JP2006083286A - 硬化剤組成物、及びその使用 - Google Patents

硬化剤組成物、及びその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】 環境への影響の少ない液状の分散剤に固体の有機過酸化物を分散させた硬化剤組成物であって、流動性と組成物の分散安定性に優れるものを提供する。
【解決手段】 本発明の硬化剤組成物は、平均粒子径30〜400μmの微粒子状の有機過酸化物を、分散剤として液状の脂肪族エステル中に分散したスラリー状の硬化剤組成物であり、この分散剤に対する前記微粒子状の有機過酸化物の溶解度が0.5〜5重量%であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂の硬化に際して用いられ、流動性並びに分散安定性が優れているために、品質の安定、生産性の向上等を図ることができる硬化剤組成物、及びその使用に関する。
従来より、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂は、硬化剤、必要に応じて、低収縮剤、ガラス繊維、充填剤、増粘剤、離型剤、禁止剤、着色剤などを混合した後、圧縮成形、トランスファー成形、射出圧縮成形などの各種機械成形法により硬化・成形され、住宅関連機器、浄化槽、自動車部品、電気部品から外装材など広範囲の工業的な用途分野に亘って使用されている。
これらの熱硬化性樹脂の硬化に際しては、硬化剤として各種の有機過酸化物が使用されているが、その使用目的や使用温度等に応じて適宜に選択、区分されて用いられている。また、低温、常温域においては脂肪酸コバルトや芳香族アミン等の硬化促進剤と併用されることもある。
尤も、熱硬化性樹脂の多くの態様の成形、硬化に際し、硬化剤には流動性を有する液状であることが求められ、粉体状、顆粒状の硬化剤は適用できないことが多いという現状がある。例えば粘度の高い熱硬化性樹脂中に顆粒状の硬化剤を加える場合、撹拌効率が悪く容易に混合できないため、均一な混合状態を得るための作業が必要となり、作業性も悪くなる。
そこで、粉体状、顆粒状の硬化剤を液状の分散剤に分散させてなるスラリー状の硬化剤組成物が提案され、危険性を和らげる面からも有効である。例えば特許文献1などには、長期保管を要求される用途に好適な硬化剤組成物として、液状の分散剤に対する有機過酸化物の溶解度が0.4%以下となる硬化剤組成物が開示されている。言い換えれば選定した有機過酸化物に対して、その溶解度が0.4%以下となるような分散剤を選定して用いるものである。また、そこへ粉体の炭酸カルシウム等の無機物を希釈剤として含ませることも開示されている。尚、この特許文献1において殆ど全ての有機過酸化物に対して使用できる分散剤として、流動パラフィン、シリコーンオイル、水等が記載されている。
これに対し、有機過酸化物(例えば過酸化ベンゾイル)をジ-t-ブチルフタレートに分散して希釈剤を配合した硬化剤組成物では、溶解度が0.7%程度になるのであるが、経時的に分解を生ずることが判明している。
特開2000−291399号公報(第4頁)
しかしながら、前記特許文献1に開示された方法では、分散剤に対する有機過酸化物の溶解度が低い程、分散剤と有機過酸化物との親和性が乏しいため、組成物中における有機過酸化物の分散安定性が十分得られなかった。即ち同文献には、実施例として1ヶ月後の有機過酸化物の濃度の変化がないことを以て、有機過酸化物が分解しておらず保存安定性が優れているとしているが、実際のところは短期間で上部に分離層が確認されており、安定な分散状態が得られていないものであった。
また、貯蔵温度の変動による2層分離の問題や、選択した分散剤の種類によっては硬化速度や得られる硬化物の物性への不都合な問題を生じることもしばしばあった。
さらに、有機過酸化物を分散させる分散剤が、前記ジ-t-ブチルフタレートのようなフタル酸エステル類、或いは芳香族炭化水素類の場合、環境ホルモン、低揮発性化合物といった環境や人への影響が大きいため、安全面にも考慮した硬化剤組成物が望まれていた。
そこで、本発明は、流動性と分散安定性に優れ、貯蔵温度の変動による2層分離の問題、或いは熱硬化性樹脂の硬化に使用する際に、硬化速度や得られる樹脂成形物の物性への不都合な問題を生ずることもなく、さらには環境への影響の少ない分散剤を用いた硬化剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記問題点に鑑み鋭意検討した結果、特定の形態を有する微粒子状の有機過酸化物と、該微粒子状の有機過酸化物の溶解度が特定の範囲となる分散剤として液状の脂肪族エステルとを組み合わせたスラリー状の硬化剤組成物とすることにより、流動性と分散安定性の両方が優れることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の第1の発明は、平均粒子径30〜400μmの微粒子状の有機過酸化物を、分散剤として液状の脂肪族エステル中に分散したスラリー状の硬化剤組成物であり、この分散剤に対する前記微粒子状の有機過酸化物の溶解度が0.5〜5重量%であることを特徴とする硬化剤組成物を提案するものである。尚、本発明における分散剤とは、分散媒と溶媒とを兼ねる用語として用いた。
