しかし、上記の遊技機では、特殊な演出によって期待感にメリハリをつけることができるものの、この演出表示は、遊技機から遊技者へ一方的に予告が行われる形でなされるため、演出表示が全く導出されない場合には、「有利遊技状態が発生する可能性がない」と必然的に認識され、その場で期待感を消失させていた。つまり、予告のない図柄列の変動は期待することができないと意識付けられており、図柄列の変動中であっても特殊な演出が導出されないことが認識された時点で、その後の変動を楽しむことができなくなっていた。ところで、期待感が消失する頻度を少なくするために、特殊な演出を頻繁に表示させることも考えられるが、これによれば、外れ時でも頻繁に演出表示が行われることから、特殊な演出そのものの期待感が薄れ、その演出における関心が低下する恐れがある。
ところで、大当りへの期待値が極めて高い演出は、他の演出よりも目立つように鮮やかな画像から構成されている。特に、遊技者を感動させる場面であることから、遊技者の心をつかむような美的な演出が採用される場合が多い。しかしながら、このような演出は外れ時には殆ど導出されないことから、遊技者の目に触れる機会が少なくなっていた。つまり、美的な演出が導出可能に記憶されているのも拘わらず、十分に活用されておらず、遊技者の目を楽しませる効果が半減していた。
請求項1に記載の遊技機は、遊技に伴う演出および図柄の変動が表示される表示手段と、演出態様が記憶された演出態様記憶手段と、遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、該遊技状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいてランダムカウンタから当選判定用乱数を抽出し、該当選判定用乱数を基に当りにするか否かを決定する当否決定手段と、該当否決定手段によって当りであることが決定された場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、遊技者により操作可能な操作手段と、前記変動表示される図柄がリーチ状態となった後の所定の期間内に前記操作手段が操作されたか否かを少なくとも検出する操作検出手段と、前記所定の期間内に前記操作手段が操作される都度、前記有利遊技状態の発生についての期待感を遊技者に与えうる期待演出態様の導出を行うか否かの演出抽選処理を行う演出抽選手段と、前記演出抽選手段により前記期待演出態様を導出すると抽選決定されたことに基づいて、前記期待演出態様を、前記演出態様記憶手段から読出して前記表示手段に導出する演出表示制御手段と、を備え、前記演出抽選手段は、前記当否決定手段により当りであることが決定された場合には、ハズレであることが決定された場合よりも少ない前記操作手段の操作回数で前記演出態様が導出されうるように、前記当否決定手段による決定が当りであるときに前記操作手段が操作される都度行われる前記演出態様の導出にかかる抽選確率を、前記当否決定手段による決定がハズレであるときに前記操作手段が操作される都度行われる前記演出態様の導出にかかる抽選確率よりも高めることによって、前記演出態様が導出されたときの前記操作手段が操作された回数に基づいて前記有利遊技状態が発生するか否かを推測させうるようにしたものである。
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記演出抽選手段は、前記所定の期間内において前記操作手段が操作されたか否かを検出し、該操作手段が操作される都度、ランダムカウンタから導出表示用乱数を抽出する乱数抽出手段と、前記当否決定手段により決定された結果が当りの場合における演出態様の導出率であって前記操作回数カウント手段によってカウントされる操作回数に関連付けられた複数の当り時導出率、及びハズレの場合における演出態様の導出率であって前記操作回数カウント手段によってカウントされる操作回数に関連付けられた複数のハズレ時導出率が記憶された導出率記憶手段と、前記当否決定手段によって当りであることが決定された場合には、前記操作回数カウント手段によってカウントされた操作回数に対応する当り時導出率を前記導出率記憶手段から抽出するとともに、前記当否決定手段によってハズレであることが決定された場合には、前記操作回数カウント手段によってカウントされた操作回数に対応するハズレ時導出率を前記導出率記憶手段から抽出する導出率抽出手段と、前記当否決定手段によって当りであることが決定された場合には、前記乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数と、前記導出率抽出手段によって抽出された当り時導出率とに基づいて前記演出態様を表示させるか否かを決定するとともに、前記当否決定手段によってハズレであることが決定された場合には、前記乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数と、前記導出率抽出手段によって抽出されたハズレ時導出率とに基づいて前記演出態様を表示させるか否かを決定する表示有無決定手段とを有するものである。
請求項3に記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記当否決定手段によってハズレであることが決定された場合には、前記演出態様の導出を一回のみに制限するハズレ時制限手段をさらに備えるものである。
請求項1に記載の遊技機は、遊技に伴う演出および図柄の変動が表示される表示手段と、演出態様が記憶された演出態様記憶手段と、遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、前記遊技状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいてランダムカウンタから当選判定用乱数を抽出し、該当選判定用乱数を基に当りにするか否かを決定する当否決定手段と、前記当否決定手段によって当りであることが決定された場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、遊技者により操作可能な操作手段と、前記図柄の変動が開始されてからリーチ状態となるまでの所定の期間内に前記操作手段が操作されたか否かを少なくとも検出する操作検出手段と、前記所定の期間内に前記操作手段が操作される都度、前記有利遊技状態の発生についての期待感を遊技者に与えうる期待演出態様の導出を行うか否かの演出抽選処理を行う演出抽選手段と、前記演出抽選処理において前記期待演出態様を導出すると抽選決定された場合に限り、該期待演出態様を、前記演出態様記憶手段から読出して前記表示手段に導出する演出表示制御手段と、を備え、前記演出抽選手段は、前記図柄の変動が開始されたときを起点として最初に前記操作手段が操作されたときに行われる前記演出抽選処理において前記期待演出態様が導出される旨が抽選決定される確率を初回導出率とし、前記当否決定手段により当りであることが決定された場合には、前記初回導出率を、前記当否決定手段によりハズレであることが決定された場合よりも高めるようにしたものである。
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記演出抽選手段は、前記所定の期間内において前記操作手段が操作されたか否かを検出し、該操作手段が操作される都度、ランダムカウンタから導出表示用乱数を抽出する乱数抽出手段と、前記当否決定手段により決定された結果が当りの場合における前記期待演出態様の導出率であって前記操作回数カウント手段によってカウントされる操作回数に関連付けられた複数の当り時導出率、及びハズレの場合における前記期待演出態様の導出率であって前記操作回数カウント手段によってカウントされる操作回数に関連付けられた複数のハズレ時導出率が記憶された導出率記憶手段と、前記当否決定手段によって当りであることが決定された場合には、前記操作回数カウント手段によってカウントされた操作回数に対応する当り時導出率を前記導出率記憶手段から抽出するとともに、前記当否決定手段によってハズレであることが決定された場合には、前記操作回数カウント手段によってカウントされた操作回数に対応するハズレ時導出率を前記導出率記憶手段から抽出する導出率抽出手段と、前記当否決定手段によって当りであることが決定された場合には、前記乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数と、前記導出率抽出手段によって抽出された当り時導出率とに基づいて前記期待演出態様を表示させるか否かを決定するとともに、前記当否決定手段によってハズレであることが決定された場合には、前記乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数と、前記導出率抽出手段によって抽出されたハズレ時導出率とに基づいて前記期待演出態様を表示させるか否かを決定する表示有無決定手段とを有するものである。
請求項3に記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記当否決定手段によってハズレであることが決定された場合には、前記期待演出態様の導出を一回のみに制限するハズレ時制限手段をさらに備えるものである。
手段1:「遊技に伴う演出が表示される表示手段と、
演出態様を記憶した演出態様記憶手段と、
遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、
該遊技状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいてランダムカウンタから当選判定用乱数を抽出し、該当選判定用乱数を基に当りにするか否かを決定する当否決定手段と、
該当否決定手段によって当りであることが決定された場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
遊技者の操作によって演出態様の表示要求を指示するための演出要求指示手段と、
前記表示手段に前記演出態様が導出されるまで、所定の期間内において前記演出要求指示手段が操作されたか否かを検出し該演出要求指示手段が操作される毎にランダムカウンタから導出表示用乱数を抽出する乱数抽出手段と、
前記所定の期間内における前記演出要求指示手段の操作回数をカウントする操作回数カウント手段と、
当りの場合における演出態様の導出率であって前記操作回数カウント手段によってカウントされる操作回数が多いほど高くなる当り時導出率、及び外れの場合における演出態様の導出率であって前記操作回数が多いほど高くなる外れ時導出率を、前記操作回数に基づいて夫々決定する導出率決定手段と、
前記当否決定手段によって当りであることが決定された場合には、前記乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数と、前記導出率決定手段によって決定された当り時導出率とを基に、前記演出態様を表示させるか否かを決定し、一方、前記当否決定手段によって外れであることが決定された場合には、前記乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数と、前記導出率決定手段によって決定された外れ時導出率とを基に、前記演出態様を表示させるか否かを決定する表示有無決定手段と、
該表示有無決定手段によって前記演出態様を表示させることが決定された場合に限り、前記演出態様を前記演出態様記憶手段から読出し前記表示手段に所定の導出態様にて導出する演出表示制御手段とを具備する」ことを特徴とする。
ここで、「表示手段」としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、またはCRT等を例示することができる。また、「遊技状態検出手段」とは、遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出するものであり、例えば遊技媒体として遊技球を用いた遊技機においては、入賞口や始動口への入球状態を検出するスイッチ、入賞口に入球する遊技球の数をカウントするカウント手段、及び入賞に基づく抽選結果を認識する認識手段を例示することができる。また、「演出要求指示手段」とは、遊技者が演出態様の表示要求を指示する際に操作する操作手段であり、例えば押しボタン式のスイッチを挙げることができる。また、言うまでもないが、「当選判定用乱数」等における「用」は専用の意味ではなく、用いられることを意味しているに過ぎない。すなわち、例えば一つの乱数を複数の種類の乱数として兼用するようにしてもよい。また、「操作回数カウント手段」は、演出要求指示手段の操作回数を識別可能とするものであればよく、例えば操作回数を計数してもよく、あるいは演出要求指示手段が操作される毎に、対象となるテーブルを変更させるようにしてもよい。つまり、複数の導出率設定テーブルに予め順番を付与し、演出要求指示手段が操作される毎に、対象となる導出率設定テーブルへ順番に移行させるようにしてもよい。
また、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味するものであり、以下のように種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される入賞口を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させて、遊技球が多量に入賞口に入賞し易くした状態(所謂「大当り状態」)。
(2)パチンコ等の遊技機において、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技球の入賞や通過により大当り状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の入球装置を、通常よりも遊技球が入球し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
