JP2006081701A - 管状器官の治療具、この治療具を用いるステントの留置方法 - Google Patents

管状器官の治療具、この治療具を用いるステントの留置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 管状器官の内腔壁や導入部を損傷させずに体内の管状器官の屈曲した場所に挿入することができ、容易にステントなどの管状器官の留置が行なえる管状器官の治療具を提供する。
【解決手段】 折り返しカバー12の内層12aの内側に、縮径状態のステント13を有する管状器官の治療具11であり、折り返しカバー12は、筒状チューブを折り返した少なくとも内層12a及び外層12bを有する構造で、折り返し部12dを有しており、縮径状態のステント13は、ステントの先端側13aが折り返しカバー12の折り返し部側12dに配置されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状器官内にステントなどを挿入するための管状器官の治療具及びこれを用いるステントの留置方法に関する。
近年、血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状器官における治療のため、それらの患部にカテーテルを通してカバー付きステントを挿入し配置することが行われている。例えば血管の狭窄部にカバー付きステントを配置して拡張したり、動脈瘤が形成された箇所にカバー付きステントを配置して動脈瘤の破裂を防止する治療方法が知られている。
ステントのデリバリーシステムとしては、非特許文献1に、ダイレータを設けているシステムが記載されている。
胸部・腹部大動脈瘤の治療2001年−ステントグラフティングを中心に−、江里健輔・竹中博昭監修、メディカルトリビューン、2001年1月31日(第1版第1刷)、13〜15頁、40〜53頁
ステントを体内の管状器官に挿入する場合、管状器官の内腔壁を損傷しないように、ステントを縮径させてシースに収容し、ステントの先端部にダイレータなどの保護具を設けている治療具が使用されている。しかし、屈曲した場所に挿入する場合には、ダイレータ本体やステントやシースの先端部のエッジが管状器官の内腔壁を損傷させるおそれが考えられる。また、使用したシースの抜き取り時に内腔壁を損傷させるおそれが考えられる。さらには、シースなどが挿入部の皮膚や血管を傷つけるといった不具合も報告されている。
縮径させた自己拡張型ステントを管状器官に放出する際には、ステントを縮径状態で硬質の筒状カバー(シース)内に収容し、その後筒状カバーを管状器官内に挿入し、筒状カバーを引き抜いて、ステントを管状器官内に放出している。ステントを放出するために筒状カバーを引き抜く時に、その引く抜く作業は、ステントの拡張力が摩擦となって抵抗が生じるために大きな力を必要とし、さらにカバーや保持具(芯棒)に大きな負荷をかけている。このように引く抜く作業は大きな力を要するため、摩擦抵抗による位置ズレなどの影響を受けやすく、留置位置や方向などの精度に影響が出やすかった。また、ステント自体が歪んだり拡張が不均一であったり、ステントに取り付けられたカバーが破損することも考えられる。
本発明の目的は、管状器官の内腔壁や導入部を損傷させずに体内の管状器官の屈曲した場所に挿入することができ、容易にステントなどの管状器官の留置が行なえる管状器官の治療具を提供することである。
本発明は、折り返しカバーの内層の内側に、縮径状態のステントを有する管状器官の治療具であり、
・折り返しカバーは、筒状チューブを少なくとも1回折り返した、少なくとも内層及び外層を有する構造で、折り返し部を有しており、
・縮径状態のステントは、ステントの先端側が折り返しカバーの折り返し部側に配置されていることを特徴とする。(発明イ)
好ましくは本発明は、折り返しカバーの内層の内側に、縮径状態のステントを有する管状器官の治療具であり、
・折り返しカバーは、筒状チューブを少なくとも1回折り返した、少なくとも内層及び外層を有する構造で、折り返し部を有しており、
・折り返しカバーの折り返し部又はその近傍が、紐材により引き解け結びの状態で結ばれており、
・縮径状態のステントは、ステントの先端側が折り返しカバーの折り返し部側に配置されていることを特徴とする。(発明ロ)
好ましくは本発明は、折り返しカバーの内層の内側に、縮径状態のステントを有する管状器官の治療具であり、
・折り返しカバーは、筒状チューブを少なくとも1回折り返した、少なくとも内層及び外層を有する構造で、折り返し部を有しており、
・筒状チューブは、柔軟性を有するチューブ(A)と、チューブ(A)より柔軟性のないチューブ(B)とを接続しているチューブであり、
・折り返しカバーの内層はチューブ(A)であり、折り返しカバーの外層の大部分がチューブ(B)であり、
・縮径状態のステントは、ステントの先端側が折り返しカバーの折り返し部側に配置されていることを特徴とする。(発明ハ)
好ましくは本発明は、折り返しカバーの内層の内側に、縮径状態のステントを有する管状器官の治療具であり、
・折り返しカバーは、筒状チューブを少なくとも1回折り返した少なくとも内層及び外層を有する構造で、折り返し部を有しており、
・筒状チューブの少なくとも1つの端部の内径は、ステントを留置している折り返しカバーの内層の内径より大きく、
・縮径状態のステントは、ステントの先端側が折り返しカバーの折り返し部側に配置されていることを特徴とする。(発明ニ)
