請求項1記載の組込み式自動販売機は、設置式自動販売機に組み込まれ、該設置式自動販売機が販売する商品とは異なる商品を販売することを特徴とする。請求項1記載の組込み式自動販売機によれば、設置式自動販売機に組み込むことによって、設置場所を確保することなしに、設置式自動販売機が販売する商品とは異なる商品を同時に販売することが可能になる。
請求項2記載の組込み式自動販売機は、設置式自動販売機に組み込まれ、該設置式自動販売機とは異なる商品を販売する組込み式自動販売機において、商品を積み重ねて収納する複数のコラムと、前記複数のコラムを互いに独立に上下方向に移動させる上下移動機構と、前記上下移動機構により下限位置に移動されたコラムから最下位の商品を、左右方向に往復運動を繰り返す払出部材により隣接するコラムの下位に払い出す払出機構と、前記払出機構により払い出された商品を前方向に押し出して商品取出口に搬出する押出機構とを有することを特徴とする。請求項2記載の組込み式自動販売機によれば、コラムが上下方向に移動することにより、当該コラム以外のコラムの真下に商品を払い出すことが可能になった。それにより、従来、商品払出動作上必要であった前後方向のスペースが不要となり、前後方向に厚さの薄い払出機構を構成できた。また、払出方向を左右方向としたことにより、商品取出口と未販売の商品との間に開口部が無く、防盗性の向上とともに、それを目的としたスペースも不要となった。
請求項3記載の組込み式自動販売機は、前記上下移動機構が、モータと、該モータの回転軸に固定されたコラム駆動カムと、該コラム駆動カムの一端に植設された係合ピンと、該係合ピンに係合し該コラムの移動を上下方向に規制するコラムガイド板とからなることを特徴とする。請求項3記載の組込み式自動販売機によれば、係合ピンとコラムガイド板との係合関係を調整することにより、コラムの上下方向の移動量を任意に設定することができる。
請求項4記載の組込み式自動販売機は、前記払出機構が、モータと、該モータの駆動により回転するスクリューバーと、該スクリューバーに螺合されたナットと、該ナットに取り付けられた払出部材とからなることを特徴とする。請求項4記載の組込み式自動販売機によれば、コラムからの商品の払出をきわめて簡単な機構で行なうことができる。
請求項5記載の組込み式自動販売機は、前記押出機構が、前記払出機構の払出部材に係合して左右方向に摺動する搬出駆動カムと、前記払出機構により払い出された商品を前記搬出駆動カムの摺動に連動して前方向に押し出す押出板ユニットとからなることを特徴とする。請求項5記載の組込み式自動販売機によれば、搬出駆動カムの左右方向の摺動を押出板ユニットの前後方向の動作に変換するようにしたので、組込み式自動販売機の縦方向(前後方向)の大きさを小さくすることができ、従来の設置式自動販売機ではできなかった前面扉の部分に組込み式自動販売機を組み込むことが可能になった。
請求項6記載の組込み式自動販売機は、前記押出板ユニットが、払い出された商品を前記商品取出口に押し出すとともに、前記商品取出口を内側から遮蔽することを特徴とする。請求項6記載の組込み式自動販売機によれば、押出板ユニットが商品を商品取出口に押し出すとともに、商品取出口を内側から遮蔽するので、販売扉を開いたとしても、押出板ユニットで商品取出口が内側から塞がれているため、組込み式自動販売機の防盗性が高まる。
請求項7記載の組込み式自動販売機は、設置式自動販売機の前面扉に組み込まれる組込み式自動販売機において、商品を積み重ねて収納するコラムが、各種サイズの商品に対応するために、縦方向のサイズ調整機構,横方向のサイズ調整機構,および高さ方向のサイズ調整機構を備えることを特徴とする。請求項7記載の組込み式自動販売機によれば、商品の縦,横,高さの3つのサイズに対してコラムのサイズ調整が可能であるので、種類の異なる商品であっても、所定のサイズの範囲内にある商品であれば、同じコラムにて販売が可能となった。
請求項8記載の組込み式自動販売機は、前記縦方向のサイズ調整機構が、回動操作にて調整可能なコラム後調整板と、該コラム後調整板に取り付けられたピンと、該ピンを挿し込むことができる複数の穴とからなることを特徴とする。請求項8記載の組込み式自動販売機によれば、縦方向のサイズ調整が、コラム後調整板に取り付けられていたピンを所定の穴に挿し込むだけでできるので、縦方向(前後方向)のサイズ調整操作が簡単になり、特に習熟を必要としなくなった。
請求項9記載の組込み式自動販売機は、前記横方向のサイズ調整機構が、コラム横調整板と、該コラム横調整板に取り付けられた固定ピンと、前記固定ピンを引っ掛けるための櫛歯状溝とからなることを特徴とする。請求項9記載の組込み式自動販売機によれば、横方向(左右方向)のサイズ調整が、コラム横調整板に取り付けられた固定ピンを、櫛歯状溝の所望の溝に引っ掛けるだけで可能となるので、横方向のサイズ調整操作が簡単になり、特に習熟を必要としなくなった。
請求項10記載の組込み式自動販売機は、前記高さ方向のサイズ調整機構が、コラムを上下方向に移動させる上下移動機構において、販売動作時にコラムの上下方向への移動量を該コラムに連結されたストッパの位置を調整する調整機構であることを特徴とする。請求項10記載の組込み式自動販売機によれば、販売動作時にコラムの上下方向への移動量を該コラムに連結されたストッパの位置を調整することで変更できるので、高さ方向のサイズ調整操作が簡単になり、特に習熟を必要としなくなった。
請求項11記載の組込み式自動販売機は、前記高さ方向のサイズ調整機構が、前記コラムと前記ストッパとの位置関係を変更するダイアルを備えることを特徴とする。請求項11記載の組込み式自動販売機によれば、ストッパの位置調整がダイアルにより簡単に行なえるので、商品に対応した数値管理が可能になる。
請求項12記載の組込み式自動販売機は、設置式自動販売機の前面扉に組み込まれる組込み式自動販売機において、前記設置式自動販売機に内蔵された冷却部からの冷気を、商品を積み重ねて収納するコラムに導入することにより、前記前面扉に冷却部を設けることなく商品の冷却が可能になるようにしたことを特徴とする。請求項12記載の組込み式自動販売機によれば、商品を冷却するために新たな冷却部を必要としないので、その分、組込み式自動販売機を小型化して設置式自動販売機の前面扉への組み込みがさらに容易になった。
請求項13記載の組込み式自動販売機は、前記設置式自動販売機の冷却部からの冷気を前記コラムを通して循環させる循環制御用のファンを設置したことを特徴とする。請求項13記載の組込み式自動販売機によれば、ファンを設けることにより、簡単に冷却の制御を行なうことが可能になった。
請求項14記載の組込み式自動販売機は、温度センサを内蔵し、内部温度の上昇を検知したときに前記ファンを駆動させて前記設置式自動販売機の冷却部からの冷気を導入することを特徴とする。請求項14記載の組込み式自動販売機によれば、温度センサを内蔵したことにより、温度制御を確実に行なうことができるようになった。
