以下に添付図面を参照して、本発明にかかるぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(遊技機の基本構成)
図1は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。図1に示すように、ぱちんこ遊技機は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図2における符号292を参照)が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、図示を省略する複数の釘が設けられ、遊技球を各種の方向に向けて落下させるとともに、落下途中の位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や、入賞口が配設されている。
遊技盤101の遊技領域103の中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD)などが用いられる。画像表示部104の下方には、始動入賞させるための上始動口105a、下始動口105bが配設されている。下始動口105b近傍には、遊技球を下始動口105bへ入賞し易くさせる開状態と開状態よりも遊技球を下始動口105bへ入賞し難くさせる閉状態とを有する普通電動役物(以下「電動チューリップ」という)122が設けられている。
上始動口105a、または下始動口105bに遊技球が入賞すると、ぱちんこ遊技機は、入賞した始動口に応じた大当たり抽選をおこなう。また、上始動口105a、下始動口105bに遊技球が入賞すると、ぱちんこ遊技機は、所定個数の賞球の払い出しをおこなう。
画像表示部104の左側には、入賞ゲート106が配設されている。入賞ゲート106は、遊技球の通過を検出する。入賞ゲート106により遊技球の通過を検出すると、ぱちんこ遊技機は、通常時では閉状態とされている(閉口されている)電動チューリップ122を、開状態(開放された状態)とするか否かの普通図柄抽選をおこなう。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口107が配設されている。普通入賞口107に遊技球が入賞すると、ぱちんこ遊技機は、普通入賞時の賞球数(たとえば10個)の払い出しをおこなう。遊技領域103の最下部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口108が設けられている。
上述した画像表示部104は、上始動口105aや下始動口105bに遊技球が入賞したとき(始動入賞時)に、複数の演出用の図柄(以下「演出図柄」という)の変動表示を開始させ、所定期間後に停止表示させる。このとき、たとえば、演出図柄が特定の組み合わせ(たとえば「777」)で停止されると、大当たり状態となる。大当たり状態では、下方に位置する大入賞口109の一定の期間の開放を所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返し、入賞した遊技球に対応した数の賞球を払い出す。ここで、ラウンドとは、大入賞口109が開いてから閉じるまでの動作をあらわし、15ラウンドとは、大入賞口109が開いて閉じる動作を15回おこなうことである。
遊技盤101の右下部分には、普通図柄表示部119および特別図柄表示部120が配置されている。たとえば、普通図柄表示部119および特別図柄表示部120としては7セグメントディスプレイが用いられる。普通図柄表示部119および特別図柄表示部120には、所定の抽選結果をあらわす数字や記号、アルファベットなどが表示される。
普通図柄表示部119に表示された数字などの図柄(以下「普通図柄」という)は、遊技球が入賞ゲート106を通過した際に変動が開始され、所定期間経過後に停止する。このとき、当たりを示す所定の普通図柄が停止すると、電動チューリップ122が一定期間だけ開放される(開状態となる)。特別図柄表示部120に表示された数字などの図柄(以下「特別図柄」という)は、遊技球が上始動口105aもしくは下始動口105bへ入賞した際に変動が開始され、所定期間経過後に停止する。このとき、大当たりを示す所定の特別図柄が停止すると、大当たり状態となる。
普通図柄表示部119および特別図柄表示部120の左側には、普通図柄または特別図柄の変動に対する保留玉表示部121が配置されている。たとえば、保留玉表示部121としてはLEDが用いられる。この保留玉表示部121としてのLEDは複数配置され、点灯/消灯によって普通図柄または特別図柄の変動に対する保留玉の数をあらわす。たとえば、保留玉表示部121を構成するLEDのうちの、上段のLEDが2個点灯している場合には、普通図柄の変動に対する保留数は2であることをあらわす。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材110が設けられている。枠部材110は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材110は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。これにより、本実施の形態のぱちんこ遊技機を、枠部材110を備えていない他機種のぱちんこ遊技機よりも目立たせることができる。ぱちんこ遊技機を目立たせることにより、ぱちんこ遊技機の稼働率の向上を図るとともに、ぱちんこ遊技機に対する不正行為に対する抑止力の強化を図ることができる。
枠部材110において、遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)112が設けられている。演出ライト部112は、それぞれ複数のランプを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するように、光の照射方向を上下方向に変更することができる。各ランプは、演出ライト部112に設けられた不図示のモータによって、光の照射方向を上下方向に変更するように駆動される。
また、各ランプは、ぱちんこ遊技機の周囲を照射し、その照射位置がぱちんこ遊技機を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させることができる。演出ライト部112は、各ランプから照射される光の照射方向を、上下方向に変更しながら回転させることにより、演出ライト部112全体から照射する光の照射方向を3次元に変更することができる。
