JP2008187067A - 熱処理装置、遮熱用真空バッファー体及び遮熱板 - Google Patents

熱処理装置、遮熱用真空バッファー体及び遮熱板 Download PDF

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Shinichi Itani
新一 井澗
Yoshinari Matsumoto
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Abstract

【課題】1300℃と非常に高い温度領域でも、高価な炭化硅素材料を使用せずに、輻射熱の遮断が可能で、かつの高さを押さえた縦型熱処理装置の提供。
【解決手段】遮熱ユニットとして、石英ガラス製の遮熱用真空容器体1aと、その内部空間に封入された輻射熱遮熱部材16とからなる遮熱用真空バッファー体10,石英ガラス板に輻射熱遮熱部材が封入されている輻射熱遮熱板,及び,少なくとも一つの石英ガラス板と少なくとも一つのその輻射熱遮熱板とを所定面間隔で配列させてなる輻射熱遮熱板構造体を使用できる。熱処理装置は、遮熱ユニットとを有する。ここで、遮熱ユニットは、上述の遮熱用真空バッファー体を有する。あるいは遮熱ユニットは、輻射熱遮熱板構造体を有する。又は遮熱ユニットは、2以上の石英ガラス板を所定面間隔で配列させてなる石英ガラス板構造体と、その被熱処理材保持具側表面に載置された上述の輻射熱遮熱板とを有する。
【選択図】図1A

Description

本発明は、半導体ウエハ等の被熱処理材に対し、酸化処理、拡散処理、CVD処理、アニール処理等の加熱を伴う各種熱処理を施すための熱処理装置、それに用いる遮熱用真空バッファー体及び遮熱板に関する。
半導体素子を製造する場合、酸化工程、成膜工程、インプランテーション工程、拡散工程、アニール工程等の様々な工程において熱処理が行われている。熱処理装置としては横型のものと縦型のものとがあるが、処理コストの低減のために多数枚のウエハを一度に処理する必要性から、設置面積を小さくできる縦型熱処理装置(特許文献1、特許文献2)が広く使用されるようになっている。
特許文献1及び2に開示の縦型熱処理装置は、いずれも、ヒーターが周囲に配置され、下端に開口部を有する縦型反応管と、その開口部から縦型反応管の内部に搬入され、半導体ウエハを保持するウエハボートとから構成されている。更に、このウエハボートは、縦型反応管の開口部を密閉する蓋体に載置された遮熱ユニット上に設置されている。このような熱処理装置において遮熱ユニットを使用する理由は、以下の通りである。
ウエハボートには、300mm径の大口径半導体ウエハが一定の間隔で100枚以上搭載されている。このウエハボートと蓋体との間に遮熱ユニットを設けるのは、エネルギーの散逸を抑制して全ての半導体ウエハに対し均一な加熱処理を可能にし、また、蓋体と反応管との間の密閉性を担保しているシール部材の熱による劣化を防止し、更にシール部材からの汚染ガス発生を抑制するためである。この場合、遮熱ユニットとしては、主に対流による熱移動を抑制するために、複数の石英ガラス板をフィン状に配した遮熱フィンが用いられている。また、輻射熱による熱移動を抑制するために、その遮熱フィンを不透明石英板や炭化珪素板から構成している。特に、熱伝導による熱移動を抑制するために、石英ブロックも用いられている(特許文献2)。また、遮熱用の石英ブロックに代えて、内部を真空にした石英ガラス製容器を遮熱用真空バッファー体として用いている縦型熱処理装置も上市されている。
特開平11−97360号公報 特開2001−156005号公報
