しかしながら、上記の遊技機では、図柄列が変動を開始してから停止するまでにキャラクタを出現させたり動作させたりする一連の演出表示を、一つの演出シーンとし、その演出シーンを予め複数用意した上で、抽選結果に基づいて、所定の演出シーンを選択表示するものであった。詳しくは、抽選結果により、遊技者が有利な有利遊技状態となる確率の違いに応じて、互いに異なる演出シーンを予め複数用意されており、抽選結果に基づいて、所定の演出シーンを選択して表示していた。そのため、表示された演出シーンによって有利遊技状態となる期待度が判別できるようになるので、遊技者は、期待度の高い演出シーンの表示を期待するしかなかった。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、期待度が低い演出シーンの表示が開始されても、その表示途中で異なる演出シーンに変更して興趣が低下するのを抑制することのできる遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:「複数の装飾図柄からなる図柄列、キャラクタ、及び背景を表示するための表示手段と、遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、該遊技状態検出手段による遊技状態の検出に基づいて、複数の演出シーンから所定の演出シーンを前記表示手段に表示させる演出シーン制御手段を有し、複数の演出シーンより予め設定された所定数及び所定順序で表示することで構成される複数の演出表示態様から所定の演出表示態様を前記表示手段に表示させる演出表示制御手段と、前記遊技状態検出手段による遊技状態の検出に基づいて、前記演出表示制御手段により表示される演出表示態様における第一番目以後に表示される演出シーンの表示途中から異なる演出シーンに変更して表示させる演出シーン変更手段とを具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「図柄」とは、数字や記号、あるいはそれらと絵柄との組合わせ等からなる演出用の図柄である。また、「キャラクタ」とは、図柄列及び背景以外の画像を意味しており、小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、植物、又は小道具類、もしくはこの遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、植物、又は小道具類等を例示することができ、これらキャラクタを、その重要度の高い主キャラクタ、主キャラクタに次ぐ重要度の副キャラクタ、副キャラクタよりも重要度の低い脇キャラクタ、等に分類しても良い。
また、「遊技状態検出手段」とは、遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出するものであり、例えば遊技媒体として遊技球を用いた遊技機においては、入賞口や始動口への入球状態を検出するスイッチ、入賞口に入球する遊技球の数をカウントするカウント手段、及び入賞に基づく抽選結果を認識する認識手段を例示することができる。さらに、「表示手段」としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、またはCRT等を例示することができる。
また、「演出シーン」とは、図柄列、キャラクタ、及び背景を適宜用いて所定の演出動作をさせた複数のカットからなるもので、例えば、「複数の図柄列を変動表示すると共に順次停止表示する第一演出シーン」、「第一演出シーンに続いて表示するものであり、一つの図柄列を変動表示すると共にキャラクタに所定の動作表示をさせ、所定の装飾図柄で停止表示する第二演出シーン」、「第二演出シーンに続いて表示するものであり、装飾図柄とキャラクタとを所定の関係で動的に表示し、所定の装飾図柄で停止表示する第三演出シーン」、「主キャラクタを用いた特別演出シーン」、等とすることができる。
更に、「演出表示態様」とは、所定数の演出シーンを一連の表示となるように所定順序で表示したものであり、nを自然数とすると、第一演出シーンから第n演出シーンまでの一連で表示される表示態様のことを言う。なお、第一番目に表示される第一演出シーンよりも後に表示される第二演出シーン、第三演出シーン等を、「発展形態」とも称す。
ところで、従来の演出表示態様においては、まず初めに、複数の図柄列が変動表示された後に、それら図柄列が順次停止表示されるような演出シーン(第一演出シーン)が表示されるのが一般的であり、リーチ状態となった後は、最後に変動表示されている図柄列が停止するまでの間は、所望の装飾図柄で停止するか否かに関心が持たれるだけで、表示そのものへの関心が薄くなる傾向があった。そこで、最初の演出シーンとは異なる演出の演出シーン(「発展形態」)を表示させることで、興趣を高める表示を可能とすることが考えられるが、その場合でも、予め設定された演出表示態様に沿った演出シーンが表示されるだけなので、続いて表示開始された演出シーンが、例えば、有利遊技状態となる期待度の低いものであると認識されると、それ以後の表示内容に対して関心が薄れてしまうと共に、興趣を低下させてしまう恐れがあった。
手段1の構成によれば、遊技状態検出手段の検出により、予め設定された所定の演出表示態様が表示され、その演出表示態様において第一演出シーン以後に表示される演出シーンの途中で、演出シーン変更手段により異なる演出シーンに変更するもので、これにより、例えば、期待度の低い演出シーンが始まっても、その演出シーンのどこからでもより期待度の高い演出シーンに変更される可能性があるので、如何なる演出シーンが表示開始されても、期待感を持たすことができ、遊技に対する興趣を高めることができる。
また、演出シーンの途中で異なる演出シーンに変更するので、予め設定された演出シーンの数が少なくても、それら演出シーンを適宜組み合わせて新たな演出シーンとすることが可能となり、見飽きたりしないように、演出シーンのバリエーションを増やすことができ、より演出効果の優れた表示を可能とすることができると共に、遊技者に対して未だに見ていない演出シーンがあるかも知れないと思わせることも可能となり、遊技機の稼働率を向上させることができる。
更に、演出シーンの途中で異なる演出シーンに変更するので、遊技者は、表示手段により注目するようになり、従来では見過されていたような演出等も認識可能させて、表示による演出効果をより高めることができる。
なお、演出シーン変更手段は、変更した演出シーンを更に異なる演出シーンに変更しても良く、例えば、期待度の高い演出シーンから、期待度の低い演出シーン変更し、再び期待度の高い演出シーンに変更するような表示をすることもでき、これにより、抑揚に富んだものとすることができる。
手段2:手段1の構成において、「前記演出シーン制御手段は、前記装飾図柄を前記表示手段に動的に表示させる図柄制御手段、前記装飾図柄の表示中に前記キャラクタを動的に表示させるキャラクタ制御手段、及び前記キャラクタの表示中に前記背景を動的に表示させる背景制御手段、演出シーンの中でも特別な位置付けに設定された特別演出シーンを制御する特別演出シーン制御手段を有し、前記演出シーン変更手段は、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段2の構成によれば、演出シーン変更手段は、特別な位置付けに設定された特別演出シーンに変更するので、例えば、特別な位置付けとして、他の演出シーンとは全く異なるものとしたり、主キャラクタを用いて全く異なる演出シーンとしたりすることで、遊技者に、特別演出シーンに変更されたことを容易に認識させることができ、更に、特別演出シーンを期待度の特に高いものとすることで、特別演出シーンに変更されるか否かの期待感を高めることができると共に、変更されることで、更に期待感を高めることができる。
手段3:手段2の構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記演出シーン制御手段により、演出シーンの表示途中で、前記装飾図柄、前記キャラクタ、及び前記背景の少なくとも一つが所定の条件を満たすように表示制御されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段3によれば、装飾図柄、キャラクタ、及び背景の少なくとも一つが所定の条件を満たすように表示されると、特別演出シーンに変更するものである。具体的には、例えば、装飾図柄やキャラクタ等が、拡大表示されたり、当該演出シーンの一連の流れとは異なる動きをしたりすると特別演出シーンに変更させるようにでき、これにより、遊技者に対して、特別演出シーンへの変更の契機を認識させることが可能となり、演出シーンの途中で変更の契機が表示されるのを期待するようになって、興趣を高めることができる。
手段4:手段2又は手段3の構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記演出シーン制御手段により、演出シーンの表示途中で、前記キャラクタが、当該演出シーンにおける一連の動きとは異なる動きに表示制御されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段4によれば、演出シーンの表示途中で、キャラクタのみが(背景や装飾図柄を動かしたり変更したりしない状態で)、演出シーンの一連の流れとは異なる動きをすると、特別演出シーンに変更するものである。具体的には、例えば、通常の演出シーンでは、動かないキャラクタが動いたり、動くキャラクタが止まったり、特定のキャラクタがクローズアップされたり、特定のキャラクタをカメラが追いかけるように表示したりすると、特別演出シーンに変更することができる。つまり、キャラクタの動き等を変更の契機としたもので、これにより、特に、キャラクタは遊技者の目に付き易く、少しの変化でも違いを認識し易いので、変更の契機を容易に認識させることができると共に、その際のキャラクタの動きを趣向を凝らしたものとすることで、面白味を与えることができ、興趣を高められるものとすることができる。なお、キャラクタとして、重要度の高い主キャラクタを用いることで、上記の効果を更に高めることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、「前記特別演出シーンは、キャラクタの中でも最も重要度が高く設定された主キャラクタを用いた演出シーンである」ことを特徴とする。ここで、「重要度が高く設定された主キャラクタ」とは、例えば、「ハズレを示唆する演出シーンにおいて表示される頻度が低い又は表示されないキャラクタ」、「当りを示唆する演出シーンに表示される可能性の高いキャラクタ」、「一つの演出表示態様において最も長い時間表示されるキャラクタ」、などである。
