JP2010258235A - シリコンウェーハの熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】雰囲気ガスの渦流を原因とするシリコンウェーハの外周部の不純物汚染を低減可能なシリコンウェーハの熱処理方法を提供する。
【解決手段】シリコンウェーハが支持リングを介して載置される遮蔽板の直径が、シリコンウェーハの直径より20mm以上大径化し、各遮蔽板の上下間隔を5〜50mmとした。よって、シリコンウェーハの直径方向の外方で各遮蔽板の隙間に渦流緩衝空間が形成される。これにより、雰囲気ガスの渦流を原因とした炉壁から発生したニッケルなどの不純物によるシリコンウェーハの外周部の汚染を低減することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、シリコンウェーハの熱処理方法、詳しくは多数枚のシリコンウェーハを縦型のウェーハボートに装入し、CVD(化学的気相成長)、熱酸化、熱拡散などの熱処理を行うシリコンウェーハの熱処理方法に関する。
複数のシリコンウェーハの表面にCVD膜の成長、熱酸化膜の形成、不純物の熱拡散などを行う場合、縦型のウェーハボートを使用する縦型の熱処理方法が知られている。
縦型のウェーハボートは、複数の支柱と、これらの支柱同士を連結する天板および底板とを備えている。各支柱の内側面(ボート中心側の面)には、長さ方向に向かって一定ピッチで多数のウェーハ支持部が形成されている。各シリコンウェーハは、円環形状の支持リングを介して、円板形状の遮蔽板の上面に載置されるとともに、各遮蔽板を介在して各ウェーハ支持部に支持される(例えば特許文献1)。
加熱炉は熱処理装置の本体であって、ローディング装置によりウェーハボートが下方から炉内に装入され、加熱炉の外方に設けられた抵抗加熱式のヒータにより、各シリコンウェーハが例えば1100℃以上に熱処理される。
このとき、従来の熱処理装置では、図4に示すようにシリコンウェーハ100の直径と遮蔽板101の直径とが略同じであった。また、加熱炉102の内部空間には、加熱炉102の上部から熱処理の雰囲気ガスであるアルゴンガスや水素ガスが流下される。
図4において、103はウェーハボート、104は支持リング、105はウェーハボート103の支柱、106はヒータである。
特開2007−73923号公報
しかしながら、特許文献1のシリコンウェーハの熱処理方法によれば、熱処理後のウェーハ外周部が不純物汚染されるという問題が生じていた。特に、SIMOXウェーハの製造工程において、ウェーハ内部への埋め込みシリコン酸化膜を形成する高温熱処理を行った場合、ウェーハ外周部におけるニッケル(Ni)汚染が大きいことが判明した。
発明者らは、このウェーハ外周部におけるNi汚染の要因について調査した。その結果、シリコンウェーハとそれより1つ上の遮蔽板との隙間の外周領域では、加熱炉の内部空間で、上方から下方へ向かって流される雰囲気ガス(アルゴンガスや水素ガスなど)が渦流となっていることを知見した。その原因は、熱処理中、加熱炉の内壁から発生した不純物が雰囲気ガス中に取り込まれ、この不純物を含む渦流がウェーハ表面上に滞留することでウェーハ外周部を汚染しているものと考えられる。
特に、SIMOXウェーハの製造では、シリコンウェーハの表層に酸素イオンを注入後、酸化ガスの雰囲気で1350℃、数十時間という過酷な熱処理が行われる。その結果、加熱炉材に含まれるNiが炉内に熱拡散し、Niを含む雰囲気ガスの渦流がウェーハ外周部に接触することにより、Ni汚染(Ni;4×1011atoms/cm以上)を招いていたものと推測される。この渦流によるNi汚染は、雰囲気ガスの流速を増大させても解消できなかった。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、シリコンウェーハとそれより1つ上の遮蔽板との隙間の外周領域における空間構造に着目し、前述した渦流の発生そのものを防止できなくとも、発生した渦流をウェーハ表面に接触させないようにすることを試みた。すなわち、遮蔽板の直径がシリコンウェーハの直径より20mm以上大きく、かつ各遮蔽板の上下間隔を5〜50mmとすればよいことに想到した。その結果、シリコンウェーハの直径方向の外方にあって、各遮蔽板の上下間隔の間に、渦流の影響をウェーハ外周部に及ぼさない渦流緩衝空間を形成させることができた。