しかしながら、上記の遊技機では、装飾図柄の変動とキャラクタの動作とを関連付けて演出シーンを表示することで、遊技の興趣をある程度高めることができるものの、その演出シーンは、抽選結果により予め決められたものを表示しているので、遊技者は、その演出シーンの表示が終了するまでは単に見ているだけであった。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、表示される演出シーンの内容に遊技者が参加することで、遊技媒体による遊技とは別の異なる遊技をすることができ、興趣が低下するのを抑制することができる遊技機の提供を課題とするものである。
請求項1に記載の遊技機は、少なくともキャラクタ、及び背景が表示される表示手段(演出表示装置115)と、遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段(始動口センサ318)と、前記遊技状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果が当たりであることに基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、少なくとも一つの演出シーンより構成された複数の演出表示態様から所定の演出表示態様を前記表示手段に表示させるとともに、前記抽選手段による抽選結果を前記表示手段にて示唆する演出表示制御手段と、遊技者が操作可能な操作手段(ボタン60)、および、操作が有効である有効時間内における所定の単位時間当たりに連続して操作された前記操作手段の操作回数を判断する操作状況判断手段を有し、あたかも該操作手段の操作状況によって前記有利遊技を発生させることができるかのような表示内容が表示されることで、前記表示手段にて表示中の演出シーンの内容に、遊技者が参加できる演出参加手段(ボタン60及び操作状況判断手段442)と、前記演出表示制御手段によって複数の演出シーンから所定の演出シーンを表示すると共に、前記操作状況判断手段により判断された前記所定の単位時間当たりの前記操作手段の操作回数に基づいて、表示内容を制御可能な特別演出シーンを表示する演出シーン制御手段と、前記特別演出シーンには、少なくとも、前記抽選手段による抽選結果が当たりであることを示す当たり演出シーン(パラメータPHが「0」の表示状態)、前記抽選手段による抽選結果がハズレの可能性があることを示すハズレ演出シーン(パラメータPHが「7」の表示状態)、および、前記当たり演出シーンと前記ハズレ演出シーンとの間で段階的に期待させうる複数の期待演出シーン(パラメータPHが「1」〜「6」の表示状態)が含まれており、前記当たり演出シーンおよび前記ハズレ演出シーンのいずれも未だ表示されていないことを条件に、前記有効時間内である限り、前記操作状況判断手段により判断された前記所定の単位時間当たりの前記操作手段の操作回数に基づいて、前記特別演出シーンにおいて表示される演出シーンが変化しうるように、該演出シーンを、前記所定の単位時間が経過する都度、表示中の演出シーンと比べて、前記当たり演出シーンに近づく演出シーン(パラメータPHがより小さい表示状態)、および、前記ハズレ演出シーンに近づく演出シーン(パラメータPHがより大きい表示状態)を含む演出シーンのうち、いずれかの演出シーンを抽選決定しうる演出シーン決定手段と、を備え、前記演出シーン制御手段は、前記演出シーン決定手段により決定された演出シーンを、前記特別演出シーンとして表示するものであり、前記演出シーン決定手段は、前記所定の単位時間内に操作された前記操作手段の操作回数が所定回数未満であれば、前記抽選手段による抽選結果が当たりであったとしても、表示中の演出シーンと比べて、前記ハズレ演出シーンに近づく期待演出シーンに決定する処理を行う一方で、前記所定の単位時間内に操作された前記操作手段の操作回数が所定回数以上であれば、表示中の演出シーンと比べて、前記ハズレ演出シーンに近づく期待演出シーンに抽選決定する確率よりも高い確率で、前記当たり演出シーンに近づく期待演出シーンに抽選決定する処理を、前記一の特別演出シーンにおける前記有効期間内に、前記所定の単位時間が経過する都度、複数回にわたって繰り返し行うことによって、前記内部抽選の結果が前記表示手段にて示唆されるまでの遊技の過程において、前記操作手段が連続して操作された操作状況に基づいて、前記表示手段に表示される演出シーンの内容を、都度、変化させうるようにしたものである。
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記表示手段は、所定の演出画像が表示される演出画像液晶表示装置であることを特徴とする。
請求項3に記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記特別演出シーンは、前記キャラクタによる勝負演出であり、前記当たりであることを示す当たり演出シーンは、前記勝負演出にて遊技者側が勝利した演出シーンであるとともに、前記ハズレであることを示すハズレ演出シーンは、前記勝負演出にて遊技者側が敗北した演出シーンであることを特徴とする。
手段1:「複数の装飾図柄からなる図柄列、キャラクタ、及び背景を表示するための表示手段と、遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、該遊技状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、該抽選手段の前記抽選結果に基づいて、少なくとも一つの演出シーンより構成された複数の演出表示態様から所定の演出表示態様を前記表示手段に表示させる演出表示制御手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、該操作手段の操作を検出する操作検出手段と、前記演出表示制御手段によって複数の演出シーンから所定の演出シーンを表示すると共に、前記操作検出手段によって検出された操作に応じて表示内容を制御可能な特別演出シーンを表示する演出シーン制御手段とを具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「図柄」とは、数字や記号、あるいはそれらと絵柄との組合わせ等からなる演出用の図柄である。また、「キャラクタ」とは、図柄列及び背景以外の画像を意味しており、小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、植物、又は小道具類、もしくはこの遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、植物、又は小道具類等を例示することができ、これらキャラクタを、その重要度の高い主キャラクタ、主キャラクタに次ぐ重要度の副キャラクタ、副キャラクタよりも重要度の低い脇キャラクタ、等に分類しても良い。
また、「表示手段」としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、またはCRT等を例示することができる。また、「遊技状態検出手段」とは、遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出するものであり、例えば遊技媒体として遊技球を用いた遊技機においては、入賞口や始動口への入球状態を検出するスイッチ、入賞口に入球する遊技球の数をカウントするカウント手段、及び入賞に基づく抽選結果を認識する認識手段を例示することができる。
また、「演出シーン」とは、図柄列、キャラクタ、及び背景を適宜用いて所定の演出動作をさせた複数のカットからなるもので、例えば、「複数の図柄列を変動表示すると共に順次停止表示する第一演出シーン」、「第一演出シーンに続いて表示するものであり、一つの図柄列を変動表示すると共にキャラクタに所定の動作表示をさせ、所定の装飾図柄で停止表示する第二演出シーン」、「第二演出シーンに続いて表示するものであり、装飾図柄とキャラクタとを所定の関係で動的に表示し、所定の装飾図柄で停止表示する第三演出シーン」、「主キャラクタを用いた特別演出シーン」、等を例示することができる。
更に、「演出表示態様」とは、所定数の演出シーンを一連の表示となるように所定順序で表示したものであり、nを自然数とすると、第一演出シーンから第n演出シーンまでの一連で表示される表示態様のことを言う。なお、第一番目に表示される第一演出シーンよりも後に表示される第二演出シーン、第三演出シーン等を、「発展形態」とも称す。
ところで、種々の表示が可能な表示手段を備えた遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段を設けて、その操作手段を操作することで、一種のゲーム性を帯びた表示を可能となし、これにより、遊技媒体による遊技とは異なる遊技を提供可能として、より面白味の有る遊技機とすることが考えられるが、この場合、例えば、あたかも操作手段の操作によって表示動作が行われているような表示内容とすることで、構成を簡単なものとすることができるが、操作手段の操作と無関係な表示であることが判別し易く、すぐに遊技者に飽きられてしまう恐れがある。
手段1の構成によれば、遊技状態が遊技状態検出手段によって検出されて、抽選手段により所定の抽選結果が抽選されると、表示手段に所定の演出表示態様が表示されると共に、表示される演出表示態様において特別演出シーンの表示中に、遊技者が操作手段を操作することで、その操作に応じて特別演出シーンの表示内容が適宜制御されて表示されるものである。これにより、遊技者は操作手段を操作することで、その操作手段の操作に基づいて、特別演出シーンの表示内容を制御することが可能となる。つまり、表示中の演出シーンの内容に参加することができるので、遊技媒体による遊技とは異なる遊技をすることができ、これまでとは違った楽しさを提供することの可能なものとすることができる。
また、操作手段を操作することで遊技者が参加することができるので、例えば、表示手段に表示される背景等を刻々と変化させると共に、操作手段によってキャラクタ等の動きを操作して、ゲーム性の高い演出シーンを構成することが可能となり、より興趣を高められる演出表示とすることができる。
更に、抽選結果に応じて所定の演出シーンを表示するので、これにより、抽選結果と、特別演出シーンとを互いに関連付けることが可能となり、従来では抽選結果を基に単に演出シーンを表示していただけなのに対して、遊技者が演出シーンの内容に参加することで抽選結果を認識させるような演出シーンとすることができる。つまり、例えば、抽選結果が当りの場合、遊技者自身が操作手段を操作して当りを勝ち取ったような演出表示が可能となり、興趣を高めることができる。或いは、抽選結果がハズレの場合、遊技者自身にあと少しで当りだったかも知れないと思わせる演出表示をすることで興趣を低下させるのを抑制することができる。また、遊技者自身が操作手段を操作することで、抽選結果を知ることが可能なものとすることができる。
なお、操作手段による特別演出シーンの制御としては、特別演出シーンに用いられる複数のカットを予め用意しておき、操作手段の操作(操作状況)に基づいて、特別演出シーンにおける表示内容の種々の段階で、その段階や操作状況に応じて、所定の手段を用いて複数のカットから所望のカットを選択し、特別演出シーンに表示させることで、その表示内容を変化させるようにしても良い。