また、本発明の第2の発明は、前記の基本の組成(第1の発明の硬化剤組成物)に、さらに粉体状の金属石鹸を希釈剤として含むことを特徴とする硬化剤組成物である。
さらに、本発明の第3の発明は、微粒子状の有機過酸化物がアルキルパーオキシマレイン酸であることを特徴とする第1及び2の発明に記載の硬化物組成物である。
また、本発明の第4の発明は、熱硬化性樹脂を硬化・成形するための第1〜3の発明に記載の硬化剤組成物の使用である。
本発明の第1の発明の硬化剤組成物は、特定の微粒子状の有機過酸化物を、その溶解度が特定の範囲となる液状の脂肪族エステル中に分散させたスラリー状であり、流動性と分散安定性が優れている。そのため、熱硬化性樹脂に配合して硬化させる際、その計量を容易かつ正確に実施できる。また、前記従来の硬化剤組成物のように、貯蔵温度の変動による2層分離の問題を生ずることもなく、熱硬化性樹脂を硬化、成形して樹脂成形物を製造する際に、硬化速度や得られる樹脂成形物の物性への不都合な問題を生ずることもなく、さらには環境への影響も少ないものである。
本発明の第2の発明は、希釈剤として粉体状の金属石鹸を含ませたので、物理的な効果としては微粉末状の有機過酸化物中に粒径の大きな粒子が混在した場合などには有機過酸化物の沈降を防止効果を期待できると共に、化学的な効果として熱硬化性樹脂の硬化時における硬化速度を向上でき、樹脂成形物の生産性をより向上できる。
本発明の第3の発明は、微粉末状の有機過酸化物がアルキルパーオキシマレイン酸であるため、熱硬化性樹脂を硬化する際、常温での硬化が可能で、樹脂成形物の生産性を向上できる。
本発明の第4の発明は、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を硬化・成形するための前記硬化剤組成物の使用を提案するものであって、前述のように流動性及び分散安定性に優れているため、その計量を容易かつ正確に実施でき、自動計量の実現が図られ、硬化反応も極めて均一に実施でき、さらには均質な硬化物を得ることができる。
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明の第1〜第3の発明である硬化剤組成物は、前述のように微粒子状の有機過酸化物を分散させている。
この有機過酸化物は、使用条件において微粒子状、即ち固体であれば特に限定されるものではなく、例えばジクミルパーオキサイド、α,α'-ビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化ステロイル、過酸化ラウロイル、t-ブチルパーオキシマレイン酸(BMA)、t-ヘキシルパーオキシマレイン酸、コハク酸パーオキサイド、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシカーボネート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン等が用いられる。尚、後述する実施例に用いた化合物は、化合物名の後に略号を併記した。他の化合物の例示の際にも同様である。
これらの中では、分散物の流動性や分散安定性の点からt-ブチルパーオキシマレイン酸(BMA)などのアルキルパーオキシマレイン酸及び過酸化ベンゾイル(BPO)が好ましく、さらには前記第3の発明のように、常温での硬化が可能で、熱硬化性樹脂の硬化、成形(樹脂成形物の生産性)を向上できるアルキルパーオキシマレイン酸を用いることが特に好ましい。
前記微粒子状の有機過酸化物の平均粒子径は30〜400μm、好ましくは60〜200μm、より好ましくは80〜150μmである。平均粒子径が30μm未満では増粘作用が表われるため硬化剤組成物としての流動性が著しく低下し、400μmを超えると沈降作用が表われるため硬化剤組成物としての分散安定性が悪化し易い。
この微粒子状の有機過酸化物の含有量は特に限定するものではないが、硬化剤組成物中、通常15〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。その含有量が15重量%未満では貯蔵安定性が低下する傾向にあり、50重量%を越える場合には硬化剤組成物の流動性が著しく低下する傾向にある。
また、本発明の第1〜第3の発明である硬化剤組成物では、分散剤として、前述のように液状の脂肪族エステルを用いている。
