JP2006100051A - 非水二次電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高度に薄型化した隔離材を備えることによって高エネルギー密度化を達成することに加えて、良好なシャットダウン効果を有することで優れた安全性も確保し得た非水二次電池と、その製造方法を提供する。
【解決手段】 正極と、リチウム、リチウム合金またはリチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料を負極活物質とする負極と、多孔性の隔離材を構成要素として有する非水二次電池であって、上記隔離材は、正極および/または負極の表面に形成されており、少なくとも、軟化点が150℃以上である第1のポリマーと、軟化点が60℃以上150℃未満である第2ポリマーを含有し、且つ厚みが15μm以下であることを特徴とする非水二次電池である。

Description

本発明は、非水二次電池に関し、さらに詳しくは、特に携帯用電子機器、電気自動車、ロードレベリングなどの電源として使用するのに適した非水二次電池に関するものである。
非水二次電池の一種であるリチウムイオン電池は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターなどの携帯機器の電源として広く用いられている。
現行のリチウムイオン電池では、正極と負極の間に介在させるセパレーター(隔離材)として、例えば厚みが20〜30μm程度のポリオレフィン系の多孔性フィルムが使用されている。また、セパレーターの素材としては、電池の熱暴走温度以下で構成樹脂を溶融させて空孔を閉塞させ、これにより電池の内部抵抗を上昇させて短絡の際などに電池の安全性を向上させる所謂シャットダウン効果を確保するため、融点の低いポリエチレンが適用されることがある。
ところで、ポリオレフィン系多孔性フィルムのセパレーターは単独で存在する膜であるため、電池製造の際に取り扱いが可能な程度に、強度が要求される。特に電極を巻回体とする場合には、その製造時(巻回時)に、セパレーターにテンションがかかるため、引張強度が十分に高い必要がある。
こうしたセパレーターとしては、例えば、多孔化と強度向上のために一軸延伸あるいは二軸延伸したフィルムが用いられているが、かかる延伸によってフィルムにはひずみが生じており、これが高温に曝されると、残留応力によって収縮が起こるという問題がある。収縮温度は、融点、すなわちシャットダウン温度と非常に近いところに存在する。このため、ポリオレフィン系の多孔性フィルムセパレーターを使用するときには、充電異常時などに電池の温度がシャットダウン温度に達すると、電流を直ちに減少させて電池の温度上昇を防止しなければならない。空孔が十分に閉塞せず電流を直ちに減少できなかった場合には、電池の温度は容易にセパレーターの収縮温度にまで上昇するため、内部短絡による発火の危険性があるからである。
他方、セパレーターの機械的強度の向上や、セパレーターと電極との密着性向上を図る観点から、ホットメルト接着剤およびエンジニアリングプラスチックを含む微多孔質膜を電池のセパレーターに用いる技術も提案されている(特許文献1)。
特開2004−2659号公報
ところで、リチウムイオン電池は電解液に有機溶剤を使用しているが、この有機溶媒系の電解液は、水系のものに比較して導電率が劣り大電流を取り出しにくいため、電極構造を巻回構造や積層構造とすることで、電極(電極シート)の反応面積を大きく取っている。反応面積が大きいと、電極間(正極−負極間)に介在するセパレーターの面積も大きくせざるを得ないため、結果として、電池内部の限られたスペースのうちに隔離材の占める体積割合が大きくなる。
例えば、上記特許文献1に開示の微多孔質膜は、エンジニアリングプラスチックの存在によって、その機械的強度が高められているものの、電池製造時の電極体製造の際にトラブルが生じないような強度を持たせて、十分な取り扱い性を確保するには、やはりある程度の厚みは必要である。
現在、使用する活物質などの選択、構造の最適化、集電箔の薄型化、正・負極の高充電化などによるリチウムイオン二次電池の高容量化は、限界に近いところまで到達しており、一層の高容量化を図るには、電池内の限られたスペースに、より多くの電極活物質を充填する必要があり、かかる観点から、従来のセパレーター(例えば、特許文献1に記載の微多孔質膜)で達成可能な程度よりも薄型の隔離材の開発が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高度に薄型化した隔離材を備えることによって高エネルギー密度化を達成することに加えて、良好なシャットダウン特性を持たせて優れた安全性も確保し得た非水二次電池と、その製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成し得た本発明の非水二次電池は、正極と、リチウム、リチウム合金またはリチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料を負極活物質とする負極と、多孔性の隔離材を構成要素として有しており、上記隔離材が次の(1)〜(3)の構成、すなわち(1)正極および/または負極の表面に形成されており、(2)少なくとも、軟化点が150℃以上である第1のポリマーと、軟化点が60℃以上150℃未満である第2ポリマーを含有し、且つ(3)厚みが15μm以下、を備えたところに特徴を有している。