ところで、操作手段を設けて遊技者が参加することのできるものとしても、遊技者が操作手段を操作しなければ、単に演出シーンを表示しているのと変わらなくなる問題が考えられる。そこで、本発明では、以下の構成を加えても良い。例えば、特別演出シーンの表示において操作手段による操作が有効とされている時に、操作手段が操作されていない場合は、例えば案内手段等により遊技者に対して操作手段の操作を促すように視覚的な案内をさせたり、音声や音楽などの音による聴覚的な案内をさせたりするようにしても良く、これにより、操作手段の操作を促すことができる。或いは、特別演出シーンの表示において操作手段による操作が有効とされている時に、操作手段が操作されない場合は、例えば抽選結果が当りの時はハズレに変更したり、有利遊技状態が発生する確率を低くしたりしても良く、これにより、操作手段を操作しないと遊技者にとって不利となるので、操作手段を操作させることができ、操作することで特別演出シーンの面白味を認識してもらうことができる。
手段2:手段1の構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記装飾図柄を前記表示手段に動的に表示させる図柄制御手段と、前記装飾図柄の表示中に前記キャラクタを動的に表示させるキャラクタ制御手段と、及び前記キャラクタの表示中に前記背景を動的に表示させる背景制御手段と、前記操作検出手段によって検出された操作に応じて表示内容が制御される前記特別演出シーンを表示させる特別演出シーン制御手段とを備える」ものであることを特徴とする。
手段2によれば、演出シーン制御手段に、図柄制御手段、キャラクタ制御手段、背景制御手段の他に、特別演出シーンを制御する特別演出シーン制御手段を備えたもので、これにより、装飾図柄、キャラクタや背景を用いて特別演出シーンを含む様々な演出シーンを表示することができ、興趣を高められる演出表示をすることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、「前記操作検出手段の検出結果に基づいて、前記操作手段の操作状況を判断する操作状況判断手段を更に具備し、前記演出シーン制御手段は、前記操作状況判断手段の判断結果に基づいて、前記特別演出シーンの内容を制御して表示する」ものであることを特徴とする。
ここで、「操作状況判断手段」としては、特に限定するものではないが、「所定単位時間当りの操作手段の操作回数により操作状況を判断するもの」、「操作手段の操作方向により操作状況を判断するもの」、「操作手段にかる加速度により操作状況を判断するもの」、等を例示することができる。
手段3によれば、操作状況判断手段によって操作手段の操作状況が判断されると、その判断に基づいて特別演出シーンの内容が制御されるものである。具体的には、例えば、操作手段が操作されていないと判断した場合は、特別演出シーンにおける表示内容を変更せずに表示し、操作手段が操作されていると判断した場合は、その操作の度合いに応じて、例えば、特別演出シーンにおいて表示されているキャラクタ等を所定の方向に移動させる等の表示内容の変更を行う。これにより、操作手段を操作することで、特別演出シーンの表示が変化するので、遊技者がその演出内容を操ることができ、表示される特別演出シーンに対して一体感を与えることができ、興趣を高めることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、「前記操作検出手段の検出結果に基づいて、前記特別演出シーンにおける演出内容を選択する演出内容選択手段を更に具備し、前記演出シーン制御手段は、前記演出内容選択手段による選択結果に基づいて、表示中の前記特別演出シーンの内容を制御して表示する」ものであることを特徴とする。
ここで、「演出内容選択手段」とは、予め複数種類の演出内容を定めておき、操作検出手段の検出結果に基づいて、所定の演出内容が選択されるようなものである。例えば、「操作手段を操作する側が優勢となるような演出内容」、「操作手段を操作する側が劣勢となるような演出内容」、「表示内容がこう着状態となるような演出内容」、等を例示することができる。
手段4によれば、操作手段の操作が検出され、その検出結果に基づいて、所定の演出内容が選択されて、その選択された演出内容が特別演出シーンに反映されるものである。具体的には、例えば、操作手段の操作に応じて、前進するような演出内容が選択されたり、後退するような演出内容が選択されたりすることで、特別演出シーンの表示内容が変化するものである。或いは、特別演出シーンにおいて選択項目を表示させ、操作手段の操作に応じて、選択項目を選択させることで演出内容を選択して特別演出シーンの表示内容を変化させるものである。これにより、操作手段を操作することで、特別演出シーンの表示内容が変化し、その内容の変化を遊技者が意図するものや、意図しないもの等に変化させることができ、抑揚に富んだ面白味のある演出表示をすることができる。なお、上記の操作状況判断手段の判断に基づいても、選択させるようにすることで、操作手段の色々な操作によって表示内容を種々に変更させることが可能となり、より興趣を高められるものとすることができる。
手段5:手段4の構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記演出内容選択手段による選択結果に基づいて、前記特別演出シーンの内容を、前記操作手段を操作する側が、優勢となるような演出表示、状況が変化しないような演出表示、及び劣勢となるような演出表示、の何れかの演出表示をする」ものであることを特徴とする。
手段5によれば、演出内容選択手段の選択結果、つまり、操作手段の操作に応じて、特別演出シーンの内容が、優勢となったり、変化しなかったり、劣勢となったりするように変化する。これにより、遊技者の操作に応じて優勢となったり、劣勢となったりする演出表示がされるので、その表示内容へ感情移入し易くなり、一体感溢れる演出表示をすることができると共に、操作手段を操作したくなるようにすることができる。
手段6:手段4又は手段5の構成において、「前記演出内容選択手段による演出内容の選択を繰返し実行させる繰返し手段を更に具備し、前記演出シーン制御手段は、前記繰返し手段によって繰返される前記演出内容選択手段の選択結果に基づいて、前記特別演出シーンの内容を制御して表示する」ものであることを特徴とする。
手段6によれば、操作手段の操作に応じ、繰返し手段によって特別演出シーンの演出内容が繰返し変更されるので、変化に富んだ演出シーンを表示することができ、面白味の有る表示とすることができる。また、繰返して特別演出シーンの内容を変化させることができるので、遊技者は希望とする演出内容となるように繰返し操作手段を操作するようになり、より一体感の有る演出表示とすることができる。
また、繰返し演出内容を変化させることができるので、特別演出シーンとして、例えば、「綱引き」を行う演出表示とした場合、演出内容選択手段によって、優勢な演出内容として遊技者側が勝つ方向へ、劣勢な演出内容として遊技者側が負ける方向へ綱が移動するように表示させ、操作手段の操作に応じて選択される演出内容を変えることで、綱が前進したり後退したりする表示が可能となる。これにより、「綱引き」の綱が一進一退するような内容のものとすることができ、より面白味のある演出表示とすることができる。
手段7:手段4から手段6までの何れか一つの構成において、「前記演出内容選択手段は、前記演出シーン制御手段による前記特別演出シーンの表示状況に応じて、選択する演出内容の選択基準を変化させる」ものであることを特徴とする。
手段7によれば、特別演出シーンの表示状況に応じて、演出内容の選択基準を変化させるものである。具体的には、例えば、特別演出シーンにおいて、操作手段を操作する遊技者側が劣勢な表示内容であれば、選択基準を変化させて優勢な演出内容が選択され易くなるようしたり、或いは、遊技者側が優勢な表示内容であれば、更に優勢な表示内容とならないように、選択基準を変化させて優勢な演出内容が選択され難くなるようにしたりすることができる。これにより、当初は容易に進むことができるものの、優勢になればなるほど容易に進めなくなるような演出をすることが可能となり、抑揚に富んだ面白味の有るものとすることができると共に、よりゲーム性に富んだものとすることができる。
手段8:手段1から手段7までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン制御手段による前記特別演出シーンの表示に基づいて、前記操作手段の操作を案内する案内手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「案内手段」としては、表示手段に所定の案内表示をすることで視覚的に案内するもの、スピーカー等から音声や音楽など所定の案内音を流すことで聴覚的に案内するもの、などとすることができる。なお、案内手段による案内は、操作手段の操作開始を案内したり、特別演出シーンの表示途中で操作手段の操作を促すように案内したりするものである。
手段8によれば、特別演出シーンが表示されると、案内手段によって操作手段の操作が案内されるので、操作手段の操作を開始するタイミングを認識させたり、操作手段の操作方法を認識させたりすることが可能となり、遊技者に操作手段の操作を促すことができる。また、操作手段の操作が案内されることで、遊技者に対して操作開始までの待機状態における期待感を高めて、よりテンションを高められる効果が期待できる。
手段9:手段1から手段8までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記特別演出シーンの表示中に、前記操作手段による操作を有効とした上で、所定時間の経過又は該特別演出シーンの表示内容が所定条件を満たすと、前記操作手段による操作を無効とする」ものであることを特徴とする。
手段9によれば、特別演出シーンにおいて、操作手段の操作を有効として、操作手段の操作に応じて特別演出シーンを変化させると共に、所定時間経過後又は特別演出シーンの表示内容が所定条件を満たすと、操作手段の操作を無効にして、操作手段の操作によって特別演出シーンが変化しないようにするものである。これにより、所定の期間のみ操作手段の操作が有効とされるので、その期間以外は本来の遊技媒体による遊技に専念することができ、その遊技に集中させることができる。
また、所定の期間のみ操作手段による操作が可能となるので、例えば、その期間内において、操作手段によってキャラクタ等を操作して所定の目的を達成させるような演出表示を行い、所定時間内にそれが達成できるか否かのゲーム性の有るものとすることができる。なお、「特別演出シーンの表示内容が所定の条件を満たす」とは、例えば、ゲーム性の有る表示内容であれば、そのゲームが達成されると所定の条件を満たしたこととなる。
手段10:手段9の構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記案内手段によって前記操作手段の操作を開始する案内がされると、前記操作手段による操作を有効とする」ものであることを特徴とする。
手段10によれば、案内手段によって操作手段の操作開始が案内されると、操作手段の操作に応じて、特別演出シーンの表示内容を変化させることができるものである。これにより、遊技者に対して操作手段の操作開始時期を明確に認識させることができ、操作手段を遅滞無く操作させることができる。
