JP2006096929A - 被覆材用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
被覆材用エポキシ樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006096929A JP2006096929A JP2004286709A JP2004286709A JP2006096929A JP 2006096929 A JP2006096929 A JP 2006096929A JP 2004286709 A JP2004286709 A JP 2004286709A JP 2004286709 A JP2004286709 A JP 2004286709A JP 2006096929 A JP2006096929 A JP 2006096929A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- acid anhydride
- anhydride
- composition
- coating material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Epoxy Resins (AREA)
Abstract
【課題】 従来の組成物の保存安定性やポットライフを損なうことなく、硬化性に優れ、硬化物の耐熱性や密着性に優れた被覆材用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 エポキシ樹脂と、酸無水物とを含有する被覆材用エポキシ樹脂組成物であって、酸無水物として、無水トリメリット酸エステルと、常温で液状である酸無水物とを含有することを特徴とする被覆材用エポキシ樹脂組成物。好ましくは、酸無水物の含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して30重量部以上、150重量部以下であり、無水トリメリット酸エステルの含有率は、酸無水物全体に対して5重量%以上、75重量%以下である。
【選択図】 なし
【解決手段】 エポキシ樹脂と、酸無水物とを含有する被覆材用エポキシ樹脂組成物であって、酸無水物として、無水トリメリット酸エステルと、常温で液状である酸無水物とを含有することを特徴とする被覆材用エポキシ樹脂組成物。好ましくは、酸無水物の含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して30重量部以上、150重量部以下であり、無水トリメリット酸エステルの含有率は、酸無水物全体に対して5重量%以上、75重量%以下である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、被覆材用エポキシ樹脂組成物に関するものである。
硬化剤として酸無水物を用いるエポキシ樹脂組成物は、低粘度であるため狭い隙間に含浸しやすく、また、その硬化後の電気的特性、機械的特性、熱的特性及び化学的性質に優れるため、コンデンサーの封止、大型モーター、発電機等のコイル含浸、トランスの封止、磁気ヘッド、回転電機子の被覆等に幅広く使用されている。
しかし、エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤とからなるエポキシ樹脂組成物は、保存安定性やポットライフが優れている反面、硬化に高温と長時間を要する欠点を有している。かかる欠点を解消するために、硬化促進剤として、3級アミンまたはその塩類(例えば、特許文献1、2参照。)、イミダゾール化合物またはその塩類(例えば、特許文献3、4参照。)、有機ホスフィン類(例えば、特許文献5、6参照。)、4級ホスホニウム(例えば、特許文献7、8参照。)等が使用されている。
このような硬化促進剤を使用した場合、硬化性は大幅に改善されるが、保存安定性が悪くなるという欠点が新たに生ずる。また、保存安定性が悪いがゆえに、使用時にその都度組成物を調製せねばならず、その際エポキシ樹脂、酸無水物、硬化促進剤のそれぞれを計量することとなり、作業性が悪いばかりでなく、誤差が生じる恐れもある。さらに余った組成物を保存しておくことが出来ないために廃棄しなければならず、資源の節約、環境問題の点からしても好ましくない。
このような硬化促進剤を使用した場合、硬化性は大幅に改善されるが、保存安定性が悪くなるという欠点が新たに生ずる。また、保存安定性が悪いがゆえに、使用時にその都度組成物を調製せねばならず、その際エポキシ樹脂、酸無水物、硬化促進剤のそれぞれを計量することとなり、作業性が悪いばかりでなく、誤差が生じる恐れもある。さらに余った組成物を保存しておくことが出来ないために廃棄しなければならず、資源の節約、環境問題の点からしても好ましくない。
また、被覆材用のエポキシ樹脂組成物に関しては、上記保存安定性とともに、硬化物の耐熱性、密着性が高いことが要求されるが、特に、硬化剤として通常の液状酸無水物のみを使用した場合には、硬化物が脆くなり、結果として密着性が低下する傾向にあった。
本発明は、従来の組成物の保存安定性やポットライフを損なうことなく、硬化性に優れ、硬化物の耐熱性や密着性に優れた被覆材用エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(3)により達成される。
(1)エポキシ樹脂と、酸無水物とを含有する被覆材用エポキシ樹脂組成物であって、上記酸無水物は、無水トリメリット酸エステルと、常温で液状である酸無水物とを含有することを特徴とする被覆材用エポキシ樹脂組成物。
(2)上記酸無水物の含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、30重量部以上、150重量部以下である上記(1)に記載の被覆材用エポキシ樹脂組成物。
