JP3109702B2 - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置

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JP3109702B2
JP3109702B2 JP05280086A JP28008693A JP3109702B2 JP 3109702 B2 JP3109702 B2 JP 3109702B2 JP 05280086 A JP05280086 A JP 05280086A JP 28008693 A JP28008693 A JP 28008693A JP 3109702 B2 JP3109702 B2 JP 3109702B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウエハ等の被処
理体に熱処理を施す熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の熱処理装置としては、例
えば、図5に示すような熱処理部を備えた減圧CVD装
置がある。そこで、従来の熱処理装置を図5を参照しな
がら説明する。この減圧CVD装置は、同図に示すよう
に、枠体10Aに取り付けられた基台10に垂直に配設
された加熱炉20と、この加熱炉20内に軸芯を一致さ
せて収納された石英からなる二重壁構造の反応容器30
と、この反応容器30内に対してロード及びアンロード
可能に設けられ、熱処理の対象となる被処理体、即ちウ
エハWを上下方向に所定間隔を隔てて水平に複数枚保持
する熱処理ボート40とを備え、この熱処理ボート40
を反応容器30内に軸芯を一致させて挿入し、所定の減
圧下で熱処理ボート40で保持された複数のウエハWの
表面に窒化珪素膜等の膜を同時に形成をするように構成
されている。
【0003】そして、上記反応容器30は、下端部のみ
が開口した外筒31及びこの内側に同心円状に挿入、配
置された内筒32からなる二重構造容器と、この二重構
造容器の下端に設けられたマニホールド33とを備えて
いる。このマニホールド33は、ステンレススチールか
らなり、耐熱性の弾性部材からなるOリング34を介し
て外筒31の下端のフランジ部に密着、係合している。
また、その内側から水平方向に延設された延設部33A
で内筒32を支承すると共にその下端で耐熱性の弾性部
材からなるOリング35を介して熱処理ボート40のフ
ランジと係合して反応容器30を封止して所定の減圧状
態を保持できるように構成されている。
【0004】更に、上記マニホールド33は、反応容器
30の内部を真空排気する真空ポンプ等の排気系に接続
された、マニホールド33と同材質の排気管33Bと、
この排気管33Bからマニホールド33の周方向にずれ
た位置で外部から挿入されて外筒31の内周面に沿って
上方へ屈曲形成されて窒素等の不活性ガスを反応容器3
0内に導入する、石英等の耐熱、耐食性の材料からなる
ガス導入管33C、及び外部から挿入されて内筒32の
内周面に沿って上方へ屈曲形成されて熱処理用のソース
ガス(反応性ガス)を導入する、石英等の耐熱、耐食性
の材料からなるソースガス導入管33Dとを備え、熱処
理時にソースガス導入管33Dから例えばジクロロシラ
ン、アンモニアのようなソースガスを導入するように構
成されている。また、マニホールド33の上端部のフラ
ンジ部及びその下端部の各厚肉部にはそれぞれの周方向
に沿って冷却水の通路33E、33Fが形成され、各通
路33E、33Fを流れる冷却水によって熱処理時のマ
ニホールド33を冷却して各通路33E、33F近傍の
Oリング34、35を熱劣化から防止するように構成さ
れている。
【0005】また、上記熱処理ボート40は、複数のウ
エハWを保持するように上下方向等間隔を隔てて形成さ
れた複数の溝を有するウエハ保持体41と、このウエハ
保持体41の下端部に設けられ且つ反応容器30内を外
部から断熱して内部を一定温度に保温する保温体42
と、この保温体42の下面中央に連結された磁気シール
軸43と、この磁気シール軸43に連結された磁気シー
ルユニット44が固定された蓋体例えばフランジ45と
を備え、反応容器30内に挿入された状態で磁気シール
ユニット44の磁性流体を介して回転するように構成さ
れている。
【0006】そして、上記保温体42は、石英からなる
4枚の基板42Aと、これらの基板42Aをそれぞれ上
下方向所定間隔をもって周縁部で水平に支持する、複数
支持軸等からなる支持体42Bと、この支持体42Bの
下方に配設され、内部に石英ウールが充填され且つ内部