手段11:手段9又は手段10の構成において、「前記演出シーン制御手段によって前記操作手段による操作が無効となると、該特別演出シーンの表示状況、及び前記抽選手段による抽選結果に基づいて、所定の終局カットを表示する終局カット表示手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「終局カット」とは、特別演出シーンにおいて内容的に最後の部分となるカットのことで、必ずしも特別演出シーンの最後のカットとは限らないものである。この終局カットとしては、「操作手段を操作する遊技者側が勝利したことを示す内容のカット」、「操作手段を操作する遊技者側が敗退したことを示す内容のカット」、「操作手段を操作する遊技者側が逆転勝利したことを示す内容のカット」、「操作手段を操作する遊技者側が逆転敗退したことを示す内容のカット」、「操作手段を操作する遊技者側が敗退した後に、当り(大当り)となったことを示すカット」、などがあり、その他のパターンの終局カットとしても良い。
手段11によれば、操作手段による操作が無効となる、つまり、操作手段の操作による演出表示が最終局面となると、そのときの特別演出シーンの表示状況と抽選手段の抽選結果とを基に、所定の終局カットを表示するものである。具体的には、例えば、特別演出シーンにおいて、遊技者側が勝利するような状態で最終局面を迎えた場合、抽選結果が当りであれば勝利したことを示す終局カットを、抽選手段がハズレであれば逆転負けしたことを示す終局カットを表示するものである。これにより、操作手段による操作結果を明確に認識することができ、例えば、勝利であれば達成感を得ることができ、興趣を高めることができる。また、喩え負けたとしても、操作手段による操作が至らなかったように思わせることができ、次回の操作機会を期待させるようにすることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、例えば、特別演出シーンにおいて、遊技者側が負けそうな状態で最終局面を迎えた場合、抽選結果が当りであれば逆転勝利したことを示す終局カットを、抽選結果がハズレであれば負けたことを示す終局カットを表示しても良く、上記と同様の効果を奏する他に、逆転勝利した場合、特に喜びが大きくなり特に興趣を高めることができる。なお、抽選結果が当りでも、終局カットとして一端負けたことを示す表示をした上で当りを示す表示をするようなカットとしても良く、これにより、一端負けたと思わせて当りを示すことで、抑揚に富んだものとすることができる。
手段12:手段9から手段11までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン制御手段により前記操作手段による操作を有効としてから、該特別演出シーンの表示内容が所定条件を満たすまでの時間を計測する時間計測手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
手段12によれば、操作手段の操作が開始されてから、特別演出シーンの表示内容が所定条件を満たすまでの時間を計測するものである。つまり、操作手段を操作して所定の内容を達成するまでに要した時間(達成時間又はクリアタイム)を計測するもので、これにより、この計測時間を、例えば、表示手段等に示すことで、遊技者は、達成時間を認識することが可能となり、達成時間を競うような演出内容に好適に用いることができる。
手段13:手段12の構成において、「前記時間計測手段によって計測された計測時間を記憶する記憶手段と、該記憶手段から記憶された計測時間を抽出する計測時間抽出手段とを更に具備し、前記演出シーン制御手段は、前記特別演出シーンの表示内容が所定条件を満たした上で、前記終局カット表示手段により終局カットが表示された後に、前記計測時間抽出手段によって前記記憶手段から抽出した所定の計測時間と、前記時間計測手段によって計測された計測時間とを表示させる」ものであることを特徴とする。
手段13によれば、特別演出シーンおける終局カットの表示後に、たった今計測された計測時間と、過去に計測された計測時間とを表示するものである。これにより、今回の計測時間(達成時間)と過去の達成時間とを対比させることができ、その時間差を認識させることで、一喜一憂させるような効果が期待できる表示が可能となる。なお、記憶手段から抽出する計測時間を、例えば、上位いくつかの計測時間を抽出して表示するようにしても良く、これにより、今回の計測時間の位置付けが明確になると共に、達成時間を競わせるような演出表示とすることが可能となり、よりゲーム性に富んだものとすることができる。
手段14:手段1〜手段13までの何れか一つの構成において、「前記抽選手段の抽選結果が所定結果である場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段を更に具備し、前記特別演出シーンは、前記有利遊技状態が発生する可能性が高いことを示唆する」ものであることを特徴とする。
ここで、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味ものであり、以下のように種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される入賞口を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させて、遊技球が多量に入賞口に入賞し易くした状態(所謂「大当り状態」)。
(2)パチンコ等の遊技機において、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技球の入賞や通過により大当り状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の入球装置を、通常よりも遊技球が入球し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
(4)スロットマシーン等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う絵柄にてドラムが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(5)スロットマシーン等の遊技機において、ボーナスゲーム状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
手段14によれば、特別演出シーンは、有利遊技状態になる可能性が高いことを示唆するものであることから、遊技者は、特別演出シーンの表示が開始されると、その特別演出シーンが当りを示唆すように終了することを強く望むようになる。これにより、遊技者に対して、有利遊技状態(当り)となるように積極的に操作手段を操作させるようにすることができる。また、遊技者が操作することで特別演出シーンの演出内容に参加した上で、有利遊技状態が発生されるので、遊技者自身が操作手段を操作して有利遊技状態を勝ち取ったような演出とすることができ、より興趣を高めて面白味のあるものとすることができる。
手段15:「遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、特別図柄を表示するための特別図柄表示器と、前記遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段、前記特別図柄表示器において前記特別図柄を変動させるとともに、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記特別図柄の変動を停止させる特別図柄変動制御手段、及び前記抽選手段の抽選結果が所定結果である場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段を有する主基板と、遊技者が操作可能な操作手段と、該操作手段の操作を検出する操作検出手段と、複数の装飾図柄からなる図柄列、キャラクタ、及び背景を表示するための表示手段と、前記主基板から送信される制御コマンドを基に、少なくとも一つの演出シーンより構成された複数の演出表示態様から所定の演出表示態様を前記表示手段に表示させる演出表示制御手段、該演出表示制御手段によって複数の演出シーンから所定の演出シーンを表示すると共に、前記操作検出手段によって検出された操作に応じて表示内容を制御可能な特別演出シーンを表示する演出シーン制御手段を有する周辺基板とを具備する」ものであることを特徴とする。
手段15によれば、制御の内容が、主基板と周辺基板とで分担され、主基板では、遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選するとともに、特別図柄表示器において特別図柄を変動させ抽選結果に基づいて特別図柄の変動を停止させる処理が実行される。また、抽選結果が所定結果である場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる処理も行われる。一方、周辺基板では、主基板から送信される制御コマンドを基に、所定の演出表示態様を表示させる処理と、操作手段の操作に応じて表示内容を制御可能な特別演出シーンを表示させる処理とが実行される。このように、上述の演出表示を周辺基板において行わせることにより、主基板の負担を大きくすることなく、多彩な演出や遊技者が参加可能なゲーム性のある演出を容易に実現させることが可能になる。
手段16:手段1〜手段15のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする。パチンコ遊技機とは、操作ハンドルの操作に対応して発射装置から遊技球を発射し、多数の障害釘、センター役物、始動口、大入賞口、及び表示手段等が組み込まれた遊技領域に遊技球を導くとともに、始動口や大入賞口への入賞に伴い所定数の遊技球を賞球として払い出すものである。また、始動口への入賞を契機として特別図柄表示手段において特別図柄を変動させるとともに、内部的に行われる抽選結果に応じて図柄の変動を停止させるものである。また、特別図柄の変動中、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出表示手段が設けられる場合もある。
手段16によると、パチンコ遊技機において、手段1〜手段15までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段17:手段1〜手段15のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、停止操作機能付きスロットマシーンであることを特徴とする。停止操作機能付きスロットマシーンとは、遊技媒体としてメダルを使用し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、遊技者に有利な特別有利状態としてメダルを払い出すものである。
手段17によると、停止操作機能付きスロットマシーンにおいて、手段1〜手段15までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段18:手段1〜手段15のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機であることを特徴とする。ここで、「パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位として投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、遊技者に有利な特別有利状態として遊技球を払い出すものである。
