JP2008310998A - 色素増感太陽電池封入体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明を構成する色素増感太陽電池の発電量を向上させるとともに、電解液の揮発や漏れ等を生じることがなく長期にわたって使用することができる色素増感太陽電池封入体を提供することを目的とする。
【解決手段】透明基材上に、透明導電層、色素を担持させた半導電層、導電層および基材が順次積層されてなる色素増感太陽電池が透明ケースに収納されてなることを特徴とする色素増感太陽電池封入体である。前記透明ケースには電解質が満たされていることが好ましい。
【選択図】図8

Description

本発明は、色素増感太陽電池を透明ケースに収納した色素増感太陽電池封入体に関する。
近年、資源を有効に利用する観点から太陽光エネルギーが注目され、そのエネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池の開発が進められている。
現在、太陽電池として上市されている製品の大半はシリコンを具備した太陽電池であり、例えば単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等を挙げることができる。これらのシリコン系太陽電池は、シリコンを具備しない太陽電池に比べ光電変換効率に優れている。しかしながら、シリコン系太陽電池を構成するシリコンの製造には熱源等に多大なエネルギーが必要であることから、コスト高になる問題を有するものであり、またシリコンの供給自体にも制限を有するものであった。
近年、上記のシリコンを使用しない太陽電池として色素増感太陽電池が注目されている(例えば、特許文献1参照)。色素増感太陽電池はシリコンを使用しないことから、コストダウンを達成することが可能である。
従来の色素増感太陽電池は、透明基材上に透明導電層および色素を担持させた半導電層からなる光電極と、基材上に導電層を形成した正電極とを電解質層を介して挟み込んだ構成となっている。
色素増感太陽電池に光が照射されると、半導電層に担持された色素が光を吸収し、色素分子内の電子が励起されて電子が生じる。生じた電子は半導電層を介して透明導電層へ渡され、電気回路を通じて正電極に移動した後、電解質層を通じて光電極に戻る。このような過程が繰り返されることによって、電気エネルギーが生じる。
特開2007−115513号公報
従来技術による色素増感太陽電池は環境への負荷が少なくコストダウンを達成することができる利点がある反面、光電変換効率が低いため、太陽電池としての発電量が低い問題を有していた。
また、導電層と半導電層との間に介在させる電解質層に電解液を使用するので、色素増感電池の使用に際し、電解液の揮発や漏れ等が生じるものであった。これによって太陽電池としての発電量が減少するため、長期にわたって使用することに課題を有していた。
本発明は、本発明を構成する色素増感太陽電池の発電量を向上させるとともに、電解液の揮発や漏れ等を生じることがなく長期にわたって使用することができる色素増感太陽電池封入体を提供することを目的とする。
本発明は、透明基材上に、透明導電層、色素を担持させた半導電層、導電層および基材が順次積層されてなる色素増感太陽電池が透明ケースに収納されてなることを特徴とする色素増感太陽電池封入体である。
電解質が前記透明ケースに満たされていることが好ましい。
前記半導電層と前記導電層間に電解質層が設けられていることが好ましい。
前記色素増感太陽電池がシート化されていることが好ましい。
前記色素増感太陽電池が、渦巻き状に形成されてなることが好ましい。
前記透明ケースの少なくとも一部の部位が、取外し可能であることが好ましい。
前記透明導電層および前記導電層に、配線を施すことが好ましい。
前記透明ケースに、配線孔を設けることが好ましい。
本発明の色素増感太陽電池封入体は、透明基材上に、透明導電層、色素を担持させた半導電層、導電層および基材が順次積層されてなる色素増感太陽電池を透明ケースに収納しているため、電解液の揮発や漏れが生じにくく、長期にわたって太陽電池としての発電効率を維持することができる。
以下、本発明を図を用いて説明する。
本発明を構成する色素増感太陽電池は、図1に示すように、透明基材10上に透明導電層20、色素を担持させた半導電層30、導電層40および基材11が順次積層されてなる色素増感太陽電池60である。
また、透明ケースに電解液が満たされない場合は、図2に示す色素増感太陽電池61のように、半導電層30と導電層40間に電解質層50を設けることもできる。これによって、半導電層30に電解質が接触するため、色素増感太陽電池としての発電量が向上する。電解質層50としては、固体あるいはゲル状の電解質を用いてもよいし液体状の電解液を用いてもよい。