(3)上記無水トリメリット酸エステルの含有率は、上記酸無水物全体に対して5重量%以上、75重量%以下である上記(1)又は(2)に記載の被覆材用エポキシ樹脂組成物。
(1)エポキシ樹脂と、酸無水物とを含有する被覆材用エポキシ樹脂組成物であって、上記酸無水物は、無水トリメリット酸エステルと、常温で液状である酸無水物とを含有することを特徴とする被覆材用エポキシ樹脂組成物。
(2)上記酸無水物の含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、30重量部以上、150重量部以下である上記(1)に記載の被覆材用エポキシ樹脂組成物。
(3)上記無水トリメリット酸エステルの含有率は、上記酸無水物全体に対して5重量%以上、75重量%以下である上記(1)又は(2)に記載の被覆材用エポキシ樹脂組成物。
本発明は、エポキシ樹脂と、酸無水物とを含有する被覆材用エポキシ樹脂組成物であって、上記酸無水物として、無水トリメリット酸エステルと、常温で液状である酸無水物とを含有することを特徴とするものである。本発明の被覆材用エポキシ樹脂組成物は、保存安定性やポットライフを損なうことなく、硬化性に優れ、硬化物の耐熱性や密着性に優れたものである。
以下、本発明の被覆材用エポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明の被覆材用エポキシ樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがある)は、エポキシ樹脂と酸無水物とを含有する組成物であって、上記酸無水物は、無水トリメリット酸エステルと、常温で液状である酸無水物とを含有することを特徴とする。
本発明の被覆材用エポキシ樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがある)は、エポキシ樹脂と酸無水物とを含有する組成物であって、上記酸無水物は、無水トリメリット酸エステルと、常温で液状である酸無水物とを含有することを特徴とする。
本発明の組成物に用いられるエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のグリシジル基を有するものであり、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などのほか、カテコール、レゾルシノール、またはグリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコール類とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテルも使用できる。また、P−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエン酸のようなヒドロキシカルボン酸類とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル、あるいはフタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸類とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル、さらにはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂等も使用することができ、これらを単独あるいは混合して使用してもよい。
上記エポキシ樹脂の形態は特に限定されず、液体でも固体でも用いることができるが、通常は、組成物を製造した際に液状となるものが好ましく使用される。このような観点からは、比較的低分子量のエポキシ樹脂が好ましい。また、組成物に耐熱性を付与する場合には、架橋密度が高くなるノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明の組成物に用いられる酸無水物は、無水トリメリット酸エステルと、常温で液状である酸無水物とを含有することを特徴とする。
無水トリメリット酸エステルとしては特に限定されないが、例えば、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート等が挙げられる。
これらの無水トリメリット酸エステルは多官能性であるため、硬化物の耐熱性を向上させることができる。また、比較的高分子量であるため、硬化物は可撓性に優れ、被覆材用として用いた場合に、被覆される電子部品などとの密着性を向上させることができる。
これらの無水トリメリット酸エステルは多官能性であるため、硬化物の耐熱性を向上させることができる。また、比較的高分子量であるため、硬化物は可撓性に優れ、被覆材用として用いた場合に、被覆される電子部品などとの密着性を向上させることができる。
また、常温で液状である酸無水物としては特に限定されないが、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。
これらの中でも特に、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸は、液状であるとともに、低粘度であることから好ましいものである。
これらの中でも特に、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸は、液状であるとともに、低粘度であることから好ましいものである。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸無水物として、以上に説明した無水トリメリット酸エステルと、常温で液状である酸無水物以外のものを併せて用いることができる。
