JP2008262959A - 輻射熱遮熱体及び熱処理装置 - Google Patents

輻射熱遮熱体及び熱処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱処理装置での処理温度が1300℃前後と非常に高い温度領域で行われたとしても、高価な炭化硅素材料を使用せずとも、効果的に輻射熱の遮断が可能となり、かつ装置自体の高さを増大させない縦型熱処理装置を提供する。
【解決手段】輻射熱遮熱体10は、石英ガラス製の真空容器体1aと、その内部空間に封入された輻射熱を遮熱できる粒子1bとからなる。真空容器体1aとしては、中空の円柱体、中空のディスク体、管壁の内部が中空となっている管体、環壁の内部が中空となっている環体等が挙げられる。輻射熱を遮熱できる粒子1bとしては、層状のグラファイト系材料、金属材料又はセラミック系材料等の粒子が挙げられる。
【選択図】図1A

Description

本発明は、半導体ウエハ等の被処理材に対し、酸化処理、拡散処理、CVD処理、アニール処理等の加熱を伴う各種熱処理を施すための熱処理装置、それに用いる輻射熱遮熱体に関する。
半導体素子を製造する場合、酸化工程、成膜工程、インプランテーション工程、拡散工程、アニール工程等の様々な工程において熱処理が行われている。熱処理装置としては横型のものと縦型のものとがあるが、処理コストの低減のために多数枚のウエハを一度に処理する必要性から、設置面積を小さくできる縦型熱処理装置(特許文献1、特許文献2)が広く使用されるようになっている。
特許文献1及び2に開示の縦型熱処理装置は、いずれも、ヒーターが周囲に配置され、下端に開口部を有する縦型反応管と、その開口部から縦型反応管の内部に搬入され、半導体ウエハを保持するウエハボートとから構成されている。更に、このウエハボートは、縦型反応管の開口部を密閉する蓋体に載置された遮熱ユニット上に設置されている。このような熱処理装置において遮熱ユニットを使用する理由は、以下の通りである。
即ち、ウエハボートには、300mm径の大口径半導体ウエハが一定の間隔で100枚以上搭載されている。このため、エネルギーの散逸を抑制して全ての半導体ウエハに対し均一な加熱処理を可能とし、また、蓋体と反応管との間の密閉性を担保しているシール部材の熱による劣化を防止し、更にシール部材からの汚染ガス発生を抑制するために、ウエハボートと蓋体との間に遮熱ユニットを設けているのである。この場合、遮熱ユニットとしては、主に対流による熱移動を抑制するために、複数の石英ガラス板をフィン状に配した遮熱フィンが用いられている。また、輻射熱による熱移動を抑制するために、その遮熱フィンを不透明石英板や炭化珪素板から構成している。特に、熱伝導による熱移動を抑制するために、石英ブロックも用いられている(特許文献2)。また、遮熱用の石英ブロックに代えて、内部を真空にした石英ガラス製容器を遮熱用真空バッファー体として用いている縦型熱処理装置も市販されている。
特開平11−97360号公報 特開2001−156005号公報
ところで、近年、半導体ウエハの熱処理の際に、1300℃前後と非常に高い温度領域で熱処理が行われる場合がある。例えば、SOI(Silicon on Insulator)ウエハの代表的制作法であるSIMOX法においては、酸素の高濃度イオン注入後に1350℃程度での熱処理が必要となっている。また、パワーデバイス用の不純物拡散処理プロセスにおいては、プロセス時間の短縮のために1200℃以上の加熱が必要とされている。更に、COD(Crystal originated Defects)を処理するために、LSIの製造プロセスに投入する前の半導体ウエハ段階で1200℃以上の熱処理が要求されている。
