、可動装飾部材14、枠ランプ37、スピーカ38、演出表示器125、演出第1特図保留表示器126、演出第2特図保留表示器127等が設けられている。また、遊技盤2の後方には、画像表示装置7が設けられている。
装飾部材13は、複数のLEDを有して構成される盤面ランプ5(図4参照)を内蔵しており、各LEDの点灯や点滅のパターンを変更したり、各LEDの発光色を変更したりすることによって、光による各種の演出を行う。
可動装飾部材14は、画像表示装置7の前方であって且つ装飾部材13の後方に配置されている。この可動装飾部材14には複数のLEDが内蔵されており、可動装飾部材14は、可動装飾部材14自体の動きと光の両方或いは一方によって所定の演出を行う。本実施形態では、遊技盤2と画像表示装置7の表示画面70との間に、可動装飾部材14が動作可能な所定の空間が設けられており、可動装飾部材14は、表示画面70に沿って上下動可能に構成されている。可動装飾部材14は、通常は、その大部分が装飾部材13の後ろに隠れて可動装飾部材14の下端部だけが視認可能な初期位置(図2参照)に配置されている。これに対して、可動装飾部材14は、例えば、画像表示装置7やスピーカ38を用いて大当たり信頼度が相対的に高い予告演出が実行される際や、大当たりを示唆する際に、所定の発光パターンで発光すると共に表示画面70の大部分を覆う動作位置へと落下する。
枠ランプ37は、前面枠31の各所に内蔵された複数のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯や点滅のパターンを変更したり、各LEDの発光色を変更したりすることによって、光による各種の演出を行う。
画像表示装置7は、その表示画面70に演出画像を表示する液晶表示装置であり、遊技者は、遊技盤2の中央部に形成された開口部を通して表示画面70を視認可能である。この表示画面70には、特別図柄判定の判定結果を報知する演出図柄、キャラクタやアイテム、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の保留数と同じ数だけ表示される保留画像(保留アイコン)、特別図柄の変動表示中であることを示唆する変動示唆画像(当該アイコン)等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置7は、演出画像を表示可能なものであれば液晶表示装置に限らず、EL表示装置等の他の画像表示装置であってもよい。
スピーカ38は、表示画面70上で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音といった演出音を出力して音による演出を行う。
演出表示器125は、2個のLEDを有して構成されており、特別図柄および演出図柄の変動表示に伴って図柄を変動表示し、特別図柄および演出図柄の停止表示に伴って特別図柄判定の判定結果を報知する図柄を停止表示する。この演出表示器125は、各LEDの点灯・消灯の組み合わせや点灯色によって、特別図柄判定の判定結果を報知する。
演出第1特図保留表示器126は、2個のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯・消灯の組み合わせによって、第1特図保留表示器44に表示されるのと同じ第1特別図柄判定の保留数を表示する。演出第2特図保留表示器127は、2個のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯・消灯の組み合わせによって、第2特図保留表示器45に表示されるのと同じ第2特別図柄判定の保留数を表示する。
[遊技機1が備える入力手段の構成例]
図1に例示されるように、前面枠31には、遊技者による入力が可能な入力手段として、第1演出ボタン35および第2演出ボタン36が設けられている。第1演出ボタン35は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。第2演出ボタン36は、遊技者が第2演出ボタン36の把持部を把持して第2演出ボタン36を押し込むことによって操作情報を入力するための押ボタンである。遊技機1では、第1演出ボタン35や第2演出ボタン36の操作に応じた演出が行われることがある。
また、第1演出ボタン35には、第1演出ボタン35を発光させる複数のLEDから構成される第1演出ボタンランプ352(図4参照)が内蔵され、第2演出ボタン36には、第2演出ボタン36を発光させる複数のLEDから構成される第2演出ボタンランプ362(図4参照)が内蔵されている。遊技機1では、第1演出ボタン35の操作が有効な有効期間中に第1演出ボタン35の操作を遊技者に促すために、第1演出ボタンランプ352が複数の発光色のうちのいずれかの発光色で発光する。また、この第1演出ボタン35には、第1演出ボタン35を振動させる偏心モータから構成される振動モータ353が内蔵されており、遊技機1では、大当たりを報知する演出図柄が表示画面70に表示されるのに伴って第1演出ボタン35が振動することで大当たりが報知される。また、遊技機1では、第2演出ボタン36の操作が有効な有効期間中に第2演出ボタン36の操作を遊技者に促すために、第2演出ボタンランプ362が複数の発光色のうちのいずれかの発光色で発光する。
なお、入力手段の構成は本実施形態で例示するものに限らず、他のものであってもよい。すなわち、例えば、本実施形態では、遊技機1が2つの入力手段を備える場合について説明するが、入力手段は1つ或いは3つ以上であってもよい。また、押ボタンに限らず、遊技者のタッチ操作を検知可能なタッチパネル、例えば表示画面70に対してかざされた遊技者の手を検知可能な光センサ、前後左右に動かして位置や方向を指定するジョイスティック、遊技者が把持して姿勢変化させることが可能な入力手段といった他の入力手段であってもよい。
[遊技機1が備える制御装置の構成]
図4は、遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図である。
遊技盤2の裏側には、遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図4に例示されるように、遊技機1の制御装置は、遊技球を用いる遊技の進行を制御するメイン制御基板80、メイン制御基板80からの情報に基づいて演出を統括的に制御するサブ制御基板90、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板100、各種のランプや可動部材による演出を制御するランプ制御基板120等から構成されている。本実施形態では、メイン制御基板80が遊技の進行を制御する遊技制御部として機能し、サブ制御基板90、画像音響制御基板100、及びランプ制御基板120が演出を制御する演出制御部として機能する。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えばサブ制御基板90、画像音響制御基板100、及びランプ制御基板120が1つの基板で構成されていてもよい。
<メイン制御基板80の構成例>
メイン制御基板80は、メインCPU81、メインROM82、及びメインRAM83を備えている。メインCPU81は、メインROM82に記憶されているプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM83は、メインCPU81が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。
メイン制御基板80には、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、ゲートセンサ251、第1大入賞口センサ261、第2大入賞口センサ281、一般入賞口センサ241、第2始動口ソレノイド222、第1大入賞口ソレノイド262、第2大入賞口ソレノイド282が接続されている。なお、本実施形態の遊技機1は、4つの一般入賞口24に対応する4つの一般入賞口センサ241を備えているが、図4では、説明の便宜上、一般入賞口センサ241が1つだけ表記されている。
第1始動口センサ211は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第2始動口センサ221は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。ゲートセンサ251は、ゲート25に対する遊技球の通過を検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第1大入賞口センサ261は、第1大入賞口26に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第2大入賞口センサ281は、第2大入賞口28に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。一般入賞口センサ241は、一般入賞口24に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。
第2始動口ソレノイド222は、開閉部材23に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材23を動作させて、第2始動口22を開閉する。第1大入賞口ソレノイド262は、開閉部材27に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材27を動作させて、第1大入賞口26を開閉する。第2大入賞口ソレノイド282は、開閉部材29に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材29を動作させて、第2大入賞口28を開閉する。
図には示されていないが、遊技機1は、遊技盤2の裏面側に設けられた球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御して上皿33又は下皿34に遊技球を供給する払出制御基板を備えている。メインCPU81は、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、第1大入賞口センサ261、第2大入賞口センサ281、又は一般入賞口センサ241からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した箇所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板に指示し、また、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
また、メインCPU81は、第1始動口センサ211からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、メインCPU81は、第2始動口センサ221からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。ここで、各種乱数とは、具体的には、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数である。
大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類(大当たり遊技のラウンド数や大当たり遊技終了後の遊技状態など)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有り演出を行うか或いはリーチ無し演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の特別図柄の変動パターンを決定するための乱数である。
メインCPU81は、第1始動口21(又は第2始動口22)に遊技球が入賞したタイミングでこれらの乱数を取得し、先ず、取得した大当たり乱数が、メインROM82に記憶されている所定の乱数値(当選値)と一致するか否かに基づいて、大当たり遊技を実行するか否かを判定する。ここで、大当たり乱数が当選値と一致したことに基づいて大当たり遊技を実行すると判定した場合、上記大当たり乱数と一緒に取得した図柄乱数が、メインROM82に記憶されている(図柄乱数と比較される)所定の乱数値のどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。
ここで、大当たりの種類としては、4回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「4R確変大当たり」、6回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「6R確変大当たり」、8回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「8R確変大当たり」、10回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「10R確変大当たり」が一例として挙げられる。
一方、メインCPU81は、取得した大当たり乱数が当選値と一致しなかったことに基づいて大当たり遊技を実行しないと判定した場合、その大当たり乱数と一緒に取得したリーチ乱数が、メインROM82に記憶されている(リーチ乱数と比較される)所定の乱数値(リーチ有りに対応する乱数値)と一致するか否かに基づいて、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかを決定する。また、メインCPU81は、大当たり乱数に基づく判定の結果に関わらず、大当たり乱数と一緒に取得した変動パターン乱数に基づいて、特別図柄を変動表示する際の特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、特別図柄の変動時間が決定されることになる。
メインCPU81は、大当たり遊技を実行すると判定して、大当たりの種類を決定した場合、第1大入賞口ソレノイド262(又は第2大入賞口ソレノイド282)を介して第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)の開閉を制御することによって、大当たりの種類に応じた大当たり遊技を実行する。
また、メインCPU81は、ゲートセンサ251からの検知信号が入力されたタイミングで乱数(普通図柄乱数)を取得し、取得した普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、この普通図柄判定の結果として第2始動口22を開放すると判定した場合、第2始動口ソレノイド222を介して第2始動口22の開閉を制御することによって、第2始動口22を開放する補助遊技を実行する。
また、メイン制御基板80には、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、普通図柄表示器43、第1特図保留表示器44、第2特図保留表示器45、普図保留表示器46、ラウンド表示器47、遊技状態表示器48、発射方向表示器49が接続されている。
メインCPU81は、主表示器40を構成するこれらの表示器41〜49を制御して、図3に基づいて上述した表示処理を実行させる。
<サブ制御基板90の構成例>
サブ制御基板90は、サブCPU91、サブROM92、サブRAM93、及びRTC(リアルタイムクロック)94を備えている。サブCPU91は、サブROM92に記憶されているプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM93は、サブCPU91が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。RTC94は、現時点の日時(日付や時刻)を計測する。
サブ制御基板90には、第1演出ボタン35(図1参照)が操作(押下)された場合に、その旨を示す操作情報(操作信号)をサブ制御基板90に出力する第1演出ボタン検知センサ351が接続されている。例えば、遊技者によって押下される第1演出ボタン35の操作部材には遮光片が設けられており、第1演出ボタン検知センサ351は、操作部材が押し下げられた操作位置に配置された際に上記遮光片を検知して、その検知信号(操作信号)をサブ制御基板90に出力するフォトインタラプタにより構成されている。サブCPU91は、有効期間中に第1演出ボタン検知センサ351からの操作信号が1回入力されたことに基づいて、第1演出ボタン35が「単押し」されたことを特定可能である。また、サブCPU91は、有効期間中に第1演出ボタン検知センサ351からの操作信号が断続的に複数回入力されたことに基づいて、第1演出ボタン35が「連打」されたことを特定可能である。また、第1演出ボタン検知センサ351からは、操作(押下)されていた第1演出ボタン35の操作部材が操作位置から初期位置に復帰した場合に、その旨を示す操作情報(復帰信号)がサブ制御基板90に出力される。このため、サブCPU91は、第1演出ボタン検知センサ351からの操作信号が入力されてから所定時間(例えば0.8秒)が経過しても復帰信号が入力されなかったことに基づいて、第1演出ボタン35が「長押し」されていることを特定可能である。
また、サブ制御基板90には、第2演出ボタン36(図1参照)が操作された場合に、その旨を示す操作情報(操作信号)をサブ制御基板90に出力する第2演出ボタン検知センサ361が接続されている。遊技者によって前方に押し込まれる第2演出ボタン36の操作部材には遮光片が設けられており、第2演出ボタン検知センサ361は、操作部材が押し込まれた操作位置に配置された際に上記遮光片を検知して、その検知信号(操作信号)をサブ制御基板90に出力するフォトインタラプタにより構成されている。
サブCPU91は、メイン制御基板80から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、第1演出ボタン35や第2演出ボタン36からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU91は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信する。
<画像音響制御基板100の構成例>
画像音響制御基板100は、画像表示装置7による画像表示の制御と、スピーカ38による演出音の出力の制御とを行うものである。この画像音響制御基板100は、本実施形態では、画像音響制御CPU101、制御ROM102、制御RAM103、VDP(Video Display Processor)104、CGROM105、VRAM106、音響DSP(Digital Signal Processor)107、音響ROM108、SDRAM109、及びアンプ110を備えている。
制御ROM102は、マスクROMで構成されており、画像音響制御CPU101の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、ディスプレイリストを作成する処理に使用されるディスプレイリスト作成テーブル等の各種テーブルが記憶されている。ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。制御RAM103は、画像音響制御CPU101が上記制御プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。
画像音響制御CPU101は、上記制御プログラムやディスプレイリスト作成テーブル等の各種テーブル、サブ制御基板90から受信したコマンド等に基づいて、VDP104に対して、CGROM105に記憶されている画像データを画像表示装置7に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。また、画像音響制御CPU101は、音響DSP107に対して、音響ROM108に記憶されている音響データをスピーカ38から出力させる指示を行う。
CGROM105は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出等を実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROM105は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM105は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM105に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAM106は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、図には示されていないが、ディスプレイリスト記憶領域、展開記憶領域、フレームバッファ等を有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域は、画像音響制御CPU101から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域は、CGROM105から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファは、表示画面70に表示される画像データの描画および表示に兼用されるフレームバッファである。
VDP104は、CGROM105に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域に格納する。また、VDP104は、ディスプレイリスト記憶領域に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域に格納した画像データを用いて、フレームバッファに対する描画処理を行う。また、VDP104は、フレームバッファに記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成して、生成したRGB信号を画像表示装置7に出力する。
音響DSP107には、音響ROM108、SDRAM109、及びアンプ110が接続されている。音響ROM108は、楽曲や音声、効果音、警告音等に関する各種音響データを記憶している。SDRAM109は、音響DSP107によるデータ処理等の作業領域として使用されるものである。音響DSP107は、画像音響制御CPU101からの指示に対応する音響データを音響ROM108からSDRAM109に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データを(アンプ110を介して)スピーカ38に出力する。アンプ110は、画像音響制御CPU101から音響DSP107を介して得られる音量に関する指示に従って音量を調整して音響データをスピーカ38に出力させる。
なお、本実施形態では、VDPが描画管理を担うと共に音響DSPがサウンド管理を担う場合について説明するが、他の実施形態では、VDPが描画管理とサウンド管理との両方を担うような構成を採用してもよい。この場合、音響DSPを別途設ける必要はない。
<ランプ制御基板120の構成例>
ランプ制御基板120は、ランプCPU121、ランプROM122、及びランプRAM123を備え、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14、演出表示器125、演出第1特図保留表示器126、演出第2特図保留表示器127、第1演出ボタンランプ352、第2演出ボタンランプ362、及び振動モータ353が接続されている。ランプROM122は、ランプCPU121によって実行されるプログラム、発光パターンデータ、動作パターンデータ、振動パターンデータ等を記憶している。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14に内蔵されたLED等のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動装飾部材14等の動作パターンを示すデータである。振動パターンデータは、振動モータ353の駆動力によって振動する第1演出ボタン35の振動パターンを示すデータである。
ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されているプログラムに基づいて、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14、演出表示器125、演出第1特図保留表示器126、演出第2特図保留表示器127等の動作を制御する際の演算処理を行う。
ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている発光パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM123に読み出して、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14に内蔵されたLED、第1演出ボタンランプ352、第2演出ボタンランプ362の発光を制御する。また、ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている動作パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM123に読み出して、可動装飾部材14を動作させるモータの駆動を制御する。また、ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている振動パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する振動パターンデータをランプRAM123に読み出して、振動モータ353の駆動を制御する。
また、ランプCPU121は、サブ制御基板90からのコマンドに基づいて、演出表示器125における図柄の変動表示および停止表示を制御する。また、ランプCPU121は、サブ制御基板90からのコマンドに基づいて、演出第1特図保留表示器126による第1特別図柄判定に係る保留数の表示、演出第2特図保留表示器127による第2特別図柄判定に係る保留数の表示を制御する。
[遊技状態について]
次に、図5を参照しつつ、遊技機1の遊技状態や遊技の流れについて説明する。ここで、図5は、遊技機1の遊技状態について説明するための説明図である。図5に例示されるように、遊技機1は、本実施形態では、「通常遊技状態」、「確変遊技状態」、及び「時短遊技状態」の3つの遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、第2始動口22に対する遊技球の入賞をサポートするサポート機能(いわゆる「電サポ」等と呼ばれる機能)が付与されない遊技状態である。通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/200)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば20秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、上記サポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/80)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば11/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば1.5秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.5秒×3回)に設定される。
「時短遊技状態」は、上記低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、上記サポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、時短遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/200)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば11/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば1.5秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.5秒×3回)に設定される。
