[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図10を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。また、図8は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図10はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図9及び図10等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面右下隅に取付けられており遊技球を遊技盤5の遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられており遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて遊技者に参加型の演出を提示することが可能な演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも上側の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベース600の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット320における上皿321での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861及び満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用の下部スピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図9及び図10等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する外レール1001及び内レール1002を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿321に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドル302を回転操作すると、球発射装置680によってハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿321に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿321内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図11乃至図16を参照して説明する。図11はパチンコ機における外枠の正面図であり、図12は外枠の右側面図である。また、図13は外枠を前から見た斜視図であり、図14は外枠を後ろから見た斜視図である。図15は、外枠を分解して前から見た分解斜視図である。図16(a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を、左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。
外枠2は、図示するように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。また、外枠2は、上枠部材10及び下枠部材20の左右両端面と、左枠部材30及び右枠部材40の左右方向の外側を向いた側面とが、同一面となるように組立てられている。
また、外枠2は、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、外枠側上ヒンジ部材60の下面に取付けられているロック部材66と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、幕板部材50の後側に取付けられていると共に両端が左枠部材30及び右枠部材40に夫々取付けられる幕板補強部材80と、幕板部材50の上面における左右中央から左寄りの位置に取付けられている平板状の左滑り部材81と、幕板部材50の上面における右端付近の位置に取付けられている平板状の右滑り部材82と、を備えている。幕板補強部材80は、中実の部材(例えば、木材、合板、等)によって形成されており、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40に、取付けられている。
更に、外枠2は、上枠部材10と左枠部材30、上枠部材10と右枠部材40、下枠部材20と左枠部材30、及び下枠部材20と右枠部材40を、夫々連結している連結部材85を備えている。また、外枠2は、右枠部材40の内側(左側面側)に取付けられており後述する施錠ユニット700の外枠用鉤703が係止される上鉤掛部材90及び下鉤掛部材91を、備えている。
[2−1.上枠部材]
外枠2の上枠部材10は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この上枠部材10は、左右両端における前後方向の中央に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部11を備えている。この係合切欠部11内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87が取付けられる。また、上枠部材10は、正面視左側端部の上面と前面に、一般面よりも窪んだ取付段部12を備えている。この取付段部12には、外枠側上ヒンジ部材60が取付けられる。
[2−2.下枠部材]
外枠2の下枠部材20は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この下枠部材20は、左右の長さ及び上下の厚さが、上枠部材10の左右の長さ及び上下の厚さと同じ寸法に形成されていると共に、前後の幅が、上枠部材10の前後の幅よりも長く形成されている。下枠部材20は、左右両端における前後方向の中央よりも後側寄りの位置に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部21を備えている。この係合切欠部21内には、連結部材85の後述する左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88が取付けられる。
また、下枠部材20は、左右両端の前面から後方へ窪んだ前端切欠部22を備えている。下枠部材20において、前端切欠部22の後端から下枠部材20の後面までの前後方向の幅が、上枠部材10の前後方向の幅と同じ寸法に形成されている。この下枠部材20は、外枠2に組立てた状態で、左右の前端切欠部22同士の間の部位が、幕板部材50内に挿入される。
[2−3.左枠部材及び右枠部材]
外枠2の左枠部材30及び右枠部材40は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金等の金属の押出形材によって形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、平面視において互いに対称の形状に形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、外枠2として組立てた時に、左右方向の外側となる側面において、前後方向中央に対して後寄りの位置から後端付近までの間に、内側へ窪んだ凹部31,41と、凹部31,41の反対側の側面から膨出しており内部が空洞に形成されている突出部32,42と、を備えている。この左枠部材30及び右枠部材40は、突出部32,42によって、強度・剛性が高められている。また、突出部32,42内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88が挿入されて取付けられる。
また、左枠部材30及び右枠部材40は、表面に上下に延びた複数の溝が形成されている。この複数の溝によって、パチンコ機1を遊技ホール等の島設備に設置したり運搬したりする等の際に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を持ち易くすることができると共に、パチンコ機1の外観の意匠性を高めることとができる。
[2−4.幕板部材]
外枠2の幕板部材50は、後側が開放された箱状に形成されている。幕板部材50は、上面における正面視左端付近に後方へ平板状に延出している後方延出部51と、後方延出部51の左端から遊技球が通過可能な大きさでU字状に切欠かれており上下に貫通している左排出孔52と、後方延出部51における左排出孔52の右側において遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している右排出孔53と、後方延出部51の後端を含む幕板部材50の上面の後端から上方へ平板状に延出している立壁部54と、立壁部54の上端付近から前方へ膨出しており前面が上方へ向かうに従って後方へ向かうように傾斜している返し部55と、を備えている。
幕板部材50は、後方延出部51の前側の上面と、後方延出部51の上面とに、外枠側下ヒンジ部材70が載置されるように、外枠側下ヒンジ部材70の後述する水平部71が取付けられる。また、幕板部材50の左排出孔52は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材70の後述する排出孔74と一致する位置に形成されている。また、右排出孔53は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材70よりも右側となる位置に形成されている。右排出孔53は、左排出孔52よりも大きく形成されている。
また、幕板部材50は、後方延出部51よりも右側の上面が、前端側が低くなるように傾斜している。また、幕板部材50は、上面における後方延出部51よりも右側の部位に左滑り部材81を取付けるための左取付部56と、上面における右端付近に右滑り部材82を取付けるための右取付部57と、を備えている。幕板部材50は、上面に、左滑り部材81及び右滑り部材82を介して本体枠4の下面が載置される。
この幕板部材50は、図示するように、前面に浅いレリーフ状の装飾が形成されている。また、幕板部材50は、図示は省略するが、箱状の内部が複数のリブによって格子状に仕切られており、強度・剛性が高められている。また、幕板部材50は、幕板補強部材80の前側半分を、内部に収容可能に形成されている。
[2−5.外枠側上ヒンジ部材]
外枠2の外枠側上ヒンジ部材60は、図示するように、水平に延びた平板状で外形が四角形の上固定部61と、上固定部61の前端から前方へ延出している平板状の前方延出部62と、前方延出部62の右端から前方へ向かうに従って前方延出部62の左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝63と、上固定部61の平面視左辺から下方へ延びている平板状の横固定部64と、前方延出部62の左端から前端を周って軸受溝63が開口している部位までの端辺から下方へ延びており横固定部64と連続している平板状の垂下部65と、を備えている(図16(b)等を参照)。
外枠側上ヒンジ部材60は、外枠2が組立てられた状態で、上固定部61が、上枠部材10の取付段部12の上面に載置されており、図示しないビスによって固定されている。また、前方延出部62は、上枠部材10の前端よりも前方へ延出している。また、横固定部64は、左枠部材30の外側側面の凹部31内に上側から挿入された状態で、ビスによって左枠部材30に固定されている。
この外枠側上ヒンジ部材60は、軸受溝63内に本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入させることで、外枠側下ヒンジ部材70と協働して本体枠4を開閉可能に支持することができる。この外枠側上ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
[2−6.ロック部材]
外枠2のロック部材66は、図16に示すように、左右が所定幅で前後に延びている帯板状のロック本体66aと、ロック本体66aの後端から右方へ突出している操作部66bと、ロック本体66aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部66cと、ロック本体66aの後端付近で上下に貫通している取付孔66dと、を備えている。このロック部材66は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材66は、取付ビス67によって、外枠側上ヒンジ部材60における前方延出部62の下面に回動可能に取付けられる。
このロック部材66は、取付孔66dを通して、ロック本体66aの後端が、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62における軸受溝63よりも後側の位置に取付けられる。また、ロック部材66を外枠側上ヒンジ部材60に取付けた状態では、ロック本体66aが、平面視で軸受溝63を遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠側上ヒンジ部材60の垂下部65における軸受溝63の開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている(図18を参照)。
また、ロック本体66aの後端から左方へ延びている弾性部66cの先端は、外枠側上ヒンジ部材60における垂下部65の内周面に当接している。このロック部材66は、弾性部66cの付勢力によって取付孔66dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材66のロック本体66aの前端付近の右側面が、垂下部65に当接している(図18を参照)。この状態では、軸受溝63におけるロック本体66aよりも前側の部位に、本体枠側上ヒンジ部材620の後述する本体枠上ヒンジピン622を収容可能な空間が形成される。
このロック部材66は、操作部66bを操作することで、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aを回動させることができる。そして、操作部66bの操作によって、ロック本体66aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝63からロック本体66aを後退させることができ、軸受溝63が全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入したり、軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を外したりすることができる。
[2−7.外枠側下ヒンジ部材]
外枠2の外枠側下ヒンジ部材70は、図示するように、水平に延びている平板状の水平部71と、水平部71の左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上り部72と、水平部71の前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン73と、水平部71を上下に貫通しており遊技球が一つのみ通過可能な大きさの排出孔74と、を備えている。この外枠側下ヒンジ部材70は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン73は、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン73は、水平部71の前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔74は、水平部71において、立上り部72の前後方向中央の部位と接し、水平部71の左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔74は、幕板部材50の左排出孔52と、略同じ大きさに形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70は、外枠2が組立てられた状態では、水平部71が、幕板部材50の左端付近の上面と後方延出部51上に載置されており、水平部71が、幕板部材50の上面を貫通する図示しないビスによって幕板補強部材80に固定されている。また、外枠2が組立てられた状態では、立上り部72が、左枠部材30の内側側面における突出部32よりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠側下ヒンジ部材70は、外枠下ヒンジピン73を、本体枠4の本体枠側下ヒンジ部材640における本体枠用下ヒンジ孔(図示は省略)に挿通させることで、外枠側上ヒンジ部材60と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2が組立てられた状態では、排出孔74が、幕板部材50の左排出孔52と一致している。これにより、水平部71上の遊技球を、排出孔74及び左排出孔52を通して、幕板部材50の後側へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球が、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔74から排出させることができる。この際に、排出孔74が、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球を、排出孔74から排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位に遊技球が留まり難くすることができる。
[2−8.連結部材]
外枠2の連結部材85は、上枠部材10と左枠部材30とを連結する左上連結部材85Aと、上枠部材10と右枠部材40とを連結する右上連結部材85Bと、下枠部材20と左枠部材30とを連結する左下連結部材85Cと、下枠部材20と右枠部材40とを連結する右下連結部材85Dと、がある。
連結部材85は、水平に延びた平板状の水平固定部86と、水平固定部86の左右側辺の何れか一方から上方へ延出している平板状の上横固定部87と、水平固定部86における上横固定部87が延出している部位と同じ側から下方へ延出している平板状の下横固定部88と、を備えている。この連結部材85は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、水平固定部86の前後方向の中央から上横固定部87が上方へ延出していると共に、上横固定部87の前後両側から下横固定部88が下方へ延出している。つまり、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、下横固定部88が前後に離間して二つ備えられている。左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの水平固定部86は、上枠部材10の下面に当接した状態で上枠部材10に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87は、上枠部材10の係合切欠部21内に挿入されて、上枠部材10の左右方向の端部に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの前側の下横固定部88は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に夫々固定される。更に、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42内に挿入されて外側側面から捩じ込まれるビスにより左枠部材30及び右枠部材40に夫々固定される。
左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端が、水平固定部86の後端よりも後方へ突出していると共に、上横固定部87の水平固定部86よりも後方へ突出している部位の下端から下横固定部88が水平固定部86よりも下方へ延出している。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端から水平固定部86と同じ側へ突出している屈曲部89を更に備えている。左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの水平固定部86は、下枠部材20の上面に当接した状態で固定される。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの上横固定部87は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に夫々固定される。更に、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88は、下枠部材20の係合切欠部21内に挿入されて下枠部材20の左右方向の端部面に夫々固定される。
[2−9.外枠側上ヒンジ部材のロック機構]
次に、本実施形態のパチンコ機1の外枠2において、外枠側上ヒンジ部材60におけるロック部材66による本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620に対するロック機構について、図17及び図18を参照して説明する。図17(a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。図18は、外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。
外枠2におけるロック部材66は、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62に取付けた状態(通常の状態)では、弾性部66cの先端が垂下部65の内周面と当接しており、ロック本体66aがく字状に屈曲した軸受溝63の一部を閉塞するようになっていると共に、ロック本体66aの先端部分が、軸受溝63の最深部分を閉塞した状態とはならず、軸受溝63の最深部分に本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本実施形態における外枠側上ヒンジ部材60とロック部材66とを用いた本体枠上ヒンジピン622の支持機構は、本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の最深部分に挿入されてロック本体66aの前端の右側面が、右側の垂下部65と接近している状態(この状態ではロック本体66aの前端の右側面と右側の垂下部65との間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲している軸受溝63の最深部分に位置する本体枠上ヒンジピン622とロック本体66aの前端面との夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。
そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠4を軸支している本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の前端部分に当接した状態となっているので、本体枠上ヒンジピン622からロック本体66aの前端面への負荷がほとんどかかっていない。つまり、ロック部材66の弾性部66cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ロック本体66aの前端面が円弧状に形成されているため、ロック部材66を回動させるために操作部66bを回動操作した時に、ロック部材66がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、ロック本体66aの前端面の円弧中心が、取付孔66dの中心(ロック部材66の回転中心)とされている。
従って、本体枠上ヒンジピン622がく字状に形成された軸受溝63の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって、ロック本体66aの円弧状の前端面に当接したとき、その作用力Fを、本体枠上ヒンジピン622と円弧状の前端面との当接部分に作用する分力F1(ロック本体66aの前端面の円弧の法線方向)と、本体枠上ヒンジピン622と軸受溝63の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向が取付孔66d(取付ビス67)の中心(ロック部材66の回転中心)を向くため、ロック部材66のロック本体66aの前端が、右側の垂下部65から離れる方向に回転させるモーメントが働かず、本体枠上ヒンジピン622がロック部材66のロック本体66aの前端部と軸受溝63の一側内面との間に挟持された状態が保持される。
このため、通常の軸支状態、或は、本体枠上ヒンジピン622の作用力がロック部材66にかかった状態でも、ロック部材66の弾性部66cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性部66cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って本体枠上ヒンジピン622の軸受溝63からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材66のロック本体66aの前端部が右方へ移動する方向へ回転させられても、ロック本体66aの前端右側面が垂下部65に当接してそれ以上回転しないので、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ないようになっている。
なお、ロック本体66aの前端面の形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材66をその前端部が前方延出部62の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材66の回転中心(取付ビス67により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材66の弾性部66cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材66が回転してもロック本体66aの前端の右側面が垂下部65に当接するだけであるため、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ることもない。
外枠側上ヒンジ部材60の軸受溝63に、本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を支持させる場合は、軸受溝63の開放されている側から軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入する。軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入すると、ロック部材66のロック本体66aの右側面に本体枠上ヒンジピン622が当接し、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66が取付ビス67を中心に回動する。これにより、軸受溝63を閉鎖していたロック本体66aが後退して軸受溝63が開放され、軸受溝63の最深部(前端)へ本体枠上ヒンジピン622を移動させることができるようになる。
そして、軸受溝63の最深部に本体枠上ヒンジピン622を移動させると、本体枠上ヒンジピン622とロック部材66のロック本体66aとの当接が解除され、弾性部66cの付勢力によってロック本体66aの前端が右方へ移動するようにロック部材66が回動し、ロック部材66が通常の状態に復帰する。これにより、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63内におけるロック本体66aの前端よりも前側の空間に収容された状態となり、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63の最深部において回動可能な状態で保持(ロック)された状態となる。
軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を取外す場合は、ロック部材66の操作部66bを操作して、ロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66を回動させ、弾性部66cの付勢力に抗して軸受溝63からロック本体66aを後退させる。これにより、軸受溝63の最深部と開口部とが連通した状態となり、軸受溝63から本体枠上ヒンジピン622を取外すことができる。
[2−10.外枠側下ヒンジ部材の部位における防犯機構と球噛み防止機構]
本実施形態のパチンコ機1における外枠2の外枠側下ヒンジ部材70の部位における防犯機構と外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止するための球噛み防止機構について説明する。
外枠2は、組立てた状態では、幕板部材50の上面における正面視左端部に外枠側下ヒンジ部材70が取付けられている。外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、幕板部材50の上面の左端付近と後方延出部51の上面とに載置された状態で取付けられている。この幕板部材50には、上面の後端から上方へ立上っている立壁部54を備えている。これにより、外枠側下ヒンジ部材70と本体枠側下ヒンジ部材640との間の隙間を通して、本体枠4(パチンコ機1)の後側へピアノ線等の不正な工具を侵入させようとしても、不正な工具の先端が幕板部材50の上面の後端から上方へ延出している立壁部54に当接するため、不正な工具がこれ以上後側へ挿入されるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを防止することができる。
また、立壁部54の上端に、前方へ延出している返し部55を備えているため、立壁部54に当接した不正な工具が上方へ曲がった場合、返し部55によって不正な工具の先端を更に前方へ折返させることができるため、本体枠4の後側に不正な工具が侵入させられるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを確実に阻止することができる。
ところで、幕板部材50の上面の後端に上方へ延出している立壁部54を備えるようにした場合、外枠2に対して本体枠4を開いている状態で、遊技球が外枠側下ヒンジ部材70(水平部71)上に落下した場合、水平部71上の遊技球が、立壁部54の存在によって水平部71の後端から後方へ排出されないため、外枠2と本体枠4との間に挟まれてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71と、幕板部材50の後方延出部51とに、遊技球が通過可能な排出孔74、左排出孔52、及び右排出孔53を備えているため、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71上の遊技球を、排出孔74等から下方へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを低減させることができる。
従って、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれることで、外枠側下ヒンジ部材70の周りが破損したり、本体枠4が正常な状態で閉まらずに外枠2と本体枠4との間に隙間ができてしまい、その隙間を使って不正行為が行われてしまったりするのを防止することができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、図19乃至図30を参照して説明する。図19はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図20は扉枠の右側面図であり、図21は扉枠の左側面図であり、図22は扉枠の背面図である。図23は扉枠を右前から見た斜視図であり、図24は扉枠を左前から見た斜視図であり、図25は扉枠を後ろから見た斜視図である。図26は図19におけるA−A線で切断した断面図であり、図27は図19におけるB−B線で切断した断面図であり、図28は図19におけるC−C線で切断した断面図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、図29及び図30等に示すように、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられている演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、詳細は後述するが、正面視の外形が上下に延びた長方形(四角形)で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられ開閉可能とされている扉枠3と本体枠4、及び本体枠4と外枠2との間を施錠するための開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ遊技球を球発射装置680に送るための球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ球発射装置680により発射されて遊技領域5a内に到達しなかった遊技球を受けて下皿322へ排出させるファールカバーユニット270と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット300は、詳細は後述するが、回転可能なハンドル302を遊技者が回転操作することで、上皿321内に貯留されている遊技球を、ハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
扉枠3の皿ユニット320は、詳細は後述するが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面において貫通口111の下側の部位に取付けられ、前面が前方へ膨出していると共に、左右方向中央の前端に演出操作ユニット400が取付けられる。皿ユニット320は、遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿321と、上皿321の下側に配置されており上皿321やファールカバーユニット270から供給される遊技球を貯留可能な下皿322と、上皿321に貯留されている遊技球を下皿322へ抜くための上皿球抜きボタン327と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残金の範囲内で遊技者に遊技球を貸し出すための球貸ボタン328と、球貸機から貸出された遊技球の分を差し引いた現金やプリペイドカードを返却させるための返却ボタン329と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数等を表示する球貸返却表示部330と、演出提示時に遊技者の操作が受付可能とされている演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332と、下皿322内の遊技球を皿ユニット320の下方へ排出するための下皿球抜きボタン333と、を備えている。
扉枠3の演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。この演出操作ユニット400は、詳細は後述するが、遊技者が操作可能な大型の操作ボタン410と、操作ボタン410内に遊技者側から視認可能に配置され演出画像を表示可能な扉枠側演出表示装置460と、を備えている。
扉枠3の扉枠左サイドユニット530は、詳細な内容は後述するが、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の左外側を装飾するものである。扉枠左サイドユニット530は、発光装飾可能な左ユニット装飾レンズ部材(図示は省略)を備えている。
扉枠3の扉枠右サイドユニット550は、詳細な内容は後述するが、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の右外側を装飾するものである。この扉枠右サイドユニット550は、扉枠左サイドユニット530よりも前方へ大きく突出しており、左右両面側に備えられている右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557と、前端に備えられている右ユニット装飾レンズ部材561と、を備えている。扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左装飾部材554、右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561を発光装飾させることができる。
扉枠3の扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられ、扉枠3の上部を装飾するものである。扉枠トップユニット570は、詳細な内容は後述するが、左右に離間した一対の上部スピーカ573と、前面中央で前方へ突出しているトップ中装飾部材576と、トップ中装飾部材576の左右両側を装飾しているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580と、を備えている。扉枠トップユニット570は、トップ中装飾部材576、トップ左装飾レンズ部材579、及びトップ右装飾レンズ部材580を発光装飾させることができる。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠における扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4の前面を閉鎖するように本体枠4に対して開閉可能(ヒンジ回転可能)に取付けられるものである。扉枠ベースユニット100は、前面下隅にハンドルユニット300が、貫通口111の下側前面に演出操作ユニット400が取付けられる皿ユニット320が、貫通口111の左外側前面に扉枠左サイドユニット530が、貫通口111の右外側前面に扉枠右サイドユニット550が、貫通口111の上外側前面に扉枠トップユニット570が、夫々取付けられるものである。
扉枠ベースユニット100は、図32及び図33に等に示すように、正面視の外形が上下に延びた長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており扉枠ベース110から前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視左側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板160と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット190を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材170と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット300を取付けるための筒状のハンドル取付部材180と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられる開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられる球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられるファールカバーユニット270と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、図示は省略するが、扉枠3に備えられている各種の装飾基板、球送ソレノイド255、ハンドル回転検知センサ307、ハンドルタッチセンサ310、単発ボタン操作センサ312、球貸ボタン328、返却ボタン329、球貸返却表示部330、演出選択左ボタン331、演出選択右ボタン332、振動モータ424、押圧検知センサ440、扉枠側演出表示装置460(液晶表示装置461)、上部スピーカ573、等と、本体枠4における基板ユニット900の扉枠用中継基板911との接続を中継するための扉本体中継基板を備えている。
[3−1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース110は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース110は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された貫通口111を備えている。貫通口111は、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース110の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース110の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。従って、扉枠ベース110は、前後に貫通している貫通口111により全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース110は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース110は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面112と、ハンドル取付座面112と貫通口111との間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、開閉シリンダユニット210のシリンダ取付板金213が取付けられるシリンダ取付部113と、シリンダ取付部113において前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通孔114と、シリンダ挿通孔114及びハンドル取付座面112の正面視左側で前後に貫通しており球送りユニット250の進入口251a及び球抜口251bを前方に臨ませるための球送り開口115と、を備えている。
また、扉枠ベース110は、扉枠ベース110の左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面112と略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット270の球放出口276を前方に臨ませる下皿用通過口116と、扉枠ベース110の正面視左端付近で貫通口111の下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット270の貫通球通路273を前方に臨ませる上皿用通過口117と、貫通口111の内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット190のガラス枠191が挿入されるガラスユニット取付部118と、扉枠ベース110の左右両上隅において前後に貫通しており扉枠トップユニット570の上部スピーカ573の後端が挿通されるスピーカ挿通口119と、を備えている。
[3−1b.補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の補強ユニット130について、図31及び図33等を参照して詳細に説明する。補強ユニット130は、扉枠ベース110の後側に取付けられることで扉枠ベース110を補強して、扉枠ベース110(扉枠3)の強度剛性を高めている。補強ユニット130は、扉枠ベース110の後面における上辺に沿って取付けられる左右に延びた上補強板金131と、扉枠ベース110の後面における貫通口111の下側に取付けられる左右に延びた中補強板金132と、扉枠ベース110の後面における正面視左辺に沿って取付けられる上下に延びた左補強板金133と、扉枠ベース110の後面における正面視右辺に沿って取付けられる上下に延びた右補強板金134と、右補強板金134の後面に取付けられており施錠ユニット700の扉枠用鉤702が係止される施錠係止部135と、を備えている。
補強ユニット130は、上補強板金131の左右両端が左補強板金133及び右補強板金134の夫々の上端にビスによって連結固定されており、中補強板金132の左端が左補強板金133にビスによって連結固定されている。中補強板金132の右端は、後述する開閉シリンダユニット210のシリンダ取付板金213を介して右補強板金134に連結固定されている。従って、補強ユニット130は、上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、及び右補強板金134等によって、枠状に形成されている。
補強ユニット130の上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、右補強板金134、及び施錠係止部135は、夫々金属板を適宜屈曲させて形成されている。中補強板金132は、扉枠ベース110の上皿用通過口117と対応する位置に、前後に貫通した切欠部132aが形成されている。
補強ユニット130は、詳細な図示は省略するが、各上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、及び右補強板金134において、夫々前後方向に屈曲された部位を有しており、その部位によって、強度剛性が高められていると共に、外部からのピアノ線やマイナスドライバー等の不正な工具の侵入を防止している。
[3−1c.扉枠側上ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠側上ヒンジ部材140について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠ベース110に取付けられ上下に離間している一対の突出片141aを有した扉枠上ヒンジ軸ブラケット141と、扉枠上ヒンジ軸ブラケット141の一対の突出片141aを貫通しており、上端が本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に挿入される円柱状の扉枠上ヒンジピン142と、扉枠上ヒンジピン142における一対の突出片141aの間の位置に取付けられている円盤状の鍔部材143と、鍔部材143と一対の突出片141aのうちの下側の突出片141aとの間に介装されていると共に扉枠上ヒンジピン142が挿通されており、扉枠上ヒンジピン142を上方へ付勢しているロックバネ144と、を備えている。
扉枠上ヒンジ軸ブラケット141は、図示は省略するが一対の突出片141aの後端同士を連結している平板状の取付片を有しており、側面視の形状が前方へ開放されたコ字状に形成されている。扉枠上ヒンジ軸ブラケット141は、一対の突出片141a同士を連結している取付片が、ビスによって扉枠ベース110の後面に取付けられている。
扉枠上ヒンジピン142は、上側の突出片141aよりも上方に突出している部位(上端)が、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に対して回転可能に挿入される。また、扉枠上ヒンジピン142は、図示は省略するが、下側の突出片141aよりも下方に突出している部位が水平方向に屈曲している。この屈曲している部位が下側の突出片141aの下面に当接することで、扉枠上ヒンジピン142の上方への移動を規制している。
鍔部材143は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン142の外周に形成されている溝内に挿入保持されている。ロックバネ144は、扉枠上ヒンジピン142を挿通可能なコイルスプリングとされており、上端が鍔部材143に当接していると共に、下端が下側の突出片141aに当接している。このロックバネ144は、鍔部材143と下側の突出片141aとの間に、圧縮された状態で介装されており、鍔部材143を介して扉枠上ヒンジピン142を上方へ付勢している。
扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142がロックバネ144により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン142における下端の水平に屈曲している部位が下側の突出片141aの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン142の上端が、上側の突出片141aの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142における下端の水平に屈曲している部位を作業者が持って、ロックバネ144の付勢力に抗してその部位を下方へ引っ張ると、扉枠上ヒンジピン142を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン142の上端を、上側の突出片141aの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142の上端を、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠側上ヒンジ部材140の扉枠上ヒンジピン142の上端を、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142における扉枠上ヒンジ軸ブラケット141の一対の突出片141aにより支持されている部位が、後述する扉枠側下ヒンジ部材150の扉枠下ヒンジピン152と同軸上に支持されている。これにより、扉枠側上ヒンジ部材140と扉枠側下ヒンジ部材150とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1d.扉枠側下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠側下ヒンジ部材150について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。扉枠側下ヒンジ部材150は、扉枠ベース110に取付けられ前方に延出している平板状の延出片151aを有している扉枠下ヒンジ軸ブラケット151と、扉枠下ヒンジ軸ブラケットにおける延出片151aの前端部付近から下方に突出している円柱状の扉枠下ヒンジピン152(図21及び図22を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ軸ブラケット151は、水平に延びた平板状の延出片151aの後端から上方に延出した平板状の取付片(図示は省略)を有しており、側面視の全体形状が略L字状に形成されている。この扉枠下ヒンジ軸ブラケット151は、図示しない取付片がビスによって扉枠ベース110の後面に取付けられている。
扉枠下ヒンジピン152は、下端部が、下方へ向かうほど窄まる円錐台状に形成されている。この扉枠下ヒンジピン152は、後述する本体枠4における本体枠側下ヒンジ部材640の扉枠用ヒンジ孔644に、上方から回転可能に挿入される。扉枠下ヒンジピン152は、扉枠側上ヒンジ部材140の扉枠上ヒンジピン142と同軸上に配置されている。
この扉枠側下ヒンジ部材150は、扉枠下ヒンジピン152が本体枠側下ヒンジ部材640の扉枠用ヒンジ孔644に挿入されることで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1e.扉枠左サイド装飾基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠左サイド装飾基板160について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠ベース110の前面において、貫通口111の正面視左側に取付けられている。扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠ベース110における正面視左側のスピーカ挿通口119よりも下側の位置の高さから貫通口111の上下方向の中央付近の高さまで上下に延びている扉枠左サイド上装飾基板161と、扉枠左サイド上装飾基板161の下側の位置の高さから上皿用通過口117の下端と略同じ高さまで上下に延びている扉枠左サイド下装飾基板162と、を備えている。
扉枠左サイド装飾基板160の扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162は、夫々前面に、前方へ光を照射可能な複数のLED161a,162aを備えている。これらLED161a,162aは、フルカラーLEDとされている。
扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠3を組立てた状態で、後述する扉枠左サイドユニット530の後方に位置しており、前面に備えられた(実装された)複数のLED161a,162aを適宜発光させることで、扉枠左サイドユニット530の左ユニット装飾レンズ部材を発光装飾させることができる。
[3−1f.ガラスユニット取付部材]
扉枠ベースユニット100のガラスユニット取付部材170について、主に図31(b)等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット190を着脱可能に取付けるためのものである。ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部171と、基部171から回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部172と、を有している。
ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後面における一対のスピーカ挿通口119の下側で、ガラスユニット取付部118よりも外側の部位に、夫々回転可能に取付けられている。
ガラスユニット取付部材170は、突出部172が基部171から上方へ突出するように回転させた状態とすることで、背面視において扉枠ベース110のガラスユニット取付部118よりも突出部172が外側に位置した状態となり、扉枠ベース110のガラスユニット取付部118に対してガラスユニット190を挿入したり、ガラスユニット取付部118からガラスユニット190を取外したりすることができる。
ガラスユニット取付部材170は、ガラスユニット190を扉枠ベース110のガラスユニット取付部118に挿入させた状態で、突出部172が基部171から下方へ突出するように回転させると、突出部172がガラスユニット190の取付片191aの後側と当接し、ガラスユニット190上部の後方への移動を規制した状態となり、ガラスユニット190を扉枠ベース110に取付けることができる。
ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110に回転可能に取付けられる円盤状の基部171から突出部172が突出しているため、ガラスユニット取付部材170の重心位置が突出部172内に位置している。このことから、ガラスユニット取付部材170が自由に回転できる状態では、突出部172が基部171から下方へ突出した状態で安定することとなる。そして、ガラスユニット取付部材170では、突出部172が基部171から下方へ突出している回転位置の時に、突出部172によりガラスユニット190の後方への移動を規制させるようにしているため、ガラスユニット取付部材170に振動等が作用しても、突出部172が基部171から上方へ突出するように全体が回転することはなく、ガラスユニット190の後方への移動の規制が自然に解除されることはない。
なお、扉枠ベース110からガラスユニット190を取外す場合は、ガラスユニット取付部材170を、突出部172が基部171から上方へ突出するように回転させて、突出部172をガラスユニット190の取付片191aよりも外側へ移動させることで、ガラスユニット190の上部側を後方へ移動させることができるようになり、扉枠ベース110からガラスユニット190を取外すことができる。
[3−1g.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材180は、扉枠ベース110の前面にハンドルユニット300を取付けるためのものである。ハンドル取付部材180は、図32及び図33等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部181と、筒部181の後端から筒部181の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部182と、筒部181内に突出していると共に筒部181の軸方向全長に亘って延びており筒部181の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条183と、筒部181の外周面とフランジ部182の前面とを繋ぎ、筒部181の周方向に対して複数配置された補強リブ184と、を備えている。
ハンドル取付部材180は、フランジ部182の後面を、扉枠ベース110におけるハンドル取付座面112の前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面112に取付けられる。
筒部181は、内径がハンドルユニット300におけるハンドルベース301の基部301aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条183は、一つが筒部181内の上側に備えられており、残り二つが筒部181内の下側に備えられている。これら三つの突条183は、ハンドルベース301における三つの溝部301cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材180は、三つの突条183と、ハンドルベース301の三つの溝部301cとを一致させた状態でのみ、筒部181内にハンドルベース301の基部301aを挿入させることができ、扉枠ベース110に対してハンドルベース301(ハンドルユニット300)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材180は、フランジ部182の後面に対して、筒部181の軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース110の傾斜したハンドル取付座面112に取付けることで、筒部181の軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット300を同様に傾いた状態で扉枠ベース110に取付けることができる。
[3−1h.ガラスユニット]
扉枠ベースユニット100のガラスユニット190について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット190は、扉枠ベース110の貫通口111を、前方から後方が視認できるように閉鎖するものである。ガラスユニット190は、扉枠ベース110の貫通口111の内周形状よりも大きくガラスユニット取付部118に取付可能な枠状のガラス枠191と、ガラス枠191の枠内を閉鎖し外周がガラス枠191に取付けられている透明な二つのガラス板192と、を備えている。二つのガラス板192は、ガラス枠191の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図26等を参照)。
ガラス枠191は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片191aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片191bと、を有している。ガラス枠191の取付片191aは、ガラスユニット取付部材170の突出部172と当接可能とされている。係止片191bは、扉枠ベース110と補強ユニット130の中補強板金132との間の空間内に挿入可能とされている(図26を参照)。
このガラスユニット190は、扉枠ベース110の後側から、ガラス枠191の係止片191bを、扉枠ベース110と補強ユニット130の中補強板金132との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠191の前端を扉枠ベース110のガラスユニット取付部118の後面に当接させ、ガラスユニット取付部材170を回転させてガラスユニット取付部材170の突出部172をガラス枠191の取付片191aの後面と当接させることで、扉枠ベース110に取付けられる。
ガラスユニット190を扉枠ベース110から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット190は、扉枠ベース110に対して着脱可能となっている。
[3−1i.防犯カバー]
扉枠ベースユニット100の防犯カバー200について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。防犯カバー200は、ガラスユニット190の後面下部を覆うように扉枠ベース110の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー200は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部201と、本体部201の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片202と、左右に離間して配置され本体部201よりも前方に突出し、扉枠ベース110の後側に係止可能とされている一対の係止片203と、を備えている。
防犯カバー200の本体部201は、扉枠ベース110に取付けた状態で下端がガラスユニット190の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部201は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部201の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片202は、本体部201の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー200は、本体部201と後方突片202とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片202は、図33に示すように、本体部201の外周縁とは異なる本体部201の後面の一部からも後方に突出している。この本体部201の後面の一部から後方に突出している後方突片202は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片202は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球(球発射装置680により発射された遊技球)が、防犯カバー200の後方突片202に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球の打込みを阻害することはない。
一対の係止片203は、扉枠ベース110の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー200は、扉枠ベース110に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー200は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部201の前面がガラスユニット190の後面(ガラス枠191の後端)と当接し、本体部201の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片202が、後述する前構成部材1000の防犯凹部1008内に挿入された状態となる。また、防犯カバー200は、本体部201の下辺から後方に突出している後方突片202が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー200と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー200の後方突片202と前構成部材1000の防犯凹部1008とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー200と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片202や防犯凹部1008に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−1j.開閉シリンダユニット]
扉枠ベースユニット100の開閉シリンダユニット210について、主に図31乃至図33等を参照して説明する。開閉シリンダユニット210は、正面視において扉枠ベース110の右端付近で貫通口111とハンドル取付座面112との間の位置のシリンダ取付部113に後側から取付けられ、後述する施錠ユニット700と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉に使用されるものである。
開閉シリンダユニット210は、前面に鍵穴211aを有し前後に延びた円筒状のシリンダ錠211と、シリンダ錠211の後端に取付けられており鍵穴211aに挿入された鍵の回動操作を施錠ユニット700の鍵シリンダ710に伝達させる回転伝達部材212と、シリンダ錠211を扉枠ベース110(補強ユニット130)に取付けるシリンダ取付板金213と、を備えている。
シリンダ錠211は、対応する鍵(図示は省略)を鍵穴211aに差し込むことで、鍵を回転させることができるものであり、対応する鍵であれば、正面視において時計回り及び反時計回りの何れの方向へも所定角度回転させることができる。
回転伝達部材212は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部212aを有している。この回転伝達部材212は、本体枠4における施錠ユニット700の鍵シリンダ710が後方から挿入されるように形成されており、施錠ユニット700の鍵シリンダ710の突起が一対の切欠部212a内に挿入されることで、回転伝達部材212(シリンダ錠211の鍵穴211aに挿入された鍵)の回転を、施錠ユニット700の鍵シリンダ710に伝達させて鍵シリンダ710を回転させることができる。
シリンダ取付板金213は、一枚の金属板を屈曲させて形成されており、平面視の形状が前方へ突出している凸形状に形成されている。詳述すると、シリンダ取付板金213は、正面視において上下に延びた長方形で平板状の前板部213aと、前板部213aの左右両辺から後方へ平板状に延出している一対の側板部213bと、一対の側板部213bの夫々の後辺から互いに遠ざかる方向へ平板状に延出している一対の取付板部213cと、を備えている。シリンダ取付板金213の前板部213aは、上下方向略中央の位置で後方からシリンダ錠211が貫通し、前板部213aの後面にシリンダ錠211の後端が取付けられる。シリンダ取付板金213の一対の取付板部213cは、正面視左側の取付板部213cが補強ユニット130の中補強板金132の右端部に取付けられ、正面視右側の取付板部213cが補強ユニット130の右補強板金134に取付けられる。これにより、シリンダ取付板金213によって、補強ユニット130の中補強板金132と右補強板金134とが連結される。
開閉シリンダユニット210は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、シリンダ取付板金213の前板部213aから前方に突出しているシリンダ錠211の前端が、扉枠ベース110の後側からシリンダ挿通孔114に挿通されて扉枠ベース110の前方へ突出していると共に、シリンダ取付板金213の前板部213a及び一対の側板部213bが後方へ開放されている箱状のシリンダ取付部113内に収容されている。
[3−4.演出操作ユニットの全体構成]
扉枠3における演出操作ユニット400の全体構成について、主に図34乃至図41等を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠における演出操作ユニットの正面図であり、(b)は演出操作ユニットの右側面図である。また、図35(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図36は、演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。図37は図34(a)におけるD−D線で切断した断面図であり、図38は図34(b)におけるE−E線で切断した断面図である。図39(a)は図34(b)におけるF−F線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるA部の拡大図である。図40は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図41は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。
演出操作ユニット400は、外形が円形で外周縁を除いた中央側が透明に形成されており遊技者が押圧操作可能な操作ボタン410と、操作ボタン410の外周を囲み皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる枠状のフレームユニット415と、操作ボタン410よりも後方に配置されており操作ボタン410の外周縁及びフレームユニット415を発光装飾させることが可能な装飾基板ユニット420と、フレームユニット415の後側に取付けられており操作ボタン410及び装飾基板ユニット420が前面に取付けられているベースユニット430と、操作ボタン410を通して遊技者側から視認可能にベースユニット430に取付けられており演出画像を表示可能な扉枠側演出表示装置460と、を備えている。
[3−4a.操作ボタン]
演出操作ユニット400の操作ボタン410について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。図42(a)は操作ボタンを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は操作ボタンを分解して後ろから見た分解斜視図である。操作ボタン410は、外形が皿ユニット320の上下方向の高さよりも若干小さい直径の円形に形成されており、外周縁を除いた中央側が透明に形成されている。操作ボタン410は、外周が円形で中央側が前方へ膨出するように湾曲面状(球面の一部の形状)に形成されている透明なボタンレンズ411と、ボタンレンズ411の外周縁の前側に取付けられている円環状のボタンフレーム412と、ボタンフレーム412の後側にボタンレンズ411の外周縁を挟持するように取付けられている円筒状のボタンベース413と、を備えている。ボタンフレーム412及びボタンベース413は、光を通し難い部材によって形成されている。
ボタンレンズ411は、全体が略一定の厚さに形成されている。また、ボタンレンズ411は、表面側が凹凸の無い滑らかな湾曲面状に形成されている。ボタンレンズ411は、ボタンフレーム412の内周側となる位置に裏面から断面W字状に窪んだ状態で中央側(内側)へ所定長さで延びていると共に周方向に列設されている第一ボタン装飾部411aと、第一ボタン装飾部411aよりも外周側の位置に裏面から断面円弧状に窪んだ状態で中央側へ向かう軸線上に延びていると共に周方向に所定角度範囲内で列設されている複数(六つ)の第二ボタン装飾部411bと、を備えている。
ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aは、図示するように、操作ボタン410に組立てた状態では、ボタンフレーム412の内周から中央側へ延びており、左右両側の一群が、上下両側の一群よりも中央側へ長く延びている。
ボタンレンズ411の複数の第二ボタン装飾部411bは、夫々が同一の円周上において円弧状に延びており、左右両側に夫々三つずつ形成されている。これらの第二ボタン装飾部411bは、ボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨むように形成されていると共に、前面側がボタンフレーム412の前面と略同一面上となるように前方へ突出している。
ボタンレンズ411は、第一ボタン装飾部411a及び第二ボタン装飾部411bの部位において、裏面に形成されている断面W字状や断面円弧状の凹凸により、光が屈折するレンズ効果が発揮されるため、後側が明瞭に見えないようになっている。
ボタンフレーム412は、円環状に形成されており、前後方向に貫通し周方向へ所定長さで円弧状に延びた複数(六つ)のフレーム開口部412aを備えている。六つのフレーム開口部412aは、左右両側に夫々三つずつ備えられており、ボタンレンズ411の六つの第二ボタン装飾部411bと対応している。このボタンフレーム412は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えている。
ボタンベース413は、前後方向に短く延びた略円筒状の本体部413aと、本体部413aの前端から外方へ突出している円環状のフランジ部413bと、フランジ部413bの後側から本体部413aの外周に沿って後方へ円柱状に突出しており周方向に略等間隔で複数(四つ)配置されているガイドボス部413cと、フランジ部413bの後側から本体部413aの外周に沿って後方へ帯板状に突出しており周方向に複数(三つ)配置されている検知片413dと、本体部413aよりも外側でフランジ部413bを前後に貫通していると共に外周に沿って所定長さで延びており周方向に複数(六つ)形成されているベース開口部413eと、本体部413aの前端から前方へ筒状に延出しており前端側がボタンレンズ411の内面に沿うように内側(中央側)へ窄まっている内側延出部413fと、を備えている。
ボタンベース413における内側延出部413fの外周面と、フランジ部413bの前面とにボタンレンズ411の外周縁及びボタンフレーム412が取付けられる。四つのガイドボス部413cは、本体部413aの周方向に対して、上下左右の四隅に相当する部位に夫々配置されている。これら四つのガイドボス部413cは、ベースユニット430におけるユニットベース431の保持孔431b内に夫々摺動可能に挿入される。三つの検知片413dは、本体部413aの周方向に対して、上側に二つ、下側に一つ、配されるように、周方向へ略等間隔に配置されている。これら三つの検知片413dは、操作ボタン410が押圧されると、ベースユニット430の押圧検知センサ440により検知される。
六つのベース開口部413eは、左右両側に夫々三つずつ備えられており、ボタンレンズ411の第二ボタン装飾部411b及びボタンフレーム412のフレーム開口部412aと対応している。ボタンベース413におけるベース開口部413eの部位では、本体部413a及び内側延出部413fの一部が、外周側から内側へ窪んでいる。内側延出部413fは、内側へ窄まっている前端の内径が、ボタンフレーム412の内径と略一致している。
この操作ボタン410は、前面が前方へ湾曲面状(略球面の一部の形状)に膨出していると共に、透明に形成されており、後側に配置されている扉枠側演出表示装置460の表示画面を前方から視認することができる。操作ボタン410は、四つのガイドボス部413cがベースユニット430におけるユニットベース431の保持孔431bに摺動可能に挿入されていると共に、ユニットベース431の保持孔に431bに挿入されている操作ボタンバネ438により前方へ付勢されている。操作ボタン410は、ベースユニット430の操作ボタンバネ438の付勢力により、外周縁の前面側がフレームユニット415に当接することで、前方へのこれ以上の移動が規制されており、操作ボタンバネ438の付勢力に抗して押圧操作することで、後端がベースユニット430の前面に当接するまで後方へ移動する。操作ボタン410は、押圧操作して後方へ移動させると、三つの検知片413dの少なくとも一つがベースユニット430の押圧検知センサ440に検知される。この押圧検知センサ440による検知片413dの検知によって、操作ボタン410が操作されたこととなる。
また、操作ボタン410は、演出操作ユニット400を組立てた状態で、透明なボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周端から中央側へ延びるように全周に亘って形成されている第一ボタン装飾部411aによって、ボタンベース413の内周面と、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432との間の隙間を、遊技者側から見え難くすることができる。
更に、操作ボタン410は、円筒状のボタンベース413の前端開口を、ボタンレンズ411とボタンフレーム412とで閉鎖しており、ボタンレンズ411の外周縁に取付けられているボタンフレーム412により、操作ボタン410の外径に対して、後方が視認可能な透明な部分が、外周から内側へ窄まったように形成されている。このボタンフレーム412の存在によっても、ボタンベース413の内周面と、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432との間の隙間を、遊技者側から見え難くしている。
また、操作ボタン410は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、筒状のボタンベース413(本体部413a)の後端が、装飾基板ユニット420の内周側を通して装飾基板ユニット420の前面よりも後方へ突出した状態となる。これにより、装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に夫々実装されている第一LED422a,423a及び第二LED422b,423bから前方へ照射された光が、ボタンベース413の外側から内側へ漏れるのを防止することができると共に、ベースユニット430の操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されたLEDから前方へ照射された光がボタンベース413の内側から外側へ漏れるのを防止することができる。従って、装飾基板ユニット420の第一LED422a,423a及び第二LED422b,423bやベースユニット430の操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されたLEDが、発光装飾対象としている部位以外が発光装飾されてしまうのを防止することができ、見栄え良く発光装飾を行うことができる。
[3−4b.フレームユニット]
演出操作ユニット400のフレームユニット415について、主に図39乃至図41等を参照して詳細に説明する。フレームユニット415は、操作ボタン410の前方側から外周を囲むように、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに前側から取付けられ、操作ボタン410の外側を装飾している。フレームユニット415は、外形が演出操作ユニット取付部326aの前端側に合せた形状に形成されている。
フレームユニット415は、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられ円形の中央開口部416aを有する枠状のフレーム本体416と、中央開口部416aの左右両側でフレーム本体416に後側から取付けられる透光性を有した一対のフレームサイドレンズ417と、中央開口部416aの上側でフレーム本体416に前側から取付けられる透光性を有したフレームトップレンズ418と、を備えている。
フレーム本体416は、操作ボタン410の外径よりも小径で前後に貫通している円形の中央開口部416aと、中央開口部416aよりも左右両外側で前後に貫通していると共に中央開口部416aの周縁に沿って円弧状に延びており周方向に列設されている複数(六つ)の外周開口部416bと、中央開口部416aの上側前面において所定幅で切欠かれている切欠部416cと、を備えている。中央開口部416aは、操作ボタン410におけるボタンフレーム412のフレーム開口部412aの外周側の直径と略同じ大きさに形成されている。これにより、フレーム開口部412aの外周後側に操作ボタン410におけるボタンベース413のフランジ部413bの前端側が当接できるようになっている。
六つの外周開口部416bは、中央開口部416aの左右両外側に、夫々三つずつ備えられており、後側からフレームサイドレンズ417によって閉鎖されている。切欠部416cは、前後方向にも貫通しており、前側からフレームトップレンズ418が嵌込まれている。
また、フレーム本体416は、中央開口部416aの周縁よりも若干外側の位置から後方へ延出している略筒状の内側筒部416dを備えている。内側筒部416dは、中央開口部416aと外周開口部416bとの間の位置から後方へ延出しており、切欠部416cと対応している部位が切欠かれている。内側筒部416dは、演出操作ユニット400を組立てた状態では、装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aと第二LED422b,423bとの間に位置しており、第一LED422a,423aと第二LED422b,423bとの間を仕切っている(図38を参照)。
更に、フレーム本体416は、外周の左右両側上部において夫々外方へ延出しており、皿ユニット320の皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる一対の取付部416eを備えている。フレーム本体416(演出操作ユニット400)は、一対の取付部416eと切欠部416cの左右両側の部位が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる。
フレーム本体416は、中央開口部416aを間にして切欠部416c側(フレームトップレンズ418が取付けられる側)とは反対側で切欠部416cと同じ幅の部位を除いて、表面の略全体に金属光沢を有したメッキ層が形成されている。
フレームサイドレンズ417は、フレーム本体416の左右に夫々三つずつ形成されている外周開口部416bを後側から閉鎖している。フレームサイドレンズ417は、前面側が凹凸の無い滑らかな面に形成されており、後面側に中央開口部416aの周縁に沿った複数の凹凸が形成されている(図39及び図46を参照)。これら複数の凹凸によって光が屈折することで、フレームサイドレンズ417の後側が見えないようになっている。
フレームトップレンズ418は、フレーム本体416の切欠部416cに前側から嵌込まれるように、外形が略四角形に形成されている。フレームトップレンズ418は、前面側が滑らかに形成されている。また、フレームトップレンズ418は、後面側に中央開口部416aの周縁に沿ってジグザグ状に延びた複数の凹凸が中央開口部416aの半径方向に複数列設されている(図37及び図46を参照)。これら複数の凹凸によって光が屈折することで、フレームトップレンズ418の後側が見えないようになっている。
フレームユニット415は、演出操作ユニット400を組立てた状態で、一対のフレームサイドレンズ417が装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第二LED422b,423bの前方に位置すると共に、フレームトップレンズ418がベースユニット430のフレームトップレンズ装飾基板437の前方に位置し、それらに実装されている第二LED422b,423b等によって夫々が発光装飾可能となっている。
[3−4c.装飾基板ユニット]
演出操作ユニット400の装飾基板ユニット420について、主に図39乃至図43等を参照して詳細に説明する。図43は、演出操作ユニットの装飾基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。装飾基板ユニット420は、フレームユニット415の下方でベースユニット430の前面に取付けられ、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができると共に、演出操作ユニット400に振動を付与させることができるものである。
装飾基板ユニット420は、上方側が開放されたC字状の基板ベース421と、基板ベース421における左右両側の前面に夫々取付けられている操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423と、基板ベース421の前面下部に取付けられている振動モータ424と、振動モータ424の前側を覆うように基板ベース421の前面に取付けられているモータカバー425と、を備えている。
基板ベース421は、内周側が操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aの外径よりも若干大きく形成されていると共に、外周側がボタンベース413におけるフランジ部413bの外径よりも大きく且つフレームユニット415の外径よりも小さく形成されている。
操作ボタン左外装飾基板422は、基板ベース421の前面に沿って円弧状に延びている。操作ボタン左外装飾基板422は、前面側に、基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第一LED422aと、複数の第一LED422aよりも半径方向外側で基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第二LED422bと、を備えている。操作ボタン右外装飾基板423は、基板ベース421の前面に沿って円弧状に延びている。操作ボタン右外装飾基板423は、前面側に、基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第一LED423aと、複数の第一LED423aよりも半径方向外側で基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第二LED423bと、を備えている。これら操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423は、前後両面が白色とされている。
振動モータ424は、回転軸に偏芯した錘424aが取付けられており、この錘424aを回転させることで振動を発生させることができる。
装飾基板ユニット420は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、基板ベース421の内側に、操作ボタン410におけるボタンベース413の筒状の本体部413a後端側が挿入されている。また、装飾基板ユニット420は、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aが操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bの後方に位置し、夫々の第二LED422b,423bがフレームユニット415のフレームサイドレンズ417の後方に位置している。また、演出操作ユニット400に組立てた状態では、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423の夫々の第一LED422a,423aと、夫々の第二LED422b,423bとの間に、フレームユニット415の内側筒部416dが位置している(図38を参照)。
従って、装飾基板ユニット420は、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aからの光によって操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを発光装飾させることができると共に、夫々の第二LED422b,423bからの光によってフレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを発光装飾させることができる。
また、装飾基板ユニット420は、振動モータ424の錘424aを回転させることで、振動を発生させて、演出操作ユニット400全体を振動させることができる。
[3−4f.演出操作ユニットの作用効果]
演出操作ユニット400の作用効果について、主に図44乃至図46等を参照して詳細に説明する。図44は、図37の演出操作ユニットの断面図において操作ボタンを押圧した状態を示す説明図である。図45(a)は演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの一部を切欠いて操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。図46(a)は演出操作ユニットの外観を前から見た斜視図で示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの外観を操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。
本実施形態の演出操作ユニット400は、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて演出画像を遊技者に見せることができると共に、遊技者に操作ボタン410の操作をさせて遊技者に提示した演出に遊技者を参加させて楽しませることができるものである。
演出操作ユニット400は、全高が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の貫通口111の下側の部位の高さと略同じ高さに形成されている。また、演出操作ユニット400は、全幅が、扉枠3の全幅の1/3よりも若干大きく形成されている。演出操作ユニット400は、正面視において、遊技領域5a(扉枠ベース110の貫通口111)の下側で左右方向の中央に配置されている。
演出操作ユニット400は、フレームユニット415のフレーム本体416の上部が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられている。演出操作ユニット400は、皿ユニット320に取付けた状態で、底面となる中継基板カバー442の脚部442aの下面が、皿ユニット320の皿ユニットカバー326における底板部326iの上面との間に、隙間が形成されている。つまり、演出操作ユニット400は、皿ユニット320に対して上部のみが取付けられており、吊下げられた状態に取付けられている。
また、演出操作ユニット400は、フレームユニット415の前面(フレーム本体416の中央開口部416aの前端内周により形成される面)が、演出操作ユニット取付部326aの前端開口の傾斜面と平行になるように取付けられている。これにより、演出操作ユニット400は、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明な操作ボタン410の中心軸線CLが、垂直線に対して63度の角度で、前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している。これにより、本パチンコ機1を用いて遊技を行うために本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、遊技者の頭部が皿ユニット320(演出操作ユニット400)の上方に配置されている遊技盤5における遊技領域5aの中央の前方に位置するため、操作ボタン410の中心軸線CLが、遊技者の頭部付近を通ることとなる。従って、遊技者が遊技領域5aから演出操作ユニット400(操作ボタン410)に視線を落すと、操作ボタン410がその正面視(中心軸線CLと平行な方向からの投影視)に可及的に近い状態で見えることとなり、操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460等を良好な状態で視認することができる。
演出操作ユニット400は、操作ボタン410の四つのガイドボス部413cがベースユニット430の四つの保持孔431bに夫々摺動可能に挿入されていると共に、操作ボタンバネ438により前方へ付勢されている。演出操作ユニット400は、通常の状態(操作ボタン410を押圧操作していない状態)では、操作ボタンバネ438の付勢力によって、操作ボタン410のボタンベース413のフランジ部413bの前端が、フレームユニット415のフレーム本体416の後面における中央開口部416a付近の部位に当接している。
演出操作ユニット400は、通常の状態では、操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内周付近から中央側(中心軸線CL側)が、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している。換言すると、操作ボタン410における湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明なボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周(内側)から前方へ突出している部位が、フレームユニット415のフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している(図37等を参照)。
因みに、本実施形態では、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aの直径が約15cmとされており、操作ボタン410の中心軸線CL方向に対してボタンレンズ411(の前端)がフレームユニット415の前面から約4cm前方へ突出している。
通常の状態において、遊技者が演出操作ユニット400の操作ボタン410を押圧操作すると、操作ボタン410は操作ボタンバネ438の付勢力に抗して中心軸線CLに沿って後方へ移動する。そして、操作ボタン410の後端がベースユニット430のユニットベース431の前面に当接すると、後方への移動が規制されて操作ボタン410の後方への移動が停止する。遊技者が操作ボタン410を押圧操作する時には、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出しているボタンレンズ411を押圧する。
この操作ボタン410は、従来のパチンコ機に備えられている演出用の操作ボタンと比較して、外径が非常に大きく形成されているため、ボタンレンズ411の中央部分から離れた周縁付近が押圧される可能性が高い。詳述すると、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、その中心軸線が垂直線と略平行に延びるように取付けられているのに対して、本実施形態の演出操作ユニット400の操作ボタン410は、中心軸線CLが垂直線に対して傾いて取付けられているため、遊技者が従来のパチンコ機と同様に上方から操作ボタン410を押圧すると、図44において白抜きの矢印で示すように、操作ボタン410の中心軸線CLから離れた部位を押圧することとなる。
ところで、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、遊技者が押圧操作する面が平坦な面に形成されていることから、押圧操作する部位を平坦な面としたまま操作ボタンを大きくした場合、操作ボタンの中央から外れた部位を押圧すると、その押圧された部位が先に後退するように押圧操作する面が傾いてしまい、操作ボタンが真直ぐに後退することができなくなって、操作ボタンを押圧操作することができなくなる虞がある。
これに対して、本実施形態の演出操作ユニット400の操作ボタン410は、遊技者が押圧操作する部位(ボタンレンズ411)が、前方へ膨出した湾曲面状(略球面の一部の形状)としているため、操作ボタン410の中央から離れた位置を押圧操作した場合、その力が操作ボタン410の全体に分散されて操作ボタン410が傾き難くなり、操作ボタン410が真直ぐに後方へ移動することができる。従って、操作ボタン410の前面側のどの位置を押圧操作しても、操作ボタン410が傾くことなくスムーズに後退することができるため、押圧操作を確実に検知させることができ、操作ボタン410を押圧操作する演出を十分に楽しませることができる。
また、演出操作ユニット400は、装飾基板ユニット420における基板ベース421の前面下部に振動モータ424が取付けられている上で、上述したように、演出操作ユニット400が吊下げられるように上部のみが皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられているため、振動モータ424により錘424aを回転させて振動を発生させると、取付けられている部位から最も離れた部位で振動が発生することから、演出操作ユニット400全体を大きく(強く)振動させることができ、演出操作ユニット400に触れている遊技者に対して振動を伝達させることができる。また、振動モータ424を、比較的遊技者が押圧操作し易い位置(図44において白抜きの矢印の位置)の直下に配置しているため、操作ボタン410を押圧操作している遊技者に対して強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて演出を楽しませることができる。
更に、演出操作ユニット400は、吊下げられたような状態で皿ユニットカバー326に取付けられていると共に、下面を形成している中継基板カバー442の脚部442aの下面と皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に隙間が形成されているため、操作ボタン410を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接するまでの間、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等が下方へ撓むことで衝撃を吸収することができる。また、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接した後では、演出操作ユニット400の下方への移動を規制し、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させることができ、演出操作ユニット400等の破損を防止することができる。従って、演出操作ユニット400の操作ボタン410を押圧操作する演出を遊技者に提示した時等に、強い力で操作ボタン410が押圧操作されたり叩かれたりしても、操作ボタン410や演出操作ユニット400等が破損することはないため、破損による遊技の中断を回避させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができると共に、破損し難くすることで遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
なお、上述したように、遊技者が押圧操作する操作ボタン410のボタンレンズ411を、前方へ突出している湾曲面状(略球面の一部の形状)に形成しているため、平板状とした場合と比較して強度・剛性が高くなっていると共に、強く叩かれても、その衝撃をボタンレンズ411全体へ分散させることができ、破損し難くなっている。
また、演出操作ユニット400は、図46に示すように、ボタンレンズ411、フレームサイドレンズ417、フレームトップレンズ418、及び操作ボタン内装飾部材432が、透明な部材で構成されているため、それらの裏面側に形成されている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、第一ボタン内装飾部432f、及び第二ボタン内装飾部432g等の凹凸による装飾が、前方側(遊技者側)から視認することができる。また、それら凹凸の装飾が形成されている部位では、板厚が変化していることら光が複雑に屈折するため、凹凸の装飾が形成されている部位を通しては後側が視認し難くなっている。
演出操作ユニット400は、操作ボタン410のボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周から中央側へ延びている第一ボタン装飾部411aを備えているため、この第一ボタン装飾部411aの凹凸の装飾によりボタンレンズ411の内側となる部位の外周縁の部位において後方を見え辛くすることができる。第一ボタン装飾部411aが形成されている部位の後方(中心軸線CL方向の後方)には、操作ボタン410のボタンベース413の本体部413aの内周面と操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aの外周面との間の隙間が位置しているが、その隙間の前方に位置する第一ボタン装飾部411aによって前方側(遊技者側)から、操作ボタン内装飾部材432の外周の隙間を見え難くすることができる。これにより、押圧操作可能な操作ボタン410内に、位置が固定されている操作ボタン内装飾部材432を備えても、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができ、操作ボタン410を見た遊技者が不快感を抱くのを防止することができると共に、透明な操作ボタン410内に操作ボタン内装飾部材432を問題なく配置することができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。
詳述すると、演出操作ユニット400は、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412によって、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432の外周よりも外側で後方側(奥側)にあるユニットベース431や装飾基板ユニット420等が、透明なボタンレンズ411を通して遊技者側から見えないように形成されている。具体的には、図45において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位が、遊技者側から見えないようにしている。このように、操作ボタン410に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等を備えているため、操作ボタン内装飾部材432の外側や奥側を見え難くして隠すことができ、操作ボタン410、ひいては、演出操作ユニット400全体の見栄えを良くすることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aが、操作ボタン410の中心軸線CLへ向かうように延びていると共に周方向に列設されているのに対して、操作ボタン410の内側後方に配置されている操作ボタン内装飾部材432の前板部432bに形成されている第二ボタン内装飾部432gが中心軸線CLを中心とした変八角形状に延びていると共に同心円状に列設されているため、図46に示すように、第一ボタン装飾部411aの凹凸線と第二ボタン内装飾部432gの凹凸線とが交差することとなり、幾何学的な装飾を遊技者に見せることができる。
また、演出操作ユニット400は、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとが、前後方向(中心軸線CLの延びている方向)に離れているため、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとによって奥行のある立体的な感じの幾何学模様を遊技者に見せることができ、操作ボタン410内を含む装飾を楽しませることができる。
更に、演出操作ユニット400では、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとが前後方向に離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、第一ボタン装飾部411aの凹凸線と、第二ボタン内装飾部432gの凹凸線との重なり具合が変化するため、動きのある装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
このように、演出操作ユニット400は、操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aと操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gとによって、動きがあり立体感のある装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410内(ボタンフレーム412の内側)で、操作ボタン内装飾部材432の後方には、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436が配置されており、それらの前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、操作ボタン410内の操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることができる。つまり、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436によって、操作ボタン410内を発光装飾させることができる。これら操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の前面に実装されているLEDは、図38に示すように、中心軸線CLの延びている方向から見て、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aの内側に配置されているため、それらからの光が本体部413aの外側に漏れることはなく、操作ボタン410内のみを良好に発光装飾させることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410の外周付近に位置するボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨む第二ボタン装飾部411bの後方に、装飾基板ユニット420における操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aが配置されており、それら第一LED422a,423aを発光させることで、操作ボタン410の六つの第二ボタン装飾部411bを発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aは、図38に示すように、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aと、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとの間に位置しており、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの内側や内側筒部416dの外側へ漏れることはなく、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを良好に発光装飾させることができる。
更に、演出操作ユニット400は、フレームユニット415におけるフレーム本体416の六つの外周開口部416bから臨むフレームサイドレンズ417の後方に、操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bが配置されており、それら第二LED422b,423bを発光させることでフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bは、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとフレーム本体416の外周との間に位置しており、第二LED422b,423bからの光が内側筒部416dの内側やフレーム本体416の外側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを良好に発光装飾させることができる。
また、演出操作ユニット400は、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に、ベースユニット430におけるフレームトップレンズ装飾基板437が配置されており、フレームトップレンズ装飾基板437の前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。ベースユニット430におけるユニットベース431のフレームトップレンズ装飾基板437が取付けられている部位の下側からは、フレームトップレンズ418の下端後方付近まで平板状の遮光壁部431cが前方へ突出しており、フレームトップレンズ装飾基板437のLEDからの光が操作ボタン410やフレームサイドレンズ417側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームトップレンズ418のみを良好に発光装飾させることができる。
[3−5.扉枠左サイドユニット]
扉枠3の扉枠左サイドユニット530について、主に図47乃至図50を参照して詳細に説明する。図47(a)は扉枠における扉枠左サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図48は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図49は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図50は図47(a)におけるL−L線で切断した断面図である。扉枠左サイドユニット530は、皿ユニット320の上側で扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162(扉枠左サイド装飾基板160)の前側を覆うように扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられるものである。扉枠左サイドユニット530は、扉枠ベース110の貫通口111の正面視左側を装飾するためのものである。
扉枠左サイドユニット530は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視左側に取付けられる上下に延びた帯板状の左ユニットベース531と、左ユニットベース531の前面に取付けられている透明な帯板状の左ユニット拡散レンズ部材532と、左ユニット拡散レンズ部材532の前方に配置されており前端部に多面体状の装飾を有している透光性を有する左ユニット装飾レンズ部材(図示は省略)と、左ユニット装飾レンズ部材の前側から左ユニットベース531の前面上部に取付けられており前方へ筒枠状に突出していると共に上下に延びている左ユニット上装飾ベース534と、左ユニット装飾レンズ部材の前側から左ユニットベース531の前面下部に取付けられており左ユニット上装飾ベース534よりも短く前方へ枠状に突出している左ユニット下装飾ベース535と、左ユニット上装飾ベース534及び左ユニット下装飾ベース535の前側から左ユニット装飾レンズ部材の前端側を覆うように左ユニットベース531の前側に取付けられている透明な左ユニット装飾カバー536と、左ユニット装飾カバー536の前側に取付けられている複数の飾り部材537と、を備えている。
扉枠左サイドユニット530の左ユニットベース531は、後側が開放された浅い箱状に形成されており、前面に前後に貫通している複数の開口部531aを有している。複数の開口部531aは、図示するように、円形状の穴と、上下に延びた四角形状の穴とがある。左ユニットベース531は、扉枠左サイド装飾基板160(扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162)の前面に実装されているLED161a,162aが、複数の開口部531aから前方へ臨むように、扉枠ベース110の前面左側に取付けられる。左ユニットベース531の各開口部531aは、扉枠3に組立てた時に、扉枠左サイド装飾基板160の各LED161a,162aが上下方向の略中央に位置するように夫々形成されている。この左ユニットベース531は、不透光性の部材によって形成されている。
また、左ユニットベース531は、上記貫通口111を塞ぐように配設されるガラス板192から手前側に向けて立設された左側反射立壁部538(図5、図23を参照)を有している。この左側反射立壁部538では、平らな面状をなし上記貫通口111に対して臨むように設けられる内側面が光を反射可能な反射面として設けられている。なお、この反射面は、左側反射立壁部538の内側面これ自体を金属や樹脂などの反射用素材から設けることのほか、同内側面に対して反射用シールを取り付けることなどによっても設けることが可能である。そして後述するが、この左側反射立壁部538は、左ユニットベース531によって形成されて、上述した反射立壁部33の一部(左側部分)を担う部分となっている。
左ユニット拡散レンズ部材532は、透明な部材によって形成されており、上拡散レンズ部材532Aと下拡散レンズ部材532Bとに上下に分割されている。左ユニット拡散レンズ部材532は、左ユニットベース531における円形状の開口部531aと対応している正面視円形の円形レンズ部532aと、四角形状の開口部531aと対応している正面視四角形の角形レンズ部532bと、を備えている。扉枠左サイドユニット530は、扉枠3に組立てた状態で、円形レンズ部532a及び角形レンズ部532bの中央の直後に、扉枠左サイド装飾基板160の夫々のLED161a,162aが位置するように形成されている。
左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aは、前面及び後面が滑らかな凸レンズ状に形成されている。この円形レンズ部532aによって、後方に配置されているLED161a,162aからの光を、点状のまま前方へ照射させることができる。この円形レンズ部532aから前方へ照射された光によって、左ユニット装飾レンズ部材の円形装飾部を発光装飾させることができる。
左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bは、前面中央において円錐状に後方へ窪んだ中央拡散反射部532cと、前面における中央拡散反射部532cの外側に形成されている前面拡散レンズ部532dと、後面中央(中央拡散反射部532cの直後)において湾曲面状に後方へ膨出している入力レンズ部532eと、後面における入力レンズ部532eの外側で全体的に入力レンズ部532eから遠ざかるに従って前方へ移動するように傾斜している前方反射部532fと、を備えている。
角形レンズ部532bの前面拡散レンズ部532dは、中央拡散反射部532cを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。更に詳述すると、前面拡散レンズ部532dは、半径方向に沿って切断した時の断面形状に、溝の部分が後方へ円弧状に窪んでおり、溝と溝の間の山の部分が前方へ円弧状に膨出しており、前面が滑らかな波状に形成されている。また、前面拡散レンズ部532dは、周方向へ分割している放射状に延びた線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に位置するように形成されている。
角形レンズ部532bの前方反射部532fは、入力レンズ部532eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら複数の溝は、後方から前方へ向かってV字状に窪んでおり、最深部が円弧状に形成されている。前方反射部532fは、半径方向に沿って切断した時の断面形状が、溝と溝との間の山の部分が後方へ尖った三角形状に形成されており、鋸状に形成されている。前方反射部532fは、中心から遠ざかるに従って溝及び山の部分が前方へ移動するように形成されている。また、前方反射部532fは、周方向へ分割している放射状に延びた線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に位置するように形成されている。この周方向へ分割している放射状に延びた線は、前面拡散レンズ部532dにおける放射状に延びた分割線と一致している。
この角形レンズ部532bは、扉枠3に組立てた状態で、入力レンズ部532eの直後に、扉枠左サイド装飾基板160の対応しているLED161a,162aが位置している。
角形レンズ部532bは、LED161a,162aから前方へ照射された光が、入力レンズ部532eから角形レンズ部532b内に入力される。この入力レンズ部532eは、後方へ湾曲面状(凸レンズ状)に膨出していることから、LED161a,162aから前方へ広がる光を、前方へ平行に進むように屈折させて、入力された光の略全てを円錐状の中央拡散反射部532cへ導くことができる。そして、中央拡散反射部532cへ導かれた光は、中央拡散反射部532cの傾斜している円錐面により、前後に延びた軸線に対して直角方向(扉枠左サイド装飾基板160の前面と平行な方向)へ拡散するように反射させられ、角形レンズ部532b内をその前面に沿って中央側から外側へ向かって進むこととなる。また、中央拡散反射部532cで反射した光は、角形レンズ部532bの前後方向の厚さ全体に亘って、中央側から外側(中央拡散反射部532cの中心線から遠ざかる方向)へ進む。
角形レンズ部532b内を扉枠左サイド装飾基板160の前面と略平行に中央側から外側へ向かって反射した光が、鋸状の前方反射部532fに到達すると、前方反射部532fの面により前方側へ反射する。この際に、前方反射部532fは、後面が中央拡散反射部532cから遠ざかるに従って前方へ移動するように傾斜していることから、角形レンズ部532bの前後方向の厚が、中央から遠ざかるに従って薄くなっている(図50を参照)。これにより、中央拡散反射部532cにおいて角形レンズ部532bの前後方向の厚さ全体に亘って外側へ向かって反射している光を、中心側から外側へ向かうに従って、前方反射部532fにより順次前方へ反射させることができる。
そして、前方反射部532fにより前方へ向かって反射させられた光は、前面拡散レンズ部532dを通って角形レンズ部532bから前方へ照射される。この際に、前面拡散レンズ部532dは、断面が波状に形成されているため、前方反射部532fで前方へ向かって反射させられた光を様々な方向へ拡散させることができ、角形レンズ部532bの前面から略均一に光を前方(左ユニット装飾レンズ部材の後面)へ照射させることができる。
この角形レンズ部532bは、前面拡散レンズ部532d及び前方反射部532fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、角形レンズ部532bの前面から前方へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を前方へ照射させることができる。これにより、左ユニット装飾レンズ部材における角形レンズ部532bの前方の多面装飾部を略均一に発光装飾させることができる。
図示しない左ユニット装飾レンズ部材は、左ユニット装飾カバー536の前面に沿うように形成されている。左ユニット装飾レンズ部材は、左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aの前方の位置する部位に形成されている円形装飾部と、左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bの前方に位置する部位に形成されている多面装飾部と、を備えている。円形装飾部は、前面が窪み前後に短く延びた円柱状の部位の外周に三角形のリブを周方向に複数備えた形状に形成されている。多面装飾部は、上下に延びた直方体の前面に四角錘状の部位が上下方向に複数列設されていると共に、直方体の部位の左右両側に複数の三角形からなる多面体が上下方向に複数列設したような形状に形成されている。円形装飾部及び多面装飾部は、扉枠右サイドユニット550における右ユニット装飾レンズ部材561の円形装飾部561a及び多面装飾部561bと、同じ形状に形成されている。
左ユニット装飾レンズ部材は、透明な左ユニット装飾カバー536を通して前方側(遊技者側)から視認することができる。また、左ユニット装飾レンズ部材は、円形装飾部が左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aから前方へ照射された光により、多面装飾部が左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bから前方へ照射された光により、夫々発光装飾させられる。
左ユニット上装飾ベース534は、正面視の形状が上下に延びた四角形で、前後に延びた角筒状に形成されている。左ユニット上装飾ベース534は、外周における下面を構成する部位が、前端側から後端側へ向かうに従って下方へ突出するように傾斜していおり、その部位の下部が前後に貫通している。この左ユニット上装飾ベース534は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット下装飾ベース535は、正面視の形状が、上方へ開放されているコ字状に形成されている。左ユニット下装飾ベース535は、前端における上下方向略中央から上側が、上方へ向かうに従って後方へ移動するように後端まで傾斜している。この左ユニット下装飾ベース535は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット装飾カバー536は、扉枠左サイドユニット530の全高に亘って上下に延びている。左ユニット装飾カバー536は、上下方向の中間部が後方へ凹むように屈曲しており、左ユニット上装飾ベース534の前端に沿うように下部が後方へ折れ曲がっているく字状の部位と、左ユニット下装飾ベース535の前端に沿うように上部が後方へ折れ曲がっているく字状の部位と、上側のく字状の部位の下端と下側のく字状の部位の上端とを結んでいる直線状の部位と、で構成されている。
左ユニット装飾カバー536は、上下両端が左ユニット上装飾ベース534の前面と、左ユニット下装飾ベース535の前面とに夫々取付けられる。この左ユニット装飾カバー536は、透明な部材によって形成されており、後側に配置されている左ユニット装飾レンズ部材を前方側から視認することができる。
飾り部材537は、上下に短く延びており、上下方向へ所定間隔で左ユニット装飾カバー536の前面に取付けられている。飾り部材537は、不透光性の部材によって形成されている。
[3−6.扉枠右サイドユニット]
扉枠3の扉枠右サイドユニット550について、主に図51乃至図55等を参照して詳細に説明する。図51(a)は扉枠における扉枠右サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図52は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図53は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図54は、図51(a)におけるM−M線で切断した断面図である。図55(a)は図51(a)におけるN−N線で切断した断面図であり、(b)は図51(a)におけるO−O線で切断した断面図である。扉枠右サイドユニット550は、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の右側に取付けられるものである。
扉枠右サイドユニット550は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視右側に取付けられる上下に延びた箱状の右ユニットベース551と、右ユニットベース551の前面に取付けられている扉枠右サイド装飾基板552と、扉枠右サイド装飾基板552の前側で右ユニットベース551の前面における正面視中央より左側に取付けられており上下方向及び前後方向に延びている透明平板状の右ユニット左拡散レンズ部材553と、右ユニット左拡散レンズ部材553の左側面に取付けられており装飾が施されているシート状の右ユニット左装飾部材554と、右ユニット左装飾部材554の左側を覆うように右ユニット左拡散レンズ部材553に取付けられている透明平板状の右ユニット左カバー555と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット550は、扉枠右サイド装飾基板552の前側且つ右ユニット左拡散レンズ部材553の正面視右側で右ユニットベース551の前面における正面視中央より右側と右ユニット左拡散レンズ部材553とに取付けられており上下方向及び前後方向に延びている透明平板状の右ユニット右拡散レンズ部材556と、右ユニット右拡散レンズ部材556の右側面に取付けられており装飾が施されているシート状の右ユニット右装飾部材557と、右ユニット右装飾部材557の右側を覆うように右ユニット右拡散レンズ部材556に取付けられている透明平板状の右ユニット右カバーと558、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左拡散レンズ部材553と右ユニット右拡散レンズ部材556との間に配置されており前方及び右方が開放された上下方向及び前後方向に延びた浅い箱状で不透光性の右ユニット左遮光部材559と、右ユニット右拡散レンズ部材556の左側で右ユニット左遮光部材559の開放されている右側を閉鎖するように取付けられている不透光性で平板状の右ユニット右遮光部材560と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端に取付けられており前端部に多面体状の装飾を有している透光性を有する右ユニット装飾レンズ部材561と、右ユニット装飾レンズ部材561の左右両側と右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端側を覆うように右ユニットベース551の前面に取付けられている前後に貫通した枠状の右ユニット装飾ベース562と、右ユニット装飾ベース562の前端開口を閉鎖するように右ユニット装飾ベース562の前側に取付けられている透明な右ユニットカバー563と、右ユニットカバー563の前側に取付けられている複数の飾り部材564と、を備えている。なお、図示は省略するが、扉枠右サイドユニット550は、右ユニットベース551を上下に貫通するように取付けられ、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板と、扉枠トップユニット570の扉枠トップユニット中継基板589とを接続するための接続ケーブルを備えている。
扉枠右サイドユニット550の右ユニットベース551は、正面視の形状が上下に長く延びた四角形で、前後に短く角筒状に延びており、前後方向の中央付近が閉鎖された箱状に形成されている。この右ユニットベース551は、不透光性の部材によって形成されている。
また、右ユニットベース551は、上記貫通口111を塞ぐように配設されるガラス板192から手前側に向けて立設された右側反射立壁部568(図6、図24を参照)を有している。この右側反射立壁部568では、平らな面状をなし上記貫通口111に対して臨むように設けられる内側面が光を反射可能な反射面として設けられている。なお、この反射面は、左側反射立壁部538の内側面と同様、右側反射立壁部568の内側面これ自体を金属や樹脂などの反射用素材から設けることのほか、同内側面に対して反射用シールを取り付けることなどによっても設けることが可能である。そして後述するが、この右側反射立壁部568は、右ユニットベース551によって形成されて、上述した反射立壁部33の一部(右側部分)を担う部分となっている。
扉枠右サイド装飾基板552は、上下に延びた帯板状に形成されている。扉枠右サイド装飾基板552は、前面における左右方向中央より左側に実装されている複数の左LED552aと、前面における左右方向中央より右側に実装されている右LED552bと、前面における左右方向中央に実装されている複数の中LED552cと、を備えている。扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aは、右ユニット左拡散レンズ部材553を介して右ユニット左装飾部材554を発光装飾させためのものである。また、右LED552bは、右ユニット右拡散レンズ部材556を介して右ユニット右装飾部材557を発光装飾させるためのものである。中LED552cは、右ユニット装飾レンズ部材561を発光装飾させるためのものである。
扉枠右サイド装飾基板552は、前後両面が白色に形成されている。扉枠右サイド装飾基板552は、上側の扉枠右サイド上装飾基板552Aと、下側の扉枠右サイド下装飾基板552Bとに上下に分割されている。図示は省略するが、扉枠右サイド下装飾基板552Bは、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板に接続されており、扉枠右サイド上装飾基板552Aは、扉枠右サイド下装飾基板552Bに接続されている。
右ユニット左拡散レンズ部材553は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部553aと、本体部553aの後辺から正面視右方へ短く平板状に突出している後壁部553bと、後壁部553bの正面視右端側から左方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部553cと、本体部553aの正面視左面側において右ユニット左装飾部材554を収容可能に浅く窪んでいる収容凹部553dと、本体部553aの後端面から後方へ突出しており上下方向に複数備えられている入力レンズ部553eと、本体部553aの正面視右面側において各入力レンズ部553eが上下方向の中央となるように上下方向に複数配置されている側面反射部553fと、を備えている。
右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されている。また、本体部553aは、図55に示すように、後端側から前方へ向かうに従って、正面視右方へ移動するように全体が、扉枠右サイド装飾基板552の前面の垂直線に対して僅かに傾斜している。本体部553aの前端は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530の前端よりも大きく前方へ突出している。
後壁部553bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その右端が、右ユニットベース551の左右方向略中央まで延びている。この後壁部553bの右端には、右ユニット右拡散レンズ部材556の後壁部556bの左端が当接する。
複数の切欠部553cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、複数の切欠部553cから扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨んでおり、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
収容凹部553dは、底面が平坦面に形成されており、外周の形状が右ユニット左装飾部材554の外形形状に略一致している。これにより、右ユニット左装飾部材554を収容することができる。
複数の入力レンズ部553eは、本体部553aの後端面から上下方向へ所定間隔で後方へ突出している。具体的には、右ユニット左拡散レンズ部材553を上下方向へ6等分した時の夫々の上下方向略中央に形成されている。入力レンズ部553eは、詳細な図示は省略するが、上下に延びた四角形が後方へ突出した直方体の部位と、その直方体の部位の後面から球面状に湾曲するように前方へ向かって窪んでいる部位と、を有している。これら入力レンズ部553eは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aの直前に夫々位置している。これにより、左LED552aからの光を、本体部553a内で広く拡散されるように入力させることができる。
側面反射部553fは、上下方向に複数(六つ)備えられている。各側面反射部553fは、入力レンズ部553eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら同心円弧状の複数の溝は、夫々の溝において、入力レンズ部553eに近い側の面が本体部553aの面に対して傾斜していると共に、入力レンズ部553eから遠い側の面が本体部553aの面に対して垂直に延びており、最深部が円弧状に形成されている。側面反射部553fは、入力レンズ部553eを中心とした半径方向に切断した時に断面形状が、溝と溝との間の山の部分が中心側へ向くような尖った三角形状に形成されており、全体が鋸状に形成されている。また、側面反射部553fは、複数の同心円弧状の溝を周方向に分割している放射状の線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に配置されるように形成されている。
この右ユニット左拡散レンズ部材553は、扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aから前方へ照射された光が、入力レンズ部553eの後面から右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553a内へと入射される。この入力レンズ部553eの後端は、前方へ向かって湾曲状に窪んでいることから、その湾曲面により左LED552aからの光が広がるように屈折し、本体部553a内において、各入力レンズ部553eを中心として前方へ向かって放射状に拡散することとなる。
本体部553aは、全体が前方へ向かうに従って正面視右方へ移動するように、扉枠右サイド装飾基板552の前面から垂直に延びている線に対して僅かに傾斜しているため、扉枠右サイド装飾基板552の前面に実装されている左LED552aから照射されて入力レンズ部553eから本体部553a内に入射された光が、本体部553a内の平坦な左面に当ることとなる。しかしながら、左LED552aからの直接光は、本体部553aの左面に対する入射角度の関係で、本体部553aの左面から外部へ放射されることはなく、左面の内面で側面反射部553f側へ反射することとなる。
そして、入力レンズ部553eから本体部553a内に前方へ向かって入射された光は、鋸状の側面反射部553fに当ることで正面視左方へ反射し、本体部553aの左面から外方へ照射されることとなる。なお、本体部553aの右面(側面反射部553f)からも外方(正面視右方)へ光が照射されるが、本体部553aの右側に配置されている右ユニット左遮光部材559が白色の部材とされているため、右ユニット左遮光部材559の左面が明るく照らされることとなり、右ユニット左遮光部材559で反射した間接光が本体部553aを通って左方側へ照射されることとなる。従って、本体部553aの左面からは、本体部553a内において側面反射部553fにより左方へ反射された光と、側面反射部553fから右方へ照射されて右ユニット左遮光部材559の左面で左方へ反射して本体部553aを通過した光とが、左方へ照射されるため、本体部553aの左側に取付けられている右ユニット左装飾部材554を良好な明るさで発光装飾させることができる。
また、側面反射部553fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、本体部553aの左面から外方(左方)へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を左方へ照射させることができる。これにより、本体部553aの左面の収容凹部553dに収容されている右ユニット左装飾部材554を、略均一に発光装飾させることができる。
なお、右ユニット左拡散レンズ部材553は、透明な部材により形成されているため、本体部553aの正面視左側(収容凹部553dが形成されている側)から、反対側に形成されている側面反射部553fの複数の同心円弧状の溝と放射状に延びている線とからなる模様を視認することができる。従って、右ユニット左装飾部材554において、透明な部分を形成した場合、その透明な部分を通して右ユニット左拡散レンズ部材553の側面反射部553fの模様が視認できることとなり、右ユニット左装飾部材554における透明な部分を側面反射部553fによって装飾することができる。
右ユニット左装飾部材554は、薄いシート状に形成されており、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ、等の装飾が、透光性を有するように施されている。右ユニット左カバー555は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット左装飾部材554の外面を保護している。
右ユニット右拡散レンズ部材556は、右ユニット左拡散レンズ部材553とは略左右対称に形成されており、同じような構成を備えている。詳述すると、右ユニット右拡散レンズ部材556は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部556aと、本体部556aの後辺から正面視左方へ短く平板状に突出している後壁部556bと、後壁部556bの正面視左端側から右方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部556cと、本体部556aの正面視右面側において右ユニット右装飾部材557を収容可能に浅く窪んでいる収容凹部556dと、本体部556aの後端面から後方へ突出しており上下方向に複数備えられている入力レンズ部556eと、本体部556aの正面視左面側において各入力レンズ部556eが上下方向の中央となるように上下方向に複数配置されている側面反射部556fと、を備えている。
右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部556aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553aと外形が略同じ形状に形成されている。また、本体部556aは、図55に示すように、後端側から前方へ向かうに従って、正面視左方へ移動するように全体が、扉枠右サイド装飾基板552の前面の垂直線に対して僅かに傾斜している。本体部556aの前端は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530の前端よりも大きく前方へ突出している。
後壁部556bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その左端が、右ユニットベース551の左右方向略中央まで延びている。この後壁部556bの左端には、右ユニット左拡散レンズ部材553の後壁部553bの右端が当接する。
複数の切欠部556cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。これら複数の切欠部556cは、右ユニット左拡散レンズ部材553の複数の切欠部553cと対応した位置に形成されている。従って、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、右ユニット左拡散レンズ部材553の切欠部553cと、右ユニット右拡散レンズ部材556の切欠部556cとで、前後に貫通している四角い開口部が形成され、その開口部から扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨み、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
収容凹部556dは、底面が平坦面に形成されており、外周の形状が右ユニット右装飾部材557の外形形状に略一致している。これにより、右ユニット右装飾部材557を収容することができる。
複数の入力レンズ部556eは、本体部556aの後端面から上下方向へ所定間隔で後方へ突出している。具体的には、右ユニット右拡散レンズ部材556を上下方向へ6等分した時の夫々の上下方向略中央に形成されている。入力レンズ部556eは、詳細な図示は省略するが、上下に延びた四角形が後方へ突出した直方体の部位と、その直方体の部位の後面から球面状に湾曲するように前方へ向かって窪んでいる部位と、を有している。これら入力レンズ部556eは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、扉枠右サイド装飾基板552の右LED552bの直前に夫々位置している。これにより、右LED552bからの光を、本体部556a内で広く拡散されるように入力させることができる。
側面反射部556fは、上下方向に複数(六つ)備えられている。各側面反射部556fは、入力レンズ部556eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら同心円弧状の複数の溝は、夫々の溝において、入力レンズ部556eに近い側の面が本体部556aの面に対して傾斜していると共に、入力レンズ部556eから遠い側の面が本体部556aの面に対して垂直に延びており、最深部が円弧状に形成されている。側面反射部556fは、入力レンズ部556eを中心とした半径方向に切断した時に断面形状が、溝と溝との間の山の部分が中心側へ向くような尖った三角形状に形成されており、全体が鋸状に形成されている。また、側面反射部556fは、複数の同心円弧状の溝を周方向に分割している放射状の線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に配置されるように形成されている。
この右ユニット右拡散レンズ部材556は、扉枠右サイド装飾基板552の右LED552bから前方へ照射された光が、入力レンズ部556eの後面から右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部556a内へと入射される。この入力レンズ部556eの後端は、前方へ向かって湾曲状に窪んでいることから、その湾曲面により右LED552bからの光が広がるように屈折し、本体部556a内において、各入力レンズ部556eを中心として前方へ向かって放射状に拡散することとなる。
本体部556aは、全体が前方へ向かうに従って正面視左方へ移動するように、扉枠右サイド装飾基板552の前面から垂直に延びている線に対して僅かに傾斜しているため、扉枠右サイド装飾基板552の前面に実装されている右LED552bから照射されて入力レンズ部556eから本体部556a内に入射された光が、本体部556a内の平坦な右面に当ることとなる。しかしながら、右LED552bからの直接光は、本体部556aの右面に対する入射角度の関係で、本体部556aの左面から外部へ放射されることはなく、右面の内面で側面反射部556f側へ反射することとなる。
そして、入力レンズ部556eから本体部556a内に前方へ向かって入射された光は、鋸状の側面反射部556fに当ることで正面視右方へ反射し、本体部556aの右面から外方へ照射されることとなる。なお、本体部556aの右面(側面反射部556f)からも外方(正面視左方)へ光が照射されるが、本体部556aの左側に配置されている右ユニット右遮光部材560が白色の部材とされているため、右ユニット右遮光部材560の右面が明るく照らされることとなり、右ユニット右遮光部材560で反射した間接光が本体部556aを通って右方側へ照射されることとなる。従って、本体部556aの右面からは、本体部556a内において側面反射部556fにより右方へ反射された光と、側面反射部556fから左方へ照射されて右ユニット右遮光部材560の右面で右方へ反射して本体部556aを通過した光とが、右方へ照射されるため、本体部556aの右側に取付けられている右ユニット右装飾部材557を良好な明るさで発光装飾させることができる。
また、側面反射部556fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、本体部556aの右面から外方(右方)へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を右方へ照射させることができる。これにより、本体部556aの右面の収容凹部556dに収容されている右ユニット右装飾部材557を、略均一に発光装飾させることができる。
なお、右ユニット右拡散レンズ部材556は、透明な部材により形成されているため、本体部556aの正面視右側(収容凹部556dが形成されている側)から、反対側に形成されている側面反射部556fの複数の同心円弧状の溝と放射状に延びている線とからなる模様を視認することができる。従って、右ユニット右装飾部材557において、透明な部分を形成した場合、その透明な部分を通して右ユニット右拡散レンズ部材556の側面反射部556fの模様が視認できることとなり、右ユニット右装飾部材557における透明な部分を側面反射部556fによって装飾することができる。
右ユニット右装飾部材557は、薄いシート状に形成されており、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ、等の装飾が、透光性を有するように施されている。右ユニット右カバー558は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット右装飾部材557の外面を保護している。右ユニット右装飾部材557及び右ユニット右カバー558は、右ユニット左装飾部材554及び右ユニット左カバー555とは、略左右対称に形成されている。また、右ユニット左装飾部材554と右ユニット右装飾部材557とに施される装飾は、同じ装飾であっても良いし、異なる装飾であっても良い。
右ユニット左遮光部材559は、側面視の形状が右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の側面視の形状と、略同じ形状に形成されている。右ユニット左遮光部材559は、前方及び右方が開放された浅い箱状に形成されている。右ユニット左遮光部材559は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部559aと、本体部559aの後辺から正面視右方へ短く平板状に突出している後壁部559bと、後壁部559bの正面視右端側から左方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部559cと、本体部559aの右面から右方へ延出していると共に後壁部559bから本体部559aの前端まで延びている平板状の複数の補強部559dと、を備えている。
右ユニット左遮光部材559の本体部559aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部553a,556aと外形が略同じ形状に形成されている。
後壁部559bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その左端が、右ユニットベース551の左右方向略中央よりも右側へ延出している。この後壁部559bの右端には、右ユニット右遮光部材560の左面が当接する。
複数の切欠部559cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。これら複数の切欠部559cは、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の複数の切欠部553c,556cと対応した位置に形成されている。従って、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、複数の切欠部559cから扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨み、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
複数の補強部559dは、左右の幅と略同じ高さで上下方向に離間している一対の補強部559dを一組として、上下方向へ所定距離離間して三組備えられている。各組の補強部559dは、右ユニットカバー563に取付けられる飾り部材564の後方となる位置に夫々形成されている。これら複数の補強部559dによって、扉枠右サイドユニット550の全体の強度・剛性を高めている。
右ユニット右遮光部材560は、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左遮光部材559における本体部559aと略同じ形状に形成されている。右ユニット右遮光部材560は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、浅い箱状に形成されている右ユニット左遮光部材559の右方へ開放されている右側開口を閉鎖している。
右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、白色の部材によって夫々形成されている。右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、図55に示すように、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、夫々の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560が、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部553a,556aと近接するように配置されている。これにより、右ユニット左遮光部材559の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560同士が左右方向に離間しており、左右方向に所定幅で上下方向及び前後方向に延びた空間を形成している。この右ユニット左遮光部材559の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560同士の間に形成された空間を通して、扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cから前方へ放射された光が、右ユニット装飾レンズ部材561の後側に照射される。
また、右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、不透光性の部材によって形成されており、扉枠右サイド装飾基板552における左LED552a、中LED552c、右LED552bから夫々前方へ照射される光が、互いに干渉するのを防止しており、右ユニット左装飾部材554、右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561を、夫々対応している左LED552a、右LED552b、及び中LED552cによってのみ発光装飾させることができる。
更に、右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、三組の補強部559dによって内部空間が上下方向へ四つに分割されているため、分割された夫々の空間の後側に配置されている扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cによって、各空間同士の間で光が干渉しないようにすることができ、右ユニット装飾レンズ部材561の各空間の前方に位置している部位を、夫々独立して発光装飾させることができる。つまり、扉枠右サイドユニット550の前端側において、上下方向へ複数(四つ)の領域に分割して夫々を独立して発光装飾させることができる。
右ユニット装飾レンズ部材561は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端形状に沿った形状に形成されている。右ユニット装飾レンズ部材561は、正面視において円形状に形成されている円形装飾部561aと、上下に延びており複数の多面体が形成されている多面装飾部561bと、を備えている。円形装飾部561aは、前面が窪み前後に短く延びた円柱状の部位の外周に三角形のリブを周方向に複数備えた形状に形成されている。多面装飾部561bは、上下に延びた直方体の前面に四角錘状の部位が上下方向に複数列設されていると共に、直方体の部位の左右両側に複数の三角形からなる多面体が上下方向に複数列設したような形状に形成されている。
詳述すると、右ユニット装飾レンズ部材561は、複数の円形装飾部561a及び多面装飾部561bが、右ユニット左遮光部材559における三組の補強部559dによって四つに分割されている夫々の空間の前方に位置する部位において、上から三つの部位では、上下方向の中央に配置された円形装飾部561aの上下両側に一つずつ多面装飾部561bが配置され、最も下側の部位では、多面装飾部561bのみが配置されるように形成されている。
右ユニット装飾レンズ部材561は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端に取付けられている。右ユニット装飾レンズ部材561は、透明な右ユニットカバー563を通して前方側(遊技者側)から視認することができる。この右ユニット装飾レンズ部材561は、後方に配置されている扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cによって、発光装飾させられる。
右ユニット装飾ベース562は、前後方向に貫通している筒枠状に形成されている。右ユニット装飾ベース562は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端及び上端の形状に沿った形状に形成されている。右ユニット装飾ベース562は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556における前端付近の左右両外側と、右ユニット装飾レンズ部材561の左右両側を被覆可能に形成されている。扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット装飾ベース562の前端よりも、右ユニット装飾レンズ部材561の前端が、僅かに前方へ突出している。この右ユニット装飾ベース562は、不透光性の部材によって形成されている。
右ユニットカバー563は、右ユニット装飾ベース562の前端開口を閉鎖可能に形成されている。この右ユニットカバー563は、透明な部材によって形成されており、後側に配置されている右ユニット装飾レンズ部材561を前方側から視認することができる。
飾り部材564は、上下に短く延びており、上下方向へ所定間隔で右ユニットカバー563の前面に取付けられている。飾り部材564は、不透光性の部材によって形成されている。三つの飾り部材564は、右ユニットカバー563(右ユニット装飾レンズ部材561)を上下方向へ四つに分割している。
扉枠右サイドユニット550は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530よりも前方へ大きく板状に突出しており、皿ユニット320の上皿321前端よりも若干前方へ突出している。扉枠右サイドユニット550は、突出した左右両面側に備えられている右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557と、前端に備えられている右ユニット装飾レンズ部材561と、を夫々独立して発光装飾させることができる。
扉枠右サイドユニット550は、板状で前方へ大きく突出していることから、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠右サイドユニット550が右側に隣接しているパチンコ機との間で仕切りのような作用効果を発揮することができる。これにより、本パチンコ機1で遊技する遊技者に対して、個室で遊技しているように錯覚させることができ、周りの他の遊技者に気兼ねすることなくリラックスした雰囲気で遊技を行わせることができる。
また、扉枠右サイドユニット550は、前方へ大きく突出していることから、パチンコ機1が並んだ状態で設置される遊技ホールでは、本パチンコ機1の前方に位置していなくても、島設備に沿った横方向からでも視認することができ、多数のパチンコ機が列設されている遊技ホール内において本パチンコ機1を目立たせることができる。従って、扉枠右サイドユニット550の左右両面側の右ユニット左装飾部材554や右ユニット右装飾部材557を発光装飾させると、本パチンコ機1の前方近辺に位置していなくても、遠くから本パチンコ機1の存在を知らせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠右サイドユニット550において、本パチンコ機1で球詰りやエラー等の不具合が発生した時に、左右両面側の右ユニット左装飾部材554や右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561等を特有な態様で発光装飾させるようにすることで、遊技ホールの係員に対して、不具合の発生を直ち知らせて認識させることができ、不具合に対して素早い対応ができるようになることから、遊技者の遊技の中断を早期に解決させることができ、遊技者が苛立ちを覚えて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−7.扉枠トップユニット]
扉枠3の扉枠トップユニット570について、主に図56乃至図59等を参照して詳細に説明する。図56(a)は扉枠における扉枠トップユニットの正面図であり、(b)は扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図である。図57は扉枠トップユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図58は扉枠トップユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図59は、図56におけるP−P線で切断した断面図である。扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられるものである。
扉枠トップユニット570は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側で左右方向の中央に取付けられる中央ベース571と、中央ベース571の左右両側に取付けられていると共に扉枠ベース110の前面に取付けられる一対のサイドベース572と、一対のサイドベース572の前面に夫々取付けられている一対の上部スピーカ573と、左右に延びていると共に左右方向中央が前方へ突出しており後方が開放されている箱状で一対の上部スピーカ573の前方位置で前後に夫々貫通している一対の開口部574a、及び一対の開口部574aよりも左右方向中央寄りの位置から中央付近まで夫々延びていると共に前後方向に夫々貫通しており上下に離間している複数(左右夫々三つ)のスリット574bを有しており中央ベース571及び一対のサイドベース572の前側に取付けられているユニット本体271と、一対の上部スピーカ573の前側に夫々配置されており一対の開口部574aを閉鎖するようにユニット本体271の後側に取付けられているパンチングメタルからなるスピーカカバー575と、を備えている。
ここで、図示は割愛するが、一対のサイドベース572(左側サイドベース572a,右側サイドベース572b)では、開口窓の設けられる側に向けてのみ開口された内部空間をそれぞれ有しており、これらの内部空間において、開口窓の外周内へと外周外から発光するように設けられる上記外周外発光部34(左側外周外発光部34a,右側外周外発光部34b)と、開口窓の外周内からの光をその外周外で検出する外周外光検出部35(左側外周外光検出部35a,右側外周外光検出部35b)とがそれぞれ設けられる構造となっている。
すなわち後述するが、このような構造によれば、外周外発光部34と外周外光検出部35とが上記開口窓の外周外にて配設されるようになることから、正面視で上記開口窓の略全域を遊技者による操作を受ける部分(操作受け部)として機能させることができるようになる。また、外周外光検出部35を、露な状態で配設せず、開口窓の設けられる側に向けてのみ開口されたサイドベース572の内部空間3435(図119参照)にて配設するようにしたことから、該外周外光検出部35にて光を検出するにあたり、外乱になりうる演出光を好適に排除することができるようになる。
また、扉枠トップユニット570は、ユニット本体271の左右方向中央の前面に取付けられており透光性を有しているトップ中装飾部材576と、トップ中装飾部材576の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中装飾基板577と、ユニット本体271の前面に夫々取付けられており複数のスリット574bを夫々閉鎖していると共にトップ中装飾部材576の左右両端付近から開口部574aを跨いでユニット本体271の左右両端付近まで夫々延びている透明平板状の複数(左右夫々三つ)の導光部材578と、ユニット本体271の前面におけるトップ中装飾部材576の左右両側に夫々取付けられており複数(三つ)の導光部材578の前面を夫々覆っているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580と、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の夫々の前方側からユニット本体271の前面に夫々取付けられておりトップ中装飾部材576の左右両側から開口部574aの中央側端部付近まで夫々延びているトップ中左装飾部材581及びトップ中右装飾部材582と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット570は、ユニット本体271における左右両側面の内側に夫々取付けられており複数(三つ)の導光部材578における左右方向外側端部と対面する部位にLEDが夫々実装されている扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ右装飾基板584と、ユニット本体271の後側における左右方向中央の左右両側に夫々形成されている複数(三つの)スリット574bが貫通している部位に夫々取付けられている一対の基板ベース585と、一対の基板ベース585の前面に夫々取付けられておりユニット本体271のスリット574bの後方となる位置に複数のLED586a,587aが実装されている扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587と、扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587の前側でユニット本体271の後側に夫々取付けられている一対の遮光部材588と、を備えている。
また、扉枠トップユニット570は、ユニット本体271内で中央ベース571の前面に取付けられている扉枠トップユニット中継基板589と、扉枠トップユニット中継基板589の前面を覆うように中央ベース571に取付けられている中継基板カバー590と、ユニット本体271の上開口部574cを閉鎖するようにユニット本体271に取付けられている上カバー591と、ユニット本体271の下開口部574dを閉鎖するようにユニット本体271に取付けられている下カバー592と、を備えている。
扉枠トップユニット570の中央ベース571は、正面視の形状が左右に延びた四角形に形成されている。中央ベース571は、後方へ開放された箱状に形成されており、前面に複数の凹凸を備えている。一対のサイドベース572は、中央ベース571の左右両端に夫々取付けられる。一対の上部スピーカ573は、各サイドベース572の前面に夫々取付けられる。一対の上部スピーカ573は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、夫々の前面が、扉枠トップユニット570の左右方向中央に近い側が後方へ移動するように斜めに取付けられている。一対の上部スピーカ573は、広い周波数帯域で音を出力可能なフルレンジのコーン型スピーカである。
ユニット本体271は、正面視の形状が、左右に延びた四角形の左右両端付近の下部が下方へ膨出したような形状に形成されている。換言すると、ユニット本体271は、正面視の形状が、左右に延びた四角形を、下端辺側から上方へ窄まった台形で切欠いたような形状に形成されている。ユニット本体271は、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の前端辺側における左右方向中央を中心にして全幅(左右方向の長さ)の約1/2の部位を底辺とする前方へ突出した台形と、その台形の前端辺を長辺として前方へ短く突出した四角形と、を組合せた形状に形成されている。従って、ユニット本体271は、前面における左右方向中央で前方へ突出した部位の両側が、ユニット本体271の左右方向の端部と、前方へ突出した部位の前端の左右方向端部とを結んだ線よりも後方に位置している(窪んでいる)。
ユニット本体271は、前面における左右方向両端から前方へ突出している部位よりも外側の位置までの部位に、夫々前後に貫通している開口部574aが形成されている。また、ユニット本体271は、前面における前方へ台形に突出している部位の斜めに延びている部位に、上下方向に所定の高さで左右に延びていると共に前後方向に貫通している複数のスリット574bが形成されている。複数のスリット574bは、ユニット本体271の前面における前方へ斜めに延びている部位の前端付近から、開口部574a付近まで左右に延びている。また、複数のスリット574bは、ユニット本体271の左右方向中央の両側に、夫々三つずつ上下に離間して形成されている。
また、ユニット本体271は、上面における左右方向中央に後端から前方へ向かって四角く切欠かれた上開口部574cと、下面における左右方向に後端から前方へ向かって切欠かれた下開口部574dと、を備えている。ユニット本体271の上開口部574cは、上カバー591によって閉鎖される。また、下開口部574dは、下カバー592によって閉鎖される。
また、ユニット本体271は、左右両端に上下に延びたトップ左装飾部574e及びトップ右装飾部574fを備えている。トップ左装飾部574eは、その前面が、開口部574aの形成されている部位の前面と、前後方向が略同じ位置に形成されている。トップ右装飾部574fは、その前面が、開口部574aの形成されている部位の前面よりも前方へ位置するように形成されている。このユニット本体271は、不透光性の部材によって形成されている。
トップ中装飾部材576は、ユニット本体271の前面における左右方向中央において前方へ突出している部位の前端に取付けられる。トップ中装飾部材576は、正面視の形状が、略正方形の下辺の左右方向中央部が下方へ位置するように折れ曲がった変五角形と、変五角形の左右の辺の上端から左右方向外側へ延出した辺の先端と辺五角形の左右の辺の下端とを結んだ略直角三角形と、を組合せたような形状に形成されている。トップ中装飾部材576は、前面の変五角形の部位が、下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。このトップ中装飾部材576は、全体が立体的な形状に形成されており、透光性を有している。
扉枠トップ中装飾基板577は、前面が、トップ中装飾部材576の変五角形の部位の前面と沿うように、下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜した状態でトップ中装飾部材576の後側に取付けられる。扉枠トップ中装飾基板577は、前面に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで、トップ中装飾部材576を発光装飾させることができる。
導光部材578は、透明な部材によって形成されている。導光部材578は、ユニット本体271の前面における前方へ突出した部位の前端よりも左右両外側の形状に沿った形状に形成されている。ユニット本体271の左右方向両端部に近い側を端部側、中央に近い側を中央側として説明すると、導光部材578は、端部側から中央側へ向かって左右に真っすぐに延びた直部578aと、直部578aの中央側の端部側から中央側へ向かうに従って前方へ移動するように半径の大きい円弧状に延びた円弧部578bと、で構成されている。導光部材578は、直部578aでは前後方向の奥行きが上下方向の高さよりも小さく形成されており、円弧部578bでは前後方向の奥行きが上下方向の高さよりも大きく形成されている。また、導光部材578は、直部578aでは上下方向の高さが一定に形成されており、円弧部578bでは上下方向の高さが中央側へ向かうに従って小さくなるように形成されている。導光部材578は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、直部578aがユニット本体271の開口部574aの直前に位置し、円弧部578bがユニット本体271のスリット574bを前方から閉鎖している。
導光部材578は、直部578aの後面に形成されている鋸状の凹凸からなる拡散反射部578cと、円弧部578bの後面側に形成されている複数の凹凸からなる拡散入力部578dと、を備えている。
導光部材578は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、左右方向両外側の端部が、扉枠トップ左装飾基板583又は扉枠トップ右装飾基板584のLED583a,584aと対面していると共に、拡散入力部578dが扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587のLED586a,587aと対面している。この導光部材578は、左右方向両外側の端部から、扉枠トップ左装飾基板583又は扉枠トップ右装飾基板584のLED583a,584aからの光が入射されると、その光が直部578a内を中央側へ進むと共に、直部578aの後面に形成されている拡散反射部578cにより端部側から順次前方へ反射され、直部578aの前面全体から光が前方へ照射される。導光部材578の前方にはトップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580が配置されており、それらのうちの直部578aの前方となる部位が発光装飾させられる。
また、導光部材578は、円弧部578bの後面に形成されている拡散入力部578dから、扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587のLED586a,587aからの光が入射されると、その光が拡散入力部578dの凹凸により円弧部578b内へ広く拡散され、円弧部578bの前面全体から光が前方へ照射される。これにより、トップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580における円弧部578bの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
このように、導光部材578は、扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ中左装飾基板586のLED583a,586a、又は、扉枠トップ右装飾基板584及び扉枠トップ中右装飾基板587のLED584a,587a、からの光を導いて、前方に配置されているトップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580の全体を良好(均一)な状態で発光装飾させることができる。
トップ左装飾レンズ部材579は、ユニット本体271の前面における左右方向中央より左側に配置される三つの導光部材578の前方を覆うように、ユニット本体271の前面に取付けられる。トップ左装飾レンズ部材579は、三つの導光部材578を夫々独立して前方から収容する三つの装飾レンズ部579aを有している。トップ左装飾レンズ部材579の装飾レンズ部579aは、導光部材578に倣った形状に形成されており、導光部材578の前面及び上下両面を被覆している。各装飾レンズ部579aの前面には、前方へ突出した四角錘台の凹凸が左右に列設されている。
トップ左装飾レンズ部材579は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の左端から、ユニット本体271のトップ左装飾部574eの右端まで延びている。つまり、トップ左装飾レンズ部材579は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576よりも左側の略全体を装飾している。このトップ左装飾レンズ部材579は、三つの導光部材578を介して扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ中左装飾基板586のLED583a,586aによって発光装飾させられる。
トップ右装飾レンズ部材580は、ユニット本体271の前面における左右方向中央より右側に配置される三つの導光部材578の前方を覆うように、ユニット本体271の前面に取付けられる。トップ右装飾レンズ部材580は、三つの導光部材578を夫々独立して前方から収容する三つの装飾レンズ部580aを有している。トップ右装飾レンズ部材580の装飾レンズ部580aは、導光部材578に倣った形状に形成されており、導光部材578の前面及び上下両面を被覆している。各装飾レンズ部580aの前面には、前方へ突出した四角錘台の凹凸が左右に列設されている。
トップ右装飾レンズ部材580は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の右端から、ユニット本体271のトップ右装飾部574fの左端まで延びている。つまり、トップ右装飾レンズ部材580は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576よりも右側の略全体を装飾している。このトップ右装飾レンズ部材580は、三つの導光部材578を介して扉枠トップ右装飾基板584及び扉枠トップ中右装飾基板587のLED584a,587aによって発光装飾させられる。
トップ中左装飾部材581は、ユニット本体271の前面における左側の開口部574aとトップ中装飾部材576との間で、トップ左装飾レンズ部材579の前方からユニット本体271の前面に取付けられる。トップ中左装飾部材581は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、トップ左装飾レンズ部材579の三つの装飾レンズ部579aの間を埋めるように取付けられており、前面の中央寄りがトップ左装飾レンズ部材579の前面よりも前方に突出している。このトップ中左装飾部材581は、不透光性の部材によって形成されている。
トップ中右装飾部材582は、ユニット本体271の前面における右側の開口部574aとトップ中装飾部材576との間で、トップ右装飾レンズ部材580の前方からユニット本体271の前面に取付けられる。トップ中右装飾部材582は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、トップ右装飾レンズ部材580の三つの装飾レンズ部580aの間を埋めるように取付けられており、前面の中央寄りがトップ右装飾レンズ部材580の前面よりも前方に突出している。このトップ中右装飾部材582は、不透光性の部材によって形成されている。
扉枠トップ左装飾基板583は、ユニット本体271内における左側面(トップ左装飾部574e)の内側に、LED583aが実装されている面を右方へ向けて取付けられている。扉枠トップ左装飾基板583は、ユニット本体271の左右方向中央より左側の前面に取付けられている三つの導光部材578の左端面と対向する位置にLED583aが実装されている(図59を参照)。三つのLED583aは、夫々独立して発光させることができる。扉枠トップ左装飾基板583のLED583aにより、三つの導光部材578の直部578aを介して、トップ左装飾レンズ部材579におけるユニット本体271の左側の開口部574aの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板584は、ユニット本体271内における右側面(トップ右装飾部574f)の内側に、LED584aが実装されている面を左方へ向けて取付けられている。扉枠トップ右装飾基板584は、ユニット本体271の左右方向中央より右側の前面に取付けられている三つの導光部材578の右端面と対向する位置にLED584aが実装されている(図59を参照)。三つのLED584aは、夫々独立して発光させることができる。扉枠トップ右装飾基板584のLED584aにより、三つの導光部材578の直部578aを介して、トップ右装飾レンズ部材580におけるユニット本体271の右側の開口部574aの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
一対の基板ベース585は、ユニット本体271内における複数のスリット574bが形成されている部位の後側に取付けられるものである。一対の基板ベース585は、互いが略左右対称に形成されている。基板ベース585は、上下及び前後に延びた辺を有する側面視略正方形の側壁と、側壁の後辺から直角に左右方向外方へ延びた正面視四角形の後壁と、側壁の上辺の前端から側壁の上辺途中までを結んだ線を斜辺として側壁と後壁の上辺同士を結んでいる略直角三角形の上壁と、上壁とは反対側で側壁と後壁の下辺同士を結んでいる略直角三角形の下壁と、を備え、上下の斜辺同士の間が開放された三角柱状の箱状に形成されている。基板ベース585は、開放されている部位が、ユニット本体271によって閉鎖されるようにユニット本体271に取付けられる。この基板ベース585は、開放されている部位が閉鎖されるように、扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587が取付けられる。
扉枠トップ中左装飾基板586は、ユニット本体271における左右中央より左側の後側に取付けられる基板ベース585において、箱状の開放されている部位を前方から閉鎖するように、基板ベース585に取付けられる。扉枠トップ中左装飾基板586は、基板ベース585の前面に取付けられることで、前面が、ユニット本体271の左右方向中央側へ向かうに従って前方へ移動するように、左右に延びた面に対して傾斜した状態となる。これにより、扉枠トップ中左装飾基板586は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、その前面が、ユニット本体271の左右方向中央より左側の三つのスリット574bが形成されている部位の面と略平行な状態となる。
扉枠トップ中左装飾基板586は、ユニット本体271の三つのスリット574bと対応している位置に、複数のLED586aが実装されている。これにより、扉枠トップ中左装飾基板586は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、ユニット本体271の中央より左側の三つのスリット574bから、複数のLED586aが前方に臨んだ状態となる。扉枠トップ中左装飾基板586は、複数のLED586aを発光させることで、導光部材578の円弧部578bを介して、トップ左装飾レンズ部材579のトップ中装飾部材576に近い部位を発光装飾させることができる。
扉枠トップ中右装飾基板587は、ユニット本体271における左右中央より右側の後側に取付けられる基板ベース585において、箱状の開放されている部位を前方から閉鎖するように、基板ベース585に取付けられる。扉枠トップ中右装飾基板587は、基板ベース585の前面に取付けられることで、前面が、ユニット本体271の左右方向中央側へ向かうに従って前方へ移動するように、左右に延びた面に対して傾斜した状態となる。これにより、扉枠トップ中右装飾基板587は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、その前面が、ユニット本体271の左右方向中央より右側の三つのスリット574bが形成されている部位の面と略平行な状態となる。
扉枠トップ中右装飾基板587は、ユニット本体271の三つのスリット574bと対応している位置に、複数のLED587aが実装されている。これにより、扉枠トップ中右装飾基板587は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、ユニット本体271の中央より右側の三つのスリット574bから、複数のLED587aが前方に臨んだ状態となる。扉枠トップ中右装飾基板587は、複数のLED587aを発光させることで、導光部材578の円弧部578bを介して、トップ右装飾レンズ部材580のトップ中装飾部材576に近い部位を発光装飾させることができる。
一対の遮光部材588は、扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587とユニット本体271との間の位置で、ユニット本体271の前面後側に取付けられるものである。一対の遮光部材588は、不透光性の部材によって、互いが略左右対称に形成されている。遮光部材588は、ユニット本体271における三つのスリット574bと対応して列設されている扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587の複数のLED586a,587aの上下の間を仕切っている。この遮光部材588により、各導光部材578の直後に位置しているLED586a,587aによってのみ、その導光部材578により光を前方へ誘導させることができ、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の夫々の装飾レンズ部579a,580aを夫々独立させた状態で良好に発光装飾させることができる。
扉枠トップユニット中継基板589は、中央ベース571の前面に取付けられている。扉枠トップユニット中継基板589は、一対の上部スピーカ573、扉枠トップ中装飾基板577、扉枠トップ左装飾基板583、扉枠トップ右装飾基板584、扉枠トップ中左装飾基板586、及び扉枠トップ中右装飾基板587と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継している。扉枠トップユニット中継基板589は、扉枠右サイドユニット550に備えられている図示しない接続ケーブルを介して、扉本体中継基板と接続されている。この扉枠トップユニット中継基板589は、前側が中継基板カバー590によって覆われている。
この扉枠トップユニット570は、左右方向中央において前方へ突出したトップ中装飾部材576を備えていると共に、トップ中装飾部材576の左右両側の前面が後方へ抉れているように湾曲しているため、トップ中装飾部材576のみが前方へ大きく突出しているように遊技者を錯覚させることができ、遊技者の関心を本パチンコ機1に対して強く引付けさせることができる。
また、扉枠トップユニット570は、中央に配置されているトップ中装飾部材576の左右両側を装飾しているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580を、トップ中装飾部材576の左右両側から、ユニット本体271の左右両端に形成されているトップ左装飾部574e及びトップ右装飾部574fまで延びるように形成している。これにより、扉枠トップユニット570によって、扉枠3の前面上部を全体的に装飾することができる。
この際に、扉枠トップユニット570では、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580が配置されている左右方向両端付近の夫々の後方に、パンチングメタルからなるスピーカカバー575により前面が保護された上部スピーカ573を備え、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の上下に離間している三つの装飾レンズ部579a,580aの間からスピーカカバー575が前方へ臨むようにしているため、左右の上部スピーカ573から出力されるサウンドを、良好な状態で遊技者に聴かせることができ、良質なステレオサウンドを楽しませることができる。
また、扉枠トップユニット570は、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の後側に備えられた複数の導光部材578により、扉枠トップ左装飾基板583、扉枠トップ右装飾基板584、扉枠トップ中左装飾基板586、及び扉枠トップ中右装飾基板587からの光を、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580に導くことができ、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の前面全体を良好に発光装飾させることができる。従って、扉枠トップユニット570は、左右の上部スピーカ573の前方を含む扉枠3の上部の前面全体を発光装飾させることができる。
[3−8.扉枠の作用効果]
扉枠3の作用効果について説明する。本実施形態のパチンコ機1における扉枠3は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前後に貫通している貫通口111を、従来のパチンコ機よりは上下及び左右方向へ大きくしており、貫通口111の拡大に合せて、皿ユニット320及び扉枠トップユニット570の上下方向の高さを小さくしていると共に、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の左右方向の幅を小さくしている。これにより、貫通口111(ガラスユニット190)を通して、本体枠4に取付けられた遊技盤5(遊技領域5a)の前面を、可及的に広く遊技者(前方)から見えるようにすることができ、遊技領域5aの広い遊技盤5に対応している。
扉枠3は、貫通口111の下側において、前方へ膨出している皿ユニット320の左右方向中央に大きな半球面状の操作ボタン410を有した演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を備え、演出操作ユニット400の左右両側における下半分(上皿321よりも下側の部分)の前面(皿前下装飾部326cの前面)を、後方へ抉れるように窪んだ形状(皿ユニット320の左右両端の前端と、演出操作ユニット400の左右両端の前端とを結んだ直線よりも、演出操作ユニット400の左右両側の前面が後方へ位置するように凹状に湾曲した形状)に形成されている。これにより、皿ユニット320の左右方向中央の前面に取付けられている演出操作ユニット400が前方へ大きく突出しているように見えるため、遊技者に対して演出操作ユニット400を目立たせて強調して見せることができ、演出操作ユニット400に強く注目させることができる。
扉枠3は、貫通口111よりも下側の皿ユニット320の前面に配置されている演出操作ユニット400を、大きな半球面状の透明な操作ボタン410が、斜め上前方を向くように傾けた状態で取付けているため、本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、操作ボタン410が遊技者の頭部(顔)を向いた状態となり、遊技者が視線を落として演出操作ユニット400を見ると、操作ボタン410が略正面に近い状態で見えることとなり、大きくて丸い操作ボタン410を強烈に視認させることができ、操作ボタン410を用いた演出に対して期待感を高めさせることができると共に、透明な操作ボタン410内に配置されている扉枠側演出表示装置460に表示される演出画像を良好な状態で視認させることができ、演出画像を十分に楽しませることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320の全高と略同じ直径の大きくて前方へ丸く膨出した操作ボタン410を備えているため、操作ボタン410を操作する際に、短い距離の手の移動で操作ボタン410の何れかの部位に触れることができ、操作ボタン410の「早押し」を比較的容易に行うことができる。また、大径で前方へ丸く膨出した操作ボタン410を、傾けた状態で取付けているため、従来のパチンコ機の操作ボタンのように上から押圧操作することができるだけでなく、左方や右方、或いは、前方からでも良好に操作することができ、操作性の良い操作ボタン410によって操作ボタン410を用いた演出をより楽しませることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320によって演出操作ユニット400を、吊り下げたような状態で取付けていると共に、演出操作ユニット400の下部に振動を発生させる振動モータ424を備えているため、遊技状態に応じて振動モータ424を回転させて振動を発生させると、操作ボタン410の上部に触れている遊技者の手に対して、強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて操作ボタン410を用いた演出をより一層楽しませることができる。
更に、扉枠3は、皿ユニット320の前面中央に、皿ユニット320の全高に亘る大きな操作ボタン410(演出操作ユニット400)を備えていることから、従来のパチンコ機と比較して上皿321の下にある下皿322が目立ち難くなるため、従来のパチンコ機を見慣れた遊技者に対して、明らかに異なっていると認識させ易くすることができ、遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320の前面における演出操作ユニット400の左側に開口している下皿開口部326dに対して、下皿322を、演出操作ユニット400の後側へ回り込むように形成しているため、下皿開口部326dの大きさに対して、下皿322の容積を大きくすることができ、下皿322での遊技球の貯留数を十分に確保することができる。また、下皿322の後部が演出操作ユニット400の後側へ回り込んでいることから、遊技者が下皿322内に左手を入れたり、下皿開口部326dに左手の指を掛けたりした時に、指先が下皿322の後の壁に触れ難くなるため、遊技者に対して違和感を与え難くすることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができると共に、下皿開口部326dの大きさに比べて下皿322の容積が大きいことを触覚でも認識させることができる。
更に、扉枠3は、上皿321からの遊技球が下皿322に放出される下皿球供給口323cと下皿322の遊技球を皿ユニット320の下方のドル箱等に抜くための下皿球抜き孔322aとを、前後に直線状に配置すると共に、正面視において下皿開口部326dの右外側(演出操作ユニット400のフレームユニット415の左端よりも右側)に配置している。つまり、下皿球供給口323c及び下皿球抜き孔322aを、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方に配置しているため、遊技者側から下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322aが見えず、皿ユニット320(パチンコ機1)の外観をスッキリさせることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、扉枠3は、下皿322において、下皿球供給口323cの前方(真正面)の下方に下皿球抜き孔322aを配置しているため、下皿球抜き孔322aを開いた状態とすると、上皿321等から下皿322へ放出された遊技球が、下皿322に入ると直ぐに下皿球抜き孔322aから下方のドル箱等へ排出されることとなる。この際に、遊技者側からは、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322aが見えないため、上皿321等から下皿322を通ってドル箱へ排出される遊技球の流れも見ることができない。これにより、遊技者に対して上皿321の遊技球や上皿321が満タンな状態で払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができるため、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、下皿322において、下皿球供給口323cの前方左寄りの位置に下皿球抜き孔322aを配置すると共に、下皿球抜き孔322aよりも右側の下皿322の立上った壁部を下皿球抜き孔322aの方向を向くように斜めに湾曲させているため、下皿球供給口323cから下皿322へ供給された遊技球を、直接的に下皿球抜き孔322aへ誘導したり、右側の壁部に反射させて間接的に下皿球抜き孔322aへ誘導したりすることができる。これにより、下皿球抜き孔322aが開いたままの状態では、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球が、下皿322における下皿球抜き孔322aよりも左側の領域(下皿第一領域A1)へ侵入することなく、下皿球抜き孔322aから下方へ排出させることができるため、下皿322内を流通する遊技球を遊技者に見せることなく下皿322の下方(ドル箱)へ遊技球を排出させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、扉枠3は、下皿322が前方へ臨む皿ユニットカバー326の下皿開口部326dを、演出操作ユニット取付部326a(演出操作ユニット400)と下スピーカ口326eとの間に備えているため、遊技者が下皿開口部326dに手を掛けたり、下皿322に手を入れたりしても、下スピーカ口326eの前方が遊技者の手によって遮られることはないため、本体枠4の基板ユニット900における下部スピーカ921からのサウンドを、良好に前方へ出力させることができ、本パチンコ機1によるサウンドを楽しませることができる。また、遊技者が下皿322に手を入れたり近付けたりすると、下スピーカ口326eから前方へ出力される下部スピーカ921からの重低音による振動を、遊技者に触覚的に感じさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、貫通口111の右側から板状で前方へ大きく突出している扉枠右サイドユニット550を備えていることから、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠右サイドユニット550が右側に隣接しているパチンコ機との間で仕切りのような作用効果を発揮することができるため、本パチンコ機1で遊技する遊技者に対して、個室で遊技しているような感じに錯覚させることができ、周りの他の遊技者に気兼ねすることなくリラックスした雰囲気で遊技を行わせることができる。
更に、扉枠3は、板状で前方へ大きく突出している扉枠右サイドユニット550の前端や左右両面を、発光装飾させることができるため、パチンコ機1が並んだ状態で設置される遊技ホール内において、本パチンコ機1の前方に位置していなくても、島設備に沿った横方向から等の遠くからでも本パチンコ機1の存在を知らせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、貫通口111の上側の扉枠トップユニット570において、左右方向中央で前方へ突出しているトップ中装飾部材576を備えると共に、トップ中装飾部材576の左右両側の前面を、後方へ抉れるように窪んだ形状(扉枠トップユニット570の左右両端の前端と、トップ中装飾部材576の左右両端の前端とを結んだ直線よりも、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の左右両側の前面が後方へ位置するように凹状に湾曲した形状)に形成されている。これにより、扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576のみが前方へ大きく突出しているように見えるため、遊技者に対してトップ中装飾部材576を目立たせて強調して見せることができ、トップ中装飾部材576に強く注目させることができる。
ところで、従来のパチンコ機における扉枠の上部には、左右に離間した一対の上部スピーカが備えられており二つの上部スピーカが目立っていた。これに対して、本実施形態の扉枠3は、貫通口111の上側に取付けられている扉枠トップユニット570において、左右両端にパンチングメタルからなるスピーカカバー575により前面が保護された一対の上部スピーカ573を備えた上で、中央のトップ中装飾部材576の左右両側からスピーカカバー575の前を通って左右方向両端まで延びたトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580を備え、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の前面全体を、発光装飾できるようにしている。これにより、扉枠3の前面上部を全体的に装飾することができるため、扉枠3の上部において、一対の上部スピーカ573が目立たなくなり、従来のパチンコ機とは明らかに異なる装飾が施されていることを一見して遊技者に認識させることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、一対の上部スピーカ573により良質なステレオサウンドを遊技者に楽しませることができる。
このように、本実施形態の扉枠3は、貫通口111より下側と上側において、皿ユニット320に取付けられている演出操作ユニット400と、扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576とが、夫々左右方向の中央で前方へ大きく突出しているため、左右方向中央を通る仮想線が目立つような上下において統一感のある装飾を遊技者に見せることができると共に、洗練された感じの装飾により他のパチンコ機よりも目立たせることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、左右方向の中央において上下に配置されている扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576と演出操作ユニット400とを、前方へ突出させているため、トップ中装飾部材576及び演出操作ユニット400を発光装飾させると、扉枠3の前面の左右方向中央で上下に延びたような発光ラインを遊技者に見せることができ、遊技者の視線を左右方向中央に配置された演出操作ユニット400の操作ボタン410等に誘導させることができる。
[5.遊技盤の全体構成]
次に、パチンコ機1の遊技盤5の全体構成について、図60乃至図66等を参照して詳細に説明する。図60は、遊技盤の正面図である。図61は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図62は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図63は表ユニットと裏ユニットを除いた遊技盤の正面図であり、図64は図63の遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図65は図63の遊技盤を分解して後ろから見た分解斜視図である。図66は、遊技盤をパチンコ機に取付けた状態で機能表示ユニットの部位を正面から拡大して示す説明図である。
遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット300のハンドル302を操作することで遊技球が打込まれる遊技領域5aを有している。また、遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球を遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、を備えている。遊技パネル1100の前面において遊技領域5a内となる部位には、遊技球と当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている(図示は省略)。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に取付けられている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な遊技盤側演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。裏ユニット3000の後面に遊技盤側演出表示装置1600が取付けられていると共に、遊技盤側演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能に常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが何れかにおいて可能となる大入賞口2005と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1126の直上に取付けられており第一始動口2002及び大入賞口2005を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており複数の一般入賞口2001を有しているサイドユニット下2200と、サイドユニット下2200の正面視左端上方に取付けられているサイドユニット上2300と、遊技領域5a内の略中央に取付けられておりゲート部2003、及び第二始動口2004を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており遊技盤側演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端で正面視左辺側の上下方向中央から上寄りに取付けられている裏左中装飾ユニット3050と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏箱3010の後壁付近に取付けられている裏下後可動演出ユニット3100と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で正面視左側に取付けられている裏上左可動演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口部3010aの正面視左側に取付けられている裏左可動演出ユニット3300と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で左右方向中央から正面視右端までにかけて取付けられている裏上中可動演出ユニット3400と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏下後可動演出ユニット3100の前方に取付けられている裏下前可動演出ユニット3500と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
次に、前構成部材1000について、主に図64及び図65等を参照して説明する。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球が当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1008を備えている。この防犯凹部1008は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー200の後方へ突出した後方突片202が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー200と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー200の後方突片202と前構成部材1000の防犯凹部1008とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー200と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片202や防犯凹部1008に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、内レール1002の後端から後方へ突出している複数の位置決め突起1009を備えている。これら位置決め突起1009は、遊技パネル1100におけるパネル板1110に形成されている内レール固定孔1116に挿入させることで、内レール1002をパネル板1110の前面に位置決め固定することができる。