ところで、近年、半導体ウエハの熱処理の際に、1300℃前後と非常に高い温度領域で熱処理が行われる場合がある。例えば、SOI(Silicon on Insulator)ウエハの代表的制作法であるSIMOX法においては、酸素の高濃度イオン注入後に1350℃程度での熱処理が必要となっている。また、パワーデバイス用の不純物拡散処理プロセスにおいては、プロセス時間の短縮のために1200℃以上の加熱が必要されている。更に、COD(Crystal originated Defects)を処理するために、LSIの製造プロセスに投入する前の半導体ウエハ段階で1200℃以上の熱処理が要求されている。
半導体ウエハのこのような高温での熱処理においては、対流や伝導による熱移動よりも輻射による熱移動の比重が相対的に大きくなる。このため、従来は複数の不透明石英ガラス板を所定面間隔で配列してなる石英ガラス板構造体を遮熱ユニットとして用いていたが、不透明石英ガラス板よりも高価な炭化硅素板を用いて構成しなければならず、しかも、蓋体のシール部材への熱移動を避けるために、炭化硅素板の数を多くし且つヒーターから蓋体までの距離を大きくすることが必要となっていた。このため、縦型熱処理装置の全体の高さが増大し、縦型熱処理装置自体がクリーンルームに収まらない場合も生じかねない状況となっていた。また、熱処理装置を縦型ではなく横型とした場合には、熱処理装置の設置面積の増大という問題も生じていた。
本発明は、以上の従来技術の課題を解決しようとするものであり、熱処理装置での処理温度が1300℃前後と非常に高い温度領域で行われたとしても、高価な炭化硅素材料を使用せずに、効果的な輻射熱の遮断が可能となり、かつ熱処理装置自体の大きさ(高さもしくは底面積)を増大させないようにすることができる遮熱ユニット、そのような遮熱ユニットを使用した熱処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、半導体ウエハ等の被熱処理材の従来の熱処理装置の遮熱ユニットを構成する遮熱用真空バッファー体や遮熱板に注目し、それらに良好な輻射熱の遮熱能を付与するためには、それらの内部に輻射熱を遮熱もしくは反射できるような輻射熱遮熱部材を封入することで解決でき、しかもその輻射熱遮熱部材として、層状のグラファイト系材料、金属材料あるいはセラミックス材料を使用できることを見出し、本発明を完成させた。中でも、従来、ウエハに対する汚染の問題により使用できなかった炭素材料、好ましくは6角網状積層構造で光沢を有し、輻射熱の遮断性に優れている層状グラファイト、特に柔軟性黒鉛シートを好ましく使用できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、石英ガラス製の真空容器体と、その内部空間に封入された輻射熱遮熱部材とからなることを特徴とする遮熱用真空バッファー体; 石英ガラス板に輻射熱遮熱部材が封入されていることを特徴とする輻射熱遮熱板; 及び、少なくとも一つの石英ガラス板と少なくとも一つの前述の輻射熱遮熱板とを所定面間隔で配列させてなる輻射熱遮熱板構造体を提供する。
更に、本発明は、少なくとも一端に開口部を有する熱処理管と、該開口部を閉じる蓋体と、該熱処理管内で被熱処理材を保持するための被熱処理材保持具と、該蓋体が過度に加熱されることを防止するために該蓋体と該被熱処理材保持具との間に設置される遮熱ユニットとを有する熱処理装置において:
該遮熱ユニットが上述の遮熱用真空バッファー体を有することを特徴とする熱処理装置;
該遮熱ユニットが、少なくとも一つの石英ガラス板と少なくとも一つの上述の輻射熱遮熱板とを所定面間隔で配列させてなる輻射熱遮熱板構造体であることを特徴とする熱処理装置; 又は
該遮熱ユニットが、2以上の石英ガラス板を所定面間隔で配列させてなる石英ガラス板構造体と、その被熱処理材保持具側表面に載置された上述の輻射熱遮熱板とを有することを特徴とする熱処理装置
を提供する。
