JP2006082322A - ディスプレイ用基板フィルムおよび有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリア性、密着性、耐屈曲性に優れたディスプレイ用基板フィルムを提供する。また、経時劣化の少ない有機EL素子を提供する。
【解決手段】 少なくとも透明プラスチックフィルム、無機薄膜、活性線硬化樹脂層からなるディスプレイ用基板フィルムであって、前記活性線硬化樹脂層は、一般式(1)で表わされるオキセタン環を複数有する化合物を50質量%以上含有する組成物を、活性線によって硬化させた樹脂層であることを特徴とするディスプレイ用基板フィルム。
Figure 2006082322

(R11〜R16は1価の置換基を表し、L1はm価の連結基を表し、mは2以上の整数を表す。また、mが3以上の場合複数のR14〜R16はそれぞれ異なっていてもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、水蒸気バリア性に優れ、屈曲性が高く、かつ生産性に優れたガスバリア積層膜を有するディスプレイ基板用透明フィルムに関し、また該ディスプレイ基板用透明フィルムを用いた寿命の長い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。
従来液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)、プラズマディスプレイ、電子ペーパー等のフラットパネルディスプレイ素子用基板、あるいはCCD、CMOSセンサー等の電子光学素子用基板、あるいは太陽電池用基板としては、熱安定性、透明性の高さ、水蒸気透過性の低さからガラスが用いられてきた。しかし最近携帯電話あるいは携帯用の情報端末の普及に伴い、それらの基板用として、割れやすく重いガラスに対し、柔軟性に富み割れにくく軽量なプラスチック基板が求められるようになった。
しかしながらプラスチック基板はガス透過性を有しているため、特に有機エレクトロルミネッセンス表示装置のように水分や酸素によって劣化して性能が低下してしまう用途には適用が難しく、如何にこれらを封止するかが課題となっていた。
こうした水蒸気や酸素の透過を抑制するために、各種ガスがプラスチック基板を透過することを抑制する層(ガスバリア層)を設けることが知られており、そのような機能を有する層としては、酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜、酸窒化ケイ素膜、炭化珪素膜、酸化アルミニウム膜、酸窒化アルミニウム膜、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜、酸化マグネシウム膜、窒化硼素膜、窒化炭素膜、ダイヤモンドライクカーボン膜、ふっ化マグネシウム、ふっ化アルミニウム膜などの無機膜が有効であることがが知られている。
これらの無機薄膜は、数十〜数百nmといった、非常に薄い膜厚で高いガスバリア性を有しているものの、やはり膜厚が厚いほどガスバリア性が高いものを得ることができる。
しかし膜厚が厚くなるほど、あるいはガスバリア性を高めようとして無機薄膜を緻密な膜質にするほど無機薄膜内の内部応力が高くなり、外部からの衝撃や屈曲に対して脆く割れやすくなってしまうめ、所望するガスバリア性と耐久性を両立することが難しいという課題があった。
このような課題に対しては、柔軟で応力緩和が可能な有機薄膜で、固く脆い無機薄膜をオーバーコートすることによって、外部からの衝撃やフィルムの曲げなどによるクラック、ピンホールの発生を抑えるという手法が用いられている。特許文献1では多官能アクリル基含有化合物を真空蒸着後に紫外線によって硬化したアクリル樹脂によるオーバーコート層が、特許文献2ではシクロオレフィンポリマーの蒸着膜によるオーバーコート層が、また特許文献3ではエポキシ化合物をディップコート後硬化させたエポキシ樹脂によるオーバーコート層が開示されている。また、厚い無機薄膜1層でガスバリア性を達成するのではなく、無機薄膜と有機薄膜を交互に形成・積層することで、高いガスバリア性と耐久性を両立させたガスバリア膜なども知られている(特許文献4)。
このように、ガスバリア性と脆性を有する無機薄膜と、応力緩和能力を有する有機薄膜を交互に積層することで、高いガスバリア性を有するプラスチックフィルムを得ようとする試みが近年盛んに行われるようになってきている。
しかし一般的に有機物と無機物は密着性が悪く、無機薄膜と有機薄膜がはがれやすいという課題があった。また、一般に有機モノマーが硬化してポリマーとなると体積の収縮が発生するため、フィルムがカールして有機薄膜上に次の無機薄膜を形成することが困難になったり、硬化時の収縮によって無機薄膜にクラックが発生してガスバリア性が低下してしまうといった課題があった。
特開2003−53881号公報 特開2002−234103号公報 特開2003−48293号公報 国際公開第00/36665号パンフレット
従って本発明の目的は、ガスバリア性、密着性、耐屈曲性に優れたディスプレイ用基板フィルムを提供することである。また第2の目的は、経時劣化の少ない有機EL素子を提供することである。
上記課題に対し鋭意検討を行った結果、オキセタン樹脂を含有する有機樹脂層と無機薄膜とを積層することにより、内部応力の高い無機薄膜の耐久性を高められること、さらにオキセタン樹脂は無機薄膜との密着性が高いために無機薄膜との積層性に優れ、ガスバリア性・柔軟性の高い基板フィルムを得ることができることを見出した。またオキセタン樹脂にエポキシ化合物特定の比率で添加したり、オキセタン樹脂を硬化させる光酸発生剤にスルホニウム塩系化合物を用いたりすることで、上記の特性を保ちながらオキセタン樹脂の欠点である硬化速度を向上させることができること見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の上記目的は、以下の手段によって達成される。
(請求項1)
少なくとも透明プラスチックフィルム、無機薄膜、活性線硬化樹脂層からなるディスプレイ用基板フィルムであって、前記活性線硬化樹脂層は、オキセタン環を複数有する化合物を50質量%以上含有する組成物を、活性線によって硬化させた樹脂層であることを特徴とするディスプレイ用基板フィルム。
(請求項2)
前記オキセタン環を複数有する化合物が、下記一般式(1)で表されるオキセタン化合物であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用基板フィルム。
Figure 2006082322
(R11〜R16は1価の置換基を表し、L1はm価の連結基を表し、mは2以上の整数を表す。また、mが3以上の場合複数のR14〜R16はそれぞれ異なっていてもよい。)
(請求項3)
前記活性線硬化樹脂層が、前記一般式(1)で表されるオキセタン化合物を50〜99.9質量%、エポキシ基含有化合物を0〜50質量%、活性線照射により酸を発生させる化合物を0.1〜10質量%含む組成物に、活性線を照射することによって硬化させた樹脂層であることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ用基板フィルム。
(請求項4)
前記エポキシ基含有化合物が、下記一般式(2)で表されるエポキシ化合物であることを特徴とする請求項3に記載のディスプレイ用基板フィルム。
Figure 2006082322
(R21〜R24は1価の置換基を表し、L2はn価の連結基を表し、nは2以上の整数を表す。また、nが3以上の場合複数のR23、R24はそれぞれ異なっていてもよい。)
(請求項5)
前記活性線照射により酸を発生する化合物が、下記一般式(3)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求項3または4に記載のディスプレイ用基板フィルム。
Figure 2006082322
(R31〜R33は1価の置換基を表し、X-は対イオンを表す。)
(請求項6)
前記無機薄膜が、プラズマCVD法によって形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルム。
(請求項7)
前記無機薄膜が、大気圧または大気圧近傍の圧力下におけるプラズマCVD法によって形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルム。
(請求項8)
前記無機薄膜が、酸化珪素膜であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルム。
(請求項9)
前記透明プラスチックフィルムのガラス転移温度が180℃以上であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルム。
(請求項10)
前記透明プラスチックフィルムが、主としてセルロースエステルからなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルム。
(請求項11)
水蒸気透過率が1.0g/m2/d以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルム。
(請求項12)
請求項1〜11のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルムに挟持されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明により水蒸気バリア性、密着性、耐久性に優れたディスプレイ用基板フィルムを提供することができた。
また、本発明のディスプレイ用基板フィルムを用いることで、寿命が長く折り曲げに対する耐久性の高い有機EL素子を得ることができた。