図1は、本発明の実施例1に係る組込み式自動販売機10を設置式自動販売機1に組み込んで使用している状態を示す正面図である。設置式自動販売機1は、周知のように、直方体状の形状を有し、地面,床等に設置されて使用される。設置式自動販売機1は、商品の補充,交換等のために前面扉2が開閉できるようになっており、前面扉2には商品ディスプレイ部3,金銭投入口4,商品取出口5等が備えられている。
本実施例1に係る組込み式自動販売機10は、設置式自動販売機1の前面扉2の中央左側寄りに組み込まれている。組込み式自動販売機10の表面壁の上端部寄りには、第1コラム選択ボタンB1,第2コラム選択ボタンB2,および第3コラム選択ボタンB3が配置され、下端部寄りの商品取出口11には販売扉12が内蔵バネによって下端縁を支点としてクローズする方向に付勢されて取り付けられている。
図2は、設置式自動販売機1の前面扉2を開けて裏側から見たときの要部背面図である。前面扉2には、本実施例1に係る組込み式自動販売機10と、組込み式自動販売機専用コントロールボックス13と、組込み式自動販売機10と組込み式自動販売機専用コントロールボックス13とを接続するケーブル14と、組込み式自動販売機専用電源15とが組み込まれている。なお、図2中、符号6は設置式自動販売機用コントロールボックス、7は設置式自動販売機用電源、8は金銭処理部、9はカウンタをそれぞれ示す。また、符号16は、組込み式自動販売機10の後扉を示す。
図3は、組込み式自動販売機10の後扉16を開放した状態を示す図である。後扉16は、組込み式自動販売機10の背面側に基端部を開閉自在に軸支されており、クローズ状態では自由端側がマグネットキャッチ17にて吸着されるようになっている。図3からも分かるように、組込み式自動販売機10内には、背面側から見て右半部に比較的大きな第1コラムC1が設けられ、背面側から見て左半部に比較的小さな第2コラムC2および第3コラムC3が設けられている。このように、比較的大きな第1コラムC1と、比較的小さな第2コラムC2および第3コラムC3とを設けたのは、コラム毎に販売する商品を異ならしめることができるようにしたからである。
図4は、組込み式自動販売機10の内部を表面側から透過して示す図である。第1コラムC1は、金属等の板体で箱状に形成され、開口を背面側に向けた状態で上面壁には第1コラムガイド板CG1が取り付けられ、第1コラムガイド板CG1に穿設された長孔と、シーリング板18に固植されたピンとによって組込み式自動販売機10の左半部に上下方向に摺動自在に配設されている。第1コラムC1の右側壁の下端寄りの部分は、第1コラムC1が下限位置に降下したときにも、払出バー24が第2コラムC2および第3コラムC3の下位の商品搬送ステージ31上に商品を払い出すことができるように大きく切り欠かれている。
第2コラムC2は、金属等の板体で、第1コラムC1のほぼ半分の大きさの箱状に形成され、開口を背面側に向けた状態で上面壁には第2コラムガイド板CG2が取り付けられ、第2コラムガイド板CG2に穿設された長孔と、シーリング板18に固植されたピンとによって組込み式自動販売機10の右半部中央寄りに上下方向に摺動自在に配設されている。第2コラムC2の左側壁の下端寄りの部分は、第2コラムC2が下限位置に降下したときにも、払出バー24が第1コラムC1の下位の商品搬送ステージ31上に商品を払い出すことができるように大きく切り欠かれている。
第3コラムC3も、第2コラムC2と同様に、金属等の板体で、第1コラムC1のほぼ半分の大きさの箱状に形成され、開口を背面側に向けた状態で上面壁には第3コラムガイド板CG3が取り付けられ、第3コラムガイド板CG3に穿設された長孔と、シーリング板18に固植されたピンとによって組込み式自動販売機10の右半部右端寄りに上下方向に摺動自在に配設されている。第3コラムC3の左側壁の下端寄りの部分は、第3コラムC3が下限位置に降下したときにも、払出バー24が第2コラムC2の下位の商品搬送ステージ31上に商品を払い出すことができるように大きく切り欠かれている。
図5は、図4に示した状態での組込み式自動販売機10の垂直断面図である。図5から分かるように、第1コラムC1に一体的に取り付けられた上方突出後方折曲片でなる第1コラムガイド板CG1,第2コラムC2に一体的に取り付けられた上方突出後方折曲片でなる第2コラムガイド板CG2,および第3コラムC3に一体的に取り付けられた上方突出後方折曲片でなる第3コラムガイド板CG3が、第1コラムモータM1,第2コラムモータM2および第3コラムモータM3の回転軸に固定された紡錘状の第1コラム駆動カムCC1,第2コラム駆動カムCC2,および第3コラム駆動カムCC3の一端に植設された係合ピンCC1a,CC2aおよびCC3aと係合することにより、第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3が上下方向に移動するようになっている。なお、販売動作時の第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3の上下方向の移動量については、後述する高さ方向のサイズ調整機構の説明において詳述する。
第1コラムモータM1,第2コラムモータM2および第3コラムモータM3は、シーリング板18上に出力軸を後方向に向けて配置されており、例えば、図25に示すように、第1コラム駆動カムCC1,第2コラム駆動カムCC2,および第3コラム駆動カムCC3には、第1コラム上下リミットスイッチLSW1,第2コラム上下リミットスイッチLSW2,および第3コラム上下リミットスイッチLSW3が、紡錘状の上下端で係合し得るように配置されている。また、係合ピンCC1a,CC2aおよびCC3aには、第1コラムホームスイッチHSW1,第2コラムホームスイッチHSW2,および第3コラムホームスイッチHSW3が、上限位置で係合し得るように配置されている。
図4に戻ると、第1コラムモータM1の左隣りとなるシーリング板18上には、出力軸を左方向に向けて搬出モータM4が配置されている。搬出モータM4は、出力軸に固着されたプーリ20がベルト21を介して、組込み式自動販売機10の下位側に左右方向となるように回転自在に配設されたスクリューバーでなる搬出駆動軸22に連結されており、搬出駆動軸22に螺合されたナット23に払出バー(払出部材)24が固定されている。払出バー24は、前方向に伸び出しているとともに、下方向にも延長され、その下端縁が搬出駆動カム25の下面側に伸び出して、搬出駆動カム25の左右の下方突出縁と係合し得るようになっている。このため、搬出モータM4が駆動され、プーリ20およびベルト21を介して搬出駆動軸22が回転されると、これに伴って払出バー24が左右方向に移動し、搬出駆動カム25を、ある条件下で摺動させることになる。すなわち、払出バー24が左端位置にあるところから右方向に移動するときには、組込み式自動販売機10のほぼ左右中央位置に至るまでは搬出駆動カム25を摺動させないが、さらに払出バー24が右方向に移動すると、払出バー24の下端縁が搬出駆動カム25の右の下方突出縁に当たって、搬出駆動カム25を右端位置まで摺動させる。また、払出バー24が右端位置にあるところから左方向に移動するときには、組込み式自動販売機10のほぼ左右中央位置に至るまでは搬出駆動カム25を摺動させないが、さらに払出バー24が左方向に移動すると、払出バー24の下端縁が搬出駆動カム25の左の下方突出縁に当たって、搬出駆動カム25を左端位置まで摺動させる。