本発明の遮熱用真空バッファー体は、石英ガラス製の遮熱用の真空容器体の内部空間に輻射熱遮熱部材が封入されている。また、輻射熱遮熱板は、石英ガラス板に輻射熱遮熱部材が封入されている。従って、これらは、輻射熱を効果的に遮熱若しくは反射するという特性を有する。特に、輻射熱遮熱部材として、層状グラファイト、特に柔軟性黒鉛シートを使用した場合であっても、層状グラファイトが石英ガラス板中又は石英ガラス製の真空容器内に封入されるので、汚染という問題から開放される。また、層状グラファイトは、輻射熱遮断性に優れているので、高価な炭化硅素の使用を抑制でき、遮熱板の使用枚数を減ずることができ、しかも遮熱ユニットの大きさ自体を小さくことができる。
本発明の熱処理装置の一態様について、図面を参照しながら説明する。なお、図において同じ符号・番号は同一・同種の構成要素を示している。
本発明の遮熱用真空バッファー体10の一例の断面図を図1Aに示す。この本発明の遮熱用真空バッファー体10は、熱伝導性が低い石英ガラス製の真空容器体1aと、その内部空間に封入された輻射熱遮熱部材1bとから構成されている。
一般に、石英ガラス製の真空容器体1a自体が真空という特性によって熱伝導や対流による熱の移動を妨げる点で優れていることは公知であるが、輻射熱の遮断性については期待できないことも公知である。このため、本発明では、真空容器体1aの内部に輻射熱遮断部材1bを封入して遮熱用真空バッファー体10を構成する。これにより、輻射熱の遮断性を向上させることができる。
輻射熱遮熱部材1bとしては、層状のグラファイト系材料、金属材料又はセラミック系材料を挙げることができる。
層状グラファイトは、炭素原子の六角網状構造の積層結晶体であり、その特異な構造のために、面方向と厚さ方向とでは異なる性質を示す。面方向では、アルミニウムと同等の熱導電性と優れた寸法安定性を示し、厚さ方向では無荷重の場合に面方向の約1/30の熱伝導性と弾性とを示す。このような層状グラファイトとしては、一般にパイログラファイトと称される素材や、米国Graftech社の柔軟性黒鉛シート(商品名、GRAFOIL)等を好ましく使用することができる。後者は、金属様の表面光沢を示し、輻射熱の反射能が高く、エミッシビティが815℃から2480℃の間での平均値として0.5と高いものであるので、特に好ましく使用できる。なお、遮熱ユニットは1200℃以下で使うものであるが、800℃から1200℃でエミッシビティが0.4以上のものが好ましい。
金属材料としては、エミッシビティの点から、高融点のタングステン、モリブデン、チタン、ニッケルなどの金属のフィルム、シートまたは板を挙げることができる。また、熱処理温度が低い場合、例えば、550℃以下の場合には、アルミニウム等の低融点金属材料も使用することができる。金属材料の場合には、一般に、層状グラファイトのような熱伝導特性の異方性が期待できないが、複数枚の金属箔を、隙間を空けて重ねることにより、熱伝導特性の異方性を実現することができる。なお、複数枚の金属箔を、隙間を空けて重ねる方法としては、金属箔を波板状に成形し、それらを隙間が開くように重ねるという方法が挙げられる。また、セラミック材料としては、SiC、不透明Al、Si等を挙げることができるが、これらは一般にエミッシビティが低いので前述の金属材料を表面に蒸着させておくことが好ましい。
図1Aに示すように、遮熱用真空バッファー体10の真空容器体1aは、通常、略円筒状の内部空間を有しており、その内部空間上面に輻射熱遮熱部材1bが配されている。また、図1Bに示すように、下面に輻射熱遮熱部材1bを配してもよく、図1Cに示す様に、その内部空間上下面のそれぞれに輻射熱遮熱部材1bを配してもよい。また、熱電対を挿入するような場合には、図1Dに示すように、輻射熱遮熱部材1bを真空容器体1aの内部空間の上下面の中央部を除いた部分に配してもよい。この場合、真空容器体1aの中央部には、ロッド(図示せず)が貫通できるような貫通孔1cを設けてよい。また、図1Eに示すように、輻射熱遮熱部材1bを真空容器体1aの内部空間の上下面の中央部のみに配するようにしても、熱遮断の効果が得られる。
