JP2011000622A - ダイカスト鋳造型および鋳抜きピン - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳造時における鋳抜きピンの撓み性と、鋳抜きピンと型部材との間のシール性の確保とが高いレベルで両立可能なダイカスト鋳造型および該ダイカスト鋳造型に使用される鋳抜きピンを提供する。
【解決手段】嵌合部7の外周に型部材2を構成する材料に対して剛性が低い材料により構成された低剛性部10を形成して鋳抜きピン1を構成したので、鋳造時に作用する力による当該鋳抜きピン1の挙動に応じて低剛性部10を固有の形状に変形(塑性変形)させることにより、鋳造時における鋳抜きピン1の撓み性と、鋳抜きピン1と型部材2との間のシール性の確保とを高いレベルで両立させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ダイカスト鋳造型および該ダイカスト鋳造型に使用される鋳抜きピンに関する。
ダイカスト鋳造法においては、キャビティに充填された溶湯が凝固収縮してキャビティに露出した鋳抜きピンの造形部に曲げ応力が繰り返し作用することにより、当該鋳抜きピンの根元部分(造形部と型部材の取付孔に挿入される挿入部との境界部分)に亀裂が発生することがある。そこで、鋳抜きピンにおいては、挿入部に他の部分よりも外径が小さく形成された部分(以下、小径軸部という)を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような鋳抜きピンは、小径軸部を積極的に撓ませることで造形部に作用する曲げ応力を逃がし、その結果、鋳抜きピンの造形部と挿入部との境界部分に疲労による亀裂が発生するのを防ぐことができる。
しかしながら、上記鋳抜きピンにおいては、小径軸部を含む鋳抜きピンの撓みが軸方向へ広範囲に伝播すると、鋳抜きピンの挿入部と型部材の取付孔との間に形成されるギャップが広がり、そのギャップからキャビティに充填された溶湯が取付孔内へ浸入するおそれがある。浸入した溶湯が鋳抜きピン、特に小径軸部と型部材の取付孔との間の空間で凝固すると、鋳抜きピンの撓みが阻害され、その結果、造形部に作用する曲げ応力が造形部と挿入部との境界部分に集中し、当該境界部分に疲労による亀裂が発生することがある。そこで、特許文献2には、小径軸部と取付孔との間の空間にシリコンゴム(弾性部材)を充填することで、鋳抜きピンの撓みを阻害することなく当該空間に溶湯が浸入するのを防ぐ技術が開示されているが、シリコンゴム(弾性部材)の耐熱性が十分でないことから鋳抜きピンと型部材(取付孔)との間のシール性に問題があり、さらに鋳抜きピンの製造コストが増大する。
特開平3−5058号公報 特開2005−329446号公報
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、鋳造時における鋳抜きピンの撓み性と、鋳抜きピンと型部材との間のシール性の確保とが高いレベルで両立可能なダイカスト鋳造型および該ダイカスト鋳造型に使用される鋳抜きピンを提供することを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明のダイカスト鋳造型は、型部材の取付孔に着脱可能に取り付けられる鋳抜きピンを有するダイカスト鋳造型であって、前記鋳抜きピンは、前記ダイカスト鋳造型のキャビティに露出する造形部と、前記取付孔に挿入される挿入部とを含み、該挿入部は、前記造形部側に設けられて前記取付孔に嵌合される嵌合部と、該嵌合部に連続して設けられて前記嵌合部の外径よりも小さい外径を有する小径軸部とを含み、前記嵌合部の外周には、前記型部材に対して剛性が低い低剛性部が形成され、鋳造時における前記鋳抜きピンの挙動により前記低剛性部を変形させることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の鋳抜きピンは、ダイカスト鋳造型のキャビティに露出する造形部と、型部材の取付孔に挿入される挿入部とを含む鋳抜きピンであって、前記挿入部は、前記造形部側に設けられて前記取付孔に嵌合される嵌合部と、該嵌合部に連続して設けられて前記嵌合部の外径よりも小さい外径を有する小径軸部とを含み、前記嵌合部の外周には、前記型部材に対して剛性が低い低剛性部が形成され、鋳造時における前記鋳抜きピンの挙動により前記低剛性部を変形させることを特徴とする。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)−(8)項の各々が、請求項1−8の各々に相当する。
(1)型部材の取付孔に着脱可能に取り付けられる鋳抜きピンを有するダイカスト鋳造型であって、鋳抜きピンは、ダイカスト鋳造型のキャビティに露出する造形部と、取付孔に挿入される挿入部とを含み、該挿入部は、造形部側に設けられて取付孔に嵌合される嵌合部と、該嵌合部に連続して設けられて嵌合部の外径よりも小さい外径を有する小径軸部とを含み、嵌合部の外周には、型部材に対して剛性が低い低剛性部が形成され、鋳造時における鋳抜きピンの挙動により低剛性部を変形させることを特徴とするダイカスト鋳造型。
ダイカスト鋳造型においては、キャビティに充填された溶湯の凝固収縮による力や熱応力が鋳抜きピンに作用し、鋳抜きピンが複数個配置されている場合、鋳造時に作用する力は各鋳抜きピンごとに異なるため、各鋳抜きピンは、鋳造時にそれぞれ固有の挙動を示す。本項に記載のダイカスト鋳造型によれば、鋳造を複数回実施すると、鋳造時における鋳抜きピンの挙動に応じて低剛性部が変形(塑性変形)し、各鋳抜きピンごとに低剛性部にそれぞれ固有の形状が形成される。例えば、鋳造時に作用する力が相対的に小さい位置に配置された鋳抜きピンは、低剛性部の変形(塑性変形)が小さいことから、高いシール性が確保される。これに対し、鋳造時に作用する力が相対的に大きい位置に配置された鋳抜きピンでは、低剛性部の変形(塑性変形)が大きいことから、シール性よりも撓み性が優先された形状に低剛性部が変形(塑性変形)する。このように、本項の態様では、鋳造を複数回実施して各鋳抜きピンの低剛性部を固有の形状に変形(塑性変形)させることにより、鋳造時における鋳抜きピンの撓み性と、鋳抜きピンと型部材との間のシール性の確保とを高いレベルで両立させる形状の低剛性部を形成するものである。この低剛性部により、取付孔内に浸入した溶湯が取付孔内で凝固して小径軸部の撓みが阻害されることを防止することができる。さらに、型部材側の改造が不要であるため、低コスト且つ容易に実施が可能である。
本項の態様において、鋳抜きピンの嵌合部外周に形成される低剛性部は、必ずしも嵌合部の外周全体に形成する必要はなく、シール性を確保することができることを条件に、ピン軸方向に所定幅で形成することができる。例えば、低剛性部を、特にシール性が要求される嵌合部の造形部側に所定幅で形成することができる。
(2)鋳抜きピンの低剛性部は、嵌合部の外周に型部材と異種材料からなる層を形成することにより構成される(1)のダイカスト鋳造型。
本項に記載のダイカスト鋳造型によれば、鋳造を複数回実施して鋳造時における鋳抜きピンの挙動に応じて各鋳抜きピンの低剛性の層(低剛性部)をそれぞれ固有の形状に変形(塑性変形)させることにより、鋳造時における鋳抜きピンの撓み性と、鋳抜きピンと型部材との間のシール性の確保とを高いレベルで両立させることができる。
本項の態様において、鋳抜きピンの低剛性の層(低剛性部)は、例えば、チタン合金により構成することができる。
(3)鋳抜きピンの低剛性部は、嵌合部の外周方向へ延びる稜により構成される(1)のダイカスト鋳造型。