半導体ウエハのこのような高温での熱処理においては、対流や伝導による熱移動よりも輻射による熱移動の比重が相対的に大きくなる。このため、従来は複数の不透明石英ガラス板を所定面間隔で配列してなる石英ガラス板構造体を遮熱ユニットとして用いていたが、不透明石英ガラス板よりも高価な炭化硅素板等を用いて構成しなければならず、しかも、蓋体のシール部材への熱移動を避けるために、炭化硅素板の数を多くし且つヒーターから蓋体までの距離を大きくすることが必要となっていた。このため、縦型熱処理装置の全体の高さが増大し、縦型熱処理装置自体がクリーンルームに収まらない場合も生じかねない状況となっていた。また、熱処理装置を縦型ではなく横型とした場合には、熱処理装置の設置面積の増大という問題も生じていた。
また、熱処理装置においては、縦型(あるいは横型)反応管の密閉性を確保するために、反応管と蓋体との間に耐熱性樹脂からなるOリングが設けられている。このようなOリングは、反応管に原料ガスを導入するための原料ガス導入管と反応管との接合部の密閉性を確保するためにも用いられている。従って、Oリングを構成要素とする、そのような接合部を輻射熱から保護するために、接合部形状に合致した小型の遮熱用真空バッファー体を設置することが考えられる。しかし、原料ガス導入管と反応管との間の接合部は複雑な立体形状となっているため、その部分に比較的単純な形状の遮熱用真空バッファー体を設置することができなかった。従来は、このようなOリングを輻射熱から保護するために、設置コストが比較的嵩張る水冷装置をOリング近傍に設置せざるを得なかった。このため、熱処理装置の熱処理コストを低減すべく、そのような水冷装置を省略もしくは設置コストが嵩張らない簡易型の水冷装置を使用できるようにすることが求められていた。更に、原料ガスとして熱分解性のものを使用する場合には、縦型(若しくは横型)反応管内部に延びた原料ガス導入管内部を通過する熱分解性ガスを輻射熱から効果的に遮熱できるようにすることも求められていた。
本発明は、以上の従来技術の課題を解決しようとするものであり、熱処理装置での処理温度が1300℃前後と非常に高い温度領域で行われたとしても、高価な炭化硅素材料を使用せずとも、効果的に輻射熱の遮断が可能となり、かつ熱処理装置自体の大きさ(高さもしくは底面積)を増大させないようにすることができ、更に、遮熱すべき部位が複雑な立体形状であっても、その形状に追随しつつ効果的に輻射熱を遮熱にできるような遮熱ユニット、そのような遮熱ユニットを使用した熱処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、半導体ウエハ等の被処理材の従来の熱処理装置の遮熱ユニットを構成する遮熱用真空バッファー体や遮熱板に注目し、それを遮熱用真空容器体として利用した場合にそれらに良好な輻射熱の遮熱能を付与するためには、それらの内部に輻射熱を遮熱もしくは反射できるような輻射熱遮熱部材を封入して輻射熱遮熱体としたものが、輻射熱の遮熱効果に優れていることを見出した。更に、輻射熱遮熱部材として比較的小さな粒子を使用すると、その粒子の集合物が流動可能となるため、真空容器体を複雑な形状に成形した場合であっても、その内部空間に輻射熱遮熱粒子を比較的容易に封入できることを見出した。加えて、輻射熱を遮熱できる粒子として、層状のグラファイト系材料、金属材料あるいはセラミックス材料等の様々な種類の粒子を使用できることを見出し、本発明を完成させた。中でも、従来、ウエハに対する汚染の問題により使用できなかった炭素材料、好ましくは六角網状積層構造で光沢を有し、輻射熱の遮断性に優れている層状グラファイト、特に柔軟性黒鉛の粒子を好ましく使用できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、石英ガラス製の真空容器体と、その内部空間に封入された輻射熱を遮熱できる粒子とからなることを特徴とする輻射熱遮熱体を提供する。
