JP2012209171A - 光電変換素子、光電気化学電池及びこれに用いられる酸化チタン粒子 - Google Patents

光電変換素子、光電気化学電池及びこれに用いられる酸化チタン粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】特定の金属錯体色素と特定の半導体微粒子との組合せにより、高い光電変換効率とともに、吸収波長を好適化し可視光に対する性能適性を高め、さらに素子の耐久性の向上にも資する感光体層を有する光電変換素子、さらにはそこに適用されるチタニア粒子を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される金属錯体色素と、特定のカチオン系界面活性剤を用いて作成された半導体微粒子とを組み合わせて保有する感光体層を具備する光電変換素子。
ML(An0(CI1)n1・・・(1)
(式中、Mは金属元素を表し、Aは配位子を表し、CI1は対アニオンを表し、n0は0〜2の整数を表し、n1は0〜4の整数を表す。L及びLは特定の配位子である。L及びLは連結してクォータピリジンリガンドを形成していてもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子、光電気化学電池及びこれに用いられる酸化チタン粒子の精製方法に関する。
光電変換素子は、その構造例を示すと、図2に示すように、光電変換素子10は、導電性支持体1、導電性支持体1上にその順序で配された、感光体層2、電荷移動体層3、及び対極4からなる。上記導電性支持体1と感光体層2とにより受光電極5を構成している。その感光体層2は半導体微粒子22と増感色素(以下、単に、色素ともいう。)21とを有している。増感色素21はその少なくとも一部において半導体微粒子22に吸着している。このとき、増感色素21は吸着平衡状態になっており、一部電荷移動体層3に存在していてもよい。電荷移動体層3は、例えば正孔(ホール)を輸送する正孔輸送層として機能する。感光体層2が形成された導電性支持体1は、光電変換素子10において作用電極として機能する。この光電変換素子10を外部回路6で仕事をさせるようにして、光電気化学電池100として作動させることができる。
上記受光電極5は、導電性支持体1及び導電性支持体1上に塗設される増感色素21の吸着した半導体微粒子22の感光体層2(半導体膜)よりなる電極である。感光体層2(半導体膜)に入射した光は色素を励起する。励起色素はエネルギーの高い電子を有している。そこでこの電子が増感色素21から半導体微粒子22の伝導帯に渡され、さらに拡散によって導電性支持体1に到達する。このとき増感色素21の分子は酸化体となっている。電極上の電子が外部回路6で仕事をしながら酸化体に戻ることにより、光電気化学電池100として作用する。この際、受光電極5はこの電池の負極として働く。
このように感光体層2には、特定の色素が吸着した半導体微粒子22を含むことから、その増感色素の作用を受け受光感度が高まり、光電気化学電池100として使用する場合に高い光電変換効率を得ることができる。すなわち、色素の開発はもとより、半導体微粒子との組み合わせにおいて高い電気化学的効果をもたらすことがその材料設計において重要である(光電変換素子に適用される色素については、例えば、下記特許文献1,2などを参照することができる。半導体微粒子の例については下記特許文献3を参照することができる。)。
非特許文献1には、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)をH2O/EtOH混合溶媒に溶かし、Ti(iPr)4を滴下することでTiO2微粒子を作成することが開示されている。この半導体微粒子とルテニウム金属錯体色素であるN3色素を用いてセルを作成することで、従来のTiO2を用いたときの変換効率:(5%)に対して、7.5%の変換効率を達成することができるとされている。しかしながら、太陽電池等の光電変換素子における本格的な実用化には、さらなる性能向上が欠かせない。
米国特許第5463057号明細書 特開2007−73289号公報 特開2006−302530号公報
Satyanarayana Reddy Gajjela et al.,Energy Environ.Sci.,2010,3,838-845
上述した光電変換素子等に用いられる半導体微粒子と増感色素との相互作用(相性)については、研究開発が十分に進んでおらず、いまだ解明しなければならない物理化学的側面が多い。上記非特許文献によると、TiO2微粒子の微細化・表面積の増加によって色素吸着量・微粒子同士のネッキングが向上したことが、電池性能の向上に貢献したとしている。これに対し本発明者らは、単に微粒子を微細化して表面積を増大させる効果だけでなく、その表面に形成された空孔(微細孔)の形状やサイズとの関係で、増感色素がもつ特有の効果を発揮させ、光電変換効率を一層高め、かつその他の性能項目についても向上を図ることができる色素と半導体微粒子との組合せを探索した。
そこで本発明は、特定の金属錯体色素と特定の半導体微粒子との組合せにより、高い光電変換効率とともに、吸収波長を好適化し可視光に対する性能適性を高め、さらに素子の耐久性の向上にも資する感光体層を有する光電変換素子、さらにはそこに適用されるチタニア粒子の提供を目的とする。
本発明者らは、特定のカチオン系界面活性剤を用いて調製したチタニア等の半導体微粒子の空孔の形状・サイズとそこに吸着する色素同士の相互作用に注目した。具体的には、一部推定を含むが、上記微粒子の表面に形成された空孔に対し、特定の疎水性基を持つ金属錯体色素が吸着し、前記疎水性基を介した相互作用により色素同士が優位な会合を形成しやすいことを見出した。本発明はかかる知見に基づき完成された。
すなわち、上記の課題は下記の手段により解決された。
<1>下記一般式(1)で表される金属錯体色素と、下記一般式(I)で表されるカチオン系界面活性剤を用いて作成された半導体微粒子とを組み合わせて保有する感光体層を具備する光電変換素子。

ML(An0(CI1)n1・・・(1)

(式中、
・Mは金属元素を表し、
・Aは配位子を表し、
・CI1は対アニオンを表し、
・n0は0〜2の整数を表し、n1は0〜4の整数を表す。
・Lが下記一般式(2)で表され、Lは下記一般式(17)で表される。L及びLはピリジン環のオルト位(N原子の隣の位置)で連結してクォータピリジンリガンドを形成していてもよい。)
Figure 2012209171
[一般式(2)中、
・R、RおよびRは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基または下記一般式(3)〜(16)のいずれかを表す。
・S、SおよびSは各々独立に、エテニレン基、エチニレン基およびアリーレン基から選ばれた少なくとも1種であって、R、R、Rおよびビピリジンと共役している。l1、l2およびl3は0〜5の整数を表す。
・R、RおよびR独立に置換基を表し、n2およびn7は各々0〜3の整数を表し、n3は0〜2の整数を表し、n2が1以上のときRはSと連結して環を形成していてもよく、n3が1以上のときRはSと連結して環を形成していてもよく、n7が1以上のときRはSと連結して環を形成していてもよい。n2が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n3が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n7が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n2、n3およびn7がともに1以上のときR、RおよびRは連結して環を形成していてもよい。
・A11、A12およびA13は独立に酸性基またはその塩を表す。n4、n5およびn6は各々0〜3の整数を表す。n8は0又は1の整数を表す。]
Figure 2012209171
[一般式(3)〜(12)、(16)中、R〜R41、R51〜R55、R61、R62、R63、R68、R69は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、ヘテロ環基、またはハロゲン原子を表す。R69とR、R〜R12、R14とR15、R17とR18、R20〜R23、R25とR26、R28〜R31、R32とR33、R34とR35、R36〜R39、R52〜R55は互いに環を形成していてもよい。同一特性基中に2つ存在するR24およびR27は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。m1〜m11は1〜5の整数を表す。
一般式(13−1)〜(15)中、R64〜R67は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、またはハロゲン原子を表す。
〜YおよびXは各々独立にS、O、Se、Te、NR42を表し、R42は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。]
Figure 2012209171
[同一特性基中に4つ存在するR47はそれぞれ独立に、その少なくとも1つは酸性基またはその塩であり、残りのR47は水素原子又はアルキル基を表す。同一特性基中に4つ存在するR48はそれぞれ独立に、その少なくとも1つは酸性基またはその塩であり、残りのR48は水素原子又はアルキル基を表す。]
Figure 2012209171
[一般式(I)中、R43〜R46は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルコキシ基を表す。]
<2>前記金属錯体色素が以下のものである<1>に記載の光電変換素子。
[一般式(2)中、RおよびRは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、または一般式(3)、(5)、(6)、(7)、(10)、(12)、及び(16)のいずれかを表す。SおよびSは各々独立に、エテニレン基およびエチニレン基から選ばれた少なくとも1種であって、R、Rおよびビピリジンと共役している。l1およびl2は0〜3の整数を表す。RおよびRは独立に置換基を表し、n2が1以上のときR3はS1と連結して環を形成していてもよく、n3が1以上のときRはSと連結して環を形成していてもよい。n2が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n3が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n2およびn3がともに1以上のときRとRは連結して環を形成していてもよい。ただし、n2およびn3は各々0〜2の整数を表し、AおよびAは酸性基またはその塩を表す。n4およびn5は各々0〜2の整数を表す。n8は0を表す。]
[一般式(3)、(5)、(6)、(7)、(10)、(12)、及び(16)中、R〜R41、R52〜R55、R61、R62、R68、R69は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、またはハロゲン原子を表す。R69とR、R14とR15、R17とR18、R20〜R23、R32とR33、R36〜R39、R52〜R55は互いに環を形成していてもよい。m1、m3〜m5、m8、m10は1〜3の整数を表す。Y〜Yは各々独立にS、O、Se、Te、NR42を表し、R42は水素原子またはアルキル基を表す。]
