JP2006093283A - ウェーハ支持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱処理時にウェーハに発生するスリップの低減性能を向上できるウェーハ支持具を提供する。
【解決手段】 平板状で貫通孔3が形成された板状部5、板状部5の一方の面に貫通孔3を囲んで設けられた環状の環状部7を備え、環状部7は、環状部7に載置するウェーハ9の環状部7と接触する部分と同じ熱膨張係数を有する材料で形成されている構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ウェーハを熱処理するときにウェーハを載置するウェーハ支持具に係り、特に、SIMOXウェーハの製造における熱処理に好適なウェーハ支持具に関する。
低消費電力用LSIに用いられるSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)ウェーハなどでは、酸素イオンをシリコン基板に注入し、所定の温度の熱をかける熱処理を行うことで、シリコン基板内部に埋め込み酸化膜つまりBOX(Buried Oxide)層からなる絶縁層を形成したものである。このようなSIMOXウェーハなどの製造のための熱処理は、1300℃を超える温度で行われ、また、比較的高酸素雰囲気で比較的長時間行われる。このため、SIMOXウェーハなどの半導体ウェーハでは、この熱処理時に導入されるスリップと称される欠陥の低減が不可欠となっている。
このようなSIMOXウェーハなどの製造のための熱処理では、炉内温度を均一化でき、また、スループットを増大できることなどから縦型炉が使用されている。縦型炉では、ウェーハを環状の板材からなるウェーハ支持具(例えば、特許文献1参照)、または、平板状のウェーハ支持具に載置した状態、つまり、ウェーハを裏面側から支持した状態で熱処理を行う。これらのウェーハ支持具は、熱処理での1300℃を超える温度に対する耐性、そして、機械的強度を有するSiCで形成されている。
ところで、半導体デバイスの高集積化や高性能化などに伴って、シリコンウェーハの表面近傍などでの欠陥、転位などの低減が重要になっていることから、製造工程でウェーハに発生するスリップと称される結晶欠陥の低減が求められている。しかし、SiCで形成した環状の板材からなるウェーハ支持具や平板状のウェーハ支持具では、熱処理中にウェーハと接着が起こった場合、ウェーハとの熱膨張係数の違いなどから、ウェーハにスリップが発生してしまう。さらに、例えば直径300mm以上のウェーハといったような大型のウェーハの場合、環状の板材からなるウェーハ支持具では、ウェーハの周縁部でウェーハを支持しているため、ウェーハの自重でウェーハが撓むことなどによりスリップが発生してしまう。
そこで、ウェーハを所定の間隔で形成された柱状の突起によって多点支持するウェーハ支持具(例えば、特許文献2参照)や、ウェーハを平行に形成された帯状の突起で支持するウェーハ支持具などが提案されている(例えば、特許文献3参照)。これらのウェーハ支持具は、平板状のウェーハ支持具に比べてウェーハとウェーハ支持具の接触面積を低減することでウェーハとウェーハ支持具との熱膨張係数の違いや温度差に起因する熱歪みなどにより発生するスリップを低減し、さらに、ウェーハの自重による応力を分散させることでウェーハの自重による撓みなどを抑制し、ウェーハの自重による撓みなどにより発生するスリップを低減しようとしている。しかし、これらのウェーハ支持具でも、ウェーハの大きさなどによっては、スリップを低減できない場合がある。したがって、スリップの低減性能を向上したウェーハ支持具が必要となっている。
これに対して、ウェーハ支持具をSiCで形成した平板状の板状部と、板状部の一方の面にSiCで形成した環状の環状部を設け、この環状部にウェーハを載置するウェーハ支持具とすることによって、平板状のウェーハとウェーハ支持具の接触面積を低減することでウェーハとウェーハ支持具との熱膨張係数の違いや温度差に起因する熱歪みなどにより発生するスリップを低減し、さらに、ウェーハの自重による撓みなどを抑制することで、ウェーハの自重による撓みなどにより発生するスリップを低減することが考えられている。しかし、このようなSiCで形成した板状部と環状部を設けたウェーハ支持具でも、SiCで形成したウェーハ支持具の環状部とウェーハとの熱膨張係数の違いから、ウェーハ支持具の環状部と接触しているウェーハの部分からスリップが発生してしまいスリップを低減することはできないことがわかった。