また、本発明は、少なくとも一端に開口部を有する熱処理管と、該開口部を閉じる蓋体と、該熱処理管内で被熱処理材を保持するための被熱処理材保持具と、該蓋体が過度に加熱されることを防止するために該蓋体と該被熱処理材保持具との間に設置される遮熱ユニットとを有する熱処理装置において、該遮熱ユニットが上述の輻射熱遮熱体を有することを特徴とする熱処理装置を提供する。
本発明の輻射熱遮熱体は、石英ガラス製の真空容器体の内部空間に、輻射熱を遮熱できる粒子(以下、輻射熱遮熱粒子と称することがある)が封入されている。従って、輻射熱を効果的に反射若しくは吸収するという遮熱特性を有する。特に、輻射熱遮熱粒子として、層状グラファイト、特に柔軟性黒鉛の粒子を使用した場合であっても、層状グラファイトが石英ガラスからなる遮熱用真空容器体内に封入されるので、汚染という問題から開放される。また、層状グラファイト粒子は輻射熱遮断性に優れているので、高価な炭化硅素板の使用を抑制でき、しかも遮熱ユニットの大きさ自体を小さくすることができる。更に、真空容器体と輻射熱を遮熱できる粒子との間の熱線膨張係数の差は、輻射熱を遮熱できる粒子同士の間に存在する微細空間により緩和させることができる。
本発明の熱処理装置の一態様について、図面を参照しながら説明する。なお、図において同じ符号・番号は同一・同種の構成要素を示している。
本発明の輻射熱遮熱体10の一例の断面図を図1Aに示す。本発明の輻射熱遮熱体10は、熱伝導性が低い石英ガラス製の真空容器体1aと、その内部空間に封入された、輻射熱遮熱粒子から構成される輻射熱遮熱粒子領域1bとから構成されている。輻射熱遮熱粒子領域1bは、層状でだけでなく、真空容器体1aの内部空間形状に追随したものとなる。
一般に、石英ガラス製の真空容器体1a自体が真空という特性によって熱伝導や対流による熱の移動を妨げる点で優れていることは公知であるが、輻射熱の遮断性については期待できないことも公知である。このため、本発明では、真空容器体1aの内部に輻射熱を遮熱できる粒子1bを封入して輻射熱遮熱体10を構成する。これにより、輻射熱の遮熱性を向上させることができる。
輻射熱遮熱粒子領域1bを構成する輻射熱を遮熱できる粒子としては、層状のグラファイト系材料、ポーラスカーボン、金属材料又はセラミック系材料の粒子を挙げることができる。
層状グラファイトは、炭素原子の六角網状構造の積層結晶体であり、その特異な構造のために、面方向と厚さ方向とでは異なる性質を示す。面方向では、アルミニウムと同等の熱導電性と優れた寸法安定性を示し、厚さ方向では無荷重の場合に面方向の約1/30の熱伝導性と弾性とを示す。このような層状グラファイトとしては、一般にパイログラファイトと称される素材や、米国Graftech社の柔軟性黒鉛シート(商品名、GRAFOIL)等を好ましく使用することができる。後者は、金属様の表面光沢を示し、輻射熱の反射能が高いので、特に好ましく使用できる。後者の柔軟性黒鉛シートのエミッシビティは、815℃から2480℃の間での平均値として0.5と高いものである。遮熱ユニット7は1200℃以下で使うものであるが、800℃から1200℃でエミッシビティが0.4以上のものが好ましい。
金属材料としては、エミッシビティの点から、高融点のタングステン、モリブデン、チタン、ニッケルなどを挙げることができる。また、熱処理温度が低い場合、例えば、550℃以下の場合には、アルミニウム等の低融点金属材料も使用することができる。また、セラミック材料としては、SiC、不透明Al、Si等を挙げることができるが、これらは一般にエミッシビティが低いので上記の金属材料を表面に蒸着させておくことが好ましい。
これらの中でも、特に好ましい輻射熱遮熱粒子としては、良好な輻射熱遮熱性や耐熱性を示さなければならないという点から、柔軟性黒鉛粒子、炭化ケイ素粒子、アルミナ粒子、酸化ジルコニウム粒子又は窒化アルミニウム粒子である。