更に、前構成部材1000は、後面から後方へ突出している複数の取付ボス1010を備えている。複数の取付ボス1010は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の取付孔1128に挿入されることで、パネルホルダ1120(遊技パネル1100)との間を位置決めすることができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1011を備えている。この切欠部1011は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の切欠部1127と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、これら切欠部1011,1127を貫通して下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が前方へ臨むようになっている。
[5−2.遊技パネル]
次に、遊技パネル1100について、主に図61及び図62、図64及び図65等を参照して説明する。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダ1120(遊技パネル1150)よりも薄く、障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に下端から上方へ窪んだアウト凹部1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、パネル板1110は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1113と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1114と、を備えている。これら嵌合孔1113及び長孔1114は、遊技領域5aよりも外側に配置されており、パネルホルダ1120との位置決めを行うものである。また、パネル板1110は、上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1115が夫々備えられている。これら係合段部1115は、パネル板1110の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1113及び長孔1114と同様に、遊技領域5aよりも外側に配置されており、パネル板1110をパネルホルダ1120へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1110は、所定位置に内レール固定孔1116が複数備えられている。この内レール固定孔1116に内レール1002の後側から突出する位置決め突起1009を嵌合固定させることで、内レール1002を所定の位置に固定することができる。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本例では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1121と、保持段部1121の内側において略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1122と、を備えている。
パネルホルダ1120の保持段部1121は、前面からの深さがパネル板1110の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1121内に保持されたパネル板1110の前面が、パネルホルダ1120の前面と略同一面となる。また、保持段部1121は、その前側内周面が、パネル板1110の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさに形成されている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1110が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。
また、パネルホルダ1120は、保持段部1121に保持されるパネル板1110に形成されている嵌合孔1113及び長孔1114と対応する位置に配置され、保持段部1121の前面から前方に向かって延びており、パネル板1110の嵌合孔1113及び長孔1114に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1123を備えている。これらの突出ピン1123をパネル板1110の嵌合孔1113及び長孔1114に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1120とパネル板1110とを互いに位置決めすることができる。
更に、パネルホルダ1120は、パネル板1110の係合段部1115と対応する位置に、係合段部1115と係合する係合爪1124及び係合片1125を備えている。詳述すると、係合爪1124は、パネルホルダ1120の保持段部1121の上部に配置されており、パネル板1110における上側の係合段部1115と対応し、保持段部1121の前面から前方に向かって突出し、係合段部1115と弾性係合するようになっている。この係合爪1124は、先端がパネルホルダ1120の前面から突出しない大きさとされている。
パネルホルダ1120の係合片1125は、パネルホルダ1120の保持段部1121の下部に配置され、パネル板1110における下側の係合段部1115と対応している。この係合片1125は、保持段部1121の前面との間にパネル板1110の係合段部1115が挿入可能な大きさの隙間を形成した状態で、パネルホルダ1120の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びている。これら係合爪1124及び係合片1125にパネル板1110の係合段部1115を係合させることで、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して着脱可能に保持される。
また、パネルホルダ1120は、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に前後に貫通しているアウト口1126を備えている。パネルホルダ1120は、アウト口1126の後面下側が、アウト口1126と同じ幅で下端まで前方へ窪んでいる。
更に、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1127を備えている。この切欠部1127は、前構成部材1000の切欠部1011と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、これら切欠部1011,1127を貫通して下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が前方へ臨むようになっている。
また、パネルホルダ1120は、前構成部材1000における複数の取付ボス1010と対応している位置に、前後に貫通した複数の取付孔1128を備えている。これら複数の取付孔1128に、前構成部材1000の取付ボス1010を挿入することで、パネルホルダ1120を前構成部材1000の後側に取付けることができると共に、前構成部材1000との間でパネルホルダ1120(遊技パネル1100)を位置決めすることができる。
また、パネルホルダ1120は、切欠部1127の上側で前後方向に貫通している四角い挿通孔1129を備えている。この挿通孔1129は、機能表示ユニット1400の後端が挿通される。
遊技パネル1100は、前構成部材1000の後側に取付けた状態では、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後側にパネルホルダ1120のアウト口1126が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1126へ誘導され、アウト口1126を通って遊技パネル1100の後側へ排出される。
[5−2a.遊技パネルの第二実施形態]
次に、上記の遊技パネル1100とは異なる実施形態の遊技パネル1150について、主に図67及び図68を参照して詳細に説明する。図67は、図63とは異なる形態の遊技パネルを、前構成部材、基板ホルダ、及び主制御ユニットと共に前から見た分解斜視図である。図68は、図67を後ろから見た分解斜視図である。この遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニヤ合板等の木質板材によって形成されている。この遊技パネル1150は、上記の遊技パネル1100のパネルホルダ1120と同じ厚さに形成されている。
遊技パネル1150は、外形が前構成部材1000の外形と略同形状に形成されている。遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1000のアウト誘導部1003と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151を備えている。遊技パネル1150は、アウト口1151の後面下側が、アウト口1151と同じ幅で下端まで前方へ窪んでいる。
また、遊技パネル1150は、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1000の切欠部1011と同形状の切欠部1152と、切欠部1152の上側で上下方向に貫通しており機能表示ユニット1400の後端が挿通される四角い挿通孔1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、前構成部材1000の内レール1002から後方へ突出している複数の位置決め突起1009と対応する位置に、位置決め突起1009を嵌合可能な前後に貫通している複数の内レール固定孔1154を備えている。また、遊技パネル1150は、前構成部材1000における複数の取付ボス1010と対応している位置に、前後に貫通した複数の取付孔1155を備えている。これら複数の取付孔1155に、前構成部材1000の取付ボス1010を挿入することで、遊技パネル1150を前構成部材1000の後側に取付けることができると共に、前構成部材1000との間で遊技パネル1150を位置決めすることができる。
更に、遊技パネル1150は、図示は省略するが、上記の遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112と同様に、表ユニット2000を取付けるための前後に貫通している複数の開口部が備えられている。
遊技パネル1150は、前構成部材1000の後側に取付けた状態で、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後側にアウト口1151が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151を通って遊技パネル1150の後側へ排出される。
[5−3.基板ホルダ]
次に、基板ホルダ1200について、主に図64乃至図65等を参照して説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側から覆うことができる。これにより、アウト口1126を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
次に、主制御ユニット1300について、主に図64乃至図65等を参照して説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。この主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板1310と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
なお、主制御基板ボックス1320をはじめとした各種の基板ボックス930,950,1320,1520,3042はいずれも、外部からの目視確認が可能とされるように透過性をもった部材として設けられている。すなわち後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特に、上記払出制御基板ボックス950内の払出制御基板951や上記主制御基板ボックス1320内の主制御基板1310において不正抑制性能で劣る表面実装領域が設けられるようになっていることから、後述の不正対策に関わる各種の作用効果を得る上でこのような透過性を確保しておくことは重要である。
[5−5.機能表示ユニット]
次に、機能表示ユニット1400について、主に図64乃至図66等を参照して説明する。機能表示ユニット1400は、図示するように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、遊技盤5をパチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の貫通口111を通して前方(遊技者側)から視認することができる(図66を参照)。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、図66に示すように、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器1401と、ゲート部2003に対する遊技球の通過により抽選される普通抽選結果を表示する四つのLEDからなる普通図柄表示器1402と、ゲート部2003に対する遊技球の通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器1408と、第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器1403と、第一始動口2002への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器1404と、第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器1405と、第二始動口2004への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器1406と、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する三つのLEDからなるラウンド表示器1407と、を主に備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−6.周辺制御ユニット]
次に、周辺制御ユニット1500について、図62を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられる遊技盤側演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基いて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、図示は省略するが、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部と、演出画像を制御するための演出表示制御部と、を備えている。
[5−7.遊技盤側演出表示装置]
次に、遊技盤側演出表示装置1600について、図61乃至図62を参照して説明する。遊技盤側演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。詳述すると、遊技盤側演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。この遊技盤側演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。この遊技盤側演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの液晶表示装置であり、静止画像や動画を表示することができる。
遊技盤側演出表示装置1600は、正面視左側面から外方へ突出している二つの左固定片1601と、正面視右側面から外方へ突出している右固定片1602と、を備えている。この遊技盤側演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の正面視左内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの左固定片1601を挿入した上で、右固定片1602側を前方へ移動させて、右固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を下方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−8.表ユニット]
次に、表ユニット2000について、図60乃至図62を参照して説明する。遊技盤5の表ユニット2000は、遊技パネル1100におけるパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端が開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
本実施形態の表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
複数の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1126の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右上で衝止部1006の略直下に配置されている。第二始動口2004は、ゲート部2003の直下から正面視右寄りに配置されている。大入賞口2005は、第一始動口2002とアウト口1126との間に配置されている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1126の直上に取付けられており第一始動口2002及び大入賞口2005を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており複数の一般入賞口2001を有しているサイドユニット下2200と、サイドユニット下2200の正面視左端上方に取付けられているサイドユニット上2300と、遊技領域5a内の略中央に取付けられており、ゲート部2003、及び第二始動口2004を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1126の直上に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002が、遊技球を一度に一つのみ受入可能な大きさで上方に向かって開口しており、大入賞口2005が、遊技球を一度に複数(例えば、4個〜6個)受入可能な大きさで左右に延びており、遊技状態に応じて開閉可能に形成されている。
サイドユニット下2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿って円弧状に延びており、パネル板1110に前方から取付けられている。サイドユニット下2200は、常時遊技球を受入可能な複数の一般入賞口2001を有している。
サイドユニット上2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット下2200の正面視左上方で上下方向中央からやや下寄りに前方からパネル板1110に取付けられている。サイドユニット上2300は、パネル板1110の前面に取付けた状態で、棚部の左端が内レール1002に接近しており、内レール1002に沿って流下してきた遊技球を、右方(遊技領域5aの左右方向中央)へ誘導させることができる。
センター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100、及びサイドユニット下2200よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置された遊技盤側演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている演出ユニット等を前方から視認することができる。センター役物2500は、ゲート部2003、及び第二始動口2004を有している。
枠状のセンター役物2500は、下辺を除いた全周が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、正面視左側の外周面に、遊技領域5a内の遊技球が進入可能に開口しているワープ入口2520と、ワープ入口2520に進入した遊技球を放出可能とされ枠内に開口しているワープ出口2522と、ワープ出口2522から放出された遊技球を左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出するステージ2530と、を備えている。ステージ2530の直下に始動口ユニット2100が配置されており、ステージ2530の中央から遊技球が下方へ放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に遊技球が受入れられる。
[5−9.裏ユニット]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000について、図60乃至図62を参照して説明する。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられている。また、裏ユニット3000の後側に遊技盤側演出表示装置1600及び周辺制御ユニット1500が取付けられている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面で開口部3010aの下辺に沿って左右に延びた軸周りに回動可能に取付けられており演出駆動基板を収容している箱状の演出駆動基板ボックス3042と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端で正面視左辺側の上下方向中央から上寄りに取付けられている裏左中装飾ユニット3050と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏箱3010の後壁付近に取付けられている裏下後可動演出ユニット3100と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で正面視左側に取付けられている裏上左可動演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口部3010aの正面視左側に取付けられている裏左可動演出ユニット3300と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で左右方向中央から正面視右端までにかけて取付けられている裏上中可動演出ユニット3400と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏下後可動演出ユニット3100の前方に取付けられている裏下前可動演出ユニット3500と、を備えている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける背面視左辺において枠内の内側から外方へ向かって窪んでおり遊技盤側演出表示装置1600の左固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの背面視右辺の上下方向中央において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている。
開口部3010aは、遊技盤側演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に遊技盤側演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が上下にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。裏箱3010は、各可動演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
裏ユニット3000は、裏下後可動演出ユニット3100、裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、及び裏下前可動演出ユニット3500、等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[6.遊技内容]
次に、本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図60等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット300のハンドル302を遊技者が回転操作することで、皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球が、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球の打込み強さは、ハンドル302の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球、つまり、0.6秒間隔で遊技球を打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘(図示は省略)が遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球が障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球の当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球は、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、図示しない複数の障害釘に当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球が、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2520に進入すると、ワープ出口2522からステージ2530に供給される。
ステージ2530に供給された遊技球は、ステージ2530上を転動して左右に行ったり来たりして前方へ放出される。ステージ2530の中央から遊技球が遊技領域5a内に放出されと、第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿321に払出される。
ステージ2530を転動している遊技球が、中央以外から遊技領域5a内に放出されと、始動口ユニット2100へ向かって流下する。センター役物2500のステージ2530から遊技領域5a内に放出された遊技球は、始動口ユニット2100の第一始動口2002や、開状態の大入賞口2005等に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球が、ワープ入口2520に進入しなかった場合、サイドユニット上2300により左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット下2200の一般入賞口2001や第一始動口2002等に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿321に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球が、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(所謂、右打ちする)と、その下流側に、ゲート部2003と第二始動口2004とが備えられている領域を流下することとなる。
そして、右打した遊技球が、ゲート部2003を通過すると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球の受入れが可能となる。そして、第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、4個)の遊技球が、上皿321に払出される。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球が通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
また、遊技球がゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球がゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球が通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動当り」、「時間短縮当り」、等)を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「小当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、等がある。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球の受入れが可能な状態となる。大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出基板によって払出装置830から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球が、上皿321に払出される。従って、大入賞口2005が遊技球を受入可能としている時に、大入賞口2005に遊技球を受入れさせることで、多くの遊技球を払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「小当り」の場合、大入賞口2005が、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球を受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返す。一方、特別抽選結果が「大当り」の場合、大入賞口2005が、遊技球を受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球の受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球を受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と遊技盤側演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、遊技盤側演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基いて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。遊技盤側演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の図柄からなる図柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各図柄列を変動させ、変動表示されている図柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの図柄列の図柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の図柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの図柄列が停止して各図柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が遊技盤側演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、小当り遊技、大当り遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、遊技盤側演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(図柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、遊技盤側演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット400の操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460、センター役物2500の各種装飾体、裏ユニット3000の各種装飾体、裏下後可動演出ユニット3100、裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、及び裏下前可動演出ユニット3500、等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[本実施形態と本発明の関係]
本実施形態における扉枠3は本発明の扉ユニットに、本実施形態における本体枠4は本発明の本体ユニットに、本実施形態の扉枠3における扉枠ベースユニット100の貫通口111は本発明の窓部に、本実施形態の扉枠3における皿ユニット320の皿ユニットカバー326は本発明の膨出部に、本実施形態の演出操作ユニット400及び第二演出操作ユニット400Aにおける操作ボタン410のボタンレンズ411は本発明の第一装飾体に、本実施形態におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aは本発明の第一装飾部に、夫々相当している。
また、本実施形態におけるベースユニットの操作ボタン内装飾部材、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるスクリーンユニット470のメインスクリーン471及びサブスクリーン472は本発明の第二装飾体に、本実施形態における操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432g、スクリーンユニット470の周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、及び周縁装飾部材478は本発明の第二装飾部に、夫々相当している。
更に、本実施形態における操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されている各LEDとサブスクリーン装飾基板477のLED477aとは本発明の発光体に、本実施形態における扉枠側演出表示装置460は本発明の奥側装飾手段に、本実施形態におけるフレームユニット415、ベースユニット430のユニットベース431、及び第二ベースユニット450のユニットベース451は本発明のベース部に、夫々相当している。
[8.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、扉枠3における前方に膨出している皿ユニット320の前面に取付けられている演出操作ユニット400(或いは、第二演出操作ユニット400A)の操作ボタン410のボタンレンズ411を外方から見ると、第一ボタン装飾部411aと操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432g(或いは、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるスクリーンユニット470の周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)とが重なった装飾、第一ボタン装飾部411aと扉枠側演出表示装置460とが重なった装飾、等のこれまでにない遠近感のある装飾性に溢れた装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、ボタンレンズ411(操作ボタン410)の移動方向に操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A(スクリーンユニット470))、及び扉枠側演出表示装置460等を配置していると共に、ユニットベース431(ユニットベース451)によりボタンレンズ411を遊技者の操作によって移動させることができるように支持されているため、遊技者がボタンレンズ411を操作(押圧)して移動させると、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)とが近付いたり離れたりすることとなるため、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)との距離の変化により第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)とが重なって見える装飾の遠近感を変化させることが可能となり、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)とによる装飾(交差態様)を、遊技者自身によって変化させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、ボタンレンズ411の中央を、操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)とは反対側となる外方へ膨出させていることから、第一装飾体と第二装飾体との間に空間が形成されることとなるため、遊技者から見た時に、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aまでの距離と、操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432g(或いは、スクリーンユニット470の周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)までの距離とが、より大きく異なることとなり、ボタンレンズ411を操作して移動させていない状態でも、遊技者の目の位置が移動すると、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)との交差態様(重なり具合)が変化するため、動きのある装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けることができる。
更に、透明なボタンレンズ411の外周縁に、中央へ向かう放射状の装飾を有した第一ボタン装飾部411aを備えているため、ボタンレンズ411における第一ボタン装飾部411aが備えられていない中央側を通して奥側の操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)や扉枠側演出表示装置460を、良好に視認させることができると共に、第一ボタン装飾部411aの放射状の装飾によって遊技者の視線をボタンレンズ411の中央へ向けさせることができ、透明なボタンレンズ411の中央を通して操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)や扉枠側演出表示装置460に対して遊技者の関心を強く向けさせることができる。
また、操作ボタン内装飾部材432に、中央を中心とした同心円状の複数の多角形の装飾を有した第二ボタン内装飾部432gを備えているため、外方から見た時に、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aの装飾と、操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gの装飾とが、互いに交差することとなり、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとによる装飾の遠近感を確実に発揮させることができ、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとによる装飾を目立たせて遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gの装飾に、中央を中心とした同心円状の複数の多角形の装飾を有するようにしているため、第二ボタン内装飾部432gの装飾によって遊技者の視線や関心を操作ボタン内装飾部材432の中央に見える扉枠側演出表示装置460へ向けさせることができ、扉枠側演出表示装置の装飾(演出画像)を楽しませることができる。
更に、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されている各LED(或いは、サブスクリーン装飾基板477のLED477a)を発光させると、その光によって操作ボタン内装飾部材432(或いは、サブスクリーン装飾部材476)を発光装飾させることができると共に、更に、ボタンレンズ411も発光装飾させることができるため、第一ボタン装飾部411aや第二ボタン内装飾部432g(或いは、サブスクリーン装飾部材476)の装飾に加えて発光装飾によっても遊技者を楽しませることができる。この際に、第二ボタン内装飾部432g(或いは、サブスクリーン装飾部材476)によって操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の各LED(或いは、LED477a)からの光を拡散させることができることから、第二ボタン内装飾部432gでは、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の各LED(或いは、LED477a)からの直接的な光により発光装飾させられるのに対して、第一ボタン装飾部411aでは、第二ボタン内装飾部432g(或いは、サブスクリーン装飾部材476)により拡散された間接的な光により発光装飾させられることとなり、第二ボタン内装飾部432g(サブスクリーン装飾部材476)が強く発光装飾されるのに対して第一ボタン装飾部411aが弱く発光装飾されるため、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の各LED(或いは、LED477a)を発光させた状態で、外方から第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、サブスクリーン装飾部材476)とを見ると、より遠近感が強調された装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けさせられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、ボタンレンズ411の移動する方向に操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)を配置しているため、ボタンレンズ411や操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)の外周りよも外側の部位に、ボタンレンズ411が移動するためのスペースを確保する必要がなく、ボタンレンズ411や操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)を外側に広げて、可及的に大きくすることが可能となり、大型化できることでボタンレンズ411や操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)を目立たせることができる。また、上述したように、ボタンレンズ411の外側に、移動させるためのスペースを確保する必要がないため、ボタンレンズ411の外側の部位に、フレームユニット415を配置することで、パチンコ機1全体の装飾性を高めることができ、見栄えを良くして遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、ボタンレンズ411の中央を外方へ膨出させていることから、遊技者がボタンレンズ411を叩いたりして表面の一部に衝撃を加えた場合、ボタンレンズ411を平坦な形状とした場合と比較して、加えられた衝撃力が、ボタンレンズ411の全体に分散し易くなるため、ボタンレンズ411を壊れ難く(破損し難く)することができる。従って、遊技中にボタンレンズ411が破損することで、遊技が中断してしまい、遊技者によっては苛立ちを覚えて興趣を低下させてしまうのを回避させることができると共に、ボタンレンズ411が破損し難くなることで、本パチンコ機1を設置している遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、本体枠4内に配置されている遊技盤5の遊技領域5aを、前方から貫通口111を通して視認可能としている扉枠3において、貫通口111の下側で前方に膨出している皿ユニット320の皿ユニットカバー326に取付けられている演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)のユニットベース431(第二ベースユニット450)に、外径が10cm〜30cmの範囲内である約15cmの円形状で遊技者が操作することで可動する(進退する)操作ボタン410と、操作ボタン410の透明なボタンレンズ411を通して前方から視認可能な操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)と、操作ボタン410が枠内に配置される枠状のフレームユニット415と、を取付けていることから、従来のパチンコ機において遊技球の貯留皿が目立った位置に、可及的に大きな操作ボタン410を有した演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が見えるため、遊技者に対して一見しただけで従来のパチンコ機とは異なっていることを認識させることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。そして、フレームユニット415に透光性を有したフレームサイドレンズ417を備えると共に、フレームサイドレンズ417と隣接するように操作ボタン410(ボタンレンズ411)の外縁に透光性を有した第二ボタン装飾部411bを備え、フレームサイドレンズ417と第二ボタン装飾部411bの後側でユニットベース431(第二ベースユニット450)に取付けられた操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に第二ボタン装飾部411bを発光装飾させるための第一LED422a,423aと、フレームサイドレンズ417を発光装飾させるための第二LED422b,423bと、を備えた上で、フレームサイドレンズ417と第二ボタン装飾部411bとの間を仕切るフレーム本体416の内側筒部416dと、第二ボタン装飾部411bとボタンレンズ411の中央側とを仕切るボタンベース413の本体部413a及び内側延出部413fとを備えるようにしているため、内側筒部416dと本体部413a及び内側延出部413fとにより、第一LED422a,423aからの光がフレームサイドレンズ417やボタンレンズ411の中央側を照らしたり、第二LED422b,423bからの光が第二ボタン装飾部411bを照らしたりするのを防止することができ、隣接しているフレームサイドレンズ417と第二ボタン装飾部411bとを夫々独立させて発光装飾させることができる。従って、フレームサイドレンズ417や第二ボタン装飾部411bを、夫々くっきりと発光装飾させることができ、見栄えの良い発光演出を行うことができる。また、隣接しているフレームサイドレンズ417と第二ボタン装飾部411bとに対して、消灯、点灯、点滅、明るさ、色、等を適宜組合せることで、多彩なパターンの発光演出を行うことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bを発光装飾させる第一LED422a,423aと、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させる第二LED422b,423bとを、一つの操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に備え、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423をユニットベース431(第二ベースユニット450)に取付けているため、第二ボタン装飾部411b(操作ボタン410)に基板を備えた場合と比較して、第二ボタン装飾部411bから第一LED422a,423aを可及的に遠ざけることができ、第一LED422a,423aからの光を十分に拡散させた状態で第二ボタン装飾部411bに照射させることができる。従って、第二ボタン装飾部411bを均一に発光装飾させることができるため、第二ボタン装飾部411bやフレームサイドレンズ417の発光装飾の見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
更に、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423を、ユニットベース431(第二ベースユニット450)に取付けているため、操作ボタン410の進退に伴って操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に接続されている配線が屈曲したり伸展したりすることはなく、疲労による配線の断線を無くすことができる。従って、操作ボタン410(第二ボタン装飾部411b)を可動させても、配線が断線することはないため、操作ボタン410の可動(操作)や、フレームサイドレンズ417及び第二ボタン装飾部411bの発光装飾を、問題なく遊技者に楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410の透明なボタンレンズ411の外縁に第二ボタン装飾部411bが備えられていることから、透明なボタンレンズ411を通して後方の操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を見た時に、操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)の外縁を第二ボタン装飾部411bが装飾している状態となり、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。そして、第一LED422a,423aや第二LED422b,423bを適宜発光させることで、後方に操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)が見える透明なボタンレンズ411の外縁を装飾している第二ボタン装飾部411bやフレームサイドレンズ417を、上述したように、様々なパターンで発光装飾させることができるため、遊技者の関心を操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)に強く引付けさせることができ、発光演出や操作ボタン410の操作、及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)による演出画像等を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、外縁に第二ボタン装飾部411bが備えられたボタンレンズ411(操作ボタン410)を、遊技者によって操作可能としているため、遊技者参加型演出の実行中に、操作ボタン410を遊技者に操作させるようにすることで、遊技者に対して操作ボタン410の操作(遊技者参加型演出)を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。そして、遊技者参加型演出の実行時に、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bやフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることで、遊技者の関心を操作ボタン410に引付けることができるため、遊技者に対して操作ボタン410の操作を促すことができ、遊技者を遊技者参加型演出に参加させて楽しませることができる。
更に、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを第一LED422a,423aによって発光装飾可能としている不透光性の本体部413a及び内側延出部413fを備えていため、操作ボタン410における第二ボタン装飾部411bよりも中央側の部位が第一LED422a,423aによって発光装飾させられる(照らされる)ことはなく、操作ボタン410(ボタンレンズ411)の中央側が明るくなることで後方に配置されている操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)が前方から見辛くなるのを防止することができる。従って、第二ボタン装飾部411bを良好な状態で発光装飾させることができると共に、透明なボタンレンズ411を通して後方の操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を良好な状態で視認させることができ、遊技者に対して装飾や発光演出等を十分に楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、内側筒部416dを、フレームサイドレンズ417を備えたフレームユニット415の後側から延びるようにしているため、フレームユニット415の後側では、フレームサイドレンズ417と操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bとの間を内側筒部416dによって完全に仕切ることができる。一方、内側筒部416dにおける操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に近い側の端部(後端部)では、第一LED422a,423aや第二LED422b,423bからの光が拡散範囲よりも内側筒部416dの後端が、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に近い側に位置しているため、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423の前面との間に隙間が形成されていても、第一LED422a,423aからの光がフレームサイドレンズ417を照らしたり、第二LED422b423bからの光が第二ボタン装飾部411bを照らしたりすることはない。従って、内側筒部416dによって光を確実に遮ることができ、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
また、ボタンベース413の本体部413a及び内側延出部413fを、操作ボタン410(ボタンレンズ411)の後側から延びるようにしているため、操作ボタン410の後側では、第二ボタン装飾部411bとボタンレンズ411の中央側との間を、本体部413a及び内側延出部413fによって完全に仕切ることができる。一方、本体部413aにおける操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に近い側の端部(後端部)では、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423よりも後方へ延びているため、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの後端を潜ることはなく、操作ボタン410のボタンレンズ411の中央側への光の浸入を完全に遮断することができる。従って、第一LED422a,423aによって第二ボタン装飾部411bを良好な状態で発光装飾させることができると共に、透明なボタンレンズ411を通して後方の操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を良好な状態で視認させることができ、遊技者に対して装飾や発光演出等を十分に楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、前方から見た時に、操作ボタン410(ボタンレンズ411)の後方に配置された操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)の外側の部位の前方に第二ボタン装飾部411bが位置することとなるため、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)との間の隙間から、操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)の外側にあるの部材や後側(奥側)を第二ボタン装飾部411bによって見え難くすることができ、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができる。また、この際に、第一LED422a,423aによって第二ボタン装飾部411bを発光装飾させると、第二ボタン装飾部411bの明るさに対して、操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)の外側や後側が相対的に暗くなるため、操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)の外側や後側にある部材を見え難くすることができる。従って、操作ボタン410、フレームユニット415、操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)、等の見栄えをより向上させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410の外周形状を円形状としているため、操作ボタン410(ボタンレンズ411)の外縁に備えられている第二ボタン装飾部411bと、第二ボタン装飾部411bに隣接しているフレームサイドレンズ417が、円弧状に延びた形態となる。従って、第一LED422a,423aや第二LED422b,423bを適宜発光させることで、操作ボタン410の外縁を光がグルグル回るような発光演出や、操作ボタン410の内側から外側へ光が広がるような発光演出や、操作ボタン410の外側から内側へ光が収束するような発光演出、等を遊技者に見せることができるため、多彩な発光演出によって遊技者を飽き難くさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、扉枠3における皿ユニット320の皿ユニットカバー326に、貯留されている遊技球が遊技領域5a内に打込まれて遊技に用いられる上皿321を取付けると共に、上皿321の前側且つ下方に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を着脱可能に取付けて演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に所定広さの取付空間326jの残りの空間を形成し、その取付空間326jの残りの空間の左側に下皿本体325における下皿第一領域A1に対応する部位を配置すると共に、その部位から取付空間326jの残りの空間内に下皿本体325における下皿第二領域A2に対応する部位を延出させて遊技球を貯留可能な下皿322を取付けるようにしているため、前方から見た時に下皿322が小さく見えることとなり、下皿322を目立ち難くすることができ、相対的に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立ち易くすることができる。従って、本パチンコ機1を前方から見た時に、従来のパチンコ機では上皿と下皿とが上下に並んで見えていた位置に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が見えるため、遊技者に対して一見しただけで従来のパチンコ機とは異なっていることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、下皿322の下皿本体325における下皿第二領域A2の部位において、外周から上方へ延出した本体立壁部325bの上端から上方へ延出し、取付空間326jの残りの空間側への遊技球の移動を規制する下皿カバー340,340Aを備えているため、下皿322内の遊技球が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に接触するのを阻止することができ、下皿322内に供給された遊技球や下皿322に貯留されている遊技球が、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に当接したり押圧したりするのを防止することができる。従って、遊技球が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に当接することはなく、遊技球によって演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側が破損することはないため、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の破損により遊技が中断することで遊技者の興趣を低下させてしまうのを防止することができると共に、本パチンコ機1を設置している遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
また、下皿322の下皿本体325における下皿第二領域A2の部位に、本体立壁部325bと取付空間326jの残りの空間側へ遊技球が移動するのを規制する下皿カバー340,340Aとを備えているため、遊技球が下皿本体325から取付空間326jの残りの空間内へ侵入する(こぼれる)のを防止することがでる。従って、遊技球が取付空間326jの残りの空間内に侵入することで、遊技者が損した気分になったり、不快な気分になったりするのを防止することができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿カバー340,340Aによって、下皿322における下皿本体325の下皿第二領域A2の部位を覆っているため、下皿322内に供給され遊技球が、下皿322内で跳ねて飛び上がっても、取付空間326jの残りの空間側へ侵入するのを確実に防止することができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、下皿カバー340,340Aによって下皿本体325の下皿第二領域A2の部位を覆っていることから、遊技者が、下皿本体325の下皿第一領域A1側(下皿開口部326d)から下皿第二領域A2の部位内に手を入れた時に、下皿カバー340,340Aにより指先等が取付空間326jの残りの空間側へ侵入するのを規制することができるため、指先等が上皿321の下面や演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側等に触れて怪我をするのを防止することができ、遊技者に対して安全な状態で遊技させることができる。
更に、下皿カバー340,340Aと演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)との間に隙間を有しているため、下皿カバー340,340Aに遊技球の当接による衝撃や圧力等が作用しても、下皿カバー340,340Aから演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)へ伝達されることはなく、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の破損を確実に防止することができる。
また、下皿322の下皿本体325における下皿第二領域A2の部位において、下皿球供給口323cの前方に下皿球抜き孔322aを備えているため、下皿球抜き孔322aが開いている状態では、下皿球供給口323cから放出された遊技球をそのまま下皿球抜き孔322aに進入させて下方(ドル箱)へ排出させることができ、遊技球を下皿本体325の本体立壁部325bの前端側に到達し難くすることができる。たとえ、遊技球が下皿球抜き孔322aを飛び越えたとしても、上述したように下皿カバー340,340Aを備えていることから、遊技球が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に当接するのを阻止することができるため、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の破損を防止することができ、遊技の中断を低減させて遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322の前端付近の下皿本体325の底壁部325aが、前方へ向かうほど高くなっているため、下皿本体325の本体立壁部325bの前端側へ向かう遊技球が、傾斜した底面を登ることとなり、遊技球の移動速度を減衰させることができる。従って、下皿カバー340,340Aに当接する遊技球の速度を遅くすることができるため、下皿カバー340,340Aによって遊技球が取付空間326jの残りの空間側へ移動するのを確実に規制することができると共に、遊技球が下皿カバー340,340Aや本体立壁部325bに当接した時の衝撃を小さくしてそれらが破損するのを抑制させることができる。
また、少なくとも下皿カバー340,340Aを別部材としているため、下皿カバー340,340Aが破損した時に、下皿カバー340,340Aを交換するだけで、容易に修復することができ、本パチンコ機1を設置している遊技ホール側の負担の増加を軽減させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、一般入賞口2001等に遊技球を受入させるような遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの下方に、前面の左右方向中央が最も前方へ膨出した皿ユニット320の皿ユニットカバー326に備えた上で、その最も前方へ膨出した部位に演出操作ユニット400や第二演出操作ユニット400A着脱可能に取付けると共に、皿ユニットカバー326に上皿321と下皿322とからなる遊技球を貯留可能な貯留皿を備え、貯留皿(上皿321及び下皿322)に、正面視において演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の外方に位置する下皿第一領域A1と正面視において演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方となる取付空間326jの後部の空間内に位置する下皿第二領域A2とを有するようにしているため、前方から見た時に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立たせることができると共に、貯留皿(上皿321及び下皿322)を小さく見せて目立ち難くすることができる。従って、従来のパチンコ機では上皿と下皿とが見えていた部位に目立つ演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が見えるため、遊技者に対して従来のパチンコ機とは異なる遊技機であることを一見して認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、皿ユニットカバー326の前面の左右方向中央に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が取付けられていることから、皿ユニットカバー326の表面における下皿322が開口している部位が小さくなるが、正面視において演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方となる取付空間326jの後部の空間内に位置する下皿第二領域A2を有した下皿本体325の第一増設部325B、第二増設部325C、及び下皿カバー340,340Aを、備えているため、下皿322における前方から見えない範囲(下皿第二領域A2)にも遊技球を貯留することができる。従って、前方からの見た目に反して遊技球の貯留量を十分に確保することができるため、遊技者に対して、下皿322内における遊技球の残量を気にさせることなく遊技に専念させることができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、下皿第一領域A1を有している下皿本体325や本体部325Aに、下皿第二領域A2を有している下皿カバー340,340Aや第一増設部325B及び第二増設部325Cを取付けて(組合せて)下皿322を構成しているため、予め大きさの異なる複数の下皿カバー340,340Aや第一増設部325B及び第二増設部325C等を用意しておき、パチンコ機1のコンセプトや皿ユニットカバー326内の取付空間326jの広さ等に応じた大きさの下皿カバー340,340Aや第一増設部325B及び第二増設部325Cを取付けることで、下皿322の容積を最適なものとすることができる。また、上述したように、下皿カバー340,340Aや第一増設部325B及び第二増設部325Cを組替える(取替える)ことで、取付空間326jの後部の空間の広さに対応させることができ、この後部の空間の広さが演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方への突出量に依存していることから、後方の突出量の異なる様々な演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)に対応可能な下皿322とすることができ、パチンコ機1の汎用性を高めることができる。
また、下皿322に、底壁部325aと、底壁部325aの外周端から立上った本体立壁部325bとを備えているため、下皿322が下方へ窪んだ容器状となり、遊技球を確実に貯留させることができる。また、下皿カバー340,340Aに、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から立上ったカバー立壁部340aを有しているため、予め様々な形状の下皿カバー340,340Aを用意しておき、パチンコ機1のコンセプトや取付空間326jの後部の空間の広さ(形状)等に応じた形状の下皿カバー340,340Aを組合せる(取付ける)ことで、様々な形態に対応させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、下皿本体325と下皿カバー340,340Aとで構成されている下皿322において、下皿本体325の本体立壁部325bの上端に下皿カバー340,340Aを組合せて(取付けて)いることから、下皿322における遊技球が載置される部位が下皿本体325となるため、貯留により多くの遊技球の荷重がかかる部位に、下皿本体325と下皿カバー340,340Aとの境界(繋ぎ目、分割線PL)が位置することはない。従って、貯留された遊技球の荷重を下皿本体325でのみ受けることとなるため、多くの遊技球を貯留させても下皿本体325から下皿カバー340,340Aが引離されるような力が作用することはなく、下皿本体325から下皿カバー340,340Aが外れるのを防止することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、一般入賞口2001等に遊技球を受入させるような遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの下方且つ前方に、遊技球を貯留可能な上皿321と下皿322とを備えていると共に、左右方向中央に配置された演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって下皿322内の下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとを含む下皿322の半分以上を前方(遊技者)から視認困難としている(見え難くしている)ため、パチンコ機1の外観をすっきりさせて見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。また、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ向かう遊技球を視認困難としているため、遊技者に対して下皿322内における遊技球の流れに気付かせ難くして気が散るのを防止することができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって、下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ遊技球を誘導する下皿322における底面の下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとの間の部位、球誘導部322c及び緩衝部322d等の誘導手段により誘導されている遊技球を視認困難としているため、下皿球抜き孔322aを開いたままの状態とすると、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球が、誘導手段に誘導されてスムーズ(即座)に下皿球抜き孔322aから下方へ排出されることとなり、遊技者に対して下皿322を通ることなく遊技球が下皿322の下方(ドル箱)へ排出されているように錯覚させることができる。これにより、遊技者に対して、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322a等を含む下皿322の半分以上を前方から視認困難としていることから、蓋然的に、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322a等が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に位置している。つまり、下皿322の半分以上を、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込ませるようにしているため、前方から見える下皿322の大きさに対して、実際の下皿322の大きさ(容量)が大きくなっているため、見た目に比べて下皿322内における遊技球の貯留量を十分に確保することができる。
また、下皿球抜き孔322aが開いている状態では、下皿球供給口323cから下皿322内に放出された遊技球を、下皿322における底面の下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとの間の部位、球誘導部322c及び緩衝部322d等の誘導手段によって下皿球抜き孔322aへスムーズに誘導して下皿322の下方(ドル箱)へ排出させることができるため、遊技球が下皿322内を回るように流通するのを防止することができ、下皿322内を流通する遊技球を前方(遊技者)から確実に視認困難な状態とすることができる。従って、遊技者に対して下皿322内における遊技球の流れに気付かせ難くすることができ、遊技者の気が散るのを防止して遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、下皿球抜き孔322aを開いたままの状態とすると、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球を、球誘導部322c等によって遊技者に気付かせることなく即座に下皿球抜き孔322aから下方へ排出させることができるため、遊技者に対して下皿322を通ることなく遊技球が下皿322の下方(ドル箱)へ排出されているように錯覚させることができる。これにより、遊技者に対して、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって、下皿322の平面視における遊技球の貯留領域(貯留面積)の半分以上を前方から視認困難としていることから、前方から見える下皿322の大きさに対して、実際の下皿322は、見える大きさの倍以上あるため、従来のパチンコ機の下皿と同様に、遊技球の貯留量を十分に確保することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、一般入賞口2001等に遊技球を受入させるような遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの正面視下方で前方へ膨出している扉枠3の皿ユニット320における皿ユニットカバー326の前面の左右方向中央に、皿ユニットカバー326の全高と同じ高さの大型の演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けるための演出操作ユニット取付部326aを備えていると共に、皿ユニットカバー326の前面における演出操作ユニット取付部326aの左右両側で上下方向略中央よりも下側の皿前下装飾部326cを、後方へ抉れるように凹んだ形状としているため、演出操作ユニット取付部326aに取付けられた演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が、前方へ大きく突出しているように見せることができ、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立たせることができる。従って、従来のパチンコ機において上皿と下皿とが上下に並んで見えていた位置に、大型の演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が強調された状態で見えるため、遊技者に対して一見しただけで従来のパチンコ機とは異なっていることを認識させることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。そして、皿ユニットカバー326の前面における演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の左右両外側で後方へ凹んでいる皿前下装飾部326cから、下皿322を後方へ窪ませていると共に一部を演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込ませており、下皿322内における遊技球の貯留量(下皿322の容積)を十分に確保することができるため、下皿322が遊技球で満杯になるのを気にしながら遊技しなくても良く、遊技者を遊技に専念させることができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322の一部が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込んでいるため、遊技者が前方から下皿322内に手を入れた時に、指先が下皿322の後壁(皿ユニットベース323の前面)や下皿カバー340等に触れ難くすることができる。これにより、遊技者に対して触覚でも遊技球の貯留量が十分に確保されていることを認識させることができると共に、下皿322内に遊技球が貯留されている状態では、下皿322内に多くの遊技球が貯留されていることを認識できるため、遊技者に対して満足感を付与させることができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。また、下皿322に入れた手の指先が、下皿322の後壁や下皿カバー340等に触れ難いことから、遊技者に対して従来のパチンコ機における下皿と同じような感覚を与えることができるため、従来のパチンコ機に慣れた遊技者に対して、違和感を与えてしまうのを低減させることができ、遊技者を安心させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、下皿322を、奥側(後方)へ行くほど広くなるように形成しているため、前側が小さくても、遊技球の貯留量を十分に確保することができる。換言すると、下皿322の前端側の部位を小さくしているため、下皿322が開口している皿ユニットカバー326の前面(皿前下装飾部326c)において、下皿322を目立ち難くすることができ、相対的に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立ち易くすることができる。従って、下皿322における遊技球の貯留量を十分に確保しつつ演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を備えることができ、遊技者に対する訴求力を高めることができると共に、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322における演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に回り込んでいる部位の側方及び上方を下皿カバー340で覆っているため、遊技者が下皿322内に手を入れた時に、指先等が皿ユニットカバー326の内面や演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後面等に触れて怪我をするのを防止することができ、遊技者に対して安全な状態で遊技させることができる。また、下皿カバー340により、下皿322から皿ユニットカバー326内へ遊技球が侵入する(こぼれる)のを防止することができる。
更に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を、皿ユニットカバー326の前面の左右方向中央に配置しているため、遊技者側から演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)をより目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)による装飾を見え易くするとことができ、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の装飾や演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322に、上皿321と連通可能な下皿球供給口323cと、開閉可能に上下へ貫通している下皿球抜き孔322aと、を備えていることから、従来のパチンコ機における下皿と同じ機能を有しているため、従来のパチンコ機に慣れた遊技者が、本パチンコ機1で遊技した時に、下皿322の機能に対して戸惑うことはなく、従来と同じような感じで遊技を行うことができ、遊技者を遊技に専念させて遊技を楽しませることができる。また、下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとを演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に夫々配置しているため、正面から見ると下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとが、遊技者側から見えず、パチンコ機1の外観をすっきりさせて見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、扉枠3における遊技領域5aが臨むの扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の貫通口111の下側で、前方に膨出している皿ユニット320の皿ユニットカバー326に取付けられている演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)のベースユニット430(第二ベースユニット450)に、遊技者に演出を提示可能な扉枠側演出表示装置460の外側を装飾している操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470)を取付けると共に、操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の外周を囲むように外径が約15cmで中央がベースユニット430(第二ベースユニット450)から遠ざかる方向(外方)へ膨出している透明なボタンレンズ411を有した操作ボタン410を取付け、ボタンレンズ411の外周縁に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412を備えていると共に、ボタンレンズ411側からベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ突出している筒状のボタンベース413を備えているため、第一ボタン装飾部411aやボタンベース413等によってボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470)の外縁や奥側(後側)等が見えるのを低減させることができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。従って、操作ボタン410や内部に備えられた操作ボタン内装飾部材432や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)等の見栄えをより向上させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410における第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、ボタンフレーム412、及びボタンベース413によってボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の外縁や奥側等を見え難くすることができることから、操作ボタン410の外径を大きくすることでボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間が相対的に大きくなっても、第一ボタン装飾部411a等によって良好に隠すことができるため、見栄えの悪化を防止しつも、外径が約15cmの大型の操作ボタン410(ボタンレンズ411)を問題なく具現化することができる。従って、操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を大型化することができるため、本パチンコ機1を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けて訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、ボタンレンズ411側からベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ筒状に突出しているボタンベース413(本体部413a)を備えているため、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の間の隙間を斜めから見た時に、ボタンベース413の内壁によって操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)よりも外側にあるものを遮蔽して見えなくすることができ、操作ボタン410の見栄えをより一層良くすることができる。
また、透明なボタンレンズ411を、ベースユニット430(第二ベースユニット450)から遠ざかる方向(外方)へ膨出した立体形状(半球面体状)としていることから、ボタンレンズ411の外周縁付近の表面が、ボタンベース413の前端側の開口により形成される平面(ベースユニット430(第二ベースユニット450)とボタンレンズ411とが並んでいる方向と直交する平面、つまり、操作ボタン410の進退方向と直交する平面)に対して傾斜している状態となるため、遊技者側から見ると光が屈折し易くなる。従って、外周縁に備えられている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412とボタンベース413とを合せて、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の外縁や奥側等を見え難くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、ボタンレンズ411を外方へ膨出した立体形状に形成していることから、操作ボタン410内の容積が大きくなるため、操作ボタン410内に配置される操作ボタン内装飾部材432や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を、より大きくしたり可動させ易くしたりすることが可能となり、操作ボタン410内により遊技者を楽しませられる扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を備え易くすることができ、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1を具現化することができる。
更に、ボタンレンズ411を立体形状に形成しているため、操作ボタン410に意匠性(装飾性)が付与されることとなるため、本パチンコ機1において操作ボタン410を目立たせて遊技者の関心を向けさせることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、ボタンレンズ411の外周縁に備えられている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412において、ボタンフレーム412を不透明としているため、ボタンフレーム412の部位では、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン410や操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)等の奥側が見えるのを確実に隠すことができ、操作ボタン410等の見栄えの悪化を低減させて見栄えを良くすることができる。
また、ボタンレンズ411の外周端から内側へ所定幅で全周に亘って不透明なボタンフレーム412を備えており、第一ボタン装飾部411a及び第二ボタン装飾部411bと協働して、遊技者側から操作ボタン410におけるボタンベース413の本体部413aと操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間を見え難くすることができるため、本体部413aと操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間を大きくすることが可能となり、その分、操作ボタン410や扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470が動くスペースを確保し易くすることができ、それらを良好に可動させることができる。
更に、ボタンレンズ411の外周を円筒状としているため、多角形状とした場合と比較して、外周に方向性が無くなることから操作ボタン410をスムーズに可動させ易くすることができる。従って、操作ボタン410を大型化しても問題なく押圧操作することができ、遊技者に対して操作ボタン410を用いる遊技者参加型演出を確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410を大型化していることから、遊技者に対して操作ボタン410を操作させる遊技者参加型演出を実行した時に、操作ボタン410の位置を確認しながら操作しなくても容易に操作ボタン410に触れて押圧操作させ易くすることができるため、遊技者に対して操作ボタン410を用いた遊技者参加型演出に参加させ易くすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、操作ボタン410内に扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を備えているため、遊技状態に応じて演出画像を提示することで、遊技者の関心を操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)に強く引付けさせることができ、扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)による演出を楽しませることができると共に、扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)による演出画像や発光演出等により遊技者に対して操作ボタン410の操作を促すことができ、遊技者参加型演出に遊技者を積極的に参加させて楽しませることで興趣の低下を抑制させることができる。また、操作ボタン410内で演出が実行されることで、遊技者によっては何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、大型の操作ボタン410の透明なボタンレンズ411(第一ボタン装飾部411aよりも内側の部位)を通して扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を視認することができるため、遊技者に対して本パチンコ機1の操作ボタン410が、従来のパチンコ機の操作ボタンとは明らかに異なるものであることを即座に認識させることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、遊技者の操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を用いた演出に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施形態では、操作ボタン410におけるボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周側となる部位に第一ボタン装飾部411aを形成したものを示したが、これに限定するものではなく、第一ボタン装飾部411aが形成されていないボタンレンズ411しても良い。
また、上記の実施形態では、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の外周縁に不透明なボタンフレーム412を取付けたものを示したが、これに限定するものではなく、ボタンフレーム412を取付けずに、ボタンレンズ411におけるボタンフレーム412と対応する部位に、全周に亘って後側を隠すための装飾部を形成するようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、操作ボタン410において、ボタンレンズ411の外周縁から操作ボタン内装飾部材432や扉枠側第二演出表示装置460Aの外周の全周を囲むようにベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ筒状に突出したボタンベース413(本体部413a)を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、操作ボタン内装飾部材432や扉枠側第二演出表示装置460Aの外周の全周に対して一部のみ囲むように少なくとも一つベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ突出したものであっても良い。このボタンベース413の形状としては、ボタンレンズ411の外周に沿った形状としても良いし、ボタンレンズ411の外周に沿っていない形状としても良い。ボタンベース413は、少なくとも内壁側に装飾(シールの貼付けや印刷等による平面的な装飾、レリーフ等の凹凸による立体的な装飾)を有していても良い。更に、ボタンベース413は、透光性であっても良いし、不透光性であっても良い。また、ボタンベース413は、有色であっても良いし、無色透明であっても良い。また、ボタンベース413を透明とした場合、内壁側又は外壁側の少なくとも一方に、シボ、スリット、プリズム、等の光拡散加工を施すことが望ましい。
また、上記の実施形態では、下皿322が、皿ユニットカバー326の前面における演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の左外側の部位からのみ後方へ窪んだ例を示したが、これに限定するものではなく、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の左右両側から後方へ窪み、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方において互いに繋がっているような下皿322としても良いし、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の右外側の部位からのみ後方へ窪み、一部が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込んでいるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、皿ユニットカバー326の前面における下皿322が後方へ窪んでいる部位(皿前下装飾部326c)の形状(下皿322の前端の形状)を、後方へ湾曲面状に凹んだ例を示したが、これに限定するものではなく、多角柱面状、或いは、多面体状に凹んだ前面としても良い。
また、上記の実施形態では、皿ユニットカバー326の前面に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けた例を示したが、これに限定するものではなく、「操作ダイヤル、タッチパネル等の操作装置を備えたもの」、「表面に装飾を有した回転体を備えたもの」、「装飾を有した装飾体と、装飾体を可動させる可動装置と、を備えたもの」、「遊技機のコンセプトに沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴ、及びシーン(ジオラマ)等を立体的に模した装飾体を備えたもの」、「遊技機のコンセプトに沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴや、所定の模様、等の装飾がシールや印刷等によって施されたもの」、等を備えたユニット或いはパネル等の部材を取付けても良い。また、取付空間326j(演出操作ユニット取付部326a)に取付けられる部材は、一つである必要はなく、複数(二つ以上)の部材を取付けても良い。例えば、取付空間326jの上半分に取付けられる部材と、取付空間326jの下半分に取付けられる部材とのように、別々の部材を取付けるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、皿ユニットカバー326に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けるための前方へ開口した演出操作ユニット取付部326aを形成したものを示したが、これに限定するものではなく、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けるための開口(演出操作ユニット取付部326a)を有していない皿ユニットカバー(例えば、パネル状のカバー部)とし、皿ユニットカバーの後方に、取付空間326j(或いは、取付空間326jの残りの空間)に相当する空間を形成する構成としても良い。なお、このような皿ユニットカバーの前面には、遊技機のコンセプトに沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴ、所定の模様、等の装飾を、シール、印刷、装飾部材の取付け、等によって施すことが望ましい。
更に、上記の実施形態では、下皿322の平面視における遊技球の貯留領域(貯留面積)の半分よりも若干大きい領域を、被覆部としての演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)により前方から視認困難に被覆する例を示したが、これに限定するものではなく、下皿322における遊技球の貯留領域の半分以下の領域を前方から視認困難とするようにしても良いし、下皿322の全体を前方から視認困難とするようにしても良い。
また、上記の実施形態では、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b、及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を、周方向に対して部分的に備えた円弧状のものを示したが、これに限定するものではなく、第二ボタン装飾部411bやフレームサイドレンズ417が全周に亘って延びた円環状のものとしても良い。
また、上記の実施形態では、演出操作ユニット400における操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gとして、中央を中心とした同心円状の複数の多角形を有した装飾を示したが、これに限定するものではなく、第二ボタン内装飾部432gとして、中央を中心とした同心円状の複数の円形(楕円形を含む)を有した装飾としても良い。
更に、上記の実施形態では、操作ボタン410の透明なボタンレンズ411(前部材)を通して、後側に配置された操作ボタン内装飾部材432や扉枠側演出表示装置460、扉枠側第二演出表示装置460A等の後部材が常に視認できるようにしたものを示したが、これに限定するものではなく、前後(又は上下)に配置された、前部材及び後部材の少なくとも一方を、所定条件の充足により後側が視認可能となる可変光透過手段を有した構成としても良い。ここで、可変光透過手段としては、「マジックミラーのように、前側と後側の明るさの違いにより後側が視認可能となるもの」、「液晶フィルムのように、電源のON/OFFにより透明となったり不透明となったりして後側が視認可能となるもの」、等が挙げられる。なお、前部材と後部材とは、相対的に移動可能としても良いし、相対的に移動できないようにしても良い。
前部材及び後部材の少なくとも一方に可変光透過手段を有するようにすることで、通常の状態では、前部材のみが、或いは、前部材と後部材とが、視認可能な状態となっており、視認可能な部材の装飾を遊技者に見せることができる。そして、特別な状態では、所定条件を充足させることで、通常の状態では見えなかった後側の部材(後部材、或いは、後部材の後側に配置されている部材)が見えることで、前部材と後部材が、或いは、前部材と後部材と後部材の後側の部材とが、重なった装飾を見せることができる。従って、前部材と後部材とを用いて様々な装飾(装飾演出)を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
具体的に詳述すると、例えば、前部材にマジックミラーのような可変光透過手段を有するようにした場合、通常の状態では、前部材の後側を暗くすることで、前部材の装飾のみを遊技者に視認させることができる。そして、前部材と後部材との間、或いは、後部材の後側、をLED等の発光部の光により明るくすると、前部材における可変光透過手段の充足条件が満たされて、前部材を通して後部材が視認できるようになり、前部材の装飾と後部材の装飾とが重なった装飾を遊技者に見せることができる。
或いは、前部材を透明とし、後部材にマジックミラーのような可変光透過手段を有するようにした場合、通常の状態では、前部材を通して後部材の表面が見えるため、前部材の装飾と後部材の表面とによる装飾を遊技者に見せることができる。そして、後部材の後側を、LED等の発光部の光により明るくすると、後部材における可変光透過手段の充足条件が満たされて、後部材を通して後側が視認できるようになり、前部材及び後部材を通して、後部材の後側の部材(例えば、表示装置、キャラクタ等の装飾体)を遊技者に見せることができる。
更には、前部材と後部材の両方に、マジックミラーのような可変光透過手段を有するようにした場合、通常の状態では、前部材の装飾のみを遊技者に見せることができ、前部材と後部材との間を、LED等の発光部の光により明るくすると、前部材における可変光透過手段の充足条件が満たされて、前部材を通して後部材の表面が視認できるようになり、前部材と後部材とによる装飾を遊技者に見せることができる。一方、後部材の後側を、LED等の発光部の光により明るくする(或いは、前部材と後部材との間と後部材の後側とを同時に、LED等の発光部の光により明るくする)と、前部材及び後部材における夫々の可変光透過手段の充足条件が夫々満たされて、前部材及び後部材を通して、後部材の後側の部材(例えば、表示装置、キャラクタ等の装飾体)を遊技者に見せることができる。これにより、発光部の光により明るくする部位を適宜選択することで、視認可能となる範囲を多段階に変化させることができ、多彩な装飾を遊技者に楽しませることができる。
なお、上記の具体例では、可変光透過手段を、マジックミラーのようなものとしていることから、後側を暗くしている状態では、鏡のように見えるため、前部材や後部材の表面においてキラキラした装飾を遊技者に見せることができる。
また、上記の具体例では、可変光透過手段を、マジックミラーのようなものとして説明したが、液晶フィルムのようなものとした場合でも、同様の作用効果を奏することができる。また、液晶フィルムのようなものを可変光透過手段とした場合、不透明な状態でも光を透過させることができる(透光性を有している)ため、前部材と後部材との間や後部材の後側を、LED等の発光部の光により明るくさせる(又は、発光装飾させる)ことができるようにすれば、より多彩な発光演出や装飾演出等の演出を遊技者に見せることができる。
[7.主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図69〜図74を参照して説明する。図69は主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図であり、図70は図69のつづきを示すブロック図であり、図71は主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図であり、図72は図69のつづきを示すブロック図であり、図73は周辺制御MPUの概略を示すブロック図であり、図74は液晶表示制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。
パチンコ機1は、その制御構成として、図69に示すように、制御用電源(例えば、+5Vなど)の生成処理のほか、賞球の払出しを含めた遊技に関する制御を行う第1制御部MCGと、該第1制御部MCGによって進行される遊技に関する演出を行う第2制御部SCGとを備えている。
より具体的には、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、複数の基板を用意することにより各種制御が分担される構造を採用しており、上記第1制御部MCGとして、主制御基板1310、払出制御基板951、及び電源基板931を備えており、上記第2制御部SCGとして、周辺制御基板1510を備えている。以下、この実施の形態にかかるパチンコ機1の制御構成を説明するにあたり、まず、主制御基板1310、払出制御基板951、電源基板931の順に上記第1制御部MCGについて説明し、その後、上記第2制御部SCG(周辺制御基板1510)について説明する。
[7−1.主制御基板]
上記第1制御部MCGのうち、遊技の進行を制御する主制御基板1310は、図69に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどの各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための主制御出力回路1310cと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路1310dと、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する停電監視回路1310eと、を主として備えている。
主制御MPU1310aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ1310af(以下、「主制御内蔵WDT1310af」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU1310aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路1310an(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路1310an」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されておらず(つまり、初期値が固定されておらず)、主制御MPU1310aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(後述する主制御水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路1310anが繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路1310bは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路1310cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き主制御出力回路1310caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし主制御出力回路1310cbと、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路1310caは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路1310caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし主制御出力回路1310cbは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路1310cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
図60に示した、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ4002、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ4004、及び一般入賞口2001に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ4020からの検出信号や停電監視回路1310eからの信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。また、図60に示した、ゲート部2003を通過した遊技球を検出するゲートセンサ4003、大入賞口2005に入球した遊技球を検出するカウントセンサ4005、及び図9に示した裏ユニット3000に取り付けられて磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出センサ4024からの検出信号は、遊技盤5に取り付けられたパネル中継基板4161、そして主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU1310aは、これらの各スイッチからの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから主制御ソレノイド駆動回路1310dに制御信号を出力し、主制御ソレノイド駆動回路1310dからパネル中継基板4161を介して始動口ソレノイド2107及びアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caからパネル中継基板4161、そして機能表示ユニット1400を介して第一特別図柄表示器1403、第二特別図柄表示器1405、第一特別保留数表示器1404、第二特別保留数表示器1406、普通図柄表示器1402、状態表示器1401、及びラウンド表示器1407に駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから払出制御基板951に遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから停電監視回路1310eに信号(停電クリア信号)を出力したりする。
なお、本実施形態において、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、ゲートセンサ4003、及びカウントセンサ4005には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ4020,4020には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球するし、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ4003による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ4003には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントセンサ4005による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントセンサ4005にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2001,2201には、一般入賞口センサ4020,4020による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ4020,4020には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路1310cbに払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板951に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。払出制御基板951は、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板1310に出力する。この信号(払主ACK信号)が主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、払出制御基板951からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路1310bで受信することにより、主制御入力回路1310bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力し、リセット機能付き主制御出力回路1310caから払出制御基板951に信号(主払ACK信号)を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路1310cbに遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路1310cbから周辺制御基板1510に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
ここで、周辺制御基板1510へ各種コマンドをシリアルデータとして送信する主周シリアル送信ポートについて簡単に説明する。主制御MPU1310aは、主制御CPUコア1310aaを中心として構成されており、主制御内蔵RAMのほかに、主制御各種シリアルI/Oポートの1つである主周シリアル送信ポート1310ae等がバス1310ahを介して回路接続されている(図79を参照)。主周シリアル送信ポート1310aeは、周辺制御基板1510へ各種コマンドを主周シリアルデータとして送信するものであり、送信シフトレジスタ1310aea、送信バッファレジスタ1310aeb、シリアル管理部1310aec等を主として構成されている(図79を参照)。主制御CPUコア1310aaは、コマンドを送信バッファレジスタ1310aebにセットして送信開始信号をシリアル管理部1310aecに出力すると、このシリアル管理部1310aecが送信バッファレジスタ1310aebにセットされたコマンドを送信バッファレジスタ1310aebから送信シフトレジスタ1310aeaに転送して主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信開始する。本実施形態では、送信バッファレジスタ1310aebの記憶容量として32バイトを有している。主制御CPUコア1310aaは、送信バッファレジスタ1310aebに複数のコマンドをセットした後にシリアル管理部1310aecに送信開始信号を出力することによって複数のコマンドを連続的に周辺制御基板1510に送信している。
なお、主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板931は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図75を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU1310aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に後述する払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されると、操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)が払出制御基板951から出力され、主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、主制御MPU1310aによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[7−2.払出制御基板]
上記第1制御部MCGのうち、遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板951は、図70に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部952と、各種機能を兼用する操作スイッチ954と、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器860bと、を備えている。また、RAMクリアスイッチとしての機能を兼ね備える操作スイッチ954は、操作されることによって出力された検出信号に基づいて、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号を出力する。
[7−2−1.払出制御部]
払い出しに関する各種制御を行う払出制御部952は、図70に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技媒体の払出動作を制御する払出制御プログラムを含む各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU952aと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路952bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路952cと、払出装置830の払出モータ834に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路952dと、CRユニット6との各種信号をやり取りするためのCRユニット入出力回路952eと、を備えている。払出制御MPU952aには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御によって、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドをそれぞれ払出制御入力回路952bを介して主払シリアルデータ受信信号としてシリアル方式でシリアルデータを受信する。また、払出制御プログラムは、遊技球の払出動作にエラーが発生したことを契機として枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)を生成したり、エラー解除部としての操作スイッチ954の操作信号(検出信号)に基づいて16ビット(2バイト)のエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)を作成し、これらエラー発生コマンド及びエラー解除ナビコマンドをそれぞれ、払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式のシリアルデータとして、払出制御I/Oポート952bを介して主制御基板1310の受信ポートに対して出力する(コマンド送信手段)。また、この払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、即ち、払出制御部メイン処理が実行されたり払出制御部タイマ割り込み処理が実行されて払出制御が開始された後に、その払出動作に関してエラーが発生した場合、操作スイッチ954の操作に伴って発生した検出信号に基づいて当該エラーを解除するとともに当該エラーに応じた警告情報の出力などを停止させる(エラー解除制御手段)。
また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその開放操作に伴う検出信号(扉枠開放検出信号)が入力されると扉枠開放コマンドの(第1の扉開放コマンド)を出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその開放操作に伴う検出信号(本体枠開放検出信号)が入力されると本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を出力する。一方、また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその閉鎖操作に伴う検出信号(扉枠閉鎖検出信号)が入力されると扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)のを出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその閉鎖操作に伴う検出信号(本体枠閉鎖検出信号)が入力されると本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を出力する。
払出制御入力回路952bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路952bは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、払出制御入力回路952bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路952cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路952caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路952cbと、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路952caは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路952caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路952cbは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路952cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出ユニット800の球誘導ユニット820の供給通路内の遊技球の球切れを検知する球切れ検知センサ827、及び払出装置830の払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842、払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840からの検出信号は、払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。なお、後述の説明上、羽根回転検知センサ840を、この明細書において単に回転検知センサ840ということにする。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、図1に示したファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ279からの検出信号は、まずハンドル中継端子板315、電源基板931、そして払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU952aは、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを、払出制御入力回路952bを介して、そのシリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式で受信したり、操作スイッチ954の操作信号(検出信号)を払出制御入力回路952bを介して主制御基板1310に対して出力する。払出制御MPU952aは、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから主制御基板1310に信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU952aは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路952cbに送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
主制御基板1310は、払出制御基板951からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板951に出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU952aは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出モータ834を駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号を払出モータ駆動回路952dに出力し、払出モータ駆動回路952dから駆動信号を払出モータ834に出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器860bに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したりする。
エラーLED表示器860bは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器860bが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れ検知センサ827からの検出信号に基づいて払出装置830の供給通路内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転検知センサ840からの検出信号に基づいて払出装置830の供給通路と連通する振分空間の入り口において払出回転体と遊技球とがその入り口近傍でかみ合って払出回転体が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「払出検知センサエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ842からの検出信号に基づいて払出検知センサ842に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ279からの検出信号に基づいてファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板951からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
また、払出制御MPU952aは、その所定の出力ポートの出力端子から、実際に払い出した遊技球の球数等をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから図示しない抵抗を介して外部端子板784に実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板951は、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板784に出力している。外部端子板784は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに遊技球の球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容或いはエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。
外部端子板784とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ機1の外部端子板784を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ機1の外部端子板784を経由して遊技を進行する主制御基板1310や払出等を制御する払出制御基板951に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数等やパチンコ機1の遊技情報を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
球貸ボタン328からの遊技球の球貸要求信号、及び返却ボタン329からのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主扉中継端子板880、そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板951にシリアル方式で送信し、この信号がCRユニット入出力回路952eを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を球貸返却表示部330に表示するための信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が球貸返却表示部330に入力されるようになっている。また、球貸返却表示部330に隣接するCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの供給電圧が遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されるようになっている。
なお、払出制御基板951に各種電圧を供給する電源基板931は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板951に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図75を参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU952aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶することができるようになっている。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ954が操作されると、その操作信号が払出制御入力回路952bを介して、払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、払出制御MPU952aは払出制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号として判断し、これを契機として、払出制御MPU952aによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし払出制御出力回路952cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に出力されるようにもなっている。
[7−2−2.遊技球等貸出装置接続端子板との各種信号のやり取り]
ここで、払出制御部952とCRユニット6とにおける各種信号のやり取り、及びCRユニット6と度数表示板365とにおける各種信号のやり取りについて、図71に基づいて説明する。遊技球等貸出装置接続端子板869は、図71に示すように、CRユニット6と払出制御基板951との基板間の電気的な接続を中継するほかに、CRユニット6と度数表示板365との基板間の電気的な接続も中継している(正確には、遊技球等貸出装置接続端子板869は、主扉中継端子板880を介して度数表示板365と電気的に接続されており、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続され、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880とが電気的に接続され、そして主扉中継端子板880と度数表示板365とが電気的に接続されている)。CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と払出制御基板951との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880との基板間、及び遊技球等貸出装置接続端子板869と度数表示板365との基板間は、各配線(ハーネス)によって電気的にそれぞれ接続されている。また、電源基板931からの後述するAC24Vが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に供給されている。CRユニット6は、この供給されたAC24Vから所定電圧VL(本実施形態では、直流+12V(DC+12V、以下「+12V」記載する。))を、内蔵する図示しない電圧作成回路により作成してグランドLGとともに、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板951に供給する一方、遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して度数表示板365に供給している。
度数表示板365は、その部品面に、の球貸ボタン328と対応する位置に押ボタンスイッチである球貸ボタン328が実装され、貸球ユニット360の返却ボタン329と対応する位置に押ボタンスイッチである返却ボタン329が実装され、貸球ユニット360の貸出残表示部363と対応する位置にセグメント表示器である球貸返却表示部330が実装されている。
球貸ボタン328及び返却ボタン329は、CRユニット6からのグランドLGが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して電気的に接続されている。球貸ボタン328は、球貸ボタン328が押圧操作されると、球貸ボタン328のスイッチが入り(ONし)、球貸ボタン328からの球貸操作信号TDSが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。返却ボタン329は、返却ボタン329が押圧操作されると、返却ボタン329のスイッチが入り(ONし)、返却ボタン329からの返却操作信号RESが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。
球貸返却表示部330は、セグメント表示器が3個一列に並設されたものであり、これら3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器ずつ順次駆動する、いわゆるダイナミック点灯方式によって3桁のセグメント表示器が点灯制御されるようになっている。このような点灯制御によって、球貸返却表示部330は、CRユニット6に挿入されたプリペイドカードの残額を表示したり、CRユニット6のエラーを表示したりする。球貸返却表示部330は、3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器を指定するためのデジット信号DG0〜DG2(計3本の信号)と、この指定した1桁のセグメント表示器を点灯させて表示させる内容を指定するためのセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−G(計7本の信号)と、がCRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されると、この入力された、デジット信号DG0〜DG2及びセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gに従って1桁のセグメント表示器が順次発光され、これらの3桁のセグメント表示器の発光による内容が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。
なお、球貸返却表示部330に隣接してCRユニットランプ365dが度数表示板365に実装されている。このCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの所定電圧VLが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されている。所定電圧VLは、CRユニットランプ365dを介して遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸可能信号TDLとしてCRユニット6に入力されている。CRユニット6は、内蔵する電圧作成回路で電源基板931から供給されたAC24Vから所定電圧VLを作成しており、球貸ボタン328及び返却ボタン329が有効である球貸可能な状態である場合には球貸可能信号TDLの論理を制御してCRユニットランプ365dを発光させ、この発光が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。また、セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gは、遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸返却表示部330に入力されている。
CRユニット6は、球貸ボタン328が押圧操作されて球貸ボタン328からの球貸操作信号TDSが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、貸球要求信号であるBRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力するようになっている。そしてCRユニット6は、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力するようになっている。BRDY及びBRQが入力される払出制御基板951(払出制御MPU952a)は、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるための信号であるEXSを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したり、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるための信号であるPRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したりする。なお、例えば、球貸ボタン328が押圧操作されると、200円分の遊技球が払い出されるように、ホールの店員等がCRユニット6に予め設定している場合には、1回の払出動作が連続して2回行われるようになっており、100円分の25球が払い出されると、続けて100円分の25球が払い出され、計200円分の50球が払い出されることとなる。
CRユニット6は、返却ボタン329が押圧操作されて返却ボタン329からの返却操作信号RESが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、プリペイドカードを図示しない挿入口から排出して返却するようになっている。この返却されたプリペイドカードは、球貸ボタン328が押圧操作された結果、払い出された遊技球の球数に相当する金額が減算された残額が記憶されている。
[7−3.電源基板931]
次に、上記第1制御部MCGのうち、電源基板931について簡単に説明する。電源基板931は、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を電気的に接続したり、電気的に遮断したりすることができる電源スイッチ934と、各種電源を生成する電源制御部935と、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド682による発射制御及び図1に示した球送りユニット250の球送ソレノイド255による球送制御を行う発射制御部953と、を備えている。
[7−3−1.電源制御部]
電源制御部935は、電源スイッチ934が操作されてパチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)を整流する同期整流回路935aと、同期整流回路935aで整流された電力の力率を改善する力率改善回路935bと、力率改善回路935bで力率が改善された電力を平滑化する平滑化回路935cと、平滑化回路935cで平滑化された電力から各種基板に供給するための各種直流電源を作成する電源作成回路935dと、を備えている。
[7−3−2.発射制御部]
発射ソレノイド682による発射制御と、球送ソレノイド255による球送制御と、を行う発射制御部953は、発射制御回路953aを主として構成されている。発射制御回路953aは、ハンドル302の回転位置に応じて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す強度(発射強度)を電気的に調節するハンドル回転検知センサ307からの操作信号と、ハンドル302に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ310からの検出信号と、遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)を強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ312からの検出信号と、がハンドル中継端子板315を介して、入力されている。また、発射制御回路953aは、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続されると、その旨を伝えるCR接続信号が払出制御基板951を介して入力されている。
発射制御回路953aは、ハンドル回転検知センサ307からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド682に出力する制御を行っている一方、ハンドル中継端子板315を介して球送ソレノイド255に一定電流を出力することにより球送りユニット250の球送部材が皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行っている。
[7−4.周辺制御基板]
こうした第1制御部MCGに対し、上記第2制御部SCGのうちの周辺制御基板1510では、図72に示すように、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて演出制御を行い、かつ、図19に示す扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う演出表示駆動基板4450と制御コマンドや各種情報(各種データ)をやり取りする周辺制御部1511と、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行う一方、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音制御を行う液晶表示制御部1512と、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するリアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節する音量調整ボリューム1510aと、を備えている。
[7−4−1.周辺制御部]
演出制御を行う周辺制御部1511は、図72に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU1511aと、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに演出動作を制御するサブ制御プログラムなどの各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータを記憶する周辺制御ROM1511bと、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理をまたいで継続される各種情報(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に描画する画面を規定するスケジュールデータや各種LED等の発光態様を規定するスケジュールデータなどを管理するための情報など)を記憶する周辺制御RAM1511cと、日をまたいで継続される各種情報(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)を記憶する周辺制御SRAM1511dと、周辺制御MPU1511aが正常に動作しているか否かを監視するための周辺制御外部ウォッチドックタイマ1511e(以下、「周辺制御外部WDT1511e」と記載する。)と、を備えている。
周辺制御RAM1511cは、瞬停が発生して電力がすぐ復帰する程度の時間しか記憶された内容を保持することができず、電力が長時間遮断された状態(長時間の電断が発生した場合)ではその内容を失うのに対して、周辺制御SRAM1511dは、電源基板931に設けられた図示しない大容量の電解コンデンサ(以下、「SRAM用電解コンデンサ」と記載する。)によりバックアップ電源が供給されることにより、記憶された内容を50時間程度、保持することができるようになっている。電源基板931にSRAM用電解コンデンサが設けられることにより、遊技盤5をパチンコ機1から取り外した場合には、周辺制御SRAM1511dにバックアップ電源が供給されなくなるため、周辺制御SRAM1511dは、記憶された内容を保持することができなくなってその内容を失う。
周辺制御外部WDT1511eは、周辺制御MPU1511aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御MPU1511aは、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御外部WDT1511eのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御外部WDT1511eに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御MPU1511aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御外部WDT1511eに出力するときには、周辺制御外部WDT1511eのタイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御MPU1511aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310からの各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介してランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路を介してモータ駆動基板4180に送信したり、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データを枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したり、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データを枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したりする。
主制御基板1310からの各種コマンドは、図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、演出操作ユニット400に設けられた、ダイヤル操作部401の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチからの検出信号、及び押圧操作部405の操作を検出するための押圧検出スイッチからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板194に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された演出操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板882、枠周辺中継端子板868、そして周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aの演出操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチ(例えば、フォトセンサなど。)からの検出信号は、モータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された可動体検出データが遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU1511aは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの入出力を切り替えることにより周辺制御基板1510とモータ駆動基板4180との基板間における各種データのやり取りを行うようになっている。
なお、周辺制御MPU1511aは、ウォッチドックタイマを内蔵(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)しており、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDT1511eとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[7−4−1a.周辺制御MPU]
次に、マイクロコンピュータである周辺制御MPU1511aについて説明する。周辺制御MPU1511aは、図73に示すように、周辺制御CPUコア1511aaを中心として、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御DMA(Direct Memory Accessの略)コントローラ1511ac、周辺制御バスコントローラ1511ad、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御アナログ/デジタルコンバータ(以下、周辺制御A/Dコンバータと記載する)1511ak等から構成されている。
周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御DMAコントローラ1511acに対して、内部バス1511ahを介して、各種データを読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511akに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、各種データを読み書きする。
また、周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御ROM1511bに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして外部バス1511hを介して、各種データを読み込む一方、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511dに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして外部バス1511hを介して、各種データを読み書きする。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う専用のコントローラであり、DMA0〜DMA3という4つのチャンネルを有している。
具体的には、周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御MPU1511aに内蔵される周辺制御内蔵RAM1511abの記憶装置と、周辺制御MPU1511aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御内蔵RAM1511abの記憶装置に対して、内部バス1511ahを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び周辺バス1511aiを介して、読み書きする。
また、周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御MPU1511aに外付けされる、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御MPU1511aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び外部バス1511hを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び周辺バス1511aiを介して、読み書きする。
周辺制御バスコントローラ1511adは、内部バス1511ah、周辺バス1511ai、及び外部バス1511hをコントロールして周辺制御MPUコア1511aaの中央処理装置と、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の各種装置間において、各種データのやり取りを行う専用のコントローラである。
周辺制御各種シリアルI/Oポート1511aeは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポート、モータ駆動基板用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、主制御基板用シリアルI/Oポート、演出操作ユニット情報取得用シリアルI/Oポートを有している。
周辺制御内蔵ウォッチドックタイマ(周辺制御内蔵WDT)1511afは、周辺制御MPU1511aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御CPUコア1511aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせた場合には、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)にそのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御内蔵WDT1511afに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御CPUコア1511aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせて一定期間内にクリア信号を周辺制御内蔵WDT1511afに出力するときには、タイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号、扉側モータ駆動発光ラッチ信号等の各種ラッチ信号を出力するほかに、周辺制御外部WDT1511eにクリア信号を出力したり、遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチからの検出信号をモータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化して、このシリアル化された可動体検出データを遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御MPU1511aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートで受信するための可動体情報取得ラッチ信号を出力したりする。このLEDは、高輝度の白色LEDであり、大当り遊技状態の発生が確定している旨を伝えるための確定告知ランプとなっている。本実施形態では、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agとが電気的に直接接続された構成を採用することにより、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agとの経路を短くすることで遊技上重量な意味を持つLEDの点灯制御についてノイズ対策を講ずることができる。なお、LEDの点灯制御については、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理において実行されるようになっており、このLEDを除く他のLED等は、後述する周辺制御部定常処理において実行されるようになっている。
周辺制御A/Dコンバータ1511akは、音量調整ボリューム1510aと電気的に接続されており、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変し、つまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512(後述する音源内蔵VDP1512a)を制御して下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、本実施形態では、音楽や効果音のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりする等。)ための告知音も下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512(後述する音源内蔵VDP1512a)を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。
これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
[7−4−1b.周辺制御ROM]
周辺制御ROM1511bは、周辺制御部1511、液晶表示制御部1512、RTC制御部4165等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータを予め記憶されている。各種スケジュールデータには、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
なお、周辺制御ROM1511bに記憶されている各種制御プログラムは、周辺制御ROM1511bから直接読み出されて実行されるものもあれば、後述する周辺制御RAM1511cの各種制御プログラムコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されて実行されるものもある。また周辺制御ROM1511bに記憶されている、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータも、周辺制御ROM1511bから直接読み出されるものもあれば、後述する周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されるものもある。
また、周辺制御ROM1511bには、RTC制御部4165を制御する各種制御プログラムの1つとして、遊技盤側演出表示装置1600の使用時間に応じて遊技盤側演出表示装置1600の輝度を補正するための輝度補正プログラムが含まれている。この輝度補正プログラムは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側演出表示装置1600の経年変化にともなう輝度低下を補正するものであり、後述するRTC制御部4165の内蔵RAMから遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時、現在の日時、輝度設定情報等を取得して、この取得した輝度設定情報を補正情報に基づいて補正する。この補正情報は、周辺制御ROM1511bに予め記憶されている。輝度設定情報は、後述するように、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものであり、例えば、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。
[7−4−1c.周辺制御RAM]
周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cは、図73に示すように、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア1511caと、このバックアップ管理対象ワークエリア1511caに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccと、周辺制御ROM1511bに記憶されている各種制御プログラムがコピーされたものを専用に記憶する各種制御プログラムコピーエリア1511cdと、周辺制御ROM1511bに記憶されている、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータ等がコピーされたものを専用に記憶する各種制御データコピーエリア1511ceと、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっていないものを専用に記憶するバックアップ非管理対象ワークエリア1511cfと、が設けられている。
なお、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)には、バックアップ非管理対象ワークエリア1511cfに対して値0が強制的に書き込まれてゼロクリアされる一方、バックアップ管理対象ワークエリア1511ca、バックアップ第1エリア1511cb、及びバックアップ第2エリア1511ccについては、パチンコ機1の電源投入時に主制御基板1310からの電源投入時状態コマンド(図89を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図69に示した操作スイッチ954が操作された時における演出の開始を指示したりするものである)であるときにはゼロクリアされる。
バックアップ管理対象ワークエリア1511caは、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理において更新される各種情報である演出情報(1fr)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1fr)と、後述する1msタイマ割り込みが発生するごとに実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理において更新される各種情報である演出情報(1ms)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1ms)と、から構成されている。ここで、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア1511cbからバックアップ第2エリア1511ccに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(1fr)」は、後述するように、音源内蔵VDP1512aが1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力すると、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU1511aに出力するようになっているため、Vブランク信号が入力されるごとに、換言すると、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1fr)や後述する演出バックアップ情報(1fr)についても、同一の意味で用いる)。「(1ms)」は、後述するように、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1ms)や後述する演出バックアップ情報(1ms)についても、同一の意味で用いる)。
Bank0(1fr)には、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cab、受信コマンド記憶領域1511cac、RTC情報取得記憶領域1511cad、及びスケジュールデータ記憶領域1511cae等が設けられている。ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaには、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがセットされる記憶領域であり、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabには、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATがセットされる記憶領域であり、受信コマンド記憶領域1511cacには、主制御基板1310から送信される各種コマンドを受信してその受信した各種コマンドがセットされる記憶領域であり、RTC情報取得記憶領域1511cadには、RTC制御部4165(後述するRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aa)から取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、スケジュールデータ記憶領域1511caeには、主制御基板1310(主制御MPU1310a)から受信したコマンドに基づいて、この受信したコマンドと対応する各種スケジュールデータがセットされる記憶領域である。スケジュールデータ記憶領域1511caeには、周辺制御ROM1511bから各種制御データコピーエリア1511ceにコピーされた各種スケジュールデータが読み出されてセットされるものもあれば、周辺制御ROM1511bから各種スケジュールデータが直接読み出されてセットされるものもある。
Bank0(1ms)には、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cag、可動体情報取得記憶領域1511cah、及び演出操作ユニット情報取得記憶領域1511cai、及び描画状態情報取得記憶領域1511cak等が設けられている。枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafには、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされる記憶領域であり、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagには、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる記憶領域であり、可動体情報取得記憶領域1511cahには、遊技盤5に設けた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiには、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部401の回転(回転方向)及び押圧操作部405の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる記憶領域であり、描画状態情報取得記憶領域1511cakには、演出表示駆動基板4450が周辺制御基板1510の音源内蔵VDP1512aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する後述するLOCKN信号に基づいて周辺制御基板1510と演出表示駆動基板4450との接続間における不具合の頻度や不具合の発生状態を取得した各種情報がセットされる記憶領域である。
なお、Bank0(1fr)のランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa及び枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabと、Bank0(1ms)の枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf及びモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagとは、第1領域及び第2領域という2つの領域にそれぞれ分割されている。
ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaは、後述する周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域に、遊技盤側発光データSL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域、第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理においてランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域にセットした遊技盤側発光データSL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabは、周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域に、扉側発光データSTL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域、第2領域に扉側発光データSTL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理において枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域にセットした扉側発光データSTL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域に、扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域、第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理において枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域にセットした扉側モータ駆動データSTM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域に、遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域、第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理においてモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域にセットした遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア1511caに記憶されている各種情報である演出情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccについて説明する。バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccは、2つのバンクを1ペアとする2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア1511cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア1511ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア1511cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア1511ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
また、本実施形態では、通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるようになっているが、これらの周辺制御DMAコントローラ1511acによる高速コピーを実行するプログラムは共通化されている。つまり本実施形態では、演出情報(1fr)、演出情報(1ms)を、共通の管理手法(共通のプログラムの実行)で情報を管理している。
[7−4−1d.周辺制御SRAM]
周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御SRAM1511dは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア1511daと、このバックアップ管理対象ワークエリア1511daに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcと、が設けられている。なお、周辺制御SRAM1511dに記憶された内容は、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)に主制御基板1310からの電源投入時状態コマンド(図89を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図69に示した操作スイッチ954が操作された時における演出の開始を指示したりするものである)ときにおいても、ゼロクリアされない。この点については、上述した周辺制御RAM1511cのバックアップ管理対象ワークエリア1511ca、バックアップ第1エリア1511cb、及びバックアップ第2エリア1511ccがゼロクリアされる点と、全く異なる。また、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで、周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容(項目)ごとに(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴など。)クリアすることができる一方、周辺制御RAM1511cに記憶されている内容(項目)については、全く表示されず、設定モードにおいてクリアすることができないようになっている。この点についても、周辺制御RAM1511cと周辺制御SRAM1511dとで全く異なる。
バックアップ管理対象ワークエリア1511daは、日をまたいで継続される各種情報である演出情報(SRAM)(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(SRAM)から構成されている。ここで、Bank0(SRAM)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、上述したように、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア1511dbからバックアップ第2エリア1511dcに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(SRAM)」は、周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている各種情報がバックアップ対象となっていることから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(SRAM)や後述する演出バックアップ情報(SRAM)についても、同一の意味で用いる)。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア1511daに記憶されている各種情報である演出情報(SRAM)がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcについて説明する。バックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcは、2つのバンクを1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容である演出情報(SRAM)は、演出バックアップ情報(SRAM)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア1511dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア1511dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア1511dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア1511dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
[7−4−2.液晶表示制御部]
遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御と下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶表示制御部1512は、図72に示すように、音楽や効果音等の音制御を行うための音源が内蔵(以下、「内蔵音源」と記載する。)されるとともに遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行う音源内蔵VDP(Video Display Processorの略)1512aと、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示される画面の各種キャラクタデータに加えて音楽や効果音等の各種音データを記憶する液晶及び音制御ROM1512bと、シリアル化された音楽や効果音等をオーディオデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するオーディオデータ送信IC1512cと、扉枠側演出表示装置460へシリアル化された描画データを扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450へ向かって送信する扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データをプラス信号とマイナス信号とに差動化する差動化回路1512eと、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号のほかに、差動化回路1512eからの信号が入力されるとともに、差動化回路1512eからの信号が入力されているときには、この信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eからの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続する強制切替回路1512fと、を備えている。この液晶及び音制御ROM1512bには、後述する画面や画像の表示に用いるスプライトデータとして、例えばリング状表示物(環状の表示物)の表示に用いる環状画像データ、後述する操作メニュー背景画像の表示に用いる操作メニュー背景画像データ、後述する少なくとも1つの選択表示物の表示に用いる選択表示物画像データ、後述するボリュームスケールを含む音量調整画面の表示に用いる音調調整背景画像データ、後述する音量調整アイコンの表示に用いる音量設定アイコン画像データ等の他、遊技者から見て本体枠4の背面における各部位の位置が視認可能な本体枠背面画像の表示に用いる本体枠背面画像データ、サービスモード画面の表示に用いるサービスモード画面画像データ、休憩タイマー設定画面の表示に用いる休憩タイマー設定画面画像データ、及び、休憩中画面の表示に用いる休憩中画面画像データが格納されている。なお、液晶及び音制御ROM1512bは、演出操作ユニット400の押圧操作部405(操作部)を操作すべき旨を促すための示唆表示物の表示に用いる示唆表示物画像データをも格納している。
周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からのコマンドと対応する画面生成用スケジュールデータを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータの先頭の画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力した後に、後述するVブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って先頭の画面データに続く次の画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。このように、周辺制御MPU1511aは、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って、この画面生成用スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の画面データから1つずつ音源内蔵VDP1512aに出力する。
また、周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からのコマンドと対応する音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力した後に、Vブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って先頭の音指令データに続く次の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。このように、周辺制御MPU1511aは、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って、この音生成用スケジュールデータに時系列に配列された音指令データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の音指令データから1つずつ音源内蔵VDP1512aに出力する。
[7−4−2a.音源内蔵VDP]
音源内蔵VDP1512aは、上述した内蔵音源のほかに、周辺制御MPU1511aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、図74に示すように、液晶及び音制御ROM1512bから遊技盤側キャラクタデータ及び上皿側キャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成するためのVRAMも内蔵(以下、「内蔵VRAM」と記載する。)している。音源内蔵VDP1512aは、内蔵VRAM上に生成した描画データのうち、遊技盤側演出表示装置1600に対する描画データをチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する描画データをチャンネルCH2から、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して、扉枠側演出表示装置460に出力(送信)することで、遊技盤側演出表示装置1600と扉枠側演出表示装置460との同期化を図っている。
チャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるのに対して、チャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板1510から、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)される。このように、チャンネルCH1から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるため、周辺制御基板1510及び遊技盤側演出表示装置1600は遊技盤5にそれぞれ取り付けられていることによりチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600までの経路に要する配線の長さが短いものの、チャンネルCH2から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板1510から扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力されるため、周辺制御基板1510は遊技盤5に取り付けられているのに対して、演出表示駆動基板4450は扉枠3の皿ユニット320内に収納されていることによりチャンネルCH2から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして演出表示駆動基板4450までの経路に要する配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなることでノイズの影響を極めて受けやすくなる。このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。
チャンネルCH1は、LVDS(Low Voltage Differential
Signaling)というシリアル方式による差動インターフェースを使用しているのに対して、チャンネルCH2は、パラレル方式によるインターフェースを使用している。チャンネルCH2から出力される描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、扉枠側演出用トランスミッタIC4610dでシリアル化されて、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。そして、このシリアル化された各種信号は、演出表示駆動基板4450においてパラレル信号に復元されて扉枠側演出表示装置460に出力されるようになっている。
このように、周辺制御MPU1511aが遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力すると、音源内蔵VDP1512aは、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM1512bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成し、この生成した描画データうち、遊技盤側演出表示装置1600に対する画像データをチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)する。つまり、「1画面分(1フレーム分)の画面データ」とは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成するためのデータのことである。
また、音源内蔵VDP1512aは、1画面分(1フレーム分)の描画データを、チャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)すると、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU1511aに出力する。本実施形態では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が出力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号が入力されたことを契機として、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理を実行するようになっている。ここで、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の液晶サイズによって多少変化する。また、周辺制御MPU1511aと音源内蔵VDP1512aとが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合がある。
なお、音源内蔵VDP1512aは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の画面に描画する1画面分(1フレーム分)の描画データをフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持し、このフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持した1画面分(1フレーム分)の描画データを、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力する方式である。
また、音源内蔵VDP1512aは、主制御基板1310からのコマンドに基づいて周辺制御MPU1511aから上述した音指令データが入力されると、図74に示すように、液晶及び音制御ROM1512bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データをトラックに組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定して下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。
演出音のサブボリューム値は、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで後述する設定モードへ移行して調節することができるようになっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
ここで、演出音が下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
つまり、実際に、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるようになっている。
このように、演出音が下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音が下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過して下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
[7−4−2b.液晶及び音制御ROM]
液晶及び音制御ROM1512bは、図74に示すように、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に描画するための遊技盤側キャラクタデータと、扉枠側演出表示装置460の表示領域に描画するための上皿側キャラクタデータと、が予め記憶されるとともに、音楽、効果音、報知音、及び告知音等の各種の音データも予め記憶されている。
[7−4−2c.オーディオデータ送信IC]
オーディオデータ送信IC1512cは、音源内蔵VDP1512aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信するとともに、左側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信する。これにより、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されるようになっている。
なお、オーディオデータ送信IC1512cは、周辺制御基板1510から枠装飾駆動アンプ基板194に亘る基板間を、左右それぞれ差分方式のシリアルデータとしてオーディオデータを出力することにより、例えば、左側オーディオデータのプラス信号、マイナス信号にノイズの影響を受けても、プラス信号に乗ったノイズ成分と、マイナス信号に乗ったノイズ成分と、を枠装飾駆動アンプ基板194で合成して1つの左側オーディオデータにする際に、互いにキャンセルし合ってノイズ成分が除去されるようになっているため、ノイズ対策を講じることができる。
[7−4−2d.扉枠側演出用トランスミッタIC]
扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、図74に示すように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データが入力されている。チャンネルCH2は、上述したように、パラレル方式によるインターフェースが使用されている。描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビット、計24ビットで構成されている。本実施形態では、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットが扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力されている。下位2ビットは、人間の目にとって判別困難な極めて微弱な色情報であるため、音源内蔵VDP1512aから出力されているものの、微弱な色情報を含む下位2ビットを無効化している。
音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データである、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力されると、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、がザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化して差動1ペアケーブルのみでこれらの各種信号を、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信する。
上述したように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるため、チャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600までの経路(第1経路)に要する配線の長さが短いものの、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)されるため、チャンネルCH2から扉枠側演出表示装置460までの経路(第2経路)に要する配線の長さが第1経路に要する配線の長さより極めて長くなることによりノイズの影響を極めて受けやすくなる。
具体的には、図1に示した本体枠4に対して開閉自在に扉枠3が軸支されているため、本体枠4の開放側辺に沿って図5に示した施錠ユニット700の反対側である閉塞側に、例えば本体枠4に装着される遊技盤5に備える周辺制御基板1510から扉枠3に備える皿ユニット320に収納される演出表示駆動基板4450などの、本体枠4側に備える各種基板と扉枠3側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線を通す必要がある。ところが、本体枠4の閉塞側には、払出装置830のほかに、この払出装置830によって払出された遊技球を、皿ユニット320の上皿321へ誘導することができると共に上皿321が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿322側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770が配置されている。
また、本体枠4の下側には、パチンコ島設備から電源が供給される図6に示した電源基板931等を一纏めにしてユニット化した図5に示した払出ユニット800が配置されている。このように、本体枠4側に備える各種基板と扉枠3側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線は、払出装置830、満タン分岐ユニット770、電源基板931等の近傍に引き回されることとなり、払出装置830に備える払出モータ834が駆動されることによるノイズのほかに、遊技球による静電放電によるノイズやパチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等を受ける環境下にある。
このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。本実施形態では、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続するための配線として、上述したように、差動1ペアケーブルを用いているが、この差動1ペアケーブルは、2本の配線が単に平行に設けられる平行線ではなく、ツイストペアケーブルである。このツイストペアケーブルは、2本の配線を撚り合わせたケーブルであって、撚り対線とも呼ばれるものである。
ここで、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして平行線を採用した場合について簡単に説明する。描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとしても、このようなハードウェアによる構成だけでは、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、平行線におけるシリアルデータが影響を受けると、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されないため、シリアルデータが影響を受けた状態のまま扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されることとなり、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データが正規なものと異なる乱れたものとして扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信され、扉枠側演出表示装置460の表示領域では、いわゆる砂嵐のような画像が表示されて何の画像であるのかを全く認識することができなくなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。これにより、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、ツイストペアケーブルにおいてシリアルデータが影響を受けたとしても、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されるようになっているため、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データは、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で確実に受信されて扉枠側演出表示装置460に出力されることにより、扉枠側演出表示装置460において、液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aが生成した画像を確実に表示することができる。ノイズをキャンセル(除去)することにより、砂嵐のような何の画像であるのかを全く認識することができなくなるような画像が扉枠側演出表示装置460で表示されることを防止することができるため、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。したがって、ノイズの影響による遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間においては、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882が介在している。これは、本体枠4と扉枠3とが一体的に構成されるものではなく、別々に組み立てられたものを、本体枠4に扉枠3を取り付けるという構造を採用しているため、本体枠4に扉枠3を取り付ける作業のあとに、扉枠3側に備える各種基板からのハーネスやツイストケーブルなどの各種配線を本体枠4側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠4側に備える各種基板と、扉枠3側に備える各種基板と、を電気的に接続することができるようになっている。このような構成により、本体枠4から扉枠3を開放して各種配線を取り外す作業を行ったあとに、本体枠4から扉枠3を取り外すことで、本体枠4や扉枠3のメンテナンスを行うことができるし、扉枠3に生じた不具合が解消することができない場合には、この不具合のある扉枠3に替えて他の扉枠3’を本体枠4に取り付けて、扉枠3’側に備える各種基板からの各種配線を本体枠4側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠4側に備える各種基板と、扉枠3’側に備える各種基板と、を電気的に接続することができる。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。具体的には、周辺制御基板1510と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882と演出表示駆動基板4450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されている。これにより、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882とには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送するための映像伝送用配線パターンのほかに、電源用配線パターンやその他の各種信号を伝送するための各種信号用配線パターンと、が混在している。このため、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882には、電源用配線パターンや各種信号用配線パターンから所定寸法だけ離して上述した映像伝送用配線パターンがそれぞれ形成されている。トランスミッタからレシーバまでの経路には、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882という複数の中継端子板をまたぐこととなるため、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンの入出力間において、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送する信号の一部が反射されてノイズとなったり、その信号の出力レベルが低下するという問題が生ずる。そこで、本実施形態では、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンには、インピーダンス整合が施されている。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板1510と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882と演出表示駆動基板4450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されているが、ツイストペアケーブルのうち、一方の配線を赤色とし、他方の配線を灰色とするとともに、ハーネスのうち、電源を供給する配線を赤色とし、他の複数の配線を灰色としている。なお、電源を供給する配線を赤色とせず、黄色としてもよい。