また、本発明には、上記非水二次電池を製造する方法であって、軟化点が150℃以上である第1のポリマー、軟化点が60℃以上150℃未満である第2のポリマー、および隔離材を多孔質化するための多孔質化剤を含有する液状組成物を、正極および/または負極表面に塗布し、乾燥した後、上記多孔質化剤を、溶媒を用いて溶解除去することにより多孔質の隔離材を形成する工程を有する製造方法も、包含される。
本発明では、正極と負極の間に介在させるための隔離材を、従来の電池のように単独で存在し得る膜で構成されるセパレーターではなく、少なくとも上記2種類のポリマーで構成し、正極および/または負極表面に直接形成する。よって、単独膜のセパレーターのような電池製造の際の取り扱い性を確保するための強度(引張強度など)は、上記隔離材には要求されないことから、その厚みを非常に薄くすることも可能である。
また、電池内温度が上昇しても、上記隔離材は収縮せず、更に軟化点の低い第2のポリマーの流動によって隔離材の空孔が閉塞されるといったシャットダウン効果も確保できる。
上記の通り、本発明によれば、正極と負極の間に介在する隔離材の厚みを非常に薄くできる。よって、電池内で隔離材が占める体積割合を減じて、より多くの電極活物質を充填できるため、高エネルギー密度の非水二次電池とすることができる。また、電池内温度の上昇によっても隔離材がほとんど収縮しないので内部短絡が抑制でき、更に軟化点の低い第2のポリマーの流動によるシャットダウン効果も確保できることから、異常加熱時においても安全性の高い非水二次電池とすることができる。さらに、正極と負極とを、隔離材を介して重ね、巻回することによって巻回電極体とする場合に、ある程度テンションを掛けても隔離材の破損の虞がない。このため、電極体の巻回時に、テンション不足による巻きずれや緩みなどが防止できることから、電池の生産性も向上する。
以下、本発明の非水二次電池の構成およびその製造方法を詳細に説明する。
<隔離材>
本発明に係る隔離材は、多孔質であって、少なくとも、軟化点が150℃以上の第1のポリマーと、軟化点が60℃以上150℃未満の第2のポリマーを構成要素として含有するものである。
第1のポリマーは、軟化点が150℃以上のものであり、隔離材の骨格として、その形状を保持する役割を担う成分である。本発明の非水二次電池を高温下で保持した場合であっても、第1のポリマーの軟化点以下であれば、隔離材全体としては流動することなく電極間(正極−負極間)を隔離する。よって、高温での短絡の危険性が少なく、安全性に優れた非水二次電池となる。
第1のポリマーとしては、JIS K 7206に準じて測定される軟化点が150℃以上で、非水二次電池に使用する電解液に対して安定なポリマー(具体的には、例えば、20℃における電解液に対する溶解度が0.1g/cm以下のポリマー)であればよい。具体的には、隔離材を多孔質とする場合には、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂およびこれらの誘導体よりなる群から選択される1種以上の樹脂が好適であり、これらを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもかまわない。
第2のポリマーは、電極(正極および/または負極)表面に隔離材を接着するための成分である。第2のポリマーとしては、JIS K 7206の規定に準じて測定される軟化点が60℃以上150℃未満であり、非水二次電池に用いる電解液に安定(すなわち、電解液に対する溶解度が室温で0.1g/cm以下)であればよく、さらに電解液存在下での軟化点が、樹脂単独での軟化点よりも低下するポリマーであれば好ましい。本発明の非水二次電池では、電池内部が異常に高温となった場合に、第2のポリマーの軟化によって隔離材の空孔が閉塞され、過剰電流が抑制されるといった所謂シャットダウン効果が確保されるため、安全性に優れたものとなるが、第2のポリマーの軟化点が、電解液存在下で降下する場合には、より低温度でシャットダウン効果を発現させ得るため、非水二次電池の安全性が更に向上する。
第2のポリマーの具体例としては、一般にホットメルト樹脂と称される各種ポリマー(すなわち、熱融着性を有するポリマー)が好ましく、これらを1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。例えば、多孔質の隔離材の場合には、上記ホットメルト樹脂の中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体(例えば、エチレンの共重合比率が60〜95質量%のもの)、エチレン−アクリレート共重合体(エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体など)などが好適である。また、これら第2のポリマーには、軟化点調整を目的として、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)やポリ乳酸などの各種樹脂を単体で、あるいは2種以上添加してもかまわない。