これにより、雰囲気ガスの渦流を原因として発生する、炉壁からの不純物によるシリコンウェーハの外周部の汚染(Ni汚染を含む)を解消可能なことを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、加熱炉内を流下する雰囲気ガスの渦流を原因として、炉壁からの不純物がシリコンウェーハの外周部に付着することによって発生する不純物汚染を低減することができるシリコンウェーハの熱処理方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、円筒形状の縦型の加熱炉に、下方から縦型のウェーハボートを装入し、前記ウェーハボートに水平状態で支持された多数枚のシリコンウェーハを、前記加熱炉内で雰囲気ガスを流下させながら熱処理するシリコンウェーハの熱処理方法において、前記ウェーハボートは、複数の縦長な支柱と、該各支柱同士を連結する天板および底板とを有し、前記各支柱の内側面には、長さ方向に向かって一定ピッチで多数のウェーハ支持部が形成され、前記各シリコンウェーハは、円環形状の支持リングを介して、円板形状の遮蔽板の上面に載置されるとともに、前記各遮蔽板を介在して前記各ウェーハ支持部に支持され、前記各遮蔽板の直径は前記各シリコンウェーハの直径より20mm以上大きく、かつ前記各遮蔽板の上下間隔は5〜50mmとして熱処理を行うシリコンウェーハの熱処理方法である。
請求項1に記載の発明によれば、各遮蔽板の上下間隔が5〜50mmとなるように、各遮蔽板をウェーハ支持部上に載置し、この各遮蔽板の上面に載置された各支持リング上に各シリコンウェーハを載置する。このとき、遮蔽板の直径は、シリコンウェーハの直径より20mm以上大きくする。これにより、シリコンウェーハの直径方向の外方にあって、上下の遮蔽板の間に円環状の渦流緩衝空間が形成される。その結果、雰囲気ガスの渦流は主に渦流緩衝空間で発生し、その影響がウェーハ外周部に及び難くなる。よって、加熱炉内を流下する雰囲気ガスの渦流を原因として、炉壁からの不純物がシリコンウェーハの外周部に付着することによって発生する不純物汚染を低減させることができる。
シリコンウェーハとしては、例えばSIMOXウェーハ、単結晶シリコンウェーハ、エピタキシャルウェーハなどを採用することができる。シリコンウェーハの直径は、例えば200mmウェーハ、300mmウェーハ、450mmウェーハなどを採用することができる。
加熱炉(反応炉、プロセスチューブ)は、例えば炭化シリコン、石英などからなる。加熱炉は、その上端がドーム形状に密閉され、下端にウェーハボートの出入口が設けられている。また、使用する雰囲気ガスとしては、例えばアルゴンガス、水素ガスなどを採用することができる。
ウェーハボートの各構成体の素材としては、耐熱性および機械的強度の観点から、シリコン、炭化シリコン、石英などを採用することができる。
支柱の使用本数は、例えば3本または4本である。各支柱に形成されたウェーハ支持部の形成ピッチは、各ウェーハ支持部上に載置される各遮蔽板の上下間隔が5〜50mmとなるピッチである。各遮蔽板の上下間隔を広げるほど雰囲気ガスの渦流発生位置がウェーハ外周部の表面上に位置してしまう。そのため、ウェーハ外周部の不純物汚染を抑制するには、各遮蔽板の上下間隔を50mm以下とする必要がある。ただし、ピッチ間隔が5mm未満では、ウェーハ支持部へのシリコンウェーハ、支持リングおよび遮蔽板の装填そのものが困難となる。
支持リングの素材としては、耐熱性および機械的強度の観点から、シリコン、炭化シリコン、石英などを採用することができる。特に、シリコンウェーハの裏面と支持リングとの接触傷の発生を低減する観点からは、支持リングをシリコン材で構成することが望ましく、シリコンウェーハと接触する表面部分をクリストバライト化(結晶化)させておくことがより望ましい。
支持リングは、シリコンウェーハの裏面と遮蔽板とを離間するように遮蔽板と同心円状に配置される。これは、遮蔽板の表面上にそのままシリコンウェーハを載置した場合には、遮蔽板とシリコンウェーハとの接触面積が大きく、シリコンウェーハにスリップ転位などを発生させてしまう問題があるからである。
支持リングの内径は、シリコンウェーハの直径の50〜90%である。50%未満では、シリコウェーハ裏面と接触する接触面積が小さくなり過ぎてしまい、シリコンウェーハに局所的な応力集中が加わり、スリップ転位が発生するおそれがある。90%を超えれば、殆どシリコウェーハの最外周部を支持リングで保持することになり、シリコンウェーハの自重による応力(撓み)が大きくなり過ぎて、シリコンウェーハにスリップ転位が発生し易い。しかも、支持リング上にシリコンウェーハを載置する際、ロボットによるウェーハ搬送が困難となる。