図6は、図4および図5に示した状態での組込み式自動販売機10の透過下面図である。組込み式自動販売機10の底面側には、搬出駆動カム25が横方向(左右方向)に摺動自在に設けられている。搬出駆動カム25には、山型の搬出駆動カム溝25aが穿設されており、搬出駆動カム溝25a内には、2本のレバー状の搬出駆動ガイド27,28の中程に植設された搬出駆動カム軸26が挿入されている。搬出駆動カム軸26は、搬出ガイド板29に穿設された縦方向(前後方向)の搬出ガイド溝29a内にも挿入されている。搬出駆動ガイド27は、一端に穿設された長孔に搬出ガイド板29に植設されたピン29bを挿入させ、かつ他端に切り欠かれたフォーク状切欠に押出板ユニット30の一端に連結されたピン30aを遊嵌させている。また、搬出駆動ガイド28は、一端に穿設された長孔に搬出ガイド板29に植設されたピン29cを挿入させ、かつ他端に切り欠かれたフォーク状切欠に押出板ユニット30の他端に連結されたピン30bを遊嵌させている。なお、後述する搬出駆動カムスイッチSW1,SW2,SW3,SW4が、搬出駆動カム25の摺動位置を検出できるように横方向(左右方向)に並べられて配設されている。
押出板ユニット30は、図5に示すように、断面長方形の棒状体で形成されていて、その高さは商品搬送ステージ31から払出バー24までの距離より少し小さく、その長さは商品搬送ステージ31の幅(左右長さ)より少し小さくなっている。押出板ユニット30は、商品搬送ステージ31上に左右方向となるように配置されており、底部に配設されたローラにより前後方向に円滑に摺動し得るようになっている。押出板ユニット30の両端部からは、商品搬送ステージ31と組込み式自動販売機10の左右側壁との間隙に入り込むように舌片が垂下された後に内側に向けて折曲されており、その先端に前記ピン30a,30bが固植されている。すなわち、押出板ユニット30は、両端部の舌片によって商品搬送ステージ31を抱え込むように配置されており、搬出駆動ガイド27,28からピン30a,30bに与えられる力によって商品搬送ステージ31をガイドとして前後方向に摺動するようになっている。
図7および図8は、組込み式自動販売機10の第1コラムC1の下限位置での透過正面図および垂直断面図を示す。図7に示すように、第1コラムモータM1が駆動されて、コラム駆動カムCC1が180°回転し、その係合ピンCC1aが下限位置に移動することにより、これに伴って第1コラムC1が自重により下限位置まで移動している。このとき、図8に示すように、第1コラムC1に積み重ねられて収納された最下位の商品は、払出バー24に対応する高さ位置まで下降している。
図9,図10および図11は、組込み式自動販売機10の第1コラムC1からの商品払出時の透過正面図,垂直断面図および透過下面図を示す。図9に示すように、第1コラムC1の下限位置において、搬出モータM4が駆動されることにより、プーリ20およびベルト21を介して搬出駆動軸22が回転し、ナット23に固定された払出バー24が図9で見て右方向に移動して、第1コラムC1に積み重ねられて収納された最下位の商品を、第1コラムC1から、第2コラムC2および第3コラムC3の下位に相当する商品搬送ステージ31上に払い出す。これにより、第1コラムC1に積み重ねられて収納された残余の商品は、第1コラムC1内でダルマ落しのように順次落下する。払出バー24は、図9および図11に示すように、組込み式自動販売機10のほぼ左右中央位置で停止する。
図12および図13は、組込み式自動販売機10の第1コラムC1の上昇時の透過正面図および垂直断面図を示す。図12に示すように、第1コラムモータM1がさらに駆動され、コラム駆動カムCC1がさらに180°回転し、その係合ピンCC1aが上限位置に移動することにより、コラム駆動カムCC1の係合ピンCC1aが第1コラムガイド板CG1の後方突出縁を押し動かし、第1コラムC1が上限位置にまで復動する。このとき、図13に示すように、第1コラムC1の底面壁は、払出バー24を越えた高さ位置まで戻り、第2コラムC2の底面壁および第3コラムC3の底面壁と面一となって、積み重ねられて収納されている商品が底面壁側から露呈しないように保護する。一方、販売対象となる1つの商品が商品搬送ステージ31上に残される。
図14,図15,図16および図17は、組込み式自動販売機10の商品の押出時の透過正面図,垂直断面図,要部拡大断面図および透過下面図を示す。組込み式自動販売機10が、搬出モータM4を駆動することにより、プーリ20およびベルト21を介して搬出駆動軸22を回転させ、払出バー24を組込み式自動販売機10のほぼ左右中央位置からさらに右方向に移動させる。すると、図14に示すように、払出バー24の下端縁が搬出駆動カム25の右端突縁に引っ掛って、搬出駆動カム25が右方向に摺動を開始し、組込み式自動販売機10のほぼ左右中央位置まで摺動する。すると、搬出駆動カム溝25aが移動することにより、図17に示すように、搬出駆動カム軸26が搬出駆動カム25の搬出駆動カム溝25aに沿って搬出ガイド板29の搬出ガイド溝29aに案内されながら前方向に移動され、搬出駆動カム軸26を支点とする搬出駆動ガイド27,28がX字状に開くように回動する。この結果、図15および図16に示すように、搬出駆動ガイド27,28のフォーク状切欠に遊嵌されたピン30a,30bが前方向に移動され、これに伴い押出板ユニット30が最前方位置まで移動して、商品搬送ステージ31上の販売対象の商品を販売扉12の内蔵バネの弾力に抗して商品取出口11から突出させる。
図18および図19は、組込み式自動販売機10の商品の取り出し後の透過正面図および垂直断面図を示す。図15等に示した商品が商品取出口11から突出した状態から購買者により商品が取り出されると、図18に示すように商品搬送ステージ31上から商品がなくなり、図19に示すように、販売扉12が内蔵バネにより商品取出口11を閉じる。この状態(販売待機状態という)では、商品取出口11が販売扉12によって閉じられているとともに、押出板ユニット30によって内側から塞がれている。よって、外部から商品に達するには、販売扉12,押出板ユニット30,第1コラムC1等の底面壁を突破しなければならず、防盗性が高まることになる。