また、隔離材には、例えば、第1のポリマーの、第2のポリマーに対する相溶性を向上させ、隔離材強度を更に高める目的で、粘着付与剤を用いてもよい。例えば、第1のポリマーがポリスルホン樹脂やポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂などである場合には、テルペン系樹脂、芳香族系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、飽和炭化水素基を有するワックスなどが使用できる。
更に、隔離材には、非電気伝導性の微粒子を含有させてもよい。詳しくは後述するが、本発明に係る隔離材の形成の際には、一旦正極および/または負極表面に形成した隔離材を、更に加熱しながら加圧する(すなわち、加熱プレスする)ことにより、その厚みを調節することも好ましいが、特にこのような方法で形成される隔離材では、上記微粒子を隔離材中に分散させることで、第1のポリマーと隔離材中に分散した微粒子の存在によって、加熱プレス後も多孔質状態が維持されるため、隔離材を通したイオンの移動は阻害されることがなく、電池の充放電特性が優れたものになる。また、微粒子が柱の役割を果たすことで加熱プレス後も短絡が十分に防止できる。もちろん、隔離材を加熱プレスにより厚み方向に収縮させない場合にも、多孔体構造を均一に保持することができる。
上記の微粒子としては、非電気伝導性で、電解液に対して安定であり、さらには、150℃で軟化しないものであれば、特に限定されない。具体的には、各種無機微粒子(粉末)や有機微粒子(粉末)が例示できる。150℃で軟化しない有機微粒子は、JIS K 7206の規定に準じて測定される軟化点が150℃を超えるものであればよい。
より具体的には、無機微粒子としては、例えば、酸化鉄、SiO、Al、TiO、BaTiOなどの酸化物微粒子;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの窒化物微粒子;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶微粒子;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶微粒子;モンモリロナイトなどの粘土微粒子;などが挙げられる。また、金属微粒子;SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの酸化物微粒子;カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質微粒子;などの導電性微粒子の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、上記の非電気伝導性の無機微粒子を構成する材料や、後記の、有機微粒子を構成する材料など)で表面処理することで、電気絶縁性を持たせた微粒子であってもよい。
また、150℃で軟化しない有機微粒子としては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステルなどの高軟化点(高融点)高分子微粒子;架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレン、架橋ポリジビニルベンゼン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体架橋物、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物などの架橋高分子微粒子;などが例示できる。また、これらの有機微粒子を構成する有機樹脂(高分子)は、上記例示の材料の混合物、変性体、誘導体、共重合体(ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体)、架橋体(上記架橋高分子以外の材料について)であってもよい。更に、150℃で軟化しない有機微粒子は、第1のポリマーで構成されていても構わない。
これらの微粒子は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもかまわない。また、微粒子の粒径は、0.001μm以上、より好ましくは0.1μm以上であって、15μm以下、より好ましくは1μm以下であることが望ましい。なお、ここでいう微粒子の粒径は、レーザー散乱粒度分布径(堀場製作所製「LA−920」)を用い、微粒子をトルエンに分散させて測定した数平均粒子径である。
本発明に係る隔離材は、従来のセパレーターと異なり、正極および/または負極表面に直接形成するものであるため、電池製造時に、隔離材のみにテンションが掛かるなどといったことはなく、また、伸びや切断も生じにくいため、従来のセパレーターよりを薄くすることができ、これにより、電池内で隔離材が占める体積割合を小さくして電極活物質をより多く充填できるようになることから、電池の高エネルギー密度化に貢献し得る。また、例えば、正極と負極を、隔離材を介して重ね合わせて巻回した巻回電極体とする際に、テンション不足による巻きずれや緩みの発生も防止できる。さらに、本発明に係る隔離材は、従来のセパレーターのように延伸加工されたものでないため、かかる従来のセパレーターが有するような残留応力が、隔離材には存在しない。よって、電池内が高温となっても隔離材は応力緩和によって収縮するということがない。そのため、本発明の非水二次電池では、内部が高温となっても短絡しにくく、このような点においても安全性に優れている。