本発明の管状器官の治療具の好ましい態様を以下に示す。好ましい態様は複数組み合わせることができる。
1)縮径状態のステントは、折り返しカバーの折り返し部とカバー端部の間に配置されていること。(発明イ、発明ロ、発明ハ、発明ニ)
2)筒状チューブの少なくとも1つの端部の内径は、ステントを留置している折り返しカバーの内層の内径より大きいこと。(発明ロ、発明ハ)
3)折り返しカバーの折り返し部又はその近傍と、縮径状態のステントを配置している折り返しカバーの内層の外側とが、紐材により引き解け結びの状態で結ばれていること。(発明ロ、発明ニ)
4)折り返しカバーの折り返し部又はその近傍と、縮径状態のステントを配置している折り返しカバーの内層の外側とが、同じ紐材により引き解け結びの状態で結ばれていること。(発明ロ、発明ニ)
5)折り返しカバーの折り返し部又はその近傍を紐材により引き解け結びの状態で結び、さらに同じ紐材を用いて縮径状態のステントを配置している折り返しカバーの内層の外側の少なくとも2箇所以上を引き解け結びの状態で結ばれていること。(発明ロ、発明ニ)6)折り返しカバーは、外層の端部から長さ方向に裂ける折り返しカバーであること。(発明イ、発明ロ、発明ニ)
7)折り返しカバーの筒状チューブは、縮径状態のステントの長さより2倍以上の長さであること。(発明イ、発明ロ、発明ハ、発明ニ)
8)折り返しカバーの折り返し部は、ステントの先端部と同一面上或いはそれよりも先端
側に突出している部分に設けること。(発明イ、発明ロ、発明ハ、発明ニ)
9)折り返しカバーの外層の端部に、さらに折り返しカバーよりも硬質のリング状などの部材を接続すること。(発明イ、発明ロ、発明ニ)
10)ステントは、折り返しカバーの内層の内側に配置することにより、縮径保持していること。(発明イ、発明ロ、発明ハ、発明ニ)
11)折り返しカバーは、筒状チューブを少なくとも1回折り返した、少なくとも内層及び外層を有する二重構造などの多層構造で、内層及び外層は折り返し部で繋がれていること。(発明イ、発明ロ、発明ハ、発明ニ)
12)折り返しカバーは、筒状チューブを少なくとも1回折り返して得られ、折り返し部を有し、内層及び外層を有する二重構造、四重構造又は八重構造、及びこれらこの構造を組み合わせているものであること。(発明イ、発明ロ、発明ハ、発明ニ)
13)折り返しカバーは、折り返しカバーの外層の端部を折り返し部の反対方向に引くことにより、折り返しカバーの内層が内層と外層との折り返し部分より、めくれ上がるように翻転しながら折り返されるものであること。(発明イ、発明ロ、発明ハ、発明ニ)
本発明は、上記発明イ、発明ロ、発明ハ及び発明ニに示す管状器官の治療具を用いるステントの留置方法であり、
・折り返しカバーの外層の端部を折り返し部の反対方向に引いて、
・折り返しカバーの内層を外層に翻転させながらカバーを引き抜くことにより、
・縮径状態のステントの先端部よりステントを拡張させ、
・ステントを管状器官内に留置させることを特徴とする管状器官の治療具を用いたステントの留置方法を提供することである。
(発明イ、発明ロ、発明ハ及び発明ニ)
1)本発明の管状器官の治療具では、外層の端部を折り返し部の反対方向に引くことにより、折り返しカバーの内層が折り返し部分より、めくれ上がるように翻転しながら引き抜かれていく。そのため、折り返しカバーの引き抜く力は、折り返しカバーの内層の外面と外層の内面間の摩擦抵抗ですみ、縮径状態ステントの拡張力の影響は受けない。ステントの拡張力が強いものでも、より確実な放出と展開が可能となる。位置決めの精度やステントの変形を抑制する意味でも効果的である。
2)本発明の管状器官の治療具に使用する折り返しカバーは、ステントの縮径状態を保持できる強度があればよく、折り返しカバーの内層が折り返し部分より、めくれ上がるように翻転しながら引き抜くことができる程度の柔らかさがあればよく、特に柔らかいほどよい。従来のシースなどの筒状カバーが、硬いものを使用しているが本発明はまったく逆である。
3)本発明の管状器官の治療具は、容易に入手できるチューブを用いて、簡便な方法で製造できる。
本発明の管状器官の治療具は、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、テフロンなどのポリフッ化オレフィンなどの柔軟な筒状チューブを用いることにより、体内の管状器官の屈曲した場所への挿入を管状器官の内腔壁を損傷させることなく行うことが出来る。
(発明ロ)
本発明(ロ)では、折り返しカバーの折り返し部又はその近傍を紐により縛ることにより、カバーの脱落やカバーの翻転を防ぐことができる。
本発明(ロ)では、引きとけ結びにより、ステントを収容しているカバーの内層の外側を結ぶことにより、術者の手元側(体外)にある紐端を引くことで容易に解くことができ、折り返しカバーを翻転させ、ステントの放出・拡張・留置を容易に行うことができる。
また、縮径ステントと内層カバーを同時に引きとけ結びにより固定しておくことにより
、万一カバーが破損しても、ステントが拡張することがなく安全である。
本発明(ロ)では、紐は、折り返し部又はその近傍と、ステントを収容している折り返しカバーの内層の外側をステントの先端側から基端側まで、適当な間隔を置いて複数箇所にて引きとけ結びにより結ぶことにより、留置部が屈曲又は湾曲した状態であっても、紐を引いたときに紐が円弧に対して弦となろうとすることを防ぎ、内腔を擦って傷つけることがなく、紐材の引き抜き作業を管状器官に大きな負荷をかけることなく、容易に行うことができる。
(発明ハ)