本項に記載のダイカスト鋳造型によれば、鋳造を複数回実施して鋳造時における鋳抜きピンの挙動に応じて各鋳抜きピンの嵌合部の外周方向へ延びる稜(低剛性部)をそれぞれ固有の形状に変形(塑性変形)させることにより、鋳造時における鋳抜きピンの撓み性と、鋳抜きピンと型部材との間のシール性の確保とを高いレベルで両立させることができる。
本項の態様において、鋳抜きピンの低剛性部は、円環状に閉じた形状の稜をピン軸方向へ一定間隔あるいは不定間隔で配置して構成することができ、また、雄ねじのように一条の稜を嵌合部の外周に螺旋状に形成して構成することもできる。この場合、低剛性部は、円環状に閉じた形状の稜を配置した方がシール性を確保する上でより有利である。
(4)鋳抜きピンの低剛性部は、鋳抜きピン半径方向の寸法が、造形部側から小径軸部側へ向けて漸増される(1)、(2)、(3)のダイカスト鋳造型。
ダイカスト鋳造型に鋳抜きピンが複数個配置されている場合、鋳造を複数回実施することで鋳造時における鋳抜きピンの挙動に応じて各鋳抜きピンの低剛性部が変形(塑性変形)し、低剛性部には鋳抜きピンごとにそれぞれ固有の形状が形成される。そして、変形(塑性変形)後の低剛性部により鋳造時における鋳抜きピンの撓み性と、鋳抜きピンと型部材との間のシール性の確保とを高いレベルで両立させることは、(1)で説明したとおりである。本項に記載のダイカスト鋳造型では、低剛性部の鋳抜きピン半径方向の寸法(層の厚さあるいは稜の高さ)を造形部側から小径軸部側へ向けて漸増させることにより、鋳造時における鋳抜きピンの撓み性とシール性とのいずれかを優先させて低剛性部を変形(塑性変形)させるように構成した。例えば、鋳造時における挙動が相対的に小さい鋳抜きピン、すなわち、鋳造時に作用する力が相対的に小さい位置に配置された鋳抜きピンは、低剛性部の変形(塑性変形)が小さいことから、高いシール性が確保される。これに対し、鋳造時における挙動が相対的に大きい鋳抜きピン、すなわち、鋳造時に作用する力が相対的に大きい位置に配置された鋳抜きピンは、低剛性部、特に低剛性部の小径軸部側の変形(塑性変形)が大きいことから、低剛性部の鋳抜きピン半径方向の寸法が造形部側から小径軸部側にかけて一定である場合と比較して、低剛性部がシール性よりも撓み性がより優先された形状に変形(塑性変形)される。
(5)ダイカスト鋳造型のキャビティに露出する造形部と、型部材の取付孔に挿入される挿入部とを含む鋳抜きピンであって、挿入部は、造形部側に設けられて取付孔に嵌合される嵌合部と、該嵌合部に連続して設けられて嵌合部の外径よりも小さい外径を有する小径軸部とを含み、嵌合部の外周には、型部材に対して剛性が低い低剛性部が形成され、鋳造時における鋳抜きピンの挙動により低剛性部を変形させることを特徴とする鋳抜きピン。
ダイカスト鋳造型においては、キャビティに充填された溶湯の凝固収縮による力や熱応力が鋳抜きピンに作用し、鋳抜きピンが複数個配置されている場合、鋳造時に作用する力は各鋳抜きピンごとに異なるため、各鋳抜きピンは、鋳造時にそれぞれ固有の挙動を示す。本項に記載の鋳抜きピンによれば、鋳造を複数回実施すると、鋳造時における鋳抜きピンの挙動に応じて低剛性部が変形(塑性変形)し、各鋳抜きピンごとに低剛性部にそれぞれ固有の形状が形成される。例えば、鋳造時に作用する力が相対的に小さい位置に配置された鋳抜きピンは、低剛性部の変形(塑性変形)が小さいことから、高いシール性が確保される。これに対し、鋳造時に作用する力が相対的に大きい位置に配置された鋳抜きピンでは、低剛性部の変形(塑性変形)が大きいことから、シール性よりも撓み性が優先された形状に低剛性部が変形(塑性変形)する。このように、本項の態様では、鋳造を複数回実施して各鋳抜きピンの低剛性部を固有の形状に変形(塑性変形)させることにより、鋳造時における鋳抜きピンの撓み性と、鋳抜きピンと型部材との間のシール性の確保とを高いレベルで両立させる形状の低剛性部を形成するものである。この低剛性部により、取付孔内に浸入した溶湯が取付孔内で凝固して小径軸部の撓みが阻害されることを防止することができる。さらに、型部材側の改造が不要であるため、低コスト且つ容易に実施が可能である。