上記隔離材の具体的な厚みとしては、全厚み(すなわち、正極、負極両者の表面に形成されている場合には、負極表面と正極表面の両方に形成されている隔離材のうち、正極と負極の間に位置することとなるものの合計厚み)で、15μm以下、より好ましくは10μm以下である。隔離材をこのような厚みとすることで、非水二次電池の高エネルギー密度化を達成できる。他方、隔離材があまり薄すぎると、短絡する虞があるため、例えば、電極の表面粗さ(凹部と凸部の差)の2倍以上の厚みとすることが推奨される。具体的には、例えば、全厚みで、2μm以上、より好ましくは5μm以上とすることが望ましい。なお、隔離材の厚みは、隔離材を形成した電極ごと、隔離材の厚み方向に切片を切り出し、Auなどを蒸着して得られた試料について、走査型電子顕微鏡で、倍率3000倍で観察して測定される厚み(5箇所の平均値)である。
隔離材の作製方法としては、例えば、第1のポリマーと第2のポリマーを有機溶剤に溶解または分散させた液状組成物(例えばスラリー)に、必要に応じて、上記の非電気伝導性の微粒子や、隔離材を多孔質化するための多孔質化剤(無機塩あるいは親水性高沸点化合物)を加え、これを電極表面にキャストまたはスプレーするなどして塗布した後、有機溶剤を除去し、多孔質化剤を溶剤(例えば、水やアルコール系溶剤)によって除去する方法が挙げられる。
上記の隔離材形成用の液状組成物に用いられる有機溶剤としては、第1のポリマーと第2のポリマーを均一に溶解または分散させ得るものであって、上記の多孔質化剤よりも容易に除去できるものであれば特に制限はないが、例えば、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、トルエンなどが好適に用いられる。
上記多孔質化剤としては、例えば、LiBr、LiClなどの無機塩;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの親水性高沸点化合物;が例示でき、これらの物質を単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
また、上記多孔質化剤を溶解除去するための溶剤としては、第1のポリマー、第2のポリマーのいずれも溶解せず、上記多孔質化剤と親和性がある(これらを溶解し得る)ものであれば特に制限はないが、例えば、水、アルコール系溶剤(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなど)が好適に用いられる。
なお、隔離材を上記の好適厚みに調整するに当たっては、加熱プレスをして、厚み方向に収縮させて、その厚みを減じることもできる。この場合には、電池内での体積が減少し、その結果、得られる電池の高エネルギー密度化が達成できる。
加熱プレス条件としては、第2のポリマーの軟化点以上で、かつ電極のバインダーなどの部材が影響を受けない温度以下でプレスすればよく、具体的には、例えば、温度:60℃以上170℃未満、圧力:1.5〜150kgf/cmの条件でプレスすることによって厚みを減少させればよい。この場合、加熱プレスによって、第2のポリマーの一部が隔離材から溶出して、隔離材と電極との間を接着(密着)する。なお、プレス温度に100℃以上を要する第2のポリマーであっても、電解液に存在下で軟化点が降下するものであれば、プレス温度よりも低い100℃付近においても、シャットダウン効果を発現させることができる。
次に、本発明の非水二次電池を構成する他の構成要素および非水二次電池の製造方法について説明する。
<正極>
正極としては、従来公知の非水二次電池に用いられている正極であれば特に制限はない。例えば、活物質として、Li1−x1−y(0<x<1、0<y<1)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物;LiMnなどのリチウムマンガン酸化物;LiMnのMnの一部を他元素で置換したLiMn(1−x);オリビン型LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Fe);LiMn0.5Ni0.5;Li(1+a)MnNiCo(1−x−y)(−0.1<a<0.1、0<x<0.5、0<y<0.5);などを適用することが可能であり、これらの正極活物質に公知の導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの結着剤などを適宜添加した正極合剤を、集電体を芯材として成形体に仕上げたものなどを用いることができる。
正極の集電体としては、アルミニウムなどの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極側のリード部は、通常、正極作製時に、集電体の一部に正極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体にアルミニウム製の箔などを後から接続することによって設けても良い。
