JP2006110606A - 鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
比較的細く長い穴を有する製品を鋳造により成形する場合に、該穴を形成するための切削加工が必要なく、さらに穴形状の精度を確保するための加工も必要ない鋳造方法を提供する。
【解決手段】
金型6のキャビティ9内に配置される鋳抜きピン10として、該鋳抜きピン10の中子部3の外周面3bに、変形可能なシリコンゴム被膜11が形成されているものを使用する。
【選択図】 図2
比較的細く長い穴を有する製品を鋳造により成形する場合に、該穴を形成するための切削加工が必要なく、さらに穴形状の精度を確保するための加工も必要ない鋳造方法を提供する。
【解決手段】
金型6のキャビティ9内に配置される鋳抜きピン10として、該鋳抜きピン10の中子部3の外周面3bに、変形可能なシリコンゴム被膜11が形成されているものを使用する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、鋳造方法に関する。特に細く長い穴を有する製品を、後加工を必要とせず鋳造のみで成形する鋳造方法に関する。
例えば、車両用部品のデリバリーパイプ等の細くて長い穴を有する製品を、ダイカスト鋳造を用いて成形する場合、ダイカスト鋳造により得られた鋳造品に対して、ガンドリル等の特殊工具を用いて切削加工することが行われている。しかし、切削加工によりこのような細くて長い穴を形成しようとすると、加工時間が長くなり、製品のコストアップにつながるという問題があった。また、ダイカスト鋳造工程において、鋳抜きピンを用いて細くて長い穴を鋳抜く方法もあるが、鋳抜きを実施した場合、鋳抜きピンには抜け勾配が必要であり、そのため、鋳抜きピンの先端の径が極度に小さくなり、型の耐久性の問題からも必要な深さまで鋳抜けない場合がある。一方、鋳抜きピンに形成される抜け勾配を犠牲にすると、鋳抜きピンを抜くときに穴の内周面にかじり傷などが生じて不良品となる問題がある。
このような問題を解決するために、例えば、下記特許文献1に開示されている技術がある。下記特許文献1に開示されている技術は、鋳抜きピンを中心部域に位置する第1鋳抜きピンと該第一鋳抜きピンの外周部に位置する第2鋳抜きピンとに分割しておき、まず第1鋳抜きピンを鋳抜く方向に移動させてから、第2鋳抜きピンを抜くようにした鋳抜き方法である。このような方法によれば、第1鋳抜きピンを移動させることで、第2鋳抜きピンと鋳造品との間にわずかに隙間が形成され、そのため、抜き勾配を鋳抜きピンに形成しなくても穴の内周面にかじり傷等の不良を発生させずに、鋳抜きピンを鋳抜くことができる。
特開2002−346723号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術においては、例えば穴の直径が数mm程度のような場合には、分割される鋳抜きピンのうち一つの鋳抜きピンの厚さが2mm以下程度となり、鋳抜きピンとして耐久性を確保することができない。また、鋳抜きピンの分割面におけるバリの発生は避けることができず、鋳造品に対して改めてバリ取りの工程と検査の工程とが必要となる。
このような問題は、ダイカスト鋳造により製品を成形する場合に限らず他の鋳造方法においても同様に生じうる問題である。
本発明は、以上のような現状を鑑みてなされたものであって、比較的細く長い穴を有する製品を鋳造により成形する場合に、該穴を形成するための切削加工が必要なく、さらに穴形状の精度を確保するための加工も必要ない鋳造方法を提供することを課題とする。
上記本発明の課題を解決するために、本発明の鋳造方法は、金型に形成されるキャビティの内部に鋳抜きピンを配置しておき、該キャビティに前記鋳抜きピンが配置された状態で前記キャビティに金属溶湯を充填し、その後前記鋳抜きピンを鋳抜くことで、前記鋳抜きピンの外形形状に対応する形状の穴を鋳造品に形成する鋳造方法において、前記鋳抜きピンとして、表面に変形可能な緩衝被膜が形成されているものを使用することを特徴とする。
さらに、本発明の鋳造方法においては、前記緩衝被膜は、シリコンゴム被膜とすることができる。
さらに、本発明の鋳造方法は、ダイカスト鋳造方法であるとすることができる。