たとえば、光の照射方向は、大当たり状態となった場合に変更させる。これにより、遊技者およびぱちんこ遊技機の周囲を順次照射して、ぱちんこ遊技機が大当たり状態となっていることを周囲に知らしめることができ、大当たり状態となった遊技者の注目度を高めることができる。これによって、遊技者に対して、注目されていることによる高揚感を与え、本実施の形態のぱちんこ遊技機を継続あるいは繰り返して利用させ、ぱちんこ遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
枠部材110の下部位置には、操作ハンドル113が配置されている。操作ハンドル113は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル113は、上記の枠部材110と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル113は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材114を備えている。発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材114が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。公知の技術であるため説明を省略するが、操作ハンドル113には、遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。
画像表示部104の周辺(たとえば上側や側方)には、不図示の演出用の役物(以下「可動役物」という)が設けられている。可動役物は、不図示のソレノイドやモータによって駆動される。
枠部材110において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン(チャンスボタン)117が設けられている。また、枠部材110において、演出ボタン117の隣には、十字キー118が設けられている。演出ボタン117および十字キー118によって、操作部が構成されている。加えて、枠部材110には、音声を出力するスピーカ(図2における符号277を参照)が組み込まれている。
(制御部の内部構成 1.主制御部)
図2は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。制御部200は、複数の制御部により構成されている。図示の例では、主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203とを有する。主制御部201は、ぱちんこ遊技機の遊技にかかる基本動作を制御する。演出制御部202は、遊技中の演出動作を制御する。賞球制御部203は、払い出す賞球数を制御する。
主制御部201は、ROM212に記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行するCPU211と、CPU211の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM213などを備えて構成される。たとえば、CPU211は、上始動口105a、または下始動口105bに遊技球が入賞すると、ROM212に記憶されたプログラムにより、入賞した始動口に応じた大当たり抽選をおこなう。
また、CPU211は、所定位置に配置された入賞ゲート106により遊技球の通過を検出すると、ROM212に記憶されたプログラムにより、電動チューリップ122を、開状態とするか否かの普通図柄抽選をおこなう普通図柄抽選手段として機能する。
また、CPU211は、ROM212に記憶されたプログラムにより、通常時では電動チューリップ122を閉状態(閉口した状態)としておくとともに、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップ122を開状態(開放した状態)とする普通電動役物制御手段として機能する。たとえば、主制御部201は、主制御基板(公知の技術のため詳細な説明は省略する)によってその機能を実現する。CPU211がプログラムを実行することでRAM213にセットされる各種コマンドは、演出制御部202、賞球制御部203に所定のタイミングで送出される。
主制御部201には、上始動口105aに入賞した入賞球を検出する始動口検出部(上始動口SW)221aと、下始動口105bに入賞した入賞球を検出する始動口検出部(下始動口SW)221bと、入賞ゲート106を通過した遊技球を検出するゲート検出部(ゲートSW)222と、普通入賞口107に入賞した遊技球を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口SW)223と、大入賞口109に入賞した入賞球を検出する大入賞口検出部(大入賞口SW)224と、普通図柄表示部119と、特別図柄表示部120と、が接続されている。本実施の形態において、ゲートSW222は、遊技盤101上の所定位置(ゲート106が配設された位置)を通過した遊技球を検出する検出手段として機能する。また、普通入賞口SW223は、普通入賞口107の配置位置別に複数個設けてもよい。
これらの検出部としては、近接スイッチなどを用いて構成することができる。上始動口SW221a、下始動口SW221b、ゲートSW222、普通入賞口SW223、および大入賞口SW224による検出結果は、主制御部201に入力される。
また、主制御部201は、上記の電動チューリップ122を開閉する始動口ソレノイド225に対する駆動や、大入賞口109を開閉する大入賞口ソレノイド231に対する駆動や、保留玉表示部121に対する点灯の制御などをおこなう。始動口ソレノイド225は、普通図柄抽選において所定の当たりに当選したときに電動チューリップ122を所定期間開放させるように駆動する。また、大入賞口ソレノイド231は、大当たり状態となったときに大入賞口109を一定期間開放させるように駆動する。この大当たりは、生成した乱数(以下「大当たり乱数」という)に基づき所定の確率で発生するようあらかじめプログラムされている。
また、主制御部201は、遊技中における大当たりの確率を変更することができる。たとえば、本実施の形態のぱちんこ遊技機においては、低確率状態と高確率状態との2つの確率状態があり、高確率状態は、一般的に確変状態と呼ばれる。ここで、低確率状態とは、生成された大当たり乱数を所定の低確率状態用のテーブルと比較して大当たり判定などをおこなう遊技状態である。また、高確率状態とは、生成された大当たり乱数を所定の高確率状態用のテーブルと比較して大当たり判定などをおこない、さらに所定の電動チューリップ処理(図11を参照)によって遊技球の下始動口105bへの入賞をし易くした遊技状態である。なお、上記の各テーブルは、あらかじめROM212などに記憶されている。