図20は、組込み式自動販売機10における電源系統を示す電気回路ブロック図である。図20を参照すると、組込み式自動販売機10に含まれるドライブ基板90は、ケーブル14を通じて組込み式自動販売機専用コントロールボックス13(図2参照)内にあるメイン基板91に接続され、メイン基板91はさらに設置式自動販売機1の通信ラインに接続されている。
ドライブ基板90には、第1コラム選択ボタンB1に対応して配設された第1コラムセレクションスイッチSSW1,第1コラム販売ランプSLED1,および第1コラム売切ランプSOLED1が接続され、第2コラム選択ボタンB2に対応して配設された第2コラムセレクションスイッチSSW2,第2コラム販売ランプSLED2,および第2コラム売切ランプSOLED2が接続され、第3コラム選択ボタンB3に対応して配設された第3コラムセレクションスイッチSSW3,第3コラム販売ランプSLED3,および第3コラム売切ランプSOLED3が接続される。
第1コラムセレクションスイッチSSW1,第2コラムセレクションスイッチSSW2,および第3コラムセレクションスイッチSSW3は、第1コラム選択ボタンB1,第2コラム選択ボタンB2,および第3コラム選択ボタンB3に内蔵されたスイッチであり、第1コラム選択ボタンB1,第2コラム選択ボタンB2,および第3コラム選択ボタンB3が押されたことを検出する。
第1コラム販売ランプSLED1,第2コラム販売ランプSLED2,および第3コラム販売ランプSLED3は、第1コラム選択ボタンB1,第2コラム選択ボタンB2,および第3コラム選択ボタンB3が押されたときに、第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3に商品が有れば(第1コラム売切スイッチSOSW1,第2コラム売切スイッチSOSW2,第3コラム売切スイッチSOSW3がオン(またはオフ)であれば)、点灯するLED(Light Emitting Diode)ランプである。
第1コラム売切ランプSOLED1,第2コラム売切ランプSOLED2,および第3コラム売切ランプSOLED3は、第1コラム選択ボタンB1,第2コラム選択ボタンB2,および第3コラム選択ボタンB3が押されたときに、第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3に商品が無ければ(第1コラム売切スイッチSOSW1,第2コラム売切スイッチSOSW2,第3コラム売切スイッチSOSW3がオフ(またはオン)であれば)、点灯するLED(Light Emitting Diode)ランプである。
第1コラム売切スイッチSOSW1,第2コラム売切スイッチSOSW2,および第3コラム売切スイッチSOSW3は、第1コラム売切スイッチレバーSL1,第2コラム売切スイッチレバーSL2,および第3コラム売切スイッチレバーSL3(図22等参照)に連結し、第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3に商品があるかないかに応じてオン/オフするスイッチである。
また、ドライブ基板90には、販売扉12の開閉に連動してオン/オフする販売扉スイッチSW0と、搬出駆動カム25の位置を検出する第1ないし第4搬出駆動カムスイッチSW1〜SW4(図6等参照)と、搬出駆動カム右サイドスイッチSWRおよび搬出駆動カム左サイドスイッチSWLとが接続されている。
搬出駆動カム右サイドスイッチSWRおよび搬出駆動カム左サイドスイッチSWLは、払出バー24が商品を押圧しても3秒以上動かない場合(例えば、商品がどこかに引っ掛って動かないような場合)、エラーを検出して払出バー24を元の位置に戻すことになるが、そのときに払出バー24が元の位置に戻ったことを検出するスイッチである。これらのスイッチは、図6等では図示を省略されている。
さらに、ドライブ基板90には、第1コラムモータM1,第2コラムモータM2,第3コラムモータM3,搬出モータM4,およびファンモータM5が接続されている。ファンモータM5は、後述するファン61(図36等参照)のモータである。
さらにまた、ドライブ基板90には、第1コラムホームスイッチHSW1,第2コラムホームスイッチHSW2,および第3コラムホームスイッチHSW3と、第1コラム上下リミットスイッチLSW1,第2コラム上下リミットスイッチLSW2,および第3コラム上下リミットスイッチLSW3とが接続されている(図25等参照)。
第1コラムホームスイッチHSW1,第2コラムホームスイッチHSW2,および第3コラムホームスイッチHSW3は、第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3が上限位置であるホームにあることを検出するスイッチであり、第1コラム上下リミットスイッチLSW1,第2コラム上下リミットスイッチLSW2,および第3コラム上下リミットスイッチLSW3は、第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3が上限位置または下限位置にあることを検出するスイッチである。これらのスイッチの詳細については、後述する高さ方向のサイズ調整機構の説明において述べる。
加えて、ドライブ基板90には、温度センサ19が接続されている。温度センサ19は、後述するように、組込み式自動販売機10の要冷却エリアの温度を検知してファン61を駆動したり、停止したりする役目をする(図36等参照)。
図21を参照すると、組込み式自動販売機10の動作は、扉クローズ検出ステップS101と、搬出モータ駆動ステップS102と、払出バー左/右端・押出板ユニット後端判定ステップS103と、搬出モータ停止ステップS104と、コラムモータコラム下降方向への駆動ステップS105と、コラム上下リミットスイッチオフ判定ステップS106と、コラム下端到達判定ステップS107と、コラムモータ停止ステップS108と、搬出モータ駆動ステップS109と、商品落下判定ステップS110と、搬出モータ停止ステップS111と、コラムモータコラム上昇方向への駆動ステップS112と、コラム上端到達ステップS113と、コラムモータ停止ステップS114と、搬出モータ駆動ステップS115と、押出板ユニット販売待機位置到達判定ステップS116と、搬出モータ停止ステップS117と、商品突出判定ステップS118と、一定時間経過判定ステップS119と、搬出エラーステップS120と、商品取出し判定ステップS121と、一定時間経過判定ステップS122とからなる。
次に、このように構成された実施例1に係る組込み式自動販売機10の動作について、設置式自動販売機1の動作とともに説明する。
(1) 販売待機状態