[一般式(17)が下記一般式(18)で表される。]
Figure 2012209171
[R47、R48はそれぞれ独立に、その少なくとも1つは酸性基またはその塩である。R49及びR50はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。]
[一般式(I)中、R43〜R46は水素原子またはアルキル基又はアルコキシ基を表す。]
<3>前記金属錯体色素が以下のものである<2>に記載の光電変換素子。
[一般式(2)中、RおよびRは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、又は一般式(3)、(7)、(12)、及び(16)のいずれかを表す。SおよびSは各々独立に、エテニレン基であって、R、Rおよびビピリジンと共役している。l1およびl2は0〜2の整数を表す。n2およびn3は各々0〜1の整数を表す。RおよびRは独立に置換基を表し、n2が1のときRはSと連結して環を形成していてもよく、n3が1のときRはSと連結して環を形成していてもよい。n2およびn3がともに1のときRとRは連結して環を形成していてもよい。AおよびAは酸性基またはその塩を表す。n4およびn5は各々0〜1の整数を表す。n8は0を表す。]
[一般式(3)、(7)、(12)、及び(16)中、R〜R41、R52〜R55、R68、R69は各々独立に、水素原子またはアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。R69とR、R20〜R23、R36〜R39、R52〜R55は互いに環を形成していてもよい。m1、m5、m10、m11は1〜2の整数を表す。Y〜Yは各々独立にS、O、NR42を表し、R42は水素原子またはアルキル基を表す。]
[一般式(18)中、R47、R48はそれぞれ独立に、その少なくとも1つは酸性基またはその塩でありR49、R50は水素原子を表す。]
[一般式(I)中、R43〜R46は水素原子またはアルキル基を表す。]
<4>前記金属錯体色素の前記金属元素Mが、Ru,Re,Rh,Pt,Fe,Os,Cu,Ir,Pd,WまたはCoである<1>〜<3>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<5>前記金属元素Mが、Ru,Fe,OsまたはCoである<4>に記載の光電変換素子。
<6>前記一般式(I)中、R43〜R46は炭素数1〜30のアルキル基を表す<1>〜<5>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<7>前記一般式(I)中、R43〜R46は炭素数3〜27のアルキル基を表す<6>に記載の光電変換素子。
<8>前記記載のYがS原子を表す<1>〜<7>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<9>前記一般式(2)の酸性基A11、A12およびA13、並びに一般式(17)及び(18)の酸性基がそれぞれ独立にS原子、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、アルコキシル基またはそれらの塩を表す<1>〜<7>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<10>前記一般式(1)のCI1がテトラブチルアンモニウムを表す<1>〜<9>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<11>前記記載のAがイソチオシアネート、イソシアネート、イソセレノシアネートまたはハロゲン原子を表す<1>〜<10>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<12><1>〜<11>のいずれか1項に記載の光電変換素子を具備することを特徴とする光電気化学電池。
<13>光電変換素子に用いられる酸化チタン粒子であって、粒子の平均粒径が1〜20nmで、荒さ係数が1000〜1500で、比表面積が50〜400m/gである光電変換素子用酸化チタン粒子。
<14>光電変換素子に用いられる酸化チタン粒子であって、粒子の平均粒径が1〜10nmで、荒さ係数が1000〜1500で、比表面積が200〜250m/gである光電変換素子用酸化チタン粒子。
<15>前記酸化チタン粒子が下記一般式(I)で示される4級アンモニウムイオンを用いて作製されたことを特徴とする<13>又は<14>に記載の光電変換素子用酸化チタン粒子。
Figure 2012209171
[一般式(I)中、R43〜R46は水素原子または置換していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルコキシ基を表す。]
本発明の光電変換素子は、特定の金属錯体色素と特定の半導体微粒子とを含む感光体層により、高い光電変換効率とともに、吸収波長が好適化され可視光に対する性能適性が高く、さらに素子の耐久性に優れる。
本発明によって製造される光電変換素子の一実施態様について模式的に示した断面図である。
本発明の光電変換素子は、その感光体層に、カチオン系界面活性剤を用いて調製した特定の半導体微粒子と、特定のリガンドをもつ金属錯体とを有する。前記半導体微粒子の空孔のサイズや形状は、特に上記特定の金属錯体色素と相性がよく、所望の性能を引き出しうる。具体的には、上述のように推定を含むが、空孔のサイズ・形状がRu色素の分子間会合(特に色素側鎖にある疎水性基を介した疎水性相互作用による会合)を促進することで、色素の光吸収域が長波になる優位なJ会合や、色素吸着量の増加が生じうる。それにより光電変換素子の性能が向上していると考えられる。以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
[半導体微粒子]
本実施形態の光電変換素子における感光体層5(図1参照)には、下記一般式(I)で表されるカチオン系界面活性剤を用いて作成された半導体微粒子が適用される。まずこのカチオン系界面活性剤について説明する。
(界面活性剤)
一般式(1)は以下のとおりである。
Figure 2012209171
一般式(I)中、R43〜R46は水素原子または置換していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルコキシ基を表す。R43〜R46はアルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。これらの基の好ましいものは、後述する置換基Tで挙げられているものを挙げることができる。なかでも、置換基Tは炭素数6〜20の直鎖アルキル基を持つトリメチルアンモニウムカチオンであり、カウンターアニオンはブロミド、クロロ、フルオロ、ヨードアニオンがよい。さらに好ましくは、炭素数10〜19の直鎖アルキル基を持つトリメチルアンモニウムカチオンであり、カウンターアニオンはブロミド、クロロ、ヨードアニオンがよい。特に好ましくは、炭素数14-18の直鎖アルキル基を持つトリメチルアンモニウムカチオンであり、カウンターアニオンはブロミド、ヨードアニオンがよい。たとえば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB、C16)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(DOTAB、C12)、オクチルドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(OTAB、C8))であることが好ましく、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB、C16)であることがより好ましい。なお、本明細書において置換基に関してxxx基というときには、そのxxx基に任意の置換基を有していてもよい。この任意の置換基としては、後述する置換基Tが挙げられる。また、同一の符合で示された基が複数ある場合は、互いに異なっていても同じであってもよい。複数の基が連結して環を形成するときには、その複数の基のすべてが連結していても、その一部が連結していてもよい。
上記カチオン界面活性剤が関与して、特に本発明において採用された増感色素との関係で良好な作用を発揮する空孔(微細孔)が形成されるメカニズムについては未解明の点を含むが、下記のように考えられる。すなわち、界面活性剤(アンモニウムカチオン)に導入されたアルキル鎖が極性溶媒(水、アルコール溶媒など)中で疎水性相互作用により凝集し、1nm以下のアルキル鎖凝集体を形成する。このアルキル鎖凝集体近傍で酸化物半導体(酸化チタンなど)が形成されると、それら酸化物半導体には、凝集したアルキル鎖と同じサイズの微細孔が形成されると考えられる。
(金属化合物)
上記半導体微粒子の形成には、その金属源となる金属化合物を用いる。かかる金属化合物としては、特定の配位子を有する金属錯体を用いることができる。本実施形態においては、チタン化合物を用いる例について説明する。
チタン化合物としては、チタン錯体が挙げられ、例えば、チタンイソプロポキシド[Ti(OiPr)4]、Ti(OEt)4、Ti(OMe)4、Ti(OBu)4、Ti(OtBu)4が挙げられる。なかでも、チタンイソプロポキシド、Ti(OEt)4、Ti(OtBu)4を用いることが好ましい。金属化合物と上記界面活性剤の投入量は特に限定されないが、金属錯体1モルに対して、上記界面活性剤を0.1〜10.0モル添加することが好ましく、0.5〜5.0モル添加することがより好ましい。この添加量が上記下限値以上であると、界面活性剤中の疎水性基により良好な微細孔が形成されるため好ましい。上記上限値以下であると、微粒子表面上で形成される微細孔同士が結合し、より大きな細孔となることを抑制できるため好ましい。
(調製条件)
本実施形態においては、半導体微粒子を、上記金属化合物を上記カチオン界面活性剤中に添加することにより調製する。例えば、上記チタンイソプロポキシド(TIPR)は常温で液体であり、CTABも同様に液体であるため、CTABを激しく撹拌しておき、そこにTIPRを滴下することで、所望の半導体微粒子の析出物を得ることができる。このときの撹拌速度は、200〜1000rpmであることが好ましい。反応温度は限定されないが、例えば30〜60℃で行うことができる。析出物はエタノール等で洗浄後に焼成することが好ましい。焼成温度は特に限定されないが、400〜500℃で、3〜9時間行うことが好ましい。このようにして得たものを必要により粉砕することで、上記のCTAB/TIPRの例で言えば、チタニアの微粒子を得ることができる。
(微粒子の特性)
本実施形態の微粒子の形状やサイズは特に限定されないが、ナノメートルサイズの超微粒子であることが好ましい。平均粒径は特に断らない限り体積平均径(Mv)を用いる。本実施形態において半導体微粒子の体積平均径は、1〜20nmであることが好ましく、3〜10nmであることがより好ましい。この値が上記下限値以上であると、電解液が酸化チタン微粒子の隙間から進入しやすく、電池としての十分な酸化・還元サイクルを回せるため好ましい。上記上限値以下であると、酸化チタン(TiO2)の表面積が増え、その結果、酸化チタン表面に吸着する色素量も増えるため好ましい。微粒子の粒径の測定方法としては、特に断らない限り動的光散乱法に測定したものを評価し、測定装置としては、大塚電子社製ダイナミック光散乱光度計DLS−7000シリーズ(いずれも商品名)により測定したものを採用する。
