JP6074808B2 - 色素及びそれを用いた色素増感太陽電池 - Google Patents

色素及びそれを用いた色素増感太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、太陽光エネルギーを効率よく光吸収する色素、及びそれを用いた太陽電池に関するものである。
太陽光を効率よく電気に変換できる太陽電池はエネルギー・環境問題の観点から注目されている。実用化されている太陽電池は主にシリコンを用いるものであるが、これらの太陽電池は製造コストが高く、今後の普及に大きな問題を抱えている。従って、シリコン系太陽電池に変わる新しいタイプの太陽電池の研究が進められており、その1つとして色素増感太陽電池がある(特許文献1)。色素増感太陽電池は、資源的制約が少ないこと、製造コストが比較的低いことなどの利点があり、その普及が期待されている。しかしながら、エネルギー変換効率や耐久性等の面でシリコン系太陽電池に劣っており、実用化に向けたこれらの性能の向上が検討されている。
色素増感太陽電池においては、ルテニウム−ポリピリジン錯体が色素に用いられることが多く、発電効率や耐久性は色素に大きく依存することが知られている。特にエネルギー変換効率が高いものとして、2,2’−ビピリジン誘導体や2,2’:6’,2”−テルピリジン誘導体を配位子として有するルテニウム−イソチオシアナト錯体が良く知られている(非特許文献1、及び非特許文献2)。
色素増感太陽電池の実用化のためには、変換効率、及び耐久性等の更なる向上が重要な研究課題となってくる。そのためには増感色素として用いられるルテニウム錯体などの化合物についても、性能の向上、ならびに光、熱に対する安定性が求められる。エネルギー変換効率を向上するためには、可視光領域だけでなく赤外光領域までの幅広い領域の光を効率よく光電変換することができる増感色素の開発が必要と言える。また、安定性においては、前述のポリピリジン配位子を有するルテニウム−イソチオシアナト錯体について見ると、熱や光の刺激による単座配位子のイソチオシアナトの解離もしくは異性化反応の進行の可能性が指摘されている。これらの解離や異性化反応は、金属錯体色素の安定性を低下させるだけでなく電池の性能も低下するため、安定性の向上を目的とした単座配位子を含まない金属錯体色素の開発が必要である。
そのような単座配位子を含まない金属錯体色素として、例えば非特許文献3、及び4には下記式(4)、及び(5)で表されるルテニウム錯体が報告されている。この化合物を、「化合物1」、及び「化合物2」という。化合物1、及び2を組み込んだ色素増感太陽電池は比較的高い変換効率を有するが、光電変換が可能な領域は800nmまでであり、近赤外光を有効に利用できていない。従って、このようなタイプの増感色素においても、エネルギー変換効率を大幅に向上するために光電変換が可能な領域を長波長側に広げ、可視光領域だけでなく近赤外光領域の光を有効に利用することが期待されている。
Figure 0006074808
特許第2664194号公報
J. Am. Chem. Soc. 1993, 115,6382-6390 J. Am. Chem. Soc. 2001, 123,1613-1624 J. Am. Chem. Soc. 2009, 131,5930-5934 Angew. Chem. Int. Ed. 2011,50, 2054-2058
本発明は、従来の技術における上記した状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、幅広い領域の光に感度を有し、かつ安定性に優れた新規構造の金属錯体色素を提供し、さらにはこの金属錯体色素を用いた良好な色素増感酸化物半導体電極および色素増感太陽電池を提供することを課題とする。
本発明は、一般式(1)
Figure 0006074808
[式中、Mは周期律表上の8から10族の元素であって、L1は下記一般式(2)で表される配位子であり、L2は下記一般式(3)で表される配位子であり、一般式(2)は、
Figure 0006074808
(式中、A1〜A3はそれぞれ独立にカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、若しくはホウ酸基、又はこれらの塩に相当する基であり、R1〜R3はそれぞれ独立に置換基であり、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜3の整数であり(ただしm1〜m3はすべて同時に0になることはない。)、n1〜n3はそれぞれ独立に0〜3の整数である。ただしm1+n1≦4であり、m2+n2≦3であり、m3+n3≦4である。)で表記され、 一般式(3)は、
Figure 0006074808
(式中、Z1は含窒素芳香環を形成する原子群であり、Z2は芳香環を形成する原子群である。)で表記される。]で表される金属錯体色素である。
また、本発明では、Mをルテニウムとすることができる。
さらに、本発明は、金属錯体色素が酸化物半導体に吸着されてなる色素増感金属酸化物半導体電極である。
さらにまた、本発明は、導電性支持体上に形成された色素増感金属酸化物半導体電極と、その対極、及びそれらの電極に接触するレドックス電解質とを備える色素増感太陽電池である。