手段18によると、パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機において、手段1〜手段15までのいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明の遊技機では、表示される演出シーンの内容に遊技者が参加することで、遊技媒体による遊技とは別の異なる遊技をすることができ、興趣が低下するのを抑制することができる遊技機を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン60が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(参照符号なし)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91が配設されており、このセンター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
センター役物91は全体として額縁状の装飾体から構成されており、その上縁部にはキャラクタの頭部をデザインした、キャラクタ体92が一体的に取り付けられている。なお、このキャラクタ体92は、旋回可能な可動役物として機能している。さらに、キャラクタ体92の左右には別のキャラクタをデザインした装飾体93が配設されている。
また、センター役物91の上縁部または左右側縁部には、図示しないワープ入口とともにワープ通路が形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球がワープ入口に入り込むと、ワープ通路を通じてセンター役物91の内側に取り込まれるようになっている。
センター役物91の内側には、その下縁部に球受け棚94(ステージとも称する)が形成されており、この球受け棚94は前後方向に一定の奥行きを有している。ワープ通路を通って取り込まれた遊技球はセンター役物91の内側へ放出され、球受け棚94に誘導される。球受け棚94はその上面にて遊技球を転動させ、その動きにいろいろな変化を与えて遊技に面白みを付加する。
また、センター役物91の下縁部には、その中央位置に球誘導路95が形成されており、この球誘導路95への入口(図示しない)は球受け棚94の上面に形成されている。球受け棚94から球誘導路95の入口に落下した遊技球は、そのまま球誘導路95を通って下方に案内される。
一方、球誘導路95の出口は正面に向けて開口しており、この出口から放出された遊技球は、ほぼ真下に向かって落下する。遊技領域37には、球誘導路95の直ぐ下方位置に入球装置96が配置されており、この入球装置96に遊技球が入球すると始動入賞となる。したがって、球誘導路95から放出された遊技球は、相当高い確率で始動入賞することができるものとなっている。入球装置96は左右一対の可動片97を有しており、これら可動片97を左右に拡開させて入球確率を高くすることが可能となっている。
また遊技領域37には、上記の入球装置96のさらに下方位置にアタッカ装置98が配設されており、このアタッカ装置98は開閉部材99を前後方向に開閉動作させることにより大入賞口を開閉させる。
また、センター役物91の下縁部には、特別図柄表示器(詳細は後述する)として機能する四つのLED110と、抽選の保留状態を示す四つのLED(保留球ランプ)111とが設けられている。四つの保留球ランプ111は、「大当り」の抽選において、保留回数分(最大4回)だけ点灯するようになっている。また、これらの下方には、始動ゲート口113への遊技球7の通過による抽選結果を表示する普通図柄表示器112a、及び抽選状態を表示する状態表示器112b等が設けられている。
その他、遊技領域37には始動ゲート口113や一般入賞口114等が配設されている。また、センター役物91の内側には演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、例えば動画や映像等の画像、或いは可動部材の動作等による演出表示が行われる。なお、演出表示装置115としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、及びCRT等の表示装置を例示することができる。演出表示装置115の表示面はセンター役物91の後側においてその開口窓に臨んで装着されており、センター役物91は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれ、センター役物91の後部及び演出表示装置115の表示装置制御基板116(図10参照)を有する表示装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。ここで、演出表示装置115が本発明の表示手段に相当する。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図11参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図11参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図7に基づき説明する。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[特別図柄表示器の構成について] 図3に基づき説明する。
本実施形態では、センター役物91の下縁部のうち、左側に4つのLED110が配列されており、これらLED110の配列が特別図柄表示器として機能している。また、その右側にある4つのLED111の配列は、保留球ランプとなっている。
本実施形態において、特別図柄表示器の機能はLED110の点灯・消灯によって実現することができる。例えば、始動入賞を契機として4つのLED110をいろいろなパターンで点滅させることにより、特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、4つのLED110の点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止状態を表示する。これにより、抽選が行われると、その結果情報がLED110の点灯・消灯によって報知される。なおLED110の点灯・消灯による特別図柄の変動表示および停止表示の制御は、主制御基板131により行われる。
具体的には、個々のLED110は1色(例えば赤色)の発光タイプであり、各LED110は「消灯」、及び「点灯」の2通りに表示パターンを切り替えることができる。したがって、4つのLED110を配列した場合の点灯・消灯表示パターンは、全部で16通り(24=16)のものを用意することができる。なお、ここでは説明の便宜のために1色だけとしているが、LED110の点灯色は2色以上であってもよい。また、LED110の配置は1箇所にまとまっている必要はなく、ばらばらに配置されていてもよいし、特に盤面上に配置されている必要もない。あるいは、特別図柄を5つ以上のLEDによって表示してもよいし、7セグメントLEDを用いて表示してもよい。
一方で、本実施形態のパチンコ機1では、遊技者に利益が付与される態様として2つの大当り態様が用意されており、これらは(1)「通常(非確変)大当り」、(2)「確変大当り」に区別される。
(1)「通常(非確変)大当り」は、例えば最大30秒間にわたってアタッカ装置98を一定パターンで開閉させるラウンド動作を15ラウンドまで繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当り遊技」と称されている。遊技者は、大当り遊技の間に遊技球を大入賞口に入賞させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、各ラウンド動作は30秒間が経過するか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。また大当り遊技は、ラウンド動作が15回終わると終了となる。
(2)「確変大当り」は、上記(1)と同様の大当り遊技を可能とするものであるが、大当り遊技の終了後、次回大当りの抽選確率を通常時よりも高く設定(例えば、通常の大当り確率が320分の1のところ、5倍の64分の1に変更)する特典が付加される。このため遊技者が確変大当りを引き当てると、次の大当り確率が高くなって大当りを連続的に引き当てる(いわゆる連荘)ことが可能となる。
なお、以上の(1)及び(2)でいう具体的な数値は、本発明の実施において最良のものである。その上で、これら数値については各種の変更が可能であり、最良の数値によって限定されることはない。
また、上記(2)の「確変大当り」によって確率変動状態(高確率状態)になると、毎回の始動入賞を契機として確率変動状態の維持抽選(転落抽選)が行われるものとしてもよい。維持抽選は一定確率で行われ、この維持抽選で落選すると、内部的に高確率状態から低確率状態(通常確率)へ引き戻される処理が行われる。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図12に基づき説明する。
図12は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131には、ゲートセンサ317、始動口センサ318、カウントセンサ319、V入賞センサ330等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板131は、ソレノイド331、特別図柄表示器332、普通図柄表示器112a等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板337には主に保留球ランプ111と、サイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して保留球ランプ111や装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が各ランプ111,353を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。また、図示していないが、これ以外にも、例えばキャラクタ体62等の可動体を駆動させるためのモータまたはソレノイド等の駆動部材が電飾制御基板337,338等に接続されている。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備えている。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明する。
[始動入賞処理について] 図13に基づき説明する。
図13は始動入賞処理のルーチンを示している。
この始動入賞処理では、遊技中に始動入賞が有るか否かが判断される(ステップS101)。具体的には、上記の入球装置96に対応する始動口センサ318から検出信号が入力されると、始動入賞有りと判断され、一方検出信号の入力がなければ、始動入賞は無いものと判断される。
始動入賞が有りと判断された場合(ステップS101においてYES)、次に始動保留数が最大の4より少ないか否かが判断される(ステップS102)。このとき既に始動保留数が4に達していれば(NO)、そのまま始動入賞処理のルーチンがリターンされる。一方、始動保留数が4より少なければ(YES)、次に保留格納処理が行われる(ステップS103)。この保留格納処理では、例えばRAM316内に確保されている保留数カウンタに「1」が加算され、合わせて保留球ランプ(LED)111の点灯個数が1つ増加される。
