JP2006100060A - 光電変換素子の容器、光電変換ユニット、および光電変換モジュール - Google Patents

光電変換素子の容器、光電変換ユニット、および光電変換モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】 光電変換素子を自由に直列接続および/あるいは並列接続させることが可能であって、光電変換素子相互の電気的接続を容易にする光電変換素子の容器、および該容器に光電変換素子を収納してなる光電変換ユニット、並びに該光電変換ユニットを複数個接続した光電変換モジュールを提供する。
【解決手段】 光電変換素子の容器であって、上記容器は、容器本体と、容器本体の側面部の外側に、容器本体に収納される光電変換素子の正極および負極のそれぞれに、導電体を介して電気的に接続するための2つの電極を有しており、容器本体は、平面形状が略四辺形であり、上記2つの電極は、それぞれが、容器本体の側面部外側のうち、上記略四辺形の、互いに隣接する3つの辺に対応する箇所に、容器本体を挟んで互いに対向するように、かつ互いに接触することなく配されていることを特徴とする光電変換素子の容器である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池などの光電変換素子に用いるのに適した容器と、該容器に光電変換素子を収納してなる光電変換ユニット、並びに該光電変換ユニットで構成される光電変換モジュールに関するものである。
1991年にグレッツェルらが提唱した色素増感太陽電池は、シリコン半導体のpn接合とは異なる機構により作動し、高い変換効率を示して注目を浴びてきた。色素増感太陽電池は、光を捕集して色素が生成する励起電子を半導体内に注入することで光電変換を実現している。従って、光捕集力を高めるために増感色素を半導体に多量に担持させること、さらには、増感色素からできるだけ早く半導体へ電子を注入させることが重要である。グレッツェル・セルとも言われるこの新しい色素増感太陽電池は、超微粒子の酸化チタンからなる多孔質膜に増感色素であるルテニウム錯体を担持させることで、この課題を解決している(例えば、非特許文献1参照)。
このグレッツェル・セルは、酸化チタンの超微粒子を分散したペーストを透明電極に塗布して増感色素を担持させ、対電極との間に電解質を充填するだけで組み立てることができる。従って、従来の太陽電池と比べて、簡便な装置で製造が可能であり、次世代太陽電池の一つとして注目されている。
単セルの色素増感太陽電池の出力電圧は約0.7Vであるが、色素増感太陽電池によって各種デバイスを駆動させるには、例えば、1.5Vや4V以上の出力電圧が必要である場合が多く想定されるので、色素増感太陽電池を直列接続して出力電圧を高くすることが必要である。このような事情を受けて、色素増感太陽電池を直列接続したモジュールを作製する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
グレッツェル(Gratzel)、外1名、「ネイチャー(Nature)」、(英国)、1991年10月24日、第353巻、p.737−740 特開2004−119082号公報
従来の太陽電池は予め定められた定格電圧と定格電流を出力するモジュールで供給されるため、利用者が望む電圧と電流を得るためにはコンバーターなどを利用せざるを得なかった。よって、太陽電池で発電された電力はコンバーターの駆動電力分だけ損失することになり、特に、省電力デバイスの電源として太陽電池を使用する場合、コンバーターの電力損失は決して無視することができない問題である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、省電力デバイスなどに適切な電圧と電流を供給する光電変換素子を利用者に容易に提供するために、光電変換素子を自由に直列接続および/または並列接続させることが可能であって、光電変換素子相互の電気的接続を容易にする光電変換素子の容器、および該容器に光電変換素子を収納してなる光電変換ユニット、並びに該光電変換ユニットを複数個接続した光電変換モジュールを提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の光電変換素子の容器(以下、単に「容器」という場合がある)は、容器本体と、上記容器本体の側面部の外側に、上記容器本体に収納される光電変換素子の正極および負極のそれぞれに、導電体を介して電気的に接続するための2つの電極を有しており、上記容器本体は、平面形状が略四辺形であり、上記2つの電極は、それぞれが、上記容器本体の側面部外側のうち、上記略四辺形の、互いに隣接する3つの辺に対応する箇所に、上記容器本体を挟んで互いに対向するように、かつ互いに接触することなく配されていることを特徴とするものである。
また、上記光電変換素子の容器に、光電変換素子を収納してなる光電変換ユニットと、該光電変換ユニットを複数個、直列接続および/または並列接続してなる光電変換モジュールも本発明に包含される。
本発明の容器に光電変換素子を収納した本発明の光電変換ユニットによれば、光電変換素子相互の電気的接続が容易となるため、複数の光電変換素子を接続するに当たり、直列接続および/または並列接続が任意に設定でき、所望の出力電圧や出力電流を有する本発明の光電変換モジュールを容易に提供できる。
すなわち、本発明の光電変換モジュールは、光電変換素子(光電変換ユニット)の接続構成を容易に変更でき、所望の出力電圧や出力電流を容易に確保できる。