輻射熱遮熱部材1bを真空容器体1aの内部空間に封入保持する方法としては、例えば、開口部が存在する石英ガラス容器であって、必要によりその内面に突起となるように石英ガラス製ピースP(図1A等参照)が溶着している石英ガラス容器に、輻射熱遮熱部材1bを入れ、石英ガラス蓋で被せ、石英ガラス容器と石英ガラス蓋とを溶接し、石英ガラス容器に別途設けておいた真空排気管から内部空間を真空に排気した後に真空排気管を常法により封じる方法が挙げられる。
また、真空容器体1aの内部空間の輻射熱遮熱部材1b以外の残存空間に、石英グラスウール又はポーラスカーボン1dを入れてもよい(図1F)。この場合、遮熱用真空バッファー体10は、その輻射熱遮熱部材1bが高温側に位置するように、他方、低温側に石英グラスウール又はポーラスカーボン1dが位置するように使用することが好ましい。このように石英グラスウール又はポーラスカーボン1dを併用することにより、加熱された輻射熱遮熱部材1bからの輻射を防止でき、より高い断熱効果を奏することができる。石英グラスウール又はポーラスカーボン1dとしては、市販の材料を使用することができる。
ところで、図1Aの遮熱用真空バッファー体10は、その内部空間体積を実質的にゼロとした場合、図2Aに示すように、石英ガラス板2aに前述の輻射熱遮熱部材1bと同様の輻射熱遮熱部材2bが封入されている輻射熱遮熱板20となる。このような輻射熱遮熱板20は、真空空間を持たないため、遮熱用真空バッファー体10よりは熱伝導抑止効果は劣るが、輻射熱遮熱部材2bを有するために輻射熱遮熱効果は遮熱用真空バッファー体10に匹敵するものがある。また、図2Bに示すように、曲面を有する輻射熱遮熱板20としてもよい。このように曲面を有する輻射熱遮熱板20は、反射した輻射熱を狭い範囲に集熱することが可能となるので、加熱すべき対象の被熱処理材の温度低下を抑制することが可能となる。
このような曲面を有する輻射熱遮熱板20は、以下に説明するように製造することができる。
まず、曲面を有する石英ガラス皿3aを用意する(図3A)。次に、その石英ガラス皿3aに、輻射熱遮熱部材3b(例えば、層状グラファイト、金属蒸着層など)を入れもしくは成膜する(図3B)。そして、別途用意した、排気管3cが設けられた石英ガラス蓋3dを石英ガラス皿3aに被せ、それらが重なった外周を酸水素炎により溶着する(図3C)。次に、排気管3cに真空ポンプをつなぎ、真空引きしながら石英ガラス蓋3dを酸水素炎で加熱する。石英ガラス蓋3dを、石英ガラス皿3aの曲面に沿うように変形させ、酸水素炎で排気部3cを封じる。これにより図3Dに示すような輻射熱遮熱板30が得られる。
ところで、主として熱対流を防ぐために、従来、複数の石英ガラス板を石英ガラスブロックを介して所定面間隔で配列させた石英ガラス板構造体が知られているが、図4に示すように、石英ガラス板41と石英ガラスブロック42とからなる石英ガラス板構造体の当該石英ガラス板41の少なくとも一つを本発明の輻射熱遮熱板20に代えることにより、輻射熱も遮熱できる輻射熱遮熱板構造体40となる。なお、後述の図6の遮熱用真空バッファー体10に代えて、2以上の石英ガラス板を所定面間隔で配列させた石英ガラス板構造体を使用してもよい。
本発明の遮熱用真空バッファー体10は、図2Aの輻射熱遮熱板20を片側に配するように組み合わせて使用してもよく、単純な石英ガラス板のみからなる石英ガラス板構造体と組み合わせてもよい。また、図4のように、少なくとも一つの石英ガラス板41と少なくとも一つの輻射熱遮熱板20とを石英ガラスブロック42で隔てた輻射熱遮熱板構造体40と組み合わせて使用してもよい。これにより遮熱効果を向上させることができる。
