JP2017071093A - ガスバリアーフィルム、ガスバリアーフィルムの製造方法及び電子デバイス - Google Patents

ガスバリアーフィルム、ガスバリアーフィルムの製造方法及び電子デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】基材の両面にガスバリアー層を備える構成であって、ガスバリアー性能及びプロセス適性に優れたガスバリアーフィルムの提供。【解決手段】基材2の両面にガスバリアー層3、4を備えるガスバリアーフィルム1であって、ガスバリアー層3、4のいずれか一方に、導電性ポリマーを含有する帯電防止層5が積層されており、好ましくは、表面抵抗率が、1×106〜1×1011Ω/□の範囲内である、ガスバリアーフィルム1。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリアーフィルム、ガスバリアーフィルムの製造方法及び電子デバイスに関する。特に、基材の両面にガスバリアー層を備える構成であって、ガスバリアー性能及びプロセス適性に優れたガスバリアーフィルム、そのようなガスバリアーフィルムの製造方法、及び、そのようなガスバリアーフィルムを備えた電子デバイスに関する。
可撓性基材を用いた有機エレクトロルミネッセンス(electroluminescence:以下ELともいう。)素子等の電子デバイス用途として、高いガスバリアー性能を得るため、ガスバリアーフィルムの種々の層構成が検討されてきた。
その一例として、優れたガスバリアー性能と、寸法変動による層間膜剥がれの抑制とを両立する観点から、プラスチック基材を中心としてその両面にガスバリアー層を設置する構成が検討されてきた(例えば、特許文献1、2参照。)。
基材の両面にガスバリアー層を形成して上記構成のガスバリアーフィルムを製造する場合や、上記構成のガスバリアーフィルムを用いて真空環境下で有機EL素子を製造する場合には、ガスバリアー層の保護、及び、ガスバリアー層同士の貼り付きの防止を図る必要がある。ガスバリアー層の保護や貼り付きの抑制のためには、一方のガスバリアー層を形成した後、他方のガスバリアー層を形成する前に、当該一方のガスバリアー層上に帯電防止層を設ける対応が考えられる。
これまで、帯電防止層には無機系金属粒子や酸化金属ゾル等を含有する構成が用いられているが(例えば、特許文献3参照。)、当該帯電防止層を上記構成のガスバリアーフィルムに適用すると、ガスバリアー性能の劣化(面内不均一化)が発生することが判明した。
これは、無機系金属粒子や酸化金属ゾルが粒子であるため凝集が生じやすいことや、ガスバリアー層の組成物性やガスバリアー層特有の微細異物の存在によりハジキが発生すること等により、帯電防止層の膜の不均一化が発生するためと考えられる。また、光学特性(透明性)の観点から帯電防止層を厚くできない等の制約も、帯電防止層の不均一化が発生しやすい原因と考えられる。
これらの原因による帯電防止層の不均一化に起因して、当該帯電防止層を設けた後に形成するガスバリアー層において、ガスバリアー層形成時のエキシマ等のエネルギーが不均一部に集中しやすくなったり、ガスバリアー層形成用材料を均一に塗布できなかったりすることで、ガスバリアー層の形成に悪影響を与え、ガスバリアー性能が劣化すると考えられる。
特表2007−523769号公報 特表2014−514981号公報 特開2003−257254号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、基材の両面にガスバリアー層を備える構成であって、ガスバリアー性能及びプロセス適性に優れたガスバリアーフィルム、そのようなガスバリアーフィルムの製造方法、及び、そのようなガスバリアーフィルムを備えた電子デバイスを提供することである。
本発明に係る上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、基材の両面にガスバリアー層を備えるガスバリアーフィルムが、前記ガスバリアー層のいずれか一方に、導電性ポリマーを含有する帯電防止層が積層されていることで、ガスバリアー性能及びプロセス適性に優れたガスバリアーフィルムを提供できることを見いだした。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.基材の両面にガスバリアー層を備えるガスバリアーフィルムであって、
前記ガスバリアー層のいずれか一方に、導電性ポリマーを含有する帯電防止層が積層されていることを特徴とするガスバリアーフィルム。
2.表面抵抗率が、1×10〜1×1011Ω/□の範囲内であることを特徴とする第1項に記載のガスバリアーフィルム。
3.基材の両面にガスバリアー層を備えるガスバリアーフィルムの製造方法であって、
前記基材の一方の面上に第2のガスバリアー層を形成する工程と、
前記第2のガスバリアー層上に帯電防止層を形成する工程と、
前記帯電防止層を形成した後に、前記基材の他方の面上にCVD法により第1のガスバリアー層を形成する工程と、を有することを特徴とするガスバリアーフィルムの製造方法。
4.前記第1のガスバリアー層、前記第2のガスバリアー層及び前記帯電防止層をロールtoロール方式で形成することを特徴とする第3項に記載のガスバリアーフィルムの製造方法。
5.第1項又は第2項に記載のガスバリアーフィルムを備えることを特徴とする電子デバイス。
本発明によれば、基材の両面にガスバリアー層を備える構成であって、ガスバリアー性能及びプロセス適性に優れたガスバリアーフィルム、そのようなガスバリアーフィルムの製造方法、及び、そのようなガスバリアーフィルムを備えた電子デバイスを提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
ロール状に積層した長尺状のフィルム基材を巻き出して連続搬送しながら、ロールtoロール方式で基材の両面にガスバリアー層を形成する場合には、巻き取りの際に基材両面のガスバリアー層同士が擦れ合ったり貼り付いたりするため、ガスバリアー層に擦り傷が付いたり異物が付着したりする場合がある。これを防止するためには、基材の両面に形成されたガスバリアー層のいずれか一方の上に帯電防止層を積層することが有効と考えられる。しかしながら、ガスバリアー層上に無機系粒子を用いて帯電防止層を形成すると、無機系粒子の凝集やガスバリアー層の組成、ガスバリアー層上の微細異物等により、帯電防止層の膜の不均一化が発生しやすい。そのため、ガスバリアー層上で凝集が発生せず、ガスバリアー層の組成や微細異物の存在により膜の不均一化が生じにくい導電性ポリマーを用いて帯電防止層を形成することで、ガスバリアー性能に優れ、ガスバリアー層の保護及び貼り付き防止を達成できるガスバリアーフィルムを得ることができる。
本発明のガスバリアーフィルムの構成の一例を示す概略断面図 ガスバリアー層の形成に適用可能なローラー間放電プラズマCVD装置の一例を示す模式図 ガスバリアー層の形成に適用可能なロールtoロール方式の真空紫外光照射装置の一例を示す模式図
本発明のガスバリアーフィルムは、基材の両面にガスバリアー層を備えるガスバリアーフィルムであって、前記ガスバリアー層のいずれか一方に、導電性ポリマーを含有する帯電防止層が積層されていることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項5までの各請求項に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明のガスバリアーフィルムにおいては、表面抵抗率が、1×10〜1×1011Ω/□であることが好ましい。これにより、帯電防止層の後に第1のガスバリアー層が形成される場合において、当該第1のガスバリアー層が好適に形成され、ガスバリアーフィルムのガスバリアー性を向上させることができる。
また、本発明のガスバリアーフィルムの製造方法は、基材の両面にガスバリアー層を備えるガスバリアーフィルムの製造方法であって、前記基材の一方の面上に第2のガスバリアー層を形成する工程と、前記第2のガスバリアー層上に帯電防止層を形成する工程と、前記帯電防止層を形成した後に、前記基材の他方の面上にCVD法により第1のガスバリアー層を形成する工程と、を有することを特徴とする。これにより、ガスバリアー性能及びプロセス適性に優れたガスバリアーフィルムを製造することができる。
また、本発明のガスバリアーフィルムの製造方法においては、前記第1のガスバリアー層、前記第2のガスバリアー層及び前記帯電防止層をロールtoロール方式で形成することが好ましい。これにより、ロール状に積層することでガスバリアー層同士が貼り付くことを好適に抑制しつつ、ガスバリアーフィルムの生産性を向上させることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本発明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《ガスバリアーフィルムの概略構成》
本発明のガスバリアーフィルムは、基材の両面にガスバリアー層を備えるガスバリアーフィルムであって、ガスバリアー層のいずれか一方に、導電性ポリマーを含有する帯電防止層が積層されていることを特徴とする。
本発明のガスバリアーフィルムの基本的な構成について、図を交えて説明する。
図1(a)〜図1(c)は、本発明のガスバリアーフィルム1の構成の一例を示す概略断面図である。
図1(a)に示すガスバリアーフィルム1は、基材2の両面に第1のガスバリアー層3及び第2のガスバリアー層4が設けられ、第2のガスバリアー層4の基材2の反対側に帯電防止層5が設けられた構成である。また、帯電防止層5は、無機系粒子を含有しない代わりに、帯電防止能を有する導電性ポリマーを含有する。
このような均一な溶解状態の導電性ポリマーを設けて形成される帯電防止層5により、両面にガスバリアー層が設けられた長尺の基材をロール状に巻き取った際に、基材の両面のガスバリアー層同士が直接接触することにより生じる悪影響を防止することができる。また、これにより、帯電防止性能を有し、透明性、耐擦過性及びガスバリアー性が向上したガスバリアーフィルムとすることができる。
また、本発明のガスバリアーフィルムにおいては、様々な構成を採ることができる。
例えば、図1(b)に示すガスバリアーフィルム1の構成は、第1のガスバリアー層3を、形成方法の異なる2つのガスバリアー層3A、3Bで構成している例を示すものである。例えば、下層のガスバリアー層3Aを放電プラズマ化学気相成長法により形成し、上層のガスバリアー層3Bを真空紫外光照射による改質処理方法で形成する構成とすることができる。
図1(c)に示すガスバリアーフィルム1においては、図1(b)に示す構成に対し、更に、基材2とガスバリアー層3Aとの間、及び、基材2と第2のガスバリアー層4との間に、基材2との密着性及びその上に形成する層の平滑性を実現するためのクリアハードコート層6A、6Bを設けても良い。
なお、上記図1(a)〜図1(c)で示した構成において、第1のガスバリアー層3、ガスバリアー層3A、3B及び第2のガスバリアー層4を単層構成としたが、必要に応じて、同様の製造方法による複数の層から構成されていても良い。
《ガスバリアーフィルムの構成要素》
本発明のガスバリアーフィルムの基本構成は、基材と、当該基材の両面に設けられるガスバリアー層と、当該ガスバリアー層のいずれか一方の上に設けられる帯電防止層と、を主に備える構成である。
