JP2006113366A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁誘導加熱方式の加熱装置において、より確実に静電オフセットを防止すること。
【解決手段】可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記離型層を絶縁とし、前記弾性層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して前記弾性層を接地する。
【選択図】図1
【解決手段】可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記離型層を絶縁とし、前記弾性層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して前記弾性層を接地する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真装置、静電記録装置等の画像形成装置に用いられ、電磁誘導を利用して渦電流を発生させて加熱し、被記録材上に形成された未定着トナー画像を定着する加熱装置に関するものである。
未定着トナー画像の加熱装置としては、従来から熱ローラ方式、フィルム加熱方式等の接触加熱方式が広く用いられている。近年では、加熱源として電磁誘導方式を用いた加熱装置が提案されている。
又、カラーの加熱装置では、トナー層が最大4層まで重ねられることがあり、被記録材とトナー層との界面まで十分に加熱しないと定着不良が発生する場合がある。このため、前記トナー層を被記録材に確実に定着するため、前記トナー層を包み込むようにしっかりと保持するための弾性層を有する加熱装置が一般的である。
ところで、上述した定着装置においては被記録材(転写材)上のトナーが定着部材(定着フィルム)に静電的に転移し、その後の画像を汚す、所謂静電オフセットが発生することがある。定着部材の表面電位が被記録材からトナーの保持電荷がリークする場合に、被記録材表面にトナーを引き付ける電界が形成されて発生する。
これらの静電オフセットを防止するために、特許文献1においては、磁場発生手段と、前記磁場発生手段の磁場の作用により電磁誘導発熱する誘導発熱部材と、磁場発生手段と誘導発熱部材を隔てるとともに、磁場発生手段を支持する絶縁性支持部材と、誘導発熱部材と相互圧接して被加熱材を挟持搬送して誘導発熱部材の熱により被加熱材を加熱する加熱ニップ部を形成する加圧部材を有する電磁誘導加熱方式の加熱装置で、定着部材である誘導発熱部材が従来の定着装置のような芯金を持ったローラ形状ではない加熱装置において、導電性を有する誘導発熱層を接地する、又はバイアスを印加する提案がなされている。
しかしながら、弾性層の下地である誘導発熱層を接地しても静電的に発生するオフセットの抑制効果が不十分である場合があった。
そこで、本発明は、上記のような電磁誘導加熱方式の加熱装置において、より確実に静電オフセットを防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記離型層を絶縁とし、前記弾性層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して前記弾性層を接地することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記離型層を絶縁とし、前記弾性層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して前記弾性層にバイアスを印加するバイアス印加手段を接続することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記弾性層は体積抵抗Rが103 ≦R≦109[Ω・cm]であり、厚さtS が100≦tS ≦500[μm]であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記離型層を絶縁とし、前記中間層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して前記中間層を接地することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記離型層を絶縁とし、前記中間層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して前記中間層にバイアスを印加するバイアス印加手段を接続することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の発明において、前記中間層は体積抵抗Rが103 ≦R≦109[Ω・cm]であり、厚さtI が5≦tI ≦50[μm]であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記中間層及び前記弾性層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して、前記中間層及び弾性層の少なくとも何れか一方を接地することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記中間層及び前記弾性層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して、前記中間層及び弾性層の少なくとも何れか一方にバイアスを印加するバイアス印加手段を接続することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の発明において、前記中間層及び前記弾性層は体積抵抗Rが103 ≦R≦109[Ω・cm]であり、厚さtISが105≦tIS≦550[μm]であることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9の何れかに記載の発明において、前記離型層は、表面抵抗が1011[Ω/cm2 ]以上であり、厚さtR が10≦tR ≦50[μm]であることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1〜10の何れかに記載の発明において、前記加圧部材表面は導電であり、接地されていることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項1〜11の何れかに記載の発明において、前記回転体は、磁場発生手段の磁界の作用で電磁誘導発熱する回転体であり、前記ベース層は電磁誘導発熱層であることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、画像形成装置を、被記録材に画像を形成する画像形成手段と、請求項1〜12の何れかに記載の加熱装置を具備し、前記加熱装置を前記画像形成手段により被記録材上に形成した画像を加熱処理する加熱装置として備えるものとしたことを特徴とする。
本発明によれば、
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
(1)画像形成装置例
図10は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真カラープリンタである。
(1)画像形成装置例
図10は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真カラープリンタである。
101は有機感光体やアモルファスシリコン感光体でできた感光体ドラム(像担持体)であり、矢示の反時計方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
感光体ドラム101は、その回転過程で帯電ローラ等の帯電装置102で所定の極性・電位の一様な帯電処理を受ける。
次いで、その帯電処理面にレーザ光学箱(レーザスキャナー)110から出力されるレーザ光103による、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。レーザ光学箱110は不図示の画像読み取り装置等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光103を出力して回転感光体ドラム101面に走査露光した目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。109はレーザ光学箱110からの出力レーザ光を感光体ドラム101の露光位置に偏向させるミラーである。
フルカラー画像形成の場合は、目的のフルカラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー現像器104Yの作動でイエロートナー画像として現像される。そのイエロートナー画像は、感光体ドラム101と中間転写体ドラム105との接触部(或は近接部)である1次転写部T1において中間転写体ドラム105の面に転写される。中間転写体ドラム105面に対するトナー画像転写後の回転感光体ドラム101面はクリーナ107により転写残りトナー等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
上記のような帯電・走査露光・現像・一次転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画像の第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画像、マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成分画像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104Cが作動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、黒現像器104BKが作動)の各色分解成分画像について順次実行され、中間転写体ドラム105面にイエロートナー画像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像・黒トナー画像の都合4色のトナー画像が順次重ねて転写されて、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像が合成形成される。
中間転写体ドラム105は、金属ドラム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光体ドラム101に接触して或は近接して感光体ドラム101と略同じ周速度で矢示の時計方向に回転駆動され、中間転写体ドラム105の金属ドラムにバイアス電位を与えて感光体ドラム101との電位差で感光体ドラム101側のトナー画像を前記中間転写体ドラム105面側に転写させる。
上記の回転中間転写体ドラム105面に合成形成されたカラートナー画像は、前記回転中間転写体ドラム105と転写ローラ106との接触ニップ部である二次転写部T2において、前記二次転写部T2に不図示の給紙部から所定のタイミングで送り込まれた被記録材Pの面に転写されていく。転写ローラ106は被記録材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで中間転写体ドラム105面側から被記録材P側へ合成カラートナー画像を順次に一括転写する。
二次転写部T2を通過した被記録材Pは、中間転写体ドラム105の面から分離されて像加熱装置100へ導入され、未定着トナー画像の加熱定着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不図示の排紙トレーに排出される。加熱装置100については次の(2)項で詳述する。