本発明(ハ)では、折り返しカバーとして、外層として用いる硬質のチューブと内層として用いる軟質のチューブとを接続したカバーを用いることにより、折り返しカバーの引き抜く力は、折り返しカバーの内層の外面と外層の内面間の摩擦抵抗ですみ、縮径状態ステントの拡張力の影響は受けない。ステントの拡張力が強いものでも、より確実な放出と展開が可能となる。
(発明ニ)
本発明(発明ニ)の管状器官の治療具は、折り返しカバーの内層の内側に容易にステントを挿入することができる。また、カバーの折り返しが容易である。
以下に、本発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
図1には、折り返しカバーの内層の内側に、縮径状態のステントを有する管状器官の治療具の一例の断面の模式図を示す。
管状器官の治療具1は、折り返しカバー2の内層2aの内側に、縮径状態のステント3を有している。
折り返しカバー2は、筒状チューブを1回折り返し、折り返し部2dを有し、折り返し部2dから内側の層である内層2a及び、折り返し部2dから外側の層である外層2bの二重構造で、内層2a及び外層2bは折り返し部2dで繋がっている。筒状チューブの内層2aの長さは、筒状チューブの外層2bの長さより短く、折り返しカバーの内層2aの端部2c、外層2bの端部2eである。図1では、折り返しカバーの内層2aと外層2bとを判り易くするために、内層2aと外層2bの間に隙間を設けて図示しているが、実際はこの隙間はほとんどなく、内層の外面と外層の内面とは大部分が接している。
ステント3は、ステントの先端側3aが折り返しカバーの折り返し部2d側に、ステントの基端側3bが折り返しカバーの内層の端部2c側に、ステント全体が縮径状態又は縮径が保持されている状態で、筒状チューブの内層2aの内側に留置又は配置されている。
図1において、符号4は保持具(芯棒)である。
管状器官の治療具1は、折り返しカバーの外層2bの端部2eを、矢印8の方向(折り返し部の反対方向)に引くことにより、ステントの先端部3aの外側に配置されている折り返しカバーの内層2aが取り去られ、ステントの先端部3a側より次第に拡張させる。
図2には、折り返しカバーの内層の内側に、縮径状態のステントを有する管状器官の治療具の別の一例の断面の模式図を示す。
管状器官の治療具11は、折り返しカバー12の内層12aの内側に、縮径状態のステント13を有している。
折り返しカバー12は、両端側の径がステントを配置する部分の径より大きくなっている筒状チューブを用いている。
折り返しカバー12は、筒状チューブを1回折り返し、折り返し部12dを有し、折り返し部12dから内側の層である内層12a及び、折り返し部12dから外側の層である
外層12bの二重構造で、内層12a及び外層12bは折り返し部12dで繋がっている。筒状チューブの内層12aの長さは、筒状チューブの外層12bの長さより短く、折り返しカバーの内層12aの端部12c、外層12bの端部12eである。
図2では、折り返しカバーの内層12aと外層12bとを判り易くするために、内層12aと外層12bの間に隙間を設けて図示しているが、実際はこの隙間はほとんどなく、内層の外面と外層の内面とは大部分接している。
ステント13は、ステントの先端側13aが折り返しカバーの折り返し部12d側に、ステントの基端側13bが折り返しカバーの内層の端部12c側に、ステント全体が縮径状態又は縮径が保持されている状態で、筒状チューブの内層12aの内側に留置又は配置されている。
図2において、符号14は保持具(芯棒)である。
管状器官の治療具11は、折り返しカバーの外層12bの端部12eを、矢印18の方向(折り返し部の反対方向)に引くことにより、ステントの先端部13aの外側に配置されている折り返しカバーの内層12aが取り去られ、ステントの先端部13a側より次第に拡張することができる。
図3には、折り返しカバーの内層の内側に、縮径状態のステントを有する管状器官の治療具の別の一例の断面の模式図を示す。
管状器官の治療具21は、折り返しカバー22の内層22aの内側に、縮径状態のステント23を有している。
折り返しカバー22は、筒状チューブを1回折り返し、折り返し部22dを有し、折り返し部22dから内側の層である内層22a及び、折り返し部22dから外側の層である外層22bの二重構造で、内層22a及び外層22bは折り返し部22dで繋がっている。筒状チューブの内層22aの長さは、筒状チューブの外層22bの長さより短く、折り返しカバーの内層22aの端部22c、外層22bの端部22eである。
折り返しカバー22は、折り返しカバーの外層の端部22eに、リング25を接続している。リング25の径は、折り返しカバーの外層22bの径とほぼ同じ大きさである。
図3では、折り返しカバーの内層22aと外層22bとを判り易くするために、内層22aと外層22bの間に隙間を設けて図示しているが、実際はこの隙間はほとんどなく、内層の外面と外層の内面とは大部分接している。
ステント23は、ステントの先端側23aが折り返しカバーの折り返し部22d側に、ステントの基端側23bが折り返しカバーの内層の端部22c側に、ステント全体が縮径状態又は縮径が保持されている状態で、筒状チューブの内層22aの内側に留置又は配置されている。
図3において、符号24は保持具(芯棒)である。
管状器官の治療具21は、折り返しカバーの外層22bの端部22eに接続しているリング25を、矢印28の方向(折り返し部の反対方向)に引くことにより、ステントの先端部23aの外側に配置されている折り返しカバーの内層22aが取り去られ、ステントの先端部23a側より次第に拡張することができる。
