以下、図1〜図14を参照し、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、以下の説明においてパチンコ機の各部の左右方向は、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
図1,図2に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2に開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3の内側に装着された遊技盤30と、本体枠3の前側に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく設けられたガラス窓4A、及び遊技球を収容する受皿6を有するパネル扉4と、本体枠3の下部に配設された図外の発射装置と、パネル扉4の下部に取り付けられたハンドル7と、パネル扉4の左右の上部にそれぞれ設けられたスピーカ8、及びパネル扉4の内部に配設された複数の発光部10を備える。受皿6の中央部には、操作部9が配設される。操作部9は、演出図柄表示装置50に表示されるカーソル等を移動するためのダイアル部と、ダイアル部によって移動されるカーソルと対応する項目を選択する際や、演出図柄表示装置50において展開される多様なボタン演出の際に押下されるボタン部とから構成される。
パチンコ機1の背面側には、図外の収容体や支持部材等を介して、図3に示す主制御装置100と、副制御装置を構成するサブ制御装置(演出制御装置)200と、払出制御装置300とが搭載されている。主制御装置100、サブ制御装置200、払出制御装置300は、何れもCPU(Central Processing Unit)と、遊技処理に必要なプログラム、及び、遊技処理に必要なデータを格納したROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムに従って処理を行うための一時記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを備えるマイクロコンピュータである。なお、主制御装置100、サブ制御装置200及び払出制御装置300の各制御装置は、図外の電源供給装置からの電力供給により駆動する。続いて、本実施形態に係るパチンコ機1の各部の構成を概説する。
図2に示すように遊技盤30は、その盤面に遊技球が流下する遊技領域31を備える。遊技領域31は、ガラス窓4Aから観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール36と遊技球規制レール37によって略円形状となるように区画形成されている。
パネル扉4の受皿6に収容された遊技球は、図外の発射装置に1個ずつ供給されるようになっている。図3に示すように、払出制御装置300は、ハンドル7の回動操作量に対応して増減する発射ボリューム7Aからの入力に基づいて所定の強度で遊技球が発射されるように発射モータ7Bを駆動制御するようになっている。発射装置により発射されて遊技領域31に到達した遊技球は、遊技領域31内を流下することになる。また、払出制御装置300には、ハンドル7の円周上に設けられた発射停止スイッチ7Cやハンドル7の内部に配設されたタッチセンサ7Dが接続されている。
遊技盤30には、演出図柄表示装置50と、演出図柄表示装置50の下部に配設されたステージ55と、第1特別図柄表示装置35Aと、第2特別図柄表示装置35Bと、普通図柄表示装置41と、第1始動入賞口(始動口)61と、第2始動入賞口62と、電動チューリップ63と、大入賞口64と、アタッカ装置65と、スルーチャッカ66と、複数の一般入賞口67と、アウト口68と、可動役物70、及び、図外の複数の遊技釘とが設けられている。以下、各部の詳細について説明する。
演出図柄表示装置50は、遊技領域31の略中央部に配設される例えば液晶表示器,ドットマトリクス表示器,ブラウン管表示器,ドラム式表示器等から構成される表示装置である。本実施形態における演出図柄表示装置50は、液晶表示器が採用されており、その表示画面上に、例えば1〜8までの数字及び特定のキャラクター等からなる演出図柄Sを変動表示可能である。また、演出図柄表示装置50の表示画面には、演出図柄Sの変動中に展開される多様な予告演出やリーチ演出を盛り上げるための特定の画像やアニメーション等の動画等が表示可能であり、これらの演出に係る制御は後述のサブ制御装置200によって実行される。また、演出図柄Sの変動時間は、後述の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間と略同期しており、一般に遊技者は、当該演出図柄Sの変動停止までに実行される多様な演出の行方を見守ることにより、大当り遊技への期待感を抱きながら遊技を進行する。
また、演出図柄表示装置50の表示画面上には、後述する所定の抽選(特図抽選)の結果が「当り」である場合に実行される遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技(以下、大当り遊技という場合もある。)が実行された際に、多様な画像及び動画によって構成される特別遊技演出が表示される。
演出図柄表示装置50の上部及び両側部の周囲を取り囲むように配設された中央装飾部材51には、可動役物70が上下方向にスライド移動、かつ、スライド方向に直交する回転軸を中心として回転可能に配設されており、当該可動役物70は、後述のサブ制御装置200によって制御される。
ステージ55は、演出図柄表示装置50の下方に形成された前後左右方向に渡って延在する領域であって、当該ステージ55上に進入した遊技球は、左右方向に転動しながら下方に落下する。ステージ55の中央部には、球導入口55Aが開設されており、当該球誘導入口55Aに進入した遊技球は、下方に開設された球導出口55Bより下方に落下する。
次に遊技領域31内に配設された各種の入賞口について説明する。
第1始動入賞口61と、第2始動入賞口62は、遊技領域31の略中央部に配設された演出図柄表示装置50の下方に配設された振分機構33の下流側出口34A;34Bの下方に配設されている。振分機構33は、外部より視認可能な透明な基板によって形成された流路であって、共通進入口33Aより進入した球は、二股に分かれる流路の上流側中央部に配設された振分体32によって下流側出口34A;34Bのいずれかに振り分けられる。なお、本実施形態において振分体32は、外部の動力を用いずに機械的に動作するものであって、球の重みによって、共通入口33Aへ進入した球を下流側出口34A;34Bの方向に向けて交互に振り分けるものである。
振分機構33を経て第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62に遊技球が入賞すると、主制御装置100は、後述する複数の乱数からなる遊技情報を取得して記憶するとともに、始動条件の成立により当該取得した遊技情報に基づいて後述の特別図柄抽選(以下、特図抽選という)等の各種の抽選処理を実行する。つまり、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞は、遊技情報の記憶及び遊技情報に基づく抽選処理の契機となるものである。
第2始動入賞口62は、電動チューリップ63の開閉動作によって入賞の難易が変化するように構成されている。電動チューリップ63は、遊技盤30の前面に垂直な軸を中心に回動する1対の羽根部材と、これら1対の羽根部材を駆動する図外のソレノイドとを備え、ソレノイドへの通電により1対の羽根部材が互いに左右方向に離れる方向に回動し、第2始動入賞口62の入口を拡大する。
電動チューリップ63は、1対の羽根部材を閉じた状態において、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を困難とし、1対の羽根部材を開放した状態において遊技球の入賞を容易とする。なお、電動チューリップ63の開放動作は、遊技球がスルーチャッカ66を通過したことに基づいて実行される普通図柄に係る電子抽選(普図抽選)の結果が普図当りとなった場合に、主制御装置100により実行される。
大入賞口64は、遊技領域31の右側部に配設される。大入賞口64は、アタッカ装置65によって入賞の可否が変化するように構成されている。アタッカ装置65は、概略、遊技盤30の前面と平行な軸を中心として前後方向にフラップ状に回動白在に設けられた大入賞口64の形状とほぼ同じ長方形の蓋部材と、この蓋部材を駆動する図外のソレノイドとを備え、ソレノイドへの通電により蓋部材が前方向に回動して大入賞口64を開放するものである。アタッカ装置65が開いた状態は大入賞口64への遊技球の入賞が可能な状態であり、アタッカ装置65が閉じた状態は大入賞口64への遊技球の入賞が不可能な状態である。