また、粒子の表面粗さ係数が1000〜1500であることが好ましく、1100〜1400であることがより好ましい。この値が上記下限値以上であると、色素の会合に必要な微細孔が酸化チタン微粒子表面に形成され好ましい。上記上限値以下であると、過剰な微細孔の形成を抑制できるため好ましい。
半導体微粒子の表面には空孔(微細孔)が多数あることが好ましい。これにより表面積が増大するとともに、上述した色素の会合による特有の作用が好適に発現される。この作用効果の観点から、上記空孔(微細孔)は特定の細孔分布の範囲にあることが好ましい。細孔径のメジアン値としては、0.1〜0.8nmであることが好ましく、0.3〜0.6nmであることがより好ましい。この値が上記下限値以上であると、微細孔に色素分子が複数個入ることができ、有利な会合を微細孔内で形成することができるため好ましい。上記上限値以下であると、過剰の色素が微細孔に入り、そこで非効率な会合を形成することを抑制できるため好ましい。一方、表面積は大きなものであることが好ましく、比表面積について50〜400m/gが好ましく、100〜350m/gであることがより好ましい。最も好ましくは、180〜250m/gであることがより好ましい。この値が上記下限値以上であると、酸化チタン微粒子の表面積が増え、その結果、色素吸着量が増大するため好ましい。上記上限値以下であると、微細孔が微粒子表面に十分形成されるため好ましい(被表面積が大きいとそれだけ微粒子の粒径が小さいことを表す。微粒子が小さすぎれば、微粒子表面に形成される微細孔同士が結合し、大きな細孔となってしまい非効率である。)。微粒子の表面積の測定は定法によればよく、例えば、窒素ガスを用いたBET法により求めればよい。
[金属錯体色素]
次に金属錯体色素について説明する。本実施形態においては、下記一般式(1)で表される金属錯体色素を用いる。

ML(A1)n0(CI1)n1・・・(1)

(式中、
・Mは金属元素を表し、
・Aは配位子を表し、
・CI1は対アニオンを表し、
・n0は0〜2の整数を表し、n1は0〜4の整数を表す。
・Lが下記一般式(2)で表され、Lは下記一般式(17)で表される。L及びLは連結してクォータピリジンリガンドを形成していてもよい。)
Figure 2012209171
[一般式(2)中、
・R、RおよびRは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基または下記一般式(3)〜(16)を表す。なかでも、アルキル基、アルコキシ基、又はチオフェン基(チオフェンは1価の末端基であっても2価の連結基であってもよい)を有する基であることが好ましい。アルキル基、アルコキシ基としては、置換基Tで挙げたものが挙げられる。
・S、SおよびSは各々独立に、エテニレン基、エチニレン基およびアリーレン基から選ばれた少なくとも1種であって、R、R、Rおよびビピリジンと共役している。l1、l2およびl3は0〜5の整数を表す。
・R、RおよびR独立に置換基(好ましいものとして置換基Tで挙げたものが挙げられる。)を表し、n2、n3およびn7は各々0〜3の整数を表し、n2が1以上のときRはSと連結して環を形成していてもよく、n3が1以上のときRはSと連結して環を形成していてもよく、n7が1以上のときRはSと連結して環を形成していてもよい。n2が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n3が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n7が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n2、n3およびn7がともに1以上のときR、RおよびRは連結して環を形成していてもよい。
・A11、A12およびA13は独立に酸性基またはその塩を表す。n4、n5およびn6は各々0〜3の整数を表す。n8は0又は1の整数を表す。好ましい酸性基としては、後記、結合基に記載のものが挙げられる。]
Figure 2012209171
[一般式(3)〜(12)、(16)中、R〜R41、R51〜R55、R61〜R63、R68、R69は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、ヘテロ環基、またはハロゲン原子を表し、より好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、ヘテロ環基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基である。
一般式(13−1)〜(15)中、R64〜R67は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、またはまたはハロゲン原子を表し、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基である。
69とR、R〜R12、R14とR15、R17とR18、R20〜R23、R25とR26、R28〜R31、R32とR33、R34とR35、R36〜R39、R52〜R55は互いに環を形成していてもよい。同一特性基中に2つ存在するR24およびR27は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。m1〜m11は1〜5の整数を表す。Y〜YおよびXは各々独立にS、O、Se、Te、NR42を表し、R42は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。]
Figure 2012209171
[同一特性基中に4つ存在するR47はそれぞれ独立に、その少なくとも1つは酸性基またはその塩であり、残りのR47は水素原子又はアルキル基(置換基Tで挙げたものが挙げられる。)を表す。同一特性基中に4つ存在するR48はそれぞれ独立に、その少なくとも1つは酸性基またはその塩であり、残りのR48は水素原子又はアルキル基(置換基Tで挙げたものが挙げられる。)を表す。]
ここで、前記した特に色素側鎖にある疎水性基とは、具体的に一般式(2)の構造式で示すと、R−S−、R−S−、R−S−の部位に相当する。本発明がこれにより限定して解釈されるものではないが、典型的にはこの部位が分子間で相互作用して、上述した本発明に特有の会合による相互作用を奏すると解される。この観点から本発明においては、上記疎水性基及びそれをもつ側鎖を設計することが重要である。
○金属元素M
金属元素Mは特に限定されず、上記一般式の構造をとり得るものであればよいが、中でも、Ru,Re,Rh,Pt,Fe,Os,Cu,Ir,Pd,WまたはCoが好ましく、Ru,Fe,OsまたはCoであることがより好ましい。
○配位子A
配位子Aは上記一般式の配位子となりうるものであれば特に限定されないが、イソチオシアネート、イソシアネート、イソセレノシアネートまたはハロゲン原子であることが好ましい。
○対アニオンCI1
置換基が解離性基を有することなどにより、一般式(2)の色素は解離して負電荷を持ってもよい。この場合、一般式(2)の色素全体の電荷は対イオンCIにより電気的に中性とされる。
対イオンCIが正の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機又は有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、アルカリ金属イオン又はプロトンである。中でもテトラブチルアンモニウムであることが好ましい。
対イオンCIが負の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよく、金属錯イオン(例えばビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。
○n0は0〜2の整数を表し、1〜2であることが好ましく、2であることがより好ましい。nでその数が定義される基(配位子)は複数ある場合、互いに異なっていても同じであってもよい。n1は0〜4の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0〜1であることがより好ましい。n1でその数が定義されるアニオンは複数ある場合、互いに異なっていても同じであってもよい。
○配位子L
前記一般式(2)中、SおよびSはそれぞれエテニレン基、エチニレン基およびアリーレン基から選ばれた少なくとも1種であるが、複数あるときには、異なるものであっても、同じものであってもよい。SおよびSはエテニレン基又はエチニレン基であることが好ましい。
配位子Lは前記下記一般式(2)で表されものであり、下記で定義されるものが好ましい。
[一般式(2)中、RおよびRは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、または一般式(3)、(5)、(6)、(7)、(10)、(12)、及び(19)のいずれかを表す。SおよびSは各々独立に、エテニレン基およびエチニレン基から選ばれた少なくとも1種であって、R、Rおよびビピリジンと共役している。l1およびl2は0〜3の整数を表す。RおよびRは独立に置換基を表し、n2が1以上のときR3はS1と連結して環を形成していてもよく、n3が1以上のときRはSと連結して環を形成していてもよい。n2が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n3が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n2およびn3がともに1以上のときRとRは連結して環を形成していてもよい。ただし、n2およびn3は各々0〜2の整数を表し、AおよびAは酸性基またはその塩を表す。n4およびn5は各々0〜2の整数を表す。n8は0を表す。]
さらに以下で定義されるものが好ましい。
[一般式(2)中、RおよびRは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、又は一般式(3)、(7)、(12)、及び(19)のいずれかを表す。SおよびSは各々独立に、エテニレン基であって、R、Rおよびビピリジンと共役している。l1およびl2は0〜2の整数を表す。n2およびn3は各々0〜1の整数を表す。RおよびRは独立に置換基を表し、n2が1のときRはSと連結して環を形成していてもよく、n3が1のときRはSと連結して環を形成していてもよい。n2およびn3がともに1のときRとRは連結して環を形成していてもよい。AおよびAは酸性基またはその塩を表す。n4およびn5は各々0〜1の整数を表す。n8は0を表す。]
○配位子L
配位子Lは前記一般式(17)で表されるものであり、下記一般式(18)で表されるものであることが好ましい。
Figure 2012209171
[R47、R48はそれぞれ独立に、その少なくとも1つは酸性基またはその塩である。R49及びR50はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。]
(酸性基)
