以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明するにあたり、便宜上、「特別図柄」の文言については「特図」と省略し、「普通図柄」の文言については「普図」と省略することにする。図1、図2および図4に示すように、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤3と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図5を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、図4に示すように、その盤面に遊技領域31を有しており、遊技領域31は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール(図示せず)と遊技球規制レール(図示せず)によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、電動チューリップ49と、ステージ36と、第1始動入賞口(始動口)37aおよび第2始動入賞口(始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(釘)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41、回転表示灯51等が設けられている。また、遊技盤面の右下方の位置には、特図表示装置17と、普図表示装置22とが設けられている。なお、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは上下方向に間隔を空けて設けられている。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、特図表示装置17に変動表示される第1特図または第2特図と同期をとって演出図柄が変動表示されるようになっている。
なお、本実施形態では、演出図柄として1〜9までの数字が用いられており、3つの演出図柄が同一の数字で変動停止すると電子抽選の結果が大当たりとなる。そして、2つの演出図柄が同一の数字で変動を停止し、かつ、1つの演出図柄が変動中である状態を「リーチ」と言う。
さらに、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が演出図柄の表示を邪魔しないように区画形成されている。具体的には、演出表示装置34の左下側に第1特図用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されたことを表示する第1保留球表示領域34aが設けられ、右下側に第2特図用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されたことを表示する第2保留球表示領域34bが設けられている。第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、当該入賞により取得した特図用乱数が保留球乱数として記憶されたときに主制御処理部100から出力されるコマンドを受けると、これらの保留球表示領域34a,bに白色等の識別可能な色にて保留球の表示がなされる(図5参照)。
回転表示灯51は、詳しくは図示しないが、反射板と、この反射板を回転駆動するモータと、発光素子とを備えて構成されており、後述するタイムアタック演出(特殊演出)においてレベル5におけるレベルアップ抽選に当選すると、発光素子が点灯し、反射板が鉛直軸を中心に発光素子の周囲を回転するようになっている。なお、回転表示灯51の取付け位置は演出表示装置34の上方である。
特図表示装置17は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。より具体的には、特図表示装置17は、特図に係る抽選結果を、第1特図あるいは第2特図(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。
本実施形態では、特図表示装置17として7セグメント表示器が用いられている。この特図表示装置17は、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特図の変動が停止する。この点滅中の時間が、特図(第1特図、第2特図)の変動時間である。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技とが同時に進行することはない。より詳しくは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技より、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技の方を優先して実行するように構成されている。即ち、第1特図用保留球乱数記憶部115aと第2特図用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、主制御処理部100は、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の方を先に読み出して遊技に係る処理を実行する。そのため、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特図表示装置17で表示している。勿論、特図表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普図に係る電子抽選の結果を表示するための普図表示装置22が、特図表示装置17の隣に設けられている。この普図表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普図の変動が停止する。この点滅中の時間が、普図の変動時間である。
なお、特図表示装置17の表示制御は、主制御処理部100の第1特図表示制御部101aおよび第2特図表示制御部101bによって行われ、普図表示装置22の表示制御は、主制御処理部100の普図表示制御部102によって行われている(図5参照)。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されると、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が可能となる。
また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特図に係る電子抽選の結果、大当たりとなって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈され、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる構成となっている。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a、43b、44、45(図5参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が上下左右に押下操作する演出用ボタン(操作部)60が設けられている。
主制御処理部100は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部100は、CPU、予め定められた制御プログラムを格納するROM、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等により構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図5に示すように、主制御処理部100は、始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことを契機に特図に係る電子抽選を行う特図抽選処理部(特別図柄抽選手段)110と、この特図抽選処理部110が判定した抽選結果に応じて特図の種類を決定する特図種類決定処理部(特別図柄種類決定手段)120と、特図変動パターンコマンドを決定するための特図変動パターンコマンド決定部(変動パターンコマンド決定手段)130と、所定条件が成立したことに基づいて遊技状態を所定の遊技状態へと移行させる遊技状態設定部140と、特図抽選処理部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合にアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部160と、を備えている。
さらに、主制御処理部100は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普図の当否に係る抽選を行う普図抽選処理部170と、普図の変動時間を決定する普図変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、特図表示装置17の表示制御を行う第1特図表示制御部101aおよび第2特図表示制御部101bと、普図表示装置22の表示制御を行う普図表示制御部102と、を備えて構成されている。
特図抽選処理部110は、図6に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する特図当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、第1特図の当否に係る抽選を行う第1特図当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、第2特図の当否に係る抽選を行う第2特図当否抽選部119bと、を備えて構成されている。即ち、本実施形態において、特図に係る抽選手段には、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つのものがある。
第1特図当否抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特図当否判定用乱数取得部112aと、この第1特図当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たりであるか否かを、第1特図高確率判定テーブル116aまたは第1特図低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特図当否判定部113aと、第1特図当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を特図に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特図用保留球乱数記憶部115aとを備えている。
ここで、図7に示すように、第1特図高確率判定テーブル116aは、特図低確率判定テーブル117aよりも、大当たりとなる確率が高くなっている。より詳しく言うと、第1特図高確判定テーブル116aは、大当たりの当選確率が1/30、第1特図低確率判定テーブル117aは、大当たりの当選確率が1/300に設定されている。つまり、第1特図高確率判定テーブル116aの方が、第1特図低確率判定テーブル117aに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、第1特図の当否判定の結果は、第1特図低確率判定テーブル117aが参照される場合、特図当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときにハズレとなる。また、第1特図高確率判定テーブル116aが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときにハズレとなる。
第2特図当否抽選部119bも第1特図当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定用乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特図当否判定用乱数取得部112bと、この第2特図当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数が大当たりであるか否かを、第2特図高確率判定テーブル116bまたは第2特図低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特図当否判定部113bと、第2特図当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を特図に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特図用保留球乱数記憶部115bとを備えている(図5参照)。
ここで、図7に示すように、第2特図高確率判定テーブル116bは、第2特図低確率判定テーブル117bよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特図高確率判定テーブル116bは、大当たりの当選確率が1/30、第2特図低確率判定テーブル117bは、大当たりの当選確率が1/300に設定されている。つまり、第2特図高確率判定テーブル116bの方が、第2特図低確率判定テーブル117bに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、第2特図の当否判定の結果は、第2特図低確率判定テーブル117bが参照される場合、特図当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときにハズレとなる。また、第2特図高確率判定テーブル116bが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときにハズレとなる。