被記録材Pに対するカラートナー画像転写後の回転中間転写体ドラム105は、クリーナ108により転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。このクリーナ108は、常時は中間転写体ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写体ドラム105から被記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105に接触状態に保持される。
又、転写ローラ106も常時は中間転写体ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写体ドラム105から被記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105に被記録材Pを介して接触状態に保持される。
本例装置は、白黒画像等のモノカラー画像のプリントモードも実行できる。又、両面画像プリントモード、或は多重画像プリントモードも実行できる。
両面画像プリントモードの場合は、加熱装置100を出た1面目画像プリント済みの被記録材Pは、不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び二次転写部T2へ送り込まれて2面に対するトナー画像転写を受け、再度、加熱装置100に導入されて2面に対するトナー画像の定着処理を受けることで両面画像プリントが出力される。
多重画像プリントモードの場合は、加熱装置100を出た1回目画像プリント済みの被記録材Pは、不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再び二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント済みの面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、加熱装置100に導入されて2回目のトナー画像の定着処理を受けることで多重画像プリントが出力される。
(2)加熱装置100
本例において加熱装置100は電磁誘導加熱方式の装置である。図2は本例の加熱装置100の要部の横断側面模型図、図3は要部の正面模型図、図4は要部の縦断正面模型図である。
本例において加熱装置100は電磁誘導加熱方式の装置である。図2は本例の加熱装置100の要部の横断側面模型図、図3は要部の正面模型図、図4は要部の縦断正面模型図である。
磁場発生手段は磁性コア17a,17b,17c及び励磁コイル18から成る。
磁性コア17a,17b,17cは、高透磁率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったトランスのコアに用いられる材料が良く、より好ましくは100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いるのが良い。
励磁コイル18には給電部18a,18bに励磁回路27(図5)を接続してある。この励磁回路27は20kHzから500kHzの高周波をスイッチング電源で発生できるようになっている。
励磁コイル18は励磁回路27から供給される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発生する。
16a,16bは横断面略半円弧状樋型のフィルムガイド部材であり、開口側を互いに向かい合わせて略円柱体を構成し、外側に円筒状の電磁誘導性発熱フィルムである定着フィルム10をルーズに外嵌させてある。
前記フィルムガイド部材16aは、磁場発生手段としての磁性コア17a,17b,17cと励磁コイル18を内側に保持している。
又、フィルムガイド部材16aには、図4に示すように、摺動部材40がニップ部Nの加圧ローラ30との対向面側で、定着フィルム10の内側に配設してある。
22はフィルムガイド部材16bの内面平面部に当接させて配設した横長の加圧用剛性ステイである。
19は磁性コア17a,17b,17c及び励磁コイル18と加圧用剛性ステイ22の間を絶縁するための絶縁部材である。
フランジ部材23a,23bは、フィルムガイド部材16a,16bのアセンブリの左右両端部に外嵌し、前記左右位置を規制部材24a,24bで固定しつつ回転自在に取り付け、定着フィルム10の回転時に前記定着フィルム10の端部を受けて定着フィルムのフィルムガイド部材長手に沿う寄り移動を規制する役目をする。
フランジ部材23a,23bの材質としては、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、フッ素樹脂(PFA、PTFE、FEP等)、LCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマー)樹脂、これらの混合樹脂等の耐熱性の良い材料から成る厚さ0.5〜3mmのものが好ましく、導電性を付与するために、例えば、ケッチェンブラック等のカーボンブラックやアルミニウム等の金属紛を用いることができる。
加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金30aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性材層30bとで構成されており、表層に離型層30cを設けてある。加圧ローラ30は、導電性を確保するために弾性層30bと離型層30cは導電性の材料を用いる。例えば、離型層30cは、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性且つ耐熱性の良い材料を選択することができる。又、弾性層30bは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性が良く、熱伝導率が良い材質が好ましい。離型層及び弾性層は、例えば、ケッチェンブラック等のカーボンブラックやアルミニウム等の金属紛を混ぜることで導電性を付与することができる。