手段5によれば、特別演出シーンを、主キャラクタによって構成したものとすることで、これにより、他の演出シーンとは明らかに異なる演出シーンとすることが可能となり、遊技者に対して、特別演出シーンに変更されたことを確実に認識させることができるとともに、期待感を高めることが可能なものとすることができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン制御手段は、複数の前記図柄列を変動表示すると共に順次停止表示する第一演出シーンを制御する第一演出シーン制御手段と、該第一演出シーン制御手段により、前記第一演出シーンが所定の条件を満たすように一区切りすると、該第一演出シーンに続いて表示し、該第一演出シーンとは異なる前記背景を用いると共に、一つの前記図柄列を変動表示すると共に前記キャラクタに所定の動的表示をさせ、所定の装飾図柄で停止表示する第二演出シーンを制御する第二演出シーン制御手段を有し、前記演出シーン変更手段は、前記第二演出シーンの表示途中で、新たな前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
ここで、「第二演出シーン」としては、「図柄列を上下方向に変動表示させると共に、その変動速度を適宜変化させながら表示させ、キャラクタを図柄列とは異なる速度で且つ、その速度を適宜変化させながら上下方向に移動表示させ、表示領域の略中央で、図柄列とキャラクタとが移動停止して、装飾図柄とキャラクタとを所定の状態で停止表示させる演出シーン」、「キャラクタと装飾図柄とをその移動速度を種々に変化させながら斜め上側又は、斜め下側に向かって移動表示させると共に、その途中でキャラクタと装飾図柄とを装飾図柄が表示領域外となるように斜め下側又は、斜め上側に移動表示し、その動きを繰り返す毎に装飾図柄の図柄を変更させ、キャラクタと装飾図柄とを所定の状態で停止表示させる演出シーン」、「装飾図柄の表示位置がキャラクタの表示位置に対して右側及び左側へと交互に入れ替わるように、装飾図柄を相対的に左右方向に繰り返し変位させると共に、所定の条件毎に装飾図柄の図柄を変更し、装飾図柄とキャラクタとを所定の状態で停止表示させる演出シーン」、「上下方向に複数の装飾図柄を互いに接触するように配置し、且つ、装飾図柄の後側に視認可能にキャラクタを配置した状態で、キャラクタの所定部位の上下方向への振動表示に伴って装飾図柄が振動表示し、所定の条件を満たすと装飾図柄が下側へ一つシフトし、そのシフトを繰り返しながら、装飾図柄とキャラクタとを所定の状態で停止表示させる演出シーン」、「図柄列を左右方向に配置し、左右の何れかの方向から移動表示されたキャラクタが装飾図柄を順次通過して、所定の装飾図柄でキャラクタを停止表示させる演出シーン」、などである。なお、第二演出シーンは、上記したものに限定するものではなく、その他の演出シーンとすることもできる。
ところで、本発明の第一演出シーンに相当する従来の演出シーンでは、単に変動表示された図柄列が停止表示するだけなので、リーチ状態となった後は、最後に変動表示されている図柄列が停止するまでの間は、所望の装飾図柄で停止するか否かに関心が持たれるだけで、表示そのものへの関心が薄くなる傾向があった。そのため、その図柄列の変動速度を種々に変化させたり、その図柄列のみを拡大表示させたりすることで、表示に注目させると共に、期待感を高めるようにすることが考えられるが、第一演出シーンの中だけでは表現できる演出に限りがあり、興趣を高めることが困難であった。そこで、本発明では、第一演出シーンが例えばリーチ状態となった時に、場面を変えて単に図柄列の変動が停止するだけのような演出とは異なる演出の第二演出シーン(所謂、「発展」)を表示させることで、興趣を高める表示を可能とすると共に、第二演出シーンを有利遊技状態となる可能性と関係させることで、第二演出シーンの表示開始による、大当たり等の確定に対する期待感を高めることができる。
手段6の構成によれば、第一演出シーンが所定の状態を満たすように一区切りすると、その第一演出シーン続いて、第二演出シーンを表示させた上で、その第二演出シーンの途中で特別演出シーンに変更するものである。これにより、第二演出シーンの表示が開始されることで、期待感が高められた上で、特別演出シーンに変更することで、その期待感を確信に変化させることが可能となり、大幅に演出効果の高いものとすることができる。
手段7:手段1から手段6までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン変更手段は、表示されている演出シーンの冒頭部で前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
ここで、「冒頭部」とは、その演出シーンにおける初めの部分のことを言い、例えば、第二演出シーンを例にすると、第二演出シーンは、第一演出シーンに続いて表示されるものであるが、第一演出シーンと第二演出シーンとの繋がりが唐突であると、遊技者に対して違和感を与えてしまい、興趣を低下させてしまう恐れがあり、第二演出シーンが違和感無く繋がるように、第二演出シーンの初めに設けられた繋ぎの部分のことを言う。
手段7によると、表示が開始された演出シーンの冒頭部分で特別演出シーンに変更されるので、これにより、喩え、表示が開始された演出シーンが、期待度の低いものであると認識されて興趣が低下しても、特別演出シーンに変更される可能性があるので、興趣を高めることができ、抑揚に富んだ演出表示とすることができる。
手段8:手段7の構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記演出シーン制御手段によって、演出シーンの冒頭部において、表示する演出シーンにおける主キャラクタとは別に、少なくとも一つの異なるキャラクタを表示させた後に、該少なくとも一つの異なるキャラクタを所定の条件を満たすように表示させると、異なる演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段8によれば、演出シーンの冒頭部において、その演出シーンのメインキャラクタとなる主キャラクタとは別に、他のキャラクタも表示するものである。これにより、例えば、初めに表示されるメインの主キャラクタが期待度の低いキャラクタであっても、期待度の高いその他のキャラクタも表示されるので、より期待度の高い演出シーンに変更されるかも知れないと言う期待感を持たせることが可能となり、興趣が低下するのを抑制することができる。また、異なるキャラクタが所定の条件を満たすように表示されると、異なる演出シーンに変更するので、例えば、異なるキャラクタの動きに注目させて、興趣を高めることができる。また、異なるキャラクタとして重要度の高い主キャラクタなどとしても良く、よりキャラクタに注目させることができる。なお、変更される異なる演出シーンを、特別演出シーンとした場合、遊技者が演出シーンの変更をより強く望むようになり、より興趣を高めることができる。
手段9:手段6から手段8までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記第二演出シーン制御手段により、前記第二演出シーンの冒頭部で前記主キャラクタが、表示領域内において上側から下側へ移動表示され、下側で停止すると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段9の構成によれば、第二演出シーンの冒頭部で、主キャラクタが表示領域の上側へ消えるように移動表示された後に、表示領域の上側から下側へ主キャラクタが移動表示されると、特別演出シーンに変更するものである。具体的には、例えば、初めに主キャラクタと複数の装飾図柄とをシーソーの一方の端に位置するように表示し、他方の端に他のキャラクタを落下させることで、一方の端の主キャラクタと装飾図柄を上側に飛ばし、その後、主キャラクタが一方の端に落下すると、特別演出シーンに変更する。なお、主キャラクタに代えて、装飾図柄の一つが一方の端に落下することで、他方の端の他のキャラクタが上側に飛び、続いて、下から見上げるような場面に変更したところで、主キャラクタが下側から上昇端まで上がった後に落下してくると、特別演出シーンに変更するようにしても良い。これにより、主キャラクタ及び他のキャラクタが消えた後で、何れのキャラクタが表示されるかと言う期待感が高められ、興趣に富んだものとすることができる。また、他のキャラクタが表示されても、未だ第二演出シーンの冒頭部なので、大当たりとなる可能性が残されているので、興趣が低下するのを抑制することができる。
手段10:手段6から手段8までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記第二演出シーン制御手段により、前記第二演出シーンの冒頭部で予め表示されている前記キャラクタに、前記主キャラクタが衝突して前記キャラクタが表示領域外へ移動表示されると共に、前記主キャラクタが表示領域内に継続して表示されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段10の構成によれば、第二演出シーンの冒頭部で、予め表示されているキャラクタに主キャラクタが衝突して、主キャラクタが残って、他のキャラクタが表示領域外へ移動表示すると、特別演出シーンに変更するもので、これにより、初めに表示されているキャラクタに主キャラクタが衝突した際に、何れのキャラクタが残るのかと言う期待感が高められ、興趣に富んだものとすることができる。
手段11:手段6から手段8までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記第二演出シーン制御手段により、前記第二演出シーンの冒頭部で前記主キャラクタのみが表示領域内に入るように表示領域が相対移動されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段11の構成よれば、第二演出シーンの冒頭部で、表示されている所定のキャラクタに、他のキャラクタが当接して所定のキャラクタが排除されると、主キャラクタが表示されると共に、その後側に装飾図柄と他のキャラクタが表示され、その後、主キャラクタのみが表示領域内に表示されると、特別演出シーンに変更するものである。具体的には、例えば、所定のキャラクタとしてのバケツの後側(バケツの中)に主キャラクタが隠れるように配置された状態で、所定の方向から装飾図柄がバケツに当接し、バケツが飛ばされると同時に主キャラクタが現れる。その一方で、主キャラクタの後側には、バケツに当たった装飾図柄と他のキャラクタとが表示されており、その後表示領域(カメラのフレームに相当)が、前側の主キャラクタに移動(パン)すると、特別演出シーンに変更するものである。なお、変更しない場合は、表示領域が後側の装飾図柄と他のキャラクタに移動(パン)して、主キャラクタが表示領域外へと相対移動する。
これにより、第二演出シーンの冒頭部で、主キャラクタと、その後ろに装飾図柄と他のキャラクタが表示されると、何れのキャラクタの方にカメラワークされるのかと言う期待感が高められ、興趣に富んだものとすることができる。
手段12:手段6から手段8までの何れか一つの構成において、「前記演出シーン変更手段は、前記第二演出シーン制御により、第二演出シーンの冒頭部で前記主キャラクタが前記所定領域に位置して、表示領域外へ移動表示されると、前記特別演出シーンに変更する」ものであることを特徴とする。
