以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態の説明において記す前後左右とは、遊技者から見た、つまり遊技盤に向かって見た方向を指すものとする。
(第1の実施の形態)
以下では、図1を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る遊技機1について説明する。図1は、遊技用装置100の全体の構成を示す正面図である。
遊技用装置100は、実際に遊技を行い遊技媒体を払出可能な遊技機1と、遊技機1に併設され有価価値を記憶する記憶媒体が挿入されるカードユニット70(遊技媒体貸出装置)とを備える。
まず、遊技機1について説明する。
遊技機1の前面枠2は、遊技機1を設置するための島設備に固定される機枠(図示省略)にヒンジ4を介して一側部が左右に開閉回動自在に取り付けられる。前面枠2は、略正方形状の開口部を有し、その開口部には遊技盤5が取り付けられる。また、前面枠2には、ガラス枠6がヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられ、ガラス枠6の開口部には透明なカバーガラス12が取り付けられる。
遊技盤5には、遊技盤表面に設けられたガイドレール10によって略円形状の遊技領域11が区画形成される。遊技者は、カバーガラス12を通じて遊技領域11を視認することができる。
前面枠2における遊技盤5の下方には、遊技領域11内に遊技球(パチンコ球)を1つずつ順次発射する発射装置(図示省略)の発射操作部15、球貯留部16aを有し遊技球を発射装置に案内する上皿16、上皿16の球貯留部16aをオーバーフローした遊技球を貯留可能な下皿17、下皿17に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構18、及び灰皿19等が配設される。
遊技機1は、遊技者の発射操作部15の操作に基づいて発射装置から発射された遊技球が遊技領域11内を流下することにより遊技を行うものである。
遊技領域11のほぼ中央には、略長方形状の開口窓部21aを有するセンターケース21が配設される。センターケース21の後方には、複数の識別情報を変動表示する変動表示装置22が、その表示部22aがセンターケース21の開口窓部21aに臨む状態で配設される。センターケース21の上部には、装飾部材である可動部材13が設けられ、センターケース21の右下部にも、装飾部材である回転部材14が設けられる。
変動表示装置22は、表示部22aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域等)を設定して各表示領域の各々で独立して画像表示がなされる表示装置である。本実施の形態では、例えば、任意の画像を表示可能なLCD(液晶表示器)等で表示画面部分が構成され、この表示画面上の各変動表示領域には複数の識別情報(特図:特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。特図変動表示ゲームが、変動表示ゲームに該当する。
上皿16の前面には、変動表示装置22において特図変動表示ゲームが行われる際に、遊技者からの操作入力を受け付けるためのセレクトボタン36と、演出用プッシュボタン37とが配設される。遊技者がセレクトボタン36を操作することによって、変動表示装置22における特図変動表示ゲームの演出内容を選択することができ、また、遊技者が演出用プッシュボタン37を操作することによって、変動表示装置22における特図変動表示ゲームにて、遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。
遊技領域11におけるセンターケース21の下方には、第1の始動入賞領域をなす第1始動口24aが配設される。第1始動口24aの下方には、第2の始動入賞領域をなす第2始動口24bを有し、遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能で、第2始動口24bへの入賞率を変動させるいわゆる電チュー(電動チューリップ)と呼ばれる普通変動入賞装置(普通電動役物)23が配設される。これらの始動口24a,24bの下方には、変動表示装置22の作動結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)25が配設される。
特別変動入賞装置25は、開状態と閉状態とに変換可能な上扉25aと下扉25bとを備える。特別変動入賞装置25については、後で図8,図9を参照しながら詳細に説明する。また、遊技領域11における始動口24a,24bの左右側方には、普通図柄(普図)変動表示ゲームの普図始動ゲート26が配設される。
遊技領域11には、この他に、遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口28、遊技球の落下方向を変える風車29や釘(図示省略)等の方向変換部材、及び入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口30が配設される。
遊技盤5の右下部には、大当たりの決定ラウンド数表示、特図変動表示ゲームの特図の変動表示、特図入賞記憶数(始動記憶数)、普図変動表示ゲームの普図の変動表示、及び普図入賞記憶数を表示する表示器32が設けられる。表示器32については、後で図2を参照しながら詳細に説明する。
発射装置によって打ち出された遊技球は、ガイドレール10の左側部に区画され遊技球を案内する発射球案内通路31から遊技領域11に発射され、遊技領域11内の各所に配置された風車29等の方向変換部材によって落下方向を変えながら遊技領域11を流下し、始動口24a,24b、一般入賞口28、特別変動入賞装置25に入賞するか、遊技領域11の最下部に設けられたアウト口30から排出される。
始動口24a,24b、一般入賞口28、特別変動入賞装置25に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出制御装置(図示省略)から上皿16に排出され、遊技者に付与される。