本項の態様において、嵌合部外周に形成される低剛性部は、必ずしも嵌合部の外周全体に形成する必要はなく、シール性を確保することができることを条件に、ピン軸方向に所定幅で形成することができる。例えば、低剛性部を、特にシール性が要求される嵌合部の造形部側に所定幅で形成することができる。
(6)低剛性部は、嵌合部の外周に型部材と異種材料からなる層を形成することにより構成される(5)の鋳抜きピン。
本項に記載の鋳抜きピンによれば、鋳造を複数回実施して鋳造時における鋳抜きピンの挙動に応じて鋳抜きピンの低剛性の層(低剛性部)を固有の形状に変形(塑性変形)させることにより、鋳造時における撓み性と、鋳抜きピンと型部材との間のシール性の確保とを高いレベルで両立させることができる。
本項の態様において、低剛性の層(低剛性部)は、例えば、チタン合金により構成することができる。
(7)低剛性部は、嵌合部の外周方向へ延びる稜により構成される(5)の鋳抜きピン。
本項に記載の鋳抜きピンによれば、鋳造を複数回実施して鋳造時における鋳抜きピンの挙動に応じて鋳抜きピンの嵌合部の外周方向へ延びる稜(低剛性部)を固有の形状に変形(塑性変形)させることにより、鋳造時における鋳抜きピンの撓み性と、鋳抜きピンと型部材との間のシール性の確保とを高いレベルで両立させることができる。
本項の態様において、低剛性部は、円環状に閉じた形状の稜をピン軸方向へ一定間隔あるいは不定間隔で配置して構成することができ、また、雄ねじのように一条の稜を嵌合部の外周に螺旋状に形成して構成することもできる。この場合、低剛性部は、円環状に閉じた形状の稜を配置した方がシール性を確保する上でより有利である。
(8)低剛性部は、鋳抜きピン半径方向の寸法が、造形部側から小径軸部側へ向けて漸増される(5)、(6)、(7)の鋳抜きピン。
ダイカスト鋳造型に鋳抜きピンが複数個配置されている場合、鋳造を複数回実施することで鋳造時における鋳抜きピンの挙動に応じて各鋳抜きピンの低剛性部が変形(塑性変形)し、低剛性部には鋳抜きピンごとにそれぞれ固有の形状が形成される。そして、変形(塑性変形)後の低剛性部により鋳造時における鋳抜きピンの撓み性と、鋳抜きピンと型部材との間のシール性の確保とを高いレベルで両立させることは、(5)で説明したとおりである。本項に記載の鋳抜きピンでは、低剛性部の鋳抜きピン半径方向の寸法(層の厚さあるいは稜の高さ)を造形部側から小径軸部側へ向けて漸増させることにより、鋳造時における撓み性とシール性とのいずれかを優先させて低剛性部を変形(塑性変形)させるように構成した。例えば、鋳造時における挙動が相対的に小さい鋳抜きピン、すなわち、鋳造時に作用する力が相対的に小さい位置に配置された鋳抜きピンは、低剛性部の変形(塑性変形)が小さいことから、高いシール性が確保される。これに対し、鋳造時における挙動が相対的に大きい鋳抜きピン、すなわち、鋳造時に作用する力が相対的に大きい位置に配置された鋳抜きピンは、低剛性部、特に低剛性部の小径軸部側の変形(塑性変形)が大きいことから、低剛性部の鋳抜きピン半径方向の寸法が造形部側から小径軸部側にかけて一定である場合と比較して、低剛性部がシール性よりも撓み性がより優先された形状に変形(塑性変形)される。
本発明によれば、鋳造時における鋳抜きピンの撓み性と、鋳抜きピンと型部材との間のシール性の確保とが高いレベルで両立可能なダイカスト鋳造型および該ダイカスト鋳造型に使用される鋳抜きピンを提供することができる。