この脂肪族エステルは、使用条件において液状であれば特に限定されるものではなく、例えばアセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、アセチルクエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール化脂肪族アルコール、ポリプロピレン化脂肪族アルコール、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、シュウ酸ジエチル、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチレート、アジピン酸イソノニル、アジピン酸ジイソノニル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル(DBS)、ジブチルジグリコールアジペート、アゼライン酸ジオクチル、アセト酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸シクロヘキシル、カプロン酸エチル、カプリン酸エチル、カプリル酸エチルペンチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジオクチル、フマル酸ジオクチルなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記分散剤、即ち液状の脂肪酸エステルは、好ましくは環境ホルモンとしての特性がない上に揮発性が低い化合物であり、同時に微粒子状の有機過酸化物の溶解度が通常0.5〜5重量%、好ましくは0.6〜3重量%となるものである。その溶解度が0.5重量%未満では組成物の分散安定性が低下し、5重量%を越えると有機過酸化物そのものが劣化するため経時安定性が低下する。
この分散剤の含有量は特に限定するものではないが、硬化剤組成物中、通常50〜85重量%、好ましくは55〜80重量%である。その含有量が50重量%未満では硬化剤組成物の流動性が著しく低下する傾向にあり、85重量%を越える場合には貯蔵安定性が低下する傾向にある。
このように本発明の硬化剤組成物は、特定の微粒子状の有機過酸化物を、その溶解度が特定の範囲となる液状の脂肪族エステル中に分散させたものであって、例えば特定の微粒子状の有機過酸化物を、前記従来の硬化剤組成物における分散剤である流動パラフィン、シリコーンオイル、水、或いはジ-t-ブチルフタレートなどに分散させても、前述の所定の効果は得られない。また、液状の脂肪族エステル中に、平均粒子径が30μm未満の細か過ぎる微細粒子状の有機過酸化物、或いは平均粒子径が400μmを超えるような大き過ぎる粒子状の有機過酸化物を分散させても、前述のように増粘作用、沈降作用が表出して所定の効果は得られない。
また、本発明の硬化剤組成物中には、熱硬化性樹脂の硬化時における硬化速度の向上や生産性の向上という観点から、前記第2の発明のように、さらに粉体状の金属石鹸を希釈剤として含ませてもよい。
前記特許文献1では、有機過酸化物の沈降を防止する目的で炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、珪砂、ガラスマイクロバルーン等の無機物粉体を希釈剤として用いており、本発明でも前記微粉末状の有機過酸化物中に粒径の大きな粒子が混在した場合などには同様な効果を期待できるが、本発明では粉末状の金属石鹸を希釈剤を用いることにより、熱硬化性樹脂を硬化させる際の硬化速度、樹脂成形物の生産性を向上させる効果も期待できる。
具体的には、希釈剤としての粉末状の金属石鹸は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム(SC)、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム(SA)、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸銅、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛(LZ)、ラウリン酸アルミニウム、ラウリン酸コバルト、ラウリン酸ニッケル、ラウリン酸銅などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
この希釈剤、即ち金属石鹸の含有量は特に限定するものではないが、硬化剤組成物中、通常30重量%以下、好ましくは5〜20重量%である。その含有量が上記範囲においては前記微粉末状の有機過酸化物との総量(分散質総量)が過剰とならず、硬化剤組成物の流動性も低下することがなく、前記効果を奏することができる。
また、前記希釈剤(金属石鹸)の他に添加剤としてアニオン性、ノニオン性、及びカチオン性の界面活性剤や、ポリアクリル酸などの水溶性活性剤などからなる活性剤を含ませてもよい。その場合、前記活性剤の1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
この活性剤の含有量は特に限定するものではないが、硬化剤組成物中、通常10重量%以下、好ましくは0.1〜5重量%である。その含有量が上記範囲において硬化剤組成物の流動性が高くなり過ぎることもなく、貯蔵安定性も低下することがない。