これによって、たとえば、本実施の形態のぱちんこ遊技機では、低確率状態においては1/300で大当たりが発生するようになっており、高確率状態においては1/30で大当たりが発生するようになっている。また、低確率状態には、通常の低確率状態と、時短状態とがある。ここで、時短状態とは、通常の低確率状態と同様に大当たり判定などをおこなうが、遊技球の下始動口105bへの入賞をし易くした遊技状態である。具体的には、時短状態では、生成された大当たり乱数を所定の低確率状態用のテーブルと比較して大当たり判定などをおこなうが、電動チューリップ処理によって遊技球の下始動口105bへの入賞がし易くなっている。なお、実行中の遊技状態を示す情報は演出制御部202にコマンド出力され、実行中の遊技状態に応じた演出(たとえば図柄変動や可動役物の制御)がなされる。
また、主制御部201は、上始動口105a(または下始動口105b)への入賞があると、その入賞に対する図柄変動にかける変動時間などの情報を演出制御部202へコマンド出力する。
(2.演出制御部)
演出制御部202は、ぱちんこ遊技機がおこなう演出内容の制御をおこなう。演出制御部202は、主制御部201から送出されるコマンドに基づき、演出内容を統括する演出統括部202aと、演出統括部202aによって指示された画像および音声の制御をおこなう画像・音声制御部202bと、遊技盤および枠に設けられたランプの点灯を制御するランプ制御部202cによって構成されている。
演出統括部202aは、演出処理を実行するCPU241と、演出をおこなうためのプログラムなどを記憶するROM242と、CPU241の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM243とを備えて構成される。
また、演出統括部202aには、実時間を計時出力する計時手段としてのリアルタイムクロック(RTC)247が接続されている。このRTC247は、電源遮断時においても図示しないバックアップ電源により計時動作を継続する。なお、RTC247は、演出制御部202に配置するに限らず、主制御部201に配置したり単独で配置したりと、配置位置が限られるものではない。
CPU241がROM242に記憶されたプログラムを実行することによりRAM243にセットされた各種データは、画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに所定のタイミングで送出される。
画像・音声制御部202bは、画像および音声の生成および出力処理を実行するCPU251と、背景画像、図柄画像、キャラクタ画像など各種画像データや各種音声を記憶するROM252と、画像表示部104に表示させる画像データや、スピーカ277を介して出力させる音声を格納するRAM253と、を備えて構成される。これらCPU241,251は、画像表示部104に対する表示制御手段、スピーカ277に対する音声出力制御手段を構成している。
演出制御部202のうち演出統括部202aには、上記の演出ボタン117が接続されており、演出ボタン117の操作は演出統括部202aに入力され、操作受付手段として機能する。
演出統括部202aは、主制御部201から送出されるコマンドに基づき、CPU241がROM242に記憶されたプログラムを読み込んで、演出内容を決定し、画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに指示出力する。
画像・音声制御部202bのCPU251は、指示された演出内容に基づいて、背景画像表示処理、図柄画像表示/変動処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理と音声処理を実行し、必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。RAM253に書き込まれた背景画像、図柄画像、キャラクタ画像は、表示画面上において画像表示部104に重畳表示される。すなわち、図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。
この図柄画像は、画像表示部104上で変動および停止を繰り返す図柄変動パターンとしてあらかじめROM252に複数パターン登録されている。主制御部201から出力されるコマンドに基づき、低確率状態時では、これら複数登録された中からいずれか一つの図柄変動パターンが選択される。
また、たとえば、高確率状態時では、低確率状態時とは異なる図柄変動パターンが選択される。これによって、本実施の形態のぱちんこ遊技機は、実行中の遊技状態が、低確率状態/高確率状態であることを遊技者に示唆することができる。また、実行中の遊技状態が高確率状態であっても、所定の条件を満たした際には、図柄変動パターンを通常時と同様のものとしてもよい。このようにすることで、遊技者は、見た目からでは、実行中の遊技状態が低確率状態/高確率状態のどちらであるかわからず、常に期待感を持ちつつ遊技をすることができる。
なお、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してRAM253に記憶させる。
演出制御部202は、画像表示部104に対しては、遊技中における演出内容、たとえば、演出図柄の変動表示や、リーチ(3つの図柄のうち2つが揃った状態)、および大当たり時の各種表示情報を生成して出力する。そして、遊技が一定期間なされなかったときには客待ちの画面を表示出力する。また、この演出制御部202は、スピーカ277から音声を出力させるためのデータを出力する。
ランプ制御部202cは、ランプ点灯などのための処理を実行するCPU261と、ランプ点灯などの制御データを記憶するROM262と、CPU261のワークエリアとしてのRAM263と、演出ライト部(枠ランプ)112および盤ランプ265と、可動役物267と、を備えて構成される。
ランプ制御部202cは、演出制御部202の演出統括部202aから出力されたランプ点灯などのコマンドに基づいて、遊技盤101に設けられている盤ランプ265や枠部材110に設けられている演出ライト部112を点灯制御するデータを出力する。また、可動役物267に対して動作制御するデータを出力する。
たとえば、演出制御部202は、演出制御基板によってその機能を実現する。図2に示すように、演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しており、演出統括部202aを中心として、この演出統括部202aは、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとの間でコマンドを送受する構成となっている。
(3.賞球制御部)