特別図柄の変動時間に関してこれらの遊技状態を比較すると、「通常遊技状態」における特別図柄の変動時間に比べて、「確変遊技状態」や「時短遊技状態」における特別図柄の変動時間の方が相対的に短い時間に設定され易い。なお、各遊技状態の説明で示した、特別遊技を実行すると判定される確率(大当たり確率)、第2始動口22を開放すると判定される確率(普通図柄判定の当選確率)、普通図柄の変動時間、第2始動口22の開放時間は単なる一例であって、他の確率や時間であってもよいことは言うまでもない。
なお、以下の説明では、上記サポート機能が付与されていることによって第2始動口22への遊技球の入賞が容易な状態を「高ベース状態」と呼び、サポート機能が付与されていないことによって第2始動口22への遊技球の入賞が困難な状態を「低ベース状態」と呼ぶものとする。
[遊技の流れ]
遊技者が右打ちした遊技球は、第1始動口21には入賞せず、第2始動口22に入賞し得る。しかしながら、低ベース状態のときには、第2始動口22が開放され難く、開放されたとしてもその開放時間は極めて短い。このため、低ベース状態(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第1始動口21を狙った左打ちにより遊技を行うことになる。
通常遊技状態のときに左打ちされた遊技球が第1始動口21に入賞すると、第1特別図柄判定が実行され、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す第1特別図柄として、大当たり図柄またはハズレ図柄が停止表示される。
ここで、ハズレ図柄が停止表示された場合は、大当たり遊技が行われることはなく、遊技状態も変化しない。一方、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示された場合、その大当たり図柄に応じた所定回数の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後は、確変遊技状態または時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
なお、特別図柄判定の判定結果が大当たりであることを報知する大当たり図柄(特別図柄)としては、確変大当たりを報知する「確変図柄」と、通常大当たりを報知する「通常図柄」とが用意されている。そして、通常遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであることを報知する大当たり図柄として、「確変図柄」が停止表示された場合は大当たり遊技終了後に確変遊技状態で遊技が制御され、「通常図柄」が停止表示された場合は大当たり遊技終了後に通常遊技状態で遊技が制御される(図5参照)。
また、大当たり遊技終了を契機として遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態に移行した場合、すなわち、低ベース状態から高ベース状態に移行した場合、第2始動口22への遊技球の入賞を容易にする上記のサポート機能によって、第1始動口21よりも第2始動口22の方が、遊技球が入賞し易くなる。このため、高ベース状態(本実施形態では「確変遊技状態」または「時短遊技状態」がこれに該当)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第2始動口22を狙った右打ちにより遊技を行うことになる。このため、確変遊技状態または時短遊技状態で遊技が制御されているときには、基本的には、第2特別図柄判定が行われる。
また、本実施形態の遊技機1は、実質的に次回の大当たりまで確変遊技状態が継続するように構成されており、この確変遊技状態において第2特別図柄として「確変図柄」が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後に再び確変遊技状態で遊技が制御される。一方、確変遊技状態において第2特別図柄として「通常図柄」が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後は時短遊技状態で遊技が制御される。
また、時短遊技状態において第2特別図柄として「確変図柄」が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後は確変遊技状態で遊技が制御され、「通常図柄」が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後は再び時短遊技状態で遊技が制御される。一方、時短遊技状態のときに規定回数(本実施形態では100回)の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われても大当たりが発生しなかった場合は、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる。
[変動演出について]
次に、通常遊技状態において第1特別図柄が変動表示されてから停止表示されるのに伴って、表示画面70等を用いて行われる変動演出について説明する。
遊技機1では、第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄表示器41において、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す第1特別図柄が停止表示される。表示画面70には、第1特別図柄判定の判定結果を報知する演出図柄が表示される演出図柄表示領域73(図2参照)が設けられており、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示に伴って、演出図柄の変動表示を含む変動演出が行われる(図2参照)。そして、第1特別図柄判定が実行された際に選択された変動パターンに応じた変動時間だけ第1特別図柄が変動表示されると、この第1特別図柄が停止表示されるのに伴って、第1特別図柄判定の判定結果を示す態様で演出図柄が停止表示される。
このような演出図柄の変動表示中には、いわゆるリーチ演出が行われる場合がある。具体的には、表示画面70の演出図柄表示領域73には、例えば、1〜9の数字が下から上へ縦方向に連続して記された演出図柄の図柄列の一部が横方向に3列表示されており、第1特別図柄の変動表示が開始されると、これらの図柄列が上から下へスクロールするように変動表示(スクロール表示)される(例えば図7(A)参照)。これに対して、リーチ演出が行われる場合には、全ての演出図柄が停止表示されるのに先立って、まず、例えば左列の演出図柄(左図柄)と右列の演出図柄(右図柄)が順番に、或いは同時に、完全には停止しないように擬似停止する。図2には、左図柄として3図柄が擬似停止すると共に右図柄として同じく3図柄が擬似停止し、中列の図柄列がスクロール表示を継続している状態が例示されている。なお、擬似停止とは、演出図柄をほとんど移動させずにその場で揺動させる演出であり、以下の説明では、演出図柄を完全に静止させる本停止(単に「停止表示」と呼ぶ場合もある)と区別する場合には、擬似停止と呼ぶ場合がある。
左図柄および右図柄として同じ演出図柄が有効ライン上に擬似停止するとリーチ成立となり、同一の演出図柄が3つ揃うことを遊技者に期待させるリーチ演出が行われる。このリーチ演出は、例えば、リーチ図柄(左図柄および右図柄)を擬似停止させた状態で中列の図柄列をスクロールさせ、最終的に、リーチ図柄と共通する中図柄、又はリーチ図柄とは異なる中図柄を有効ライン上に停止させて当落を報知する演出である。
なお、詳細な説明は省略するが、このようなリーチ演出には、演出図柄の他に、キャラクタやアイテムといった他の表示オブジェクトが用いられる。また、以下の説明では、リーチ演出が行われる変動演出において、リーチが成立するまでに行われる演出を「リーチ前演出」と呼ぶ場合がある。
リーチ演出の種類については後に詳述するが、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、ハズレを報知すべくリーチハズレ目(例えば「323」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。一方、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であってリーチ演出が行われない場合には、ハズレを報知すべくバラケ目(例えば「629」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。このように、大当たり遊技を実行しないと判定された場合、ハズレを示すリーチハズレ目またはバラケ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させてハズレ(大当たり遊技が実行されないこと)を報知するハズレ報知演出が実行される。
このハズレ報知演出が実行された場合は大当たり遊技が実行されず、第1特別図柄判定の権利が保留されていれば、所定の確定時間(例えば0.6秒間)だけ第1特別図柄および演出図柄が停止表示されるとその第1特別図柄判定が行われて、第1特別図柄の次の変動表示が直ちに開始される。
一方、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、第1特別図柄の変動表示中に大抵はリーチ演出が実行され、大当たりを報知すべくゾロ目(例えば「333」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。このように、大当たり遊技を実行すると判定された場合、大当たりを示す態様で3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させて大当たり(大当たり遊技が実行されること)を報知する当たり報知演出が実行される。この当たり報知演出が実行された場合、大当たり遊技が実行される。
[表示画面70の画面構成]
図2には、通常遊技状態における表示画面70の画面構成が例示されている。通常遊技状態で遊技が制御されているときには、図2に例示されるように、保留アイコン表示領域71、当該アイコン表示領域72、及び演出図柄表示領域73が表示画面70上に形成される。演出図柄表示領域73は、上述したように、左列の図柄列を構成する左図柄と、中列の図柄列を構成する中図柄と、右列の図柄列を構成する右図柄とが表示される表示領域である。
<保留アイコン表示領域71>
保留アイコン表示領域71(図2参照)は、第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留アイコンが表示される表示領域である。遊技機1では、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中といった、特別図柄判定および特別図柄の変動表示を直ちに開始できない状況で第1始動口21に遊技球が入賞した場合には、第1特別図柄判定の権利が所定数(本実施形態では4つ)を上限として保留される。
このように、第1特別図柄判定の権利が保留された場合、保留アイコン表示領域71には、第1特図保留表示器44が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。図2には、第1特別図柄判定の保留数が「2」であることを示唆するために、保留アイコン表示領域71に2個の保留アイコンが表示された状態が例示されている。
なお、後述するSPSPリーチ(図6(K)参照)といった高信頼度のリーチ演出が行われているときに保留アイコン表示領域71に保留アイコンを表示していると、リーチ演出に用いる表示領域が制限されるだけでなく、保留アイコンの表示がリーチ演出の興趣性を低下させる可能性がある。このため、本実施形態の遊技機1では、リーチ前演出中や後述するノーマルショートリーチ中は保留アイコン表示領域71を構成する表示オブジェクトや保留アイコンを表示する一方、ノーマルロングリーチ、第1SPリーチ、第2SPリーチ、SPSPリーチへとリーチ演出が発展するのに伴い、保留アイコン表示領域71を構成する表示オブジェクトや保留アイコンを表示画面70から消去する構成が採用されている(図7参照)。
また、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、基本的に第2始動口22に遊技球が入賞することがない。このため、通常遊技状態では、基本的には、第2特別図柄判定の権利が保留されることもなく、表示画面70に第2特別図柄判定に係る保留アイコンが表示されたり、この保留アイコンを表示するための表示領域が形成されたりすることはない。
<当該アイコン表示領域72>
当該アイコン表示領域72は、第1特別図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像としての当該アイコンを表示する表示領域である。当該アイコンは、第1特別図柄の変動表示の開始に伴って当該アイコン表示領域72に表示され、例えば、第1特別図柄が停止表示されるタイミングで当該アイコン表示領域72から消去される。ただし、当該アイコンの消去タイミングはこれに限定されるものではなく、第1特別図柄の変動表示中に当該アイコンを消去してもよく、例えば、後述するSPSPリーチ発展時やSPSPリーチの途中で当該アイコンを消去するようにしてよい。
ところで、特別図柄の変動表示が行われておらず、且つ特別図柄判定の権利が保留されていない状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、第1特別図柄の変動表示の開始に伴い、当該アイコン表示領域72に当該アイコンが表示される。一方、保留アイコン表示領域71に保留アイコンが表示されている状態で、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する図柄の変動表示が終了すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(当該アイコン表示領域72に最も近い位置に表示されている保留アイコン)に対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定の実行に応じて第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、最先の保留アイコンが保留アイコン表示領域71から当該アイコン表示領域72へシフトして、新たな当該アイコンとして表示されることになる。このように、当該アイコン表示領域72にシフトした保留アイコン(ここでは、当該アイコン)は、保留アイコン表示領域71に表示されていたときに比べて大きく表示される(図2参照)。このため、遊技者に対して、保留アイコン表示領域71に表示されている保留アイコンよりも、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに注目させることが可能である。
なお、上記最先の保留アイコンとは異なる他の保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示されている場合、当該アイコン表示領域72への最先の保留アイコンのシフトに伴い、保留アイコン表示領域71において、他の保留アイコンが当該アイコン表示領域72へ近づく方向へシフトする。ここまでの説明から明らかなように、遊技機1では、保留アイコン表示領域71に表示されていた保留アイコンに対応する当該アイコンが当該アイコン表示領域72に表示される場合があるため、以下の説明では、保留アイコンと当該アイコンとを区別しない場合には、これらを総称して単に「アイコン」と呼ぶ場合がある。
(アイコン変化演出について)
ところで、保留アイコンは、通常は白色の保留アイコン(デフォルトの保留アイコン)として表示される。これに対して、保留アイコン表示領域71に保留アイコンが表示されているときにその保留アイコンの色が変化するアイコン変化演出が行われる場合がある。このアイコン変化演出が行われた場合、白色の保留アイコンが、青色、緑色、赤色といった大当たり信頼度を示唆する色の保留アイコンに変化する。ここで例示した大当たり信頼度を示唆する色は、大当たり信頼度が低いものから高いものの順に並んでいる。赤色は、その赤色の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となる場合や、「ハズレ」となるものの特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定される場合に選択され易い。緑色は、「大当たり」となる場合や「ハズレ」となるものの特別図柄の変動時間が中程度の時間に設定される場合に選択され易い。青色は、「ハズレ」となる場合や「ハズレ」であって且つ特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定される場合に選択され易い。本実施形態では、白色の保留アイコンの大当たり信頼度が約1%に設定され、青色の保留アイコンの大当たり信頼度が約3%に設定され、緑色の保留アイコンの大当たり信頼度が約15%に設定され、赤色の保留アイコンの大当たり信頼度が約45%に設定されている。
なお、ここでは、保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示されているときにその表示色が1回だけ変化するアイコン変化演出が行われる場合を例に説明したが、本実施形態の遊技機1では、他のアイコン変化演出が行われる場合もある。すなわち、例えば、白色の保留アイコンが、保留アイコン表示領域71に表示されているときに、青色の保留アイコンに変化し、更に緑色の保留アイコンに変化するというように、1つの保留アイコンを対象としてその保留アイコンの表示色が複数回変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。また、保留アイコン表示領域71から当該アイコン表示領域72にシフトした白色の保留アイコンが当該アイコンとして表示されているときに、その表示色が変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。
また、保留アイコン表示領域71に表示されている保留アイコンの表示色が変化し、その後、その保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトして当該アイコンとして表示されているときにその表示色が変化するというように、保留アイコン表示領域71と当該アイコン表示領域72の両方でアイコンの表示色が変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。また、保留アイコンが最初から白色以外の表示色(例えば青色)で表示されるアイコン変化演出や、その初期色が白色以外である保留アイコンの表示色を変化させるアイコン変化演出が行われる場合もある。
このように、本実施形態の遊技機1は、特別図柄判定の権利が保留されていることを示す保留情報を表示画面70に表示し、その保留情報の表示態様を変化させることが可能である。なお、以下の説明では、表示色が白色以外の色である保留アイコンや当該アイコンを「特別アイコン」と呼んで、表示色が白色である通常の保留アイコンや当該アイコンと区別する場合がある。
[保留情報の表示制御に関する変形例]
なお、保留情報の表示制御は、本実施形態で例示するものに限らず、以下のようなものであってもよい。すなわち、本実施形態では、説明の便宜上、アイコン(保留アイコンと当該アイコン)の表示色が白色、青色、緑色、及び赤色の4色である場合を例に説明するが、他の実施形態では、赤色よりも更に大当たり信頼度が高いことを示唆する金色や、「大当たり」となる場合にしか選択されない虹色といった他の色が用意されていてもよい。
また、本実施形態では、アイコン(保留アイコンや当該アイコン)の表示色を変化させるアイコン変化演出を行う場合を例に説明するが、アイコン変化演出は、アイコンの表示態様を変化させる演出であれば本実施形態で例示される演出に限らず、アイコンの形状や大きさを変化させるアイコン変化演出、アイコンの形状や大きさに加えて表示色を変化させるアイコン変化演出等であってもよい。
また、本実施形態では、保留アイコン表示領域71に表示された保留アイコンを対象とするアイコン変化演出に加えて、当該アイコン表示領域72に表示された当該アイコンを対象とするアイコン変化演出を実行可能な場合について説明するが、他の実施形態では、当該アイコン表示領域72を設けることなく(当該アイコンを表示することなく)、前者のアイコン変化演出のみを実行可能な構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、保留情報としての保留アイコンを表示画面70に表示して、その保留アイコンの表示色を変化させる場合を例に説明する。これに対して、他の実施形態では、例えば、発光色を変更可能な4つのカラーLEDを設けて第1特別図柄判定の保留数と同数のLEDを点灯させ、いずれかのLEDの発光色を変化させることによって、保留情報の表示態様を変化させるようにしてもよい。
[第1特別図柄の変動表示に伴う演出の流れ]
次に、図6を参照しつつ、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う演出の流れについて説明する。ここで、図6は、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う演出の流れを例示する説明図である。
通常遊技状態において第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄表示器41において第1特別図柄が変動表示され、第1特別図柄当否判定の結果を示す第1特別図柄が停止表示される。これに対して、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、演出図柄表示領域73における3つの図柄列の変動表示が開始される(図6(A)参照)。具体的には、演出図柄表示領域73には、例えば「1」〜「9」の数字が下から上へ縦方向に連続して記された演出図柄の図柄列の一部が横方向に3列表示されており、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、これらの図柄列が上から下へスクロールするように、3つの図柄列のスクロール表示が開始される(図7(A)参照)。
ここで、第1特別図柄の変動表示開始時に行われた第1特別図柄当否判定の判定結果が「ハズレ」であり、リーチ演出を実行しないことが決定されている場合、第1特別図柄の変動表示の終盤でバラケ目(例えば「458」)を示す3つの演出図柄を擬似停止させ、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴ってこれら3つの演出図柄を本停止させるハズレ報知演出が行われる(図6(B)参照)。
一方、第1特別図柄当否判定の結果が「大当たり」である場合や、「ハズレ」であるもののリーチ演出を行うことが決定されている場合、第1特別図柄の変動表示中に、例えば、演出図柄表示領域73に左図柄を有効ライン上に擬似停止させ、左図柄と共通する右図柄が有効ライン上へと移動するように右列の図柄列を低速でスクロール表示させるリーチ前演出が行われる(図6(C)参照)。そして、このリーチ前演出が行われた結果として、共通する左図柄および右図柄が有効ライン上に擬似停止するとリーチ成立となる(図6(D)参照)。
このように、左図柄および右図柄として共通する演出図柄が擬似停止してリーチが成立すると、これらの演出図柄(リーチ図柄)と共通する演出図柄が中列における有効ライン上に停止することを遊技者に期待させるリーチ演出が行われる。本実施形態では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴って実行され得るリーチ演出として、図6に例示されるように、ノーマルショートリーチ、ノーマルロングリーチ、第1SPリーチ、第2SPリーチ、及びSPSPリーチの5種類のリーチ演出が用意されている。
ノーマルショートリーチ(図6(E)参照)は、上記5種類のリーチ演出の中で大当たり信頼度が最も低いリーチ演出である(例えば、大当たり信頼度:約2%)。このノーマルショートリーチは、後述するノーマルロングリーチに比べて演出実行時間が短いリーチ演出であり、リーチが成立すると、大抵は、ノーマルショートリーチが行われる。このノーマルショートリーチが行われる場合、リーチが成立すると中列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していき、リーチを形成する左図柄および右図柄の間にリーチ図柄と同じ中図柄またはリーチ図柄とは異なる中図柄を擬似停止させる中図柄列のスクロール表示が行われる。
ここで、ノーマルショートリーチで当落を報知する変動演出パターンが設定されている場合、ノーマルショートリーチの終盤で当落報知演出(当たり報知演出またはハズレ報知演出)が行われる(図6(F)参照)。具体的には、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、リーチ図柄と同じ中図柄を有効ライン上に擬似停止させることでゾロ目(例えば「222」)を示す演出図柄を擬似停止させた後に、これらの演出図柄をそのまま本停止させる当たり報知演出が行われる。一方、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、リーチ図柄とは異なる中図柄を有効ライン上に擬似停止させることでリーチハズレ目(例えば「232」)を示す演出図柄を擬似停止させた後に、これらの演出図柄をそのまま本停止させるハズレ報知演出が行われる。
一方、ノーマルショートリーチから他のリーチ演出に発展する変動演出パターンが設定されている場合、以下のような演出が行われる。例えば、ノーマルショートリーチ(図6(E)参照)からノーマルロングリーチ(図6(G)参照)に発展してノーマルロングリーチにて当落を報知する変動演出パターンが設定されている場合、ノーマルショートリーチの終盤でノーマルロングリーチへの発展を示唆する所定の発展示唆演出が行われると共に中列の図柄列の高速スクロールが再開されて、ノーマルロングリーチへとリーチ演出が発展する。このノーマルロングリーチでは、例えば、表示画面70の中央領域にて所定のキャラクタが図柄揃いを期待させる演出表示が行われる。
なお、ノーマルロングリーチは、上記5種類のリーチ演出の中でノーマルショートリーチの次に大当たり信頼度が低いリーチ演出であり(例えば、大当たり信頼度:約2%)、大抵の場合、ノーマルロングリーチから他のリーチ演出に発展せずにノーマルロングリーチにてハズレ報知演出(図6(F)参照)行われるが、今回の第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであれば、ノーマルロングリーチにて当たり報知演出(図6(F)参照)が行われる場合もある。また、ノーマルロングリーチから他のリーチ演出(本実施形態では、第1SPリーチまたはSPSPリーチ)に発展する変動演出パターンが設定されている場合には、ノーマルロングリーチから第1SPリーチ(図6(H)参照)またはSPSPリーチ(図6(K)参照)にリーチ演出が発展することになる。
ここで、第1SPリーチは、ノーマルロングリーチの次に大当たり信頼度が低いリーチ演出であり(例えば、大当たり信頼度:約11%)、ノーマルロングリーチから第1SPリーチに発展する場合、以下のような演出が行われる。すなわち、リーチ図柄と同じ中図柄が有効ライン上を通過した後に中列の図柄列の高速スクロールが再開され、有効ライン上に擬似停止しているリーチ図柄(左図柄および右図柄)が、リーチ状態を維持したまま縮小されつつ、表示画面70の左上方領域および右上方領域へとそれぞれ移動する(図7(D)参照)。そして、表示画面70の中央領域に第1SPリーチ演出画像が表示されて、大当たりを期待させる所定の演出表示が行われる。
一方、本実施形態の遊技機1では、ノーマルショートリーチ(図6(E)参照)からノーマルロングリーチを経由せずに上記の第1SPリーチ(図6(H)参照)に発展する場合や、ノーマルショートリーチからノーマルロングリーチを経由せずに第2SPリーチ(図6(I)参照)に直接発展する場合や、ノーマルショートリーチからノーマルロングリーチを経由せずにSPSPリーチ(図6(K)参照)に直接発展する場合がある。
ここで、第2SPリーチは、第1SPリーチよりも大当たり信頼度が若干高いリーチ演出であり(例えば、大当たり信頼度:約12%)、ノーマルショートリーチから第2SPリーチに発展する場合、以下のような演出が行われる。すなわち、リーチ図柄と同じ中図柄が有効ライン上を通過した後に中列の図柄列の高速スクロールが再開され、有効ライン上に擬似停止しているリーチ図柄(左図柄および右図柄)が、リーチ状態を維持したまま縮小されつつ、表示画面70の左上方領域および右上方領域へとそれぞれ移動する(図7(E)参照)。そして、表示画面70の中央領域に第2SPリーチ演出画像が表示されて、大当たりを期待させる所定の演出表示が行われる。