さらに、硬化剤組成物中には、充填剤を含ませるようにしてもよい。その充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス粉、タルクなどが挙げることができ、その1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
この充填剤の使用量は特に限定するものではないが、硬化剤組成物中、通常20重量%以下、好ましくは5〜15重量%である。その含有量が上記範囲においては増粘作用も僅かであり、硬化剤組成物の流動性が低下することがない。
以上のような成分から構成される本発明の硬化剤組成物は、分散質として特定の微粒子状の有機過酸化物と、この微粒子状の有機過酸化物の溶解度が特定の範囲となる分散剤として液状の脂肪族エステルとを組み合わせたスラリー状であり、流動性と分散安定性が優れている。
本発明の硬化剤組成物は、熱硬化性樹脂又は他の添加剤を含ませた熱硬化性樹脂中に均一に混合されて用いられる。
この硬化性組成物を、熱硬化性樹脂の硬化・成形のために使用する本発明の第4の発明において、硬化剤組成物の配合量は特に限定するものではないが、熱硬化性樹脂100重量部に対して通常0.05〜1 0重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。硬化剤組成物の配合量が上記範囲においては硬化不良を生じることもないし、硬化速度が速すぎて作業性に問題を生ずることもなく、適当な硬化速度で硬化反応を行うことができる。
また、本発明の硬化剤組成物の使用に際し、熱硬化性樹脂としてはラジカル重合により硬化可能な不飽和基を有する樹脂が用いられ、好適な樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を挙げることができる。
この不飽和ポリエステル樹脂を得るためには、まず不飽和二塩基酸、多価アルコ−ル、必要に応じて飽和二塩基酸を特定の割合で組合わせて加熱脱水縮合反応させることにより不飽和ポリエステルを得る。さらにそれをラジカル重合性の単量体に溶解させた液状樹脂が不飽和ポリエステル樹脂であり、公知の何れのものも使用できる。
前記不飽和二塩基酸としては、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられ、その1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記飽和二塩基酸としては、例えば無水フタル酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、コハク酸、アジピン酸などが挙げられ、その1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールAなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
さらに、前記単量体としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン誘導体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロイルモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレートなどのメタクリル基又はアクリル基を有する単量体;ジアリルフタレートなどのアリルエステルが挙げられ、その1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
尚、本発明ではアクリルとメタクリルとの双方を(メタ)アクリルと略記する。
前記不飽和二塩基酸、前記多価アルコ−ル、必要に応じて前記飽和二塩基酸を加熱脱水縮合反応させて得られた不飽和ポリエステルと、前記単量体との好ましい構成比率は、特に限定するものではないが、不飽和ポリエステルが30〜80重量%であり、単量体が70〜20重量%である。不飽和ポリエステルが30重量%未満で、単量体が70重量%を越える場合には、これより得られる不飽和ポリエステル樹脂の硬化物の機械的特性が低下する傾向にある。また、不飽和ポリエステルが80重量%を超え、単量体が20重量%未満の場合には、これらより得られる不飽和ポリエステル樹脂の粘度が高くなり、作業性が悪化する傾向にある。
本発明の硬化剤組成物の使用に際し、用いられる熱硬化性樹脂としては、前記不飽和ポリエステル樹脂に限定されるものではなく、他の好適な樹脂としてビニルエステル樹脂を挙げることができる。
このビニルエステル樹脂を得るためには、まず1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシポリマーに(メタ)アクリル酸や不飽和二塩基酸のモノエステルを開環付加反応させる。さらにそれをラジカル重合性の単量体に溶解させた液状樹脂がビニルエステル樹脂であり、公知の何れのものも使用できる。