このような酸無水物としては例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、クロレンド酸無水物、テトラブロム無水フタル酸、ポリアゼライン酸無水物、などが挙げられる。
このような酸無水物としては例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、クロレンド酸無水物、テトラブロム無水フタル酸、ポリアゼライン酸無水物、などが挙げられる。
本発明の組成物に用いられる酸無水物の含有量は特に限定されないが、エポキシ樹脂100重量部に対して、30重量部以上、150重量部以下が好ましい。さらに好ましくは50重量部以上、120重量部以下である。
含有量が上記下限値未満、あるいは、上記上限値を超える場合、エポキシ樹脂と酸無水物との反応基比率が適正ではなくなり、十分な硬化性、及び硬化物性が得られないことがある。
含有量が上記下限値未満、あるいは、上記上限値を超える場合、エポキシ樹脂と酸無水物との反応基比率が適正ではなくなり、十分な硬化性、及び硬化物性が得られないことがある。
また、無水トリメリット酸エステルの含有率は特に限定されないが、酸無水物全体に対して5重量%以上、75重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは10重量%以上、50重量%以下である。無水トリメリット酸エステルは常温で固形であり、この含有量が上記上限値より多い場合、用いるエポキシ樹脂の性状、このほかの酸無水物の含有量によっては、組成物を液状化しにくくなることがある。また、含有量が上記下限値未満では、耐熱性向上効果が乏しいことがある。
本発明の組成物においては、このように、酸無水物として、無水トリメリット酸エステルと、常温で液状である酸無水物とを併用することを特徴とする。これにより、以下の効果を発現させることができる。
まず、硬化剤として無水トリメリット酸エステルを用いることにより、組成物の硬化物に高耐熱性、高密着性を付与することができる。無水トリメリット酸エステルは常温では固形であるため、これを単独で用いると、液状エポキシ樹脂と組み合わせた場合でも組成物を液状化することが難しいが、本発明の組成物では、無水トリメリット酸エステルとともに、常温で液状である酸無水物を用いる。これにより、組成物を容易に液状化することができる。特に、常温で液状である酸無水物として、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を用いた場合は、液状であるとともに低粘度であることから、組成物の粘度を好適な水準とすることができる。
本発明の組成物はこのように、従来の組成物と実質的に同等な取り扱い性を有し、かつ、硬化物に高耐熱性、高密着性を付与することができたものであり、被覆材用として好適に用いることができる。
まず、硬化剤として無水トリメリット酸エステルを用いることにより、組成物の硬化物に高耐熱性、高密着性を付与することができる。無水トリメリット酸エステルは常温では固形であるため、これを単独で用いると、液状エポキシ樹脂と組み合わせた場合でも組成物を液状化することが難しいが、本発明の組成物では、無水トリメリット酸エステルとともに、常温で液状である酸無水物を用いる。これにより、組成物を容易に液状化することができる。特に、常温で液状である酸無水物として、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を用いた場合は、液状であるとともに低粘度であることから、組成物の粘度を好適な水準とすることができる。
本発明の組成物はこのように、従来の組成物と実質的に同等な取り扱い性を有し、かつ、硬化物に高耐熱性、高密着性を付与することができたものであり、被覆材用として好適に用いることができる。
本発明の組成物には、上記酸無水物のほか、硬化促進剤を用いることができる。
ここで用いられる硬化促進剤としては特に限定されないが、ジシアンジアミド、あるいはトリスジアミノフェノール、ベンジルジメチルアミン、イミダゾール化合物等の三級アミン化合物が挙げられる。
また、最近商品化されているエポキシ−イミダゾールアダクト系化合物(以下、アダクト系化合物ということがある)も硬化性と保存性の点で優れている。例えば、味の素ファインテクノ社製の「アミキュアPN−23」、「同MY−24」や、富士化成工業社製の「フジキュアFX−1000」などが挙げられる。
硬化促進剤の含有量としては、イミダゾール化合物等の3級アミン化合物やジシアンジアミドの場合は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。また、上記アダクト系化合物の場合は、1〜30重量部が好ましい。
ここで用いられる硬化促進剤としては特に限定されないが、ジシアンジアミド、あるいはトリスジアミノフェノール、ベンジルジメチルアミン、イミダゾール化合物等の三級アミン化合物が挙げられる。
また、最近商品化されているエポキシ−イミダゾールアダクト系化合物(以下、アダクト系化合物ということがある)も硬化性と保存性の点で優れている。例えば、味の素ファインテクノ社製の「アミキュアPN−23」、「同MY−24」や、富士化成工業社製の「フジキュアFX−1000」などが挙げられる。
硬化促進剤の含有量としては、イミダゾール化合物等の3級アミン化合物やジシアンジアミドの場合は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。また、上記アダクト系化合物の場合は、1〜30重量部が好ましい。