以下、本発明のガスバリアーフィルムの構成要素の詳細について説明する。
《基材》
本発明のガスバリアーフィルムの基材としては、少なくとも帯電防止層及びガスバリアー層を保持することができるフィルム状の材料であれば、特に限定されるものではない。
例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の各樹脂フィルム、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム(製品名Sila−DEC、チッソ株式会社製)、更には前記樹脂を2層以上積層して構成されているハイブリッドフィルム等を挙げることができる。コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が好ましく用いられ、低リタデーションの観点からシクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー及びポリカーボネート(PC)が好ましく用いられる。また、光学的透明性、耐熱性、並びにガスバリアー層及び帯電防止層との密着性の点においては、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルムも好ましく用いることができる。その他にも、耐熱基材としてポリイミド等を用いることも好ましい。これは、耐熱基材(ex.Tg>200℃)を用いることにより、当該ガスバリアーフィルムを適用する電子デバイスの製造工程で、有機機能層や電極形成時に200℃以上の温度での加熱が可能となり、電子デバイスの大面積化や電子デバイスの動作効率向上のために必要な透明導電層、あるいは金属ナノ粒子によるパターン層の低抵抗化が達成可能となる。基材の厚さは5〜500μm程度が好ましく、更に好ましくは15〜250μmである。
また、本発明に係る基材は、透明であることが好ましい。基材が透明であり、基材上に形成する層も透明であることにより、透明なガスバリアーフィルムとすることが可能となるため、有機EL素子用の透明基板とすることも可能となるからである。
また、上記に挙げた樹脂等を用いた基材は、未延伸フィルムでも良く、延伸フィルムでも良い。
本発明に用いられる基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造する溶融流延法や、溶媒等に材料を溶解してドープを調製した後、金属ベルト上に流延して製膜する溶液流延法等を用いることができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、又は基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。また、本発明に係る基材においては、帯電防止層やガスバリアー層を形成する前にコロナ処理等の表面処理を施しても良い。
《帯電防止層》
帯電防止層は、基材の両面に設けられたガスバリアー層のいずれか一方(第2のガスバリアー層)の上に設けられ、帯電防止能を有する導電性ポリマーを含有する。また、帯電防止層に含有される導電性ポリマーが、共役系ポリマー又はイオン性ポリマーであることが好ましい。
本発明に係る帯電防止層は、帯電防止剤として無機系粒子、具体的には、金属酸化物粒子等を含有しない。本発明でいう金属酸化物粒子を含有しないとは、帯電防止層の全質量に対する金属酸化物粒子の含有量が5質量%以下であり、好ましくは2質量%以下であり、特に好ましくは全く含有しない構成である。
本発明に係る帯電防止層に含有されない金属酸化物粒子としては、例えば、SiO、ZnO、TiO、SnO、Al、In、MgO、BaO、MoO、V等、又はこれらの複合酸化物を挙げることができる。
帯電防止層は、ガスバリアーフィルムの表面抵抗率が1×10〜1×1011Ω/□の範囲内となるように構成されていることが好ましい。例えば、帯電防止層に含有される導電性ポリマーの種類を変更したり、帯電防止層の層厚を調整したりすることによって、ガスバリアーフィルムの表面抵抗率を調整することが可能である。
また、ガスバリアーフィルムの表面抵抗率が1×10〜1×1011Ω/□の範囲内となるように帯電防止層が構成されていることにより、帯電防止層の後に第1のガスバリアー層が形成される場合に、当該第1のガスバリアー層が好適に形成され、ガスバリアーフィルムのガスバリアー性を向上させることができる。表面抵抗率が1×1011Ω/□以下となるように帯電防止層が構成されていると、例えば後述する放電プラズマ化学気相成長法により第1のガスバリアー層を形成する際に、帯電防止層がローラー間放電プラズマCVD装置の成膜電極に影響を与えることを抑制できる。一方、表面抵抗率が1×10Ω/□以上となるように帯電防止層が構成されていると、例えば放電プラズマ化学気相成長法により第1のガスバリアー層を形成する際に、成膜ムラの発生を抑制することができる。また、スパッタ法により第1のガスバリアー層を形成する場合においても同様である。更に、塗布法により第1のガスバリアー層を形成する場合においても、表面抵抗率が上記範囲内となるように帯電防止層が構成されていることで、帯電均一化により成膜ムラの発生が抑制される。
本発明においてガスバリアーフィルムの表面抵抗率は、三菱アナリテック社製 ハイレスタUX MCP−HT800により当該ガスバリアーフィルムの帯電防止層側表面を測定することにより得ることができる。
また、本発明に係る帯電防止層の層厚としては、例えば、0.5〜5.0μmの範囲内であることが好ましい。
(1)導電性ポリマー
本発明において有機帯電防止剤として用いられる導電性ポリマーは、ガスバリアーフィルムの製造時又は取り扱い時に、基材又はガスバリアー層の帯電を防ぐ機能を有する。
本発明でいう導電性ポリマーとは、帯電防止能を有し、帯電防止層を形成したときにガスバリアーフィルムの表面抵抗率を1×1013Ω/□以下、好ましくは1×1011Ω/□以下、更に好ましくは1×1010Ω/□以下とすることができる材料である。
導電性ポリマーとしては、帯電防止層を形成したときにイオン導電性物質等を含有する層を構成することによって帯電防止を図る材料であることが好ましく、ここでイオン導電性物質とは、電気伝導性を示し、電気を運ぶ担体であるイオンを含有する物質のことである。そのような導電性ポリマーとしては、例えば、共役系ポリマーやイオン性ポリマーを挙げることができる。
(1−1)共役系ポリマー
共役系ポリマーとしては、
1)脂肪族共役系:ポリアセチレンのように炭素−炭素の共役系で交互に長く連なっているポリマーで、例えば、ポリアセチレン、ポリ(1,6−ヘプタジエン)等、
2)芳香族共役系:ポリ(パラフェニレン)のように芳香族炭化水素が長く結合する共役が発達したポリマーで、例えば、ポリパラフェニレン、ポリナフタレン、ポリアントラセン等、
3)複素環式共役系:ポリピロール、ポリチオフェンのように複素環式化合物が結合して共役系が発達したポリマーで、例えば、ポリピロールとその誘導体、ポリフランとその誘導体、ポリチオフェンとその誘導体、ポリイソチオナフテンとその誘導体、ポリセレノフェンとその誘導体等、
4)含ヘテロ原子共役系:ポリアニリンのように脂肪族又は芳香族の共役系をヘテロ原子で結合したポリマーで、ポリアニリンとその誘導体等、ポリ(パラフェニレンスルフィド)とその誘導体、ポリ(パラフェニレンオキシド)とその誘導体、ポリ(パラフェニレンセレニド)とその誘導体、また脂肪族系ではポリ(ビニレンスルフィド)、ポリ(ビニレンオキシド)、ポリ(ビニレンセレニド)等、
5)混合型共役系:ポリ(フェニレンビニレン)のように上記共役系の構成単位が交互に結合した構造を持つ共役系ポリマーで、例えば、ポリ(パラフェニレンビニレン)とその誘導体、ポリ(ピロールビニレン)とその誘導体、ポリ(チオフェンビニレン)とその誘導体、ポリ(フランビニレン)とその誘導体、ポリ(2,2′−チエニルピロール)とその誘導体等、
6)複鎖型共役系:分子中に複数の共役鎖を持つ共役系で、芳香族共役系に近い構造を有しているポリマーで、例えば、ポリペリナフタレン等、
7)金属フタロシアニン系:金属フタロシアニン類又はこれらの分子間をヘテロ原子や共役系で結合したポリマーで、例えば、金属フタロシアニン等、
8)導電性複合体:上記共役系ポリマー鎖を飽和ポリマーにグラフト共重合したポリマー及び飽和ポリマー中で上記共役系ポリマーを重合することで得られる複合体で、例えば、3)のポリチオフェン(誘導体を含む)、ポリピロール(誘導体を含む)、4)のポリアニリン(誘導体を含む)等を、また、5)のポリ(パラフェニレンビニレン)(その誘導体を含む)、ポリ(チオフェンビニレン)(その誘導体を含む)等を、接続基を介して側鎖に持つポリマーのπ電子導電性ポリマー複合体等を挙げることができる。
(1−2)イオン性ポリマー
イオン性ポリマーとしては、特公昭49−23828号公報、特公昭49−23827号公報、特公昭47−28937号公報等の各公報に見られるようなアニオン性高分子化合物;特公昭55−734号公報、特開昭50−54672号公報、特公昭59−14735号公報、特公昭57−18175号公報、特公昭57−18176号公報、特公昭57−56059号公報等の各公報等に見られるような、主鎖中に解離基を持つアイオネン型ポリマー;特公昭53−13223号公報、特公昭57−15376号公報、特公昭53−45231号公報、特公昭55−145783号公報、特公昭55−65950号公報、特公昭55−67746号公報、特公昭57−11342号公報、特公昭57−19735号公報、特公昭58−56858号公報、特開昭61−27853号公報、特公昭62−9346号公報等の各公報に見られるような、側鎖中にカチオン性解離基を持つカチオン性ペンダント型ポリマー等を挙げることができる。
(1−3)その他
共役系ポリマー及びイオン性ポリマー以外の導電性ポリマーとしては、例えば、特開平9−203810号公報に記載されているようなアイオネン導電性ポリマー、又は、分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導電性ポリマー等を挙げることができる。
また、例えば、特開2006−265271号公報、特開2007−70456号公報、特開2009−62406号公報等に記載されている帯電防止ハードコート剤も用いることができる。また、市販品としても入手可能であり、例えば、アイカ工業社より上市されている帯電防止剤等を適宜選択して用いることができる。
(2)帯電防止層形成用材料
上記した導電性ポリマー以外に、本発明に係る帯電防止層に含有される材料について以下説明する。
(2−1)バインダー樹脂
本発明に係る帯電防止層の形成時に、本発明に係る導電性ポリマーを保持するために使用されるバインダー樹脂としては、例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、又はセルロースナイトレート等のセルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、又はコポリブチレン/テレ/イソフタレート等のポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、又はポリビニルベンザール等のポリビニルアルコール誘導体、ノルボルネン化合物を含有するノルボルネン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂若しくはアクリル樹脂とその他樹脂との共重合体を用いることができるが、特にこれら例示する樹脂材料に限定されるものではない。この中では、セルロース誘導体又はアクリル樹脂が好ましく、更にアクリル樹脂が最も好ましく用いられる。
