JP3766276B2 - ダイカスト鋳造用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳造品の外形に相当するキャビティを有すると共に、そのキャビティ内に突出し、該鋳造品に貫通孔を形成するための中子を備えるダイカスト鋳造用金型に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
ダイカスト鋳造により製造される鋳造品として、例えば図11及び図12に示すような、変速歯車装置(トランスミッション)に用いられる切換作動体1がある。この切換作動体1は、ほぼ円弧板状をなす主部2と、この主部2に直交する方向(図11で左右方向)に延びて貫通する円筒状をなす筒状部3とを一体的に備えている。また、前記主部2には円形孔4が形成され、さらに、前記筒状部3にはねじ挿通用の小孔5が上下方向に貫通するように形成されている。尚、図11に示すように、前記筒状部3は、シャフトaに嵌挿された状態で前記小孔5を通してねじ等により固定され、また、前記円形孔4がガイドシャフトbに摺動可能に挿通されるようになっている。
【0003】
一般に、ダイカスト鋳造においては、固定型と可動型とからなる金型の型締め状態で、それらの間に形成されるキャビティ内にアルミ等の金属溶湯を射出充填し、溶湯の凝固後に型開きを行って製品を取出すことが行われる。この場合、上記のような筒状部3を有する鋳造品を製造するにあたっては、金型の型締め,型開き方向を前記筒状部3の軸方向に一致させ、例えば可動型側に、筒状部3の中空部(貫通孔)3aに対応した円柱状(丸棒状)の中子をキャビティ内に突出するように設け、型締め状態で、その中子の先端面が固定型側の対向する壁面に当接するようになっている。
【0004】
しかしながら、上記のものでは、熱膨張により中子の長さ寸法が変化するといった事情もあって、型締め時に、中子の先端部と金型の対向壁面とが強く衝接して、中子の先端部や壁面に傷が付いたり変形が発生したりする不具合があり、ひいては中子の寿命が短くなる欠点があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、キャビティ内に突出する中子を備えるものにあって、中子の先端部やそれと対向する壁面における傷や変形の発生を効果的に防止することができるダイカスト鋳造用金型を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のダイカスト鋳造用金型は、固定型と可動型との型締め状態で、鋳造品の外形に相当するキャビティを形成すると共に、前記固定型及び可動型の一方にそのキャビティ内に突出し、該鋳造品に貫通孔を形成するための中子を備えるものにあって、中子を貫通孔の長さ寸法よりも長尺に構成すると共に、その先端部を球面状に形成し、固定型及び可動型の他方に、前記中子の先端部が挿入される挿入孔を、該中子の先端部の挿入長さよりも深く設け、中子の挿入孔への挿入状態で、該中子の先端部と該挿入孔との間に放熱空間が形成されるようにしたところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0007】
これによれば、型締め状態で、キャビティ内に突出する中子は、その先端部が挿入孔に挿入されるようになる。このとき、その挿入孔は、中子の先端部の挿入長さよりも深く且つ中子が挿入される大きさとされているので、熱膨張により長さ寸法が変化することがあっても、キャビティの壁面に衝接することがなくなる。この結果、中子の先端部やそれと対向する壁面における傷や変形の発生を防止することができる。
【0008】
ところで、中子は、鋳造時における金属溶湯の熱等により温度上昇するが、焼付きや溶着等を防止するためには、中子からの放熱が効果的に行われることが望ましい。このとき、中子の先端部と挿入孔との間に、放熱空間が形成されることになり、中子の先端部からの放熱効果を高めることができる。さらにこのとき、中子の先端部を、球面状に形成したことにより、表面積を大きくしてより一層放熱効果を高めることができる。先端部を球面状とすることにより、挿入孔への挿入がスムーズに行われる作用もある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、変速歯車装置(トランスミッション)に用いられる切換作動体の鋳造に適用した一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