折り返しカバー22は、両端側の径がステントを配置する部分の径より大きくなっている筒状チューブを用いることができる。
図4(1)には、折り返しカバーの内層の内側に縮径状態のステントを有し、折り返し部とステントを配置している折り返しカバーの内層の外側を紐材で引き解け結びの状態で結び、ステントを縮径状態で保持し、折り返しカバーの外層部分を折り返していない管状器官の治療具31の一例の模式図を示す。
図4(2)には、折り返しカバーの内層の内側に縮径状態のステントを配置させ、折り返し部とステントを配置している部分の折り返しカバーの内層の外側を紐材で引き解け結びの状態で結び、ステントを縮径状態で保持している管状器官の治療具31aの一例の模式図を示す。
管状器官の治療具31aは、図4(1)に示す折り返しカバーの外層部分を折り返していない管状器官の治療具31を用いて、折り返しカバー32の内層32aの内側に、縮径状態のステント33を有し、折り返しカバーの外層部分32bを折り返し部32dより、矢印37方向に1回完全に折り返すことにより得られる。
折り返しカバー32は、両端側の径がステントを配置する部分の径より大きくなっている筒状チューブを用い、折り返しカバーの内層32a、折り返し部32d及び折り返しカバーの外層32bで構成され、折り返しカバーの内層2aの端部2c、外層2bの端部2eである。
ステント33は、ステントの先端側33aが折り返しカバーの折り返し部32d側に、ステントの基端側33bが折り返しカバーの内層の端部32c側に、ステント全体が縮径状態又は縮径が保持されている状態で、筒状チューブの内層32aの内側に留置又は配置されている。
図4において、符号34は保持具(芯棒)である。
折り返しカバーの外層の端部32eに、図3に示すリング25を接続することができる。
管状器官の治療具31aは、
1)折り返しカバーの内層32aの内側に、ステント33を縮径させて挿入し、
2)紐材35を用いて、折り返しカバーの折り返し部32dと、ステントを挿入している部分の折り返しカバーの内層の外側少なくとも1カ所、又は複数箇所を、引き解け結びの結び方で結び(結び目(35a、35b、35c,35d))、折り返しカバーの外層部分を折り返していない管状器官の治療具31を作成し、
3)折り返しカバーの外層32bの端部32eを矢印37の方向に、折り返しカバーの内層32aの外側に折り返すことにより、得ることができる。
管状器官の治療具31aのステントを拡張させる場合は、
1)紐材35を矢印38の方向(折り返し部の反対方向)に引くことにより、折り返しカバーの折り返し部32dと、ステントを挿入している部分の折り返しカバーの内層の外側の引き解け結びの結び目(35a、35b、35c,35d)が、結び目(35a→35b→35c→35d)の順序で解け、
2)折り返しカバーの外層32bの端部32eを、矢印38の方向(折り返し部の反対方向)に引くことにより、ステントの先端部33aの外側の折り返しカバーの内層32aが取り去られ、ステントの先端部33a側より次第に拡張することができる。
図5には、折り返しカバーの内層の内側に、縮径状態のステントを有する管状器官の治療具の別の一例の断面の模式図を示す。
管状器官の治療具41は、折り返しカバー42の内層42aの内側に、縮径状態のステント43を有している。
折り返しカバー42の用いている筒状チューブは、柔軟性を有するチューブ(A)と、チューブ(A)より柔軟性のないチューブ(B)とを接続又ははり合わせているチューブであり、折り返しカバーの内層42aはチューブ(A)であり、折り返しカバーの外層42bの全部又は大部分がチューブ(B)である。
折り返しカバー42は、筒状チューブを1回折り返し、折り返し部42dを有し、折り返し部42dから内側の層である内層42a及び、折り返し部42dから外側の層である外層42bの二重構造で、内層42a及び外層42bは折り返し部42dで繋がっている。筒状チューブの内層42aの長さは、筒状チューブの外層42bの長さより短く、折り返しカバーの内層42aの端部42c、外層42bの端部42eである。
図5では、折り返し部42dのチューブ材質は、柔軟性を有するチューブ(A)又は、チューブ(A)とチューブ(B)との接続部である。
図5では、折り返しカバーの内層42aと外層42bとを判り易くするために、内層42aと外層42bの間に隙間を設けて図示しているが、実際はこの隙間はほとんどなく、
内層の外面と外層の内面とは大部分接している。
ステント43は、ステントの先端側43aが折り返しカバーの折り返し部42d側に、ステントの基端側43bが折り返しカバーの内層の端部42c側に、ステント全体が縮径状態又は縮径が保持されている状態で、筒状チューブの内層42aの内側に留置又は配置されている。
図5において、符号44は保持具であり、符号45はガイドワイヤーを通過させることのできるルーメンを持った保持具であり、符号46はガイドワイヤーを通過させることのできるルーメンを持った先端保護具である。
管状器官の治療具41は、折り返しカバーの外層42bの端部42eを、矢印48の方向(折り返し部の反対方向)に引くことにより、ステントの先端部43aの外側に配置されている折り返しカバーの内層42aが取り去られ、ステントの先端部43a側より次第に拡張することができる。
折り返しカバーは、端部の径が大きい筒状チューブを用いることができる。