次に本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
オキセタン化合物とは、3つの炭素原子と1つの酸素原子が4員環を形成している官能基を有する化合物である。オキセタン環が強酸と反応すると、オキセタン環が開環重合してオキセタン樹脂が形成される。
このように、オキセタン樹脂は酸(カチオン)によって重合が進行するため、ラジカルによって重合が進行するアクリル樹脂等に比べて酸素による重合阻害を受けにくいという効果がある。また重合によって水酸基が発生するため、無機物などとの接着性が高く、ディスプレイ用基板フィルムのような有機薄膜と無機薄膜を積層するような用途には適した樹脂である。
また一般にアクリル樹脂などは硬化時に体積収縮が発生し、硬化前後で体積が収縮する比率(硬化収縮率)が大きいため(3〜15%以上)、フィルム上に形成した際にはカールや無機薄膜のクラックが発生しやすいという問題が生ずるが、オキセタン樹脂では硬化収縮率が非常に小さい(0%〜2%)ことが知られており、このような硬化収縮に関わる問題は発生しにくいという効果がある。
なお、ディスプレイ用基板フィルム上には、透明導電膜を形成・パターニングをする必要があるため、透明導電膜をパターニングする際に用いられる強酸・強アルカリ水溶液や有機溶媒に対して耐溶剤性が必要であるため、本発明の有機薄膜を形成する樹脂としては、すくなくとも50質量%以上が複数のオキセタン環を有する化合物である組成物を重合して得られる架橋オキセタン樹脂であることが好ましい。組成物の50質量%以上を複数のオキセタン環を有する化合物とすることで、上記溶媒に対して耐溶剤性を示すことができる。
複数のオキセタン環を有する化合物であれば、本発明のディスプレイ用基板フィルムに制限なく用いることができるが、中でも前記一般式(1)で表されるような化合物を重合して得られる架橋オキセタン樹脂であることが好ましい。
前記一般式(1)において、R11〜R16は1価の置換基を表し、例えば、水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基等のアリール基、フリル基またはチエニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等があげられる。
このようなオキセタン環の2位が無置換の化合物であると、オキセタン環の立体障害性が低く重合速度が速いため、オキセタン樹脂を形成する際の生産性に優れるためである。
また、L1はm価の連結基を表し、mは2以上、5未満の整数である。m=1では硬化性が低く、耐溶剤性のある有機薄膜を得ることができない。また5≦mでは架橋度が高くなりすぎ、内部応力が高いために脆く割れやすい有機薄膜となってしまうためである。m=2で必要十分な耐溶剤性が得られる反面、mは大きいほど内部応力が高く脆い膜となってしまうため、2個のオキセタン環を有する化合物(m=2)が最も好ましい。
好ましいL1基としては、例えば、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アミノ基、アミド基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、キシリレン基等の2価のアリーレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、ジメチルシロキサン基、ジフェニルシロキサン基、ジメトキシシロキサン基、ジエトキシシロキサン基、またはこれらが複合的に連結した連結基等である。
3価以上の連結基としては以上に挙げた2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いてできる基およびそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
また、mが3以上の場合前記複数のR14〜R16はそれぞれ異なっていてもよい。
複数のオキセタン環を有する化合物の具体例としては下記化合物が挙げられる。
Figure 2006082322
Figure 2006082322
Figure 2006082322
Figure 2006082322
Figure 2006082322
Figure 2006082322
Figure 2006082322
また、1価のオキセタン化合物であっても、組成物中に0〜30質量%の範囲であれば含まれていても構わない。上記の範囲であれば硬化後の有機薄膜の耐溶剤性が十分であり、かつ膜の内部応力を低減させて膜の脆性を改善することが出来るし、あるいは各種の機能性基をオキセタン樹脂層に導入して機能性薄膜とすることもできるためである。
機能性基としては、ヒンダードアミンやヒンダードフェノールのような酸化防止機能を有する官能基、塗布液の表面張力を調整するような親水性基または親油性基、フルオロアルキル基のような撥水・撥油性官能基、ディスプレイから発光する光の色調を調整するような発色団を有する官能基、銀イオンなどのような抗菌性を有する官能基、無機薄膜との密着性を補強できるシランカップリング基などが挙げられる。
このような1価のオキセタン化合物の具体例としては下記化合物が挙げられる。
Figure 2006082322
Figure 2006082322
Figure 2006082322
これらのオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示しているジオールからのオキセタン環合成法等がある。
〈多官能脂環式エポキシ化合物〉
本発明のディスプレイ用基板フィルムを形成する有機樹脂層(薄膜)においては、オキセタン化合物と共に、エポキシ化合物を併用することが好ましい。エポキシ化合物を10〜50質量%混合すると、オキセタン化合物の重合速度が向上し、膜強度や耐溶剤性が向上するために好ましい。50質量%を超えると、硬化後の体積収縮率が大きくなることがあり、ガスバリア膜としての耐久性が低下することがあるため好ましくない。より好ましい添加量としては20〜40質量%である。
単官能でも二官能以上のエポキシ化合物でもオキセタン樹脂の硬化速度を改善する効果は見られるが、多官能エポキシ化合物の方が効果が大きい。また、有機樹脂層の耐溶剤性の観点から、単官能エポキシ化合物では架橋密度が低下して耐溶剤性が低下するため、多官能のエポキシ化合物を用いることが好ましい。
このようなエポキシ化合物としては、分子中に2個以上のオキシラン環を有する化合物であり、通常、エポキシ樹脂として用いられているものは、モノマー、オリゴマー又はポリマーいずれも使用可能である。具体的には、従来公知の芳香族エポキシド、脂環族エポキシドおよび脂肪族エポキシドが挙げられる。尚、以下エポキシドとは、モノマー又はそのオリゴマーを意味する。これら化合物は、一種又は必要に応じて二種以上用いてもよい。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるものが挙げられ、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく、具体例としては、例えば、ダイセル化学工業(株)製のセロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P、セロキサイド2080、セロキサイド3000、セロキサイド2000、エポリードGT301、エポリードGT302、エポリードGT401、エポリードGT403、EHPE−3150、EHPEL3150CE、ユニオンカーバイド社製のUVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6100、UVR−6216、UVR−6000等を挙げることができる。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
さらに、これらの化合物の他に、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルおよびフェノール、クレゾールのモノグリシジルエーテル等も用いることができる。これらのエポキシドのうち、硬化速度が速い脂環式エポキシド、中でも前記一般式(2)で表される脂環式エポキシドを用いることが好ましい。
前記一般式(2)において、R21〜R24は1価の置換基を表し、例えば、水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基等のアリール基、フリル基またはチエニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等があげられる。
なおエポキシ環上の炭素原子を置換すると、エポキシ基の重合性が若干低下し、オキセタン化合物よりも若干体積収縮率の大きいエポキシ化合物同士の重合ドメインが大きくなりすぎないためか、得られる膜の均一性が高く耐久性が高い傾向があるため、好ましくはR21〜R24のいずれか1つは水素原子以外の置換基を有していることが好ましい。
また、L2はn価の連結基を表し、1≦n≦4である。5≦nでは架橋度が高くなりすぎ、内部応力が高いために脆く割れやすい有機薄膜となってしまうことがあり、好ましくない。またn=1では耐溶剤性のある有機薄膜が得られないことがあり、またオキセタン樹脂の硬化速度の向上効果も、2≦nの化合物ほど効果が得られないことがある。n=2で必要十分な耐溶剤性が得られる反面、nは大きいほど内部応力が高く脆い膜となってしまうため、2個のエポキシシクロヘキシル環を有する化合物(n=2)が特に好ましい。好ましいL2基としては、L1基と同様、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アミノ基、アミド基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、キシリレン基等の2価のアリーレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、ジメチルシロキサン基、ジフェニルシロキサン基、ジメトキシシロキサン基、ジエトキシシロキサン基、またはこれらが複合的に連結した連結基等である。