本実施形態に係る鋳抜きピンの取付構造を説明するために型部材および低剛性部を断面で示した図である。 図1におけるA部拡大図である。 図2に示される状態で鋳造を複数回実施することにより低剛性部に形成された形状を示す図である。 図2に対応する他の実施形態であり、コーティング層を造形部側にのみ所定幅で形成して低剛性部を構成した場合を示す。 図4に示される状態で鋳造を複数回実施することにより低剛性部に形成された形状を示す図である。 図2に対応する他の実施形態であり、円環形状の稜を所定間隔で配置して低剛性部を構成した場合を示す。 図6に示されるよりも小さい間隔で稜を配置して低剛性部を構成した場合を示す図である。 図2に対応する他の実施形態であり、造形部側から小径軸部側へ向けてコーティング層の厚さを直線状に漸増させて形成された低剛性部を示す図である。 図8に示される状態で鋳造を複数回実施することにより低剛性部に形成された形状を示す図である。 図2に対応する他の実施形態であり、造形部側から小径軸部側へ向けてコーティング層の厚さを曲線状に漸増させて形成された低剛性部を示す図である。 図10に示される状態で鋳造を複数回実施することにより低剛性部に形成された形状を示す図である。 図2に対応する他の実施形態であり、円環状の稜を、その高さが造形部側から小径軸部側へ向けて漸増させて形成された低剛性部を示す図である。
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。なお、本実施形態のダイカスト鋳造型は、固定型、可動型および可動中子を含む基本構造が従来技術のダイカスト鋳造型と同一であるので、ここでは、鋳抜きピン1の取付構造に係る部分を中心に説明し、ダイカスト鋳造型の詳細な説明を省略する。
図1に示されるように、鋳抜きピン1は、基材がステンレス鋼により構成され、入子型等の型部材2に設けられた取付孔3に取り付けられる。また、鋳抜きピン1は、ダイカスト鋳造型内部に形成されたキャビティ4に露出させて鋳造品に孔を造形する造形部5と、取付孔3に挿入される挿入部6とを有する。造形部5は、截頭円柱状に形成され、その根元部分がR形状5aを介して挿入部6に連続する。
挿入部6は、造形部5側(図1における右側)に設けられて取付孔3に嵌合される円柱形状の嵌合部7と、円柱状に形成されてボルトにより型部材2に固定される固定部8と、外径が嵌合部7の外径よりも小さい円柱状に形成されて両端がそれぞれR形状9a、9bを介して嵌合部7と固定部8とに接続される小径軸部9とを有する。そして、図2に示されるように、本実施形態の鋳抜きピン1は、嵌合部7の外周全部に、型部材2を構成する材料に対して剛性が低い材料により構成された低剛性部10が設けられる。該低剛性部10は、例えばチタン合金により構成された一定厚さTのコーティング層により構成され、鋳抜きピン1が取付孔3に取り付けられた状態で、取付孔3と嵌合部7とのギャップをシールするように構成される。
次に、本実施形態の作用を説明する。
鋳造時には、キャビティ4に充填された溶湯の凝固収縮による力や熱応力が鋳抜きピン1に作用する。ここで、キャビティ4に鋳抜きピン1が複数個配置されている場合、鋳造時に鋳抜きピン1に作用する力Fは各鋳抜きピン1ごとに異なり、その結果、鋳造時における各鋳抜きピン1は、各鋳抜きピン1ごとにそれぞれ固有の挙動を示す。そして、鋳造が複数回実施されると、各鋳抜きピン1は、その挙動に応じて低剛性部10が変形(塑性変形)して当該低剛性部10にそれぞれ固有の形状が形成される。
