以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係る遊技機(パチンコ遊技機)1について説明する。
[遊技機1の構成例]
まず、図1,2を参照しつつ、遊技機1の構成例について説明する。ここで、図1は遊技機1の正面図であり、図2は遊技盤2の正面図である。図1,2に示されるように、遊技機1は、遊技機枠30と、遊技機枠30内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠30は、装飾面を有する前面枠31と、遊技盤2等を取り付けるための本体枠と、遊技機1をホールの島設備に固定するための外枠とを有して構成されている。前面枠31は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置されたガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域3が形成されている。
また、図1に示されるように、前面枠31には、遊技球を発射させるための発射ハンドル32と、発射装置(不図示)へ供給される遊技球を貯留する上皿33と、上皿33に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿34とが設けられている。遊技者が発射ハンドル32を握って時計回りに回転させると、上皿33に貯留されていた遊技球が発射装置へと案内され、発射ハンドル32の回転角度に応じた発射強度で発射される。発射された遊技球は、遊技領域3の左側に位置するレール部材4に沿って移動した後に遊技領域3の上部位置へと案内され、遊技領域3に設けられた遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って遊技領域3を流下する。
なお、レール部材4の終端には球戻り防止片6が設けられており、この球戻り防止片6によって、一旦遊技領域3に進入した遊技球が発射装置側に戻ることが防止される。また、発射ハンドル32と近接する位置に停止ボタンが設けられており、遊技者は、この停止ボタンを操作することによって、発射ハンドル32を初期姿勢に戻さなくても遊技球の発射を一時的に停止させることが可能である。
遊技者が発射ハンドル32を小さい回転角度だけ回転させる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い発射強度で発射され、この遊技球は、左遊技領域3Lを流下する。一方、遊技者が発射ハンドル32を大きい回転角度だけ回転させる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い発射強度で発射され、この遊技球は、センター装飾体10の右上方に位置するレール部材4に沿って移動した後に右遊技領域3Rを流下する。
左遊技領域3Lにおける遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、開閉部材23、及び3つの一般入賞口24が設けられている(図2参照)。また、右遊技領域3Rにおける遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口22、上記開閉部材23、1つの一般入賞口24、ゲート25、第1大入賞口26、開閉部材27、第2大入賞口28、及び開閉部材29が設けられている(図2参照)。
発射装置から発射された遊技球は、遊技盤2に沿って遊技領域3を流下する過程で、第1始動口21、第2始動口22、一般入賞口24、第1大入賞口26、及び第2大入賞口28のいずれかに入賞する場合がある。この場合、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿33または下皿34に払い出される。なお、いずれにも入賞しなかった遊技球は、遊技盤2の下端部に形成された排出口を介して遊技領域3から排出される。
なお、遊技盤2の中央に形成された開口部には、センター装飾体10が設けられている。このセンター装飾体10は、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11と、ワープ入口およびワープ出口を両端とするワープ部12とを有して構成されている。左遊技領域3Lを流下する遊技球は、ワープ入口からワープ部12に進入する場合があり、この遊技球は、ワープ出口から排出されてステージ部11へと案内される。このステージ部11の左右中央の位置には、ステージ部11上を転動する遊技球を第1始動口21に向けて落下させる案内溝が形成されている。このため、ワープ部12を介してステージ部11へと案内された遊技球は、ワープ部12を通過することなく左遊技領域3Lを流下する遊技球に比べて、第1始動口21に入賞し易い。
第1始動口21は、常時開放されている始動領域である。第2始動口22は、普通電動役物としての開閉部材23が作動していないときには閉塞されており、開閉部材23が作動することによって開放される始動領域である。遊技機1では、遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞した場合、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行するか否かが判定される。そして、後述する第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において、図柄が変動表示され、上記判定の結果を示す図柄(大当たり図柄またはハズレ図柄)が停止表示される。ここで、大当たり図柄が停止表示された場合、第1大入賞口26または第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が実行される。
なお、以下の説明では、第1始動口21に対する遊技球の入賞に応じて実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口22に対する遊技球の入賞に応じて実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらを総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
第1大入賞口26は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第1大入賞口26の開口部には、第1大入賞口26を開閉するプレートである開閉部材27が設けられている。第1大入賞口26は、通常はこの開閉部材27によって閉塞されている。これに対して、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に所定の大当たり図柄が停止表示された場合、開閉部材27を作動させて第1大入賞口26を開放する大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、開閉部材27が第1大入賞口26を開放する開姿勢(図2参照)を維持してから第1大入賞口26を閉塞する閉姿勢に戻る長開放ラウンド遊技が複数回行われる。なお、第1大入賞口26を開放する各長開放ラウンド遊技は、本実施形態では、第1大入賞口26に10個の遊技球が入賞するか、或いは、第1大入賞口26が開放されてから25秒が経過するまで継続する。
第2大入賞口28は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第2大入賞口28の開口部には、第2大入賞口28を開閉する羽根部材である開閉部材29が設けられている。第2大入賞口28は、通常はこの開閉部材29によって閉塞されている。これに対して、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に所定の大当たり図柄が停止表示された場合、開閉部材29を作動させて第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、開閉部材29が第2大入賞口28を開放する開姿勢(図2参照)を維持してから第2大入賞口28を閉塞する閉姿勢に戻る長開放ラウンド遊技が複数回行われる。なお、第2大入賞口28を開放する各長開放ラウンド遊技は、本実施形態では、第2大入賞口28に10個の遊技球が入賞するか、或いは、第2大入賞口28が開放されてから25秒が経過するまで継続する。
このように、大当たり遊技中は第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)を長開放する複数回の長開放ラウンド遊技が行われるため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
なお、説明の便宜上、図2には、画像表示装置7の表示画面70において演出図柄が変動表示されているときに、開閉部材27,29が大入賞口26,28を開放する開姿勢となっている状態が図示されているが、実際には、演出図柄の変動表示中に開閉部材27,29が開姿勢となることはない。また、長開放ラウンド遊技では、第1大入賞口26および第2大入賞口28のいずれか一方が用いられるため、実際には、図2に示されるようにこれらの大入賞口が同時に開放されることはない。また、第1大入賞口26と第2大入賞口28のどちらの大入賞口を用いて大当たり遊技を行うかは、大当たりの種類に応じて予め設定されている(図5(B)及び(C)参照)。
第2始動口22には開閉部材23(図2参照)が近接配置されている。この開閉部材23は、開閉部材23が第2始動口22を閉塞する閉姿勢と、第2始動口22を開放する開姿勢(図2参照)とに姿勢変化可能である。
第2始動口22は、通常は開閉部材23によって閉塞されている。これに対して、遊技者が右打ちした遊技球がゲート25を通過すると、賞球は払い出されないものの、第2始動口22を開放するか否かの判定が行われる。ここで、第2始動口22を開放すると判定された場合、開閉部材23が所定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口22は、開閉部材23が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、開閉部材23が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。
なお、以下の説明では、ゲート25に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
一般入賞口24は、第1始動口21と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。ただし、第1始動口21等とは異なり、一般入賞口24に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[主表示器40の構成例]
図3は、図2における主表示器40の拡大図である。図3に例示されるように、主表示器40は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、普通図柄表示器43、第1特図保留表示器44、第2特図保留表示器45、普図保留表示器46、ラウンド表示器47、遊技状態表示器48、発射方向表示器49等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、「i~p」で示す8個のLEDを有して構成されており、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記8個のLEDを順に点灯させることで図柄の変動表示を行い、第1特別図柄判定の判定結果に応じた組み合わせで各LEDを所定の確定時間(例えば0.5秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。
第2特別図柄表示器42は、「a~h」で示す8個のLEDを有して構成されており、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記8個のLEDを順に点灯させることで図柄の変動表示を行い、第2特別図柄判定の判定結果に応じた組み合わせで各LEDを所定の確定時間(例えば0.5秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。
第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)には、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す図柄として、大当たりであることを報知する「大当たり図柄」、又はハズレであることを報知する「ハズレ図柄」が停止表示される。なお、遊技機1では、大当たりの種類によって互いに異なる複数の大当たり図柄が用意されており、大当たり図柄が停止表示された場合、その大当たり図柄の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口26または第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が行われる。
普通図柄表示器43は、「s~t」で示す2個のLEDを有して構成されており、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記2個のLEDを交互に点灯させることで図柄の変動表示を行い、普通図柄判定の判定結果に応じた点灯態様で各LEDを所定時間(例えば0.5秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。ここで、当たり図柄が停止表示された場合、現在の遊技状態に応じた開放パターンで開閉部材23を動作させることによって第2始動口22を開放する補助遊技が行われる。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41や第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器43に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。また、第1特別図柄表示器41に表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼び、第2特別図柄表示器42に表示される特別図柄を「第2特別図柄」と呼んで両者を区別する場合がある。
第1特図保留表示器44は、「u~v」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特図保留表示器45は、「w~x」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって第2特別図柄判定の保留数を表示する。なお、本実施形態では、これらの保留数の上限がいずれも「4」に設定されている。普図保留表示器46は、「q~r」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって普通図柄判定の保留数を表示する。
ラウンド表示器47は、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、その大当たり図柄に対応する大当たりに応じて実行される大当たり遊技における長開放ラウンド遊技のラウンド数を表示する。このラウンド表示器47は、4R用LEDと、6R用LEDと、8R用LEDと、10R用LEDとを有して構成されており、これらのLEDのいずれかが点灯することによって、長開放ラウンド遊技のラウンド数が報知される。
遊技状態表示器48は、「a1~a3」で示す3個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって遊技機1の遊技状態を表示する。発射方向表示器49は、「y~z」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって遊技球の発射方向を表示する。すなわち、左打ちを行うべき状態であるか、或いは右打ちを行うべき状態であるかを表示する。
[遊技機1が備える演出手段の構成例]
図1,2に例示されるように、遊技盤2や前面枠31には、各種の演出を行うものとして、装飾部材13、可動装飾部材14、枠ランプ37、スピーカ38、演出表示器125、演出第1特図保留表示器126、演出第2特図保留表示器127等が設けられている。また、遊技盤2の後方には、画像表示装置7が設けられている。
装飾部材13は、複数のLEDを有して構成される盤面ランプ5(図4参照)を内蔵しており、各LEDの点灯や点滅のパターンを変更したり、各LEDの発光色を変更したりすることによって、光による各種の演出を行う。
可動装飾部材14は、画像表示装置7の前方であって且つ装飾部材13の後方に配置されている。この可動装飾部材14には複数のLEDが内蔵されており、可動装飾部材14は、可動装飾部材14自体の動きと光の両方或いは一方によって所定の演出を行う。本実施形態では、遊技盤2と画像表示装置7の表示画面70との間に、可動装飾部材14が動作可能な所定の空間が設けられており、可動装飾部材14は、表示画面70に沿って上下動可能に構成されている。可動装飾部材14は、通常は、その大部分が装飾部材13の後ろに隠れて可動装飾部材14の下端部だけが視認可能な初期位置(図2参照)に配置されている。これに対して、可動装飾部材14は、画像表示装置7やスピーカ38を用いて大当たり信頼度が相対的に高い予告演出が実行される際に、所定の発光パターンで発光すると共に表示画面70の大部分を覆う動作位置へと落下する。
枠ランプ37は、前面枠31の各所に内蔵された複数のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯や点滅のパターンを変更したり、各LEDの発光色を変更したりすることによって、光による各種の演出を行う。
画像表示装置7は、その表示画面70に演出画像を表示する液晶表示装置であり、遊技者は、遊技盤2の中央部に形成された開口部を通して表示画面70を視認可能である。この表示画面70には、特別図柄判定の判定結果を報知する演出図柄、キャラクタやアイテム、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の保留数と同じ数だけ表示される保留画像(保留アイコン)、特別図柄の変動表示中であることを示唆する変動示唆画像(当該アイコン)等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置7は、演出画像を表示可能なものであれば液晶表示装置に限らず、EL表示装置等の他の画像表示装置であってもよい。
スピーカ38は、表示画面70上で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音といった演出音を出力して音による演出を行う。
演出表示器125は、2個のLEDを有して構成されており、特別図柄および演出図柄の変動表示に伴って図柄を変動表示し、特別図柄および演出図柄の停止表示に伴って特別図柄判定の判定結果を報知する図柄を停止表示する。この演出表示器125は、各LEDの点灯・消灯の組み合わせや点灯色によって、特別図柄判定の判定結果を報知する。
演出第1特図保留表示器126は、2個のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯・消灯の組み合わせによって、第1特図保留表示器44に表示されるのと同じ第1特別図柄判定の保留数を表示する。演出第2特図保留表示器127は、2個のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯・消灯の組み合わせによって、第2特図保留表示器45に表示されるのと同じ第2特別図柄判定の保留数を表示する。
[遊技機1が備える入力手段の構成例]
図1に例示されるように、前面枠31には、遊技者による入力が可能な入力手段として、第1演出ボタン35および第2演出ボタン36が設けられている。第1演出ボタン35は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。第2演出ボタン36は、遊技者が第2演出ボタン36の把持部を把持して第2演出ボタン36を押し込むことによって操作情報を入力するための押ボタンである。遊技機1では、第1演出ボタン35や第2演出ボタン36の操作に応じた演出が行われることがある。
なお、入力手段の構成は本実施形態で例示するものに限らず、他のものであってもよい。すなわち、例えば、本実施形態では、遊技機1が2つの入力手段を備える場合について説明するが、入力手段は1つ或いは3つ以上であってもよい。また、入力手段は押ボタンに限らず、遊技者のタッチ操作を検知可能なタッチパネル、例えば表示画面70に対してかざされた遊技者の手を検知可能な光センサ、前後左右に動かして位置や方向を指定するジョイスティック、遊技者が把持して姿勢変化させることが可能な操作手段といった他の入力手段であってもよい。
[遊技機1が備える制御装置の構成]
図4は、遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図である。
遊技盤2の裏側には、遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図4に例示されるように、遊技機1の制御装置は、遊技球を用いる遊技の進行を制御するメイン制御基板80、メイン制御基板80からの情報に基づいて演出を統括的に制御するサブ制御基板90、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板100、各種のランプや可動部材による演出を制御するランプ制御基板120等から構成されている。本実施形態では、メイン制御基板80が遊技の進行を制御する遊技制御部として機能し、サブ制御基板90、画像音響制御基板100、及びランプ制御基板120が演出を制御する演出制御部として機能する。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えばサブ制御基板90、画像音響制御基板100、及びランプ制御基板120が1つの基板で構成されていてもよい。
<メイン制御基板80の構成例>
メイン制御基板80は、メインCPU81、メインROM82、及びメインRAM83を備えている。メインCPU81は、メインROM82に記憶されているプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM83は、メインCPU81が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。
メイン制御基板80には、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、ゲートセンサ251、第1大入賞口センサ261、第2大入賞口センサ281、一般入賞口センサ241、第2始動口ソレノイド222、第1大入賞口ソレノイド262、第2大入賞口ソレノイド282が接続されている。なお、本実施形態の遊技機1は、4つの一般入賞口24に対応する4つの一般入賞口センサ241を備えているが、図4では、説明の便宜上、一般入賞口センサ241が1つだけ表記されている。
第1始動口センサ211は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第2始動口センサ221は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。ゲートセンサ251は、ゲート25に対する遊技球の通過を検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第1大入賞口センサ261は、第1大入賞口26に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第2大入賞口センサ281は、第2大入賞口28に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。一般入賞口センサ241は、一般入賞口24に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。
第2始動口ソレノイド222は、開閉部材23に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材23を動作させて、第2始動口22を開閉する。第1大入賞口ソレノイド262は、開閉部材27に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材27を動作させて、第1大入賞口26を開閉する。第2大入賞口ソレノイド282は、開閉部材29に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材29を動作させて、第2大入賞口28を開閉する。
図には示されていないが、遊技機1は、遊技盤2の裏面側に設けられた球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御して上皿33又は下皿34に遊技球を供給する払出制御基板を備えている。メインCPU81は、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、第1大入賞口センサ261、第2大入賞口センサ281、又は一般入賞口センサ241からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した箇所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板に指示し、また、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
また、メインCPU81は、第1始動口センサ211からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、メインCPU81は、第2始動口センサ221からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。ここで、各種乱数とは、具体的には、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数である。
大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類(大当たり遊技のラウンド数や大当たり遊技終了後の遊技状態など)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有り演出を行うか或いはリーチ無し演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の特別図柄の変動パターンを決定するための乱数である。
メインCPU81は、第1始動口21(又は第2始動口22)に遊技球が入賞したタイミングでこれらの乱数を取得し、先ず、取得した大当たり乱数が、メインROM82に記憶されている所定の乱数値(当選値)と一致するか否かに基づいて、大当たり遊技を実行するか否かを判定する。ここで、大当たり乱数が当選値と一致したことに基づいて大当たり遊技を実行すると判定した場合、上記大当たり乱数と一緒に取得した図柄乱数が、メインROM82に記憶されている(図柄乱数と比較される)所定の乱数値のどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。
ここで、大当たりの種類としては、図5(B)及び(C)に例示されるように、4回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「4R確変大当たり」、6回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「6R確変大当たり」、8回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「8R確変大当たり」、10回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「10R確変大当たり」が例として挙げられる。
一方、メインCPU81は、取得した大当たり乱数が当選値と一致しなかったことに基づいて大当たり遊技を実行しないと判定した場合、その大当たり乱数と一緒に取得したリーチ乱数が、メインROM82に記憶されている(リーチ乱数と比較される)所定の乱数値(リーチ有りに対応する乱数値:図5(D)参照)と一致するか否かに基づいて、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかを決定する。また、メインCPU81は、大当たり乱数に基づく判定の結果に関わらず、大当たり乱数と一緒に取得した変動パターン乱数に基づいて、特別図柄を変動表示する際の特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、特別図柄の変動時間が決定されることになる。
メインCPU81は、大当たり遊技を実行すると判定して、大当たりの種類を決定した場合、第1大入賞口ソレノイド262(又は第2大入賞口ソレノイド282)を介して第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)の開閉を制御することによって、大当たりの種類に応じた大当たり遊技を実行する。
また、メインCPU81は、ゲートセンサ251からの検知信号が入力されたタイミングで乱数(普通図柄乱数)を取得し、取得した普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、この普通図柄判定の結果として第2始動口22を開放すると判定した場合、第2始動口ソレノイド222を介して第2始動口22の開閉を制御することによって、第2始動口22を開放する補助遊技を実行する。
また、メイン制御基板80には、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、普通図柄表示器43、第1特図保留表示器44、第2特図保留表示器45、普図保留表示器46、ラウンド表示器47、遊技状態表示器48、発射方向表示器49が接続されている。
メインCPU81は、主表示器40を構成するこれらの表示器41~49を制御して、図3に基づいて上述した表示処理を実行させる。
<サブ制御基板90の構成例>
サブ制御基板90は、サブCPU91、サブROM92、サブRAM93、及びRTC(リアルタイムクロック)94を備えている。サブCPU91は、サブROM92に記憶されているプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM93は、サブCPU91が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。RTC94は、現時点の日時(日付や時刻)を計測する。
サブ制御基板90には、第1演出ボタン検知スイッチ96および第2演出ボタン検知スイッチ97が接続されている。第1演出ボタン検知スイッチ96は、第1演出ボタン35(図1参照)が操作された場合に、その旨を示す操作情報(操作信号)をサブ制御基板90に出力する。第2演出ボタン検知スイッチ97は、第2演出ボタン36(図1参照)が操作された場合に、その旨を示す操作情報(操作信号)をサブ制御基板90に出力する。
サブCPU91は、メイン制御基板80から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、第1演出ボタン35や第2演出ボタン36からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU91は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信する。