本発明の金属錯体色素によれば、1000nm程度までの波長の近赤外光を含む幅広い領域の光に感度を有し、効率よく電流を取出すことができ、かつ安定性に優れた金属錯体色素を得ることができる。また、これを用いた色素増感金属酸化物半導体電極および色素増感太陽電池は、良好な変換効率を達成することができる。
本発明の色素は、色素増感太陽電池の金属酸化物半導体を修飾する増感剤として用いることが出来る。本発明の色素増感太陽電池においては、対極としては白金電極などの周知の電極が用いられる。これらの電極に接触するレドックス電解質も、周知のものを用いることが出来る。
本発明の金属錯体色素は、
一般式(1)
Figure 0006074808
[式中、Mは周期律表上の8から10族の元素であって、L1は下記一般式(2)で表される配位子であり、L2は下記一般式(3)で表される配位子であり、一般式(2)は、
Figure 0006074808
(式中、A1〜A3はそれぞれ独立にカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、若しくはホウ酸基、又はこれらの塩に相当する基であり、R1〜R3はそれぞれ独立に置換基であり、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜3の整数であり(ただしm1〜m3はすべて同時に0になることはない。)、n1〜n3はそれぞれ独立に0〜3の整数である。ただしm1+n1≦4であり、m2+n2≦3であり、m3+n3≦4である。)で表記され、 一般式(3)は、
Figure 0006074808
(式中、Z1は含窒素芳香環を形成する原子群であり、Z2は芳香環を形成する原子群である。)で表記される。]で表される金属錯体色素であって、種々の錯体となることができる。
上記式(1)におけるMは、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、白金等を挙げることが出来るが、これらのうちルテニウムがとくに好ましい。
上記式(2)におけるA1、A2、及びA3はそれぞれ独立にカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、若しくはホウ酸基、又はこれらの塩に相当する基であるが、これらのうちカルボキシ基又はその塩であることが好ましい。
A1、A2、又はA3が塩である場合、対カチオンとしてはアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等を挙げることが出来、好ましくはテトラブチルアンモニウムイオンである。
上記式(2)におけるR1、R2、及びR3は置換基であるが、置換基として好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロ環基などが挙げられる。
このような本発明におけるL1の具体的な構造としては、例えば下記式(6)〜(8)で表される配位子を挙げることが出来る。
Figure 0006074808
上記式(3)において、Z1 は含窒素芳香環を形成する原子群を表し、Z1が形成する含窒素芳香環は好ましくは4〜10員環、より好ましくは5〜6員環である。その含窒素芳香環は好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数4〜10である。Z1とZ2が結合して縮環構造を取っても良い。Z1で形成される含窒素芳香環としては、例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールなどが挙げられる。
Zで形成される環は、置換基を有しても良く、置換基として好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロ環基などが挙げられる。
Z2は芳香環を形成する原子群を表す。Z2が形成する芳香環は、好ましくは4〜10員環、より好ましくは5〜6員環である。Z2で形成される芳香族環は芳香族炭化水素、芳香族ヘテロ環のいずれでもよく、例えばベンゼン、ナフタレン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピロール、チオフェン、フラン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾールなどが挙げられる。
Z2は置換基を有していても良く、置換基としては前記Z1で説明した基が挙げられる。
このような本発明におけるL2の好ましい例としては、例えば、下記式(9)〜(22)で表される配位子を挙げることが出来る。
Figure 0006074808
本発明の色素の具体例として、例えば、下記式(23)〜(26)で表されるものを挙げることが出来る。
Figure 0006074808
本発明の金属錯体色素の製造方法は、例えば、4,4’,4”−トリメトキシカルボニル−2,2’:6’,2”−テルピリジン(L3)とルテニウム三塩化物を予め反応させて骨格となる[RuL3Cl3]錯体を合成し、これにL2を導入することにより得ることができる。[RuL3Cl3]錯体は公知の物質であり、例えばJ. Am. Chem. Soc. 123 (2001) 1613を参照して合成することができる。