光照射により生じた電気エネルギーを取り出すために、色素増感太陽電池60および61には配線90および91を設けることが好ましい。図3および図4に、配線90および91を設けた色素増感太陽電池の一例を示したが、本発明における配線90および91は、それぞれ透明導電層20と導電層40に接触していればよいのであって、その形成位置や個数は適宜決定することができる。
配線90および91は、透明導電層20および導電層40に積層されている透明基材10および基材11を部分的に取り除いた後、設けることができる。部分的に取り除く方法は特に限定されるものではないが、物理的な処理あるいは化学的な処理等を行うことができる。例えば、透明基材10および基材11を部分的に直接剥離してもよいし、透明基材10および基材11が有機フィルムである場合、部分的に加熱することにより前記有機フィルムを収縮させて透明導電層20および導電層40を露出させてもよい。
透明導電層20および導電層40上に配線90および91を接続する方法は特に制限されるものではないが、例えば、はんだや導電性ペーストを使用することができる。
色素増感太陽電池60、61、62および63は、可撓性を有するシート状物であって、巻き取ることができる。渦巻き状に巻き取った色素増感太陽電池64を図5に示す。巻き取る際には、透明基材10を中心に巻き取ってもよいし、基材11を中心に巻き取ってもよい。したがって、巻き取られた色素増感太陽電池64の表面部12は、透明基材10または基材11となる。
色素増感太陽電池64を渦巻き状に巻き取ることによって、発電する部位の面積が増大するため発電量を向上させることができる。換言すれば、省スペースにて発電量を向上させることができる。
色素増感太陽電池64を図5に示すAから見た図が図6である。巻き取られた色素増感太陽電池64は、透明基材10と基材11が密接してもよく、図6に示すように空隙70を有するものであってもよい。本発明においては、受光量が増大することから空隙70を設けることが好ましい。空隙70の間隔は適宜決定することができる。
渦巻き状に巻き取った色素増感太陽電池64は、透明ケース内に収納することが必要である。図7に、本発明における透明ケースの一例を示した。透明ケース80は密閉することができればよいのであって、その形状は特に限定されるものではなく、図7に示した円柱でもよいし、四角柱であっても三角柱でも球体であってもよい。
本発明における透明ケースは、少なくとも一つの部位が取外し可能であることが好ましい。
例えば、図7に示す透明ケース80の場合、蓋部81または底部82の少なくとも一方が取外し可能であることが好ましい。これによって、透明ケース80内に色素増感太陽電池64を収納した後、蓋部81または底部82によって密閉することができる。
また、透明ケース80の密閉は樹脂成分で行ってもよい。樹脂成分としては透明性を有するものが好ましく、例えば、紫外線硬化性アクリル、イソシアネート等を使用することができる。
加えて、蓋部81または底部82を上記樹脂成分で密閉してもよい。
本発明における透明ケースには配線孔83を設けることが好ましい。これによって、透明ケース内に収納した色素増感太陽電池64から電気エネルギーを取り出す配線90および91を、前記配線孔83を通じて透明ケース外に誘導することができる。
配線孔83の形成部位は適宜決定することができ、図7に示す蓋部81に設けてもよいし、図7に示す底部82に設けてもよい。また、配線孔83の形成個数も適宜決定することができる。
図8に、渦巻き状に巻き取った色素増感太陽電池64を透明ケース80内に収納した図を示す。透明ケース80内に色素増感太陽電池64を収納した後、電解液を満たすことによって色素増感太陽電池64を構成する色素を担持させた半導電層30と電解液を接触させることができる。したがって、図1に示す色素増感太陽電池60のように、半導電層30と導電層40間には電解質層50を設けなくてもよい。透明ケース80内に、図1に示す色素増感太陽電池60および電解液を満たすことにより、電解液が半導電層30および導電層40間に毛細管現象により浸透するため、光照射によって半導電層30に担持された色素から電子が放出され発電が生じる。また、透明ケース80内に色素増感太陽電池64を収納することによって、電解液の揮発を防ぐことができる。さらに、色素増感太陽電池64において電解質層を設けた場合、電解液の漏れが生じても透明ケース80外に漏れることがないため、太陽電池として長期にわたって使用することが可能である。