まず、図11及び図12は、本実施例において鋳造される鋳造品たる切換作動体1の構成を示している。この切換作動体1は、例えばアルミニウム合金から構成され、ほぼ円弧板状をなす主部2と、この主部2の両側に直交する方向(図11で左右方向)に延びる直管円筒状をなす筒状部3とを一体的に備えている。従って、筒状部3は、両端が開口し軸線が左右方向に延びる中空部3aを有している。また、前記主部2には円形孔4が形成されている。
【0011】
さらに、前記筒状部3の図11で左側部位には、ねじ挿通用の小孔5が、前記の中空部3a軸線と交差する方向、この場合上下方向に直交して貫通するように形成されている。尚、図11に示すように、前記筒状部3は、シャフトaに嵌挿された状態で前記小孔5を通してねじ等により固定され、また、前記円形孔4がガイドシャフトbに摺動可能に挿通されるようになっている。
【0012】
次に、上記切換作動体1を鋳造するためのダイカスト鋳造装置6の構成について、以下述べる。図4は、本実施例に係るダイカスト鋳造装置6の全体の外観を概略的に示しており、このダイカスト鋳造装置6は、大きく分けて、鋳造を行う金型装置7と、この金型装置7に対して金属溶湯を射出充填するための射出機構8とを備えて構成されている。
【0013】
このうち金型装置7は、ベース9上に、図で右端部に位置して固定盤10を設けると共に、その左側に対向して可動盤11を接離方向(左右方向)に移動可能に設けて構成されている。そして、詳しくは後述するが、前記固定盤10に設けられた固定型12と、前記可動盤11に設けられた可動型13とから、本実施例に係る金型14が構成される。また、前記可動盤11(可動型13)は、シリンダ15やトグルリンク機構16等からなる型駆動機構17により移動され、もって型締め,型開きが行われるようになっている。尚、この金型装置7には、前記金型14に離型剤を噴霧塗布するための図示しないスプレー装置も設けられている。
【0014】
一方、前記射出機構8は、図5に示すように、前記固定型12の下端部の鋳込口18に先端が接続され、右方に延びる射出スリーブ19と、この射出スリーブ19内を摺動しながら前進,後退するプランジャ20と、このプランジャ20を可変速で往復動させる図示しない駆動装置を備えている。そして、図4に示すように、金属(アルミニウム合金)の溶湯をほぼ一定温度(例えば730℃)に保持する溶湯保持炉21を備えると共に、その溶湯保持炉21内の金属溶湯を、前記射出スリーブ19の給湯口19a(図5参照)から所定量ずつ内部に注ぎ込む自動給湯装置22を備えている。
【0015】
ここで、前記金型14部分の構成について、図1〜図3並びに図6〜図10も参照して詳述する。図6は、金型14の型締め状態における、前後方向のほぼ中心線(図7のA−A線)に沿う縦断面を示している。前記固定型12は、図7にも示すように、矩形ブロック状をなす基体23の中央の矩形状の凹所内に、所定の強度及び熱応力等を有する材料から構成された型材24を嵌合固定して構成されている。一方、前記可動型13も、図8にも示すように、矩形ブロック状をなす基体25の中央の矩形状の凹所内に、同様の型材26を嵌合固定して構成されている。
【0016】
金型14の型締め状態においては、前記型材24と型材26との間に、鋳造品(切換作動体1)の外形に対応したキャビティ27が形成されると共に、そのキャビティ27内に溶湯を導くための湯道28が上下方向に延びて形成されるようになっている。また、前記湯道28の先端部(上端部)には湯口28aが形成される。この場合、キャビティ27は、切換作動体1をその主部2の板厚方向中心線(図11に示す中心線L)で左右に分割したパーティング面とするように設けられる。これらキャビティ27及び湯道28の詳細については後述する。
【0017】
そして、前記固定型12の基体23には、前記型材24の下部に位置して左右方向に貫通する円形の貫通孔が形成され、この貫通孔にほぼ円筒状の鋳込口ブッシュ29が嵌込まれている。この鋳込口ブッシュ29の右端部が、図5にも示すような鋳込口18とされている。この鋳込口ブッシュ29の内周壁は、図で右半部が直管状をなし、左半部が左方にいくにつれて次第に径大となるテーパ状に構成されている。
【0018】
一方、前記可動型13の基体25には、前記型材24の下部に位置して分流子30が設けられている。この分流子30は、テーパ筒状をなし先端側がパーティング面から右方に突出するように設けられている。金型14の型締め状態においては、分流子30の先端部が、鋳込口ブッシュ29のほぼ半部まで挿入され、もって鋳込口ブッシュ29の上部側の内周壁との間に、前記湯道28に繋がる細い溶湯案内溝31が形成されるようになっている。