アタッカ装置65は、後述する第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が「当り」となった場合に実行される特別遊技中において主制御装置100によって開放駆動される。よって、遊技者は、特別遊技実行中において遊技球を遊技領域31の右側部方向に打ち出すことにより、遊技球を容易に大入賞口64内に入賞させることができる。
複数の一般入賞口67は、遊技領域31の左側部に上下方向に分かれて配設される。
上述した各入賞口のそれぞれには、遊技球の通過を検知する第1始動入賞口検知センサ91、第2始動入賞口検知センサ92、大入賞口検知センサ93、一般入賞口検知センサ94が内蔵されている。これらの検知センサ91〜94は、遊技球の通過に伴い遊技球検知信号を出力する磁気センサであり、その遊技球検知信号は主制御装置100に入力される。
また、上述した各入賞口に遊技球が取り込まれると、主制御装置100は、払出制御装置300に対して払出コマンドを送信し、これを受信した払出制御装置300が賞球払出装置301を駆動することにより、遊技者に対して予め設定された所定個数の賞球が払い出される。賞球払出装置301から払い出された賞球は、賞球払出装置301の遊技球流路内に配設された払出計数スイッチ302により計数され、払出制御装置300は払出計数スイッチ302からの入力に基づいて払出動作を停止させる。本実施形態において、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞に対して予め設定された賞球個数は3個であり、大入賞口64に予め対応付けられた賞球個数は15個であり、一般入賞口67に予め対応付けられた賞球個数は5個である。また、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、大入賞口64、一般入賞口67の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に位置するアウト口68から回収される。
スルーチャッカ66は、大入賞口64の上方に配設されている。スルーチャッカ66は、遊技球が通過可能なゲート構造をなしたものであり、当該スルーチャッカ66を通過した遊技球は内部に格納されたスルーチャッカ検知センサ95によって検出される。スルーチャッカ検知センサ95は前述の各検知センサ91〜94と同様に主制御装置100に接続されており、その遊技球検知信号が主制御装置100に出力される。
第1特別図柄表示装置35Aは、第1始動入賞口61への遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる第1特図抽選の結果を表示する表示器である。本実施形態における第1特別図柄表示装置35Aは、7セグメントディスプレイにより構成され、第1特図抽選の結果に基づいて特別図柄(1〜9までの数字や記号)を高速で点滅表示させた後に、第1特図抽選の結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示する。ここで、特別図柄が点滅表示している時間は、特別図柄の変動時間であり、導出表示されている時間は特別図柄の停止時間である。また、例えば第1特図抽選の結果が「当り」である場合に導出表示される特別図柄は、1〜9までの何れかの数字又は記号の組み合わせであり、「外れ」である場合に停止表示される特別図柄は、数字以外のアルファベットや「−」等の記号である。当該第1特別図柄表示装置35Aの変動表示制御は、主制御装置100により制御される。
第2特別図柄表示装置35Bは、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる第2特図抽選の結果を表示する表示器である。第2特別図柄表示装置35Bは、第1特別図柄表示装置35Aと同様の7セグメントディスプレイにより構成され、主制御装置100により制御されることによって特別図柄を点滅表示させた後に、第2特図抽選の結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)するものである。なお、特別図柄の変動時間、停止時間及びその導出態様については上記第1特別図柄表示装置35Aにおけるものと同様である。
本実施形態においては、第1始動入賞口61への入賞を契機として変動する特別図柄を第1特別図柄とし、第2始動入賞口62への入賞を契機として変動する特別図柄を第2特別図柄としている。また、第1特別図柄表示装置35A及び第2特別図柄表示装置35Bは、演出図柄表示装置50を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤30の右下部分に演出図柄表示装置50と離間して配置されている。また、第1特別図柄表示装置35A及び第2特別図柄表示装置35Bの形態は7セグメントに限られず、複数のランプを配列した形態のものを採用することも可能である。
普通図柄表示装置41は、上述の第1特別図柄表示装置35A及び第2特別図柄表示装置35Bの下方に配置され、遊技球のスルーチャッカ66の通過を契機に、主制御装置100により行われる普図抽選の結果を表示する表示器である。普通図柄表示装置41は並設された2つのLEDランプにより構成され、主制御装置100により制御されることによって普通図柄を交互に点滅表示させた後に、普図抽選の結果を表示する態様で所定の普通図柄を導出表示(停止表示)するものである。具体的には普図抽選の結果が「当り」の場合には2つのLEDランプのうちの一方のみが点灯し、「外れ」のときに他方のみが点灯するようになっている。2つのLEDランプが交互に点滅している状態は、普通図柄が変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、普通図柄の変動が停止した状態である。また、2つのLEDランプが交互に点滅している時間は、普通図柄の変動時間である。
以下、図3を参照し、上記構成からなる遊技盤30を備えたパチンコ機1のハードウェア上の構成について説明するとともに、パチンコ機1における主要な制御処理について概説する。同図に示すように、パチンコ機1は、主制御装置100、サブ制御装置200、及び、上述の払出制御装置300を主たる装置として備えている。以下、特に主制御装置100、サブ制御装置200について詳説する。
同図に示すように、主制御装置100は、遊技情報記憶手段110と、特別図柄当否抽選手段120と、特別図柄種類決定手段130と、特図変動時間決定手段140と、特別図柄変動表示制御手段150と、特別遊技制御手段160と、遊技情報先読み手段170と、普通図柄当否抽選手段180と、電動チューリップ制御手段190及び遊技状態制御手段195を備える。
遊技情報記憶手段110は、第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62にそれぞれ対応する第1始動入賞口検知センサ91及び第2始動入賞口検知センサ92から出力される遊技球検出信号の入力を契機として、複数の乱数からなる遊技情報を取得して記憶する。
図4(a)は、遊技情報記憶手段110の構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技情報記憶手段110は、特図当否抽選用乱数発生部111Aと、特図当否抽選用乱数取得部111Bと、特図種類決定用乱数発生部112Aと、特図種類決定用乱数取得部112Bと、特図変動時間決定用乱数発生部113A、特図変動時間決定用乱数取得部113B、及び、遊技情報保留記憶部115とから構成される。
特図当否抽選用乱数発生部111Aは、周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数である特図抽選用乱数を発生させるハードウェアカウンタである。特図当否抽選用乱数取得部111Bは、第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号の入力に基づき、特図当否抽選用乱数発生部111Aにより発生した特図当否抽選用乱数を取得(ラッチ)する。
特図種類決定用乱数発生部112Aは、上記特図当否抽選用乱数発生部111Aと同様に周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数である特図種類決定用乱数を発生させるハードウェアカウンタである。特図種類決定用乱数取得部112Bは、第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号の入力に基づき、特図種類決定用乱数発生部112Aにより発生した特図種類決定用乱数を取得(ラッチ)する。