ところで、第1SPリーチと第2SPリーチとは、同様の画面構成にて大当たりを期待させる演出表示が行われるが、これらのリーチ演出は、その演出内容が互いに異なっている。具体的には、第1SPリーチでは、自キャラが敵キャラの攻撃を防ぎ切ったら大当たりとなり、逆に、自キャラが敵キャラの攻撃を防ぎ切れなければハズレとなる演出表示が行われる。一方の第2SPリーチはミッション演出として構成されており、自キャラがミッションに成功すると大当たりとなり、逆に、ミッションに失敗するとハズレとなる演出表示が行われる。
第1SPリーチや第2SPリーチに発展した場合、これらのリーチ演出の大当たり信頼度が相対的に低いことから、当落報知演出(図6(J)参照)にてハズレ報知演出の方が当たり報知演出よりも実行され易い。このため、第1SPリーチや第2SPリーチに発展した場合は、遊技者は、ノーマルロングリーチに発展した場合と同様に、SPSPリーチ(図6(K)参照)に発展することを期待することになる。
ここで、SPSPリーチ(図6(K))は、上記5種類のリーチ演出の中で大当たり信頼度が最も高いリーチ演出である。本実施形態では、図6に例示されるように、リーチ成立の直後にSPSPリーチへと直接発展する場合(図6(D)及び(K)参照)と、ノーマルショートリーチおよびノーマルロングリーチを経由してSPSPリーチに発展する場合(図6(E)、(G)、及び(K)参照)と、ノーマルショートリーチおよび第1SPリーチを経由してSPSPリーチに発展する場合(図6(E)、(H)、及び(K)参照)と、ノーマルショートリーチおよび第2SPリーチを経由してSPSPリーチに発展する場合(図6(E)、(I)、及び(K)参照)と、ノーマルショートリーチからSPSPリーチに直接発展する場合(図6(E)及び(K)参照)とがある。
詳細な説明は省略するが、SPSPリーチでは、表示画面70にSPSPリーチ演出画像が表示されて(図7(F)参照)、自キャラと敵キャラとがバトルするバトル演出が実行されるが、今回の第1特別図柄判定の判定結果が大当たりである場合は、自キャラが敵キャラに勝利する勝利演出および当たり報知演出が実行され、ハズレである場合は、自キャラが敵キャラに敗北する敗北演出およびハズレ報知演出が実行される。
[画面構成について]
図7は、通常遊技状態のときに表示される背景画像について説明するための画面図である。通常遊技状態において保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄が変動表示され、第1特別図柄判定の判定結果を示す第1特別図柄が停止表示される。これに対して、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(ここでは、例えば緑色の保留アイコン)を当該アイコン表示領域72にシフトさせると共に、保留アイコン表示領域71に表示されている残りの保留アイコンを保留アイコン表示領域71内で当該アイコン表示領域72側へシフトさせるシフト処理が実行され、また、演出図柄表示領域73における3つの図柄列の高速スクロール表示が開始される(図7(A)参照)。
この3つの図柄列の高速スクロールが開始された直後は、演出図柄表示領域73に3つの図柄列の一部の演出図柄が表示されると共に、これら3つの図柄列の一部の演出図柄が重畳表示されるように、表示画面70の全体領域に所定の背景画像(例えば、通常背景画像)が表示される(図7(A)参照)。その際、3つの図柄列の一部の演出図柄が半透明で表示されるため、遊技者は、3つの図柄列の一部の演出図柄を通して背景画像を視認することが可能である。なお、図7(A)には、表示画面70の全体領域に通常背景画像(以下、「通常背景」と略称する)が表示された状態が例示されているが、表示画面70の全体領域にチャンス背景画像(以下、「チャンス背景」と略称する:図8参照)が表示される場合や、表示画面70の全体領域に激アツ背景画像(以下、「激アツ背景」と略称する:図8参照)が表示される場合もある。これらの背景画像については、図8〜図10等に基づいて後に詳述する。また、本実施形態における「重畳表示」は、第1表示画像(ここでは、半透明な3つの図柄列の一部の演出図柄)を通して第2表示画像(ここでは、背景画像)を視認できるように、第2表示画像に第1表示画像を重ねて表示する場合に加えて、第2表示画像(例えば、背景画像)に第1表示画像(例えば、不透明な演出図柄、後述するカットイン画像)が実際には重なっていない(第1表示画像の後方には第2表示画像が存在しない)ものの、例えば、遠近法に基づいて各表示画像を描画することによって、第2表示画像に第1表示画像が重なっているように見える表示を行う場合も含むものである。
次に、3つの図柄列のスクロール速度が徐々に低下し、リーチが成立してノーマルショートリーチ(図6(E)参照)に発展する場合がある。このように、ノーマルショートリーチに発展した場合は、リーチ成立前に表示画面70に表示されていた背景画像(例えば、通常背景)が継続して表示され、この背景画像が表示された状態で、ノーマルショートリーチに係る所定の演出表示が行われる。
なお、本実施形態では、ノーマルショートリーチ中に表示される背景画像が、ノーマルショートリーチの終了時まで継続して表示される場合を例に説明するが、ノーマルショートリーチから他のリーチ演出に発展する場合は、ノーマルショートリーチの途中で背景画像を他の演出画像に変化させるようにしてもよい。例えば、ノーマルショートリーチからノーマルロングリーチ(図6(G)参照)へとリーチ演出が発展する場合は、ノーマルショートリーチの途中でノーマルロングリーチを示唆するロング示唆画像へと背景画像を変化させ、ノーマルショートリーチから第1SPリーチ(図6(H)参照)へとリーチ演出が発展する場合は、ノーマルショートリーチの途中で第1SPリーチを示唆する第1SP示唆画像へと背景画像を変化させ、ノーマルショートリーチから第2SPリーチ(図6(I)参照)へとリーチ演出が発展する場合は、ノーマルショートリーチの途中で第2SPリーチを示唆する第2SP示唆画像へと背景画像を変化させるといった構成が一例として挙げられる。
一方、ノーマルショートリーチから発展したノーマルロングリーチ中は、図7(C)に例示されるように、リーチ図柄(例えば、左3図柄および右3図柄)が演出図柄表示領域73における有効ライン上に擬似停止した状態で、所定のノーマルロングリーチ演出画像が表示画面70の全体領域に表示される。これにより、ノーマルロングリーチ中に、表示画面70の中央領域にて所定のキャラクタが図柄揃いを期待させる演出表示が行われる。
なお、本実施形態では、ノーマルショートリーチ中は、リーチ成立前から表示されている背景画像が継続して表示されるものの、他のリーチ演出中は、専用のリーチ演出画像が表示画面70の全体領域に表示される。このように、各リーチ演出に専用のリーチ演出画像が表示されているときに、今回の変動演出と直接は関係しない保留アイコンや保留アイコン表示領域71を構成する演出画像を表示すると、リーチ演出画像の視認性を低下させて、結果として、各リーチ演出の興趣性を低下させる可能性がある。このため、本実施形態では、ノーマルロングリーチ中、第1SPリーチ中、第2SPリーチ中、SPSPリーチ中は、保留アイコンおよび保留アイコン表示領域71を構成する演出画像(ここでは、各保留アイコンの台座)を表示しないこととしている(図7(C)〜(F)参照)。
続いて、第1SPリーチ中は、図7(D)に例示されるように、リーチ図柄を構成する左図柄が表示画面70の左上方領域に小さく擬似停止表示されると共に、リーチ図柄を構成する右図柄が表示画面70の右上方領域に小さく擬似停止表示された状態で、所定の第1SPリーチ演出画像が表示画面70の全体領域に表示される。
また、第2SPリーチ中は、図7(E)に例示されるように、リーチ図柄を構成する左図柄が表示画面70の左上方領域に小さく擬似停止表示されると共に、リーチ図柄を構成する右図柄が表示画面70の右上方領域に小さく擬似停止表示された状態で、所定の第2SPリーチ演出画像が表示画面70の全体領域に表示される。
また、SPSPリーチ中は、図7(F)に例示されるように、リーチ図柄を構成する左図柄が表示画面70の左上方領域に小さく擬似停止表示されると共に、リーチ図柄を構成する右図柄が表示画面70の右上方領域に小さく擬似停止表示された状態で、所定のSPSPリーチ演出画像が表示画面70の全体領域に表示される。
なお、図には表れていないが、演出図柄表示領域73に表示される大きな演出図柄には、その演出図柄を他の演出図柄と識別する識別情報(本実施形態では、数字)にキャラクタ画像が付された構成となっている。これに対して、表示画面70の左上方領域および右上方領域に小さく表示されるリーチ図柄にキャラクタ画像を付しておくと、小さいリーチ図柄の視認性を低下させたり、各リーチ演出の興趣性を却って低下させたりする可能性がある。このため、本実施形態では、表示画面70の左上方領域および右上方領域にリーチ図柄(左図柄および右図柄)を小さく擬似停止表示しているときには、キャラクタ画像が付されていないリーチ図柄を表示することとしている。
[背景画像の特徴と背景変化について]
図8は、通常遊技状態における背景画像の変化について説明するための説明図である。図9は、各背景画像の特徴について説明するための説明図である。本実施形態の遊技機1では、リーチ演出を伴わない変動演出であるリーチ無し演出中、リーチ前演出中、リーチ成立時、ノーマルショートリーチ中において、演出図柄が重畳表示される背景画像として、大別すると、通常背景、チャンス背景、及び激アツ背景の3種類の背景画像が用意されている。
(各背景画像が表す場所)
通常背景は、第1通常背景、第2通常背景、第3通常背景、及びキャラ背景の4種類に分類される(図8参照)。図9に例示されるように、本実施形態では、第1通常背景は昼間の山の様子を表す背景画像であり、第2通常背景は昼間の川の様子を表す背景画像であり、第3通常背景は昼間の海の様子を表す背景画像である。キャラ背景は、所定のキャラクタが登場するステージの様子を表す背景画像であり、本実施形態では、キャラAが登場するキャラA背景と、キャラBが登場するキャラB背景と、キャラCが登場するキャラC背景の3種類のキャラ背景が用意されている。
本実施形態におけるチャンス背景は、夕方の空を表す背景画像であり、激アツ背景は、夜空を表す背景画像である。本実施形態では、図8に例示されるように、通常は、第1通常背景と、第2通常背景と、第3通常背景と、キャラ背景との間で背景画像が変化する。その一方で、後述する事前判定処理の結果に基づいて背景変化演出を実行すると決定された場合には、これらの通常背景がチャンス背景や激アツ背景に変化する。
(通常の背景変化)
本実施形態の遊技機1では、通常は、第1通常背景、第2通常背景、第3通常背景、及びキャラ通常背景の間で、背景画像が変化する。具体的には、ある通常背景が表示された状態で行われた(第1特別図柄および)演出図柄の変動表示の回数である変動回数がカウントされており、カウントされた変動回数が所定回数(例えば、15回)に達すると、背景画像が変化する。例えば、第1通常背景が表示された状態で行われた図柄変動の変動回数が所定回数に達すると、第1通常背景が、第2通常背景、第3通常背景、又はキャラ背景に変化する。また、例えば、第2通常背景が表示された状態で行われた図柄変動の変動回数が所定回数に達すると、第2通常背景が、第1通常背景、第3通常背景、又はキャラ背景に変化する。また、例えば、第3通常背景が表示された状態で行われた図柄変動の変動回数が所定回数に達すると、第3通常背景が、第1通常背景、第2通常背景、又はキャラ背景に変化する。また、例えば、キャラ背景が表示された状態で行われた図柄変動の変動回数が所定回数に達すると、キャラ背景が、第1通常背景、第2通常背景、又は第3通常背景に変化する。
なお、本実施形態では、第1通常背景、第2通常背景、又は第3通常背景が表示された状態で演出図柄が変動表示されているときに、キャラA〜キャラCのいずれかの選択を受け付ける選択受付け演出(入力促進演出の一例:図13(C)参照)が実行される場合がある。この選択受付け演出に係る有効期間中に遊技者が第1演出ボタン35を操作してキャラA〜Cのいずれかを選択すると、選択されたキャラを示す情報(言い換えれば、キャラA背景〜キャラC背景のいずれかを示す情報)が、背景画像の変更が必要であることを示す設定情報として記憶される。このように、いずれかのキャラ背景への背景変化が必要であることを示す設定情報が記憶されている場合、第1通常背景、第2通常背景、又は第3通常背景が表示された状態で行われた図柄変動の変動回数が所定回数に達するまでは、表示中の背景画像が維持される(背景画像が変更されない)。一方、この変動回数が所定回数に達した場合は、上記設定情報に基づいて特定されるキャラ背景へと背景画像が変更される。
このように、本実施形態の遊技機1では、キャラA背景〜キャラC背景のいずれかのキャラ背景への背景変化を、遊技者が所定操作を行うことで予め予約しておくことが可能である。
一方、遊技者によるキャラA〜キャラCが選択されていない場合、すなわち、キャラA背景〜キャラC背景のいずれかのキャラ背景への背景変化が予約されていない場合は、変動回数が所定回数に達したことを条件として、移行先の背景画像が抽選に基づいて決定され、決定された背景画像に変化する。例えば、第1通常背景が表示された状態で行われた図柄変動の変動回数が所定回数に達した場合は、第2通常背景、第3通常背景、及びキャラ背景のいずれかを選択するための抽選が実行され、その抽選結果に基づいて、第1通常背景が、第2通常背景、第3通常背景、又はキャラ背景に変化する。なお、キャラ背景が選択された場合は、キャラA背景、キャラB背景、及びキャラC背景のいずれかを選択するための更なる抽選が実行され、その抽選結果に基づいて、第1通常背景が、キャラA背景、キャラB背景、及びキャラC背景のいずれかに変化する。このことは、第2通常背景が表示された状態で行われた図柄変動の変動回数が所定回数に達した場合や、第3通常背景が表示された状態で行われた図柄変動の変動回数が所定回数に達した場合についても同様である。
ところで、第1SPリーチ、第2SPリーチ、SPSPリーチといった大当たり信頼度が相対的に高いリーチ演出においてハズレ報知演出が実行された場合、遊技者は、当たり報知演出が実行されなかったことに対する嫌な気持ちを上手く切り替えることができず、結果として、遊技を止めてしまう可能性がある。
このような問題が生じるのを抑制するために、本実施形態の遊技機1では、第1SPリーチや第2SPリーチ、SPSPリーチでハズレ報知演出が実行された場合は、上記変動回数が所定回数に達したか否かに関わらず、これらのリーチ演出が実行された図柄変動の次の図柄変動から、これらのリーチ演出に発展する前に表示されていた背景画像を他の背景画像に変化させることとしている。例えば、第1特別図柄および演出図柄の変動表示中において、リーチ前演出中やノーマルショートリーチ中に第2通常背景が表示されており、ノーマルショートリーチから第2SPリーチに発展する際に第2通常背景が第2SPリーチ演出画像に変化し、この第2SPリーチ演出画像が表示された状態でハズレ報知演出が実行された場合は、次の第1特別図柄および演出図柄の変動表示の開始に伴って、第2通常背景以外の通常背景の表示を開始させる。また、例えば、第1特別図柄および演出図柄の変動表示中において、リーチ前演出中やノーマルショートリーチ中にキャラA背景が表示されており、リーチ成立直後にSPSPリーチに直発展する際にキャラA背景がSPSPリーチ演出画像に変化し、このSPSPリーチ演出画像が表示された状態でハズレ報知演出が実行された場合は、次の第1特別図柄および演出図柄の変動表示の開始に伴って、キャラ背景以外の通常背景の表示を開始させる。
このように、背景画像を変更することで、ノーマルショートリーチ等と比較すると当たり報知演出が実行され易い第1SPリーチや第2SPリーチ、SPSPリーチが実行されたにも拘わらず当たり報知演出が実行されずに残念に思っている遊技者の気持ちの切り替えを促し、結果として、遊技者の不快感の低減に寄与することが可能である。
<事前判定処理について>
本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に第1始動口21に遊技球が入賞して、第1特別図柄判定の権利が保留された場合に、その権利に対して第1特別図柄判定が行われるのに先立って、大当たり遊技を実行するか否かを判定する事前判定処理が行われる場合がある。具体的には、メインCPU81は、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて大当たり乱数を取得し、取得した大当たり乱数に基づいて、第1特別図柄の変動表示開始時に行われる第1特別図柄判定における大当たり判定処理(図19のステップS308参照)に先立って同様の大当たり判定処理を行い、第1特別図柄判定が実行された場合に「大当たり」と判定されることになるか否かを事前に判定する。また、大当たり乱数と一緒に取得した変動パターン乱数に基づいて、変動パターン選択処理(図19のステップS309参照)と同様の処理を行い、第1特別図柄判定が実行された場合にどの変動パターンが選択されることになるかを事前に判定する。
このように、メインCPU81は、第1特別図柄判定の権利が保留されたことに応じて事前判定処理を行った場合、その事前判定結果を示す事前判定情報を含む保留コマンドをサブ制御基板90に送信する。これに対して、サブCPU91は、保留コマンドに含まれている事前判定情報に基づいて、背景画像を変化させる背景変化演出を実行するか否かを決定する。そして、背景変化演出を実行すると決定した場合、どのような変化パターンで背景画像を変化させるかを決定し、その決定結果に基づく背景変化演出を画像音響制御基板100に実行させる。
(事前判定結果に基づく背景変化演出について)
本実施形態の遊技機1では、上記事前判定結果に基づく背景変化演出として、通常背景をチャンス背景へと変化させる第1変化パターンの背景変化演出(図10(A)参照)と、通常背景を激アツ背景へと変化させる第2変化パターンの背景変化演出(図10(B)参照)と、通常背景をチャンス背景へと変化させた後、このチャンス背景を激アツ背景へと変化させる第3変化パターンの背景変化演出(図10(C)参照)とを実行可能である。
図10は、背景変化演出について説明するためのタイムチャートであり、同図(A)は、第1変化パターンの背景変化演出について説明するためのタイムチャートである。図10(A)における「入賞タイミング」(同図(B)及び(C)についても同様)は、第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示中に第1始動口21に遊技球が入賞したタイミングを意味している。また、図10(A)における「先読み対象変動」(同図(B)及び(C)についても同様)は、上記「入賞タイミング」で第1始動口21に遊技球が入賞したことに基づいて行われる第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示を意味すると共に、背景変化演出の実行契機となった事前判定処理が行われた第1特別図柄判定の権利に対応する図柄変動を意味している。
図10(A)に例示されるように、第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示中に第1始動口21に遊技球が入賞し、この入賞に応じて実行された事前判定処理の結果に基づいて第1変化パターンの背景変化演出を実行すると決定された場合、以下のような演出表示が行われる。すなわち、例えば、上記「入賞タイミング」では表示画面70に通常背景が表示されているのに対して、次の第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示の開始に伴って、チャンス背景の表示が開始される(図10(A)参照)。このチャンス背景の表示は、「先読み対象変動」において、リーチ演出画像の表示が開始されるまで継続される。
なお、図10(A)には、「先読み対象変動」と、「先読み対象変動」の1つ前の図柄変動の2変動に亘ってチャンス背景が表示される場合が例示されているが、1つ前の図柄変動ではチャンス背景が表示されずに、「先読み対象変動」でのみチャンス背景が表示される場合もある。また、「先読み対象変動」と、「先読み対象変動」の1つ前の図柄変動と、「先読み対象変動」の2つ前の図柄変動の3変動に亘ってチャンス背景が表示される場合もある。また、「先読み対象変動」と、「先読み対象変動」の1つ前の図柄変動と、「先読み対象変動」の2つ前の図柄変動と、「先読み対象変動」の3つ前の図柄変動の4変動に亘ってチャンス背景が表示される場合もある。
図10(B)は、第2変化パターンの背景変化演出について説明するためのタイムチャートである。図10(B)に例示されるように、第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示中に第1始動口21に遊技球が入賞し、この入賞に応じて実行された事前判定処理の結果に基づいて第2変化パターンの背景変化演出を実行すると決定された場合、以下のような演出表示が行われる。すなわち、例えば、上記「入賞タイミング」では表示画面70に通常背景が表示されているのに対して、次の第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示の開始に伴って、激アツ背景の表示が開始される(図10(B)参照)。図10(B)には、「先読み対象変動」の2つ前の図柄変動と、「先読み対象変動」の1つ前の図柄変動と、「先読み対象変動」の3変動に亘って激アツ背景が表示され、この激アツ背景の表示が、「先読み対象変動」においてリーチ演出画像の表示が開始されるまで継続される様子が例示されている。
なお、図10(B)には、「先読み対象変動」を含む3変動に亘って激アツ背景が表示される場合が例示されているが、「先読み対象変動」の3つ前の図柄変動と、「先読み対象変動」の2つ前の図柄変動と、「先読み対象変動」の1つ前の図柄変動と、「先読み対象変動」の4変動に亘って激アツ背景が表示される場合もある。また、「先読み対象変動」の1つ前の図柄変動と、「先読み対象変動」の2変動に亘って激アツ背景が表示される場合や、「先読み対象変動」のみで激アツ背景が表示される場合もある。
図10(C)は、第3変化パターンの背景変化演出について説明するためのタイムチャートである。図10(C)に例示されるように、第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示中に第1始動口21に遊技球が入賞し、この入賞に応じて実行された事前判定処理の結果に基づいて第3変化パターンの背景変化演出を実行すると決定された場合、以下のような演出表示が行われる。すなわち、例えば、上記「入賞タイミング」では表示画面70に通常背景が表示されているのに対して、次の第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示の開始に伴って、チャンス背景の表示が開始される(図10(C)参照)。そして、「先読み対象変動」の1つ前の図柄変動が開始されるタイミングで激アツ背景の表示が開始され、この激アツ背景の表示は、「先読み対象変動」においてリーチ演出画像の表示が開始されるまで継続される(図10(C)参照)。
なお、図10(C)には、「先読み対象変動」の1つ前の図柄変動の開始に伴って、チャンス背景が激アツ背景に変化する場合が例示されている。これに対して、「先読み対象変動」の2つ前の図柄変動の開始に伴って、チャンス背景が激アツ背景に変化する場合や、「先読み対象変動」の開始に伴ってチャンス背景が激アツ背景に変化する場合もある。
また、本実施形態では、通常背景が表示されている場合と、チャンス背景が表示されている場合とを比較した場合に、後者の場合の方が、前者の場合に比べて、背景画像が激アツ背景に変化する確率が高くなるように構成されている。言い換えれば、「先読み対象変動」で激アツ背景を表示するべく、第2変化パターン(図10(B)参照)および第3変化パターン(図10(C)参照)のいずれかを選択する選択抽選に関して、第3変化パターンの方が第2変化パターンよりも選択割合が高くなるように設定されている。
このため、背景画像をチャンス背景に変化させることによって、激アツ背景が表示されることに対する遊技者の期待感を効果的に向上させることが可能である。
図10に基づくここまでの説明から明らかなように、本実施形態の遊技機1では、事前判定結果に基づいて、表示中の背景画像を、大当たり遊技が実行されることを遊技者に期待させる他の背景画像(チャンス背景や激アツ背景)に変更可能である。
(各背景画像の大当たり信頼度)
図9に例示されるように、第1通常背景の表示が開始される際には、例えば「〜山ステージ〜」といった第1通常背景を示す文字が表示画面70の中央に表示されるが、この文字が白色で表示された場合の大当たり信頼度は約3%であり、赤色で表示された場合の大当たり信頼度は約10%となっている。また、第2通常背景の表示が開始される際には、例えば「〜川ステージ〜」といった第2通常背景を示す文字が表示画面70の中央に表示されるが、この文字が白色で表示された場合の大当たり信頼度は約3%であり、赤色で表示された場合の大当たり信頼度は約10%となっている。
また、第3通常背景の表示が開始される際には、例えば「〜海ステージ〜」といった第3通常背景を示す文字が表示画面70の中央に表示されるが、この文字が白色で表示された場合の大当たり信頼度は約3%であり、赤色で表示された場合の大当たり信頼度は約10%となっている。また、キャラ背景の表示が開始される際には、例えば「〜キャラAステージ〜」といったキャラ背景(ここでは、キャラA背景)を示す文字が表示画面70の中央に表示されるが、この文字が白色で表示された場合の大当たり信頼度は約3%であり、赤色で表示された場合の大当たり信頼度は約10%となっている。
ここまでの説明から明らかなように、第1特別図柄および演出図柄の変動表示の開始に伴って、背景画像が、第1通常背景、第2通常背景、第3通常背景、又はキャラ背景に変化したことを示す白色の文字が表示された場合は、移行先の背景画像の種類に関わらず、その第1特別図柄および演出図柄の変動表示において当たり報知演出が実行される確率は約3%となっている。また、第1特別図柄および演出図柄の変動表示の開始に伴って、第1通常背景、第2通常背景、第3通常背景、又はキャラ背景に変化したことを示す赤色の文字が表示された場合は、移行先の背景画像の種類に関わらず、その第1特別図柄および演出図柄の変動表示において当たり報知演出が実行される確率は約10%となっている。
一方、「先読み対象変動」の開始に伴ってチャンス背景が表示された場合は、その「先読み対象変動」で当たり報知演出が実行される確率は約14%であり、「先読み対象変動」の開始に伴って激アツ背景が表示された場合は、その「先読み対象変動」で当たり報知演出が実行される確率は約38%である(図9参照)。
(専用予告の有無)
本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態における第1特別図柄および演出図柄の変動表示中に、大当たり遊技が実行される可能性があることを予告する予告演出(示唆演出の一例)が実行される場合があるが、図9に例示されるように、背景画像の種類(背景画像が示すキャラクタの種類)を遊技者が選択可能なキャラ背景が表示されているときには、他の背景画像が表示されているときには実行されない専用予告が実行される場合がある。また、図9に例示されるように、激アツ背景が表示されているときには、他の背景画像が表示されているときには実行されない専用予告が実行される場合がある。
本実施形態の遊技機1では、第1通常背景〜第3通常背景、及びチャンス背景のいずれかの背景画像が、キャラ背景または激アツ背景に変更された場合には、変更前の背景画像の表示中には実行されない専用予告が実行されるようになる。このため、背景変化を行うことで、専用予告の実行が可能になり、単に背景画像を変化させる場合に比べて、演出の興趣性をより効果的に向上させることが可能である。
なお、本実施形態では、キャラA背景の表示中と、キャラB背景の表示中と、キャラC背景の表示中とで、共通する専用予告が実行される場合を例に説明するが、例えば、キャラA背景の表示中にはキャラA背景の表示中にしか実行されない専用予告を実行可能とし、キャラB背景の表示中にはキャラB背景の表示中にしか実行されない専用予告を実行可能とし、キャラC背景の表示中にはキャラC背景の表示中にしか実行されない専用予告を実行可能とするといった構成を採用してもよい。