図6(1)〜(5)には、折り返しカバーとして用いる筒状チューブの一例の断面の模式図を示す。
図6(1)の筒状チューブ51は、両端部が開口している筒状チューブである。筒状チューブ51は、内径が同じである筒状チューブの一例である。
図6(2)の筒状チューブ52は、両端部が開口している筒状チューブであり、片方の端部の内径は、他の部分より径が大きくなっている。筒状チューブ52は、片方の端部の内径がステントを留置する内径より大きい筒状チューブの一例である。
図6(3)の筒状チューブ53は、両端部が開口している筒状チューブであり、両端部の内径は、他の部分より径が大きくなっている。筒状チューブ53は、両端部の内径がステントを留置する内径より大きい筒状チューブの一例である。
図6(4)の筒状チューブ54は、片端部が開口し、他方の端部が閉塞している筒状チューブである。
図6(5)の筒状チューブ55は、片端部が開口し、他方の端部が閉塞している筒状チューブであり。開口している端部の内径は、他の部分より径が大きくなっている。
図7(1)及び図7(2)には、折り返しカバーとして用いる筒状チューブの一例の断面の模式図を示す。
図7(1)の筒状チューブ61は、両端部が開口している筒状チューブであり、全長に同じ柔軟性を有するチューブから構成されている。
図7(2)の筒状チューブ62は、両端部が開口している筒状チューブであり、柔軟性を有するチューブ(A)と、チューブ(A)より柔軟性のないチューブ(B)とを接続しているチューブから構成されている。
図8(1)〜(3)には、折り返しカバーの外層と内層の一例の断面の模式図を示す。
図8(1)の折り返しカバー71は、筒状チューブを折り返した内層71a及び外層71bの二重構造で、折り返し部71dを有し、筒状チューブの内層71aの長さは、筒状チューブの外層71bの長さより長く、折り返しカバーの内層71aの端部71c、外層71bの端部71eである。
図8(2)の折り返しカバー72は、筒状チューブを折り返した内層72a及び外層72bの二重構造で、折り返し部72dを有し、筒状チューブの内層72aの長さは、筒状チューブの外層72bの長さとほぼ同程度であり、折り返しカバーの内層72aの端部72c、外層72bの端部72eである。
図8(3)の折り返しカバー73は、筒状チューブを折り返した内層73a及び外層73bの二重構造で、折り返し部73dを有し、筒状チューブの内層73aの長さは、筒状チューブの外層73bの長さより短く、折り返しカバーの内層73aの端部73c、外層73bの端部73eである。
図9(1)〜(3)には、折り返しカバー71、72及び73の内層の内側に、縮径状態のステントを有する管状器官の治療具81、82及び83の別の一例の断面の模式図を示す。
図10(1)及び図10(2)には、折り返しカバーの外層の端部に、折り返しカバーの端部を引きやすくするために、部材を接続している折り返しカバーの一例の断面の模式図を示す。
図10(1)には、図9(2)に示す折り返しカバー72を用いて、折り返しカバーの外層72bの端部72eに、リング83を接続している折り返しカバー81を示す。
図10(2)には、図9(2)に示す折り返しカバー72を用いて、折り返しカバーの外層72bの端部72eに、紐材83を複数本接続している折り返しカバー82を示す。
図1〜図5に示す筒状チューブ又は折り返しカバーは、
1)図6(1)〜(5)に示す筒状チューブの形状、
2)図7(1)〜(2)に示す筒状チューブの構成
3)図8(1)〜(3)に示す折り返しカバーの外層と内層の長さの関係、及び
4)図10(1)〜(2)に示す折り返しカバーの外層の端部に接続する部材、などを
複数を組み合わせて得られる筒状チューブや折り返しカバーを用いることができる。
図11(1)から図11(4)には、図3に示す本発明の管状器官の治療具21を用いる動脈瘤などの治療部位へのステントの留置方法の一例を模式図で示す。
管状器官の治療具21を用いる治療部位へのステントの留置方法は、
1)図11(1)に示すように、管状器官の治療具21を、管状器官110の留置予定部位110aに挿入する。
2)図11(2)に示すように、折り返しカバー22の外層22bの端部22eに接続しているリング25を、矢印28方向(折り返し部の反対方向)に引く。
リング25を矢印28方向に引くことにより、折り返しカバーが矢印28方向に引き抜かれ、折り返しカバーの内層はステント23の先端部23a側から、内層と外層の折り返し部分(22f)より、めくれて翻転しながら引き抜かれていき、ステント23の先端部23aより次第に、縮径しているステントが拡張する。
リング25を矢印28方向に引いても、折り返しカバーの内層の端部22cはほとんど引き抜かれていないか、又は全く引き抜かれていない。この理由は、折り返しカバーの内層の外面と外層の内面との摩擦抵抗が、折り返しカバーの内層の内面と縮径状態のステントとの摩擦抵抗よりも小さいためである。
3)図11(3)に示すように、さらにリング25を、矢印28方向(折り返し部の反対方向)に引く。
リング25を引くことにより、折り返しカバーの内層が内層と外層の折り返し部分22fから内層と外層の折り返し部分22gまで、めくれて翻転しながら引き抜かれていき、縮径しているステント23が先端部側よりさらに拡張する。
リング25を矢印28方向に引いても、折り返しカバーの内層の端部22cはほとんど引き抜かれていないか、又は全く引き抜かれていない。