販売待機状態は、前回の商品販売が終了した状態であり、搬出駆動カム25は、図18に示すように、組込み式自動販売機10のほぼ左右中央位置で停止しており、払出レバー24の下端縁は、搬出駆動カム25の右端突縁に係合する位置にある。また、押出板ユニット30は、図19に示すように、最前方位置にあり、販売扉12と対向して商品取出口11を内側から塞いでいる。
いま、この販売待機状態から、購買者が設置式自動販売機1の金銭投入口4に商品の購入に十分な金銭を投入すると、設置式自動販売機1の商品ディスプレイ部3の各種選択ボタン(図示せず)が点灯するとともに、組込み式自動販売機10の第1コラム選択ボタンB1,第2コラム選択ボタンB2,または第3コラム選択ボタンB3の第1コラム販売ランプSLED1,第2コラム販売ランプSLED2,または第3コラム販売ランプSLED3が点灯する。なお、第1コラムC1,第2コラムC2,または第3コラムC3に商品がないときには、第1コラム売切スイッチレバーSL1,第2コラム売切スイッチレバーSL2,または第3コラム売切スイッチレバーSL3が押されないので、第1コラム売切スイッチSOSW1,第2コラム売切スイッチSOSW2,または第3コラム売切スイッチSOSW3がオフ(またはオン)となり、第1コラム販売ランプSLED1,第2コラム販売ランプSLED2,または第3コラム販売ランプSLED3の代わりに、第1コラム売切ランプSOLED1,第2コラム売切ランプSOLED2,または第3コラム売切ランプSOLED3が点灯される。
次に、購買者が組込み式自動販売機10で販売されている商品を購入するために、例えば第1コラム選択ボタンB1を押したものとする。すなわち、第1コラムC1に積み重ねられて収納された最下位の商品が販売対象商品として選択されたものとする。
すると、組込み式自動販売機10は、まず、販売扉スイッチSW0により販売扉12がクローズしているか否かを確認する(ステップS101)。販売扉12がクローズしていない場合は、組込み式自動販売機10は、販売扉12がクローズするまで確認を繰り返す。
販売扉12のクローズが確認されると、組込み式自動販売機10は、搬出モータM4を駆動することにより、プーリ20およびベルト21を介して搬出駆動軸22を回転させる(ステップS102)。これにより、払出バー24が組込み式自動販売機10のほぼ左右中央位置から一旦、左端位置に移動し、その過程で払出バー24の下端縁が搬出駆動カム25の左端突縁に係合して搬出駆動カム25も左端位置に移動される(図4および図6参照)。また、搬出駆動カム25の左端位置への移動に伴って、搬出駆動カム軸26が搬出駆動カム溝25aに沿って搬出ガイド板29の搬出ガイド溝29aに案内されながら後端位置に摺動する(図4および図6参照)。搬出駆動カム軸26が後端位置に戻るのに伴って、搬出駆動ガイド27,28が搬出駆動カム軸26を支点として回動して、ピン30a,30bを介して押出板ユニット30が後端位置に移動する(ステップS103)(図6参照)。
搬出駆動カム25が左端位置に到達すると、組込み式自動販売機10は、第1搬出駆動カムスイッチSW1がオン、第2搬出駆動カムスイッチSW2,第3搬出駆動カムスイッチSW3,および第4搬出駆動カムスイッチSW4がオフすることを検出して、搬出モータM4の駆動を停止する(ステップS104)。
(2) 第1コラムC1の下限位置への移動
次に、組込み式自動販売機10は、第1コラムC1に対応する第1コラムモータM1を駆動することにより、第1コラム駆動カムCC1を180°回転させ、第1コラムC1を自重により下限位置まで移動させる(ステップS105)(図7および図8参照)。なお、第1コラムC1は、所定の下限位置まで移動すると、後述する第1コラムベースストッパ55(図24等参照)がコラム後調整板ガイド44に係合することにより停止する。
続いて、組込み式自動販売機10は、第1コラム上下リミットスイッチLSW1が一度オフするかどうかを確認し(ステップS106)、再び第1コラム上下リミットスイッチLSW1がオンしたことを検出することにより、第1コラムC1が正常に下限位置に到達したかどうかをチェックする(ステップS107)。
第1コラムC1が下限位置に到達したことを検出したならば(ステップS107でイエス)、組込み式自動販売機10は、第1コラムモータM1を停止する(ステップS108)。
(3) 商品の払出
続いて、組込み式自動販売機10は、搬出モータM4を駆動することにより、プーリ20およびベルト21を介して搬出駆動軸22を回転する(ステップS109)。これにより、搬出駆動軸22に螺合されたナット23に固定された払出バー24が右方向に移動し、第1コラムC1に積み重ねられて収納された最下位の商品を第1コラムC1内から第2コラムC2および第3コラムC3の下位に相当する商品搬送ステージ31上に払い出す(ステップS110)(図9,図10および図11参照)。
第1コラムC1内から商品が商品搬送ステージ31上に払い出されたならば、つまり商品が落下する組込み式自動販売機10のほぼ左右中央位置まで払出バー24が移動したならば(ステップS110でイエス)、組込み式自動販売機10は、搬出モータM4の駆動を停止する(ステップS111)。
(4) 第1コラムC1の上昇
次に、組込み式自動販売機10は、第1コラムモータM1を駆動することにより、第1コラム駆動カムCC1を180°回転し、販売対象商品が払い出された第1コラムC1を上限位置に復動させる(ステップS112)(図12および図13参照)。
第1コラム上下リミットスイッチLSW1がオン、かつ第1コラムホームスイッチHSW1がオンすることにより、第1コラムC1が上限位置に達したことを検出したならば(ステップS113)、組込み式自動販売機10は、第1コラムモータM1を停止する(ステップS114)。
(5) 商品の押出
続いて、組込み式自動販売機10は、搬出モータM4を駆動することにより、プーリ20およびベルト21を介して搬出駆動軸22を回転させ、払出バー24の下端縁が搬出駆動カム25の右端突縁を引っ掛けて組込み式自動販売機10のほぼ左右中央位置にまで移動させる(ステップS115)(図14および図17参照)。これにより、搬出駆動カム軸26が搬出駆動カム25の搬出駆動カム溝25aに沿って搬出ガイド板29の搬出ガイド溝29aに案内されながら前方向に移動され、搬出駆動カム軸26を支点とする搬出駆動ガイド27,28の回動により、押出板ユニット30が最前方位置まで移動し、商品を販売扉12の内蔵バネの弾力に抗して商品取出口11から突出させる(ステップS116)(図15および図16参照)。
搬出駆動カム25が組込み式自動販売機10のほぼ左右中央位置に摺動して、移動押出板ユニット30が最前方位置(販売待機位置)に達すると(ステップS116でイエス)、組込み式自動販売機10は、第1搬出駆動カムスイッチSW1がオフ、第2搬出駆動カムスイッチSW2がオン、第3搬出駆動カムスイッチSW3がオン、第4搬出駆動カムスイッチSW4がオフすることを検出して、搬出モータM4の駆動を停止する(ステップS117)。