輻射熱遮熱粒子の形状としては特に限定されないが、砂状、粉状、ペレット形状、細片形状、球状形状が好ましい。これらは混合して用いてもよい。ここで、細片形状とは、特定の形状に限定されず、不定形であってよい。ところで、これらの中で特に好ましい形状は、封入のし易さの観点から球状形状である。また、輻射熱遮熱粒子は中空体であることが好ましい。これは、中空体であることにより、輻射熱遮熱体10自体の熱伝導性を抑制することができるからである。従って、中空球状形状が最も好ましい形状である。
このような輻射熱遮熱粒子の粒子サイズとしては、大きすぎると真空容器体1aの内部空間へ密に封入することが困難となる傾向があり、逆に小さすぎると真空容器1aに輻射熱遮熱粒子を充填して当該真空容器体を真空にする際に、輻射熱遮熱粒子が飛散して封入口に付着し、溶融した封入口の石英ガラスに巻き込まれ、そこから真空容器体1aが破損し始める場合があるので好ましくない。従って、輻射熱遮熱粒子の粒子サイズとしては、それが球状形状である場合には、粒径が好ましくは0.1〜10mm、は0.5〜5mmである。ペレット形状である場合には、長手方向が好ましくは1〜10mm、短手方向が0.5〜5mmである。
輻射熱遮熱体10の真空容器体1aは、図1Aに示すように、通常、中空の円柱体であり、その内部空間の下方に輻射熱遮熱粒子領域1bが配されている。また、図1Bに示すように、内部空間内に満充填するように輻射熱遮熱粒子領域1bを配してもよい。このように満充填すると、真空容器体1aのいずれかの表面が仮に外圧に耐えれなくなって内部空間方向へ割れ込んだ場合であっても、輻射熱遮熱粒子自体が破損した表面の支持材として機能するので、破損の衝撃を和らげることが可能となる。
また、図1Cに示すように、真空容器体1aには、その天面と底面とを支えるための石英ガラス製のピラーPが設けられている場合が多い。そのような場合でも、輻射熱遮熱粒子は粒子形状であるため、充填し易いものとなっている。
なお、熱電対を挿入するような場合には、図1Dに示すように、輻射熱遮熱粒子領域1bを真空容器体1aの内部空間の下面の中央部を除いた部分に配してもよく、満充填してもよい。この場合、真空容器体1aの中央部には、ロッド(図示せず)が貫通できるような貫通孔1cを設けてよい。
輻射熱遮熱粒子領域1bを遮熱用真空容器体1aの内部空間に形成する方法としては、例えば、開口部が存在する石英ガラス容器に、輻射熱遮熱粒子を入れ、石英ガラス蓋で被せ、石英ガラス容器と石英ガラス蓋とを溶接し、石英ガラス容器に別途設けておいた真空排気管から内部空間を真空に排気した後に真空排気管を常法により封じる方法が挙げられる。
また、遮熱用真空容器体1aの内部空間の下方の輻射熱遮熱粒子領域1b以外の上方の残存空間に、輻射熱遮熱粒子の移動を妨げるように、石英グラスウールを充填してもよい(図1E)。このように石英グラスウール1dを併用することにより、加熱された輻射熱遮熱粒子領域1bからの輻射を防止でき、より高い断熱効果を奏することができる。石英グラスウールとしては、市販の材料を使用することができる。また、輻射熱遮熱粒子の移動を妨げるという点から、図1Fに示すようにように、前述したような金属材料やセラミックス材料からなる耐熱性メッシュ1Eを輻射熱遮熱粒子領域1bを覆うように固定することもできる。
ところで、図1Bの輻射熱遮熱体10は、真空容器体としてディスク体を使用すれば、図2Aに示すように、石英ガラス製の中空のディスク体2aに輻射熱遮熱粒子からなる輻射熱遮熱粒子領域2bが封入されているディスク状の輻射熱遮熱体20となる。このような輻射遮熱体20は、輻射熱遮熱粒子領域2bの上方に残存真空空間を持たないため、図1Aの円柱形状の輻射熱遮熱体10よりは熱伝導抑止効果は劣るが、輻射熱遮熱粒子領域2bを有するために輻射熱遮熱効果は図1Aの輻射熱遮熱体10に匹敵するものがある。また、図2Bに示すように、曲面を有する輻射熱遮熱体としてもよい。このように曲面を有する輻射熱遮熱体20は、反射した輻射熱を狭い範囲に集熱することが可能となるので、加熱すべき対象の被熱処理材の温度低下を抑制することが可能となる。