<負極>
負極としては、従来公知の非水二次電池に用いられている負極であれば特に制限はない。例えば、活物質として、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si、Sn、Ge、Bi、Sb、Inなどの合金またはリチウム含有窒化物、酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金も負極活物質として用いることができる。これらの負極活物質に導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やPVDFなどの結着剤などを適宜添加した負極合剤を、集電体を芯材として成形体に仕上げたものが用いられる他、上記の各種合金やリチウム金属の箔を単独、若しくは集電体上に形成したものを用いても良い。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、また、下限は5μmであることが望ましい。
負極側のリード部も、正極側のリード部と同様に、通常、負極作製時に、集電体の一部に負極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、この負極側のリード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体に銅製の箔などを後から接続することによって設けても良い。
<電解液>
電解液としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイト、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの1種のみからなる有機溶媒、あるいは2種以上の混合溶媒に、例えば、LiClO、LiPF 、LiBF 、LiAsF 、LiSbF 、LiCFSO 、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などのリチウム塩から選ばれる少なくとも1種を溶解させることによって調製したものが使用される。このリチウム塩の電解液中の濃度としては、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
<非水二次電池の製造方法>
本発明の非水二次電池は、上記の正極と負極を、隔離材を介して重ねて積層電極体としたり、重ねた正極と負極を更に巻回して巻回電極体とし、この電極体を外装材に装填し、電解液を注入した後に外装材を封止することで製造される。なお、隔離材を薄くするための加熱プレスは、こうした電極体形成後に行ってもよく、その場合の加熱プレス条件は、上記と同様にすればよい。
本発明の非水二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装材として使用した角形電池や円筒形電池が挙げられ、また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装材として使用したソフトパッケージ電池とすることもできる。ラミネートフィルムを用いたソフトパッケージ電池の場合には、電解液を注入し、封止した後に隔離材を薄くするための加熱プレスを行ってもよい。
ソフトパッケージ電池において、電解液を注入し、封止した後に加熱プレスをする場合で、第2のポリマーの軟化点が、電解液の存在下で低下している場合には、より低温低圧でプレスすればよく、具体的には、シャットダウン温度よりも低い60〜90℃で、1.5〜15kgf/cmの圧力でプレスすることができる。
このようにして得られる本発明の非水二次電池では、多孔質の隔離材を有する場合には、電池内温度が異常に上昇した場合でも、例えば、60〜150℃の温度になることで、第2のポリマーの軟化が生じ、これにより隔離材の空孔が閉塞するため、良好なシャットダウン効果が得られる。従来の単独膜を用いたセパレーターでは、電極とセパレーターの間に電解液による液層が存在するため、短絡などの異常発生時に電極で生じた熱は、該液層を介して間接的にセパレーターに達することとなるが、本発明の非水二次電池では、隔離材が電極と直接接しているために、電極で生じた熱が直接隔離材に伝わる。そのため、第2のポリマーの軟化が早期に生じて隔離材の空孔を閉塞するといった、シャットダウンの応答性にも優れている。こうした種々の作用によって、本発明の非水二次電池では、100℃で30分間保持することで、電池の内部抵抗が、加熱前に比べて5倍以上に上昇するというように、極めて良好なシャットダウン効果が確保できる。