特図変動時間決定用乱数発生部113Aは、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である特図変動時間決定用乱数を発生させるソフトウェアカウンタである。特図変動時間決定用乱数取得部113Bは、第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号の入力に基づき、特図変動時間決定用乱数発生部113Aにより発生した特図変動時間決定用乱数を取得(ラッチ)する。
以上のとおり、上述の各乱数は、第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの入力に基づいて同時に取得されるものである。そして以下の説明においては、これら同時に取得される複数の乱数を総称して「遊技情報」という場合がある。
遊技情報保留記憶部115は、第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62への入賞(第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号の入力)を契機として取得される遊技情報を記憶する記憶領域を有するRAMにより構成される。
本実施形態においては、遊技情報保留記憶部115に記憶可能な遊技情報の上限は、第1始動入賞口61への入賞及び第2始動入賞口62への入賞にそれぞれについて4つ(最大8つ)とされており、遊技情報保留記憶部115は、第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62への入賞を契機として取得される遊技情報を入賞口(遊技球検出信号)の種別に応じて、それぞれ独立して設けられた記憶領域(第1記憶領域,第2記憶領域)内に順に記憶する。
また、各記憶領域に記憶された遊技情報は、始動条件の成立に伴って読み出され、遊技情報に基づく所定の抽選処理が実行されたのちに削除される。
図4(b)は、遊技情報記憶手段110による遊技情報の取得,記憶処理の流れを示すフローチャートである。まず、S100において遊技情報記憶手段110は、第1始動入賞口61への入賞が検出されたかを判定し、判定がYESの場合S101に移行し、NOの場合S104に移行する。S101において遊技情報記憶手段110は、第1記憶領域内に記憶されている遊技情報が上限に達しているかを判定し、NOの場合S102に移行し、YESの場合、遊技情報を新たに取得することなく処理を終了する。S102において遊技情報記憶手段110は、上述の各乱数発生手段により発生した乱数を上述の各乱数取得手段により取得し、S103に移行する。
遊技情報記憶手段110は、S103において、S102で取得した複数の乱数を遊技情報として互いに対応付けて遊技情報保留記憶部115の第1記憶領域に記憶(保留)し、一回の処理を終了する。
遊技情報記憶手段110は、S104において第2始動入賞口62への入賞が検出されたかを判定し、判定がYESの場合S105に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。遊技情報記憶手段110は、S105において第2記憶領域内に記憶されている遊技情報が上限に達しているかを判定し、NOの場合S106に移行し、YESの場合、遊技情報を新たに取得することなく処理を終了する。
S106において遊技情報記憶手段110は、上述の各乱数発生手段により発生した乱数を上述の各乱数取得手段により取得し、S107に移行する。遊技情報記憶手段110は、S107において、S106で取得した複数の乱数を遊技情報として互いに対応付けて遊技情報保留記憶部115の第2記憶領域に記憶(保留)し、一回の処理を終了する。
以上のとおり、本実施形態に係る遊技情報記憶手段110は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞を契機として、複数の乱数から構成される遊技情報を上限に達するまで順次取得,記憶する機能を有する。
次に、主制御装置100の特別図柄当否抽選手段120によって実行される特図抽選処理ついて説明する。なお、以下に詳説するが、特別図柄当否抽選手段120、特別図柄種類決定手段130、及び、特図変動時間決定手段140は、所定の始動条件が成立したことに応じて、遊技情報に含まれる各乱数をそれぞれ読み出し、読み出した乱数に対応する当否の結果、特別図柄の種類、及び、特別図柄の変動時間を決定する。
図5(a)は、特別図柄当否抽選手段120の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特別図柄当否抽選手段120は、特図当否抽選用乱数読出し部121と、低確率用当否抽選テーブル122A及び高確率用当否抽選テーブル122Bを備えている。
図5(b)に示すように、これらのテーブルには、0〜65535までの範囲の特図当否抽選用乱数それぞれに対応する当否結果(「当り」,「外れ」)が規定されている。特別図柄当否抽選手段120の特図当否抽選用乱数読出し部121は、所定の始動条件が成立したことに基づいて、前述の遊技情報記憶手段110によって記憶された特図当否抽選用乱数を読み出すとともに、現在の遊技状態に応じて低確率用当否抽選テーブル122A及び高確率用当否抽選テーブル122Bのいずれかのテーブルを参照し、読み出した特図当否抽選用乱数に対応する当否結果を抽出する。
本実施形態においては、低確率用当否抽選テーブル122Aが参照された場合よりも、高確率用当否抽選テーブル122Bが参照された場合の方が当否抽選の結果が「当り」となる確率が約10倍高く設定されている。いずれのテーブルが参照されるかは、後述する遊技状態制御手段195によって設定される遊技状態によって異なり、遊技状態が後述する「特図低確率」である場合は、低確率用当否抽選テーブル122Aが参照され、「特図高確率」である場合は、高確率用当否抽選テーブル122Bが参照される。
またここで、上記当否抽選が実行される契機となる始動条件とは、特別図柄が変動中でないこと、かつ、特別遊技実行中でないことであり、当該始動条件が成立したことに基づいて遊技情報記憶手段110によって記憶された特図当否抽選用乱数が順次読み出され、対応する当否結果が抽出される。また、特図当否抽選用乱数の読出し順は、入賞順(遊技情報記憶手段110に記憶された順序通り)であり、本実施形態においては、原則的に第1記憶領域及び第2記憶領域に記憶された特図当否抽選用乱数が交互に読み出される。
次に、主制御装置100の特別図柄種類決定手段130により実行される特図種類決定処理ついて説明する。図6(a)は、特別図柄種類決定手段130の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特別図柄種類決定手段130は、特図種類決定用乱数読出し部131と、前述の当否抽選の結果が「当り」である場合に参照される特図種類決定テーブル132を備えている。
図6(b)に示すように、特図種類決定テーブル132は、それぞれ特1当り用特図種類決定テーブル132A,特2当り用特図種類決定テーブル132Bに細分化されている。これらのテーブルには、0〜99までの範囲の特図種類決定用乱数それぞれに対応する特図種類(特別図柄種類)が規定されている。
特別図柄種類決定手段130の特図種類決定用乱数読出し部131は、前述の当否抽選の結果が抽出されたことに基づいて、遊技情報記憶手段110によって記憶された特図種類決定用乱数を読み出すとともに、当否抽選の結果が当りである場合に特1当り用特図種類決定テーブル132A、及び、特2当り用特図種類決定テーブル132Bのいずれかのテーブルを参照して、読み出した特図種類決定用乱数に対応する特別図柄種類を抽出する。
なお、特1当り用特図種類決定テーブル132Aは、特図種類決定用乱数が第1始動入賞口61への入賞を契機に取得されたものである場合に参照されるテーブルであり、特2当り用特図種類決定テーブル132Bは、特図種類決定用乱数が第2始動入賞口62への入賞を契機に取得されたものである場合に参照されるテーブルである。
図6(b)に示すように、特1当り用特図種類決定テーブル132A、及び、特2当り用特図種類決定テーブル132Bには、特図種類決定用乱数に対して、特別図柄A〜Dの合計4種類のうちいずれかの特別図柄種類が規定されている。なお、図中の「選択率」の項目は説明の便宜上付したものであり、実際のテーブルに規定されるものではない。