帯電防止層の形成に用いられるバインダー樹脂としては、重量平均分子量が40万以上で、ガラス転移温度が80〜110℃の範囲内にある上記熱可塑性樹脂が、光学特性及び形成する帯電防止層の面品質の点で好ましい。
ガラス転移温度は、JIS K 7121に記載の方法にて求めることができる。ここで使用するバインダー樹脂は、帯電防止層を構成する全樹脂質量の60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、必要に応じて活性線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を適用することもできる。
(2−2)有機溶剤
本発明に係る帯電防止層は、例えば、導電性ポリマー及びバインダー樹脂を適当な有機溶剤に溶解して、溶液状態の帯電防止層形成用塗布液を調製し、これを湿式塗布方式により、基材上に塗布及び乾燥することにより、形成され得る。
帯電防止層形成用塗布液の調製に用いられる有機溶剤としては、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類などを適宜混合して使用することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明に適用可能な有機溶剤において、炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられ、アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。エステル類としては、例えば、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、乳酸エチル、乳酸メチル等が挙げられる。グリコールエーテル(炭素数1〜4)類としては、例えば、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(略称:PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。プロピレングリコールモノ(炭素数1〜4)アルキルエーテルエステル類としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。その他の溶媒として、例えば、N−メチルピロリドン等が挙げられる。本発明に係る有機溶剤としては、特にこれらに限定されるものではないが、これらを適宜混合した溶媒も好ましく用いられる。
本発明に係る帯電防止層形成用塗布液を基材上に塗布する方法として、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、ロールコート、グラビアコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、カーテンコート、押し出しコート、又は米国特許第2681294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート方法等が挙げられる。これら湿式塗布方法を適宜用いることにより、基材上に、乾燥層厚が、0.1〜20μmの範囲内、好ましくは0.2〜5μmの範囲内の帯電防止層を形成することができる。
《第1のガスバリアー層》
本発明に係る第1のガスバリアー層は、基材の両面に設けられているガスバリアー層のうち、帯電防止層が設けられていない側のガスバリアー層である。第1のガスバリアー層としては、特に制約はなく、いずれの構成であっても良い。例えば、複数の層が積層されて第1のガスバリアー層が構成されていても良いし、その場合には各層がそれぞれ異なる成膜方法で形成されていても良い。
また、本発明に係る第1のガスバリアー層の層厚としては、5〜800nmの範囲であることが好ましく、10〜600nmの範囲であることより好ましく、50〜600nmの範囲であることが更に好ましく、100〜400nmの範囲が特に好ましい。
[第1のガスバリアー層の形成方法]
本発明に係る第1のガスバリアー層の形成方法としては、乾式法と湿式法が挙げられる。
乾式法としては、気相成膜法が挙げられ、更に詳しくは、物理気相成長法(PVD法)又は化学気相成長法(CVD法)が挙げられる。
物理気相成長法(Physical Vapor Deposition、PVD法)は、気相中で物質の表面に物理的手法により、目的とする物質、例えば、炭素膜等の薄膜を堆積する方法であり、例えば、スパッタ法(DCスパッタ法、RFスパッタ法、イオンビームスパッタ法、及びマグネトロンスパッタ法等)、真空蒸着法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition、CVD法)は、基材上に、目的とする薄膜の成分を含む原料ガスを供給し、基材表面又は気相での化学反応により膜を堆積する方法である。また、化学反応を活性化する目的で、プラズマなどを発生させる方法などがあり、熱CVD法、触媒化学気相成長法、光CVD法、真空プラズマCVD法、大気圧プラズマCVD法など公知のCVD方式等が挙げられる。特に限定されるものではないが、製膜速度や処理面積の観点から、放電プラズマ化学気相成長法により形成する方法が好ましい。
また、湿式法としては、ポリシラザンを含有するポリシラザン層形成用塗布液を塗布、乾燥して前駆体層を形成した後、当該前駆体層に真空紫外光による改質処理を施して第1のガスバリアー層を形成する方法が好ましい。
[1]乾式法による第1のガスバリアー層の形成
[1−1]反応性蒸着法
反応性蒸着法は、真空容器内に反応性ガスを導入し、蒸発源から蒸発した原子・分子を反応させて堆積させる方法であり、反応を促進させるためにプラズマ等の励起源を導入することもできる。代表的な原料として、蒸着源としては、ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素等、反応性ガスとしては、窒素、水素、アンモニア、酸素等が用いられる。
[1−2]スパッタ法
スパッタ法は、電界加速した高エネルギーイオンをターゲットに入射させターゲットの構成原子を叩き出すスパッタリング現象を利用し、スパッタされたターゲットの構成原子を基材に堆積させる方法である。反応性スパッタ法は、真空容器内に反応性ガスを導入し、スパッタされたターゲットの構成原子と反応させて基材に堆積させる方法である。代表的な原料として、ターゲット材には、ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素等、反応性ガスとしては、窒素、水素、アンモニア、酸素等が用いられる。
[1−3]化学気相堆積法
化学気相堆積法は、真空容器内に膜の構成元素を含む材料ガスを導入し、特定の励起源により材料ガスを励起することで、化学反応により励起種を形成し、基材に堆積させる方法である。代表的な原料として、モノシラン、ヘキサメチルジシラザン、アンモニア、窒素、水素、酸素等が用いられる。
化学気相堆積法は、高速製膜が可能であり、スパッタ法等に比べ基材に対する被覆性が良好であることからより有望な手法である。特に、非常に高温の触媒体を励起源とした触媒化学気相堆積(Cat−CVD)法や、プラズマを励起源としたプラズマ化学気相堆積(PECVD)法が好ましい方法である。
[1−4]放電プラズマ化学気相成長法
以下に、本発明に好適に用いることができる化学気相堆積法の一つである放電プラズマ化学気相成長法による第1のガスバリアー層の形成方法について詳細に説明する。
本発明においては、放電プラズマ化学気相成長法としては、更に好ましくは、有機ケイ素化合物を含む原料ガスと酸素ガスとを用いて、磁場を印加したローラー間に放電空間を有する放電プラズマ化学気相成長装置を用いて、第1のガスバリアー層を形成する方法が好ましい。
すなわち、本発明に係る第1のガスバリアー層の形成においては、磁場を印加したローラー間放電プラズマ処理装置を用い、基材を一対の成膜ローラーに巻き回し、一対の成膜ローラー間に成膜ガスを供給しながらプラズマ放電して薄膜を形成するプラズマ化学気相成長装置により形成されることが好ましい。また、このように一対の成膜ローラー間に磁場を印加しながら放電する際には、一対の成膜ローラー間の極性を交互に反転させることが好ましい。
本発明に係る磁場を印加したローラー間に成膜ガスを供給しながら第1のガスバリアー層を形成する放電プラズマ化学気相成長法(以下、プラズマCVD法ともいう。)においては、プラズマを発生させる際に、複数の成膜ローラー間に磁場を印加しながら、形成した放電空間にプラズマ放電を発生させることが好ましい。本発明では、一対の成膜ローラーを用い、その一対の成膜ローラーのそれぞれに基材を巻き回して、当該一対の成膜ローラー間に、磁場を印加した状態で放電してプラズマを発生させることが好ましい。
また、成膜時に一方の成膜ローラー上に存在する基材の表面部分を成膜しつつ、もう一方の成膜ローラー上に存在する樹脂基材の表面部分も同時に成膜することが可能となって効率良く薄膜を製造できるばかりか、成膜レートを倍にでき、なおかつ、同じ構造の膜を成膜できるので、効率良くガスバリアー層を形成することが可能となる。
また、本発明のガスバリアーフィルムは、生産性の観点から、ロールtoロール方式で、基材の表面上に第1のガスバリアー層を形成させることが好ましい。
また、このようなプラズマ化学気相成長法によりガスバリアーフィルムを製造する際に用いることが可能な装置としては、少なくとも一対の磁場を印加する装置を具備した成膜ローラーと、プラズマ電源とを備え、かつ一対の成膜ローラー間において放電することが可能な構成となっている装置である。
図2は、本発明のガスバリアーフィルムの製造において好適に利用することができる磁場を印加した一対のローラーを有する放電プラズマ化学気相成長装置の一例を示す模式図である。
図2に示す磁場を印加したローラー間放電プラズマCVD装置31(以下、プラズマCVD装置ともいう。)は、主には、繰り出しローラー32と、搬送ローラー33、34、35、36と、成膜ローラー39、40と、成膜ガス供給管41と、プラズマ発生用電源42と、成膜ローラー39、40の内部に設置された磁場発生装置43、44と、巻き取りローラー45とを備えている。また、このようなプラズマCVD装置31においては、少なくとも成膜ローラー39、40と、成膜ガス供給管41と、プラズマ発生用電源42と、磁場発生装置43、44とが、真空のチャンバーC内に配置されている。更に、このようなプラズマCVD装置31において、チャンバーCは、真空ポンプ17に接続されており、この真空ポンプ17によりチャンバーC内の圧力を適宜調整することが可能となっている。
このようなプラズマCVD装置においては、一対の成膜ローラー39、40を一対の対向電極として機能させることが可能となるように、各成膜ローラー39、40がそれぞれプラズマ発生用電源42に接続されている。一対の成膜ローラー39、40に、プラズマ発生用電源42より電力を供給することにより、成膜ローラー39と成膜ローラー40との間の空間に放電することが可能となり、これにより成膜ローラー39と成膜ローラー40との間の空間(放電空間ともいう。)にプラズマを発生させることができる。なお、このように、成膜ローラー39、40を電極として利用することになるため、電極として利用可能な材質や設計を適宜変更すれば良い。また、このようなプラズマCVD装置31においては、一対の成膜ローラー39、40は、その中心軸が同一平面上において略平行となるようにして配置することが好ましい。このようにして、一対の成膜ローラー39、40を配置することにより、成膜レートを倍にできる。