本発明の容器を、図を参照しつつ説明する。図1は、本発明の容器の一例を示す平面図である。図1中、1は容器本体、2、3は電極である。図1に示すように、本発明の容器は、その平面形状(容器上部の平面視での形状)が略四辺形であり、容器本体1の側面部の外側には、容器本体1に収納される光電変換素子の正極および負極のそれぞれに、導電体を介して電気的に接続するための電極2、3が配されている。
そして、これら2つの電極2、3は、それぞれが、容器本体1の側面部外側のうち、上記略四辺形の、互いに隣接する3つの辺に対応する箇所に、容器本体1を挟んで互いに対向するように、かつ互いに接触することなく配されている。言い換えれば、本発明の容器は、例えば、容器本体1が、上面および底面が四辺形で、上面と底面を繋ぐ4つの側面部を有する六面体で構成されている場合、2つの電極2,3は、それぞれが、4つの側面部のうち、互いに隣接する3つの側面部に亘って、容器本体1を挟んで互いに対向するように、かつ互いに接触することなく配されている。
なお、容器本体1の平面形状の略四辺形には、例えば、正方形や長方形、平行四辺形といった各種四辺形の他、これらの各四辺形の角部の一部または全部が曲線や切り欠き形状となっているものも含まれる。
本発明の容器では、上記のように配された2つの電極を有している。よって、容器本体1に光電変換素子を収納し、光電変換素子の正極を容器の一方の電極2または3に、光電変換素子の負極を他方の電極3または2に、それぞれ導電体を介して接続して得られる光電変換ユニットを複数用意し、これらを、例えば、図2、図3または図4のように縦横に接続することで、複数の光電変換素子の直列接続(図2)、並列接続(図3)、または直並列接続(図4)が達成できる。
なお、上記2つの電極が互いに接触することなく配されていない場合には、容器本体に収納される光電変換素子が短絡して発電し得ない。また、2つの電極が互いに対向するように配されていなければ、たとえ容器本体側面部外側のうち、容器本体の平面形状を表す上記略四辺形の、互いに隣接する3つの辺に対応する箇所に、2つの電極が配されていたとしても、例えば図5に示すように、光電変換ユニット同士の直列接続および/または並列接続を実現することが困難となる。さらに、上記2つの電極が、容器本体側面部外側のうち、容器本体の平面形状を表す上記略四辺形の隣接しない3辺に対応する箇所に、若しくは、該略四辺形の1辺、2辺または4辺に対応する箇所に、配されている場合、容器を任意に縦横に接続するだけでは、直列接続および/または並列接続を実現できない場合がある。
なお、2つの電極2、3は、例えば、電極全体が、容器本体の側面部外側において連続している必要はなく、例えば、後記の図10に示すように、容器本体の内側で連続しており、容器本体の側面部外側では、分割されていても構わない。
このように、本発明の容器は、上記2つの電極の存在により、例えば電池ホルダーのような外部接続端子を利用することなく、複数の容器を縦横に並べることで、容易に直列接続および/または並列接続を実現するように電気的接続を確保することができる。
また、本発明の容器では、下記に示すような係合手段を設けておくことで、光電変換素子相互の電気的接続に加えて、機械的係合も容易に達成できる。よって、本発明の容器に光電変換素子を収納してなる本発明の光電変換ユニットを複数接続してなる本発明の光電変換モジュールでは、その機械的構造を維持するための支持体などを利用しなくてもよい。
上記係合手段としては、例えば、(1)磁力の作用を利用する係合手段、(2)ホゾ−ホゾ穴の関係のような凹部と凸部の嵌め合わせを利用する係合手段、などが挙げられる。これらの係合手段の他にも、例えば、ホックやファスナーなどによる係合手段も採用できる。
(1)の係合手段としては、具体的には、容器本体の側面部に磁石と磁性体を配することが挙げられる。これらを配置するには、例えば、容器本体側面部のうち、容器の平面形状を表す上記略四辺形の任意の一辺に対応する箇所に磁石を配し、上記略四辺形の該一辺に対向する一辺に対応する箇所に磁性体を配し、かつ、これらの磁石および磁性体は、該容器に隣接する容器に配されている磁性体および磁石と対向するように配することが推奨される。
また、磁石と組み合わせる磁性体としては、該磁石と極性が異なるように配された磁石であってもよく、これを用いることで、光電変換素子相互の電気的接続における誤りを防止することができる。すなわち、誤った極間で光電変換素子(光電変換ユニット)を接続しようとすると、容器相互の磁石の極が同じになるため、反発し合う磁力作用によって、接続ができないからである。
(2)の係合手段としては、容器本体の側面部に、凸部と、該凸部を嵌合可能な形状の凹部を設けることが挙げられる。これらを設けるには、例えば、容器本体側面部のうち、容器の平面形状を表す上記略四辺形の任意の一辺に対応する箇所に凸部を設け、上記略四辺形の該一辺に対向する一辺に対応する箇所に凹部を設け、かつ、これらの凸部および凹部は、該容器に隣接する容器に設けられている凹部および凸部と対向するように設けることが推奨される。
また、複数の容器について、例えば、収納される光電変換素子の正極に接続されている電極側に接続する側を凸部、同負極に接続されている電極側に接続する側を凹部、というように、接続する極性ごとに凸部凹部の形状を分別しておくことで、誤った電気的接続を防止できる。
なお、単に誤った電気的接続を防止するのであれば、例えば、正極または負極の目印を容器に刻印するなどして付しておけばよい。
光電変換素子(すなわち、光電変換ユニット)相互の電気的接続をより確実にする観点から、本発明の容器に係る上記2つの電極は、少なくとも一方が弾性を有していることが望ましい。電極に弾性を持たせるには、例えば、電極自体をばね構造としたり、通電性のばねを、電極を構成する材料に後付けして全体として電極としたり、金属粉や黒鉛などの導電性物質を含有させたゴムなどの弾性体を、電極を構成する材料に貼り付けて全体として電極としてもよい。