次に、組込み式自動販売機10は、商品が販売扉12を押し開けて商品取出口11から突出したことを販売扉スイッチSW0のオン(またはオフ)により確認し(ステップS118)、一定時間経過しても販売扉12が開放されず、商品が商品取出口11から突出しない場合には(ステップS119でイエス)、搬出エラーとする(ステップS120)。
(6) 商品販売の終了
購買者が商品取出口11から突出した商品を取り出すと、組込み式自動販売機10は、商品が商品取出口11から取り出されたことを、販売扉12のクローズにより販売扉スイッチSW0のオフ(またはオン)により確認し(ステップS121)、商品販売を終了する。ただし、一定時間経過しても商品取出口11から商品が取り出されない場合には(ステップS122でイエス)、組込み式自動販売機10は、強制的に商品の販売終了とする。
なお、上記動作の説明では、購買者が、第1コラムC1に積み重ねられて収納された商品を購入するために、第1コラム選択ボタンB1を押した場合の動作について説明したが、第2コラムC2に積み重ねられて収納された商品または第3コラムC3に積み重ねられて収納された商品を購入するために、第2コラム選択ボタンB2または第3コラム選択ボタンB3を押した場合には、組込み式自動販売機10は、払出バー24および搬出駆動カム25を、販売待機状態である組込み式自動販売機10のほぼ左右中央位置から右端位置に一旦移動させる。その後の動作については、第1コラム選択ボタンB1を押した場合から容易に類推可能であるので、その詳細な説明は省略する。
本実施例1に係る組込み式自動販売機10によれば、設置式自動販売機1に組み込むことによって、設置場所を確保することなしに、設置式自動販売機1が販売する商品とは異なる商品を同時に販売することが可能になる。
また、商品を積み重ねて収納する第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3自体が上下方向に移動し、第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3に積み重ねられて収納された最下位の商品のみが横方向(左右方向)に摺動を繰り返す搬出バー24により払い出されることにより、該当コラム以外のコラムの真下に商品を払い出すことが可能になるので、従来、商品の払出動作上必要であった前後方向のスペースが不要となり、前後方向に厚さの薄い組込み式自動販売機10を実現でき、従来の設置式自動販売機1ではできなかった前面扉2に組込み式自動販売機10を組み込むことが可能になった。また、払出方向を左右方向としたことにより、商品取出口11と未販売の商品との間に開口部が無く、防盗性の向上とともに、それを目的としたスペースも不要となる。
さらに、搬出駆動カム25の左右方向の摺動を押出板ユニット30の前後方向の動作に変換するようにしたので、組込み式自動販売機10の縦方向(前後方向)の大きさを小さくすることができ、従来の設置式自動販売機1ではできなかった前面扉2の部分に組込み式自動販売機10を組み込むことが可能になる。
さらにまた、押出板ユニット30が商品を商品取出口11に押し出すとともに、商品取出口11を内側から遮蔽するので、販売扉12を開いたとしても、押出板ユニット30で商品取出口11が内側から塞がれているため、組込み式自動販売機10の防盗性が高まる。
次に、実施例1に係る組込み式自動販売機10における第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3のサイズ調整機構について説明する。
図22は、組込み式自動販売機10の第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3のサイズ調整機構を示す透過背面図である。図22を参照すると、第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3のサイズ調整機構は、それぞれ、縦方向(前後方向)のサイズ調整機構と、横方向(左右方向)のサイズ調整機構と、高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構とに分かれる。
図23は、組込み式自動販売機10の第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3の縦方向(前後方向)のサイズ調整機構を示す水平断面図である。縦方向(前後方向)のサイズ調整機構は、第1コラム後調整板41,第2コラム後調整板42,第3コラム後調整板43と、コラム後調整板ガイド44とから、その主要部が構成されている。詳しくは、第1コラム後調整板41は、上下2本のアームが突設された板体でなり(図22参照)、図23で見て右端部を支軸41bによって揺動自在に軸支され、自身に植設されたピン41aをコラム後調整板ガイド44に穿設された複数の穴44aのいずれかに挿入させることにより、第1コラムC1に積み重ねられて収納された商品の縦寸法(前後寸法)を規制する。また、第2コラム後調整板42は、上下2本のアームが突設された板体でなり(図22参照)、図23で見て左端部を支軸42bによって揺動自在に軸支され、自身に植設されたピン42aをコラム後調整板ガイド44に穿設された複数の穴44bのいずれかに挿入させることにより、第2コラムC2に積み重ねられて収納された商品の縦寸法(前後寸法)を規制する。さらに、第3コラム後調整板43も、第2コラム後調整板42と同様に、上下2本のアームが突設された板体でなり(図22参照)、図23で見て左端部を支軸43bによって揺動自在に軸支され、自身に植設されたピン43aをコラム後調整板ガイド44に穿設された複数の穴44cのいずれかに挿入させることにより、第3コラムC3に積み重ねられて収納された商品の縦寸法(前後寸法)を規制する。
図24は、組込み式自動販売機10の第1コラムC1の横方向(左右方向)のサイズ調整機構を示す要部正面図である。第1コラムC1の横方向(左右方向)のサイズ調整機構は、水平断面L字状に折曲された板体でなる第1コラム横調整板45と、第1コラム横調整板45の、図24で見て背面側(前側)の上下位置に前方向に向けて固植された固定ピン45a,45bと、第1コラムC1の内面壁に穿設された櫛歯状溝C1a,C1bとから構成されている。第1コラム横調整板45は、固定ピン45a,45bが櫛歯状溝C1a,C1bのいずれかの溝に係止されて位置調整されて固定される。これにより、第1コラムC1内に積み重ねられて収納された商品は、横寸法(左右寸法)を第1コラムC1の左内側壁と第1コラム横調整板45の前後方向壁とで挟まれて規制される。