また、成膜ローラー39、40の内部には、成膜ローラーが回転しても回転しないようにして固定された磁場発生装置43、44がそれぞれ設けられていることが特徴である。
更に、成膜ローラー39、40としては、適宜公知のローラーを用いることができる。成膜ローラー39、40としては、より効率良く薄膜を形成することができる観点から、直径が同一のものを使うことが好ましい。また、成膜ローラー39、40の直径としては、放電条件、チャンバーCのスペース等の観点から、直径が100〜1000mmφの範囲、特に100〜700mmφの範囲が好ましい。直径が100mmφ以上であれば、プラズマ放電空間が小さくなることがないため生産性の劣化もなく、短時間でプラズマ放電の全熱量がフィルムにかかることを回避でき、残留応力が大きくなりにくく好ましい。一方、直径が1000mmφ以下であれば、プラズマ放電空間の均一性等も含めて装置設計上、実用性を保持することができるため好ましい。
また、このようなプラズマCVD装置に用いる繰り出しローラー32及び搬送ローラー33、34、35、36としては、公知のローラーを適宜選択して用いることができる。また、巻き取りローラー45としても、ガスバリアー層を形成した基材2を巻き取ることが可能なものであれば良く、特に制限されず、適宜公知のローラーを用いることができる。
成膜ガス供給管41としては、原料ガス及び酸素ガスを所定の速度で供給又は排出することが可能なものを適宜用いることができる。更に、プラズマ発生用電源42としては、従来公知のプラズマ発生装置の電源を用いることができる。このようなプラズマ発生用電源42は、これに接続された成膜ローラー39、40に電力を供給して、これらを放電のための対向電極として利用することを可能とする。このようなプラズマ発生用電源42としては、より効率良くプラズマCVD法を実施することが可能となることから、一対の成膜ローラーの極性を交互に反転させることが可能なもの(例えば、交流電源等。)を利用することが好ましい。また、このようなプラズマ発生用電源42としては、より効率良くプラズマCVD法を実施することが可能となることから、印加電力を100W〜10kWの範囲とすることができ、かつ交流の周波数を50Hz〜500kHzの範囲とすることが可能なものであることがより好ましい。また、磁場発生装置43、44としては、適宜公知の磁場発生装置を用いることができる。
図2に示すようなプラズマCVD装置を用いて、例えば、原料ガスの種類、プラズマ発生装置の電極ドラムの電力、磁場発生装置の強度、チャンバーC内の圧力、成膜ローラーの直径、及び、樹脂基材の搬送速度を適宜調整することにより、本発明のガスバリアーフィルムを製造することができる。すなわち、図2に示すプラズマCVD装置を用いて、成膜ガス(原料ガス等)をチャンバーC内に供給しつつ、一対の成膜ローラー39、40間に、磁場を発生させながらプラズマ放電を行うことにより、成膜ガス(原料ガス等)がプラズマによって分解され、成膜ローラー39上の基材2の表面上及び成膜ローラー40上の基材2の表面上に、本発明に係る第1のガスバリアー層3がプラズマCVD法により形成される。なお、このような成膜に際しては、基材2が繰り出しローラー32や成膜ローラー39等により、それぞれ搬送されることにより、ロールtoロール方式の連続的な成膜プロセスにより、基材2の表面上に第1のガスバリアー層3が形成される。
本発明に係る第1のガスバリアー層の形成方法としては、必要に応じて、図2に記載の搬送方向Aと搬送方向Bで、同条件で搬送方向を反転させて、複数回処理する方法をとることができる。
[1−4−1]成膜ガス
放電プラズマ化学気相成長法による第1のガスバリアー層の形成において、成膜に用いられる成膜ガスを構成する原料ガスとしては、少なくともケイ素を含有する有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。
本発明に適用可能な有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。これらの有機ケイ素化合物の中でも、成膜での取り扱い及び得られるガスバリアー層のガスバリアー性等の観点から、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。また、これらの有機ケイ素化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、前記成膜ガスは、原料ガスの他に反応ガスとして、酸素ガスを含有することを特徴とする。酸素ガスは、前記原料ガスと反応して酸化物等の無機化合物となるガスである。
前記成膜ガスとしては、前記原料ガスをチャンバー内に供給するために、必要に応じて、キャリアガスを用いても良い。更に、前記成膜ガスとしては、プラズマ放電を発生させるために、必要に応じて、放電用ガスを用いても良い。このようなキャリアガス及び放電用ガスとしては、適宜公知のものを使用することができ、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガスや水素ガスを用いることができる。
このような成膜ガスが、ケイ素を含有する有機ケイ素化合物を含む原料ガスと酸素ガスを含有する場合、原料ガスと酸素ガスの比率を適宜調整することが好ましい。
以下、代表例として、原料ガスとしてのヘキサメチルジシロキサン(有機ケイ素化合物:HMDSO:(CHSiO:)と、反応ガスである酸素(O)の系について説明する。
原料ガスとしてのヘキサメチルジシロキサン(HMDSO、(CHSiO)と、反応ガスである酸素(O)とを含有する成膜ガスを、プラズマCVD法により反応させて、ケイ素−酸素系の薄膜を形成する場合、その成膜ガスにより下記反応式(1)で示される反応が起こり、二酸化ケイ素SiOからなる薄膜が形成される。
反応式(1):(CHSiO+12O→6CO+9HO+2SiO
このような反応においては、ヘキサメチルジシロキサン1モルを完全酸化するのに必要な酸素量は12モルである。そのため、成膜初期では、成膜ガス中に、ヘキサメチルジシロキサン1モルに対し、酸素を12モル以上含有させて完全に反応させることにより、酸素原子比率が高く、均一な組成の二酸化ケイ素膜を形成することができるが、成膜中〜後期で原料のガス流量比を理論比である完全反応の原料比以下の流量に制御して、非完全反応を遂行させ、SiOCの比率を高めるものとしても良い。
なお、実際のプラズマCVD装置のチャンバーC内の反応では、原料のヘキサメチルジシロキサンと反応ガスである酸素は、ガス供給部から成膜領域へ供給されて成膜されるので、反応ガスの酸素のモル量(流量)が原料のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)の12倍のモル量(流量)であったとしても、現実には完全に反応を進行させることはできず、酸素の含有量を化学量論比に比して大過剰に供給して初めて反応が完結すると考えられる。例えば、CVD法により完全酸化させて酸化ケイ素を得るために、酸素のモル量(流量)を原料のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)の20倍以上程度とする場合もある。本発明においては、原料のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)に対する酸素のモル量(流量)は、化学量論比である12倍量以下(より好ましくは、10倍以下)の量であることが好ましい。このような比でヘキサメチルジシロキサン及び酸素を含有させることにより、完全に酸化されなかったヘキサメチルジシロキサン中の炭素原子や水素原子がガスバリアー層中に取り込まれ、所望したガスバリアー層を形成することが可能となって、得られるガスバリアーフィルムに優れたガスバリアー性及び屈曲耐性を発揮させることが可能となる。なお、成膜ガス中のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)に対する酸素のモル量(流量)が少なすぎると、酸化されなかった炭素原子や水素原子がガスバリアー層中に過剰に取り込まれることになる。
[1−4−2]真空度
チャンバーC内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類等に応じて適宜調整することができるが、0.5〜100Paの範囲とすることが好ましい。
[1−4−3]ローラー成膜
図2に示すようなプラズマCVD装置等を用いたプラズマCVD法においては、成膜ローラー39、40間で放電を行うために、プラズマ発生用電源42に接続された電極ドラム(図2においては、成膜ローラー39、40に設置されている。)に印加する電力は、原料ガスの種類やチャンバーC内の圧力等に応じて適宜調整することができるものであり一概にいえるものでないが、0.1〜10kWの範囲内とすることが好ましい。このような範囲の印加電力であれば、パーティクル(不正粒子)の発生も見られず、成膜時に発生する熱量も制御範囲内であるため、成膜時の基材表面温度の上昇による、基材の熱変形、熱による性能劣化や成膜時の皺の発生もない。また、熱で基材が溶けて、裸の成膜ローラー間に大電流の放電が発生することによる成膜ローラーに対する損傷等を防止することができる。
基材の搬送速度(ライン速度)は、原料ガスの種類やチャンバー内の圧力等に応じて適宜調整することができるが、0.25〜100m/minの範囲内とすることが好ましく、0.5〜20m/minの範囲内とすることがより好ましい。ライン速度が前記範囲内であれば、樹脂基材の熱に起因する皺も発生し難く、形成されるガスバリアー層の層厚も十分に制御可能となる。
[2]湿式法による第1のガスバリアー層の形成
本発明に係る第1のガスバリアー層の形成方法としては、ポリシラザンを含有するポリシラザン層形成用塗布液を塗布、乾燥して前駆体層を形成した後、当該前駆体層に真空紫外光による改質処理を施してガスバリアー層を形成する方法も好ましく用いることができる。
本発明におけるポリシラザンの改質処理とは、ポリシラザン化合物の一部又は全部が、酸化ケイ素又は酸化窒化ケイ素への転化する反応をいう。
この改質処理は、ポリシラザンの転化反応に基づく公知の方法を選ぶことができる。ポリシラザン化合物の置換反応による酸化ケイ素膜又は酸化窒化ケイ素膜の形成には450℃以上の高温が必要であり、樹脂フィルムを基材に用いたフレキシブル基板においては、適応が難しい。したがって、本発明のガスバリアーフィルムを作製するに際しては、プラスチック基板への適応という観点から、より低温で転化反応が可能な紫外光を使う方法が好ましい。
本発明におけるガスバリアーフィルムの製造方法において、水分が取り除かれたポリシラザン塗膜は紫外光照射による処理で改質される。紫外線(紫外光と同義)によって生成されるオゾンや活性酸素原子は高い酸化能力を有しており、低温で高い緻密性と絶縁性を有する酸化ケイ素膜又は酸化窒化ケイ素膜を形成することが可能である。
この紫外光照射により、セラミックス化に寄与するOとHOや、紫外線吸収剤、ポリシラザン自身が励起、活性化される。そして、励起したポリシラザンのセラミックス化が促進され、得られるセラミックス膜が緻密になる。紫外光照射は、塗膜形成後であればいずれの時点で実施しても有効である。