<画像音響制御基板100の構成例>
画像音響制御基板100は、画像表示装置7による画像表示の制御と、スピーカ38による演出音の出力の制御とを行うものである。この画像音響制御基板100は、本実施形態では、画像音響制御CPU101、制御ROM102、制御RAM103、VDP(Video Display Processor)104、CGROM105、VRAM106、音響DSP(Digital Signal Processor)107、音響ROM108、SDRAM109、及びアンプ110を備えている。
制御ROM102は、マスクROMで構成されており、画像音響制御CPU101の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、ディスプレイリストを作成する処理に使用されるディスプレイリスト作成テーブル等の各種テーブルが記憶されている。ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。制御RAM103は、画像音響制御CPU101が上記制御プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。
画像音響制御CPU101は、上記制御プログラムやディスプレイリスト作成テーブル等の各種テーブル、サブ制御基板90から受信したコマンド等に基づいて、VDP104に対して、CGROM105に記憶されている画像データを画像表示装置7に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。また、画像音響制御CPU101は、音響DSP107に対して、音響ROM108に記憶されている音響データをスピーカ38から出力させる指示を行う。
CGROM105は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出等を実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROM105は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM105は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM105に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAM106は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、図には示されていないが、ディスプレイリスト記憶領域、展開記憶領域、フレームバッファ等を有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域は、画像音響制御CPU101から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域は、CGROM105から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファは、表示画面70に表示される画像データの描画および表示に兼用されるフレームバッファである。
VDP104は、CGROM105に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域に格納する。また、VDP104は、ディスプレイリスト記憶領域に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域に格納した画像データを用いて、フレームバッファに対する描画処理を行う。また、VDP104は、フレームバッファに記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成して、生成したRGB信号を画像表示装置7に出力する。
音響DSP107には、音響ROM108、SDRAM109、及びアンプ110が接続されている。音響ROM108は、楽曲や音声、効果音、警告音等に関する各種音響データを記憶している。SDRAM109は、音響DSP107によるデータ処理等の作業領域として使用されるものである。音響DSP107は、画像音響制御CPU101からの指示に対応する音響データを音響ROM108からSDRAM109に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データを(アンプ110を介して)スピーカ38に出力する。アンプ110は、画像音響制御CPU101から音響DSP107を介して得られる音量に関する指示に従って音量を調整して音響データをスピーカ38に出力させる。
なお、本実施形態では、VDPが描画管理を担うと共に音響DSPがサウンド管理を担う場合について説明するが、他の実施形態では、VDPが描画管理とサウンド管理との両方を担うような構成を採用してもよい。この場合、音響DSPを別途設ける必要はない。
<ランプ制御基板120の構成例>
ランプ制御基板120は、ランプCPU121、ランプROM122、及びランプRAM123を備え、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14、演出表示器125、演出第1特図保留表示器126、及び演出第2特図保留表示器127が接続されている。ランプROM122は、ランプCPU121によって実行されるプログラム、発光パターンデータ、動作パターンデータ等を記憶している。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14に内蔵されたLED等のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動装飾部材14等の動作パターンを示すデータである。
ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されているプログラムに基づいて、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14、演出表示器125、演出第1特図保留表示器126、演出第2特図保留表示器127等の動作を制御する際の演算処理を行う。
ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている発光パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM123に読み出して、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14に内蔵されたLEDの発光を制御する。また、ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている動作パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM123に読み出して、可動装飾部材14を動作させるモータの駆動を制御する。
また、ランプCPU121は、サブ制御基板90からのコマンドに基づいて、演出表示器125における図柄の変動表示および停止表示を制御する。また、ランプCPU121は、サブ制御基板90からのコマンドに基づいて、演出第1特図保留表示器126による第1特別図柄判定に係る保留数の表示、演出第2特図保留表示器127による第2特別図柄判定に係る保留数の表示を制御する。
[遊技状態について]
次に、遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1は、本実施形態では、「通常遊技状態」および「確変遊技状態」の2つの遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、第2始動口22に対する遊技球の入賞をサポートするサポート機能(いわゆる「電サポ」等と呼ばれる機能)が付与されない遊技状態である。通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/200)に設定される(図5(A)参照)。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば20秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、上記サポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/80)に設定される(図5(A)参照)。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば11/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば1.5秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.5秒×3回)に設定される。
特別図柄の変動時間に関してこれらの遊技状態を比較すると、「通常遊技状態」における特別図柄の変動時間に比べて、「確変遊技状態」における特別図柄の変動時間の方が相対的に短い時間に設定され易い。なお、各遊技状態の説明で示した、特別遊技を実行すると判定される確率(大当たり確率)、第2始動口22を開放すると判定される確率(普通図柄判定の当選確率)、普通図柄の変動時間、第2始動口22の開放時間は単なる一例であって、他の確率や時間であってもよいことは言うまでもない。
なお、以下の説明では、上記サポート機能が付与されていることによって第2始動口22への遊技球の入賞が容易な状態を「高ベース状態」と呼び、サポート機能が付与されていないことによって第2始動口22への遊技球の入賞が困難な状態を「低ベース状態」と呼ぶものとする。
[遊技の流れ]
遊技者が右打ちした遊技球は、第1始動口21には入賞せず、第2始動口22に入賞し得る。しかしながら、低ベース状態のときには、第2始動口22が開放され難く、開放されたとしてもその開放時間は短い。このため、低ベース状態(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第1始動口21を狙った左打ちにより遊技を行うことになる。
通常遊技状態のときに左打ちされた遊技球が第1始動口21に入賞すると、第1特別図柄判定が実行され、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す第1特別図柄として、大当たり図柄またはハズレ図柄が停止表示される。
ここで、ハズレ図柄が停止表示された場合は、大当たり遊技が行われることはなく、遊技状態も変化しない。一方、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示された場合、その大当たり図柄に応じた所定回数の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後は、確変遊技状態で遊技が制御されることになる。なお、本実施形態の遊技機1は、いわゆるST機と呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機として構成されており、大当たり遊技終了後は、80回の特別図柄判定が行われるまで確変遊技状態が継続し得る。
なお、大当たり遊技終了を契機として遊技状態が確変遊技状態に移行した場合、すなわち、低ベース状態から高ベース状態に移行した場合、第2始動口22への遊技球の入賞を容易にする上記のサポート機能によって、第1始動口21よりも第2始動口22の方が、遊技球が入賞し易くなる。このため、高ベース状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第2始動口22を狙った右打ちにより遊技を行うことになる。このため、確変遊技状態で遊技が制御されているときには、基本的には、第2特別図柄判定が行われる。
確変遊技状態において第2特別図柄として大当たり図柄が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後に再び確変遊技状態で遊技が制御される。一方、80回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)の判定結果がいずれもハズレであった場合には、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる。
なお、他の実施形態では、例えば、大当たり遊技終了後に時短遊技状態(低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、サポート機能が付与される遊技状態)で遊技が制御されることになる大当たりを新たに設けて、大当たり遊技終了後に確変遊技状態または時短遊技状態で遊技を制御可能な構成を採用してもよい。
[乱数を用いる特別図柄判定について]
次に、図5を参照しつつ、大当たり乱数、図柄乱数、及びリーチ乱数を用いる判定処理について説明する。ここで、図5は、大当たり乱数、図柄乱数、及びリーチ乱数について説明するための説明図である。なお、図5以降に例示されている各乱数に関する説明図では、説明を容易に行うために、乱数の取り得る範囲が実際よりも少ない範囲に設定されている。
<大当たり乱数に基づく処理>
図5(A)に例示される大当たり乱数は、大当たり遊技を実行するか否かの大当たり判定処理(図20のステップS308)に使用される乱数であり、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態と、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態のそれぞれについて、個別に設定されている。
本実施形態では、低確率状態に関して2個の当選値がメインROM82に記憶されており、メインCPU81は、低確率状態(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)で遊技が制御されているときに、取得した大当たり乱数がこれら2つの当選値のいずれかと一致した場合に、大当たり遊技を実行すると判定する。また、高確率状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)に関して、5個の当選値がメインROM82に記憶されており、高確率状態で遊技が制御されているときに、取得した大当たり乱数がこれら5個の当選値のいずれかと一致した場合に、大当たり遊技を実行すると判定する。
なお、大当たり乱数の取り得る範囲は、低確率状態と高確率状態とのいずれの場合も本実施形態では「0」~「399」である。このため、低確率状態での大当たり確率は1/200(=2/400)であり、高確率状態での大当たり確率は1/80(=5/400)である。
<図柄乱数に基づく処理>
メインCPU81は、大当たり遊技を実行すると判定した場合、その判定に用いた大当たり乱数と一緒に取得した図柄乱数が、大当たりの種類毎に予め設定された乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。言い換えれば、大当たり図柄として第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示する第1特別図柄(第2特別図柄)を選択する。
(第1特別図柄判定に係る大当たりの種類)
図5(B)に例示されるように、本実施形態では、第1始動口入賞による大当たりの種類として、「4R確変大当たり」、「6R確変大当たり」、「8R確変大当たり」、及び「10R確変大当たり」の4種類の大当たりが用意されている。ここで、「4R確変大当たり」(4R確変)は、第1大入賞口26を開放する4回の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行された後に、確変遊技状態で遊技が制御される大当たりであり、「6R確変大当たり」(6R確変)は、第1大入賞口26を開放する6回の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行された後に、確変遊技状態で遊技が制御される大当たりである。また、「8R確変大当たり」(8R確変)は、第1大入賞口26を開放する8回の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行された後に、確変遊技状態で遊技が制御される大当たりであり、「10R確変大当たり」(10R確変)は、第2大入賞口28を開放する10回の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行された後に、確変遊技状態で遊技が制御される大当たりである。
図5(B)に例示されるように、本実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合に、その大当たりの種類を決定するための乱数値がメインROM82に記憶されている。具体的には、4R確変に対して20個の乱数値が記憶され、6R確変に対して50個の乱数値が記憶され、8R確変に対して20個の乱数値が記憶され、10R確変に対して10個の乱数値が記憶されている。
本実施形態では、図柄乱数の取り得る範囲が「0」~「99」に設定されており、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて取得された大当たり乱数に基づいて大当たりと判定された場合、第1特別図柄判定に係る大当たりの種類として、4R確変が20%(=20/100×100)の割合で選択され、6R確変が50%(=50/100×100)の割合で選択され、8R確変が20%(=20/100×100)の割合で選択され、10R確変が10%(=10/100×100)の割合で選択される(図5(B)参照)。
このため、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合、第1特別図柄表示器41に停止表示される大当たり図柄として、4R確変を示す大当たり図柄X1が20%の割合で選択され、6R確変を示す大当たり図柄X2が50%の割合で選択され、8R確変を示す大当たり図柄X3が20%の割合で選択され、10R確変を示す大当たり図柄X4が10%の割合で選択される。
(第2特別図柄判定に係る大当たりの種類)
図5(C)に例示されるように、本実施形態では、第2特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合に、その大当たりの種類を決定するための乱数値がメインROM82に記憶されている。具体的には、4R確変に対して10個の乱数値が記憶され、6R確変に対して15個の乱数値が記憶され、8R確変に対して25個の乱数値が記憶され、10R確変に対して50個の乱数値が記憶されている。
本実施形態では、第2特別図柄判定に係る図柄乱数の取り得る範囲は、第1特別図柄判定に係る図柄乱数の取り得る範囲と同じであり、第2始動口22に遊技球が入賞したことに応じて取得された大当たり乱数に基づいて大当たりと判定された場合、第2特別図柄判定に係る大当たりの種類として、4R確変が10%(=10/100×100)の割合で選択され、6R確変が15%(=15/100×100)の割合で選択され、8R確変が25%(=25/100×100)の割合で選択され、10R確変が50%(=50/100×100)の割合で選択される。
このため、第2特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合、第2特別図柄表示器42に停止表示される大当たり図柄として、4R確変を示す大当たり図柄Y1が10%の割合で選択され、6R確変を示す大当たり図柄Y2が15%の割合で選択され、8R確変を示す大当たり図柄Y3が25%の割合で選択され、10R確変を示す大当たり図柄Y4が50%の割合で選択される。
<リーチ乱数に基づく処理>
メインCPU81は、大当たり遊技を実行しないと判定した場合、その判定に用いた大当たり乱数と一緒に取得したリーチ乱数が、リーチ有り演出に対応する乱数値と、リーチ無し演出に対応する乱数値のどちらの乱数値と一致するかに基づいて、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかを決定する。
本実施形態では、メインROM82において、図5(D)に例示されるように、リーチ有り演出に対して10個の乱数値が記憶されており、メインCPU81は、取得したリーチ乱数がこれら10個の乱数値のいずれかと一致した場合には、リーチ有り演出を行うと決定する。また、リーチ無し演出に対しては90個の乱数値が記憶されており、メインCPU81は、取得したリーチ乱数がこれら90個の乱数値のいずれかと一致した場合には、リーチ無し演出を行うと決定する。本実施形態では、リーチ乱数の取り得る範囲が「0」~「99」に設定されており、大当たり遊技を実行しないと判定された場合に、リーチ演出が行われる割合は10%(=10/100×100)であり、リーチ演出が行われない割合(リーチ無し演出が行われる割合)は90%(=90/100×100)である。
メインCPU81は、リーチ有り演出を行うと決定した場合は、特別図柄の変動パターンとして、リーチ演出を伴う演出図柄の変動演出パターンがサブ制御基板90で選択されることになる変動パターンを選択する。逆に、リーチ無し演出を行うと決定した場合は、特別図柄の変動パターンとして、リーチ演出を伴わない演出図柄の変動演出パターンがサブ制御基板90で選択されることになる変動パターンを選択する。
[変動演出について]
本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄(又は第2特別図柄)が変動表示されてから停止表示されるのに伴って、表示画面70において各種の演出が行われるが、ここでは、第1特別図柄の変動表示に伴って表示画面70で行われる変動演出について説明する。
遊技機1では、第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄表示器41において、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す第1特別図柄が停止表示される。表示画面70には、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を報知する演出図柄が表示される演出図柄表示領域73(図2参照)が設けられており、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示に伴って、演出図柄の変動表示を含む変動演出が行われる(図2参照)。そして、第1特別図柄判定が実行された際に選択された変動パターンに応じた変動時間だけ第1特別図柄が変動表示されると、この第1特別図柄が停止表示されるのに伴って、第1特別図柄判定の判定結果を示す態様で演出図柄が停止表示される。
このような演出図柄の変動表示中には、いわゆるリーチ演出が行われる場合がある。具体的には、表示画面70の演出図柄表示領域73には、例えば、1~9の数字が下から上へ縦方向に連続して記された演出図柄の図柄列の一部が横方向に3列表示されており、第1特別図柄の変動表示が開始されると、これらの図柄列が上から下へスクロールするように変動表示(スクロール表示)される。これに対して、リーチ演出が行われる場合には、全ての演出図柄が停止表示されるのに先立って、まず、例えば左列の演出図柄(左図柄)と右列の演出図柄(右図柄)が順番に、或いは同時に、完全には停止しないように擬似停止する。図2には、左図柄として3図柄が擬似停止すると共に右図柄として同じく3図柄が擬似停止し、中列の図柄列がスクロール表示を継続している状態が例示されている。なお、擬似停止とは、演出図柄をほとんど移動させずにその場で揺動させる演出であり、以下の説明では、演出図柄を完全に静止させる本停止(単に「停止表示」と呼ぶ場合もある)と区別する場合には、擬似停止と呼ぶ場合がある。
左図柄および右図柄として同じ演出図柄が有効ライン上に擬似停止するとリーチ成立となり、同一の演出図柄が3つ揃うことを遊技者に期待させるリーチ演出が行われる。このリーチ演出は、リーチ図柄(左図柄および右図柄)を擬似停止させた状態で中列の図柄列を構成する演出図柄(中図柄)を遊技者が識別可能に低速でスクロールさせ、最終的に、リーチ図柄と共通する中図柄、又はリーチ図柄とは異なる中図柄を有効ライン上に停止させて当落を報知する演出である。
なお、詳細な説明は省略するが、このようなリーチ演出には、演出図柄の他に、キャラクタやアイテムといった他の表示オブジェクトが用いられる。また、以下の説明では、リーチ演出が行われる変動演出において、リーチが成立するまでに行われる演出を「リーチ前演出」と呼ぶ場合がある。
リーチ演出の種類については後に詳述するが、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、ハズレを報知すべくリーチハズレ目(例えば「323」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。一方、リーチ演出が行われない場合には、ハズレを報知すべくバラケ目(例えば「629」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。このように、大当たり遊技を実行しないと判定された場合、ハズレを示すリーチハズレ目またはバラケ目で3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させてハズレ(大当たり遊技が実行されないこと)を報知するハズレ報知演出が実行される。
このハズレ報知演出が実行された場合は大当たり遊技が実行されず、第1特別図柄判定の権利が保留されていれば、所定の確定時間(例えば0.5秒間)だけ第1特別図柄および演出図柄が停止表示された後にその第1特別図柄判定が行われて、第1特別図柄の次の変動表示が開始される。
一方、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、第1特別図柄の変動表示中に大抵はリーチ演出が実行され、大当たりを報知すべくゾロ目(例えば「333」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。このように、大当たり遊技を実行すると判定された場合、大当たりを示す態様で3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させて大当たり(大当たり遊技が実行されること)を報知する当たり報知演出が実行される。この当たり報知演出が実行された場合、大当たり遊技が実行される。
[表示画面70の画面構成]
図2には、通常遊技状態における表示画面70の画面構成が例示されている。通常遊技状態で遊技が制御されているときには、図2に例示されるように、保留アイコン表示領域71、当該アイコン表示領域72、及び演出図柄表示領域73が表示画面70上に形成される。演出図柄表示領域73は、上述したように、左列の図柄列を構成する左図柄と、中列の図柄列を構成する中図柄と、右列の図柄列を構成する右図柄とが表示される表示領域である。
<保留アイコン表示領域71>
保留アイコン表示領域71は、第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留アイコンが表示される表示領域である。遊技機1では、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中といった、特別図柄判定および特別図柄の変動表示を直ちに開始できない状況で第1始動口21に遊技球が入賞した場合には、第1特別図柄判定の権利が所定数(本実施形態では4つ)を上限として保留される。
このように、第1特別図柄判定の権利が保留された場合、保留アイコン表示領域71には、第1特図保留表示器44が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。図2には、第1特別図柄判定の保留数が「2」であることを示唆するために、保留アイコン表示領域71に2個の保留アイコンが表示された状態が例示されている。
なお、後述するSPSPリーチといった高信頼度のリーチ演出が行われているときに保留アイコン表示領域71に保留アイコンを表示していると、リーチ演出に用いる表示領域が制限されるだけでなく、保留アイコンの表示がリーチ演出の興趣性を低下させる可能性がある。このため、本実施形態の遊技機1では、ノーマルリーチやSPリーチ中は保留アイコン表示領域71を構成する表示オブジェクト(本実施形態では、保留アイコンの台座)や保留アイコンを表示する一方、ノーマルリーチやSPリーチからSPSPリーチへとリーチ演出が発展するのに伴い、保留アイコン表示領域71を構成する表示オブジェクトや保留アイコンを表示画面70から消去し、SPSPリーチが終了した後に、保留アイコン表示領域71を構成する表示オブジェクトや保留アイコンを再度表示する構成が採用されている。
また、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、基本的に第2始動口22に遊技球が入賞することがない。このため、通常遊技状態では、基本的には、第2特別図柄判定の権利が保留されることもなく、表示画面70に第2特別図柄判定に係る保留アイコンが表示されたり、この保留アイコンを表示するための表示領域が形成されたりすることはない。
<当該アイコン表示領域72>
当該アイコン表示領域72は、第1特別図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像としての当該アイコンを表示する表示領域である。当該アイコンは、第1特別図柄の変動表示の開始に伴って当該アイコン表示領域72に表示され、例えば、第1特別図柄が停止表示されるタイミングで当該アイコン表示領域72から消去される。ただし、当該アイコンの消去タイミングはこれに限定されるものではなく、第1特別図柄の変動表示中に当該アイコンを消去してもよく、例えば、後述するSPSPリーチ発展時やSPSPリーチの途中で当該アイコンを消去するようにしてよい。
ところで、特別図柄の変動表示が行われておらず、且つ特別図柄判定の権利が保留されていない状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、第1特別図柄の変動表示の開始に伴い、当該アイコン表示領域72に当該アイコンが表示される。一方、保留アイコン表示領域71に保留アイコンが表示されている状態で、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する図柄の変動表示が終了すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(当該アイコン表示領域72に最も近い位置に表示されている保留アイコン)に対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定の実行に応じて第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、最先の保留アイコンが保留アイコン表示領域71から当該アイコン表示領域72へシフトして、新たな当該アイコンとして表示されることになる。このように、当該アイコン表示領域72にシフトした保留アイコン(ここでは、当該アイコン)は、保留アイコン表示領域71に表示されていたときに比べて大きく表示される(図2参照)。このため、遊技者に対して、保留アイコン表示領域71に表示されている保留アイコンよりも、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに注目させることが可能である。