なお、第1特図当否抽選部119aが第1特図低確率判定テーブル117aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図低確率判定テーブル117bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態を、以下の説明において、単に「特図低確」と言うことにし、第1特図当否抽選部119aが第1特図高確率判定テーブル116aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図高確率判定テーブル116bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態(以下、この遊技状態を単に「特図高確」と言う)が、本発明の「特別図柄抽選手段による抽選が遊技者によって有利な状況で行われている遊技状態」に相当する。
先にも触れたが、第1特図用保留球乱数記憶部115aと第2特図用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている方を優先的に読み出して大当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている(特図2優先処理)。
次に、特図種類決定処理部120について説明する。上述した特図抽選処理部110が大当たりに当選しているか否かを決定するものであるのに対して、特図種類決定処理部120は、特図の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特図に関する大当たりまたはハズレの決定は特図抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(大当たり種別、大当たり遊技のラウンド数、アタッカー開放パターン、および電サポ回数)は特図種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
特図種類決定処理部120は、図8に示すように、周期的に(例えば4ミリ秒毎)入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特図種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第1特図の種類を決定するための第1特図種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第2特図の種類を決定するための第2特図種類抽選部129bと、を備えている。本実施形態において、特図の種類の決定は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つがある。
第1特図種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得する第1特図種類決定用乱数取得部122aと、この第1特図種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特図種類決定テーブル125aを参照して第1特図の種類を決定する第1特図種類決定部123aと、第1特図種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特図種類決定用乱数記憶部124aと、を備えている。
第1特図種類決定テーブル125aは、図9(a)に示すように、特図種類決定用の乱数と第1特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、15R通常時短有図柄1、15R通常時短有図柄2、15R特定時短有図柄1、および15R特定時短有図柄2の合計4種類の第1特図が第1特図種類決定テーブル125aに格納されており、これら4種類の第1特図のそれぞれに特図種類決定用乱数0〜99までの値が対応付けられている。そして、第1特図に割り当てられる特図種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、第1特図のそれぞれが第1特図種類決定部123aによって選択される確率は異なるものとなる。
より詳細に説明すると、第1特図種類決定テーブル125aに格納された4種類の第1特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜9までのものに対して「15R通常時短有図柄1」が対応付けられており、当該乱数値が10〜27に対して「15R通常時短有図柄2」が、当該乱数値が28〜32までのものに対して「15R特定時短有図柄1」が、当該乱数値が33〜99までのものに対して「15R特定時短有図柄2」が、それぞれ対応付けられている。
この図9(a)から明らかなように、「15R通常時短有図柄1」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の特図種類決定用乱数のうち10個であるから、「15R通常時短有図柄1」が選択される確率は、10/100×100=10%である。その他の第1特図の選択確率についても同様にして求められ、「15R通常時短有図柄2」の選択確率は18%、「15R特定時短有図柄1」の選択確率は5%、「15R特定時短有図柄2」の選択確率は67%となっている。
また、図8に示すように、第2特図種類抽選部129bも、同様に第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得する第2特図種類決定用乱数取得部122bと、この第2特図種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特図種類決定テーブル125bを参照して第2特図の種類を決定する第2特図種類決定部123bと、第2特図種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特図種類決定用乱数記憶部124bと、を備えている。
第2特図種類決定テーブル125bは、図9(b)に示すように、特図種類決定用の乱数と第2特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。特図の種類は、15R通常時短有図柄1と15R特定時短有図柄1の2つしかない。具体的には、第2特図種類決定テーブル125bに格納された2種類の第2特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜27までのものに対して「15R通常時短有図柄1」が対応付けられており、当該乱数値が28〜99までのものに対して「15R特定時短有図柄1」が、それぞれ対応付けられている。
この図9(b)から明らかなように、「15R通常時短有図柄1」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の特図種類決定用乱数のうち28個であるから、「15R通常時短有図柄1」の選択確率は28%、「15R特定時短有図柄1」の選択確率は72%となっている。
以上のことから、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合とでは、「15R特定時短有図柄1」が選択される確率が、一方は5%であるのに対して他方は72%と各段に差がある。さらに、「15R特定時短有図柄2」は、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞しても選択されることはないが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、67%の確率で選択される。詳しくは後述するが、「15R特定時短有図柄2」は「15R特定時短有図柄1」に比べて獲得できる賞球数が少ないので、第2始動入賞口37bの方が、第1始動入賞口37aに比べて、賞球数(出球数)において遊技者に有利である。なお、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、後に述べる「確変」となる確率、即ち、確変当たりとなる確率は72%である。
なお、特図の種類のうち「15R特定時短有図柄1」および「15R特定時短有図柄2」が本発明における「特定図柄」に相当する。
次に、普図抽選処理部170について説明する。普図抽選処理部170は、図10に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する普図当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)普図に係る抽選を行って当否を判定するための普図当否抽選部177とを備えて構成されている。
普図当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普図当否判定用乱数発生部171で発生した普図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普図当否判定用乱数取得部172と、この普図当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普図当否判定部173と、普図当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに普図が変動中である場合に、この取得した乱数を上限4個まで普図に係る保留球乱数として記憶する普図用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普図低確率判定テーブル176と、この普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普図高確率判定テーブル175とを備えている。
図示はしないが、普図高確率判定テーブル175は、普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普図高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普図低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/20に設定されている。つまり、普図高確率判定テーブル175の方が、普図低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普図高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
なお、普図当否抽選部177が普図低確率判定テーブル176を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態を、以下の説明において、単に「普図低確」と言うことにし、普図当否抽選部177が普図高確率判定テーブル175を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態を、以下の説明において、単に「普図高確」と言うことにする。
次に、図5に示す電動チューリップ作動制御部180は、普図抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した結果に基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するように制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、「普図高確」中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間1.2秒(インターバル0.8秒)で2回開放するよう制御し、「普図低確」中は、1回の普図当たりに対して電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するように制御している。よって、普図高確中は、上述したように、普図抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップ49が1.2秒×2回開放されるため、遊技者は、普図高確中の場合、普図低確中よりも、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ機Pには、遊技状態として「低確」、「時短」、「確変」の3つの遊技状態が設けられている。「低確」とは、特図低確かつ普図低確となっている状態をいう。電源投入後の初期状態やRAMクリア時の遊技状態は「低確」である。また、「時短」とは、特図低確かつ普図高確となっている状態をいい、「確変」とは、特図高確かつ普図高確となっている状態をいう。
本実施形態では、先に述べた特図の種類が決定されると、その特図の種類から、大当たり種別、ラウンド数(大当たりラウンド数)、アタッカー開放パターン、大当たり遊技後に設定される電サポ回数が決まるようになっている。これについて、図11を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
図11に示すように、各特図の種類には、それぞれ、大当たり種別、ラウンド数、アタッカー開放パターン、大当たり遊技後に設定される電サポ回数を規定した大当たりの内容が予め対応付けられている。
「大当たり種別」とは、大当たり遊技後における遊技状態を特図低確とする「通常当たり」と、大当たり遊技後における遊技状態を特図高確とする「確変当たり」との何れにするかを定めたものである。通常当たりの場合には、その後の遊技状態が特図低確となるので、なかなか次の大当たりに当選しないが、確変当たりの場合、その後の遊技状態が特図高確となるので、直ぐに次の大当たりに当選する可能性が高い。
「ラウンド数」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数が15ラウンド(R)に定められているが、以下に説明するように、同じ15ラウンドであっても、アタッカー開放パターンが異なるため、獲得できる賞球数に差がある。
「アタッカー開放パターン」とは、大当たり遊技中のアタッカー装置41の開放パターンを定めたものであり、「フル開放」はアタッカー装置41が15ラウンド分長時間開放されるパターンであるのに対して、「高速開放」はアタッカー装置41が4ラウンド分しか長時間開放されないパターンである。