前記エポキシポリマーとしては、公知のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記単量体としては、既に説明した不飽和ポリエステル樹脂における単量体が何れも使用できる。
ビニルエステル樹脂の構成成分である不飽和エポキシ樹脂もしくはエポキシアクリレート樹脂と、単量体との好ましい構成比率は、特に限定するものではないが、樹脂分が30〜90重量%であり、単量体が70〜10重量%である。樹脂分が30重量%未満で、単量体が70重量%を越える場合には、これより得られるビニルエステル樹脂の耐熱性が低下する傾向にある。一方、樹脂分が90重量%を超え、単量体が10重量%未満の場合には、これらより得られるビニルエステル樹脂の粘度が高くなり、作業性が悪化する傾向にある。
また、前記不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂を硬化する際には、充填剤を含ませることもでき、前記硬化剤組成物の説明において例示した充填剤と同様の充填剤を用いることができる。即ち炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス粉、タルクなどを使用でき、その1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は特に限定するものではないが、熱硬化性樹脂100重量部に対して20〜100重量部の範囲であることが好ましい。
さらに、他の添加剤としてポリアクリル酸やポリエチレングリコールーポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール共重合体などの界面活性剤、酸化マグネシウムなどの増粘剤、有機及び無機の染・顔料からなる着色剤、ガラス繊維、炭素繊維などの補強剤、ステアリン酸亜鉛などの離型剤、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、飽和ポリエステル、酢酸ビニル・スチレンブロックコポリマ−、粉末状の不飽和ポリエステル樹脂硬化物など従来公知の低収縮剤、紫外線吸収剤、着色剤、離型剤、抗菌剤などを通常使用する範囲で用いることもできる。
また、本発明の硬化剤組成物の使用に際し、単独でなく、公知の硬化促進剤を併用してもよい。
この硬化促進剤としては、公知の硬化促進剤の全てが使用可能であって、例えばジメチルアニリン、ジエチルアニリンなどの芳香族第三級アミンや、ナフテン酸コバルトやナフテン酸銅などの金属石鹸が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
尚、前記第2の発明では、硬化剤組成物中に希釈剤として金属石鹸を含ませており、熱硬化性樹脂の硬化に際して硬化促進剤として作用するため、上述の硬化促進剤を新たに添加しなくてもよいか、或いは添加量を適宜に低減して使用すればよい。
さらに、熱硬化性樹脂の硬化に際し、手段や条件等を限定するものではなく、例えば室温下乃至加熱下で硬化させてもよいし、電子線等の活性エネルギー線の照射により硬化させるようにしてもよい。また、ロールやニーダーなどの混練機を用いて前記各成分を混合した後、所望の形状の金属製、ガラス製、プラスチック製などの型中で硬化させるようにしてもよい。さらに、圧縮成形、トランスファー成形、射出圧縮成形などの各種機械成形法により硬化・成形するようにしてもよい。また、レジコン成形、波板や平版の連続成形、フィラメントワインディング成形、SMCやBMCなどの公知の成形方法を適用してもよい。
硬化の条件としても、特に限定するものではなく、公知の硬化条件の何れも可能であるが、通常、空気中乃至不活性ガス雰囲気下で、−10〜180℃、好ましくは20〜150℃の温度範囲で、1分〜10時間、好ましくは1分〜1時間程度の重合時間である。
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、表1〜4中の略記号は次の通りであり、表1〜4中の%は重量%を意味している。
〔有機過酸化物〕
(1)BMA;t-ブチルパーオキシマレイン酸(日本油脂(株)製『パーブチルMA』)
(2)BPO;ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂(株)製『ナイパーBW』)
〔分散剤(脂肪酸エステル)〕
(1)ATBC;アセチルクエン酸トリブチル
(2)DBS;ジブチルセバケート
(3)シリコンKF96;シリコーンオイル
(4)流パラ;流動パラフィン
〔希釈剤(金属石鹸)〕
(1)SC;ステアリン酸カルシウム
(2)SA;ステアリン酸アルミニウム
(3)LZ;ラウリン酸亜鉛
〔充填剤〕
CaCO3;炭酸カルシウム
〔活性剤〕
PA;ポリアクリル酸
〔熱硬化性樹脂〕
(1)G−110AL;日本触媒(株)製オルソフタル酸系不飽和ポリエステル『ポリホープG−110AL』