【0019】
これにて、金型14の型締め状態において、前記射出機構8の射出スリーブ19内に金属溶湯が供給され、プランジャ20が左方へ向けて前進されることにより、射出スリーブ19内の溶湯が鋳込口18から鋳込口ブッシュ29の右半部の径大な中空部に押出され、さらに、溶湯案内溝31及び湯道28を順に通って、湯口28aからキャビティ27内に射出されるようになっているのである。尚、その際、プランジャ20の先端部は、分流子30の先端部に僅かな隙間を存して近付く位置まで前進されるようになっており、鋳込成形時には、プランジャ20の先端部と分流子30の先端部との間において、金属溶湯が硬化したビスケットeが形成されるようになっている。
【0020】
さらに、前記固定型12には、図7に示すように、基体23の四隅部に位置してその表面部から図6の左方に突出する4本のガイドポスト32が設けられている。また、固定型12には、基体23及び型材24の双方を前後方向に貫通するように、型材24の温度調整用の流体が循環する循環路33が上下に位置して設けられている。詳しく図示はしないが、固定型12には、鋳造品を押出すための複数の押出ピン及びそれら押出ピンを駆動する機構等からなる押出装置34(図6に一部のみ図示)が設けられている。尚、基体23には、2か所に位置して吸引口35が表面に開口するように形成されている。
【0021】
一方、前記可動型13の基体23には、図8に示すように、前記各ガイドポスト32に嵌挿されて摺動する4個のガイド孔36が形成されており、可動型13は、ガイドポスト32に案内されることによって固定型12に対して平行を保って接離されるようになっている。また、この可動型13にも、型材24の温度調整用の流体が循環する上下2本の循環路37が設けられており、さらに、前記分流子30の内部にも、冷却水循環路38(図6参照)が設けられている。
【0022】
尚、図示はしないが、前記循環路33、循環路37並びに冷却水循環路38は、パイプ等を介して温度調整装置に接続され、適切な温度の流体が循環されるようになっている。この温度調整装置により、両型材24,26の温度が調整されてキャビティ27内に充填された金属溶湯の凝固,収縮が遅れるようになっていると共に、分流子30部分の温度が調整されて前記ビスケットe部分が、製品と同等の時期あるいはやや遅れて半凝固状態とされるようになっている。
【0023】
そして、図6に一部のみ示すように、この可動型13にも、鋳造品を押出すための複数の押出ピン39a及びそれら押出ピン39aを駆動する機構等からなる押出装置39が設けられている。後述するように、この押出装置39により、半凝固状態となった鋳造品が中子から脱出されるようになっており、以てこの押出装置39が脱出機構として機能するのである。この場合、押出ピン39aは、前記湯道28や溶湯案内溝31等で硬化した(半凝固状態となった)金属(いわゆるランナ残り)についてもそれを押出すように設けられている。
【0024】
さて、前記キャビティ27及び湯道28部分について詳述する。まず、前記固定型12の型材24の表面部には、図7に示すように、鋳造品(切換作動体1)の右半部に対応したほぼ円弧状のチェイス40が凹設されている。また、このチェイス40には、切換作動体1の円形孔4を形成するための円形の凸部40aが形成されていると共に、図1にも示すように、筒状部3の右半部の外形に対応した円形穴40bが形成されている。そして、図9にも示すように、この型材24の表面部には、前記湯口28aの半部を構成するためのランド41がそのチェイス40の下縁部の中央部に沿って円弧状に形成されている。
【0025】
これに対し、前記可動型13の型材26の表面部には、図8に示すように、鋳造品(切換作動体1)の左半部に対応し、前記チェイス40との間でキャビティ27を構成するほぼ円弧状のチェイス42が凹設されている。また、この型材26には、下端が前記溶湯案内溝31から連続して上方に延び、上端が前記チェイス42に連なる湯口28aとされた湯道28が形成されている。この湯道28は、その上端部が上方に扇状に拡開(噴射角度θ)する形態をなすと共に、図6,図9に示すように、上部部分には、湯口28aに向かって浅底となる斜面状のフィード28bが形成されている。
【0026】