具体的には、始動口24a,24bへ遊技球の入賞があると始動条件が成立し、変動表示装置22では、前述した数字等で構成される識別情報が順に変動表示する特図変動表示ゲームが開始され、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。
始動口24a,24bへの入賞が所定のタイミングでなされたときには大当たり状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置25は、上扉ソレノイド139,下扉ソレノイド140(図3参照)への通電によって、特別変動入賞装置25が所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。即ち、特別変動入賞装置25が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
また、普図始動ゲート26を遊技球が通過すると、表示器32で普図変動表示ゲームが開始される。普図始動ゲート26への遊技球の通過が所定のタイミングでなされたときには普図に関する当たり状態となり、表示器32に表示される普図が当たり状態で停止する。このとき、第2始動口24bを有する普通変動入賞装置23は、普通電動役物(普電)ソレノイド138(図3参照)への通電によって、第2始動口24bへの入口が所定の時間だけ拡開するように変換され、遊技球の第2始動口24bへの入賞可能性が高められる。
次に、カードユニット70について説明する。
カードユニット70の中央部には、プリペイドカード又は会員カード等のカードが挿入可能なカード挿入口71が設けられる。
プリペイドカード又は会員カード等のカードには、当該カードの一意な識別子、当該カードの所有者(遊技者)の会員情報、及び残高等が記憶されている。会員情報には、カードの所有者の住所、氏名、年齢、及び職業等が登録されている。
遊技機1の上皿16の上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン34、及び、カードユニット70からプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン35が設けられている。これらのボタン34,35と並んで、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部33が設けられる。
カード挿入口71にカードが挿入された場合、カードリーダ・ライタ(図示省略)によって、カードに記憶された情報が読み出される。そして、カードリーダ・ライタによって読み出されたカードに記憶された残高が、残高表示部33に表示される。
以下では、図2を参照しながら、表示器32について説明する。図2は、図1における表示器32近傍の拡大正面図である。
表示器32は、大当たり時に特別変動入賞装置25が開状態になるラウンド数を表示する決定ラウンド数表示器41と、普図始動ゲート26を通過する遊技球によって点灯又は点滅する普図変動表示器42,普図入賞記憶表示器43と、始動口24a,24bに入賞する遊技球によって表示が変動する第1特図変動表示器44,第2特図変動表示器46と、始動口24a,24bに入賞する遊技球によって点灯又は点滅する第1特図入賞記憶表示器45,第2特図入賞記憶表示器47とを備える。
決定ラウンド数表示器41は、2R(ラウンド)大当たり502(図5,図6参照)を表示するLED(light−emitting diode:発光ダイオード)41aと、15R(ラウンド)大当たり503(図5,図6参照)を表示するLED41bとを備える。ここで、2R,15Rのように示されるラウンド数とは、大当たり(特別遊技状態)において特別変動入賞装置25が開状態になる回数である。即ち、2R大当たり502では特別変動入賞装置25は2回開状態になり、15R大当たり503では特別変動入賞装置25は15回開状態になる。
普図変動表示器42は、二つのLEDを備え、普図始動ゲート26を遊技球が通過した際に、普図変動表示ゲームの普図の変動表示をする。
普図入賞記憶表示器43は、二つのLEDを備え、普図始動ゲート26を遊技球が通過した個数(1〜4個)である普図入賞記憶数を表示する。
第1特図変動表示器44と第2特図変動表示器46とは、7セグメントのLED表示器であり、特図変動表示ゲームの特図の変動表示を行う。
第1特図入賞記憶表示器45と第2特図入賞記憶表示器47とは、二つのLEDを備え、始動口24a,24bに入賞した遊技球の個数(1〜4個)である特図入賞記憶数を表示する。
ここで、普図入賞記憶表示器43,第1特図入賞記憶表示器45,及び第2特図入賞記憶表示器47は、二つのLEDで1個から4個までを表示するために、例えば1,2個では点灯し、3,4個では点滅させることで区別する。
以下では、図3を参照して遊技機1の各制御装置について説明する。図3は遊技機1の制御のブロック図である。
遊技機1は、遊技機1で行われる遊技を統括的に制御する遊技制御装置110と、遊技機1で行われる遊技の演出を制御する演出制御装置120とを備える。
まず、遊技制御装置110について説明する。
遊技制御装置110は、遊技用マイクロコンピュータ111、CLK(クロック信号発生装置)116、及び入出力I/F(Interface)115を備える。
遊技用マイクロコンピュータ111は、CPU112、ROM(Read Only Memory)113、及びRAM(Random Access Memory)114を備える。
CPU112は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM113は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM114は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
CPU112は、入出力I/F115を介して第1始動口センサ24E、第2始動口センサ24F、普図ゲートセンサ26E、一般入賞口センサ28E、上部センサ25E、下部センサ25F等の各種入賞装置からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