なお、上記最先の保留アイコンとは異なる他の保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示されている場合、当該アイコン表示領域72への最先の保留アイコンのシフトに伴い、保留アイコン表示領域71において、他の保留アイコンが当該アイコン表示領域72へ近づく方向へシフトする。ここまでの説明から明らかなように、遊技機1では、保留アイコン表示領域71に表示されていた保留アイコンに対応する当該アイコンが当該アイコン表示領域72に表示される場合があるため、以下の説明では、保留アイコンと当該アイコンとを区別しない場合には、これらを総称して単に「アイコン」と呼ぶ場合がある。
(アイコン変化演出について)
ところで、保留アイコンは、通常は白色の保留アイコン(デフォルトの保留アイコン)として表示される。これに対して、保留アイコン表示領域71に保留アイコンが表示されているときにその保留アイコンの色が変化するアイコン変化演出が行われる場合がある。このアイコン変化演出が行われた場合、白色の保留アイコンが、青色、緑色、赤色といった大当たり信頼度を示唆する色の保留アイコンに変化する。ここで例示した大当たり信頼度を示唆する色は、大当たり信頼度が低いものから高いものの順に並んでいる。赤色は、その赤色の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となる場合や、「ハズレ」となるものの特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定される場合に選択され易い。緑色は、「大当たり」となる場合や「ハズレ」となるものの特別図柄の変動時間が中程度の時間に設定される場合に選択され易い。青色は、「ハズレ」となる場合や「ハズレ」であって且つ特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定される場合に選択され易い。本実施形態では、白色の保留アイコンの大当たり信頼度が約1%に設定され、青色の保留アイコンの大当たり信頼度が約3%に設定され、緑色の保留アイコンの大当たり信頼度が約15%に設定され、赤色の保留アイコンの大当たり信頼度が約45%に設定されている。
なお、ここでは、保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示されているときにその表示色が1回だけ変化するアイコン変化演出が行われる場合を例に説明したが、本実施形態の遊技機1では、他のアイコン変化演出が行われる場合もある。すなわち、例えば、白色の保留アイコンが、保留アイコン表示領域71に表示されているときに、青色の保留アイコンに変化し、更に緑色の保留アイコンに変化するというように、1つの保留アイコンを対象としてその保留アイコンの表示色が複数回変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。また、保留アイコン表示領域71から当該アイコン表示領域72にシフトした白色の保留アイコンが当該アイコンとして表示されているときに、その表示色が変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。
また、保留アイコン表示領域71に表示されている保留アイコンの表示色が変化し、その後、その保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトして当該アイコンとして表示されているときにその表示色が変化するというように、保留アイコン表示領域71と当該アイコン表示領域72の両方でアイコンの表示色が変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。また、保留アイコンが最初から白色以外の表示色(例えば青色)で表示されるアイコン変化演出や、その初期色が白色以外である保留アイコンの表示色を変化させるアイコン変化演出が行われる場合もある。
このように、本実施形態の遊技機1は、特別図柄判定の権利が保留されていることを示す保留情報を表示画面70に表示し、その保留情報の表示態様を変化させることが可能である。なお、以下の説明では、表示色が白色以外の色である保留アイコンや当該アイコンを「特別アイコン」と呼んで、表示色が白色である通常の保留アイコンや当該アイコンと区別する場合がある。
[保留情報の表示制御に関する変形例]
なお、保留情報の表示制御は、本実施形態で例示するものに限らず、以下のようなものであってもよい。すなわち、本実施形態では、説明の便宜上、アイコン(保留アイコンと当該アイコン)の表示色が白色、青色、緑色、及び赤色の4色である場合を例に説明するが、他の実施形態では、赤色よりも更に大当たり信頼度が高いことを示唆する金色や、「大当たり」となる場合にしか選択されない虹色といった他の色が用意されていてもよい。
また、本実施形態では、アイコン(保留アイコンや当該アイコン)の表示色を変化させるアイコン変化演出を行う場合を例に説明するが、アイコン変化演出は、アイコンの表示態様を変化させる演出であれば本実施形態で例示される演出に限らず、アイコンの形状や大きさを変化させるアイコン変化演出、アイコンの形状や大きさに加えて表示色を変化させるアイコン変化演出等であってもよい。
また、本実施形態では、保留アイコン表示領域71に表示された保留アイコンを対象とするアイコン変化演出に加えて、当該アイコン表示領域72に表示された当該アイコンを対象とするアイコン変化演出を実行可能な場合について説明するが、他の実施形態では、当該アイコン表示領域72を設けることなく(当該アイコンを表示することなく)、前者のアイコン変化演出のみを実行可能な構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、保留情報としての保留アイコンを表示画面70に表示して、その保留アイコンの表示色を変化させる場合を例に説明する。これに対して、他の実施形態では、例えば、発光色を変更可能な4つのカラーLEDを設けて第1特別図柄判定の保留数と同数のLEDを点灯させ、いずれかのLEDの発光色を変化させることによって、保留情報の表示態様を変化させるようにしてもよい。
[第1特別図柄の変動表示に伴う演出の流れ]
図6は、リーチ演出の流れを例示する説明図である。第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す態様で第1特別図柄が停止表示される。これに対して、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、演出図柄表示領域73における3つの図柄列のスクロール表示が開始される(図6(A)参照)。
ここで、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、例えば、有効ライン上に左図柄および右図柄として異なる演出図柄が擬似停止し、この非リーチの態様で中列の図柄列のみをスクロール表示させるリーチ無し演出(図6(B)参照)が行われることがある。このリーチ無し演出が行われた場合、第1特別図柄の変動表示の終盤でバラケ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させ、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴ってこれら3つの演出図柄を本停止させるハズレ報知演出(図6(C)参照)が行われることになる。
一方、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合や、「ハズレ」であるもののリーチ有り演出を行うことが決定されている場合、第1特別図柄の変動表示中に、例えば、演出図柄表示領域73の有効ライン上に所定の左図柄を擬似停止させ、続いて左図柄と同じ演出図柄である右図柄を有効ライン上へと移行させるリーチ前演出(図6(D)参照)が行われる。そして、有効ライン上に同一の左図柄および右図柄が擬似停止するとリーチが成立する(図6(E)参照)。そして、このようにしてリーチが成立すると、リーチ図柄(左図柄および右図柄)と同じ演出図柄である中図柄が有効ライン上に停止して図柄揃いとなることを遊技者に期待させる所定のリーチ演出が行われる。
本実施形態では、第1特別図柄の変動表示に伴って実行され得るリーチ演出として、ノーマルリーチ、SPリーチ、及びSPSPリーチの3種類のリーチ演出が用意されている(図6参照)。
ノーマルリーチ(図6(F)参照)は、大当たり信頼度が相対的に低いリーチ演出(例えば、大当たり信頼度:約2%)である。リーチが成立すると先ずはノーマルリーチが行われ、ノーマルリーチ中は、2つのリーチ図柄(左図柄および右図柄)の間を高速でスクロール表示されていた中列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していく。
ここで、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、例えば、第1特別図柄の変動表示の開始時に変動時間が30秒である変動パターンE(図7(B)参照)が選択されている場合、リーチ図柄とは異なる中図柄を有効ライン上に擬似停止させることでリーチハズレ目(例えば「434」)の演出図柄を表示し、これらの演出図柄を本停止させるハズレ報知演出(図6(G)参照)が行われる。
一方、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であり、例えば、第1特別図柄の変動表示の開始時に変動時間が30秒である変動パターンA(図7(A)参照)が選択されている場合、リーチ図柄と同じ中図柄を有効ライン上に擬似停止させることでゾロ目(例えば「444」)の演出図柄を表示し、これらの演出図柄を本停止させる当たり報知演出(図6(G)参照)が行われる。
また、第1特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンが選択されている場合、ノーマルリーチにおいて当たり報知演出またはハズレ報知演出が行われることなく、リーチ図柄と同じ演出図柄である中図柄が有効ライン上を通過し、その後、中列の図柄列のスクロール速度が上昇して、SPリーチ(図6(H)参照)またはSPSPリーチ(図6(I)参照)に発展する。
なお、図には示されていないが、SPリーチやSPSPリーチといった高信頼度リーチ演出に発展する場合、擬似停止していた左図柄が縮小しながら表示画面70における左上方の位置へと移動すると共に、擬似停止していた右図柄が縮小しながら表示画面70における右上方の位置へと移動し、これらの左図柄および右図柄は、移動後の位置で擬似停止し、中列の図柄列は、高信頼度リーチ演出の終盤まで非表示となる(例えば、図13(A)~(E)参照)。そして、保留アイコン表示領域71を形成する表示オブジェクトや保留アイコンも非表示となる。その結果、演出図柄表示領域73よりも広い表示領域で高信頼度リーチ演出を行うことが可能になり、高信頼度リーチ演出の興趣性を向上させることが可能である。
SPリーチとSPSPリーチは、例えば、自キャラが敵キャラと闘うバトル演出として構成されており、SPリーチがバトルの前半、SPSPリーチがバトルの後半という位置付けになっており、バトル前半とバトル後半とでは、闘う敵キャラが共通している。すなわち、例えば、バトル前半のSPリーチで敵キャラAと闘うバトル演出が行われ、その後にバトル後半のSPSPリーチへと発展する場合、SPSPリーチでも敵キャラAと闘うバトル演出が行われることになる。
これらのSPリーチとSPSPリーチとを比較した場合、SPSPリーチの方がSPリーチよりも大当たり信頼度が高く、SPリーチまでしか発展しない場合に比べて、SPSPリーチまで発展する場合の方が、当たり報知演出が実行され易いという特徴がある。
遊技機1では、ノーマルリーチ(図6(F)参照)からバトル前半のSPリーチ(図6(H)参照)へと発展して、このSPリーチにて図6(G)の当たり報知演出またはハズレ報知演出が行われる場合がある。また、ノーマルリーチからSPリーチを経由してSPSPリーチ(図6(I)参照)へと発展する場合と、ノーマルリーチからSPリーチを経由せずにSPSPリーチへと直接発展する場合とがあり、これらの場合、このSPSPリーチにて図6(G)の当たり報知演出またはハズレ報知演出が行われることになる。
なお、図6に例示されるリーチ演出の種類やリーチ演出の発展の仕方は単なる一例であって、リーチ演出の種類や発展の仕方は、他のものであってもよい。
[通常遊技状態で使用する変動パターン選択テーブル]
次に、図7を参照しつつ、通常遊技状態において特別図柄の変動パターンを選択する処理について説明する。ここで、図7は、通常遊技状態において特別図柄の変動パターンを選択する処理に使用される変動パターン選択テーブルについて説明するための説明図である。
メインROM82には、通常遊技状態のときに特別図柄(ここでは第1特別図柄)の変動パターンを選択する際に参照する変動パターン選択テーブルとして、大当たり用変動パターン選択テーブル(図7(A)参照)と、リーチハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(B)参照)と、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(C)参照)とが記憶されている。大当たり用変動パターン選択テーブルは、通常遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となった場合に、第1特別図柄の変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。リーチハズレ用変動パターン選択テーブルは、通常遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となり、且つ(リーチ乱数に基づいて)リーチ有り演出を行うと決定された場合に、第1特別図柄の変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルは、通常遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となり、且つ(リーチ乱数に基づいて)リーチ無し演出を行うと決定された場合に、第1特別図柄の変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。
(大当たり用変動パターン選択テーブル)
大当たり用変動パターン選択テーブル(図7(A)参照)では、第1特別図柄の変動パターンと、変動パターン乱数と比較される乱数値とが対応付けられている。なお、図7では、説明の便宜上、変動パターンおよび各変動パターンに対応付けられている乱数値の個数の他に、第1特別図柄の変動時間、各変動パターンに対してサブCPU91によって選択される変動演出パターンの種類、変動演出パターンの具体的な演出内容、変動パターン乱数の取り得る範囲、各変動パターンが選択される割合が併せて表記されている。
メインCPU81は、通常遊技状態において、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて取得した大当たり乱数に基づいて、大当たり遊技を実行すると判定した場合、その大当たり乱数と一緒に取得した変動パターン乱数と同じ乱数値が対応付けられている変動パターンを大当たり用変動パターン選択テーブル(図7(A)参照)から読み出すことによって、第1特別図柄の変動パターンを選択する。
図7(A)及び(B)に例示されるように、第1特別図柄の変動パターンを選択するための変動パターン乱数の取り得る範囲は、本実施形態では、「0」~「99」に設定されている。大当たり用変動パターン選択テーブルでは、図7(A)に例示されるように、変動パターンAに対して2個の乱数値が対応付けられ、変動パターンBに対して18個の乱数値が対応付けられ、変動パターンCに対して35個の乱数値が対応付けられ、変動パターンDに対して45個の乱数値が対応付けられている。
このため、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、2%(=2/100×100)の割合で変動パターンAが選択され、18%(=18/100×100)の割合で変動パターンBが選択され、35%(=35/100×100)の割合で変動パターンCが選択され、45%(=45/100×100)の割合で変動パターンDが選択される。そして、例えば変動パターンAが選択された場合には、サブCPU91によって変動演出パターンAが選択されて、ノーマルリーチにて当たり報知演出を行う変動演出が行われることになる。また、例えば変動パターンDが選択された場合には、サブCPU91によって変動演出パターンDが選択されて、ノーマルリーチからSPリーチを介して発展したSPSPリーチにて当たり報知演出を行う変動演出が行われることになる。
(リーチハズレ用変動パターン選択テーブル)
メインCPU81は、第1特別図柄判定において、大当たり遊技を実行しないと判定した場合、大当たり乱数、図柄乱数、及び変動パターン乱数と一緒に取得したリーチ乱数に基づいて、リーチ有り演出を行うか否かを決定する。具体的には、リーチ演出が行われる変動パターン群(図7(B)参照)の中からいずれかの変動パターンを選択するのか、或いはリーチ演出が行われない(リーチ無し演出が行われる)変動パターン群(図7(C)参照)の中からいずれかの変動パターンを選択するかを決定する。ここで、リーチ有り演出を行うと決定した場合、リーチハズレ用変動パターン選択テーブルを参照して第1特別図柄の変動パターンを選択する。
リーチハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(B)参照)では、第1特別図柄の変動パターンと、変動パターン乱数と比較される乱数値とが対応付けられている。メインCPU81は、通常遊技状態において、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて取得した大当たり乱数に基づいて大当たり遊技を実行しないと判定し、その大当たり乱数と一緒に取得したリーチ乱数に基づいてリーチ有り演出を行うと決定した場合、これらの乱数と一緒に取得した変動パターン乱数と同じ乱数値が対応付けられている変動パターンをリーチハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(B)参照)から読み出すことによって、第1特別図柄の変動パターンを選択する。
リーチハズレ用変動パターン選択テーブルでは、図7(B)に例示されるように、変動パターンEに対して40個の乱数値が対応付けられ、変動パターンFに対して30個の乱数値が対応付けられ、変動パターンGに対して20個の乱数値が対応付けられ、変動パターンHに対して10個の乱数値が対応付けられている。
このため、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であってリーチ有り演出を行うと決定された場合、40%(=40/100×100)の割合で変動パターンEが選択され、30%(=30/100×100)の割合で変動パターンFが選択され、20%(=20/100×100)の割合で変動パターンGが選択され、10%(=10/100×100)の割合で変動パターンHが選択される。そして、例えば変動パターンFが選択された場合には、サブCPU91によって変動演出パターンFが選択されて、ノーマルリーチから発展したSPリーチにてハズレ報知演出を行う変動演出が行われることになる。また、例えば変動パターンHが選択された場合には、サブCPU91によって変動演出パターンHが選択されて、ノーマルリーチからSPリーチを介して発展したSPSPリーチにてハズレ報知演出を行う変動演出が行われることになる。
(リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブル)
メインCPU81は、大当たり乱数に基づいて大当たり遊技を実行しないと判定し、その大当たり乱数と一緒に取得したリーチ乱数に基づいてリーチ無し演出を行うと決定した場合、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルを参照して第1特別図柄の変動パターンを選択する。
リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(C)参照)では、特別図柄の変動パターンと、今回の第1特別図柄の変動表示が開始される際の第1特別図柄判定の保留数とが対応付けられている。
メインCPU81は、今回の第1特別図柄の変動表示の開始に伴って第1特別図柄判定の保留数が「0」または「1」となる場合には第1特別図柄の変動時間が13秒である変動パターンJを選択し、第1特別図柄判定の保留数が「2」となる場合には第1特別図柄の変動時間が8秒である変動パターンKを選択する。また、メインCPU81は、第1特別図柄の変動表示中に第1特別図柄判定の保留数が上限の「4」となり、今回の第1特別図柄の変動表示の開始に伴って第1特別図柄判定の保留数が「3」となる場合には、第1特別図柄の変動時間が4秒である変動パターンLを選択する。
このように、本実施形態の遊技機1では、大当たり遊技を実行しないと判定され、且つ、リーチ無し演出を行うと決定された場合、保留されている第1特別図柄判定の権利の個数である保留個数が相対的に多ければ、第1始動口21に対する遊技球の新規入賞に応じて第1特別図柄判定の保留を新たに溜められるように、変動時間が相対的に短い第1特別図柄の変動パターンが選択される。一方、保留個数が相対的に少なければ、第1特別図柄および演出図柄が変動しなくなって遊技の進行が停止するのを抑制するために、変動時間が相対的に長い第1特別図柄の変動パターンが選択される。
図7(A)及び(B)に例示されている2つの変動パターン選択テーブルに関する説明から、以下のことが言える。すなわち、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、変動時間が長い変動パターンが選択され易く、逆に変動時間が短い変動パターンが選択され難いという傾向がある(図7(A)参照)。また、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であってリーチ演出が行われる場合には、変動時間が長い変動パターンが選択され難く、逆に変動時間が短い変動パターンが選択され易いという傾向がある(図7(B)参照)。
これらのことから、第1特別図柄の変動時間が長いほど当たり報知演出が実行され易く、逆に、第1特別図柄の変動時間が短いほどハズレ報知演出が実行され易いということが言える。言い換えれば、ノーマルリーチからSPリーチを経由してSPSPリーチに発展するといった、相対的に長い時間を掛けてリーチ演出が行われる場合には当たり報知演出が実行され易く、ノーマルリーチしか行われないようなリーチ演出に要する時間が相対的に短い場合には、ハズレ報知演出が実行され易いと言える。すなわち、ノーマルリーチ演出にて当落が報知されるのではなく、ノーマルリーチからSPリーチやSPSPリーチへと発展したり、或いは、ノーマルリーチからSPリーチを経由して(又はSPリーチを経由せず直接)SPSPリーチへと発展したりする方が、大当たり信頼度が高いと言える。
[事前判定処理について]
本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態において第1特別図柄判定の権利が保留された場合に、その権利に対して第1特別図柄判定が行われるのに先立って、大当たり遊技を実行するか否かを判定する事前判定処理が行われる場合がある。具体的には、メインCPU81は、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて大当たり乱数を取得し、取得した大当たり乱数に基づいて、第1特別図柄の変動表示開始時に行われる第1特別図柄判定における大当たり判定処理(図20のステップS308参照)に先立って同様の大当たり判定処理を行い、第1特別図柄判定が実行された場合に「大当たり」と判定されることになるか否かを事前に判定する。また、大当たり乱数と一緒に取得した変動パターン乱数に基づいて、図7(A)及び(B)に基づいて上述した変動パターン選択処理(図20のステップS309参照)と同様の処理を行い、第1特別図柄判定が実行された場合にどの変動パターンが選択されることになるかを事前に判定する。
このように、メインCPU81は、第1特別図柄判定の権利が保留されたことに応じて事前判定処理を行った場合、その事前判定結果を示す事前判定情報を含む保留コマンドをサブ制御基板90に送信する。これに対して、サブCPU91は、保留コマンドに含まれている事前判定情報に基づいて、上述したアイコン変化演出を実行するか否かを決定する。そして、アイコン変化演出を実行すると決定した場合、どのような変化パターンでアイコン(保留アイコンや当該アイコン)の表示態様(本実施形態では、アイコンの色)を変化させるかを決定し、その決定結果に基づくアイコン変化演出を画像音響制御基板100に実行させる。
[期待演出について]
ところで、上記の事前判定処理を行った結果として、大当たり遊技を実行すると判定されることになることを示す事前判定結果が得られた場合や、大当たり遊技を実行しないと判定されるものの(SPリーチやSPSPリーチといったノーマルリーチに比べて大当たり信頼度が高いリーチ演出が行われる)変動パターンが選択されることになることを示す事前判定結果が得られた場合に、例えば、画像表示装置7やスピーカ38等を用いて、大当たり遊技が実行されることを遊技者に期待させる期待演出を実行することが考えられる。そして、この期待演出としては、事前判定処理が行われた後に開始され、且つ、事前判定処理が行われた権利に対応する第1特別図柄の変動表示が開始される前に行われる1又は複数回の第1特別図柄の変動表示に伴って、上記期待演出を実行するといった構成を採用することが一例として挙げられる。
しかしながら、上記の構成では、第1特別図柄判定の保留個数が増加することによって、期待演出の実行時間が短くなってしまい、結果として、興趣性が高い期待演出の実行が困難になるという問題がある。以下の説明では、図8,9を参照しつつ、この問題について詳細に説明する。なお、図8,9における「先読み対象」とは、期待演出の実行契機となった事前判定処理が行われた権利に対応する第1特別図柄判定や、この第1特別図柄判定が実行されたことに応じて行われる第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示を意味する。
例えば、図8(A)に例示されるように、第1特別図柄判定の保留個数が「1」である状態で、当該アイコン表示領域72(図2参照)に表示されている当該アイコンに対応する第1特別図柄の変動表示が行われているときがある。このときに、第1始動口21に遊技球が新たに入賞して(図8(A)の「保留2入賞タイミング」参照)、その入賞に応じた事前判定処理の結果として、変動時間が55秒である第1特別図柄の変動パターン(変動パターンBまたは変動パターンF:図7参照)が選択されることを示す事前判定結果が得られた場合に、現在行われている第1特別図柄の変動表示(図中の「当該変動」)の次に行われる第1特別図柄の変動表示(図中の「保留1変動」)が開始されてから、事前判定処理が行われた権利に対応する第1特別図柄の変動表示(図中の「保留2変動」参照)が開始されるまでの期間において、上記の期待演出を実行することが考えられる。この場合、保留1変動が開始される時点では、第1特別図柄判定の保留個数が「1」であるため、保留1変動に対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、リーチ無し演出を行うと決定されると、保留1変動の第1特別図柄の変動パターンとしては、変動時間が13秒である変動パターンJ(図7(C)参照)が選択される。このため、期待演出の実行時間は、変動パターンJで第1特別図柄が変動表示される13秒と、第1特別図柄としてハズレ図柄が確定表示(本停止)される0.5秒とを足し合わせた13.5秒となる。
このように、図8(A)で想定される状況では、「保留2変動」に係る事前判定結果が得られたことに基づいて、期待演出の実行時間を13.5秒に設定して、「保留1変動」に係る第1特別図柄の変動表示の開始に伴って、期待演出を開始させることが考えられる。
しかしながら、この場合、期待演出の実行時間が13.5秒と相対的に短いことから、期待演出に対する時間的な制約が大きく、興趣性が高い期待演出の実行が困難であるという問題がある(問題点1)。
また、図8(B)に例示されるように、「保留1変動」が開始される前に、第1始動口21に1つの遊技球が新たに入賞して、「保留1変動」が開始される時点での第1特別図柄判定の保留個数が「1」から「2」に増加した場合には、「保留1変動」に対応する第1特別図柄の変動パターンとして、変動時間が8秒である変動パターンK(図7(C)参照)が選択される。このように、「保留1変動」が開始される前に第1特別図柄判定の保留個数が「1」増加すると(図8(A)及び(B)参照)、「保留1変動」に対応する第1特別図柄の変動時間が8秒に短縮され、結果として、期待演出の実行時間も8.5秒(=8秒+0.5秒)に短縮されてしまう。
また、図8(C)に例示されるように、「保留1変動」が開始される前に、第1始動口21に2つの遊技球が新たに入賞して、「保留1変動」が開始される時点での第1特別図柄判定の保留個数が「1」から「3」に増加した場合には、「保留1変動」に対応する第1特別図柄の変動パターンとして、変動時間が4秒である変動パターンL(図7(C)参照)が選択される。このように、「保留1変動」が開始される前に第1特別図柄判定の保留個数が「2」増加すると(図8(A)及び(C)参照)、「保留1変動」に対応する第1特別図柄の変動時間が4秒に短縮され、結果として、期待演出の実行時間も4.5秒(=4秒+0.5秒)に短縮されてしまう。
図8に基づくここまでの説明から明らかなように、期待演出の実行契機となる事前判定結果が得られたときに行われている第1特別図柄の変動表示の次の変動表示の開始に伴って期待演出を開始させ、事前判定処理が行われた権利に対応する第1特別図柄の変動表示(ここでは「保留2変動」)の開始タイミングで期待演出を終了させるという構成では、期待演出の開始前に第1特別図柄判定の保留個数が増加することに起因して、「保留1変動」に対応する第1特別図柄の変動時間のみならず、期待演出の実行時間が短くなってしまい、期待演出が時間的な制約を受けることで、興趣性が高い期待演出の実行が困難になるという問題がある(問題点2)。言い換えれば、長尺の期待演出の実行が困難であるという問題がある。また、期待演出の開始前に第1特別図柄判定の保留個数が増加することで、13.5秒と想定されていた期待演出の実行時間が、8.5秒や4.5秒に短縮されるため、例えば、あるストーリーが展開される期待演出を行った場合に、そのストーリーが途中で終了して、期待演出が演出として成立しなくなる可能性もある。
次に、図9を参照しつつ、通常遊技状態において第1特別図柄の複数回の変動表示に跨って期待演出を実行する場合の問題点について説明する。図9(A)に例示されるように、通常遊技状態のときに、第1特別図柄判定の保留個数が「2」である状態で、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する第1特別図柄の変動表示が行われているときに、第1始動口21に遊技球が新たに入賞して(同図(A)の「保留3入賞タイミング」参照)、その入賞に応じた事前判定処理の結果として、変動時間が55秒である第1特別図柄の変動パターンが選択されることを示す事前判定結果が得られる場合がある。このような場合に、図8に基づいて上述したのと同様に期待演出を実行することが考えられる。