上記のような本発明の鋳造方法においては、キャビティ内に鋳抜きピンを配置しておき、その状態でキャビティ内に金属溶湯を充填することで、該鋳抜きピンを金属溶湯で鋳ぐるむようにして鋳造品を成形する。そして、金属溶湯が凝固した後に、鋳抜きピンを鋳造品から引き抜くことで、該鋳抜きピンの外周形状に対応する内周形状を有する穴を鋳造品に形成することができる。さらに、本発明においては、鋳抜きピンの外周表面に変形可能な緩衝被膜が形成されているので、この緩衝被膜が緩衝材として働き、鋳抜きピンを鋳造品から引き抜くのが容易となる。つまり、鋳抜きピンを鋳ぐるむようにして鋳造品を成形すると、凝固の際に金属溶湯が全体として収縮する結果、鋳造品が鋳抜きピンを押圧するために、鋳抜きピンに抜き勾配が形成されていないと鋳抜きピンを鋳抜くことが困難であるが、鋳抜きピンに緩衝被膜を形成することで、金属溶湯の収縮により生じる押圧力を緩衝被膜の変形により吸収することができる。したがって、鋳抜きピンに抜き勾配が形成されている場合は当然のことながら、鋳抜きピンに抜き勾配が形成されていない場合でも、容易に鋳抜きピンを鋳抜くことができる。また、鋳抜きピンに抜き勾配を形成する必要がないので、太さが小さい鋳抜きピンを使用しなければならないような場合であっても、鋳抜きピンの剛性を高めることができ、鋳抜きピンの耐久性を劣化させることがない。したがって、より一層細く長い穴を有する鋳造品でも、該穴の寸法精度を高めるための後加工をせずに、鋳造のみで成形することができる。
なお、このように鋳抜きピンを鋳造品から取り外したときに、鋳抜きピンと一緒に緩衝被膜も鋳造品から取り外される場合もあるが、鋳抜きピンから緩衝被膜が分離して、該緩衝被膜が鋳造品に付着する場合もありえる。しかし、このような場合も、鋳造品に付着する緩衝被膜を洗浄等により容易に除去することができるので、特別な後工程も必要ない。また、上記のように鋳抜きピンから緩衝被膜が分離しても、再度鋳抜きピンに緩衝被膜を形成すれば、再度鋳造工程に使用することができる。また、鋳抜きピンを崩壊性とすることで、抜け勾配を形成せずに鋳抜きを行う方法もあるが、上記のように鋳抜きピンに緩衝被膜を形成する本発明は、緩衝被膜を損傷しても鋳抜きピン全体を取り替える必要がなく、生産コストを低減することができる。
さらに、鋳抜きピンに形成されている緩衝被膜として、シリコンゴム被膜を採用すると、該シリコンゴム被膜は弾力性に富むために、鋳造品の収縮による押圧力により弾性変形する結果、鋳造品の収縮による押圧力をより一層吸収することができる。そのため、容易に鋳抜きピンを鋳造品から鋳抜くことができる。また、シリコンゴム被膜は耐熱性も良好であることから、鋳造時に金属溶湯が該シリコンゴム被膜に触れても、該シリコン被膜は該金属溶湯と反応したり、該金属溶湯により溶解したりすることがない。そのため、該シリコン被膜が鋳造品に固着することがなく、鋳抜きピンの引き抜き時におけるかじり傷を、より一層防止することができる。ひいては、鋳抜きピンに抜け勾配を形成しなくても、鋳造工程により平滑な内周面を持つ穴を鋳造品に形成することができる。したがって、比較的細く長い穴を有する製品を、後加工することなく、鋳造工程のみで成形することができる。
さらに、鋳造方法のなかでもダイカスト鋳造方法により鋳造品を成形する場合には、金型に形成されるキャビティに高圧で金属溶湯が射出されることもあいまって、鋳抜きピンの鋳抜きが一層困難であるという現状があり、本発明の効果がより一層顕著に現れる。また、ダイカスト鋳造方法では、使用される金属溶湯の温度は、一般的に重力鋳造法よりも低く、また金属溶湯の冷却時間も重力鋳造法に比べて早いため、前述の緩衝被膜を鋳抜きピンに形成しても、金属溶湯により該緩衝被膜が溶解されにくく、本発明をより効果的に採用することができる。特に、一般的に融点の低い、アルミニウム合金(アルミニウムを含む)やマグネシウム合金(マグネシウムを含む)をダイカスト鋳造により鋳造する際には、前述したシリコンゴム被膜を緩衝被膜として採用しても、シリコンゴム被膜が溶解することがなく、本発明を好適に採用することができる。