また、チャンス背景の表示中に関して、激アツ背景の表示中と共通する専用予告の実行が可能な構成や、チャンス背景の表示中にしか実行されない専用予告の実行が可能な構成を採用してもよい。
(BGM)
本実施形態の遊技機1には、表示画面70に表示されている背景画像によって、互いに異なるBGM(演出図柄の変動表示に伴う変動演出音)がスピーカ38から出力されるという特徴がある。具体的には、第1通常背景の表示中には、第1通常背景に対応する第1通常背景対応BGMがスピーカ38から出力され、第2通常背景の表示中には、第2通常背景に対応する第2通常背景対応BGMがスピーカ38から出力され、第3通常背景の表示中には、第3通常背景に対応する第3通常背景対応BGMがスピーカ38から出力される。また、キャラ背景の表示中には、キャラ背景に対応するキャラ背景対応BGMがスピーカ38から出力され、チャンス背景の表示中には、チャンス背景に対応するチャンス背景対応BGMがスピーカ38から出力され、激アツ背景の表示中には、激アツ背景に対応する激アツ背景対応BGMがスピーカ38から出力される。
このような構成を採用することによって、表示画面70に表示される背景画像を変化させることによって、スピーカ38から出力されるBGMも併せて変更することが可能である。
なお、本実施形態では、キャラA背景の表示中と、キャラB背景の表示中と、キャラC背景の表示中とで、共通するキャラ背景対応BGMがスピーカ38から出力される場合を例に説明するが、例えば、キャラA背景の表示中にはキャラA背景の表示中にしか出力されないキャラA背景専用BGMをスピーカ38から出力し、キャラB背景の表示中にはキャラB背景の表示中にしか出力されないキャラB背景専用BGMをスピーカ38から出力し、キャラC背景の表示中にはキャラC背景の表示中にしか出力されないキャラC背景専用BGMをスピーカ38から出力するといった構成を採用してもよい。
(保留アイコンの表示態様)
また、本実施形態の遊技機1には、表示画面70に表示されている背景画像によって、保留アイコン表示領域71に表示される保留アイコンの表示態様(色や形、形状等)が互いに異なる保留アイコンが表示されるという特徴がある。具体的には、第1通常背景の表示中には、第1通常背景に対応する表示態様の第1通常背景対応保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示され、第2通常背景の表示中には、第2通常背景に対応する表示態様の第2通常背景対応保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示され、第3通常背景の表示中には、第3通常背景に対応する表示態様の第3通常背景対応保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示される。また、キャラ背景の表示中には、キャラ背景に対応する表示態様のキャラ背景対応保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示され、チャンス背景の表示中には、チャンス背景に対応する表示態様のチャンス背景対応保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示され、激アツ背景の表示中には、激アツ背景に対応する表示態様の激アツ背景対応保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示される。
このような構成を採用することによって、表示画面70に表示される背景画像を変化させることによって、保留アイコン表示領域71に表示されている保留アイコンの表示態様も併せて変更することが可能である。
なお、本実施形態では、キャラA背景の表示中と、キャラB背景の表示中と、キャラC背景の表示中とで、共通するキャラ背景対応保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示される場合を例に説明するが、例えば、キャラA背景の表示中にはキャラA背景の表示中にしか表示されないキャラA背景専用保留アイコンを保留アイコン表示領域71に表示し、キャラB背景の表示中にはキャラB背景の表示中にしか表示されないキャラB背景専用保留アイコンを保留アイコン表示領域71に表示し、キャラC背景の表示中にはキャラC背景の表示中にしか表示されないキャラC背景専用保留アイコンを保留アイコン表示領域71に表示するといった構成を採用してもよい。
(変動演出の具体例)
次に、図11,12を参照しつつ、通常遊技状態における変動演出の具体例について説明する。図11,12は、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う演出の具体例を示す画面図であり、ここでは、通常遊技状態における第1特別図柄の変動パターンとして、ノーマルショートリーチ(図6(E)参照)から直接発展したSPSPリーチ(図6(K)参照)においてハズレ報知演出が行われることになる変動パターンが選択された場合に実行される演出について説明する。
図11(A)には、表示画面70において、保留アイコン表示領域71に2つの保留アイコンが表示された状態で、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、「526」のバラケ目を示す演出図柄が停止表示されている状態が例示されている。このように、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(本実施形態では、0.6秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(ここでは、緑色の保留アイコン)に対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、第1特別図柄の変動パターンとして、ノーマルリーチからSPSPリーチに直接発展する変動演出パターンが選択されると、以下のような演出が行われる。
すなわち、最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行されたことに応じて第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトし、保留アイコン表示領域71に表示されている残りの保留アイコンが保留アイコン表示領域71内で当該アイコン表示領域72側にシフトすると共に、3つの図柄列のスクロール表示が開始される(図11(A)及び(B)参照)。この3つの図柄列のスクロール表示が開始されてから所定時間が経過すると、例えば、所定のキャラクタがセリフを発する様子を表すセリフ予告演出画像を表示画面70に表示すると共に、そのセリフをスピーカ38から出力するセリフ予告が実行される。このセリフ予告では、セリフを発するキャラクタの種類や、セリフの内容、セリフの文字色等によって、大当たり信頼度が示唆される。
なお、図11(B)には、第1通常背景が表示された状態で行われた図柄変動に係る変動回数が所定回数に達していないために、前回の図柄変動と同様に、表示画面70の全体領域に第1通常背景が表示された状態が例示されている。この第1通常背景の表示は、ノーマルショートリーチの終盤まで継続される(図11(B)〜(I)、図12(A)〜(B)参照)。
上記のセリフ予告に続いて、擬似連演出が実行される場合がある。ここで、擬似連演出とは、1回の特別図柄(ここでは、第1特別図柄)の変動表示中に、演出図柄表示領域73に表示されている演出図柄が複数回変動表示されたように見せ掛ける演出である。この擬似連演出に関しては、以下のような演出表示が行われる。
すなわち、左列の図柄列のスクロール速度が低下して左図柄(例えば6図柄)が擬似停止し、続いて、右列の図柄列のスクロール速度が低下して(先に擬似停止した左図柄とは異なる)右図柄(例えば4図柄)が擬似停止し、その後、中列の図柄列のスクロール速度が低下して、擬似連演出の実行を報知する中図柄として7図柄が擬似停止する(図11(D)参照)。
このように、左図柄および右図柄として互いに異なる演出図柄が擬似停止した後に、中列に7図柄が擬似停止すると、擬似1連目の変動演出に続く擬似2連目の変動演出が開始される。具体的には、擬似2連目の変動演出の開始を示唆する「×2」の文字が表示画面70の中央領域に大きく表示された後に、この「×2」の文字が表示画面70の左上方領域に小さく表示され、これに伴い、演出図柄表示領域73において3つの図柄列のスクロール表示が再開される(図11(D)及び(E)参照)。この擬似2連目の変動演出が行われているときには、擬似1連目の変動演出中と同様に、例えばセリフ予告が実行される場合がある(図11(F)参照)。
上記のように、擬似2連目の変動演出中にセリフ予告が実行されると、今回の第1特別図柄の変動表示中における2回目の擬似連演出が実行される(図11(G)参照)。具体的には、図11(G)に例示されるように、左列の図柄列のスクロール速度が低下して左図柄(例えば2図柄)が擬似停止し、続いて、右列の図柄列のスクロール速度が低下して右図柄(例えば5図柄)が擬似停止し、その後、中列の図柄列のスクロール速度が低下して中図柄として7図柄が擬似停止する。
この第1特別図柄の変動表示中における2回目の擬似連演出が実行されると、擬似2連目の変動演出に続く擬似3連目の変動演出が開始される。具体的には、擬似3連目の変動演出の開始を示唆する「×3」の文字が表示画面70の中央領域に大きく表示された後に、この「×3」の文字が表示画面70の左上方領域に小さく表示され、これに伴い、演出図柄表示領域73において3つの図柄列のスクロール表示が再開される(図11(G)及び(H)参照)。
そして、このようにして擬似3連目の変動演出が開始されてから所定時間が経過すると、左列の図柄列のスクロール速度が低下して左図柄(例えば3図柄)が擬似停止し、続いて、右列の図柄列のスクロール速度が低下して(左図柄と同じ)右図柄(ここでは3図柄)が擬似停止してリーチが成立する(図11(I)参照)。
なお、ここでは、リーチ成立前に各図柄列のスクロール表示を再開させる「リーチ前擬似連」が実行される場合を例に説明したが、リーチ成立後に各図柄列のスクロール表示を再開させる「リーチ後擬似連」が実行される場合もある。また、リーチ前擬似連とリーチ後擬似連が両方実行される場合もある。
上記のように、左図柄および右図柄として同一の演出図柄が擬似停止してリーチが成立すると、ノーマルショートリーチ(図6(E)参照)が実行される(図12(A)参照)。具体的には、図12(A)に例示されるように、リーチ成立後に中列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していき、リーチ図柄(ここでは左3図柄および右3図柄)と同じ中図柄(ここでは中3図柄)がリーチ図柄によって規定される有効ラインに近付いていく様子を表す演出表示が行われる。
ここで、ノーマルリーチからSPSPリーチへと発展する場合、以下のような演出表示が行われる。すなわち、中列の図柄列のスクロール表示が行われているときに、リーチ図柄と同じ中図柄(ここでは3図柄)が有効ライン上を通過し、これに伴い、中列の図柄列のスクロール速度が上昇して中図柄の識別が困難な状態となり、SPSPリーチに発展することを示唆する発展演出が行われる(図12(B)参照)。具体的には、図12(B)に例示されるように、左3図柄が縮小されながら表示画面70の左上方領域へと移動する過程でスクロール方向を軸方向として時計回りに1回転してから左上方領域へと移動し、同時に、右3図柄が縮小されながら表示画面70の右上方領域へと移動する過程でスクロール方向を軸方向として時計回りに1回転してから右上方領域へと移動する。その後、今回の第1特別図柄の変動表示の終盤まで、左3図柄は左上方領域において擬似停止表示され、右3図柄は右上方領域において擬似停止表示される(図12(C)〜(G)参照)。
次に、上記のようにSPSPリーチへの発展を示唆する発展演出(図12(B)参照)に続いて、大当たりの可能性があることを予告する予告演出として、例えば群予告が行われる場合がある(図12(C)参照)。具体的には、図12(C)に例示されるように、多数のキャラクタが表示画面70上を右から左へと移動していく様子を表す演出表示が行われる。
上記のように発展演出および群予告を経てSPSPリーチが開始されると、SPSPリーチに係る演出画像であるSPSPリーチ演出画像が表示画面70に表示される(図12(D)参照)。これにより、例えば、主人公キャラと敵キャラとがバトルを行う様子を表す演出表示が行われる。その後、SPSPリーチの終盤に差し掛かると、第1演出ボタン35の操作を遊技者に促す第1演出ボタン操作促進演出が行われる(図12(E)参照)。具体的には、第1演出ボタン35を模した第1演出ボタン画像と、第1演出ボタン35の操作が有効な有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージとが表示される。
この第1演出ボタン操作促進演出では、その有効期間中に第1演出ボタン35が操作されたタイミング、又は、第1演出ボタン35が操作されることなく有効期間が終了したタイミングで、大当たりの可能性があることを予告する予告演出として、例えば、表示画面70に表示されている(リーチ図柄以外の)演出画像に所定のカットイン画像を重畳表示させるカットインが行われる(図12(F)参照)。このカットインは、大当たり信頼度がどの程度であるかを示唆する演出であって、緑色のカットイン画像を重畳表示させる緑カットインが行われる場合と、赤色のカットイン画像を重畳表示させる赤カットインが行われる場合と、金色のカットイン画像を重畳表示させる金カットインが行われる場合とがあり、これらのカットインを大当たり信頼度が低いものから高いものの順に並べると、緑カットイン、赤カットイン、金カットインの順となる。
このようにカットインが発生してSPSPリーチの終盤になると、第2演出ボタン36の操作を遊技者に促す第2演出ボタン操作促進演出が行われる(図12(G)参照)。具体的には、図12(G)に例示されるように、第2演出ボタン操作促進演出の有効期間中には、第2演出ボタン36を模した第2演出ボタン画像と、「押せ!」という第2演出ボタン36の操作内容を示す文字と、有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージとが表示される。
この第2演出ボタン操作促進演出の有効期間中に第2演出ボタン36が操作されると、その操作に応じた操作対応演出として、リーチハズレ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させるハズレ報知演出が行われる(図12(H)参照)。
なお、ここでは、今回の第1特別図柄の変動表示開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であるために、操作対応演出としてハズレ報知演出が行われるが、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、操作対応演出として、ゾロ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させる当たり報知演出が行われる。
また、ここでは、SPSPリーチでハズレ報知演出が実行されているため、第1特別図柄および演出図柄の次の変動表示の開始に伴って、今回の図柄変動においてノーマルショートリーチの終盤まで表示されていた第1通常背景とは異なる背景画像の表示が開始される(図12(I)参照)。なお、図12(I)には、第1通常背景とは異なる背景画像として、第3通常背景と、「〜海ステージ〜」といった第3通常背景を示す文字が表示画面70に表示された状態が例示されている。この第3通常背景を示す文字は、白色の文字で表示される場合と、赤色の文字で表示される場合とがあり、後者の方が前者に比べて高信頼度のリーチ演出(例えば、第1SPリーチや第2SPリーチ、SPSPリーチ)に発展し易く、また、後者の場合の方が前者の場合に比べて、大当たり信頼度が高い(図9参照)。
(選択受付け演出の具体例)
次に、図13を参照しつつ、キャラA背景〜キャラC背景のそれぞれに対応するキャラA〜キャラCのいずれかの選択を受け付ける選択受付け演出の具体例について説明する。ここで、図13は、選択受付け演出の具体例を示す画面図である。
本実施形態における選択受付け演出は、キャラAの選択肢と、キャラBの選択肢と、キャラCの選択肢を表示した状態で第1演出ボタン35の操作を遊技者に促す第1演出ボタン操作促進演出である(図13(C)参照)。遊技機1では、選択受付け演出に係る有効期間が終了する際に、ハイライト表示されている選択肢が、遊技者が選択したキャラクタに対応する選択肢と判断されて、背景画像を遊技者が選択したキャラ背景に変化させるための設定情報が記憶される。
ところで、通常遊技状態における第1特別図柄および演出図柄の変動表示中にリーチ演出が実行される場合、大抵は、リーチ前演出において、図11(C)に基づいて上述したセリフ予告等の予告演出が実行される。このため、リーチ演出の実行を伴う第1特別図柄および演出図柄の変動表示中に選択受付け演出を実行すると、予告演出の妨げになると考えられる。
このため、本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄の変動パターンとして、選択受付け演出の実行時間よりも変動時間が長く、且つ、リーチ演出が実行されない変動パターンが選択された場合に、選択受付け演出を実行することとしている。具体的には、第1特別図柄の変動時間が10秒である変動パターンが選択された場合に、選択受付け演出を実行することとしている。
図13(A)には、表示画面70において、保留アイコン表示領域71に2つの保留アイコンが表示された状態で、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、「572」のバラケ目を示す演出図柄が停止表示されている状態が例示されている。このように、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(本実施形態では、0.6秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、第1特別図柄の変動パターンとして、選択受付け演出を実行可能な変動パターンが選択されると、以下のような演出が行われる。
すなわち、最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行されたことに応じて第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトし、保留アイコン表示領域71に表示されている残りの保留アイコンが保留アイコン表示領域71内で当該アイコン表示領域72側にシフトすると共に、3つの図柄列のスクロール表示が開始される(図13(A)及び(B)参照)。この3つの図柄列のスクロール表示が開始されてから所定時間(例えば、2秒)が経過すると、選択受付け演出に係る有効期間が開始される。
この選択受付け演出に係る有効期間中は、図13(C)に例示されるように、キャラAの選択肢と、キャラBの選択肢と、キャラCの選択肢と、第1演出ボタン35を模した第1演出ボタン画像と、第1演出ボタン35の操作内容を示す「選んで!」という文字と、有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージとが表示画面70に表示される。また、選択受付け演出中は、選択受付け演出の妨げにならないように、表示画面70の右上方領域において、演出図柄の変動表示が行われる(図13(C)〜(G)参照)。
このように、選択受付け演出に関する各種の演出画像が表示される有効期間中において、例えば、キャラAの選択肢がハイライト表示された状態で遊技者が第1演出ボタン35を操作すると、キャラAの選択肢に代えて、キャラBの選択肢がハイライト表示される(図13(C)及び(D)参照)。また、キャラBの選択肢がハイライト表示された状態で遊技者が第1演出ボタン35を操作すると、キャラBの選択肢に代えて、キャラCの選択肢がハイライト表示される(図13(D)及び(E)参照)。また、図には示されていないが、キャラCの選択肢がハイライト表示された状態で遊技者が第1演出ボタン35を操作すると、キャラCの選択肢に代えて、キャラAの選択肢がハイライト表示される。
遊技機1では、選択受付け演出においてハイライト表示されている選択肢を示す選択肢情報が記憶されており、第1演出ボタン35が操作される毎に、選択肢情報が更新される。そして、選択受付け演出に係る有効期間が終了する際にハイライト表示されている選択肢が、遊技者が選択したキャラクタに対応する選択肢と判断されて、その選択肢情報が背景変化に関する設定情報として記憶される。
図13(F)には、有効期間が終了する際に、キャラCの選択肢がハイライト表示された状態が例示されており、また、図13(G)には、キャラCの選択肢の選択が確定したことを示す「キャラCの選択を受け付けました!」というメッセージが表示された状態が例示されている。
このような一連の選択受付け演出が終了すると、例えば「634」のバラケ目を示す演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これらの演出図柄が本停止する(図13(H)参照)。図13(I)には、選択受付け演出が行われた図柄変動の次の図柄変動が開始された直後の様子が例示されている。
なお、図13には、第3通常背景(第3通常背景画像)が表示された状態で選択受付け演出が実行される様子が例示されているが、第1通常背景(第1通常背景画像)や第2通常背景(第2通常背景画像)が表示された状態で選択受付け演出が実行される場合もある。一方、チャンス背景や激アツ背景、キャラ背景が表示された状態で選択受付け演出が実行されることはない。
例えば、いずれかのキャラ背景が表示されている場合、遊技者が選択したキャラ背景が既に表示されている可能性があり、このような場合に選択受付け演出を行って、いずれかのキャラ背景への変更を受け付けるのは好ましくない。このため、キャラ背景の表示中には、選択受付け演出を実行可能な第1特別図柄の変動パターンが選択されたとしても、選択受付け演出を実行しないこととしている。
また、チャンス背景が表示されている場合、このチャンス背景が激アツ背景へと変化する場合がある。そして、チャンス背景や激アツ背景が表示されるのは、大当たり信頼度が相対的に高い場合、すなわち、通常遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合や、「ハズレ」であっても変動時間が相対的に長い第1特別図柄の変動パターンが選択される場合であるため、このような状況下で、チャンス背景や激アツ背景の視認性を低下させたり、或いは、大当たり信頼度が高いことを示唆する予告演出の興趣性を低下させたりする可能性がある選択受付け演出を実行するのは好ましくない。このため、上記のように、キャラ背景の表示中に加えて、チャンス背景や激アツ背景の表示中も、選択受付け演出を実行しないこととしている。
(通常の背景変化の具体例)
次に、図14を参照しつつ、事前判定結果に基づかない通常の背景変化の具体例について説明する。ここで、図14は、通常の背景変化の具体例を示す画面図である。以下の説明では、選択受付け演出に対する第1演出ボタン35の操作に基づいて、キャラC背景への背景変化が必要であることを示す設定情報が予め記憶されており、第3通常背景(第3通常背景画像)が表示された状態で行われた図柄変動の変動回数が所定回数に達した場合に行われる背景変化の具体例について説明する。
図14(A)には、表示画面70において、保留アイコン表示領域71に3つの保留アイコンが表示された状態で、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、「361」のバラケ目を示す演出図柄が停止表示されている状態が例示されている。また、この「361」のバラケ目を示す演出図柄の停止表示中には、第3通常背景が表示されている(図14(A)参照)。
上記のように、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(本実施形態では、0.6秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行され、第1特別図柄の変動表示が開始される。これに対して、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンを当該アイコン表示領域72にシフトさせると共に、保留アイコン表示領域71に表示されている残りの保留アイコン(ここでは、2つの保留アイコン)を保留アイコン表示領域71内で当該アイコン表示領域72側へシフトさせるシフト処理が実行され、また、演出図柄表示領域73における3つの図柄列の高速スクロール表示が開始される(図14(A)及び(B)参照)。
なお、ここでは、第3通常背景が表示された状態で行われた図柄変動の変動回数が所定回数に達していないため、前回の図柄変動と同様に、第3通常背景が表示される(図14(A)及び(B)参照)。
ここで、第1特別図柄の変動表示の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、第1特別図柄の変動パターンとして、リーチ演出が実行されない変動時間が短い変動パターン(例えば、変動時間が8秒の変動パターン)が選択されている場合、例えば「532」のバラケ目を示す演出図柄が擬似停止し、ハズレを報知する第1特別図柄が停止表示されるのに伴って、これらのバラケ目を示す演出図柄が本停止する(図14(C)参照)。
次に、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されると共に、「532」のバラケ目を示す演出図柄が本停止してから所定の確定時間(本実施形態では、0.6秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行され、第1特別図柄の変動表示が開始される。これに対して、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンを当該アイコン表示領域72にシフトさせると共に、保留アイコン表示領域71に表示されている残りの保留アイコン(ここでは、1つの保留アイコン)を保留アイコン表示領域71内で当該アイコン表示領域72側へシフトさせるシフト処理が実行され、また、演出図柄表示領域73における3つの図柄列の高速スクロール表示が開始される(図14(C)及び(D)参照)。
なお、ここでも、第3通常背景が表示された状態で行われた図柄変動の変動回数が所定回数に達していないため、前回の図柄変動と同様に、第3通常背景が表示される(図14(C)及び(D)参照)。
ここで、第1特別図柄の変動表示の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、第1特別図柄の変動パターンとして、リーチ演出が実行されない変動時間が短い変動パターン(例えば、変動時間が12秒の変動パターン)が選択されている場合、例えば「841」のバラケ目を示す演出図柄が擬似停止し、ハズレを報知する第1特別図柄が停止表示されるのに伴って、これらのバラケ目を示す演出図柄が本停止する(図14(E)参照)。
続いて、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されると共に、「841」のバラケ目を示す演出図柄が本停止してから所定の確定時間(本実施形態では、0.6秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行され、第1特別図柄の変動表示が開始される。これに対して、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンを当該アイコン表示領域72にシフトさせるシフト処理が実行され、また、演出図柄表示領域73における3つの図柄列の高速スクロール表示が開始される(図14(E)及び(F)参照)。
なお、ここでは、キャラC背景へと背景画像を変更する必要があることを示す設定情報が記憶された状態で、第3通常背景が表示された状態で行われた図柄変動の変動回数が所定回数に達したため、第1特別図柄および演出図柄の変動表示の開始に伴って、設定情報に基づいて、背景画像が第3通常背景からキャラC背景に変更される(図14(E)及び(F)参照)。