また、図8に示すように、この可動型13の表面部には、チェイス42の両端のガス抜き口43aから夫々キャビティ27内の空気(あるいはガス)を排出するための2本のガス抜き路43が形成されている。これらガス抜き路43は、型材26から基体25にかけて延び、図10にも示すように、金型14の型締め状態で、その基端部が夫々前記固定型12の吸引口35に接続されるようになっている。前記吸引口35の基端側は、図示しない減圧装置に接続されている。
【0027】
これにて、金型14の型締め状態で、減圧装置が駆動されることにより、キャビティ27内の空気(ガス)が、ガス抜き口43aからガス抜き路43を通りさらに吸引口35を通して外部に排出されるようになっている。またこのとき、ガス抜き路43の途中部(ガス抜き口43の近傍)には、キャビティ27内からオーバーフローした金属溶湯を逃がすための湯溜り44が形成されている。
【0028】
そして、前記チェイス42には、図1〜図3にも示すように、前記筒状部3の左半部の外形に対応した円形穴42aが形成されていると共に、その円形穴42aの底部から鋳造品の抜き方向である右方(固定型12側)に突出して前記筒状部3の中空部3a全体を形成するための円柱状の中子45が設けられている。このとき、中子45は、筒状部3(中空部3a)の長さ寸法よりも長尺に構成されており、つまり先端部45bに余剰長さを有して構成されている。さらに、この中子45の先端部45bは球面状とされている。また、本実施例では、この中子45は、先端部45bを除いて抜き勾配を有しない均一な外径を有して構成されており、その外周面が鏡面仕上げされて、鋳造品の筒状部3の中空部3aにその表面状態が転写されるようになっている。
【0029】
これに対し、図1,図3に示すように、前記固定型12の型材24には、前記チェイス40の円形穴40bの底部から連続するように、前記中子45の先端部45bが挿入される挿入孔51が形成されている。図3に示すように、金型14の型締め状態では、中子45の先端部45bは、挿入孔51の内周面との間に極く僅かな隙間(例えば全周に渡って0.05mm程度)を存して挿入されるようになっている。また、この場合、挿入孔51は、中子45の先端部45bの挿入長さよりも十分に深く形成されている。尚、中子45のストレート部の挿入孔51への挿入量は、2mm以上確保することが望ましい。
【0030】
このとき、図1及び図2に示すように、前記中子45の途中部には、小孔5の軸線方向に延びて、後述する小孔5形成用の中子ピン46が貫通する嵌合孔45aが形成されている。尚、この中子45の外径寸法と前記筒状部3の中空部3aの内径寸法との関係は、図14に示す通りとされている。また、本実施例では、図8に示すように、中子45が、前記湯道28のキャビティ27内に延びる仮想線から外れた位置、つまり湯口28aからの溶湯の噴射角度θから外れて位置されるように、キャビティ27が形成されているのである。
【0031】
さらに、可動型13には、小孔5形成用の中子たる中子ピン46が次のようにして設けられている。即ち、図1,図2及び図8に示すように、可動型13の基体25部分には、型材26の中央やや左寄り部位から上方に延びる摺動凹部25aが形成されており、その摺動凹部25a内に摺動体47が上下に摺動自在に設けられている。中子ピン46は、抜き勾配を有しない均一外径の長尺な丸棒状をなし、摺動体47に下向きに突出するように設けられている。この中子ピン46の表面も鏡面仕上げされている。尚、この中子ピン46の外径寸法と前記筒状部3に形成される小孔5の内径寸法との関係は、図14に示す通りとされている。また、図示はしていないが、中子45の長さ寸法は、60mmとされている。
【0032】
このとき、前記型材26には、前記中子45の嵌合孔45aの延長線上を上方に延びて貫通孔26aが形成されており、前記中子ピン46の先端部はその貫通孔26aに挿通されている。このとき、図13に示すように、前記中子ピン46の先端部はいわゆる面取りされた形態とされている。また、図1及び図2に示すように、型材26のチェイス42の円形穴42aの内周壁の下部側には、嵌合孔45aの延長線上、下方に位置して前記中子ピン46の先端が嵌合する嵌入穴42bが形成されている。図13に示すように、この嵌入穴42bは、その開口部分がテーパ状に拡開する形態に設けられている。
【0033】
これにて、中子ピン46は、摺動体47が摺動凹部25aの下端部に位置する状態で、図1に示すように、貫通孔26aを通してキャビティ27内に突出し、嵌合孔45aを貫通して先端が嵌入穴42bに嵌入した突出位置に位置されるようになっている。これに対し、摺動体47が摺動凹部25aの上部に移動されることにより、図2に示すように、中子ピン46がキャビティ27内から退避し、その先端が貫通孔26aの途中部位に位置する没入位置に移動されるようになっている。