また、CPU112は、入出力I/F115を介して、特図変動表示器44,46、特図入賞記憶表示器45,47、普図変動表示器42、普図入賞記憶表示器43、普電ソレノイド138、上扉ソレノイド139、下扉ソレノイド140、及び外部情報端子板141に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
特図変動表示器44,46には、遊技球が始動口24a,24bに入賞した場合に行われる特図変動表示ゲームが表示される。普図変動表示器42には、遊技球が普図始動ゲート26に入賞した場合に行われる普図変動表示ゲームが表示される。
上扉ソレノイド139と下扉ソレノイド140とは、特別変動入賞装置25の大入賞口を所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)にする。
普電ソレノイド138は、第2始動口24bを有する普通変動入賞装置23を開放して、第2始動口24bへの入口を所定の時間だけ開放させる。
遊技制御装置110は、遊技データ(特別遊技状態の発生、特図変動表示ゲーム実行、及び賞球排出数等)を、外部情報端子板141を介して情報収集端末装置(図示省略)に出力する。
外部情報端子板141は、遊技用マイクロコンピュータ111の設定情報等を検査する検査装置等の外部機器と遊技用マイクロコンピュータ111を接続する。
遊技制御装置110は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として、入出力I/F115を介して、演出制御装置120へ送信する。
次に、演出制御装置120について説明する。
演出制御装置120は、遊技制御装置110から入力される各種信号と、回転部材14用のモータ位置検出センサ135、演出用プッシュボタンセンサ136、及びセレクトボタンセンサ137からの信号とに基づいて、スピーカ131、装飾ランプ・LED132、可動部材13用のソレノイド133、回転部材用モータ134、及び液晶表示装置150を制御する。
演出制御装置120は、CPU121、ROM122、RAM123、入出力I/F124、及びCLK125を備える。
CPU121は、遊技制御装置110からの指令に基づいて、各種演出を制御する主制御装置である。ROM122は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM123は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。本実施形態では、CPU121として第1CPU121a及び第2CPU121b、ROM122として第1ROM122a及び第2ROM122b、RAM123として第1RAM123a及び第2RAM123bが、それぞれ設けられる。
演出制御装置120は、通信I/F160を介して遊技制御装置110に接続されている。
入出力I/F124には、スピーカ131、装飾ランプ・LED132、可動部材用ソレノイド133、回転部材用モータ134、及び液晶表示装置150が接続される。装飾ランプ・LED132は、装飾部材の内部に設けられ、装飾部材を点灯させる。
以下では、図4を参照して遊技機1における遊技の概要を説明する。図4は、遊技の流れを示す状態遷移図である。
まず、遊技開始当初(あるいは遊技開始前)の時点では、客待ち状態となっており、客待ち画面の表示を指令する信号が遊技制御装置110から演出制御装置120に送信され、変動表示装置22の画面には客待ち画面(動画または静止画)が表示される。
そして、遊技盤5の遊技領域11に打ち出された遊技球が始動口24a,24bに入賞すると、その入賞に基づき、遊技制御装置110によって所定の乱数が抽出され、特図変動表示ゲームの大当たりの抽選が行われると共に、遊技制御装置110から演出制御装置120に変動表示を指令する信号が送信され、変動表示装置22の画面の左,中,右の変動表示領域に複数の図柄の変動表示が開始される。
この変動表示の開始後、所定時間経過すると、変動表示は例えば左,右,中の順に仮停止(例えば、停止位置にて図柄を微少に変動させること等)されていくが、この過程でリーチ状態(例えば、左の図柄と右の図柄が大当たりの組合せを発生する可能性のある組合せであり、通常よりも大当たりとなる期待が持てる状態)が発生すると、所定のリーチ遊技が行われる。このリーチ遊技では、例えば中の図柄の変動表示を極低速で行ったり、高速変動したり、変動表示を逆転したりする。また、リーチ遊技に合わせた背景表示、キャラクタ表示が行われる。
なお、仮停止状態とは遊技者が図柄を略停止状態として認識可能な状態であり、最終停止態様が確定しない状態であり、停止状態とは、この仮停止状態と図柄が停止した状態を含む状態である。なお、仮停止状態の具体例としては、停止位置での微少変動の他に、図柄を拡大縮小表示したり、図柄の色を変化させたり、図柄の形状を変化させる等の態様がある。
そして、大当たり抽選の結果が大当たりであれば、最終的に左,中,右の図柄が所定の大当たりの組合せで停止され、大当たり(大当たり遊技=特定遊技価値の付与)を行う、特別遊技状態が生起される。
この大当たり遊技が発生すると、特別変動入賞装置25が所定期間にわたって開かれる特別遊技が行われる。この特別遊技は、特別変動入賞装置25への遊技球の所定数(例えば10個)の入賞または所定時間の経過(例えば30秒)を1単位(1ラウンド)として実行され、規定ラウンド(例えば15ラウンド)繰り返される。また、大当たり遊技が発生すると、大当たりのファンファーレ表示、ラウンド数表示、大当たりの演出表示等、遊技制御装置110から演出制御装置120に大当たり遊技の表示を指令する信号が送信され、変動表示装置22の画面に大当たり遊技の表示(特別遊技状態が発生していることを示す画像の表示)が行われる。
この場合、大当たりが特定の大当たりであれば、大当たり遊技後に特定遊技状態が発生し、次回の大当たりの発生確率を高確率にしたり、後述するように遊技球の始動口24a,24bへの入賞に基づく変動表示装置22の特図変動表示ゲームや、普図変動表示器42の普図変動表示ゲームの変動表示時間の短縮等が行われる。