一般式(1)で表される構造を有する色素は、半導体微粒子の表面と結合するための適当な酸性基を少なくとも1つ以上有するのが好ましい。この結合基を色素中に1〜6個有するのがより好ましく、1〜4個有するのが特に好ましい。カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(例えば―CONHOH等)、ホスホリル基(例えば―OP(O)(OH)等)、ホスホニル基(例えば―P(O)(OH)等)等の酸性基(解離性のプロトンを有する置換基)を色素中に有することが好ましい。前記記載の酸性基としては、それぞれ独立にS原子、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、アルコキシル基またはそれらの塩が挙げられる。
以下に、前記一般式(1)で表される金属錯体色素の具体例を示すが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。なお、下記具体例における色素がプロトン解離性基を有する配位子を含む場合、該配位子は必要に応じて解離しプロトンを放出してもよい。
Figure 2012209171
Figure 2012209171
Figure 2012209171
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Figure 2012209171
Figure 2012209171
Figure 2012209171
Figure 2012209171
金属錯体色素の合成方法については、公知の製造方法を参照することができ、例えば、Journal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry, 145(2001)117、Inorganic Chemistry ,35(1996)4779、WO2004/099128A1、JPA2001-139587、JPA2001-302558、JPA2007-302642、JPA2007-332098、JPB4377148等を参考にすることができる。その他、一般式(1)で表される色素は、特開2001-291534号公報を参考に従来の方法で調製することができる。なお、本発明の光電変換素子の感光体層において適用される半導体微粒子及び金属錯体の量等は、後に素子の説明の項で述べる。
以下に例示化合物の一部について極大吸収波長(溶液吸収)の値を示す。
色素番号 極大吸収波長(nm)
A-1 560
A-2 550
A-3 543
A-4 538
A-5 540
A-6 546
A-7 527
A-8 534
B-1 520(下記実施例の記載参照)
B-2 533(下記実施例の記載参照)
<置換基T>
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基である。
一般式(1)で表される色素は、溶液中における極大吸収波長が500〜700nmの範囲であることが好ましく、500〜650nmの範囲であることがより好ましい。
[光電変換素子]
(感光体層)
光電変換素子の実施態様については図2に基づき既に説明した。本実施形態において感光体層2は、後述の色素が吸着された半導体微粒子22の層からなる多孔質半導体層で構成されている。この色素は一部電解質中に解離したもの等があってもよい。また、感光体層2は目的に応じて設計され、多層構造からなるものであってもよい。
上述したように感光体層2には、特定の色素が吸着した半導体微粒子22を含むことから、受光感度が高く、光電気化学電池100として使用する場合に、高い光電変換効率を得ることができ、さらに高い耐久性を有する。
(電荷移動体)
本発明の光電変換素子10に用いられる電解質組成物には、酸化還元対として、例えばヨウ素とヨウ化物(例えばヨウ化リチウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム等)との組み合わせ、アルキルビオローゲン(例えばメチルビオローゲンクロリド、ヘキシルビオローゲンブロミド、ベンジルビオローゲンテトラフルオロボレート)とその還元体との組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン、ナフトハイドロキノン等)とその酸化体との組み合わせ、2価と3価の鉄錯体(例えば赤血塩と黄血塩)の組み合わせ等が挙げられる。これらのうちヨウ素とヨウ化物との組み合わせが好ましい。
ヨウ素塩のカチオンは5員環又は6員環の含窒素芳香族カチオンであるのが好ましい。特に、一般式(1)により表される化合物がヨウ素塩でない場合は、再公表WO95/18456号公報、特開平8−259543号公報、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等のヨウ素塩を併用するのが好ましい。
本発明の光電変換素子10に使用される電解質組成物中には、ヘテロ環4級塩化合物と共にヨウ素を含有するのが好ましい。ヨウ素の含有量は電解質組成物全体に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがより好ましい。
本発明の光電変換素子10に用いられる電解質組成物は溶媒を含んでいてもよい。電解質組成物中の溶媒含有量は組成物全体の50質量%以下であるのが好ましく、30質量%以下であるのがより好ましく、10質量%以下であるのが特に好ましい。
溶媒としては低粘度でイオン移動度が高いか、高誘電率で有効キャリアー濃度を高めることができるか、又はその両方であるために優れたイオン伝導性を発現できるものが好ましい。このような溶媒としてカーボネート化合物(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、複素環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン等)、エーテル化合物(ジオキサン、ジエチルエーテル等)、鎖状エーテル類(エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ビスシアノエチルエーテル等)、エステル類(カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等)、非プロトン性極性溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルフォラン等)、水、特開2002−110262記載の含水電解液、特開2000−36332号公報、特開2000−243134号公報、及び再公表WO/00−54361号公報記載の電解質溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は二種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明の電解質としては、正孔導体物質を含む電荷輸送層を用いても良い。正孔導体物質として、9,9’−スピロビフルオレン誘導体などを用いることができる。
また、電極層、感光体層(光電変換層)、電荷移動体層(ホール輸送層)、伝導層、対極層を順次に積層することができる。p型半導体として機能するホール輸送材料をホール輸送層として用いることができる。好ましいホール輸送層としては、例えば無機系又は有機系のホール輸送材料を用いることができる。無機系ホール輸送材料としては、CuI、CuO,NiO等が挙げられる。また、有機系ホール輸送材料としては、高分子系と低分子系のものが挙げられ、高分子系のものとしては、例えばポリビニルカルバゾール、ポリアミン、有機ポリシラン等が挙げられる。また、低分子系のものとしては、例えばトリフェニルアミン誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体、フェナミン誘導体等が挙げられる。この中でも有機ポリシランは、従来の炭素系高分子と異なり、主鎖のSiに沿って非局化されたσ電子が光伝導に寄与し、高いホール移動度を有するため、好ましい(Phys. Rev. B, 35, 2818(1987))。
(導電性支持体)
図2に示すように、本発明の光電変換素子には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に増感色素21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子の分散液を導電性支持体に塗布・乾燥後、本発明の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。
導電性支持体1としては、金属のように支持体そのものに導電性があるものか、又は表面に導電膜層を有するガラスや高分子材料を使用することができる。導電性支持体1は実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上が特に好ましい。導電性支持体1としては、ガラスや高分子材料に導電性の金属酸化物を塗設したものを使用することができる。このときの導電性の金属酸化物の塗布量は、ガラスや高分子材料の支持体1m2当たり、0.1〜100gが好ましい。透明導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。好ましく使用される高分子材料の一例として、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAR)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等を挙げることができる。導電性支持体1上には、表面に光マネージメント機能を施してもよく、例えば、特開2003−123859記載の高屈折膜及び低屈性率の酸化物膜を交互に積層した反射防止膜、特開2002−260746記載のライトガイド機能が上げられる。
この他にも、金属支持体も好ましく使用することができる。その一例としては、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス、銅を挙げることができる。これらの金属は合金であってもよい。さらに好ましくは、チタン、アルミニウム、銅が好ましく、特に好ましくは、チタンやアルミニウムである。
(半導体微粒子)
図2に示すように、本発明の光電変換素子10には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に増感色素21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子22の分散液を前記導電性支持体1に塗布・乾燥後、上述の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。本発明においては半導体微粒子として、前記の特定の界面活性剤を用いて調製したものを適用する。
(半導体微粒子分散液)
本発明においては、半導体微粒子以外の固形分の含量が、半導体微粒子分散液全体の10質量%以下よりなる半導体微粒子分散液を前記導電性支持体1に塗布し、適度に加熱することにより、多孔質半導体微粒子塗布層を得ることができる。
半導体微粒子分散液を作製する方法としては、ゾル・ゲル法の他に、半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使用する方法、微粒子に超音波などを照射して超微粒子に粉砕する方法、又はミルや乳鉢などを使って機械的に粉砕しすり潰す方法、等が挙げられる。分散溶媒としては、水及び各種の有機溶媒のうちの一つ以上を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,シトロネロール,ターピネオールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ジクロロメタン、アセトニトリル等が挙げられる。