色素増感太陽電池64に設けられた配線90および91は、配線孔83から透明ケース外に導いた後、前記配線孔83は樹脂成分等で封止することができる。樹脂成分としては、例えば、紫外線硬化性アクリルやイソシアネート等の透明性を有するものを使用することが好ましい。これによって、透明ケース内に満たした電解液の揮発を防ぐことができる。
以下、本発明を構成する材料について説明する。
<透明ケース>
透明ケースの形状は、透明ケース内に満たされる電解液、または色素増感太陽電池を構成する電解質層の電解液等が透明ケース外に漏れる事がなければよいのであって、円柱であっても三角錐であってもよく特に限定されない。また、透明ケースの大きさは色素増感太陽電池を収納することができればよいのであって、適宜決定することができる。
加えて、透明ケース内に満たされる電解液の量は適宜決定することができる。
透明ケースは、その一部が透明性を有するものであればよい。一部とは、透明ケースの全ての部位において透明性を有する必要がないことを意味する。図7に示す透明ケースの場合、例えば、蓋部81が透明性を有すればよくその他の部位は透明性を有する必要はない。また、底部82が透明性を有するものであってもよく、透明性を有する部位は特に制限されるものではない。加えて、蓋部81が局部的に透明性を有するものであってもよく、透明性を有する部分は適宜決定することができる。
透明性を有するとは、透明ケース80内に収納した色素増感太陽電池64に光が照射されるものであれば特に制限されるものではないが、JIS−K7105によって測定した全光線透過率が70%以上であれば好ましい。全光線透過率は80%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
透明性を有する材料としては、例えば、ガラス、有機フィルム、プラスチック等を使用することができる。透明ケースは、透明性を有する材料のみを単独で使用してもよいし、透明性を有する材料および/または透明性を有しない材料を複数組合わせて使用してもよい。
<透明基材>
透明基材としては、入射する光を妨げず適度な強度を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ガラス、有機フィルム等を挙げることができる。
ガラスは、板状のガラス板でもよいし、ガラスを繊維として包含するシートでもよいし、渦巻き状に成形したものでもよい。
有機フィルムは可撓性を有するため、透明基材として使用するとシート化することができるため、色素増感太陽電池を渦巻き状に巻き取ることができるため好ましい。有機フィルムとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、トリアセチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリレート、環状ポリオレフィン、アラミド等の有機フィルムが使用できる。
上記有機フィルムの厚さは5μm〜3mmであることが好ましく、10μm〜300μmであることがさらに好ましい。5μm〜3mmの範囲内にすることで、適度な強度と柔軟性を備えさせることができる。
<透明導電層>
透明導電層としては特に限定されるものではないが、光透過率の観点から、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明な酸化物半導体を使用することが好ましい。これらの酸化物半導体は単独で使用してもよいし、複数を使用してもよい。
透明導電層を透明基材上に形成させる方法としては、透明導電層の材質に応じた方法を用いればよいが、例えば、ITOなどの酸化物半導体を透明基材上に形成させる場合、スパッタ法、CVD法、SPD法、蒸着法などの薄膜形成法が挙げられる。透明導電層の厚さは光透過性と導電性を考慮して、0.05〜2.0μmとすることが好ましい。
<半導電層>
半導電層は、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(Ta)、酸化ランタン(La)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO)、アルミナ(Al)などの1種または2種以上を複合させた平均粒径1〜1000nmの酸化物半導体微粒子を主成分とし、厚さは0.5〜50μm程度の多孔質の薄膜であることが好ましい。
半導電層を透明導電層上に形成させる方法としては、例えば、酸化物半導体微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調整できるコロイド溶液を、必要に応じて所望の添加剤を添加した後、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー塗布法などにより透明導電層上に塗布することができる。また、コロイド溶液中に透明基材および透明導電層を浸漬し、電気泳動により酸化物半導体微粒子を透明導電層上に付着させる泳動電着法を用いてもよい。また、コロイド溶液や分散液にポリマーマイクロビーズを混合して透明導電層に塗布した後、このポリマーマイクロビーズを加熱処理や化学処理により除去して空隙を形成させ多孔質化する方法を適用してもよい。