3価以上の連結基としては、以上に挙げた2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いてできる基およびそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
また、nが3以上の場合前記複数のR23、R24はそれぞれ異なっていてもよい。
以下に、好ましい脂環式エポキシドの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また多官能エポキシ化合物の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
以下に、好ましいエポキシ化合物の化合物例を記載する。
Figure 2006082322
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これらの脂環式エポキシ化合物については、その製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3Oxiranes,John & Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号、特開平4−36263号、特開平4−69360号公報等の文献を参考にして合成できる。
〈カチオン重合開始剤、光酸発生剤〉
本発明のオキセタン樹脂を硬化させるためには、活性光線の照射により酸を発生する光酸発生剤を含有することが必要である。
カチオン重合性高分子の重合に用いる光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物としては、例えば、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -,PF6 -,AsF6 -,SbF6 -,p−CH364SO3 -塩、CF3SO3 -塩などのスルホン酸塩、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物、鉄アレン錯体などが挙げられるが、本発明で用いられる光酸発生剤として好ましいのはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、等のオニウム塩であり、中でも酸発生能力が高く、重合反応が早く、硬化したオキセタン樹脂の耐溶剤性、耐久性を高くすることができるスルホニウム塩化合物が好ましい。より好ましいスルホニウム塩化合物の構造として、前記一般式(3)で表されるスルホニウム塩が挙げられる。
一般式(3)において、R31、R32、R33は1価の置換基を表す。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子、等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、等)、炭素数1〜6個のアルキニル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、等)、炭素数1〜6個のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、等)、炭素数6〜14のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、等)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、ナフトキシ基、等)、炭素数6〜10のアリールチオ基(例えばフェニルチオ基、ナフチルチオ基、等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、等)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、等)、炭素数4〜8のヘテロ原子含有芳香族環基(例えばフリル基、チエニル基、等)、ニトロ基、シアノ基、等が挙げられる。
置換基として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基である。
これらの置換基のうち可能なものはさらに置換されていてもよい。
-は対アニオンを表す。対アニオンとしては、BF4 -、B(C654 -、PF6−、AsF6 -、SbF6 -、などの錯イオン、p−CH364SO3 -、CF3SO3 -などのスルホネートイオンを挙げることができる。対アニオンとしてはボレートイオンおよびPF6 -が酸発生能力が高く好ましい。
以下に、一般式(3)で表されるスルホニウム塩の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
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また光重合促進剤として、アントラセン、アントラセン誘導体(例えば、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−100)、フェノチアジン(10H−フェノチアジン)、フェノチアジン誘導体(例えば、10−メチルフェノチアジン、10−エチルフェノチアジン、10−デシルフェノチアジン、10−アセチルフェノチアジン10−デシルフェノチアジン−5−オキシド、10−デシルフェノチアジン−5,5−ジオキシド、10−アセチルフェノチアジン−5,5−ジオキシド)などを光重合開始剤と組み合わせて使用することができる。これらの光重合促進剤は1種又は複数を組み合わせて使用することができる。
〈その他の添加剤〉
本発明の有機樹脂層には、上記オキセタン化合物、エポキシ化合物、光重合開始剤、光重合促進剤以外にも様々な添加剤を用いることができる。例えば、塗布性を改善し、表面平滑性を改善するレベリング添加剤、フィルム巻取り時に巻き取り性を改善するマット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、撥水・撥油剤、染料や顔料等の色素、酸化防止剤、抗菌剤等を添加することができる。また無機薄膜との密着性を改善するため、シランカップリング剤を添加しても良い。これらの添加剤は、オキセタン樹脂が有する低硬化収縮率、耐溶剤性などを阻害しない範囲での添加が有効であり、その使用量は0.1〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜3質量%である。
〈活性エネルギー線光源〉
このような各種の化合物を含有する組成物の層を、支持体フィルム上または無機薄膜上に形成した後、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって硬化させて有機樹脂層(有機薄膜)とする。
有機樹脂層の形成方法としては、ディップコート、押し出しコーター、ナイフコーター、ドクターブレード、ワイヤーバー、インクジェットプリンター等など塗布による方法が挙げられる。また真空蒸着、クライオ蒸着などのような手段を用いても良い。
オキセタン環を含有する組成物を硬化させる紫外線光源としては、250〜370nm、より好ましくは270〜340nmに発光波長のピークがある光源が好ましい。また照度が1〜3000mW/cm2、より好ましくは1〜200mW/cm2である光源が好ましい。
このような光源の例としては、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、螢光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極UVランプ、低圧水銀ランプ、UVレーザ、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、LEDをなどがあるが、これらに限定されない。また無機薄膜を後述するプラズマCVD法を用いて形成する場合には、プラズマ空間から放射される紫外光を用いて有機樹脂層を硬化させても良い。その場合、硬化前の有機物質が揮発しないよう、後述する大気圧プラズマCVD法によって無機薄膜を形成することが好ましい。
なお紫外線ではなく電子線を用いて硬化させても良く、電子線により硬化させる場合には、通常300eVの以下のエネルギーを有する電子線で硬化させるが、1〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
〈無機薄膜〉
ディスプレイ用基板フィルムには、水蒸気透過性の低い無機薄膜、例えばガラス、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化珪素、酸化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化硼素、窒化炭素、ふっ化マグネシウム、ふっ化アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボン等の薄膜を形成する必要がある。