このような曲面を有する輻射熱遮熱体20は、以下に説明するように製造することができる。
まず、曲面を有する石英ガラス皿3aを用意する(図3A)。次に、その石英ガラス皿3aに、輻射熱遮熱粒子(例えば、層状グラファイト粒子、金属粒子など)を入れ、輻射熱遮熱粒子領域3bを形成する(図3B)。そして、別途用意した、排気管3cが設けられた石英ガラス蓋3dを石英ガラス皿3a被せ、それらが重なった外周を酸水素炎により溶着する(図3C)。次に、排気管3cに真空ポンプをつなぎ、真空引きしながら石英ガラス蓋3dを酸水素炎で加熱する。石英ガラス蓋3dが、石英ガラス皿3aの曲面に沿うように変形し、酸水素炎で排気部3cを封じる。これにより図3Dに示すような輻射熱遮熱体30が得られる。
なお、本発明の輻射熱遮熱体の他の形態の例としては、図4Aに示すように、管壁の内部が中空となっている管体4a(遮熱用真空容器体)の当該中空部分に、輻射熱遮熱粒子が封入され輻射熱遮熱粒子領域4bを構成した管状の輻射熱遮熱体40が挙げられる。このような管状の輻射熱遮熱体40は、トリメチルアンモニウムガス等の熱分解性ガスを通ガスするためのガス管として有用である。また、図4Bに示すように、環壁の内部が中空となっている環体4a(真空容器体)の当該中空部分に、輻射熱遮熱粒子が封入され輻射熱遮熱粒子領域4bを構成した環状の輻射熱遮熱体40が挙げられる。このような環状の輻射熱遮熱体40は、遮熱側壁として使用可能である。
また、本発明の輻射熱遮熱体の異型形状の例としては、図4Cに示す用に、Oリング41を介して原料ガス号導入側のチューブ42と反応管側の配管43とを脱着可能に固定する際に、Oリングを輻射熱から保護するための輻射熱遮熱体40が挙げられる。この輻射熱遮熱体40は、一方の口径と他方の口径とが異なり且つ環壁の内部が中空となっている2段環体4a(真空容器体)の当該中空部分に、輻射熱遮熱粒子が封入され輻射熱遮熱粒子層4bを構成した2段環状となっているものである。このような2段環状の輻射熱遮熱体は、原料ガス導入側のフランジと反応管側の配管とをOリングを介して脱着可能に固定する際に、Oリングを輻射熱から保護するための輻射熱遮熱体としても使用できる。
ところで、主として熱対流を防ぐために、従来、複数の石英ガラス板を石英ガラスブロックを介して所定面間隔で配列させた石英ガラス板構造体が知られているが、図5に示すように、石英ガラス板51と石英ガラスブロック52とからなる石英ガラス板構造体の当該石英ガラス板51の少なくとも一つを、図2Aに示すようなディスク状の輻射熱遮熱体20に代えることにより、輻射熱も遮熱できる輻射熱遮熱板構造体50となる。
本発明の図1Aの輻射熱遮熱体10は、図2Aのディスク状の輻射熱遮熱体20を片側に配するように組み合わせて使用してもよく、単純な石英ガラス板のみからなる石英ガラス板構造体と組み合わせてもよい。また、図5のような、少なくとも一つの石英ガラス板51と少なくとも一つのディスク状の輻射熱遮熱体20とを石英ガラスブロック52で隔てた輻射熱遮熱構造体50と組み合わせて使用してもよい。これにより遮熱効果を向上させることができる。
