JP2006108404A - Soiウェーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁体上にシリコン薄膜を形成したSOIウェーハの製造方法であって、少なくとも複数の熱処理工程を含み、該複数の熱処理工程のうち最後に行なう熱処理として、水素を含む雰囲気下300〜440℃の熱処理及び/又は窒素雰囲気下400〜1100℃の熱処理を行なうことを特徴とするSOIウェーハの製造方法。
【選択図】なし
Description
このように、SOIウェーハを貼り合わせ法により製造する場合、高温で行なわれる貼り合わせ法工程中の熱処理により界面準位密度が増加する場合があるが、本発明によればこのようにして増加した界面準位密度を最後に行なう熱処理によって好適に低減できる。
このように、SOIウェーハをSIMOX法により製造する場合、イオン注入とそれに続いて高温で行なわれる埋め込み酸化膜形成熱処理により界面準位密度が増加する場合があるが、本発明によればこのようにして増加した界面準位密度を最後に行なう熱処理によって好適に低減できる。
このように、SOIウェーハをSIMOX法により製造する場合であって、前記の埋め込み酸化膜形成熱処理を行なった後、さらに該形成した埋め込み酸化膜を厚くするいわゆるITOX(Internal Thermal OXidation)熱処理を行なう場合、このITOX熱処理によっても界面状態が改善されるが、本発明によれば最後に行なう熱処理によって界面準位密度をさらに好適に低減できる。
このように、SOIウェーハ製造工程において、それまでに行なった熱処理工程やその他の製造工程により界面準位密度が増加して1×1012cm−2eV−1より高い値となったとしても、本発明の最後の熱処理を行なうことにより、界面準位密度を1×1012cm−2eV−1以下の値に改善することができ、これによって例えばキャリア移動度を改善することができる。
前述のように、デバイス用基板として近年利用されているSOIウェーハにおいて、シリコン活性層/BOX酸化膜界面等の界面準位密度の低減は重要である。
しかし、この界面準位密度の制御は、SOIウェーハ製造工程の複雑さなども影響し非常に難しかった。
そこで本発明者らは、このような複雑なSOIウェーハ製造工程においても界面準位密度を制御し、界面準位密度の低いSOIウェーハを製造できる方法を検討したところ、たとえばSIMOX法であれば、酸素イオン注入層の形成工程とそれに続く高温での埋め込み酸化膜形成熱処理工程の影響でシリコン活性層/BOX酸化膜界面のDit(界面準位密度)が増加する可能性があることを見出した。一方の貼り合わせSOIにしても、例えば2枚のウェーハの貼り合わせの後に高温での熱処理が行なわれる等して、シリコン活性層/BOX酸化膜間のDitが増加する可能性があるのは同様である。
本発明者らは、この課題を解決するため、SOIウェーハの製造工程に含まれる熱処理工程のうち最後に行なう熱処理として、水素を含む雰囲気下300〜440℃の熱処理又は窒素雰囲気下400〜1100℃の熱処理、あるいはこれらの両方の熱処理を行なえば、それまでに行なった熱処理工程やその他のSOIウェーハ製造工程において増加した界面準位密度を低減でき、キャリア移動度の高いシリコン活性層を有するSOIウェーハを製造できることに想到し、本発明を完成させた。
図1は本発明に従うSOIウェーハの製造方法であって貼り合わせ法を用いる場合の一例を示す工程図である。
特に、界面準位密度が増加して1×1012cm−2eV−1より高い値となったとしても、工程1Eの熱処理を行なうことにより、界面準位密度を1×1012cm−2eV−1以下の値に改善することができ、これによってキャリア移動度を改善することができる。
また、これらの水素を含む雰囲気下での熱処理及び窒素雰囲気下での熱処理を組み合わせて両方行なってもよい。これらの熱処理を組み合わせることで、さらに様々の原因により生じた界面状態の問題を解決することができる。
具体的には、例えば酸素を数十%程度含むアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下1300℃以上で数時間の熱処理を行うことによって、雰囲気から基板中に導入される酸素により埋め込み酸化膜を成長させて厚膜化することができる。このITOX熱処理により、埋め込み酸化膜の絶縁耐圧が向上し、さらにシリコン活性層/BOX酸化膜の界面の平坦度等が改善され、またシリコン活性層表面の表面粗さも改善されるという効果が得られる。また、ITOX熱処理を行なうとシリコン活性層表面に酸化膜が成長することによりシリコン活性層が消費され、それによって薄膜のシリコン活性層が得られるという利点も持ち合わせている。
このような工程により、シリコンウェーハは絶縁体上にシリコン薄膜を形成したSOI構造を有するSOIウェーハとなる。
前述の場合と同様、界面準位密度が増加して1×1012cm−2eV−1より高い値となったとしても、工程2Eの熱処理を行なうことにより、界面準位密度を1×1012cm−2eV−1以下の値に改善することができ、これによってキャリア移動度を改善することができる。