上記のような無機材料からなるガスバリア膜をプラスチックフィルム上に製膜する手法としては、真空蒸着、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD法)、熱や光、プラズマ等を利用した化学的気相成長法(CVD法)、ゾルゲル法などの塗布法の3種類が挙げられる。しかし塗布法ではガスバリア性の高い緻密な薄膜を得ることが難しいため、ガスバリア性の高い無機薄膜をプラスチックフィルム上に形成する方法としては、実際にはPVD法とプラズマCVD法に限られる。中でもプラスチックフィルムや有機樹脂層など有機物との密着性が高い薄膜を得ることができるプラズマCVD法が最も好ましい。さらに、プラズマCVD法の中でも、大気圧下でプラズマを発生させて無機薄膜を形成する大気圧プラズマCVD法が最も好ましい。大気圧下におけるプラズマCVD法では、粒子の平均自由行程が非常に短いため、得られる無機薄膜に方向性がなく、かつ膜厚の均一性が非常に高いために無機薄膜に欠陥が発生しにくく、ガスバリア性の面内分布も小さくすることができるためである。また前述のようにオキセタン樹脂層を形成するモノマーの揮発を非常に小さくすることができ、膜質の低下を防ぐことができる。また無機薄膜を形成する際の減圧工程が不要であるため、非常に生産性が高いという利点がある。
また、プラズマCVD法では、プラズマから赤外〜紫外域の光線が放射されるため、これらの光によって前述のオキセタン化合物を硬化することもできる。中でも放電ガスを窒素ガスとすると、337nmなど、紫外域に強い輝線を有するため、効率良くオキセタン化合物を硬化させることができる。
〈大気圧プラズマCVD法〉
次に大気圧プラズマCVD法によって無機薄膜を形成する装置について詳述する。なお本発明において大気圧近傍とは、20kPa〜110kPaの圧力を表し、更に好ましくは93kPA〜104kPaである。
図1は、薄膜形成装置1の概略構成を表す側面図である。
この薄膜形成装置1は、大気圧又は大気圧近傍の圧力下で、対向する電極間に電界を発生させることで、電極間にある混合ガス(放電ガス、原料ガス、分解ガス等を混合したガスを表す)をプラズマ状態とし、このプラズマ状態となった混合ガスに基材を晒すことによって基材上に膜を形成する薄膜形成装置である。プラズマCVD法においては、基材がプラズマ空間に侵入しないプラズマジェット方式、基材がプラズマ空間に侵入するダイレクトプラズマ方式があるが、本発明の大気圧プラズマCVD法においては、そのどちらにも適用することができる。なおダイレクトプラズマ方式のほうが基材に密着性の高い薄膜が得られやすいため、以下ダイレクトプラズマ方式で薄膜を形成する場合について説明する。
薄膜形成装置1には、図1に示すように、シート状の基材2をその周面に密着させて搬送する支持部材(兼放電電極)10が回転自在に設けられている。
図2は、支持部材10を表す斜視図であり、この支持部材10は、導電性の金属質母材11の表面に誘電体12が被覆されたロール状誘電部材である。支持部材10の内部には、表面温度を調節するため、例えば、水やシリコンオイル等の温度調節用の媒体が循環できるようになっており、この循環部分には、図1に示すように、配管3を介して温度調節装置4が接続されている。Pは媒体を循環させるポンプを表す。また、支持部材10の周縁には、基材2を支持部材10の周面に密着させて搬送するために基材用搬送機構13と、基材2上に薄膜を形成するための複数の薄膜形成ユニット20が設けられている。
基材用搬送機構13には、基材2を支持部材10の周面に案内する第1ガイドローラ14及びニップローラ15と、前記周面に密着した基材2を剥がして、次行程まで案内する第2ガイドローラ16と、第1ガイドローラ14、第2ガイドローラ16及び支持部材10を連動するように回転させる駆動源51(図6参照)とが設けられている。
図3はダイレクトプラズマ方式の薄膜形成ユニット20を表す側面図である。この薄膜形成ユニット20に備わる支持部材10は、ノイズフィルタ8を介して第1の電源9が接続されており、基材2を搬送するとともに放電電極として機能する。支持部材10と棒電極21A,21Bの対向する面21a,21bが放電面として機能するようになっている。つまり、ガス供給部24からガスを噴出して、支持部材10と棒電極21A,21Bとの間隔aにガスを充満させ、支持部材10A及び棒電極21A,21Bに電界を印加すれば、この間隔a内で放電プラズマが発生する。そして、プラズマ空間h内には基材2が配置されているので、基材2は活性化したガスに晒されてその表面に薄膜が形成されるものである。
なお後述するような、プラズマの発生に高周波電源の2周波重畳を用いずに放電を行う場合には、第1の電源9または第2の電源23のいずれか一方は用いずにプラズマ放電を行えば良い。
放電空間を成す電極間の距離としては、均一な放電を行う観点から、支持部材10と棒電極21A、21Bの最短部の間隔が0.3mm〜20mmであることが好ましく、特に好ましくは1mm±0.5mmである。この電極間の距離は、電極周囲の誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、放電ガス種を考慮して決定される。
図4は、棒電極21A,21Bを表す斜視図であり、棒電極21A,21Bは導電性の金属質母材211の表面に誘電体212が被覆された四角柱状電極である。この棒電極21A,21Bの角部215は円弧状に形成されている。つまり、棒電極21A,21Bの四面は角部215を介して連続していることから、放電面21a,21b及び放電面21a,21b以外の表面も連続することになる。棒電極21A,21Bは内部が中空となっており、この中空部分213には、図1に示すように、配管5を介して温度調節装置6が接続されている。中空部分213に温度調節用の媒体を流すことにより、電極表面の温度調節ができるようになっている。そして、各薄膜形成ユニット20の棒電極21A,21Bには、フィルタ22を介して第2の電源23が接続されている。
また、薄膜形成ユニット20には、図3に示すように、一対の棒電極21A,21Bの隙間bに向けて放電ガスを噴出するガス供給部24が、前記隙間bに対向するように配置されている。つまり、隙間bがガス供給部24から供給された放電ガスを、支持部材10上の基材2まで案内する流路として機能するようになっている。
また薄膜形成ユニット20には、クリーニングフィルム27を棒電極21A,21Bに密着させながら連続的若しくは間欠的に搬送するクリーニングフィルム用搬送機構30が、各棒電極21A,21Bに応じて設けられている。
プラズマCVD法においては、プラズマ空間中において原料化合物から生成した微粒子は、目的とする基材上だけでなく放電電極上にもデポジットする。このような電極上の汚れを放置すると、放電状態が不安定となり、安定・均質なグロー放電から、不安定・局所的なアーク放電に移行し、アーク放電下では均質な薄膜が得られなくなる。クリーニングフィルムによって放電電極を覆い、放電電極上へ汚れが付着することを防止し、放電電極を常にクリーンに保つことは、均質な薄膜を得る上で非常に効果的である。
このクリーニングフィルム用搬送機構30には、ガス供給部24の近傍で、クリーニングフィルム27を案内する第1クリーニングフィルム用ガイドローラ31が設けられている。この第1クリーニングフィルム用ガイドローラ31の上流側には、図示しないクリーニングフィルム27の巻き出しローラ若しくはクリーニングフィルム27の元巻が設けられている。
また、ガス供給部24に対して、第1クリーニングフィルム用ガイドローラ31よりも遠方には、第2クリーニングフィルム用ガイドローラ32を介してクリーニングフィルム27を巻き取る巻取部29(図6参照)が設けられている。第1クリーニングフィルム用ガイドローラ31、第2クリーニングフィルム用ガイドローラ32及びクリーニングフィルム27の全幅は、図5に示すように、支持部材10の全幅よりも長く設定されている。具体的には、クリーニングフィルム27の全幅長は、両端が支持部材10の両端から1〜100mmではみ出すように設定されていることが好ましい。これにより、クリーニングフィルム27が放電空間よりも大きくなる。つまり棒電極21A,21Bは、クリーニングフィルム27に覆われることにより、放電プラズマに晒されなくなり、棒電極21A,21Bに対する汚れを防止できる。また、クリーニングフィルム27のエッジが放電空間内に侵入しないために、放電集中によるアーク放電を防止できる。
また、薄膜形成ユニット20には、クリーニングフィルム27が放電面21a,21bに接触する際に生じるツレや皺を防止するために、棒電極21A,21Bの放電面21a,21bに対してクリーニングフィルム27の搬送方向の上流側に、クリーニングフィルム27を加熱する加熱部材28が設けられている。
つまり、クリーニングフィルム27は、クリーニングフィルム用搬送機構30によって、巻出ローラから引き出された後、第1クリーニングフィルム用ガイドローラ31に案内されて、ガス供給部24のノズル本体部25の周縁に接触した後に、加熱部材28の表面に接触して加熱されてから、棒電極21A,21Bの角部215を介して放電面21a,21bに接触し、その後、第2クリーニングフィルム用ガイドローラ32に案内されて、巻取部29で巻き取られるようになっている。この際、角部215が円弧状に形成されているので、クリーニングフィルム27が前記放電面21a以外の表面(角部215表面)から放電面21a,21bまで移動する際に引っかかることを防止でき、スムーズに搬送させることができる。なお、本実施形態では、棒電極21A,21Bの放電面21a,21bが平面であるが、この放電面21a,21bを、他方の放電面21a,21bに向かって凸となる曲面に形成してもよい。こうした場合、棒電極21A,21Bの放電面21a,21bとクリーニングフィルム27との密着性をさらに高めることができる。
そして、上記のように、クリーニングフィルム27とガス供給部24とが接触しているので、ガス供給部24から放電空間Bまでの空間は、クリーニングフィルム27によって仕切られることになって、放電ガスが流路外に流れることを防止できる。