特1当り用特図種類決定テーブル132Aには、特別図柄A〜Dまでの特別図柄種類の選択率がそれぞれ20%、60%、10%、10%となるように規定されている。また、特2当り用特図種類決定テーブル132Bには、特別図柄A〜Cまでの特別図柄種類の選択率がそれぞれ70%、25%、5%となるように規定されている。同図から明らかなとおり、特図種類決定用乱数が第1始動入賞口61への入賞を契機に取得されたものである場合に参照される特1当り用特図種類決定テーブル132Aと、特図種類決定用乱数が第2始動入賞口62への入賞を契機に取得されたものである場合に参照される特2当り用特図種類決定テーブル132Bとの間には、選択率に差が設けられており、具体的には、特1当り用特図種類決定テーブル132Aが参照されるよりも、特2当り用特図種類決定テーブル132Bが参照された場合の方が、特別図柄Aが選択される確率が飛躍的に高くなっており、さらに特2当り用特図種類決定テーブル132Bが参照された場合、特別図柄Dが選択される可能性はない。これらのテーブルによって抽出される特図種類は、後述する特別遊技中の態様(ラウンド数)や、当該特別遊技後の遊技状態を決定する要素として用いられる。
また、これらの特図種類は、前述の第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに導出される特別図柄の態様を決定する。本実施形態において、例えば特図種類が「特別図柄A」である場合、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35B上に「7・7」又は「3・3」、「特別図柄B」の場合「1・1」又は「5・5」、「特別図柄C」の場合「8・8」又は「6・6」、「特別図柄D」の場合「2・2」又は「4・4」が当否抽選の結果を示す態様として停止表示される。なお、前述の当否抽選の結果が「外れ」である場合は、特図種類決定処理は実行されず、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに導出される特別図柄の態様は「−」とされる。
次に、主制御装置100の特図変動時間決定手段140により実行される特図変動時間決定処理ついて説明する。図7(a)は、特図変動時間決定手段140の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特図変動時間決定手段140は、特図変動時間決定用乱数読出し部141と、低確率用特図変動時間決定テーブル142と、高確率用特図変動時間決定テーブル143を備えている。図7(b)に示すように、低確率用特図変動時間テーブル142は、外れ用の低確率用特図変動時間テーブル142A及び当り用の低確率用特図変動時間テーブル142Bに細分化されている。また、同様に高確率用特図変動時間決定テーブル143は、外れ用の高確率用特図変動時間テーブル143A、及び、当り用の高確率用特図変動時間テーブル143Bに細分化されている。
これらのテーブルには、0〜99までの範囲の特図変動時間決定用乱数それぞれに対応する
特別図柄の変動時間(2秒,12秒,30秒,45秒,90秒のいずれか)が規定されている。特図変動時間決定手段140の特図変動時間決定用乱数読出し部141は、前述の当否抽選の結果が抽出されたことに基づいて、遊技情報記憶手段110によって記憶された特図変動時間決定用乱数を読み出すとともに、遊技状態に応じて上記いずれかのテーブルを参照し、読み出した特図変動時間決定用乱数に対応する特別図柄の変動時間を抽出する。
ここで、外れ用の低確率用特図変動時間テーブル142Aは、前述の特図抽選の結果が「外れ」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図低確率」である場合に参照されるテーブルである。また、当り用の低確率用特図変動時間テーブル142Bは、前述の特図抽選の結果が「当り」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図低確率」である場合に参照されるテーブルである。両者の選択率の比較からも明らかなように、当り用の低確率用特図変動時間テーブル142Bが参照される場合の方が、外れ用の低確率用特図変動時間テーブル142Aが参照される場合よりも長い変動時間が抽出される傾向にある。
また、外れ用の高確率用特図変動時間テーブル143Aは、前述の特図抽選の結果が「外れ」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図高確率」である場合に参照されるテーブルである。また、当り用の高確率用特図変動時間テーブル143Bは、前述の特図抽選の結果が「当り」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図高確率」である場合に参照されるテーブルである。
両者の選択率の比較からも明らかなように、外れ用の高確率用特図変動時間テーブル143Aが参照された場合の変動時間は「2秒」決定される。また、当り用の高確率用特図変動時間テーブル143Bが参照された場合の変動時間は、「45秒」又は「90秒」に決定される。
なお、上述の各テーブルは例示に過ぎず、この他にも遊技情報の記憶数(保留数)に応じて異なる変動時間が規定されたテーブルを参照して特別図柄の変動時間を決定する構成としてもよい。
以上のとおり、主制御装置100は、特別図柄当否抽選手段120、特別図柄種類決定手段130及び特図変動時間決定手段140を備えており、遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報(各乱数)に基づいて、遊技情報に対応する当否抽選の結果、特別図柄の種類、及び特別図柄の変動時間を抽出して決定する。
そして、主制御装置100は、上記抽出,決定された当否抽選の結果、特別図柄の種類、及び特別図柄の変動時間の情報を含む演出図柄変動コマンドをサブ制御装置200側に送信する。当該演出図柄変動コマンドを受信したサブ制御装置200側では、当否抽選の結果、特別図柄の種類及び特別図柄の変動時間に基づいて演出図柄の変動態様及び変動に際して表示される演出内容を決定し、演出図柄表示装置50で展開する処理を実行する。なお、当該処理については後述する。
演出図柄変動コマンドの送信に対応して、主制御装置100の特別図柄変動表示制御手段150は、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに対して変動開始信号を出力し、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を抽出された所定の変動時間実行するとともに、所定の変動時間経過後に変動停止信号を出力し、当否抽選の結果を示す態様で停止表示させる。これにより、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞を契機として取得された遊技情報に応じた一回の遊技処理が終了する。
図8は、上述した主制御装置100による一連の遊技処理(遊技情報抽選処理)のフローである。同図に示すように、主制御装置100は、S200において、遊技情報記憶手段110に遊技情報が記憶されているかを判定し、YESの場合S201に移行し、NOの場合判定を繰り返す。主制御装置100は、S201において、現在の遊技状態が特別遊技中であるかを判定し、YESの場合処理を終了し、NOの場合S202に移行する。なお、特別遊技中であるか否かの判定は、特別遊技中においてRAMに設定される特別遊技中フラグの有無により行われる。主制御装置100は、S202において、特別図柄が変動中であるかを判定し、YESの場合処理を終了し、NOの場合S203に移行する。なお、変動中であるか否かの判定は、変動中においてRAMに設定される特別図柄変動フラグの有無により行われる。
主制御装置100は、S203において、遊技情報を読み出し、S204に移行する。具体的には、主制御装置100の特別図柄当否抽選手段120、特別図柄種類決定手段130及び特図変動時間決定手段140が、それぞれ対応する特図当否抽選用乱数、特図種類決定用乱数、及び特図変動時間決定用乱数を読み出す。上記S201及びS202の判定処理から明らかなように、特別図柄当否抽選手段120等を含む遊技情報に係る抽選処理は、始動条件として設定された現在の遊技状態が特別遊技中でないこと、かつ、特別図柄が変動中でないことを条件として実行される。