が真空引きされた断熱体42Cと、これら囲み且つ基板
42Bと同材料によって形成された筒体42Dと、これ
らの各部材を支承する受け台42Eとから構成されてい
る。
【0007】次に、各減圧CVD装置を用いてウエハW
に窒化珪素膜を形成する場合について説明する。まず、
加熱炉20によって反応容器30内の温度を700〜8
00℃に設定すると共に、熱処理ボート40を反応容器
30内に挿入して内部をフランジ45により封止した
後、反応容器30内の空気を排気管33Bを介して排気
して所定の減圧状態にする。然る後、ソースガスとして
アンモニア、ジクロロシランをソースガス導入管33D
を介して反応容器30内に導入し、アンモニアとジクロ
ロシランとの反応による窒化珪素膜をウエハWに成膜す
る。そして、この成膜処理の終了後に、窒素等の不活性
ガスをガス導入管33Cから導入して内部のガスを不活
性ガスと置換すると共に、反応容器30内の圧力を常圧
に戻した後、熱処理ボード40をアンロードする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示した従来の減圧CVD装置の場合には、保温体42の
の断熱体42Cは断熱性能に優れている反面、断熱体4
2Cを構成する中空容器の真空引き部のシールが必ずし
も完全でないことがあり、この部分から空気がリークし
て成膜反応を阻害したり、断熱性能を低下させたりする
他、空気抜き部からひび割れを生じて断熱体42Cを損
傷するなどという課題があった。また、このような断熱
体42Cは断熱性に優れているため、マニホールド33
及び封止用のフランジの温度を100℃以下の低温に維
持してOリング34、35を熱劣化から防止できる反
面、反応容器30内のアンモニアとジクロロシラン等の
反応性ガスが副反応を起こして塩化アンモニウム等のパ
ーティクルを生成し易くなり、パーティクルに起因する
熱処理の歩留りを低下させ、特に4MDRAMのような
サブミクロンの微細加工を行なう場合にはこのようなパ
ーティクルが成膜に悪影響を及ぼすという課題があっ
た。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、熱処理時に必要な断熱効果を十分に得るこ
とができると共に熱処理容器のシール機能を損なうこと
なく安定した熱処理を行なうことができ、しかもパーテ
ィクル等の発生を防止して熱処理の歩留りを向上させる
熱処理装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の熱処理装置は、複数の被処理体を保持具により保持し
た状態で一端部が開口した熱処理容器内に挿入し、この
熱処理容器を蓋体により封止して上記被処理体に熱処理
を施す熱処理装置において、上記保持具の少なくとも一
端部を保持すると共に熱処理時に上記熱処理容器内を保
温する保温体と、この保温体を構成し且つ熱処理時の熱
線の透過を防止する熱透過防止基板と、この熱透過防止
基板を水平に支持する支持体とを備え、上記熱透過防止
基板は、熱を吸収するための気泡を内部に分散させた不
透明石英によって形成されているものである。
【0011】また、本発明の請求項2に記載の熱処理装
置は、請求項1に記載の発明において、上記熱透過防止
基板は気泡の大きさが30〜120μmで且つその密度
が1.9〜2.1g/cm 3 の高純度不透明石英により形
成されているものである。
【0012】また、本発明の請求項3に記載の熱処理装
置は、請求項1または請求項2に記載の発明において、
上記支持体は上記熱透過防止基板を支持する溝が上下方
向に所定間隔を持って複数形成された支持軸を複数本有
し、いずれか2本の支持軸は上記熱透過防止基板を着脱
可能な間隔を形成しているものである。
【0013】
【作用】本発明の請求項1に記載の発明によれば、熱処
理容器内に保持具を挿入して熱処理容器の開口を封止し
て被処理体を熱処理すると、この熱処理時には熱処理容
器内の熱線を保温体の熱透過防止基板によって熱処理容
器内の熱の透過を防止してその内部温度の低下を防止す
ると共に保温体近傍での温度上昇を抑制して保温体近傍
のシール機構の損傷を防止することによって熱処理容器
内の減圧状態を安定化し、また、熱透過防止基板自体の
熱を吸収によりその極端な温度低下を防止することによ
導入ガスに起因した反応副生成物の熱透過防止基板を
含む保温筒への付着を防止してパーティクルの発生を防
止し、更に、保温体近傍の気流を整えることができる。
【0014】また、本発明の請求項2に記載の発明によ