特図変動表示ゲーム中あるいは大当たり遊技中に遊技球が始動口24a,24bに入賞したとき(特図入賞記憶の発生時)には、特図変動表示ゲームが終了した後(ハズレのとき)、あるいは大当たり遊技が終了した後に、その特図入賞記憶に基づき、新たな特図変動表示ゲームが繰り返される。また、特図変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)、あるいは大当たり遊技が終了したときに、特図入賞記憶がないときは、客待ち状態に戻される。
以下では、図5から図7を参照して遊技機1における遊技状態の遷移について説明する。図5は、第2始動口24bに遊技球が所定のタイミングで入賞したときの遊技状態の遷移を示す状態遷移図であり、図6は第1始動口24aに遊技球が所定のタイミングで入賞したときの遊技状態の遷移を示す状態遷移図であり、図7(a)は、第1始動口24aに遊技球が入賞したときの当選の内訳を示す図であり、図7(b)は、第2始動口24bに遊技球が入賞したときの当選の内訳を示す図である。
まず、図5を参照しながら第2始動口24bに遊技球が入賞したときの遊技状態の遷移について説明する。
第2始動口24bへの遊技球の入賞が所定のタイミングでなされたときには、通常状態500から小当たり501、2R大当たり502、又は15R大当たり503へと遷移する。
2R大当たり502,15R大当たり503では、特別変動入賞装置25が遊技球を受け入れ易い開状態となる特別遊技状態が発生する。特別遊技状態では、特別変動入賞装置25に遊技球が入賞可能な開状態が複数回繰り返される。15R大当たり503では、特別変動入賞装置25への多くの遊技球の入賞に基づいて、遊技者が大量の遊技球(賞球)を獲得可能としている。
15R大当たり503は、特図変動表示ゲームの結果、例えば変動表示装置22に表示される全ての図柄が7,7,7のように揃った場合に発生する。2R大当たり502は、特図変動表示ゲームの結果、変動表示装置22に表示される図柄が、15R大当たり503に該当する組み合わせ以外の予め定められた所定の組み合わせ(例えば、1,3,5)になった場合に発生する。
15R大当たり503では、特別変動入賞装置25が所定時間だけ開状態になり、開状態になった特別変動入賞装置25に例えば9〜10個程度の遊技球を入賞させるラウンドが15回繰り返される。15R大当たり503のときの特別遊技状態が第2特別遊技状態に該当する。
2R大当たり502では、特別変動入賞装置25が15R大当たり503と比して短時間だけ開状態となるラウンドが2回繰り返される。具体的には、例えば0.5秒間の開状態が2回繰り返される。2R大当たり502のときの特別遊技状態が第1特別遊技状態に該当する。
通常状態500から2R大当たり502又は15R大当たり503に遷移する確率は、例えば1/398の低確率である。
小当たり501では、15R大当たり503の場合の特別遊技状態のように大量の遊技球を獲得可能となるほど特別変動入賞装置25を長時間開放したり、開放を何回も繰り返したりすることなく、特別変動入賞装置25が短時間(例えば、0.3秒)だけの開状態を2回繰り返す。小当たり501では、大当たりの場合とは異なり決定ラウンド数表示器41のLED41a,41bは点灯しない。通常状態500から小当たり501に遷移する確率は、例えば1/300である。ここで、小当たり501と2R大当たり502とでは、特別変動入賞装置25が短時間だけの開状態を2回繰り返す同一の動作をするため、遊技者には小当たり501であるのか2R大当たり502であるのかが判別しにくくなっている。
小当たり501からは通常状態504へのみ遷移可能である。通常状態504からは、前述のように小当たり501、2R大当たり502、又は15R大当たり503に遷移可能である。2R大当たり502からは、第1確変状態505へのみ遷移する。15R大当たり503からは、第1確変状態505、第2確変状態506、又は時短状態507のいずれかに遷移可能である。
確率変動(確変)状態とは、特定遊技状態のひとつであり、特図変動表示ゲームの結果が大当たりとなる確率が、例えば1/398の低確率から10/398の高確率に移行する状態である。確変状態では、普通変動入賞装置23が開放する割合を高くするようになっている。
本実施形態では、確変状態には第1確変状態505と第2確変状態506とがある。第1確変状態505は、変動表示装置22における特図変動表示ゲームの結果が次に大当たりとなるまで後述する電サポが発生する確変状態である。第2確変状態506は、変動表示装置22における特図変動表示ゲームを100回消化する間だけ電サポが発生する確変状態である。つまり、特図変動表示ゲームを100回消化し終えると、電サポは無くなるものの、引き続き特図変動表示ゲームの結果が大当たりとなる確率は高確率状態である。
第1確変状態505からは、小当たり501、2R大当たり502、又は15R大当たり503のいずれかに遷移可能である。第2確変状態506からも同様に、小当たり501、2R大当たり502、又は15R大当たり503のいずれかに遷移可能である。
大当たりから確変状態に遷移する場合であっても、例えば、特別変動入賞装置25を2回だけ短時間開放し、僅かな遊技球若しくは全く遊技球を獲得できない状態で特別遊技状態が終了し、特別遊技状態の終了に伴って当たり確率が高くなる確変状態となる遊技機が知られている。この確変大当たりは、遊技者が遊技状態の変化を認識しにくく、突然に確変状態となったと感じさせることから突然確変(突確)と呼ばれている。2R大当たりから確変状態へと遷移する場合が突確に該当する。2R大当たり502は、変動表示装置22の大当たり表示が15R大当たり503の場合のように一見して大当たりであることが分かるような、全ての図柄が揃ったものではない。また、特別変動入賞装置25が開状態である時間が15R大当たり503の場合よりも短く、開状態になる回数も少ない。そのため、遊技状態の変化を遊技者が認識しにくくなっている。