手段12の構成によれば、第二演出シーンの冒頭部で、表示されている複数のキャラクタの中で、主キャラクタのみが所定領域に位置すると、特別演出シーンに変更するものである。具体的には、所定領域として、例えば、表示されている大砲の砲身内に相当する領域とし、複数のキャラクタが略同時に砲身内に入る動作をして、主キャラクタのみが砲身内に入ると、主キャラクタが大砲で打ち出されて、特別演出シーンに変更される。これにより、何れのキャラクタが砲身内に入るかと言う期待感が高められ、興趣に富んだものとすることができる。
手段13:手段1から手段12までの何れか一つの構成において、「前記遊技状態検出手段による遊技状態の検出に基づいて抽選を行う抽選手段を更に具備し、該抽選手段の抽選結果に基づいて前記演出シーン制御手段が実行可能とする共に、前記抽選結果が所定結果である場合、前記演出シーン変更手段が実行可能とする」ものであることを特徴とする。
手段13の構成によれば、遊技状態検出手段として、例えば、始動口に遊技球が入球する等すると、抽選手段により抽選を行い、その抽選結果に基づいて、演出シーン制御手段が予め設定された演出シーンの表示を行う。一方、抽選結果が所定結果の場合、演出シーン変更手段により、表示されている演出シーンの途中で異なる演出シーンに変更するもので、これにより、抽選結果と演出シーンの変更とを関連付けることが可能となり、例えば、抽選結果に対する期待感と演出シーンの変更による期待感とを一致させて、演出シーンの変更が、有利遊戯状態となる可能性の高いものであると言う信頼度を高めることができる。
手段14:手段13の構成において、「前記抽選手段の抽選結果が所定結果である場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段をさらに具備し、前記特別演出シーンは、前記有利遊技状態が発生する可能性が高いことを示唆する」ものであることを特徴とする。
ここで、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味ものであり、以下のように種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される入賞口を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させて、遊技球が多量に入賞口に入賞し易くした状態(所謂「大当り状態」)。
(2)パチンコ等の遊技機において、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技球の入賞や通過により大当り状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の入球装置を、通常よりも遊技球が入球し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
(4)スロットマシーン等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う絵柄にてドラムが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(5)スロットマシーン等の遊技機において、ボーナスゲーム状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
手段14の構成によれば、特別演出シーンは、有利遊技状態になる可能性が高いことを示唆するものであることから、遊技者は特別演出シーンが表示されることを願うようになる。つまり、表示されている演出シーンの途中で特別演出シーンに変更されるのを強く期待するようになるので、何時変更されるのかと言う期待感が常に得られると共に、何処で変更されるのかが気になり、どんな演出シーンでも注目させることができ、興趣に富んだものとすることができる。
手段15:「遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、特別図柄を表示するための特別図柄表示器と、前記遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段、前記特別図柄表示器において前記特別図柄を変動させるとともに、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記特別図柄の変動を停止させる特別図柄変動制御手段、及び前記抽選手段の抽選結果が所定結果である場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段を有する主基板と、複数の装飾図柄からなる図柄列、キャラクタ、及び背景を表示するための表示手段と、該表示手段において複数の前記図柄列を変動させると共に、前記主基板から送信される制御コマンドを基に、予め設定された複数の演出表示態様から所定の演出表示態様を表示させる演出表示制御手段、該演出表示制御手段により表示される演出表示態様における第一番目以後に表示される演出シーンの途中から異なる演出シーンに変更して表示させる演出シーン変更制御手段を有する周辺基板とを具備する」ものであることを特徴とする。
手段15の構成によれば、制御の内容が、主基板と周辺基板とで分担され、主基板では、遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選するとともに、特別図柄表示器において特別図柄を変動させ抽選結果に基づいて特別図柄の変動を停止させる処理が実行される。また、抽選結果が所定結果である場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる処理も行われる。一方、周辺基板では、演出表示手段に複数の図柄列を変動させ、主基板から送信される制御コマンドを基に図柄列を順に停止させる処理と、同演出表示手段において装飾図柄とキャラクタとによる演出表示を行わせる処理とが実行される。このように、上述の演出表示を周辺基板において行わせることにより、主基板の負担を大きくすることなく、多彩な演出シーンを容易に実現させることが可能になる。
手段16:手段1〜手段15のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする。パチンコ遊技機とは、操作ハンドルの操作に対応して発射装置から遊技球を発射し、多数の障害釘、センター役物、始動口、大入賞口、及び表示手段等が組み込まれた遊技領域に遊技球を導くとともに、始動口や大入賞口への入賞に伴い所定数の遊技球を賞球として払い出すものである。また、始動口への入賞を契機として特別図柄表示手段において特別図柄を変動させるとともに、内部的に行われる抽選結果に応じて図柄の変動を停止させるものである。また、特別図柄の変動中、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出表示手段が設けられる場合もある。
手段16によると、パチンコ遊技機において、手段1〜手段15までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段17:手段1〜手段15のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、停止操作機能付きスロットマシーンであることを特徴とする。停止操作機能付きスロットマシーンとは、遊技媒体としてメダルを使用し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、遊技者に有利な特別有利状態としてメダルを払い出すものである。
手段17によると、停止操作機能付きスロットマシーンにおいて、手段1〜手段15までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段18:手段1〜手段15のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機であることを特徴とする。ここで、「パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位として投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、遊技者に有利な特別有利状態として遊技球を払い出すものである。
手段18によると、パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機において、手段1〜手段15までのいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明の遊技機では、期待度が低い演出シーンの表示が開始されても、その表示途中で異なる演出シーンに変更して興趣が低下するのを抑制することのできる遊技機を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
[施錠装置の構成について] 図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(参照符号なし)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91が配設されており、このセンター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
センター役物91は全体として額縁状の装飾体から構成されており、その上縁部にはキャラクタの頭部をデザインした、キャラクタ体92が一体的に取り付けられている。なお、このキャラクタ体92は、旋回可能な可動役物として機能している。さらに、キャラクタ体92の左右には別のキャラクタをデザインした装飾体93が配設されている。
また、センター役物91の上縁部または左右側縁部には、図示しないワープ入口とともにワープ通路が形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球がワープ入口に入り込むと、ワープ通路を通じてセンター役物91の内側に取り込まれるようになっている。
センター役物91の内側には、その下縁部に球受け棚94(ステージとも称する)が形成されており、この球受け棚94は前後方向に一定の奥行きを有している。ワープ通路を通って取り込まれた遊技球はセンター役物91の内側へ放出され、球受け棚94に誘導される。球受け棚94はその上面にて遊技球を転動させ、その動きにいろいろな変化を与えて遊技に面白みを付加する。
また、センター役物91の下縁部には、その中央位置に球誘導路95が形成されており、この球誘導路95への入口(図示しない)は球受け棚94の上面に形成されている。球受け棚94から球誘導路95の入口に落下した遊技球は、そのまま球誘導路95を通って下方に案内される。
一方、球誘導路95の出口は正面に向けて開口しており、この出口から放出された遊技球は、ほぼ真下に向かって落下する。遊技領域37には、球誘導路95の直ぐ下方位置に入球装置96が配置されており、この入球装置96に遊技球が入球すると始動入賞となる。したがって、球誘導路95から放出された遊技球は、相当高い確率で始動入賞することができるものとなっている。入球装置96は左右一対の可動片97を有しており、これら可動片97を左右に拡開させて入球確率を高くすることが可能となっている。