しかも、隔離材は、軟化点の高い第1のポリマーが、第2のポリマーで結着されて電極表面に良好に接着されており、従来の単独膜で構成されるセパレーターのように延伸されていないために高温下での収縮も生じにく、本発明の非水二次電池を150℃の温度下で30分保持しても、隔離材が収縮や破膜することなく電極表面を覆ったままの状態を維持できる。このため、内部短絡が高度に防止できる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質であるLiCoO:80質量部、導電助剤であるアセチレンブラック:10質量部、およびバインダーであるPVDF:5質量部を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に、活物質塗布長が表面281mm、裏面212mmになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が150μmになるように正極合剤層の厚みを調整し、幅43mmになるように切断して、長さ281mm、幅43mmの正極を作製した。更にこの正極のアルミニウム箔の露出部にタブ付けを行った。
<負極の作製>
負極活物質である黒鉛:90質量部と、バインダーであるPVDF:5質量部とを、NMPを溶剤として均一になるように混合して負極合剤含有ペーストを調製した。この負極合剤含有ペーストを、銅箔からなる厚さ10μmの集電体の両面に、活物質塗布長が表面287mm、裏面228mmになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って全厚が142μmになるように負極合剤層の厚みを調整し、幅45mmになるように切断して、長さ287mm、幅45mmの負極を作製した。更にこの負極の銅箔の露出部にタブ付けを行った。
<隔離材の形成>
ホットメルト樹脂として、エチレン―酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニルの共重合比率が30%のもの、Scientific Polymer Products社製):1.26g、ポリフェニルスルホン樹脂として「UltrasonS6010」(BASF社製):3.96g、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF):33gを混合し、各ポリマーが均一に溶解するまで室温で撹拌した。これに多孔質化剤としてNMP/DMSOの5/2(質量比)の混合物:7gを加え、一晩攪拌して均一なスラリーを作製した。このスラリーを、アプリケーターを用い、ギャップを50μmにして上記の負極表面(両面)に摺り切り塗布した後、THFを除去した。その後直ちに隔離材を塗布した負極をエタノールに浸漬し、NMP/DMSOを抽出して取り除き、隔離材を多孔質化し、負極表面に厚み10μmの隔離材を形成した。
<非水二次電池の作製>
以上のようにして作製した負極と正極を、隔離材を介して対向させて巻回し、巻回電極体とした。巻回電極体の全厚は2.85mmであった。この巻回電極体を、50mm×70mmのラミネートフィルム外装材に入れ、電解液[エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、LiPFを1.2mol/lの濃度で溶解させたもの]:2.5mLを注入し、真空封止を行って非水二次電池とした。
実施例2
実施例1の隔離材形成用の液状組成物(スラリー)に用いたポリフェニルスルホン樹脂に代えて、ポリエーテルスルホン樹脂(ソルベイアドバンストポリマーズ社製「RADEL A−300A」):3.5gを使用した他は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
実施例3
実施例1の隔離材形成用の液状組成物(スラリー)に用いたポリフェニルスルホン樹脂に代えて、ポリスルホン樹脂(ソルベイアドバンストポリマーズ社製「UDEL P−3500」):3.5gを使用した他は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
実施例4
実施例1の隔離材形成用の液状組成物(スラリー)に用いたエチレン−酢酸ビニル共重合体に代えて、エチレン−エチルアクリレート共重合体(日本ユニカー社製「NUC−6570」、エチルアクリレートの共重合比率が30%のもの):0.5gを使用した他は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
実施例5
隔離材形成用の液状組成物(スラリー)を以下のものに変更した他は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。ホットメルト樹脂として、エチレン―酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニルの共重合比率が30%のもの、Scientific Polymer Products社製):0.9g、ポリフェニルスルホン樹脂として「UltrasonS6010」(BASF社製):3.96g、粘着付与剤として「Escorez2596」(ExxonMobile Chemical社製):0.36g、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF):33gを混合し、各ポリマーが均一に溶解するまで室温で撹拌した。これに多孔質化剤としてNMP/DMSOの5/2(質量比)の混合物:7gを加え、一晩攪拌して均一なスラリーを作製し、隔離材形成に用いた。なお、正極と負極とを、隔離材を介して重ね合わせて巻回して得られた巻回電極体の全厚は2.81mmであった。