分散の際、必要に応じて例えばポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのようなポリマー、界面活性剤、酸、又はキレート剤等を分散助剤として少量用いてもよい。しかし、これらの分散助剤は、導電性支持体上へ製膜する工程の前に、ろ過法や分離膜を用いる方法、あるいは遠心分離法などによって大部分を除去しておくことが好ましい。半導体微粒子分散液は、半導体微粒子以外の固形分の含量が分散液全体の10質量%以下とすることができる。この濃度は好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは1%以下である。さらに好ましくは0.5%以下であり、特に好ましくは0.2%である。すなわち、半導体微粒子分散液中に、溶媒と半導体微粒子以外の固形分を半導体微分散液全体の10質量%以下とすることができる。実質的に半導体微粒子と分散溶媒のみからなることが好ましい。
半導体微粒子分散液の粘度が高すぎると分散液が凝集してしまい製膜することができず、逆に半導体微粒子分散液の粘度が低すぎると液が流れてしまい製膜することができないことがある。したがって分散液の粘度は、25℃で10〜300N・s/mが好ましい。さらに好ましくは、25℃で50〜200N・s/mである。
半導体微粒子分散液の塗布方法としては、アプリケーション系の方法としてローラ法、ディップ法等を使用することができる。またメータリング系の方法としてエアーナイフ法、ブレード法等を使用することができる。またアプリケーション系の方法とメータリング系の方法を同一部分にできるものとして、特公昭58−4589号に開示されているワイヤーバー法、米国特許2681294号明細書等に記載のスライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機を使用してスピン法やスプレー法で塗布するのも好ましい。湿式印刷方法としては、凸版、オフセット及びグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。また本発明の半導体微粒子分散液は粘度が高く、粘稠性を有するため、凝集力が強いことがあり、塗布時に支持体とうまく馴染まない場合がある。このような場合に、UVオゾン処理で表面のクリーニングと親水化を行うことにより、塗布した半導体微粒子分散液と導電性支持体1表面の結着力が増し、半導体微粒子分散液の塗布が行い易くなる。
半導体微粒子層全体の好ましい厚さは0.1μm〜100μmである。半導体微粒子層の厚さはさらに1μm〜30μmが好ましく、2μm〜25μmがより好ましい。半導体微粒子の支持体1m当りの担持量は0.5g〜400gが好ましく、5g〜100gがより好ましい。なお、上記微粒子分散液を塗布して製膜する方法は特に限定されず、公知の方法を適宜適用すればよい。
なお、半導体微粒子22の支持体1m当たりの塗布量は0.5g〜500g、さらには5g〜100gが好ましい。
半導体微粒子22に増感色素21を吸着させるには、溶液と本発明にかかる色素よりなる色素吸着用色素溶液の中に、よく乾燥した半導体微粒子22を長時間浸漬するのが好ましい。色素吸着用色素溶液に使用される溶液は、本発明にかかる増感色素21が溶解できる溶液なら特に制限なく使用することができる。例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、トルエン、t-ブタノール、アセトニトリル、アセトン、n−ブタノールなどを使用することができる。その中でも、エタノール、トルエンを好ましく使用することができる。
増感色素21の使用量は、全体で、支持体1m当たり0.01ミリモル〜100ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1ミリモル〜50ミリモル、特に好ましくは0.1ミリモル〜10ミリモルである。この場合、本発明にかかる増感色素21の使用量は5モル%以上とすることが好ましい。
また、増感色素21の半導体微粒子22に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して0.001ミリモル〜1ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5ミリモルである。
このような色素量とすることによって、半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
対極4は、光電気化学電池の正極として働くものである。対極4は、通常前述の導電性支持体1と同義であるが、強度が十分に保たれるような構成では対極の支持体は必ずしも必要でない。ただし、支持体を有する方が密閉性の点で有利である。対極4の材料としては、白金、カーボン、導電性ポリマー、などがあげられる。好ましい例としては、白金、カーボン、導電性ポリマーが挙げられる。
対極4の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。好ましい例としては、特開平10−505192号公報などが挙げられる。
受光電極5は、入射光の利用率を高めるなどのためにタンデム型にしても良い。好ましいタンデム型の構成例としては、特開2000−90989、特開2002−90989号公報等に記載の例が挙げられる。
受光電極5の層内部で光散乱、反射を効率的に行う光マネージメント機能を設けてもよい。好ましくは、特開2002−93476号公報に記載のものが挙げられる。
導電性支持体1と多孔質半導体微粒子層の間には、電解液と電極が直接接触することによる逆電流を防止する為、短絡防止層を形成することが好ましい。好ましい例としては、特開平06−507999号公報等が挙げられる。
受光電極5と対極4の接触を防ぐ為に、スペーサーやセパレータを用いることが好ましい。好ましい例としては、特開2001−283941号公報が挙げられる。
セル、モジュールの封止法としては、ポリイソブチレン系熱硬化樹脂、ノボラック樹脂、光硬化性(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、アイオノマー樹脂、ガラスフリット、アルミナにアルミニウムアルコキシドを用いる方法、低融点ガラスペーストをレーザー溶融する方法などが好ましい。ガラスフリットを用いる場合、粉末ガラスをバインダーとなるアクリル樹脂に混合したものでもよい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(調製例)半導体微粒子の調製
Palani BalayaらのEnergy & Environmental
Science, 2010, 3, 838-845文献に記載の方法にしたがって、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)36.4gを水:無水エタノール混合溶媒(体積比4:1)1.25Lに溶かし、CTABを完溶させた。完溶したCTAB溶液を攪拌し、このCTAB溶液にTi(OiPr) 28.7 mL(CTAB:Ti(OiPr)=1:1 モル比)を滴下した。滴下終了後、24時間攪拌した後、生成した沈殿物をろ過で回収した。エタノールで数回洗浄した後、450度で6時間過熱し、有機物成分を燃焼除去し、表面に微細孔を有した酸化チタン微粒子を7.34 g(収率71.7 %)得た。この試料をTi−1と称し、上記有機アミン化合物を適宜変えて調製したものを、下記表にTi−2〜Ti−5として記載した。
[比表面積の測定]
窒素ガスを用いたBET法により求めた。
[荒さ係数]
Sol.Eng.Mater.Sol.Cells, 83, 2004, 1に記載の方法で測定した。
[TiO2微粒子の空孔サイズと色素の相性]
HPCテクノロジ社製(Gaussian09分子軌道計算ソフト[商品名])にてTiO2表面と色素の相関および色素間の相関を計算させることで判断している。良いものほど、色素が規則正しく配列され、悪い場合は、色素の配列が乱れるので、これを判断している。
A:非常に規則正しい配列と認められる
B:ほぼ規則正しい配列と認められる
C:若干不規則な配列と認められる
D:非常に不規則な配列と認められる
[平均粒径]
大塚電子社製ダイナミック光散乱光度計DLS−7000シリーズ(いずれも商品名)により測定した。試料は、上記チタニア微粒子粉末をメタノール(MeOH)または水中で分散させた、0.1質量%分散液を使用した。
Figure 2012209171
(合成例)金属錯体色素の合成
<例示色素の調製>
(例示化合物A−5の調製)
下記のスキームの方法に従って例示色素A−5を調製した。
Figure 2012209171
(i)化合物d−1−2の調製
d−1−1 25g、Pd(dba)33.8g、トリフェニルホスフィン8.6g、ヨウ化銅2.5g、1−へプチン25.2gをトリエチルアミン70ml、テトラヒドロフラン50mlに室温で攪拌し、80℃で4.5時間攪拌した。濃縮後カラムクロマトグラフィーで精製することで化合物d−1−2 26.4gを得た。
(ii)d−1−4の調製
d−1−3 6.7gを窒素雰囲気下、−15℃でTHF(テラヒドロフラン)200mlに溶解し、別途調整したLDA(リチウムジイソプロピルアミド)をd−1−3の2.5等量を滴下し、75分攪拌した。その後d−1−2 15gをTHF30mlに溶解した溶液を滴下し0℃で1時間攪拌し、室温で終夜攪拌した。濃縮後、水150mlを加え、塩化メチレン150mlで分液・抽出し、塩水で有機層を洗浄し、有機層を濃縮した。得られた結晶はメタノールで再結晶後、d−1−4 18.9gを得た。
(iii)化合物d−1−5の調製
d−1−4 13.2g、PPTS(ピリジニウムパラトルエンスルホン酸)1.7gを、トルエン1000mlに加え、窒素雰囲気下で5時間加熱還流を行った。濃縮後、飽和重曹水及び塩化メチレンで分液を行い、有機層を濃縮した。得られた結晶はメタノール及び塩化メチレンで再結晶後、d−1−5 11.7gを得た。
(iv)例示色素A−5の調製
化合物d−1−5 4.0g、d−1−6 2.2g、をDMF60mlに加え70℃で4時間攪拌した。その後d−1−7 2.1gを加え160℃で3.5時間加熱攪拌した。その後チオシアン酸アンモニウム 19.0gを加え130℃で5時間攪拌した。濃縮後、水1.3ml加えろかし、ジエチルエーテルで洗った。粗精製物をTBAOH(水酸化テトラブチルアンモニウム)と共にメタノール溶液に溶解し、SephadexLH−20カラムで精製した。主層の分画を回収し濃縮後硝酸0.2Mを添加して、沈殿物をろ過後、水及びジエチルエーテルで洗い、粗結晶 600mgを得た。精製物をメタノール溶液に溶解し、硝酸1Mを添加して沈殿物をろ過後、水及びジエチルエーテルで洗い、A−5を570mg得た。
得られた化合物A−5の構造はNMR測定により確認した。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)in aromatic regions:9.37(1H,d),9.11(1H,d),9.04(1H,s)、8.89(2H),8.74(1H,s),8.26(1H,d),8.10−7.98(2H),7.85−7.73(2H),7.60(1H,d),7.45−7.33(2H),7.33−7.12(5H,m),6.92(1H,d)