本発明の組成物には、無機充填材を配合することができる。これにより、熱膨張率を小さくし、耐熱性を向上させることができる。
無機充填材としては特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラスフィラー、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ等を用いることができる。
充填材の含有量としては特に限定されないが、エポキシ樹脂100重量部に対して5〜300重量部が好ましい。含有量が上記下限値未満では配合の効果が充分でないことがあり、一方、含有量が上記上限値を超えると、組成物の粘度が上昇し、作業性が低下することがある。
無機充填材としては特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラスフィラー、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ等を用いることができる。
充填材の含有量としては特に限定されないが、エポキシ樹脂100重量部に対して5〜300重量部が好ましい。含有量が上記下限値未満では配合の効果が充分でないことがあり、一方、含有量が上記上限値を超えると、組成物の粘度が上昇し、作業性が低下することがある。
なお、本発明の組成物には、以上に説明した配合物のほかに、本発明の目的に反しない範囲において、必要に応じて、染料、変性剤、チキソ性付与剤、着色防止剤、老化防止剤、離型剤、反応性ないしは非反応性の希釈剤等の添加剤を配合することができる。
本発明の組成物は、通常のエポキシ樹脂組成物の製造方法と同様な、一般的な撹拌混合装置と加工条件を適用して製造することができる。製造に用いられる装置としては特に限定されないが、例えば、ミキシングロール、ディゾルバ、プラネタリミキサ、ニーダー、押し出し機等を用いることができる。加工条件としてはエポキシ樹脂等を溶解および/または低粘度化し撹拌混合効率を向上させるために加熱してもよい。また、摩擦発熱、反応発熱等を除去するために冷却してもよい。撹拌混合の時間は必要により定めることができ、特に制約されることはない。
以下、実施例により本発明の組成物について詳細に説明する。
表1に示す原材料と含有量を示す。表1の含有量はすべて重量部である。
表1に示す原材料と含有量を示す。表1の含有量はすべて重量部である。
<実施例1>
エポキシ樹脂A100重量部、酸無水物A68重量部、酸無水物B17重量部、硬化促進剤としてアダクト系化合物5重量部、顔料0.5重量部、チキソ付与材としてコロイダルシリカ1重量部、無機充填材として溶融シリカ150重量部を配合し、プラネタリミキサを用いて常温で均一分散されるまで十分に攪拌混合を行い、組成物を得た。
エポキシ樹脂A100重量部、酸無水物A68重量部、酸無水物B17重量部、硬化促進剤としてアダクト系化合物5重量部、顔料0.5重量部、チキソ付与材としてコロイダルシリカ1重量部、無機充填材として溶融シリカ150重量部を配合し、プラネタリミキサを用いて常温で均一分散されるまで十分に攪拌混合を行い、組成物を得た。
<実施例2>
エポキシ樹脂Aの代わりにエポキシ樹脂Bを配合した以外は、実施例1と同様にして、組成物を得た。
エポキシ樹脂Aの代わりにエポキシ樹脂Bを配合した以外は、実施例1と同様にして、組成物を得た。
<実施例3>
エポキシ樹脂Aの代わりにエポキシ樹脂Cを配合した以外は、実施例1と同様にして、組成物を得た。
エポキシ樹脂Aの代わりにエポキシ樹脂Cを配合した以外は、実施例1と同様にして、組成物を得た。
<比較例1>
エポキシ樹脂A100重量部、硬化剤としてジシアンジアミド6重量部、硬化促進剤としてアダクト系化合物15重量部、顔料0.5重量部、チキソ付与材としてコロイダルシリカ1重量部、無機充填材として溶融シリカ60重量部を配合し、プラネタリミキサを用いて常温で均一分散されるまで十分に攪拌混合を行い、組成物を得た。
エポキシ樹脂A100重量部、硬化剤としてジシアンジアミド6重量部、硬化促進剤としてアダクト系化合物15重量部、顔料0.5重量部、チキソ付与材としてコロイダルシリカ1重量部、無機充填材として溶融シリカ60重量部を配合し、プラネタリミキサを用いて常温で均一分散されるまで十分に攪拌混合を行い、組成物を得た。
<比較例2>
硬化剤として酸無水物Bを用いず、酸無水物Aのみ85重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、組成物を得た。
硬化剤として酸無水物Bを用いず、酸無水物Aのみ85重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして、組成物を得た。
1.表の注:原材料
(1)エポキシ樹脂A:ジャパンエポキシレジン社製「エピコート#828」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190
(2)エポキシ樹脂B:ジャパンエポキシレジン社製「エピコート#807」、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量170
(3)エポキシ樹脂C:ダウケミカル社製「DEN431」、ノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量175
(4)硬化剤:旭電化工業社製「EH−3636AS」、ジシアンジアミド
(5)酸無水物A(常温で液状である酸無水物):新日本理化社製「リカシッドMH−700」、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸
(6)酸無水物B(無水トリメリット酸エステル):新日本理化社製「リカシッドMTA−15」、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート
(7)硬化促進剤(アミン系化合物):味の素ファインテクノ社製「アミキュアMY−24」、脂肪族ポリアミンのエポキシ樹脂アダクト系硬化剤
(8)チキソ付与剤:日本アエロジル社製「Aerosil#200」、コロイダルシリカ
(9)顔料:三菱化成工業社製「MA−600」、カーボンブラック
(10)無機充填材:電気化学工業社製「FB−35」、溶融シリカ
(1)エポキシ樹脂A:ジャパンエポキシレジン社製「エピコート#828」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190
(2)エポキシ樹脂B:ジャパンエポキシレジン社製「エピコート#807」、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量170
(3)エポキシ樹脂C:ダウケミカル社製「DEN431」、ノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量175
(4)硬化剤:旭電化工業社製「EH−3636AS」、ジシアンジアミド
(5)酸無水物A(常温で液状である酸無水物):新日本理化社製「リカシッドMH−700」、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸
(6)酸無水物B(無水トリメリット酸エステル):新日本理化社製「リカシッドMTA−15」、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート
(7)硬化促進剤(アミン系化合物):味の素ファインテクノ社製「アミキュアMY−24」、脂肪族ポリアミンのエポキシ樹脂アダクト系硬化剤
(8)チキソ付与剤:日本アエロジル社製「Aerosil#200」、コロイダルシリカ
(9)顔料:三菱化成工業社製「MA−600」、カーボンブラック
(10)無機充填材:電気化学工業社製「FB−35」、溶融シリカ
実施例および比較例で得られた組成物について、以下の項目の評価を行った。結果を表2に示す。
2.表の注:評価方法
(1)粘度(25℃):EH型粘度計(東機産業社製)を用いて測定した。ローターの型式は3°コーンを用いた。
(2)ゲルタイム:150℃熱盤を用いて測定した。
(3)保存安定性:樹脂組成物の製造直後の粘度(V0 )を測定し、一方容量200gの容器内に充填密封した樹脂組成物を30℃の雰囲気で保存し、粘度(V)を経時的に測定した。これらの粘度比率(V/V0:粘度変化率)が2.0を超えたときの保存日数を保存安定性とした。この日数が長いほど保存性が良好であることを示し、3日以上であることが好ましい。
(4)ガラス転移温度:TMA法で測定した。試料は80℃2時間+120℃1時間で硬化させたものを測定した。この値が高いほど、熱的特性が高いことを示す。
(5)引張せん断接着強さ:JIS−K6850「接着剤−剛性被着体の引張せん断接着強さ試験方法」に準拠して、鉄/鉄での25℃における引張せん断接着強さを測定した。
(1)粘度(25℃):EH型粘度計(東機産業社製)を用いて測定した。ローターの型式は3°コーンを用いた。
(2)ゲルタイム:150℃熱盤を用いて測定した。
(3)保存安定性:樹脂組成物の製造直後の粘度(V0 )を測定し、一方容量200gの容器内に充填密封した樹脂組成物を30℃の雰囲気で保存し、粘度(V)を経時的に測定した。これらの粘度比率(V/V0:粘度変化率)が2.0を超えたときの保存日数を保存安定性とした。この日数が長いほど保存性が良好であることを示し、3日以上であることが好ましい。
(4)ガラス転移温度:TMA法で測定した。試料は80℃2時間+120℃1時間で硬化させたものを測定した。この値が高いほど、熱的特性が高いことを示す。
(5)引張せん断接着強さ:JIS−K6850「接着剤−剛性被着体の引張せん断接着強さ試験方法」に準拠して、鉄/鉄での25℃における引張せん断接着強さを測定した。
表1、2から明らかなように、比較例1はジシアンジアミドを硬化剤として用いたものであるが、無機充填材量を少なくしたにも関わらず、粘度が高く、ゲルタイムが長いものとなった。
また、比較例2は硬化剤としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸のみを用いたものであるが、粘度、保存安定性は良好であるものの、ガラス転移温度が低かった。また、引張せん断接着強さが低く、密着性が低い傾向にあった。
これに対し実施例1〜3はいずれも、硬化剤として、無水トリメリット酸エステルであるグリセロールトリスアンヒドロトリメリテートと、常温で液状である酸無水物としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸とを用いた本発明の組成物であり、粘度が低く、保存安定性が良好であった。また、ゲルタイムが短く、硬化性に優れたものであった。さらに、ガラス転移温度が高く、密着性も向上したものとなった。
特にノボラック型エポキシ樹脂を使用した実施例3は、ガラス転移温度が高いものとなった。
また、比較例2は硬化剤としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸のみを用いたものであるが、粘度、保存安定性は良好であるものの、ガラス転移温度が低かった。また、引張せん断接着強さが低く、密着性が低い傾向にあった。