(4)スロットマシーン等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う絵柄にてドラムが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(5)スロットマシーン等の遊技機において、ボーナスゲーム状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
手段1の構成によれば、遊技状態の変化が遊技状態検出手段によって検出され、遊技状態が所定の条件を満たすと、ランダムカウンタから当選判定用乱数が抽出され、その乱数を基に当りにするか否かが決定される。そして、当りの場合には、遊技者に有利な有利遊技状態が発生する。一方、有利遊技状態への予告表示として演出態様を所定の確率で表示させることが可能であり、演出要求指示手段が操作される毎に、ランダムカウンタから導出表示用乱数を抽出し、その導出表示用乱数と、演出態様の導出率とを基に、演出態様を表示させるか否かを決定する。つまり、遊技者の操作を基に抽選が行われ、演出態様が表示されるか否かが決定される。ここで、演出態様の導出率としては、抽選結果が当選の場合は当り時導出率が用いられ、抽選結果が外れの場合は外れ時導出率が用いられる。このため、当り時導出率及び外れ時導出率の比を適宜設定することにより、演出態様における有利遊技状態への期待値を設定することが可能となり、演出態様と抽選結果とを関連付けて遊技を楽しませることが可能になる。特に、演出要求指示手段が操作される毎に演出態様を導出するか否かの抽選が行われるため、有利遊技状態への期待値が高い場合には、比較的少ない操作によって演出態様を導出させることが可能になり、一方、有利遊技状態への期待値が低い場合には、演出態様を導出させるまでの操作回数が多くなる。換言すれば、遊技者は、演出態様が導出されるまでの操作回数によって期待値を推測することが可能になり、従来にはない遊技性によって興趣を大幅に高めることができる。また、期待値が低い場合でも、複数の操作により演出態様を導出させることが可能になるため、操作に対する満足感を与えるとともに、演出態様の表示を楽しませることができる。
また、本発明では、所定の期間内における演出要求指示手段の操作回数がカウントされるとともに、そのカウントされた操作回数に基づいて当り時導出率と外れ時導出率とが決定される。つまり、いずれの導出率も操作回数が多いほど高くなるように、換言すれば操作回数が多いほど演出が導出されやすくなるように導出率が決定される。このため、一回の抽選ではほとんど表示されることのない希な演出であっても、導出の困難性が次第に緩和されることから、複数の操作によって導出される可能性が高められる。したがって、期待値の高い演出であっても容易に視認させることが可能になり、演出による興趣を遊技者に与えることができる。
なお、演出態様が表示されるか否かは、遊技者の操作に基づくものであるため、表示手段に演出態様が表示されない場合であっても、「操作回数が足りないために演出態様が誘発されないだけであり、有利遊技状態が発生する可能性が残されている」と遊技者にとって都合のよい方へ解釈させることが可能となる。つまり、演出態様が表示されない場合であっても、期待感の低下を軽減し、抽選結果が表示されるまで抽選を楽しませることが可能になる。
手段2:「操作ハンドルの操作に応じて遊技領域へ遊技球を発射する発射装置と、
前記遊技領域内に配置され前記遊技球の転動方向を変化させる障害釘と、
前記遊技領域内に配置され前記遊技球が入球可能な始動口と、
該始動口に前記遊技球が入球したことを検出する入球状態検出手段と、
少なくとも前記入球状態検出手段による遊技球の検出に応じて所定数の遊技球を払い出す払出装置と、
遊技に伴う演出が表示される表示手段と、
演出態様を記憶した演出態様記憶手段と、
前記入球状態検出手段によって前記遊技球が前記始動口に入球したことが検出されると、ランダムカウンタから当選判定用乱数を抽出し、該当選判定用乱数を基に当りにするか否かを決定する当否決定手段と、
該当否決定手段によって当りであることが決定された場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
遊技者の操作によって演出態様の表示要求を指示するための演出要求指示手段と、
前記表示手段に前記演出態様が導出されるまで、所定の期間内において前記演出要求指示手段が操作されたか否かを検出し該演出要求指示手段が操作される毎にランダムカウンタから導出表示用乱数を抽出する乱数抽出手段と、
前記所定の期間内における前記演出要求指示手段の操作回数をカウントする操作回数カウント手段と、
当りの場合における演出態様の導出率であって前記操作回数カウント手段によってカウントされる操作回数が多いほど高くなる当り時導出率、及び外れの場合における演出態様の導出率であって前記操作回数が多いほど高くなる外れ時導出率を、前記操作回数に基づいて夫々決定する導出率決定手段と、
前記当否決定手段によって当りであることが決定された場合には、前記乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数と、前記導出率決定手段によって決定された当り時導出率とを基に、前記演出態様を表示させるか否かを決定し、一方、前記当否決定手段によって外れであることが決定された場合には、前記乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数と、前記導出率決定手段によって決定された外れ時導出率とを基に、前記演出態様を表示させるか否かを決定する表示有無決定手段と、
該表示有無決定手段によって前記演出態様を表示させることが決定された場合に限り、前記演出態様を前記演出態様記憶手段から読出し前記表示手段に所定の導出態様にて導出する演出表示制御手段とを具備する」ことを特徴とする。
手段2の構成によれば、操作ハンドルの操作に対応して発射装置から遊技球が発射されると、遊技球は、多数の障害釘、始動口、及び表示手段等が組み込まれた遊技領域に導かれる。そして、入球状態検出手段によって始動口への入球が検出されると、ランダムカウンタから当選判定用乱数が抽出される。その後、その乱数を基に当りにするか否かが決定される。そして、当りの場合には、遊技者に有利な有利遊技状態が発生する。例えば、開閉駆動される大入賞口を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させて、遊技球が多量に大入賞口に入賞し易くする。なお、遊技球が始動口または大入賞口に入球すると、払出装置によって所定数の遊技球が賞球として払い出される。一方、有利遊技状態への予告表示として演出態様を所定の確率で表示させることが可能であり、演出要求指示手段が操作される毎に、ランダムカウンタから導出表示用乱数を抽出し、その導出表示用乱数と演出態様の導出率とを基に、演出態様を表示させるか否かを決定する。特に、演出要求指示手段が操作される毎に演出態様を導出するか否かの抽選が行われるため、有利遊技状態への期待値が高い場合には、比較的少ない操作によって演出態様を導出させることが可能になり、一方、有利遊技状態への期待値が低い場合には、演出態様を導出させるまでの操作回数が多くなる。また、所定の期間内における演出要求指示手段の操作回数がカウントされ、その操作回数に基づいて当り時導出率と外れ時導出率とが決定されるため、一回の抽選では滅多に表示されることのない演出であっても、導出の困難性が次第に緩和されることとなり、複数の操作によって導出される可能性が大幅に高められる。
手段3:「遊技に伴う演出が表示される表示手段と、
演出態様を記憶した演出態様記憶手段と、
遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、
該遊技状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいてランダムカウンタから当選判定用乱数を抽出し、該当選判定用乱数を基に当りにするか否かを決定する当否決定手段と、
該当否決定手段によって当りであることが決定された場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
当りの場合における演出態様の初回導出率を示す当り時初回導出率、及び外れの場合における前記演出態様の初回導出率を示す外れ時初回導出率が記憶された導出率記憶手段と、
遊技者の操作によって演出態様の表示要求を指示するための演出要求指示手段と、
前記表示手段に前記演出態様が導出されるまで、所定の期間内において前記演出要求指示手段が操作されたか否かを検出し該演出要求指示手段が操作される毎にランダムカウンタから導出表示用乱数を抽出する乱数抽出手段と、
前記所定の期間内における前記演出要求指示手段の操作回数をカウントする操作回数カウント手段と、
カウントされた操作回数及び前記当り時初回導出率を基に、前記操作回数に応じて変化する当り時変動導出率を決定する当り時導出率決定手段と、
カウントされた操作回数及び前記外れ時初回導出率を基に、前記操作回数に応じて変化する外れ時変動導出率を決定する外れ時導出率決定手段と、
前記当否決定手段によって当りであることが決定された場合には、前記乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数と、前記当り時導出率決定手段によって決定された当り時変動導出率とを基に、前記演出態様を表示させるか否かを決定し、一方、前記当否決定手段によって外れであることが決定された場合には、前記乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数と、前記外れ時導出率決定手段によって決定された外れ時変動導出率とを基に、前記演出態様を表示させるか否かを決定する表示有無決定手段と、
該表示有無決定手段によって前記演出態様を表示させることが決定された場合に限り、前記演出態様を前記演出態様記憶手段から読出し前記表示手段に所定の導出態様にて導出する演出表示制御手段とを具備する」ことを特徴とする。
手段3の構成によれば、手段1の構成と同様の作用を奏するが、本構成では特に、当りの場合における演出態様の初回導出率を示す当り時初回導出率と、外れの場合における演出態様の初回導出率を示す外れ時初回導出率とが記憶されており、これらの初回導出率を用いて、操作回数に応じて変化する変動導出率が算出される。つまり、カウントされた操作回数及び当り時初回導出率を基に、当り時変動導出率が決定され、カウントされた操作回数及び外れ時初回導出率を基に、外れ時変動導出率が決定される。したがって、操作回数に対応するそれぞれの導出率を記憶させることなく、操作回数に対応する変動導出率を決定することが可能となり、ひいては記憶容量の増加を抑制することが可能になる。
手段4:「遊技に伴う演出が表示される表示手段と、
演出態様を記憶した演出態様記憶手段と、
遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、
該遊技状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいてランダムカウンタから当選判定用乱数を抽出し、該当選判定用乱数を基に当りにするか否かを決定する当否決定手段と、
該当否決定手段によって当りであることが決定された場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
遊技者の操作によって演出態様の表示要求を指示するための演出要求指示手段と、
前記表示手段に前記演出態様が導出されるまで、所定の期間内において前記演出要求指示手段が操作されたか否かを検出し該演出要求指示手段が操作される毎にランダムカウンタから導出表示用乱数を抽出する乱数抽出手段と、
前記所定の期間内における前記演出要求指示手段の操作回数をカウントする操作回数カウント手段と、
当りの場合における演出態様の導出率であって前記操作回数カウント手段によってカウントされる操作回数に関連付けられた複数の当り時導出率、及び外れの場合における演出態様の導出率であって前記操作回数カウント手段によってカウントされる操作回数に関連付けられた複数の外れ時導出率が記憶された導出率記憶手段と、
前記当否決定手段によって当りであることが決定された場合には、前記操作回数カウント手段によってカウントされた操作回数に対応する当り時導出率を前記導出率記憶手段から抽出し、一方、前記当否決定手段によって外れであることが決定された場合には、前記操作回数カウント手段によってカウントされた操作回数に対応する外れ時導出率を前記導出率記憶手段から抽出する導出率抽出手段と、
前記当否決定手段によって当りであることが決定された場合には、前記乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数と、前記導出率抽出手段によって抽出された当り時導出率とを基に、前記演出態様を表示させるか否かを決定し、一方、前記当否決定手段によって外れであることが決定された場合には、前記乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数と、前記導出率抽出手段によって抽出された外れ時導出率とを基に、前記演出態様を表示させるか否かを決定する表示有無決定手段と、
該表示有無決定手段によって前記演出態様を表示させることが決定された場合に限り、前記演出態様を前記演出態様記憶手段から読出し前記表示手段に所定の導出態様にて導出する演出表示制御手段とを具備する」ことを特徴とする。