れば、請求項1に記載の発明において、上記熱透過防止
基板は気泡の大きさが30〜120μmで且つその密度
が1.9〜2.1g/cm 3 の高純度不透明石英により形
成されているため、熱処理後の熱透過防止基板のウェッ
ト洗浄時には内部への洗浄液の浸透を防止し繰り返し洗
浄することができ、初期の熱線防止効果を維持すること
ができる。
【0015】また、本発明の請求項3に記載の発明によ
れば、請求項1または請求項2に記載の発明において、
上記支持体は上記熱透過防止基板を支持する溝が上下方
向に所定間隔を持って複数形成された支持軸を複数本有
し、いずれか2本の支持軸は上記熱透過防止基板を着脱
可能な間隔を形成しているため、熱処理温度に応じて上
記熱透過防止基板を支持体に対して着脱することができ
【0016】
【実施例】以下、図1〜図4に示す実施例に基づいて本
発明を説明する。本実施例の熱処理装置は、図1に示す
ように、枠体10Aに取り付けられた基台10に垂直に
配設された加熱炉20と、この加熱炉20の内部に軸芯
を一致させて挿入、配置され且つ一端部が開口した熱処
理用の二重壁構造の熱処理容器(以下、「反応容器」と
称す)30と、この反応容器30内に挿入(ロード)さ
れてこの反応容器30を封止し且つ複数(例えば、10
0〜150)枚の被処理体(以下、「ウエハ」で代表す
る)Wを熱処理に供する保持具(以下、「熱処理ボー
ト」と称す)40とを備えて構成されている。そして、
この熱処理ボート40は、ウエハWの熱処理時に昇降機
構50を介して矢示方向に昇降して反応容器30内にロ
ードされ、ウエハWの熱処理後には反応容器30からア
ンロードされるように構成されている。
【0017】そして、上記加熱炉20は、上端部が閉塞
し、下端部が開口した筒状体として形成されている。即
ち、この加熱炉20は、図1に示すように、筒状体の直
胴部内面に取り付けられたコイル状の抵抗発熱体21
と、この抵抗発熱体21を保持すると共に筒状体の直胴
部及び上端部の内面全面を被覆する断熱材22と、この
断熱材22の外面全面を被覆するステンレス等からなる
シェル23とを備え、抵抗発熱体21によって反応容器
30をウエハWの熱処理に要求される温度、例えば、5
00〜1200℃の範囲で全長に亘って安定的に加熱、
制御して熱処理を行なうように構成されている。
【0018】また、上記加熱炉20内に軸芯を一致させ
て挿入、配置された反応容器30は、図1に示すよう
に、上端部が閉塞し且つ下端部が開口した石英等の耐
熱、耐食性材料によって形成された外筒31と、この外
筒31の内側に隙間を隔てて軸芯を一致させて挿入、配
置され且つ外筒31と同様の耐熱、耐食性材料によって
両端部を開口させて形成された内筒32とを備えた二重
壁構造容器として構成されている。更に、この反応容器
30は、基台10とで二重壁を構成する壁面において保
持された、ステンレス等の金属からなるマニホールド3
3を備え、このマニホールド33は、耐熱性の弾性部材
からなるOリング34を介して外筒31の下端に密着、
係合すると共にその内面から水平方向に延設された延設
部33Aで内筒32を支承するように構成されている。
【0019】更に、上記マニホールド33は、反応容器
30の内部を真空排気する真空ポンプ等の排気系に接続
するマニホールド33と同材質の排気管33Bと、この
排気管33Bから周方向にずれた位置で側部から挿入さ
れて外筒31の内周面に沿って上方へ屈曲形成されて窒
素等の不活性ガスを導入する、石英等の耐熱、耐食性の
材料からなるガス導入管33C、及び外部から挿入され
て内筒32の内周面に沿って上方へ屈曲形成されて熱処
理用のソースガスを導入する、石英等の耐熱、耐食性の
材料からなるソースガス導入管33Dとを備えている。
そして、熱処理時にソースガス導入管33Dから例えば
ジクロロシラン、アンモニアのような反応性のソースガ
スを導入し、これら両ガスの反応を介して窒化珪素膜等
の薄膜をウエハWの表面に形成するように構成されてい
る。また、マニホールド33の上端部のフランジ部及び
その下端部の各厚肉部にはそれぞれの周方向に流れる冷
却水の通路33E、33Fが形成され、これらの通路3
3E、33Fを流れる冷却水によって熱処理時に加熱さ
れたマニホールド33を冷却して各通路33E、33F
近傍のOリング34、35の熱劣化を防止するように構
成されている。このような構成によりマニホールド33
とそのフランジ部のメタル面の温度を110〜180℃
に維持することができる。そして、このような温度範囲
に維持することにより、Oリング34、35等のシール
機構の熱的劣化を防止すると共に、ソースガスの副反応