図9(A)に示される例では、保留1変動が開始される時点で、第1特別図柄判定の保留個数が「2」である。このため、保留1変動に対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、リーチ無し演出を行うと決定されると、保留1変動に係る第1特別図柄の変動パターンとして、変動時間が8秒である変動パターンK(図7(C)参照)が選択される。次に、保留2変動が開始される時点では、第1特別図柄判定の保留個数が「1」であるため、保留2変動に対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、リーチ無し演出を行うと決定されると、保留2変動に係る第1特別図柄の変動パターンとして、変動時間が13秒である変動パターンJ(図7(C)参照)が選択される。このため、保留1変動が開始されてから保留3変動が開始されるまでの時間は、22秒(=8秒+0.5秒+13秒+0.5秒)となる。
この場合、期待演出の実行時間も22秒となるため、期待演出が受ける時間的な制約は比較的小さく、興趣性が高い期待演出を実現し得る可能性がある。
しかしながら、上述した図8(A)との比較から明らかなように、第1特別図柄の1回の変動表示に伴って期待演出を実行する場合には、期待演出の実行時間が13.5秒である(図8(A)参照)一方で、第1特別図柄の2回の変動表示に伴って期待演出を実行する場合には、期待演出の実行時間が22秒であり(図9(A)参照)、両期待演出の実行時間が互いに異なっている。このため、それぞれの期待演出を適切に行うためには、期待演出の13.5秒用の演出パターンと、期待演出の22秒用の演出パターンとを用意しておく必要がある。また、第1特別図柄の3回の変動表示に伴って期待演出を実行する場合についても、別の演出パターンを用意しておく必要があり、各期待演出を実現するための演出データの記憶容量の増大が大きな問題となる(問題点3)。
また、図9(B)に例示されるように、保留1変動に係る第1特別図柄の変動表示中に第1始動口21に1つの遊技球が新たに入賞して、「保留2変動」が開始される時点での第1特別図柄判定の保留個数が「1」から「2」に増加する場合には、「保留2変動」に係る第1特別図柄の変動パターンとして、変動時間が8秒である変動パターンK(図7(C)参照)が選択される。このように、保留1変動に係る第1特別図柄の変動表示中に第1特別図柄判定の保留個数が「1」増加すると、図9(A)及び(B)の表記から明らかなように、「保留2変動」に係る第1特別図柄の変動時間が13秒から8秒に短縮され、結果として、保留1変動が開始されてから保留3変動が開始されるまでの時間も、17秒(=8秒+0.5秒+8秒+0.5秒)に短縮されてしまう。
また、図9(C)に例示されるように、保留1変動に係る第1特別図柄の変動表示中に第1始動口21に2つの遊技球が新たに入賞して、「保留2変動」が開始される時点での第1特別図柄判定の保留個数が「1」から「3」に増加する場合には、「保留2変動」に係る第1特別図柄の変動パターンとして、変動時間が4秒である変動パターンL(図7(C)参照)が選択される。このように、保留1変動に係る第1特別図柄の変動表示中に第1特別図柄判定の保留個数が「2」増加すると、図9(A)及び(C)の表記から明らかなように、「保留2変動」に係る第1特別図柄の変動時間が13秒から4秒に短縮され、結果として、保留1変動が開始されてから保留3変動が開始されるまでの時間も、13秒(=8秒+0.5秒+4秒+0.5秒)に短縮されてしまう。
このように、保留1変動に係る第1特別図柄の変動表示中(期待演出の実行中)に、第1始動口21に遊技球が新たに入賞して、保留2変動に係る第1特別図柄の変動時間が短縮される場合があることから、上記問題点2と同様の問題(問題点4)が生じることになる。
<第1期待演出>
そこで、本実施形態の遊技機1では、上記問題点1~4の問題を解決すべく、以下のような構成を採用している。すなわち、保留2変動に対応する第1特別図柄判定の権利に対する事前判定結果として、変動時間が55秒である第1特別図柄の変動パターン(変動パターンBまたは変動パターンF:図7参照)が選択されることを示す事前判定結果が得られた場合(図8(A)参照)に、保留1変動が開始される際に、第1特別図柄判定の保留個数に関わらず、第1特別図柄の変動時間が14.5秒である変動パターンM(図11参照)を選択する(図10(A)参照)。そして、先読み対象である保留2変動が開始される際には、第1特別図柄の変動時間が事前判定結果の55秒とは異なる、14.5秒である変動パターンM(図11参照)を選択する(図10(A)参照)。
そして、期待演出の実行契機となる事前判定結果が得られたときに行われている第1特別図柄の変動表示の次の変動表示(図10(A)における保留1変動)の開始に伴って期待演出を開始させ、事前判定処理が行われた権利に対応する第1特別図柄の変動表示(図10(A)における保留2変動)の終了タイミングで期待演出を終了させるという構成を採用することで、実行時間が29.5秒(=14.5秒+0.5秒+14.5秒)である期待演出を実行することが可能である。
<第2期待演出>
また、保留3変動に対応する第1特別図柄判定の権利に対する事前判定結果として、変動時間が55秒である第1特別図柄の変動パターン(変動パターンBまたは変動パターンF:図7参照)が選択されることを示す事前判定結果が得られた場合(図9(A)参照)に、保留1変動が開始される際に、第1特別図柄判定の保留個数に関わらず、第1特別図柄の変動時間が9.5秒である変動パターンN(図11参照)を選択する(図10(B)参照)。また、保留2変動が開始される際にも、第1特別図柄判定の保留個数に関わらず、第1特別図柄の変動時間が9.5秒である変動パターンN(図11参照)を選択する(図10(B)参照)。そして、先読み対象である保留3変動が開始される際にも、第1特別図柄の変動時間が事前判定結果の55秒とは異なる、9.5秒である変動パターンM(図11参照)を選択する(図10(B)参照)。
そして、期待演出の実行契機となる事前判定結果が得られたときに行われている第1特別図柄の変動表示の次の変動表示(図10(B)における保留1変動)の開始に伴って期待演出を開始させ、事前判定処理が行われた権利に対応する第1特別図柄の変動表示(図10(B)における保留3変動)の終了タイミングで期待演出を終了させるという構成を採用することで、実行時間が29.5秒(=9.5秒+0.5秒+9.5秒+0.5秒+9.5秒)である期待演出を実行することが可能である。このように、保留1変動と、保留2変動と、保留3変動(最後の変動表示)とを含む3回の図柄の変動表示に跨って期待演出が実行される場合は、保留1変動に要する時間と、保留2変動に要する時間と、保留3変動に要する時間とが相異なる時間となることが制限される。
<第3期待演出>
また、図10(C)に例示されるように、保留4変動に対応する第1特別図柄判定の権利に対する事前判定結果として、変動時間が55秒である第1特別図柄の変動パターン(変動パターンBまたは変動パターンF:図7参照)が選択されることを示す事前判定結果が得られた場合に、保留1変動が開始される際に、第1特別図柄判定の保留個数に関わらず、第1特別図柄の変動時間が7秒である変動パターンO(図11参照)を選択する(図10(C)参照)。また、保留2変動が開始される際にも、第1特別図柄判定の保留個数に関わらず、第1特別図柄の変動時間が7秒である変動パターンO(図11参照)を選択する(図10(C)参照)。また、保留3変動が開始される際にも、第1特別図柄判定の保留個数に関わらず、第1特別図柄の変動時間が7秒である変動パターンO(図11参照)を選択する(図10(C)参照)。そして、先読み対象である保留4変動が開始される際にも、第1特別図柄の変動時間が事前判定結果の55秒とは異なる、7秒である変動パターンM(図11参照)を選択する(図10(C)参照)。
そして、期待演出の実行契機となる事前判定結果が得られたときに行われている第1特別図柄の変動表示の次の変動表示(図10(C)における保留1変動)の開始に伴って期待演出を開始させ、事前判定処理が行われた権利に対応する第1特別図柄の変動表示(図10(C)における保留4変動)の終了タイミングで期待演出を終了させるという構成を採用することで、実行時間が29.5秒(=7秒+0.5秒+7秒+0.5秒+7秒+0.5秒+7秒)である期待演出を実行することが可能である。このように、保留1変動と、保留2変動と、保留3変動と、保留4変動(最後の変動表示)とを含む4回の図柄の変動表示に跨って期待演出が実行される場合は、保留1変動に要する時間と、保留2変動に要する時間と、保留3変動に要する時間と、保留4変動に要する時間とが相異なる時間となることが制限される。
なお、以下の説明では、先読み対象である第1特別図柄の変動表示を含めて2回の変動表示に伴って実行される期待演出(図10(A)参照)を「第1期待演出」と呼び、先読み対象である第1特別図柄の変動表示を含めて3回の変動表示に伴って実行される期待演出(図10(B)参照)を「第2期待演出」と呼び、先読み対象である第1特別図柄の変動表示を含めて4回の変動表示に伴って実行される期待演出(図10(C)参照)を「第3期待演出」と呼んで、こられを区別する場合がある。
(期待演出用変動パターン選択テーブル)
メインROM82には、通常遊技状態のときに特別図柄(ここでは第1特別図柄)の変動パターンを選択する際に参照する変動パターン選択テーブルとして、期待演出用変動パターン選択テーブルが記憶されている(図11参照)。この期待演出用変動パターン選択テーブルは、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて実行された事前判定処理の結果に基づいて、期待演出を実行すると決定された場合に、期待演出を伴う第1特別図柄の変動表示に係る変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。
メインCPU81は、事前判定結果に基づいて、例えば、SPリーチ以上のリーチ演出が実行される変動パターン(図7(A)の変動パターンB~Cと、図7(B)の変動パターンF~Hのいずれかの変動パターン)が選択されることを特定した場合に、期待演出を実行するか否かを判定する。本実施形態の期待演出は、先読み対象である第1特別図柄の変動表示を含む、第1特別図柄の2以上の変動表示に跨って実行される演出である(図10参照)。このため、メインCPU81は、SPリーチ以上のリーチ演出が実行される変動パターンが選択されることを事前判定結果に基づいて特定した場合に、まず、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1に基づいて、第1特別図柄判定の保留個数が「2」以上であるか否かを判定する。ここで、第1特別図柄判定の保留個数が「2」以上ではないと判定した場合、すなわち、先読み対象である第1特別図柄の変動表示が保留1変動となる場合には、期待演出を実行しないと判定する。
一方、メインCPU81は、第1特別図柄判定の保留個数が「2」以上であると判定した場合、先読み対象である第1特別図柄の変動表示よりも前に行われる第1特別図柄の変動表示に対応する第1特別図柄判定の権利に係る事前判定結果に基づいて、いずれも、リーチ無しハズレ用の変動パターン(図7(C)に例示される変動パターンJ~Lのいずれか)が選択されるか否かを判定する。ここで、いずれか1つでも、大当たり用変動パターン(図7(A)の変動パターンA~Dのいずれか)か、或いは、リーチハズレ用変動パターン(図7(B)の変動パターンE~Hのいずれか)が選択されることを示す事前判定情報が含まれていれば、先読み対象よりも前の第1特別図柄の変動表示中に当たり報知演出が実行される可能性があることから、変動パターンとして変動パターンM~Oのいずれかを選択することは好ましくない。このため、このような場合には、期待演出を実行しないと判定される。
図には示されていないが、メインRAM83には、第1期待演出に係るフラグである第1期待演出フラグと、第2期待演出に係るフラグである第2期待演出フラグと、第3期待演出に係るフラグである第3期待演出フラグとが記憶されている。メインCPU81は、いずれも、リーチ無しハズレ用の変動パターンが選択されると判定した場合には、期待演出を実行させるべく、メインRAM83に記憶されているこれらの期待演出フラグのいずれかを「ON」に設定する。これらの期待演出フラグは、期待演出を実行すると判定された場合に「ON」に設定され、期待演出の最終変動(先読み対象である第1特別図柄の変動表示)が開始される際に「OFF」に設定される。
メインCPU81は、期待演出フラグを「ON」に設定する際に、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1に基づいて、第1特別図柄判定の保留個数を特定する。ここで、第1特別図柄判定の保留個数が「2」であることを特定した場合には、図10(A)に例示されるように、第1特別図柄の2回の変動表示に跨って期待演出を実行させるべく、第1期待演出フラグを「ON」に設定する。また、第1特別図柄判定の保留個数が「3」であることを特定した場合には、図10(B)に例示されるように、第1特別図柄の3回の変動表示に跨って期待演出を実行させるべく、第2期待演出フラグを「ON」に設定する。また、第1特別図柄判定の保留個数が「4」であることを特定した場合には、図10(C)に例示されるように、第1特別図柄の4回の変動表示に跨って期待演出を実行させるべく、第3期待演出フラグを「ON」に設定する。
本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中に第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄判定の権利が保留されると、その権利に対して事前判定処理が実行されると共に、期待演出を実行するか否かが判定される。そして、期待演出を実行すると判定された場合には、上記第1期待演出フラグ~第3期待演出フラグのいずれかが「ON」に設定される。
期待演出用変動パターン選択テーブル(図11参照)では、期待演出フラグの種別と、第1特別図柄の変動パターン(変動パターンM~O)とが対応付けられている。メインCPU81は、第1特別図柄の変動表示開始時にその変動パターンを選択する際に、第1期待演出フラグが「ON」に設定されている場合には、第1期待演出フラグに対応する変動パターンMを期待演出用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、変動パターンMを選択する。これにより、図10(A)に基づいて上述した第1期待演出を実現するための変動時間が14.5秒である変動パターンが選択されることになる。また、第2期待演出フラグが「ON」に設定されている場合には、第2期待演出フラグに対応する変動パターンNを期待演出用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、変動パターンNを選択する。これにより、図10(B)に基づいて上述した第2期待演出を実現するための変動時間が9.5秒である変動パターンが選択されることになる。また、第3期待演出フラグが「ON」に設定されている場合には、第3期待演出フラグに対応する変動パターンOを期待演出用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、変動パターンOを選択する。これにより、図10(C)に基づいて上述した第3期待演出を実現するための変動時間が7秒である変動パターンが選択されることになる。
(期待演出に関する特徴)
ここまでの説明から明らかなように、本実施形態の遊技機1で実行される期待演出については、以下のことが言える。すなわち、第1特別図柄の2回の変動表示に跨る期待演出(図10(A)参照)を実現するために、保留1変動と保留2変動のそれぞれの第1特別図柄の変動パターンとして、第1特別図柄の変動時間が14.5秒である変動パターンM(図11参照)が選択される。また、第1特別図柄の3回の変動表示に跨る期待演出(図10(B)参照)を実現するために、保留1変動~保留3変動のそれぞれの第1特別図柄の変動パターンとして、第1特別図柄の変動時間が9.5秒である変動パターンN(図11参照)が選択される。また、第1特別図柄の4回の変動表示に跨る期待演出(図10(C)参照)を実現するために、保留1変動~保留4変動のそれぞれの第1特別図柄の変動パターンとして、第1特別図柄の変動時間が7秒である変動パターンO(図11参照)が選択される。
このように、本実施形態の遊技機1で期待演出が実行される場合には、先読み対象を含む第1特別図柄の2以上の変動表示に関して、それぞれの第1特別図柄の変動時間が互いに同じになるように制御される。具体的には、第1期待演出を実行する場合には、保留1変動と保留2変動とに関して、いずれも第1特別図柄の変動時間が14.5秒に制御される(図10(A)、図11参照)。また、第2期待演出を実行する場合には、保留1変動と保留2変動と保留3変動とに関して、いずれも第1特別図柄の変動時間が9.5秒に制御される(図10(B)、図11参照)。また、第3期待演出を実行する場合には、保留1変動と保留2変動と保留3変動と保留4変動とに関して、いずれも第1特別図柄の変動時間が7秒に制御される(図10(C)、図11参照)。
そして、これらの制御の結果として、第1特別図柄の2回の変動表示に跨って実行される期待演出(第1期待演出)の実行時間と、第1特別図柄の3回の変動表示に跨って実行される期待演出(第2期待演出)の実行時間と、第1特別図柄の4回の変動表示に跨って実行される期待演出(第3期待演出)の実行時間とが、いずれも29.5秒という同じ時間となる。
このように、本実施形態では、期待演出の実行時間が29.5秒と相対的に長いことから、期待演出に対する時間的な制約が小さく、興趣性が高い期待演出の実行が困難であるという上記問題点1として説明した問題を容易且つ効果的に解消することが可能である。
また、本実施形態では、期待演出の開始前や期待演出中に第1特別図柄判定の保留個数が増加することに起因して期待演出の実行時間が短縮されることがないため、上記問題点2,4として説明した問題を容易に解消することが可能である。
また、本実施形態では、期待演出を実行すると判定された際の保留個数に関わらず、期待演出の実行時間が所定時間(ここでは、29.5秒)に固定されていることから、第1期待演出と、第2期待演出と、第3期待演出とに関して、演出パターンを個別に用意しておく必要がなく、各期待演出を実現するための演出データの記憶容量が増大するという上記問題点3として説明した問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
[期待演出を伴わずに実行される演出の具体例]
次に、図12,13を参照しつつ、期待演出を伴わずに実行される演出の具体例について説明する。図12,13は、期待演出が実行されない場合の演出を例示する画面図であり、ここでは、通常遊技状態における第1特別図柄の変動パターンとして、ノーマルリーチから発展したSPSPリーチにおいて当たり報知演出が行われることになる変動パターンC(図7(A)参照)が選択された場合に実行される演出について説明する。また、ここでは、1回の第1特別図柄の変動表示中に、大当たり遊技が実行される可能性があることを予告する予告演出として、第1予告、第2予告、第3予告、及び第4予告という4種類の予告演出が実行される場合を例に説明する。
図12(A)には、表示画面70において、保留アイコン表示領域71に1つの保留アイコン(例えば赤色の保留アイコン)が表示された状態で、当該アイコン表示領域72に表示されていた当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、「526」のバラケ目を示す演出図柄が停止表示されている状態が例示されている。このように、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(本実施形態では、0.5秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(ここでは、赤色の保留アイコン)に対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であり、第1特別図柄の変動パターンとして変動パターンCが選択されると、以下のような演出が行われる。
すなわち、最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行されたことに応じて第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトすると共に、3つの図柄列のスクロール表示が開始される(図12(A)及び(B)参照)。この3つの図柄列のスクロール表示が開始されてから所定時間が経過すると、第1予告が実行される場合がある(図12(C)参照)。例えば、第1予告として、表示画面70の中央領域に表示されたステップアップ予告に係る演出画像(図12(C)における第1予告演出画像)の表示態様を段階的に変化させると共に、ステップアップ予告に係る演出音をスピーカ38から出力するステップアップ予告が実行される。
なお、この第1予告は、期待演出が伴わなければ必ず実行されるわけではなく、期待演出が実行されない場合であっても、第1予告が実行される場合と実行されない場合とがある。
上記の第1予告に続いて、擬似連演出が実行される場合がある。ここで、擬似連演出とは、1回の特別図柄(ここでは、第1特別図柄)の変動表示中に、演出図柄表示領域73に表示されている演出図柄が複数回変動表示されたように見せ掛ける演出である。この擬似連演出に関しては、以下のような演出表示が行われる。
すなわち、左列の図柄列のスクロール速度が低下して左図柄(例えば6図柄)が擬似停止し、続いて、右列の図柄列のスクロール速度が低下して(先に擬似停止した左図柄とは異なる)右図柄(例えば4図柄)が擬似停止し、その後、中列の図柄列のスクロール速度が低下して、擬似連演出の実行を報知する中図柄として7図柄が擬似停止する(図12(D)参照)。
このように、左図柄および右図柄として互いに異なる演出図柄が擬似停止した後に、中列に7図柄が擬似停止すると、擬似1連目の変動演出に続く擬似2連目の変動演出が開始される(図12(E)参照)。具体的には、擬似2連目の変動演出の開始を示唆する「×2」の文字が表示画面70の中央領域に大きく表示された後に、この「×2」の文字が表示画面70の左上方の領域に小さく表示され、これに伴い、演出図柄表示領域73において3つの図柄列のスクロール表示が再開される(図12(D)及び(E)参照)。
この擬似2連目の変動演出が行われているときには、第2予告として、例えば、セリフ予告が実行される。具体的には、図12(F)に例示されるように、所定のキャラクタがセリフを発する様子を表す演出画像(第2予告演出画像)が表示画面70の中央領域に表示されると共に、セリフ予告に係る演出音(例えばキャラクタの音声)がスピーカ38から出力される。
なお、この第2予告は、期待演出が伴わなければ必ず実行されるわけではなく、期待演出が実行されない場合であっても、第2予告が実行される場合と実行されない場合とがある。
上記のように、擬似2連目の変動演出中に第2予告としてセリフ予告が実行されると、今回の第1特別図柄の変動表示中における2回目の擬似連演出が実行される(図12(G)参照)。具体的には、図12(G)に例示されるように、左列の図柄列のスクロール速度が低下して左図柄(例えば2図柄)が擬似停止し、続いて、右列の図柄列のスクロール速度が低下して右図柄(例えば5図柄)が擬似停止し、その後、中列の図柄列のスクロール速度が低下して中図柄として7図柄が擬似停止する。
この第1特別図柄の変動表示中における2回目の擬似連演出が実行されると、擬似2連目の変動演出に続く擬似3連目の変動演出が開始される(図12(H)参照)。具体的には、擬似3連目の変動演出の開始を示唆する「×3」の文字が表示画面70の中央領域に大きく表示された後に、この「×3」の文字が表示画面70の左上方の領域に小さく表示され、これに伴い、演出図柄表示領域73において3つの図柄列のスクロール表示が再開される(図12(G)及び(H)参照)。
そして、このようにして擬似3連目の変動演出が開始されてから所定時間が経過すると、左列の図柄列のスクロール速度が低下して左図柄(例えば3図柄)が擬似停止し、続いて、右列の図柄列のスクロール速度が低下して(左図柄と同じ)右図柄(ここでは3図柄)が擬似停止してリーチが成立する(図12(I)参照)。
なお、ここでは、リーチ成立前に各図柄列のスクロール表示を再開させる「リーチ前擬似連」が実行される場合を例に説明したが、リーチ成立後に各図柄列のスクロール表示を再開させる「リーチ後擬似連」が実行される場合もある。
上記のように、左図柄および右図柄として同一の演出図柄が擬似停止してリーチが成立すると、ノーマルリーチが実行される(図13(A)参照)。具体的には、リーチ成立後に中列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していき、リーチ図柄(ここでは左3図柄および右3図柄)と同じ中図柄(ここでは中3図柄)がリーチ図柄によって規定される有効ラインに近付いていく様子を表す演出表示が行われる。
ここで、ノーマルリーチからSPSPリーチへと発展する場合、以下のような演出表示が行われる。すなわち、中列の図柄列のスクロール表示が行われているときに、リーチ図柄と同じ中図柄(ここでは3図柄)が有効ライン上を通過し、これに伴い、中列の図柄列のスクロール速度が上昇して中図柄の識別が困難な状態となり、SPSPリーチに発展することを示唆する発展演出が行われる(図13(B)参照)。具体的には、図13(B)に例示されるように、左3図柄が縮小されながら表示画面70の左上方への領域へと移動する過程でスクロール方向を軸方向として時計回りに1回転してから左上方の領域へと移動し、同時に、右3図柄が縮小されながら表示画面70の右上方の領域へと移動する過程でスクロール方向を軸方向として時計回りに1回転してから右上方の領域へと移動する。その後、今回の第1特別図柄の変動表示の終盤まで、左3図柄は左上方の領域において擬似停止表示され、右3図柄は右上方の領域において擬似停止表示される(図13(C)~(H)参照)。
次に、上記のようにSPSPリーチへの発展を示唆する発展演出(図13(B)参照)が行われると、第3予告が発生することを遊技者に期待させる暗転演出が行われる(図13(C)参照)。具体的には、発展演出が行われてから所定時間(例えば3秒間)が経過するまでの間、図13(C)に例示されるように、黒一色の背景画像に対してリーチ図柄(ここでは左3図柄および右図柄)と当該アイコンのみを重畳表示させて、他の演出画像を非表示にする演出表示が行われる。
この暗転演出に続いて、第3予告として、例えば群予告が行われる場合がある(図13(D)参照)。具体的には、図13(D)に例示されるように、多数のキャラクタが表示画面70上を右から左へと移動していく様子を表す演出表示が行われる。
なお、このような第3予告は、暗転演出が行われれば必ず実行される訳ではなく、暗転演出に続いて第3予告が実行されてからSPSPリーチが開始される場合と、暗転演出に続く第3予告が実行されずにSPSPリーチが開始される場合とがある。
このように、SPSPリーチが開始されると、SPSPリーチに係る演出画像であるSPSPリーチ演出画像が表示画面70に表示される(図13(E)参照)。これにより、例えば、自キャラと敵キャラとが攻防を繰り広げる様子を表す演出表示が行われる。そして、SPSPリーチの終盤に差し掛かると、第1演出ボタン35の操作を遊技者に促す第1演出ボタン操作促進演出が行われる(図13(F)参照)。具体的には、第1演出ボタン35を模した第1演出ボタン画像と、第1演出ボタン35の操作が有効な有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージとが表示される。
この第1演出ボタン操作促進演出では、その有効期間中に第1演出ボタン35が操作されたタイミング、又は、第1演出ボタン35が操作されることなく有効期間が終了したタイミングで、第4予告として、例えば、表示画面70に表示されている(リーチ図柄以外の)演出画像に所定のカットイン画像を重畳表示させるカットインが行われる(図13(G)参照)。このカットインは、大当たり信頼度がどの程度であるかを示唆する演出であって、緑色のカットイン画像を重畳表示させる緑カットインが行われる場合と、赤色のカットイン画像を重畳表示させる赤カットインが行われる場合と、金色のカットイン画像を重畳表示させる金カットインが行われる場合とがあり、これらのカットインを大当たり信頼度が低いものから高いものの順に並べると、緑カットイン、赤カットイン、金カットインの順となる。
このようにカットインが発生してSPSPリーチの終盤になると、第2演出ボタン36の操作を遊技者に促す第2演出ボタン操作促進演出が行われる(図13(H)参照)。具体的には、図13(H)に例示されるように、第2演出ボタン操作促進演出の有効期間中には、第2演出ボタン36を模した第2演出ボタン画像と、「押せ!」という第2演出ボタン36の操作内容を示す文字と、有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージとが表示される。
この第2演出ボタン操作促進演出の有効期間中に第2演出ボタン36が操作されると、その操作に応じた操作対応演出として、ゾロ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させる当たり報知演出が行われる(図13(I)参照)。
なお、ここでは、今回の第1特別図柄の変動表示開始時に変動パターンC(図7(A)参照)が選択されているために、操作対応演出として当たり報知演出が行われるが、例えば、今回の第1特別図柄の変動パターンとして図7(B)に例示される変動パターンGや変動パターンHが選択されている場合には、操作対応演出として、リーチハズレ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させるハズレ報知演出が行われる。
[期待演出を伴って実行される演出の具体例]
次に、図14,15を参照しつつ、期待演出を伴って実行される演出の具体例について説明する。図14,15は、期待演出が実行される場合に行われる演出を例示する画面図であり、ここでは、図10(C)等に基づいて上述したように、保留1変動、保留2変動、保留3変動、及び先読み対象である保留4変動に跨って期待演出が実行される場合を例に説明する。
図14(A)には、表示画面70において、保留アイコン表示領域71に3つの保留アイコン(いずれも白色の保留アイコン)が表示された状態で、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示中において、左列に4図柄が擬似停止している状態が例示されている。このような第1特別図柄および演出図柄の変動表示中において、第1始動口21に遊技球が新たに入賞して、保留アイコン表示領域71に4つ目の保留アイコンが表示される場合がある(図14(B)参照)。図14(B)には、4つ目の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定の権利を先読み対象として、この権利に対して事前判定処理が実行され、その事前判定結果に基づいて、赤色の保留アイコンが表示された状態が例示されている。
ここでは、図14には示されていないが、ノーマルリーチからSPSPリーチへと発展する変動演出が行われることになる(第1特別図柄の)変動パターンG(図7(B)参照)が選択されることを示す事前判定結果が得られたことに基づいて、期待演出を実行すると決定されて、期待演出が実行される場合について説明する。
図14(A)及び(B)において当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果がハズレであり、リーチ無し演出を実行すると決定されている場合、変動演出の終盤でバラケ目(例えば「425」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これらの演出図柄がそのまま本停止する(図14(C)参照)。なお、図14(C)には、バラケ目を示す3つの演出図柄が本停止する直前(例えば、3つの演出図柄が擬似停止しているとき)に、当該アイコン表示領域72に表示されていた当該アイコンが消去された後の状態が例示されている。