また遊技領域37には、上記の入球装置96のさらに下方位置にアタッカ装置98が配設されており、このアタッカ装置98は開閉部材99を前後方向に開閉動作させることにより大入賞口を開閉させる。
また、センター役物91の下縁部には、特別図柄表示器(詳細は後述する)として機能する四つのLED110と、抽選の保留状態を示す四つのLED(保留球ランプ)111とが設けられている。四つの保留球ランプ111は、「大当り」の抽選において、保留回数分(最大4回)だけ点灯するようになっている。また、これらの下方には、始動ゲート口113への遊技球7の通過による抽選結果を表示する普通図柄表示器112a、及び抽選状態を表示する状態表示器112b等が設けられている。
その他、遊技領域37には始動ゲート口113や一般入賞口114等が配設されている。また、センター役物91の内側には演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、例えば動画や映像等の画像、或いは可動部材の動作等による演出表示が行われる。なお、演出表示装置115としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、及びCRT等の表示装置を例示することができる。演出表示装置115の表示面はセンター役物91の後側においてその開口窓に臨んで装着されており、センター役物91は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれ、センター役物91の後部及び演出表示装置115の表示装置制御基板116(図10参照)を有する表示装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。ここで、演出表示装置115が本発明の表示手段に相当する。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図11参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図11参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図7に基づき説明する。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[特別図柄表示器の構成について] 図3に基づき説明する。
本実施形態では、センター役物91の下縁部のうち、左側に4つのLED110が配列されており、これらLED110の配列が特別図柄表示器として機能している。また、その右側にある4つのLED111の配列は、保留球ランプとなっている。
本実施形態において、特別図柄表示器の機能はLED110の点灯・消灯によって実現することができる。例えば、始動入賞を契機として4つのLED110をいろいろなパターンで点滅させることにより、特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、4つのLED110の点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止状態を表示する。これにより、抽選が行われると、その結果情報がLED110の点灯・消灯によって報知される。なおLED110の点灯・消灯による特別図柄の変動表示および停止表示の制御は、主制御基板131により行われる。
具体的には、個々のLED110は1色(例えば赤色)の発光タイプであり、各LED110は「消灯」、及び「点灯」の2通りに表示パターンを切り替えることができる。したがって、4つのLED110を配列した場合の点灯・消灯表示パターンは、全部で16通り(24=16)のものを用意することができる。なお、ここでは説明の便宜のために1色だけとしているが、LED110の点灯色は2色以上であってもよい。また、LED110の配置は1箇所にまとまっている必要はなく、ばらばらに配置されていてもよいし、特に盤面上に配置されている必要もない。あるいは、特別図柄を5つ以上のLEDによって表示してもよいし、7セグメントLEDを用いて表示してもよい。
一方で、本実施形態のパチンコ機1では、遊技者に利益が付与される態様として2つの大当り態様が用意されており、これらは(1)「通常(非確変)大当り」、(2)「確変大当り」に区別される。
(1)「通常(非確変)大当り」は、例えば最大30秒間にわたってアタッカ装置98を一定パターンで開閉させるラウンド動作を15ラウンドまで繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当り遊技」と称されている。遊技者は、大当り遊技の間に遊技球を大入賞口に入賞させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、各ラウンド動作は30秒間が経過するか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。また大当り遊技は、ラウンド動作が15回終わると終了となる。
(2)「確変大当り」は、上記(1)と同様の大当り遊技を可能とするものであるが、大当り遊技の終了後、次回大当りの抽選確率を通常時よりも高く設定(例えば、通常の大当り確率が320分の1のところ、5倍の64分の1に変更)する特典が付加される。このため遊技者が確変大当りを引き当てると、次の大当り確率が高くなって大当りを連続的に引き当てる(いわゆる連荘)ことが可能となる。
なお、以上の(1)及び(2)でいう具体的な数値は、本発明の実施において最良のものである。その上で、これら数値については各種の変更が可能であり、最良の数値によって限定されることはない。
また、上記(2)の「確変大当り」によって確率変動状態(高確率状態)になると、毎回の始動入賞を契機として確率変動状態の維持抽選(転落抽選)が行われるものとしてもよい。維持抽選は一定確率で行われ、この維持抽選で落選すると、内部的に高確率状態から低確率状態(通常確率)へ引き戻される処理が行われる。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図12に基づき説明する。
図12は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131には、ゲートセンサ317、始動口センサ318、カウントセンサ319、V入賞センサ330等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板131は、ソレノイド331、特別図柄表示器332、普通図柄表示器112a等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板337には主に保留球ランプ111と、サイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して保留球ランプ111や装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が各ランプ111,353を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。また、図示していないが、これ以外にも、例えばキャラクタ体62等の可動体を駆動させるためのモータまたはソレノイド等の駆動部材が電飾制御基板337,338等に接続されている。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備えている。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明する。
[始動入賞処理について] 図13に基づき説明する。
図13は始動入賞処理のルーチンを示している。
この始動入賞処理では、遊技中に始動入賞が有るか否かが判断される(ステップS101)。具体的には、上記の入球装置96に対応する始動口センサ318から検出信号が入力されると、始動入賞有りと判断され、一方検出信号の入力がなければ、始動入賞は無いものと判断される。
始動入賞が有りと判断された場合(ステップS101においてYES)、次に始動保留数が最大の4より少ないか否かが判断される(ステップS102)。このとき既に始動保留数が4に達していれば(NO)、そのまま始動入賞処理のルーチンがリターンされる。一方、始動保留数が4より少なければ(YES)、次に保留格納処理が行われる(ステップS103)。この保留格納処理では、例えばRAM316内に確保されている保留数カウンタに「1」が加算され、合わせて保留球ランプ(LED)111の点灯個数が1つ増加される。
また、保留格納処理では、合わせて乱数値の取得が行われる。このとき取得される乱数値には、例えば大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数(可変変動カウンタ)、及び演出表示パターン乱数等が含まれている。このうち大当り判定用乱数は、大当りであるか否かを決定するための乱数である。次の大当り図柄用乱数は、大当り判定用乱数によって大当りと判別された場合に使用されるものであり、具体的には、特別図柄表示器332によって停止表示される表示パターン(四つのLED110における点灯状態の組合わせパターン)を特定するための乱数である。そして可変変動用乱数(可変変動カウンタ)は、特別図柄表示器332による図柄の変動時間を可変させるための乱数である。また、演出表示パターン乱数は、演出表示装置115に表示される演出表示の変動表示パターンを特定するための乱数である。以上の各乱数値が取得され、これらが例えばRAM316に格納されると、保留格納処理を終えて本ルーチンがリターンされる。
[遊技作動処理について] 図14に基づき説明する。
図14は始動入賞に伴う遊技作動処理のルーチンを示している。
この遊技作動処理では、最初に始動保留が有るか否かが判断される(ステップS201)。具体的には、保留数カウンタの数値が0でない場合、始動保留が有ると判断され(YES)、次に特別図柄表示器332における特別図柄(点灯状態)が未変動状態か否かが判断される(ステップS202)。このとき特別図柄表示器332にて未だ変動表示が開始されていなければ(YES)、次に保留シフト処理が実行される(ステップS203)。
保留シフト処理では、保留数カウンタの値が「1」だけ減算されるとともに、RAM316の保留格納領域に記憶されている各乱数値の内容をシフトする処理が行われる。そして、これに続いて特図変動設定処理が実行され(ステップS204)、ここでは特別図柄の変動時間の設定や、変動停止時の表示パターンが設定される。なお、特図変動設定処理の内容については、さらに別のフローチャート(図15,図16)を用いて詳しく後述する。
特図変動設定処理(ステップS204)が終了すると、次に情報出力処理(ステップS205)が実行され、ここでは主制御基板131からサブ統合基板336に対して制御情報コマンドの生成・送信が行われる。サブ統合基板336は、受信した制御情報コマンドに基づいて主制御基板131の制御情報(始動入賞・保留の有無、特別図柄の変動・停止表示態様、当り判定結果、確率変動の有無、及び演出画像の変動パターン等)を解釈し、所定の演出動作を制御する。