[7−4−2e.強制切替回路、差動化回路]
扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号は、強制切替回路1512f、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信されるようになっている。この強制切替回路1512fには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号のほかに、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されて入力されている。この差動化回路1512eでは、LOCKN信号出力要求データをディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化している。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。周辺制御MPU1511aは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、LOCKN信号出力要求データを、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450(実際には、周辺制御基板1510に備える差動化回路1512e)に向かって送信する。
扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450は、周辺制御基板1510からのシリアル信号(シリアルデータ)を後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信すると、シリアル化された各種信号をパラレル信号に復元して扉枠側演出表示装置460に出力する液晶モジュール回路4450Vと、から主として構成されている。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、音源内蔵VDP1512aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝える後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。周辺制御MPU1511aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を伝えるための画像を音源内蔵VDP1512aを制御して生成して遊技盤側演出表示装置1600に出力することにより遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して報知する。
また、扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号がLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。これにより、周辺制御MPU1511aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に不具合が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御して遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御してオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより扉枠3に設けたスピーカから報知音が流れる。これにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示される報知画像と、扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯してもよい。
[7−4−3.RTC制御部]
年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するRTC制御部4165は、図72に示すように、RTC4165aを中心として構成されている。このRTC4165aには、カレンダー情報と時刻情報とが保持されるRAM4165aaが内蔵(以下、「RTC内蔵RAM4165aa」と記載する。)されている。RTC4165aは、駆動用電源及びRTC内蔵RAM4165aaのバックアップ用電源として電池4165b(本実施形態では、ボタン電池を採用している。)から電力が供給されるようになっている。つまりRTC4165aは、周辺制御基板1510(パチンコ機1)からの電力が全く供給されずに、周辺制御基板1510(パチンコ機1)と独立して電池4165bから電力が供給されている。これにより、RTC4165aは、パチンコ機1の電力が遮断されても、電池4165bからの電力供給により、カレンダー情報や時刻情報を更新保持することができるようになっている。
周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、RTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報や時刻情報を取得して上述した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにセットし、この取得したカレンダー情報や時刻情報に基づく演出を遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げることができるようになっている。このような演出としては、例えば、12月25日であればクリスマスツリーやトナカイの画面が遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられたり、大晦日であれば新年カウントダウンを実行する画面が遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられたりする等を挙げることができる。カレンダー情報や時刻情報は、工場出荷時に設定される。
なお、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合にはLEDの輝度設定情報が記憶保持されている。周辺制御MPU1511aは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、RTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得してバックライトの輝度調整をPWM制御により行う。輝度設定情報は、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれている。
また、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報、時刻情報や輝度設定情報のほかに、カレンダー情報、時刻情報、及び輝度設定情報をRTC内蔵RAM4165aaに最初に記憶した年月日及び時分秒の情報として入力日時情報も記憶されている。
周辺制御MPU1511aは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトが冷陰極管タイプのものが装着されている場合には、バックライトのON/OFF制御もしくはONのみとするようになっている。
RTC内蔵RAM4165aaに記憶される、カレンダー情報、時刻情報、輝度設定情報、及び入力日時情報等の各種情報は、遊技機メーカの製造ラインにおいて設定される。製造ラインにおいては、例えば遊技盤側演出表示装置1600の表示テスト等の各種テストを行うため、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時として入力日時情報が製造ラインで入力された年月日及び時分秒である製造日時に設定される。
このように、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合における輝度設定情報、及び入力日時情報等、パチンコ機1の機種情報(例えば、低確率や高確率における大当り遊技状態が発生する確率など)とは独立して維持が必要な情報を記憶保持することができるようになっている。
また、RTC内蔵RAM4165aaに記憶保持される輝度設定情報等は、パチンコ機1が設置されるホールの環境によっては製造日時に設定された遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度では明るすぎたり、暗すぎたりする場合もある。そこで、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行してバックライトの輝度を所定の輝度に調節することができるようになっている。パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することでカレンダー情報、時刻情報を再設定したり、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を所望の輝度に調節したりすることができる。この調節された遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの所望の輝度は、輝度設定情報に記憶されるLEDの輝度としてそれぞれ上書き(更新記憶)されるようになっている。
なお、設定モードでは、周辺制御MPU1511aは、上述した輝度補正プログラムを実行することにより、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側演出表示装置1600の経年変化にともなう輝度低下を補正する。周辺制御MPU1511aは、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、入力日時情報を取得して遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時を特定し、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定し、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度とを有する輝度設定情報を取得する。この取得した輝度設定情報を周辺制御ROM1511bに予め記憶されている補正情報に基づいて補正する。
例えば、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。
なお、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、直接、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定してもいいし、後述する周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1002の現在時刻情報取得処理において周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにおける、カレンダー情報記憶部にセットされて周辺制御基板1510のシステムにより更新される現在のカレンダー情報と、時刻情報記憶部にセットされて周辺制御基板1510のシステムにより更新される現在の時刻情報と、を取得して現在の日時を特定してもいい。
[834.音量調整ボリューム]
音量調整ボリューム1510aは、上述したように、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節することができるようになっている。音量調整ボリューム1510aは、上述したように、そのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変するようになっており、電気的に接続された周辺制御A/Dコンバータ1511akがつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、上述したように、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512(音源内蔵VDP1512a)を制御して下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。また、本実施形態では、上述したように、音楽や効果音のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したり等。)ための告知音も下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512(音源内蔵VDP1512a)を制御して調整することができるようになっている。
このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
なお、本実施形態では、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節するようになっていることに加えて、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して音楽や効果音の音量を調節することができるようになっている。パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができる。具体的には、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、周辺制御A/Dコンバータ1511akがアナログ値からデジタル値に変換して、この変換した値に対して、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることができるようになっている。この調節された音量は、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックのうち、音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した報知音や告知音の音量に調節に反映されないようになっている。
このように、本実施形態では、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、の2つの方法がある。音量調整ボリューム1510aは、周辺制御基板1510に実装されているため、本体枠4を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することができるのは、ホールの店員となる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。そこで、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したり、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したりした場合には、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示され、この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
また、本実施形態では、パチンコ機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回)、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を直接回動操作して調節した音量となるようになっている。これにより、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
[8.電源システム]
次に、パチンコ機1の電源システムについて、図75及び図76を参照して説明する。図75はパチンコ機の電源システムを示すブロック図であり、図76は図75のつづきを示すブロック図である。まず、電源基板931について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。なお、各種基板のグランド(GND)や各種端子板のグランド(GND)は、電源基板931のグランド(GND)と電気的に接続されており、同一グランド(GND)となっている。
[8−1.電源基板931]
電源基板931は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグがパチンコ島設備の電源コンセントに差し込まれている。電源スイッチ934を操作すると、パチンコ島設備から供給されている電力が電源基板931に供給され、パチンコ機1の電源投入を行うことができる。
電源基板931は、図75に示すように、電源制御部935、発射制御部953を備えている。電源制御部935は、パチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)から各種直流電圧を作成したり、主制御基板1310や払出制御基板951へのバックアップ電源を供給する回路であり、発射制御部953は、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド682や図1に示した球送りユニット250の球送ソレノイド255を駆動制御する回路である。
電源制御部935は、同期整流回路935a、力率改善回路935b、平滑化回路935c、電源作成回路935d、キャパシタBC0,BC1を備えている。パチンコ島設備から供給されているAC24Vは、電源基板931を介して遊技球等貸出装置接続端子板869に供給されるとともに、同期整流回路935aに供給されている。この同期整流回路935aは、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を整流して力率改善回路935bに供給している。この力率改善回路935bは、整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路935cに供給している。この平滑化回路935cは、供給される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて発射制御部953の発射制御回路953a及び電源作成回路935dにそれぞれ供給している。
キャパシタBC0は、主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給し、キャパシタBC1は、払出制御基板951における払出制御部952の払出制御MPU952aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給している。
発射制御部953の発射制御回路953aは、平滑化回路935cから供給される+37Vを駆動電源として、ハンドル302の回転位置に見合う打ち出し強度(発射強度)で遊技球を図1に示した遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド682に出力する制御を行う一方、球送りユニット250の球送ソレノイド255に一定電流を出力することにより球送りユニット250の球送部材が皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行う。
電源作成回路935dは、平滑化回路935cから供給される+37Vから直流+5V(DC+5V、以下、「+5V」と記載する。)、直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)、及び直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)をそれぞれ作成して払出制御基板951及び枠周辺中継端子板868にそれぞれ供給している。+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ライン、+12Vが印加されて供給される電源系統が+12V電源ライン、そして+24Vが印加されて供給される電源系統が+24V電源ラインとなる。
電源作成回路935dで作成される+5Vは、後述するように、払出制御基板951に供給されている。払出制御基板951に供給される+5Vは、払出制御フィルタ回路951aを介して払出制御MPU952aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。電源作成回路935dで作成される+12Vは、払出制御基板951を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gに供給されている。この+5V作成回路1310gは、払出制御基板951からの+12Vから主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを作成している。+5V作成回路1310gで作成される+5Vは、主制御フィルタ回路1310hを介して主制御MPU1310aの電源端子に供給されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAMの電源端子に供給されるようになっている。
電源基板931のキャパシタBC1のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC1のプラス端子は、払出制御基板951の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板951のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5Vは、払出制御MPU952aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC1は、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5Vが払出制御基板951、そして再び払出制御基板951から電源基板931に戻ってくるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源作成回路935dで作成される+5Vが払出制御基板951に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板951に供給されるようになっているため、払出制御MPU952aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU952aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板931のキャパシタBC0のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC0のプラス端子は、払出制御基板951を介して主制御基板1310の主制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板1310のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5V作成回路1310gで作成される+5Vは、主制御MPU1310aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5V作成回路1310gで作成される+5Vが主制御基板1310、そして払出制御基板951から電源基板931に供給されるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+12Vが払出制御基板951を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gに供給されなくなって+5V作成回路1310gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして、払出制御基板951を介して、主制御基板1310に供給されるようになっているため、主制御MPU1310aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU1310aが作動しないものの、主制御内蔵RAMの電源端子には主VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、主制御内蔵RAMに対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路は、上記ダイオードMD0と上記キャパシタBC0とによって構成されている。
[8−2.各制御基板等に供給される電圧]
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板に供給される電圧、そして主制御基板に供給される電圧について説明する。
電源基板931の電源作成回路935dで作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図75に示すように、払出制御基板951に供給され、これら3種類の電圧のうち、+12V及び+24Vという2種類の電圧は、払出制御基板951を介して主制御基板1310に供給されている。また電源基板931の電源作成回路935dで作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、枠周辺中継端子板868に供給されるとともに、この枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510及び周辺扉中継端子板882にそれぞれ供給されている。
周辺制御基板1510に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図76(a)に示すように、ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170a及びモータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aにそれぞれ供給されている。ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170aは、遊技盤5の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号を出力し、モータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aは、遊技盤5のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号を出力する。
周辺制御基板1510は、枠周辺中継端子板868から供給される+5Vから直流3.3V(DC+3.3V、以下、「+3.3V」と記載する。)を作成する+3.3V作成回路1510bを備えている。+3.3V作成回路1510bが作成する+3.3Vは、遊技盤側演出表示装置1600の液晶モジュール1600aに供給されている。また、周辺制御基板1510に供給される+12Vは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライト電源1600bに供給されている。
これに対して、周辺扉中継端子板882に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図76(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に供給されている。枠装飾駆動アンプ基板194は、周辺扉中継端子板882から供給される+12Vから直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成する+9V作成回路194aを備えている。+9V作成回路194aが作成する+9Vとともに、周辺扉中継端子板882から供給される+5V、+12V、及び+24Vという計4種類の電圧が扉枠3の各種装飾基板等に供給されている。
また、周辺扉中継端子板882に供給される+12Vは、上皿側液晶モジュール電源回路4450xに供給されている。上皿側液晶モジュール電源回路4450xは、+12Vから+3.3Vを作成している。上皿側液晶モジュール電源回路4450xが作成した+3.3Vは、図74に示した液晶モジュール回路4450Vを構成する各種電子部品にそれぞれ供給されているほかに、上皿側液晶モジュールバックライト電源回路4450yや扉枠側演出表示装置460にそれぞれ供給されている。上皿側液晶モジュールバックライト電源回路4450yが作成した電圧は、扉枠側演出表示装置460に供給されている。
[8−2−1.払出制御基板に供給される電圧]
払出制御基板951は、図75に示すように、払出制御MPU952a等のほかに、払出制御フィルタ回路951a等を備えている。この払出制御フィルタ回路951aは、電源基板931からの+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードPD0を介して電源基板931のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部952の払出制御MPU952a等に供給されている。電源基板931からの+12Vは、例えば、払出制御部952の払出制御入力回路952b等に供給されるとともに、払出制御基板951を介して、外部端子板784の外部通信回路784aに供給されている。この外部端子板784の外部通信回路784aは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を伝える信号を遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ出力する回路である。ホールコンピュータは、外部通信回路784aから出力される信号から、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。なお、電源基板931からの+24は、払出制御基板951において何ら使用されずに、払出制御基板951を介して、主制御基板1310に供給されている。
[8−2−2.主制御基板に供給される電圧]
主制御基板1310は、図75に示すように、主制御MPU1310a等のほかに、+5V作成回路1310g、主制御フィルタ回路1310h、停電監視回路1310e等を備えている。+5V作成回路1310gは、電源基板931からの+12Vが払出制御基板951を介して供給され、この+12Vから主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板1310において、+5V作成回路1310gが作成する+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ラインとなる。本実施形態では、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5V電源ラインと、主制御基板1310の+5V作成回路1310gで作成される+5V電源ラインと、が電気的に接続されることがないように回路構成されているため、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5V電源ラインが主制御基板1310の各種電子部品と電気的に接続されることがないし、主制御基板1310の+5V作成回路1310gで作成される+5V電源ラインが主制御基板1310を除く他の基板等の各種電子部品と電気的に接続されることもない。
主制御フィルタ回路1310hは、+5V作成回路1310gで作成される+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードMD0を介して電源基板931のキャパシタBC0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU1310a等に供給されている。払出制御基板951からの+12Vは、例えば、主制御入力回路1310b等に供給され、払出制御基板951からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路1310d等に供給されている。
停電監視回路1310eは、電源基板931からの+12V及び+24Vが払出制御基板951を介して供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU1310aに出力する。停電予告信号は、主制御基板1310、そして払出制御基板951の払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aに入力される。また、停電予告信号は、主制御基板1310を介して周辺制御基板1510に入力される。また、停電予告信号は、周辺制御基板1510、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、図76(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に入力されるとともに、この枠装飾駆動アンプ基板194を介して、扉枠の装飾基板等にそれぞれ入力されるようになっている。
本実施形態では、停電監視回路1310eは、+12V電源ラインと+24V電源ラインとの2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+24V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができる。
[9.主制御基板の回路]
次に、図69に示した主制御基板1310の回路等について、図77〜図79を参照して説明する。図77は主制御基板の回路を示す回路図であり、図78は停電監視回路を示す回路図であり、図79は主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路を示す回路図である。まず、図75に示した主制御フィルタ回路1310hについて説明し、続いて主制御基板1310で作成された電源、主制御システムリセット、主制御水晶発振器、主制御入力回路、停電監視回路、主制御MPUへの各種入出力信号、そして主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間の通信用インターフェース回路について説明する。
主制御基板1310は、図69及び図75に示した、主制御MPU1310a、主制御入力回路1310b、主制御出力回路1310c、主制御ソレノイド駆動回路1310d、停電監視回路1310e、+5V作成回路1310g、及び主制御フィルタ回路1310hのほかに、周辺回路として、図77に示すように、リセット信号を出力する主制御システムリセットMIC1、クロック信号を出力する主制御水晶発振器MX0(本実施形態では、24メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。
[9−1.主制御フィルタ回路]
主制御フィルタ回路1310hは、図77に示すように、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。この主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、その1番端子に、+5V作成回路1310gで作成される+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と接地され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5Vが出力されている。1番端子に印加される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサMC1及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、主制御システムリセットMIC1の電源端子、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。なお、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。
主制御MPU1310aのVDD端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU1310aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、主制御MPU1310aのVDD端子は、コンデンサMC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードMD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードMD0のカソード端子は、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC4の他端と電気的に接続されている。この主制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードMD0のカソード端子及びコンデンサMC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗MR0を介して、図75に示した電源基板931のキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、主制御フィルタ回路1310hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、主制御MPU1310aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して、主制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図75に示した電源基板931の電源作成回路935dで作成される+12Vが払出制御基板951を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gに供給されなくなって+5V作成回路1310gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板1310に供給されるようになっているため、主制御MPU1310aのVDD端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU1310aが作動しないものの、主制御内蔵RAMのVBB端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[9−2.主制御システムリセット]
主制御フィルタ回路1310hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図77に示すように、主制御システムリセットMIC1の電源端子に印加されている。主制御システムリセットMIC1は、主制御MPU1310a及びリセット機能付き主制御出力回路1310caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。主制御システムリセットMIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサMC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、主制御システムリセットMIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
主制御システムリセットMIC1の出力端子は、主制御MPU1310aのリセット端子であるSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサMC6によりリップルが除去されて平滑化されている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗MR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が主制御MPU1310aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が主制御MPU1310aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子にそれぞれ入力される。主制御MPU1310aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、主制御MPU1310a及びリセット機能付き主制御出力回路1310caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−3.主制御水晶発振器]
主制御フィルタ回路1310hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図77に示すように、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子に印加されている。このVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC8の他端と電気的に接続されており、VDD端子に入力される+5Vは、さらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VDD端子のほかに、出力周波数選択端子であるA端子、B端子、C端子及びST端子にもそれぞれ印加されている。主制御水晶発振器MX0は、これらのA端子、B端子、C端子及びST端子に+5Vがそれぞれ印加されることにより、24MHzのクロック信号を出力端子であるF端子から出力する。
主制御水晶発振器MX0のF端子は、主制御MPU1310aのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、24MHzのクロック信号が入力されている。なお、主制御水晶発振器MX0の接地端子であるGND端子はグランド(GND)と接地されており、主制御水晶発振器MX0のF端子の分周波を出力するD端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−4.主制御入力回路]
主制御入力回路1310bは、図69に示した、一般入賞口センサ4020,4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、磁気検出センサ4024、カウントセンサ4005、ゲートセンサ4003からの検出信号のほかに、図70に示した払出制御基板951に備える操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)等が入力される回路である。各スイッチからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路について説明する。
[9−4−1.操作スイッチからの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路]
まず、操作スイッチ954は、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板951の払出制御MPU952aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。主制御基板1310には、払出制御基板951が有するエラー解除を行う機能を有していないため、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ954からの操作信号が入力されると、主制御内蔵RAMをクリアするためのRAMクリア信号として判断して主制御内蔵RAMをクリアする処理を行う。
主制御基板1310には、操作スイッチ954が操作されていないときには払出制御基板951から論理がLOWとなった操作信号が入力される一方、操作スイッチ954が操作されているときには払出制御基板951から論理がHIとなった操作信号が払出制御基板951から入力されるようになっている(この点の詳細な説明について後述する)。
電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板951に備える操作スイッチ954からの操作信号を伝える伝送ラインは、図77に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR3を介してトランジスタMTR0のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のベース端子は、抵抗MR3と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR4の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR0のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR5の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC10(非反転バッファICMIC10は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC10A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。
払出制御基板951における操作スイッチ954からの操作信号を出力する回路は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、操作スイッチ954からの操作信号を伝える伝送ラインがプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。主制御基板1310は、操作スイッチ954が操作されていないときには払出制御基板951からの操作信号がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなって入力される一方、操作スイッチ954が操作されているときには払出制御基板951からの操作信号がプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなって入力される。
抵抗MR3,MR4、及びトランジスタMTR0から構成される回路は、操作スイッチ954からの操作信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
操作スイッチ954が操作されていないときには、論理がLOWとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作スイッチ954からの操作信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチ954からの操作信号の論理値がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものでないと判断する。
一方、操作スイッチ954が操作されているときには、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった操作スイッチ954からの操作信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチ954からの操作信号の論理値がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
なお、操作スイッチ954からの操作信号は、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。これは、操作スイッチ954からの操作信号が払出制御基板951を介して入力されているためである。つまり、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて信号の信頼性を高めている。そこで、本実施形態では、主制御基板1310に直接入力される、一般入賞口センサ4020、第一始動口センサ4002、及び第二始動口センサ4004からの検出信号は、プルアップ抵抗により+5V側に引き上げられる一方、図69に示したパネル中継基板4161を介して入力される、磁気検出センサ4024、カウントセンサ4005、一般入賞口センサ4020、及びゲートセンサ4003からの検出信号は、主制御基板1310に直接入力されないため、操作スイッチ954からの操作信号と同様に、プルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
[9−5.停電監視回路]
主制御基板1310は、図75に示したように、電源基板931から+12V及び+24Vという2種類の電圧が払出制御基板951を介して供給されており、+12V及び+24Vが停電監視回路1310eに入力されている。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU1310aのほかに、払出制御基板951の払出制御MPU952aや周辺制御基板1510に出力する。ここでは、まず停電監視回路の構成について説明し、続いて+24Vの停電又は瞬停の監視、+12Vの停電又は瞬停の監視、そして停電予告信号の出力について説明する。
[9−5−1.停電監視回路の構成]
停電監視回路1310eは、図78に示すように、シャント式安定化電源回路MIC20、オープンコレクタ出力タイプのコンパレータMIC21、DタイプフリップフロップMIC22、トランジスタMTR20〜MTR23を主として構成されている。
シャント式安定化電源回路MIC20の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR20の他端と電気的に接続されて+5Vが印加されており、REF端子に入力される電流が抵抗MR20により制限されている。K端子は、コンパレータMIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力する。K端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC20の他端と電気的に接続されており、K端子から出力されるリファレンス電圧Vrefは、コンデンサMC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。なお、シャント式安定化電源回路MIC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
コンパレータMIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(MIC21A)を、+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いているとともに、残りの1つ(MIC21B)を、+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いている。MIC21Aのプラス端子である3番端子は、+24Vの監視電圧V1が印加され、MIC21Aのマイナス端子である2番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。MIC21Bのプラス端子である5番端子は、+12Vの監視電圧V2が印加され、MIC21Bのマイナス端子である6番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。これらの比較結果は、DタイプフリップフロップMIC22に入力されている。このDタイプフリップフロップMIC22は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(MIC22A)を本実施形態に用いている。コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC21の他端と電気的に接続されており、コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC21によりリップルが除去されて平滑化され、コンパレータMIC21のグランド端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地されている。
[9−5−2.+24Vの停電又は瞬停の監視]
+24Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Aが+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+24Vの監視電圧V1が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子は、図78に示すように、一端が+24V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR21の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR22の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR21,MR22の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC23の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子に印加される+24Vの監視電圧V1は、抵抗MR21,MR22による抵抗比によって+24Vが分圧され、コンデンサMC23によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR21,MR22の値は、+24Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+24Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、21.40Vに設定されている。)となったときに、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子は、オープンコレクタ出力となっており、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[9−5−3.+12Vの停電又は瞬停の監視]
+12Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Bが+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+12Vの監視電圧V2が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子は、図78に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR24の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR25の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR24,MR25の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC25の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子に印加される+12Vの監視電圧V2は、抵抗MR24,MR25による抵抗比によって+12Vが分圧され、コンデンサMC25によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR24,MR25の値は、+12Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+12Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、10.47Vに設定されている。)となったときに、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子は、オープンコレクタ出力となっており、上述したMIC21Aの出力端子である1番端子と電気的に接続されているため、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、上述したように、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[9−5−4.停電予告信号の出力]
DタイプフリップフロップMIC22は、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化により、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶し、この記憶値(論理)を、出力端子である1Q端子から出力するとともに、その記憶値(論理)を反転させた値を、出力端子である負論理1Q端子から出力する。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、ラッチ状態を解除してプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理を反転させた信号を出力端子である1Q端子から出力する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号、つまりプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理と同一の論理となった信号を負論理1Q端子から出力する)一方、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されると、ラッチ状態をセットする。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されてラッチ状態をセットするようになっている際に、プリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、論理をHIとする信号を出力端子である1Q端子から出力する状態を維持する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号を負論理1Q端子から出力する状態を維持する)。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、D入力端子である1D端子、及びクロック入力端子である1CK端子は、グランド(GND)とそれぞれ接地されているため、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化がなく、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶して出力端子である1Q端子から出力することがないように回路構成されている。DタイプフリップフロップMIC22は、プリセット端子であるPR端子に、上述したように、+24Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子からの信号と、+12Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子からの信号と、が入力され、これらの信号に基づいて、出力端子である1Q端子から信号を出力する。なお、電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC22の他端と電気的に接続されており、DタイプフリップフロップMIC22の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC22によりリップルが除去されて平滑化され、接地端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地され、出力端子である1Q端子の論理を反転する負論理1Q端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、クリア端子であるCLR端子に主制御MPU1310aからの停電クリア信号がリセット機能付き主制御出力回路1310caを介して入力されている。この停電クリア信号は、主制御MPU1310aが行う後述する主制御側電源投入時処理において、出力開始されて所定時間経過後に停止されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、主制御MPU1310aからの停電クリア信号は、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、主制御MPU1310aからの停電クリア信号の出力が停止されると、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号が停電予告信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、リセット機能なし主制御出力回路1310cbと電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号をリセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板951に払出停電予告信号として出力するとともに、周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力する。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子と、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と、を電気的に接続する主制御入力回路1310bは、図78に示すように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR26の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR27を介してトランジスタMTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のベース端子は、抵抗MR27と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR28の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23(非反転バッファICMIC23は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC23A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。
抵抗MR27,MR28、及びトランジスタMTR20から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がOFFする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR29により+5V側に引き上げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がONする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がLOWとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板951に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbは、図78に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路1310bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR30を介して前段のトランジスタMTR21のベース端子と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のベース端子は、抵抗MR30と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR31の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR32の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR33を介して後段のトランジスタMTR22のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のベース端子は、抵抗MR33と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR34の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC26の他端と電気的に接続され、そして配線(ハーネス)を介して払出制御基板951と電気的に接続されている。なお、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板951と電気的に接続されると、払出制御基板951における図70に示した払出制御部952の払出制御入力回路952bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図70に示した払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR30,MR31、及び前段のトランジスタMTR21から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗MR33,MR34、及び後段のトランジスタMTR22から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするものである。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、前段のトランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて前段のトランジスタMTR21がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタMTR22がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR21がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタMTR22がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がOFFする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がONする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板951においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がONする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)に引き下げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がOFFする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板951における払出制御部952の払出制御入力回路952bにおいてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbは、図78に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路1310bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR35を介してトランジスタMTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のベース端子は、抵抗MR35と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR36の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510と電気的に接続されている。
なお、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510と電気的に接続されると、図72に示した周辺制御基板1510における周辺制御部1511の図示しない周辺制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図72に示した周辺制御MPU1511aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR35,MR36、及びトランジスタMTR23から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がOFFする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510における周辺制御部1511の払出制御入力回路においてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板1510に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がONする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板1510に入力される。
このように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を主制御MPU1310aに停電予告信号として伝える主制御入力回路1310bと、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbと、にはトランジスタがそれぞれ1つであり、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号と周辺制御基板1510に入力される周辺停電予告信号との論理が同一論理となっているのに対して、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板951に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbにはトランジスタが前段と後段との2つであり、払出停電予告信号の論理は、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号の論理と周辺制御基板1510に入力される周辺停電予告信号の論理とを反転させた論理となっており、停電予告信号の論理及び周辺停電予告信号の論理と異なっている。
また、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されているのに対して、リセット機能なし主制御出力回路1310cbの後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板951における払出制御部952の払出制御入力回路952bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されているとともに、リセット機能なし主制御出力回路1310cbのトランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板1510における周辺制御部1511の払出制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗と電気的に接続されている。これは、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20のコレクタ端子と主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1との端子間においては、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20と主制御MPU1310aとが主制御基板1310に実装されているため、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行うのに対して、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間、及び主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310a、払出制御MPU952a、及び周辺制御MPU1511aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行っている。
[9−6.主制御MPUへの各種入出力信号]
次に、主制御MPU1310aへの各種入出力信号について、図77を参照して説明する。主制御MPU1310aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXA端子は、図69に示した払出制御基板951からのシリアルデータが主制御入力回路1310bを介して払主シリアルデータ受信信号として受信される。一方、主制御MPU1310aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXA端子及びTXB端子は、TXA端子から、払出制御基板951に送信するシリアルデータを主払シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路1310cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板951に主払シリアルデータ送信信号を送信し、TXB端子から、図69に示した周辺制御基板1510に送信するシリアルデータを主周シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路1310cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路1310cbから周辺制御基板1510に主周シリアルデータ送信信号を送信する。
主制御MPU1310aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した操作信号(RAMクリア信号)が入力されるほかに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払出制御基板951からの払主ACK信号が主制御入力回路1310bを介して入力されたり、図69に示した第一始動口センサ4002等の各種スイッチからの検出信号が主制御入力回路1310bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの各出力端子からは、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主払ACK信号をリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから主払ACK信号を払出制御基板951に出力したり、図69に示した、始動口ソレノイド2107に対して、リセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから主制御ソレノイド駆動回路1310dを介して始動口ソレノイド2107に駆動信号を出力したり、図69に示した第一特別図柄表示器1403等の各種表示器に対して、リセット機能付き主制御出力回路1310caにそれぞれ駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから各種表示器に駆動信号をそれぞれ出力したり、遊技に関する各種情報(遊技情報)をリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから遊技に関する各種情報(遊技情報)を払出制御基板951に出力したり等する。
[9−7.主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路]
次に、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間の通信用インターフェース回路について、図79を参照して説明する。主制御基板1310は、図75に示した電源基板931からの+12Vが払出制御基板951を介して供給され、+5V作成回路1310gは、この+12Vから主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
具体的には、主制御基板1310は、リセット機能なし主制御出力回路1310cbを通信用インターフェース回路として機能させており、通信用インターフェース回路は、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50を主として構成されている。これに対して、周辺制御基板1510には、通信用インターフェース回路として、ダイオードAD10、電解コンデンサAC10(本実施形態では、静電容量:47μF)、フォトカプラAIC10(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)を主として構成されている。
主制御基板1310のダイオードMD50のアノード端子には、電源基板931から供給される+12Vが払出制御基板951を介して印加され、ダイオードMD50のカソード端子には、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサMC50(本実施形態では、静電容量:220マイクロファラッド(μF))のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードMD50のカソード端子は、電解コンデンサMC50のプラス端子と電気的に接続されるほかに、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10のアノード端子(1番端子)と電気的に接続されている。
これにより、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板931からの電力が払出制御基板951を介して主制御基板1310に供給されなくなった場合には、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板1310から周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加し続けることができるようになっている。
このように、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生した場合に、図77に示した電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470μF)に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeは、少なくとも、その送信バッファレジスタ1310aebに主制御CPUコア1310aaがセットしたコマンドをシリアル管理部1310aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ1310aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができる。
主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、上述したように、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
そこで、本実施形態では、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板1310から周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加されるようになっているため、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeは、その送信バッファレジスタ1310aebに主制御CPUコア1310aaがセットしたコマンドをシリアル管理部1310aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ1310aeaから主周シリアルデータとして送信すると、トランジスタMTR50のコレクタ端子から+12Vにより論理をHIとする主周シリアルデータ送信信号を送信することができるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeの送信バッファレジスタ1310aebの記憶容量が32バイトを有しており、また1パケットが3バイトのデータから構成されているため、送信バッファレジスタ1310aebに最大で10パケット分のデータが記憶されるようになっている。また、本実施形態では、主制御MPU1310aから送信される主周シリアルデータの転送ビットレートが19200bpsに設定されている。
フォトカプラAIC10のカソード端子(3番端子)は、抵抗AR10、そしてその配線(ハーネス)を介して、主制御基板1310のトランジスタMTR50のコレクタ端子と電気的に接続されている。周辺制御基板1510の抵抗AR10は、フォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。
図77に示した主制御MPU1310aから主周シリアルデータ送信信号を出力するTXB端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR50の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR51を介してトランジスタMTR50のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のベース端子は、抵抗MR51と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR52の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地されている。
抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成される回路はスイッチ回路であり、主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れないため、フォトカプラAIC10がOFFする。一方、主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れるため、フォトカプラAIC10がONする。
周辺制御基板1510のダイオードAD10のアノード端子には、電源基板931から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して印加されて、ダイオードAD10のカソード端子が、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードAD10のカソード端子は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるほかに、フォトカプラAIC10の電源端子であるVcc端子(6番端子)と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10のエミッタ端子(4番端子)は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラAIC10のコレクタ端子(5番端子)は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10がON/OFFすることによりフォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主周シリアルデータ送信信号として周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。
これにより、上述したように、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板931から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して周辺制御基板1510に供給されなくなった場合には、電解コンデンサAC10に充電された電荷が+5VとしてフォトカプラAIC10のVcc端子に印加し続けることができるようになっている。電又は瞬停が発生した際に、電解コンデンサAC10からの+5Vが印加されることにより、主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeの送信バッファレジスタ1310aebにセットされたデータが送信完了することができるようになっており、送信途中の主周シリアルデータ送信信号、つまり主周シリアルデータが寸断されることなく、また欠落されることなく周辺制御基板1510で確実に受信されるようになっている。
主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFすることでフォトカプラAIC10がOFFするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される一方、主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONすることでフォトカプラAIC10がONするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される主周シリアルデータ送信信号の論理は、主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理と、同一の論理となっている。
このように、本実施形態では、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vが印加される+5V電源ラインと、ダイオードMD50を介して印加される通信用電圧である+12Vが印加される+12V電源ラインと、が停電又は瞬停が発生して制御基準電圧及び通信用電圧が低下した際の対策が施されている。つまり、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeに対しては、+5V電源ラインと、主制御フィルタ回路1310hの電解コンデンサMC2を第1の補助電源とする電解コンデンサMC2のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+5V電源ラインから印加される制御基準電圧が低下しても、第1の補助電源である主制御フィルタ回路1310hの電解コンデンサMC2のプラス端子からの制御基準電圧が印加されることによって、制御基準電圧が印加された状態を維持することができるようになっているし、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路1310cbに対しては、+12V電源ラインに印加される+12Vが通信用電圧としてダイオードMD50のアノード端子に印加され、このダイオードMD50のカソード端子と、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+12V電源ラインからダイオードMD50を介して印加される通信用電圧が低下しても、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子からの通信用電圧が印加されることによって、通信用電圧が印加された状態を維持することができるようになっている。これにより、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信中のコマンドの寸断を防止することができ、また欠落を防止することができるため、周辺制御基板1510は、送信中のコマンドを確実に受信することができる。したがって、停電の発生直後や瞬停時におけるコマンドの取りこぼしを解消することができる。
また、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeの送信バッファレジスタ1310aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべて、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路1310cbを介して、周辺制御基板1510へ送信完了することができるように、主制御フィルタ回路1310hの電解コンデンサMC2の静電容量として470μFが設定され、電解コンデンサMC50の静電容量として220μFが設定されている。これにより、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信中に停電又は瞬停が発生しても、送信バッファレジスタ1310aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべてインターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路1310cbを介して周辺制御基板1510へ送信完了することができるため、周辺制御基板1510は、送信バッファレジスタ1310aebにセットされた複数のコマンドを寸断することなく、また欠落することなく確実に受信することができる。
[10.払出制御基板の回路]
次に、図70に示した払出制御基板951の回路等について、図80〜図85を参照して説明する。図80は払出制御部の回路等を示す回路図であり、図81は払出制御入力回路を示す回路図であり、図82は図81の続きを示す回路図であり、図83は払出モータ駆動回路を示す回路図であり、図84はCRユニット入出力回路を示す回路図であり、図85は主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図である。まず、払出制御フィルタ回路について説明し、続いて払出制御部の回路、そして主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号について説明する。
[10−1.払出制御フィルタ回路]
払出制御フィルタ回路951aは、図80に示すように、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0の1番端子は、図75に示した電源基板931からの+5Vが印加されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC0の他端と電気的に接続されており、電源基板931からの+5VがコンデンサPC0により、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。払出制御3端子フィルタPIC0の2番端子は、グランド(GND)と接地され、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、ノイズ成分を除去した+5Vを出力している。
払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサPC1、及び電解コンデンサPC2(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子から出力される+5Vからさらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、後述する、払出制御システムリセットPIC1の電源端子、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子、払出制御MPU952aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。なお、払出制御MPU952aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサPC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。
払出制御MPU952aのVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5VはコンデンサPC3によりさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU952aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、払出制御MPU952aのVDD端子は、コンデンサPC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードPD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードPD0のカソード端子は、払出制御MPU952aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC4の他端と電気的に接続されている。この払出制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードPD0のカソード端子及びコンデンサPC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗PR0を介して、図75に示した電源基板931のキャパシタBC1のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、払出制御フィルタ回路951aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、払出制御MPU952aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して、払出制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図75に示した電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5Vが払出制御基板951に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板951に供給されるようになっているため、払出制御MPU952aのVDD端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU952aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMのVBB端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、払出制御内蔵RAMに対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路は、上記ダイオードPD0と上記キャパシタBC1とによって構成されている。
[10−2.払出制御部の回路]
払出制御部952は、払出制御MPU952a、払出制御入力回路952b、払出制御出力回路952c、払出モータ駆動回路952d、CRユニット入出力回路952eのほかに、周辺回路として、図80に示すように、リセット信号を出力する払出制御システムリセットPIC1、クロック信号を出力する払出制御水晶発振器PX0(本実施形態では、8メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。ここでは、まず払出制御システムリセットについて説明し、続いて払出制御水晶発振器、払出制御入力回路、払出モータ駆動回路、CRユニット入出力回路、そして払出制御MPUへの各種入出力信号について説明する。
[10−2−1.払出制御システムリセット]
払出制御フィルタ回路951aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図80に示すように、払出制御システムリセットPIC1の電源端子に印加されている。払出制御システムリセットPIC1は、払出制御MPU952a及びリセット機能付き払出制御出力回路952caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。払出制御システムリセットPIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサPC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、払出制御システムリセットPIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
払出制御システムリセットPIC1の出力端子は、払出制御MPU952aのリセット端子であるSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサPC6は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗PR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が払出制御MPU952aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が払出制御MPU952aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子にそれぞれ入力される。払出制御MPU952aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、払出制御MPU952a及びリセット機能付き払出制御出力回路952caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[10−2−2.払出制御水晶発振器]
払出制御フィルタ回路951aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図80に示すように、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子に入力されている。このVCC端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC8の他端と電気的に接続されており、VCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VCC端子のほかに、払出制御水晶発振器PX0の出力許可(Output Enable)端子であるOE端子にも印加されている。払出制御水晶発振器PX0は、そのOE端子に+5Vが印加されることにより、8MHzのクロック信号を出力端子であるOUT端子から出力する。
払出制御水晶発振器PX0のOUT端子は、払出制御MPU952aのクロック端子であるMCLK端子と電気的に接続されており、8MHzのクロック信号が払出制御MPU952aに入力されている。なお、払出制御水晶発振器PX0の接地端子であるGND端子はグラント(GND)と接地されている。
[10−2−3.払出制御入力回路]
払出制御入力回路952bは、図70に示した、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619、図75に示した主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの払出停電予告信号が入力される回路、図70に示したハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して満タン検知センサ279からの検出信号が入力される回路、操作スイッチ954からの操作信号が入力される回路等である。まず、扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路について説明し、続いて本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路、停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路、満タン検知センサからの検出信号が入力される回路、そして操作スイッチからの操作信号が入力される回路について説明する。なお、満タン検知センサ279や、図70に示した、球切れ検知センサ827、払出検知センサ842、回転検知センサ840等の各種検出スイッチは、出力端子がオープンコレクタ出力タイプであるため、各種検出スイッチからの検出信号が入力される回路構成はほぼ同一であるため、ここでは、満タン検知センサからの検出信号が入力される回路について説明する。
[10−2−3(a).扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
扉枠開放スイッチ618は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、図1に示した、扉枠3が本体枠4から開放された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。扉枠開放スイッチ618の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR20の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のベース端子は抵抗PR21と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR22の他端と電気的に接続されている。また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC20の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR23の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC20(非反転バッファICPIC20は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC20A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。トランジスタPTR20がON/OFFすることによりトランジスタPTR20のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が扉開放信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のベース端子は抵抗PR24と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR25の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR21がON/OFFすることによりトランジスタPTR21のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
更に、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるとともに、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR26を介してトランジスタPTR22のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のベース端子は抵抗PR26と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR27の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して図69に示した主制御基板1310と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されると、図69に示した主制御基板1310の主制御入力回路1310bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR22がON/OFFすることによりトランジスタPTR22のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板1310に入力される。
プルアップ抵抗PR20及びコンデンサPC20から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、扉枠3が本体枠4から開放される際に、又は扉枠3が本体枠4に閉鎖される際に、扉枠開放スイッチ618を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による扉枠開放スイッチ618からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR21,PR22、及びトランジスタPTR20から構成される回路と、抵抗PR24,PR25、及びトランジスタPTR21から構成される回路と、抵抗PR26,PR27、及びトランジスタPTR22から構成される回路と、は扉枠開放スイッチ618からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR23により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR21がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。
これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR22がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
一方、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR21がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR22がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
このように、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONすることにより、論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される一方、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFすることにより、論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
[10−2−3(b).本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
本体枠開放スイッチ619は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、図1に示した、本体枠4が外枠2から開放された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。本体枠開放スイッチ619の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR28の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のベース端子は抵抗PR29と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR30の他端と電気的に接続されている。また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC21の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR21のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR23がON/OFFすることによりトランジスタPTR23のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR31を介してトランジスタPTR24のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のベース端子は抵抗PR31と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR32の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR22のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して図69に示した主制御基板1310と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されると、図69に示した主制御基板1310の主制御入力回路1310bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR24がON/OFFすることによりトランジスタPTR24のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板1310に入力される。
プルアップ抵抗PR28及びコンデンサPC21から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、本体枠4が外枠2から開放される際に、又は本体枠4が外枠2に閉鎖される際に、本体枠開放スイッチ619を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による本体枠開放スイッチ619からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR29,PR30、及びトランジスタPTR23から構成される回路と、抵抗PR31,PR32、及びトランジスタPTR24から構成される回路と、は本体枠開放スイッチ619からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR24がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
一方、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR24がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
このように、本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONすることにより、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される一方、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFすることにより、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
本実施形態では、上述したように、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態と、本体枠4が外枠2から開放された状態と、のうち、いずれか一方の状態又は両方の状態となった場合でも、主制御基板1310に対しては主枠扉開放信号が入力されるようになっているため、図69に示した主制御基板1310の主制御MPU1310aは、主枠扉開放信号に基づいて、扉枠3が本体枠4から開放された状態であるか、それとも本体枠4が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができるし、外部端子板784に対しては外端枠扉開放情報出力信号が入力されるようになっているため、この外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784を介してホールコンピュータに伝わり、ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号に基づいて、扉枠3が本体枠4から開放された状態であるか、それとも本体枠4が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができる。
また、本実施形態では、上述したように、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用したことにより、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、扉枠3が本体枠4から開放された状態となり、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、本体枠4が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用することにより、短絡時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板1310に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
なお、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチから、常開形(ノーマルオープン(NO))のスイッチ(扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’)に替えると、扉枠開放スイッチ618’は、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠3が本体枠4に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。本体枠開放スイッチ619’は、本体枠4が外枠2から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠4が外枠2に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。そうすると、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、扉枠3が本体枠4から開放された状態となるし、また、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、本体枠4が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’をノーマルオープンのスイッチを採用しても、断線時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板1310に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
[10−2−3(c).停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路]
主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの払出停電予告信号を伝える伝送ラインは、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR40の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR41を介してトランジスタPTR40のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のベース端子は抵抗PR41と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR42の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR40のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR43の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。トランジスタPTR40がON/OFFすることによりトランジスタPTR40のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が払出停電予告信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
抵抗PR41,PR42、及びトランジスタPTR40から構成される回路は、主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの払出停電予告信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
停電監視回路1310eは、上述したように、電源基板931からの+12V及び+24Vという2種類の電圧の停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、リセット機能なし主制御出力回路1310cbを介して停電予告として払出停電予告信号を払出制御基板951に出力する。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候を監視し、上述したように、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板951においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力される一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して上述したプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力される。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、つまり+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力されるため、トランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR40がOFFし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR43により+5V側に引き上げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子から論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、つまり+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力されるため、停電監視回路1310eからの払出停電予告信号によりトランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることでトランジスタPTR40がONし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子の論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
このように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。これは、上述したように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっているため、停電監視回路1310eからの停電予告による、払出制御MPU952aに入力される払出停電予告信号の論理と、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号の論理と、が同一論理となっている。
[10−2−3(d).満タン検知センサからの検出信号が入力される回路]
図1に示したファールカバーユニット270に備える満タン検知センサ279からの検出信号は、図1に示したハンドル中継端子板315、そして図6に示した電源基板931を介して、払出制御基板951に入力されている。この満タン検知センサ279の出力端子は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、払出制御基板951において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR44aの他端と電気的に接続されるとともに満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されている。この満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。
満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の2番端子は、グランド(GND)と接地され、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の3番端子は、抵抗PR44bを介して、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されるとともに、抵抗PR45を介してトランジスタPTR41のベース端子と電気的に接続されている。これにより、満タン検知センサ279の検出信号は、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去されてトランジスタPTR41のベース端子に入力される。トランジスタPTR41のベース端子は、抵抗PR45が電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)に接地される抵抗PR46の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC40の他端と電気的に接続されている。コンデンサPC40は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。トランジスタPTR41のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR41のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR47の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2と電気的に接続されている。トランジスタPTR41がON/OFFすることによりトランジスタPTR41のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が満タン信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
抵抗PR45,PR46、及びトランジスタPTR41から構成される回路は、満タン検知センサ279からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
満タン検知センサ279は、上述したように、ファールカバーユニット270の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものである。本実施形態では、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タン検知センサ279の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して、払出制御基板951においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が払出制御基板951に入力される一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タン検知センサ279の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して、払出制御基板951においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が払出制御基板951に入力される。
収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タン検知センサ279の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して、払出制御基板951においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった満タン信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タン検知センサ279の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して、払出制御基板951においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR47により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった満タン信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
なお、本実施形態では、満タン検知センサ279からの検出信号は、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50を介して、抵抗PR45、抵抗PR46、及びトランジスタPTR41から構成されるスイッチ回路に入力される回路構成としていたが、図70に示した、球切れ検知センサ827、払出検知センサ842等の各種検出スイッチからの検出信号は、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50のようなT型フィルタ回路を介さずに各スイッチ回路に直接入力される回路構成となっている。満タン検知センサ279は、扉枠3に取り付けられるファールカバーユニット270に設けられているため、本体枠4に取り付けられる払出装置830に設けられる球切れ検知センサ827、払出検知センサ842等と比べると、検出信号を伝送する経路が極めて長くなり、ノイズの影響を極めて受けやすい。
満タン検知センサ279は、ファールカバーユニット270の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものであり、払出制御MPU952aは、満タン検知センサ279からの検出信号に基づいて、収容空間が貯留された遊技球で満タンであると判断すると、払出モータ834の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止する制御を行うようになっている。つまり、満タン検知センサ279からの検出信号を伝える伝送経路(伝送ライン)にノイズが侵入すると、払出制御MPU952aは、収容空間が貯留された遊技球で満タンでもないのに、払出モータ834の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止するという場合もあるし、収容空間が貯留された遊技球で満タンであるにもかからず、払出モータ834を駆動制御して払出回転体を回転させて遊技球の払い出しを継続することにより上述した賞球通路の上流側まで遊技球で満たされると、払出回転体そのものが回転することができなくなって払出モータ834に負荷が異常にかかり、払出モータ834が過負荷となって異常発熱して故障したり、払出モータ834の回転軸を払出回転体の回転運動に伝達する機構等が故障したりするという場合もある。そこで、本実施形態では、このような問題が発生しないように、満タン検知センサ279からの検出信号を、まず満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去するように回路構成を採用した。
[10−2−3(e).操作スイッチからの操作信号が入力される回路]
操作スイッチ954の出力端子である1番端子及び2番端子は、グランド(GND)に接地され、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されている。前段のトランジスタPTR42のベース端子は、抵抗PR49と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR50の他端と電気的に接続されている。また、操作スイッチ954の出力端子である4番端子は、プルアップ抵抗PR48と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC41の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタPTR42のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR51の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR52を介して後段のトランジスタPTR43のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のベース端子は、抵抗PR52と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR53の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR54の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3と電気的に接続されている。前段及び後段のトランジスタPTR42,PTR43がON/OFFすることにより後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRWMCLR信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。
また、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されるほか、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR55を介してトランジスタPTR44のベース端子と電気に接続されている。トランジスタPTR44のベース端子は、抵抗PR55と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR56の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR44のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されると、図77に示した、主制御基板1310の主制御入力回路1310bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR44がON/OFFすることによりトランジスタPTR44のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRAMクリア信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
プルアップ抵抗PR48及びコンデンサPC41から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、操作スイッチ954が押圧操作される際に、操作スイッチ954を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による操作スイッチ954からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR49,PR50、及びトランジスタPTR42から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗PR52,PR53、及びトランジスタPTR43から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、抵抗PR55,PR56、及びトランジスタPTR44から構成される回路はスイッチ回路であり、操作スイッチ954からの操作信号によりON/OFFするものである。
操作スイッチ954は、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板951の払出制御MPU952aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。操作スイッチ954からの操作信号は、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能においては、RAMクリア信号となる一方、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能においては、エラー解除信号となる。
操作スイッチ954が操作されていないときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられることで論理がHIとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタPTR43がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR54により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRWMCLR信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU952aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときにはエラー解除を行うことを指示するものではないと判断する。
また、操作スイッチ954が操作されていないときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御基板1310に入力される。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がLOWであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図77に示した、この論理がLOWであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断する。
一方、操作スイッチ954が操作されているときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR51により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタPTR43がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRWMCLR信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU952aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときにはエラー解除を行うことを指示するものであると判断する。
また、操作スイッチ954が操作されているときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48によりグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御基板1310に入力される。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がHIであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図77に示した、この論理がHIであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
[10−2−4.払出モータ駆動回路]
次に、図5に示した払出装置830の払出モータ834に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路952dについて説明する。払出モータ駆動回路952dは、図83に示すように、電圧切替回路952da、ドライブICPIC60を主として構成されている。電圧切替回路952daの電源入力端子1,2は、+12V電源ライン及び+5V電源ラインとそれぞれ電気的に接続されて+12及び+5Vがそれぞれ印加され、電圧切替回路952daの接地端子は、グランド(GND)と接地されている。電圧切替回路952daの電源切替入力端子は、電圧切替信号が入力される。この電圧切替信号は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路952caから電圧切替回路952daの電源切替入力端子に出力されるようになっている。電圧切替回路952daの電源出力端子は、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、払出モータ834の電源端子と電気的に接続され、電圧切替回路952daの電圧切替入端子に入力される電圧切替信号に基づいて、+12V又は+5Vを、モータ駆動電圧として、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子にそれぞれ供給するとともに、払出モータ834に供給する。
ドライブICPIC60は、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、ドライブICPIC60のエミッタ端子である6番端子及び7番端子は、それぞれグランド(GND)と接地され、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子は、払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力される。ドライブICPIC60のコレクタ端子である2番端子、4番端子、9番端子、そして11番端子は、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子とそれぞれ対応しており、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子に払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力されると、励磁信号である駆動パルスを払出モータ834と対応する各相(/B相、B相、A相、/A相)にそれぞれ出力する。この払出モータ駆動信号は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路952caから抵抗PR60〜PR63を介してドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子にそれぞれ出力されるようになっている。これらの駆動パルスは、払出モータ834の各相(/B相、B相、A相、/A相)に流す励磁電流のスイッチングにより行われ、払出モータ834を回転させる。なお、このスイッチングにより各相(/B相、B相、A相、/A相)の駆動パルス(励磁信号)を遮断したときには逆起電力が発生する。この逆起電力がドライブICPIC60の耐圧を超えると、ドライブICPIC60が破損するため、保護として、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子の前段に上述したツェナーダイオードPZD0を電気的に接続する回路構成を採用した。
[10−2−5.CRユニット入出力回路]
次に、図71に示したCRユニット6との各種信号を入出力するためのCRユニット入出力回路952eについて説明する。払出制御基板951は、CRユニット6から、上述したように、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、貸球要求信号であるBRDYと、1回の払出動作開始要求信号であるBRQと、が入力され、また図71に示した電源基板931から供給されるAC24Vから作成した、所定電圧VL(+12V)及びグランドLGが供給される一方、払出制御基板951から、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号と、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号と、を出力する。これらの各種信号等を入出力する入出力回路は、図84に示すように、フォトカプラPIC70〜PIC74(赤外LEDとフォトトランジスタとが内蔵されている。)を主として構成されている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、抵抗PR70を介して、フォトカプラPIC70のアノード端子に印加されている。フォトカプラPIC70のカソード端子は、CRユニット6からのグランドLGと電気的に接続されている。抵抗PR60は、フォトカプラPIC70の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときには、フォトカプラPIC70がONする一方、フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFするようになっている。フォトカプラPIC70のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71を介してトランジスタPTR70のベース端子と電気的に接続されるほかに、抵抗PR72を介してトランジスタPTR71のベース端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR73の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR70のベース端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR74の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR70のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR70のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR75の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して図80に示した払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR70がON/OFFすることによりトランジスタPTR70のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号1として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、トランジスタPTR71のベース端子は、抵抗PR72と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR76の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR71のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板931と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板931と電気的に接続されると、電源基板931において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR71がON/OFFすることによりトランジスタPTR71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号として電源基板931に入力される。
抵抗PR71,PR74、及びトランジスタPTR70から構成される回路は、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR70がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号1が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR70のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR70がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PTR75により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号1が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
抵抗PR72,PR76、及びトランジスタPTR71から構成される回路も、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR71がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板931においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号が電源基板931に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR71のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR71がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板931のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号が電源基板931に入力される。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子のほかに、抵抗PR77を介して、フォトカプラPIC71のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC71のカソード端子は、CRユニット6からのBRDYが入力されている。抵抗PR77は、フォトカプラPIC71の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONする一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするようになっている。フォトカプラPIC71のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC71のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR78の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC71がON/OFFすることによりフォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRDY信号として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRDY信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR78により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRDY信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力されるBRDY信号の論理は、CRユニット6からのBRDYの論理と同一の論理となっている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子、及びフォトカプラPIC71のアノード端子のほかに、抵抗PR79を介して、フォトカプラPIC72のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC72のカソード端子は、CRユニット6からのBRQが入力されている。抵抗PR79は、フォトカプラPIC72の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONする一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするようになっている。フォトカプラPIC72のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC72のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR80の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC72がON/OFFすることによりフォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRQ信号として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRQ信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR80により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRQ信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力されるBRQ信号の論理は、CRユニット6からのBRQの論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号は、リセット機能なし払出制御出力回路952cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから抵抗PR81を介してフォトカプラPIC73のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC73のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR82の他端と電気的に接続されている。抵抗PR82は、フォトカプラPIC73の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONする一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするようになっている。フォトカプラPIC73のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC73のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR83により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC73がON/OFFすることによりフォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がEXSとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR83により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力されるEXSの論理は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号は、抵抗PR84を介して、フォトカプラPIC74のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC74のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR85の他端と電気的に接続されている。抵抗PR85は、フォトカプラPIC74の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONする一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするようになっている。フォトカプラPIC74のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC74のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR86により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC74がON/OFFすることによりフォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がPRDYとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR86により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力されるPRDYの論理は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理と同一の論理となっている。
[10−2−6.払出制御MPUへの各種入出力信号]
次に、払出制御MPU952aの各種入出力ポートの入出力端子から入出力される各種入出力信号について説明する。
払出制御MPU952aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXD端子は、図80に示すように、主制御基板1310からのシリアルデータが払出制御入力回路952bを介して主払シリアルデータ受信信号として受信される。一方、払出制御MPU952aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXD端子からは、主制御基板1310に送信するシリアルデータを払主シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし払出制御出力回路952cbに送信してリセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に払主シリアルデータ送信信号を送信する。
払出制御MPU952aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した、RWMCLR信号、払出停電予告信号、扉開放信号、満タン信号、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号、CR接続信号1等)等がそれぞれ入力されるほかに、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主制御基板1310からの主払ACK信号が払出制御入力回路952bを介して入力されたり、図70に示した、球切れ検知センサ827、払出検知センサ842、回転検知センサ840等からの検出信号が払出制御入力回路952bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの各出力端子からは、上述したEXS信号及びPRDY信号をリセット機能なし払出制御出力回路952cbにそれぞれ出力してリセット機能なし払出制御出力回路952cbからEXS信号及びPRDY信号をCRユニット入出力回路952eに出力したり、上述した電圧切替信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから電圧切替信号を電圧切替回路952daに出力したり、払出モータ駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから払出モータ駆動信号を払出モータ駆動回路952dを介して払出モータ834に出力したりするほかに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払主ACK信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから払主ACK信号を主制御基板1310に出力したり、図70に示したエラーLED表示器860bの駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したり等する。
[10−3.主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号]
次に、払出制御基板951と主制御基板1310との各種入出力信号と、払出制御基板951から外部端子板784への各種出力信号について、図85を参照して説明する。
[10−3−1.主制御基板との各種入出力信号]
払出制御基板951は、主制御基板1310と各種入出力信号のやり取りを行う。具体的には、図85(a)に示すように、払出制御基板951は、上述した、払主シリアルデータ送信信号、払主ACK信号、操作信号(RAMクリア信号)、主枠扉開放信号等を、主制御基板1310に出力する。これらの出力される信号は、主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
一方、払出制御基板951は、上述した、主払シリアルデータ受信信号、主払ACK信号、及び操作信号(RAMクリア信号)のほかに、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する遊技情報信号や払出停電予告信号等が主制御基板1310から入力される。これらの入力される信号は、払出制御基板951の払出制御部952の払出制御入力回路952bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
[10−3−2.外部端子板への各種出力信号]
払出制御基板951は、外部端子板784に各種信号を出力する。具体的には、図85(b)に示すように、上述した外端枠扉開放情報出力信号のほかに、払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとに出力される賞球数情報出力信号、主制御基板1310から払出制御基板951を介して、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号との大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号等の遊技情報信号を、外部端子板784に出力する。これらの出力される信号は、外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。つまり外部端子板784には、払出制御基板951側からの外端枠扉開放情報出力信号、及び賞球数情報出力信号という2つの信号が出力され、主制御基板1310側からのメイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号という8つの信号が払出制御基板951を介して(通過して)出力されるようになっている。
外部端子板784から出力される信号は、図示しない遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに伝わるようになっており、ホールコンピュータは、遊技者の遊技等を監視している。なお、15ラウンド大当り情報出力信号又は2ラウンド大当り情報出力信号を1つの大当り情報出力信号としてホールコンピュータに出力する場合には、ホールコンピュータは、ラウンドが2回となった大当りの回数(2ラウンド大当りの発生回数)と、ラウンドが15回となった大当りの回数(15ラウンド大当りの発生回数)と、が合算されたものがパチンコ機1の大当りの回数となる。このため、ホールコンピュータは、その合算された大当り回数から、2ラウンド大当りの発生回数や15ランド大当りの発生回数を把握することができないので、実際にパチンコ機1で発生した大当り回数が多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができない。またパチンコ機1の上方に図示しないデータカウンタが配置されており、遊技者の中には、このデータカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数等を参考にして遊技を行うか否かを選択する者もいる。
ところが、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、実際には2ラウンド大当りの発生回数に偏っている場合もあるので、遊技者が遊技を開始しても、2ラウンド大当りばかり発生して15ラウンド大当りがなかなか発生しないこともある。このように、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、遊技者に期待感を与えることはできるものの、必要以上に遊技者の射幸心をあおりかねない。
そこで、本実施形態では、大当り情報出力信号として、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号とを別々にホールコンピュータに出力することにより、ホールコンピュータは、2ラウンド大当りの発生回数と、15ラウンド大当り発生回数と、を正確に把握することができるようになっている。したがって、ホールコンピュータは、実際にパチンコ機1で発生した大当り回数の多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができるし、データカウンタには15ラウンド大当りの発生回数と2ラウンド大当りの発生回数とを別々に又は15ラウンド大当りの発生回数のみを大当り遊技状態の発生回数として表示することができるので、必要以上に遊技者の射幸心をあおることもない。
なお、本実施形態では、2ラウンド大当り情報出力信号は2ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっており、15ラウンド大当り情報出力信号も15ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっている。本実施形態のように、2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号をホールコンピュータに出力する方法のほかに、例えば、2ラウンド大当りが発生すると、2ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とし、15ラウンド大当りが発生すると、15ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とする、このような2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号を同一の所定期間だけホールコンピュータに出力する方法も挙げることができる。
[11.外部端子板の出力端子の配列]
次に、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ各種信号を出力する外部端子板784の出力端子の配列について、図86を参照して説明する。外部端子板784は、、本体枠ベース600の後面に取り付けられる賞球ベースの後面に取り付けられるとともに、その後側が外部端子板カバー786により覆われている。図86は外部端子板の出力端子の配列を示す図である。
外部端子板784は、上述したように、外端枠扉開放情報出力信号、賞球数情報出力信号、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号との大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号を払出制御基板951から入力されると、パチンコ機1の外部へ出力するものである。
これらの各種信号について、簡単に説明すると、外端枠扉開放情報出力信号は、図1に示した扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを伝える信号であり、賞球数情報出力信号は、図5に示した払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、メイン賞球数情報出力信号は、図8に示した第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、15ラウンド大当り情報出力信号は、15ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、2ラウンド大当り情報出力信号は、2ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、確率変動中情報出力信号は、確率変動が発生している状態である旨を伝える信号であり、特別図柄表示情報出力信号は、図10に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、普通図柄表示情報出力信号は、図10に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、時短中情報出力信号は、時短状態が発生している旨を伝える信号であり、始動口入賞情報出力信号は、図8に示した第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球するごとにその旨を伝える信号である。
外部端子板784には、図86に示すように、出力端子PT1〜PT10が一列に水平に並んで配置されている。出力端子PT1は、白色に施されて賞球数情報出力信号が出力されるものである。賞球数情報出力信号は、上述したように、図5に示した払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT1から0.105秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの賞球数情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、賞球数情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ機1の払出モータ834が賞球として10球の遊技球を賞球として払い出したことを把握することができるとともに、その払い出した遊技球の球数をカウントしてパチンコ機1が払い出した遊技球の総球数を把握することができる。
出力端子PT2は、緑色に施されて外端枠扉開放情報出力信号が出力されるものである。外端枠扉開放情報出力信号は、上述したように、図1に示した扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT2から扉枠3及び/又は本体枠4が開放されている間、出力されるようになっている。外部端子板784からの外端枠扉開放情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号が入力されている間、パチンコ機1の扉枠3及び/又は本体枠4が開放されていることを把握することができる。
出力端子PT3は、灰色に施されて特別図柄表示情報出力信号が出力されるものである。特別図柄表示情報出力信号は、上述したように、図10に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT3から機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405における特別図柄の変動表示の終了(停止)時に0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの特別図柄表示情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、特別図柄表示情報出力信号が入力されると、パチンコ機1の機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405において特別図柄の変動表示が終了(停止)したことを把握することができるとともに、その回数をカウントしてパチンコ機1の機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405において特別図柄を変動表示した総回数を把握することができる。
出力端子PT4は、黄色に施されて始動口入賞情報出力信号が出力されるものである。始動口入賞情報出力信号は、上述したように、図8に示した第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT4から第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球するごとに0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの始動口入賞情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、始動口入賞情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ機1の第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球したことを把握することができるとともに、始動口入賞情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1の第一始動口2002又は第二始動口2004に入球した遊技球の総球数を把握することができる。
出力端子PT5は、黒色に施されて15ラウンド大当り情報出力信号が出力されるものである。15ラウンド大当り情報出力信号は、上述したように、15ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT5から15ラウンド大当りが発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの15ラウンド大当り情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、15ラウンド大当り情報出力信号が入力されている間、パチンコ機1に15ラウンド大当りが発生している状態であることを把握することができるとともに、15ラウンド大当り情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に15ラウンド大当りが発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT6は、桃色に施されて2ラウンド大当り情報出力信号が出力されるものである。2ラウンド大当り情報出力信号は、上述したように、2ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT6から2ラウンド大当りが発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの2ラウンド大当り情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、2ラウンド大当り情報出力信号が入力されている間、パチンコ機1に2ラウンド大当りが発生している状態であることを把握することができるとともに、2ラウンド大当り情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に2ラウンド大当りが発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT7は、青色に施されて普通図柄表示情報出力信号が出力されるものである。普通図柄表示情報出力信号は、上述したように、図10に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT7から機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402における普通図柄の変動表示の終了(停止)時に0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの普通図柄表示情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、普通図柄表示情報出力信号が入力されると、パチンコ機1の機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402において普通図柄の変動表示が終了(停止)したことを把握することができるとともに、その回数をカウントしてパチンコ機1の機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402において普通図柄を変動表示した総回数を把握することができる。
出力端子PT8は、赤色に施されて時短中情報出力信号が出力されるものである。時短中情報出力信号は、上述したように、時短状態が発生している旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT8から時短状態が発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの時短中情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、時短中情報出力信号が入力されると、パチンコ機1に時短状態が発生していることを把握することができるとともに、時短中情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に時短状態が発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT9は、橙色に施されて確率変動中情報出力信号が出力されるものである。確率変動中情報出力信号は、上述したように、確率変動が発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT9から確率変動が発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの確率変動中情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、確率変動中情報出力信号が入力されると、パチンコ機1に確率変動が発生している状態であることを把握することができるとともに、確率変動中情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に確率変動が発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT10は、水色に施されてメイン賞球数情報出力信号が出力されるものである。メイン賞球数情報出力信号は、上述したように、図8に示した第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出される予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT10から0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からのメイン賞球数情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、メイン賞球数情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ機1が賞球として10球の遊技球を賞球として払い出す予定であることを把握することができるとともに、その払い出す予定の遊技球の球数をカウントしてパチンコ機1が払い出す予定の遊技球の総球数を把握することができる。なお、例えば第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が20球以上に達してメイン賞球数情報出力信号を複数回出力するとき場合には、メイン賞球数情報出力信号が0.256(=0.128秒間×2回)秒間、1つの連続した信号とならにように、0.128秒間という間隔をあけて出力するようになっている。
外部端子板784の出力端子PT1〜PT10のうち、出力端子PT1,PT2は、払出制御基板951側において出力される各種信号が出力されるのに対して、出力端子PT3〜PT10は、主制御基板1310側において出力される各種信号が払出制御基板951を介して(通過して)出力されるように配置されている。出力端子PT1〜PT10は、それぞれ色が施され、これらの色と同一色に施されたコネクタを有する配線を出力端子PT1〜PT10にそれぞれ電気的に接続することにより、他の配線を誤って電気的に接続することを防止することができるようになっている。そして、払出制御基板951側において出力される各種信号と、主制御基板1310側において出力される各種信号と、を混在しないように、払出制御基板951側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための出力端子PT1,PT2を外部端子板784の左側に一列に配置するとともに、主制御基板1310側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための出力端子PT3〜PT10を外部端子板784の中央左寄りから右側に向かって一列に配置することにより、この点においても、払出制御基板951側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための配線と、主制御基板1310側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための配線と、を誤って電気的に接続することを防止することができるようになっている。
なお、本実施形態では、払出制御基板951側において出力される賞球数情報出力信号と、主制御基板1310側において出力されるメイン賞球数情報出力信号と、がそれぞれ外部端子板784からホールコンピュータへ伝えるように構成されている。これは、例えば、パチンコ島設備に何らかのトラブルにより図1に示した賞球タンク720にパチンコ島設備側からの遊技球が供給されなくなっている状態において、賞球タンク720に貯留されている遊技球が残り少なくなった時点において、たまたまパチンコ機1に15ラウンド大当りが発生すると、遊技球を賞球として払い出すための賞球タンク720に貯留されている遊技球の球数が不足するため、払い出すことができなくなる(また、例えば払出装置830内において球詰まりや球がみが発生すると、これを解消することができないと、遊技球を払い出すことができない)。そうすると、払出制御基板951側において出力される賞球数情報出力信号は、上述したように、図5に示した払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であるため、遊技球を払い出すことができなくなることにより払出制御基板951は賞球数情報出力信号を出力して外部端子板784を介してホールコンピュータへ伝えることができなくなる。遊技球が払い出されない状態となると、遊技者がホールの店員等を呼び出す。ホールの店員などは、例えば、パチンコ島設備から賞球タンク720へ遊技球を供給するためのホース状の補給ノズル等をチェックして球詰まりの位置を特定(また、例えば払出装置830内において発生した、球詰まりの位置や球がみの位置を特定)して解消することにより、遊技球が払い出される状態に復帰することとなる。
しかし、ホールの店員等が作業をすすめている状況であっても、主制御基板1310による遊技は進行しているため、15ラウンド大当り終了したのちに、ホールの店員等の作業により遊技球が払い出される状態に復帰すると、払出制御基板951は未払い出しの遊技球を次々と払い出すこととなり、15ラウンド大当り終了して15ラウンド大当りが発生していない時期であるにもかかわらず、払出制御基板951は、払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える賞球数情報出力信号を出力して外部端子板784を介してホールコンピュータへ伝えることとなる。そうすると、15ラウンド大当りが発生していない時期であるにもかかわらず、極めて多くの遊技球を払い出すこととなるため、パチンコ機1の遊技状態と、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数と、の関係をホールコンピュータが正確に把握することができないという問題が生ずる。
そこで、本実施形態では、払出制御基板951により払出モータ834が駆動制御されて賞球として実際に払い出したか否かに関係なく、つまり払出制御基板951が出力する賞球数情報出力信号とは別の信号として、主制御基板1310は、図8に示した第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号としてメイン賞球数情報出力信号を出力して払出制御基板951、そして外部端子板784を介して、ホールコンピュータへ伝えるという仕組みを採用した。これにより、仮に、上述したトラブル(補給ノズル等における球詰まり、払出装置830内における球詰まりや球がみ等のトラブル)が発生したとしても、パチンコ機1の遊技状態と、この遊技状態における払い出す予定の遊技球の球数と、の関係を正確にホールコンピュータへ伝えることができる。したがって、パチンコ機1の遊技状態と、遊技状態における払い出される遊技球の球数と、の関係をホールコンピュータが正確に把握することができる。
[12.演出表示駆動基板の回路]
次に、扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う演出表示駆動基板4450の回路について、図87を参照して説明する。演出表示駆動基板4450は、上述したように、扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納されており、扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う液晶モジュール回路450Vを主として構成されている。図87は上皿側液晶表示装置の表示領域の描画を行う液晶モジュール回路を示す回路図である。
[12−1.液晶モジュール回路]
演出表示駆動基板4450の液晶モジュール回路450Vは、図87に示すように、扉枠側演出用レシーバICSDIC0を主として構成されている。
液晶モジュール回路450Vは、図74に示した周辺制御基板1510の扉枠側演出用トランスミッタIC1512dからザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式によるシリアル信号(シリアルデータ)がプラス信号とマイナス信号として送信されると、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、コモンモードチョークコイルSDL0にそれぞれ入力され、このコモンモードチョークコイルSDL0によりプラス信号とマイナス信号とからノイズをそれぞれ分離することができるようになっている。ノイズが分離されたプラス信号とマイナス信号とは、扉枠側演出用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力されている。RXIN+端子とRXIN−端子との間には抵抗SDR0が電気的に接続されている。この抵抗SDR0は、終端抵抗(ターミネータ)であり、プラス信号とマイナス信号とがRXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ反射するのを防ぎ、シリアル信号の乱れを防止している。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、に復元する(つまり、シリアル化される前のパラレル信号に復元する)。なお、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号は、上述したように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビットであるものの、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットの信号となっている。
液晶モジュール回路450Vは、周辺制御基板1510の扉枠側演出用トランスミッタIC1512dからの信号のほかに、上述したように、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが周辺制御基板1510の差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号も入力されるようになっている。周辺制御基板1510の強制切替回路1512fは、上述したように、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450の液晶モジュール回路450Vに送信される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450の液晶モジュール回路450Vに送信される。
強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号、つまり扉枠側演出用トランスミッタIC1512dからザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式によるシリアル信号(シリアルデータ)がプラス信号とマイナス信号として、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、コモンモードチョークコイルSDL0に入力され、そして扉枠側演出用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して入力されているときには、この2つの信号がコモンモードチョークコイルSDL0に入力され、そして扉枠側演出用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力される。扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、LOCKN信号の出力要求であることを判断して、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。
なお、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データは、上述したように、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。本実施形態におけるLOCKN信号出力要求データは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されるものの、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号、つまり上述したザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)とデータ形式が全く異なる構造としている。このため、LOCKN信号出力要求データが扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されると、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号でないものと判断し、異常なデータであるとして、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を出力することとなる。換言すると、本実施形態では、受信したデータが異常なデータであると判断したときにLOCKN信号を出力するという扉枠側演出用レシーバICSDIC0の機能を利用して、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を強制的に出力させるために、わざわざ、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号とデータ形式が異なる構造のLOCKN信号出力要求データを、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力することにより、扉枠側演出用レシーバICSDIC0というデバイスが正常に動作しているか否かを確認することができるようになっている。これにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認することができる。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0のVDD端子、VDDO端子、LVDSVDD端子、PLLVDD端子、及びPDWN端子は、図76に示した上皿側液晶モジュール電源回路4450xが作成した+3.3Vがそれぞれ供給され、扉枠側演出用レシーバICSDIC0のGND端子、GNDO端子、LVDSGND願紙、PLLGND端子、EDGE端子、OE端子、MODE0、及びMODE1端子がそれぞれグランドに接地されている。
VDD端子は、デジタル回路用の電源端子であり、このデジタル回路用のグランドとなるGND端子との端子間にコンデンサSDC0が電気的に接続されており、VDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
VDDO端子は、TTL(Transistor−Transistor Logic)出力用の電源端子であり、このTTL出力用のグランドとなるGNDO端子との端子間にコンデンサSDC1が電気的に接続されており、VDDO端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
LVDSVDD端子は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)入力用の電源端子であり、このLVDS入力用のグランドとなるLVDSGND端子との端子間にコンデンサSDC2が電気的に接続されており、LVDSVDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
PLLVDD端子は、PLL(Phase Locked Loop)回路用の電源端子であり、このPLL回路用のグランドとなるPLLGND端子との端子間にコンデンサSDC3が電気的に接続されており、PLLVDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
PDWN端子は、+3.3Vが供給(印加)されることにより論理がHIとなって通常動作する旨を伝える一方、+3.3の供給が停止されて論理がLOWとなってパワーダウンする旨を伝える端子である。PDWN端子は、+3.3Vが抵抗SDR1を介して供給されるとともに、一端がグランドに接地されたバリスタSDZ0の他端と電気的に接続されている。このバリスタSDZ0は、抵抗SDR1を介して供給される+3.3Vの電電ラインのノイズや過電圧を抑えている。
EDGE端子は、後述する、CLKOUT端子から出力されるクロック信号DCLKに基づく各種出力端子(DE端子、SYNC0端子〜SYNC2端子、及びD0端子〜D17端子)から出力される各種信号の伝送を、立ち上がりエッジとする(論理がLOWからHIへ遷移する)場合、又は立ち下がりエッジとする(論理がHIからLOWへ遷移する)場合のいずれかを指定するための端子であり、本実施形態では、上述したように、EDGE端子をグランドに接地することにより立ち下がりエッジを指定している。因みに、EDGE端子を+3.3Vに接続すると、立ち上がりエッジを指定することができる。
OE端子は、後述する各種出力端子(DE端子、SYNC0端子〜SYNC2端子、D0端子〜D17端子、及びCLKOUT端子)の出力を許可するか否かを指示するものであり、本実施形態では、上述したように、OE端子をグランドに接地することにより、常に、出力可能状態としている。因みに、OE端子を+3.3Vに接続すると、出力することができない状態となる。
MODE0端子、及びMODE1端子は、動作モードを選択する端子であり、ともにグランドに接地することで動作モードを選択することができる。動作モードには、ノーマルモードとシェイクハンドモードとがある。ノーマルモードでは、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号(3ビットの同期信号)と、から構成されるパラレル信号に扉枠側演出用レシーバICSDIC0が復元するという通常動作するモードである。シェイクハンドモードでは、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求する旨をLOCKN端子からLOCKN信号を出力するモードである。このシェイクハンドモードは、自動的に切り替わるようになっている。
例えば、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号(3ビットの同期信号)と、から構成されるパラレル信号に扉枠側演出用レシーバICSDIC0が復元したものが、何らかの理由により、異常なデータで扉枠側演出表示装置460に描画することが困難である場合には、ノーマルモードからシェイクハンドモードに自動的に切り替わってLOCKN端子からLOCKN信号を出力する。このLOCKN信号は、ダンピング抵抗である抵抗SDR2、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に入力され、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。周辺制御MPU1511aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに伝えるために、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子に接続確認信号を出力する。この接続確認信号がINIT端子に入力されると、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信する。このような所定のデータパターン(SYNCパターン)が扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されることにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続を容易に回復することができるようになっている。所定のデータパターン(SYNCパターン)は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに予め記憶されている。なお、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子と、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子と、を枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して電気的に直接接続してもよい。
LOCKN端子は、上述したように、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求する旨を出力する端子である。LOCKN端子から出力されるLOCKN信号は、演出表示駆動基板4450のダンピング抵抗である抵抗SDR2、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に入力され、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。
SYNC0端子〜SYNC2端子は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて復元された水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号を出力する端子である。本実施形態では、復元された、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号を使用しないため、SYNC0端子〜SYNC2端子が未接続端子となっている。
DE端子は、後述する、CLKOUT端子から出力されるクロック信号、データ出力端子であるD0端子〜D17端子から出力されるデータが有効又は無効であることを伝えるDE信号を出力する端子である。DE端子から出力されるDE信号は、ダンピング抵抗である抵抗SDR3を介して扉枠側演出表示装置460に入力される。
CLKOUT端子は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0に内蔵されるPLL回路により生成されるクロック信号DCLKを出力する端子である。CLKOUT端子から出力されるクロック信号DCLKは、ダンピング抵抗である抵抗SDR4を介して扉枠側演出表示装置460に入力される。
D0端子〜D17端子は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて復元された赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)を出力するデータ出力端子である。D0端子〜D5端子という6ビットのデータ出力端子から青色映像信号B0〜B5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この青色映像信号B0〜B5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA0を介して扉枠側演出表示装置460にそれぞれ入力される。D6端子〜D11端子という6ビットのデータ出力端子から緑色映像信号G0〜G5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この緑色映像信号G0〜G5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA1を介して扉枠側演出表示装置460にそれぞれ入力される。D12端子〜D17端子という6ビットのデータ出力端子から赤色映像信号R0〜R5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この赤色映像信号R0〜R5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA2を介して扉枠側演出表示装置460にそれぞれ入力される。
なお、周辺制御基板1510、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、演出表示駆動基板4450、及び扉枠側演出表示装置460のグランドは、電気的に接続されており、同一グランドとなっている。
[第1制御部MCG,第2制御部SCGが有する各電子部品の実装態様]
ところで、一般に、電子部品を表面実装した場合、集積化によってハードウェア回路の小型化を好適に図ることができる点で有益であることが知られている。ただし、電子部品のうちの集積回路部品(複数種別の単機能素子(抵抗素子、ダイオード素子、若しくはコンデンサ素子など)が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される部品)では、その性質上、ディスクリート部品(一の単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入される部品)よりもパッケージが自ずと大きくなることから、パッケージの裏側には比較的大きなスペースが生み出される。そして、このようなパッケージの裏側のスペースは、表面実装の状態では、視認によって確認し難い箇所(電子部品(不正部品)が不正に搭載され易い箇所)になってしまう。このため、遊技機の分野においては、長年にわたって、電子部品をベース板(いわゆるベース基板など)に対して表面実装ではなく挿入実装することがなされている。
すなわち、挿入実装される電子部品は、パッケージとベース板との間に比較的大きな隙間を生み出す傾向にある。したがって、電子部品を挿入実装するようにすることで、実装状態においても、パッケージの裏側のスペースを視認によって確認し易い箇所として維持することが可能であり、これによって不正部品が搭載されることが好適に抑制されるようにしている。
ただし近年、遊技機の分野では、演出に供される空間のさらなる大型化が進んでいることなどもあり、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつも、ハードウェア回路の小型化を図ることが求められるようになってきている。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図69に示される上記第1制御部MCGと上記第2制御部SCGとのうち、遊技に関する演出制御を行うものでしかない上記第2制御部SCGについては遊技者が得る特典とは直接的に関係しておらず不正の対象とされ難いことに鑑み、まず、当該第2制御部SCGについてはこれを表面実装によって構成することとしている。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかる第2制御部SCGは、図69に示されるように、上記周辺制御基板1510を備えて構成されている。そして、第2制御部SCGは、周辺制御基板1510のベース基板に対して実装される各種の集積回路部品や各種のディスクリート部品を用いることによって上記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行可能とされている。