目的の金属錯体色素は、[RuL3Cl3]錯体、L2、塩化リチウム、トリエチルアミンをジメチルホルムアミドと純水に溶解し、マイクロ波合成装置を用いて加熱還流する。この反応混合物を冷却し、溶媒を除去した固体生成物を、カラムクロマトグラフィーで精製することで目的の金属錯体色素を得ることができる。
本発明の金属錯体色素を用いた本発明の色素増感太陽電池は、導電性支持体上に形成された色素増感金属酸化物半導体電極、電解質、対極が順次積層されて構成され、当該色素増感金属酸化物半導体電極には、本発明の金属錯体色素が化学吸着されている。
導電性支持体としては、金属もしくは表面に導電層を有するガラス又はプラスチック等を好適に用いることができる。導電層としては、金、白金、銀、銅、インジウム等の金属、導電性カーボン、又はインジウム錫複合化合物、酸化錫にフッ素をドープしたもの等が挙げられる。これらの導電材料を用いて、常法により支持体表面に導電層を形成することができる。また、導電性支持体を受光面とする場合は透明であることが好ましい。
酸化物半導体電極を構成する材料としては、例えば酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン、酸化インジウム等を挙げることができる。これらのうち好ましくは酸化チタン、酸化ニオブ、酸化スズであり、特に好ましくは酸化チタンである。酸化物半導体電極の形成方法は問わないが、例えば、酸化物半導体電極となるべき酸化物の微粒子を形成し、これを適当な溶媒に懸濁させて透明導電性ガラスの上に塗布し、溶媒を除去した後に加熱する方法により製造することができる。
酸化物薄膜電極に本発明の色素を化学吸着させる方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、上記の方法により得られた酸化物半導体電極を、本発明の金属錯体色素を含有する溶液に浸漬して行うことができる。ここで使用する溶媒は、金属錯体色素を溶解するものであれば良く、好ましくはメタノール、エタノール、ブタノール、アセトニトリル、アセトン、ジエチルエーテル、及びそれらを組み合わせた混合溶媒である。金属錯体色素溶液の濃度としては、1x10-4〜1x10-2モル/リットルとすることが好ましい。浸漬時間としては、使用する金属錯体色素、溶媒の種類、溶液の濃度等に応じて適宣調整することができる。浸漬時間は0.5〜50時間が好ましく、2〜25時間が更に好ましい。浸漬の際の温度としては、0〜100℃であることが好ましく、10〜50℃が更に好ましい。
電解質としては、電子、ホール、イオンを輸送できる導電性材料から構成される。導電性材料の中でもイオン導電体が好ましく、レドックス系を含有する溶液もしくは固体又はイオン性液体を用いることができる。具体的には、レドックス系としてはI-/I3 -系、Br-/Br3 -系、Co2+/Co3+系、Fe2+/Fe3+系等があげられ、溶媒としては、アセトニトリルなどのニトリル系化合物、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系化合物等が挙げられる。また、液体電解質の添加剤としては、従来から用いられている4‐tert‐ブチルピリジンなどの含窒素芳香族化合物、或いは(1,2‐ジメチル‐3‐プロピル)イミダゾリウムアイオダイドなどのイミダゾール塩が挙げられ、これらの添加剤を0.1〜1.5モル/リットル程度の濃度で液体電解質に添加しても良い。
対極は導電性を有している限り特に制限はないが、例えば導電性支持体表面に白金を蒸着させたもの、もしくは導電性カーボンを付着させたものを好適に用いることができる。
色素増感半導体電極と対極との接触を防止するために、スペーサーを用いても良い。スペーサーとしては、ポリエチレン等の高分子フィルムが挙げられる。
以下に、本発明について実施例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
[RuL3Cl3]錯体(200mg) (L3は4,4’,4”−トリメトキシカルボニル−2,2’:6’,2”−テルピリジン)、6−フェニルピリジン−2−カルボン酸 (65mg)、塩化リチウム(138mg)、トリエチルアミン(0.2mL)をジメチルホルムアミドと純水に溶解後、加熱還流する。溶媒を留去後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、40mgの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式(27)で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物3」という。
Figure 0006074808
実施例2