また、保留格納処理では、合わせて乱数値の取得が行われる。このとき取得される乱数値には、例えば大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数(可変変動カウンタ)、及び演出表示パターン乱数等が含まれている。このうち大当り判定用乱数は、大当りであるか否かを決定するための乱数である。次の大当り図柄用乱数は、大当り判定用乱数によって大当りと判別された場合に使用されるものであり、具体的には、特別図柄表示器332によって停止表示される表示パターン(四つのLED110における点灯状態の組合わせパターン)を特定するための乱数である。そして可変変動用乱数(可変変動カウンタ)は、特別図柄表示器332による図柄の変動時間を可変させるための乱数である。また、演出表示パターン乱数は、演出表示装置115に表示される演出表示の変動表示パターンを特定するための乱数である。以上の各乱数値が取得され、これらが例えばRAM316に格納されると、保留格納処理を終えて本ルーチンがリターンされる。
[遊技作動処理について] 図14に基づき説明する。
図14は始動入賞に伴う遊技作動処理のルーチンを示している。
この遊技作動処理では、最初に始動保留が有るか否かが判断される(ステップS201)。具体的には、保留数カウンタの数値が0でない場合、始動保留が有ると判断され(YES)、次に特別図柄表示器332における特別図柄(点灯状態)が未変動状態か否かが判断される(ステップS202)。このとき特別図柄表示器332にて未だ変動表示が開始されていなければ(YES)、次に保留シフト処理が実行される(ステップS203)。
保留シフト処理では、保留数カウンタの値が「1」だけ減算されるとともに、RAM316の保留格納領域に記憶されている各乱数値の内容をシフトする処理が行われる。そして、これに続いて特図変動設定処理が実行され(ステップS204)、ここでは特別図柄の変動時間の設定や、変動停止時の表示パターンが設定される。なお、特図変動設定処理の内容については、さらに別のフローチャート(図15,図16)を用いて詳しく後述する。
特図変動設定処理(ステップS204)が終了すると、次に情報出力処理(ステップS205)が実行され、ここでは主制御基板131からサブ統合基板336に対して制御情報コマンドの生成・送信が行われる。サブ統合基板336は、受信した制御情報コマンドに基づいて主制御基板131の制御情報(始動入賞・保留の有無、特別図柄の変動・停止表示態様、当り判定結果、確率変動の有無、及び演出画像の変動パターン等)を解釈し、所定の演出動作を制御する。
図14の遊技作動処理では、最後に当り判定処理(ステップS206)が実行される。なお、遊技作動処理の開始時に保留数カウンタの値が0であったり(ステップS201においてNO)、保留数カウンタの値が0でなくとも特別図柄表示器332が変動中であったり(ステップS202においてNO)した場合は、いずれも保留シフト処理(ステップS203)、及び特図変動設定処理(ステップS204)を迂回して情報出力処理(ステップS205)及び当り判定処理(ステップS206)が実行される。
当り判定処理(ステップS206)では、特別図柄の変動開始時にセットされた当りフラグを参照し、当りフラグがセットされていればさらに別の処理(図17)を実行する。
[特図変動設定処理(ステップS204)の詳細について] 図15及び図16に基づき説明する。
図15は、上記の特図変動設定処理に含まれる特図変動設定処理Aの内容を示し、図16は特図変動設定処理Bの内容を示している。
この特図変動設定処理Aでは主に、抽選結果によって特別図柄表示器332による変動時間の設定や停止時の表示パターンの選択が行われる。具体的には、既に取得されている大当り判定用乱数に基づいて抽選の結果が判断され(ステップS301)、当選(大当り)であった場合(YES)は当り時変動設定処理(ステップS302)が実行される。なお、ここでいう「当選」は、上記(1)通常大当り、または(2)確変大当りのいずれかに該当していることを意味する。
これに対し、抽選の結果が外れ、つまり、(1)及び(2)のいずれの当りにも該当してないと判断された場合(NO)、既に取得されている可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値が所定値(例えば1024)と比較される(ステップS303)。可変変動用乱数は例えば0〜65535の範囲内で取得されており、この乱数値が1023未満であれば(YES)、可変変動設定処理(ステップS304)が実行される。逆に、可変変動用乱数の値が1024以上であれば(NO)、ステップS305またはステップS306の各判断を経て変動タイマがセットされる。変動タイマは、特別図柄表示器332による変動時間を設定するためのタイマであり、具体的には、現在の始動保留数が「0」〜「2」であれば(ステップS305においてYES)、所定の変動タイマが比較的長めの10秒にセットされる(ステップS307)。同様に、始動保留数が「3」であれば(ステップS306においてYES)、変動タイマが比較的中程度の8秒にセットされ(ステップS308)、そして始動保留数が「4」であれば(ステップS306においてNO)、変動タイマが比較的短めの6秒にセットされる(ステップS309)(いわゆる保留時短)。いずれにしても、変動タイマがセットされると、続いて特別図柄の停止パターンが選択される(ステップS310〜S312)。停止パターンは、四つのLED110における点灯状態の組合わせを、いずれの当り態様にも該当しないパターンの中から適宜選択する。
以上の特図変動設定処理Aをまとめると、抽選結果がいずれかの当りに該当している場合は、別の当り時変動設定処理(ステップS302)が実行された後に特別図柄の変動表示が開始される(ステップS313)。一方、抽選結果がいずれの当りにも該当しない(外れ)場合は、取得済みの可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値によって64分の1の振り分け率で別の可変変動設定処理(ステップS304)が実行されるが、それ以外(64分の63)の場合は始動保留数に応じて変動タイマの時間が3段階に設定された後に特別図柄の変動表示(ステップS313)が開始されることとなる。
ここで、ステップS304の可変変動設定処理は、「外れリーチ変動」の考え方に基づくものである。すなわち、基本的に抽選で外れた場合は特別図柄の変動時間が始動保留数に応じて次第に短縮されるが(ステップS307〜S309)、外れの場合であっても、ときには始動保留数に関係なく変動時間を長短に変更したり、特別図柄の停止パターンを変更したりすることで、あからさまに外れ変動であることを遊技者に気付かせにくくするものである。なお、この「外れ」を通常の「外れ」と区別するため、「特殊外れ」と称している。この可変変動設定処理では、例えば以下の表1で表されるテーブルによって変動時間が6通りに振り分けられている。
一方、ステップS302の当り時変動設定処理は、0〜65535までの可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値を用いて、例えば以下の表2で表されるテーブルによって変動時間が6通りに振り分けられる。この当り特変動設定処理が実行されると、内部的な当りフラグに「1」がセットされて、本ルーチンがリターンされる。
図16は上記の特図変動設定処理(図14中のステップS204)に含まれる特図変動実行処理Bの内容を示している。先の特図変動設定処理Aによって特別図柄の変動が開始されると、ここでは変動期間中であるか否かが判断される(ステップS401)。具体的には、変動期間中であるか否かは上記の変動タイマを参照することで判断可能であり、変動タイマが作動していると、それによって変動期間中である(YES)と判断され、逆に変動タイマが停止していれば、変動期間中でない(NO)と判断される。
ステップS401で特別図柄の変動期間中であると判断されると、次に変動表示制御処理(ステップS402)が実行される。ここでは、特別図柄表示器332を構成する4つのLED110について、例えば0〜15のカウンタ値を取得しながらこれらを8ビットの値に割り当て、この値を用いて合計4つのスイッチ(LED4個分)のON/OFFを40ms毎に切り替える処理が行われる。これにより、4つのLED110が点滅しながら特別図柄表示器332による高速変動が実現される。なお、ここではカウンタ値を参照してLED110の点灯・消灯を制御しているが、例えば所定の変動パターンテーブルを用いてLED110の点灯・消灯パターンを切り替えることもできる。
この後、変動タイマがカウントアップして変動期間が終了すると、特別図柄の変動期間中ではない(NO)と判断されて、次に停止パターン表示制御(ステップS403)が実行される。この停止パターン表示制御では、先の特図変動設定処理A(図15)等で既に選択されている停止パターンの点灯・消灯表示パターンデータが特別図柄表示器332に送信される。なお、パターンデータの送信は毎回の割込周期(例えば4ms)で行う必要はなく、適宜サンプリングすることでLED110の発光輝度を調整することが好ましい。
[大当り処理について] 図17に基づき説明する。
図17は大当り処理の内容を示している。
内部的に条件装置が作動して大当り処理が実行されると、先ず所定のラウンドカウンタが初期化される(ステップS501)。このラウンドカウンタは例えばRAM内に確保されており、この初期化に伴ってラウンドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了となる。
上記のラウンドカウンタが初期化された後、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ(ステップS502)、続いて大入賞口(アタッカ装置98)が開放される(ステップS503)。そして、次のステップS504では大入賞口の開放期間が設定最大期間(例えば30秒)内であるか否かが判断される。開放期間が設定最大期間内であれば(YES)、次に入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが判断される(ステップS505)。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ(YES)、大入賞口に対応するカウントセンサの検出信号がONになったか否かが判断される(ステップS506)。大入賞口への入賞によりカウントセンサがONになると(YES)、次のステップS507で入賞球数カウンタに「1」が加算され、再度ステップS504の判断が行われる。あるいは、ステップS506で大入賞口への入賞がなく、カウントセンサがONになっていなければ(NO)、入賞球数カウンタが加算されることなくステップS504の判断が行われる。
「通常大当り」または「確変大当り」の場合、通常は設定最大期間である30秒が経過するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ステップS504またはステップS505の判断が否定(NO)されるので、ラウンド終了のために大入賞口が閉止(ステップS508)される。そして、次のステップS509でラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(例えば15ラウンド)に達したか否かが判断される。
ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達していなければ(ステップS509においてNO)、次にラウンドカウンタの値に「1」が加算(ステップS510)されて入賞球数カウンタが「0」にリセットされる(ステップS502)。
上記の処理は「通常大当り」または「確変大当り」中における1ラウンド目の処理に相当する内容である。この後、ラウンド動作が繰り返されてラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達したと判断されると(ステップS509においてYES)、そこで大当り処理は終了となる。