【0034】
そして、図1及び図8に示すように、前記摺動体47の上部には、上方に延びるバー48が設けられ、このバー48が可動型13の上端にばね49により上方に付勢された状態で支持されている。これと共に、図2にも示すように、摺動体47には、前記固定型12(右方)に向けて下降傾斜するガイド孔47aが貫通形成されており、これに対し、前記固定型12には、前記ガイド孔47aに対応して左方に向けて上昇傾斜するガイドピン50が、可動型13側に突出して設けられている。
【0035】
このガイドピン50は、図2に示すように、金型14の型開き状態では、摺動体47のガイド孔47aから離間し、もって中子ピン46が没入位置に位置されている。一方、可動型13が固定型12に対して接触する方向に移動されると、ガイドピン50が相対的にガイド孔47aに挿入されていき、このときそれらが傾斜していることよって摺動体47がばね39の力に抗して下方に移動していく。そして、図1に示すように、金型14の型締め状態では、中子ピン46が突出位置に位置されるようになっている。従って、ガイド孔47aやガイドピン50等から、中子ピン46を突出位置と没入位置との間を移動させる移動機構が構成されているのである。
【0036】
次に、上記構成のダイカスト鋳造装置6を用いて切換作動体1を鋳造する鋳造方法について、図15及び図16も参照して述べる。図15は、本実施例における鋳造条件を示しており、また、図16は、本実施例における1サイクルの鋳造の工程と各装置の動作との関係を示している。図16に示すように、切換作動体1の鋳造は以下の6工程を経て行われる。
【0037】
即ち、まず第1工程では、金型14の型開き状態で、スプレー装置が作動されて金型14の中子45や中子ピン46を含むキャビティ27や湯道28部分等に離型剤が噴霧塗布される。中子ピン46については、型材26からの露出部分に離型剤が塗布されることになる。このときには、可動型13が固定型12から離間しているので、図2に示すように、中子ピン46については没入位置に位置している。尚、この第1工程から第6工程まで、温度調整装置は継続して動作され、金型14は所定の温度に制御されるようになっている。
【0038】
次の第2工程では、型駆動機構17により金型14の型締めが行われる。この型締めにより、図6に示すように、可動型13が固定型12に接合されてそれらの間にキャビティ27,湯道28及び溶湯案内溝31等が形成されるようになる。このとき、図1に示すように、可動型13側に設けられた中子45が固定型12の円形穴40内に侵入してキャビティ27には筒状部3に対応した空間が形成される。
【0039】
また、中子45の先端部45bが、円形穴40の底面から連続する挿入孔51内に挿入されるのであるが、先端部45bが球面状とされていることにより挿入はスムーズに行われる。さらには、挿入孔51は深く形成されているので、中子45の先端部45bが挿入孔51の底部に当接することはなく、また、挿入孔51内に放熱空間が形成される。
【0040】
そして、これと共に、ガイド孔47aとガイドピン50との作用により、中子ピン46が下方に移動し、貫通孔26aを通してキャビティ27内に突出し、嵌合孔45aを貫通して先端が嵌入穴42bの嵌入した突出位置に移動され、小孔5に対応した位置に中子ピン46が位置されるようになる。
【0041】
引続き第3工程にて、金型14の型締め状態において、減圧装置が作動されてキャビティ27内の空気(ガス)が吸引されて負圧状態となると共に、射出機構8により所定量の金属溶湯が射出スリーブ19から鋳込口18を通して金型14内に射出充填される。これにて、金属溶湯が、溶湯案内溝31,湯道28を順に通って湯口28aからキャビティ27内に射出充填されるようになる。このとき、キャビティ27内は負圧状態とされているので、充填される金属溶湯の湯回りが良好となる。また、金属溶湯は若干余分に充填されるが、その余剰分を湯溜り44に逃がすことができる。さらには、前記中子45と挿入孔51との間には僅かな隙間が生じているが、金属溶湯が隙間に侵入することがほとんどなく、バリ等の発生をほとんどなく済ませることができる。
【0042】