このため、環状部をウェーハと同じ材料で形成したウェーハ支持具とすることで、ウェーハと接触するウェーハ支持具の環状部の熱膨張係数をウェーハの熱膨張係数とほぼ同じにしたウェーハ支持具が考えられている。
特開平6−163440号公報(第3頁、第2図) 特開2003−338505号公報(第2−3頁、第1図) 特開2004−221220号公報(第5−6頁、第1図)
しかし、本発明者らが検討した結果、このような環状部をSiで形成したウェーハ支持具であっても、ウェーハで発生するスリップを低減できない場合があり、スリップの低減性能を向上できないことがわかった。
本発明の課題は、スリップの低減性能を向上することにある。
本発明者らは、種々の検討を行った結果、板状部に貫通孔を形成し、この貫通孔を囲むように載置するウェーハと同じ材料を用いて作製した環状部を設置することによりウェーハに発生するスリップの低減性能を向上できることを見出した。すなわち、本発明のウェーハ支持具は、平板状で貫通孔が形成された板状部と、この板状部の一方の面に貫通孔を囲んで設けられた環状の環状部とを備え、環状部は、この環状部に載置するウェーハのこの環状部と接触する部分と同じ熱膨張係数を有する材料で形成されている構成とすることにより上記課題を解決する。
さらに、板状部は、炭化シリコンで形成され、環状部は、単結晶シリコンで形成されている構成とすれば、スリップの低減性能をより向上できるので好ましい。
また、本発明者らは、貫通孔の径や板状部及び環状部の厚みによって、スリップの発生をより確実に低減できることを見いだした。すなわち、貫通孔は、直径が50mm以上170mm以下である構成とすることにより、スリップの低減性能をより向上できるので好ましい。さらに、板状部は、厚みが1mm以上1.5mm以下であり、環状部は、厚みが3mm以上7mm以下である構成とすることにより、スリップの低減性能をより向上できるので好ましい。
本発明によれば、スリップの低減性能を向上できるので好ましい。
以下、本発明を適用してなるウェーハ支持具の一実施形態について図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなるウェーハ支持具の概略構成を示す断面図である。図2は、本発明を適用してなるウェーハ支持具の概略構成を示す平面図である。図3は、本発明を適用してなるウェーハ支持具の概略構成を示す斜視図である。
本実施形態のウェーハ支持具1は、図1乃至図3に示すように、円形の平板状で、中央部分に貫通孔3が形成された板状部5、そして、板状部5の一方の面に貫通孔3を囲んだ状態で設けられた環状の環状部7を備えている。本実施形態のウェーハ支持具1では、板状部5は、炭化シリコン(SiC)で形成されており、厚みが1mm以上1.5mm以下、板状部5に形成した貫通孔3の直径が50mm以上170mm以下になっている。さらに、本実施形態のウェーハ支持具1では、環状部7は、この環状部7上に載置するSIMOXウェーハなどといったシリコンウェーハ9のこの環状部7と接触する面と同じ材料である単結晶シリコン(Si)で形成されており、断面が方形状で、厚みつまり高さが3mm以上7mm以下になっている。
また板状部5の直径は、環状部7上に載置するシリコンウェーハ9の直径よりも大きくなっている。ウェーハ支持具1は、縦型炉内で、複数のウェーハ支持具1を縦方向に間隔を置いて支持するための縦方向に延在する図示していない複数の支持柱によって支持される。この図示していない複数の支持柱は、一般にSiCで形成されており、各々の支持柱の対応する位置に複数段の溝が形成されている。そして、ウェーハ支持具1は、板状部5の周縁部分を図示していない支持柱に形成された溝に嵌め込むことで図示していない支持柱に取り付けられる。このため、板状部5の直径が環状部7上に載置するシリコンウェーハ9の直径よりも大きくなっていることで、図示していない支持柱にウェーハ支持具1が取り付けられた状態でも、ウェーハ支持具1にシリコンウェーハ9を載置可能であり、また、シリコンウェーハ9が図示していない支持柱に接触しないようになっている。