これに対し実施例1〜3はいずれも、硬化剤として、無水トリメリット酸エステルであるグリセロールトリスアンヒドロトリメリテートと、常温で液状である酸無水物としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸とを用いた本発明の組成物であり、粘度が低く、保存安定性が良好であった。また、ゲルタイムが短く、硬化性に優れたものであった。さらに、ガラス転移温度が高く、密着性も向上したものとなった。
特にノボラック型エポキシ樹脂を使用した実施例3は、ガラス転移温度が高いものとなった。
本発明の被覆材用エポキシ樹脂組成物は、保存安定性が良好であり、硬化性に優れ、硬化物の耐熱性、密着性にも優れたものであり、コンデンサーの封止、大型モーター、発電機等のコイル含浸、トランスの封止、磁気ヘッド、回転電機子の被覆等に好適に用いることができるものである。
Claims (3)
- エポキシ樹脂と、酸無水物とを含有する被覆材用エポキシ樹脂組成物であって、前記酸無水物は、無水トリメリット酸エステルと、常温で液状である酸無水物とを含有することを特徴とする被覆材用エポキシ樹脂組成物。
- 前記酸無水物の含有量は、前記エポキシ樹脂100重量部に対して、30重量部以上、150重量部以下である請求項1に記載の被覆材用エポキシ樹脂組成物。
- 前記無水トリメリット酸エステルの含有率は、前記酸無水物全体に対して5重量%以上、75重量%以下である請求項1又は2に記載の被覆材用エポキシ樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004286709A JP2006096929A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 被覆材用エポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004286709A JP2006096929A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 被覆材用エポキシ樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006096929A true JP2006096929A (ja) | 2006-04-13 |
Family
ID=36237058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004286709A Pending JP2006096929A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 被覆材用エポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006096929A (ja) |
-
2004
- 2004-09-30 JP JP2004286709A patent/JP2006096929A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6030126B2 (ja) | 絶縁配合物 | |
JP6030125B2 (ja) | 絶縁配合物 | |
JP5317695B2 (ja) | Cof実装用封止剤、及びこれを用いて封止した半導体部品 | |
JP2013072011A (ja) | 処理硬化触媒、一液型エポキシ樹脂組成物及び硬化物 | |
JP2010100730A (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP7404127B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP5258205B2 (ja) | 2液型硬化性樹脂組成物 | |
JP2007246713A (ja) | 一液型エポキシ樹脂組成物 | |
JP2006096929A (ja) | 被覆材用エポキシ樹脂組成物 | |
JP4665319B2 (ja) | 一液型エポキシ樹脂組成物 | |
JPH0627183B2 (ja) | 液状エポキシ樹脂組成物 | |
JP2004115729A (ja) | 一液型エポキシ樹脂組成物 | |
JP4540997B2 (ja) | 2液性注形用エポキシ樹脂組成物および電気・電子部品装置 | |
JPH0797434A (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP2007308601A (ja) | 熱硬化性エポキシ樹脂組成物 | |
JP3828228B2 (ja) | 含浸用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたフィルムコンデンサ | |
JP2016176030A (ja) | 硬化性組成物及びその硬化物 | |
JP6539017B2 (ja) | 2液型エポキシ樹脂組成物およびケースモールド型コンデンサの製造方法 | |
JP2013181124A (ja) | 一液型エポキシ樹脂組成物、硬化物、モータ及び発電機 | |
JP2012087226A (ja) | 液状封止材、それを用いた半導体装置 | |
JPWO2018159564A1 (ja) | 樹脂組成物 | |
JPH07238145A (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP4576732B2 (ja) | 一液型エポキシ樹脂組成物 | |
JPS63317545A (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP4341099B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物 |