主制御装置100は、S204において、読み出した遊技情報に基づいて当否抽選の結果、特別図柄の種類及び特別図柄の変動時間を抽出してS205に移行する。主制御装置100は、S205において第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bの変動表示を開始させ、S206に移行する。主制御装置100は、S206において当否抽選の結果、特別図柄の種類及び特別図柄の変動時間の情報を含む演出図柄変動コマンドをサブ制御装置200側に送信して処理を終了する。
次に、主制御装置100の特別遊技制御手段160について説明する。特別遊技制御手段160は、上述の当否抽選(第1特図抽選又は第2特図抽選)の結果が「当り」である場合、当該「当り」であることを示す態様で特別図柄が停止表示された後に、遊技者に対して遊技者にとって有利な特別遊技を実行する。ここで、特別遊技の具体的態様は、前述の特別図柄種類に応じて予め設定されている。
例えば、特別図柄の種類が、「特別図柄A」である場合、特別遊技制御手段160は、アタッカ装置65に制御信号を出力し、大入賞口64を16R(ラウンド)開放状態とする。例えば1R当りの開放時間は30秒又は遊技球が10個入賞するまでのいずれか早い時間が経過するまでとされている。また、各ラウンド間のインターバルは、3.5秒とされている。
また、特別図柄の種類が、「特別図柄B」である場合、特別遊技制御手段160は、アタッカ装置65に制御信号を出力し、大入賞口64を4R(ラウンド)開放状態とする。なお、1R当りの開放時間及び各ラウンド間のインターバルは、前記と同様である。
また、特別図柄の種類が、「特別図柄C」又は「特別図柄D」である場合、特別遊技制御手段160は、アタッカ装置65に制御信号を出力し、大入賞口64を2R(ラウンド)開放状態とする。特別図柄の種類が「特別図柄C」又は「特別図柄D」である場合の1R当りの開放時間は、0.2秒とされており、ラウンド間のインターバルは、0.1秒である。このように、特別図柄の種類が「特別図柄C」又は「特別図柄D」である場合に実行される特別遊技は、遊技球を大入賞口64に入賞させることが困難な開放時間とされており、実質的な賞球を得ることが困難な遊技である。
次に、主制御装置100の遊技情報先読み手段170について説明する。遊技情報先読み手段170は、特別図柄の種類が「特別図柄A」である場合に実行される特別遊技の実行中に、当該特別遊技の開始前、或いは、当該特別遊技の所定のラウンド経過までに前述の遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報を読み出し、当該読み出した遊技情報に基づいて前述の各種の抽選処理と同様の処理を実行する。即ち、遊技情報先読み手段170は、特別遊技実行中において、前述の始動条件の成立に関わらず遊技情報を読み出し、当該読み出した遊技情報に基づいて特図抽選の結果、特別図柄の種類及び特別図柄の変動時間を抽出する。
以下、図9(a)に示すフローを参照し、主制御装置100の遊技情報先読み手段170により実行される遊技情報先読み処理について説明する。
主制御装置100は、S300において現在の遊技状態が特別遊技であるかを判定し、YESの場合S301に移行し、NOの場合処理を終了する。現在の遊技状態が特別遊技か否かの判定は、特別遊技の開始と同時に特別遊技制御手段160によってRAMに設定される特別遊技中フラグの有無により判定される。
主制御装置100は、S301において特別遊技が「特別図柄A」に基づいて実行されたものであるかを判定し、YESの場合S302に移行し、NOの場合処理を終了する。
当該判定は、特別遊技の開始と同時に特別遊技制御手段160によってRAMに設定される特別遊技種別フラグに基づいて判定される。つまり、遊技情報先読み手段170による遊技情報先読み処理は、実行中の特別遊技が特別図柄の種類が「特別図柄A」であることに起因して実行される16Rの特別遊技中に行われる。
主制御装置100は、S302において、特別遊技が所定のラウンド数に達したかを判定し、YESの場合S303に移行し、NOの場合、当該判定を繰り返し実行する。ここで、本実施形態においては所定のラウンド数が、例えば14ラウンドに設定されており、14ラウンド目の開始と同時に判定がYESとなる。なお、当該所定のラウンド数は14ラウンドに限定されるものではない。また、16ラウンド終了時点で判定がYESとなる構成としてもよい。
主制御装置100は、S303において、遊技情報記憶手段110に遊技情報が記憶されているかを判定し、YESの場合S304に移行し、NOの場合処理を終了する。つまり、大当り遊技における14ラウンド目が開始されるまでに遊技情報記憶手段110に遊技情報が記憶されている場合は判定がYESとなり、14ラウンド目が開始されるまでに遊技情報記憶手段110に遊技情報が存在しない場合判定がNOとなり処理が終了する。
主制御装置100は、S304において、遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報を当該入賞情報が記憶された順に最大4つ分読出し、S305に移行する。
図9(b)は、当該遊技情報の読出し処理の概要を示す模式図である。同図においては、14ランド開始前までに、遊技情報が最大記憶数である8つ分記憶された例を示す。
また、同図において付された数字は、遊技情報の入賞順を示すものであり、当該例における入賞順(記憶順)は、遊技情報が先に第1記憶領域に記憶され、その後、第2記憶領域と交互に記憶された例を示す。そして、この場合、主制御装置100は、14ラウンド目が開始されるまでに遊技情報記憶手段110に記憶された8つの遊技情報のうち、最初に記憶された遊技情報を含む4つ目までの遊技情報を読み出してS305に移行する。なお、遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報が4つ未満である場合は、1乃至3つ分の遊技情報を読み出す。また、遊技情報の読出し数は4つに限定されるものではなく、遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報の全てを読み出す構成としてもよい。
主制御装置100は、S305において、読み出した遊技情報のそれぞれについて前述の特図当否抽選処理を実行し、S306に移行する。具体的には、遊技情報に含まれる特図抽選用乱数と、特別図柄当否抽選手段120が有する高確率用当否抽選テーブル122Bを参照し、それぞれの特図抽選用乱数に対応する当否結果を抽出する。なお、ここで高確率用当否抽選テーブル122Bを参照する理由は、「特別図柄A」であることに起因して現在実行中の特別遊技後の遊技状態が後述する特図高確率となるためである。また、以下、便宜上、当該特別遊技中に実行される特図当否抽選(処理)を「先読み当否抽選(処理)」という。
主制御装置100は、S306において、上記先読み当否抽選の結果に基づいて、読み出した遊技情報の中に、先読み当否抽選の結果が「当り」となる遊技情報が存在するかを判定し、YESの場合S307に移行し、NOの場合処理を終了する。具体的には、図9(b)に示す状態を例とすると、読み出した4つの遊技情報のうち、先読み当否抽選の結果が当りとなる遊技情報(特図抽選用乱数)が1つでも存在する場合に判定がYESとなり、1つも存在しない場合に判定がNOとなる。
主制御装置100は、S307において、前述の先読み当否抽選の結果が「当り」である遊技情報が複数存在するかを判定し、YESの場合S313に移行し、NOの場合S308に移行する。主制御装置100は、S308において、前述の先読み当否抽選の結果が当りである遊技情報について、前述の特図種類決定処理を実行し、S309に移行する。また、主制御装置100は、S313において、先読み当否抽選の結果が「当り」となる複数の遊技情報のうち、入賞順が先の遊技情報についてのみ前述の特図種類決定処理を実行し、S309に移行する。具体的には、S307の判定により図9(b)に示す入賞順が最も早い1番目に記憶された入賞情報に基づく先読み当否抽選の結果及び4番目に記憶された入賞情報に基づく先読み当否抽選の結果が両者ともに「当り」である場合、入賞順が先である1番目に記憶された入賞情報に基づく特図種類決定処理が実行され、4番目に記憶された入賞情報に基づく特図種類決定処理が実行されることはない。
また、当該特図種類決定処理は、先読み当否抽選の結果が当りである遊技情報に含まれる特図種類決定用乱数と、特別図柄種類決定手段130が有する当り用特図種類決定テーブル132を参照し、特図種類決定用乱数に対応する特図種類を抽出する。またこのとき、先読み当否抽選の結果が「当り」である遊技情報が第1記憶領域に記憶されていたものである場合、特1当り用特図種類決定テーブル132Aを参照し、第2記憶領域に記憶されていたものである場合、特2当り用特図種類決定テーブル132Bを参照して特図種類を抽出する。なお、以下、便宜上、当該特別遊技中に実行される特図種類決定処理を「先読み特図種類決定処理」という。