環状部7の内径は、貫通孔3よりも大きく、外径は載置するシリコンウェーハ9の径よりも小さくなっている。そして、環状部7のシリコンウェーハ9を載置する面の幅は、環状部7の内径が貫通孔3よりも大きく、外径が載置するシリコンウェーハ9の直径よりも小さくなっていれば適宜選択できる。
ここで、本発明者らが種々の検討を行った結果、従来のSiCで形成した貫通孔を設けていない板状部とSiで形成した環状部とを備えたウェーハ支持具では、ウェーハ支持具の環状部に載置されたウェーハの、環状部よりも外側に位置する部分と環状部よりも内側に位置する部分とで温度分布に差が生じることよって、より温度が高くなる環状部よりも外側に位置する部分からスリップが発生することがわかった。
このことから、本発明者らは、本実施形態のウェーハ支持具1のように、板状部5の環状部7の内側の部分に貫通孔3を形成したところ、貫通孔3の形成によってシリコンウェーハ9に発生するスリップの低減性能を向上できることを見いだした。つまり、本実施形態のウェーハ支持具1は、板状部5に貫通孔3を形成することにより、ウェーハ支持具1の環状部7よりも内側でも板状部5が輻射熱を遮り難くなる。このため、本実施形態のウェーハ支持具1では、ウェーハ支持具1に載置されたシリコンウェーハ9のウェーハ支持具1の環状部7よりも外側に位置する部分と環状部7よりも内側に位置する部分との温度差が減少し、シリコンウェーハ9の面における温度分布が均一化され、シリコンウェーハ9でのスリップの発生を確実に低減できる。
さらに、本実施形態のウェーハ支持具1では、板状部5は、熱耐性及び機械的強度を有するSiCで形成されており、環状部7は、この環状部7上に載置するSIMOXウェーハなどといったシリコンウェーハ9のこの環状部7と接触する面と同じ材料である単結晶シリコンで形成されている。このため、SIMOXウェーハなどのシリコンウェーハ9を載置する場合、シリコンウェーハ9の環状部7に接触する層と環状部7の熱膨張係数をほぼ同じにでき、スリップの低減性能をより向上できる。
加えて、ウェーハ支持具1の板状部5に形成する貫通孔3は、直径が50mm以上とすることが望ましい。これは、貫通孔3の直径が50mmよりも小さいと、ウェーハ支持具1の環状部7よりも内側に位置するシリコンウェーハ9の部分と、環状部7よりも外側に位置するシリコンウェーハ9の部分との温度差を減少させて温度分布を均一化させるだけの十分な熱量を環状部7よりも内側に位置するシリコンウェーハ9の部分に与えることができなくなり、スリップの発生を低減できなくなるためである。
一方、SIMOXウェーハの製造における熱処理などでは、1300℃を超える温度、例えば1320℃から1380℃といったような温度まで昇温される。このため、ウェーハ支持具1の板状部5に形成した貫通孔3の直径が170mmを越えると、熱処理時の熱によって板状部5に熱変形が生じる場合がある。そして、板状部5に熱変形が生じると、ウェーハ支持具1に載置したシリコンウェーハ9に発生するスリップを低減できなくなる場合がある。したがって、ウェーハ支持具1の板状部5に形成する貫通孔3は、1300℃を超える温度の熱に曝されても熱変形し難くなるような強度を板状部5に与えるため、直径を170mm以下とすることが望ましい。このように、スリップの低減性能をより向上するためには、ウェーハ支持具1の板状部5に形成する貫通孔3の直径は、50mm以上170mm以下とすることが望ましい。
さらに、ウェーハ支持具1の板状部5に形成する貫通孔3の直径は、50mm以上170mm以下としても、貫通孔3を形成した板状部5では、板状部5の厚みが1mmよりも薄くなると、1300℃を超える温度の熱に曝されたとき、板状部5に熱変形が生じる場合があることがわかった。したがって、板状部5に熱変形が生じ難くなるような強度を与え、シリコンウェーハ9に発生するスリップを確実に低減するには、板状部5の厚みは1mm以上とすることが望ましい。