図14の遊技作動処理では、最後に当り判定処理(ステップS206)が実行される。なお、遊技作動処理の開始時に保留数カウンタの値が0であったり(ステップS201においてNO)、保留数カウンタの値が0でなくとも特別図柄表示器332が変動中であったり(ステップS202においてNO)した場合は、いずれも保留シフト処理(ステップS203)、及び特図変動設定処理(ステップS204)を迂回して情報出力処理(ステップS205)及び当り判定処理(ステップS206)が実行される。
当り判定処理(ステップS206)では、特別図柄の変動開始時にセットされた当りフラグを参照し、当りフラグがセットされていればさらに別の処理(図17)を実行する。
[特図変動設定処理(ステップS204)の詳細について] 図15及び図16に基づき説明する。
図15は、上記の特図変動設定処理に含まれる特図変動設定処理Aの内容を示し、図16は特図変動設定処理Bの内容を示している。
この特図変動設定処理Aでは主に、抽選結果によって特別図柄表示器332による変動時間の設定や停止時の表示パターンの選択が行われる。具体的には、既に取得されている大当り判定用乱数に基づいて抽選の結果が判断され(ステップS301)、当選(大当り)であった場合(YES)は当り時変動設定処理(ステップS302)が実行される。なお、ここでいう「当選」は、上記(1)通常大当り、または(2)確変大当りのいずれかに該当していることを意味する。
これに対し、抽選の結果が外れ、つまり、(1)及び(2)のいずれの当りにも該当してないと判断された場合(NO)、既に取得されている可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値が所定値(例えば1024)と比較される(ステップS303)。可変変動用乱数は例えば0〜65535の範囲内で取得されており、この乱数値が1023未満であれば(YES)、可変変動設定処理(ステップS304)が実行される。逆に、可変変動用乱数の値が1024以上であれば(NO)、ステップS305またはステップS306の各判断を経て変動タイマがセットされる。変動タイマは、特別図柄表示器332による変動時間を設定するためのタイマであり、具体的には、現在の始動保留数が「0」〜「2」であれば(ステップS305においてYES)、所定の変動タイマが比較的長めの10秒にセットされる(ステップS307)。同様に、始動保留数が「3」であれば(ステップS306においてYES)、変動タイマが比較的中程度の8秒にセットされ(ステップS308)、そして始動保留数が「4」であれば(ステップS306においてNO)、変動タイマが比較的短めの6秒にセットされる(ステップS309)(いわゆる保留時短)。いずれにしても、変動タイマがセットされると、続いて特別図柄の停止パターンが選択される(ステップS310〜S312)。停止パターンは、四つのLED110における点灯状態の組合わせを、いずれの当り態様にも該当しないパターンの中から適宜選択する。
以上の特図変動設定処理Aをまとめると、抽選結果がいずれかの当りに該当している場合は、別の当り時変動設定処理(ステップS302)が実行された後に特別図柄の変動表示が開始される(ステップS313)。一方、抽選結果がいずれの当りにも該当しない(外れ)場合は、取得済みの可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値によって64分の1の振り分け率で別の可変変動設定処理(ステップS304)が実行されるが、それ以外(64分の63)の場合は始動保留数に応じて変動タイマの時間が3段階に設定された後に特別図柄の変動表示(ステップS313)が開始されることとなる。
ここで、ステップS304の可変変動設定処理は、「外れリーチ変動」の考え方に基づくものである。すなわち、基本的に抽選で外れた場合は特別図柄の変動時間が始動保留数に応じて次第に短縮されるが(ステップS307〜S309)、外れの場合であっても、ときには始動保留数に関係なく変動時間を長短に変更したり、特別図柄の停止パターンを変更したりすることで、あからさまに外れ変動であることを遊技者に気付かせにくくするものである。なお、この「外れ」を通常の「外れ」と区別するため、「特殊外れ」と称している。この可変変動設定処理では、例えば以下の表1で表されるテーブルによって変動時間が6通りに振り分けられている。
一方、ステップS302の当り時変動設定処理は、0〜65535までの可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値を用いて、例えば以下の表2で表されるテーブルによって変動時間が6通りに振り分けられる。この当り特変動設定処理が実行されると、内部的な当りフラグに「1」がセットされて、本ルーチンがリターンされる。
図16は上記の特図変動設定処理(図14中のステップS204)に含まれる特図変動実行処理Bの内容を示している。先の特図変動設定処理Aによって特別図柄の変動が開始されると、ここでは変動期間中であるか否かが判断される(ステップS401)。具体的には、変動期間中であるか否かは上記の変動タイマを参照することで判断可能であり、変動タイマが作動していると、それによって変動期間中である(YES)と判断され、逆に変動タイマが停止していれば、変動期間中でない(NO)と判断される。
ステップS401で特別図柄の変動期間中であると判断されると、次に変動表示制御処理(ステップS402)が実行される。ここでは、特別図柄表示器332を構成する4つのLED110について、例えば0〜15のカウンタ値を取得しながらこれらを8ビットの値に割り当て、この値を用いて合計4つのスイッチ(LED4個分)のON/OFFを40ms毎に切り替える処理が行われる。これにより、4つのLED110が点滅しながら特別図柄表示器332による高速変動が実現される。なお、ここではカウンタ値を参照してLED110の点灯・消灯を制御しているが、例えば所定の変動パターンテーブルを用いてLED110の点灯・消灯パターンを切り替えることもできる。
この後、変動タイマがカウントアップして変動期間が終了すると、特別図柄の変動期間中ではない(NO)と判断されて、次に停止パターン表示制御(ステップS403)が実行される。この停止パターン表示制御では、先の特図変動設定処理A(図15)等で既に選択されている停止パターンの点灯・消灯表示パターンデータが特別図柄表示器332に送信される。なお、パターンデータの送信は毎回の割込周期(例えば4ms)で行う必要はなく、適宜サンプリングすることでLED110の発光輝度を調整することが好ましい。
[大当り処理について] 図17に基づき説明する。
図17は大当り処理の内容を示している。
内部的に条件装置が作動して大当り処理が実行されると、先ず所定のラウンドカウンタが初期化される(ステップS501)。このラウンドカウンタは例えばRAM内に確保されており、この初期化に伴ってラウンドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了となる。
上記のラウンドカウンタが初期化された後、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ(ステップS502)、続いて大入賞口(アタッカ装置98)が開放される(ステップS503)。そして、次のステップS504では大入賞口の開放期間が設定最大期間(例えば30秒)内であるか否かが判断される。開放期間が設定最大期間内であれば(YES)、次に入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが判断される(ステップS505)。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ(YES)、大入賞口に対応するカウントセンサの検出信号がONになったか否かが判断される(ステップS506)。大入賞口への入賞によりカウントセンサがONになると(YES)、次のステップS507で入賞球数カウンタに「1」が加算され、再度ステップS504の判断が行われる。あるいは、ステップS506で大入賞口への入賞がなく、カウントセンサがONになっていなければ(NO)、入賞球数カウンタが加算されることなくステップS504の判断が行われる。
「通常大当り」または「確変大当り」の場合、通常は設定最大期間である30秒が経過するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ステップS504またはステップS505の判断が否定(NO)されるので、ラウンド終了のために大入賞口が閉止(ステップS508)される。そして、次のステップS509でラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(例えば15ラウンド)に達したか否かが判断される。
ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達していなければ(ステップS509においてNO)、次にラウンドカウンタの値に「1」が加算(ステップS510)されて入賞球数カウンタが「0」にリセットされる(ステップS502)。
上記の処理は「通常大当り」または「確変大当り」中における1ラウンド目の処理に相当する内容である。この後、ラウンド動作が繰り返されてラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達したと判断されると(ステップS509においてYES)、そこで大当り処理は終了となる。
[演出表示装置における演出表示の詳細について] 図18〜図29に基づき説明する。
図18は、サブ統合基板336における制御処理の内容を示しており、図19は、電飾制御基板338における制御処理の内容を示している。また、図20は演出表示制御における機能的な構成を示している。また、図21乃至図29は具体的な演出例を示している。
ところで、これまで説明してきた処理は、純粋に主制御基板131による遊技動作の制御に関するものであるが、サブ統合基板336は主制御基板131から制御情報コマンドを受け取ると、これに基づいて各種の演出処理を実行することができるようになっている。
詳細に説明すると、前述したように主制御基板131では、保留格納処理(S103)において、大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数、及び演出表示パターン乱数等が取得され、これらの乱数を基に、大当りの有無に関する情報(当否コマンド)、大当たりの場合に「通常大当り」または「確変大当り」のいずれであるかを示す情報(確変・非確変コマンド)、及び演出表示パターンの種類に関する情報、すなわち特別図柄の変動時間に関する情報(変動表示パターンコマンド)が、変動開始コマンドとして設定され、主制御基板131からサブ統合基板336に送信される(S205)。