本発明での真空紫外光照射処理には、常用されている紫外線発生装置を使用することが可能である。なお、本発明でいう紫外光とは、一般に真空紫外光とよばれる10〜200nmの波長を有する電磁波を含む紫外光をいう。
真空紫外光の照射は、照射される改質前のポリシラザン層を担持している基材がダメージを受けない範囲で、照射強度や照射時間を設定することが好ましい。
基材としてプラスチックフィルムを用いた場合を例にとると、例えば、2kW(80W/cm×25cm)のランプを用い、基材表面の強度が20〜300mW/cm、好ましくは50〜200mW/cmになるように基材−紫外線照射ランプ間の距離を設定し、0.1秒〜10分間の照射を行うことができる。
一般に、紫外線照射処理時の基材温度が150℃以上になると、プラスチックフィルム等の場合には、基材が変形したりその強度が劣化したりする等、基材の特性が損なわれることになる。しかしながら、ポリイミド等の耐熱性の高いフィルム等の場合には、より高温での改質処理が可能である。したがって、この紫外線照射時の基材温度としては、一般的な上限はなく、基材の種類によって当業者が適宜設定することができる。また、紫外線照射雰囲気に特に制限はなく、空気中で実施すれば良い。
このような紫外線の発生手段としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、エキシマランプ、UV光レーザー等が挙げられるが、特に限定されない。また、発生させた紫外線を改質前のポリシラザン層に照射する際には、効率向上と均一な照射を達成する観点から、発生源からの紫外線を反射板で反射させてから改質前のポリシラザン層に当てることが望ましい。
紫外線照射は、バッチ処理にも連続処理にも適合可能であり、使用する基材の形状によって適宜選定することができる。ポリシラザン改質層を有する基材が長尺フィルム状である場合には、これを搬送させながら上記のような紫外線発生源を具備した乾燥ゾーンで連続的に紫外線を照射することによりセラミックス化することができる。紫外線照射に要する時間は、使用する基材やポリシラザン改質層の組成、濃度にもよるが、一般に0.1秒〜10分間であり、好ましくは0.5秒〜3分間である。
また、真空紫外光(VUV)を照射する際の、酸素濃度は300〜10000ppm(1%)とすることが好ましく、更に好ましくは、500〜5000ppmである。このような酸素濃度の範囲に調整することにより、酸素過多のガスバリアー層の生成を防止してガスバリアー性の劣化を防止することができる。
真空紫外光(VUV)照射時にこれら酸素以外のガスとしては乾燥不活性ガスを用いることが好ましく、特にコストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。
酸素濃度の調整は照射装置内へ導入する酸素ガス及び不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
真空紫外光照射による処理は、ポリシラザン化合物内の原子間結合力より大きい100〜200nmの光エネルギーを用い、好ましくは100〜180nmの波長の光のエネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみの作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温で酸化ケイ素膜の形成を行う方法である。これに必要な真空紫外光源としては、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。
本発明における真空紫外光照射工程において、ポリシラザン層塗膜が受ける塗膜面での該真空紫外光の照度は、30〜200mW/cmであることがより好ましく、50〜160mW/cmであると更に好ましい。30mW/cm以上であれば、改質効率を十分に発現させることができ、200mW/cm以下であれば、塗膜にアブレーションを生じたり、基材にダメージを与えたりする問題を防止することができる。
ポリシラザン層塗膜面における真空紫外光の照射エネルギー量は、10〜30000mJ/cmが好ましく、100〜15000mJ/cmであるとより好ましく、200〜12000mJ/cmであると更に好ましい。10mJ/cm以上であれば、改質効果として十分であり、30000mJ/cm以下であれば、クラック発生や基材の熱変形等の発生を抑制することができる。
そして、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。また、有機物の結合を解離させる波長の短い172nmの光のエネルギーは能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、短時間でポリシラザン膜の改質を実現できる。したがって、波長185nm、254nmの発する低圧水銀ランプやプラズマ洗浄と比べて高スループットに伴うプロセス時間の短縮や設備面積の縮小、熱によるダメージを受けやすい有機材料やプラスチック基板、樹脂フィルム等への照射を可能としている。
また、エキシマランプは光の発生効率が高いため、低い電力の投入で点灯させることが可能である。また、光による温度上昇の要因となる波長の長い光は発せず、紫外線領域で単一波長のエネルギーを照射するため、照射対象物の表面温度の上昇が抑えられる特徴を有する。このため、熱の影響を受けやすいとされるポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムを基材とするガスバリアーフィルムへの照射に適している。
第1のガスバリアー層の形成において、ポリシラザン化合物を含有するガスバリアー層形成用塗布液を塗布する塗布方法としては、任意の適切な湿式塗布方法を適用することができる。例えば、ローラーコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等を挙げることができる。
塗膜の厚さは、ガスバリアーフィルムの使用目的に応じて設定することができ、特に制限はないが、例えば、塗膜の厚さは、乾燥後の厚さとして好ましくは0.01〜1μmの範囲内であり、更に好ましくは20〜600nmの範囲内であり、最も好ましくは40〜400nmの範囲内である。
本発明で好ましく用いられる「ポリシラザン化合物」とは、構造内にケイ素−窒素結合を持つポリマーで、Si−N、Si−H、N−H等からなるSiO、Si及び両方の中間固溶体SiO等のセラミックス前駆体無機ポリマーである。
フィルム基材を損なわないように塗布するためには、特開平8−112879号公報に記載されているように、比較的低温でSiOに変性するポリシラザン化合物が好ましい。
このようなポリシラザン化合物としては、下記の構造を有するものが好ましく用いられる。
−Si(R)(R)−N(R)−
式中、R、R及びRは、各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表す。
本発明では、得られるガスバリアー層の、膜としての緻密性の観点からは、R、R及びRの全てが水素原子であるパーヒドロポリシラザン(略称:PHPS)が特に好ましい。
一方、そのSiと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより、下地基材との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミックス膜に靭性を持たせることができ、より膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる利点がある。
用途に応じて適宜、これらパーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択して良く、混合して使用することもできる。
パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6員環又は8員環を中心とする環構造とが共存した構造を有していると推定されている。
ポリシラザンの分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、液体又は固体の物質であり、分子量により異なる。
これらのポリシラザンは有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン含有塗布液として使用することができる。
低温でセラミックス化するポリシラザン化合物の他の例としては、上記ポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報)等が挙げられる。
ポリシラザン化合物を含有する塗布液を調製する有機溶媒としては、ポリシラザンと容易に反応してしまうようなアルコール系や水分を含有するものを用いることは避けることが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、又は、脂肪族エーテル若しくは脂環式エーテル等のエーテル類等が使用できる。
具体的には、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ若しくはターベン等の炭化水素、塩化メチレン若しくはトリクロロエタン等のハロゲン炭化水素、又は、ジブチルエーテル、ジオキサン若しくはテトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度等、目的に合わせて選択し、複数の有機溶剤を混合しても良い。
ポリシラザン化合物含有塗布液におけるポリシラザン化合物の濃度は、目的とするガスバリアー層の層厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、0.2〜35質量%程度である。
当該塗布液には、酸化ケイ素化合物への変性を促進するために、アミンや金属の触媒を添加することもできる。具体的には、例えば、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製のアクアミカNAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL150A、NP110、NP140、SP140等が挙げられる。
これらの触媒の添加量は、触媒による過剰なシラノール形成、膜密度の低下、及び、膜欠陥の増大等を避けるため、ポリシラザン化合物に対して、2質量%以下に調整することが好ましい。
ポリシラザン化合物を含有する塗布液には、ポリシラザン化合物以外にも無機前駆体化合物を含有させることができる。ポリシラザン化合物以外の無機前駆体化合物としては、塗布液の調製が可能であれば特に限定はされないが、例えば、国際公開第2012/090644号の段落番号0140〜0142、国際公開第2013/002026号の段落番号0112〜0114、特開2015−33764号公報の段落番号0072〜0074等に記載のケイ素を含有する化合物やポリシルセスキオキサン等を挙げることができる。
また、湿式法による第1のガスバリアー層の形成は、図3に示す真空紫外光照射装置を用いて行うこともできる。
図3は、ロールtoロール方式の真空紫外光照射装置の一例を示す模式図である。
図3に記載の真空紫外光照射装置50は、ロールtoロールの連続生産方式により、基材2上にガスバリアー層を形成する装置である。