ここで、周辺制御基板1510のベース基板に対して実装される各種の集積回路部品としては、例えば、図72に示される周辺制御MPU1511aや、周辺制御ROM1511bなどがある。また、周辺制御基板1510のベース基板に対して実装される各種のディスクリート部品としては、例えば、図79に示される抵抗AR10,AR11や、ダイオードAD10、電解コンデンサAC10などがある。
この点、この実施の形態にかかる第2制御部SCGでは、そのベース板(ここでは、周辺制御基板1510のベース基板)に、各種の電子部品のリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域のみが形成されるようにしている。すなわちこの場合、周辺制御基板1510が有する上述した各種の電子部品としても、表面実装タイプの部品(SMD)がそれぞれ用いられることとなる。ただし、これらの電子部品は、遊技者が得る特典とは直接的に関係しておらず不正の対象とされ難いものであることから、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を落とすことなく、当該パチンコ機1に搭載されるハードウェア回路の小型化を図ることができるようになる。
これに対し、この実施の形態にかかる第1制御部MCGは、図69に示されるように、上記主制御基板1310、上記払出制御基板951、及び上記電源基板931を備えて構成されている。そして、第1制御部MCGは、これら基板1310,951,931のベース基板に対して実装される各種の集積回路部品や各種のディスクリート部品を用いることによって上記制御用電源(例えば、+5Vなど)の生成処理や、賞球の払出しを含めた遊技に関する処理が実行可能とされている。しかしながら、第1制御部MCG側におけるこうした処理は、遊技者の特典付与に直結するものであることから、当該第1制御部MCGは不正の対象とされ易いものとなっている。したがって、ハードウェア回路の小型化が求められるとは言え、第1制御部MCGを単純に表面実装によって集積化してしまうと、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能が著しく低下してしまい、遊技興趣の低下が避けられなくなるといった実情にある。
ただしその一方で、このような第1制御部MCGであっても、そのベース板(主制御基板1310のベース基板や、払出制御基板951のベース基板、電源基板931のベース基板)に実装される各種の電子部品のうちのディスクリート部品は、集積回路部品よりもパッケージが小さくなっており、その裏側に電子部品が不正に搭載されたとしても視認によって容易に確認することが可能であることから、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能として比較的高い性能を有した部品であるといえる。
すなわち、発明者は、第1制御部MCGに搭載される電子部品のなかには、不正に対するセキュリティ性能の高い部品(ディスクリート部品)と、不正に対するセキュリティ性能の低い部品(集積回路部品)とが混在していることに着目し、ハードウェア回路としてのさらなる集積化を、不正に対するセキュリティ性能の高い部品(ディスクリート部品)のみで図るようにすれば、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつも、ハードウェア回路の小型化を図ることが可能であることを見出した。
図117は、第1制御部MCGにあって、不正に対するセキュリティ性能の高い部品(ディスクリート部品)のみで集積化が図られている様子を模式的に示す図である。以下、同図117を参照して、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが可能であることについて説明する。
同図117に示されるように、この実施の形態にかかる第1制御部MCGは、ベース板BBと、該ベース板BBに対して実装される各種の電子部品Dとを備えて構成されている。なお、同図117は、本願にかかる特徴的な技術の原理を説明するための模式図でしかなく、例えば、ベース板BBは、実際には、主制御基板1310のベース基板と、払出制御基板951のベース基板と、電源基板931のベース基板との3つのベース基板を有して構成されるものであるが、本願にかかる特徴的な技術をこのような実施形態に適用した例については後述することとして、ここでは、まず、説明の便宜上、それらが1つのベース基板により構成される例を想定して説明することとする。
ここで、上記ベース板BBには、
・電子部品に設けられたリード部が当該ベース板BB内に挿入されるかたちで実装されて、集積性能では劣るものの不正抑制性能に優れる挿入実装領域THと、
・電子部品に設けられたリード部が当該ベース板BBの表面上に置かれるかたちで実装されて、配線パターンの多段積層化などによって集積性能には優れるものの不正抑制性能で劣る表面実装領域SMと
の両方が区分けされるかたちでそれぞれ設けられている。
このような構成によれば、不正対象にされ難い電子部品を表面実装領域SMに実装可能としつつも、集積化よりも不正抑制を追及するべき電子部品についてはこれを挿入実装領域TH側に実装することが可能とされることから、ハードウェア回路の小型化を実現可能としつつも、不正部品の搭載に対する抑制性能についてはこれを好適に維持することができるようになる。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、上記各種の電子部品Dとして、
・複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入されており、不正な搭載に対するセキュリティ性能の低い集積回路部品D1と、
・単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるだけであり、不正な搭載に対するセキュリティ性能の高いディスクリート部品D2と
を備えている。
この点、本願にかかる特徴的な1つ目の技術として、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、上記セキュリティ性能の低い集積回路部品D1についてはこれを上記挿入実装領域THと上記表面実装領域SMとのうちの不正抑制性能に優れる挿入実装領域THのみに実装するとともに、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMにおいては、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品のみを実装することとしている。これにより、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることを可能ならしめている。
また、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、同図117に示されるように、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品D2として、表面実装領域SMに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2aと、挿入実装領域THに実装される挿入実装タイプのディスクリート部品D2bとを有している。
すなわち上述の通り、電子部品に関しては、一般的に、挿入実装タイプではなく、表面実装タイプを用いたほうが集積化を図ることはできる。ただし、上記ベース板BBとして、挿入実装領域THと表面実装領域SMとの両方を区分けして備えるようにした場合、回路設計上、例えば、電気的に接続される集積回路部品D1の設けられる位置や、これに関連した配線パターンの設けられるスペースなどとの兼ね合いから、表面実装領域SMではなく、挿入実装領域THに電子部品を配置させるようにしたほうが集積化を逆に図ることができるような場合も生じうる。
この点、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、ディスクリート部品D2の全てを表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして用いるのではなく、集積化を図る上で最も適した態様となるようにその一部に挿入実装タイプのディスクリート部品D2bをあえて用いることとしている。これにより、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化をより好適に図ることが期待されるようになる。
なお、図117に示されるように、不正抑制性能に優れる挿入実装領域THは、基板の一方側(裏側)の面には形成されず、且つ他方側(表側)の面に形成されてディスクリート部品と集積回路部品との両方がそれぞれ実装されるようにする。これに対し、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMは、基板の一方側(裏側)の面には形成されず、且つ他方側(表側)の面に形成されて集積回路部品とディスクリート部品とのうちの集積回路部品は実装されずディスクリート部品のみが実装されるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、まず、不正部品が搭載されているかの確認に際して死角となり易い裏面側への実装用電子部品の実装が排除されることとなる。そしてこの上で、不正抑制性能に優れる挿入実装領域THには、不正対象にされ易い集積回路部品と不正対象にされ難いディスクリート部品との両方が実装されるようにする一方で、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMには、不正対象にされ難いディスクリート部品のみを実装することとしたことから、不正部品の搭載に対する抑制性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
またさらに、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、同図117に示されるように、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品D2であっても、コンデンサ素子のうち容量値の大きいコンデンサ素子(バックアップ電源用など)については、その他の素子(抵抗素子やダイオード素子、容量値の小さいコンデンサ素子(フィルタ回路用など)など)よりも相対的に大きい形状とされていることに鑑みて、表面実装領域SMに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2aとしては用いず、挿入実装領域THに実装される挿入実装タイプのディスクリート部品D2b−Cとしてのみ用意することとしている。これにより、ハードウェア回路の小型化を図るにあたり、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能をより好適に維持することができるようになる。
ただし、容量値の大きいコンデンサ素子が他の素子(ディスクリート部品)よりも大型であるとは言え、集積回路部品D1と比較すれば、パッケージとベース板との間にそれほど大きな隙間が生まれることもない。したがって、該コンデンサ素子を、表面実装領域SMに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして用いるようにしてもよく、この場合であっても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持することは可能である。
しかも、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、上述した本願にかかる特徴的な1つ目の技術とは異なる観点をもとになされた、特徴的な2つ目の技術が内在されている。
すなわち、同図117に示されるように、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、特定の電気的機能(例えば、バックアップ電源供給機能)を発揮することを目的とした一のハードウェア回路を、ディスクリート部品D2によって電気的に構成されるディスクリート回路(集積回路部品D1を用いないハードウェア回路)DHCとして有している。ただし、このディスクリート回路DHCは、挿入実装領域THと表面実装領域SMとに分けられるかたちでそれぞれ実装された複数のディスクリート部品D2によって構成される電気的構造をもって設けられている。
すなわちこの場合、特定の電気的機能(例えば、バックアップ電源供給機能)を発揮することを目的とした一のディスクリート回路DHCであるにもかかわらず、ベース板BB上では、挿入実装領域THに対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品D2bと、表面実装領域SMに対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品D2aとが混在するようになる。したがって、第1制御部MCGのベース板BBを第三者が視認したときに、それらが特定の電気的機能(例えば、バックアップ電源供給機能)を発揮するために電気的に密接な役割を持っていることを想起し難くさせることができるようになり、こうした回路理解の困難性が高められることでも不正の抑制が期待されうるようになる。また、表面実装領域SMに対して電子部品の一部が実装されることで、ハードウェア回路の小型化も期待されうるようになる。
以上、説明したとおり、この実施の形態にかかるパチンコ機1によれば、電子部品に対する不正を抑制しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることができるようになる。
ただし上述の通り、図117に示した例は、本願にかかる特徴的な2つの技術の原理を説明するためのものであるから、次に、上記各技術を本願の実施形態に適用した例について説明する。
この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、まず、第1制御部MCGのベース板BBは、主制御基板1310のベース基板と、払出制御基板951のベース基板と、電源基板931のベース基板との3つのベース基板を有して構成されている。そして、これらのベース基板に、挿入実装領域THと表面実装領域SMとの両方が区分けされるかたちで設けられるようにしている。
ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記3つのベース基板のうち、上記電源基板931についてはそのベース基板に上記挿入実装領域THのみが形成されており、上記主制御基板1310のベース基板と上記払出制御基板951のベース基板とにおいて、挿入実装領域THと表面実装領域SMとの両方がそれぞれ区分けされるかたちで設けられる。
そして、第1制御部MCGのベース板BBに実装される各種の電子部品Dのうち、上述した「主制御内蔵RAMに対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路」のうちのダイオードMD0(図75参照)を、上記主制御基板1310のベース基板のうちの表面実装領域SMに対し、表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして実装することとしている。また、これと同様、上述した「払出制御内蔵RAMに対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路」のうちのダイオードPD0(図75参照)を、上記払出制御基板951のベース基板のうちの表面実装領域SMに対し、表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして実装することとしている。
このような構成によれば、上記セキュリティ性能の低い集積回路部品D1と上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品D2とのうち、ディスクリート部品D2(ダイオードMD0,ダイオードPD0)のみが表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして表面実装領域SM(主制御基板1310,払出制御基板951)にそれぞれ実装されるようになる。これにより、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが可能とされるようになる(本願にかかる特徴的な1つ目の技術)。
しかも、この実施形態に適用した例では、第1制御部MCGのベース板BBに形成される表面実装領域SMには、特定種類のディスクリート部品(ここでは、ダイオードMD0及びダイオードPD0はいずれもショットキーダイオード素子)のみが複数個実装されるようになる。すなわちこの場合、不正抑制性能で劣る表面実装領域SMに実装される電子部品はいずれも同じ形状を持つこととなることから、不正確認に要する手間が省かれることが期待されるようになる。
また、上記構成では、電源基板931が本来は有するべきディスクリート部品(電源供給機能の一部を担う電子部品)を、該電源基板931とは異なる基板(主制御基板1310)側にあえて実装するようにしている。すなわち、電源基板931に表面実装領域SMを形成するだけのスペース的な余裕が無かったとしても、他の基板に表面実装領域SMを形成してそこに表面実装タイプのディスクリート部品D2として実装することが可能であり、第1制御部MCG全体としての回路設計にかかる自由度の向上を図ることができるようになる。
またさらに、上記構成では、バックアップ電源供給機能を発揮することを目的として、複数のディスクリート部品D2(ここでは、コンデンサ素子、及びショットキーダイオード素子)を有した一のディスクリート回路DHC(バックアップ電源回路)が設けられるにもかかわらず、該ディスクリート回路DHCを構成する上記複数のディスクリート部品D2については、挿入実装領域TH(コンデンサ素子)と表面実装領域SM(ショットキーダイオード素子)とに分けてそれぞれ実装することとしている。
このような構成によれば、バックアップ電源供給機能を発揮することを目的とした一のディスクリート回路DHC(バックアップ電源回路)であるにもかかわらず、ベース板BB上では、挿入実装領域TH(電源基板931)に対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品D2bと、表面実装領域SM(主制御基板1310,払出制御基板951)に対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品D2aとが混在するようになる。したがって、第1制御部MCGのベース板BBを第三者が視認したときに、それらが特定の電気的機能(例えば、バックアップ電源供給機能)を発揮するために電気的に密接な役割を持っていることを想起し難くさせることができるようになり、こうした回路理解の困難性が高められることでも不正の抑制が期待されうるようになる(本願にかかる特徴的な2つ目の技術)。
しかも、この実施形態に適用した例では、バックアップ電源供給機能を発揮することを目的とした一のディスクリート回路DHC(バックアップ電源回路)が有する複数のディスクリート部品D2を、挿入実装領域TH(コンデンサ素子)と表面実装領域SM(ショットキーダイオード素子)とに分けて実装することのみならず、それらディスクリート部品D2を異なる2つの基板(主制御基板1310,払出制御基板951(ショットキーダイオード素子)、電源基板931(コンデンサ素子)にさらに分けて実装することとしている。すなわちこの場合、表面実装用と挿入実装用とで混在する電子部品D2a,D2bが、さらに異なるベース基板にそれぞれ実装されるようになることから、回路理解の困難性が益々高められるようになり、不正の抑制がさらに期待されうるようになる。
また、上記実施形態では、図117から明らかであるように、第1制御部MCGのベース板BBにおける表面実装領域SMの実装面は、第1制御部MCGのベース板BBにおける挿入実装領域THの実装面よりも小さい面積となるように設けられている。したがって、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMが設けられるものであることが第三者に気付き難くされるようになり、不正行為の抑制が期待されうるようになる。
また、上記実施形態では、図117から明らかであるように、第1制御部MCGのベース板BBにおける表面実装領域SMに実装される電子部品の種類の数は、第1制御部MCGのベース板BBにおける挿入実装領域THに実装される電子部品の種類の数よりも少なくなるように設けられている。したがって、相対的にセキュリティ性能に劣る表面実装領域SMに実装される電子部品に対して不正な行為がなされていないかの目視チェックの対象とされる電子部品の種類が相対的に少なくされることで、目視チェックの容易化を図ることができるようになる。
また、上記実施形態では、図117から明らかであるように、第1制御部MCGのベース板BBにおける表面実装領域SMに実装される電子部品の総数は、第1制御部MCGのベース板BBにおける挿入実装領域THに実装される電子部品の総数よりも少なくなるように設けられている。したがって、相対的にセキュリティ性能に劣る表面実装領域に実装される電子部品に対して不正な行為がなされていないかの目視チェックの対象とされる電子部品の総数が相対的に少なくされることで、目視チェックにかかる負荷を軽減させることができるようになる。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、表面実装領域SMを、主制御基板1310のベース基板と払出制御基板951のベース基板とにそれぞれ設けることとしたが、電源基板931のベース基板に形成してもよい。
また、特定のベース基板にのみ表面実装領域SMを形成し、該特定のベース基板に、他のベース基板に本来は実装されるべき表面実装タイプのディスクリート部品D2もまとめて配設するようにしてもよい。このような構成によれば、不正な搭載がされていないか否かを確認するに際して、特定のベース基板に形成された表面実装領域SMのみを重点的に確認すればよくなることから、不正確認に要する手間が省かれることが期待されるようになる。
ただし、上記3つのベース基板のいずれにおいても集積回路部品D1が実装されることに鑑みれば、不正を好適に抑制する上では、3つのベース基板のいずれにおいても少なくとも挿入実装領域THは形成されなければならない。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1制御部MCGのベース板BBを、主制御基板1310のベース基板と、払出制御基板951のベース基板と、電源基板931のベース基板との3つのベース基板によって構成されるものとしたが、図117に模式的に示したように、それらを一のベース基板上でまとめて構成するようにしてもよい。
また、本願にかかる「第1制御部MCGのベース板BB」とは、要は、表面実装領域SMと挿入実装領域THとが区分けされるものであればよく、これを複数のベース基板によって設けるようにしてもよいし、一のベース基板によって設けるようにしてもよい。
例えば、主制御基板1310のベース基板として、挿入実装領域THのみが形成された第1のベース基板と、表面実装領域SMのみが形成された第2のベース基板とを備え、該第2のベース基板を、上記第1のベース基板の挿入実装領域THに対して挿入実装することによって、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、上記第1のベース基板に挿入実装されている電子部品と上記第2のベース基板に表面実装されている電子部品とが互いに電気的に接続されるような構造が採用されることも想定されうるが、この場合における「第1制御部MCGのベース板BB」とは、挿入実装領域THのみが形成された第1のベース基板と、表面実装領域SMのみが形成された第2のベース基板との両方を少なくとも含む概念である。すなわち、このような態様も、「第1制御部MCGのベース板BBには、挿入実装領域THと表面実装領域SMとの両方がそれぞれ区分けされるかたちで設けられる」といった態様のうちの一の態様として含まれるものである。
なお、挿入実装領域THのみが形成された第1のベース基板と、表面実装領域SMのみが形成された第2のベース基板とを備えるようにする場合は、挿入実装領域THと表面実装領域SMとが異なる方向(好ましくは、直交する方向)を向くように第1のベース基板及び第2のベース基板をそれぞれ配設するようにすることが望ましい。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMに実装される部品(表面実装部品)として、相対的に小さいパッケージに封入される電子部品であるディスクリート部品のみが用いられるようにすることで、不正部品が搭載されるだけのスペースを排除(裏面側のスペースを小さく)しつつ、ハードウェア回路の小型化を実現可能としている。
ただし、このようなセキュリティ性能に優れたディスクリート部品(表面実装部品)であっても、その裏側には、小さいスペースではあるものの、表面実装領域SMに実装された状態では視認によって確認し難い箇所が依然として残される。したがって、パチンコ機1の運用・管理を行うホール側としては、「ディスクリート部品(表面実装部品)の裏側には不正部品が搭載されるだけのスペースは残されていない」といったことは理解できたとしても、「極めて小さな不正部品が生み出されてこれが不正に搭載されるかもしれない」などといった不安感を完全に捨て切ることはできず、視認によって確認することが困難とされる状況のなかでの確認を強いられるなど、当該パチンコ機1の運用・管理が煩雑になってしまうことが懸念される。
そこで、主制御基板1310や払出制御基板951の各ベース基板については、上述した態様に代えて、以下の態様で設けるようにすることがより望ましい。
[主制御基板1310や払出制御基板951の各ベース基板についての変形例]
図118は、変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBについて、該ベース基板MBにおける一部領域を示す図である。以下、同図118を参照して、主制御基板1310のベース基板MBについての変形例を説明する。なお、払出制御基板951のベース基板の変形例については説明を割愛することとするが、以下に説明する主制御基板1310のベース基板MBと同様の内容で変形させることが可能である。
同図118に示されるように、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBは、集積性能では劣るものの不正抑制性能に優れる挿入実装基板THBを少なくとも備えて構成されている。
そして、この変形例にかかる挿入実装基板THBにおいても、上記実施形態の挿入実装基板THと同様、複数種の電子部品(挿入実装部品)が挿入されるかたちで実装されている。また、これも同様、それらの電子部品(挿入実装部品)のなかには、上記セキュリティ性能の低い集積回路部品D1と、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品D2bとの両方が含まれている。
ただし、同図118を見ると明らかであるように、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBでは、挿入実装基板THBと、該挿入実装基板THBに対して挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される電子部品とがそれぞれ設けられるに留まっている。すなわち、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBは、表面実装領域と該領域に実装される表面実装部品とをそれぞれ有するものであるにもかかわらず、一見するだけでは、それらのいずれもが設けられていないように見える特殊な実装構造を採用することとしている。
より具体的には、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBは、上記挿入実装部品としての集積回路部品D1やディスクリート部品D2bのほか、特殊実装部品D3(図中では、特殊実装部品D3a,特殊実装部品D3b)を有している。この特殊実装部品D3は、不正抑制性能に劣る表面実装領域に実装される電子部品(表面実装部品)を内蔵しているにもかかわらずこれが隠匿された状態にて上記挿入実装基板THBに対して後述の特殊挿入実装用リード部TLを介して挿入実装されるものとなっている。
このような特殊実装部品D3によれば、後述の表面実装領域と該表面実装領域に実装される電子部品(表面実装部品)とがその内部にそれぞれ設けられるものであるにもかかわらず、不正抑制性能に優れる挿入実装基板THBに実装される一の挿入実装部品であるかのように見える外観形状を有するようになることから、悪意のある者による不正目的の対象部品から外されることが期待されうるようになる。なお、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBにおいては、上記挿入実装基板THBのうち、このような特殊実装部品D3が挿入実装される部分が、表面実装部品が実装される表面実装領域として機能することとなる。
しかも、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBでは、このような特殊実装部品D3を、1箇所に纏めて(隣接して)配設せず、当該ベース基板MB上における複数箇所に分散させるとともに、特殊実装部品D3の少なくとも1つ(図中では、特殊実装部品D3a)は、挿入実装部品D1,D2bが挿入実装される比較的大きな領域(挿入実装領域)に囲まれるように配設することとしている。
すなわちこの場合、不正抑制性能に劣る表面実装領域や該表面実装領域に実装される電子部品(表面実装部品)が小分けになって目立たなくなることはもとより、上述の外観形状と相まって、不正抑制性能に優れて相対的に大きな領域として設けられる挿入実装領域のなかにうまく紛れ込むようになることから、悪意のある者が主制御基板1310のベース基板MBを見たときに表面実装領域が存在していることにさらに気付き難くさせることができるようになり、これによって不正部品の搭載に対する抑制性能をより好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
また後述するが、この変形例にかかる特殊実装部品D3aの内部には、図117にて示した表面実装タイプのディスクリート部品D2aとしてのダイオードMD0(図75参照)が封入されている。そして、このようなダイオードMD0が、バックアップ電源供給機能を発揮することを目的とした一のディスクリート回路(バックアップ電源回路)に用いられるものであることは上述した通りである。それにもかかわらず、この変形例においても、一のディスクリート回路(バックアップ電源回路)を構成する複数のディスクリート部品については、挿入実装領域(コンデンサ素子(キャパシタBC0))と表面実装領域(ショットキーダイオード素子(ダイオードMD0))とに分けてそれぞれ実装することとしている。しかも、挿入実装領域に挿入実装されるコンデンサ素子(キャパシタBC0)については、挿入実装領域のうち、ショットキーダイオード素子(ダイオードMD0)を内蔵する特殊実装部品D3aと隣接しない位置(電源基板931など)にて実装されるようにしている。
このように、特殊実装部品D3aに内蔵されている電子部品が特定の電気的機能(バックアップ電源供給機能)を発揮するものであることを想起し難くさせて回路理解の困難性を高めるようにしたことで、不正抑制性能に劣る表面実装領域が存在していることに気付かれた場合であっても、不正の抑制が期待されうるようになる。
次に、この変形例にかかる特殊実装部品D3aの構造についてその一例を説明する。なお、図118には、説明の便宜上、特殊実装部品D3aが実装されている部分を拡大するとともに、特殊実装部品D3aの外側パッケージOPが一部割愛されてその内部構造が露にされている説明図(点線で囲まれている部分)が含まれている。
同説明図に併せて示されるように、この変形例にかかる特殊実装部品D3aは、表面実装タイプの電子部品(表面実装部品)が実装される表面実装基板としての特殊表面実装基板SMBと、該特殊表面実装基板SMBに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2aと、上記挿入実装基板THBのスルーホール(特定の挿入孔)内に挿入される挿入実装用リード部としての特殊挿入実装用リード部TLと、これらの各部位をモールド樹脂によってモールドする外側パッケージOPとを備えている。
ここで、上記特殊表面実装基板SMBは、当該基板上に実装される電子部品(表面実装タイプのディスクリート部品D2a)に設けられる表面実装用リード部SLと上記特殊挿入実装用リード部TLとを電気的に接続するように形成された配線パターンHPを有するとともに、その実装面が上記挿入実装基板THBにおける実装面と概ね直交する関係となるように設けられている。
特殊表面実装基板SMBの実装面における表面積は、表面実装タイプのディスクリート部品D2aが実装されるだけの大きさに留まっており、例えば、主制御MPU1310aを構成する集積回路部品が実装されるときに必要とされる面積よりも小さな面積の実装面しか持たないようにされている。すなわち、挿入実装基板THBでは、パチンコ機1を稼動させるために要する全ての電子部品が実装された状態においても他の電子部品をさらに実装するだけの余裕スペースが残されているのに対し、特殊表面実装基板SMBにおいては、その小型化を図るために、実装対象とされる電子部品(表面実装タイプのディスクリート部品D2a)が実装された状態では他の電子部品をさらに実装するだけの余裕スペースは残されていない。
このような構成によれば、特殊表面実装基板SMBに対して何らかの不正を施すことが困難とされるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制を図りつつ、ハードウェア回路のさらなる小型化が期待されるようになる。
また、上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aは、これ自体がモールド樹脂によりモールドされるパッケージ構造(内側パッケージ)を有している。そして、その内部では、一のディスクリート回路(バックアップ電源回路)に含まれるショットキーダイオード素子(ダイオードMD0)がボンディングワイヤによって表面実装用リード部SLと電気的に接続されている。すなわち、表面実装タイプのディスクリート部品D2aには、内側パッケージ(モールド樹脂)の外側へと引き出されるように形成された上記表面実装用リード部SLが設けられており、この表面実装用リード部SLが上記特殊表面実装基板SMB上に形成された配線パターンHPを介して上記特殊挿入実装用リード部TLと電気的に接続されることで、上記挿入実装基板THBに実装されている他の電子部品と上記ショットキーダイオード素子(ダイオードMD0)とが電気的に接続されて互いに連携した処理を行いうるようになっている。
またさらに、上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aは、扁平な外観形状(パッケージ形状)をなして設けられており、上記特殊表面実装基板SMBに対してその扁平面が対向するかたちで半田付けされることにより表面実装されている。ただし上述の通り、表面実装タイプのディスクリート部品D2aが実装される特殊表面実装基板SMBは、その実装面が上記挿入実装基板THBにおける実装面と概ね直交する関係となっている。したがって、当該特殊実装部品D3内に設けられる表面実装タイプのディスクリート部品D2aは、上記挿入実装基板THBに対しては、その扁平面ではなく、肉薄とされる側の面(肉薄面)が対向するかたちとなるように実装されることとなる。
このような構成では、相対的に大きな面積を有する扁平面ではなく、相対的に小さな面積しか有していない肉薄面が上記挿入実装基板THBと対向するようになる。したがって、図118に示されるように、挿入実装基板THBにおいて、1個分のディスクリート部品(挿入実装タイプ)が実装可能とされるだけのような僅かな領域(スルーホール2個分)しか残されていない状況であっても、該僅かな領域(スルーホール2個分)に対して上記特殊実装部品D3を配設することができるようになる。
なお、この変形例にかかる表面実装タイプのディスクリート部品D2aこれ自体の大きさ(図中、横方向の長さ)は、当該特殊実装部品D3aが上記挿入実装基板THBに対して実装されるときに上記特殊挿入実装用リード部TLが挿入されるスルーホール間のピッチ(特定の挿入孔の設置間隔)よりも小さいものとなっている。
また、上記特殊挿入実装用リード部TLは、一端側が、上記特殊表面実装基板SMBをその両面側から挟み込む二股構造になっており、上記特殊表面実装基板SMBのうち上記配線パターンHPが形成されている箇所において半田付けされることで、上記特殊表面実装基板SMBに対して固着されるとともに、上記配線パターンHPを介して上記表面実装用リード部SLと電気的に接続されるようになっている。これに対し、他端側は、上記挿入実装基板THBのスルーホールに挿入された状態にて半田付けされることで、上記挿入実装基板THBに対して固着されるとともに、該挿入実装基板THB側の配線パターンを介して各種の電子部品と電気的に接続されるようになっている。
また、上記外側パッケージOPは、上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aこれ自体がモールド樹脂によりモールドされるパッケージ構造(内側パッケージ)を有しているにもかかわらず、該モールド樹脂とは別のモールド樹脂によって、その実装対象とされる上記特殊表面実装基板SMB共々に上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aをさらにモールド(二重モールド)するものとなっている。
このような構成では、不正抑制性能に劣る表面実装基板に対して何らかの不正を施すことが極めて困難とされるようになる。
特に、この変形例にかかる特殊実装部品D3aでは、二重モールドのうちの外側パッケージOPによって生み出される外観形状は、内部で表面実装される特定種別の表面実装部品これ自体の外観形状と異なっている。すなわちこの場合、ディスクリート部品D2aこれ自体の外観形状を隠匿した状態にて実装することができるようになることから、当該特殊実装部品D3aに内蔵される特定種別の表面実装部品が実装されていないように見えるなど、回路理解の困難性が高められるようになり、不正の抑制が期待されうるようになる。
しかも、上記外側パッケージOPは、その内部に設けられる上記特殊挿入実装用リード部TLと上記表面実装用リード部SLとのうち上記特殊挿入実装用リード部TLのみが当該外側パッケージOP(モールド樹脂)の外側に引き出されるかたちとなるように上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aを上記特殊表面実装基板SMBとともに一体にモールドしており、これによって当該特殊実装部品D3aが挿入実装用リード部(特殊挿入実装用リード部TL)を有する一の電子部品として挿入実装基板THBに実装されるようにしている。
このような構成によれば、不正抑制性能に劣る表面実装基板や該基板に実装される電子部品(表面実装部品)が内部に設けられるものであるにもかかわらず、当該特殊実装部品D3aを、不正抑制性能に優れる挿入実装領域に実装される一の挿入実装部品であるかのように機能させることができるようになることから、悪意のある者の不正目的の対象から外されることが期待されうるようになる。また、物流面や実装時などにおいても一の挿入実装タイプのディスクリート部品と同等に扱うことが可能であるから、このような扱い易さの面でも優れているといえる。
またさらに、上記外側パッケージOPは、スルーホール間のピッチよりも小さい横幅とされる上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aに対し、該ディスクリート部品D2aこれ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によってその実装対象とされる特殊表面実装基板SMBとともに一体にモールドすることで、スルーホール間のピッチ内に収まらない大きさをもった一の電子部品としての外観形状を持たせるようにもしている。
すなわち、図117に示されるように、表面実装タイプのディスクリート部品を、挿入実装領域におけるスルーホール間のピッチ(挿入孔の設置間隔)よりも小さい外観形状のままにしておいた場合、主制御基板1310のベース基板MB内に不正抑制性能で劣る表面実装領域が設けられていることを第三者に気付かれやすくなってしまい、ひいては不正行為を助長しかねない。
この点、上記構成では、スルーホール間のピッチよりも小さい横幅とされる上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aについては、スルーホール間のピッチ内に収まらない大きさをもった一の電子部品としての外観形状を持たせた上で実装させるようにしている。すなわちこの場合、図118に示されるように、主制御基板1310のベース基板MB上には、スルーホール間のピッチよりも小さい横幅とされる外観形状をもった電子部品が存在しなくなり、挿入実装タイプの電子部品(挿入実装部品)のみが実装されているかのように見せることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を向上させることができるようになる。
またさらに、このような外側パッケージOPによって生み出される外観形状は、内部で表面実装される電子部品の外観形状と異なっていることはもとより、挿入実装基板THBに実装される全ての挿入実装部品(特殊実装部品D3を除く電子部品)のいずれとも異なるユニークな外観形状とされている。すなわち、この変形例にかかる特殊実装部品D3aでは、演算処理装置などと比較して限定的な機能しか持ち得ない単なるディスクリート部品D2aに対し、二重のモールド樹脂で保護するといった過剰なセキュリティ性能を付与した上で、悪意ある者の注意をあえて引きつける外観形状としてユニークであり且つ比較的大きな外観形状を持たせるようにしている。
このような構成によれば、主制御基板1310のベース基板MB上にて施された過剰なセキュリティ性能を第三者に見せ付けることができるようになることから、不正行為を行おうとする意欲の減退が期待されうるようになる。
またさらに、外側パッケージOPには、当該特殊実装部品D3aとしての電子部品の種別を示す識別番号が付されるが、この変形例では、該識別番号の内容(○3213)を、上記内側パッケージ(特殊表面実装基板SMBに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2a)に付される識別番号の内容(SD)と異ならせるようにしている。
このような構成によれば、特定種別の表面実装部品に対して付される識別番号の内容(SD)が現れないようになることから、外側パッケージOPによって生み出される外観形状と内部で表面実装される特定種別の表面実装部品の外観形状とが異なっていることと相まって(二重モールドの構造と相まって)、特定種別の表面実装部品が実装されていないように見せることができるようになる。また、挿入実装タイプの電子部品(挿入実装部品)のみが実装されているかのようにも見せることができるようになり、不正部品の搭載に対する抑制性能を向上させることができるようになる。
また、この変形例にかかる特殊実装部品D3aでは、特殊表面実装基板SMBの厚さ方向の長さを、表面実装タイプのディスクリート部品D2aの厚さ方向の長さよりも小さくなるようにしている。そしてこの上で、特殊表面実装基板SMBの扁平面における一方側にのみ電子部品や配線パターンが設けられる実装面が形成されるようにしており、その裏面側にはモールド樹脂が直接付されるようになっている。
すなわち、このような構成を採用することによって、ユニークであり非対称性の外観形状をかたちづくることはもとより、特殊実装部品D3aの厚さ方向の長さが、挿入実装領域THに実装される挿入実装タイプのディスクリート部品D2bの厚さ方向の長さよりも小さくなっている。これにより、互いの実装面を直交させる上述の構造と相まって、挿入実装基板THBに対して特殊実装部品D3aを実装するにあたり、特別な実装スペースを確保しておくなどの必要性がなくなり、多くの挿入実装部品が実装されるなかに当該特殊実装部品D3aを紛れ込ませることができるようになる。
なお、この変形例にかかる特殊実装部品D3aは、上述の通り、外観上は、一の挿入実装タイプのディスクリート部品として見えるものであるが、実際は、特殊表面実装基板SMBと表面実装タイプのディスクリート部品D2aとをその内部にそれぞれ含んでいるものである。すなわち、特殊実装部品D3aでは、特殊挿入実装用リード部TLがその内部にて特殊表面実装基板SMBに対して固着されて上記配線パターンHPを介して上記表面実装用リード部SLと電気的に接続される構造となっているのに対し、挿入実装部品では、挿入実装用リード部がその内部にてボンディングワイヤによって特定の電子部品と電気的に接続される構造となっている。
また、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBにおいては、図118に示されるように、このような内部構造を有する特殊実装部品D3として、ショットキーダイオード素子(ダイオードMD0)を内部で表面実装する特殊実装部品D3aのほか、容量値の小さいコンデンサ素子を内部で表面実装する特殊実装部品D3bが設けられている。
すなわち、この変形例にかかる特殊実装部品D3bは、挿入実装領域THに実装される挿入実装タイプのディスクリート部品D2bのうち、抵抗素子として設けられるディスクリート部品D2bとの間で、特定のデータラインに対するフィルタ回路を形成するものとなっている。このようなフィルタ回路にかかる構成であっても、一のディスクリート回路に含まれる電子部品が特定の電気的機能(フィルタ機能)を発揮するために電気的に密接な役割を持っていることを想起し難くさせることが可能であり、こうした回路理解の困難性を高めることで、不正の抑制が期待されうるようになる。
なお、特殊実装部品D3bについては、フィルタ回路を構成する抵抗素子とコンデンサ素子との両方が内部で特殊表面実装基板SMBに対してそれぞれ表面実装されるものであってもよい。ただしこの場合、各電子部品については横並びで一列に配設されるようにするなど、少なくとも、挿入実装基板THBに挿入実装される電子部品(挿入実装部品)のうち最も高さのある電子部品(例えば、図中は割愛されているコンデンサ素子など)よりも低い外観形状のままにしておくことが、主制御基板1310のベース基板MBの小型化を図る上で望ましい。
また、特殊実装部品D3については、このように複数種の電子部品を内蔵するものであってもよいし、一種類の電子部品を複数内蔵するものであってもよい。いずれにしろ、複数個の電子部品が内蔵される場合は、それら複数個の電子部品が一枚の特殊表面実装基板SMBに対して横並びに一列で表面実装されるようにするとともに、それらの電子部品と特殊表面実装基板SMBとを纏めてモールド樹脂によりモールドしてパッケージ化するようにすることが望ましい。
ただし、特殊実装部品D3内に複数の電子部品を内蔵するようにした場合は、その外観形状が自ずと大きくなり、「この程度の大きさ且つ形状で挿入実装されるタイプの電子部品なのだから、一の挿入実装タイプのディスクリート部品なのだろう」などといった、先入観を利用した幻惑効果を期待することができなくなってしまう懸念が生じる。したがって、このような先入観を利用した幻惑効果を好適に得る上では、一の表面実装タイプのディスクリート部品をこれ単体で、上述の二重モールドの構造によって、その外観形状を異ならしめ、且つその肉薄面を挿入実装基板THに対して対向させるかたちで実装させるようにすることが望ましい。
また、上述の二重モールドの外側パッケージOPをモールド樹脂などの透明でない材料で形成することはもとより、一の表面実装タイプのディスクリート部品これ自体に付される識別番号とは異なる識別番号を外側パッケージOPに付すようにすることで、回路理解の困難性を高めるようにすることも重要であるといえる。
なお、この変形例にかかる特殊実装部品D3とは、その内部に、「一の挿入実装タイプのディスクリート部品」よりも小さい「一の表面実装タイプのディスクリート部品」を有する構造であるから、これを二重モールドしたときの大きさが「一の挿入実装タイプのディスクリート部品」と同じくらいの大きさになり、これによって上述のような優れた作用効果を奏することが期待できるようになるものである。したがって、その内部に「一の挿入実装タイプのディスクリート部品」を有してこれを二重モールドするような構成では、その大きさが「一の挿入実装タイプのディスクリート部品」よりも大きくなってしまうことが明らかであるから、上述のような優れた作用効果を奏することは期待できない。
以下、図117や図118を参照しつつ説明した技術について総括する。なお、以下に説明する各内容は、特に説明がない限り、図117を参照しつつ説明した技術及びその別例や、図118を参照しつつ説明した技術及びその別例のいずれによっても採用可能とされる構成であり、奏されうる作用効果である。
上述の通り、図117や図118を参照しつつ説明した技術とは、
・複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源(例えば、+5Vなど)の生成処理のほか、賞球の払出しを含めた遊技の進行処理に関する制御を行う第1制御部MCG、及び
・複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって上記第1制御部MCGにより進行される遊技に関する演出を行う第2制御部SCG
を備える遊技機にあって、「実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ること」といった課題を解決することを趣旨としたものとなっている。
より具体的には、図117や図118を参照しつつ説明した技術では、まず、「図69に示される上記第1制御部MCGと上記第2制御部SCGとのうち、遊技に関する演出制御を行うものでしかない上記第2制御部SCGについては遊技者が得る特典とは直接的に関係しておらず不正の対象とされ難いものとなっている」ことに鑑み、当該第2制御部SCGについてはこれを表面実装のみによって構成するようにすることを技術的特徴の1つとしている。すなわちこの場合、周辺制御基板1510が有する上述した各種の実装用電子部品としても、表面実装タイプの部品(SMD)がそれぞれ用いられることとなるが、これらの実装用電子部品は、遊技者が得る特典とは直接的に関係しておらず不正の対象とされ難いものであることから、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を落とすことなく、当該パチンコ機1に搭載されるハードウェア回路の小型化を図ることができるようになる。
これに対し、第1制御部MCG側における処理は、遊技者の特典付与に直結するものであることから、当該第1制御部MCGは不正の対象とされ易いものとなっている。したがって、ハードウェア回路の小型化が求められるとは言え、第1制御部MCGを単純に表面実装によって集積化してしまうと、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能が著しく低下してしまい、遊技興趣の低下が避けられなくなるといった実情にある。
そこで、図117や図118を参照しつつ説明した技術では、第1制御部MCGが有する基板上に、
・実装用電子部品に設けられたリード部が当該ベース板BB内に挿入されるかたちで実装されて、集積性能では劣るものの不正抑制性能に優れる挿入実装領域と、
・実装用電子部品に設けられたリード部が当該ベース板BBの表面上に置かれるかたちで実装されて、配線パターンの多段積層化などによって集積性能には優れるものの不正抑制性能で劣る表面実装領域と
の両方をまずは設けることとしている。そしてこの上で、性質の異なる下記2タイプの実装用電子部品を、上述の課題を解決可能とするかたちで上記性質をもった挿入実装領域または表面実装領域へと選別実装することを技術的特徴の1つとしている。
・複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入されており、不正な搭載に対するセキュリティ性能の低い集積回路部品
・単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるだけであり、不正な搭載に対するセキュリティ性能の高いディスクリート部品
より具体的には、第1制御部MCGでは、上記セキュリティ性能の低い集積回路部品についてはこれを上記挿入実装領域THと上記表面実装領域とのうちの不正抑制性能に優れる挿入実装領域のみに実装するとともに、不正抑制性能に劣る表面実装領域においては、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品のみを実装することとしている。これにより、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることを可能ならしめている。
ただし、このように実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持するように構成した場合であっても、第1制御部MCGが有する基板は、不正の対象とされ易いものであることに変わりはない。したがって、第1制御部MCGが有する基板については、基本的には、図4や図7、図62などに示されるように、透過性のあるカバー部材(各種の基板ボックス930,950,1320など)によって覆われた状態で、当該パチンコ機1の後方側に対してその実装面(扁平面)を向けるかたちで配設するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、透過性のあるカバー部材によって実装面(扁平面)に対する不正行為を困難化させることができることはもとより、外枠2から本体枠4を開放させる操作を行うだけで第1制御部MCGに対して不正部品が搭載されているかの監視(目視)を行うことが可能とされるようになることから、不正対象になり易い集積回路部品が実装される基板(第1基板)として不正部品の搭載に対する抑制性能と監視容易性とをそれぞれ好適に確保することができるようになる。
なお、このような作用効果を得る上では、図117や図118で図示したように、第1制御部MCGが有する基板については、一方側の面(裏側面)に実装用電子部品は実装されず、他方側の面(表側面)にのみ実装用電子部品が実装されるようにし、上記透過性のあるカバー部材(各種の基板ボックス930,950,1320など)によって覆われた状態で、当該パチンコ機1の後方側に対してその他方側の面(表側面)を向けるかたちで配設するようにするべきであることは言うまでもない。
また、第1制御部MCGのうち、特に、主制御基板1310が遊技者の特典付与に直結する処理を行う部分であることに鑑みれば、上述した各構成については、第1制御部MCGが有する基板のうち、特に、主制御基板1310が有する基板に対してそれぞれ適用するようにすることが望ましいといえる。
またさらに、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能をより好適に維持する上では、まず、主制御基板1310が有する基板として、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成されて集積回路部品とディスクリート部品との両方が挿入実装される第1基板と、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成されて集積回路部品は実装されずディスクリート部品が表面実装される第2基板とを少なくとも用意するようにする。そして、それら基板のうち上記第1基板については、上記透過性のあるカバー部材(各種の基板ボックス930,950,1320など)によって覆われた状態で、上記一方側の面(電子部品が実装されない裏側面)と上記他方側の面(電子部品が実装された表側面)とのうち他方側の面が当該パチンコ機1の後方側を向くように配設するのに対し、上記第2基板については、上記一方側の面(電子部品が実装されない裏側面)と上記他方側の面(電子部品が実装された表側面)とのいずれもが当該パチンコ機1の後方側を向かずこれと直交する方向を向くように配設するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、不正抑制性能に劣る表面実装領域(第2基板)の存在を後方側から視認し難くすることができるようになることから、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能をより好適に維持することが期待されるようになる。
ただし、このような構成であっても、悪意ある者が「不正抑制性能に劣る表面実装領域がどこかに形成されていないか」に執着するようなことがあれば、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板に気付かれてしまうことが懸念される。そしてこの場合、第2基板の表面実装領域には、上記集積回路部品と上記ディスクリート部品とのうちセキュリティ性能の高いディスクリート部品のみが実装されているとは言え、ホール側が未だ想起していない不正行為(例えば、極小の不正チップが開発されているなど)が用いられるようなことがあれば、損失が発生する事態にもなりかねない。
そこで、不正抑制性能に優れる挿入実装領域に対して集積回路部品とディスクリート部品との両方が挿入実装される第1基板の他方側面(表側面)については、該挿入実装領域のみならず、不正抑制性能に劣る表面実装領域もあえて同一面(表側面)上に形成するようにする。そして、該表面実装領域には何らの実装用電子部品も実装されず当該表面実装領域としてのパターン配線が露にされた状態のままで、第1基板の他方側面(表側面)を当該パチンコ機1の後方側を向くかたちで配設するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、後方側を向くように配設される第1基板の他方側面(表側面)のうち表面実装領域は、当該パチンコ機1の後方側から悪意ある者が不正行為を行おうとするときに「不正抑制性能に劣る表面実装領域には何らの実装用電子部品も実装しないようにしており、パチンコ機1として高い不正抑制性能が備わっている」ことをアピールする広告塔としての役割を担うようになり、これによって不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板を悪意ある者が見つけ出そうとする気力を喪失させることができるようになる。なお、第1基板に形成される表面実装領域については、当該第1基板を見たときにその存在に気付き易い位置(第1基板の端部など)に設けるようにすることが望ましい。
また、第1基板に形成される表面実装領域としてのパターン配線については、該表面実装領域と同一面上に形成される挿入実装領域との間で電気的に接続されない独立した形状となっているか、該挿入実装領域との間で電気的に接続されるものの当該表面実装領域に対して不正部品が搭載されたとしても上記挿入実装領域側には影響が及ぼされないように形成(遊技を進行させる上で使用する必要の無い出力信号上に形成するなど)することが重要である。これに対し、この説明例にかかる第2基板では、上記第1基板とは異なり、上記挿入実装領域と上記表面実装領域とのうち不正抑制性能に劣る表面実装領域のみが形成されており、この表面実装領域に対して実装用電子部品(ここでは、ディスクリート部品)が表面実装されるようになっている。
なお、上述した各構成を採用した場合であっても、「不正抑制性能に劣る表面実装領域に対してディスクリート部品が表面実装されている第2基板」が悪意ある者によって見つけ出されてしまう可能性を完全に排除することはできない。したがって、主制御基板1310が有する表面実装領域のうち、「上記第1基板の他方側の面だけに形成されており何らの実装用電子部品も実装されない表面実装領域」については、当該表面実装領域としてのパターン配線を露にした状態のままで当該パチンコ機1の後方側を向くかたちで配設させる一方で、「上記第2基板の他方側の面だけに形成されている表面実装領域」については、ディスクリート部品と集積回路部品とのうち不正対象にされ難いディスクリート部品のみが表面実装された状態で上記第2基板共々にモールド部材(非透過性部材)によりモールドし、上記一方側の面(何らの電子部品も実装されない裏側面)と上記他方側の面(表側面)とのいずれもが当該パチンコ機1の後方側を向かずこれと直交する方向を向くように配設するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、第2基板に表面実装領域が形成されていることや、該表面実装領域に対して表面実装されているディスクリート部品がいずれの種別であるのかを秘匿にすることが可能とされることはもとより、モールド部材によって実装面に対する不正行為を困難化(不正抑制性能に劣る表面実装領域を、不正部品の搭載が実質的に不可能とされる特別な領域として機能させて、不正部品の搭載に対する監視が必要とされる対象から外すことが可能)させることができるようになることから、「実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ること」といった課題を好適に解決することが期待されるようになる。
ただしより好ましくは、上記表面実装領域に表面実装されている実装部品(ここでは、ディスクリート部品)については、図118にそのモールド構造の一例を示したように、上記第2基板共々にモールド部材(非透過性部材)によりモールドした状態で、上記第1基板の挿入実装領域THに対して挿入実装するようにするべきである。このような構成によれば、当該パチンコ機1の後方側を向くように配設される第1基板(「パチンコ機1では表面実装部品は実装されない」ことを印象付ける表面実装領域と、電子部品が実装される挿入実装領域とがそれぞれ形成された基板)のうち、挿入実装領域には、「ディスクリート部品」、「集積回路部品」、及び「第2基板共々にモールド部材(非透過性部材)によりモールドされた状態にある表面実装領域」がそれぞれ挿入実装されて互いの各電子部品の間で電気的に接続されることとなる。すなわちこの場合、後方側から第1基板を視認したときには、ディスクリート部品と集積回路部品との両方が実装されて不正抑制性能に優れる挿入実装領域のなかに、不正抑制性能に劣る表面実装領域(第2基板)をモールド部材により視認困難としてこれがあたかも挿入実装部品に見えるかたちで紛れ込ませて電気的に機能させることができるようになることから、「実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ること」といった課題をより好適に解決することが期待されるようになる。
また、表面実装部品が実装された第2基板については、該基板の薄肉面が後方側を向くように上記第1基板に対して挿入実装(第1基板に対して互いの基板面が直交されるかたちで挿入実装)されるようになることから、該第1基板との間に大きな死角を生み出すことなく上記モールドされた状態の第2基板を実装することが可能とされるようになる。
ここで、上記各構成を採用した場合であっても、「モールド部材(非透過性部材)によりモールドされた状態にある上記第2基板これ自体を、不正部品共々にモールド部材(非透過性部材)によりモールドされた状態にある別基板に置き換える」といった不正行為がなされていないかを定期的に確認することがホール側には求められる。この点、上述したモールド構造を単純に採用してしまうと、モールド部材の色や材質などを同じように構成した別基板へと置き換えられる上述の不正行為がなされたときに、該不正行為が行われた状態にあることを見抜くことが困難となり、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能が逆に低下することにもなりかねない。
そこで、モールド対象とされる上記第2基板の表面実装領域には、主制御基板1310が有する基板に対して実装される各種のディスクリート部品のうち特定種別のディスクリート部品(実装用電子部品)のみが表面実装されるようにし、それ以外の種別については当該第2基板上に表面実装せず、これとは異なる基板上にのみ実装されるようにすることが望ましい。このような構成によれば、上記第2基板の表面実装領域には特定形状を持ったディスクリート部品のみが表面実装された状態でモールドされるようになることから、モールド部材における起伏部分の形状(ディスクリート部品の実装位置におけるモールド部材の膨らみ具合(例えば、図118などを参照))が単一化されるようになる。すなわち、特定種別のディスクリート部品のほか、不正部品もさらに実装された別基板をモールド部材によりモールドした場合には、不正部品の実装位置におけるモールド部材の膨らみ具合が、特定種別のディスクリート部品の実装位置におけるモールド部材の膨らみ具合と異なるようになることから、こうしたモールド部材に現れる形状違い(膨らみ具合が単一でなくなる)によって上述の不正行為に対する監視を容易化し、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を好適に維持することが期待されるようになる。
そしてこの場合、上記第1制御部MCGのうち少なくとも主制御基板1310が有する基板においては、特定種別のディスクリート部品については上記第2基板の表面実装領域のみにまとめて実装されるようにし、該第2基板とは異なる基板には実装されないようにすることが、ハードウェア回路の小型化(集積化)を図る上でより望ましいといえる。
ただし、上述の作用効果を好適に得る上での「特定種別のディスクリート部品」とは、形状的に同じ実装用電子部品であることが求められることから、例えば、「特定種別のディスクリート部品」として「ショットキーバリアダイオード」を第2基板に対して表面実装するのであれば、「PNダイオード」は「特定種別とは異なるディスクリート部品」であり、第2基板には実装されずこれとは異なる基板に実装することが求められることとなる。また、厳密には、「特定種別のディスクリート部品」として「ショットキーバリアダイオード」を第2基板に対して表面実装する場合は、いずれも同じ製品の「ショットキーバリアダイオード」を第2基板に対して表面実装するようにすることが求められ、異なる製品の「ショットキーバリアダイオード」については、第2基板には実装せずこれとは異なる基板に実装するようにすることが望ましい。
しかしながら、主制御基板1310が有する基板においては、特定種別のディスクリート部品以外にも多くの種別のディスクリート部品を実装することが求められる。したがって、ハードウェア回路の小型化(集積化)をより好適に図るようにする上では、表面実装されるディスクリート部品の種別が異なるだけでそれ以外の構造(挿入実装領域が形成されていないことや、片面側だけに実装されることや、モールド構造など)は上述した第2基板と同じとされている第3基板を用意し、特定種別とは異なる一の種別のディスクリート部品のみが表面実装された当該第3基板を、上記第1基板の挿入実装領域に対して挿入実装して他の実装用電子部品と電気的に接続されるようにすることが望ましい。このような構成によれば、ディスクリート部品の種別毎に上述のモールド構造を持った基板(第2基板、第3基板)が各別の電子部品(図118の例では、特殊実装部品D3a、特殊実装部品D3bに相当)として用意されることとなり、モールド構造を持った各基板毎に監視すべき形状(モールド部材における膨らみ具合)が単一化されて上述の不正行為に対する監視(該当の基板に実装されるべきでない種別の電子部品が実装されていないかの確認)を容易化することができるようになることから、「実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ること」といった課題を好適に解決することができるようになる。第2基板や第3基板のほかにも、それら基板に実装されるディスクリート部品とは異なる種別のディスクリート部品のみが表面実装される基板を同様に用意するようにしてもよい。
なお、第2基板や第3基板に対し、図118に示したように1つのディスクリート部品のみが表面実装されるようにした場合は、監視のさらなる容易化や、上述の2重モールドの構造とも相まって、「実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ること」といった課題をより好適に解決することができるようになる。
また、こうしてモールドされた複数の基板(ここでは、第2基板、第3基板(図118の例では、特殊実装部品D3a、特殊実装部品D3bに相当))を備えるようにする場合、それら基板については、各表面実装面(上述した他方側の面)がいずれも特定方向を向くように配設されるようにすることが望ましい。このような構成によれば、各基板のモールド部材における膨らみ具合を同じ方向から一括確認することが可能とされることから、上述の不正行為に対する監視(該当の基板に実装されるべきでない種別の電子部品が実装されていないかの確認)を容易化させることができるようになる。
またさらに、第2基板及び第3基板をモールドする各部材(モールド部材)には、それらの基板に対してそれぞれ表面実装されているディスクリート部品の種別に応じた部品側識別表示がそれぞれ付されるようにするとともに、それら部品側識別表示の付される面についても、いずれも同じ方向を向くようにそれぞれ配されるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、第2基板、第3基板に対してそれぞれ付されている「部品側識別表示の種別」と「モールド部材に現れるべき形状」とを一対一対応させることができるようになることから、部品のすり替えが発生していないかについての不正監視を容易化させることができるようになる。なおこの際、部品側識別表示についてはいずれも表面実装領域が形成される側とは逆側となるモールド面(モールド部材に膨らみが生じない側の面)に付されるようにすることが、該識別表示としての歪みをなくして確認間違いを生じさせないようにする上で望ましい。
また、上記構成によれば、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成される上記第2基板や上記第3基板については、基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた1つの電子部品としてそれぞれ設けられて、且つ第1基板に形成された挿入実装領域に対して互いの基板面が直交するかたちで挿入実装されるようにしている。すなわちこの場合、表面実装部品として本来は設けられるディスクリート部品が実装される第2基板や第3基板を、第1基板との間に大きなスペースを生み出すことなく、あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対して挿入実装させることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
ただし、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持する上では、「あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対して挿入実装される電子部品」としての外観を上記第2基板や上記第3基板に対してそれぞれ持たせて、表面実装領域が形成された基板には見えないようにすることが求められる。したがって、第2基板や第3基板については、複数種別のディスクリート部品が表面実装されないようにすることや、集積回路部品が表面実装されないようにすることや、さらには図118に示したように1つのディスクリート部品のみが表面実装されるようにすることなどは、当該基板としての大きさを抑えてこれを1つの挿入実装部品(電気素子がボンディングワイヤによって挿入実装用リード部と接続される構造を持った一般的な電子部品(ディスクリート部品))であるかのように見せる上で極めて重要であるといえる。すなわち、第2基板や第3基板に形成される表面実装領域は、少なくとも第1基板に形成される挿入実装領域や、該第1基板に形成されるが何も実装されずに空きの状態とされている表面実装領域よりも小さい面積とされることが求められる。
またさらに、こうして第2基板や第3基板についてのコンパクト化を図るようにした上で、第1基板には、当該第1基板に対して上記第2基板や上記第3基板がそれぞれ1つの電子部品として挿入実装されたときのそれら電子部品よりも低い実装高で実装される挿入実装部品(ディスクリート部品(電気素子がボンディングワイヤによって挿入実装用リード部と接続される構造を持った一般的な電子部品))と、それら電子部品よりも高い実装高で実装される挿入実装部品(ディスクリート部品(電気素子がボンディングワイヤによって挿入実装用リード部と接続される構造を持った一般的な電子部品))とがそれぞれ配設されるようにすることがより望ましい。このような構成によれば、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板や第3基板を、上記第1基板に形成された不正抑制性能に優れる挿入実装領域に挿入実装される1つの電子部品であるかのようにより好適に見せることができるようになる。この意味では、第2基板や第3基板については、第1基板に挿入実装される集積回路部品のいずれよりも小さい電子部品(モールド部品)として設けられるようにすることや、第1基板に挿入実装されるディスクリート部品のうち最大のものよりも小さい電子部品(モールド部品)として設けられるようにすることも重要であるといえる。
また、この実施の形態にかかる挿入実装領域が形成される基板(第1基板)を含めて、一般には、電子部品が実装される基板上にも該実装される電子部品の種別に対応した基板側識別表示が付されることが多く、例えば、ショットキーバリアダイオードが実装される箇所付近には、ショットキーバリアダイオードに応じた電気用図記号が付与されることとなる。ただし、この実施の形態にかかる上記第2基板や上記第3基板については、いずれの種別の電子部品として機能するものであるかを秘匿にして回路理解の困難性を高めるようにすることが、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持する上で望ましいといえる。
そこで、第1基板の挿入実装面のうちそれら第2基板や第3基板が1つの電子部品としてそれぞれ挿入実装される各位置の近傍には、互いに異なる基板側識別表示がそれぞれ付されるようにするが、それら基板側識別表示はいずれも、同種の実装用電子部品に対応して付される基板側識別表示を含めて、第1制御部MCGが有する挿入実装領域内におけるいずれの基板側識別表示とも異なるユニークな態様(例えば、「?」や「*」などの特別の表示態様)とされるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、第2基板や第3基板がそれぞれ挿入実装される位置近傍に付される基板側識別表示(第1基板の実装面)を確認したとしても、その態様は、同種の実装用電子部品に対応して付されている基板側識別表示とも異なるユニークな態様とされていることから、第2基板や第3基板に表面実装されているディスクリート部品としていずれの種別がそれぞれ実装されているかを認識し難くすることが可能とされるようになる。
ただし、このように上記第2基板や上記第3基板がいずれの種別の電子部品として機能するものであるかを秘匿にして回路理解の困難性を高める構造を採用するようにした場合、その種別を把握するために、悪意を持った者にモールド部材が削られて内部素子の確認を試みるような行為がなされることが懸念される。
したがって、上記第2基板や上記第3基板については、まず、それら基板上に形成される表面実装面(モールドされた状態にある表面実装面)において基板側識別表示が何ら付されないようにすることが、悪意を持った者にモールド部材が削られてその内部の確認を試みるような行為がなされたとしても、該ディスクリート部品としていずれの種別が実装されているかを認識し難くするようにする上で望ましい。
またさらに、上記第2基板や上記第3基板に形成された表面実装領域に表面実装される各ディスクリート部品については、第1基板に形成された挿入実装領域に挿入実装されるディスクリート部品の多くとは異なる色の第1モールド部材によってモールドして構成されるようにした上で、その実装対象とされる第2基板または第3基板共々に該特定色と同じまたは同系色の第2モールド部材によってさらにモールドされた1つの電子部品として、上記第1基板に形成された挿入実装領域に対して挿入実装されるようにすることが望ましい。このような構成によれば、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板や第3基板を、他の挿入実装部品と同じような形態でモールドして上記第1基板に対して挿入実装した場合であっても、ホール側の管理者は、それら第2基板や第3基板がどこにあるのかを容易に発見可能であり、第2基板や第3基板に対して不正がなされているか否かの確認を容易化させることができるようになる。
なおこの場合、悪意のある者に対しても、不正抑制性能に劣る表面実装領域(第2基板または第3基板)がいずれに設けられているのかについての情報把握の手助けをしてしまうことになりかねない。この点、上記構成では、表面実装領域に対して表面実装されているディスクリート部品を上記第2基板または上記第3基板共々に第2モールド部材によってモールドすることにより該電子部品としての種別を秘匿にして回路理解の困難性を高めていることはもとより、該第2モールド部材を、当該表面実装されているディスクリート部品が有する第1モールド部材に配される特定色と同じまたは同系色によって設けるようにしている。すなわちこの場合、表面実装領域に対して表面実装されているディスクリート部品の種別を把握するために、第2モールド部材が悪意を持った者に削られてその内部の確認を試みるような行為がなされたとしても、第2基板または第3基板共々にモールドしている第2モールド部材を削っている状態にあるのか、その内部にある第1モールド部材を削っている状態にあるのかを把握し難くすることができるようになり、これによって該電子部品としての種別を秘匿にして回路理解の困難性を好適に維持することが期待されるようになる。
また上述の通り、この説明例では、第1基板の挿入実装面のうち、第2基板や第3基板が1つの電子部品としてそれぞれ挿入実装される各位置の近傍には、同じ実装面上におけるいずれの基板側識別表示とも異なるユニークな態様(例えば、「?」や「*」などの特別の表示態様)をもった基板側識別表示が付されるようにしている。ただし、このようなユニークな態様をもった基板側識別表示のみが付されるようにしてしまうと、ホール側としてもいずれの種別の電子部品として機能するものであるかを把握できず、保守・管理に悪影響を及ぼしてしまう懸念がある。そこで、第1基板の挿入実装面のうち、第2基板や第3基板が1つの電子部品としてそれぞれ挿入実装される各位置の近傍では、比較的視認し易い位置にユニークな態様をもった基板側識別表示が付されるようにするほか、比較的視認し難い位置(モールドされた第2基板や第3基板の直下など)に同じ実装面上にある同種の実装用電子部品(または、異なる基板上にある同種の実装用電子部品)に対応して付されている基板側識別表示と同じ態様をもった基板側識別表示も秘かに付されるようにしておくことが望ましい。
また上述の通り、この説明例では、上記第2基板の表面実装領域には、主制御基板1310が有する基板に対して実装される各種のディスクリート部品のうち特定種別(例えば、ショットキーバリアダイオード)のディスクリート部品(実装用電子部品)のみが表面実装されている。また、上記第3基板の表面実装領域には、主制御基板1310が有する基板に対して実装される各種のディスクリート部品のうち特定種別とは異なる一の種別(例えば、比較的小さな特定容量をもったコンデンサ)のディスクリート部品(実装用電子部品)のみが表面実装されている。これらの構成によれば、上記第2基板や上記第3基板これら単体では、特定機能を持ったディスクリート回路(例えば、バックアップ回路やフィルタ回路など)として機能し得ないことは明らかである。すなわち、モールドされた基板(第2基板または第3基板)に形成された表面実装領域に表面実装される実装用電子部品と、該基板(第2基板または第3基板)とは異なる基板(ここでは、第1基板)に形成された挿入実装領域に表面実装される実装用電子部品とによって特定のディスクリート回路を構成するようにすることで、回路理解の困難性を高めたり、モールドされた基板(第2基板または第3基板)これ自体の差し替えが困難化(モールド内の構造が秘匿化されることはもとより、特定の回路機能を持たないモールド部品を自作する必要が生じるため)されて不正対策に供されることが期待されるようになる。
なお上述の通り、図117や図118を参照しつつ説明した技術を総括するにあたり、相乗効果を発揮することが期待できる順番でいくつかの技術的特徴を有する構成を説明してきたが、これらの各構成については、最良の実施形態として記載したものにすぎず、実施に際しては、それらの構成の全てを必ずしも用いなくてもよいことはもとより、それらの構成を記載した順序に関係なく適宜に組み合わせて実施することが可能である。
次に、上記実施形態及び変形例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
[技術思想1−1]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と
を有しており、
前記複数の電子部品のうち前記表面実装領域に実装される表面実装部品の少なくとも1つは、当該表面実装部品これ自体がモールド樹脂によってモールドされてなるものであるにもかかわらず、該モールド樹脂とは別のモールド樹脂によっても、その実装対象とされる前記表面実装領域共々にモールドされる
ことを特徴とする遊技機。
[技術思想1−2]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる第1制御部と、
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理の結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記第2制御部のベース板には、電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域とのうち、前記表面実装領域のみが設けられており、
前記第1制御部のベース板には、前記挿入実装領域と前記表面実装領域との両方が設けられており、
前記複数の電子部品のうち前記第1制御部のベース板に設けられる前記表面実装領域に実装される第1側表面実装部品と、前記第2制御部のベース板に設けられる前記表面実装領域に実装される第2側表面実装部品とはいずれもそれ自体がモールド樹脂によってモールドされてなるものであるにもかかわらず、前記第1側表面実装部品と前記第2側表面実装部品とのうちの前記第1側表面実装部品については、さらに、当該第1側表面実装部品それ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によっても、その表面実装領域共々にモールドされる
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想1−1,1−2では、不正抑制性能に劣る表面実装領域に実装される表面実装部品については、これ自体がモールド樹脂によってモールドされてなるものであるにもかかわらず、該モールド樹脂とは別のモールド樹脂によって、その実装対象とされる上記表面実装領域とともに一体にモールドされるようにしたことから、不正抑制性能に劣る表面実装領域に対して何らかの不正を施すことが極めて困難とされるようになる。
[技術思想2]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品のうちの挿入実装部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される挿入実装板と、
電子部品のうちの表面実装部品に設けられた表面実装用リード部が表面上に置かれるかたちで実装される表面実装板と
を有しており、
前記表面実装板には、
当該表面実装板から外側へと延びて前記挿入実装板に挿入可能とされるように形成された特殊挿入実装用リード部を有する特殊表面実装板
が少なくとも含まれており、
前記特殊表面実装板上には、
当該特殊表面実装板に実装される表面実装部品の表面実装用リード部と前記特殊挿入実装用リード部とを電気的に接続するように形成された配線部
が設けられており、
前記特殊表面実装板に実装される表面実装部品は、
前記表面実装用リード部と前記特殊挿入実装用リード部とのうち前記特殊挿入実装用リード部のみがモールド樹脂の外側に引き出されるかたちとなるように前記特殊表面実装板とともに一体にモールドされ、前記特殊挿入実装用リード部を有する一の電子部品として前記挿入実装板に実装される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想2では、不正抑制性能に劣る表面実装領域に実装される表面実装部品を、不正抑制性能に優れる挿入実装領域に実装される一の挿入実装部品であるかのように機能させることができるようになることから、悪意のある者の不正目的の対象から外されることが期待されうるようになる。
[技術思想3]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品のうちの挿入実装部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される挿入実装板と、
電子部品のうちの表面実装部品に設けられた表面実装用リード部が表面上に置かれるかたちで実装される表面実装板と
を有しており、
前記表面実装部品には、
単機能素子がモールド樹脂によりモールドされてなるディスクリート表面実装部品が少なくとも含まれており、
前記ディスクリート表面実装部品は、
当該ディスクリート表面実装部品これ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によってその実装対象とされる表面実装板とともに一体にモールドされることにより相対的に大きな外観形状であり、且つ前記特定制御部のベース板に実装される全ての電子部品のいずれとも異なる外観形状を有する
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想3では、演算処理装置などと比較して限定的な機能しか持ち得ない単なるディスクリート表面実装部品に対し、二重のモールド樹脂で保護するといった過剰なセキュリティ性能を付与した上で、悪意ある者の注意をあえて引きつける外観形状としてユニークであり且つ比較的大きな外観形状を持たせるようにしている。すなわちこの場合、特定制御部内にて施された過剰なセキュリティ性能を第三者に見せ付けることができるようになることから、不正行為を行おうとする意欲の減退が期待されうるようになる。
[技術思想4]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と
を有しており、
前記特定制御部のベース板において、前記表面実装領域は、各々の領域が相対的に小さな領域となるように複数箇所に分散して設けられるのに対し、前記挿入実装領域は、前記分散して設けられる表面実装領域の少なくとも1つを囲む相対的に大きな領域として設けられる
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想4では、不正抑制性能に劣る表面実装領域を、一箇所に纏めず、分散させることによりこれを小分けにして目立たなくさせた上で、不正抑制性能に優れて相対的に大きな領域として設けられる挿入実装領域のなかに紛れ込ませるかたちで配置させるようにしている。したがって、悪意のある者が特定制御部のベース板を見たときに表面実装領域が存在していることに気付き難くさせることができるようになり、不正部品の搭載に対する抑制性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
[技術思想5]
複数の電子回路が形成されるベース板を有し、それらの電子回路を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の電子回路には、
前記制御用電源が遮断されるときに所定の記憶部に対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路が、いずれも単機能素子の電子部品であるコンデンサ及びダイオードを少なくとも有するディスクリート回路として含まれており、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と
を有し、
前記挿入実装領域は、
前記表面実装領域に実装される電子部品が当該挿入実装領域に実装される電子部品のいくつかと隣接するように、前記表面実装領域を囲む相対的に大きな領域として設けられており、
前記バックアップ電源回路は、
前記制御用電源が遮断されるときに所定の記憶部に対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源供給機能をもったディスクリート回路として設けられるにもかかわらず、該ディスクリート回路が有する前記コンデンサ及び前記ダイオードのうちの一方の電子部品は、前記挿入実装領域によって囲まれる前記表面実装領域に対して実装され、他方の電子部品は、前記挿入実装領域のうち、前記表面実装領域に実装される前記一方の電子部品と隣接しない位置にて実装される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想5では、特定の電気的機能(バックアップ電源供給機能)を発揮することを目的とした一のディスクリート回路であるにもかかわらず、ベース板上では、挿入実装領域に対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品と、表面実装領域に対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品とが混在するようになる。したがって、特定制御部のベース板を第三者が視認したときに、それらが特定の電気的機能(バックアップ電源供給機能)を発揮するために電気的に密接な役割を持っていることを想起し難くさせることができるようになり、こうした回路理解の困難性を高めることで、不正の抑制が期待されうるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域を、不正抑制性能に優れて相対的に大きな領域として設けられる挿入実装領域のなかに紛れ込ませるかたちで配置させた上で、特定の電気的機能(バックアップ電源供給機能)を発揮することを目的とした一のディスクリート回路に含まれるコンデンサ及びダイオードを互いに隣接させないかたちとなるように配置させるようにしている。したがって、不正抑制性能に劣る表面実装領域の存在に気付き難くさせることができるとともに、該存在に気付かれた場合であっても、表面実装領域に実装されている電子部品が他の電子部品と連携して、いかなる電気的機能を発揮するために実装されているものであるかを想起し難くさせることができるようになり、こうした回路理解の困難性を一層高めることで、不正の抑制が好適に期待されうるようになる。
[技術思想6]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される挿入実装板と、
電子部品に設けられた表面実装用リード部が表面上に置かれるかたちで実装される表面実装板と
を有しており、
前記表面実装板には、
当該表面実装板から外側へと延びて前記挿入実装板に挿入可能とされるように形成された特殊挿入実装用リード部を有する特殊表面実装板
が少なくとも含まれており、
前記特殊表面実装板は、
当該特殊表面実装板に実装される電子部品の表面実装用リード部と前記特殊挿入実装用リード部とを電気的に接続するように形成された配線部を有するとともに、前記挿入実装板に対して互いの実装面が概ね直交するかたちとなるように前記特殊挿入実装用リード部が前記挿入実装板に挿入されて配設される。
ことを特徴とする遊技機。
一般に、表面実装板に実装される部品は、扁平な形状を有していることが多い。この点、上記技術思想6では、挿入実装板に対して互いの実装面が概ね直交するかたちとなるように上記特殊表面実装板を配設するようにしている。すなわちこの場合、相対的に大きい面積を有する扁平面ではなく、相対的に小さな面積しか有していない肉薄面が上記挿入実装板に対向するようになることから、挿入実装板として電子部品を実装可能な領域(表面積)が僅かしか残されていない状況においても上記特殊表面実装板を配設することができるようになる。
[技術思想7]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される挿入実装板と、
電子部品に設けられた表面実装用リード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装板と
を有しており、
前記複数の電子部品のうち前記表面実装板に実装される表面実装部品には、前記挿入実装板に設けられる特定の挿入孔の設置間隔内に収まる大きさをもった特定の表面実装部品が含まれており、
前記特定の表面実装部品は、
前記特定の挿入孔の設置間隔内に収まる大きさであるにもかかわらず、当該特定の表面実装部品これ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によってその実装対象とされる表面実装板とともに一体にモールドされることにより、前記特定の挿入孔の設置間隔内に収まらない大きさをもった一の電子部品としての外観形状を有する
ことを特徴とする遊技機。
すなわち、特定の表面実装部品を上記挿入実装板における挿入孔の設置間隔よりも小さい外観形状のままにしておいた場合、特定制御部内に不正抑制性能に劣る表面実装領域が設けられていることを第三者に気付かれやすくなってしまい、ひいては不正行為を助長しかねない。
この点、上記技術思想7では、特定の表面実装部品を、当該特定の表面実装部品これ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によってその実装対象とされる表面実装板とともに一体にモールドすることで、特定の挿入孔の設置間隔内に収まらない大きさをもった一の電子部品としての外観形状が現れるようにしたことから、特定制御部内に不正抑制性能に劣る表面実装領域が設けられていることを第三者に気付かれ難くすることができるようになる。
[技術思想8]
複数の実装用電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部のベース板は、
実装用電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、
実装用電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と
を有しており、
前記第1制御部のベース板には、前記表面実装領域が形成された基板として少なくとも第1基板と第2基板とが含まれており、
前記第1基板は、
その表面実装領域に対して前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのいずれもが実装されず、該表面実装領域としてのパターン配線が露にされた状態のままで当該遊技機の後方側を向くかたちで配設されており、
前記第2基板は、
その表面実装領域に対して前記集積回路部品と前記ディスクリート部品とのうちの前記集積回路部品は実装されず前記ディスクリート部品のみが実装されて、当該遊技機の後方側とは異なる方向を向くかたちで配設される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想8では、何らの実装用電子部品も実装されず空きの状態になっている表面実装領域が形成された第1基板をあえて用意し、この第1基板を、該表面実装領域としてのパターン配線が露にされた状態のままで当該遊技機の後方側を向くかたちで配設するようにしている。すなわちこの場合、遊技機の後方側から悪意ある者が不正行為を行おうとするときに、「不正抑制性能に劣る表面実装領域には何らの実装用電子部品も実装されず、遊技機として高い不正抑制性能が備わっている」ことをアピールする広告塔としての役割を担うようになり、これによって不正部品が搭載されることを抑制することが期待されるようになる。
またその一方で、第2基板では、当該遊技機の後方側とは異なる方向を向くかたちで配設させてその存在が気付かれ難くなるようにした上で、その表面実装領域に対して集積回路部品とディスクリート部品とのうち不正対象になり易い集積回路部品は実装されず不正対象になり難いディスクリート部品のみが実装されるようにしている。すなわちこの場合、上記第1基板が存在することとも相まって当該第2基板これ自体の存在に気付かれ難くすることができることはもとより、該存在に気付かれた場合であっても、不正抑制性能に劣る表面実装領域には不正対象になり難いディスクリート部品のみが実装されていることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
[技術思想9]
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部の基板は、
実装用電子部品に設けられたリード部が当該基板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域が形成された第1基板、及び
実装用電子部品に設けられたリード部が当該基板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と、外側へと延びて前記第1基板の挿入実装領域に挿入可能とされる特殊挿入実装用リード部とがそれぞれ形成された第2基板
を有しており、
前記第1基板には、
前記挿入実装部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装可能とされる挿入実装領域と、前記表面実装部品に設けられた表面実装用リード部が表面上に置かれるかたちで実装可能とされる表面実装領域との両方が形成されるが、当該第1基板に形成されている表面実装領域には何らの実装用電子部品も実装されず該表面実装領域としてのパターン配線が露にされた状態のままとされており、
前記第2基板には、
前記挿入実装領域と前記表面実装領域とのうち前記表面実装領域のみが形成されており、前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのうち前記ディスクリート部品のみがその実装対象とされる当該第2基板共々にモールドされた1つの電子部品として、前記第1基板の挿入実装領域に対して前記特殊挿入実装用リード部が挿入されることで、前記第1基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想9では、不正抑制性能に劣る表面実装領域として、何らの実装用電子部品も実装されず該表面実装領域としてのパターン配線が露にされた状態になっている表面実装領域(第1基板)と、ディスクリート部品と集積回路部品とのうち不正対象にされ難いディスクリート部品のみが表面実装された状態で基板共々にモールドされた状態になっている表面実装領域(第2基板)とを備えている。すなわちこの場合、遊技機の後方側から悪意ある者が不正行為を行おうとするときに、実装用電子部品が実装されている表面実装領域についてはこれを視認困難とした状態で、何らの実装用電子部品も実装されていない表面実装領域のみが視認可能とされるようになることから、該表面実装領域が、「不正抑制性能に劣る表面実装領域には何らの実装用電子部品も実装されず、遊技機として高い不正抑制性能が備わっている」ことをアピールする広告塔としての役割を担うようになり、これによって不正部品が搭載されることを抑制することが期待されるようになる。
しかも、上記広告塔としての役割を担う表面実装領域が形成された第1基板には、該表面実装領域のほか、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成されており、該挿入実装領域に対して、上記基板共々にモールドされた状態になっている表面実装領域(第2基板)を挿入実装するようにしている。すなわちこの場合、「表面実装部品が実装されていない」ことを印象付けた基板(第1基板)内のうち不正抑制性能に優れる挿入実装領域のなかに、不正抑制性能に劣る表面実装領域(第2基板)をモールドにより視認困難とされるかたちで紛れ込ませるようにしたことから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
[技術思想10]
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部の基板は、
実装用電子部品に設けられたリード部が当該基板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域が形成された第1基板、及び
実装用電子部品に設けられたリード部が当該基板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域が形成された第2基板
を有しており、
前記第1基板では、
一方側の面に実装用電子部品は実装されず、且つ他方側の面に前記ディスクリート部品と前記集積回路部品との両方がそれぞれ実装された状態で、該他方側の面が当該遊技機の後方側を向くかたちで配設されるのに対し、
前記第2基板では、
一方側の面に実装用電子部品は実装されず、且つ他方側の面に前記集積回路部品と前記ディスクリート部品とのうちの前記集積回路部品は実装されず前記ディスクリート部品のみが実装されてモールド部材によりモールドされた状態で、前記一方側の面と前記他方側の面とのいずれもが当該遊技機の後方側とは異なる方向を向くかたちで前記第1基板に対して実装される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想10では、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成された第1基板については、一方側の面に実装用電子部品は実装されず、且つ他方側の面にディスクリート部品と集積回路部品との両方がそれぞれ実装された状態で、該他方側の面が当該遊技機の後方側を向くかたちで配設されるようにしたことから、不正対象になり易い集積回路部品が実装される基板(第1基板)として不正部品の搭載に対する抑制性能と監視容易性とをそれぞれ好適に確保することができるようになる。
また、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板については、一方側の面に実装用電子部品は実装されず、且つ他方側の面に不正対象になり易い集積回路部品は実装されず不正対象になり難いディスクリート部品のみが実装されるようにしていることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
しかも、上記第2基板では、ディスクリート部品が実装される表面実装領域を、当該基板共々にモールド部材によりモールドした状態で、上記一方側の面と上記他方側の面とのいずれもが当該遊技機の後方側とは異なる方向を向くかたちで配設されるようにしている。すなわちこの場合、不正抑制性能に劣る表面実装領域を、不正部品の搭載が実質的に不可能とされる特別な領域として機能させて、不正部品の搭載に対する監視が必要とされる対象(遊技機後方側からの確認対象)から外すことができるようになる。
また、こうして不正部品の搭載に対する監視対象から外した表面実装領域(第2基板)については、該基板の薄肉部が後方側を向く(一方側の面と他方側の面とのいずれもが当該遊技機の後方側とは異なる方向を向く)ように上記第1基板に対して実装されるようにしたことから、該第1基板との間に大きなスペースを生み出すことなく上記モールドされた状態の第2基板を実装することが可能とされるようになる。
[技術思想11]
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部の基板は、
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品との両方がそれぞれ挿入実装される挿入実装領域が形成された第1基板、
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのうち前記集積回路部品は実装されず、前記ディスクリート部品のうち特定種別の実装用電子部品が表面実装される表面実装領域が形成された第2基板、及び
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのうち前記集積回路部品は実装されず、前記ディスクリート部品のうち特定種別とは異なる種別の実装用電子部品が表面実装される表面実装領域が形成された第3基板
を有しており、
前記第2基板及び前記第3基板は、
それらの基板に対してそれぞれ表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた各別の電子部品として設けられて、且つ前記第1基板に形成された挿入実装領域に対してそれぞれ挿入実装されることにより前記第1基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされており、
前記第2基板及び前記第3基板をモールドする各部材には、それらの基板に対してそれぞれ表面実装されているディスクリート部品の種別に応じた部品側識別表示がそれぞれ付されており、該部品側識別表示の付された面がいずれも特定方向を向くようにそれぞれ配される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想11では、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成された第1基板には、不正対象にされ易い集積回路部品と不正対象にされ難いディスクリート部品との両方が実装される一方で、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2,第3基板には、不正対象にされ難いディスクリート部品のみが各基板の別に異なる種別でそれぞれ実装されることとなる。
したがって、不正抑制性能に優れる挿入実装領域側に実装される実装用電子部品についてはこれまで通りの不正抑制機能が維持されることはもとより、不正抑制性能に劣る表面実装領域側に実装される実装用電子部品についても、第2,第3基板毎にそれらに応じた種別の形状をもった実装用電子部品がそれぞれ実装されているかの確認(該当の基板に実装されるべきでない種別の電子部品が実装されていないかの確認)が容易とされるようになることから、仮に不正がなされたとしてもそれを容易に発見可能としつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成される第2基板及び第3基板については、それらの基板に対してそれぞれ表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた各別の電子部品として設けられて、且つ第1基板に形成された挿入実装領域に対してそれぞれ挿入実装されることにより第1基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされるようにしている。すなわちこの場合、表面実装部品として本来は設けられる特定種別のディスクリート部品と該特定種別とは異なる種別のディスクリート部品とを、あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対してそれぞれ挿入実装させることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
またさらに、第2基板及び第3基板をモールドする各部材には、それらの基板に対してそれぞれ表面実装されているディスクリート部品の種別に応じた部品側識別表示がそれぞれ付されており、該部品側識別表示の付された面がいずれも特定方向を向くようにそれぞれ配されるようにしている。すなわちこの場合、第1基板に対してそれぞれ挿入実装された第2基板、第3基板に対して付されている「部品側識別表示の種別」と「モールド部材に現れるべき形状」とが一対一対応させることができるようになることから、部品のすり替えが発生していないかについての不正監視を容易化させることができるようになる。
[技術思想12]
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部の基板は、
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品との両方がそれぞれ挿入実装される挿入実装領域が形成された第1基板、及び
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのうち前記集積回路部品は実装されず、前記ディスクリート部品が表面実装される表面実装領域が形成された第2基板
を有しており、
前記第2基板は、
当該基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられ、且つ前記第1基板に形成された挿入実装領域に対して互いの基板面が直交するかたちで挿入実装されることにより前記第1基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされており、
前記第1基板には、
当該基板に対して前記第2基板が1つの電子部品として挿入実装されたときの該電子部品よりも低い実装高で実装される挿入実装部品と、該電子部品よりも高い実装高で実装される挿入実装部品とがそれぞれ配設される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想12では、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成された第1基板には、不正対象にされ易い集積回路部品と不正対象にされ難いディスクリート部品との両方が実装される一方で、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板には、不正対象にされ難いディスクリート部品のみが実装されるから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成される第2基板は、該基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられて、且つ第1基板に形成された挿入実装領域に対して互いの基板面が直交するかたちで挿入実装されるようにしている。すなわちこの場合、表面実装部品として本来は設けられるディスクリート部品が実装される第2基板を、第1基板との間に大きなスペースを生み出すことなく、あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対して挿入実装させることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
またさらに、第1基板には、当該基板に対して上記第2基板が1つの電子部品として挿入実装されたときの該電子部品よりも低い実装高で実装される挿入実装部品と、該電子部品よりも高い実装高で実装される挿入実装部品とがそれぞれ配設されるようにしたことから、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板が、第1基板に形成された不正抑制性能に優れる挿入実装領域に実装されていることを認識し難くすることができるようになる。
[技術思想13]
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部の基板は、
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品との両方がそれぞれ挿入実装される挿入実装領域が形成された第1基板、及び
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのうち前記集積回路部品は実装されず、前記ディスクリート部品が表面実装される表面実装領域が形成された第2基板
を有しており、
前記第2基板に対して表面実装される前記ディスクリート部品は、前記第1基板に対して挿入実装される前記ディスクリート部品の多くとは異なる特定色の第1モールド部材によってモールドされて構成されるものであり、
前記第2基板は、
当該基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々に前記特定色と同じまたは同系色の第2モールド部材によりモールドされた1つの電子部品として設けられ、且つ前記第1基板に形成された挿入実装領域に対して挿入実装されることにより前記第1基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされる
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想13では、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成された第1基板には、不正対象にされ易い集積回路部品と不正対象にされ難いディスクリート部品との両方が実装される一方で、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板には、不正対象にされ難いディスクリート部品のみが実装されるから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成される第2基板は、該基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられて、且つ第1基板に形成された挿入実装領域に対して挿入実装されるようにしている。すなわちこの場合、表面実装部品として本来は設けられるディスクリート部品が実装される第2基板を、あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対して挿入実装させることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
また、第2基板に形成された表面実装領域に表面実装されるディスクリート部品については、第1基板に形成された挿入実装領域に挿入実装されるディスクリート部品の多くとは異なる色の第1モールド部材によってモールドして構成されるようにした上で、その実装対象とされる第2基板共々に該特定色と同じまたは同系色の第2モールド部材によってさらにモールドされた1つの電子部品として構成するようにしている。
したがって、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板を、他の挿入実装部品と同じような形態でモールドして上記第1基板に対して挿入実装した場合であっても、ホール側の管理者は、該第2基板がどこにあるのかを容易に発見可能であり、該第2基板に対して不正がなされているか否かの確認を容易化させることができるようになる。ただしこの場合、悪意のある者に対しても、不正抑制性能に劣る表面実装領域(第2基板)がいずれに設けられているのかについての情報把握の手助けをしてしまうことになりかねない。
この点、上記構成では、表面実装領域に対して表面実装されているディスクリート部品を上記第2基板共々に第2モールド部材によってモールドすることにより該電子部品としての種別を秘匿にして回路理解の困難性を高めていることはもとより、該第2モールド部材を、当該表面実装されているディスクリート部品が有する第1モールド部材に配される特定色と同じまたは同系色によって設けるようにしている。すなわちこの場合、表面実装領域に対して表面実装されているディスクリート部品の種別を把握するために、第2モールド部材が悪意を持った者に削られてその内部の確認を試みるような行為がなされたとしても、第2基板共々にモールドしている第2モールド部材を削っている状態にあるのか、その内部にある第1モールド部材を削っている状態にあるのかを把握し難くすることができるようになり、これによって該電子部品としての種別を秘匿にして回路理解の困難性を好適に維持することが期待されるようになる。
[技術思想14]
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部の基板は、
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品との両方がそれぞれ挿入実装される挿入実装領域が形成された第1基板、及び
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのうち前記集積回路部品は実装されず、前記ディスクリート部品が表面実装される表面実装領域が形成された第2基板
を有しており、
前記第2基板は、
該基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられて、且つ前記第1基板に形成された挿入実装領域に対して挿入実装されることにより前記第1基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされており、
前記第2基板の実装面には、該基板に対して表面実装されるディスクリート部品に対応した基板側識別表示が何ら付されず、且つ前記第1基板の実装面には、前記1つの電子部品としての前記第2基板が挿入実装される位置に対応して特定の基板側識別表示が付されるが、該特定の基板側識別表示は、同種の実装用電子部品に対応して付される基板側識別表示を含めて、当該遊技機の挿入実装領域内で付されている基板側識別表示のいずれとも異なるユニークな態様とされる
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想14では、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成された第1基板には、不正対象にされ易い集積回路部品と不正対象にされ難いディスクリート部品との両方が実装される一方で、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板には、不正対象にされ難いディスクリート部品のみが実装されるから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成される第2基板は、該基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられて、且つ第1基板に形成された挿入実装領域に対して挿入実装されるようにしている。すなわちこの場合、表面実装部品として本来は設けられるディスクリート部品が実装される第2基板を、あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対して挿入実装させることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
またさらに、第2基板の実装面(表面実装面)には、該基板に対して表面実装されるディスクリート部品に対応した基板側識別表示が何ら付されず、且つ前記第1基板の実装面には、前記1つの電子部品としての前記第2基板が挿入実装される位置に対応して特定の基板側識別表示が付されるが、該特定の基板側識別表示は、同種の実装用電子部品に対応して付される基板側識別表示を含めて、第1制御部や第2制御部内で付される基板側識別表示のいずれとも異なるユニークな態様とされるようにしている。すなわちこの場合、第1基板の実装面に付される特定の基板側識別表示を確認したとしても、その態様は、同種の実装用電子部品に対応して付されている基板側識別表示とも異なるユニークな態様とされていることから、第2基板に表面実装されているディスクリート部品としていずれの種別が実装されているかを認識し難くすることが可能である。また、表面実装領域に対して表面実装されているディスクリート部品の種別を把握するために、悪意を持った者にモールド部材が削られてその内部の確認を試みるような行為がなされたとしても、該ディスクリート部品としていずれの種別が実装されているかを認識し難くすることが可能である。
[技術思想15]
複数の電子回路が形成されるベース板を有し、それらの電子回路を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる第1制御部と、
複数の電子回路が形成されるベース板を有し、それらの電子回路を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記第1制御部に設けられる前記複数の電子回路には、
単機能素子の実装用電子部品から構成されて、特定の電気的機能を発揮することを目的とした特定のディスクリート回路が含まれており、
前記第1制御部のベース板は、互いに異なる基板上に形成された挿入実装領域と表面実装領域とを有するものであり、
前記ベース板のうち前記表面実装領域が形成される特定基板では、前記特定のディスクリート回路を構成する複数種別の実装用電子部品のうち特定種別の実装用電子部品のみが表面実装されて該特定種別の実装用電子部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられ、且つ当該特定基板とは異なる基板上に形成された前記挿入実装領域に挿入実装されることにより該異なる基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされるものであり、
前記特定のディスクリート回路を構成する複数種別の実装用電子部品のうち前記特定種別とは異なる他の実装用電子部品は、前記特定基板とは異なる基板上に形成された前記挿入実装領域に挿入実装される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想15では、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された特定基板には、不正対象にされ難いディスクリート部品(特定のディスクリート回路を構成する実装用電子部品)のみが実装されることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成される特定基板では、特定のディスクリート回路を構成する複数種別の実装用電子部品のうち特定種別の実装用電子部品のみが表面実装されて該特定種別の実装用電子部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられ、且つ当該特定基板とは異なる基板上に形成された上記挿入実装領域に挿入実装されることにより該異なる基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされるようになっている。
すなわちこの場合、表面実装部品が実装される特定基板を、あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対して挿入実装させることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。また、上記特定基板では、特定のディスクリート回路を構成する実装用電子部品のうち特定種別の実装用電子部品のみが表面実装されることから、表面実装領域に対して不正がなされているかの確認を容易化することができるようになる。また、上記特定基板を、特定種別の実装用電子部品共々にモールドした状態で、その他の実装用電子部品が挿入実装される別基板に対して挿入実装するようにしたことから、モールドされた特定基板内に形成された表面実装領域と、該特定基板とは異なる基板に形成された挿入実装領域とにわたって形成される特定のディスクリート回路に対する回路理解の困難性を高めて不正対策に供されることが期待されるようになる。
[13.主制御基板の送受信に関する各種コマンド]
次に、主制御基板1310から払出制御基板951へ送信される各種コマンドと、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される各種コマンドについて、図88〜図91を参照して説明する。図88は主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図89は主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図90は図89の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルであり、図91は主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。まず、主制御基板から払出制御基板へ送信される払い出しに関するコマンドである賞球コマンドについて説明し、続いて主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドについて説明し、主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドについて説明する。
[13−1.主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンド]
主制御基板1310の主制御MPU1310aは、図69に示した、一般入賞口センサ4020,4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びカウントセンサ4005等の各種入賞スイッチからの検出信号が入力されると、これらの検出信号に基づいて、予め定めた球数の遊技球を賞球として払い出すための賞球コマンドを払出制御基板へ送信する。この賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドである。本実施形態では、パチンコ機1とCRユニット6(パチンコ機1と通信して、パチンコ機1(払出装置830)の払出モータ834を駆動して貯留皿である、上皿321や下皿322に貸球として遊技球を払い出す装置)とが電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ機を「CR機」という。)、図88(a)に示すように、主制御基板1310から払出制御基板951に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板951は、払出モータ834を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ機1と球貸し機(遊技球を貯留皿である、上皿321や下皿322に貸球として直接払い出す装置)とが遊技場(ホール)に隣接して設置され、パチンコ機1と球貸し機が電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ機を「一般機」という。)、図88(b)に示すように、主制御基板1310から払出制御基板951に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板951は、払出モータ834を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンドとして、図88(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。
送信側は、コマンド送信後、所定期間、受信側からコマンドの受け取り確認として出力するACK信号が入力されない場合に、コマンド30Hを送信して、ACK信号が入力されるか否かをチェックすることで接続状態を確認する。本実施形態におけるCR機の場合では、払出制御基板951がCRユニット6との接続状態を確認する。
[13−2.主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンド]
次に、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される各種コマンドについて説明する。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、遊技の進行に基づいて周辺制御基板1510に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、図89及び図90に示すように、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。
各種コマンドは、図89及び図90に示すように、特図1同調演出関連、特図2同調演出関連、大当り関連、電源投入、普図同調演出関連、普通電役演出関連、報知表示、状態表示、及びその他に区分されている。
[13−2−1.特図1同調演出関連]
特図1同調演出関連は、図69に示した第一始動口センサ4002からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図89に示すように、図69に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403に関する、特図1同調演出開始、特別図柄1指定、特図1同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「A*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図1同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄1指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図1同調演出終了コマンドは、特図1同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。なお、確率及び時短状態には、低確率状態であって時短状態であることを指示する低確率時短状態と、高確率状態であって時短状態であるを指示する高確率時短状態と、低確率状態であって時短状態でないことを指示する低確率非時短状態と、高確率状態であって時短状態でないことを指示する高確率非時短状態と、から構成されている(通常遊技状態としては、低確率非時短状態が設定されている)。ここで、高確率状態は、大当りする確率が低確率状態(通常遊技状態)と比べて高く設定されるという状態であり、時短状態は、例えば、図10に示した普通図柄表示器1402による普通図柄を変動表示する時間を、非時短状態(通常遊技状態)と比べて、短くして普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示することにより、所定時間における後述する普通抽選による普通抽選結果の停止表示回数を非時短状態と比べて多くするとともに、さらに、図8に示した一対の可動片を開閉動作させる期間を、非時短状態(通常遊技状態)と比べて、長くして図8に示した第二始動口2004への遊技球の受入率(入球率)を高めることにより持ち球を減らさず特別図柄の抽選機会を得ることができるという状態(換言すると、非時短状態と比べて、一対の可動片を開閉動作させるか否かの決定を多くするとともに、一対の可動片を開閉動作させる場合には一対の可動片の開閉動作の期間を長くすることにより、第二始動口2004への遊技球の受入率(入球率)を高めるという状態)である。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図1同調演出開始コマンドは、特別図柄1変動開始時に送信され、特別図柄1指定コマンドは、特図1同調演出開始の直後に送信され、特図1同調演出終了コマンドは、特別図柄1変動時間経過時(特別図柄1確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、特図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−2.特図2同調演出関連]
特図2同調演出関連は、図69に示した第二始動口センサ4004からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図89に示すように、図69に示した機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405に関する、特図2同調演出開始、特別図柄2指定、及び特図2同調演出終了という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「B*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。
)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図2同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄2指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図2同調演出終了は、特図2同調演出終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図2同調演出開始コマンドは、特別図柄2変動開始時に送信され、特別図柄2指定コマンドは、特図2同調演出開始の直後に送信され、特図2同調演出終了コマンドは、特別図柄2変動時間経過時(特別図柄2確定時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−3.大当り関連]
大当り関連という区分には、図89に示すように、大当りオープニング、大入賞口1開放N回目表示、大入賞口1閉鎖表示、大入賞口1カウント表示、大当りエンディング、大当り図柄表示、小当りオープニング、小当り開放表示、小当りカウント表示、及び小当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「C*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始を指示するものであり、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放中開始(図8に示した、始動口ユニット2100の大入賞口2005のN回目のラウンドの開放中又は開放開始)を指示するものであり、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、ラウンド間の大入賞口1閉鎖中開始(始動口ユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖中又は閉鎖開始)を指示するものであり、大入賞口1カウント表示コマンドは、カウント0〜10個の遊技球の球数をカウントした旨(図69に示したカウントセンサ4005によって検出された、大入賞口2005に入球した遊技球の球数)を伝えるものであり、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始を指示するものであり、大当り図柄表示コマンドは、大当り図柄情報表示を指示するものである。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始を指示するものであり、小当り開放表示コマンドは、小当り開放中開始(小当り時における、始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放中又は開放開始)を指示するものであり、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞演出(小当り中における、大入賞口2005に入球した遊技球がカウントセンサ4005によって検出された場合における演出)を指示するものであり、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始時に送信され、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放時(始動口ユニット2100の大入賞口2005のN回目のラウンドの開放時)に送信され、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、大入賞口1閉鎖時(始動口ユニット2100の大入賞口2005の閉鎖開始)に送信され、大入賞口1カウント表示コマンドは、大入賞口1開放時及び大入賞口1へのカウント変化時(始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放時、及び大入賞口2005に入球した遊技球がカウントセンサ4005によって検出された時)に送信され、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始時に送信され、大当り図柄表示コマンドは、大入賞口開放時(始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放時)に送信される。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始時に送信され、小当り開放表示コマンドは、小当り開放時(小当り時における、始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放時)に送信され、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞時(小当り中における、大入賞口2005に入球した遊技球がカウントセンサ4005によって検出された時)に送信され、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−4.電源投入]
電源投入という区分には、図89に示すように、電源投入時状態、及び電源投入時主制御復帰先という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「D*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
電源投入時状態コマンドは、RAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである。電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、図70に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。このパチンコ機の機種コードは、例えば、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など)であるのか、を特定するものである。つまり、パチンコ機の機種コードの情報は、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、から主として構成されている。
電源投入時主制御復帰先コマンドは、主制御基板1310自体の復帰先を指示するものである。電源投入時主制御復帰先コマンドは、図69に示した始動口ソレノイド2107の駆動状態を指示する情報と、図69に示したアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、を主としてから構成されている。
電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信される。
[13−2−5.普図同調演出関連]
普図同調演出関連は、図69に示したゲートセンサ4003からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図89に示すように、図69に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402に関する、普図同調演出開始、普図柄指定、普図同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「E*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで普図同調演出開始を指示するものであり、普図柄指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、普図同調演出終了コマンドは、普図同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。なお、確率及び時短状態には、上述したように、低確率状態であって時短状態であることを指示する低確率時短状態と、高確率状態であって時短状態であるを指示する高確率時短状態と、低確率状態であって時短状態でないことを指示する低確率非時短状態と、高確率状態であって時短状態でないことを指示する高確率非時短状態と、から構成されている(通常遊技状態としては、低確率非時短状態が設定されている)。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図同調演出開始コマンドは、普通図柄1変動開始時に送信され、普図柄指定コマンドは、普図同調演出開始の直後に送信され、普図同調演出終了コマンドは、普通図柄変動時間経過時(普通図柄確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、普図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−6.普通電役演出関連]
普通電役演出関連は、図69に示した始動口ソレノイド2107の駆動により開閉される図8に示した一対の可動片に関するものであり、その区分には、図89に示すように、普図当りオープニング、普電開放表示、及び普図当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「F*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始を指示するものであり、普電開放表示コマンドは、普電開放中開始(一対の可動片が始動口ソレノイド2107の駆動により左右方向へ拡開した状態、又は拡開する時)を指示するものであり、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始時に送信され、普電開放表示コマンドは、普電開放時(一対の可動片が始動口ソレノイド2107の駆動により左右方向へ拡開する時)に送信され、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−7.報知表示]
報知表示の区分には、図90に示すように、入賞異常表示、接続異常表示、断線・短絡異常表示、磁気検出スイッチ異常表示、扉開放、及び扉閉鎖という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「6*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時(大当り中でもないのに、始動口ユニット2100の大入賞口2005に遊技球が入球してその遊技球をカウントセンサ4005が検出した時)に入賞異常報知の開始を指示するものであり、接続異常表示コマンドは、例えば、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間に亘る経路において電気的な接続異常がある場合に接続異常報知の開始を指示するものであり、断線・短絡異常表示コマンドは、例えば、主制御基板1310と、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005等との電気的な接続の断線・短絡が生じた場合に断線・短絡異常表示の開始を指示するものであり、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、図69に示した磁気検出センサ4024に異常が生じた場合に磁気検出スイッチ異常報知の開始を指示するものである。
また、扉開放コマンドは、図70に示した、払出制御基板951を介して入力される扉枠開放スイッチ618からの検出信号(開放信号)に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態である場合に、扉開放報知を指示するものであり、扉枠閉鎖コマンドは、その扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態である場合に扉開放報知終了を指示するものである。一方、本体枠開放コマンドは、図70に示した、払出制御基板951を介して入力される本体枠開放スイッチ619からの検出信号(開放信号)に基づいて、本体枠4が外枠2に対して開放された状態である場合に、本体枠開放報知を指示するものであり、本体枠閉鎖コマンドは、その本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して閉鎖された状態である場合に本体枠開放報知終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時に送信され、接続異常表示コマンドは、主制御基板1310から払出制御基板951へのコマンド送信時に払出制御基板951からのACK返信(ACK信号)がなかった時に送信され、断線・短絡異常表示コマンドは、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005等のうち、いずれが断線または短絡状態となった時に送信され、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、磁気検出センサ4024の異常を検知した時に送信される。また、扉開放コマンドは、扉開放を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態である場合)に送信され、扉枠閉鎖コマンドは、扉閉鎖を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。本体枠開放コマンドは、本体枠開放を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して開放された状態である場合)に送信され、本体枠閉鎖コマンドは、本体枠閉鎖を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−8.状態表示]
状態表示の区分には、図90に示すように、枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンドという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「7*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンドは、それぞれ、払出制御基板951から送信された1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、これらの詳細な説明は、後述する。なお、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、図90に示すように、「7*H」をステータスとして設定するとともに、その受信したコマンドをそのままモードとして設定する。つまり、主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、これら受信したコマンドに付加情報である「7*H」を付加することにより、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドに整形する。
整形された、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これら整形された、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−9.テスト関連]
テスト関連の区分には、図90に示すように、テストという名称の各種コマンドから構成されている。このテストコマンドには、ステータスとして「8*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
テストコマンドは、周辺制御基板1510の各種検査を指示するものである(例えば、図72に示した、周辺制御部1511、液晶表示制御部1512、ランプ駆動基板4170、モータ駆動基板4180、及び枠装飾駆動アンプ基板194等の各種基板の検査を行うものである)。
テストコマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理でテストコマンドが送信される。
[13−2−10.その他]
その他の区分には、図90に示すように、始動口入賞、変動短縮作動終了指定、高確率終了指定、特別図柄1記憶、特別図柄2記憶、普通図柄記憶、特別図柄1記憶先読み演出、及び特別図柄2記憶先読み演出という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「9*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出開始を指示するものであって、第一始動口センサ4002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した場合における演出の開始と、第二始動口センサ4004からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した場合における演出の開始と、をそれぞれ指示するものであり、変動短縮作動終了指定コマンドは、変動短縮作動状態から変動短縮非作動状態への状態移行を指示するものであり、高確率終了指定コマンドは、高確率状態から低確率状態への状態移行を指示するものであり、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1保留0〜4個(図8に示した第一始動口2002に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2保留0〜4個(図8に示した第二始動口2004に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1保留0〜4個(図8に示したゲート部2003を遊技球が通過して機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1保留が機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく第一特別図柄表示器1403による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものであり、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2保留が機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく第二特別図柄表示器1405による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、始動口入賞コマンドは、始動口入賞時(第一始動口センサ4002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した時や、第二始動口センサ4004からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した時)に、図5に示した下部スピーカ921及び図2に示した上部スピーカ573から主に音声でその旨を報知するために送信され、変動短縮作動終了指定コマンドは、規定回数の変動短縮を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、高確率終了指定コマンドは、「高確率N回」の場合の高確率回数を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1作動保留球数変化時(第一始動口2002に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第一始動口2002に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2作動保留球数変化時(第二始動口2004に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第二始動口2004に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1作動保留球数変化時(ゲート部2003を遊技球が通過して機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらにゲート部2003を遊技球が通過して保留数が増加した時や、その保留数から普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1作動保留球数増加時(第一始動口2002に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2作動保留球数増加時(第二始動口2004に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
ところで、始動口入賞コマンドは、上述したように、始動口入賞時(第一始動口センサ4002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した時や、第二始動口センサ4004からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した時)に、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から主に音声でその旨を報知するために送信されるが、図72に示した周辺制御基板1510が始動口入賞コマンドをどのように利用するかについては、パチンコ機の仕様によって異なる場合もある。例えば、本実施形態におけるパチンコ機1では、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音声で報知するほかに、不正行為の有無を監視するためにも利用するという仕様のものである。これに対して、他のパチンコ機では、周辺制御基板1510が始動口入賞コマンドを単に受信するだけで、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音声で報知しない仕様のものもある。
[13−3.主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンド]
次に、主制御基板1310が受信する払出制御基板951からの各種コマンドについて説明する。
払出制御基板951からの各種コマンドの区分には、図91に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ及び枠状態2という名称のコマンドから構成されており、枠状態1、エラー解除ナビ、そして枠状態2の順で優先順位が設定されている。
枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)には、球切れ、満タン、50個以上のストック中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、満タンではビット1(B1)に値1がセットされ、50個以上のストック中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。枠状態1コマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)には、球がみ、払出検知センサエラー及びリトライエラーが用意されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、払出検知センサエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライエラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「払出検知センサエラー」とは、図70に示した払出検知センサ842の不具合が生じているか否かを示すものである。「リトライエラー」とは、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球の払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。エラー解除ナビコマンドのビット(B0)、ビット(B1)、及びビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B0に値0、B1に値0、B5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
枠状態2コマンドには、球抜き中が用意されており、球抜き中ではビット0(B0)に値1がセットされる。枠状態2コマンドのビット1(B1)〜ビット7(B7)には、B1に値0、B2に値0、B3に値0、B4に値0、B5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS558のコマンド送信処理で送信される。
[14.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて、図69に示した主制御基板1310が行う各種制御処理について、図92〜図94を参照して説明する。図92は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図93は図92の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図94は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。
[14−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、図69に示した、第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405で導出表示される大当り図柄の決定に用いるための大当り図柄用乱数と、この大当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数、小当り遊技状態を発生させるときに第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405で導出表示される小当り図柄の決定に用いるための小当り図柄用乱数、この小当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための小当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、図8に示した可動片を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数と、図69に示した普通図柄表示器1402で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
このような遊技制御に用いられる各種乱数のうち、大当り判定用乱数はハードウェアにより更新されるものに対して、他の各種乱数はソフトウェアにより更新されるようになっている。
例えば、大当り判定用乱数は、図69に示した主制御MPU1310aに内蔵される主制御内蔵ハード乱数回路1310anによりハードウェアにより直接更新されるようになっている。この主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、上述したように、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(図77に示した主制御水晶発振器MX0から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路1310anが繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
これに対して、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、図70に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において図69に示した主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合には、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、図69に示した主制御MPU1310aがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPU1310aを製造したメーカによって主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを普通図柄当り判定用初期値決定用乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤5を入手して分解し、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤5’に備える主制御MPU1310a’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤5’においては、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤5のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤5を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤5’、つまり他のパチンコ機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、図8に示したゲート部2003に遊技球を通過させたとしても、図8に示した可動片を開閉動作させて第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態を発生させることができない。
[14−2.主制御側電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、デフォルトとして予め定めたアドレスにスタックポインタが設定されるように主制御MPU1310aが回路構成されている。
このスタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。
そして上述したメイン制御プログラムが、主制御基板1310の主制御MPU1310aによる制御の下、図92及び図93に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、メイン制御プログラムは、主制御MPU1310aの制御の下、RAMアクセス許可の設定を行う(ステップS10)。このRAMアクセス許可の設定により主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に対する更新を行うことができる。
ステップS10に続いて、メイン制御プログラムは、図69に示した主制御内蔵WDT1310afの初期値設定及び起動設定を行う(ステップS12)。ここでは、主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視する主制御内蔵WDT1310afに初期値を設定するために主制御MPU1310aに内蔵されるウオッチドックタイマコントロールレジスタ(以下、「WDTコントロールレジスタ」と記載する。)にタイマ設定値を設定して主制御内蔵WDT1310afを起動させて主制御MPU1310aをリセットするまでの計時を開始する。主制御内蔵WDT1310afが起動すると、主制御内蔵WDT1310afによる計時が開始され、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでに、主制御MPU1310aに内蔵されるウオッチドックタイマクリアレジスタ(以下、「WDTクリアレジスタ」と記載する。)にタイマクリア設定値をセットしないと、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされるようになっている。これに対して、主制御内蔵WDT1310afが起動して計時が開始されると、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでにWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすると、主制御内蔵WDT1310afによる計時がクリアされて、再び計時が開始されるようになっている。このように、主制御内蔵WDT1310afによる計時をタイマ設定値で設定された時間に達するまでにクリアして再び計時を開始するという処理を繰り返し行うことにより主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視することができる。
ステップS12に続いて、メイン制御プログラムは、停電クリア処理を行う(ステップS14)。この電電クリア処理では、まず、図78に示した停電監視回路1310eに停電クリア信号の出力を開始する。この停電監視回路1310eは、電圧比較回路であるコンパレータMIC21と、DタイプフリップフロップMIC22と、から構成されている。電圧比較回路であるコンパレータMIC21は、+24Vとリファレンス電圧との電圧を比較したり、+12Vとリファレンス電圧との電圧を比較したりすることで、その比較結果を出力する。この比較結果は、停電又は瞬停が発生していない場合ではその論理がHIとなってDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される一方、停電又は瞬停が発生した場合ではその論理がLOWとなってDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるようになっている。
電電クリア処理では、まず停電監視回路1310eに停電クリア信号の出力を開始することにより、このDタイプフリップフロップMIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を開始する。この停電クリア信号は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子からその論理をLOWとして、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介して、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU1310aは、DタイプフリップフロップMIC22のラッチ状態を解除することができ、ラッチ状態をセットするまでの間、DタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する状態とすることができ、その1Q端子からの信号を監視することができる。
続いて、電電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。停電予告信号が入力されているか否かの判定では、停電予告信号として、上述したDタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力されている信号に基づいて行う。
電源投入後に電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待っても停電予告信号の入力がなかったときには、メイン制御プログラムは、DタイプフリップフロップMIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を停止する。ここでは、停電クリア信号は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子からその論理をHIとして、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介して、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU1310aは、DタイプフリップフロップMIC22をラッチ状態にセットすることができる。DタイプフリップフロップMIC22は、そのプリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチすると、出力端子である1Q端子から停電予告信号を出力する。
ステップS14に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って主制御内蔵RAM(遊技記憶部)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(遊技側電源投入時操作制御手段)。具体的には、メイン制御プログラムは、まず、図70に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されているか否かを判定する(ステップS16)。この判定では、メイン制御プログラムが、払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されたことに伴う操作信号(検出信号)に基づくエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)が主制御MPU1310aに入力されているか否かにより行う。メイン制御プログラムは、その操作信号の論理値に基づいて、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ954が操作されていないと判定する一方、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ954が操作されていると判定する。
ステップS16において、メイン制御プログラムは、上記操作スイッチ954が操作されているときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットする(ステップS18)。一方、メイン制御プログラムは、ステップS16で操作スイッチ954が操作されていないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS20)。即ち、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(つまり、主制御内蔵RAM(遊技記憶部))の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(遊技制御側電源投入時操作制御手段)。上述したRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS18及びステップS20でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS18又はステップS20に続いて、メイン制御プログラムは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、図72に示した、周辺制御基板1510の液晶表示制御部1512による遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として2.5秒(s)が設定されている。
ステップS22に続いて、メイン制御プログラムは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS24の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。ステップS24の判定で停電予告信号の入力があるときには、メイン制御プログラムは、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行う。これにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることとなる。その後メイン制御プログラムが、主制御基板1310の主制御MPU1310aによる制御の下、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS24の判定がステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS24の判定で停電予告信号の入力がないときには、メイン制御プログラムは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS26)。上述したように、RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS26でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり遊技情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS28)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS28に続いて、メイン制御プログラムは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS30)。一致しているときには、このメイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS32)。このバックアップフラグBK−FLGは、遊技情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、主制御基板1310の製造ラインの検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、についての詳細な説明を後述する。
ステップS32でバックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したときには、メイン制御プログラムは、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS34)。この設定は、主制御MPU1310aに内蔵されたROM(つまり、主制御内蔵ROM)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、不正手段(例えば、不正行為者が腕の裾に隠した高周波出力装置)からの高周波が主制御基板1310に照射されて主制御MPU1310a自体がリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS34に続いて、メイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットする(ステップS36)。これにより、これ以後の各種処理が行われることにより遊技情報、チェックサムの値(サム値)等が変更されるため、後述する主制御側電源断時処理を正常に終了してバックアップフラグBK−FLGに値1がセットされないと、後述するように、主制御内蔵RAMの全領域がクリアされることとなる。
一方、ステップS26でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり遊技情報を消去するときには、或いはステップS30でチェックサムの値(サム値)が一致していないときには、又はステップS32でバックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、メイン制御プログラムは、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS38)。即ち、メイン制御プログラムは、上述した操作スイッチ954の操作に伴う検出信号の入力を契機として遊技制御側RAMクリア処理を実行している(払出制御側電源投入時操作制御手段)。具体的には、メイン制御プログラムは、値0を主制御内蔵RAMに書き込むことよって行う。なお、その代わりに、メイン制御プログラムは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPU1310aは、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がRAMクリアを指示するもので遊技情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPU1310aの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットする。
ステップS38に続いて、メイン制御プログラムは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。
ステップS36又はステップS40に続いて、メイン制御プログラムは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、4ミリ秒(ms)に設定されている。
ステップS42に続いて、メイン制御プログラムは、シリアル通信初期設定を行う(ステップS44)。ここでは、主制御MPU1310aに内蔵される各種シリアル入出力ポート(例えば、払出制御基板951に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)、周辺制御基板1510に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)に対応する、送信シリアルポートプリスケーラに通信速度の設定やパリティ有無の設定等を行うとともに、送信シリアルポートコントロールレジスタに送信回路の初期化の設定や送信許可の設定等を行う。
ステップS44に続いて、メイン制御プログラムは、試験信号出力ポート初期化設定を行う(ステップS46)。ここでは、遊技機の試験機関において、各種検査情報を出力するための図示しない試験信号出力ポートを、電源投入時に初期化設定(OFFデータ出力に設定)等を行う。
ステップS46に続いて、メイン制御プログラムは、図69に示した主制御内蔵ハード乱数回路1310anの起動設定を行う(ステップS48)。ここでは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数を、ハードウェアにより更新するために主制御MPU1310aに内蔵される、ハード乱数コントロールレジスタに乱数をラッチして取得するという設定等を行うとともに、ハード乱数設定レジスタに主制御内蔵ハード乱数回路1310anの起動等を設定する。これらの設定により主制御内蔵ハード乱数回路1310anが起動すると、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(図77に示した主制御水晶発振器MX0から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。なお、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから乱数(乱数値)を取得するときには、主制御内蔵ハード乱数回路1310anにラッチ信号を出力し、このラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した乱数(乱数値)を、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得するようになっている。主制御MPU1310aは、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。
ステップS48に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時に送信するコマンドの予約設定を行う(ステップS50)。ここでは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信されることとなる。これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。なお、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS50に続いて、メイン制御プログラムは、割り込み許可設定を行う(ステップS52)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに後述する主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS52に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間を経過すると、つまり、主制御側メイン処理が開始されると、操作スイッチ954(操作スイッチ)の操作に伴うエラー解除ナビコマンドの受け取りを契機とした遊技制御側RAMクリア処理の実行を規制することとなる(通常時操作制御手段)。以上のように、メイン制御プログラムは、操作スイッチ954の操作に伴って入力される検出信号を、タイムシェアリングの概念により、上述のように電源投入時から所定時間に亘ってエラー解除ナビコマンドの入力を契機としてRAMクリア処理を実行させたり(遊技制御側電源投入時操作制御手段)、当該所定時間の経過後は当該エラー解除ナビコマンドの入力があってもRAMクリア処理の実行を規制し(遊技制御側通常時操作制御手段)、発生したエラーに伴うエラー報知を解除するための解除スイッチとして取り扱っている。つまり、本来、払出動作に関して発生したエラーを解除するために使用されるはずであった操作スイッチ954(エラー解除部)を、電源投入時から所定時間に亘って、その代わりに、遊技記憶部としての主制御内蔵RAM(及び後述する払出記憶部としての払出制御内蔵RAM)の初期化を開始させるためのRAMクリア処理を実行するための操作部として機能させたり、当該所定時間の経過後に、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除するための操作部として機能させることができるようになっている。
次にメイン制御プログラムは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS54の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS54で停電予告信号の入力がないときには、メイン制御プログラムは非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数をソフトウェアにより更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS56に続いて、再びステップS54に戻り、メイン制御プログラムは、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS54〜ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS54〜ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54で停電予告信号の入力があったときには、メイン制御プログラムは、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、遊技情報の書き換えを保護している。
ステップS58に続いて、メイン制御プログラムは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS60)。ここでは、ステップS14の停電クリア処理において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。これにより、メイン制御プログラムは、主制御MPU1310aの制御の下、DタイプフリップフロップMIC22のラッチ状態を解除することができる。
ステップS60に続いて、メイン制御プログラムは、図69に示した、始動口ソレノイド2107、アタッカソレノイド2108、第一特別図柄表示器1403、第二特別図柄表示器1405、第一特別保留数表示器1404、第二特別保留数表示器1406、普通図柄表示器1402、普通図柄記憶表示器1188、状態表示器1401、ラウンド表示器1407等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。
ステップS62に続いて、メイン制御プログラムは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、メイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする(ステップS66)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、メイン制御プログラムは、RAMアクセス禁止の設定を行う(ステップS68)。このRAMアクセス禁止の設定により主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に対するアクセスが行うことができなくなることよって主制御内蔵RAM(遊技記憶部)の内容の更新を防止することができる。
ステップS68に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることとなる。その後メイン制御プログラムが、主制御基板1310の主制御MPU1310aによる制御の下、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
パチンコ機1(主制御MPU1310a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS30では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS32では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
ここで、ステップS24の停電予告信号の有無の判定をステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行う点について説明する。まず、ステップS24の停電予告信号の有無の判定がない場合における問題点について、つまりステップS22のウェイト時間待機処理に続いてステップS26のRAMクリアフラグの値の判定を行ってその後の処理をすすめる場合における問題点について説明する。
主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、図77に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。つまり、瞬停や停電によりパチンコ島設備からの電源が遮断された状態であっても、電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されることにより、パチンコ島設備からの電源が遮断されてから約7msという時間が経過するまでの期間内に、主制御側電源断時処理を完了することができるようになっている。これは、遊技者が遊技を行っている際に、つまり、主制御側メイン処理又は後述する主制御側タイマ割り込み処理を行っている際に、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合において、主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。
ところが、極めて稀な現象として、復電時にステップS22のウェイト時間待機処理において、図72に示した、周辺制御基板1510の液晶表示制御部1512による遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)までの待機時間(ブートタイマ:本実施形態では、2.5秒が設定されている。)を計時開始し、その待機時間に達する直前で、仮に瞬停又は停電が発生すると、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されるものの、約7msという期間内に、ステップS42で割り込み初期設定が行われ、その後、ステップS52で割り込み許可設定が行われることにより、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われて、主制御内蔵RAMの内容が更新されても、主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を完了することができなくなる場合がある。このため、主制御内蔵RAMの内容に基づく、チェックサムを算出した値が記憶されることなく再び復電時に主制御側電源投入時処理を開始することとなる。
そうすると、今回の復電時において主制御側電源投入時処理を開始して、瞬停や停電が発生することなく、ステップS22のウェイト時間待機処理を完了し、その後、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出した値と、瞬停又は停電が発生した直前における主制御内蔵RAMに記憶されている値と、をステップS30で比較判定すると、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域をクリアすることなる。換言すると、復電時に操作スイッチ954がホールの店員等により操作されてRAMクリアというホールの店員等による意思表示がなくても、強制的に主制御内蔵RAMに記憶されている情報を消去(クリア)することとなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うようになっている。これにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることができるようになっている。ステップS22のウェイト時間待機処理を行う前に、ステップS18又はステップS20においてRAMクリア報知フラグRCL−FLGに値が設定されるものの、RAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、上述したように、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶されるため、ステップS10でRAMアクセス許可の設定が行われていても、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されない。
このように、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されているときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されるとステップS24の判定により判定されたときには)、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、主制御基板1310の主制御MPU1310aを強制的にリセットして主制御基板1310を再起動することができるようになっているため、遊技の進行を行うことができず、遊技情報が更新されることを防止することができ、チェックサムの算出結果に変動が生ずることがないようになっている。これにより、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。したがって、復電時において、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報が初期化されることを防止することができる。
また、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されていないときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されないとステップS24の判定により判別されたときには)、主制御基板1310の主制御MPU1310aが遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断されても、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、図77に示した電解コンデンサMC2による電源の供給により、この遊技の進行による遊技情報を記憶するためのバックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPU1310aが完了することができるようになっているため、主制御MPU1310aの主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、バックアップ処理においてチェックサムの算出結果(つまり、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値)と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。つまり、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報に復元されて主制御基板1310を起動することができるようになっている。
更に、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていると判定したときには主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることで主制御内蔵RAMの内容を全く更新することなく再び主制御側電源断時処理を開始することができる一方、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていないと判定したときにはこれまで通りハードウェアによる約7msという「瞬停又は停電時電源確保期間」以内に主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。つまり、本実施形態では、復電時に主制御側電源投入時処理を行っている際に瞬停や停電が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合であって、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、図77に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっているため、電解コンデンサMC2というハードウェアによる約7msという「瞬停又は電源確保期間」内において主制御側電源断時処理を完了することができない場合においては、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後におけるステップ24で停電予告信号が入力されているか否かの判定を行い、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることができるようになっている。このようなソフトウェアによる主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることでステップS24より後のステップ(具体的には、ステップS42で割り込み初期設定を行って、その後に、ステップS52で割り込み許可を設定して後述する主制御側タイマ割り込み処理を開始するという制御フロー)への進行を阻止することで主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が更新されることを回避することができるという仕組みを採用した。このように停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された際に、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されないようにソフトウェアで賄う部分と、主制御側電源断時処理を確実に完了して主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されないようにハードウェアで賄う部分と、に2つに分けて構成することにより、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が変更されることを確実に防止することができるようになっている。
次に、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点について説明する。ステップS50では、上述したように、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。この電源投入時主制御復帰先コマンドは、上述したように、始動口ソレノイド2107の駆動状態を指示する情報と、図69に示したアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、主として構成されている。ここでは、まず電源投入時主制御復帰先コマンドに、始動口ソレノイド2107の駆動状態を指示する情報と、図69に示したアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、が含まれていない場合における問題点、つまり、ステップS50において電源投入時主制御復帰先コマンドが電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われない場合における問題点について説明する。
例えば、周辺制御基板1510が大当り遊技状態の画面(例えば、大当り遊技演出の画面)を図8に示した遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310がアタッカソレノイド2108を駆動して図8に示した大入賞口2005が開閉部材2107により開放されているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、アタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として大当り遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、大当り遊技状態のどのラウンドであるか全く表示することができない。つまり、例えば大入賞口2005に遊技球が入球して図69に示したカウントセンサ4005によって検出され、大入賞口2005に入球した遊技球の球数を伝える大入賞口1カウント表示コマンドを主制御基板1310が周辺制御基板1510に送信して周辺制御基板1510が受信したとしても、周辺制御基板1510は、確率及び時短状態に応じて画面に大入賞口2005に入球した遊技球の球数が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示することができても、大当り遊技状態のどのラウンド(つまり、何回目のラウンド)であるか全く表示することができない。
このような状況において、主制御基板1310は、例えば大当り遊技状態の4ラウンド(4回目のラウンド)を終了するときには、アタッカソレノイド2108の駆動を停止して大入賞口2005が開閉部材2107により開放されている状態から閉鎖されている状態へ移行する旨(つまり、始動口ユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖開始)を指示する大入賞口1閉鎖表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信し、主制御基板1310が大当り遊技状態の5ラウンド(5回目のラウンド)を開始するときには、アタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨(つまり、大入賞口2005の5回目のラウンドの開放開始)を指示する大入賞口開放5回目表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信する。これにより、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の5ラウンドの開始という画面を、上述した確率及び時短状態に応じた画面からようやく切り替えて遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示することととなる。
また、例えば、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面(例えば、可動片が拡開されている旨を遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310が始動口ソレノイド2107を駆動して図8に示した一対の可動片を左右方向へ拡開させた状態となっているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、始動口ソレノイド2107の駆動を開始して一対の可動片が略垂直に立上った状態から左右方向へ拡開させた状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面を周辺制御基板1510が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に全く表示することができない。このため、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生したことに驚いて、復電時において、瞬停や停電が発生する直前における第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態であることを忘れている場合もあり、このような場合には、復電時における遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態に復帰されているにもかかわらず、復電時に遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に遊技を指示する画面(つまり、第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示する画面)が表示されないことにより、遊技者がどのような遊技を行えば分からなくなるという問題もあった。