そして、サブ統合基板336では、図18に示すように、主制御基板131から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS601においてYES)、受け取ったこれらの変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定する(ステップS602)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、当否コマンド及び確変・非確変コマンドに基づいて装飾図柄列における最終停止図柄を決定する。例えば、「確変大当り」の場合には、確変大当りに相当する複数の装飾図柄の中から一つの図柄を最終停止図柄として決定する。また、サブ統合基板336は、乱数発生手段(図示しない)を有しており、乱数を取得するとともに、取得された乱数に応じて大当たり予告の演出態様(例えば出現時期や出現順序が不規則な所定のハプニング演出パターン)を付加する。さらに、サブ統合基板336では、決定されたこれらの変動態様を、電飾制御基板337、338及び波形制御基板339に対する変動開始コマンドとして設定する(ステップS603)。具体的には、変動表示パターンコマンド、最終停止図柄コマンド、及びハプニング演出パターンコマンド等を設定する。そして、設定されたこれらの変動開始コマンドを、各制御基板337,338,339に送信する(ステップS604)。これにより、これらの制御基板337,338,339では、抽選結果に応じた演出表示を行ったり、その演出表示に合せて音声等を発生させることが可能になる。
特に、電飾制御基板338では、図19に示すように、サブ統合基板336から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS701においてYES)、その変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定(ステップS702)し、その後、演出表示装置115を制御する(ステップS703)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、最終停止図柄コマンドに基づいて、装飾図柄列の最終停止図柄を設定する。また、ハプニング演出パターンコマンドに対応したハプニング演出を決定するとともに、より具体的な演出態様を付加する。つまり、電飾制御基板338は、乱数発生手段(図示しない)を有しており、演出表示装置115における夫々の変動パターンに対して、より具体的な演出態様を付加することを可能にしている。詳細には、電飾制御基板338におけるROM371には、変動パターンの種類と、それぞれの変動パターンに対して選択可能(出現可能)な出現体(物体やキャラクタ)とが関連付けて記憶されており、例えば、「○○リーチ系」という変動パターンが主制御基板131において決定された場合には、「○○リーチ系」に対応する複数種類の出現体の中から一つまたは複数の出現体を選択し、一連の変動パターンの演出表示中に、選択した出現体を出現させることを可能にしている。このように、本例では、出現体を含む変動パターンの選択処理が、主制御基板131、サブ統合基板111、及び電飾制御基板338において分担されており、これにより、主制御基板131及びサブ統合基板111における処理の負担を軽減するとともに、変動パターンの複雑化、ひいては演出の興趣を向上させている。
なお、図18及び図19に示すフローチャートでは、サブ統合基板336及び電飾制御基板338におけるコマンド受信処理のうち、特に演出の制御に関する変動開始コマンドの受信処理のみを説明している。すなわち、ここでは、電源投入時のコマンドや異常時のコマンドは省略している。
ところで、本例の演出表示装置115に表示される演出画像には、周期性をもって変動表示される装飾図柄と、装飾図柄の変動中、所定のタイミングで出現可能な複数の出現体(キャラクタ等)とが含まれている。以下、装飾図柄及び出現体について詳細に説明する。
(装飾図柄について)
本例では、装飾図柄として、例えば、上・中・下の3つの装飾図柄列が設定されており、装飾図柄列毎に左装飾図柄、中装飾図柄、及び右装飾図柄が変動表示されるようになっている。一連の装飾図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄と、絵図柄からなる副装飾図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄が表示されると共に各主装飾図柄の間に副装飾図柄が配されて一連の装飾図柄列が構成されている。そして、主装飾図柄と副装飾図柄とが周期性を持って右から左へと変動表示されるようになっており、上装飾図柄列→下装飾図柄列→中装飾図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に何れかの有効ライン上で主装飾図柄が大当り装飾図柄の組合せ(例えば「7」,「7」,「7」)で揃えば大当りとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
なお、本例では、演出表示装置115における装飾図柄列の変動開始時期を、特別図柄の変動開始後とし、装飾図柄列の変動停止を特別図柄の変動停止前としている。これにより、特別図柄の変動表示の開始時と停止時には、演出表示装置115での演出表示を行わないことで、特別図柄の変動表示に対して演出表示装置115での紛らわしい表示を行うことを防止するとともに、演出表示装置115の演出中に当りか否かを認識させること、すなわち演出の効果を損なうことを防止している。
(出現体について)
キャラクタ等からなる出現体は、抽選結果に対する予告として表示されるものであり、夫々、大当りの信頼度に対応付けられている。この出現体を装飾図柄の変動中に登場(出現)させることにより遊技者の期待感にメリハリをつけることが可能となる。本例では複数のキャラクタが用意されており、夫々のキャラクタにおける大当たりの信頼度と、遊技中に夫々のキャラクタが出現する頻度との関係が予めテーブルで設定されている。
なお、大当りの信頼度とは、外れ時の演出として選択される確率が異なっている複数の演出がある場合、その選択率の異なりによって発生するものである。例えば、選択率が低い演出ほど大当りに対する信頼度が高くなり、期待値が高くなる。
次に、装飾図柄及び出現体の演出表示制御における機能的な構成、すなわち演出プログラムとして実現される機能的な構成と、それらの構成が用いられた具体的な演出例とについて説明する。図20に示すように、主基板310には、始動口センサ318(本発明の遊技状態検出手段に相当)によって入球装置96への入賞が検出されたとき、抽選手段として乱数を発生する乱数発生手段434と、特別図柄表示器332における特別図柄を変動させるとともに、乱数発生手段434によって発生した乱数、すなわち抽選結果に基づいて特別図柄の変動を停止させる特別図柄変動制御手段435と、乱数発生手段434によって発生した乱数が所定値である場合、大当りとして遊技者に有利な有利遊技状態(図17の大当り処理)を発生させる有利遊技状態発生手段436と、乱数発生手段434によって発生した乱数、すなわち抽選結果を制御情報コマンドとしてサブ統合基板336へ送信するコマンド送信手段437とが備えられている。
一方、周辺制御基板311(電飾制御基板338)には、主基板310からサブ統合基板336を介して送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段411によって受信されると、これを基に演出表示装置115を制御する演出表示制御手段413が設けられている。
演出表示制御手段413は、演出表示装置115において複数の装飾図柄列を変動させるとともに、装飾図柄列の変動中、演出表示装置115に出現体であるキャラクタ及び背景を所定のタイミングで出現させるものである。なお、上記の変動表示パターンや、ハプニング演出パターン等は、夫々複数のパターンを有しており、これら各パターンは夫々複数のカットから構成されている。このカットは、比較的短時間での装飾図柄、キャラクタ、及び背景を用いて所定の演出動作をさせたもので、このカットを表示するためのカットコマンドが、予め記憶手段としてのROM371に複数記憶されている。そして、本発明の演出シーンは、変動表示パターンや、ハプニング演出パターン等の組合せにより構成されたものである。また、本発明の演出表示態様は、少なくとも一つの演出シーンから構成され、上記した複数の演出シーンを用いて、予め設定された所定数且つ所定順序で演出シーンを表示するようにしたものであり、この演出表示態様もまた予め複数の態様がROM371に記憶されている。
演出表示制御手段413は、コマンド受信手段411により受信された制御コマンドにより、ROM371から所定の順序でカットコマンドを読み出して一連の演出シーンとして表示させる演出シーン制御手段417と、表示中の演出シーンの途中から異なる演出シーンに変更させる演出シーン変更手段418とを具備しており、この演出シーン制御手段417には、装飾図柄を動的に表示させる図柄制御手段414と、キャラクタを動的に表示させるキャラクタ制御手段415と、背景を動的に表示させる背景制御手段416とが備えられている。なお、本例では、遊技機全体に所定のストーリー性が設定されており、そのストーリーに対応してキャラクタには重要度に応じた分類がなされ、重要度の最も高い主キャラクタ、主キャラクタに次ぐ重要度の副キャラクタ、副キャラクタよりも重要度の低い脇キャラクタ、等に分けられている。本例では、この重要度として、そのキャラクタの登場により、有利遊技状態となる可能性が高かいものとしている。
この演出シーン制御手段417には、図柄制御手段414、キャラクタ制御手段415及び背景制御手段416を制御して、遊技状態に応じた内容の演出シーンを表示するための第一演出シーン制御手段419が備えられている。この第一演出シーン制御手段419により表示される第一演出シーンは、複数の装飾図柄からなる図柄列を上下方向に三列表示させた上で、夫々の図柄列を変動表示すると共に順次停止表示するような演出をおこなうものである。また、第一演出シーン制御手段には、変動表示中の図柄列を消去する図柄列消去手段420と、消去された図柄列を再度表示させる図柄列再表示手段421とが備えられている。
また、演出シーン制御手段417には、第一演出シーン制御手段419により、第一演出シーンが所定の条件を満たすように一区切りすると(本例では、リーチの状態)、第一演出シーンに続いて表示される第二演出シーン(所謂、「発展態様」)を制御する第二演出シーン制御手段422を備えている。この第二演出シーン制御手段422により表示される第二演出シーンは、第一演出シーンとは異なる背景が用いせれると共に、一つの図柄列を変動表示すると共にキャラクタに所定の動的表示をさせ、所定の装飾図柄で停止表示する演出内容のものである。ところで、第一演出シーンと第二演出シーンとの繋がりが唐突であると、遊技者に対して違和感を与えてしまい、興趣を低下させてしまう恐れがあり、第二演出シーンが違和感無く繋がるように、第二演出シーンの初めに種々の冒頭部を表示するようにしており、それらの表示を制御するために、この第二演出シーン制御手段422には、その冒頭部を表示制御する冒頭部制御手段423が備えられている。