以下、添付の図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の鋳造方法により成形される鋳造品の一例を示したものである。図1は、具体的には、車両に使用されるデリバリーパイプ1である。特に、該デリバリーパイプ1は、アルミニウム合金により構成されるものを例示することができる。以下、この鋳造されたデリバリーパイプ1を鋳造品1として記載する場合もある。デリバリーパイプ1は、筒形状を有する本体1aと、該本体1aの一端側に形成されるつば部1bとを有する。本体1aには、細く長い穴2aが形成されている。この穴2aは、本体1aの一端1c側における径の大きさと、本体1aの多端1d側における径の大きさとが略同一とされている。さらに具体的には、該穴2aの軸方向において径の大きさが略同一で、勾配のないストレート形状とされている。本体1aの軸方向の長さLは、例えば、200mm以下とされており、穴2aの径φdは、10mm以下とされている。また、本体1aには、本体1aの外周面から穴2aに連通するように、複数の横穴2bが形成されている。このようなデリバリーパイプ1は、本体1aに形成される穴2aから横穴2bに流体を分割して供給する目的で使用される。以下に説明する本発明の実施形態は、図1に示すような細く長い穴2aが形成された鋳造品1を成形する場合について説明するものである。
以下、本発明の鋳造方法に係る実施形態について詳細に説明する。図2は、本発明に係る鋳造方法を行うための鋳造装置の一例を示すものである。特に、図2はダイカスト鋳造装置について示すものであるが、ダイカストマシン本体については図示を省略している。図2に示すダイカスト鋳造装置は、上型7と下型8とにより構成される金型6と、該金型に形成されるキャビティ9と、該キャビティ9内に配置されるとともに、図1に示す鋳造品1に細く長い穴を形成するための鋳抜きピン10とを有するものである。より具体的には、上型7には、キャビティ9の上半分を構成する凹部が形成されており、下型8には、キャビティ9の下半分を構成する凹部が形成されており、これら凹部を有する上型7と下型8とがこれら金型6のパーティング面6aで重ねあわされることで、キャビティ9が形成されるようになっている。また、上型7と下型8とのパーティング面6aのそれぞれには、鋳抜きピン10のつば部4が配置される凹部7a、8aが形成されている。
キャビティ9内に配置される鋳抜きピン10の詳細を図3に示す。図4は、図3のA−A断面図である。図3に示すように、鋳抜きピン10は、鋳造品1の穴1aの形状を成形する製品形状部となる中子部3と、該鋳抜きピン10を金型6に配置するためのつば部4とが一体となって形成されているものである。また、図3、図4に示すように、鋳抜きピン10の中子部3は、中心部に心金となる中子部本体3aがあり、その外周面3bを、該鋳抜きピン10の中子部3を鋳造品1から引き抜く際に緩衝材となる緩衝被膜としてのシリコンゴム被膜11が覆っている、図に示すように、このシリコンゴム被膜11は、中子部3の中子部本体3a全体を覆い、かつその厚さを略均一とするように形成されている。また、中子部本体3aの径の大きさも、中子部3の先端側3cからつば部側3dに向かう軸方向において略一定とされているため、中子部3の径は、その先端側3cからつば部側3dまで略一定とされている。つまり、中子部3には抜き勾配が形成されていない。より具体的には、中子部3の径は、図1に示す鋳造品1の穴2aの内径φdと略同一とされている。ここで、中子部本体3aの径は、例えば5〜10mmを例示することができ、シリコンゴム被膜11の厚さは、1〜2mmとすることができる。また、中子部3の軸方向における長さは、図1に示す鋳造品1の穴2aの軸方向における長さと略同一とされている。
鋳抜きピン10のつば部4には、該鋳抜きピン10を金型6のキャビティ9内に位置決めするための位置決め部が形成されている。図3に示す本実施形態の場合にあっては、この位置決め部は、つば部4に形成される貫通穴12とされている。一方、図2に示す金型6には、上型7と下型8とのうちいずれか一方に、位置決め部として、上記貫通孔12に挿通される挿通部13が形成されている。これらつば部4に形成される貫通孔12と金型6に形成される挿通部13とにより、鋳抜きピン10を金型6のキャビティ9内に位置固定させることができるようになっている。なお。位置決め部としては、図3に示す本実施形態のように、貫通孔12とすることもできるが、単に凹部とすることもできるし、あるいは凸部とすることもできる。このように、つば部4に形成される位置決め部の形状を変更する場合は、金型に形成される位置決め部の形状も対応する形状に変更する必要がある。