4)図11(4)に示すように、ステントの外側を覆っている折り返しカバーが完全に取り去られることにより、ステント23は全長にわたり拡張し、管状器官110の留置予定部位110aに留置させることができる。
図11(1)から図11(4)まで、リング25を矢印28方向に引くことにより、折り返しカバーの内層と外層の折り返し部分は、ステントの先端部側から基端部側(22d→22f→22g)に、折り返しカバーの内層がめくれて翻転しながら引き抜かれていくことにより、移動する。
図1、図2、図4及び図5に示す管状器官の治療具でも、上記と同様の方法を用いるこ
とにより、ステントを管状器官内に留置させることができる。
折り返しカバーに用いる筒状チューブは、縮径状態のステントを挿入でき、挿入後は縮径状態のステントを収容しても破れないものであればよい。
特に筒状チューブの折り返しカバーの内層部分として用いる部分は、柔軟性に優れることが必要である。
折り返しカバーの内層部分は、内層と外層の折り返し部分より、めくれて翻転できるものであり、柔軟性に優れている。
折り返しカバーは、折り返しカバーの外層の内面と内層の外面との摩擦抵抗が、折り返しカバーの内層の内面と縮径状態のステントとの摩擦抵抗より小さいことが重要である。
折り返しカバーは、内層が柔軟性に優れたチューブと、外層の大部分が内層より硬質のチューブとを接続したものを用いることができる。
折り返しカバーは、筒状チューブを折り返して得られ、折り返し部を有し、内層及び外層を有する二重構造、最内層及び最外層を有する四重構造又は八重構造、及びこれらこの構造を組み合わせているものを用いることができる。
折り返しカバー用いる筒状チューブの厚みは、取り扱い可能で、管状器官に挿入可能で、適度な機械的特性を有するものであれば良く、好ましくはその単層での厚さが5〜1000μm、さらに好ましくは8〜800μm、特に好ましくは10〜500μmの物を用いることができる。
筒状チューブは、円筒状又は円筒に近い形状であればよく、例えば、織物などの布、フィルム又はシート、メッシュを円筒状又は円筒に近い形状にしたものを用いることができる。
筒状チューブは、織物などの布、フィルム又はシートを円筒状又は円筒に近い形状に接着や熱融着などの方法によりはりあわせているもの、縫われているものなどを用いることができる。
折り返しカバーは、材質の同じ又は材質の異なる複層の筒状チューブを用いることができる。
筒状チューブは、筒状チューブの端部、好ましくは筒状チューブの(術者の手元側に相当)端部から、長さ方向に裂くことが出来るものを用いることができる。
長さ方向に裂くことができる筒状チューブを用いることにより、主幹と枝管からなるような分岐形状を持つステントであっても利用可能である。また、手元に十分な距離がない場合であっても、手元でカバーを裂くことによって最後まで折り返しカバーを引き抜くことができる(意図した場所でステントの放出ができる)。
裂くことが出来るような構造は、端部に切れ込みを入れておく、キリトリ線を入れておく、延伸フィルムや平織りの布などのように強度に異方性もつ素材を用い裂けやすい方向を軸方向あるいは目的とする方向に設定しておく、などがあげられる。
筒状チューブの材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフイン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂、シリコーン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることが出来る。
特に筒状チューブの材質は、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応が少なく、柔軟で、表面の摩擦抵抗が小さなポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂、ポリエチレン、エチレン・α−オレフイン共重合体などのポリオレフィンなどを好ましく用いることができる。
筒状チューブは、エンボス加工されているチューブを用いることが好ましい。
エンボス加工された筒状チューブを得る方法としては、公知のチューブ又はフィルムにエンボス加工できる成形方法や成形機を用いて成形したものを用いることが出来、例えば、Tダイ成形、インフレーション成形、カレンダー成形などの成形加工方法で、チューブ又はフィルムを製膜した後、エンボスロールを備えたエンボス加工機を用いて成形しても良いし、Tダイ成形、カレンダー成形など溶融された樹脂をロールにて冷却固化する成形方法では、チルロール(冷却ロール)に金属製などのエンボスロールを使用しバックアップロールで押し付けることにより、チューブ成形又はフィルム成形とエンボス加工とを同時に行うことができる方法を用いることが出来る。
エンボスの形状としては、格子模様、紋(梨地)模様、台形模様、絹目模様、凹凸状、いずれであっても良い。
特にエンボスの形状としては、半透明の梨地模様が好ましい。
筒状チューブは、熱可塑性樹脂を押出し成形、ブロー成形などの成形方法で円筒状に形成したもの、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の不織布、円筒状に形成した可擁性樹脂のシートや多孔質シートなどを用いることができる。さらに、編織物としては、平織、綾織などの公知の編物や織物を用いることができる。
筒状に加工する方法としては、熱融着や縫合などの既知の方法を用いることができる。
筒状チューブは、継ぎ目のない筒状の構造体であることが好ましいが、継ぎ目があっても良い。