コロイド溶液や分散液に発泡剤を混合して透明導電層に塗布した後、焼結して多孔質化する方法を用いることができるが、透明基材として有機フィルムを用いる場合、上記分散液を乾燥させる温度は150℃以下であることが好ましい。また、透明基材としてガラスを用いる場合、その焼成温度は400〜500℃程度が好ましい。焼成温度を400〜500℃程度にすることで、酸化物半導体微粒子間の結合力が密になるため、光照射により増感色素から生じた電子が、半導電層を通じて透明導電層に伝達されやすくなるため好ましい。ガラスは、板状のガラス板でもよいし、ガラスを繊維として包含するシートでもよいし、渦巻き状に成形したものでもよい。
透明基材として有機フィルムを使用し、前記有機フィルム上に半導電層を設けた場合、400〜500℃程度で前記半導電層を焼成することは困難であるから、工夫が必要となる。例えば、ガラス板や金属板等からなる耐熱基板上に、金属酸化物と樹脂からなる剥離層、透明導電層、半導電層を順次積層した積層体を400〜500℃にて焼成した後、シリコーン剥離層を積層した有機フィルムを透明基材として用意し、前記半導電層と前記シリコーン剥離層を貼り合わせる。これらを貼り合わせた後、耐熱基板を剥離層から剥離する。続いて、接着層を設けた有機フィルムを用意し、前記剥離層と前記接着層を貼り合わせる事によって、可撓性を有する色素増感太陽電池を作製することができる。
前記剥離層を構成する金属酸化物としては、前記半導電層と同一のものを使用することができる。前記剥離層を構成する樹脂としては、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などのほかに、ポリエチレングリコールのような多価アルコール類を挙げることができる。
また、透明基材として有機フィルムを使用する他の例としては、前記透明基材上に透明導電層および半導電層を順次積層した後、100〜400℃程度に加熱した第1の金属板を前記半導電層に押圧することによって焼結させてもよい。なお、押圧の際には、前記透明基材のもう一方の面に、第2の金属板を接触させることができるが、前記第2の金属板の温度は前記透明基材の軟化温度以下にする必要がある。
第1の金属板および第2の金属板としては、特に限定されるものではないが、ステンレス板を使用することが好ましい。
半導電層に担持させる色素は、可視光を吸収するものであれば特に制限されるものではないが、例えば、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体や鉄錯体、ポルフィリン系やフタロシアニン系の金属錯体、エオシン、ローダミン、メロシアニン、クマリンなどの有機色素等から、用途や半導電層の材料に応じて適宜選択して用いることができる。
色素を半導電層に吸着させる方法としては、透明導電層上の半導電層を色素の溶液に含浸させる方法が挙げられる。
<導電層>
導電層としては、任意の導電性材料を使用することができ、例えば、Cu、Pt、ITO、FTO等の金属や炭素等を使用することができる。導電層を基材に塗布する方法は、スパッタ法、CVD法、SPD法、蒸着法などの薄膜形成法が挙げられる。導電層の厚さは光透過性と導電性を考慮して、0.05〜2.0μmとすることが好ましい。
また、導電層は透明導電層と異なり、必ずしも透明性を有する必要性はない。
導電層上には、電極活性物質として、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン及びそれらの誘導体の群から選ばれる1種以上を塗布することが好ましい。
ポリチオフェンの誘導体としては、ポリアルキルチオフェン、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)やPEDOT−TsO(p−トルエンスルフォン酸をドープしたPEDOT)、PEDOT−PSS(ポリスチレンスルフォン酸をドープしたPEDOT)が挙げられる。
ポリピロールやポリチオフェンを塗布する方法としては、これらの原料モノマーであるピロール、チオフェン、及びその誘導体、並びに重合剤を含むモノマー溶液を被塗布物にスピンコート等により塗布する方法が例示できる。そして、塗布後、例えば加熱によりモノマーを重合させることができる。