また、鋳抜きピン10のつば部4は、該鋳抜きピン10が金型6のキャビティ9に配置される際には、鋳造品1の外周面の一部を成形する製品形状部としても機能する。
鋳抜きピン10の中子部3に形成される緩衝被膜は、本実施形態においてはシリコンゴム被膜11を採用しているが、本発明はこれに限られるものではない。キャビティ9に充填される金属溶湯と反応せず、耐熱性があり、かつ、例えば弾性を有するなど変形可能なものであれば、他の材質のものを採用することもできる。
次に、図面を参照しつつ本発明の鋳造方法について具体的に説明する。まず、図3に示す形状と略同様の形状の鋳抜きピンを用意し、この鋳抜きピンに、図3に示すようなシリコンゴム被膜11を形成する。シリコンゴム被膜11の形成方法としては、数々想定することができるが、具体的にはRIM成形等により形成することができる。シリコンゴム被膜11の厚さは、キャビティ9に金属溶湯が充填され凝固したときの鋳造品の収縮を吸収できる程度に厚くしておく必要がある。また、シリコンゴム被膜11の厚さが厚すぎると、相対的に中子部本体3aの径が小さくなってしまい、鋳抜きピンの剛性が低下して鋳抜きピンの耐久性が低下してしまう。そのため、シリコンゴム皮膜11の厚さは、鋳抜きピンの剛性を確保できる程度に薄くしておく必要がある。具体的には、前述した通り、シリコンゴム被膜11の厚さを1〜2mmとすることができる。
以上のように、鋳抜きピン10にシリコンゴム被膜11を形成すれば、次に図2に示すダイカスト鋳造装置の金型6のキャビティ9内にシリコンゴム皮膜11が形成された鋳抜きピン10を配置する。具体的には、上型7と下型8とがパーティング面6aで分離している状態で、上型7及び下型8のキャビティ9を構成する壁面に離型剤を塗布し、エアーを噴きつけたあとに、シリコンゴム被膜11が形成された鋳抜きピン10を、下型8に形成されている凹部8aにつば部4をはめ込むことで配置する。そして、上型7及び下型8を互いに接近させて型閉めを行い、鋳抜きピン10のつば部4を上型7の凹部7aと下型8の凹部8aとにより挟み込むことで鋳抜きピン10をキャビティ9内に固定する。この際、上型7あるいは下型8に形成されている位置決め部としての挿通部13をつば部4の貫通孔12に挿通することにより、鋳抜きピン10を精度よく位置決め・固定することができる。
上記のように、キャビティ9内に鋳抜きピン10を配置した状態で、該キャビティ9内に金属溶湯を充填する。本実施形態においては、鋳造品1としてアルミニウム合金にて形成されるものを想定していうるので、アルミニウム合金の溶湯をキャビティ9内に充填する。具体的には、図2に示す鋳造装置はダイカスト鋳造装置であり、図示しないダイカストマシンの、キャビティ9に連通する射出スリーブにアルミニウム合金溶湯を注入し、その後プランジャーロッドによりアルミニウム合金溶湯をキャビティ9内に高圧・高速で射出することで、キャビティ9へのアルミニウム合金溶湯の充填を行う。
キャビティ9内にアルミニウム合金溶湯が充填されてから所定時間が経過すると、キャビティ9内に充填されたアルミニウム合金溶湯が金型6により冷却されて凝固する。このとき、キャビティ9内には鋳抜きピン10が配置されており、この鋳抜きピン10を鋳ぐるむようにアルミニウム合金溶湯が凝固する。さらに、アルミニウム合金溶湯が凝固する際に、該アルミニウム合金溶湯は全体として収縮するので、鋳抜きピン10には、アルミニウム合金溶湯が凝固した鋳造品1からの押圧力が働く。
このように、アルミニウム合金溶湯が凝固すれば、図5に示すように鋳抜きピン10を鋳ぐるむようにして成形された鋳造品1を金型6から取り出して冷却する。鋳造品1の冷却が完了した後は、図6に示すように、鋳抜きピン10のつば部4を把持して鋳抜きピン10を鋳造品1から引き抜く。このとき、鋳抜きピン20には鋳造品1から押圧力が働いているが、当該実施形態に係る鋳抜きピン10にあっては、中子部本体3aの外周面3bに緩衝材としてシリコンゴム被膜11が形成されているので、鋳造品1からの押圧力がシリコンゴム被膜11の変形により吸収される。そのため、鋳造品1からの押圧力は中子部本体3aにはそれほど作用せず、鋳造品1から鋳抜きピン10を容易に引き抜くことができる。また、シリコンゴム11は、鋳造品1を構成しているアルミニウム合金等の金属系の材料に比べて弾性的であるので、鋳抜きピン10を引き抜くときに、シリコンゴム被膜11自体が変形するため、容易に鋳抜きピン10を引き抜くことができる。