時間短縮(時短)状態とは、特定遊技状態のひとつであり、変動表示装置22における特図変動表示ゲームの回転時間(変動表示時間)だけでなく、普図変動表示器42の変動表示時間も短縮される状態である。時短状態では、普通変動入賞装置23の開放時間が長くなり、開放回数も多くなる。例えば、通常状態では普図変動表示器42における普図変動表示ゲームの変動表示時間は30秒程度であり、当選すると普通変動入賞装置23は1回だけ0.5秒間開状態になる。これに対して時短状態では、変動表示時間が5秒程度に短縮され、当選すると普通変動入賞装置23は1.5秒間の開状態を3回繰り返す。これにより、遊技球が第2始動口24bに入賞しやすくなる。第2始動口24bに入賞すると、特図変動表示ゲームを1回行えると共に、遊技者に所定の数の賞球が付与されるため、手持ちの遊技球を減らさずに特図変動表示ゲームを消化することができる。時短状態では、普図変動表示器42における普図変動表示ゲームの結果が当たりになる確率を高める場合もある。
また、電サポ(電チューサポート状態)とは、変動表示装置22、普図変動表示器42、及び普通変動入賞装置23の制御内容を時短状態と同様にしたものである。
時短状態507では、変動表示装置22における変動表示時間及び普図変動表示器42の変動表示時間が短縮される。また、普通変動入賞装置23の開放時間が長くなり、開放回数も多くなる。時短状態507は、電サポ100回付きであるため、変動表示装置22における特図変動表示ゲームを100回消化する間だけ電サポが発生する時短状態となり、消化した後は通常状態へと遷移する。ここで、時短状態507と第2確変状態506とでは、いずれも変動表示装置22における特図変動表示ゲームを100回消化する間だけ電サポが発生し、消化した後の変動表示装置22の表示は同一である。よって、電サポが無くなった後の遊技状態が通常状態と確変状態のどちらなのか、即ち低確率状態と高確率状態とのどちらなのかが遊技者には分かりにくい。時短状態507からは、小当たり501、2R大当たり502、又は15R大当たり503のいずれかに遷移可能である。
時短状態においても、確変状態の場合と同様に特別遊技状態が発生しても特別変動入賞装置25を2回だけ短時間開放し、僅かな遊技球若しくは全く遊技球を獲得できない状態で特別遊技状態が終了し、特別遊技状態の終了に伴って時短状態へと遷移する遊技機が知られている。この時短大当たりは、遊技者が遊技状態の変化を認識しにくく、突然に時短状態となったと感じさせることから突然時短(突時)と呼ばれている。本実施形態では設定されていないが、2R大当たり502から時短状態へと遷移する場合が突時に該当する。突時も突確と同様に2R大当たり502から遷移するものであるため、遊技状態の変化を遊技者が認識しにくくなっている。
次に、図6を参照しながら第1始動口24aに遊技球が入賞したときの遊技状態の遷移について説明する。なお、前述した第2始動口24bに遊技球が入賞したときと同一の遊技状態には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
第1始動口24aへの遊技球の入賞が所定のタイミングでなされると、通常状態500から小当たり501、2R大当たり502、又は15R大当たり503へと遷移する。
小当たり501からは通常状態504へのみ遷移可能である。2R大当たり502からは、第3確変状態606と、通常状態504とのいずれかに遷移可能である。第3確変状態は、電サポの発生しない確変状態である。2R大当たり502から第3確変状態606への遷移が、突確(電サポ無し)に該当する。2R大当たり502から通常状態504への遷移は、遊技者が遊技状態の変化を認識しにくく、突然通常状態になったと感じさせることから突然通常(突通)と呼ばれる。15R大当たり503からは、第1確変状態505にのみ遷移可能である。
ここで、小当たりと突確(電サポ無し)と突通(電サポ無し)が発生した場合は、変動表示装置22の表示内容や装飾ランプ・LED132の点灯状態、スピーカ131から発する音などは共通であり、決定ラウンド数表示器41の表示以外で小当たりなのか突確,突通なのかを識別することは困難である。また、突確(電サポ無し),突通(電サポ無し)の場合には、どちらの場合にも決定ラウンド数表示器41の2Rを示すLED41bが点灯しているため、第1特図変動表示器44あるいは第2特図変動表示器46に表示された内容で判断するしか無く、突確なのか突通なのかを識別することは更に困難である。
次に、図7を参照しながら特図変動表示ゲームの当選の内訳について説明する。
第1始動口24aに遊技球が入賞したときと第2始動口24bに遊技球が入賞したときとでは、特図変動表示ゲームの結果が大当たりとなった場合に、2R大当たり502になるか又は15R大当たり503になるかの確率が異なる。具体的には、第1始動口24aから遊技球が入賞した場合には、2R大当たり502になるのは58%であり、15R大当たり503になるのは42%である。第2始動口24bから遊技球が入賞した場合には、2R大当たり502になるのは20%で、15R大当たり503になるのは80%である。このように、第2始動口24bから遊技球が入賞した場合の方が、第1始動口24aから遊技球が入賞した場合よりも15R大当たり503になる確率が高い。即ち、遊技者が多くの賞球を得ることができる可能性が高くなる。
大当たりから確変状態に遷移する確率は、第1始動口24aから遊技球が入賞した場合も、第2始動口24bから遊技球が入賞した場合も、同じ82%である。なお、確変状態において小当たりを除く大当たり(2R,15Rを含む)となる確率は、10/398である。
以下では、図8及び図9を参照して大入賞口ユニット50について説明する。図8は、大入賞口ユニット50の正面図であり、図9(a)は、図8における斜視図であり、図9(b)は、図8における断面図である。
大入賞口ユニット50は、開状態と閉状態とに変換可能である上扉25aと下扉25bとを有する特別変動入賞装置25と、下扉25bが開状態のときに遊技球を入賞させるように誘導する誘導部52,53とを備え、ユニット本体51を介して遊技盤5に取り付けられる。