遮蔽板の素材は、例えば耐熱性および機械的強度の観点から、炭化シリコンまたは石英が望ましい。遮蔽板の厚さは、ウェーハ支持部に出し入れ可能な厚さ(例えば0.5〜10mm)である。
遮蔽板の直径とシリコンウェーハの直径との寸法差が20mm未満では、炉壁から発生したNiを含む雰囲気ガスの渦流がウェーハ外周部に接触してしまい、シリコンウェーハの外周部にNiなどの金属汚染が発生し易くなる。従って、遮蔽板の直径を20mm以上にすることが有効となる。ただし、遮蔽板の直径が大きくなるほど、ウェーハ外周部におけるNi汚染の低減効果が図れるものの、熱処理装置そのものを大型化しなければならない。そのため、遮蔽板の直径とシリコンウェーハの直径との寸法差は最大でも200mm以内に留めることが望ましい。例えばシリコンウェーハの直径が300mmの場合、遮蔽板の直径をシリコンウェーハの直径より20〜200mm大きくする。
請求項2に記載の発明は、前記各シリコンウェーハの直径と前記加熱炉の内径との寸法差を60mm以上とし、前記加熱炉内の前記シリコンウェーハの外周部を流下する雰囲気ガスの流速が、5×10−4〜4×10−2m/secである請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法である。
シリコンウェーハの直径と加熱炉の内径との寸法差が60mm未満では、高温に加熱された炉壁に近すぎるため、炉壁または加熱装置を構成する部材(ヒータなど)内に含まれる不純物が熱拡散によってウェーハ表面に転写され、不純物汚染が生じる危険性が高くなる。なお、加熱炉の大型化および使用するガス量を抑制する観点から、寸法差を150mm以内にすることが望ましい。
加熱炉内のシリコンウェーハの外周部を流下する雰囲気ガスの流下速度、具体的には加熱炉壁と遮蔽板との隙間を流れるガスの流速が、5×10−4m/sec未満では、そのガス流速が遅すぎるため、上方から下方に向かう安定的なダウンフローのガス流れが得られ難い。これにより、雰囲気ガスが炉内に均一に行き渡らず、ウェーハ品質のバラツキを生じてしまうおそれがある。このため、5×10−4m/sec以上のガス流速を確保することが有効であるが、高価な雰囲気ガスの使用コスト低減の観点からは、ガス流速を4×10−2m/sec以下に留めることが望ましい。
この発明によれば、シリコンウェーハの直径方向の外方にあって、各遮蔽板の間に渦流緩衝空間が形成される。その結果、渦流の影響がウェーハ外周部に及ぼされ難くなる。よって、雰囲気ガスの渦流を原因としたシリコンウェーハの外周部における不純物汚染を低減することができる。特に、1350℃以上の高温熱処理が実施されるSIMOXウェーハの製造におけるNi汚染の低減に好適である。
この発明の実施例1に係るシリコンウェーハの熱処理方法が適用されたウェーハ熱処理装置の要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例1に係るシリコンウェーハの熱処理方法で使用されるウェーハボートの斜視図である。 この発明の試験例と比較例とにおいて、シリコンウェーハの表面のウェーハ半径方向におけるNi汚染分布を示すグラフである。 従来手段に係るシリコンウェーハの熱処理方法が適用されたウェーハ熱処理装置の要部拡大縦断面図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
次に、この発明の実施例1に係るシリコンウェーハの熱処理方法を説明する。ここでは、直径300mmのSIMOXウェーハを製造する際のシリコンウェーハの熱処理方法を例とする。
図1において、10は実施例1に係るシリコンウェーハの熱処理方法で用いられるウェーハ熱処理装置(以下、熱処理装置)で、この熱処理装置10は、円筒形状の縦型の加熱炉11に、下方から縦型のウェーハボート12を装入し、ウェーハボート12に水平状態で支持された多数枚のシリコンウェーハ13を、加熱炉11内でアルゴンガス(雰囲気ガス)を流下させながら熱処理するものである。
以下、図1および図2を参照して、熱処理装置10を具体的に説明する。