得られた例示色素A−5(D−1−1a)について、エタノール溶媒で色素の濃度が8.5μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は568nmであった。
<例示色素の調製>
また以下の方法により、例示色素A−1を調製した。
Figure 2012209171
4,4’−ビス[2−(5−ヘキシル−2−チエニル)ビニル]−2,2’−ビピリジン(0.30g、0.49mmol)とジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)二量体(0.15g、0.24mmol)のDMF25ml溶液をマイクロ波(200W)、窒素暗雰囲気下、60℃で10分間加熱した。続いて2,2’-ビピリジン−4,4’-ジカルボン酸(0.24g、0.98mmol)を添加し、150℃で10分間加熱した。温度を100℃に冷却し、チオシアン酸アンモニウム(1.6g、水10mlの溶液)を加え、120℃で10分間反応させた。温度を室温まで下げ、DMFを真空蒸留した。水150mlを残留物に添加し、30分間浸漬した。不溶物を集め、水とジエチルエーテルで洗浄した。粗生成物をTBAOH(水酸化テトラブチルアンモニウム)と共にメタノールに溶解し、メタノールを流出液として、SephadexLH−20カラムで精製した。主層の生成物を回収濃縮し、硝酸0.2Mを添加して沈殿物を得た。この生成物を集め、室温で真空乾燥後、0.63gのルテニウム錯体A−1を得た
(実施例・比較例)光電変換素子の作製
[実験1]
図1に示す光電変換素子を以下のようにして作製した。
ガラス基板上に、透明導電膜としてフッ素をドープした酸化スズをスパッタリングにより形成し、これをレーザーでスクライブして、透明導電膜を2つの部分に分割した。
次に、水とアセトニトリルの容量比4:1からなる混合溶媒100mlに表1に記載の酸化チタンを32g配合し、自転/公転併用式のミキシングコンディショナーを使用して均一に分散、混合し、半導体微粒子分散液を得た。この分散液を透明導電膜に塗布し、500℃で加熱して受光電極を作製した。
その後、同様にシリカ粒子とルチル型酸化チタンとを40:60(質量比)で含有する分散液を作製し、この分散液を前記の受光電極に塗布し、500℃で加熱して多孔体を形成した。次いで対極として炭素電極を形成した。
次に、下記の表1に記載された金属錯体色素のエタノール溶液(3×10−4モル/L)に、上記の多孔体が形成されたガラス基板を48時間浸漬した。上記色素の染着したガラスを4−tert−ブチルピリジンの10%エタノール溶液に30分間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥させた。このようにして得られる感光層の厚さは10μmであり、半導体微粒子の塗布量は20g/mであった。電解液は、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム(0.5モル/L)、ヨウ素(0.1モル/L)のメトキシプロピオニトリル溶液を用いた。
(光電変換効率の測定)
500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光をAM1.5Gフィルター(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(KenkoL−42、商品名)を通すことにより紫外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の強度は89mW/cmであった。作製した光電変換素子にこの光を照射し、電流電圧測定装置(ケースレー238型、商品名)で、光電変換特性を測定した。
光電気化学電池の変換効率を測定した結果を下記の表1に示す。光電気化学電池の変換効率が8.0%以上のものを◎、5.0%以上8.0%未満のものを○、2.0%以上5.0%未満のものを△、2.0%未満のものを×として表示した。変換効率が5.0%以上のものを合格とした。
比較色素としては、下記のB−1、B−2を用いた。
Figure 2012209171
本発明の色素を用いて作製された光電気化学電池は、表1に示されているように、特に色素として、下表1のものを使用した場合は、変換効率は8.0%以上と高い値を示した。その他の本発明の色素を使用した場合でも、変換効率は5.0%以上と高いレベルであった。これに対して、比較色素を用いた光電気化学電池では、変換効率は合格レベルに到達できなかった。
Figure 2012209171
[実験2]
ガラス基板上にITO膜を作製し、その上にFTO膜を積層することにより、透明導電膜を作製した。その後透明導電膜上に酸化物半導体多孔質膜を形成することにより、透明電極板を得た。そしてその透明電極板を使用して光電気化学電池を作製し、変換効率を測定した。その方法は以下の(1)〜(5)の通りである。
(1)ITO(インジウム・スズ・オキサイド)膜用原料化合物溶液の調製
塩化インジウム(III)四水和物5.58gと塩化スズ(II)二水和物0.23gとをエタノール100mlに溶解して、ITO膜用原料化合物溶液とした。
(2)FTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜用原料化合物溶液の調製
塩化スズ(IV)五水和物0.701gをエタノール10mLに溶解し、これにフッ化アンモニウム0.592gの飽和水溶液を加え、この混合物を超音波洗浄機に約20分間かけ、完全に溶解して、FTO膜用原料化合物溶液とした。
(3)ITO/FTO透明導電膜の作製
厚さ2mmの耐熱ガラス板の表面を化学洗浄し、乾燥した後、このガラス板を反応器内に置き、ヒータで加熱した。ヒータの加熱温度が450℃になったところで、(1)で得られたITO膜用原料化合物溶液を、口径0.3mmのノズルから圧力0.06MPaで、ガラス板までの距離を400mmとして、25分間噴霧した。
このITO膜用原料化合物溶液の噴霧後、2分間(この間ガラス基板表面にエタノールを噴霧し続け、基板表面温度の上昇を抑えるようにした。)経過し、ヒータの加熱温度が530℃になった時に、(2)で得られたFTO膜用原料化合物溶液を同様の条件で2分30秒間噴霧した。これにより、耐熱ガラス板上に厚さ530nmのITO膜、厚さ170nmのFTO膜が順次形成された透明電極板が得られた。
比較のために、厚さ2mmの耐熱ガラス板上に同様に、厚さ530nmのITO膜のみを成膜した透明電極板と、同じく厚さ180nmのFTO膜のみを成膜した透明電極板とをそれぞれ作製した。
これら3種の透明電極板を加熱炉にて、450℃で2時間加熱した。
(4)光電気化学電池の作製
次に、上記3種の透明電極板を用いて、特許第4260494号公報の図2に示した構造の光電気化学電池を作製した。酸化物半導体多孔質膜の形成は、表Aに記載の酸化チタン微粒子をアセトニトリルに分散してペーストとし、これを透明電極11上にバーコート法により厚さ15μmに塗布し、乾燥後450℃で1時間焼成して行った。その後、この酸化物半導体多孔質膜に表2記載の色素を担持した。
さらに、対極には、ガラス板上にITO膜とFTO膜とを積層した導電性基板を使用し、電解質層には、ヨウ素/ヨウ化物の非水溶液からなる電解液を用いた。光電気化学電池の平面寸法は25mm×25mmとした。
(5)光電気化学電池の評価
(4)で得られた光電気化学電池について、擬似太陽光(AM1.5)を照射し、実験1と同様の方法で光電変換特性を測定し、変換効率を求めた。その結果を表2に示す。変換効率が8.0%以上のものを◎、5.0%以上8.0%未満のものを○、2.0%以上5.0%未満のものを△、2.0%未満のものを×として表示した。変換効率が5%以上のものを合格とした。
Figure 2012209171
比較色素を用いた光電気化学電池では変換効率が不合格であったのに対し、本発明の色素を使用した光電気化学電池では、変換効率が高く、合格レベルであった。特に透明電極板として、ITO膜とFTO膜とを積層したものを用いた本発明の光電気化学電池では、ITO膜のみもしくはFTO膜のみを成膜したものを用いた場合に比べ、特に変換効率が高いことがわかった。
[実験3]
FTO膜上に集電電極を配し、光電気化学電池を作製し、変換効率を評価した。評価は以下の通り、試験セル(i)と試験セル(iv)の2種類とした。
(試験セル(i))
100mm×100mm×2mmの耐熱ガラス板の表面を化学洗浄し、乾燥した後、このガラス板を反応器内に置き、ヒータで加熱した後、上記の実験2で使用したFTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜用原料化合物溶液を、口径0.3mmのノズルから圧力0.06MPaで、ガラス板までの距離を400mmとして、25分間噴霧し、FTO膜付きガラス基板を用意した。
その表面に、エッチング法により深さ5μmの溝を格子回路パターン状に形成した。フォトリソグラフでパターン形成した後に、フッ酸を用いてエッチングを行った。これに、めっき形成を可能とするためにスパッタ法により金属導電層(シード層)を形成し、更にアディティブめっきにより金属配線層を形成した。金属配線層は、透明基板表面から凸レンズ状に3μm高さまで形成した。回路幅は60μmとした。この上から、遮蔽層5としてFTO膜を400nmの厚さでSPD法により形成して、電極基板(i)とした。なお、電極基板(i)の断面形状は、特開2004−146425中の図2に示すものとなっていた。
電極基板(i)上に表Aに記載の酸化チタン分散液を塗布・乾燥し、450℃で1時間加熱・焼結した。これを表3に示す色素のエタノール溶液中に40分間浸漬して色素担持した。また本発明に用いられる色素の各種有機溶剤への溶解性について予備検討した。その結果、トルエンに溶解できることがわかったので、表3に記載の通り、トルエン溶液中に40分間浸透させ担持させたものも用意した。
50μm厚の熱可塑性ポリオレフィン樹脂シートを介して、白金スパッタFTO基板と上記基板を対向して配置し、樹脂シート部を熱溶融させて両極板を固定した。
なおあらかじめ白金スパッタ極側に開けておいた電解液の注液口から、0.5Mのヨウ化塩と0.05Mのヨウ素とを主成分に含むメトキシアセトニトリル溶液を注液し、電極間に満たした。さらに周辺部及び電解液注液口をエポキシ系封止樹脂で封止し、集電端子部に銀ペーストを塗布して、試験セル(i)とした。実験1と同様の方法で、AM1.5の疑似太陽光を試験セル(i)に照射し、変換効率を測定した。その結果を表3に示す。
(試験セル(iv))
試験セル(i)と同様の方法で、100×100mmのFTO膜付きガラス基板を用意した。そのFTOガラス基板上に、アディティブめっき法により金属配線層(金回路)を形成した。この金属配線層(金回路)は基板表面に格子状に形成し、回路幅50μm、回路厚5μmとした。この表面に、厚さ300nmのFTO膜を遮蔽層として、SPD法により形成して電極基板(iv)とした。電極基板(iv)の断面をSEM−EDXを用いて確認したところ、配線底部でめっきレジストの裾引きに起因すると思われる潜り込みがあり、影部分にはFTOが被覆されていなかった。
電極基板(iv)を用い、試験セル(i)と同様に、試験セル(iv)を作製した。実験1と同様の方法でAM1.5の疑似太陽光を照射し、変換効率を測定した。その結果を表3に示す。