主制御装置100は、S309において、S308の先読み特図種類決定処理において抽出された特図種類が予め設定された特定の特図種類であるかを判定し、YESの場合S310に移行し、NOの場合処理を終了する。本実施形態においては、特図種類が「特別図柄A」である場合に判定がYESとなり、その他の特図種類である場合に判定がNOとなる。
主制御装置100は、S310において、先読み当否抽選の結果が「当り」であり、かつ、その特図種類が「特別図柄A」である遊技情報に基づいて、前述の特図変動時間決定処理を実行し、S311に移行する。具体的には、先読み当否抽選の結果が当りであり、かつ、その特図種類が「特別図柄A」である遊技情報に含まれる特図変動時間決定用乱数と、図7(b)に示す特図変動時間決定手段140が有する(当り用)高確率用変動パターンテーブル143Bを参照し、特図変動時間決定用乱数に対応する変動時間を抽出する。なお、ここで高確率用変動パターンテーブル143Bを参照する理由は、「特別図柄A」であることに起因して現在実行中の特別遊技後の遊技状態が後述する普図高確率となるためである。
また、以下、便宜上当該特別遊技中に実行される特図変動時間決定処理を「先読み特図変動時間決定処理」という。図7(b)に示すように、高確率用変動パターンテーブル143Bが参照された場合「45秒」又は「90秒」のいずれかの変動時間が抽出されることとなる。
主制御装置100は、S311において、S310の先読み特図変動時間決定処理において抽出された変動時間が予め設定された特定の変動時間であるかを判定し、YESの場合S312に移行し、NOの場合処理を終了する。本実施形態においては、変動時間が「90秒」である場合に判定がYESとなり、「45秒」である場合に判定がNOとなる。
主制御装置100は、S312において、サブ制御装置200に対して先読み演出実行コマンドを送信して処理を終了する。当該先読み演出実行コマンドには、上述の各先読み処理において抽出した特図抽選の結果、特別図柄の種類、及び、特別図柄の変動時間、及び、遊技情報の順番(1〜4)に係る情報が含まれており、サブ制御装置200は当該先読み演出実行コマンドを受信したことに基づいて、特別遊技中における所定の時期に特別な演出(ストーリーリーチ演出)を開始する。
以上のとおり、主制御装置100の遊技情報先読み手段170は、特別遊技における所定の時期までに記憶された遊技情報を当該遊技情報の始動条件の成立に関わらず特別遊技中において読出し、さらに読出した遊技情報に対応する当否抽選の結果、特図種類及び特別図柄の変動時間を先行して抽出する先読み処理を実行する。また、遊技情報先読み手段170は、当該先読み処理の結果が所定の結果(当否結果=「当り」,特図種類=「特別図柄A」,変動時間=「90秒」)であることに基づいてサブ制御装置200側に先読み演出実行コマンドを送信し、サブ制御装置200による後述の特別な演出を実行させる。即ち、先読み演出実行コマンドは、当該特別遊技が「特別図柄A」に起因して実行されたものであり、かつ、特別遊技中において読み出された遊技情報が「特別図柄A」を抽出する結果となる遊技情報である場合に送信される。よって、例えば、「当り」となる遊技情報が1番目と4番目に存在する場合、1番目に存在する遊技情報が「特別図柄B」を抽出する結果となる場合には、先読み演出実行コマンドが送信されることはない。つまり、先読み演出実行コマンドは、遊技者にとって最も有利な特別遊技(16R)が連続して発生し得る場合に送信されるコマンドである。なお、サブ制御装置200の構成及び処理については後述する。
図3に示す普通図柄当否抽選手段180は、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、普通図柄に係る「当り」又は「外れ」を電子抽選(普図抽選)により決定するものである。具体的には、普通図柄当否抽選手段180は、前述の特別図柄当否抽選手段120と略同様に構成され、ループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である普図抽選用乱数を発生させる普図抽選用乱数発生手段から、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、言い換えると、スルーチャッカ検知センサ95からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、普図抽選用乱数を取得(ラッチ)し、取得した普図抽選用乱数が「当り」であるか「外れ」であるかを低確率用抽選テーブル、又は、高確率用抽選テーブルを参照して判定する。
図示は省略するが、低確率用抽選テーブル及び高確率用抽選テーブルには、普図当否用乱数と当否結果(「当り」又は「外れ」)との対応関係が規定されており、例えば低確率用抽選テーブルを参照した場合の「当り」の確率は1/120に設定され、高確率用抽選を参照した場合の「当り」の確率は1/1.1に設定されている。つまり、高確率用抽選テーブルの方が、低確率用抽選テーブルに比べて格段に「当り」に当選する確率が高くなるように設定されているとともに、殆どの場合に「当り」に当選するようになっている。
また、本実施形態において、低確率用抽選テーブルが参照される遊技状態は「普図低確率」の状態であり、高確率用抽選テーブルが参照される遊技状態は「普図高確率」の状態である。
電動チューリップ制御手段190は、前述の普通図柄当否抽選手段180による普図抽選によって「当り」に当選した場合に、電動チューリップ63のソレノイドへの通電を行い、電動チューリップ63の1対の羽根部材を開閉させる。電動チューリップ制御手段190は、普図高確率において1回の「当り」に対し電動チューリップ63を例えば開放時間2.9秒で2回開放させ、普図低確率において1回の「当り」に対し電動チューリップ63を開放時間0.2秒で1回開放させるようになっている。
つまり、遊技状態が「普図高確率」である場合、普通図柄当否抽選手段180による電子抽選が殆ど「当り」に当選し、その当選に基づき電動チューリップ63が2.9秒で2回開放されるため、遊技者が遊技領域31に遊技球を打ち出せば、第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62に遊技球を容易に入賞させることができ、普図高確率においては、遊技球を殆ど減らすことなく遊技を行うことができる。
次に、主制御装置100の遊技状態制御手段195について説明する。遊技状態制御手段195は、上述の特図抽選の結果が「当り」である場合に、その特図種類に応じて、特別遊技後の遊技状態を切り替える。例えば、本実施形態においては、特図種類が「特別図柄A」又は「特別図柄B」である場合、特別遊技後の遊技状態を「特図高確率」かつ「普図高確率」の遊技状態に切り替える。また、特図種類が「特別図柄C」である場合、特別遊技後の遊技状態を「特図高確率」かつ「普図低確率」の遊技状態に切り替える。
なお、当該特別遊技の「特図高確率」及び「普図高確率」の状態は、特別遊技終了後、図8に示す一連の処理、即ち特別図柄が76回変動表示されるまで継続し、その後「特図低確率」及び「普図低確率」の状態に移行する。また、特図種類が「特別図柄D」である場合、特別遊技前後の遊技状態が変化することはなく、特別遊技前の遊技状態が特別遊技後に引き継がれる。これらの遊技状態は、RAMの記憶領域に設けられた遊技状態フラグによって管理され、特別図柄抽選手段120等の各手段は当該フラグに基づいて対応するテーブル等を参照する。
次に、サブ制御装置200の構成及び処理について説明する。
サブ制御装置200は、主として演出図柄表示装置50上に表示される各種の演出を制御する演出表示制御手段210と、主としてスピーカ8から発せられる上記変動に対応した各種の楽曲や音声を制御する音声制御手段220と、主として遊技盤30に搭載された発光体10や可動役物70を多様な動作態様により駆動制御する役物制御手段230とを備える。以下、各手段について説明する。
図10(a)は、演出表示制御手段210の構成を示すブロック図である。演出表示制御手段210は、演出図柄表示装置50との間に接続される図外の演出表示制御基板に対して各種の演出コマンドを送信する。演出表示制御基板には、演算手段としてのCPU,演出表示必要な画像,動画データが格納された記憶手段としてのROM,RAM及びVDP等の回路構成要素が組み込まれており、演出表示制御手段からの演出パターンコマンドに基づいて演出図柄表示装置50上に多様な演出表示を表示させる。