賞球制御部203は、ROM282に記憶されたプログラムに基づき、賞球制御をおこなう。この賞球制御部203は、賞球制御の処理を実行するCPU281と、CPU281の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM283と、を備えて構成される。たとえば、賞球制御部203は、賞球基板によってその機能を実現する。
賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。また、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出し、遊技球の発射を制御する。
賞球制御部203は、この払出部291に対して、各入賞口(上始動口105a、下始動口105b、普通入賞口107、大入賞口109)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイドなどを駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
また、この賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296などがある。
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球基板)に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板297が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板298が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
(各始動口入賞における大当たりの種別の割合)
次に、各始動口における大当たりの種別の割合について説明する。図3は、各始動口における大当たりの種別の割合の一例を示す説明図である。本実施の形態のぱちんこ遊技機は、上始動口105a、または下始動口105bに遊技球が入賞する毎に、入賞した始動口に応じた大当たり抽選をおこなう。
この大当たり抽選では、まず、大当たり乱数に基づいて大当たりに当選したか否かを判定する。そして、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄乱数を取得し、この大当たり図柄乱数に基づいて当選した大当たりの種別(内容)を決定する。ここで取得される大当たり図柄乱数は、たとえば、0〜9のうちのいずれかの整数とする。
上始動口105aに遊技球が入賞したときに取得された大当たり乱数により大当たりに当選した場合、テーブル300に示すように大当たり図柄乱数が「1」、「3」、「5」であれば、大当たりの種別は15ラウンド確変大当たりとされる。大当たり図柄乱数が「7」、「9」であれば、大当たりの種別は2ラウンド確変大当たりとされる。そして、大当たり図柄乱数が上記以外のものであれば、15ラウンド通常大当たりとされる。すなわち、上始動口105aに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合、3/10の割合で15ラウンド確変大当たりとなり、2/10の割合で2ラウンド確変大当たりとなり、5/10の割合で15ラウンド通常大当たりとなる。
また、下始動口105bに遊技球が入賞したときに取得された大当たり乱数により大当たりに当選した場合、テーブル300に示すように大当たり図柄乱数が「1」、「3」、「5」、「7」であれば、大当たりの種別は15ラウンド確変大当たりとされる。大当たり図柄乱数が「9」であれば、大当たりの種別は2ラウンド確変大当たりとされる。そして、大当たり図柄乱数が上記以外のものであれば、15ラウンド通常大当たりとされる。すなわち、下始動口105bに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合、4/10の割合で15ラウンド確変大当たりとなり、1/10の割合で2ラウンド確変大当たりとなり、5/10の割合で15ラウンド通常大当たりとなる。
このように、本実施の形態のぱちんこ遊技機では、上始動口105aよりも下始動口105bの方が、大当たり後に確変状態へ移行させる特定の大当たり(15ラウンド確変大当たり。いわゆる「確変大当たり」とされる大当たり)の割合が高くなっている。また、上始動口105aよりも下始動口105bの方が、2ラウンド確変大当たり(いわゆる「突確」とされる大当たり)の割合が低くなっている。
これは、電動チューリップ122が開放し易い確変状態中には2ラウンド確変大当たりよりも15ラウンド確変大当たりへ当選する可能性を高めるためである。換言すれば、確変状態中(すでに高確率状態であるとき)に、実質的に意味がない2ラウンド確変大当たりへの当選の可能性を低減させるためである。なお、上記の各数値はこれらに限るものではなく、下始動口105bの2ラウンド確変大当たりの割合が上始動口105aの2ラウンド確変大当たりの割合よりも低くなるものであれば任意の数値であってよい。
(主制御部の処理手順)
次に、主制御部201の処理手順の内容について説明する。図4は、主制御部が実行するタイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、電源供給期間中、所定間隔(たとえば4ms毎)で主制御部201が実行する主制御処理に割り込み動作する。まず、乱数更新処理をおこない(ステップS401)、スイッチ処理をおこなう(ステップS402)。この後、図柄処理をおこない(ステップS403)、ぱちんこ遊技機が備える各種の電動役物(たとえば電動チューリップ122や大入賞口109)の動作を制御する電動役物制御処理をおこない(ステップS404)、賞球処理をおこない(ステップS405)、これらの出力処理をおこなう(ステップS406)。
ステップS402のスイッチ処理では、上始動口105a、下始動口105bに設けられた上始動口SW221a、下始動口SW221bが遊技球を検出する毎、所定の保留数(たとえば上述した普通図柄と特別図柄にそれぞれ設けられる保留ランプの4球)を上限として保留数毎に大当たり乱数を取得する上始動口SW(図示せず)や下始動口SW処理(図6を参照)をおこなう。また、入賞ゲート106に設けられたゲートSW222が遊技球を検出する毎、所定の保留数(たとえば上述した普通図柄と特別図柄にそれぞれ設けられる保留ランプの4球)を上限として保留数毎に当たり乱数を取得するゲートSW処理(図5を参照)をおこなう。