具体的に説明すると、「フル開放」では、1回のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容となっており、このラウンド遊技が15回(ラウンド)行われる。
「高速開放」では、ラウンド遊技が15回(ラウンド)行われる点では、「フル開放」と同じであるが、1〜4ラウンド目までと5〜15ラウンド目までとでは、ラウンド遊技の終了条件が異なっている。詳細に説明すると、1〜4ラウンド目は、「フル開放」と同じように、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容となっている。
これに対して、5〜15ラウンド目までは、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから0.2秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容になっている。つまり、高速開放の場合、1〜4ラウンド目までは賞球の獲得が見込めるが、5〜15ラウンド目までは、アタッカー装置41が1ラウンドで最大0.2秒間しか開放されないため、賞球の獲得が見込めない。
そのため、「フル開放」では、ラウンド遊技が開始されてから所定時間経過するよりも先に大入賞口42に所定個数の遊技球が入賞することが多く、遊技者は、それに応じた賞球(およそ1500個)を獲得することができる。これに対して、「高速開放」では、賞球の獲得が見込めるラウンドは1〜4ラウンド目までであるため、大当たり遊技中に約400個しか賞球の獲得を見込めない。
なお、このアタッカー装置41の作動を制御して、特図の種類に応じたアタッカー開放パターンで大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である(図5参照)。
「電サポ回数」とは、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、遊技状態が普図高確の状態で、特図抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数のことである。本実施形態では、電サポ回数は、100回および10000回の2種類が設けられている。なお、設定された電サポ回数に到達する前に大当たりに当選すると、その時点で残りの電サポ回数は消滅し、そして新たに当選した際に決定した特図の種類に応じた電サポ回数が付与されるようになることは言うまでもない。
ここで、先に述べたように、特図高確での大当たりの当選確率は1/30であるから、次回の大当たりまでの遊技の回数が10000回を超えることは皆無であり、特図高確で10000回遊技を行えば、ほぼ間違いなく大当たりに当選する。つまり、電サポ回数が10000回とは、電サポ回数が「次回の大当たりまで」であることを意味している。よって、確変当たりの場合、次回の大当たりまで電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができるということになる。
以上のように、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、特図種類決定処理部120により、特図の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりの内容に従って大当たり遊技の制御が行われることとなる。そして、大当たり遊技の終了後、所定の電サポ回数が付与され、遊技状態設定部140は、特図の種類に基づいて、大当たり遊技後の特図に係る遊技状態と普図に係る遊技状態とを設定するように制御している。なお、特図の種類と大当たりの内容との対応関係は以下の通りである。
「15R通常時短有図柄1」は、大当たり種別が通常当たりであり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は100回付与され、遊技状態は、大当たり遊技の終了後から遊技が100回行われるまで、遊技状態は時短に設定され、101回目以降、遊技状態は低確に設定される。
「15R通常時短有図柄2」は、大当たり種別が通常当たりであり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ400個(実質4ラウンド分)の出玉のある大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は100回付与され、遊技状態は、大当たり遊技の終了後から遊技が100回行われるまで、時短に設定され、101回目以降、遊技状態は低確に設定される。
「15R特定時短有図柄1」は、大当たり種別が確変当たりであり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は10000回(次回の大当たりまで)付与され、遊技状態は、次の大当たりまで確変に設定される。
「15R特定時短有図柄2」は、大当たり種別が確変当たりであり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ400個(実質4ラウンド分)の出玉のある大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は10000回付与され、遊技状態は、次の大当たりまで確変に設定される。
なお、本実施形態の例において、遊技状態設定部140が大当たり遊技後の遊技状態を「確変」に設定することが、本発明における「前記特別図柄抽選手段による抽選が遊技者にとって有利な状況で行われる遊技状態に移行する」に相当する。
なお、上記の特図の種類と大当たりの内容との対応関係については、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合とで同じである。即ち、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、その入賞を契機に決定される特図の種類が同じであれば、それに対応する大当たりの内容も同じとなる。
次に、特図の変動時間を決定するための処理について説明する。特図の変動時間は、変動パターンコマンドというコマンドに含まれており、特図変動パターンコマンド決定部130が遊技の開始時に変動パターンコマンドを決定することにより、その遊技に係る特図の変動時間が決定されるようになっている。
特図変動パターンコマンド決定部130は、図12に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特図変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて第1変動パターンコマンドを決定するための第1特図変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて第2変動パターンコマンドを決定するための第2特図変動パターン抽選部130bと、を備えて構成されている。
特図変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜479まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特図変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特図共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第1変動パターンコマンドを決定する第1特図変動パターン決定部135aと、第1特図または第2特図が変動中の場合に、第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1特図変動パターン用乱数記憶部133aと、を備えて構成されている。なお、第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特図当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
第2特図変動パターン抽選部130bも第1特図変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特図変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特図共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第2変動パターンコマンドを決定する第2特図変動パターン決定部135bと、第1特図または第2特図が変動中の場合に、第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2特図変動パターン用乱数記憶部133bと、を備えて構成されている。なお、第2特図変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特図当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
特図共通変動パターンコマンドテーブル134は、第1特図変動パターン抽選部130aおよび第2特図変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図13に示すように、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134bの2つのテーブルを備えている。
通常変動パターンテーブル134aおよび短縮変動パターンテーブル134bの特徴について、図14を用いて説明する。なお、図中、「主要変動時間」とは、リーチが成立しない(または、リーチ扱いとならない)通常のハズレ変動時間のことである。また、図中、「特図1」は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合のことを、「特図2」は、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合のことを、それぞれ示している。また、「保留記憶数」とは、保留球乱数として記憶されている個数のことであり、特図1についての保留記憶数は、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数の個数のことを、特図2についての保留記憶数は、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の個数のことをそれぞれ指している。
通常変動パターンテーブル134aは、保留記憶数に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が2個および3個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が4個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、通常変動パターンテーブル134aには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。また、通常変動パターンテーブル134aは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/20に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に20秒〜100秒に設定されている。
短縮変動パターンテーブル134bは、保留記憶数に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定され、保留記憶数が3個および4個の場合、特図1の主要変動時間は2秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、短縮変動パターンテーブル134bには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。また、短縮変動パターンテーブル134bは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/30に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に40秒〜100秒に設定されている。なお、大当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される。
ここで、変動パターンテーブル134a,134bによれば、特図の変動時間について次のことが言える。第1に、保留記憶数が0個〜4個の何れの場合においても、短縮変動パターンテーブル134bに規定されている主要変動時間より、通常変動パターンテーブル134aに規定されている主要変動時間の方が長い。第2に、短縮変動パターンテーブル134bより通常変動パターンテーブル134aの方がリーチとなる確率が高いことから、特図がリーチ時変動時間だけ変動する場合が多い。よって、短縮変動パターンテーブル134bを参照して決定される特図の変動時間より、通常変動パターンテーブル134aを参照して決定される特図の変動時間の方が相対的に長いということになる。
なお、本実施形態において、通常変動パターンテーブル134aは、遊技状態が「低確」、即ち、特図低確かつ普図低確の場合に参照される。短縮変動パターンテーブル134bは、遊技状態が「確変」、即ち、特図高確かつ普図高確の場合、あるいは遊技状態が「時短」、即ち、特図低確かつ普図高確の場合に参照される。
上記のように構成された第1特図変動パターン抽選部130aは、第1特図に係る遊技の開始時に、第1特図当否抽選部119aによる当否抽選の結果と、第1特図用保留球乱数記憶部115aに現在記憶されている保留球乱数の記憶個数(保留記憶数)と、第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した特図変動パターン用乱数とに基づき、通常変動パターンテーブル134aまたは短縮変動パターンテーブル134bを参照して第1変動パターンコマンドを決定している。また、第2特図変動パターン抽選部130bも同様にして、第2特図に係る遊技の開始時に第2変動パターンコマンドを決定している。