[演出表示装置における演出表示の詳細について] 図18〜図26に基づき説明する。図18は、サブ統合基板336における制御処理の内容を示しており、図19は、電飾制御基板338における制御処理の内容を示している。また、図20は、演出表示制御における機能的な構成を示している。また、図21は、特別演出シーンの処理内容を示している。また、図22乃至図26は具体的な演出例を示している。
ところで、これまで説明してきた処理は、純粋に主制御基板131による遊技動作の制御に関するものであるが、サブ統合基板336は主制御基板131から制御情報コマンドを受け取ると、これに基づいて各種の演出処理を実行することができるようになっている。
詳細に説明すると、前述したように主制御基板131では、保留格納処理(S103)において、大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数、及び演出表示パターン乱数等が取得され、これらの乱数を基に、大当りの有無に関する情報(当否コマンド)、大当たりの場合に「通常大当り」または「確変大当り」のいずれであるかを示す情報(確変・非確変コマンド)、及び演出表示パターンの種類に関する情報(変動表示パターンコマンド)が、変動開始コマンドとして設定され、主制御基板131からサブ統合基板336に送信される(S205)。
そして、サブ統合基板336では、図18に示すように、主制御基板131から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS601においてYES)、受け取ったこれらの変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定する(ステップS602)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、当否コマンド及び確変・非確変コマンドに基づいて装飾図柄列における最終停止図柄を決定する。例えば、「確変大当り」の場合には、確変大当りに相当する複数の装飾図柄の中から一つの図柄を最終停止図柄として決定する。また、サブ統合基板336は、乱数発生手段(図示しない)を有しており、乱数を取得するとともに、取得された乱数に応じて大当たり予告の演出態様(例えば出現時期や出現順序が不規則な所定のハプニング演出パターン)を付加する。さらに、サブ統合基板336では、決定されたこれらの変動態様を、電飾制御基板337、338及び波形制御基板339に対する変動開始コマンドとして設定する(ステップS603)。具体的には、変動表示パターンコマンド、最終停止図柄コマンド、及びハプニング演出パターンコマンド等を設定する。そして、設定されたこれらの変動開始コマンドを、各制御基板337,338,339に送信する(ステップS604)。これにより、これらの制御基板337,338,339では、抽選結果に応じた演出表示を行ったり、その演出表示に合せて音声等を発生させることが可能になる。
特に、電飾制御基板338では、図19に示すように、サブ統合基板336から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS701においてYES)、その変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定(ステップS702)し、その後、演出表示装置115を制御する(ステップS703)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、最終停止図柄コマンドに基づいて、装飾図柄列の最終停止図柄を設定する。また、ハプニング演出パターンコマンドに対応したハプニング演出を決定するとともに、より具体的な演出態様を付加する。つまり、電飾制御基板338は、乱数発生手段(図示しない)を有しており、演出表示装置115における夫々の変動パターンに対して、より具体的な演出態様を付加することを可能にしている。詳細には、電飾制御基板338におけるROM371には、変動パターンの種類と、それぞれの変動パターンに対して選択可能(出現可能)な出現体(物体やキャラクタ)とが関連付けて記憶されており、例えば、「○○リーチ」という変動パターンが主制御基板131において決定された場合には、「○○リーチ」に対応する複数種類の出現体の中から一つまたは複数の出現体を選択し、一連の変動パターンの演出表示中に、選択した出現体を出現させることを可能にしている。このように、本例では、出現体を含む変動パターンの選択処理が、主制御基板131、サブ統合基板111、及び電飾制御基板338において分担されており、これにより、主制御基板131及びサブ統合基板111における処理の負担を軽減するとともに、変動パターンの複雑化、ひいては演出の興趣を向上させている。
ところで、本例の演出表示装置115に表示される演出画像には、周期性をもって変動表示される装飾図柄と、装飾図柄の変動中、所定のタイミングで出現可能な複数の出現体(キャラクター等)とが含まれている。以下、装飾図柄及び出現体について詳細に説明する。
(装飾図柄について)
本例では、装飾図柄として、例えば、上・中・下の3つの装飾図柄列が設定されており、装飾図柄列毎に左装飾図柄、中装飾図柄、及び右装飾図柄が変動表示されるようになっている。一連の装飾図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄と、絵図柄からなる副装飾図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄が表示されると共に各主装飾図柄の間に副装飾図柄が配されて一連の装飾図柄列が構成されている。そして、主装飾図柄と副装飾図柄とが周期性を持って右から左へと変動表示されるようになっており、上装飾図柄列→下装飾図柄列→中装飾図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に何れかの有効ライン上で主装飾図柄が大当り装飾図柄の組合せ(例えば「7」,「7」,「7」)で揃えば大当りとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
なお、本例では、演出表示装置115における装飾図柄列の変動開始時期を、特別図柄の変動開始後とし、装飾図柄列の変動停止を特別図柄の変動停止前としている。これにより、特別図柄の変動表示の開始時と停止時には、演出表示装置115での演出表示を行わないことで、特別図柄の変動表示に対して演出表示装置115での紛らわしい表示を行うことを防止するとともに、演出表示装置115の演出中に当りか否かを認識させること、すなわち演出の効果を損なうことを防止している。
(出現体について)
キャラクタ等からなる出現体は、抽選結果に対する予告として表示されるものであり、夫々、大当りの信頼度に対応付けられている。この出現体を装飾図柄の変動中に登場(出現)させることにより遊技者の期待感にメリハリをつけることが可能となる。本例では複数のキャラクタが用意されており、夫々のキャラクタにおける大当たりの信頼度と、遊技中に夫々のキャラクタが出現する頻度との関係が予めテーブルで設定されている。
なお、大当りの信頼度とは、外れ時の演出として選択される確率が異なっている複数の演出がある場合、その選択率の異なりによって発生するものである。例えば、選択率が低い演出ほど大当りに対する信頼度が高くなり、期待値が高くなる。
次に、装飾図柄及び出現体の演出表示制御における機能的な構成、すなわち演出プログラムとして実現される機能的な構成と、それらの構成が用いられた具体的な演出例とについて説明する。図20に示すように、主基板310には、始動口センサ318(本発明の遊技状態検出手段に相当)によって入球装置96への入賞が検出されたとき、抽選手段として乱数を発生する乱数発生手段434と、特別図柄表示器332における特別図柄を変動させるとともに、乱数発生手段434によって発生した乱数、すなわち抽選結果に基づいて特別図柄の変動を停止させる特別図柄変動制御手段435と、乱数発生手段434によって発生した乱数が所定値である場合、大当りとして遊技者に有利な有利遊技状態(図17の大当り処理)を発生させる有利遊技状態発生手段436と、乱数発生手段434によって発生した乱数、すなわち抽選結果を制御情報コマンドとしてサブ統合基板336へ送信するコマンド送信手段437とが備えられている。
一方、周辺制御基板311(電飾制御基板338)には、主基板310からサブ統合基板336を介して送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段411によって受信されると、これを基に演出表示装置115を制御する演出表示制御手段413を備えている。また、周辺制御基板311には、前面枠4に設けられた操作手段としてのボタン60(図2参照)の操作を検出する操作検出手段441と、操作検出手段411の検出結果に基づいてボタン60の操作状況を判断する操作状況判断手段442とを備えている。
演出表示制御手段413には、コマンド受信手段411により受信された制御コマンドにより、ROM371から所定の順序でカットコマンドを読み出して一連の演出シーンとして表示させる演出シーン制御手段417を具備しており、この演出シーン制御手段417には、装飾図柄を動的に表示させる図柄制御手段414と、キャラクタを動的に表示させるキャラクタ制御手段415と、背景を動的に表示させる背景制御手段416と、ボタン60の操作に応じて表示内容が制御される特別演出シーンを表示させる特別演出シーン制御手段425とが備えられている。なお、本例では、遊技機全体に所定のストーリー性が設定されており、そのストーリーに対応してキャラクタには重要度に応じた分類がなされ、重要度の最も高い主キャラクタ、主キャラクタに次ぐ重要度の副キャラクタ、副キャラクタよりも重要度の低い脇キャラクタ、等に分けられており、本例では、この重要度として、そのキャラクタの登場により、有利遊技状態となる可能性が高かいものとしている。なお、特別演出シーン制御手段425には、特別演出シーンの終局部分を表示するための終局カット表示手段448を備えている。
また、演出表示制御手段413には、操作状況判断手段442の判断に基づいて特別演出シーンにおける演出内容を選択する演出内容選択手段443と、演出内容選択手段443による演出内容の選択を繰返し実行させる繰返し手段444と、特別演出シーンの表示に基づいてボタン60の操作を案内する案内手段445と、ボタン60の操作が有効とされてから特別演出シーンの表示内容が所定条件を満たすまでの時間を計測する時間計測手段446と、時間計測手段446による計測時間が記憶されたRAM(記憶手段)374から上位三つの計測時間を抽出する計測時間抽出手段447とを備えている。
本例の演出シーン制御手段417は、コマンド受信手段411によって受信されたコマンドの内容に応じて演出表示制御手段413により表示が指示された所定の演出表示態様に含まれる演出シーンを表示可能とされたものである。この演出シーンは、予め複数用意されており、大別すると、複数の図柄列を変動表示すると共に順次停止表示する第一演出シーン、第一演出シーンに続いて表示され一つの図柄列を変動表示すると共にキャラクタに所定の動作表示をさせ所定の装飾図柄で停止表示する第二演出シーン、第二演出シーンに更に続いて表示される第三演出シーン、第三演出シーンに続いて更に表示される第四演出シーン、ボタン60の操作に応じて表示内容が制御可能とされた特別演出シーン、に夫々分類することができる。なお、第二演出シーン以降の演出シーンを「発展形態」とも称す。