重合剤としては特に制限はないが、原料モノマーがピロール及びその誘導体である場合には、塩化鉄(III)及びその水和物を用いることができる。また、原料モノマーがチオフェン及びその誘導体である場合には、塩化鉄(III)、トリス−p−トルエンスルホン酸鉄(III)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸鉄(III)、メタンスルホン酸鉄(III)、p−エチルベンゼンスルホン酸鉄(III)、ナフタレンスルホン酸鉄(III)(およびその水和物等)を用いることができる。
さらに、モノマー溶液に重合速度調整剤を添加してもよい。重合速度調整剤としては、重合剤のFe(III)イオンに対する弱い錯化剤であって重合速度を低減することにより膜形成が容易になるものであれば特に制限はないが、重合剤が塩化鉄(III)およびその水和物である場合、芳香族オキシスルホン酸(5−スルホサリチル酸など)を用いることができる。重合剤がトリス−p−トルエンスルホン酸鉄(III)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸鉄(III)、メタンスルホン酸鉄(III)、p−エチルベンゼンスルホン酸鉄(III)、ナフタレンスルホン酸鉄(III)及びその水和物である場合、重合速度調整剤としてイミダゾールなどを用いることができる。
これらの成分を混合したモノマー溶液の溶媒としては特に制限はないが、例えば、原料モノマー、重合剤、重合速度調整剤がそれぞれピロール、塩化鉄(III)、5−スルホサリチル酸である場合には、溶媒として水を用いることができる。原料モノマー、重合剤、重合速度調整剤がそれぞれ3,4−エチレンジオキシチオフェン、トリス−p−トルエンスルホン酸鉄(III)、イミダゾールの組み合わせである場合、溶媒としてノルマルブタノールを用いることができる。
モノマー溶液中の原料モノマー、重合剤、及び重合速度調整剤の配合割合は、成分や重合度、重合速度等に応じて適宜調整することができる。
重合反応を行う条件としては、例えば加熱温度を25〜120℃とし、加熱時間を5分〜24時間とすることができる。
<基材>
基材としては、適度な強度を有するものであればよく、必ずしも透明性を有するものである必要はない。したがって、金属板を使用しても、透明性を有するガラス板や有機フィルム等を使用してもよい。
<電解質層>
電解質層は、電解質溶液からなるものであってもよく、電解質溶液をゲル化剤によって半固体化したものであってもよい。また、上記電解質層としては、電子、ホール、イオン等を輸送できる物質であれば特に限定されず、例えば、CuI、CuSCN、NiO、CuO、KI等のp型半導体固体ホール輸送材料、ヨウ素/ヨウ化物、臭素/臭化物等の酸化還元電解質を有機溶媒に溶解した溶液を用いることができる。
上記有機溶媒としては、例えば、ニトリル系のアセトニトリル、メトキシプロピオニトリルや炭化水素系のプロピレンカルボナート、ジエチルカルボナート、γ―ブチロラクタンやポリエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。
これらの中では、嵩高く、金属酸化物半導体多孔質層に吸着させた色素が脱離しにくいことから、酸化還元電解質を有機溶媒に溶解した溶液が好ましい。
<配線>
色素増感太陽電池に配線を接続した後、透明ケース外に前記配線を導くことによって電気エネルギーを取り出すことができる。配線を構成する材料は、電気エネルギーを色素増感太陽電池から透明ケース外に誘導できる導電性物質であればよいのであって、特に制限されるものではないが、例えば、金、銀、銅、ニッケル等を使用することができる。
前記配線は、絶縁性材料で被覆することが好ましい。
<その他>
本発明を構成する色素増感太陽電池は、各層を積層させた後、樹脂成分で封止することによって各層を密着させてもよいが、半導電層および導電層間または電解質層に電解液を浸透させるために部分的な封止をすることが好ましい。また、色素増感太陽電池を渦巻き状に巻き取った後に、樹脂成分により部分的な封止を行ってもよい。
部分的とは、半導電層および導電層間または電解質層に電解液が浸透すればよいのであって、その封止部分や封止方法は特に制限されるものではない。
また、ここでいう樹脂成分としては、紫外線硬化性アクリルやイソシアネート等の透明性を有するものを使用することが好ましい。
以下、本発明を実施例によって説明する。
図1に示す色素増感太陽電池を次のように作製した。
透明基材として厚さ100μmのPETフィルム(東レ・デュポン社製 商品名:ルミラー)を使用し、この上に透明導電層としてスズドープ酸化インジウム(ITO)を真空スパッタリング法により形成させた。
形成させた透明導電層上に、酸素ガスを導入した反応性真空蒸着法により、半導電層として厚さ9μmの酸化チタンを形成させた。この時の製膜圧力は2.5×10−1Paであった。得られた積層体を、150℃で30分間乾燥させた。