変動パターンコマンドの具体例を、図15を参照しながら以下に説明する。なお、詳しくは後述するが、「タイムアタックリーチ」とは、リーチとなった後にタイムアタック演出が演出表示装置34に表示されるリーチのことであり、本実施形態において「タイムアタック演出(特殊演出)」とは、有効時間(操作有効期間)内に演出用ボタン60を遊技者に複数回押下させることで演出が進められ、タイムアタック演出の開始から所定の演出条件に到達するまでのクリアタイム(所要時間)を競わせる演出である。なお、図15中の「擬似連」とは、1回の遊技中に、複数の演出図柄を変動させた後にハズレを示す態様で仮停止させ、再び複数の演出図柄を変動させるといった演出表示を繰り返すことによって、実際には1回の遊技であるものの、擬似的に複数回の遊技を行っているかのように見せる演出のことであり、擬似連の回数とは、その擬似的に行う演出上(見せかけ)の遊技回数のことである。
図15(a)は、第1特図当否抽選部119aによる当否判定の結果が「ハズレ」の場合において、通常変動パターンテーブル134aを参照した場合の特図変動パターン用乱数の値と第1変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。また、図15(b)は、第1特図当否抽選部119aによる当否判定の結果が「大当たり」の場合において、通常変動パターンテーブル134aを参照した場合の特図変動パターン用乱数の値と第1変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。
図15(a)に示すように、ハズレのときに通常変動パターンテーブル134aが参照される場合においては、特図変動パターン用乱数の値が0〜23までの何れかであるとき、それらに対応する第1変動パターンコマンドは、変動パターンNo.A1〜A9の何れかとなる。これら変動パターンNo.A1〜A9には、変動時間が20秒〜100秒までの何れかのリーチ変動時間が規定されている。よって、特図変動パターン用乱数の値が0〜23までの場合、保留記憶数とは関係なく、変動パターンNo.に規定されているリーチ変動時間となる。なお、前述したように、通常変動パターンテーブル134aのリーチ確率は1/20であるため、リーチとなる特図変動パターン用乱数の個数は、合計480個のうち24個となっている。
これに対して、特図変動パターン用乱数の値が24〜479までの何れかであるとき、それらに対応する第1変動パターンコマンドは、保留記憶数に応じて変動パターンNo.A10〜A12の何れかとなる。具体的には、第1変動パターンコマンドは、保留記憶数が0〜1個のとき変動時間12.5秒の変動パターンNo.A10となり、保留記憶数が2個〜3個のとき変動時間7秒の変動パターンNo.A11となり、保留記憶数が4個のとき変動時間4秒の変動パターンNo.A12となる。
また、図15(b)に示すように、大当たりのときに通常変動パターンテーブル134aが参照される場合においては、特図変動パターン用乱数の値が0〜479の何れの値であっても、必ずリーチとなる変動パターンコマンドが決定される。具体的には、第1変動パターンコマンドは、特図変動パターン用乱数の値が0〜2の場合に変動パターンNo.A21となり、特図変動パターン用乱数の値が3〜39までの場合に変動パターンNo.A22となり、当該乱数値が40〜139の場合に変動パターンNo.A23となり、当該乱数値が140〜339の場合に変動パターンNo.A24となり、当該乱数値が340〜439の場合に変動パターンNo.A25となり、当該乱数値が440〜476の場合に変動パターンNo.A26となり、当該乱数値が477の場合に変動パターンNo.A27となり、当該乱数値が478の場合に変動パターンNo.A28となり、当該乱数値が479の場合に変動パターンNo.A29となる。
なお、図15から明らかなように、第1変動パターンの番号がA7〜9、およびA27〜29である場合にはタイムアタックリーチとなる。また、変動パターンの番号がA1〜A12までの場合はハズレであり、A21〜A29までの場合は大当たりであることが分かる。つまり、変動パターンの番号に基づいて大当たりまたはハズレが判別できるということになる。
ここまで、主に主制御処理部100が行う各処理について説明したが、ここからは、主制御処理部100から指令を受けて各種演出を行うためのサブ制御処理部200について説明する。図5に示すように、サブ制御処理部200は、演出制御処理部201と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部202と、スピーカ20やサウンドプロセッサ等の制御を行うための音声制御処理部203と、を備えて構成され、図3に示すように遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。
サブ制御処理部200は、主制御処理部100からの指令を受けて各種演出処理を実行するCPU、予め定められた制御プログラムを格納するROM、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM等により構成されている。このROMには、演出制御処理部201、ランプ制御処理部202、音声制御処理部203に関する各種プログラムやデータが格納されており、このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、各種演出に関する処理が行われる。なお、本発明に係る第1の実施の形態例において、サブ制御処理部200に設けられたCPUは、主制御処理部100からの指令を1/60秒毎に受け取り、各種演出に関する処理を実行するように構成されている。
演出制御処理部201は、図16に示すように、処理部として、特図に係る変動パターンコマンドに基づいて今回の遊技に用いる演出態様を決定する演出態様決定部210と、演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部220と、保留球表示領域34a,bに保留球を表示する制御を行う保留球表示制御部230と、タイムアタック演出に関する処理を行うタイムアタック演出処理部400と、を備えて構成されている。
さらに、演出制御処理部201は、記憶部として、演出態様記憶部260を備えている。この演出態様記憶部260には、遊技中に演出表示装置34に表示させる演出態様を記憶した通常演出テーブル261a、短縮演出テーブル261bが格納されている。
図17に示す通常演出テーブル261aは、第1特図変動パターン決定部135aが通常変動パターンテーブル134aを参照した場合に送られてくる第1変動パターンコマンドの番号(第1変動パターンNo.)に対応した演出テーブルである。
通常演出テーブル261aは、演出態様(演出画像データ)と第1変動パターンNo.とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、ノーマルリーチ、対決系リーチ、ストーリー系リーチ、実写系リーチ、タイムアタックリーチ、およびリーチなしの合計6種類の演出態様が通常演出テーブル261aに格納されており、これら6種類の演出態様のそれぞれに第1変動パターンNo.が対応付けられている。そして、図17から明らかなように、第1変動パターンNo.A7〜No.A9およびNo.A27〜No.A29にはタイムアタックリーチが対応付けられている。
短縮演出テーブル261bは、第1特図変動パターン決定部135aが短縮変動パターンテーブル134bを参照した場合に送られてくる第1変動パターンコマンドの番号、および第2特図変動パターン決定部135bが短縮変動パターンテーブル134bを参照した場合に送られてくる第2変動パターンコマンドの番号に対応する演出テーブルである。短縮演出テーブル261bは、通常演出テーブル261aと比較して、同じテーブル構成を成しており、変動パターンNo.において違いがあるものの、殆ど同様の内容であるため図示および説明を省略する。
なお、第2特図変動パターン決定部135bが通常変動パターンテーブル134aを参照した場合に送られてくる第2変動パターンコマンドの番号に対応する演出テーブル、第2特図変動パターン決定部135bが短縮変動パターンテーブル134bを参照した場合に送られてくる第2変動パターンコマンドの番号に対応する演出テーブルは、変動パターンNo.において違いがあるものの、図17に示すテーブルと殆ど同様の内容であるため図示および説明を省略する。
以上のように、演出態様決定部210は、遊技開始時に第1または第2変動パターンコマンドが送られてくると、その変動パターンNo.に基づき、演出態様記憶部260に記憶されている各演出テーブルを参照して今回の遊技に係る演出態様を決定する。
なお、変動パターンNo.に規定された変動時間と演出態様として規定されている演出時間とが同じ時間となるように両者が予め対応付けられているから、特図表示装置17に表示させる特図の変動開始および停止と、演出表示装置34に表示させる演出図柄の変動開始および停止とを同期して表示させることができるのである。
なお、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pにおいて、通常演出テーブル261aおよび短縮演出テーブル261bに対応付けられた6種類の演出態様には、キャラクタ「A」、「B」および「C」が登場する構成になっている。
次に、タイムアタック演出処理部400について説明するが、その説明をするにあたって、まずタイムアタック演出がどのような演出であるかについて図24を用いてその概略を説明する。図24(a)に示すように、演出表示装置34に表示された演出図柄がリーチを示す態様となると、画像が切り替わり、図24(b)に示すタイムアタック演出用の画像が表示される。
タイムアタック演出は、有効時間の5秒間に、なるだけ数多く演出用ボタン60を押下操作して、レベル5をいかに早くクリアできるかを遊技者間で競う演出であり、演出用ボタン60が押下される毎に、レベルアップ抽選が行われ、レベルアップ抽選に当選すると、各レベルをクリアしたものとして、図24(c)に示す各レベルの表示領域が、レベル1から順番に黒色から赤色に変化する。なお、本実施形態の例において、レベル5をクリアすること(レベル5においてレベルアップ抽選に当選すること)が、本発明における「所定の演出条件」に相当する。
タイムアタック演出が開始されると、図24(d)に示すように、「連打」の文字が表示され、遊技者に演出用ボタン60の連打を促し、タイムアタック演出の有効時間が残り3秒になると、図27(e)に示すように数字の「3」が表示され、遊技者に演出用ボタン60の更なる連打を促す。タイムアタック演出が開始されてから5秒が経過する前に、レベル5においてレベルアップ抽選に当選すると(レベル5をクリアすると)、タイムアタック演出のクリアとなる。
タイムアタック演出をクリアすると、図27(f)に示すように、今回のクリアタイムが画像上部に表示され、画像下部には現在までのクリアタイムの記録がランキングとして表示される。今回のクリアタイムがこれまでの記録を更新すれば、今回のクリアタイムがランキングとして表示される。
続いて、タイムアタック演出処理部400について説明する。タイムアタック演出処理部400は、上述したタイムアタック演出に関する処理を行うものであり、図18に示すように、演出用ボタン60の押下操作に基づいて抽選を行うレベルアップ抽選部410と、タイムアタック演出開始からタイムアタック演出をクリアするまでの実測時間についての処理を行う実測時間処理部420と、タイムアタック演出をクリアした場合に決定される擬似時間についての処理を行う擬似時間処理部430と、実測時間および擬似時間から構成されるクリアタイムを演算するための処理を行うクリアタイム処理部440と、クリアタイム処理部440が処理したクリアタイムに基づいてランキングを決定するための処理を行うランキング処理部450を、備えて構成されている。
レベルアップ抽選部410は、図19に示すように、周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するレベルアップ当否判定用乱数発生部411と、レベルアップ抽選部410が演出用ボタン60からの操作信号を受信したことを契機として、レベル1〜レベル5の各レベルにおいて、レベルクリアか否かの抽選を行うレベルアップ当否抽選部419と、を備えて構成されている。
レベルアップ当否抽選部419は、レベルアップ抽選部410が演出用ボタン60からの操作信号を受信する毎に、レベルアップ当否判定用乱数発生部411で発生したレベルアップ当否判定用の乱数を1つ取得するレベルアップ当否判定用乱数取得部412と、このレベルアップ当否判定用乱数取得部412が取得した乱数が当たりであるか否かを、レベルアップ当否判定テーブル414を参照して決定するレベルアップ当否判定部413と、を備えて構成されている。なお、レベルアップ当否判定部413が当たりであると判定した場合には、レベルクリアとなる。
図20に示すレベルアップ当否判定テーブル414は、第1特図変動パターン決定部135aが通常変動パターンテーブル134aを参照した場合に送られてくる第1変動パターンコマンドの番号(変動パターンNo.)に対応したテーブルであり、第1変動パターンNo.のそれぞれにレベル1〜レベル5までの各レベルにおけるレベルアップ抽選の当選確率が予め対応付けられている。
具体的には、No.A7のレベル1からレベル4に対応付けられたレベルアップ抽選の当選確率は全て2/5になっており、レベル5に対応付けられたレベルアップ抽選の当選確率は0/5になっている。No.A8のレベル1に対応付けられたレベルアップ抽選の当選確率には1/5が、レベル2には2/5が、レベル3には3/5が、レベル4には4/5が、それぞれ対応付けられており、レベル5に対応付けられたレベルアップ抽選の当選確率は0/5になっている。No.A9のレベル1に対応付けられたレベルアップ抽選の当選確率には5/5が、レベル2には4/5が、レベル3には3/5が、レベル4には2/5が、それぞれ対応付けられており、レベル5に対応付けられたレベルアップ抽選の当選確率は0/5になっている。