また、板状部5では、板状部5の厚みが1.5mmよりも厚くなると、板状部5の熱容量が増大することによって、熱処理における昇温または降温時に、載置しているウェーハの面内での温度分布が不均一になってしまう。このため、温度のランピングレートをより小さくする必要が生じ、熱処理時間が延びてしまい、生産性が低下してしまう。加えて、板状部5の厚みが1.5mmよりも厚くなると、板状部5に割れやひびが発生してしまう場合がある。したがって、板状部5の厚みは1.5mm以下とすることが望ましい。
加えて、ウェーハ支持具1の環状部7の厚みが3mmよりも薄くなると、1300℃を超える温度の熱に曝されたとき、環状部7に熱変形が生じる場合があることがわかった。そして、環状部7に熱変形が生じると、ウェーハ支持具1に載置したシリコンウェーハ9に発生するスリップを低減できなくなる場合がある。したがって、環状部7に熱変形が生じ難くなるような強度を与え、シリコンウェーハ9に発生するスリップを確実に低減するには、環状部7の厚みは3mm以上とすることが望ましい。
また、環状部7の厚みが7mmよりも厚くなると、環状部7自体の熱容量が問題となり、シリコンウェーハ9に発生するスリップを低減できなくなる場合がある。したがって、環状部7自体の熱容量の影響を抑制し、シリコンウェーハ9に発生するスリップの低減性能をより向上するには、環状部7の厚みは7mm以下とすることが望ましい。さらに、環状部7の厚みが7mmよりも厚くなると、図示していない支持柱に複数のウェーハ支持具1を上下に並べて取り付けたときのウェーハ支持具1間の隙間が狭くなることにより、生産性が減少する。このため、環状部7の厚みを7mm以下とすることで、図示していない支持柱に複数のウェーハ支持具1を上下に並べて取り付けたときのウェーハ支持具1間の隙間が狭くなるのを抑制でき、生産性の減少を抑制できる。このように、スリップの低減性能をより向上するためには、ウェーハ支持具1の環状部7の厚みは、3mm以上7mm以下とすることが望ましい。
このように本実施形態のウェーハ支持具1では、ウェーハ支持具1の環状部7とウェーハ9との接触面から発生するスリップを低減できると共に、熱処理時に生じるウェーハ9の環状部7の内側に位置する部分と、環状部7の外側に位置する部分との温度差に起因するスリップも低減できる。加えて、ウェーハが自重によって撓むことなどによって発生するスリップも低減できる。したがって、スリップの低減性能を向上できる。
ところで、電子デバイスに対する、この電子デバイスの形成に用いたウェーハのスリップによって発生する転位の影響は、電子デバイスのリーク電流に現れる。このため、転位を含む欠陥によってリーク電流が増大し、DRAMなどのメモリーにおけるリフレッシュ特性が劣化する。同様に、スリップのような積層欠陥が酸化膜の絶縁特性を減少させることが知られており、酸化膜の絶縁特性が劣化した場合、ゲート酸化膜の破壊が発生し、電子デバイスの製造における歩留まりの悪化が生じる。
これに対して、本実施形態のウェーハ支持具1では、スリップの低減性能をより向上できるため、ウェーハ支持具1を用いて製造したウェーハによって形成された電子デバイスのスリップによって発生するリーク電流の増大、DRAMなどのメモリーにおけるリフレッシュ特性の劣化、及び酸化膜の絶縁特性の減少によるゲート酸化膜の特性劣化に伴う歩留まりの悪化などを抑制することができる。
また、本発明は、本実施形態の構成のウェーハ支持具1に限らず、貫通孔を設けた板状部及び載置するウェーハの少なくとも環状部と接触する部分の材料と同じ熱膨張係数を有する材料で形成した環状部を備えていれば様々な構成にできる。例えば、環状部は、ウェーハに熱変形などを起こすことなくウェーハを載置できれば、様々な断面形状にできる。