本発明の容器の側面部に配された上記2つの電極は、それぞれが、容器本体に収納される光電変換素子の正極、負極のいずれか一方と導電体を介して電気的に接続される。上記導電体としては、導電性を有してれば特に限定されず、導線、金属箔、金属メッシュ、導電テープ、導電シート、導電フィルムなどを使用することができる。
本発明の容器は、上記2つの電極間での短絡を防止するために、容器本体が絶縁性の材料で構成されていることが望ましい。具体的には、絶縁性材料であれば、特に限定されるものではなく、木材、陶磁器などを使用することができるが、容器の成形、切削が容易なプラスチック類が好ましい。好適なプラスチック類としては、例えば、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル‐スチレン樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂などが例示できる。
また、2つの電極の素材としては、導電性を有していれば特に限定されず、導線、金属箔、金属メッシュ、導電テープ、導電シート、導電フィルムなどを使用することができる。
また、本発明の容器では、収納された光電変換素子を効率よく発電させる観点から、光電変換素子に光を照射するために容器本体内部に光を取り込む箇所、例えば、容器本体のうち、上面部と底面部の少なくとも一方が、全光線透過率が80%以上の部分を有するカバーで構成されていることが好ましい。なお、光の取り込みだけを考慮すると、容器本体の上面部や底面部に何も設けないことも可能であるが、この場合には、光電変換素子が容器から外れ、破損する虞があることから、カバーを設けることが望ましい。カバーの材質は、透光性があり、上記の全光線透過率が達成できるものであれば特に限定されないが、例えば、ガラス;再生セルロース、ジアセテートセルロース、トリアセテートセルロース、テトラアセチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、シクロオレフィンポリマー、ノルボルネン樹脂、ポリスチレン、塩酸ゴム、ナイロン、ポリアクリレート、ポリフッ化ビニル、ポリ四フッ化エチレンなどのプラスチック;が挙げられる。
なお、上記カバーの全光線透過率は、日本分光社製の紫外可視分光光度計「V−570」に、日本分光社製の宝石測定用積分球装置を取り付け、波長380〜780nmでの試料の散乱率データおよび全光線透過率データを測定し、日本分光社製のヘイズ値計算プログラムにより算出した。このプログラムは、JIS K 7105:1981 プラスチックの光学的特性試験法、JIS K 7136:2000 プラスチック−透明材料のヘイズの求め方、およびJIS K 7361:1997 プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法、に記載の試験方法に準拠したものである。
また、紫外線による光電変換特性の劣化を防ぐために、上記カバーが紫外線カット機能を有することが好ましい。上記カバーに紫外線カット機能を付与する方法は特に限定されず、従来公知の各種方法(例えば、カバーを構成するプラスチックに公知の紫外線カット剤を含有させるなど)が適用できる。
本発明の容器には、光電変換素子が収納されるが、光電変換素子の単セル(単一の素子)だけでなく、光電変換素子を直列接続および/または並列接続してモジュール化したものも収納することができる。また、本発明の容器は、シリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池、薄膜系太陽電池、有機系太陽電池など、あらゆる種類の光電変換素子の容器として、使用することができる。
本発明の容器は、省電力デバイスの駆動電源として有望な色素増感太陽電池の容器としても好適である。色素増感太陽電池の一例を示す概要断面図を図6に示す。図6の色素増感太陽電池(光電変換素子)10は、透明基板11の一方の表面に形成された透明電極12(第1の電極)を有しており、この透明電極12の、透明基板11側と反対側の表面には、増感色素を担持した半導体層16が形成されている。さらに、この増感色素を担持した半導体層16に対峙して対電極14(第2の電極)が存在する。対電極14は別の基板15の一方の表面に形成されている。半導体層16と対電極14との間には電解質層17が存在している。すなわち、図6の光電変換素子10は、色素を担持した半導体層16を有する第1の電極12を備えた第1の基板11と、上記半導体層16と対峙する第2の電極14を備えた第2の基板15とを、上記半導体層16と上記第2の電極14との間に電解質(電解質層17)を保持した状態で対向してなるものである。そして、電解質層17を半導体層16と第2の電極14との間に保持するように封止材18が配置されており、電解質層17が存在する領域は封止されている。
また、光電変換素子10では、第1の電極12と第2の電極14のそれぞれに、導電端子13が被着されていることが好ましい。この導電端子13の存在により、本発明の容器に係る上記2つの電極と電気的に接続するための導電体との接触を向上させ得るため、光電変換素子10により発生した電流をより確実に取り出すことができるようになる。
導電端子13の材質としては、導電性を有するものであれば特に制限はなく、例えば如何なる金属でも使用可能であるが、酸化などによる接触抵抗の増大が小さいものを選択することが望ましい。具体的には、例えば、ニッケル、銅、黄銅、リン青銅、ベリリウム銅、洋白、アルミニウム、ステンレス、ニッケルメッキ銅合金、ニッケルメッキ鋼、およびこれらに金メッキ、銀メッキ、半田メッキまたはパラジウムメッキを施したものよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