を抑制してメタル面での成膜及びパーティクルの発生な
どを抑制することができる。
【0020】上記反応容器30内にロードしあるいは反
応容器30内からアンロードされる熱処理ボート40
は、例えば、石英等の耐熱性、耐食性に優れた材料によ
って形成され且つ上下方向等間隔を隔てて形成された複
数(例えば、100〜150)の溝(図示せず)を有す
るウエハ保持体41と、このウエハ保持体41の下端に
設けられた保温体42と、この保温体42の下面中央に
連結された磁気シール軸43と、この磁気シール軸43
に連結された磁気シールユニット44が固定された、ス
テンレス等からなるフランジ45とを備え、反応容器3
0内に挿入された状態で磁気シールユニット44の磁性
流体を介して回転するように構成されている。尚、フラ
ンジ45の内面には石英等のセラミックス45Aが装着
され、熱処理時にフランジ45に反応生成物が発生しな
いようになされている。
【0021】そして、上記ウエハ保持体41は、上述の
複数の溝を有する、例えば4本のウエハ保持支柱41A
と、これら4本のウエハ保持支柱41を周方向等間隔に
配置した状態でそれぞれの上下両端を固定するように各
ウエハ保持支柱41と一体的に構成された一対の円板4
1B、41Cと、この下方の円板41Cに取り付けられ
たフランジ部を有する筒体41Dとを備え、この筒体4
1Dが保温体42の上端に嵌合して構成されている。
【0022】また、上記ウエハ保持体41と嵌合する保
温体42は、本実施例の要部をなすもので、図1に示す
ように、熱処理時の熱線の透過を防止する5枚の熱透過
防止基板42Aと、これらの熱透過防止基板42Aをそ
れぞれ上下方向所定間隔をもって周縁部で水平に支持し
且つ例えば3本の支持軸42B1(図2、図3参照)を
有する不透明石英等からなる支持体42Bと、この支持
体42Bを囲む、石英等のセラミックスからなる筒体4
2Cと、この筒体42C及び支持体42Bを支承する受
け台42Dとを備え、反応容器30内を外部から断熱す
るように構成されている。
【0023】更に、上記熱透過防止基板42Aは、例え
ば図2及び図3で一部を拡大して示すように、内部に発
泡処理を施して連続気泡あるいは独立気泡が多数分散し
た石英からなる不透明石英基板42A1と、この不透明
石英基板42A1の表面を被覆する透明石英層42A2
によってウエハWと略同形状に形成され、不透明石英基
板42A1によって熱処理時の赤外領域の波長が主成分
である熱線の透過を防止するように構成されている。そ
こで、熱透過防止基板42Aの熱透過防止性について検
討した結果、この熱透過防止基板42Aは、反応容器2
内の熱線の30〜40%を反応容器30内に反射し、7
0〜60%を内部に吸収して熱線を殆ど透過しないこと
が判った。尚、吸収された熱線により加熱された熱透過
防止基板42Aからは輻射熱が放射されるため、熱透過
防止基板42Aは複数枚所定間隔を空けて設ける必要が
ある。また、熱透過防止基板42Aの透明石英層42A
2は、この熱透過防止基板42Aをウェット洗浄した際
に不透明石英基板42A 1 気泡に洗浄液が浸透しない
ように形成されている。
【0024】そして、上記支持体42Bの3本の支持軸
42B1には、図3に示すように、熱透過防止基板42
Aの周縁部が遊嵌する溝42B2が形成され、熱透過防
止基板42Aが図2に示すように支持体42Bに対して
正面から着脱可能に構成されている。即ち、3本の支持
軸42B1は熱透過防止基板42Aの周縁部でそれぞれ
90°ずつずらした位置に順次配置され、180°隔て
た2本の支持軸42B1間(正面側)で熱透過防止基板
42Aを着脱するように構成されている。そして、この
支持体42Bは各支持軸42B1の溝42B2で図2に示
すように熱透過防止基板42Aを保持するようになって
いる。
【0025】また、この支持体42Bは図4に示すよう
に熱透過防止基板42Aと3本の支持軸42B1とを一
体的に形成されたものであってもよい。この場合、熱透
過防止基板42Aは、例えば密度2.2g/cm3の透明
石英ガラス中に直径30〜120μmの気泡が多数均等
に分散し且つその密度が0.9〜2.1g/cm3に調製
された高純度不透明石英により形成されたものが好まし
い。換言すればこの高純度不透明石英の気泡の体積割合
(気泡を含む石英の重量と密度とから換算した割合)は
4.5〜13.6%に調整されていることが好ましい。そ
の理由としては、この程度の気泡の大きさ及び気泡率で
は複数の気泡が連なって形成されることが殆どなく、し
かもウェット洗浄の際に気泡(微小空隙)に洗浄液が浸