芯金30aの両端部は、装置の不図示のシャーシ側板金間に導電性軸受けを介して回転自由に保持させて配設してある。
加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材29a,29bとの間にそれぞれ加圧バネ25a,25bを縮設することで、加圧用構成ステイ22に押し下げ力を作用させている。これによりフィルムガイド部材16aの下面と加圧ローラ30の上面とが定着フィルム10を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
加圧ローラ30は、駆動手段Mにより矢示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動による前記加圧ローラ30と定着フィルム10の外面との摩擦力で定着フィルム10に回転力が作用し、前記定着フィルム10がその内面が定着ニップNにおいて摺動部材40の下面に密着して摺動しながら矢示の時計方向に加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周速度をもってフィルムガイド部材16a,16bの外回りを回転状態になる。
この場合、定着ニップ部Nにおける摺動部材40の下面と定着フィルム10の内面との相互摺動摩擦力を低減化させるために定着ニップ部Nの摺動部材40の下面と定着フィルム10の内面との間に耐熱性グリス等の潤滑剤を介在させることができる。
又、図5に示すように、フィルムガイド部材16aの周面に、その長手に沿い所定の間隔を置いて凸リブ部16eを形成具備させ、フィルムガイド部材16aの周面と定着フィルム10の内面との接触摺動抵抗を低減させて定着フィルム10の回転負荷を少なくしている。このような凸リブ部はフィルムガイド部材16bにも同様に形成具備することができる。
図6は交番磁束の発生の様子を模式的に表したものである。磁束Cは発生した交番磁束の一部を表す。
磁性コア17a,17b,17cに導かれた交番磁束(C)は、磁性コア17aと磁性コア17bとの間、そして磁性コア17aと磁性コア17cとの間において定着フィルム10の電磁誘導発熱層1に渦電流を発生させる。この渦電流は、電磁誘導発熱層1の固有抵抗によって電磁誘導発熱層1にジュール熱(渦電流損)を発生させる。ここでの発熱量Qは電磁誘導発熱層1を通る磁束の密度によって決まり、図6のグラフような分布を示す。図6のグラフは、縦軸が磁性コア17aの中心を0とした角度θで表した定着フィルム10における円周方向の位置を示し、横軸が定着フィルム10の電磁誘導発熱層1での発熱量Qを示す。ここで、発熱域Hは最大発熱量をQとした場合、発熱量がQ/e以上の領域と定義する。これは、定着に必要な発熱量が得られる領域である。
この定着フィルム10の温度は、不図示の温度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるように温調される。28は、定着フィルム10の温度を検知するサーミスタ等の温度センサであり、本例においては、温度センサ28で測定した定着フィルム10の温度情報に基づいて定着フィルム10の温度を制御するようにしている。
而して、定着フィルム10が回転し、励磁回路27から励磁コイル18への給電により上記のように定着フィルム10の電磁誘導発熱がなされて定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像tが形成された被記録材Pが定着ニップ部Nの定着フィルム10と加圧ローラ30との間に画像面が上向き、即ち定着フィルム面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着フィルム10の外面に密着して定着フィルム10と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この定着ニップ部Nを定着フィルム10と一緒に被記録材Pが挟持搬送されていく過程において定着フィルム10の電磁誘導発熱で加熱されて被記録材P上の未定着トナー画像tが加熱定着される。被記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると定着フィルム10の外面から分離して排出搬送されていく。被記録材上の加熱定着トナー画像は、定着ニップ部通過後、冷却して永久固着像となる。
本例においては、図2に示すように、定着フィルム10のこの発熱域H(図6)の対向位置に暴走時の励磁コイル18への給電を遮断するため温度検知素子であるサーモスイッチ50を配設している。
図7は本例で使用した安全回路の回路図である。
温度検知素子であるサーモスイッチ50は+24VDC電源とリレースイッチ51と直列に接続されており、サーモスイッチ50が切れると、リレースイッチ51への給電が遮断され、リレースイッチ51が動作し、励磁回路27への給電が遮断されることにより励磁コイル18への給電を遮断する構成を採っている。サーモスイッチ50は、OFF動作温度を220℃に設定した。
又、サーモスイッチ50は定着フィルム10の発熱域Hに対向して定着フィルム10の外面に非接触に配設した。サーモスイッチ50と定着フィルム10との間の距離は略2mmとした。これにより、定着フィルム10にサーモスイッチ50の接触による傷が付くことがなく、耐久による定着画像の劣化を防止することができる。