手段4の構成によれば、手段1の構成と同様の作用を奏するが、本構成では特に、当りの場合における演出態様の導出率として、カウントされる操作回数に関連付けられた複数の当り時導出率が記憶され、また外れの場合における演出態様の導出率として、カウントされる操作回数に関連付けられた複数の外れ時導出率が記憶されている。また、当否決定手段によって当りであることが決定された場合には、カウントされた操作回数に対応する当り時導出率が抽出され、一方、外れであることが決定された場合には、カウントされた操作回数に対応する外れ時導出率が抽出される。したがって、操作回数に対応する当り時導出率及び外れ時導出率を比較的容易に決定することが可能になるとともに、例えば操作回数に従って増加する各導出率の変化割合を不規則的に変化させる等、導出率の設定を一層複雑にし、操作回数と導出率の変化量との関係を遊技者に把握させ難くすることができる。このため、演出態様が表示されるまでの操作回数が比較的多い場合でも、期待感の低下を軽減し、抽選結果が表示されるまで抽選を楽しませることが可能になる。なお、操作回数と導出率とは、1:1の関係で対応させるようにしてもよいが、操作回数を所定の範囲毎に区分してグループ化し、各グループと導出率とを対応させるようにしてもよい。これによれば、記憶される当り時導出率及び外れ時導出率の数を少なくすることができ、記憶手段の負荷を軽減することが可能になる。
手段5:手段1〜手段4のいずれか一つの構成において、「前記演出態様記憶手段には、互いに異なる複数の演出態様が記憶され、前記演出表示制御手段によって読み出される演出を、前記演出態様記憶手段に記憶された複数の演出態様の中から無作為に選択する演出態様選択手段をさらに備える」ことを特徴とする。
手段5の構成によれば、複数の演出態様が記憶され、その中から一つの演出態様が乱数等に基づいて無作為に選択され導出可能となる。したがって、複数の種類の演出を視認させることが可能となり、演出における興趣をさらに高めることができる。特に、遊技者は、どのような演出が導出されるのかを予想しながら、演出要求指示手段を操作することとなるため、飽きることなく集中して操作するようになる。
手段6:手段1〜手段5のいずれか一つの構成において、「複数の装飾図柄列を変動させるとともに、抽選結果に応じた所定の図柄で順に停止させる装飾図柄変動制御手段をさらに備え、前記演出表示制御手段は、前記演出態様による演出表示を、「前記複数の装飾図柄列のうち最後に停止される最終停止図柄が停止する前の段階で、既に停止している装飾図柄列の組合せが、特定の装飾図柄の組合せを充足する状態」(所謂「リーチ状態」)になる前の段階で実行可能とする」ことを特徴とする。
手段6の構成によれば、抽選結果に基づいて装飾図柄列を所定の停止図柄で順に停止する。一方、「リーチ状態」になる前の段階で、演出態様による演出表示が可能となる。このため、遊技者は、演出態様を表示させるまでの操作回数と装飾図柄列の変動とを関連させながら抽選を楽しむようになる。また、少ない操作回数で演出態様を表示させ得たことにより有利遊技状態への可能性が高くなったことを認識し、その後の「リーチ状態」の発生によって有利遊技状態への可能性がさらに高まったことを認識するようになる。すなわち、有利遊技状態への期待度を段階的に増加させながら遊技を楽しむことが可能となる。
ところで、このように、リーチ状態が発生する前の段階で実行可能な演出態様においては、一般に装飾図柄列の変動開始後の間もない時点から開始されるため、この段階で演出が行われないことにより期待感が消失すると、その後に継続される図柄列の変動に嫌気がさし、演出を楽しむことができない期間が比較的長く続くこととなる。特に、変動開始初期である場合には、その演出が表示される場合のタイミングが変動開始時点を基準として容易に把握できるため、演出が表示されるか否かが比較的容易に認識可能となる。つまり、その演出の有無に遊技者の意識が集中しやすくなることから、期待感が消失すると遊技の興趣を大幅に低下させることになる。しかしながら、本発明によれば、上述したように、演出態様が表示されない場合であっても期待感が消失されず、少なくともリーチ状態の到来の有無が明確になるまで興趣を維持することができる。つまり、本発明を、手段6の構成の遊技機に適用した場合には極めて大きな効果を奏することとなる。
手段7:手段1〜手段6のいずれか一つの構成において、「前記操作回数カウント手段によってカウントされた操作回数が、上限として設定された所定回数に到達したか否かを判定する上限到達判定手段と、
前記操作回数が前記所定回数に到達しても前記演出態様が導出されていない場合、該演出態様を導出させる演出態様導出手段とをさらに備える」ことを特徴とする。
ここで、「演出態様を導出する」方法としては、決定された当り時導出率及び外れ時導出率に拘わらず、演出態様を強制的に表示装置に導出するようにしてもよく、所定回数(上限値)に対応する当り時導出率及び外れ時導出率を100%とするようにしてもよい。
手段7の構成によれば、演出要求指示手段の操作が所定回数以上繰り返された場合には、演出態様が必ず導出されるようになる。したがって、演出態様を確実に視認させることが可能になり、操作したことによる結果が演出の表示を通して現れるため、操作に対する満足感を与えることができる。
手段8:手段1〜手段7のいずれか一つの構成において、「前記演出表示制御手段による演出態様の導出は所定の期間において複数回可能とされ、前記演出表示制御手段によって演出態様が導出された場合、前記操作回数カウント手段によってカウントされた操作回数をリセットする回数リセット手段をさらに備える」ことを特徴とする。
ところで、本発明によれば、期待値が高いほど演出態様が早く導出されることとなるが、早く導出された場合には、演出要求指示手段の操作に割り振られた所定の期間が余り、残された時間によって遊技者に退屈さを感じさせる場合がある。
これに対し、手段8の構成によれば、演出態様が一度表示されても、所定の期間内であれば再び演出要求指示手段を操作することにより、演出態様を表示させることが可能となる。つまり、演出態様の導出に再び挑戦させることが可能になり、退屈感をしのぐことが可能になる。なお、この場合には、操作回数カウント手段によってカウントされた操作回数は「0」にリセットされるため、二回目においても、演出態様が導出されるまでの操作回数と期待値の高さとが関連付けられ、操作回数に基づいて期待値の高さを再確認することができる。
手段9:手段8の構成において、「前記当否決定手段によって外れであることが決定された場合、演出態様の導出を一回のみに制限する外れ時制限手段をさらに備えること」を特徴とする。
手段9の構成によれば、外れであることが決定された場合には、演出要求指示手段が操作されても再び演出態様が導出されることはない。換言すれば、抽選結果が表示される前に演出態様が複数回表示された場合には、当りが確定されたこととなる。したがって、遊技者は、演出態様が一回導出されてもそれに満足することなく、当りが確定されることを願って演出要求指示手段の操作を繰り返すようになる。このため、演出要求指示手段の操作が一層促進される。
手段10:「遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、
特別図柄を表示するための特別図柄表示器と、
前記遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて、ランダムカウンタから大当り判定用乱数を抽出する大当り判定用乱数抽出手段、
前記遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて、ランダムカウンタから大当り図柄用乱数を抽出する大当り図柄用乱数抽出手段、
前記大当り判定用乱数及び前記大当り図柄用乱数を基に、ランダムカウンタから変動用乱数を抽出する変動時間用乱数抽出手段、
抽出される前記大当り判定用乱数と大当りの当否との関係を示す大当り判定用テーブル、
抽出される前記大当り図柄用乱数と前記特別図柄表示器において抽選結果として変動停止される変動停止図柄との関係を示す大当り図柄用テーブル、
抽選結果が大当りの場合に用いられ、抽出される前記変動用乱数と前記特別図柄表示器における前記特別図柄の変動時間との関係を示す当り時変動時間可変用テーブル、
抽選結果が外れの場合に用いられ、抽出される前記変動用乱数と前記特別図柄表示器における前記特別図柄の変動時間との関係を示す外れ時変動時間可変用テーブル、
前記大当り判定用乱数が抽出されると、該大当り判定用乱数と前記大当り判定用テーブルとから大当りの当否を決定する当否決定手段、
前記大当り図柄用乱数が抽出されると、該大当り図柄用乱数と前記大当り図柄用テーブルとから前記特別図柄表示器における変動停止図柄を決定する停止図柄決定手段、
前記変動用乱数が抽出され、且つ前記当否決定手段によって大当りであることが決定されると、前記変動用乱数と前記当り時変動時間可変用テーブルとから前記特別図柄の変動時間を決定し、一方、前記変動用乱数が抽出され、且つ前記当否決定手段によって外れであることが決定されると、前記変動用乱数と前記外れ時変動時間可変用テーブルとから前記特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段、
前記特別図柄表示器において前記特別図柄の変動を開始させるとともに、前記変動時間決定手段によって決定された前記変動時間の経過後、前記停止図柄決定手段によって決定された前記変動停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段、
前記当否決定手段によって大当りであることが決定されると、前記特別図柄の変動停止後、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段、
及び前記特別図柄の変動開始の際に、少なくとも大当りの有無に関する当否コマンド、前記特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段を有する主制御手段と、
遊技に伴う演出が表示される演出表示手段と、
遊技者の操作によって演出態様の表示要求を指示するための演出要求指示手段と、
前記大当りの場合における演出態様の初回導出率を示す当り時初回導出率と、前記変動表示コマンドとの関係を示す当り時導出率設定テーブル、
前記外れの場合における演出態様の初回導出率を示す外れ時初回導出率と、前記変動表示コマンドとの関係を示す外れ時導出率設定テーブル、
前記演出表示手段に前記演出態様が導出されるまで、所定の期間内において前記演出要求指示手段が操作されたか否かを検出し該演出要求指示手段が操作される毎に該演出要求指示手段の操作に基づいてランダムカウンタから導出表示用乱数を抽出する表示用乱数抽出手段、
前記所定の期間内における前記演出要求指示手段の操作回数をカウントする操作回数カウント手段と、
カウントされた操作回数及び前記当り時初回導出率を基に、前記操作回数に応じて変化する当り時変動導出率を決定する当り時導出率決定手段と、
カウントされた操作回数及び前記外れ時初回導出率を基に、前記操作回数に応じて変化する外れ時変動導出率を決定する外れ時導出率決定手段と、
前記主制御手段の前記コマンド発信手段から前記制御コマンドが発信されると、該制御コマンドを受信し、前記制御コマンドに含まれる前記当否コマンドが大当りを示すものである場合には、受信した変動表示コマンドに対応する演出態様の導出率を、当り時導出率決定手段によって決定するとともに、決定された導出率で表示されるように、前記表示用乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数を基に、表示させるか否かを決定し、一方、前記制御コマンドに含まれる前記当否コマンドが外れを示すものである場合には、受信した変動表示コマンドに対応する演出態様の導出率を、外れ時導出率決定手段によって決定するとともに、決定された導出率で表示されるように、前記表示用乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数を基に、表示させるか否かを決定する表示有無決定手段、
及び、該表示有無決定手段によって前記演出態様を表示させることが決定された場合に限り、前記演出態様を前記演出表示手段に所定の導出態様にて導出する演出表示制御手段を有する副制御手段とを具備する」ことを特徴とする。
手段10の構成によれば、主制御手段では、遊技状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいて、ランダムカウンタから少なくとも二種類の乱数、すなわち大当り判定用乱数及び大当り図柄用乱数を夫々抽出し、さらにこれらの乱数を基に変動用乱数を抽出する。その後、大当り判定用乱数と大当り判定用テーブルとから大当りの当否を決定する。また、大当り図柄用乱数と大当り図柄用テーブルとから特別図柄表示器における変動停止図柄を決定する。さらに、大当りであることが決定された場合には、変動用乱数と当り時変動時間可変用テーブルとから特別図柄の変動時間を決定し、一方、外れであることが決定された場合には、変動用乱数と外れ時変動時間可変用テーブルとから特別図柄の変動時間を決定する。そして特別図柄表示器において特別図柄の変動を開始させるとともに、変動時間可変テーブルを用いて決定された変動時間の経過後、大当り図柄用テーブルを用いて決定された変動停止図柄で変動停止させる。さらに大当りであることが決定された場合には、特別図柄の変動停止後、遊技者に有利な有利遊技状態(すなわち大当り状態)を発生させる。
ところで、主制御手段では、特別図柄の変動開始の際に、少なくとも大当りの有無に関する当否コマンド、及び特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信する。