また、図14(E)及び(F)には、ノーマルロングリーチ以上のリーチ演出が実行されていないために、第3通常背景がキャラC背景へと直接変更される場合が例示されているが、図14(D)のように開始された演出図柄の変動表示中にノーマルロングリーチ以上のリーチ演出が実行された場合は、変動表示の途中で背景画像がリーチ演出画像に変化するため(図7参照)、表示画面70の全体領域に表示される演出画像が、第3通常背景、リーチ演出画像、キャラC背景の順に変化することになる。すなわち、リーチ演出画像の表示を介して、第3通常背景がキャラC背景に変化することになる。
ここでは、設定情報が記憶されている状態で変動回数が所定回数に達したために、背景画像がキャラ背景に変更されているが、設定情報が記憶されていない状態(いずれかのキャラ背景への背景変化が予約されていない状態)で変動回数が所定回数に達した場合は、上述したように、抽選に基づいて選択された第1通常背景、第2通常背景、及びキャラ背景のいずれかに背景画像が変化する。
以下、図6〜図14の図面に基づいて説明した演出を実現するためのメイン制御基板80のRAM構成や、各制御基板で行われる処理について説明する。
[メインRAM83の構成例]
図15は、メインRAM83の記憶領域と各記憶領域に記憶される情報について説明するための説明図である。図15(A)に例示されるように、メインRAM83には、第1始動口21に遊技球が入賞した際に取得された取得情報等を記憶する記憶領域として、判定用記憶領域830、特図1・第1保留記憶領域831、特図1・第2保留記憶領域832、特図1・第3保留記憶領域833、及び特図1・第4保留記憶領域834が設けられている。また、メインRAM83には、第2始動口22に遊技球が入賞した際に取得された取得情報等を記憶する記憶領域として、上記判定用記憶領域830、特図2・第1保留記憶領域835、特図2・第2保留記憶領域836、特図2・第3保留記憶領域837、及び特図2・第4保留記憶領域838が設けられている。
判定用記憶領域830は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。特図1・第1保留記憶領域831〜特図1・第4保留記憶領域834は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域であり、特図2・第1保留記憶領域835〜特図2・第4保留記憶領域838は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。そして、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、第2特別図柄判定の方が第1特別図柄判定よりも優先消化される。このため、判定用記憶領域830には、保留されている特別図柄判定の実行に際して、第2特別図柄判定が保留されている場合には特図2・第1保留記憶領域835に記憶されている各種情報がシフトされ、第1特別図柄判定のみが保留されている場合には特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている各種情報がシフトされる。
図15(B)に例示されるように、保留記憶領域831〜838は、特別図柄判定の権利を保留するための情報を記憶する領域であって、それぞれ、メインCPU81によって取得された、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、事前判定結果を示す情報である事前判定情報を記憶する領域等を含んでいる。
ここで、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数については、上述した通りである。事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図18参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。ここで、入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口21に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。これらの情報を含む事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
遊技機1では、第1始動口21に遊技球が入賞する毎に、図15(B)に基づいて説明した5つの情報が、特図1・第1保留記憶領域831から順に、特図1・第1保留記憶領域831〜特図1・第4保留記憶領域834のいずれかに格納される。また、第2始動口22に遊技球が入賞する毎に、上記5つの情報が、特図2・第1保留記憶領域835から順に、特図2・第1保留記憶領域835〜特図2・第4保留記憶領域838のいずれかに格納される。
例えば、判定用記憶領域830に情報が記憶されると共に特図1・第1保留記憶領域831〜特図1・第4保留記憶領域834のいずれにも情報が記憶されていない状態で、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて新たに取得された第1特別図柄判定に係る5つの情報が特図1・第1保留記憶領域831に格納される。また、例えば、判定用記憶領域830、特図1・第1保留記憶領域831、及び特図1・第2保留記憶領域832のそれぞれに5つの情報が記憶された状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて新たに取得された第1特別図柄判定に係る5つの情報が特図1・第3保留記憶領域833に格納される。
また、第1特別図柄判定の実行に際して特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報が判定用記憶領域830にシフトされると、特図1・第2保留記憶領域832以降の第1特別図柄判定に係る保留記憶領域に記憶されている情報が特図1・第1保留記憶領域831側にシフトされる。例えば、特図1・第1保留記憶領域831〜特図1・第3保留記憶領域833のそれぞれに情報が記憶された状態で特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報が判定用記憶領域830にシフトされると、特図1・第2保留記憶領域832に記憶されている情報が特図1・第1保留記憶領域831にシフトされ、特図1・第3保留記憶領域833に記憶されている情報が特図1・第2保留記憶領域832にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される特図2・第1保留記憶領域835〜特図2・第4保留記憶領域838においても同様に行われる。なお、本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄判定および第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち特図1・第1保留記憶領域831と特図2・第1保留記憶領域835の両方に情報が記憶されている場合、特図1・第1保留記憶領域831〜特図1・第4保留記憶領域834を対象とするシフト処理に先立って、特図2・第1保留記憶領域835〜特図2・第4保留記憶領域838を対象とするシフト処理が優先して行われる。
ところで、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中に第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。このため、メインCPU81は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を、特別図柄判定の権利を保留する情報として保留記憶領域831〜838のいずれかの領域に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU81は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域830に直接格納する。
[メイン制御基板80による割込み処理]
次に、図16を参照しつつ、メイン制御基板80において実行される割込み処理について説明する。ここで、図16は、メイン制御基板80において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。メイン制御基板80は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図16に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図16以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御基板80の処理は、メインROM82に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU81が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU81は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻されて更新される。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU81は、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、ゲートセンサ251の各センサからの検知信号が入力されたことに応じて各種の乱数を取得する処理を含むセンサ検知処理を実行する(ステップS2)。このセンサ検知処理については、図17に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU81は、特別図柄判定を実行して、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図19に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU81は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器43に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU81は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口22を開放すると判定した場合に、開閉部材23を動作させる第2始動口ソレノイド222を制御して第2始動口22を開閉する第2始動口開閉制御処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS3の特別図柄処理において実行される大当たり判定処理で「大当たり」であると判定した場合に、第1大入賞口ソレノイド262(又は第2大入賞口ソレノイド282)を制御して第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)を開閉する大入賞口開閉制御処理を実行する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU81は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM83にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報をサブ制御基板90に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[メイン制御基板80によるセンサ検知処理]
図17は、図16のステップS2におけるセンサ検知処理の詳細フローチャートである。図17に例示されるように、メインCPU81は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、ゲートセンサ251からの検知信号の入力の有無に基づいて、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知したか否かを判定する(ステップS201)。ここで、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知したと判定した場合(ステップS201:YES)、メインRAM83に記憶されている普通図柄判定の保留数Fが、予め設定されている普通図柄判定の最大保留数Fmax(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
メインCPU81は、保留数Fが「4」未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数Fを「1」加算した値に更新し(ステップS203)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される普通図柄乱数に関して、ゲート25に対する遊技球の通過を検知したタイミングの値を取得して、メインRAM83の所定領域に格納する(ステップS204)。
一方、メインCPU81は、ステップS204の処理を実行した場合、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知していないと判定した場合(ステップS201:NO)、保留数Fが「4」未満ではないと判定した場合(ステップS202:NO)、第2始動口センサ221からの検知信号の入力の有無に基づいて、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したか否かを判定する(ステップS206)。ここで、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したと判定した場合(ステップS206:YES)、メインRAM83に記憶されている第2特別図柄判定の保留数T2が、予め設定されている第2特別図柄判定の最大保留数T2max(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS207)。
メインCPU81は、保留数T2が「4」未満であると判定した場合(ステップS207:YES)、保留数T2を「1」加算した値に更新し(ステップS208)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に関して、第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したタイミングの値をそれぞれ取得する(ステップS209)。
このように、保留数T2が最大保留数T2max未満の状態で第2始動口22に対する遊技球の入賞が検知されるという取得条件の成立に応じて、第2特別図柄判定に係る各種の乱数が取得される。なお、第2特別図柄判定および第2特別図柄の変動表示を直ちに実行可能な状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は判定用記憶領域830に直接格納され、直ちに実行できない状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は特図2・第1保留記憶領域835〜特図2・第4保留記憶領域838のいずれかの領域に格納される。
メインCPU81は、ステップS209の処理を実行した場合、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS210)。メインRAM83には、時短遊技フラグが記憶されている。この時短遊技フラグは、第2始動口22に遊技球が入賞し難い低ベース状態となるように開閉部材23の動作を制御する場合に「OFF」に設定され、第2始動口22に遊技球が入賞し易い高ベース状態となるように開閉部材23の動作を制御する場合に「ON」に設定されるフラグである。メインCPU81は、ステップS210において、この時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する。
メインCPU81は、現在の状態が高ベース状態であると判断した場合(ステップS210:YES)、すなわち時短遊技フラグが「ON」に設定されている場合、第2特別図柄判定の保留に係る事前判定処理を実行する(ステップS211)。具体的には、第2始動口22に遊技球が入賞したことに応じて取得した各種乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理(図20参照)や変動パターン選択処理(図21参照)が実行されるのに先立って、ステップS209の処理で取得された各種乱数に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第2特別図柄判定が実行された際に第2特別図柄の変動パターンとしてどの変動パターンが選択されるかを事前判定する事前判定処理を実行する。この事前判定処理の結果である事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数等が記憶されているのと同じ保留記憶領域に格納される。
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第2特別図柄判定の保留数T2が「0」の状態で第2始動口22に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域830に直接格納されて、これらの乱数に基づく第2特別図柄判定が直ちに実行される。この場合、第2特別図柄判定は保留されないため、第2特別図柄判定に係る事前判定処理は行われない。このような事前判定処理については、図18に基づいて後に詳述する。
メインCPU81は、ステップS211の処理を実行した場合、又は高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS210:NO)、第2特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS212)。この保留コマンドは、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。なお、ステップS211の事前判定処理が行われることなくステップS212の処理が行われた場合には、事前判定情報を含まない保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。一方、ステップS211の事前判定処理が行われた後にステップS212の処理が行われた場合には、事前判定情報を含む保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。
一方、メインCPU81は、ステップS212の処理を実行した場合、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知していないと判定した場合(ステップS206:NO)、第2特別図柄判定の保留数T2が「4」未満ではないと判定した場合(ステップS207:NO)、第1始動口センサ211からの検知信号の入力の有無に基づいて、第1始動口センサ211が第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したか否かを判定する(ステップS214)。ここで、第1始動口センサ211が第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したと判定した場合(ステップS214:YES)、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1が、予め設定されている第1特別図柄判定の最大保留数T1max(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS215)。
メインCPU81は、保留数T1が「4」未満であると判定した場合(ステップS215:YES)、保留数T1を「1」加算した値に更新し(ステップS216)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に関して、第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したタイミングの値をそれぞれ取得する(ステップS217)。
このように、保留数T1が最大保留数T1max未満の状態で第1始動口21に対する遊技球の入賞が検知されるという取得条件の成立に応じて、第1特別図柄判定に係る各種の乱数が取得される。なお、第1特別図柄判定および第1特別図柄の変動表示を直ちに実行可能な状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は判定用記憶領域830に直接格納され、直ちに実行できない状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は特図1・第1保留記憶領域831〜特図1・第4保留記憶領域834のいずれかの領域に格納される。
メインCPU81は、ステップS217の処理を実行した場合、ステップS210の処理と同様に、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS218)。ここで、現在の状態が高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS218:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」に設定されている場合、第1特別図柄判定の保留に係る事前判定処理を実行する(ステップS219)。具体的には、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて取得した各種乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理(図20参照)や変動パターン選択処理(図21参照)が実行されるのに先立って、ステップS217の処理で取得された各種乱数に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行された際に第1特別図柄の変動パターンとしてどの変動パターンが選択されるかを事前判定する事前判定処理を実行する。この事前判定処理の結果である事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数等が記憶されているのと同じ保留記憶領域に格納される。
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第1特別図柄判定の保留数T1が「0」の状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域830に直接格納されて、これらの乱数に基づく第1特別図柄判定が直ちに実行される。この場合、第1特別図柄判定は保留されないため、第1特別図柄判定に係る事前判定処理は行われない。このような事前判定処理については、図18に基づいて後に詳述する。
メインCPU81は、ステップS219の処理を実行した場合、又は高ベース状態であると判断した場合(ステップS218:YES)、第1特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS220)。この保留コマンドは、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。なお、ステップS219の事前判定処理が行われることなくステップS220の処理が行われた場合には、事前判定情報を含まない保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。一方、ステップS219の事前判定処理が行われた後にステップS220の処理が行われた場合には、事前判定情報を含む保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。
[メイン制御基板80による事前判定処理]
以下、図18を参照しつつ、メイン制御基板80によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図18は、図17のステップS211,219における事前判定処理の詳細フローチャートである。なお、ここでは、第1特別図柄判定の権利が保留された場合に行われる事前判定処理を例に説明を行うが、使用される乱数やテーブルが異なる点を除き、第2特別図柄判定の権利が保留された場合にも同様の事前判定処理が行われる。
メインCPU81は、図17のステップS210の処理で高ベース状態であると判断した場合(ステップS210:YES)、又は図17のステップS218の処理で高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS218:NO)、大当たり判定処理を実行する(ステップS2191)。具体的には、低確率状(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)である場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする。一方、高確率状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)である場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする。そして、図17のステップS209の処理(又は図17のステップS217の処理)で取得した大当たり乱数が、メインRAM83にセットした大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを判定する。
次に、メインCPU81は、ステップS2191の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりであると判定されるか否かを判断する(ステップS2192)。ここで、当該変動開始時に大当たりであると判定されると判断した場合(ステップS2192:YES)、大当たり用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS2193)。
一方、メインCPU81は、当該変動開始時に大当たりではないと判定されると判断した場合(ステップS2192:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2194)。具体的には、ステップS2191の大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、メインROM82に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU81は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2194:YES)、リーチハズレ用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS2195)。
ところで、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ当該変動中にリーチ演出が行われない場合、当該変動開始時における第1特別図柄判定の保留数に基づいて第1特別図柄の変動パターンが決定される。そして、保留されている第1特別図柄判定が消化される前と後では第1特別図柄判定の保留数が相異なる場合がある。このため、第1特別図柄判定が消化される前に取得した特別図柄の変動パターンが、その第1特別図柄判定が実際に消化される際に選択される特別図柄の変動パターンとは異なる場合がある。すなわち、当該変動中にリーチ演出が行われない第1特別図柄判定の権利に対しては、その第1特別図柄判定に先立って正確な第1特別図柄の変動パターンを取得できない場合がある。
このため、リーチ演出が行われないとメインCPU81によって判定された場合には(ステップS2194:NO)、後述するステップS2196の変動パターン乱数判定処理が行われることなくステップS2197に処理が進められる。
メインCPU81は、大当たり用変動パターン選択テーブル又はリーチハズレ用変動パターン選択テーブルをセットすると、変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS2196)。具体的には、ステップS2191の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得された変動パターン乱数が、メインRAM83にセットされている変動パターン選択テーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる特別図柄判定で選択されることになる特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU81は、ステップS2196の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2194:NO)、事前判定情報を生成してメインRAM83に格納する(ステップS2197)。この事前判定情報が格納される領域については、図15に基づいて上述した通りである。