以下に、本発明を適用してなるウェーハ支持具と従来のウェーハ支持具を用いてSIMOXウェーハを熱処理したときのスリップの発生に関する検討の一例について、図1乃至図7を参照して説明する。図4乃至図6は、従来のウェーハ支持具の概略構成と、この従来のウェーハ支持具を用いて熱処理を行なったSIMOXウェーハのスリップの状態を画像化した結果の一例を模式的に示す図である。図7は、本発明を適用してなるウェーハ支持具を用いて熱処理を行なったSIMOXウェーハのスリップの状態を画像化した結果の一例を模式的に示す図である。
(実施例1)
本実施例では、図1乃至図3に示すように、SiC製の板状部5と、単結晶Si製の環状部7を備えたウェーハ支持具1を形成した。ウェーハ支持具1の板状部5は、直径が320mmで厚みを1mmとし、中央部分に直径50mmの貫通孔3を設けた。ウェーハ支持具1の環状部7は、外径が230mm、内径が220mmで厚みを3mmとした。このようなウェーハ支持具1の環状部7に直径300mmの酸素イオンを注入したSIMOXウェーハ9を載置して、BOX層を形成するための熱処理を行なう。ここで、BOX層を形成するための熱処理では、アルゴン及び酸素の混合ガス雰囲気中、または、窒素及び酸素の混合ガス雰囲気中で、1300℃以上、望ましくは1350℃から1380℃の範囲内で2時間から10時間保持する。熱処理後、冷えたSIMOXウェーハ9を魔境の原理により観察し、SIMOXウェーハ9に発生しているスリップを評価した。
魔境の原理は、公知のように、特定波長の光を鏡面加工された試料つまりウェーハの表面に入射させ、その反射光の強度により表面の凹凸を画像化するものである。そして、スリップは、ウェーハ表面の段差となるため、反射光の強弱から発生したスリップの本数や長さを評価することができる。
(比較例1)
本比較例では、図4(a)に示すように、SiC製の板状部11と、SiC製の環状部13を備えたウェーハ支持具15を形成した。ウェーハ支持具15の板状部11は、直径が320mmで厚みを1.5mmとし、中央部分に直径50mmの貫通孔3を設けた。ウェーハ支持具15の環状部13は、外径が230mm、内径が220mmで厚みを3mmとした。このようなウェーハ支持具15の環状部13に直径300mmのSIMOXウェーハ9を載置して、実施例1と同様に熱処理後、魔境の原理によりSIMOXウェーハ9に発生しているスリップを評価した。
(比較例2)
本比較例では、図5(a)に示すように、SiC製の板状部17と、単結晶Si製の環状部19を備えたウェーハ支持具21を形成した。ウェーハ支持具21の板状部17は、直径が320mmで厚みを0.8mmとし、中央部分に直径170mmの貫通孔3を設けた。ウェーハ支持具21の環状部19は、外径が230mm、内径が220mmで厚みを3mmとした。このようなウェーハ支持具21の環状部19に直径300mmのSIMOXウェーハ9を載置して、実施例1と同様に熱処理後、魔境の原理によりSIMOXウェーハ9に発生しているスリップを評価した。
(比較例3)
本比較例では、図6(a)に示すように、中央部分に貫通孔を設けていないSiC製の板状部23と、単結晶Si製の環状部25を備えたウェーハ支持具27を形成した。ウェーハ支持具27の板状部23は、直径が320mmで厚みを1mmとした。ウェーハ支持具27の環状部25は、外径が230mm、内径が220mmで厚みを3mmとした。このようなウェーハ支持具27の環状部25に直径300mmのSIMOXウェーハ9を載置して、実施例1と同様に熱処理後、魔境の原理によりSIMOXウェーハ9に発生しているスリップを評価した。
このような実施例1、比較例1乃至比較例3について、各々7枚ずつのSIMOXウェーハ9についてスリップを評価した結果を表1に示す。
Figure 2006093283
比較例1のウェーハ支持具15では、貫通孔3を板状部11に形成しているが、SIMOXウェーハ9と接触している環状部13がSiC製である。このため、比較例1のウェーハ支持具15では、表1及び図4(b)に示すように、SIMOXウェーハ9と環状部13との接着や、SIMOXウェーハ9と環状部13との熱膨張係数の差によって、他に比べて強烈なスリップ16が多数観察された。