また、No.A27のレベル1からレベル5に対応付けられたレベルアップ抽選の当選確率は全て2/5になっている。No.A28のレベル1に対応付けられたレベルアップ抽選の当選確率には1/5が、レベル2には2/5が、レベル3には3/5が、レベル4には4/5が、そして、レベル5に対応付けられたレベルアップ抽選の当選確率は5/5になっている。No.A29のレベル1に対応付けられたレベルアップ抽選の当選確率には5/5が、レベル2には4/5が、レベル3には3/5が、レベル4には2/5が、そして、レベル5に対応付けられたレベルアップ抽選の当選確率は1/5になっている。
図20から明らかなように、No.A8またはNo.A28が送られてきた場合には、レベル1からレベル4へとレベルが段階的に進むにつれて当選確率が高くなるようになっているので、レベルが進むにつれてレベルアップ抽選に当選しやすくなっている。一方、No.A9またはNo.A29が送られてきた場合には、レベル1からレベル4へとレベルが段階的に進むにつれて当選確率が低くなるようになっているので、レベルが進むにつれてレベルアップ抽選に当選し難くなっている。
また、図20から明らかなように、No.A7〜No.A9のうち何れの第1変動パターンが送られてきても、レベル5での当選確率は0/5になっているので、レベル5でレベルアップ抽選に当選する可能性はないが、No.A27〜No.A29のうち何れかの第1変動パターンが送られてきた場合には、レベル5でレベルアップ抽選に当選する可能性がある。
以上のように、No.A7〜No.A9のうち何れかの第1変動パターンが送られてきた場合、即ち、第1特図当否抽選部119aによる当否判定の結果が「ハズレ」の場合には、レベル5においてレベルアップ抽選に当選することはないが、No.A27〜No.A29が送られてきた場合、即ち、第1特図当否抽選部119aによる当否判定の結果が「大当たり」の場合には、レベル5においてレベルアップ抽選に当選する可能性がある。
なお、第1特図変動パターン決定部135aが短縮変動パターンテーブル134bを参照した場合に送られてくる第1変動パターンコマンドの番号に対応したレベルアップ当否判定テーブルは、図20に示すテーブルと殆ど同じ構成を成しており、その内容は、変動パターンNo.を除き図20に示すテーブルと同様であるため図示および説明を省略する。
レベルアップ抽選部410は、タイムアタック演出が開始されてから、5秒が経過するまで、あるいはレベル5においてレベルアップ抽選部410による抽選が当選(レベル5をクリア)するまでの何れかのうち早い方まで、演出用ボタン60からの操作信号を受け付け、5秒を経過すると、あるいはレベル5をクリアすると、演出用ボタン60からの操作信号を無効とする。また、レベルアップ抽選部410は、レベル5をクリアすると、擬似時間処理部430にクリアした旨の信号(以下、レベルクリア信号という)を出力する。なお、タイムアタック演出が開始されてから5秒が経過するまでの時間が本発明における「操作有効期間内」に相当する。
実測時間処理部420は、図18に示すように、タイムアタック演出の開始から、レベル5においてレベルアップ抽選部410による抽選が当選するまでの実測時間を計測する実測時間計測部(計測手段)421と、実測時間計測部421が計測した実測時間をサブ制御処理部200に備えられたRAMに記憶する実測時間記憶部(実測時間記憶手段)422と、を備えて構成されている。なお、実測時間処理部420は、電源投入時またはRAMクリア時に実測時間記憶部422が記憶している実測時間を消去する。
ここで、本発明に係る第1の実施の形態例において、サブ制御処理部200のCPUは、演出制御処理部201に記憶されている演出に関するプログラムを、1/60秒毎に実行するよう構成されているため、実測時間計測部421は、実測時間を1/60秒(およそ0.016秒)よりも高い精度で計測することは不可能である。即ち、小数点第2位以下の値まで正確に実測時間を計測することはできない。そこで、本実施形態では、次に説明する擬似時間というものを用いて、あたかも小数点第2位まで計測したかのような表示を行うようにしている。なお、第1の実施の形態例は本発明におけるN=1の場合を例示している。
擬似時間処理部430は、図21に示すように、周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する擬似時間抽選用乱数発生部431と、レベルアップ抽選部410から入力されたレベルクリア信号に基づいて擬似時間を抽選により決定する擬似時間抽選部439と、擬似時間抽選部439が決定した擬似時間を記憶する擬似時間記憶部435と、を備えて構成されている。
擬似時間抽選部439は、レベルアップ抽選部410から入力されたレベルクリア信号を受信した場合に、擬似時間抽選用乱数発生部431で発生した乱数を1つ取得する擬似時間抽選用乱数取得部432と、この擬似時間抽選用乱数取得部432が取得した乱数から、擬似時間抽選テーブル434を参照して擬似時間を決定する擬似時間決定部(擬似時間決定手段)433と、を備えて構成されている。
擬似時間抽選テーブル434は、図22に示すように、擬似時間抽選用乱数と小数点第2位までの数字0.00〜0.09が予め対応付けられた構成を成している。具体的には、擬似時間抽選用乱数の値が0に対して数字の「0.00」が、当該乱数値の値が1〜4までのものに対して数字の「0.01」が、当該乱数値の値が5〜9までのものに対して数字の「0.02」が、当該乱数値の値が10〜19までのものに対して数字の「0.03」が、当該乱数値の値が20〜34までのものに対して数字の「0.04」が、当該乱数値の値が35〜54までのものに対して数字の「0.05」が、当該乱数値の値が55〜79までのものに対して数字の「0.06」が、当該乱数値の値が80〜94までのものに対して数字の「0.07」が、当該乱数値の値が95〜98までのものに対して数字の「0.08」が、当該乱数値の値が99に対して数字の「0.09」が対応付けられている。
図22から明らかなように、「0.00」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の擬似時間抽選用乱数のうち1個であるから、「0.00」が選択される確率は1/100×100=1%である。その他「0.01」〜「0.09」の数字の選択される確率も同様に求められ、「0.01」の選択確率は4%、「0.02」の選択確率は5%、「0.03」の選択確率は10%、「0.04」の選択確率は15%、「0.05」の選択確率は20%、「0.06」の選択確率は25%、「0.07」の選択確率は15%、「0.08」の選択確率は4%、「0.09」の選択確率は1%、となっている。
後述するように、クリアタイムが短い場合にはランキングを更新する可能性があるが、クリアタイムに係る小数点第2位の値は、擬似時間で構成されているので、より短いクリアタイムを獲得するためには、より小さい擬似時間が選ばれる必要がある。しかし、上記に示すように、小さい擬似時間の選択確率は低く設定されているので、遊技者が、小数点第2位の値が小さいクリアタイムを得ることは困難であり、擬似時間が「0.00」となることは稀である。そうすると、遊技者は、より短いクリアタイムを獲得することを楽しみとすることもできるので、タイムアタック演出における遊技性を高めることができる。
クリアタイム処理部440は、図18に示すように、今回のタイムアタック演出において、実測時間記憶部422が記憶した実測時間に、擬似時間記憶部435が記憶した擬似時間を加算して求められた値をクリアタイムとして作成するクリアタイム作成部441と、クリアタイム作成部441が作成したクリアタイムをサブ制御処理部200に備えられたRAMに記憶するクリアタイム記憶部(所要時間記憶手段)442と、を備えて構成されている。
クリアタイム記憶部442には、予めクリアタイムとして「3.00」および「4.00」が記憶されている。なお、クリアタイム処理部440は、電源投入時またはRAMクリア時にクリアタイム記憶部442が記憶したクリアタイムを消去する。ただし、予めクリアタイムとして記憶されている「3.00」および「4.00」は、サブ制御処理部200に備えられたROMに記憶されたデータであるため、クリアタイム処理部440により消去されることはない。なお、本実施形態では予めクリアタイムが記憶されているが、予め記憶されていない構成であっても良い。
ランキング処理部450は、図18に示すように、クリアタイム記憶部442が記憶しているクリアタイムの中で最も短いクリアタイムをランキング第1位に、2番目に短いクリアタイムをランキング第2位とするランキングを作成するランキング作成部451と、ランキング作成部451が作成したランキングを記憶するランキング記憶部452と、今回のタイムアタック演出で作成されたクリアタイムが、ランキング記憶部452が記憶している第1位のクリアタイムよりも短い場合には、今回のタイムアタック演出で作成されたクリアタイムをランキング第1位に更新すると共に、ランキング記憶部452がランキング第1位として記憶していたクリアタイムをランキング第2位に更新し、あるいは今回のタイムアタック演出で作成されたクリアタイムが、ランキング記憶部452が記憶している第1位のクリアタイムよりも長く第2位のクリアタイムよりも短い場合には、今回のタイムアタック演出で作成されたクリアタイムをランキング第2位に更新するランキング更新部453と、を備えて構成されている。
ランキング処理部450は、電源投入時またはRAMクリア時にランキング記憶部452が記憶したランキングを消去する。したがって、電源投入後の初期状態やRAMクリア時のクリアタイム記憶部442には、「3.00」および「4.00」の2つのクリアタイムしか記憶されていないため、ランキング作成部451は、「3.00」をランキング第1位に、「4.00」をランキング第2位とするランキングを作成する。なお、本実施形態では、ランキング作成部451は、ランキング第2位までのランキングを作成するが、ランキング第2位までに限られずランキング第5位まで等、適当な順位までランキングを作成する構成であっても良い。
次に、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pにおける特図に係る遊技の処理手順について図23を参照して説明するが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の第1特図に係る遊技処理と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の第2特図に係る遊技処理とは同じであるため、以下では、第1特図に係る遊技処理についてのみ説明する。なお、図23中の「PT」はパターンの略である。
図23に示すように、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部100は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特図当否判定用乱数取得部112aは特図当否判定用の乱数を取得し、第1特図種類決定用乱数取得部122aは特図種類決定用の乱数を取得し、第1特図変動パターン用乱数取得部132aは特図変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。
第1特図または第2特図が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数を第1特図用保留球乱数記憶部115aに、特図種類決定用乱数を第1特図種類決定用乱数記憶部124aに、特図変動パターン用乱数を第1特図変動パターン用乱数記憶部133aに、それぞれ記憶する(ステップS4)。このとき、保留球表示制御部230が白色の保留球を第1保留球表示領域34aに表示する。そして、ステップS3の手前に戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。なお、既に第1特図用保留球乱数記憶部115aに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、ステップS4の処理は行われないということは言うまでもない。
一方、第1特図および第2特図の何れも変動していない場合、即ち、遊技の順番が来た場合(ステップS3でNo)には、ステップS5にて大当たり判定処理が行われる。つまり、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数が大当たりであるか否かを第1特図当否判定部113aが判断する。
次いで、ステップS6にて、特図種類決定処理が行われる。具体的には、ステップS5での大当たり判定処理の結果、大当たりと判定された場合には、第1特図種類決定部124aが、ステップS2で取得した特図種類決定用乱数に基づいて、その大当たりに対する特図の種類を決定する。即ち、図9(a)を参照して、「15R通常時短有図柄1」、「15R通常時短有図柄2」、「15R特定時短有図柄1」、「15R特定時短有図柄2」の中から1つの第1特図の種類を、このステップS6で決定する。この決定された第1特図の種類に応じて、今回の大当たりが確変当たりと通常当たりの何れであるか、大当たり遊技におけるラウンド数が何回であるか、アタッカー開放パターンがフル開放と高速開放の何れであるか、および、大当たり遊技終了後の電サポ回数が何回であるかが決定されることになる。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、第1特図の種類を決定することなくステップS6の処理は終了する。
次いで、ステップS7にて特図変動パターンコマンド決定処理が行われる。この特図変動パターンコマンド決定処理では、ステップS2で取得した特図変動パターン用乱数に基づいて、第1特図変動パターン決定部135aは、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134bのうち何れかを参照して第1変動パターンコマンドを決定する。