このように、メインCPU81は、遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報に基づいて、この取得情報に基づく大当たり判定処理や変動パターン選択処理が行われるのに先立って、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動パターン(すなわち変動時間)を取得する。
[メイン制御基板80による特別図柄処理]
次に、図19を参照しつつ、メイン制御基板80によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図19は、図16のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
図19に例示されるように、メインCPU81は、メインRAM83に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU81は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM83に記憶されている第2特別図柄判定の保留数T2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数T2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数T2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU81は、保留数T2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数T1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、保留数T1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
メインCPU81は、ステップS304の処理またはステップS306の処理を実行した場合、情報シフト処理を実行する(ステップS307)。具体的には、ステップS304の処理に続いてステップS307の処理を実行する場合、特図2・第1保留記憶領域835に記憶されている情報を判定用記憶領域830にシフトさせるシフト処理を実行する。その際、特図2・第2保留記憶領域836以降の保留記憶領域にも情報が記憶されている場合には、これらの情報を特図2・第1保留記憶領域835側にシフトさせるシフト処理も併せて実行する。一方、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合、特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報を判定用記憶領域830にシフトさせるシフト処理を実行する。その際、特図1・第2保留記憶領域832以降の保留記憶領域にも情報が記憶されている場合には、これらの情報を特図1・第1保留記憶領域831側にシフトさせるシフト処理も併せて実行する。
メインCPU81は、ステップS307のシフト処理によって大当たり乱数や図柄乱数等の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)に必要な情報を判定用記憶領域830に格納すると、これらの情報に基づいて、ステップS308の大当たり判定処理とステップS309の変動パターン選択処理を実行する。
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第1特別図柄判定の保留数T1と第2特別図柄判定の保留数T2が両方とも「0」の状態で遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞した場合、その入賞に応じて取得された大当たり乱数や図柄乱数等の情報が判定用記憶領域830に直接格納される。このような場合は、ステップS307のシフト処理が実行されることなく、大当たり判定処理および変動パターン選択処理が実行されることになる。
メインCPU81は、判定用記憶領域830に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS308)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類(大当たり図柄)が決定されることになる。そして、これらの処理の結果を示す特別図柄の設定情報がメインRAM83にセットされる。この大当たり判定処理については、図20に基づいて後に詳述する。
ステップS308の大当たり判定処理に続いて、メインCPU81は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS309)。この変動パターン選択処理については、図21に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS308の処理で設定した特別図柄の設定情報、この特別図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS309の処理で選択した変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS310)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。これにより、表示画面70における演出図柄の変動表示を含む変動演出が開始されることになる。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS310の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS311)。その際、判定用記憶領域830に第1特別図柄判定に係る情報が記憶された状態でステップS308〜ステップS310の処理が行われた場合には、第1特別図柄表示器41における第1特別図柄の変動表示を開始する。一方、判定用記憶領域830に第2特別図柄判定に係る情報が記憶された状態でステップS308〜ステップS310の処理が行われた場合には、第2特別図柄表示器42における第2特別図柄の変動表示を開始する。
次に、メインCPU81は、ステップS311における特別図柄の変動表示を開始してからの経過時間の計測を開始する(ステップS312)。メインCPU81は、ステップS312の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS312の処理で計測を開始した経過時間が、ステップS309の変動パターン選択処理で選択された変動パターンの変動時間に到達したか否かを判定する(ステップS313)。ここで、経過時間が変動時間に到達していないと判定された場合(ステップS313:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU81は、経過時間が変動時間に到達したと判定した場合(ステップS313:YES)、特別図柄の変動表示が終了することを通知する変動終了コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS314)。この変動終了コマンドは、ステップS8における送信処理によってサブ制御基板90に送信される。これにより、表示画面70に変動表示されていた演出図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS314の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS311の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS315)。具体的には、ステップS308の処理で設定した特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この特別図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば0.6秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU81は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS315の処理に続いて、メインCPU81は、上記ステップS312の処理で計測を開始した経過時間をリセットし(ステップS316)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む特図停止時処理を実行する(ステップS317)。この特図停止時処理については、図22に基づいて後に詳述する。
[メイン制御基板80による大当たり判定処理]
図20は、図19のステップS308における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、まず、判定用記憶領域830に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3081)。具体的には、判定用記憶領域830に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。ここでの当選値は、高確率時用大当たり乱数テーブル又は低確率時用大当たり乱数テーブルに規定されている大当たりの当選値である。高確率状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)のときに大当たり判定が実行される場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。一方、低確率状態(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)のときに大当たり判定が実行される場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。
このように、メインCPU81は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域830に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3081の処理に続いて、メインCPU81は、大当たり判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判断する(ステップS3082)。ここで、大当たり判定の判定結果が「大当たり」ではないと判断した場合(ステップS3082:NO)、すなわち大当たり判定の判定結果が「ハズレ」である場合、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3083)。これにより、上記ステップS315の処理の際に、ここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示されることになる。この場合、大当たり遊技は行われない。
一方、メインCPU81は、大当たり判定の判定結果が「大当たり」であると判断した場合(ステップS3082:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示される大当たり図柄を選択する大当たり図柄選択処理を実行する(ステップS3084)。具体的には、ステップS3081の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域830に記憶されている図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第1始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの大当たり図柄の乱数値と一致するかに基づいて、いずれかの大当たり図柄を選択する。また、図柄乱数が第2特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第2始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの大当たり図柄の乱数値と一致するかに基づいて、いずれかの大当たり図柄を選択する。
そして、メインCPU81は、選択した大当たり図柄の設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3085)。これにより、上記ステップS315の処理の際に、ここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示され、その後、その大当たり図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
[メイン制御基板80による変動パターン選択処理]
図21は、図19のステップS309における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、図19のステップS308における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3081の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3091)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3091:YES)、大当たり用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3092)。
一方、メインCPU81は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3091:NO)、判定用記憶領域830に記憶されているリーチ乱数がメインROM82に記憶されているリーチ乱数の当選値(リーチ有り演出に対応する乱数値)と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3093)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3093:YES)、リーチハズレ用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3094)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3093:NO)、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3095)。
メインCPU81は、ステップS3092の処理、ステップS3094の処理、又はステップS3095の処理によってメインRAM83にセットされた変動パターン選択テーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3096)。具体的には、大当たり用変動パターン選択テーブル又はリーチハズレ用変動パターン選択テーブルがメインRAM83にセットされた場合、判定用記憶領域830に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の変動パターンを選択する。また、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルがメインRAM83にセットされた場合、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1(又は第2特別図柄判定の保留数T2)に基づいて保留数を特定し、特定した保留数に対応する変動パターンをリーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の変動パターンを選択する。このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU81は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3097)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS308の大当たり判定処理によってメインRAM83にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれてサブ制御基板90に送信される。
[メイン制御基板80による特図停止時処理]
図22は、図19のステップS317における特図停止時処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、上記ステップS316の処理によって経過時間をリセットした後、図22に例示されるように、ステップS3082(図20参照)の処理と同様に、大当たりであるか否かを判断する(ステップS3171)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3171:YES)、メインRAM83に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3172)。
次に、メインCPU81は、メインRAM83に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定し(ステップS3173)、同じくメインRAM83に記憶されている時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3174)。ここで、確変遊技フラグは、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態であるか否かを示すフラグである。
本実施形態の遊技機1では、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの設定により遊技状態が制御される。すなわち、遊技状態を「確変遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「ON」に設定される。また、遊技状態を「通常遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。また、遊技状態を「時短遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグが「OFF」に設定されると共に時短遊技フラグが「ON」に設定される。
ステップS3174の処理に続いて、メインCPU81は、大当たり遊技が開始されることを通知するためのオープニングコマンドをメインRAM83にセットする(ステップS3175)。このオープニングコマンドは、大当たりの種類、大当たり遊技中の第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)の開放パターン等の情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。
一方、メインCPU81は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3171:NO)、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3176)。ここで、確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3176:YES)、すなわち特別図柄判定が高確率状態で行われている場合、メインRAM83に記憶されている高確率遊技残回数Kを「1」減算した値に更新する(ステップS3177)。この高確率遊技残回数Kは、高確率状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3177の処理に続いて、メインCPU81は、高確率遊技残回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS3178)。ここで、高確率遊技残回数Kが「0」であると判定した場合(ステップS3178:YES)、確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3179)。これにより、特別図柄判定が低確率状態で行われるようになる。
メインCPU81は、ステップS3179の処理を実行した場合、確変遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS3176:NO)、又は高確率遊技残回数Kが「0」ではないと判定した場合(ステップS3178:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3180)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3180:YES)、メインRAM83に記憶されている時短遊技残回数Jを「1」減算した値に更新する(ステップS3181)。この時短遊技残回数Jは、時短状態(高ベース状態)で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3181の処理に続いて、メインCPU81は、時短遊技残回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3182)。ここで、時短遊技残回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3182:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3183)。これにより、第2始動口22への遊技球の入賞を容易にするサポート機能が付与されなくなる。
[メイン制御基板80による遊技状態設定処理]
図23は、メイン制御基板80において大当たり遊技終了時に実行される遊技状態設定処理を例示するフローチャートである。遊技機1では、ステップS6の大入賞口開閉制御処理によって大当たり遊技が実行されるが、この大当たり遊技におけるエンディング期間が終了すると、大当たり遊技終了後の遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理が実行される。
メインCPU81は、大当たり遊技中において、大当たり遊技におけるエンディング期間が終了したか否かを判定する(ステップS631)。ここで、エンディング期間が終了したと判定した場合(ステップS631:YES)、例えば、メインRAM83にセットした図柄の設定情報に基づいて、今回の大当たりが確変大当たりであるか否かを判定する(ステップS632)。ここで、確変大当たりであると判定した場合(ステップS632:YES)、確変遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS633)、高確率遊技残回数Kを例えば「10000」に設定する(ステップS634)。これらのステップS633の処理およびステップS634の処理が行われることにより、10000回の特別図柄判定が実行されるまで高確率状態が継続することになる。
次に、メインCPU81は、時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS635)、時短遊技残回数Jを例えば「10000」に設定する(ステップS636)。これらのステップS635の処理およびステップS636の処理が行われることにより、10000回の特別図柄判定が実行されるまで高ベース状態が継続することになる。このように、ステップS633〜ステップS636の一連の処理が行われることによって、大当たり遊技が終了してから10000回の特別図柄判定が実行されるまで確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
一方、メインCPU81は、今回の大当たりが確変大当たりではないと判定した場合(ステップS632:NO)、すなわち今回の大当たりが通常大当たりである場合、ステップS635の処理と同様に時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS637)、時短遊技斬回数Jを例えば「100」に設定する(ステップS638)。このように、ステップS637の処理およびステップS638の処理が行われることによって、大当たり遊技が終了してから100回の特別図柄判定が実行されるまで時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
[サブ制御基板90による割込み処理]
遊技機1の電源が投入されると、サブ制御基板90のサブCPU91は、後述する割込み処理を行う周期である割込み周期を設定する。そして、サブCPU91は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理を割込み周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU91は、遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、割込み周期で割込み処理を繰り返す。
以下、図24を参照しつつ、サブ制御基板90において実行される割込み処理について説明する。ここで、図24は、サブ制御基板90において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。サブCPU91は、メイン制御基板80で行われる割込み処理(図16参照)と同様に、図24に例示される一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図24以降のフローチャートに基づいて説明するサブ制御基板90で行われる処理は、サブROM92に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU91が発行する命令に従って行われる。
サブCPU91は、まず、メイン制御基板80からコマンドを受信した場合にそのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図26に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU91は、操作受付け処理を実行する(ステップS40)。この操作受付け処理については、図25に基づいて後に詳述する。
ステップS40の処理に続いて、サブCPU91は、コマンド送信処理を実行する(ステップS50)。具体的には、ステップS10のコマンド受信処理やステップS40の操作受付け処理によってサブRAM93にセットされたコマンドを画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信する。このコマンド送信処理が実行されることによって、画像表示や演出音の出力等による演出の実行が画像音響制御基板100に対して指示され、各種ランプの点灯や可動役物等による演出の実行がランプ制御基板120に対して指示される。
ステップS50の処理に続いて、サブCPU91は、データ転送処理を実行する(ステップS60)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板100から送信されるので、そのデータをランプ制御基板120に転送する。これにより、画像表示装置7(表示画面70)およびスピーカ38で行われる演出と同期するように、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14等の演出手段による演出がランプ制御基板120によって制御される。
[サブ制御基板90による操作受付け処理]
図25は、図24のステップS40における操作受付け処理の詳細フローチャートである。ステップS10のコマンド受信処理に続いて、サブCPU91は、図25に例示されるように、選択受付け演出(図13(C)〜(F)参照)の有効期間中であるか否かを判定する(ステップS401)。具体的には、選択受付け演出が実行される場合、後述する図30におけるステップS1646の処理で選択受付け演出の有効期間を示す情報がサブRAM93にセットされるので、この有効期間を示す情報に基づいて、選択受付け演出の有効期間中であるか否かを判定する。ここで、有効期間中ではないと判定された場合(ステップS401:NO)、ステップS50のコマンド送信処理に処理が進められる。