図6は、遮熱ユニットとして、本発明の輻射熱遮熱体を使用した熱処理装置の一態様である縦型熱処理装置の概略図である。この熱処理装置60は、一端に開口部を有する熱処理管61と、その開口部を閉じる蓋体62と、熱処理管61内で被熱処理材63を保持するための被熱処理材保持具64と、蓋体62が過度に加熱されることを防止するために蓋体62と被熱処理材保持具64との間に、遮熱ユニットとして図1A〜図1Fに示すような輻射熱遮熱10が設置される。図6では、図1Bの輻射熱遮熱体10とその下方に石英ガラス製の遮熱用真空バッファー体67とを組み合わせて使用している。また、熱処理管61と蓋体62との間には、ゴム材料等からなるシール部材65が配され、また、熱処理管61の外表面近傍には、被熱処理材63を加熱するための加熱手段66が設けられている。このような構成とすることにより、特に、輻射熱の影響が著しい1300℃を超える熱処理の場合でも、蓋体62やシール部材65が過度に加熱されることを防止することができる。更に、必要に応じて、輻射熱遮熱体10の周囲に蓋体62に載置するように、図4Bの環状の輻射熱遮熱体40を設置する。これによりシール部材65に対する輻射熱の影響を更に排除することができる。
また、熱処理管61の下端にはシール部材65と当接するシール部材当接部61aが備わっている。シール部材当接部61aは通常、熱処理管61と同じ素材から形成される。なお、蓋体62には、通常、熱処理管61の内部を真空排気するための排気口、熱処理雰囲気を決めるガスを導入するためのガス導入管や熱電対挿入のための開口部等が備えられる(図示せず)。
この場合、輻射熱遮熱体10の被熱処理材保持具64側に、遮熱用真空バッファー体67に代えて、図1Bの輻射熱遮熱体10を設置して、図1Bの輻射熱遮熱体10を2段に重ねて使用してもよい。更に、図2Aに示すようなディスク状の輻射熱遮熱体20を追加的に載置すれば、輻射熱をより効果的に遮熱することが可能となる(図7)。また、図5に示すような追加的に輻射熱遮熱板構造体50を用いてもよい(図8)。また、輻射熱遮熱体10に代えて、図5に示すような輻射熱遮熱板構造体50を用いてもよい(図9)。
一端に開口部を有する熱処理管61は、耐熱性材料から形成されるが、通常、石英ガラスから形成される。この熱処理管61には、下端以外にも密閉可能な扉部を必要に応じて設けてもよい。この熱処理管61においては、1200℃までの加熱処理に伴う様々な処理、被処理材63(例えばシリコンウエハ等の半導体ウエハ)の酸化処理、成膜処理、インプラテーション処理、拡散処理、アニール処理等を行うことができる。しかし、石英ガラスの場合には1100℃以上では熱損傷が激しく、寿命が短いために、これ以上の温度ではSiCが熱処理管61として採用される。いずれにしてもこうした高温が必要な装置においては、通常はシール部材65としてOリング(Oリング素材は各種ゴム素材が多く使用されており、これらの耐熱温度は100℃程度であり、高いものでも150℃程度である)などでシールされる部分の温度を高くとも150℃以下、ガス放出等を考えた場合には、更に低い温度に保ち、且つ熱処理管61を極力短くして装置を小型化するために、輻射熱の遮断が重要となる。
被熱処理材保持具64は、通常、ボートユニットとも称され、被処理材63を保持するためのものであり、従来公知の熱処理装置において用いられているものと同様のものを使用することができる。例えば、耐熱性の観点からSiC材料等から形成された天板と底板とそれらの間に設けられる複数の支柱とから構成される。各支柱には、被熱処理材を保持するための切り込み等の保持部が設けられている。
ところで、遮熱用真空容器体1aは石英ガラス製であるので、遮熱ユニットとして使用する輻射熱遮熱体10も1100℃以下の温度で使用する必要があるが、輻射熱遮熱体10を加熱される被熱処理材保持具64の近傍に配置すれば蓋体62やシール部材65の温度上昇を防止することができるだけでなく、輻射熱を反射するので、被熱処理材保持具64の輻射熱遮熱体10側端部に保持された被熱処理材63の温度降下を防止でき、結果的に、被熱処理材保持具64に保持された被熱処理材63全体の加熱状態をより均一なものとすることができる。また、輻射熱の放散を防止することができるので、輻射熱遮熱体10の熱容量との兼ね合いになるが、熱処理電力の節約も可能となる。この輻射熱の放散は、被熱処理材保持具64が800℃以上に加熱された場合に顕著となるので、そのような場合に輻射熱遮熱体10の使用効果が明白となる。特に、1200℃以上に加熱された場合に、蓋体62やシール部材65の温度上昇が顕著となるため、遮熱ユニットとしての輻射熱遮熱体10の遮熱効果が著しい。