透明基板11を構成する材料は、透光性を有するものであれば特に限定されないが、通常、ガラスや透明樹脂フィルムが使用される。また、透明基板11の光透過率は高い程よい。好ましい光透過率としては本発明の容器に係るカバーと同様の手法により測定される全光線透過率で50%以上であり、より好ましくは80%以上である。
第1の電極12は、光電変換素子10において、負極として作用する。この第1の電極12は、導電性と共に光透過性に優れていることが望ましく、その材質としては、例えば、酸化亜鉛、インジウム−錫複合酸化物(ITO)、ITOと銀とを積層した導電体層、アンチモンをドープした酸化錫、フッ素をドープした酸化錫などが挙げられる。中でもフッ素をドープした酸化錫が、導電性と光透過性の観点から好ましい。
第1の電極12は表面抵抗が低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲としては50Ω/□以下であり、より好ましくは30Ω/□以下である。表面抵抗の下限に特に制限はないが、通常0.1Ω/□である。
第1の電極12は光透過率が高い程よい。好ましい光透過率としては、本発明の容器に係るカバーと同様の手法により測定される全光線透過率で50%以上であり、より好ましくは80%以上である。第1の電極12の厚みは、0.1〜10μmであることが好ましい。このような厚みであれば、均一な膜厚の電極膜を形成することができ、また、光透過性が低下せず、十分な光を半導体層16に入射させることができるからである。この場合、光は、第1の電極12を有する透明基板11側から入射させることが好ましく、この透明基板11側が、上記カバー側となるように容器に収納する。
半導体層16の形成にあたっては、半導体粒子の分散塗料を、例えば、ドクターブレードやバーコータなどを使う塗布方法、スプレー法、ディップコーティング法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、スピンコート法、電着法などにより、第1の電極12の表面に塗布して層形成し、その後、必要に応じて半導体層16の固定化処理を行うことが好ましい。
その固定化処理としては、加熱処理や加圧処理などが挙げられる。加熱処理としては、電気炉やホットプレート、マイクロ波、電子線などによる加熱方式が好ましく、加熱温度は、透明基板11としてガラス基板を用いた場合は400〜600℃程度が好ましい。また、透明基板11としてポリエチレンナフタレート(PEN)などの樹脂フィルムを用いた場合は、上記範囲内の温度で半導体層16を加熱処理すると、樹脂フィルムの変形が生じたり、ITOなどの第1の電極12が樹脂フィルムから剥離することがある。従って、樹脂フィルムを用いる場合は、200℃以下の温度で加熱処理をしたり、更には半導体層16に圧力を加えたりして、樹脂フィルムの変形や第1の電極12の剥離を抑制することが望ましい。半導体層16を加圧する方法としては、プレス機やカレンダなどを用いる方法が挙げられる。
半導体層16の厚みは0.1μm以上100μm以下であることが好ましい。このような厚みであれば、充分な光電変換効果が得られ、また、可視光および近赤外光に対する光透過性が悪化することもないからである。半導体層16の厚みは、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは5μm以上、特に好ましくは10μm以上であって、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下、特に好ましくは20μm以下である。
半導体層16の形成に当たって使用する半導体材料としては、例えば、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Crなどの金属の酸化物;SrTiO、CaTiOなどのペロブスカイト;CdS、ZnS、In、PbS、MoS、WS、Sb、Bi、ZnCdS、CuSなどの硫化物;CdSe、InSe、WSe、HgS、PbSe、CdTeなどの金属カルコゲナイド;GaAs;Si;Se;Cd3;Zn;InP;AgBr;PbI;HgI;BiI;など、または上記半導体材料から選ばれる少なくとも1種類以上を含む複合体、例えば、CdS/TiO、CdS/AgI、AgS/AgI、CdS/ZnO、CdS/HgS、CdS/PbS、ZnO/ZnS、ZnO/ZnSe、CdS/HgS、CdS/CdSe1−x、CS/Te1−x、CdSe/Te1−x、ZnS/CdSe、ZnSe/CdSe、CdS/ZnS、TiO/Cd、CdS/CdSeCdZn1−yS、CdS/HgS/CdSなどが挙げられる。これらの中でも、TiOが、グレッツェル・セル(色素増感太陽電池)において、電解質中への光溶解の回避と高い光電変換特性を確保を実現できる点で好ましい。
上記半導体材料は、通常粒子形状で用いるが、その際の半導体粒子の粒径は、通常、5〜1000nmであることが好ましい。このような粒径であれば、半導体層16の空孔径が適度になって電解質溶液中の酸化還元物質の移動がしやすくなり、光電流の低下が発生することがなく、また、半導体層16の表面積を大きくできるため、充分な色素の担持量を得ることができ、その結果、大きな光電流が得られるからである。半導体粒子の粒径は、10〜100nmであることが特に好ましい。