この当該アイコン表示領域72から消去された当該アイコンに対応する第1特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄としてハズレ図柄が所定の確定時間(本実施形態では、0.5秒)だけ停止表示されると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンに対応する権利に対して第1特別図柄判定が実行される。このように、第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って、保留アイコン表示領域71に表示されている各保留アイコンに対するシフト処理が行われると共に、3つの図柄列のスクロール表示(図10(C)に例示される「保留1変動」)が開始される(図14(C)及び(D)参照)。
なお、第1特別図柄および演出図柄が停止表示された状態(図14(C)に示される状態)で、保留アイコン表示領域71には、先読み対象の権利に対応する赤色の保留アイコンを含め4つの保留アイコンが表示されているので、図14(C)及び(D)に示されるように、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンを当該アイコン表示領域72にシフトさせると共に、残り3つの保留アイコンを保留アイコン表示領域71内で当該アイコン表示領域72側にシフトさせるシフト処理が行われる。
また、ここでは、先読み対象である第1特別図柄判定の権利に対して事前判定処理が行われた結果として、期待演出を実行することが決定されているので、図14(D)に例示されるように、保留1変動(図10(C)参照)の開始に伴って期待演出が開始される。具体的には、「進撃ゾーン突入」といった期待演出が開始されることを報知する文字が表示画面70の中央領域に表示されると共に、表示画面70に表示されている背景画像が通常背景画像から期待演出専用の背景画像に変化し、加えて、期待演出に対応するBGMがスピーカ38から出力される。そして、保留1変動が開始されてから(先読み対象である)保留4変動の変動表示が終了するまでの期間において、進撃ゾーン演出画像が表示されることによって、大当たりの大チャンスが近づいていると遊技者に感じさせられるように、図には表れていないが、例えば、自キャラが敵キャラの兵隊(雑魚キャラ)を倒しながら敵キャラのボスが待つアジトへと次第に近づいていく様子を表す演出表示が、表示画面70のほぼ全域を用いて行われる。
ところで、先読み対象である権利に対して第1特別図柄判定が行われる前に実行される図柄変動(ここでは、保留1変動~保留3変動)に関して、図14(A)~(C)に例示されるのと同様に大きな演出図柄を変動表示させてから停止表示させてしまうと、期待演出中にバラケ目を示す3つの大きな演出図柄が表示画面70の中央に本停止することになり(例えば図14(C)参照)、期待演出の興趣性を著しく低下させるばかりか、期待演出の途中で大当たりの可能性が無くなったと遊技者に誤認させる可能性がある。このため、本実施形態の遊技機1では、期待演出が開始されてから先読み対象である権利に対応する第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示の終盤まで(ここでは、保留4変動の終盤まで)の期間においては、3つの図柄列を表示画面70の右上方に小さく表示して、この右上方の領域において演出図柄の変動表示および停止表示を行うことで、上記のような問題が生じるのを抑制することとしている(図14(D)~(I)、図15参照)。
次に、保留アイコン表示領域71に表示されていた最先の保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトされると、上述したように、小図柄表示された3つの図柄列のスクロール表示(保留1変動)が開始される(図14(D)参照)。ここで、保留1変動の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、リーチ無し演出を実行すると決定されているので、保留1変動の終盤で例えば「215」のバラケ目を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これらの演出図柄がそのまま本停止する(図14(D)及び(E)参照)。
なお、ここでの保留1変動は、図10(C)や図11等に基づいて上述した第3期待演出における保留1変動であるため、保留1変動に係る第1特別図柄の変動パターンとしては、保留1変動の開始時に、変動時間が7秒である変動パターンO(図11参照)が選択される。
上記のように、表示画面70の右上方でバラケ目を示す3つの演出図柄が本停止するものの、これらの演出図柄の大きさが、演出図柄表示領域73に表示される場合に比べて極めて小さいため、バラケ目を示す大きな演出図柄を本停止させることで大当たりの可能性が無くなったと遊技者に誤認させたり、ゾロ目になる可能性がない演出図柄を大きく表示することで期待演出の興趣性を低下させたりするのを抑制することが可能である。
なお、図14(D)及び(E)の表記から明らかなように、保留1変動中に第1始動口21に1つの遊技球が入賞して第1特別図柄判定の保留個数が「4」に増加し、保留アイコン表示領域71に4つ目の保留アイコンが新たに表示される場合がある。
続いて、保留1変動に対応する第1特別図柄(ハズレ図柄)および「215」のバラケ目を示す3つの演出図柄が停止表示されてから所定の確定時間(ここでは、0.5秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(図14(E)参照)に対応する権利に対して第1特別図柄判定が実行される。このように、第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って、保留アイコン表示領域71に表示されている各保留アイコンに対するシフト処理が行われると共に、小図柄態様での3つの図柄列のスクロール表示(図10(C)に例示される「保留2変動」)が開始される(図14(E)及び(F)参照)。
なお、第1特別図柄および演出図柄が停止表示された状態(図14(E)に示される状態)で、保留アイコン表示領域71には、先読み対象の権利に対応する赤色の保留アイコンを含め4つの保留アイコンが表示されているので、図14(E)及び(F)に示されるように、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンを当該アイコン表示領域72にシフトさせると共に、残り3つの保留アイコンを保留アイコン表示領域71内で当該アイコン表示領域72側にシフトさせるシフト処理が行われる。また、図14(F)の表記から明らかなように、保留2変動が開始される際には、第1特別図柄判定の保留個数が「3」になっているものの、保留2変動に係る第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、期待演出を実行すると決定されている場合、保留2変動に係る第1特別図柄の変動パターンとしては、保留1変動に係る第1特別図柄の変動パターンと同じ、変動時間が7秒である変動パターンO(図10(C)及び図11参照)が保留2変動開始時に選択される。
また、図14(F)及び(G)の表記から明らかなように、保留2変動中に第1始動口21に1つの遊技球が入賞して第1特別図柄判定の保留個数が再び「4」に増加し、保留アイコン表示領域71に4つ目の保留アイコンが新たに表示される場合がある。保留2変動の終盤に差し掛かると、例えば「643」のバラケ目を示す3つの演出図柄が擬似停止し、保留2変動の開始から7秒が経過して第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴い、これらの演出図柄がそのまま本停止する(図14(H)参照)。
続いて、保留2変動に対応する第1特別図柄(ハズレ図柄)および「643」のバラケ目を示す3つの演出図柄が停止表示されてから所定の確定時間(ここでは、0.5秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(図14(H)参照)に対応する権利に対して第1特別図柄判定が実行される。このように、第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って、保留アイコン表示領域71に表示されている各保留アイコンに対するシフト処理が行われると共に、小図柄態様での3つの図柄列のスクロール表示(図10(C)に例示される「保留3変動」)が開始される(図14(H)及び(I)参照)。
なお、第1特別図柄および演出図柄が停止表示された状態(図14(H)に示される状態)で、保留アイコン表示領域71には、先読み対象の権利に対応する赤色の保留アイコンを含め4つの保留アイコンが表示されているので、図14(H)及び(I)に示されるように、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンを当該アイコン表示領域72にシフトさせると共に、残り3つの保留アイコンを保留アイコン表示領域71内で当該アイコン表示領域72側にシフトさせるシフト処理が行われる。また、図14(I)の表記から明らかなように、保留3変動が開始される際には、第1特別図柄判定の保留個数が「3」になっているものの、保留3変動に係る第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、期待演出を実行すると決定されている場合、保留3変動に係る第1特別図柄の変動パターンとしては、保留1変動や保留2変動に係る第1特別図柄の変動パターンと同じ、変動時間が7秒である変動パターンO(図10(C)及び図11参照)が保留3変動開始時に選択される。
保留3変動が開始されてその終盤に差し掛かると、例えば「458」のバラケ目を示す3つの演出図柄が擬似停止し、保留3変動の開始から7秒が経過して第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴い、これらの演出図柄がそのまま本停止する(図15(A)参照)。
続いて、保留3変動に対応する第1特別図柄(ハズレ図柄)および「458」のバラケ目を示す3つの演出図柄が停止表示されてから所定の確定時間(ここでは、0.5秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(図15(A)に示される赤色の保留アイコン)に対応する権利に対して第1特別図柄判定が実行される。このように、第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って、保留アイコン表示領域71に表示されている各保留アイコンに対するシフト処理が行われると共に、3つの図柄列のスクロール表示(図10(C)に例示される「保留4変動」)が開始される(図15(A)及び(B)参照)。
なお、第1特別図柄および演出図柄が停止表示された状態(図15(A)に示される状態)で、保留アイコン表示領域71には、先読み対象の権利に対応する赤色の保留アイコンを含め3つの保留アイコンが表示されているので、図15(A)及び(B)に示されるように、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(赤色の保留アイコン)を当該アイコン表示領域72にシフトさせると共に、残り2つの保留アイコン(白色の保留アイコン)を保留アイコン表示領域71内で当該アイコン表示領域72側にシフトさせるシフト処理が行われる。また、先読み対象である保留4変動に対応する第1特別図柄判定が実行されると、事前判定処理によって特定された第1特別図柄の変動時間が65秒である変動パターンG(図7(B)参照)ではなく、保留1変動~保留3変動に係る第1特別図柄の変動パターンと同じ、変動時間が7秒である変動パターンO(図10(C)及び図11参照)が選択され、保留4変動が開始されてから7秒が経過するまでの間、第1特別図柄および演出図柄の変動表示が行われることになる。
図15(B)に例示されるように、先読み対象である保留4変動(期待演出が実行される最後の図柄変動である最終変動)が開始されると、例えば、その直後に、「敵軍発見!」という文字が表示画面70の中央領域に表示されると共に(図15(C)参照)、図には表れていないが、自キャラが敵キャラのアジトに到達した様子を表す演出表示が行われる。
そして、この演出表示の直後に、図13(H)に基づいて上述したのと同様に、第2演出ボタン36の操作を遊技者に促す第2演出ボタン操作促進演出が行われる(図15(D)参照)。ここで、保留4変動の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、第2演出ボタン操作促進演出の有効期間中に第2演出ボタン36が操作されたことに応じて、自キャラが敵軍の殲滅に成功したことを示す「撃破!」の文字が表示画面70の中央領域に表示される(図15(E)参照)。そして、演出図柄表示領域73にゾロ目(ここでは「333」)を示す3つの大きな演出図柄を擬似停止させ、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示されるのに伴ってこれらの演出図柄をそのまま本停止させる当たり報知演出が行われる(図15(F)参照)。
一方、保留4変動の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、第2演出ボタン操作促進演出の有効期間中に第2演出ボタン36が操作されたことに応じて、自キャラが敵軍の殲滅に失敗して敵軍が逃走したことを示す「敵軍逃走」の文字が表示画面70の中央領域に表示される(図15(G)参照)。そして、演出図柄表示領域73にリーチハズレ目(ここでは「343」)を示す3つの大きな演出図柄を擬似停止させ、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴ってこれらの演出図柄をそのまま本停止させるハズレ報知演出が行われる(図15(H)参照)。
以下、図15までの図面に基づいて説明した演出制御を実現するための各制御基板のRAM構成、各制御基板で行われる処理について説明する。
[メインRAM83の構成例]
図16は、メインRAM83の記憶領域と各記憶領域に記憶される情報について説明するための説明図である。図16(A)に例示されるように、メインRAM83には、第1始動口21に遊技球が入賞した際に取得された取得情報等を記憶する記憶領域として、判定用記憶領域830、特図1・第1保留記憶領域831、特図1・第2保留記憶領域832、特図1・第3保留記憶領域833、及び特図1・第4保留記憶領域834が設けられている。また、メインRAM83には、第2始動口22に遊技球が入賞した際に取得された取得情報等を記憶する記憶領域として、上記判定用記憶領域830、特図2・第1保留記憶領域835、特図2・第2保留記憶領域836、特図2・第3保留記憶領域837、及び特図2・第4保留記憶領域838が設けられている。
判定用記憶領域830は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域であり、特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。そして、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、第2特別図柄判定の方が第1特別図柄判定よりも優先消化される。このため、判定用記憶領域830には、保留されている特別図柄判定の実行に際して、第2特別図柄判定が保留されている場合には特図2・第1保留記憶領域835に記憶されている各種情報がシフトされ、第1特別図柄判定のみが保留されている場合には特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている各種情報がシフトされる。
図16(B)に例示されるように、保留記憶領域831~838は、特別図柄判定の権利を保留するための情報を記憶する領域であって、それぞれ、メインCPU81によって取得された、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、事前判定結果を示す情報である事前判定情報を記憶する領域等を含んでいる。
ここで、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数については、図5,7に基づいて上述した通りである。事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図19参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。ここで、入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口21に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。これらの情報を含む事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
遊技機1では、第1始動口21に遊技球が入賞する毎に、図16(B)に基づいて説明した5つの情報が、特図1・第1保留記憶領域831から順に、特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834のいずれかに格納される。また、第2始動口22に遊技球が入賞する毎に、上記5つの情報が、特図2・第1保留記憶領域835から順に、特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838のいずれかに格納される。
例えば、判定用記憶領域830に情報が記憶されると共に特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834のいずれにも情報が記憶されていない状態で、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて新たに取得された第1特別図柄判定に係る5つの情報が特図1・第1保留記憶領域831に格納される。また、例えば、判定用記憶領域830、特図1・第1保留記憶領域831、及び特図1・第2保留記憶領域832のそれぞれに5つの情報が記憶された状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて新たに取得された第1特別図柄判定に係る5つの情報が特図1・第3保留記憶領域833に格納される。
また、第1特別図柄判定の実行に際して特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報が判定用記憶領域830にシフトされると、特図1・第2保留記憶領域832以降の第1特別図柄判定に係る保留記憶領域に記憶されている情報が特図1・第1保留記憶領域831側にシフトされる。例えば、特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第3保留記憶領域833のそれぞれに情報が記憶された状態で特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報が判定用記憶領域830にシフトされると、特図1・第2保留記憶領域832に記憶されている情報が特図1・第1保留記憶領域831にシフトされ、特図1・第3保留記憶領域833に記憶されている情報が特図1・第2保留記憶領域832にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838においても同様に行われる。なお、本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄判定および第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち特図1・第1保留記憶領域831と特図2・第1保留記憶領域835の両方に情報が記憶されている場合、特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834を対象とするシフト処理に先立って、特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838を対象とするシフト処理が優先して行われる。
ところで、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中に第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。このため、メインCPU81は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を、特別図柄判定の権利を保留する情報として保留記憶領域831~838のいずれかの領域に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU81は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域830に直接格納する。
[メイン制御基板80による割込み処理]
次に、図17を参照しつつ、メイン制御基板80において実行される割込み処理について説明する。ここで、図17は、メイン制御基板80において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。メイン制御基板80は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図17に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図17以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御基板80の処理は、メインROM82に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU81が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU81は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻されて更新される。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU81は、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、ゲートセンサ251の各センサからの検知信号が入力されたことに応じて各種の乱数を取得する処理を含むセンサ検知処理を実行する(ステップS2)。このセンサ検知処理については、図18に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU81は、特別図柄判定を実行して、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図20に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU81は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器43に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU81は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口22を開放すると判定した場合に、開閉部材23を動作させる第2始動口ソレノイド222を制御して第2始動口22を開閉する第2始動口開閉制御処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS3の特別図柄処理において実行される大当たり判定処理で「大当たり」であると判定した場合に、第1大入賞口ソレノイド262(又は第2大入賞口ソレノイド282)を制御して第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)を開閉する大入賞口開閉制御処理を実行する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU81は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM83にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報をサブ制御基板90に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[メイン制御基板80によるセンサ検知処理]
図18は、図17のステップS2におけるセンサ検知処理の詳細フローチャートである。図18に例示されるように、メインCPU81は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、ゲートセンサ251からの検知信号の入力の有無に基づいて、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知したか否かを判定する(ステップS201)。ここで、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知したと判定した場合(ステップS201:YES)、メインRAM83に記憶されている普通図柄判定の保留数Fが、予め設定されている普通図柄判定の最大保留数Fmax(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
メインCPU81は、保留数Fが「4」未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数Fを「1」加算した値に更新し(ステップS203)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される普通図柄乱数に関して、ゲート25に対する遊技球の通過を検知したタイミングの値を取得して、メインRAM83の所定領域に格納する(ステップS204)。
一方、メインCPU81は、ステップS204の処理を実行した場合、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知していないと判定した場合(ステップS201:NO)、保留数Fが「4」未満ではないと判定した場合(ステップS202:NO)、第2始動口センサ221からの検知信号の入力の有無に基づいて、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したか否かを判定する(ステップS206)。ここで、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したと判定した場合(ステップS206:YES)、メインRAM83に記憶されている第2特別図柄判定の保留数T2が、予め設定されている第2特別図柄判定の最大保留数T2max(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS207)。
メインCPU81は、保留数T2が「4」未満であると判定した場合(ステップS207:YES)、保留数T2を「1」加算した値に更新し(ステップS208)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に関して、第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したタイミングの値をそれぞれ取得する(ステップS209)。
このように、保留数T2が最大保留数T2max未満の状態で第2始動口22に対する遊技球の入賞が検知されるという取得条件の成立に応じて、第2特別図柄判定に係る各種の乱数が取得される。なお、第2特別図柄判定および第2特別図柄の変動表示を直ちに実行可能な状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は判定用記憶領域830に直接格納され、直ちに実行できない状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838のいずれかの領域に格納される。
メインCPU81は、ステップS209の処理を実行した場合、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS210)。メインRAM83には、時短遊技フラグが記憶されている。この時短遊技フラグは、第2始動口22に遊技球が入賞し難い低ベース状態となるように開閉部材23の動作を制御する場合に「OFF」に設定され、第2始動口22に遊技球が入賞し易い高ベース状態となるように開閉部材23の動作を制御する場合に「ON」に設定されるフラグである。メインCPU81は、ステップS210において、この時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する。
メインCPU81は、現在の状態が高ベース状態であると判断した場合(ステップS210:YES)、すなわち時短遊技フラグが「ON」に設定されている場合、第2特別図柄判定の保留に係る事前判定処理を実行する(ステップS211)。具体的には、第2始動口22に遊技球が入賞したことに応じて取得した各種乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理(図21参照)や変動パターン選択処理(図22参照)が実行されるのに先立って、ステップS209の処理で取得された各種乱数に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第2特別図柄判定が実行された際に第2特別図柄の変動パターンとしてどの変動パターンが選択されるかを事前判定する事前判定処理を実行する。この事前判定処理の結果である事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数等が記憶されているのと同じ保留記憶領域に格納される。
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第2特別図柄判定の保留数T2が「0」の状態で第2始動口22に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域830に直接格納されて、これらの乱数に基づく第2特別図柄判定が直ちに実行される。この場合、第2特別図柄判定は保留されないため、第2特別図柄判定に係る事前判定処理は行われない。このような事前判定処理については、図19に基づいて後に詳述する。
メインCPU81は、ステップS211の処理を実行した場合、又は高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS210:NO)、第2特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS212)。この保留コマンドは、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。なお、ステップS211の事前判定処理が行われることなくステップS212の処理が行われた場合には、事前判定情報を含まない保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。一方、ステップS211の事前判定処理が行われた後にステップS212の処理が行われた場合には、事前判定情報を含む保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。