一方、副制御手段には、大当りの場合に用いられる当り時導出率設定テーブルと、外れの場合に用いられる外れ時導出率設定テーブルとが記憶されている。そして、副制御手段では、主制御手段から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる当否コマンドが大当りを示すものである場合には、受信した変動表示コマンドに対応する演出態様の初回導出率を、当り時導出率設定テーブルから決定するとともに、この初回導出率と、カウントされた演出要求指示手段の操作回数とに基づいて当り時変動導出率を決定する。つまり、操作回数が多いほど高くなるように設定された当り時変動導出率を決定する。一方、当否コマンドが外れを示すものである場合には、受信した変動表示コマンドに対応する演出態様の初回導出率を、外れ時導出率設定テーブルから決定するとともに、この初回導出率と、カウントされた演出要求指示手段の操作回数とに基づいて外れ時変動導出率を決定する。つまり、操作回数が多いほど高くなるように設定された外れ時変動導出率を決定する。このように、所定の期間内における演出要求指示手段の操作回数がカウントされ、それに基づいて当り時変動導出率と外れ時変動導出率とが決定されるため、いずれの導出率も操作回数が多いほど高くなるように、換言すれば操作回数が多いほど演出が導出されやすくなるように導出率が決定される。
そして、決定された変動導出率で表示されるように、演出要求指示手段が操作される毎に、抽出された導出表示用乱数を基に表示させるか否かを決定する。そして、演出態様を表示させることが決定された場合に限り、その演出態様を演出表示手段に導出する。なお、当り時導出率設定テーブルにおける初回導出率を、外れ時導出率設定テーブルにおける初回導出率よりも高くなるように設定することにより、大当りとなる場合の方が外れとなる場合よりも、早い段階、つまり比較的少ない操作回数で演出態様を導出させることが可能になる。
手段11:「遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、
特別図柄を表示するための特別図柄表示器と、
前記遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて、ランダムカウンタから大当り判定用乱数を抽出する大当り判定用乱数抽出手段、
前記遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて、ランダムカウンタから大当り図柄用乱数を抽出する大当り図柄用乱数抽出手段、
前記大当り判定用乱数及び前記大当り図柄用乱数を基に、ランダムカウンタから変動用乱数を抽出する変動時間用乱数抽出手段、
抽出される前記大当り判定用乱数と大当りの当否との関係を示す大当り判定用テーブル、
抽出される前記大当り図柄用乱数と前記特別図柄表示器において抽選結果として変動停止される変動停止図柄との関係を示す大当り図柄用テーブル、
抽選結果が大当りの場合に用いられ、抽出される前記変動用乱数と前記特別図柄表示器における前記特別図柄の変動時間との関係を示す当り時変動時間可変用テーブル、
抽選結果が外れの場合に用いられ、抽出される前記変動用乱数と前記特別図柄表示器における前記特別図柄の変動時間との関係を示す外れ時変動時間可変用テーブル、
前記大当り判定用乱数が抽出されると、該大当り判定用乱数と前記大当り判定用テーブルとから大当りの当否を決定する当否決定手段、
前記大当り図柄用乱数が抽出されると、該大当り図柄用乱数と前記大当り図柄用テーブルとから前記特別図柄表示器における変動停止図柄を決定する停止図柄決定手段、
前記変動用乱数が抽出され、且つ前記当否決定手段によって大当りであることが決定されると、前記変動用乱数と前記当り時変動時間可変用テーブルとから前記特別図柄の変動時間を決定し、一方、前記変動用乱数が抽出され、且つ前記当否決定手段によって外れであることが決定されると、前記変動用乱数と前記外れ時変動時間可変用テーブルとから前記特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段、
前記特別図柄表示器において前記特別図柄の変動を開始させるとともに、前記変動時間決定手段によって決定された前記変動時間の経過後、前記停止図柄決定手段によって決定された前記変動停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段、
前記当否決定手段によって大当りであることが決定されると、前記特別図柄の変動停止後、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段、
及び前記特別図柄の変動開始の際に、少なくとも大当りの有無に関する当否コマンド、前記特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段を有する主制御手段と、
遊技に伴う演出が表示される演出表示手段と、
遊技者の操作によって演出態様の表示要求を指示するための演出要求指示手段と、
前記演出表示手段に前記演出態様が導出されるまで、所定の期間内において前記演出要求指示手段が操作されたか否かを検出し該演出要求指示手段が操作される毎にランダムカウンタから導出表示用乱数を抽出する乱数抽出手段と、
前記所定の期間内における前記演出要求指示手段の操作回数をカウントする操作回数カウント手段と、
当りの場合における演出態様の導出率である当り時導出率と前記変動表示コマンドとの関係を示すとともに、前記操作回数カウント手段によってカウントされる操作回数に関連付けられた複数の当り時導出率設定テーブル、
外れの場合における演出態様の導出率である外れ時導出率と前記変動表示コマンドとの関係を示すとともに、前記操作回数カウント手段によってカウントされる操作回数に関連付けられた複数の外れ時導出率設定テーブル、
前記主制御手段の前記コマンド発信手段から前記制御コマンドが発信されると、該制御コマンドを受信し、前記制御コマンドに含まれる前記当否コマンドが大当りを示すものである場合には、前記複数の当り時導出率設定テーブルの中から前記操作回数カウント手段によってカウントされた操作回数に対応する当り時導出率設定テーブルを抽出し、一方、前記当否コマンドが外れを示すものである場合には、前記複数の外れ時導出率設定テーブルの中から前記操作回数カウント手段によってカウントされた操作回数に対応する外れ時導出率設定テーブルを抽出するテーブル抽出手段、
前記制御コマンドに含まれる前記当否コマンドが大当りを示すものである場合には、受信した変動表示コマンドに対応する演出態様の導出率を、前記テーブル抽出手段によって抽出された当り時導出率設定テーブルから決定するとともに、決定された導出率で表示されるように、前記表示用乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数を基に、表示させるか否かを決定し、一方、前記制御コマンドに含まれる前記当否コマンドが外れを示すものである場合には、受信した変動表示コマンドに対応する演出態様の導出率を、前記テーブル抽出手段によって抽出された外れ時導出率設定テーブルから決定するとともに、決定された導出率で表示されるように、前記表示用乱数抽出手段によって抽出された導出表示用乱数を基に、表示させるか否かを決定する表示有無決定手段、
及び、該表示有無決定手段によって前記演出態様を表示させることが決定された場合に限り、前記演出態様を前記演出表示手段に所定の導出態様にて導出する演出表示制御手段を有する副制御手段とを具備する」ことを特徴とする。
手段11の構成によれば、手段10の構成と略同様の作用を奏する。ただし、手段11の構成では、当りの場合における演出態様の当り時導出率設定テーブルとして、操作回数に関連付けられた複数の設定テーブルが記憶され、また外れの場合における演出態様の外れ時導出率設定テーブルとして、操作回数に関連付けられた複数の設定テーブルが記憶されている。また、当否決定手段によって当りであることが決定された場合には、カウントされた操作回数に対応する当り時導出率設定テーブルが抽出され、一方、外れであることが決定された場合には、カウントされた操作回数に対応する外れ時導出率設定テーブルが抽出される。したがって、操作回数に対応する当り時導出率設定テーブル及び外れ時導出率設定テーブルを比較的容易に決定することが可能になるとともに、変動表示コマンドに対応する導出率を速やかに決定することが可能になる。
手段12:手段1〜手段11のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする。パチンコ遊技機とは、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、該発射装置から発射された遊技球を、少なくとも多数の障害釘、始動口、大入賞口、及び表示手段が組み込まれた遊技領域に導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球が始動口や大入賞口へ入球すると所定数の遊技球を賞球として払い出す払出装置と、始動口への入球状態を検出する入球状態検出手段(すなわち遊技状態検出手段)と、前記入球状態検出手段によって始動口への入球状態が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、該抽選手段の抽選結果が大当りであると、前記大入賞口を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させて、遊技球が多量に入賞し易くする有利遊技状態発生手段とをさらに具備するもの」である。また、上記の構成に加えて、「特別図柄を変動させるとともに、前記抽選手段の抽選結果に基づいて変動を停止させる特別図柄表示手段とをさらに具備するもの」である。また上記の構成に加えて、「特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出表示手段をさらに具備する」ものである。
手段12によると、パチンコ遊技機において、手段1〜手段11までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段13:手段1〜手段11のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、停止操作機能付きスロットマシーンであることを特徴とする。停止操作機能付きスロットマシーンとは、遊技媒体としてメダルを使用し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、遊技者に有利な特別有利状態としてメダルを払い出すものである。
手段13によると、停止操作機能付きスロットマシーンにおいて、手段1〜手段11までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段14:手段1〜手段11のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機であることを特徴とする。ここで、「パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位として投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、遊技者に有利な特別有利状態として遊技球を払い出すものである。
手段14によると、パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機において、手段1〜手段11までのいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明の遊技機では、操作回数が多いほど演出が導出されやすくなり、複数回の操作によって極めて高い確率で視認させることが可能となるため、演出を見られないことによる興趣の低下を防止することができる。また、演出を見られることによる満足感を遊技者に与えることができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について]
図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について]
図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について]
図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、前面枠4における上皿51の左側には、押しボタン式のスイッチから構成された演出要求指示手段60が設けられており、遊技者に演出態様の表示要求を指示させることを可能にしている。なお、「演出態様の表示要求」に関する詳細は後述する。
[施錠装置の構成について]
図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について]
図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(参照符号なし)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91が配設されており、このセンター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
センター役物91は全体として額縁状の装飾体から構成されており、その上縁部にはキャラクタの頭部をデザインした、キャラクタ体92が一体的に取り付けられている。なお、このキャラクタ体92は、旋回可能な可動役物として機能している。
また、センター役物91の上縁部または左右側縁部には、図示しないワープ入口とともにワープ通路が形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球がワープ入口に入り込むと、ワープ通路を通じてセンター役物91の内側に取り込まれるようになっている。
センター役物91の内側には、その下縁部に球受け棚94(ステージとも称する)が形成されており、この球受け棚94は前後方向に一定の奥行きを有している。ワープ通路を通って取り込まれた遊技球はセンター役物91の内側へ放出され、球受け棚94に誘導される。球受け棚94はその上面にて遊技球を転動させ、その動きにいろいろな変化を与えて遊技に面白みを付加する。