上記のように、鋳造品1から鋳抜きピン10を引き抜いた際に、シリコンゴム被膜11が中子部本体3aから分離せず、シリコンゴム被膜11も共に鋳造品1から引き抜かれるのが好ましいが、場合によっては、鋳造品1に形成される穴2a内にシリコンゴム被膜11が残留する場合もありえる。このような場合には、図7に示すように、鋳造品1の穴2aに残留するシリコンゴム被膜11を鋳造品1から引き抜くように除去する。このとき、本実施形態のように、緩衝被膜としてシリコンゴム被膜11を採用している場合には、金属溶湯であるアルミニウム合金とシリコンゴムが反応しないので、鋳造品1の穴2aから容易にシリコンゴム被膜11を除去することができる。または、シリコンゴム被膜11は、穴2a内を洗浄することにより除去することもできる。
鋳造品1からシリコンゴム被膜11を含む鋳抜きピン10を取り除いけば、鋳造品1に勾配のない細く長い穴2aが形成される。さらに、鋳造品1から鋳抜きピン10を容易に引き抜くことができることから、穴2aの内壁面はかじり傷のない平坦な鋳肌面となる。したがって、穴2aの寸法精度を確保したり、バリ等を除去したりする切削加工を別途行う必要はない。
鋳造品1から引き抜いた鋳抜きピン10は、たとえシリコンゴム被膜11が分離されていたとしても、中子部本体3aの外周面3bに再びシリコンゴム被膜11を形成すれば、繰り返し使用することが可能である。そのため、鋳抜きピン自体を破壊して、鋳造品1に細く長い穴を形成する方法とくらべて、生産コストを低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、本実施形態においては、鋳造方法としてダイカスト鋳造方法について主に説明したが、重力鋳造等のその他の鋳造方法であっても、本発明の効果を得ることができる。
1 デリバリーパイプ(鋳造品)
2a 穴
6 金型
7 上型(金型)
8 下型(金型)
9 キャビティ
10 鋳抜きピン
11 シリコンゴム被膜(緩衝被膜)
2a 穴
6 金型
7 上型(金型)
8 下型(金型)
9 キャビティ
10 鋳抜きピン
11 シリコンゴム被膜(緩衝被膜)
Claims (3)
- 金型に形成されるキャビティの内部に鋳抜きピンを配置しておき、該キャビティに前記鋳抜きピンが配置された状態で前記キャビティに金属溶湯を充填し、その後前記鋳抜きピンを鋳抜くことで、前記鋳抜きピンの外形形状に対応する形状の穴を鋳造品に形成する鋳造方法において、
前記鋳抜きピンとして、表面に変形可能な緩衝被膜が形成されているものを使用することを特徴とする鋳造方法。 - 前記緩衝被膜は、シリコンゴム被膜であることを特徴とする請求項1に記載の鋳造方法。
- ダイカスト鋳造方法であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳造方法。
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Cited By (3)
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JP2011000622A (ja) * | 2009-06-19 | 2011-01-06 | Toyota Motor Corp | ダイカスト鋳造型および鋳抜きピン |
JP2015522717A (ja) * | 2012-06-29 | 2015-08-06 | コンステリウム フランス | アルミニウム合金フォームの鋳造による製造方法 |
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-
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- 2004-10-15 JP JP2004301875A patent/JP2006110606A/ja not_active Withdrawn
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