一方、メインCPU81は、ステップS212の処理を実行した場合、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知していないと判定した場合(ステップS206:NO)、第2特別図柄判定の保留数T2が「4」未満ではないと判定した場合(ステップS207:NO)、第1始動口センサ211からの検知信号の入力の有無に基づいて、第1始動口センサ211が第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したか否かを判定する(ステップS214)。ここで、第1始動口センサ211が第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したと判定した場合(ステップS214:YES)、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1が、予め設定されている第1特別図柄判定の最大保留数T1max(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS215)。
メインCPU81は、保留数T1が「4」未満であると判定した場合(ステップS215:YES)、保留数T1を「1」加算した値に更新し(ステップS216)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に関して、第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したタイミングの値をそれぞれ取得する(ステップS217)。
このように、保留数T1が最大保留数T1max未満の状態で第1始動口21に対する遊技球の入賞が検知されるという取得条件の成立に応じて、第1特別図柄判定に係る各種の乱数が取得される。なお、第1特別図柄判定および第1特別図柄の変動表示を直ちに実行可能な状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は判定用記憶領域830に直接格納され、直ちに実行できない状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834のいずれかの領域に格納される。
メインCPU81は、ステップS217の処理を実行した場合、ステップS210の処理と同様に、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS218)。ここで、現在の状態が高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS218:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」に設定されている場合、第1特別図柄判定の保留に係る事前判定処理を実行する(ステップS219)。具体的には、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて取得した各種乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理(図21参照)や変動パターン選択処理(図22参照)が実行されるのに先立って、ステップS217の処理で取得された各種乱数に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行された際に第1特別図柄の変動パターンとしてどの変動パターンが選択されるかを事前判定する事前判定処理を実行する。この事前判定処理の結果である事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数等が記憶されているのと同じ保留記憶領域に格納される。
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第1特別図柄判定の保留数T1が「0」の状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域830に直接格納されて、これらの乱数に基づく第1特別図柄判定が直ちに実行される。この場合、第1特別図柄判定は保留されないため、第1特別図柄判定に係る事前判定処理は行われない。このような事前判定処理については、図19に基づいて後に詳述する。
メインCPU81は、ステップS219の処理を実行した場合、又は高ベース状態であると判断した場合(ステップS218:YES)、第1特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS220)。この保留コマンドは、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。なお、ステップS219の事前判定処理が行われることなくステップS220の処理が行われた場合には、事前判定情報を含まない保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。一方、ステップS219の事前判定処理が行われた後にステップS220の処理が行われた場合には、事前判定情報を含む保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。
[メイン制御基板80による事前判定処理]
以下、図19を参照しつつ、メイン制御基板80によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図19は、図18のステップS211,219における事前判定処理の詳細フローチャートである。なお、ここでは、第1特別図柄判定の権利が保留された場合に行われる事前判定処理を例に説明を行う。
メインCPU81は、図18のステップS218の処理で高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS218:NO)、大当たり判定処理を実行する(ステップS2191)。具体的には、低確率状(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)である場合には、低確率時用大当たり乱数テーブル(図5(A)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする。一方、高確率状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)である場合には、高確率時用大当たり乱数テーブル(図5(A)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする。そして、図18のステップS217の処理で取得した大当たり乱数が、メインRAM83にセットした大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを判定する。
次に、メインCPU81は、ステップS2191の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりであると判定されるか否かを判断する(ステップS2192)。ここで、当該変動開始時に大当たりであると判定されると判断した場合(ステップS2192:YES)、大当たり用変動パターン選択テーブル(図7(A)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS2193)。
一方、メインCPU81は、当該変動開始時に大当たりではないと判定されると判断した場合(ステップS2192:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2194)。具体的には、ステップS2191の大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、メインROM82に記憶されているリーチ乱数の当選値(図5(D)のリーチ有り演出に対応する乱数値)と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU81は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2194:YES)、リーチハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(B)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS2195)。
ところで、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ当該変動中にリーチ演出が行われない場合、当該変動開始時における第1特別図柄判定の保留数に基づいて第1特別図柄の変動パターンが決定される。このことは、図7(C)に基づいて上述した通りである。そして、保留されている第1特別図柄判定が消化される前と後では第1特別図柄判定の保留数が相異なる場合がある。このため、第1特別図柄判定が消化される前に取得した特別図柄の変動パターンが、その第1特別図柄判定が実際に消化される際に選択される特別図柄の変動パターンとは異なる場合がある。すなわち、当該変動中にリーチ演出が行われない第1特別図柄判定の権利に対しては、その第1特別図柄判定に先立って正確な第1特別図柄の変動パターンを取得できない場合がある。
このため、リーチ演出が行われないとメインCPU81によって判定された場合には(ステップS2194:NO)、後述するステップS2196の変動パターン乱数判定処理や、ステップS2197の事前判定情報を格納する処理が行われることなく、図18のステップS220に処理が進められる。よって、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となって、リーチ無し演出が行われることになる場合には、事前判定情報を含まない保留コマンドがセットされることになる。
メインCPU81は、大当たり用変動パターン選択テーブル又はリーチハズレ用変動パターン選択テーブルをセットすると、変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS2196)。具体的には、ステップS2191の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得された変動パターン乱数が、メインRAM83にセットされている変動パターン選択テーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる第1特別図柄判定で選択されることになる特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU81は、ステップS2196の処理を実行した場合、事前判定情報を生成してメインRAM83に格納する(ステップS2197)。この事前判定情報が格納される領域については、図16に基づいて上述した通りである。
このように、メインCPU81は、遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報に基づいて、この取得情報に基づく大当たり判定処理や変動パターン選択処理が行われるのに先立って、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動パターン(すなわち変動時間)を取得する。
ステップS2197の処理に続いて、メインCPU81は、期待演出を実行するか否かを判定する(ステップS2198)。ここで、期待演出は、大当たり遊技が実行されることを遊技者に期待させる演出であるため、大当たり信頼度が相対的に高い演出である必要がある。このため、メインCPU81は、事前判定結果に基づいて、例えば、SPリーチ以上のリーチ演出に発展しない変動パターン(例えば、図7(A)の変動パターンAや図7(B)の変動パターンE)が選択されることを特定した場合には、期待演出を実行しないと判定する。
一方、メインCPU81は、事前判定結果に基づいて、例えば、SPリーチ以上のリーチ演出が実行される変動パターン(図7(A)の変動パターンB~Cと、図7(B)の変動パターンF~Hのいずれかの変動パターン)が選択されることを特定した場合には、期待演出の実行が可能であるため、更に以下のような処理を実行する。すなわち、本実施形態の期待演出は、上述したように、第1特別図柄の2以上の変動表示に跨って実行される演出であるため、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1に基づいて、第1特別図柄判定の保留個数が「2」以上であるか否かを判定する。ここで、第1特別図柄判定の保留個数が「2」以上ではないと判定した場合、すなわち、先読み対象である第1特別図柄の変動表示が保留1変動となる場合には、期待演出を実行しないと判定する。
逆に、メインCPU81は、第1特別図柄判定の保留個数が「2」以上であると判定した場合、先読み対象である第1特別図柄の変動表示よりも前に行われる第1特別図柄の変動表示に対応する第1特別図柄判定の権利に係る事前判定結果に基づいて、いずれも、リーチ無しハズレ用の変動パターン(図7(C)に例示される変動パターンJ~Lのいずれか)が選択されるか否かを判定する。例えば、期待演出の対象となる第1特別図柄判定の権利に係る事前判定情報が特図1・第4保留記憶領域834に記憶されている場合には、特図1・第1保留記憶領域831、特図1・第2保留記憶領域832、及び特図1・第3保留記憶領域833のいずれにも事前判定情報が記憶されていなければ、いずれも、リーチ無しハズレ用の変動パターンしか選択されないと判定することが可能である。一方、特図1・第1保留記憶領域831、特図1・第2保留記憶領域832、及び特図1・第3保留記憶領域833のいずれかに、大当たり用変動パターン(図7(A)の変動パターンA~Dのいずれか)またはリーチハズレ用変動パターン(図7(B)の変動パターンE~Hのいずれか)が選択されることを示す事前判定情報が記憶されていれば、リーチ無しハズレ用の変動パターンではない変動パターンが選択されると判定することが可能であり、この場合は、期待演出を実行しないと判定する必要がある。
ここまでの説明から明らかなように、メインCPU81は、上記ステップS2198の処理において、以下の第1の条件から第3の条件の全てを満たしているか否かに基づいて、期待演出を実行するか否かを判定する。ここで、第1の条件は、期待演出の実行契機となり得る事前判定処理によって、その事前判定処理が行われた権利に対応する第1特別図柄判定が実行された場合に、SPリーチ以上のリーチ演出に発展する変動パターンが選択されることを特定していることである。また、第2の条件は、この事前判定処理を実行した時点における第1特別図柄判定の保留個数が「2」以上であることである。また、第3の条件は、先読み対象である第1特別図柄の変動表示よりも前に行われる第1特別図柄の変動表示に関しては、リーチ無しハズレ用の変動パターンしか選択されないことを、各保留の事前判定情報に基づいて特定できていることである。
これらの第1の条件から第3の条件のうち、いずれか1つでも条件が満たされない場合には、ステップS2198の処理において、期待演出を実行しないと判定され(ステップS2198:NO)、図18のステップS220に処理が進められる。
一方、メインCPU81は、上記第1の条件から第3の条件が全て満たされる場合には、ステップS2198の処理において、期待演出を実行すると判定し(ステップS2198:YES)、メインRAM83に記憶されている期待演出フラグを「ON」に設定する(ステップS2199)。上述したように、この期待演出フラグには、第1期待演出フラグと、第2期待演出フラグと、第3期待演出フラグとがあって、メインCPU81は、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1が「2」であれば第1期待演出フラグを「ON」に設定し、第1特別図柄判定の保留数T1が「3」であれば第2期待演出フラグを「ON」に設定し、第1特別図柄判定の保留数T1が「4」であれば第3期待演出フラグを「ON」に設定する。
次に、メインCPU81は、第1特別図柄判定の保留数T1に基づいて、第1特別図柄判定の保留数が「2」であるか否かを判定する(ステップS2200)。ここで、第1特別図柄判定の保留数が「2」であると判定した場合(ステップS2200:YES)、すなわち、ステップS2199の処理で第1期待演出フラグを「ON」に設定した場合、メインRAM83に記憶されている期待演出変動回数Hを「2」に設定する(ステップS2201)。
一方、メインCPU81は、第1特別図柄判定の保留数が「2」ではないと判定した場合(ステップS2200:NO)、第1特別図柄判定の保留数T1に基づいて、第1特別図柄判定の保留数が「3」であるか否かを判定する(ステップS2202)。ここで、第1特別図柄判定の保留数が「3」であると判定した場合(ステップS2202:YES)、すなわち、ステップS2199の処理で第2期待演出フラグを「ON」に設定した場合、期待演出変動回数Hを「3」に設定する(ステップS2203)。逆に、第1特別図柄判定の保留数が「3」ではないと判定した場合(ステップS2202:NO)、すなわち、ステップS2199の処理で第3期待演出フラグを「ON」に設定した場合、期待演出変動回数Hを「4」に設定する(ステップS2204)。
後に詳述するが、第1期待演出フラグを「ON」に設定すると共に期待演出変動回数Hを「2」に設定した場合には、断続的に行われる第1特別図柄の2回の変動表示に関して、いずれも変動時間が14.5秒である変動パターンM(図11参照)が選択されて、第1期待演出(図10(A)参照)の実現が可能となる。また、第2期待演出フラグを「ON」に設定すると共に期待演出変動回数Hを「3」に設定した場合には、断続的に行われる第1特別図柄の3回の変動表示に関して、いずれも変動時間が9.5秒である変動パターンN(図11参照)が選択されて、第2期待演出(図10(B)参照)の実現が可能となる。また、第3期待演出フラグを「ON」に設定すると共に期待演出変動回数Hを「4」に設定した場合には、断続的に行われる第1特別図柄の4回の変動表示に関して、いずれも変動時間が7秒である変動パターンO(図11参照)が選択されて、第3期待演出(図10(C)参照)の実現が可能となる。
[メイン制御基板80による特別図柄処理]
次に、図20を参照しつつ、メイン制御基板80によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図20は、図17のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
図20に例示されるように、メインCPU81は、メインRAM83に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU81は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM83に記憶されている第2特別図柄判定の保留数T2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数T2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数T2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU81は、保留数T2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数T1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、保留数T1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
メインCPU81は、ステップS304の処理またはステップS306の処理を実行した場合、メインRAM83の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS307)。具体的には、ステップS304の処理に続いてステップS307の処理を実行する場合、特図2・第1保留記憶領域835に記憶されている情報を判定用記憶領域830にシフトさせるシフト処理を実行する。その際、特図2・第2保留記憶領域836以降の保留記憶領域にも情報が記憶されている場合には、これらの情報を特図2・第1保留記憶領域835側にシフトさせるシフト処理も併せて実行する。一方、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合、特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報を判定用記憶領域830にシフトさせるシフト処理を実行する。その際、特図1・第2保留記憶領域832以降の保留記憶領域にも情報が記憶されている場合には、これらの情報を特図1・第1保留記憶領域831側にシフトさせるシフト処理も併せて実行する。
メインCPU81は、ステップS307のシフト処理によって大当たり乱数や図柄乱数等の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)に必要な情報を判定用記憶領域830に格納すると、これらの情報に基づいて、ステップS308の大当たり判定処理とステップS309の変動パターン選択処理を実行する。
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第1特別図柄判定の保留数T1と第2特別図柄判定の保留数T2が両方とも「0」の状態で遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞した場合、その入賞に応じて取得された大当たり乱数や図柄乱数等の情報が判定用記憶領域830に直接格納される。このような場合は、ステップS307のシフト処理が実行されることなく、大当たり判定処理および変動パターン選択処理が実行されることになる。
メインCPU81は、判定用記憶領域830に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS308)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類(大当たり図柄)が決定されることになる。そして、これらの処理の結果を示す特別図柄の設定情報がメインRAM83にセットされる。この大当たり判定処理については、図21に基づいて後に詳述する。
ステップS308の大当たり判定処理に続いて、メインCPU81は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS309)。この変動パターン選択処理については、図22に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS308の処理で設定した特別図柄の設定情報、この特別図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS309の処理で選択した変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS310)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。これにより、表示画面70における演出図柄の変動表示を含む変動演出が開始されることになる。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS310の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS311)。その際、判定用記憶領域830に第1特別図柄判定に係る情報が記憶された状態でステップS308~ステップS310の処理が行われた場合には、第1特別図柄表示器41における第1特別図柄の変動表示を開始する。一方、判定用記憶領域830に第2特別図柄判定に係る情報が記憶された状態でステップS308~ステップS310の処理が行われた場合には、第2特別図柄表示器42における第2特別図柄の変動表示を開始する。
次に、メインCPU81は、ステップS311における特別図柄の変動表示を開始してからの経過時間の計測を開始する(ステップS312)。メインCPU81は、ステップS312の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS312の処理で計測を開始した経過時間が、ステップS309の変動パターン選択処理で選択された変動パターンの変動時間に到達したか否かを判定する(ステップS313)。ここで、経過時間が変動時間に到達していないと判定された場合(ステップS313:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU81は、経過時間が変動時間に到達したと判定した場合(ステップS313:YES)、特別図柄の変動表示が終了することを通知する変動終了コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS314)。この変動終了コマンドは、ステップS8における送信処理によってサブ制御基板90に送信される。これにより、表示画面70に変動表示されていた演出図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS314の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS311の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS315)。具体的には、ステップS308の処理で設定した特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この特別図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば0.5秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU81は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS315の処理に続いて、メインCPU81は、上記ステップS312の処理で計測を開始した経過時間をリセットし(ステップS316)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む特図停止時処理を実行する(ステップS317)。この特図停止時処理については、図23に基づいて後に詳述する。
[メイン制御基板80による大当たり判定処理]
図21は、図20のステップS308における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、まず、判定用記憶領域830に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3081)。具体的には、判定用記憶領域830に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値(図5(A)参照)と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。ここでの当選値は、高確率時用大当たり乱数テーブル又は低確率時用大当たり乱数テーブルに規定されている大当たりの当選値である。高確率状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)のときに大当たり判定が実行される場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。一方、低確率状態(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)のときに大当たり判定が実行される場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。
このように、メインCPU81は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域830に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3081の処理に続いて、メインCPU81は、大当たり判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判断する(ステップS3082)。ここで、大当たり判定の判定結果が「大当たり」ではないと判断した場合(ステップS3082:NO)、すなわち大当たり判定の判定結果が「ハズレ」である場合、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3083)。これにより、上記ステップS315の処理の際に、ここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示されることになる。この場合、大当たり遊技は行われない。
一方、メインCPU81は、大当たり判定の判定結果が「大当たり」であると判断した場合(ステップS3082:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示される大当たり図柄を選択する大当たり図柄選択処理を実行する(ステップS3084)。具体的には、ステップS3081の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域830に記憶されている図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第1始動口入賞用の図柄決定テーブル(図5(B)参照)に規定されているどの大当たり図柄の乱数値と一致するかに基づいて、いずれかの大当たり図柄を選択する。また、図柄乱数が第2特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第2始動口入賞用の図柄決定テーブル(図5(C)参照)に規定されているどの大当たり図柄の乱数値と一致するかに基づいて、いずれかの大当たり図柄を選択する。
そして、メインCPU81は、選択した大当たり図柄の設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3085)。これにより、上記ステップS315の処理の際に、ここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示され、その後、その大当たり図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
[メイン制御基板80による変動パターン選択処理]
図22は、図20のステップS309における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、図20のステップS308における大当たり判定処理を実行した後、メインRAM83に記憶されている第1期待演出フラグ、第2期待演出フラグ、及び第3期待演出フラグのいずれかが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3090)。ここで、いずれの期待演出フラグも「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS3090:NO)、ステップS3081の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3091)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3091:YES)、大当たり用変動パターン選択テーブル(図7(A)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3092)。