また、ステップS403の図柄処理においては、普通図柄変動をおこなう普通図柄処理(図8を参照)や、特別図柄変動をおこなう特別図柄処理(図10を参照)をおこなう。たとえば、普通図柄処理では、ゲートSW222が遊技球を検出した際に取得した当たり乱数が当たりに相当する数値であるか否かを判定し、普通図柄を変動させる。また、たとえば、特別図柄処理では、上始動口SW221aおよび下始動口SW221bが遊技球を検出した際に取得した大当たり乱数が大当たりに相当する数値であるか否かを判定し、特別図柄を変動させる。
ステップS404の電動役物制御処理においては、大入賞口109に対する開閉の大入賞口処理(図12を参照)や、下始動口105b上に設けられている電動チューリップ122を開閉する電動チューリップ処理(図11を参照)などをおこなう。たとえば、上始動口SW221aおよび下始動口SW221bが遊技球を検出した際に取得した大当たり乱数が大当たりに相当する数値であるときに、大入賞口ソレノイド231を制御し、大入賞口109を所定回数開放させる処理をおこなう。このとき、大入賞口109は、各大当たり(15ラウンド確変/2ラウンド確変/15ラウンド通常大当たり)によって開閉制御される。また、たとえば、ゲートSW222が遊技球を検出した際に取得した当たり乱数が当たりに相当する数値であるときに、始動口ソレノイド225を制御し、電動チューリップ122を所定期間開放させる処理をおこなう。
図5は、ゲートSW処理の処理内容を示すフローチャートである。ゲートSW処理とは、図4のステップS402に示したスイッチ処理に含まれる一処理である。ゲートSW処理において、まず、ゲートSW222がONか否かを判定し(ステップS501)、ゲートSWがONではないと判定した場合(ステップS501:No)、そのまま処理を終了する。
ステップS501において、ゲートSW222がONであると判定した場合(ステップS501:Yes)、普通図柄保留数Gが4未満であるか否かを判定する(ステップS502)。普通図柄保留数Gが4未満ではないと判定された場合(ステップS502:No)は、処理を終了する。ステップS502において、普通図柄保留数Gが4未満であると判定された場合(ステップS502:Yes)、普通図柄保留数Gを1加算した値を新たな普通図柄保留数Gとする(ステップS503)。その後、当たり乱数を取得し主制御基板201内のRAM213に格納し(ステップS504)、処理を終了する。
図6は、下始動口SW処理の処理内容を示すフローチャートである。下始動口SW処理とは、図4のステップS402に示したスイッチ処理に含まれる一処理である。下始動口SW処理において、まず、下始動口SW221bがONであるか否かを判定し(ステップS601)、下始動口SW221bがONでないと判定された場合(ステップS601:No)、そのまま処理を終了する。
ステップS601において、下始動口SW221bがONであると判定された場合(ステップS601:Yes)、特別図柄保留数Uが4未満であるか否かを判定する(ステップS602)。特別図柄保留数Uが4未満であると判定された場合(ステップS602:Yes)、特別図柄保留数Uを1加算した値を新たな特別図柄保留数Uとする(ステップS603)。特別図柄保留数Uが4未満でないと判定された場合(ステップS602:No)、処理を終了する。
ステップS603をおこなった後、大当たり乱数および大当たり図柄乱数を取得し主制御基板201内のRAM213に格納する(ステップS604)。そして、確変/時短状態であるか否かを判定する(ステップS605)。確変/時短状態であれば(ステップS605:Yes)、賞球5個コマンドをセットし(ステップS606)、処理を終了する。確変/時短状態でなければ(ステップS605:No)、長開放当たりの補助遊技中か否かを判定する(ステップS607)。長開放当たりとは、普通図柄抽選によって当選する当たりの一つである。それぞれの当たりの内容については図7を用いて後述するが、本実施の形態の普通図柄抽選では、長開放当たりと、短開放当たりと、はずれのうちのいずれかに当選するようになっている。長開放当たり、もしくは短開放当たりに当選した場合にはぱちんこ遊技機は電動チューリップ122を所定期間開放する。上記の補助遊技とは、この電動チューリップ122を開放させている状態のことをいう。
ここで、長開放当たりの当選による電動チューリップ122の開放期間は、短開放当たりの当選による電動チューリップ122の開放期間よりも長くなるように設定されている。また、長開放当たりの当選による電動チューリップ122開放時に下始動口105bに入賞した場合の賞球数は、短開放当たりの当選による電動チューリップ122開放時に下始動口105bに入賞した場合の賞球数よりも少なくなるように設定されている。
また、本実施の形態において、長開放当たりと短開放当たりは、電動チューリップ122の開放期間が異なるよう設定したがこれに限らない。たとえば、ぱちんこ遊技機は、電動チューリップ122の1回の開放で、下始動口105bへ入賞可能な上限(以下「上限入賞数」という)を設定し、下始動口105bへ上限入賞数の入賞があると、電動チューリップ122を閉口するように構成してもよい。この場合には、長開放当たりの上限入賞数が、短開放当たりの上限入賞数よりも多くなるよう設定される。
また、それぞれの当たりに対して、開放期間および上限入賞数をともに設定し、開放期間が経過するか、もしくは上限入賞数が入賞した場合に電動チューリップ122が閉口するよう設定してもよい。なお、本実施の形態においては当たりの種別を二種類としたが、これに限るものではない。当たりの種別は複数であれば任意の数としてよい。
ステップS607において、長開放当たりの補助遊技中であると判定された場合(ステップS607:Yes)、賞球0個コマンドをセットし(ステップS608)、処理を終了する。ステップS605において、長開放当たりの補助遊技中ではないと判定された場合(ステップS607:No)、ステップS606へ移行して、賞球5個コマンドをセットし、処理を終了する。上述したステップS605〜S608における処理をおこなうことで、当たりの種別に応じて補助遊技中の入賞に対する賞球数を異なるものとすることができる。
なお、本実施の形態では、上始動口SW処理の処理内容についての詳細な説明および図示は省略するが、上始動口SW処理では、上始動口SW221aがONになった場合に、特別図柄保留数Uが4未満であれば1加算して大当たり乱数および大当たり図柄乱数の取得・格納をおこない、所定数の賞球数コマンドをセットする処理をおこなう。すなわち、上始動口105aへ入賞した場合には、下始動口105bへ入賞した場合とは異なり、常に一定の賞球数が払い出されることとなる。