このように、上述した2つ例においては、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができないという問題があった。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いするという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、周辺制御基板1510は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとに基づいて、例えば、上述した例では、大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、アタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨を周辺制御基板1510に伝えることができるため、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の4ラウンドである旨を特定した画面(つまり、何回目のラウンドであるかを示す画面)を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示することができないものの、大当り遊技状態であってアタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により開放されている状態である旨を伝える画面(例えば、「大当りです。大入賞口が開放されています。大入賞口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において大入賞口2005に遊技球を入球させるという遊技を指示することができるし、また例えば、上述した例では、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている状態において、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、始動口ソレノイド2107の駆動を開始して一対の可動片を左右方向へ拡開させた状態となっている旨を伝える画面(例えば、「可動片を拡開させています。下始動口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示することができる。これにより、瞬停や停電が発して、その後に復電する際に、周辺制御基板1510の復帰先を主制御基板1310側で細かく指示することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができる。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いすることを防止することができる。
次に、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、について説明する。主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述した、バックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPU1310aは、一度も実行していない状態であるため、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出しても、ステップS30で比較判定において、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域を必ずクリアすることなる。これにより、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドという2つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となる。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において、まず電源投入時状態コマンドが送信され、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドが送信されるようになっている。これを利用して、主制御基板検査工程においては、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、主制御基板1310から最初のコマンドとして電源投入時状態コマンドが主制御基板検査工程の検査装置へ送信されることとなる。
ところで、電源投入時状態コマンドは、上述したように、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、図70に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。ここでは、電源投入時状態コマンドにパチンコ機の機種コードを示す情報が含まれていない場合における問題点について説明する。
パチンコ機の機種コードは、上述したように、パチンコ機1(正確には、主制御基板1310)として、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など))であるのか、を特定することができるものである。
パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいては、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在する場合がある。
そうすると、製造ラインの作業者は、複数種類の作品の版権(例えば、映画A、映画B、ドラマC、映画D、漫画E、及び漫画Fという作品の版権)のうち、どの作品の版権に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているのか分からなくなったり、複数種類の作品の版権のうち、一の版権(例えば、映画Dという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているにもかかわらず、他の版権(例えば、漫画Fという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているという思い込みや勘違いもある。このため、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、製造ラインの作業者は、製造ラインで製造した主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを確認することができないし、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを確認することもできない。これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在したまま、遊技盤5に主制御基板1310を取り付けるための遊技盤組立ラインへ送られることとなる。このため、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付ける場合もあった。これにより、結果として、遊技盤5の生産効率が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、パチンコ機の機種コードを示す情報を含む電源投入時状態コマンドを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインの作業者は、製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、主制御基板1310を電源投入することにより、検査装置が主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、検査モニタに表示する詳細な機種情報を目視することにより、主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを判別することができるとともに、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを判別することもできるようになっている。これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在しても、製造ラインの主制御基板検査工程の作業者は、検査モニタを目視して主制御基板1310の機種タイプ、作品の版権、及び遊技仕様を正確に判別することができることによって、作品の版権に対する主制御基板1310ごとに分別して後続の遊技盤組立ラインへ送ることができる。そして、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応する主制御基板1310を遊技盤5に確実に取り付けることができ、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付けるという作業によって生ずる遊技盤5の生産効率の低下を防止することができる。したがって、遊技盤5の生産効率の向上に寄与することができる。
[14−3.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図92及び図93に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御基板1310では、メイン制御プログラムが、主制御MPU1310aの制御の下、図94に示すように、レジスタバンクの切替を行う(ステップS100)。主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)には、第1のレジスタバンクと第2のレジスタバンクとから構成される2つのレジスタバンクがある。第1のレジスタバンクは上述した主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用される一方、第のレジスタバンクは本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において使用される。ステップS100では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において第2のレジスタバンクを使用するため、主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用されている第1のレジスタバンクから第2のレジスタタンクへのレジスタバンクの切り替えを行う。なお、本実施形態では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されるときに、各レジスタをスタックに退避する処理は必要ないようになっている。
ステップS100に続いて、メイン制御プログラムは、タイマ減算処理を行う(ステップS102)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1402が点灯する時間のほかに、主制御基板1310(主制御MPU1310a)が送信した各種コマンドを払出制御基板951が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS102に続いて、メイン制御プログラムは、スイッチ入力処理を行う(ステップS104)。このスイッチ入力処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、このメイン制御プログラムは、例えば、図8に示した一般入賞口2001,2201に入球した遊技球を検出する図69に示した一般入賞口センサ4020,4020からの検出信号、図8に示した大入賞口2005に入球した遊技球を検出する図69に示したカウントセンサ4005からの検出信号、図8に示した第一始動口2002に入球した遊技球を検出する図69に示した第一始動口センサ4002からの検出信号、図8に示した第二始動口2004に入球した遊技球を検出する図69に示した第二始動口センサ4004からの検出信号、図8に示したゲート部2003を通過した遊技球を検出する図69に示したゲートセンサ4003からの検出信号、図69に示した磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出センサ4024からの検出信号や後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを図69に示した払出制御基板951が正常に受信した旨を伝える払出制御基板951からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ4002からの検出信号、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ4004からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応する図90に示したその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口センサ4002からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口センサ4004からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、一般入賞口2001,2201に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ4020,4020からの検出信号、大入賞口2005に入球した遊技球を検出するカウントセンサ4005からの検出信号、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ4002からの検出信号、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ4004からの検出信号、及びゲート部2003を通過した遊技球を検出するゲートセンサ4003からの検出信号は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、メイン制御プログラムが、一般入賞口センサ4020,4020、カウントセンサ4005、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ4003からの検出信号を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、一般入賞口センサ4020,4020、カウントセンサ4005、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ4003からの検出信号の信頼性を高めることができる。
ステップS104に続いて、メイン制御プログラムは、当落乱数更新処理を行う(ステップS106)。この当落乱数更新処理では、上述した、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図93に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数は、当落判定(大当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。
例えば、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数は更新される。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
本実施形態では、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図93に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS106の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS56の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS56の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS106に続いて、メイン制御プログラムは、賞球制御処理を行う(ステップS108)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための図88に示した賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合には、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間の接続状態を確認するための図88に示したセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板951に送信する。例えば、図8に示した大入賞口2005に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているため、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶し、賞球コマンドを払出制御基板951に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板951が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板1310と払出制御基板951との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板951に送信したりする。なお、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成する場合のように、賞球として払い出す遊技球の球数が10球を超える場合には、その超えた球数に、次回のこの賞球制御処理において、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が加算されて、この加算された遊技球の球数がに達しているときには、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶することとなる。
ステップS108に続いて、メイン制御プログラムは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS110)。払出制御基板951では、払出制御プログラムが、図91に示した状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。一方、後述するように払出制御プログラムは、払出動作にエラーが発生した場合にエラー発生コマンドを出力したり、操作スイッチ954の検出信号に基づいてエラー解除ナビコマンドを出力する。
上述した枠コマンド受信処理では、メイン制御プログラムが、この各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板951に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、メイン制御プログラムは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(図90の状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。なお、ここでいう枠状態1コマンドは第1のエラー発生コマンドに相当するとともに、エラー解除ナビコマンドは第1のエラー解除コマンドに相当する。
ステップS110に続いて、メイン制御プログラムは、不正行為検出処理を行う(ステップS112)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合にカウントセンサ4005からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2005に遊技球が入球するとき)等には、異常状態として図90に示した報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS112に続いて、メイン制御プログラムは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS114)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、図69に示した主制御内蔵ハード乱数回路1310anにラッチ信号を出力し、ラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した乱数(乱数値)を、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得し、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。そして大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、大当り図柄用乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている確変当り判定値と一致するか否かを判定(確率変動を発生させるか否かの判定)したりする。ここで、「確率変動」とは、大当りする確率が通常時(低確率)にくらべて高く設定された高確率(確変時)に変化することである。本実施形態では、上述した大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)として、低確率では値32668〜値32767が設定されており、通常時判定テーブルから読み出されるのに対して、高確率では値31768〜値32767が設定されており、確変時判定テーブルから読み出される。このように、ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理では、大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定するときには、大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)が大当り判定範囲に含まれているか否かにより行う。
これらの判定結果が第一始動口センサ4002によるものである場合には図89に示した特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その抽選結果が第二始動口センサ4004によるものである場合には図89に示した特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するするとともに、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405を点灯させるよう第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、図89に示した大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、図8に示した開閉部材2107を開閉動作させるようアタッカソレノイド2108への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2005が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、図10に示したラウンド表示器1407の2ラウンド表示ランプ1407aを点灯させるよう2ラウンド表示ランプ1407aへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、図10に示したラウンド表示器1407の15ラウンド表示ランプ1407bを点灯させるよう15ラウンド表示ランプ1407bへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、確率変動の発生の有無を所定の色で点灯させるよう状態表示器1401への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS114に続いて、メイン制御プログラムは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS116)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいてゲート入賞処理を行う。このゲート入賞処理では、入力情報からゲートセンサ4003からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出してゲート情報として主制御内蔵RAMのゲート情報記憶領域に記憶する。
このゲート情報記憶領域には、第0区画〜第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順にゲート情報が格納されるようになっている。例えばゲート情報がゲート情報記憶の第0区画〜第2区画に格納されている場合、ゲートセンサ4003からの検出信号が入力端子に入力されていたときにはゲート情報をゲート情報記憶の第3区画に格納する。
ゲート情報はゲート情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。このゲート情報がセットされると、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画に、ゲート情報記憶の第3区画のゲート情報がゲート情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされてゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、ゲート情報記憶の第1区画〜第2区画にゲート情報が記憶されている場合には、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされてゲート情報記憶の第2区画及びゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、ゲート情報記憶の第1区画〜第3区画にゲート情報が格納されていると、格納されたゲート情報の総数を保留球として普通図柄記憶表示器1188を点灯させるよう、上述したゲート情報に基づいて普通図柄記憶表示器1188の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ゲート入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされたゲート情報を読み出し、この読み出したゲート情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、一対の可動片が左右方向へ拡開した状態となることで第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、図89に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って普通図柄表示器1402を点灯させるよう普通図柄表示器1402への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、図89に示した普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2107への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、図89に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1402を点灯させるよう普通図柄表示器1402への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS116に続いて、メイン制御プログラムは、ポート出力処理を行う(ステップS118)。このポート出力処理では、主制御MPU1310aの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。このメイン制御プログラムは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板951からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板951に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2005の開閉部材2107の開閉動作を行うアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力したり、可動片の開閉動作を行う始動口ソレノイド2107に駆動信号を出力したりするほかに、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力情報、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板951に出力したりする。
ステップS118に続いて、メイン制御プログラムは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS120)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、このメイン制御プログラムが、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、図89に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、大入賞口2005(図8参照)に入球した遊技球を検出した際にカウントセンサ4005(図69参照)からの検出信号に基づ大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図90に示した、報知表示に区分される各種コマンド(扉開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンドなど)、状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドが記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、主周シリアルデータとして各種コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生した場合に、図77に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、図79に示した、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeは、少なくとも、その送信バッファレジスタ1310aebに主制御CPUコア1310aaがセットしたコマンドをシリアル管理部1310aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ1310aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができるようになっている。停電又は瞬停が発生して電力が回復する復電時には、図93に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、復電した旨を伝えるために、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶しているため、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。なお、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、主制御側電源投入時処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信されることとなる。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド)を送信する(エラーコマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図91に示す形態である枠状態1コマンドを、図90に示す形態の枠状態1コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
またその一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951からエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510に対してエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)を送信する(エラーコマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図91に示す形態であるエラー解除ナビコマンドを、図90に示す形態のエラー解除ナビコマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
またさらに、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して本体枠開放コマンド(第2の本体枠開放コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第2の本体枠送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図91に示す形態である本体枠開放コマンドを、図90に示す形態である本体枠開放コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して本体枠閉鎖コマンド(第2の本体枠閉鎖コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第2の本体枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図91に示す形態である本体枠閉鎖コマンドを、図90に示す形態である本体枠閉鎖コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
また、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から扉開放コマンド(第1の扉開放コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して扉開放コマンド(第2の扉枠開放コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第2の扉枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図91に示す形態である扉枠閉鎖コマンドを、図90に示す形態である扉閉鎖コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から扉閉鎖コマンド(第1の扉閉鎖コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して扉閉鎖コマンド(第2の扉閉鎖コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第2の扉枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図91に示す形態である扉閉鎖コマンドを、図90に示す形態である扉閉鎖コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
ステップS120に続いて、メイン制御プログラムは、図69に示した主制御内蔵WDT1310afのクリアを行い(ステップS122)、このルーチンを終了する。ステップS22の主制御内蔵WDT1310afのクリアは、主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることにより行う。これにより、主制御内蔵WDT1310afによる計時がクリアされる。そして、主制御内蔵WDT1310afによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされずに済む。
なお、主制御基板1310は、上述したように、遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断される前に、遊技の進行による遊技情報を記憶するための上述したバックアップ処理を実行して完了することができるとともに、復電時において、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先として、バックアップ処理を実行した遊技情報に基づいて、パチンコ機1への電源が遮断される際における、本ルーチンにおけるステップS118のポート出力処理による電気的駆動源である始動口ソレノイド2107やアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する図89の電源投入時主制御復帰先コマンドを周辺制御基板1510へ出力することができるようになっている。つまり、主制御基板1310は、図93の主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、同処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図89の電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。このため、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からの電源投入時主制御復帰先コマンドに基づいて、復電時における主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において演出表示することができる。これにより、遊技者が遊技を行っている際に、瞬停や停電が発生して、その後に復電するときに、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができるとともに、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において演出表示して報知することができるため、パチンコ機1のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に遊技者に見えて故障したと勘違いされることを防止することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することにより、遊技者に故障したと勘違いされることを防止することができる。
また、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述したように、図92の主制御側電源投入時処理におけるステップS38で主制御内蔵RAMの全領域を必ずクリアすることなる。これにより、同処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドという2つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となり、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信する。主制御基板検査工程の検査装置は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、主制御基板検査工程の検査モニタに詳細な機種情報を表示するようになっている。
[16−1.周辺制御部の各種制御処理]
[16−1−1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図95を参照して説明する。パチンコ機1に電源が投入されると、図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図95に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、演出制御プログラムが周辺制御MPU1511aの制御の下、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、演出制御プログラムが、周辺制御MPU1511a自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理等を行う。周辺制御MPU1511aは、まず自身を初期化する処理を行うが、この周辺制御MPU1511aを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御MPU1511aを初期化することができる。これにより、周辺制御MPU1511aは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板1310から出力される、図89及び図90に示した、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図73に示した周辺制御RAM1511cついては、そのバックアップ第1エリア1511cbにおける、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、そのバックアップ第2エリア1511ccにおける、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、この比較した内容が一致しているときには図73に示した周辺制御RAM1511cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)に対してBank1(1fr)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1fr)と、Bank0(1ms)に対してBank1(1ms)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1ms)と、をそれぞれコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御RAM1511cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)に対してそれぞれ値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。
またホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図73に示した周辺制御SRAM1511dについても、そのバックアップ第1エリア1511dbにおける、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較するとともに、そのバックアップ第2エリア1511dcにおける、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較する。この比較した内容が一致しているときには図73に示した周辺制御SRAM1511dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対してBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(SRAM)をコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御SRAM1511dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対して値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。このようなホットスタート又はコールドスタートに続いて、図73に示した周辺制御RAM1511cのバックアップ非管理対象ワークエリア1511cfに対して値0を強制的に書き込んでゼロクリアする。そして周辺制御MPU1511aは、この初期化設定処理を行った後に、図73に示した周辺制御内蔵WDT1511afと、図72に示した周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1000に続いて、演出制御プログラムは現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図72に示したRTC制御部4165のRTC41654aのRTC内蔵RAM4165aaから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、図73に示した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadに、現在のカレンダー情報としてカレンダー情報記憶部にセットするとともに、現在の時刻情報として時刻情報記憶部にセットする。また、現在時刻情報取得処理では、液晶表示装置の輝度設定処理も行う。この液晶表示装置の輝度設定処理では、周辺制御MPU1511aがRTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得して、この取得した輝度設定情報に含まれるLEDの輝度となるように、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する処理を行う。輝度設定情報は、上述したように、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものである。
液晶表示装置の輝度設定処理では、具体的には、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が80%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。なお、この液晶表示装置の輝度設定処理では、上述した、遊技盤側演出表示装置1600の使用時間に応じて遊技盤側演出表示装置1600の輝度を補正するための輝度補正プログラムと同様な補正が全く行われないようになっている。これは、この液晶表示装置の輝度設定処理に輝度補正プログラムと同様な補正プログラムが組み込まれることにより、液晶表示装置の輝度設定処理が実行されるごとに、LEDの輝度が100%に向かって補正されるのを防止するためである。
本実施形態では、周辺制御MPU1511aがRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御MPU1511aは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、周辺制御内蔵WDT1511afと周辺制御外部WDT1511eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、演出制御プログラムは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットする(ステップS1006)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP1512aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB−FLGを一度初期化している。また周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットした後に、周辺制御内蔵WDT1511afと周辺制御外部WDT1511eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006に続いて、演出制御プログラムは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1008)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1でない(値0である)ときには、再びステップS1008に戻ってVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定した後に、周辺制御内蔵WDT1511afと周辺制御外部WDT1511eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行するときには、まず定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS1009)。この定常処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1009に続いて、演出制御プログラムは1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、演出制御プログラムは、ランプデータ出力処理を行う(ステップS1012)。このランプデータ出力処理では、演出制御プログラムが図72に示したランプ駆動基板4170へのDMAシリアル連続送信を行う。ここでは、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用してランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図73に示した周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaに、図8に示した遊技盤5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。
図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの先頭アドレスに格納された遊技盤側発光データSL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaに格納された残りの遊技盤側発光データSL−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またランプデータ出力処理では、演出制御プログラムが、図72に示した枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用して枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図73に示した周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabに、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。
周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの先頭アドレスに格納された扉側発光データSTL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabに格納された残りの扉側発光データSTL−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1012に続いて、演出制御プログラムは、演出操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この演出操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における演出操作ユニット情報取得処理において、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて操作ボタン410の操作等を取得した各種情報がセットされる図73に示した周辺制御RAM1511cの演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiに基づいて、操作ボタン410の操作有無を監視し、操作ボタン410の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。
ステップS1014に続いて、演出制御プログラムは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理で音源内蔵VDP1512aの内蔵VRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを音源内蔵VDP1512aが図74に示したチャンネルCH1,2から遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力する。これにより、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460にさまざまな画面が描画される。なお、表示データ出力処理では、音源内蔵VDP1512aの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、ステップS1012のランプデータ出力処理による、図8に示した遊技盤5に設けた各種装飾基板の複数のLED、及び扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDによる演出と、後述する音データ出力処理による、図5に示した下部スピーカ921及び図2に示した上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等による演出と、の同期を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、演出制御プログラムは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、演出制御プログラムが、後述する音データ作成処理で音源内蔵VDP1512aに設定された音楽及び効果音等の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力したり、音楽及び効果音のほかに報知音や告知音の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力したりする。このオーディオデータ送信IC1512cは、音源内蔵VDP1512aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するとともに、左側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信する。これにより、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されたりするほかに報知音や告知音もステレオ再生されたりする。
ステップS1018に続いて、演出制御プログラムはスケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、演出制御プログラムが図73に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを各種LEDの発光態様とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において強制的に本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、演出制御プログラムは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが、演出表示駆動基板4450から周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して送信された情報や、主制御基板1310から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理(コマンド受信手段)において受信した各種コマンドの解析を行う(コマンド解析手段)。演出制御プログラムは、演出表示駆動基板4450から周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して送信された情報に基づいて、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットする。また、演出制御プログラムは、この周辺制御部コマンド割り込み処理で受信された主制御基板1310からのコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0〜4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、図柄同調演出の開始を指示するための図柄同調演出開始コマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、大入賞口2005に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンド(大入賞口カウントコマンド)、または、図90に示される満タンという内容を示す枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド、満タンエラー発生コマンド)であるか否かを解析し(コマンド解析手段)、現在、どの遊技状態であるかを認識する。また、この演出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、この周辺制御部コマンド受信割り込み処理によって受信されたコマンドが本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンド、扉開放コマンドまたは扉枠閉鎖コマンドであるか否かを解析する。主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて図73に示した周辺制御RAM1511cの受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが、受信コマンド記憶領域1511cacに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、図89に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図90に示した、報知表示に区分される各種コマンド、上述した扉枠開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド及び本体枠閉鎖コマンド並びにエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンドに相当)及び枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンドに相当)などの状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。
ステップS1022に続いて、演出制御プログラムが警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、さらに、演出制御プログラムが、上述のようにステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、図90に示した報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
またさらに、この警告処理では、電源投入時から所定時間が経過した後に、演出制御プログラムが、上述した受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析したコマンドが、図90に示した状態表示に区分される各種コマンド、例えばエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)である場合、演出動作に伴う通常の演出態様とは異なる態様で液晶表示制御部1512を制御することにより、例えば、遊技盤側演出表示装置1600(演出装置)、扉枠側演出表示装置460(演出装置)、ランプ(演出装置)を用いて視覚的に外部に警告したり、スピーカを用いて聴覚的に外部に警告する(エラー報知手段)。このようにすると、悪意のある遊技者が、遊技状態であるにも拘わらず払出制御基板951の操作スイッチ954を操作することにより主制御基板1310にエラー解除ナビコマンドを入力しようと試行した際に、パチンコ機1が外部に警告を行う構成となっているため、遊技の進行に影響を及ぼしかねない主制御基板1310に対する不正行為が抑止されるようになる。
次に、上述したステップS1024に続いて、演出制御プログラムはRCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、演出制御プログラムが、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して図73に示した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにセットした、カレンダー情報記憶部に記憶されたカレンダー情報と時刻情報記憶部に記憶された時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、時刻情報記憶部に記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいてカレンダー情報記憶部に記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、演出制御プログラムはランプデータ作成処理を行う(ステップS1028)。このランプデータ作成処理では、この演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、そのポインタが指示する発光データに基づいて、図8に示した遊技盤5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成するとともに、図73に示した周辺制御RAM1511cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaにセットするとともに、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成して、図73に示した周辺制御RAM1511cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabにセットする。
ステップS1028に続いて、演出制御プログラムは表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。音源内蔵VDP1512aは、周辺制御MPU1511aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM1512bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上に生成する。
ステップS1030に続いて、演出制御プログラムは音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。音源内蔵VDP1512aは、周辺制御MPU1511aから音指令データが入力されると、液晶及び音制御ROM1512bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、図73に示した周辺制御A/Dコンバータ1511akを起動し、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理しており、基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aを制御して、上述したステップS1018の音データ出力処理で音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
また、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aを制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
ステップS1032に続いて、演出制御プログラムはバックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、演出制御プログラムが、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbと、バックアップ第2エリア1511ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbと、バックアップ第2エリア1511dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM1511cについて、図73に示した、バックアップ対象ワークエリア1511caにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1fr)に含まれる、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cab、受信コマンド記憶領域1511cac、RTC情報取得記憶領域1511cad、及びスケジュールデータ記憶領域1511caeに記憶されている内容である演出情報(1fr)を、演出バックアップ情報(1fr)として、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(1fr)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
またバックアップ処理では、周辺制御SRAM1511dについて、図73に示した、バックアップ対象ワークエリア1511daにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出情報(SRAM)を、演出バックアップ情報(SRAM)として、バックアップ第1エリア1511dbのBank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511dcのBank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(SRAM)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbのBank1(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511dbのBank1(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbのBank2(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511dbのBank2(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511dcのBank3(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511dcのBank3(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511dcのBank4(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511dcのBank4(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1034に続いて、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、周辺制御内蔵WDT1511afと、周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、演出制御プログラムが、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1006に戻り、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで、ステップS1008の判定を繰り返し行う。つまりステップS1008では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行い、再びステップS1006に戻る。このように、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1009〜ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理は、演出制御プログラムが、まずステップS1009で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1012、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP1512aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[16−1−2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、図72に示した、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図96に示すように、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP−FLGは、上述したように、図95の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1009〜ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であるときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したときには、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットすると、図95の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図95の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1009で定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図95の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図95の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図95の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[16−1−3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図95の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図97に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図95の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンタである。本実施形態では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図95の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、図72に示した、枠装飾駆動アンプ基板194及びモータ駆動基板4180のモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。
具体的には、モータ及びソレノイド駆動処理では、枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでは、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用して枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、演出操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成するとともに、図73に示した周辺制御RAM1511cの枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafにセットする。そして周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの先頭アドレスに格納された扉側モータ駆動データSTM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafに格納された残りの扉側モータ駆動データSTM−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またモータ及びソレノイド駆動処理では、モータ駆動基板4180へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用してモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、図8に示した遊技盤5に設けられる各種可動体を可動させるためのモータやソレノイドへの駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成するとともに、図73に示した周辺制御RAM1511cのモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagにセットする。そして周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にモータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの先頭アドレスに格納された遊技盤側モータ駆動データSM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagに格納された残りの遊技盤側モータ駆動データSM−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1104に続いて、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤5に設けた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの可動体情報取得記憶領域1511cahにセットする。この可動体情報取得記憶領域1511cahにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報から遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得することができる。
ステップS1106に続いて、演出操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この演出操作ユニット情報取得処理では、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、操作ボタン410の操作履歴情報など。)を作成し、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiにセットする。この演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報から操作ボタン410の操作有無を取得することができる。
ステップS1108に続いて、描画状態情報取得処理を行う(ステップS1110)。この描画状態情報取得処理では、図87に示した演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴情報を作成し、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの描画状態情報取得記憶領域1511cakにセットする。LOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。描画状態情報取得記憶領域1511cakにセットされるLOCKN信号の履歴情報から周辺制御基板1510と演出表示駆動基板4450との接続間における不具合の頻度や不具合の発生状態を取得して扉枠側演出表示装置460の描画状態を取得することができる。
ステップS1110に続いて、バックアップ処理を行い(ステップS1112)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbと、バックアップ第2エリア1511ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbと、バックアップ第2エリア1511dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM1511cについて、図73に示した、バックアップ対象ワークエリア1511caにおける、1ms割り込みタイマが発生するごとに、つまり本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1ms)に含まれる、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cag、可動体情報取得記憶領域1511cah、及び演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiに記憶されている内容である演出情報(1ms)を、演出バックアップ情報(1ms)として、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(1ms)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank1(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank2(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank2(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank3(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank4(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank4(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1104〜ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図95の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1012〜ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御MPU1511aと音源内蔵VDP1512aとが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[16−1−4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板1310からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として主周シリアルデータを周辺制御MPU1511aに内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図98に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であるときには、周辺制御MPU1511aの内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ機1は、パチンコ島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。そこで、本実施形態では、周辺制御部1511側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの受信コマンド記憶領域1511cacに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。この受信コマンド記憶領域1511cacは、リングバッファとして用いており、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとは、受信コマンド記憶領域1511cacの周辺制御部受信リングバッファに記憶される。この「周辺制御部受信リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶する。なお、周辺制御MPU1511aは、ステップS1216で周辺制御部受信リングバッファに記憶する際に、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を対応付けて記憶しており、3バイト目として割り振られたサム値を破棄する。
一方、ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えているときには、又はステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[16−1−5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、図75に示した、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号(周辺停電予告信号)が主制御基板1310から入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると、図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1320)、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。この判定で停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されていないときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302で停電予告信号が入力されているときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1320で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304で2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されているときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304で本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトの消灯、遊技盤5に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ機1の電力が遮断されても周辺制御MPU1511aが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板1310が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御MPU1511aが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの受信コマンド記憶領域1511cac(周辺制御部受信リングバッファ)に受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、図73に示した、バックアップ対象ワークエリア1511caにおけるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1310に続いて、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。この判定で停電予告信号が入力されているときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、周辺制御MPU1511aは、図73に示した周辺制御内蔵WDT1511afと、図72に示した周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されていないとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312で停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されていないときには、周辺制御MPU1511aは、周辺制御内蔵WDT1511afと、周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御MPU1511aにリセットがかかる一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されているときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御MPU1511aにリセットがかからない。なお、周辺制御MPU1511aにリセットがかかると、図95に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号(周辺停電予告信号)の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、周辺制御内蔵WDT1511afと、周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号(周辺停電予告信号)の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御MPU1511aにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[16−1−6.LOCKN信号履歴作成処理]
次に、図97に示した周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1110の描画状態情報取得処理の一処理として実行するLOCKN信号履歴作成処理について説明する。このLOCKN信号履歴作成処理では、図87に示した演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴を作成する。このLOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、図74に示した周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。
LOCKN信号履歴作成処理が開始されると、図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図100に示すように、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの描画状態情報取得記憶領域1511cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出す(ステップS1500)。このLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTは、1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴がLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTとして描画状態情報取得記憶領域1511cakに記憶されている。
ステップS1500に続いて、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1502)。この判定は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断して、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していると判定する一方、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータでない(正常なデータである)と判断して、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していないと判定する。
ステップS1502で扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、LOCKN信号検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1504)。このLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理では、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、ステップS1500で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1504でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTをシフトした場合には、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS1506)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1502で扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、LOCKN信号検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1508)。このLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理では、ステップS1504のLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理と同一の処理を行い、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、ステップS1500で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1508でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTをシフトした場合には、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS1510)、このルーチンを終了する。
このように、このLOCKN信号履歴作成処理が実行されるごとに、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号の履歴を作成することができる。
[16−1−7.接続不具合判定処理]
次に、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する接続不具合判定処理について説明する。この接続不具合判定処理では、図87に示した演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴に基づいて、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否か判定する。
接続不具合判定処理が開始されると、図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図101に示すように、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの描画状態情報取得記憶領域1511cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出す(ステップS1520)。このLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTには、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴が記憶されている。このLOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。
ステップS1520に続いて、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1522)。この判定は、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTが接続確認判定値と一致しているか否かを判定する。この接続確認判定値は、図72に示した周辺制御ROM1511bに予め記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS1522の判定では、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していない状態であると判定して、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定して通信チェックカウンタCC−CNTに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1524)。この通信チェックカウンタCC−CNTは、本ルーチンが実行されるごとに、ステップS1522の判定において、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数をカウントアップする(累積回数を数える)ものである。なお、通信チェックカウンタCC−CNTは、パチンコ機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信チェックカウンタCC−CNTの値に復元されるようになっている。
ステップS1524に続いて、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいか否かを判定する(ステップS1526)。この判定では、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないと判定する一方、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)ときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していると判定する。
ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、通信異常フラグCC−FLGに値0をセットし(ステップS1528)、このルーチンを終了する。一方、ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているときには、通信異常フラグCC−FLGに値1をセットし(ステップS1530)、このルーチンを終了する。通信異常フラグCC−FLGは、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、通信異常フラグCC−FLGは、パチンコ機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信異常フラグCC−FLGの値に復元されるようになっている。
[16−1−8.接続回復処理]
次に、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する接続回復処理について説明する。この接続回復処理では、図101に示した接続不具合判定処理に続いて実行され、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するために所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続が異常であるときにその旨を報知する。
接続回復処理が開始されると、図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図102に示すように、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図73に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた各種スケジュールデータのうち、画面生成用スケジュールデータを起動中であるか否かを判定する(ステップS1540)。この判定では、スケジューラ更新処理において、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタが更新されているか否かを判定する。換言すると、スケジューラ更新処理において、ポインタを更新しているときには画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているため、画面生成用スケジュールデータが起動中であると判定する一方、画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているときには画面生成用スケジュールデータが未起動であると判定する。なお、この判定では、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間であるか否かを、画面生成用スケジュールデータに基づいて判断することができるようになっており、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間であるときには、後述するステップS1542へ進む一方、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間でないとき(単なる、客待ちの待機した状態であるとき)には、そのままこのルーチンを終了するようになっている。
ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが起動中であるときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが未起動であるときには、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないか否かを判定する(ステップS1542)。この通信チェックカウンタCC−CNTは、上述したように、図101に示した接続不具合判定処理が実行されるごとに、同処理におけるステップS1522の判定において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数をカウントアップする(累積回数を数える)ものである。この判定では、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったか否かを判定する。
ステップS1542で通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回もないときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1542で通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったときには、通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるか否かを判定する(ステップS1544)。この通信異常フラグCC−FLGは、上述したように、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を行い(ステップS1546)、このルーチンを終了する。このSYNCパターン出力処理では、周辺制御MPU1511aが周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子に対して接続確認信号を出力することにより、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dが演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0に対して所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する。この所定のデータパターン(SYNCパターン)は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに予め記憶されているものであって扉枠側演出用レシーバICSDIC0に対して出力されるものであり、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するものである。
一方、ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているときには、通信エラー表示処理を行い(ステップS1548)、このルーチンを終了する。この通信エラー表示処理では、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している旨を伝えるために、図8に示した遊技盤5に備える遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に描画する処理を行う。例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示される。また、通信エラー表示処理では、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として、周辺制御MPU1511aからLOCKN信号出力要求データを送信し、扉枠側演出用レシーバICSDIC0がLOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU1511aに出力し、このLOCKN信号が入力されていないときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして扉枠側演出表示装置460に不具合が発生していると判断し、その旨を、報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示する処理を行うとともに、報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)が扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる処理を行う。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯する処理を行うようにしてもよい。
次に、周辺制御MPU1511aが図74に示した周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子に対して接続確認信号を出力するタイミングについて図103のタイミングチャートを用いて説明する。
まず、図8に示した遊技盤5に備える遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に変動表示される装飾図柄について簡単に説明すると、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理等により装飾図柄の変動表示が実行されるようになっており、図69に示した主制御基板1310の主制御MPU1310aよる図93に示した主制御側電源投入時処理の主制御側メイン処理や図94に示した主制御側タイマ割り込み処理等により図8に示した第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は図8に示した第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果が「大当り」となると、図8に示した大入賞口2005の開閉動作の繰返し回数(ラウンド数)が1ラウンド〜15ラウンドまでの計15ラウンドとなり、各ラウンドでは、所定時間(例えば、30秒間)内において、大入賞口2005に遊技球が入球して、その球数が所定個数(例えば、9球)となると、そのラウンドが消化するようになっており、大入賞口2005に遊技球が1球入球するごとに、所定個数(例えば、15球)の遊技球が払い出されるようになっている。
第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて、周辺制御基板1510の周辺制御部1511が液晶表示制御部1512を制御することにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の左側には左側装飾図柄、中央には中央装飾図柄、そして右側には右側装飾図柄の変動表示が開始され、所定時間経過した後に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が停止されて第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を遊技者が認識することができるようになっており、このとき、図66に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405で表示された第一特別図柄又は第二特別図柄においても第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を確認することができるようになっている。左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が変動表示されているときには背景画像が視認できる程度に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が半透明な態様となり、左側装飾図柄は表示領域の左上側から左下側に向かって、中央装飾図柄は表示領域の中央上側から中央下側に向かって、右側装飾図柄は表示領域の右上側から右下側に向かってそれぞれリールが回転しているかのような態様で変動表示されるとともに、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されると、停止表示された左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄と対応する位置における背景画像が視認困難となるように左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が不透明な態様となるようになっている。このように、図66に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において変動表示開始されて停止表示される第一特別図柄又は第二特別図柄と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域で変動表示開始されて停止表示される左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄と、が同期化されている。
周辺制御基板1510の周辺制御部1511は、第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を伝える主制御基板1310からのコマンドを受信すると、この受信したコマンドに基づいて、液晶表示制御部1512を制御することにより、図103に示すように、図8に示した遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されると(タイミングK0)、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図73に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタが更新されているため、つまりスケジューラ更新処理において、ポインタを更新しているときには画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているため、画面生成用スケジュールデータが起動中であり、画面生成用スケジュールデータが起動中である間、つまり左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理において、図102に示した接続回復処理を実行しても、この接続回復処理におけるステップS1540の判定で、そのままルーチンを強制的に終了するようになっている。
これにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないときであっても、つまり周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもある場合であっても、接続回復処理におけるステップS1546のSYNCパターン出力処理を行わず、トランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行わないようになっているし、接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を行わず、例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示されないようになっているため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を無効化するとともに、扉枠側演出表示装置460は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データに基づいて画像を表示する。
遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されると(タイミングK1)、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図73に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているため、つまりスケジューラ更新処理において、画面生成用スケジュールデータが未起動であり、画面生成用スケジュールデータが未起動である間においては、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する図102に示した接続回復処理におけるステップS1540の判定で、同処理におけるステップS1542の処理へ進み、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回もないときには、そのままルーチンを終了する一方、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったときには、同処理におけるステップS1544の処理へ進み、通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、同処理におけるステップS1546の処理へ進み、上述したSYNCパターン出力処理を行い、ルーチンを終了する一方、通信異常フラグCC−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているときには、同処理におけるステップS1548の処理へ進み、上述した通信エラー表示処理を行い、ルーチンを終了する。換言すると、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されている間においては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を必ず行うことにより、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行う一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているとき(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している)には、通信エラー表示処理を必ず行うことにより、例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを表示して報知する処理を行うようになっており、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を有効化している。
遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示され、再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されるまでのインターバル期間においては、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されている間であるため、上述したように、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が有効化され、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を必ず行うことにより、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行う一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているとき(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している)には、通信エラー表示処理を必ず行うことにより、例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを表示して報知する処理を行うようになっている。
再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されると(タイミングK2)、上述したように、画面生成用スケジュールデータが起動中であるため、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示される(タイミングK3)までの間においては、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないときであっても、つまり周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもある場合であっても、接続回復処理におけるステップS1546のSYNCパターン出力処理を行わず、トランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行わないようになっているし、接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を行わず、例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示されないようになっているため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を無効化するとともに、扉枠側演出表示装置460は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データに基づいて画像を表示する。
このように、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示され、再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されるまでのインターバル期間においては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が有効化される一方、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が無効化されるようになっている。これは、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の停止表示される組み合わせ結果が遊技者には最も関心のある情報であり、遊技者に利益が付与される大当り遊技状態が発生するか否かを遊技者が判断することができるため、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が変動表示されると、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されるまでは、扉枠側演出表示装置460の表示領域に描画される演出の画像がノイズの影響等により乱れて正しく描画できない状態となったとしても、途中で演出を中断し、正しく描画できる状態に回復する処理を行うのではなく、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄を停止表示させることにより、遊技者の最も関心のある情報を描画完了させている。
この点においては、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aが、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、LOCKN信号出力要求データを、周辺制御基板1510に備える差動化回路1512eに送信する場合と大きく異なっている。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御MPU1511aから送信されるものであって、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。
周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが周辺制御基板1510に備える差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されると、上述したように、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が周辺制御基板1510に備える強制切替回路1512fに入力される。強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。そして演出表示駆動基板4450に備える液晶モジュール回路4450Vの扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号がLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、そもそも、LOCKN信号出力要求データは、上述したように、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号とデータ形式が異なる構造であるため、異常なデータであると判断され、LOCKN信号を周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに出力する。これにより、周辺制御MPU1511aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして演出表示駆動基板4450に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして演出表示駆動基板4450に不具合が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御して遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御してオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより扉枠3に設けたスピーカ等から報知音が流れる。これにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示される報知画像と、扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯してもよい。
このように、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、シリアルデータであるLOCKN信号出力要求データを送信すると、強制切替回路1512fがLOCKN信号出力要求データを扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信することができるように回路接続し、LOCKN信号出力要求データを受信した扉枠側演出用レシーバICSDIC0が応答信号として扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU1511aに出力するようになっているため、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして扉枠側演出表示装置460に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして扉枠側演出表示装置460に不具合が発生していると判断することができる。そして、周辺制御MPU1511aは、扉枠側演出表示装置460に不具合が発生していると判断したときには報知処理として、図102の接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を実行することができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU1511aは、扉枠側演出表示装置460の不具合を発見すると、その旨を、報知処理を実行することにより、ホールの店員等に報知することができるようになっているため、ホールの店員等は、遊技者が遊技を行う前に、扉枠側演出表示装置460に不具合が発生しているか否かを極めて簡単にチェックすることができ、そのチェックに手間がかからないようになっている。したがって、扉枠側演出表示装置460の不具合を手間をかけずに発見することができる。
また、LOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号であるため、扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから送信される画像を正常に受信できないときには扉枠側演出用レシーバICSDIC0と扉枠側演出用トランスミッタIC1512dとの画像通信間において通信不具合が発生して受信した描画データが異常なデータとなる旨を伝えるために、LOCKN信号を周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに出力することができるようになっている。これにより、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU1511aは、所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから扉枠側演出用レシーバICSDIC0へ送信開始する旨を伝える接続確認信号を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに出力することにより、画像通信間における通信不具合を解消させることができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU1511aは、画像通信間における通信不具合による扉枠側演出表示装置460の不具合を早期に発見して、その不具合を解消させるように扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに働きかけることができるようになっている。したがって、扉枠側演出表示装置460の不具合を発見して解消することにより遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
更に、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから送信される画像を受信して扉枠側演出表示装置460に出力する扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから送信される画像を正常に受信できないときには扉枠側演出用レシーバICSDIC0と扉枠側演出用トランスミッタIC1512dとの画像通信間において通信不具合が発生している旨を伝える通信不具合発生信号であるLOCKN信号を演出制御マイクロプロセッサである周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに出力することができるようになっているため、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU1511aは、液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aを制御して通信不具合が発生している旨を伝える画像である「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを生成し、この生成した画像を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して報知することができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU1511aは、画像通信間における通信不具合による扉枠側演出表示装置460の不具合を早期に発見して、その旨を、パチンコ機1の前面に着座する遊技者に報知してその遊技者がホールの店員等に伝えたり、パチンコ機1の前をたまたま通りかかったホールの店員等に直接報知することができるようになっているため、ホールの店員等は、その不具合が発生して早い段階でその不具合を解消するための作業に取り掛かることができる。したがって、扉枠側演出表示装置460の不具合を早期発見して解消することにより遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
更にまた、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、LOCKN信号を有効化して画像通信間における通信不具合を解消するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信開始する旨を伝える接続確認信号を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに、その累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達するまで、繰り返し出力し続けることができるようになっている。これにより、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し接続確認信号を出力し続けることができるため、通信不具合が解消される方向へ向かわせることができる。
そして、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、LOCKN信号を有効化して画像通信間における通信不具合を解消するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信開始する旨を伝える接続確認信号を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに、その累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達するまで、繰り返し出力し続けている際に、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して遊技の進行を再び実行開始したときには接続確認信号の出力を停止し、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、周辺制御MPU1511aから出力される接続確認信号が停止されて接続確認信号が入力されなくなると、所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信するのを停止して液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aが生成する画像を扉枠側演出用レシーバICSDIC0に出力することができるようになっている。これにより、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し不具合解消信号である接続確認信号を出力し続けることにより、通信不具合が解消される方向へ向かわせることができるようになっているため、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し接続確認信号を出力し続けている際に、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して遊技の進行を再び実行開始したとしても、扉枠側演出表示装置460の表示画面において進行する演出の歪み(画像の乱れ)は、主制御基板1310の主制御MPU1310aが遊技の進行を再び実行開始して終了するごと(タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)となるごと)に、解消する方向へ向かわせることができる。
以上のような実施形態によれば、パチンコ機1が図69の主制御基板1310及び図70の払出制御基板951を備えている。主制御基板1310は、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに向かって打球発射装置650によって発射される遊技球が遊技領域5aに設けられる始動領域である第一始動口2002や第二始動口2004に入球したことに基づいて遊技の進行を制御する遊技制御マイクロプロセッサである図69の主制御MPU1310aが実装されている。払出制御基板951は、主制御基板1310からの払出指令である図88(a),(b)の賞球コマンドに基づいて払出装置830による遊技球の払い出しを制御する払出制御マイクロプロセッサである図70の払出制御MPU952aが実装されている。
遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aは、少なくとも、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)を備えている。主制御内蔵RAMは、電源遮断後においても遊技に関する情報を記憶することができるようになっている。
払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aは、少なくとも、払出制御MPU952aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)を備えている。払出制御内蔵RAMは、電源遮断後においても払い出しに関する情報を記憶することができるようになっている。
本実施形態のパチンコ機1は、さらに、図70の操作スイッチ954を備えている。操作スイッチ954は、電源投入時から図92の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間内に操作されると、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技に関する情報を消去するための図77のRAMクリア信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310a出力するとともに、電源投入時から払出制御部電源投入時処理が行われる期間内に操作されると、払出制御内蔵RAMに記憶されている払い出しに関する情報を消去するためのRAMクリア信号として図82のRWMCLR信号を払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するRAMクリア機能と、電源投入時から図92の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間(又は、電源投入時から払出制御部電源投入時処理が行われる期間)が経過した後に操作されると、払出装置830に関して発生したエラーを解除するためのエラー解除信号として図82のRWMCLR信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aに出力せずに払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するエラー解除機能と、を兼備するものである。
このように、操作スイッチ954は、電源投入時から図92の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間内に操作されると、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技に関する情報を消去するための図77のRAMクリア信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aに出力するとともに、電源投入時から払出制御部電源投入時処理が行われる期間内に操作されると、払出制御内蔵RAMに記憶されている払い出しに関する情報を消去するためのRAMクリア信号として図82のRWMCLR信号を払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するRAMクリア機能と、電源投入時から図92の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間(又は、電源投入時から払出制御部電源投入時処理が行われる期間)が経過した後に操作されると、払出装置830に関して発生したエラーを解除するためのエラー解除信号として図82のRWMCLR信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aに出力せずに払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するエラー解除機能と、を兼備しているため、1つの操作スイッチ954による操作により、RAMクリア機能とエラー解除機能との2つの異なる機能をそれぞれパチンコ機1に設けることができる。したがって、コスト削減に寄与しながらRAMクリア機能及びエラー解除機能を設けることができる。
[パネル中継基板4161のセンサ信号入力部]
パネル中継基板4161のセンサ信号入力部は、遊技盤に配された各種検出センサ、例えば、一般入賞口センサ4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005、振動検出センサ、磁気検出センサ4024等からの検出信号が入力される回路である。各検出センサからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、検出センサの一例として磁気検出センサ4024を挙げ、磁気検出センサ4024からの検出信号が入力される回路について説明する。
遊技機において、遊技領域に打ち込まれた遊技球に対し、磁石(例えば、永久磁石や電磁石)を近づける等して、遊技球の流下状態を欲しいがままに操り、不当な利益を得ようとする不正な遊技行為が後を絶たない。
このような不正な遊技行為を検知し、発光手段や音声による警報等によって不正行為を抑制するために、遊技領域の所定位置に対応させて、磁気を検出可能な磁気検出センサ4024が設けられている。
[従来の磁気センサ入力回路]
図104は遊技機に配備された従来の磁気センサ入力回路の一例を示す回路図である。遊技機は主制御基板1310とパネル中継基板4161とを有している。図示するように、磁気検出センサ4024には、+5V作成回路1310gで作成された電圧+5Vが供給されている。
磁気検出センサ4024は、磁気センサMGSと内蔵型のトランジスタSTRとにより構成されている。磁気センサMGSは、例えば、磁気抵抗効果素子等からなり、所定値以上の磁気を検出しないときは所定の電圧(例えば、+5V)を出力し、所定値以上の磁気を検出したときは電圧を出力しない(0V)ようになっている。
トランジスタSTRのベース端子は磁気センサMGSの出力端子に接続され、トランジスタSTRのエミッタ端子は接地されている。トランジスタSTRのコレクタ端子はコネクタCON1を介してパネル中継基板4161に配備されたプルアップ抵抗IR0の一端に接続され、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。これにより、トランジスタSTRがオフ状態である場合には、トランジスタSTRのコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR0により+12V側に引き上げられている(第1の電圧に相当する)。
トランジスタSTRは、磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧によりオンし、コレクタ端子からエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタSTRは、磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの出力が停止されることによりオフし、コレクタ端子からエミッタ端子への電流の流れが停止される。
また、トランジスタSTRのコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR0と接続されるほかに、抵抗IR1の一端と接続され、抵抗IR1の他端はトランジスタITR0のベース端子に接続されている。トランジスタITR0のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR0のコレクタ端子はプルアップ抵抗IR2の一端に接続され、プルアップ抵抗IR2の他端には+12Vが印加されている。これにより、トランジスタITR0がオフ状態である場合には、トランジスタITR0のコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられている。
また、トランジスタITR0のコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR2と接続されるほかに、後段にあるトランジスタITR1のベース端子と接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bに接続されている。
主制御入力回路1310bは、プルアップ抵抗NR1、抵抗NR2、トランジスタNTR1により構成されており、プルアップ抵抗NR1の一端がコネクタCON2を介してパネル中継基板4161の前段のトランジスタITR1のコレクタ端子と接続され、プルアップ抵抗NR1の他端には、+12Vが印加されている。これにより、前段のトランジスタITRがオフ状態である場合には、トランジスタITR1のコレクタ端子は、プルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられている。
また、トランジスタITR1のコレクタ端子は、プルアップ抵抗NR1と接続されるほかに、抵抗NR2の一端と接続され、抵抗NR2の他端はトランジスタNTR1のベース端子に接続されている。トランジスタNTR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタNTR1のコレクタ端子は、主制御MPU1310aの入力ポートに電気的に接続されている。
同図において、検出センサ部は磁気検出センサ4024が該当し、電圧出力部4163は、磁気検出センサ4024と接続され、+12Vが印加されたプルアップ抵抗IR0が該当する。また、検知回路部4164は、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されると共に、+12Vが印加されたプルアップ抵抗IR2と、トランジスタITR0のコレクタ端子にベース端子が接続されたトランジスタITR1とにより構成された回路が該当する。
また、検知回路部4164の前段において、コネクタCON1、電圧出力部4163、抵抗IR1及びトランジスタITR0により構成された回路によりセンサ信号入力部4162が構成されている。このように、パネル中継基板4161には、センサ信号入力部4162及び検知回路部4164が配備されていることになる。
[検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、トランジスタSTRのコレクタ端子にトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子に印加される電圧も接地側に引き下げられる。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されているトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子にトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子に印加される電圧も+12V側に引き上げられる(第1の電圧に相当する)。これにより、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されているトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR2により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
以上に説明した、磁気センサMGS、内蔵のトランジスタSTR、トランジスタITR0、トランジスタITR1、トランジスタNTR1の作動状態を図108に表形式で示している。なお、磁気検出センサ4024がパネル中継基板4161に対して断線した場合も磁気センサMGSが磁気を検出したときの作動と同様に、トランジスタITR0がオンし、トランジスタITR1がオフし、トランジスタNTR1がオンする。
ところで、コネクタ部材によって信号伝達を行っている場合、コネクタ部材が腐食したり、コネクタ接続部分に塵埃が入り込むと、接触抵抗が発生する。コネクタ部材には、コネクタ部材の接触部端子の形状によってピンコンタクトタイプとベローズコンタクトとがあるが、ベローズコンタクトタイプの場合では、接続作業等の際にコネクタ部材に付帯するハーネスを引っ張ると、ピンコンタクトタイプに比べ隙間が開きやすい。隙間が開くと、この部分から塵埃等が入り込みやすくなる。
また、コネクタ部材に振動が加わる場合も同様に接触抵抗が発生する。例えば、右打ちをして遊技しているとき、多数の遊技球が連続的に集中して流下する遊技領域の特定部分からの振動がコネクタ部材に加わることで微摺動摩耗が発生した場合にも、これによって接触抵抗が発生する虞がある。
ここで、磁気検出センサ4024とパネル中継基板4161の電圧出力部4163とを電気的に接続しているコネクタ部材(コネクタCON1)にこのような接触抵抗RRが発生した場合の従来の磁気センサ入力回路の動作について説明する。例えば、図104においては、コネクタ部材に接触抵抗RRが発生した場合、接触抵抗RRが鎖線にて示されている。なお、接触抵抗RRの大きさは、コネクタの接触が正常な場合の100倍〜1000倍となる。
先に説明したように、磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、内蔵のトランジスタSTRがオンする。内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗RR(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう。図104においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0と抵抗IR1との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗RRに電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い電圧がトランジスタITR0のベース端子に印加されることになる。そして、接触抵抗RRによって持ち上げられた電圧がトランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間の規定電圧に達することが起こると、トランジスタITR0がオン状態となる。そのため、磁気検出センサ4024が非検出状態であるにもかかわらず、トランジスタITR0がオン状態となる虞がある。即ち、パネル中継基板4161に配備された従来のセンサ信号入力部4162では、接触抵抗RRが発生するとセンサの信号を誤検知する虞がある。
[磁気センサ入力回路の実施例1]
図105は実施形態の遊技機に配備された磁気センサ入力回路の一例(実施例1)を示す回路図である。本実施形態における実施例1の磁気センサ入力回路は、図104の従来の磁気センサ入力回路の磁気検出センサ4024、コネクタCON1、パネル中継基板4161の電圧出力部4163、検知回路部4164、主制御基板1310の主制御入力回路1310bは同一の回路構成である。そのため、同一の回路構成部分には、同一の符号を使用する。
なお、磁気検出センサ4024は遊技領域内の複数箇所、例えば、第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001、大入賞口2005、アウト口1126等の近傍にそれぞれ設置されることになる。
本実施形態の磁気センサ入力回路が従来の磁気センサ入力回路と異なる点は、電圧出力部4163と検知回路部4164との間に、磁気検出センサ4024が磁気を検出しない非検出状態のときに、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子が接地側に引き下げられる電圧(第2の電圧)よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が印加されても、検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避する電圧かさ上げ部4166が備えられ、電圧かさ上げ部4166を介して電圧出力部4163と検知回路部4164とが電気的に接続されている点である。
この実施例1では、電圧かさ上げ部4166は、前記所定の電圧よりもツェナー電圧が高いツェナーダイオードZD0で構成されている例である。具体的には、ツェナーダイオードZD0のカソード端子は電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端と接続され、接続部分の前段においてコネクタCON1を介して磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子と接続されている。
ツェナーダイオードZD0のアノード端子は、後段に配されているトランジスタITR0のベース端子と接続されている。また、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。トランジスタITR0のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR0のコレクタ端子は、検知回路部4164において、+12Vが他端に印加されたプルアップ抵抗IR2の一端に接続されるとともに、検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続されている。なお、コネクタCON1、電圧出力部4163、電圧かさ上げ部4166によりセンサ信号入力部4162が構成されている。
[コネクタの接触が正常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、トランジスタSTRのコレクタ端子はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、ツェナー電圧が第2の電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0は非導通状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気センサMGS部が磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR0のベース端子と接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子にはツェナー電圧が印加される(第1の電圧に相当する)。これにより、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されている検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
そして、主制御MPU1310aが、このような異常な状態であると判定した場合には、上記の例では、磁気検出スイッチ信号の論理がHIであると判定した場合には、主制御部MPU1310aが周辺制御部1511にエラーコマンドを送信し、外部端子板784からホールコンピュータにその旨の信号を出力する処理等を行う。周辺制御部1511がエラーコマンドに応じて、遊技盤側演出表示装置1600や扉枠側演出表示装置460、警報ランプ、音声等で異常を報知する。
[コネクタの接触が異常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。
内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗RR(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がる。図105においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0とツェナーダイオードZD0との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗に電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧がツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加されることになる。第2の電圧よりも高い所定の電圧が印加されても、所定の電圧よりもツェナー電圧が高いため、ツェナーダイオードZD0は非導通状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。つまり、電圧かさ上げ部4166により検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
なお、後段の検知回路部4164と主制御入力回路1310bの動作は、コネクタの接触が正常な場合の検出動作と同じとなる。
これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
なお、従来と同様に、磁気センサMGSによる異常が検知された場合には、主制御MPU1310aが周辺制御部1511にエラーコマンドを送信し、周辺制御部1511が送信されたエラーコマンドに応じて、磁石を用いた不正な遊技行為が行われたこと、または磁気検出センサ4024に断線が生じていることを遊技盤側演出表示装置1600や扉枠側演出表示装置460、警告表示器、音声等で報知する。また、外部端子板784からホールコンピュータにエラー信号を出力する。
[磁気センサ入力回路の実施例2]
図106は実施形態の遊技機に配備された磁気センサ入力回路の一例(実施例2)を示す回路図である。実施例2の磁気センサ入力回路は、図104の従来の磁気センサ入力回路の磁気検出センサ4024、コネクタCON1、パネル中継基板4161の電圧出力部4163、検知回路部4164、主制御基板1310の主制御入力回路1310bは同一の回路構成である。そのため、同一の回路構成部分には、同一の符号を使用する。
この実施例2では、電圧かさ上げ部4166は、一端が電圧出力部4163に接続された第1の抵抗IR1と、第1の抵抗IR1の他端に一端が接続され、他端が接地された第2の抵抗IR3とを含んで構成されている。本実施例2のセンサ信号入力部4162と、図104の従来のセンサ信号入力部4162とを比較すると、他端が接地された抵抗IR3の一端が、抵抗IR1の他端と後段に配されたトランジスタITR0のベース端子との接続点に、接続されている点で異なっている。すなわち、実施例2では、電圧かさ上げ部4166は、前記所定の電圧が印加されたときに接地に電流を流して落としてしまう抵抗IR3で構成されている例である。
なお、第1の抵抗IR1の一端は、電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端と接続され、接続部分の前段においてコネクタCON1を介して磁気検出センサ4024の内蔵トランジスタSTRのコレクタ端子と接続されている。
また、トランジスタITR0のコレクタ端子は、検知回路部4164において、+12Vが他端に印加されたプルアップ抵抗IR1の一端に接続されるとともに、トランジスタITR1のベース端子に接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続されている。なお、コネクタCON1、電圧出力部4163、電圧かさ上げ部4166によりセンサ信号入力部4162が構成されている。
[コネクタの接触が正常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、トランジスタSTRのコレクタ端子はトランジスタITR0のベース端子に接続されていることで、接地側に引き下げられた電圧がトランジスタITR0のベース端子に印加される。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気検出センサ4024が磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。
また、+12Vの電圧がプルアップ抵抗IR0、電圧かさ上げ部4166の第1の抵抗IR1、第2の抵抗IR3で構成された直列抵抗回路に印加され、プルアップ抵抗IR0、電圧かさ上げ部4166の第1の抵抗IR1、第2の抵抗IR3を経由して電流が接地に流れる。第2の抵抗IR3に電流が流れることにより、第2の抵抗IR3の両端間に発生する電位差が、トランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間に印加されることで、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されている検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
[コネクタの接触が異常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。
内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がる。図106においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0と第1の抵抗IR1との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗RRに電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が第1の抵抗の一端に印加されることになる。この電圧は、磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタがオフしたときに印加される電圧に比べて十分に低い電圧となる。
第2の電圧よりも高い所定の電圧が第1の抵抗の一端に印加されると、第1の抵抗IR1に電流が流れ、さらにこの電流は第2の抵抗IR3を通じて接地に流れる。つまり、第2の抵抗IR3の他端が接地されているため、印加された第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧による電流がほぼ接地に落ちて、第2の抵抗IR3の後段のトランジスタITR0のベース端子には電流がほとんど流れ込まない。よって、後段のトランジスタITR0はオンしない。この結果、後段のトランジスタITR0はオフ状態を維持する。つまり、電圧かさ上げ部4166により、検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
なお、後段の検知回路部4164と主制御入力回路1310bの動作は、コネクタの接触が正常な場合の検出動作と同じとなる。
これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
[磁気センサ入力回路の実施例3]
図107は実施形態の遊技機に配備された磁気センサ入力回路の一例(実施例3)を示す回路図である。実施例3の磁気センサ入力回路は、図104の従来の磁気センサ入力回路の磁気検出センサ4024、コネクタ、パネル中継基板4161の電圧出力部4163、検知回路部4164、主制御基板1310の主制御入力回路1310bは同一の回路構成である。そのため、同一の回路構成部分には、同一の符号を使用する。
この実施例3では、電圧かさ上げ部4166は、第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧よりも高い動作電圧に設定されたダーリントン回路を構成する2つのトランジスタITR0、ITR2と抵抗IR1、IR4、IR5を含んで構成されている。前述の実施例2と比較すると、実施例3では、他端が接地された抵抗IR3に代えて直列接続した抵抗IR4と抵抗IR5とをダーリントン回路を構成する2つのトランジスタITR0、ITR2に各々並列に接続している。すなわち、実施例3では、電圧かさ上げ部4166は、前記所定の電圧が印加されたときに接地に電流を流して落としてしまう抵抗IR4と抵抗IR5で構成されている例である。
より具体的には、抵抗IR1の一端が電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端に接続され、抵抗IR1の他端がダーリントン回路の前段のトランジスタITR0のベース端子に接続されている。トランジスタITR0のエミッタ端子は、ダーリントン回路の後段のトランジスタITR2のベース端子と接続され、トランジスタITR2のエミッタ端子は接地されている。
また、抵抗IR1の他端は前段のトランジスタITR0のベース端子と接続されるほかに、抵抗IR4の一端に接続され、抵抗IR4の他端は前段のトランジスタITR0のエミッタ端子と接続されている。また、前段のトランジスタITR0のエミッタ端子には、抵抗IR5の一端が接続され、抵抗IR5の他端は接地されている。
つまり、前段のトランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間に抵抗IR4が並列接続され、後段のトランジスタITR2のベース端子とエミッタ端子間に抵抗IR5が並列接続されていることになる。また、2つのトランジスタITR0、ITR2のコレクタ端子は、検知回路部4164の+12Vが他端に印加されたプルアップ抵抗IR2の一端にされるとともに、トランジスタITR1のベース端子と接続されている。
[コネクタの接触が正常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。トランジスタSTRのコレクタ端子にトランジスタのベース端子が接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子に印加される電圧も接地側に引き下げられる。これにより、トランジスタITR0がオフし、トランジスタITR2もオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気検出センサ4024が磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。
また、+12Vの電圧がプルアップ抵抗IR0、電圧かさ上げ部4166の抵抗IR1、抵抗IR4、抵抗IR5で構成された直列抵抗回路に印加され、プルアップ抵抗IR0、電圧かさ上げ部4166の抵抗IR1、抵抗IR4、抵抗IR5を経由して電流が接地に流れる。抵抗IR4に電流が流れることにより、抵抗IR4の両端間に発生する電位差が、前段のトランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間に印加される。これにより、前段のトランジスタITR0がオンする。
前段のトランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子、抵抗IR5を経由して接地に電流が流れる。抵抗IR5に電流が流れることにより、抵抗IR5の両端間に発生する電位差が、後段のトランジスタITR2のベース端子とエミッタ端子間に印加される。これにより、後段のトランジスタITR2がオンする。
後段のトランジスタITR2がオンすると、プルアップ抵抗IR2、後段のトランジスタITR2のコレクタ端子、トランジスタITR2のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR2がオンすることで、後段のトランジスタITR2のコレクタ端子に接続されている検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
[コネクタの接触が異常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。
内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗RR(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がる。図107においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0と抵抗IR1との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗に電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が抵抗IR1の一端に印加されることになる。この電圧は、磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタがオフしたときに印加される電圧に比べて十分に低い電圧となる。
第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が抵抗IR1の一端に印加されると、抵抗IR1に電流が流れ、さらにこの電流は抵抗IR4及び抵抗IR5を通じて接地に流れる。つまり、抵抗IR5の他端が接地されているため、印加された所定の電圧による電流のほとんどが接地に落ちて、抵抗IR1の後段にあたるダーリントン回路の前段のトランジスタITR0のベース端子にはほとんど電流が流れ込まない。よって、前段のトランジスタITR0はオンしない。また、後段のトランジスタITR2もオンしない。この結果、ダーリントン回路の2つのトランジスタITR0、ITR2はオフ状態を維持する。つまり、電圧かさ上げ部4166が検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
なお、後段の検知回路部4164と主制御入力回路1310bの動作は、コネクタの接触が正常な場合の検出動作と同じとなる。
これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
また、図109に示すように、複数の磁気検出センサ4024の各々にそれぞれ接続された複数のオープンコレクタ型のセンサ信号入力部4162が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に複数並列に接続されている。これらセンサ信号入力部4162のいずれか1つが、磁気を検出してオンしたときに、検知回路部4164のトランジスタITR1がオフするものである。
なお、磁気検出センサ4024とセンサ信号入力部4162との結線のいずれか1つが断線した場合も同様に、断線した磁気検出センサ4024に対応するセンサ信号入力部4162がオンすることで検知回路部4164のトランジスタITR1がオフする。また、センサが複数ある場合、これら複数のセンサに対して電圧出力部4163をそれぞれ設け、それぞれ設けた電圧出力部4163を、ダーリントン回路を複数有するトランジスタアレイ、例えば「TD62083AP」(市販品、TOSHIBA社製)に接続して用いることができる。
以上、本実施形態のパネル中継基板4161に配備されたセンサ信号入力部4162について説明したが、センサ信号入力部4162に適用できる検出センサは、磁気検出センサ4024に限定されるものではなく、コネクタ部材により検出センサからセンサ信号の伝達を行うものであればよく、各種センサ、例えば、一般入賞口センサ4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005、振動検出センサ、接触センサ等を適用することが可能である。
[パネル中継基板4161のセンサ信号入力部4162が適用可能である応用例]
以上に説明した実施例1〜実施例3のセンサ信号入力部4162は、コネクタの接触が異常な場合に発生する接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止するものとして説明した。ところで、実施例1〜実施例3のセンサ信号入力部4162の適用可能な部位は、コネクタの接触部分に限られるものではない。
先に説明したが、遊技機では、検出センサは遊技領域内の複数箇所(例えば、始動口、入賞口、大入賞口、アウト口等の近傍にそれぞれ配置させる)を設置対象とする事情がある。そのため、検出センサと検出センサからの検出信号を検出する検出回路部(例えば、パネル中継基板のトランジスタ等)との電気的接続は、検出センサの設置個所により、種々の回路パターンや配線(ハーネス)の長さが適宜選択される。この点については、遊技機の機種の違いにより様々な形態を取ることになる。
ところで、使用されている電気部品(例えば、コネクタや検出センサ)並びに配線パターンの経年変化や、配線(ハーネス)の長さにより、抵抗値が変化することで検出センサに流れる電流が変化して設計値と異なることで正常に回路が動作しなくなる虞がある。また、開発途中の仕様変更により、例えば、検出センサの種類、配置箇所、配線(ハーネス)の長さを設計変更するような場合にも、抵抗値が変化する。そのため、検出センサに流れる電流が変化する。また、検出センサの配置箇所の変更したり、ハーネスの長さを延長したり、ハーネスを引き回す場所が変わることによっては、ノイズを拾いやすい箇所がある場合があり、ノイズの影響度も変化する。
このようなことが原因となって変化する抵抗値に電流が流れると、検出センサに流れる電流が本来の設計値と異なる虞がある。即ち、検出センサの信号を誤検知する虞がある。また、ノイズの影響によっても、正常に回路が動作しなくなって、検出センサの信号を誤検知する虞がある。
実施例1〜実施例3の電圧かさ上げ部4166を備えたセンサ信号入力部4162は、使用されている電気部品(例えば、コネクタや検出センサ)並びに配線パターンの経年変化や、配線(ハーネス)の長さにより、抵抗値が変化する場合においても、経年変化やノイズによる検出センサからの信号の誤検知を防止でき、検出回路を汎用化できるものでもある。なお、図104の従来例及び図105の実施例において、変化する抵抗値を二点鎖線による囲みで示した。
以下では、ハーネスにノイズが載った場合を一例として説明することとする。また、図110(A)は従来例におけるセンサ信号入力部4162に入力される信号波形を示し、図110(B)は実施例におけるセンサ信号入力部4162に入力される信号波形を示している。図110(A)の左側はノイズがない場合に入力される信号波形であり、右側はノイズが載った場合に入力される信号波形である。
図110(A)に示すように、従来例では、ノイズなしの場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態では、ローレベル(0.4V)であり、図104のトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)よりも低いレベルを維持できる。磁気検出センサ4024が磁気を検出した状態では、ハイレベル(12V)であり、トランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)よりも高いレベルとなり、トランジスタITR0はオンする。
一方、従来例では、ノイズが載った場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態であっても、ハッチング部分で示すようにノイズ波形のピークがトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)を超えてしまうため、トランジスタITR0がオンしてしまい、オフ状態を維持できない。よって、センサの信号を誤検出してしまう。
また、ノイズに限らず、例えば、図110(A)に示すように、オーバーシュートが発生した場合、磁気を検出した状態では、誤検出にならないが、アンダーシュートが発生した場合、トランジスタITR0がオンしてしまい、オフ状態を維持できない。よって、センサの信号を誤検出してしまう。
図110(B)に示すように、実施例では、電圧かさ上げ部4166により、図105のトランジスタITR0のベース端子に入力可能な電圧が、0.8Vよりも高い電圧の一例として2Vにかさ上げされている。検出動作は、ノイズなしの場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態では、ローレベル(0.4V)であり、かさ上げされた電圧2Vよりも低いので、トランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)よりも低いレベルを維持できる。磁気検出センサ4024が磁気を検出した状態では、ハイレベル(12V)であって、かさ上げされた電圧2Vよりも高いので、電圧かさ上げ部4166がオンするとともにトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)よりも高いレベルとなり、トランジスタITR0はオンする。
一方、実施例では、ノイズが載った場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態であっても、ノイズ波形のピークがトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)を超えてしまっても、かさ上げされた電圧2Vよりも低いので、電圧かさ上げ部4166がオフ状態を維持する。そのため、トランジスタITR0はオフ状態を維持できる。よって、誤検出を防止できる。
次に、例えば、経年変化によって抵抗値が上昇したことによる電圧上昇が起きた場合を一例として説明することとする。また、図111(A)は従来例におけるセンサ信号入力部4162に入力される信号波形を示し、図111(B)は実施例におけるセンサ信号入力部4162に入力される信号波形を示している。図111(A)の左側は正常な場合に入力される信号波形であり、右側は経年変化によって抵抗値が上昇したことによる電圧上昇が起きた場合に入力される信号波形である。
従来例では、経年変化によって抵抗値が上昇したことによる電圧上昇が起きた場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態であっても、ハッチング部分で示すように入力される電圧がトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)を超えてしまうため、トランジスタITR0がオンしっぱなしになってしまい、オフ状態を維持できない。よって、センサの信号を誤検出してしまう。
一方、実施例では、経年変化によって抵抗値が上昇したことによる電圧上昇が起きた場合であっても、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態では、入力される電圧がトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)を超えてしまっても、かさ上げされた電圧2Vよりも低いので、電圧かさ上げ部4166がオフ状態を維持する。そのため、トランジスタITR0はオフ状態を維持できる。よって、誤検出を防止できる。
このように、実施例1〜実施例3のセンサ信号入力部4162は、電圧かさ上げ部4166を備えているため、経年変化やノイズによる検出センサからの信号の誤検知を防止できる。また、センサ信号入力部4162は、電圧かさ上げ部4166を備えているため、検出センサの配置箇所の変更したり、ハーネスの長さを延長したり、ハーネスを引き回す場所が変わることによっては、ノイズを拾いやすい箇所がある場合があっても、センサ信号入力部4162はノイズの影響を防止できる。このため、パネル中継基板4161に配備される回路部(センサ信号入力部4162及び検知回路部4164)を汎用化できる。そのため、開発途中での設計変更に余裕度を持たすことが可能になる。
[別実施例のセンサ信号入力部4162′]
以上に説明した実施例1〜実施例3で示した磁気検出センサ4024は、内蔵のトランジスタSTRを備え、磁気を検出しないときに内蔵のトランジスタSTRがオンする一方、磁気を検出したときに内蔵のトランジスタSTRがオフするものを用いているが、換言すると、センサ信号入力部4162では、磁気を検出しないときに入力がロー、磁気を検出したときに入力がハイとなるものを用いているが、これに代えて、磁気を検出しないときに入力がハイ、磁気を検出したときに入力がローとなる磁気センサ、換言すると、磁気を検出しないときにはオフし、磁気を検出したときにオンする磁気センサを用いることも可能である。
図112は、別実施例の磁気センサ入力回路の一例を示す回路図である。磁気センサMGSは、所定値以上の磁気を検出しないときはオフし、所定値以上の磁気を検出したときはオンするようになっている。
磁気センサMGSの入力端子は、コネクタCON1を介してパネル中継基板4161に配備されたプルアップ抵抗IR0の一端に接続され、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。また、磁気センサMGSの出力端子は接地されている。
電圧かさ上げ部4166は、先に説明した実施例1〜実施例3のものを用いることが可能である。この別実施例では、電圧かさ上げ部4166は、前記所定の電圧よりもツェナー電圧が高いツェナーダイオードZD0で構成されている例である。具体的には、ツェナーダイオードZD0のカソード端子は電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端と接続され、接続部分の前段においてコネクタCON1を介して磁気センサMGSの入力端子に接続されている。
ツェナーダイオードZD0のアノード端子は、後段に配されているトランジスタITR0のベース端子と接続されている。なお、別実施例では、検知回路部4164′はトランジスタITR0で構成されている。また、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続され、+12Vが一端に印加されたプルアップ抵抗NRに接続されている。ここで、主制御基板1310の主制御入力回路1310bの回路構成は実施例1〜実施例3と同様である。なお、別実施例では、電圧出力部4163と電圧かさ上げ部4166とによりセンサ信号入賞部4162′が構成され、トランジスタITR0によって検知回路部4164′が構成されている。
[正常な場合の検出動作]
磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSはオフしている。これにより、プルアップ抵抗IR0により+12V側に引き上げられた電圧が、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加される(第1の電圧に相当する)。この印加電圧はツェナー電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0はオンとなり、ツェナーダイオードZD0のアノード端子を介して検知回路部4164のトランジスタITR0のベース端子に印加されることで、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、検知回路部4164′のランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSはオンする。磁気センサMGSがオンすると、+12Vが印加されているプルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、磁気センサMGSの入力端子、磁気センサMGSの出力端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端の電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、プルアップ抵抗IR0の一端はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR1のベース端子が接続されていることで、ツェナー電圧が第2の電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0はオフ状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
[抵抗値の変化に起因する異常な場合の検出動作]
磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSはオフしている。これにより、プルアップ抵抗IR0により+12V側に引き上げられた電圧が、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加される(第1の電圧に相当する)。この印加電圧はツェナー電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0はオンとなり、ツェナーダイオードZD0のアノード端子を介して検知回路部4164のトランジスタITR0のベース端子に印加されることで、トランジスタITR0がオンする。
このときに、磁気センサMGSからのハーネスにノイズが載っていたとしても、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加される(第1の電圧に相当する)の方が高い電圧であるため、ツェナーダイオードZD0のアノード端子を介して検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧に影響はなく、トランジスタITR0がオンすることに変わりはない。つまり、電圧かさ上げ部4166により検知回路部4164′に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
一方、磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSはオンする。磁気センサMGSがオンすると、+12Vが印加されているプルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、磁気センサMGSの入力端子、磁気センサMGSの出力端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端の電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、プルアップ抵抗IR0の一端はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR1のベース端子が接続されていることで、ツェナー電圧が第2の電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0はオフ状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。
このときに、磁気センサMGSからのハーネスにノイズが載っていたとしても、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加されるノイズによる所定の電圧は、第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧であり、この所定の電圧がツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加されることになる。第2の電圧よりも高い所定の電圧が印加されても、所定の電圧よりもツェナー電圧が高いため、ツェナーダイオードZD0はオフ状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。つまり、電圧かさ上げ部4166により検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。なお、主制御入力回路1310bの動作は、正常な場合の検出動作と同じとなる。
[パネル中継基板4161に複数のセンサ信号入力部4162を配置した例]
次に、図113は、請求項1に係る発明の回路構成の一例を示す図である。図113に示すように、同一基板(パネル中継基板4161上に)、電圧出力部4163と電圧かさ上げ部4166と、検知回路部4164との3つを配置している例をしめしているが、これに限られることはなく、例えば、同一の基板上に、電圧かさ上げ部4166と、電圧出力部4163と検知回路部4166との少なくとも一方が配置されている、構成としてもよい。図114は、同一の基板(パネル中継基板4161)上に電圧かさ上げ部4166と検知回路部とを4164を配置し、電圧出力部4163を別基板(例えば、センサ基板)に配置した回路構成の例を示す図である。
また、図115は、同一の基板(パネル中継基板4161)上に電圧出力部4163と電圧かさ上げ部4166とを配置し、検知回路部4164を別基板(例えば、メイン制御基板1310)上に配置した回路構成の例を示す図である。このように、電圧出力部4163と検知回路部4164との配置位置は種々に変更が可能である。
図114は、本発明の実施例に係る発明の回路構成の別の一例を示す図である。経年変化や配線長さにより変化する抵抗値は、磁気検出センサ4024又は磁気センサMGSと、これらからパネル中継基板4161までの配線(ハーネス)と、コネクタCON1とを含むものである。遊技盤5aにおける所定位置に配置された検出センサ部は、図113では実施例1〜実施例3の磁気検出センサ4024で構成されている。
電圧出力部4163は、検出センサ部が第1の状態のときは第1の電圧を出力する一方、検出センサ部が第2の状態のときは第1の電圧よりも低い電圧である第2の電圧を出力する。例えば、図113に示す回路では、磁気検出センサ4024が磁気を検出しない状態のときは、ローレベルの電圧(例えば、0.4V)を出力する一方、磁気検出センサ4024が磁気を検出した状態のときは、ハイレベルの電圧(例えば、12V)を出力する。
検知回路部4164は、電圧出力部4163から出力された第1の電圧または第2の電圧に対応して検出信号の出力のオンオフを切り換える。図113の検知回路部4164では、実施例1〜実施例3で説明した検知回路部4164を用いているため、+12Vにプルアップされたプルアップ抵抗IR2がトランジスタITR1のベース端子の前段に接続されている。
そうして、電圧出力部4163の後段に対して、第2の電圧(各実施例においては例えば0.4Vとなっている)よりも高く第1の電圧(各実施例においては例えば12Vとなっている)よりも低い所定の電圧(一例として0.8V以上で2.0V未満の電圧を図111にて図示した)が印加されても、検知回路部4164に対する所定の電圧による作用を回避する電圧かさ上げ部4166が備えられている。
さらに、図113に示すように、同一の基板(パネル中継基板4161上)上に、一つの検知回路部4164と、複数の電圧出力部4163及び複数の電圧かさ上げ部4166とが配置されている。なお、本例では、電圧出力部4163と、電圧出力部4163の後段に配された電圧かさ上げ部4166とでセンサ信号入力部4162が構成されている。また、複数の電圧かさ上げ部4166、・・・各々が一つの検知回路部4164に電気的に並列接続されている。
具体的には、図113に示すように、複数の磁気検出センサ4024または磁気センサMGSの各々にそれぞれ接続された複数のオープンコレクタ型のセンサ信号入力部4162が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に複数並列に接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続されている。
図113において、これらセンサ信号入力部4162のいずれか1つでも磁気を検出してオンしたときには、検知回路部4164のトランジスタITR1がオフし、これにより主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1がオンするものである。よって、複数の検出センサ部のいずれについても誤検知することなく検出信号を検知することができる。このように、電圧かさ上げ部4166を備えたセンサ信号入力部4162を用いると、図示するように変化する抵抗値を考慮する必要がなくなる。そのため、一つの基板上(パネル中継基板4161上)に複数のセンサ信号入力部4162を集約させることができ、様々な機種の遊技機にパネル中継基板4161を共通して使用(汎用化)することが可能となる。そのため、開発途中の設計変更や製造に係る工数の削減に貢献するものである。
図116は、図112で説明した別実施例の磁気センサMGSを複数個を設け、複数個の磁気センサMGSを電圧出力部4163に電気的に各々並列に接続した例を示している。また、図116では別実施例の磁気センサMGSで構成されている。図116の別例では、磁気センサMGSが磁気を検出した状態のときは(磁気センサMGSがオン)、電圧出力部4163はローレベルの電圧(例えば、0.4V)を出力する一方、磁気センサMGSが磁気を検出しない状態のときは(磁気センサMGSがオフ)、電圧出力部4163はハイレベルの電圧(例えば、12V)を出力する。
一方、図116では、別実施例で説明した検知回路部4164′を用いているため、+12Vにプルアップされたプルアップ抵抗IR2がない点が異なっており、主制御入力回路1310aの一端に+12Vが印加されたプルアップ抵抗NR1によって、トランジスタITR0のコレクタ端子が+12Vに引き上げられている。
図116おいて、これら磁気センサMGSのいずれか1つでも磁気を検出してオンしたときには、検知回路部4164′のトランジスタITR0か゛オフし、これにより主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1がオンするものである。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ機1において、遊技進行や演出にかかる制御について総括する。
上述の通り、主制御基板1310は、パチンコ機1全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、周辺制御基板1510は、主制御基板1310が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置1600の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)や、演出に寄与する各種部材(演出操作ユニット400や可動部材など)の表示態様や動作態様を制御する。
特に、主制御基板1310では、割込処理が行われる都度、特別図柄プロセス処理を行う。この特別制御処理では、まず、第一・第二始動口入賞処理を行う。この第一・第二始動口入賞処理では、始動口に遊技球が入賞したか否かの判断が行われ、入賞した旨判断したときには該当する特別図柄側の保留数を1増加させる処理などが行われる。
第一・第二始動口入賞処理を終えたとき、処理フラグが0であれば、変動開始処理を実行する。この変動開始処理では、保留数が1以上であることを条件に、保留状態にある大当り判定を消化してこれを実行し、この大当り判定(当落や、その種別など)の結果を記憶した後、処理フラグを「1」に更新する。
一方、第一・第二始動口入賞処理を終えたとき、処理フラグが1であれば、変動パターン設定処理を実行する。この変動パターン設定処理では、上記記憶した大当り判定の結果や現在の遊技状態などに基づいて第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器に表示される特別図柄(識別図柄)の変動パターン(特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの変動時間など)や停止図柄(大当り図柄やハズレ図柄など)を決定・設定した後、処理フラグを「2」に更新する。
また一方、第一・第二始動口入賞処理を終えたとき、処理フラグが2であれば、変動中処理を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理にて決定・設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を停止させる。そしてこの後、変動開始処理にて記憶した大当り判定の結果が大当りであるときには、処理選択フラグを「3」に更新し、変動開始処理にて記憶した大当り判定の結果が大当りでないとき(ハズレ)には、処理選択フラグを「0」に更新する。すなわちこの場合、次の割込処理では、変動開始処理から再びやり直すこととなる。
また一方、第一・第二始動口入賞処理を終えたとき、処理フラグが3であれば、大当り遊技処理を実行する。この大当り遊技処理では、大当り遊技を実行するための条件の一つである条件装置を作動させて、当選した大当りの種別に基づいて決定された大当り遊技の態様(例えばラウンド数)をセットし、これに基づいて開閉部材2106にかかる開閉動作が制御される。また、大当り遊技が終了する場合には、条件装置の作動を停止させる処理を行ったり、当選した大当りの種別が特別種別であるときには時短状態や確変状態などの有利状態に制御されていることを示すように遊技状態フラグの更新を行った後、処理フラグが「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、変動開始処理から再びやり直すこととなる。
なお、変動パターンとしては、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、特別図柄の図柄変動が開始してから終了するまでの時間を決定付けるものであるほか、周辺制御基板1510に対してその情報が送信されることで、演出表示装置1600において現れる演出パターンの種類を決定しうるものである。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用変動パターン、はずれリーチ変動用変動パターン、及びはずれ変動用変動パターンに分類できる。大当り変動は、大当り判定の結果が大当りであるときに行われる変動であり、演出表示装置1600では、リーチ演出を経て、装飾図柄の変動表示が最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれリーチ変動は、大当り判定の結果がハズレであり、且つリーチ乱数に基づくリーチ判定にてリーチを行う旨判断されたときに行われる変動であり、演出表示装置1600では、リーチ演出を経て、装飾図柄の変動表示が最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれ変動は、大当り判定の結果がハズレであり、且つリーチ乱数に基づくリーチ判定にてリーチを行う旨判断されなかったときに行われる変動であり、演出表示装置1600では、リーチ演出を経ないで、装飾図柄の変動表示が最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。また、変動パターンは、第1特別図柄側と第2特別図柄側とのいずれの変動パターンであるかを特定可能なように規定されている。
すなわち、周辺制御基板1510では、主制御基板1310から大当り判定の結果などの遊技情報を取得してこれを参照することで、こうした装飾図柄の変動パターンを出現可能としている。また、周辺制御基板1510では、該取得した遊技情報に基づいて演出表示装置1600にて装飾図柄の変動パターンを出現させるほか、期待度に関わる演出表示(背景や保留画像)を変化させたり、演出操作ユニット400における態様(表示や動き)を変化させたり、裏下後可動演出ユニット3100などの可動部材を動作させたりする制御を実行する。
また、周辺制御基板1510では、操作ボタン410に対する操作情報や、開口窓近傍における遊技者の操作情報を取得し、これらの情報に応じた演出にかかる制御も実行しうる。
ここで、開口窓近傍における操作情報の取得原理について説明する。図119は、開口窓近傍における操作情報の取得原理を説明するための模式図であり、操作情報の取得原理を説明する上で関係のない部材を割愛しているほか、関係のある部材についてもこれらを模式的に示している。また、図120は、図119におけるA−A矢視断面図である。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、本体枠4内に収められ、遊技球が流下する遊技領域5aが形成された遊技盤5と、遊技領域5aが視認可能とされる開口窓を有し本体枠4に対して開閉可能に設けられる扉枠3とを備えている。そして、扉枠3には、図119及び図120に示されるように、開口窓の外周に沿うように立設されて少なくともその内側面で光を反射可能に形成された反射立壁部33が設けられている。なお、開口窓は、貫通口111のうちガラス板192よりも手前側(表側)となる部分である。
ここで、反射立壁部33は、枠装飾として設けられている。より具体的には、反射立壁部33は、下皿ユニットベース323によって形成される下側反射立壁部338と、左ユニットベース531によって形成される左側反射立壁部538と、右ユニットベース551によって形成される右側反射立壁部568とを備えており、これらの部材を、開口窓の外周周縁に沿うように略コの字状(開口窓の上方側には反射立壁部を設置しない態様)で配することによって構成されている。そして、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568では、それらの内側面が、一の特定仮想平面P(図120)に対していずれも略垂直の関係となる光の反射面となるように設けられている。
このような構成によれば、略コの字状に形成された反射立壁部33のうち、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568のいずれも設けられていない部分(開口窓の上方側)が、「開口窓の外周外にある所定光源からの光が、上記一の特定仮想平面P上を進行して開口窓の外周内に取り込まれ、ひいては反射立壁部33で反射されるようにする」ことを可能ならしめる第一部分として機能するとともに、「反射立壁部33で反射された光が上記一の特定仮想平面P上を進行して開口窓の外周外で検出されるようにする」ことを可能ならしめる第二部分としても機能するようになる。
またさらに、この実施の形態にかかる反射立壁部33では、3つの別部材(下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、右側反射立壁部568)の各内側面に跨って一の反射用部材36(例えば、反射用シール)が取り付けられる構造を採用しており、これによって3つの別部材のつなぎ目も含めて当該反射立壁部33としての反射性能を好適に確保するようにしている。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図119に示されるように、扉枠3のうち上記開口窓の外周外となる上部左側にて設けられる左側サイドベース572a(図23参照)の内部空間3435aにおいて、左側外周外発光部34aと左側外周外光検出部35aとを備えている。なお、左側サイドベース572aこれ自体は、光の透過率が極めて低い(若しくは、0)部材によって設けられている。
ここで、上記内部空間3435aは、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568とそれぞれ交わる上記一の特定仮想平面Pを含む空間であり、且つ開口窓の設けられる側に向けてのみ開口されて該開口窓側に向けて光が進行可能とされるとともに該開口窓側からの光が取り入れられる空間として設けられている。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような内部空間3435aを左側上部スピーカ573裏に設けるようにしつつも該スピーカ573裏からの不正行為を抑制するべく、開口窓との間に透過性が極めて高く且つ光の進行方向への影響も極めて低くなるように設計された透過部材3436aを配設するようにしている。
また、上記左側外周外発光部34aは、上記左側外周外光検出部35aとユニット化されており、上記一の特定仮想平面P上のうち少なくとも開口窓の設けられる側の広い範囲に向けて光が進行可能とされるように設けられている。
また、上記左側外周外光検出部35aは、上記左側外周外発光部34aとユニット化されており、開口窓の設けられる側からの光を少なくとも上記一の特定仮想平面P上にて検出可能とされるように設けられている。
このような構成によれば、左側外周外発光部34aからの光は、開口窓側へと進行した後に反射立壁部33で反射され、該反射立壁部33からの反射光となって上記内部空間3435aに取り入れられる。この点、内部空間3435aでは、上記左側サイドベース572aによって開口窓側からの光のみが取り入れられるようになっていることから、外乱が好適に抑制されているなかで、上記左側外周外発光部34aから発光されて上記反射立壁部33で反射された光を上記左側外周外光検出部35aによって検出することが可能とされるようになる。
またさらに、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図119に示されるように、扉枠3のうち上記開口窓の外周外となる上部右側にて設けられる右側サイドベース572b(図23参照)の内部空間3435bにおいて、右側外周外発光部34bと右側外周外光検出部35bとを備えている。なお、右側サイドベース572bこれ自体も、光の透過率が極めて低い(若しくは、0)部材によって設けられている。
ここで、上記内部空間3435bは、内部空間3435aと同様、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568とそれぞれ交わる位置にある上記一の特定仮想平面Pを含む空間であり、且つ開口窓の設けられる側に向けてのみ開口されて該開口窓側に向けて光が進行可能とされるとともに該開口窓側からの光が取り入れられる空間として設けられている。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような内部空間3435bを右側上部スピーカ573裏に設けるようにしつつも該スピーカ573裏からの不正行為を抑制するべく、開口窓との間に透過率が極めて高く且つ光の進行方向への影響も極めて低くなるように設計された透過部材3436bを配設するようにしている。
また、上記右側外周外発光部34bは、上記右側外周外光検出部35bとユニット化されており、上記一の特定仮想平面P上のうち少なくとも開口窓の設けられる側の広い範囲に向けて光が進行可能とされるように設けられている。
また、上記右側外周外光検出部35bは、上記右側外周外発光部34bとユニット化されており、開口窓の設けられる側からの光を少なくとも上記一の特定仮想平面P上にて検出可能とされるように設けられている。
このような構成によれば、右側外周外発光部34bからの光は、開口窓側へと進行した後に反射立壁部33で反射され、該反射立壁部33からの反射光となって上記内部空間3435bに取り入れられる。この点、内部空間3435bでは、上記右側サイドベース572bによって開口窓側からの光のみが取り入れられるようになっていることから、外乱が好適に抑制されているなかで、上記右側外周外発光部34bから発光されて上記反射立壁部33で反射された光を上記右側外周外光検出部35bによって検出することが可能とされるようになる。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあっては、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568によってそれらの高さ幅分だけ三方向から囲まれる領域(図120において点々模様で記されている領域)が、遊技者による操作を検出可能な特別操作受け部3333として機能しており、この特別操作受け部3333に対する遊技者の操作態様が判定されることで、該判定に応じた演出制御が実行可能とされている。
例えば、特別操作受け部3333に対して遊技者による操作が行われない場合、左側外周外発光部34aから広い角度範囲で照射される光は、何らかの物理オブジェクトによって遮られることなく、反射立壁部33における様々な角度(少なくとも一の特定仮想平面P上における様々な角度)からの反射光となって左側外周外光検出部35aに向かうこととなる。すなわち、左側外周外光検出部35aでは、光学レンズなどを用いてこのような様々な角度からの反射光を複数の受光素子(少なくとも一の特定仮想平面P上に並んでいる複数の受光素子)にて別個に検出可能な構造を有しており、該別個の検出信号に基づいて特別操作受け部3333において物理オブジェクトが何ら存在していない旨の情報を周辺制御基板1510に対して出力する。
またこの際、右側外周外発光部34bから広い角度範囲で照射される光も、何らかの物理オブジェクトによって遮られることなく、反射立壁部33における様々な角度(少なくとも一の特定仮想平面P上における様々な角度)からの反射光となって右側外周外光検出部35bに向かうこととなる。すなわち、右側外周外光検出部35bも、光学レンズなどを用いてこのような様々な角度からの反射光を複数の受光素子(少なくとも一の特定仮想平面P上に並んでいる複数の受光素子)にて別個に検出可能な構造を有しており、該別個の検出信号に基づいて特別操作受け部3333において物理オブジェクトが何ら存在していない旨の情報を周辺制御基板1510に対して出力する。
一方、特別操作受け部3333に対して図119に示される態様で遊技者による操作があった場合、左側外周外発光部34aから広い角度範囲で照射される光の一部が遊技者の指(物理オブジェクト)によって遮られることとなり、その遮られた方向(角度範囲)に向かった光以外の光のみが反射立壁部33における反射光となって左側外周外光検出部35aに向かうこととなる。すなわちこの場合、左側外周外光検出部35aでは、上記複数の受光素子(少なくとも一の特定仮想平面P上に並んでいる複数の受光素子)からの情報に基づいて、上記左側外周外発光部34aから発光された光の遮られた方向(角度)とその大きさ(角度範囲)を判定することで、上記左側外周外発光部34aから見たときにいずれの方向にどれだけの大きさの物理オブジェクトが存在しているかについての情報を周辺制御基板1510に対して出力する。
またこの際、右側外周外発光部34bから広い角度範囲で照射される光の一部も遊技者の指(物理オブジェクト)によって遮られることとなり、その遮られた方向(角度範囲)に向かった光以外の光のみが反射立壁部33における反射光となって右側外周外光検出部35bに向かうこととなる。すなわちこの場合、右側外周外光検出部35bでは、上記複数の受光素子(少なくとも一の特定仮想平面P上に並んでいる複数の受光素子)からの情報に基づいて、上記右側外周外発光部34bから発光された光の遮られた方向(角度)とその大きさ(角度範囲)を判定することで、上記右側外周外発光部34bから見たときにいずれの方向にどれだけの大きさの物理オブジェクトが存在しているかについての情報を周辺制御基板1510に対して出力する。