このような最後の熱処理は、工程に存する複数の熱処理のうち最後の熱処理として行なわれる必要がある。SOIウェーハの製造工程において、この熱処理後にさらに熱処理が行なわれると、再び界面準位が発生してしまうおそれがあるからである。従って、本発明の最後の熱処理は、工程にある複数の熱処理のうち最後となる熱処理が本発明のものであればよく、必ずしも工程のうち最終工程がこの熱処理である必要はない。従って、最後の熱処理の後に洗浄等の工程が行なわれることは、もちろん有り得る。
(実施例1)
試料として導電型がP型で直径200mm、面方位<100>のシリコンウェーハからSIMOX法によりSOIウェーハを作製した。なお、このP型ウェーハのドーパントはボロンである。また、シリコン活性層/BOX酸化膜厚さは、100/145nm程度のものである。
上記SOIウェーハの製造工程において、埋め込み酸化膜形成熱処理とITOX熱処理を行なった後、従来のPseudo−MOSFETによる方法によりシリコン活性層/BOX酸化膜界面の界面準位密度と電子移動度を評価したところ、Ditが5×1012cm−2eV−1以上、電子移動度が500cm2V−1s−1前後と界面状態が悪いウェーハが見つかった。そこで、図4に示すように、炉内温度を400℃とし窒素ガスを20l/minの流量で導入する熱処理炉に上記の界面状態が悪いウェーハを投入し、上記窒素ガスの導入に加えて水素ガスを1l/minの流量で導入し、30分間のシンター熱処理を行なった。その後、水素ガスの導入を停止し、窒素ガスのみ導入して30分パージングを行い、その後ウェーハを取り出した。そして、再度シリコン活性層/BOX酸化膜界面の界面準位密度と電子移動度を評価したところ、Ditが5×1011cm−2eV−1以下、電子移動度が650cm2V−1s−1となり、界面の状態が大幅に改善された。
試料として実施例1と同様の方法で同様の特性のSOIウェーハを作製した。
上記SOIウェーハの製造工程において、埋め込み酸化膜形成熱処理とITOX熱処理を行なった後、実施例1と同様の方法によりシリコン活性層/BOX酸化膜界面の界面準位密度と電子移動度を評価したところ、Ditが5×1012cm−2eV−1以上、電子移動度が500cm2V−1s−1前後と界面の状態が悪いウェーハが見つかった。そこで、図5に示すように、炉内温度を1000℃とし、窒素ガスを20l/minの流量で導入する熱処理炉に上記の界面状態が悪いウェーハを投入し、60分間のアニール熱処理を行ない、その後ウェーハを取り出した。そして、再度シリコン活性層/BOX酸化膜界面の界面準位密度と電子移動度を評価したところ、Ditが6×1011cm−2eV−1以下、電子移動度が660cm2V−1s−1となり、界面の状態が大幅に改善された。
試料として実施例1と同様の方法で同様の特性のSOIウェーハを作製した。
上記SOIウェーハの製造工程において、埋め込み酸化膜形成熱処理とITOX熱処理を行なった後、実施例1と同様の方法によりシリコン活性層/BOX酸化膜界面の界面準位密度と電子移動度を評価したところ、Ditが5×1012cm−2eV−1以上、電子移動度が500cm2V−1s−1前後と界面の状態が悪いウェーハが見つかった。そこで、この界面状態の悪いウェーハに、実施例1と同様な方法で水素を含む雰囲気下でのシンター熱処理を行なった後、実施例2と同様な方法で窒素雰囲気下のアニール熱処理を行なった。そして、再度シリコン活性層/BOX酸化膜界面の界面準位密度と電子移動度を評価したところ、Ditが4×1011cm−2eV−1以下、電子移動度が680cm2V−1s−1となり、界面の状態が大幅に改善された。
例えば、上記実施例ではSIMOX法により作製したSOIウェーハについて説明したが、本発明のSOIウェーハの製造方法は貼り合わせ法により作製したSOIウェーハやその他の方法で作製したSOIウェーハであっても効果を奏するものである。
10…SOIウェーハ、
S…ソース電極、 D…ドレイン電極、 G…ゲート電極。
Claims (5)
- 絶縁体上にシリコン薄膜を形成したSOIウェーハの製造方法であって、少なくとも複数の熱処理工程を含み、該複数の熱処理工程のうち最後に行なう熱処理として、水素を含む雰囲気下300〜440℃の熱処理及び/又は窒素雰囲気下400〜1100℃の熱処理を行なうことを特徴とするSOIウェーハの製造方法。
- 前記SOIウェーハを、ボンドウェーハとベースウェーハとを貼り合わせる貼り合わせ法により製造し、前記熱処理工程として、前記SOIウェーハの貼り合わせ面を結合させる熱処理を含むものとすることを特徴とする請求項1に記載のSOIウェーハの製造方法。
- 前記SOIウェーハを、シリコンウェーハに酸素イオンをイオン注入して埋め込み酸化膜を形成するSIMOX法により製造し、前記熱処理工程として、前記SOIウェーハの埋め込み酸化膜を形成する熱処理を含むものとすることを特徴とする請求項1に記載のSOIウェーハの製造方法。
- 前記熱処理工程として、前記埋め込み酸化膜を形成する熱処理の後に、該形成した埋め込み酸化膜を厚くする熱処理を含むものとすることを特徴とする請求項3に記載のSOIウェーハの製造方法。
- 前記最後の熱処理により、前記SOIウェーハのシリコン薄膜と絶縁体との界面における界面準位密度を1×1012cm−2eV−1より高い値から1×1012cm−2eV−1以下の値とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のSOIウェーハの製造方法。
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