また、第2コラムC2の横方向(左右方向)のサイズ調整機構も、第1コラムC1の横方向(左右方向)のサイズ調整機構と同様に、図22に示すように、水平断面L字状に折曲された板体でなる第2コラム横調整板46と、第2コラム横調整板46の背面側(前側)の上下位置に前方向に向けて固植された固定ピン46a,46bと、第2コラムC2の内面壁に穿設された櫛歯状溝C2a,C2bとから構成されている。第2コラム横調整板46は、固定ピン46a,46bが櫛歯状溝C2a,C2bのいずれかの溝に係止されて位置調整されて固定される。これにより、第2コラムC2内に積み重ねられて収納された商品は、横寸法(左右寸法)を第2コラムC2の右内側壁と第2コラム横調整板46の前後方向壁とで挟まれて規制される。
さらに、第3コラムC3の横方向(左右方向)のサイズ調整機構も、第2コラムC2の横方向(左右方向)のサイズ調整機構と同様に、図22に示すように、水平断面L字状に折曲された板体でなる第3コラム横調整板47と、第3コラム横調整板47の背面側(前側)の上下位置に前方向に向けて固植された固定ピン47a,47bと、第3コラムC3の内面壁に穿設された櫛歯状溝C3a,C3bとから構成されている。第3コラム横調整板47は、固定ピン47a,47bが櫛歯状溝C3a,C3bのいずれかの溝に係止されて位置調整されて固定される。これにより、第3コラムC3内に積み重ねられて収納された商品は、横寸法(左右寸法)を第3コラムC3の右内側壁と第3コラム横調整板47の前後方向壁とで挟まれて規制される。
図25,図26,および図27は、組込み式自動販売機10の第2コラムC2の高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構を示す垂直断面図である。第2コラムC2の高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構は、第2コラムダイアルD2と、第2コラムダイアルレバーDL2と、第2コラム側板52と、第2コラムベースストッパ56とから、その主要部が構成されている。第2コラムダイアルD2は、外周に係止爪が連設された円盤体で形成され、その裏面には渦巻状のカム溝D2aが穿設されている。第2コラムダイアルD2は、中心を第2コラムC2の右側壁に植設された支軸D2bに回転自在に軸支されており、第2コラムダイアルレバーDL2が係止爪に係合することによって回転位置に係止されている。第2コラム側板52は、第2コラムC2の右側壁に長孔とピンとによって上下方向に摺動自在に設けられており、その後側端部に第2コラムベースストッパ56が固定されている。第2コラム側板52には、カムピン52aが植設されており、カムピン52aは、第2コラムダイアルD2のカム溝D2aに嵌入されている。よって、図26に示すように、第2コラムダイアルD2を、第2コラムダイアルレバーDL2による係止を解いて回転させると、カム溝D2aが旋回し、これにともないカムピン52aもカム溝D2a内を移動して、第2コラム側板52が上下方向に移動される。このため、コラム下降限定寸法aおよび商品隙間寸法bを調整することができる。図27は、第2コラムC2の右側壁に対して、第2コラム側板52を最も上方向に上げた状態を示す。
なお、詳細図を用いて詳しくは説明しないが、第1コラムC1の高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構も、第2コラムC2の高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構と同様に、第1コラムダイアルD1と、第1コラムダイアルレバーDL1と、第1コラム側板51と、第1コラムベースストッパ55とから、その主要部が構成されている(図22参照)。ただし、図22に示すように、第2コラムC2の高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構が第2コラムC2の右側壁の外側となるように配置されているのに対して、第1コラムC1の高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構は、第1コラムC1の左側壁の外側となるように配置されている。また、第3コラムC3の高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構も、第2コラムC2の高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構と同様に、第3コラムダイアルD3と、第3コラムダイアルレバーDL3と、第3コラム側板53と、第3コラムベースストッパ57とから、その主要部が構成されている。第1コラムC1の高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構,および第3コラムC3の高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構が、第2コラムC2の高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構と同様に動作することはいうまでもない。
図28ないし図35は、組込み式自動販売機10における商品補充の仕方およびサイズ調整操作を説明する工程図である。
次に、商品補充の仕方およびサイズ調整操作を、第1コラムC1を例にとって説明する。
まず、図28に示すように、後扉16がマグネットキャッチ17にて吸着されているので、後扉16の左端の取手部に手を引っ掛け、手前に引っ張って開く。
次に、図29に示すように、第1コラムC1における第1コラム後調整板41はピン41aがコラム後調整板ガイド44の穴44aに挿し込まれて固定されているので、第1コラム後調整板41の取手部を少し持ち上げ、手前に引き出す。なお、商品の種類を入れ替える場合には、サイズ調整操作を行なう必要があるので、前の商品が残っている場合は、残っている商品を全て取り出す。
続いて、図30に示すように、第1コラムC1に商品を2つ以上入れ、横方向(左右方向)のサイズ調整を行なう。すなわち、第1コラム横調整板45を上方に少し持ち上げて、第1コラム横調整板45と商品とのすきまが適切となる位置にて第1コラム横調整板45の固定ピン45a,45bを櫛歯状溝C1a,C1bのいずれかの溝に嵌め込むように下方へ下げる。詳しくは、まず、第1コラム横調整板45を上方に持ち上げ、商品より大きい位置まで移動させる。第1コラム横調整板45は、第1コラムC1の正面にある上下2ヶ所の櫛歯状溝C1a,C1bの中を移動するようになっている。次に、商品を2つ以上入れ、商品との商品隙間寸法cが約1〜6mmになるような位置まで第1コラム横調整板45を移動し下ろす。第1コラム横調整板45は、約6mm間隔で調整できるようになっている。サイズ調整の終了後、第1コラム横調整板45が斜めに傾いていないことを確認する。