図5は、本発明の遮熱用真空バッファー体10を使用した熱処理装置の一態様である縦型熱処理装置の概略図である。この熱処理装置50は、一端に開口部を有する熱処理管51と、その開口部を閉じる蓋体52と、熱処理管31内で被熱処理材53を保持するための被熱処理材保持具54とから構成される。蓋体52が過度に加熱されることを防止するために、蓋体52と被熱処理材保持具54との間に、遮熱ユニットとして図1A〜図1Fに示すような遮熱用真空バッファー体10が設置される。また、熱処理管51と蓋体52との間には、ゴム材料等からなるシール部材55が配され、また、熱処理管51の外表面近傍には、被熱処理材53を加熱するための加熱手段56が設けられている。このような構成とすることにより、特に、輻射熱の影響が著しい1300℃を超える熱処理の場合でも、蓋体52やシール部材55が過度に加熱されることを防止することができる。
また、熱処理管51の下端にはシール部材55と当接するシール部材当接部51aが備わっている。シール部材当接部51aは通常、熱処理管51と同じ素材から形成される。なお、蓋体52には、通常、熱処理管51の内部を真空排気するための排気口、熱処理雰囲気を決めるガスを導入するためのガス導入管や熱電対挿入のための開口部等が備えられる(図示せず)。
この場合、遮熱用真空バッファー体10の被熱処理材保持具54側に、図2Aに示すような輻射熱遮熱板20を追加的に載置すれば(図6)、輻射熱をより効果的に遮熱することが可能となる。また、図4に示すように追加的に輻射熱遮熱板構造体40を用いてもよい(図7)。また、遮熱用真空バッファー体10に代えて、図4に示すような輻射熱遮熱板構造体40を用いてもよい(図8)。
一端に開口部を有する熱処理管51は、耐熱性材料から形成される。その耐熱性材料としては、通常、石英ガラスが用いられる。この熱処理管51には、下端以外にも密閉可能な扉部を必要に応じて設けてもよい。この熱処理管51においては、1200℃までの加熱処理に伴う様々な処理、被熱処理材53(例えばシリコンウエハ等の半導体ウエハ)の酸化処理、成膜処理、インプラテーション処理、拡散処理、アニール処理等を行うことができる。しかし、石英ガラスの場合には1100℃以上では熱損傷が激しく、寿命が短いために、これ以上の温度ではSiCが熱処理管51として採用される。いずれにしてもこうした高温が必要な装置におっては通常はOリング(Oリング素材は各種ゴム素材が多く使用されており、これらの耐熱温度は100℃程度であり、高いものでも150℃程度である)などでシールされるシール部材55の温度を高くとも150℃以下、ガス放出等を考えた場合には、更に低い温度に保ち、且つ熱処理管51を極力短くして装置を小型化するために、輻射熱の遮断が重要となる。
被熱処理材保持具54は、通常、ボートユニットとも称され、被熱処理材53を保持するためのものであり、従来公知の熱処理装置において用いられているものと同様のものを使用することができる。例えば、耐熱性の観点からSiC材料等から形成された天板と底板とそれらの間に設けられる複数の支柱とから構成される。各支柱には、被熱処理材53を保持するための切り込み等の保持部が設けられている。
ところで、真空容器体1aは石英ガラス製であるので、遮熱ユニットとして使用する遮熱用真空バッファー体10も1100℃以下の温度で使用する必要があるが、遮熱用真空バッファー体10を加熱される被熱処理材保持具54の近傍に配置すれば蓋体52やシール部材55の温度上昇を防止することができるだけでなく、輻射熱を反射するので、被熱処理材保持具54の遮熱用真空バッファー体10側端部に保持された被熱処理材53の温度下降を防止でき、結果的に、被熱処理材保持具54に保持された被熱処理材53全体の加熱状態をより均一なものとすることができる。また、輻射熱の放散を防止することができるので、遮熱用真空バッファー体10の熱容量との兼ね合いになるが、熱処理電力の節約も可能となる。この輻射熱の放散は、被熱処理材保持具54が800℃以上に加熱された場合に顕著となるので、そのような場合に遮熱用真空バッファー体10の使用効果が明白となる。特に、1200℃以上に加熱された場合に、蓋体52やシール部材55の温度上昇が顕著となるため、遮熱ユニットとしての遮熱用真空バッファー体10の遮熱効果が著しい。