また、センター役物91の下縁部には、その中央位置に球誘導路95が形成されており、この球誘導路95への入口(図示しない)は球受け棚94の上面に形成されている。球受け棚94から球誘導路95の入口に落下した遊技球は、そのまま球誘導路95を通って下方に案内される。
一方、球誘導路95の出口は正面に向けて開口しており、この出口から放出された遊技球は、ほぼ真下に向かって落下する。遊技領域37には、球誘導路95の直ぐ下方位置に入球装置96が配置されており、この入球装置96に遊技球が入球すると始動入賞となる。したがって、球誘導路95から放出された遊技球は、相当高い確率で始動入賞することができるものとなっている。入球装置96は左右一対の可動片97を有しており、これら可動片97を左右に拡開させて入球確率を高くすることが可能となっている。
また遊技領域37には、上記の入球装置96のさらに下方位置にアタッカ装置98が配設されており、このアタッカ装置98は開閉部材99を前後方向に開閉動作させることにより大入賞口を開閉させる。
また、センター役物91の下縁部には、特別図柄表示器(詳細は後述する)として機能する四つのLED110と、抽選の保留状態を示す四つのLED(保留球ランプ)111とが設けられている。四つの保留球ランプ111は、「大当り」の抽選において、保留回数分(最大4回)だけ点灯するようになっている。また、これらの下方には、始動ゲート口113への遊技球7の通過による抽選結果を表示する普通図柄表示器112a、及び抽選状態を表示する状態表示器112b等が設けられている。
その他、遊技領域37には始動ゲート口113や一般入賞口114等が配設されている。また、センター役物91の内側には演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、例えば動画や映像等の画像、或いは可動部材の動作等による演出表示が行われる。なお、演出表示装置115としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、及びCRT等の表示装置を例示することができる。演出表示装置115の表示面はセンター役物91の後側においてその開口窓に臨んで装着されており、センター役物91は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれ、センター役物91の後部及び演出表示装置115の表示装置制御基板116(図10参照)を有する表示装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。ここで、演出表示装置115が本発明の表示手段に相当する。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について]
図8及び図9に基づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出
(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について]
図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]
図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について]
図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図11参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図11参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について]
図2及び図7に基づき説明する。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[特別図柄表示器の構成について]
図3に基づき説明する。
本実施形態では、センター役物91の下縁部のうち、左側に4つのLED110が配列されており、これらLED110の配列が特別図柄表示器として機能している。また、その右側にある4つのLED111の配列は、保留球ランプとなっている。
本実施形態において、特別図柄表示器の機能はLED110の点灯・消灯によって実現することができる。例えば、始動入賞を契機として4つのLED110をいろいろなパターンで点滅させることにより、特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、4つのLED110の点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止状態を表示する。これにより、抽選が行われると、その結果情報がLED110の点灯・消灯によって報知される。なおLED110の点灯・消灯による特別図柄の変動表示および停止表示の制御は、主制御基板131により行われる。
具体的には、個々のLED110は1色(例えば赤色)の発光タイプであり、各LED110は「消灯」、及び「点灯」の2通りに表示パターンを切り替えることができる。したがって、4つのLED110を配列した場合の点灯・消灯表示パターンは、全部で16通り(24=16)のものを用意することができる。なお、ここでは説明の便宜のために1色だけとしているが、LED110の点灯色は2色以上であってもよい。また、LED110の配置は1箇所にまとまっている必要はなく、ばらばらに配置されていてもよいし、特に盤面上に配置されている必要もない。あるいは、特別図柄を5つ以上のLEDによって表示してもよいし、7セグメントLEDを用いて表示してもよい。
一方で、本実施形態のパチンコ機1では、遊技者に利益が付与される態様として2つの大当り態様が用意されており、これらは(1)「通常(非確変)大当り」、(2)「確変大当り」に区別される。
(1)「通常(非確変)大当り」は、例えば最大30秒間にわたってアタッカ装置98を一定パターンで開閉させるラウンド動作を15ラウンドまで繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当り遊技」と称されている。遊技者は、大当り遊技の間に遊技球を大入賞口に入賞させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、各ラウンド動作は30秒間が経過するか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。また大当り遊技は、ラウンド動作が15回終わると終了となる。
(2)「確変大当り」は、上記(1)と同様の大当り遊技を可能とするものであるが、大当り遊技の終了後、次回大当りの抽選確率を通常時よりも高く設定(例えば、通常の大当り確率が320分の1のところ、5倍の64分の1に変更)する特典が付加される。このため遊技者が確変大当りを引き当てると、次の大当り確率が高くなって大当りを連続的に引き当てる(いわゆる連荘)ことが可能となる。
なお、以上の(1)及び(2)でいう具体的な数値は、本発明の実施において最良のものである。その上で、これら数値については各種の変更が可能であり、最良の数値によって限定されることはない。
また、上記(2)の「確変大当り」によって確率変動状態(高確率状態)になると、毎回の始動入賞を契機として確率変動状態の維持抽選(転落抽選)が行われるものとしてもよい。維持抽選は一定確率で行われ、この維持抽選で落選すると、内部的に高確率状態から低確率状態(通常確率)へ引き戻される処理が行われる。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について]
図12に基づき説明する。
図12は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131には、ゲートセンサ317、始動口センサ318、カウントセンサ319、V入賞センサ330等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板131は、ソレノイド331、特別図柄表示器332、普通図柄表示器112a等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板337には主に保留球ランプ111と、サイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して保留球ランプ111や装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が各ランプ111,353を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。また、図示していないが、これ以外にも、例えばキャラクタ体62等の可動体を駆動させるためのモータまたはソレノイド等の駆動部材が電飾制御基板337,338等に接続されている。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備えている。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明する。
[始動入賞処理について]
図13に基づき説明する。
図13は始動入賞処理のルーチンを示している。
この始動入賞処理では、遊技中に始動入賞が有るか否かが判断される(ステップS101)。具体的には、上記の入球装置96に対応する始動口センサ318から検出信号が入力されると、始動入賞有りと判断され、一方検出信号の入力がなければ、始動入賞は無いものと判断される。
始動入賞が有りと判断された場合(ステップS101においてYES)、次に始動保留数が最大の4より少ないか否かが判断される(ステップS102)。このとき既に始動保留数が4に達していれば(NO)、そのまま始動入賞処理のルーチンがリターンされる。一方、始動保留数が4より少なければ(YES)、次に保留格納処理が行われる(ステップS103)。この保留格納処理では、例えばRAM316内に確保されている保留数カウンタに「1」が加算され、合わせて保留球ランプ(LED)111の点灯個数が1つ増加される。
また、保留格納処理では、合わせて乱数値の取得が行われる。このとき取得される乱数値には、例えば大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数(可変変動カウンタ)、及び演出表示パターン乱数等が含まれている。このうち大当り判定用乱数は、大当りであるか否かを決定するための乱数である。次の大当り図柄用乱数は、大当り判定用乱数によって大当りと判別された場合に使用されるものであり、具体的には、特別図柄表示器332によって停止表示される表示パターン(四つのLED110における点灯状態の組合わせパターン)を特定するための乱数である。そして可変変動用乱数(可変変動カウンタ)は、特別図柄表示器332による図柄の変動時間を可変させるための乱数である。また、演出表示パターン乱数は、演出表示装置115に表示される演出表示の変動表示パターンを特定するための乱数である。以上の各乱数値が取得され、これらが例えばRAM316に格納されると、保留格納処理を終えて本ルーチンがリターンされる。
[遊技作動処理について]
図14に基づき説明する。
図14は始動入賞に伴う遊技作動処理のルーチンを示している。
この遊技作動処理では、最初に始動保留が有るか否かが判断される(ステップS201)。具体的には、保留数カウンタの数値が0でない場合、始動保留が有ると判断され(YES)、次に特別図柄表示器332における特別図柄(点灯状態)が未変動状態か否かが判断される(ステップS202)。このとき特別図柄表示器332にて未だ変動表示が開始されていなければ(YES)、次に保留シフト処理が実行される(ステップS203)。
保留シフト処理では、保留数カウンタの値が「1」だけ減算されるとともに、RAM316の保留格納領域に記憶されている各乱数値の内容をシフトする処理が行われる。そして、これに続いて特図変動設定処理が実行され(ステップS204)、ここでは特別図柄の変動時間の設定や、変動停止時の表示パターンが設定される。なお、特図変動設定処理の内容については、さらに別のフローチャート(図15,図16)を用いて詳しく後述する。
特図変動設定処理(ステップS204)が終了すると、次に情報出力処理(ステップS205)が実行され、ここでは主制御基板131からサブ統合基板336に対して制御情報コマンドの生成・送信が行われる。サブ統合基板336は、受信した制御情報コマンドに基づいて主制御基板131の制御情報(始動入賞・保留の有無、特別図柄の変動・停止表示態様、当り判定結果、確率変動の有無、及び演出画像の変動パターン等)を解釈し、所定の演出動作を制御する。
図14の遊技作動処理では、最後に当り判定処理(ステップS206)が実行される。なお、遊技作動処理の開始時に保留数カウンタの値が0であったり(ステップS201においてNO)、保留数カウンタの値が0でなくとも特別図柄表示器332が変動中であったり(ステップS202においてNO)した場合は、いずれも保留シフト処理(ステップS203)、及び特図変動設定処理(ステップS204)を迂回して情報出力処理(ステップS205)及び当り判定処理(ステップS206)が実行される。
当り判定処理(ステップS206)では、特別図柄の変動開始時にセットされた当りフラグを参照し、当りフラグがセットされていればさらに別の処理(図17)を実行する。
[特図変動設定処理(ステップS204)の詳細について]
図15及び図16に基づき説明する。
図15は、上記の特図変動設定処理に含まれる特図変動設定処理Aの内容を示し、図16は特図変動設定処理Bの内容を示している。
この特図変動設定処理Aでは主に、抽選結果によって特別図柄表示器332による変動時間の設定や停止時の表示パターンの選択が行われる。具体的には、既に取得されている大当り判定用乱数に基づいて抽選の結果が判断され(ステップS301)、当選(大当り)であった場合(YES)は当り時変動設定処理(ステップS302)が実行される。なお、ここでいう「当選」は、上記(1)通常大当り、または(2)確変大当りのいずれかに該当していることを意味する。