例えば、鋳造時における挙動が相対的に小さい鋳抜きピン1、すなわち、鋳造時に作用する力が相対的に小さい位置に配置された鋳抜きピン1は、低剛性部10の変形(塑性変形)が小さいことから、高いシール性が確保される。これに対し、鋳造時における挙動が相対的に大きい鋳抜きピン1、すなわち、鋳造時に作用する力が相対的に大きい位置に配置された鋳抜きピン1は、図3に示されるように、低剛性部10の軸方向(図1における左右方向)両側の変形(塑性変形)が大きいことから、シール性よりも撓み性が優先された形状に変形(塑性変形)する。なお、この場合も、低剛性部10の軸方向中央部分(変形が小さい部分)により、要求されるシール性が確保される。
この実施形態では以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、嵌合部7の外周に型部材2を構成する材料に対して剛性が低い材料により構成された低剛性部10を形成して鋳抜きピン1を構成したので、鋳造時に作用する力による当該鋳抜きピン1の挙動に応じて低剛性部10を固有の形状に変形(塑性変形)させることにより、鋳造時における鋳抜きピン1の撓み性と、鋳抜きピン1と型部材2との間のシール性の確保とを高いレベルで両立させることができる。
そして、鋳造時における鋳抜きピン1の撓み性が確保されることから、鋳抜きピン1の造形部5の根元部分に作用する曲げ応力が緩和され、鋳抜きピン1の交換サイクルを延ばすことができる。また、型部材2側の改造が不要であるため、低コスト且つ容易に実施が可能である。
なお、実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
本実施形態では、低剛性のコーティング層を嵌合部7の外周全体に形成して低剛性部10を構成したが、低剛性部10は、必ずしも嵌合部7の外周全体に形成する必要はなく、図4に示されるように、低剛性のコーティング層を、特にシール性が要求される嵌合部7の造形部5側(図4における右側)に必要な幅(シール性が確保できる幅)で形成して低剛性部10を構成することができる。この場合、低剛性部10を嵌合部7の外周全体に形成した場合(図2、図3参照)と比較して、鋳抜きピン1(小径軸部9)の撓み性が優先される。なお、図5に、図4に示される態様の低剛性部10の変形(塑性変形)後の形状を示す。
本実施形態では、低剛性のコーティング層を嵌合部7の外周に形成して低剛性部10を構成したが、図6、図7に示されるように、嵌合部7の外周方向へ延びる円環状の稜11を軸方向へ一定間隔あるいは不定間隔で設けることで低剛性部10を構成することができる。この場合、鋳造を複数回実施して鋳造時における鋳抜きピンの挙動に応じて稜11(低剛性部)を固有の形状に変形(塑性変形)させることにより、鋳造時における鋳抜きピン1の撓み性と、鋳抜きピン1と型部材2との間のシール性の確保とを高いレベルで両立させることができる。なお、稜11(低剛性部10)は、嵌合部7の外周を旋盤により加工することで得ることができる。また、低剛性部10は、雄ねじのように一条の稜11を嵌合部7の外周に螺旋状に形成して構成することもできるが、円環状に閉じた形状の稜11を設けた方がシール性を確保する上でより有利である。
本実施形態では、嵌合部7の外周にコーティング層を一定の厚さで形成して低剛性部10を構成したが、図8に示されるように、嵌合部7の外周にコーティング層を厚さ(鋳抜きピン1半径方向の寸法)が造形部5側(図8における右側)から小径軸部9側(図8における左側)へ向けて直線状に漸増されるように形成して低剛性部10を構成することができる。この場合、シール性を確保するために取付孔3に対する嵌合部7の造形部5側のギャップを小さく設定すると共に、嵌合部7の外周が小径軸部9側へ向けて先細り形状に形成される。そして、鋳造が複数回実施されると、低剛性部10は、鋳抜きピン1の挙動に応じて変形(塑性変形)して、例えば図9に示されるような固有の形状に形成される。このように取付孔3と低剛性部10とのギャップが小径軸部9側へ向けて漸増するように低剛性部10を変形(塑性変形)させた場合、より撓み性が優先される。