半導体層16の厚みや半導体粒子の粒径を制御することにより、半導体層16の支持体面積に対する半導体層内部の実面積の割合であるラフネスファクターを決定することができる。ラフネスファクターは20以上であることが好ましく、150以上であることがより好ましい。この範囲内であれば、色素の担持量が充分となり、光電変換特性を向上させることができるからである。ラフネスファクターの上限値は一般に5000程度である。ラフネスファクターは、半導体層16の厚みを厚くすると大きくなり、半導体層16の表面積が広がるため、色素の担持量の増加が期待できる。しかし、厚みが厚くなりすぎると、半導体層16の光透過率および抵抗損失への影響が現れ始める。
また、半導体層16の形成の際に、界面活性剤やポリエチレングリコール、セルロース系材料などを添加し、半導体層16の加熱処理時にそれらを燃焼させることによって半導体層16を多孔質にしたり、半導体粒子の粒径を変更したりすることで半導体層16のポロシティーを高くすれば、厚みを厚くしなくてもラフネスファクターを大きくすることは可能である。しかし、ポロシティーが高くなりすぎると、半導体粒子間の接触面積が減少して抵抗損失への影響を考慮しなくてはならなくなる。このようなことから、半導体層16のポロシティーは50%以上が好ましく、その上限値は一般的に約80%程度である。半導体層16のポロシティーは液体窒素温度下で窒素ガス又はクリプトンガスの吸着−脱離等温曲線の測定結果から算出することができる。
半導体層16に担持させる増感色素としては、従来の色素増感性光電変換素子で常用される増感色素であれば全て使用できる。このような色素としては、例えば、RuL(HO)タイプのルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体、ルテニウム−トリス(RuL)、ルテニウム−ビス(RuL)、オスミウム−トリス(OsL)、オスミウム−ビス(OsL)タイプの遷移金属錯体(ここで、上記「L」は、4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジンである)、若しくは亜鉛−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、フタロシアニンなどが挙げられる。また、9−フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、テトラフェニルメタン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素などの有機色素も用いることができる。これらの中でも、ルテニウム‐ビス(RuL)誘導体は、可視光域で広い吸収スペクトルを有するため、特に好ましい。
半導体層16へ増感色素を担持させる方法としては、例えば増感色素を溶かした溶液に、半導体層16を被着させた第1の電極12を有する透明基板11を浸漬させる方法が挙げられる。この溶液の溶媒としては、例えば、水、アルコール、トルエン、ジメチルホルムアミドなど、増感色素を溶解可能なものであればよいが、透明基板11が樹脂フィルムの場合には、該樹脂フィルムを劣化させないものを選択することが望ましい。また、浸漬方法として、増感色素溶液に半導体層16を被着させた第1の電極12を有する透明基板11を一定時間浸漬させている時に、加熱還流をしたり、超音波を印加したりすることもできる。半導体層16への色素担持後、担持せずに半導体層16に残ってしまった増感色素を取り除くために、例えば、アルコール、アセトニトリルなどの洗浄液で洗浄することが好ましい。
さらに、増感色素が担持されていない半導体粒子表面をt−ブチルピリジンで被覆することも好ましく、このために、アルコールやアセトニトリルなどの溶媒中にt−ブチルピリジンを溶解させた溶液で、半導体粒子表面を処理しておくことも推奨される。このような処理を施すことで、半導体粒子/電解質界面では、t−ブチルピリジンによって半導体粒子表面と電解質とをセパレートすることができ、漏れ電流を抑制することが可能となり、光電変換素子の特性を著しく向上させることができるからである。
半導体粒子への増感色素の担持量としては、1×10−8〜1×10−6mol/cmであればよく、特に0.1×10−7〜9.0×10−7mol/cmであることが、より好ましい。このような担持量であれば、経済的且つ十分に光電変換効率向上の効果を得ることができるからである。
第2の電極14は、光電変換素子10の正極として作用する。この第2の電極14は、第1の電極と同様に形成できるが、光電変換素子10の正極として効率よく機能させるために、電解質の還元体に電子を与える触媒作用を有する素材で形成することが好ましい。このような素材としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウムなどの金属;グラファイト;ITO、フッ素をドープした酸化錫などの導電性の金属酸化物;などが挙げられる。これらのうち、白金やグラファイトなどが特に好ましい。第2の電極14が配設される側の基板15は、第2の電極14の被着面側(すなわち、第2の電極14と基板15の間)に透明導電膜を有することもできる(図示しない)。この透明導電膜は、例えば第1の電極12と同じ材料で形成することができる。この場合、第2の電極14も透明であることが好ましい。
さらに、導電端子13を介して、第1の電極12や第2の電極14からの電流取出しをより確実にするために、第1の電極12や第2の電極14に、銅、ニッケル、金などの単独あるいは多層のメッキを施すことも推奨される。
基板15は、透明基板11と同じガラスや透明樹脂フィルムの他に、金属などを使用することができる。基板15は不透明でもよいが、透明基板11側のみならず、基板15側からも、光電変換素子10に光を入射させることができる点で、透明であることが好ましい。