このようなクリーニングフィルム27としては、プラズマ空間で発生する高温・熱に耐える必要があるため、高い耐熱性を有することが必要であるため、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネートようなセルロースエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミド、フッ素樹脂等からなるフィルムが好ましい。
またクリーニングフィルムは、角型の形状の放電電極上を搬送されるため、滑り性の高いフィルムが好ましい。しかしこの滑り性は、クリーニングフィルム基材自身の滑り性が悪くても、シリコーンオイルなどの滑り剤を放電電極と接する面に塗布することで滑り性を付与しても良く、また滑り性の高いテフロン(登録商標)のような高分子を薄くラミネートすることによって滑り性を付与してもよい。
薄膜形成装置1には、図6に示すように、各駆動部を制御する制御装置50が設けられている。制御装置50には、駆動源51、記憶部52、第1の電源9、第2の電源23、ガス供給部24、加熱部材28、温度調節装置4,6、巻取部29が電気的に接続されている。なお、制御装置50には、これら以外にも薄膜形成装置1の各駆動部、ポンプなどが接続されている。そして、制御装置50は、記憶部52中に書き込まれている制御プログラムや制御データに従い各種機器を制御するようになっている。
なお図1、図6の電源23などの本発明の膜の形成に用いるプラズマ製膜装置の電源としては、製膜速度を大きくしたり、膜質を制御するために、高周波電圧で、ある程度大きな電力を供給できる電源が好ましい。具体的には、1kHz以上2500MHz以下の高周波の電源が好ましく、さらには1kHz〜1MHzの間のいずれかの周波数の電圧と、1MHz〜2500MHzの間のいずれかの周波数の電圧を重畳して印加することがより好ましい。これは、放電空間中に存在する各種のガスの励起に必要な周波数が異なることがあるため、複数の周波数が印加されているほうが原料ガスの分解が速く、製膜速度も速くなるためである。なお高いガスバリア性の薄膜を得るためには10KHz以上の周波数を使用することが好ましく、より好ましくは100kHz以上の周波数を用いることである。なお2500MHz以上の周波数を用いると、プラズマ空間中の放電の均一性が得られないことがあり、えられる薄膜の膜厚、膜質などの均一性が得られなくなることがある。
また、電極間に供給する電力密度は、1W/cm2以上50W/cm2以下が好ましく、高いガスバリア性の薄膜を得るためには5W/cm2以上であることが好ましい。また、1KHz〜1MHzの周波数の電圧と1MHz〜2500MHzの周波数の電圧を重畳する際には、1MHz〜2500MHzの電圧は1kHz〜1MHzの周波数の電圧よりも小さいことが好ましく、1kHz〜1MHzの電圧の2割〜9割の電圧であることが好ましい。1kHz〜1MHzの周波数の電圧は、棒電極21A、21Bに接続する第2の電源23、あるいは支持部材10に接続する第1の電源9のどちらでも良いが、2周波を重畳し、かつ高い力率で電力を投入するためには、1kHz〜1MHzの電源は第1の電源9として支持部材10に接続して使用することが好ましい。
又、電極間に印加する高周波電圧は、断続的なパルス波であっても、連続したサイン波であってもよいが、製膜速度が大きくなることから、サイン波であることが好ましい。
このような電源としては、特に限定はないが、神鋼電機製高周波電源(3kHz)、神鋼電機製高周波電源(5kHz)、神鋼電機製高周波電源(15kHz)、神鋼電機製高周波電源(50kHz)、ハイデン研究所製高周波電源(連続モード使用、100kHz)、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、パール工業製高周波電源(2MHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(27MHz)、パール工業製高周波電源(40MHz)、パール工業製高周波電源(54MHz)、パール工業製高周波電源(60MHz)、等を使用できる。また、100MHz、200MHz、433MHz、800MHz、1.3GHz、1.5GHz、1.9GHz、2.45GHz、5.2GHz、10GHz、28GHzを発振する電源を用いてもよい。
また温度調節装置4,6は、放電時の高温による悪影響を抑制するため、あるいは製膜される薄膜の組成・膜質を調整するために、基材の温度を0℃〜250℃に調整できるよう、必要に応じて棒電極21A、21B、支持部材10などを冷却または加熱する。
次にガスバリア層を形成するために用いる混合ガスについて説明する。混合ガスには、少なくとも、放電ガスと、薄膜を構成する元素を含有する原料ガスとを含む。さらに原料ガスの分解反応を補助する分解ガスを添加する場合もある。
放電ガスとは、高周波電界を印加された際に容易に電離してプラズマ状態となることができるガスのことである。このプラズマ状態となった放電ガスによって、混合ガス中に含まれる原料ガスを間接的に励起・反応させ、薄膜を得る。
このような放電ガスとしては、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の希ガス、もしくは窒素等を挙げることが出来るが、本発明に記載の効果を得るためには、ヘリウム、アルゴン、窒素が好ましく用いられる。中でも、緻密でガスバリア性の高い薄膜を形成するためには、放電ガスとして窒素を用いることが最も好ましい。窒素を用いると、放電ガス以外の分解ガス、原料ガスを高濃度(〜10体積%)に混合しても放電が安定であるため、高密度な膜を得ることができるためである。窒素ガスは、混合ガス中で90.0〜99.9体積%含有されることが好ましい。
混合ガス中には、放電ガスと原料ガスが含まれるが、この原料ガスの分解を補助する分解ガスを含んでも良い。原料ガスの反応性が低い場合には、分解ガスを含むことが好ましい。
これらの分解ガスとしては、水素ガス、メタンガス、アンモニアガス、硫化水素ガス等の還元性のガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、亜酸化窒素ガス、酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、酸素ガス、水蒸気、二酸化硫黄ガスなどの酸化性のガスが挙げられる。
分解ガスを適宜選択して添加することで、原料化合物の分解が促進され、高密度でガスバリア性の高い薄膜を得ることができる。
次に、各種の無機薄膜を得るために好ましい原料ガスについて説明する。
無機薄膜の原料としては、大気圧下0℃〜250℃の温度域で蒸気圧を有する揮発性低分子化合物であれば気体、液体、固体いずれの状態であっても構わないが、好ましくは0〜250℃の温度域に液体状態を呈する有機金属化合物である。これはプラズマ製膜室内が大気圧近傍の圧力であるために、大気圧下で気化できないとプラズマ製膜室内にガスを送り込むことが難しいため、また原料化合物が液体であると、気化器を用いて±1%の精度で気化量を管理でき、製膜条件を厳密に定めることができるために好ましい。
このような有機金属化合物としては、例えばケイ素を含有する化合物としては、シラン、ジシラン、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1,4−ビストリメチルシリル−1,3−ブタジイン、ジ−t−ブチルシラン、1,3−ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、などが挙げられる。
またチタンを含有する化合物としては、例えば、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンn−ブトキシド、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−エチルアセトアセテート)、チタンジ−n−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンアセチルアセトネート、ブチルチタネートダイマー等が挙げられる。
またジルコニウムを含有する化合物としては、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニウムt−ブトキシド、ジルコニウムトリ−n−ブトキシドアセチルアセトネート、ジルコニウムジ−n−ブトキシドビスアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムヘキサフルオロペンタンジオネート等が挙げられる。
またアルミニウムを含有する化合物としては、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムs−ブトキシド、アルミニウムt−ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、トリエチルアルミニウム、トリエチル−トリ−s−ブトキシジアルミニウム等が挙げられる。
また、硼素を含有する化合物としては、ジボラン、テトラボラン、フッ化硼素、塩化硼素、臭化硼素、ボラン−ジエチルエーテル錯体、ボラン−THF錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体、トリエチルボラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリ(イソプロポキシ)ボラン、ボラゾール、トリメチルボラゾール、トリエチルボラゾール、トリイソプロピルボラゾール、等が挙げられる。