一方、サブCPU91は、選択受付け演出の有効期間中であると判定した場合(ステップS401:YES)、第1演出ボタン検知センサ351からの検知信号の有無に基づいて、第1演出ボタン35が操作されたか否かを判定する(ステップS402)。ここで、第1演出ボタン35が操作されたと判定した場合(ステップS402:YES)、ハイライト表示する選択肢を変更する(ステップS403)。上述したように、選択受付け演出の有効期間中は、キャラAの選択肢、キャラBの選択肢、及びキャラCの選択肢のいずれかの選択肢がハイライト表示されるようになっており、サブCPU91は、第1演出ボタン35が操作されたと判定すると、ハイライト表示されている選択肢の変更を指示するコマンドをサブRAM93にセットし、ステップS50のコマンド送信処理によって、このコマンドを画像音響制御基板100に送信する。このような一連の処理が実行されることによって、第1演出ボタン35が操作される毎に、ハイライト表示される選択肢が、キャラAの選択肢、キャラBの選択肢、キャラCの選択肢、キャラAの選択肢の順で切り替えられるようになる(図13(C)〜(F)参照)。
ステップS403の処理に続いて、サブCPU91は、選択肢情報を更新する(ステップS404)。具体的には、遊技者によって選択されている選択肢を示す情報である選択肢情報がサブRAM93に記憶されており、ステップS403の処理によってハイライト表示する選択肢を変更した場合に、その変更後の選択肢を示す情報となるように選択肢情報を更新する。
一方、サブCPU91は、第1演出ボタン35が操作されていないと判定した場合(ステップS402:NO)、サブRAM93にセットされている有効期間を示す情報に基づいて、有効期間が終了するか否かを判定する(ステップS405)。ここで、有効期間が終了しないと判定された場合(ステップS405:NO)、上記ステップS50のコマンド送信処理に処理が進められる。
サブCPU91は、有効期間が終了すると判定した場合(ステップS405:YES)、背景画像の変更が必要であることを示す背景変化の設定情報をサブRAM93にセットする(ステップS406)。具体的には、サブRAM93に記憶されている選択肢情報に基づいて、遊技者によって選択された選択肢を特定し、特定した選択肢に対応する背景画像を示す情報を設定情報としてサブRAM93にセットする。より詳細には、選択された選択肢がキャラAの選択肢である場合は、キャラA背景を示す情報を設定情報としてセットし、選択された選択肢がキャラBの選択肢である場合は、キャラB背景を示す情報を設定情報としてセットし、選択された選択肢がキャラCの選択肢である場合は、キャラC背景を示す情報を設定情報としてセットする。
サブCPU91は、このようにして背景変化の設定情報をセットすると、サブRAM93に記憶されている背景予約フラグを「ON」に設定する(ステップS407)。ここで、背景予約フラグは、選択受付け演出に対する第1演出ボタン35の操作に基づいて、いずれかのキャラ背景への背景変化が予約されているか否かを示すフラグであり、通常は「OFF」に設定されているものの、選択受付け演出の有効期間の終了に伴って「ON」に設定される。
[サブ制御基板90によるコマンド受信処理]
図26は、図24のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図26に例示されるように、サブCPU91は、まず、メイン制御基板80からのコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS11)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS11:NO)、上述したステップS40に処理が進められる。
サブCPU91は、メイン制御基板80からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS11:YES)、そのコマンドが図17のステップS212の処理またはステップS220の処理に応じてメイン制御基板80から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、保留コマンドではないと判定された場合(ステップS12:NO)、後述するステップS15に処理が進められる。
サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、保留コマンド受信処理を実行する(ステップS13)。この保留コマンド受信処理については、図27に基づいて後に詳述する。
サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS12:NO)、そのコマンドが図19のステップS310の処理に応じてメイン制御基板80から送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定された場合(ステップS15:NO)、後述するステップS17に処理が進められる。
サブCPU91は、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、変動開始コマンド受信処理を実行する(ステップS16)。この変動開始コマンド受信処理については、図28に基づいて後に詳述する。
サブCPU91は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS15:NO)、そのコマンドが図19のステップS314の処理に応じてメイン制御基板80から送信された変動終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS17)。サブCPU91は、変動終了コマンドであると判定した場合(ステップS17:YES)、演出図柄の変動表示を終了して図柄変動開始時に実行された特別図柄判定の判定結果を示す態様で演出図柄を停止表示する処理の実行を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS18)。
この変動演出終了コマンドがステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信されることによって、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す特別図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されるのに伴い、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す演出図柄が表示画面70に停止表示されることになる。
サブCPU91は、受信したコマンドが変動終了コマンドではないと判定した場合(ステップS17:NO)、そのコマンドが図22のステップS3175の処理に応じてメイン制御基板80から送信されたオープニングコマンドであるか否かを判定する(ステップS19)。ここで、受信したコマンドがオープニングコマンドであると判定した場合(ステップS19:YES)、大当たり遊技のオープニング期間において大当たりの種類を報知したり遊技者に右打ちを促したりするオープニング演出の開始を画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に指示するためのオープニング演出開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS20)。逆に、受信したコマンドがオープニングコマンドではないと判定した場合(ステップS19:NO)、その他の処理を実行する(ステップS21)。
[サブ制御基板90による保留コマンド受信処理]
図27は、図26のステップS13における保留コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、図27に例示されるように、サブRAM93に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS131)。具体的には、第1特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新し、第2特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する。
ステップS131の処理に続いて、サブCPU91は、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれているか否かを判定する(ステップS132)。ここで、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれていないと判定した場合(ステップS132:NO)、保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS133)。この保留アイコン表示コマンドは、アイコン変化演出の設定情報(後述するアイコン変化演出パターン情報)を含まない、保留アイコンの表示を指示するコマンドであって、ステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信される。
画像音響制御基板100の画像音響制御CPU101は、例えば、アイコン変化演出の設定情報を含まない第1特別図柄判定に係る保留アイコン表示コマンドを受信した場合、VDP104による描画処理を制御して、保留アイコン表示領域71に白色の保留アイコンを表示させる。この白色の保留アイコンに関しては、アイコン変化演出に関する設定がなされていないため、上述したアイコン変化演出は行われない。なお、本実施形態では、表示中の背景画像を示す情報を含む保留アイコン表示コマンドが送信され、画像音響制御CPU101は、表示中の背景画像に対応する表示態様の保留アイコンを保留アイコン表示領域71に表示する。
一方、サブCPU91は、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれていると判定した場合(ステップS132:YES)、その事前判定情報をサブRAM93に格納する(ステップS134)。次に、サブCPU91は、アイコン変化演出抽選を実行する(ステップS135)。具体的には、まず、アイコン変化演出乱数を取得してサブRAM93に格納する。このアイコン変化演出乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU91は、保留コマンドを受信した時点のカウント値をアイコン変化演出乱数として取得し、その変化演出乱数が、予めサブROM92に記憶されているアイコン変化演出乱数に関する乱数値のいずれかと一致するか否か否かに基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する。
なお、図には示されていないが、サブROM92には、第1特別図柄判定に係る事前判定結果(「大当たり」又は「ハズレ」)と、第1特別図柄の変動パターンと、アイコン変化演出乱数に関する乱数値とが対応付けられたテーブルが記憶されている。サブCPU91は、このテーブルを参照して、取得したアイコン変化演出乱数が、ステップS134の処理でサブRAM93に格納した事前判定情報から特定される第1特別図柄判定の判定結果および第1特別図柄の変動パターンに対応付けられている乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する。なお、このテーブルでは、第1特別図柄判定に係る事前判定結果に関して、「ハズレ」よりも「大当たり」に対してより多くの乱数値が対応付けられている。また、第1特別図柄の変動時間が長い変動パターンほど、より多くの乱数値が対応付けられている。このため、本実施形態における遊技機1では、大当たり信頼度が高いほどアイコン変化演出が実行され易く、逆に、大当たり信頼度が低いほどアイコン変化演出が実行され難くなっている。
サブCPU91は、ステップS135の抽選結果に基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを判定し(ステップS136)、アイコン変化演出を実行すると判定した場合(ステップS136:YES)、例えば乱数を用いた演出抽選を行って、複数あるアイコン変化演出の演出パターンの中からいずれか1つの演出パターンを選択し、選択したアイコン変化演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする(ステップS137)。
なお、ここでは、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する抽選と、アイコン変化演出の演出パターンを選択する抽選とが別抽選である場合を例に説明したが、アイコン変化演出を実行するか否かと、実行する場合にはアイコン変化演出をどのような演出パターンで実行するかを、1回の抽選で決定するようにしてもよい。
サブCPU91は、ステップS137の処理を実行した場合、又は、アイコン変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS136:NO)、事前判定情報に基づく背景変化演出を実行するか否かを決定するための背景変化演出抽選を実行する(ステップS138)。具体的には、まず、背景変化演出乱数を取得してサブRAM93に格納する。この背景変化演出乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU91は、保留コマンドを受信した時点のカウント値を背景変化演出乱数として取得し、その背景変化演出乱数が、予めサブROM92に記憶されている背景変化演出乱数に関する乱数値のいずれかと一致するか否か否かに基づいて、背景変化演出を実行するか否かを決定する。
なお、図には示されていないが、サブROM92には、第1特別図柄判定に係る事前判定結果(「大当たり」又は「ハズレ」)と、第1特別図柄の変動パターンと、背景変化演出乱数に関する乱数値とが対応付けられたテーブルが記憶されている。サブCPU91は、このテーブルを参照して、取得した背景変化演出乱数が、ステップS134の処理でサブRAM93に格納した事前判定情報から特定される第1特別図柄判定の判定結果および第1特別図柄の変動パターンに対応付けられている乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、背景変化演出を実行するか否かを決定する。なお、このテーブルでは、第1特別図柄判定に係る事前判定結果に関して、「ハズレ」よりも「大当たり」に対してより多くの乱数値が対応付けられている。また、第1特別図柄の変動時間が長い変動パターンほど、より多くの乱数値が対応付けられている。このため、本実施形態における遊技機1では、大当たり信頼度が高いほど背景変化演出が実行され易く、逆に、大当たり信頼度が低いほど背景変化演出が実行され難くなっている。
サブCPU91は、ステップS138の抽選結果に基づいて、背景変化演出を実行するか否かを判定し(ステップS139)、背景変化演出を実行すると判定した場合(ステップS139:YES)、例えば乱数を用いた演出抽選を行って、背景変化演出の複数の演出パターン(図10に基づいて上述した第1変化パターン〜第3変化パターン)の中からいずれかの演出パターンを選択し、選択した背景変化演出パターン(背景画像の変化パターン)を示す情報をサブRAM93にセットする(ステップS140)。
なお、このステップS140の処理では、事前判定情報から特定される第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、第3変化パターン(図10(C)参照)が最も選択され易く、次に選択され易いのが第2変化パターン(図10(B)参照)であり、第1変化パターン(図10(A)参照)が最も選択され難くなっている。また、事前判定情報から特定される第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、第1変化パターンが最も選択され易く、次に選択され易いのが第2変化パターンであり、第3変化パターンが最も選択され難くなっている。また、事前判定情報から特定される第1特別図柄の変動パターンに係る変動時間が相対的に長いほど、第3変化パターンや第2変化パターンが選択され易く、逆に、変動時間が相対的に短いほど、第3変化パターンや第2変化パターンが選択され難くなっている。
ここでは、背景変化演出を実行するか否かを決定する抽選と、背景変化演出の演出パターンを選択する抽選とが別抽選である場合を例に説明したが、背景変化演出を実行するか否かと、実行する場合には背景変化演出をどのような演出パターンで実行するかを、1回の抽選で決定するようにしてもよい。
サブCPU91は、ステップS140の処理を実行した場合、又は、背景変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS139:NO)、保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS141)。具体的には、ステップS137の処理を実行してからステップS141の処理を実行する場合には、ステップS137の処理でセットしたアイコン変化演出パターン情報を含む保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする。一方、ステップS137の処理を実行することなくステップS141の処理を実行する場合には、ステップS133の処理と同様に、アイコン変化演出パターン情報を含まない保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする。また、ステップS140の処理を実行してからステップS141の処理を実行する場合には、ステップS140の処理でセットした背景変化演出パターン情報を含む保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする。逆に、ステップS140の処理を実行することなくステップS141の処理を実行する場合には、背景変化演出パターン情報を含まない保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする。
なお、セットされた保留アイコン表示コマンドが、アイコン変化演出の設定情報としてのアイコン変化演出パターン情報を含む保留アイコン表示コマンドである場合、この保留アイコン表示コマンドがステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信されることにより、ステップS137の処理で選択された演出パターンでアイコン(保留アイコンまたはその保留アイコンに対応する当該アイコン)の表示色が変化するアイコン変化演出が行われることになる。
なお、セットされた保留アイコン表示コマンドが、背景変化演出の設定情報としての背景変化演出パターン情報を含む保留アイコン表示コマンドである場合、この保留アイコン表示コマンドがステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信されることにより、ステップS140の処理で選択された演出パターンで背景画像が変化する背景変化演出が行われることになる。
[サブ制御基板90による変動開始コマンド受信処理]
図28は、図26のステップS16における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、メイン制御基板80から受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、図28に例示される一連の変動開始コマンド受信処理を実行する。
すなわち、サブCPU91は、サブ制御基板90における乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、メイン制御基板80から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM93に格納する(ステップS161)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する変動開始コマンド解析処理を実行する(ステップS162)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
サブCPU91は、変動開始コマンドを解析すると、その解析結果に基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS163)。この変動演出パターン設定処理が実行されることによって、演出図柄の変動態様、リーチ演出の有無、擬似連演出の有無、リーチ図柄を構成する演出図柄の種類、リーチ演出の種類や内容、擬似連演出の内容、停止表示される演出図柄の種類等が決定される。この変動演出パターン設定処理については、図29に基づいて後に詳述する。
ステップS163の処理に続いて、サブCPU91は、表示画面70における背景画像の表示を制御するための背景制御処理を実行する(ステップS164)。この背景制御処理については、図30に基づいて後に詳述する。
ステップS164の処理に続いて、サブCPU91は、、ステップS164の処理で設定される背景画像が表示された状態で、ステップS163の処理で設定した変動演出パターンで演出図柄が変動表示されているときに実行する各種予告演出(例えば、ステップアップ演出やセリフ予告、群予告やカットインなど)に関する設定を行う予告演出パターン設定処理を実行する(ステップS166)。この予告演出パターン設定処理については、図31に基づいて後に詳述する。
次に、サブCPU91は、ステップS163の処理で設定した変動演出パターンでの変動演出の開始、ステップS164の処理で設定した背景画像の表示、及びステップS166の処理で設定した予告演出パターンでの予告演出の実行を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS167)。
この変動演出開始コマンドは、ステップS163の処理によって設定された変動演出パターンを示す情報と、ステップS164の処理で設定された背景画像を示す情報と、ステップS166の処理によって設定された予告演出パターンを示す情報とを含むものであり、ステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信される。これにより、サブ制御基板90において演出パターンが決定された変動演出、背景画像の表示、及び予告演出が、画像音響制御基板100およびランプ制御基板120によって実現されることになる。
ステップS167の処理に続いて、サブCPU91は、サブRAM93に記憶されている保留数を「1」減算した値に更新する(ステップS168)。具体的には、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドが第1特別図柄の変動表示の開始を通知するものである場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。一方、受信した変動開始コマンドが第2特別図柄の変動表示の開始を通知するものである場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
[サブ制御基板90による変動演出パターン設定処理]
図29は、図28のステップS163における変動演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、ステップS162の処理に続いて、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の停止表示に伴って表示画面70に最終的に確定表示(本停止)させる演出図柄を設定する(ステップS1631)。具体的には、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに含まれている図柄の設定情報に基づいて、図柄変動の終了時に大当たりを示す特別図柄(大当たり図柄)が停止表示されるのか、或いはハズレを示す特別図柄(ハズレ図柄)が停止表示されるのかを特定する。そして、大当たり図柄が停止表示されることを特定した場合には、本停止させる演出図柄として大当たりを報知するための演出図柄(例えばゾロ目を示す演出図柄)を設定し、ハズレ図柄が停止表示されることを特定した場合には、ハズレを報知するための演出図柄を設定する。なお、ハズレを報知するための演出図柄を設定する際に、リーチ演出を行ってからハズレを報知する場合には、ハズレを報知するための演出図柄としてリーチハズレ目を設定し、リーチ演出を行うことなくハズレを報知する場合には、ハズレを報知するための演出図柄としてバラケ目を設定する。
次に、サブCPU91は、受信した変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンの設定情報に基づいて、今回の特別図柄の変動表示に伴ってリーチ有り演出を行う必要があるか否かを判断する(ステップS1632)。ここで、リーチ有り演出を行う必要が無いと判断した場合(ステップS1632:NO)、リーチ無し演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1633)。例えば、特別図柄の変動パターン毎に複数種類のリーチ無し演出の変動演出パターンが対応付けられたリーチ無し用変動演出パターン選択テーブルから、ステップS161の処理で取得した演出乱数に対応するいずれか1つの変動演出パターンを読み出して、その変動演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする。
一方、サブCPU91は、リーチ有り演出を行う必要があると判断した場合(ステップS1632:YES)、リーチ有り演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1634)。例えば、特別図柄判定の判定結果と特別図柄の変動パターンとの組み合わせのそれぞれに対して複数種類のリーチ有り演出の変動演出パターンが対応付けられたリーチ有り用変動演出パターン選択テーブルから、ステップS161の処理で取得した演出乱数に対応するいずれか1つの変動演出パターンを読み出して、その変動演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする。
このステップS1633の処理またはステップS1634の処理が行われることによって、演出図柄をどのような変動パターンで変動表示するか、リーチ演出を行う場合にどのリーチ演出を行うか、リーチ演出を発展させる場合にはどのような流れでリーチ演出を発展させるか等が決定されることになる。
[サブ制御基板90による背景制御理]
図30は、図28のステップS164における背景制御処理の詳細フローチャートである。ステップS163の変動演出パターン設定処理に続いて、サブCPU91は、図30に例示されるように、キャラ背景を除く通常背景(第1通常背景、第2通常背景、又は第3通常背景)の表示中であるか否かを判定する(ステップS1641)。具体的には、サブRAM93には、現在表示中の背景画像の種類を特定可能な情報が記憶されており、この情報に基づいて、キャラ背景を除く通常背景の表示中であるか否かを判定する。ここで、キャラ背景を除く通常背景の表示中ではないと判定された場合(ステップS1641:NO)、すなわち、キャラ背景、チャンス背景、又は激アツ背景の表示中である場合、後述するステップS1648に処理が進められる。
サブCPU91は、キャラ背景を除く通常背景の表示中であると判定した場合(ステップS1641:YES)、キャラ背景の選択が可能な変動であるか否かを判定する(ステップS1642)。上述したように、本実施形態の遊技機1では、リーチ演出が実行されない変動時間が10秒である第1特別図柄の変動パターンが選択された場合に、キャラ背景(キャラA〜キャラCのいずれか)を選択するための選択受付け演出(図13(C)〜(G)参照)を実行することとしている。このため、サブCPU91は、ステップS1642において、メイン制御基板80から受信した第1特別図柄判定に係る今回の変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、第1特別図柄の変動時間を特定し、特定した変動時間が10秒であるか否かに基づいて、キャラ背景の選択が可能な変動であるか否かを判定する。ここで、キャラ背景の選択が可能な変動ではないと判定された場合(ステップS1642:NO)、ステップS1648に処理が進められる。