筒状チューブは、特に円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、さらに円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の平織の織物が、強度及び有孔度、生産性に優れるために好ましい。
折り返しカバーの内層の内側の内径は、ステントを縮径状態で挿入でき、収容できる径であり、ステントの留置時の外径より小さい径である。
折り返しカバーの内層の長さは、ステント全体を収容できる長さであり、ステントの長さより長いことが好ましい。
筒状チューブは、柔軟性を有するチューブ(A)と、チューブ(A)より柔軟性のないチューブ(B)とを、縫合、融着、接着などの方法で接続しているチューブを用いることができる。
引き解け結びに用いる紐材は、人体に影響を与えない素材もので、折り返しカバー内に収容されている縮径状態のステントを、縮径保持できる機械的特性を有するものであれば、どのような紐材でも用いることができる。
紐材の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフイン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエテレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂、シリコーン樹脂などの熱可塑性樹脂、および絹糸や木綿糸などの天然素材からなるものを用いることが出来る。
特に紐材の材質は、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応が少なく、柔軟で、程度な強度を有するポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂、ポリエチレン、エチレン・α−オレフイン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミドなどを好ましく用いることができる。
ステントは、縮径し、縮径保持可能な自己拡張型のステントであればどのような構造の物でも用いることが出来る。ジグザグ状の線材からなる筒状構造体、1又は複数の線材の編物、織物又は組物、或いはこれらを複数組み合わせた筒状の構造体、金属製の筒状の構造体をレーザー加工などで加工した筒状構造体などを用いることが出来る。
ステントに用いる線材及び金属製の筒状の構造体の材料としては、ステンレス、タンタル、チタン、白金、金、タングステンなど、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などの形状記憶合金などの金属線材などを用いることが出来る。用いる金属の表面に金、白金などをメッキ等の手段で被覆したものも用いることが出来る。
ステントに用いる線材及び金属製の筒状の構造体の材料としては、熱処理による形状記憶効果や、超弾性が付与される形状記憶合金を好ましく用いることが出来る。
ステントに用いる線材の太さは、特に限定されないが、例えば血管用ステント等の場合には、0.08〜1mmが好ましい。
ステントに用いる金属製の筒状の構造体の厚さは、特に限定されないが、例えば血管用ステント等の場合には、0.08〜1mmが好ましい。
ステントに用いる線材及び金属性の筒状の構造体の材料が、中空のパイプ状となっていてもよい。また、その内部に金、白金などの放射線の透過しにくい金属が充填されていてもよい。
ステントは、内面及び/又は外面の一部又は全部にステント用カバーを設けているものを用いることができる。
ステント用カバーは、熱可塑性樹脂を押出し成形、ブロー成形などの成形方法で円筒状に形成したもの、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の不織布、円筒状に形成した可擁性樹脂のシートや多孔質シートなどを用いることができる。さらに、編織物としては、平織、綾織などの公知の編物や織物を用いることができる。
またステント用カバーは、クリンプ加工などのヒダの付いたものを使用することもできる。
ステント用カバーは、継ぎ目のない筒状の構造体であることが好ましい。
ステント用カバーは、特に円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、さらに円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の平織の織物が、強度及び有孔度、生産性に優れるために好ましい。
ステント用カバーは、ステントの一部又は全部に接続させることができる。筒状カバーをステントに連結させる方法としては、縫い付ける方法、接着剤を用いて付ける方法、熱可塑性樹脂などでは融着させる方法などを挙げることが出来る。
ステント用カバーの材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフイン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエテレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂、シリコーン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂を用いることが出来る。