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理が行われる。この演出態様決定処理では、演出態様決定部210が、通常演出テーブル261aまたは短縮演出テーブル261bを参照して、入力された第1変動パターンコマンドに基づいて今回の第1特図に係る遊技に用いる演出態様を決定する。
次いで、ステップS9で、第1特図表示制御部101aが特図表示装置17に第1特図の変動表示を開始させ、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS8で決定された演出態様の表示を開始する。なお、今回の遊技に用いる演出態様がタイムアタックリーチである場合については後ほど詳しく説明する。
次いで、ステップS10で、第1特図表示制御部101aが特図表示装置17に第1特図を停止表示させる。このとき、特図表示装置17に停止表示される図柄は、ステップS5で大当たりと判定された場合には、ステップS6にて決定された第1特図の種類に対応した当たり図柄となるが、ステップS5でハズレと判定された場合には、ハズレに対応したハズレ図柄となる。
次いで、停止した第1特図が大当たりの組合せで確定している場合(ステップS11でYes)は、大当たり遊技制御部160は、第1特図の種類に応じた所定のアタッカー開放パターンでアタッカー装置41を開放して大当たり遊技を提供する(ステップS12)。次いで、ステップS13にて、遊技状態設定部140は、次の遊技における特図の遊技状態を特図低確または特図高確に設定すると共に、普図の遊技状態を普図高確または普図低確に設定する。
このステップS13で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の第1特図に係る遊技処理が終了する。また、ステップS11でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS13に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となる。
次に、今回の遊技に用いる演出態様がタイムアタックリーチである場合に演出表示装置34に表示される画像について図24を用いて詳しく説明する。図24(a)に示すように、例えば、左図柄および右図柄の演出図柄が数字の「2」で停止し、かつ、中図柄が変動中である場合にはリーチとなる。そして、今回の遊技に用いられる演出態様が「タイムアタックリーチ」である場合には、リーチとなった後、演出表示装置34には、図24(b)に示すタイムアタック演出用の画像が表示される。
図24(b)に示す画像中央には、レベルアップ抽選の当否を示すレベルアップメータ画像400aが配置されており、画面下部には、演出用ボタン60を映像化したボタン画像400bが配置されている。また、画像左上部には、演出図柄がリーチを示す態様で表示されている(400c)。
レベルアップメータ画像400aは、図24(c)に示すように、レベル1〜レベル5までの5つの領域に区分されており、各領域は黒色に配色されている。レベル1においてレベルアップ抽選に当選するとレベル1はクリアとなり、演出表示制御部220は、レベル1の領域を赤色に変色させる。レベル1をクリアすると、次はレベル2においてレベルアップ抽選が行われる。レベル1と同様に、レベル2〜レベル5のそれぞれにおいてレベルアップ抽選に当選すると、演出表示制御部220は、レベル2〜レベル5のそれぞれの領域を赤色に変色させる。
図24(d)に示すように、タイムアタック演出の開始と同時に、演出表示制御部220は、「連打」(400d)の文字を画像中央に表示する。この表示と同期して、音声制御処理部203は、スピーカ20から「連打しろ!」の音声を発するように制御し、遊技者に演出用ボタン60の押下操作を促す。
なお、演出表示制御部220は、有効時間が残り3秒となると図24(e)に示すようにボタン画像400bに重なるようにして、数字の「3」(400e)を表示して、遊技者に残り有効時間が3秒であることを報知する。そして、有効時間が残り2秒、1秒となるに従い、数字の「3」が「2」、「1」と変更表示され、有効時間のカウントダウンが行われる。
レベル5においてレベルアップ抽選に当選(レベル5をクリア)すると、レベル5の領域が赤色に変色し、回転表示灯51が備える発光素子は点灯し、反射板が鉛直軸を中心に発光素子の周囲を回転する。また、これと同期して、スピーカ20から、特定の効果音が発せられ、タイムアタック演出をクリアしたことが遊技者に報知される。
タイムアタック演出をクリアすると、図24(f)に示すように、画像上部に今回のクリアタイム(CLEAR TIME)が表示され、画像下部にランキングが表示される。なお、画像中央には、同一の数字で揃った3つの演出図柄が表示され、大当たりに当選したことが報知される。
図24(f)に示すクリアタイム「4.60」は、今回の実測時間が4.6、擬似時間が0.00であった場合を示している。クリアタイムは、実測時間に擬似時間を加算して得られたものであるので、4.6+0.00=4.60となり、演出表示制御部220は、CLEAR TIME(クリアタイム)として「04.60」を表示する。
図24(f)に示すように、例えば、今回のタイムアタック演出開始直前にクリアタイム記憶部442が記憶しているクリアタイムが「3.00」、「4.00」の2つだけであり、ランキング記憶部452は、クリアタイム「3.00」がランキング第1位、「4.00」がランキング第2位であるランキングを記憶している場合には、今回のタイムアタック演出で得られたクリアタイム「4.60」は、第2位の「4.00」よりも長いので、ランキング更新部453は、ランキング更新を行わず、画像の下部には、クリアタイム「3.00」がランキング第1位(NO.1)、「4.00」がランキング第2位(NO.2)とするランキングが表示される。
なお、図27(f)に示されたランキングは、タイムアタック演出のクリア時のみならず、大当たり遊技中やデモ画面中等の適当な場面で演出表示装置34に表示するようにしても良い。
次に、今回の遊技に用いる演出態様がタイムアタックリーチである場合のタイムアタック演出処理について図25および図26を用いて詳しく説明する。図25に示すように、タイムアタック演出処理部400は、タイムアタック演出が開始された場合には(ステップS21にてYes)、ステップS22に進み、実測時間決定処理が行われる。なお、タイムアタック演出が開始されないと(ステップS21にてNo)、レベルアップ抽選部410が演出用ボタン60からの操作信号を無効扱いとするため、実測時間決定処理が行われることはない。
実測時間決定処理について図26を用いて説明する。タイムアタック演出が開始されると、ステップS31にて、実測時間計測部421は、実測時間の計測を開始し、ステップS32に進む。レベルアップ抽選部410は、演出用ボタン60からの操作信号を1回受信すると(ステップS32にてYes)、ステップS33に進む。
ステップS33にて、レベルアップ当否抽選部419は、レベル1〜レベル5において、ステップS32にて受信した操作信号に基づいて、レベルアップ抽選を行う。例えば、今回送られてきた第1変動パターンNo.がNo.A7であったとすると、レベルアップ抽選の当選確率は、図20のNo.A7に対応付けられている当選確率となる。また、ステップS32にて初めて操作信号を受信した場合には、レベル1にてレベルアップ抽選が行われる。レベルアップ抽選が行われるとステップS34に進む。
ステップS34にて、レベルアップ抽選部410は、レベルアップ抽選に当選したか否かを判断し、当選した場合には(Yes)、ステップS35に進む。
ステップS35にて、レベルアップ抽選部410は、レベル5においてレベルアップ抽選に当選したか否かを判断し、当選した場合には(Yes)、ステップS36に進んで、実測時間の計測が行われる。また、実測時間計測部421は、レベル5においてレベルアップ抽選に当選すると実測時間の計測を終了する。
ステップS36にて、実測時間計測部421が、ステップS31にて計測を開始してからステップS35にて計測を終了するまでの実測時間を計測する。実測時間の計測処理が終了すると、ステップS37に進む。
ステップS37にて、実測時間記憶部422は、ステップS36で計測された実測時間を記憶して、実測時間決定処理を終了する。なお、先に述べたように、実測時間計測部421は、小数点第1位の値まで実測時間を計測することができる。
一方、ステップS35にて、Noの場合、即ち、レベル5をクリアしていない場合(言い換えれば、レベル1〜レベル4においてレベルアップ抽選には当選したが、レベル5においてレベルアップ抽選に当選していない場合)には、ステップS38に進む。
ステップS38にて、実測時間計測部421は、ステップS31にて実測時間の計測を開始してから有効時間の5秒が経過しているかを判断し、5秒が経過していない場合には(No)、ステップS32の手前に戻り、演出ボタン60が押下される度にレベル5においてレベルアップ抽選に当選するまでステップS32〜ステップS38までの各ステップが繰り返される。
ステップS32にてNoの場合、即ち、レベルアップ抽選部410が、演出用ボタン60からの操作信号を受信しない場合には、ステップS38に進む。同様に、ステップS34にてNoの場合、即ち、ステップS33にて行われたレベルアップ抽選に当選しなかった場合にも、ステップS38に進む。
ステップS38にてYesの場合、即ち、5秒が経過している場合には、実測時間計測部421は、実測時間の計測を強制的に終了し、実測時間決定処理を終了する。一方、5秒が経過していない場合には(ステップS38にてNo)、ステップS32の手前に戻り、再びステップS32〜ステップS38までの各ステップが繰り返される。
このように、ステップS31にて実測時間の計測が開始されてから5秒が経過するまで、あるいは、レベル5においてレベルアップ抽選に当選するまでの何れかの条件が満たされるまで、実測時間の計測が行われる。なお、第1特図当否抽選部119aによる当否判定の結果が「ハズレ」の場合には、レベル5においてレベルアップ抽選に当選することはないため、実測時間の計測が開始されてから5秒が経過すると、実測時間の計測は強制的に終了となる。したがって、遊技者は、大当たりに当選し、かつ、レベル5においてレベルアップ抽選に当選した場合に限り、タイムアタック演出において、今回の遊技が大当たりであることを判別することができる。
図25に戻り、ステップS22にて実測時間決定処理が終了すると、ステップS23に進む。ステップS23にてタイムアタック演出処理部400は、ステップS37にて実測時間が記憶されたかを判断し、実測時間が記憶された場合には(ステップS23にてYes)、ステップS24に進む。
一方、ステップS23にて、Noの場合、即ち、実測時間が記憶されていない場合には、ステップS24〜ステップS26の処理を経ることなく、タイムアタック演出処理は終了する。
ステップS24にて、擬似時間決定処理が行われる。この処理では、擬似時間抽選部439が、レベルアップ抽選部410から入力されたレベルクリア信号に基づいて(ステップS32)、擬似時間抽選テーブル434を参照して(図22)、抽選により擬似時間を決定する。擬似時間記憶部435は、この決定された擬似時間を記憶し、擬似時間決定処理を終了し、ステップS25に進む。
ステップS25にて、クリアタイム処理が行われる。この処理では、クリアタイム作成部441が、ステップS38にて記憶された実測時間に、ステップS24にて記憶された擬似時間を加算してクリアタイムを作成する。クリアタイム記憶部442は、クリアタイム作成部441が作成したクリアタイムを記憶し、クリアタイム処理は終了し、ステップS26に進む。
ステップS26にて、ランキング処理が行われる。この処理において、ランキング更新部453は、ステップS25にて作成されたクリアタイムが、ランキング記憶部452が記憶しているクリアタイムよりも短いか否かを判断し、短い場合には、ランキング記憶部452が記憶しているランキングを更新して、ランキング処理を終了し、タイムアタック演出処理は終了する。
以上のように、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pによれば、タイムアタック演出において、実測時間計測部421が計測不可能な小数点第2位の桁までのクリアタイムを擬似的に表現することができる。よって、遊技者に正確なクリアタイムを表示させているかのような印象を与えることができるので、遊技者にクリアタイムを小数点第2位まで競わせることが可能となり、タイムアタック演出の効果を高めることができる。また、遊技者自らの操作に起因して擬似時間が抽選によって決定されるので、タイムアタック演出がより一層魅力あるものとなる。
また、クリアタイムを小数点第2位の桁の秒数まで表示するために、サブ制御処理部200に備えられたCPUをより高性能なCPUに変更する必要がないため、パチンコ機の製作費用を抑えることができるので、パチンコ機を開発・製造等する者等の負担を軽減することができる。
さらに、擬似時間抽選部439は、レベル5においてレベルアップ抽選に当選した場合に限り擬似時間を決定すれば良いので、制御が簡単である。より詳細に言えば、レベル5においてレベルアップ抽選に当選する前から擬似時間を決めておき、レベル5をクリアできない場合には擬似時間を破棄するといったような複雑な制御を行わなくても済む。
なお、今回のクリアタイムがランキングされた場合には、タイムアタック演出終了前、または大当たり遊技終了後等の適当なタイミングで、演出用ボタン60を上下左右に押下操作して、ランキングされたクリアタイムが自己のクリアタイムであることを他の遊技者等に示すことができるように、遊技者の氏名等を入力でき、自己のクリアタイムと共に入力された遊技者の氏名等が演出表示装置34に表示されるような構成であっても良い。このようにすると、遊技者の優越感を向上させることができ、パチンコ機の趣向性が高まる。