一方、メインCPU81は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3091:NO)、判定用記憶領域830に記憶されているリーチ乱数がメインROM82に記憶されているリーチ乱数の当選値(リーチ有り演出に対応する乱数値)と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3093)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3093:YES)、リーチハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(B)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3094)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3093:NO)、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブル(図7(C)参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3095)。
一方、メインCPU81は、期待演出フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3090:YES)、すなわち、第1期待演出フラグ、第2期待演出フラグ、及び第3期待演出フラグのいずれかの期待演出フラグが「ON」に設定されている場合、期待演出用変動パターン選択テーブル(図11参照)をメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3096)。次に、メインCPU81は、メインRAM83に記憶されている期待演出変動回数Hを「1」減算した値に更新する(ステップS3097)。
メインCPU81は、ステップS3092の処理を実行した場合、ステップS3094の処理を実行した場合、ステップS3095の処理を実行した場合、(ステップS3096の処理と)ステップS3097の処理を実行した場合、メインRAM83にセットされた変動パターン選択テーブルを参照して変動パターン選択処理を実行する(ステップS3098)。具体的には、大当たり用変動パターン選択テーブル又はリーチハズレ用変動パターン選択テーブルがメインRAM83にセットされた場合、判定用記憶領域830に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の変動パターンを選択する。また、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルがメインRAM83にセットされた場合、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1(又は第2特別図柄判定の保留数T2)に基づいて保留数を特定し、特定した保留数に対応する変動パターンをリーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の変動パターンを選択する。
一方、期待演出用変動パターン選択テーブル(図11参照)がメインRAM83にセットされている場合は、メインCPU81は、「ON」に設定されている期待演出フラグに対応する変動パターンを期待演出用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の変動パターンを選択する。具体的には、第1期待演出フラグが「ON」に設定されている場合には、第1期待演出フラグに対応する変動パターンM(図11参照)を期待演出用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、変動パターンMを選択する。また、第2期待演出フラグが「ON」に設定されている場合には、第2期待演出フラグに対応する変動パターンN(図11参照)を期待演出用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、変動パターンNを選択する。また、第3期待演出フラグが「ON」に設定されている場合には、第3期待演出フラグに対応する変動パターンO(図11参照)を期待演出用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、変動パターンOを選択する。
メインCPU81は、ステップS3098の処理によって変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3099)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS308の大当たり判定処理によってメインRAM83にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれてサブ制御基板90に送信される。
なお、ステップS3099の処理によって期待演出に対応する変動パターンの設定情報がメインRAM83にセットされる場合には、期待演出が実行される第1特別図柄の変動表示の回数を示す情報と、今回の第1特別図柄の変動表示が期待演出における何回目の変動表示であるかを示す情報とが併せてセットされる。そして、期待演出が実行される変動パターンを示す情報と、期待演出が実行される第1特別図柄の変動表示の回数を示す情報と、今回の第1特別図柄の変動表示が期待演出における何回目の変動表示であるかを示す情報とを含む変動開始コマンドが、サブ制御基板90に送信されることになる。
メインCPU81は、このステップS3099の処理に続いて、上記ステップS3097の処理によって更新された期待演出変動回数Hが「0」であるか否かを判定する(ステップS3100)。ここで、期待演出変動回数Hが「0」であると判定した場合(ステップS3100:YES)、期待演出フラグを「OFF」に設定する(ステップS3101)。具体的には、第1期待演出フラグが「ON」に設定されている場合には第1期待演出フラグを「OFF」に設定し、第2期待演出フラグが「ON」に設定されている場合には第2期待演出フラグを「OFF」に設定し、第3期待演出フラグが「ON」に設定されている場合には第3期待演出フラグを「OFF」に設定する。
期待演出の最終変動が開始される際に、このステップS3101の処理が実行されることによって、次の第1特別図柄の変動表示が開始される際には、ステップS3090の処理で「NO」と判定されるようになり、上記ステップS3096ではなく、上記ステップS3091に処理が進められることになる。
ステップS3101の処理が実行された場合、又は、期待演出変動回数Hが「0」ではないと判定された場合(ステップS3100:NO)、一連の変動パターン選択処理が終了して、ステップS310(図20参照)に処理が進められる。
[メイン制御基板80による特図停止時処理]
図23は、図20のステップS317における特図停止時処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、上記ステップS316の処理によって経過時間をリセットした後、図23に例示されるように、ステップS3082(図21参照)の処理と同様に、大当たりであるか否かを判断する(ステップS3171)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3171:YES)、メインRAM83に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3172)。
次に、メインCPU81は、メインRAM83に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定し(ステップS3173)、同じくメインRAM83に記憶されている時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3174)。ここで、確変遊技フラグは、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態であるか否かを示すフラグである。
本実施形態の遊技機1では、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの設定により遊技状態が制御される。すなわち、遊技状態を「確変遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「ON」に設定される。また、遊技状態を「通常遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。なお、他の実施形態では、確変遊技フラグを「OFF」に設定すると共に時短遊技フラグを「ON」に設定して、「時短遊技状態」で遊技が制御されるようにしてもよい。
ステップS3174の処理に続いて、メインCPU81は、大当たり遊技が開始されることを通知するためのオープニングコマンドをメインRAM83にセットする(ステップS3175)。このオープニングコマンドは、大当たりの種類、大当たり遊技中の第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)の開放パターン等の情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。
一方、メインCPU81は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3171:NO)、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3176)。ここで、確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3176:YES)、すなわち特別図柄判定が高確率状態で行われている場合、メインRAM83に記憶されている高確率遊技残回数Kを「1」減算した値に更新する(ステップS3177)。この高確率遊技残回数Kは、高確率状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3177の処理に続いて、メインCPU81は、高確率遊技残回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS3178)。ここで、高確率遊技残回数Kが「0」であると判定した場合(ステップS3178:YES)、確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3179)。これにより、特別図柄判定が低確率状態で行われるようになる。
メインCPU81は、ステップS3179の処理を実行した場合、確変遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS3176:NO)、又は高確率遊技残回数Kが「0」ではないと判定した場合(ステップS3178:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3180)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3180:YES)、メインRAM83に記憶されている時短遊技残回数Jを「1」減算した値に更新する(ステップS3181)。この時短遊技残回数Jは、時短状態(高ベース状態)で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3181の処理に続いて、メインCPU81は、時短遊技残回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3182)。ここで、時短遊技残回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3182:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3183)。これにより、第2始動口22への遊技球の入賞を容易にするサポート機能が付与されなくなる。
[メイン制御基板80による遊技状態設定処理]
図24は、メイン制御基板80において大当たり遊技終了時に実行される遊技状態設定処理を例示するフローチャートである。遊技機1では、ステップS6の大入賞口開閉制御処理によって大当たり遊技が実行されるが、この大当たり遊技におけるエンディング期間が終了すると、大当たり遊技終了後の遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理が実行される。
メインCPU81は、大当たり遊技中において、大当たり遊技におけるエンディング期間が終了したか否かを判定する(ステップS631)。ここで、エンディング期間が終了したと判定した場合(ステップS631:YES)、確変遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS632)、高確率遊技残回数Kを例えば「80」に設定する(ステップS633)。これらのステップS632の処理およびステップS633の処理が行われることにより、80回の特別図柄判定が実行されるまで高確率状態が継続することになる。
次に、メインCPU81は、時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS634)、時短遊技残回数Jを例えば「80」に設定する(ステップS635)。これらのステップS634の処理およびステップS635の処理が行われることにより、80回の特別図柄判定が実行されるまで高ベース状態が継続することになる。そして、ステップS632~ステップS635の一連の処理が行われることによって、大当たり遊技が終了してから80回の特別図柄判定が実行されるまで確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
[サブ制御基板90による割込み処理]
遊技機1の電源が投入されると、サブ制御基板90のサブCPU91は、後述する割込み処理を行う周期である割込み周期を設定する。そして、サブCPU91は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理を割込み周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU91は、遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、割込み周期で割込み処理を繰り返す。
以下、図25を参照しつつ、サブ制御基板90において実行される割込み処理について説明する。ここで、図25は、サブ制御基板90において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。サブCPU91は、メイン制御基板80で行われる割込み処理(図17参照)と同様に、図25に例示される一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図25以降のフローチャートに基づいて説明するサブ制御基板90で行われる処理は、サブROM92に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU91が発行する命令に従って行われる。
サブCPU91は、まず、メイン制御基板80からコマンドを受信した場合にそのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図26に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU91は、図4に示される第1演出ボタン検知スイッチ96または第2演出ボタン検知スイッチ97からの操作情報の入力の有無に基づいて、図1に示される第1演出ボタン35または第2演出ボタン36が操作されたか否かを判定する(ステップS30)。ここで、第1演出ボタン35または第2演出ボタン36が操作されたと判定した場合(ステップS30:YES)、その旨を通知するための操作コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS31)。この操作コマンドが画像音響制御基板100およびランプ制御基板120へ送信されることによって、第1演出ボタン35または第2演出ボタン36の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
サブCPU91は、ステップS31の処理を実行した場合、又は、第1演出ボタン35および第2演出ボタン36がいずれも操作されていないと判定した場合(ステップS30:NO)、コマンド送信処理を実行する(ステップS32)。具体的には、ステップS10のコマンド受信処理やステップS31の処理によってサブRAM93にセットされたコマンドを画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信する。このコマンド送信処理が実行されることによって、画像表示や演出音の出力等による演出の実行が画像音響制御基板100に対して指示され、各種ランプの点灯や可動役物等による演出の実行がランプ制御基板120に対して指示される。
ステップS32の処理に続いて、サブCPU91は、データ転送処理を実行する(ステップS33)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板100から送信されるので、そのデータをランプ制御基板120に転送する。これにより、画像表示装置7およびスピーカ38で行われる演出と同期するように、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14等の演出手段による演出がランプ制御基板120によって制御される。
[サブ制御基板90によるコマンド受信処理]
図26は、図25のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図26に例示されるように、サブCPU91は、まず、メイン制御基板80からのコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS11)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS11:NO)、上述したステップS30に処理が進められる。
サブCPU91は、メイン制御基板80からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS11:YES)、そのコマンドが図18のステップS212の処理またはステップS220の処理に応じてメイン制御基板80から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、保留コマンドではないと判定された場合(ステップS12:NO)、後述するステップS15に処理が進められる。
サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、保留コマンド受信処理を実行する(ステップS13)。この保留コマンド受信処理については、図27に基づいて後に詳述する。
サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS12:NO)、そのコマンドが図20のステップS310の処理に応じてメイン制御基板80から送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定された場合(ステップS15:NO)、後述するステップS17に処理が進められる。
サブCPU91は、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、変動開始コマンド受信処理を実行する(ステップS16)。この変動開始コマンド受信処理については、図28に基づいて後に詳述する。
サブCPU91は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS15:NO)、そのコマンドが図20のステップS314の処理に応じてメイン制御基板80から送信された変動終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS17)。サブCPU91は、変動終了コマンドであると判定した場合(ステップS17:YES)、演出図柄の変動表示を終了して図柄変動開始時に実行された特別図柄判定の判定結果を示す態様で演出図柄を停止表示する処理の実行を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS18)。
この変動演出終了コマンドがステップS32の処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信されることによって、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す特別図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されるのに伴い、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す演出図柄が表示画面70に停止表示されることになる。
サブCPU91は、受信したコマンドが変動終了コマンドではないと判定した場合(ステップS17:NO)、そのコマンドが図23のステップS3175の処理に応じてメイン制御基板80から送信されたオープニングコマンドであるか否かを判定する(ステップS19)。ここで、受信したコマンドがオープニングコマンドであると判定した場合(ステップS19:YES)、大当たり遊技のオープニング期間において大当たりの種類を報知したり遊技者に右打ちを促したりするオープニング演出の開始を画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に指示するためのオープニング演出開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS20)。逆に、受信したコマンドがオープニングコマンドではないと判定した場合(ステップS19:NO)、その他の処理を実行する(ステップS21)。
[サブ制御基板90による保留コマンド受信処理]
図27は、図26のステップS13における保留コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、図27に例示されるように、サブRAM93に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS131)。具体的には、第1特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新し、第2特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する。
ステップS131の処理に続いて、サブCPU91は、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれているか否かを判定する(ステップS132)。ここで、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれていないと判定した場合(ステップS132:NO)、保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS133)。この保留アイコン表示コマンドは、アイコン変化演出の設定情報(後述するアイコン変化演出パターン情報)を含まない、保留アイコンの表示を指示するコマンドであって、ステップS32のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信される。
画像音響制御基板100の画像音響制御CPU101は、例えば、アイコン変化演出の設定情報を含まない第1特別図柄判定に係る保留アイコン表示コマンドを受信した場合、VDP104による描画処理を制御して、保留アイコン表示領域71に白色の保留アイコンを表示させる。この白色の保留アイコンに関しては、アイコン変化演出に関する設定がなされていないため、上述したアイコン変化演出は行われない。
一方、サブCPU91は、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれていると判定した場合(ステップS132:YES)、その事前判定情報をサブRAM93に格納する(ステップS134)。次に、サブCPU91は、アイコン変化演出抽選を実行する(ステップS135)。具体的には、まず、アイコン変化演出乱数を取得してサブRAM93に格納する。このアイコン変化演出乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU91は、保留コマンドを受信した時点のカウント値をアイコン変化演出乱数として取得し、その変化演出乱数が予めサブROM92に記憶されているアイコン変化演出乱数に関する乱数値のいずれかと一致するか否か否かに基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する。
なお、図には示されていないが、サブROM92には、第1特別図柄判定に係る事前判定結果と、第1特別図柄の変動パターンと、アイコン変化演出乱数に関する乱数値とが対応付けられたテーブルが記憶されている。サブCPU91は、このテーブルを参照して、取得したアイコン変化演出乱数が、ステップS134の処理でサブRAM93に格納した事前判定情報から特定される第1特別図柄判定の判定結果および第1特別図柄の変動パターンに対応付けられている乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する。なお、このテーブルでは、第1特別図柄判定に係る事前判定結果に関して、「ハズレ」よりも「大当たり」に対してより多くの乱数値が対応付けられている。また、第1特別図柄の変動時間が長い変動パターンほど、より多くの乱数値が対応付けられている。このため、本実施形態における遊技機1では、大当たり信頼度が高いほどアイコン変化演出が実行され易く、逆に、大当たり信頼度が低いほどアイコン変化演出が実行され難くなっている。
サブCPU91は、ステップS135の抽選結果に基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを判定し(ステップS136)、アイコン変化演出を実行すると判定した場合(ステップS136:YES)、例えば乱数を用いた演出抽選を行って、複数あるアイコン変化演出の演出パターンの中からいずれか1つの演出パターンを選択し、選択したアイコン変化演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする(ステップS137)。
なお、ここでは、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する抽選と、アイコン変化演出の演出パターンを選択する抽選とが別抽選である場合を例に説明したが、アイコン変化演出を実行するか否かと、実行する場合にはアイコン変化演出をどのような演出パターンで実行するかを、1回の抽選で決定するようにしてもよい。
サブCPU91は、ステップS137の処理を実行した場合、又は、アイコン変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS136:NO)、保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS138)。具体的には、ステップS137の処理に続いてステップS138の処理を実行する場合には、ステップS137の処理でセットしたアイコン変化演出パターン情報を含む保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする。一方、ステップS137の処理を実行することなくステップS138の処理を実行する場合には、ステップS133の処理と同様に、アイコン変化演出パターン情報を含まない保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする。
なお、セットされた保留アイコン表示コマンドが、アイコン変化演出の設定情報としてのアイコン変化演出パターン情報を含む保留アイコン表示コマンドである場合、この保留アイコン表示コマンドがステップS32のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信されることにより、ステップS137の処理で選択された変化パターンでアイコン(保留アイコンまたはその保留アイコンに対応する当該アイコン)の表示色が変化するアイコン変化演出が行われることになる。
[サブ制御基板90による変動開始コマンド受信処理]
図28は、図26のステップS16における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、メイン制御基板80から受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、図28に例示される一連の変動開始コマンド受信処理を実行する。
すなわち、サブCPU91は、サブ制御基板90における乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、メイン制御基板80から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM93に格納する(ステップS161)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS162)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
サブCPU91は、変動開始コマンドを解析すると、その解析結果に基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS163)。この変動演出パターン設定処理が実行されることによって、演出図柄の変動態様、リーチ演出の有無、擬似連演出の有無、リーチ図柄を構成する演出図柄の種類、リーチ演出の種類や内容、擬似連演出の内容、停止表示される演出図柄の種類等が決定される。この変動演出パターン設定処理については、図29に基づいて後に詳述する。
ステップS163の処理に続いて、サブCPU91は、ステップS163の処理で設定した変動演出パターンで演出図柄が変動表示されているときに実行する各種予告演出(例えば、ステップアップ演出やセリフ予告、群予告やカットイン等)に関する設定を行う予告演出パターン設定処理を実行する(ステップS164)。この予告演出パターン設定処理については、図30に基づいて後に詳述する。
次に、サブCPU91は、ステップS163の処理で設定した変動演出パターンでの変動演出の開始、及びステップS164の処理で設定した予告演出パターンでの予告演出の実行を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS165)。
この変動演出開始コマンドは、ステップS163の処理によって設定された変動演出パターンを示す情報と、ステップS164の処理によって設定された予告演出パターンを示す情報とを含むものであり、ステップS32のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信される。これにより、サブ制御基板90において演出パターンが決定された変動演出および予告演出が、画像音響制御基板100およびランプ制御基板120によって実現されることになる。