光電気化学電池の変換効率を測定した結果を表3に示す。変換効率が8.0%以上のものを◎、5.0%以上8.0%未満のものを○、2.0%以上5.0%未満のものを△、2.0%未満のものを×として表示した。
Figure 2012209171
表3より、本発明の色素を用いた試験セル(i)の変換効率は5.0%以上で合格レベルであった。一方、試験セル(iv)については、比較例の色素を用いた場合と比較して、本発明の色素を用いた場合は、変換効率が高くなった。このため本発明の色素を用いることにより、試験セル選択の自由度が上がることがわかった。
[実験4]
ペルオキソチタン酸及び酸化チタン微粒子を作製し、これを用いて酸化物半導体膜を作製した。これを用いて光電気化学電池を作製し、評価した。
(光電気化学電池(a)の作製)
(1)酸化物半導体膜形成用塗布液(a1)の調製
下記の溶液の全量から90容積%を分取し、濃アンモニア水を添加してpH9に調整し、オートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(a2)を調製した。得られたチタニアコロイド粒子は、X線回折により結晶性の高いアナターゼ型酸化チタンであった。
次に、表Aに記載のチタニア微粒子(Ti-1)を、5gの水素化チタンを1リットルの純水に懸濁し、5質量%の過酸化水素液400gを30分かけて添加し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン酸の溶液を調製したペルオキソチタン酸溶液と混合し、この混合液中のチタンをTiO換算し、TiO質量の30質量%となるように膜形成助剤としてヒドロキシプロピルセルロースを添加して半導体膜形成用塗布液(a1)を調製した。
(2)酸化物半導体膜(a3)の作製
次いで、フッ素ドープした酸化スズが電極層として形成された透明ガラス基板上に前記塗布液(a1)を塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cmの紫外線を照射してペルオキソ酸を分解させ、塗膜を硬化させた。塗膜を300℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセルロースの分解およびアニーリングを行って酸化物半導体膜(a3)をガラス基板に形成した。
(3)酸化物半導体膜(a3)への色素の吸着
次に、分光増感色素として本発明の色素の濃度3×10−4モル/リットルのエタノール溶液を調製した。この色素溶液を100rpmスピナーで、金属酸化物半導体膜(a3)上へ塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程を5回行った。
(4)電解質溶液の調製
アセトニトリルと炭酸エチレンとの体積比が1:5の混合溶媒に、テトラプロピルアンモニウムアイオダイドを0.46モル/リットル、ヨウ素を0.07モル/リットルの濃度となるように溶解して電解質溶液を調製した。
(5)光電気化学電池(a)の作製
(2)で作製した、色素を吸着させた酸化物半導体膜(a3)が形成されたガラス基板を一方の電極とし、他方の電極として、フッ素ドープした酸化スズを電極として形成しその上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に(4)の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気化学電池(a)を作製した。
(6)光電気化学電池(a)の評価
光電気化学電池(a)は、ソーラーシュミレーターで100W/mの強度の光を照射して、η(変換効率)を測定した。
(光電気化学電池(b))
紫外線を照射してペルオキソ酸を分解させ、膜を硬化させた後、Arガスのイオン照射(日新電気製:イオン注入装置、200eVで10時間照射)を行った以外は酸化物半導体膜(a3)と同様にして酸化物半導体膜(b3)を形成した。
酸化物半導体膜(a)と同様に、酸化物半導体膜(b3)に色素の吸着を行った。
その後実施例1と同様の方法で光電気化学電池(b)を作成し、ηを測定した。
(光電気化学電池(c))
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈して、TiO換算で1.0質量%含有する水溶液を得た。この水溶液を撹拌しながら、15質量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄し、TiO換算で、10.2質量%の水和酸化チタンゲルのケーキを得た。このケーキと5質量%過酸化水素液400gを混合し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン酸の溶液を調製した。
次に、上記で得られたペルオキソチタン酸溶液と表1に記載のチタニア微粒子(Ti-1)を使用して酸化物半導体膜(a3)と同様にして酸化物半導体膜(c3)を形成し、金属酸化物半導体膜(a3)と同様にして、分光増感色素として本発明の色素の吸着を行った。
その後光電気化学電池(a)と同様の方法で光電気化学電池(c)を作製し、ηを測定した。
光電気化学電池(a)〜(c)について、擬似太陽光(AM1.5)を照射し、実験1と同様の方法で光電変換特性を測定し、変換効率を求めた。その結果を表4に示す。変換効率が8.0%以上のものを◎、5.0%以上8.0%未満のものを○、2.0%以上5.0%未満のものを△、2.0%未満のものを×として表示した。
Figure 2012209171
表4より、本発明の色素を用いて作製した光電気化学電池(a)〜(c)の場合には、特に変換効率が高いことがわかった。
<実験5>
下記の方法に従って、色素増感太陽電池を作製した。
(1)透明導電性支持体の作製
感光性電極用支持体として、表面がフッ素コートされた厚さ0.4mmのシートの片面に、導電性の酸化スズの薄膜を厚さ200nmで均一にコーティングして可撓性のある透明導電性支持体を使用した。
(2)対極用の導電性シートの作製
厚さ0.4mmのポリイミド製カプトン(登録商標)フィルムの片面に、真空スパッタリング法によって厚さ300nmの白金膜で均一に被覆した。面抵抗は5Ω/cmであった。
(3)半導体微粒子分散液の調製
水とアセトニトリルの容量比4:1からなる混合溶媒100ccに、表Aに記載の酸化チタン微粒子を溶媒100ccあたり32gの濃度で添加し、自転/公転併用式のミキシングコンディショナーを使って均一に分散、混合した。この結果、得られた白色の半導体微粒子分散液は、50〜150N・s/mの高粘度のペースト状となり、このまま塗布に用いるのに適した液物性をもっていることがわかった。試料番号12−6では、平均分子量が50万のポリエチレングリコール(PEG)の粉末を、溶媒100cc当たり7.7g配合した。その他の半導体微粒子分散液には、半導体微粒子以外の固形分は加えなかった。
(4)半導体微粒子分散液中の固形分の測定
厚さ1.9mmの無アルカリガラスの基板に分散液をアプリケーターで塗布し、40〜70μmの厚さで塗布し、室温で1時間乾燥させた。その後、空気中、350℃で0.5時間加熱し、加熱前後の重量変化を測定したところ、前記試料番号12−6の半導体微粒子以外の固形分含量は1%であった。それ以外試料の半導体微粒子以外の固形分含量は、0.3%であった。
(5)半導体微粒子層の作製
(1)で用意した透明導電性支持体に、(3)で調製した分散液をアプリケータで塗布し、室温下で1時間乾燥させることにより、40〜70μmの均一な厚さの塗布層を形成した。さらに、この塗布層を表12記載の条件で処理して、色素増感のための多孔質半導体微粒子層を作製した。多孔質半導体微粒子層の最終的な平均膜厚は、いずれも6〜7μmであった。
(6)色素吸着溶液の調製
表17に示した色素を乾燥したアセトニトリル:t-ブタノール:エタノールを体積比で2:1:1の混合溶媒に、色素濃度が1×10−4モル/リットルとなるように溶解した。この色素溶液に添加剤として、p−C19−C−O−(CHCH−O)−(CH−SONaの構造の有機スルホン酸誘導体を0.025モル/リットルの濃度となるように溶解して、色素吸着用溶液を調製した。
(7)色素の吸着
上記の多孔質半導体微粒子層を塗設した基板を、上記の吸着用色素溶液に浸漬して、攪拌下40℃で3時間放置した。
このようにして半導体微粒子層に色素を吸着させ、感光層に用いる色素増感電極(感光性電極)を作製した。
(8)色素増感太陽電池の作製
色素吸着した多孔質半導体微粒子層をかき落として、受光面積1.0cm(直径約1.1cm)の円型の感光性電極を形成した。この電極に対して、対極の白金蒸着ガラス基板を、熱圧着性のポリエチレンフイルム製のフレーム型スペーサー(厚さ20μm)を挿入して重ね合わせ、スペーサー部分を120℃に加熱し両基板を圧着した。さらにセルのエッジ部をエポキシ樹脂接着剤でシールした。対極の基板のコーナー部にあらかじめ設けた電解液注液用の小孔を通して、電解液として、後述するいずれかのイミダゾリウムイオンE1〜E4/ヨウ素=50:1(質量比)の組成から成る室温溶融塩を基板の小孔から毛細管現象を利用して電極間の空間にしみこませた。
E1:1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド
E2:1−ブチルー3−メチルイミダゾリウムヨージド
E3:1−メチルー3−プロピルイミダゾリウムヨージド
E4:1,3−ジ(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)イミダゾリウムヨージド
以上のセル組立工程と、電解液注入の工程をすべて上記の露点−60℃の乾燥空気中で実施した。溶融塩の注入後、真空下でセルを数時間吸引し感光性電極および溶融塩を含めたセル内部の脱気を行い、最終的に小孔を低融点ガラスで封じた。これにより、導電性支持体、色素が吸着された多孔質半導体微粒子電極(感光性電極)、電解液、対極および支持体が順に積層された色素増感太陽電池を作製した。
上記で作製した色素増感太陽電池について、以下のとおりにして評価を行った。結果を下記表Bに示す。なお、チタニア微粒子はいずれもTi−1を使用した。
<変換効率>
上記実験1と同じ方法で測定を行った。ただし、結果は変換効率の値で示している。
<色素吸着量>
電池(セル)として酸化チタンに一度吸着させた色素を、酸化チタンが乗っている基板ごと、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド(TBAOH)のメタノール溶液に浸すことで、色素が脱着する。この溶液をUV-Visスペクトル吸収スペクトルで測定し、溶液中に溶けている色素の濃度を算出することで、酸化チタン上に吸着した色素の量を算出する。
<チタニア微粒子の空孔と色素の相性>
前記と同様の方法で測定、評価した。
<最大吸収波長>
この測定は、分光光度計(U−4100(商品名)、日立ハイテク社製)によって行い、溶液はTHF:エタノール=1:1を用い、濃度が2μMになるように調製した。
Figure 2012209171
なお、表B中の色素吸着量における( )外に記載の値はTi-1を使用した際の値であり、( )内に記載の値はTi-50を使用した際の値である。