図7は、普通図柄抽選によって当選するそれぞれの当たりの内容を示す説明図である。図7では、普通図柄抽選によって当選する長開放当たりおよび短開放当たりの電動チューリップ122の開放期間(通常時および確変/時短状態)と、それぞれの当たりによる電動チューリップ122開放時に入賞したときの賞球数を示している。
たとえば、通常時において、長開放当たりによる電動チューリップ122開放期間は0.3秒であり、その開放中に入賞した遊技球に対する賞球数は0個である。また、短開放当たりによる電動チューリップ122開放期間は0.15秒であり、その開放中に入賞した遊技球に対する賞球数は5個である。
一方、確変/時短状態では、長開放当たりによる開放期間および賞球数と、短開放当たりによる開放期間および賞球数とは同一に設定される。たとえば、確変/時短状態では、長開放当たり・短開放当たりによる電動チューリップ122開放期間は3秒であり、その開放中に入賞した遊技球に対する賞球数は5個である。数値はこれらに限るものではなく、通常時における長開放当たりの開放期間が短開放当たりの開放期間よりも長く、また、長開放当たりの賞球数が短開放当たりの賞球数より少なければ任意の設定としてよい。
図8は、普通図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。普通図柄処理とは、図4のステップS403の図柄処理に含まれる一処理である。普通図柄処理において、まず、補助遊技中であるか否かを判定し(ステップS801)、補助遊技中であると判定した場合(ステップS801:Yes)、そのまま処理を終了する。補助遊技中でないと判定した場合(ステップS801:No)、普通図柄が変動中であるか否かを判定する(ステップS802)。
ステップS802において、普通図柄変動中ではないと判定した場合(ステップS802:No)、普通図柄保留数Gが1以上であるか否かを判定し(ステップS803)、普通図柄保留数Gが1以上ではないと判定した場合(ステップS803:No)、そのまま処理を終了する。普通図柄保留数Gが1以上であると判定した場合(ステップS803:Yes)、普通図柄保留数Gを1減算した値を新たな普通図柄保留数Gとし(ステップS804)、当たり乱数の判定をおこなう(ステップS805)。ステップS805の判定の結果が当たりであるか否かの判定をおこない(ステップS806)、当たりであると判定した場合(ステップS806:Yes)、長開放当たりであるか否かを判定し(ステップS807)、長開放当たりであると判定した場合(ステップS807:Yes)、長開放当たり図柄をセットする(ステップS808)。
ステップS806において、当たりではないと判定した場合(ステップS806:No)、はずれ図柄をセットする(ステップS810)。また、ステップS807において、長開放当たりではないと判定した場合(ステップS807:No)、短開放当たり図柄をセットする(ステップS809)。ステップS805〜S807においては、普通図柄抽選用テーブルを用いて当たりの種別の判定をおこなう。なお、当たりの種別の判定については図9を用いて後述する。
ステップS808およびステップS809においてセットされる当たり図柄は、当たりの種別に応じて異なる図柄である。たとえば、長開放当たりでは長開放当たりを示す図柄として「○」がセットされ、短開放当たりでは短開放当たりを示す図柄として「△」がセットされる。また、長開放当たりを示す図柄として「2」、短開放当たりを示す図柄として「1」としてもよい。また、長開放当たりでは図柄を点灯させ、短開放当たりでは図柄を点滅させることとしてもよい。これにより、普通図柄抽選の当選内容を遊技者に報知することができる。
ステップS808〜S810において図柄をセットした後、確変/時短状態であるか否かを判断する(ステップS811)。確変/時短状態であると判定した場合(ステップS811:Yes)、普通図柄変動時間を3秒にセットし(ステップS812)、普通図柄の変動を開始させる(ステップS814)。また、ステップS811において、確変/時短状態でないと判定した場合(ステップS811:No)、普通図型変動時間を29秒にセットし(ステップS813)、ステップS814の処理をおこなう。ステップS814において普通図柄の変動を開始させた後、変動開始時からの経過時間の計測を開始し(ステップS815)、処理を終了する。
一方、ステップS802において、普通図柄が変動中であると判定された場合(ステップS802:Yes)、所定の普通図柄変動時間が終了したか否かを判定する(ステップS816)。具体的には、普通図柄の変動が開始されてからの経過時間が、変動開始前に設定された普通図柄変動時間となったかを判定する。
ステップS816において普通図柄変動時間が終了していないと判定した場合(ステップS816:No)、そのまま処理を終了する。普通図柄変動時間が終了したと判定した場合(ステップS816:Yes)、普通図柄を停止させ(ステップS817)、普通図柄の変動開始時からの経過時間をリセットし(ステップS818)、当たりか否かを判定する(ステップS819)。
ステップS819において当たりではないと判定した場合(ステップS819:No)、そのまま処理を終了する。当たりであると判定した場合(ステップS819:Yes)、補助遊技を開始させ(ステップS820)、処理を終了する。また、ステップS812とステップS813において、セットする普通図柄変動時間に具体的な数値を挙げたが、一例に過ぎない。
図9は、普通図柄抽選における当たりの種別を示す説明図である。ぱちんこ遊技機は、ゲート106を遊技球が通過すると、普通図柄抽選に用いる当たり乱数を取得する。そして、図9に示す普通図柄抽選テーブル900を用いて、当たり判定をおこなう。具体的には、図5に示したステップS504(当たり乱数の取得)では、0〜9のうちのいずれかの整数である当たり乱数が取得される。
このとき取得された乱数値が0〜3のいずれかであると、図8に示したステップS805(当たり乱数判定)において、長開放当たりと判定される。すなわち、普通図柄抽選において長開放当たりが当選する割合は、4/10となっている。
また、同様に、ステップS504において取得された乱数値が4〜7のいずれかであると、ステップS805において、短開放当たりと判定される。すなわち、普通図柄抽選において短開放当たりが当選する割合は4/10となっている。また、ステップS504において8もしくは9が取得された場合、ステップS805においてはずれと判定される。すなわち、普通図柄抽選において当たりに当選しない割合は2/10である。なお、ここで、各項目に具体的な数値を挙げたが、これに限るものではない。
図10は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。特別図柄処理とは、図4のステップS403の図柄処理に含まれる一処理である。まず、特別図柄処理において、大当たり中か否かを判定し(ステップS1001)、大当たり中であると判定した場合(ステップS1001:Yes)、そのまま処理を終了する。