次に、乾燥させた積層体をビス(4,4−ジカルボキシ−2,2−ピピリジル)ジチオシアネートルテニウム(色素4)の2.5×10−4Mエタノール溶液に浸漬することにより、前記色素を半導電層に担持させた後、エタノール洗浄および乾燥を行った。
透明基材として使用したPETフィルムにおいて、透明導電層および半導電層を積層していない面の端部を一部剥離して、透明導電層を露出させた。透明導電層の露出面に銅線のはんだ付けを行った。
続いて、基材として100μmのPETフィルム(東レ・デュポン社製 商品名:ルミラー)を使用し、この上に導電層としてスズドープ酸化インジウム(ITO)を真空スパッタリング法により形成させた。この導電層上に白金を蒸着法により製膜させた。
基材として使用したPETフィルムにおいて、導電層を積層していない面の端部を一部剥離して、導電層を露出させた。導電層の露出面に銅線のはんだ付けを行った。
導電層上に設けた白金層と半導電層とを、それぞれの端部に設けた銅線が反対方向に存在するように重ね合わせた。この際には、透明導電層上に設けた銅線と、導電層上に設けた銅線がそれぞれ外側になるようにした。
次に、透明基材および基材を重ね合わせるようにして渦巻き状に巻き取った色素増感太陽電池を、図7に示した形状の透明ケース内に収納し、下記組成からなる電解液を前記透明ケース内に満たした。
・0.05M ヨウ素
・0.1M ヨウ化リチウム
・0.1M Dimethylpropylimidazolium iodide
・0.5M 4−tert−butylpyridine
・溶媒 ブチロニトリル
配線を透明ケース外に導いた後、前記透明ケースを紫外線硬化アクリル樹脂により密閉することにより、図8に示す色素増感太陽電池封入体を作製した。
<評価>
実施例の色素増感太陽電池封入体において、JIS C8913に準じて、電流電圧特性を調べたところ、エネルギー変換が行われていることを確認した。
本実施例1の色素増感太陽電池は渦巻き状に形成されてなるため、従来の色素増感太陽電池の課題であった発電量が低い問題を、発電する部位の面積を増大させることによって、色素増感太陽電池としての発電量を向上させることができる。
また、本発明の色素増感太陽電池封入体は、透明ケースに密閉されてなるため、電解液の揮発や漏れ等を生ずることがないことから、長期にわたって使用することができる。
色素増感太陽電池の断面図である。 色素増感太陽電池の断面図である。 配線を施した色素増感太陽電池の断面図である。 配線を施した色素増感太陽電池の断面図である。 色素増感太陽電池を渦巻き状に巻き取った図である。 図5に示した色素増感太陽電池をA方向から見た図である。 透明ケースの一例を示す図である。 透渦巻き状に巻き取った色素増感太陽電池を透明ケース内に収納した色素増感太陽電池封入体である。
符号の説明
10 透明基材
11 基材
12 表面部
20 透明導電層
30 半導電層
40 導電層
50 電解質層
60、61、62、63、64 色素増感太陽電池
70 空隙
80 透明ケース
81 蓋部
82 底部
83 配線孔
90、91 配線
100 色素増感太陽電池封入体

Claims (8)

  1. 透明基材上に、透明導電層、色素を担持させた半導電層、導電層および基材が順次積層されてなる色素増感太陽電池が透明ケースに収納されてなることを特徴とする色素増感太陽電池封入体。
  2. 電解質が前記透明ケースに満たされていることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池封入体。
  3. 前記半導電層と前記導電層間に電解質層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池封入体。
  4. 前記色素増感太陽電池がシート化されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の色素増感太陽電池封入体。
  5. 前記色素増感太陽電池が、渦巻き状に形成されてなることを特徴とする請求項1乃至4に記載の色素増感太陽電池封入体。
  6. 前記透明ケースの少なくとも一部の部位が、取外し可能であることを特徴とする請求項1乃至5に記載の色素増感太陽電池封入体。
  7. 前記透明導電層および前記導電層に、配線を施したことを特徴とする請求項1乃至6に記載の色素増感太陽電池封入体。
  8. 前記透明ケースに、配線孔を設けたことを特徴とする請求項1乃至7に記載の色素増感太陽電池封入体。
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