また、演出表示態様は、第一演出シーンから第四演出シーンまでの演出シーンにおいて、何れかの演出シーンまでを一連の表示とした表示態様のことで、複数の表示パターンが予め用意されており、乱数発生手段(抽選手段)434による乱数によって表示させる演出表示態様が選択されるようになっている。なお、特別演出シーンは、演出表示態様に含まれる演出シーンの任意の位置に配置されており、特別演出シーンが含まれている演出表示態様は、特別演出シーンが最後に表示される演出シーンとなっている。
ところで、表示される演出表示態様の設定処理は、例えば以下の表3で表されるテーブル(例えば、乱数値は0〜512の範囲内で取得される)によって4通りに振り分けられると共に、振り分けに応じて、有利遊技状態の発生する確率が設定されている。
この演出表示態様は、その選択される表示パターンが、当否コマンドに基づいた変動タイマの時間に応じて設定されるようになっており、具体的には、例えば以下の表3及び表4で表されるテーブルによって振り分けられ、それらの表に示すように、当否コマンドがハズレ時と当り時とでは、異なるテーブルが用いられる。そして、演出表示態様における特別演出シーンの表示を指示するコマンドとしては、例えば、主基板310からの変動表示パターンコマンドにおいて、変動タイマが33000ms以上となるコマンドが送信された場合に、特別演出シーンを指示するコマンドが選択される確率が高くなるように設定されている。なお、表4中、変動タイマが60000ms(備考欄にプレミアリーチと表記された行)のものが選択された場合は、上記の演出表示形態とは異なる表示形態のプレミア演出(特別演出シーンを含む)を表示するものである。なお、表3及び表4中に「●」で示しているのは、何れかの演出シーンの表示途中で特別演出シーンに変更されることを示している。
図22は、第一演出シーンにおける演出の一例を具体的に示すもので、図示するように、円板状の部材の中に数字(1〜9の数字)が嵌め込まれ更にそれらが八角形の枠体の中に組み込まれたようなデザインの装飾図柄Sが表示され、昇順又は降順で一列に並ぶ複数の装飾図柄Sの間には、それらの各装飾図柄Sを押すように複数の種類のキャラクタ(主キャラクタC1(学生服を着た少年)、副キャラクタC2(スーツを着た出っ歯の男性)など)が表示される。なお、図22では、上列の図柄列及び下列の図柄列が停止し、中列の図柄列が変動中である表示状態を示している。なお、この場合、既に停止している図柄列の組合せが、特別の組合わせ(「7」,「7」の組合せ)を充足していることから、この後、演出表示装置115には、「リーチ」と大きく表示され、リーチ状態であることが報知される。
特別演出シーンは、大当たりすなわち、有利遊技状態が発生する期待度が最も高いことを示唆するものであり、特別演出シーン制御手段425により演出表示されるものである。この特別演出シーンは、本例では、第一特別演出シーンと、第一特別演出シーンに続いて表示される第二特別演出シーン(特別演出シーンの発展形態)とを有している。
図23は第一特別演出シーンの一部分を示すもので、図示するように、演出表示装置115の表示領域における左右の上端隅部に、同じ図柄の停止装飾図柄TSを表示して、リーチの状態であることを示唆した状態で、複数の主キャラクタC1が表示されると共に、センター役物91に備えられたキャラクタ体92(図3参照)が回転を開始する。このキャラクタ体92は、主キャラクタC1の「顔」が表示された面と、漢字の「寿」が表示された面とを有しており、何れかの面でキャラクタ体92の回転が停止すると、そのキャラクタ体92の表示された図柄が演出表示装置115に表示される。例えば、キャラクタ体92が「寿」で停止すると、図23(a)に示すように、演出表示装置115には、「寿」の図柄S1が表示される。その後、同じ図柄(ここでは、数字の「7」)の装飾図柄Sが三つ並んで表示されることで、大当たりであることが示唆される。
一方、キャラクタ体92が、主キャラクタC1の「顔」で停止すると、図23(b)に示すように、演出表示装置115には、主キャラクタC1の「顔」の図柄S2が表示される。その後、第二特別演出シーンの表示が開始される。この第二特別演出シーンは、図24に示すように、複数の主キャラクタC1側と複数の副キャラクタ側とが、綱引きを行うような演出表示を行うものである。この第二特別演出シーンの表示が開始されると、前面枠4に設けられたボタン60の操作を促す内容の表示(同図(c)参照)がなされ、綱引きの演出表示が開始される。そして、所定時間内(本例では、約24sec)において、ボタン60の操作に応じて、綱引きの状況が一進一退するような演出表示(同図(d)〜(f)参照)がなされる。そして、主キャラクタC1側が勝つと「勝利!!」(同図(g)参照)と報知して大当たりを示唆する組合わせの装飾図柄Sを表示すると共に、勝利に至るまでのクリアタイムと、これまでの上位三つのクリアタイムのランキングとを表示する(同図(h)参照)。その後、有利遊技状態発生手段436によって有利遊技状態が発生するようになっている。
この第二特別演出シーン(以下、単に特別演出シーンとも称す)を表示するための具体的な処理内容を図21、及び図24〜図26に基づいて詳細に説明する。周辺基板311のコマンド受信手段411によって、特別演出シーンの表示を指示するコマンドが受信されると、演出表示制御手段413の演出シーン制御手段417により、演出表示装置115に第二特別演出シーンの開始を案内する表示をさせると共に、特別演出シーンの表示を開始させる。そして、複数の副キャラクタと主キャラクタC1とが綱引きを開始するような演出表示がなされる。このとき、当初、演出表示装置115の表示領域の左右上側の隅に表示され、リーチ状態であることを示していた停止装飾図柄TSの図柄が主キャラクタC1の顔図柄KSに変更されると共に、やや拡大して表示される。また、表示領域の左上には、計測時間を表示するための時間表示領域ATが設けられている。なお、綱引きの開始前は、「00.00」が表示されている。
続いて、ステップS801において、案内表示処理として、案内手段445によって演出表示装置115に、遊技者に対してボタン60の操作を促す案内を表示させる(図24(a)参照)。その後、演出表示装置115では、キャラクタの動作により「綱引き」が開始されると共に、ステップS802において、時間計測手段446により時間の計測が開始される。この際に、表示領域では、主キャラクタC1側がメインとなるように表示されると共に、主キャラクタC1がより右側へ移動すると優勢となるような表示とされている。
ところで、本例の特別演出シーンでは、「綱引き」の勝敗の表示を制御するものとして、所定のパラメータPHが設定されており、このパラメータPHの値によって、「綱引き」の進行状況が表示されるようになっている。具体的には、例えば以下の表5で表されるテーブルによって8通りの表示状況が表示される。なお、「綱引き」の開始当初は、パラメータPHが「6」に設定されており、表示領域上では、綱の最後尾のキャラクタ(風船)CFと、その前(画面上左側から)の五番目の主キャラクタC1との間の位置から始まるようになっている。
そして、時間計測の開始と略同時に、続くステップS803では、ボタン60の操作状況を判断する操作状況判断処理が行われる。つまり、操作検出手段441によるボタン60の操作の検出結果に基づいて、操作状況判断手段442が操作状況を判断する。具体的には、例えば以下の表6で表されるテーブルによって、ボタン60の単位時間当たりの操作回数Aに基づいて、操作状況がパラメータPSとして3通りに判断される。つまり、単位時間当りでの操作回数が0の時は操作していないと判断しパラメータPSの値を「0」に、単位時間当りでの操作回数が1回以上の時は操作していると判断し、その操作回数が1であればパラメータPSの値を「1」に、操作回数が2回以上であればパラメータPSの値を「0」としている。なお、本例では、単位時間としては、320ms当りのボタン60の操作回数Aとしている。
続いて、ステップS804では、ステップS803での判断結果を基に演出内容選択表示処理が行われる。つまり、操作状況判断手段442の判断結果に基づいて、演出内容選択手段443により特別演出シーンに反映させる演出内容を選択して表示する。具体的には、遊技者側が優勢となるように主キャラクタC1を一つ右側に移動させる表示内容、遊技者側が劣勢となるように主キャラクタC1を一つ右側に移動させる表示内容、或いは、主キャラクタC1を移動させずにこう着状態を示すような表示内容、の何れかの表示内容を選択する。この時、優勢となる表示内容が選択されるとパラメータPHに「−1」が付与され、劣勢となる表示内容が選択されるとパラメータPHに「+1」が付与され、こう着状態となる表示内容が選択されるとパラメータPHに「0」が夫々付与される。これにより、主キャラクタC1が前進したり後退したりする演出表示が行われる。
この例では、主キャラクタC1が勝ち抜ける確率は、主キャラクタの表示位置と、ボタン60の操作状況によって種々な確率が設定されている。詳述すると、主キャラクタC1の表示位置と関係するパラメータPHの値と、ボタン60の操作状況と関係するパラメータPSの値とに基づいてその確率が設定されている。具体的には、例えば表7で表されるテーブルに示すような設定とされてる。なお、ボタン60が操作されていないと判断した場合、つまり、パラメータPSの値が「0」の時は、勝ち進むことはない。
この演出内容選択表示処理は、例えば以下の表8で表されるテーブルによって、パラメータPHに付与される値を選択している。詳述すると、この例では、パラメータPHに付与する値は、ステップS803における判断結果すなわちパラメータPSと、主基板310からの当否コマンドと、付与前のパラメータPHとに基づいて、付与される値の確率が異なる(変化する)ようになっている。これにより表示されている「綱引き」の状況に応じた演出内容が選択されるようになっている。
そして、ステップS804では、選択された「付与される値」をパラメータPHに付与すると共に、付与されたパラメータPHの値を基に、特別演出シーンの表示状況を変化させる。具体的には、例えば、付与前のパラメータPHが「6」で、選択された付与される値が「0」の場合、付与後のパラメータPHは「6」と変らず、図24(b)に示すような表示状況のままで表示される。なお、表示領域の右上にはパラメータ表示領域APが設けられており、このパラメータ表示領域APには、上記の表6に示した「表示されるパラメータPHの値」が表示され、ここでは、「5」(あと5)が表示される。一方、選択された付与される値が「−1」の場合、付与後のパラメータPHが「5」となり、図示は省略するが、前から五番目の主キャラクタC1が略中央に表示されるように変更されると共に、パラメータ表示領域APでは、「あと4」と表示される。なお、表示領域の左下には、案内手段445によって、ボタン60の操作を促す内容の表示がなされており、これにより、ボタン60の操作を続けさせるように案内している。