サブCPU91は、キャラ背景の選択が可能な変動であると判定した場合(ステップS1642:YES)、サブRAM93に記憶されている背景予約フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1643)。この背景予約フラグは、選択受付け演出に係る有効期間が終了するタイミングで行われるステップS407(図25参照)の処理によって「ON」に設定され、ステップS406(図25参照)の処理によってサブRAM93にセットされた背景変化の設定情報に基づいて、遊技者が選択したキャラ背景へと背景画像が変更されると「OFF」に設定される。このため、背景予約フラグが既に「ON」に設定されていれば、選択受付け演出を実行する必要がないと判断することができる。このため、背景予約フラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS1643:YES)、ステップS1648に処理が進められる。
一方、サブCPU91は、背景予約フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS1643:NO)、選択受付け演出を実行するか否かを決定するための選択可否決定乱数を取得してサブRAM93に格納する(ステップS1644)。この選択可否決定乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU91は、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を選択可否決定乱数として取得・格納する。そして、取得した選択可否決定乱数が、サブROM92に予め記憶されている(選択可否決定乱数と比較される)乱数値と一致するか否かに基づいて、キャラ背景の選択を可能にするか否かを判定する(ステップS1645)。キャラ背景の選択を可能にしないと判定された場合(ステップS1645:NO)、ステップS1648に処理が進められる。
サブCPU91は、キャラ背景の選択を可能にすると判定した場合(ステップS1645:YES)、選択受付け演出の有効期間を設定し(ステップS1646)、選択受付け演出の設定情報をサブRAM93にセットする(ステップS1647)。
これらのステップS1646およびステップS1647の処理が実行されると、設定された有効期間を示す情報と、選択受付け演出の設定情報とを含む変動演出開始コマンドが、ステップS50のコマンド送信処理によって、画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信される。これに対して、画像音響制御CPU101が必要な描画処理をVDP104に指示することによって、図13(C)〜(G)に基づいて上述した選択受付け演出が実現されることになる。
ところで、第1通常背景、第2通常背景、又は第3通常背景が表示された状態で、変動時間が10秒である第1特別図柄の変動パターンが選択される毎に選択受付け演出を実行するようにした場合、選択受付け演出が頻繁に行われるようになり、キャラ背景を遊技者が任意に選択できるようにして興趣性の向上を図る積もりが、却って興趣性を低下させる可能性があると考えられる。このため、本実施形態では、選択可否決定乱数に基づいて、キャラ背景の選択を可能にしないと判定した場合は、選択受付け演出を実行可能な状況であっても、選択受付け演出を実行しないこととしている。
次に、サブCPU91は、ステップS1647の処理を実行した場合、キャラ背景を除く通常背景の表示中ではないと判定した場合(ステップS1641:NO)、キャラ背景の選択が可能な変動ではないと判定した場合(ステップS1642:NO)、背景予約フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1643:YES)、キャラ背景の選択を可能にしないと判定した場合(ステップS1645:NO)、上述した図27のステップS140の処理によって、事前判定結果に基づく背景変化演出に係る背景変化演出パターン情報がサブRAM93に記憶されているか否かを判定する(ステップS1648)。ここで、背景変化演出パターン情報が記憶されていると判定された場合(ステップS1648:YES)、チャンス背景および激アツ背景を除く通常背景間の背景変化を行うのは好ましくないことから、一連の背景制御処理が終了して、ステップS166の予告演出パターン設定処理に処理が進められる。
一方、サブCPU91は、背景変化演出パターン情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS1648:NO)、サブRAM93に記憶されている変動回数Hを「1」加算した値に更新する(ステップS1649)。次に、ステップS1649の処理で更新した変動回数Hが、サブROM92に記憶されている最大変動回数Hmax(本実施形態では、「15」:上述した所定回数に相当)と一致するか否かを判定する(ステップS1650)。
サブCPU91は、変動回数Hが最大変動回数Hmaxと一致すると判定した場合(ステップS1650:YES)、サブRAM93に記憶されている背景予約フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1651)。ここで、背景予約フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1651:YES)、図25におけるステップS406の処理によってサブRAM93にセットされた背景変化の設定情報に基づいて、遊技者が選択したキャラ背景を特定し、特定したキャラ背景を移行先の背景に設定する(ステップS1652)。そして、背景予約フラグを「OFF」に設定する(ステップS1653)。
このように、ステップS1652の処理が実行されると、設定された移行先の背景を示す情報を含む変動演出開始コマンドが、ステップS50のコマンド送信処理によって、画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信される。これに対して、画像音響制御CPU101が必要な描画処理をVDP104に指示することによって、背景画像(通常背景)が、遊技者が選択したキャラ背景に変更されることになる。
一方、サブCPU91は、背景予約フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS1651:NO)、背景選択乱数を取得してサブRAM93に格納する(ステップS1654)。この背景選択乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU91は、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を背景選択乱数として取得・格納する。続いて、サブROM92に記憶されている背景選択テーブルを読み出してサブRAM93にセットする(ステップS1655)。この背景選択テーブルでは、移行先となり得る背景画像のそれぞれに対して、互いに異なる乱数値が対応付けられている。サブCPU91は、ステップS1654の処理で取得した背景選択乱数に対応する背景画像を背景選択テーブルから読み出すことによって1の背景画像を選択する背景選択処理を実行する(ステップS1656)。
なお、サブROM92には、第1通常背景を他の通常背景に移行させる際に参照される第1通常背景用・背景選択テーブルと、第2通常背景を他の通常背景に移行させる際に参照される第2通常背景用・背景選択テーブルと、第3通常背景を他の通常背景に移行させる際に参照される第3通常背景用・背景選択テーブルと、キャラ背景を他の通常背景に移行させる際に参照されるキャラ背景用・背景選択テーブルとが記憶されている。
このため、サブCPU91は、上記ステップS1655の処理において、現在の背景画像が第1通常背景である場合には、第1通常背景用・背景選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする。また、現在の背景画像が第2通常背景である場合には、第2通常背景用・背景選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする。また、現在の背景画像が第3通常背景である場合には、第3通常背景用・背景選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする。また、現在の背景画像がキャラ背景である場合には、キャラ背景用・背景選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする。
なお、詳細な説明は省略するが、第1通常背景用・背景選択テーブルでは、第2通常背景と、第3通常背景と、キャラ背景とのそれぞれに対して乱数値が対応付けられており、移行先の背景画像として、第1通常背景を除くいずれかの通常背景が選択されるように構成されている。第2通常背景用・背景選択テーブルでは、第1通常背景と、第3通常背景と、キャラ背景とのそれぞれに対して乱数値が対応付けられており、移行先の背景画像として、第2通常背景を除くいずれかの通常背景が選択されるように構成されている。第3通常背景用・背景選択テーブルでは、第1通常背景と、第2通常背景と、キャラ背景とのそれぞれに対して乱数値が対応付けられており、移行先の背景画像として、第3通常背景を除くいずれかの通常背景が選択されるように構成されている。キャラ背景用・背景選択テーブルでは、第1通常背景と、第2通常背景と、第3通常背景とのそれぞれに対して乱数値が対応付けられており、移行先の背景画像として、キャラ背景を除くいずれかの通常背景が選択されるように構成されている。
また、各背景選択テーブルにおいて、それぞれの背景画像に対応付けられる乱数値の個数は特に限定されるものではなく、例えば、第1通常背景用・背景選択テーブルでは、最も多くの乱数値が対応付けられた背景画像が第2通常背景であり、次に多くの乱数値が対応付けられた背景画像が第3通常背景であり、対応付けられた乱数値の個数が最も少ないのがキャラ背景であるといった構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、第1通常背景からは第2通常背景に移行し易く、且つ、第1通常背景からはキャラ背景に移行し難いといった背景変化傾向を生じさせることが可能である。また、例えば、第1通常背景用・背景選択テーブルにおいて、例えばキャラ背景に対しては乱数値を対応付けない構成を採用することによって、選択受付け演出に対して遊技者がいずれかのキャラ背景を選択しなければ、第1通常背景からキャラ背景には移行しないといった背景変化傾向を生じさせることが可能である。
図30の説明に戻り、ステップS1656の処理に続いて、サブCPU91は、ステップS1656の処理によって選択した1の背景画像を移行先の背景として設定する(ステップS1657)。
このように、ステップS1657の処理が実行されると、設定された移行先の背景を示す情報を含む変動演出開始コマンドが、ステップS50のコマンド送信処理によって、画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信される。これに対して、画像音響制御CPU101が必要な描画処理をVDP104に指示することによって、現在の通常背景が、他の通常背景に変更されることになる。
サブCPU91は、ステップS1652(及びステップS1653)の処理を実行した場合、又は、ステップS1657の処理を実行した場合、サブRAM93に記憶されている変動回数Hを「0」にリセットする(ステップS1658)。
一方、サブCPU91は、変動回数Hが最大変動回数Hmaxと一致しないと判定した場合(ステップS1650:NO)、今回の図柄変動が、激アツハズレの次変動であるか否かを判定する(ステップS1659)。具体的には、前回の第1特別図柄および演出図柄の図柄変動に関して、図29のステップS1634の処理(又はステップS1633の処理)によってサブRAM93にセットされた変動演出パターンを示す情報を保持しておき、この変動演出パターンが、例えば、第1SPリーチにおいてハズレ報知演出が実行される変動演出パターン、第2SPリーチにおいてハズレ報知演出が実行される変動演出パターン、及び、SPSPリーチにおいてハズレ報知演出が実行される変動演出パターンのいずれかであるか否かに基づいて、激アツハズレの次変動であるか否かを判定する。ここで、激アツハズレの次変動であると判定された場合(ステップS1659:YES)、背景画像を変更すべく、上述したステップS1654に処理が進められる。逆に、激アツハズレの次変動ではないと判定された場合は(ステップS1659:NO)、一連の背景制御処理が終了して、ステップS166の予告演出パターン設定処理に処理が進められる。
[サブ制御基板90による予告演出パターン設定処理]
図31は、図28のステップS166における予告演出パターン設定処理の詳細フローチャートであり、第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドを受信した場合に行われる処理を例示するものである。サブCPU91は、ステップS164の処理に続いて、図31に例示されるように、予告演出乱数を取得してサブRAM93に格納する(ステップS1661)。この予告演出乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU91は、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を予告演出乱数として取得・格納する。
次に、サブCPU91は、今回の図柄変動において表示される背景画像に対応する予告演出パターン選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする(ステップS1662)。サブROM92には、第1通常背景、第2通常背景、第3通常背景、又はチャンス背景が表示されているときに実行される予告演出の演出パターンを選択するための通常予告演出パターン選択テーブルと、キャラ背景が表示されているときに実行される予告演出の演出パターンを選択するためのキャラ背景用・予告演出パターン選択テーブルと、激アツ背景が表示されているときに実行される予告演出の演出パターンを選択するための激アツ背景用・予告演出パターン選択テーブルとが記憶されている。サブCPU91は、ステップS1662の処理において、今回の図柄変動において表示される背景画像に対応する、これら3つの予告演出パターン選択テーブルのいずれか1つのテーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする。
続いて、サブCPU91は、予告演出パターン選択処理を実行する(ステップS1663)。具体的には、ステップS1662の処理でセットされる予告演出パターン選択テーブルでは、第1特別図柄判定の判定結果(大当たり又はハズレ)と、第1特別図柄の変動パターンと、各種の予告演出の演出パターンと、乱数値とが対応付けられている。サブCPU91は、ステップS1663において、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに基づいて特定される第1特別図柄判定の判定結果および第1特別図柄の変動パターンと、ステップS1661の処理で取得した予告演出乱数とに対応する予告演出パターンを、サブRAM93にセットした予告演出パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の予告演出パターンを選択する。そして、選択した予告演出パターンを示す情報を予告演出の設定情報として、サブRAM93にセットする(ステップS1664)。
このステップS1664の処理でセットされた予告演出の設定情報を含む変動演出開始コマンドが、ステップS50のコマンド送信処理によって、画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信される。これにより、サブ制御基板90において演出パターンが決定された予告演出が、画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)によって実現されることになる。
なお、キャラ背景用・予告演出パターン選択テーブルでは、通常予告演出パターン選択テーブルや激アツ背景用・予告演出パターン選択テーブルでは規定されていない予告演出に関する予告演出パターンに対して、乱数値が対応付けられている。このため、キャラ背景用・予告演出パターン選択テーブルを参照してステップS1663の処理を実行することによって、キャラ背景の表示中に、他の背景画像の表示中には実行されない専用予告を実行することが可能である(図9参照)。また、激アツ背景用・予告演出パターン選択テーブルでは、通常予告演出パターン選択テーブルやキャラ背景用・予告演出パターン選択テーブルでは規定されていない予告演出に関する予告演出パターンに対して、乱数値が対応付けられている。このため、激アツ背景用・予告演出パターン選択テーブルを参照してステップS1663の処理を実行することによって、激アツ背景の表示中に、他の背景画像の表示中には実行されない専用予告を実行することが可能である。
[画像音響制御基板100による割込み処理]
次に、図32を参照しつつ、画像音響制御基板100において実行される割込み処理について説明する。ここで、図32は、画像音響制御基板100において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。画像音響制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図32に例示される一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
まず、画像音響制御CPU101は、サブ制御基板90から受信したコマンドに基づいて表示画面70における画像表示を制御する画像表示制御処理を実行する(ステップS71)。この画像表示制御処理については、図33に基づいて後に詳述する。
ステップS71の処理に続いて、画像音響制御CPU101は、表示画面70で行われる画面表示と同期するように或いは非同期に、スピーカ38から各種の演出音を出力させるための演出音出力制御処理を実行する(ステップS73)。
ステップS73の処理に続いて、画像音響制御CPU101は、データ送信制御処理を実行する(ステップS74)。具体的には、画像音響制御基板100において行われる画像音響制御に関するデータをサブ制御基板90に送信する。これに対して、サブ制御基板90は、画像音響制御基板100から受信したデータをランプ制御基板120に転送する。これにより、表示画面70およびスピーカ38によって実行される演出と同期するように、枠ランプ37や盤面ランプ5、可動装飾部材14、第1演出ボタンランプ352、第2演出ボタンランプ362等が制御される。
[画像音響制御基板100による画像表示制御処理]
図33は、図32のステップS71における画像表示制御処理の詳細フローチャートである。画像音響制御CPU101は、まず、サブ制御基板90から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS711)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS711:NO)、ステップS73に処理が進められる。
一方、画像音響制御CPU101は、サブ制御基板90からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS711:YES)、そのコマンドに含まれている設定情報を制御RAM103にセットする(ステップS712)。そして、制御RAM103にセットした設定情報に基づいて、表示画面70に演出画像をどのように表示すべきかを判断し、VDP104の描画処理を制御するためのディスプレイリストを作成して制御RAM103の所定領域に格納し(ステップS713)、そのディスプレイリストをVRAM106のディスプレイリスト記憶領域にセットする(ステップS714)。このディスプレイリスト記憶領域にセットされたディスプレイリストに基づいてVDP104が描画処理を実行することによって、サブ制御基板90から指示された演出表示が実現されることになる。
[遊技機1の構成および作用効果]
なお、本実施形態の遊技機1は、以下の構成を備えていると共に、その構成を備えていることによって、以下の作用効果を奏する。
遊技機1は、
遊技者による入力が可能な入力手段(例えば、第1演出ボタン35)と、
遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定を行う判定手段(例えば、図19のステップS308における大当たり判定処理を実行するメインCPU81)と、
前記判定が行われると、所定の図柄表示手段(例えば、第1特別図柄表示器41)に特別図柄を変動表示させてから前記判定の結果を示す特別図柄を停止表示させる図柄表示制御手段(例えば、図19におけるステップS311の処理、及びステップS315の処理を実行するメインCPU81)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU91、画像音響制御CPU101、ランプCPU121)とを備え、
前記演出制御手段は、
前記特別図柄の変動表示中に、前記判定の結果を報知する演出図柄と、当該演出図柄が重畳表示される演出表示画像(例えば、第1通常背景、第2通常背景、第3通常背景、キャラ背景、チャンス背景、激アツ背景等の各背景画像:図9参照)とを所定の画像表示手段(例えば、表示画面70)に表示し、
前記入力手段に対する入力が有効な有効期間中における当該入力手段に対する入力に応じて、前記演出表示画像の変更が必要であることを示す設定情報(例えば、図25におけるステップS406の処理によってサブRAM93にセットされる背景変化の設定情報)を記憶可能であり、
前記設定情報が記憶されている場合に、表示中の演出表示画像を変更する(例えば、図30におけるステップS1652の処理を実行)一方、前記設定情報が記憶されていない場合は、表示中の演出表示画像を継続して表示可能である。
この構成によれば、遊技者が入力手段に対する入力を行うことで、画像表示手段に表示される演出表示画像を変更可能である。このため、画像表示手段に一の演出表示画像が表示される期間が長くなることによって興趣性が低下するといった問題が生じるのを効果的に抑制でき、遊技者が演出表示画像の変更を任意に選択できるため、興趣性の向上を図ることが可能である。
また、遊技機1は、
前記判定の権利を保留可能な保留手段(例えば、保留記憶領域831〜838:図15参照)と、
前記保留手段によって保留された前記権利に対して前記判定が行われる前に、前記特別遊技を実行するか否かの事前判定を行う事前判定手段(例えば、図18における一連の事前判定処理を実行するメインCPU81)とを更に備え、
前記演出制御手段は、
前記事前判定の結果に基づいて、表示中の前記演出表示画像を、前記特別遊技が実行されることを期待させる他の演出表示画像(例えば、チャンス背景や激アツ背景:図8参照)に変更可能であり、
前記有効期間中に、前記入力手段に対する入力を遊技者に促す入力促進演出(例えば、図13(C)〜(E)に例示される選択受付け演出)を実行し、
前記他の演出表示画像の表示中は、前記入力促進演出を実行しない(例えば、図30におけるステップS1641の処理で「NO」と判定した場合に、ステップS1646,1647の処理を実行しない)。
この構成によれば、他の演出表示画像の表示中は入力促進演出が実行されない。このため、他の演出表示画像が、設定情報に基づいて別の演出表示画像に変更されてしまい、結果として、他の演出表示画像を表示する演出の興趣性が著しく低下するといった問題が生じるのを容易に抑制することが可能である。
また、遊技機1は、
前記演出制御手段は、
前記判定手段によって前記特別遊技を実行すると判定されたことを報知する当たり報知演出と、
前記判定手段によって前記特別遊技を実行しないと判定されたことを報知するハズレ報知演出と、
第1リーチ演出と、
前記第1リーチ演出よりも前記当たり報知演出が実行される可能性が高い第2リーチ演出(例えば、第1SPリーチ、第2SPリーチ、SPSPリーチ:図6参照)とを実行可能であり、
前記第1リーチ演出において前記ハズレ報知演出が実行された場合は、前記演出表示画像を継続して表示する一方、前記第2リーチ演出において前記ハズレ報知演出が実行された場合は、前記演出表示画像を変更する(図30におけるステップS1659の処理で「NO」と判定した場合に、ステップS1654以降の処理を実行する)。
この構成によれば、第2リーチ演出においてハズレ報知演出が実行された場合は、表示中の演出表示画像が変更される。このように、表示中の演出表示画像を変更することで、第1リーチ演出よりも当たり報知演出が実行され易い第2リーチ演出が実行されたにも拘わらず当たり報知演出が実行されずに残念に思っている遊技者の気持ちの切り替えを促し、結果として、遊技者の不快感の低減に寄与することが可能である。
また、遊技機1は、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技が実行される可能性があることを示唆する示唆演出(例えば、予告演出)を実行可能であり、
変更後の前記演出表示画像(例えば、キャラ背景や激アツ背景)の表示中に、変更前の前記演出表示画像(例えば、第1通常背景、第2通常背景、第3通常背景、又はチャンス背景)の表示中には実行されない前記示唆演出(例えば、専用予告)を実行可能である(例えば、図9参照)。
この構成によれば、変更後の演出表示画像の表示中には、変更前の演出表示画像の表示中には実行されない示唆演出が実行される場合がある。このため、有効期間中に入力手段に対する入力を行うことに関する動機付けを遊技者に与えることが可能であり、結果として、有効期間中であるにも拘わらず入力手段に対する入力が行われないといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
[その他の変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、遊技者によっていずれかのキャラ背景が選択され、背景変化の設定情報がサブRAM93に記憶された場合に、変動回数が所定回数に達したことを条件として、選択されたキャラ背景へと背景画像を変化させる場合を例に説明した。これに対して、他の実施形態では、ある第1特別図柄および演出図柄の変動表示中にいずれかのキャラ背景が選択された場合は、変動回数が所定回数に達したか否かに関わらず、次の第1特別図柄および演出図柄の変動表示の開始に伴って、選択されたキャラ背景に背景画像を変化させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に、いずれかのキャラ背景の選択を受け付ける場合を例に説明した。これに対して、他の実施形態では、確変遊技状態(又は時短遊技状態)における第2特別図柄の変動表示中に、遊技者によるキャラ背景の選択を受け付け、第2特別図柄の変動表示中に表示画面70に表示される背景画像を、選択されたキャラ背景に変化させるようにしてもよい。
また、他の実施形態では、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定の権利が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない、いわゆる客待ち状態において、遊技者によるいずれかのキャラ背景の選択を受け付けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、本発明をいわゆる確変ループタイプと呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明を、いわゆるST機と呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機や、いわゆる1種2種混合タイプと呼ばれるパチンコ遊技機等の他の遊技機に適用してもよい。
また、上記実施形態において説明した遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、乱数値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した図面等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。