実施例6
隔離材形成用の液状組成物(スラリー)を以下のものに変更した他は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。ホットメルト樹脂として、エチレン―酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニルの共重合比率が30%のもの、Scientific Polymer Products社製):0.9g、ポリフェニルスルホン樹脂として「UltrasonS6010」(BASF社製):3.96g、粘着付与剤として「Escorez2596」(ExxonMobile Chemical社製):0.36g、無機微粒子として、SiO粉末(fumed, 表面積:255m/g、Aldrich):1.2g、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF):33gを混合し、各ポリマーが均一に溶解するまで室温で撹拌した。これに多孔質化剤としてNMP/DMSOの5/2(質量比)の混合物:7gを加え、一晩攪拌して均一なスラリーを作製し、隔離材形成に用いた。なお、正極と負極とを、隔離材を介して重ね合わせて巻回して得られた巻回電極体の全厚は2.81mmであった。
実施例7
正極および負極を、実施例1と同様にして作製し、実施例6で用いたのと同じ隔離材形成用スラリーを用いた他は、実施例1と同様にして負極表面に厚みが10μmの隔離材を形成し、該隔離材を介して正極と負極を重ね合わせて巻回し、全厚が2.81mmの巻回電極体を得た。これを、実施例1と同じラミネートフィルム外装体に装填した後、これを2枚の金属板で挟んで、165℃、15kg/cmの条件で加熱プレスを行い、隔離材の厚みを減少させた。加熱プレス後の隔離材の厚み(巻回電極体中の一層当たりの厚み)は、約5μmとなっており、巻回電極体の全厚は2.61mmに減少していた。加熱プレス後のラミネートフィルム外装体中に実施例1と同じ電解液を、実施例1と同量注入した後、外装体を真空封止して非水二次電池を得た。
実施例8
正極および負極を、実施例1と同様にして作製した。この正極の表面に、実施例3で用いたのと同じ隔離材形成用スラリーを用いて、実施例1と同様にして厚みが10μmの隔離材を形成した。この正極と、表面に隔離材を形成していない負極を用いた他は、実施例1と同様にして巻回電極体を作製し、これをラミネートフィルム外装体に装填した後、実施例4と同様にして加熱プレスを行い、隔離材の厚みを減少させた。加熱プレス後の隔離材の厚み(巻回電極体中の一層当たりの厚み)は、約5μmとなっており、巻回電極体の全厚は2.61mmに減少していた。加熱プレス後のラミネートフィルム外装体中に実施例1と同じ電解液を、実施例1と同量注入した後、外装体を真空封止して非水二次電池を得た。
実施例9
実施例6と同様にして得られた負極(厚みが10μmの隔離材を表面に形成した負極)と、実施例8と同様にして得られた正極(厚みが10μmの隔離材を表面に形成した負極)とを、隔離材同士を合わせて重ね、実施例1と同様にして巻回電極体とした。この巻回電極体をラミネートフィルム外装体に装填し、実施例7と同様にして加熱プレスを行い、隔離材の厚みを減少させた。加熱プレス後の隔離材の厚み(巻回電極体中の一層当たりの厚み)は、約5μm(すなわち、正極側表面と負極側表面の両隔離材の合計厚みでは約10μm)となっており、巻回電極体の全厚は2.80mmに減少していた。加熱プレス後のラミネートフィルム外装体中に実施例1と同じ電解液を、実施例1と同量注入した後、外装体を真空封止して非水二次電池を得た。
実施例10
実施例6と同様にして得られた非水二次電池を、2枚の金属板で挟んで、90℃、15kg/cmの条件で加熱プレスを行い、隔離材の厚みを減少させた非水二次電池を得た。なお、加熱プレス後の隔離材の厚み(巻回電極体中の一層当たりの厚み)は、約5μmとなっており、巻回電極体の全厚は2.60mmに減少していた。
比較例1
正極および負極を、実施例1と同様にして作製し、電極表面に隔離材を形成する代わりに、ポリエチレン製セパレーター(旭化成社製「N9420」、厚み:20μm)を使用し、これを介して正極と負極を重ね合わせて巻回電極体(全厚が2.95mm)を作製した。この巻回電極体を用いた他は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
比較例2
セパレーターに、ポリイミド製多孔膜(宇部興産社製「UPILEX−PT」、厚み:16μm)を使用した他は、比較例1と同様にして非水二次電池を作製した。
比較例3
実施例5で使用したのと同じ隔離材形成用の液状組成物を、アプリケーターを用いて、ギャップを100μmにしてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に摺り切り塗布した後、乾燥させてTHFを除去した。その後直ちに上記PETフィルムをエタノール中に浸漬し、NMP/DMSOを抽出して取り除いてPETフィルム上の塗布層を多孔質化し、さらにこの塗布層をPETフィルムから剥離して、厚み20μmの隔離材を得た。実施例1と同様にして作製した正極および負極を、この隔離材を介して対向させて巻回し、巻回電極体とした。この巻回電極体の全厚みは2.98mmであった。さらに、この巻回電極体を用いて、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