ステップS165の処理に続いて、サブCPU91は、サブRAM93に記憶されている保留数を「1」減算した値に更新する(ステップS166)。具体的には、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドが第1特別図柄の変動表示の開始を通知するものである場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。一方、受信した変動開始コマンドが第2特別図柄の変動表示の開始を通知するものである場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
[サブ制御基板90による変動演出パターン設定処理]
図29は、図28のステップS163における変動演出パターン設定処理の詳細フローチャートであり、ここでは、通常遊技状態における第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドを受信した場合に実行される変動演出パターン設定処理について説明する。サブCPU91は、ステップS162の処理に続いて、第1特別図柄の停止表示に伴って表示画面70に最終的に確定表示(本停止)させる演出図柄を設定する(ステップS1631)。具体的には、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに含まれている図柄の設定情報に基づいて、図柄変動の終了時に大当たりを示す第1特別図柄(大当たり図柄)が停止表示されるのか、或いはハズレを示す第1特別図柄(ハズレ図柄)が停止表示されるのかを特定する。そして、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示されることを特定した場合には、本停止させる演出図柄として大当たりを報知するための演出図柄(例えばゾロ目を示す演出図柄)を設定し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されることを特定した場合には、ハズレを報知するための演出図柄を設定する。なお、ハズレを報知するための演出図柄を設定する際に、リーチ演出を行ってからハズレを報知する場合には、ハズレを報知するための演出図柄としてリーチハズレ目を設定し、リーチ演出を行うことなくハズレを報知する場合には、ハズレを報知するための演出図柄としてバラケ目を設定する。
次に、サブCPU91は、受信した変動開始コマンドに含まれている第1特別図柄の変動パターンの設定情報に基づいて、期待演出を実行するか否かを判断する(ステップS1632)。具体的には、上記の設定情報が示す第1特別図柄の変動パターンが、期待演出に対応する変動パターンM~O(図11参照)のいずれかであるか否かに基づいて、期待演出を実行するか否かを判断する。ここで、期待演出を実行しないと判断した場合(ステップS1632:NO)、今回の第1特別図柄の変動表示に伴ってリーチ有り演出を行う必要があるか否かを判断する(ステップS1633)。ここで、リーチ有り演出を行う必要が無いと判断した場合(ステップS1633:NO)、リーチ無し演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1634)。例えば、第1特別図柄の変動パターン毎に複数種類のリーチ無し演出の変動演出パターンが対応付けられたリーチ無し用変動演出パターン選択テーブルから、ステップS161の処理で取得した演出乱数に対応するいずれか1つの変動演出パターンを読み出して、その変動演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする。
一方、サブCPU91は、リーチ有り演出を行う必要があると判断した場合(ステップS1633:YES)、リーチ有り演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1635)。例えば、第1特別図柄判定の判定結果と第1特別図柄の変動パターンとの組み合わせのそれぞれに対して複数種類のリーチ有り演出の変動演出パターンが対応付けられたリーチ有り用変動演出パターン選択テーブルから、ステップS161の処理で取得した演出乱数に対応するいずれか1つの変動演出パターンを読み出して、その変動演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする。
このステップS1634の処理またはステップS1635の処理が行われることによって、演出図柄をどのような変動パターンで変動表示するか、リーチ演出を行う場合にどのリーチ演出を行うか、リーチ演出を発展させる場合にはどのような流れでリーチ演出を発展させるか等が決定されることになる。
一方、サブCPU91は、期待演出を実行すると判断した場合(ステップS1632:YES)、期待演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1636)。具体的には、期待演出を実行する場合には、期待演出に対応する変動演出パターンの設定情報と、期待演出が実行される第1特別図柄の変動表示の回数を示す情報と、今回の第1特別図柄の変動表示が期待演出における何回目の変動表示であるかを示す情報とを含む変動開始コマンドがメイン制御基板80から送信される。このため、サブCPU91は、これら3つの情報のうちの、2つ目の情報と3つ目の情報とに基づいて、今回の変動演出が、期待演出における1回目の変動演出(保留1変動)であるのか、期待演出における最後の変動演出(最終変動)であるのか、又は、期待演出におけるその他の変動演出であるのかを特定する。
そして、サブCPU91は、今回の変動演出が期待演出における1回目の変動演出であることを特定した場合には、図14(D)に基づいて上述した演出表示を実現するための期待演出の変動演出パターンを設定する。具体的には、表示画面70に期待演出専用の背景画像が表示された状態で、期待演出に対応するBGMをスピーカ38から出力しつつ、表示画面70における右上方の領域に小図柄表示された演出図柄の変動表示を開始させ、先ずは表示画面70の中央領域に「進撃ゾーン突入」の文字を表示した後に、自キャラが敵キャラのアジトに近付いていく様子を表す演出表示を行うという変動演出パターンを設定する。
また、サブCPU91は、今回の変動演出が期待演出におけるその他の変動演出であることを特定した場合には、図14(F)に基づいて上述した保留2変動における変動演出や、図14(I)に基づいて上述した保留3変動における変動演出を実現するための変動演出パターンを設定する。
また、サブCPU91は、今回の変動演出が期待演出における最後の変動演出であることを特定した場合には、例えば、図15(B)~(H)に基づいて上述した変動演出を実現するための変動演出パターンを設定する。具体的には、表示画面70に期待演出専用の背景画像が表示された状態で、期待演出に対応するBGMをスピーカ38から出力しつつ、「敵軍発見!」の文字を表示画面70の中央領域に表示し(図15(C)参照)、自キャラが敵キャラのアジトに到達した様子を表す演出表示を行い、最終的に当たり報知演出(図15(F)参照)またはハズレ報知演出(図15(H)参照)を行うという変動演出パターンを設定する。
このように、期待演出の変動演出パターンが設定された場合には、この期待演出の変動演出パターンを示す情報を含む変動演出開始コマンドが、ステップS32のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信される。これにより、サブ制御基板90において演出パターンが決定された期待演出が、画像音響制御基板100およびランプ制御基板120によって実現されることになる。
[サブ制御基板90による予告演出パターン設定処理]
図30は、図28のステップS164における予告演出パターン設定処理の詳細フローチャートであり、ここでは、通常遊技状態における第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドを受信した場合に実行される予告演出パターン設定処理について説明する。サブCPU91は、ステップS163の変動演出パターン設定処理(図28参照)を実行すると、図30に例示されるように、サブ制御基板90における乱数更新処理によって適宜更新される予告演出パターン選択乱数に関して、メイン制御基板80から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM93に格納する(ステップS1640)。そして、ステップS163の処理でサブRAM93にセットされた変動演出パターンを示す情報に基づいて、今回の変動演出が、期待演出の最終前変動であるか否かを判定する(ステップS1641)。具体的には、ステップS1634の処理によってリーチ無し演出の変動演出パターンを示す設定情報がサブRAM93にセットされている場合や、ステップS1635の処理によってリーチ有り演出の変動演出パターンを示す設定情報がサブRAM93にセットされている場合には、期待演出は実行されないため、期待演出の最終前変動ではないと判定する。一方、ステップS1636の処理によって期待演出の変動演出パターンを示す設定情報がサブRAM93にセットされている場合には、期待演出が実行される第1特別図柄の変動表示の回数を示す情報と、今回の第1特別図柄の変動表示が期待演出における何回目の変動表示であるかを示す情報とに基づいて、今回の変動演出が、期待演出における最終の変動演出よりも前に行われる変動演出であるか否かを判定する。
上記ステップS1641において、期待演出の最終前変動であると判定された場合には(ステップS1641:YES)、予告演出を実行しないようにするために、予告演出パターン設定処理が終了して、図28のステップS165に処理が進められる。
一方、サブCPU91は、期待演出の最終前変動ではないと判定した場合(ステップS1641:NO)、期待演出の最終変動であるか否かを判定する(ステップS1642)。サブCPU91は、期待演出の変動演出パターンを示す設定情報がサブRAM93にセットされており、期待演出が実行される第1特別図柄の変動表示の回数を示す情報と、今回の第1特別図柄の変動表示が期待演出における何回目の変動表示であるかを示す情報とに基づいて、今回の変動演出が期待演出の最終変動になることを特定した場合には、期待演出の最終変動であると判定する。そして、それ以外の場合には、期待演出の最終変動ではないと判定され、期待演出を伴わない通常の変動演出において予告演出を実行するための処理が行われることになる。
サブCPU91は、期待演出の最終変動ではないと判定した場合(ステップS1642:NO)、図28における上記ステップS162の解析結果に基づいて、これから開始される今回の図柄変動に係る第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する(ステップS1643)。ここで、「大当たり」であると判定した場合には(ステップS1643:YES)、サブROM92に記憶されている大当たり用予告演出パターン選択テーブルを読み出してサブRAM93にセットし(ステップS1644)、「大当たり」ではないと判定した場合には(ステップS1643:NO)、サブROM92に記憶されているハズレ用予告演出パターン選択テーブルを読み出してサブRAM93にセットする(ステップS1645)。
ここで、大当たり用予告演出パターン選択テーブルは、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合に、演出図柄の変動表示中に行われる各種の予告演出の演出パターンを選択するために使用されるテーブルである。また、ハズレ用予告演出パターン選択テーブルは、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合に、演出図柄の変動表示中に行われる各種の予告演出の演出パターンを選択するために使用されるテーブルである。これらの予告演出パターン選択テーブルでは、例えば、第1特別図柄の変動パターンと、予告演出パターン選択乱数と、各予告演出の演出パターンとが対応付けられている。
サブCPU91は、ステップS1644の処理またはステップS1645の処理に続いて、予告演出の演出パターンを示す情報を予告演出の設定情報としてサブRAM93にセットする(ステップS1646)。具体的には、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに含まれている設定情報が示す変動パターンと、ステップS1640の処理で取得・格納した予告演出パターン選択乱数とに対応する演出パターンを、サブRAM93にセットされている演出パターン選択テーブルから読み出してサブRAM93の所定領域に格納することによって、予告演出の設定情報をセットする。予告演出には、例えば、ステップアップ予告、セリフ予告、群予告、カットイン等があって、このステップS1646の処理でセットされる設定情報には、これらの予告演出のうちの少なくとも1つの予告演出を、どのような演出パターンで実行するかを示す情報を含んでいる。
なお、ここでは、複数の予告演出の演出パターンを纏めて決定する場合を例に説明するが、他の実施形態では、予告演出毎に、予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合にはどのような演出パターンで実行するかを決定して、これらの決定結果を示す情報を予告演出の設定情報としてセットするようにしてもよい。また、ステップS1646の処理が実行されたとしても、予告演出が実行されない場合があってもよい。
一方、サブCPU91は、期待演出の最終変動であると判定した場合(ステップS1642:YES)、サブROM92に記憶されている最終変動用予告演出パターン選択テーブルを読み出してサブRAM93にセットし(ステップS1647)、上述したステップS1646の処理を実行する。最終変動用予告演出パターン選択テーブルは、例えば、第1特別図柄判定の判定結果と、第1特別図柄の変動パターン(変動パターンM~O)と、予告演出パターン選択乱数と、予告演出の演出パターンとが対応付けられたものである。サブCPU91は、ステップS1647の処理を実行してからステップS1646の処理を実行する場合、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに含まれている設定情報が示す第1特別図柄判定の判定結果および変動パターンと、ステップS1640の処理で取得・格納した予告演出パターン選択乱数とに対応する演出パターンを、最終変動用予告演出パターン選択テーブルから読み出してサブRAM93の所定領域に格納することによって、予告演出の設定情報をセットする。
なお、本実施形態の遊技機1において、期待演出の最終変動で行われる予告演出は、図15に基づいて上述した第2演出ボタン操作促進演出であり、ステップS1646の処理によって、第2演出ボタン操作促進演出を実行し、第2演出ボタン操作促進演出に係る有効期間中に第2演出ボタン36が操作されたことに応じて操作促進演出(図15(E)及び(G)参照)を行うための設定情報がサブRAM93にセットされることになる。
[画像音響制御基板100による割込み処理]
次に、図31を参照しつつ、画像音響制御基板100において実行される割込み処理について説明する。ここで、図31は、画像音響制御基板100において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。画像音響制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図31に例示される一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
まず、画像音響制御CPU101は、サブ制御基板90から受信したコマンドに基づいて表示画面70における画像表示を制御する画像表示制御処理を実行する(ステップS71)。この画像表示制御処理については、図32に基づいて後に詳述する。
ステップS71の処理に続いて、画像音響制御CPU101は、表示画面70で行われる画面表示と同期するように或いは非同期に、スピーカ38から各種の演出音を出力させるための演出音出力制御処理を実行する(ステップS72)。
ステップS72の処理に続いて、画像音響制御CPU101は、データ送信制御処理を実行する(ステップS73)。具体的には、画像音響制御基板100において行われる画像音響制御に関するデータをサブ制御基板90に送信する。これに対して、サブ制御基板90は、画像音響制御基板100から受信したデータをランプ制御基板120に転送する。これにより、表示画面70およびスピーカ38によって実行される演出と同期するように、枠ランプ37や盤面ランプ5、可動装飾部材14等が制御される。
[画像音響制御基板100による画像表示制御処理]
図32は、図31のステップS71における画像表示制御処理の詳細フローチャートである。画像音響制御CPU101は、まず、サブ制御基板90から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS711)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS711:NO)、ステップS72に処理が進められる。
一方、画像音響制御CPU101は、サブ制御基板90からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS711:YES)、そのコマンドに含まれている設定情報を制御RAM103にセットする(ステップS712)。そして、制御RAM103にセットした設定情報に基づいて、表示画面70に演出画像をどのように表示すべきかを判断し、VDP104の描画処理を制御するためのディスプレイリストを作成して制御RAM103の所定領域に格納し(ステップS713)、そのディスプレイリストをVRAM106のディスプレイリスト記憶領域にセットする(ステップS714)。このディスプレイリスト記憶領域にセットされたディスプレイリストに基づいてVDP104が描画処理を実行することによって、サブ制御基板90から指示された演出表示が実現されることになる。
[遊技機1の構成および作用効果]
なお、本実施形態の遊技機1は、以下の構成を備えていると共に、その構成を備えていることによって、以下の作用効果を奏する。
遊技機1は、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定を行う判定手段(例えば、メインCPU81)と、前記判定の結果に基づいて、図柄に係る複数の変動パターン(図7,11参照)の中からいずれかの変動パターンを選択する変動パターン選択手段(例えば、メインCPU81)と、所定の図柄表示手段(例えば、第1特別図柄表示器41)において、前記変動パターン選択手段によって選択された変動パターンで図柄(例えば、第1特別図柄)を変動表示させてから前記判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段(例えば、メインCPU81)と、前記判定手段によって前記特別遊技を実行すると判定されたことを示す図柄が前記図柄表示手段に停止表示された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU81、第1大入賞口ソレノイド262、第2大入賞口ソレノイド282)と、前記判定の権利を所定数まで保留可能な保留手段(図16参照)と、前記保留手段が保留した前記権利に対して前記判定が行われる前に、前記特別遊技を実行するか否かの事前判定を行う事前判定手段(例えば、メインCPU81が実行する図19の処理)と、演出の実行を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU91)とを備え、前記変動パターン選択手段は、前記判定手段によって前記特別遊技を実行しないと判定されると、前記保留手段が保留している前記判定の権利の個数である保留個数が第1個数である場合には、前記図柄の変動時間が所定時間である第1変動パターンを選択し、前記保留個数が前記第1個数よりも多い第2個数である場合には、前記図柄の変動時間が前記所定時間よりも短い第2変動パターンを選択することが可能であり(例えば、図7(C)参照)、前記演出制御手段は、前記事前判定の結果に基づいて、当該事前判定が行われた権利に対応する前記図柄の変動表示を最後の変動表示として複数回の図柄の変動表示に跨って行われる演出であって、前記特別遊技が実行されることを期待させる演出である期待演出(例えば、図10参照)を実行可能であり、第1の変動表示と、第2の変動表示と、前記最後の変動表示とを含む3回の図柄の変動表示に跨って前記期待演出が実行される場合があり、前記3回の図柄の変動表示に跨って前記期待演出が実行される場合に、前記第1の変動表示に要する時間と前記第2の変動表示に要する時間とが相異なる時間となることを制限可能である(例えば、図10(B)参照)
例えば、特別遊技を実行しないと判定された際の保留個数が多くなると、図柄の変動時間が短い変動パターンが選択されるといった構成では、事前判定の結果に基づいて複数回の図柄の変動表示に跨る期待演出を実行する場合に、期待演出の実行中に保留個数が増加することで図柄の変動時間が短くなるために、期待演出の実行時間も短くなり、結果として、期待演出の興趣性が低下する可能性がある。これに対して、上記の構成によれば、3回の図柄の変動表示のうちの、最後の変動表示の前に行われる第1の変動表示に要する時間と第2の変動表示に要する時間とが相異なる時間となることが制限されるため(例えば、図10(B)参照)、上記の問題が生じるのを効果的に抑制して、興趣性が高い演出を実行することが可能である。
また、第1の変動表示と、第2の変動表示と、第3の変動表示と、前記最後の変動表示とを含む4回の図柄の変動表示に跨って前記期待演出が実行される場合があり、前記4回の図柄の変動表示に跨って前記期待演出が実行される場合の、第1の変動表示に要する時間と、第2の変動表示に要する時間と、第3の変動表示に要する時間とが相異なる時間となることを制限可能であり(例えば、図10(C)参照)、前記変動パターン選択手段は、前記3回の図柄の変動表示に跨って前記期待演出が実行される場合の、第1の変動表示と第2の変動表示とに係るそれぞれの図柄の変動パターンとして、図柄の変動時間が第1時間である変動パターンを選択し(例えば、図10(B)参照)、前記4回の図柄の変動表示に跨って前記期待演出が実行される場合の、第1の変動表示と、第2の変動表示と、第3の変動表示とに係るそれぞれの図柄の変動パターンとして、図柄の変動時間が前記第1時間よりも短い第2時間である変動パターンを選択する(例えば、図10(C)参照)。
この構成によれば、4回の変動表示に跨って期待演出が実行される場合の各図柄の変動表示に係る変動時間が、3回の変動表示に跨って期待演出が実行される場合の各図柄の変動表示に係る変動時間よりも短い。このため、期待演出の実行を伴う図柄の変動表示の回数が異なることによって期待演出の実行時間も異なる時間となってしまうのを容易に抑制することが可能である。
また、前記3回の図柄の変動表示に跨って実行される前記期待演出の実行時間と、前記4回の図柄の変動表示に跨って実行される前記期待演出の実行時間とが同じである(例えば、図10(B)及び(C)参照)。
この構成によれば、3回の図柄の変動表示に跨って実行される期待演出の実行時間と、4回の図柄の変動表示に跨って実行される期待演出の実行時間とが同じである(本実施形態では、いずれも29.5秒:図10(B)及び(C)参照)ため、実行時間が互いに異なる期待演出の演出パターンを複数用意しておく必要がなく、期待演出を実現するための演出データの記憶容量を増大させることなく、興趣性が高い演出を実行することが可能である。
[期待演出に関する変形例]
なお、本実施形態では、期待演出における最後の変動表示が開始される際に、事前判定処理によって特定された第1特別図柄の変動パターンとは異なる、期待演出専用の変動パターン(図11に例示される変動パターンM~Oのいずれか)を選択する場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、期待演出における最終変動が開始される際に、事前判定処理によって特定された第1特別図柄の変動パターンと同じ変動パターンを選択して、最後の変動表示の途中で期待演出を終了させるといった構成を採用してもよい。この構成を採用することを前提として、第1特別図柄の変動表示中に行われ得る各予告演出を以下のように制御してもよい。
図33は、各予告演出の実行の有無について説明するためのタイムチャートである。本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態における第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示中に、第1特別図柄判定の判定結果を報知する第1特別図柄(及び演出図柄)が停止表示されるのに先立って、大当たり遊技が実行される可能性があることを予告する各種の予告演出を実行可能である。この予告演出としては、図12(C)に基づいて上述した第1予告(例えば、ステップアップ予告)、図12(F)に基づいて上述した第2予告(例えば、セリフ予告)、図13(D)に基づいて上述した第3予告(例えば、群予告)、図13(G)に基づいて上述した第4予告(例えば、カットイン)が例として挙げられる。
遊技者は、通常遊技状態における第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示中に、どの予告演出が実行されるか、予告演出が実行された場合におけるその予告演出の演出態様に基づいて、大当たりを報知する第1特別図柄(及び演出図柄)が停止表示される可能性がどの程度であるかを予測することが可能である。
これに関して、図33(A)に例示されるように、第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示に伴って、第1予告、第2予告、第3予告、及び第4予告の4種類の予告演出の実行が可能である場合に、この第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示中に期待演出が実行されなければ、第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示が開始されてから終了するまでの間に、4種類の予告演出の全てを実行することが可能である。
ところで、期待演出を最終変動の途中で終了させる構成を採用した場合、第1特別図柄の2回の変動表示に跨る第1期待演出(図10(A)参照)と同様の期待演出を実現するために、最終変動が開始されてから14.5秒が経過したタイミングで期待演出を終了させるという構成を併せて採用することが考えられる。また、第1特別図柄の3回の変動表示に跨る第2期待演出(図10(B)参照)と同様の期待演出を実現するためには、最終変動が開始されてから9.5秒が経過したタイミングで期待演出を終了させるという構成を併せて採用することが考えられる。さらに、第1特別図柄の4回の変動表示に跨る第3期待演出(図10(C)参照)と同様の期待演出を実現するためには、最終変動が開始されてから7秒が経過したタイミングで期待演出を終了させるという構成を併せて採用することが考えられる。
例えば、図33(B)に例示されるように、事前判定処理が行われた権利に対応する第1特別図柄(及び演出図柄)の変動表示を最終変動として、この最終変動が開始されてから例えば7秒が経過したタイミングで期待演出を終了させる場合、上記第1予告の実行タイミングが期待演出中となり、第1予告が却って期待演出の興趣性を低下させることが考えられる。このため、上記第1予告の実行タイミングが期待演出中となる場合には、第1予告を実行しないこととしている。これにより、期待演出中に第1予告を実行することで、却って期待演出の演出効果を低下させてしまうといった問題が生じるのを抑制することが可能である。なお、同様の状況において、第2予告、第3予告、及び第4予告は、期待演出が終了した後に行われ得る予告演出であることから、これらの予告演出の実行は可能である。
また、第1期待演出(図10(A)参照)と同様の期待演出を実現するために、最終変動が開始されてから14.5秒が経過したタイミングで期待演出を終了させることが考えられるが、この場合、上記第1予告および第2予告の両方の実行タイミングが期待演出中となり、第1予告と第2予告が却って期待演出の興趣性を低下させることが考えられる。この場合、このような問題が生じるのを抑制するために、第3予告と第4予告の実行は可能である一方で、第1予告と第2予告は実行しないようにすることが考えられる。
[その他の変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、第1特別図柄の2回の変動表示に跨る第1期待演出(図10(A)参照)の実行時間と、第1特別図柄の3回の変動表示に跨る第2期待演出(図10(B)参照)の実行時間と、第1特別図柄の4回の変動表示に跨る第3期待演出(図10(C)参照)の実行時間とが互いに同じ時間(例えば、29.5秒)である場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、これらの期待演出の実行時間を互いに異ならせるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、期待演出が2回の変動表示に跨る場合(図10(A)参照)には、変動時間が14.5秒である変動パターンM(図11参照)を選択し、期待演出が3回の変動表示に跨る場合(図10(B)参照)には、変動時間が9.5秒である変動パターンN(図11参照)を選択し、期待演出が4回の変動表示に跨る場合(図10(C)参照)には、変動時間が7秒である変動パターンO(図11参照)を選択するというように、期待演出が跨る変動表示の回数である変動回数が多くなるほど、1回の図柄の変動表示が行われる時間を短くする場合を例に説明した。これに対して、他の実施形態では、上記の変動回数に関わらず、期待演出の1回の図柄の変動表示が行われる時間を固定の時間としてもよい。
また、上記期待演出に関する変形例では、期待演出中は予告演出を実行しない場合を例に説明したが、他の実施形態では、期待演出中にも予告演出を実行するといった構成を採用してもよい。また、例えば、期待演出が実行されていないときにのみ行われ得る予告演出と、期待演出が実行されているか否かに関わらず行われ得る予告演出とを実行可能な構成を採用してもよい。
また、上記実施形態では、期待演出の実行契機となる第1始動口入賞があったときに行われている第1特別図柄の変動表示の次の第1特別図柄の変動表示(図8~9に示される「保留1変動」)の開始に伴って期待演出を開始する場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、期待演出の実行契機となる第1始動口入賞があったタイミング(厳密には、第1始動口入賞に応じて実行された事前判定処理の結果に基づいて期待演出を実行すると決定されたタイミング)で期待演出を開始するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、本発明をいわゆるST機と呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明を、いわゆる確変ループタイプと呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機や、いわゆる1種2種混合タイプと呼ばれるパチンコ遊技機等の他の遊技機に適用してもよい。
また、上記実施形態において説明した遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、乱数値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した図面等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。