これに対し、抽選の結果が外れ、つまり、(1)及び(2)のいずれの当りにも該当してないと判断された場合(NO)、既に取得されている可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値が所定値(例えば1024)と比較される(ステップS303)。可変変動用乱数は例えば0〜65535の範囲内で取得されており、この乱数値が1024未満であれば(YES)、可変変動設定処理(ステップS304)が実行される。逆に、可変変動用乱数の値が1024以上であれば(NO)、ステップS305またはステップS306の各判断を経て変動タイマがセットされる。変動タイマは、特別図柄表示器332による変動時間を設定するためのタイマであり、具体的には、現在の始動保留数が「0」〜「2」であれば(ステップS305においてYES)、所定の変動タイマが比較的長めの10秒にセットされる(ステップS307)。同様に、始動保留数が「3」であれば(ステップS306においてYES)、変動タイマが比較的中程度の8秒にセットされ(ステップS308)、そして始動保留数が「4」であれば(ステップS306においてNO)、変動タイマが比較的短めの6秒にセットされる(ステップS309)(いわゆる保留時短)。いずれにしても、変動タイマがセットされると、続いて特別図柄の停止パターンが選択される(ステップS310〜S312)。停止パターンは、四つのLED110における点灯状態の組合わせを、いずれの当り態様にも該当しないパターンの中から適宜選択する。
以上の特図変動設定処理Aをまとめると、抽選結果がいずれかの当りに該当している場合は、別の当り時変動設定処理(ステップS302)が実行された後に特別図柄の変動表示が開始される(ステップS313)。一方、抽選結果がいずれの当りにも該当しない(外れ)場合は、取得済みの可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値によって64分の1の振り分け率で別の可変変動設定処理(ステップS304)が実行されるが、それ以外(64分の63)の場合は始動保留数に応じて変動タイマの時間が3段階に設定された後に特別図柄の変動表示(ステップS313)が開始されることとなる。
ここで、ステップS304の可変変動設定処理は、「外れリーチ変動」の考え方に基づくものである。すなわち、基本的に抽選で外れた場合は特別図柄の変動時間が始動保留数に応じて次第に短縮されるが(ステップS307〜S309)、外れの場合であっても、ときには始動保留数に関係なく変動時間を長短に変更したり、特別図柄の停止パターンを変更したりすることで、あからさまに外れ変動であることを遊技者に気付かせにくくするものである。なお、この「外れ」を通常の「外れ」と区別するため、「特殊外れ」と称している。この可変変動設定処理では、例えば以下の表1で表されるテーブルによって変動時間が6通りに振り分けられている。
一方、ステップS302の当り時変動設定処理は、0〜65535までの可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値を用いて、例えば以下の表2で表されるテーブルによって変動時間が6通りに振り分けられる。なお、表1及び表2の比較から明らかなように、当り時における変動時間は、特殊外れ時における変動時間よりも長くなるように設定されている。換言すれば、変動時間が長いほど、大当りとなる期待値が高くなっている。この当り特変動設定処理が実行されると、内部的な当りフラグに「1」がセットされて、本ルーチンがリターンされる。
図16は上記の特図変動設定処理(図14中のステップS204)に含まれる特図変動実行処理Bの内容を示している。先の特図変動設定処理Aによって特別図柄の変動が開始されると、ここでは変動期間中であるか否かが判断される(ステップS401)。具体的には、変動期間中であるか否かは上記の変動タイマを参照することで判断可能であり、変動タイマが作動していると、それによって変動期間中である(YES)と判断され、逆に変動タイマが停止していれば、変動期間中でない(NO)と判断される。
ステップS401で特別図柄の変動期間中であると判断されると、次に変動表示制御処理(ステップS402)が実行される。ここでは、特別図柄表示器332を構成する4つのLED110について、例えば0〜15のカウンタ値を取得しながらこれらを8ビットの値に割り当て、この値を用いて合計4つのスイッチ(LED4個分)のON/OFFを40ms毎に切り替える処理が行われる。これにより、4つのLED110が点滅しながら特別図柄表示器332による高速変動が実現される。なお、ここではカウンタ値を参照してLED110の点灯・消灯を制御しているが、例えば所定の変動パターンテーブルを用いてLED110の点灯・消灯パターンを切り替えることもできる。
この後、変動タイマがカウントアップして変動期間が終了すると、特別図柄の変動期間中ではない(NO)と判断されて、次に停止パターン表示制御(ステップS403)が実行される。この停止パターン表示制御では、先の特図変動設定処理A(図15)等で既に選択されている停止パターンの点灯・消灯表示パターンデータが特別図柄表示器332に送信される。なお、パターンデータの送信は毎回の割込周期(例えば4ms)で行う必要はなく、適宜サンプリングすることでLED110の発光輝度を調整することが好ましい。
[大当り処理について]
図17に基づき説明する。
図17は大当り処理の内容を示している。
内部的に条件装置が作動して大当り処理が実行されると、先ず所定のラウンドカウンタが初期化される(ステップS501)。このラウンドカウンタは例えばRAM内に確保されており、この初期化に伴ってラウンドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了となる。
上記のラウンドカウンタが初期化された後、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ(ステップS502)、続いて大入賞口(アタッカ装置98)が開放される(ステップS503)。そして、次のステップS504では大入賞口の開放期間が設定最大期間(例えば30秒)内であるか否かが判断される。開放期間が設定最大期間内であれば(YES)、次に入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが判断される(ステップS505)。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ(YES)、大入賞口に対応するカウントセンサの検出信号がONになったか否かが判断される(ステップS506)。大入賞口への入賞によりカウントセンサがONになると(YES)、次のステップS507で入賞球数カウンタに「1」が加算され、再度ステップS504の判断が行われる。あるいは、ステップS506で大入賞口への入賞がなく、カウントセンサがONになっていなければ(NO)、入賞球数カウンタが加算されることなくステップS504の判断が行われる。
「通常大当り」または「確変大当り」の場合、通常は設定最大期間である30秒が経過するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ステップS504またはステップS505の判断が否定(NO)されるので、ラウンド終了のために大入賞口が閉止(ステップS508)される。そして、次のステップS509でラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(例えば15ラウンド)に達したか否かが判断される。
ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達していなければ(ステップS509においてNO)、次にラウンドカウンタの値に「1」が加算(ステップS510)されて入賞球数カウンタが「0」にリセットされる(ステップS502)。
上記の処理は「通常大当り」または「確変大当り」中における1ラウンド目の処理に相当する内容である。この後、ラウンド動作が繰り返されてラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達したと判断されると(ステップS509においてYES)、そこで大当り処理は終了となる。
[演出表示装置における演出表示の詳細について]
図18〜図25に基づき説明する。
図18は、サブ統合基板336における制御処理の内容を示しており、図19は、電飾制御基板338における制御処理の内容を示している。また、図20及び図21は演出表示制御における機能的な構成を示し、図22及び図23は各種テーブルの構成を示している。また、図24は演出制御処理の内容を示し、図25は具体的な演出例を示している。
ところで、これまで説明してきた処理は、純粋に主制御基板131による遊技動作の制御に関するものであるが、サブ統合基板336は主制御基板131から制御情報コマンドを受け取ると、これに基づいて各種の演出処理を実行することができるようになっている。
詳細に説明すると、前述したように主制御基板131では、保留格納処理(S103)において、大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数、及び演出表示パターン乱数等が取得され、これらの乱数を基に、大当りの有無に関する情報(当否コマンド)、大当たりの場合に「通常大当り」または「確変大当り」のいずれであるかを示す情報(確変・非確変コマンド)、及び演出表示パターンの種類に関する情報、すなわち特別図柄の変動態様(時間)に対応する情報(変動表示パターンコマンド)が、変動開始コマンドとして設定され、主制御基板131からサブ統合基板336に送信される(S205)。
すなわち、図20に示すように、主基板310には、大当り判定用テーブル411、大当り図柄用テーブル412、当り時変動時間可変用テーブル413、及び外れ時変動時間可変用テーブル414が予め記憶されており、これらのテーブル411〜414を基に、抽選の当否、特別図柄表示器332における停止図柄、及び変動時間が決定される。詳しく説明すると、大当り判定用テーブル411は、図22(a)に示すように、大当り判定用乱数値と大当りの当否(大当りの種別を含む)との関係を示すものであり、例えば、大当り判定用乱数値のNA1〜NA2が「確変大当り」に対応し、NA3〜NA4が通常大当りに対応し、NA5〜NA6が「外れ」に対応している。また、大当り図柄用テーブル412は、図22(b)に示すように、大当り図柄用乱数値と特別図柄表示器332における停止図柄との関係を示すものであり、大当り図柄用乱数値を複数のグループに区分した夫々の範囲と四つのLED110の点灯状態との対応付けがなされている。なお、当り時変動時間可変用テーブル413は前述の表2に示した通りであり、また外れ時変動時間可変用テーブル414は前述の表1に示した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、主基板310には、遊技状態検出手段(具体的には始動口センサ)318によって入球装置96への入賞が検出されたとき、ランダムカウンタ(図示しない)から、大当り判定用乱数を抽出する大当り判定用乱数抽出手段416と、大当り図柄用乱数を抽出する大当り図柄用乱数抽出手段417とが設けられている。また、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する変動時間用乱数抽出手段418が設けられている。また、大当り判定用乱数抽出手段416によって大当り判定用乱数が抽出されると、大当り判定用テーブル411を用いて大当りの当否を決定する当否決定手段430、及び大当り図柄用乱数抽出手段417によって大当り図柄用乱数が抽出されると、大当り図柄用テーブル412を用いて特別図柄表示器332における停止図柄を決定する停止図柄決定手段431が設けられている。さらに、変動時間用乱数抽出手段418によって変動時間用乱数が抽出され、且つ当否決定手段430によって大当りであることが決定されると、当り時変動時間可変用テーブル413を用いて特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ当否決定手段430によって外れであることが決定されると、外れ時変動時間可変用テーブル414を用いて特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段432が設けられている。
また、主基板310には、特別図柄表示器332において特別図柄の変動を開始するとともに、変動時間決定手段432によって決定された変動時間の経過後、停止図柄決定手段431によって決定された停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段434と、当否決定手段430によって大当りであることが決定されると、特別図柄の変動停止後、遊技者に有利な遊技状態(すなわち図17の大当り処理)を発生させる有利遊技状態発生手段433と、特別図柄の変動開始の際に、当否決定手段430によって決定された大当りの有無に関する当否コマンド、及び特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段435が設けられている。