ステップS1001において、大当たり中ではないと判定した場合(ステップS1001:No)、特別図柄変動中か否かを判定し(ステップS1002)、特別図柄変動中でないと判定した場合(ステップS1002:No)、特別図柄保留数Uが1以上であるか否かを判定する(ステップS1003)。特別図柄保留数Uが1以上ではないと判定した場合(ステップS1003:No)、そのまま処理を終了する。
ステップS1003において、特別図柄保留数Uが1以上であると判定した場合(ステップS1003:Yes)、特別図柄保留数Uを1減算した値を新たな特別図柄保留数Uとする(ステップS1004)。その後、大当たり乱数判定をおこない(ステップS1005)、その結果が大当たりか否かを判定する(ステップS1006)。大当たりだった場合(ステップS1006:Yes)、大当たり図柄乱数を取得して、ステップS1004において減算した分の特別図柄保留数Uは、上始動口105aから入賞した際の特別図柄保留数Uか否かを判定する(ステップS1007)。ステップS1006において大当たりでなかった場合(ステップS1006:No)、後述するステップS1011をおこなう。
ステップS1007において、上始動口105aから入賞した際の特別図柄保留数Uであると判定した場合(ステップS1007:Yes)、上述した図3の上始動口用テーブルを選択し(ステップS1008)、大当たり図柄乱数判定をおこなう(ステップS1010)。ステップS1007において、上始動口105aから入賞した際の特別図柄保留数Uではないと判定した場合(ステップS1007:No)、下始動口用テーブルを選択し(ステップS1009)、ステップS1010をおこなう。
ステップS1010をおこなった後、特別図柄変動パターン選択処理をおこない(ステップS1011)、特別図柄変動開始コマンドをセットし(ステップS1012)、特別図柄変動を開始し(ステップS1013)、特別図柄変動時間の計測を開始し(ステップS1014)、処理を終了する。
ステップS1002において、特別図柄が変動中であると判定した場合(ステップS1002:Yes)、所定の変動時間(ステップS1011にて選択された変動時間)が終了したか否かを判定し(ステップS1015)、所定の変動時間が終了していないと判定した場合(ステップS1015:No)、そのまま処理を終了する。ステップS1015において、所定の変動時間が終了したと判定した場合(ステップS1015:Yes)、特別図柄変動停止コマンドをセットし(ステップS1016)、特別図柄の変動を終了し(ステップS1017)、計測された変動時間をリセットし(ステップS1018)、停止中処理をおこない(ステップS1019)、処理を終了する。
図11は、電動チューリップ処理の処理内容を示すフローチャートである。電動チューリップ処理とは、図4のステップS404の電動役物制御処理に含まれる一処理である。電動チューリップ処理において、まず、補助遊技中であるか否かを判定し(ステップS1101)、ステップS1101において補助遊技中ではないと判定した場合(ステップS1101:No)、そのまま処理を終了する。
ステップS1101において、補助遊技中であると判定した場合(ステップS1101:Yes)、オープニング中であるか否かを判定する(ステップS1102)。オープニング中であると判定した場合(ステップS1102:Yes)、オープニング期間が経過したか否かを判定し(ステップS1103)、オープニング期間が経過していないと判定した場合(ステップS1103:No)、そのまま処理を終了する。ステップS1102において、オープニング中ではないと判定した場合(ステップS1102:No)、後述するステップS1110以降の処理をおこなう。ステップS1103において、オープニング期間が経過したと判定した場合(ステップS1103:Yes)、確変/時短状態であるか否かを判定する(ステップS1104)。確変/時短状態であれば(ステップS1104:Yes)、開放期間を3秒にセットする(ステップS1105)。確変/時短状態でなければ(ステップS1104:No)、長開放当たりの補助遊技中であるか否かを判定する(ステップS1106)。
ステップS1106において、長開放当たりの補助遊技中であると判定した場合(ステップS1106:Yes)、開放期間を0.3秒にセットする(ステップS1107)。長開放当たりの補助遊技中ではないと判定した場合(ステップS1106:No)、開放期間を0.15秒にセットする(ステップS1108)。ステップS1105、S1107、S1108において、セットする開放期間は、図7に示したテーブル700を用いて決定される。また、本実施の形態において、上述したステップS1104〜S1108における処理をおこなうことで、普通図柄抽選により当選した当たりの種別に応じて電動チューリップ122の開放期間を変更することができる。
ステップS1105、S1107、S1108において、開放期間をセットした後、始動口ソレノイド225を制御して電動チューリップ122を開放し(ステップS1109)、開放期間が経過したか否かを判定する(ステップS1110)。ステップS1110において、開放期間が経過していないと判定した場合(ステップS1110:No)、そのまま処理を終了する。ステップS1110において、開放期間が経過したと判定した場合(ステップS1110:Yes)、電動チューリップ122を閉口し(ステップS1111)、補助遊技を終了し(ステップS1112)、処理を終了する。
図12−1は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャート(その1)である。大入賞口処理とは、図4のステップS404に示した電動役物制御処理に含まれる一処理である。大入賞口処理においては、まず、大当たり中であるか判断する(ステップS1201)。大当たりとしては、たとえば、15ラウンド確変/通常大当たり、2ラウンド確変大当たりなどがある。
ステップS1201において、大当たり中でないときは(ステップS1201:No)、そのまま処理を終了する。大当たり中のときには(ステップS1201:Yes)、オープニング中であるか判断する(ステップS1202)。ここで、オープニングとは、大入賞口開放前の所定の期間をいう。
ステップS1202においてオープニング中でなければ(ステップS1202:No)、図12―2に示すステップS1221へ移行する。オープニング中であれば(ステップS1202:Yes)、所定のオープニング期間が経過したか判断する(ステップS1203)。オープニング期間が経過していなければ(ステップS1203:No)、そのまま処理を終了する。