加熱手段66としては、熱処理装置に従来より用いられている加熱手段を使用することができ、例えば、電気抵抗加熱器を好ましく使用できる。加熱手段66は、熱処理官61の外部もしくは内部または外部及び内部に設けることができる。
シール部材65としては、意図したシール機能を奏する材料であれば特に制限はないが、熱処理管61に環境影響性のあるガスを流す場合などにはカルレッツ、バイトンなどのゴム系素材で作られたOリングを使用することができる。蓋体62としては、石英ガラスの他にもステンレススチール等から形成することができる。
以上説明した図6〜図9の本発明の熱処理装置はいずれも縦型のものであるが、横型熱処理装置にも適応でき、縦型の構成に対し、当業者が通常の設計変更を行うことで対応することができる。この場合、例えば図1Dの輻射熱遮熱体10を使用することが好ましい。また、横型熱処理装置90では、熱処理管91の片端だけに開口部を設けてもよいが、通常、熱処理管91の両端に開口部を設ける。その場合には、両端の開口部に蓋体62とシール部材65とが配される。通常、このような場合、熱処理プロセスにおける雰囲気ガスを導入する導入口92側を上流、排気する排気口93側を下流と称する。なお、図示しないが、装置の構成により上流部は熱処理管そのものを加工して細管化し、加熱手段66から遠ざけたところで小径のシール部材でシールする場合もあり、この場合には上流側の遮熱ユニットを省略することもできる。
さらに縦型、横型を問わず、高温部と低温部とが存在するどのような形態の装置においても、その間に本発明の遮熱用真空容器中に輻射熱遮熱粒子を外部に露出しないように配した輻射熱遮熱体10を適宜、配置することにより断熱効果を格段に向上させることができる。従って、輻射熱遮蔽粒子層を構成する粒子として酸化性条件下では使用できない層状グラファイト粒子も使用することができる。また、遮熱用真空容器体1aは高純度化可能な石英から製造されるので、被処理体63の純度を保つことができる
本発明の輻射熱遮熱体によれば、熱処理装置での処理温度が1300℃前後と非常に高い温度領域で行われたとしても、高価な炭化硅素材料を使用せずとも、効果的に輻射熱の遮断が可能となり、かつ縦型熱処理装置自体の高さを増大させないようにできる。従って、本発明の縦型熱処理装置は、半導体用の熱処理装置として有用であり、具体的には、シリコン基板高品質化のためのAr中や水素中での熱処理、不純物の拡散、イオン注入後の活性化熱処理、シリコン等の酸化膜形成、あるいは各種半導体膜や絶縁膜、金属膜などのCVD(化学気相堆積)膜形成に有用である。また、輻射熱遮熱体の輻射熱遮熱層は粒子から構成されているので、遮熱用真空容器体が複雑な異型形状であっても、比較的容易にその内部空間に封入することができる。よって、輻射熱遮熱体の形状の自由度が飛躍的に向上するので、この結果、輻射熱の遮熱を必要とする部材の設計上の自由度も向上させることができる。
本発明の輻射熱遮熱体の概略断面図である。 本発明の別の態様の輻射熱遮熱体の概略断面図である。 本発明の別の態様の輻射熱遮熱体の概略断面図である。 本発明の別の態様の輻射熱遮熱体の概略断面図である。 本発明の別の態様の輻射熱遮熱体の概略断面図である。 本発明の別の態様の輻射熱遮熱体の概略断面図である。 本発明のディスク状の輻射熱遮熱体の概略断面図である。 本発明の別の態様のディスク状の曲面を有する輻射熱遮熱体の概略断面図である。 本発明のディスク状の曲面を有する輻射熱遮熱体の製造工程の第一工程図である。 本発明のディスク状の曲面を有する輻射熱遮熱体の製造工程の第二工程図である。 本発明のディスク状の曲面を有する輻射熱遮熱体の製造工程の第三工程図である。 