図3に示す真空紫外光照射装置50は、基材2をロール状に積層した状態から繰り出すための繰り出し部54と、基材2上にポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布してポリシラザン層を形成するための塗布部を装備したコーター55と、基材2上に形成したポリシラザン層を乾燥する乾燥部56と、基材2上のポリシラザン層にエキシマ光を照射してポリシラザン層を改質処理するエキシマ光照射部57と、改質処理により得られたガスバリアーフィルムをロール状に巻き取る巻き取り部58を備えていて、ロールtoロール方式で、連続的に表面改質処理を行い、ガスバリアー層を形成する。
具体的な方法としては、繰り出し部54より、長尺の基材2をロール状に積層した積層ローラーから基材2を繰り出す。次いで、塗布部に装備した湿式塗布方式のコーター55を用いて、基材2上にポリシラザン化合物を有する塗布液を、コーター55への供給量を制御しながら所望の湿潤層厚で塗布して、基材2上に湿潤ポリシラザン層を形成する。次いで、形成した湿潤ポリシラザン層を乾燥部56に移動し、温風、加熱ヒーター等を用いた乾燥機によって、基材2上のポリシラザン層を乾燥する。
乾燥したポリシラザン層は、次工程であるエキシマ光照射部57に移動する。
エキシマ光を照射してポリシラザン層に表面改質処理を施すエキシマ光照射部57は、エキシマランプ51をそれぞれ有する複数のエキシマ光照射ユニットU1〜U30と、基材2を搬送するための搬送手段(不図示)を備えている。更に、個々のエキシマ光照射ユニットU1〜U30に窒素ガス及び水蒸気を供給するための配管(不図示)とエキシマ光照射部57内の水蒸気濃度を調整し、窒素ガス及び水蒸気雰囲気にするための窒素ガス及び水蒸気のガス注入口59と、窒素ガス及び水蒸気の排出口60とを備えている。このエキシマ光照射部57内部には、蒸気濃度測定センサー(不図示)が設けられており、その測定情報に従って、窒素ガス及び水蒸気の混合ガス中の水蒸気濃度を所定の条件に制御する。
《第2のガスバリアー層》
基材2の両面に設けられるガスバリアー層のうち、上記した第1のガスバリアー層と反対側に設けられる第2のガスバリアー層は、ガスバリアー性を有していればいずれの構成であっても良く、第1のガスバリアー層と同一の構成であっても良い。また、第2のガスバリアー層は、コスト低減の観点から、第1のガスバリアー層よりもガスバリアー性が低いものであっても良い。また、上記帯電防止層は、二つのガスバリアー層のうち第2のガスバリアー層の上に設けられる。
第2のガスバリアー層の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)、減圧化学気相成長法、プラズマ化学気相成長法などの化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)を挙げることができる。
また、本発明に係る第2のガスバリアー層の層厚としては、例えば、5〜800nmの範囲であることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましい。
《その他の構成層》
(クリアハードコート層)
本発明のガスバリアーフィルムにおいては、基材とガスバリアー層との間にクリアハードコート層を設けることが好ましい態様である。
クリアハードコート層としては、熱硬化型樹脂や活性エネルギー線硬化型樹脂等の硬化性樹脂を用いることができる。中でも、成形が容易なことから、活性エネルギー線硬化型樹脂が好ましい。
熱硬化型樹脂としては、特に制限はなく、例えば、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビニルベンジル樹脂等の種々の熱硬化性樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、平均して1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するものであれば良く、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(具体的には、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルトルイジン、ジグリシジルアニリン等。)、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、これらエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物又は水素添加物等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用しても良い。
活性エネルギー線硬化型樹脂は、紫外線や電子線等の活性線の照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂である。
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等が代表的なものとして挙げられ、中でも紫外線硬化型樹脂が好ましい。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
なお、クリアハードコート層のその他の詳細については、例えば、特開2015−33764号公報の段落番号0230〜0246等に記載されている条件を適宜選択して採用することができる。
(ブリードアウト防止層)
ブリードアウト防止層は、基材を加熱した際に、基材中から未反応のオリゴマー等が表面に移行し、接触する面を汚染してしまう現象を抑制する目的で設けられる層である。ブリードアウト層は、この機能を有していれば、上記クリアハードコート層と同じ構成をとっても良い。
ブリードアウト防止層の詳細な構成については、例えば、特開2015−33764号公報の段落番号0247〜0261等を参照することができる。
《ガスバリアーフィルムの製造方法》
本発明のガスバリアーフィルムの製造方法は、基材の両面にガスバリアー層を備えるガスバリアーフィルムの製造方法であって、基材の一方の面上に第2のガスバリアー層を形成する工程と、第2のガスバリアー層上に帯電防止層を形成する工程と、当該帯電防止層を形成した後に基材の他方の面上にCVD法により第1のガスバリアー層を形成する工程と、を有する。
また、第1のガスバリアー層、第2のガスバリアー層及び帯電防止層をロールtoロール方式で形成することが好ましい。
また、本発明のガスバリアーフィルムの製造方法としては、第2のガスバリアー層、帯電防止層、第1のガスバリアー層をこの順に形成するものであるが、上記本発明のガスバリアーフィルムを得るためには、基材の両面に第1及び第2のガスバリアー層を形成した後に、第2のガスバリアー層上に帯電防止層を形成するものとしても良い。
《電子デバイス》
本発明のガスバリアーフィルムは、空気中の化学成分(例えば、酸素、水、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等。)によって性能が劣化し得る電子デバイスに好ましく用いることができる。すなわち、本発明は、電子デバイス本体と、本発明のガスバリアーフィルム又は本発明の製造方法により得られるガスバリアーフィルムと、を有する電子デバイスを提供する。
電子デバイスの例としては、例えば、有機EL素子、液晶表示素子(LCD)、薄膜トランジスタ、タッチパネル、電子ペーパー、太陽電池(PV)等を挙げることができる。本発明の効果がより効率的に得られるという観点から、有機EL素子又は太陽電池に好ましく用いられ、有機EL素子に特に好ましく用いられる。
また、本発明のガスバリアーフィルムは、電子デバイスの膜封止に用いることができる。すなわち、電子デバイス自体を支持体として、その表面に本発明のガスバリアーフィルムを設ける方法である。なお、ガスバリアーフィルムを設ける前にデバイスを保護層で覆っても良い。
本発明のガスバリアーフィルムは、電子デバイスの基板や固体封止法による封止のためのフィルムとしても用いることができる。固体封止法とはデバイスの上に保護層を形成した後、接着剤層、ガスバリアーフィルムを重ねて硬化する方法である。接着剤は特に制限はないが、熱硬化性エポキシ樹脂、光硬化性アクリレート樹脂等が例示される。
(有機EL素子)
本発明のガスバリアーフィルムは、有機EL素子に適用することができる。本発明に適用可能な有機EL素子の概要については、例えば、特開2013−157634号公報、特開2013−168552号公報、特開2013−177361号公報、特開2013−187211号公報、特開2013−191644号公報、特開2013−191804号公報、特開2013−225678号公報、特開2013−235994号公報、特開2013−243234号公報、特開2013−243236号公報、特開2013−242366号公報、特開2013−243371号公報、特開2013−245179号公報、特開2014−003249号公報、特開2014−003299号公報、特開2014−013910号公報、特開2014−017493号公報、特開2014−017494号公報等に記載されている構成を挙げることができる。
(液晶表示素子)
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板及び偏光膜からなる構成を有する。本発明のガスバリアーフィルムは、透明電極用の基板又は上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、更にカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、又は、上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板及び偏光膜からなる構成を有する。カラー表示の場合には、更にカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、又は、上配向膜と上透明電極との間に設けることが好ましい。
液晶セルの種類は特に限定されないが、より好ましくはTN型(Twisted Nematic)、STN型(Super Twisted Nematic)又はHAN型(Hybrid Aligned Nematic)、VA型(Vertically Alignment)、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensated Bend)、IPS型(In−Plane Switching)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)であることが好ましい。
(太陽電池)
本発明のガスバリアーフィルムは、太陽電池素子の封止フィルムとしても用いることができる。ここで、本発明のガスバリアーフィルムは、帯電防止層と反対側の第1のガスバリアー層が太陽電池素子に近い側となるように封止することが好ましい。本発明のガスバリアーフィルムが好ましく用いられる太陽電池素子としては、特に制限はないが、例えば、単結晶シリコン系太陽電池素子、多結晶シリコン系太陽電池素子、シングル接合型、又はタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウムリン(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池素子、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池素子、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子、有機太陽電池素子等が挙げられる。中でも、本発明においては、上記太陽電池素子が、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子であることが好ましい。