また、演出シーン制御手段417には、第二演出シーンに引き続き表示される第三演出シーンを表示制御するための第三演出シーン制御手段424と、主キャラクタを用いて大当たりとなる期待度が極めて高いことを示唆する特別演出シーンを表示制御するための特別演出シーン制御手段425とを備えている。
続いて、本例における演出表示制御手段413により表示制御される種々の演出シーンの演出を具体的な例を基に説明する。まず、コマンド受信手段411により所定のコマンドが受信されると、初めに、演出表示制御手段413の第一演出シーン制御手段419により、演出表示装置115に第一演出シーンの表示が開始される。
第一演出シーンは、様々なパターンの演出シーンを有しており、この第一演出シーンにおける演出の一例を具体的に図21乃至図24を基に説明する。まず、図21に示すように、円板状の部材の中に数字(1〜9の数字)が嵌め込まれ更にそれらが八角形の枠体の中に組み込まれたようなデザインの装飾図柄Sが表示され、昇順又は降順で一列に並ぶ複数の装飾図柄Sの間には、それらの各装飾図柄Sを押すように複数の種類のキャラクタ(主キャラクタC1(学生服を着た少年)、副キャラクタC2(スーツを着た出っ歯の男性)など)が表示される。なお、図21は、上列の図柄列及び下列の図柄列が停止し、中列の図柄列が変動中である表示状態を示している。なお、この場合、既に停止している図柄列の組合せが、特別の組合わせ(「7」,「7」の組合せ)を充足していることから、この後、演出表示装置115には、「リーチ」と大きく表示され、リーチ状態であることが報知される。
ところで、この第一演出シーンには、各図柄列が変動を開始してから所定時間後に、図柄列消去手段420により、少なくとも一つの図柄列が消去されるパターンがある。この図柄列の消去により遊技者に対して、これから何かが始まることを示唆することができ、演出シーンに注目させることが可能となる。そして、図柄列が消去された所に、ハプニング演出パターンコマンドにより、指示されたキャラクタが登場するようになっている。なお、ハプニング演出によって登場するキャラクタは、大当たりとなる信頼度と関連付けられており、如何なるキャラクタが登場するかと言う期待感を与えることができると共に、期待度の高いキャラクタが登場することで期待感を高めることができるものである。
この第一演出シーンは、図柄列の消去、キャラクタの登場、図柄列の再表示、二つの図柄列が特別の組合わせを充足して停止(リーチ状態)、等のタイミングがパターンによって異なっており、種々の演出表示が可能とされている。
ところで、演出表示制御手段413には、演出シーン変更手段418が備えられており、受信したコマンドの内容により、第一演出シーンの途中で後述の特別演出シーンに変更することを可能としている。以下、第一演出シーンにおいて、変更の契機となる演出場面の例を具体的に説明する。図22(a)に示すように、図柄列消去手段414により変動中の全ての図柄列を消去し、続いて、キャラクタ制御手段415により複数の主キャラクタC1が表示領域の右側から走ってくるように移動表示して(同図(b)参照)、全部の主キャラクタC1が停止すると、演出シーン変更手段418により特別演出シーンに変更するものである。つまり、上記のような動作表示を指示するカットコマンドが実行されると、特別演出シーンに変更するものである。これにより、図柄列を消去して注目させたところで、主キャラクタC1のみを登場させることで、期待感を一気に高めることが可能となる。
また、図23(a)に示すように、図柄列消去手段414により、中列の図柄列を消去した後、キャラクタ制御手段415により複数の主キャラクタC1が表示領域の右側から走ってくるように移動表示し(同図(b)参照)、全部の主キャラクタC1が停止すると同時に、上列の図柄列が停止し、続いて下列の図柄列がリーチ状態となるように停止すると、演出シーン変更手段418により特別演出シーンに変更するものである。これにより、まず、複数のキャラクタが移動表示されている時に、主キャラクタC1のみが移動停止するか否かの期待感が高められ、主キャラクタC1が移動停止することで、更に期待感を高めることが可能となる上に、図柄列がリーチ状態で停止することで、大当たりの期待感を確信に変化させることが可能となり、興趣に富んだものとすることができる。なお、図柄列の消去の際に、キャラクタ制御手段415と図柄列消去手段414とを協働させて主キャラクタC1を含む複数のキャラクタにより、図柄列を消去するようにしても良い。
また、図24(a)に示すように、上列と下列の図柄列がリーチ状態で停止し、変動している中列の図柄列をキャラクタ制御手段415と図柄列消去手段414とが協働して主キャラクタC1を含む複数のキャラクタの移動表示により消去し、移動しているキャラクタのうち主キャラクタC1のみが移動停止すると(同図(d)参照)、演出シーン変更手段418により特別演出シーンに変更するものである。これにより、まず、リーチ状態となることで、期待感を高めることができ、そして、複数のキャラクタが移動表示されている時に、主キャラクタC1のみが移動停止するか否かの興趣が高められ、主キャラクタC1が移動停止することで、大当たりの期待感を確信に変化させることが可能となる。
更に、図示は省略するが、停止した全ての図柄列の組合わせが、特定の組合わせ(例えば、「お」,「そ」,「松」の組合わせ)を充足するように停止すると、演出シーン変更手段418により特別演出シーンに変更するようにしても良い。この場面では、例えば、先に上列と下列で、「お」と「松」が停止しても、リーチ状態とは異なるため「リーチ」とは報知されず、リーチ状態とは異なる期待感を付与することができ、その状態で特別演出シーンに変更するので、興趣を高めた演出表示とすることができる。
本例のパチンコ機1では、演出表示制御手段413に第二演出シーン制御手段422を備えており、第一演出シーンが、所定の組合わせ(例えばリーチ状態)となった時に、場面を変えて単に図柄列の変動が停止するだけのような演出とは異なる演出の第二演出シーンが表示可能とされており、この第二演出シーンも第一演出シーンと同様に様々なパターンが予め用意されている。図25は、この第二演出シーンの一例を示すもので、第一演出シーンでリーチ状態となった後に、背景が遠近感のある路地となり、その略中央に所定のキャラクタとして脇キャラクタ(バケツ)C3と、その左側後ろに副キャラクタC4(縦縞模様のパンツを履いた男性)が表示され(図25(a)参照)、その右側から装飾図柄SがバケツC3に当たると、バケツの中から主キャラクタC1が手前側に倒れこんだ状態で表示されると共に、主キャラクタC1の後ろ側には、装飾図柄Sと枠体を持った副キャラクタC2(スーツを着た出っ歯の男性)とが表示される(図25(b)参照)。その後、装飾図柄Sと副キャラクタC6が左側へ移動しようとする動作をすると共に、装飾図柄Sと副キャラクタC2が表示領域内に入るように、背景と主キャラクタC1が右側の表示領域外へ移動する(図25(c)参照)。
その後、前方(遊技者側)に向かって逃げ回る装飾図柄Sとその後方から装飾図柄Sを追いかける副キャラクタC2とが表示される。つまり、副キャラクタC2の前側に装飾図柄Sを表示させた状態で、背景を漸次変化させることにより、装飾図柄Sと副キャラクタC2とが前方に向かって動作しているように見せる演出である。なお、背景としては、住宅や壁等の構造物、木や山等の風景、及び工事現場の用具やバケツ等が表示される。なお、演出表示装置115における左右の上端隅部には、既に停止している上図柄列及び下図柄列の停止装飾図柄TSが表示される。
その後、装飾図柄Sが副キャラクタC2によって捕捉され、装飾図柄Sと副キャラクタC2との相対位置が変更された演出表示、すなわち副キャラクタC2が装飾図柄Sの前側に位置する演出表示がなされる。続いて、装飾図柄Sが枠体から逃げ出す演出が行われ、さらに、装飾図柄Sの数字が変更される演出が行われる。そして、再び、前方に向かって逃げ回る装飾図柄Sと、その後方から装飾図柄Sを追いかける副キャラクタC2との演出が行われ、さらに装飾図柄Sが捕捉される演出が行われる。つまり、装飾図柄Sの数字が変更されると、副キャラクタC2が追いかけて補足する演出が、繰り返し行われる。
そして、表示制御コマンドによって、所定回数繰り返された後に、最終停止図柄を副キャラクタC2が捕捉し、その装飾図柄Sの前側に位置する演出表示が行われる。この状態で、例えば、数字の「7」を捕捉していれば、最終停止図柄が数字の「7」であることを意味しており、ここでは最終停止図柄が、リーチ図柄と同じ絵柄であることから、抽選結果が大当りとなったこと、すなわち有利遊技状態が発生することが示唆される。
この第二演出シーンでも、演出シーン変更手段418により、受信した制御情報コマンドの内容に応じて特別演出シーンへ変更可能とされており、第二演出シーンでは、特に、冒頭部制御手段により演出表示される第二演出シーンの冒頭部において変更可能とされている。この第二演出シーンの冒頭部は、第一演出シーンと違和感無く繋がるように、キャラクタ等を演出表示するもので、以下、第二演出シーンの冒頭部において、変更の契機となる演出場面の例を具体的に説明する。
上記図25(a)〜(c)に示した第二演出シーンの冒頭部において、同図(b)の状態から、背景と主キャラクタC1が右側の表示領域外へ移動する代わりに、同図(d)に示すように、装飾図柄Sと副キャラクタC6が左側の表示領域外へ移動して主キャラクタC1のみが表示領域内に残ると、特別演出シーンに変更される。なお、本例では、特別演出シーンへの変更に先立って、主キャラクタC1が立ち上がる動作表示が行われる。これにより、第二演出シーンの冒頭部で、主キャラクタと、その後ろに装飾図柄と他のキャラクタが表示されると、何れのキャラクタの方にカメラワークされるのかと言う期待感が高められ、興趣に富んだものとすることが可能となる。
図26は、図25に示したものとは異なる第二演出シーンの冒頭部を示すもので、同図(a)に示すように、停止装飾図柄TSが表示領域の四隅に表示されており、ダブルリーチの状態となっていることを示唆している。この冒頭部では、図示するように、初めに主キャラクタC1と複数の装飾図柄Sとを脇キャラクタ(シーソー)C5の一方の端(手前の端)に位置するように表示すると共に、表示領域の隅(ここでは、右側)に副キャラクタC2,C6(頭の禿た子供)が表示される。その後、シーソーC5の他方の端(奥の端)に副キャラクタC2,C6を落下させることで、手前の端の主キャラクタC1と装飾図柄Sを上側に飛ばし、その後、同図(b)に示すように、複数の主キャラクタC1がシーソーC5の手前の端に落下することで、奥の端の副キャラクタC2,C6が上側に飛ぶと、特別演出シーンに変更する。ところで、この冒頭部において、主キャラクタC1に代えて、装飾図柄Sの一つがシーソーC5の手前の端に落下することで、奥の端の副キャラクタC2,C6が上側に飛ぶと、引き続き第二演出シーンが表示される。これにより、シーソーC5の手前の端の主キャラクタC1が消えた後で、主キャラクタC1又は装飾図柄Sの何れが表示されるかと言う期待感が高められ、主キャラクタC1が表示されることで、更に期待感を高めることが可能である。