加熱手段56としては、熱処理装置に従来より用いられている加熱手段を使用することができ、例えば、電気抵抗加熱器を好ましく使用できる。加熱手段56は、熱処理管51の外部もしくは内部または外部及び内部に設けることができる。
シール部材55としては、意図したシール機能を奏する材料であれば特に制限はないが、熱処理管51に環境影響性のあるガスを流す場合などにはカルレッツ、バイトンなどのゴム系素材で作られたOリングを使用することができる。蓋体52としては、石英ガラスの他にもステンレススチール等から形成することができる。
以上説明した図5〜図8の本発明の熱処理装置はいずれも縦型のものであるが、縦型の構成に対し、当業者が通常の設計変更を行うことで、横型熱処理装置にも対応することができる。図9に示すように、横型熱処理装置90では、熱処理管91の片端だけに開口部を設けてもよいが、通常、熱処理管91の両端に開口部を設ける。その場合には、両端の開口部に蓋体52とシール部材55とが配される。通常、このような場合、熱処理プロセスにおける雰囲気ガスを導入する導入口92側を上流、排気する排気口93側を下流と称する。なお、図示しないが、装置の構成により上流部は熱処理管そのものを加工して細管化し、加熱手段56から遠ざけたところで小径のシール部材でシールする場合もあり、この場合には上流側の遮熱ユニットを省略することもできる。
さらに縦型、横型を問わず、高温部と低温部とが存在するどのような形態の装置においても、その間に本発明の真空容器中に輻射熱遮蔽部材を外部に露出しないように配した遮熱用真空バッファー体10を適宜、配置することにより断熱効果を格段に向上させることができる。従って、輻射熱遮蔽部材として酸化性条件下では使用できない層状グラファイトも使用することができる。また、真空容器体1aは高純度化可能な石英ガラスから製造されるので、被熱処理体53の純度を保つことができる
本発明によれば、熱処理装置での処理温度が1300℃前後と非常に高い温度領域で行われたとしても、高価な炭化硅素材料を使用せずに、効果的な輻射熱の遮断が可能となり、かつ縦型熱処理装置自体の高さを増大させないようにできる。従って、本発明の縦型熱処理装置は、半導体用の熱処理装置として有用であり、具体的には、シリコン基板高品質化のためのAr中や水素中での熱処理、不純物の拡散、イオン注入後の活性化熱処理、シリコン等の酸化膜形成、あるいは各種半導体膜や絶縁膜、金属膜などのCVD(化学気相堆積)膜形成に有用である。
本発明の遮熱用真空バッファー体の概略断面図である。 本発明の別の態様の遮熱用真空バッファー体の概略断面図である。 本発明の別の態様の遮熱用真空バッファー体の概略断面図である。 本発明の別の態様の遮熱用真空バッファー体の概略断面図である。 本発明の別の態様の遮熱用真空バッファー体の概略断面図である。 本発明の別の態様の遮熱用真空バッファー体の概略断面図である。 本発明の輻射熱遮熱板の概略断面図である。 本発明の別の態様の輻射熱遮熱板の概略断面図である。 本発明の輻射熱遮熱板の製造工程の第一工程図である。 本発明の輻射熱遮熱板の製造工程の第二工程図である。 本発明の輻射熱遮熱板の製造工程の第三工程図である。 本発明の輻射熱遮熱板の製造工程の第四工程図である。 輻射熱遮熱板構造体の概略図である。 本発明の縦型熱処理装置の概略断面図である。 本発明の別の態様の縦型熱処理装置の概略断面図である。 本発明の別の態様の縦型熱処理装置の概略断面図である。 本発明の別の態様の縦型熱処理装置の概略断面図である。 本発明の横型熱処理装置の概略断面図である。
符号の説明
1a 真空容器体
1b 輻射熱遮熱部材
1c 貫通孔
1d 石英グラスウール又はポーラスカーボン
10 遮熱用真空バッファー体
2a 石英ガラス板
2b 輻射熱遮熱部材
20 輻射熱遮熱板
3a 石英ガラス皿