光電変換素子10では、半導体層16と第2の電極14との間には電解質層17が存在する。電解質層に係る電解質としては、酸化体と還元体からなる一対の酸化還元系構成物質が溶媒中に含まれていれば、その種類は特に限定されないが、酸化体と還元体とが同一電荷を持つ酸化還元系構成物質が好ましい。ここでいう酸化還元系構成物質とは、酸化還元反応において、可逆的に酸化体および還元体の形で存在する一対の物質をいう。また、酸化体とは酸化状態の電解質(例えば、I3−)をいい、還元体とは還元状態の電解質(例えば、I)をいう。
電解質層に使用し得る酸化還元体構成物質としては、例えば、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素、タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、水銀イオン(II)−水銀イオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、バナジウムイオン(III)−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−コハク酸などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。これらの中でも、ヨウ素化合物−ヨウ素などが好ましい。そのヨウ素化合物としては、例えば、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウムなどの金属ヨウ化物;テトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジウムヨージドなどのヨウ化4級アンモニウム塩化合物;ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムなどのヨウ化ジイミダゾリウム化合物;が特に好ましい。
電解質は、通常、電解物質を溶媒中に溶解させることによって調製される。その電解物質を溶解するために使用する溶媒としては水性溶媒および有機溶媒のいずれも使用できるが、酸化還元系構成物質をより安定化するため、有機溶媒が好ましい。この有機溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物;酢酸メチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル化合物;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフランなどのエーテル化合物;3−メチル−2−オキソゾジリノン、2−メチルピロリドンなどの複素環化合物;アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル化合物;スルフォラン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性化合物;などが挙げられる。これらの溶媒はそれぞれ単独で用いることもできるし、また、2種以上を併用することもできる。なお、これらの中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物;3−メチル−2−オキソゾジリノン、2−メチルピロリドンなどの複素環化合物;アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル化合物;が特に好ましい。
また、電解質は、液状のものに限られることなく、他の形態のものも用いることができ、例えば、液状の電解質を高分子マトリックスに保持させてゲル状にした状態で用いてもよい。そのような高分子マトリックスとしては、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレンなどの重合性モノマーを単独で重合させた単独重合体またはそれらのモノマーを2種以上共重合させた共重合体などを用いることができる。
封止材18を構成する基材物質としては、例えば、ポリオレフィン(低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体など)、ブチルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸類共重合体(エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体など)、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂(シリコーン樹脂など)、アイオノマー樹脂、ポリイソブチレン樹脂のほか、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリジエン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、フッ素樹脂系、ポリアミド系のエラストマーなどを使用することができる。中でも、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン、ポリイソブチレン系樹脂、ブチルゴム、フッ素樹脂系エラストマーなどが好ましい。また、電解質溶媒としてニトリル系溶媒(ニトリル化合物)、カーボネート系溶媒(カーボネート化合物)を使用する場合には、それらの溶媒と相溶性の低いものが好ましく、例えば、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ポリオレフィン、熱硬化性オレフィン樹脂などから構成されるホットメルト樹脂が好ましい。また、封止材18には、それらの耐候性を向上させるために、架橋剤、紫外線吸収剤などを適宜混合することができる。