続いて、ステップS805では、特別演出シーンにおける表示内容が所定の条件を満たしているか否かが判定される。具体的には、パラメータPHの値が「0」又は「7」であるか否かを判断し、パラメータPHの値がそれ以外、すなわち、「綱引き」の表示において、勝敗の決着が付いていない場合は、所定条件を満たしていないと判定して、ステップS806へと進む。このステップS806では、計測開始からの時間が所定時間経過したか否かを判定し、所定時間経過していなければ、ステップS803へと進み再び操作状況判断処理を行い、続くステップS804で演出内容選択表示処理を行い、所定時間経過するか、ステップS805において、所定の条件を満たすまで、ステップS803〜ステップS806を繰り返すようになっている。なお、ステップS806で、所定時間経過した場合は、ステップS809へと進む。また、本例では、ステップS806の所定時間が約25000msとされている。
上記のように、ステップS803〜ステップS806を繰り返すことで、例えば、演出内容選択手段443でその都度「−1」と選択されると、演出表示装置115では、その都度主キャラクタC1が一人ずつ右側に移動すると共に、パラメータ表示領域APに表示される値が一つずつ減って行くこととなる。ところで、本例では、表8に示すように、付与前のパラメータPHが2〜6の範囲では、優勢な演出内容が選択される確率が高く、付与前のパラメータPHが1では、その確率が低くなるように設定されているので、開始当初は、「綱引き」が勝利する方向へ順調に進むが、あと少しで勝利する段階になると、なかなか進まなくなり、主キャラクタC1が一進一退を繰返し、より多くのボタン60の操作を促すと共に、緊迫した感じの演出とさせ、より興趣を高める演出を表示することが可能となっている。そして、所定時間内にパラメータPHが「0」又は「7」となると、「綱引き」の勝敗が決着したと判断して、ステップS805からステップS807へと進む。なお、表8に示すように、当否コマンドが「ハズレ」コマンドの時は、パラメータPHの値が「0」とはならないようになっており、ボタン60の操作をいくら操作しても、パラメータPHの値が「1」より、つまり、前から一番目と二番目の主キャラクタC1の間よりは前へは勝ち進めず、一進一退を繰返すようになっている。なお、本例では、「綱引き」の表示中は、左右の顔図柄KSの顔が、その間に表示される主キャラクタC1の顔の表情と同じ表情になるように変化させられており、より興趣が高められる演出表示としている。なお、上記の表示内容は、予め複数のカットが用意されており、ボタン60の操作状況に応じて所定のカットが選択されて一身一退の表示がなされる。詳述すると、優勢となるような後退するカット、状況が変化しないカット、劣勢となるような前進するカット、等が用意されており、ボタン60操作に応じてカットが選択される。また、ボタン60の操作回数が多いほど、主キャラクタC1の顔の表情が異なるようになっており、例えば操作回数が多いほど、図24(c)に示すような歯を食い縛るような表情が表示されるようになっており、そのような内容のカットが選択されて表示される。
ステップS807では、時間計測手段446による時間の計測を停止させ、続いてステップS808において、計測時間抽出手段447によって過去に計測されて記憶手段としてのRAM374に記憶されている計測時間の中から、上位三つの計測時間を抽出して、ステップS809へと進む。なお、RAM374の記憶容量を節約するために、上位3つのみ記憶するようにしても良い。
続くステップS809では、終局カット表示処理が行われる。詳述すると、当否コマンドが「当り」のコマンドで、所定時間内にパラメータPHの値が「0」となった場合、つまり、ボタン60の操作により勝ち進んで勝った場合は、勝利を示唆する終局カットが表示される。具体的には、終局カット表示手段448によって、図24(d)に示すように、演出表示装置115に、左右の顔図柄KSと並んだ主キャラクタC1の前側に遊技者側が勝ったことを示唆する表示(例えば、「勝利!!」)を行った後、図24(e)に示すように、確定画面として、左右の顔図柄KSと主キャラクタC1とが、当りを示唆する三つの同じ装飾図柄S(ここでは、「7」,「7」,「7」)に変更して表示され、その前側に、時間計測手段446で計測された計測時間(CLEAR TIME)を大きく表示すると共に、計測時間抽出手段447で抽出された上位1〜3位の計測時間を表示する終局カットを表示して、特別演出シーンの表示処理が終了する。
また、このステップS809では、当否コマンドが「当り」のコマンドで、所定時間内にパラメータPHの値が「7」となった場合、つまり、ボタン60を操作したにも関わらず、風船CFまで表示されて負ける寸前まで行った場合、最後尾の風船CFから一気に一番目の主キャラクタC1を表示させて「逆転勝ち」したような表示をした後に、上述と同様に勝ったことを示唆する表示(図24(d)参照)をし、続いて、同図(e)に示すような、当りを示唆する三つの装飾図柄Sと、計測時間及びランキングとを示すような終局カットの表示もする。これにより、負けそうな雰囲気を出しながら、最後に逆転勝利したような表示内容とされるので、遊技者に対してハラハラした感じを与えることが期待でき、抑揚に富んだものとすることができる。
更に、ステップS809では、当否コマンドが「当り」のコマンドで、所定時間内に決着が付かなかった場合、当否の確定画面として、図示は省略するが、左右の顔図柄KSと主キャラクタC1とが、当りを示唆する三つの同じ装飾図柄Sに変更して表示する終局カットが表示される。なお、ここでは、クリアタイムのランキング表示はなされないが、ランキング表示を行うようにしても良い。
また、ステップS809では、当否コマンドが「ハズレ」のコマンドである場合、表8に示すように、ボタン60を操作しても所定時間内で負けてしまったり(パラメータPSの値が「7」)、所定時間が経過してしまったりすると、図25(a)に示すように、左右の顔図柄KSの間に綱の最後尾に位置する風船CFが表示され、遊技者側が負けたことを示唆する表示(例えば、「残念」)をした後に、図25(b)に示すように、確定画面として、左右の顔図柄KSがリーチ状態を示す装飾図柄S(ここでは、「3」)に変更されると共に、風船CFの前に左右の装飾図柄Sとは異なる数字の装飾図柄S(ここでは、「4」)が表示されハズレ(ハズレリーチ)を示唆する終局カットを表示して特別演出シーンの表示処理が終了する。なお、この場合、表8から判るように、ボタン60を操作し続ける限りは、主キャラクタC1側が優勢な状態で表示され易くなっているので、負けてしまっても、遊技者に対して後少しで勝利したかも知れないと思わせることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、本例では、所定時間内において、ボタン60が操作されなかったり、操作を中止したり、或いは、操作されていないと判断された時、つまり、パラメータPSの値が「0」となった時は、表8に示すように、所定時間内であれば、パラメータPHの値が「6」に変更され、負けそうな表示となる。そして、所定時間が経過した場合は、ステップS809において、確定画面として、負けを示唆する終局カットが表示される。なお、当否コマンドが「当り」の場合は、負けを示唆する表示がなされた後で、風船CFが爆発して当りを示唆する装飾図柄Sを表示するような終局カットが表示されるようになっている。
ところで、表8の下欄に示すように、当否コマンドとして、「プレミア当り」のコマンドである場合、所定時間内では、ステップS803〜ステップS806によって、ボタン60の操作に応じて「綱引き」が一進一退するような表示がなされ、負けることはあっても勝つことはない表示がなされ、所定時間内で負けてしまうと、ステップS809では、図25(a)に示すような、左右の顔図柄KSの間に綱の最後尾に位置する風船を位置させると共に、遊技者側が負けたことを示唆する表示(例えば、「残念」)をした後に、図26(a)に示すように、左右の顔図柄KSを下方へ移動させると共に、風船CFを上方へ移動させる。そして、図26(b)に示すように、風船CFが爆発して、風船CFの中から三つの同じ顔図柄KSが左右方向に並んで表示される(図26(c)参照)。その後、確定画面として、図24(e)に示すような、三つの顔図柄KSが、当りを示唆する三つの同じ装飾図柄Sに変更されて表示され、その前側に、時間計測手段446で計測された計測時間(CLEAR TIME)を大きく表示すると共に、計測時間抽出手段447で抽出された上位1〜3位の計測時間を表示する終局カットを表示して、特別演出シーンの表示処理が終了する。これにより、一旦負けたと思わせた後に、当りを示唆するようにしているので、落胆した後に喜びを与えることが可能となり、抑揚に富んだものとすることができる。
このように、本例のパチンコ機1によれば、特別演出シーンにおいて、遊技者がボタン60を操作することで、その操作に応じて、主キャラクタC1の動きが制御され、遊技者が特別演出シーンの内容(「綱引き」)に参加することができ、遊技者にとってより一体感のある演出とすることができると共に、より興趣を高めて面白味のあるものとすることができ、これまでとは違った楽しさを提供するができる。また、遊技者が参加して勝つと有利遊技状態が発生するので、遊技者自身が当りを勝ち取ったような演出としており、興趣を高めることができる。或いは、勝てずにハズレとなった場合でも、遊技者自身にあと少しで当りだったかも知れないと思わせる演出としているので、ハズレの場合でも興趣を低下させるのを抑制することができる。
また、特別演出シーンの表示内容として、「綱引き」を行うものとしているので、優勢な内容として遊技者側が勝つ方向へ、劣勢な内容として遊技者側が負ける方向へ綱と主キャラクタC1とを移動させるような表示をすることができ、より面白味のある演出表示とすることができる。なお、演出内容選択手段による演出内容の選択を複数回行っているので、その都度、選択結果に応じた内容を表示することで、遊技者が優勢な方向へ勝ち進んだり、勝負が一進一退するような、ゲーム性に富んだ内容の演出表示が可能となり、より興趣を高めることができる。
更に、時間計測手段446によりクリヤタイムを計測させ、その計測時間を表示させているので、特別演出シーンの表示内容を、所定時間内での勝敗を競うようなものとすることができると共に、勝つまでの時間の速さ競うようなものとすることができ、よりゲーム性に富んだ表示内容とすることが可能となり、遊技者にとってより一体感のあるものとすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、操作検出手段441、及び操作状況判断手段442を電飾制御基板338に備えたものを示したが、これら手段を主基板310に備えて、主基板310において、操作手段としてのボタン60の操作を検出するようにしても良い。この場合、例えば、操作状況判断手段の判断結果に基づいて、当否コマンドを、「ハズレ」コマンドから「当り」コマンドに変更、或いは、確変・非確変コマンドを、「非確変コマンド」から「確変コマンド」に変更するようにしても良く、実際に遊技者自身が、当りを獲得することが可能となり、操作手段の操作をより促すことができると共に、より興趣を高めることのできるものとすることができる。
また、上記実施形態では、演出表示装置115に、単にクリアタイムを表示するものを示したが、クリアタイムの時間によって、例えば、所定数の遊技媒体を付与する等、遊技者に有利な特典を付与するようにしても良く、より興趣を高めるができる。
また、上記実施形態では、特別演出シーンとして、「綱引き」をするものを示したが、「相撲、ボクシング、空手、プロレス等の所謂、格闘もの」、「銃等の火器を使って対象物を攻撃する、所謂、シューティングもの」、等としても良く、これらによっても、ゲーム性の高い演出表示をすることが可能であり、面白味のある演出をすることができる。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。