3b 輻射熱遮熱部材
3c 排気管
3d 石英ガラス蓋
30 輻射熱遮熱板
40 輻射熱遮熱板構造体
41 石英ガラス板
42 石英ガラスブロック
50 熱処理装置
51 熱処理管
51a シール部材当接部
52 蓋体
53 被熱処理材
54 被熱処理材保持具
55 シール部材
56 加熱手段
90 横型熱処理装置
91 熱処理管
92 導入口
93 排気口
P 石英ガラス製ピース

Claims (12)

  1. 石英ガラス製の真空容器体と、その内部空間に封入された輻射熱遮熱部材とからなることを特徴とする遮熱用真空バッファー体。
  2. 該輻射熱遮熱部材が、層状のグラファイト系材料である請求項1記載の遮熱用真空バッファー体。
  3. 該層状のグラファイト系材料が、柔軟性黒鉛シートである請求項2記載の遮熱用真空バッファー体。
  4. 該内部空間の輻射熱遮熱部材以外の残存空間に、石英グラスウール又はポーラスカーボンが充填されている請求項1〜3のいずれかに記載の遮熱用真空バッファー体。
  5. 石英ガラス板に輻射熱遮熱部材が封入されていることを特徴とする輻射熱遮熱板。
  6. 該輻射熱遮熱部材が、層状のグラファイト系材料である請求項5記載の輻射熱遮熱板。
  7. 該層状のグラファイト系材料が、柔軟性黒鉛シートである請求項6記載の輻射熱遮熱板。
  8. 少なくとも一つの石英ガラス板と少なくとも一つの請求項5〜7のいずれかに記載の輻射熱遮熱板とが所定面間隔で配列されてなる輻射熱遮熱板構造体。
  9. 少なくとも一端に開口部を有する熱処理管と、該開口部を閉じる蓋体と、該熱処理管内で被熱処理材を保持するための被熱処理材保持具と、該蓋体が過度に加熱されることを防止するために該蓋体と該被熱処理材保持具との間に設置される遮熱ユニットとを有する熱処理装置において、該遮熱ユニットが請求項1〜4のいずれかに記載の遮熱用真空バッファー体を有することを特徴とする熱処理装置。
  10. 該遮熱ユニットが、遮熱用真空バッファー体の被熱処理材保持具側に配された請求項5〜7のいずれかに記載の輻射熱遮熱板または請求項8の輻射熱遮熱板構造体を有する請求項9に記載の熱処理装置。
  11. 少なくとも一端に開口部を有する熱処理管と、該開口部を閉じる蓋体と、該熱処理管内で被熱処理材を保持するための被熱処理材保持具と、該蓋体が過度に加熱されることを防止するために該蓋体と該被熱処理材保持具との間に設置される遮熱ユニットとを有する熱処理装置において、該遮熱ユニットが請求項8記載の輻射熱遮熱板構造体であることを特徴とする熱処理装置。
  12. 少なくとも一端に開口部を有する熱処理管と、該開口部を閉じる蓋体と、該熱処理管内で被熱処理材を保持するための被熱処理材保持具と、該蓋体が過度に加熱されることを防止するために該蓋体と該被熱処理材保持具との間に設置される遮熱ユニットとを有する熱処理装置において、該遮熱ユニットが、2以上の石英ガラス板が所定面間隔で配列されてなる石英ガラス板構造体と、その被熱処理材保持具側表面に載置された請求項5〜7のいずれかに記載の輻射熱遮熱板とを有することを特徴とする熱処理装置。
JP2007020347A 2007-01-31 2007-01-31 熱処理装置、遮熱用真空バッファー体及び遮熱板 Pending JP2008187067A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013040085A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Sumitomo Electric Ind Ltd 加熱炉
JP2016054213A (ja) * 2014-09-03 2016-04-14 東京エレクトロン株式会社 磁気アニール装置

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