錫を含有する化合物としては、テトラエチル錫、テトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、ジエチル錫、ジメチル錫、ジイソプロピル錫、ジブチル錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、錫ジブチラート、錫ジアセトアセトナート、エチル錫アセトアセトナート、エトキシ錫アセトアセトナート、ジメチル錫ジアセトアセトナート等、錫水素化合物等、ハロゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等が挙げられる。
またその他の金属からなる有機化合物としては、例えば、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、マグネシウムトリフルオロペンタンジオネート、マグネシウムヘキサフルオロペンタンジオネート、マグネシウムヘキサフルオロペンタンジオネート−ジメチルエーテル錯体、インジウムアセチルアセトナート、インジウム2,6−ジメチルアミノヘプタンジオネート、フェロセン、亜鉛アセチルアセトナート、ジエチル亜鉛、などが挙げられる。
また、製膜する無機薄膜がダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)、あるいは非晶質炭素膜(a−C:H膜)などと称される膜の場合には、原料化合物は有機金属化合物ではなく、例えば、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、メタノール、エタノールなどといった有機化合物であっても良い。
これらの有機金属化合物、有機化合物の中でも、有機珪素化合物が好ましい。有機珪素化合物は揮発性が高く、比較的安価であり、また有機珪素化合物から得られる酸化珪素薄膜のガスバリア性、透明性が高いためである。
無機薄膜は単層でも良く、異なる種類の無機薄膜を2層以上積層してもよいが、無機物から構成される層の合計の厚みは、しなやかさを保ち折り曲げに対する耐性を保つ点で500nm以下が好ましい。より好ましくは200nm以下である。他方、5nmより薄くなると均一に膜を形成することが困難となるため好ましくない。
なお大気圧プラズマCVD法においては、プラズマ発生が大気圧下で行われるために装置全体を減圧にする必要がなく、装置の運用・保守・点検が容易であり、高い生産性をあげることができる。特に有機層と無機層を交互に何層も積層する際には、製膜ゾーン間の気密を保持するための機構が不要であるし、真空ゾーン内での有機薄膜層の原料モノマーの揮発によるモノマーロス、チャンバー汚染、無機薄膜(層)への有機物のコンタミネーションなどを起こす可能性が小さく、非常に高い生産性を上げることができる。
〈樹脂基材〉
本発明のディスプレイ用基板フィルムの支持体となる樹脂基材としては、実質的に透明であれば特に限定はなく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン類、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、あるいはこれらの樹脂とシリカなどとの有機無機ハイブリッド樹脂等の透明プラスチックフィルムをあげることが出来る。
しかしディスプレイ用基板フィルムはその表面に透明導電膜の形成する等において、各種加熱プロセスをうけることがあるため、ディスプレイ用基板フィルムの支持体としてはガラス転移温度が180℃以上であることが好ましい。これは、代表的な透明導電膜であるITO(インジウム−錫酸化物)膜の結晶化温度が180℃前後であり、結晶化することでITO膜の導電性を向上させることができるからである。
このような条件を満たす樹脂基材としては、一部のポリカーボネート、一部のシクロオレフィンポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、フッ素樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロースエステル、またこれらの樹脂とシリカの有機無機ハイブリッド樹脂等が挙げられる。
有機無機ハイブリッド樹脂(または有機−無機ポリマーコンポジットなどと呼ばれる)とは、有機ポリマーと無機化合物が組み合わされ、双方の特性が付与された材料のことである。有機ポリマーと混合させる無機物を、金属アルコキシドのような液体状態から合成する手法(ゾルゲル法)を用いることで、生成する無機物の微粒子を可視光の波長以下(〜約750nm以下)のナノスケールで有機物中に分散することが可能となり、光学的にも透明で耐熱性も高い材料が得られるようになっている。
なお樹脂基材のガラス転移温度を測定する方法としてはDSC(示差走査熱量測定)、TMA(熱応力歪み測定)、DMA(動的粘弾性測定)などで測ることができる。
また本発明のディスプレイ用基板フィルムは、ディスプレイ基板用透明フィルムとして用いることができるが、ディスプレイ基板用透明フィルムとしては複屈折が低いこと、さらには複屈折の分散が正分散であることが好ましいため、最も好ましいのはジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロースエステル、またこれらセルロースエステルを主体とした有機−無機ハイブリッドフィルムである。なお複屈折の波長分散が正分散とは、例えば、該高分子を可溶な溶媒に溶解させてガラス板上に、フィルム乾燥時の厚みが100μmになるように流延・乾燥させてフィルムを作製し、該高分子からなるフィルムの波長480nmにおける面内リターデーション値R0(480)を、波長590nmにおける面内リターデーション値R0(590)で除した値が1より小さいものをいう。
複屈折の波長分散が正の透明フィルムにおいては、例えば、400nmの光に対しては4nm、700nmの光に対しては7nmといった、光の波長に応じた偏光の補償が可能であるため、複屈折を利用した表示方法を採用している液晶パネルにおいては色ずれがなく、有機EL表示素子においてはコントラストが良好となるために好ましい。
また樹脂基材は直接プラズマ雰囲気にさらされるため、対プラズマエッチング層として、片面または両面に下引き層を有していてもよい。下引き層としては、ポリマーの塗布等により形成された有機樹脂層等があげられる。アクリル化合物、エポキシ化合物や、本発明のオキセタン化合物を硬化した薄膜も好ましく用いることができる。
〈有機EL素子〉
次に有機EL素子について説明する。有機EL素子は、湿気に対し敏感なために封止が必要である。これらの素子を封止するフィルムとして本発明のディスプレイ用基板フィルムを使用する。
有機EL素子は、少なくとも、陽極と陰極の間に有機発光層を挾持する構造を有しており、有機発光層は電流を流した際に発光する有機化合物を含有する層のことを表す。有機EL素子を構成する要素のうち、陰極、発光層は水分に弱いため、有機EL素子は封止される必要がある。従って、有機EL素子を形成するディスプレイ用基板フィルムにはガスバリア層が必須である。
ディスプレイ用基板フィルムに有機EL素子を形成した後、陰極側も封止する必要があるが、例えば、陰極上に直接、あるいはエポキシ樹脂等で封止を行ったその上に更に、本発明のディスプレイ用基板フィルムをラミネートすることで封止を行っても良い。このような構成とすることで、水分の浸透が抑えられ、有機EL表示装置の耐湿性がより一層向上し、ダークスポットの発生、成長を抑制することができ、輝度が高く長寿命の有機EL素子を得ることができる。
なお本発明のディスプレイ用基板フィルムは、有機EL素子に限らず、有機エレクトロクロミズム素子、有機薄膜トランジスタ(TFT)素子などの、水分や酸素に弱い有機材料を用いたデバイスに使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
高耐熱性透明フィルムとしてジアセチルセルロース−シリカハイブリッドフィルムを製膜し、このジアセチルセルロース−シリカハイブリッドフィルム上に、アンダーコート層(有機樹脂層)/ガスバリア層(酸化珪素層)/オーバーコート層(有機樹脂層)、の3層を形成したフィルムを作製した。
〈ジアセチルセルロース−シリカハイブリッドフィルムの製膜〉
ミキシングタンクに、テトラメトキシシラン25質量部、エタノール15質量部、塩化メチレン15質量部、0.5%硝酸水溶液12質量部を投入し、0℃に冷却しながら攪拌し、ゾルゲル反応を行った。
さらにミキシングタンクに、エタノール45質量部、塩化メチレン660質量部、ジアセチルセルロース100質量部を投入し、密閉下80℃で加熱しながら攪拌して溶解した。
得られたドープ(溶解液)を、バンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量が30%となったところでバンド上から剥ぎ取り、ただちにテンターに搬送し、直交方向に30%、ついで流れ方向に30%延伸を行ったのち、120℃で5分、ついで220℃で5分乾燥してジアセチルセルロース−シリカハイブリッドフィルムを得た。なお得られるフィルムの形状が、巾10cm、膜厚100μmとなるように調整して塗布した。
なお得られたジアセチルセルロース−シリカハイブリッドフィルムのガラス転移温度はTMA(熱応力歪み測定装置)で測定したところ、225℃であった。また30℃から180℃までの平均線膨張率は27ppm/℃であった。また透湿度は1000g/m2/dであった。
上記のジアセチルセルロース−シリカハイブリッドフィルムの上に、表1の組成を有する重合組成物を、乾燥時の膜厚が1μmの膜厚となるように塗布した後、50mJ/cm2の紫外線を照射し、アンダーコート層を形成した。表中、照射回数は紫外線の照射回数を増やし照射量を増加させたものである。