また、このとき、金属溶湯はいわば滝のような激流状態でキャビティ27内に射出される事情があるが、ここでは、図8に示すように、中子45(及び中子ピン46)が湯道28のキャビティ27内に延びる仮想線から外れて位置されているので、湯口28aからキャビティ27内に射出された金属溶湯が、中子45及び中子ピン46に直接的に当たることはなく、キャビティ27の内壁に当接して分散した上で充填されるようになる。これにより、中子45及び中子ピン46の過大な温度上昇を防ぐことができる。尚、射出機構8のプランジャ20は、鋳込口ブッシュ29内を図6に二点鎖線で示す位置まで前進するのであるが、少なくとも溶湯が半凝固状態となるまではその位置に保持されるようになる。
【0043】
キャビティ27内への金属溶湯の充填が完了すると、キャビティ27内の金属溶湯の温度が下がり始めるのであるが、次の第4工程は、金型14の型締め状態を保ったまま、金属溶湯が半凝固状態となるのを待つ工程となる。この金属溶湯の半凝固状態とは、より具体的には、キャビティ27内の溶湯がその表面部においては凝固状態であるが内部については未だ融体である状態(ゲル状態)であり、凝固収縮が始まる前の状態をいう。また、ここでいう融体とは、その固さを感覚的に表現すると、餅のような状態、あるいはプリンや豆腐のような状態をいう。本実施例では、温度調整装置により、この半凝固状態が比較的長く続くようにしている。
【0044】
キャビティ27内の金属溶湯が半凝固状態となると、次の第5工程では、型駆動機構17による金型14の型開きが行われると共に、固定型12側の押出装置34が駆動されるようになる。これにより、半凝固状態の鋳造品が、可動型13と一体的に固定型12から離型されるようになると共に、可動型13の移動によって中子ピン46がキャビティ27から抜け出して没入位置に移動するようになる。このとき、中子ピン46の抜出しは、溶湯金属の収縮に起因する中子ピン46に対する締付け力の発生がない或いはほとんどない状態で行うことができ、中子ピン46の抜き勾配が零でもスムーズに抜出すことができ、また、細長い中子ピン46に大きな応力が作用することもなく、折れ等の不具合を生じないのである。
【0045】
引続き、第6工程では、金属溶湯(鋳造品)が半凝固状態の時点で、可動型13の押出装置39が駆動され、鋳造品(切換作動体1)が中子45から脱出される。このときも、溶湯金属の収縮に起因する中子45に対する締付け力の発生がほとんどない状態で鋳造品の中子45からの脱出を行うことができ、中子45の抜き勾配が零でもスムーズに鋳造品を離型させることができる。尚、このとき、湯道28及び溶湯案内溝31にて凝固したランナや、前記ビスケットeについても可動型13から取外され、鋳造品(切換作動体1)と分離される。
【0046】
上記のようにして鋳造された切換作動体1は、中空部3aを有した筒状部3を一体に備えると共に、その筒状部3に小孔5が予め形成されたものとなる。このとき、中子45及び中子ピン46に、抜き勾配を設ける必要がなくなったので、筒状部3の中空部3aの内周面及び小孔5の内周面に対する寸法精度も高いものとなり、その後の寸法を出すための精密な切削加工等を不要とすることができるのである。
【0047】
このように本実施例によれば、キャビティ27内に突出する中子45を長尺に構成し、金型14の型締め状態で、その先端部45bが挿入孔51に挿入されるように構成したので、熱膨張により中子45の長さ寸法が変化することがあっても、キャビティ27の壁面に衝接することがなくなる。この結果、中子45の先端部45bやそれと対向するキャビティ27の壁面における傷や変形の発生を効果的に防止することができ、ひいては中子45等の寿命の延長を図ることができるものである。
【0048】
また、これと併せて、挿入孔51内に放熱空間が確保されることによる中子45の放熱効果を高めることができ、特に中子45の先端部45bを球面状に形成したことにより、表面積を大きくしてより一層放熱効果を高めることができ、中子45の先端の熱のこもり現象を防止する効果も得られる。
【0049】
そして、特に本実施例では、中空部3aを有した筒状部3及びそれと交差する小孔5を有する鋳造品(切換作動体1)を製造するにあたって、金型14のキャビティ27内に、抜き勾配を有しない中空部3a形成用の中子45を配置すると共に、金型14の型締め状態で、抜き勾配を有しない小孔5形成用の中子ピン45を中子45の嵌合孔45aに挿通された状態で配置させるようにし、金属溶湯の凝固収縮前の半凝固状態にて、中子ピン46を鋳造品から抜出すと共に、鋳造品を中子45から脱出させるようにした。
【0050】