さらに、封止材18には、第1の電極12と第2の電極14との接着力を高めるためにシランカップリング剤やチタネートカップリング剤などを添加してもよい。また、あらかじめ第1の電極12および第2の電極14に、ウエット洗浄、ケミカル洗浄、プラズマ処理、オゾン処理、紫外線照射処理、超音波処理、表面研磨処理などを行い、その表面の洗浄や表面の活性化を行ってもよい。
また、光電変換素子10は、全体をフッ素樹脂で覆うことができる(図示しない)。これにより、光電変換素子10の強度および耐衝撃性の向上を図ることができる。このフッ素樹脂は、光電変換素子10の最外層に使用することから、水蒸気などに対するガスバリヤー性、紫外線などに対する耐光性、透明性、強度、耐候性に優れていることが好ましい。
上記のような各種光電変換素子を本発明の容器に収納し、該光電変換素子の正極および負極を、それぞれ該容器の2つの電極のいずれかに接続して、本発明の光電変換ユニットが得られる。そして、本発明の光電変換ユニットを、例えば図2、図3および図4に示すように縦横に配列することで、電気的接続が達成された本発明の光電変換モジュールとなる。
本発明の光電変換モジュールから電流を取り出すための外部端子の形状および方法は、所望の出力を取り出すことができるのであれば特に限定されることはない。導線や金属箔などを導電性接着剤や導電テープなどで、容器の電極に接続するなどの方法がある。また、定格電圧や定格電流が定められていれば、接続すべき光電変換素子(光電変換ユニット)の直列数と並列数が定まり、その結果、複数個の容器(光電変換ユニット)を縦横に並べる配置が決定されるので、その配置に適した形状のホルダー(電池ホルダー)を使って外部端子を形成してもよい。勿論、この電池ホルダーの使用の有無に関わらず、光電変換素子相互の直列接続および/あるいは並列接続は、本発明の容器(光電変換ユニット)で既に達成されているが、この電池ホルダーに電極を形成して、光電変換素子(光電変換ユニット)同士の電気的接続を、より確実にする工夫を施してもよい。
以上の通り、本発明の光電変換素子の容器は、光電変換素子相互の電気的接続(更には機械的係合)を容易とすることから、光電変換素子相互の直列接続および/あるいは並列接続が任意に設定できので、単一セルや規格が定められているモジュールでは適用できなかった新たな用途へ貢献することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
三洋化成社製の界面活性剤「ノニポール100」(商品名)を0.01g/dm含む水と、アセチルアセトンとの混合溶液(容量混合比:水/アセチルアセトン=20/1)中に、日本アエロジル社製の酸化チタン粒子「P25」(商品名、平均粒径20nm)を濃度が2質量%となるように分散させてスラリー液を調製した。次に、フッ素がドープされたSnOを表面にコーティングして導電性を付与した透明電極付きガラス基板である旭硝子社製の導電性ガラス「F−SnO」(商品名、厚さ:1.1mm、表面抵抗:10Ω/□)の透明電極の上に、上記スラリー液を2cm×4cmの大きさに塗布して乾燥させた。その後、得られた乾燥物を500℃、30分間空気中で焼成し、上記導電性ガラス上に厚さ7μmの酸化チタン膜(半導体層)を形成した。続いて、この基板を、[Ru(4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)(NCS)]で表される増感色素を、濃度3×10−4mol/dmで含むエタノール溶液に浸漬して色素吸着処理を行って、ガラス基板付透明電極を作製した。
また、ガラス基板付対電極としては、旭硝子社製の上記導電性ガラス「F−SnO」に、白金を20nmの厚さで蒸着したものを用いた。
上記透明電極(第1の電極)と上記対電極(第2の電極)との間に、上記酸化チタン膜の周囲を囲むように、幅5mmの枠状の封止材[デュポン社製のホットメルト樹脂「Bynel」(商品名)]を配設し、電解液を注液する箇所(電解質注入部)を除いて融着した。続いて、この電解質注入部より電解質溶液を減圧注入法で注液した。電解質注入部に付着した余分な電解質溶液を拭き取った後、この電解質注入部のみを融着し、光電変換素子を作製した。なお、電解質溶液としては、0.5mol/dmのテトラプロピルアンモニウムヨーダイドと0.04mol/dmのヨウ素とを含むエチレンカーボネートとアセトニトリルとの混合溶液(容量混合比:エチレンカーボネート/アセトニトリル=80/20)を用いた。
上記の方法で作製した光電変換素子の斜視図を図7に示す。上記透明電極と上記対極の集電部分に銅とニッケルの多層メッキを施した後、断面コの字状の金属端子(端子A)を装着した。メッキ処理と金属端子の装着により光電変換素子の集電効果を高めた。金属端子を装着した状態を図8に示す。なお、図8中、13aは金属端子(端子A)であり、他の要素は図7と共通するため、符号は省略している。
図9に、断面コの字状の金属端子(端子A)13aを装着した光電変換素子10を入れるためのアクリル製容器(容器本体1)の斜視図を示す。容器本体1側面の隅部には、隣接する容器と係合するための磁石20aと、これと対向する隅部に磁力作用で係合可能な鉄片20bを配設した。
また、図9に示した容器本体1の壁の4隅近辺に設けた孔21は、容器カバーの位置決めを正確に行うための位置決めピンを挿し込むための孔である。なお、これらの孔は、本実施例のように、必ずしも隅にある必要はなく、他の構成要素との兼ね合いでその位置を適宜選択してよい。