周辺制御基板1510では、このような左側外周外光検出部35aからの情報と右側外周外光検出部35bからの情報とをそれぞれ取得してこれを解析することで、特別操作受け部3333において物理オブジェクトが存在しているか否かの情報(特別操作受け部3333に対する操作が行われたか)はもとより、特別操作受け部3333において物理オブジェクトが存在しているときにはその座標位置(x、y)及び大きさに関わる情報を取得することができるようになる。そして後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、こうした情報を定期的に取得するようにしており、これによって特別操作受け部3333における物理オブジェクトの移動や、物理オブジェクトの大きさの変化などの操作ジェスチャーを判定可能しており、該判定に応じた演出制御を実行するものとなっている。
なお、これらの解析処理については、周辺制御基板1510側で必ずしも行わなくてもよく、左側外周外光検出部35a及び右側外周外光検出部35bからの情報を取得する外部手段で行うようにして該外部手段から周辺制御基板1510がその解析結果を取得するようにしてもよいし、外部手段と周辺制御基板1510とで分担して解析するようにしてもよい。
また、左側外周外発光部34aからの発光と右側外周外発光部34bからの発光とをそれぞれ点滅態様とし、左側外周外発光部34aが発光状態にあり且つ右側外周外発光部34bが消灯状態にある期間と、左側外周外発光部34aが消灯状態にあり且つ右側外周外発光部34bが発光状態にある期間とが交互に発生するようにしてもよい。すなわちこの場合、左側外周外発光部34aが発光状態にあるときの反射光を左側外周外光検出部35a側で検出し、右側外周外発光部35aが発光状態にあるときの反射光を右側外周外光検出部35b側で検出してこれらの情報をもとに解析するようにすれば、左側外周外発光部34aからの光と右側外周外発光部34bからの光とが干渉することがなくなりその分だけより精度の高い検出情報を得ることが期待されるようになる。
またさらに、左側外周外発光部34aからの発光と右側外周外発光部34bからの発光とをそれぞれ点滅態様とし、左側外周外発光部34aが発光状態にあり且つ右側外周外発光部34bが消灯状態にある期間と、左側外周外発光部34aが消灯状態にあり且つ右側外周外発光部34bが発光状態にある期間と、左側外周外発光部34aが消灯状態にあり且つ右側外周外発光部34bも消灯状態にある期間とが順次に発生する1つのサイクルが繰り返し現れるようにしてもよい。すなわちこの場合、左側外周外発光部34aが発光状態にあるときの反射光を左側外周外光検出部35a側で検出し、右側外周外発光部35aが発光状態にあるときの反射光を右側外周外光検出部35b側で検出し、左側外周外発光部34a及び右側外周外発光部35aが消灯状態にあるときのオフセット分も検出してこれらの情報をもとに解析するようにすれば、左側外周外発光部34aからの光と右側外周外発光部34bからの光とが干渉することがなくなるとともに検出したオフセット分も排除してから判定することができるようになりその分だけより精度の高い検出情報を得ることが期待されるようになる。
また、左側外周外発光部34a及び右側外周外発光部34bからの光として可視光線を用いるようにしてもよい。ただし、パチンコ機1にあっては、様々な箇所で光による演出を行っていることに鑑みれば、赤外線などの不可視光線を用いるようにすることが、これらの演出光からの外乱や該演出光に対する悪影響を好適に抑制する上でより望ましい。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、「開口窓の外周外にある所定光源からの光が、上記一の特定仮想平面P上を進行して開口窓の外周内に取り込まれ、ひいては反射立壁部33で反射されるようにする」ことを可能ならしめる第一部分と、「反射立壁部33で反射された光が上記一の特定仮想平面P上を進行して開口窓の外周外で検出されるようにする」ことを可能ならしめる第二部分とを、略コの字状に形成された反射立壁部33のうちの同じ部位として設けることとした。ただし、開口窓の外周内と外周外との間で光の進行が許容される領域を、反射立壁部33に対して複数設けて、それらの領域の別に外周外発光部と外周外光検出部とをそれぞれ配置するようにしてもよい。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、反射立壁部33を、上方が開口された略コの字状に形成することとしたが、開口窓上部のうち内部空間3435aと内部空間3435bの間の周縁にも反射立壁部33を形成するようにしてもよい。ただし、内部空間3435a及び内部空間3435bが開口される方向は下向きの方向となるように設けられるようにすることが、照明などからの直接光が取り込まれて外乱となることを抑制する上で望ましい。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、左側外周外発光部34a及び左側外周外光検出部35aと、右側外周外発光部34b及び右側外周外光検出部35bとを用いることで、特別操作受け部3333における操作を検出可能ならしめるようにしたがこれに限られない。すなわち、特別操作受け部3333における操作を検出可能ならしめる構造であればよく、例えば、左側外周外発光部34aからの反射光と右側外周外光検出部35bからの反射光とを1つの外周外光検出部で検出し、その検出結果から物理オブジェクトの座標(x、y)や大きさを判定するようなものであってもよい。
このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、開口窓の外周外に設けられる外周外発光部34(左側外周外発光部34a,右側外周外発光部34b)からの光を、開口窓の外周に沿うように立設されて少なくともその内側面で光を反射可能に形成された反射立壁部33からの反射光として、開口窓の外周外に設けられる外周外光検出部35(左側外周外光検出部35a,右側外周外光検出部35b)で検出することで、開口窓近傍を特別操作受け部3333として機能させ、該特別操作受け部3333における遊技者の操作態様に応じた演出を実行可能としている。
そして、外周外光検出部35を、露な状態で配設せず、開口窓の設けられる側に向けて開口されたサイドベース572の内部空間3435にて配設することで、外周外光検出部35にて光を検出するにあたり、外乱になりうる演出光を好適に排除することができるようにしていることも上述した。
ただし、このような構成であったとしても、内部空間3435のうち開口窓の設けられる側に向けて開口された部分からは、外周外発光部34からの光が反射立壁部33によって反射された光のほか、演出光も取り込まれうる構造となっていることから、こうした演出光が外乱となって外周外光検出部35による検出精度に悪影響を及ぼすことが懸念される。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図120に示されるように、本体枠4の右ユニットベース551に設けられる枠側発光部L1については、まず、上記一の特定仮想平面P上を進行する光を照射することができない位置にて配設されるようにしている。より具体的には、枠側発光部L1は、特別操作受け部3333よりも前方側となる位置にて設けられて光の透過率が極めて低い(若しくは、0)ベース部BL1に対し、その前方側に取り付けられている。ベース部BL1は、枠側発光部L1よりも幅広形状になっていることから、枠側発光部L1からの光が後方側(開口窓の設けられる側)に進行することは困難とされており、これによって上記枠側発光部L1からの光は上記内部空間3435に取り込まれ難くなっている。
しかも、この実施の形態にかかる右ユニットベース551では、上記枠側発光部L1からの光が高い透過率で進行可能とされる素材によって設けられた第1右側飾りベース部551aと、上記枠側発光部L1からの光の進行を妨げる低い透過率(若しくは、透過率が0)の素材(例えば、金属)によって設けられた第2右側飾りベース部551bとを有している。そして、第1右側飾りベース部551aは、上記枠側発光部L1を囲むように形成されて枠側発光部L1からの光が演出光として寄与しうるようにするのに対し、第2右側飾りベース部551bは、上記枠側発光部L1と開口窓との間にて形成されて上記枠側発光部L1からの光が開口窓の設けられる側に向けて進行し難くなるようにしており、これによっても上記枠側発光部L1からの光は上記内部空間3435に取り込まれ難くなっている。
特に、この実施の形態にかかる第2右側飾りベース部551bは、上記枠側発光部L1からの光が第1右側飾りベース部551aを通して遊技者側に進行可能となるようにしつつも、第1右側飾りベース部551aに対してその前面側の一部にまで延びるように設けられており、これによって枠側発光部L1からの光が開口窓に進行することを好適に抑制するようにしている。
なお、この実施の形態に係るパチンコ機1では、右ユニットベース551において、ベース部BL1と第2右側飾りベース部551bとの両方を備えるようにしたが、これらのいずれかのみを備えるようにした場合であっても、上記枠側発光部L1からの光を上記内部空間3435に取り込まれ難くすることは可能である。
これに対し、本体枠4の左ユニットベース531に設けられる枠側発光部L2は、光の透過率が極めて低い(若しくは、0)ベース部BL2に対し、その前方側に取り付けられるが、上記一の特定仮想平面P上を進行する光を照射することができる位置にある。ただし、図120から明らかであるように、枠側発光部L2と開口窓との間には上記反射用部材36が設けられることから、該枠側発光部L2からの光が開口窓の設けられる側に進行することは困難とされており、これによって上記枠側発光部L2からの光は上記内部空間3435に取り込まれ難くなっている。
ただし、上記反射用部材36は、高さ幅が低くなっていることから、枠側発光部L2からの光が他の部材などで反射されて開口窓のほうに向かうことが懸念される。そこで、この実施の形態にかかる左ユニットベース531でも、上記枠側発光部L2からの光が高い透過率で進行可能とされる素材によって設けられた第1左側飾りベース部531aと、上記枠側発光部L2からの光の進行を妨げる低い透過率(若しくは、透過率が0)の素材(例えば、金属)によって設けられた第2左側飾りベース部531bとを有している。そして、第1左側飾りベース部531aは、上記枠側発光部L2を囲むように形成されて枠側発光部L2からの光が演出光として寄与しうるようにするのに対し、第2左側飾りベース部531bは、上記枠側発光部L2と開口窓との間にて形成されて上記枠側発光部L2からの光が開口窓の設けられる側に向けて進行し難くなるようにしており、これによっても上記枠側発光部L2からの光は上記内部空間3435に取り込まれ難くなっている。
特に、この実施の形態にかかる第2左側飾りベース部531bは、上記枠側発光部L2からの光が第1左側飾りベース部531aを通して遊技者側に進行可能となるようにしつつも、第1左側飾りベース部531aに対してその前面側の一部にまで延びるように設けられており、これによって枠側発光部L2からの光が開口窓に進行することを好適に抑制するようにしている。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、左ユニットベース531にて第2左側飾りベース部531bを設けるとともに、右ユニットベース551にて第2右側飾りベース部551bを設けることとしたが、これらの部材については必ずしも設けなくてもよく、この場合であっても、上記内部空間3435に演出光が取り込まれ難くなっていることは上述した通りである。そして、第2左側飾りベース部531bと第2右側飾りベース部551bとを設けないようにした場合、上記反射用部材36については、第1左側飾りベース部531aや第1右側飾りベース部551aの外面(外部から接触可能な面)に取り付けるのではなく、第1左側飾りベース部531aや第1右側飾りベース部551aの内面(外部から接触不可能な面)に取り付けるようにすれば、外部からの直接的な物理的接触によって反射性能が劣化することを回避することが期待されるようになる。なおこの場合、外周外発光部34(左側外周外発光部34a,右側外周外発光部34b)からの光は、第1左側飾りベース部531aや第1右側飾りベース部551aを透過してから上記反射用部材36で反射されて、第1左側飾りベース部531aや第1右側飾りベース部551aを再び透過してから上記内部空間3435に取り込まれるようになる。
また、左ユニットベース531にて第2左側飾りベース部531bを設けるとともに、右ユニットベース551にて第2右側飾りベース部551bを設けるようにする場合は、反射用部材36を割愛し、第2左側飾りベース部531b及び第2右側飾りベース部551b自体を金属などの素材を用いた反射用部材としても機能させるようにしてもよい。このような構成によれば、反射用部材(第2左側飾りベース部531b、第2右側飾りベース部551b)を備えるだけで、枠側発光部L1,L2からの演出光が外乱になることを好適に抑制しつつ、反射用部材(第2左側飾りベース部531b、第2右側飾りベース部551b)からの反射光によって外周外光検出部35による検出精度を好適に確保することができるようになる。
この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、このような開口窓近傍における操作情報の取得原理を利用することで、開口窓近傍に位置する物理オブジェクトの座標や大きさなどの情報を得ることができるようになっており、これによって開口窓の略全域(ガラス板192の正面視で視認可能とされる略全域)を特別操作受け部3333として用いた、よりダイナミックで自由度の高い操作性とこれに適した演出性とを実現可能としている。
以下、このような特別操作受け部3333を用いることにより実現可能とされる操作性と演出性とについて説明する。図121〜図127は、特別操作受け部3333を用いることにより実現可能とされる操作性と演出性とを説明するための模式図であり、操作性と演出性とを説明する上で関係のない部材を割愛しているほか、関係のある部材についてもこれらを模式的に示している。
図121は、パチンコ機1を正面視で見たときの特別操作受け部3333と、該特別操作受け部3333に対して正面視で重なる位置にて配されている各種の演出部材A〜Eとを模式的に示している。なお、同図中における矢印は、演出部材A〜Eのうちの各種可動体の可動範囲を簡単に示すものである。
同図121に示されるように、この説明例にかかる特別操作受け部3333を正面視で見た場合、ガラス板192を挟んだ奥側には、大当り判定の結果に応じた演出に寄与しうる部材として、可動体A1,A2,B,Cと、表示部Dと、遊技球が流下しうる部分やそれ以外の部分にて発光可能に設けられた盤面発光部Eとが配設されている。図121中の矢印は、可動体A1,A2,B,Cの可動範囲を模式的に示したものである。
なお、これらの部材は、本願の技術説明をするための一例として示したものであり、図60などを用いて先に説明した実施例とは必ずしも一致しない。ただし基本的には、可動体A1,A2,B,Cは、「裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500などの可動部材」に相当するものであり、表示部Dは、「演出表示装置1600」に相当するものであり、盤面発光部Eは、「遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LED」に相当するものである。なお、盤面発光部Eは、遊技盤5に必ずしも備えられなくてもよく、例えば、遊技盤5よりも前側に設けられる部材(導光板など)であってもよい。
ここで、周辺制御基板1510では、まず、大当り判定の結果に応じた演出表示が行われる表示部Dを操作演出の対象として位置付けており、特別操作受け部3333のうち表示部Dと正面視で重なる座標領域に対して遊技者が操作を行ってこれが物理オブジェクトとして検出されると、該操作に応じた演出変化が表示部Dにて現れるように制御可能となっている。
以下、特別操作受け部3333に対する操作によって表示部Dで演出変化を生じさせる場合の演出制御の例について説明する。
[表示部Dに対する第1の操作制御態様]
例えば、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図121及び図122(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて第1の演出条件が満たされた場合、特別操作受け部3333を正面視で見たときの全座標領域(図119を参照)のうち、表示部Dの第1表示領域と対向する第1座標領域Z1を演出受付可能に設定(制御)するとともに、表示部Dの第1表示領域において特定の操作指示画像S1を表示する。そして、該特定の操作指示画像S1が表示されている所定期間において、特別操作受け部3333のうちの第1座標領域Z1内のどこかに対して操作(例えば、ガラス板192に対するタッチ操作(厳密には、特別操作受け部3333内に指などあればよく、必ずしもタッチしなくてもよい))が行われてこれが物理オブジェクトとして検出されると、上記特定の操作指示画像S1を非表示にして第1座標領域Z1に対する演出受付を終了させるとともに上記表示部Dにおいて演出変化を生じさせ、該生じた演出変化の種別によって大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能としている。
この際、特別操作受け部3333のうちの第1座標領域Z1内のどこかに対して操作が行われたことに基づいて演出変化を生じさせるにあたり、該演出変化を、少なくとも上記表示部Dのうちの第1座標領域Z1と対向する第1表示領域内において生じさせるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、遊技者が自らの指などによって第1表示領域を正面視で視認し難くしているときに少なくとも該第1表示領域内にて演出変化が生じるようになることから、遊技者が自らの指をずらしたり、正面視ではなく斜め方向から(ガラス板192と表示部Dとの間の空間を利用して)第1表示領域を視認するまでの間、該第1表示領域にて現れている演出変化を認識し難くさせることができるようになる。若しくは、遊技者は、第1座標領域Z1に対して指を置いたままで自らは第1表示領域内の演出変化を確認せずに遊技を進行させたり、当該パチンコ機1の正面に位置していない第3者に対して該第1表示領域内の演出変化を確認してもらうなどの楽しみ方も選択することができるようになり、遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
なお、特定の操作指示画像S1が出現してから所定期間が経過(特定のタイミングが到来)するまでの間、遊技者による操作が検出されなかった場合は、特定の操作指示画像S1が非表示にされるとともに、第1座標領域Z1に対する演出受付が終了されるようになっている。このとき、第1座標領域Z1に対する演出受付があった場合に現れる演出変化を生じさせるようにしてもよいし、第1座標領域Z1に対する演出受付があったときに現れる演出変化を生じさせずに第1座標領域Z1に対する演出受付を終了させるようにしてもよい。
[表示部Dに対する第2の操作制御態様]
また、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図121及び図122(b)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて第2の演出条件が満たされた場合、特別操作受け部3333を正面視で見たときの全座標領域(図119を参照)のうち、「上記表示部Dの第2表示領域と対向する第2座標領域Z2」と「上記表示部Dの第3表示領域と対向する第3座標領域Z3」との両方を演出受付可能に設定(制御)するとともに、上記表示部Dの第2表示領域において第2の操作指示画像S2を表示し、第3表示領域において第3の操作指示画像S3を表示する。そして、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3との両方が表示されている所定期間において、特別操作受け部3333のうちの第2座標領域Z2または第3座標領域Z3内のどこかに対して操作(例えば、ガラス板192に対するタッチ操作(厳密には、特別操作受け部3333内に指などあればよく、必ずしもタッチしなくてもよい))が行われてこれが物理オブジェクトとして検出されると、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3との両方を非表示にして第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3の演出受付を終了させるとともに上記表示部Dにおいて特定演出(選択した側(物理オブジェクトが検出された座標領域側)に応じた演出)を発生させ、該生じた特定演出において大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能としている。
なお、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3との両方が出現してから所定期間が経過(特定のタイミングが到来)するまでの間、遊技者による操作が検出されなかった場合は、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3との両方が非表示にされるとともに、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3に対する演出受付が終了されるようになっている。この際、第2座標領域Z2または第3座標領域Z3に対する演出受付があった場合に現れる特定演出を生じさせるようにしてもよいし、特定演出を生じさせないようにしてもよい。ただし、第2座標領域Z2または第3座標領域Z3に対する演出受付があった場合に現れる特定演出を生じさせる場合は、該特定演出の実行に先立って、第2の操作指示画像S2に対する操作が受け付けられたときに発生させる表示(エフェクトなど)、または第3の操作指示画像S3に対する操作が受け付けられたときに発生させる表示(エフェクトなど)を出現させるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3のいずれに対しても操作していないなかで、エフェクトが発生した側の演出が強制実行されていることを把握することができるようになることから、何の演出が実行されているのかがわからずに遊技興趣が低下することが抑制されるようになる。
また、表示部Dに対する第1の操作制御態様や第2の操作制御態様では、第1座標領域Z1や、第2座標領域Z2、第3座標領域Z3に対する演出受付を許容するのみならず、同じ期間内において、操作ボタン410などの他の操作手段に対しても同じ演出受付を許容するようにしてもよい。
例えば、表示部Dに対する第1の操作制御態様では、上記第1の演出条件が満たされた場合、第1座標領域Z1と操作ボタン410との両方を演出受付可能とし、特定の操作指示画像S1が表示されている所定期間において、第1座標領域Z1に対する操作(物理オブジェクトの検出)ではなく、操作ボタン410に対する押圧操作(ボタンスイッチの検出)が行われた場合であっても、上記特定の操作指示画像S1を非表示にして第1座標領域Z1及び操作ボタン410の演出受付を終了させるとともに上記表示部Dにおいて演出変化を生じさせ、該生じた演出変化の種別によって大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
なお、第1座標領域Z1に対する操作(物理オブジェクトの検出)があった場合も、上記特定の操作指示画像S1を非表示にして第1座標領域Z1及び操作ボタン410の演出受付を終了させるとともに上記表示部Dにおいて演出変化を生じさせ、該生じた演出変化の種別によって大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
また、表示部Dに対する第2の操作制御態様では、上記第2の演出条件が満たされた場合、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3と、操作ボタン410とをいずれも演出受付可能とする。そして、特定の操作指示画像S2及び特定の操作指示画像S3が表示されている所定期間において、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3のいずれかに対する操作(物理オブジェクトの検出)ではなく、操作ボタン410に対する押圧操作(ボタンスイッチの検出)が行われた場合、特定の操作指示画像S2を選択している状態にあることを示す第2選択画像と、特定の操作指示画像S3を選択している状態にあることを示す第3選択画像との間での切り替え表示を行う。そして、第2選択画像と第3選択画像とのいずれかが表示されている状態で、特定の操作指示画像S2及び特定の操作指示画像S3が表示されてからの所定期間が経過すると、選択画像が現れている側の操作指示画像S2,S3に対する操作が受け付けられたことを把握可能な表示(エフェクトなど)を発生させるとともに、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3と選択画像(第2選択画像、第3選択画像)をいずれも非表示にして第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3と操作ボタン410とに対する演出受付を終了させる。そしてこの後、上記表示部Dにおいて特定演出(選択した側の演出)を発生させ、該生じた特定演出において大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
なお、上記所定の期間内に、さらに別の操作手段に対する操作(いずれかの決定を受け付ける操作)を演出受付可能とし、該別の操作手段に対する操作があった場合に、選択画像が現れている側の操作指示画像S2,S3に対する操作が受け付けられたことを把握可能な表示(エフェクト)を発生させるとともに、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3と選択画像(第2選択画像、第3選択画像)をいずれも非表示にして第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3や、操作ボタン410や、さらに別の操作手段に対する演出受付を終了させるようにしてもよい。そしてこの後、上記表示部Dにおいて特定演出(選択した側の演出)を発生させ、該生じた特定演出において大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
また、特定演出が出現されるまでの上記所定の期間内であれば、第2選択画像と第3選択画像とのいずれが現れている場合であっても、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3は演出受付可能とされている。そして、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3のいずれかに対する操作が検出された場合は、第2選択画像と第3選択画像とのいずれが現れている状態にあったかは関係無しで、演出受付がなされた側の表示(エフェクトなど)を出現させ、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3と選択画像(第2選択画像、第3選択画像)とをいずれも非表示にして第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3や、操作ボタン410や、さらに別の操作手段に対する演出受付を終了させる。なおこの際、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3と選択画像(第2選択画像、第3選択画像)とをいずれも非表示にするのに先立って、操作が検出された側の選択画像(第2選択画像、第3選択画像)が現れるように切り替え表示を行うようにしてもよい。そしてこの後、上記表示部Dにおいて特定演出(選択した側の演出)を発生させ、該生じた特定演出において大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
このような構成によれば、第1座標領域Z1や、第2座標領域Z2、第3座標領域Z3に対する演出受付を許容するのみならず、操作ボタン410などの他の操作手段に対しても、同じ演出受付が可能とされる。この点、第2の操作制御態様では、同じ演出受付を可能としつつも、第2座標領域Z2または第3座標領域Z3に対する操作を行うようにした場合は、第2座標領域Z2または第3座標領域Z3に対して1度の操作(物理オブジェクトの検出)が受け付けられるだけで、遊技者による好みに応じた側の演出を発生させることが可能である。すなわち、他の操作手段を用いた場合には、「特定の操作指示画像S2及び特定の操作指示画像S3が表示されてからの所定期間が経過するまでの間、遊技者による好みに応じた側の演出を発生させることができない」か、「少なくとも2回以上の操作を複数の操作手段を用いて行う」ことが求められるのに対し、特定の操作受け部3333を用いた場合にはこれよりも少ない回数(この演出例では、1回)の操作だけで遊技者による好みに応じた表示態様を出現させることが可能であるから、より複雑な演出性を簡単な操作性で実現することが期待されるようになる。
また、こうした効率的な操作性を提供しつつも、少なくとも2回以上の操作を複数の操作手段を用いて行うことによって所望の操作を達成しうる操作性をも同時提供するようにした場合、遊技者は、所望の操作に至るまでの過程段階にある操作を行いながら、所望の操作としていずれを選択すべきかを悩むことができるようになる。すなわちこの場合、所望の操作に至るまでの過程段階にある操作を行うなかで、選択した後の演出状況をイメージし易くなり、所定の期間内で余裕を持っていずれの操作にすべきかを悩むことができるようになる。このように、遊技者が、即決できる状態にあるか、悩んでいる状態にあるかに応じて、求められる操作回数の異なる操作手段を選択的に用いることができることから、遊技興趣が維持されうるようになる。
このように、周辺制御基板1510では、表示部Dを、特別操作受け部3333を用いた操作演出の対象とすることで、これまでにない面白みのある演出を実現可能としている。ただし上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、特別操作受け部3333を、表示部Dよりも正面視で大きな操作受付範囲(検出対象とされる座標範囲は、ガラス板192の略全域)を持つように設けており、このような特殊な関係性を利用した演出を実現することによって、よりダイナミックで自由度の高い操作性とこれに適した演出性とを実現可能としている。
[表示部Dに対する第3の操作制御態様]
例えば、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図121及び図123(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて第3の演出条件が満たされた場合、特別操作受け部3333を正面視で見たときの全座標領域(図119を参照)のうち、表示部Dの第4表示領域と対向する第4座標領域Z4を演出受付可能に設定(制御)するとともに、表示部Dの第4表示領域において特定の操作対象画像S4を表示し、表示部Dの他の表示領域において特定の操作対象画像S4を可動体Bまで動かすように操作すべきことを促す特定画像を表示する。
そして、該特定の操作対象画像S4が表示されてからの所定期間において、特別操作受け部3333のうちの第4座標領域Z4内のどこかに対して操作(例えば、ガラス板192に対するタッチ操作(厳密には、特別操作受け部3333内に指などがあればよく、必ずしもタッチしなくてもよい))が行われてこれが物理オブジェクトとして検出されると、図123(b)に示されるように、演出受付可能とされる座標領域を、表示部D内の限られた第4座標領域Z4ではなく、少なくとも表示部D外に設けられる可動体Bと対向する座標領域を含む大きな第5座標領域Z5に設定変更する。なお、この説明例の第5座標領域Z5は、第4表示領域と対向する座標領域(第4座標領域Zと必ずしも一致しなくてもよい)から表示部D外に設けられる可動体Bと対向する座標領域までを含むものとなっており、可動体B、表示部D、及び盤面発光部Eを跨ぐかたちで設定されている。
なおこの際、特別操作受け部3333のうちの第4座標領域Z4内のどこかに対して操作があったことに基づいて、特定の操作対象画像S4の表示態様を変化(例えば、色を変化させたり、振動態様で表示)させて、当該特定の操作対象画像S4が、遊技者による操作によって移動可能な状態になっていることを認識可能とするようにしてもよい。
すなわち、この第3の操作制御態様では、特別操作受け部3333内に指などの物理オブジェクトを留めた状態で、該物理オブジェクトを、第5座標領域Z5内の上記可動体Bと対向する座標位置まで移動させると、表示部D内にて現れていた特定の操作対象画像S4が、表示部D外にて設けられる可動体Bに作用して該可動体Bにおける演出が開始されるかのような演出を実現している。
したがって、特別操作受け部3333内に指などの物理オブジェクトを留めた状態で該物理オブジェクトを第5座標領域Z5内で移動させると、周辺制御基板1510では、こうした物理オブジェクトの移動を検出し、該検出された物理オブジェクトの移動に追従するように上記特定の操作対象画像S4を上記表示部D内で移動させる制御を実行可能としている。これにより、特定の操作対象画像S4は、物理オブジェクトが上記可動体Bと対向する座標位置まで移動し終わっていない移動途中の段階にあるときから、こうした物理オブジェクトの上記特別操作受け部3333内における正面視での移動に追従するように上記表示部D内を移動するようになる。
より具体的には、特別操作受け部3333内に指などの物理オブジェクトを留めた状態で、該物理オブジェクトを第5座標領域Z5内の図123(b)に示される位置から図124(a)に示される位置まで移動させると、周辺制御基板1510では、このような物理オブジェクトの移動に追従するように上記特定の操作対象画像S4を上記表示部D内で移動させる。ただし、指などの物理オブジェクトが図124(a)に示される位置にある場合に、該位置に対向する表示領域において特定の操作対象画像S4を表示しようとすると、該特定の操作対象画像S4の一部が上記表示部Dからはみ出てしまい、その全体を表示することはできない。そこで、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、上記表示部Dにおいては表示することのできる部分だけ特定の操作対象画像S4を表示し、表示部Dからはみ出ている部分については、その存在が認識可能とされるように盤面発光部Eのうちの該当する部分を発光させる制御を行うこととしている。より具体的には、表示部Dの縁部と対向する座標位置に物理オブジェクトが近づくにつれて、特定の操作対象画像S4が上記表示部Dに表示される部分を少なくさせていき、盤面発光部Eの発光領域として該当する部分を多くさせていくように制御することとなる。
このような構成によれば、表示部Dにおける特定の操作対象画像S4が、遊技者による操作によって今まさに表示部D外に飛び出そうとしている様子を表現することができるようになり、表示部Dこれ単体に収まらない、よりダイナミックで自由度の高い操作性とこれに適した演出性とが実現されるようになる。
特に、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図124(a)に示されるように、遊技者の指などの物理オブジェクトが第5座標領域Z5内の表示部Dと対向する座標位置に置かれている状態にあるにもかかわらず、該表示部Dだけではなく、該表示部Dとは異なる部材(盤面発光部E)に対して演出制御を行うようにしている。したがって、特別操作受け部3333のうち複数の部材と対向する座標領域で物理オブジェクトを移動させた場合であっても、該移動に応じた演出が出現していることを認識し易くなり、これによってダイナミックな操作性に適した演出性を好適に実現することができるようになる。
なお、遊技者の指などの物理オブジェクトを第5座標領域Z5内の図124(a)に示される位置から少しだけ上方に移動させた場合、該物理オブジェクトは、表示部Dではなく遊技盤5(ここでは、盤面発光部E)と対向する座標位置に置かれる状態になる。ただしこの場合も、特定の操作対象画像S4の全てを突然に非表示にして盤面発光部Eのみを発光させるのではなく、表示部Dと対向する座標位置から物理オブジェクトが離れるにつれて、特定の操作対象画像S4が上記表示部Dにおいて表示される部分を少なくさせていき、盤面発光部Eの発光領域として該当する部分を多くさせていくように制御する。すなわちこの場合、表示部Dと対向する座標位置から物理オブジェクトが特定距離だけ離れたときに、表示部Dと盤面発光部Eとのうちの盤面発光部Eのみに演出(ここでは、発光)を生じさせることとなり、これによって特定の操作対象画像S4が表示部D外に移動したかのような演出を表現することができるようになる。
そして、遊技者の指などの物理オブジェクトが第5座標領域Z5内をさらに上方に移動して図124(b)に示される位置に到達すると、周辺制御基板1510では、該物理オブジェクトと対向する位置にある盤面発光部Eと可動体Bとの両方を発光させる制御を行う。すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、盤面発光部Eと可動体Bとの間でも、表示部Dと盤面発光部Eとの間で行った上述の演出制御と同様の制御を行うようにしている。より具体的には、遊技盤5(ここでは、盤面発光部E)と対向する座標領域内にある物理オブジェクトが上記可動体Bと対向する座標領域に対して所定距離まで近づくと、物理オブジェクトこれ自体は盤面発光部Eと対向する座標領域内にあるにもかかわらず、該盤面発光部Eだけではなく、該盤面発光部Eとは異なる部材(可動体B)に対して演出制御を行うようにしている。したがって、特別操作受け部3333のうち盤面発光部Eと可動体Bとの両方と対向する座標領域内で物理オブジェクトを移動させた場合であっても、該移動に応じた演出(ここでは、表示部D外に移動した特定の操作対象画像S4)が出現(移動)していることを認識し易くなり、これによってダイナミックな操作性に適した演出性を好適に実現することができるようになる。
そして、遊技者の指などの物理オブジェクトが第5座標領域Z5内をさらに上方に移動して図125に示される位置に到達すると、周辺制御基板1510では、特定の操作対象画像S4を可動体Bまで移動させたかのような操作が適正に行われた旨判断し、当該第3の操作制御態様における条件が満たされたとして、上記第5座標領域Z5に対する演出受付を終了させる。また、当該第3の操作制御態様における条件(特定の操作対象画像S4を可動体Bまで移動させる)が満たされたことを認識可能な表示を表示部Dにおいて出現させ、可動体Bを用いた演出を開始させる制御を実行する。可動体Bを用いた演出は、例えば、可動体Bを所定の態様で発光させる演出や、可動体Bを所定の態様で動作させる演出などとして実現することが可能であり、こうした演出を通じて大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうるようにする。
なお、当該第3の操作制御態様において物理オブジェクトが上記特別操作受け部3333内を移動しているなかで、該物理オブジェクトが第5座標領域Z5から外れた場合(特別操作受け部3333から指を離した場合も含む)は、図123(a)に示した状態からやり直しにすることが望ましい。すなわち後述するが、周辺制御基板1510は、基本的には、演出の実行状況にかかわらず物理オブジェクトの位置情報などを定期的に取得しており、これによって物理オブジェクトが第5座標領域Z5内を移動している旨の情報や、第5座標領域Z5外に移動した旨の情報などを得るようになっている。
また、物理オブジェクトの移動に追従するように上記特定の操作対象画像S4を移動させるようにしたが、これに限られず、例えば、物理オブジェクトの特定方向成分の移動のみに追従するように上記特定の操作対象画像S4を移動させるようにしてもよい。
また、第5座標領域Z5については、特別操作受け部3333の全座標領域であってもよい。また、物理オブジェクトの置かれた座標位置と対抗する側に、特定の操作対象画像S4が存在することを示唆する演出表現のできる部位が無かった場合は、物理オブジェクトの置かれた座標位置と近い部位にて特定の操作対象画像S4が存在することを示唆する演出表現を行うようにしてもよい。
また、この説明例では、表示部Dと可動体Bとの間に、演出表現(発光)することが可能な盤面発光部Eが置かれているが、該盤面発光部Eは必ずしもなくてもよい。すなわちこの場合、表示部Dに特定の操作対象画像S4が表示されなくなってから、可動体Bと対向する座標位置(若しくは、近傍の座標位置)に物理オブジェクトが移動されるまでの間、遊技者は、特定の操作対象画像S4が移動しているイメージを頭の中で持ちながら操作を継続することとなる。
また、表示部Dにおいて、表示部Dと可動体Bとの位置関係を把握可能なマップを表示し、物理オブジェクトの移動に応じて特定の操作対象画像S4がどの位置に存在するかをマップ内で示唆する演出表示を行うようにしてもよい。
なお、図122〜図125の図中では、各座標領域Z1〜Z5が記されているが、実際には、遊技者が視認することができないものである。
一方、周辺制御基板1510では、図121に示される各種の演出部材のうち、大当り判定の結果に応じた演出動作が行われる可動体A1,A2,Cも操作演出の対象として位置付けており、特別操作受け部3333のうち可動体A1,A2,Cと正面視で重なる座標領域に対して遊技者が操作を行ってこれが物理オブジェクトとして検出されると、該操作に応じた演出動作が現れるように制御可能となっている。したがって、遊技者は、複数の可動体のいずれか1つを選択しながら適宜の態様(速度、移動量)で操作することが可能である。
[可動体Cに対する第4の操作制御態様]
例えば、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図121及び図126(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて第4の演出条件が満たされた場合、特別操作受け部3333を正面視で見たときの全座標領域(図119を参照)のうち、可動体Cの一部と対向する第6座標領域Z6を演出受付可能に設定(制御)する。なおこの際、可動体Cを動作させるべく第6座標領域Z6が演出受付可能とされていることを遊技者側が認識可能とすべく、表示部Dにおいて特定の表示画像を出現させたり、可動体Cを第1態様で発光(例えば、点滅態様での発光)させたり、振動させたりすることが望ましい。
そして、第6座標領域Z6が演出受付可能に設定されてからの所定期間において、該第6座標領域Z6内のどこかに対して操作(例えば、ガラス板192に対するタッチ操作(厳密には、特別操作受け部3333内に指などあればよく、必ずしもタッチしなくてもよい))が行われてこれが物理オブジェクトとして検出されると、図126(b)に示されるように、演出受付可能とされる座標領域を、上記第6座標領域Z6ではなく、少なくとも可動体Cの可動範囲CTを含む大きな第7座標領域Z7に設定変更する。なおここでは、第7座標領域Z7は、第6座標領域Z6の全てを含む座標領域として設定されている。
すなわち、この第4の操作制御態様では、特別操作受け部3333内に指などの物理オブジェクトを留めた状態で、該物理オブジェクトを、第7座標領域Z7内の可動体Cの可動範囲CTの末端部分と対向する座標位置まで移動させると、該物理オブジェクトの移動に追従するように可動体Cを移動させうる演出を実現している。
したがって、図126(b)に示される状態になった場合は、第7座標領域Z7において指などの物理オブジェクトが検出されており、該物理オブジェクトの移動によって可動体Cを移動させる状態にあることを認識可能とする制御を行うようにすることが望ましい。なお、図126(b)に示される例では、可動体Cを第2態様で発光(例えば、常時態様での発光)させるようにしている。
ただし、遊技者側からすれば、該可動体Cにどのような可動範囲CTが設けられているのかを把握しておらず、第6座標領域Z6において指などの物理オブジェクトが検出されてから該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTに沿うように移動させようとしてもこれを適正に行うことができないことが懸念される。そしてこの結果、可動体Cの可動範囲CTに沿うように操作を行う意思はあるにもかかわらず、遊技者の指などの物理オブジェクトが第7座標領域Z7から外れてしまうと(特別操作受け部3333から指を離した場合も含む)、遊技者の意図に反して図126(a)に示した状態からやり直しになり、遊技興趣が低下しかねない。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図126(a)、(b)に示されるように、当該第4の操作制御態様における第7座標領域Z7を、その制御対象とされる可動体Cの可動範囲CTが延びる上方側とは逆側となる方向を含めて、第6座標領域Z6が正面視での全方位にわたって少なくとも第1距離分は拡大された範囲にて設定することとしている。
このような構成によれば、可動体Cにどのような可動範囲CTが設けられているのかを遊技者が把握していなかった場合であっても、可動体Cの可動範囲CTからズレた方向側へと指(物理オブジェクト)を移動させたときには、演出受付がなされているにもかかわらず(図126(a)に示した状態からやり直しにならないにもかかわらず)、可動体Cが移動しない現象が生じるようになることから、こうした現象の確認を通じて可動体Cの可動範囲CTを推測して操作を行うことができるようになる。
また、周辺制御基板1510では、可動体Cに対して設定されている可動範囲CTのなかで、該可動体Cを、予め定められた複数位置(図126(b)に示される第1位置(原位置)、図126(c)に示される第2位置、図127(a)に示される第3位置、及び図127(b)に示される第4位置(末端位置))のいずれかに位置させる制御を実行可能とする。そしてこの上で、第7座標領域Z7を、第1位置(原位置)と対向する部分を含んだ第1駆動座標領域Z7−1、第2位置と対向する部分を含んだ第2駆動座標領域Z7−2、第3位置と対向する部分を含んだ第3駆動座標領域Z7−3、及び第4位置と対向する部分を含んだ第4駆動座標領域Z7−4に分類可能とし、それらの駆動座標領域Z7−1〜Z7−4のいずれまで上記第6座標領域Z6にて検出された物理オブジェクトが移動したかを判定することで、該判定に応じた駆動座標領域まで可動体Cを移動させる制御を実行可能としている。
ここで、可動範囲CT内の第1位置(原位置)と対向する部分を含んだ第1駆動座標領域Z7−1は、図126(a)、(b)に示されるように、その制御対象とされる可動体Cの可動範囲CTが延びる上方側を除いた左、右、下方向に対して上記第6座標領域Z6から少なくとも第1距離分だけ広がった範囲として設定されている。
このような構成によれば、第6座標領域Z6(図126(a))において指などの物理オブジェクトが検出されて第7座標領域Z7(図126(b))に設定変更された以降、該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTが延びる方向とは異なる方向に移動(第1距離未満の移動)させたとしても、該物理オブジェクトは、単一の第1駆動座標領域Z7−1内にて検出されるだけであるから、可動体Cは、移動することなく、該物理オブジェクトが検出された第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置(原位置)にて留まり続けるようになる。すなわちこの場合、遊技者による操作が演出受付がなされているにもかかわらず(図126(a)に示した状態からやり直しにならないにもかかわらず)、可動体Cが移動しない現象が生じるようになることから、こうした現象の確認を通じて可動体Cの可動範囲CTが延びる方向を推測して操作を行うことができるようになる。
その一方で、第6座標領域Z6(図126(a))において指などの物理オブジェクトが検出されて第7座標領域Z7(図126(b))に設定変更された以降、該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTが延びる方向に移動(第1距離未満の移動)させた場合は、該物理オブジェクトは、上記第1距離よりも短い第2距離を移動するだけで、図126(b)に示される第1駆動座標領域Z7−1から図126(c)に示される第2駆動座標領域Z7−2に到達するようになる。すなわちこの場合、該物理オブジェクトが第2駆動座標領域Z7−2内にて検出されたことに基づいて、可動体Cは、第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置(図126(b))から、第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置(図126(c))に移動することとなる。
ここで、図126(c)に示されるように、可動範囲CT内の第2位置と対向する部分を含んだ第2駆動座標領域Z7−2も、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向と直交する左、右方向については上記第1駆動座標領域Z7−1と同じ距離分だけ広がる範囲を有している。これに対し、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向は、左右方向の長さよりも短くなるように設定されている。
このような構成によれば、第2駆動座標領域Z7−2にて検出されている物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向のいずれとも異なる方向に移動させる場合、該物理オブジェクトは、単一の第2駆動座標領域Z7−2内にて検出されるに留まり易くなり、可動体Cは、移動することなく、該物理オブジェクトが検出された第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置にて留まり続けるようになる。すなわちこの場合、遊技者による操作が演出受付がなされているにもかかわらず(図126(a)に示した状態からやり直しにならないにもかかわらず)、可動体Cが移動しない現象が生じるようになることから、こうした現象の確認を通じて可動体Cの可動範囲CTが延びる方向を推測して操作を行うことができるようになる。
しかも、このように可動体Cの可動範囲CTからズレた左右の範囲にまで第2駆動座標領域Z7−2が広げられて設定されることで、第6座標領域Z6(図126(a))において指などの物理オブジェクトが検出されてから該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTに沿うように移動させるときの操作として適正と判断される基準が緩和されるようになる。これにより、可動体Cにどのような可動範囲CTが設けられているのかを把握していないなかでこれを推測しながら物理オブジェクトを移動させるときの困難性を和らげることができるようになり、遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
なお、可動体Cが第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置に移動したときには、可動体Cが第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置に位置していたときの発光態様(例えば、青色)とは異なる態様(例えば、緑色)で発光させるようにしてもよい。またこの際、可動体Cが第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置まで移動し終わるよりも前の、第2駆動座標領域Z7−2内で物理オブジェクトが検出されたとき(可動体Cが第2駆動座標領域Z7−2に向けて移動し始めるとき)に発光態様を変化(例えば、青色から緑色)させるようにすれば、遊技者による操作が適正に演出受付されたことを早い段階から認識することができるようになり、遊技者の指などによる素早い操作に対して発生することが避けられない可動体の挙動遅れによるイライラ感を抑制することができるようになる。
また、可動体の移動速度を超える速度で物理オブジェクトの移動があった場合、該物理オブジェクトに追従させるように可動体を移動させることはできないが、この場合は、予め定められた移動速度で、最新の検出位置まで移動させる制御を行うこととなる。
そして、遊技者による指などの操作によって第2駆動座標領域Z7−2(図126(c))内にある物理オブジェクトが上方側へと移動して第3駆動座標領域Z7−3(図127(a))内にて検出されると、可動体Cは、第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置(図126(c))から、第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置(図127(a))に移動することとなる。
ここで、図126(c)に示されるように、可動範囲CT内の第3位置と対向する部分を含んだ第3駆動座標領域Z7−3は、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向と直交する左、右方向については上記第1駆動座標領域Z7−1や第2駆動座標領域Z7−2よりも長い距離にわたって広がる範囲を有している。これに対し、可動体Cの可動範囲CTが延びる当該第3駆動座標領域Z7−3内の上下方向は、左右方向の長さよりも短くなるように設定されている。
すなわち上述の通り、表示手段などとは異なり操作方向を指示し得る術を持たない可動体を操作対象とする場合、どのような可動範囲が設けられているのかを把握していないなかでこれを推測しながら物理オブジェクトを移動させなければならない。そこで、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、第1駆動座標領域Z7−1及び第2駆動座標領域Z7−2において、可動体Cの可動範囲CTからズレた左右の範囲にまで演出受付範囲を広げることで、可動体Cの可動範囲CTに沿うように移動させるときの操作として適正と判断される基準を緩和していることも上述した。
しかしながら、第6座標領域Z6(図126(a))において指などの物理オブジェクトが検出されてから該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTに沿うように移動させる場合、該第6座標領域Z6から離れるにつれて可動範囲CTからのズレが大きくなる傾向がある。したがって、第3駆動座標領域Z7−3(図127(a))では、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向と直交する左、右方向に、第1駆動座標領域Z7−1や第2駆動座標領域Z7−2よりも長い距離にわたって広がる範囲を有することで、第6座標領域Z6からの物理オブジェクトの移動距離が大きくなり可動範囲CTからのズレも次第に大きくなるような操作であったとしても、これを適正な演出操作として受け付け可能としている。これにより、可動体Cにどのような可動範囲CTが設けられているのかを把握していないなかでこれを推測しながら物理オブジェクトを長い距離にわたって移動させるときの困難性を和らげることができるようになり、遊技興趣の維持を図ることができるようになる。例えば、可動体Cの可動範囲CTとは対向しない座標範囲を物理オブジェクトが上方向に移動した場合であっても、可動体Cは、上方向へと移動するようになる。
なお、可動体Cが第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置に移動するときには、可動体Cが第1位置に位置していたときの発光態様(例えば、青色)や第2位置に位置していたときの発光態様(例えば、緑色)とのいずれとも異なる発光態様(例えば、赤色)で発光させるようにしてもよい。また、可動体Cが第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置まで移動し終わるよりも前の、第3駆動座標領域Z7−3内で物理オブジェクトが検出されたとき(可動体Cが第3駆動座標領域Z7−3に向けて移動し始めるとき)に発光態様を変化(例えば、青色から緑色)させるようにしてもよい。
そして、第4駆動座標領域Z7−4も、これと同様の理由で、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向と直交する左、右方向に、第3駆動座標領域Z7−3よりもさらに長い距離にわたって広がる範囲を有している。ただし、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、遊技者による指などの操作によって第3駆動座標領域Z7−3内にある物理オブジェクトが上方側へと移動して第4駆動座標領域Z7−4内にて検出された場合、可動体Cを、第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置(図127(a))から、第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置(図127(b))へと必ずしも移動させない。そればかりか、遊技者による指などの操作によって第3駆動座標領域Z7−3内にある物理オブジェクトが上方側へと移動して第4駆動座標領域Z7−4内にて検出された場合、可動体Cを、第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置(図127(a))から、第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置(図127(c))へと移動させうるものとなっている。
すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、大当り判定の結果に基づいて、可動体Cを、第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置まで移動可能とするか否かを決定しており、該決定済みとされているなかで、可動体Cを用いたこのような演出を遊技者に対して提供するものとなっている。そして、第6座標領域Z6で検出された物理オブジェクトが遊技者による指などの操作によって第4駆動座標領域Z7−4で検出されたときに、該可動体Cが、第4位置(図127(b))まで移動する演出が現れるのか、それとも第4位置まで移動することなく第1位置(図127(c))に戻ってしまう演出が現れるのかによって期待度(特定結果が得られていることを確定的に示すものであってもよい)を示唆するようにしている。
なお、周辺制御基板1510では、遊技者による指などの操作によって第3駆動座標領域Z7−3内にある物理オブジェクトが上方側へと移動して第4駆動座標領域Z7−4内にて検出された場合、当該第4の操作制御態様における条件が満たされたとして、上記第7座標領域Z7に対する演出受付を終了させる。そして、可動体Cが第4位置まで移動可能である旨決定されているときは、図127(b)に示されるように、演出受付可能とされる領域が設定されていないなかで可動体Cを第4位置まで移動させる制御を行うこととなる。これに対し、可動体Cが第4位置まで移動可能でない旨決定されているときは、図127(c)に示されるように、演出受付可能とされる領域が設定されていないなかで可動体Cを第1位置まで移動させる制御を行うこととなる。
ただしこの際、可動体Cが第4位置まで移動可能である旨決定されている場合であっても、可動体Cが下方向へと一旦移動する動き(可動体Cが第4位置(図127(b))まで移動するか否かの演出)を見せるようにしたり、可動体Cが第4位置まで移動可能でない旨決定されている場合であっても、可動体Cが上方向へと一旦移動する動き(可動体Cが第4位置(図127(b))まで移動するか否かの演出)を見せるようにすることが、遊技興趣の向上を図る上で望ましい。
そして、可動体Cが第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置に移動するときには、可動体Cが第1位置に位置していたときの発光態様(例えば、青色)や第2位置に位置していたときの発光態様(例えば、緑色)や第3位置に位置していたときの発光態様(例えば、赤色)とのいずれとも異なる発光態様(例えば、レインボー色)で発光させるようにしてもよいが、そのタイミングとしては、第1〜第3位置の場合とは異なり、第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが検出されたときではなく、それよりも遅いタイミング(可動体Cの動きから第4位置まで移動することが確定的に把握可能となるタイミング)以降で出現させるようにすることが望ましい。また、これと同様、可動体Cが第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置に移動するときも、第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが検出されたときではなく、それよりも遅いタイミング(可動体Cの動きから第4位置まで移動しないことが確定的に把握可能となるタイミング)以降で発光を終了させるようにすることが望ましい。
周辺制御基板1510は、可動体Cを、第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置に移動させた後は、所定時間の経過後、第1位置(原位置)まで移動させる制御を行うことで、当該第4の操作制御態様が終了されるようになる。
ところで、この第4の操作制御態様では、大当りの期待度にかかわらず、可動範囲CTの第1位置(図126(b))〜第3位置(図127(a))までの間は可動体Cを自在に動かすことが可能である。例えば、可動体Cを第2位置(図126(c))まで移動させた後に物理オブジェクトを第1駆動座標領域Z7−1側に戻すように操作した場合、周辺制御基板1510は、第1駆動座標領域Z7−1で物理オブジェクトが再び検出されたことに基づいて、可動体Cを、第2位置(図126(c))から第1位置(図126(b))まで移動させる制御を行う。また、可動体Cを第3位置(図127(a))まで移動させた後に物理オブジェクトを第2駆動座標領域Z7−2側に戻すように操作した場合、周辺制御基板1510は、第2駆動座標領域Z7−2で物理オブジェクトが再び検出されたことに基づいて、可動体Cを、第3位置(図127(a))から第2位置(図126(c))まで移動させる制御を行うこととなる。
このような構成によれば、可動体Cが第4位置(図127(b))まで移動するか否かの演出として、可動体Cを上下に小刻みに移動させる駆動態様を、遊技者の好みに応じて出現させたり、遊技者の好みに合った時間だけ行うことができるようになることから、演出で最終結果が現れるまでの「間」を操ることができるようになり、遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。なお、第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが検出された以降は、当該第4の操作制御態様に対する演出受付は終了されることから、可動体Cを自在に操ることはできなくなる。
なお、第6座標領域Z6(図126(a))が演出受付可能に設定(制御)されてから所定期間が経過(特定のタイミングが到来)するまでの間に第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが適正に検出されなかった場合は、第6座標領域Z6または第7座標領域Z7に対する演出受付が終了されるようになっている。この際、第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが適正に検出された場合に現れる可動体Cの挙動を生じさせるようにしてもよいし、こうした挙動を生じさせることなく、可動体Cを、予め定められた複数位置(図126(b)に示される第1位置(原位置)に位置させるように制御してもよい。
また、この説明例にかかる第4の操作制御態様では、大当りの期待度にかかわらず、可動範囲CTの第1位置(図126(b))〜第3位置(図127(a))までの間は可動体Cを自在に動かすことを可能としたが、これに代えて、可動範囲CTの第1位置(図126(b))〜第4位置(図127(b))の範囲内で上方側に位置するほど示唆される大当りの期待度が高くなるようにしてもよい。すなわちこの場合、周辺制御基板1510では、大当り判定の結果に基づいて大当り期待度の異なる複数の演出パターンのいずれかを選択し、該選択した演出パターンにより定められる位置(第1位置〜第4位置)まで可動体Cを動作可能に制御することとなる。なおこの際、物理オブジェクトが第1駆動座標領域Z7−1から第2駆動座標領域Z7−2に移動するときや、第2駆動座標領域Z7−2から第3駆動座標領域Z7−3に移動するときにも、可動体Cが次の位置まで移動するか否かの演出(行ったり来たりする挙動)を出現させるようにしてもよい。
また、表示部Dに対する第1〜第3の操作制御態様では、画像S1〜S4を演出受付可能にするときに正面視でこれら画像S1〜S4よりも大きな座標領域Z1〜4を発生させるのに対し、可動体Cに対する第4の操作制御態様では、可動体Cを演出受付可能にするときに正面視で該可動体Cよりも小さな第6座標領域Z6を発生させることとした。すなわち、可動体では、相対的に大きな移動量をもった部位と相対的に小さな移動量をもった部位などを含むことが多いことから、例えば、相対的に小さな移動量をもった部位を演出受付の対象から外すようにすることが遊技興趣の低下を抑制する上で望ましい。これに対し、表示部では、演出受付可能にする画像の大きさに合わせて座標領域を設定しようとすると、操作性を好適に維持するために大きな画像にすることが求められることとなり、他の表示画像とのバランスが悪くなったりすることが懸念されることから、演出受付可能にする画像については座標領域の設定範囲と切り離してその大きさを独自設定するようにすることが望ましい。
ただし、特定の座標領域(ここでは、第1駆動座標領域Z7−1〜第4駆動座標領域Z7−4)内で物理オブジェクトの移動を検出してこれに応じた演出を出現させる制御を行う場合は、例えば、第1駆動座標領域Z7−1で検出されていた物理オブジェクトが移動して、第2駆動座標領域Z7−2や第3駆動座標領域Z7−3を経ることなく第4駆動座標領域Z7−4で突然に検出される事態が生じるようなことも想定される。こうした事態は、例えば、第1駆動座標領域Z7−1で右手を検出対象とした後、この右手を移動させずに第4駆動座標領域Z7−4で左手を検出対象とした場合などに生じうるものであるから、物理オブジェクトは移動していないと判定し、該移動に応じた演出(可動体Cの移動など)を実行すべきではない。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、上述の周辺制御部定常処理(33.3ms毎)を実行しているなかで、4ms毎の割込タイマ処理を発生させ、この割込タイマ処理内で左側外周外光検出部35aからの情報と右側外周外光検出部35bからの情報とをそれぞれ取得して物理オブジェクトが検出された座標位置が示される座標情報として記憶する。そして、上述の周辺制御部定常処理内で、前回の周辺制御部定常処理が終了してから4ms毎に記憶された複数個(8,9個)の座標情報を解析することで
特定の座標領域(例えば、第1駆動座標領域Z7−1〜第4駆動座標領域Z7−4)内で物理オブジェクトが適正に移動しているか否かを判定するとともに、該判定の結果に応じてアクチュエータに対する制御データをセットする。そして、1ms毎の割込処理内において、こうしてセットされた制御データに基づいて可動体Cを駆動させる制御が行われることで、可動体Cが、物理オブジェクトが第4駆動座標領域Z7−4まで移動し終わっていない移動途中の段階にあるときから、物理オブジェクトの上記第6座標領域Z6内における正面視での移動に追従するように移動するようになる。なお、座標情報は、座標位置が取得された時系列順に記憶されている。
例えば、第1駆動座標領域Z7−1で物理オブジェクトが検出された後に第4駆動座標領域Z7−4内で物理オブジェクトが検出された場合であっても、該第4駆動座標領域Z7−4内で物理オブジェクトが検出されるよりも前のタイミングで、第2駆動座標領域Z7−2内で物理オブジェクトが検出されたことを示す座標情報と、第3駆動座標領域Z7−3内で物理オブジェクトが検出されたことを示す座標情報とがそれぞれ存在しなければ、物理オブジェクトは適正に移動しなかった旨判定されて、可動体Cを動作させないように制御することとなる。
すなわち、上記第4の操作制御態様にあって、可動体Cが、第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置から第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置までの移動を行う場合とは、第1駆動座標領域Z7−1で検出された物理オブジェクトが、第2駆動座標領域Z7−2内、第3駆動座標領域Z7−3内、及び第4駆動座標領域Z7−4内で時系列順でそれぞれ検出されている場合であり、例えば、第3駆動座標領域Z7−3内での検出がなければ、第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置までしか可動体Cは移動しないようになっている。これにより、特別操作受け部3333に対して適正な操作があった場合に限り、適正な演出を出現させることができるようになる。
また、第4の操作制御態様では、各座標領域Z7−1〜Z7−4で物理オブジェクトが検出されたかに応じて可動体Cを移動させる制御を行うこととしたが、これに限られず、例えば、可動体Cの可動範囲CT内で、第4駆動座標領域Z7−4に向かう方向へのベクトル成分をもった物理オブジェクトの移動が検出されたかに応じて可動体Cを移動させる制御を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、取得された時系列順に記憶されている座標位置に基づいて物理オブジェクトのベクトル成分を解析することとなる。
なお、この第4の操作制御態様で用いられた座標領域の設定制御や、物理オブジェクトの移動検出や、可動体Cの演出制御については、例えば、上述の第3の操作制御態様において、表示部内の画像S4に対して適用するようにしてもよい。
また、上記第3の操作制御態様や第4の操作制御態様では、特別操作受け部3333において物理オブジェクトの移動が開始されてからの該移動に関する検出(演出受付)が終了しておらず未だ継続されている間に、既に検出済みとされた物理オブジェクトの少なくとも移動方向と移動量とに応じた態様で演出対象(表示画像や可動体)を移動させる制御を行うこととした。このような構成では、遊技者自らが演出を作り上げるかのような演出性を生み出すことができるようになることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
ところで、第1の操作制御態様、第2の操作制御態様、第3の操作制御態様、及び第4の操作制御態様において、特別操作受け部3333に対する演出受付は、その際に設定されている座標領域内に限られる。ただし、特別操作受け部3333における物理オブジェクトの検出これ自体は常時(4ms毎に)行われており、検出された座標情報は、取得された時系列に対応付けして記憶されている。そして、周辺制御基板1510では、周辺制御部定常処理(33.3ms毎)内で、時系列に対応付けして記憶されている座標情報に基づいて物理オブジェクトの位置や動きなどを解析する。この点、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、特別操作受け部3333内に物理オブジェクトが検出された場合、解析内容が異なる複数の解析処理のいずれかを実行可能としており、特別操作受け部3333における物理オブジェクトの動きとして同じ動きが検出されたとしても解析結果に応じて異なる制御を行いうるものとなっている。
図128は、周辺制御部定常処理内で実行される物理オブジェクトの検出情報解析処理について、その制御例を示すフローチャートである。
すなわち、周辺制御基板1510では、まず、大当り判定の結果に応じた特定の演出条件が満たされたことに基づいて発生する操作演出受付期間にあるか否かを判断する(ステップS3301)。そしてこの結果、操作演出受付期間にある場合は、上述の通り、時系列に対応付けして記憶されている座標情報に基づいて、演出受付可能とされる座標領域内で物理オブジェクトが検出されているか否かを解析するとともに、演出受付可能とされる座標領域内に物理オブジェクトが検出されている場合には該物理オブジェクトの移動態様や大きさなどをさらに解析する(ステップS3302)。そして、こうした演出用の解析結果に基づいて、演出受付可能とされる座標領域に関する制御(再設定や、終了)や、表示画像や可動体などの演出対象に演出変化を生じさせる制御や、現状の演出状態を維持する制御を行うこととなる(ステップS3303)。なお、ステップS3302の処理が行われた結果、演出受付可能とされる座標領域内に物理オブジェクトが検出されなかった場合であっても、演出受付可能とされる座標領域に関する制御(再設定や、終了)や、表示画像や可動体などの演出対象を原位置に戻す制御(例えば、可動体Cを図126(a)に示される第1位置に移動させる制御)などを行う場合がある。
これに対し、ステップS3301の処理において、特別操作受け部3333に対して演出受付可能とされる座標領域が設定されている操作演出受付期間にない旨判断された場合は、上記演出用の解析内容とは異なる内容で解析を行う(ステップS3312)。すなわち、この実施の形態にかかる特別操作受け部3333は、遊技盤5全域と対向するかたちで設けられている。したがって、遊技球の入賞を不正に容易化させるべく特別操作受け部3333のうち各種の入賞口と対向する座標位置に磁石を置く行為や、扉枠3とガラス板192との隙間から針金などを侵入させて不正時に警報音を発するスピーカを破壊するような行為などが行われることが想定されうる。
そこで、上記ステップS3312の処理では、時系列に対応付けして記憶されている座標情報に基づいて、特別操作受け部3333内で不正行為が行われている可能性があるかについての解析を行うようにしている。例えば、特別操作受け部3333内で物理オブジェクトが検出されているか否かを判断するとともに、特別操作受け部3333内で物理オブジェクトが検出されている場合には該物理オブジェクトの移動態様や大きさなどが不正行為が行われているときに現れうる移動態様や大きさなどと一致するかを解析する。そして、こうした不正対策用の解析結果、不正行為が行われている可能性がある旨判定された場合は、不正行為が行われている旨を示す外部出力を実行したり警報音や警報光を発するなどの不正対策が行われるように制御し(ステップS3313)、不正行為が行われている可能性がある旨判定されなかった場合は、こうした不正対策が行われないように制御する(ステップS3313)。
このような不正対策用の解析手順(ステップS3312)としては、例えば、まず、特別操作受け部3333内で物理オブジェクトが検出されたときに、該検出された座標位置を解析用基準位置として設定(記憶)する。次いで、該解析用基準位置を含んで該解析用基準位置から所定距離分だけ広がる解析用座標範囲を設定し、上記検出された物理オブジェクトが該解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けるか(物理オブジェクトがほとんど移動しないか)を監視する。そしてこの結果、上記検出された物理オブジェクトが該解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けた場合は、該解析用座標範囲内で何らかの不正行為が行われている可能性がある旨判定するようにする手法を採用することが可能である。なおこの際、物理オブジェクトの大きさが不正行為を行い得ない大きさ(極めて薄い形状をしているなど)であるときには、こうした移動態様が検出された場合であっても不正行為が行われている可能性がある旨判定しないようにしてもよい。これにより、ガラス板192に汚れなどが付着したときに誤って不正報知されるようなことを抑制することができるようになる。
このような構成によれば、操作演出受付期間にある場合は、あらゆる行為が行われていたとしても不正行為として判断されることはなく、演出行為としてのみの解析が行われて該解析の結果に応じた演出制御が行われるのに対し、操作演出受付期間にない場合は、あらゆる行為を不正行為の解析対象として判定し、該解析の結果に応じた不正対策用の制御が行われうるようになる。したがって、特別操作受け部3333において一の事象(例えば、30秒にわたって特定の座標領域にて物理オブジェクトが検出される事象)が発生してこれが検出された場合であっても、演出状況によっては、演出行為とみなされて特定の演出変化を生じさせることもあれば、不正行為とみなされて不正報知されてしまうこともありえるようになる。このように、一の検出情報を、異なる複数の目的(ここでは、演出目的と不正対策目的)に遊技や演出の状況に応じて使い分けるようにしたことで、より少ない検出情報でより多くの目的を達成し得るようになり、効率的な制御構造を実現することができるようになる。
なお、この説明例では、大当り判定の結果に応じた特定の演出条件が満たされたことに基づいて発生する操作演出受付期間にないときは、特別操作受け部3333に対する操作によって演出変化を生じさせないものとして説明したが、該操作演出受付期間にないときにも(常時)、特別操作受け部3333における物理オブジェクトの検出によって表示画像が変化したり、可動体が発光、移動したりするようにしてもよい。ただしこの場合、操作演出受付期間にないときは、あらゆる行為を不正行為の解析対象として判定するほか、演出行為の解析対象としても判定し、これらの判定の結果に応じた制御をそれぞれ行うこととなる。したがって、特別操作受け部3333において一の事象が発生したときに演出変化と不正報知との両方が出現しうるようになる。
また、物理オブジェクトが解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けるかの監視をしている途中段階で、大当り判定の結果に応じた特定の演出条件が満たされたことに基づいて操作演出受付期間が発生した場合は、当該不正対策用の解析処理を終了させず、物理オブジェクトが解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けるかの監視を、該操作演出受付期間が発生した以降も継続して行うようにすることが望ましい。すなわちこの場合、操作演出受付期間にあるときに、演出用の解析処理とその結果に応じた制御を行うほか、物理オブジェクトが解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けるかの監視を継続し、該監視の結果によっては不正報知を行うこととなる。
ところで、特別操作受け部3333において第1の演出事象(例えば、可動体を移動させる演出)に関する演出受付が許容される第1演出期間にあるときに、特別操作受け部3333とは異なる操作手段(例えば、操作ボタン410)において第2の演出事象(例えば、表示画像を変化させる演出)に関する演出受付が許容される第2演出期間をさらに発生させる制御を行うようにしてもよい。
例えば、図129(a)に示されるように、タイミングt1において、特別操作受け部3333において第1の演出事象(例えば、可動体を移動させる演出)に関する演出受付(パネル操作受付)が許容される第1演出期間が発生したとする。なお、この第1演出期間では、当該期間が発生してから第1の受付時間が経過したタイミングt2が到来するまでの間、特別操作受け部3333において物理オブジェクトの移動が開始されてからの該移動に関する検出(解析)が終了しておらず未だ継続されている間に、既に検出(解析)済みとされた物理オブジェクトの少なくとも移動方向と移動量とに応じた態様で可動体を動作させる制御(例えば、物理オブジェクトの移動に追従するように特定の可動体を移動させる制御など)が実行可能とされる。
この点、周辺制御基板1510では、大当り判定の結果に基づいて特定の演出条件が満たされた旨判断した場合は、上記第1演出期間を発生させてこれが未だ終了されずに継続されている間に、特別操作受け部3333とは異なる操作手段(例えば、操作ボタン410)において第2の演出事象(例えば、表示画像を変化させる演出)に関する演出受付(ボタン操作受付)が許容される第2演出期間を発生させるように定められている演出パターンや予告演出などを設定する制御を実行可能としている。
すなわちこの場合、第1演出期間が発生している間にタイミングt11が到来すると、操作ボタン410において第2の演出事象(例えば、表示画像を変化させる演出)に関する演出受付(ボタン操作受付)が許容される第2演出期間を発生させる制御を行う。そして、こうして第2演出期間が発生してから第2の受付時間が経過したタイミングt12が到来するまでの間に操作ボタン410に対する操作が受け付けられたときには、その時点で当該第2演出期間を終了させる。若しくは、タイミングt12が到来するまでの間に操作ボタン410に対する操作が受け付けられたなかったときには、タイミングt12が到来したときに当該第2演出期間を終了させることとなる。
このような構成によれば、第1の演出事象に関する演出受付が第1の操作部位(ここでは、特別操作受け部3333)で許容される第1演出期間と、第2の演出事象に関する演出受付が第2の操作部位(ここでは、操作ボタン410)で許容される第2演出期間との両方が同時発生するようになる(図129(a)に示されるタイミングt11〜t12)。しかも、上記構成では、第1演出期間と第2演出期間との終了タイミングが異なっており、第1演出期間に遅れて発生した第2演出期間のほうが先に終了されるようになっている。すなわちこの場合、第1演出期間に遅れて第2演出期間が発生すると、第1の操作部位を操作している途中であったとしても該操作を中断して第2の操作部位を操作するか、第1の操作部位と第2の操作部位とを同時に異なる態様で操作することが求められることとなり、これまでに無い面白みのある演出操作性を提供して遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
なお、このような演出操作性を好適に実現する上では、図129(b)に示されるように、第2の演出事象に関する演出受付(相対的に短時間の経過で終了される側の演出受付)については、第2の操作部位(ここでは、操作ボタン410)で所定回数(好ましくは1回)や所定量の操作(有限量の操作)が行われたことが検出されたときに演出実行条件が満たされたとして、それ以降は操作を必要とせずに第2の演出事象(例えば、表示画像を変化させる演出動作)を発生させる制御を行うようにすることが望ましい。例えば、操作ボタン410に対して1回の押圧操作が検出されると、タイミングt12が到来するよりも前に第2演出期間を終了させ、これ以降は操作を必要とせず、表示画像に演出変化を生じさせる制御などがこれに該当する。
これに対し、第1の演出事象に関する演出受付(相対的に長時間の経過で終了される側の演出受付)については、少なくとも第2演出期間が終了するまでの間、さらにはそれ以降も第1の操作部位に対する操作回数や操作量などにかかわらず第1の演出事象に関する演出受付を終了させずに継続し、該継続されている間に第1の操作部位に対する操作が行われる都度、該操作に応じた演出変化を反映させる制御を行うようにすることが望ましい。例えば、特別操作受け部3333内で検出される物理オブジェクトの移動を解析し、該物理オブジェクトの移動態様(移動量など)に応じて演出受付を終了させることなくこれを継続し、こうして物理オブジェクトの移動が定期的(33.3ms毎)に解析される都度、該解析された最新の座標位置まで可動体を移動させる処理を繰り返し実行する制御などがこれに該当する。
このような構成によれば、第1演出期間に遅れて第2演出期間が発生したときに第1の操作部位に対する操作を中断した場合であっても、第1の操作部位に対する操作機会は失われないことを好適に保証することができることから、該中断による遊技興趣の低下が抑制されるようになる。また、第1の操作部位に対する操作を中断した後、第2の操作部位を操作すれば比較的早い段階で第2演出期間を終了させることができ、それ以降は該第2の操作部位に対する操作を必要とせずに該操作に応じた演出変化(第2の演出事象)が生じるようになることから、第1の操作部位に対する操作を比較的早い段階で再開させることができるようになり、第1の操作部位に対する操作機会についてもこれが好適に確保されるようになる。
そしてこの場合、第1の操作部位に対する操作が再開される状況では、第2の操作部位に対する操作に応じた演出変化(第2の演出事象)が今まさに開始されるところとなり、第1の操作部位に対する操作機会が提供されるなかで第2の演出事象を楽しむことができる、といった特殊な演出状況を発生させることができるようになる。この点、「第2の操作部位に対する操作を行うと特定表示画像の大きさが変化する演出事象が発生するようにしておき、第1の操作部位に対する操作を行うと特定表示画像が特定位置まで移動する演出事象が発生するようにする」など、上記第2の演出事象の演出対象の態様に影響を及ぼすこと(変化させること)を上記第1の演出事象として設定するようにすれば、上記特殊な演出状況において、第1の操作部位に対する操作によって上記第2の演出事象の演出対象の態様を変化させながら、第2の演出事象を楽しむことができるようになり、よりダイナミックで自由度の高い操作性とこれに適した演出性とが実現されるようになる。
ここで、第1の操作部位に対する操作を行ったときに上記第2の演出事象の演出対象の態様に影響を及ぼすこと(変化させること)の例としては、例えば、第2の演出事象の演出対象(表示画像や、可動体など)の移動量、移動方向、移動速度、発光態様(光の色や進行方向、光量など)、大きさ、または形状の少なくとも1つを変更することを挙げることができるが、これらに限られず、第2の演出事象の演出対象(表示画像や音響演出、可動体など)に何らかの影響を及ぼすことができるものであればよい。すなわち、第1の操作部位に対する操作演出の対象と、第2の操作部位に対する操作演出の対象とを同じ演出対象にしながらも、該演出対象に生じさせる演出の態様(例えば、第1の操作部位に対する操作演出では大きさを変化させ、第2の操作部位に対する操作演出では表示位置を変化させる)を互いに異ならせるようにしておけばよい。また、第1演出期間については、必ずしも有限の時間として設定されるものでなくてもよく、第2演出期間が終了した以降も第1の操作部位に対する操作を受け付けるものであり、第2の演出事象が発生しているときに第1の操作部位に対する操作を行うことができるものであればよい。
また、第1演出期間と第2演出期間との両方が同時発生している期間では、第1の演出事象に関する演出受付と第2の演出事象に関する演出受付とのうち、第2の演出事象に関する演出受付についてのみ、操作指示を促す表示や、上記第2演出期間としての最大残り時間を示唆する表示を行うようにすることが、第1の操作部位に対する操作の中断を好適に促すようにする上で望ましい。
なお、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、こうした演出の関係性を好適に実現するために、第1演出期間に遅れて第2演出期間を発生させる制御を行うことはあっても、第2演出期間に遅れて第1演出期間を発生させることはないように制御することとしている。
また、上記説明例では、第1演出期間と第2演出期間との両方が同時発生するようにしたが、第1演出期間に遅れて第2演出期間が発生する場合は、第1演出期間を一時終了させ、第2演出期間が終了するときに第1演出期間を再び発生させるようにしてもよい。この場合であっても、第1の操作部位に対する操作を行ったときに上記第2の演出事象の演出対象の態様に影響を及ぼすようにした上述の操作性と演出性とを実現することは可能である。
また、上記説明例では、第1の操作部位に対する操作が行われる都度、該操作に応じた演出変化を反映させる制御を行うこととしたが、第1の操作部位に対して複数回の操作があったときに、該操作に応じた演出変化を反映させる制御を行うようにしてもよい。
そして、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、上述した各説明例にかかる制御手法を適宜に用いて、以下のような様々な操作受付演出を実現可能としている。
[特別操作受け部3333を用いた演出例1]
例えば、いま、図130(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて演出例1の演出パターン(演出例1の変動パターン)が設定され、表示部Dにおいて該演出例1の演出パターンで装飾図柄SZの変動が行われているとする。すると、周辺制御基板1510では、該演出例1の演出パターンが現れている期間内において、特別操作受け部3333のうち可動体A1,A2と対向する座標領域(図示略)を演出受付可能に設定(制御)する操作演出期間を発生させる。
ここで、演出例1の演出パターンとしては、少なくとも、可動体A1を動作させるように定められている演出例1の演出パターンA1と、可動体A2を動作させるように定められている演出例1の演出パターンA2とが含まれている。ただし、可動体A1は、遊技盤5の表側にて遊技者側から視認可能に設けられているのに対し、可動体A2は、遊技盤5の背後側で遊技者側から視認し難くされており且つ正面視で可動体A1と重なる位置にて設けられている。したがって、周辺制御基板1510では、上記演出例1の演出パターンとしていずれの演出パターンA1,A2が行われる場合であっても、表示部Dにおいては、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライドさせる操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG1を表示することとしている。またこれも同様、いずれの演出パターンA1,A2が行われている場合であっても、可動体A1を発光させてこれと対向する座標領域(図示略)を操作すべき旨を示唆するようにしている。
そして、演出パターンA1が行われているなかでこうしたスライド操作が適正に受け付けられた場合、周辺制御基板1510では、図130(b)に示されるように、遊技者によるスライド操作に追従させるかたちで可動体A1の左方向への移動を開始させるように制御する。なおこの状況においても、表示部Dでは、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライド操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG1が表示されるとともに、可動体A1は、発光状態にされている。
そして、演出パターンA1が行われているなかでこうしたスライド操作が特定箇所まで達すると、周辺制御基板1510では、図131(a)に示されるように、遊技者によるスライド操作に追従させるかたちで可動体A1を特定の演出位置まで移動させた後、該可動体A1に対する演出受付が許容される操作演出期間を終了させるように制御する。なおこの状況においては、表示部Dでは、可動体A1を特定の演出位置まで移動させることに成功して大当り判定に対する期待度が高いことが示唆される表示が現れるとともに、可動体A1では、発光の態様や形状が変化するなどの演出が行われるようにすることが望ましい。
ただし、演出パターンA1が行われているなかで遊技者によるスライド操作が特定箇所まで達した場合であっても、所定の演出条件が満たされていない場合は、周辺制御基板1510では、図131(b)に示されるように、遊技者のスライド操作に対する可動体A1の追従移動が中断されるべく可動体A1に対する演出受付が許容される操作演出期間を終了させ、該可動体A1を原位置に戻すように移動させる制御を行う。そしてこの場合、表示部Dでは、可動体A1を特定の演出位置まで移動させることに失敗して大当り判定に対する期待度が低いことが示唆される表示が現れるとともに、可動体A1では、発光が終了されるように制御することとなる。
これに対し、演出パターンA2が行われているなかで遊技者のスライド操作が適正に受け付けられた場合、周辺制御基板1510では、図130(c)に示されるように、遊技者によるスライド操作に追従させるかたちで可動体A2の左方向への移動を開始させるように制御する。なおこの状況においても、表示部Dでは、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライド操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG1が表示されるとともに、可動体A1は、発光状態にされている。ただしこれに加えて、可動体A2も、発光状態にされるように制御されている。
そして、演出パターンA2が行われているなかでこうしたスライド操作が特定箇所まで達すると、周辺制御基板1510では、図131(c)に示されるように、遊技者によるスライド操作に追従させるかたちで可動体A2を特定の演出位置まで移動させた後、該可動体A2に対する演出受付が許容される操作演出期間を終了させるように制御する。なおこの状況においては、表示部Dでは、可動体A2を特定の演出位置まで移動させることに成功して大当り判定に対する期待度が極めて高いことが示唆される表示が現れるとともに、可動体A2では、発光の態様や形状が変化するなどの演出が行われるようにすることが望ましい。
ただし、演出パターンA2が行われているなかで遊技者によるスライド操作が特定箇所まで達した場合であっても、所定の演出条件が満たされていない場合は、周辺制御基板1510では、図131(b)に示されるように、遊技者のスライド操作に対する可動体A2の追従移動が中断されるべく可動体A2に対する演出受付が許容される操作演出期間を終了させ、該可動体A2を原位置に戻すように移動させる制御を行う。そしてこの場合、表示部Dでは、可動体A2を特定の演出位置まで移動させることに失敗して大当り判定に対する期待度が低いことが示唆される表示が現れるとともに、可動体A1,A2では、発光が終了されるように制御することとなる。
このような演出例1によれば、可動体A1が動作するかのように見せる図130(a)に示される状況が現れているなかで、遊技者によるスライド操作が行われると、可動体A1ではなく、視認し難くされていた可動体A2が突然に登場するかたちで移動するようになることから、このような演出対象が入れ替わったかのようなサプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、図示は割愛するが、このような演出例1によれば、図130(a)の状況が現れてから図130(c)の状況が現れるまでの期間内で、遊技者によるスライド操作によって可動体A2が移動開始しているもののこれが未だ視認し難い位置(遊技盤5の背後側)にあり、遊技者側から見ると、何らの演出変化も発生していないかのように見える状況が現れうるようになる。すなわちこの場合、遊技者によるスライド操作が適正に行われているにもかかわらず何らの演出変化も発生していないことへの落胆を生じさせてから、可動体A2が表示部Dの前方側へと出現するようになることから、このようなサプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。
また、上記演出例1では、図131(a),(c)に示されるように、可動体A1,A2を、変動状態にある装飾図柄SZと重なる位置にまで進出させるようにしていることから、装飾図柄SZから可動体A1,A2へと遊技者による注視を移すことが促されるようになり、可動体A1,A2のいずれが出現したのかを見逃し難くすることができるようになる。
しかも、上記構成では、可動体A1が出現した場合と可動体A2が出現した場合とで装飾図柄SZと重なる態様が異なるようになっていることから、装飾図柄SZから可動体A1,A2へと遊技者による注視を移すことに失敗した場合であっても、装飾図柄SZが視認し難くされた部分の大きさや位置などを確認することで、可動体A1,A2のいずれが出現したのかを予測することができるようになり、可動体A1,A2のいずれが出現したのかを見逃したときの遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
なお、上記演出例1では、可動体A1を遊技盤5よりも前側に配設するとともに、可動体A2を遊技盤5よりも背後側に配設することとしたが、遊技盤5よりも前側に可動体A1,A2をいずれも配設することとしてもよいし、遊技盤5よりも背後側に可動体A1,A2をいずれも配設することとしてもよい。
ここで、遊技盤5よりも前側に可動体A1,A2をいずれも配設する場合は、可動体A2を視認し難くなるようにその前側に可動体A1を配設することとなり、該可動体A1が移動するときにもその可動ベース部(移動しない部分)などが可動体A2の前側にて位置し続けるようにすることで、可動体A2の視認し難さを維持することが望ましい。
これに対し、遊技盤5よりも背後側に可動体A1,A2をいずれも配設する場合は、遊技者による操作によって可動体A1,A2のいずれが現れるかについての楽しみを付与することができるようになる。なおこの場合は、遊技盤5のうち可動体A1,A2の前側に位置する部分を発光させるようにして、該部分に対向する座標領域(特別操作受け部3333)への操作を促すようにすることが望ましい。
また、上記演出例1では、可動体A1,A2の可動方向(左方向)が同じになるように設定することとしたが、これに限られない。例えば、可動体A1の可動方向を左方向に設定し、可動体A2の可動方向を上方向に設定した場合は、左方向を示唆する操作指示(示唆画像HG1)に促されて左方向に遊技者によるスライド操作が行われたにもかかわらず、可動体A2が上方向に移動することとなり、このようなサプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。若しくは、可動方向が左方向に設定されている可動体A1に対する操作が促されているにもかかわらず、上方向を示唆する操作指示を出現させるようにして、上方向に遊技者によるスライド操作が行われると、視認し難くされていた可動体A2が上方向に移動して出現するようにしてもよい。
また、上記演出例1では、遊技者による操作によって可動体A2が出現するとき、可動体A1が動作しないようにしたが、これに限られない。例えば、遊技者による操作によって可動体A2を移動させるときに可動体A1も遊技者によるスライド操作に追従して移動させるようにする。そして、可動体A1,A2が所定距離だけ移動した後、可動体A1のみを原位置まで戻るように移動させるようにしても、サプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。若しくは、遊技者による操作によって可動体A2を移動させるにあたり、まずは、可動体A1のみを遊技者によるスライド操作に追従して移動させるようにする。そして、可動体A1が所定距離だけ移動した後、可動体A1を原位置まで戻るように移動させるとともに、可動体A2を遊技者によるスライド操作に追従して移動させるようにしても、サプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。ただし、遊技者による操作対象を可動体A1,A2の間で入れ替える際には、遊技者による操作を所定箇所にて所定時間(可動体A2が所定箇所に移動するまでに要する時間)にわたって留まらせる演出を実行するようにすることが望ましい。
また、上記演出例1では、可動体A2が移動している状況において(図130(c)、図131(c)を参照)、可動体A1及び可動体A2をそれぞれ発光させることとしたが、該状況においては可動体A1は必ずしも発光しなくてもよい。すなわちこの場合、可動体A1と対向する座標領域(特別操作受け部3333)で物理オブジェクトの検出があったタイミングや、可動体A2が表示部Dの前方側へと進出を開始して原位置にあるときよりも視認し易くされたタイミング(所定位置まで移動したタイミング)などで可動体A1の発光を終了させる制御を行うこととなる。
また、上記演出例1やその別例では、可動体A2を、可動体A1と正面視で重なる後方側に配設することとしたが、可動体A1に代えて盤面発光部Eを配設するようにしてもよい。すなわちこの場合、可動体A2を移動させるにあたり(図130(a)に示される状況において)、可動体A2の前側に位置する盤面発光部Eを発光させることで、視認し難い状態にある可動体A2と対向する座標領域(特別操作受け部3333)への操作を促すこととなる。
また、上記演出例1にかかる表示部Dでは、図130(a)〜(c)に示される各状況において、可動体A1,A2の位置する箇所にかかわらず、示唆画像HG1においては一の演出状況(いずれの可動体も動作していない初期状況)を示すようにした。ただしこれに代えて、可動体A1,A2の位置する箇所に応じて示唆画像HG1の表示態様を変化させ、該示唆画像HG1を見るだけでも可動体A1,A2の移動状況を認識可能とするようにしてもよい。
[特別操作受け部3333を用いた演出例2]
例えば、いま、図132(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて演出例2の演出パターン(演出例2の変動パターン)が設定され、表示部Dにおいて該演出例2の演出パターンで装飾図柄SZの変動が行われているとする。すると、周辺制御基板1510では、該演出例2の演出パターンが現れている期間内において、特別操作受け部3333のうち可動体A1と対向する座標領域(図示略)を演出受付可能に設定(制御)する操作演出期間を発生させる。
ここで、演出例2の演出パターンとしては、少なくとも、可動体A1を動作させるように定められている演出例2の演出パターンA1と、可動体A1と可動体Bとをそれぞれ動作させるように定められている演出例2の演出パターンABとが含まれている。そして、演出例2の演出パターンA1では、上述の演出例1の演出パターンA1の場合と同様、図130(a),(b)、及び図131(a)(若しくは、図131(b))に示される態様で可動体A1に対する操作演出の受付機会が提供されて、可動体A1が移動するようになっている。これに対し、演出例2の演出パターンABでは、可動体A1に対する操作演出の受付機会が提供された後、可動体Bに対する操作演出の受付機会が提供されるようになっている。したがって、周辺制御基板1510では、上記演出例2の演出パターンとしていずれの演出パターンA1,ABが行われる場合であっても、表示部Dにおいては、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライドさせる操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG1を表示することとしている。またこれも同様、いずれの演出パターンA1,ABが行われている場合であっても、可動体A1を発光させてこれと対向する座標領域(図示略)を操作すべき旨を示唆するようにしている。
ただし、演出例2の演出パターンABでは、可動体A1と対向する座標領域(図示略)への操作が受け付けられると(物理オブジェクトが検出されると)、可動体A1に対して特定の演出事象を発生させず、まずは、図132(b)に示されるように、表示部Dにおける示唆画像HG1を非表示にし、可動体A1と対向する座標領域における演出受付を中断させる制御を行う。なおこの際、表示部Dにおける装飾図柄SZについては、視認可能ではあるものの視認し難い態様で表示(半透明での表示など)されるようにすることが望ましく、可動体A1の発光状態も中断させるようにすることが望ましい。
そして次に、図132(c)に示されるように、こうして示唆画像HG1が非表示にされた表示部Dにおいて、特別操作受け部3333とは別の操作手段(操作ボタン410など)に対する操作を促す操作指示画像SGを表示するとともに、該別の操作手段(操作ボタン410など)を用いた特定演出の操作受付期間を発生させる。そして、該特定演出の操作受付期間において別の操作手段(操作ボタン410など)に対する操作が受け付けられると、図133(a)に示されるように、表示部Dにおける操作指示画像SGを非表示にするとともに、当初演出対象として示されていた可動体A1とは異なる可動体Bを動作させるように制御する。なお、この演出例2では、表示部Dの前方側まで可動体Bを所定時間だけ進出させるようにしている。
そして、演出例2の演出パターンABでは、こうして可動体Bが動作した後に、図133(b)に示されるように、表示部Dにおいて、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライドさせる操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG2を表示するとともに、特別操作受け部3333のうち可動体A1と対向する座標領域(図示略)を演出受付可能に設定(制御)する操作演出期間を再び発生させる。なおこの際、可動体A1の演出操作の機会が再び付与されることとなるが、図132(a)に示される状況が現れた以降、可動体Bが動作せずに可動体A1が動作する上記演出例2の演出パターンA1よりも、可動体Bが動作した後に可動体A1が動作する当該演出例2の演出パターンABのほうが期待度が高くなるように設定することが望ましい。そしてこの場合、図133(b)に示されるように、示唆画像HG2の表示態様を、図132(a)に示した示唆画像HG1と異なるようにして期待度が高い演出パターンであることを示唆するようにしたり、可動体A1の発光態様を、図132(a)に示した可動体A1の発光態様と異なるようにして期待度が高い演出パターンであることを示唆するようにすることが望ましい。
なお、演出例2の演出パターンABでは、図133(b)に示される状況が現れた以降は、上述の演出例1の演出パターンA1の場合と同様、図130(b)、及び図131(a)(若しくは、図131(b))に示される態様で可動体A1に対する操作演出の受付機会が提供されて、可動体A1が移動するようになっている。また、図133(b)に示される状況が現れた以降、上述の演出例1の演出パターンA2の場合と同様、図130(c)、及び図131(c)(若しくは、図131(b))に示される態様で可動体A1に対する操作演出の受付機会が提供されて、可動体A1が移動する演出パターンが現れるようにしてもよい。
特に、この演出例2の演出パターンABでは、図133(b)に示したように、期待度が高い演出パターンであることを示唆する示唆画像HG2を出現させたり、可動体A1の発光態様を異ならせるようにしていることから、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライドさせる操作を行ったときに現れる可動演出としてもこれを演出例2の演出パターンA1の場合とは異なる特別な実行態様で行うようにすることが望ましい。
このような演出例2の演出パターンABによれば、第1の操作部位(ここでは、特別操作受け部3333)を用いた第1の演出機会をまずは付与する(この状況では、第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)に対する第2の演出機会は付与されていない)にもかかわらず、第1の操作部位を操作してこれが演出受付されると、該第1の操作部位とは異なる第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)に対する第2の演出機会が付与されて上記第1の演出機会は一旦喪失されるようになる。そして、第1の演出機会が一旦喪失されている状況において第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)を操作してこれが演出受付されると、該演出受付に応じた第2の演出事象(ここでは、可動体Bの動作)が発生するようになる。すなわちこの場合、第1の操作部位に対する演出受付がなされたときに第2の操作部位に対する第2の演出機会が付与されるか否かについての演出性を生じさせることができるようになり、複数の操作部位を用いた斬新な操作性が提供されるようになる。
なお、このような複数の操作部位を用いた斬新な操作性を好適に実現する上では、第2の操作部位については常には物理的に操作し難い態様にて設けるようにすることが望ましい。そして、第2の操作部位に対する第2の演出機会を付与する旨判断された場合は、第1の操作部位に対する演出受付がなされたことに基づいて第2の操作部位を物理的に操作し難い態様から操作し易い態様へと制御し、該操作し易い態様にあるときに該第2の操作部位に対する演出受付を許容するようにすることが望ましい。ここで、「物理的に操作し難い態様」とは、例えば、第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)が他の部材によって覆われて操作困難とされる態様や、第2の操作部位が既に操作されたときの状態で位置している態様などのことであり、「物理的に操作し難い態様から操作し易い態様へと制御」とは、例えば、第2の操作部位これ自体を他の部材によって覆われない位置まで動作させる制御や、第2の操作部位を覆っている他の部材を該第2の操作部位を覆わない位置まで動作させる制御や、第2の操作部位を操作されたときの状態とは異なる位置まで動作させる制御などとして実現可能である。またこの場合、第2の操作部位を物理的に操作し難い態様から操作し易い態様へと制御する契機としては、必ずしも第1の操作部位に対する演出受付がなされたときでなくてもよく、特定の演出パターンが実行されてから特定の時間が経過したときなどであってもよい。いずれにしろ、第1の操作部位に対する演出受付がなされたときに第2の操作部位に対する第2の演出機会を付与するにあたり、第2の操作部位これ自体やその近傍に設けられる部材を動作させるようにすることは、第1の操作部位から第2の操作部位へと操作の対象が変更されたことや該変更によって期待度が高くなることを示唆する上で望ましい。
また、上記演出例2の演出パターンABでは、第1の操作部位(ここでは、特別操作受け部3333)を用いた第1の演出機会を付与した後、第1の操作部位を操作してこれが演出受付されたことに基づいて第2の演出機会を付与することとした。ただし、第1の操作部位(ここでは、特別操作受け部3333)を用いた第1の演出機会を付与してから(若しくは、示唆画像HG1を表示してから)所定時間の経過後に該第1の操作部位とは異なる第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)に対する第2の演出機会が付与されて上記第1の演出機会が一旦喪失されるようにしてもよい。なおこの場合、所定時間が経過するまでの間は第1の操作部位に対する操作によって第1の演出事象を発生させることとなるが、所定時間が経過したことに基づいて第1の演出事象を終了(演出対象が可動体である場合は、可動体を原位置まで戻すように制御)させることとなる。若しくは、第1の操作部位を用いた第1の演出機会は付与せず、示唆画像HG1を表示してから所定時間の経過後に該第1の操作部位とは異なる第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)に対する第2の演出機会が付与されるようにしてもよい。すなわちこの場合、示唆画像HG1が表示されているにもかかわらず第1の操作部位に対する操作によって演出受付がなされないときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、上記演出例2の演出パターンABでは、示唆画像HG1を表示した後、該示唆画像HG1を非表示にすることとしたがこれに限られず、例えば、示唆画像HG1を表示したままで図132に示される操作指示画像SGをさらに表示するようにしてもよい。このような構成によれば、示唆画像HG1がより期待度の高い示唆画像HG2に変化する様子を描写することができることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。ただしこの際、第1の操作部位に対する演出受付が行われない状態において示唆画像HG1を表示する場合は、該示唆画像HG1の表示態様を変化(例えば、カラー表示から白黒表示にしたり、半透明などの相対的に視認し難い表示態様にしたりするなど)させるようにすることが望ましい。またさらに、示唆画像HG1の表示残り時間(第1の操作部位に対する演出受付がなされる残り時間)が示される計時画像を併せて表示させておき、第1の操作部位に対する演出受付が行われない状態においては該残り時間が減少しない様子を該計時画像によって示すようにすれば、第1の操作部位に対する演出受付が行われる残り期間が減らない状態にあることを遊技者に認識させることができるようになり、安心して別の操作手段(例えば、操作ボタン410)を用いた遊技を楽しませることができるようになる。なおこの場合、第1の操作部位に対する演出受付が行われない状態にあるにもかかわらず該演出受付がなされる残り時間が所定量だけ減少したように見せてから、該残り時間が減少しない様子を上記計時画像によって示すようにすれば、より面白みのある演出性を提供することができるようになる。
また、上記演出例2の演出パターンABでは、示唆画像HG1を表示した後、第1の操作部位に対する演出受付が行われたことに基づいて第1の操作部位に対する演出受付が行われない所定の期間を発生させ、該所定の期間において示唆画像HG1の表示態様を変化(例えば、カラー表示から白黒表示にしたり、半透明などの相対的に視認し難い表示態様にしたりするなど)させるとともに、計時画像によって残り時間が減少しない様子(表示メータが減少せず静止状態になるなど)を示すようにしてもよい。またこの際、表示部Dにおける示唆画像HG1とは異なる画像の表示態様も変化させるようにすることが望ましい。なおこの場合、第2の演出機会が提供された後に所定の期間が終了すると、示唆画像HG1の表示態様をより期待度の高い態様に変化させ、第1の操作部位に対する演出受付が再び行われるようにしてもよい。
また、上記演出例2の演出パターンでは、可動体A1を演出対象とする操作を促す示唆画像HG1を表示した後(若しくは、示唆画像HG1が表示されている状態で)、可動体Bを動作させうるようにしたが、該可動体Bについては、遊技者による操作によって動作するものでなくてもよく、例えば、所定の動作条件が満たされるかの判定で特別結果が得られたことに基づいて動作する非操作可動体であってもよい。このような非操作可動体を採用する場合、動作することが決定された(特別結果が得られた)としても該非操作可動体についての操作指示が行われることはなく、操作受付がなされることもない。この点、非操作可動体についての所定の動作条件が満たされるかの判定を、演出パターンの実行状況に関わらずに適宜に発生させるようにしておけば、他の演出対象(可動体や表示画像など)についての示唆画像HG1が表示されている状態で非操作可動体を動作させる旨の決定が密かに行われうるようになることから、他の演出対象に関する操作指示が出現して操作が受け付け可能とされているなかで、これとは関係のない非操作可動体が突如として動作する可能性や、特殊可動体と他の演出対象とが同時に動作する可能性などを持たせることができるようになり、こうした意外性のある操作演出によって遊技興趣の向上が図られることを期待できるようになる。
また、表示部D内に示唆画像HG1,HG2や、操作指示画像SGが現れている場合、その対象とされる操作部位(特別操作受け部3333のうちの特定の座標領域や、操作ボタン410など)のみを演出受付可能とするのではなく、示唆画像HG1,HG2や、操作指示画像SGが現れている部分と対向する座標領域(特別操作受け部3333)においても演出受付可能とするようにしてもよい。このような構成によれば、操作部位を認識することができなかった場合であっても、表示部D内に現れる特定画像(示唆画像HG1,HG2や、操作指示画像S)を操作するだけで同様の演出を発生させることができるようになり、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
上記実施の形態では、特別操作受け部3333において物理オブジェクトの移動が開始されてからの該移動に関する検出が終了しておらず未だ継続されている間に、既に検出済みとされた物理オブジェクトの少なくとも移動方向と移動量とに応じた態様で演出対象(表示画像や可動体)を移動させる制御を実行可能としたが、該演出対象の移動にかかる制御を行うにあたり、物理オブジェクトの移動速度を検出し、該移動速度の高低を可動体の動きに反映させるようにしてもよい。
また、上記実施の形態にかかるパチンコ機1では、特別操作受け部3333を用いた操作演出を実現するにあたり、該特別操作受け部3333のうち操作対象とされる部位と対向する座標領域にて演出受付がなされるようにしたが、必ずしも操作対象とされる部位と対向する座標領域でなくてもよく、特別操作受け部3333のうちの特定の座標領域にて演出受付がなされるようにしてもよい。
また、上記実施の形態にかかるパチンコ機1では、特別操作受け部3333に対する操作(指などの物理オブジェクト)によって生じる光の変化を外周外光検出部35で検出してこれを周辺制御基板1510で解析することで、特別操作受け部3333に対する操作態様(指などの物理オブジェクトの移動情報など)を判定することとしたが、例えば、ガラス板192に対して設置されたタッチパネルを用いて特別操作受け部3333に対する操作態様(この場合は、ガラス板192に対するタッチ操作の態様)を判定するようにしてもよい。ただしこの場合、ガラス板192を通した遊技領域や表示領域などの視認性に悪影響が及ぼされる懸念はある。
次に、本実施例におけるパチンコ機1の遊技制御について詳述する。図134は、特別図柄及び特別電動役物制御処理(図94:ステップS114)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、メイン制御プログラムにおいて、特別図柄及び特別電動役物制御処理(図94:ステップS114)に移行されたとすると、主制御基板1310の主制御MPU1310aはまず、図134に示されるように、上記第一始動口センサ4002による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS5231におけるYES)、第一大当り判定用乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS5232)。また、上記第二始動口センサ4004による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS5233におけるYES)、第二特別図柄の第二特別乱数(第二大当り判定用乱数)を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS5234)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS5235)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS5240a)を実行する。
なお、この実施の形態にかかる大当り制御処理では、図140に示されるように、
・第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての判定処理の結果が「8R確変大当りA」、及び「8R通常大当り」のいずれかを示唆する態様となったときに、大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返す8R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての判定処理の結果が「16R確変大当り」を示唆する態様となったときに、大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を16回繰り返す16R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての判定処理の結果が「8R確変大当りB」を示唆する態様となったときに、大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返す8R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての判定処理の結果が「2R通常大当り」を示唆する態様となったときに、大入賞口2005を短時間開放(例えば0.6秒)した後に閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を2回繰り返す2R大当り遊技状態に制御する。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記時短制御が実行される状況においては左打ちよりも右打ちが遊技者にとって有利であり、上記時短制御が実行されない状況においては右打ちよりも左打ちが遊技者にとって有利であることは上述した通りである。この点、左打ち状態では、第一始動口2002への遊技球の受け入れに応じた第一特別図柄についての抽選の結果として大当りが当選されたとしても最大で8ラウンドの長時間開放の大当り遊技状態(概ね1000個の遊技球が獲得可能)しか発生しない。
これに対し、右打ち状態では、第二始動口2004への遊技球の受け入れに応じた第二特別図柄についての抽選において、大当りが当選されると、概ね50%の確率(当選種の割り振り率)で16ラウンドの長時間開放の大当り遊技状態(概ね2000個の遊技球が獲得可能)が実行されるようになっているなど、大当りに当選したときに獲得可能とされる賞球の期待値が多くなっているため、右打ち状態に移行制御された場合には左打ち状態にあるときよりも多量の賞球獲得が期待できるようになっている。
なお、大当り制御処理では、このような大入賞口2005の開放制御を開始させるにあたり、まず、条件装置の作動を開始させる処理、後述の変動回数カウンタをリセットする処理、等々といった処理が行われる。
また、大当り制御処理では、このような大入賞口2005の開放制御を行った後、図140に示されるように、当該大当り遊技が行われる契機となった大当りの当選種に応じて、高確率フラグ、時短フラグの各セット処理を実行する。
高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグであって、後述する図139に示す大当り判定処理で用いられるものであり、大当り遊技状態終了後に確変制御する大当り(8R確変大当りA、16R確変大当り、8R確変大当りB)に基づく大当り遊技状態を終了するときにセットされ、次に大当りとなったときに後述する図144に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
時短フラグは、時短制御の実行中(低確率時短状態、高確率時短状態)であることを示すフラグであり、図140に示されるように、大当り遊技状態終了後に時短制御(高確率時短状態)する大当り(8R確変大当りA、16R確変大当り、8R確変大当りB)に基づく大当り遊技状態を終了するときにセットされ、次に大当りとなったときに後述する図144に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。若しくは、低確率時短状態が発生してから大当りに当選しないままで特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)が100回消化されたときに後述する図144に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
変動回数カウンタは、該変動回数カウンタがリセットされてからの特別図柄の変動回数を示すカウンタであって、後述する図142に示す第1変動パターン設定処理(第2変動パターン設定処理)で用いられるものであり、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動が行われるときに更新(例えば、カウントアップ)されるとともに、少なくとも特定種別の大当り(16R確変大当り、8R確変大当りB)に基づく大当り遊技状態を開始するときにリセットされる。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ(ステップS5235におけるNO)、次にステップS5236の処理として、小当り遊技状態に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別する。そしてこの結果、小当り実行中フラグがセットされていれば、小当り遊技状態の制御を行う小当り制御処理(ステップS5240b)を実行する。なお、小当り制御処理では、大入賞口2005を特定の開放時間(例えば1.8秒)だけ開放させる処理が行われる。
ここで、小当り制御処理(ステップS5240b)では、大当り制御処理(ステップS5240a)の場合とは異なり、このような大入賞口2005の開放制御が行われた後、高確率フラグ、時短フラグ、時短回数カウンタなどの各セット処理が行われることはない。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図140(a)に示されるように、大当り判定にて小当りに当選することはない。
また、小当り実行中フラグがセットされていなければ(ステップS5236におけるNO)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二大当り判定用乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS5237)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS5238)。
これに対し、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二大当り判定用乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でない場合は(ステップS5237)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS5239)。これにより、保留状態にされている第二特別図柄についての抽選が無くならないように遊技している限りは(第二特別保留数カウンタの値が「0」でない限りは)、第一特別図柄についての抽選の保留状況にかかわらず、第二大当り判定用乱数についての抽選のみが途切れることなく連続して行われるようになる(優先実行)。
したがって、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技者は、時短状態(高確率時短状態)においてはセンター役物2500の右側への遊技球の打込み(右打ち)を維持するだけで、第二大当り判定用乱数についての抽選(判定処理)のみを途切れることなく連続して行うことができるようになる。
なお、第2特図(第二特別図柄)を用いた特図ゲーム(図柄変動)が第1特図(第一特別図柄)を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば、第一始動口2002や第二始動口2004を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
図135は、上記第一始動口通過処理(ステップS5232)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS5231の処理において、上記第一始動口センサ4002がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図135に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5241の処理として、まず、第一特別図柄側の各乱数(大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、大当り図柄用乱数、変動表示パターン用乱数)を上記乱数カウンタから取得する。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一特別図柄の保留数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS5242)。このステップS5242の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示(第一特別図柄についての判定処理)を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS5243〜S5245の処理を行うこととなる。
すなわち、まず、上記ステップS5243の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS5244の処理として、上記ステップS5241で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
そして次に、第1特図側の先読み演出を実行するための第1特図先読み処理を実行し、処理を終了する(ステップS5245)。後述するが、第1特図側の先読み演出は、第一特別図柄の変動表示を開始する前に第一特別図柄の判定結果(若しくは、その期待度)を事前に示唆する演出である。この第1特図先読み処理では、周辺制御基板1510側で先読み演出の実行有無や演出内容などを決定するために必要とされる情報(先読み判定用の当落に関する情報、先読み判定用の図柄種別に関する情報、先読み判定用の変動パターン番号に関する情報等)を生成し、周辺制御基板1510に対する送信情報として対応する記憶領域に記憶する。この際、第一特別図柄の判定結果そのものの代わりに、大当り遊技の種別を示唆している情報として特別図柄の停止図柄に関する情報をコマンドに含めるようにしてもよい。例えば、変動パターンのうちのSPリーチ群、ノーマルリーチ群、図柄種別のうちの潜確当り群、小当り群といった、最終的に決定される前の段階の情報を先読みコマンドとして送信してもよい。
一方、上記ステップS5242の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示は新たに保留されない。すなわち、ステップS5243〜ステップS5245の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示を新たに保留の状態としない。
図136は、上記第二始動口通過処理(ステップS5234)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS5233の処理において、上記第二始動口センサ4004がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図136に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5251の処理として、まず、上記第二特別図柄側の各乱数(第二大当り判定用乱数、第二リーチ判定用乱数、第二大当り図柄用乱数、第二変動表示パターン用乱数)を上記乱数カウンタから取得する。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS5252)。このステップS5252の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御(第二特別図柄についての抽選)を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS5253〜S5255の処理を行うこととなる。
すなわち、まず、上記ステップS5253の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS5254の処理として、上記ステップS5251で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
そして次に、第2特図側の先読み演出を実行するための第2特図先読み処理を実行し、処理を終了する(ステップS5255)。後述するが、第2特図側の先読み演出は、第二特別図柄の変動表示を開始する前に第二特別図柄の判定結果(若しくは、その期待度)を事前に示唆する演出である。この第2特図先読み処理では、周辺制御基板1510側で先読み演出の実行有無や演出内容などを決定するために必要とされる情報(当落情報、図柄種別、変動パターン番号等)を生成し、周辺制御基板1510に対する送信情報として対応する記憶領域に記憶する。この際、第二特別図柄の判定結果そのものの代わりに、大当り遊技の種別を示唆している情報として特別図柄の停止図柄に関する情報をコマンドに含めるようにしてもよい。例えば、変動パターンのうちのSPリーチ群、ノーマルリーチ群、図柄種別のうちの潜確当り群、小当り群といった、最終的に決定される前の段階の情報を先読みコマンドとして送信してもよい。また、このステップS5255の処理内では後述の一変演出を実現するための処理(図176)が行われうる。
一方、上記ステップS5252の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS5253〜ステップS5255の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて第一特別図柄の保留数が変化すると上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第一特別図柄の保留数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信する。また、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二特別図柄の保留数が変化すると上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第二特別図柄の保留数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信する。
図137は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS5238)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5238で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5239で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5238で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上記第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御内蔵RAMに格納されている第一特別図柄に対応する大当り判定用乱数を読み出し、読み出した大当り判定用乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS5280)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての判定処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS5281)
3.変動表示パターン用乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器1403に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置(遊技盤側演出表示装置)1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS5282)
4.第一特別図柄表示器1403における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS5283)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての判定処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器1403に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS5284)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグの初期値は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS5280)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図138は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS5280)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図138に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS5301の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示があると判断された場合には、次にステップS5302の処理として、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一大当り判定用乱数、第一リーチ判定用乱数、第一大当り図柄用乱数、第一変動表示パターン用乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同主制御内蔵RAMから読み出す。そして次に、ステップS5303及びS304の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(例えば、第一大当り判定用乱数、第一リーチ判定用乱数、第一大当り図柄用乱数、第一変動表示パターン用乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域d)を有し、第一始動口2002への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示の保留が解除されるようになる。同様に第二特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第二特別図柄保留記憶領域a〜第二特別図柄保留記憶領域d)を有し、第二始動口2004への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第二特別図柄の変動表示の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS5305の処理として、上記読み出された第一大当り判定用乱数に基づいて上記大当りの当落についての判定処理である大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS5281)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS5306)、この処理を終了する。
図139は、上記大当り判定処理(ステップS5305)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS5311)、図140(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS5312)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS5311)、図140(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS5313)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した大当り判定用乱数とを比較する(ステップS5314)。
図140(A)に示すように大当り判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、特別乱数の種類毎(第一大当り判定用乱数、第二大当り判定用乱数)に遊技状態が低確率時(低確率非時短状態、低確率時短状態)の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、第一大当り判定用乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、204種類の第一大当り判定用乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、65332種類の第一大当り判定用乱数が上記ハズレであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一大当り判定用乱数(65536種類)がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率;概ね「321分の1」)。これに対し、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5239で実行される第二特別図柄プロセス処理内において第二特別図柄の大当り判定用乱数(第二大当り判定用乱数)と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、204種類の第二大当り判定用乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、65332種類の第二大当り判定用乱数が上記ハズレであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二大当り判定用乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率;概ね「321分の1」)。
また、第一大当り判定用乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、2040種類の第一大当り判定用乱数が大当り判定値と一致し、63496種類の第一大当り判定用乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一大当り判定用乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率;概ね「32分の1」)。これに対し、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5239で実行される第二特別図柄プロセス処理内において第二大当り判定用乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、2040種類の第二大当り判定用乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、63496種類の第二大当り判定用乱数が上記ハズレであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二大当り判定用乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率;概ね「32分の1」)。なお、第一大当り判定用乱数と比較するために参照される大当り判定テーブルと、第二大当り判定用乱数と比較するために参照される大当り判定テーブルに設定される大当り判定値(大当り判定値の個数を同数として大当り判定値を異ならせるものであってもよいし(大当り確率は同一)、大当り判定値の個数を異ならせるものであってもよい(大当り確率を異ならせる))を異ならせるようにしてもよく、この場合には低確率時の大当り判定テーブルと高確率時の大当り判定テーブルのうち少なくとも一方の大当り判定値を異ならせるようにすればよい(両方異ならせるようにしてもよい)。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した大当り判定用乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS5315)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS5316)、大当り判定処理を終了する。
また、上記ステップS5315で、大当りに落選した旨判断された場合は、選択した大当り判定テーブルに基づいて、上記読み出した大当り判定用乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致するか否かの判断を行う(ステップS5317)。ただし上述の通り、本例の第一特別図柄通常処理(第二特別図柄プロセス処理)のステップS5302においては小当り判定値と一致する大当り判定用乱数が読み出されることはないので(小当り確率;65536分の0)、このステップS5317では、小当りに当選されていない旨判断される(ハズレ判定される)こととなる。
一方、上記ステップS5317で、ハズレとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS5302で読み出したリーチ判定用乱数とを比較する(ステップS5319)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、遊技状態が高確率非時短状態時の場合に使用する高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が高確率時短状態時の場合に使用する高確率時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が低確率状態時(低確率非時短状態)の場合に使用する低確率状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。
ここで、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ判定用乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ判定用乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ判定用乱数がそれぞれ関連付けされている。ただし、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルでは、時短状態にあるときの遊技の進行スピードを最大限まで高めるべく、72種類のリーチ判定用乱数の全てがリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するようにして、リーチすることを示すリーチ判定値と一致することがないようにしてもよい。
また、低確率状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ判定用乱数と同一のリーチ判定用乱数を含む5種類のリーチ判定用乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ判定用乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ判定用乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、低確率状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が高確率時短状態時よりも高められ、所定の確率で得られるようになっている。
さらに、高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時及び低確率状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ判定用乱数と同一のリーチ判定用乱数を含む5種類のリーチ判定用乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ判定用乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ判定用乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が低確率非時短状態と同じとされている。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択したリーチ判定テーブルとステップS5302で読み出したリーチ判定用乱数との比較の結果(ステップS5319)、リーチハズレとすると判定した場合には(ステップS5120におけるYES)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS5121)。
図141は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS5281)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図141に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS5305)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS5331)を判別することにより行う。
主制御MPU1310aは、ステップS5331で大当りフラグがセットされていれば、図140(B)に示す図柄決定テーブルを選択して、第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した第一大当り図柄用乱数と選択した図柄決定テーブルとを比較することにより第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)としての大当り図柄を決定する(ステップS5332)。
図140(B)に示すように、第一特別図柄側の図柄決定テーブルには、判定結果(8R確変大当りA,8R通常大当り)に対して第一大当り図柄用乱数(ここでは、総数200個の第一大当り図柄用乱数)がそれぞれ関連付けされるかたちで記憶されている。なお、図140(C)に示すように、第二特別図柄側の図柄決定テーブルには、判定結果(16R確変大当り,8R確変大当りB,2R通常大当り)に対して第二大当り図柄用乱数(ここでは、総数200個の第二大当り図柄用乱数)がそれぞれ関連付けされるかたちで記憶されている。
主制御基板1310の主制御MPU1310aでは、取得した大当り図柄用乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一大当り図柄用乱数に基づいて決定される大当りの種類と第二大当り図柄用乱数に基づいて決定される大当りの種類とが異なるように設定している。より具体的には、高確率状態への移行契機となる確変大当りと、高確率状態への移行契機とならない通常大当りとの振分け率(割り振り)は同じとされているが、第一大当り図柄用乱数に基づいて決定される大当りによって獲得可能とされる遊技球の期待値よりも、第二大当り図柄用乱数に基づいて決定される大当りによって獲得可能とされる遊技球の期待値のほうが大きくなっている。
大当りの種類毎の具体的な遊技・演出内容を簡潔にまとめると以下の通りである。
1.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な8R大当り遊技状態に制御し、この8R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、8R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが勝利するバトル演出(バトル勝利演出)を行い、高確率時短状態においては相対的に有利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される8R確変大当りA
2.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な8R大当り遊技状態に制御し、この8R大当り遊技状態の後は、特別図柄の変動表示が100回消化される(若しくは、100回消化されるまでの期間内で大当りに当選する)まで低確率時短状態に制御するとともに、8R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが敗北するバトル演出(バトル敗北演出)を行い、低確率時短状態においては、相対的に不利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される8R通常大当り
3.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を16回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な16R大当り遊技状態に制御し、この16R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、16R大当り遊技状態の実行期間中はラウンド数が8ラウンドを超えるか(16ラウンドになるか)についての演出(成功演出)が行われる上乗せチャレンジ演出を行い、高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過した以降は相対的に有利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される16R確変大当り
4.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な8R大当り遊技状態に制御し、この8R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、8R大当り遊技状態の実行期間中はラウンド数が8ラウンドを超えるか(16ラウンドになるか)についての演出(失敗演出)が行われる上乗せチャレンジ演出を行い、高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過した以降は相対的に有利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される8R確変大当りB
5.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を短時間開放(例えば0.6秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を2回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球され難い2R大当り遊技状態に制御し、この2R大当り遊技状態の後は、特別図柄の変動表示が100回消化される(若しくは、100回消化されるまでの期間内で大当りに当選する)まで低確率時短状態に制御するとともに、2R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが敗北するバトル演出(バトル敗北演出)を行い、低確率時短状態においては、相対的に不利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される2R通常大当り
なお、上記左打ち状態では遊技球がゲート部2003を通過することがなく、第二始動口2004を開状態にする可動片(図示略)の駆動は行われない。そのため、左打ち状態では第二始動口2004への遊技球の入賞は発生せず、第一始動口2002への遊技球の入賞のみが発生することになり、第二特別図柄の保留球がある場合を除き第一特別図柄表示器1403における第一特別図柄の変動表示のみが実行され、第一特別図柄に関連した大当り(8R確変大当りA,8R通常大当り)が発生することになる。同様に、上記右打ち状態では第一始動口2002に遊技球は入賞しない。そのため、右打ち状態では第二始動口2004への遊技球の入賞のみが発生することになり、第一特別図柄の保留球がある場合を除き第二特別図柄表示器1186における第二特別図柄の変動表示のみが実行され、第二特別図柄に関連した大当り(16R確変大当り,8R確変大当りB,2R通常大当り)が発生することになる。
また、第一特別図柄に関連した大当りでは最大で大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを8回繰り返して概ね1000個の遊技球しか払い出されないのに対し、第二特別図柄に関連した大当りでは最大で大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを16回繰り返して概ね2000個の遊技球を払い出し可能である。
なお、第一特別図柄停止図柄設定処理において8R確変大当りAに決定した場合には大当り図柄として8R確変大当りA図柄に決定し、8R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として8R通常大当り図柄に決定する。また、図示しないが第二特別図柄停止図柄設定処理において16R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として16R確変大当り図柄に決定し、8R確変大当りBに決定した場合には大当り図柄として8R確変大当りB図柄に決定し、2R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として2R通常大当り図柄に決定する。
また、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5331で大当りフラグがセットされていなければ、次にステップS5333の処理として、小当りフラグがセットされているか否かを判断する。そしてこの結果、第二特別図柄プロセス処理(ステップS5239)内の当該ステップS5333に相当する処理にて小当りフラグがセットされていれば、第二特別図柄の変動停止時の態様として小当り図柄(特有の図柄停止態様)に決定した後(ステップS5334)、ステップS5337に移行する。
またさらに、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5333で小当りフラグがセットされていなければ、特別図柄の変動停止時の態様としてハズレ図柄に決定した後(ステップS5336)、ステップS5337に移行する。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5337の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS5338の処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS5282)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
なお、周辺制御MPU1511aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて演出表示装置1600を表示制御する(左・中・右の装飾図柄を変動表示して左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示させる(なお左・中・右の装飾図柄を同一図柄で同期して変動表示し同時に停止表示する場合もある))。例えば、周辺制御MPU1511aは、大当りとして2R通常大当り以外の種別に当選した場合には左・中・右の装飾図柄が3つ揃いとなる組合わせに決定する。これに対し、2R通常大当りが得られた場合は、特定の図柄組合わせ(左・中・右の装飾図柄の少なくとも1つが他の図柄と同じとならない組合わせ)に決定する。また、リーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(左・右の装飾図柄が「0」〜「9」の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、はずれを特定した場合には、リーチを伴わないはずれ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定する。こうして決定された停止図柄は、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)において演出表示装置1600に表示される。
いずれにせよ、周辺制御MPU1511aは、遊技が進行された結果として当りが得られたときは、大当り遊技が開始されるよりも前に当り時の演出表示(特別表示態様)を出現させ、大当り遊技が開始された後に大当り遊技中の演出表示を出現させるようになっている。
図142は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS5282)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図142に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS5341)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS5332で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS5342)、小当りフラグがセットされていれば(ステップS5343)、小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS5344)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS5345)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS5346)、大当りフラグと小当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS5347)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した変動表示パターン用乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS5348)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器1403に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS5349)。また、主制御MPU1310aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS5350)。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS5283)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS5355)、この処理を終了する。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器1403にて第一特別図柄の変動表示制御が行われるとともに該特別図柄の変動表示に同期して上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、大当り判定用乱数(第一大当り判定用乱数、第二大当り判定用乱数)及び大当り図柄用乱数(第一大当り図柄用乱数、第二大当り図柄用乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記第一変動表示パターン用乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU1310aは、大当り判定用乱数及び大当り図柄用乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した変動表示パターン用乱数とを比較し、上記読み出した変動表示パターン用乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての判定処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶されている。
ただし上述の通り、本例では小当りに当選することがないことから、小当り時の変動パターンテーブルが用いられることはない。本例では、小当りに当選することはないが、小当りに当選するようにしてもよい。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動表示パターン用乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、非時短状態においては、241種類の変動表示パターン用乱数のうち164種類の変動表示パターン用乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)として設定され、59種類の変動表示パターン用乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)として設定され、18種類の変動表示パターン用乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)として設定される。
なお、スーパーリーチ演出(SP演出)とは、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、大当り遊技状態の発生を望む遊技者に対してはスーパーリーチ演出が実行されたときに大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。すなわち、このようなスーパーリーチ演出は、大当り時の変動パターンテーブルにおいて最も選択率が高いものとなっており、これによって最終的にはハズレが表示されたとしても大当り遊技状態に対する遊技者の期待度を高めることができるようになる。ただし実際には、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度を十分に高める上では、スーパーリーチ演出が実行されている期間中に、変動パターンとは別抽選とされている高期待の予告演出が出現する(複合する)ことが求められる。
また、第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数に対応して設けられて第一特別図柄の変動時間を決定するときに用いられるはずれ時の変動パターンテーブルでは、非時短状態と時短状態とに共通して12秒の変動時間が設定されている。一方、第二大当り判定用乱数及び第二図柄乱数に対応して設けられて第二特別図柄の変動時間を決定するときに用いられるはずれ時の変動パターンテーブルでは、時短状態として0.1秒〜12秒の変動時間が設定可能とされ、非時短状態として12秒の変動時間が設定されている。このように第一特別図柄の変動時間は、時短状態中と非時短状態中とで同一とされ、時短状態において第一特別図柄の変動中に、第二始動口2004への遊技球の入賞を促すとともに遊技者が第二始動口2004へ遊技球を入賞させるための時間を確保している。
また、第二特別図柄のハズレ時の変動時間のうち0.1秒が選択される場合、時短状態(高確率時短状態など)において遊技領域5aに0.6秒間隔で打ち込まれる各遊技球が抽選処理に供されないままで排出されてしまうようなことが抑制されるようになる。
すなわち、右打ちされた遊技球は、ゲート部2003の直上となる領域に供給される。そして、時短状態(高確率時短状態など)にあるときに、この領域からゲート部2003に同遊技球が受け入れられると、普通図柄としての当りが得られて(例えば、当選確率が100%)、第二始動口2004の開閉に関わる可動片が長期間(本例では5.5秒間)に亘って開状態にて維持されるようになる。これにより、第二始動口2004に連続して次々と受け入れられうる状況下(センター役物2500の右側へ打込まれた遊技球の略全てが第二始動口2004に受け入れられうる時短状態)にあっても、それら遊技球の受け入れがある都度、「概ね32分の1」前後の高い大当り確率(高確率状態での確率)で第二特別図柄側の抽選が次々と消化されうる制御が実行可能とされるようになる。
そして本例では、遊技者がハンドル302を操作しているときには0.6秒間隔で遊技球が発射されるようになっていることから、時短状態(高確率時短状態など)においては、第二始動口2004には0.6秒間隔で遊技球が受け入れられることが多くなる。この点、本例では上記したように第二始動口2004への遊技球の入賞に基づく第二特別図柄のはずれ時の変動パターンテーブルには時短状態(高確率時短状態など)の変動時間として極めて短い0.1秒に設定可能とされている。すなわちこの場合、ハズレが得られたときは、遊技球の発射間隔(0.6秒)未満の時間(0.1秒)だけで図柄変動が終了されるようになることから、0.6秒間隔で打ち出される遊技球が第二始動口2004に次々と受け入れるような状況であっても、それらの遊技球が抽選処理に供されないままで排出されてしまうようなことが抑制されるようになる。
図143は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS5283)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図143に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS5371の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS5282)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そしてこの結果、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS5372)、次にステップS5373の処理に移行する。すなわち、このステップS5373の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS5284)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
なお、変動タイマを1減算したにもかかわらず(ステップS5371)、変動時間タイマが0になっていないときは、変動時間タイマが0になるまで(図柄を確定停止させるべき時間になるまで)、当該タイマ割り込み処理が行われる都度、上記ステップS5371,S5372の処理が行われることとなる。
図144は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS5284)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図144に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS5381の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器1403に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS5382)。
また、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS5386におけるYES)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS5387)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS5388)。そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットするとともに上記高確率フラグがセットされていれば当該高確率フラグをリセットし、また、上記時短フラグがセットされていれば当該時短フラグをリセットし(ステップS5389)、さらに上記変動回数カウンタをリセットし、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS5394)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS5235の処理にて大当り実行中フラグがセットされている旨判断されることとなり、上述の大当り制御処理(ステップS5240a)にて大当り遊技状態が実行されるようになる。
なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS5387では、大当りの種類(8R確変大当りA、8R通常大当り、16R確変大当り、8R確変大当りB、2R通常大当り)に応じた大当り開始コマンド(8R確変大当りAコマンド、8R通常大当りコマンド、16R確変大当りコマンド、8R確変大当りBコマンド、2R通常大当りコマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出(バトル演出や上乗せチャレンジ演出)が演出表示装置1600、各ランプ・LED及び各スピーカ等により実行される。
一方、上記ステップS5386の処理において、大当りフラグがセットされていない旨判断されたときは(ステップS5386におけるNO)、まず、低確率時短状態にあるか否かを判断する(ステップS5390)。そして、低確率時短状態にあるときには、低確率時短状態に制御されてから消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(ここでは100回)に達したか否かを判断する(ステップS5391)。すなわち、低確率時短状態に制御されてから消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(100回)に達したときには、低確率時短状態を終了させるべき条件が成立したとして、時短機能を停止させて通常遊技状態(低確率非時短遊技状態)に移行させることとなる(ステップS5392)。
そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後は、小当りフラグがセットされているか否かを判断する(ステップS5393)。そしてこの結果、小当りフラグがセットされている旨判断されたときは(ステップS5393におけるYES)、小当り遊技状態を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS5394)、小当り遊技状態の開始までの待機時間(小当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS5395)。そして、小当り遊技状態の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットし(ステップS5396)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS5394)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS5236の処理にて小当り実行中フラグがセットされている旨判断されることとなり、上述の小当り制御処理(ステップS5240b)にて小当り遊技状態が実行されるようになる。ちなみに、大当りが当選された場合とは異なり、このような小当り遊技状態の実行に際しては、遊技状態が変更されるようなことはない。
他方、大当りフラグと小当りフラグとのいずれもセットされていない旨判断されたときは(ステップS5393におけるNO)、ハズレであるとして、大当りや小当りに関する処理を行うことなく、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS5394)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、大当り実行中フラグや小当り実行中フラグがセットされていない旨判断されることとなり(ステップS5235,S236)、保留の状況にしたがって新たな遊技(抽選や、図柄制御)の進行にかかる処理が行われるようになる(ステップS5237〜S5239)。
図145は、上記普通図柄及び普通電動役物制御処理(ステップS116)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS5401の処理において、上記ゲートセンサ4003による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図145に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5402の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPU1310aのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS5403)
2.普図変動乱数に基づいて上記普通図柄表示器1402に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS5404)
3.普通図柄表示器1402における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS5405)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記普通図柄表示器1402に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS5406)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記可動片が開状態になって第二始動口2004への遊技球の受け入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS5407)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、その初期値が、上記普通図柄通常処理(ステップS5403)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図146は、上記ゲート部通過処理(ステップS5402)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS5401の処理において、上記ゲートセンサ4003による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図146に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5411の処理として、まず、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU1310aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS5411の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS5412〜S5414の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS5412の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS5413の処理として、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS5414の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU1310aのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS5411の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS5412〜ステップS5414の処理を実行しないことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図147は、上記普通図柄通常処理(ステップS5403)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図147に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS5421の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS5422の処理として、上記主制御MPU1310aのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS5423及びS5424の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU1310aのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2003への遊技球の通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2003に遊技球が通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、現在の遊技状態が時短状態(高確率時短状態)であれば(ステップS5426)、時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS5426)、現在の遊技状態が非時短状態(低確率非時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS5425)、非時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS5427)、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS5422で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS5428)。
なお、普図当り判定テーブルは、上記主制御MPU1310aのROMに記憶され、遊技状態が時短時(高確率時短状態)の場合に使用する時短時の普図当り判定テーブルと、遊技状態が非時短時(低確率非時短状態、高確率非時短状態)の場合に使用する非時短時の普図当り判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当り判定テーブルでは、255種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致することがないように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短時では、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったとき、普図当りに必ず当選し、上記可動片が開状態になって第二始動口2004への遊技球の受け入れを可能に制御している。255種類の全てではなく、非時短状態のときよりも多くの普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致するようにしてもよい。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当り判定テーブルでは、255種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致することがなく、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短時では、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったとしても、普図当りに当選することがないため、上記可動片2106が開状態になって第二始動口2004への遊技球の受入れを可能に制御することがない。ただし上述の通り、非時短状態においても普通図柄の当りが得られるようにしてもよく、この場合には時短状態よりも低い当選確率(例えば50%)とし、普通図柄の抽選結果が当りとなったときに上記第二始動口2004の可動片を時短状態よりも短い時間、例えば、2秒間開状態にさせて第二始動口2004への遊技球の受入れを可能とした後に再び前進させて第二始動口2004への遊技球の受入れを不能にするようにしてもよい。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS5422で読み出した普通乱数との比較の結果、普図
当りとすると判定した場合には(ステップS5429)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットした後(ステップS5430)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当り図柄を決定する(ステップS5431)、一方、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS5422で読み出した普通乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図はずれ図柄を決定する(ステップS5432)。そしてその後、上記普通図柄変動時間決定処理(ステップS5404)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS5433)、この処理を終了する。
そして、このような主制御MPU1310aによる制御が行われるなかで、周辺制御MPU1511aでは、該主制御MPU1310aから送信される上述の各種コマンドを取得することで上記周辺制御部定常処理(受信コマンド解析処理(ステップS1022))内でその都度の遊技状況を把握し、該遊技状況に応じた演出を実行可能としている。
より具体的には、周辺制御MPU1511aは、まず、始動入賞が発生した状況にあるかを判断し、該状況にあるときには始動入賞に応じた保留表示や先読み演出に関する制御を行う。そしてこの後、把握した遊技状況に基づいてプロセスフラグを更新することで、以下の変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄変動開始処理、演出図柄変動中処理、演出図柄変動停止処理、大当り表示処理、大当り遊技中処理、及び大当り終了演出処理のいずれかを実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理:主制御MPU1310aから変動パターンに関する変動パターンコマンドを受信するまでの間、図柄が変動状態になく且つ大当りに関する制御が行われていないときの演出(デモ演出など)にかかる制御を行うとともに、主制御MPU1310aから変動パターンに関する変動パターンコマンドを受信するとプロセスフラグを演出図柄変動開始処理に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理:変動パターンコマンドなどに基づいて図柄変動期間における各種の演出内容(演出パターンや予告演出など)を決定するとともに、該決定した演出内容に基づいて装飾図柄の変動が開始されるように制御する。そしてこの後、プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理:演出図柄変動開始処理にて決定した各種の演出内容を、図柄変動期間中のそれぞれのタイミングで開始させる制御などを行うとともに、変動時間が終了するとプロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理:全図柄停止を指示するコマンド(図柄確定コマンド)の受信に基づいて装飾図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御などを行う。そして、装飾図柄を大当り図柄で停止させる場合はプロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値に更新し、装飾図柄をハズレ図柄で停止させる場合はプロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
大当り表示処理:装飾図柄が大当り図柄で停止してから大当り遊技が開始されるまでの期間における演出(演出表示装置1600に大当りの発生を報知する表示演出など)を制御する。そしてこの後、プロセスフラグの値を大当り遊技中処理に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理:大当り遊技状態の発生期間中における各種演出にかかる制御を行う。大当り遊技状態が終了すると、プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理:演出表示装置1600において、大当り遊技状態が終了してから変動許容状態になるまでの期間における演出(大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示演出など)を制御する。そして、プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
図148は、通常遊技状態にあるときに上記演出図柄変動開始処理で参照される演出パターン(変動演出)の判定テーブルT1を示す図である。
同図148に示されるように、判定テーブルT1では、変動パターンコマンドにより示される変動番号1〜22の各別にそれぞれ演出パターン(変動演出)が対応付けされている。したがって、周辺制御MPU1511aでは、主制御MPU1310aから変動パターンコマンドを取得すると、該変動パターンコマンドに対応付けされている演出パターン(変動演出)を上記判定テーブルT1に基づいて決定し、該決定した演出パターン(変動演出)に基づいて装飾図柄の変動が開始されるように制御することとなる。
なお、演出パターン(変動演出)については、上記変動パターンコマンドにより示される変動番号との間で必ずしも一対一で対応するものでなくてもよい。例えば、変動パターンコマンドによって示される一の変動番号に対して複数の演出パターン(変動演出)を対応付けておき、これら演出パターン(変動演出)のいずれかを演出抽選や遊技状況などに基づいて決定するようにしてもよい。後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aも、変動番号1〜22のうちの一部については複数の演出パターンが対応付けられるようにしている。
また、これも後述するが、周辺制御MPU1511aでは、こうして演出パターン(変動演出)を決定した後に、大当り判定の結果や図柄種別、変動パターンに基づいて予告抽選(予告演出の判定処理)を行うとともに、該予告抽選で当選した予告演出を、上記決定された演出パターン(変動演出)が行われるなかでの所定タイミングで出現させる制御(演出図柄変動中処理)を行うことで、複数の演出内容を複合可能としてそれらの出現態様などによって大当り図柄の現れる期待度を示唆するようにしている。
そして従来、このような複合演出のなかには、同じ特定予告演出(例えば、タイマ演出)でありながらも一の演出パターン(変動演出)が実行されている間に複数出現させて実行することがあり、これによって遊技興趣の維持を図ることが期待されるようにしている。しかしながら、大当り図柄の現れる期待度が高いときにしか予告演出は複合可能とされないため、一の演出パターン(変動演出)が実行されている間に複数のタイマ演出が実行される頻度は自ずと低くなり、遊技興趣の向上を十分に図ることは困難とされていた。
なお後述するが、「タイマ演出」とは、演出パターン(変動演出)の実行中に現れる所定の演出を対象とし、該所定の演出が行われるタイミングに向けてのカウント表示を第一の所定数値(例えば「60秒」)から第二の所定数値(例えば「0秒」)まで行うカウント演出表示として実行されたり、カウント表示を開始する前の待機表示(準備中など)として実行されたりするものである。すなわちこの場合、タイマ演出として第一の所定数値からのカウント表示(例えば、カウントダウン)が開始されると、第二の所定数値になったときに何らかの演出が必ず発生することが保証されるようになる。若しくは、遊技者にとって相対的に不利な演出態様(期待度の低い演出態様)と有利な演出態様(期待度の高い演出態様)とのいずれかを出現させる演出(例えば、会話予告やカットインA,Bなど)がタイマ演出の対象とされる場合には、第二の所定数値になったときに有利な演出結果が必ず発生することが保証されるようになる。ただし、タイマ演出(特に、予告抽選の結果として実行される予告側タイマ演出)においては、少なくともカウント表示が開始される時点ではその演出対象となっている演出がいずれであるのかについて秘匿とされるようにすることが望ましい。また、「タイマ演出の演出対象」とは、タイマ演出として第一の所定数値からのカウント表示(例えば、カウントダウン)が第二の所定数値(例えば「0秒」)になったときに現れる演出のことであり、タイマ演出では、該演出対象の発生するタイミングに向けてカウント表示を行うこととなる。
なお、この実施の形態にかかる「タイマ演出」では、カウント開始されてからの時間経過を小数点第2位まで表示して秒数などを正確に表示するものとなっている。ただし、必ずしもこのようなタイマ演出として実行されるものでなくてもよく、カウントアップまたはカウントダウンなどによるカウント表示が行われるカウント演出として実行されるものであれば、カウント開始されてからの時間経過(秒数など)を正確に示すものでなくてもよい。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、予告抽選で当選したときにのみ現れる演出内容としてのタイマ演出(予告側タイマ演出)のほか、判定テーブルT1に基づいて決定された上記演出パターン(変動演出)の演出内容として予め組み込まれているタイマ演出(変動側タイマ演出)を実行可能としている。すなわちこの場合、カウント演出表示を、「変動パターンコマンドに基づいて決定された演出パターンに対し、大当り期待度が上積みされるように機能する予告演出の演出内容」として実行する予告側タイマ演出のみならず、「変動パターンコマンドに基づいて決定された演出パターンそのものの演出内容」としても実行するようにしたことで、変動パターンコマンドに基づいて決定された演出パターンによって示される大当り期待度からその期待度を無駄に上積み(「予告抽選での当選」という条件を満たすことによる期待度の上積み)することなくカウント演出表示(タイマ演出)を出現させることが可能とされるようになる。例えば、変動パターンコマンドに基づいて決定された特定の演出パターンが出現したときの大当り期待度が「20%」である場合、予告側タイマ演出をさらに実行すると複合演出の機能によって大当り期待度が上積みされて例えば「40%」になってしまいその分だけ出現頻度を低くせざるを得ないのに対し、特定の演出パターンこれ自体の演出内容として変動側タイマ演出が実行される場合には大当り期待度を「20%」としたままでタイマ演出を実行することが可能(特定の変動パターンが選択されるだけで出現可能)であり出現頻度を好適に維持することができるようになる。
なお、判定テーブルT1において演出パターン(変動演出)が出現したときの大当り期待度は、変動番号(さらには演出パターン)に応じてそれぞれ異なっており、基本的には変動番号が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなる傾向が持たされている。例えば、変動番号5(6),9(10),17(18)に対応する演出パターンではその演出内容としていずれも「会話予告」が演出対象とされる変動側タイマ演出が実行されるが、その出現比率は、変動番号5(6)>変動番号9(10)>変動番号17(18)であるのに対し、出現時の大当り期待度は、変動番号5(6)<変動番号9(10)<変動番号17(18)となるように設定されている。またここでは、説明の便宜上、通常遊技状態のときに参照される判定テーブルしか詳述しないが、低確率時短状態や高確率時短状態において参照される判定テーブルにおいても、演出パターンこれ自体の演出内容として変動側タイマ演出が実行されうる演出パターン(カウント変動パターン)が含まれるようになっており、通常遊技状態にあるときとは異なる確率で出現可能とされている。
また、判定テーブルT1において、変動番号3〜6はいずれも同じノーマルリーチ演出が行われる点で同じであるが、変動番号5,6は、会話予告を演出対象とした変動側タイマ演出が実行されうる点で変動番号3,4と異なっている。また、変動番号7〜14はいずれも同じキャラリーチ演出が行われる点で同じであるが、変動番号9,10は、会話予告を演出対象とした変動側タイマ演出が実行され、変動番号11,12は、カットインAを演出対象とした変動側タイマ演出が実行され、変動番号13,14は、会話予告とカットインAとが実行されるとともにそれらを演出対象とした変動側タイマ演出が実行されうる点で異なっている。また、変動番号15〜22はいずれも同じSPリーチ演出が行われる点で同じであるが、変動番号17,18は、会話予告を演出対象とした変動側タイマ演出が実行され、変動番号19,20は、カットインBを演出対象とした変動側タイマ演出が実行され、変動番号21,22は、会話予告とカットインBとが実行されるとともにそれらを演出対象とした変動側タイマ演出が実行されうる点で異なっている。なお、会話予告を演出対象とした変動側タイマ演出が実行される場合よりも、カットインA,Bを演出対象とした変動側タイマ演出が実行される場合のほうが大当り期待度が高くなり、さらには会話予告とカットインA,Bとの両方を演出対象とした変動側タイマ演出が実行される場合のほうが大当り期待度が高くなる傾向を持つように設定されている。
なお、「会話予告」とは、演出パターン(装飾図柄の変動演出)が実行されてから相対的に早い段階で出現可能とされ、且つ相対的に低い期待度の上積みがなされることが多い演出であるのに対し、カットインA,Bとは、演出パターン(装飾図柄の変動演出)が実行されてから相対的に遅い段階で出現可能とされ、且つ相対的に高い期待度の上積みがなされることが多い演出(若しくは、相対的に高い期待度の上積みが必ずなされる演出)である。したがって、「会話予告」は、これよりも期待度の高い他の演出(カットインA,Bや、後述の役物A動作,Bなど)よりも出現割合(実行確率)が高くなるように設定されるものとなっている。また、変動演出の内容として出現する「カットイン」は、キャラリーチでは、予告演出の演出内容として出現するカットインAに相当するように実行されるものであるのに対し、SPリーチでは、予告演出の演出内容として出現するカットインAではなくカットインBに相当するように実行されるものである。
しかも、この実施の形態にかかる判定テーブルT1では、同図148に示されるように、複数の変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)に対してその演出内容(演出パターン)を変動側タイマ演出として割り当てるようにしている。そしてこの上で、変動パターンが「短縮変動や期待度の低いノーマルリーチ演出などの予め定められた種別(例えば、変動番号1〜6など)」である場合は予告側タイマ演出としてのカウント演出表示が演出当選されないようにして(プレミアム度合いを高めて)該予告側タイマ演出が出現したときの期待度UPを好適に確保しているなかで、変動パターンが「変動側タイマ演出を実行する変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22などのカウント変動パターン)」である場合は、このようなカウント変動パターンでない場合に比べて当該変動パターンが上記予め定められた種別(例えば、変動番号1〜6など)に該当する割合が低くなるようにしている。
なおここでは、変動側タイマ演出が実行されるカウント変動パターンとしては14個の変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)が用意されているが、そのうちの2個(0個に設定してもよい)の変動パターン(変動番号5,6)しか上記予め定められた種別(変動番号1〜6など)に該当しないから、その該当割合は「2/14」である。これに対し、変動側タイマ演出が実行されない変動パターンとしては8個の変動パターン(変動番号1〜4,7,8,15,16)が用意されており、そのうちの4個の変動パターン(変動番号1〜4)が上記予め定められた種別(変動番号1〜6など)に該当するから、その該当割合は「4/8」である。
このような構成では、変動パターンの演出内容がカウント演出表示(変動側タイマ演出)を行いうるもの(カウント変動パターン)であるときには、変動側タイマ演出を行わない変動パターンである場合よりも、予告演出の演出内容としてカウント演出表示(予告側タイマ演出)が実行し得ないと判断される割合が低くなる。したがって、期待度を無駄に上積みさせて出現頻度を低くすることなく、一の演出パターン(変動演出)内で複数のカウント表示が出現することを促すことができるようになる。
また後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上記演出図柄変動開始処理において決定された演出パターン(変動演出)がカウント変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)である場合であっても、該カウント変動パターンがいずれのカウント変動パターンであるかに応じて上記予告側タイマ演出の出現する割合が異なるようにしている。例えば、同図148に示されるように、変動番号5,6に対応する演出パターンが実行されるときには上記予告側タイマ演出は全く出現されず、変動番号9〜14に対応する演出パターンが実行されるときには上記予告側タイマ演出は中程度の抽選確率で出現可能とされており、変動番号17〜22に対応する演出パターンが実行されるときには上記予告側タイマ演出は高い抽選確率で出現可能とされている。
なお、変動番号5,6に対応する演出パターンが実行されるときにも、低確率で上記予告側タイマ演出が出現されるようにしてもよい。また、高い抽選確率で上記予告側タイマ演出が出現可能とされる変動番号15〜22に対応する演出パターンのいずれかが実行される場合であっても、実際には、ハズレの場合よりも大当りに当選している演出パターンのほうがより高い抽選確率で上記予告側タイマ演出が出現可能とされるし、変動番号16よりも変動番号22のほうがさらに高い抽選確率で出現可能とされるようになっている。
このような構成では、変動パターンが第1のカウント変動パターン(例えば、変動番号10)及び第2のカウント変動パターン(例えば、変動番号22)のいずれであるかによっても、カウント演出表示を予告演出の演出内容(予告側タイマ演出)として実行する割合が異なるようになる。したがって、一の演出パターン(変動演出)内で複数のカウント表示の出現する割合が高くされている上記カウント変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)のなかでも、その種別によっては複数のカウント表示が出現する割合をより一層高くすることができるようになることから、遊技興趣の好適な維持を図ることが期待されるようになる。