次に、図31に示すように、第1コラムダイアルD1を回すことにより、高さ方向(上下方向)のサイズ調整を行なう。詳しくは、商品を1つ、第1コラムC1の中に入れる。次に、第1コラムダイアルレバーDL1を持ち上げて第1コラムダイアルD1のロックを解除し、第1コラム側板51が商品より高くなるまで第1コラムダイアルD1を回転させる。第1コラムダイアルD1の数字が大きい方に回すと、第1コラム側板51が上がる。第1コラムダイアルD1の数字は、第1コラムC1の目盛合せ位置の凸部にて確認する。続いて、第1コラム側板51の下に商品を滑り込ませ、図32に示すように、商品隙間寸法bを1〜2mmになるように第1コラムダイアルD1を回し調整する。第1コラムダイアルD1の1目盛で第1コラム側板51は、約0.5mm上下する。そして、第1コラムダイアルレバーDL1を下げ、第1コラムダイアルD1がロックされていることを確認する。
続いて、図35に示すように、商品を第1コラムC1の奥側壁面に沿って第1コラム売切スイッチレバーSL1の上となるように積み重ねて収納(補充)する。なお、商品の補充位置は、第1コラムC1では第1コラム横調整板45の左側であるが、第2コラムC2および第3コラムC3では第2コラム横調整板46および第3コラム横調整板47の右側である。
最後に、図33および図34に示すように、第1コラム後調整板41を回動操作することにより、縦方向(前後方向)のサイズ調整を行なう。詳しくは、第1コラム後調整板41に取り付けられているピン41aを、コラム後調整板ガイド44の所望の穴44aに差し込むことにより、第1コラム後調整板41の回動方向位置を決定し、商品の後方をガイドする。第1コラム後調整板41の先端が商品と接触するひとつ手前の穴44aにピン41aを挿し込むとよい。第1コラム後調整板41の振れる範囲に収まる商品ならば、ガイド可能である。
なお、ここでは、第1コラムC1を例にとって商品補充の仕方およびサイズ調整操作を説明したが、第2コラムC2および第3コラムC3に対しても同様の商品補充およびサイズ調整を行なう。
最後に、第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3の第1コラム後調整板41,第2コラム後調整板42,および第3コラム後調整板43をセットしたことを確認してから、後扉16を閉める。
このように実施例1に係る組込み式自動販売機10によれば、各種サイズの商品に対応するために、第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3の縦,横,および高さの3つの寸法に対し調整が可能であるので、所定のサイズの範囲内にある商品であれば、同じコラムにて販売が可能となる。
また、縦方向のサイズ調整を、商品の背面を押えるべく、回動操作にて調整可能な第1コラム後調整板41,第2コラム後調整板42,および第3コラム後調整板43を設け、第1コラム後調整板41,第2コラム後調整板42,および第3コラム後調整板43に取り付けられていたピン41a,41b,41cを所定の穴44a,44b,44cに挿し込むだけで調整可能な機構としたことにより、縦方向(前後方向)の調整行為が簡単になり、特に習熟を必要としなくなる。
さらに、横方向(左右方向)のサイズ調整を、第1コラム横調整板45,第2コラム横調整板46,および第3コラム横調整板47に取り付けられた固定ピン45a,45b,46a,46b,47a,47bを、櫛歯状溝C1a,C1b,C2a,C2b,C3a,C3bの所定位置に引っ掛けるだけで調整可能な機構としたことにより、横方向のサイズ調整操作が簡単になり、特に習熟を必要としなくなる。
さらにまた、高さ方向(上下方向)のサイズ調整機構を、販売動作時に下降する距離を第1コラムC1,第2コラムC2,および第3コラムC3に連結された第1コラムベースストッパ55,第2コラムベースストッパ56,および第3コラムベースストッパ57の位置を調整することにより調整可能な機構とすることにより、高さ方向のサイズ調整操作が簡単になり、特に習熟を必要としなくなる。
加えて、第1コラムベースストッパ55,第2コラムベースストッパ56,および第3コラムベースストッパ57の調整を第1コラムダイアルD1,第2コラムダイアルD2,および第3コラムダイアルD3により簡単に行なうことを可能としたことにより、商品に対応した数値管理が可能になる。
図36,図37および図38は、設置式自動販売機1の前面扉2に組み込まれた組込み式自動販売機10を示す背面図,要部断面図および拡大断面図である。
図36からも分かるように、組込み式自動販売機10は、後扉16に、設置式自動販売機1内の冷気を吸気するファン61と、複数の排気口63と、後扉16の周縁を取り囲む断熱材でなる連結部64とを備えている。なお、符号19は、組込み式自動販売機10の要冷却エリアの温度を計測する温度センサ19(図20参照)を示す。
また、図37および図38に示すように、設置式自動販売機1の前面扉2には、断熱壁2aが設けられ、断熱壁2aの、連結部64と対応する位置には、吸気孔2bおよび排気孔2cが隔壁2dを挟んで形成されている。吸気孔2bはファン61に対向し、排気孔2は排気口63に対向している。
このため、組込み式自動販売機10を設置式自動販売機1の前面扉2に組み込んだ状態では、前面扉2の断熱壁2aに穿設された吸気孔2bおよび排気孔2cを通じて組込み式自動販売機10の要冷却エリアと設置式自動販売機1の冷却エリアとが連通され、ファン61および排気口63によって冷気循環が行なわれる。詳しくは、組込み式自動販売機10は、組込み式自動販売機10の要冷却エリアの温度が所定温度より上昇すると、温度センサ19によりこれを検知してファン61を駆動する。このため、ファン61を通じて設置式自動販売機1の冷却エリアの冷気が組込み式自動販売機10の要冷却エリアに取り込まれるとともに、排気口63を通じて組込み式自動販売機10の要冷却エリアの暖気が設置式自動販売機1の冷却エリアに流れ出し、組込み式自動販売機10の要冷却エリアの温度が低下する。組込み式自動販売機10は、組込み式自動販売機10の要冷却エリアの温度が所定温度より低下すると、温度センサ19によりこれを検知してファン61を停止する。よって、組込み式自動販売機10の要冷却エリアの温度がほぼ一定の範囲に保たれる。
このように実施例1に係る組込み式自動販売機10によれば、設置式自動販売機1に内蔵された冷却エリアより冷気を組込み式自動販売機10の要冷却エリアに導入することにより、組込み式自動販売機10に新たに冷却部(装置)を設けることなく、組込み式自動販売機10内の商品の冷却が可能になる。
以上、本発明の実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更または拡張が可能である。