オープニング期間が経過していれば(ステップS1203:Yes)、ラウンド数設定処理を実行する(ステップS1204)。ラウンド数設定処理では、図10のステップS1010においておこなった大当たり図柄乱数判定の判定結果に応じたラウンド数が設定される。たとえば、15ラウンド確変/通常大当たりに当選している場合には15ラウンドを設定する。また、2ラウンド確変大当たりに当選している場合には2ラウンドを設定する。
ステップS1204においてラウンド数設定処理を実行した後、大当たり用の値(ラウンド数)Rを1加算した値を新たなRとする(ステップS1205)。ステップS1205において、新たなRを得ると、大入賞口ソレノイド231を制御して、大入賞口109を開放させる(ステップS1206)。
ステップS1206において大入賞口109を開放させた後、開放開始時からの所定期間(たとえば30秒)が経過したか判断する(ステップS1207)。この期間は、大当たりの種別毎に設定される。たとえば、15ラウンド確変/通常大当たりでは30秒に設定され、2ラウンド確変大当たりでは1秒に設定される。所定期間が経過していないときには(ステップS1207:No)、大入賞口109への遊技球の入賞数Cが9であるか判断する(ステップS1208)。入賞数Cが9であるときには(ステップS1208:Yes)、大入賞口109を閉口させる(ステップS1209)。入賞数Cが9でないときには(ステップS1208:No)、処理を終了する。
一方、ステップS1207において開放期間が経過したときには(ステップS1207:Yes)、ステップS1209へ移行し、大入賞口109を閉口させる。すなわち、大入賞口109は、所定の開放期間の経過または所定の入賞数のいずれか一方が満たされた場合に閉口される。特に、2ラウンド確変大当たりでは開放期間が1秒に設定されるため、この間に大入賞口109へ入賞させることは困難である。このため、2ラウンド確変大当たりは、15ラウンド確変/通常大当たりに比べて、得られる賞球数が極めて少ない大当たりとなっている。
ステップS1209において大入賞口109を閉口させた後、最終ラウンドとなったか判断する(ステップS1210)。たとえば、ステップS1204のラウンド数設定処理において設定されたラウンド数が15ラウンドであれば、R=15の場合に最終ラウンドとなる。また、ラウンド数設定処理において設定されたラウンド数が2ラウンドであれば、R=2の場合に最終ラウンドとなる。
ステップS1210において最終ラウンドでないときには(ステップS1210:No)、処理を終了する。最終ラウンドであるときには(ステップS1210:Yes)、エンディングを開始する(ステップS1211)。ここで、エンディングは、大入賞口109閉口後の所定の期間をいう。
ステップS1211においてエンディングを開始した後、大当たり用の値Rを0とし(ステップS1212)、所定のエンディング期間が経過したか判断する(ステップS1213)。エンディング期間が経過していれば(ステップS1213:Yes)、大当たりを終了し(ステップS1214)、処理を終了する。エンディング期間が経過していなければ(ステップS1213:No)、そのまま処理を終了する。
図12−2は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャート(その2)である。図12−1に示したステップS1202においてオープニング中でなければ(ステップS1202:No)、大入賞口109が開放中であるか判断する(ステップS1221)。開放中であれば(ステップS1221:Yes)、図12−1に示したステップS1207へ移行する。開放中でなければ(ステップS1221:No)、所定のインターバル中であるか判断する(ステップS1222)。ここで、インターバルとは、大入賞口109の前回の開放(たとえば1ラウンド目の開放)から次回の開放(たとえば2ラウンド目の開放)までの所定期間である。
ステップS1222においてインターバル中でなければ(ステップS1222:No)、図12−1に示したステップS1213へ移行する。一方、インターバル中であれば(ステップS1222:Yes)、所定のインターバル期間が経過したか判断する(ステップS1223)。ステップS1223においてインターバル期間が経過したときには(ステップS1223:Yes)、図12−1に示したステップS1205へ移行する。インターバル期間が経過していないときには(ステップS1223:No)、処理を終了する。
以上に説明したように、本実施のぱちんこ遊技機は、電動チューリップ122を開放させる開放期間がそれぞれ異なるように普通図柄抽選における当たりの種別を複数有する構成とした。これにより、本実施のぱちんこ遊技機によれば、普通図柄抽選に対する遊技者の興味を惹くことができ、遊技性の向上を図ることができる。たとえば、本実施のぱちんこ遊技機では、普通図柄が変動されると、遊技者はより開放期間の長い長開放当たりに当選するように期待することができるので、普通図柄抽選に対する遊技者の興味を惹くことができ、遊技性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態のぱちんこ遊技機では、電動チューリップ122を長期間開放することによって遊技球が下始動口105bへ入賞する機会が増加し、ベースが上がりすぎる場合がある。そこで、本実施のぱちんこ遊技機は、電動チューリップ122開放時に下始動口105bへ入賞したときの賞球数を、電動チューリップ122を開放させた当たりの種別に応じて異なる構成とした。これにより、本実施の形態のぱちんこ遊技機によれば、通常時の長開放当たりの補助遊技時には下始動口105bに入賞した場合の賞球数を少なく設定することで、ベースが上がりすぎてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態のぱちんこ遊技機によれば、それぞれの当たりの種別毎に、当選時におこなう動作内容を調整することで、所望のベースに設定することができる。具体的には、それぞれの当たりの種別毎に、補助遊技における電動チューリップ122の開放期間と、補助遊技中の賞球数とを任意に調節することで、所望のベースに設定することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、普通図柄抽選において当選する当たりのバリエーションを増加させることにより、その抽選結果に基づく普通電動役物の動作のバリエーションも増加させて遊技性の向上を図るとともに、当たりの種別に応じて賞球数を異なるようにしてベースが上がりすぎることを防止することができる。