続いて、本発明の第2の実施の形態例に係るパチンコ機について説明する。第2の実施の形態例に係るパチンコ機は、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pと比較して、タイムアタック演出部400が、擬似時間変更処理部460を更に備える点において相違する。以下に、第1の実施の形態例と異なる部分について説明を行い、第1の実施の形態例と共通する部分については説明を省略する。なお、第2の実施の形態例に係る実測時間記憶部422には、予め「3.0」、「4.0」の2つの実測時間が記憶されている。これら2つの実測時間は、サブ制御処理部200に備えられたROMに記憶されたデータであるため、実測時間処理部420により消去されることはない。
擬似時間変更処理部460は、図27に示すように、今回のタイムアタック演出で実測時間計測部421により計測された実測時間が、実測時間記憶部422に記憶されている実測時間の中で最も短い実測時間である場合であって、特図種類決定処理部120により決定された特図の種類が「15R特定時短有図柄1」または「15R特定時短有図柄2」である場合には、固定擬似時間テーブル462を参照して擬似時間(固定擬似時間)を決定する固定擬似時間決定部461と、今回のタイムアタック演出で擬似時間抽選部439が抽選により決定した擬似時間を、固定擬似時間決定部461が決定した擬似時間に変更する擬似時間変更部(擬似時間変更手段)463と、を備えて構成されている。
固定擬似時間テーブル462は、図示はしないが、特図の種類と擬似時間とが予め対応付けられた構成になっている。具体的には、「15R特定時短有図柄1」には擬似時間「0.077」が、「15R特定時短有図柄2」には擬似時間「0.033」が、それぞれ対応付けられた構成となっている。
次に第2の実施の形態例に係るパチンコ機における擬似時間変更処理フローについて、図28を用いて説明する。
擬似時間変更処理部460は、今回のタイムアタック演出で実測時間計測部421により計測された実測時間が、実測時間記憶部422に記憶されている実測時間の中で最も短い実測時間であるかを判断し、最も短い場合には(ステップS41でYes)、ステップS42に進む。
ステップS42にて、擬似時間変更処理部460は、特図種類決定処理部120により決定された特図の種類が「15R特定時短有図柄1」または「15R特定時短有図柄2」、即ち、大当たりの種別が「確変当たり」であるかを判断し、確変当たりである場合には(ステップS42でYes)、ステップS43に進む。ステップS43にて、擬似時間変更処理部460は、擬似時間抽選部439が抽選により決定した擬似時間(ステップS24)を変更することを決定し、ステップS44に進む。
ステップS44にて、固定擬似時間決定部461は、固定擬似時間テーブル462を参照して擬似時間を決定する。擬似時間変更部463は、ステップS24にて決定された擬似時間を固定擬似時間決定部461が決定した擬似時間に変更して、擬似時間変更処理を終了する。
一方、ステップS41にて、Noの場合、即ち、最も短い実測時間ではないと判断された場合には、ステップS45に進む。ステップS42にて、Noの場合、即ち、確変当たりでない場合には、ステップS45に進む。ステップS45にて、擬似時間変更処理部460は、ステップS24にて決定された擬似時間を変更しないことを決定し、擬似時間変更処理を終了する。
例えば、今回のタイムアタック演出で実測時間計測部421が計測した実測時間が「2.5」、擬似時間抽選部439が決定した擬似時間が「0.06」であるとする。実測時間記憶部422により記憶された実測時間の中で今回のタイムアタック演出で計測された「2.5」が最も短い実測時間である場合であって(ステップS41でYes)、特図の種類が「15R特定時短有図柄1」である場合には(ステップS42でYes)、擬似時間変更処理部460は、擬似時間「0.06」を変更することを決定する(ステップS43)。固定擬似時間テーブル462に示すように、特図の種類が「15R特定時短有図柄1」である場合には擬似時間は「0.077」となるので、擬似時間変更部463は、決定された「0.06」を「0.077」に変更して(ステップS44)、擬似時間変更処理を終了する。
なお、クリアタイム作成部441は、「2.5」に「0.077」を加算して、今回のタイムアタック演出におけるクリアタイム「2.577」を作成する。また、実測時間記憶部422により記憶された実測時間の中で今回のタイムアタック演出で計測された「2.5」が最も短い実測時間であるということは、擬似時間に拘わらず、クリアタイム記憶部442が記憶しているクリアタイムの中で最も短いクリアタイムであるということになり、ランキング記憶部452が記憶しているランキング第1位のクリアタイムよりも短いクリアタイムであるため、ランキング更新部453は、クリアタイム「2.577」をランキング第1位となるように更新する。演出表示装置34には、クリアタイム2.577と共に、2.577がランキング第1位である旨が演出表示装置34に表示される。
以上のように、本発明の第2の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、クリアタイムを構成する擬似時間が「0.077」または「0.033」である場合には、遊技者は、大当たりに当選したことを判別することができるだけでなく、今回の大当たりが確変当たりであること、および今回のクリアタイムがランキング第1位であることも判別することができる。よって、タイムアタック演出において、遊技者は、演出用ボタン60の連打を行い、クリアタイムがランキング第1位となれば、大当たり種別が何であるかを事前に知ることができるので、遊技者に演出用ボタン60の押下操作を促すことができ、よりタイムアタック演出の趣向性を高めることができる。
第2の実施の形態例に係るパチンコ機の構成では、今回の大当たり種別が確変当たりであっても、今回の実測時間が、実測時間記憶部422に記憶されている実測時間の中で最も短い場合でなければ、クリアタイムを構成する擬似時間から大当たりの種別を判別することはできない。そこで、第3の実施の形態例に係るパチンコ機は、第2の実施の形態例のパチンコ機と比較して、固定擬似時間決定部461は、特図種類決定処理部120により決定された特図の種類が「15R特定時短有図柄1」または「15R特定時短有図柄2」である場合には、今回の実測時間に拘わらず固定擬似時間テーブル462を参照して擬似時間を決定する(即ち、ステップS41を省略する)構成としている。このようにすると、ランキングが第1位にならなくても、クリアタイムを構成する擬似時間から大当たり種別を判別することができる。
続いて、本発明の第4の実施の形態例に係るパチンコ機について説明する。第4の実施の形態例に係るパチンコ機は、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pと比較して、タイムアタック演出処理部400が備える擬似時間処理部430の構成の一部において相違する。以下に、第1の実施の形態例と異なる部分について説明を行い、第1の実施の形態例と共通する部分については説明を省略する。
第2の実施の形態例に係る擬似時間処理部430は、図29に示すように、擬似時間抽選部439が通常擬似時間抽選テーブル484aおよび特別擬似時間抽選テーブル484bを備えている点で、第1の実施の形態例に係る擬似時間処理部430と異なる。
擬似時間決定部433は、特図種類決定処理部120により決定された特図の種類が「15R通常時短有図柄1」または「15R通常時短有図柄2」である場合には、通常擬似時間抽選テーブル484aを参照して擬似時間を決定し、特図種類決定処理部120により決定された特図の種類が「15R特定時短有図柄1」または「15R特定時短有図柄2」である場合には、特別擬似時間抽選テーブル484bを参照して擬似時間を決定する。
通常擬似時間抽選テーブル484aは、図30(a)に示すように、擬似時間抽選用乱数と小数点第2位までの数字0.00、0.02、0.04、0.05、0.06、0.08および0.09が予め対応付けられた構成を成している。具体的には、擬似時間抽選用乱数の値が0に対して数字の「0.00」が、当該乱数値の値が1〜10までのものに対して数字の「0.02」が、当該乱数値の値が11〜30までのものに対して数字の「0.04」が、当該乱数値の値が31〜55までのものに対して数字の「0.05」が、当該乱数値の値が56〜83までのものに対して数字の「0.06」が、当該乱数値の値が84〜98までのものに対して数字の「0.08」が、当該乱数値の値が99に対して数字の「0.09」が対応付けられている。
図30(a)から明らかなように、「0.00」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の擬似時間抽選用乱数のうち1個であるから、「0.00」が選択される確率は1/100×100=1%である。その他の数字の選択される確率も同様に求められ、「0.02」の選択確率は10%、「0.04」の選択確率は20%、「0.05」の選択確率は25%、「0.06」の選択確率は28%、「0.08」の選択確率は15%、「0.09」の選択確率は1%、となっている。
一方、特別擬似時間抽選テーブル484bは、図30(b)に示すように、擬似時間抽選用乱数と小数点第2位までの数字0.01、0.03、および0.07が予め対応付けられた構成を成している。具体的には、擬似時間抽選用乱数の値が0〜19に対して数字の「0.01」が、当該乱数値の値が20〜49までのものに対して数字の「0.03」が、当該乱数値の値が50〜99までのものに対して数字の「0.07」が、対応付けられている。
図30(b)から明らかなように、「0.01」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の擬似時間抽選用乱数のうち20個であるから、「0.01」が選択される確率は20/100×100=20%である。その他の数字の選択される確率も同様に求められ、「0.03」の選択確率は30%、「0.07」の選択確率は50%、となっている。
以上のように、本発明の第4の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、クリアタイムを構成する擬似時間が「0.01」、「0.03」、「0.07」の何れかの数字である場合には、遊技者は、今回の大当たりが確変当たりであることを判別することができる。また、第3の実施の形態例のように、擬似時間処理部430が決定した擬似時間を、擬似時間変更処理部460が決定した擬似時間にわざわざ変更する必要がないため、第3の実施の形態例に係るパチンコ機と比べて制御が簡単である。
続いて、第5の実施の形態例について説明をする。第5の実施の形態例に係るパチンコ機は、遊技者が遊技を行うことによって獲得できる経験値に応じて演出に関する様々な特典が付与されるような仕様となっていることから、その構成が、第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pと以下の点で相違する。第1に、演出態様記憶部260には、通常特典演出テーブル261cおよび短縮特典演出テーブル261dが格納されている(図示せず)。第2に、演出態様決定部210は、後に述べる経験値記憶部294が累積記憶する経験値に基づいて、演出態様記憶部260に記憶されている各演出テーブルを参照して今回の遊技に係る演出態様を決定する。最後に、サブ制御処理部200が遊技履歴処理部290を設けている。以下に、第1の実施の形態例と相違する部分についてのみ説明する。
通常演出テーブル261aおよび短縮演出テーブル262bは、経験値記憶部294に累積記憶された経験値が1000未満である場合に参照される一方、通常特典演出テーブル261cおよび短縮特典演出テーブル262dは、経験値記憶部294に累積記憶された経験値が1000以上である場合に参照される。
通常特典演出テーブル261cは、通常演出テーブル261aのテーブル構成と殆ど同じであるが、通常特典演出テーブル261cに対応付けられた6種類の演出態様には、キャラクタ「D」、「E」および「F」が登場する構成になっている。一方、短縮特典演出テーブル261dは、短縮演出テーブル261bのテーブル構成と殆ど同じであるが、短縮特典演出テーブル261dに対応付けられた6種類の演出態様には、キャラクタ「D」、「E」および「F」が登場する構成になっている。
先に述べたように、通常演出テーブル261aおよび短縮演出テーブル261bに対応付けられた6種類の演出態様には、キャラクタ「A」、「B」および「C」が登場する構成になっているので、第5の実施の形態例に係るパチンコ機は、演出態様決定部210が参照する演出テーブルが異なると、演出表示装置34に表示されるキャラクタが異なるようになっている。つまり、経験値に応じて遊技者が見ることのできるキャラクタが異なる。
遊技履歴処理部290は、遊技履歴の処理を行うものであり、図31に示すように、特図変動パターンコマンド決定部130によって決定された変動パターンコマンドを遊技毎に遊技履歴として記憶する遊技履歴記憶部291と、遊技履歴記憶部291に記憶された遊技履歴、経験値記憶部294に累積記憶された経験値、およびその他の情報を、予め用意されたアルゴリズムによって二次元コードに変換する遊技履歴等変換部(二次元コード作成手段)292と、経験値の処理を行う経験値処理部299と、を備えて構成されている。
経験値処理部299は、特典として遊技者に与えられる経験値の処理を行うものであり、遊技履歴記憶部291が変動パターンコマンドを記憶する毎に経験値テーブル297を参照して経験値を付与する経験値付与部(特典付与手段)293と、経験値付与部293が付与した経験値を累積記憶する経験値記憶部294と、携帯通信端末を介してサーバコンピュータから送信されたパスワードを予め用意されたアルゴリズムによって経験値に変換する経験値変換部295と、経験値記憶部294に累積記憶された経験値を、経験値変換部295が変換した経験値に書き換える経験値書換部296と、を備えて構成されている。
経験値付与部293は、今回のタイムアタック演出においてクリアタイム作成部441が作成したクリアタイムが、ランキング更新部453によりランキング第1位に更新された場合には経験値「500」を付与する。