同図に示すように演出表示制御手段210は、変動演出表示制御部211と特別遊技演出表示制御部215とから構成される。変動演出表示制御部211は、主として主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドに含まれる各種の情報に基づいて、前述の特別図柄の変動表示と対応して演出図柄Sの変動表示、及び、当該変動表示に対応した演出(予告演出やリーチ演出或いは可動役物演出等)の態様を決定する。
同図に示すように、変動演出表示制御部211は、演出パターン決定用乱数取得手段212と、演出パターン決定用テーブル213とを備え、演出パターン決定用乱数取得手段212によって取得された演出パターン決定用乱数に対応する演出パターンを演出パターン決定用テーブル213から抽出する。
ここで、演出パターン決定用乱数は、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜9の整数の範囲)で1ずつ更新させることにより生成されるソフトウェア乱数であって、演出図柄変動コマンドの受信と同時に演出パターン決定用乱数取得手段212によって取得される。
図10(b)に示すように、演出パターン決定用テーブル213は、前述した特別図柄の変動時間(2秒,12秒,30秒,45秒,90秒)に対応した演出時間を有する演出パターン決定用テーブル213A〜213Eに細分化されており、取得された演出パターン決定用乱数に対応する演出パターンが規定されている。
ここで、「リーチ」とは、3つの演出図柄のうち、2つの演出図柄Sが同一の数字又はキャラクターで先行して仮停止した状態であって、残余の1つの演出図柄Sが、先行して仮停止した状態の演出図柄S(リーチ図柄)と同一の数字又はキャラクターで停止すれば特別遊技(大当り)となり得る状態をいう。逆に「非リーチ」とは上記状態以外の状態をいう。また、「スーパーリーチ」とは、上記のリーチ成立後に残余の演出図柄Sが停止するまでの間、所定の画像や動画による演出表示が実行される演出パターンであり、付された番号の相違により異なる演出が実行される。
また、「ストーリーリーチ」とは、遊技状態が「特図高確率」であって、かつ、当否抽選の結果が「当り」である場合にのみ選択され得る演出パターンである(図7(b)の高確率用変動パターンテーブル143B参照)。具体的には、当該演出パターンにおいては、一定の物語性を有する実写やアニメーションが演出表示として展開され、例えばその物語の結末の時期に合わせて3つの演出図柄Sを「当り」を示す態様で表示する演出パターンである。このように、当該演出パターンは、遊技状態が「特図高確率」であって、かつ、当否抽選の結果が「当り」である場合にのみ選択されるため、演出図柄表示装置50に当該ストーリーリーチが表示された場合、遊技者はその瞬間に最終的に演出図柄Sが当りを示す態様で停止し、特別遊技を獲得できることを確信できる。つまり、本実施形態における「ストーリーリーチ」は、特別遊技(大当り)確定リーチとして位置付けられる。
以上のとおり、変動演出表示制御部211は、演出パターンテーブル213の中から主制御装置100によって決定された特別図柄の変動時間と対応する演出時間を有する演出パターンを抽出する。なお、図示は省略するが、各演出パターンには、予告演出の種類や可動役物演出種類或いは演出時間等の詳細が規定されている。
変動演出表示制御部211は、演出図柄変動コマンドに含まれる当否抽選の結果から演出図柄Sの最終的な停止態様を決定するとともに、当該停止態様情報と、抽出した前述の演出パターン情報、及び、演出時間とを含む内部コマンドとしての変動開始コマンドを図外の演出表示制御基板に送信する。変動開始コマンドを受信した演出表示制御基板は、変動開始コマンドに含まれる情報に基づいて演出に必要な画像データや動画データをROMから読み出すとともに、当該データを演出図柄表示装置50側に出力し、演出パターンに対応した多様な演出表示を展開させ、演出時間(特別図柄の変動時間)経過に応じて演出図柄Sを当否抽選の結果を示す態様で停止表示させる。なお、当否抽選の結果を示す態様とは、当否抽選の結果が「当り」である場合は、3つの演出図柄Sが全て同一の数字又はキャラクターで停止表示される態様であり、当否抽選の結果が「外れ」である場合は、上記以外の組み合わせで停止表示される態様である。
次に、サブ制御装置200の特別遊技演出表示制御部215について説明する。特別遊技演出表示制御部215は、前述の特別遊技実行中に演出図柄表示装置50に所定の画像や動画からなる特別遊技演出を展開させる。同図に示すように特別遊技演出表示制御部215は、特別遊技のラウンド数に応じて異なるパターンが規定された特別遊技演出データ216を備えている。
図11に示すように、特別遊技演出は、ラウンドごと(アタッカ装置65の閉鎖ごと)に表示が切り替わるラウンド間演出と、最終ラウンド終了後に表示される特別遊技終了演出とから構成される。図示は省略するが、ラウンド間演出とは、例えば現在のラウンドを表示するラウンド表示部と、ラウンドごとに対応する所定のキャラクター画像や動画等からなる背景表示部とから構成され、本実施形態においては、4R用のラウンド間演出と、16R用のラウンド演出とが互いに異なるように展開される。なお、2R用のラウンド間演出を別途設けてもよいが、本実施形態における2Rの開放は前述のとおり極めて短期間実行されるものであるため上記の演出を省略している。
特別遊技終了演出とは、最終ラウンド終了(大当り遊技終了)から一定期間の間(本実施形態においては10秒)表示される演出であって、例えば、所定のキャラクター画像からなる背景表示部上に、特別遊技が終了した旨の表示や当該特別遊技後の遊技状態を示唆する表示、或いは、所謂連荘数などの遊技に関する表示部等から構成される。このように、特別遊技演出表示制御部215は、特別遊技中において、特別遊技のパターン(4R又は16R)に応じた特別遊技演出データ216を読み出して、ラウンド間演出と特別遊技終了演出とからなる特別遊技演出実行させる内部コマンドを演出表示制御基板に対して送信し、当該特別遊技演出を演出図柄表示装置50で展開させる。そして、当該特別遊技演出終了後には、再び変動演出表示制御部211による演出図柄Sの変動表示が開始される。
一方、特別遊技演出表示制御部215は、特別遊技中(16R終了前)に前述の先読み演出実行コマンドを受信したことに基づいて、上記特別遊技演出終了演出期間中に先読み用ストーリーリーチを演出図柄表示装置50で展開させ、当該特別遊技終了後に直ちに(4変動以内に)特別遊技が開始されることを遊技者に対して報知する。以下、当該先読み演出処理について説明する。
図10(a)に示すように、特別遊技演出表示制御部215は、上述の特別遊技演出データ216に加えて、先読み演出パターン決定用乱数取得手段217と、先読み演出パターン決定用テーブル218を備え、先読み演出パターン決定用乱数取得手段217によって取得された先読み演出パターン決定用乱数に対応する先読み演出パターンを先読み演出パターン決定用テーブル218から抽出する。
ここで、先読み演出パターン決定用乱数は、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜9の整数の範囲)で1ずつ更新させることにより生成されるソフトウェア乱数であって、先読み演出実行コマンドの受信と同時に先読み演出パターン決定用乱数取得手段217によって取得される。
図12に示すように、先読み演出パターン決定用テーブル218には、先読み演出パターン決定用乱数に対応する複数の先読み演出パターン(ストーリーリーチ1A〜5A)が規定されている。これらのストーリーリーチ1A〜5Aは、それぞれ上述の演出パターン決定用テーブル213Eに規定されたストーリーリーチ1〜5とその物語性が共通している。また、ストーリーリーチ1A〜5Aの演出時間は、例えば100秒に統一されている。そして、これらのストーリーリーチ1A〜5Aに基づく先読み演出は、特別遊技演出終了演出期間中に実行され、遊技者は、特別遊技演出終了演出期間中に突如としてストーリーリーチ1A〜5Aのいずれかに基づく先読み演出が展開されることにより、特別遊技終了後に直ちに特別遊技が開始されることを確信できる。以下、当該先読み演出処理について詳しく説明する。
図13は、サブ制御装置200の特別遊技演出表示制御部215において実行される先読み演出処理のフローである。特別遊技演出表示制御部215は、S400において特別遊技中に主制御装置100から送信される先読み演出実行コマンドを受信したかを判定し、判定がYESの場合S401に移行し、NOの場合、当該判定を繰り返す。