(その他)
その他の適用例としては、特表平10−512104号公報等に記載の薄膜トランジスタ、特開平5−127822号公報又は特開2002−48913号公報等に記載のタッチパネル、特開2000−98326号公報等に記載の電子ペーパー等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
《ガスバリアーフィルム101の作製》
(1)基材の準備
両面にクリアハードコート層を有する透明の樹脂基材(きもと社製、クリアハードコート層(CHC)付ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)フィルム、クリアハードコート層はアクリル樹脂を主成分としたUV硬化樹脂より構成、PETの厚さ125μm)を用意した。
(2)第2のガスバリアー層(SiO層)の形成
基材の一方の面に、気相法・DCスパッタ(マグネトロンスパッタ装置・キヤノンアネルバ社製:型式EB1100(以下、スパッタには同じ装置を用いた。))により、層厚30nmの第2のガスバリアー層を形成した。用いたスパッタ装置は、2元同時スパッタが可能なものである。
ターゲットとして多結晶Siターゲットを用い、プロセスガスにはArとOとを用いた。製膜は、層の組成がSiOとなるように酸素分圧を調整することにより行った。なお、事前にガラス基板を用いた製膜により、酸素分圧を調整することにより組成の条件出しを行い、表層から深さ10nm近傍の組成がSiOとなる条件を見いだし、その条件を適用した。また、層厚に関しては、100〜300nmの範囲で製膜時間に対する層厚変化のデータを取り、単位時間当たりに製膜される層厚を算出した後、設定層厚となるように製膜時間を設定することで層厚を調整した。以下、スパッタでの製膜は、同様に、表層から深さ10nm近傍の組成が所望の組成になるような条件を見いだし、更に単位時間当たりに製膜される層厚を算出し、その条件を適用している。
(3)帯電防止層の形成
基材の上記第2のガスバリアー層上に、バインダー樹脂としてのUV硬化性樹脂(オプスターZ7527、JSR社製)100質量部に対し、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル帯電防止剤0.2質量部を、乾燥後の層厚が1μmとなる条件で塗布、乾燥した後、80W/cmの水銀灯を用い、300mJの条件で紫外線照射処理を行って、帯電防止層を形成した。
(4)第1のガスバリアー層の形成(プラズマCVD法)
上記基材の第2のガスバリアー層を形成した面とは反対側の面に、下記の方法に従って、第1のガスバリアー層を形成した。
図2に記載の放電プラズマ化学気相成長装置を用い、基材をプラズマCVD装置31にセットし、ロールtoロール方式で連続搬送させた。成膜ローラー39と成膜ローラー40との間に磁場を印加するとともに、成膜ローラー39、40にそれぞれ電力を供給して、成膜ローラー39と成膜ローラー40との間に放電してプラズマを発生させ、放電領域を形成した。次いで、形成した放電領域に、成膜ガスとして、原料ガスであるヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)と反応ガスである酸素ガス(放電ガスとしても機能する。)の混合ガスを、成膜ガス供給管41より供給し、基材の上記第2のガスバリアー層が形成された面と反対面上に、下記条件にて、層厚120nmの第1のガスバリアー層を成膜した。なお、上記成膜操作は、搬送方向Aで、繰り出しローラー32より基材の繰り出し→成膜→巻き取りローラー45による基材の巻き取り、更に搬送方向Bで、巻き取りローラー45からの基材の繰り出し→成膜→繰り出しローラー32への巻き取りの操作を、5回に分割して行った。
(成膜条件)
原料ガス(ヘキサメチルジシロキサン、HMDSO)の供給量:50sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)
反応ガス(O)の供給量:500sccm
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:0.8kW
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度:0.8m/min
上記方法に従って形成した第1のガスバリアー層は、酸化ケイ素(SiOC)で構成され、層厚は270nmであった。
このようにしてガスバリアーフィルム101を作製した。
《ガスバリアーフィルム102の作製》
上記ガスバリアーフィルム101の作製において、帯電防止層及び第1のガスバリアー層の形成方法をそれぞれ以下のように変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム102を作製した。
(帯電防止層の形成)
基材の第2のガスバリアー層上に、リンドープ酸化スズ(日産化学工業(株)製、セルナックスCX−S204IP)とバインダー樹脂としてUV硬化性樹脂(オプスターZ7527、JSR社製)との混合物(固形分質量比=1:1)を、乾燥後の層厚が4μmとなる条件で塗布、乾燥した後、80W/cmの水銀灯を用い、300mJの条件で紫外線照射処理を行って、帯電防止層を形成した。
(第1のガスバリアー層の形成(塗布法))
〈ポリシラザン含有塗布液の調製〉
無触媒のパーヒドロポリシラザンを20質量%含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製、NN120−20)と、アミン触媒を含むパーヒドロポリシラザン20質量%のジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製、NAX120−20)とを、4:1の割合で混合し、更にジブチルエーテル溶媒を用い、塗布液の固形分が10質量%になるように希釈調整して、ポリシラザン含有塗布液を調製した。
〈ポリシラザン含有塗布液の塗布及び紫外線照射〉
上記調製したポリシラザン化合物含有塗布液を、図3に示す真空紫外光照射装置50を用いて、基材の第2のガスバリアー層を形成した面の反対側の面上に、塗布部に装備したコーター55を用いて、ラインスピード1.0m/minで連続塗布したのち、乾燥部56で、乾燥温度50℃、乾燥雰囲気の露点10℃で1分間乾燥した後、乾燥温度80℃、乾燥雰囲気の露点5℃で2分間乾燥して、乾燥後層厚が250nmのポリシラザン層を形成した。
次いで、乾燥部56を経て形成したポリシラザン層を、エキシマ光照射部57に移送し、エキシマ光照射による表面改質処理を行った。
エキシマ光の照射は、エキシマランプとして、MDエキシマ社製のキセノンエキシマランプ(波長:172nm、ピーク照度:120mW/cm)を用い、図3に示すように基材の搬送方向に平行して、30基のエキシマランプ(U1〜U30)を配置した。エキシマランプ管面と搬送されている基材表面間の最短距離としては、3mmとなるようにエキシマランプの設置位置を調整した。なお、真空紫外光照射工程で試料塗布層表面に照射されるエネルギーは、浜松ホトニクス社製の紫外線積算光量計:C8026/H8025UVPOWERMETERを用い、172nmのセンサヘッドを用いて測定した。測定に際しては、Xeエキシマランプ管面とセンサヘッドの測定面との最短距離が、3mmとなるように設置した。
《ガスバリアーフィルム103の作製》
上記ガスバリアーフィルム101の作製において、帯電防止層及び第1のガスバリアー層の形成方法をそれぞれ以下のように変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム103を作製した。
(帯電防止層の形成)
基材の第2のガスバリアー層上に、導電性ポリマー1(リチウム塩アクリレート系モノマー、三光化学工業製、サンコノールA600−50R)を、硬化後の層厚が2μmとなる条件で塗布、乾燥した後、80W/cmの水銀灯を用い、300mJの条件で紫外線照射処理を行って、帯電防止層を形成した。
(第1のガスバリアー層の形成(スパッタ法)
基材の第2のガスバリアー層が形成された面と反対側の面上に、当該第2のガスバリアー層の形成方法と同じ方法で、層厚30nmの第1のガスバリアー層を形成した。
《ガスバリアーフィルム104の作製》
上記ガスバリアーフィルム103の作製において、第1のガスバリアー層の形成方法を、上記ガスバリアーフィルム102の作製における塗布法に変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム104を作製した。
《ガスバリアーフィルム105の作製》
上記ガスバリアーフィルム103の作製において、第1のガスバリアー層の形成方法を、上記ガスバリアーフィルム101の作製におけるプラズマCVD法に変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム105を作製した。
《ガスバリアーフィルム106の作製》
上記ガスバリアーフィルム105の作製において、帯電防止層の形成に用いられる導電性ポリマー1を共役系ポリマーであるポリチオフェン(導電性ポリマー2)に変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム106を作製した。
《ガスバリアーフィルム107の作製》
上記ガスバリアーフィルム105の作製において、帯電防止層の形成に用いられる導電性ポリマー1を共役系ポリマーであるポリ(1,6−ヘプタジエン)(導電性ポリマー3)に変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム107を作製した。
《ガスバリアーフィルム108の作製》
上記ガスバリアーフィルム105の作製において、後述する測定方法により求められる表面抵抗率が表1に記載の値になるように帯電防止層の層厚を変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム108を作製した。
《ガスバリアーフィルム109の作製》
上記ガスバリアーフィルム105の作製において、帯電防止層の形成に用いられる導電性ポリマー1を下記導電性ポリマー4に変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム109を作製した。
導電性ポリマー4:特開2006−104458号公報の実施例に記載のイオン導電性ポリマーであるコーティング組成物(2)(メチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体(導電性セグメント76%、重量平均分子量:23000))
《ガスバリアーフィルム110の作製》
上記ガスバリアーフィルム105の作製において、後述する測定方法により求められる表面抵抗率が表1に記載の値になるように帯電防止層の層厚を変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム110を作製した。