[RuL3Cl3]錯体(200mg) (L3は4,4’,4”−トリメトキシカルボニル−2,2’:6’,2”−テルピリジン)、6−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリジン−2−カルボン酸 (87mg)、塩化リチウム(138mg)、トリエチルアミン(0.2mL)をジメチルホルムアミドと純水に溶解後、加熱還流する。溶媒を留去後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、19mgの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式(28)で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物4」という。
Figure 0006074808
実施例3
[RuL3Cl3]錯体(200mg) (L3は4,4’,4”−トリメトキシカルボニル−2,2’:6’,2”−テルピリジン)、6−(2,4−ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジン−2−カルボン酸 (110mg)、塩化リチウム(138mg)、トリエチルアミン(0.6mL)をジメチルホルムアミドと純水に溶解後、加熱還流する。溶媒を留去後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、36mgの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式(29)で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物5」という。
Figure 0006074808
実施例4
[RuL3Cl3]錯体(200mg) (L3は4,4’,4”−トリメトキシカルボニル−2,2’:6’,2”−テルピリジン)、6−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリジン−2−カルボン酸 (93mg)、塩化リチウム(138mg)、トリエチルアミン(0.6mL)をジメチルホルムアミドと純水に溶解後、加熱還流する。溶媒を留去後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、152mgの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式(30)で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物6」という。
Figure 0006074808
実施例5
[RuL3Cl3]錯体(200mg) (L3は4,4’,4”−トリメトキシカルボニル−2,2’:6’,2”−テルピリジン)、6−(3−フルオロビフェニル)ピリジン−2−カルボン酸 (95mg)、塩化リチウム(138mg)、トリエチルアミン(0.6mL)をジメチルホルムアミドと純水に溶解後、加熱還流する。溶媒を留去後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、96mgの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式(31)で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物7」という。
Figure 0006074808
実施例6
[RuL3Cl3]錯体(100mg) (L3は4,4’,4”−トリメトキシカルボニル−2,2’:6’,2”−テルピリジン)、6−(4−アセチルフェニル)ピリジン−2−カルボン酸 (39mg)、塩化リチウム(69mg)、トリエチルアミン(0.3mL)をジメチルホルムアミドと純水に溶解後、加熱還流する。溶媒を留去後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、115mgの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式(32)で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物8」という。
Figure 0006074808
実施例7
[RuL3Cl3]錯体(200mg) (L3は4,4’,4”−トリメトキシカルボニル−2,2’:6’,2”−テルピリジン)、6−(5−アセチルチオフェン−2−イル)ピリジン−2−カルボン酸 (40mg)、塩化リチウム(69mg)、トリエチルアミン(0.3mL)をジメチルホルムアミドと純水に溶解後、加熱還流する。溶媒を留去後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、56mgの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式(33)で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物9」という。
Figure 0006074808
実施例8
光安定性評価用の色素増感金属酸化物半導体電極の作製
金属酸化物半導体電極は、Coord. Chem. Rev. 2004, 248,