以上のとおり、本発明の色素及び導電性微粒子を用いた光電変換素子は、その微粒子への色素の高い吸着量と良好な相性とを呈し、高い変換効率を示すとともに(表A等参照)、高い耐久性能を発揮した(実験1等参照)。一方、比較例の化合物は、本発明と同様にルテニウム系の錯体とチタニア微粒子を使用したにもかかわらず、光電変換効率及び素子の耐久性において劣る結果となった。この差は、主に、ルテニウム錯体の側鎖に導入した疎水性基とチタニア表面の細孔の相互作用によるものと考えられる。
1 導電性支持体
2 感光体層
21 増感色素
22 半導体微粒子
3 電荷移動体層
4 対極
5 受光電極
6 外部回路
10 光電変換素子
100 光電気化学電池

Claims (15)

  1. 下記一般式(1)で表される金属錯体色素と、下記一般式(I)で表されるカチオン系界面活性剤を用いて作成された半導体微粒子とを組み合わせて保有する感光体層を具備する光電変換素子。

    ML(An0(CI1)n1・・・(1)

    (式中、
    ・Mは金属元素を表し、
    ・Aは配位子を表し、
    ・CI1は対アニオンを表し、
    ・n0は0〜2の整数を表し、n1は0〜4の整数を表す。
    ・Lが下記一般式(2)で表され、Lは下記一般式(17)で表される。L及びLはピリジン環のオルト位(N原子の隣の位置)で連結してクォータピリジンリガンドを形成していてもよい。)
    Figure 2012209171
    [一般式(2)中、
    ・R、RおよびRは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基または下記一般式(3)〜(16)のいずれかを表す。
    ・S、SおよびSは各々独立に、エテニレン基、エチニレン基およびアリーレン基から選ばれた少なくとも1種であって、R、R、Rおよびビピリジンと共役している。l1、l2およびl3は0〜5の整数を表す。
    ・R、RおよびR独立に置換基を表し、n2およびn7は各々0〜3の整数を表し、n3は0〜2の整数を表し、n2が1以上のときRはSと連結して環を形成していてもよく、n3が1以上のときRはSと連結して環を形成していてもよく、n7が1以上のときRはSと連結して環を形成していてもよい。n2が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n3が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n7が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n2、n3およびn7がともに1以上のときR、RおよびRは連結して環を形成していてもよい。
    ・A11、A12およびA13は独立に酸性基またはその塩を表す。n4、n5およびn6は各々0〜3の整数を表す。n8は0又は1の整数を表す。]
    Figure 2012209171
    [一般式(3)〜(12)、(16)中、R〜R41、R51〜R55、R61、R62、R63、R68、R69は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、ヘテロ環基、またはハロゲン原子を表す。R69とR、R〜R12、R14とR15、R17とR18、R20〜R23、R25とR26、R28〜R31、R32とR33、R34とR35、R36〜R39、R52〜R55は互いに環を形成していてもよい。同一特性基中に2つ存在するR24およびR27は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。m1〜m11は1〜5の整数を表す。
    一般式(13−1)〜(15)中、R64〜R67は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、またはハロゲン原子を表す。
    〜YおよびXは各々独立にS、O、Se、Te、NR42を表し、R42は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。]
    Figure 2012209171
    [同一特性基中に4つ存在するR47はそれぞれ独立に、その少なくとも1つは酸性基またはその塩であり、残りのR47は水素原子又はアルキル基を表す。同一特性基中に4つ存在するR48はそれぞれ独立に、その少なくとも1つは酸性基またはその塩であり、残りのR48は水素原子又はアルキル基を表す。]
    Figure 2012209171
    [一般式(I)中、R43〜R46は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルコキシ基を表す。]
  2. 前記金属錯体色素が以下のものである請求項1に記載の光電変換素子。
    [一般式(2)中、RおよびRは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、または一般式(3)、(5)、(6)、(7)、(10)、(12)、及び(16)のいずれかを表す。SおよびSは各々独立に、エテニレン基およびエチニレン基から選ばれた少なくとも1種であって、R、Rおよびビピリジンと共役している。l1およびl2は0〜3の整数を表す。RおよびRは独立に置換基を表し、n2が1以上のときR3はS1と連結して環を形成していてもよく、n3が1以上のときRはSと連結して環を形成していてもよい。n2が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n3が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。n2およびn3がともに1以上のときRとRは連結して環を形成していてもよい。ただし、n2およびn3は各々0〜2の整数を表し、AおよびAは酸性基またはその塩を表す。n4およびn5は各々0〜2の整数を表す。n8は0を表す。]
    [一般式(3)、(5)、(6)、(7)、(10)、(12)、及び(16)中、R〜R41、R52〜R55、R61、R62、R68、R69は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、またはハロゲン原子を表す。R69とR、R14とR15、R17とR18、R20〜R23、R32とR33、R36〜R39、R52〜R55は互いに環を形成していてもよい。m1、m3〜m5、m8、m10は1〜3の整数を表す。Y〜Yは各々独立にS、O、Se、Te、NR42を表し、R42は水素原子またはアルキル基を表す。]
    [一般式(17)が下記一般式(18)で表される。]
    Figure 2012209171
    [R47、R48はそれぞれ独立に、その少なくとも1つは酸性基またはその塩である。R49及びR50はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。]
    [一般式(I)中、R43〜R46は水素原子またはアルキル基又はアルコキシ基を表す。]
  3. 前記金属錯体色素が以下のものである請求項2に記載の光電変換素子。
    [一般式(2)中、RおよびRは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、又は一般式(3)、(7)、(12)、及び(16)のいずれかを表す。SおよびSは各々独立に、エテニレン基であって、R、Rおよびビピリジンと共役している。l1およびl2は0〜2の整数を表す。n2およびn3は各々0〜1の整数を表す。RおよびRは独立に置換基を表し、n2が1のときRはSと連結して環を形成していてもよく、n3が1のときRはSと連結して環を形成していてもよい。n2およびn3がともに1のときRとRは連結して環を形成していてもよい。AおよびAは酸性基またはその塩を表す。n4およびn5は各々0〜1の整数を表す。n8は0を表す。]
    [一般式(3)、(7)、(12)、及び(16)中、R〜R41、R52〜R55、R68、R69は各々独立に、水素原子またはアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表すR69とR、R20〜R23、R36〜R39、R52〜R55は互いに環を形成していてもよい。m1、m5、m10、m11は1〜2の整数を表す。Y〜Yは各々独立にS、O、NR42を表し、R42は水素原子またはアルキル基を表す。]
    [一般式(18)中、R47、R48はそれぞれ独立に、その少なくとも1つは酸性基またはその塩でありR49、R50は水素原子を表す。]
    [一般式(I)中、R43〜R46は水素原子またはアルキル基を表す。]
  4. 前記金属錯体色素の前記金属元素Mが、Ru,Re,Rh,Pt,Fe,Os,Cu,Ir,Pd,WまたはCoである請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記金属元素Mが、Ru,Fe,OsまたはCoである請求項4に記載の光電変換素子。
  6. 前記一般式(I)中、R43〜R46は炭素数1〜30のアルキル基を表す請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 前記一般式(I)中、R43〜R46は炭素数3〜27のアルキル基を表す請求項6に記載の光電変換素子。
  8. 前記記載のYがS原子を表す請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  9. 前記一般式(2)の酸性基A11、A12およびA13、並びに一般式(17)及び(18)の酸性基がそれぞれ独立にS原子、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、アルコキシル基またはそれらの塩を表す請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  10. 前記一般式(1)のCI1がテトラブチルアンモニウムを表す請求項1〜9のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  11. 前記記載のAがイソチオシアネート、イソシアネート、イソセレノシアネートまたはハロゲン原子を表す請求項1〜10のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光電変換素子を具備することを特徴とする光電気化学電池。
  13. 光電変換素子に用いられる酸化チタン粒子であって、粒子の平均粒径が1〜20nmで、荒さ係数が1000〜1500で、比表面積が50〜400m/gである光電変換素子用酸化チタン粒子。
  14. 光電変換素子に用いられる酸化チタン粒子であって、粒子の平均粒径が1〜10nmで、荒さ係数が1000〜1500で、比表面積が200〜250m/gである光電変換素子用酸化チタン粒子。
  15. 前記酸化チタン粒子が下記一般式(I)で示される4級アンモニウムイオンを用いて作製されたことを特徴とする請求項13又は14に記載の光電変換素子用酸化チタン粒子。
    Figure 2012209171
    [一般式(I)中、R43〜R46は水素原子または置換していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアルコキシ基を表す。]
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