ユニット本体51は、遊技盤5に締結される平面部51aと、入賞した遊技球を遊技盤5の裏側へ案内するボックス部51bとを備え、6個のビス54によって遊技盤5に取り付けられる。平面部51aは、遊技盤5と略面一になるように取り付けられ、遊技盤5と共に遊技領域11を形成する。ボックス部51bは、遊技盤5に前方から嵌め込まれ、仕切り板51cによって上下に区切られた上部入賞領域57aと下部入賞領域57bとを内側に形成する。
上扉25aは、略矩形の扉で、軸56aによって下端部をユニット本体51に軸支される。上扉25aは、軸支された下端部を回転軸として回転し、上扉ソレノイド139(図3参照)の動作によって開状態と閉状態とに変換可能である。上扉25aが閉状態のときは、ユニット本体51と一体に設けられるストッパ55に当接し、遊技盤5と略面一になる。上扉25aが開状態になると、上扉25aの開口部から入賞した遊技球は上部入賞領域57aに流入する。上部入賞領域57aには、上扉25aから入賞した遊技球を検出する上部入賞球検出手段としての上部センサ25E(図3参照)が設けられ、入賞した遊技球の数をカウントする。
下扉25bは、略矩形の扉で、上扉25aの下方に略平行に設けられ、軸56bによって下端部をユニット本体51に軸支される。下扉25bは、軸支された下端部を回転軸として回転し、下扉ソレノイド140(図3参照)の動作によって開状態と閉状態とに変換可能である。下扉25bは、閉状態において自由端が上扉25aの前面の少なくとも一部に重ね合わされるように当接している。上扉25aが閉状態であり、かつ下扉25bも閉状態のときは、下扉25bの自由端が上扉25aに当接した状態で遊技盤5と略面一になる。下扉25bが開状態になると、下扉25bの開口部から入賞した遊技球は下部入賞領域57bに流入する。下部入賞領域57bには、下扉25bから入賞した遊技球を検出する下部入賞球検出手段としての下部センサ25F(図3参照)が設けられ、入賞した遊技球の数をカウントする。
下扉25bが閉状態のときに上扉25aが開状態になると、上扉25aに自由端が当接している下扉25bは、上扉25aに連動して開状態となる。このとき、下扉25bの開口部β(図10参照)は、最大でも上扉25aが90°の全開状態であるときの上扉25aの長さ分しか開口しない。このように、下扉25bは、上扉25aに連動して開状態となっても全開状態にはならず、半開状態になる。
このように、下扉25bの上部と上扉25aの下部とを重ねて設けることで、単純に上下に並べて配置する場合と比して、上下の高さを小さくすることができる。よって、遊技領域11に占める面積の小さな特別変動入賞装置25を得ることができる。
誘導部52,53は、大入賞口ユニット50の平面部51aに設けられ、特別変動入賞装置25の左右を流下する遊技球の進行方向を略直角に変換する。誘導部52,53は、開状態になっている下扉25bに遊技球を入賞させるように誘導する。図8に示すように、誘導部53は、特別変動入賞装置25との間に遊技球が一つ通過可能な隙間αを隔てて設けられる。反対側の誘導部52についても同様である。
以下では、図10及び図11を参照して大入賞口ユニット50の動作について説明する。図10(a)は、上扉25aが開状態である大入賞口ユニット50の斜視図であり、図10(b)は、図10(a)における断面図であり、図11(a)は、下扉25bが開状態である大入賞口ユニット50の斜視図であり、図11(b)は、図11(a)における断面図である。
遊技球が第1,第2始動口24a,24bに入賞すると、第1、第2特図変動表示器44,46において特図変動表示ゲームが開始されるとともに、変動表示装置22においても特図変動表示ゲームが開始される。
特図変動表示ゲームの結果、大当たりとなると、特別変動入賞装置25が閉状態から開状態に変換される。本実施形態では、15R大当たり503(図5,図6参照)の場合には下扉25bが開状態となり、2R大当たり502(図5,図6参照)の場合には上扉25aが開状態となる。
図11に示すように、下扉25bが開状態になると、遊技領域11を流下してきた遊技球は下扉25bの開口部から下部入賞領域57bに入賞可能となる。入賞した遊技球は遊技盤5の裏側へと案内され、遊技者には所定の数の賞球が付与される。下扉25bの左右を流下してきた遊技球は、誘導部52,53によって下扉25bへと誘導され、下部入賞領域57bへと入賞する場合がある。このように、誘導部52,53を設けることによって、特別変動入賞装置25から離れた位置を流下する遊技球が特別変動入賞装置25に入賞する可能性があるため、遊技の興趣を高めることができる。
図10に示すように、上扉25aが開状態になると、遊技領域11を流下してきた遊技球は上扉25aの開口部から上部入賞領域57aに入賞可能となる。入賞した遊技球は遊技盤5の裏側へと案内され、遊技者には所定の数の賞球が付与される。
また、上扉25aが開状態となる場合には、上扉25aに連動して下扉25bが半開状態となる。このとき、下扉25bの開口部は、開状態である上扉25aによって閉塞されるため、遊技領域11を流下する遊技球が上方から下扉25bの開口部に入賞することはない。また、下扉25b,上扉25a,及び平面部51aによって特別変動入賞装置25の側部に形成される三角形の開口部は遊技球の径よりも小さいため、誘導部52,53から下扉25bに向けて誘導された遊技球が側方から下扉25bの開口部に入賞することもない。ここで、誘導部52,53と下扉25bとは、遊技球が一つ通過可能な隙間αを隔てて設けられる。よって、誘導部52,53によって下扉25bへと誘導された遊技球は、この隙間αから下方の遊技領域11へと流下する。これにより、誘導部52,53と下扉25bとの間に遊技球が挟まって遊技領域11に留まることはない。
下扉25bから入賞した遊技球は下部センサ25Fで検出され、上扉25aから入賞した遊技球は上部センサ25Eで検出される。本実施形態では、上扉25aから遊技球が入賞した場合の賞球数と、下扉25bから遊技球が入賞した場合の賞球数とを異なるように設定する。具体的には、上部センサ25Eが遊技球を検出した場合の賞球数は、下部センサ25Fが遊技球を検出した場合の賞球数よりも少なく設定する。このように、それぞれの遊技球を別々のセンサで検出することで、遊技球が下扉25bと上扉25aとのいずれから入賞したかによって、付与される賞球数を異ならせている。これによって、賞球数に変化を与え、遊技の興趣を高めることができる。