本例によれば、定着ニップNに紙が挟まった状態で定着器が停止し、励磁コイル18に給電が続けられ定着フィルム10が発熱し続けた場合でも、紙が挟まっている定着ニップ部Nでは発熱していないために紙が直接加熱されることがない。又、発熱量が多い発熱域Hには、サーモスイッチ50が配設してあるため、サーモスイッチ50が220℃を感知して、サーモスイッチが切れた時点で、リレースイッチ51により励磁コイル18への給電が遮断される。
本例によれば、紙の発火温度は約400℃近辺であるために紙が発火することなく、定着フィルムの発熱を停止することができる。
温度検知素子としてサーモスイッチの他に温度ヒューズを用いることもできる。
A)励磁コイル18
励磁コイル18は、コイル(線輪)を構成させる導線(電線)として、1本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、これを複数回巻いて励磁コイルを形成している。本例では10ターン巻いて励磁コイル18を形成している。
励磁コイル18は、コイル(線輪)を構成させる導線(電線)として、1本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、これを複数回巻いて励磁コイルを形成している。本例では10ターン巻いて励磁コイル18を形成している。
絶縁被覆は、定着フィルム10の発熱による熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのが望ましい。例えば、ポリアミドイミドやポリイミド等の被覆を用いると良い。
励磁コイル18は外部から圧力を加えて密集度を向上させても良い。
励磁コイル18の形状は、図2のように発熱層の曲面に沿うようにしている。本例では定着フィルムの発熱層と励磁コイル18との間の距離は略2mmになるように設定した。
励磁コイル保持部材19の材質としては絶縁性に優れ、耐熱性がよいものが良い。例えば、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂、LCP樹脂等を選択すると良い。
磁性コア17a,17b,17c及び励磁コイル18と、定着フィルムの発熱層の間の距離はできる限り近づけた方が磁束の吸収効率が高いのであるが、この距離が5mmを超えるとこの効率が著しく低下するため5mm以内にするのが良い。又、5mm以内であれば定着フィルム10の発熱層と励磁コイル18の距離が一定である必要はない。
励磁コイル18の励磁コイル保持部材19からの引出線、即ち18a,18b(図5)については、励磁コイル保持部材19から外の部分について束線の外側に絶縁被覆を施している。
B)定着フィルム10
図9は本例における定着フィルム10の層構成模型図である。
図9は本例における定着フィルム10の層構成模型図である。
本例の定着フィルム10は、電磁誘導発熱性の定着フィルム10の基層となる金属フィルム等でできた発熱層1と、その外面に積層した弾性層2と、弾性層2と離型層3との間の接着のための中間層5と、その外面に積層した離型層3の複合構造のものである。発熱層1と弾性層2との間の接着のためプライマー層(不図示)を設けても良い。略円筒形状である定着フィルム10において発熱層1が内面側であり、離型層3が外面側である。前述したように、発熱層1に交番磁束が作用することで前記発熱層1に渦電流が発生して前記発熱層1が発熱する。その熱が弾性層2・離型層3を介して定着フィルム10を加熱し、前記定着ニップNに通紙される被加熱材としての被記録材Pを加熱してトナー画像の加熱定着がなされる。
a.発熱層1
発熱層1は、ニッケル、鉄、強磁性SUS、ニッケル−コバルト合金といった強磁性体の金属を用いると良い。
発熱層1は、ニッケル、鉄、強磁性SUS、ニッケル−コバルト合金といった強磁性体の金属を用いると良い。
非磁性の金属でも良いが、より好ましくは磁束の吸収の良いニッケル、鉄、磁性ステンレス、コバルト−ニッケル合金等の金属が良い。
その厚みは次の式で表される表皮深さより厚く且つ200μm以下にすることが好ましい。表皮深さσ[m]は、励磁回路の周波数f[Hz]と透磁率μと固有抵抗ρ[Ωm]で
σ=503×(ρ/fμ)1/2
と表される。
σ=503×(ρ/fμ)1/2
と表される。
これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強度は1/e以下になっており、逆に言うと殆どのエネルギーはこの深さまでで吸収されている(図8)。
発熱層1の厚さは好ましくは1〜100μmが良い。発熱層1の厚みが1μmよりも小さいと殆どの電磁エネルギーが吸収し切れないため効率が悪くなる。又、発熱層が100μmを超えると剛性が高くなり過ぎ、又、屈曲性が悪くなり、回転体として使用するには現実的ではない。従って、発熱層1の厚みは1〜100μmが好ましい。
b.弾性層2
弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性が良く、熱伝導率が良い材質である。
弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性が良く、熱伝導率が良い材質である。
又、体積抵抗Rが103 ≦R≦109[Ω・cm]の導電性を有する。導電性を付与するために、例えば、ケッチェンブラック等のカーボンブラックやアルミニウム等の金属紛を用いることができる。
弾性層2の厚さts は50≦ts ≦500[μm]が好ましい。この弾性層2は定着画像品質を保証するために必要な厚さである。カラー画像を印刷する場合、特に写真画像などでは被記録材P上で大きな面積に渡ってベタ画像が形成される。この場合、被記録材の凹凸或はトナー層の凹凸に加熱面(離型層3)が追従できないと加熱ムラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に光沢ムラが発生する。伝熱量が多い部分は光沢度が高く、伝熱量が少ない部分では光沢度が低い。弾性層2の厚さとしては、50μm以下では被記録材或はトナー層の凹凸に追従し切れず画像光沢ムラが発生してしまう。又、弾性層2が500μm以上の場合には弾性層の熱抵抗が大きくなり、温度のレスポンスが低下する。より好ましくは弾性層2の厚みtS