これにより、図14に示されているような金型寸法の中子45及び中子ピン46を使用して鋳造した結果、製品寸法の中空部3a及び小孔5を有する鋳造品を鋳造することができた。即ち、鋳造において正規の寸法の筒状部3を形成することを可能とすると共に小孔5についての形成をも可能とし、鋳造品の筒状部3の内面及び小孔5の内周面に対する寸法を出すための精密な切削加工が不要となり、しかも、鋳造後の面倒な孔明け等の機械加工を不要とすることができるようになったのである。従って、取出された鋳造品(切換作動体1)に対して何ら後加工をせずにあるいはゲート残りの処理、バリ取り等の外観を整える程度の僅かな仕上げを施すだけで済み、製造コストの大幅な低減を図ることができるものである。
【0051】
しかも、本実施例では、金型14にキャビティ27を形成するに際し、中子45及び中子ピン46が、湯口28aからの溶湯の噴射角度θから外れて位置されるように構成したので、溶湯が直接的に噴射されることによる中子45及び中子ピン46の過大な温度上昇を防ぐことができ、それらの焼付き,溶着等を未然に防止することができるという利点も得ることができるものである。
【0052】
尚、上記実施例では、中子45及び中子ピン46の抜き勾配を零とするように構成したが、抜き勾配を設けたものであっても良く、また、中子ピン46についても、キャビティのその先端が対向する部分に挿入孔を設けるようにすれば、同様の作用,効果を得ることができる。その他、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば鋳造品としては切換作動体1に限らず、ダイカスト鋳造全般に適用することができる等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【0053】
【発明の効果】
以上の説明にて明らかなように、本発明のダイカスト鋳造用金型によれば、固定型及び可動型の一方にキャビティ内に突出する中子を備えるものにあって、中子を貫通孔の長さ寸法よりも長尺に構成すると共に、その先端部を球面状に形成し、固定型及び可動型の他方に、前記中子の先端部が挿入される挿入孔を、該中子の先端部の挿入長さよりも深く設け、中子の挿入孔への挿入状態で、該中子の先端部と該挿入孔との間に放熱空間が形成されるようにしたので、中子の先端部やそれと対向する壁面における傷や変形の発生を効果的に防止することができ、しかも中子からの放熱効果を高めることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、金型の型締め状態における縦断正面図(図8のB−B線に沿う断面図)
【図2】型開き状態における可動型の縦断正面図(図8のB−B線に沿う断面図)
【図3】中子部分の拡大縦断面図
【図4】ダイカスト鋳造装置の全体の概略的正面図
【図5】射出機構部分の縦断正面図
【図6】型締め状態における金型の縦断正面図(図7のA−A線に沿う断面図)
【図7】固定型の左側面図
【図8】可動型の右側面図
【図9】湯口部分の拡大縦断正面図
【図10】図8のC−C線に沿う吸引口部分の拡大縦断面図
【図11】切換作動体の正面図
【図12】図11のD−D線に沿う切換作動体の縦断側面図
【図13】嵌入穴部分の拡大図
【図14】各部の寸法関係を示す図
【図15】鋳造条件を示す図
【図16】工程と各機構の動作の関係を示す図
【符号の説明】
図面中、1は切換作動体(鋳造品)、3は筒状部、3aは中空部、5は小孔、6はダイカスト鋳造装置、8は射出機構、12は固定型、13は可動型、14は金型、17は型駆動機構、27はキャビティ、28は湯道、28aは湯口、39は押出装置(脱出機構)、45は中子、45aは嵌合孔、45bは先端部、46は中子ピン、51は挿入孔を示す。

Claims (1)

  1. 固定型と可動型との型締め状態で、鋳造品の外形に相当するキャビティを形成すると共に、前記固定型及び可動型の一方にそのキャビティ内に突出し、該鋳造品に貫通孔を形成するための中子を備えるものであって、
    前記中子を、前記貫通孔の長さ寸法よりも長尺に構成すると共に、その先端部を球面状に形成し、
    前記固定型及び可動型の他方に、前記中子の先端部が挿入される挿入孔を、該中子の先端部の挿入長さよりも深く設
    前記中子の前記挿入孔への挿入状態で、該中子の先端部と該挿入孔との間に放熱空間が形成されることを特徴とするダイカスト鋳造用金型。
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