透する虞がないからである。そして、高純度不透明石英
内の気泡の大きさが30μm未満であれば気泡での熱吸
収率が低下して熱線の透過防止が難しくなり、逆に12
0μmを超えると気泡同士が連なりウエット洗浄時に洗
浄液が浸透し易くなる虞があって好ましくない。また、
この高純度不透明石英の表面には何等の被覆処理を施さ
なくても良い。
【0026】そして、図4に示す支持体42Bを作製す
る場合には、まず熱透過防止基板42Aの表面を焼き上
げた後、その周縁部に3個の孔を設け、このような熱透
過防止基板42Aを例えば12枚準備する。次いで、石
英あるいは発泡石英からなる3本の支持軸42B1を熱
透過防止基板42Aの3箇所の孔に挿入し、12枚の熱
透過防止基板42Aを所定間隔を空けて積層し、各熱透
過防止基板42Aをそれぞれ3本の支持軸42B1に溶
接して図4に示す支持体42Bとして組み立てる。この
ようにして支持体42Bを組み立てた後、アニール処理
を施すようにする。
【0027】次に、本実施例の熱処理装置を用いてウエ
ハWに窒化珪素膜を形成する場合について説明する。ま
ず、加熱炉20によって反応容器30内の温度を700
〜800℃に設定すると共に、反応容器30内に熱処理
ボート40をロードして反応容器30内をフランジ45
で封止する。引き続いて反応容器30内の空気を排気管
33Bを介して排気して所定の減圧状態にする。然る
後、ソースガスとしてアンモニア、ジクロルシランをソ
ースガス導入管33Dを介して反応容器30内に導入す
れば、アンモニアとジクロルシランとの反応による窒化
珪素膜がウエハWの表面に成膜される。この成膜時に
は、保温体42の熱透過防止基板42Aを構成する不透
明石英基板42A1によって反応容器30内の熱線をそ
の内部へ反射すると共にそれ自体で吸収してマニホール
ド33への熱線の透過を防止し、延いては通路33E、
33Fの冷却水でマニホールド33を十分に冷却し、O
リング34、35の熱劣化を確実に防止することができ
る。そして、この成膜処理の終了後には、窒素等の不活
性ガスをガス導入管33Cから導入して内部のガスを不
活性ガスと置換してパージすると共に、反応容器30内
の圧力を常圧に戻した後、熱処理ボード40をアンロー
ドする。
【0028】以上説明したように本実施例によれば、保
温体42の熱透過防止基板42Aによって熱線が反応容
器30下端の開口部側への透過を有効に防止することに
より、反応容器30内の温度を熱処理に必要な温度に十
分に保持することができると共に、マニホールド33の
昇温を抑制して冷却水のみで十分にマニホールド33を
冷却することができ、その結果、Oリング34、35の
熱劣化を防止すると共に磁気シールユニット44からの
磁性流体の蒸発を防止し、これらの部位におけるシール
機能を損なうことなく安定した熱処理を行なうことがで
きる。また、本実施例によれば、保温体42によって過
度に断熱されることがなく、反応性ガスの副生成物であ
るパーティクルの発生を防止して熱処理の歩留りを向上
させることができる。つまり、本実施例では、単に保温
体42内に熱透過防止基板42Aを設けるという簡単な
構成で、反応容器30内を十分に保温することができる
と共に、反応容器30のシール部分を確実に保護するこ
とができる。
【0029】また、本実施例によれば、熱透過防止基板
42Aを内部に気泡が分散した高純度不透明石英によっ
て形成したため、熱処理時の熱を熱透過防止基板42A
内の気泡により吸収でき、これにより熱処理時にシール
機構をより効果的に保護することができる。また、熱透
過防止基板42Aを気泡の大きさが30〜120μmで
且つその密度が1.9〜2.1g/cm3の高純度不透明
石英により形成したため、保温体42をフッ酸などの洗
浄液によって繰り返しウェット洗浄(クリーニング)し
ても熱透過防止基板42Aが損なわれることなく初期の
熱透過防止性能を維持し、洗浄後も繰り返し使用するこ
とができる。更に本実施例によれば、支持体42Bは熱
透過防止基板42Aを支持する溝42B 2 が上下方向に
所定間隔を持って複数形成された支持軸42B 1 を3本
有し、周方向へ180゜離れた2本の支持軸42B 1
熱透過防止基板42Aを着脱可能な間隔を形成している
ため、熱処理温度に応じて熱透過防止基板42Aを支持
体42Bに対して着脱することができる。
【0030】尚、上記各実施例では、熱処理装置として
減圧CVD装置についてのみ説明したが、本発明は、上
記各実施例に何等制限されるものではなく、熱処理時に
反応容器内の熱線の透過を防止する熱透過防止基板を有