これに対し、サブ統合基板336では、図18に示すように、主制御基板131から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS601においてYES)、受け取ったこれらの変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定する(ステップS602)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、当否コマンド及び確変・非確変コマンドに基づいて装飾図柄列における最終停止図柄を決定する。例えば、「確変大当り」の場合には、確変大当りに相当する複数の装飾図柄の中から一つの図柄を最終停止図柄として決定する。また、サブ統合基板336は、乱数発生手段(図示しない)を有しており、乱数を取得するとともに、取得された乱数に応じて大当り予告の演出態様(例えば出現時期や出現順序が不規則な所定のハプニング演出パターン)を付加する。さらに、サブ統合基板336では、決定されたこれらの変動態様を、電飾制御基板337、338及び波形制御基板339に対する変動開始コマンドとして設定する(ステップS603)。具体的には、変動表示パターンコマンド、最終停止図柄コマンド、及びハプニング演出パターンコマンド等を設定する。そして、設定されたこれらの変動開始コマンドを、各制御基板337,338,339に送信する(ステップS604)。これにより、これらの制御基板337,338,339では、抽選結果に応じた演出表示を行ったり、その演出表示に合せて音声等を発生させることが可能になる。
特に、電飾制御基板338では、図19に示すように、サブ統合基板336から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS701においてYES)、その変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定(ステップS702)し、その後、演出表示装置115を制御する(ステップS703)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、最終停止図柄コマンドに基づいて、装飾図柄列の最終停止図柄を設定する。また、ハプニング演出パターンコマンドに対応したハプニング演出を決定するとともに、誘発型演出等、より具体的な演出態様を付加する。つまり、電飾制御基板338は、乱数発生手段(ランダムカウンタ)を有しており、演出表示装置115における夫々の変動パターンに対して、より具体的な演出態様を付加することを可能にしている。このように、本例では、変動パターンの選択処理が、主制御基板131、サブ統合基板111、及び電飾制御基板338において分担されており、これにより、主制御基板131及びサブ統合基板111における処理の負担を軽減するとともに、変動パターンの複雑化、ひいては演出の興趣を向上させている。
なお、図18及び図19に示すフローチャートでは、サブ統合基板336及び電飾制御基板338におけるコマンド受信処理のうち、特に演出の制御に関する変動開始コマンドの受信処理のみを説明している。すなわち、ここでは、電源投入時のコマンドや異常時のコマンドに対する処理は省略している。
ところで、本例の演出表示装置115に表示される演出画像には、周期性をもって変動表示される装飾図柄、装飾図柄の変動中、遊技者の操作に基づいて演出態様を表示させることが可能な誘発型演出、及び所定のタイミングで出現可能な複数の出現体(キャラクター等)が含まれている。以下、装飾図柄及び誘発型演出について詳細に説明する。
[装飾図柄について]
本例では、装飾図柄として、例えば、左・中・右の3つの装飾図柄列が設定されており、装飾図柄列毎に変動表示されるようになっている。一連の装飾図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄と、絵図柄からなる副装飾図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄が表示されると共に各主装飾図柄の間に副装飾図柄が配されて一連の装飾図柄列が構成されている。そして、主装飾図柄と副装飾図柄とが周期性を持って上から下へと変動表示されるようになっており、左装飾図柄列→右装飾図柄列→中装飾図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に三つの装飾図柄が大当り装飾図柄の組合せ(例えば「7」,「7」,「7」)で揃えば大当りとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
なお、本例では、演出表示装置115における装飾図柄列の変動開始時期を、特別図柄の変動開始後とし、装飾図柄列の変動停止を特別図柄の変動停止前としている。これにより、特別図柄の変動表示の開始時と停止時には、演出表示装置115での演出表示を行わないことで、特別図柄の変動表示に対して演出表示装置115での紛らわしい表示を行うことを防止するとともに、演出表示装置115の演出中に当りか否かを認識させること、すなわち演出の効果を損なうことを防止している。
[誘発型演出について]
誘発型演出では、複数の画像が演出態様記憶手段455(図21参照)に記憶されており、演出要求指示手段60の操作が行われた場合に、いずれか一つの画像を演出表示装置115に表示させることが可能となっている。また、この誘発型演出は、大当りの予告表示として、演出表示装置115における装飾図柄列の変動開始から、それらがリーチ状態となる前(例えば四秒前)までの間の所定期間内において導出可能なものであり、遊技者の操作に対し演出態様が早く導出されるほど大当りの信頼度が高くなるように出現率が振り分けられている。なお、大当りの信頼度とは、外れ時の演出として選択される確率が異なっている複数の演出がある場合、その選択率の異なりによって発生するものである。例えば、選択率が低い演出ほど大当りに対する信頼度が高くなり、期待値が高くなる。具体的な演出例としては、図25に示すものが挙げられる。この演出例では、腹巻と鉢巻をした男性の図柄C1、着物を着た小太りな少年の図柄C2、エプロンをした婦人の図柄C3、及び賢そうな幼児の図柄C4が一画面上に同時に表示され、一斉に踊り出すものである。つまり、賑やかで楽しいイメージを遊技者に喚起させる演出態様となっている。なお、演出態様の上方には三つの装飾図柄列Sが変動状態で表示される。
次に、装飾図柄及び誘発型演出の演出表示制御における機能的な構成、すなわち演出プログラムとして実現される機能的な構成ついて説明する。図21に示すように、電飾制御基板338(副制御手段に相当)には、主基板310(主制御手段に相当)からサブ統合基板336を介して送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段451によって受信されると、これを基に演出表示装置115を制御するための各種機能が備えられている。
ところで、従来のように、演出態様を全て演出表示装置115に導出させるものでは、遊技者に対して一方的に予告が行われる形となるため、演出表示が導出されない場合には、「大当りの発生する可能性がない」と必然的に認識され、その場で期待感を消失させてしまう恐れがある。つまり、「予告のない図柄列の変動は期待することができない」と意識付けられ、装飾図柄列の変動中であっても特殊な演出が導出されないことが認識された時点で、その後の装飾図柄列の変動を楽しむことができなくなる恐れがある。特に、リーチ状態が発生する前の段階で実行される演出においては、この段階で演出が行われないことにより期待感が消失すると、リーチの発生さえ期待することができず、演出を楽しめない期間が比較的長く継続することとなる。なお、「ボタンの押し操作で予告を促すようにした遊技機」、すなわち「装飾図柄列の変動中、ボタンが操作されると、大当りの期待値等を表示させる遊技機」が従来から知られている。つまり、ボタンが操作されると期待値を表示するが、ボタンが操作されなければ期待値を表示させないようにしたものである。ところが、これによれば、単に期待値を表示させるか否かを遊技者に決定させているに過ぎないため、期待値を表示させた場合には、期待値の低さによって期待感を消失する恐れが依然として残されている。
これに対し、本例では、当り時導出率設定テーブル452と、外れ時導出率設定テーブル453とを記憶しており、これらのテーブル452,453等を基に、演出態様及び表示の有無を決定するようにしている。詳しく説明すると、当り時導出率設定テーブル452は、大当りの場合に用いられるテーブルであり、図23(a)に示すように、変動表示コマンド(変動時間)と、大当りの場合における当り時初回導出率との関係を示すものである。また、外れ時導出率設定テーブル453は、外れの場合に用いられるテーブルであり、図23(b)に示すように、変動表示コマンド(変動時間)と、外れの場合における外れ時初回導出率との関係を示すものである。例えば、大当りで且つ変動時間が28500msの場合には、初回導出率は、128/256の確率で導出されることを示している。なお、当り時導出率設定テーブル452における演出態様の初回導出率は、外れ時導出率設定テーブル453における初回導出率よりも高く設定されている。これにより、大当りとなる場合の方が外れとなる場合よりも、誘発型演出の画像が早い段階(すなわち少ない操作回数)で出現されやすくなる。なお、当り時導出率設定テーブル452及び外れ時導出率設定テーブル453においては、変動時間が長いほど演出態様の導出率が高くなるように設定されている。ここで、「初回」とは、演出要求指示手段60の操作回数が一回であることを意味している。つまり、1回目の操作では、当り時導出率設定テーブル452及び外れ時導出率設定テーブル453に記憶された当り時初回導出率及び外れ時初回導出率が、表示の有無を決定する際の導出率として直接用いられるが、2回目以降の操作に対しては、まず初回導出率と操作回数とに基づいて変動導出率が算出され、算出された変動導出率を用いて演出態様の表示の有無が決定されるようになっている。
詳しく説明すると、図21に示すように、電飾制御基板338には、操作回数カウント手段456と、当り時導出率決定手段457及び外れ時導出率決定手段458とが備えられている。操作回数カウント手段456は、所定の期間内における演出要求指示手段60の操作回数(押圧回数)をカウントするものであり、カウントされた操作回数を、当り時導出率決定手段457及び外れ時導出率決定手段458に出力する。当り時導出率決定手段457は、カウントされた操作回数及び当り時導出率設定テーブル452に記憶された当り時初回導出率を基に、当り時変動導出率を算出するものであり、操作回数が多いほど導出率が高くなるように設定した算出式に、操作回数と当り時初回導出率とを当てはめることにより、当り時変動導出率を決定する。一方、外れ時導出率決定手段458は、カウントされた操作回数及び外れ時導出率設定テーブル453に記憶された外れ時初回導出率を基に、当り時変動導出率を算出するものであり、操作回数が多いほど変動導出率が高くなるように設定した算出式に、操作回数と外れ時初回導出率とを当てはめることにより、外れ時変動導出率を決定する。なお、算出式は特に限定されるものではないが、例えば操作回数が一回増えるごとに初回導出率分だけ増加させるように、(変動導出率=操作回数×初期導出率)の算出式を用いることもできる。また、当りの場合と外れの場合とで導出率の増加分を互いに異ならせるようにしてもよい。
また、電飾制御基板338は、導出表示用乱数抽出手段459、及び表示有無決定手段470を備え、遊技者によって演出を表示させることが要求され、且つ抽選の結果が特定の結果となった場合にのみ、演出態様記憶手段455に記憶された演出態様を表示させるようにしている。詳しく説明すると、導出表示用乱数抽出手段459は、演出要求指示手段60の操作によって演出態様の表示要求が指示されると、導出表示用乱数をランダムカウンタ(図示しない)から抽出するものである。ここで、導出表示用乱数抽出手段459が、本発明の乱数抽出手段(表示用乱数抽出手段)に相当する。
表示有無決定手段470は、主基板310のコマンド発信手段435から発信された制御コマンドをコマンド受信手段451によって受信すると、その制御コマンドに含まれる当否コマンドが大当りを示すものである場合には、受信した変動表示コマンドに対応する演出態様の変動導出率を、当り時導出率決定手段457によって決定するとともに、決定された変動導出率で表示されるように、導出表示用乱数抽出手段459によって抽出された導出表示用乱数を基に、表示させるか否かを決定する。一方、制御コマンドに含まれる当否コマンドが外れを示すものである場合には、受信した変動表示コマンドに対応する演出態様の変動導出率を、外れ時導出率決定手段458によって決定するとともに、決定された変動導出率で表示されるように、導出表示用乱数抽出手段459によって抽出された導出表示用乱数を基に、表示させるか否かを決定する。
また、導出表示用乱数抽出手段459は、乱数更新手段471及び抽出期間制限手段472を有している。乱数更新手段471は、演出態様が導出されるまで、所定の期間内において演出要求指示手段60が操作されたか否かを検出しその演出要求指示手段60が操作される毎に導出表示用乱数を抽出し、その乱数を更新するものである。すなわち、繰り返して操作することを可能とするものである。抽出期間制限手段472は、予め定めた期間に限り演出要求指示手段60の操作を受け付けるものである。具体的に、装飾図柄列の変動開始から操作可能となり、リーチ状態の四秒前に操作受付期間が終了する。
なお、演出要求指示手段60の操作を基に導出表示用乱数が抽出され、さらに表示有無決定手段470によってその演出態様を導出させることが決定された場合には、操作受付期間中であっても、演出態様が導出される。これにより、導出される演出態様と操作回数