は100≦S ≦500[μm]が良い。
は100≦S ≦500[μm]が良い。
弾性層2の硬度は、硬度が高過ぎると被記録材或はトナー層の凹凸に追従し切れず画像光沢ムラが発生してしまう。そこで、弾性層2の硬度としては60゜(JIS−A)以下、より好ましくは45゜(JIS−A)以下が良い。
弾性層2の熱伝導率λに関しては、0.25〜0.84[W/m・℃]が良い。熱伝導率λが0.25[W/m・℃]よりも小さい場合には、熱抵抗が大きく、定着フィルムの表層(離型層3)における温度上昇が遅くなる。熱伝導率λが0.84[W/m・℃]よりも大きい場合には、硬度が高くなり過ぎたり、圧縮永久歪みが悪化したりする。よって、熱伝導率λは0.25〜0.84[W/m・℃]が良い。よリ好ましくは0.33〜0.63[W/m・℃]が良い。
c.中間層5
中間層5は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性が良く、熱伝導率が良い材質であり、弾性層2と離型層3との間を接着するためのプライマー層として機能する。厚さtI
が5≦tI ≦50[μm]が良い。
中間層5は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性が良く、熱伝導率が良い材質であり、弾性層2と離型層3との間を接着するためのプライマー層として機能する。厚さtI
が5≦tI ≦50[μm]が良い。
中間層5の硬度は、硬度が高過ぎると被記録材或はトナー層の凹凸に追従し切れず画像光沢ムラが発生してしまう。そこで、中間層5の硬度としては60゜(JIS−A)以下、より好ましくは45゜(JIS−A)以下が良い。
中間層5の熱伝導率λに関しては、0.25〜0.84[W/m・℃]が良い。熱伝導率λが0.25[W/m・℃]よりも小さい場合には、熱抵抗が大きく、定着フィルムの表層(離型層3)における温度上昇が遅くなる。熱伝導率λが0.84[W/m・℃]よりも大きい場合には、硬度が高くなり過ぎたり、圧縮永久歪みが悪化したりする。よって熱伝導率λは0.25〜0.84[W/m・℃]が良い。よリ好ましくは0.33〜0.63[W/m・℃]が良い。
d.離型層3
離型層3は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性且つ耐熱性の良い材料を選択することができる。
離型層3は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性且つ耐熱性の良い材料を選択することができる。
離型層3は表面抵抗が1011[Ω/cm2 ]以上の絶縁性をする。
離型層3の厚さtR は10≦tR ≦50[μm]が好ましい。離型層3の厚さが10[μm]よりも小さいと塗膜の塗ムラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足するといった問題が発生する。又、離型層が100[μm]を超えると熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂系の離型層の場合は硬度が高くなり過ぎ、弾性層2の効果がなくなってしまう。より好ましくは厚さtR
が10≦tR ≦50[μm]が良い。又、離型層3は予めチューブ状に成型されたものでも良い。
が10≦tR ≦50[μm]が良い。又、離型層3は予めチューブ状に成型されたものでも良い。
e.断熱層4
図10に示すように、定着フィルム10構成において、発熱層1のフィルムガイド面側(発熱層1の弾性層2とは反対面側)に断熱層4を設けても良い。
図10に示すように、定着フィルム10構成において、発熱層1のフィルムガイド面側(発熱層1の弾性層2とは反対面側)に断熱層4を設けても良い。
断熱層4としては、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂等の耐熱樹脂が良い。
又、断熱層4の厚さとしては10〜1000μmが好ましい。断熱層4の厚さが10μmよりも小さい場合には断熱効果が得られず、又、耐久性も不足する。一方、1000μmを超えると磁性コア17a,17b,17c及び励磁コイル18から発熱層1距離が大きくなり、磁束が十分に発熱層1吸収されなくなる。
断熱層4は、発熱層1に発生した熱が定着フィルムの内側に向かわないように断熱できるので、断熱層4がない場合と比較して被記録材P側への熱供給効率が良くなる。よって、消費電力を抑えることができる。
又、樹脂を用いることで、摺動板との間の摩擦抵抗を低減することができ、駆動トルクの低減を図ることもできる。
図1に定着フィルム10と加圧ローラ30の接地形態を示す。尚、本例ではトナーはマイナス帯電するネガトナーを用いて説明する。
又、図12に定着フィルム10の導電性の弾性層2は導電性のフランジ部材23a,23b、導電性の規制部材24a,24bを介して接地される。
加圧ローラ30は前述の通り導電性部材で構成されており、芯金を接地することにより加圧ローラの表面電位はほぼ0Vとなる。
加圧ローラに対して定着フィルムが従動で回転するため、定着フィルムは、摺擦により離型層表面がマイナスに帯電する。定着器の前回転を開始してから被記録材Pが定着ニップに到達するまでの間に−500V程度に帯電される。しかし、紙種によっては通紙によって定着フィルムの表面電位が低下する。表面電位の低下率は紙種によって異なるが、連続通紙により弾性層2が絶縁性の場合は0V程度まで低下する場合がある。