また、図27に示す例は、上記の例とは異なる第二演出シーンの冒頭部を示すものである。この冒頭部は、第一演出シーンでハズレリーチの状態となった後に、その画面が地震が起きたように振動して場面が切り替わり、同図(a)に示すように、表示領域においてその左側が高く右側が低くなっている滑り台の頂上にキャラクタとして副キャラクタC4が表示される。続いて、その副キャラクタC4に向かって複数の装飾図柄Sが右側から移動して順次、副キャラクタC4に衝突すると共に、複数の装飾図柄Sに混じって主キャラクタC1が副キャラクタC4に衝突して(同図(b)参照)、副キャラクタC4が表示領域外へ跳ね飛ばされて消え、代わりに主キャラクタC1が滑り台の頂上に残ると、特別演出シーンに変更される。ところで、この冒頭部において、主キャラクタC1と副キャラクタC4が衝突した際に、主キャラクタC1が表示領域外へ跳ね飛ばされると、引き続き第二演出シーンが表示される。これにより、上記とは異なる演出ながら、何れのキャラクタが残るのかと言う期待感が高められ、興趣に富んだものとすることができる。
また、図28に示す例は、上記の例とは更に異なる第二演出シーンの冒頭部を示すもので、同図(a)に示すように、まず、表示領域の略中央に配置された脇キャラクタとしての大砲C7と、主キャラクタC1と副キャラクタC6とが表示され、各キャラクタC1,C6が大砲C7の周りを回るように移動表示する。そして、それらキャラクタC1,C6が、略同時に大砲C7の砲身内(所定領域内)に入ろうとし、主キャラクタC1が砲身内に入ると、特別演出シーンに変更される。なお、この例では、特別演出シーンへの変更に先立って、大砲C7の砲身内に入れなかった副キャラクタC6が大砲C7に火を着けて、主キャラクタC1を大砲C7から打ち出す表示が行われる。ところで、この冒頭部において、主キャラクタC1の代わりに、大砲C7の砲身内に副キャラクタが入ると、主キャラクタC1が火を着けて、副キャラクタC7が大砲から打ち出されて、引き続き第二演出シーンが表示される。これにより、何れのキャラクタが砲身内に入るかと言う期待感を高めることが可能となる。
このパチンコ機1では、演出表示制御手段413に第三演出シーン制御手段424を更に備えており、受信した制御情報コマンドの内容により、第二演出シーンから更に発展する第三演出シーンを表示可能としており、この第三演出シーンも、様々なパターンが予め用意されており、最終停止図柄が確定するまで、種々の演出表示を行って、興趣を高められるようになっている。
特別演出シーンは、大当たりすなわち、有利遊技状態が発生する期待度が最も高いことを示唆するものである。この特別演出シーンは、特別演出シーン制御手段425により演出表示されるもので、演出表示装置115の表示領域における左右の上端隅部に、同じ図柄の停止装飾図柄TSを表示して、リーチの状態であることを示唆した状態で、複数の主キャラクタC1が表示されると共に、センター役物91に備えられたキャラクタ体92が回転を開始する。このキャラクタ体92(図3参照)は、主キャラクタC1の「顔」が表示された面と、漢字の「寿」が表示された面とを有しており、何れかの面でキャラクタ体92の回転が停止すると、そのキャラクタ体92の表示された図柄が演出表示装置115に表示される。例えば、キャラクタ体92が「寿」で停止すると、図29(a)に示すように、演出表示装置115には、「寿」の図柄S1が表示される。その後、同じ図柄(ここでは、数字の「7」)の装飾図柄Sが三つ並んで表示されることで、大当たりであることが示唆される。
一方、キャラクタ体92が、主キャラクタC1の「顔」で停止すると、図29(b)に示すように、演出表示装置115には、主キャラクタC1の「顔」の図柄S2が表示される。その後、特別演出シーンが発展する。この特別演出シーンの発展は、図示は省略するが、複数の主キャラクタC1側と複数の副キャラクタ側とが、綱引きを行うような演出表示を行うものである。この演出シーンの表示が開始されると、前面枠4に設けられたボタン60の操作を促す内容の表示がなされ、綱引きの演出表示が開始される。そして、所定時間内(本例では、約24sec)において、ボタン60の操作状況に応じて、綱引きの状況が一進一退するような演出表示がなされる。そして、主キャラクタC1側が勝つと「勝利!!」と報知して大当たりを示唆する組合わせの装飾図柄Sを表示すると共に、勝利に至るまでのクリアタイムと、これまでの上位三つのクリアタイムのランキングとを表示する。この演出表示により、キャラクタ体92による抽選で漏れても、ボタン60の操作により自力で大当たりを引き当てたような演出とすることが可能となり、当たれば達成感を満たすことができると共に、当たらなくても興趣を低下させ難い演出とすることができる。
この演出表示態様は、その選択される表示パターンが、当否コマンドに基づいた変動タイマの時間に応じて設定されるようになっており、具体的には、例えば以下の表3及び表4で表されるテーブルによって振り分けられ、それらの表に示すように、当否コマンドがハズレ時と当り時とでは、異なるテーブルが用いられる。そして、演出表示態様における特別演出シーンの表示を指示するコマンドとしては、例えば、主基板310からの変動表示パターンコマンドにおいて、変動タイマが33000ms以上となるコマンドが送信された場合に、特別演出シーンを指示するコマンドが選択される確率が高くなるように設定されている。なお、表4中、変動タイマが60000ms(備考欄にプレミアリーチと表記された行)のものが選択された場合は、上記の演出表示形態とは異なる表示形態のプレミア演出(特別演出シーンを含む)を表示するものである。
このように、本実施形態のパチンコ機1では、第一演出シーンや第二演出シーンのどこからでも、最も期待度の高い特別演出シーンに変更されるので、例えば、期待度の低い演出シーンが始まっても、特別演出シーンに変更される可能性があるので、如何なる演出シーンが表示開始されても、期待感を持たすことができ、遊技に対する興趣を高めることができる。また、第一演出シーン又は第二演出シーンの途中で特別演出シーンに変更するので、遊技者は、演出表示装置115により注目するようになり、従来では見過されていたような演出等も認識可能させて、表示による演出効果をより高めることができる。
また、本例のパチンコ機1では、第一演出シーンにおいて、変動表示されている図柄列が、図柄列消去手段420により消去されると、特別演出シーンに変更するので、少なくとも一つの図柄列を消去することで、遊技者に注目させた上で、図柄列の消去後に特別演出シーンに変更されるか否かと言う期待感を膨らませることができ、興趣を高めることができる。また、キャラクタ制御手段415により、消去された図柄列の位置に、複数のキャラクタを歩いたり走ったり等する動作をさせながら、表示領域内を移動表示させるので、キャラクタの登場により面白味を持たせた上で、そのキャラクタの中で、主キャラクタC1のみが移動を停止するか否かと言う関心が高められ、より興趣に富んだ演出をすることができる。更に、特別演出シーンに変更する前に、図柄列再表示手段421により、消去された図柄列を再度表示させてリーチ状態で停止表示させるので、図柄列がリーチ状態以外の状態で特別演出シーンに変更される場合と比較して、特別演出シーンにおいて有利遊技状態となる可能性が更に高いような演出効果を得ることができ、より期待感を持たせることが可能な演出となる。
更に、本例のパチンコ機1では、第一演出シーンの発展である第二演出シーンにおいても、演出シーン変更手段418により、その途中で特別演出シーンに変更するので、第二演出シーンの表示が開始されることで、期待感が高められた上で、特別演出シーンに変更することで、その期待感を確信に変化させることが可能となり、大幅に演出効果の高いものとすることができる。
また、本例のパチンコ機1では、演出シーン変更手段418によって、特別な位置付けとして、主キャラクタC1を用いた他の演出シーンとは全く異なる特別演出シーンに変更しているので、遊技者に、特別演出シーンに変更されたことを容易に認識させることができ、更に、特別演出シーンを期待度の特に高いものとすることで、特別演出シーンに変更されるか否かの期待感を高めることができると共に、変更されることで、更に期待感を高めることができる。
また、本例のパチンコ機1では、演出シーンの表示途中で、主キャラクタC1が、演出シーンの一連の流れとは異なる動きをすると、特別演出シーンに変更するようにしているので、特に、主キャラクタC1は遊技者の目に付き易く、少しの変化でも違いを認識し易いので、変更の契機を容易に認識させることができると共に、その際のキャラクタの動きを趣向を凝らしたものとしており面白味を与えることができ、興趣を高められるものとすることができる。
更に、本例のパチンコ機1では、表示が開始された第二演出シーンの冒頭部分で特別演出シーンに変更されるので、これにより、喩え、表示が開始された第二演出シーンが、期待度の低いものであると認識されて興趣が低下しても、特別演出シーンに変更される可能性があるので、興趣を高めることができ、抑揚に富んだ演出表示とすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、第一演出シーン及び第二演出シーンの途中で、演出シーン変更手段418により特別演出シーンに変更するものを示したが、これに限定するものではなく、第三演出シーンの途中で変更するようにしても良く、或いは、第一演出シーンの前で、いきなり特別演出シーンが表示開始されるようにしても良い。これらによっても、興趣に富んだ演出とすることができる。
また、上記実施形態では、演出シーン変更手段413により特別演出シーンに変更するものを示したが、これに限定するものではなく、第一演出シーンの途中で、第二演出シーン又は第三演出シーンに変更するようにしても良い。但し、上記実施形態のように、大当たりの期待度が最も高い特別演出シーンに変更するようにすれば、変更後の期待感を特に高めることが可能となる。
また、上記実施形態では、演出シーン変更手段418として、演出シーン制御手段417において、変更の契機となる所定の演出表示の制御が行われると、特別演出シーンに変更するものを示したが、これに限定するものではなく、カットコマンド検出手段を設けておき、このカットコマンド検出手段によって、演出シーンの制御情報コマンドに変更の契機となるカットコマンドが含まれているか否かを検出して、特別演出シーンに変更するようにしても良い。これによっても、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、演出表示における変動パターンの設定を、主制御基板131、サブ統合基板111、及び電飾制御基板338において分担するもの、例えば、主制御基板131では変動パターンの種類を決定し、サブ統合基板111では最終停止図柄を決定するとともに変動パターンを付加し、さらに電飾制御基板338では、詳細演出を決定するものを示したが、何れか一つの基板において全ての演出処理を行うようにしてもよい。但し、上記実施形態のように選出処理を分担するようにすれば、各基板における処理の負担を軽減するとともに、変動パターンを一層複雑化することができる。
更に、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。