経験値テーブル297aは、図32に示すように、第1特図変動パターン決定部135aが通常変動パターンテーブル134aを参照した場合に送られてくる第1変動パターンの番号に対応した経験値テーブルであり、第2変動パターンの番号に対応する経験値テーブルは、経験値テーブル297aと同じ構成を成しており、その内容も殆ど同様であるため図示および説明を省略する。
経験値テーブル297aは、第1変動パターンコマンドに付与される経験値が予め対応付けられた構成になっており、第1変動パターンNo.によってそれぞれ異なる経験値が対応付けられている。なお、No.A10〜No.A12に対応付けられた経験値は、何れも経験値「1」となっている。
経験値テーブル297aにおいて次のことが言える。No.A1〜No.A12のそれぞれに対応付けられている経験値よりも、No.A21〜No.A29のそれぞれに対応付けられている経験値の方が大きい。つまり、第1特図当否抽選部119aによる当否判定の結果が「ハズレ」の場合よりも、第1特図当否抽選部119aによる当否判定の結果が「大当たり」の場合の方が、付与される経験値は大きいということになる。
また、No.A10〜No.A12のそれぞれに対応付けられている経験値よりも、No.A1〜No.A9のそれぞれに対応付けられている経験値の方が大きい。つまり、リーチ内容が「リーチなし」の場合よりも、ノーマルリーチ、対決系リーチ、ストーリー系リーチ、実写系リーチ、タイムアタックリーチである「リーチあり」の場合の方が、付与される経験値は大きいということになる。そして、No.A1からNo.A9の順にしたがって付与される経験値が大きくなっている。
また、先に述べたように、経験値付与部293は、今回のクリアタイムがランキング第1位に更新された場合には経験値「500」を付与するが、この経験値は、経験値テーブル297aに対応付けられた何れの経験値よりも大きいことになる。
以上のように、本発明の第5の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、今回のクリアタイムがランキング第1位である場合には経験値「500」が付与され、演出態様決定部210は、経験値記憶部294が累積記憶する経験値が1000以上である場合には、通常特典演出テーブル261cまたは短縮特典演出テーブル261dを参照して今回の遊技に係る演出態様を決定し、演出表示装置34には、普段見ることのできないキャラクタ「D」、「E」および「F」が特典として登場する構成になっている。このため、タイムアタック演出がより魅力的な演出となり、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
なお、特典として、通常とは異なる音声、効果音、楽曲等がスピーカ20から発せられる構成であってもよいし、特典として、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの色、点滅等の発光方法が通常区間とは異なる構成であってもよい。
次に、上記した第5の実施の形態例に係るパチンコ機と、サーバコンピュータと相互通信可能であって、カメラ機能を備えた携帯通信端末と、遊技者毎の経験値等を保存するための記憶領域を有するサーバコンピュータとを用いた遊技システムを利用して、遊技履歴および経験値をサーバコンピュータに保存する処理およびサーバコンピュータに保存された経験値を復元して遊技を行う処理について以下に説明する。なお、本発明の第5の実施の形態例に係るパチンコ機は、演出用ボタン60を上下左右に押下操作して、当該遊技システムを利用することが可能である。
遊技者は、遊技システムを利用して、遊技履歴および経験値をサーバコンピュータに保存するためには、初めに会員登録を行う必要がある。そこで、以下に、この会員登録処理について説明する。
図33に示すように、サブ制御処理部200は、演出表示装置34に表示されている画面が、デモ画面であるか否かを判断し、デモ画面の場合には(ステップS51にてYes)、ステップS52に進む。
ステップS51にて、Noの場合、即ち、演出表示装置34に表示されている画面が、デモ画面でない場合には、演出用ボタン60が押下操作されても遊技システムの利用を開始することが出来ないようになっている。このため、デモ画面でない場合には、会員登録を開始することはできない。なお、遊技が所定の時間行われないと、演出表示装置34には、デモ画面が表示されるようになっている。
ステップS52にて、遊技履歴処理部290は、演出用ボタン60が押下操作されたか否かを判断し、押下操作された場合には(ステップS52にてYes)、ステップS53に進む。
ステップS53にて、遊技履歴等変換部292は、二次元コードを生成し、この生成された二次元コードが演出表示装置34に表示され、ステップS54に進む。この生成された二次元コードには、サーバコンピュータの所在を示すURLの情報が含まれている。なお、二次元コードは、縦方向と横方向の二方向に情報を持たせることができるようになっており、二次元コードに代替可能なコードであれば二次元コード以外のコードであってもよい。
ステップS54にて、遊技者は演出表示装置34に表示された二次元コードを携帯通信端末に備えられたカメラ機能で読み取り、携帯通信端末は、読み取られた二次元コードから、予め定められたアルゴリズムに基づいて、サーバコンピュータの所在を示すURLの情報を、携帯通信端末の画像表示装置に表示し、ステップS55に進む。
ステップS55にて、携帯通信端末を操作してURLが示すサーバコンピュータにアクセスすることにより、サーバコンピュータにフォーム要求コマンドを送信し、ステップS56に進む。
ステップS56にて、サーバコンピュータは、携帯通信端末からフォーム要求コマンドを受信すると、ステップS57に進み、携帯通信端末にフォームを送信する。このフォームには、遊技者の氏名、ハンドルネーム等の遊技者の情報を入力することができるようになっている。
ステップS58にて、携帯通信端末は、サーバコンピュータから送信された各種情報を入力するフォームを受信すると、受信したフォームを携帯通信端末の画像表示装置に表示する。遊技者は、携帯通信端末を操作することによりフォームに遊技者の氏名などの各情報を入力し、ステップS59に進む。ステップS59にて入力されたフォームを、遊技者が携帯通信端末を操作してサーバコンピュータに送信する。
次いで、ステップS60にて、サーバコンピュータは、携帯通信端末から入力されたフォームを受信すると、ステップS61に進む。サーバコンピュータは、ステップS61において、フォームを送信してきた携帯通信端末の有する端末固有IDを識別し、サーバコンピュータの有する記憶領域に、当該端末固有IDと同一の端末固有IDが存在していないかを照合して、存在しない場合には(ステップS61にてYes)、ステップS63に進む。
ステップS63にて、サーバコンピュータは、遊技者毎(端末固有ID毎)の記憶領域を確保して、遊技者の氏名等の各情報を記憶領域に記憶すると共に、パスワードを生成して、ステップS64に進む。
ステップS64にて、サーバコンピュータは、生成されたパスワードを携帯通信端末に送信し、ステップS65に進む。ステップS65にて、携帯通信端末は、サーバコンピュータから送信されたパスワードを受信して、受信したパスワードを携帯通信端末の画像表示装置に表示して、会員登録処理は終了する。
ステップS61にて、Noの場合、即ち、既に同一の端末固有IDがサーバコンピュータの記憶領域に存在する場合には、その端末固有IDは使用できないので、ステップS62に進み、携帯通信端末に端末固有IDが使用できない旨等を送信し、ステップS66に進む。ステップS66にて、携帯通信端末は、端末固有IDが使用できない旨を携帯通信端末の画像表示装置に表示して、会員登録処理は終了する。
ステップS65にて、携帯通信端末の画像表示装置に表示されたパスワードを、遊技者が演出用ボタン60を上下左右に押下操作してパチンコ機に入力すると遊技システムの利用が開始される。これにより、遊技システム利用開始以降、遊技システム利用を終了するまでに記憶された遊技履歴および経験値をサーバコンピュータに保存することが可能となるが、詳しい説明はこの後に述べる。
次に、経験値の復元処理について説明する。図34に示すように、遊技者は携帯通信端末を操作してサーバコンピュータにパスワード要求コマンドを送信する(ステップS71)。
サーバコンピュータは、携帯通信端末からパスワード要求コマンドを受信すると(ステップS72)、パスワード要求コマンドを要求してきた携帯通信端末の端末固有IDを識別し、サーバコンピュータの有する記憶領域に、当該端末固有IDと同一の端末固有IDが存在するかを照合する。同一の固有IDが存在する場合には(ステップS73にてYes)、ステップS75に進む。
ステップS75にて、サーバコンピュータは、当該端末固有IDの記憶領域に保存されている経験値を、予め用意されたアルゴリズムによりパスワードとして生成し、ステップS76に進む。ステップS76にて、サーバコンピュータは、生成されたパスワードを携帯通信端末に送信し、ステップS77に進む。
ステップS77にて、携帯通信端末は、サーバコンピュータからパスワードを受信すると、受信したパスワードを携帯通信端末の画像表示装置に表示し、ステップS78に進む。なお、上述したように、初めて遊技システムを利用する場合には、会員登録処理にて既にパスワードを取得しているため(ステップS65)、ステップS71〜ステップS77までの各ステップは不要である。
ステップS78にて、経験値復元処理が行われる。図示はしないが、携帯通信端末の画像表示装置に表示されたパスワードを入力するために、遊技者は、演出用ボタン60を上下左右に押下操作する。この押下操作によりパスワードが入力されると遊技履歴処理部290は、遊技履歴記憶部291に記憶されている遊技履歴および経験値記憶部294に記憶されている経験値を消去する。経験値変換部295は、予め定められたアルゴリズムに基づいて、入力されたパスワードを経験値へ変換する。経験値書換部296は、経験値記憶部294に記憶された経験値(現時点において経験値は記憶されていない)を、経験値変換部295が変換した経験値に書き換えて、経験値の復元処理を終了する。
ステップS73にて、Noの場合、即ち、同一の端末固有IDがサーバコンピュータの記憶領域に存在しない場合には、ステップS74に進む。端末固有IDがサーバコンピュータの記憶領域に存在しない旨等を携帯通信端末に送信し(ステップS74)、その旨が携帯通信端末の画像表示装置に表示され(ステップS79)、経験値の復元がされることなく経験値復元処理は終了する。
ステップS78にて、経験値の復元処理が終了すると、遊技システムの利用が開始される。先に述べたように、遊技中、遊技履歴記憶部291は遊技毎に決定された変動パターンNo.(変動パターンコマンド)を記憶し、この記憶された変動パターンNo.に基づいて、経験値付与部293は経験値を付与し、経験値記憶部294は、付与された経験値を累積記憶する。そして、今回のタイムアタック演出においてクリアタイムがランキング第1位になると、経験値付与部293は、「500」の経験値を付与する。なお、今回のタイムアタック演出におけるクリアタイムがランキング第2位である場合でも、経験値付与部293が所定の経験値を付与する構成であっても良い。
次に、遊技履歴等の保存処理について説明する。図35に示すように、サブ制御処理部200は、演出表示装置34に表示されている画面が、デモ画面であるか否かを判断し、デモ画面の場合には(ステップS81にてYes)、ステップS82に進む。
ステップS82にて、遊技履歴処理部290は、演出用ボタン60が押下操作されたか否かを判断し、演出用ボタン60が押下操作された場合には(ステップS82にてYes)、ステップS83に進む。
ステップS83にて、遊技者が演出用ボタン60を上下左右に押下操作することにより、遊技履歴等変換部292は、予め定められたアルゴリズムに基づいて、遊技履歴記憶部291に記憶されている遊技履歴、経験値記憶部294に累積記憶されている経験値およびサーバコンピュータのURLを含む二次元コードを生成する。生成された二次元コードが演出表示装置34に表示され、ステップS84に進む。なお、ステップS83にて二次元コードが演出表示装置34に表示されると、遊技履歴処理部290は、遊技履歴記憶部291に記憶されている遊技履歴および経験値記憶部294に記憶されている経験値を消去する。
次に、ステップS84にて、遊技者は、演出表示装置34に表示された二次元コードを、携帯通信端末に備えられたカメラで撮影し、ステップS85に進む。ステップS85にて、携帯通信端末は、読み取られた二次元コードから、予め定められたアルゴリズムに基づいて、サーバコンピュータの所在を示すURLの情報を、携帯通信端末の画像表示装置に表示し、ステップS86に進む。
ステップS86にて、遊技者が携帯通信端末を操作してURLが示すサーバコンピュータにアクセスすることにより、遊技履歴および経験値をサーバコンピュータに送信し、ステップS87に進む。
次に、サーバコンピュータは、携帯通信端末から遊技履歴および経験値を受信すると(ステップS87)、当該携帯通信端末の端末固有IDを識別し、受信した遊技履歴および経験値を遊技者毎(端末固有ID毎)に設けられた記憶領域に保存し、遊技履歴等の保存処理は終了する。
ステップS81にて、Noの場合、即ち、演出表示装置34に表示されている画面が、デモ画面でない場合には、演出用ボタン60が押下操作されても遊技履歴等の保存処理は開始されないようになっている。なお、遊技が行われず所定の時間が経過すると、演出表示装置34には、デモ画面が表示されるようになっている。
このように、遊技システムを利用することで、遊技者が行った遊技履歴および経験値をサーバコンピュータに保存させることが可能となり、次回遊技を開始する際に、サーバコンピュータに保存された経験値を復元することで、復元した状態から遊技を再開することができる。
本発明は、メダルを用いて遊技を行うスロットマシン、あるいは、遊技球を用いて遊技を行うスロットマシン(所謂、パロット)にも適用可能であることは言うまでもない。