また、図10に示されるように、嵌合部7の外周にコーティング層を厚さ(鋳抜きピン1半径方向の寸法)が造形部5側(図10における右側)から小径軸部9側(図10における左側)へ向けて曲線状に漸増されるように形成して低剛性部10を構成することができる。この場合、低剛性部10は、鋳抜きピン1の挙動に応じて、例えば図11に示されるように変形(塑性変形)する。
さらに、図12に示されるように、嵌合部7の外周方向へ延びる円環状の稜11を、高さ(鋳抜きピン1半径方向の寸法)が造形部5側(図12における右側)から小径軸部9側(図12における左側)へ向けて漸増するように一定間隔あるいは不定間隔で設けることで低剛性部10を構成することができる。同様に、螺旋状に延びる一条の量を、高さ(鋳抜きピン1半径方向の寸法)が造形部5側から小径軸部9側へ向けて漸増するように設けることで低剛性部10を構成することができる。この場合も、シール性を確保するために取付孔3に対する嵌合部7の造形部5側のギャップを小さく設定すると共に、嵌合部7の外周が小径軸部9側へ向けて先細り形状に形成される。
1 鋳抜きピン、2 型部材、3 取付孔、4 キャビティ、5 造形部、6 挿入部、7 嵌合部、8 固定部、9 小径軸部、10 低剛性部、11 稜

Claims (8)

  1. 型部材の取付孔に着脱可能に取り付けられる鋳抜きピンを有するダイカスト鋳造型であって、
    前記鋳抜きピンは、前記ダイカスト鋳造型のキャビティに露出する造形部と、前記取付孔に挿入される挿入部とを含み、該挿入部は、前記造形部側に設けられて前記取付孔に嵌合される嵌合部と、該嵌合部に連続して設けられて前記嵌合部の外径よりも小さい外径を有する小径軸部とを含み、前記嵌合部の外周には、前記型部材に対して剛性が低い低剛性部が形成され、
    鋳造時における前記鋳抜きピンの挙動により前記低剛性部を変形させることを特徴とするダイカスト鋳造型。
  2. 前記低剛性部は、前記嵌合部の外周に前記型部材と異種材料からなる層を形成することにより構成されることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト鋳造型。
  3. 前記低剛性部は、前記嵌合部の外周方向へ延びる稜により構成されることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト鋳造型。
  4. 前記低剛性部は、鋳抜きピン半径方向の寸法が、前記造形部側から前記小径軸部側へ向けて漸増されることを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載のダイカスト鋳造型。
  5. ダイカスト鋳造型のキャビティに露出する造形部と、型部材の取付孔に挿入される挿入部とを含む鋳抜きピンであって、
    前記挿入部は、前記造形部側に設けられて前記取付孔に嵌合される嵌合部と、該嵌合部に連続して設けられて前記嵌合部の外径よりも小さい外径を有する小径軸部とを含み、前記嵌合部の外周には、前記型部材に対して剛性が低い低剛性部が形成され、鋳造時における前記鋳抜きピンの挙動により前記低剛性部を変形させることを特徴とする鋳抜きピン。
  6. 前記低剛性部は、前記嵌合部の外周に前記型部材と異種材料からなる層を形成することにより構成されることを特徴とする請求項5に記載の鋳抜きピン。
  7. 前記低剛性部は、前記嵌合部の外周方向へ延びる稜により構成されることを特徴とする請求項5に記載の鋳抜きピン。
  8. 前記低剛性部は、鋳抜きピン半径方向の寸法が、前記造形部側から前記小径軸部側へ向けて漸増されることを特徴とする請求項5−7のいずれかに記載のダイカスト鋳造型。
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