1381-1389に記載の方法に従って作製した。具体的には、ガラス表面に透明導電性支持体であるフッ素をドープした酸化錫が蒸着された透明導電性ガラスの表面に、半導体層として酸化チタン多孔質膜(膜厚が6μm、面積が6.25cm2)を形成したものを使用した。
上記方法で作製した金属酸化物半導体電極を、前記で得た化合物(2x10-4モル/リットル)のエタノールとジメチルホルムアミドの混合溶液(7:3v/v)に22時間浸漬させることにより、色素増感金属酸化物半導体電極を形成した。ルテニウム錯体色素の光安定性は、ソーラーシュミレーター(AM1.5、100mWcm-2)と紫外線カットフィルターを用いて6時間の光照射試験を行い、評価した。下記表1には、光照射前後で吸収スペクトルが変化しなかったものをA、最長波長側の吸収極大のシフトが見られたものをB、吸収スペクトルの形状に変化が見られたものをC、最長波長側の吸収極大のシフト、及びスペクトル形状に変化が見られたものをDとして、これらの評価ランクで示した。
実施例9
色素増感太陽電池の作製
金属酸化物半導体電極は、上記と同様の方法に従い、ガラス表面に透明導電性支持体であるフッ素をドープした酸化錫が蒸着された透明導電性ガラスの表面に、半導体層として酸化チタン多孔質膜(膜厚が31μm、面積が0.25cm2)を形成したものを使用した。
上記方法で作製した金属酸化物半導体電極を、前記で得た化合物(2x10-4モル/リットル)のエタノールとジメチルホルムアミドの混合溶液(7:3v/v)に22時間浸漬させることにより、色素増感金属酸化物半導体電極を形成した。この半導体電極と導電性ガラス表面に白金を蒸着した対極との間にポリエチレンフィルムのスペーサーと電解質溶液をはさみ、色素増感太陽電池を得た。電解質溶液としては、ヨウ化リチウム(0.1モル/リットル)、ヨウ素(0.05モル/リットル)、(1,2‐ジメチル‐3‐プロピル)イミダゾリウムアイオダイド(0.6モル/リットル)、4‐tert‐ブチルピリジン(0.1モル/リットル)を含むアセトニトリル溶液を用いた。太陽電池性能はソーラーシュミレーター(AM1.5、100mWcm-2)を用いて評価した。
表1に示す化合物を増感色素として用い、上記の方法により作製した電池を用いて短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、曲線因子(ff)、光電変換効率(η)を測定した。得られた結果を表1に示す。なお、表1には比較例として、非特許文献1、及び非特許文献2において報告されているルテニウム錯体色素であるN719色素とブラック色素について同様の評価を行った結果を併記した。N719色素、及びブラック色素については、色素増感太陽電池の作製の際に電解質溶液として、ヨウ化リチウム(0.1モル/リットル)、ヨウ素(0.05モル/リットル)、(1,2‐ジメチル‐3‐プロピル)イミダゾリウムアイオダイド(0.6モル/リットル)、4‐tert‐ブチルピリジン(0.5モル/リットル)を含むアセトニトリル溶液を用いた。
Figure 0006074808
表1からわかるように、本発明の化合物は優れた光安定性を示した。また、本発明の化合物を増感色素として用いると、何れの場合にも可視光だけでなく1000nm程度までの波長の近赤外光も利用できることがわかった。
本発明により、太陽光エネルギーを可視光領域だけでなく近赤外光領域までの広波長領域で利用でき、かつ安定性に優れた色素を用いることで、高い変換効率と耐久性をあわせ持つ色素増感太陽電池を提供することができる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 0006074808
    [式中、Mは周期律表上の8から10族の元素であって、L1は下記一般式(2)で表される配位子であり、L2は下記一般式(3)で表される配位子であり、一般式(2)は、
    Figure 0006074808
    (式中、A1〜A3はそれぞれ独立にカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、若しくはホウ酸基、又はこれらの塩に相当する基であり、R1〜R3はそれぞれ独立に置換基であり、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜3の整数であり(ただしm1〜m3はすべて同時に0になることはない。)、n1〜n3はそれぞれ独立に0〜3の整数である。ただしm1+n1≦4であり、m2+n2≦3であり、m3+n3≦4である。)で表記され、 一般式(3)は、
    Figure 0006074808
    (式中、Z1は含窒素芳香環を形成する原子群であり、Z2は芳香環を形成する原子群である。)で表記される。]で表される金属錯体色素。
  2. Mがルテニウムである請求項1に記載の金属錯体色素。
  3. 請求項1、又は2に記載の金属錯体色素が酸化物半導体に吸着されてなる色素増感金属酸化物半導体電極。
  4. 導電性支持体上に形成された請求項3に記載の色素増感金属酸化物半導体電極と、その対極、及びそれらの電極に接触するレドックス電解質とを備える色素増感太陽電池。
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