比較例2のウェーハ支持具21では、貫通孔3を板状部17に形成し、SIMOXウェーハ9と接触している環状部19が単結晶Si製であるが、板状部17の厚みが0.8mmと薄く十分な機械的強度が得られない。このため、比較例2のウェーハ支持具21では、表1及び図5(b)に示すように、本数自体は他の比較例よりも少なく実施例1でスリップが観察された場合と同等であったが、板状部17の熱変形などを反映している比較的濃く長いスリップ22が観察された。また、実施例1のようにスリップがほとんど観察されないSIMOXウェーハはなかった。
比較例3のウェーハ支持具27では、SIMOXウェーハ9と接触している環状部19が単結晶Si製であるが、板状部23には貫通孔が形成されていない。このため、比較例3のウェーハ支持具27では、表1及び図6(b)に示すように、SIMOXウェーハ9の環状部19よりも外側の部分と内側の部分との温度差によって発生する外周部からのスリップ28が比較的多数観察された。
これに対して本発明を適用してなる実施例1のウェーハ支持具1では、表1及び図7に示すように、スリップがないか、または、他の例よりも薄いスリップが数本入っている程度となっており、スリップの低減性能を向上できた。
さらに、実施例1における板状部5の厚みのみを1.3mm、1.5mmに変えた場合でも、実施例1と同様の結果が得られた。加えて、実施例1における板状部5の貫通孔3の直径を170mmに変えた場合でも、実施例1と同様の結果が得られた。また、実施例1における環状部7の厚みを4mm、4.5mm、7mmに変えた場合でも、実施例1と同様の結果が得られた。
これらの結果から、本発明を適用してなるウェーハ支持具では、スリップの低減性能を向上できる。
本発明を適用してなるウェーハ支持具の一実施形態の概略構成を示す断面図である。 本発明を適用してなるウェーハ支持具の一実施形態の概略構成を示す平面図である。 本発明を適用してなるウェーハ支持具の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。 (a)は、従来のウェーハ支持具である比較例1のウェーハ支持具の概略構成を示す断面図、(b)は、比較例1のウェーハ支持具を用いて熱処理を行なったSIMOXウェーハのスリップの状態を画像化した結果の一例を模式的に示す図である。 (a)は、従来のウェーハ支持具である比較例2のウェーハ支持具の概略構成を示す断面図、(b)は、比較例2のウェーハ支持具を用いて熱処理を行なったSIMOXウェーハのスリップの状態を画像化した結果の一例を模式的に示す図である。 (a)は、従来のウェーハ支持具である比較例3のウェーハ支持具の概略構成を示す断面図、(b)は、比較例3のウェーハ支持具を用いて熱処理を行なったSIMOXウェーハのスリップの状態を画像化した結果の一例を模式的に示す図である。 本発明を適用してなるウェーハ支持具の一実施例を用いて熱処理を行なったSIMOXウェーハのスリップの状態を画像化した結果の一例を模式的に示す図である。
符号の説明
1 ウェーハ支持具
3 貫通孔
5 板状部
7 環状部
9 シリコンウェーハ

Claims (4)

  1. 平板状で貫通孔が形成された板状部と、該板状部の一方の面に前記貫通孔を囲んで設けられた環状の環状部とを備え、前記環状部は、該環状部に載置するウェーハの該環状部と接触する部分と同じ熱膨張係数を有する材料で形成されているウェーハ支持具。
  2. 前記板状部は、炭化シリコンで形成され、前記環状部は、単結晶シリコンで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のウェーハ支持具。
  3. 前記貫通孔は、直径が50mm以上170mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のウェーハ支持具。
  4. 前記板状部は、厚みが1mm以上1.5mm以下であり、前記環状部は、厚みが3mm以上7mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のウェーハ支持具。
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