特に、後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、同じリーチ種別の演出内容が現れる演出パターン(例えば、キャラリーチ、SPリーチ)であっても、変動側タイマ演出が演出内容として含まれる演出パターン(例えば、変動番号17〜22)では、変動側タイマ演出が演出内容として含まれない演出パターン(例えば、変動番号15,16)に比べて当該演出パターンの実行期間内に予告側タイマ演出の出現する割合(予告抽選にて予告側タイマ演出を実行する旨決定される割合)が高くなるようにしている。すなわちこの場合、予告抽選にて一の予告側タイマ演出が当選されるだけの大当り期待度を要するだけで一の演出パターン内に2つのタイマ演出(変動側タイマ演出、予告側タイマ演出)を出現させることができるようになり、ひいてはダブルタイマの演出機会を、大当り期待度の無駄な上積みをすることなく実現することができるようになる。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上記演出図柄変動開始処理において決定された演出パターン(変動演出)がカウント変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)である場合であっても、「会話予告」が演出対象とされる変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)と「カットイン」が演出対象とされる変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)とではカウント表示の態様(カウント数字の形態や色など)が異なるようにしている。すなわちこの場合、同じリーチ演出を演出内容とする演出パターン(例えば、変動番号9,11)が実行される場合であっても変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)のカウント表示の態様を確認することで、「いずれのカウント変動パターンであるかに応じて上記予告側タイマ演出の出現する割合が異なるようにされていること」と相まって、予告側タイマ演出の出現し易さを認識して期待することができるようになる。
なお、予告側タイマ演出(予告側カウント演出表示)で現れるカウント表示の態様については、その演出対象が同じ(会話予告、カットイン)であるか否かにかかわらず、変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)で現れるカウント表示の態様(会話予告、カットイン)と異なる(若しくは、少なくともいずれかと異なる)ようにしてもよいし、同態様と同じ(若しくは、少なくともいずれかと同じ)にしてもよい。
ただし、予告側タイマ演出(予告側カウント演出表示)として実行されるカウント表示については、その演出対象となる演出の種別にかかわらず共通の態様で実行されるようにすることが、相対的に期待度が高く設定される予告側タイマ演出が出現している状態にあることを遊技者に認識させて期待感の向上を図る上で有益である。この意味では、予告側タイマ演出については、変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)で現れるカウント表示の態様(会話予告、カットイン)のいずれとも異なるようにすることがより望ましい。予告側タイマ演出(予告側カウント演出表示)としての上記共通の態様については、期待度の異なる複数の態様(例えば、青色カウントや赤色カウントなど)が用意されており、それらのいずれかを実行するようにしてもよい。
また、予告側タイマ演出が実行されていることをより好適に認識可能とする上では、予告側タイマ演出が実行されるときのカウント表示と、変動側タイマ演出が実行されるときのカウント表示とでカウント速度(例えば、カウントアップやカウントダウンにおいて数字が変化する速度)を異ならしめるようにすることが望ましい。このような構成では、タイマ演出が開始された以降、カウント表示が進行されている期間中においても当該タイマ演出のカウント速度に注視させて、相対的に期待度の低い変動側タイマ演出と相対的に期待度の高い予告側タイマ演出とのいずれが実行されているのかについての興味を持たせることができるようになり、タイマ消化期間中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
またこの際、変動側タイマ演出においては、その演出対象(会話予告、カットイン)に応じて、予告側タイマ演出のカウント速度と相対的に近い速度(若しくは同じ速度)でカウント表示される態様(カットイン)と、予告側タイマ演出のカウント速度と相対的に近くない速度でカウント表示される態様(会話予告)とでカウント表示するようにすれば、予告側タイマ演出が実行されているか否かの判断し難さを異ならせて面白みを付与することができるようになる。また、変動側タイマ演出(または予告側タイマ演出)においてはカウント数字の出現と消去の繰り返しによってカウント表示するのに対し、予告側タイマ演出(または変動側タイマ演出)においてはカウント数字を継続的に表示することによってカウント表示するようにしてもよい。
このような構成によれば、変動側タイマ演出のカウント表示と予告側タイマ演出のカウント表示とが同時に実行される状況が発生すると、予告側タイマ演出が実行されているのか否かを容易に把握することができるようになり、遊技興趣の向上が図られることが期待される。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動側タイマ演出に対応する変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22などのカウント変動パターン)に対しては、カウント表示の開始タイミングまたは終了タイミング(カウント総数、または全カウント消化に要する時間)が異なる複数の演出パターンを選択可能な演出パターンとして設定している。そして、変動側タイマ演出に対応する変動パターンを取得した場合は、演出用の乱数などに基づいて上記複数の演出パターンのいずれかを決定するようにして変動側タイマ演出のカウント表示と予告側タイマ演出のカウント表示との同時実行のし易さ(例えば、カウント総数が大きいほうが重なり易いなど)を異ならせるようにすることで、予告側タイマ演出が実行されているか否かの判断容易性を異ならせて面白みを付与するようにしている
なお、この実施の形態では、一の変動パターンに対してカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミング(カウント総数、または全カウント消化に要する時間)が異なる複数の演出パターン(タイマ演出の演出対象と、リーチ演出の内容は同じ)を用意することとしたが、カウント表示の開始タイミングまたは終了タイミング(カウント総数、または全カウント消化に要する時間)が異なる複数の演出パターン(ただし、タイマ演出の演出対象にされる演出の種別と、変動パターンの演出内容として実行されるリーチ演出の種別とは、各演出パターンで同じ)の別に異なる複数の変動パターンを用意して一対一対応させるようにしてもよい。
また、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで出現したときのカウント表示数(カウント総数)を異ならせるようにしたり、同じ特定カウント表示数を選択可能であったとしても変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで特定カウント表示数の選択率を異ならせるようにすれば、予告側タイマ演出が実行されているか否かの判断し難さを異ならせて面白みを付与することができるようになる。
また、予告側タイマ演出をカウントダウン表示で実行するのに対し、変動側タイマ演出についてはカウントアップ表示で実行するようにすれば、予告側タイマ演出が実行されているのか否かを確定的に把握することができるようになり、遊技興趣の向上を大幅に図ることが期待される。また、予告側タイマ演出をカウントダウン表示で実行するのに対し、特定演出(例えば、会話予告)を対象とした変動側タイマ演出についてはカウントアップ表示で実行し、特定演出とは異なる演出(例えば、カットイン)を対象とした変動側タイマ演出についてはカウントダウン表示で実行するようにすれば、予告側タイマ演出が実行されているか否かの判断し難さを演出対象に応じて異ならせて面白みを付与することができるようになる。
また、後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出を演出対象にする場合と、異なる演出を演出対象にする場合とがあるように制御する。そして、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)を演出対象にする場合は、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで異なる演出を対象にする場合に比べて大当り期待度が低くなる割合が高くなるように設定するとともに、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)を演出対象にする場合であっても、各カウント表示の終了タイミングを異ならせるようにしている。
すなわちこの場合、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)が演出対象にされていたとしても、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との一方が先に所定数値に達して終了されるのに対し他方のカウント表示は継続されるようになることから、この時点では、あたかも異なる演出を演出対象としている(相対的に期待度の高い態様でタイマ演出が実行されている)かのように見える。そしてこの後、継続されていた他方のカウント表示も同じ演出(例えば、会話予告)を演出対象としていることが明らかとされる態様で所定数値に達して終了されるようになることから、先に終了した側のタイマ演出によって相対的に期待度の低い会話予告が演出対象とされていることが明らかにされた場合であっても、その後に出現可能とされる異なる演出を演出対象としている(相対的に期待度の高い態様でタイマ演出が実行されている)ことへの期待感を維持して遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
また、このように変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)が演出対象にされる場合、変動側タイマ演出が所定数値に達するタイミングと、予告側タイマ演出が所定数値に達するタイミングとでそれぞれ別個のカウント終了対応表示(例えば、「カウント成功!」、「チャンスUP!」など)を出現させるようにすることが望ましい。
より具体的には、変動側または予告側の演出として実行される「会話予告」を演出対象にした変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とを一の演出パターン内でそれぞれ出現させる。そしてこの場合、変動側タイマ演出のカウント表示と予告側タイマ演出のカウント表示とがそれぞれ同時進行されることとなるが、変動側タイマ演出では、「会話予告」に関連して変動側の演出として発生する変動側特定演出(「カウント成功!」や、会話予告の出現に合わせたエフェクトなど)に合わせてカウント表示を進行させるのに対し、予告側タイマ演出では、「会話予告」に関連して予告側の演出として発生する予告側特定演出(「チャンスUP!」や、会話予告の開始タイミング(若しくは、演出開始の所定数秒前)に合わせて出現するタイマ終了表示など)に合わせてカウント表示を進行させることで、それぞれ別個のカウント終了対応表示を異なるタイミングで出現させることとなる。
ところで、会話予告及びカットインの各演出については、変動側タイマ演出の演出対象にされる場合(カウント変動パターンが決定された場合)は必ず実行されることが求められるものである。特に、会話予告やカットインは、期待度の異なる複数の態様で実行可能とされる演出であるから、変動側タイマ演出の演出対象とされる場合にはカウント表示が所定数値に達するときに相対的に期待度の高い態様で出現させることが求められる。したがって、変動側タイマ演出の演出対象にされる演出については、上記演出パターン(変動演出)の演出内容として予め組み込んでおき、該演出パターンが実行されるだけで変動側タイマ演出とその演出対象とされる演出(相対的に期待度の高い態様)とがそれぞれ出現可能とされるようにすることが望ましい。ただしこれに代えて、変動側タイマ演出が実行されるときには予告抽選にてその演出対象にされる演出(相対的に期待度の高い態様)が必ず選択されるように制御することも可能である。
なお、会話予告及びカットインの各演出は、変動側タイマ演出の演出対象にされない場合は、後述の予告抽選において予告側の演出内容として出現させるか否かの判定が行われることはもとより、予告側の演出内容としていかなる態様(相対的に期待度の高い態様または低い態様)で出現させるかについての判定が行われ、該判定の結果に基づいて出現にかかる制御が行われるようになっている。
以下、図148を用いた演出パターンの決定処理について総括する。
すなわち、周辺制御MPU1511aでは、主制御MPU1310aから変動パターンコマンドや図柄種別コマンドなどを取得すると、まず、変動パターンコマンドにより示される変動番号や図柄種別コマンドにより示される図柄種別などに基づいて、現在の遊技状態に応じた判定テーブルを参照する。例えば、図柄種別に基づいて演出パターンを決定するようにすれば、特定の演出パターンが出現したときの確変期待度や大当り遊技状態におけるラウンド数などに偏り(期待度)を持たせることができるようになる。
そして次に、変動番号に対応付けされている演出パターンとして、複数の演出パターン(変動側タイマ演出で出現するカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミングが異なる複数の演出パターンなど)が選択可能に用意されている場合には、大当り判定の当落に基づいてカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミングが異なる複数の演出パターンのいずれかを選択する。なおこの際、大当り判定に当選している場合にはカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミングが遅くなる割合が高くなるように演出パターンを設定することとしており、これによってカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミングが遅くなるほど大当り図柄が現れる可能性が高くなる傾向を持たせるようにしている。
また後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、特別な演出条件が成立しているときには、カウント変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)が取得されている場合であっても、複数の演出パターンのうち、変動側タイマ演出が出現しないように設定されている演出パターンを選択する。
そして、周辺制御MPU1511aでは、図柄変動中に現れる演出パターン(装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出)がこうして選択された後に、該演出パターンの実行期間内でどのような予告演出をどのような態様で付加的に実行するのか(複合させるのか)を決定することとなる(予告抽選)。
図149は、演出パターンの実行期間(図柄の変動時間)内で現れる予告演出に関する抽選(演出図柄変動開始処理内で行われる予告抽選)について、その処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する予告抽選の処理手順はあくまでも一例にすぎず、予告演出としての所期の目的を達成しうるものであれば、予告抽選の処理手順としてはこれに限られない。
同図149に示されるように、予告抽選に際しては、まず、開始待ちとなっている当該変動(消化される保留)が後述するタイマ先読み演出の対象になっているか否かを判断する(ステップS5501)。そしてこの結果、タイマ先読み演出の対象になっている場合は第1タイマ予告抽選を行うのに対し(ステップS5502)、タイマ先読み演出の対象になっていない場合は第2タイマ予告抽選を行う(ステップS5521)。
すなわち、タイマ先読み演出の対象になっている場合(第1タイマ予告抽選)は、タイマ先読み演出の対象になっていない場合(第2タイマ予告抽選)に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が高くなるように設定されている。なお、該割合については100%で決定される割合も含むようにしてもよい。また、第1タイマ予告抽選と第2タイマ予告抽選とのいずれにおいても、遊技状態の別に異なる決定テーブルが用意されており、これによって遊技状態に応じて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合(例えば、高確率時短遊技状態においては、通常遊技状態よりも低い割合(0%で決定される割合も含む)で予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる)が異なるようになっている。
図150は、通常遊技状態において当該変動(消化される保留)がタイマ先読み演出の対象になっていない場合(第2タイマ予告抽選)に参照されるタイマ予告決定テーブルT2の一例を示す図である。
同図150に示されるように、この実施の形態にかかる第2タイマ予告抽選では、予め定められた種別の変動パターンコマンド(ここでは変動番号1〜6)が取得されているときには予告側タイマ演出を実行する旨の決定をすることはない。この点については、第1タイマ予告抽選や他の遊技状態にある場合においても同様である。
また、図148に併せて示されるように、第2タイマ予告抽選では、同じリーチ種別の演出内容が現れる演出パターン(例えば、変動番号15〜22に対応するSPリーチ)であっても、変動側タイマ演出が演出内容として含まれる演出パターン(例えば、変動番号17〜22)では、変動側タイマ演出が演出内容として含まれない演出パターン(例えば、変動番号15,16に対応するSPリーチ)に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が高くなるように設定されている。すなわちこの場合、予告抽選にて後述のダブルタイマ演出に当選せずとも、一の演出パターン内に2つのタイマ演出(変動側タイマ演出、予告側タイマ演出)を出現させることができるようになり、ひいてはダブルタイマの演出機会を、大当り期待度の無駄な上積み(ダブルタイマ演出に当選)をすることなく実現することができるようになる。この点については、第1タイマ予告抽選や他の遊技状態にある場合においても同様である。
ただし、第1タイマ予告抽選では、このような第2タイマ予告抽選で参照されるタイマ予告決定テーブルT2に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が総じて高くなっている。より具体的には、第1タイマ予告抽選では、変動番号7〜22のいずれが選択されている場合であっても、第2タイマ予告抽選で参照されるタイマ予告決定テーブルT2に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が高くなっている。
また、後述するが、この実施の形態にかかるタイマ先読み演出では、該先読みの対象とされる変動において予告側タイマ演出の実行される割合が異なる複数の態様(低期待態様、高期待態様、確定態様)のいずれかで実行されるようになっている。そして、第1タイマ予告抽選では、まず、タイマ先読み演出がいずれの態様で実行されているかを判定するとともに、該先読みが低期待態様で実行されている場合であっても、第2タイマ予告抽選で参照されるタイマ予告決定テーブルT2に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が総じて高くなるように設定されている。なお、タイマ先読み演出が高期待態様で実行される場合は、低期待態様で実行される場合に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が総じて高くなり、タイマ先読み演出が確定態様で実行される場合は、変動パターン(変動番号1〜22)にかかわらず予告側タイマ演出を実行する旨の決定が必ずなされるように設定されている。
そして、こうしたタイマ予告抽選(第1タイマ予告抽選、第2タイマ予告抽選)の結果として予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされた場合は(ステップS5503におけるYES)、ステップS5504の処理として第1ミッション演出抽選を行うのに対し、予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされなかった場合は(ステップS5503におけるNO)、ステップS5551の処理として第2ミッション演出抽選を行う。
すなわち上述の通り、タイマ演出では、カウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が大きいほど(タイマの時間消費に要する時間が長いほど)、大当り期待度が高くなる傾向を持つように設定される。ただしこれでは、カウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が小さかったときには、大当り期待度が低い傾向になってしまうことからタイマ演出が実行されるにもかかわらず遊技興趣の低下が懸念されていた。
そこで、後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、演出表示装置1600において「第一演出を出現させろ」といったような「第一演出に関連した特定表示」を表示させ、該特定表示の表示中に第一演出が発生(出現)すると「ミッション成功」といったような特別表示を出現させることで、大当りに当選していることを確定示唆するミッション演出を実行可能としている。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上記タイマ演出の演出対象にされる演出種別のうち相対的に早い段階で出現する演出種別(ここでは、会話予告)を上記第一演出として採用することとしている。すなわちこの場合、「会話予告(第一演出)を出現させろ」といったような特定表示が出現しているなかで(ミッション演出が出現しているなかで)タイマ演出が実行された場合は、カウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が仮に小さかったとしても当該タイマ予告の演出対象が「相対的に早い段階で出現する会話予告」であること(ミッション成功によって大当りに当選していることが確定示唆されること)を期待できるし、カウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が大きくて会話予告が終了した以降もカウント表示が継続される場合であっても大当り期待度が高くなることを期待できることから、タイマ演出が実行されたときの遊技興趣を安定的に高めることができるようになる。
しかも、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、このようなタイマ演出とミッション演出とによって生じる相乗効果をより好適に奏するようにするべく、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるときには、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されないときに比べてタイマ演出の出現割合が高くなるように予告抽選(図149に示される各処理)を行うこととしている。これにより、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるだけでタイマ演出が実行されることへの期待感を持つことができることから、遊技興趣の低下を好適に抑制することができるようになる。ミッション表示の対象にされる第一演出については、「会話予告」でなくてもよく、例えば、図160に示される各演出のいずれかに代えて実行するようにしてもよい。
なお、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるときには、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されないときに比べてタイマ演出の出現割合を高くする方法としてはいかなる方法を採用してもよいが、例えば、以下の方法のいずれかを採用することによって実現可能である。
a.ミッション演出を行うかをまずは決定するとともに、該ミッション演出を行うことが決定されたときには、ミッション演出を行うことが決定されなかったときに比べてタイマ演出の出現率が高くなるようにタイマ演出を出現させるかを決定する手法
b.タイマ演出を行うかをまずは決定するとともに、該タイマ演出を行うことが決定されたときには、タイマ演出を行うことが決定されなかったときに比べてミッション演出の出現率が高くなるようにミッション演出を出現させるかを決定する手法
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上記手法bを採用している。したがって、ステップS5503の処理において予告側タイマ演出に当選している旨判断した場合における第1ミッション演出抽選(ステップS5504)では、ステップS5503の処理において予告側タイマ演出に当選している旨判断しなかった場合における第2ミッション演出抽選(ステップS5551)に比べて第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)を表示(ミッション表示)する旨の決定がなされる割合が高くなるように、当該変動(演出パターン)内においてミッション表示するか否かの判定が行われる。
なお、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)と、予告側タイマ演出が実行されることを示唆する後述のタイマ先読み演出(第1先行態様、第2先行態様、第3先行態様)とは同時に表示されうるものとなっている。また、所定条件下では、出現すると第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が現れる割合が高くなる所定表示(ミッション示唆表示)を表示するようにしてもよい。
また、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)については、例えば、該ミッション演出の対象になる保留情報(ミッション演出を発生させる保留情報)が得られたときに該保留情報が消化されるまでの複数回の変動表示に跨って表示されうるようにしてもよい。またこの際、ミッション演出の対象になる保留情報(ミッション演出を発生させる保留情報)が大当りになる保留情報であるときには、該大当りになる保留情報が消化されるよりも前に実行されている変動表示内において会話予告を出現させて特別表示(ミッション成功)を表示するようにしてもよい。ただし、このように特別表示(ミッション成功)を先行して表示させる場合(ミッション演出を発生させる保留情報が未だ消化されていないときにミッション成功を表示させる場合)は、ハズレ変動表示が実行されているときに限られるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、特別表示(ミッション成功)が表示されたにもかかわらず該特別表示の現れた変動表示ではハズレ図柄(ハズレ演出)が現れることとなるが、こうして特別表示(ミッション成功)が表示されている状態でミッション演出の対象になる保留情報が消化されて該変動表示において大当り図柄(大当り演出)が表示されるようにすることで、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
このような構成によれば、複数変動にわたってミッション演出とタイマー先読み演出とが実行されるなかで、タイマー演出のカウント表示が開始されるよりも前にミッション成功したとしてもその変動表示ではハズレ図柄を表示させて、タイマー演出のカウント表示が開始される変動表示が現れるまで大当り図柄の現れる変動表示が持ち越されているかのような演出を実現することができるようになる。
図151(a)は、通常遊技状態において予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出決定テーブルT3a(第1ミッション演出抽選)の一例を示す図であり、図151(b)は、通常遊技状態において予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出決定テーブルT3b(第2ミッション演出抽選)の一例を示す図である。
同図151(a),(b)から明らかであるように、まず、予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出決定テーブルT3aでは、予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出決定テーブルT3bに比べて第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)を表示(ミッション表示)する旨の決定がなされる割合が高くなるように設定されている。この点については、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
また、図148に併せて示されるように、変動番号5,6は「会話予告」を変動演出として出現させる変動パターンに対応するものであるにもかかわらず、該変動番号5,6が取得されているときには、第1ミッション演出決定テーブルT3a及び第2ミッション演出決定テーブルT3bのいずれにおいても第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるミッション演出を実行しないように設定されている。すなわち、変動番号5,6とは、いわゆるノーマルリーチ演出(期待度の低いリーチ種別)であるから、このような期待度の低いリーチ演出でタイマ演出とミッション演出との両方が発生してミッション成功になると、「より期待度の高い種別のリーチ演出でこのような演出を見たかった」といった願望が満たされなかったことによって遊技興趣が低下してしまう懸念がある。このため、変動番号5,6では、「会話予告」を演出対象にした変動側タイマ演出が行われるリーチ演出ではあるものの、第1ミッション演出決定テーブルT3a及び第2ミッション演出決定テーブルT3bのいずれにおいても第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示される演出を実行しないように設定することが望ましい。この点については、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
また、図148に併せて示されるように、変動番号9,13,17,21も「会話予告」を変動演出として出現させる変動パターンに対応するものではあるが、これらの変動番号が取得されているときも、第1ミッション演出決定テーブルT3a及び第2ミッション演出決定テーブルT3bのいずれにおいても第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるミッション演出を実行しないように設定されている。これは、変動番号9,13,17,21がハズレ時の変動パターンであり、演出上、ミッション成功(大当りに当選していることを確定示唆)の旨を表示することはできないからである。この点についても、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
また、図148に併せて示されるように、変動番号10,14,18,22は「会話予告」を変動演出として出現させる当り変動パターンに対応するものであり、これらの変動番号10,14,18,22が取得されているときに第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されると、ミッション成功(大当りに当選していることを確定示唆)の旨が表示されることとなる。したがって、予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出抽選(ステップS5504)では、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させる当り変動パターン(変動番号10,14,18,22)が取得されているときには、予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出抽選(ステップS5551)に比べて実行確率が大幅に高くなるように設定(3倍)されている。このような制御を通じて、タイマ演出が出現するときにはミッション演出が出現し易くなっているという印象を持たせることができるようになる。この点についても、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
これに対し、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させない当り変動パターン(変動番号8,12,16,20)の実行中に第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されると、「ミッション表示されたにもかかわらず会話予告を出現させることができず、ミッション失敗となった後に大当り図柄が表示される」といったような違和感のある演出状況が発生しかねない。したがって、予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出抽選(ステップS5504)であっても、「会話予告」を変動演出として出現させない当り変動パターン(変動番号8,12,20など)が取得されているときには、予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出抽選(ステップS5551)に比べて実行確率がそれほど高確率化されないように設定(2倍)されている。この点についても、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
ただし後述するが、「会話予告」を変動演出として出現させない当り変動パターン(変動番号8,12,20など)が取得されてミッション演出が実行されることが決定されたときには、相対的に高い確率で予告演出の演出内容として「会話予告」が実行される確率が高くなるように制御されることとなる(後述のステップS5509やステップS5534)。このような制御が行われることに鑑みれば、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させない当り変動パターン(変動番号8,12,20など)についても、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させる当り変動パターン(変動番号8,12,20など)と比べて同程度の実行確率でミッション演出を行うようにしてもよい。
これに対し、変動番号7,11,15,19は「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させないハズレ時のリーチ演出である。このようなリーチ演出は、「会話予告」を出現させずミッション演出が失敗とされるかたちでハズレ時の演出を実行することができるものであることから、予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出抽選では、予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出抽選(ステップS5551)に比べて実行確率が大幅に高くなるように設定(3倍)されている。このような制御を通じて、タイマ演出が出現するときにはミッション演出が出現し易くなっているという印象を持たせることができるようになる。この点についても、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
なお後述するが、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させないハズレ時のリーチ演出(変動番号7,11,15,19など)が取得されてミッション演出が実行されることが決定されたときには、予告演出の演出内容として「会話予告」が実行される確率が0になるように制御されることとなる。これは、ハズレ時のリーチ演出では、演出上、ミッション成功(大当りに当選していることを確定示唆)の旨を表示することはできないからである。
このようなミッション演出にかかる構成によれば、常には(ミッション演出が出現しないときには)、タイマ演出(カウント演出表示)の演出対象は、第一演出(会話予告)よりも第二演出(会話予告よりも期待度の高い演出(例えば、カットインや後述の役物動作))であることのほうが期待感を得る上で望ましくなっており、タイマ演出(カウント演出表示)の演出対象が第一演出(会話予告)であるときには期待感を好適に得ることはできない。ただし、第一演出(会話予告)に関わる特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されたときにタイマ演出(カウント演出表示)が実行された場合は、該タイマ演出の演出対象が第一演出(会話予告)と第二演出(カットイン)とのいずれであっても、少なくとも第二演出(カットイン)で得られる期待感以上の期待感を得ることができるようになることから、タイマ演出を安心して楽しむことができるようになる。
しかも、このような第一演出(会話予告)に関わる特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されたときには、図柄演出において第一演出(会話予告)に関わる特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されないときに比べてタイマ演出(カウント演出表示)の出現割合が高くなっていることから、第一演出(会話予告)に関わる特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるだけで遊技興趣の低下を好適に抑制することができるようになる。なお、このような演出制御を実現する上で、変動側タイマ演出は必ずしも実行可能に用意しなくてもよく、予告側タイマ演出のみによってこれを実現するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、一の演出パターン内で会話予告とカットイン(または、後述の役物動作)との両方が実行可能とされており、会話予告はカットイン(または、後述の役物動作)よりも前のタイミングで出現されるようになっている。したがって、ミッション表示(会話予告を出現させろ)が実行されている場合、タイマ演出のカウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が小さかったとしてもミッション成功の可能性が意識されることから期待感の低下が抑制されるようになる。また、タイマ演出のカウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が大きいときにはそれだけで期待感を好適に維持することができることから、タイマ演出が出現したときの遊技興趣を安定的に維持することが期待されるようになる。
また、これも後述するが、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)を表示(ミッション表示)するタイミングとしては、該特定表示の対象とされる図柄変動が行われている期間中のみならず、該特定表示の対象とされる図柄変動が未だ保留の状態にされている期間中においても出現しうるようになっている。また、当該ミッション演出の対象とされる図柄変動が未だ保留の状態にされている期間中に第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されている状況において第一演出が発生(出現)して「ミッション成功」といったような特別表示を出現させうる場合があることについても後述することとする。
そして、図149に示されるように、こうして第1ミッション演出抽選(ステップS5504)が行われると、次にステップS5505の処理として予告側タイマ演出の実行態様を決定するべく予告側タイマ種別抽選を行う。
図152は、予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)において参照される予告側タイマ種別決定テーブルT4の一例を示す図である。
同図152に示されるように、この予告側タイマ種別決定テーブルT4では、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行するのかそれともダブルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行するのかが、取得されている変動番号の別に異なる配分にて演出乱数が割り振られている。この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動パターンコマンドにより示される変動番号に基づいて予告側タイマ種別決定テーブルT4を参照し、取得した演出乱数の値がシングルタイマの態様とダブルタイマの態様とのいずれに割り振られているかを判定することで、当該予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)を実行する。
なお、当該予告側タイマ種別抽選において判定対象とされる「シングルタイマ」とは「一の演出パターン内に一の予告側タイマ演出が実行される態様」に相当するものであり、「ダブルタイマ」とは「一の演出パターン内に演出対象の異なる2つの予告側タイマ演出が実行される態様」に相当するものである。この予告側タイマ種別決定テーブルT4では、「シングルタイマ」よりも「ダブルタイマ」のほうが出現したときの大当り期待度が高くなるように各変動番号毎の演出乱数の割り振りがなされている。
また上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動パターンの種別(変動番号)によっては上述の変動側タイマ演出を実行しうるものとなっている。したがって、このようなカウント変動パターンが選択されているときに予告側タイマ演出がシングルタイマの態様で実行する旨決定されると、一の演出パターン内に変動側タイマ演出及び予告側タイマ演出が現れることによってダブルタイマ(若しくは、トリプルタイマ)の態様でタイマ演出が実行されることとなる。また、これと同様、カウント変動パターンが選択されているときに予告側タイマ演出がダブルタイマの態様で実行する旨決定されると、一の演出パターン内に変動側タイマ演出及び予告側タイマ演出が現れることによってトリプルタイマ(若しくは、クアドラプルタイマ)の態様でタイマ演出が実行されることとなる。
すなわちこの場合、カウント変動パターンが選択されているか否かにかかわらず予告側タイマ演出の出現数(シングル、ダブル)を決定するようにしてしまうと、「一の演出パターン内に現れるタイマ演出の出現数が多いほど大当り期待度が高くなる」といった関係性が崩壊しかねず、これではタイマ演出が実行されたときの演出の意味合い(いずれの態様が高期待度であるのか)を理解できなくなることによる遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施の形態にかかる予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)では、図148に併せて示されるように、予告側タイマ演出が出現可能とされる変動パターン(変動番号7〜22)のうち変動側タイマ演出を実行しない変動パターン(変動番号7,8,15,16)が選択されているときには、リーチ種別(相対的に期待度の低いキャラリーチ、相対的に期待度の高いSPリーチ)に応じて相対的に期待度の高いSPリーチのほうがダブルタイマの態様が選択され易くなるようにしている。
一方、予告側タイマ演出が出現可能とされる変動パターン(変動番号7〜22)のうち、演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出を実行する変動パターン(変動番号13,14,21,22)が選択されているときには、リーチ種別(相対的に期待度の低いキャラリーチ、相対的に期待度の高いSPリーチ)に応じて相対的に期待度の高いSPリーチの場合に限りダブルタイマの態様が選択されるようにしている。すなわちこの場合、一の演出パターン内に演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出と2つの予告側タイマ演出が現れることによってクアドラプルタイマの態様が現れると、相対的に期待度の高いSPリーチの種別で演出パターンが実行されることが確定的に示唆されるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。ただしこれに代えて、一の演出パターン内に演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出と2つの予告側タイマ演出が現れることによってクアドラプルタイマの態様が現れると、大当り図柄が現れることが確定的に示唆されるようにしてもよい。
なお、演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出を実行する変動パターン(変動番号13,14,21,22)が選択されているときには、当該予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)においてシングルタイマの態様が選択された場合であっても、一の演出パターン内に演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出と1つの予告側タイマ演出が現れることによってトリプルタイマの態様が現れることとなる。このようなトリプルタイマの態様が出現したときの期待度を維持するべく、上述のタイマ予告抽選(第1タイマ予告抽選、第2タイマ予告抽選)では、相対的に期待度の低い変動パターンに相当する変動番号13,14が選択されているときには、同じキャラリーチの変動番号7〜12と比較して相対的に低い確率でしか予告側タイマ演出を実行する旨の決定(トリプルタイマにする決定)がなされないようにしている(図150の変動番号13の振分態様を参照)。
また一方、予告側タイマ演出が出現可能とされる変動パターン(変動番号7〜22)のうち、1つの変動側タイマ演出を実行する変動パターン(変動番号9〜12,17〜20)が選択されているときには、相対的に期待度の低いキャラリーチ(変動番号9〜12)の場合におけるダブルタイマの態様の選択確率を大幅に低く設定するとともに、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号17〜20)のほうがダブルタイマの態様の選択確率が大幅に高くなるように設定されている。すなわちこの場合、上述した図150の変動番号13の振分態様と相まって、一の演出パターン内にトリプルタイマの態様(1つの変動側タイマ演出と2つの予告側タイマ演出、または2つの変動側タイマ演出と1つの予告側タイマ演出)が現れると、相対的に期待度の低いキャラリーチではなく相対的に期待度の高いSPリーチの出現する割合が高くなることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、この実施の形態にかかる予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)では、予告側タイマ演出の種別として、シングルタイマとダブルタイマとのいずれかを選択する処理のみを行うこととした。ただし、当該予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)については、トリプルタイマ以上の予告側タイマ演出が実行されうるように抽選処理を行ってもよいし、予告側タイマ演出のカウント表示の態様を期待度の異なる複数態様(例えば、色違いなど)のいずれで実行するかについての抽選処理として実行するようにしてもよい。
そして、図149に示されるように、こうして予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)が行われた後は、該予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)の結果としてシングルタイマの態様とダブルタイマの態様とのいずれで予告側タイマ演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5506)、さらには第1ミッション演出抽選(ステップS5504)の結果としてミッション演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5507,S532)の各結果に応じた内容(テーブル)でタイマ対象候補演出(予告側タイマ演出の演出対象になりうる予告演出)を対象にした演出抽選(ステップS5508,S5509,S5523,S5524,S5533,S5534,S5543,S5544)を行う。
より具体的には、以下のいずれかの処理を実行することとなる。
・シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5507におけるYES)がなされている第1の処理状況にある場合は、まず、該第1の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5508)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5509)。
・シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況にある場合は、まず、該第2の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5523)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5524)。
・ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5532におけるYES)がなされている第3の処理状況にある場合は、まず、該第3の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5533)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5534)。
・ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5532におけるNO)がなされている第4の処理状況にある場合は、まず、該第4の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5543)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5544)。
図153は、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされているときとミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされていないときとで、リーチ種別や処理状況(第1〜第4の処理状況のほか、後述の第5の処理状況及び第6の処理状況)などに応じて定められるタイマ対象候補演出の出現上限数を比較して示す図である。
同図153に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされているときは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされていないときに比べてタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が多くなるように制御するようにしている。
すなわち、予告側タイマ演出を実行するか否かや、予告側タイマ演出がシングルタイマの態様で実行されるか否かや、リーチ種別が相対的に期待度の高いリーチ演出であるか否か、等々といった判定結果がいずれの場合であっても、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされているときは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされていないときに比べてタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が多くなるようになっている。
なお、このような処理設定は、上述の予告側タイマ演出実行時の演出抽選(ステップS5508,S5509,S5523,S5524,S5533,S5534,S5543,S5544)や、後述の予告側タイマ演出非実行時の演出抽選(ステップS5553,S5554,S5563,S5564)で参照される各テーブルの設定を通じて実現される。
このような構成によれば、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行されると予告演出の出現割合が高くなって平均出現数が多くなることによる遊技興趣の向上を図ることが期待されることはもとより、「これだけ予告演出が頻出するのであれば、それら予告演出のなかでも相対的に期待度の低い会話予告も出現してミッション成功になるかもしれない」といった期待感を持たせることができるようになる。なお上述の通り、ミッション表示の対象にされる演出は、会話予告などの相対的に期待度の低い演出であることが求められるが、必ずしも期待度が最も低いものでなくてもよく、予告側タイマ演出の演出対象とされうる演出の種別を期待度に応じて2つのグループに分類したときに相対的に期待度が低い側のグループに分類される程度のものであってもよい。若しくは、リーチ演出が開始された後に現れる相対的に期待度の高い特定演出と比較して、これよりも期待度が低くてリーチ演出が開始されるよりも前のタイミングで現れる予告演出であってもよい。
図154は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5507におけるYES)がなされている第1の処理状況にある場合にステップS5508の処理において参照されるテーブルT5aの一例を示す図である。
まず、同図154に示されるように、テーブルT5aは、予告側タイマ演出やミッション演出が実行される場合に参照されるものであるから、予告側タイマ演出を実行し得ない変動パターンに相当する変動番号1〜6や、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときには当該テーブルT5aが参照されることはない。
また、テーブルT5aでは、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、少なくとも1つのタイマ対象候補演出は選択されるように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。ただし、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が出現する変動番号については、必ずしも予告演出の演出内容としてタイマ対象候補演出が選択されないようにしてもよい。
また、テーブルT5aでは、キャラリーチ演出に相当する変動番号7,8,10〜12,14のなかでも、変動番号7,8のうちの当り演出に対しては最大4つのタイマ対象候補演出が割り振られているのに対し、変動番号10〜12のうちの当り演出に対しては最大3つのタイマ対象候補演出が割り振られており、変動番号14に至っては最大2つのタイマ対象候補演出しか割り振られていない。ただし、変動番号7,8では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットインA)が現れないものであるのに対し、変動番号10〜12では、変動演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(会話予告またはカットインA)が現れるようになっており、変動番号14に至っては変動演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出(会話予告及びカットインA)が現れるようになっている。したがって、変動番号10〜12では、実質的に1つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義であり、変動番号14では、実質的に2つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義である。
そうすると、例えば、変動番号14では、実質的には、予告数3に対して「400」の演出乱数が割り振られており、予告数4に対して「600」の演出乱数が割り振られているのと同義になることから、当該キャラリーチ演出に相当する変動番号7,8,10〜12,14のなかでは最も予告演出が数多く出現し易くなるように割り振られていると言える。
ちなみに、変動番号10のときに現れる演出パターン(キャラリーチ+会話予告)は、変動番号11,12のときに現れる演出パターン(キャラリーチ+カットインA)に比べて大当り期待度が低く設定されていることは上述した通りである。ただし、上記第1の処理状況にあるときに参照される当該テーブルT5aにあって、変動番号10とは、「ミッション成功(特別表示)が表示され、その後に大当り図柄で停止される演出パターンとして実行されるもの」であることに鑑み、変動番号11,12の場合(ミッション成功(特別表示)が表示されない場合)に比べて予告演出の出現数や出現確率が高くなるようにしており、これによってミッション成功(特別表示)が表示されたときの遊技興趣の向上が図られるようにしている。
これに対し、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号15,16,18〜20,22)においても、このようなキャラリーチ内の各変動番号の関係と概ね同じ関係が設定されている。ただし、SPリーチのうち変動番号18が上記変動番号10に相当し、変動番号19,20が上記変動番号11,12に相当するものであるが、上記キャラリーチの場合とは異なり、当り時の変動番号18よりも当り時の変動番号20のほうが予告演出の出現数や出現確率が高くなっている(大当り期待度の高い変動番号ほど予告数が多くなり易くなっている)。また、SPリーチでは、キャラリーチに比べて予告数の出現割合(平均出現数)が高くなっている。
なお後述するが、第1の処理状況にあるときのキャラリーチでは、図柄変動が停止されるまでの間に最大5つのタイマ対象候補演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ)が出現しうるタイミングが到来するようになっている。ただし、最大5つのタイマ対象候補演出のうち1つは大当り確定演出(特別タイマ)であるほか、会話予告が選択されたときにもミッション成功による大当り演出として機能することとなることから、タイマ対象候補演出が4つ以上出現するときには大当り確定の予告演出が現れることとなる。したがって、テーブルT5aでは、ハズレ時のキャラリーチである変動番号7では、タイマ対象候補演出が最大3つまでしか出現可能とされておらず、ハズレ時のキャラリーチ(カットインA)である変動番号11では、タイマ対象候補演出が最大2つ(実質では最大3つ)までしか出現可能とされていない。
これに対し、第1の処理状況にあるときのSPリーチでは、図柄変動が停止されるまでの間に最大6つのタイマ対象候補演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作)が出現しうるタイミングが到来するようになっている。ただし、会話予告が選択されたときにはミッション成功による大当り演出として機能することとなることから、タイマ対象候補演出が6つ出現するときには大当り確定の予告演出が現れることとなる。したがって、テーブルT5aでは、ハズレ時のSPリーチである変動番号15では、タイマ対象候補演出が最大5つまでしか出現可能とされておらず、ハズレ時のキャラリーチ(カットインB)である変動番号19では、タイマ対象候補演出が最大4つ(実質では最大5つ)までしか出現可能とされていない。
なお、上記タイマ対象候補演出として用意されている各演出についてその一例を下記に記載する。
・会話予告:演出表示装置1600において所定キャラクタのセリフが表示されるものでありセリフの内容に応じて大当り期待度が変化しうるが、当該会話予告が出現したときの大当り期待度は、他の演出(保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作)に比べて低く設定されている。
・保留変化:保留消化に応じて行われる図柄変動中においても該消化対象になった保留表示に対応した表示(既に保留状態ではないが、保留状態にあったときの保留表示に対応した表示)が表示されているなかで、該消化対象になった保留表示の表示態様(色など)を変化させるものであり変化後の表示態様に応じて示唆される大当り期待度が変化しうるが、当該保留変化が出現した時点での大当り期待度は、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作に比べて低く設定されている。
・カットインA:図柄変動中に行われている演出に対して優先表示されるかたちで特定画像Aを表示させるものであり、当該カットインAが出現したときの大当り期待度は、役物A動作、カットインB、役物B動作に比べて低く設定されている。
・役物A動作:上述した演出用可動体のいずれかを動作させるものであり、当該役物A動作が出現したときの大当り期待度は、役物B動作に比べて低く設定されている。
・カットインB:図柄変動中に行われている演出に対して優先表示されるかたちで特定画像Bを表示させるものであり、当該カットインBが出現したときの大当り期待度は、役物A動作、役物B動作に比べて低く設定されている。
・役物B動作:上述した演出用可動体のいずれかを動作させるものであり、当該役物B動作が出現したときの大当り期待度は、他の演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB)に比べて高く設定されている。当該役物B動作で動作させる演出用可動体については、役物A動作で用いられる演出用可動体と異なっていても同じであってもよいが、同じ演出用可動体を用いる場合には動作態様を異ならせることとなる。
なお、これらの各演出は、タイマ対象の演出として実行されうるものであることはもとより、カウント表示が実行される前や、実行中、実行された後の期間、若しくはタイマ演出が実行されない変動期間においてもタイマ対象でない演出として実行されうるものとなっている。また、これらの各演出は、例えば、青色のカットインA、赤色のカットインAなど、期待度の異なる複数の演出態様のいずれかで実行可能とされるものであってもよい。また、保留変化については、出現すると大当り確定となるプレミア態様(特別態様)を含むようにしてもよい。ただしこの場合、カウント表示の実行中にプレミア態様(特別態様)が現れるとカウント表示が所定値になったときにタイマ演出の対象として保留変化が実行されることはなくなることとなる。
図155は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況にある場合にステップS5523の処理において参照されるテーブルT5bの一例を示す図である。
まず、同図155に示されるように、テーブルT5bは、予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、予告側タイマ演出を実行し得ない変動パターンに相当する変動番号1〜6が取得されているときには当該テーブルT5bが参照されることはない。ただし、ミッション演出が実行されないときに参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときにも当該テーブルT5bは参照される。したがって、テーブルT5bでは、変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている。
また、テーブルT5bも同様、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、少なくとも1つのタイマ対象候補演出は選択されるように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。ただし、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が出現する変動番号については、必ずしも予告演出の演出内容としてタイマ対象候補演出が選択されないようにしてもよい。
また、これも同様、テーブルT5bでは、キャラリーチ演出に相当する変動番号7〜14のなかでも、変動番号7〜12に対しては最大2つのタイマ対象候補演出が割り振られているのに対し、相対的に期待度の高い変動番号13,14に対しては最大1つのタイマ対象候補演出しか割り振られていない。ただし、変動番号7,8では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が現れないものであるのに対し、変動番号9〜12では、変動演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(会話予告またはカットイン)が現れるようになっており、変動番号13,14に至っては変動演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出(会話予告及びカットイン)が現れるようになっている。したがって、変動番号9〜12では、実質的に1つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義であり、変動番号13,14では、実質的に2つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義である。
そうすると、例えば、変動番号14では、実質的には、予告数3に対して「1000」の演出乱数が割り振られているのと同義になることから、当該キャラリーチ演出に相当する変動番号7〜14のなかでは最も予告演出が数多く出現し易くなるように割り振られていると言える。
なお、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号15〜22)においても、このようなキャラリーチ内の各変動番号の関係と概ね同じ関係が設定されている。ただし、SPリーチでは、キャラリーチに比べて予告数の出現割合(平均出現数)が高くなっている。
その他、テーブルT5bでは、テーブルT5aと概ね同じ態様で演出乱数の振り分けがなされているが、ミッション演出が実行されないときに参照されるものであることから、ミッション演出が実行されないときに参照されるテーブルT5aよりもタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が少なくなるようになっている。
図156は、ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5532におけるYES)がなされている第3の処理状況にある場合にステップS5533の処理において参照されるテーブルT5cの一例を示す図である。
まず、同図156に示されるように、テーブルT5cも、予告側タイマ演出やミッション演出が実行される場合に参照されるものであるから、予告側タイマ演出を実行し得ない変動パターンに相当する変動番号1〜6や、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときには当該テーブルT5cが参照されることはない。
ただし、テーブルT5cでは、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、少なくとも2つのタイマ対象候補演出は選択されるように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。ただし、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が出現する変動番号については、必ずしも予告演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出を割り振らなくてもよく、変動演出の演出内容に応じて予告演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(変動番号9,17)を割り振ったり、タイマ対象候補演出を割り振らない(変動番号13,21)ようにしてもよい。
また、テーブルT5cでは、キャラリーチ演出に相当する変動番号7,8,10〜12,14のなかでも、変動番号7,8のうちの当り演出に対しては最大5つのタイマ対象候補演出が割り振られているのに対し、変動番号10〜12のうちの当り演出に対しては最大4つのタイマ対象候補演出が割り振られており、変動番号14に至っては最大3つのタイマ対象候補演出しか割り振られていない。ただし、変動番号7,8では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が現れないものであるのに対し、変動番号10〜12では、変動演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(会話予告またはカットイン)が現れるようになっており、変動番号14に至っては変動演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出(会話予告及びカットイン)が現れるようになっている。したがって、変動番号10〜12では、実質的に1つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義であり、変動番号14では、実質的に2つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義である。
そうすると、例えば、変動番号14では、実質的には、予告数4に対して「400」の演出乱数が割り振られており、予告数5に対して「600」の演出乱数が割り振られているのと同義になることから、当該キャラリーチ演出に相当する変動番号7,8,10〜12,14のなかでは最も予告演出が数多く出現し易くなるように割り振られていると言える。
また、第3の処理状況にあるときのキャラリーチでは、図柄変動が停止されるまでの間に最大5つのタイマ対象候補演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ)が出現しうるタイミングが到来するようになっている。ただし、最大5つのタイマ対象候補演出のうち1つは大当り確定演出(特別タイマ)であるとともに、会話予告が選択されたときにはミッション成功による大当り演出として機能することとなることから、タイマ対象候補演出が4つ以上出現するときには大当り確定の予告演出(ミッション成功または特別タイマ)が現れることとなる。したがって、テーブルT5cでは、ハズレ時の変動番号では最大でも3つまで(変動側のタイマ対象候補演出の数と、予告側のタイマ対象候補演出の数の合計が3つまで)しかタイマ対象候補演出が出現可能とされていない。
しかも、最大5つのタイマ対象候補演出のうち1つは大当り確定演出(特別タイマ)であるから、変動番号8のときに予告数5が選択された場合や、変動番号10,12のときに予告数4が選択された場合、変動番号14のときに予告数3が選択された場合は、大当り確定演出(特別タイマ)を実行することが確定されることとなる。このように、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合は、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に比べて後述の特別タイマの出現する割合が高くなることから、大当りに当選することだけではなく高確率時短状態に移行することや16ラウンドの大当り遊技が実行されることへの期待感を持つことができるようになる。特に、ダブルタイマの態様であり且つミッション演出が実行されるときには、より一層、このような期待感を持つことができるようになることから、そもそも期待度の低いミッション演出をうまく利用して効果的な演出状況を生み出すことができるようになる。
ちなみに、変動番号10のときに現れる演出パターン(キャラリーチ+会話予告)は、変動番号11,12のときに現れる演出パターン(キャラリーチ+カットイン)に比べて大当り期待度が低く設定されていることは上述した通りである。ただし、上記第3の処理状況にあるときに参照される当該テーブルT5cにあって、変動番号10とは、「ミッション成功(特別表示)が表示され、その後に大当り図柄で停止される演出パターンとして実行されるもの」であることに鑑み、変動番号11,12の場合(ミッション成功(特別表示)が表示されない場合)に比べて予告演出の出現数や出現確率が高くなるようにしており、これによってミッション成功(特別表示)が表示されたときの遊技興趣の向上が図られるようにしている。
これに対し、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号15,16,18〜20,22)においても、このようなキャラリーチ内の各変動番号の関係と概ね同じ関係が設定されている。ただし、SPリーチのうち変動番号18が上記変動番号10に相当し、変動番号19,20が上記変動番号11,12に相当するものであるが、上記キャラリーチの場合とは異なり、当り時の変動番号18よりも当り時の変動番号20のほうが予告演出の出現数や出現確率が高くなっている(大当り期待度の高い変動番号ほど予告数が多くなり易くなっている)。また、SPリーチでは、キャラリーチに比べて予告数の出現割合(平均出現数)が高くなっている。
なお後述するが、第3の処理状況にあるときのSPリーチでは、図柄変動が停止されるまでの間に最大6つのタイマ対象候補演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作)が出現しうるタイミングが到来するようになっている。ただし、会話予告が選択されたときにはミッション成功による大当り演出として機能することとなることから、タイマ対象候補演出が6つ出現するときには大当り確定の予告演出が現れることとなる。したがって、テーブルT5cでは、ハズレ時のSPリーチに相当する変動番号では最大でも5つまで(変動側のタイマ対象候補演出の数と、予告側のタイマ対象候補演出の数の合計が5つまで)しかタイマ対象候補演出が出現可能とされていない。
図157は、ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5532におけるNO)がなされている第4の処理状況にある場合にステップS5543の処理において参照されるテーブルT5dの一例を示す図である。
まず、同図157に示されるように、テーブルT5dは、予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、予告側タイマ演出を実行し得ない変動パターンに相当する変動番号1〜6が取得されているときには当該テーブルT5dが参照されることはない。ただし、ミッション演出が実行されないときに参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときにも当該テーブルT5bは参照される。したがって、テーブルT5dでは、変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている。
また、テーブルT5dも同様、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、少なくとも2つのタイマ対象候補演出は選択されるように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。ただし、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が出現する変動番号については、必ずしも予告演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出を割り振らなくてもよく、変動演出の演出内容に応じて予告演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(変動番号9,17)を割り振ったり、タイマ対象候補演出を割り振らない(変動番号13,21)ようにしてもよい。
また、これも同様、テーブルT5dでは、キャラリーチ演出に相当する変動番号7〜14のなかでも、変動番号7,8のうちの当り演出に対しては最大4つのタイマ対象候補演出が割り振られているのに対し、変動番号10〜12のうちの当り演出に対しては最大3つのタイマ対象候補演出が割り振られており、変動番号13,14の当り演出に至っては最大2つのタイマ対象候補演出しか割り振られていない。ただし、変動番号7,8では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が現れないものであるのに対し、変動番号9〜12では、変動演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(会話予告またはカットイン)が現れるようになっており、変動番号13,14に至っては変動演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出(会話予告及びカットイン)が現れるようになっている。したがって、変動番号9〜12では、実質的に1つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義であり、変動番号13,14では、実質的に2つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義である。
そうすると、例えば、変動番号14では、実質的には、予告数4に対して「1000」の演出乱数が割り振られているのと同義になることから、当該キャラリーチ演出に相当する変動番号7〜14のなかでは最も予告演出が数多く出現し易くなるように割り振られていると言える。
なお、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号15〜22)においても、このようなキャラリーチ内の各変動番号の関係と概ね同じ関係が設定されている。ただし、SPリーチでは、キャラリーチに比べて予告数の出現割合(平均出現数)が高くなっている。
その他、テーブルT5dでは、テーブルT5cと概ね同じ態様で演出乱数の振り分けがなされているが、ミッション演出が実行されないときに参照されるものであることから、ミッション演出が実行されないときに参照されるテーブルT5cよりもタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が少なくなるようになっている。
そして、図149に示されるように、こうして予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)の結果としてシングルタイマの態様とダブルタイマの態様とのいずれで予告側タイマ演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5506)、さらには第1ミッション演出抽選(ステップS5504)の結果としてミッション演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5507,S5532)の各結果に応じた内容(テーブルT5a〜d)でタイマ対象候補演出(予告側タイマ演出の演出対象になりうる予告演出)の出現数を決定した後に(ステップS5508,S5523,S5533,S5543)、該決定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5509,S5524,S5534,S5544)。
図158は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5507におけるYES)がなされている第1の処理状況において、ステップS5508の処理を実行した結果として予告数を1にすることが決定された場合(ステップS5509)に参照されるテーブルT6a−1の一例を示す図である。
例えば、同図158に示されるように、このテーブルT6a−1(ステップS5509:予告数1)では、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、タイマ対象候補演出として実行することが決定された1つの予告演出が、予告側タイマ演出の演出対象として自ずと設定されることとなる(図中、○印が予告側タイマ演出の演出対象として実行されることを示している)。これに対し、図示は割愛するが、タイマ対象候補演出としてN個(2以上)の予告演出を決定することが求められる場合は(ステップS5509:予告数N)、タイマ対象候補演出としてN個の予告演出を決定するとともにそのうちの1つを予告側タイマ演出の演出対象として決定することとなる。
なお、タイマ対象候補演出としてN個(2以上)の予告演出を決定することが求められる場合であって、そのうちのN−1個(シングル態様のときは1個、ダブル態様のときは2個)以下の数の演出を予告側タイマ演出の演出対象とするときには(ステップS5509,S524,S534,S544)、タイマ対象候補演出としてN個分の同じ演出組み合わせの演出を選択した場合であっても、それら演出のいずれを予告側タイマ演出として決定するかに応じて大当り期待度が異なるようにすることが望ましい。例えば、一の演出パターンのなかで相対的に早いタイミングで出現する先演出(例えば、会話予告)と、一の演出パターンのなかで相対的に遅いタイミングで出現する後演出(例えば、役物A動作)とがタイマ対象候補演出として選択された場合は、先演出(例えば、会話予告)を予告側演出タイマの演出対象にするときよりも後演出(例えば、役物A動作)を予告側演出タイマの演出対象にするときのほうが大当り図柄(特別表示態様)の現れる割合が高くなるように設定することとなる(ステップS5509,S5524,S5534,S5544)。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動演出の演出内容として「会話予告」や「カットインA,B」を実行する変動番号が取得されている場合であっても、予告演出の演出内容として「会話予告」や「カットインA,B」を決定しうるものとなっている。ただしこの結果、変動演出の演出内容と予告演出の演出内容との両方で同じ演出を出現させることが決定された場合は、予告演出の演出内容としてこれを別個に出現させる制御はせず、変動演出の演出内容として現れる演出(会話予告、カットインA,B)を予告側タイマ演出の演出対象として設定する処理が行われる(ステップS5509,S524,S534,S544)。
例えば、テーブルT6a−1(予告数1)の例では、変動番号10,14,18,22で「会話予告」が予告演出の演出内容として決定された場合や、変動番号11〜14で「カットインA」が予告演出の演出内容として決定された場合や、変動番号19〜22で「カットインB」が予告演出の演出内容として決定された場合は、変動演出の演出内容と予告演出の演出内容との両方で同じ演出を出現させることが決定されることとなる。ただしここでは、予告演出の演出内容として別個に出現させる制御は行われず、変動演出の演出内容として現れる演出(会話予告、カットインAまたはカットインB)を予告側タイマ演出の演出対象として設定する処理が行われるようになっている。
なお、変動演出の演出内容と予告演出の演出内容との両方で特定演出(会話予告、カットインAまたはカットインB)を出現させることが決定された場合、予告演出の演出内容としてこれを別個に出現させる制御を行うようにして、該別個に出現させる側の特定演出(予告演出の演出内容)を予告側タイマ演出の演出対象として設定するようにしてもよい。
また、このテーブルT6a−1(予告数1)では、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、図148に併せて示されるように、変動演出の内容として「会話予告」を実行する変動番号10,14,18,22が取得されている場合や、タイマ対象候補演出(予告演出の内容)として「会話予告」を選択した場合(PTN1)は、特別表示(ミッション成功)が表示されて大当り図柄が現れることが確定的に示唆されるようになる。
この点、変動演出の内容として「会話予告」を実行する当り時の変動番号10,14,18,22では、変動演出の内容として「会話予告」を実行しない当り時の変動番号8,12,16,20に比べて予告演出の演出内容として「会話予告」を決定する割合が低くなるように設定されている。すなわち上述の通り、変動番号10,14,18,22において予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されると変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が「会話予告」を演出対象として実行されることとなるが、このように2つのタイマ演出が同じ演出を演出対象にする場合は、基本的には、2つのタイマ演出が異なる演出を演出対象にする場合に比べて大当り期待度が低くなるように設定しているためである。これにより、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が「会話予告」を演出対象とする場合における特別表示(ミッション成功)の出現割合を相対的に低くすることができるようになる。
このような「会話予告」以外の変動演出の演出内容なども同様であり、例えば、SPリーチに相当する変動番号15〜22のうち変動演出の演出内容として「カットインB」を実行しない変動番号15,16のうち、ハズレ時の変動番号15には150個の演出乱数が割り振られているのに対し、当り時の変動番号16には250個もの演出乱数が割り振られている。一方、SPリーチに相当する変動番号15〜22のうち変動演出の演出内容として「カットインB」を実行する変動番号19,20のうち、ハズレ時の変動番号19には250個の演出乱数が割り振られているのに対し、当り時の変動番号20には200個の演出乱数しか割り振られていない。
すなわちこの場合、変動番号15,16で変動側タイマ演出によってのみ「カットインB」が演出対象にされる場合は、変動番号19,20で変動側タイマ演出及び予告側タイマ演出の両方が出現してこれらの両方が「カットインB」を演出対象にする場合に比べて大当り図柄の現れる割合が高くなるようになる。これにより、2つのタイマ演出が同時にカウント表示される状況においてはそれらのタイマ演出が同じ演出対象で所定数値に達してしまうのか否かが重要な演出要素として機能するようになり、カウント表示中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、キャラリーチに相当する変動番号7〜14のうち当り時の変動番号8,10,12,14では、演出パターンにおいて大当り図柄(特別表示態様)が停止されるまでの間(図柄変動中)に出現する演出ではなく演出パターンにおいて大当り図柄(特別表示態様)が停止された後に現れる演出(例えば、大当り遊技中の確変示唆演出や高ラウンド示唆演出など)を演出対象にする特別タイマの態様で予告側タイマ演出を実行することが決定されうるようになっている。この特別タイマについては後述することとするが、この実施の形態では、当該ステップS5509の処理において特別タイマを発生させることが決定された場合であっても特別タイマを出現させないことがあり、その実行の有無を含めて、特別タイマの実行態様については後のステップS5514の処理にて決定されることとなる。
ここで、予告側タイマ演出は、カウント表示が開始されてから終了されるまでのカウント総数が少なくても大当り期待度が相対的に高い場合(変動表示の途中から開始される場合など)があるのに対し、変動側タイマ演出では、カウント表示が開始されてから終了されるまでのカウント総数が少ない場合は多い場合よりも該タイマ演出にて示唆される期待度が必ず低くなるように制御してもよい。
なお後述するが、このような特別タイマは、演出パターンにおいて大当り図柄(特別表示態様)が現れることを確定的に示唆するものであることはもとより、出現したときには高確率時短遊技状態や16ラウンド大当り遊技が実行される割合が相対的に高くなる点で、他の演出を演出対象にするタイマ演出に比べて遊技者にとって有益なものであると言える。なお、該割合については100%を含むようにしてもよい。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、ミッション演出において特別表示(ミッション成功)が現れるときには、特別表示(ミッション成功)が現れないときに比べて特別タイマの出現割合が高くなるように制御することで、特別表示(ミッション成功時)が現れたときの期待感がより好適に奏されるようにしている(ステップS5509,S5534)。例えば、テーブルT6a−1(予告数1)においては、特別タイマが出現しうるキャラリーチに相当する変動番号7〜14のうち、会話予告を演出対象にした変動側タイマ演出(ミッション成功)が出現する当り時の変動番号10、14には100個の演出乱数が特別タイマに対して割り振られているのに対し、会話予告を演出対象にした変動側タイマ演出(ミッション成功)が出現しない当り時の変動番号8、12には50個の演出乱数しか特別タイマに対して割り振られていない。
またさらに、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、特別表示(ミッション成功)が現れなかったとしてもミッション演出(会話予告を出現させろ)が行われるときには(ステップS5509,S5534)、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が行われないとき(ステップS5524、S5544)に比べて特別タイマの出現割合が高くなるように制御することで、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が現れたときの期待感がより好適に奏されるようにしている。
また、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とによるダブルの態様でタイマ演出が行われる場合は、予告側タイマ演出のみによるダブルの態様でタイマ演出が行われる場合に比べて特別タイマの出現割合が低くなるように設定されている。また、1つの変動側タイマ演出と2つの予告側タイマ演出とによるトリプルの態様でタイマ演出が行われる場合であっても、予告側タイマ演出の1つが変動側タイマ演出と同じ演出を演出対象にする場合には、予告側タイマ演出と変動側タイマ演出とで同じ演出を演出対象にしない場合に比べて特別タイマの出現割合が低くなるように設定されている。
図159は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、ステップS5523の処理を実行した結果として予告数を1にすることが決定された場合(ステップS5524)に参照されるテーブルT6b−1の一例を示す図である。
同図159に示されるように、このテーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)では、特別タイマが出現しうるキャラリーチに相当する変動番号7〜14のうち、変動番号10、14には50個の演出乱数が割り振られており、変動番号8、12には20個の演出乱数が割り振られている。このように、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が行われないとき(テーブルT6b−1)では、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が行われるとき(テーブルT6b−1)に比べて特別タイマの出現割合が低くなるように設定されていることは明らかである。
また、このテーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)は、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行されないときに参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときにも当該テーブルT6b−1(予告数1)は参照される。したがって、テーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)では、変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている。
しかも、変動番号9,10,13,14,17,18,21,22では、変動演出の演出内容として「会話予告」を演出対象にした変動側タイマ演出を出現させるものであるから、予告演出の演出内容として「会話予告」が選択されるときには変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が「会話予告」を演出対象として実行されることとなるものである。したがって、テーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)では、変動番号9,10,13,14,17,18,21,22において「会話予告」が選択されるときには、その他の変動番号において「会話予告」が選択されるときに比べて大当り期待度が低くなるように演出乱数の振り分けがなされている。
このような「会話予告」以外の変動演出の演出内容なども同様であり、例えば、SPリーチにおいて変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が演出対象にしうる「カットインB」についても、上述のテーブルT6a−1(予告数1)の場合と同じ態様での割り振りがなされている。
また、これも同様、このテーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)も、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、タイマ対象候補演出として実行することが決定された1つの予告演出が、予告側タイマ演出の演出対象として自ずと設定されることとなる。これに対し、図示は割愛するが、タイマ対象候補演出としてN個(2以上)の予告演出を決定することが求められる場合は(ステップS5524:予告数N)、タイマ対象候補演出としてN個の予告演出を決定するとともにそのうちの1つを予告側タイマ演出の演出対象として決定する点も同様である。
このようなシングルの態様で予告側演出タイマが行われるときのタイマ対象予告抽選(ステップS5509,S5524)に対し、ダブルの態様で予告側演出タイマが行われるときのタイマ対象予告抽選(ステップS5534,S5544)においても、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が同じ演出を演出対象にする場合、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とが異なる演出を演出対象にする場合に比べて大当り期待度が低くなるように設定されている点など、基本的には同じ態様で演出乱数の振り分けがなされている。
図160は、ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5532におけるNO)がなされている第4の処理状況において、ステップS5543の処理を実行した結果として予告数を2にすることが決定された場合(ステップS5544)に参照されるテーブルT6d−2の一例を示す図である。
同図160に示されるように、このテーブルT6d−2f(ステップS5544:予告数2)では、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、タイマ対象候補演出として実行することが決定された2つの予告演出はいずれも、予告側タイマ演出の演出対象としてそれぞれ自ずと設定されることとなる。これに対し、図示は割愛するが、タイマ対象候補演出としてN個(3以上)の予告演出を決定することが求められる場合は(ステップS5544:予告数N)、タイマ対象候補演出としてN個の予告演出を決定するとともにそのうちの2つを予告側タイマ演出の演出対象として決定することとなる。このような処理は、他の演出状況におけるタイマ対象予告抽選においても実行されるものである。
また、同図160に示されるように、このテーブルT6d−2fにおいても、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が同じ演出を演出対象にする場合、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とが異なる演出を演出対象にする場合に比べて大当り期待度が低くなるように設定されている。
また、予告側演出タイマとして選択される2つの予告演出の一方が変動側演出タイマと同じ演出対象になっている場合は、特別予告側演出タイマとして選択される2つの予告演出の一方が変動側演出タイマと同じ演出対象になっていない場合に比べて特別タイマの選択割合が低くなっている。
特に、変動番号13,14,21,22において、予告側演出タイマとして選択される2つの予告演出の両方が一の演出パターン内で現れる2つの変動側演出タイマと同じ演出対象になっている場合は、大当り期待度が大幅に低くなっている。
そして、図149に示されるように、こうしたタイマ対象予告抽選(ステップS5509,S5524,S5534,S5544)が行われた結果、タイマ対象候補演出のいずれの演出を出現させるかと、予告側タイマ演出の演出対象をいずれにするかがそれぞれ決定されると、次にステップ510の処理としてカウント表示抽選を行う。
このカウント表示抽選(ステップ510)では、タイマ対象候補演出として出現させる旨の決定がなされた各演出を一の演出パターン(変動パターン)内のいずれのタイミングでそれぞれ出現させるか、さらには演出対象に向けてカウント表示する予告側タイマ演出を一の演出パターン(変動パターン)内のいずれのタイミングから実行させるかについての決定が行われる。なお、この決定では、予告側タイマ演出の演出対象とされる演出の出現タイミングが遅いときには、予告側タイマ演出の演出対象とされる演出の出現タイミングが早いときに比べて大当り図柄(特別表示態様)の出現割合が高くなるように行われることが望ましい。
図161は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、キャラリーチに相当する変動番号が選択されているときに行われるカウント表示抽選(ステップ510)の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
例えば、このような第2の処理状況においてキャラリーチに相当する変動番号7〜14が選択されているときには、同図161に示されるように、まず、変動演出(演出パターン)側の演出として、
・通常演出が行われる通常演出期間、
・通常演出時の背景のもとで装飾図柄がリーチ態様になった以降の通常リーチ演出期間、
・通常演出時とは異なる背景に切り替わって演出進展されるキャラリーチ演出期間、及び
・大当りの当落が示されるように装飾図柄が確定停止(大当り図柄、ハズレ図柄)される図柄停止期間
といった各期間が、50秒の変動時間(図柄変動が行われる期間)内で順次に現れることが決定済みとされている処理状況にある(同図中における「変動時間」、「変動PTN演出」の行を参照)。
また、この処理状況においては、例えば、変動番号14が取得されているときには、演出パターンとして、図柄変動の開始に合わせて変動側タイマ演出を開始させてこれを10秒にわたって表示した後に「会話予告」を出現させることと、所定時間経過後に変動側タイマ演出を再び開始させてこれを10秒にわたって表示した後に「カットインA」を出現させることなども決定済みとされている。
なお上述の通り、一の変動パターン(変動番号)であったとしても演出パターンについてはこれに限られず、図柄変動の開始から所定時間後に変動側タイマ演出を開始させてこれを5秒にわたってカウント表示した後に「会話予告」を出現させるような、他の演出パターンも選択可能とされている。また、これも上述したが、このような演出パターンの選択は、当該予告演出に関する抽選(図149に示される各処理)よりも前に実行済みとなっている。
そして、カウント表示抽選(ステップ510)では、このような各演出期間が順次現れることや変動側の演出内容が決定済みとされているなかで、タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)で決定された予告側演出タイマの演出対象と、該演出対象に向けてカウント表示する予告側演出タイマとをどのようなタイミングでそれぞれ出現させるかについての判定が行われることとなる。なお、タイマ対象予告抽選において予告側演出タイマの演出対象になるタイマ対象候補演出のほか、演出対象にならないタイマ対象候補演出がさらに決定されている場合には該演出対象にならないタイマ対象候補演出の出現タイミングについても当該カウント表示抽選(ステップ510)で決定することとなる。
例えば、上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)において上記予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されている場合は、同図161に示されるように、会話予告1〜4のいずれの態様で会話予告と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定する。なお、この実施の形態では、図中における会話予告1〜4のうち会話予告1の態様が最も大当り期待度の低い態様になっており、数が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなるように選択確率が設定されている。したがって、このカウント表示抽選(ステップ510)では、大当りの当落や変動パターン(変動番号7〜14)などに基づいて会話予告1〜4のいずれか1つを選択することとなり、大当りの当落の別に異なる選択テーブルに基づいて当該カウント表示抽選を行うようにすることが望ましい。
ただしこの際、変動演出の演出内容として会話予告が出現する変動番号9,10,13,14が取得されているときに、上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)においても上記予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されている場合は、会話予告1の態様を必ず選択する。そしてこの場合、変動演出の演出内容として行われる会話予告とは別に、変動演出の演出内容として会話予告を出現させず、変動演出の演出内容として行われる会話予告に向けてタイマ演出のカウント表示が行われる制御を実行することとなる(図中における会話予告1の態様)。
また、同図161に示されるように、キャラリーチに相当する変動番号7〜14が取得されているときに上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)において上記予告演出の演出内容として「保留変化」が決定されている場合は保留変化1〜5のいずれの態様で保留変化と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「カットインA」が決定されている場合はカットインA1〜3のいずれの態様でカットインAと予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「役物A動作」が決定されている場合は役物A動作1〜4のいずれの態様で役物A動作と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「特別タイマ」が決定されている場合は特別タイマ1,2のいずれの態様で予告側タイマ演出を実行するのかを決定することとなる。
なお、この実施の形態では、図中における保留変化1〜5、カットインA演出1〜3、役物A動作1〜4のいずれの演出選択においても、最も数の小さい態様が最も大当り期待度の低い態様になっており、数が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなるようにそれぞれ選択確率が設定されている。これに対し、特別タイマ1,2はいずれも大当り図柄(特別表示態様)が必ず現れることを示す演出である。
また、同図161に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、一の演出パターン(ここでは、キャラリーチ)が行われるなかで予告側タイマ演出の出現しうるタイミングを3つ用意しているが(変動開始時、予告E2の出現タイミングの少し前、予告Fの出現タイミングの少し前)、それらの出現タイミングは、複数種のタイマ対象予告(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ)でそれぞれ兼用されるかたちとなっている。そして、こうした複数の出現タイミング(変動開始時、予告E2の出現タイミングの少し前、予告Fの出現タイミングの少し前)では、予告側タイマ演出が出現するときのカウント表示総数としてもこれが複数用意(10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、70秒など)されるとともに、それらのカウント表示総数のいずれが表示されたとしても、その演出対象がいずれの演出であるのかを予測し難い構成とされるようにしている。
例えば、同図161に示されるように、キャラリーチに相当する変動番号7〜14が取得されているときには、上記複数の出現タイミングのうち予告E2の出現タイミングの少し前に到来するタイミングで10秒,20秒,30秒のいずれかのカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現しうるようになっている。ただし、10秒のカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現したときには、キャラリーチの演出パターンのなかだけでも会話予告3及び保留変化3のいずれの態様が実行されているのかを予測し難くなっているし、20秒のカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現したときにも、キャラリーチの演出パターンのなかだけでも保留変化4及びカットインA2のいずれの態様が実行されているのかを予測し難くなっている。
この点、上記複数の出現タイミングのうち予告E2の出現タイミングの少し前に到来するタイミングで30秒のカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現したときには、キャラリーチの演出パターンのなかだけを見ると役物A動作2の態様しか実行され得ない。ただし、後述のSPリーチの演出パターン(図162を参照)を見ると変動開始から同じタイミングで役物A動作2の態様が実行されうるようになっていることから、予告E2の出現タイミングの少し前に到来するタイミングで30秒のカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現した場合であっても、キャラリーチであるのかSPリーチであるのかも含めていずれの態様で予告側タイマ演出が実行されるのかを予測することは困難とされている。
このような構成によれば、予告側タイマ演出が出現したときにいずれの演出を演出対象としているのか(演出対象とされる演出の種別によって大当り期待度が異なる)を不明のままとすることができることから、当該タイマ演出のカウント表示が特定数値(ここでは0)になるまで遊技興趣を好適に維持することができるようになる。なお、この実施の形態では、同じタイミングで同じカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現した場合、基本的には(ミッション演出などとの兼ね合いがなければ)、演出対象が会話予告であるときが最も大当り期待度が低くなっており、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作の順に次第に大当り期待度が高くなるように設定されている。
また、上記構成によれば、予告側タイマ演出が出現するときには、いずれの出現タイミングであっても複数のカウント表示総数(秒数の長さによって大当り期待度が異なる)が用意されていることから、予告側タイマ演出が出現するときにはカウント表示総数がいずれであるのかについての興味を持たせることができるようになり、予告側タイマ演出の出現時の遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、この実施の形態では、いずれのタイミングで出現する予告側タイマ演出であっても、出現時にはその演出対象が予測困難とされるようにしているが、カウント表示総数に対して一の演出対象(例えば、特別タイマ)しか対応付けせずに演出対象を予測可能として設定された態様も含まれるようにしてもよい。また、予告側タイマ演出が出現しうる出現タイミングとして、一のカウント表示総数しか現れない出現タイミングが含まれるようにしてもよい。
また、図161に示される例(キャラリーチ:予告数1)では、説明の便宜上、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出を演出対象にしている場合に、図中においては、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ秒数分だけカウント表示したり、同じタイミングでカウント表示が終了されるかのように記載している。ただし上述の通り、実際は、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)を演出対象にする場合であっても、各カウント表示の終了タイミングを異ならせるようにしており、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との一方が先に特定数値(ここでは0)に達して終了されるのに対し他方のカウント表示は継続させるようにしている。
また、図161に示される例(キャラリーチ:予告数1)では、秒単位でタイマ演出のカウント表示がなされるかのように記載されているが、カウント表示で現れる数字の単位としては「秒」に限られない。したがって、例えば、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とでカウント表示の数字変化に要する時間が異なっていてもよいし、変動側タイマ演出で現れるカウント表示において各数字の変化に要する時間が一定でなくてもよい。
また、図161に示される例(キャラリーチ:予告数1)では、上記予告演出の演出内容として「特別タイマ」が決定されている場合は特別タイマ1,2のいずれの態様で予告側タイマ演出を実行するのかを決定することとしている。すなわちこの場合、当該演出パターン(キャラリーチ)において大当り図柄(特別表示態様)が現れた後、20秒が経過したとき(大当り遊技の実行期間中)にカウント表示が特定数値(ここでは0)に達することとなる。そしてこの後、大当りの種別として遊技者に有利な種別であることを示唆する演出(例えば、高確率時短状態に移行させる当り種別や、16ラウンドの大当り遊技が行われる当り種別など)が開始されることとなるが、このような特別タイマの態様については後述のステップS5514にて設定される。
なお、この実施の形態では、カウント表示抽選(ステップS5511)内にて特別タイマ1,2の態様のいずれを選択するかを決定することとしているが、この決定にかかる処理も含めて、後述のステップS5514にて設定するようにしてもよい。
また、保留情報に応じた変動表示が開始されるタイミングではなく、変動表示が開始されてから所定時間経過後にカウント表示を開始させるときは、後述のタイマ先読み演出が実行されていない場合であっても該カウント表示が開始されるまでの所定時間にわたって後述のタイマ先読み演出で表示される態様(例えば、タイマ準備中)を出現(例えば、所定確率で出現)させるようにしてもよい。
図162は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、SPリーチに相当する変動番号が選択されているときに行われるカウント表示抽選(ステップ510)の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
例えば、このような第2の処理状況においてSPリーチに相当する変動番号15〜22が選択されているときには、同図162に示されるように、まず、変動演出(演出パターン)側の演出として、
・通常演出が行われる通常演出期間、
・通常演出時の背景のもとで装飾図柄がリーチ態様になった以降の通常リーチ演出期間、
・通常演出時とは異なる背景に切り替わって演出進展されるキャラリーチ演出期間、
・キャラリーチ演出期間内で装飾図柄が確定停止されず、さらに演出進展されるかたちで現れるSPリーチ演出期間、及び
・大当りの当落が示されるように装飾図柄が確定停止(大当り図柄、ハズレ図柄)される図柄停止期間
といった各期間が、90秒の変動時間(図柄変動が行われる期間)内で順次に現れることが決定済みとされている処理状況にある(同図中における「変動時間」、「変動PTN演出」の行を参照)。
また、この処理状況においては、例えば、変動番号22が取得されているときには、演出パターンとして、図柄変動の開始に合わせて変動側タイマ演出を開始させてこれを10秒にわたって表示した後に「会話予告」を出現させることと、所定時間経過後に変動側タイマ演出を再び開始させてこれを10秒にわたって表示した後に「カットインB」を出現させることなども決定済みとされている。
なお、この例(SPリーチ:予告数1)においても、図161に示される例(キャラリーチ:予告数1)の場合と同様、一の変動パターン(変動番号)であったとしても演出パターンについてはこれに限られず、図柄変動の開始から所定時間後に変動側タイマ演出を開始させてこれを5秒にわたってカウント表示した後に「会話予告」を出現させるような、他の演出パターンも選択可能とされている。
そして、この例(SPリーチ:予告数1)においては、例えば、上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)において上記予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されている場合は、同図162に示されるように、会話予告1〜6のいずれの態様で会話予告と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定する。なお、この実施の形態では、図中における会話予告1〜6のうち会話予告1の態様が最も大当り期待度の低い態様になっており、数が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなるように選択確率が設定されている。したがって、このカウント表示抽選(ステップ510)では、大当りの当落や変動パターン(変動番号15〜22)などに基づいて会話予告1〜6のいずれか1つを選択することとなり、大当りの当落の別に異なる選択テーブルに基づいて当該カウント表示抽選を行うようにすることが望ましい。
ただし、これも同様、変動演出の演出内容として会話予告が出現する変動番号17,18,21,22が取得されているときに、上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)においても上記予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されている場合は、会話予告1の態様を必ず選択する。そしてこの場合、変動演出の演出内容として行われる会話予告とは別に、変動演出の演出内容として会話予告を出現させず、変動演出の演出内容として行われる会話予告に向けてタイマ演出のカウント表示が行われる制御を実行することとなる(図中における会話予告1の態様)。
また、同図162に示されるように、キャラリーチに相当する変動番号15〜22が取得されているときに上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)において上記予告演出の演出内容として「保留変化」が決定されている場合は保留変化1〜7のいずれの態様で保留変化と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「カットインA」が決定されている場合はカットインA1〜5のいずれの態様でカットインAと予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「役物A動作」が決定されている場合は役物A動作1〜4のいずれの態様で役物A動作と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「カットインB」が決定されている場合はカットインB1〜5のいずれの態様でカットインBと予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「役物B動作」が決定されている場合は役物B動作1〜4のいずれの態様で役物B動作と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定することとなる。
なお、このSPリーチの例でも、図中における保留変化1〜7、カットインA1〜5、役物A動作1〜4、カットインB1〜5、役物B動作1〜4のいずれの演出選択においても、最も数の小さい態様が最も大当り期待度の低い態様になっており、数が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなるようにそれぞれ選択確率が設定されている。
また、図162に示される例では、一の演出パターン(ここでは、SPリーチ)が行われるなかで予告側タイマ演出の出現しうるタイミングを6つ用意しているが(変動開始時、予告E2の出現タイミングの少し前、予告Fの出現タイミングの少し前、通常リーチ演出期間が終了する少し前、キャラリーチ演出期間内、SPリーチ演出期間が開始されるタイミング)、これらのタイミングにおいて予告側タイマ演出が出現されるときにはその演出対象がいずれの演出であるのかを予測し難い構成とされている点なども、図161に示した例の場合と同様である。
ただし、図162に示される例では、カウント表示総数に対して一の演出対象しか対応付けせずに演出対象を予測可能として設定された態様(例えば、カットインBのタイマ40秒)や、予告側タイマ演出が出現しうる出現タイミングとして、一のカウント表示総数しか現れない出現タイミング(例えば、SPリーチ演出期間が開始されるタイミングでの10秒)が含まれている。
このように、カウント表示抽選(ステップS5510)では、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出や予告側タイマ演出の出現時期などが決定される。この点、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出の数が2つ以上の場合には予告側タイマ演出の演出対象とされる演出のほか、予告側タイマ演出の演出対象とされない演出の出現時期なども併せて決定される。また、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合には、2つの予告側タイマ演出とそれらの演出対象となる演出をそれぞれどのようなタイミングで出現させるか(2つの予告側タイマ演出のカウント表示を重なる時期に実行するか否かも含めて)などもさらに決定されることとなる。
ただし、このカウント表示抽選(ステップS5510)では、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出の数や、ダブルタイマの態様であるか否かや、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行されるか否かなどの処理状況に応じて、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出や予告側タイマ演出の出現時期などが異なる態様で決定されるようにすることが望ましい。例えば、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行される処理状況においては、変動開始されてから比較的早い段階で会話予告が出現すると演出的な盛り上がりに欠けることから、変動開始されてから比較的遅い段階で出現する会話予告が選択され易くすることが望ましい。また、ダブルタイマの態様では、一の演出パターン内で各カウント表示が重ならない期間でそれぞれ実行される場合よりも、各カウント表示が同時に進行される状況が現れたほうが2つのタイマ演出が実行されていることへの実感を持たせることができることから、各カウント表示が同時に進行される状況が現れない場合よりも各カウント表示が同時に進行される状況が現れる場合のほうが選択割合が高くなるようにすることが望ましい。また、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出の数が2つ以上の場合には、予告演出が同時期に出現しないようにそれらの予告演出の出現時期を決定することとなる。
なお、予告側タイマ演出の出現しうるタイミング(例えば、変動開始時、予告E2の出現タイミングの少し前、予告Fの出現タイミングの少し前、通常リーチ演出期間が終了する少し前、キャラリーチ演出期間内、SPリーチ演出期間が開始されるタイミング)については、各予告演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作)が行われうる期間内に設定することが望ましい。すなわちこの場合、特定のタイミングで予告演出が出現しなかったとしても予告側タイマ演出が開始されたり、特定のタイミングで予告側タイマ演出が開始されなかったとしても予告演出が行われたりすることで遊技興趣の低下が抑制されることが期待できるようになる。また、特定のタイミングで予告演出が出現し、さらには予告側タイマ演出が開始される演出状況も発生しうることから、遊技興趣の向上を図ることも期待されるようになる。そしてこの場合、変動開始から所定時間が経過しているときに(特定のタイミングで)予告演出が実行されているときには、変動開始から所定時間が経過しているときに予告演出が実行されていないときよりも予告側タイマ演出が開始される割合が高くなるように設定することが望ましい。
そして、図149に示されるように、こうしてカウント表示抽選(ステップS5510)が行われると、次にステップS5511の処理として、上記カウント表示抽選で決定された予告側タイマ演出の態様が特殊タイマになりうるものであるかを判定する。
すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、図161及び図162に併せて示されるように、タイマ対象候補演出(予告側タイマ演出の演出対象になりうる予告演出)とは別に、非対象予告演出(予告側タイマ演出の演出対象になりえない予告演出)として非対象予告E1,E2,E3及び非対象予告Fを実行可能としている。そしてこのうち、非対象予告E2は、予告側タイマ演出のカウント表示が行われていない状況では非対象予告Fと比べて大当り期待度が低くなるように設定されるのに対し、予告側タイマ演出のカウント表示が行われている状況では非対象予告Fと比べて大当り期待度が高くなるように設定されるものとなっている。
このような構成では、カウント表示が行われていない間に非対象予告E2(第一演出)が実行されたときにはカウント表示が行われていない間に非対象予告F(第二演出)が実行されたときに比べて大当り図柄(特定の図柄態様)が現れる期待度が低くなる関係があるなかで、カウント表示が行われている間に非対象予告E2(第一演出)が実行されたときにはカウント表示が行われている間に非対象予告F(第二演出)が実行されたときに比べて大当り図柄(特定の図柄態様)が現れる期待度が高くされるように、予告側タイマ演出(カウント演出表示)が実行可能とされるようになる。そこで、このように非対象予告E2(第一演出)が出現したときの期待度を大幅に高くするかたちでカウント表示が行われる予告側タイマ演出(カウント表示の実行期間中に非対象予告E2(第一演出)が開始され且つ終了されるタイマ演出)を「特殊タイマ」と呼称することとしている。
すなわちこの場合、カウント表示が行われていない間は、非対象予告E2(第一演出)が非対象予告F(第二演出)よりも期待度の低い演出として機能するのに対し、カウント表示が行われている間は、非対象予告E2(第一演出)が非対象予告F(第二演出)よりも期待度の高い演出として機能するようになる。したがって、予告側タイマ演出(カウント演出表示)の演出対象にならず本来関係のない非対象予告E2(第一演出)ではあるものの、カウント表示が消化されるまでの間に該非対象予告E2(第一演出)が出現するか否かの興味を抱かせることができるようになり、これによってカウント表示が消化されて所定の演出(タイマ対象候補演出)が行われるまでの期間における遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。
また、予告側タイマ演出が少ないカウント総数でカウント表示を開始した場合、予告側タイマ演出が多いカウント総数でカウント表示を開始した場合よりも大当り期待度が低くなる傾向に設定されているなかで、このような特殊タイマにかかる制御を実現するようにしたことで、予告側タイマ演出が少ないカウント総数でカウント表示を開始した場合であっても該カウント表示が実行されている間に非対象予告E2が出現する可能性を意識させることができるようになり、遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。この意味では、カウント表示が実行されている間に非対象予告E2が出現する場合は、その後のタイマ演出の対象となる演出(会話予告やカットイン、役物動作など)で大当り確定のプレミア態様が出現する割合が高くなるように制御することが望ましい。なお、該割合については100%を含むようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、非対象予告E1〜E3は、いわゆるステップ演出として実行されるものとなっており、非対象予告E2(第一演出)は、非対象予告E1が出現したことを条件に出現可能とされるものとなっている。また、非対象予告E3は、非対象予告E1,E2がそれぞれ出現したことを条件に出現可能とされるものとなっており、この実施の形態では該非対象予告E3が出現すると必ず大当り図柄が現れるようにしている。このような構成によれば、予告側タイマ演出のカウント表示が行われている間に非対象予告E1(特定の演出)が出現すると、非対象予告E2が出現するかについての興味を持たせることができるようになり、カウント消化期間中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
ただし、非対象予告E1〜E3は、いわゆるステップ演出として必ずしも実行されるものでなくてもよいし、非対象予告E2と非対象予告Fとの間での上述した演出関係を実現する上では非対象予告E1,E3については必ずしも用意されなくてもよい。また、非対象予告E2(第一演出)が出現した後に非対象予告Fを出現させる順番になっているが、これに限られず、例えば、非対象予告F(第二演出)が出現した後に非対象予告E2(第一演出)が出現するようにしてもよい。要は、非対象予告E2は、全ての予告演出の中で最初に出現するものであってもよいし、全ての予告演出の中で最後に出現するものであってもよく、その出現タイミングについては適宜に設定すればよい。また、非対象予告E2は、当該変動表示にて実行されるリーチ演出の種別に関連(示唆)する画像であってもよい。
また、非対象予告E2をいわゆるステップ演出として実現しない場合は、大当り期待度の異なる複数の態様のいずれかで当該非対象予告E2が行われるようにすることが望ましい。そしてこの際、非対象予告E2が最も大当り期待度の高い態様で出現したときには、カウント表示が行われていない状況にあったとしても非対象予告Fより大当り期待度が高くなるようにしてもよい。ただし、カウント表示が行われていない状況での非対象予告E2の出現時に期待できる大当り期待度(全態様を含めた期待度)と非対象予告Fの出現時に期待できる大当り期待度とで比較すると、非対象予告Fの出現時のほうが大当り期待度が高くなっていることが求められる。
この点、カウント表示が行われている状況で非対象予告E2を出現させる場合(特殊タイマの場合)、非対象予告E2を、大当り期待度の低い態様も含めて複数の態様のいずれかで出現させるようにするとともに、いずれの態様が出現した場合であっても非対象予告Fよりも大当り期待度が高くなるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、大当り期待度の低い態様で非対象予告E2が実行されているにもかかわらず大当り期待度が飛躍的に高くなる演出状況が創出されるようになることから、低期待の態様が現れたことで一瞬がっかりすることがあったとしてもカウント表示が実行されていることが確認されることでサプライズ的に遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。この意味では、このような特殊タイマの状況であっても大当り期待度の低い態様で非対象予告E2が実行されうるようにした上で、該低い態様を含めたいずれの態様で非対象予告E2が実行されたとしても(さらには、他の予告演出が発生したか否かにかかわらず)大当り図柄の現れる期待度が同じになるようにすることが望ましい。なお、該期待度については100%を含むようにしてもよい。ただしこの場合であっても、カウント表示が行われている状況で非対象予告E2を出現させる場合は、複数の態様のうち高期待の態様が出現し易くなるように設定することが望ましい。
また、非対象予告E2を跨ぐカウント表示を実行する場合、例えば、カウント表示が異なるカウント総数(例えば、「10」、「5」)のいずれで開始される場合であっても、同じ数字(例えば「1」)になっているときに非対象予告E2が出現されるように制御することが望ましい。またこの際、カウント表示の開始時に現れるカウント総数としての候補(例えば、「20」、「10」、「5」)のうち、最もカウント総数の小さい候補(例えば、「5」)の半分未満の数字(2.5未満の数字)になっているときに非対象予告E2が出現されるように制御することが望ましい。このように、カウント表示が消化し終わるギリギリまで非対象予告E2が出現されないようにすることで、カウント表示が消化し終わるまでの期間における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
なお、非対象予告Fについても大当り期待度の異なる複数の態様のいずれかで実行可能とされるようにしてもよいが、特殊タイマの状況では、当該非対象予告Fが最も大当り期待度の高い態様で出現していたとしても、該非対象予告Fが非対象予告E2(例えば、最も大当り期待度の低い態様)よりも大当り期待度が高くならないように設定することが求められる。
また、非対象予告E2については、変動表示が開始されたときから複数のタイミングのいずれかで出現可能とされるようにしてもよい。すなわちこの場合、同じタイミングでカウント表示が同じカウント総数で出現したとしても、非対象予告E2を跨ぐときと跨がないときとが生じるようになり、カウント表示が実行されているときの遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動側タイマ演出については、その実行態様(演出パターン)として選択可能な候補のなかにカウント表示の実行期間内で非対象予告E2が現れる関係となるような態様が含まれないようにしている。
そして、図149に示されるように、ステップS5511の処理において、上記カウント表示抽選(ステップS5510)で決定された予告側タイマ演出の態様が特殊タイマになりうるものである旨判定した場合はステップS5512の処理として第1のタイマ非対象予告抽選を行うとともに、上記カウント表示抽選(ステップS5510)で決定された予告側タイマ演出の態様が特殊タイマになりうるものでない旨判定した場合はステップS5525の処理として第2のタイマ非対象予告抽選を行うこととなる。
なお、特殊タイマになりうるものである旨判定される場合とは、例えば、図161や図162に示される例では、複数の演出態様のうち太字且つ斜字で示される演出態様(例えば、図161に示される会話予告2,3、保留変化2〜4、カットインA1,2、役物動作1,2など)が選択されている場合であり、特殊タイマになりうる演出態様であるか否かは予め分類されている。
図163は、第1のタイマ非対象予告抽選(ステップS5512)で参照されるテーブルT7aの一例を示す図であり、図164は、第2のタイマ非対象予告抽選(ステップS5525)で参照されるテーブルT7bの一例を示す図である。
同図163及び図164に示されるように、タイマ非対象予告抽選(ステップS5512、S5525)では、大当りの当落結果や変動パターン(変動番号)などに基づいて予告側タイマ演出の演出対象となりえない演出として用意されている非対象演出E1〜E3,Fのうちいずれの演出を実行するかについての判定処理が行われる。
そしてこのうち、特殊タイマ時に参照されるテーブルT7a(第1のタイマ非対象予告抽選)では、特殊タイマでないときに参照されるテーブルT7b(第2のタイマ非対象予告抽選)に比べて予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときの大当り期待度が大幅に高くなっている。より具体的には、予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときには、予告Fを実行する態様(PTN5,6)が選択されたときに比べて大当り期待度が高くなっている。
これに対し、特殊タイマでないときに参照されるテーブルT7b(第2のタイマ非対象予告抽選)では、予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときには、予告Fを実行する態様(PTN5,6)が選択されたときに比べて大当り期待度が低くなっている。
なお、この実施の形態では、特殊タイマ時に参照されるテーブルT7aと特殊タイマでないときに参照されるテーブルT7bとを比較すると、予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときには演出乱数の振り分けに変化があり大当り期待度に変化があるが、予告Fを実行する態様(PTN5,6)が選択されたときには大当り期待度に変化がないことはもとより演出乱数の振り分けにすら変化はなく同じになっている。
そして、こうしてタイマ非対象予告抽選(第1のタイマ非対象予告抽選、第2のタイマ非対象予告抽選)が行われて非対象予告のいずれを実行するかが決定されると、次にステップS5513の処理として上述の特別タイマを実行する旨決定された状態にあるか否かを判断する。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、特定種別のリーチ演出(キャラリーチ)が選択されている状況において、大当り判定の結果(当落や変動パターンなど)に基づいて予告側タイマ演出(カウント演出表示)を開始してそのカウント表示を演出パターン(演出表示)において大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降も継続させる制御を実行可能としている。すなわちこの場合、大当り判定の結果に応じた演出パターン(演出表示)が終了して非表示とされた以降も、カウント表示が継続されるようになることから、カウント表示の残り時間などから特別図柄の変動時間(リーチの種別)を予測することが困難とされるようになり、例えば、図柄停止後の大当り遊技状態中の演出に図柄変動中に開始されたカウント表示が関わっていく演出が実現可能とされるなど、その後の演出展開に面白みを持たせることができるようになる。
より具体的には、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、まず、大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降(例えば、図柄が確定停止された以降の大当り遊技の開始インターバル期間や大当り遊技期間)において、出現すると高確率時短遊技状態に移行させる種別に当選している割合が高くなる第1特別演出や、出現すると賞として獲得可能な量の期待値が大きいラウンド数(16ラウンド)が実行される割合が高くなる第2特別演出を実行可能としている。なお、これらの割合については100%を含むようにしてもよい。そして、このような大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降に開始される演出を演出対象とした予告側タイマ演出を、大当り図柄(特別表示態様)が現れるよりも前から開始させてそのカウント表示を大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降も継続的に実行する制御を行うこととしている。
すなわちこの場合、大当り図柄(特別表示態様)が現れるよりも前から開始された予告側タイマ演出のカウント表示が大当り図柄(特別表示態様)が現れるときに終了されず該大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降も継続的に実行された後に特定数値(ここでは0)に達すると、上記第1特別演出または上記第2特別演出が出現するようになる。したがって、このような特別タイマが現れると、演出パターンにおいて大当り図柄(特別表示態様)が現れることを確定的に示唆するものであることはもとより、出現したときには高確率時短遊技状態や16ラウンド大当り遊技が実行される割合が相対的に高くなることから、遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
ただし、このような特別タイマを実現するためには、まず、大当り判定で大当りに当選していることはもとより、該大当りが特定種別(高確率時短遊技状態を発生させる種別や、16ラウンド大当り遊技を発生させる種別)であるか否かを判断し、該特定種別である旨判断したときには、該特定種別でない旨判断したときに比べて高い実行確率で特別タイマを出現させるように制御することが求められる。
したがって、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、ステップS5513の処理において上述の特別タイマの実行が決定されているときには、次にステップS5514の処理として、特別タイマを出現させるか否かの実行の有無を含めて、特別タイマの実行態様を決定することとしている。
例えば、このステップS5514の処理では、まず、大当りが特定種別(高確率時短遊技状態を発生させる種別や、16ラウンド大当り遊技を発生させる種別)であるか否かを判断する。そしてこの結果、大当りが特定種別でないときには所定の確率で特別タイマを出現させない旨の決定を行うことで、こうして間引きされる分だけ、特別タイマが出現すると大当りが特定種別である期待度を高くすることができるようになる。なお、該期待度は100%であってもい。また、特別タイマを出現させない旨の決定を行った場合、特別タイマではなく他の予告演出(タイマ対象候補演出、非対象予告)や予告側タイマ演出を出現させるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、タイマ対象予告抽選にて特別タイマを実行する旨の決定を一旦行った後のステップS5514の処理において、大当りの種別を判定してその結果に基づいて特別タイマを実行するか否かを改めて決定し直すこととしたが、大当りの当落のほか、大当りの種別にも基づいてタイマ対象予告抽選を行うようにすることで、ステップS5514の処理において特別タイマを実行するか否かを改めて決定し直さないようにしてもよい。
また、大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降(例えば、図柄が確定停止された以降の大当り遊技の開始インターバル期間や大当り遊技期間)の第1特別演出または第2特別演出については、大当りが特別種別である期待度の異なる複数の態様のいずれかで実行するようにしてもよい。すなわちこの場合、特別タイマが現れたときにはそのカウント表示が特定数値(ここでは0)に達すると、上記第1特別演出または上記第2特別演出が複数の態様のうち高期待の態様で実行されることとなる。
また、この実施の形態では、大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降の演出(第1特別演出または第2特別演出)については、大当り図柄(特別表示態様)が現れてから所定時間が経過したタイミング(図161に示す例では、20秒が経過したタイミング)で出現させることとしたが、大当り図柄(特別表示態様)が現れてからの複数のタイミング(例えば、15秒が経過した第1タイミングと、30秒が経過した第2タイミング)で出現させるようにしてもよい。すなわちこの場合、特別タイマとしては、大当り図柄(特別表示態様)が現れてから15秒が経過するとき(若しくは、その少し前)に特定数値(ここでは0)に達する第1態様と、大当り図柄(特別表示態様)が現れてから30秒が経過するとき(若しくは、その少し前)に特定数値(ここでは0)に達する第2態様とのいずれかを選択して出現させることとなる。
なおこの際、第1タイミングで演出が現れる場合よりも第2タイミングで演出が現れる場合のほうが特別種別の大当りが得られている割合が高くなるように設定しておき、大当りが特定種別であるときには、第1態様よりも第2態様で特別タイマを出現させる割合が高くなるように実行するようにすれば、大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降のカウント表示がどこまで継続されるかの面白みを付加的に持たせることができるようになる。なお、これらの割合については100%を含むようにしてもよい。ちなみに、第1タイミングと第2タイミングとのいずれにおいても演出が出現しなかった場合、第1タイミングで演出が現れる場合よりも特別種別の大当りが得られている割合が低く設定されることとなる。
また、特別タイマについては、大当り図柄(特別表示態様)が現れるよりも前の変動表示の実行期間においては、例えば、「タイマ準備中」として表示しておき、該「タイマ準備中」と表示されているままで大当り図柄(特別表示態様)を出現させた後にカウント表示を開始するようにしてもよい。すなわち、大当り遊技中は、各ラウンド遊技の消化に要する時間が遊技進行に応じて変動するようになっていることから、大当り図柄(特別表示態様)が現れるよりも前の変動表示の実行期間においてカウント表示を開始させてしまうと、特定のラウンド遊技中に特別タイマのカウント表示が所定数値に達するようにすること、さらには演出対象になる演出を開始させるように設定することは困難である。この点、大当り図柄(特別表示態様)を出現させた後にカウント表示を開始させるようにすれば、例えば、大当り遊技中の特定のラウンド遊技が開始されるまでは「タイマ準備中」の状態を維持し、該特定のラウンド遊技が開始されるのに合わせてカウント表示を開始させるようにすることで、特定のラウンド遊技中にカウント表示が所定数値に達して演出対象になる演出が実行されるように設定することが可能とされるようになる。なおこの際、大当り図柄(特別表示態様)を出現させた後にカウント表示が開始されるまでの間、「タイマ準備中」などの表示を何ら行わないようにしてもよい。
また、このように大当り図柄(特別表示態様)を出現させた後にカウント表示を開始するようにした場合、大当り図柄(特別表示態様)を出現させるよりも前の変動表示の実行期間中においても別の予告側タイマ演出のカウント表示を開始させるようにしてもよい。該別の予告側タイマ演出については、大当り図柄(特別表示態様)が出現するよりも前にそのカウント表示が消化し終わって演出対象になる演出が現れるものであってもよいし、大当り図柄(特別表示態様)が出現した後にそのカウント表示が消化し終わって演出対象になる演出が現れるもの(ダブル特別タイマ)であってもよい。
なお、変動表示中の演出と大当り遊技中の演出とは異なる演出内容が現れるものであり、通常、それらの間にはいずれの演出とも異なる演出切替時の演出(例えば、オープニング演出など)が実行されることが多い。この点、このような演出切替時の演出が実行される切替期間内ではいずれのタイマ演出もそのカウント表示が所定数値に達しないように設定した上で、該切替期間内ではカウント表示が非表示にされるようにすることが、2つの演出(ここでは、変動表示中の演出と大当り遊技中の演出)が互いに繋がっていないことを遊技者に認識させるようにする上で望ましい。ただしこの場合、タイマ演出のカウント表示が非表示にされている間も、時間が経過した分だけカウント表示が消化されるようにして、カウント表示が再び表示されるときには非表示にされた時点での数値よりも少ない値(カウントダウンではなく、カウントアップのときは多い値)になっているように制御することが望ましい。
そして、こうして特別タイマの実行態様が決定されるか(ステップS5514)、特別タイマの実行が決定されていないとき(ステップS5513におけるNO)は、次にステップS5515の処理として上記タイマ対象予告抽選やカウント表示抽選などで決定された予告演出を所定の記憶領域にセットした後、当該予告抽選にかかる処理を終了する。これにより、当該予告抽選にて決定された演出に相当する描画データなどが作成されて演出図柄変動中処理においてそれぞれの演出を出現させるべきタイミングで開始させる制御が行われるようになる。
一方、予告側タイマ演出に当選していない旨判断した場合(ステップS5503におけるNO)における上記第2ミッション演出抽選(ステップS5551)が行われた後は、予告側タイマ演出に関する各種の抽選(予告側タイマ種別抽選やシングル抽選など)を行うことなく、該第2ミッション演出抽選の結果としてミッション演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5552)に応じた内容(テーブル)でタイマ対象候補演出(予告側タイマ演出の演出対象になりうる予告演出)を対象にした演出抽選(ステップS5553,S5554,S5563,S5564)を行う。
より具体的には、以下のいずれかの処理を実行することとなる。
・予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5552におけるYES)がなされている第5の処理状況にある場合は、まず、該第5の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5553)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5554)。
・予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5552におけるNO)がなされている第6の処理状況にある場合は、まず、該第6の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5563)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5564)。
そして、図153を参照して上述した通り、予告側タイマ演出を実行しない第5,第6の処理状況であっても(ステップS5503におけるNO)、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされているときは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされていないときに比べてタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が多くなるように制御するようにしている。
図165は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5552におけるYES)がなされている第5の処理状況にある場合にステップS5553の処理において参照されるテーブルT5eの一例を示す図である。また、図166は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5552におけるNO)がなされている第6の処理状況にある場合にステップS5563の処理において参照されるテーブルT5fの一例を示す図である。
まず、図165に示されるように、テーブルT5eは、ミッション演出が実行される場合に参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときには当該テーブルT5eが参照されることはない。これに対し、図166に示されるように、テーブルT5fでは、ミッション演出が実行されない場合に参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときにも当該テーブルT5fは参照される。したがって、テーブルT5fでは、変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている。
また、テーブルT5e及びテーブルT5fではいずれも、予告側タイマ演出が実行されない第5,第6の処理状況にあるときに参照されるものであり、これらの処理状況においては、予告側タイマ演出の演出対象になりうるタイマ対象候補演出のいずれかを選択することが必須ではない。したがって、テーブルT5e及びテーブルT5fではいずれも、タイマ対象候補演出を必ずしも選択しなくてもいいように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている(予告数0)。
その他、テーブルT5e及びテーブルT5fにおいて同じリーチ演出の内容(キャラリーチやSPリーチ)のなかでも、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットインA)が現れない変動番号では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットインA)が現れない変動番号に比べて多くの数のタイマ対象候補演出が選択される割合が高くなっている点や、ハズレ時のキャラリーチである変動番号7では、タイマ対象候補演出が最大3つまでしか出現可能とされない点や、ハズレ時のSPリーチである変動番号15では、タイマ対象候補演出が最大5つまでしか出現可能とされない点などは、上述したテーブルT5aなどと同じである。
そして、図149に示されるように、こうして予告側タイマ演出が実行されない第5,第6の処理状況にあるときにどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理(ステップS5553,S5563)が行われた後に、該決定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるかについての判定処理(ステップS5554,S5564)を行う。ただし、上記予告数決定処理(ステップS5553,S5563)の結果としていずれのタイマ対象候補演出も出現させない旨の決定がなされた場合(予告数0)、タイマ対象予告抽選(ステップS5554,S5564)では、変動番号にかかわらずタイマ対象候補演出をいずれも選択しない一の処理結果を必ず選択することとなる。
図167は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5552におけるYES)がなされている第5の処理状況において、ステップS5553の処理を実行した結果として予告数を1にすることが決定された場合(ステップS5554)に参照されるテーブルT6e−1の一例を示す図である。また、図168は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5552におけるYES)がなされている第5の処理状況において、ステップS5553の処理を実行した結果として予告数を2にすることが決定された場合(ステップS5554)に参照されるテーブルT6e−2の一例を示す図である。
また、図169は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5552におけるNO)がなされている第6の処理状況において、ステップS5563の処理を実行した結果として予告数を1にすることが決定された場合(ステップS5564)に参照されるテーブルT6f−1の一例を示す図である。また、図170は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5552におけるNO)がなされている第6の処理状況において、ステップS5563の処理を実行した結果として予告数を2にすることが決定された場合(ステップS5564)に参照されるテーブルT6f−2の一例を示す図である。
例えば、同図167〜図170に示されるように、第5,第6の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6e,T6fは、予告側タイマ演出を実行しないことが決定されているときに参照されるものであることから、タイマ対象候補演出として実行することが決定されたN個の予告演出がいずれも予告側タイマ演出の演出対象として設定されることはなく、それらの全てが通常の予告演出の態様として実行されることとなる(図中、×印が通常の予告演出の態様として実行されることを示している)。
また、同図167〜図170に示されるように、第5,第6の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6e,T6fでは、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出を演出対象にすることがないことから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させる変動パターンに相当する変動番号9,10,13,14,17,18,21,22が取得されているときには、実行すべき予告演出として会話予告が選択されることがないように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。また、これも同様、該テーブルT6e,T6fでは、変動演出の演出内容としてカットインA,Bを出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号11〜14,19〜22が取得されているときには、実行すべき予告演出としてカットインA,Bが選択されることがないように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。
また、同図167〜図170に示されるように、第5,第6の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6e,T6fは、予告側タイマ演出が実行されないときに参照されるものであるから、選択対象とされる予告演出のなかに予告側タイマ演出を行うことを前提とした演出(ここでは、特別タイマ)が含まれていない。
その他、第5の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6eでは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、図148に併せて示されるように、変動演出の内容として「会話予告」を実行する変動番号10,14,18,22が取得されている場合や、タイマ対象候補演出(予告演出の内容)として「会話予告」を選択した場合(PTN1)は、特別表示(ミッション成功)が表示されて大当り図柄が現れることが確定的に示唆される点などは、上述のテーブル6aの場合と同じである。
また、第6の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6fでは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行されないときに参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている点などは、上述のテーブル6aの場合と同じである。
そして、図149に示されるように、上記ステップS5503の処理において予告側タイマ演出を実行しないことが決定された場合においても、こうしてタイマ対象予告抽選(ステップS5554,S5564)が行われた後は、大当りの当落結果や変動パターン(変動番号)などに基づいて予告側タイマ演出の演出対象となりえない演出として用意されている非対象演出E1〜E3,Fのうちいずれの演出を実行するかについての判定処理(第3のタイマ非対象予告抽選:ステップS5555)が行われる。
なお、ステップS5555で参照されるテーブルは割愛するが、基本的には、特殊タイマでないときに参照されるテーブルT7b(第2のタイマ非対象予告抽選)と同じ態様になっており、例えば、予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときには、予告Fを実行する態様(PTN5,6)が選択されたときに比べて大当り期待度が低くなっている。
そして、こうして第3のタイマ非対象予告抽選(ステップS5555)が行われた後は、次にステップS5515の処理として上記タイマ対象予告抽選(ステップS5554,S5564)や第3のタイマ非対象予告抽選(ステップS5555)などで決定された予告演出を所定の記憶領域にセットした後、当該予告抽選にかかる処理を終了する。これにより、当該予告抽選にて決定された演出に相当する描画データなどが作成されて演出図柄変動中処理においてそれぞれの演出を出現させるべきタイミングで開始させる制御が行われるようになる。
なお、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、ステップS5503の処理において予告側タイマ演出を実行しないことが決定された場合、タイマ対象予告抽選と第3のタイマ非対象予告抽選とを別の処理として行うこととした。ただし、ステップS5503の処理において予告側タイマ演出を実行しないことが決定された場合は、予告側タイマ演出との関係で非対象演出E1〜E3,Fの実行態様を決定する必要がないことから、タイマ対象予告抽選と第3のタイマ非対象予告抽選とを一の抽選処理内で実行するようにしてもよい。
また、上述の特殊タイマの態様(非対象予告E2は、予告側タイマ演出のカウント表示が行われていない状況では非対象予告Fと比べて大当り期待度が低くなるように設定されるのに対し、予告側タイマ演出のカウント表示が行われている状況では非対象予告Fと比べて大当り期待度が高くなるように設定される)を採用しないようにする場合も、予告側タイマ演出との関係で非対象演出E1〜E3,Fの実行態様を決定する必要がないことから、タイマ対象予告抽選と第3のタイマ非対象予告抽選とを一の抽選処理内で実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、予告側タイマ演出の実行有無を決定した後に、予告演出としていずれの演出をどのような態様で実行するかについての判定処理を行うこととしたが、予告演出としていずれの演出をどのような態様で実行するかを決定した後に予告側タイマ演出の実行有無や実行態様を決定するようにしてもよい。
ところで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上述の通り、始動口2002,2004への入賞(遊技球の受け入れ)が発生したとき、該入賞に応じた保留情報についての先読み演出を行うか否かについての判定処理を行う(ステップS5245,S5255)。この点、この判定処理では、保留情報に含まれる大当り判定の当落や変動パターンにかかる情報などに基づいて、先読み演出の対象とされる保留表示の表示態様(色や形態など)を変化させる保留変化演出についての抽選(実行の有無や、表示態様についての抽選)や、複数変動に跨る先読みゾーン演出についての抽選(実行の有無や、実行態様(色や連続実行数など)についての抽選)などを行うほか、該保留情報に応じた変動表示を「タイマ先読み演出」の対象にするか否かについての抽選を行うこととしている。
ここで、タイマ先読み演出とは、出現すると保留状態にあった変動表示(演出対象の変動表示)が実行中になったときに該変動時間内で予告側タイマ演出が出現する割合が高くなる演出のことであり、例えば、演出表示装置1600などにおいて、入賞したタイミング(タイマ先読み演出に当選したタイミング)以降に開始される特別図柄の変動表示の開始タイミングで、所定画像(例えば、「タイマ準備中」など)を表示することによって実行される。なお、入賞したタイミング(タイマ先読み演出に当選したタイミング)で所定画像(例えば、「タイマ準備中」など)を出現させない理由は、いずれの保留情報に対応したタイマ先読み演出であるのかを遊技者側に認識し難くするためである。
このようなタイマ先読み演出によれば、いずれの保留表示に対応したものであるかを不特定としたままで複数回の変動表示にわたって予告側タイマ演出の出現する割合が高いことを示唆することができるようになることから、複数回の変動表示にわたって遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。しかしながら、先行演出(先読み演出)のうち、このようなタイマ先読み演出を含めて、いずれの保留表示に対応したものであるかを特定せず複数回の変動表示にわたって連続(または継続)させるタイプの演出(先行期間演出)を実行する場合は、同じタイプの演出(先行期間演出)とその実行期間が重なってしまうようなことがあると、演出が複雑になりすぎて何を対象・目的にした演出であるのかを理解できず遊技興趣が低下してしまう懸念がある。
したがって、このような先行期間演出を実行するか否かの判断(入賞時の先読み判定)に際しては、先に入賞された他の保留情報に応じた先行期間演出が実行されておらず且つ実行待ちの状態にもなっていないかについての判断を行う。そして、先に入賞された他の保留情報に応じた先行期間演出が実行されておらず且つ実行待ちの状態にもなっていないことを少なくとも条件として、上記タイマ先読み演出などの先行期間演出を新たに発生させる旨の判断を行いうるようにしている。これにより、2つの先行期間演出が重なって実行されることが回避されるようになり、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
なお、先行期間演出としては、例えば、上記タイマ先読み演出のほか、複数変動にわたって停止図柄の少なくとも一部を同じ態様(数字の色など)として出現させる同態連続先読み演出や、複数変動にわたって背景画像を特別な態様に変化させる先読みゾーン演出などを採用することが可能である。そして、上記処理(入賞時の先読み判定)では、これらの先行期間演出のうち、同種別の先行期間演出が重なって出現しないことはもとより、異種別の先行期間演出であってもこれらの実行期間が重ならないように制御されることとなる。先読み演出のうち、いずれの保留表示に対応したものであるかを特定して複数回の変動表示にわたって行われるタイプの演出(例えば、保留変化演出など)については、これらの先行期間演出の実行状況にかかわらず出現可能としうるようにすることが望ましいが、先行期間演出が実行中または実行待ちの状況にあるときに新たな入賞が発生した場合は、該状況にないときに新たな入賞が発生した場合に比べて該入賞に応じた先読み演出として当該タイプの演出(例えば、保留変化演出など)の出現割合が低くなるように、上記入賞時の先読み判定を行うようにすることが望ましい。
このように、タイマ先読み演出などの先行期間演出(いずれの保留表示に対応したものであるかを特定せず複数回の変動表示にわたって連続(または継続)させるタイプの演出)が実行されている間は遊技球の入賞が新たに発生したとしてもこれに対応する先行期間演出についてはこれが発生しないようにする禁止制御を行うようにしたことで、2つの先行期間演出が干渉してしまうことによる遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。しかしながら、このような禁止制御を行うようにすると先行期間演出が禁止制御の対象にされる分だけ、上記先行演出として先行期間演出が行われる頻度が低くなってしまい、遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、保留情報に対応する特別図柄の変動表示が未だ開始されていないなかで該保留情報に対応した先行期間演出を実行するときには、まず、特定の演出制限状況にある旨を示す情報を設定する。そして、先に記憶された保留情報によって該情報が設定されているときに保留情報が新たに記憶された場合、該先に記憶された保留情報に対応する特別図柄の変動表示が少なくとも終了されるまでの間は上記新たに記憶された保留情報に対応した先行期間演出は実行されない一方で、上記先に記憶された保留情報に対応する特別図柄の変動表示が終了した以降に上記新たに記憶された保留情報に対応した先行期間演出が実行されうるように制御することとしている。
すなわちこの場合、保留情報が新たに記憶された時点では該保留情報に対応した先行期間演出の実行が許容されない旨の判断が一旦なされたとしても、その後、遊技が進行されて先に記憶された保留情報に対応した先行期間演出との間での演出干渉が発生する懸念がなくなった遊技状況になると、実行が許容されない旨の判断が一旦なされた上記先行期間演出の実行が許容されるようになることから、先行期間演出に対する禁止制御を行いつつも該先行期間演出が行われる頻度を好適に維持することができるようになり、これによって遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
より具体的には、新たな入賞が発生した場合における第1特図先読み処理(図135:ステップS5245)や第2特図先読み処理(図136:ステップS5255)では、まず、上記第一特別保留数カウンタまたは上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値などに基づいて該新たな入賞の保留順位(消化順位)が何番目であるかを判断する。例えば、第1特図先読み処理の場合であれば、まず、新たな入賞に応じた保留情報が上記第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域dのいずれに記憶されている状態にあるかを判断する。そしてこの後、新たな入賞よりも先に記憶されており変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報とのなかに上記先行期間演出の実行対象になっているものがあるかを判断する。そしてこの結果、上記先行期間演出の実行対象になっている特定の保留情報がある場合であっても新たな入賞に応じた先行期間演出の実行を全面的に禁止にするのではなく、上記特定の保留情報に応じた変動表示が終了した以降の期間においては新たな入賞に応じた先行期間演出の実行が許容されるように制御することとしている。
以下、こうした制御を実現する手法について、より詳細な遊技状況を例に挙げて説明する。
図171(a)は、変動表示が実行中の状態にある保留情報(第1特別図柄)と変動表示が未実行の状態にある3つの保留情報(いずれも第1特別図柄)とが記憶されている状態において新たな入賞(第1特別図柄)が発生したときに第1特図先読み処理内で参照されるテーブルT7aについてその一例を示す図である。また、図171(b)は、変動表示が実行中の状態にある保留情報(第1特別図柄)と変動表示が未実行の状態にある2つの保留情報(いずれも第1特別図柄)とが記憶されている状態において新たな入賞(第1特別図柄)が発生したときに第1特図先読み処理内で参照されるテーブルT7bについてその一例を示す図である。
同図171(a)に示されるように、このテーブルT7aでは、変動表示が実行中の状態にある保留情報(第1特別図柄)と変動表示が未実行の状態にある3つの保留情報(いずれも第1特別図柄)とのうちのいずれが先行期間演出の対象になっているのか、またはいずれも先行期間演出の対象になっていないのかに応じて、新たな入賞(第1特別図柄)に応じた保留情報をどのタイミングから先行期間演出の対象にすることができるのか(先読み可能変動数)についての判定を行いうるものとなっている。
例えば、テーブルT7aにおいては、変動表示が実行中の状態にある保留情報(第1特別図柄)と変動表示が未実行の状態にある3つの保留情報(いずれも第1特別図柄)とのいずれもが先行期間演出の対象になっていなければ、保留1(第一特別図柄保留記憶領域aに記憶されている1番目の保留情報)に応じた変動表示と、保留2(第一特別図柄保留記憶領域bに記憶されている2番目の保留情報)に応じた変動表示と、保留3(第一特別図柄保留記憶領域bに記憶されている3番目の保留情報)に応じた変動表示と、当該新たな入賞に応じた保留4(第一特別図柄保留記憶領域dに記憶されている4番目の保留情報)に応じた変動表示との4つの変動表示期間にわたって、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることが判定(先読み変動可能数が4である旨の判定)される。すなわちこの場合、実行中の状態にあった変動表示が終了し、1番目の保留情報に応じた変動表示が開始される以降のタイミングで、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行が許容されることとなる。
また、テーブルT7aにおいて、変動表示が実行中の状態にある保留情報が先行期間演出の対象になっている場合は、保留2に応じた変動表示と、保留3に応じた変動表示と、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示との3つの変動表示期間にわたって、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることが判定(先読み変動可能数が3である旨の判定)される。すなわちこの場合、実行中の状態にあった変動表示が終了し、1番目の保留情報に応じた変動表示がさらに終了して、2番目の保留情報に応じた変動表示が開始される以降のタイミングで、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行が許容されることとなる。
ここで、変動表示が実行中の状態にある保留情報が先行期間演出の対象になっている場合であっても、保留1に応じた変動表示と、保留2に応じた変動表示と、保留3に応じた変動表示と、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示との4つの変動表示期間にわたって、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることを判定(先読み変動可能数が4である旨の判定)するようにしてもよい。ただしこの場合、実行中の状態にある変動表示で現れていた先行期間演出と、保留1に応じた変動表示で開始される新たな先行期間演出とが連続して実行されることとなり、これらの先行期間演出が同じ演出であるのか(前の先行期間演出が継続しているのか)、それとも別の先行期間演出が新たに開始されているのか(前の先行期間演出は終了しているのか)の見分けがし難くなることから、先行期間演出が終了してからの最初の変動表示では先行期間演出が新たに発生しないようにこれを禁止期間として設定する手法(テーブルT7aで採用される手法)を採用するようにすることがより望ましい。なお、こうした手法は、テーブルT7aのみならず、他のテーブルT7(テーブルT7bのほか、図示しないテーブル)においても採用されている。
また、テーブルT7aにおいて、保留1が先行期間演出の対象になっている場合は、保留3に応じた変動表示と、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示との2つの変動表示期間にわたって、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることが判定(先読み変動可能数が2である旨の判定)される。すなわちこの場合、実行中の状態にあった変動表示が終了し、1番目の保留情報に応じた変動表示が終了し、2番目の保留情報に応じた変動表示がさらに終了して、3番目の保留情報に応じた変動表示が開始される以降のタイミングで、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行が許容されることとなる。
また、テーブルT7aにおいて、保留2が先行期間演出の対象になっている場合は、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示の期間のみで、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることが判定(先読み変動可能数が1である旨の判定)される。すなわちこの場合、実行中の状態にあった変動表示が終了し、1番目の保留情報に応じた変動表示が終了し、2番目の保留情報に応じた変動表示が終了し、3番目の保留情報に応じた変動表示がさらに終了して、4番目の保留情報に応じた変動表示が開始される以降のタイミングで、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行が許容されることとなる。
また、テーブルT7aにおいて、保留3が先行期間演出の対象になっている場合は、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出が実行可能でないことが判定(先読み変動可能数が0である旨の判定)される。すなわちこの場合、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行は許容されない。
これに対し、テーブルT7bでは、先行期間演出の対象になっているかの判定対象として保留3が含まれておらず、上記テーブルT7aと比べるとその分だけ判定結果として得られる先読み可能変動数が少なくなっているが、基本的には、テーブルT7aと同様であるから、説明は割愛することとする。また、保留2入賞時や保留1入賞時にもこれらと同様のテーブルが用意されているが説明は割愛する。
ちなみに、保留4の入賞時などには、先行期間演出の対象になっている保留情報が2つ存在する場合も想定されるが、この場合は、保留順の遅い側の保留情報に基づいていずれの先読み可能変動数にするかを決定する。例えば、保留4の入賞時、テーブルT7aにおいて、変動保留と保留2とがそれぞれ別の先行期間演出の対象になっている場合は、保留順の遅い側の保留2が先行期間演出の対象になっているときの「先読み可能変動数=1」を決定することとなる。
また上述の通り、このような先行期間演出の禁止期間にかかる制御は、いずれの保留表示に対応したものであるかを特定せず複数回の変動表示にわたって連続(または継続)させるタイプの演出の実行状況をもとに、該タイプの演出の禁止期間を設定することを目的としてなされるものである。したがって、いずれの保留表示に対応したものであるかを特定するタイプの演出(保留変化演出)などの実行状況によって先行期間演出の禁止期間が発生することはないし、先行期間演出の実行状況(先読み可能変動数=0であったとしても)によっていずれの保留表示に対応したものであるかを特定するタイプの演出(保留変化演出)が禁止にされることはない。
また、先行期間演出の禁止期間にある場合であっても、タイマ先読み演出のうち、後述の第1先行態様や第2先行態様で行われるタイマ先読み演出については予告側タイマ演出を出現させることに確実性が求められないことからこれを出現させるようにしてもよい。
なお、先行期間演出の禁止制御として、変動表示が未実行の状態にある保留情報のなかに第2特別図柄側の保留情報が含まれている場合、該第2特別図柄側の保留情報が先行期間演出の対象になっていなかったとしても、該第2特別図柄側の保留情報に応じた変動表示が終了されるまでの間は新たな先行期間演出が開始されないように制御するようにしてもよい。またこの際、第2特別図柄側の保留情報に応じた変動表示が終了した次の変動表示の期間を禁止期間とする必要はなく、該次の変動表示が実行されるときから新たな先行期間演出が開始されることを許容するようにすることが望ましい。
また、このように保留に対して設定されている先読み演出の状況を確認してその結果に応じて先読み変動可能数を決定する処理については、保留消化される都度、または新たな入賞が発生する都度に行うようにすることが望ましい。
そして、第1特図先読み処理(図135:ステップS5245)や第2特図先読み処理(図136:ステップS5255)では、こうして先読み可能変動数が決定されると、該決定された期間(先読み可能変動数)でどのような態様の先行期間演出を実行するか(実行の有無も含めて)についての判定処理を行う。
例えば、まず、新たな入賞に応じた保留情報を対象にしていずれの種別の先行期間演出を実行するかを判定する。上述の通り、先行期間演出の種別としては、複数変動に跨って関連した背景画像を表示する先読みゾーン演出や、予告側タイマ演出が実行される可能性が高いことを示唆する特定先行表示を複数変動に跨って表示するタイマ先読み演出などを選択候補として用意することが可能である。そしてこの結果、先行期間演出の種別が決定されると、該決定された種別の先行期間演出をどのような態様で実行するかについての判定処理が行われることとなる。
図172(a),(b)は、先読み変動可能数が4である状況においてタイマ先読み演出の実行態様を決定するときに参照されるテーブルT8a−1,テーブルT8a−2についてその一例を示す図である。図173(a),(b)は、先読み変動可能数が3である状況においてタイマ先読み演出の実行態様を決定するときに参照されるテーブルT8b−1,テーブルT8b−2についてその一例を示す図である。
上述の通り、タイマ先読み演出とは、出現すると先読み対象になっている保留情報が消化されたときに予告側タイマ演出が出現する割合が高くなる演出のことであり、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、予告側タイマ演出の出現する割合が異なる第1先行態様や第2先行態様、第3先行態様などでタイマ先読み演出を実行するようにしている。
ここで、第1先行態様とは、例えば、演出表示装置1600において「タイマ発生の予感」といった第一態様が表示されるものであり、該第1先行態様でタイマ先読み演出が実行されたときに予告側タイマ演出が実行される確率は概ね20%に設定されている(ステップS5502)。
また、第2先行態様とは、例えば、演出表示装置1600において「タイマ発生チャンス」といった第二態様が表示されるものであり、該第2先行態様でタイマ先読み演出が実行されたときに予告側タイマ演出が実行される確率は概ね80%に設定されている(ステップS5502)。
また、第3先行態様とは、例えば、演出表示装置1600において「タイマ準備中」といった第三態様が表示されるものであり、該第3先行態様でタイマ先読み演出が実行されたときには予告側タイマ演出が必ず(100%でなくても、第2先行態様よりも高い確率であってもよい)実行されるようになっている(ステップS5502)。
そして、先読み判定用の大当りの当落に関する情報や、先読み判定用の変動パターン番号に関する情報などに基づいて、タイマ先読み演出としていずれの実行態様で実行するかを決定することとなる。例えば、先読み変動可能数が4である状況においては、図172(a),(b)に示されるテーブルT8a−1,T8a−2を参照して、変動番号1〜22に相当する先読み用の情報と該情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいていずれかの態様を選択するとともに、先読み変動可能数が3である状況においては、図173に示されるテーブルT8b−1,T8b−2を参照して、変動番号1〜22に相当する先読み用の情報と該情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいていずれかの態様を選択する。
同図172(a)に示されるように、テーブルT8a−1では、最終的に第1先行態様が現れている状態で当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が開始される態様として以下の3つの態様が用意されている。
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3及び保留2の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留1の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示する態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留2の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示してこれを保留1の状態においても継続させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示してこれを保留2、保留1の状態においても継続させる態様
また、テーブルT8a−1では、最終的に第2先行態様が現れている状態で当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が開始される態様としては、以下の6つの態様が用意されている。
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3及び保留2の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留1の状態にあるときにタイマ先読み演出を第2先行態様(タイマ発生チャンス)で表示する態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留2の状態にあるときにタイマ先読み演出を第2先行態様(タイマ発生チャンス)で表示してこれを保留1の状態においても継続させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第2先行態様(タイマ発生チャンス)で表示してこれを保留2、保留1の状態においても継続させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留2の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示するとともに、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留1の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)から第2先行態様(タイマ発生チャンス)に変化させて表示させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示してこれを保留2の状態においても継続させるが、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留1の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)から第2先行態様(タイマ発生チャンス)に変化させて表示させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示するとともに、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留2の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)から第2先行態様(タイマ発生チャンス)に変化させて表示してこれを保留1の状態においても継続させる態様
なお、これらの第1先行態様及び第2先行態様のタイマ先読み演出については保留1の状態において表示された後、該保留情報が消化されて変動表示が開始された以降も継続して表示されるようにすることが望ましい。また、該保留情報が消化されて開始された変動表示においてさらに態様が変化しうるようにしてもよい。また、当該変動表示において予告側タイマ演出が開始されるときに第1先行態様及び第2先行態様のタイマ先読み演出を非表示にするようにしてもよいが、予告側タイマ演出が開始される場合であっても、該予告側タイマ演出が開始されるよりも前に第1先行態様及び第2先行態様を非表示にする態様や、該予告側タイマ演出が開始された以降も表示が継続されてその後の所定のタイミングで非表示にされるようにすれば、面白みを付与することができるようになる。なお、第1先行態様及び第2先行態様のいずれかでタイマ先読み演出を実行したにもかかわらず予告側タイマ演出が実行されない場合は、図柄変動が開始されてから所定時間が経過したときに非表示にされることとなる。また、この非表示にされるタイミングについては、予告側タイマ演出が実行される場合に非表示にされるタイミング(上記所定のタイミングなど)と同じであることがより望ましい。
この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、いずれも出現すると予告側タイマ演出の実行割合が高くなるタイマ先読み演出であるにもかかわらず、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出と、第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出とを、互いに別の異なる演出として出現させるようにしている。したがって、テーブルT8a−1の内容からも明らかであるように、第1先行態様や第2先行態様が表示されている状態において、タイマ先読み演出をこれらの先行態様から第3先行態様に変更させて表示する態様についてはこれを採用しないようにしている。また、第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出が出現している状況において第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出が出現することや、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出が出現している状況において第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出が出現することが生じうるようになっている。
したがって、先読み変動可能数が4である状況においては、図172(a)に示されるテーブルT8a−1を参照して第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出に関する実行態様を決定することはもとより、図172(b)に示されるテーブルT8a−2を参照して第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出に関する実行態様をさらに決定することとなる。
ここで、図172(b)に示されるように、この実施の形態にかかるテーブルT8aでは、最終的に第3先行態様が現れている状態で当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が開始される態様としては、以下の一の態様しか用意していない。
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第3先行態様(タイマ準備中)で表示してこれを保留2、保留1の状態においても継続させる態様
ただし、第3先行態様の場合も、上記一の態様に限らず、上述の第1先行態様の場合と同様、保留3や保留2の状態にあるときにはいずれのタイマ先読み演出も出現させず、途中から第3先行態様を表示させる態様なども選択しうるようにしてもよい。
このような構成によれば、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出が実行される場合と、第3先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出が実行される場合と、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出及び第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出の両方がそれぞれ実行される場合とが現れるようになる。そして、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出及び第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出の両方がそれぞれ実行される場合は、予告側タイマ演出が実行されることが確定的に示唆されている状況にあることから、第1先行態様から第2先行態様に変化するかなどの演出を余裕や安心感のあるなかで楽しむことができるようになる。
また、第1先行態様のタイマ先読み演出と、第2先行態様のタイマ先読み演出と、第3先行態様のタイマ先読み演出とが同時に出現しうるように制御してもよい。
なお、上記第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出についても対象になる保留情報が消化されて変動表示が開始された以降も継続して表示されるようにすることが望ましい。そしてこの場合、対象になる保留情報が消化されて変動表示が開始された以降、予告側タイマ演出が開始されるときに第3先行態様(タイマ準備中)が非表示にされることとなる。
また、この実施の形態では、タイマ先読み演出の第3先行態様を、演出表示装置1600において「タイマ準備中」を表示する態様として採用することとしたが、例えば、保留1の状態において、予告側タイマ演出の演出対象にされている演出(未実行の変動表示内で現れる演出)に向けてのカウント表示を開始する態様として採用するようにしてもよい。すなわちこの場合、例えば、保留1の状態が継続される残り時間(保留1の状態にあるときに変動表示の状態にある特別図柄の残り変動時間)と、保留1が消化されてその変動表示が開始されてから予告側タイマ演出の演出対象にされている演出が開始されるまでの時間とを合算した時間にわたってカウント表示が行われることとなり、タイマ先読み演出(第3先行態様)と予告側タイマ演出とが2つの変動表示で連なった一のカウント表示として実行されるようになる。
この点、第3先行態様をこのような予告側タイマ演出と連なった一のカウント表示として実現する場合、保留3や保留2ではカウント表示を実行せず、保留1の状態にあるときにカウント表示を実行するようにすることが望ましい。すなわち、保留3や保留2にあるときにカウント表示を開始するようにしてしまうと、保留1の状態になったときの保留数に応じて「予告側タイマ演出の演出対象にされている演出(未実行の変動表示内の演出)が開始されるまでの残り時間」が変化することで、同演出に向けてのカウント表示(所定数になるまでのカウント表示)を適切に実行することができなくなる懸念があるためである。
なお、図173(a)に示されるテーブルT8b−1や図173(b)に示されるテーブルT8b−2については、図172(a)に示されるテーブルT8a−1や図172(b)に示されるテーブルT8a−2と基本的に同じ関係にあることから、詳述は割愛することとする。
また上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、第1特図先読み処理(図135:ステップS5245)や第2特図先読み処理(図136:ステップS5255)において保留変化演出についての判定処理も行う。この保留変化演出とは、入賞に応じて取得される保留情報に対応する保留表示の態様を通常保留の態様とは異なる複数の態様のいずれかに変化させることで、いずれの態様で保留表示が表示されるかによって該保留表示が消化されたときの大当り期待度を示唆するようにしたものである。
より具体的には、この実施の形態にかかる保留表示としては、保留変化演出が行われないときの通常保留の態様のほかに、白点滅で表示する態様、青色で表示する態様、緑色で表示する態様、赤色で表示する態様、レインボー色で表示する態様のいずれかで表示することが可能となっており、基本的には、白点滅で表示する態様で保留表示されたときの大当り期待度が低くなっており、青色、緑色、赤色の順番で次第に大当り期待度が高くなる関係にあり、レインボー色で表示する態様で保留表示されると保留消化されたときに大当り図柄が現れる確率が100%になる関係となるように設定されている。なお、通常保留の態様に対しても自ずと大当り期待度が設定されることとなるが、該通常保留が表示されているときの大当り期待度については、白点滅で表示する態様より低くするようにしてもよいし、白点滅で表示する態様と同じかそれよりも高くするようにしてもよい。
したがって、通常は、例えば白点滅や青色で表示する態様が現れると、緑色や赤色で表示するときよりも大当り期待度の低い第一の演出状況が提供されることとなる。ただし、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、所定条件下では緑色や赤色ではなく、白点滅や青色で表示する態様が現れると大当り期待度が高くなる第二の演出状況を提供しうる制御を実行可能としている。
図174は、変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報(例えば、保留1〜保留3)とのなかに大当り図柄を出現させるものがないときに参照される通常時保留変化テーブルT9aを示す図である。また、図175は、変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報(例えば、保留1〜保留3)とのなかに大当り図柄を出現させるものがあるときに参照される特別時保留変化テーブルT9bを示す図である。
この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、始動口2002,2004への新たな入賞(遊技球の受け入れ)が発生したとき、第1特図先読み処理(図135:ステップS5245)や第2特図先読み処理(図136:ステップS5255)において、該新たな入賞よりも先に記憶されており変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報(例えば、保留1〜保留3)とのなかに大当り図柄を出現させるもの(大当り判定または先読み判定の結果として大当りに当選する旨の判定がなされたもの)があるかを判断する。そしてこの結果、大当り図柄を出現させるものがない旨判断した場合は、白点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色の順番で次第に大当り期待度が高くなる関係に設定されている通常時テーブルT9a(図174)を参照して保留変化演出を実行することで、通常は、例えば白点滅や青色で表示する態様が現れると、赤色で表示するときよりも大当り期待度の低い第一の演出状況が提供されるようにしている。
ただし、新たな入賞よりも先に記憶されており変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報とのなかに大当り図柄を出現させるものがある旨判断した場合(稀な事象が発生した場合)は、特別時保留変化テーブルT9b(図175)を参照して保留変化演出を実行することで、上記第二の演出状況を提供するようにしている。
すなわち、図175に示されるように、特別時保留変化テーブルT9bでは、まず、保留表示の態様に関する赤色及びレインボー色については、新たな入賞に応じた保留情報として取得されている「大当りの当落に関する先読み情報」や「変動パターンに関する先読み情報」がいずれの内容を示していたとしてもこれらが選択されることがないように演出乱数の振り分けがなされている。
また、保留表示の態様に関する緑色については、通常時保留変化テーブルT9aでは選択可能とされるように演出乱数が振り分けられている変動パターン(変動番号7〜14)であっても、特別時保留変化テーブルT9bでは選択されることがないように演出乱数の振り分けがなされている。この点、変動パターンに関する先読み情報がSPリーチに相当するものである場合は(変動番号15〜22)、特別時保留変化テーブルT9bにおいても緑色が選択されうるようになっているが、通常時保留変化テーブルT9aと比べて大当りに当選するときも落選するときも緑色の出現確率が低くなるように演出乱数の振り分けがなされている。
これに対し、保留表示の態様に関する白点滅や青色について、特別時保留変化テーブルT9bでは、通常時保留変化テーブルT9aと比べて大当りに当選するときも落選するときもそれらの出現確率が高くなるように演出乱数の振り分けがなされている。また、保留表示の態様に関する白点滅や青色については、通常時保留変化テーブルT9aにおいて選択されることがない変動番号1,2であっても、特別時保留変化テーブルT9bでは、選択可能とされるように演出乱数の振り分けがなされている。
このような構成によれば、例えば、大当り図柄の現れる期待度の高い演出(例えば、SPリーチの変動パターンで役物B動作を対象にした予告側タイマ演出が出現される演出)が実行されている間に新たな入賞が発生した場合(所定条件下にある場合)、該新たな入賞に応じた保留表示として緑色または赤色の態様が現れると当該実行中の高期待演出で大当り図柄が現れることへの期待を持ち難くなってしまうのに対し、白点滅や青色の態様が現れると当該実行中の高期待演出で大当り図柄が現れることへの期待を相対的に持ち易くなる第二の演出状況を提供することができるようになる。
特に、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上述の通り、タイマ先読み演出の第3先行態様として、保留1の状態が継続される残り時間(保留1の状態にあるときに変動表示の状態にある特別図柄の残り変動時間)と、保留1が消化されてその変動表示が開始されてから予告側タイマ演出の演出対象にされている演出が開始されるまでの時間とを合算した時間にわたってのカウント表示を実行可能としている。すなわちこの場合、演出表示装置1600においてカウント表示が現れたとしても該カウント表示が所定数値に達するよりも前に変動表示が終了して次の変動表示が開始される可能性が生じるようになることから、上述の特別時保留変化テーブルT9bを用いた制御と相まって遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
例えば、保留1として白点滅または青色の保留表示が現れている状況において変動表示(例えば、SPリーチ)の実行中に予告側タイマ演出のカウント表示(若しくは、タイマ準備中)が現れているとすると、以下の第1の遊技進行よりも第2の遊技進行のほうが大当り図柄が現れることへの期待感を持つことができるようになる。
・予告側タイマ演出が、低期待度(白点滅または青色)しか示していない保留1内の演出を演出対象としており、実行中の変動表示(例えば、SPリーチ)がハズレ態様で終了した後に保留1の保留情報に応じた変動表示が開始される第1の遊技進行
・予告側タイマ演出が、低期待度(白点滅または青色)しか示していない保留1内の演出ではなく、実行中の変動表示(例えば、SPリーチ)内の演出を演出対象にしている第2の遊技進行
すなわち、大当り期待度の高い予告側タイマ演出(例えば、出現すると十%以上の確率で大当り図柄が現れる)が実行されるにもかかわらず、該予告側タイマ演出が低期待度(例えば、出現しても数%程度の確率でしか大当り図柄が現れない白点滅または青色)の保留1内の演出を演出対象にするようなことがあると、大当り図柄が現れる可能性が大幅に低減してしまうかのような演出状況になるが、上記第2の遊技進行によれば、このような演出状況が発生することを回避したことによるチャンスアップと、実行中の変動表示が大当りであるからこそ特別時保留変化テーブルT9b(図175)が参照されて保留1の保留表示が(出現確率の高い)白点滅または青色になっている演出状況にあることを期待できることによるチャンスアップ(大当り期待度の高い予告側タイマ演出が「実行中の変動表示内の演出」を演出対象としていることも「実行中の変動表示が大当りである」ことを裏付けているかのように機能する)とのダブルでチャンスアップが生じるようになることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、タイマ先読み演出の第3先行態様はカウント表示ではなく「タイマ準備中」として実行されるようにしてもよい。すなわちこの場合、「タイマ準備中」が表示されている状況からカウント表示に切り替わった時点で当該変動表示内の演出を演出対象にした予告側タイマ演出が実行されることを認識することができるようになることから、該カウント表示が現れた時点で白点滅または青色になっている保留表示があるときには当該変動表示で大当り図柄が現れることを期待することができるようになる。
これに対し、緑色や赤色(特に赤色)の保留表示が表示されている状況において「タイマ準備中」が非表示になってカウント表示が開始されると、予告側タイマ演出が行われるにもかかわらず当該変動表示内で大当り図柄が現れることへの期待感を持ち難くなってしまうことはもとより、緑色や赤色(特に赤色)の保留表示に対してさらなる期待度アップを生じさせるように予告側タイマ演出が機能し得なくなってしまう。したがって、緑色や赤色(特に赤色)の保留表示が表示されている状況において「タイマ準備中」が表示されている場合は、緑色や赤色(特に赤色)の保留表示が消化されるまでの間はカウント表示が開始されないことを願うようになり、カウント表示(予告側タイマ演出)が開始されるまでの期間内での遊技興趣を維持することが期待されるようになる。
また、このような構成によれば、実行中の変動表示で大当り期待度の高い演出が出現したときには、新たな入賞を発生させて白点滅、青色、緑色、赤色などのいずれの態様の保留表示が現れるかを確認するようにすることで、実行中の変動表示で大当り図柄が現れるか否かを所定確率で予測可能となることから遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、このような特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出は、新たな入賞に応じた保留表示に対して実行されるものではあるが、その演出対象は、実際には、「新たな入賞に応じた保留情報(保留変化のあった保留情報)の変動表示で大当り図柄が現れるか」ではなく、「新たな入賞よりも前に記憶されている保留情報(保留変化の対象にならない保留情報)の変動表示で大当り図柄が現れるか」についての演出として機能するようになっている。したがって、新たな入賞が発生したときに何らの保留変化が実行されなかったり上述の先行期間演出の禁止対象にされたりした場合であっても、その後に入賞した保留情報によって特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出が実行されると、何らの先読み演出も実行されなかった保留情報に対して先読み演出が事後的に生じたかのような演出として機能しうるようになることから、先読み演出が行われないことによる遊技興趣を低下させることが期待されるようになる。