なおオキセタン化合物DOX、XDOは、それぞれジオキセタン(東亞合成製OXT221)とキシリレンジオキセタン(東亞合成製OXT121)を表す。またアクリル化合物3EG−Aは共栄化学製トリエチレングリコールジアクリレートを、RS600は、三洋化学製サンラッドRS600を表す。またエポキシ化合物PNOはダイセル化学製α−ピネンオキサイド、S530はアヅマックス製サイラエースS530、C2021はダイセル化学製セロキサイド2021、C3000はダイセル化学製セロキサイド3000、VF9080はアトフィナ社製Vikoflex9080、VF7190はアトフィナ社製Vikoflex7190を表す。
光重合開始剤イルガキュア184は日本チバガイギー社製、光酸発生剤のDPI−PF6は東京化成工業製ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートを表す。なおエポキシ化合物EP−17と光酸発生剤TAS−4、TAS−13は市販していないので、下記の合成例にしたがって合成を行った。
(合成例1)EP−17の合成
〈2,2−Dimethyl−propane−1,3−diol−bis−(4−methyl−3−cyclohexenecarboxylate)の合成〉
Methyl−(4−methyl−3−cyclohexenecarboxylate)の340g(2mol)と、2,2−Dimethyl−propane−1,3−diolの104g(1mol)とに、トルエンスルホン酸1水和物1gを添加し80〜90℃で12時間反応した。反応液を重曹水で洗浄した後、減圧蒸留を行い目的の化合物を得た。収率は86%だった。
〈例示化合物EP−17の合成〉
2,2−Dimethyl−propane−1,3−diol−bis−(4−methyl−3−cyclohexenecarboxylate)の348g(1mol)を2Lの三頭フラスコに入れ、内温を40℃に保ったまま、過酢酸含有率が25質量%のアセトン溶液770g(過酢酸192g(2.5mol))を4時間かけて滴下した。滴下終了後、そのままの温度で4時間後反応した。反応液は−11℃で一晩保存した後、過酢酸の残量を調べ理論量の98%以上が反応していることを確認した。
次いで、反応液をトルエン1Lで希釈し、水流アスピレーターによる減圧下で50℃に加熱し溜出物がなくなるまで低沸点成分を溜去し除去した。
残った反応組成物を減圧蒸留し、目的の例示化合物EP−17を得た。収率は70%だった。
例示化合物EP−17の構造は、NMR、MASS分析で確認した。
1H−NMR (CDCl3) δ(ppm):0.96(s,6H,CH3−)、1.31(s,6H,CH3−)、1.45〜2.50(m,14H,シクロヘキサン環)、3.00(m,2H,エポキシ根元)、3.87(s,4H,−O−CH2−)
(合成例2)TAS−4の合成
塩化カルシウム管、温度計をセットした1Lのフラスコに酸化りん32g、メタンスルホン酸150gを加え、内温80℃前後にて3時間加熱攪拌した。室温まで放冷後、ビス(4−メトキフェニル)スルホキシド54g、1−tert−ブチル−4−フェノキシベンゼン46.8gを加え水冷下3時間攪拌した。2Lのコニカルビーカーにヘキサフルオロリン酸カリウム42gを氷水1Lに溶解し、先の反応液をメカニカルスターラーで撹拌しながら少量ずつ加えると、柔らかい白色のアモルファス固体が生成した。撹拌を停止し、上澄みをデカンテーションで除き、残渣に塩化メチレン1Lを加え、水洗後、塩化メチレン層を減圧濃縮し粗生成物を得た。活性アルミナカラム処理により精製し、溶媒を減圧濃縮後、淡褐色のオイル成分を得た。メタノールを100ml程度加えて再度減圧濃縮し塩化メチレンを完全に除去後、ロータリーポンプにて、減圧乾燥。飴状の堅さに発泡したアモルファス固体を砕いて、TAS−4を得た。収量60.9g(収率49%)。1H−NMRおよびマススペクトルにて目的物と同定した。
(合成例3)TAS−13の合成
塩化カルシウム管、温度計をセットした1Lのフラスコに酸化りん32g、メタンスルホン酸288gを加え、内温80℃−90℃にて3時間加熱攪拌した。室温まで放冷後、p−トルイルスルホキシド69.1g、アニソール33gを加え室温で3時間攪拌した。5Lのビーカーにヘキサフルオロリン酸カリウム55.2gを純粋3Lに溶解し、先の反応液をメカニカルスターラーで撹拌しながら少量ずつ加えると、ヌガー状のアモルファス固体が生成した。撹拌を停止し、上澄みをデカンテーションで除き、飴状の残渣に塩化メチレン600mlを加えて、さらにヘキサフルオロリン酸カリウム25g/純粋500ml溶液を加えて1時間分散した。水層分離後、塩化メチレン層に活性炭を加えて脱色し、活性炭を濾別後、減圧濃縮して粗生成物を得た。活性アルミナカラム処理により精製し、溶媒を減圧濃縮後、粗結晶132.6gを得た。イソプロピルアルコール300ml、塩化メチレン10−30mlを加え、60−70℃の水浴で加熱分散し、室温付近まで放冷後、イソプロピルアルコール200mlを追加し、室温で1時間撹拌後、結晶を濾取しTAS−13を得た。収量123.7g(収率88%)。1H−NMRおよびマススペクトルにて目的物と同定した。
上記の条件により、アンダーコート層を形成した後、下記の条件で酸化珪素層を形成した。
〈酸化珪素層の製膜〉
大気圧プラズマCVDによる酸化珪素層の形成は、図1に示す薄膜形成装置1を用いた。プラズマの発生は、100kHzの高周波電力を12W/cm2(ハイデン研究所製高周波電源PHF−6KB使用)、13.56MHzの高周波電力を6W/cm2(日本電子(株)製高周波電源JRF−10000使用)重畳して印加することで発生させた。電極の形状は、棒電極側が40mm×40mm×120mm、ロール電極側が316mmφ×100mm、棒電極とロール電極の最短間隔は0.5mmである。また電極温度は双方とも150℃に設定した。
酸化珪素層の形成に用いたガスの流量は以下の通りである。
〈酸化珪素層原料ガス〉
放電ガス:窒素 95.0L/毎分
分解ガス:酸素 5.0L/毎分
原料ガス:テトラメトキシシラン 200mg/毎分
またクリーニングフィルムとしては、厚さ25μのポリイミドフィルムの裏面にシリコーン離型剤を塗布したフィルムを、シリコーン離型剤塗布面が放電電極と接するようにして用いた。なおクリーニングフィルムの搬送速度は5cm/毎分で搬送した。
アンダーコート層を塗設したジアセチルセルロース−シリカハイブリッドフィルムは、搬送速度10m/minで搬送し、30パスの製膜を実施することで100nmの膜厚の酸化珪素層を得た。
酸化珪素層の形成後、前述のアンダーコート層と同様の製膜条件で、得られた酸化珪素層の上にオーバーコート層を形成し、得られたディスプレイ用基板フィルム101〜120について、下記の評価を行った。
〈水蒸気透過率試験〉
モダンコントロール社製水蒸気透過率測定装置PERMATRAN−W3Gを用いて、40℃90%RHの条件でそれぞれの水蒸気透過率を測定した。
また製膜直後の水蒸気透過率と、10mmφの棒に10回巻きつける耐久試験を実施した後の水蒸気透過率も測定した。
〈碁盤目試験〉
JIS K5400に準拠した碁盤目試験を行った。形成された薄膜の表面に片刃のカミソリの刃を面に対して90度の切り込みを1mm間隔で縦横に11本ずつ入れ、1mm角の碁盤目を100個作成した。この上に市販のセロファンテープを貼り付け、その一端を手でもって垂直にはがし、切り込み線からの貼られたテープ面積に対する薄膜の剥がされた面積の割合を以下のランクで評価した。
○:全く剥がされなかった。
△:剥離された面積割合が10%未満であった。
×:剥離された面積割合が10%以上であった。
Figure 2006082322
表1から、アクリル系の有機薄膜でオーバーコートしたディスプレイ用基板フィルム102、103ではディスプレイ用基板フィルムの耐久性がほとんど向上していない。エポキシ系の有機薄膜でオーバーコートしたディスプレイ用基板フィルム104、105ではある程度の耐久性向上が認められるものの、耐久性試験前と比較すると大きく劣化している。
他方、オキセタン系薄膜を用いると、エポキシ系よりもガスバリア性の耐久性向上が認められる。これは有機薄膜中の内部応力が少ないために外部応力が印加された際にも高い応力緩和能力があるためと推定される。
しかしオキセタン化合物のみを硬化させる場合、アクリル系やエポキシ系に比して硬化が遅いため、紫外線を照射するパス数が増大してしまっていたが、光酸発生剤をスルホニウム塩系化合物とすることで感度を高めることができ、また、オキセタン化合物にエポキシ化合物を混合することで、アクリル樹脂やエポキシ樹脂並に硬化速度を高くすることができる。なお110〜113のディスプレイ用基板フィルムの結果からわかるように、エポキシ化合物の混合比は、50質量%程度までであれば、耐久試験後のガスバリア性が1.0g/m2/d以下とする事ができ、ガスバリア層の耐久性が高いことがわかる。
このように、オキセタン樹脂を含有する有機樹脂層で無機ガスバリア層を挟んで保護することによって、フィルムを巻きつけたりするような耐久性試験の後でもガスバリア性が1.0g/m2/d以下である耐久性の高いディスプレイ用基板フィルムを得ることができた。
実施例2
実施例1で耐久性が良好であった118のディスプレイ用基板フィルムで用いたオキセタン樹脂を含有する重合組成物から前記条件で形成した有機樹脂層上に、さらに酸化珪素薄膜を形成し、更に前記118で用いたオキセタン樹脂を含有する組成物より形成した有機樹脂層をというように、これらの層を表2に示した層数だけ交互に積層し、製膜直後のガスバリア性と耐久試験後のガスバリア性を評価した。
また、WO00/36665を参考に、比較例の透明積層フィルム205を作製し、同様の評価を行った。
〈比較例の基板フィルム205〉
ジアセチルセルロース−シリカハイブリッドフィルム上に、WO00/36665に記載された方法を参考に、ガスバリア層の製膜を行った。