熱処理装置10は、縦長な円筒状の加熱炉11を本体とする。加熱炉11には、その内部空間に所定の間隔をあけて、ローディング装置によりウェーハボート12が下方から炉内に装入される。加熱炉11の上蓋の中央にはガス導入口が形成され、ここから炉内にアルゴンガスが流下される。加熱炉11の外方には抵抗加熱式のヒータ14が設けられている。これにより、各シリコンウェーハ13が熱処理される。
ウェーハボート12は、シリコンウェーハ13の搬入搬出側とは反対側に所定の間隔で配置された縦長な4本の支柱15と、各支柱15同士を連結する天板20および底板21とを有している。各支柱15のシリコンウェーハ13の搬入搬出側面(内側面)には、長さ方向に一定ピッチで多数のウェーハ支持部22が形成されている。
各シリコンウェーハ13の製造方法を説明する。すなわち、まずチョクラルスキー法により直径306mm、比抵抗が10mΩ・cm、初期酸素濃度1.0×1018atoms/cmの単結晶シリコンインゴットを引き上げる。次に、単結晶シリコンインゴットに、ブロック切断、外周研削、スライスを施して多数枚のウェーハとする。その後、各ウェーハに面取り、ラッピング、エッチング、研磨を順次施す。それから、各シリコンウェーハ13をイオン注入装置に1枚ずつ装入し、ウェーハ表面から深さ1μmの位置に、酸素イオン注入層を形成する。
次に、各シリコンウェーハ13は、円環形状の支持リング16を介して、円板形状の遮蔽板17の上面に載置される。支持リング16はシリコンからなり、その内径は160mm、外径は200mmである。したがって、支持リング16の直径方向の幅は20mmとなる。支持リング16の高さ(厚さ)は5mmである。また、遮蔽板17は炭化シリコンからなり、その厚さは2mmである。
これらのシリコンウェーハ13と支持リング16と遮蔽板17とは、それぞれの中心線を加熱炉11の中心軸に重ね合わせ、ウェーハボート12、ひいては加熱炉11の内部空間に収納される。各シリコンウェーハ13は、各支持リング16および各遮蔽板17を介在して、4本の支柱15の同じ高さ位置に存在するウェーハ支持部22に水平に装入される。
このとき、各シリコンウェーハ13の直径Dは300mmで、各遮蔽板17の直径D1は、各シリコンウェーハ13より大径な400mmである。すなわち、シリコンウェーハ13の直径Dと遮蔽板17の直径D1との寸法差aは100mmとなる。
一方、加熱炉11の内径D2は560mmであるので、加熱炉11の内径D2とシリコンウェーハ13の直径Dとの寸法差bは260mmとなるとともに、加熱炉11の内径D2と遮蔽板17の直径D1との寸法差cは160mmとなる。よって、加熱炉11の内周面と各遮蔽板17の外周面との隙間には、アルゴン(Ar)ガスが垂直に流下する幅80mm(寸法差1/2c)の環状の流路が形成される。
しかも、加熱炉11の内周面と各シリコンウェーハ13の外周面との間には、加熱炉11の内周面とそのシリコンウェーハ13より1つ上の遮蔽板17の外周面との隙間を通過したアルゴンガスが渦流となる円環状の渦流緩和空間Eが形成される(図1)。各段の渦流緩和空間Eの半径方向の幅(寸法差1/2b)は130mmである。また、各段の渦流緩和空間Eの上壁は、シリコンウェーハ13より1つ上の遮蔽板17の外周部分となり、各段の渦流緩和空間Eの下壁は、シリコンウェーハ13より1つ下の遮蔽板17の外周部分となる。この遮蔽板17と遮蔽板17の上下間隔、すなわち、渦流緩和空間Eの高さdが12mmとなるように、各支柱15に一定ピッチ間隔で多数のウェーハ支持部22が形成されている。
次に、図1および図2を参照して、熱処理装置10を用いた実施例1のシリコンウェーハ13の熱処理方法を説明する。
まず、遮蔽板17の上面に載置された各支持リング16上に各シリコンウェーハ13を載置する。そして、各遮蔽板17を各支柱15のウェーハ支持部22に水平状態で装入して支持する。このとき、これらのシリコンウェーハ13と支持リング16と遮蔽板17とは、それぞれの中心線を加熱炉11の中心軸(ウェーハボート12の中心軸)に重ね合わせてウェーハボート12に収納される。しかも、遮蔽板17の直径D1は、シリコンウェーハ13の直径Dより100mmだけ大きく、かつシリコンウェーハ13の直径Dと加熱炉11の内径D2との寸法差bは260mmとなる。そのため、シリコンウェーハ13の直径方向の外方にあって、そのシリコンウェーハ13より1つ上の遮蔽板17と1つ下の遮蔽板17との隙間dには、円環状の渦流緩衝空間Eが形成される。