《有機EL素子の作製》
上記作製したガスバリアーフィルム101〜110のそれぞれの第1のガスバリアー層上に、以下に説明する各構成層を形成して有機EL素子を作製した。
(第1電極の形成)
それぞれのガスバリアーフィルムの第1のガスバリアー層上に、厚さ150nmのITO(インジウム・スズ酸化物)をスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、第1電極を形成した。なお、パターンは発光面積が50mm平方になるようなパターンとした。
(正孔輸送層の形成)
正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に、ガスバリアーフィルムの洗浄表面改質処理として、波長184.9nmの低圧水銀ランプを使用し、照射強度15mW/cm、距離10mmで実施した。帯電除去処理は、微弱X線による除電器を使用した。
次に、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製BaytronPAI4083)を純水で65%、メタノール5%で希釈した溶液を正孔輸送層形成用塗布液とした。
ガスバリアーフィルムの第1電極層の上に、大気中、25℃、相対湿度50%RHの環境下で、正孔輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した。正孔輸送層形成用塗布液は、乾燥後の層厚が50nmになるように塗布した。
正孔輸送層形成用塗布液を塗布した後、成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度100℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置を用い温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
ホスト材料として下記H−Aを1.0gと、ドーパント材料として下記D−Aを100mgと、下記D−Bを0.2mgと、下記D−Cを0.2mgとを、100gのトルエンに溶解して、白色発光層形成用塗布液とした。
Figure 2017071093
ガスバリアーフィルムの正孔輸送層上に、窒素ガス濃度99%以上の雰囲気下で、白色発光層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した。塗布温度25℃、塗布速度1m/minとした。白色発光層形成用塗布液は乾燥後の層厚が40nmになるように塗布した。
白色発光層形成用塗布液を塗布した後、成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した。次いで、温度130℃で加熱処理を行い、白色発光する発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
下記E−Aを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール中に溶解して0.5質量%溶液とし、電子輸送層形成用塗布液とした。
Figure 2017071093
発光層上に、窒素ガス濃度99%以上の雰囲気下で、電子輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した。塗布温度25℃とし、塗布速度1m/minとした。電子輸送層形成用塗布液は、乾燥後の層厚が30nmになるように塗布した。
電子輸送層形成用塗布液を塗布した後、成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した。次いで、加熱処理部で、温度200℃で加熱処理を行い、電子輸送層を形成した。
(電子注入層の形成)
上記各構成層が形成されたガスバリアーフィルムを真空チャンバーに投入し、5×10−4Paまで減圧した。あらかじめ、真空チャンバー内のタンタル製蒸着ボートに用意しておいたフッ化セシウムを加熱し、電子輸送層上に層厚3nmの電子注入層を形成した。
(第2電極の形成)
第1電極の取り出し電極を構成する部分を除き、形成された電子注入層の上に5×10−4Paの真空下で第2電極形成材料としてアルミニウムを使用し、取り出し電極を有するように蒸着法で、発光面積が50mm平方になるようにマスクパターン成膜し、厚さ100nmの第2電極を積層した。
(裁断)
第2電極まで形成したガスバリアーフィルムを、再び窒素雰囲気下に移動し、規定の大きさとなるように紫外線レーザーを用いて裁断した。
(電極リード接続)
作製した積層体に、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス(株)製の異方性導電フィルムDP3232S9を用いて、フレキシブルプリント基板(ベースフィルム:ポリイミド12.5μm、圧延銅箔18μm、カバーレイ:ポリイミド12.5μm、表面処理NiAuメッキ)を圧着して接続した。圧着条件としては、温度170℃(別途熱電対を用いて測定したACF温度140℃)、圧力2MPa、10秒間とした。
(封止)
封止部材としては、ドライラミネーション用の接着剤(2液反応型のウレタン系接着剤)を用いて、30μm厚のアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(12μm厚)をラミネートしたもの(接着剤層の層厚1.5μm)を用いた。
ディスペンサを使用して、封止部材のアルミニウム箔の接着面(つや面)に沿って、熱硬化性接着剤を厚さ20μmで均一に塗布した。熱硬化接着剤としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)、ジシアンジアミド(DICY)及びエポキシアダクト系硬化促進剤(エポキシ系接着剤)の混合物を用いた。
作製した積層体上に設けられた取り出し電極及び電極リード以外を覆うようにして、上記封止部材を密着・配置して、市販のローラーラミネート装置により、圧着ローラー温度120度、圧力0.5MPa、装置速度0.3m/minで密着封止した。
このようにして、有機EL素子を作製した。
《ガスバリアーフィルム101〜110の評価》
上記のようにして作製したガスバリアーフィルム101〜110について、下記表面抵抗率の測定及びガスバリアー性の評価を行った。また、ガスバリアーフィルム101〜110を用いて作製した有機EL素子について、下記有機EL素子のダークスポット評価を行った。各評価結果を表1に示す。
(1)ガスバリアーフィルムの表面抵抗率の測定
三菱アナリテック社製 ハイレスタUX MCP−HT800を用いて、各ガスバリアーフィルムの帯電防止層側表面の表面抵抗率を測定した。
(2)ガスバリアー性の評価
真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置JEE−400)を用い、作製したガスバリアーフィルムの第1のガスバリアー層表面に、マスクを通して12mm×12mmのサイズで金属カルシウムを蒸着させた。この際、蒸着膜厚は80nmとなるようにした。
その後、真空状態のままマスクを取り去り、ガスバリアーフィルムの上記金属カルシウムを蒸着させた面全体にアルミニウムを蒸着させて仮封止をした。次いで、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下に移して、アルミニウム蒸着面に封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス株式会社製)を介して厚さ0.2mmの石英ガラスを張り合わせ、紫外線を照射して樹脂を硬化接着させて本封止することで、水蒸気バリア性評価試料を作製した。
得られた試料を、恒温恒湿度オーブン(YamatoHumidicChamberIG47M)を用いて85℃・85%の高温高湿下で保存し、保存時間に対して金属カルシウムが腐食して行く様子を観察した。12mm×12mmの金属カルシウム蒸着面積に対する金属カルシウムが腐食した面積が50%になる時間を観察結果から直線で内挿して求め、下記基準に従って評価した。下記基準において3以上であれば実用上問題ないと判断することができる。
5:200時間以上
4:150時間以上200時間未満
3:100時間以上150時間未満
2:50時間以上100時間未満
1:50時間未満
(3)有機EL素子のダークスポット(黒点)評価
上記作製した各有機EL素子について、85℃、85%RHの環境下で100時間の加速劣化処理を施した後、加速劣化処理を施していない各有機EL素子とともに、ダークスポット(表1ではDSと略記する。)に関する評価を行った。
加速劣化処理を施した有機EL素子及び加速劣化処理を施していない有機EL素子に対し、それぞれ1mA/cmの電流を印加し、24時間連続発光させた後、100倍のマイクロスコープ((株)モリテックス製MS−804、レンズMP−ZE25−200)でパネルの一部分を拡大し、撮影を行った。撮影画像を2mm四方に切り抜き、ダークスポット(黒点)の発生面積比率を求め、下式に従って素子劣化耐性率を算出し、下記の基準に従って評価した。下記基準において3以上であれば実用上問題ないと判断することができる。
素子劣化耐性率=(加速劣化処理を施していない有機EL素子で発生した黒点の面積/加速劣化処理を施した有機EL素子で発生した黒点の面積)×100(%)
5:素子劣化耐性率が、98%以上である
4:素子劣化耐性率が、90%以上、98%未満である
3:素子劣化耐性率が、60%以上、90%未満である
2:素子劣化耐性率が、20%以上、60%未満である
1:素子劣化耐性率が、20%未満である
Figure 2017071093
表1に示すように、本発明のガスバリアーフィルムは、比較例のガスバリアーフィルムに対し、ガスバリアー性に優れ、有機EL素子に適用することによりダークスポットの発生が抑制されていることが分かる。
1 ガスバリアーフィルム
2 基材
3 第1のガスバリアー層
3A、3B ガスバリアー層
4 第2のガスバリアー層
5 帯電防止層

Claims (5)

  1. 基材の両面にガスバリアー層を備えるガスバリアーフィルムであって、
    前記ガスバリアー層のいずれか一方に、導電性ポリマーを含有する帯電防止層が積層されていることを特徴とするガスバリアーフィルム。
  2. 表面抵抗率が、1×10〜1×1011Ω/□の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアーフィルム。
  3. 基材の両面にガスバリアー層を備えるガスバリアーフィルムの製造方法であって、
    前記基材の一方の面上に第2のガスバリアー層を形成する工程と、
    前記第2のガスバリアー層上に帯電防止層を形成する工程と、
    前記帯電防止層を形成した後に、前記基材の他方の面上にCVD法により第1のガスバリアー層を形成する工程と、を有することを特徴とするガスバリアーフィルムの製造方法。
  4. 前記第1のガスバリアー層、前記第2のガスバリアー層及び前記帯電防止層をロールtoロール方式で形成することを特徴とする請求項3に記載のガスバリアーフィルムの製造方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載のガスバリアーフィルムを備えることを特徴とする電子デバイス。
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