ところで、2R大当たり502の場合には、15R大当たり503の場合と比して短時間だけの開状態が連続して2回繰り返される。ここで、2R大当たり502を経て遊技状態が確変状態に遷移する突確や、時短状態に遷移する突時などがある。これらの場合、遊技者に遊技状態が突然変化したと感じさせるためには、特別変動入賞装置25が開状態になったことを遊技者に認識されないのが望ましい。本実施形態によれば、2R大当たり502のときには上扉25aが開状態になるが、上扉25aが開状態になっても下扉25bは半開状態にしかならないため、下扉25bが全開状態になるのと比べて遊技者に認識されにくい。つまり、15R大当たり503では下扉25bが全開状態になるのに対して、2R大当たり502ではごく短時間だけ下扉25bは半開状態になるのみであるため、遊技者はその開閉動作に気付きにくい。よって、2R大当たり502から遊技状態が遷移する突確や突時のような場合には、遊技者にあたかも遊技状態が突然変化したように感じさせることができる。
以下では、図12を参照しながら大入賞口ユニット50の球がみ防止処理について説明する。図12は、球がみ防止処理のフローチャート図である。
特別変動入賞装置25においては、遊技領域11を流下する遊技球が、上扉25aとユニット本体51との間に挟まるか、又は下扉25bと上扉25aとの間に挟まる、いわゆる球がみを起こすおそれがある。球がみ防止処理は、このような球がみの状態を解消するためのものである。
球がみ防止処理が開始されると、ステップ1では、下扉25bが開放された大当たりが終了したか否かを判定する。このステップが、判定手段に該当する。ステップ1にて下扉25bが開放された大当たりが終了したと判定された場合には、ステップ2へと移行し、それ以外の場合には終了し、処理を繰り返す。
ステップ2では、上扉ソレノイド139をごく短時間(例えば0.1秒)だけオンにする。すると、上扉25aは開状態になり、時間が経過すると再び閉状態へと戻る。つまり、瞬間的に上扉25aを開いて閉じる動作を行う。これによって、下扉25bと上扉25aとの間に挟まっていた遊技球は、下扉25bから下部入賞領域57bへと案内され、球がみが解消される。
以上の処理を行うことによって、上扉25aの開閉により挟まった遊技球を特別変動入賞装置25の内部へと誘導し、球がみを解消することができる。更に、上扉25aと平面部51aとの間に球がみを起こしている場合にも、上扉25aが開閉することで上扉25aと平面部51aとの間に挟まった遊技球を特別変動入賞装置25の内部へと誘導し、球がみを解消することができる。
以上の第1の実施の形態によれば、以下に示す効果を奏する。
特別変動入賞装置25は上扉25aと下扉25bとを備え、下扉25bは自由端が上扉25aに当接して重ねて配置されるため、特別変動入賞装置25を小型化できる。よって、上扉25aと下扉25bとの動作により多様な形態の大当たりを実現しつつも、遊技領域11に占める面積の小さな特別変動入賞装置25を得ることができる。
また、下扉25bの上部が上扉25aに当接していて、2R大当たり502のときには上扉25aが開状態になるのに連動して下扉25bが半開状態になる。よって、2R大当たり502から遊技状態が遷移する突確や突時のような場合には、遊技者に遊技状態が突然変化したように感じさせることができる。
また、下扉25bと上扉25aのどちらから入賞したかによって賞球数を異ならせるため、遊技の興趣を高めることができる。
次に、図13を参照して第1の実施の形態の変形例である大入賞口ユニット60について説明する。図13は、上扉25aが開状態である大入賞口ユニット60の断面図である。
大入賞口ユニット60は、ユニット本体61のボックス部61bに上下の仕切りを有さず、単一の入賞領域57cを有する点で、大入賞口ユニット50と相違する。
ユニット本体61は、平面部61aとボックス部61bとを備える。ボックス部61bの内側には入賞領域57cが設けられ、入賞領域57cには単一の入賞球検出手段としての遊技球センサが設けられる。つまり、上扉25aと下扉25bのいずれから遊技球が入賞しても、同一の遊技球センサによって遊技球をカウントする。これによって、上下で別個の遊技球センサを備える大入賞口ユニット50と比して、コストを低減できる。また、制御プログラムをシンプルにすることができる。
(第2の実施の形態)
以下では、図14から図17を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の大入賞口ユニット250について説明する。図14は、下扉25bが開状態である大入賞口ユニット250の斜視図であり、図15は、上扉225bが開状態である大入賞口ユニット250の斜視図であり、図16は、図15における端扉25c部の断面図であり、図17は、図15における中央扉25d部の断面図である。なお、以下に示す各実施形態では前述した実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
第2の実施の形態は、上扉225aが左右両端に設けられる端扉25cと、左右の端扉25cの間に設けられる中央扉25dとに分割されている点で、第1の実施の形態と相違する。
端扉25cは、略正方形の扉で、軸(図示省略)によって下端部をユニット本体251に軸支される。端扉25cは、軸支された下端部を回転軸として回転し、開状態と閉状態とに変換可能である。端扉25cが閉状態のときは、ユニット本体251と一体に設けられるストッパ55に当接し、遊技盤5と略面一になる。端扉25cが開状態となり、端扉25cから入賞した遊技球は、上部入賞領域257aに流入する。上部入賞領域257aには、図16に示すように開状態の端扉25cから入賞した遊技球の数をカウントする上部センサ225Eが設けられる。
中央扉25dは、略矩形の扉で、軸256c(図14参照)によって上端部が端扉25cの自由端に軸支される。中央扉25dは、端扉25cに対して軸256cを中心に回転可能である。