次に、加熱炉11の内部空間内を流下する雰囲気ガスの流速、すなわち、加熱炉11と遮蔽板17との間隔(寸法差cの部分)を流れるガス流速が4×10−3m/secとなるように、加熱炉11の上蓋のガス導入口を通してアルゴンガス(雰囲気ガス)を流下させる。アルゴンガスの供給を継続しながら、各シリコンウェーハ13を1350℃で30時間、ヒータ14により加熱する。これにより、シリコンウェーハ13の酸素イオン注入層が埋め込みシリコン酸化膜となり、この埋め込みシリコン酸化膜を介して、ウェーハ表面側にSOI層が形成されるとともに、SOI層とは反対側にバルク層が形成される。
この熱処理時、アルゴンガスの一部が、加熱炉11の内周面とシリコンウェーハ13より1つ上の遮蔽板17の外周面との隙間を通過し、その直後、この隙間に比べて容積が大きい渦流緩和空間Eに達する。ここで、アルゴンガスは渦流となる。このとき、渦流緩和空間Eは、加熱炉11の半径方向の幅が130mm(寸法差1/2b)で、その高さdが12mmと、発生した渦流を納めるために十分なスペースである。その結果、アルゴンガスの渦流は渦流緩衝空間Eのみで発生し、その影響がシリコンウェーハ13の外周部に及び難くなる。よって、シリコンウェーハ(SIMOXウェーハ)13の熱処理時において、加熱炉11内を流下するアルゴンガスの渦流を原因として、加熱炉11の炉壁から外方拡散により放出されたNiが、シリコンウェーハ13の外周部に付着することで生じるウェーハ外周部のNi汚染量を低減することができる。
実施例1で行った熱処理後のシリコンウェーハ13の表面部のNi汚染量を二次イオン質量分析法(SIMS法)により測定し、試験例1とした。また、この発明の試験例2として、遮蔽板の直径を320mmに変更した実験を行った。さらに、この発明の試験例3として、各遮蔽板の上下間隔を30mmとなるように、ウェーハ支持部のピッチを変更した実験を行った。試験例2,3において、その他の熱処理条件は試験例1と同じ条件でSIMOXウェーハを製造し、Ni汚染量を測定した。
同様に比較例1として、遮蔽板の直径を300mmに変更した実験を行った。また、比較例2として、各遮蔽板の流速1×10−4m/secに変更した実験を行った。さらに、比較例3として遮蔽板と遮蔽板との間隔を55mmに変更した実験を行った。これらの測定結果を図3のグラフに示す。
図3のグラフから明らかなように、試験例1〜3のシリコンウェーハは、いずれも径方向全域で2×1011atoms/cm以下のNi濃度であった。これに対して、比較例1〜3のシリコンウェーハは、いずれもウェーハ外周部において、4×1011atoms/cm以上の濃度のNiが検出された。比較例1〜3において、その他の熱処理条件は試験例1と同じ条件でSIMOXウェーハを製造し、Ni汚染量を測定した。
この発明は、シリコンウェーハの不純物汚染を低減可能なシリコンウェーハの熱処理方法として有効であり、特にNi汚染が可及的に低減されたSIMOXウェーハの製造に有用である。
11 加熱炉、
12 ウェーハボート、
13 シリコンウェーハ、
15 支柱、
16 支持リング、
17 遮蔽板、
20 天板、
21 底板、
22 ウェーハ支持部。

Claims (2)

  1. 円筒形状の縦型の加熱炉に、下方から縦型のウェーハボートを装入し、前記ウェーハボートに水平状態で支持された多数枚のシリコンウェーハを、前記加熱炉内で雰囲気ガスを流下させながら熱処理するシリコンウェーハの熱処理方法において、
    前記ウェーハボートは、複数の縦長な支柱と、該各支柱同士を連結する天板および底板とを有し、前記各支柱の内側面には、長さ方向に向かって一定ピッチで多数のウェーハ支持部が形成され、
    前記各シリコンウェーハは、円環形状の支持リングを介して、円板形状の遮蔽板の上面に載置されるとともに、前記各遮蔽板を介在して前記各ウェーハ支持部に支持され、
    前記各遮蔽板の直径は前記各シリコンウェーハの直径より20mm以上大きく、かつ前記各遮蔽板の上下間隔は5〜50mmとして熱処理を行うシリコンウェーハの熱処理方法。
  2. 前記各シリコンウェーハの直径と前記加熱炉の内径との寸法差を60mm以上とし、前記加熱炉内の前記シリコンウェーハの外周部を流下する雰囲気ガスの流速が、5×10−4〜4×10−2m/secである請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
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