1.333×10-4MPaに保持した減圧蒸着装置内に、導入ノズルからメチルメタクリレートモノマーを導入し、0℃に冷却したジアセチルセルロース−シリカハイブリッドフィルム上にクライオ蒸着させ、そのまま真空チャンバー内で紫外線を照射して重合させ、1μmの膜厚となるようにポリメチルメタクリレート(PMMA)膜を形成した。
次にこの膜上に反応性蒸着(真空プロセス)によって100nmの膜厚の酸化珪素薄膜を形成した。
原料化合物:一酸化珪素
蒸着チャンバー内の真空度 :酸素 4.00×10-8MPa
巻き取りチャンバー内の真空度:酸素 2.00×10-6MPa
電子ビーム電力:15kW
このようなプロセスを繰り返し、PMMA膜と酸化珪素層を交互に全11層の積層膜を形成し、比較例の透明積層フィルム205とした。
これについて前記同様に、水蒸気透過率、碁盤目試験を行った。
Figure 2006082322
表2から、本発明のディスプレイ用基板フィルムは、有機薄膜−無機薄膜間の密着性が良いため、無機層・有機層を積層してもガスバリア膜の耐久性が良好で、5層積層することで測定機の測定限界(0.05g/m2/d)以下まで水蒸気透過率を高めることができた。
他方、比較例の透明積層フィルム205は、積層によって製膜直後の水蒸気透過率は良好であるが、耐久試験後には大きく劣化してしまい、好ましくないディスプレイ用基板フィルムであった。
実施例3
《有機EL素子の作成》
実施例2で作成した基板フィルム201〜205の上に、スパッタ法によって透明導電膜を形成後、有機EL素子301〜305を作成した。
〈透明導電膜の製膜〉
図7に、作製した有機EL表示装置の構成を断面図で示す。先ず、透明な基板61として実施例2で作製した基板フィルム201〜205のガスバリア膜(オキセタン樹脂膜)上に、スパッタリングターゲットとして酸化インジウムと酸化すずとの混合物(Snの原子比Sn/(In+Sn)=0.08)からなる焼結体をもちい、DCマグネトロンスパッタリング法にて透明導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)膜を形成した。即ち、スパッタリング装置の真空装置内を1×10-3Pa以下にまで減圧し、アルゴンガスと酸素ガスとの体積比で1000:2.8の混合ガスを真空装置内が1×10-1Paになるまで真空装置内に導入した後、ターゲット印加電圧420V、基板温度60℃でDCマグネトロン法にて透明導電膜であるITO膜を厚さ250nm形成した。このITO膜に、パターニングを行いアノード(陽極)62とした後、この透明導電膜を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
〈有機EL素子の製膜〉
得られた透明導電膜62上に、方形穴あきマスクを介して真空蒸着法により、図8における有機EL層63として、α−NPD層(膜厚25nm)、CBPとIr(ppy)3の蒸着速度の比が100:6の共蒸着層(膜厚35nm)、BC層(膜厚10nm)、Alq3層(膜厚40nm)、フッ化リチウム層(膜厚0.5nm)を順次積層した(図7には詳細に示していない)、更に別のパターンが形成されたマスクを介して、膜厚100nmのアルミニウムからなるカソード(陰極)64を形成した。
Figure 2006082322
〈封止〉
このように得られた積層体に、乾燥窒素気流下、図7の基板65として前記と同じ基板フィルム201〜205を、酸化珪素膜66と有機膜67を積層したガスバリア層68が内側となるように密着させ、周囲を光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)によって封止し、有機EL素子301〜305を得た。尚、図7では示していないが透明電極及びアルミニウム陰極はそれぞれ端子として取り出せるようにした。
これらの有機EL素子の発光部について、以下の評価を行った。
〈評価項目1〉
封止直後に、これらの有機EL素子301〜305に10V直流電圧を印加し、印加から1分間経過した時点での輝度を評価した。
その後有機EL素子301〜305を40℃、90%RHの環境室に、非発光状態で300時間保存した。その後、再び10Vの直流電圧を印加し、印加から1分間経過した時点での輝度を測定した。環境室にいれる前後での輝度の低下率を評価した。
〈評価項目2〉
封止直後に、これらの有機EL素子301〜305に10V直流電圧を印加し、印加から1分間経過した時点での輝度を評価した。
有機EL素子301〜305を45°に折り曲げて元に戻す折り曲げ試験を1000回繰り返した。その後、再び10Vの直流電圧を印加し、印加から1分間経過した時点での輝度を測定した。
評価項目1及び2について、輝度の低下率を以下の基準で評価した。
輝度の低下率が10%未満 ◎
輝度の低下率が30%未満10%以上 ○
輝度の低下率が50%未満30%以上 △
輝度の低下率が50%以上 ×
Figure 2006082322
これらの結果から、比較例の有機EL素子305は、折り曲げに対して劣化しやすく、好ましくない有機EL素子であった。他方、本発明の有機EL素子301〜304は、耐湿度特性、折り曲げに対する耐久性の良好な、好ましい有機EL素子であることがわかる。中でも本発明の有機EL素子304は、非常に耐久性にも優れた有機EL素子であった。
なお本実施例には、素子内に水分を吸着或いは水分と反応する材料(例えば酸化バリウム)を封入しなかったが、これらの材料を素子内に封入することを妨げるものではない。
本実施形態に係る薄膜形成装置の概略構成を表す側面図である。 図1の薄膜形成装置に備わる支持部材10を表す斜視図である。 図1の薄膜形成装置に備わる薄膜形成ユニット20を表す側面図である。 図3の薄膜形成ユニットを形成する棒電極21A、21Bを表す斜視図である。 図1の薄膜形成装置における、支持部材10と薄膜形成ユニット20の位置関係を表す正面図である。 図1の薄膜形成装置の主制御部分を表すブロック図である。 有機EL素子の構成を表す側面図である。
符号の説明
1 薄膜形成装置
2 基材
9 第1の電源
10 支持部材
20 薄膜形成ユニット
21A,21B 棒電極
23 第2の電源
27 クリーニングフィルム
30 クリーニングフィルム用搬送機構
50 制御装置
51 駆動源
52 記憶部

Claims (12)

  1. 少なくとも透明プラスチックフィルム、無機薄膜、活性線硬化樹脂層からなるディスプレイ用基板フィルムであって、前記活性線硬化樹脂層は、オキセタン環を複数有する化合物を50質量%以上含有する組成物を、活性線によって硬化させた樹脂層であることを特徴とするディスプレイ用基板フィルム。
  2. 前記オキセタン環を複数有する化合物が、下記一般式(1)で表されるオキセタン化合物であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用基板フィルム。
    Figure 2006082322
    (R11〜R16は1価の置換基を表し、L1はm価の連結基を表し、mは2以上の整数を表す。また、mが3以上の場合複数のR14〜R16はそれぞれ異なっていてもよい。)
  3. 前記活性線硬化樹脂層が、前記一般式(1)で表されるオキセタン化合物を50〜99.9質量%、エポキシ基含有化合物を0〜50質量%、活性線照射により酸を発生させる化合物を0.1〜10質量%含む組成物に、活性線を照射することによって硬化させた樹脂層であることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ用基板フィルム。
  4. 前記エポキシ基含有化合物が、下記一般式(2)で表されるエポキシ化合物であることを特徴とする請求項3に記載のディスプレイ用基板フィルム。
    Figure 2006082322
    (R21〜R24は1価の置換基を表し、L2はn価の連結基を表し、nは2以上の整数を表す。また、nが3以上の場合複数のR23、R24はそれぞれ異なっていてもよい。)
  5. 前記活性線照射により酸を発生する化合物が、下記一般式(3)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求項3または4に記載のディスプレイ用基板フィルム。
    Figure 2006082322
    (R31〜R33は1価の置換基を表し、X-は対イオンを表す。)
  6. 前記無機薄膜が、プラズマCVD法によって形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルム。
  7. 前記無機薄膜が、大気圧または大気圧近傍の圧力下におけるプラズマCVD法によって形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルム。
  8. 前記無機薄膜が、酸化珪素膜であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルム。
  9. 前記透明プラスチックフィルムのガラス転移温度が180℃以上であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルム。
  10. 前記透明プラスチックフィルムが、主としてセルロースエステルからなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルム。
  11. 水蒸気透過率が1.0g/m2/d以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のディスプレイ用基板フィルムに挟持されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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