(すなわち導出されるまでの時間)とを関連付けて有利性を予測することが可能になる。また、操作受付期間内であれば一度演出態様が導出されても、継続して操作が受け付けられ、導出表示用乱数抽出手段459によって抽出された導出表示用乱数を基に、演出態様を表示させるか否かが再び決定される。ただし、表示有無決定手段470には、外れ時制限手段473が備えられており、当否コマンドが外れである場合には、演出態様の導出を一回のみに制限している。つまり、外れ時においては、演出要求指示手段60の操作が繰り返されても、演出態様は一回しか表示されないように設定している。換言すれば、演出態様が複数回表示された場合を、大当りが確定された状態としている。なお、当否コマンドが大当りである場合には、演出態様を複数回表示させることが可能になるが、この場合には、操作回数カウント手段456によってカウントされた操作回数は、回数リセット手段474により「0」にリセットされる。
表示有無決定手段470の出力は、演出表示制御手段475に送られ、演出表示制御手段475は、表示有無決定手段470によって何れかの演出対応を表示させることが決定された場合に限り、その演出態様を演出表示装置115に導出する。なお、演出態様記憶手段455には、互いに異なる複数の演出態様が記憶されており、その中から一つの演出態様が演出態様選択手段460によって無作為に抽出される。つまり、演出態様選択手段460は選択用の乱数を抽出するとともに、抽出した乱数を基に一つの演出態様を決定する。
また、電飾制御基板338には、上限到達判定手段477及び演出態様導出手段478が備えられている。上限到達判定手段477は、操作回数カウント手段456によってカウントされた操作回数が、上限として設定された所定回数(例えば20回)に到達したか否かを判定するものであり、演出態様導出手段478は、カウントされた操作回数が所定回数に達しても演出態様が導出されていない場合に、表示有無決定手段470の決定に拘わらず、演出態様を演出表示装置115に導出させるものである。これにより、所定回数以上の操作によって演出態様を確実に表示させることが可能になり、遊技者に対して操作に対する満足感を与えることが可能になる。
次に、誘発型演出に関する演出制御処理の流れを、図24に示すフローチャートを基に説明する。まず、外れ再フラグが「0」であるか否かが判定され、「0」の場合には(ステップS801においてYES)、演出要求指示手段60が操作されたか否かが判定される(ステップS802)。ここで、外れ再フラグとは、当否コマンドが外れを示し、且つ、装飾図柄列の変動中、既に演出態様が表示された場合に「1」がセットされるフラグである(ステップS815参照)。
ステップS802において、演出要求指示手段60が操作されると(YES)、操作回数Cに「1」が加えられる(ステップS803)。すなわち操作回数がカウントされる。その後、カウントされた操作回数が上限値よりも小さいか否かが判定され上限値よりも小さい場合には(ステップS804においてYES)、当否コマンドが大当りを示すものか外れを示すものかが判定される(ステップS805)。
そして、ステップS805において、大当りを示すものである場合には(YES)、変動表示コマンド(変動時間)に対応する当り時初回導出率を当り時導出率設定テーブル452から抽出し、さらにカウントされた操作回数と、当り時初回導出率とに基づいて当り時変動導出率を決定する(ステップS806,S807)。一方、ステップS805において、外れを示すものである場合には(NO)、変動表示コマンド(変動時間)に対応する外れ時初回導出率を外れ時導出率設定テーブル453から抽出し、さらにカウントされた操作回数と、外れ時初回導出率とに基づいて外れ時変動導出率を決定する(ステップS808,S809)。
その後、導出表示用乱数を抽出するとともに、ステップS807またはステップS809において決定された当り時変動導出率または外れ時変動導出率で演出態様が表示されるように、抽出された導出表示用乱数を基に、表示させるか否かを決定する(ステップS810)。そして、表示させることに決定された場合には(ステップS811においてYES)、演出態様を演出表示装置115に導出する(ステップS812)。これにより、演出態様が表示され視認可能となる。
さらに、カウントされた操作回数Cを「0」にリセットする(ステップS813)とともに、当否コマンドが外れを示す場合(ステップS814においてNO)には、外れ再フラグに「1」をセットし、(ステップS815)、ステップS703(図19)のルーチンにリターンする。つまり、演出態様が導出された際には、当否コマンドが大当りを示すものであるか否かを判定し、大当りの場合には(ステップS814においてYES)、再びステップS802において演出要求指示手段60の操作を受付け、上記の処理を繰り返すことを可能にするが、当否コマンドが外れを示す場合には、外れ再フラグに「1」がセットされることにより、ステップS801においてNOとなり、上記の演出処理を行うことなくステップS703のルーチンにリターンする。また、演出要求指示手段60が操作されない場合も(ステップS802においてNO)、上記の演出処理を行うことなくステップS703のルーチンにリターンする。
一方、ステップS804において、カウントされた操作回数が上限値を超えている場合には(NO)、ステップS812の処理に移行し、導出率を決定することなく、演出態様を強制的に導出させる。
このように、本例のパチンコ機1によれば、演出要求指示手段60が操作される毎に演出態様を導出するか否かの抽選が行われるため、大当りへの期待値が高い場合には、比較的少ない操作によって演出態様を導出させることが可能になり、一方、大当りへの期待値が低い場合には、演出態様を導出させるまでの操作回数が多くなる。したがって、演出態様が導出されるまでの操作回数によって期待値を推測させることができるようになり、従来にはない遊技性によって興趣を大幅に高めることができる。特に、操作回数が多いほど演出が導出されやすくなるため、複数回の操作によって極めて高い確率で視認させることが可能となり、演出による興趣を一層高めることができる。また、当り時初回導出率と、外れ時初回導出率とが予め記憶されており、これらの初回導出率を用いて、操作回数に応じて変化する変動導出率が算出されるため、操作回数に対応するそれぞれの導出率を記憶させることなく決定することが可能となり、ひいては記憶容量の増加を抑制することができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、誘発型演出における演出態様は遊技者の操作によって誘発可能となるため、遊技者は、演出表示装置115に演出態様が表示されない場合、でも、「操作不足のため演出態様が誘発されないだけであり、大当りが発生する可能性が残されている」と遊技者にとって都合のよい方へ解釈させることができる。したがって、期待感の消失が低減され、抽選結果が表示されるまで抽選を楽しませることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、演出態様記憶手段455に複数の演出態様が記憶され、その中から一つの演出態様が乱数等に基づいて選択され導出可能となるため、複数の種類の演出を視認させることが可能となり、演出における興趣をさらに高めることができる。特に、遊技者は、どのような演出が導出されるのかを予想しながら、演出要求指示手段60を操作することとなるため、飽きることなく集中して操作するようになる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、演出態様が一度表示されても、所定の期間内であれば再び演出要求指示手段60を操作することにより、演出態様を表示させることが可能となるため、残り時間による退屈さを感じさせることが抑制される。特に、演出態様が複数回表示された場合には、当りが確定されたこととなるため、遊技者は、演出態様が一回導出されてもそれに満足することなく、当りが確定されることを願って演出要求指示手段60の操作を繰り返すようになる。したがって、演出要求指示手段60の操作が一層促進される。
ところで、演出要求指示手段60の操作回数に応じて大当りへの期待値を推測可能とさせる別の方法として、当り時において用いられるテーブルであって、操作回数とその選択率との関係を示す当り時操作回数テーブルと、外れ時において用いられるテーブルであって、操作回数とその選択率との関係を示す外れ時操作回数テーブルとを備え、当否コマンドに応じた操作回数テーブルと抽出された乱数とに基づいて操作回数を決定するとともに、演出要求指示手段60の操作回数(すなわちカウントされた操作回数)が、決定された操作回数に到達したときに、演出を表示させるようにすることが考えられる。しかしながら、この遊技機によれば、当り時と外れ時とで演出を導出させるまでの操作回数が互いに偏ることとなり、操作回数によって当りであるか外れであるかが認識されやすくなってしまう。すなわち、演出が導出されるまでの操作回数が比較的長い場合には、期待値がなくなることから、遊技者の期待感がその時点で消失する恐れがある。これに対し、本実施形態では、操作回数はパターン化されておらず、毎回抽選を行うことによって演出を導出されるか否かを決定するため、当りであっても比較的遅い段階で導出される場合もあれば、外れであっても比較的早い段階で導出される場合もある。したがって、演出が導出されるまでの操作回数は偏らず、当否の結果を認識させ難くすることができ、ひいては演出が導出されるまでの操作回数が比較的多い場合でも遊技者の期待感の消失を軽減することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、初回の操作に対する導出率のみを記憶し、二回目以降の操作に対する導出率は算出によって決定するものを示したが、複数の導出率設定テーブルを操作回数に関連づけて記憶させるようにしてもよい。具体的には、図26に示すように、複数の当り時導出率設定テーブルからなる当り時設定テーブル群491と、複数の外れ時導出率設定テーブルからなる外れ時設定テーブル群492と、テーブル抽出手段493とから構成することができる。テーブル抽出手段493は、制御コマンドに含まれる当否コマンドが大当りを示すものである場合には、当り時設定テーブル群491の中から、操作回数に対応する当り時導出率設定テーブルを抽出し、一方、当否コマンドが外れを示すものである場合には、外れ時設定テーブル群492の中から、操作回数に対応する外れ時導出率設定テーブルを抽出するものである。また、この場合、表示有無決定手段470は、当否コマンドが大当りを示すものである場合には、変動表示コマンドに対応する演出態様の導出率を、テーブル抽出手段493によって抽出された当り時導出率設定テーブルから決定するとともに、決定された導出率で表示されるように、導出表示用乱数抽出手段459によって抽出された導出表示用乱数を基に、表示させるか否かを決定する。また、当否コマンドが外れを示すものである場合には、変動表示コマンドに対応する演出態様の導出率を、テーブル抽出手段493によって抽出された外れ時導出率設定テーブルから決定するとともに、決定された導出率で表示されるように、導出表示用乱数抽出手段459によって抽出された導出表示用乱数を基に、表示させるか否かを決定する。このように構成すれば、操作回数に対応する当り時導出率及び外れ時導出率を比較的容易に決定することが可能になるとともに、例えば操作回数に従って増加する各導出率の変化割合を不規則的に変化させる等、導出率の設定を一層複雑にし、操作回数と導出率の変化量との関係を遊技者に把握させ難くすることができる。このため、演出態様が表示されるまでの操作回数が比較的多い場合でも、期待感の低下を軽減し、抽選結果が表示されるまで抽選を楽しませることが可能になる。
また、上記実施形態では、一つの演出に対して画像を表示させるか否かを決定するものを示したが、複数の画像が段階的に発展表示される所謂ステップ演出に対して本発明を適用することも可能である。この場合、各ステップに対して画像を表示させるか否かを決定させるようにすれば、各ステップの画像が遊技者の操作によって誘発可能となるため、遊技者は、演出表示装置115に各ステップの画像が表示されない場合、あるいは表示されたステップの数が少ない場合であっても、「操作不足のため画像が誘発されないだけであり、大当りが発生する可能性が残されている」と遊技者にとって都合のよい方へ解釈させることができる。また、演出態様における画像は、静止画であっても動画であっても構わない。
また、それらの演出が導出される時期においても特に限定されるものではなく、例えば、リーチ状態の後に演出要求指示手段60を操作させ、演出態様を導出させるようにしてもよい。ただし、本例のようにリーチ状態の前、すなわち通常変動中において導出可能とすることにより、当り時または外れ時に拘わらず、同じように導出させることができるとともに、遊技者自身が誘発させる演出により遊技者の退屈感を軽減することができる。つまり、従来の遊技機では、リーチ状態の後であれば、リーチ状態によって期待感を高めその後の変動や演出に対して興趣を高めることができるが、リーチ状態の前では単に装飾図柄列の変動を見続けるという、遊技者に退屈感を与えるような状態となっていた。これに対し本例では、誘発型演出の画像を導出させる操作をリーチ状態の前に行わせることから、遊技者に退屈感を与えることなく、遊技に集中させることができる。これにより、遊技における興趣を大幅に高めることが可能になる。
さらに、上記実施形態では、誘発型演出を表示させる表示手段として、装飾図柄列が表示される演出表示装置115を利用するものを示したが、特殊な演出態様を表示するための専用の表示手段を備えるようにしてもよい。
また、電飾制御基板338に導出表示用乱数抽出手段459及び表示有無決定手段470を備え、主基板310から発信されるコマンドを基に、電飾制御基板338において、演出の態様と、その演出を表示させるか否かとを決定するものを示したが、主基板310において全ての演出処理を行うようにしてもよい。但し、上記実施形態のように演出処理を分担するようにすれば、主基板310における処理の負担を軽減するとともに、変動パターンを一層多様化することができる。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。