本発明では、弾性層2を導電化することで、弾性層が絶縁の場合と比較して絶縁層の厚さが薄くなるため、静電容量は「離型層のみが絶縁層」>「離型層+弾性層が絶縁層」となり定着フィルム表層の静電容量は増加する。離型層3は、静電容量が増加すると同電位でも電荷量が増加するために表面電位の保持時間が長くなる。よって、紙間における加圧ローラと定着フィルムの摺擦による再帯電によって、連続通紙を行って定着フィルム表面電位が安定したところでもマイナス−100V程度に保つことが可能になる。本発明により静電オフセットの発生しない良好な定着画像を得ることが可能となる。
尚、本実施の形態では、トナーに低軟化物質を含有させたトナーを使用したため、加熱装置100にオフセット防止のためのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を含有させていないトナーを使用した場合には、オイル塗布機構を設けても良い。又、定着ニップ後に冷却部を設けて、冷却分離を行っても良い。又、低軟化物質を含有させたトナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行っても良い。又、4色カラー画像形成装置について説明したが、モノクロ或は1パスマルチカラー画像形成装置に適用しても良い。
<実施の形態2>
本実施の形態においては、実施の形態1において中間層5を導電とした以外は実施の形態1と同様の構成である。尚、前記実施の形態1と同様に構成されるものは同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態においては、実施の形態1において中間層5を導電とした以外は実施の形態1と同様の構成である。尚、前記実施の形態1と同様に構成されるものは同一の符号を付して説明を省略する。
中間層5は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性が良く、熱伝導率が良い材質である。又、体積抵抗Rが103 ≦R≦109[Ω・cm]の導電性を有し、厚さtI が5≦tI ≦50[μm]が良い。
導電性を付与するために、例えば、ケッチェンブラック等のカーボンブラックやアルミニウム等の金属紛を用いることができる。
中間層5を導電性とすることにより、導電性を有する層が絶縁性の離型層3により近づくため、絶縁層である離型層3の静電容量を実施の形態1よりも大きくすることができる。よって、実施の形態1と比較して定着フィルムの表面電位をより高く保つことができ、静電オフセットの発生しない良好な定着画像を得ることが可能となる。
尚、本例の中間層5の導電化に加えて、実施の形態1と同様に弾性層2を導電化しても、本例と同様の効果を得ることができる。更に、導電層の厚さが増加するため、フランジ部材23a,23bとの導通の確保をより確実にすることが可能となる。
<実施の形態3>
本実施の形態においては、図13に示すように、実施の形態1又は2の構成において弾性層2、中間層5にバイアスを印加する以外は実施の形態1又は2と同様の構成である。尚、前記実施の形態1,2と同様に構成されるものは同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態においては、図13に示すように、実施の形態1又は2の構成において弾性層2、中間層5にバイアスを印加する以外は実施の形態1又は2と同様の構成である。尚、前記実施の形態1,2と同様に構成されるものは同一の符号を付して説明を省略する。
弾性層2、中間層5へのバイアス印可方法として、規制部材24a,24bとグランドの間に電源HVを設ける。電源HVにはトナーと同極性の電圧が印加される。
特に、例えば低温低湿環境下での多量の連続通紙という条件であっても、オフセットの発生を防ぐことが可能である。
本発明の検証として、低温低湿環境下での耐久試験による画像評価を行った。電源HVの印加バイアスは定着フィルムに対して−500Vとした。100枚以上通紙しても、オフセットの発生はなく良好な画像が得られた。又、両面印刷を行った場合にもオフセットの発生はなく良好な画像が得られた。
尚、上記の例では印加バイアスを−500Vのみしか示していないが、印加バイアスは、トナーの性質や、プロセススピード等により、最適な値に、適宜変更して設定される。
尚、図14のようにダイオードを接続することによりセルフバイアスで定着フィルムの表面電位をマイナス数百Vに保つを行うこともできる。
1 発熱層
2 弾性層
3 離型層
4 断熱層
5 中間層
10 定着フィルム
16 フィルムガイド
17 磁性コア
18 励磁コイル
23a,23b フランジ部材(導電)
24a,24b 規制部材(導電)
28 温度検知素子(サーミスタ)
50 安全用温度検知素子
2 弾性層
3 離型層
4 断熱層
5 中間層
10 定着フィルム
16 フィルムガイド
17 磁性コア
18 励磁コイル
23a,23b フランジ部材(導電)
24a,24b 規制部材(導電)
28 温度検知素子(サーミスタ)
50 安全用温度検知素子
Claims (13)
- 可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、
前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記離型層を絶縁とし、前記弾性層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して前記弾性層を接地することを特徴とする加熱装置。 - 可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、
前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記離型層を絶縁とし、前記弾性層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して前記弾性層にバイアスを印加するバイアス印加手段を接続することを特徴とする加熱装置。 - 前記弾性層は体積抵抗Rが103 ≦R≦109 [Ω・cm]であり、厚さtS が100≦tS≦500[μm]であることを特徴とする特許請求項1又は2記載の加熱装置。