比較例4
実施例5で使用したのと同じ隔離材形成用の液状組成物を、アプリケーターを用いて、ギャップを50μmにしてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に摺り切り塗布した後、乾燥させてTHFを除去した。その後直ちに上記PETフィルムをエタノール中に浸漬し、NMP/DMSOを抽出して取り除いてPETフィルム上の塗布層を多孔質化し、さらにこの塗布層をPETフィルムから剥離して、厚み10μmの隔離材を得た。実施例1と同様にして作製した正極および負極を、この隔離材を介して対向させて巻回を試みたが、隔離材の引張強度が不足しているために破膜が生じ、巻回電極体を作成することができなかった。
実施例1〜10および比較例1〜3の非水二次電池について、下記の各評価を行った。
[電気化学的評価]
実施例1〜10および比較例1〜3の非水二次電池を、0.2Cで4.2Vから3.0Vまで放電を行い、放電容量を測定して、電池内の巻回電極体のエネルギー密度を、下記式により求めた。
エネルギー密度=放電容量(mAh)/V
[ここで、上記式中、Vは、「巻回電極体の幅(cm)×巻回電極体の高さ(cm)×巻回電極体の厚み(cm)」である]
[安全性試験]
実施例1〜10および比較例1〜3の非水二次電池をオーブンに入れ、5℃/分の速度で150℃まで加熱し、さらに150℃で60分放置して、各電池の安全性を確認した。安全性評価の基準は、○:電池の破裂・発火がない、×:電池が発火に至る、とした。また、加熱処理後の電池を分解して、隔離材の様子を目視で観察した。
[シャットダウン特性]
実施例1〜10および比較例1〜3の非水二次電池(安全性試験を行ったものとは別に作製した電池)について、内部抵抗を測定した後、オーブンに入れ、5℃/分の速度で150℃まで加熱し、さらに150℃で30分放置した。そして、各電池をオーブンから取り出し、HIOKI製「3560 ACmΩ HiTESTER」を用いて内部抵抗を測定した。熱処理前の電池の内部抵抗に対する熱処理後の電池の内部抵抗を、内部抵抗上昇率として評価した。すなわち、内部抵抗上昇率が高い電池ほど、良好にシャットダウン効果が得られていることを意味している。
上記各実施例、比較例で作製した非水二次電池の製法や構造に関するデータを表1に示すと共に、上記の各評価結果を表2に示す。
Figure 2006100051
Figure 2006100051
表1および表2に示す通り、実施例1〜10の非水二次電池では、正極および/または負極表面に隔離材を形成することで、単独で存在する膜で構成されるセパレーターを有する比較例1〜3の非水二次電池に比べ、巻回電極体作製の際に巻きずれや緩みがなく、生産性に優れており、また、巻回電極体の厚みが小さく、高エネルギー密度であると共に、安全性にも優れている。

Claims (6)

  1. 正極と、リチウム、リチウム合金またはリチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料を負極活物質とする負極と、多孔性の隔離材を構成要素として有する非水二次電池であって、
    上記隔離材は、
    正極および/または負極の表面に形成されており、
    少なくとも、軟化点が150℃以上である第1のポリマーと、軟化点が60℃以上150℃未満である第2ポリマーを含有し、且つ
    厚みが15μm以下であることを特徴とする非水二次電池。
  2. 上記第1のポリマーが、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂およびこれらの誘導体よりなる群から選択される1種以上のポリマーであり、上記第2のポリマーが、ホットメルト樹脂から選択される1種以上のポリマーである請求項1に記載の非水二次電池。
  3. 上記ホットメルト樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、またはエチレン−アクリレート共重合体である請求項2に記載の非水二次電池。
  4. 上記隔離材が、非電気伝導性の微粒子を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の非水二次電池。
  5. 請求項1〜4のいずれかの非水二次電池を製造する方法であって、
    軟化点が150℃以上である第1のポリマー、軟化点が60℃以上150℃未満である第2のポリマー、および隔離材を多孔質化するための多孔質化剤を含有する液状組成物を、正極および/または負極表面に塗布し、乾燥した後、上記多孔質化剤を、溶剤を用いて溶解除去することにより多孔質の隔離材を形成する工程を有することを特徴とする非水二次電池の製造方法。
  6. 加熱しながら加圧することにより、上記隔離材の厚みを減じる工程を更に有する請求項5に記載の製造方法。
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