端扉25cが閉状態の場合には、中央扉25dは端扉25cと略面一な状態で閉状態を維持する。端扉25cが開状態になると、中央扉25dは軸256cを介して左右の端扉25cに下垂する。ここで、端扉25cが開状態になると、自由端が上扉225aに当接する下扉25bは連動して半開状態になる。よって、中央扉25dは自由に下垂することはなく、図16及び図17に示すように下扉25bにもたれるように当接して開状態となる。
中央扉25dから上扉225aに入賞した遊技球は、図17に示すように下扉25bから入賞した遊技球が案内される下部入賞領域257bへと流下する。下部入賞領域257bには、下部入賞球検出手段としての下部センサ225Fが設けられる。これにより、上扉225aが開状態になると遊技領域11を流下してくる遊技球を受け入れるが、端扉25cと中央扉25dのいずれかから遊技球が入賞するかによって、上部入賞領域257a又は下部入賞領域257bの異なる入賞領域へと遊技球が案内され、上部センサ225E又は下部センサ225Fの異なる遊技球センサで遊技球のカウントが行われる。このように、中央扉25dから入賞した遊技球は、上扉225aに入賞したように見えて下扉25bに入賞し、遊技球の動きが遊技者にとって意外であるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、端扉25cが開状態になり、中央扉25dが下扉25bの内側に下垂した場合には、端扉25cへと流下した遊技球は端扉25cに当たって遊技領域11へと弾き戻される場合があるが、中央扉25dへと流下した遊技球が中央扉25dに当たって遊技領域11へ戻る可能性は低い。よって、上扉25aが開状態である場合、遊技者は端扉25cよりも中央扉25dを狙って遊技を行うため、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、上部センサ225Eが遊技球を検出した場合の賞球数は、下部センサ225Fが遊技球を検出した場合の賞球数よりも少なく設定する。つまり、中央扉25dから入賞した遊技球は、上扉225aに入賞したように見えるが下部入賞領域257bに設けられる下部センサ225Fで検出されるため、端扉25cから入賞した場合より付与される賞球が多い。このように、より多様な入賞の形態が得られることで、遊技の興趣を高めることができる。
(第3の実施の形態)
以下では、図18及び図19を参照しながら、本発明の第3の実施の形態に係る遊技機の大入賞口ユニット350について説明する。図18は、閉状態である大入賞口ユニット350の斜視図であり、図19(a)は、上扉325aが開状態である大入賞口ユニット350の斜視図であり、図19(b)は、図19(a)における断面図である。
第3の実施の形態は、下扉325bの自由端部に回転部材380が設けられる点で、これまでの実施の形態と相違する。この下扉325bに設けられる回転部材380が、第2の回転部材に該当する。
回転部材380は、下扉325bの自由端に軸支されて回転自在に設けられ、上扉325aの前面に当接する。下扉325bが閉状態である場合において、上扉325aが閉状態から開状態になると、図19(b)に示すように、上扉325aは回転部材380のみによって下扉325bと当接する。
よって、上扉325aと下扉325bが回転部材380を介さずに当接するときと比して、上扉325aの開閉がスムーズになり、小さな力で上扉325aを開閉させることができる。また、常に同じ力で上扉325aを開閉させることができるため、2R大当たり502のときに上扉325aが開かなくなるような事態を回避できる。
(第4の実施の形態)
以下では、図20及び図21を参照しながら、本発明の第4の実施の形態に係る遊技機の大入賞口ユニット450について説明する。図20(a)は、閉状態である大入賞口ユニット450の斜視図であり、図20(b)は、図20(a)における断面図であり、図21は、上扉が開状態である大入賞口ユニット450の斜視図である。
第4の実施の形態は、下扉425bだけでなく上扉425aにも回転部材481を設ける点で、第3の実施の形態と相違する。この上扉425aに設けられる回転部材481が、第1の回転部材に該当する。
回転部材480は、下扉425bの自由端に軸支されて回転自在に設けられ、上扉425aの前面に当接する。回転部材480は、左右に間隔を空けて一対設けられる。
回転部材481は、上扉425aの自由端に軸支されて回転自在に設けられる。回転部材481は上扉425aの長手方向の略中央に設けられる。
このように、回転部材480と回転部材481とを左右方向に重ならないように配置することで、回転部材同士での当接を防止している。
以下では、図22を参照して大入賞口ユニット450における上扉425aの開閉動作について説明する。図22(a)〜(d)は、大入賞口ユニット450の上扉425a及び下扉425bの開閉動作説明図である。
図22(a)は、上扉425aと下扉425bとが共に閉状態の場合である。この状態から徐々に上扉425aのみが開動作すると、まず、図22(b)に示すように、下扉425bは、回転部材480が上扉425aの前面に沿って回転し、上扉425aの開動作に連動して開動作する。そのまま上扉425aが開動作を続けると、図22(c)に示すように回転部材480が上扉425aの自由端と当接する。このとき、上扉425aの自由端に設けられる回転部材481が下扉425bと当接する。そのまま開動作を続けると、下扉425bの回転部材480は上扉425aから離間し、上扉425aは、下扉425bと回転部材481のみによって当接しながら、やがて全開状態になる。閉動作を行う場合は、この逆の順序である。
このように、上扉425aと下扉425bとは、回転部材480及び481の少なくとも一方が当接しながら開閉動作を行うため、開閉をスムーズに行うことができる。
以上の実施の形態によれば、上扉425aと下扉425bとが回転部材481を介さずに当接するときと比して、更に開閉がスムーズになり、小さな力で開閉させることができる。また、常に同じ力で上扉425aを開閉させることができるため、2R大当たり502のときに上扉425aが開かなくなるような事態を回避できる。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。