する保温体を用いた熱処理装置であれば、その他の常圧
CVD装置、酸化装置、拡散装置等の熱処理装置につい
ても広く適用することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
記載の発明によれば、熱処理容器内の温度を保温する保
温体が、熱処理時の熱線の透過を防止する熱透過防止基
板と、この熱透過防止基板を水平に支持する支持体とを
備え、上記熱透過防止基板は、熱を吸収するための気泡
を内部に分散させた不透明石英によって形成されている
ため、熱処理時に必要な断熱効果を十分に得ることがで
きると共に熱処理容器のシール機能を損なうことなく安
定した熱処理を行なうことができ、しかも熱透過防止基
板の不透明石英の分散気泡において熱を吸収して導入ガ
スに起因した反応副生成物の熱透過防止基板への付着を
防止し、ひいてはパーティクルの発生を防止して熱処理
の歩留りを向上させる熱処理装置を提供することができ
る。
【0032】また、本発明の請求項2に記載の発明によ
れば、請求項1に記載の発明において、上記熱透過防止
基板は気泡の大きさが30〜120μmで且つその密度
が1.9〜2.1g/cm 3 の高純度不透明石英により形
成されているため、熱処理時には気泡で熱吸収を行い、
熱処理後の熱透過防止基板のウェット洗浄時には内部へ
の洗浄液の浸透を防止し繰り返し洗浄することができ、
初期の熱線防止効果を維持することができる熱処理装置
を提供することができる。
【0033】また、本発明の請求項3に記載の発明によ
れば、請求項1または請求項2に記載の発明において、
上記支持体は上記熱透過防止基板を支持する溝が上下方
向に所定間隔を持って複数形成された支持軸を複数本有
し、いずれか2本の支持軸は上記熱透過防止基板を着脱
可能な間隔を形成しているため、熱処理温度に応じて上
記熱透過防止基板を支持体に対して着脱することができ
熱処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱処理装置の一実施例の要部の構成を
示す断面図である。
【図2】図1に示す熱処理装置の保温体に用いられた支
持体の水平方向の断面を示す断面図である。
【図3】図2に示す支持体で支持された状態の熱透過防
止基板の断面を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の熱処理装置の他の実施例の保温体に用
いられた支持体を示す斜視図である。
【図5】従来の熱処理装置の一実施例の要部の構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
W ウエハ(被処理体) 30 反応容器(熱処理用の容器) 40 熱処理ボート(保持具) 42 保温体 42A1 不透明石英基板 42B 支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 H01L 21/31 H01L 21/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の被処理体を保持具により保持した
    状態で一端部が開口した熱処理容器内に挿入し、この熱
    処理容器を蓋体により封止して上記被処理体に熱処理を
    施す熱処理装置において、上記保持具の少なくとも一端
    部を保持すると共に熱処理時に上記熱処理容器内を保温
    する保温体と、この保温体を構成し且つ熱処理時の熱線
    の透過を防止する熱透過防止基板と、この熱透過防止基
    板を水平に支持する支持体とを備え、上記熱透過防止基
    板は、熱を吸収するための気泡を内部に分散させた不透
    明石英によって形成されていることを特徴とする熱処理
    装置。
  2. 【請求項2】 上記熱透過防止基板気泡の大きさが3
    0〜120μmで且つその密度が1.9〜2.1g/cm
    3の高純度不透明石英により形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 【請求項3】 上記支持体は上記熱透過防止基板を支持
    する溝が上下方向に所定間隔を持って複数形成された支
    持軸を複数本有し、いずれか2本の支持軸は上記熱透過
    防止基板を着脱可能な間隔を形成していることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の熱処理装置。
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