なお、特別時保留変化テーブルT9bでは、緑色の態様について、一部のリーチ種別では選択されうるようにしたが、赤色の態様と同様、いずれの変動パターンであっても選択されないようにしてもよい。要は、保留表示として出現しうる期待度の高い態様の出現する割合が、通常時保留変化テーブルT9aに比べて低い割合(0も含む)になっていれば、カウント表示が現れた時点で白点滅または青色になっている保留表示があるときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、保留変化については、入賞時や、変動開始時、変動途中の所定タイミングで生じさせることが可能であり、その回数についても複数回にわたって生じさせるようにしてもよい。すなわちこの場合、白点滅または青色になっている保留表示に応じた変動表示において予告側タイマ演出のカウント表示が開始された場合であっても、白点滅または青色が緑色や赤色に変化する可能性があることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。なお、この実施の形態では、保留消化に応じて行われる図柄変動中においても該消化対象になった保留表示に対応した表示(既に保留状態ではないが、保留状態にあったときの保留表示に対応した表示)が表示されることや、該保留表示に対応した表示の態様がさらに変化(保留変化)することは上述した通りである。
ただし、このような特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出を実現した場合、変動表示の実行中に高期待度の特定演出が実行されているなかで新たな入賞が発生して該入賞に応じた保留表示が赤色であるようなことが生じると、高期待度の特定演出(例えば、役物B動作を演出対象にしているタイマ演出など)が実行されている変動表示で大当り図柄が現れないことを確定的に示唆する状況にもなりかねず、遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、タイマ演出のうち少なくとも役物B動作を演出対象にしている特定のタイマ演出が実行されている期間中(高期待度の特定演出が実行されている期間中)では、新たな入賞が発生したとしても該入賞に応じた保留表示が演出表示装置1600において現れずに保留変化の態様が非表示にされるように制御することが望ましい。また、カウント表示が所定数値に達して消化し終わった以降も該保留表示に対する非表示の状態を維持するようにすることが望ましい。
ただしこの場合、非表示にした保留表示を変動表示が終了されるまで継続して非表示にするのではなく、例えば、当該変動表示の期間内において、大当りの当選を示唆する当り演出またはハズレ(大当りの落選)を示唆するハズレ演出が現れるタイミング以降で非表示になっていた保留表示を出現させてその保留変化の態様を表示するようにすることが望ましい。このような構成によれば、新たな入賞に応じた保留表示が赤色であったとしても既にハズレであることが示唆されている状況にあることから遊技興趣が低下しないことはもとより、該保留表示が赤色であることによって保留内に大当り期待度の高い保留情報が含まれていることによる遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、このような保留表示の非表示にかかる制御は、タイマ演出(予告演出)の全てを対象にするのではなく、タイマ演出のうち役物B動作を演出対象にするものなどの比較的大当り期待度の高い特定のタイマ演出(高期待度の予告演出)のみを対象にして実行するようにすることが望ましい。
また上述の通り、特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出を実現した場合、例えば、青色の保留表示が現れているなかで第3先行態様(タイマ準備中など)でタイマ先読み演出が実行されている場合、青色の保留表示が消化されるよりも前の変動表示においてカウント表示(タイマ演出)が開始されて大当り図柄が現れる遊技進行が望まれることとなる。この点、このような遊技進行が行われる遊技状況にある場合であっても、当該変動中にカウント表示(タイマ演出)が開始されるのか、それとも開始されずに青色の保留表示に応じた変動表示でカウント表示が開始されるのかについてのドキドキ感が付与されるように、青色の保留表示が消化されるよりも前にカウント表示(タイマ演出)が開始されて大当り図柄が現れる変動表示においては、該変動表示の開始タイミングに合わせてカウント表示(タイマ演出)が開始される割合(0%も含む)よりも該変動表示が開始されてから所定時間が経過したときにカウント表示(タイマ演出)が開始される割合のほうが高くなるように制御することが望ましい。なお、該割合については100%を含むようにしてもよい。若しくは、赤色の保留表示が現れている場合と比べて該変動表示が開始されてから所定時間が経過したときにカウント表示(タイマ演出)が開始される割合が高くなるように制御することが望ましい。なお、該割合については100%を含むようにしてもよい。
またさらに、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出(テーブルT8a−1,テーブルT8b−1)が実行されている期間中に新たな入賞が発生してこれに応じた保留情報が新たに取得されると当該タイマ先読み演出の対象にされる変動表示が開始されてこれが実行中になったときに予告側タイマ演出が実行される割合が上記新たに取得された保留情報(新たな入賞)に応じて異なるように、タイマ先読み演出を実行可能な制御(一変演出にかかる制御)を行うこととしている。
図176は、このような一変演出を実現するために行われる処理についてその処理手順の一例を示す図である。なお、この処理は、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出(テーブルT8a−1,テーブルT8b−1)が実行されている期間中に特定の始動口への入賞(遊技球の受け入れ)が発生したときに行うようにしてもよいし、該入賞よりも前に保留されている保留情報(演出に関する情報が消去・再設定される保留情報)が消化されるよりも前の期間内の所定タイミングで行われるようにしてもよい。
同図176に示されるように、周辺制御MPU1511aでは、まず、ステップS5601の処理として、新たな入賞に応じた保留情報が特定の遊技情報を示すものであるかを判断する。なお、特定の遊技情報としては、例えば、「該新たな保留情報が消化されたときにSPリーチなどの高期待の特定変動パターンを出現させる遊技情報」であってもよいし、「該新たな保留情報が消化されたときに大当りに当選する遊技情報」であってもよい。ここでは、説明の便宜上、「該新たな保留情報が消化されたときに大当りに当選する遊技情報」を上記特定の遊技情報として説明することとする。
そしてこの結果、新たな入賞に応じた保留情報が特定の遊技情報を示すものである旨判断した場合は、次にステップS5602の処理として、該新たな入賞に応じた保留情報よりも前に記憶されている保留情報のうちタイマ先読み演出(第1先行態様または第2先行態様)の対象にされている保留情報について、演出に関する少なくとも一部の情報を削除して当該一変演出が行われるときの内容に再設定する。
例えば、タイマ先読み演出として第1先行態様(タイマ発生の予感)が設定されているときには該タイマ先読み演出の対象にされている保留情報が消化されると概ね20%の確率で予告側タイマ演出が実行されるようになっており、タイマ先読み演出として第2先行態様(タイマ発生チャンス)が設定されているときには該タイマ先読み演出の対象にされている保留情報が消化されると概ね80%の確率で予告側タイマ演出が実行されるようになっていることは上述した通りである。ただし、ステップS5602の処理においては、これらのタイマ先読み演出に関する情報の全て(若しくは、少なくとも一部)が削除されたり、演出パターン(SPリーチなど)や予告抽選を決定するときに参照されるテーブルを通常時とは異なるものに変更させるための設定(一変フラグの設定など)がなされることとなる。そして、周辺制御MPU1511aでは、こうして改変(削除・設定)された演出情報に基づいて演出にかかる制御(図149)を行うことで、タイマ先読み演出として第1先行態様(タイマ発生の予感)と第2先行態様(タイマ発生チャンス)とのいずれが設定されていたとしても上記ステップS5502(図149)の処理においては概ね50%の確率で予告側タイマ演出が実行されるようになる。また、演出パターンや予告演出などの内容の決定に際しても、例えば、一変フラグが設定されていることに基づいて一変演出時のテーブル(図示略)が参照されて通常時とは異なる態様で各種演出が実行されるようになる。
そして、こうしてタイマ先読み演出の対象にされている保留の演出情報についての改変処理(ステップS5602)が行われた後は、ステップS5603の処理として、背景画像を、一変演出が行われるときの背景画像に変更させるための処理を行う。なおこの際、タイマ先読み演出として現れている表示(第1先行態様,第2先行態様)も非表示にするようにすることが望ましい。すなわちこの場合、新たな入賞が発生したとき(若しくは、該入賞が発生してからタイマ先読み演出の対象になっている保留情報が消化されるまでの間)に、背景画像が一変演出時の背景画像へと突然に変更されるとそれまで現れていた第1先行態様または第2先行態様は非表示とされるが、該一変演出時の背景画像これ自体がタイマ先読み演出の一態様として機能しうるようになる。そして、こうして一変演出時の背景画像が現れている期間においては、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報が消化されたときに予告側タイマ演出が出現するか否か(ガセなのか)に大きな興味を持たせることができるようになり、これによってタイマ先読み演出が行われている期間中における遊技興趣を維持することができるようになる。
これに対し、上記ステップS5601の処理において、新たな入賞に応じた保留情報が特定の遊技情報を示すものでない旨判断した場合は、次にステップS5611の処理として、一変ガセ演出を実行するか否かについての判定処理を行う。この一変ガセ演出とは、上述の保留情報についての改変処理(ステップS5602)を行わないにもかかわらず、ステップS5603の処理において、背景画像を、一変演出が行われるときの背景画像に変更させる演出のことである。
なお、上記ステップS5611の処理において、一変ガセ演出を実行しない旨の判断がなされた場合は、現状のタイマ先読み演出(第1先行態様,第2先行態様)や各種演出の決定態様を継続させるべく、一変演出に関わる処理を何も行うことなく当該処理(図176)を終了させることとなる。
このような構成では、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出(テーブルT8a−1,テーブルT8b−1)が実行されている期間中に新たな入賞が発生すると(特定の始動領域に遊技球が受け入れられてこれに応じた遊技情報が新たに取得されると)当該タイマ先読み演出の対象になっている変動表示が開始されてこれが実行中になったときに上記予告側タイマ演出が実行される割合が上記新たに取得された遊技情報(保留情報)に応じて異なるように、上記予告側タイマ演出を実行可能としている。すなわちこの場合、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出が実行されている期間で保留情報が新たに取得されると、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報ではなく該新たに取得された保留情報が特定の遊技情報(SPリーチなどの特定の変動パターンを示す情報、または大当りを示す情報、または大当りの種別が高確率時短遊技状態に移行させるものであることを示す情報など)であるかに応じて、タイマ先読み演出の対象になっている変動表示の実行中に予告側タイマ演出が実行される割合が変化するようになることから、タイマ先読み演出の対象になっている変動表示が実行されるまでの間に他の演出に対する期待を持たせることができるようになり、該期間における遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、上記構成では、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出が実行されている期間で保留情報が新たに取得されると、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報ではなく該新たに取得された保留情報が特定の遊技情報であるかに応じて、上記改変処理(ステップS5602)を行った上で、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報が消化されるよりも前に背景画像を一変演出時の背景画像に変化させるとともにタイマ先読み演出にかかる表示を非表示にするようにしている。すなわちこの場合、一変演出が開始されるまでの間は、演出の主体がタイマ先読み演出になっており該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報に対して期待感を持たせる演出状況が提供されるのに対し、一変演出が開始された以降は演出の主体が一変演出へと変更されて、上記タイマ先読み演出も含めて、新たに取得された保留情報に対して期待感を持たせるために各種の演出が行われる演出状況へと移行されることとなる。したがって、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報よりも高期待の保留が取得されたときに演出の主体を機動的に変化させることが可能とされるようになり、既に設定済みとされている演出によって期待度の高い保留情報に対する演出時間が奪われてしまうようなことが回避されるようになる。
なお、このような一変演出は、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報が大当りに当選することを示すものであったとしても実行するようにしてもよい。すなわちこの場合、演出の主体が新たに入賞した保留情報に移ったにもかかわらずそれよりも前に消化される保留にて大当り演出が出現するようになることから、サプライズ的な演出が実現されるようになり遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、この実施の形態では、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出が実行されている期間で保留情報が新たに取得されたときに上記一変演出にかかる処理(図176)を実行することとしたが、第3先行態様のタイマ先読み演出が実行されている期間で保留情報が新たに取得されたときにも上記一変演出にかかる処理(図176)を実行するようにしてもよい。
また、一変演出時の背景画像については、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報に応じた変動表示が終了した以降も継続させるようにしてもよい。すなわちこの場合、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報に応じた変動表示が終了した以降に消化される保留情報に対しては、一変ガセ演出として機能するようになる。
また、このような一変演出については、タイマ先読み演出が実行されていないときも、上記新たな入賞が発生して特定の条件が満たされたことを条件に実行するようにしてもよい。なおこの場合、例えば、新たな入賞よりも前に記憶されている全ての保留情報について演出パターン(SPリーチなど)や予告抽選を決定するときに参照されるテーブルを通常時とは異なるものに変更させるための設定(一変フラグの設定など)がなされることとなり、これによって一変ガセ演出でない限りは各種演出の出現確率が変化するようになる。
また、上記実施の形態では、一変演出時に、予告側タイマ演出が実行される割合を変化させるようにしたが、一変フラグの設定時には通常時とは異なる演出パターンを決定することで、変動側タイマ演出が実行される割合を変化させるようにしてもよい。これにより、一変演出の非実行時に変動側タイマ演出を出現させない変動番号であっても一変演出の実行時には変動側タイマ演出を出現させる、または一変演出の非実行時に変動側タイマ演出を出現させる変動番号であっても一変演出の実行時には変動側タイマ演出を出現させないように制御することが可能とされるようになる。
なお、このような一変演出を行うようにした場合、一変演出の非実行時にはタイマ演出を出現させるようになっていたとしても、一変演出の実行時には変動側タイマ演出を出現させないようになる可能性もあり遊技興趣の低下が懸念されることから、一変演出の実行時には、通常時(一変演出の非実行時)には出現し得ない特別な予告演出に関する抽選を行って当選すると該特別な予告演出が出現しうるように制御してもよい。
また、一変演出時にタイマ先読み演出の対象になっていた変動表示において予告側タイマ演出が実行される割合については必ずしも一定(ここでは50%)でなくてもよく、例えば、該タイマ先読み演出の対象になっていた変動表示で大当り図柄が現れるか否かに応じて異なるように制御してもよい。
以下、図177,図178を参照して上述のタイマ演出例についてその演出内容を詳述する。ここで、上述の各演出にかかる処理例とは、あくまでも一例に過ぎず、例えば、予告演出の内容として上記した種別以外の演出を実行するようにしてもよいし、各予告演出の出現タイミングや出現条件なども同じ技術思想の範囲内であれば適宜に変更するようにしてもよい。したがって、以下に説明する演出例では、上述の各演出にかかる処理内容とは辻褄が合わないものも含まれうるが、同じ技術思想の範囲内であり且つ当業者であれば実施可能な範囲内で処理内容を適宜に変更しただけであるから問題はない。また、以下の「タイマ演出」とは、基本的には、予告側タイマ演出または変動側タイマ演出でカウント表示が実行されることを意味するものであるが、該カウント表示中の演出のほか、タイマ先読み演出を包含する意味を持つ場合もある。また、「カウント表示」の態様としても、以下では「秒数」をカウントすることとしているがこれに限られない。
図177(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。図177(B)は、図177(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に2つの入賞が発生してそれらの入賞に応じた保留情報が記憶され、1番目に入賞した保留1に対応する保留表示が通常保留の態様、2番目に入賞した保留2に対応する保留表示が赤色の態様で表示された演出状況を示している。図177(C)は、図177(B)で示した演出状況において変動表示の状態にあった装飾図柄SZがハズレ図柄で停止表示された後、保留情報がそれぞれ先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作されて保留1として記憶されていた保留情報が消化されて変動状態になった演出状況を示している。なお、この演出例では、図中から明らかであるように、保留1の保留情報が消化されて変動表示の状態(保留0の状態)になった状況においても、保留1のときに示されていた保留表示の態様を遊技者が認識可能とされるように表示制御が行われるようになっている(保留0の保留表示)。また、この保留0の保留表示は、このような変動表示の状態においても保留変化の態様(白色点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色)でさらに変化しうるようになっていることは上述した通りである。
ここで、図177(C)に示される演出状況においては、図177(A),(B)のときに保留1の状態にあった保留情報が消化されて変動表示が開始されるのに合わせて、若しくは同変動表示が開始されてからの所定時間経過後に保留先読み演出が実行されている。保留先読み演出の態様としては上述の第1先行態様,第2先行態様,第3先行態様のいずれで実行されるものであってもよいが、図177(C)に示される演出状況において保留先読み演出が現れたということは、保留0(変動表示の状態にある)の保留情報または保留1の保留情報が当該保留先読み演出の対象にされていることを意味することとなる(ここでの例では、保留1の保留情報が当該保留先読み演出の対象にされている)。
図177(D)は、図177(C)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に1つの入賞が発生して該入賞に応じた保留情報が保留2に対応する保留表示として通常保留の態様で表示された演出状況を示している。ただし、この保留2に対応する保留表示が特定の遊技情報(ここでは、大当り情報)を示すものであり上述の一変演出の実行条件を満たすものであるとすると、図177(E)に示されるように、保留2に対応する保留情報(遊技情報)に基づいて一変演出にかかる制御が実行されることとなる。
なお上述の通り、一変演出とは、該一変演出を発生させる保留情報(ここでは保留2)よりも前に記憶されて保留状態にある保留情報(ここでは保留1)の内容を改変して保留消化させるものである。これに対し、上述の一変ガセ演出とは、例えば、保留2に対応する保留表示が特定の遊技情報(ここでは、大当り情報)を示すものでないときに発生して該一変ガセ演出を発生させる保留情報(ここでは保留2)よりも前に記憶されて保留状態にある保留情報(ここでは保留1)の内容を改変させずに保留消化させるものである。すなわちこの場合、一変演出と一変ガセ演出とのいずれが行われるかによって保留1が消化されたときに各種演出の発生し易さが異なるようになることから、これらの演出の発生状況から特定の遊技情報を示す保留が含まれているか否か(一変演出と一変ガセ演出とのいずれが行われているか)を遊技者側が推測可能とし、遊技興趣の低下が抑制されうるようにしている。一変演出と一変ガセ演出とのいずれにおいても、それらの演出に対応する保留表示(ここでは、保留2)については大当り判定の結果に関わらず保留変化が生じないように制御することが望ましい。
したがって、このような保留2に対応する保留情報(遊技情報)に基づいて一変演出にかかる制御が実行されるタイミングについては、保留情報の改変対象にならない保留0の変動表示が終了した後であり、且つ保留情報の改変対象になる保留1の変動表示が開始されるよりも前であることが望ましい。この点、この実施の形態では、保留0の変動表示でハズレ図柄が停止された後であるが保留1の保留表示が未だシフト表示されていないときに当該一変演出にかかる制御を実行することで、保留1の保留情報(特に、演出に関わる情報)を改変することはもとより、図177(E)に示されるように、それまで表示されていたタイマ先読み演出や保留変化の態様(赤色)を非表示にする(通常保留の態様で表示する)とともに、背景画像を一変演出が行われるときの背景画像に変更させることとしている。またこの際、所定の表示画像(ここでは、「一変」)が所定時間だけ表示される。
また、このような演出状況(図177(E))では、保留0の変動表示が終了されるまでの間にそれまで出現していたタイマ先読み演出がカウント表示を開始することなく表示を継続させていたことから、該タイマ先読み演出の対象は保留1であることが認識可能とされている。
図177(F)は、図177(E)で示した一変演出背景の出現後、保留情報がそれぞれシフト操作されることにより保留1として記憶されていた保留情報が消化されて変動状態になった演出状況を示している。
ここで、図177(F)に示される演出状況においては、図177(E)のときに保留1の状態にあった保留情報が消化されて変動表示が開始されるのに合わせて、若しくは同変動表示が開始されてからの所定時間経過後にタイマ演出のカウント表示が開始されている。また、これと同様、図177(F)に示される演出状況においては、第一演出(ここでは、「会話予告」)に関連した特定表示(ここでは、「会話予告を出現させろ」)が表示されている。特定表示(会話予告を出現させろ)が出現するタイミングについては、タイマ演出(カウント表示)が出現するタイミングより前であってもよいし、タイマ演出(カウント表示)が出現するタイミングより後であってもよく、適宜のタイミングで出現可能とされるものである。
なお、タイマ演出は、タイマ先読み演出の態様にある場合(図177(D))も含めて、他の予告演出や装飾図柄などよりも優先的に表示されるものとなっており、ここでは、いわゆるティッカーの態様(スライド映像)で「会話予告を出現させろ」を表示する予告演出のうちの一部表示範囲(左部分)が、これよりも優先的に表示されるタイマ演出によって非表示にされている。
また、この演出状況(図177(F))では、タイマ演出が「10秒」といった相対的に少ないカウント数でカウント表示を開始していることから、これだけを見れば低期待度の演出を当該タイマ演出の対象にしている可能性が高くなっており遊技興趣の低下が懸念される。ただし、この演出状況(図177(F))では、タイマ演出の演出対象にされる演出種別のうち相対的に早い段階で出現する演出種別(会話予告)を出現させる旨の特定表示(会話予告を出現させろ)が出現しており、当該タイマ演出の演出対象が「相対的に早い段階で出現する会話予告」でありミッション成功によって大当りに当選していることが確定示唆されることが期待されることから、遊技興趣の低下は抑制されるようになる。
しかも、一変演出が実行されているときには上述の通り、通常時とは異なる確率でタイマ演出が出現するようになっている。例えば、図177(D)で表示されていたタイマ先読み演出が第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示されていたときには、通常時であれば概ね20%の確率でしかタイマ演出が出現しないのに対し、一変演出が実行されているときには概ね50%の確率でタイマ演出が出現するようになる。したがって、こうした一変演出背景が現れているなかでタイマ演出が出現した場合は、タイマ演出の出現確率が変化しない一変ガセ演出(概ね20%)ではなく、タイマ演出の出現確率が変化する一変演出(概ね50%)が実行されている期待感、ひいては大当りに当選することへの期待感(一変演出実行時は大当りの保留情報が含まれていることが確定されるため)が高まるようになる。ただしこの際、こうした一変演出背景が現れているなかでタイマ演出が出現しなかった場合は、タイマ演出の出現確率が変化する一変演出(概ね50%)ではなく、タイマ演出の出現確率が変化しない一変ガセ演出(概ね20%)が実行されている懸念度が高まる結果になる。
なお、図177(D)で表示されていたタイマ先読み演出が第3先行態様(タイマ準備中)で表示されていたときには、通常時であれば100%の確率でタイマ演出が出現するのに対し、一変演出が実行されているときには概ね50%の確率でしかタイマ演出が出現しないようになる。したがって、こうした一変演出背景が現れているなかでタイマ演出が出現しなかった場合は、タイマ演出の出現確率が変化しない一変ガセ演出(概ね100%)ではなく、タイマ演出の出現確率が変化する一変演出(概ね50%)が実行されていること、ひいては大当りに当選する保留情報が含まれていることが確定的に示唆されるようになる。ただしこの際、こうした一変演出背景が現れているなかでタイマ演出が出現した場合は、タイマ演出の出現確率が変化する一変演出(概ね50%)ではなく、タイマ演出の出現確率が変化しない一変ガセ演出(概ね100%)が実行されている懸念度が高まる結果になる。
図178(G)は、図177(F)で実行されているタイマ演出のカウント表示が所定数値(ここでは0)に達し、該所定数値(ここでは0)に達した旨を示唆するタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が出現された演出状況を示している。なお、所定数値(ここでは0)に達した旨を示唆するタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)は、タイマ演出のカウント表示が非表示にされてから出現してもよい。
この図178(G)に示される演出状況では、ミッション表示(会話予告を出現させろ)が未だ表示されている間にカウント表示が所定数値に達していることから、タイマ演出の演出対象として何らかの演出が今まさに出現しようとしている状況にあることは確定的に示唆されている状況であり、該演出として会話予告が出現するか否かに大きな注目が集まる状況であるといえる。
図178(H)は、図178(G)で所定数値に達したタイマ演出とそのタイマ関連表示とがそれぞれ非表示にされた後、該タイマ演出の演出対象となる演出として会話予告(ここでは「チャンスかもしれないわ」)が出現した演出状況を示している。なおこの直後、ミッション演出(会話予告を出現させろ)にてミッション成功したことを示す特別表示が現れることとなる。
この図178(H)に示される演出状況では、ミッション演出(会話予告を出現させろ)にてミッション成功したことが示されることから、大当りに当選することが確定的に示唆されるようになる。
図178(I)は、図178(H)でミッション成功した後、特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)が現れている状況にあるにもかかわらず当該変動表示がハズレ図柄で停止された演出状況を示している。
すなわち上述の通り、この実施の形態では、第一演出(ここでは、「会話予告」)に関わる特定表示(ここでは、「会話予告を出現させろ」)については、その演出対象にされる保留情報(図178(I)に示される状況では保留1)に応じた変動表示の期間内で出現可能とされることはもとより、所定条件下では該変動表示よりも前の保留情報(図178(I)に示される状況では保留0)に応じた変動表示の期間内においても先行して出現可能とされている。しかも、該第一演出(ここでは、「会話予告」)が表示されて特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)を出現させるタイミングこれ自体も、その演出対象にされる保留情報(大当りになる保留情報)に応じた変動表示の期間内で出現可能とされることはもとより、所定条件下では該変動表示よりも前の保留情報(大当りにならない保留情報)に応じた変動表示の期間内においても先行して出現可能とされている。
このような構成によれば、ミッション演出において特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)が現れて大当りになることが確定的に示唆されたにもかかわらず、当該変動表示がハズレ図柄で終了(停止)されるようになることから、遊技者としては不測の事態が生じることとなる。ただしこの後、次の変動表示が開始されると該変動表示が大当り図柄で終了(停止)されるようになることから、絶望状態に一旦落とされてからの幸福感が付与されるようになる。これにより、大当りになることが確定的に示唆された後にも演出的な抑揚を付けることが可能とされるようになり、大当り図柄が停止されるまでの遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
しかしながら、このように特別表示を先行して出現させる場合、当該変動表示がハズレ図柄で終了(停止)された時点でホール側に対する遊技者側の苦情が発生することが懸念される。したがって、特別表示が先行して出現されるハズレ変動においてはその変動表示の実行期間内に次の変動表示(大当りになる変動表示)にまで跨る先読み演出が実行される割合が特別表示が現れないときよりも高くなるように設定することが望ましい。なお、この演出例では、図178(I)に示されるように、図178(H)でミッションが達成された後、該変動表示がハズレ図柄で終了(停止)されるまでの期間内でタイマ先読み演出を新たに発生させることとしている。このような構成によれば、タイマー演出のカウント表示が開始されるよりも前にミッション成功したとしてもその変動表示ではハズレ図柄を表示させて、タイマー演出のカウント表示が開始される変動表示が現れるまで大当り図柄の現れる変動表示が持ち越されているかのような演出を実現することができるようになる。これにより、変動表示がハズレ図柄で終了(停止)された時点でホール側に対する遊技者側の苦情が発生することが抑制されうるようになる。
ただし、こうした複数回の変動表示(大当りになる変動表示まで)に跨る先読み演出は必ずしも実行されなくてもよく、この意味では、図178(J)に示されるように、大当り図柄が現れる保留情報が消化されてその変動表示が開始された以降も、ハズレ図柄が現れる変動表示の実行期間内で現れた特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)を表示し続けるようにすることが望ましい。この点、こうした特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)を、大当り図柄が現れる変動表示において大当り図柄が現れるまで継続して表示させるようにすると、大当り図柄が停止されるまでの間に演出的な抑揚が付けられずに遊技興趣の低下が懸念されることから、図178(K)に示されるように、演出パターン内の演出として大当りに当選することが確定的に示唆される演出画像が現れるよりも前のタイミングで特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)を非表示にすることが望ましい。これにより、特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)が非表示にされた以降、図178(K)に示される演出画像(演出パターン内の演出内容として大当りに当選することが確定的に示唆される演出画像)が現れるまでの間、大当り図柄が現れることへの不安感が多少なりとも増大するようになり、図178(L)に示される演出状況(大当り図柄が停止される演出状況)になるまでの間の遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
なお、図178(J)では、30秒のタイマ演出のカウント表示が開始されており、この図178(J)に示される演出状況が現れた以降、図178(K)に示される演出状況が現れるまでの間には、当該30秒のタイマ演出のカウント表示が終了してタイマ関連表示(ここでは、「ゆくぞ」)が表示されるとともに、その演出対象になる演出が発生していることは言うまでもない。
次に、図177及び図178に示したタイマ演出例とは別のタイマ演出例を図179,図180を参照して詳述する。
図179(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。図179(B)は、図179(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に3つの入賞が発生してそれらの入賞に応じた保留情報が記憶され、1番目に入賞した保留1に対応する保留表示が通常保留の態様、2番目に入賞した保留2に対応する保留表示が赤色の態様、3番目に入賞した保留3に対応する保留表示が青色の態様で表示された演出状況を示している。図179(C)は、図179(B)で示した演出状況において変動表示の状態にあった装飾図柄SZがハズレ図柄で停止表示された後、保留情報がそれぞれ先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作されて保留1として記憶されていた保留情報が消化されて変動状態になった演出状況を示している。なお、この演出例でも、図中から明らかであるように、保留1の保留情報が消化されて変動表示の状態(保留0の状態)になった状況においても、保留1のときに示されていた保留表示の態様を遊技者が認識可能とされるように表示制御が行われるようになっている(保留0の保留表示)。また、この保留0の保留表示は、このような変動表示の状態においても保留変化の態様(白色点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色)でさらに変化しうるようになっていることは上述した通りである。また、図179及び図180では、図177及び図178においては説明の便宜上、割愛されていた演出用の可動体KTが図中にて記されている。なお、可動体KTは、例えば、「裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500などの可動部材」などに相当するものである
ここで、図179(C)に示される演出状況においては、図179(A),(B)のときに保留1の状態にあった保留情報が消化されて変動表示が開始されるのに合わせて、若しくは同変動表示が開始されてからの所定時間経過後に保留先読み演出が実行されている。保留先読み演出の態様としては上述の第1先行態様,第2先行態様,第3先行態様のいずれで実行されるものであってもよいが、図179(C)に示される演出状況において保留先読み演出が現れたということは、保留0(変動表示の状態にある)の保留情報または保留1の保留情報、保留2の保留情報のいずれかが当該保留先読み演出の対象にされていることを意味することとなる(ここでの例では、保留1の保留情報が当該保留先読み演出の対象にされている)。
ここで、保留先読み演出の態様として、対応する保留表示(ここでは、保留1の保留情報)が未だ保留状態にあるときからカウント表示を実行するようにしてもよい。すなわちこの場合、カウント表示が所定数値(ここでは「0」)に達した後に装飾図柄SZの変動表示が終了する事象が発生しうることはもとより、カウント表示が所定数値(ここでは「0」)に達するよりも前に装飾図柄SZの変動表示が終了する事象が発生しうるようになることから、カウント表示が実行中になっても該タイマ演出の対象がいずれの保留情報を対象にしているのかを把握し難くすることができるようになる。
ただし、この演出例では、保留先読み演出の態様として、第1先行態様(タイマ発生の予感)、第2先行態様(タイマ発生チャンス)、及び第3先行態様(タイマ発生チャンス)のいずれかが表示されうる。
この点、図179(C)に示される演出状況では、保留情報0,1,2のうち、保留情報1が赤色の態様になっており最も大当り期待度の高い保留表示の態様になっていることに鑑みれば、遊技者側からすれば、タイマ先読み演出が、保留情報1を対象にしており赤色の保留表示との複合演出を発生させるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、複合演出によって保留情報1で大当りの得られる期待度がさらに高いことが示されるようになることから、通常保留の態様の保留0や、期待度の低い青色の保留2をタイマ先読み演出の対象にして大当り期待度が分散されてしまう場合よりも保留情報0〜2のいずれかで大当り図柄が現れる期待度を高くすることができるようになる。また、期待度の低い青色の保留2がタイマ先読み演出の対象になってしまうと遊技興趣の低下が懸念されることから、遊技興趣の維持を図る上では期待度の低い青色の保留2がタイマ先読み演出の対象にならないように演出進展することも重要である。
しかも、上述の通り、この実施の形態では、大当り図柄の現れる保留情報(大当り保留)が記憶されているときに新たな入賞が発生すると、通常時テーブルT9a(図174)ではなく、大当り保留時専用のテーブル(図175:特別時保留変化テーブルT9b)を参照して保留変化演出を実行するようにしている。この特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出では、大当り保留が既に含まれているときには(赤色の態様の保留1が大当りであるときには)、保留2の態様として赤色や緑色は出現し難くなっており且つ青色や白色点滅の態様が相対的に出現し易くなる。したがって、図179(C)に示される演出状況において、タイマ先読み演出が、保留情報1を対象にしており大当り期待度を高くするように機能した場合は、期待度の低い青色の保留2をタイマ対象にすることによる遊技興趣の低下を回避したことによるチャンスアップと、赤色の態様の保留1の保留情報が大当りであるからこそ特別時保留変化テーブルT9b(図175)が参照されて青色の態様の保留2の保留表示が(出現確率の高い)青色になっている演出状況にあることを期待できることによるチャンスアップ(大当り期待度の高い予告側タイマ演出が「実行中の変動表示内の演出」を演出対象としていることも「実行中の変動表示が大当りである」ことを裏付けているかのように機能する)とのダブルでチャンスアップが生じるようになることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
したがって、図179(B)や(C)に示される演出状況においては、新たな入賞を発生させたときに青色や白色点滅の保留表示が新たに発生するのか、若しくは緑色や赤色の保留表示が新たに発生するのかを確認するようにすれば、大当り保留が含まれているのかを認識することが可能であり、新たな入賞が促される演出状況にあるともいえる。
図179(D)は、図179(C)で示したタイマ先読み演出の態様が維持されたままで(カウント開始しないままで)、実行中の状態にあった装飾図柄SZの変動表示がハズレ図柄で終了(停止)した後、保留情報がそれぞれシフト操作されることにより保留1として記憶されていた保留情報が消化されて変動状態になった演出状況を示している。
この図179(D)に示される演出状況になると、遊技者は、タイマ先読み演出の対象が、赤色の態様である保留0(変動表示の状態にある)の保留情報、及び青色の態様である保留1の保留情報のいずれかであることを認識可能となり、赤色の態様である保留0の保留情報に応じた当該変動表示の実行期間内でカウント表示が実行されることを願うようになる。
なお、この演出例においても、タイマ演出は、タイマ先読み演出の態様にある場合(図179(D))も含めて、他の予告演出や装飾図柄などよりも優先的に表示されるものとなっており、ここでは、会話予告における女性キャラクタのセリフ部分の一部範囲(左部分)が、これよりも優先的に表示されるタイマ演出によって非表示にされている。
図179(E)は、図179(D)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中にタイマ先読み演出が終了してタイマ演出のカウント表示が実行中になっている演出状況を示している。
ただし上述の通り、赤色の保留情報の消化に応じた当該装飾図柄SZの変動表示の実行中にカウント表示が開始されるか否か(タイマ先読みが赤色の保留情報を対象にしたものであるか)は遊技者にとって関心度の極めて高い事項となっている。そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、こうしたカウント表示が実行中の状態になっていることが遊技者側から視認し難くされるように、該実行中の状態になっているカウント表示の前方にまで演出用の可動体KTを移動させて所定時間にわたって位置させるように制御可能としている。このような構成によれば、タイマ演出(タイマ先読み演出、カウント表示)が実行されており遊技者にドキドキ感を与えているなかでタイマ演出のカウント表示が実行されているか否かの確認がし難くなることで、該タイマ演出への注目をさらに強くしてドキドキ感を高めることができるようになる。
なお、このような演出を好適に実現する上では、タイマ演出は実行されているがそのカウント表示が未だ実行されていない状況(タイマ先読み演出の実行中など)においては上記演出用の可動体KTを動作(移動)させないように制御することが望ましい。すなわちこの場合、演出用の可動体KTの存在を遊技者側が気にしていないところで該演出用の可動体KTが突然に移動してカウント表示が見難くされるようになることから、遊技者にとっては最も悪いタイミングで発生するこのようなサプライズ的な演出によってタイマ演出への注目をさらに強くしてドキドキ感を高めることができるようになる。
また、該演出用の可動体KTによる動作演出については、タイマ演出のうちタイマ先読み演出を視認し易くしてカウント表示を視認し難くする演出としてのみ機能させるようにしてもよいが、上述の非対象予告E2(第一演出)としても機能させるようにしてもよい。すなわちこの場合、タイマ演出の演出対象にならず本来関係のない非対象予告E2(第一演出)ではあるものの、カウント表示の実行中に非対象予告E2(第一演出)が実行される演出状況(図179(E))になることで、例えば、次の演出状況(図179(F))で示されるカットイン演出よりも高い大当り期待度が示されるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお上述の通り、この非対象予告E2(ここでは、演出用の可動体KTによる動作演出)については、期待度の異なる複数の態様のいずれかで実行するようにすることが望ましく、例えば、カウント表示が非実行の状態においては、演出用の可動体KTが動作したときの発光態様(青色、緑色、赤色)のいずれが出現したかによって大当り期待度を示すようにすることが望ましい。このとき、赤色の発光態様で演出用の可動体KTが動作すると、次の演出状況(図179(F))で示されるカットイン演出よりも高い大当り期待度を示すようにしてもよいが、演出用の可動体KTによる動作演出が発生したときの大当り期待度の期待値は、次の演出状況(図179(F))で示されるカットイン演出の大当り期待度の期待値よりも低くなっていることが求められる。ただし、これも上述した通り、カウント表示の実行中に演出用の可動体KTによる動作演出を実行する場合は、発光態様として青色、緑色、赤色のいずれが現れたとしても、当該演出用の可動体KTによる動作演出によって示される大当り期待度は同じ(例えば、70%)であるように制御することが望ましい。このような構成によれば、カウント表示の実行中は、演出用の可動体KTによる動作演出でいかなる態様が現れるかではなく、演出用の可動体KTによる動作演出これ自体が発生するかに注目が集まるようになることから、該演出用の可動体KTによる動作演出が発生したときの態様によって遊技興趣が低下するようなことが回避されるようになる。
ところで、図179(E)に示される演出状況では、タイマ先読み演出の対象が青色の態様の保留2ではなく赤色の保留1であることによる上述のダブルでのチャンスアップに成功していることに加えて、カウント表示の実行中に非対象予告E2(ここでは、演出用の可動体KTによる動作演出)が実行されたことによるチャンスアップにも成功している。したがって、仮に、このような期待度の高い演出状況にあるにもかかわらず該変動表示では大当りに当選しない可能性が高いことが示唆されるようなことがあれば、本来、遊技興趣が高められるはずの変動表示において、遊技興趣が著しく低下することは避けられない。この点、大当り保留(保留0も含む)が含まれているときに参照される上述の特別時保留変化テーブルT9b(図175)では、新たな入賞が発生したときに緑色や赤色の態様の保留情報が出現し難くなっていることから、図179(E)に示される演出状況において新たな入賞が発生したことに応じた保留2が赤色の態様で保留表示されてしまうと大当り保留が含まれていないことが遊技者側に露にされる事態が発生しかねない。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイマ演出のうち、期待度の高い態様とされる特定のタイマ演出のカウント表示が実行される期間中や、それ以降の期間においては新たな入賞が発生したとしてもその態様(白色点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色)が認識し難くなるとともに、既に表示されていた保留表示がさらに保留変化したとしてもその態様が認識し難くなる制御を行うこととしている。なお、図179(E)に示される例では、保留1,2が隠されてその影によって表示することで保留表示の態様を認識し難くしているが、演出表示装置1600において保留表示これ自体を非表示にするようにしてもよい。これにより、期待度の高いカウント表示が実行されているにもかかわらず、新たな入賞が発生したときに緑色や赤色の保留表示が現れることで遊技興趣が低下するようなことが回避されるようになる。
図179(F)は、図179(E)で示したタイマ演出のカウント表示が所定数値(ここでは「0」)に達してタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(味方キャラクタによるカットイン演出)が実行されている演出状況を示している。同図179(F)に示されるように、タイマ演出の演出対象になる演出(味方キャラクタによるカットイン演出)が実行されている状況においても、保留1,2は隠されたままでありその影によって保留表示の態様は認識し難くされている。
図180(G)は、図180(F)においてタイマ演出の演出対象になる演出(味方キャラクタによるカットイン演出)が実行された後、その味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することで当該変動表示が大当り図柄で確定停止されることが示されている演出状況を示している。
この図180(G)に示される演出状況においては、大当りになることが確定的に示唆されていることから、保留1,2の態様としていずれの態様が現れていたとしても遊技興趣が低下するようなことはない。したがって、認識し難くされている保留1,2については、このように大当りになるか否かが示される演出が表示された以降に、いずれの態様が現れているのかを認識可能な態様で表示されるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北することで当該変動表示がハズレで確定停止されることが示されたとしても、その時点で保留1,2の態様が認識可能となった結果、保留1,2のいずれかが赤色やレインボー色の態様であることが認識されるような場合もあることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、図180(G)に示される演出状況では、新たなタイマ演出が発生してそのカウント表示が開始されている状態にある。このカウント表示は、大当り図柄が確定停止されて変動表示が終了される図180(H)に示される演出状況においても、残りカウント数を残したまま(カウント表示の開始時に表示されるカウント数のうち、最も少ないカウント数(10秒)よりも多くのカウント数を残したまま)になっており、タイマ演出の演出対象になる演出も何ら発生させないままで、当該変動表示が終了した以降も継続して実行される上述の特別タイマ演出として実行されている。
ただしこの後、図180(I)に示される演出状況においてオープニング演出が実行される期間中は、タイマ演出のカウント表示を非表示にするようにしている。これにより、図180(H)に示される演出状況で終了した変動表示(図柄演出)と、図180(J)に示される演出状況で開始される大当り遊技中の演出(大当り遊技演出)とが互いに繋がりのない演出であることが認識可能とされるようになり、遊技者は、こうして新たに開始される演出を新鮮な気持ちで楽しむことができるようになる。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイマ演出のカウント表示が非表示にされる期間(オープニング演出の実行期間)中も時間経過に応じてカウント表示を密かに実行するようにしており、図180(J)に示される演出状況で開始される大当り遊技中の演出(大当り遊技演出)において上記タイマ演出のカウント表示を再表示させるときには、カウント表示の数値がその分だけ進行されているようにしている。そうすると、タイマ演出のカウント表示が所定数値に達するまでの残り時間が急激に減少したかのような演出状況が生み出されるようになることから、遊技者側の気持ちの準備ができていない状態でカウント表示を所定数値に達するようにすることが可能とされるようになり、変動表示の状態から継続されているタイマ演出がマンネリになってしまうことが好適に回避されるようになる。
そして、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、こうして変動表示の状態から継続されているタイマ演出を、そのカウント表示が大当り遊技の実行期間内で所定数値に達するように制御する。なおこの際、所定数値(ここでは0)に達した旨を示唆するタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)を出現させる点は、変動表示の期間内で行われるタイマ演出と同様である。
図180(K)は、図180(J)で示したタイマ演出のカウント表示が所定数値(ここでは「0」)に達してタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる特定演出(上述の第1特別演出や第2特別演出に相当、図中では「CHANCE」の表示)が実行されている演出状況を示している。
同図180(K)に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、大当り遊技の実行期間内で特定演出(「CHANCE」の表示)を実行可能としており、該特定演出(「CHANCE」の表示)が実行されると、当選した大当りが遊技者に有利な大当り種別(例えば、当該大当り遊技のラウンド数が16ラウンドである種別や、当該大当り遊技の終了後に高確率時短遊技状態が発生する種別)である期待度が高いことが示されるようにしている。なお、該割合については100%であってもよい。このように、大当り遊技が開始された以降にまでカウント表示が継続される上述の特別タイマ演出が実行されると、大当り確定であることはもとより、当選した大当りが遊技者に有利な大当り種別である期待度も高くなることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
そしてこの後、特定のラウンド遊技などで味方キャラクタが敵キャラクタと戦う演出が行われて、その結果として味方キャラクタが勝利すると(図180(L))、当選した大当りが遊技者に有利な大当り種別であることが示されるようになる。なお、当該演出において味方キャラクタが敗北したときは、当選した大当りが遊技者に有利な大当り種別でないことが示されることとなる。
こうして大当り遊技中の演出の結果が現れると、該結果に応じた内容で遊技が進行されるようになり、例えば、味方キャラクタが勝利する結果が得られた場合は、16ラウンドまで大当り遊技が実行されたり、該大当り遊技の終了後に高確率時短状態に制御されるようになる。これに対し、味方キャラクタが敗北する結果が得られた場合は、8ラウンドで大当り遊技が終了されたり、該大当り遊技の終了後に高確率時短状態よりも有利度合いの低い遊技状態(例えば、低確率時短状態など)に制御されるようになる。
ここで、図180(K)に示される特定演出(「CHANCE」の表示)の演出内容については、特定のラウンド遊技において味方キャラクタが敵キャラクタと戦う演出に関連するものであってもよい。例えば、図180(K)に示される特定演出で味方キャラクタが武器を獲得する演出内容を設定しておき、特定のラウンド遊技において獲得した武器を使って敵キャラクタと戦う演出を実行するようにすれば、図180(K)に示される特定演出においてその後の戦いで味方キャラクタが勝利する可能性が高まったことを暗示させることができるようになる。
[12.自動チャンネル方式による音制御]
ところで、既に説明済みの音データ作成処理(図95のステップS1032)において、その一部である自動チャンネル音制御に関する説明について後述することになっていた。そこで、次に、本実施形態による自動チャンネル音制御について説明する。まずは、その背景について簡単に説明する。
一般的なパチンコ機においては、遊技の進行に応じて各シーンにおいてスピーカから様々な音を出力することにより遊技者の興味を引く演出を実現しようとしている。例えば、遊技者の期待を向上させるはずのリーチであっても、その種類に応じて多彩な音が出力されるものもあればそうでないものも存在している。このような一般的なパチンコ機では、そのような各リーチを含め、各シーンにおいて出力されるべき各音に対して各チャンネルが予め割り当てられており、このような各音は対応する既定の各チャンネルを用いて再生される(特許第5627044号公報参照)。しかしながら、一般的なパチンコ機においては、仮に空きチャンネルがあったとしても、チャンネルの割り当て上、再生しようとした音が当該空きチャンネルに割り当てられ得ない場合があり、当該再生しようとした音が再生できず多彩な音演出を実現し難いという問題点があった。
そこで、本実施形態では、空きチャンネルを有効に活用して多彩な音演出を実現し遊技者の興趣を高めることを目的とし、周辺制御基板1510の周辺制御MPU1511aが、一対の上部スピーカ573(音出力手段)及び一対の下部スピーカ921(音出力手段)から出力されるべき各音に対して動的に各チャンネルを割り当てて管理する一方、当該出力予定である音の組み合わせの数が各チャンネルの最大チャンネル数(本実施形態では16チャンネルを例示する)を超える場合、所定の優先順位に従って最大チャンネル数の範囲内において上記出力予定である音の組み合わせに対して動的に各チャンネルを割り当てるようにしている(チャンネル制御手段)。さらに周辺制御MPU1511aは、上記所定の優先順位に従って最大チャンネル数の範囲内において動的に割り当てられた各チャンネルを介して上記出力予定である音の組み合わせを同時に再生している(音出力制御手段)。以下、具体的に説明する。
[12−1.固定チャンネル方式による音制御]
図181(A)及び図181(B)は、それぞれ、本実施形態に対する比較対象としての固定チャンネル方式による音制御の一例を示している。図181(A)は、音の再生チャンネルの一例を示している。この固定チャンネル方式による音制御では、後述する本実施形態による自動チャンネル方式による音制御と同様に、例えば、再生チャンネル00〜再生チャンネル15の全16チャンネルを用いる。なお、図示の「再生ch」は、再生チャンネルを省略したものである。
一方、図181(B)は、各音に対する再生チャンネルの割り当ての一例を示している。この固定チャンネル方式による音制御では、図示のように、使用する各再生チャンネルに各音が予め割り当てられている。ここで、基本的な音再生ルールについて触れると、1つの音は、ステレオで出力する場合には2チャンネルが必要になる一方、モノラルで出力する場合には1チャンネルが必要となる。
図示の「報知音1」〜「ボタン押下音」は、再生を開始した音は再生終了までいかなることがあっても途中で消音してはならないものとする。チャンネル割り当て方法としては、再生チャンネルと音と一対で専用に割り当て、音の上書きが起こらないようにする。一方、図示の「通常BGM」〜「保留入賞音」は、再生を開始した音は再生中に別な音で上書きされて消音しても問題ない。チャンネル割り当て方法としては、できるだけ、再生タイミングが被らないように同一チャンネルに割り当てるようにしている。
固定チャンネル方式による音制御では、出力中の同じチャンネルに新しい音を出力すると、出力中の音は消音され新しい音が出力される。上書きされると支障がある音に関しては、独立したチャンネルを割り当てるか、または、再生タイミングが重ならない音を同じチャンネルに割り当てるようにしている。
図182は、固定チャンネル方式による音制御を実現するための音定義テーブルの一例を示している。この音定義テーブルにおいては、音の区分及び音名称ごとに、再生チャンネル番号、左右パン初期値、上下パン初期値、ボリューム初期値、音番号、再生タイプ設定及び出力タイプ設定の定義を管理している。再生チャンネル番号については上述しているため、説明を省略する。
左右パン初期値は、上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921Lと上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921Rとの組み合わせでなる左右のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に左右パンの設定値を動的に変化させることにより左及び右スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、左右スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。例えば「0x00」と設定されると、左スピーカ(上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921L)のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921Lと上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921Rとの組み合わせでなる左及び右スピーカから個別に出力される音量差は0となり左右スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xFF]と設定されると右スピーカ(上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921R)のみから出力されることを示している。
上下パン初期値は、例えば一対の上部スピーカ573(上部左スピーカ573L及び上部右スピーカ573R)及び一対の下部スピーカ921(下部左スピーカ921L及び下部右スピーカ921R)などの上下のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に上下パンの設定値を動的に変化させることによりそれら上及び下スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、上下スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。例えば「0x00」と設定されると一対の上部スピーカ573のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、これらの組み合わせでなる上及び下スピーカから個別に出力される音量差は0となり上下スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xFF]と設定されると一対の下部スピーカ921のみから出力されることを示している。
ボリューム初期値は、再生開始時の音量設定を表しており、例えば「0x00」から「0xFF」の設定範囲で定めることができる。音番号は、上述した各音を区別するための識別子である。再生タイプ設定は、対象とする音を繰り返し再生するループ再生(図示の「LOOP」に相当)であるか、或いは、対象とする音を1回再生する1SHOT再生(図示の「1SHOT」に相当)であるかを表している。出力タイプ設定は、対象とする音をモノラルで再生するか、或いは、ステレオで再生するかを表している。
図183は、遊技状態、再生音及び再生チャンネルとの関係を示している。横軸である時間軸は遊技状態を示し、遊技状態としては順に、例えば「変動前半」、「変動後半」、「左図柄停止」、「右図柄停止」、「中図柄停止」及び「大当り中」を挙げることができる。一方、縦軸は(再生)優先順位を表し、下から上に向けて(再生)優先順位が高くなることを表している。
図184(A)は、演出タイムチャートの一例を示し、図184(B)は、チャンネル再生タイムチャートの一例を示し、図184(C)は、各音を再生しようとした際に再生できないという問題点の一例を示している。これら図184(A)〜図184(C)は、互いに横軸が共通の時間軸となっている。
図184(A)では、横軸である時間軸に沿って遊技状態として順に「変動前半」、「変動後半」、「左図柄停止」、「右図柄停止」、「中図柄停止」及び「大当り中」となるように遊技が制御されることを挙げることができる。
図184(A)に示す「変動前半」において、例えば、図184(C)の問題点1に示すように新たな音として「前半予告A」の再生時間中に始動口入賞(図示の「保留入賞」に相当)があると、図181(B)で示されるように、「保留入賞音」が「前半予告A」と同じ再生チャンネル14、15に予め割り当てられているため、「前半予告A」の再生音が、保留入賞音で上書きされて「前半予告A」音の出力が停止してしまうことなる(固定チャンネルによる音制御の場合)。
図184(A)に示す「変動後半」において、例えば、図184(C)の問題点2に示すように新たな音として「全画面予告」の再生時間中に始動口入賞(図示の「保留入賞」に相当)があると、図181(B)で示されるように、「保留入賞音」が「全画面予告」と同じ再生チャンネル14,15に予め割り当てられているため、「全画面予告」の再生音が、保留入賞音で上書きされて「全画面予告」音の出力が停止してしまうことになる(固定チャンネルによる音制御の場合)。
[12−2.自動チャンネル方式による音制御]
次に本実施形態による自動チャンネル方式による音制御の一例について説明する。図185(A)及び図185(B)は、それぞれ、本実施形態としての自動チャンネル方式による音制御の一例を示している。
図185(A)は、音の再生チャンネルの一例を示しており、上述した固定チャンネルによる音制御とは、再生チャンネルの属性としてのチャンネル区分が自動チャンネル(図示の「AUTOch」に相当)となっている点が異なっている。ここでチャンネル区分が自動チャンネルであるとは、各音に対する各再生チャンネルが固定されておらず可変であり、後述する規則に沿って自動的に割り当てられるように制御することを示している(上述した「自動チャンネル方式による音制御」に相当)。
本実施形態による自動チャンネル方式による音制御では、既述の固定チャンネル方式による音制御と同様に、例えば、再生チャンネル00〜再生チャンネル15の全16チャンネルを用いる。なお、図示の「再生ch」は、再生チャンネルを省略したものである。
一方、図185(B)は、各音に対する再生チャンネルの割り当ての一例を示している。この自動チャンネル方式による音制御では、図示のように、各音に個別に優先順位が割り当てられている。ここで、基本的な音再生ルールについて触れると、上述したように、1つの音は、ステレオで出力する場合には2チャンネルが必要になる一方、モノラルで出力する場合には1チャンネルが必要となる。
図示の「報知音1」〜「ボタン押下音」は、再生を開始した音は再生終了までいかなることがあっても途中で消音してはならない。一方、図示の「通常BGM」〜「保留入賞音」は、再生を開始した音は再生中に別な音で上書きされて消音しても問題ない。
自動チャンネル方式による音制御では、個々の再生チャンネルを、AUTOグループチャンネル(以下「AUTOグループ」と省略する)として定義している。AUTOグループは複数定義できる一方、複数の再生チャンネルをAUTOグループ内に定義することができる。各AUTOグループは、AUTOグループ用の音を再生するために用いられる。AUTOグループに音を割り当てる場合、各AUTOグループにおいて特定のAUTOグループを指定するための識別子と優先順位(プライオリティ)を指定することができる。新規な音を再生する際にAUTOグループに定義されている音であれば、指定されたAUTOグループ内に空きチャンネル(未使用チャンネル)が存在すれば、即時再生される。
上記の場合において空きチャンネルが存在しない場合は、演出制御プログラムが、新規に再生しようとする音の優先順位に基づいて、AUTOグループ内おいて現在再生中の全てのチャンネルを検索する。演出制御プログラムは、再生中の音自身より優先順位が低いか又は同一であるチャンネルが存在すればそのAUTOチャンネルの使用を終了し、新規の音の再生を行う。一方、演出制御プログラムは、AUTOグループ内に、再生中の音自身よりも優先順位が低いか或いは同一でない空きチャンネルが存在しない場合には、当該新規な音の再生を行わない。
図186は、自動チャンネル方式による音制御を実現するための音定義テーブルの一例を示している。この自動チャンネル方式における音定義テーブルにおいては、音の区分及び音名称ごとに、既に説明済みの固定チャンネルによる音制御のような再生チャンネル番号、左右パン初期値、上下パン初期値、ボリューム初期値、音番号、再生タイプ設定及び出力タイプ設定の代わりに、AUTOグループを指定するための識別子と優先順位(「再生優先順位」ともいう)、左右パン初期値、上下パン初期値、ボリューム初期値、音番号、シークポイント、再生タイプ設定及び出力タイプ設定の定義を管理している。
まず、各特定のAUTOグループを指定するための識別子は、各音が複数存在するAUTOグループのうちどのAUTOグループで再生されるかを表す。また優先順位は、各音が同時に再生される際に、どちらの音が優先して再生されるべきであるかを示す指標である。この優先順位は、数値が大きいほど優先して再生されるべき音である一方、数値が小さいほど優先されずに再生されるべき音であることを表している。本実施形態では、優先して再生されるべき音の種類の順序として、例えば、優先順位が「25」である報知音(「報知音1」、「報知音2」及び「報知音3」)、優先順位が「20」である効果音(「大当り確定音」及び「ボタン押下音」)、優先順位が「15」であるBGM(「通常BGM」など)、優先順位が「10」である効果音(「全画面予告効果音」など)、優先順位が「05」である効果音(「前半予告効果音」〜「後半予告効果音」)、優先順位が「01」である保留入賞音としている。これにより、空きチャンネルが存在しない状態において、例えば、報知音を再生しようとした場合、予め定められた再生チャンネルを用いて再生する必要がなく、優先順位がより低い方の音(例えば保留入賞音)を再生中のチャンネルを用いて、報知音が優先して再生されることになる。
既に説明したように左右パン初期値は、上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921Lと上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921Rとの組み合わせでなる左右のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に左右パンの設定値を動的に変化させることにより左及び右スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、左右スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。この左右パン初期値は、パン情報として管理されている。例えば「0x00」と設定されると左スピーカ(上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921L)のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921Lと上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921Rとの組み合わせでなる左及び右スピーカから個別に出力される音量差は0となり左右スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xFF]と設定されると右スピーカ(上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921R)のみから出力されることを示している。
また既に説明済みのように上下パン初期値は、例えば一対の上部スピーカ573(上部左スピーカ573L及び上部右スピーカ573R)及び一対の下部スピーカ921(下部左スピーカ921L及び下部右スピーカ921R)などの上下のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に左右パンの設定値を動的に変化させることによりそれら上及び下スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、上下スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。この上下パン初期値は、パン情報として管理されている。例えば「0x00」と設定されると一対の上部スピーカ573のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、これらの組み合わせでなる上及び下スピーカから個別に出力される音量差は0となり上下スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xFF]と設定されると一対の下部スピーカ921のみから出力されることを示している。
同様にボリューム初期値は、再生開始時の音量設定を表しており、例えば「0x00」から「0xFF」の設定範囲で定めることができ、加えて3バイト目に「1」(0xFFであれば0x1FF)を設定することで、遊技機に備えられている一つまたは複数の音量調整装置を操作したことによる、音量変更の影響は受けず、必ず初期値で設定された音量で再生されることを表している。音番号は、上述した各音を区別するための識別子である。
シークポイントは、各音に対応する音データにおいて同一フレーズ内の再生開始位置番号を表している。本実施形態では、このシークポイントとして、例えば「右上スピーカ確認音」〜「前半予告A効果音」にそれぞれ「0」が設定されている一方、「後半予告A効果音」及び「後半予告B効果音」にそれぞれ[1」が設定されている。このようなシークポイントにより音源内に登録できる、音の最大数を超えた場合に登録できる最大数を超えて音の登録を行うことができる。
再生タイプ設定は、対象とする音を繰り返し再生するループ再生(図示の「LOOP」に相当)であるか、或いは、対象とする音を1回再生する1SHOT再生(図示の「1SHOT」に相当)であるかを表している。出力タイプ設定は、対象とする音をモノラルで再生するか、或いは、ステレオで再生するかを表している。
図187は、遊技状態、再生音及び優先順位との関係を示している。横軸である時間軸は遊技状態を示し、遊技状態としては順に、例えば「変動前半」、「変動後半」、「左図柄停止」、「右図柄停止」、「中図柄停止」及び「大当り中」を挙げることができる。一方、縦軸は(再生)優先順位を表し、下から上に向けて(再生)優先順位が高くなることを表している。
図188(A)は、演出タイムチャートの一例を示し、図188(B)は、AUTOチャンネル再生タイムチャートの一例を示している。これら図188(A)及び図188(B)は、それぞれ横軸が共通の時間軸となっている。図188(A)では、横軸である時間軸に沿って遊技状態として順に、「変動前半」、「変動後半」、「左図柄停止」、「右図柄停止」、「中図柄停止」及び「大当り中」となるように遊技が制御されることを挙げることができる。
図188(A)に示す「変動前半」においては、図188(B)に示すように、その一部として、例えば再生チャンネル00〜01において「通常BGM再生」の音が終始再生されている(範囲Aに相当)。ここで、始動口入賞(図示の「保留入賞」に相当)があったために新たな音として保留入賞音を再生しようとすると、その開始タイミングにおいて再生チャンネル12〜13が空きチャンネルとして存在しており、この保留入賞音を再生チャンネル12〜13を用いて再生することができるため、再生中の音がいずれも保留入賞音(図示の「保留音再生」に相当)によって上書きされることなく、その他全ての種類の音の出力が継続する。
図188(A)に示す「変動後半」においては、図188(B)に示すように、その一部として、例えば再生チャンネル00〜01において「リーチBGM再生」の音が終始再生されている(範囲Bに相当)。ここで、例えば始動入賞(図示の「保留入賞」に相当)があったために新たな音として保留入賞音を再生しようとすると、その開始タイミングにおいて再生チャンネル02〜03が空きチャンネルとして存在しており、再生中の音がいずれも保留入賞音(図示の「保留音再生」に相当)によって上書きされることなく、その他全ての種類の音の出力が継続する。
図188(A)に示す「変動後半」においては、その後さらに、例えば報知(図示の「報知2発生」に相当)が発生したために新たな音として優先順位が「25」と最も高い報知音(図示の「報知2」に相当)を再生しようとすると、空きチャンネルの検索の結果、図188(B)に示すように、その開始タイミングにおいて空きチャンネルが存在しないことが判明する。そこで、当該開始タイミングにおいて再生中の音のうち最も優先順位の低い音を検索し、優先順位が「01」と最も低い保留入賞音を再生しているチャンネルとして再生チャンネル04〜05を見つけ出す。これらの再生チャンネル04〜05においては、上述のように保留入賞音が再生されているが、次に再生しようとする報知音(図示の「報知音2」に相当)の優先順位(25)がその保留入賞音の優先順位(01)よりも高いため、これら再生チャンネル04〜05において再生中の保留入賞音が当該報知音で上書きされる。
図189は、周辺制御RAMに設けられたAUTOグループチャンネル制御用ワーク領域に格納されている自動チャンネル制御用ワーク情報の一例を示す。この自動チャンネル制御用ワーク情報は、ワーク名称として、各チャンネルごとに、設定予約フラグ、要求音番号、再生中音番号、自動割り付けグループ、自動割り付け時の優先度、登録からの経過時間、音量制御用ワーク及びパン制御用ワークを含み、これらに対応する各情報を有する。
設定予約フラグは、「0」以外の値であれば設定予約がなされていることを示している。要求音番号は、「−1」が停止、「−1」以外であれば、再生すべき音を識別するための識別子としての音データインデックス番号を表している。再生中音番号は、「−1」が停止、「−1」以外であれば、再生中の音を識別するための識別子としての音データインデックス番号を表している。
自動割り付けグループは、「0」であるとチャンネルが固定的に割り付けられる一方、「1〜」であるとチャンネルが自動的に割り付けられるようになっている(後述する「自動チャンネル方式による音制御」に相当)。ここで、自動割り付けグループは、例えば「1」であればAUTOグループ1であることを示し、「2」であればAUTOグループ2を示している。一方、自動割り付け時の優先度は、後述の自動チャンネル方式による音制御を行う場合における優先度を表している。
登録からの経過時間は、所望の再生音の登録時を「0」として、その登録時からの経過時間を表している。なお、当該登録からの経過時間は、上記自動割り付け時の優先度が同一である音が複数再生中である状況において新たな音を再生しようとした場合に、当該複数の再生中の音のうちどの音を上書きして消去すべきであるかを判定するのに使用される。例えば、より長時間に亘って再生していた音を割り出して、この音を当該新たな音で上書きして消去するようにしている。
音量制御用ワークは、再生する音の音量値(ボリューム値)が格納されている。パン制御用ワークは、上述した左右パン及び上下パンの設定値を含むパン情報を格納している。
図190は、自動チャンネル方式においてAUTOグループを一つだけ定義した場合の音制御を行うに際における空きチャンネルの検索処理の一例を示している。なお、図190においてもチャンネルを「ch」と省略している。
演出制御プログラムは、新規な音の再生要求があると(ステップS1100A)、当該新規な音に関する自動割り付けグループを確認し(ステップS1102A)、この自動割り付けグループが「0」である場合には固定割付であると判定し、指定されたチャンネルで新規な音の再生を開始する。
一方、演出制御プログラムは、この自動割り付けグループが「0」以外である場合には自動割り付けであると判定し、当該新規な音がモノラルチャンネルに対応しているかどうかが判定される(ステップS1106A)。
演出制御プログラムは、新規の音がモノラルである場合、空いている(モノラル)チャンネル(1チャンネル)が存在するか否かを判定し(ステップS1108A)、存在している場合には当該空き(モノラル)チャンネルで上記新規の音の再生を開始する一方(ステップS1109A)、存在していない場合には再生中の(モノラル)チャンネル内で当該新規の音の優先順位と同一或いはそれより低い再生音のチャンネルが存在するか否かを判定する(ステップS1110A)。
演出制御プログラムは、そのような再生中の(モノラル)チャンネル内で当該新規の音の優先順位と同一或いはそれより低い再生音のチャンネルが存在しない場合には処理を終了する一方、存在する場合には該当するチャンネルが複数存在しているか否かを判定する(ステップS1112A)。
演出制御プログラムは、当該該当するチャンネルが複数存在している場合には、既述の登録からの経過時間に基づいて当該該当するチャンネルの中で、登録からの再生時間が最も長い音を再生中の(モノラル)チャンネルで上記新規の音の再生を開始する(ステップS1114A)。一方、演出制御プログラムは、当該該当するチャンネルが複数存在せず1つである場合、所望の条件を満たす(モノラル)チャンネルで上記新規の音の再生を開始する(ステップS1116A)。
その一方、既述のステップS1106Aにおいて、演出制御プログラムが、上記新規の音がモノラルでないと判定した場合、空いている(ステレオ)チャンネル(2チャンネル)が存在しているか否かを判定する(ステップS1120A)。演出制御プログラムは、空きチャンネルが存在していると判定した場合、所望の条件を満たす(ステレオ)チャンネルを選択し上記新規な音の再生を開始する(ステップS1122A)。
一方、演出制御プログラムは、空きチャンネルが存在しないと判定した場合、再生中の音の(ステレオ)チャンネル内に新規の音の優先順位と同一或いは低いものが存在するか否かを判定し(ステップS1124A)、存在しない場合には処理を終了するため、再生しようとした新規の音による再生中の音の上書きは実施しない。一方、演出制御プログラムは、存在する場合には、該当するチャンネルが複数存在するか否かを判定する(ステップS1126A)。
演出制御プログラムは、該当するチャンネルが複数存在しない場合には所望の条件を満たす(ステレオ)チャンネルで上記新規な音の出力を開始する一方、該当するチャンネルが複数存在する場合には、既述の登録からの経過時間に基づいて、該当するチャンネルの中で登録からの再生時間が最も長い(ステレオ)チャンネルで上記新規な音の再生を開始する(ステップS1130A)。
以上のように演出制御プログラムは、新規な音を再生するために空きチャンネルを検索する。このような空きチャンネルの検索処理をより視覚的に分かり易く説明する。
図191(A)及び図191(B)〜図194(A)及び図194(B)は、それぞれ、空きチャンネル検索処理の具体的な内容の一例を示している。演出制御プログラムは、図191(A)に示すように、優先順位が15である通常BGMの再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01が空いているため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで通常BGMの再生を開始する。
演出制御プログラムは、図191(B)に示すように、優先順位が05である前半予告_Aの効果音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル02〜03に空きが存在するため、これら再生チャンネル02〜03を用いてステレオで前半予告_Aの効果音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図192(A)に示すように、優先順位が20であるホタン押下音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル04〜05に空きが存在するため、これら再生チャンネル04〜05を用いてステレオでボタン押下音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図192(B)に示すように、優先順位が05である前半予告_Bの効果音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル06〜07に空きが存在するため、これら再生チャンネル06〜07を用いてステレオで前半予告_Bの効果音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図193(A)に示すように、優先順位が20である大当り確定音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル08〜09に空きが存在するため、これら再生チャンネル08〜09を用いてステレオで大当り確定音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図193(B)に示すように、優先順位が05である前半予告_Cの効果音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル10〜11に空きが存在するため、これら再生チャンネル10〜11を用いてステレオで前半予告_Cの効果音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図194(A)に示すように、優先順位が01である保留入賞音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル12〜13に空きが存在するため、これら再生チャンネル12〜13を用いてステレオで保留入賞音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図194(B)に示すように、優先順位が25である報知音3の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル14〜15に空きが存在するため、これら再生チャンネル14〜15を用いてステレオで報知音3の再生を開始する。
図195(A)及び図195(B)〜図198(A)及び図198(B)は、それぞれ、空きチャンネル検索処理の具体的な内容の一例を示している。演出制御プログラムは、図195(A)に示すように、優先順位が15であるリーチBGMの再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01が空いているため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオでリーチBGMの再生を開始する。
演出制御プログラムは、図195(B)に示すように、優先順位が25である報知音1の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル02〜03に空きが存在するため、これら再生チャンネル02〜03を用いてステレオで報知音1の再生を開始する。
以上のような処理を繰り返した後、次に演出制御プログラムは、図196(A)に示すように、優先順位が10である全画面予告音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル10〜11に空きが存在するため、これら再生チャンネル10〜11を用いてステレオで全画面予告音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図196(B)に示すように、優先順位が25である報知音1の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、図196(A)に示すように再生チャンネル02〜03(図示の「非再生(空き)」に相当)に空きが存在するため、これら再生チャンネル02〜03を用いてステレオで報知音1の効果音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図197(A)に示すように、優先順位が25である報知音3の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル04〜05(図示の「非再生(空き)」に相当)に空きが存在するため、これら再生チャンネル04〜05を用いてステレオで報知音3の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図197(B)に示すように、優先順位が10である役物予告音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル12〜13に空きが存在するため、これら再生チャンネル12〜13を用いてステレオで役物予告音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図198(A)に示すように、優先順位が01である保留入賞音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル14〜15(図示の「非再生(空き)」に相当)に空きが存在していたため、これら再生チャンネル14〜15を用いてステレオで保留入賞音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図198(B)に示すように、優先順位が25である報知音2の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行うが、空きチャンネルが存在しないため、再生中の音に対応する各チャンネル内で優先順位が最も低い「保留入賞音」を再生している再生チャンネル14〜15の使用を停止し、この再生チャンネル14〜15を用いてステレオで所望の音である報知音2の再生を開始する。
このようにすると、上記出力予定の各音が予め特定のチャンネルに固定的に割り付けられておらず音の優先順位に応じて優先順位の低い再生チャンネルを検索し、より優先順位の高い上記出力予定の各音が検索で見つかった再生チャンネルで再生されることとなる。従って、本実施形態によれば、既述のように空きチャンネルを有効に活用することができるばかりでなく、当該空きチャンネルを含めた各チャンネルを用いて上記出力予定の各音を可能な限り多く再生できるようになるため、多彩な音演出を実現し遊技者の興趣を高めることができる。
図199(A)及び図199(B)〜図200(A)及び図200(B)は、それぞれ、空きチャンネル検索処理の具体的な内容の一例を示している。演出制御プログラムは、図199(A)に示すように、優先順位が15である左図柄停止音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01が空いているため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで左図柄停止音の再生を開始する。
演出制御プログラムは、図199(B)に示すように、優先順位が15である右図柄停止音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01に空きが存在するため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで右図柄停止音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図200(A)に示すように、優先順位が15である中図柄停止音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01に空きが存在するため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで中図柄停止音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図200(B)に示すように、優先順位が15である大当りBGMの再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01に空きが存在するため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで大当りBGMの再生を開始する。
なお、演出制御プログラムは、ある再生チャンネルを用いて優先順位に従った音の差し替え再生が発生した場合、その再生の完了後に、その再生チャンネルにおいて差し替え前に再生していた従前の音を復帰させるようにしても良いことは云うまでもない。
[12−3.音制御のバリエーション]
以上の実施形態においては、最大チャンネル数分の全ての再生チャンネルを用いて自動チャンネル方式による音制御を行うことを一例として説明してきたが、これに限られず、上述した固定チャンネルによる音制御との組み合わせなどによって次のように音制御を行うようにしても良い。
図201(A)〜図201(F)は、それぞれ、既述の2種類の各チャンネル方式又はこれらの組み合わせによる音制御におけるチャンネル割り当てのバリエーション例を示す図である。
図201(A)は、上述した実施形態との比較例としてこれまでに説明した最大チャンネル数分(16チャンネル)固定チャンネル方式による音制御におけるチャンネル割り当て例を示し、図201(B)は、これまでに説明した本発明の実施形態に相当し、最大チャンネル数分自動チャンネル方式によって音制御を行う場合のチャンネル割り当て例を示している。これら2つのチャンネル割り当てによる音制御については説明済みであるため、詳細な説明は省略する。
図201(C)は、複数の自動チャンネルグループを用いつつ最大チャンネル数分の再生チャンネルについてチャンネル割り当てを行い自動チャンネル方式による音制御を行う実施形態を示している(図示の「PTN2」に相当)。図201(D)は、1つの自動チャンネルグループを用いつつ最大チャンネル数分の再生チャンネルについてチャンネル割り当てを行うとともに一部の再生チャンネルについて既述の固定チャンネル方式による音制御を行う実施形態を示している(図示の「PTN3」に相当)。
図201(E)は、複数の自動チャンネルグループを用いつつ最大チャンネル数分の再生チャンネルについてチャンネル割り当てを行うとともに一部の再生チャンネルについて既述の固定チャンネル方式による音制御を行う実施形態を示している(図示の「PTN4」に相当)。なお、図201(E)に示したチャンネル方式の具体例については、図202以降の図面を参照しながら詳細に後述する。
図201(F)は、1つの自動チャンネルグループを用いつつ最大チャンネル数分の再生チャンネルについてチャンネル割り当てを行い自動チャンネル方式による音制御を行うとともに一部の再生チャンネルについて既述の固定チャンネル方式による音制御を行うが、上述の例とは各再生チャンネル数が可変となるようにチャンネル数が確保される点が異なっている。なお、図201(F)に示したチャンネル方式の具体例については、図208以降の図面を参照しながら詳細に後述する。
本実施形態に示したように、すべてのチャンネルを1グループとする自動チャンネル方式を採用することによって、あらかじめ指定された基準に基づいて空きチャンネルの割り当て又は出力中のチャンネルの入れ替えを行うため、音の優先順位を決定するだけで音の出力が可能となる。したがって、チャンネルを指定して音を出力するといった従来の制御方式とは異なり、チャンネルの管理が不要となるため、音出力に関する制御を簡素化することが可能となり、開発効率を向上させることが可能となる。
また、自動チャンネル方式を採用することによって、チャンネル数を最小限にすることが可能となり、例えば、チャンネル数の少ない廉価版の音源ICを採用することが可能となり、遊技機の製造コストを削減することができる。
[15.自動チャンネル方式による音制御の別形態]
続いて、前述した音制御方式の別形態の詳細について説明する。前述した音制御方式では、自動チャンネル方式として各チャンネルに対する音の割り当てを動的に変化させることによって、空きチャンネルを有効に活用して多くの音を再生できるようにしていたが、遊技の演出が多様化している近年の遊技機では、数百、数千種類の音を選択して出力するため、音源の管理が複雑化してしまうおそれがある。
また、複数の音を重ねて出力することによって、重複して予告演出を実行したり、少ない音源で多様な音演出を可能としたりする。そこで、図201(C)に示したように、音を複数のグループに分割し、グループごとに複数の音と再生チャンネルとの割り当てを動的に行うことによって、確実に重複して音を出力することができる。また、音を種類ごとに分割することによって管理が容易になる利点も有する。
さらに、音には、報知音のように演出音よりも優先して出力すべき音やBGMのように継続して出力される音がある。これらの音では、動的にチャンネルを割り当てるよりも出力するチャンネルを固定したほうが都合がよい。そこで、図201(D)に示したように、優先して出力される音や常時出力される音については固定チャンネル方式で出力し、始動入賞や変動表示の結果に応じて変化する音については自動チャンネル方式で出力する。
以上のように構成することによって、自動チャンネル方式によって空きチャンネルを有効に活用するとともに、固定チャンネル方式によって不要なチャンネル切替制御が発生することを防ぐことができる。また、BGM、演出音、報知音などの音の種類によって分類することが可能となるため、演出データの管理が容易になる。
図201(E)に示した音制御方式は、図201(C)及び図201(D)に示した音制御方式を組み合わせたものであり、各方式の利点を有している。以下、図201(E)に示した音制御方式について具体的に説明する。
[15−1.固定チャンネル方式と複数の自動チャンネル方式とが混在する音制御]
本実施形態では、前述した例と異なり、音源制御におけるチャンネル数は32チャンネル(ch)とし、固定チャンネル方式で音を再生するチャンネルと、自動チャンネル方式で音を再生するチャンネルとが含まれている。また、自動チャンネル方式で音を再生するチャンネルは、2つのグループに分けられている。以下、図202を参照しながら具体的に説明する。
[15−1−1.再生チャンネルの構成]
図202は、本実施形態における音源制御における再生チャンネルの構成表の一例を示す図である。前述のように、本実施形態の音源制御では、32個のチャンネルを使用し、各チャンネルにはユニークな識別子(チャンネル番号)が割り当てられている。
チャンネルの構成表は、チャンネル番号に対し、自動割付を行うか否かを示す「自動割付け」、各チャンネルの属するグループを示す「区分」、各チャンネルの「使用目的」が含まれる。なお、図202に示す構成表には、補足として「備考」が追加されている。
本実施形態の各チャンネルの構成は、図202に示すように、チャンネル番号0から7までが固定チャンネル方式、8から19までが自動チャンネル方式、20から23までが固定チャンネル方式、24から29までが自動チャンネル方式、30及び31が固定チャンネル方式となっている。
また、チャンネル番号8から19までの自動チャンネル方式のチャンネルが「AUTOグループ1」、チャンネル番号24から29までの自動チャンネル方式のチャンネルが「AUTOグループ2」となっている。
本実施形態における遊技機では、ステレオで音を出力可能としており、ステレオ出力の場合には1ペア(2個)のチャンネルを使用する。一方、モノラル出力場合には1個のチャンネルを使用する。
チャンネル番号0のチャンネル(以下、「チャンネル0」とし、各チャンネルを「チャンネル」+「チャンネル番号」で表現する)は、システム用に使用されるチャンネルである。例えば、特定の機種によらずに、メーカー共通で使用される音を出力するためのチャンネルである。具体的には、遊技機起動時にメーカーのロゴを表示するとともに出力される音などである。また、チャンネル1はステレオで音が出力される場合にチャンネル0とペアになるチャンネルである。
チャンネル2は、遊技中又は客待ち状態でBGMを出力するために使用されるチャンネルである。チャンネル3は、ステレオでBGMが出力される場合にチャンネル2とペアになるチャンネルである。同様に、チャンネル4及びチャンネル6は、BGMを出力するために使用されるチャンネルであり、チャンネル5及びチャンネル7は、ステレオでBGMが出力される場合にチャンネル4及びチャンネル6とペアになるチャンネルである。
また、本実施形態では、単にステレオ出力をしているだけでなく、複数の音を同時に出力することでBGMの音質を向上させている。そのため、BGMを出力するために複数(ペア)のチャンネルを使用可能となっており、BGM1からBGM3を同時に出力することが可能となっている。さらに、後述するように、チャンネル20(及びチャンネル21)でもBGMを出力することが可能となっているため、最大8チャンネル(4ペア)を使用してBGMを4本同時に出力することが可能となっている。
遊技機が正常に稼動している間、BGMは継続して出力されており、所定の音源が繰り返し再生される。そのため、BGMを再生するためのチャンネルは継続して占有されており、動的にチャンネルを割り当てるよりもあらかじめチャンネルを固定しておいたほうが効率的になる。そこで、本実施形態の遊技機における音源制御では、BGMを再生するためのチャンネルを固定チャンネル方式とし、BGMのみを出力するようにしている。これにより、空きチャンネルが発生させてしまうことを防ぎながら、自動チャンネル方式のみで音を再生するよりも制御を簡素化することができる。
チャンネル8から19は、予告演出の実行時に出力される音を再生するためのチャンネルである。予告演出では、変動表示の結果や期待度、遊技の進行状況などに応じて抽選によって選択された音が都度出力される。このように、所定の条件に基づいて都度出力される音については、自動チャンネル方式を適用することによってチャンネルを有効に使用することができる。
本実施形態では、前述した例と異なり、自動チャンネル方式を適用するチャンネルをグループ化する。予告演出時の音を出力するチャンネルのグループは、AUTOグループ1となっている。
予告演出の実行時に音を出力する場合、周辺制御MPU1511aは、まず、AUTOグループ1に割り当てられたチャンネルのうち、空きチャンネルをサーチする。なお、ステレオの場合には2チャンネル分の空きチャンネルをサーチし、原則的に連続するチャンネルを出力用のチャンネルとして設定する。このとき、空きチャンネルが存在すれば、当該空きチャンネルから指定された音を出力するように設定する。一方、空きチャンネルが存在しない場合には、所定の条件に基づいて、使用中のチャンネルを開放して新たに音を出力したり、指定された音の出力を中止したりする。なお、チャンネル選択の詳細な手順については図203を参照しながら後述する。
チャンネル20及び21は、固定チャンネル方式が適用されるチャンネルである。チャンネル21は、チャンネル20とステレオ出力時にペアとなるチャンネルである。チャンネル20及び21は、BGM出力又は演出音を出力するためのチャンネルである。4つの音を重ねてBGMを出力する場合や特定の演出音を出力する場合に使用される。特定の演出音は、例えば、自動チャンネル方式で出力される予告演出以外の演出で出力される音である。
チャンネル22及び23は、チャンネル20及び21と同様に、固定チャンネル方式が適用されるチャンネルである。チャンネル23は、チャンネル22とステレオ出力時にペアとなるチャンネルである。チャンネル22及び23は、保留音が出力されるチャンネルである。チャンネル22及び23で出力される保留音は、例えば、始動入賞時に抽選結果によらずに出力される音であったり、大当り確定時など優先して出力する音であったりする。なお、始動入賞時の抽選結果に基づく音などは、後述するように、チャンネル24から29から出力される。
チャンネル24から29は、自動チャンネル方式が適用されるチャンネルである。チャンネル24から29は、始動入賞時に抽選結果に応じた期待度などに基づいて出力される音や変動開始時に保留表示が変化する場合に出力される音が再生される。チャンネル22及び23を固定チャンネル方式で出力することによって、チャンネル24から29に空きチャンネルがない場合であっても大当り確定時の音を確実に出力することが可能となり、遊技者の注意を引くことができる。
チャンネル30及び31は、固定チャンネル方式が適用されるチャンネルである。チャンネル30及び31は、システム用に使用されるチャンネルである。チャンネル30は、ボリューム変更時の変更音や遊技媒体の払い出し時の報知音が出力される。また、チャンネル31は、遊技機に異常が発生した場合に報知音が出力される。このように、遊技機の操作に関わる報知音や異常発生時の報知音が確実に外部に伝達されるように、あらかじめ出力先が確保された固定チャンネル方式が適用されている。
以上のように、本実施形態では、BGMのように定常的に出力が継続される場合や異常報知音のように確実に出力する必要がある場合には固定チャンネル方式のチャンネルが割り当てられる。これに対し、遊技状態などに応じて臨機応変に出力される音については自動チャンネル方式を適用することによって、空きチャンネルが生じていながら音が出力されなくなることを防止し、有限数であるチャンネルを有効に活用することができる。
[15−1−2.空きチャンネル検索処理]
続いて、本実施形態の音源制御の空きチャンネルを検索する手順について説明する。図203は、本実施形態の音を出力する制御を実行する場合における空きチャンネル検索処理の手順の一例を示すフローチャートである。図190ではAUTOグループが1つの場合について説明したが、図203では複数のAUTOグループを有する点で相違する。なお、共通する処理については説明を省略する。
図203に示す空きチャンネル検索処理では、ステップS1108B及びステップS1120Bの処理において、新規音が自動チャンネル方式の場合に、同じグループのチャンネルに空きチャンネルが存在するか否かを判定する。すなわち、異なるグループのチャンネルが空いていても同じチャンネルのグループに空きがなければ、ステップS1108B及びステップS1120Bの結果は「No」となる。
さらに、図203に示す空きチャンネル検索処理では、空きチャンネルがない場合に所定の条件に基づいて選択されたチャンネルから出力されている音の再生を中止し、新規音を当該チャンネルから出力する(ステップS1118B、ステップS1132B)。以下、図204を参照しながら音の再生を中止するチャンネルの選択条件について説明する。なお、音の出力が中止された演出は画像表示や役物の動作については中止せずに継続して実行される。
図204は、本実施形態において新規音の出力時にチャンネルが空いていなかった場合に、音の出力を入れ替える(音の再生を中止する、開放する)チャンネルを選択する条件の一例を示す図である。具体的な選択条件としては、再生中の音と新規音について属性を比較し、より重要度の高い音を優先する。属性とは、後述するように、再生時間、出力がステレオであるかモノラルであるか、ボリュームの大きさ、再生中の音の変化量などを含み、さらに、チャンネル選択時点における音の再生時間、再生残り時間なども含む。以下、各条件について具体的に説明する。
条件1は、再生開始からの再生時間(経過時間)に基づいてチャンネルを選択する。例えば、図190のステップS1114A及びS1130Aに示したように、再生時間の長いチャンネルを選択する。このように再生が開始されてからの経過時間が長いチャンネルを選択することによって十分に実行された演出音の出力を終了し、新たな演出が実行されたことを遊技者が認識しやすくなる。
条件2は、演出全体の再生時間に基づいてチャンネルを選択する。例えば、再生時間の長い演出ほど期待度の高い演出となり得るため、再生時間の短い演出を選択する。一方、再生時間の長い演出を中止することによって、以降実行される演出に与える影響を最小限にするようにしてもよい。この場合、再生開始からの再生時間によらずにあらかじめ設定されている総再生時間に基づいて判定する。
条件1及び条件2は再生時間に関する条件であったが、これ以外にも、例えば、残り演出時間の短い(又は長い)演出の音出力を中止してもよい。また、演出全体の時間に対して再生開始からの経過時間、すなわち、演出の進行比率に応じてチャンネルを選択するようにしてもよい。このように条件を設定することによって、演出の初期段階又は最終段階で音の出力を中止することができる。
条件3は、再生中の音のボリュームの大きさに基づいてチャンネルを選択する。例えば、ボリュームの大きい音が出力される演出のほうが重要度の高い演出となり得るため、出力されている音のボリュームが小さいチャンネルを優先して選択する。反対に、出力されている音のボリュームが大きいチャンネルを優先して選択し、新たに演出が実行されることを遊技者に認識させるようにしてもよい。
条件4は、再生中の音のボリュームの変化に基づいてチャンネルを選択する。例えば、フェードイン又はフェードアウトされる音が出力される演出のほうが重要度の高い演出となり得るものとし、ボリュームの変化量の少ないチャンネルを優先して選択する。反対に、ボリュームの変化の多いチャンネルを優先して選択し、音制御の負荷を低減するようにしてもよい。
条件5は、動的な音像定位位置の変化(パンポット)に基づいてチャンネルを選択する。例えば、ステレオスピーカーの左右の音の出力を変化させることによってより立体的な音響効果をもたらすような演出のほうが重要度の高い演出となり得るものとして、動的な音像定位位置の変化の少ないチャンネルを優先して選択する。一方、動的な音像定位位置の変化の多いチャンネルを優先して選択し、音制御の負荷を低減するようにしてもよい。
条件6は、音番号(インデックス)に基づいてチャンネルを選択する。例えば、音番号の大きい(小さい)番号を選択する。このとき、音番号に優先順位を対応付けるようにしてもよい。
条件7は、音がモノラルであるかステレオであるかによってチャンネルを選択する。例えば、音質のよいステレオ音で出力される演出のほうが期待度が高いものとして、モノラル音を出力するチャンネルを選択する。一方、モノラル音は1チャンネルのみ使用するため、モノラル音を出力するチャンネルを開放しても空きチャンネルの数が足りない場合には、空きチャンネルを増やすためにステレオ音を出力するチャンネルを選択するようにしてもよい。
条件8は、ボリュームの調整が許可されているか否かによってチャンネルを選択する。例えば、ボリューム調整を行えないように設定された演出ほど重要度が高いものとしてもよいし、ボリューム調整を行えるように設定された演出ほど重要度の高いものとしてもよい。
以上示した条件のほかにも、例えば、同じ優先順位の場合には、チャンネルを入れ替えずに新たな音の再生要求を破棄するようにしてもよい。また、すべての音に対してユニークな優先順位を割り当てることで、同じ優先順位とならないように演出データを設定するようにしてもよい。
図204に示す表には、例として1から8までの条件を示したが、これらの条件は単独で適用してもよいし、複数の条件を組み合わせて適用するようにしてもよい。例えば、各条件に閾値を設定し、より多くの条件を満たすチャンネルを選択してもよいし、各条件に優先順位を設定し、順次条件を適用するようにしてもよい。
[15−1−3.ボリューム制御]
続いて、新たに出力する音に割り当てられた優先順位に基づいて、チャンネルを割り当てる制御を行う例について説明する。ここでは、変動前半に3種類の予告(前半予告A〜C)が実行される例について説明する。図205は、本実施形態の音制御を説明するための演出例を示すタイミングチャートであり、(A)は効果音が再生されるタイミング、(B)は各効果音が出力されるチャンネルを示している。図206は、本実施形態の演出例における効果音の優先順位の一例を示す図である。
図205に示す演出例では、変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、前半予告_Aが発生する。このとき、表示画面上に演出ボタンの操作指示が表示され、遊技者が演出ボタンを操作すると、前半予告_Bが発生する。さらに、前半予告_A及び前半予告_Bが実行中に前半予告Cが発生する。
また、図206に示すように、前半予告_Aの優先順位が03、前半予告_Bの優先順位が05、前半予告_Cの優先順位が20となっている。さらに、前半予告_B及び前半予告_Cにはボリューム抑制フラグが設定されているため、同じグループ内で優先順位の低い予告演出が重複して実行される場合には、抑制ボリューム値に基づいて音量が低減される。
各予告の内容について説明すると、前半予告_Aは、例えば、キャラクタが登場する演出であり、表示画面にキャラクタが登場するとともに、効果音がチャンネル08及び09からステレオで出力される。
前半予告_Bは、演出ボタンの操作によって実行される演出であり、ボタン操作時にボタン押下音が再生されるとともに(チャンネル18,19)、前半予告_Bが開始され、チャンネル10及び11からステレオで効果音が出力される。
前半予告_Cは、効果音の出力とともに(チャンネル12,13)、所定時間、画面表示が中止され、前半予告_Cよりも優先順位の低い音、具体的には他の予告演出及びBGMが一時的に消音される(ブラックアウト演出)。その後、演出画面が表示されると、前半予告_C以外の効果音の出力が再開される。
ここで、図207を参照しながら各予告演出の効果音のボリューム変化についてさらに詳細に説明する。図207は、本実施形態の前半変動における効果音のボリューム変化の一例を示すタイミングチャートであり、(A)は演出効果音の出力タイミング、(B)は各演出効果音のボリューム変化を示す。また、横軸は時間軸、(B)の縦軸はボリューム(音量)を示す。
前述のように、本実施形態では、時刻t0から変動表示が開始され、時刻t1になると、前半予告_Aが開始される。このとき、前半予告_Aの演出効果音のあらかじめ設定されたボリュームV_Aで出力される。
その後、演出ボタンの操作指示が演出画面上に表示され、演出ボタンの押下によって前半予告_Bが実行される(時刻t2)。このとき、演出ボタンのボタン押下音がボリュームV_Tで再生されるとともに前半予告_Bの演出効果音がボリュームV_Bで出力される。また、前半予告_Bの優先順位は前半予告_Aの優先順位よりも高いため、前半予告_Aの効果音のボリュームを50%に抑制する。
なお、後で実行された予告演出の優先順位が実行中の予告演出の優先順位よりも低い又は同じ場合にはボリュームを下げなくてもよいし、同時に出力されている効果音が少ない場合にもボリュームを下げなくてもよい。また、特定の予告演出の組み合わせの場合のみボリュームを下げるようにしてもよい。
さらに、時刻t3で前半予告Cが実行されると、時刻t5までの間、画面が暗転し、前半予告_C以外の効果音が消音される。このとき、前半予告_Cの効果音は、ボリュームV_Cで出力される。
また、時刻t3から消音された前半予告_A及び前半予告_Bの演出効果音は、時刻t5で出力が再開される。ボタン押下音は、本来であれば、時刻t4まで出力されるがt5>t4であるため、時刻t3で再生が終了する。
その後、前半予告_A及び前半予告_Bは、あらかじめ設定された終了時刻まで演出が継続される(時刻t6,t7)。さらに、時刻t8において前半予告_Cが終了し、変動前半が終了する。
なお、演出効果音が消音されている期間は、ボリュームを0にした状態で演出効果音の出力を継続するようにしてもよいし、演出効果音の出力を停止するようにしてもよい。ボリュームを0にする場合、チャンネルごとのボリューム(サブボリューム)を0に設定してもよいし、演出効果音全体のボリュームを制御するメインボリュームを0に設定し、前半予告_Cの効果音の出力をメインボリュームによる制御の影響を受けないようにバイパスして出力するようにしてもよい。また、前半予告_Cによって他の効果音の出力が抑制されている状態であっても、より優先順位の高い効果音、警告音、報知音については出力される。
以上のように、新たな音を出力して再生中の音のボリュームを下げる場合、ボリューム抑制フラグなどによって指定された音のボリュームを下げるのではなく、すべてのチャンネルで再生中の音のボリュームを下げるようにしてもよいし、チャンネル方式(固定チャンネル方式、自動チャンネル方式)が同じチャンネルで再生中の音のボリュームを下げるようにしてもよい。また、同じグループ(AUTOグループ)内のチャンネルで再生中の音のボリュームを下げるようにしてもよい。
[15−1−4.効果]
以上のように構成することによって、本実施形態では、優先順位の高い音を優先して出力することができる。優先順位の高い音は、例えば、報知音や警告音など遊技者や遊技場の従業員に確実に伝達するための音であったり、変動表示の結果が大当りとなる期待度が高く、遊技者の期待感を高めるための効果音であったり、演出効果が高く遊技の興趣を向上させることが可能な効果音であったりする。
さらに、本実施形態では、音源制御で使用する各チャンネルを複数のグループに分類することによって、演出効果音に関する演出データの管理を容易にすることが可能となる。これにより、系統的なテストの実施などによるバグ発生の抑止など開発効率の向上を図ることができる。また、安定した遊技を可能とすることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
特に、本実施形態では、自動チャンネル方式のチャンネルが複数のグループに分類されている。具体的には、予告演出の効果音を出力するグループ(AUTOグループ1)と、保留関連の効果音を出力するグループ(AUTOグループ2)である。予告演出の効果音は、チャンネル数と比較して膨大な数となっており、また、重複して同時に複数の演出効果音が再生可能となっている。特に、変動前半時には、当該変動の予告とともに保留中の変動の先読み予告が実行されるなどして割り当てられたチャンネル数を超える演出効果音の出力が要求されることがありうる。このような場合に、AUTOグループ1に割り当てられたチャンネル内で、優先順位の低い演出効果音を優先順位の高い演出効果音を入れ替えながら出力することによって、遊技の興趣を最大限高めることができる。
さらに、変動表示の保留表示の変化及びこれにともなって演出効果音を出力することによって期待度を報知する演出は、遊技者の期待感を大きく高めることができ、確実に実行されることが望ましい。本実施形態では、このような保留表示(保留音)に関する演出効果音をAUTOグループ2に属するチャンネルから出力することによって、変動表示に係る予告演出とは独立して、より確実に再生することができる。また、変動表示おける予告演出の場合と異なり、AUTOグループ2に割り当てられたチャンネル数と比較して、同時に出力される演出効果音の数が大きく超えることはないため、演出効果音の出力が中止される可能性が少なくなっている。また、中止された場合であっても、優先順位の低い演出効果音の出力が中止されるだけである。したがって、遊技者の期待感を高める効果の高い演出を確実に実行することにより、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、本実施形態では、自動チャンネル方式が適用されたチャンネルと固定チャンネル方式が適用されたチャンネルとが混在している。前述したように、自動チャンネル方式では、空きチャンネルをサーチすることによって有限数のチャンネルを有効に活用するとともに、優先順位を設定することによって演出効果や重要度の高い音を優先して出力することを可能としている。一方、固定チャンネル方式は、BGMのように継続して音を出力する場合や遊技機の故障や不正行為などの報知するために優先して音を出力する場合に適用される。このように、音の特性や用途に応じて適したチャンネル方式を適用することによって、各チャンネルを有効に利用し、さらに、音の出力状況に合わせた適切な制御を行うことができる。例えば、BGMを出力する制御では、遊技状態に関わらず、あらかじめ割り当てられたチャンネルに音を出力すればよく、また、警報音を出力する制御では、空きチャンネルをサーチすることなく、指定されたチャンネルに直接音を出力すればよい。一方、自動チャンネル方式では、前述したように、空きチャンネルを最大限に活用し、また、演出効果の高い音を優先して出力することができる。
さらに、本実施形態では、演出効果音(チャンネル)ごとのボリュームを制御することによって、優先順位の高い演出を強調して実行することができる。また、実行中の演出についても中断することなくボリュームを下げながら継続させることができる。このとき、優先順位の高い演出が終了した後も先に実行された優先順位の低い演出が継続中であれば、ボリュームを元の音量に戻すことも可能である。また、実施例に記載したように、他の演出を停止させ、特定の演出を単独で実行することによって、当該特定の演出の演出効果を際立たせることができる。このようにして、本実施形態では、演出のバリエーションを増加させ、遊技の興趣を向上させることができる。
[15−2.固定チャンネル方式と自動チャンネル方式とが混在する音制御の変形例]
以上説明した音制御方式では、自動チャンネル方式が設定されているチャンネル数と固定チャンネル方式が設定されているチャンネル数があらかじめ設定された数となっていたが、本変形例では、自動チャンネル方式が設定されているチャンネル数と固定チャンネル方式が設定されているチャンネル数が可変となっている変形例について説明する。
[15−2−1.演出例]
チャンネル数を可変にした場合に、例えば、一時的に同種類の音を割り当て可能なチャンネル数よりも多く出力したい場合があげられる。例えば、複数のシーンを含む演出を実行可能な遊技機の場合において、画面を複数に分割し(例えば、9分割)、分割された各画面で異なるシーンを表示する。そのとき、各シーンに対応するBGMを出力することが考えられる。図208は、本実施形態の変形例における演出の画面構成例を示す図である。図208に示す演出例はリーチ発生後の後半変動における予告演出となっている。
本変形例では、表示画面を9分割し、各画面に異なるシーンの表示する演出(マルチ画面演出)を実行する。そして、いずれか一つのシーンが選択され、選択されたシーンに対応する演出が実行される。このとき、各シーンのBGM(9種類)が同時に出力される。なお、シーンの選択は抽選によるものであってもよいし、遊技者が選択するものであってもよい。
本変形例の遊技機は、前述した実施例と同様に、音源制御において32個のチャンネルを使用する。また、デフォルトのチャンネルの割り当ては、図202に示した配置と同様である。したがって、最大同時に4種類(8チャンネル)のBGMを出力することが可能となっている。しかしながら、本変形例におけるマルチ画面演出では、同時に9種類のBGMを出力する必要がある。そこで、本変形例では、BGMを出力するためのチャンネルを再割り当てし、チャンネルの配置を再編成する。
[15−2−2.チャンネル配置]
図209は、本実施形態の変形例における音源制御における再生チャンネルの構成表の一例を示す図であり、(A)はデフォルトの構成、(B)はマルチ画面演出実行時の構成を示す。図209(A)のデフォルトの構成は、前述したように、図202に示した配置と同様である。
本変形例では、マルチ画面演出が開始されると、図209(A)に示したチャンネルの配置を図209(B)に示した配置に変更する。具体的には、BGMを出力するための固定チャンネル方式のチャンネルを追加し(チャンネル8〜17)、AUTOグループ1に割り当てられた自動チャンネル方式が採用されたチャンネルの数を削減している。これは、マルチ画面演出の実行中にさらに異なる予告演出を実行しても遊技者に認識されにくいためである。
マルチ画面演出開始後、すべてのシーンが表示されている間は各シーンに対応するBGMがすべて再生される。このとき、すべてのBGMを通常のボリュームで出力すると、音量が大きくなりすぎるため、音量を通常よりも小さくした状態で出力する。そして、シーンが選択されると、選択されたシーンに基づく予告演出(後半予告)が実行され、選択されたシーンのBGMのボリュームを通常の音量に設定し、これ以外のBGMの再生を終了する。また、遊技者がシーンを選択する場合には、例えば、遊技機に備えられた操作部によって分割された画面を選択し、シーンを決定するまでの間、選択されているシーンのBGMを他のシーンのBGMよりもボリュームを大きくするようにしたり、他のシーンのBGMのボリュームを小さくするようにしてもよい。
[15−2−3.ボリューム制御]
図210は、本実施形態の変形例の変動後半における効果音のボリューム変化の一例を示すタイミングチャートであり、(A)は演出効果音の出力タイミング、(B)は各演出効果音のボリューム変化を示す。
図210に示す演出例では、マルチ画面演出の実行が決定したタイミングで(例えば、変動開始時)、チャンネル配置がデフォルト状態(図209(A))からマルチ画面演出用の配置(図209(B))に変更される。前半変動終了後(時刻t11)、リーチが発生し、後半変動が開始される。後半変動の開始後、マルチ画面演出が開始される(時刻t12)。このとき、図208に示したように、表示画面が分割され、分割された表示領域に異なるシーンが表示されるとともに、各シーンに対応するBGMが出力される。
マルチ画面演出が開始されると、そして、マルチ画面演出用の配置(図209(B))に変更後の各チャンネルの使用目的に対応するBGMを出力する。このとき、通常のボリュームV_1よりも小さいボリュームV_2で出力する。
その後、演出を継続するシーンが選択されると(時刻t13)、選択されたシーンに対応するBGMのボリュームを通常のボリュームV_1に設定し、他のBGMの出力を停止する。図210に示す演出例では、シーン5が選択され、BGM_0−5の音量を通常のボリュームV_1に設定する。このとき、シーン5に対応する表示領域が表示画面全体に表示され、さらに、シーン5に対応する後半予告_5が実行される。
なお、マルチ画面演出の終了後、BGM_0−5を出力するチャンネルをチャンネル10,11からチャンネル2,3に変更し、チャンネルの配置をデフォルトに戻してもよい。本変形例のように、チャンネル10,11からのBGMの出力を継続する場合には、次の変動の開始時にチャンネルをデフォルトの配置に戻すようにしてもよい。
また、チャンネル配置の変更は、必要になったタイミングで変更するようにしてもよい。例えば、本変形例では、マルチ画面演出の実行を開始する直前にチャンネルの配置を変更してもよいし、後半変動の開始時に変更するようにしてもよい。
さらに、演出内容に応じてチャンネルの配置を変更するのではなく、遊技状態(例えば、大当り状態、時短状態、背景変化などの演出モード)が変化した場合に変更してもよい。
[15−2−4.効果]
以上のように構成することによって、固定チャンネル方式による音制御を行う固定チャンネル(図201(F)の「可変固定ch」に相当)の数と、自動チャンネル方式による音制御を行う自動チャンネル(図201(F)の「可変AUTOch」に相当)の数とが、再生しようとする音の種類や数に応じて柔軟に変化させることができる。これにより、状況に応じてより多くの報知音、BGM或いは効果音を再生可能な状態とすることができるようになり、例えば遊技されていない状況においてはより多くの種類の報知音を出力するようにしたり、再生可能な報知音の数を抑制して演出上再生すべきBGMや効果音の数を増やすなどの柔軟な対応が可能となる。
ところで、上述の通り、チャンネルの数が有限とされるパチンコ機1では、音データの割り当て対象とされるチャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)にあるときに新たな音データの割り当て条件が成立すると、いずれかの音出力を破棄せざるを得ず、演出設計上の意図しない音出力の態様が現れることによる遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施例にかかるパチンコ機1では、上述の通り、チャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)にあるときに新たな音データの割り当て条件が成立した場合、予め設定した優先順位に基づいて、より重要度の低い音出力が選択的に破棄されるように制御することで、演出設計上の意図しない音出力の態様が現れることを回避して遊技興趣の低下が抑制されるようにすることを提案した。ただし、チャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)これ自体をいかに現れ難くするか、といった点で技術的工夫を施すようにすることも重要であるといえる。
この点、この実施例にかかるパチンコ機1では、演出効果音(演出音)に対してより多くのチャンネルリソースの割り当てを可能ならしめるべく、適正な遊技が行われる限り出力されることのない各種の報知音については単一のチャンネルのみで異常内容などを適切に報知可能とするチャンネル節約型の制御構造を採用可能となっている。以下、各種の報知音の出力に関してチャンネル節約型の制御構造を採用した場合についての一例を説明する。
図211は、演出音を除いた各種の報知音(払出報知音や異常報知音)を固定チャンネル方式による音制御として、用意されている有限数のチャンネルのうちの特定チャンネル(以下、チャンネルXと言う)でのみ出力させる処理を実現する場合における音定義テーブルの一例を示している。この音定義テーブルにおいては、音の名称ごとに、再生にかかる優先順位、左右パン初期値、上下パン初期値、ボリューム初期値、音番号、シークポイント、再生タイプ設定及び出力タイプ設定の定義を管理している。なおここでは、説明の便宜上、報知音1〜7に関しての定義のみを示しており、その他の報知音や演出音などの定義については説明を省略している。なお、演出音については、図182で例示した固定チャンネル方式による定義のほか、報知音の割り当て対象とされるチャンネルXを除く他の各チャンネルに対して図186で例示した自動チャンネル方式による定義を用いるようにすることも可能である。
優先順位は、複数の報知音が出力条件をそれぞれ満たした状況にあるとき、それら報知音のいずれをチャンネルXに割り当てて出力させるかについての判断に供されるパラメータであり、優先順位の数値が高い報知音は、優先順位の数値が低い報知音のチャンネルXに対する割り当て状態に関係なく、チャンネルXに対して割り当てられて出力されることとなる。なお後述するが、優先順位が同じ場合は、チャンネルXに対して先に割り当てられている報知音が優先されることとなり、該報知音の出力が終了した後にチャンネルXに対して割り当てられて出力されることとなる。
左右パン初期値は、上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921Lと上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921Rとの組み合わせでなる左右のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に左右パンの設定値を動的に変化させることにより左及び右スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、左右スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。例えば「0x00」と設定されると、左スピーカ(上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921L)のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921Lと上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921Rとの組み合わせでなる左及び右スピーカから個別に出力される音量差は0となり左右スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xFF]と設定されると右スピーカ(上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921R)のみから出力されることを示している。
上下パン初期値は、例えば一対の上部スピーカ573(上部左スピーカ573L及び上部右スピーカ573R)及び一対の下部スピーカ921(下部左スピーカ921L及び下部右スピーカ921R)などの上下のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に上下パンの設定値を動的に変化させることによりそれら上及び下スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、上下スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。例えば「0x00」と設定されると一対の上部スピーカ573のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、これらの組み合わせでなる上及び下スピーカから個別に出力される音量差は0となり上下スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xFF]と設定されると一対の下部スピーカ921のみから出力されることを示している。
ボリューム初期値は、再生開始時の音量設定を表しており、例えば「0x00」から「0xFF」の設定範囲で定めることができる。音番号は、上述した各音を区別するための識別子である。再生タイプ設定は、対象とする音を繰り返し再生するループ再生(図示の「LOOP」に相当)であるか、或いは、対象とする音を1回再生する1SHOT再生(図示の「1SHOT」に相当)であるかを表している。出力タイプ設定は、対象とする音をモノラルで再生するか、或いは、ステレオで再生するかを表している。
ところで、この実施例にかかるパチンコ機1には、遊技者側音量調整機能が搭載されていることは上述した通りである。
例えば、周辺制御MPU1511aでは、ステップS1108の処理(図190を参照)において、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332が操作されたか否かを監視しており、演出選択左ボタン331が操作された旨判断されるとスピーカのボリュームに関して遊技者による設定値(遊技者設定値)を低下させる処理を行い、演出選択右ボタン332が操作された旨判断されるとスピーカのボリュームに関して遊技者による設定値(遊技者設定値)を上昇させる処理を行う。また、遊技者設定値が低下されて実際に低下された音量がスピーカから出力される状況になると、音量調整完了音(例えば、「ピ!」)をその低下後の音量値で出力させるのに対し、遊技者設定値が上昇されて実際に上昇された音量がスピーカから出力される状況になると、音量調整完了音(例えば、「ピピ!」)をその上昇後の音量値で出力させることで、音量調整が完了してどの程度の音量に変化したかを把握することが可能とされるようにしている。なお、音量調整完了音については、音量値を低下させる場合と上昇させる場合とで同じ音を出力させるようにしてもよい。ちなみに、音量調整完了音は、空きチャンネルがなくなったときに参照される上述の優先順位が比較的高いものとなっており(例えば、ボタン押下音と同じ「20」)、演出音の出力音量(可聴音の音量)が変化したことをより確実に伝達することができるようになっている。
そして、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、このような音量調整処理を、大当り判定に応じた図柄変動が未だ行われておらず遊技が開始されるよりも前の期間(デモ表示などが行われうる期間)のみならず、遊技が開始されて大当り判定に応じた図柄変動が実行されている期間中においても遊技者による受付を許容するようになっており、より重要な演出が出現したときなどに音量値の機動的な設定変化を可能ならしめることで遊技興趣の維持を図るようにしている。
一方、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、これも上述した通り、図柄変動の実行期間中に表示演出の進展に応じて各種の演出音のチャンネル割り当てがなされている状況において、当該パチンコ機1が磁気異常や扉開放などの特定の状態になったことが検出されると、複数種類の報知音のうち検出内容に応じた特定の報知音をチャンネルに割り当てて出力させる処理を行う。またこの際、表示演出の進展に応じた各種の演出音のチャンネル割り当てこれ自体も中止せず、その出力音量を特定値まで低下させる演出進展下報知処理を実行可能としている。すなわちこの場合、複数種類の報知音のうち特定の報知音がチャンネルに割り当てて出力される状況になったとしても、表示演出の進展に応じた各種の演出音のチャンネル割り当てこれ自体は中止されないことから、特定の報知音のチャンネル割り当て若しくは異常状態が終了しさえすれば、演出表示の進展に応じた演出音の出力音量を適切に復帰させることで演出を再び楽しむことができるようになる。
ただし、上記演出進展下報知処理では、表示演出の進展に応じた各種の演出音のチャンネル割り当てこれ自体を中止させないようにしていることから、特定の報知音がチャンネルに割り当てられる分だけ通常時(非報知の状態)よりも多くのチャンネルが使用されることとなり、特定の報知音のチャンネル割り当て(報知状態)が終了するよりも前の段階で音データが割り当てられていない空きチャンネルがなくなってしまうリスクが高くなる傾向にある。そして、特定の報知音のチャンネル割り当て(報知状態)が終了するよりも前の段階で音データが割り当てられていない空きチャンネルがなくなってしまうようなことがあれば、その時点で音データのいずれか1つのチャンネル割り当てを破棄せざるを得なくなることから、その後、特定の報知音のチャンネル割り当て(報知状態)が終了したとしても、チャンネルに割り当てることができずに破棄された音データを再生させることはできず、遊技興趣が低下する懸念がある。
こうした演出音に関わる空きチャンネルの懸念については、報知音のチャンネル割り当てに関して固定チャンネル方式を採用している場合には直接的な弊害は生じないが、報知音のチャンネル割り当てに関して固定チャンネル方式を採用するか、若しくは自動チャンネル方式を採用するかは、遊技や演出の設計上の観点から決定されるべきものであるから、いずれのチャンネル方式が採用された場合であっても上記演出進展下報知処理として共通の処理プログラムを採用することができるような処理構造を用意しておくことが、パチンコ機1の開発にかかるコスト低減や信頼性の向上を確保する上で重要である。したがって、以下に説明する例では、報知音と演出音とのいずれについても、固定チャンネル方式と自動チャンネル方式とのいずれを採用するようにしてもよい。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、演出進展下報知処理が実行されている間、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する操作が行われたとしても、特定値まで低下されている演出音の出力音量は可変とされずこれを維持させるようにしている。すなわちこの場合、演出進展下報知処理が実行されている間は遊技者による操作があったとしても上述の音量調整完了音(「ピ!」または「ピピ!」)を発生させる必要がなくなることから、その分だけチャンネルに余裕を持たせて空きチャンネルがなくなってしまうリスクの低減を促すことが期待されるようになる。
ただし、より重要な演出が出現したときなどに音量値の機動的な設定変更を可能としたパチンコ機1であるにもかかわらず、演出進展下報知処理が実行されている間は出力音量の設定変更が不可とされてしまうと、誤検出やホール側都合(扉開放など)による報知を起因とした演出進展下報知処理が実行された場合に、演出進展の内容に合わせた音量適正値に適宜に設定変更できなくなったことによる遊技興趣の低下が避けられない。また、演出進展下報知処理が行われている期間中に演出が進展した結果、演出内容に合わせた音量適正値と実際の設定値との間に大きなズレが生じるようになると、出力音量(可聴音の音量)の設定変更が許容されるようになった以降、音量適正値に変更させるために複数回の操作受付が必要とされるが、これでは上述の音量調整完了音によってチャンネルが占有されることとなってしまい、演出進展下報知処理がようやく終了したにもかかわらず空きチャンネルが足らずに演出音を適切に出力させることができなくなってしまうことによる遊技興趣の低下が懸念される。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、まず、演出進展下報知処理が実行されている間、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する操作が行われると、特定値まで低下されている演出音の出力音量(可聴音の音量)は可変とせずこれを維持させる一方で、音量に関しての遊技者による設定値(遊技者設定値)これ自体の変更受付は許容して、上記演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)が終了されたときにそれまでの操作が全て反映された出力音量(可聴音の音量)へと一括変化させるようにしている。
このような構成によれば、演出進展下報知処理が実行されている間に演出進展に合わせて遊技者による設定値(遊技者設定値)の変更受付を行うようにしておけば、新たな操作を行わずとも、当該演出進展下報知処理が終了されたときにそれまでの操作が全て反映された出力音量(可聴音の音量)へと一括変化させることができるようになる。このように、演出進展下報知処理が実行されている期間中であっても遊技者による設定値(遊技者設定値)の変更受付を許容するようにしたことで、演出進展下報知処理が終了するまでの遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。また、当該演出進展下報知処理が終了してすぐに音量値(可聴音の音量)が複数段階にわたって設定変更されてその都度の音量調整完了音によって空きチャンネルに不足が発生するような事態の発生も好適に回避されるようになる。
なお、上記構成によれば、演出進展下報知処理が終了されたときに遊技者設定値への出力音量の一括変化を実行する場合は、演出進展下報知処理が実行されていた期間中における遊技者設定値の変更回数や遊技者による操作回数などにかかわらず、音量調整完了音を、一括変更された後の音量で1回分だけ再生することとなるが、この音量調整完了音については通常時とは異なる特別態様の音(例えば、「ビー!」)で出力させるようにしてもよい。
またさらに、演出進展下報知処理が終了したときの空きチャンネルの不足をより好適に解消させる上では、演出進展下報知処理が実行されていた期間中における遊技者設定値の変更回数や遊技者による操作回数などにかかわらず、演出進展下報知処理が終了されることに伴って出力音量(可聴音の音量)を一括変更させるときには音量調整完了音これ自体の再生を行わないようにすることが望ましい。このような構成によれば、特に、誤検出やホール側都合(扉開放など)による報知を起因とした演出進展下報知処理がようやく終了されたにもかかわらず、空きチャンネルの不足によって適正な演出を楽しむことができなくなるような事態の発生を好適に抑制することができるようになる。
以下、このような演出進展下報知処理が実行されてから出力音量(可聴音の音量)が一括変更されるまでの処理についてその一例を説明する。
図212は、演出進展下報知処理の内容について当該パチンコ機1の報知状態の別に説明する図である。
まず、演出進展下報知処理が実行されてから出力音量(可聴音の音量)が一括変更されるまでの処理を説明するのに先立って、図212を参照して、演出進展下報知処理の内容について簡単に説明する。ここでは、説明の便宜上、図211で例示した報知音1〜7に関してのみ示しており、その他の報知音については説明を省略している。
同図212に示されるように、この説明例では、まず、演出音の音量抑制態様として、2種類の抑制態様(第1の音量抑制態様、第2の音量抑制態様)が用意されており、例えば、第1の音量抑制態様は、音量に関しての遊技者による設定値(遊技者設定値)変更では「20」〜「50」の範囲での演出音の出力音量(可聴音の音量)変更が可能とされているなかで、演出音の出力音量(可聴音の音量)を「10」に設定するものとなっている。これに対し、第2の音量抑制態様は、演出音の出力音量(可聴音の音量)を「0」に設定するものとされている。したがって、第2の音量抑制態様は、第1の音量抑制態様よりもその抑制度合いが大きいものとなっており、特に、この説明例では、出力にかかる処理これ自体は行われるものの演出音を無音化させるものとして例示されている。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、報知音1〜7のうち、不正可能性が高い第1報知グループに属する報知音1〜3(磁気異常、振動異常、大入賞異常)のいずれかに関する報知処理が実行される場合は、抑制度合いの高い側である第2の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理を行うこととしている。しかも、第1報知グループに属する報知音1〜3(磁気異常、振動異常、大入賞異常)のいずれかに関する報知処理が実行される場合は、異常検出がオフになった場合であっても、異常検出があってから予め定められた時間(ここでは、60秒)が経過するまでの間は、抑制度合いの高い側である第2の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理を終了させず、これを継続させるようにしている。
なお、この説明例では、第1報知グループに属する報知音1〜3(磁気異常、振動異常、大入賞異常)のいずれかに関する報知処理が実行される場合は、演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理が継続される期間を、異常検出に応じた報知音(磁気異常、振動異常、大入賞異常)の再生がされてからこれが終了されるまでの期間と同じになるように設定されている。
一方、報知音1〜7のうち、不正可能性が中程度の第2報知グループに属する報知音4,5(扉開放、枠開放)のいずれかに関する報知処理が実行される場合は、抑制度合いの低い側である第1の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理を行うこととしている。ただし、第2報知グループに属する報知音4,5(扉開放、枠開放)のいずれかに関する報知処理が実行される場合は、異常検出が生じてからすぐに異常検出がオフになると、その時点で、抑制度合いの低い側である第1の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理を終了させることとなる。
他方、報知音1〜7のうち、遊技案内に関連した第3報知グループに属する報知音6,7(左打ち案内、球抜き案内)のいずれかに関する報知処理が実行される場合は、演出性の維持を重視しており、演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理は何ら実行されない。
なお、この説明例では、第1報知グループに属する報知音が実行される場合と、第2報知グループに属する報知音が実行される場合とで抑制態様を異ならせるようにしたが、該抑制態様については必ずしも異ならせなくてもよく、第1報知グループに属する報知音が実行される場合と、第2報知グループに属する報知音が実行される場合とで一の抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理を行うようにしてもよい。ただし、該抑制させる処理の終了条件については、第1報知グループに属する報知音が実行される場合のほうが、第2報知グループに属する報知音が実行される場合よりも厳格化されるかたちで異ならせるようにすることが重要である。
図213は、異常検出が発生しておらず報知音に関する処理が実行されていないなかで、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332が操作されたことに伴う音量調整に関する処理についてその内容を説明する図である。
なお、この説明例にあって、遊技者設定値は、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332による操作によって「1」〜「5」の範囲内で「1」ずつ可変とされるようになっており、その値が小さいほど演出音の音量が小さくなるものとして設定されている。また、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、演出音に対して上述の抑制態様(第1の音量抑制態様、第2の音量抑制態様)が設定されていない状態では、遊技者設定値の20倍の数値として設定されるものとなっている。したがって、この説明例では、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、遊技者による操作によって「20」〜「100」の範囲で可変とされることとなる。
いま、同図213(A)に示されるように、演出音の音量に関して遊技者設定値が「1」〜「5」のうちの「3」であり、何らの報知フラグも設定されておらず、演出音の出力音量(可聴音の音量)がその20倍の「60」に設定されているとする。また、装飾図柄SZが停止した状態にあり、且つ大当り判定が行われておらず始動入賞待ちの状態にあるとすると、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、演出選択左ボタン331を模した表示画像331aと、演出選択右ボタン332を模した表示画像332aとが表示されており、それらの操作を通じて音量調整を行うことができる旨の音量調整案内表示OAHが行われる。またこの際、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、現在の遊技者設定値が「1」〜「5」のいずれであるかを認識可能とする第1の音量値表示OH1も実行される。これら音量調整案内表示OAH及び第1の音量値表示OH1については、常時表示されるようにしてもよいし、背景画像が変化した状態で実行されるリーチ演出であるスーパーリーチ演出などの特定期間中にあるときには非表示にして遊技者による操作があったときに第1の音量値表示OH1及び後述の第2の音量値表示OH2の少なくとも一方が現れるようにしてもよい。また、音量調整案内表示OAH及び第1の音量値表示OH1については、必ずしもそれらの両方を表示しなくてもよく、それらの一方を割愛し、その他方のみを表示するようにしてもよい。
このような図213(A)に示される状況にあるなかで、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332による操作が行われると、該操作がある都度、遊技者設定値が「1」ずつ変化され、これに伴って演出音の出力音量(可聴音の音量)が「20」ずつ変化されるようになる。また、演出音の出力音量(可聴音の音量)が変化する都度、その変化後の音量で、音量調整完了音(例えば、「ピ!」)が再生されるようになる。
またこの際、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」のなかで現在の設定値がいずれであるかをゲージ表示によって示す第2の音量値表示OH2(図213(C)を参照)が、音量調整案内表示OAHに代わって実行されることとなるが、これについては後述することとする。
なお、遊技者設定値が「1」のときに演出選択左ボタン331が操作された場合は、遊技者設定値と演出音の出力音量(可聴音の音量)とのいずれも低下されず、遊技者設定値は「1」のまま(演出音の出力音量(可聴音の音量)は「20」のまま)とされる。したがって、遊技者設定値が「1」のときに演出選択左ボタン331が操作されたとしても、音量調整完了音はチャンネル自体に割り当てないようにするか、チャンネルに割り当てたとしてもその音量を「0」にすることによって可聴出力されないようにすることが望ましい。このことは、遊技者設定値が「5」のときに演出選択右ボタン332が操作された場合も同様である。
これに対し、始動入賞が発生して大当り判定が行われると、図213(B)に示されるように、大当り判定の結果や変動パターンの種別に基づいて装飾図柄SZが所定の演出パターンで変動表示される。また、装飾図柄SZが変動表示される間は、所定演出が進展されるとともに、該所定演出の進展に合わせた演出音が出力される。
この点、この実施の形態にかかる音量調整処理では、図213(A)に示される期間(デモ表示などが行われうる期間)のみならず、遊技が開始されて大当り判定に応じた図柄変動が実行されている期間中においても遊技者による受付を許容するようになっており、例えば、図213(C)に示されるリーチ演出などのより重要な演出が出現したときに音量値の機動的な設定変化を可能ならしめる構成とされていることは上述した通りである。
すなわち、図213(C)では、図213(B)に示される状態においてリーチ演出が実行されたことに伴い遊技者によって演出選択右ボタン332による操作が2回行われた後の様子を示しており、そのうちの1回目の操作では、遊技者設定値が「3」→「4」に変化されており、且つ演出音の出力音量(可聴音の音量)がそれらの20倍の「60」→「80」に設定変更されているもとで、その変化後の音量である「80」で音量調整完了音が所定のチャンネルに割り当てられて再生されるとともに、2回目の操作では、遊技者設定値が「4」→「5」に変化されており、且つ演出音の出力音量(可聴音の音量)がそれらの20倍の「80」→「100」に設定変更されているもとで、その変化後の音量である「100」で音量調整完了音が所定のチャンネルに割り当てられて再生されることとなる。
また、この実施の形態にかかる遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、こうした操作によって遊技者設定値が変化されると、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」のなかで現在の設定値がいずれであるかをゲージ表示によって示す第2の音量値表示OH2が、音量調整案内表示OAHに代わって実行されることとなる。これは、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」に対して現在の設定値がいずれであるかを明瞭化させることで、より重要な演出が現れた緊迫した状況下においても、遊技者設定値が最大値の「5」であるにもかかわらず演出選択右ボタン332に対する操作が繰り返し実行されるなどの操作ミスが生じないようにすることを目的としたものである。ゲージ表示では、「1」〜「5」の数値範囲が定常的にブロック表示されており、これらのブロックのうち塗り潰されているブロックの数が遊技者設定値の変化に応じて増加・減少される表示を行うことで、現在の遊技者設定値を示すようになっている。
なお、第2の音量値表示OH2は、図213(D)に示されるように、図213(C)に示される状態において演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332に対する操作があったときから所定時間(例えば5秒)の経過後に非表示にされ、その後は音量調整案内表示OAHが再び実行されるようにしている。したがって、遊技者設定値に変更が生じない態様での操作(遊技者設定値が最大値の「5」であるときの演出選択右ボタン332に対する操作)であったとしても、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332に対する操作が繰り返される限りは、第2の音量値表示OH2の表示は維持されることとなる。すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技者設定値に変更が生じない態様での操作(遊技者設定値が最大値の「5」であるときの演出選択右ボタン332に対する操作)が行われる場合、該操作がある都度、音量調整完了音は可聴出力されないが、第2の音量値表示OH2を非表示にするまでの時間を計時するタイマ値はリセットされることとなる。これにより、遊技者設定値が最大値の「5」であるにもかかわらず演出選択右ボタン332に対する操作が繰り返し実行されるなどの操作ミスが生じないようにすることがより好適に促されるようになる。
一方、図214は、図柄変動の実行期間中に扉開放検出が発生してこれに応じた報知音に関する処理が実行されているなかで、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332が操作されたことに伴う音量調整に関する処理についてその内容を説明する図である。
図214(A)に示される状況は、図柄変動が開始される前の状況であり、図213(A)を参照しつつ説明した状況と同じである。このような状況において始動入賞が発生して大当り判定が行われると、図214(B)に示されるように、図213(B)を参照しつつ説明した状況と同様、大当り判定の結果や変動パターンの種別に基づいて装飾図柄SZが所定の演出パターンで変動表示される。また、装飾図柄SZが変動表示される間は、所定演出が進展されるとともに、該所定演出の進展に合わせた演出音が出力される。
ただし、図214(B)に示される状況では、図柄変動の実行期間中に第2報知グループに属する扉開放検出が発生してこれに応じた報知音4(扉開放)に関する処理が実行されており、例えば、「扉が開いています」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理(30秒間)と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(ここでは、「扉開放中」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯とがそれぞれ実行されるようになっている。
また、図柄の変動期間中、第2報知グループに属する扉開放検出が発生してこれに応じた報知音4(扉開放)に関する処理が実行されると、第1の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる演出進展下報知処理が行われるようになる。したがって、図214(B)に示される状況においては、遊技者設定値は、図214(A)の状況にあったときと同様の「3」のままで維持されているにもかかわらず、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、本来の数値(遊技者設定値の20倍)よりも低い予め定められた第1特定値(ここでは「10」)に設定されることとなり、こうした音量値のもとで演出内容が進展されるようになる。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような演出進展下報知処理が実行されている間、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する操作が行われると、第1特定値(ここでは「10」)まで低下されている演出音の出力音量(可聴音の音量)は可変とせずこれを維持させる一方で、音量に関しての遊技者による設定値(遊技者設定値)これ自体の変更受付は許容して、上記演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)が終了されたときにそれまでの操作が全て反映された出力音量(可聴音の音量)へと一括変化させるようにしていることは上述した通りである。
すなわち、図214(C)では、図214(B)に示される状態においてリーチ演出が実行されたことに伴い遊技者によって演出選択右ボタン332による操作が2回行われた後の様子を示しており、演出選択右ボタン332による操作によって遊技者設定値が「3」→「5」に変更されているにもかかわらず、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、本来の数値(遊技者設定値の20倍)よりも低い予め定められた第1特定値(ここでは「10」)のままで維持されていることがわかる。したがって、遊技者によって演出選択右ボタン332による操作が2回行われたとしても、上記演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)が終了されるまでの間は演出音の音量は変化されず、第1特定値の音量のままで演出内容が進展されるようになる。
またこの際、遊技者による操作のうち、1回目の操作では、遊技者設定値が「3」→「4」に変化されるものの、演出音の出力音量(可聴音の音量)は第1特定値(ここでは「10」)のままで維持されることから音量調整完了音が可聴出力されることはないし、2回目の操作でも、遊技者設定値が「4」→「5」に変化されるものの、演出音の出力音量(可聴音の音量)は第1特定値(ここでは「10」)のままで維持されることから音量調整完了音が可聴出力されることはない。
ただし、1回目の操作では、遊技者設定値これ自体は「3」→「4」に変化しており、音量調整のための遊技者操作は受け付られていることから、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」のなかで現在の設定値が「4」であることをゲージ表示によって示す第2の音量値表示OH2が、音量調整案内表示OAHに代わって実行されるとともに、第1の音量値表示OH1においてもその数値を「3」→「4」に変化して表示させることとなる。
また、2回目の操作も、遊技者設定値これ自体は「4」→「5」に変化しており、音量調整のための遊技者操作は受け付られていることから、第2の音量値表示OH2では、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」のなかで現在の設定値が「4」→「5」に変化したことをゲージ表示によって示すとともに、第1の音量値表示OH1においてもその数値を「4」→「5」に変化して表示させることとなる。
そしてその後、音量調整案内表示OAHが再び実行される状態に戻っているもとで扉枠3が閉鎖されて報知音4(扉開放)に関する処理と演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)とがそれぞれ終了すると、図214(D)に示されるように、当該処理が終了されたことに応じてそれまでの操作が全て反映された出力音量(可聴音の音量)へと一括変化させる。すなわちこの場合、遊技者設定値は、演出進展下報知処理の実行期間中に「3」から1回目の操作に応じた「4」、2回目の操作に応じた「5」へと段階的に変化していることから、出力音量(可聴音の音量)としても、本来であれば、第1特定値(ここでは「10」)から1回目の操作に応じた「80」、2回目の操作に応じた「100」へと段階的に変化させるべきところ、第1特定値(ここでは「10」)からそれまでの操作が全て反映された「100」へと一括変化されるようになる。
このように、演出進展下報知処理が実行されている期間中であっても遊技者による設定値(遊技者設定値)の変更受付を許容するようにしたことで、演出進展下報知処理が終了するまでの遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。また、当該演出進展下報知処理が終了してすぐに音量値(可聴音の音量)が複数段階にわたって設定変更されてその都度の音量調整完了音によって空きチャンネルに不足が発生したり余裕がなくなったりするような事態の発生も好適に回避されるようになる。
しかも、この説明例では、演出進展下報知処理が終了されることに伴って出力音量(可聴音の音量)を一括変更(「10」→「100」)させるときには、出力音量に変化が生じるにもかかわらず音量調整完了音のチャンネル割り当てこれ自体を行わないようにしている。このような構成によれば、特に、誤検出やホール側都合(扉開放など)による報知を起因とした演出進展下報知処理がようやく終了されたにもかかわらず、空きチャンネルの不足によって適正な演出を楽しむことができなくなるような事態の発生を好適に抑制することができるようになる。
他方、図215は、図214で発生した状態検出が扉開放ではなく磁気異常であった場合に、これに応じた報知音に関する処理が実行されているなかで、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332が操作されたことに伴う音量調整に関する処理についてその内容を説明する図である。
図215(A)に示される状況は、図柄変動が開始される前の状況であり、図214(A)を参照しつつ説明した状況と同じである。このような状況において始動入賞が発生して大当り判定が行われると、図215(B)に示されるように、図214(B)を参照しつつ説明した状況と同様、大当り判定の結果や変動パターンの種別に基づいて装飾図柄SZが所定の演出パターンで変動表示される。また、装飾図柄SZが変動表示される間は、所定演出が進展されるとともに、該所定演出の進展に合わせた演出音が出力される。
図215(B)に示される状況では、図柄変動の実行期間中に第1報知グループに属する磁気検出が発生してこれに応じた報知音1(磁気異常)に関する処理が実行されており、より具体的には、「磁気を検知しました」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理(60秒間)と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(ここでは、「磁気検出」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯とがそれぞれ実行されるようになっている。
また、図柄の変動期間中、第1報知グループに属する磁気検出が発生してこれに応じた報知音1(磁気異常)に関する処理が実行されると、第2の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる演出進展下報知処理が行われるようになる。したがって、図215(B)に示される状況においては、遊技者設定値は、図215(A)の状況にあったときと同様の「3」のままで維持されているにもかかわらず、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、本来の数値(遊技者設定値の20倍)よりも低い予め定められた第2特定値(ここでは「0」)に設定されることとなり、こうした音量値(ここでは、消音)のもとで演出内容が進展されるようになる。
この点、このような磁気異常に応じた演出進展下報知処理が実行される場合も、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する操作が行われると、第2特定値(ここでは「0」)まで低下されている演出音の出力音量(可聴音の音量(ここでは消音))は可変とせずこれを維持させる一方で、音量に関しての遊技者による設定値(遊技者設定値)これ自体の変更受付は許容して、上記演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)が終了されたときにそれまでの操作が全て反映された出力音量(可聴音の音量)へと一括変化させるようにしていることは上述した通りである。
すなわち、図215(C)では、図215(B)に示される状態においてリーチ演出が実行されたことに伴い遊技者によって演出選択右ボタン332による操作が2回行われた後の様子を示しており、演出選択右ボタン332による操作によって遊技者設定値が「3」→「5」に変更されているにもかかわらず、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、本来の数値(遊技者設定値の20倍)よりも低い予め定められた第2特定値(ここでは「0(消音)」)のままで維持されていることがわかる。したがって、遊技者によって演出選択右ボタン332による操作が2回行われたとしても、上記演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)が終了されるまでの間は演出音の音量は変化されず、第2特定値の音量のままで演出内容が進展されるようになる。
またこの際、遊技者による操作のうち、1回目の操作では、遊技者設定値が「3」→「4」に変化されるものの、演出音の出力音量(可聴音の音量)は第2特定値(ここでは「0」)のままで維持されることから音量調整完了音が可聴出力されることはないし、2回目の操作でも、遊技者設定値が「4」→「5」に変化されるものの、演出音の出力音量(可聴音の音量)は第2特定値(ここでは「0」)のままで維持されることから音量調整完了音が可聴出力されることはない。
ただし、1回目の操作では、遊技者設定値これ自体は「3」→「4」に変化しており、音量調整のための遊技者操作は受け付られていることから、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」のなかで現在の設定値が「4」であることをゲージ表示によって示す第2の音量値表示OH2が、音量調整案内表示OAHに代わって実行されるとともに、第1の音量値表示OH1においてもその数値を「3」→「4」に変化して表示させることとなる。
また、2回目の操作も、遊技者設定値これ自体は「4」→「5」に変化しており、音量調整のための遊技者操作は受け付られていることから、第2の音量値表示OH2では、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」のなかで現在の設定値が「4」→「5」に変化したことをゲージ表示によって示すとともに、第1の音量値表示OH1においてもその数値を「4」→「5」に変化して表示させることとなる。
ちなみに、この説明例では、図215(C)に示される状況において、磁気検出これ自体は既に非検出の状態とされている。ただし、扉検出の場合とは異なり、磁気検出があってから所定時間(ここでは、60秒)が経過するまでの間は第2の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる演出進展下報知処理が継続して実行されるようになっている。
そしてその後、音量調整案内表示OAHが再び実行される状態に戻っているもとで磁気検出があってから所定時間(ここでは、60秒)が経過して演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)が終了すると、図215(D)に示されるように、当該処理が終了されたことに応じてそれまでの操作が全て反映された出力音量(可聴音の音量)へと一括変化させる。すなわちこの場合、遊技者設定値は、演出進展下報知処理の実行期間中に「3」から1回目の操作に応じた「4」、2回目の操作に応じた「5」へと段階的に変化していることから、出力音量(可聴音の音量)としても、本来であれば、第2特定値(ここでは「0」)から1回目の操作に応じた「80」、2回目の操作に応じた「100」へと段階的に変化させるべきところ、第2特定値(ここでは「0」)からそれまでの操作が全て反映された「100」へと一括変化されるようになる。
なお、磁気異常に応じた報知処理が実行された場合は、扉開放に応じた報知処理が実行された場合とは異なり、図215(D)に示される状況においても、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(ここでは、「磁気検出」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯とはそれぞれ実行されたままとなっている。すなわち、磁気異常に応じた報知処理では、報知音が終了されると、液晶内表示による報知とランプによる報知とが継続されるなかで、演出音は抑制対象から外れて遊技者設定値に応じた出力音量に反映させるのに対し、扉開放に応じた報知処理では、報知音が終了したとしても、液晶内表示による報知とランプによる報知とが継続されるなかでは演出音は抑制対象のままとされるようになっている。
このように、磁気異常が発生した場合も、演出進展下報知処理が実行されている期間中であっても遊技者による設定値(遊技者設定値)の変更受付を許容するようにしたことで、演出進展下報知処理が終了するまでの遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。また、当該演出進展下報知処理が終了してすぐに音量値(可聴音の音量)が複数段階にわたって設定変更されてその都度の音量調整完了音によって空きチャンネルに不足が発生したり余裕がなくなったりするような事態の発生も好適に回避されるようになる。
しかも、この説明例では、磁気異常に伴う演出進展下報知処理が終了されることに伴って出力音量(可聴音の音量)を一括変更(「0」→「100」)させるときにも、出力音量に変化が生じるにもかかわらず音量調整完了音のチャンネル割り当てこれ自体を行わないようにしている。このような構成によれば、特に、誤検出による報知を起因とした演出進展下報知処理がようやく終了されたにもかかわらず、空きチャンネルの不足によって適正な演出を楽しむことができなくなるような事態の発生を好適に抑制することができるようになる。
なお、扉開放検出に応じた報知音や磁気異常に応じた報知音については、図211に示したように、ボリューム初期値の3バイト目に「1」(0x1FF)を設定していることから、遊技者設定値にかかわらず、必ず初期値で設定された音量で再生される。
また、報知音6(左打ち案内)や報知音7(球抜き案内)が実行される場合には、演出進展下報知処理が実行されないことから、それらの報知の実行中には、遊技者設定値と演出音の出力音量(可聴音の音量)との両方を適宜可変させることが可能である。ただし、これらの報知音6,7についても、図211に示したように、ボリューム初期値の3バイト目に「1」(0x1FF)を設定していることから、遊技者設定値にかかわらず、必ず初期値で設定された音量で再生されることとなる。
報知音1〜7のうち、第3報知グループに属する報知音6(左打ち案内)や報知音7(球抜き案内)については、ボリューム初期値の3バイト目に「1」を設定せず、遊技者による音量調整の対象に含ませるようにしてもよい。
また、図214及び図215で説明した各処理については、図柄変動の実行期間中のみならず、図柄変動が開始される前の状態や、図柄変動の開始や終了のタイミングに跨るかたちで状態検出に応じた報知処理が実行される場合においても、同じ態様で実行されるようにしてもよい。
また、図214及び図215で説明した各処理において、演出進展下報知処理が終了された後は、該演出進展下報知処理が開始される前と同様、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332による操作によって遊技者設定値が変化されると、これに伴って演出音の出力音量(可聴音の音量)が変化される。そして、演出音の出力音量(可聴音の音量)が変化する都度、その変化後の音量で、音量調整完了音(例えば、「ピ!」)が再生されるようになる。
また、図214で説明した処理と図215で説明した処理とで、演出進展下報知処理が行われている期間中における演出音の抑制態様を異ならせるようにしたが、該抑制態様については必ずしも異ならせなくてもよく、第1報知グループに属する報知音が実行される場合と、第2報知グループに属する報知音が実行される場合とで一の抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理を行うようにしてもよいことは上述した通りである。
また、演出進展下報知処理では、各種遊技音の出力音量(可聴音の音量)を抑制することとなるが、これら遊技音のうち、第一始動口2002または第二始動口2004に遊技球が入賞したことに応じて再生される音(入賞音)など、一部の遊技音については音量抑制の影響を受けることなく初期値設定の音量のままで再生するようにしてもよい。すなわちこの場合、パチンコ機1としての異常状態が発生しているにもかかわらず遊技が継続されている状況にあるか否かをホール側が把握し易くすることができるようになる。この意味では、演出進展下報知処理が実行されているときに第一始動口2002または第二始動口2004に遊技球が入賞したことに応じて再生される音(入賞音)など、一部の遊技音については、演出進展下報知処理が実行されていないときには出力され得ない特殊な音として再生するようにすることが望ましい。
上述の通り、図211〜図215では、各種の報知音に関して単一のチャンネルのみで異常内容などを適切に報知可能とするチャンネル節約型の制御構造を採用することで、チャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)これ自体をいかに現れ難くするか、といった点での技術的工夫を施すようにすることを提案した。ただし、このような制御構造を採用した場合であっても、演出効果音(演出音)の割り当て対象とされるチャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)が生じて演出設計上の意図しない音出力の態様が現れることに対する懸念は未だ残される。
この点、この実施例にかかるパチンコ機1では、演出音のチャンネル割り当てに関しても、チャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)が発生するよりも前の段階で様々な技術的工夫を施すようにしている。以下、演出音の出力に関して施されている様々な技術的工夫について説明する。なお、当該パチンコ機1としてこれらの技術的工夫を採用するにあたり、各種の報知音に関して単一のチャンネルのみで異常内容などを適切に報知可能とする上述のチャンネル節約型の制御構造については採用してもよいし採用しなくてもよい。また、以下に説明する各例では、報知音と演出音とのいずれについても、固定チャンネル方式と自動チャンネル方式とのいずれを採用するようにしてもよい。また、自動チャンネル方式を採用した場合、上述の優先順位に基づく制御については必ずしも採用しなくてもよく、全てのチャンネルが使用状態になったときには新たな音を破棄する処理を行うようにしてもよい。
[チャンネル使用制限]
上述の通り、チャンネルの数が有限とされる遊技機では、入賞に応じた判定手段による判定にて特別の結果が得られたとしても、音データの割り当て対象とされるチャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)では特別の結果が得られたことに応じた特別音をチャンネルに割り当てることができず、これを出力できないことによる遊技興趣の低下が懸念される。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技が進行されるなかで空きチャンネルの数を監視しておりこれが所定数未満になると、各種の遊技音のうち少なくとも一部の遊技音の出力に関連する処理の実行を制限する割合が高くされるようにしている(チャンネル使用制限)。すなわちこの場合、少なくとも一部の遊技音については空きチャンネルの数が0になるよりも前の段階からその出力に関連する処理の実行に制限をかけるとともに、空きチャンネルの数が0に近づくにつれて実行制限する割合が高くなるようになることから、空きチャンネルの数を0にし難くすることができるようになる。
より具体的には、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、保留状態にあった大当り判定に応じた図柄変動が消化される都度(始動条件が成立する都度)、該消化される図柄変動の実行期間中におけるチャンネルの空き状況を判定する。そしてこの結果、チャンネルの空き状況に余裕があるときには判定対象とされた当該図柄変動が少なくとも終了されるまでの間はチャンネル使用が制限される割合(チャンネル制限レベル)を低くし、該チャンネルの空き状況に余裕がないときには判定対象とされた当該図柄変動が少なくとも終了されるまでの間はチャンネル使用が制限される割合(チャンネル制限レベル)を高くし、こうした図柄変動を一単位としたチャンネル制限を実行することで、判定対象とされた図柄変動の実行期間中に空きチャンネルの数が0になってしまうような事態の発生を抑制するようにしている。なお後述するが、チャンネル制限レベルとしては複数のレベル値が用意されており、該レベル値が高くなるにつれて遊技音の出力に関連する処理の実行を制限する割合が高くなるようになっている。
図216は、このようなチャンネル制限レベルの設定にかかる処理についてその手順の一例を示すフローチャートである。
いま、ステップS1022(図95)の処理内において、主制御基板1310からパターンコマンド(変動パターン)を受信した旨判定された状態にあるとする。すると、周辺制御MPU1511aでは、まず、同図216に示されるように、ステップS3101の処理として、前回設定したチャンネル制限レベルの値をリセットする。なお、このリセット処理(ステップS3101)については、図柄変動が終了されるときに行うようにしてもよい。
次いで、ステップS3102の処理として、受信した変動パターンに対応した変動前半の演出パターンの種別に基づいて、該変動前半の期間(例えば、図柄変動開始からリーチ演出が開始されるまでの期間や、図柄変動開始からリーチ演出が開始されることなく図柄停止されるまでの期間など)内でチャンネルに最も空きがなくなるタイミングを基準とした空きチャンネルの数(最小空きチャンネル数)である「X」を特定する。また、ステップS3103の処理として、受信した変動パターンに対応した変動後半の演出パターンの種別に基づいて、該変動後半の期間(例えば、リーチ演出の開始から図柄変動停止までの期間など)内でチャンネルに最も空きがなくなるタイミングを基準とした空きチャンネルの数(最小空きチャンネル数)である「Y」を特定する。
ただし、図柄変動開始からリーチ演出が開始されることなく図柄停止される演出パターンが選択されている場合は「変動後半」に相当する図柄変動が行われない。この場合は、ステップS3103の処理これ自体を行わずに次のステップ処理を行うか、若しくはステップS3103の処理において空きチャンネルの数「Y」として設定可能な最大数値(チャンネル制限の対象とならない数値)を設定することとなる。
そして次に、ステップS3104の処理として、上記ステップS3102の処理で特定された「X」と上記ステップS3103の処理で特定された「Y」とを比較し、これら「X」及び「Y」のうちの最小空きチャンネル数が小さい側(空きチャンネルの数に余裕がない側)の値に基づいて、判定対象とされた当該図柄変動が少なくとも終了されるまでの間におけるチャンネル制限レベルを設定する。これにより、判定対象とされた図柄変動が開始されてから終了されるまでの間は、該設定されたチャンネル制限レベルに基づいて遊技音の出力に関連する処理の実行が制限されうるようになり、空きチャンネルの数を0になり難くし、意図しない演出態様が現れることによる遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
なお、この実施の形態では、チャンネル制限レベルを設定するにあたり、その判断に供される「最小空きチャンネル数」を、変動前半(ステップS3102)と変動後半(ステップS3103)とで分けてそれぞれ特定することとしている。これは、変動前半の演出内容(図柄変動開始からリーチ演出が開始されるまでの期間など)が、複数の演出パターン(例えば、ロングリーチ,スーパーリーチA,スーパーリーチBなど)で共用になっていることが多いことから、変動前半を単位としてその最小空きチャンネル数を特定するようにすれば、最小空きチャンネル数を特定するのに必要なデータ量を削減することができることを考慮したものである。
ただし、チャンネル制限レベルの設定判断に供される最小空きチャンネル数については、必ずしも変動前半と変動後半とで分けてそれぞれ特定しなくてもよく、図柄変動が開始されてから停止されるまでの演出パターンを一単位として、該演出パターンが実行される期間内でチャンネルに最も空きがなくなるタイミングを基準とした空きチャンネルの数(最小空きチャンネル数)を特定するようにしてもよい。
また、ここでの「最小空きチャンネル数」とは、判定対象とされる演出パターン(演出内容)が進展すると自動的に発生する音(BGM関連や大当り判定に応じた図柄停止関連、大当り判定に応じた効果音関連など)のみを対象としてそれらが各チャンネルに対して割り当て状態になったときにどれだけのチャンネルが空き状態として残されるかを示すものである。したがって、ボタン押下音(ボタン操作に基づいて発生する演出に伴う音など)や音量調整完了音、各種報知音、ブロック入賞音(一般入賞口への入賞に伴う音)、保留入賞音(第一始動口2002または第二始動口2004への入賞に伴う音)、普電演出音(普通図柄の判定に応じた演出に伴う音)など、判定対象とされる演出パターン(演出内容)が進展されるだけでは必ずしも実行されない各種の音についてはその判断対象として含まれていない。
図217は、ステップS3104の処理において特定された「最小空きチャンネル数」の別に設定されるチャンネル制限レベルの値を示すとともに、該チャンネル制限レベルの別に定められる制限内容についての一例を示す図である。
同図217に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、まず、チャンネル使用の制限対象とされる音として、各種の遊技音のうち、ブロック入賞音(一般入賞口への入賞に伴う音)、保留入賞音(第一始動口2002または第二始動口2004への入賞に伴う音)、普電演出音(普通図柄の判定に応じた演出に伴う音)、音量調整完了音を例示している。したがって、空きチャンネルに余裕がない図柄変動の実行期間中は、各種の遊技音のうち、少なくともこれらの遊技音(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)に対してチャンネル使用の制限が発生しうることとなる。
より具体的には、上記ステップS3103の処理において特定された「最小空きチャンネル数」が12以上である場合、上記ステップS3104の処理では、図217に示される対応付けをもとにチャンネル制限レベルを「0」に設定する。すなわちこの場合、空きチャンネルに余裕がある図柄変動が実行される状況にあるとして、チャンネル使用の制限対象とされる音(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)のうちいずれも制限されず、当該図柄変動の実行中に一般入賞口への入賞があればブロック入賞音を所定の空きチャンネルに割り当てて再生し、当該図柄変動の実行中に第一始動口2002または第二始動口2004への入賞があれば保留入賞音を所定の空きチャンネルに割り当てて再生し、当該図柄変動の実行中に普通図柄の判定に応じた演出が行われるときには該演出に応じた普電演出音を所定の空きチャンネルに割り当てて再生し、当該図柄変動の実行中に音量調整が行われたときにはこれに応じた音量調整完了音を所定の空きチャンネルに割り当てて再生することとなる。
これに対し、上記ステップS3103の処理において特定された「最小空きチャンネル数」が6〜11のいずれかである場合、上記ステップS3104の処理では、図217に示される対応付けをもとにチャンネル制限レベルを「1」に設定する。すなわちこの場合、空きチャンネルに若干余裕のない図柄変動が実行される状況にあるとして、チャンネル使用の制限対象とされる4つの音(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)のうち、ブロック入賞音に対してチャンネル使用の制限(25%制限)を発生させる。すなわちこの場合、当該図柄変動の実行中に一般入賞口への入賞がありこれが検出されたときには、該入賞に応じた数量分の賞球の払い出しは行うものの、ブロック入賞音についてはこれを所定の空きチャンネルに割り当てないように処理することとなる。なおこの際、一般入賞口への入賞に応じた音生成用スケジュールデータをセットせず、ブロック入賞音の再生これ自体を行わないようにすることが望ましい。
一方、上記ステップS3103の処理において特定された「最小空きチャンネル数」が2〜5のいずれかである場合、上記ステップS3104の処理では、図217に示される対応付けをもとにチャンネル制限レベルを「2」に設定する。すなわちこの場合、空きチャンネルに比較的余裕のない図柄変動が実行される状況にあるとして、チャンネル使用の制限対象とされる4つの音(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)のうち、ブロック入賞音及び保留入賞音の2つの音に対してチャンネル使用の制限(50%制限)を発生させる。すなわちこの場合、上述のブロック入賞音に対する制限に加えて、当該図柄変動の実行中に第一始動口2002または第二始動口2004への入賞がありこれが検出されたときには、該入賞に応じた数量分の賞球の払い出し、及び上述の第一・第二始動口入賞処理は行うものの、保留入賞音についてはこれを所定の空きチャンネルに割り当てないように処理することとなる。なおこの際、第一始動口2002または第二始動口2004への入賞に応じた音生成用スケジュールデータをセットせず、保留入賞音の再生これ自体を行わないようにすることが望ましい。
また一方、上記ステップS3103の処理において特定された「最小空きチャンネル数」が0,1のいずれかである場合、上記ステップS3104の処理では、図217に示される対応付けをもとにチャンネル制限レベルを「3」に設定する。すなわちこの場合、空きチャンネルに全く余裕のない図柄変動が実行される状況にあるとして、チャンネル使用の制限対象とされる4つの音(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)の全てに対してチャンネル使用の制限(100%制限)を発生させる。すなわちこの場合、上述のブロック入賞音に対する制限、及び保留入賞音に対する制限に加えて、当該図柄変動の実行中に普通図柄の判定に応じた演出が行われたとしても普電演出音についてはこれを所定の空きチャンネルに割り当てないように処理することとなる。また、当該図柄変動の実行中に遊技者による音量調整操作があったときにはこれに応じた音量調整これ自体は行うものの、音量調整完了音についてはこれを所定の空きチャンネルに割り当てないように処理することとなる。なおこの際、普電演出音や音量調整完了音についても、それらに相当する音生成用スケジュールデータをセットせず、普電演出音や音量調整完了音の再生これ自体を行わないようにすることが望ましい。
このような構成によれば、遊技が進行されるなかで、音が割り当てられていない状態にある空きチャンネルの数が所定数未満になる図柄変動が実行される場合、同空きチャンネルの数が所定数未満にならない図柄変動が実行される場合に比べて、各種の遊技音のうち少なくとも一部の遊技音の出力に関連する処理の実行を制限する割合が高くされるようになる。すなわちこの場合、一部の遊技音(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)については、空きチャンネルの数が実際に0になるよりも前の段階からその出力に関連する処理の実行に制限がかけられ、且つ空きチャンネルの数が少なくなるにつれて実行制限される割合が高くされるようになることから、図柄変動の実行中に空きチャンネルの数が0になってしまうような事態の発生を好適に抑制することが期待されるようになる。
また、上記構成では、各種の遊技音のうちチャンネル使用の制限対象とされる音を、当該パチンコ機1において最も重要な「大当り判定に関わる演出音」ではなく、それ以外の「入賞に伴う音」や、「普通判定に関わる演出音」、「音量調整に関わる音」だけに限定することとしている。すなわち、図柄変動の実行中にチャンネル使用の制限を発生させたとしても、該図柄変動で大当り図柄が現れるかについての演出に制限はかけられず好適に実行されることから、図柄変動の実行中にチャンネル使用の制限をかけたときの遊技興趣の低下は抑制されるようになる。
なお、上記構成では、各種の遊技音のうちチャンネル使用の制限対象の候補とされる音の種別としてこれを複数用意(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)し、チャンネル制限レベルが高くなるにつれて(最小空きチャンネル数が小さい図柄変動であるほど)、チャンネル使用の制限対象とされる音の種別数を増加させることとした。ただし、空きチャンネルの数が実際に0になるよりも前の段階からその出力に関連する処理の実行に制限をかけて、且つ空きチャンネルの数が少なくなるにつれて実行制限される割合を高くさせる手法としてはこれに限られず、例えば、以下に図218を参照して説明する手法を採用するようにしてもよい。
図218は、チャンネル制限レベルの別に定められる制限内容についての別例を示す図である。
同図218に示されるように、この別例では、上記ステップS3103の処理において特定された「最小空きチャンネル数」や、上記ステップS3104の処理において特定されたチャンネル制限レベルに応じて、チャンネル使用に制限をかけるか否かについての制限抽選を行う。ただしここでは、チャンネル使用の制限対象の候補とされる音を複数用意せず、該制限抽選において制限をかける旨の判定結果が得られたときは、一の遊技音(例えば、音量調整完了音など)に対してのみチャンネル使用にかかる制限処理を行うようにしている。
例えば、この別例においてチャンネル制限レベルが0(最小空きチャンネル数が12以上)である場合、制限抽選において制限をかける旨の判定結果が得られる確率は0/100にされており、チャンネル使用の制限対象とされる特定遊技音(例えば、音量調整完了音)に対してチャンネル使用にかかる制限処理が実行されることはない。
ただし、チャンネル制限レベルが1以上になると、その値が大きくなるにつれて制限抽選において制限をかける旨の判定結果が得られる確率が高くされるなるようになっており、チャンネル制限レベルが1(最小空きチャンネル数が6〜11)である場合における同確率は25/100であり、チャンネル制限レベルが2(最小空きチャンネル数が2〜5)である場合における同確率は50/100であり、チャンネル制限レベルが3(最小空きチャンネル数が0,1)である場合における同確率は100/100である。そして、この別例では、制限抽選において制限をかける旨の判定結果が得られた場合は、チャンネル制限レベルにかかわらず同じ内容でチャンネル使用にかかる制限処理が実行されるようにしている。
このような構成であっても、遊技が進行されるなかで、音が割り当てられていない状態にある空きチャンネルの数が所定数未満になる図柄変動が実行される場合、同空きチャンネルの数が所定数未満にならない図柄変動が実行される場合に比べて、各種の遊技音のうち少なくとも一部の遊技音の出力に関連する処理の実行を制限する割合が高くされるようになる。すなわちこの場合、遊技音のうちの一部の遊技音(音量調整完了音)については、空きチャンネルの数が実際に0になるよりも前の段階からその出力に関連する処理の実行に制限がかけられ、且つ空きチャンネルの数が少なくなるにつれて実行制限される割合が高くされるようになることから、図柄変動の実行中に空きチャンネルの数が0になってしまうような事態の発生を好適に抑制することが期待されるようになる。
また、上記構成によれば、図柄変動の実行期間中に特定音(音量調整完了音)が再生されるか否かを確認するようにすることで、当該図柄変動の実行期間中における最小空きチャンネル数に余裕がなくなる可能性を推測することが可能とされるようになり、その推測に見合った遊技進行(入賞やボタン操作など)を促すことができるようになる。
なお、図217や図218で例示した構成では、演出パターンに基づいて各種の予告演出にかかる判定処理を実行した後にそれら予告演出の発生状況から最小空きチャンネル数を特定し、該特定した最小空きチャンネル数に基づいてチャンネル制限レベルを設定することとしたが、必ずしもこれに限られない。例えば、図柄変動期間中に最大でどれだけの音が同時にチャンネル割り当てされた状態になるかについては演出パターン毎に予め想定可能であることから、演出パターンの別にチャンネル不足の生じ易さを予め分類しておく。そして、演出パターンが決定されたときに、該演出パターンが予め分類されているチャンネル不足の生じ易さが高いほど、チャンネル制限する割合が高くなるようにしてもよい。すなわちこの場合、多くのチャンネルを同時使用する傾向にある特定種別の演出パターンが実行されると、実際にはボタン操作がなかったり、各種入賞が発生せずに多くのチャンネルが使用されず空きチャンネルの数に余裕がある場合であっても、その図柄変動の実行中は遊技音の出力に関連する処理の実行が制限されうる事態が生じることとなるが、簡単な処理を行うだけで空きチャンネルの数が0になることを回避することができるようになる点では極めて有益であるし、このような処理を実行した場合であっても、「図柄変動中における空きチャンネルの数が相対的に少ないときには遊技音の出力に関連する処理の実行が制限される割合が高くなり、図柄変動中における空きチャンネルの数が相対的に多いときには遊技音の出力に関連する処理の実行が制限される割合が低くなる」といった現象が現れるだけであり、遊技者側からしても特に違和感のない現象であるから遊技興趣についても好適に維持することが期待されるようになる。またこの場合、音が制限されたか否かを確認するようにすることで、チャンネル不足の生じ易い演出パターンである可能性を推測することが可能とされるようになる。
また、図217や図218で例示した構成やそれらの別例では、図柄変動を一単位としたチャンネル制限を実行するようにしたが、一の図柄変動内で演出内容が進展されるなかでチャンネル制限レベルを可変させ、その都度のチャンネル制限レベルに応じたチャンネル制限を実行するようにしてもよい。若しくは、複数回の図柄変動にわたって特定の演出モードが実行される場合など、所定の制限条件が満たされたときには複数回の図柄変動にわたってチャンネル制限レベルを特定値にて不変とし、該チャンネル制限レベルに応じてチャンネル制限を実行するようにしてもよい。
ところで、図217や図218で例示した構成やそれらの別例では、チャンネル使用の制限対象とされる音として、パチンコ機1において最も重要な「大当り判定に関わる演出音」ではなく、それ以外の「入賞に伴う音」や、「普通判定に関わる演出音」、「音量調整に関わる音」のみを採用することとした。しかしながら、これらの音には、演出音に比べて発生頻度が低いものも含まれていることから、空きチャンネルをより効果的に確保可能とする制限処理を実現する上では、「大当り判定に関わる演出音」についても制限対象として採用するようにすることが望まれる。ただしその一方で、「大当り判定に関わる演出音」に対して上述の制限処理を実行すると、演出音が再生されないことで盛り上がりに欠けた演出に成り下がってしまうことが懸念され、このような状況にあるなかで大当り図柄が停止されるようなことがあると遊技興趣が低下するおそれがある。
この点、図217や図218で例示した構成やそれらの別例にあって、「大当り判定に関わる演出音」のうち、「保留状態にあり将来消化される図柄変動に関する演出」に限りその演出音のチャンネル使用を制限するようにすれば(例えば、図218やその別例において制限対象とされる特定遊技音として採用するようにすれば)、実行中の図柄変動の結果に関わる演出に対しては何ら制限をかけずに、発生頻度の高い演出音を制限対象として採用することができるようになる。
例えば、図柄変動が実行されている期間中に、第一始動口2002または第二始動口2004への入賞が発生してこれに応じた大当り判定が保留状態にされる場合、通常は、該保留状態にされた大当り判定に関して先読み演出を行うかについての判定処理を行う。なおこの結果、特別の結果が得られたときには該保留状態にされた大当り判定が大当りに当選するものであるかについての期待度を事前示唆する先読み演出(演出表示、演出音)を行うこととなる。
ただし、使用チャンネル数が多くなって空きに不安が生じるような事態(最小空きチャンネル数が0,1の図柄変動が実行中の状態など)になり、チャンネル使用の制限対象として、「保留状態にあり将来消化される図柄変動に関する演出に応じた演出音」が対象にされている場合は、第一始動口2002または第二始動口2004への入賞が発生してこれに応じた大当り判定が保留状態にされたとしても、保留状態にされた大当り判定に関して先読み演出についての判定処理これ自体を実行せず、先読み演出とこれに応じた演出音との両方が行われないようにする。
このような構成によれば、使用チャンネル数が多くなって空きに不安が生じるような事態になると、実行中の図柄変動ではない将来分の図柄変動に関する演出にあてがわれるチャンネル分を、実行中の変動に関する演出音に対して供給することができるようになることから、実行中の図柄変動の結果に関わる演出に対しては何ら悪影響を及ぼすことなく、発生頻度の高い演出音を制限対象にすることができるようになる。また、制限対象にする演出は、「未実行の状態にある将来分の図柄変動に関する演出」のみであり、制限対象にされた図柄変動であっても、将来、これが保留消化されたときには制限対象にされない図柄変動中演出(演出パターンに応じた演出内容)が必ず実行されるようになることから、演出を制限対象にすることによる遊技興趣の低下も好適に抑制されるようになる。
また、「大当り判定に関わる演出音」を制限対象にするとき、演出(演出表示、演出音)のうち演出音のみを制限対象(音出力なし)にしてしまうと、盛り上がりに欠けた演出に成り下がってしまい遊技興趣を逆に低下させかねない状況になりうるが、上記構成では、使用チャンネル数が多くなって空きに不安が生じるような事態になると、入賞して大当り判定が保留状態にされるときに先読み演出についての判定処理これ自体を実行せず、先読み演出に関する演出表示と演出音との両方を行わないようにしたことから、先読み判定にて特別の結果(先読み当選)が得られなかったときと同じ演出状況(先読み演出が実行されないときの保留表示)になるだけであり、盛り上がりに欠けた演出実行による遊技興趣の低下を好適に回避することができるようになる。
なお、「大当り判定に関わる演出音」を制限対象にするとき、入賞して大当り判定が保留状態にされるときに先読み演出についての判定処理これ自体を実行せず、先読み演出に関する演出表示と演出音との両方を行わないようにしたが、これに限られない。例えば、「大当り判定に関わる演出音」を制限対象にするとき、入賞したときに先読み演出についての判定処理は行うが、特別の結果が得られたとしても図柄変動中における特定タイミングが到来するまでは先読み演出に関する演出表示と演出音との両方を実行せずこれらを制限するようにして、図柄変動中における特定タイミングが到来したときに、演出表示と演出音とのうちの演出表示に対する制限のみを解除してこれを行うようにしてもよい。すなわちこの場合、「大当り判定に関わる演出音」が制限対象にされていないとき(通常時)とは異なる、専用の態様(タイミング)で先読み演出に関する演出表示が行われるようになり、且つ特別の結果(先読み当選)が得られなかったかのように見せた後に先読み演出が実行されるようになることから、先読み演出に応じた演出音を出力させないことによる遊技興趣の低下を抑制しつつ先読み演出を好適に行うことができるようになる。
また、チャンネル使用が制限されている状況下における将来演出に関する処理として、
・入賞したときに先読み演出についての判定処理は行うが、特別の結果が得られたとしても図柄変動中における特定タイミングが到来するまでは先読み演出に関する演出表示と演出音との両方を実行せずこれらを制限するようにして、図柄変動中における特定タイミングが到来したときに、演出表示と演出音とのうちの演出表示に対する制限のみを解除してこれを行う
といった構成を第1の制限下処理とし、
・入賞したときに先読み演出についての判定処理これ自体を実行せず、先読み演出に関する演出表示と演出音との両方を行わない
といった構成を第2の制限下処理としたとき、遊技が進行されるなかで、音が割り当てられていない状態にある空きチャンネルの数が所定数未満になる図柄変動が実行される場合、同空きチャンネルの数が所定数未満にならない図柄変動が実行される場合に比べて、第1の制限下処理及び第2の制限下処理のいずれかが実行される割合が高くされるようにするとともに、第1の制限下処理が行われるときに実行状態にあった図柄変動内で使用されるチャンネルの数の期待値を「A」、第2の制限下処理が行われるときに実行状態にあった図柄変動内で使用されるチャンネルの数の期待値を「B」とするとき、それらの関係が「A<B」なる関係となるように、それら第1の制限下処理及び第2の制限下処理のいずれかが実行されるようにすることがより望ましい。すなわちこの場合、使用チャンネル数が多くなって空きにより大きな不安が生じるようになるにつれて、演出音のみを制限対象にした第1の制限下処理ではなく、演出表示と演出音との両方を制限対象にした第2の制限下処理によってチャンネル制限がかけられる割合が高くなるようになることから、使用チャンネル数が多くなったときの不安感をより好適に抑制することが期待されるようになる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記ディスクリート部品とは、単機能素子(一の電気的機能を有する素子(抵抗素子など))のみが封入された電子部品のことであり、例えば、特定機能を持った素子が2,3個で1つのパッケージに封入されるような部品も含む概念である。
すなわち、実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、同様の作用効果を奏することができる。