図10に、上記アクリル製容器(容器本体1)に光電変換素子10を収納し、電気的接続を行うための各種端子板を装着した状態の斜視図を示す。金属端子(端子A)13aを装着した光電変換素子10は、直列接続および並列接続を可能にするためのコの字状の金属端子板(端子B)22a、22bと接続させた。そして、このコの字状金属端子板(端子B)22a、22bの少なくとも1辺と、弾性を有する金属端子板(端子C)23a、23b、23cとを接続させた。隣接する光電変換素子の相互の容器と電気的に接続させるために、金属端子板(端子C)23a、23b、23cと対向する辺に金属端子板(端子D)24a、24b、24cを配置した。すなわち、金属端子板22a、23a、23b、24bで構成される電極と、金属端子板22b、23c、24a、24cで構成される電極が、容器本体側面部の上記2つの電極(図1における電極2,3)に該当する。
続いて、図11に示すような、全光線透過率が80%以上の透明窓26と、容器蓋部27で構成される容器カバー25を、上記位置決めピン孔21を利用して容器本体1に取り付けた。また、図11に示すように、容器カバー25の各辺には、機械的係合を確実にし、電気的な誤接続を防止するための凹凸部を設けている。以上によって作製された本発明の光電変換ユニット28を図12に示す。
また、上記光電変換ユニット28を4つ作製し、これらの容器を2個直列接続し、さらにこれを2個並列接続した集合の光電変換モジュール29を図13に示す。
本発明の光電変換素子の容器の一例を示す概要平面図である。 図1の容器を4つ直列接続した様子を示す概要平面図である。 図1の容器を4つ並列接続した様子を示す概要平面図である。 図1の容器を4直列2並列接続した様子を示す概要平面図である。 本発明に該当しない容器の一例を示す概要平面図である。 本発明の容器に収納され得る光電変換素子の一例を示す概要断面図である。 実施例で作製した光電変換素子を示す概要斜視図である。 図7の光電変換素子に金属端子を装着させた状態を示す概要斜視図である。 実施例で作製した光電変換素子の容器を示す概要斜視図である。 図9の容器に各端子板を装着した状態を示す概要斜視図である。 実施例で用いた容器カバーを示す概要斜視図である。 実施例で作製した光電変換ユニットを示す概要平面図である。 実施例で作製した光電変換ユニットを2直列2並列接続した光電変換モジュールを示す概要平面図である。
符号の説明
1 容器本体
2 電極
3 電極
10 光電変換素子
11 透明基板
12 第1の電極
13 導電端子
13a 金属端子(端子A)
14 第2の電極
15 基板
16 増感色素を担持した半導体層
17 電解質層
18 封止材
19 光の入射方向
20a 磁石
20b 鉄片
21 ピン孔
22a、22b 金属端子板(端子B)
23a、23b、23c 金属端子板(端子C)
24a、24b、24c 金属端子板(端子D)
25 容器カバー
26 透明窓
27 容器蓋部
28 光電変換ユニット
29 光電変換モジュール

Claims (12)

  1. 光電変換素子の容器であって、
    上記容器は、容器本体と、上記容器本体の側面部の外側に、上記容器本体に収納される光電変換素子の正極および負極のそれぞれに、導電体を介して電気的に接続するための2つの電極を有しており、
    上記容器本体は、平面形状が略四辺形であり、
    上記2つの電極は、それぞれが、上記容器本体の側面部外側のうち、上記略四辺形の、互いに隣接する3つの辺に対応する箇所に、上記容器本体を挟んで互いに対向するように、かつ互いに接触することなく配されていることを特徴とする光電変換素子の容器。
  2. 上記容器における容器本体の側面部に、該容器に隣接する容器と係合するための磁石および磁性体が配されている請求項1に記載の光電変換素子の容器。
  3. 上記容器における容器本体の側面部に、該容器に隣接する容器と係合するための凸部および凹部が設けられている請求項1または2に記載の光電変換素子の容器。
  4. 上記2つの電極のうち、少なくとも一方が弾性を有している請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子の容器。
  5. 上記容器本体のうち、上面部と下面部の少なくとも一方は、全光線透過率が80%以上の部分を有するカバーで構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子の容器。
  6. 上記カバーが、紫外線カット機能を有する請求項5に記載の光電変換素子の容器。
  7. 上記容器本体が、絶縁性の材料で構成されている請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換素子の容器。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の光電変換素子の容器に、光電変換素子を収納してなることを特徴とする光電変換ユニット。
  9. 上記光電変換素子が、色素を担持した半導体層を有する第1の電極を備えた第1の基板と、上記半導体層と対峙する第2の電極を備えた第2の基板とを、上記半導体層と上記第2の電極との間に電解質を保持した状態で対向してなるものである請求項8に記載の光電変換ユニット。
  10. 上記第1の電極と上記第2の電極には、それぞれ導電端子が被着されている請求項9に記載の光電変換ユニット。
  11. 上記導電端子の材質が、銅、黄銅、リン青銅、ベリリウム鋼、洋白、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ銅合金、ニッケルメッキ鋼、およびこれらに金メッキ、銀メッキ、半田メッキまたはパラジウムメッキを施したものよりなる群から選択される少なくとも一種を含む請求項10に記載の光電変換ユニット。
  12. 請求項8〜11のいずれかに記載の光電変換ユニットが複数個、直列接続および/または並列接続されてなることを特徴とする光電変換モジュール。
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