特にステント用カバーの材質は、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂を好ましく用いることができる。
ステント用カバーは、ステントと、1又は複数の部分で固定されていてもよい。
折り返しカバーの外層の端部に接続するリングは、硬質又はやや硬質な樹脂、或いは金属からなるもの、又はこれらを組み合わせているものなどを用いることができる。リングは、折り返しカバーなど同質の材料からなることが好ましい。
リングを折り返しカバーに接続する方法としては、接着、融着、挟み込み、縫い付け、ピン止めなど、既知の方法を用いることができる。
筒状カバーやステント用カバー、筒状カバーやステント用カバーを構成する繊維など及びステントを構成する線材や金属製の筒状の構造体は、ヘパリン、コラーゲン、アセチルサリチル酸、ゼラチンなどの生体適合性のある材料で被覆処理されているものを用いることができる。
ステントの適当な場所、例えばステントや筒状カバーの両端部、縮径保持部の先端部や起端部には、X線不透過材料が回着されていてもよい。X線不透過材料としては、例えば金、白金、イリジウム、タンタル、タングステン、銀などや、それらを含有する合金などが好ましく使用される。X線不透過材料は、ステントに半田付け、ろう付け、溶着、接着、カシメなどの手段で固着することができる。また、脱落しなければ、リングあるいはコイル状として、ステントのワイヤに通して絡めておくだけでもよい。
本発明の管状器官の治療具は、例えばステントを血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状器官内に挿入するため管状器官の治療具である。
本発明の管状器官の治療具は、カテーテルやシースに挿入して用いることができる。
本発明の管状器官の治療具は、動脈瘤、狭窄部などの管腔の狭窄部や損傷部などの治療に用いることができる。
管状器官の治療具の一例を示す模式図である。 管状器官の治療具の別の一例を示す模式図である。 管状器官の治療具の別の一例を示す模式図である。 管状器官の治療具の別の一例を示す模式図である。 筒状カバーを折り返す前の管状器官の治療具の一例を示す模式図である。 筒状カバーの一例を示す模式図である。 筒状カバーの一例を示す模式図である。 折り返しカバーの一例を示す模式図である。 図8の折り返しカバーを用いる管状器官の治療具の一例を示す模式図である。 折り返しカバーの別の一例を示す模式図である。 図3に示す管状器官の治療具を用いるステントの留置方法を示す模式図である。
符号の説明
1,11,21,31a,41:管状器官の治療具、
2,12,22,32,42,71,72,73,81,82:折り返しカバー、
3,13,23,33,43:ステント、
35:紐材、
25,83:リング。

Claims (8)

  1. 折り返しカバーの内層の内側に、縮径状態のステントを有する管状器官の治療具であり、
    ・折り返しカバーは、筒状チューブを少なくとも1回折り返した、少なくとも内層及び外層を有する構造で、折り返し部を有しており、
    ・縮径状態のステントは、ステントの先端側が折り返しカバーの折り返し部側に配置されていることを特徴とする管状器官の治療具。
  2. 縮径状態のステントは、折り返しカバーの折り返し部と折り返しカバーの内層の端部との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の管状器官の治療具。
  3. 筒状チューブの少なくとも1つの端部の内径は、ステントを留置している折り返しカバーの内層の内径より大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管状器官の治療具。
  4. 折り返しカバーの折り返し部又はその近傍が、紐材により引き解け結びの状態で結ばれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の管状器官の治療具。
  5. 折り返しカバーの折り返し部又はその近傍と、縮径状態のステントを配置している折り返しカバーの内層の外側とが、紐材により引き解け結びの状態で結ばれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の管状器官の治療具。
  6. 折り返しカバーは、外層の端部から長さ方向に裂ける折り返しカバーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の管状器官の治療具。
  7. 筒状チューブは、柔軟性を有するチューブ(A)と、チューブ(A)より柔軟性のないチューブ(B)とを接続しているチューブであり、
    折り返しカバーの内層はチューブ(A)であり、折り返しカバーの外層の全部又は大部分がチューブ(B)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管状器官の治療具。
  8. 請求項1〜7に記載の管状器官の治療具を用いるステントの留置方法であり、
    ・折り返しカバーの外層の端部を折り返し部の反対方向に引いて、
    ・折り返しカバーの内層を外層に翻転させながらカバーを引き抜くことにより、
    ・縮径状態のステントの先端部よりステントを拡張させ、
    ・ステントを管状器官内に留置させることを特徴とする管状器官の治療具を用いたステントの留置方法。

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