- 可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、
前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記離型層を絶縁とし、前記中間層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して前記中間層を接地することを特徴とする加熱装置。 - 可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、
前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記離型層を絶縁とし、前記中間層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して前記中間層にバイアスを印加するバイアス印加手段を接続することを特徴とする加熱装置。 - 前記中間層は体積抵抗Rが103 ≦R≦109[Ω・cm]であり、厚さtI が5≦tI
≦50[μm]であることを特徴とする請求項4又は5記載の加熱装置。 - 可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、
前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記中間層及び前記弾性層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して、前記中間層及び弾性層の少なくとも何れか一方を接地することを特徴とする加熱装置。 - 可撓性を有するエンドレスベルト状の回転体と、前記回転体を内面から保持する回転体保持部材と、前記回転体と相互圧接して被加熱部材を加熱するニップ部を形成する加圧部材を有し、前記回転体の発熱で被加熱材を加熱する加熱装置において、
前記回転体は少なくとも離型層、中間層、弾性層、ベース層の順に構成されており、前記中間層及び前記弾性層を導電とし、前記回転体端部から前記回転体端部保持部材を介して、前記中間層及び弾性層の少なくとも何れか一方にバイアスを印加するバイアス印加手段を接続することを特徴とする加熱装置。 - 前記中間層及び前記弾性層は体積抵抗Rが103 ≦R≦109[Ω・cm]であり、厚さtISが105≦tIS≦550[μm]であることを特徴とする請求項7又は8記載の加熱装置。
- 前記離型層は、表面抵抗が1011[Ω/cm2 ]以上であり、厚さtR が10≦tR
≦50[μm]であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の加熱装置。 - 前記加圧部材表面は導電であり、接地されていることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の加熱装置。
- 前記回転体は、磁場発生手段の磁界の作用で電磁誘導発熱する回転体であり、前記ベース層は電磁誘導発熱層であることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の加熱装置。
- 被記録材に画像を形成する画像形成手段と、請求項1〜12の何れかに記載の加熱装置を具備し、前記加熱装置を前記画像形成手段により被記録材上に形成した画像を加熱処理する加熱装置として備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004301530A JP2006113366A (ja) | 2004-10-15 | 2004-10-15 | 加熱装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004301530A JP2006113366A (ja) | 2004-10-15 | 2004-10-15 | 加熱装置及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006113366A true JP2006113366A (ja) | 2006-04-27 |
Family
ID=36381930
Family Applications (1)
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JP2004301530A Withdrawn JP2006113366A (ja) | 2004-10-15 | 2004-10-15 | 加熱装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006113366A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019124862A (ja) * | 2018-01-18 | 2019-07-25 | 株式会社沖データ | 画像形成装置 |
-
2004
- 2004-10-15 JP JP2004301530A patent/JP2006113366A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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JP2019124862A (ja) * | 2018-01-18 | 2019-07-25 | 株式会社沖データ | 画像形成装置 |
JP7062964B2 (ja) | 2018-01-18 | 2022-05-09 | 沖電気工業株式会社 | 画像形成装置 |
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