本発明のディスク状の曲面を有する輻射熱遮熱体の製造工程の第四工程図である。 本発明の別の態様の輻射熱遮熱体の概略断面図である。 本発明の別の態様の輻射熱遮熱体の概略断面図である。 本発明の別の態様の輻射熱遮熱体の概略断面図である。 本発明の輻射熱遮熱板構造体の概略図である。 本発明の縦型熱処理装置の概略断面図である。 本発明の別の態様の縦型熱処理装置の概略断面図である。 本発明の別の態様の縦型熱処理装置の概略断面図である。 本発明の別の態様の縦型熱処理装置の概略断面図である。 本発明の横型熱処理装置の概略断面図である。
符号の説明
1a 真空容器体
1b 輻射熱遮熱粒子領域
1c 貫通孔
1d 石英グラスウール又はポーラスカーボン
10 輻射熱遮熱体
2a 石英ガラス板
2b 輻射熱遮熱粒子領域
20 ディスク状の輻射熱遮熱体
3a 石英ガラス皿
3b 輻射熱遮熱粒子領域
3c 排気管
3d 石英ガラス蓋
30 輻射熱遮熱体
4a 遮熱用真空容器体
4b 輻射熱遮熱粒子領域
40 管状又は環状の輻射熱遮熱体
51 石英ガラス板
52 石英ガラスブロック
60 熱処理装置
61 熱処理管
61a シール部材当接部
62 蓋体
63 被熱処理材
64 被熱処理材保持具
65 シール部材
66 加熱手段
67 遮熱用真空バッファー体

Claims (12)

  1. 石英ガラス製の真空容器体と、その内部空間に封入された輻射熱を遮熱できる粒子とからなることを特徴とする輻射熱遮熱体。
  2. 該真空容器体が、中空の円柱体である請求項1記載の輻射熱遮熱体。
  3. 該真空容器体が、中空のディスク体である請求項1記載の輻射熱遮熱体。
  4. 該真空容器体の天面と底面とを支えるためのピラーが、その内部空間内に設けられている請求項2又は3記載の輻射熱遮熱体。
  5. 該真空容器体が管体であって、その管壁の内部が中空となっている請求項1記載の輻射熱遮熱体。
  6. 該真空容器体が環体であって、その環壁の内部が中空となっている請求項1記載の輻射熱遮熱体。
  7. 輻射熱を遮熱できる該粒子が、層状のグラファイト系材料、ポーラスカーボン、金属材料又はセラミック系材料の粒子である請求項1〜5のいずれかに記載の輻射熱遮熱体。
  8. 輻射熱を遮熱できる該粒子が、柔軟性黒鉛粒子、炭化ケイ素粒子、アルミナ粒子、酸化ジルコニウム粒子又は窒化アルミニウム粒子である請求項6記載の輻射熱遮熱体。
  9. 輻射熱を遮熱できる該粒子の粒子形状が、砂状、粉状、ペレット形状、細片形状又は球状形状である請求項1〜7のいずれかに記載の輻射熱遮熱体。
  10. 該輻射熱遮熱粒子が中空体である請求項1〜8のいずれかに記載の輻射熱遮熱体。
  11. 輻射熱を遮熱できる該粒子が、該真空容器体の内部空間の上方に残存空間が生ずるように当該空容器体に封入され、且つ該粒子の移動を妨げるように、該残存空間に石英グラスウール又は耐熱性メッシュが封入されている請求項1〜9のいずれかに記載の輻射熱遮熱体。
  12. 少なくとも一端に開口部を有する熱処理管と、該開口部を閉じる蓋体と、該熱処理管内で被熱処理材を保持するための被熱処理材保持具と、該蓋体が過度に加熱されることを防止するために該蓋体と該被熱処理材保持具との間に設置される遮熱ユニットとを有する熱処理装置において、該遮熱ユニットが請求項1〜10のいずれかに記載の輻射熱遮熱体を有することを特徴とする熱処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013115312A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Stanley Electric Co Ltd 結晶成長装置
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