特別遊技演出表示制御部215は、S401において先読み演出実行コマンドを受信したことに応じて、先読み演出パターン決定用乱数取得手段217により先読み演出パターン決定用乱数を取得し、S402に移行する。特別遊技演出表示制御部215は、S402において、取得された先読み演出パターン決定用乱数と、先読み演出パターン決定用テーブル218とを参照し、先読み演出パターン決定用乱数に対応する先読み演出パターン(ストーリーリーチ1A〜5Aの何れか)を抽出し、S403に移行する。
特別遊技演出表示制御部215は、S403において、先読み演出実行コマンドに含まれる前述の遊技情報の順番に係る情報を読み出し、当該遊技情報の順番に係る情報に基づいて先読み演出の開始時期を決定し、S404に移行する。
特別遊技演出表示制御部215は、S404において、前述の特別遊技終了演出の開始時期が到来したかを主制御装置100から送信される特別遊技終了コマンドの受信の有無により判定し、YESの場合S405に移行し、NOの場合、当該判定を繰り返す。
特別遊技演出表示制御部215は、S405において、S403において決定した先読み演出の開始時期が到来したかを内部カウンタにより判定し、YESの場合S406に移行し、NOの場合、当該判定を繰り返す。特別遊技演出表示制御部215は、S406においてS402で抽出した先読み演出パターン情報を含む先読み演出開始コマンドを図外の演出表示制御基板に送信する。
当該先読み演出開始コマンドを受信した演出表示制御基板は、読み演出開始コマンドに含まれる先読み演出パターン情報に基づいて演出(ストーリーリーチ1A〜5A)に必要な画像データや動画データをROMから読み出すとともに、当該データを演出図柄表示装置50側に出力し、いずれかのストーリーリーチ1A〜5Aを演出時間である100秒間表示させ、演出時間経過に応じて演出図柄Sを当否抽選の結果を示す態様で停止表示させる。
図14(a)は、特別遊技演出表示制御部215によって、先読み演出が実行される場合のタイムチャートである。同図を参照して、先読み演出の開始時期と終了時期について説明する。なお、同図は、主制御装置100による前述の遊技情報先読み処理(図8参照)の結果、4番目に取得された遊技情報(図9(b)参照)が、先読み演出実行コマンド送信の条件(当否抽選の結果=「当り」,特図種類=「特別図柄A」,特別図柄の変動時間=90秒)を満たすものであり、1番目から3番目に取得された遊技情報が上記条件(特図抽選の結果=「外れ」)を満たさないものである場合を例示している。つまり、本例においては、特別遊技の終了後、4変動目の特別図柄の変動時間が90秒であり、90秒経過後に当該特別図柄の停止態様が「当り」、かつ、「特別図柄A」を示す態様で停止し、特別遊技が開始されることとなる。同図において上段のグラフは、特別遊技の終了から特別図柄の4変動目までの変動時間を示し、下段のグラフは、先読み演出の開始時期と終了時期を示す。
同図の上段のグラフに示すように、入賞順が1番目から3番目までの遊技情報に係る当否抽選の結果が「外れ」である場合、特別遊技終了後、厳密には特別遊技終了演出終了後の1番目から3番目の特別図柄の変動時間は「2秒」とされる(図7(b)高確率用変動パターンテーブル143A参照)。入賞順が4番目の遊技情報に係る変動時間は90秒となり、当該90秒の変動時間経過に上記態様で停止する。
また、下段のグラフに示すように、特別遊技中において主制御装置100より送信される先読み演出実行コマンドを受信した場合、演出図柄表示装置50には特別遊技終了演出の開始から6秒経過後にそれまで表示されていた特別遊技終了演出に替えていずれかのストーリーリーチ1A〜5Aが開始され、当該ストーリーリーチが100秒間継続する。より詳細には、ストーリーリーチ1A〜5Aは、演出図柄表示装置50の表示画面を暗転させる2秒間の暗転表示演出と、ストーリーリーチが開始されることを26秒間のムービー演出と、物語が進行する72秒間のストーリー表示演出とを含み、当該ストーリーリーチ1A〜5Aが、特別遊技終了後1番目から3番目の特別図柄の変動時間を跨いで100秒間の間継続する。そして、同グラフから明らかなとおり、ストーリーリーチ1A〜5Aの演出終了時間は、4番目の特別図柄の変動時間の終期と一致し、特別図柄の変動停止とともにストーリーが結末を迎え、演出図柄表示装置50にも演出図柄Sが当りを示す態様で停止表示されることとなる。
図14(b)〜(d)は、図14(a)と同様に先読み演出が実行される場合のタイムチャートであり、上から順に3番目に取得された遊技情報(図9(b)参照)が、先読み演出実行コマンド送信の条件を満たす場合、2番目に取得された遊技情報が、先読み演出実行コマンド送信の条件を満たす場合、1番目に取得された遊技情報が、先読み演出実行コマンド送信の条件を満たす場合をそれぞれ例示している。同図に示すように、3番目に取得された遊技情報が上記条件を満たすものである場合、先読み演出の開始時期は、特別遊技終了演出の開始から4秒経過後となり、特別遊技終了後1番目から2番目の特別図柄の変動時間を跨いで100秒間の間継続する。
同様に、2番目に取得された遊技情報が上記条件を満たすものである場合、先読み演出の開始時期は、特別遊技終了演出の開始から2秒経過後となり、特別遊技終了後1番目の特別図柄の変動時間を跨いで100秒間の間継続する。さらに、1番目に取得された遊技情報が上記条件を満たすものである場合、先読み演出の開始時期は、特別遊技終了演出の開始時期と一致し、ラウンド間演出終了後直ちにストーリーリーチが展開されることとなる。
このように、先読み演出の開始時期は、先読み演出実行コマンド送信の条件を満たす遊技情報の入賞順(記憶順)に応じて変動するように予め設定されており、具体的には入賞順が後になるほど、先読み演出の開始時期が繰り下がるようになっている。
このように、入賞順によって先読み演出の開始時期を調整することによって、変動時間の終期の相違によって演出時間が異なるストーリーリーチ1A〜5Aを作成する必要がなくなり、パチンコ機1全体のデータ量を削減することが可能となる。
また、本実施形態における先読み演出処理によれば、100秒間の演出時間を有する先読み演出が、特別遊技が終了したことを表示する特別遊技終了演出期間中に突如として差し替えて開始され、さらに先読み演出の実行の契機となった遊技情報に係る特別図柄の変動時間の終期に至るまで継続して表示されることから、特別遊技終了演出期間中に先読み演出(ストーリーリーチ1A〜5A)が開始されたことに基づいて、遊技者が抱く「特別遊技終了後に直ちに、再度特別遊技が開始される」との期待感を途中に2秒間の外れ変動を挟むような場合であっても当該外れ変動を意識させることなく持続させることが可能となる。
また、本実施形態における先読み演出処理によれば、先読み演出の開始時期を先読み演出実行コマンド送信の条件を満たす遊技情報の入賞順(記憶順)に応じて一定の法則性(2秒間隔)を持たせて設定しているため、遊技者が特別遊技終了演出の開始からの時間を概ねカウントすれば先読み演出が開始された時期によって、何回後の変動によって特別遊技が開始されるかを推測することが可能となり、遊技の興趣が向上する。
図3に戻り、サブ制御装置200の音声制御手段220及び役物制御手段230について概説する。音声制御手段220は、演出表示制御手段210により決定された変動演出及び先読み演出のパターンを含む内部コマンドを演出表示制御手段210から受信し、当該内部コマンドに基づいて、図外のROMから演出図柄Sの変動中や、大当り遊技中、或いは先読み演出中において遊技を盛り上げる楽曲データや音声データをスピーカ8を駆動させる図外のドライバ回路側に出力し、スピーカ8から遊技の進行状況に対応した楽曲や音声を生じさせる。
役物制御手段230は、演出表示制御手段210により決定された変動演出及び先読み演出のパターンを含む内部コマンドを演出表示制御手段210から受信し、当該内部コマンドに基づいて、例えば可動役物70の駆動態様、駆動時期及び可動期間を決定し、当該決定した態様により可動役物70の駆動源として設けられた図外のステップモータを駆動し、遊技者に対して前述の演出のパターンに対応した可動役物70の動作を視認させることにより遊技を盛り上げる演出を実行する。また、役物制御手段230は、演出表示制御手段210により決定された演出のパターンを含む内部コマンドを演出表示制御手段210から受信し、当該内部コマンドに基づいて、例えば発光体10の点灯態様、点灯時期及び点灯期間を決定し、当該決定した態様により発光体10が搭載された回路基板に対して信号を出力し、演出パターンに対応した発光体10の点灯動作を視認させることにより遊技を盛り上げる演出を実行する。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。