(2)R−804;昭和高分子(株)製ビスフェノールA型ビニルエステル樹脂『リポキシR−804』
1)有機過酸化物の濃度;
ヨード滴定法により有機過酸化物の濃度(単位:重量%)を測定した。
2)有機過酸化物の平均粒子径;
長さ20cmの試験管に硬化剤組成物を0.5g、分散媒(トルエン)を5ミリリットル入れ、超音波により撹拌させた後、平均粒子径(表中には「粒子径」と記載,単位:μm)を測定(堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒度分布測定機、型式:HORIBA LA−920)した。
3)溶解度;
25℃の分散剤100重量部に対して10重量部の有機過酸化物を十分に撹拌・分散後、不溶分を計量し、分散させた有機過酸化物との差を溶解度(単位:重量%)とした。
4)分散安定性;
硬化剤組成物を調製した後、長さ20cmの試験管に20g入れ、40℃の恒温糟に保持した状態で上部に分離層が確認できるようになるまでの日数を分散安定性(単位:日)とした。
5)流動性(透過率);
調整した硬化剤組成物50gを50メッシュ(0.29mm)のフィルターを通し、パス分の重量から透過率(単位:重量%)を求め、それを流動性の目安とした。
6)硬化特性;
硬化剤組成物による熱硬化性樹脂の硬化試験は、JIS−K−6901に準じて30℃に設定した恒温槽中で行い(18mm試験管法、硬化時間:最大24時間)、得られた硬化発熱曲線より各特性値を次の基準で求めた。
GT:試験開始温度からさらに5℃上昇するまでの時間(単位:分)
CT:試験開始後、最高温度に到達するまでの時間(単位:分)
PET:硬化時の最高発熱温度(単位:℃)
実施例1
表1に示される固体の有機過酸化物100g及び分散剤250gを500ミリリットルのビーカーに入れ、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製、型式:TKホモミキサーMARKII、回転数:3000rpm)を用いて30分間撹拌することにより分散させた。
得られた硬化剤組成物について有機過酸化物の濃度、有機過酸化物の平均粒子径、溶解度、分散安定性、流動性、及び硬化特性に関する試験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2006083286
実施例2〜9
固体の有機過酸化物100g、分散剤250g、金属石鹸を40g、充填剤10gを実施例1と同様に分散処理して硬化剤組成物を得た。
得られた硬化剤組成物について、前記方法によって、有機過酸化物の濃度、有機過酸化物の平均粒子径、溶解度、分散安定性、流動性、及び硬化特性に関する試験を行った。その結果を表1,2に示す
Figure 2006083286
実施例10
固体の有機過酸化物100g、分散剤250g、金属石鹸を39g、充填剤10g及び活性剤1gを実施例1と同様に分散処理して硬化剤組成物を得た。
得られた硬化剤組成物について有機過酸化物の濃度、有機過酸化物の平均粒子径、分散安定性、流動性、及び硬化特性に関する試験を行った。その結果を表2に示す
比較例1〜10
表3,4に示される各成分の所定量を用いて実施例1〜10と同様に分散処理させて硬化剤組成物を得た。
得られた硬化剤組成物について、前記方法によって、有機過酸化物の濃度、有機過酸化物の平均粒子径、分散安定性、流動性、及び硬化特性に関する試験を行った。その結果を表3,4に示す
Figure 2006083286
Figure 2006083286
以上の結果から、同じ微粒子状の有機過酸化物(BMA)を同じ濃度で分散させた実施例1と比較例1とでは、分散剤が異なる(ATBCとシリコーン)ため、溶解度が異なり、実施例1は比較例1に比べて流動性及び分散安定性に優れ、しかも優れた硬化特性を得ることできた。
また、実施例2〜9においても比較例2〜9と比べて同様な効果が確認された。
また、実施例10(BMA、ATBC、金属石鹸、充填剤、活性剤とからなる硬化剤組成物)においても比較例10(パーブチルMA、シリコーン、金属石鹸、充填剤、活性剤からなる硬化剤組成物)と比べて同様な効果が確認された。

Claims (4)

  1. 平均粒子径30〜400μmの微粒子状の有機過酸化物を、分散剤として液状の脂肪族エステル中に分散したスラリー状の硬化剤組成物であり、この分散剤に対する前記微粒子状の有機過酸化物の溶解度が0.5〜5重量%であることを特徴とする硬化剤組成物。
  2. さらに粉末状の金属石鹸を希釈剤として含むことを特徴とする請求項1に記載の硬化剤組成物。
  3. 微粒子状の有機過酸化物がアルキルパーオキシマレイン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化剤組成物。
  4. 熱硬化性樹脂を硬化・成形するための請求項1〜3の何れか一項に記載の硬化剤組成物の使用。
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